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技術 FcRnへの変異結合を有するFc変異体

出願人 ゼンコアインコーポレイテッド
発明者 チェンバレン,アーロンダイヤット,バシルデスジャルレイス,ジョン,ルドルフカルキ,シェール,バハドルラザー,グレゴリーアラン
出願日 2018年9月27日 (1年7ヶ月経過) 出願番号 2018-181971
公開日 2019年2月14日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-022507
状態 未登録
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 既存構造 区分モデル 結合接点 ウェフ 骨格位置 参照文 ランダム成分 コネクチン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

FcRnへの変異結合を有するFc変異体の提供。

解決手段

本出願は、野生型ヒトFc領域と比べて少なくとも1つの修飾を含む変異Fc領域に関し、該修飾は、434S、252Y/428L、252Y/434S、および428L/434Sから成る群から選択され、付番はEUインデックスによる。

概要

背景

抗体は、それぞれ特定の抗原に結合する免疫タンパク質である。ヒトおよびマウスを含むほとんどの哺乳動物において、抗体は、対になった重鎖および軽鎖ポリペプチド鎖から構築される。各々の鎖は、個々の免疫グロブリンIgドメインで形成され、したがって一般用語の免疫グロブリンが、このようなタンパク質に対して使用される。各鎖は、はっきりと異なる2つの領域から成り、これらは可変領域および定常領域と称される。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗体間で顕著な配列多様性を示し、標的抗原の結合を担う。定常領域は、さほど配列多様性を示さず、重要な生化学的事象誘起する数々の天然タンパク質の結合を担う。ヒトでは、5つの異なるクラスの抗体があり、IgAサブクラスIgA1およびIgA2を含む)、IgDIgEIgG(サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む)、およびIgMが含まれる。V領域には微妙な違いが存在し得るが、これらの抗体クラス間を区別する特徴は、それらの定常領域にある。IgG抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖から構成される四量体タンパク質である。IgG重鎖は、N末端からC末端へ、それぞれ重鎖可変ドメイン、重鎖定常ドメイン1、重鎖定常ドメイン2、および重鎖定常ドメイン3を指す、VH−CH1−CH2−CH3の順で連結する、4つの免疫グロブリンドメインから構成される(それぞれ重鎖可変ドメイン、定常ガンマ1ドメイン、定常ガンマ2ドメイン、および定常ガンマ3ドメインを指す、VH−Cγ1−Cγ2−Cγ3とも称される)。IgG軽鎖は、N末端からC末端へ、それぞれ軽鎖可変ドメインおよび軽鎖定常ドメインを指す、VL−CLの順で連結する、2つの免疫グロブリンドメインから構成される。

IgGでは、Fc上のCγ2ドメインとCγ3ドメインとの間の部位が、新生児受容体FcRnとの相互作用を媒介する。FcRnへの結合により、エンドサイトーシスされた抗体がエンドソームから血流へ再利用される(Raghavan et al.,1996,Annu Rev Cell Dev Biol 12:181−220、Ghetie et al.,2000,Annu Rev Immunol 18:739−766、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。このプロセスは、完全長分子のサイズが大きいことによる腎臓ろ過の除外と対になって、1〜3週間の範囲の好都合な抗体血清半減期をもたらす。また、FcのFcRnへの結合は、抗体輸送において鍵となる役割を果たす。また、Fc上のFcRn結合部位は、細菌のタンパク質AおよびGが結合する部位でもある。これらのタンパク質による密接な結合は、典型的にはタンパク質精製中にタンパク質Aまたはタンパク質G親和性クロマトグラフィーを用いることにより、抗体精製の手段として活用される。故に、Fc上のこの領域の忠実度は、抗体の臨床的特性およびそれらの精製の双方にとって重要である。ラットFc/FcRn錯体(Burmeister et al.,1994,Nature,372:379−383、Martin et al.,2001,Mol Cell 7:867−877、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)、およびFcとタンパク質AおよびGとの錯体(Deisenhofer,1981,Biochemistry 20:2361−2370、Sauer−Eriksson et al.,1995,Structure 3:265−278、Tashiro et al.,1995,Curr Opin Struct Biol 5:471−481、すべて参照することによりその全体が組み込まれる)の入手可能な構造は、Fcのこれらのタンパク質との相互作用への洞察を与える。FcRn受容体は、新生児の内臓および成人腸管上皮内腔へのIgGの輸送にも関与する(Ghetie and Ward,Annu.Rev.Immunol.,2000,18:739−766、Yoshida et al.,Immunity,2004,20(6):769−783、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。

ラットおよびヒトのFcドメインの研究によって、FcRnの結合に対する一部のFc残基の重要性が示されている。ラットおよびヒト配列は、Fc領域において約64%の配列同一性を有する(EUインデックス付番で残基237〜443)。Fc、FcRn重鎖、およびFcRn軽鎖(ベータ−2−ミクログロブリン)のラット/ヒト整合については、図3、4、および5を参照されたい。ヒトのFc/FcRn錯体のモデルは、ラットのFc/FcRn錯体の既存構造から構築されている(Martin et al.,2001,Mol Cell 7:867−877、参照することによりその全体が組み込まれる)。ラットおよびヒト配列は、H310およびH435等の、FcRn結合に極めて重要ないくつかの残基を共有する(Medesan et al.,1997 J.Immunol.158(5):221−7、Shieldset al.,2001,J.Biol.Chem.276(9):6591−6604、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。しかしながら、多くの位置において、ヒトおよびラットのタンパク質は異なるアミノ酸を有し、それにより、ヒト配列の残基にラット配列とは異なる環境、および恐らく異なる同一性を与える。この可変性は、1つの同族体から他の同族体へ特性を輸送する能力を制限する。

マウスFcでは、T252、T254、およびT256の部位におけるランダム変異およびファージディスプレイ選択は、3.5倍増のFcRn親和性および1.5倍増の血清半減期を有するT252L/T254S/T256Fの三重変異体をもたらす(Ghetie et al.,1997,Nat.Biotech.15(7):637−640、参照することによりその全体が組み込まれる)。また、253、310、および435位での突然変異によるFc/FcRn相互作用の阻害は、生体内半減期の減少に通じる(Medesan et al J.Immunol.1997 158(5):2211−7、参照することによりその全体が組み込まれる)。

ヒトFcγにおける突然変異研究がFcRnへの結合に重要である一部の残基で行われ、血清半減期の増加を示した。ヒトFcγ1において、Hintonらは、3つの残基を個々に他の19個の通常アミノ酸に突然変異させた。Hintonらは、いくつかの点変異の二重変異が、FcRn結合親和性を増加させたことを見出した(Hinton et al.,2004,J.Biol.Chem.279(8):6213−6216、Hinton et al.Journal of Immunology 2006,176:346−356、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。2つの突然変異は、サル半減期を増加させた。Shieldsらは、ほぼAlaのみに残基を突然変異させ、それらのFcRnおよびFcγRへの結合について研究した(Shields et al.,2001,J.Biol.Chem.,276(9):6591−6604、参照することによりその全体が組み込まれる)。

Dall’Acquaらは、ファージディスプレイを使用して、高い親和性を有するFcRnに結合するFc突然変異を選択した(Dall’Acqua et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180、参照することによりその全体が組み込まれる)。選択したDNA配列は、主に二重および三重突然変異体であった。該参照文献は、それらの選択された配列の多くによってコード化されたタンパク質を発現し、野生型Fcよりもさらに強くFcRnに結合するいくつかのものを見出した。

治療薬としての抗体およびFc融合タンパク質投与は、タンパク質のクリアランスおよび半減期の特性に関する規定の頻度での注射を必要とする。より長い生体内半減期によって、注射をほとんど打たないこと、またはより低量の投与が可能になり、明らかに利点である。Fcドメインにおける過去の突然変異は、増加したFcRn結合親和性および生体内半減期を有するいくつかのタンパク質をもたらしたが、これらの突然変異は、最適な突然変異および増加した生体内半減期を特定しなかった。

Fc領域の1つの特徴は、N297で生じる保存されたN連結グリコシル化である。この炭水化物、またはオリゴサッカライド(時としてこのように称される)は、抗体にとって決定的な構造的かつ機能的役割を果たし、哺乳動物発現系を使用して抗体を産生しなければならない主要な理由の1つである。Umana et al.,1999,Nat Biotechnol 17:176−180、Davies et al.,2001,Biotechnol Bioeng 74:288−294、Mimura et al.,2001,J Biol Chem 276:45539−45547、Radaev et al.,2001,J Biol Chem 276:16478−16483、Shieldset al.,2001,J Biol Chem 276:6591−6604、Shields et al.,2002,J Biol Chem 277:26733−26740、Simmons et al.,2002,J Immunol Methods 263:133−147、Radaev et al.,2001,J Biol Chem 276:16469−16477、およびKrapp et al.,2003,J Mol Biol 325:979−989、すべて参照することによりその全体が組み込まれる)。

治療用途のための抗体が開発されている。そのような療法に関連する代表的な刊行物には、Chamow et al.,1996,TrendsBiotechnol 14:52−60、Ashkenazi et al.,1997,Curr Opin Immunol 9:195−200、Cragg et al.,1999,Curr Opin Immunol 11:541−547、Glennie et al.,2000,Immunol Today 21:403−410、McLaughlin et al.,1998, J Clin Oncol 16:2825−2833、およびCobleigh et al.,1999,J Clin Oncol 17:2639−2648が含まれ、すべて参照することによりその全体が組み込まれる。現在抗癌療法については、死亡率におけるいかなる小さな改善も、成功と定義される。本明細書で開示する特定のIgG変異体は、抗体の、さらなる成長を制限するか、あるいは少なくとも部分的に標的癌細胞破壊する能力を強化する。

抗体の抗腫瘍作用は、ADCCADCP、およびCDC等の細胞傷害性エフェクター機能を媒介するそれらの能力の強化を介する。例には、Clynes et al.,1998,Proc Natl Acad Sci U S A 95:652−656、Clynes et al.,2000,Nat Med 6:443−446およびCartron et al.,2002,Blood 99:754−758が含まれ、ともに参照することによりその全体が組み込まれる。

ヒトIgG1が治療目的で最も一般的に使用される抗体であり、工学研究の大半は、この文脈において構築されている。しかしながら、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む、IgGクラスのこれらの異なるアイソタイプは、独自の物理的特性生物学的特性、および臨床特性を有する。当該技術分野において、改善されたIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4変異体を設計する必要性がある。さらに、FcRnへの結合を強化する、および/または天然IgGポリペプチドと比較して生体内半減期を増加するように、そのような変異体を設計する必要性がある。さらに、薬物動態特性を有する変異体と、修飾を有する変異体とを組み合わせて、変更されたFcガンマR結合を介して効率を向上させる必要性がある。本出願は、これらの必要性および他の必要性に対応する。

概要

FcRnへの変異結合を有するFc変異体の提供。本出願は、野生型ヒトFc領域と比べて少なくとも1つの修飾を含む変異Fc領域に関し、該修飾は、434S、252Y/428L、252Y/434S、および428L/434Sから成る群から選択され、付番はEUインデックスによる。なし

目的

Nは、1群当たりのマウスの数を表し、PKパラメータについて平均値および標準偏差(SD)データを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

野生型ヒトFc領域と比べて少なくとも1つの修飾を含む変異Fc領域であって、前記修飾は、252Y/428L、252Y/434S、および428L/434Sから成る群から選択され、付番はEUインデックスによる、変異体

請求項2

前記修飾は、428L/434Sである、請求項1に記載の変異体。

請求項3

前記修飾は、252Y/428Lである、請求項1に記載の変異体。

請求項4

前記修飾は、252Y/434Sである、請求項1に記載の変異体。

請求項5

前記変異体は、抗体またはイムノアドヘシンを含み、前記Fc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から成る群から選択される、請求項1に記載の変異体。

請求項6

前記変異体は、IgG1Fc領域を含む、請求項5に記載の変異体。

請求項7

前記変異体は、IgG2Fc領域を含む、請求項5に記載の変異体。

請求項8

前記変異体は、哺乳動物において、前記野生型Fc領域を持つ前記抗体またはイムノアドヘシンと比べて、より長い血清半減期を有する、請求項5に記載の変異体。

請求項9

前記哺乳動物は、ヒトFcRnを発現するマウスまたは非ヒト霊長動物である、請求項8に記載の変異体。

請求項10

前記哺乳動物は、ヒトである、請求項8に記載の変異体。

請求項11

前記抗体またはイムノアドヘシンは、血管内皮成長因子VEGF)、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、CD25、上皮成長因子受容体(EGFR)、およびIgEから成る群から選択される抗原に対する特異性を有する、請求項5に記載の変異体。

請求項12

IgG2Fc領域の変異体を含む変異抗体または変異イムノアドヘシン、であって、前記変異抗体または免疫グロブリンは、野生型IgG2Fc領域と比べて1〜5つの修飾を含み、前記修飾のうちの少なくとも1つは、434位においてであり、付番はEUインデックスにより、哺乳動物において、前記野生型IgG2Fc領域を持つ前記抗体またはイムノアドヘシンと比べて、より長い血清半減期を有する、変異抗体または変異イムノアドヘシン。

請求項13

前記変異体は、434Sにおける少なくとも1つの修飾と、252位および428位から成る群から選択される位置に1つの修飾とを含む、請求項12に記載の変異体。

請求項14

前記哺乳動物は、ヒトFcRnを発現するマウスまたは非ヒト霊長動物である、請求項12に記載の変異体。

請求項15

前記哺乳動物は、ヒトである、請求項12に記載の変異体。

請求項16

野生型ヒトFc領域と比べて少なくとも2つの修飾を含む変異Fc領域であって、少なくとも1つの修飾は428Lであり、少なくとも1つの修飾は、252位または434位においてであり、付番はEUインデックスによる、変異体。

請求項17

前記Fc領域は、抗体またはイムノアドヘシンを含み、前記抗体またはイムノアドヘシンは、IgG1またはIgG2Fc領域を含み、前記変異体は、哺乳動物において、前記野生型ヒトFc領域を持つ前記抗体またはイムノアドヘシンと比べて、より長い血清半減期を有し、前記哺乳動物は、ヒトFcRnを発現するマウス、非ヒト霊長動物、またはヒトである、請求項16に記載の変異体。

技術分野

0001

本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づき、2007年12月26日に出願された第USSN61/016,793号、2008年2月25日に出願された第USSN61/031,353号、2008年4月18日に出願された第USSN61/046,353号、2008年5月2日に出願された第USSN61/050,172号、2008年7月10日に出願された第USSN61/079,779号、および2008年9月22日に出願された第USSN61/099,178号に対する利益を主張し、かつ2007年10月31日に出願された第USSN11/932,151号の一部継続出願であり、それは、2006年5月17日に出願された第USSN11/436,266号の一部継続出願であり、それは、35U.S.C.§119(e)に基づき、2007年7月24日に出願された第USSN60/951,536号に対する利益を主張し、かつ2005年11月14日に出願された第USSN11/274,065号の一部継続出願であり、それは、35U.S.C.§119(e)に基づき、2004年11月12日に出願された第USSN60/627,763号、2005年1月11日に出願された第USSN60/642,886号、2005年2月2日に出願された第USSN60/649,508号、2005年3月15日に出願された第USSN60/662,468号、2005年4月6日に出願された第USSN60/669,311号、2005年5月16日に出願された第USSN60/681,607号、2005年6月13日に出願された第USSN60/690,200号、2005年7月5日に出願された第USSN60/696,609号、2005年7月27日に出願された第USSN60/703,018号、および2005年10月12日に出願された第USSN60/726,453号に対する利益を主張し、すべて参照することによりその全体が組み込まれる。

0002

本出願は、最適化されたIgG免疫グロブリン変異体、それらを生成するための工学方法、および、特に治療目的のそれらの応用に関する。

背景技術

0003

抗体は、それぞれ特定の抗原に結合する免疫タンパク質である。ヒトおよびマウスを含むほとんどの哺乳動物において、抗体は、対になった重鎖および軽鎖ポリペプチド鎖から構築される。各々の鎖は、個々の免疫グロブリン(Igドメインで形成され、したがって一般用語の免疫グロブリンが、このようなタンパク質に対して使用される。各鎖は、はっきりと異なる2つの領域から成り、これらは可変領域および定常領域と称される。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗体間で顕著な配列多様性を示し、標的抗原の結合を担う。定常領域は、さほど配列多様性を示さず、重要な生化学的事象誘起する数々の天然タンパク質の結合を担う。ヒトでは、5つの異なるクラスの抗体があり、IgAサブクラスIgA1およびIgA2を含む)、IgDIgE、IgG(サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む)、およびIgMが含まれる。V領域には微妙な違いが存在し得るが、これらの抗体クラス間を区別する特徴は、それらの定常領域にある。IgG抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖から構成される四量体タンパク質である。IgG重鎖は、N末端からC末端へ、それぞれ重鎖可変ドメイン、重鎖定常ドメイン1、重鎖定常ドメイン2、および重鎖定常ドメイン3を指す、VH−CH1−CH2−CH3の順で連結する、4つの免疫グロブリンドメインから構成される(それぞれ重鎖可変ドメイン、定常ガンマ1ドメイン、定常ガンマ2ドメイン、および定常ガンマ3ドメインを指す、VH−Cγ1−Cγ2−Cγ3とも称される)。IgG軽鎖は、N末端からC末端へ、それぞれ軽鎖可変ドメインおよび軽鎖定常ドメインを指す、VL−CLの順で連結する、2つの免疫グロブリンドメインから構成される。

