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技術 皮革調樹脂シート

出願人 リケンテクノス株式会社
発明者 小熊利夫
出願日 2017年7月10日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2017-134286
公開日 2019年1月31日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2019-015003
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 合成皮革、内装材、柔軟なシート材料
主要キーワード 産業用ワイパー ダイヤモンドスタイラス カレンダーロール加工 テーバー摩耗量 ポリエステル基布 直立型 ストライプ模様 クロロプレンゴム系接着剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年1月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

表皮シート基布との剥離強度、及び耐摩耗性に優れた皮革調樹脂シートを提供すること。

解決手段

表層側から順に表皮シートの層、及び基布の層を有し、上記表皮シートは(A1)芳香族ビニル化合物共役ジエン化合物とのブロック共重合体55〜5質量%;及び、(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物45〜95質量%;からなるブロック共重合体樹脂成分(A)100質量部;(B)非芳香族系ゴム用軟化剤30〜300質量部;及び、(C)ポリプロピレン系樹脂10〜300重量部;を含み、ここで上記成分(A1)と上記成分(A2)との和は100質量%である、熱可塑性エラストマー組成物からなり、上記表皮シートと上記基布との剥離強度が10N/25mm以上であり、上記積層体の上記表皮シート側表面の摩耗輪H−22によるテーバー摩耗量が40mg以下である積層体。

概要

背景

近年、皮革調樹脂シートは、天然皮革代替として、天然素材意匠感を有し、低コスト生産することができ、更に耐水性等の機能を付与することができることから、鞄などのファッション用途や壁紙、車の内装、及び家具などを構成する材料として注目されている。

一般に、皮革調樹脂シートとしては、塩化ビニル系樹脂ポリウレタン系樹脂を、綿、ナイロン、及びポリエステルなどの繊維からなる基布含浸塗付したものが使用されている。ところが、塩化ビニル系樹脂を用いた皮革調樹脂シートには、ハロゲン元素を含有する;比重が1.4と高く、重い;及び、コシが強く、エンボス加工によりエンボスロール凹凸模様刻印転写する際の転写性(以下、「エンボス転写性」と略すことがある。)が悪い;などの問題がある。またポリウレタン系樹脂を用いた皮革調樹脂シートには、高温高湿環境下で変色し易い;防汚性が低い;及び、比重が1.2と高く、重い;などの問題がある。そこでオレフィン系エラストマースチレン系エラストマーからなる表皮シートを基布に積層した皮革調樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献1〜7)。しかし、これらの技術には基布との剥離強度、及び耐摩耗性が不十分であるという問題がある。またオレフィン系エラストマーからなる表皮シートには、ナイロンやポリエステルなどの繊維からなる基布とは積層できないという問題がある。スチレン系エラストマーを用いた皮革調樹脂シートにはエンボス転写性が悪いという問題がある。

概要

表皮シートと基布との剥離強度、及び耐摩耗性に優れた皮革調樹脂シートを提供すること。表層側から順に表皮シートの層、及び基布の層を有し、上記表皮シートは(A1)芳香族ビニル化合物共役ジエン化合物とのブロック共重合体55〜5質量%;及び、(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物45〜95質量%;からなるブロック共重合体樹脂成分(A)100質量部;(B)非芳香族系ゴム用軟化剤30〜300質量部;及び、(C)ポリプロピレン系樹脂10〜300重量部;を含み、ここで上記成分(A1)と上記成分(A2)との和は100質量%である、熱可塑性エラストマー組成物からなり、上記表皮シートと上記基布との剥離強度が10N/25mm以上であり、上記積層体の上記表皮シート側表面の摩耗輪H−22によるテーバー摩耗量が40mg以下である積層体。

目的

本発明の課題は、表皮シートと基布との剥離強度、及び耐摩耗性に優れた皮革調樹脂シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

