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技術 装置、方法、及び微小粒子分取システム

出願人 ソニー株式会社
発明者 清水達夫広野遊長谷川真一
出願日 2017年7月20日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2017-140721
公開日 2019年2月7日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-020317
状態 未査定
技術分野 粒子の特徴の調査
主要キーワード 結晶類 荷電用電極 近傍電極 チップカバー 切断距離 オリフィス出口 絶縁沿面距離 微小粒子分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

新たな液滴生成技術を提供すること。

解決手段

本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を提供する。また、本技術は、オリフィスから排出された柱状の液体と当該オリフィスの近傍に設けられた電極との間に周期的な電圧を印加することにより液滴を生成する液滴生成工程を含む方法も提供する。また、本技術は、前記装置を含む微小粒子分取システムも提供する。

概要

背景

細胞微生物及びリポソームなどの生体関連粒子分析のために、フローサイトメータによる光学的測定方法が利用されている。フローサイトメータは、フローセル又はマイクロチップに形成された流路内を通流する粒子に光を照射し、個々の粒子から発せられた蛍光及び/又は散乱光を検出して粒子を分析する装置である。分析結果に基づいて特定の特性を有する粒子のみを分別して回収する機能を備えたフローサイトメータもあり、これは「セルソータ」と呼ばれている。多くのセルソータでは、粒子を分取する方式として、粒子を含む液滴を帯電させて分取する液滴荷電方式が採用されている。

細径オリフィスから液体を勢いよく噴射すると液柱が形成される。液柱形状は力学的に不安定であり、液柱は、液柱径の微小揺らぎ引き金として、表面張力により自発的に液滴を形成する。図1に示すように、オリフィス出口100から噴射された液柱101の径を、液滴が形成される前に外部から変調周期的なくびれ102を液柱に生じさせると、粒径が均一で周期的な液滴103を形成することができる。図1において、領域104を拡大して示した拡大図105において示されるとおり、生成された周期的なくびれは徐々に大きくなる。なお、拡大図105は、くびれが大きくなることを強調しており、実際の状況を表すものでない。

液柱径に与えられた正弦波的な変動は或る時定数で時間と共に指数関数的に成長する。その時定数は、液柱径をd及び液柱径変動波長をλとすると、λ=4.5dのとき最小値を取る。従って、オリフィス先端から液柱が切断されるまでの距離(以下、「切断距離」ともいう)は、λ=4.5dを満たす液滴周波数のときに最短となる(下記非特許文献1)。当該切断距離は、図1において、両矢印106において示される距離である。

液柱にくびれを生じさせる手段として、セルソータでは一般的に振動が用いられてきた。当該振動は、例えば圧電素子PZT)によって発生させられる。また、インクジェット方式プリンターでは、下記特許文献1に示す交流電界を用いた方法も知られている。

図2に液滴荷電方式のセルソータの模式図を示す。図2に示されるセルソータ200において、サンプルライン201から供給された細胞懸濁液(予め蛍光染色された細胞を含む)は、フローセル214内でシースライン202から供給されたシース液で包まれ細いコアを形成する。サンプル流量シース流量を適切に設定することにより、このコア中の細胞は一列に整列した状態となり、流れに従ってオリフィス203に到達する。フローセル214のオリフィス203から噴射された液柱にレーザビーム204が照射される。細胞がレーザスポット205を通過する際に発せられた散乱光及び/又は蛍光が、光学検出系206で集光され、PMT光電子増倍管)などの光電変換素子207によって電気信号として検出される。検出された信号は電気処理ステム208で処理され、その結果に基づいてその細胞を分取するか廃棄するかの判断がなされる。この判断に基づき、液滴が液柱から千切れるタイミングにおいて液滴に所望の電荷が付加されるように液滴荷電信号は制御される。例えば、シース液は導電性を有するので、流路上流部でシース液に接触する導電性端子209を設けることで、オリフィスから噴射される液柱に対して電気的コンタクトを取ることができる。液柱の先端ではGND電極板210との間でキャパシタが形成されるので、液滴荷電信号によりシースに印加された電圧に依存して液柱先端には誘電分極による電荷が発生する。この電荷の一部が、液滴が液柱から千切れる際に液滴側に取り残されるので液滴を荷電することができる。液滴の生成は、圧電素子211により制御される。圧電素子211による所定の振動によって液柱にくびれが生じ、当該くびれに応じた液滴が生成される。液滴は偏向電極板212付近に到達するとその電荷に応じて、偏向電極板212の間に作られた電場から静電気力を受ける。当該静電気力によって、液滴の進行方向が曲げられ、各コレクションチューブ213内に捕獲される。

フローセルとしてマイクロチップが用いられたセルソータとして、例えば下記特許文献2には、「微小粒子を含む液体が通流される流路と、この流路を通流する液体をチップ外の空間に排出するオリフィスと、が配設されたマイクロチップと、オリフィスにおいて液体を液滴化して吐出するための振動素子と、吐出される液滴に電荷を付与するための荷電手段と、流路を通流する微小粒子の光学特性を検出する光学検出手段と、チップ外の空間に吐出された液滴の移動方向に沿って、移動する液滴を挟んで対向して配設された対電極と、対電極間を通過した液滴を回収する二以上の容器と、を備える微小粒子分取装置」が開示されている。

概要

新たな液滴生成技術を提供すること。 本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を提供する。また、本技術は、オリフィスから排出された柱状の液体と当該オリフィスの近傍に設けられた電極との間に周期的な電圧を印加することにより液滴を生成する液滴生成工程を含む方法も提供する。また、本技術は、前記装置を含む微小粒子分取システムも提供する。

目的

すなわち、本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置。

請求項2

前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。

請求項3

前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって生じる、前記電極と前記柱状の液体との間のクーロン力によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。

請求項4

前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成し、当該くびれが形成された部分で前記柱状の液体が千切れて液滴が形成されるように構成されている、請求項1に記載の装置。

請求項5

前記電極が前記柱状の液体と接触しないように、前記電極及び前記オリフィスが配置されている、請求項1に記載の装置。

請求項6

前記電極が前記柱状の液体の側方に位置するように、前記電極及び前記オリフィスが配置されている、請求項1に記載の装置。

請求項7

前記電極が前記柱状の液体の周囲の一部又は全部を囲むように、前記電極及び前記オリフィスが配置されている、請求項1に記載の装置。

請求項8

前記オリフィスが、円柱状の液体を排出する、請求項1に記載の装置。

請求項9

前記液滴生成部により生成された液滴を荷電する液滴荷電部をさらに備えている、請求項1に記載の装置。

請求項10

前記液滴荷電部により荷電された液滴の進行方向を制御する進行方向制御部をさらに備えている、請求項9に記載の装置。

請求項11

前記液滴荷電部が、前記電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷キャンセルする波形を有する電圧によって、前記液滴を荷電する、請求項9に記載の装置。

請求項12

前記電極と前記柱状の液体との間の放電を検出する放電検出部をさらに含む、請求項1に記載の装置。

請求項13

前記オリフィス及び前記電極が1つのチップ内に設けられている、請求項1に記載の装置。

請求項14

微小粒子分取装置である、請求項1に記載の装置。

請求項15

オリフィスから排出された柱状の液体と当該オリフィスの近傍に設けられた電極との間に周期的な電圧を印加することにより液滴を生成する液滴生成工程を含む方法。

請求項16

柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を含む微小粒子分取システム

技術分野

0001

本技術は、液滴生成部を備えている装置、液滴生成工程を含む方法、及び微小粒子分取システムに関する。より詳細には、オリフィス電極、及び電圧印加部を備えている液滴生成部を備えている装置、電圧印加により液滴を生成する液滴生成工程を含む方法、及び、前記装置を含む微小粒子分取システムに関する。

背景技術

0002

細胞微生物及びリポソームなどの生体関連粒子分析のために、フローサイトメータによる光学的測定方法が利用されている。フローサイトメータは、フローセル又はマイクロチップに形成された流路内を通流する粒子に光を照射し、個々の粒子から発せられた蛍光及び/又は散乱光を検出して粒子を分析する装置である。分析結果に基づいて特定の特性を有する粒子のみを分別して回収する機能を備えたフローサイトメータもあり、これは「セルソータ」と呼ばれている。多くのセルソータでは、粒子を分取する方式として、粒子を含む液滴を帯電させて分取する液滴荷電方式が採用されている。

0003

細径のオリフィスから液体を勢いよく噴射すると液柱が形成される。液柱形状は力学的に不安定であり、液柱は、液柱径の微小揺らぎ引き金として、表面張力により自発的に液滴を形成する。図1に示すように、オリフィス出口100から噴射された液柱101の径を、液滴が形成される前に外部から変調周期的なくびれ102を液柱に生じさせると、粒径が均一で周期的な液滴103を形成することができる。図1において、領域104を拡大して示した拡大図105において示されるとおり、生成された周期的なくびれは徐々に大きくなる。なお、拡大図105は、くびれが大きくなることを強調しており、実際の状況を表すものでない。

0004

液柱径に与えられた正弦波的な変動は或る時定数で時間と共に指数関数的に成長する。その時定数は、液柱径をd及び液柱径変動波長をλとすると、λ=4.5dのとき最小値を取る。従って、オリフィス先端から液柱が切断されるまでの距離(以下、「切断距離」ともいう)は、λ=4.5dを満たす液滴周波数のときに最短となる(下記非特許文献1)。当該切断距離は、図1において、両矢印106において示される距離である。

0005

液柱にくびれを生じさせる手段として、セルソータでは一般的に振動が用いられてきた。当該振動は、例えば圧電素子PZT)によって発生させられる。また、インクジェット方式プリンターでは、下記特許文献1に示す交流電界を用いた方法も知られている。

