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課題

ALAS1遺伝子を標的にする二本鎖リボ核酸dsRNA)組成物と、このようなdsRNA組成物を使用してALAS1の発現を変化させる(例えば阻害する)方法の提供。

解決手段

15〜30塩基対長さのセンス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、前記アンチセンス鎖がALAS1の特定の配列の少なくとも15の連続ヌクレオチド相補的である、ALAS1の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)を提供する。

概要

背景

遺伝性ポルフィリン症は、本明細書ではポルフィリン経路とも称される、ヘム生合成経路における特異的酵素活性欠乏に起因する一群障害である。ポルフィリン経路の酵素の欠乏は、不十分なヘム産生をもたらし、また高濃度では組織有毒ポルフィリン前駆体およびポルフィリンの蓄積をもたらす。

遺伝性ポルフィリン症の内、急性間欠性ポルフィリン症(例えば常染色体優性AIPなどのAIP)、異型ポルフィリン症(例えば常染色体優性VPなどのVP)、遺伝性コプロポルフィリン症(例えば常染色体優性HCPなどのコプロポルフィリン症(copropophyria)またはHCP)、および5’アミノレブリン酸δ−アミノレブリン酸またはALAとしてもまた知られている)デヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症(例えば常染色体劣性ADPなどのADP)は、急性肝性ポルフィリン症分類され、生命に関わり得る急性神経学発作によって顕在化する。急性発作は、重篤腹痛高血圧頻脈便秘運動麻痺完全麻痺、および痙攣をはじめとする、自律辺縁、および中枢神経症状によって特徴付けられる。適切に治療されなかった場合、四肢麻痺呼吸障害、および死亡につながることもある。チトクローム(cytrochrome)P450誘導剤ダイエット、およびホルモン(hormonoal)変化をはじめとする様々な因子が、ヘム生合成経路の最初の酵素であり律速酵素である肝臓の5’−アミノレブリン酸シンターゼ1(ALAS1)の活性を増大させることで、急性発作を誘発し得る。急性ポルフィリン症では、例えばAIP、VP、HCP、およびADPのそれぞれの酵素欠乏症は、1つまたは複数の物質(例えばポルフィリンおよび/またはポルフィリン前駆体、例えばALAおよび/またはPBG)の肝臓中の産生および蓄積をもたらし、それは神経毒性であり得て、急性発作発生をもたらし得る。例えば非特許文献1を参照されたい。

急性神発作に対する現行治療法は、ALAS1の陰性フィードバック阻害のための外来性ヘムを提供して、その結果、ALAおよびPBGの産生を低下させる、ヘミン(Panhematin(登録商標)、LundbeckまたはNormosang(登録商標)、Orphan Europe)の静脈内投与である。ヘミンは、特に月経周期におけるホルモン変化から頻繁な発作を経験する急性ポルフィリン症がある女性において、急性発作中の治療のため、そして発作予防のために使用される。患者は概して良好に応答する一方で、その効果は緩慢であり、正常レベルに向けて尿ALAおよびPBG濃度を正常化するのには、典型的に2〜4日間以上かかる。静脈内ヘミンは迅速に代謝されるので、急性発作を効果的に治療または予防するのに、通常3〜4回の輸液が必要である。さらに繰り返しの輸液は、鉄過負荷および静脈炎を引き起こすこともあり、それは辺縁静脈のアクセスを損なうこともある。同所(orthotrophic)肝臓移植治癒的であるが、この処置にはかなりの疾病率および死亡率があり、肝臓ドナー利用可能性は限られている。

概要

ALAS1遺伝子を標的にする二本鎖リボ核酸dsRNA)組成物と、このようなdsRNA組成物を使用してALAS1の発現を変化させる(例えば阻害する)方法の提供。15〜30塩基対長さのセンス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、前記アンチセンス鎖がALAS1の特定の配列の少なくとも15の連続ヌクレオチド相補的である、ALAS1の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)を提供する。なし

目的

本発明は、本明細書で取り上げるiRNAの少なくとも1つ(例えばdsRNA)を含有する細胞を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

15〜30塩基対長さのセンス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、前記アンチセンス鎖が配列番号1または382の少なくとも15の連続ヌクレオチド相補的である、ALAS1の発現阻害するための二本鎖リボ核酸dsRNA)。

請求項2

センス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、前記アンチセンス鎖がALAS1RNA転写物との相補性領域を含んでなり、前記アンチセンス鎖が、AD−58882(配列番号3434)のアンチセンス配列と、または表2、3、6、7、8、9、14、15、18、または20のいずれか1つに列挙されるアンチセンス配列の1つと、3ヌクレオチド以下異なる、少なくとも15個の連続ヌクレオチドを含んでなる、ALAS1の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)。

請求項3

前記dsRNAが、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含んでなる、請求項1または2に記載のdsRNA。

請求項4

前記修飾ヌクレオチドの少なくとも1つが、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を含んでなるヌクレオチド、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に連結した末端ヌクレオチドからなる群から選択される、請求項3に記載のdsRNA。

請求項5

前記修飾ヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ−修飾ヌクレオチド、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ−修飾ヌクレオチド、2’−アルキル−修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホロアミダート、および非天然塩基包含ヌクレオチドからなる群から選択される、請求項3に記載のdsRNA。

請求項6

記相補性領域が、少なくとも17ヌクレオチド長である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項7

前記相補性領域が、19〜21ヌクレオチド長である、請求項6に記載のdsRNA。

請求項8

前記相補性領域が、19ヌクレオチド長である、請求項7に記載のdsRNA。

請求項9

各鎖が30ヌクレオチド長以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の請求のdsRNA。

請求項10

少なくとも1本の鎖が、少なくとも1つのヌクレオチドの3’オーバーハングを含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項11

少なくとも1本の鎖が、少なくとも2つのヌクレオチドの3’オーバーハングを含んでなる、請求項10に記載のdsRNA。

請求項12

リガンドをさらに含んでなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項13

前記リガンドがGalNAcリガンドである、請求項12に記載のdsRNA。

請求項14

前記リガンドが、前記dsRNAを肝実質細胞に標的化する、請求項11、12、または78〜97のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項15

前記リガンドが、前記dsRNAのセンス鎖の3’末端に共役する、請求項11〜13または78〜97のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項16

前記相補性領域が、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、または20で開示されるアンチセンス配列から選択されるアンチセンス配列からなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項17

前記dsRNAが、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20で開示されるセンス配列から選択されるセンス配列からなるセンス鎖と、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20で開示されるアンチセンス配列から選択されるアンチセンス配列からなるアンチセンス鎖とを含んでなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項18

請求項1〜17のいずれか一項に記載のdsRNAを含有する、細胞

請求項19

請求項1〜17のいずれか一項に記載のdsRNAを含んでなる、ALAS1遺伝子の発現を阻害するための医薬組成物

請求項20

dsRNAが非緩衝溶液中投与される、請求項19に記載の医薬組成物。

請求項21

前記非緩衝溶液が、生理食塩水または水である、請求項20に記載の医薬組成物。

請求項22

前記dsRNAが緩衝溶液と共に投与される、請求項13または19に記載の医薬組成物。

請求項23

前記緩衝溶液が、酢酸塩クエン酸塩プロラミン炭酸塩、もしくはリン酸塩またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでなる、請求項22に記載の医薬組成物。

請求項24

前記緩衝溶液が、リン酸緩衝食塩水PBS)である、請求項23に記載の医薬組成物。

請求項25

脂質製剤をさらに含んでなる、請求項19に記載の医薬組成物。

請求項26

前記脂質製剤がLNP製剤である、請求項25に記載の医薬組成物。

請求項27

前記脂質製剤がLNP11製剤である、請求項26に記載の医薬組成物。

請求項28

前記dsRNAが肝実質細胞に標的化される、請求項25〜27のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項29

前記組成物静脈内投与される、請求項19〜28のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項30

前記組成物が皮下投与される、請求項19〜28のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項31

請求項12に記載のdsRNAを含んでなり、皮下投与される、医薬組成物。

請求項32

(a)請求項1〜17または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNAを細胞に導入する工程と、(b)工程(a)の細胞をALAS1遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間維持し、それによって前記細胞中の前記ALAS1遺伝子の発現を阻害する工程とを含んでなる、細胞中でALAS1発現を阻害する方法。

請求項33

細胞が生体外試験管内、または生体内処置される、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記細胞が、ALAS1発現関連疾患の治療、予防および/または管理を必要とする対象中に存在する、請求項32に記載の方法。

請求項35

前記疾患がポルフィリン症である、請求項34に記載の方法。

請求項36

前記ポルフィリン症が、急性間欠性ポルフィリン症またはALAデヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症である、請求項34に記載の方法。

請求項37

前記細胞が肝実質細胞である、請求項32〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記細胞が赤血球系細胞である、請求項32〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

ALAS1の発現が、少なくとも20%阻害される、請求項32〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

ALAS1の発現が、少なくとも30%阻害される、請求項32〜39のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記dsRNAが、0.01〜1nMの範囲のIC50を有する、請求項32〜40のいずれか一項に記載の方法

請求項42

(i)請求項1〜17、67〜72、または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNA、または(ii)請求項19〜31または99〜111のいずれか一項に記載の組成物の治療有効量を、このような治療を必要とする対象に投与する工程を含んでなる、ALAS1発現関連疾患を治療する方法。

請求項43

二本鎖リボ核酸(dsRNA)を、このような治療を必要とする対象に投与する工程を含んでなる、ポルフィリン症を治療する方法であって、前記dsRNAが、15〜30塩基対長のセンス鎖とアンチセンス鎖とを含んでなり、前記アンチセンス鎖が、配列番号1または配列番号382の少なくとも15個の連続ヌクレオチドと相補的である、方法。

請求項44

前記対象が、ポルフィリン症の発症リスクがあり、またはポルフィリン症と診断される、請求項42または43に記載の方法。

請求項45

前記ポルフィリン症が、急性間欠性ポルフィリン症またはALAデヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症である、請求項44に記載の方法。

請求項46

前記dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物が、ポルフィリン症の急性発作後に投与される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

前記dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物が、ポルフィリン症の急性発作中に投与される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項48

前記dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物が、ポルフィリン症の急性発作を予防するために予防的に投与される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項49

前記dsRNAが、LNP製剤として製剤化される、請求項46または47に記載の方法。

請求項50

前記dsRNAが、GalNAc複合体の形態である、請求項48に記載の方法。

請求項51

前記dsRNAが、0.05〜50mg/kgの用量で投与される、請求項42〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記dsRNAが、0.01mg/kg〜5mg/kg対象体重の濃度で投与される、請求項42〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

前記dsRNAがLNP製剤として製剤化され、0.05〜5mg/kgの用量で投与される、請求項51に記載の方法。

請求項54

前記dsRNAがGalNAc複合体の形態であり、0.5〜50mg/kgの用量で投与される、請求項51に記載の方法。

請求項55

前記対象中においてポルフィリンまたはポルフィリン前駆体ベルを低下させる、請求項42〜54のいずれか一項に記載の方法。

請求項56

前記レベルが、少なくとも30%低下される、請求項55に記載の方法。

請求項57

前記ポルフィリン前駆体が、δ−アミノレブリン酸(ALA)またはポルホビリノーゲン(PBG)である、請求項55または56に記載の方法。

請求項58

前記dsRNAが、0.01〜1nMの範囲のIC50を有する、請求項42〜57のいずれか一項に記載の方法。

請求項59

細胞中でポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させるのに有効な量で、前記細胞に、請求項1〜17、67〜72、または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNAを接触させる工程を含んでなる、細胞中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させる方法。

請求項60

前記細胞が肝実質細胞である、請求項59に記載の方法。

請求項61

前記ポルフィリンまたはポルフィリン前駆体が、δ−アミノレブリン酸(ALA)、ポルホビリノーゲン(PBG)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、ウロポルフィリノーゲンIII、コプロポフィリノーゲンIII、プロトポルフィリノーゲンIX、またはプロトポルフィリンIXである、請求項59または60に記載の方法。

請求項62

請求項1〜17、67〜72、または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNAの少なくとも1本の鎖をコードする、ベクター

請求項63

dsRNAの少なくとも1本の鎖をコードするベクターであって、前記dsRNAがALAS1をコードするmRNAの少なくとも一部との相補性領域を含んでなり、前記dsRNAが30塩基対長以下であり、前記dsRNAが前記mRNAを切断の標的にする、ベクター。

請求項64

前記相補性領域が、少なくとも15ヌクレオチド長である、請求項63に記載のベクター。

請求項65

前記相補性領域が、19〜21ヌクレオチド長である、請求項64に記載のベクター。

請求項66

請求項62〜65のいずれか一項に記載のベクターを含んでなる、細胞。

請求項67

前記dsRNAが、ヒトALAS1の領域と実質的に相補的な領域を有するアンチセンス鎖を含んでなる、請求項1〜17または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNA。

請求項68

前記ヒトALAS1が、NM_000688.4(配列番号1)またはNM_000688.5(配列番号382)の配列を有する、請求項67に記載のdsRNA。

請求項69

配列番号330、配列番号334、配列番号342、配列番号344、配列番号346、配列番号356、配列番号358、配列番号362、配列番号366、配列番号376、および配列番号380からなる群から選択される配列を含むセンス鎖を含んでなる、請求項1または2に記載のdsRNA。

請求項70

配列番号331、配列番号335、配列番号343、配列番号345、配列番号347、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号377、および配列番号381からなる群から選択される配列を含むアンチセンス鎖を含んでなる、請求項1または2に記載のdsRNA。

請求項71

配列番号140、配列番号144、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号166、配列番号168、配列番号172、配列番号176、配列番号186、および配列番号190からなる群から選択される配列を含むセンス鎖を含んでなる、請求項1または2に記載のdsRNA。

請求項72

配列番号141、配列番号145、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号167、配列番号169、配列番号173、配列番号177、配列番号187、および配列番号191からなる群から選択される配列を含むアンチセンス鎖を含んでなる、請求項1または2に記載のdsRNA。

請求項73

(vi)ALAS1関連障害(例えばポルフィリン症)に伴う症状を改善し、(vii)前記対象中においてALAS1発現を阻害し、(viii)前記対象中においてポルフィリン前駆体またはポルフィリンレベルを低下させ、(ix)前記対象中においてポルフィリン症に伴う症状の急性発作の発生頻度を低下させ、または(x)前記対象が増悪因子曝露された際に、前記対象中において、ポルフィリン症に伴う症状の急性発作の発生率を低下させる、請求項42〜58のいずれか一項に記載の方法。

請求項74

前記ポルフィリン前駆体が、δ−アミノレブリン酸(ALA)またはポルホビリノーゲン(PBG)である、請求項73に記載の方法。

請求項75

前記増悪因子が月経前期である、請求項73に記載の方法。

請求項76

前記dsRNAまたは前記dsRNAを含んでなる組成物が、投与計画に従って投与される、請求項73〜75のいずれか一項に記載の請求の方法。

請求項77

前記投与計画が、毎週、隔週、または毎月である、請求項76に記載の方法。

請求項78

アンチセンス鎖と相補的なセンス鎖を含んでなる二本鎖RNAi(dsRNA)であって、前記アンチセンス鎖が、ALAS1RNA転写物との相補性領域を含んでなり、各鎖が、約14〜約30個のヌクレオチドを有し、前記dsRNAが、以下の式(III)センス: 5’np−Na−(XXX)i−Nb−YYY−Nb−(ZZZ)j−Na−nq3’アンチセンス: 3’np’−Na’−(X’X’X’)k−Nb’−Y’Y’Y’−Nb’−(Z’Z’Z’)l−Na’−nq’5’(III)(式中、i、j、k、およびlは、それぞれ独立して0または1であり;p、p’、q、およびq’は、それぞれ独立して0〜6であり;各NaおよびNa’は、独立して、修飾または未修飾のいずれかまたはそれらの組み合わせである、0〜25個のヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列は、少なくとも2つの異なる修飾ヌクレオチドを含んでなり;各NbおよびNb’は、独立して、修飾または未修飾のいずれかまたはそれらの組み合わせである、0〜10個のヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチド配列を表し;各np、np’、nq、およびnq’は、独立してオーバーハングヌクレオチドを表し;XXX、YYY、ZZZ、X’X’X’、Y’Y’Y’、およびZ’Z’Z’は、それぞれ独立して、3個の連続ヌクレオチドの3つの同一修飾の1つのモチーフを表し;Nb上の修飾がY上の修飾と異なり、Nb’上の修飾がY’上の修飾と異なる)によって表わされる、二本鎖RNAi(dsRNA)。

請求項79

前記センス鎖が少なくとも1つのリガンドと共役する、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項80

iが1であり;jが1であり;またはiおよびjのどちらも1である、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項81

kが1であり;lが1であり;またはkおよびlのどちらも1である、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項82

XXXがX’X’X’と相補的であり、YYYがY’Y’Y’と相補的であり、ZZZがZ’Z’Z’と相補的である、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項83

前記Y’Y’Y’モチーフが、5’末端からアンチセンス鎖の11、12および13位に生じる、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項84

前記Y’が2’−O−メチルである、請求項83に記載のdsRNA。

請求項85

前記二本鎖領域が15〜30ヌクレオチド対の長さである、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項86

前記二本鎖領域が17〜23ヌクレオチド対の長さである、請求項85に記載のdsRNA。

請求項87

前記二本鎖領域が19〜21ヌクレオチド対の長さである、請求項85に記載のdsRNA。

請求項88

前記二本鎖領域が21〜23ヌクレオチド対の長さである、請求項85に記載のdsRNA。

請求項89

前記ヌクレオチド上の修飾が、LNA、HNA、CeNA、2’−メトキシエチル、2’−O−アルキル、2’−O−アリル、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−デオキシ、2’−ヒドロキシル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項90

