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技術 反射ミラーを備えた太陽光発電システム

出願人 東レ株式会社
発明者 森田秀幸森健太郎
出願日 2017年7月18日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2017-138722
公開日 2019年2月7日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-022319
状態 未査定
技術分野 光起電力装置 レンズ以外の光学要素
主要キーワード 相対拡散 本一実施 シリコンシーラント 角度調節機構 設置方位 UV層 アルミフレーム オープンラック
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

本発明は、発電効率に優れた太陽光発電システムを提供することをその課題とする。

解決手段

太陽電池モジュール及び反射ミラーを備え、 反射ミラーが熱可塑性樹脂を主成分とする2種類の層(A層及びB層)を有し、かつA層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいことを特徴とする、太陽光発電システム。

概要

背景

近年、石油石炭等の化石燃料代替エネルギーとして、原子力発電水力発電風力発電太陽光発電などの種々の方法が注目されている。その中でも太陽光エネルギー電気エネルギー直接変換する太陽光発電は、クリーンエネルギー源として期待されている。

この太陽光発電は一般に、太陽光入射する受光面側から、透明なフロント基板/透明な封止材太陽電池素子/封止材/太陽電池裏面保護シートがこの順に積層された構造を有する太陽電池モジュールによって行われる。太陽光は透明なフロント基板から太陽電池モジュール内に浸入し、透明な封止材を通じて太陽電池素子に到達し、太陽電池素子に吸収される。吸収された太陽光のエネルギーは太陽電池素子で電気エネルギーへと変換され、太陽電池素子に接続されたリード線を通じて外部に取り出され、各種電気機器に供給される。

太陽電池モジュールの発電量は通常、太陽電池モジュールに入射し、太陽電池素子へ到達した太陽光の照度に比例することが知られている。さらに、メガソーラーに代表される太陽光発電所においては、この太陽電池モジュール10枚程度を直列接続し、パワーコンディショナーで最適な電流値電圧値で動作させることで、太陽光発電システムとして稼動させる態様が一般的である。

この太陽電池モジュール1枚当たりの発電量は、地表に到達する日射強度のみならず太陽高度による影響も受けるため、太陽電池モジュールの設置角度によって太陽光発電システムの発電量が異なることが知られている。そのため、太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュール1枚あたりの発電量を極大化するために、太陽電池素子に入射する光量を極大化するという観点で、設置環境緯度経度に応じて設置角度を設定することが重要となる。

近年では太陽光発電システムの年間積算発電量向上を目的として、太陽高度に対してモジュールの角度を変化させる追尾システムが開発されている(特許文献1)。また、太陽光を反射し、モジュールへ集光させる目的で、反射ミラーを使用した発電ステムも研究されている(特許文献2)。

概要

本発明は、発電効率に優れた太陽光発電システムを提供することをその課題とする。太陽電池モジュール及び反射ミラーを備え、 反射ミラーが熱可塑性樹脂を主成分とする2種類の層(A層及びB層)を有し、かつA層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいことを特徴とする、太陽光発電システム。

目的

本発明は、係る従来技術に鑑みて、発電効率に優れた太陽光発電システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

太陽電池モジュール及び反射ミラーを備え、反射ミラーが熱可塑性樹脂を主成分とする2種類の層(A層及びB層)を有し、かつA層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいことを特徴とする、太陽光発電システム

請求項2

前記反射ミラーにおいて、前記A層と前記B層とが厚み方向に交互に位置し、かつ前記A層と前記B層の合計層数が600以上であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽光発電システム。

請求項3

JISR3106:1998に定める方法で測定した前記反射ミラーの鏡面反射率が、波長500nmにおいて40%以上であり、波長1,500nmにおいて20%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。