0004

IgGでは、Fc上のCγ2ドメインとCγ3ドメインとの間の部位が、新生児受容体FcRnとの相互作用を媒介する。FcRnへの結合により、エンドサイトーシスされた抗体がエンドソームから血流へ再利用される(Raghavan et al.,1996,Annu Rev Cell Dev Biol 12:181−220、Ghetie et al.,2000,Annu Rev Immunol 18:739−766、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。このプロセスは、完全長分子のサイズが大きいことによる腎臓ろ過の除外と対になって、1〜3週間の範囲の好都合な抗体血清半減期をもたらす。また、FcのFcRnへの結合は、抗体輸送において鍵となる役割を果たす。また、Fc上のFcRn結合部位は、細菌のタンパク質AおよびGが結合する部位でもある。これらのタンパク質による密接な結合は、典型的にはタンパク質精製中にタンパク質Aまたはタンパク質G親和性クロマトグラフィーを用いることにより、抗体精製の手段として活用される。故に、Fc上のこの領域の忠実度は、抗体の臨床的特性およびそれらの精製の双方にとって重要である。ラットFc/FcRn錯体(Burmeister et al.,1994,Nature,372:379−383、Martin et al.,2001,Mol Cell 7:867−877、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)、およびFcとタンパク質AおよびGとの錯体(Deisenhofer,1981,Biochemistry 20:2361−2370、Sauer−Eriksson et al.,1995,Structure 3:265−278、Tashiro et al.,1995,Curr Opin Struct Biol 5:471−481、すべて参照することによりその全体が組み込まれる)の入手可能な構造は、Fcのこれらのタンパク質との相互作用への洞察を与える。FcRn受容体は、新生児の内臓および成人腸管上皮内腔へのIgGの輸送にも関与する(Ghetie and Ward,Annu.Rev.Immunol.,2000,18:739−766、Yoshida et al.,Immunity,2004,20(6):769−783、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。

0005

ラットおよびヒトのFcドメインの研究によって、FcRnの結合に対する一部のFc残基の重要性が示されている。ラットおよびヒト配列は、Fc領域において約64%の配列同一性を有する(EUインデックス付番で残基237〜443)。Fc、FcRn重鎖、およびFcRn軽鎖(ベータ−2−ミクログロブリン)のラット/ヒト整合については、図3、4、および5を参照されたい。ヒトのFc/FcRn錯体のモデルは、ラットのFc/FcRn錯体の既存構造から構築されている(Martin et al.,2001,Mol Cell 7:867−877、参照することによりその全体が組み込まれる)。ラットおよびヒト配列は、H310およびH435等の、FcRn結合に極めて重要ないくつかの残基を共有する(Medesan et al.,1997 J.Immunol.158(5):221−7、Shieldset al.,2001,J.Biol.Chem.276(9):6591−6604、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。しかしながら、多くの位置において、ヒトおよびラットのタンパク質は異なるアミノ酸を有し、それにより、ヒト配列の残基にラット配列とは異なる環境、および恐らく異なる同一性を与える。この可変性は、1つの同族体から他の同族体へ特性を輸送する能力を制限する。

0006

マウスFcでは、T252、T254、およびT256の部位におけるランダム変異およびファージディスプレイ選択は、3.5倍増のFcRn親和性および1.5倍増の血清半減期を有するT252L/T254S/T256Fの三重変異体をもたらす(Ghetie et al.,1997,Nat.Biotech.15(7):637−640、参照することによりその全体が組み込まれる)。また、253、310、および435位での突然変異によるFc/FcRn相互作用の阻害は、生体内半減期の減少に通じる(Medesan et al J.Immunol.1997 158(5):2211−7、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0007

ヒトFcγにおける突然変異研究がFcRnへの結合に重要である一部の残基で行われ、血清半減期の増加を示した。ヒトFcγ1において、Hintonらは、3つの残基を個々に他の19個の通常アミノ酸に突然変異させた。Hintonらは、いくつかの点変異の二重変異が、FcRn結合親和性を増加させたことを見出した(Hinton et al.,2004,J.Biol.Chem.279(8):6213−6216、Hinton et al.Journal of Immunology 2006,176:346−356、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)。2つの突然変異は、サル半減期を増加させた。Shieldsらは、ほぼAlaのみに残基を突然変異させ、それらのFcRnおよびFcγRへの結合について研究した(Shields et al.,2001,J.Biol.Chem.,276(9):6591−6604、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0008

Dall’Acquaらは、ファージディスプレイを使用して、高い親和性を有するFcRnに結合するFc突然変異を選択した(Dall’Acqua et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180、参照することによりその全体が組み込まれる)。選択したDNA配列は、主に二重および三重突然変異体であった。該参照文献は、それらの選択された配列の多くによってコード化されたタンパク質を発現し、野生型Fcよりもさらに強くFcRnに結合するいくつかのものを見出した。

0009

治療薬としての抗体およびFc融合タンパク質投与は、タンパク質のクリアランスおよび半減期の特性に関する規定の頻度での注射を必要とする。より長い生体内半減期によって、注射をほとんど打たないこと、またはより低量の投与が可能になり、明らかに利点である。Fcドメインにおける過去の突然変異は、増加したFcRn結合親和性および生体内半減期を有するいくつかのタンパク質をもたらしたが、これらの突然変異は、最適な突然変異および増加した生体内半減期を特定しなかった。

0010

Fc領域の1つの特徴は、N297で生じる保存されたN連結グリコシル化である。この炭水化物、またはオリゴサッカライド(時としてこのように称される)は、抗体にとって決定的な構造的かつ機能的役割を果たし、哺乳動物発現系を使用して抗体を産生しなければならない主要な理由の1つである。Umana et al.,1999,Nat Biotechnol 17:176−180、Davies et al.,2001,Biotechnol Bioeng 74:288−294、Mimura et al.,2001,J Biol Chem 276:45539−45547、Radaev et al.,2001,J Biol Chem 276:16478−16483、Shieldset al.,2001,J Biol Chem 276:6591−6604、Shields et al.,2002,J Biol Chem 277:26733−26740、Simmons et al.,2002,J Immunol Methods 263:133−147、Radaev et al.,2001,J Biol Chem 276:16469−16477、およびKrapp et al.,2003,J Mol Biol 325:979−989、すべて参照することによりその全体が組み込まれる)。

0011

治療用途のための抗体が開発されている。そのような療法に関連する代表的な刊行物には、Chamow et al.,1996,TrendsBiotechnol 14:52−60、Ashkenazi et al.,1997,Curr Opin Immunol 9:195−200、Cragg et al.,1999,Curr Opin Immunol 11:541−547、Glennie et al.,2000,Immunol Today 21:403−410、McLaughlin et al.,1998, J Clin Oncol 16:2825−2833、およびCobleigh et al.,1999,J Clin Oncol 17:2639−2648が含まれ、すべて参照することによりその全体が組み込まれる。現在抗癌療法については、死亡率におけるいかなる小さな改善も、成功と定義される。本明細書で開示する特定のIgG変異体は、抗体の、さらなる成長を制限するか、あるいは少なくとも部分的に標的癌細胞破壊する能力を強化する。

0012

抗体の抗腫瘍作用は、ADCCADCP、およびCDC等の細胞傷害性エフェクター機能を媒介するそれらの能力の強化を介する。例には、Clynes et al.,1998,Proc Natl Acad Sci U S A 95:652−656、Clynes et al.,2000,Nat Med 6:443−446およびCartron et al.,2002,Blood 99:754−758が含まれ、ともに参照することによりその全体が組み込まれる。

0013

ヒトIgG1が治療目的で最も一般的に使用される抗体であり、工学研究の大半は、この文脈において構築されている。しかしながら、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む、IgGクラスのこれらの異なるアイソタイプは、独自の物理的特性生物学的特性、および臨床特性を有する。当該技術分野において、改善されたIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4変異体を設計する必要性がある。さらに、FcRnへの結合を強化する、および/または天然IgGポリペプチドと比較して生体内半減期を増加するように、そのような変異体を設計する必要性がある。さらに、薬物動態特性を有する変異体と、修飾を有する変異体とを組み合わせて、変更されたFcガンマR結合を介して効率を向上させる必要性がある。本出願は、これらの必要性および他の必要性に対応する。

0014

本出願は、ポリペプチドのFc領域内の少なくとも1つの修飾を含む、親ポリペプチドFc変異体を対象とする。さまざまな実施形態では、変異ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較して、FcRnへの変更された結合を呈する。特定の変異体では、修飾は、428L、434M、および434Sから成る群から選択され、付番は、KabatらのEUインデックスによる。

0015

別の実施形態では、Fc変異体は、252Y/428L、428L/434H、428L/434F、428L/434Y、428L/434A、428L/434M、および428L/434Sから成る群から選択される少なくとも2つの修飾を含む。

0016

別の実施形態では、Fc変異体は、M428L/N434S、V308F/M428L/N434Sから成る群から選択される少なくとも1つの修飾を含む。

0017

別の実施形態では、Fc変異体は、259I/434S、308F/434S、308F/428L/434S、259I/308F/434S、307Q/308F/434S、250I/308F/434S、および308F/319L/434Sから成る群から選択される少なくとも1つの修飾を含む。

0018

別の実施形態では、Fc変異体は、少なくとも1つの修飾を含む。

0019

別の実施形態では、本発明は、本出願に記載するFc変異体の有効量を投与するステップを含む、該治療を必要とする患者を治療する方法を含む。

0020

別の実施形態では、本発明は、本出願に記載する修飾に従い、Fcを修飾して抗体またはイムノアデヘシンの半減期を増加させる方法を含む。

0021

別の変異体において、本発明は、エフェクター機能を調節するさらなるFc変異体との強化されたFcRn結合を持つFc変異体を含む。

図面の簡単な説明

0022

ヒトIgG定常重鎖の配列整合。灰色はIgG1との差異を示し、枠付きの残基は、ヒト集団における一般的なアロタイプ異形を示す。
図1aの説明の通り。
(配列番号1〜6)本発明において使用される定常領域のアミノ酸配列
(配列番号7〜12)例示的な変異定常領域のアミノ酸配列。
(配列番号13〜22)本発明において使用されるVHおよびVL可変領域のアミノ酸配列。
(配列番号23〜29)例示的な変異抗体のアミノ酸配列。
図5aの説明の通り。
WTおよび選択変異IgG1抗VEGF抗体による相対的VEGF結合。プロットは、抗体分析物固定化したVEGF抗原へ結合する会合相の最後のBiacore反応単位(RU)を示す。負の対照として抗Her2 IgG1抗体を使用した。
低(6.0)pHおよび高(7.4)pHでの固定化ヒトFcRnに対するWTおよび変異IgG1抗体のBiacoreセンサーグラム
Biacoreにより判定される、pH6.0でのヒトFcRnに対するWTおよび選択変異IgG1抗体のFcRn結合親和性。グラフは、対数目盛上の親和定数(Ka*)のプロットを示す。
Biacoreにより判定される、変異IgG1抗VEGF抗体のヒトFcRnに対する相対的結合。表は、ヒトWT(天然)IgG1に対するそれぞれの変異体のKa*の倍数を示す。nはそれぞれの変異体が試験された回数を示し、平均値およびSDは、n回の結合実験にわたるそれぞれの変異体の、それぞれ平均および標準偏差を示す。それぞれの各結合実験内で、WT IgG1に対してFcRn倍数をすべての変異体について算出した。NBは、結合が検出されなかったことを示す。NDは、その特定の変異体について、結合が判定されなかったことを示す。NFは、結合データから近似することができなかったことを示す。
図9aの説明の通り。
図9aの説明の通り。
図9aの説明の通り。
Biacoreにより判定される、変異IgG2およびIgG1/2抗VEGF抗体のヒトFcRnへの相対的結合。表は、図9について記載したとおりである。
図10aの説明の通り。
図10aの説明の通り。
図10aの説明の通り。
相加的および相乗的な置換の組み合わせの分析図11aは、単一変異体の産物により決定された予測FcRn結合倍数に対する、それぞれの変異体によるヒトFcRnへの実験的に決定した結合倍数のプロットを示す。変異体のデータ点を表示し、線は完全な相加性を表す。図11bは、各変異体組み合わせについての実験的倍数と予測倍数との間の差異を示す。図11cは、各変異体組み合わせの相乗作用を示す。相乗作用%は、100×[(実験的倍数/予測倍数)−1]]として算出される。
図11aの説明の通り。
図11aの説明の通り。
Biacoreにより判定される、変異抗TNF、−CD25、−EGFR、および−IgE抗体のヒトFcRnに対する相対的結合。表は、図9について記載したとおりである。
図12aの説明の通り。
図12aの説明の通り。
図12aの説明の通り。
mFcRn−/−hFcRn+マウスにおける、WTおよび変異抗体の生体内薬物動態。グラフは、単回静脈内投与後の、時間に対する抗体の血清濃度をプロットする。図13aは、IgG1抗体(研究3)を用いて行われた4度の研究のうちの1つからのデータを示し、図13bは、IgG2抗体(研究5)用いて行われた研究からのデータを示す。
図13aの説明の通り。
変異抗体およびWT抗体を用いてmFcRn−/−hFcRn+マウスにおいて行われた、すべての生体内PK研究からの近似したPKパラメータ。Nは、1群当たりのマウスの数を表し、PKパラメータについて平均値および標準偏差(SD)データを提供する。半減期は、血清からの抗体の脱離により特徴分析されるベータ相を表す。Cmaxは、観測される最大血清濃度であり、AUCは、濃度時間曲線面積であり、クリアランスは血清からの抗体のクリアランスである。半減期倍数は、それぞれの研究内で、WT IgG1またはIgG2の親のものに対する変異抗体の半減期として算出される。
図14aの説明の通り。
mFcRn−/−hFcRn+マウスにおけるIgG1(図15a)およびIgG2(図15b)変異抗体の半減期と、WT IgG1に対するFcRn結合倍数との相関関係。y軸上のデータは、図14からのものであり、x軸上のデータは、図9および10からのものである。選択変異体を表示し、反復実験からの変異体データには丸を付けた。図15cは、IgG1およびIgG2の両方の相関データを示し、黒色および灰色の線は、それぞれIgG1およびIgG2のデータの近似を表す。
図15aの説明の通り。
図15aの説明の通り。
(配列番号30〜35)本発明において使用される変異および親抗TNF Fcイムノアドヘシンのアミノ酸配列。
図16aの説明の通り。
Biacoreにより判定される、抗TNFイムノアドヘシンのTNF抗原への結合。
Biacoreにより判定される、変異FcイムノアドヘシンのヒトFcRnへの相対的結合。表は、ヒトWT(天然)IgG1に対するそれぞれの変異体のKa*の倍数を示す。nはそれぞれの変異体が試験された回数を示し、平均値およびSDは、n回の結合実験にわたるそれぞれの変異体の、それぞれ平均および標準偏差を示す。それぞれの各結合実験内で、それぞれのIgGの親に対して、FcRn倍数をすべての変異体について算出した。
mFcRn−/−hFcRn+マウスにおける、親および変異Fcイムノアドヘシンの生体内薬物動態。グラフは、単回静脈内投与後の、時間に対するFc融合の血清濃度をプロットする。
mFcRn−/−hFcRn+マウスにおける、Fc融合生体内PK研究からの近似したPKパラメータ。パラメータは、図14について記載したとおりである。半減期の増加%は、100×変異Fc融合の半減期÷WT IgG1またはIgG2の親の半減期として算出される。
Biacoreにより判定される、変異IgG1抗VEGF抗体のカニクイザルおよびヒトFcRnへの相対的結合。図21aは、表形式でデータを示す。図の説明は図9にあるとおりであり、ヒトFcRnへの結合に関するデータは図9から取られている。図21bは、該データのプロットを示す。
図21aの説明の通り。
カニクイザルにおけるWTおよび変異抗体の生体内薬物動態。グラフは、単回静脈内投与後の、時間に対する抗体の血清濃度をプロットする。
変異抗体およびWT抗体を用いた、カニクイザルにおける生体内PK研究からの近似したPKパラメータ。パラメータは、図14について記載したとおりである。