表層側から順に表皮シートの層、及び基布の層を有し、上記表皮シートは、(A1)芳香族ビニル化合物共役ジエン化合物とのブロック共重合体55〜5質量%;及び、(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物45〜95質量%;からなるブロック共重合体樹脂成分(A)100質量部;(B)非芳香族系ゴム用軟化剤30〜300質量部;及び、(C)ポリプロピレン系樹脂10〜300重量部;を含み、ここで上記成分(A1)と上記成分(A2)との和は100質量%である、熱可塑性エラストマー組成物からなり、下記特性(イ)、及び(ロ)を満たす積層体。(イ)JISK6854−3:1999に準拠して測定した、上記表皮シートと上記基布とのT形剥離試験における剥離強度が10N/25mm以上である。(ロ)JISK7204:1999に準拠し、摩耗輪H−22、回転速度72rpm、荷重1Kg、及び回転数1000回の条件で測定した、上記積層体の上記表皮シート側表面のテーバー摩耗量が40mg以下である。

請求項2

上記基布の材質が、綿、ナイロンポリエステル、及びポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種以上である請求項1に記載の積層体。

請求項3

請求項1又は2に記載の積層体を含む物品

技術分野

0001

本発明は、皮革調樹脂シートに関する。更に詳しくは、鞄などのファッション用途の材料として好適な皮革調樹脂シートに関する。

背景技術

0002

近年、皮革調樹脂シートは、天然皮革代替として、天然素材意匠感を有し、低コスト生産することができ、更に耐水性等の機能を付与することができることから、鞄などのファッション用途や壁紙、車の内装、及び家具などを構成する材料として注目されている。

0003

一般に、皮革調樹脂シートとしては、塩化ビニル系樹脂ポリウレタン系樹脂を、綿、ナイロン、及びポリエステルなどの繊維からなる基布含浸塗付したものが使用されている。ところが、塩化ビニル系樹脂を用いた皮革調樹脂シートには、ハロゲン元素を含有する;比重が1.4と高く、重い;及び、コシが強く、エンボス加工によりエンボスロール凹凸模様刻印転写する際の転写性(以下、「エンボス転写性」と略すことがある。)が悪い;などの問題がある。またポリウレタン系樹脂を用いた皮革調樹脂シートには、高温高湿環境下で変色し易い;防汚性が低い;及び、比重が1.2と高く、重い;などの問題がある。そこでオレフィン系エラストマースチレン系エラストマーからなる表皮シートを基布に積層した皮革調樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献1〜7)。しかし、これらの技術には基布との剥離強度、及び耐摩耗性が不十分であるという問題がある。またオレフィン系エラストマーからなる表皮シートには、ナイロンやポリエステルなどの繊維からなる基布とは積層できないという問題がある。スチレン系エラストマーを用いた皮革調樹脂シートにはエンボス転写性が悪いという問題がある。

先行技術

0004

特開昭63−251233号公報
特開平06−256538号公報
特開2014−030963号公報
特開2015−140500号公報
特開平08−058038号公報
特開2000−345477号公報
特開2002−096426号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の課題は、表皮シートと基布との剥離強度、及び耐摩耗性に優れた皮革調樹脂シートを提供することにある。本発明の更なる課題は、基布の材質が綿、ナイロン、ポリエステル、及びポリプロピレンの何れであっても表皮シートと基布との剥離強度が高く、耐摩耗性、エンボス転写性、高温高湿環境下での耐変色性、及び防汚性に優れ、低比重で軽く、物品、例えば、鞄;椅子の座面、背もたれ肘掛けなどの表張り;などのファッション用途の物品の材料、壁紙、車の内装、及び家具などの物品を構成する材料として好適な皮革調樹脂シートを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、鋭意研究した結果、特定の積層体により、上記課題を達成できることを見出した。

0007

すなわち、本発明は、表層側から順に表皮シートの層、及び基布の層を有し、上記表皮シートは、
(A1)芳香族ビニル化合物共役ジエン化合物とのブロック共重合体55〜5質量%;及び、
(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物45〜95質量%;
からなるブロック共重合体樹脂成分(A)100質量部;
(B)非芳香族系ゴム用軟化剤30〜300質量部;及び、
(C)ポリプロピレン系樹脂10〜300重量部;
を含み、ここで上記成分(A1)と上記成分(A2)との和は100質量%である、熱可塑性エラストマー組成物からなり、下記特性(イ)、及び(ロ)を満たす積層体である。
(イ)JIS K6854−3:1999に準拠して測定した、上記表皮シートと上記基布とのT形剥離試験における剥離強度が10N/25mm以上である。
(ロ)JIS K7204:1999に準拠し、摩耗輪H−22、回転速度72rpm、荷重1Kg、及び回転数1000回の条件で測定した、上記積層体の上記表皮シート側表面のテーバー摩耗量が40mg以下である。