前記ヌクレオチド上の修飾が、2’−O−メチル、2’−フルオロまたはその双方である、請求項89に記載のdsRNA。

請求項91

前記リガンドが炭水化物を含んでなる、請求項79に記載のdsRNA。

請求項92

前記リガンドがリンカーを介して付着する、請求項79または91に記載のdsRNA。

請求項93

前記リンカーが二価または三価分枝リンカーである、請求項92に記載のdsRNA。

請求項94

前記リガンドが、である、請求項79に記載のdsRNA。

請求項95

前記リガンドおよびリンカーが、式XXIV、に示される通りである、請求項79に記載のdsRNA。

請求項96

前記リガンドが、前記センス鎖の3’末端に付着する、請求項95に記載のdsRNA。

請求項97

前記dsRNAが、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20で提供される配列群から選択されるヌクレオチド配列を有する、請求項78または79に記載のdsRNA。

請求項98

前記dsRNAが、AD−58882のヌクレオチド配列を有する、請求項97に記載のdsRNA。

請求項99

請求項67〜72または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNAを含んでなる、医薬組成物。

請求項100

前記dsRNA剤が非緩衝溶液中で投与される、請求項99に記載の医薬組成物。

請求項101

前記非緩衝溶液が、生理食塩水または水である、請求項100に記載の医薬組成物。

請求項102

前記dsRNAが緩衝溶液と共に投与される、請求項99に記載の医薬組成物。

請求項103

前記緩衝溶液が、酢酸塩、クエン酸塩、プロラミン、炭酸塩、またはリン酸塩またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでなる、請求項102に記載の医薬組成物。

請求項104

前記緩衝溶液が、リン酸緩衝食塩水(PBS)である、請求項102に記載の医薬組成物。

請求項105

前記dsRNAが肝実質細胞に標的化される、請求項99〜104のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項106

前記組成物が皮下投与される、請求項99〜105のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項107

脂質製剤をさらに含んでなる、請求項99に記載の医薬組成物。

請求項108

前記脂質製剤がLNP製剤である、請求項107に記載の医薬組成物。

請求項109

前記脂質製剤がLNP11製剤である、請求項26に記載の医薬組成物。

請求項110

前記dsRNAが肝実質細胞に標的化される、請求項107〜109のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項111

前記組成物が静脈内投与される、請求項107〜110のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項112

前記ポルフィリン症が、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、ALAデヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症(ADP)、および肝骨髄性ポルフィリン症から選択される肝性ポルフィリン症である、請求項35、43、または44のいずれか一項に記載の方法。

請求項113

前記ポルフィリン症が、ホモ接合優性肝性ポルフィリン症(例えばホモ接合優性AIP、HCP、またはVP)または肝骨髄性ポルフィリン症である、請求項35、43、または44のいずれか一項に記載の方法。

請求項114

前記ポルフィリン症が、化学物質への曝露によって誘発される、請求項35、43、または44のいずれか一項に記載の方法。

請求項115

前記ポルフィリンまたはポルフィリン前駆体が、δ−アミノレブリン酸(ALA)、ポルホビリノーゲン(PBG)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、ウロポルフィリノーゲンIもしくはIII、コプロポルフィリノーゲンIもしくはIII、プロトポルフィリノーゲンIX、またはプロトポルフィリンIXである、請求項59または60に記載の方法。

請求項116

前記dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物が、ポルフィリン症の急性発作前またはその最中に投与される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項117

前記dsRNAが、ポルフィリン症の急性発作前に投与される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項118

前記dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物が、前駆症状中に投与される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項119

前記前駆症状が、疼痛(例えば頭痛および/または腹痛)、悪心心理学的症状(例えば不安)、情動不安および/または不眠症によって特徴付けられる、請求項118に記載の方法。

請求項120

前記dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物が、例えば黄体期中などの、月経周期特定段階中に投与される、請求項117に記載の方法。

請求項121

前記方法が、ポルフィリン症の周期性発作を改善または予防する、請求項117〜120のいずれか一項に記載の方法。

請求項122

前記周期性発作が、増悪因子と関連付けられている、請求項121に記載の方法。

請求項123

前記増悪因子が、例えば黄体期などの月経周期の特定段階である、請求項122に記載の方法。

請求項124

前記対象が、ALAおよび/またはPBGレベルの上昇を有する、請求項35または42〜44に記載の方法。

請求項125

前記対象がポルフィリン症を有し、またはそれを発症するリスクがあり、疼痛(例えば神経障害性疼痛、例えば慢性神経障害性疼痛)または神経障害(例えば進行性神経障害)を患っている、請求項35または42〜44に記載の方法。

請求項126

前記対象が、(a)ALAおよび/またはPBGレベルの上昇を有し、且つ、(b)慢性疼痛を患っている、請求項35または42〜44に記載の方法。

請求項127

前記対象からの血漿中または尿中のALAまたはPBGレベルが、上昇している、請求項124または125に記載の方法。

請求項128

前記対象が、基準値を超える血漿ALAもしくはPBGレベルまたは尿ALAもしくはPBGレベルを有する、請求項126に記載の方法。

請求項129

前記基準値が、健常人サンプルの平均レベルを2標準偏差上回る、請求項128に記載の方法。

請求項130

前記対象が、基準上限の2倍、3倍、4倍、または5倍以上の、血漿ALAもしくはPBGレベルまたは尿ALAもしくはPBGレベルを有する、請求項126に記載の方法。

請求項131

前記対象が、基準上限の4倍を超える尿ALAまたはPBGレベルを有する、請求項130に記載の方法。

請求項132

前記対象がヒトであり、4.8mmol/molクレアチニン以上の尿PBGレベルを有する、請求項126または131に記載の方法。

請求項133

前記対象がヒトであり、0.12μmol/L以上の血漿PBGレベルを有する、請求項126に記載の方法。

請求項134

前記対象がヒトであり、1.2mmol/molクレアチニン以上の尿PBGレベルを有する、請求項126に記載の方法。

請求項135

前記対象がヒトであり、0.12μmol/L以上の血漿ALAレベルを有する、請求項126に記載の方法。

請求項136

前記対象がヒトであり、3.1mmol/molクレアチニン以上の尿ALAレベルを有する、請求項126に記載の方法。

請求項137

上昇したALAおよび/またはPBGレベルを低下させる、請求項124〜136のいずれか一項に記載の方法。

請求項138

疼痛または神経障害を低下させまたは予防する、請求項124〜137のいずれか一項に記載の方法。

請求項139

ポルフィリン症の急性発作を予防する、請求項137または138に記載の方法。

請求項140

神経損傷を低下させまたは予防する、請求項124〜139のいずれか一項に記載の方法。

請求項141

上昇したALAおよび/またはPBGレベルに所定の低下を生じるのに効果的である、請求項134〜140のいずれか一項に記載の方法。

請求項142

前記所定の低下が、基準値以下の値への低下である、請求項141に記載の方法。

請求項143

前記基準値が基準上限である、請求項142に記載の方法。

請求項144

前記dsRNAまたは前記dsRNAを含んでなる組成物が、繰り返し投与される、請求項138〜143のいずれか一項に記載の方法。

請求項145

前記dsRNAまたは前記dsRNAを含んでなる組成物が、ポルフィリン症を発症するリスクがある対象に予防的に投与される、請求項144に記載の方法。

請求項146

前記dsRNAまたは前記dsRNAを含んでなる組成物が、思春期の始めに予防的に投与される、請求項145に記載の方法。

請求項147

前記対象が、ポルフィリン症と関連付けられている遺伝子変異を保有する、請求項145または146に記載の方法。

請求項148

前記dsRNAまたは前記dsRNAを含んでなる組成物が、皮下投与される、請求項112〜147のいずれか一項に記載の方法。

請求項149

前記dsRNAが、GalNAc複合体の形態である、請求項148に記載の方法。

請求項150

前記dsRNAが、0.5〜50mg/kgの用量で投与される、請求項149に記載の方法。

請求項151

前記対象に二本鎖リボ核酸(dsRNA)を投与する工程を含んでなり、前記dsRNAが15〜30塩基対長のセンス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、前記アンチセンス鎖が配列番号1または配列番号382の少なくとも15個の連続ヌクレオチドと相補的である、ALAおよび/またはPBGレベルの上昇を有する対象を治療する方法。

請求項152

(i)請求項1〜17、67〜72、または78〜98のいずれか一項に記載のdsRNA、または(ii)請求項19〜31または99〜111のいずれか一項に記載の組成物の治療有効量を対象に投与する工程を含んでなる、ALAおよび/またはPBGレベルの上昇を有する対象を治療する方法。

請求項153

前記ALAおよび/またはPBGレベルを低下させるのに効果的である、請求項151または152に記載の方法。

請求項154

前記ALAおよび/またはPBGレベルが、基準値未満になるように低下される、請求項153に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/835,613号明細書の一部継続出願であり、また、2012年4月10日に出願された米国特許仮出願第61/622,288号明細書の優先権を主張する。前述の出願は、それぞれその内容全体を本明細書に援用する。

0002

本発明は、ALAS1遺伝子の発現の特異的阻害に関する。

背景技術

0003

遺伝性ポルフィリン症は、本明細書ではポルフィリン経路とも称される、ヘム生合成経路における特異的酵素活性欠乏に起因する一群障害である。ポルフィリン経路の酵素の欠乏は、不十分なヘム産生をもたらし、また高濃度では組織有毒ポルフィリン前駆体およびポルフィリンの蓄積をもたらす。

0004

遺伝性ポルフィリン症の内、急性間欠性ポルフィリン症(例えば常染色体優性AIPなどのAIP)、異型ポルフィリン症(例えば常染色体優性VPなどのVP)、遺伝性コプロポルフィリン症(例えば常染色体優性HCPなどのコプロポルフィリン症(copropophyria)またはHCP)、および5’アミノレブリン酸δ−アミノレブリン酸またはALAとしてもまた知られている)デヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症(例えば常染色体劣性ADPなどのADP)は、急性肝性ポルフィリン症分類され、生命に関わり得る急性神経学発作によって顕在化する。急性発作は、重篤腹痛高血圧頻脈便秘運動麻痺完全麻痺、および痙攣をはじめとする、自律辺縁、および中枢神経症状によって特徴付けられる。適切に治療されなかった場合、四肢麻痺呼吸障害、および死亡につながることもある。チトクローム(cytrochrome)P450誘導剤ダイエット、およびホルモン(hormonoal)変化をはじめとする様々な因子が、ヘム生合成経路の最初の酵素であり律速酵素である肝臓の5’−アミノレブリン酸シンターゼ1(ALAS1)の活性を増大させることで、急性発作を誘発し得る。急性ポルフィリン症では、例えばAIP、VP、HCP、およびADPのそれぞれの酵素欠乏症は、1つまたは複数の物質(例えばポルフィリンおよび/またはポルフィリン前駆体、例えばALAおよび/またはPBG)の肝臓中の産生および蓄積をもたらし、それは神経毒性であり得て、急性発作発生をもたらし得る。例えば非特許文献1を参照されたい。

0005

急性神発作に対する現行治療法は、ALAS1の陰性フィードバック阻害のための外来性ヘムを提供して、その結果、ALAおよびPBGの産生を低下させる、ヘミン(Panhematin(登録商標)、LundbeckまたはNormosang(登録商標)、Orphan Europe)の静脈内投与である。ヘミンは、特に月経周期におけるホルモン変化から頻繁な発作を経験する急性ポルフィリン症がある女性において、急性発作中の治療のため、そして発作予防のために使用される。患者は概して良好に応答する一方で、その効果は緩慢であり、正常レベルに向けて尿ALAおよびPBG濃度を正常化するのには、典型的に2〜4日間以上かかる。静脈内ヘミンは迅速に代謝されるので、急性発作を効果的に治療または予防するのに、通常3〜4回の輸液が必要である。さらに繰り返しの輸液は、鉄過負荷および静脈炎を引き起こすこともあり、それは辺縁静脈のアクセスを損なうこともある。同所(orthotrophic)肝臓移植治癒的であるが、この処置にはかなりの疾病率および死亡率があり、肝臓ドナー利用可能性は限られている。

先行技術

0006

バルワニ(Balwani),Mおよびデスニック(Desnick),R.J.,ブラッド(Blood),120:4496−4504,2012

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、より効果的、かつ即効性の安全な代案の治療的アプローチが必要である。このような治療薬皮下投与によって送達し得れば、輸液および長時間入院の必要がなくなるので、特に有利であろう。

0008

ポルホビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)欠乏症、またはヒドロキシメチルビランシンターゼ(HMBS)欠乏症とも称されるAIPは、最も一般的な急性肝性ポルフィリン症(prophyrias)である。これは、酵素活性を例えば正常の半分に低下させる、HMBS遺伝子中の変異によって引き起こされる、常染色体優性疾患である。以前に、野生型HMBS活性の約30%を有するAIPのマウスモデルが、相同組換えによって作成されている。ヒト患者と同様に、これらのマウスでは、フェノバルビタールなどのポルフィリン生成薬を投与すると、肝臓のALAS1活性が増大し、大量の血漿および尿ALAおよびPBGが蓄積する。したがって急性肝性ポルフィリン症の新規治療薬の効能を評価するのに、これらのマウスは優れたモデルの役割を果たす。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、ALAS1遺伝子の発現を調節するための、方法およびiRNA組成物を説明する。特定の実施形態では、ALAS1特異的iRNAを使用して、ALAS1遺伝子の発現が低下または阻害される。このような阻害は、ポルフィリン症などのALAS1発現関連障害を治療するのに有用であり得る。

0010

したがって本明細書に記載されるのは、細胞中または対象中で(例えばヒト対象などの哺乳類中で)、ALAS1遺伝子のRNA転写物のRNA誘導サイレンシング複合体RISC)媒介切断をもたらす、組成物および方法である。例えばX連鎖鉄芽球性貧血(XLSA)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(Dossポルフィリン症またはADP)、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、先天性赤芽球増殖性ポルフィリン症(CEP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(prophyria cutanea tarda)(PCT)、遺伝性コプロポルフィリン症(コプロポルフィリン症、またはHCP)、異型ポルフィリン症(VP)、赤芽球増殖性プロトポルフィリン症EPP)、または乳児期一過性赤血球ポルフィリン症のようなポルフィリン症などの、ALAS1遺伝子発現関連疾患を治療するための組成物および方法についてもまた説明される。いくつかの実施形態では、疾患は、例えばALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、AIP、HCP、またはVPなどの急性肝性ポルフィリン症である。特定の実施形態では、疾患は、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)またはAIPである。

0011

実施形態では、ポルフィリン症は、例えば急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、および肝骨髄性ポルフィリン症から選択されるポルフィリン症などの肝性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、ホモ接合優性肝性ポルフィリン症(例えばホモ接合優性AIP、HCP、またはVP)または肝骨髄性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は二重ポルフィリン症である。

0012

本明細書の用法では、「iRNA」、「RNAi」、「iRNA剤」、または「RNAi剤」という用語は、本明細書で定義されるRNAを含有し、例えばRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)経路を通じて、RNA転写物の標的切断を媒介する作用物質を指す。一実施形態では、本明細書に記載されるiRNAは、細胞または哺乳類中におけるALAS1の発現阻害をもたらす。

0013

本明細書で取り上げる組成物に含まれるiRNAは、ALAS1遺伝子(例えばマウスまたはヒトALAS1遺伝子)のmRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である、例えば長さが30ヌクレオチド以下であり一般に19〜24ヌクレオチドの領域である領域を有する、RNA鎖アンチセンス鎖)を有するdsRNAを包含する(本明細書で「ALAS1特異的iRNA」とも称される)。代案としては、または組み合わせで、iRNAは、ALAS1遺伝子(例えばALAS1遺伝子のヒト変種1または2)のmRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である、長さが30ヌクレオチド以下であり一般に19〜24ヌクレオチドの領域である領域を有する、RNA鎖(アンチセンス鎖)を有するdsRNAを包含する(本明細書で「ALAS1特異的iRNA」とも称される)。

0014

実施形態では、本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)は、ヒトALAS1領域と実質的に相補的な領域を有するアンチセンス鎖を含んでなる。実施形態では、ヒトALAS1は、NM_000688.4(配列番号1)またはNM_000688.5(配列番号382)の配列を有する。

0015

別の実施形態では、iRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20のいずれか1つに記載のALAS1mRNAの一部と実質的に相補的な領域を有する、RNA鎖(アンチセンス鎖)を有する、dsRNAを包含する。一実施形態では、iRNAは、例えばヒトALAS1 mRNA(例えば配列番号1または配列番号382に記載のヒトALAS1 mRNA)であるALAS1 mRNAの一部と実質的に相補的な領域を有する、RNA鎖(アンチセンス鎖)を有する、dsRNAを包含する。

0016

一実施形態では、ALAS1遺伝子の発現を阻害するiRNAは、少なくとも2つの互いに相補的な配列を含む。iRNAは、第1の配列を有するセンス鎖と、第2の配列を有するアンチセンス鎖とを含む。アンチセンス鎖は、ALAS1転写物をコードするmRNAの少なくとも一部と、実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、相補性領域は、30ヌクレオチド以下、および少なくとも15ヌクレオチド長である。一般に、iRNAは19〜24ヌクレオチド長である。

0017

いくつかの実施形態では、iRNAは19〜21ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、iRNAは、19〜21ヌクレオチド長であり、例えば脂質ナノ粒子(LNP)製剤などの脂質製剤形態である(例えばLNP11製剤)。

0018

いくつかの実施形態では、iRNAは21〜23ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、iRNAは21〜23ヌクレオチド長で、複合体の形態であり、例えば本明細書に記載されるような1つまたは複数のGalNAc誘導体に共役する。

0019

いくつかの実施形態では、iRNAは約15〜約25ヌクレオチド長であり、別の実施形態では、iRNAは約25〜約30ヌクレオチド長である。ALAS1を標的とするiRNAは、本明細書に記載される方法などでアッセイすると、ALAS1を発現する細胞との接触時に、ALAS1遺伝子の発現を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%以上阻害する。一実施形態では、ALAS1を標的にするiRNAは、安定した核酸脂質粒子SNALP)に製剤化される。

