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技術 被検体情報取得装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 田中孝敏阿部直人
出願日 2018年11月19日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2018-216861
公開日 2019年2月14日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2019-022808
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 後保持部材 移動半径 手動入力モード 高分解能領域 対比情報 渦巻き形 高感度領域 多次元配列
関連する未来課題
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図面 (17)

課題

被検体情報取得装置の全測定に多くの時間を要する課題があった。

解決手段

本発明の一様態は、音響波を受信して受信信号を出力する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材とを備える受信器と、前記受信器を移動させるように構成された移動機構と、前記移動機構に駆動信号を入力する制御部と、を備え、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置され、前記制御部は、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更するように、前記移動機構を制御するように構成されている被検体情報取得装置に関する。

概要

背景

昨今、光音響効果を利用した光音響トモグラフィー(PAT:Photo Acoustic Tomography)の診断装置の開発が進められている。この装置では、Nd:YAGレーザパルス光源照明光近赤外光)を対象物照射し、その時、対象物内部で光音響効果により発生する音響波を2次元もしくは3次元配列変換素子トランスデューサ)で受信し、画像を生成して表示する。

従来の光音響装置の一例として、特許文献1のように装置の凹部に被検部位を挿入し、被検体周辺を変換素子を有する受信器が円を描くように走査して被検体内部を観察する装置が開示されている。

概要

被検体情報取得装置の全測定に多くの時間を要する課題があった。 本発明の一様態は、音響波を受信して受信信号を出力する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材とを備える受信器と、前記受信器を移動させるように構成された移動機構と、前記移動機構に駆動信号を入力する制御部と、を備え、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置され、前記制御部は、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更するように、前記移動機構を制御するように構成されている被検体情報取得装置に関する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

音響波を受信して受信信号を出力する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材とを備える受信器と、前記受信器を移動させるように構成された移動機構と、前記移動機構に駆動信号を入力する制御部と、を備え、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置され、前記制御部は、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更するように、前記移動機構を制御するように構成されていることを特徴とする被検体情報取得装置

請求項2

被検部位に関する情報を入力できるように構成された入力部を更に備え、前記制御部は、前記入力部からの入力された前記被検部位に関する情報に基づいて、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更するように、移動機構を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。

請求項3

前記制御部が、前記走査軌道の大きさおよび形状のデータ、前記受信器の位置データ、及び前記入力部からの情報を保存可能に構成された記憶部と、前記記憶部に保存されているデータに基づいて、前記受信器の移動量または測定開始位置を求める演算部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の被検体情報取得装置。

請求項4

前記制御部は、前記演算部により求められた結果に基づいた前記駆動信号を前記移動機構に入力することを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。

請求項5

前記制御部は、前記移動機構により前記受信器が測定開始位置に移動すると、光源に光の出射を開始する駆動信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。

請求項6

被検部位を検出する被検部位検出部を有し、前記制御部は、前記被検部位検出部からの出力に基づいて、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更するように、前記移動機構を制御するように構成されていることを特徴とした請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。

請求項7

光を生成する光源と、前記光源から導かれた光を出射する光照射部と、を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。

請求項8

前記光照射部が前記支持部材に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の被検体情報取得装置。

請求項9

前記光照射部を移動するように構成された光照射部移動機構を有し、前記光照射部移動機構は、光照射する位置を被検部位毎に変更するように構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の被検体情報取得装置。

請求項10

被検部位を挿入する開口を複数有する被検体支持部材を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。

請求項11

それぞれ被検部位を保持するように構成された保持部材を複数有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。

請求項12

前記複数の被検部位保持部材に対応して前記受信器を複数有することを特徴とする請求項11に記載の被検体情報取得装置。

請求項13

前記制御部は、前記複数の受信器の走査軌道の回転方向および位相が一致した状態で、前記複数の受信器が音響波の受信を行うよう、前記移動機構を制御することを特徴とした請求項12に記載の被検体情報取得装置。

請求項14

前記制御部は、前記複数の受信器の走査軌道の回転方向を互いに逆転し、位相が180度ずれた状態で、前記複数の受信器が音響波の受信を行うよう、前記移動機構を制御することを特徴とする請求項12に記載の被検体情報取得装置。

請求項15

第1の被検部位からの音響波を受信器が受信する工程と、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更する工程と、第2の被検部位からの音響波を前記受信器が受信する工程と、を有し、前記受信器は、被検部位からの音響波を受信する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材を有し、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の指向軸が集まるように支持部材に配置されている、被検体情報取得方法

技術分野

0001

本発明は、被検体情報取得装置に関する。具体的には、例えば光音響効果により発生した音響波を測定するための光音響装置に関する。光音響装置としては、生体胸部観察に利用される光音響装置等がある。

背景技術

0002

昨今、光音響効果を利用した光音響トモグラフィー(PAT:Photo Acoustic Tomography)の診断装置の開発が進められている。この装置では、Nd:YAGレーザパルス光源照明光近赤外光)を対象物照射し、その時、対象物内部で光音響効果により発生する音響波を2次元もしくは3次元配列変換素子トランスデューサ)で受信し、画像を生成して表示する。

0003

従来の光音響装置の一例として、特許文献1のように装置の凹部に被検部位を挿入し、被検体周辺を変換素子を有する受信器が円を描くように走査して被検体内部を観察する装置が開示されている。

先行技術

0004

特許第4341987号公報

発明が解決しようとする課題

0005

被検体情報取得装置において、被検体や被検部位が変わると、情報を取得したい領域の装置に対する位置も変わる。例えば、一般に乳癌診断において、術者が観察したいのは乳房と脇の下にある腋窩と呼ばれる領域を合わせた領域である(図3参照)。従って術者が情報を取得したい領域の形状や中心は左右乳房間で異なる。左乳房を観察する場合と右乳房を観察する場合を比較すると、それぞれの情報取得領域の中心はお互いに左右にオフセットした位置に存在する。しかし、特許文献1が開示している装置は、受信器の走査軌道回転中心が一定であるため、左右乳房間の情報取得領域の変化を考慮し、両方の情報取得領域を包含するよう、予め情報取得領域を大きく設計する必要がある。この結果、全測定に多くの時間を要する課題があった。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一様態は、音響波を受信して受信信号を出力する複数の変換素子と、前記複数の変換素子が配置される支持部材とを備える受信器と、前記受信器を移動させるように構成された移動機構と、前記移動機構に駆動信号を入力する制御部と、を備え、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の指向軸が集まるように、支持部材に配置され、前記制御部は、前記受信器の走査軌道の中心位置を変更するように、前記移動機構を制御するように構成されている検体情報取得装置に関する。