0023

本発明は、FcRn受容体への増加した結合を有し、抗体、Fc融合、および免疫接着に見られるものを含む、Fcドメインの新しい変異体の産生を開示する。本出願に記載するとおり、FcRnへの結合は、より長い血清の生体内の滞留がもたらされる。

0024

生体内のFcタンパク質の滞留を増加するために、約pH7.4で低い親和性を維持しながら、結合親和性における増加は、約pH6でなければならない。まだ実験中であるが、Fc領域は、エンドソ−ム内のpH6のFcRnへの結合は、Fcを封鎖するため、より長い生体内半減期を有すると考えられている(Ghetie and Ward,1997 Immunol Today.18(12):592−598、参照することによりその全体が組み込まれる)。次いで、エンドソ−ム区画は、細胞表面にFcを再利用する。区画が細胞外空間に開かれると、より高いpH(約7.4)は、血液中へFcを放出し戻すことを誘導する。マウスにおいて、Dall’Acquaらは、実際に、pH6およびpH7.4で増加したFcRn結合を有するFc突然変異が血清濃度および野生型Fcと同じ半減期を減少させたことを示した(Dall’Acqua et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180、参照することによりその全体が組み込まれる)。pH7.4のFcRnに対するFcの親和性の増加は、血液にFcを放出し戻すことを防止したことによるものである。したがって、Fcの生体内半減期を増加させるFc突然変異は、高いpHでFcの放出を可能にしながら、低いpHでFcRn結合を理想的に増加させる。アミノ酸ヒスチジンは、6.0〜7.4の範囲のpHでその電荷状態を変更する。したがって、Fc/FcRn錯体内の重要な位置でHis残基が見られることは珍しくない(図6)。

0025

本発明の付加的態様は、エンドソ−ム内のFc/FcRn結合を促進するために、特に低いpH(約pH6.0)で野生型上のFcRn結合における増加である。変性FcRn結合およびFc受容体の別のクラスへの変性結合を有するFc変異体も開示し、FcγRへの異なる結合、具体的には、FcγRIIIbへの増加した結合およびFcγRIIbへの減少した結合としてFcγR(FcガンマRと表記される場合もある)は、効率の低下をもたらすことがわかっている。

0026

定義

0027

本出願がより完全に理解され得るために、以下にいくつかの定義を説明する。そのような定義は、文法的な同等物を含むことを意図する。

0028

本出願に使用する「ADCC」または「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞標的細胞上の結合した抗体を認識し、標的細胞の溶解を実質的にもたらす、細胞媒介性反応を意味する。

0029

本出願に使用する「ADCP」または「抗体依存性細胞媒介性食作用」とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合した抗体を認識し、標的細胞の食作用を実質的にもたらす、細胞媒介性反応を意味する。

0030

本出願に使用する「修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸置換、挿入および/または欠失、またはタンパク質に化学的に結合した部分への変更を意味する。例えば、修飾は、変更された炭水化物またはタンパク質に付着したPEG構造であり得る。本出願に使用する「アミノ酸修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を意味する。

0031

本出願に使用する「アミノ酸置換」または「置換」とは、別のアミノ酸を有する親ポリペプチド内の特定の位置におけるアミノ酸の置換を意味する。例えば、置換E272Yは、変異ポリペプチドを指し、この場合、位置272においてグルタミン酸チロシンで置換されたFc変異体を指す。

0032

本出願に使用する「アミノ酸挿入」または「挿入」とは、親ポリペプチド配列内の特定の位置におけるアミノ酸配列の追加を意味する。例えば、−233Eまたは^233Eは、位置233の後で位置234の前のグルタミン酸の挿入をいう。さらに、−233ADEまたは^233ADEは、位置233の後で位置234の前のAlaAspGluの挿入をいう。

0033

本出願に使用する「アミノ酸欠失」または「欠失」とは、親ポリペプチド配列内の特定の位置におけるアミノ酸配列の欠失を意味する。例えば、E233−またはE233#は、位置233におけるグルタミン酸の欠失をいう。さらに、EDA233−またはEDA233#は、位置233で開始する配列GluAspAlaの欠失をいう。

0034

本出願に使用する「変異タンパク質」または「タンパク質変異体」、もしくは「変異体」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって、親タンパク質と異なるタンパク質を意味する。タンパク質変異体は、タンパク質そのもの、タンパク質を含む組成物、またはそれをコ−ド化するアミノ配列を指し得る。好適には、タンパク質変異体は、親タンパク質と比較して、少なくとも1つのアミノ酸修飾、例えば、親タンパク質と比較して、約1〜約70個のアミノ酸修飾、および好適には約1〜約5個のアミノ酸修飾を有する。好適には、本出願のタンパク質変異配列は、親タンパク質配列を有する、少なくとも約80%の相同性、最も好適には、少なくとも約90%の相同性、さらに好適には、少なくとも約95%の相同性を有する。変異タンパク質は、変異タンパク質そのもの、タンパク質変異体を含む組成物、またはそれをコ−ド化するDNA配列を指すことができる。したがって、本出願に使用する「抗体変異体」または「変異抗体」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって、親抗体と異なる抗体を意味し、本出願に使用する「IgG変異体」または「変異IgG」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって、親IgGと異なる抗体を意味し、本出願に使用する「免疫グロブリン変異体」または「変異免疫グロブリン」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって、親免疫グロブリン配列と異なる免疫グロブリン配列を意味する。本出願に使用する「Fc変異体」または「変異Fc」とは、Fcドメイン内の修飾を含むタンパク質を意味する。本発明のFc変異体は、それらを構成するアミノ酸修飾に従い定義される。したがって、例えば、N434Sまたは434Sは、親Fcポリペプチドと比べて、位置434に置換セリンを有するFc変異体であり、該付番はEUインデックスによるものである。同様に、M428L/N434Sは、親Fcポリペプチドと比べて、置換M428LおよびN434S.Aを有するFc変異体を定義する。WTアミノ酸の特定は、特定されなくてもよく、その場合、前述の変異体は、428L/434Sと称される。置換が提供される順番は、任意であることに留意されたい、つまり、例えば、428L/434Sは、M428L/N434Sと同一Fc変異体である。本発明において説明するすべての位置の付番は、EUインデックスに従う。EUインデックスまたはKabatのEUインデックスまたはEU付番スキ−ムは、EU抗体の付番を指す(Edelman et al.,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78−85、参照することによりその全体が本出願に組み込まれる)。修飾は、追加、欠失、または置換であってもよい。置換は、自然発生のアミノ酸、非自然発生のアミノ酸を含むことができる。変異体は、非自然発生のアミノ酸を含んでもよい。例は、米国特許第6,586,207号、国際公開第WO98/48032号、第WO03/073238号、米国特許第2004−0214988A1号、第WO05/35727A2号、第WO05/74524A2号、J.W.Chin et al.,(2002),Journal of the American Chemical Society 124:9026−9027、J.W.Chin,&P.G.Schultz,(2002),ChemBioChem 11:1135−1137、J.W.Chin,et al.,(2002),PICAS United States of America 99:11020−11024、およびL.Wang,&P.G.Schultz,(2002),Chem.1−10を含み、すべて参照することによりその全体が組み込まれる。

0035

本出願に使用する「タンパク質」とは、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を意味する。ペプチジル基は、自然発生するアミノ酸およびペプチド結合、またはペプトイド等の合成ペプチド模範体構造、つまり、「アナログ」を含んでもよい(Simon et al.,PNAS USA 89(20):9367(1992)参照、参照することによりその全体が組み込まれる)。アミノ酸は、自然発生または非自然発生のいずれかであってもよく、当業者に理解されるものである。例えば、ホモフェニルアラニンシトルリン、およびノルロイシンは、本発明の目的に考えられるアミノ酸であり、D−およびL−(RまたはS)構造のアミノ酸を使用し得る。本発明の変異体は、Cropp&Shultz,2004,TrendsGenet.20(12):625−30、Anderson et al.,2004,Proc Natl Acad Sci USA 101(2):7566−71、Zhang et al.,2003,303(5656):371−3、およびChin et al.,2003,Science 301(5635):964−7に記載の方法を含むが、これらに限定されない、例えば、Schultzと共同研究者とにより開発された技術を使用して導入される非天然アミノ酸の使用を含む修飾を含み得、当該文献は、すべて参照することによりその全体が組み込まれる。また、ポリペプチドは、1つ以上の鎖または末端合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、円順列環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の追加を含んでもよい。

0036

本出願に使用する「残基」とは、タンパク質およびその関連するアミノ酸同一性における位置を意味する。例えば、アスパラギン297(Asn297またはN297ともいう)は、ヒト抗体IgG1内の位置297の残基である。

0037

本出願に使用する「Fab」または「Fab領域」とは、VH、CH1、VL、およびCL免疫グロブリンドメインを含むポリペプチドを意味する。Fabは、単離したこの領域、または完全長抗体、抗体フラグメント、またはFab融合タンパク質に関連するこの領域を指し得る。本出願に使用する「Fv」または「Fvフラグメント」または「Fv領域」は、単一抗体のVLおよびVHドメインを含むポリペプチドを意味する。

0038

本出願に使用する「IgGサブクラス修飾」とは、1つのIgGアイソタイプの1つのアミノ酸と異なり、整列したIgGアイソタイプの対応するアミノ酸に変換する、アミノ酸修飾を意味する。例えば、IgG1は、EU位置296にチロシンおよびIgG2aフェニルアラニンを有するため、IgG2におけるF296Y置換は、IgGサブクラス修飾と考えられる。

0039

本出願に使用する「非自然発生の修飾」とは、同形ではないアミノ酸修飾を意味する。例えば、IgGのいずれも位置434にセリンを含まないため、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4における置換434Sは、非自然発生の修飾と考えられる。

0040

本出願に使用する「アミノ酸」および「アミノ酸同一性」とは、20個の自然発生するアミノ酸の1つ、または特別に定義された位置で存在し得る、いかなる非天然アナログをも意味する。

0041

本出願に使用する「エフェクター機能」とは、抗体Fc領域のFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を意味する。エフェクター機能は、ADCC、ADCP、およびCDCを含むが、それらに限定されない。

0042

本出願に使用する「IgGFcリガンド」とは、IgG抗体のFc領域に結合して、Fc/Fcリガンド錯体を形成する、任意の有機体からの分子、好適には、ポリペプチドを意味する。Fcリガンドは、FcγR、FcγR、FcγR、FcRn、C1q、C3、マンナン結合レクチンマンノ−ス受容体、ブドウ球菌タンパク質A、連鎖球菌タンパク質G、およびウイルスFcγRを含むが、それらに限定されない。Fcリガンドは、FcγRに同種であるFc受容体群であるFc受容体ホモログ(FcRH)も含む(Davis et al.,2002,Immunological Reviews 190:123−136、参照することによりその全体が組み込まれる)。Fcリガンドは、Fcを結合する未発見の分子を含んでもよい。具体的なIgGFcリガンドは、FcRnおよびFcガンマ受容体である。本出願に使用する「Fcリガンド」とは、抗体のFc領域に結合して、Fc/Fcリガンド錯体を形成する、任意の有機体からの分子、好適には、ポリペプチドを意味する。

0043

本出願に使用する「Fcγ受容体」、「FcγR」、または「FcガンマR」とは、IgG抗体Fc領域を結合し、FcγR遺伝子によってコード化するタンパク質群の任意の成員を意味する。ヒトにおいて、この群は、アイソフォームFcγRIa、FcγRIb、およびFcγRIcを含む、FcγRI(CD64)、アイソフォームFcγRIIa(アロタイプH131およびR131を含む)、FcγRIIb(FcγRIIb−1およびFcγRIIb−2を含む)、およびFcγRIIcを含む、FcγRII(CD32)、およびアイソフォームFcγRIIIa(アロタイプV158およびF158を含む)およびFcγRIIIb(アロタイプFcγRIIb−NA1およびFcγRIIIb−NA2を含む)を含む、FcγRIII(CD16)(Jefferis et al.,2002,Immunol Lett 82:57−65、参照することによりその全体が組み込まれる)、ならびに任意の未発見のヒトFcγRもしくはFcγRアイソフォームまたはアロタイプを含むが、それらに限定されない。FcγRは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、それらに限定されない、いかなる有機体からであってもよい。マウスFcγRは、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIII−2(CD16−2)、ならびにいかなる未発見のマウスFcγRもしくはFcγRアイソフォームまたはアロタイプも含むが、それらに限定されない。

0044

本出願に使用する「FcRn」または「新生児Fc受容体」とは、IgG抗体のFc領域を結合し、FcRn遺伝子によって少なくとも部分的にコード化されるタンパク質を意味する。FcRnは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サルを含むが、それらに限定されない、いかなる有機体からであってもよい。当該技術分野において周知のとおり、機能性FcRnタンパク質は、2つのポリペプチドを含み、しばしば、重鎖および軽鎖と言われる。軽鎖は、β−2−ミクログロブリンであり、重鎖は、FcRn遺伝子によってコード化される。本出願に記載がない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、ベータ−2−ミクログロブリンを有するFcRn重鎖の錯体を指す。FcRnの特定関心対象、特にヒト種の配列を図に示す。

0045

本出願に使用する「親ポリペプチド」とは、変異体を生成するために後で修飾される、未修飾のポリペプチドを意味する。親ポリペプチドは、自然発生するポリペプチド、もしくは変異体または自然発生するポリペプチドの操作された型であってもよい。親ポリペプチドは、ポリペプチドそのもの、親ポリペプチドを含む組成物、またはそれをコード化するアミノ酸配列を指し得る。さらに、本出願に使用する「親免疫グロブリン」とは、変異体を生成するために修飾される、未修飾免疫グロブリンポリペプチドを意味し、本出願に使用する「親抗体」とは、変異抗体を生成するために修飾される、未修飾抗体を意味する。以下に記載するとおり、「親抗体」は、商業的に周知で、遺伝子組み換え技術で生成された抗体であることに留意されたい。

0046

本出願に使用する「位置」とは、タンパク質の配列内の場所を意味する。位置は、連続的、または確立したフォーマット、例えば、抗体付番のためのEUインデックスに従って付番されてもよい。

0047

本出願に使用する「標的抗原」とは、所与の抗体の可変領域によって特異的に結合する分子を意味する。標的抗原は、タンパク質、炭水化物、脂質、または他の化学物質であってもよい。

0048

本出願に使用する「標的細胞」という用語は、標的抗原を発現する細胞を意味する。

0049

本出願に使用する「可変領域」という用語は、Vκ、Vλ、および/またはそれぞれ、κ、λ、および重鎖免疫グロブリン遺伝子座を構成するVH遺伝子のいずれかによって実質的にコード化された、1つ以上のIgドメインを含む、免疫グロブリンの領域を意味する。

0050

本出願に使用する「野生型またはWT」とは、対立遺伝子変異を含む、野生にあるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。WTタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。

0051

本発明は、野生型抗体に対し、FcRnへの増加された結合を呈する抗体を対象とする。例えば、いくつかの例では、結合の増加は、抗体の細胞の再利用をもたらし、それによって、半減期を増加させる。また、増加したFcRnへの結合、および変更された他のFc受容体(例えば、FcγR)への結合を呈する抗体は、本発明に役立つ。
抗体

0052

本出願は、FcRnへの結合を調節するアミノ酸修飾を含む、抗体を対象とする。特に関心対象は、低いpHで減少したFcRnへの結合親和性を示し、高いpHで結合の実質的な変化を呈さない、Fc領域またはその機能的変異体を最小限に含む抗体である。

0053

典型的に、従来の抗体構造単位は、四量体を含む。典型的に、それぞれの四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一対から構成され、それぞれの対は、1つの「軽」鎖(典型的に、約25kDaの分子量を有する)を有し、1つは、「重」鎖(典型的に、約50〜70kDaの分子量を有する)を有する。ヒト軽鎖は、κおよびλ軽鎖として分類される。重鎖は、μ、δ、γ、α、またはεとして分類され、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして抗体のアイソタイプを定義する。IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むが、それらに限定されない、いくつかのサブクラスを有する。IgMは、IgM1およびIgM2を含むが、それらに限定されないサブクラスを有する。したがって、本出願に使用する「アイソタイプ」は、定常領域の化学的および抗原的特性によって定義された免疫グロブリンのサブクラスのいずれかを意味する。周知のヒト免疫グロブリンのアイソタイプは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgM1、IgM2、IgD、およびIgEである。

0054

それぞれの鎖のアミノ末端部分は、約100〜110の可変領域、または主に抗原認識を担うさらなるアミノ酸を含む。可変領域では、3つのループは、重鎖および軽鎖のVドメインのそれぞれに集まり抗原結合部位を形成する。ループのそれぞれは、アミノ酸配列内の変異が最も著しい、相補的決定領域(以下、「CDR」という)という。