0020

一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、表2、3、6、7、8、9、14、および15のセンス配列からなる群から選択されるdsRNAの第1の配列と、表2、3、6、7、8、9、14および15の対応するアンチセンス配列からなる群から選択される第2の配列とを含む。

0021

一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20のセンス配列からなる群から選択されるdsRNAの第1の配列と、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20の対応するアンチセンス配列からなる群から選択される第2の配列とを含む。一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、本明細書の実施例で開示されるAD−58882、AD−58878、AD−58886、AD−58877、AD−59115、AD−58856、AD−59129、AD−59124、AD−58874、AD−59125、AD−59105、AD−59120、AD−59122、AD−59106、AD−59126、およびAD−59107から選択されるセンスおよび/またはアンチセンス配列を有する。実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、AD−58882、AD−58878、AD−58886、AD−58877、AD−59115、AD−58856、およびAD−59129から選択されるセンスおよび/またはアンチセンス配列を有する。

0022

本明細書で取り上げるiRNA分子は、天然ヌクレオチドを含み得て、または2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を有するヌクレオチド、およびコレステリル誘導体に連結する末端ヌクレオチドをはじめとするが、これに限定されるものではない、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含み得る。代案としては、修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ修飾ヌクレオチド、ロックドヌクレオチド(locked nucleotide)、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ修飾ヌクレオチド、2’−アルキル修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホロアミダート、および非天然塩基包含ヌクレオチド群から選択されてもよい。このような修飾配列は、例えば、表2のセンス配列からなる群から選択される前記iRNAの第1の配列と、表2のアンチセンス配列からなる群から選択される第2の配列とをベースとし得る。

0023

一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、配列番号330、配列番号334、配列番号342、配列番号344、配列番号346、配列番号356、配列番号358、配列番号362、配列番号366、配列番号376、および配列番号380からなる群から選択される配列を含んでなるセンス鎖を含んでなる。

0024

一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、配列番号331、配列番号335、配列番号343、配列番号345、配列番号347、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号377、および配列番号381からなる群から選択される配列を含んでなるアンチセンス鎖を含んでなる。

0025

一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、配列番号140、配列番号144、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号166、配列番号168、配列番号172、配列番号176、配列番号186、および配列番号190からなる群から選択される配列を含んでなるセンス鎖を含んでなる。一実施形態では、本明細書で取り上げるiRNA(例えばdsRNA)は、配列番号141、配列番号145、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号167、配列番号169、配列番号173、配列番号177、配列番号187、および配列番号191からなる群から選択される配列を含んでなるアンチセンス鎖を含んでなる。

0026

一実施形態では、本明細書に記載されるiRNAは、野生型ALAS1RNA転写物変種を標的とし、別の実施形態では、iRNAは、変異転写物(例えばアレル変種を保有するALAS1 RNA)を標的とする。例えば、本発明で取り上げるiRNAは、ALAS1の一塩基多型(SNP)などの多型変異体を標的とし得る。別の実施形態では、iRNAは、野生型および変異ALAS1転写物の双方を標的とする。さらに別の実施形態では、iRNAは、ALAS1の特定の転写変異体(例えばヒトALAS1変種1)を標的とする。さらに別の実施形態では、iRNA剤は、複数の転写物変種(例えばヒトALAS1の変種1および変種2の双方)を標的とする。

0027

一実施形態では、本発明で取り上げるiRNAは、転写物の5’または3’非翻訳領域など、ALAS1RNA転写物の非コード領域を標的とする。

0028

いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるiRNAは、例えば炭水化物複合体などの複合体の形態であり、それは本明細書に記載されるように、標的部分および/またはリガンドの役割を果たしてもよい。一実施形態では、複合体は、dsRNAのセンス鎖の3’末端に付着する。いくつかの実施形態では、複合体は、例えば二価または三価分枝リンカーなどのリンカーを介して付着する。

0029

いくつかの実施形態では、複合体は、1つまたは複数のN−アセチルガラクトサミン(GalNAc)誘導体を含んでなる。このような複合体は、本明細書でGalNAc複合体とも称される。いくつかの実施形態では、複合体は、例えば肝細胞、例えば肝実質細胞などの特定の細胞に、RNAi剤を標的化する。GalNAc誘導体は、例えば二価または三価の分枝リンカーなどのリンカーを介して付着し得る。特定の実施形態では、複合体は、



である。

0030

いくつかの実施形態では、RNAi剤は、例えばXがOまたはSである、以下の概略図に示されるリンカーなどのリンカーを介して、炭水化物複合体に付着する。

0031

いくつかの実施形態では、XはOである。いくつかの実施形態では、XはSである。

0032

いくつかの実施形態では、RNAi剤は、表1で定義されて下に示されるL96に共役する。

0033

一態様では本明細書で提供されるのは、一般にヒト対象である生物中で、ALAS1遺伝子発現を阻害するための医薬組成物である。組成物は、典型的に、本明細書に記載されるiRNAの1つまたは複数と、薬学的に許容できる担体または送達ビヒクルとを含む。一実施形態では、組成物は、例えばAIPなどのポルフィリン症を治療するために使用される。

0034

一態様では、本明細書で提供されるiRNAは、ALAS1の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)であり、前記dsRNAは、15〜30塩基対長さのセンス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、アンチセンス鎖は配列番号1または382の少なくとも15個の連続ヌクレオチドと相補的である。

0035

さらなる態様では、本明細書で提供されるiRNAは、アンチセンス鎖と相補的なセンス鎖を含んでなる二本鎖RNAi(dsRNA)であり、前記アンチセンス鎖は、ALAS1RNA転写物との相補性領域を含んでなり、各鎖は、約14〜約30個のヌクレオチドを有し、前記二本鎖RNAi剤は、
式(III)、
センス:5’np−Na−(XXX)i−Nb−YYY−Nb−(ZZZ)j−Na−nq3’
アンチセンス:3’np’−Na’−(X’X’X’)k−Nb’−Y’Y’Y’−Nb’−(Z’Z’Z’)l−Na’−nq’5’
(III)
(式中、
i、j、k、およびlは、それぞれ独立して0または1であり;
p、p’、q、およびq’は、それぞれ独立して0〜6であり;
各NaおよびNa’は、独立して、修飾または未修飾のいずれかまたはそれらの組み合わせである、0〜25個のヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列は、少なくとも2つの異なる修飾ヌクレオチドを含んでなり;
各NbおよびNb’は、独立して、修飾または未修飾のいずれかまたはそれらの組み合わせである、0〜10個のヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチド配列を表し;
各np、np’、nq、およびnq’は、独立してオーバーハングヌクレオチドを表し;
XXX、YYY、ZZZ、X’X’X’、Y’Y’Y’、およびZ’Z’Z’は、それぞれ独立して、3個の連続ヌクレオチドの3つの同一修飾の1つのモチーフを表し;
Nb上の修飾は、Y上の修飾と異なり、Nb’上の修飾は、Y’上の修飾と異なる)
によって表わされる。

0036

実施形態では、センス鎖は、少なくとも1つのリガンドと共役する。

0037

実施形態では、iは1であり;jは1であり;またはiおよびjのどちらも1である。

0038

実施形態では、kは1であり;lは1であり;またはkおよびlのどちらも1である。

0039

実施形態では、XXXは、X’X’X’と相補的であり、YYYはY’Y’Y’と相補的であり、ZZZはZ’Z’Z’と相補的である。

0040

実施形態では、Y’Y’Y’モチーフは、アンチセンス鎖の5’末端から11、12、および13位に存在する。

0041

実施形態では、Y’は2’−O−メチルである。

0042

実施形態では、二本鎖領域は、15〜30ヌクレオチド対の長さである。

0043

実施形態では、二本鎖領域は、17〜23ヌクレオチド対の長さである。

0044

実施形態では、二本鎖領域は、19〜21ヌクレオチド対の長さである。

0045

実施形態では、二本鎖領域は、21〜23ヌクレオチド対の長さである。

0046

実施形態では、ヌクレオチド上の修飾は、LNA、HNA、CeNA、2’−メトキシエチル、2’−O−アルキル、2’−O−アリル、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−デオキシ、2’−ヒドロキシル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。

0047

実施形態では、ヌクレオチド上の修飾は、2’−O−メチル、2’−フルオロまたは双方である。

0048

実施形態では、リガンドは炭水化物を含んでなる。

0049

実施形態では、リガンドはリンカーを介して付着する。

0050

実施形態では、リンカーは、二価または三価の分枝リンカーである。

0051

実施形態では、リガンドは、



である。

0052

実施形態では、リガンドおよびリンカーは、
式XXIV、



に示される通りである。

0053

実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端に付着する。

0054

実施形態では、dsRNAは、表2および3で提供される配列群から選択されるヌクレオチド配列を有する(例えばそれを含んでなる)。実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、および9で提供される配列群から選択される、ヌクレオチド配列を有する。実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、および15で提供される配列群から選択される、ヌクレオチド配列を有する。実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20で提供される配列群から選択される、ヌクレオチド配列を有する。実施形態では、dsRNAは、表18で開示されるヌクレオチド配列を有する。実施形態では、dsRNAは、表14および15で提供される配列群から選択されるヌクレオチド配列を有する。

0055

実施形態では、dsRNAは、表3および8で提供される配列群から選択されるヌクレオチド配列を有する。

0056

さらなる態様では、本明細書で提供されるiRNAは、ALAS1の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)であり、前記dsRNAは、センス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、アンチセンス鎖は、ALAS1RNA転写物との相補性領域を含んでなり、そのアンチセンス鎖は、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20のいずれか1つに列挙されるアンチセンス配列の1つと、3ヌクレオチド以下異なる、少なくとも15個の連続ヌクレオチドを含んでなる。このようないくつかの実施形態では、センスおよびアンチセンス配列は、本明細書の実施例で開示される二本鎖、AD−58882、AD−58878、AD−58886、AD−58877、AD−59115、AD−58856、AD−59129、AD−59124、AD−58874、AD−59125、AD−59105、AD−59120、AD−59122、AD−59106、AD−59126、およびAD−59107から選択される。実施形態では、センスおよびアンチセンス配列は、二本鎖AD−58882、AD−58878、AD−58886、AD−58877、AD−59115、AD−58856、およびAD−59129から選択される。実施形態では、センスおよびアンチセンス配列は、二本鎖AD−58632である。実施形態では、センスおよびアンチセンス配列は、二本鎖AD−59453、AD−59395、AD−59477、およびAD−59492から選択される。実施形態では、センスおよびアンチセンス配列は、例えば本明細書で提供される実施例で開示されるアッセイを使用した評価で、ALAS1mRNA発現を少なくとも50%、60%、70%、80%、85%または90%抑制する、本明細書で開示される二本鎖である。

0057

いくつかの実施形態では、dsRNAは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含んでなる。

0058

いくつかの実施形態では、少なくともの1つ修飾ヌクレオチドは、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を含んでなるヌクレオチド、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に連結した末端ヌクレオチドからなる群から選択される。

0059

いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ−修飾ヌクレオチド、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ−修飾ヌクレオチド、2’−アルキル−修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホロアミダート、および非天然塩基包含ヌクレオチドからなる群から選択される。

0060

いくつかの実施形態では、相補性領域は、少なくとも17ヌクレオチド長である。

0061

いくつかの実施形態では、相補性領域は、19〜21ヌクレオチド長である。

0062

いくつかの実施形態では、相補性領域は、19ヌクレオチド長である。

0063

いくつかの実施形態では、各鎖は30ヌクレオチド長以下である。

0064

いくつかの実施形態では、少なくとも1本の鎖は、少なくとも1つのヌクレオチドの3’オーバーハングを含んでなる。

0065

いくつかの実施形態では、少なくとも1本の鎖は、少なくとも2つのヌクレオチドの3’オーバーハングを含んでなる。

0066

いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるdsRNAは、リガンドをさらに含んでなる。

0067

いくつかの実施形態では、リガンドは、GalNAcリガンドである。

0068

いくつかの実施形態では、リガンドは、dsRNAを肝実質細胞に標的化する。

0069

いくつかの実施形態では、リガンドは、dsRNAのセンス鎖の3’末端に共役する。

0070

いくつかの実施形態では、相補性領域は、表2または表3から選択されるアンチセンス配列からなる。実施形態では、相補性領域は、表2、3、6、7、8、9、14、または15から選択されるアンチセンス配列からなる。実施形態では、相補性領域は、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、または20から選択されるアンチセンス配列からなる。いくつかの実施形態では、相補性領域は、本明細書の実施例で開示されるAD−58882、AD−58878、AD−58886、AD−58877、AD−59115、AD−58856、AD−59129、AD−59124、AD−58874、AD−59125、AD−59105、AD−59120、AD−59122、AD−59106、AD−59126、またはAD−59107から選択されるアンチセンス配列からなる。いくつかの実施形態では、相補性領域は、二本鎖AD−58632のアンチセンス配列からなる。実施形態では、相補性領域は、AD−59453、AD−59395、AD−59477、およびAD−59492からなるアンチセンス配列から選択される。実施形態では、相補性領域は、本明細書で提供される実施例で開示されるアッセイを使用した評価で、ALAS1mRNA発現を少なくとも50%、60%、70%、80%、85%または90%抑制する、本明細書で開示される二本鎖から選択されるアンチセンス配列からなる。

0071

いくつかの実施形態では、dsRNAは、表2または表3から選択されるセンス鎖配列からなるセンス鎖と、表2または表3から選択されるアンチセンス配列からなるアンチセンス鎖とを含んでなる。

0072

いくつかの実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、または15から選択されるセンス鎖配列からなるセンス鎖と、表2、3、6、7、8、9、14、または15から選択されるアンチセンス配列からなるアンチセンス鎖とを含んでなる。実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、および15で開示される二本鎖から選択される、1対の対応するセンスおよびアンチセンス配列を含んでなる。

0073

いくつかの実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20から選択されるセンス鎖配列からなるセンス鎖と、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20から選択されるアンチセンス配列からなるアンチセンス鎖とを含んでなる。実施形態では、dsRNAは、表2、3、6、7、8、9、14、15、18および20で開示される二本鎖から選択される、1対の対応するセンスおよびアンチセンス配列を含んでなる。

0074

一態様では、本発明は、本明細書で取り上げるiRNAの少なくとも1つ(例えばdsRNA)を含有する細胞を提供する。細胞は、一般にヒト細胞などの哺乳類細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は赤血球系細胞(erythroid cell)である。別の実施形態では、細胞は肝細胞(例えば肝実質細胞)である。

0075

一態様では本明細書で提供されるのは、ALAS1遺伝子の発現を阻害するための医薬組成物であり、組成物は、本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)を含んでなる。

0076

本明細書に記載される医薬組成物の実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)が非緩衝溶液中で投与される。実施形態では、非緩衝溶液生理食塩水または水である。

0077

本明細書に記載される医薬組成物の実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)が非緩衝溶液中で投与される。実施形態では、緩衝溶液は、酢酸/酢酸塩(acetate)、クエン酸/クエン酸塩(citrate)、プロラミン炭酸/炭酸塩(carbonate)、またはリン酸/リン酸塩(phosphate)またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでなる。実施形態では、緩衝溶液は、リン酸緩衝食塩水PBS)である。

0078

本明細書に記載される医薬組成物の実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、肝実質細胞に標的化される。

0079

本明細書に記載される医薬組成物の実施形態では、組成物は静脈内投与される。

0080

本明細書に記載される医薬組成物の実施形態では、組成物は皮下投与される。

0081

実施形態では、医薬組成物は、iRNA(例えばdsRNA)を肝実質細胞に標的化するリガンド(例えばGalNAcリガンド)を含んでなる、本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)を含んでなる。

0082

実施形態では、医薬組成物は、リガンド(例えばGalNAcリガンド)を含んでなる本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)を含んでなり、医薬組成物は皮下投与される。実施形態では、リガンドは、iRNA(例えばdsRNA)を肝実質細胞に標的化する。

0083

特定の実施形態では、例えば本明細書に記載される組成物である医薬組成物は、脂質製剤を含む。いくつかの実施形態では、RNAi剤は、例えばMC3製剤であるLNP製剤中にある。いくつかの実施形態では、LNP製剤は、例えば肝実質細胞のような肝細胞などの特定の細胞に、RNAi剤を標的化する。実施形態では、脂質製剤はLNP11製剤である。実施形態では、組成物は静脈内投与される。

0084

別の実施形態では、医薬組成物は、例えば4週間に1回以下、3週間に1回以下、隔週1回以下、または毎週1回以下などの本明細書に記載される投薬計画に従った投与のために製剤化される。別の実施形態では、医薬組成物の投与は、例えば1、2、3または6ヶ月以上、または1年以上継続し得る。

0085

別の実施形態では、例えばALAS1を標的にするdsRNAなどの本発明で取り上げるiRNAを含有する組成物が、ポルフィリン症(例えばAIP)またはポルフィリン症の症状(例えば疼痛)を治療することが知られている薬剤である、非iRNA治療薬などと共に投与される。別の実施形態では、例えばAIPを標的にするdsRNAなどの本発明で取り上げるiRNAを含有する組成物が、ヘミンまたはグルコースなどの非iRNA薬剤投与計画(例えばグルコース点滴(例えばIVグルコース))と共に投与される。例えば本発明で取り上げるiRNAは、グルコース、デキストロースまたはエネルギー収支復元に役立つ同様の治療薬(例えば完全非経口栄養)の前、後、またはそれと同時に投与し得る。本発明で取り上げるiRNAはまた、ヘム製品(例えばヘミン、アルギン酸ヘム、またはヘムアルブミン)投与の前、後、またはそれと同時に投与し得て、任意選択的にグルコース(例えばIVグルコース)などとも組み合わされる。