発明の効果

0007

本発明に係る被検体情報取得装置によれば、全測定に要する時間を短縮することができる。

図面の簡単な説明

0008

被検体情報取得装置の概念図である。
本発明の受信ユニットの概念図である。
乳癌診断における診断領域の概念図である。
測定時の被検者の位置を示す概念図である。
測定時の被検者の位置を示す概念図である。
受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。
受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。
受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。
被検体情報の取得フローを示す図である。
測定時の被検者の位置を示す概念図である。
図8におけるA−A’断面から見た被検体情報取得装置の概念図である。
被検体情報の取得フローの一例を示す図である。
受信器の走査軌道の一例を示す概念図である。
測定時の被検者の位置を示す概念図である。
図12におけるB−B’断面から見た被検体情報取得装置の概念図である。
受信器の走査軌道を示す概念図である。

実施例

0009

以下に図面を参照し、本発明の実施の形態の例について説明する。ただし、本発明は、この発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、これに限定されるものではない。

0010

なお、本明細書において、受信器の走査とは、受信器が音響波を受信しながらの移動だけでなく、受信器が音響波を受信せずに移動することも含む。また、本明細書において、測定とは、受信器が被検体内で発生した音響波を受信することを指す。また、本明細書において、走査軌道とは、測定中に移動する受信器の位置の軌跡のことを指す。また、走査軌道の中心とは、走査軌道の外周を結んで形成される領域の重心のことを指す。また、本明細書において、被検体情報取得領域とは、音響波の受信信号に基づいて被検体情報が生成される領域のことを指す。

0011

また、本明細書において、被検体情報としては、音響波の初期音圧分布光エネルギー吸収密度分布吸収係数分布、および被検体を構成する物質濃度分布などがある。物質の濃度とは、酸素飽和度オキシヘモグロビン濃度デオキシヘモグロビン濃度、および総ヘモグロビン濃度などである。総ヘモグロビン濃度とは、オキシヘモグロビン濃度およびデオキシヘモグロビン濃度の和である。

0012

(実施の形態1)
図1は本発明の被検体情報取得装置の概念図である。本実施の形態では、受信器を移動させ、被検部位である乳房からの音響波の受信を行う被検体情報取得装置を例として説明する。被検者(被検体)は、被検体支持部である寝台1の上に伏臥位姿勢をとり、被検部位である乳房を下垂させて乳房挿入口13(開口)に挿入する。乳房挿入口13には乳房を保持する保持部材11(被検部位保持部材)が設置されている。寝台1と保持部材11の接触部分には、被検部位検出部12(対象乳房検出部)を有し、被検体情報取得の対象となる乳房の種類(例えば、右乳房か左乳房か)についての情報を取得する。

0013

制御部2は、入力部8(対象乳房入力部)の入力に応じて、受信ユニット3、信号処理部4、画像生成部6、表示部7の制御方法を調整する。制御部2は、入力部8から入力された情報に基づいて走査軌道の中心位置を設定する。また、制御部2は、入力部8から入力された情報に基づいて被検体情報取得領域を設定することができる。

0014

信号処理部4は、受信された音響波の受信信号に対してAD変換を行い、デジタル化された受信信号を生成する。画像生成部6は、受信信号に基づいて2次元もしくは3次元の光音響画像を生成し、表示部7に生成された光音響画像を表示させる。

0015

なお、画像生成部6は、受信信号に対して画像再構成アルゴリズムに基づく処理を施すことにより被検体情報を取得することができる。例えば、被検体情報を取得するための画像再構成アルゴリズムとしては、トモグラフィー技術で通常に用いられるタイムドメインあるいはフーリエドメインでの逆投影などが用いられる。なお、再構成の時間に多くを有することが可能な場合は、繰り返し処理による逆問題解析法などの画像再構成手法を用いることもできる。

0016

本明細書において処理部は、信号処理部4および画像生成部6を含む概念である。なお、信号処理部4または画像生成部6の演算部は、典型的にはCPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。

0017

本実施の形態の被検体情報取得装置は、左右両乳房の測定を連続して行う。術者は、入力部8を用いて測定前に、乳房の種類、位置、形状等の情報を被検部位に関する情報として入力する。制御部2は、乳房の種類、位置や形状等の情報を、被検部位検出部の検出結果を用いて取得してもよい。また、制御部2が、制御部2が有する記憶部に予め記憶された、前記乳房の種類に対応する設定値を用いるように構成されていてもよい。例えば、術者により左右どちらか一方の乳房における被検部位に関する情報が入力された場合、他方の乳房の測定については、制御部2が、制御部2内の記憶部に予め記憶された、前記一方の乳房に対応する乳房の設定値を用いるように構成されていてもよい。この場合、前記他方の乳房における被検部位に関する情報は、制御部2によって、自動で設定される。また、術者により前記乳房の種類が入力されると、制御部2が、制御部2内の記憶部に予め記憶された、入力された乳房の種類に対応するその他の被検部位に関する情報を取得してもよい。

0018

入力部8は、被検部位に関する情報を制御部2に入力するように構成されている。入力部8は、例えば術者が入力ボタン(不図示)、マウスキーボード等を用いて、直接情報を入力部8に入力する構成としてもよい。また、入力部8は、被検部位検出部12の出力が入力されることで、被検部位(対象乳房)の種類が自動入力される構成としてもよい。この構成とすることにより、術者が直接乳房の種類を入力する必要がなく、術者の入力ミスによる誤った被検部位情報の取得を防ぐことができる。更に、入力部8は、術者が情報を直接入力すること(手動入力モード)も、被検部位検出部12の出力が入力されること(自動入力モード)も可能に構成され、2つのモードを切り替えられるように構成されていてもよい。

0019

被検部位検出部12(対象被検部位検出部)は、例えば、機械的、電気的、光学的手段により設置された保持部材11もしくは被検部位(本実施の形態では、被検者の乳房そのもの)の形状、位置毎に異なる電気信号を制御部2に送る。機械的手段による検出とは、保持部材11に突起を設け、マイクロスイッチをON、OFFするかを判別することにより、保持部材11の種類を判別するものである。電気的検出手段は、保持部材11に電気接点を設け、電気接点が接触して導通しているか否かを判別する手段である。光学的検出手段とはカメラ画像を用いて保持部材11もしくは被検者の乳房の種類を検出する検出手段である。