0008

第2の発明は、上記基布の材質が、綿、ナイロン、ポリエステル、及びポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種以上である第1の発明に記載の積層体である。

0009

第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の積層体を含む物品である。

発明の効果

0010

本発明の積層体は表皮シートと基布との剥離強度、及び耐摩耗性に優れる。本発明の好ましい積層体は、基布の材質が綿、ナイロン、ポリエステル、及びポリプロピレンの何れであっても表皮シートと基布との剥離強度が高く、耐摩耗性、エンボス転写性、高温高湿環境下での耐変色性、及び防汚性に優れ、低比重で軽い。そのため本発明の積層体は皮革調樹脂シートとして、物品、特に鞄;椅子の座面、背もたれ、肘掛けなどの表張り;などのファッション用途の物品の材料、壁紙、車の内装、及び家具などの物品を構成する材料として好適に用いることができる。

0011

本明細書において「シート」の用語は、フィルムをも含む用語として使用する。「樹脂」の用語は、2以上の樹脂を含む樹脂混合物や、樹脂以外の成分を含む樹脂組成物をも含む用語として使用する。また本明細書において、ある層と他の層とを順に積層することは、それらの層を直接積層すること、及び、それらの層の間にアンカーコートなどの別の層を1層以上介在させて積層することの両方を含む。本明細書において数値範囲に係る「以上」の用語は、ある数値又はある数値超の意味で使用する。例えば、20%以上は、20%又は20%超を意味する。数値範囲に係る「以下」の用語は、ある数値又はある数値未満の意味で使用する。例えば、20%以下は、20%又は20%未満を意味する。更に数値範囲に係る「〜」の記号は、ある数値、ある数値超かつ他のある数値未満、又は他のある数値の意味で使用する。ここで、他のある数値は、ある数値よりも大きい数値とする。例えば、10〜90%は、10%、10%超かつ90%未満、又は90%を意味する。実施例以外において、又は別段に指定されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用されるすべての数値は、「約」という用語により修飾されるものとして理解されるべきである。特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとすることなく、各数値は、有効数字に照らして、及び通常の丸め手法を適用することにより解釈されるべきである。

0012

1.表紙シート
本発明の積層体は、表層側から順に表皮シートの層、及び基布の層を有する。
上記表皮シートは、
(A1)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体55〜5質量%;及び、
(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物45〜95質量%;
からなるブロック共重合体樹脂成分(A)100質量部;
(B)非芳香族系ゴム用軟化剤30〜300質量部;及び、
(C)ポリプロピレン系樹脂10〜300重量部;
を含み、ここで上記成分(A1)と上記成分(A2)との和は100質量%である、熱可塑性エラストマー組成物からなる。上記熱可塑性エラストマー組成物は、好ましくは、上記成分(A)100質量部に対して、更に
(D)有機過酸化物0.5〜5.0質量部;及び
(E)架橋助剤1.0〜10.0質量部;を含む。

0013

(A1)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体:
上記成分(A1)は、ビニル芳香族化合物主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個、好ましくは2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体である。上記成分(A1)としては、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物ブロック共重合体を挙げることができる。上記成分(A1)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を通常5〜60質量%、好ましくは20〜50質量%含むものであってよい。

0014

上記重合体ブロックAは、芳香族ビニル化合物のみからなる重合体ブロック又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。重合体ブロックAが共重合体ブロックである場合における、重合体ブロックA中の芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であってよい。上記重合体ブロックA中の共役ジエン化合物に由来する構造単位の分布は、特に制限されない。上記重合体ブロックAが2個以上あるとき、これらは同一構造であってもよく、互いに異なる構造であってもよい。