0006

図2に液滴荷電方式のセルソータの模式図を示す。図2に示されるセルソータ200において、サンプルライン201から供給された細胞懸濁液(予め蛍光染色された細胞を含む)は、フローセル214内でシースライン202から供給されたシース液で包まれ細いコアを形成する。サンプル流量シース流量を適切に設定することにより、このコア中の細胞は一列に整列した状態となり、流れに従ってオリフィス203に到達する。フローセル214のオリフィス203から噴射された液柱にレーザビーム204が照射される。細胞がレーザスポット205を通過する際に発せられた散乱光及び/又は蛍光が、光学検出系206で集光され、PMT光電子増倍管)などの光電変換素子207によって電気信号として検出される。検出された信号は電気処理システム208で処理され、その結果に基づいてその細胞を分取するか廃棄するかの判断がなされる。この判断に基づき、液滴が液柱から千切れるタイミングにおいて液滴に所望の電荷が付加されるように液滴荷電信号は制御される。例えば、シース液は導電性を有するので、流路上流部でシース液に接触する導電性端子209を設けることで、オリフィスから噴射される液柱に対して電気的コンタクトを取ることができる。液柱の先端ではGND電極板210との間でキャパシタが形成されるので、液滴荷電信号によりシースに印加された電圧に依存して液柱先端には誘電分極による電荷が発生する。この電荷の一部が、液滴が液柱から千切れる際に液滴側に取り残されるので液滴を荷電することができる。液滴の生成は、圧電素子211により制御される。圧電素子211による所定の振動によって液柱にくびれが生じ、当該くびれに応じた液滴が生成される。液滴は偏向電極板212付近に到達するとその電荷に応じて、偏向電極板212の間に作られた電場から静電気力を受ける。当該静電気力によって、液滴の進行方向が曲げられ、各コレクションチューブ213内に捕獲される。

0007

フローセルとしてマイクロチップが用いられたセルソータとして、例えば下記特許文献2には、「微小粒子を含む液体が通流される流路と、この流路を通流する液体をチップ外の空間に排出するオリフィスと、が配設されたマイクロチップと、オリフィスにおいて液体を液滴化して吐出するための振動素子と、吐出される液滴に電荷を付与するための荷電手段と、流路を通流する微小粒子の光学特性を検出する光学検出手段と、チップ外の空間に吐出された液滴の移動方向に沿って、移動する液滴を挟んで対向して配設された対電極と、対電極間を通過した液滴を回収する二以上の容器と、を備える微小粒子分取装置」が開示されている。

0008

特開昭58−175668号公報
特開2010−190680号公報

先行技術

0009

AD0437951, "HIGH-FREQUENCY OSCILLOGRAPHY WITH ELECTROSTATICALLY DEFLECTED INK JETS", Sweet, Richard G. MAR 1964. (http://www.dtic.mil/cgi-bin/GetTRDoc?Location=U2&doc=GetTRDoc.pdf&AD=AD0437951)

発明が解決しようとする課題

0010

従来のセルソータでは、液柱径にくびれを生じさせるために、例えば圧電素子(PZT)などの振動子によって生じる振動が利用されてきた。しかしながら、振動子の動作周波数が制限される場合がある。例えば、切断距離は例えばフローセルなどの構造体機械的共振によって影響されるために、切断距離が最短となる最適周波数で振動子を動作させることができない場合がある。

0011

本技術は、新たな液滴生成技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、特定の構成を有する液滴生成部により、上記の課題を解決できることを見出した。

0013

すなわち、本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を提供する。
本技術の一つの実施態様において、前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されうる。
本技術の一つの実施態様において、前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって生じる、前記電極と前記柱状の液体との間のクーロン力によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されうる。
本技術の一つの実施態様において、前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成し、当該くびれが形成された部分で前記柱状の液体が千切れて液滴が形成されるように構成されうる。
本技術の一つの実施態様において、前記電極が前記柱状の液体と接触しないように、前記電極及び前記オリフィスが配置されうる。
本技術の一つの実施態様において、前記電極が前記柱状の液体の側方に位置するように、前記電極及び前記オリフィスが配置されうる。
本技術の一つの実施態様において、前記電極が前記柱状の液体の周囲の一部又は全部を囲むように、前記電極及び前記オリフィスが配置されうる。
本技術の一つの実施態様において、前記オリフィスが、円柱状の液体を排出するものでありうる。
本技術の一つの実施態様において、前記装置は、前記液滴生成部により生成された液滴を荷電する液滴荷電部をさらに備えていてよい。
本技術の一つの実施態様において、前記装置は、前記液滴荷電部により荷電された液滴の進行方向を制御する進行方向制御部をさらに備えていてよい。
本技術の一つの実施態様において、前記液滴荷電部が、前記電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷をキャンセルする波形を有する電圧によって、前記液滴を荷電するものでありうる。
本技術の一つの実施態様において、前記装置は、前記電極と前記柱状の液体との間の放電を検出する放電検出部をさらに含みうる。
本技術の一つの実施態様において、前記オリフィス及び前記電極が1つのチップ内に設けられていてよい。
本技術の一つの実施態様において、前記装置は、微小粒子分取装置でありうる。

0014

また、本技術は、オリフィスから排出された柱状の液体と当該オリフィスの近傍に設けられた電極との間に周期的な電圧を印加することにより液滴を生成する液滴生成工程を含む方法も提供する。

0015

また、本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を含む微小粒子分取システムも提供する。

発明の効果

0016

本技術により、新たな液滴生成技術が提供される。また、本技術では、振動によらずに液滴が生成されるので、従来技術である振動子による液滴生成技術が有する動作周波数の制限に関する問題は生じない。なお、本技術により奏される効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。

図面の簡単な説明

0017

オリフィスから噴射された柱状液体から液滴が形成されることを示す図である。
液滴荷電方式のセルソータの模式図である。
柱状の液体と電極との間に電圧を印加することで液滴が形成されることを示す図である。
本技術に従う粒子分取装置の模式図である。
印加される交流電圧の例及び当該交流電圧によって生じたくびれの発生量の例を示す図である。
印加される脈流電圧の例及び当該脈流電圧によって生じたくびれの発生量の例を示す図である。
図4に示された装置のうち液滴生成部及び液滴荷電部の模式図並びにこれら構成要素の等価回路図である。
くびれ生成用信号の波形及びノード1の電圧波形の例を示す図である。
不要電荷をキャンセルするための信号を重畳しない場合及び不要電荷をキャンセルするための信号を重畳した場合の電圧波形例を示す図である。
液滴軌跡観察部の一例を示す模式図である。
図4に示された装置のうち液滴生成部及び液滴荷電部並びに放電検出部の模式図、並びに、これら構成要素の等価回路図である。
チップの一例の模式図である。
チップのスカート部の拡大図である。
円筒電極が埋め込まれたスカート部を示す図である。
スカート部及び円筒電極の寸法の具体例を示す図である。
チップの製造方法を示す図である。
スカート部の金属蒸着仕方及び金属蒸着後のスカート部を示す図である。
本技術に従う粒子分取方法のフロー図である。
不要電荷キャンセル信号最適化工程の一例のフロー図である。
くびれ生成用信号最適化工程の一例のフロー図である。
電極と柱状液体との間に放電が起こった場合の電圧の波形例を示す図である。
切断距離の測定結果及び生成された液滴のストロボ画像を示す図である。
切断距離の測定結果及び生成された液滴のストロボ画像を示す図である。
本技術に従う粒子分取装置のブロック図である。

実施例

0018

以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(装置)
(1)第1の実施形態の説明
(2)第1の実施形態の第1の例(装置)
(3)第1の実施形態の第2の例(印加される電圧の例)
(4)第1の実施形態の第3の例(不要電荷キャンセル信号)
(5)第1の実施形態の第4の例(放電検出部)
(6)第1の実施形態の第5の例(チップ内電極)
2.第2の実施形態(方法)
(1)第2の実施形態の説明
(2)第2の実施形態の第1の例(方法)
(3)第2の実施形態の第2の例(不要電荷キャンセル信号最適化工程)
(4)第2の実施形態の第3の例(くびれ生成用信号最適化工程)
3.第3の実施形態(微小粒子分取システム)
(1)第3の実施形態の説明
(2)第3の実施形態の例(微小粒子分取システム)
4.実施例
(1)実施例1
(2)実施例2

0019

1.第1の実施形態(装置)

0020

(1)第1の実施形態の説明

0021

本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極(以下、当該電極を「液滴生成用電極」ともいう)と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部(以下、当該電圧印加部を「液滴生成用電圧印加部」ともいう)とを備えている液滴生成部を備えている装置を提供する。本技術において、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加することにより、当該電極と当該液柱の表面との間にクーロン力が生じる。当該クーロン力によって当該液柱に周期的なくびれが生じ、当該くびれに従い液滴が生成される。
すなわち、本技術において、前記液滴生成部は、電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されうる。より特には、本技術において、前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって生じる、前記電極と前記柱状の液体との間のクーロン力によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されうる。さらにより特には、本技術において、前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成し、当該くびれが形成された部分で前記柱状の液体が千切れて液滴が形成されるように構成されうる。
このように液滴を生成する場合、従来の振動子を用いた液滴生成技術が有する動作周波数の制限に関する問題が生じない。

0022

また、本技術において、前記クーロン力は、電極と液柱表面との間の距離及びそれらの間に印加される電圧により決まる。そのため、当該クーロン力の制御は容易であり、液滴生成の制御も容易である。さらに、本技術は、生成されるくびれ量(すなわち、柱状液体の径の拡大の程度)及び切断距離の周波数特性が安定するという利点も有する。