0086

典型的に、ポルフィリン症の治療のために投与されるグルコースは、静脈内(IV)投与される。グルコースの静脈内投与は、本明細書で「IVグルコース」と称される。しかしグルコースが別の手段によって投与される、代案の実施形態もまた包含される。

0087

一実施形態では、ALAS1 iRNAが患者に投与され、次に非iRNA剤投与または治療計画(例えばグルコースおよび/またはヘム製品)が患者に実施される(または逆もまた然り)。別の実施形態では、ALAS1 iRNAおよび非iRNA治療薬または治療計画が同時に実施される。

0088

一態様では本明細書で提供されるのは、(a)本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)を細胞に導入する工程と、(b)工程(a)の細胞をALAS1遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間維持し、それによって細胞中のALAS1遺伝子の発現を阻害する工程とを含んでなる、細胞中におけるALAS1発現を阻害する方法である。

0089

一態様では本明細書で提供されるのは、細胞(例えば赤血球系細胞または例えば肝実質細胞などの肝細胞)中におけるALAS1遺伝子の発現を低下させまたは阻害する方法である。方法は、
(a)互いに相補的な少なくとも2つの配列を含む、二本鎖リボ核酸(dsRNA)を細胞に導入する工程と;
(b)工程(a)の細胞をALAS1遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間維持し、それによって細胞中のALAS1遺伝子の発現を阻害する工程と
を含み、dsRNAは、第1の配列を有するセンス鎖と、第2の配列を有するアンチセンス鎖とを含み;アンチセンス鎖は、ALAS1をコードするmRNAの少なくとも一部と実質的に相補的な相補性領域を有して、相補性領域は30ヌクレオチド以下、すなわち15〜30ヌクレオチド長、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、dsRNAは、ALAS1を発現する細胞に接触すると、ALAS1遺伝子の発現を例えば少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%以上など、少なくとも10%阻害する。

0090

細胞中におけるALAS1発現を阻害する前述の方法の実施形態では、細胞は生体外(ex vivo)、試験管内(in vitro)、または生体内(in vivo)で処置される。実施形態では、細胞は肝実質細胞である。

0091

実施形態では、細胞は、ALAS1発現関連疾患の治療、予防および/または管理を必要とする対象中に存在する。

0092

実施形態では、疾患はポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、急性間欠性ポルフィリン症またはALAデヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症である。

0093

実施形態では、ポルフィリン症は、例えば急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、および肝骨髄性ポルフィリン症から選択されるポルフィリン症などの肝性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、ホモ接合優性肝性ポルフィリン症(例えばホモ接合優性AIP、HCP、またはVP)または肝骨髄性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は二重ポルフィリン症である。

0094

実施形態では、ALAS1の発現が少なくとも30%阻害される。

0095

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、0.01〜1nMの範囲のIC50を有する。

0096

特定の実施形態では、細胞(例えば肝実質細胞)は、哺乳類細胞(例えばヒト、非ヒト霊長類、または齧歯類細胞)である。

0097

一実施形態では、細胞は生体外、試験管内、または生体内で処置される(例えば細胞は、対象(例えばALAS1発現関連疾患の治療、予防および/または管理を必要とする患者)中に存在する)。

0098

一実施形態では、対象は、例えばX連鎖鉄芽球性貧血(XLSA)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADPまたはDossポルフィリン症)、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、先天性赤芽球増殖性ポルフィリン症(CEP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(prophyria cutanea tarda)(PCT)、遺伝性のコプロポルフィリン症(コプロポルフィリン症、またはHCP)、異型ポルフィリン症(VP)、赤芽球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、または乳児期一過性赤血球ポルフィリン症などのポルフィリン症のリスクがある、またはポルフィリン症と診断された哺乳類(例えばヒト)である。いくつかの実施形態では、疾患は、例えばALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、AIP、HCP、またはVPなどの急性肝性ポルフィリン症である。特定の実施形態では、疾患は、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)またはAIPである。

0099

実施形態では、ポルフィリン症は、例えば急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、および肝骨髄性ポルフィリン症から選択されるポルフィリン症などの肝性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、ホモ接合優性肝性ポルフィリン症(例えばホモ接合優性AIP、HCP、またはVP)または肝骨髄性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は二重ポルフィリン症である。

0100

一実施形態では、導入されたdsRNAは、細胞中のALAS1遺伝子の発現を低下させまたは阻害する。

0101

一実施形態では、導入されたdsRNAは、ALAS1遺伝子の発現、または1つまたは複数のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体(例えばδ−アミノレブリン酸(ALA)、ポルホビリノーゲン(porphopilinogen)(PBG)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、ウロポルフィリノーゲンIまたはIII、コプロポフィリノーゲンIまたはIII、プロトポルフィリノーゲン(protoporphrinogen)IX、およびプロトポルフィリンIX)またはポルフィリン産物または代謝産物レベルを、参照(例えば未処置細胞または非標的化対照dsRNAで処置した細胞)と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%以上低下させまたは阻害する。理論により拘束されることなく、ALAS1は、ポルフィリン経路の最初の酵素である。したがってALAS1遺伝子の発現を低下させることは、1つまたは複数のポルフィリン前駆体、ポルフィリンまたはポルフィリン産物または代謝産物レベルを低下させと思われる。

0102

その他の態様では、本発明は、ALAS1発現に関連した病理過程(例えばポルフィリン症などのポルフィリン、ポルフィリン前駆体(precuorsors)に伴う、またはポルフィリン経路欠陥に伴う病理過程)を治療、予防または管理する方法を提供する。一実施形態では、方法は、例えばこのような治療、予防または管理を必要とする患者である対象に、有効量(例えば治療的または予防的有効量)の本明細書で取り上げる1つまたは複数のiRNAを投与する工程を含む。

0103

一態様では本明細書で提供されるのは、このような治療を必要とする対象に、本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)の治療有効量、または本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)を含んでなる組成物の治療有効量を投与する工程を含んでなる、ALAS1発現関連疾患を治療および/または予防する方法である。

0104

一態様では本明細書で提供されるのは、このような治療を必要とする対象に、二本鎖リボ核酸(dsRNA)を投与する工程を含んでなる、ポルフィリン症を治療および/または予防する方法であり、前記dsRNAは、15〜30塩基対長のセンス鎖とアンチセンス鎖とを含んでなり、アンチセンス鎖は、配列番号1または配列番号382の少なくとも15個の連続ヌクレオチドと相補的である。

0105

一実施形態では、対象(例えば患者)は、ポルフィリン症を有する。別の実施形態では、対象(例えば患者)には、ポルフィリン症を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、ALAS1を標的にするiRNAの投与は、患者においてALAS1関連疾患の少なくとも1つの症状の重症度緩和し、または軽減する。

0106

一実施形態では、対象は、例えばX連鎖鉄芽球性貧血(XLSA)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(Dossポルフィリン症)、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、先天性赤芽球増殖性ポルフィリン症(CEP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(prophyria cutanea tarda)(PCT)、遺伝性のコプロポルフィリン症(コプロポルフィリン症、またはHCP)、異型ポルフィリン症(VP)、赤芽球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、または乳児期一過性赤血球ポルフィリン症のようなポルフィリン症などのALAS1発現関連疾患のリスクがある、または疾患があると診断された哺乳類(例えばヒト)である。さらなる実施形態では、ポルフィリン症は、例えばALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、AIP、HCP、またはVPなどの急性肝性ポルフィリン症である。いくつかのこのような実施形態では、疾患は、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)またはAIPである。

0107

実施形態では、対象は、ポルフィリン症を有し、または発症するリスクがある。実施形態では、ポルフィリン症は、例えば急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、および肝骨髄性ポルフィリン症から選択されるポルフィリン症などの肝性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、ホモ接合優性肝性ポルフィリン症(例えばホモ接合優性AIP、HCP、またはVP)または肝骨髄性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は二重ポルフィリン症である。

0108

実施形態では、ポルフィリン症、ポルフィリン症の症状、前駆症状、またはポルフィリン症の発作は、本明細書に記載される増悪因子への曝露によって誘導される。いくつかの実施形態では、増悪因子は化学物質曝露である。いくつかの実施形態では、増悪因子は、例えば処方薬または一般市販薬などの薬物である。いくつかの実施形態では、増悪因子は、例えば黄体期のような月経周期の特定の時期などの月経周期である。

0109

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、ポルフィリン症の急性発作後に投与される。

0110

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、ポルフィリン症の急性発作中に投与される。

0111

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、ポルフィリン症の急性発作を予防するために予防的に投与される。

0112

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、LNP製剤として製剤化される。

0113

実施形態(emtodiments)では、iRNA(例えばdsRNA)は、GalNAc複合体の形態である。

0114

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、0.05〜50mg/kgの用量で投与される。

0115

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、対象の体重あたり0.01mg/kg〜5mg/kgの濃度で投与される。

0116

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、LNP製剤として製剤化され、0.05〜5mg/kgの用量で投与される。

0117

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、GalNAc複合体の形態であり、0.5〜50mg/kgの用量で投与される。

0118

実施形態では、方法は、対象中でポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させる。

0119

実施形態では、レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%低下する。一実施形態では、レベルは、少なくとも30%低下する。

0120

実施形態では、ポルフィリン前駆体は、δ−アミノレブリン酸(ALA)またはポルホビリノーゲン(porphopilinogen)(PBG)である。

0121

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、0.01〜1nMの範囲のIC50を有する。

0122

実施形態では、本明細書に記載される方法は、
(i)ALAS1関連障害(例えばポルフィリン症)に伴う症状を改善し、
(ii)対象中においてALAS1発現を阻害し、
(iii)対象中においてルフィリン前駆体(例えばALAまたはPBG)またはポルフィリンレベルを低下させ、
(iv)対象中においてポルフィリン症に伴う症状の急性発作の発生頻度を低下させ、または
(v)対象が増悪因子(例えば月経前期または黄体期)に曝露した際に、対象中においてポルフィリン症に伴う症状の急性発作の発生率を低下させる。

0123

実施形態では、方法は、疼痛および/または進行性神経障害を改善する。

0124

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物が、投与計画に従って投与される。

0125

いくつかの実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、ポルフィリン症の急性発作の前、またはその最中に投与される。いくつかの実施形態では、iRNAは、ポルフィリン症の急性発作前に投与される。

0126

いくつかの実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、前駆症状の間に投与される。実施形態では、前駆症状は、腹痛、悪心心理学的症状(例えば不安)、情動不安および/または不眠症によって特徴付けられる。

0127

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、例えば黄体期などの特定の月経周期中に投与される。実施形態では、方法は、例えば発作の重症度、持続期間、または発生頻度を低下させることで、ポルフィリン症の周期性発作を改善し、または予防する。実施形態では、周期性発作は、増悪因子と関連付けられている。実施形態では、増悪因子は、例えば黄体期のような月経周期の特定の時期などの月経周期である。

0128

実施形態では、対象は、ALAおよび/またはPBGレベルの上昇を有する。実施形態では、対象は、例えば肝性ポルフィリン症などのポルフィリン症を有し、またはそれを発症するリスクがある。実施形態では、対象は無症候性である。実施形態では、対象は、本明細書に記載されるポルフィリン症と関連付けられている遺伝子変化(例えば遺伝子変異)を保有する。

0129

実施形態では、対象は、ポルフィリン症を有し、またはそれを発症するリスクがあり、疼痛(例えば慢性疼痛、例えば慢性神経障害性疼痛)および/または神経障害(例えば進行性神経障害)を患っている。実施形態では、対象は、急性発作に罹患していないが、疼痛(例えば長期神経障害性疼痛のような慢性疼痛などの)および/または神経障害(例えば進行性神経障害)を患っている。実施形態では、疼痛は腹痛である。

0130

実施形態では、対象は、(a)ALAおよび/またはPBGレベルの上昇を有し、(b)疼痛(例えば長期神経障害性疼痛などの慢性疼痛)および/または神経障害(例えば進行性神経障害)を患っている。実施形態では、疼痛は腹痛である。

0131

実施形態では、対象は、ALAおよび/またはPBGの血漿レベルおよび/または尿レベルの上昇を有する。実施形態では、ALAおよび/またはPBGの上昇レベルには、例えば疼痛(例えば慢性疼痛、例えば長期神経障害性疼痛)または神経障害(例えば進行性神経障害)などのその他の症状が付随する。実施形態では、疼痛は腹痛である。実施形態では、対象は無症候性である。実施形態では、対象は、例えば本明細書に記載される変異などのポルフィリン症と関連付けられている遺伝子変異を有する。

0132

実施形態では、対象は、例えば基準値を超える、またはそれ以上のレベルなどの、上昇したALAおよび/またはPBGなどのポルフィリン前駆体レベル(例えば血漿レベルまたは尿レベル)を有する。実施形態では、レベルは、基準値を超える。実施形態では、基準値は、健常人サンプル中の平均レベルを2標準偏差上回る。実施形態では、基準値は、基準上限である。

0133

実施形態では、対象は、基準上限の2倍、3倍、4倍、または5倍を超える、またはそれ以上のALAおよび/またはPBGの血漿レベルおよび/または尿レベルを有する。本明細書の用法では,「基準上限」は、例えば正常な(例えば野性型)または健康な個人のサンプルなどの、例えばポルフィリン症と関連付けられている遺伝子変異を保有しない個人、および/またはポルフィリン症に罹患していない個人などの、標準試料の95%信頼区間の上限であるレベルを指す。実施形態では、対象は、基準上限の2〜4倍を超える、尿ALAおよび/またはPBGレベルを有する。実施形態では、対象は、基準上限の4倍を超える、尿ALAおよび/またはPBGレベルを有する。

0134

実施形態では、血漿PBGの基準値は、0.12μmol/Lである。実施形態では、対象はヒトであり、0.12μmol/L、0.24μmol/L、0.36μmol/L、0.48μmol/L、または0.60μmol/Lを超える、またはそれ以上の血漿PBGレベルを有する。実施形態では、対象はヒトであり、0.48μmol/Lを超える、またはそれ以上の血漿PBGレベルを有する。

0135

実施形態では、尿PBGの基準値は、1.2mmol/molクレアチニンである。実施形態では、対象はヒトであり、1.2mmol/molクレアチニン、2.4mmol/molクレアチニン、3.6mmol/molクレアチニン、4.8mmol/molクレアチニン、または6.0mmol/molクレアチニンを超える、またはそれ以上の尿PBGレベルを有する。実施形態では、対象はヒトであり、4.8mmol/molを超える、またはそれ以上の血漿PBGレベルを有する。

0136

実施形態では、血漿ALAの基準値は、0.12μmol/Lである。実施形態では、対象はヒトであり、0.12μmol/L、0.24μmol/L、0.36μmol/L、0.48μmol/L、または0.60μmol/Lを超える、またはそれ以上の血漿ALAレベルを有する。実施形態では、対象はヒトであり、0.48μmol/Lを超える、またはそれ以上の血漿ALAレベルを有する。

0137

実施形態では、尿ALAの基準値は、3.1mmol/molクレアチニンである。実施形態では、対象はヒトであり、3.1mmol/molクレアチニン、6.2mmol/molクレアチニン、9.3mmol/molクレアチニン、12.4mmol/molクレアチニン、または15.5mmol/molクレアチニンを超える、またはそれ以上の尿ALAレベルを有する。

0138

実施形態では、対象は、方法は、上昇したALAおよび/またはPBGレベルを低下させる。実施形態では、方法は、疼痛(例えば慢性疼痛、例えば慢性神経障害性疼痛)および/または神経障害(例えば進行性神経障害)を低下させる。実施形態では、疼痛は腹痛である。実施形態では、疼痛は、神経障害性疼痛(例えば急性ポルフィリン症の進行性神経障害に伴う疼痛)である。疼痛の低下としては、例えば疼痛の予防、疼痛発生の遅延、疼痛発生頻度の低下、および/または疼痛重症度の低下が挙げられる。

0139

実施形態では、方法は、例えば発作の重症度、持続期間、または発生頻度を低下させることで、ポルフィリン症の急性発作を改善しまたは予防する。

0140

実施形態では、方法は、神経損傷を低下させまたは予防する。

0141

実施形態では、方法は、悪化を予防し(例えば異常の発生を予防し)、または例えば筋肉臨床的測定、および/または例えばEMGおよび/または神経伝導速度のような神経機能の臨床的測定などの臨床的測定の改善をもたらす。

0142

実施形態では、方法は、ALAおよび/またはPBGレベル(例えば血漿または尿のALAおよび/またはPBGレベル)を低下させるのに効果的である。実施形態では、方法は、上昇したALAおよび/またはPBGレベルに予定された低下を生じるのに効果的である。

0143

実施形態では、予定された低下は、基準値以下の値への低下である。いくつかの実施形態では、基準値は、基準上限である。いくつかの実施形態では、基準値は、標準試料の平均レベルを2標準偏差上回る値である。

0144

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物が、例えば投与計画に従って反復投与される。

0145

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物が、ポルフィリン症を発症するリスクがある対象に、予防的に投与される。実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物が、思春期の始めに予防的に投与される。実施形態では、対象は、ポルフィリン症と関連付けられている遺伝子変異を保有し、および/またはALAおよび/またはPBGレベルの上昇(例えば血漿または尿のALAおよび/またはPBGレベルの上昇)を有する。実施形態では、変異は、(例えば薬物、ダイエットまたは例えば本明細書で開示される増悪因子のようなその他の増悪因子などの増悪因子に曝露した際に)個人が急性発作を起こしやすくする。実施形態では、変異は、ポルフィリンまたはポルフィリン前駆体(例えばALAおよび/またはPBG)レベルの上昇と関連付けられている。実施形態では、変異は、慢性疼痛(例えば慢性神経障害性疼痛)および/または神経障害(例えば進行性神経障害)と関連付けられている。