0055

鎖のそれぞれのカルボキシ末端部分は、主にエフェクター機能を担う定常領域を画定する。Kabatらは、重鎖および軽鎖の可変領域の多くの一次配列収集した。配列の保存程度により、彼らは、単独の一次配列をCDRおよびフレームワークに分類し、そのリストを作成した(SEQUENCESOFIMMUNOLOGICALNTEREST,5th edition,NIH publication,No.91−3242,E.A.Kabat et al.参照、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0056

免疫グロブリンのIgGサブクラスでは、重鎖内にさまざまな免疫グロブリンドメインがある。本出願に使用する「免疫グロブリン(Ig)ドメイン」とは、異なる三次構造を有する免疫グロブリンの領域を意味する。本発明の関心対象は、定常重鎖(CH)ドメインおよびヒンジドメインを含む、重鎖ドメインである。IgG抗体では、IgGアイソタイプのそれぞれは、3つのCH領域を有する。したがって、IgGにおける「CH」ドメインは、以下のとおりである。「CH1」は、KabatのEUインデックスに従う、位置118−220で指す。「CH2」は、KabatのEUインデックスに従う、位置237−340を指し、「CH3」は、KabatのEUインデックスに従う、位置341−447を指す。

0057

重鎖のIgドメインの別の種類は、ヒンジ領域である。本出願に使用する「ヒンジ」または「ヒンジ領域」、もしくは「抗体ヒンジ領域」、または「免疫グロブリンヒンジ領域」は、抗体の第1と第2定常ドメインとの間のアミノ酸を含む、柔軟なポリペプチドを意味する。構造的に、IgGのCH1ドメインは、EU位置220で終端し、IgGのCH2ドメインは、EU位置237の残基で開始する。したがって、IgGでは、抗体のヒンジは、位置221(IgG1内のD221)〜236(IgG1内のG236)を含むように本出願で定義され、付番は、KabatのEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、例えば、Fc領域では、低いヒンジが含まれ、典型的に、「低いヒンジ」は、位置226または230を指す。

0058

本発明の関心対象は、Fc領域である。本出願に使用される「Fc」または「Fc領域」は、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン、およびいくつかの例において、一部のヒンジを除く抗体の定常領域を含むポリペプチドを意味する。したがって、Fcは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、およびこれらのドメインに柔軟なヒンジN末端を指す。IgAおよびIgMでは、Fcは、J鎖を含んでもよい。図1に図示するとおり、IgGでは、Fcは、免疫グロブリンドメインCγ2およびCγ3(Cg2およびCg3)、およびCγ1(Cg1)とCγ2(Cg2)との間の低いヒンジ領域を含んでもよい。Fc領域の境界は異なり得るが、通常、ヒトIgGの重鎖Fc領域は、残基C226またはP230をそのカルボキシル末端に含まれるように定義され、付番は、KabatのEUインデックスに従う。以下に記載するとおり、Fcは、単離するこの領域、またはFcポリペプチドにおけるこの領域を指し得る。本出願に使用する「Fcポリペプチド」は、すべてまたは一部のFc領域を含む、ポリペプチドを意味する。Fcポリペプチドは、抗体、Fc融合、単離Fc、およびFcフラグメントを含む。

0059

いくつかの実施形態では、抗体は、完全長である。本出願に記載するとおり、本出願において使用する「完全長抗体」は、1つ以上の修飾を含む、変異および定常領域を含む、抗体の自然の生物学的形状を構成する構造を意味する。

0060

あるいは、抗体は、それぞれ、抗体フラグメント、単クローン抗体二重特異性抗体ミニボディドメイン抗体合成抗体(本出願において、「抗体模倣」という場合もある)、キメラ抗体ヒト化抗体、抗体融合(本出願において「抗体共役体」と称される場合もある)、およびそれぞれのフラグメントを含むが、それらに限定されない、さまざまな構造であってもよい。

0061

抗体フラグメント

0062

一実施形態では、抗体は、抗体フラグメントである。Fc領域、Fc融合、および重鎖の定常領域(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含み、定常重領域融合をも含む、抗体が、特に関心対象となる。

0063

特定の抗体フラグメントは、(i)VL、VH、CL、およびCH1ドメインから成るFabフラグメント、(ii)VHおよびCH1ドメインから成るFdフラグメント、(iii)単一抗体のVlおよびVHドメインから成るFvフラグメント、(iv)単一変異から成るdAbフラグメント(Ward et al.,1989,Nature 341:544−546、参照することによりその全体が組み込まれる)、(v)単離したCDR領域、(vi)F(ab′)2フラグメント、2つの結合したFabフラグメントを含む二価フラグメント、(vii)VHドメインおよびVLドメインが、2つのドメインを抗体結合部位を形成するために結合可能にさせるペプチドリンカーによって結合される、単鎖Fv分子(scFv)(Bird et al.,1988,Science 242:423−426、Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5879−5883、参照することによりその全体が組み込まれる)、(viii)二重特異性単鎖Fv(国際公開第WO03/11161号、参照することにより組み込まれる)、および(ix)「ダイアボディ」または「トリアディ」、遺伝子融合によって構成される多価または多特異的フラグメント(Tomlinson et al.,2000,MethodsEnzymol.326:461−479、国際公開第WO94/13804号、Holliger et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−6448、これらすべては参照することによりその全体が組み込まれる)を含むが、これらに限定されない。抗体フラグメントは、修飾されてもよい。例えば、分子は、VHおよびVLドメインを結合するジスルフィド架橋の組み込みによって安定化されてもよい(Reiter et al.,1996,Nature Biotech.14:1239−1245、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0064

キメラおよびヒト化抗体

0065

いくつかの実施形態では、足場成分は、異種からの混合物であってもよい。その場合、タンパク質が抗体である場合は、そのような抗体は、キメラおよび/またはヒト化抗体であってもよい。一般的に、「キメラ抗体」および「ヒト化抗体」の両方は、1つ以上の種からの領域を組み合わせる抗体を指す。例えば、従来、「キメラ抗体」は、マウス(または、いくつかの場合では、ラット)からの可変領域およびヒトからの定常領域を含む。一般的に、「ヒト化抗体」は、ヒト抗体に見られる配列を交換した変異体ドメインのフレームワーク領域を有した非ヒト抗体を指す。一般的に、ヒト化抗体では、CDRを除く、すべての抗体は、ヒト由来ポリヌクレオチドによってコード化され、そのCDR内を除く、そのような抗体に同一である。非ヒト有機体に由来する核酸によってコード化されたいくつかまたはすべてのCDRは、抗体を形成するためにヒト抗体可変領域のβシートフレームワークに移植され、その特異性は、移植されたCDRによって決定される。そのような抗体の形成は、例えば、国際公開第WO92/11018号、Jones,1986,Nature 321:522−525、Verhoeyen et al.,1988,Science 239:1534−1536に記載され、これらすべては、参照することによりその全体が組み込まれる。対応するドナー残基に選択したアクセプターフレームワーク残基の「復帰突然変異」は、しばしば、当初の移植された構築で失った親和性を回復する必要がある(US第5530101号、US第5585089号、US第5693761号、US第5693762号、US第6180370号、US第5859205号、US第5821337号、US第6054297号、US第6407213号、これらすべては、参照することによりその全体が組み込まれる)。最適に、ヒト化抗体は、少なくとも一部の免疫グロブリン定常領域、典型的には、ヒト免疫グロブリンも含み、したがって、典型的にヒトFc領域を含む。ヒト化抗体は、遺伝子操作された免疫系を有するマウスを使用して生成することもできる(Roque et al.,2004,Biotechnol.Prog.20:639−654、参照することによりその全体が組み込まれる)。非ヒト抗体をヒト化および再形成する、さまざまな技術および方法は、当該技術分野において周知である(Tsurushita&Vasquez,2004,Humanization of Monoclonal Antibodies,Molecular Biology of B Cells,533−545、Elesevier Science(USA)、および本出願に引用した参考文献を参照し、これらすべては、参照することによりその全体が組み込まれる)。ヒト化方法は、Jones et al.,1986,Nature 321:522−525、Riechmann et al.,1988,Nature 332:323−329、Verhoeyen et al.,1988,Science,239:1534−1536、Queen et al.,1989,Proc Natl Acad Sci,USA 86:10029−33、He et al.,1998,J.Immunol.160:1029−1035、Carter et al.,1992,Proc Natl Acad Sci USA 89:4285−9、Presta et al.,1997,Cancer Res.57(20):4593−9、Gorman et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4181−4185、O‘Connor et al.,1998,Protein Eng 11:321−8に記載される方法を含むが、これらに限定されず、これらは、参照することによりその全体が組み込まれる。ヒト化または非ヒト抗体可変領域の免疫原性を低下させる他の方法は、例えば、参照することにより組み込まれる、Roguska et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:969−973に記載されるとおり、最表面化する方法を含んでもよい。一実施形態では、親抗体は、当該技術分野で周知のとおり、親和性が成熟している。構造ベースの方法は、例えば、USSN第11/004,590号に記載するとおり、ヒト化および親和性成熟に使用してもよい。選択ベースの方法は、ヒト化および/または親和性成熟抗体の可変領域に使用してもよく、Wu et al.,1999,J.Mol.Biol.294:151−162、Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.272(16):10678−10684、Rosok et al.,1996,J.Biol.Chem.271(37):22611−22618、Rader et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8910−8915、Krauss et al.,2003,Protein Engineering 16(10):753−759に、記載される方法を含むが、それらに限定されない。他のヒト化方法は、CDRの一部のみを移植するステップを伴い、第USSN09/810,510号、Tan et al.,2002,J.Immunol.169:1119−1125、De Pascalis et al.,2002,J.Immunol.169:3076−3084(参照することによりその全体が組み込まれる)に記載される方法を含むが、それらに限定されない。

0066

二重特異性抗体

0067

一実施形態では、本発明の抗体は、多特異的抗体および特に二重特異性抗体であり、「ダイアボディ」とも言われる場合もある。2つ(またはそれ以上)の異なる抗原に結合する抗体がある。ダイアボディは、当該技術分野において周知のさまざまな方法(例えば、ハイブリドーマ)で製造することができる(Holliger and Winter,1993,Current Opinion Biotechnol.4:446−449、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0068

ミニボディ

0069

一実施形態では、抗体は、ミニボディである。ミニボディは、CH3ドメインに結合したscFvを含む最小化された抗体様タンパク質である(Hu et al.,1996,Cancer Res.56:3055−3061、参照することによりその全体が組み込まれる)。いくつかの場合では、scFvは、Fc領域に結合することができ、いくつかまたはすべてのヒンジ領域を含んでもよい。

0070

抗体融合

0071

一実施形態では、本発明の抗体は、抗体融合タンパク質(本明細書において、「抗体共役体」と称する場合もある)である。抗体融合の1つの種類は、Fc領域を共役相手に結合させるFc融合を含む。本出願に使用する「Fc融合」は、1つ以上のポリペプチドが機能し得るようにFc領域に結合される、タンパク質を意味する。本出願において、Fc融合は、従来の技術(Chamow et al.,1996,TrendsBiotechnol.14:52−60、Ashkenazi et al.,1997,Curr Opin Immunol.9:195−200、ともに参照することによりその全体が組み込まれる)に使用されるとおり、「イムノアドヘシン」、「Ig融合」、「Igキメラ」、および「受容体グロブリン」(ダッシュがつく場合もある)という用語と同義語である。一般的に、Fc融合は、免疫グロブリンのFc領域と、いかなるタンパク質または小分子であってもよい融合相手を組み合わせる。事実上、いかなるタンパク質または小分子も、Fcに結合して、Fc融合を生成してもよい。タンパク質融合相手は、抗体の可変領域、受容体の標的結合領域接着分子、リガンド、酵素サイトカインケモカインまたは別のタンパク質またはタンパク質ドメインをも含むが、それらに限定されない。小分子融合相手は、Fc融合を治療用標的に誘導するいかなる治療剤を含んでもよい。そのような標的は、いかなる分子、好適には、疾患を担う細胞外受容体であってもよい。したがって、IgG変異体は、1つ以上の融合相手に結合することができる。1つの代替的実施形態では、IgG変異体は、別の治療化合物に共役または機能し得るように結合する。治療化合物は、細胞毒性剤化学療法剤毒素放射線同位体、サイトカイン、または他の治療的活性剤であってもよい。IgGは、さまざまな非タンパク質性質ポリマー、例えば、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリオキシアリキレン、またはポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールの共ポリマーの1つに結合されてもよい。

0072

Fc融合の他に、抗体融合は、1つ以上の融合相手(ここでも、いかなる抗体の可変領域も含む)を有する重鎖の定常領域融合を含み、他の抗体融合は、融合相手と実質的または完全に完全長抗体である。一実施形態では、融合相手の役割とは、標的結合を介在することであり、したがって、機能的に、抗体の可変領域に類似する(および、実際類似してもよい)。事実上、いかなるタンパク質または小分子も、Fcに結合して、Fc融合(または抗体融合)を生成してもよい。タンパク質融合相手は、受容体の標的結合領域、接着分子、リガンド、酵素、サイトカイン、キモカインを含むが、それらに限定されず、いくつかの他のタンパク質またはタンパク質ドメイン小分子融合相手は、Fc融合を治療標的に誘導するいかなる治療剤を含んでもよい。そのような標的は、いかなる分子、好適には、疾患を担う細胞外受容体であってもよい。

0073

共役相手は、タンパク質性質または非タンパク質性質であってもよく、一般的に、後者は、抗体および共役相手上の官能基を使用して生成される。例えば、リンカーは、当該技術分野において周知であり、例えば、ホモ−ヘテロ−二機能リンカーは、周知である(1994 Pierce Chemical Company catalog、technical section on cross−linkers,pages 155−200参照。参照することにより本出願に組み込まれる)。

0074

適切な共役体は、以下に記載する標識、細胞毒性剤(例えば、化学療法剤)を含むが、それらに限定されない、薬剤および細胞毒性剤、もしくは毒素またはそのような毒素の活性フラグメントを含むが、それらに限定されない。適切な毒素およびそれらの対応するフラグメントは、ジフテリアA鎖、外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、クルシン、クロチンフェノマイシン、エノマイシン等を含む。細胞毒性剤は、放射性同位体を抗体に共役させる、または抗体に共有結合しているキレート剤への放射性核種の結合させることで、製造された放射化学も含む。付加的実施形態は、カリケアマイシンアウリスタチンゲルダナマイシンメイタンシン、およびデュオカルマイシン、ならびにアナログを使用し、後者については、米国第2003/0050331A1号を参照し、参照することによりその全体が組み込まれる。

0075

抗体の共有結合修飾

0076

抗体の共有結合修飾は、本発明の範囲内に含まれ、常にではないが、一般的に、翻訳後に行われる。例えば、抗体の共有結合修飾のいくつかの種類は、抗体の特異的アミノ酸残基を、選択した側鎖もしくはNまたはC末端残基と反応することが可能な有機誘導体化剤と反応させて分子に導入される。

0077

最も一般的なシステイニル残基は、クロロ酢酸またはクロロアセトアミド等のα−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させ、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得る。また、システイニル残基は、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドイルプロピオン酸クロロアセチルリン酸、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロ安息香酸水銀、2−クロロ水銀−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1、3−ジアゾール等との反応によって誘導体化されてもよい。

0078

ジエチルピロカーボネートは、ヒスチジル側鎖に比較的特異的であるため、ヒスチジル残基は、pH5.5〜7.0でジエチルピロカーボネートとの反応によって誘導化される。パラーブロモフェナシブロミドも有用であり、好適には、反応は、pH6.0の0.1Mのカコジル酸ナトリウム中で実施する。

0079

リジニルおよびアミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸無水物と反応させる。これらの薬剤との誘導体化は、リジニル残基の電荷反転させる効果を有する。アルファアミノ含有残基を誘導体化するための他の適切な試薬は、メチルピコリンイミダート等のイミドエステルピリドキサルリン酸ピリドキサル、クロロホウ水素トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4−ペンダンジオン、およびグリオキシル酸とのトランスアミナーゼ触媒反応を含む。

0080

アルギニル残基は、1つまたはいくつかの従来の試薬、とりわけ、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−チクロヘキサンジオン、およびニンヒドリンとの反応により修飾される。アルギニン残基の誘導体化には、グアニジン官能基のpKaが高いため、アルカリ性条件で実施されることが必要である。さらに、これらの試薬は、リジン基ならびにアルギニンエプシロンアミノ基と反応させてもよい。

0081

チロシル残基の特異的修飾は、分光標識をチロシル残基に導入させることに特に関心をもって、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によって行われた。通常、N−アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンを使用して、それぞれ、O−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体を形成する。チロシル残基は、125Iまたは131Iを使用して要素化され、ラジオイムノアッセイ、適切とされる上述のクロラミンT方法に使用するための標識タンパク質を調製する。

0082

カルボキシル側基アスパルチルまたはグルタミン)は、カルボジイミド(R′−N=C=N——R′)との反応により、選択的に修飾され、RおよびR′は、1−シクロヘキシル基−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド、または1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミド等の任意に異なるアルキル基である。さらに、アスパルチルおよびグルタミン残基は、アンモニウムイオンとの反応により、アスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換される。