0020

保持部材11(被検部位保持部材)は、被検部位を保持するように構成されている。本実施の形態において、保持部材11は、被検部位(本実施の形態では乳房)を保持しやすいようにお椀型の形状である。完全な球面を有する必要はなく、乳房および腋窩部の形状にマッチした形状であればよい。保持部材11は、左右乳房毎に形状が異なり、乳房の大きさに応じて複数のサイズがあることが好ましい。

0021

保持部材11は超音波を透過しやすいように薄く(0.1〜0.5mm)、光を透過する透明の部材であり、被検者の体重に耐えうる強度を有する部材で構成されることが好ましい。このような特性を有する保持部材11の材料としてPET(ポリエチレンテレフタレート)が好適である。

0022

なお、保持部材11は、被検部位の形状に倣って変形可能な部材であってもよい。例えば、保持部材11に典型的な乳房のヤング率よりも小さいヤング率の材料で構成されたシート状の部材などを採用してもよい。

0023

保持部材11と乳房の間は、超音波が透過しやすいように整合材(不図示)で充填されることが好ましい。整合材の例としては水、ゲルジェル等が挙げられる。

0024

光源5は被検体の被検部位(例えば乳房)に光エネルギーを供給し、音響波を発生させる。被検体が生体の場合、光源5からは生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長の光を照射する。例えば、光源は、近赤外光を被検部位に照射する。光源は、本実施形態の光音響装置と一体として設けられていてもよいし、光源を分離して別体として設けられていてもよい。

0025

光源としては数ナノから数百ナノ秒オーダーパルス光照射光として発生可能なパルス光源が好ましい。具体的には効率的に音響波を発生させるため、10〜100ナノ秒程度のパルス幅が使われる。光源としては高出力が得られるためレーザが好ましいが、レーザのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザとしては、固体レーザガスレーザーファイバーレーザー色素レーザ半導体レーザなど様々なレーザを使用することができる。照射のタイミング、波形、強度などは不図示の光源制御部によって制御される。本発明において、使用する光源の波長は、乳房内部まで光が伝搬する波長を使うことが望ましい。具体的には500nm以上1200nm以下である。

0026

図2は本発明の受信ユニットの概念図である。受信ユニットは、光源5から供給され、導光手段51により導かれたパルス光を乳房に照射する光照射部31、乳房から発生した音響波(超音波)を受信する受信器32、及び乳房の保持状態を観察する為のカメラ33を有する。また、光照射部31、受信器32、及びカメラ33を移動させる移動機構34を有する。光照射部31は、例えば、乳房に正対する位置に配置され、乳房にパルス光を照射する。熱膨張により発生した光音響波を受信器32で受信する。受信器32と保持部材11の間は整合材35で充填されている。整合材35には空気と比較して音響インピーダンス人体に近い水などが用いられる。

0027

受信器32は、音響波を受信する複数の変換素子321と、前記複数の変換素子が配置される支持部材322(変換素子支持部材)を有する。典型的に変換素子の受信面法線方向に対して受信感度が最も高く、入射角度が大きくなるほど受信感度が低くなる。本明細書においては、変換素子の最も受信感度の高い方向に沿った軸を「指向軸」と呼ぶ。本実施の形態において、受信器32では、支持部材322に、光音響波を受信する複数の変換素子321が、それらのうち少なくとも一部の変換素子の受信面がそれぞれ異なる角度となるように設けられている。本実施の形態において、支持部材322に、光音響波を受信する複数の変換素子321が、前記複数の変換素子の少なくとも一部の指向軸が集まるように設けられている。

0028

前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の受信感度の高い方向が、前記複数の変換素子の他の変換素子の受信感度の高い方向と異なり、かつ前記一部の変換素子の受信感度の高い方向がある領域に向かうように、支持部材に配置される。ここで、ある領域とは、複数の変換素子が、前記複数の変換素子の受信感度が高い方向が前記ある領域に向かっている場合に、前記受信感度が高い方向が平行である場合に比べて、前記ある領域から発生した音響波をより高感度に受信することができる領域である。

0029

これにより、前記複数の変換素子の、前記受信感度の高い方向が平行である場合と比べて、前記ある領域からの音響波に基づいて作成される、前記ある領域関する画像の分解能を高くすることができる。

0030

したがって、前記複数の変換素子は、少なくとも、受信感度が高い方向が互いに異なり(非平行であり)、かつ、ある領域に向かうように、支持部材に配置された第1の変換素子及び第2の変換素子を有していればよい。

0031

また、前記複数の変換素子は、少なくとも、受信感度が最も高い方向が互いに異なり、かつ、ある領域に向かうように、支持部材に配置された第1の変換素子及び第2の変換素子を有していてもよい。つまり、前記複数の変換素子は、そのうちの一部の変換素子の最も受信感度の高い方向が、前記複数の変換素子の他の変換素子の最も受信感度の高い方向と異なり、かつ前記一部の変換素子の最も受信感度の高い方向がある領域に向かうように、支持部材に配置されていてもよい。ここで、ある領域とは、複数の変換素子が、前記複数の変換素子の最も受信感度が高い方向が前記ある領域に向かっている場合に、前記最も受信感度が高い方向が平行である場合に比べて、前記ある領域から発生した音響波をより高感度に受信することができる領域である。

0032

複数の変換素子がこのように配置されていることで、前記ある領域からの音響波に対する受信器の受信感度をより高いものとすることができる。また、これにより、前記最も受信感度の高い方向が平行である場合と比べて、前記ある領域からの音響波に基づいて作成される、前記ある領域に関する画像の分解能を、より高くすることができる。

0033

複数の変換素子を、受信感度が所定レベルより高い方向をある領域に向けることで、その領域に対応する画像を高分解能化することができる。本明細書ではこのように、高感度で受信することができる領域を高感度領域と呼び、高感度領域は結果的に高分解能領域となる。なお、本明細書において高分解能領域は、最高分解能の点から最高分解能の半分の分解能となる範囲までの領域を指す。具体的には、下記式(1)における直径rが高分解能領域の直径を示す。