0146

実施形態では、変異は、ALAS1遺伝子の変異である。実施形態では、変異は、ALAS1遺伝子プロモータの変異、またはALAS1遺伝子の上流または下流領域の変異である。実施形態では、変異は、ALAS1と相互作用する転写因子またはその他の遺伝子の変異である。実施形態では、変異は、ヘム生合成経路中の酵素をコードする遺伝子の変異である。

0147

実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)またはiRNAを含んでなる組成物は、皮下投与される。実施形態では、iRNAは、GalNAc複合体の形態である。実施形態では、iRNA(例えばdsRNA)は、0.5〜50mg/kgの用量で投与される。

0148

一態様では本明細書で提供されるのは、ALAおよび/またはPBGレベルの上昇がある対象を治療する方法であり、方法は、対象に二本鎖リボ核酸(dsRNA)を投与する工程を含んでなり、前記dsRNAは、15〜30塩基対長のセンス鎖およびアンチセンス鎖を含んでなり、アンチセンス鎖は、配列番号1または配列番号382の少なくとも15個の連続ヌクレオチドと相補的である。

0149

一態様では本明細書で提供されるのは、ALAおよび/またはPBGレベルの上昇がある対象を治療する方法であり、方法は、本明細書に記載されるように、dsRNAまたはdsRNAを含んでなる組成物の治療有効量を対象に投与する工程を含んでなる。

0150

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、ALAおよび/またはPBGレベルを低下させるのに効果的である。いくつかの実施形態では、ALAおよび/またはPBGレベルは、例えば基準上限などの基準値未満、またはそれ以下になるように低下される。別の態様では、本発明は、細胞(例えば赤血球系細胞、または例えば肝実質細胞などの肝細胞)中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させる方法を提供する。一実施形態では、細胞は生体外、試験管内、または生体内で処置される(例えば細胞は、対象(例えばALAS1発現関連疾患の治療、予防および/または管理を必要とする患者)中に存在する)。方法は、細胞に、例えば本明細書で開示されるiRNAの1つまたは複数などのALAS1を標的にするiRNAの1つまたは複数の有効量を接触させ、それによって接触前レベルと比較して、細胞中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させ;または細胞が位置する対象中のその他の細胞、組織、または体液中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させる工程を含んでなる。このような方法を使用して、例えばAIPまたはALAデヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症のようなポルフィリン症などのALAS1発現関連障害を治療し得る(例えば重症度を改善し得る)。

0151

一実施形態では、接触させる工程は、生体外、試験管内、または生体内で実施される。例えば細胞は、例えばポルフィリン症のリスクがある、またはポルフィリン症と診断された哺乳類(例えばヒト)などの対象中に存在し得る。一実施形態では、ポルフィリン症は急性肝性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、例えば急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)、および肝骨髄性ポルフィリン症から選択されるポルフィリン症などの肝性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は、ホモ接合優性肝性ポルフィリン症(例えばホモ接合優性AIP、HCP、またはVP)または肝骨髄性ポルフィリン症である。実施形態では、ポルフィリン症は二重ポルフィリン症である。

0152

一態様では本明細書で提供されるのは、細胞中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体レベルを低下させるのに有効な量で、細胞に、本明細書に記載されるiRNA(例えばdsRNA)を接触させる工程を含んでなる、細胞中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体(例えばALAまたはPBG)レベルを低下させる方法である。実施形態では、細胞は肝実質細胞である。実施形態では、ポルフィリンまたはポルフィリン前駆体は、δ−アミノレブリン酸(ALA)、ポルホビリノーゲン(porphopilinogen)(PBG)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、ウロポルフィリノーゲンIまたはIII、コプロポルフィリノーゲンIまたはIII、プロトポルフィリノーゲン(protoporphrinogen)IX、またはプロトポルフィリンIXである。実施形態では、ポルフィリン前駆体はALAまたはPBGである。

0153

一実施形態では、細胞は赤血球系細胞である。さらなる実施形態では、細胞は肝細胞(例えば肝実質細胞)である。

0154

一態様では本明細書で提供されるのは、本明細書に記載されるように、少なくとも1本のiRNA(例えばadsRNA)鎖をコードするベクターである。

0155

一態様では本明細書で提供されるのは、少なくとも1本のdsRNA鎖をコードするベクターであり、前記dsRNAはALAS1をコードするmRNAの少なくとも一部との相補性領域を含んでなり、前記dsRNAは30塩基対長以下であり、前記dsRNAは前記mRNAを切断の標的にする。

0156

実施形態では、相補性領域は少なくとも15ヌクレオチド長である。

0157

実施形態では、相補性領域は少なくとも19〜21ヌクレオチド長である。一態様では、本発明は、細胞中のALAS1遺伝子の発現を阻害するためのベクターを提供する。一実施形態では、ベクターは、本明細書に記載されるiRNAを含んでなる。一実施形態では、ベクターは、本明細書に記載されるiRNAの少なくとも1本の鎖をコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結する、少なくとも1つの制御配列を含む。一実施形態では、ベクターは、少なくとも1本のALAS1 iRNA鎖を含んでなる。

0158

一態様では本明細書で提供されるのは、本明細書に記載されるベクターを含んでなる細胞である。一態様では本明細書で提供されるのは、細胞中のALAS1遺伝子発現を阻害するベクターを含有する細胞である。ベクターは、本明細書に記載されるiRNAの1つの少なくとも1本の鎖をコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結する、制御配列を含む。一実施形態では、細胞は肝細胞(例えば肝実質細胞)である。別の実施形態では、細胞は赤血球系細胞である。

0159

本明細書で言及される、全ての刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、その内容全体を参照によって援用する。

0160

本発明の様々な実施形態の詳細は、以下の説明に記載される。本発明のその他の特性、目的、および利点は、説明と図面から、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0161

図1は、ヘム生合成経路を描写する。
図2は、ヘム代謝における遺伝的誤りと関連付けられている、特定のポルフィリン症を要約する。
図2は、ヘム代謝における遺伝的誤りと関連付けられている、特定のポルフィリン症を要約する。
図3は、ヒトALAS1mRNA配列転写変異体1(参照配列NM_000688.4(GI:40316942、2011年11月19日記録)、配列番号1)を描写する。
図3は、ヒトALAS1 mRNA配列転写変異体1(参照配列NM_000688.4(GI:40316942、2011年11月19日記録)、配列番号1)を描写する。
図4は、ヒトALAS1 mRNA配列転写変異体2(参照配列NM_000688.5(GI:362999011、2012年4月1日記録)、配列番号382)を描写する。
図4は、ヒトALAS1 mRNA配列転写変異体2(参照配列NM_000688.5(GI:362999011、2012年4月1日記録)、配列番号382)を描写する。
図5は、PBS対照と比較した、マウスALAS1(mALAS1)mRNAの抑制における、siRNA AD−53558の用量応答を示す。ルシフェラーゼ(LUC)AD−1955対照の結果もまた、示される。
図6は、PBS対照と比較した、ラットにおけるALAS1 mRNAの抑制における、siRNA AD−53558の用量応答を示す。ルシフェラーゼ(LUC)AD−1955対照の結果もまた、示される。
図7は、PBS対照と比較した、siRNA AD−53558によるマウスALAS1(mALAS1)mRNA抑制の永続性を示す。
図8は、実験群(ALAS1 siRNA)および対照群(LUC siRNA)における、ベースラインの、およびフェノバルビタール処置後の、血漿ALAレベル(μM単位)の平均値±標準偏差を示す。
図9は、ALAS1 siRNAおよび対照(LUC siRNA)処置を受けた動物における、ベースラインの、およびフェノバルビタール処置後の、個々の動物の血漿ALAレベル(μM単位)を示す(shows shows)。
図10は、ALAS1 siRNAおよび対照(LUC siRNA)処置を受けた動物における、ベースラインの、およびフェノバルビタール処置後の、血漿ALAレベル(μM単位)の平均値±標準偏差を示す。
図11は、ALAS1 siRNAおよび対照(LUC siRNA)処置を受けた動物における、ベースラインの、およびフェノバルビタール処置後の、個々の動物の血漿PBGレベル(μM単位)を示す(shows shows)。
図12は、選択された代表的な実験(ALAS1 siRNA)および対照(PBS)動物における、ベースラインの、およびフェノバルビタール処置後の、肝臓の相対的mALAS1 mRNAレベルを示す。
図13は、マウス肝臓組織におけるmALAS1発現に対する、(PBS対照と比較した)3種のGalNAc共役mALAS1 siRNAの効果を示す。
図14は、フェノバルビタール投与、およびALAS1 siRNA処置または対照LUC siRNA処置後における、血漿ALAおよびPBGレベルを経時的に示す。
図15は、マウスAIPフェノバルビタール誘導モデルにおける、血漿ALAおよび血漿PBGレベルに対する、GalNAc共役ALAS1 siRNAの効果を示す。

0162

iRNAは、RNA干渉(RNAi)として知られている過程を通じて、mRNAの配列特異的分解を誘発する。本明細書では、iRNAと、細胞または哺乳類におけるALAS1遺伝子の発現を阻害するためにそれらを使用する方法とが記載され、その中でiRNAはALAS1遺伝子を標的とする。ポルフィリン症(例えばALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADPまたはDossポルフィリン症)、急性間欠性ポルフィリン症、先天性赤芽球増殖性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症(prophyria cutanea tarda)、遺伝性のコプロポルフィリン症(コプロポルフィリン症)、異型ポルフィリン症、赤芽球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖鉄芽球性貧血(XLSA)、および乳児期一過性赤血球ポルフィリン症)などのALAS1発現関連障害のための組成物および方法もまた提供される。

0163

ポルフィリン症は遺伝し、または本明細書でポルフィリン経路とも称されるヘム生合成経路における、特定酵素の活性低下または亢進によって引き起こされる後天性疾患であり得る(図1を参照されたい)。ポルフィリンは、主要ヘム前駆体である。ポルフィリンおよびポルフィリン前駆体としては、δ−アミノレブリン酸(ALA)、ポルホビリノーゲン(porphopilinogen)(PBG)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、ウロポルフィリノーゲンIまたはIII、コプロポルフィリノーゲンIまたはIII、プロトポルフィリノーゲン(protoporphrinogen)IX、およびプロトポルフィリンIXが挙げられる。ヘムは、ヘモグロビンミオグロビンカタラーゼペルオキシダーゼの、および呼吸およびP450肝臓チトクロームをはじめとするチトクロームの、不可欠な部分である。ヘムは、ほとんどのまたは全てのヒト細胞で合成される。ヘムの約85%は、主にヘモグロビンのために、赤血球系細胞中で産生される。残りのヘムの大部分は、肝臓で産生され、その80%はチトクローム合成のために使用される。ポルフィリン経路中の特定酵素の欠乏は、不十分なヘム産生をもたらし、また高濃度では細胞または臓器機能に有毒であり得るポルフィリン、前駆体および/またはポルフィリンの蓄積ももたらす。

0164

ポルフィリン症は、神経学的合併症(「急性」)、肌の問題(「皮膚」)またはその両者によって現れることもある。ポルフィリン症は、ポルフィリンまたはそれらの前駆体の過剰産生および蓄積の原発部位によって、分類されてもよい。肝性ポルフィリン症では、ポルフィリンおよびポルフィリン前駆体が肝臓で優勢に過剰産生されるのに対し、赤芽球増殖性ポルフィリン症では、ポルフィリンが骨内の赤血球系細胞で過剰産生される。急性または肝性ポルフィリン症は、神経系機能障害および神経性症状発現をもたらし、それは中枢および辺縁神経系の双方に影響を及ぼし得て、例えば疼痛(例えば腹痛および/または慢性神経障害性疼痛)、嘔吐、神経障害(例えば急性神経障害、進行性神経障害)、筋力低下、痙攣、精神障害(例えば幻覚うつ病不安、妄想症)、心不整脈、頻脈、便秘、および下痢などの症状をもたらす。皮膚性または赤芽球増殖性ポルフィリン症は、主に皮膚に影響を及ぼして、有痛性であり得る光過敏症火ぶくれ壊死掻痒感腫脹、および前頭部などの領域における発毛増大などの症状を引き起こす。皮膚病変引き続く感染は、骨および組織の損失、ならびに瘢痕、損なわれた美観、および指(例えば手指足指)の欠損をもたらし得る。ほとんどのポルフィリン症は、ヘム生合成経路内の酵素をコードする変異によって引き起こされる。ヘム代謝における遺伝的誤りと関連付けられているポルフィリン症の概要が、図2に提供される。

0165

全てのポルフィリン症が遺伝的とは限らない。例えば肝臓病患者は、肝機能不全の結果としてポルフィリン症を発症することもあり、乳児期における赤血球ポルフィリン症(erythroporphria)の一過性形態(乳児期一過性赤血球ポルフィリン症)が記述されている(クロフォード(Crawford),R.I.ら著,J Am Acad Dermatol.1995年8月;33(2 Pt 2):333−6を参照されたい)。PCTがある患者は、正常な酵素よりも活性が低いORO−D酵素形成のために、ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ(URO−D)活性欠乏を起こし得る(フィリプス(Phillips)ら著.ブラッド(Blood),98:3179−3185,2001年を参照されたい)。

0166

急性間欠性ポルフィリン症(AIP)(ポルホビリノーゲン(PBG)デアミナーゼ欠乏、またはヒドロキシメチルビランシンターゼ(HMBS)欠乏とも称される)は、最も一般的なタイプの急性肝性ポルフィリン症である。その他の各種急性肝性ポルフィリン症としては、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、およびALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(ADP)が挙げられる。急性肝性ポルフィリン症は、例えばバルワニ(Balwani),Mおよびデスニック(Desnick),R.J.,ブラッド(Blood),120:4496−4504,2012年で説明される。

0167

AIPは、典型的に、酵素ポルホビリノーゲンデアミナーゼ(PBGデアミナーゼ)の欠乏によって特徴付けられる常染色体優性疾患であり;この酵素は、ヒドロキシメチルビランシンターゼ(HMBシンターゼまたはHMBS)としてもまた知られている。PBGデアミナーゼは、ヘム生合成経路の3番目の酵素であり(図1を参照されたい)、直鎖テトラピロールであるヒドロキシメチルビラン(HMB)への、ポルホビリノーゲン分子の頭尾縮合触媒する。PBGデアミナーゼの異なるイソ型をコードする、選択的スプライスによる転写物変種について記述されている。PBGデアミナーゼ遺伝子中の変異は、AIPと関連付けられている。このような変異は、PBGデアミナーゼ量の低下、および/またはPBGデアミナーゼ活性の低下をもたらすこともある(罹患した個人は、典型的にPBGデアミナーゼ活性に約50%の低下を有する)。

0168

AIPおよびその他の急性肝性ポルフィリン症の病態生理の少なくとも2つの異なるモデルがある(例えばリン(Lin)CS−Yら著.,クリニカルニューロフィジオロジ(Clinical Neurophysiology),2011年;122:2336−44を参照されたい)。1つのモデルによると、PBGデアミナーゼ欠乏に起因するヘム産生の低下は、エネルギー不全および軸索変性を引き起こす。別の、目下、より支持されているモデルによると、ポルフィリン前駆体(例えばALAおよびPBG)の沈積は、神経毒性をもたらす。

0169

AIPは、特定の集団中で10,000人に1人程度に高い、有病率を有することが分かっている(例えばスウェーデン部;フロデルス(Floderus) Yら著Clin Genet.2002年;62:288−97を参照されたい)。英国を除く、米国およびヨーロッパの一般集団の有病率は、10,000人に1人から、20,000人に1人程度と推定される。臨床疾患は、AIPに伴うことが知られている変異を保有する個人の約10〜15%のみに現れる。しかし浸透度は、特定の変異(例えばW198X変異)がある個人の40%程度に高い。AIPは、典型的に、思春期前には潜在性である。症状は、男性よりも女性でより一般的である。疾患の有病率は、その不完全な浸透度と長い潜伏期のために、恐らくは過小評価されている。米国では、発作を少なくとも1回起こしたことがある患者が、約2000人いると推定される。フランス、スウェーデン、英国、およびポーランドでは、約150の活性再発性症例があると推定され;これらの患者の大部分は若年女性であり、年齢中央値は30である。例えば2012年11月1日にオンライン公開された、エルダ(Elder)ら著,J Inherit Metab Dis.を参照されたい。

0170

AIPは、例えば、内臓、辺縁、自律、および中枢神経系に影響を及ぼす。AIP症状は変動し、胃腸症状(例えば重症局在のはっきりしない腹痛、悪心/嘔吐、便秘、下痢、腸閉塞)、尿症状(排尿障害尿貯留失禁、または色の濃い尿)、神経症状(例えば感覚性神経障害、運動神経障害(例えば脳神経に影響を及ぼし、および/または腕または脚の脱力感をもたらす)、痙攣、神経障害性疼痛(例えば慢性神経障害性疼痛などの進行性神経障害に伴う疼痛)、神経精神症状(例えば精神錯乱、不安、撹拌、幻覚、ヒステリー譫妄感情鈍麻、うつ病、恐怖症精神病、不眠症、傾眠昏睡)、自律神経系障害(例えば頻脈、高血圧、および/または不整脈などの心血管症状(sysmptoms)、ならびに例えば循環カテコールアミンレベル、発汗、情動不安、および/または振戦の増大などのその他の症状をもたらす)、脱水、および電解質異常が含まれる。最も一般的な症状は、腹痛および頻脈である。さらに患者は、頻繁に慢性神経障害性疼痛を有して、進行性神経障害を発症する。再発性発作がある患者は、前駆症状を有することが多い。重度の発作後に、恒久的な麻痺が起きることもある。即座に治療されない重度の発作からの回復は、数週間または数ヶ月かかることもある。急発作は、例えば電解不均衡からの呼吸筋肉麻痺または心血管破損のために、致命的なこともある(例えばその内容全体を参照によって援用する、サンネル(Thunell)S.ヒドロキシメチルビランシンターゼ欠乏(Hydroxymethylbilane Synthase Deficiency)2005年9月27日[2011年9月1日に更新].In:パゴン(Pagon)RA,バード(Bird)TD,ドラン(Dolan)CR,ら著,編者 GeneReviews(登録商標)[インターネット].シアトルワシントン州):ワシトン大学(University of Washington),シアトル;1993−(以下、サンネル(Thunell)(1993))を参照されたい。)ヘミン治療法が利用できるようになる前には、AIP疾患がある患者の最高20%が、病気のために死亡した。