0083

二官能性物質との誘導体化は、抗体を、以下に記載する方法の他に、さまざまな方法に使用する不水溶性支持マトリックスまたは表面に架橋するのに有用である。通常使用される架橋剤は、例えば、1,1−ビスジアゾアセチル)−2−フェニルエタングルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(例えば、4−アジドサリチル酸を有するエステル、3,3′−ジチオビススクシンイミジルプロピオナート)等のジスクシンイミジルエステルを含む、ホモ二官能性イミドエステル、およびビス−N−マレイミド−1,8−オクタン等の二官能性マレイミドを含む。メチル−3−[(p−アジドフェニールジチオプロピオイミダート等の誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成することが可能な光活性化可能な中間体を産生する。あるいは、米国特許第3,969,287号、第3,691,016号、第4,195,128号、第4,247,642号、第4,229,537号、および第4,330,440号に記載し、参照することによりその全体が組み込まれる、シアン臭化物活性化炭水化物および反応基質等の反応性不水溶性マトリックスは、タンパク質固定化に使用される。

0084

グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、それぞれ、対応するグルタミンおよびアスパルチル残基に頻繁に脱アミド化される。あるいは、これらの残基は、弱酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれかの形状は、本発明の範囲内である。他の修飾は、プロリンおよびリジン水酸化セリルまたはトレオニル残基のヒドロキシル基リン酸化、リジン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Protein:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman&Co.,San Francisco,pp.79−86[1983]、参照することによりその全体が組み込まれる)、N末端アミンのアセチル化、およびC末端カルボキシル基のいずれかのアミド化を含む。

0085

グリコシル化

0086

共有結合修飾の別の種類は、グリコシル化である。別の実施形態では、本出願に開示するIgG変異体は、1つ以上の改変糖鎖を含むように修飾することができる。本出願に使用する「改変糖鎖」は、IgGに共有結合する炭水化物組成物を意味し、該炭水化物組成物は、親IgGのそれと化学的に異なる。改変糖鎖は、エフェクター機能の増強または低減を含むが、それらに限定されない、さまざまな目的に有用であり得る。改変糖鎖は、当該技術分野において周知のさまざまな方法で生成してもよい(Umana et al.,1999,Nat Biotechnol 17:176−180、Davies et al.,2001,Biotechnol Bioeng 74:288−294、Shieldset al.,2002,J Biol Chem 277:26733−26740、Shinkawa et al.,2003,J Biol Chem 278:3466−3473、US第6,602,684号、第USSN10/277,370号、第USSN10/113,929号、PCT第WO00/61739A1号、PCT第WO01/29246A1号、PCT第WO02/31140A1号、PCT第WO02/30954A1号、これらすべては参照することによりその全体が組み込まれる)(Potelligent(登録商標)技術[Biowa,Inc.,Princeton,NJ]、GlycoMAb(登録商標)グリコシル化工学技術[Glycart Biotechnology AG,Zurich,Switzerland]。これらの技術の多くは、例えば、さまざまな有機体または細胞株内にIgGを発現させるか、さもなければ操作するか(例えば、Lee−13CHO細胞またはラットハイブリドーマYB2/0細胞)、グリコシル化経路に伴う酵素を抑制するか(例えば、FUT8[α1,6−フコシルトランスフェラーゼ]および/またはβ1−4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII[GnTIII])、またはIgGが発現した後に炭水化物を修飾することによって、フコシル化のレベルを制御する、および/またはFc領域に共有結合するオリゴ糖を分割することに基づく。典型的に、改変糖鎖は、異なる炭水化物またはオリゴサッカリドを指し、したがって、IgG変異体、例えば、抗体またはFc融合は、改変糖鎖を含むことができる。あるいは、改変糖鎖は、異なる炭水化物またはオリゴサッカリドを含む、IgG変異体を指し得る。当該技術分野において周知のとおり、グリコシル化のパターンは、タンパク質の配列(例えば、以下に記載する特定のグリコシル化アミノ酸残基の有無)、もしくはタンパク質が産生される宿主細胞または有機体の両方によって異なってもよい。特定の発現系を以下に説明する。

0087

典型的に、ポリペプチドのグリコシル化は、N連結型またはO連結型のいずれかである。N連結型は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列アスパラギン−X−セリン、およびアスパラギン−X−トレオニン(Xは、プロリンを除く任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素結合認識配列である。したがって、ポリペプチド内のこれらのトリ−ペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的グリコシル化部位を形成する。O連結グリコシル化は、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンも使用してもよいが、糖類であるN−アセチルガラクトサミンガラクトース、またはキシロースのうちの1つのヒドロキシアミノ酸、通常セリンまたはトレオニンへの付着を指す。

0088

抗体へのグリコシル化部位の追加は、1つ以上の上述のトリ−ペプチド配列(N連結グリコシル化部位)を含むようにアミノ酸配列を変化させて簡便に達成される。変更は、1つ以上のセリンまたはトレオニン残基の(O連結グリコシル化部位の)開始配列への追加、または置換によって行われてもよい。容易にするために、抗体アミノ酸配列は、DNAレベルの変更を介して、特に、コドンが生成されるように事前選択し、所望のアミノ酸に変換される塩基標的ポリペプチドをコード化するDNAを変化させることで、好適に変更される。

0089

抗体上の炭水化物部分の数を増加させる別の方法は、タンパク質への化学的または酵素的結合によるものである。これらの手段は、N−およびO連結グリコシル化のグリコシル化が可能な宿主細胞においてタンパク質の産生を必要としないため、有益である。使用する結合モードによって、糖類は、(a)アラジニンおよびヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システイン遊離スルフヒドリル基等の遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、トレオニン、またはヒドロキシプロリンの遊離ヒドロキシル基等の遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファン芳香族残基等の芳香族残基、または(f)グルタミンのアミド基に付着してもよい。これらの方法は、国際公開第WO87/05330号、およびAlpin and Wriston,1981,CRCCrit.Rev.Biochem.,pp.259−306に説明され、両方は、参照することによりその全体が組み込まれる。

0090

出発抗体上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に達成されてもよい。化学的脱グリコシル化は、トリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物へのタンパク質の暴露を必要とする。この処理により、ポリペプチドを無傷のまま、連結する糖類(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)を除く、糖類のほとんど、またはすべての開裂がもたらされる。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin et al.,1987,Arch.Biochem.Biophys.259:52、およびEdge et al.,1981,Anal.Biochem.118:131に説明され、両方は、参照することによりその全体が組み込まれる。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的開裂は、Thokakura et al.,1987,Meth.Enzymol.138:350に説明され、参照することによりその全体が組み込まれる、さまざまなエンド−およびエキソグルコシダーゼを使用して達成することができる。潜在的なグリコシル化部位におけるグリコシル化は、参照することによりその全体が組み込まれる、Duskin et al.,1982,J.Biol.Chem.257:3105に説明され、化合物ツニカマイシンの使用によって防止し得る。ツニカマイシンは、タンパク質−N−グリコシド連結の形成を阻害する。

0091

抗体の共有結合修飾の別の種類は、例えば、Nektar Therapeuticsの2005−2006PEGカタログ(Nektar社のウェブサイトで入手可能)、米国特許第4,640,835号、第4,496,689号、第4,301,144号、第4,670,417号、第4,791,192号、または第4,179,337号(すべては、参照することによりその全体が組み込まれる)に説明する方法で、さまざまなポリオール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアリキレン等)を含むが、それらに限定されない、さまざまな非タンパク質の性質のポリマーを含む。また、当該技術分野において周知のとおり、アミノ酸置換は、PEG等のポリマーの追加を容易にするように、抗体内のさまざまな位置で行われてもよい。例えば、参照することによりその全体が組み込まれる、米国広報第2005/0114037A1号を参照されたい。

0092

標識された抗体

0093

いくつかの実施形態では、本発明の抗体の共有結合修飾は、1つ以上の標識の追加を含む。いくつかの場合では、これらは、抗体融合と考えられる。「標識基」という用語は、いかなる検出可能な標識も意味する。いくつかの実施形態では、標識基は、さまざまな長さのスペーサーアームを介して抗体に結合され、潜在的な立体傷害を減少する。タンパク質を標識するためのさまざまな方法は、当該技術分野において周知であり、本発明を実施する上で使用されてもよい。

0094

一般的に、標識は、それらが検出されるアッセイによって、さまざまなクラス、a)放射性または重同位体であってもよい同位体標識、b)磁気標識(例えば、磁気粒子)、c)レドックス活性部分、d)光学色素、酵素基(例えば、西ワサビペルオキシダーゼβ−ガラクトシダーゼルシフェラーゼアルカリホスファターゼ)、e)ビオチン化基、およびf)二次レポーター(例えば、ロイシンジッパー対の配列、二次抗体の結合部位、金属、結合ドメインエピトープタグ等)によって認識される所定のポリペプチドエピトープに分類される。いくつかの実施形態では、標識基は、さまざまな長さのスペーサーアームを介して抗体に結合され、潜在的な立体障害を低減する。タンパク質を標識するためのさまざまな方法は、当該技術分野において周知であり、本発明を実施する上で使用されてもよい。

0095

特異的標識は、発色団発光体および蛍光体を含むが、それらに限定されない光学色素を含み、後者は多くの例において特異的である。蛍光体は、「小分子」蛍光または、タンパク質の性質の蛍光のいずれかであってもよい。

0096

蛍光標識」は、その特有蛍光特性を介して検出されてもよい、任意の分子を意味する。適切な蛍光標識は、フルオレセインローダミンテトラメチルローダミン、エオシンエリトロシンクマリン、メチル−クマリン、ピレンマラカイトグリーンスチルベンルシファーイエローカスケードブルーJ、テキサスレッド、IAEDANS、EDANS、BODIPYFL、LCレッド640、Cy5、Cy5.5、LCレッド705、オレゴングリーン、Alexa−Fluor染料(Alexa Fluor350、Alexa Fluor430、Alexa Fluor488、Alexa Fluor546、Alexa Fluor568、Alexa Fluor594、Alexa Fluor633、Alexa Fluor660、Alexa Fluor680)、カスケードブルー、カスケードイエローおよびR−フィコエリトリン(PE)(Molecular Probes,Eugene,OR)、FITC、ローダミン、およびテキサスレッド(Pierce,Rockford,IL)、Cy5、Cy5.5、Cy7(Amersham Life Science,Pittsburgh,PA)を含むが、それらに限定されない。適切な光学色素は、Richard P. HauglandによるMolecular Probes Handbook(参照することによりその全体が組み込まれる)に説明される蛍光を含む。

0097

また、適切なタンパク質の性質の蛍光標識は、緑色蛍光タンパク質(GFPのウミシイタケ、ウミエラ、またはオワンクラゲ種を含む(Chalfie et al.,1994,Science 263:802−805)、EGFP(Clontech Laboratories,Inc.,Genbank受託番号U55762)、青色蛍光タンパク質(BEP,Quantum Biotechnologies,Inc.,1801 de Maisonneuve Blvd.West,8th Floor,Montreal,Quabec,Canada H3H 1J9、Stauber,1998,Biotechniques 24:462−471、Heim et al.,1996,Curr.Biol.6:178−182)、強化黄色蛍光タンパク質(EYFP,Clontech Laboratoies,Inc.)、ルシフェラーゼ(Ichiki et al.,1993,J.Immunol.150:5408−5417)、βガラクトシダーゼ(Nolan et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2603−2607)、およびウミシイタケ(国際公開第WO92/15673号、第WO95/07463号、第WO98/14605号、第WO98/26277号、第WO99/49019号、米国特許第5292658号、第5418155号、第5683888号、第5741668号、第5777079号、第5804387号、第5874304号、第5876995号、第5925558号)を含むが、それらに限定されない。本項に引用した上述の参考文献のすべては、参照することにより明確に組み込まれる。

0098

IgG変異体

0099

一実施形態では、本発明は、変異IgGタンパク質を提供する。最低でも、IgG変異体は、重鎖のCH2−CH3領域を含む、抗体断片フラグメントを含む。また、適切なIgG変異体は、Fcドメイン(例えば、低いヒンジ領域を含む)、ならびに本発明にも有用である重鎖の定常領域を含むIgG変異体(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む、これらすべては、融合相手に融合することができる。

0100

IgG変異体は、親IgGポリペプチドに相対的、いくつかの場合では、野生型IgGに相対的な1つ以上のアミノ酸修飾を含む。IgG変異体は、1つ以上の最適化された特性を有することができる。IgG変異体は、少なくとも1つのアミノ酸修飾の理由から、アミノ酸配列においてその親IgGから異なる。したがって、IgG変異体は、親IgGと比較して、少なくとも1つのアミノ酸修飾を有する。あるいは、IgG変異体は、親IgGと比較して、1つ以上のアミノ酸修飾、例えば、約1〜50個のアミノ酸修飾、好適には、約1〜10個のアミノ酸修飾、最も好適には、親IgGと比較して、約1〜約5個のアミノ酸修飾を有してもよい。

0101

したがって、IgG変異体の配列および親Fcポリペプチドの配列は、実質的に同種である。例えば、本出願の変異IgGの変異体配列は、約80%の親IgGの変異体配列との相同性、好適には少なくとも約90%、および最も好適には少なくとも約95%の相同性を有する。修飾は、分子生物学を使用して、遺伝子的に行われてもよい、もしくは酵素的または化学的に行われてもよい。