技術分野

0001

本発明は、反射ミラーを備えた太陽光発電システムに関する。

背景技術

0002

近年、石油石炭等の化石燃料代替エネルギーとして、原子力発電水力発電風力発電太陽光発電などの種々の方法が注目されている。その中でも太陽光エネルギー電気エネルギー直接変換する太陽光発電は、クリーンエネルギー源として期待されている。

0003

この太陽光発電は一般に、太陽光入射する受光面側から、透明なフロント基板/透明な封止材太陽電池素子/封止材/太陽電池裏面保護シートがこの順に積層された構造を有する太陽電池モジュールによって行われる。太陽光は透明なフロント基板から太陽電池モジュール内に浸入し、透明な封止材を通じて太陽電池素子に到達し、太陽電池素子に吸収される。吸収された太陽光のエネルギーは太陽電池素子で電気エネルギーへと変換され、太陽電池素子に接続されたリード線を通じて外部に取り出され、各種電気機器に供給される。

0004

太陽電池モジュールの発電量は通常、太陽電池モジュールに入射し、太陽電池素子へ到達した太陽光の照度に比例することが知られている。さらに、メガソーラーに代表される太陽光発電所においては、この太陽電池モジュール10枚程度を直列接続し、パワーコンディショナーで最適な電流値電圧値で動作させることで、太陽光発電システムとして稼動させる態様が一般的である。

0005

この太陽電池モジュール1枚当たりの発電量は、地表に到達する日射強度のみならず太陽高度による影響も受けるため、太陽電池モジュールの設置角度によって太陽光発電システムの発電量が異なることが知られている。そのため、太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュール1枚あたりの発電量を極大化するために、太陽電池素子に入射する光量を極大化するという観点で、設置環境緯度経度に応じて設置角度を設定することが重要となる。

0006

近年では太陽光発電システムの年間積算発電量向上を目的として、太陽高度に対してモジュールの角度を変化させる追尾システムが開発されている(特許文献1)。また、太陽光を反射し、モジュールへ集光させる目的で、反射ミラーを使用した発電ステムも研究されている(特許文献2)。

先行技術

0007

特開2016−062931号公報
特開2006−40931号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1の追尾システムでは太陽電池モジュールの単位面積当たりの発電量が大きくならないため発電効率が悪く、出力向上に対するコストが見合わないことも多い。また、特許文献2に記載の発電システムにおいては、反射ミラーは高効率で太陽光を反射することができるものの、反射する波長帯域選択性が低く、太陽電池モジュールの発電効率を低下させる赤外線領域の光も高効率で反射する。そのため、十分な発電効率向上効果を得ることができない。

0009

そこで本発明は、係る従来技術に鑑みて、発電効率に優れた太陽光発電システムを提供することをその課題とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を達成するため、本発明は以下の構成からなる。
(1)太陽電池モジュール及び反射ミラーを備え、反射ミラーが熱可塑性樹脂を主成分とする2種類の層(A層及びB層)を有し、かつA層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいことを特徴とする、太陽光発電システム。
(2) 前記反射ミラーにおいて、前記A層と前記B層とが厚み方向に交互に位置し、かつ前記A層と前記B層の合計層数が600以上であることを特徴とする、(1)に記載の太陽光発電システム。
(3) JIS R 3106:1998に定める方法で測定した前記反射ミラーの鏡面反射率が、波長500nmにおいて40%以上であり、波長1,500nmにおいて20%以下であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の太陽光発電システム。

発明の効果

0011

本発明により、発電効率に優れた太陽光発電システムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの側面図。
本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの上面図。
本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの上面図。
本発明において用いることができる反射ミラーにおける、A層とB層の積層状態の一例を示す断面図。
本発明において用いることができる反射ミラーの一例を示す断面図。
本発明において用いることができる太陽電池モジュールの一例を示す断面図。

0013

以下、本発明の太陽光発電システムについて、詳細に説明する。
<太陽光発電システム>
本発明の太陽光発電システムは、太陽電池モジュール及び反射ミラーを備え、反射ミラーが熱可塑性樹脂を主成分とする2種類の層(A層及びB層)を有し、かつA層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいことを特徴とする。