0015

上記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物のみからなる重合体ブロック又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。上記重合体ブロックBが共重合体ブロックである場合における、重合体ブロックB中の共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有量は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であってよい。上記重合体ブロックB中の芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の分布は、特に制限されない。共役ジエン化合物と共役ジエン化合物との結合様式(以下、ミクロ構造と略すことがある。)は、特に制限されない。上記重合体ブロックBが2個以上あるとき、これらは同一構造であってもよく、互いに異なる構造であってもよい。

0016

上記芳香族ビニル化合物は、重合性炭素炭素二重結合芳香環を有する重合性モノマーである。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、及びp−第3ブチルスチレンなどをあげることができる。これらの中で、スチレンが好ましい。上記芳香族ビニル化合物としては、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0017

上記共役ジエンは、2つの炭素・炭素二重結合が1つの炭素・炭素単結合により結合された構造を有する重合性モノマーである。共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエンイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及びクロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)などをあげることができる。これらの中で、1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。上記共役ジエンとしては、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0018

上記成分(A1)としては、任意の芳香族ビニル化合物と任意の共役ジエンとを、特公昭40−023798号公報に記載された方法等の公知の方法により共重合して得たものを用いることができる。

0019

上記成分(A1)の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは、10,000〜550,000、更に好ましくは100,000〜400,000であってよい。分子量分布質量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは10以下であってよい。上記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の分子鎖構造は、直鎖状分岐状、放射状、及びこれらの任意の組合せの何れであってもよい。

0020

上記成分(A1)としては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体SBS)、及びスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)などをあげることができる。上記成分(A1)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。

0021

(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物:
上記成分(A2)は、上記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体中の炭素・炭素二重結合に水素を添加して炭素・炭素単結合にすることにより得られる。上記水素添加は、公知の方法、例えば、不活性溶媒中で水素添加触媒を用いて水素処理することにより行うことができる。

0022

上記成分(A2)の水素添加率水素添加前の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体中の炭素・炭素二重結合の数に対する水素添加により炭素・炭素単結合となった結合の数の割合。)は、特に制限されないが、耐ブリード性の観点から、通常50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上であってよい。

0023

上記成分(A2)の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、ブタジエン重合体ブロックである場合、そのミクロ構造は、1,2−結合が、耐衝撃性の観点から、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%であってよい。また耐熱老化性及び耐候性の観点から、1,2−結合を選択的に水素添加したものであってよい。

0024

上記成分(A2)の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、イソプレンとブタジエンとの共重合ブロックである場合、そのミクロ構造は、1,2−結合が、耐熱老化性及び耐候性の観点から、好ましくは50%未満、より好ましくは25%未満、更に好ましくは15%未満であってよい。

0025

上記成分(A2)の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、イソプレン重合体ブロックである場合、そのミクロ構造は、1,4−結合が、耐衝撃性の観点から、好ましくは70〜100質量%であってよい。水素添加率は、耐ブリード性の観点から、90%以上が好ましい。

0026

上記成分(A2)の芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量は、機械物性の観点から、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは20〜50質量%であってよい。

0027

上記成分(A2)の数平均分子量は、耐ブリード性の観点から、好ましくは30,000以上、より好ましくは100,000以上であってよい。相溶性の観点から、好ましくは350,000以下、より好ましくは250,000以下であってよい。

0028

上記成分(A2)としては、例えば、スチレン・エチレンブテン共重合体(SEB)、スチレン・エチレン・プロピレン共重合体SEP)、スチレン・エチレン・ブテンスチレン共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレン共重合体(スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体の部分水素添加物:SBBS)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体の部分水素添加物、及びスチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレン共重合体の部分水素添加物などをあげることができる。上記成分(A2)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。

0029

上記成分(A)ブロック共重合体樹脂中の、上記成分(A1)と上記成分(A2)の割合は、耐油性、及び皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、上記成分(A1)が通常5質量部以上(上記成分(A2)95質量部以下)、好ましくは20質量部以上(上記成分(A2)80質量部以下)であってよい。一方、皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、上記成分(A1)が通常55質量部以下(上記成分(A2)45質量部以上)、好ましくは40質量部以下(上記成分(A2)60質量部以上)であってよい。