0034

0035

Rは許容できる分解能、RHは最高分解能、r0は音響検出素子を配置する球の直径、Φdは第1変換素子101の直径である。ここで、Rの許容できる分解能として、本明細書では、最高分解能の半分の分解能とする。

0036

変換素子321は、音響波を受信し、アナログ信号である電気信号に変換するものである。本明細書において受信信号とは、変換素子から出力されたアナログ信号も、AD変換後デジタル信号も含む。圧電現象を用いた変換素子(トランスデューサ)、光の共振を用いた変換素子、容量の変化を用いた変換素子など音響波を検出できるものであれば、どのような素子を用いてもよい。本実施形態において、変換素子321は受信器32に複数配置される。このような多次元配列素子を用いることで、同時に複数の場所で音響波を受信することができ、受信時間を短縮できる。例えば、複数の変換素子321は、支持部材322の半球状の内面に沿って、3次元スパイラル状に配置される。

0037

支持部材322は複数の変換素子321を支持する部材である。支持部材322の形状は、上記複数の変換素子の配置を可能とする形状であることが好ましい。すなわち、音響波に対する受信感度の観点から、支持部材322は、被検部位(乳房)を取り囲む閉曲面上に複数の変換素子321が配置されるように、複数の変換素子321を支持することが好ましい。例えば、受信器32は、複数の変換素子321の受信感度の最も高い方向(指向性)が、球の中心に向くように、複数の変換素子321が球面上に配置されると、中心の受信感度は最も高くなる。しかし、乳房を取り囲むすべての閉曲面上に複数の素子を配置することは困難である。

0038

そこで、例えば、支持部材が凹部を有し、前記凹部の凹面に沿って複数の変換素子が配置されていてもよい。

0039

前記凹面は、曲面でもよく、複数の平面から成っていてもよいが、前記曲面(前記凹面が複数の平面から成る場合は、近似曲面)の曲率中心が、上記ある領域(高感度領域)に位置する曲面であることが好ましい。また、曲面が、前記曲面に沿って複数の変換素子321を並べた場合に、前記複数の変換素子の少なくとも一部の変換素子の指向軸が、交差するような形状であることが好ましい。さらに、凹面の形状は、複数の変換素子321のうち、隣り合う変換素子の受信感度が最も高い方向に垂直な面同士がなす角が、0より大きく180度より小さくなる形状であることが好ましい。

0040

支持部材322の凹面が、このような形状であることで、支持部材322に配置された複数の変換素子321の受信感度の指向軸が前記ある特定の領域に集まるため、前記ある領域からの音響波に対する受信器32の受信感度を高感度とすることができる。

0041

具体的には、支持部材322が球面を有し、複数の変換素子321を前記球面に沿って並べることができる。ここで、球面とは、真球の面以外の球面も含む。つまり、半球面等の開口がある球面を含む。また、球面とみなせる程度の表面上の凹凸がある面や、球面とみなせる程度の楕円体楕円を3次元へ拡張した形であり、表面が2次曲面から成る形)の面も含む。

0042

支持部材322の形状は、支持部材322に設けられた複数の変換素子の最も受信感度が高い方向が、被検部位内のある領域に向かうような形状であることが好ましい。ここで、前記ある領域とは、上述のように、複数の変換素子が平行に配置された場合より、受信器32のある領域からの音響波に対する受信感度が高くなるような領域である。被検体情報取得装置が被検部位保持部材を有する場合は、前記ある領域が、測定時に、被検部位保持部材の被検部位挿入領域内に位置することが可能となるように、支持部材322の形状及び複数の変換素子321の配置を設定することが好ましい。

0043

また、本実施の形態のように半球状の支持部材322の内側に複数の変換素子321の受信面が配置されるよう、複数の変換素子321を支持部材322に配置することが好ましい。ここで、半球状とは、球を正確に半分にした形状だけでなく、球の一部を除去した形状も含む。また、球とは、真球だけでなく、表面が球面とみなせる程度の表面上の凹凸がある面や、球面とみなせる程度の楕円体(楕円を3次元へ拡張した形であり、表面が2次曲面から成る形)も含む。

0044

また、支持部材322上の複数の変換素子321の配置の方法はk空間上で等間隔にサンプリングできる配置とすることが好ましい。ここで、実空間におけるデータをフーリエ変換することでk空間におけるデータを得ることができる。すなわち、実空間の座標位置座標(x,y,z)であり、k空間(kx,ky,kz)での軸は空間周波数である。

0045

例えば、複数の変換素子321は、特許文献1に記載されたようなスパイラル状に配置することが好ましい。なお、所望の高分解能領域を形成することができるように複数の変換素子321を配置できる限り、支持部材322の形状はどのようなものでもよい。

0046

さらに支持部材322に光照射部31を配置していることが好ましい。これにより、音響波の受信位置と光の照射位置との関係が一定に保たれるため、より均質な光音響波情報を取得することができる。乳房へ照射できる照射面積は、American National StandardsInstitute(ANSI)の規格で制限される。そのため、乳房内への伝搬する光量を増加させるためには、照射強度と照射面積を大きくすることが好ましいが、光源のコストなどの観点から照射面積は制限される。

0047

また、変換素子の指向性から受信感度が小さい領域へ光を照射しても光量の利用効率が低い。そのため、乳房全体へ光照射することは効率的ではない。つまり、受信器32の受信感度の高い領域にのみ光照射すれば効率が良いため、受信器32とともに光も移動することが望ましい。例えば、被検体情報取得装置が、更に、光照射部を移動させる光照射部移動機構(不図示)を有していてもよい。前記光照射部移動機構は、第1の被検部位(左乳房)からの音響波の受信を行う際の光照射部の位置と、第2の被検部位(右乳房)からの音響波の受信を行う際の前記光照射部の位置を変更するように構成されている。

0048

移動機構34は、受信器32を移動するように構成され、例えば、XY平面内を2次元走査可能な2軸移動機構である。また、ここでは2軸移動機構を説明しているが、移動機構34は、XYZ方向に3次元走査可能な3軸移動機構であってもよい。移動機構34は、例えば、ステージ(不図示)、リニアガイド(不図示)、送りネジ機構(不図示)、およびモーター(不図示)等を組み合わせて構成されている。