0014

本発明の太陽光発電システムは、太陽電池モジュール及び反射ミラーを備えることが重要である。このような態様とすることにより、反射ミラーにより反射された太陽光が太陽電池モジュールに照射されるため、太陽電池素子に到達する太陽光が多くなる。そのため、反射ミラーのない太陽光発電システムに比べて発電量が向上する。

0015

反射ミラーの配置は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、太陽電池素子に到達する太陽光を増やす観点から、例えば図1に示すように、反射ミラーが太陽電池モジュールの受光面の前方に位置し、かつ反射ミラーの受光面と太陽電池モジュールの受光面が向き合っていることが好ましい。このような態様とすることにより、反射ミラーにより反射された太陽光の多くが太陽電池モジュールの受光面に入射することとなり、太陽電池モジュールの出力が向上する。ここで受光面とは、地表と反対側に位置する面をいい、通常はこの受光面に太陽光が照射される。

0016

本発明の太陽光発電システムを回帰線よりに位置する地域に設置する場合は、太陽電池モジュールの受光面を南側に向けて設置することが好ましい。このような態様とすることにより、太陽が太陽電池モジュールに対して常に南側に位置することとなるため、より多くの直射光を太陽電池素子に入射させることができる。一方、同様の観点から、南回帰線より南に位置する地域においては、太陽電池モジュールの受光面を北側に向けて設置することが好ましい。なお、ここで南側とは、真南の方角のみではなく、真南の方角から西又は東に45°以下傾いた方角も含むものとし、北側についても同様に解釈するものとする。

0017

本発明の太陽光発電システムは、季節や設置する地点の緯度にもよるが、太陽電池素子に到達する太陽光を増やす観点から、水平面と反射ミラーの受光面とのなす角の大きさが5°以上50°以下であることが好ましい。水平面と反射ミラーの受光面とのなす角の大きさが5°未満の場合、反射ミラーによる反射光は空の方向に向かうため、太陽電池モジュールに入射する反射光の量が少なくなることがある。一方、水平面と反射ミラーの受光面とのなす角の大きさが50°より大きい場合、太陽光が反射ミラーによって遮られて太陽電池モジュールに直接入射する光の量が減少するため、逆に発電量が低下することがある。

0018

本発明の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールと反射ミラーの好ましい位置関係について、一実施態様を示して説明する。図1は、本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの側面図を、図2、3は、本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの上面図をそれぞれ示す。なお、本一実施態様は具体例として提示するものであり、本発明はこれに限定されない。

0019

図1〜3に示す太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュール1は、受光面が南側向き、かつ受光面と水平面とのなす角の大きさが25°となるように、太陽電池モジュール用架台3により固定されている。そして、反射ミラー2は、太陽電池モジュール1の受光面の前方に、受光面が北側向き、かつ受光面と水平面とのなす角の大きさが25°となるように反射ミラー用架台4により固定されている。なお、以下、太陽電池モジュール用架台3と反射ミラー用架台4を総称して、架台ということがある。

0020

このとき、反射ミラーの下端高さを太陽電池モジュールの下端高さと揃えると、反射ミラー2による反射光が太陽電池モジュール1の裏面やアルミフレーム(図示しない)等によって遮蔽されず、効率的に太陽電池モジュール1の受光面に到達するため好ましい。図1〜3においては、太陽電池モジュールと反射ミラーがその長辺方向において平行な位置関係で描かれているが、必ずしも平行である必要はなく、設置する場所の地形等に応じて適宜その位置関係を調整することができる。