0171

AIP遺伝子を保有する個人では、肝細胞がんのリスクが増大する。再発性発作がある個人では、肝細胞がんのリスクは特に重篤であり、50才以降では、リスクは一般集団のほぼ100倍を超える。

0172

急性ポルフィリン症の発作は、内因性または外因性要因によって誘発されることもある。このような要因が発作を誘発する機構としては、例えば肝臓のP450酵素に対する要求の増大、および/または肝臓のALAS1活性の誘導が挙げられる。肝臓のP450酵素に対する要求の増大は、肝臓の遊離ヘムの低下をもたらし、その結果、肝臓のALAS1の合成を誘導する。

0173

増悪因子としては、空腹時(またはクラッシュダイエットや長距離運動競技などに起因する、低下したまたは不十分なカロリー摂取量のその他の形態)、代謝ストレス(例えば感染症外科手術国際飛行機旅行、および心理学的ストレス)、内因性ホルモン(例えばプロゲステロン)、喫煙、脂質可溶性外来性化学物質(例えばタバコの煙、特定の処方薬、有機溶媒殺生剤アルコール飲料の成分中に存在する化学物質をはじめとする)、内分泌因子(例えば生殖ホルモン(女性は月経前期間中に増悪を経験することもある)、合成エストロゲン、プロゲステロン、排卵誘発剤、およびホルモン代替療法)が挙げられる。例えばサンネル(Thunell)(1993)を参照されたい。

0174

急性肝性ポルフィリン症(例えばAIP、HCP、ADP、およびVP)では、例えば、アルコールバルビツレート系薬物、カルバマゼピンカリソプロドールクロナゼパム(高用量)、ダナゾールジクロフェナクおよび場合によりその他のNSAIDS、麦角エストロゲンエトクロルビノール(Ethyclorvynol)、グルテチミドグリセオフルビン、メフェニトインメプロバメート(またメブタメートおよびチブタメート(tybutamate))、メチプリロンメトクロプラミド(Metodopramide)、フェニトイン、プリミドン、プロゲステロンおよび合成プロゲスチンピラジナミドピラゾロンアミノピリンおよびアンチピリン)、リファンピンスクシンイミドエトサクシミドおよびメトサクシミド)、スルホンアミド抗生物質、およびバルプロ酸をはじめとする、1000種を超える薬剤が禁忌である。

0175

AIPの他覚的微候としては、急性発作中の尿の変色(尿が赤色または赤褐色に見えることもある)、そして急性発作中のPBGおよびALAの尿中濃度の増大が挙げられる。分子遺伝学検査は、罹患した個人の98%以上で、PBGデアミナーゼ(HMBSとしてもまた知られている)遺伝子に変異を同定する。サンネル(Thunell)(1993)。

0176

ポルフィリン症の鑑別診断は、発作中に(例えばクロマトグラフィーおよび蛍光光度法によって)尿、糞便、および/または血漿中のポルフィリンまたはポルフィリン前駆体(例えばALA、PBG)の個々のレベルを測定することで、ポルフィリン症のタイプを判定することを伴ってもよい。AIPの診断は、赤血球PBGデアミナーゼ活性が、正常レベルの50%以下であることを確立することによって確認され得る。変異のDNA検査は、患者およびリスクのある血縁者において実施されてもよい。AIPの診断は、典型的に、特定の原因(caustative)遺伝子変異(例えばHMBS変異)を同定するDNA検査によって確認される。

0177

急性発作の処置は、例えば腹痛、痙攣、脱水/低ナトリウム血症、悪心/嘔吐、頻脈/高血圧、尿貯留/腸閉塞をはじめとする急性症状(sysmptoms)を管理して治療するために、典型的に入院を要する。例えば腹痛は麻薬鎮痛剤で処置してもよく、痙攣は痙攣予防措置で、場合により(多数の抗痙攣薬剤は禁忌であるが)薬剤で処置してもよく、悪心/嘔吐剤は例えばフェノチアジンで処置してもよく、頻脈/高血圧は例えばβ遮断薬で処置してもよい。処置としては、安全でない薬剤の休薬、呼吸機能ならびに筋肉強度および神経学的状態モニタリングが挙げられる。軽度の発作(例えば不全麻痺または低ナトリウム血症がないもの)は、少なくとも1日あたり300gの静脈内10%グルコースで処置してもよいが、次第にヘミンが即座に投与されるようになってきている。重症の発作は、できる限り速やかに静脈内ヘミン(4〜14日間にわたり毎日3〜4mg/kg)で処置し、IVヘミンの効果が現れるのを待つ間、IVグルコースによって処置すべきである。典型的に、発作はIVヘミンで4日間処置され、IVヘミン投与を待つ間、IVグルコースで処置される。

0178

ヘミン(Panhematin(登録商標)または注射用ヘミン、以前はヘマチンとして知られていた)は、米国内で使用が認可された唯一のヘム製品であり、希少医薬品法下で認可された最初の薬剤である。Panhematin(登録商標)は、加工赤血球(PRBC)に由来するヘミンであり、塩化物リガンドのある第二鉄イオン(ヘムB)を含有するプロトポルフィリンIXである。ヘムは、ポルフィリンの肝臓および/または骨髄合成を制限するように作用する。肝性ポルフィリン症の急性発症がある患者において、ヘミンが症状改善を生じる正確な機序は、解明されていない;しかしその作用は、ポルフィリン/ヘム生合成経路の速度を制限する酵素である、δ−アミノレブリン酸(ALA)シンターゼの(フィードバック)阻害に起因すると思われる。2010年10月のPanhematin(登録商標)製品ラベル、Lundbeck,Inc.を参照されたい。ALAシンターゼの阻害は、ALAおよびPBG、ならびにポルフィリンおよびポルフィリン中間体の産生低下をもたらすはずである。

0179

ヘミンの欠点としては、臨床症状に対する遅延性の効果と、発作再燃の防止ができないことが挙げられる。ヘミン投与に伴う有害反応としては、血栓静脈炎抗凝血血小板減少症腎機能停止、または鉄過負荷が挙げられ、それは特に、再発性発作のために複数クールのヘミン処置を要する患者において起こり得る。静脈炎を予防するため、再発性発作がある患者では、アクセス用の留置静脈カテーテルが必要である。まれに報告される副作用としては、発熱、痛み、倦怠感溶血アナフィラキシー(anaphalaxis)、および循環虚脱が挙げられる。アンダーソン(Anderson),K.E.,ヒトポルフィリン症の治療と予防へのアプローチ(Approaches to Treatment and Prevention of Human Porphyrias),ポルフィリンハンドブック(The Porphyrin Handbook):ポルフィリンの医学的側面(Medical Aspects of Porphyrins),編者カール(Karl)M.カディッシュ(Kadish),ケビン(Kevin)M.スミス(Smith),ロジャーギラード(Roger Guilard)(2003)(以下、アンダーソン)を参照されたい。

0180

ヘムは、静脈内投与のために安定した形態で調製するのが困難である。それは中性pHで不溶性であるが、pH8以上で、ヘム水酸化物として調製され得る。Anderson。Panhematinは、凍結乾燥ヘミン製剤である。凍結乾燥ヘミンが、静脈内投与のために可溶化されると、分解産物が迅速に生成し;これらの分解産物は、点滴部位における一過性抗凝固効果、および静脈炎の原因である。アンダーソン(Anderson)。ヘムアルブミンおよびアルギン酸ヘム(Normosang、ヘミンのヨーロッパバージョン)はより安定しており、血栓静脈炎を引き起こすことが潜在的により少ない。しかしアルギン酸ヘムは、米国では使用が認可されていない。Panheminは、滅菌水でなく30%ヒトアルブミン中で可溶化することで、点滴のために安定化させてもよいが;アルブミンには血管内容積増大効果があり、またヒト血液から単離されることから、治療コストならびに病原体リスクを増大させる。例えばアンダーソン(Anderson)を参照されたい。

0181

急性発作の成功裏の治療は、再燃を予防せずまたは遅延させない。ヘミンそれ自体が、ヘムオキシゲナーゼ誘導に起因する再発性発作を引き起こし得るか否かという疑問がある。それでもなお、いくつかの地域(特にフランス)では、多重再発性発作がある若い女性が、予防を達成する目的で、ヘミンの毎週投与で治療されている。

0182

肝臓移植に関する限定的経験は、それが成功すれば、AIPの効果的治療法であることを示唆する。ヨーロッパでは、ヒト患者においておよそ12件の移植が実施されており、効果は治癒的でありまたは様々である。肝臓移植は、ALAおよびPBGの正常な排出を復元して、急性発作を予防し得る。例えばダル(Dar),F.S.ら著 Hepatobiliary Pancreat.Dis.Int.,9(1):93−96(2010)を参照されたい。さらにAIP患者の肝臓を別の患者に移植した場合(「ドミノ移植」)、移植を受けた患者がAIPを発症することもある。

0183

急性ポルフィリン症の長期臨床作用には、例えばポルフィリン前駆体(例えばALAおよび/またはPBG)上昇などの神経毒性効果による、進行性神経障害に起因することもある慢性神経障害性疼痛がある。患者は、急性発作に先だってまたはその最中に、神経障害性疼痛に悩まされることもある。高齢患者は、加齢に伴って神経障害性疼痛の増大を経験することもあり、それに対して様々な麻酔薬が典型的に処方される。急性肝性ポルフィリン症患者において、筋電図異常および伝導時間低下が実証されている。注目すべきことに、AIP(PBGデアミナーゼ欠乏)がある未処置非誘導性マウスは進行性運動神経障害を発症し、それは恐らくはポルフィリン前駆体(ALA&PBG)レベルの恒常的上昇、ポルフィリンおよび/またはヘム欠乏に起因する、進行性四頭筋神経軸索変性および損失を引き起こすことが示されている(リンドバーグ(Lindberg)ら著,J.Clin.Invest.,103(8):1127−1134,1999)。急性ポルフィリン症(例えばADP、AIP、HCP、またはVP)患者では、無症候性患者において、および発作間症候性患者においてポルフィリン前駆体(ALAおよびPBG)レベルが上昇することが多い。したがってALAS1の発現および/または活性レベルを低下させることによる、ポルフィリン前駆体の低下および正常なヘム生合成の回復は、慢性および進行性神経障害の発症を予防および/または最小化することが期待される。治療、例えば長期治療(例えば本明細書に記載されるiRNAによる周期的治療、例えば本明細書に記載される投与計画に従った治療、例えば毎週または隔週の治療)は、ポルフィリン前駆体、ポルフィリン、ポルフィリン産物またはそれらの代謝産物レベルの上昇を有する、急性ポルフィリン症患者におけるALAS1発現を継続的に低下させ得る。このような治療を必要に応じて提供し、個々の患者の症状(例えば疼痛および/または神経障害)を予防し、またはその発生頻度または重症度を低下させ、および/またはポルフィリン前駆体、ポルフィリン、ポルフィリン産物または代謝産物レベルを低下させてもよい。

0184

ポルフィリン症治療のために使用し得る、新規治療薬を同定する必要性が存在する。上で考察したように、ヘミンなどの既存の治療薬は、多数の欠点を有する。例えば臨床症状に対するヘミンの影響は、遅延性で、高価であり、副作用を有することもある(例えば血栓静脈炎、抗凝血、血小板減少症、鉄過負荷、腎機能停止)。本明細書で記載されるような新規治療薬は、例えば、より迅速に作用し、静脈炎を誘発せず、皮下投与の利便性を提供し、再発性発作を成功裏に予防し、疼痛(例えば慢性神経障害性疼痛)および/または進行性神経障害を予防または改善し、および/またはヘミンと関連付けられている特定の悪影響(例えば鉄過負荷、肝細胞がんのリスク増大)を引き起こさないことで、これらの欠点および満たされていない患者の要求に対処し得る。

0185

本開示は、ALAS1遺伝子の発現を調節するための方法およびiRNA組成物を提供する。特定の実施形態では、ALAS1特異的iRNAを使用して、ALAS1の発現が低下または阻害され、その結果ALAS1遺伝子の発現低下がもたらされる。ALAS1遺伝子の発現低下は、1つまたは複数のポルフィリン前駆体、ポルフィリン、またはポルフィリン産物または代謝産物レベルを低下させてもよい。ALAS1遺伝子の発現低下、ならびに関連した1つまたは複数のポルフィリン前駆体および/またはポルフィリンレベルの低下は、例えばポルフィリン症などのALAS1発現関連障害を治療するのに有用であり得る。

0186

本明細書で取り上げる組成物のiRNAは、30ヌクレオチド長以下、すなわち15から30ヌクレオチド長、一般に19〜24ヌクレオチド長の領域を有するRNA鎖(アンチセンス鎖)を含み、その領域は、ALAS1遺伝子のmRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である(本明細書で「ALAS1特異的iRNA」とも称される)。このようなiRNAの使用は、例えばALAデヒドラターゼ欠乏ポルフィリン症(Dossポルフィリン症)または急性間欠性ポルフィリン症のようなポルフィリン症などの、哺乳類におけるALAS1発現に伴う病態と関係があるとされる遺伝子のmRNA標的化分解を可能にする。非常に低い投与量のALAS1特異的iRNAは、特異的かつ効率的にRNAiを媒介して、ALAS1遺伝子発現の顕著な阻害をもたらし得る。ALAS1を標的にするiRNAは、特異的かつ効率的にRNAiを媒介して、例えば細胞ベースのアッセイ中で、ALAS1遺伝子発現の顕著な阻害をもたらし得る。したがってこれらのiRNAをはじめとする方法および組成物は、ポルフィリン症(例えば、X連鎖鉄芽球性貧血(XLSA)、ALAデヒドラターゼ(deyhdratase)欠乏ポルフィリン症(Dossポルフィリン症)、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、先天性赤芽球増殖性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症(prophyria cutanea tarda)、遺伝性コプロポルフィリン症(コプロポルフィリン症)、異型ポルフィリン症、赤芽球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、および乳児期一過性赤血球ポルフィリン症)などのALAS1発現関連病理過程を治療するのに有用である。

0187

以下の説明は、ALAS1遺伝子の発現を阻害するためのiRNA含有組成物をどのように製造し使用するか、ならびにこの遺伝子の発現によって引き起こされ、または調節される、疾患および障害を治療するための組成物および方法を開示する。本発明で取り上げる医薬組成物の実施形態は、薬学的に許容できる担体と共に、30ヌクレオチド長以下、一般に19〜24ヌクレオチド長の領域を含んでなるアンチセンス鎖を有するiRNAを含み、その領域は、ALAS1遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である。本発明で取り上げる組成物実施形態はまた、30ヌクレオチド長以下、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、ALAS1遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である相補性領域を有する、アンチセンス鎖を有するiRNAも含む。

0188

したがっていくつかの態様では、ALAS1 iRNAと薬学的に許容できる担体とを含有する医薬組成物、組成物を使用してALAS1遺伝子の発現を阻害する方法、および医薬組成物を使用してALAS1発現関連障害を治療する方法が、本発明で取り上げられる。

0189

I.定義
便宜のため、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用される、特定の用語と語句の意味を以下に提供する。本明細書の他の部分における用法と、本節で提供されるその定義との間に明白な矛盾がある場合、本節の定義が優先されるものとする。

0190

「G」、「C」、「A」、「T」、および「U」は、通常、それぞれ塩基としてグアニンシトシンアデニンチミジン、およびウラシルを含有するヌクレオチドをそれぞれ表す。しかし「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語はまた、以下でさらに詳述されるような修飾ヌクレオチドにも、または代替置換部分にも言及し得るものと理解される。当業者は、グアニン、シトシン、アデニン、およびウラシルが、このような置換部分を有するヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチド塩基対形成特性を実質的に変更することなしに、その他の部分によって置き換えられてもよいことを十分承知している。制限を意図しない例として、その塩基としてイノシンを含んでなるヌクレオチドは、アデニン、シトシン、またはウラシルを含有するヌクレオチドと塩基対形成してもよい。したがってウラシル、グアニン、またはアデニンを含有するヌクレオチドは、本発明で取り上げるdsRNAのヌクレオチド配列中で、例えばイノシンを含有するヌクレオチドで置き換えてもよい。別の実施例では、アデニンおよびシトシンは、オリゴヌクレオチドのどこでも、それぞれグアニンおよびウラシルで置換され得て、標的mRNAとG−Uゆらぎ塩基対を形成する。このような置換部分を含有する配列は、本発明で取り上げられる組成物および方法に適する。