0049

図1では、光源5から照射された光は、レンズミラーなどの光学部品により、所望の光分布形状に加工されながら被検体に導かれる。また、光源5から照射された光は、光ファイバやそれを束ねバンドル光ファイバ鏡筒にミラーなどを組み込んだArticulating armなどの光導波路などを用いて伝搬させることも可能であり、それらも導光手段51とみなされる。その他の導光手段51は、例えば、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、光を拡散させる拡散板などである。

0050

このような光学部品は、光源から発せられた光が乳房に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が被検体における音響波を受信できる領域を広げられるという観点で好ましい。また、光源5から所望のパルス光が乳房へ直接出射可能な場合、光音響装置は導光手段51を備えていなくてもよい。

0051

図3は、本実施形態の被検体情報取得装置が被検体情報を取得する領域、すなわち被検体情報取得領域の概念図である。乳癌診断における診断領域は、被検者の脇下の部分(腋窩)を含む領域である。本実施形態の被検体情報取得装置は、この診断領域を含む領域を被検体情報取得領域として設定し、その領域に応じた走査軌道を設定することができる。診断領域は、被検者毎に形状、大きさ、位置等が異なる。さらに、診断領域は、左右乳房で概ね左右対称であるものの同一ではない。あらゆる乳房の診断領域を網羅するために走査軌道を大きく設定すると、全測定時間が長くなって、被検者の体力負荷が増加したり、不要な領域のデータの取得量が増加したりする。従って、被検部位毎(乳房毎)に走査軌道の中心位置を設定できることが好ましい。

0052

また、本実施形態のように複数の変換素子321を支持部材322に配置した場合、高感度領域は、複数の変換素子321を平行に配置した場合に比べて小さくなる。したがって、不要な領域に高感度領域が一致した状態となる位置に受信器32が走査されるのを低減することで、より効率よく、被検部位に関する音響波の受信を行うことができる。

0053

制御部2は、例えば、受信器32の位置を検知するセンサー部14(図1)の出力に基づいて、受信器32の移動量を求め、移動機構34に出力する受信器32を移動させるための駆動信号を生成するよう構成されていてもよい。

0054

センサー部14は、例えば移動機構34に設けられ、受信器32の位置または移動量を検知し、制御部2に出力する。制御部2は、記憶部2B及び演算部2Aを有する。記憶部2Bは、受信器32の走査軌道の大きさや形状、センサー部14が検知した受信器32の位置データ、及び入力部8から出力されたデータ等が保存可能に構成される。演算部2Aは、記憶部2Bに保存されているデータを用いて受信器32の走査軌道及びその中心位置を設定し、受信器32を測定開始位置に移動させるための、受信器32の移動量または測定開始位置データを求める。制御部2は、演算部により求められた結果に基づいて、受信器を移動させるための駆動信号を移動機構34に出力する。これによって、受信器32は、移動機構34によって測定開始位置に移動される。上述のようにして、制御部2は、入力部8からの入力データに基づいて、受信器32の走査軌道の中心を変更するように、移動機構34を制御するように構成されている。

0055

演算部2Aは走査軌道およびその中心位置を算出するのではなく、入力された情報に対する記憶部2Bに保存された走査軌道やその中心位置対比情報(テーブル)に基づいて走査軌道の中心や受信器32の移動量、測定開始位置等を制御する駆動信号を生成し、移動機構34に出力してもよい。

0056

センサー部としては、例えば、エンコーダー可変抵抗器、などを用いたポテンショメータや、カメラ等を用いることができる。記憶部としては、例えば、ROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体を用いることができる。演算部としては、CPUやFPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等を用いることができる。

0057

また、制御部2は、受信器32の移動量を移動機構34への駆動信号から把握して記憶部2Bにデータとして保存し、センサー部14の出力の代わりに前記保存データを用いて、受信器32を測定開始位置に移動させる駆動信号を生成するよう構成されていてもよい。

0058

また、制御部2は、被検部位への光の照射を制御可能に構成される。例えば、制御部2は、光の出射を制御する駆動信号を光源5に出力する。制御部2は、前記移動機構34によって受信器32が測定開始位置に移動すると、光源5に光の出射を開始する駆動信号(光照射開始信号)を入力することができる。つまり、制御部2は、光源5に光照射開始信号を入力可能に構成されている。光源5は、例えば光路上にシャッターを有し、制御部2から入力される光照射開始信号に従って、シャッターが開閉される構成となっていてもよい。

0059

図4、及び図5は本実施の形態における乳房測定時の被検者の位置を示す概念図である。被検者は体をX方向に移動させ、同じ位置に設置された乳房挿入口13に左右乳房を交互に挿入する。図6は本実施の形態における被検体情報取得領域と受信器32の走査軌道を示す概念図である。円形走査を用いて被検部位からの音響波を受信する場合、XY平面内における走査軌道の外周を結んで形成される領域の形状は円形であり、その大きさや形状は左右乳房で同一である。本実施の形態の被検体情報取得装置は、左右乳房で測定時の受信器32の走査の軌道中心をX方向にオフセットさせる。これによって、左右乳房毎に被検体情報の取得領域を調整することができる。

0060

このようにして左右乳房で、受信器32の走査軌道の中心を変更することにより、走査軌道の中心を変更しない場合に比べ、より小さな走査軌道で、左右乳房の情報取得領域からの音響波の受信を行うことができる。つまり、被検部位毎に、受信器32の走査軌道の中心を変更することにより、走査軌道の中心を変更しない場合に比べ、より小さな走査軌道で、各被検部位の情報の取得領域を網羅することが可能となる。したがって、光音響の受信に要する時間を削減でき、さらに信号処理、画像生成する際、処理するデータから、不要な領域のデータ分を削減することができる。

0061

ここで、本実施の形態では、被検体情報取得装置の受信器の走査軌道の形状は円形であるため、2回の測定工程において、円形の中心位置を変更することで、走査軌道の中心を変更することができる。従って、例えば、走査軌道の中心の情報が制御部2内の記憶部2Bに記憶され、制御部2は、その情報を用いて、走査軌道の中心をずらすよう受信器32の走査軌道の外周を結んで形成される領域の位置を設定し、それに対応した駆動信号を移動機構34に出力するよう構成されていてもよい。

0062

このように、走査軌道の外周を結んで形成される領域の位置を、被検部位の形状、大きさ、位置等に合わせて変更することで、不要な領域のデータの取得量を削減し、被検体毎に適した領域で音響波の受信を行うことができる。