0021

図1〜3において、太陽電池モジュール1と反射ミラー2はいずれも凹凸のない直方体として描かれているが、本発明の効果を損なわない限り、その表面に凹凸を有していても、その表面が曲面であってもよい。また、太陽電池モジュール1の受光面と反射ミラー2の受光面の面積については、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、設置スペース等を考慮して適宜調節することができる。例えば、図2に示すように両者の面積が等しくても、図3に示すように両者の面積が異なってもよい(図3の例は、太陽電池モジュール1の受光面よりも反射ミラー2の受光面の面積が大きい例である。)。図2に示すように両者の面積が等しい場合、両者に共通する部材を複数サイズ用意する必要がなくなり、製造工程の簡略化やコスト削減が可能となる利点がある。

0022

さらに、反射ミラーは、その剛性を向上させて強風等の自然環境への耐性を高める観点から、端部にフレーム(図示しない)を有することも好ましい。フレームは剛性向上の観点から鉄、アルミニウム真鍮、銀、銅などの金属製であることが好ましく、剛性とコストのバランスからアルミニウム製であることが好ましい。

0023

架台3や4は、太陽電池モジュール1や反射ミラー2の受光面が向く方角や水平面に対する角度を調節できる機構(以下、総称して角度調節機構ということがある。)を有することが好ましい。反射ミラーによる出力向上効果は、季節による太陽高度の変動等の影響を受ける。そのため、架台3や4が角度調節機構を有することにより、季節の変化に合わせて太陽電池モジュール1や反射ミラー2の設置条件を最適化することが容易となり、その結果、季節が変動しても高い出力向上効果を得ることが容易となる。

0024

より具体的には、太陽高度が高い夏季に、反射ミラー2で反射された太陽光を太陽電池モジュール1の受光面へ効率的に入射させるためには、水平面と反射ミラー2の受光面とのなす角の大きさを、上記好ましい範囲内で大きくすることが好ましい。太陽高度が高い場合に水平面と反射ミラー2の受光面とのなす角の大きさが小さいと、反射ミラー2による反射光が太陽電池モジュール1の受光面から外れた方向に行きやすいためである。一方、太陽高度が低い冬季においては、上記観点より、水平面と反射ミラー2の受光面とのなす角の大きさを、夏季に比べて小さくすることが好ましい。

0025

<反射ミラー>
本発明の太陽光発電システムは、反射ミラーが熱可塑性樹脂を主成分とする2種類の層(A層及びB層)を有し、かつA層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいことが重要である。ここで、「熱可塑性樹脂を主成分とする層」とは、層を構成する成分全体を100質量%としたときに、熱可塑性樹脂を50質量%より多く含む層をいう。また、反射ミラーは本発明の効果を損なわない限り熱可塑性樹脂を主成分とする層を3種類以上有してもよく、このような場合においては数の多い2種類の層を選定し、そのうち屈折率の高い方をA層、低い方をB層とする。但し、熱可塑性樹脂を主成分とする層であっても、屈折率が1.2未満であれば屈折率が空気とほぼ同等となり、光が照射されても鏡面反射を殆ど生じないため、A層及びB層の選定においては屈折率が1.2未満の層は一切考慮しないものとする。

0026

また、各層の屈折率は、以下の方法により測定することができる。先ず、反射ミラーより2種類の層(屈折率の測定結果より、一方がA層、もう一方がB層となる。)を有する積層体を抽出し、その厚み方向断面(シート面に垂直な断面)を走査電子顕微鏡拡大観察し、最表面又は最表面の最も近くに位置する2つの層(順にt1とt2)の厚み(nm)を測定する。次に、X線測定装置を用いて、厚みを測定した層が位置する側の面(測定面)に、測定面とのなす角度が1.0°となるように波長0.154nmのX線を照射し、その強度と反射光と測定面とのなす角(反射角)の大きさを測定する。この時、反射角の測定範囲は0.0°〜8.0°、反射角の測定間隔は0.01°、入射スリットサイズは0.05mm×10.0mm、受光スリットサイズは0.15mm×20.0mmとする。その後、横軸に反射角の大きさ、縦軸に反射光の強度を取り、反射角が最も小さいときの反射光の強度(最表層の反射光の強度に相当)と反射角が2番目に小さいときの反射光の強度(最表層の次の層の反射光の強度に相当)より、下記式(1)及び下記式(2)を用いて各層の屈折率を算出する。
式(1):2×n1×t1×sinθ1=0.154
式(2):2×n2×t2×sinθ2=2×0.154
ここで、n1は最表層の屈折率、t1は最表層の厚み、sinθ1は最も小さい反射角の大きさ、n2は最表層の次の層の屈折率、t2は最表層の次の層の厚み、sinθ2は2番目に小さい反射角の大きさをそれぞれ示す。上記式(1)及び上記式(2)より求めたn1とn2の大きさを比較し、大きい値がA層の屈折率、小さい値がB層の屈折率となる。