0102

抗体の標的抗原

0103

事実上、いかなる抗原も、以下のリストの標的抗原(サイトカインおよび膜等の可溶性因子および膜貫通受容体等の結合因子の両方を含む)に属するタンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、および/またはエピトープを含むが、それらに限定されない、IgG変異体によって標的にされてもよい。17−IA、4−1BB、4Dc、6−ケトPGF1a、8−イソ−PGF2a、8−オクソ−dG、A1アデノシン受容体、A33、ACE、ACE−2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIA ALK−2、アクチビンRIB ALK−4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAM8、ADAM9、 ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、アドレシン,aFGF、ALCAM、ALK、AlK−1、ALK−7、アルファ−1−抗トリプシン、アルファ−V/ベータ−1アンタゴニスト、ANG、Ang、APAF−1、APE、APJ、APP、APRIL、AR、ARC、ARTアルテミン、抗−Id、ASPARTIC、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、Axl、b2M、B7−1、B7−2、B7−H、B−リンパ球刺激因子(BlyS)、BACE、BACE−1、Bad、BAFF、BAFF−R、Bag−1、BAK、Bax、BCA−1、BCAM、Bcl、BCMA、BDNF、b−ECGF、bFGF、BID、Bik、BIM、BLC、BL−CAM、BLK、BMP、BMP−2、BMP−2a、BMP−3オステオゲニン、BMP−4BMP−2b、BMP−5、BMP−6Vgr−1、BMP−7(OP−1)、BMP−8(BMP−8a、OP−2)、BMPR、BMPR−IA(ALK−3)、BMPR−IB(ALK−6)、BRK−2、RPK−1、BMPR−II(BRK−3)、BMP、b−NGF、BOK、ボンベシン、骨由来神経栄養因子、BPDE、BPDE−DNA、BTC補体因子3(C3)、C3a、C4、C5、C5a、C10、CA125、CAD−8、カルシトニンcAMP癌胎児性抗原CEA)、癌関連抗原カテプシンA、カテプシンBカテプシンCDPPI、カテプシンDカテプシンE、カテプシンH、カテプシンL、カテプシンO、カテプシンS、カテプシンV、カテプシンX/Z/P、CBL、CCI、CCK2、CCL、CCL1、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL2、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9/10、CCR、CCR1、CCR10、CCR10、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CD1、CD2、CD3、CD3E、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD13、CD14、CD15、CD16、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD27L、CD28、CD29、CD30、CD30L、CD32、CD33(p67タンパク質)、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD46、CD49a、CD52、CD54、CD55、CD56、CD61、CD64、CD66e、CD74、CD80(B7−1)、CD89、CD95、CD123、CD137、CD138、CD140a、CD146、CD147、CD148、CD152、CD164、CEACAM5、CFTR、cGMP、CINC、ボツリヌス菌毒素ウェフシュキン毒素、CKb8−1、CLC、CMV、CMVUL、CNTF、CNTN−1、COX、C−Ret、CRG−2、CT−1、CTACK、CTGF、CTLA−4、CX3CL1、CX3CR1、CXCL、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCR、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、サイトケラチン腫瘍関連抗原、DAN、DCCDcR3、DC−SIGN、分解促進因子、デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−1)、Dhh、ジゴキシン、DNAM−1、Dナーゼ、Dpp、DPPIV/CD26、Dtk、ECAD、EDA、EDA−A1、EDA−A2、EDAR、EGF、EGFR(ErbB−1)、EMA、EMMPRIN、ENA、エンドセリン受容体エンケファリナーゼ、eNOS、Eot、エオタキシン1、EpCAM、エフリンB2/EphB4、EPO、ERCC、E−セレクチン、ET−1、因子IIa、因子VII、因子VIIc、因子IX、線維芽細胞活性化タンパク質FAP)、Fas、FcR1、FEN−1、フェリチン、FGF、FGF−19、FGF−2、FGF3、FGF−8、FGFR、FGFR−3、フィブリン、FL、FLIP、Flt−3、Flt−4、卵胞刺激ホルモンフラクタルカイン、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、G250、Gas6、GCP−2、GCSFGD2、GD3、GDF、GDF−1、GDF−3(Vgr−2)、GDF−5(BMP−14、CDMP−1)、GDF−6(BMP−13、 CDMP−2)、GDF−7(BMP−12、CDMP−3)、GDF−8(ミオスタチン)、GDF−9、GDF−15(MIC−1)、GDNF、GDNF、GFAP、GFRa−1、GFR−α1、GFR−α2、GFR−α3、GITR、グルカゴン、Glut 4、グリコタンパク質IIb/IIIa(GPIIb/IIIa)、GMCSF、gp130、gp72、GRO、成長ホルモン放出因子、ハパテン(NP−capまたはNIP−cap)、HB−EGF、HCC、HCMVgBエンベロープ糖タンパク質、HCMVgHエンベロープ糖タンパク質、HCMV UL、造血成長因子HGF)、HepB gp120、ヘパラナーゼ、Her2、Her2/neu(ErbB−2)、Her3(ErbB−3)、Her4(ErbB−4)、単純ヘルペスウイルス(HSV)gBグリコタンパク質、HSVgDグリコタンパク質、HGFA、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)、HIVgp120、HIV IIIBgp120V3ループ、HLA、HLA−DR、HM1.24、HMFG PEM、HRG、Hrk、ヒト心臓ミオシン、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、ヒト成長ホルモン(HGH)、HVEM、I−309、IAP、ICAM、ICAM−1、ICAM−3、ICE、ICOS、IFNg、Ig、IgA受容体、IgE、IGF、IGF結合タンパク質、IGF−1R、IGFBP、IGF−I、IGF−II、IL、IL−1、IL−1R、IL−2、IL−2R、IL−4、IL−4R、IL−5、IL−5R、IL−6、IL−6R、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−18、IL−18R、IL−23、インターフェロンINF)−α、INF−β、INF−γ、インヒビン、iNOS、インスリンA−鎖、インスリンB−鎖、インスリン様成長因子1、インテグリンα2、インテグリンα3、インテグリンα4、インテグリンα4/β1、インテグリンα4/β7、インテグリンα5(αV)、インテグリンα5/β1、インテグリンα5/β3、インテグリンα6、インテグリンβ1、インテグリンβ2インターフェロンγ、IP−10、I−TAC、JE、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン11、カリクレイン12、カリクレイン14、カリクレイン15、カリクレインL1、カリクレインL2、カリクレインL3、カリクレインL4、KC、KDR、ケラチノサイト成長因子(KGF)、ラミニン5、LAMPLAP、LAP(TGF−1)、潜在性TGF−1、潜在性TGF−1bp1、LBP、LDGF、LECT2、レフティー、ルイス−Y抗原、ルイス−Y関連抗原、LFA−1、LFA−3、Lfo、LIF、LIGHT、リポタンパク質、LIX、LKN、Lptn、L−セレクチン、LT−a、LT−b、LTB4、LTBP−1、肺表面活性剤黄体形成ホルモンリンホトキシンβ受容体、Mac−1、MAdCAM、MAG、MAP2、MARC、MCAM、MCAM,MCK−2、MCP、M−CSF、MDC、Mer、金属、LOPROTEASES、MGDF受容体、MGMT、MHC(HLA−DR)、MIFMIGMIP、MIP−1−α、MK、MMAC1、MMP、MMP−1、MMP−10、MMP−11、MMP−12、MMP−13、MMP−14、MMP−15、MMP−2、MMP−24、MMP−3、MMP−7、MMP−8、MMP−9、MPIF、Mpo、MSK、MSP、ムチン(Muc1)、MUC18、ミュラー管抑制物質、Mug、MuSK、NAIP、NAP、NCAD、N−カドヘリン、NCA90、NCAM、NCAM、ネプリリシンニューロトロフィン−3,−4,または−6、ニュートリン、神経細胞成長因子(NGF)、NGFR、NGF−β、nNOS、NO、NOS、Npn、NRG−3、NT、NTN、OB、OGG1、OPG、OPN、OSM、OX40L、OX40R、p150、p95、PADPr、副甲状腺ホルモン、PARC、PARP、PBR、PBSF、PCAD、P−カドヘリン、PCNA、PDGF、PDGF、PDK−1、PECAM、PEM、PF4、PGE、PGF、PGI2、PGJ2、PIN、PLA2、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、PlGF、PLP、PP14、プロインスリン、プロレラキシン、タンパク質C、PS、PSA、PSCA前立腺特異的膜抗原(PSMA)、PTEN、PTHrp、Ptk、PTN、R51、RANK、RANKL、RANTES、RANTES、レラキシンA−鎖、レラキシンB−鎖、レニン呼吸器合胞体ウイルス(RSV)F、RSV Fgp、Ret、リウマチ因子、RLIP76、RPA2、RSK、S100、SCF/KL、SDF−1、SERINE、血清アルブミン、sFRP−3、Shh、SIGIRR、SK−1、SLAM、SLPI、SMAC、SMDF、SMOH、SOD、SPARC、Stat、STEAP、STEAP−II、TACE、TACI,TAG−72(腫瘍関連グリコタンパク質−72)、TARC、TCA−3、T−細胞受容体(例えば、T−細胞受容体α/β)、TdT、TECK、TEM1、TEM5、TEM7、TEM8、TERT、精巣PLAP様アルカリホスファターゼ、TfR、TGF、TGF−α、TGF−β、TGF−βパン特異性、TGF−βRI(ALK−5)、TGF−βRII、TGF−βRIIb、TGF−βRIII、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、TGF−β5、トロンビン胸腺Ck−1、甲状腺刺激ホルモン、Tie、TIMP、TIQ組織因子、TMEFF2、Tmpo、TMPRESS2、TNF、TNF−α、TNF−αβ、TNF−β2、TNFc、TNF−RI、TNF−RII、TNFRSF10A(TRAIL R1Apo−2、DR4)、TNFRSF10B(TRAIL R2DR5、KILLER、TRICK−2A、TRICK−B)、TNFRSF10C(TRAIL R3DcR1、LIT、TRID)、TNFRSF10D(TRAIL R4DcR2、TRUNDD)、TNFRSF11A(RANK ODF R、TRANCE R)、TNFRSF11B(OPG OCIF、TR1)、TNFRSF12(TWEAK R FN14)、TNFRSF13B(TACI)、TNFRSF13D(BAFF R)、TNFRSF14(HV
EM
ATAR、HveA、LIGHT R、TR2)、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF17(BCMA)、TNFRSF18(GITR AITR)、TNFRSF19(TROY TAJ、TRADE)、TNFRSF19L(RELT)、TNFRSF1A(TNF RI CD120a、p55−60)、TNFRSF1B(TNF RII CD120b、p75−80)、TNFRSF26(TNFRH3)、TNFRSF3(LTbR TNF RIII、TNFC R)、TNFRSF4(OX40 ACT35、TXGP1 R)、TNFRSF5(CD40 p50)、TNFRSF6(Fas Apo−1、APT1、CD95)、TNFRSF6B(DcR3M68、TR6)、TNFRSF7(CD27)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF9(4−1BB CD137、ILA)、TNFRSF21(DR6)、TNFRSF22(DcTRAIL R2 TNFRH2)、TNFRSF23(DcTRAIL R1TNFRH1)、TNFRSF25(DR3 Apo−3、LARD、TR−3、TRAMP、WSL−1)、TNFSF10(TRAIL Apo−2リガンド、TL2)、TNFSF11(TRANCE/RANKリガンド ODF、OPGリガンド)、TNFSF12(TWEAK Apo−3リガンド、DR3リガンド)、TNFSF13(APRIL TALL2)、TNFSF13B(BAFF BLYS、TALL1、THANK、TNFSF20)、TNFSF14(LIGHT HVEMリガンド、LTg)、TNFSF15(TL1A/VEGI)、TNFSF18(GITRリガンド AITRリガンド、TL6)、TNFSF1A(TNF−コネクチン、DIF、TNFSF2)、TNFSF1B(TNF−b LTa、TNFSF1)、TNFSF3(LTb TNFC、p33)、TNFSF4(OX40リガンドgp34、TXGP1)、TNFSF5(CD40リガンドCD154、gp39、HIGM1、IMD3、TRAP)、TNFSF6(FasリガンドApo−1リガンド、APT1リガンド)、TNFSF7(CD27リガンドCD70)、TNFSF8(CD30リガンドCD153)、TNFSF9(4−1BBリガンドCD137リガンド)、TP−1、t−PA、Tpo、TRAIL、TRAIL R、TRAIL−R1、TRAIL−R2、TRANCE、伝達受容体、TRF、Trk、TROP−2、TSG、TSLP、腫瘍関連抗原CA125、腫瘍関連抗原発現ルイスY関連炭水化物、TWEAK、TXB2、Ung、uPAR、uPAR−1、ウロキナーゼVCAM、VCAM−1、VECAD、VE−カドヘリン、VE−カドヘリン−2、VEFGR−1(flt−1)、VEGF、VEGFR、VEGFR−3(flt−4)、VEGI、VIM、ウイルス抗原、VLA、VLA、VLA−1、VLA−4、VLRインテグリン、フォン・ヴィレブランド因子、WIF−1、WNT1、WNT2、WNT2B/13、WNT3、WNT3A、WNT4、WNT5A、WNT5B、WNT6、WNT7A、WNT7B、WNT8A、WNT8B、WNT9A、WNT9A、WNT9B、WNT10A、WNT10B、WNT11、WNT16、XCL1、XCL2、XCR1、XCR1、XEDAR、XIAP、XPD、ならびにホルモンおよび成長因子の受容体。

0104

当業者は、前述のリストの標的は、特異的タンパク質および生体分子だけでなく、生化学的経路またはそれらを含む経路も指すことを理解するであろう。例えば、標的抗原としてのCTLA−4への言及は、T細胞の共刺激経路を構成するリガンドおよび受容体(CTLA−4、B7−1、B7−2、CD28、およびこれらのタンパク質を結合する、任意の他の未発見のリガンドまたは受容体を含む)も標的であることを意味する。したがって、本出願に使用する標的は、特異的生体分子だけでなく、該標的およびその標的が属する生化学的通路の成員と相互作用する一連のタンパク質も指す。当業者は、前述の標的抗原、リガンド、またはそれを結合する受容体のいずれか、もしくはそれらの対応する生化学的経路の他の成員は、Fc融合を生成するために、機能し得るように本発明のFc変異体に結合されてもよいことをさらに理解するであろう。したがって、例えば、EGFRを標的とするFc変異体は、発見または未発見の、EGFRを結合するFc変異体をEGF、TGF−b、または任意の他のリガンドに機能し得るように連結させて構築することができる。あるいは、発見または未発見の、本発明のFc変異体は、EGFRを結合する、EGF、TGF−b、またはその他のリガンドを結合するFc融合を生じるためにEGFRに機能し得るように連結し得る。したがって、事実上、リガンド、受容体、もしくはその他のタンパク質またはタンパク質ドメイン(それらの対応する生化学的経路を含む前述の標的およびタンパク質を含むが、それらに限定されない)であれ、いかなるポリペプチドも、Fc融合を展開するために、本発明のFc変異体に機能し得るように連結されてもよい。

0105

適切な抗原の選択は、所望の適用に依存する。抗癌治療では、発現が癌細胞に制限される標的を有することが望ましい。抗体治療に特に適していることが証明されている、いくつかの標的は、シグナル伝達機能を有するものである。他の治療抗体は、受容体とその同種リガンドとの間の結合を抑制して、受容体の信号を阻害することで効果を発揮する。治療抗体の他の作用機構は、受容体下方制御をもたらすことである。他の抗体は、それらの標的抗原を介する信号伝達によって機能しない。いくつかの場合では、感染症の薬剤に向けた抗体を使用する。

0106

一実施形態では、本発明のFc変異体は、サイトカインに対する抗体に組み込まれる。あるいは、Fc変異体は、サイトカインに融合または共役される。本出願に使用する「サイトカイン」は、一細胞群から放出され、細胞間媒介物質として別の細胞に作用するタンパク質を表す一般用語を意味する。例えば、Penichet et al.,2001,J Immunol Methods248:91−101(参照することにより明確に組み込まれる)に記載のように、サイトカインを抗体に融合させて、一連の望ましい特性を提供することができる。そのようなサイトカインの例には、リンホカインモノカイン、および従来のポリペプチドホルモンが挙げられる。サイトカインには、成長ホルモン(ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモン等)、副甲状腺ホルモン、チロキシンインシュリンプロインシュリンリラキシンプロリラキシン糖タンパク質ホルモン濾胞刺激ホルモンFSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)等、肝細胞成長因子線維芽細胞成長因子プロラクチン、胎盤ラクトゲン腫瘍壊死因子−アルファおよび−ベータ、ミュラー管抑制物質、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮成長因子、インテグリン、トロンボポエチン(TPO)、NGF−ベータ等の神経成長因子血小板成長因子、TGF−アルファおよびTGF−ベータ等のトランスフォーミング成長因子(TGF)、インシュリン様成長因子−Iおよび−II、エリスロポエチン(EPO)、骨誘導(osteoinductive)因子、インターフェロン(インターフェロン−アルファ、ベータ、およびガンマ等)、コロニー刺激因子(CSF)(マクロファージ−CSF(M−CSF)、顆粒球−マクロファージ−CSF(GM−CSF)、および顆粒球−CSF(G−CSF)等)、インターロイキン(IL)(IL−1、IL−1アルファ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15等)、TNF−アルファまたはTNF−ベータ等の腫瘍壊死因子、C5a、ならびにLIFおよびキット(kit)リガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が含まれる。本出願に使用するサイトカインの用語は、天然の供給源由来または組み換え細胞培養由来のタンパク質、および天然配列のサイトカインの生物学的に活性な等価物が含まれる。

0107

TNFスーパーファミリーの成員等のサイトカインおよび可溶性標的は、本発明の変異体との使用に好適な標的である。例えば、抗VEGF、抗CTLA−4、および抗TNF抗体、またはそれらのフラグメントは、FcRn結合を増加させるFc変異体の使用に特に良い抗体である。これらの標的に対する治療は、しばしば、自己免疫疾患の治療を伴い、長い期間にわたって複数の注射を必要とする。したがって、本発明の変異体によってもたらされる、より長い血清半減期およびより頻度の少ない治療は、特に好適である。