0063

なお、複数回の測定間で走査軌道を変更せずに、所定の走査軌道で複数の測定を行うことが好ましい。これによれば、移動機構は所定の走査軌道を行うことができるものであればよいため、走査軌道を変更する場合と比べて装置構成の複雑とすることなく走査軌道の大きさを抑制し、測定時間を短縮することができる。

0064

また、移動機構は、複数の所定の走査軌道から任意の走査軌道を実行できるように構成されていてもよい。この場合、任意の走査軌道を実行する場合と比べて、装置構成の複雑とすることなく走査軌道の大きさを抑制し、測定時間を短縮することができる。
また、ここでは左右乳房の場合で説明するが、被検者が異なることによる被検体情報取得領域の形状、位置の違いに対応してもよい。

0065

ここでは、受信器32の走査軌道が円形である場合を説明したが、走査軌道はこれに限定されず、例えば、走査軌道がXY平面内において、渦巻き形(Spiral Pattern)であってもよい。

0066

渦巻軌道とは、回転中心に対する動径方向(radial direction)の座標が増加あるいは減少のいずれか一方に変化するように移動させる走査軌道である。図7は本実施の形態の受信器の走査軌道の一例を示す概念図であり、渦巻き軌道の移動の一例を模式的に表現した図である。図7中のo点は測定時の受信器32の走査軌道の中心であり、黒点は測定時の受信器32の異なる時間における位置を示す。受信器32は黒点の位置を辿りながら移動する。p点は受信器32の走査軌道上のある一点である。極座標系でそのp点の位置座標(x、y)を表現すると式(1)となる。
x=r(t)cosΦ
y=r(t)sinΦ・・・・式(1)

0067

ここでr(t)は動径方向の座標(移動半径)で、φはX軸と原点からp点に向かう線とがなす角度である。本実施の形態においては、受信器32の走査軌道上の動径方向の座標:r(t)が増加あるいは減少のいずれか一方に変化するように受信器32を移動させている。

0068

また、移動機構34は、受信器32を原点方向に向かう加速度を考慮して移動平面の外側から移動させることが好ましい。すなわち、移動の初期段階の加速度が大きいと、装置全体揺れが大きくなり、その揺れが測定に影響を与えることがある。そのため、原点方向に向かう加速度が小さい外周から移動を開始し、内周に向かって移動を行う方が装置の揺れを軽減できる。

0069

この場合でも、2回の測定工程において、渦巻き形の中心位置を変更することで、走査軌道の中心を変更することができる。

0070

従って、例えば、走査軌道の中心位置の情報が制御部2内の記憶部に記憶され、制御部2は、その情報を用いて、走査軌道の中心をずらすよう受信器32の測定位置を設定し、それに対応した駆動信号を移動機構34に出力するよう構成されていてもよい。

0071

このように、走査軌道の中心を、被検部位の形状、大きさ、位置に合わせて変更することで、不要な領域のデータの取得量を削減し、被検体毎に適した領域で音響波の受信を行うことができる。

0072

さらに、受信器32の走査軌道が、略直線状であってもよい。図8は、左乳房の測定の後に右乳房の測定を行う場合の受信器32の走査軌道を示す概念図である。例えば、受信器32は、X方向(主走査方向)に移動しながら音響波の受信を行い、被検体情報取得領域の端に到達すると、Y方向(副走査方向)に移動する。次に、X方向において、受信器32は、前記X方向の走査と逆方向に移動しながら音響波の受信を行う。そして、受信器32は、被検体情報取得領域の端に到達すると、再びY方向に移動する。上記工程を繰り返し、左乳房からの音響波の受信を行う。

0073

続いて、左乳房の全測定終了時の走査方向に受信器32は移動し、右乳房の被検体情報取得領域に到達したところで、右乳房の測定を開始する。そして、図8に示す走査軌道で右乳房に対する測定を行う。

0074

なお、先に行った主走査と次の主走査における高分解能領域が重なるような移動量で副走査することが好ましい。これにより、被検部位内の分解能のばらつきを小さくすることができる。

0075

このように、走査軌道が円や渦巻き形等、明確な中心を持つ軌道でない場合、走査軌道の最外周を結んで形成される領域の重心を、走査軌道の中心とすることができる。

0076

上記では、受信器32がXY平面内を移動して音響波を受信する例について説明したが、移動機構34により、受信器32を、XY平面と垂直な方向であるZ方向(ここでは、乳房の挿入方向と平行な方向)にも走査することができる。受信器をZ軸方向にも走査することで、高分解能領域をZ軸方向に動かすことができるため、更に広い領域で精度の高い測定が可能となる。

0077

図9は本実施の形態の被検体情報の取得フローを示す図である。術者は、音響波の受信前に、情報を取得する対象の乳房に応じて保持部材を設置する。保持部材は、取り換え可能であってもよいし、取り付けられていてもよい。なお、予め保持部材が設置されている場合、本ステップを実行する必要はない。また、保持部材を設ける場合、ここでは対象被検部位の情報入力の前に保持部材を設置する例で記載するが、対象被検部位の情報が入力された後保持部材を設置してもよい。

0078

情報取得の対象とする被検部位(乳房)に関する情報(左右、位置、形状等)は、術者が入力部8に入力してもよく、被検部位検出部12の出力が入力部8に入力される構成としてもよい。被検部位検出部12の出力を使用する場合、術者による、被検部位(対象乳房)に関する情報の入力は省略することができる。保持部材に第1の被検部位(一方の乳房)が設置された後、受信器32は移動機構34により測定開始位置へ移動され、音響波の受信を開始する。設定された走査軌道による測定が終了すると、術者は、必要に応じて保持部材を交換する。その後、第2の被検部位(逆の乳房)が保持部材に設置され、受信器32は、第2の被検部位からの音響波の受信位置に移動され、被検体情報取得装置は、第2被検部位からの音響波の受信を開始する。

0079

被検体情報取得装置は、この際、測定乳房の情報を入力しない構成としてもよい。例えば、制御部2の記憶部に、連続する測定工程の対象となる2つの乳房(本実施形態では、左乳房と右乳房)の対応と、それらに関する情報が記憶されている。制御部2は、先の測定前に入力された被検部位の情報から、それに対応する第2の乳房の情報を記憶部から読みだす。制御部2は、読みだした情報に基づき、移動機構34に、受信器32を測定開始位置に移動させる信号を出力する。受信器32は、制御部2によって設定された測定開始位置において受信を開始し、他方の乳房からの音響波の受信を行う。