0027

反射ミラーをこのような態様とすることにより、反射ミラー内に屈折率の異なる2つの層による界面が形成されるため、反射ミラーの受光面に太陽光が照射された際に、この界面で光の干渉が生じて鏡面反射率が向上する。その結果、太陽電池モジュールに入射する光の量が増加するため、太陽光発電システムの発電量も向上する。さらに、このような態様とすることにより、反射ミラーの鏡面反射率を高めるための層(例えば、金属層)を積層しなくても高い鏡面反射率が得られるため、このような層を形成させる工程を経ずに反射ミラーを製造することもできる。

0028

次に、A層とB層を有する構成について、図面を参照しながら具体的に説明する。図4は、本発明において用いることができる反射ミラーにおける、A層とB層の積層状態の一例を示す断面図である。反射ミラーにおいて、A層(図4の符号6)とB層(図4の符号7)の積層構成最外層に位置する層、及び層数は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、界面の数を増やすことで鏡面反射率が向上するため、界面の数が多くなるような態様とすることが好ましい。

0029

具体的には、反射ミラーにおいて、A層とB層とが厚み方向に交互に位置し、かつA層とB層の合計層数が600以上であることが好ましい。

0030

「A層とB層とが厚み方向に交互に位置する」とは、厚み方向と平行な断面を観察したときに、A層とB層の積層構成が繰り返し存在する状態をいう。反射ミラーが屈折率の異なる樹脂層を3種類以上有する場合、最も数の多い2種類の層のみを抽出してA層及びB層を決定するものとする。なお、反射ミラーは、本発明の効果を損なわない範囲で、A層とB層の積層構成が繰り返し存在する途中に、A層及びB層に該当しない層や、A層やB層が連続する箇所が存在してもよい。

0031

A層とB層の合計層数が600未満であると、高い光線反射率が得られないことがある。A層とB層の合計層数の上限は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、層数の増加に伴う光線反射率の向上効果とコストの面から、1,200となる。

0032

本発明の太陽光発電システムの反射ミラーのA層の主成分として用いることができる熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Aということがある。)としては、例えば、結晶性ポリエチレンテレフタレート結晶性ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。B層の主成分として用いることができる熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Bということがある。)としては、非晶性ポリエチレンテレフタレートフルオロエラストマー等が挙げられる。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの組み合わせ、A層及びB層の組成は、A層の屈折率がB層の屈折率よりも大きいとの要件を満たす限り、本発明の効果を損なわない範囲で自由に選定することができる。

0033

A層とB層とが厚み方向に交互に位置し、かつA層とB層の合計層数が600以上である反射ミラーを得るための手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。例えば、A層とB層とが厚み方向に交互に位置し、かつA層とB層の合計層数が600以上であるフィルムを反射ミラーに組み入れる方法が挙げられる。このようなフィルムの具体例としては、例えば、東レ株式会社製 “PICASUS”(登録商標)のGH30、GM30、GT30、GB30S、及びQP4A等が挙げられる。いずれも好適に用いることができるが、太陽光発電に寄与する波長300〜1,200nmの範囲における光線反射率の高さから、“PICASUS”(登録商標)のGH30を用いることが好ましい。