0108

臨床試験または開発における使用に承認された多くの抗体およびFc融合は、本発明のFc変異体から効果を受け得る。本出願において、これらの抗体およびFc融合は、「臨床産物および候補」を指す。したがって、好適な実施形態では、本発明のFcポリペプチドは、臨床産物および候補の範囲において用途を見出し得る。例えば、CD20を標的とする多くの抗体は、本発明のFcポリペプチドから効果を受け得る。例えば、本発明のFcポリペプチドは、リツキシマブ(Rituxan(登録商標),IDEC/Genentech/Roche)(例えば、US第5,736,137号参照)、非ホジキリンパ腫を治療するために認可された、キメラ抗CD20抗体、HuMax−CD20、Genmabにより現在開発されている抗CD20、US第5,500,362号に記載される抗CD20抗体、AME−133(Applied Molecular Evolution)、hA20(Immunomedics,Inc.)、HumaLYM(Intracel)、およびPRO70769(「Immunoglobulin Variants and Uses Thereof」と題する、PCT/US第2003/040426号)と実質的に同様である抗体において用途を見出し得る。上皮成長因子受容体群の成員(EGFR(ErbB−1)、Her2/neu(ErbB−2)、Her3/neu(ErbB−3)、Her4/neu(ErbB−4)を含む)を標的とする多くの抗体は、本発明のFcポリペプチドから効果を受け得る。例えば、本発明のFcポリペプチドは、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標),Genentech)(例えば、US第5,677,171号参照)、乳癌を治療するために認可されたヒト化抗Her2/neu抗体、Genentechにより現在開発されているパーツズマブ(rhuMab−2C4,Omnitarg(登録商標))、US第4,753,894号に記載される抗Her2抗体、セツキシマブ(Erbitux(登録商標),Imclone)(US第4,943,533号、PCT第WO96/40210号)、さまざまな癌の臨床試験におけるキメラ抗EGFR抗体、Abgenix−Immunex−Amgenによって現在開発されているABX−EGF(US第6,235,883号)、Genmabによって現在開発されているHuMax−EGFr(第USSN10/172,317号)、425、EMD55900、EMD62000、およびEMD72000(Merck KGaA)(US第5,558,864号、Murthy et al.,1987,Arch Biochem Biophys.252(2):549−60、Rodeck et al.,1987,J Cell Biochem.35(4):315−20、Kettleborough et al.,1991,Protein Eng.4(7):773−83)、ICR62(Institute of Cancer Research)(PCT第WO95/20045号、Modjtahedi et al.,1993,J.Cell Biophys.1993,22(1−3):129−46、Modjtahedi et al.,1993,Br J Cancer.1993,67(2):247−53、Modjtahedi et al.,1996,Br J Cancer,73(2):228−35、Modjtahedi et al.,2003,Int J Cancer,105(2):273−80)、TheraCIMhR3(YM Biosciences,Canada and Centro de Immunologia Molecular,Cuba(US第5,891,996号、US第6,506,883号、Mateo et al.,1997,Immunotechnology,3(1):71−81)、mAb−806(Ludwig Institue for Cancer Research,Memorial Sloan−Kettering)(Jungbluth et al.,2003,Proc Natl Acad Sci USA.100(2):639−44)、KSB−102(KS Biomedix)、MR1−1(IVAX,National Cancer Institute)(PCT第WO0162931A2号)、およびSC100(Scancell)(PCT第WO01/88138号)と実質的に同様である抗体において用途を見出し得る。別の好適な実施形態では、本発明のFcポリペプチドは、アレムツズマブ(Campath(登録商標),Millenium)、B細胞慢性リンパ球性白血病の治療に現在承認されているヒト化モノクローナル抗体において用途を見出し得る。本発明のFcポリペプチドは、他の臨床産物および候補と実質的に同様であるさまざまな抗体またはFc融合において用途を見出し得、それらは、ムロモナブ−CD3(Orthoclone OKT3(登録商標))、Ortho Biotech/Johnson&Johnsonによって開発された抗CD3抗体イブツモマブ・チウキセタン(Zevalin(登録商標))、IDEC/Schering AGによって開発された抗CD20抗体、ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標))、Celltech/Wyethによって開発された抗CD33(p67タンパク質)抗体、アレフセプト(Amevive(登録商標))、Biogenによって開発された抗LFA−3Fc融合、Centocor/Lillyによって開発されたアビシキシマブ(ReoPro(登録商標))、Novartisによって開発されたバシリキシマブ(Simulect(登録商標))、MedImmuneによって開発されたパリビズマブ(Synagis(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、Centocorによって開発された抗TNFアルファ抗体、アダリムマブ(Humira(登録商標))、Abbottによって開発された抗TNFアルファ抗体、Humicade(登録商標)、Celltechによって開発された抗TNFアルファ抗体、エタナーセプト(Enbrel(登録商標))、Immunex/Amgenによって開発された抗TNFアルファFc融合、ABX−CBL、Abgenixによって開発されている抗CD147抗体、ABX−IL8、Abgenixによって開発されている抗IL8抗体、ABX−MA1、Abgenixによって開発されている抗MUC18抗体、ペムツモマブ(R1549、90Y−muHMFG1)、Antisomaによって開発されている抗MUC1、Therex(R1550)、Antisomaによって開発されている抗MUC1抗体、Antisomaによって開発されているAngioMab(AS1405)、Antisomaによって開発されているHuBC−1、Antisomaによって開発されているチオプラチン(AS1407)、Antegren(登録商標)(ナタリズマブ)、Biogenによって開発されている抗アルファ−4−ベータ−1(VLA−4)およびアルファ−4−ベータ−7抗体、VLA−1mAb、Biogenによって開発されている抗VLA−1インテグリン抗体、LTBRmAb、Biogenによって開発されている抗リンホトキシンβ受容体(LTBR)抗体、CAT−152、Cambridge Antibody Technologyによって開発されている抗TGF−β2抗体、J695、Cambridge Antibody TechnologyおよびAbbottによって開発されている抗IL−12抗体、CAT−192、Cambridge Antibody TechnologyおよびGenzymeによって開発されている抗TGFβ1抗体、CAT−213、Cambridge Antibody Technologyによって開発されている抗エオタキシン1抗体、Lympho Stat−B(登録商標)、Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences Inc.によって開発されている抗Blys抗体、TRAIL−R1mAb、Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences Inc.によって開発されている抗TRAIL−R1抗体、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ、rhuMAb−VEGF)、Genentechによって開発されている抗VEGF抗体、Genentechによって開発されている抗HER受容体群抗体、抗組織因子(ATF)、Genentechによって開発されている抗組織因子抗体、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、Genentechによって開発されている抗IgE抗体、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、GenentechおよびXomaによって開発されている抗CD11a抗体、GenentechおよびMillenium Pharmaceuticalsによって開発されているMLN−02抗体(以前のLDP−02)、HuMaxCD4、Genmabによって開発されている抗−CD4抗体、HuMax−IL15、GenmabおよびAmgenによって開発されている抗IL15抗体、GenmabおよびMedarexによって開発されているHuMax−炎症、HuMax−癌、GenmabおよびMedarex、ならびにOxfordGcoSciencesによって開発されている抗ヘパラナーゼI抗体、GenmabおよびAmgenによって開発されているHuMax−リンパ腫、Genmabによって開発されているHuMax−TAC、IDEC−131,IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗−CD40L抗体、IDEC−151(クレノリキシマブ)、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD4抗体、IDEC−114、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD80抗体、IDEC−152、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD23、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗マクロファージ遊走因子(MIF)抗体、BEC2、Imcloneによって開発されている抗イディオタイプ抗体、IMC−1C11、Imcloneによって開発されている抗KDR抗体、DC101、Imcloneによって開発されている抗flk−1抗体、Imcloneによって開発されている抗VEカドヘリン抗体、CEA−Cide(登録商標)(ラベツズマブ)、Immunomedicsによって開発されている抗癌胎児性抗原(CEA)抗体、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ)、Immunomedicsによって開発されている抗CD22抗体、Immunomedicsによって開発されているAFP−Cide、Immunomedicsによって開発されているMyelomaCide、Immunomedicsによって開発されているLkoCide、Immunomedicsによって開発されているProstaCide、MDX−010、Medarexによって開発されている抗CTLA4抗体、MDX−060、Medarexによって開発されている抗CD30抗体、Medarexによって開発されているMDX−070、Medarexによって開発されているMDX−018、Osidem(登録商標)(IDM−1)、および、MedarexおよびImmuno−Designed Moleculesによって開発されている抗Her2抗体、HuMax(登録商標)−CD4、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗CD4抗体、HuMax−IL15、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗IL15抗体、CNTO148、MedarexおよびCentocor/J&Jによって開発されてい
る抗TNFα抗体、CNTO1275、Centocor/J&Jによって開発されている抗サイトカイン抗体、MOR101およびMOR102、MorphoSysによって開発されている抗細胞内接着分子−1(ICAM−1)(CD54)抗体、MorphoSysによって開発されている抗線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR−3)抗体、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、Protein Design Labsによって開発されている抗CD3抗体、HuZAF(登録商標)、Protein Design Labsによって開発されている抗γインターフェロン抗体、Protein Design Labsによって開発されている抗α5β1インテグリン、Protein Design Labsによって開発されている抗IL−12、ING−1、Xomaによって開発されている抗Ep−CAM抗体、およびMLN01、Xomaによって開発されている抗ベータ2インテグリン抗体を含むが、それらに限定されず、本項において上述に引用した参考文献のすべては、参照することにより本出願に明確に組み込まれる。

0109

本発明のFcポリペプチドは、前述の臨床候補および産物、またはそれらに実質的に同様である抗体およびFc融合に組み込まれてもよい。本発明のFcポリペプチドは、他の方法でヒト化、親和性の成熟、操作、または修飾された、前述の臨床候補および産物のバージョンに組み込まれてもよい。

0110

一実施形態では、本発明のFcポリペプチドは、自己免疫、炎症、または移植の兆候の治療に使用される。そのような疾患に関連する標的抗原ならびに臨床産物および候補は、LDP−02等の抗α4β7インテグリン抗体、LDP−01等の抗β2インテグリン抗体、5G1.1等の抗補体(C5)抗体、BTI−322等の抗CD2抗体、MEDI−507、OKT3等の抗CD3抗体、SMART抗CD3、IDEC−151等の抗−CD4抗体、MDX−CD4、OKT4A、抗CD11a抗体、IC14等の抗CD14抗体、抗CD18抗体、IDEC152等の抗CD23抗体、Zenapax等の抗CD25抗体、5c8等の抗CD40L抗体、Antova、IDEC−131、MDX−33等の抗CD64抗体、IDEC−114等の抗CD80抗体、ABX−CBL等の抗CD147抗体、CDP850等の抗E−セレクチン抗体、ReoPro/Abcixima等の抗gpIIb/IIa抗体、ICM3等の抗ICAM−3抗体、VX−740等の抗ICE抗体、MDX−33等の抗−FcR1抗体、rhuMab−E25等の抗−IgE抗体、SB−240683等の抗IL−4抗体、SB−240563等の抗IL−5抗体、SCH55700、ABX−IL8等の抗IL−8抗体、抗インターフェロンγ抗体、CDP571等の抗TNF(TNF、TNFa、TNFa、TNF−アルファ)抗体、CDP870、D2E7、インフリキシマブ、MAK−195F、およびAntegren等の抗VLA−4抗体を含むが、それらに限定されない。

0111

FcRnへの結合の増加を有するもの等の本発明のFc変異体は、向上した特性を提供するために、TNF阻害剤分子に使用されてもよい。有用なTNF阻害剤分子は、哺乳類のTNF−α作用を阻害するいかなる分子も含む。適切な例は、Fc fusion Enbrel(登録商標)(エタネルセプト)およびAntibody Humira(登録商標)(アダリムマブ)ならびにRemicade(登録商標)(インフリキシマブ)を含む。FcFn連結を増加させるために本発明のFc変異体を使用して操作されたモノクローナル抗体(RemicadeおよびHumira等)は、半減期の増加を介し、より優れた有効性つながり得る。

0112

いくつかの実施形態では、感染性疾患に対する抗体が使用される。真核細胞に対する抗体は、サッカロマイセスセレヴィシエハンゼヌラゼニゴケクリュイベロミセスフラジリスおよびK.乳糖、ならびに、ピチア・グレリモンディー(guillerimondii)およびP.パストリス、シゾサッカロミセスポンベプラスモジウムファルシパリウム、ならびにヤロウィアリポリティカを含むが、それらに限定されない酵母細胞を標的にする抗体を含む。

0113

とりわけ、カンジダ菌株(カンジダグラブラータカンジダアルビカンス、C・クルーセイ、C・ルシタニエ、およびC・マルトーサを含む)、ならびにアルペルギルス、クリプトコッカスヒストプラズマコクシジオイデスブラストミセス、およびペニシリウムの種に関連する標的抗原を含む、付加的な真菌細胞に対する抗体も有用である。
原虫に関連する標的抗原に対する抗体は、トリパノソーマ、ドノバンリーシュマニアを含むリーシュマニア種、プラスモジウムspp.、ニューモシスティスカリニクリプトスポリジウムパルウム、ランブル鞭毛虫赤痢アメーバ、およびサイクロスーポラ・カネタネンシスに関連した抗体を含むが、それらに限定されない。
原核抗原に対する抗体も有用であり、菌(炭疽菌ビブリオ属(例えば、コレラ菌)、エシェリキア属(例えば、腸管毒素原性大腸菌)、シゲラ菌(例えば、S・ディゼンテリエ)、サルモネラ菌(例えば、チフス菌)、マイコバクテリウム(例えば、結核菌ハンセン菌)、クロストリジウム属(例えば、ボツリヌス菌破傷風菌、C・ディフィシレウェルシュ菌)、コリネバクテリウム(例えば、Cジフテリア菌)、連鎖球菌(例えば、化膿連鎖球菌肺炎連鎖球菌)、ブドウ球菌(例えば、黄色ブドウ球菌)、ヘモフィルス属(例えば、インフルエンザ菌)、ナイセリア(例えば、髄膜炎菌淋菌)、エルシニア属(例えば、Y・ランブル鞭毛虫、Y・ペスト菌)、シュードモナス菌(例えば、緑膿菌、P・プチダ)、クラミジア(例えば、クラミジア・トラコマチス)、ボルデテラ属(例えば、百日咳菌)、トレポネーマ属(例えば、梅毒トレポネーマ)、炭疽菌、ペスト菌、ブルセラ菌種、野兎病菌鼻疽菌類鼻疽菌、鼻疽菌、類鼻疽菌、ボツリヌス菌、サルモネラ種、SEBコレラ毒素B、大腸菌O157:H7、リステリア菌種トリコスポロンベイゲリ、ロドトルラ種、ハンセヌラアノマーラ、エンテロバクター種クレブシエラ種、リステリア菌種、マイコプラズマ種等)を含むが、それらに限定されない、病原性および非病原性原核生物等の適切な細菌に対する抗体を含む。

0114

いくつかの態様では、抗体は、ウイルス感染に対し、これらのウイルスは、オルトミクソ・ウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス麻疹ウイルス)、アデノウイルスライノウイルスコロナウイルスレオウイルストガウイルス(例えば、風疹ウイルス)、パルボウイルスポックスウイルス(例えば、天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス)、エンテロウイルス(例えば、ポリオウイルスコクサッキーウイルス)、ヘルペスウイルス(A、B、およびCを含む)、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスエスプタイン・バーウイルス)、ロタウイルスノーウォークウイルス、ハンタウイルスアレナウイルスラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス)、レトロウイルス(HIV、HTLV−IおよびIIを含む)、パポバウイルス(例えば、パピローマウイルス)、ポリオーマウイルス、およびピコルナウイルス等を含むが、それらに限定されない。

0115

最適化されたIgG変異体特性

0116

本出願は、さまざまな治療的に関連する特性に最適化されたIgG変異体も提供する。本出願において、1つ以上の最適化された特性を表示するように操作または予測されたIgG変異体は、「最適化されたIgG変異体」を指す。最適化されてもよい最も好適な特性は、FcRnの親和性の強化または低下、および生体内半減期の増加または減少を含むが、それらに限定されない。適切な実施形態は、通常の放出率でエンドソームへの取り込みの増加を可能にするように、高いpH(7.4等)で減少した親和性を維持しながら、エンドソームに関連するpH等、低いpH(例えば、pH6.0)でFcRnへの増加した結合親和性を呈する抗体を含む。同様に、変調されたFcRn結合を有するこれらの抗体は、第USSN11/174,287号、第11/124,640号、第10/822,231号、第10/672,280号、第10/379,392号、および出願第11/256,060号を有する、2005年10月21日に出願された、名称「IgGImmunoglobulin variants with optimized effector function」の特許出願に概略されるもの等の変調されたFcγR結合等、他の所望特性を任意に有してもよい。つまり、最適化特性は、FcγRの親和性の強化または減少を含むが、それらに限定されない。1つの任意の実施形態では、IgG変異体は、FcRn結合プロファイルの他に、ヒト活性FcγR、好適には、FcγRIIIaの強化された親和性を有するように、最適化される。さらに別の任意の代替的実施形態では、IgG変異体は、ヒト阻害受容体FcγRIIbの減少した親和性を有するように最適化される。つまり、具体的な実施形態は、FcRnへの増加した結合、およびFcγRIIIaへの減少した結合を示す抗体の使用を含む。他の実施形態は、FcRnへの減少した結合、およびFcγRIIIaへの増加した結合を示す抗体の使用を活用する。これらの実施形態は、ヒトの強化された治療的特性を有するIgGポリペプチド、例えば、強化されたエフェクター機能およびより高い抗癌作用を提供することが見込まれる。代替的実施形態では、IgG変異体は、FcRnの増加または減少した親和性、およびヒトFcγR(対立遺伝子変異のFcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIc、FcγRIIIa、およびFcγRIIIbを含むが、それらに限定されない)の増加または減少した親和性を有するように最適化される。これらの実施形態は、ヒトの向上した治療特性、例えば、増加した血清半減期および減少したエフェクター機能を有する、IgGポリペプチドを提供することが見込まれる。別の実施形態では、IgG変異体は、FcRnの強化された親和性、および1つ以上のFcγRの強化された親和性、さらに、1つ以上の他のFcγRの減少した親和性を提供する。例えば、IgG変異体は、FcRnおよびFcγRIIIaへの強化された結合、さらに、FcγRIIbへの減少された結合を有してもよい。あるいは、IgG変異体は、FcRnおよびFcγRへの減少した結合を有してもよい。別の実施形態では、IgG変異体は、FcRnの減少した親和性、およびFcγRIIbの強化した親和性、さらに、1つ以上の活性FcγRへの減少した親和性を有してもよい。さらに別の実施形態では、IgG変異体は、増加した血清半減期および減少したエフェクター機能を有してもよい。