0080

また、被検体情報取得装置は、一方の乳房の測定終了後、術者が他方の乳房の情報(左右、位置、形状、サイズ等)を入力する構成としてもよい。また、被検体情報取得装置は、他方の乳房に関する被検部位検出部12の出力が、入力部8に入力される構成としてもよい。

0081

なお、本実施の形態では、被検部位保持部材を設置する例について説明したが、被検部位保持部材を設置せず、被検体情報取得装置を、乳房を下垂させて乳房挿入口に挿入し、直接整合材35に浸漬させる構成としてもよい。

0082

このようにして、被検部位毎に測定時の受信器32の走査軌道の外周を結んで形成される領域の位置を変更することにより、走査軌道の外周を結んで形成される領域の位置を変更しない場合に比べ、より小さな走査軌道で、各被検部位の情報の取得領域を網羅することが可能となる。したがって、光音響の受信に要する時間を削減でき、さらに信号処理、画像生成する際、処理するデータから、不要な領域のデータ分を削減することができる。

0083

(実施の形態2)
本実施の形態では、被検体情報取得装置が、複数の開口を有する被検体支持部材と、前記複数の開口に対応した、複数の受信器を有する例について説明する。具体的には、被検部位挿入用の開口(乳房挿入口13)が2つ設けられた被検体支持部材(寝台1)と、2つの被検部位保持部材とを有する被検体情報取得装置の例について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成、動作を行う部分については、同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。

0084

図10は、本実施の形態における、被検部位からの測定時の被検者の位置を示す概念図である。本実施の形態の被検体情報取得装置は、被検体支持部である寝台1に被検体挿入口である乳房挿入口13が2つ配置されており、左右両乳房が同時に挿入可能なように構成されている。尚、乳房挿入口13は、両乳房が同時に挿入可能なように構成されていればよく、大きな挿入口が1つ配置されていてもよい。この場合、両乳房が落ち込み過ぎないように両乳房を同時に支持可能な乳房保持部材(不図示)で支持することが好ましい。保持部材11は一つの部材で構成してもよいし、左右乳房別々の部材で構成してもよい。

0085

図11は、図10におけるA−A’断面から見た装置概念図である。本実施の形態における移動機構34は、受信器32を左右乳房両方の音響波の受信に必要な範囲を走査可能なように構成されている。すなわち、移動機構34は、実施の形態1と比較して、X方向により大きな移動ストロークを有している。制御部2(図1)は、CPU等によって構成され、測定時の入力部8(図1)に入力される情報応じて、移動機構34の制御方法を調整する。

0086

入力部8は、乳房の種類(左右)、位置、大きさ、形状等の情報を入力する。入力方法は、術者が、直接入力部8に入力してもよい。また、入力部8は、被検部位検出部12(対象乳房検出部)(図1)の出力が入力されるように構成されることで、被検部位(対象乳房)の情報が自動入力されるように構成されていてもよい。この構成とすることにより、術者が直接乳房の種類等を入力する必要がなく、術者の入力ミスによる誤った被検部位情報の取得も防ぐことができる。

0087

図12は本実施例の被検体情報の取得フローの一例を示す図である。術者は、音響波を受信する対象となる第1の被検部位(一方の乳房)に応じて保持部材を設置し、第1の被検部位の情報(例えば乳房の種類)を入力する。被検部位保持部材に乳房が設置された後、受信器32は、移動機構34によって測定開始位置へ移動され、第1の被検部位からの音響波の受信を開始する。第1の被検部位からの音響波の受信終了後、受信器32は、移動機構34によって、第2の被検部位(他方の乳房)からの測定開始位置に移動される。その後、受信器32は、第2の被検部位からの音響波を受信する。

0088

本実施の形態の被検体情報取得装置は、被検者が伏臥位で乳房を1度設置すれば両乳房の測定が可能であるため、乳房切替に伴う被検者の位置調整の負担が軽減できる。

0089

本実施の形態では2つの被検部位保持部材を設置する例を説明したが、被検部位保持部材を設置せずに乳房を下垂させて乳房挿入口に挿入し、直接整合材に浸漬させる構成としてもよい。

0090

図13は本実施の形態における受信器32の走査軌道の一例を示す概念図である。ここでは、走査軌道が円形の場合について説明する。

0091

本実施の形態の被検体情報取得装置は、受信器32を第一の回転中心を有する走査軌道で走査して一方の乳房について音響波を受信する。その後、受信器32の走査軌道の回転中心をX方向にオフセットさせ、第2の回転中心を有する走査軌道で走査して、他方の乳房について音響波を受信する。このときの走査軌道の外周を結んで形成される領域の大きさや形状は、左右乳房で同一である。このようにして、左右乳房で受信器の走査軌道の中心を変更し、走査軌道の外周を結んで形成される領域の位置を変更することにより、被検体情報の取得に要する時間を削減できる。また、さらに信号処理、画像生成する際に不要な領域に関するデータの取得量を削減することができる。さらに、入力部8に入力された情報を利用して、受信器32の走査軌道の外周を結んで形成される領域の大きさを変更するよう、走査軌道を制御することにより、走査範囲をより最適化することができる。例えば、制御部2は、制御部2に保存された複数の走査軌道のデータから、入力部8の情報に応じた走査軌道を読み出すことができる。尚、被検者の乳房の位置に応じて、乳房挿入口13もしくは乳房保持部材(不図示)の位置を調整する調整機構(不図示)を備えてもよい。調整機構は電動式、術者による手動式いずれの構成でもよい。本構成を採用することにより、乳房の位置決めの際の被検者の負担を軽減できる。また、被検部位検出部12(図1)が乳房挿入口13もしくは保持部材11の位置を検出し、制御部2は、音響波の受信対象に合わせて受信器32の走査の軌道中心を変更するよう、移動機構34に駆動信号を出力する。

0092

このようにして、被検部位毎に測定時の受信器32の走査軌道の中心を変更することにより、走査軌道の中心を変更しない場合に比べ、より小さな走査軌道で、各被検部位の情報の取得領域を網羅することが可能となる。したがって、音響波の受信に要する時間を削減でき、さらに信号処理、画像生成する際、処理するデータから、不要な領域のデータ分を削減することができる。また、被検部位を入れ替える工程がないため、被検者の負担を軽減でき、音響波受信時間から、被検部位を入れ替える時間を削減することができる。