0191

本明細書の用法では、「ALAS1」(ALAS−1;δ−アミノレブリン酸シンターゼ1;δ−ALAシンターゼ1;5’−アミノレブリン酸シンターゼ1;ALAS−H;ALASH;ALAS−N;ALAS3;EC2.3.1.37;非特異的ミトコンドリア性5−アミノレブリン酸シンターゼ;ALAS;MIG4;OTTHUMP00000212619;OTTHUMP00000212620;OTTHUMP00000212621;OTTHUMP00000212622;転移誘起タンパク質4;EC2.3.1としてもまた知られている)は、哺乳類ヘム生合成経路中の第1の酵素であり、典型的に律速酵素である、核がコードするミトコンドリア酵素を指す。ALAS1は、グリシンスクシニルCoAとの縮合を触媒して、δ−アミノレブリン酸(ALA)を生成する。ヒトALAS1遺伝子は、広範に発現されて、染色体3p21.1上に見られ、典型的に640個のアミノ酸の配列をコードする。対照的に、イソ酵素をコードするALAS−2遺伝子は、赤血球中のみで発現されて、Xp11.21染色体(chromoxome)上に見られ、典型的に550個のアミノ酸の配列をコードする。本明細書の用法では、「ALAS1タンパク質」は、あらゆる種(例えばヒト、マウス、非ヒト霊長類)からのALAS1のあらゆるタンパク質変種、ならびにALAS1活性を保持するそのあらゆる変異体および断片を意味する。同様に、「ALAS1転写物」は、あらゆる種(例えばヒト、マウス、非ヒト霊長類)からのALAS1のあらゆる転写変異体を指す。ヒトALAS1変種1mRNA転写物の配列は、NM_000688.4(図3;配列番号1)にある。別のバージョンのヒトALAS1変種2mRNA転写物の配列は、NM_000688.5(図4;配列番号382)にある。コードされた成熟ALAS1タンパク質レベルは、ヘムによって調節され、高レベルのヘムがミトコンドリア中の成熟酵素下方制御する一方で、低レベルのヘムは上方制御する。同一タンパク質をコードする、選択的スプライスによる複数の変種が同定されている。

0192

本明細書の用法では、「iRNA」、「RNAi」、「iRNA剤」、または「RNAi剤」という用語は、本明細書で定義されるRNAを含有し、例えばRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)経路を通じて、RNA転写物の標的切断を媒介する作用物質を指す。一実施形態では、本明細書に記載されるiRNAは、ALAS1発現の阻害をもたらす。ALAS1発現の阻害は、ALAS1mRNAレベルの低下、またはALAS1タンパク質レベルの低下に基づいて評価されてもよい。本明細書の用法では、「標的配列」は、一次転写産物のRNAプロセシング産物であるmRNAをはじめとする、ALAS1遺伝子の転写中に形成される、mRNA分子のヌクレオチド配列の連続部分を指す。配列の標的部分は、その部分またはその近辺における、iRNA指向切断のための基質としての役割を果たすのに、少なくとも十分長い。例えば標的配列は、例えば15〜30ヌクレオチド長など、一般に9〜36ヌクレオチド長であり、その間の部分的な範囲を全て含む。非限定的例として、標的配列は、15〜30ヌクレオチド、15〜26ヌクレオチド、15〜23ヌクレオチド、15〜22ヌクレオチド、15〜21ヌクレオチド、15〜20ヌクレオチド、15〜19ヌクレオチド、15〜18ヌクレオチド、15〜17ヌクレオチド、18〜30ヌクレオチド、18〜26ヌクレオチド、18〜23ヌクレオチド、18〜22ヌクレオチド、18〜21ヌクレオチド、18〜20ヌクレオチド、19〜30ヌクレオチド、19〜26ヌクレオチド、19〜23ヌクレオチド、19〜22ヌクレオチド、19〜21ヌクレオチド、19〜20ヌクレオチド、20〜30ヌクレオチド、20〜26ヌクレオチド、20〜25ヌクレオチド、20〜24ヌクレオチド、20〜23ヌクレオチド、20〜22ヌクレオチド、20〜21ヌクレオチド、21〜30ヌクレオチド、21〜26ヌクレオチド、21〜25ヌクレオチド、21〜24ヌクレオチド、21〜23ヌクレオチド、または21〜22ヌクレオチドであり得る。

0193

本明細書の用法では、「配列を含んでなる鎖」という用語は、標準ヌクレオチド命名法を使用して言及される配列によって記載される、ヌクレオチド鎖を含んでなるオリゴヌクレオチドを指す。

0194

本明細書の用法では、特に断りのない限り、「相補的」という用語は、当業者には理解されるであろうように、第2のヌクレオチド配列との関連で第1のヌクレオチド配列を記述するのに使用される場合、第1のヌクレオチド配列を含んでなるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、特定条件下で、第2のヌクレオチド配列を含んでなるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとハイブリダイズして、二本鎖構造を形成する能力を指す。このような条件は、例えば、400mMのNaCl、40mMのPIPES、pH6.4、1mMのEDTA、50℃または70℃で12〜16時間と、それに続く洗浄を含んでもよい、ストリンジェントな条件であり得る。生物中で遭遇し得る生理学的に妥当な条件などのその他の条件が、適用されてもよい。当業者は、ハイブリダイズしたヌクレオチドの最終用途に従って、2つの配列の相補性試験に最適な条件のセットを判定することができる。

0195

例えば本明細書に記載されるdsRNA内などのiRNA内の相補性配列としては、第1のヌクレオチド配列を含んでなるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと、第2のヌクレオチド配列を含んでなるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとの、片方または双方のヌクレオチド配列全長にわたる、塩基対合が挙げられる。このような配列は、本明細書で互いに「完全に相補的」と称し得る。しかし本明細書で、第1の配列が第2の配列に対して「実質的に相補的」と称される場合、2つの配列は完全に相補的であり得て、またはそれらは例えばRISC経路を通じた遺伝子発現阻害など、それらの究極的用途に最も妥当な条件下でハイブリダイズする能力を保持しながら、最高30塩基対の二本鎖のハイブリダイゼーションに際して、1つまたは複数の、しかし一般的には5、4、3または2つ以下のミスマッチ塩基対を形成してもよい。しかしハイブリダイゼーションに際して、1つまたは複数の一本鎖オーバーハングを形成するように、2つのオリゴヌクレオチドがデザインされる場合、このようなオーバーハングは、相補性の判定に関してミスマッチと見なされないものとする。例えば21ヌクレオチド長の1つのオリゴヌクレオチドと、23ヌクレオチド長の別のオリゴヌクレオチドとを含んでなるdsRNAがあって、より長いオリゴヌクレオチドが、より短いオリゴヌクレオチドと完全に相補的な21ヌクレオチドの配列を含んでなる場合、それは本明細書に記載される目的で、なおも「完全に相補的」と称されてもよい。

0196

「相補的」配列は、本明細書の用法では、それらのハイブリダイズ能力に関する上の要件が満たされる限りは、非ワトソンクリック塩基対および/または非天然および修飾ヌクレオチドから生成される塩基対もまた含み、またはそれから完全に形成され得る。このような非ワトソン・クリック塩基対としては、G:Uゆらぎ塩基対またはフーグスティーン型塩基対が挙げられるが、これに限定されるものではない。

0197

「相補的」、「完全に相補的」、および「実質的に相補的」という用語は、本明細書において、それらの使用状況から理解されるであろうように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖間で、またはiRNA剤のアンチセンス鎖と標的配列間で、マッチする塩基について使用され得る。

0198

本明細書の用法では、メッセンジャーRNA(mRNA)の「少なくとも一部と実質的に相補的」なポリヌクレオチドは、対象mRNA(例えばALAS1タンパク質をコードするmRNA)の連続部分と実質的に相補的なポリヌクレオチドを指す。例えばポリヌクレオチドは、配列が、ALAS1をコードするmRNAの非中断部分と実質的に相補的であれば、ALAS1 mRNAの少なくとも一部と相補的である。例えばポリヌクレオチドは、配列が、ALAS1をコードするmRNAの非中断部分と実質的に相補的であれば、ALAS1 mRNAの少なくとも一部と相補的である。

0199

「二本鎖RNA」または「dsRNA」という用語は、本明細書の用法では、標的RNAに関して「センス」および「アンチセンス」配向を有するとされる、2本の逆平行および実質的に相補的な核酸鎖を含んでなる、ハイブリダイズ二本鎖領域を有する、RNA分子または分子複合体を含むiRNAを指す。二本鎖領域は、例えばRISC経路を通じた、所望の標的RNAの特異的分解を可能にするあらゆる長さであり得るが、例えば15〜30塩基対の長さなどの典型的に9〜36塩基対の長さの範囲である。9〜36塩基対の間の二本鎖を考察すると、二本鎖は、例えば9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36などのこの範囲内のあらゆる長さ、および15〜30塩基対、15〜26塩基対、15〜23塩基対、15〜22塩基対、15〜21塩基対、15〜20塩基対、15〜19塩基対、15〜18塩基対、15〜17塩基対、18〜30塩基対、18〜26塩基対、18〜23塩基対、18〜22塩基対、18〜21塩基対、18〜20塩基対、19〜30塩基対、19〜26塩基対、19〜23塩基対、19〜22塩基対、19〜21塩基対、19〜20塩基対、20〜30塩基対、20〜26塩基対、20〜25塩基対、20〜24塩基対、20〜23塩基対、20〜22塩基対、20〜21塩基対、21〜30塩基対、21〜26塩基対、21〜25塩基対、21〜24塩基対、21〜23塩基対、または21〜22塩基対をはじめとするが、これに限定されるものではない、その間のあらゆる部分的範囲であり得る。ダイサーおよび類似酵素を用いたプロセッシングによって、細胞中で作成されるdsRNAは、一般に19〜22塩基対の範囲の長さである。dsDNAの二本鎖領域の1本の鎖は、標的RNAの領域と実質的に相補的な配列を含んでなる。二本鎖構造を形成する2本の鎖は、少なくとも1つの自己相補的領域を有する単一RNA分子に由来し得て、または2つ以上の別個のRNA分子から生成され得る。二本鎖領域が、単一分子の2本の鎖から生成される場合、分子は、二本鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端とそれぞれのその他の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの一本鎖(本明細書で「ヘアピンループ」と称される)によって隔てられる、二本鎖領域を有し得る。ヘアピンループは、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含んでなり得て;いくつかの実施形態では、ヘアピンループは、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも23以上の不対ヌクレオチドを含んでなり得る。dsRNAの2本の実質的に相補的な鎖が別のRNA分子によって構成されている場合、これらの分子は、必ずしもそうである必要はないが、共有結合的に連結され得る。2本の鎖が、ヘアピンループ以外の手段によって共有結合的に連結される場合、結合構造は「リンカー」と称される。「siRNA」という用語はまた、上述したようなdsRNAに言及するために、本明細書で使用される。

0200

別の実施形態では、iRNA剤は、標的mRNAを阻害するために、細胞または生物に導入された「一本鎖siRNA」であってもよい。一本鎖RNAi剤は、RISCエンドヌクレアーゼアルノート2を結合し、それは次に、標的mRNAを切断する。一本鎖siRNAは、一般に15〜30個のヌクレオチドであり、化学的に修飾されている。一本鎖siRNAのデザインおよび試験は、そのそれぞれの内容全体を参照によって本明細書に援用する、米国特許第8,101,348号明細書、およびリマ(Lima)ら著,(2012)セル(Cell)150:883−894に記載される。本明細書に記載されるアンチセンスヌクレオチド配列のいずれでも(例えば表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20で提供される配列)、本明細書に記載される一本鎖siRNAとして使用してもよく、またはリマ(Lima)ら著,(2012)セル(Cell)150;:883−894に記載される方法によって化学的に修飾して使用してもよい。

0201

別の態様では、RNA剤は「一本鎖アンチセンスRNA分子」である。一本鎖アンチセンスRNA分子は、標的mRNA内の配列と相補的である。一本鎖アンチセンスRNA分子は、mRNAと塩基対を形成して翻訳機構物理的に妨害することにより、化学量論的様式で翻訳を阻害し得る。ディアス(Dias),N.ら著,(2002)Mol Cancer Ther 1:347−355を参照されたい。代案としては、一本鎖アンチセンス分子は、標的とハイブリダイズ(hydridizing)して、RNaseH切断事象を通じて標的を切断することで、標的mRNAを阻害する。一本鎖アンチセンスRNA分子は、約10〜約30ヌクレオチド長であってもよく、標的配列と相補的な配列を有する。例えば一本鎖アンチセンスRNA分子は、例えば表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20のいずれか1つで提供される配列などの、本明細書に記載されるアンチセンスヌクレオチド配列のいずれか1つからの、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の連続ヌクレオチドである配列を含んでなってもよい。

0202

当業者は、「RNA分子」または「リボ核酸分子」という用語が、天然に発現されまたは見られるRNA分子だけでなく、本明細書に記載されまたは当該技術分野で公知の、1つまたは複数のリボヌクレオチド/リボヌクレオシド類似体または誘導体を含んでなる、RNAの類似体および誘導体もまた包含することを認識する。厳密に言えば「リボヌクレオシド」は、ヌクレオシド塩基リボース糖を含み、「リボヌクレオチド」は、1、2または3個のリン酸塩部分があるリボヌクレオシドである。しかし「リボヌクレオシド」および「リボヌクレオチド」という用語は、本明細書の用法では同等物と見なし得る。RNAは、例えば本明細書で以下に記載されるように、核酸塩基構造中で、またはリボースリン酸主鎖構造中で修飾され得る。しかしリボヌクレオシド類似体または誘導体を含んでなる分子は、二本鎖を形成する能力を保たなくてはならない。非限定的実施例として、RNA分子はまた、2’−O−メチル修飾ヌクレオシド(nucleostide)、5’ホスホロチオエート基を含んでなるヌクレオシド、コレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に連結する末端ヌクレオシド、ロックドヌクレオシド、脱塩基ヌクレオシド、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオシド、2’−アミノ修飾ヌクレオシド、2’−アルキル修飾ヌクレオシド、モルホリノヌクレオシド、ホスホロアミダートまたは非天然塩基包含ヌクレオシド、またはそのあらゆる組み合わせをはじめとするが、これに限定されるものではない、少なくとも1つの修飾リボヌクレオシドを含み得る。代案としては、RNA分子は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20以上の、最高でdsRNA分子の全長の修飾リボヌクレオシドを含んでなり得る。修飾は、RNA分子中のこのような複数の各修飾リボヌクレオシドで同じでなくてもよい。一実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物中での使用が検討される修飾RNAは、ペプチド核酸(PNA:peptide nucleic acid)であり、それは必要な二本鎖構造を形成する能力を有し、例えばRISC経路を通じた標的RNAの特異的分解を可能にし、またはそれを媒介する。

0203

一態様では、修飾リボヌクレオシドはデオキシリボヌクレオシドを含む。このような場合、iRNA剤は、例えばデオキシヌクレオシドオーバーハング、またはdsRNAの二本鎖部分内の1つまたは複数のデオキシヌクレオシドをはじめとする、1つまたは複数のデオキシヌクレオシドを含んでなり得る。しかしいかなる状況下でも、二本鎖DNA分子が「iRNA」という用語に包含されないことは、自明である。

0204

一態様では、RNA干渉剤は、標的RNA配列と相互作用して、標的RNAの切断を誘導する、一本鎖RNAを含む。理論による拘束は望まないが、細胞に導入された長い二本鎖RNAは、ダイサーとして知られているIII型エンドヌクレアーゼによって、siRNAに分解される(シャープ(Sharp)ら著、ジーンズアンドデベロップメント(Genes Dev.)、2001年、第15巻、p.485)。リボヌクレアーゼ−III様酵素であるダイサーは、dsRNAをプロセスして、特徴的な2塩基3’オーバーハングがある19〜23塩基対の短い干渉RNAにする(バーンシュタイン(Bernstein)ら著、2001年、ネイチャー(Nature)、第409巻、p.363)。次にsiRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC:RNA−induced silencing complex)に組み込まれ、1つまたは複数のヘリカーゼがsiRNA二本鎖を巻き戻し、相補的アンチセンス鎖が、標的認識を誘導できるようにする(ニカネン(Nykanen)ら著、2001年、セル(Cell)、第107巻、p.309)。適切な標的mRNAとの結合に際して、RISC内の1つまたは複数のエンドヌクレアーゼが標的を切断し、サイレンシングを誘発する(エルバシャー(Elbashir)ら著、2001年、ジーンズアンドデベロップメント(Genes Dev.)、第15巻、p.188)。したがって一態様では、本発明は、RISC複合体形成を促進して、標的遺伝子のサイレンシングをもたらす、一本鎖RNAに関する。

0205

本明細書の用法では、「ヌクレオチドオーバーハング」という用語は、例えばdsRNAなどのiRNAの二本鎖構造から突出する、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを指す。例えばdsRNAの1本の鎖の3’末端がその他の鎖の5’末端を越えて伸び、またはその逆の場合、ヌクレオチドオーバーハングがある。dsRNAは、少なくとも1つのヌクレオチドのオーバーハングを含んでなり得て;代案としては、オーバーハングは、少なくとも2つのヌクレオチド、少なくとも3つのヌクレオチド、少なくとも4つのヌクレオチド、少なくとも5つ以上のヌクレオチドを含んでなり得る。ヌクレオチドオーバーハングは、デオキシリボヌクレオチド/ヌクレオシドをはじめとする、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体を含んでなり得て、またはそれからなる。オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖、またはそのあらゆる組み合わせの上にあってもよい。さらにオーバーハングのヌクレオチドは、dsRNAのアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかの5’末端、3’末端、または双方の末端上に存在し得る。

0206

一実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖は、3’末端および/または5’末端に、1〜10ヌクレオチドのオーバーハングを有する。一実施形態では、dsRNAのセンス鎖は、3’末端および/または5’末端に、1〜10ヌクレオチドのオーバーハングを有する。別の実施形態では、オーバーハング中の1つまたは複数のヌクレオチドは、チオリン酸ヌクレオシドで置換されている。

0207

本明細書でdsRNAに関して用いられる「平滑化された」または「平滑末端化された」という用語は、dsRNAの所与の末端に不対ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体がない、すなわちヌクレオチドオーバーハングがないことを意味する。dsRNA末端の片方または双方が、平滑化され得る。dsRNAの双方の末端が平滑化されている場合、dsRNAは平滑末端化されたと言われる。明確化のために言うと、「平滑末端化された」dsRNAは、双方の末端が平滑化されたdsRNAであり、すなわち分子のいずれの末端にもヌクレオチドオーバーハングがない。ほとんどの場合、このような分子は、その全長にわたって二本鎖である。