0023

本技術に従う液滴生成のメカニズムを、図3を参照して以下でより詳細に説明する。

0024

図3は、柱状の液体と電極との間に周期的な電圧が印加された状況を示す図である。図3において、円筒状の電極300の内部を柱状液体301が通過している。電極300は交流電源302に接続されている。交流電源302により電圧を印加することで、電極300と柱状液体301の表面との間には、キャパシタが形成される。当該キャパシタは、電極形状、液柱径、及びそれらの相対的位置関係に依存して決まる容量を有する。当該キャパシタの形成によって、誘導電荷が電極300の表面及び柱状液体301の表面に誘起される。これらの誘導電荷は互いに逆極性であるので、電極300の表面と柱状液体301の表面との間にはクーロン引力が働く。図3において、矢印303が、クーロン引力が作用していることを示す。ここで、上記のとおり、印加される電圧は交流電源302によるものであり、すなわち交流電圧である。交流電圧の印加によって、電極300の表面と柱状液体301の表面との間に働くクーロン引力は周期的に変動する。例えば、交流電圧の印加によって、電極300の表面と柱状液体301の表面との間にはクーロン引力が働くことで柱状液体301が電極300に向かって引っ張られて、当該柱状液体の直径が増す場合と、クーロン引力が働かない場合とが繰り返される。後者の場合は、前者の場合と比べて、柱状液体301の直径が減少する。その結果、柱状液体301にくびれが形成される。図3において、矢印304が、くびれが形成されている部分を示す。このように形成されたくびれに応じて、液滴305が形成される。

0025

本技術において、オリフィスから柱状の液体が排出される。当該オリフィスは、柱状の液体を排出可能なものであり、オリフィスの形状は例えば円形である。本技術において、円形には略円形包含される。オリフィスの形状が円形である場合、当該オリフィスの直径は例えば10μm〜1000μm、好ましくは20μm〜500μm、より好ましくは30μm〜300μm、さらにより好ましくは50μm〜150μmでありうる。本技術において、オリフィスの直径とは内径であり、すなわち液体が排出される円形部分の直径である。

0026

本技術において、オリフィスは、例えばノズルに設けられた液体排出のための開口でありうる。当該ノズルとして、当業者既知のものが用いられてよく、例えばフローサイトメータにおいて用いられる公知のノズルが用いられうる。

0027

本技術において、オリフィス近傍に電極が設けられる。当該電極は、オリフィスから排出された柱状液体との間にクーロン力が生じることを可能にするように設けられる。柱状液体は、上記のとおり力学的に不安定であるので、自発的に液滴が形成される。本技術において、当該電極は、柱状液体が自発的に液滴を形成する位置よりも、よりオリフィスに近い位置に配置されうる。すなわち、当該電極は、オリフィスと、柱状液体が自発的に液滴を形成する位置との間に設けられうる。
また、本技術において、柱状液体が当該電極から離れるにつれて、くびれが徐々に大きくなり、そして、くびれ部分で柱状液体が千切れて液滴が生成される。すなわち、当該電極は、オリフィスと、柱状液体が千切れて液滴が形成される位置との間に設けられうる。

0028

本技術において、好ましくは、前記電極が前記柱状の液体と接触しないように、前記電極及び前記オリフィスが配置されうる。例えば、前記電極が前記柱状の液体の側方に位置するように、前記電極及び前記オリフィスが配置されうる。この配置によって、より望ましい液滴生成が行われうる。電極と柱状液体との間の距離は、所望のクーロン力に応じて当業者により適宜決定されうる。電極と柱状液体との間の距離は、例えば10μm〜500μm、好ましくは20μm〜300μm、好ましくは30μm〜200μm、より好ましくは30μm〜100μmでありうる。

0029

本技術において、前記電極が前記柱状の液体の周囲の一部又は全部を囲むように、前記電極及び前記オリフィスが構成されうる。
前記電極が前記柱状の液体の周囲の一部を囲む実施態様において、例えば、向かい合う2つの電極が前記柱状液体を挟むように、当該2つの電極及び前記オリフィスが配置されうる。他の実施態様において、例えば1つの電極だけが、前記柱状液体の側方に位置するように、当該1つの電極及び前記オリフィスが配置されうる。このような構成によって、くびれを形成しつつ、且つ、液柱の進行方向に対して垂直な方向から前記柱状液体を観察することができる。
前記電極が前記柱状液体の周囲の全部を囲む実施態様において、上記で図3を参照して説明したように、柱状液体が円筒電極の内部を通過するように、前記電極及び前記オリフィスが構成されうる。前記電極が前記柱状の液体の周囲の全部を囲む実施態様において、電極の形状は円筒形に限られず、例えば四角形五角形、又は六角形などの多角形であってもよい。
前記電極が円筒形である場合、円筒の内径は例えば50μm〜2000μm、好ましくは70μm〜1500μm、より好ましくは100μm〜1000μmでありうる。
前記電極の液柱の進行方向の長さは、例えば10μm〜1000μm、好ましくは20μm〜700μm、より好ましくは50μm〜500μmでありうる。

0030

本技術において、前記オリフィスは、円柱状の液体を排出するものでありうる。オリフィスから排出される柱状の液体が円柱状であることは、より効率的な液滴生成に寄与しうる。オリフィスは、円柱状の液体を排出するために、例えば円形でありうる。

0031

本技術の装置は、前記液滴生成部により生成された液滴を荷電する液滴荷電部をさらに備えていてよい。液滴荷電部は、例えば、液滴が柱状液体から千切れる位置の近傍に設けられた液滴荷電用電極及び当該電極に接続された電圧印加部を含みうる。
本技術において、液滴生成用電極が、柱状液体にくびれを生成するように柱状液体の近傍に設けられ、且つ、液滴荷電用電極が、柱状液体から液滴が千切れる位置の近傍に設けられうる。すなわち、本技術において、オリフィス、液滴生成用電極、及び、液滴荷電用電極が、柱状液体の進行方向に沿って、この順で配置されうる。

0032

本技術の装置は、前記液滴荷電部により荷電された液滴の進行方向を制御する進行方向制御部をさらに備えていてよい。当該進行方向制御部によって、液滴荷電部により付与された電荷に応じた液滴の分取が可能となる。当該進行方向制御部として、当業者に既知の構成が採用されうる。例えば、フローサイトメータにおいて用いられる偏向電極板及び当該偏向電極板に接続された電圧印加部が本技術において進行方向制御部として用いられうる。

0033

本技術の一つの実施態様において、前記液滴荷電部は、液滴生成用電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷をキャンセルする波形を有する電圧によって、前記液滴を荷電するものでありうる。
前記液滴生成用電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷は、偏向電極板による液滴の進行方向の制御に悪影響を及ぼしうる。例えば、前記液滴生成用電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷によって、意図された進行方向とは異なる進行方向に液滴が進み、所定のコレクションチューブ内に液滴が入らない場合がありうる。本技術において、液滴荷電部が、前記キャンセルする波形を有する電圧によって液滴を荷電することによって、より精度よく進行方向を制御することが可能となる。

0034

本技術の一つの実施態様において、本技術の装置は、前記電極と前記柱状の液体との間の放電を検出する放電検出部をさらに含みうる。前記電極と前記柱状の液体との間に放電が起こると、クーロン引力が低下し、くびれ量が減少する。そのため、安定した液滴生成に支障をきたしうる。例えば切断距離が不安定になりうる。本技術の装置に放電検出部を設けることで、放電を検出し、そして、放電が発生しないように電圧振幅を調整することができる。

0035

本技術の一つの実施態様において、前記オリフィス及び前記電極が1つのチップ内に設けられていてよい。この実施態様において、前記オリフィス及び前記電極の相対的な位置関係が固定されるので、液滴生成をより精度良く制御することができる。また、より安定した液滴生成が可能となる。

0036

本技術の装置は、液滴生成が必要とされる種々の用途に適用されうる。本技術の装置は、微小粒子分取において用いられうる。すなわち、本技術の装置は、微小粒子分取装置でありうる。例えば、本技術の装置によって、フローサイトメトリーにおけるセルソーティングが行われうる。
本技術において、微小粒子とは、細胞、微生物、生体由来固形成分、及びリポソームなどの生物学的微小粒子、並びに、ラテックス粒子ゲル粒子、及び工業用粒子などの合成粒子などを挙げることができるがこれらに限定されない。前記細胞には、動物細胞および植物細胞が含まれうる。前記微生物には、大腸菌などの細菌類イースト菌などの菌類などが含まれうる。前記生体由来固形成分として、例えば、生体中で生成される固形物又は結晶類を挙げることができる。前記合成粒子は、例えば有機若しくは無機高分子材料又は金属などからなる粒子でありうる。有機高分子材料には、ポリスチレンスチレンジビニルベンゼン、及びポリメチルメタクリレートなどが含まれうる。無機高分子材料には、ガラスシリカ、及び磁性体材料などが含まれうる。金属には、金コロイド及びアルミなどが含まれうる。
また、本技術の装置は、微小粒子分取だけでなく、例えばインクジェットプリンタ及び微粒子材料の製造などにおいて用いられうる。すなわち、本技術は、前記液滴生成部を備えているインクジェットプリンタ又は微粒子材料製造装置も提供する。
本技術の装置は、当業者に既知の方法によって適宜製造されうる。装置を製造する為に用いられる部品として、当技術分野で既知のものが用いられうる。