0030

(B)非芳香族系ゴム用軟化剤:
上記成分(B)は、非芳香族系ゴム用軟化剤であり、典型的には非芳香族系鉱物油石油等に由来する炭化水素化合物)又は合成油合成炭化水素化合物)である。上記成分(B)は、通常、常温では液状又はゲル状若しくはガム状である。ここで非芳香族系とは、鉱物油については、下記の区分において芳香族系に区分されない(芳香族炭素数が30%未満である)ことを意味する。合成油については、芳香族モノマーを使用していないことを意味する。

0031

ゴム用軟化剤として用いられる鉱物油は、パラフィン鎖、ナフテン環、及び芳香環の何れか1種以上の組み合わさった混合物であって、ナフテン環炭素数が30〜45%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれ、ナフテン系にも芳香族系にも属さず、かつパラフィン鎖炭素数全炭素数の50%以上を占めるものはパラフィン系と呼ばれて区別されている。

0032

上記成分(B)としては、例えば、直鎖状飽和炭化水素分岐状飽和炭化水素、及びこれらの誘導体等のパラフィン系鉱物油ナフテン系鉱物油;水素添加ポリイソブチレン、ポリイソブチレン、及びポリブテン等の合成油;などをあげることができる。上記成分(B)の市販例としては、日本油脂株式会社のイソパラフィン系炭化水素油「NAソルベント商品名)」、出光興産株式会社のn−パラフィン系プロセスオイル「PW−90(商品名)」及び「PW−380(商品名)」、出光石油化学株式会社の合成イソパラフィン炭化水素「IP−ソルベント2835(商品名)」、及び三光化学工業株式会社n−パラフィン系プロセスオイル「ネオチオゾール(商品名)」などをあげることができる。これらの中で、相容性の観点から、パラフィン系鉱物油が好ましく、芳香族炭素数の少ないパラフィン系鉱物油がより好ましい。また取扱い性の観点から、室温で液状であるものが好ましい。上記成分(B)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。

0033

上記成分(B)は、耐熱性及び取扱い性の観点から、37.8℃における動的粘度が好ましくは20〜1000cStであってよい。また取扱い性の観点から、流動点が好ましくは−10〜−15℃であってよい。更に安全性の観点から、引火点(COC)が好ましくは170℃以上である。

0034

上記成分(B)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、耐油性、外観、及び皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、通常30質量部以上、好ましくは80質量部以上であってよい。一方、耐摩耗性、及び皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、通常300質量部以下、好ましくは200質量部以下であってよい。

0035

(C)ポリプロピレン系樹脂:
上記成分(C)はポリプロピレン系樹脂である。上記成分(C)は、溶融混練時及び成形時の上記熱可塑性エラストマー組成物の流動性コントロールして、上記成分(A)などのゴム成分の分散を良好にせしめる効果を有する。

0036

上記成分(C)としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン1−オクテン、及び4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体(ブロック共重合体、及びランダム共重合体を含む。);などをあげることができる。上記成分(C)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。

0037

上記成分(C)は、成形性の観点から、JIS K 7210−1999に準拠し、230℃、21.18Nの条件で測定したメルトマスフローレートが、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.2〜10g/10分であってよい。

0038

上記成分(C)は、株式会社パーキンエルマージャパンのDiamondDSC示差走査熱量計を使用し、230℃で5分間保持し、10℃/分で−10℃まで冷却し、−10℃で5分間保持し、10℃/分で230℃まで昇温するプログラムで測定されるセカンド融解曲線(最後の昇温過程で測定される融解曲線)において、最も高い温度側に現れるピークピークトップ融点が、耐熱油性の観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上であってよい。ピークトップ融点の上限は特にないが、ポリプロピレン系樹脂であるから、せいぜい167℃であろう。

0039

上記成分(C)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、耐摩耗性、外観、及び皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、通常10質量部以上、好ましくは20質量部以上であってよい。一方、皮革調樹脂シートとしての柔軟性と触感の観点から、通常300質量部以下、好ましくは200質量部以下であってよい。

0040

(D)有機過酸化物:
上記成分(D)は、過酸化水素水素原子の1個又は2個を有機遊離基置換した化合物である。上記成分(D)は、その分子内に過酸化結合を有するため、溶融混練時にラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、上記成分(A1)や上記成分(A2)を架橋せしめる働きをする。また、同時に上記成分(C)を分解して溶融混練時の上記熱可塑性エラストマー組成物の流動性をコントロールしてゴム成分の分散を良好にせしめる働きをする。