0208

「アンチセンス鎖」または「ガイド鎖」という用語は、例えば標的配列と実質的に相補的な領域を含む、dsRNAなどのiRNA鎖を指す。本明細書の用法では、「領域相補性」という用語は、例えば本明細書で定義される標的配列などの配列と、実質的に相補的なアンチセンス鎖上の領域を指す。相補性領域が標的配列と完全に相補的でない場合、分子の内部または末端領域にミスマッチがあってもよい。一般に、最も耐容されるミスマッチは、例えば5’および/または3’末端の5、4、3、または2ヌクレオチド内などの末端領域にある。

0209

「センス鎖」または「パッセンジャー鎖」という用語は、本明細書の用法では、本明細書で定義されるアンチセンス鎖の領域と、実質的に相補的な領域を含むiRNA鎖を指す。

0210

本明細書の用法では、一実施形態では、「SNALP」という用語は、安定した核酸脂質粒子を指す。SNALPは、iRNAなどの核酸またはそれからiRNAが転写されるプラスミドを含んでなる還元性水性内部を覆う、脂質の小胞を意味する。SNALPは、例えば米国特許出願公開第20060240093号明細書、米国特許出願公開第20070135372号明細書、および国際公開第2009082817号パンフレットに記載される。これらの出願は、その全体が参照により援用される。

0211

「細胞に導入する」は、iRNAに関する場合は、当業者には理解されるように、細胞中への取り込みまたは吸収を容易にし、またはもたらすことを意味する。iRNAの吸収または取り込みは、助力を受けない拡散性または活性細胞過程を通じて、または助剤または装置によって生じ得る。この用語の意味は、生体外の細胞に限定されず;iRNAはまた、細胞が生きている生物の一部である場合にも、「細胞に導入され」得る。このような場合、細胞への導入は、生物への送達を含む。例えば生体内送達のために、iRNAを組織部位に注射し、または全身投与し得る。生体内送達はまた、その内容全体を参照によって本明細書に援用する、米国特許第5,032,401号明細書および米国特許第5,607,677号明細書、および米国特許公開第2005/0281781号明細書に記載されるものなどのβ−グルカン送達系によることもできる。細胞への生体外導入は、電気穿孔およびリポフェクションなどの当該技術分野で公知の方法を含む。さらなるアプローチは、本明細書で以下に記載され、または当該技術分野で公知である。

0212

本明細書の用法では、「の発現を調節する」という用語は、対照細胞中のALAS1の発現と比較した、本明細書に記載されるiRNA組成物で処置された細胞中におけるALAS1遺伝子発現の少なくとも部分的「阻害」または部分的「活性化」を指す。対照細胞としては、未処置細胞、または非標的化対照iRNAで処置された細胞が挙げられる。

0213

「活性化する」、「高める」、「の発現を上方制御する」、「の発現を増大させる」などの用語は、それらがALAS1遺伝子に言及する限りにおいて、本明細書で、その中でALAS1遺伝子が転写される、第1の細胞または細胞群から単離されまたはその中で検出されてもよい、ALAS1mRNA量の増大によって顕在化する、ALAS1遺伝子発現の少なくとも部分的活性化に言及し、第1の細胞または細胞群は、第1の細胞または細胞群と実質的に同一であるが、そのように処置されていない第2の細胞または細胞群(対照細胞)と比較して、ALAS1遺伝子の発現が増大するように処置されている。

0214

一実施形態では、ALAS1遺伝子の発現は、本明細書に記載されるiRNAの投与によって、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%活性化される。いくつかの実施形態では、ALAS1遺伝子は、本発明で取り上げるiRNA投与によって、少なくとも約60%、70%、または80%活性化される。いくつかの実施形態では、ALAS1遺伝子の発現は、本明細書に記載されるiRNAの投与によって、少なくとも約85%、90%、または95%以上活性化される。いくつかの実施形態では、ALAS1遺伝子発現は、未処置細胞中における発現と比較して、本明細書に記載されるiRNAで処置された細胞中で、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍以上増大される。小型dsRNAによる発現の活性化は、例えば、そのそれぞれを参照によって本明細書に援用する、リ(Li)ら著,2006年、米国アカデミー科学紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A).103:17337−42、および米国特許第20070111963号明細書および米国特許第2005226848号明細書に記載される。

0215

「発現停止する」、「の発現を阻害する」、「の発現を下方制御する」、「の発現を抑制する」などの用語は、それらがALAS1遺伝子に言及する限りにおいて、本明細書で、例えばALAS1mRNA発現、ALAS1タンパク質発現、またはALAS1遺伝子発現と機能的に連結した別のパラメータ(例えば血漿または尿中のALAまたはPBG濃度)に基づく評価による、ALAS1遺伝子の発現の少なくとも部分的抑制に言及する。例えばALAS1発現の阻害は、その中でALAS1遺伝子が転写され、対照と比較してALAS1遺伝子発現が阻害されるように処置された、第1の細胞または細胞群から単離されまたはその中で検出されてもよい、ALAS1mRNA量の低下によって顕在化してもよい。対照は、第1の細胞または細胞群と実質的に同一であるが、そのように処置されていない、第2の細胞または細胞群(対照細胞)であってもよい。阻害の程度は、通常は、例えば、



のように、対照レベル百分率として表される。

0216

代案としては、阻害の程度は、例えばALAS1遺伝子によってコードされるタンパク質の量、または1つまたは複数のポルフィリンレベルなどの、ALAS1遺伝子発現と機能的に連結したパラメータ低下の観点から示されてもよい。ALAS1遺伝子の発現と機能的に連結したパラメータの低下は、同様に、対照レベルの百分率として表されてもよい。原則的に、ALAS1遺伝子サイレンシングは、構成的にまたはゲノム工学によって、ALAS1を発現するあらゆる細胞中で、あらゆる適切なアッセイによって判定してもよい。しかし所与のiRNAが、ALAS1遺伝子発現を特定程度に阻害するかどうか、ひいては本発明に包含されるかどうかを判定するために、参照が必要な場合は、下の実施例で提供されるアッセイが、このような参照になるであろう。

0217

例えば場合によっては、ALAS1遺伝子の発現は、本発明で取り上げるiRNAの投与によって、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%抑制される。いくつかの実施形態では、ALAS1遺伝子は、本発明で取り上げるiRNA投与によって、少なくとも約60%、65%、70%、75%、または80%抑制される。いくつかの実施形態では、ALAS1遺伝子の発現は、本明細書に記載されるiRNAの投与によって、少なくとも約85%、90%、95%、98%、99%以上抑制される。

0218

本明細書の用法では、ALAS1発現の文脈で、「処置する(treat)」、「処置する(treating)」、「処置」などの用語は、ALAS1発現に関連した病理過程(例えばポルフィリン症など、ポルフィリンにまたはポルフィリン経路欠陥に伴う病理過程)の軽減または緩和を指す。本発明の文脈では、それが(ALAS1発現に関連した病理過程以外の)以下に列挙される別の病状のいずれかに関する限りにおいて、「処置する」、「処置」などという用語は、このような病状に伴う少なくとも1つの症状を予防、軽減または緩和すること、またはこのような病状の進行または予期される進行を遅延または逆転させることを意味する。例えば本明細書で取り上げる方法は、ポルフィリン症を治療するのに用いた場合に、ポルフィリン症に伴う1つまたは複数の症状(例えば疼痛)を緩和または予防し、ポルフィリン症に伴う発作の重症度または発生頻度を低下させ、憎悪条件への曝露に際してポルフィリン症に伴う1つまたは複数の症状の発作が起きる可能性を低下させ、ポルフィリン症に伴う発作を短縮し、および/またはポルフィリン症に伴う病状(例えば肝細胞がんまたは神経障害(例えば進行性神経障害))を発症するリスクを低下させるのに役立ってもよい。したがって、文脈上明白に別段の記載がない限り、「治療する」、「治療」などという用語は、例えばALAS1発現関連障害および/または障害症状の予防などの予防法を包含することが意図される。

0219

「低下させる」とは、疾病マーカまたは症状の文脈で、このようなレベルの統計的にまたは臨床的に有意な低下を意味する。低下は、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%以上であり得て、典型的に、このような疾患がない個人の正常範囲内にあると、一般に認められたレベルに低下する。

0220

本明細書の用法では「治療有効量」および「予防有効量」という語句は、ALAS1発現に関連した治療、予防、または病理過程管理において、治療効果を提供する量を指す。治療的に有効な特定量は、通常の開業医によって容易に判定され得て、例えば病理過程タイプ、患者の病歴および年齢、病理過程段階、およびその他の薬剤の投与などの、当該技術分野で公知の要因次第で変動してもよい。

0221

本明細書の用法では、「医薬組成物」は、薬理学的有効量のiRNAと薬学的に許容できる担体とを含んでなる。本明細書の用法では、「薬理学的有効量」、「治療有効量」または単に「有効量」とは、意図される薬理学的、治療的または予防的結果を生じるのに効果的なiRNAの量を指す。例えばALAS1発現関連疾患を治療する方法において(例えばポルフィリン症を治療する方法において)、有効量としては、ポルフィリン症に伴う1つまたは複数の症状を低下させるのに有効な量、発作発生頻度を低下させるのに有効な量、増悪因子への曝露に際して起きるポルフィリン症に伴う1つまたは複数の症状の発作可能性を低下させるのに有効な量、またはポルフィリン症に伴う病状(例えば神経障害(例えば進行性神経障害)、肝細胞がん)を発症するリスクを低下させるのに有効な量が挙げられる。例えば疾患または障害に伴う測定可能パラメータに少なくとも10%の低下があれば所与の臨床治療が効果的と見なされる場合、その疾患または障害のための治療薬の治療有効量は、パラメータに少なくとも10%の低下をもたらすのに必要な量である。例えばALAS1を標的にするiRNAの治療有効量は、ALAS1タンパク質レベルを例えば少なくとも10%、20%、30%、40%または50%などのあらゆる測定可能量に低下させ得る。

0222

「薬学的に許容できる担体」という用語は、治療薬投与のための担体を指す。このような担体としては、生理食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロールエタノール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。用語は、細胞培養培地を明確に除外する。経口的に投与される薬剤では、薬学的に許容可能な担体としては、薬学的に許容可能な賦形剤などの不活性希釈剤崩壊剤結合剤平滑剤甘味剤着香剤着色剤および保存料が挙げられるが、これに限定されるものではない。適切な不活性希釈剤としては、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムリン酸ナトリウムおよびリン酸カルシウム、および乳糖が挙げられる一方で、コーンスターチおよびアルギン酸が適切な崩壊剤である。結合剤としては、デンプンおよびゼラチンが挙げられる一方で、存在する場合、平滑剤は、一般にステアリン酸マグネシウムステアリン酸または滑石である。必要に応じて、錠剤モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの材料でコーティングして、胃腸管内の吸収を遅延させてもよい。製剤に含まれる作用物質については、本明細書で以下にさらに詳しく説明する。

0223

数値または数値範囲に言及する場合、「約」という用語は、言及される数値または数値範囲が、実験的変動内(または統計学実験誤差内)の近似値であることを意味し、したがって数値または数値範囲は、例えば記述される数または数値範囲から、1%〜15%変動してもよい。

0224

II.二本鎖リボ核酸(dsRNA)
本明細書に記載されるのは、ALAS1遺伝子の発現を阻害するiRNA剤である。一実施形態では、iRNA剤は、細胞または対象中で(例えばポルフィリン症を有するヒトなどの哺乳類中で)、ALAS1遺伝子発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)分子を含み、dsRNAは、ALAS1遺伝子の発現において形成されるmRNAの少なくとも一部と相補的な相補性領域を有するアンチセンス鎖を含み、相補性領域は30ヌクレオチド長以下、一般に19〜24ヌクレオチド長であり、dsRNAは、ALAS1遺伝子を発現する細胞との接触に際して、例えばPCRまたは分枝DNA(bDNA)ベースの方法による、またはウエスタンブロットなどのタンパク質ベースの方法によるアッセイで、ALAS1遺伝子の発現を少なくとも10%阻害する。一実施形態ではiRNA剤は、細胞または哺乳類中で、ALAS1遺伝子の発現を活性化する。COS細胞HeLa細胞初代培養肝細胞、HepG2細胞、初代培養細胞などの細胞培養中の、または対象からの生物学的サンプル中のALAS1遺伝子の発現は、bDNAまたはTaqManアッセイなどによってALAS1 mRNAレベルを測定することで、または例えば、ウエスタンブロット法またはフローサイトメトリー技術を使用して、免疫蛍光分析などによってタンパク質レベルを測定することで、アッセイし得る。

0225

dsRNAは2本のRNA鎖を含み、それは十分に相補的であり、その中でdsRNAが使用される条件下でハイブリダイズして二本鎖構造を形成する。dsRNAの1本の鎖(アンチセンス鎖)は、標的配列と実質的に相補的であり、一般に完全に相補的である、相補性領域を含む。標的配列は、ALAS1遺伝子の発現中に形成されるmRNAの配列に由来し得る。他の鎖(センス鎖)は、適切な条件下で組み合わせると、2本の鎖がハイブリダイズして二本鎖構造を形成するように、アンチセンス鎖に相補的な領域を含む。一般に二本鎖構造は、15〜30、より一般的には18〜25、なおもより一般的には19〜24、最も一般的には19〜21塩基対の長さである。同様に、標的配列との相補性領域は、15〜30、より一般的には18〜25、なおもより一般的には19〜24、最も一般的には19〜21ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、dsRNAは、15〜20ヌクレオチド長であり、別の実施形態では、dsRNAは25〜30ヌクレオチド長である。当業者は認識するであろうように、切断標的とされるRNAの標的領域は、ほとんどの場合、より大型のRNA分子の一部であり、それはmRNA分子であることが多い。該当する場合、mRNA標的の「部分」は、RNAi指向切断(すなわちRISC経路を通じた切断)の基質として十分長い、mRNA標的の連続配列である。9塩基対程度に短い二本鎖を有するdsRNAは、状況によっては、RNAi指向RNA切断を媒介し得る。ほとんどの場合、標的は、少なくとも15ヌクレオチド長、例えば15〜30ヌクレオチド長である。

0226

当業者はまた、二本鎖領域が、例えば15〜30塩基対など、例えば9〜36塩基対の二本鎖領域などのdsRNAの主要機能部分であることを認識するであろう。したがって一実施形態では、それがプロセッシングされて、例えば所望のRNAを切断標的とする15〜30塩基対などの機能的二本鎖になる限りでは、30塩基対を超える二本鎖領域を有するRNA分子またはRNA分子複合体は、dsRNAである。したがって当業者は、一実施形態では、今度は、miRNAがdsRNAであることを認識するであろう。別の実施形態では、dsRNAは天然miRNAでない。別の実施形態では、ALAS1発現を標的化するのに有用なiRNA剤は、より大型のdsRNAの切断によって標的細胞中で生じない。

0227

本明細書に記載されるdsRNAは、1つまたは複数の一本鎖ヌクレオチドオーバーハングをさらに含んでもよい。dsRNAは、例えばBiosearch,Applied Biosystems,Inc.から市販されるものなどの自動化DNA合成機の使用によって、以下でさらに考察されるように、当該技術分野で公知の標準法によって合成され得る。一実施形態では、ALAS1遺伝子はヒトALAS1遺伝子である。別の実施形態では、ALAS1遺伝子は、マウスまたはラットALAS1遺伝子である。特定の実施形態では、第1の配列は、表2または表3からのセンス配列をはじめとするdsRNAのセンス鎖であり、第2の配列は、表2または表3からのアンチセンス配列をはじめとするdsRNAのアンチセンス鎖である。実施形態では、第1の配列は、表2、3、6、7、8、9、14、または15からのセンス配列をはじめとするdsRNAのセンス鎖であり、第2の配列は、表2、3、6、7、8、9、14、または15からのアンチセンス配列をはじめとするdsRNAのアンチセンス鎖である。実施形態では、第1の配列は、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20からのセンス配列をはじめとするdsRNAのセンス鎖であり、第2の配列は、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20からのアンチセンス配列をはじめとするdsRNAのアンチセンス鎖である。本明細書で開示される(例えば表2または表3中の)dsRNAの配列以外の配列を標的とする代案のdsRNA剤は、標的配列と側面に位置するALAS1配列を使用して、容易に判定され得る。

0228

一態様では、dsRNAは、少なくともセンスおよびアンチセンスヌクレオチド配列を含み、センス鎖は、表2および3で提供される配列群から選択されて、表2および3から選択されるセンス鎖のアンチセンス鎖に相当する。さらなる態様では、dsRNAは、少なくともセンスおよびアンチセンスヌクレオチド配列を含み、センス鎖は、表2、3、6、7、8、9、14、および15で提供される配列群から選択されて、表2、3、6、7、8、9、14、および15から選択されるセンス鎖のアンチセンス鎖に相当する。さらなる態様では、dsRNAは、少なくともセンスおよびアンチセンスヌクレオチド配列を含み、センス鎖は、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20で提供される配列群から選択されて、表2、3、6、7、8、9、14、15、18、および20選択されるセンス鎖のアンチセンス鎖に相当する。これらの態様では、2配列の一方は2配列の他方に相補的であり、配列の1つは、ALAS1遺伝子の発現によって生じるmRNA配列と実質的に相補的である。したがってdsRNAは、2つのオリゴヌクレオチドを含み、1つ目のオリゴヌクレオチドは、表2、3、6、7、8、9、14、15、18または20中のセンス鎖と説明され、2つ目のオリゴヌクレオチドは、2、3、6、7、8、9、14、15、18または20からのセンス鎖に対応するアンチセンス鎖と説明される。本明細書の他の箇所に記載されるように、そして当該技術分野で公知のように、dsRNAの相補配列はまた、別個のオリゴヌクレオチド上にあるものとは対照的に、単一核酸分子自己相補領域として含有され得る。

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