0037

また、本技術の装置は、必要に応じて、例えば制御部、入力部、出力部、及び記憶部などの他の構成を備えていてよい。

0038

制御部は例えば、液滴生成部による液滴生成、液滴荷電部による液滴荷電、及び進行方向制御部による液滴の進行方向の変更を制御しうる。
制御部は例えば、液滴生成用電圧印加部の電圧を制御することにより液滴生成の制御を行いうる。制御部は例えば、当該電圧の振幅、周波数及び波形などを制御しうる。
制御部は例えば、液滴荷電のための電圧印加部の電圧を制御することにより、液滴荷電の制御を行いうる。特には、制御部は、柱状液体に含まれる粒子の特性(例えば粒子が発する蛍光及び/又は散乱光など)に応じて、液滴荷電のための電圧印加部の電圧を制御しうる。
制御部は例えば、進行方向制御のための電圧を印加する電圧印加部を制御することにより、液滴の進行方向の変更の制御を行いうる。
制御部は例えば、オリフィスに向かって流れる液体の流速を制御することによって、オリフィスからの液体の排出を制御しうる。当該液体の排出の制御は、例えば、液体の排出のためのポンプを制御することにより行われうる。

0039

入力部は例えば、液滴生成、液滴荷電、及び液滴進行方向制御において用いられる電圧に関するパラメータなどを入力するために用いられうる。

0040

出力部は、液滴生成の状況(例えば生成された液滴の画像など)、液滴進行方向制御の状況(例えば液滴の軌跡など)、又は、粒子分取の結果(例えば分取された粒子の数など)を出力しうる。

0041

記憶部は例えば、上記電圧に関するパラメータ、生成された液滴の数、生成された液滴中の粒子の特性、及び粒子分取の結果を記憶しうる。

0042

(2)第1の実施形態の第1の例(装置)

0043

以下で、本技術の装置を、図4を参照しながら説明する。図4は、本技術の装置の一例である微小粒子分取装置の模式図である。

0044

図4において、微小粒子分取装置400に、円筒電極450が備えられている。円筒電極450は液滴生成用電圧印加部451と接続されている。液滴生成用電圧印加部451は交流電源でありうる。円筒電極450は、フローセル414のオリフィス403の近傍に設けられている。円筒電極450は、フローセル414のオリフィス403から噴射される柱状液体が円筒電極450の中を通るように且つ当該柱状液体が円筒電極450と接触しないように構成されている。例えば、柱状液体の直径が70μmの場合、円筒電極450の内径は170μmでありうる。

0045

フローセル414のオリフィス403から噴射された柱状液体は、レーザスポット405を通過後、円筒電極450に接触しないように、円筒電極450の中を通る。円筒電極450に接続された液滴生成用電圧印加部451によって、周期的な電圧が、円筒電極450と円筒電極450の中を通る柱状液体との間に印加される。当該電圧の印加によって、円筒電極450と円筒電極450の中を通る柱状液体との間にクーロン力が生じ、その結果柱状液体の径が周期的に変化し、くびれが形成される。そして、当該くびれに応じた液滴が形成される。

0046

以上のとおり、微小粒子分取装置400は、オリフィス403、円筒電極450、及び液滴生成用電圧印加部451から構成される液滴生成部を備えている。
図2に示されたセルソータでは圧電素子211によってフローセル214を振動させることで、柱状液体にくびれを形成して液滴生成を行っていたが、微小粒子分取装置400では、フローセル414が振動されずに上記液滴生成部により液滴生成が行われる。

0047

以下で、微小粒子分取装置400の液滴生成部以外の構成について説明する。

0048

微小粒子分取装置400は、フローセル414を備えている。フローセル414内において、サンプルライン401から供給された細胞懸濁液が、シースライン402から供給されたシース液で包まれて、細胞懸濁液がシース液に囲まれた層流が形成される。当該層流は、オリフィス403から噴射される。シース液は、シースライン用電極409と電気的に接続されており、その電位はGNDに落とされている。
また、液滴荷電用電極板410が、柱状液体から液滴が千切れる位置の近傍に設けられている。液滴荷電用電極板410は、液滴荷電信号を与えるための電圧印加部415に接続されている。
図2に示したセルソータ200では、シース液に導電性端子が電気的に接触され、当該導電性端子に接続された電圧印加部によって液滴荷電信号が付与されるが、図4の微小粒子分取装置400では、シース液の電位はGNDに落とされている。また、図2に示したセルソータ200では、柱状液体から液滴が千切れる位置の近傍にGND電極板210が設けられていたが、図4の微小粒子分取装置400では、柱状液体から液滴が千切れる位置の近傍に液滴荷電用電極板410が設けられており、当該電極板410により液滴荷電信号が与えられる。図4の微小粒子分取装置においてこのような位置に液滴荷電用電極を設けることで、円筒電極450と柱状液体との間のクーロン力が、液滴荷電信号により影響を受けない。その結果、液滴生成がより精度よく制御される。
すなわち、本技術の微小粒子分取装置において、液滴を荷電する液滴荷電用電極板は、柱状液体から液滴が千切れる位置の近傍に設けられうる。そのため、本技術の微小粒子分取装置において、オリフィスと液滴荷電用電極板との間に、液滴生成部の電極が設けられうる。

0049

図4における光学検出系406、光電変換素子407、及び電気処理システム408は、図2において示された光学検出系206、光電変換素子207、及び電気処理システム208と同じであってよい。また、図4における偏向電極板412及びコレクションチューブ413も、図2において示された偏向電極板212及びコレクションチューブ213と同じであってよい。すなわち、本技術において、散乱光及び蛍光に基づく粒子を分取するか廃棄するかの判断、及び、分取されるべき粒子の進行方向の制御及び分取は、図2について説明されたとおりに行われてよい。

0050

また、本技術の微小粒子分取装置は、必要に応じて、上記で説明した制御部、入力部、出力部、及び記憶部を備えうる。

0051

本技術の微小粒子分取装置の一例のブロック図を図24に示す。

0052

図24において、微小粒子分取装置500は、液滴生成部501、粒子判定部502、液滴荷電部503、進行方向制御部504、粒子回収部505、及び制御部506を備えている。

0053

液滴生成部501は、図4を参照して説明したオリフィス403、円筒電極450、及び液滴生成用電圧印加部451を含む。液滴生成部501により、液滴が生成される。当該電圧印加部451により印加される電圧は、制御部506によって制御されうる。また、液滴生成部501のオリフィス403から排出される液体の流速が、制御部506によって制御されうる。

0054

粒子判定部502は、図4を参照して説明した光学検出系406、光電変換素子407、及び電気処理システム408を含む。オリフィス403から排出された液滴に含まれる粒子の特性を判定する。判定された特性に関するデータは、例えば制御部506に送られる。制御部506は、当該データに基づいて液滴荷電部503を制御し、当該粒子を含む液滴に所定の電荷を付与する。

0055

液滴荷電部503は、図4を参照して説明した液滴荷電用電極板410及びこれに接続された電圧印加部415を含む。電圧印加部415により印加される電圧は、制御部506によって制御されうる。液滴荷電部503は、電圧印加部415による電圧の印加により、粒子を含む液滴に電極板410から所定の電荷を付与する。

0056

進行方向制御部504は、図4を参照して説明した偏向電極板412及びこれに接続された電圧印加部を含む。当該電圧印加部により印加される電圧は、制御部506によって制御されうる。進行方向制御部504によって、荷電された液滴の進行方向が制御される。

0057

粒子回収部505は、図4を参照して説明したコレクションチューブ413を含む。コレクションチューブは複数設けられてよく、液滴荷電部503によって与えられた電荷及び/又は進行方向制御部504による液滴の進行方向の制御によって、液滴が複数のコレクションチューブに分取される。また、コレクションチューブ413の位置が、液滴がコレクションチューブ413内に入るように、制御部506によって制御されうる。

0058

制御部506は、液滴生成部501による液滴生成、液滴荷電部503による液滴荷電、及び進行方向制御部504による液滴の進行方向の変更を制御する。また、制御部506は、粒子判定部502により判定された粒子の特定に関するデータに基づき、当該液滴荷電及び当該進行方向の制御を行う。また、制御部506は、粒子回収部505のコレクションチューブの位置の制御を行う。

0059

(3)第1の実施形態の第2の例(印加される電圧の例)

0060

本技術において液滴生成用電圧印加部により印加される電圧は、柱状の液体にくびれを形成できるものでありうる。当該電圧の種類は当業者により適宜選択されうる。電圧の波形は、例えば正弦波、矩形波三角波、若しくは鋸歯状波でありうる。電圧は、交流電圧又は脈流電圧でありうる。
液滴生成用電圧印加部により印加される電圧の振幅及び周波数は、例えば生成されるべき液滴及び誘起されるべき電荷などによって当業者により適宜選択されうる。当該電圧の振幅は、例えば1V〜5,000V、好ましくは10V〜3,000V、より好ましくは50V〜1,000Vでありうる。当該電圧の周波数は、例えば1kHz〜1,000kHz、好ましくは5kHz〜500kHz、より好ましくは10kHz〜200kHz、さらにより好ましくは20kHz〜100kHzでありうる。

0061

図5に、印加される交流電圧の波形の例及び当該交流電圧によって生じたくびれ量の例を示す。図5の上のグラフに示されるとおりの正弦波形の交流電圧が印加された場合、柱状液体は当該正弦波の1周期の間に2回電極に引きつけられる。そのため、発生するくびれの周波数は、図5の下のグラフに示されるとおり、当該交流電圧の周波数の倍になる。図5の下のグラフにおいて、縦軸任意単位であり、柱状液体の表面が液滴生成用電極に最も近づいたときの柱状液体の直径を1とし、最も離れたときの柱状液体の直径を0としている。