0041

上記成分(D)としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレートベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、及びtert−ブチルクミルパーオキシドなどをあげることができる。これらの中で、臭気性着色性、及びスコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。上記成分(D)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。

0042

上記成分(D)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、通常5質量部以下、好ましくは3質量部以下であってよい。一方、配合量の下限は、任意成分であるから特にないが、上記成分(D)の使用効果を確実に得る観点から、通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であってよい。

0043

(E)架橋助剤:
上記成分(E)は、架橋助剤である。上記熱可塑性エラストマー組成物の原材料として上記成分(D)を用いる場合には、上記成分(E)も併せて用いることが好ましい。上記成分(E)を用いることにより、上記成分(D)による熱可塑性エラストマー組成物の改質反応を均一に、かつ効率的に行うことができる。

0044

上記成分(E)は、通常、多官能性の重合性モノマーであり、例えば、ジビニルベンゼン、及びトリアリルシアヌレートなどの多官能性ビニルモノマー;及び、エチレングリコールジメタクリレートジエチレングリコールジメタクリレートトリエチレングリコールジメタクリレートポリエチレングリコールジメタクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレート、及びアリルメタクリレートなどの多官能性メタクリレートモノマー;などをあげることができる。これらの中で、取扱性、及び上記成分(D)の働きを均一に、かつ効率的にする効果の観点から、多官能性メタクリレートモノマーが好ましく、トリエチレングリコールジメタクリレートがより好ましい。上記成分(E)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。

0045

上記成分(E)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、皮革調樹脂シートとしての触感の観点から、通常10質量部以下、好ましくは8質量部以下であってよい。一方、配合量の下限は、任意成分であるから特にないが、上記成分(E)の使用効果を確実に得る観点から、通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であってよい。また上記成分(E)の配合量は、上記成分(D)の配合量の2〜2.5倍程度の割合にすることが好ましい。

0046

上記熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、上記成分(A)〜(E)以外のその他の成分を含み得る。上記その他の成分としては、上記成分(A)以外の熱可塑性エラストマー、上記成分(C)以外の熱可塑性樹脂顔料無機フィラー有機フィラー、及び樹脂フィラー酸化防止剤滑剤、耐候性安定剤、熱安定剤離型剤帯電防止剤、及び界面活性剤などの添加剤;などをあげることができる。

0047

上記熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(A)〜(C)及び所望により用いる任意成分を、任意の溶融混練機を使用して溶融混練することにより得ることができる。

0048

上記熱可塑性エラストマー組成物の原材料として上記成分(D)を用いる場合には、上記熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(A)〜(D)及び所望により用いる任意成分を、好ましくは上記成分(A)〜(E)及び所望により用いる任意成分を、任意の溶融混練機を使用して、好ましくは上記成分(D)の1分半減期温度以上の温度で1分間以上、より好ましくは上記成分(D)の1分半減期温度以上の温度で2分間以上、溶融混練することにより得ることができる。上記溶融混練機としては、例えば、単軸押出機二軸押出機バンバリーミキサー、各種のニーダー、及びこれらを2以上組み合わせた装置などをあげることができる。

0049

上記表皮シートは、上記熱可塑性エラストマー組成物を用い、任意のシート成形機を使用して製膜することにより得ることができる。上記シート成形機としては、例えば、カレンダーロール加工機、及びTダイと押出機を有する装置などをあげることができる。上記カレンダーロール加工機としては、例えば、2本ロール直立型3本ロール、直立型4本ロール、L型4本ロール、逆L型4本ロール、Z型ロール、L型6本ロール、及び逆L型6本ロールなどをあげることができる。上記押出機としては、例えば、単軸押出機、同方向回転二軸押出機及び異方向回転二軸押出機などをあげることができる。上記Tダイとしては、例えば、マニホールドダイフィッシュテールダイ及びコートハンガーダイなどをあげることができる。