0117

好適な実施形態は、ヒトFcRnおよびFcγRへの結合の最適化を含むが、代替的実施形態では、IgG変異体は、げっ歯類および非ヒト霊長類を含むが、それらに限定されない、非ヒト有機体からのFcRnおよびFcγRの強化または減少した親和性を有する。非ヒトFcRnへの結合に最適化されたIgG変異体は、実験において用途を見出し得る。例えば、マウスモデルは、所与の薬物候補の有効性、毒性、および薬物動態等の特性を試験することが可能なさまざまな疾患に使用可能である。当該技術分野において周知のとおり、癌細胞は、ヒトの癌を模倣するためにマウスに移植または注入することができ、プロセスは、異種皮膚移植という。FcRnに最適化されたIgG変異体を含む、IgG変異体の試験は、タンパク質のクリアランス特性、そのクリアランス機構等に関する有益情報を提供し得る。また、IgG変異体は、アグリコシル化された形態の向上した機能性および/または溶液特性に最適化されてもよい。Fcリガンドは、FcRn、FcγR、C1q、ならびにタンパク質AおよびGを含むが、それらに限定されず、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、またはサルを含むが、それらに限定されない、任意の源、好適には、ヒトから得てもよい。好適な実施形態では、IgG変異体は、親IgG変異体のアグリコシル化された形態よりも安定および/または可溶性になるように最適化される。

0118

IgG変異体は、FcRnおよびFcγRではなくFcリガンドとの相互作用を調節する修飾を含むことができ、補体タンパク質、およびFc受容体同族体(FcRH)を含むが、それらに限定されない。FcRHは、FcRH1、FcRH2、FcRH3、FcRH4、FcRH5、およびFcRH6を含むが、これらに限定されない(Davis et al.,2002,Immunol.Reviews 190:123−136、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0119

好適には、IgG変異体のFcリガンドの特異性は、その治療的実用性を決定する。治療目的の所与のIgG変異体の実用性は、標的抗原のエピトープまたは形態、および治療される疾患または兆候による。ほとんどの標的および兆候では、強化されたFcRn結合は、血清半減期の増加をもたらし得るため、強化されたFcRn結合は、好適であり得る。より長い血清半減期により、頻度の少ない投薬または低量の投薬が可能になる。これは、治療剤が反復投与を必要とする兆候に対して与えられるときに、特に好適である。いくつかの標的および兆候では、減少したFcRn親和性は、好適であり得る。これは、増加したクリアランスまたは減少した血清半減期を有する変異Fcが望ましいとき、例えば、造影剤または放射線治療薬として使用されるFcポリペプチドにおいて、特に好適であり得る。

0120

強化された活性FcγRを有するFcRnの強化された親和性および/または阻害FcγRの減少した親和性を提供するIgG変異体を含む、IgG変異体は、使用されてもよい。いくつかの標的および兆候では、異なる活性FcγRに異なる選択性を提供するIgG変異体を使用することがさらに有益であり得、例えば、いくつかの場合では、FcγRIではなく、FcγRIIaおよびFcγRIIIaへの増加した結合が所望であり得る一方、他の場合では、FcγRIIaのみへの増加した結合が所望であり得る。特定の標的および兆候では、FcRn結合を変更し、FcγR媒介および補体媒介エフェクター機能の両方を強化するIgG変異体を使用することが好適であり得る一方、他の場合では、FcRn結合または血清半減期、およびFcγR媒介および補体媒介エフェクター機能のいずれかを強化するIgG変異体を使用することが有利であり得る。いくつかの標的または癌の兆候では、例えば、C1q、1つ以上のFcγR、FcRn、または1つ以上の他のFcリガンドへの結合を不活性化させて、1つ以上のエフェクター機能を減少または除去するのに有利であり得る。他の標的および兆候では、阻害FcγRIIbへの増加した結合、さらに、WTレベル、活性FcγRへの小さくなった結合を提供するIgG変異体を使用することが好適であり得る。これは、例えば、IgG変異体の目標が、炎症または自己免疫疾患を抑制する、または何らかの方法で免疫系を調節することであるときに、特に有用であり得る。一般的に、自己免疫疾患は、長期にわたり、治療は、反復投与で行われるため、増加したFcRnからの増加した半減期を有するFc変異体でのこれらの治療は、好適である。

0121

修飾は、IgG安定性、可溶性、機能、または臨床使用を向上するために行われてもよい。好適な実施形態では、IgG変異体は、ヒトの免疫原性を減少するように修飾を含むことができる。最も好適な実施形態では、IgG変異体の免疫原性は、参照することによりその全体が組み込まれる、第USSN11/004,590号に記載される方法を用いて減少した。代替的実施形態では、IgG変異体は、ヒト化されている(Clark,2000,Immunol Today 21:397−402、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0122

IgG変異体は、免疫原性を減少させる修飾を含むことができる。免疫原性を減少させるための修飾は、親配列由来の処理されたペプチドのMHCタンパク質への結合を減少させる修飾を含むことができる。例えば、アミノ酸修飾は、高い親和性を有し、関連するMHC対立遺伝子へ結合することが予想される免疫エピトープもない、または最少数であるように操作されてもよい。タンパク質配列のMHC結合エピトープを特定するいくつかの方法は、当該技術分野において周知であり、IgG変異体のエピトープをスコアするために使用されてもよい。例えば、国際公開第WO98/52976号、第WO02/079232号、第WO00/3317号、第USSN09/903,378号、第USSN10/039,170号、第USSN60/222,697号、第USSN10/754,296号、PCT第WO01/21823号、およびPCT第WO02/00165号、Mallios,1999,Bioinformatics 15: 432−439、Mallios,2001,Bioinformatics 17:942−948、Sturniolo et al.,1999,Nature Biotech.17:555−561、第WO98/59244号、第WO02/069232号、第WO02/77187、Marchall et al.,1995,J.Immunol.154:5927−5933、およびHammer et al.,1994,J.Exp.Med.180:2353−2358を参照されたい、これらすべては参照することによりその全体が組み込まれる。配列ベースの情報は、所与のペプチド−MHC相互作用の結合スコアを決定するために使用することができる(例えば、Mallios,1999,Bioinformatics 15:432−439、Mallios,2001,Bioinformatics 17:p942−948、Sturniolo et al.,1999,Nature Biotech.17:555−561参照、これらすべては、参照することによりその全体が組み込まれる)。

0123

IgG変異体の操作

0124

本発明の変異体は、さまざまな方法によって設計されてもよい。本出願に記載するとおり、変異体は、挿入、欠失、置換、他の修飾、またはそれらの組み合わせおよび他の変更であってもよい。本発明の特に新しい実施形態は、FcポリペプチドのFcリガンドへの結合を増加させるか、または減少させる挿入および欠失の設計である。本出願に開示するとおり、挿入または欠失は、FcポリペプチドのFcRnへの親和性を増加または減少させるように作成される。挿入および欠失は、合理的な方法、または使用またはランダムまたはセミランダムライブラリー作成またはスクリーニング等のランダム成分を含む方法によって設計されてもよい。代替的な実施形態では、FcポリペプチドのFcRnへの親和性を増加または減少する置換を開示する。

0125

骨格修飾:挿入および欠失

0126

変異Fcポリペプチドは、Fcポリペプチドの位置の親アミノ酸の代わりに、変異アミノ酸置換することによって形成されてもよい。Fcポリペプチド内の変異アミノ酸の1つ以上のアミノ酸を置換することによって、これらの位置の側鎖は、変更される。最も有用な置換は、Fc側鎖を変更することによってFc特性を修飾する。置換された側鎖は、Fc機能または特性と関連するFc結合相手と直接または間接的に相互作用し得る。少なくとも1つの置換は、親Fcポリペプチドの1つ以上の側鎖の共有構造を変更する。

0127

あるいは、親Fcポリペプチドの骨格の共有構造を変化する変異Fcポリペプチドは、形成されてもよい。タンパク質内の骨格原子は、ペプチド窒素アルファ炭素カルボニルまたはペプチド炭素、およびカルボニル酸素である。骨格の共有構造の変化は、Fcポリペプチドの特性を変更するための付加的方法を提供する。Fc骨格の共有構造は、骨格に原子を追加する(例えば、1つ以上のアミノ酸を挿入する)、または骨格から原子を取り除く(例えば、1つ以上のアミノ酸を欠失する)ことによって変更されてもよい。また、骨格の共有結合は、骨格の個別の原子を他の原子に変化させることによって変更されてもよい(Deechongkit et al.,J Am Chem Soc.2004.126(51):16762−71、参照することによりその全体が組み込まれる)。当該技術分野において周知であり、本出願に示すとおり、Fcポリペプチド内のアミノ酸の挿入または欠失は、DNAをコード化するFcポリペプチド内の対応するヌクレオチドを挿入または欠失することにより行われてもよい。あるいは、当該技術分野において周知のとおり、アミノ酸の挿入または欠失は、Fcポリペプチドの合成中に行われてもよい。

0128

Fcポリペプチドの1つ以上の結合相手(例えば、FcγR、FcRn、C1q)との相互作用を変更するアミノ酸の挿入または欠失の設計は、Fcポリペプチドの錯体の構造およびその結合相手を考慮して行われてもよい。あまり好適ではない実施形態では、設計は、Fcポリペプチドの構造および結合相手の結合に伴うFc領域の情報を考慮して行われてもよい。この情報は、突然変異誘導実験、相同性比較、コンピュータモデリングまたは他の手段によって得られてもよい。

0129

Fc結合相互作用に影響を及ぼすが、Fcポリペプチドの全体の構造、安定性、発現、または使用に影響を及ぼさない挿入または欠失のアミノ酸配列内の好適な位置は、Fc/Fc−結合相手の相互作用を担うループ内である。FcポリペプチドへのFcRn結合を変更するために、位置244−257、279−284、307−317、383−390、および428−435は、挿入または欠失の好適なループ位置である(KabatらのEUインデックスからの付番、Burmeister et al.,1994,Nature,372:379−383、Martin et al.,2001,Mol Cell 7:867−877、これらすべては、参照することによりその全体が組み込まれる)。FcポリペプチドへのFcγ受容体の結合を変更するために、位置229−239、266−273、294−299、および324−331は、挿入または欠失の好適なループ位置である(KabatらのEUインデックスからの付番、PDBコード1E4K.pdb Sondermann et al.,Nature.2000 406:267、これらすべては参照することによりその全体が組み込まれる)。ループは、アルファらせん構造またはベータシート構造に関与しないポリペプチドの領域である。ループ位置は、アルファらせん構造またはベータシート構造内のいずれかではない位置である(van Holde,Johnson and Ho.Principles of Physical Biochemistry.Prentice Hall,New Jersey 1998,Chapter 1 pp2−67、参照することによりその全体が組み込まれる)。ループ位置は、典型的に、骨格原子が、アルファらせんおよびベータシートの骨格原子と比較してより柔軟であり、水素結合を担うことが少ないため、好適である。したがって、1つ以上のアミノ酸の挿入または欠失によるループの延長または短縮は、安定性または他の問題を含む、Fcポリペプチドへの大きく、破壊的な変化につながることが少ない。

0130

挿入および欠失は、ポリペプチドの長さを変更するために使用されてもよい。例えば、ループ領域では、ループの長さを変更することによって、ループの柔軟性および配座エントロピーの変更が生じる。一般的に、ループへの挿入は、ループの配座エントロピーを増加させ、それは、可能な配座の数の自然対数によって乗じられたボルツマン定数として定義されてもよい(van Holde,Johnson and Ho.Principles of Physical Biochemistry.Prentice Hall,New Jersey 1998,pp78、参照することによりその全体が組み込まれる)。少なくとも1つのアミノ酸をポリペプチドに挿入することによって、ポリペプチドに可能な配座の総数は増加する。これらの付加的配座は、ポリペプチドがFc結合タンパク質を結合する上で付加的配座の1つを使用してもよいため、好ましいFc/Fc結合相手の相互作用を形成するのに有益であり得る。この場合、挿入は、より強いFc/Fc結合相手の相互作用をもたらし得る。付加的配座が結合接点に使用されない場合は、挿入は、付加的配座が結合するコンピテント配座と競合し得るため、より弱いFc/Fc結合相手の相互作用をもたらし得る。同様に、ポリペプチド断片の欠失は、より強いまたは弱いFc/Fc結合相手の相互作用のいずれかをももたらし得る。骨格配座の可能な数を減少させる断片の欠失が結合するコンピテント配座を除去する場合は、欠失は、より弱いFc/Fc結合相手の相互作用をもたらし得る。欠失が結合するコンピテント配座を除去しない場合は、欠失は、欠失が結合するコンピテント配座と競合する配座を除去し得るため、より強いFc/Fc結合相手の相互作用をもたらし得る。

0131

挿入および欠失は、Fcポリペプチド内のアミノ酸の位置および配向を変更するために使用されてもよい。挿入および欠失が骨格の共有構造に変化をもたらすため、それらは、骨格原子の位置の変化を必然的にもたらす。図7は、3つの異なる骨格において、L1〜L4と印された、いくつかのループ断片の骨格位置を比較する。参照骨格構造は、ループ断片を含むのに対して、欠失骨格は、断片L1が不足し、挿入断片は、断片L1の前、つまり、N末端に付加的断片を含む。欠失および挿入は、挿入または欠失の部位近くの骨格構造において最大の変化をもたらす。ループのN末端近くの断片、例えば、断片L1を除去することによって、ループは短くなり、残りの断片は、ループのN末端の末端に近い位置に移動する。これは、L2断片をL1断片の元の位置に向かい、またループのN末端の終端に向かって移動させる効果を有する。L1断片に向かったL2断片の位置のこの変更は、Fc/Fc結合相手の錯体の結合を強化し、アミノ酸またはL2に位置するアミノ酸がFc結合相手と好ましい相互作用を行うことを示唆する事前情報があるときに、好適である。例えば、L2がアラニンおよびチロシンを含み、以前にアラニンおよびチロシンの2つのL1アミノ酸の置換が、増加した結合を有するFc変異体をもたらす場合は、L1の欠失は、Fc結合相手の増加した親和性を有するFc変異体を形成し得る。

0132

同様に、ループのN末端側のFcポリペプチドへのポリペプチド断片の挿入によって、ループ断片の位置は、ループのC末端側へ移動される。図7では、断片L1の前、つまり、N末端側への1つ以上のアミノ酸の挿入は、骨格配座を変更し、L1断片のループのC末端の末端に向かった移動を含む。この種類の挿入は、挿入によって、より強いFc/Fc結合相手の相互作用をもたらされ得るため、断片L1に位置するアミノ酸がL2の位置にあるときに好ましい相互作用をするといわれる場合に、好適である。より弱いFc/Fc結合相手の相互作用が望ましい場合は、挿入を使用して、好ましくないアミノ酸を新しい位置へ移動してもよい。挿入された断片、欠失された断片、および参照断片図7のL1〜L4)は、Fcポリペプチド内の1つ、または1つ以上のアミノ酸であってもよい。

0133

あるいは、挿入または欠失は、ループのN末端の終端の挿入または欠失と類似する方法で、ループのC末端の終端に使用されてもよい。ループC末端の挿入は、ループN末端に向かった挿入のN末端位置の移動をもたらし得る。ループC末端の終端の欠失は、ループC末端に向かった欠失のN末端位置の移動をもたらし得る。ループのN末端またはC末端の末端で挿入または欠失を使用する選択は、ループ内に位置するアミノ酸、増加または減少したFc/Fc結合相手の親和性、および所望の位置の移動による。

0134

挿入または欠失は、ループ、アルファらせん、およびベータシート領域を含む、Fcポリペプチドのいかなる領域で使用されてもよい。挿入および欠失の好適な位置は、ループ領域を含み、それらは、アルファらせんまたはベータシート領域ではないループ領域である。一般的に、ループは、アルファらせんまたはベータシートよりも骨格における変更により対応するため、ループは、好適である。より強いタンパク質/タンパク質相互作用をもたらす挿入または欠失の特に好適な位置は、ループのN末端またはC末端の端である。ループの側鎖がFc/Fc結合相手の相互作用を担う場合は、端の挿入または欠失は、結合相互作用において非常に有害な変化をもたらす可能性が低い。ループの正確な中央内の欠失は、Fc/Fc結合相手の接点において重要な残基を除去する可能性が高く、ループの正確な中央内の挿入は、Fc/Fc結合相手の接点において好ましくない相互作用を引き起こす可能性が高い。欠失または挿入された残基の数は、好適とされる15個以下の残基の挿入または欠失、より好適とされる10個以下の残基の挿入または欠失、および最も好適とされる5個以下の残基の挿入または欠失に所望な骨格の変化のサイズによって決定される。

0135

Fc欠失変異体の位置およびサイズが設計されると、全体のポリペプチド配列は、完全に決定され、ポリペプチドは、当該技術分野において周知の方法で構成されてもよい。

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