0062

印加される電圧が脈流電圧である場合、例えば常に電圧が正又は負であり且つ電圧値が周期的に変動する場合、交流電圧の場合と異なり、電圧の1周期の間に、柱状液体は1回電極に引きつけられる。図6に、印加される脈流電圧の例及び当該脈流電圧によって生じたくびれ量の例を示す。図6の上のグラフに示されるとおりの脈流電圧が印加された場合、柱状液体は1周期の間に1回電極に引きつけられる。そのため、発生するくびれの周波数は、図6の下のグラフに示されるとおり、当該脈流電圧の周波数と等しくなる。

0063

(4)第1の実施形態の第3の例(不要電荷キャンセル信号)

0064

上記「(1)第1の実施形態の説明」において述べたとおり、本技術の装置は、前記液滴生成部により生成された液滴を荷電する液滴荷電部をさらに備えうる。当該液滴荷電部は、好ましくは、液滴生成用電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷(「(4)第1の実施形態の第3の例(不要電荷キャンセル信号)」において、「不要電荷」ともいう)をキャンセルする波形を有する電圧によって、前記液滴を荷電しうる。当該キャンセルする波形を有する電圧によって液滴を荷電することで、荷電された液滴の進行方向をより正確に制御することができる。
以下で、図7を参照しながら、この実施態様に関してより詳細に説明する。

0065

図7の左図は、図4に示された装置のうちフローセル414、円筒電極450、及び液滴荷電用電極板410を示す模式図である。図7の右図は、図7の左図の等価回路を示す。

0066

一般的に用いられるシース液の導電性は高くないので、フローセル414内の流路の電気抵抗、及び、噴射された柱状液体の電気抵抗は無視できない。そのため、当該等価回路において、図4に示されたシースライン用電極409の接地端子から円筒電極450までの抵抗をR0、円筒電極450から液滴が千切れる柱状液体の先端までの抵抗をR1とする。また、当該等価回路において、液滴生成用電圧印加部451により印加される電圧(「(4)第1の実施形態の第3の例(不要電荷キャンセル信号)」において、「くびれ生成用信号」ともいう)をVaと表し、且つ、液滴荷電用電極板410に接続された電圧印加部415により印加される電圧をVbと表す。

0067

例えば、柱状液体の直径=100μm、円筒電極450の内径=170μm、円筒電極450の長さ=300μmの場合、C0は約30fF程度である。柱状液体の先端と液滴荷電用電極板410との間の容量C1は約3fF程度である。フローセルのオリフィス403から円筒電極までの距離が約1mmであり且つ切断距離が約10mmである場合、R0は約0.5MΩであり、及び、R1は約3MΩ程度である。この時、円筒電極450付近のノード0の電圧及び柱状液体の先端のノード1の電圧は、Vb=0の場合(すなわち液滴荷電信号を付与しない場合)、以下の式で表される。

0068

0069

上記数式において、くびれ生成用信号Vaの角周波数をωとしたときに、角周波数と抵抗R0及びR1との関係は以下のとおりに仮定される。

0070

0071

ここで、fはくびれ生成用信号の周波数である。従ってくびれ生成用信号によって液滴に重畳される不要電荷は以下の式で表される。

0072

0073

この時のくびれ生成用信号の波形及びノード1の電圧波形の例を図8の上及び下にそれぞれ示す。図8に示されるとおり、ノード1の電圧波形の位相は、くびれ生成用信号の波形の位相より約90°進んでいる。

0074

例えばf=25kHz及びVa=500Vの場合、上記式より、液滴荷電信号を付与しない場合の不要電荷はおよそ3.5fFである。
一方、液滴荷電信号の振幅を例えばVb=50Vとした場合、液滴に付与される電荷は150fFである。そのため、不要電荷の占める割合は3.5/150=2.3%程度である。

0075

前記不要電荷を液滴が有することで、液滴の進行方向を偏向電極板412の作る電場により曲げる際に、液滴の軌道がばらつき、正しくコレクションチューブに入らなくなる不具合が発生しうる。
そこで、本技術において、不要電荷をキャンセルするために、液滴荷電信号に、不要電荷をキャンセルするための信号、例えばノード1に発生する電圧波形と同一振幅且つ同一位相の波形など、が重畳されうる。図9に、不要電荷をキャンセルするための信号を重畳しない場合(図9上)、及び、不要電荷をキャンセルするための信号を重畳した場合(図9下)の電圧波形例を示す。

0076

前記液滴荷電部が、図9下に示されるような波形を有する電圧により液滴を荷電することで、不要電荷がキャンセルされる。これにより、荷電された液滴の進行方向をより正確に制御することができる。また、液滴がコレクションチューブ413に入らないという不具合の発生を防ぐことも可能となる。

0077

また、本技術の一つの実施態様において、本技術の装置は、例えば液滴軌跡観察部をさらに備えていてよい。液滴軌跡観察部は、不要電荷のキャンセルに最適な波形の決定に役立つ。例えば、液滴の軌跡を観察しながら、前記液滴荷電部により印加される電圧(例えば、電圧の振幅、位相、及び/又は波形など)を調節することで、不要電荷をキャンセルするために最適な電圧が決定されうる。
以下で、図10を参照しながら、液滴軌跡観察部に関してより詳細に説明する。

0078

図10は、液滴軌跡観察部の一例を示す模式図である。図10に示されるとおり、液滴軌跡観察部は、例えば液滴の軌跡を観察するためのカメラ1001、及び、液滴が通過する部分にレーザビーム1002を当てるレーザ照射装置(図示せず)を備えうる。

0079

レーザビーム1002が照射されている領域を液滴が通過する。当該液滴の通過が、カメラ1001により撮影され、撮影により得られた画像データに基づき液滴の通過位置に関するデータが例えば制御部により取得される。当該通過位置に関するデータは、例えば液滴の通過した軌跡の幅でありうる。当該通過位置に関するデータに基づき、不要電荷をキャンセルするための電圧が調整されうる。
また、このような液滴軌跡観察部を設けることで、以下「2.第2の実施形態(方法)」において説明する不要電荷キャンセル信号最適化工程がより効率的に行われうる。

0080

(5)第1の実施形態の第4の例(放電検出部)

0081

本技術の装置は、前記電極と前記柱状の液体との間の放電を検出する放電検出部をさらに含みうる。放電検出部を本技術の装置に備えることによる利点の一つは、以下のとおりである。
すなわち、安定した液滴生成のために、特には安定した粒子分取のために、切断距離は所定の値以下にあることが望ましい。切断距離を短くするためには、液滴生成用電圧印加部により印加される電圧の振幅を高くする必要がある。一方で、液滴生成用電圧印加部により印加される電圧の振幅が高すぎる場合、液滴生成部の電極と柱状液体との間に放電が起こりやすくなる。当該放電によって、電極表面と柱状液体に蓄えられていた誘導電荷が失われ、クーロン引力が低下し、発生するくびれ量が減少する。そのため、切断距離が一時的に不安定になる。
前記放電検出部によって放電を検出することで、放電が起きないように、液滴生成用電圧印加部により印加される周期的な電圧を調整することができる。また、前記放電検出部を用いた電圧の調整によって、より高い振幅を選択することができる。また、前記放電検出部によって、放電が検出されることで、液滴生成を放電直後に停止することもできる。これにより、無駄な液滴生成を防ぐこともできる。
以下で、図11を参照しながら、この実施態様に関してより詳細に説明する。

0082

図11の左上図は、図4に示された装置のうちのフローセル414、円筒電極450、及び液滴荷電用電極板410、並びに、放電検出部1101の構成の一例の模式図である。図11の右上図は、当該例の等価回路図である。図11下図は、放電検出部1101のより詳細な等価回路図である。
図11の左上に示されるとおり、放電検出部1101は、例えばシース液と電気的に接続するように設けられる。これにより、放電が検出可能である。また、放電検出部1101は、放電検出用電圧モニタ1102及び放電検出用抵抗1103を含みうる。円筒電極450と柱状液体との間で放電が起きると、図11の右上に示される放電時の短絡回路SWが短絡したと考えられる。当該短絡の結果、ノード2における電圧が大きく変動する。当該変動を、放電検出用電圧モニタ1102によって検出する。検出結果は、例えば図11の下に示されるとおりコンパレータ1104によって、制御部(図示せず)に通知される。制御部は当該検出結果に基づき、例えば、放電が起きないように電圧印加部により印加される柱状液体とオリフィス近傍電極との間の周期的な電圧を調整し、又は、液滴生成を停止しうる。当該調整は、例えば、以下2.の「(4)第2の実施形態の第3の例(くびれ生成用信号最適化工程)」において説明するくびれ生成用信号最適化工程において行われうる。

0083

放電が起こった場合のノード2における電圧の波形例を図21に示す。当該波形は、オシロスコープにより測定されたものである。この波形例は、直径70μmのオリフィスからシース流量4.5mL/分でシース液を噴射し、且つ、振幅240V、オフセット電圧240V、及び周波数50kHzの電圧を液滴生成部の電圧印加部により印加した際に起こった放電を示す波形である。図21に示されるとおり、時刻約1192μsから1432μsの間で放電によるパルス電圧観測されている。本技術において、放電検出部により、このような放電が観測されうる。

0084

以上のとおり、放電検出部1101によって、柱状液体とオリフィス近傍電極との間の周期的な電圧の最適化及び/又は放電直後の液滴生成の停止が可能となる。

0085

(6)第1の実施形態の第5の例(チップ内電極)