0034

さらに、反射ミラーの層構成の一例について図5を参照しながら説明する。図5は本発明において用いることができる反射ミラーの一例を示す断面図である。図5に示す反射ミラーは受光面側から順に、フロント基板8、封止材9、A層とB層の積層体5、及び耐UV層10が位置する構成を有する。

0035

フロント基板8は、反射ミラーに剛性や耐衝撃性を付与する役割を果たす。フロント基板8としては、強化ガラスポリカーボネート、及びポリメタクリル酸メチル等を用いることができ、中でも剛性や耐久性の観点から強化ガラスを用いることが好ましい。

0036

封止材9は、フロント基板8とA層とB層の積層体5の密着、及びA層とB層の積層体5を紫外線や衝撃から保護する役割を担う。封止材9には、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体EVA)、透明シリコーンメタクリル酸メチル等を好ましく用いることができ、さらに必要に応じて、紫外線吸収剤光安定剤架橋剤、及びシランカップリング剤等の添加剤を1種類以上含有させてもよい。なお、各種添加剤は公知のものを用いることができ、本発明の効果を損なわない範囲でその種類や組み合わせを自由に選択できる。

0037

A層とB層の積層体5は、反射ミラーの鏡面反射率を向上させる役割を担うものであり、例えば、前述した“PICASUS”(登録商標)の各種グレードを用いることができる。

0038

耐UV層10は、太陽の散乱光や地面から反射した光によって、A層とB層の積層体5が背面側から劣化するのを軽減する役割を担う。A層とB層の積層体5が背面側から劣化すると、クラックの発生、オリゴマー析出などにより、鏡面反射率が低下することがある。耐UV層10はアクリル系樹脂と紫外線吸収剤を含有することが好ましい。アクリル系樹脂は本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、耐候性、A層とB層の積層体5との密着性の観点から、アクリルウレタン系樹脂であることが好ましい。中でも、アクリルポリオール系樹脂イソシアネート樹脂が架橋された構造を有するアクリルウレタン系樹脂が、樹脂硬化性耐熱性の観点からより好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の紫外線吸収剤を使用することもできる。耐UV層10の形成方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、公知のコーティング法等により形成することができる。

0039

本発明の太陽光発電システムは、JIS R 3106:1998に定める方法で測定した反射ミラーの鏡面反射率が、波長500nmにおいて40%以上であり、波長1,500nmにおいて20%以下であることが好ましい。ここで、鏡面反射率とは、反射ミラーの受光面側から光を照射したときの鏡面反射率をいう。波長500nmにおける鏡面反射率が40%以上であれば、最も一般的な太陽電池である結晶シリコン太陽電池において、高い分光感度を示す波長域で高い鏡面反射率を示すこととなり、太陽電池モジュールの出力向上効果が大きくなる。また、波長1,500nmにおける鏡面反射率が20%以下であれば、最も一般的な太陽電池である結晶シリコン太陽電池の分光感度範囲外である赤外線の波長域にて鏡面反射率を低く抑えることができ、赤外線による太陽電池モジュールの動作温度の上昇が軽減される。太陽電池モジュールの出力は一般に、動作温度が1℃上昇すると0.5%低下するとされている。そのため、太陽電池モジュールの動作温度の上昇を軽減させることは、太陽電池モジュールの出力低下の軽減に繋がる。