0093

(実施の形態3)
本実施の形態では、被検体情報取得装置が、複数の被検部位保持部材と、前記複数の被検部位保持部材に対応して設けられた複数の受信器を有する例について説明する。具体的には、被検部位挿入用の開口(乳房挿入口13)が2つ設けられた被検体支持部材(寝台1)と、2つの被検部位保持部材と、2つの受信器と、を有する被検体情報取得装置の例について説明する。例えば、被検者Aの両乳房について音響波の受信を行った後、続いて被検者Bの両乳房について音響波の受信を行う場合に用いることができる。なお、実施の形態1または2と同様の構成、動作を行う部分については、同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。

0094

図14は、本実施の形態における測定時の被検者の位置を示す概念図である。本実施の形態の被検体情報取得装置は、被検体支持部材である寝台1に乳房挿入口13(開口)が2つ配置されており、左右両乳房が同時に挿入可能なように構成されている。尚、乳房挿入口13は、両乳房が同時に挿入可能なように構成されていればよく、大きな挿入口が1つ配置されていてもよい。この場合、両乳房が落ち込み過ぎないように両乳房を同時に支持可能な乳房保持部材(不図示)で支持することが好ましい。保持部材11(被検部位保持部材)は一つの部材で構成しても良いし、左右乳房別々の部材で構成してもよい。

0095

なお、本実施の形態では、2つの被検部位保持部材を設置する例を説明するが、被検部位保持部材を設置せず、被検体情報取得装置を、乳房を下垂させて乳房挿入口に挿入し、直接整合材に浸漬させる構成としてもよい。

0096

図15は、図14におけるB−B’断面から見た被検体情報取得装置の概念図である。本実施の形態は、受信器32を2つと移動機構34を2つ有している。2つの受信器32及び2つの移動機構34を用いて左右乳房からの音響波を同時に受信する。制御部2(図1)は、測定時の入力部8(図1)の入力に応じて、受信器32の制御信号を移動機構34に入力するよう構成されている。入力部8に入力される情報は、乳房の種類(左右)、形状、位置等の情報である。入力方法は、術者が、直接入力部8に入力してもよい。また、入力部8は、被検部位検出部12(図1)の出力が入力されるように構成されることで、被検部位(対象乳房)の情報が自動入力されるように構成されていてもよい。この構成とすることにより、術者が直接乳房の種類等を入力する必要がなく、術者の入力ミスによる誤った被検部位情報の取得も防ぐことができる。

0097

図14は本実施の形態における受信器32の走査軌道を示す概念図である。第一の受信器32を走査して右乳房からの音響波を受信しながら、同時に第2の受信器32を走査して左乳房からの音響波を受信する。術者により入力部8(図1)に入力された情報、または、被検部位検出部12(図1)から入力部8に入力された情報に基づき、制御部2は、受信器32の音響波の受信を開始する位置(測定開始位置)を決定する。具体的には、制御部2は、2つの被検部位(本実施の形態では左右乳房)に関する、受信器32の音響波の受信開始位置に関する信号を、移動機構34に入力するよう構成されている。受信器32は、移動機構34によって測定開始位置まで移動された後、被検部位からの音響波の受信を開始する。すなわち、受信器32の走査軌道の中心位置が前回の受信時から変更され、走査軌道の外周を結んで形成される領域が、被検部位毎に適した位置に移動される。従って、不要な領域からの音響波の受信を低減できるため、音響波の受信に要する時間を削減でき、さらに信号処理、画像生成する際、処理するデータ量を削減することができる。

0098

また、本実施の形態の被検体情報取得装置は、2つの乳房から同時に音響波を受信できるため、音響波の受信時間を短縮することができ、被検者の負担を軽減することができる。

0099

さらに、入力部8の情報を利用して、受信器32の走査軌道を制御することにより、走査範囲をより最適化することができる。例えば、制御部2は、制御部2に保存された複数の走査軌道のデータから、入力部8の情報に応じた走査軌道を読み出すことができる。尚、被検者の乳房の位置に応じて、乳房挿入口13もしくは保持部材11(図1)の位置を調整する調整機構(不図示)を備えてもよい。調整機構は電動式、術者による手動式いずれの構成でもよい。本構成を採用することにより、乳房の位置決めの際の被検者の負担を軽減できる。

0100

そして、被検部位検出部12(図1)が乳房挿入口13もしくは保持部材11の位置を検出することにより、音響波の受信対象に合わせて受信器32の走査軌道の中心位置を変更することができる。これにより、音響波の受信対象に合わせて、受信器32の走査軌道の外周を結んで形成される領域の位置を変更することができる。被検者によって、音響波の受信対象の形状は異なるため、それぞれの受信対象領域全てを包含するように受信器の走査軌道を設定すると、走査軌道が大きくなる。しかし、受信器の走査軌道の中心位置を変更することで、走査軌道の増加を抑制しながら、それぞれの音響波受信対象に合わせた位置で音響波の受信が可能になる。

0101

本実施の形態において、受信器の走査軌道が円形の場合、例えば、2つの受信器32の回転の位相および回転方向が一致しているのが好ましい。このように走査することにより、2つの受信器32の干渉を回避することができる。さらに、別の例として、図16のように2つの受信器32の回転方向が互いに逆転しており、位相が180度ずれていることも好適である。このように走査することにより、2つの受信器32が干渉することを回避し、さらに、受信器32の加減速により被検体情報取得装置に加わるY方向の荷重を相殺することができる。従って、被検体情報取得装置の振動を抑制することができる。

0102

このようにして、被検部位毎に測定時の受信器32の走査の軌道中心を変更することにより、走査軌道中心を変更しない場合に比べ、より小さな走査軌道で、各被検部位の情報の取得領域を網羅することが可能となる。したがって、音響波の受信に要する時間を削減でき、さらに信号処理、画像生成する際、処理するデータから、不要な領域のデータ分を削減することができる。また、被検部位を入れ替える工程がないため、被検者の負担を軽減でき、音響波受信時間から、被検部位を入れ替える時間を削減することができる。更に、2つの被検部位からの音響波の受信を同時に行うことができるため、音響波の受信に要する時間が短縮化され、被検者の負担も軽減される。

0103

(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

0104

2 制御部
3 受信ユニット

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