0086

本技術の一つの実施態様において、本技術の装置は、柱状の液体を排出するオリフィスと当該オリフィスの近傍に設けられた電極とが1つのチップ内に設けられていてよい。
当該オリフィスと当該電極とを1つのチップ内に設けることで、当該オリフィス及び当該電極の相対的な位置関係が固定される。そのため、液滴生成をより精度よく制御することができる。また、液滴生成の堅牢性を高めることもできる。
以下で、図12〜17を参照しながら、この実施態様に関してより詳細に説明する。

0087

図12は、チップの一例を示す模式図である。図12に示されたチップ1200は、シース液流路1201及びサンプル液流路1202を有する。シース液流路1201は、シース液導入孔1203から導入されるシース液を通流させる。サンプル液流路1202は、サンプル液導入孔1204から導入されるサンプル液を通流させる。シース液及びサンプル液は、シース形成部1205において、サンプル液がシース液に囲まれた層流を形成する。当該層流は縮流部1206を通って、オリフィス1207に向かって流れる。オリフィス1207は、スカート部1208内に設けられている。チップのサイズは例えば75×25×2mmなどでありうる。
スカート部1208の拡大図を図13に示す。スカート部1208内にオリフィス1207を設けることで、シース液を止めた時に液がチップの側面を伝って表面および裏面に回り込むことが防止される。

0088

上記実施態様において、図14に示されるとおり、例えば、スカート部1208内に円筒電極1450が埋め込まれる。円筒電極1450とスカート部1208の最奥部1451との間の距離は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、さらにより好ましくは0.4mm以上でありうる。このように、液滴生成用電極をスカート部の最奥部から離れた位置に設けることで、オリフィスと液滴生成用電極との間の絶縁沿面距離を確保でき、液滴生成用電極とシース液との間にリーク電流が流れることを防ぐことができる。

0089

スカート部及び円筒電極の寸法の具体例を図15に示す。図15において、スカート部1508内に、円筒電極1550が埋め込まれている。スカート部1508は直径1mm且つ高さ2.5mmの円筒形の空間を規定する。スカート部1508の最奥部1551の中心にオリフィス1207が設けられている。スカート部1508の最奥部1551から0.5mm離れた位置に、円筒電極1550が設けられている。円筒電極1550は、直径1mm且つ厚み0.15mm且つ高さ0.3mmの円筒である。このように円筒電極及びオリフィスを設けることで、両者の相対的な位置を固定し、液滴生成をより精度よく制御することができる。

0090

本技術において、チップに設けられるスカート部の形状は、円筒状に限られず、例えば角筒状であってもよい。また、チップに設けられる電極の形状は、円筒形に限られず、角筒形であってもよい。また、当該電極の形状は、例えば上記1.の「(1)第1の実施形態の説明」において述べたとおり、当該電極が、オリフィスから排出される柱状液体の周囲の一部又は全部を囲むように構成されうる。

0091

前記チップは、当業者に既知の方法によって適宜製造されうる。例えば、図16に示されるとおり、スカート部及び所定の流路が予め形成された2枚の板(チップカバー1601及びチップベース1602)を張り合わせるときに、スカート部内に電極、例えば円筒電極1603など、を配置することによって、前記チップは製造されうる。

0092

また、前記チップのスカート部内の電極をチップ外部と電気的に接触させるためには、例えば図17に示されるとおり、電極がスカート部内に組み込まれたチップを複数枚重ねた後に、スパッタ等により金属蒸着が行われうる。図17上に示されるとおり、点線矢印の方向から金属蒸着が行われうる。これにより、スカート部内の電極と外部とが、電気的に接触されうる。当該金属蒸着によって、図17下に示されるとおり、蒸着電極1701が形成されうる。

0093

2.第2の実施形態(方法)

0094

(1)第2の実施形態の説明

0095

本技術は、オリフィスから排出された柱状の液体と当該オリフィスの近傍に設けられた電極との間に周期的な電圧を印加することにより液滴を生成する液滴生成工程を含む方法も提供する。本技術の方法では、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加することにより、当該電極と当該液柱の表面との間にクーロン力が生じる。当該クーロン力によって当該液柱に周期的なくびれが生じ、当該くびれに従い液滴が生成される。

0096

本技術の方法は、例えば、上記「1.第1の実施形態(装置)」において述べた装置を用いて行われうる。当該装置を用いて本技術の方法を行うことで、上記「1.第1の実施形態(装置)」において述べた効果の少なくとも一つが奏される。

0097

本技術の方法は、例えばフローサイトメトリーなどの粒子分取方法でありうる。すなわち、本技術は、前記液滴生成工程を含む粒子分取方法を提供する。当該粒子分取方法は例えば、前記液滴生成工程に加えて、当該液滴生成工程の前若しくは後又は当該工程と同時に行われる粒子判定工程、当該液滴生成工程の前若しくは後又は当該工程と同時に行われる液滴荷電工程、及び、当該液滴生成工程の後に行われる液滴回収工程をさらに含みうる。粒子分取方法の例について、以下「(2)第2の実施形態の第1の例(方法)」においてより詳細に説明する。
また、本技術の方法は、粒子分取方法以外の方法であってもよい。例えば、本技術の方法は、インクジェットプリンタ又は微粒子材料の製造における液滴生成のために行われてもよい。

0098

(2)第2の実施形態の第1の例(方法)

0099

以下で、図18を参照しながら、本技術の方法の一例である粒子分取方法を説明する。

0100

図18は、粒子分取方法のフローを示す。当該粒子分取方法は、上記「1.第1の実施形態(装置)」において図4に示された微小粒子分取装置において行われうる。そのため、以下の説明は、図4も参照しながら行われる。
当該粒子分取方法は、粒子判定工程、液滴生成工程、液滴荷電工程、及び液滴回収工程を含む。以下、各工程を説明する。

0101

テップS101において、本技術の粒子分取が開始される。

0102

ステップS102の粒子判定工程において、フローセル414のオリフィス403から、柱状の液体が排出される。当該柱状の液体は、レーザスポット405を通過する。当該レーザスポット405を通過する柱状の液体中に粒子が含まれている場合、レーザ光が当該粒子に当たることで、蛍光及び/又は散乱光が生じる。当該蛍光及び/又は散乱光が、光学検出系406で集光され、光電変換素子407によって電気信号として検出される。検出された信号は電気処理システム408で処理され、その結果に基づいて例えば電気処理システム408又は制御部により当該粒子を分取するか廃棄するかの判断が行われる。粒子判定工程は、例えば図24を参照して説明した粒子判定部502により行われうる。

0103

ステップS103の液滴生成工程において、交流電源451によって、円筒電極450と柱状液体との間に周期的な電圧が印加される。これにより、柱状液体に当該周期的な電圧に対応するくびれが形成される。そして、柱状液体の先端で、当該くびれに応じた液滴が形成される。当該周期的な電圧は、1つの液滴が1つの粒子を含むように制御されうる。液滴生成工程は、例えば図24を参照して説明した液滴生成部501により行われうる。

0104

ステップS104の液滴荷電工程において、電圧印加部415による電圧の印加によって、液滴荷電用電極板410と柱状液体の先端との間にキャパシタが形成され、そして、当該柱状液体先端に電荷が発生する。当該電荷が、ステップS103において形成される液滴に残る。これにより、液滴が荷電される。当該液滴荷電工程において、ステップS103において交流電源451により与えられた電荷をキャンセルする波形を有する電圧が与えられてもよい。液滴荷電工程は、例えば図24を参照して説明した液滴荷電部503により行われうる。

0105

ステップS105の液滴回収工程において、偏向電極板412によって、液滴の進行方向が制御される。液滴の進行方向は、ステップS102における判断結果に応じて決定される。そして、分取されるべき粒子を含む液滴が所定のコレクションチューブ413に入る。分取されるべきでない粒子を含む液滴又は粒子を含まない液滴は、他のコレクションチューブに入る。これにより、粒子が分取される。液滴回収工程は、例えば図24を参照して説明した進行方向制御部504及び粒子回収部505により行われうる。

0106

ステップS106において、粒子分取が終了される。

0107

(3)第2の実施形態の第2の例(不要電荷キャンセル信号最適化工程)

0108

本技術の方法は、液滴生成用電圧印加部によって液滴に与えられた電荷(「(3)第2の実施形態の第2の例(不要電荷キャンセル信号最適化工程)」において、「不要電荷」ともいう)をキャンセルする波形の最適化工程を含みうる。当該最適化工程は、例えば、前記液滴生成部により生成された液滴を前記液滴荷電部により荷電しそして当該荷電された液滴の進行方向を前記進行方向制御部により制御することで液滴(又は液滴中の粒子)を分取する場合に行われうる。当該最適化工程は、例えば、上記「(2)第2の実施形態の第1の例(方法)」のステップS102の前に行われうる。当該最適化工程は、例えば図24を参照して説明した制御部506により行われうる。
以下で、当該最適化工程を、図4及び図19を参照しながら説明する。図19は、最適化工程の一例を示すフロー図である。

0109

ステップS201において、最適化工程が開始される。当該最適化工程は、例えば、図4に示した微小粒子分取装置400の液滴生成用電圧印加部451によって液滴に与えられた電荷をキャンセルする波形(以下、「不要電荷キャンセル信号」ともいう)を最適化するために行われる。

0110

ステップS202において、不要電荷キャンセル信号の振幅の初期値が設定される。当該初期値は、例えば液滴生成用電圧印加部451により印加される電圧に基づき、当業者により適宜選択されうる。