0040

反射ミラーの鏡面反射率を、波長500nmにおいて40%以上とし、かつ波長1,500nmにおいて20%以下とするための方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、前述したとおり、A層とB層とが厚み方向に交互に位置し、かつA層とB層の合計層数が600以上である態様とする手法が挙げられる。このような態様の積層体は、A層の屈折率nA、A層の厚みtA(nm)、B層の屈折率nB、及びB層の厚みtB(nm)に応じて、特定の波長λ(nm)の光線を反射することが知られている。この特定の波長λ(nm)は下記式(3)で表される。下記式(3)でλ=500となるように、熱可塑性樹脂A、Bの種類、及びA層及びB層の厚みを調節することにより、反射ミラーの鏡面反射率を、波長500nmにおいて40%以上とすることができる。
式(3): λ=2×(nA×tA+nB×tB)
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、公知ものを使用することができる。その具体例としては、図6に示すように、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子11を、受光面側のフロント基板8と太陽電池裏面保護シート12との間に配置し、フロント基板8と太陽電池裏面保護シート12との間を封止材9で封止した構成のものが挙げられる。

0041

フロント基板8や封止材9は、前述した反射ミラーと同様のものを使用できる。太陽電池素子11としては、単結晶シリコン多結晶シリコンアモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウムガリウムセレン、銅−インジウム−セレン、カドミウムテルル、ガリウム−砒素などのIII−V族II−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができるが、発電効率やコスト、本発明の範囲で制御する反射光の波長範囲等の面から、多結晶シリコンを用いることが好ましい。

0042

太陽電池裏面保護シートとしては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、公知のものを使用することができる。より具体的には、フッ素フィルムポリエステルフィルムポリオレフィンフィルム、及びこれらを複数枚貼り合わせたものを使用することができる。また、太陽電池裏面保護シートは、反射率向上のために白色粒子を含有する層を有する態様とすることや、他の部材との密着性を強化するために易接着層を有する態様とすること等ができる。

0043

以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。

0044

〔特性の測定方法及び評価方法
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。

0045

(1)反射ミラーの作製
反射ミラーを構成する各部材(後述)を、受光面から順番に積層し、この積層体を熱板温度145℃の真空ラミネータ投入し、4分間脱気した後、1kgf/cm2の圧力で11分間プレスした。その後、ラミネート時にはみ出した熱可塑性樹脂を除去し、シリコンシーラントを用いてアルミフレームと一体化させた。

0046

(2)反射ミラーの鏡面反射率
JIS R 3106:1998に定める方法で、波長500nm及び1,500nmにおける反射ミラーの鏡面反射率を測定した。より具体的には、以下の手順、条件で測定した。島津株式会社製UV−3600Plusを用いて波長300〜1,500nmの範囲において、1nmピッチで反射ミラーの分光反射率を測定した。このとき、光は反射ミラーの受光面側より照射した。また、分光反射率を測定する際に、基準板として硫酸バリウムを使用した。相対全光線反射率を測定した後、同じ波長範囲内相対拡散反射率を測定し、波長500nm及び1,500nmにおける相対全光線反射率と相対拡散反射率の差を取ることで鏡面反射率を求めた。

0047

(3)太陽電池モジュールの出力向上率
英弘精機製I−VチェッカーMP−11を2個使用して、反射ミラーを設置した太陽光発電システムと反射ミラーを設置しない太陽光発電システムそれぞれの発電量を同時に評価した。こうして得られた、反射ミラーを設置した場合の最大出力の値と、反射ミラーを設置しない場合の最大出力の値との差を取り、この差について、反射ミラーを設置しない場合の最大出力に対する割合(%)を算出することによって、反射ミラーを設置することによる出力向上率とした。

0048

(4)A層及びB層の屈折率(反射部材が積層体の場合のみ)
先ず、反射部材の厚み方向断面(シート面に垂直な断面)を日立ハイテクノロジーズ製超高分解能電解出形走査電子顕微鏡SU8010で拡大観察し、最表面又は最表面の最も近くに位置する2つの層(順にt1とt2)の厚み(nm)を測定した。次に、株式会社幸和電熱計器製X線測定装置K−MSXを用いて、厚みを測定した層が位置する側の面(測定面)に、測定面とのなす角度が1.0°となるように波長0.154nmのX線を照射し、その強度と反射光と測定面とのなす角(反射角)の大きさを測定した。この時、反射角の測定範囲は0.0°〜8.0°、反射角の測定間隔は0.01°、入射スリットサイズは0.05mm×10.0mm、受光スリットサイズは0.15mm×20.0mmとした。その後、横軸に反射角の大きさ、縦軸に反射光の強度を取り、反射角が最も小さいときの反射光の強度(最表層の反射光の強度に相当)と反射角が2番目に小さいときの反射光の強度(最表層の次の層の反射光の強度に相当)より、下記式(1)及び下記式(2)により各層の屈折率を算出した。
式(1):2×n1×t1×sinθ1=0.154
式(2):2×n2×t2×sinθ2=2×0.154
ここで、n1は最表層の屈折率、t1は最表層の厚み、sinθ1は最も小さい反射角の大きさ、n2は最表層の次の層の屈折率、t2は最表層の次の層の厚み、sinθ2は2番目に小さい反射角の大きさをそれぞれ示す。上記式(1)及び上記式(2)より求めたn1とn2の大きさを比較し、大きい値をA層の屈折率、小さい値をB層の屈折率とした。

0049

(実施例1)
3mm厚みのガラス/EVA(州FIRST有限公司製 F806屈折率:1.1)/反射部材(“PICASUS”(登録商標)GH30(厚み:100μm))を積層し、(1)反射ミラーの作製の項に記載の方法により反射ミラーを作製した。次に、2枚のフジプレアム株式会社製多結晶シリコン太陽電池モジュール(以下、実施例において、単に太陽電池モジュールということがある。)について、JIS C8914:2005の基準状態に準じて最大出力の測定を実施した。2枚の太陽電池モジュールの出力がほぼ同等であることを確認した後、その1枚を東レ株式会社工場内の曝露試験場(滋賀県大津市)で南向きに、地面(水平面)に対して25°の角をなすように設置した。さらに、設置した太陽電池モジュールから東に1.5m離れた場所に、もう1枚の太陽電池モジュールを同様に設置した。次に、設置した2枚の太陽電池モジュールの一方のみの前方に、地面に対して30°の角をなすように反射ミラーを設置した。反射ミラーの鏡面反射率、太陽電池モジュールの出力向上率等の評価結果を表1に示す。

0050

(実施例2〜8、比較例1〜2、参考例1〜7)
測定日時、反射ミラー及びその設置条件を表1、2のとおりとした以外は実施例1と同様に評価を実施した。評価結果を表1、2に記す。比較例1〜2及び参考例1〜7における反射ミラーは、反射部材の“PICASUS”(登録商標)GH30(厚み:100μm)を、1枚の単層フィルム(比較例1)、単層フィルムを2枚重ねた積層体(比較例2)、又は厚み20μmのアルミニウム箔(参考例1〜7)とした以外は、実施例1と同様にして作製した。なお、単層フィルムとしては、東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E20(厚み:50μm屈折率:1.6)を使用した。

0051

0052

太陽電池モジュール、反射ミラーの設置方位は、受光面が向いている方向を意味する。表2においても同様である。

0053

実施例

0054

熱可塑性樹脂を主成分とする層であっても、A層及びB層の選定においては屈折率が1.2未満の層は一切考慮しないものとした。すなわち、比較例1、2におけるEVA層(屈折率:1.1)は、A層やB層の選定において考慮しないものとした。

0055

本発明により、発電効率に優れた太陽光発電システムを得ることができる。本発明の太陽光発電システムは、特に屋外用途で好適に用いることができ、オープンラックでより好適に用いることができる。

0056

1:太陽電池モジュール
2:反射ミラー
3:太陽電池モジュール用架台
4:反射ミラー用架台
5:A層とB層の積層体
6:A層
7:B層
8:フロント基板
9:封止材
10:耐UV層
11:太陽電池素子
12:太陽電池裏面保護シート

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