0111

ステップS203において、前記初期値の振幅の場合における、例えば位相0°〜360°の範囲での掃引が行われる。
当該掃引において、例えば、微小粒子分取装置400により粒子分取(又は液滴分取)を行いながら、不要電荷キャンセル信号の位相が、0°〜360°の範囲で連続的に変化されうる。当該位相を0°〜360°の範囲で連続的に変化しながら、液滴の軌跡の幅が測定されうる。
又は、当該掃引において、例えば、微小粒子分取装置400により粒子分取を行いながら、不要電荷キャンセル信号の位相が、0°〜360°の範囲で不連続的に変更されうる。例えば、不要電荷キャンセル信号の位相が、所定間隔の複数の位相に変更されうる。不要電荷キャンセル信号の位相をこのように変更しながら、各位相における液滴の軌跡の幅が測定されうる。
液滴の軌跡の幅は、例えば、上記で図10を参照して説明した液滴軌跡観察部により測定されうる。測定結果に基づき、液滴軌跡幅が最小になる位相が選択されうる。又は、所定の値以下の液滴軌跡幅をもたらす位相のうちから、任意の位相が選択されうる。

0112

ステップS204において、ステップS203において選択された位相を、不要電荷キャンセル信号の位相として設定する。

0113

ステップS205において、ステップS204において設定された位相の場合における、所定範囲内の振幅での掃引が行われる。掃引が行われる振幅の範囲は、当業者により任意に設定されてよい。当該範囲は、例えば前記初期値の0.1倍〜10倍、特には0.2倍〜5倍、より特には0.5倍〜2倍でありうる。
当該掃引において、例えば、微小粒子分取装置400により粒子分取を行いながら、不要電荷キャンセル信号の振幅が、前記範囲内で連続的に変化されうる。当該振幅を連続的に変化させながら、液滴の軌跡の幅が測定されうる。
又は、当該掃引において、例えば、微小粒子分取装置400により粒子分取を行いながら、不要電荷キャンセル信号の振幅が、前記範囲内で不連続的に変更されうる。例えば、不要電荷キャンセル信号の振幅が、所定間隔の複数の振幅に変更されうる。不要電荷キャンセル信号の振幅をこのように変更しながら、各振幅における液滴の軌跡の幅が測定されうる。
液滴の軌跡の幅は、例えば、上記で図10を参照して説明した液滴軌跡観察部により測定されうる。測定結果に基づき、液滴軌跡幅が最小になる振幅が選択されうる。又は、所定の値以下の液滴軌跡幅をもたらす振幅のうちから、任意の振幅が選択されうる。

0114

ステップS206において、ステップS205において選択された振幅を、不要電荷キャンセル信号の振幅として設定する。

0115

ステップS207において、ステップS204及びS206において設定された位相及び振幅を有する不要電荷キャンセル信号が液滴荷電部により印加される電圧に重畳された電圧を用いた場合の液滴軌跡幅が、所定の範囲内にあるかが判定される。当該判定は、例えば、所定のコレクションチューブ内に全液滴のうち所定の割合以上、例えば全液滴の90%以上、好ましくは全ての液滴が入ることを可能にするような範囲内に液滴軌跡幅があるかどうかにより行われうる。
判定の結果、液滴軌跡幅が所定範囲内にある場合は、ステップS208に進む。
判定の結果、液滴軌跡幅が所定範囲内にない場合は、ステップS209に進む。

0116

ステップS208において、最適化工程を終了する。最適化工程後、例えば、上記「(2)第2の実施形態の第1の例(方法)」で述べたステップS102〜S106が行われうる。ステップS104において、前記設定された位相及び振幅を有する不要電荷キャンセル信号が、液滴荷電のための電圧に重畳されうる。

0117

ステップS209において、ステップS207からS209に進んだ回数が判定される。
当該回数が所定の値以下である場合は、ステップS203に進む。そして、再度ステップS203〜S207が行われる。この場合に、例えば、ステップS203において掃引される位相の範囲及び/又は間隔を、前にステップS203を行った場合から変更してよく、及び/又は、ステップS205における振幅の範囲及び/又は間隔を、前にステップS205を行った場合から変更してよい。これにより、前記所定範囲内に液滴軌跡幅が収まるような振幅及び位相が見つかる可能性が高まる。
当該回数が所定の値より多い場合は、ステップS210に進む。

0118

ステップS210において、エラー出力が行われ、最適化工程が終了される。エラー出力が行われた場合、必要に応じて、振幅の初期値が別の値に設定され、そして、再度最適化工程が行われてもよい。

0119

以上のように、前記最適化工程は、粒子分取又は液滴分取を行いながら、不要電荷キャンセル信号の位相を所定範囲内で変化させ、各位相における液滴の軌跡の幅を測定し、当該測定の結果に基づき位相を選択する位相選択工程を含みうる。選択される位相は、例えば前記軌跡の幅が最小となる場合の位相であってよく、又は、前記軌跡の幅が所定の値以下となる場合のいずれかの位相であってもよい。
また、前記最適化工程は、粒子分取又は液滴分取を行いながら、不要電荷キャンセル信号の振幅を所定範囲内で変化させ、各振幅における液滴の軌跡の幅を測定し、当該測定の結果に基づき振幅を選択する振幅選択工程を含みうる。選択される振幅は、例えば前記軌跡の幅が最小となる場合の振幅であってよく、又は、前記軌跡の幅が所定の値以下となる場合のいずれかの振幅であってもよい。
前記最適化工程において、前記位相選択工程及び前記振幅選択工程のいずれか一方のみが行われてもよく、又は、両方が行われてもよい。これら工程の両方が行われる場合、位相選択工程が先に行われ、次に振幅選択工程が行われてもよく、又は、先に振幅選択工程が行われ、次に位相選択工程が行われてもよい。
本技術の方法が図4に示されるような微小粒子分取装置を用いた粒子分取方法である場合、前記最適化工程により不要電荷をキャンセルする波形が最適化されることで、荷電された液滴の進行方向の制御をより正確に制御することができる。

0120

(4)第2の実施形態の第3の例(くびれ生成用信号最適化工程)

0121

本技術の方法は、液滴生成用電圧印加部により印加される電圧(「(4)第2の実施形態の第3の例(くびれ生成用信号最適化工程)」において、「くびれ生成用信号」ともいう)を、液滴生成部の電極と柱状液体との間の放電が起こらないように最適化する工程(以下、「くびれ生成用信号最適化工程」ともいう)を含みうる。当該くびれ生成用信号最適化工程は、例えば、上記「(2)第2の実施形態の第1の例(方法)」のステップS102の前に行われうる。当該最適化工程は、例えば図24を参照して説明した制御部506により行われうる。
当該くびれ生成用信号最適化工程は、本技術の装置が上記で述べた放電検出部を備えている場合に、より効率的に行われうる。
以下で、当該最適化工程を、図20を参照しながら説明する。図20は、当該くびれ生成用信号最適化工程の一例を示すフロー図である。

0122

ステップS301において、くびれ生成用信号最適化工程が開始される。当該最適化工程は、例えば、図4に示した液滴生成用電圧印加部451により印加される電圧を最適化するために行われる。

0123

ステップS302において、くびれ生成用信号の振幅の初期値が設定される。当該初期値は、例えば液滴生成部の電極と柱状液体との間の距離及び所望のくびれを形成するために必要な電荷などに基づき設定されうる。当該初期値は、経験的に放電が起こらないことが判明している値であってもよい。

0124

ステップS303において、振幅を前記初期値から所定の値だけ増加させる。

0125

ステップS304において、ステップS303における増加後の振幅(又はステップS311における減少後の振幅)で、液滴生成を所定時間行う。当該液滴生成は、例えば液滴生成用電圧印加部451により当該増加後の振幅を有する電圧を電極450と柱状液体との間に印加することによって行われうる。当該電圧の周波数は、例えば生成されるべき液滴の大きさなどに応じて、当業者により適宜選択されうる。また、当該液滴生成が行われる時間は、例えば当該最適化工程後に行われる微小粒子分取の時間の長さなどに応じて、当業者により適宜設定されうる

0126

ステップS305において、ステップS304における液滴生成において、放電が検出されたかどうかが判定される。放電検出は、例えば図11を参照して説明した放電検出部などにより行われうる。
放電が検出された場合、ステップS311に進む。
放電が検出されなかった場合、ステップS306に進む。

0127

ステップS306において、ステップS303における増加後の振幅で液滴生成を行った場合の、オリフィス先端から液柱が切断されるまでの距離、すなわち切断距離が測定される。

0128

ステップS307において、ステップS306において測定された切断距離が、所定の値以下であるかどうかが判定される。
当該切断距離が所定の値以下である場合、直前のステップS303における増加後の振幅が最適な振幅であると決定し、そして、ステップS308に進む。
当該切断距離が所定の値より高い場合、ステップS309に進む。

0129

ステップS308において、くびれ生成用信号最適化工程が終了される。くびれ生成用信号最適化工程後、例えば、上記「(2)第2の実施形態の第1の例(方法)」で述べたステップS102〜S106が行われうる。ステップS103において、ステップS303における増加後の振幅を有する電圧を液滴生成用電圧印加部451により印加することによって、液滴生成が行われうる。

0130

ステップS309において、ステップS307からステップS309に進んだ回数が判定される。
ステップS307からステップS309に進んだ回数が所定の値以下である場合は、ステップS303に進む。そして、再度ステップS303〜S307及びS311が行われる。この場合、例えば、ステップS303において、前回のステップ303における振幅の増加よりも、振幅がより少なく又はより大きく増加されてよく、及び/又は、ステップS311において、前回のステップ311における振幅の減少よりも、振幅がより少なく又はより大きく減少されうる。これにより、ステップS307における前記所定の値以下の切断距離を達成する振幅が見つかる可能性が高まる。
ステップS307からステップS309に進んだ回数が所定の値より多い場合は、ステップS310に進む。

0131

ステップS310において、エラー出力が行われ、くびれ生成用信号最適化工程が終了される。エラー出力が行われた場合、必要に応じて、振幅の初期値が別の値に設定され、そして、再度くびれ生成用信号最適化工程が行われてもよい。

0132

ステップS311において、振幅を、ステップS303における増加後の値から、所定の値だけ減少させる。

0133

以上のとおり、前記くびれ生成用信号最適化工程は、液滴生成部の電極と柱状液体との間の放電の検出の有無に基づき、液滴生成用電圧印加部により印加される電圧の振幅を決定する振幅決定工程を含みうる。
当該振幅決定工程は、所定の初期値から所定の値だけ増加させた振幅を有する電圧を液滴生成用電圧印加部によって液滴生成部の電極と柱状液体との間に印加しながら液滴生成を行い、液滴生成部の電極と当該柱状液体との間の放電の検出の有無を判定する放電検出工程を含みうる。前記放電が検出されなかった場合に、前記増加させた振幅が、液滴生成用電圧印加部により印加される電圧の振幅として決定されうる。前記放電が検出された場合に、当該増加後の振幅の値から所定の値だけ減少させた振幅を有する電圧を液滴生成用電圧印加部によって液滴生成部の電極と柱状液体との間に印加しながら液滴生成を行い、前記前記放電の検出の有無が判定されうる。
また、当該振幅決定工程は、前記放電が検出されなかった場合に、切断距離が所定の値以下であるかを判定する判定工程をさらに含みうる。当該判定工程において、切断距離が所定の値以下である場合に、当該増加させた振幅が、液滴生成用電圧印加部により印加される電圧の振幅として決定されうる。当該判定工程において、切断距離が所定の値を超える場合に、所定の初期値から所定の値だけ増加させた振幅で、再度、放電検出工程が行われうる。この場合、振幅の増加幅は、前回の放電検出工程における増加幅と異なりうる。これにより、最適な振幅が見つかる可能性が高まる。
以上のくびれ生成用信号最適化工程によって、液滴生成部の電極と柱状液体との間の放電を引き起こさず且つより高い振幅が選択されうる。くびれ生成用信号最適化工程において選択された振幅によって、より短い切断距離を与える液滴生成、すなわちより安定した液滴生成が可能となる。

0134

3.第3の実施形態(微小粒子分取システム)

0135

(1)第3の実施形態の説明
本技術は、柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部を備えている装置を含む微小粒子分取システムも提供する。当該装置は、上記「1.第1の実施形態(装置)」において説明したとおりの装置である。本技術の微小粒子分取システムでは、当該装置において液滴が生成される。当該生成された液滴に含まれる粒子の種類によって液滴の進行方向を制御することで、粒子が分取されうる。当該進行方向の制御及び粒子分取は、例えば上記1.の「(2)第1の実施形態の第1の例(装置)」において述べたとおりに行われうる。

0136

(2)第3の実施形態の例(微小粒子分取システム)

0137

本技術の粒子分取システムは、本技術の微小粒子分取装置を含む。当該微小粒子分取装置は、例えば、上記1.の「(2)第1の実施形態の第1の例(装置)」において図4を参照して説明した微小粒子分取装置400でありうる。また、本技術の微小粒子分取システムは、放電検出部を含みうる。さらに、本技術の微小粒子分取システムは、上記で説明した制御部、入力部、出力部、及び記憶部などを含みうる。本技術の微小粒子分取システムには、これらの構成要素が、微小粒子の分取を実行可能なように構成されていればよく、これら構成要素は別個の装置に備えられていてもよい。例えば、一つの実施態様において、微小粒子分取装置400に前記制御部が備えられており、且つ、入力部、出力部、及び記憶部が、有線又は無線で微小粒子分取装置400に接続されうる。

0138

4.実施例

0139

(1)実施例1

0140

図4に示されたとおりの微小粒子分取装置を用意した。当該微小粒子分取装置のオリフィスの直径は70μmであり、円筒電極の内径は170μmであり且つ長さは300μmであった。当該オリフィス及び当該円筒電極は、当該オリフィスから排出された液体が当該円筒電極の内側を、当該円筒電極に接触せずに通過するように構成された。

0141

シース液が、当該オリフィスからシース流量4.5mL/分で噴射された。当該シース液は、当該円筒電極の内側を、当該円筒電極に接触せずに通過した。また、当該円筒電極と当該噴射された柱状のシース液との間に、液滴生成用電圧印加部によって周期的な交流電圧を印加した。その結果、液滴が生成された。液滴の周波数は、当該交流電圧の周波数の2倍であった。

0142

当該交流電圧の振幅が±240V及び±480Vの時の切断距離の測定結果を、図22の左のグラフに示す。グラフの縦軸は切断距離である。グラフの横軸は液滴周波数であり、すなわち電圧の周波数の2倍の値である。当該グラフに示されるとおり、液滴周波数が50kHzから70kHzの範囲にある場合に、すなわち交流電圧の周波数が25kHzから35kHzの範囲にある場合に、切断距離が特に短かった。すなわち、当該範囲内で、より変動の小さい、安定した液滴生成が行われることが分かる。また、液滴周波数が59kHzの場合に、切断距離は最短であった。液滴周波数が59kHzの場合の液滴のストロボ画像を、図22の右に示す。

0143

(2)実施例2

0144

実施例1で用いた微小粒子分取装置において、シース液が、当該オリフィスからシース流量4.5mL/分で噴射された。また、当該円筒電極と当該噴射された柱状のシース液との間に、液滴生成用電圧印加部によって周期的な脈流電圧を印加した。その結果、液滴が生成された。液滴の周波数は、当該交流電圧の周波数と等しかった。

0145

当該脈流電圧の振幅が120Vであり且つオフセット電圧が120Vである場合(凡例240V)、当該脈流電圧の振幅が240Vであり且つオフセット電圧が240Vである場合(凡例480V)、当該脈流電圧の振幅が120Vであり且つオフセット電圧が−120V(凡例−240V)である場合、及び当該脈流電圧の振幅が240Vであり且つオフセット電圧が−240Vである場合(凡例−480V)の切断距離の測定結果を図23の左に示す。グラフの縦軸は切断距離である。グラフの横軸は液滴周波数であり、これは電圧の周波数に等しい。当該グラフに示されるとおり、液滴周波数が50kHzから70kHzの範囲にある場合に、すなわち脈流電圧の周波数が50kHzから70kHzの範囲にある場合に、切断距離が特に短かった。すなわち、当該範囲内で、より変動の小さい、安定した液滴生成が行われることが分かる。また、液滴周波数が59kHzの場合に、切断距離は最短であった。液滴周波数が59kHzの場合の液滴のストロボ画像を、図23の右に示す。

0146

なお、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
〔1〕柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部
を備えている装置。
〔2〕前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されている、〔1〕に記載の装置。
〔3〕前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって生じる、前記電極と前記柱状の液体との間のクーロン力によって前記柱状の液体にくびれを形成するように構成されている、〔1〕又は〔2〕に記載の装置。
〔4〕前記液滴生成部は、前記電圧の印加によって前記柱状の液体にくびれを形成し、当該くびれが形成された部分で前記柱状の液体が千切れて液滴が形成されるように構成されている、〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の装置。
〔5〕前記電極が前記柱状の液体と接触しないように、前記電極及び前記オリフィスが配置されている、〔1〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の装置。
〔6〕前記電極が前記柱状の液体の側方に位置するように、前記電極及び前記オリフィスが配置されている、〔1〕〜〔5〕のいずれか一つに記載の装置。
〔7〕前記電極が前記柱状の液体の周囲の一部又は全部を囲むように、前記電極及び前記オリフィスが配置されている、〔1〕〜〔6〕のいずれか一つに記載の装置。
〔8〕前記オリフィスが、円柱状の液体を排出する、〔1〕〜〔7〕のいずれか一つに記載の装置。
〔9〕前記液滴生成部により生成された液滴を荷電する液滴荷電部をさらに備えている、〔1〕〜〔8〕のいずれか一つに記載の装置。
〔10〕前記液滴荷電部により荷電された液滴の進行方向を制御する進行方向制御部をさらに備えている、〔1〕〜〔9〕のいずれか一つに記載の装置。
〔11〕前記液滴荷電部が、前記電圧印加部による電圧の印加によって液滴に与えられた電荷をキャンセルする波形を有する電圧によって、前記液滴を荷電する、〔9〕又は〔10〕に記載の装置。
〔12〕前記電極と前記柱状の液体との間の放電を検出する放電検出部をさらに含む、〔1〕〜〔11〕のいずれか一つに記載の装置。
〔13〕前記オリフィス及び前記電極が1つのチップ内に設けられている、〔1〕〜〔12〕のいずれか一つに記載の装置。
〔14〕微小粒子分取装置である、〔1〕〜〔13〕のいずれか一つに記載の装置。
〔15〕オリフィスから排出された柱状の液体と当該オリフィスの近傍に設けられた電極との間に周期的な電圧を印加することにより液滴を生成する液滴生成工程を含む方法。
〔16〕柱状の液体を排出するオリフィスと、当該オリフィスの近傍に設けられた電極と、当該柱状の液体と当該電極との間に周期的な電圧を印加する電圧印加部とを備えている液滴生成部
を備えている装置を含む微小粒子分取システム。

0147

400微小粒子分取装置
403オリフィス
414フローセル
450円筒電極
451電圧印加部

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