0050

上記表皮シートの厚みは、特に制限されないが、表皮シートの製膜性、及び表皮シートと基布との剥離強度の観点から、通常200μm以上、好ましくは300μm以上であってよい。一方、表皮シートを巻回体シートロール)として好適に取扱えるようにする観点から、通常1500μm以下、好ましくは1000μm以下であってよい。

0051

上記表皮シートは、意匠性の観点から、任意の色に着色されたものであってよい。また上記表皮シートは、意匠性の観点から、表面(上記基布との積層面とは反対側の面。)に、又は両面に、所望により、エンボス模様が形成されたものであってよい。

0052

2.基布:
本発明の積層体は、表層側から順に表皮シートの層、及び基布の層を有する。上記基布は、任意の繊維からなる布(織布、編布、及び不織布などを含む。)である。上記基布としては、皮革調樹脂シートの用途を案し、任意の基布を適宜選択して用いることができる。また上記基布は、基布の1種又は2種以上を2層以上積層したものであってよい。

0053

上記繊維としては、例えば、合成繊維天然繊維無機繊維、及びこれらの混合物をあげることができる。上記合成繊維としては、例えば、ナイロン系樹脂ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂ウレタン系樹脂、及びシリコン系樹脂などの合成樹脂からなる繊維をあげることができる。上記天然繊維としては、例えば、綿、亜麻、苧麻、及び黄麻など)、マニラ麻サイザル麻羊毛、及びカシミヤなどをあげることができる。上記無機繊維としては、例えば、炭素繊維ガラス繊維、及び金属繊維(金糸、及び銀糸など)などをあげることができる。上記繊維としてはこれらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。

0054

上記基布の厚みは、特に制限されないが、ラミネート時のシワを防ぐという観点から、通常10m以上、好ましくは50μm以上であってよい。一方、巻き取りを容易にする観点から、通常2000μm以下、好ましくは1500μm以下であってよい。

0055

上記基布は、意匠性の観点から、任意の色に着色されたものであってよい。

0056

3.製造方法:
本発明の積層体を製造する方法は、上記表皮シートと上記基布とのT形剥離試験における剥離強度が10N/25mm以上になるような方法であること以外は、特に制限されない。

0057

本発明の積層体を製造する方法としては、例えば、Tダイ、押出機、冷却ロール、及び受けロールを有する装置を使用し、上記基布の一方の面の上に、上記熱可塑性エラストマー組成物をTダイから溶融押出し、冷却ロールと受けロールとで押圧する押出ラミネート方法をあげることができる。

0058

上記押出ラミネート方法で形成される表皮シートの層の厚みは、特に制限されないが、表皮シートと基布との剥離強度の観点から、通常200μm以上、好ましくは300μm以上であってよい。一方、得られる積層体を巻回体(製品ロール)として好適に取扱えるようにする観点から、通常1500μm以下、好ましくは1000μm以下であってよい。

0059

上記押出ラミネート方法で積層体を得た後、表面にエンボス模様の彫刻された押圧ロールと受けロールとを有するエンボス装置を使用し、上記積層体の上記表皮シートの層側が上記押圧ロール側となるようにして、上記積層体を押圧することにより、上記積層体にエンボス模様を形成してもよい。積層体は、エンボス模様を形成する前に、通常120〜170℃、好ましくは130〜150℃に予熱される。押圧ロール温度は、通常10〜110℃、好ましくは15〜80℃、より好ましくは20〜40℃であってよい。押圧の圧力は、通常3〜15Kg/cm、好ましくは3.5〜12Kg/cm、より好ましくは4〜8Kg/cmであってよい。

0060

上記表面にエンボス模様の彫刻された押圧ロールとしては、例えば、金属製、セラミック製、及びシリコンゴム製などの押圧ロールをあげることができる。上記エンボス模様の形状としては、特に制限されず、意匠性の観点から、任意の形状を選択することができる。上記エンボス模様の形状としては、例えば、木目柄や皮しぼなどの天然素材を模した形状;金属を加工したかの様なヘアライン模様の形状;格子柄ストライプ模様、及び水玉模様などの幾何抽象柄の形状;及び、これらの組み合わせをあげることができる。上記押圧ロールのエンボスの深さは、意匠性の観点から、通常0.3μm以上、好ましくは0.5μm以上であってよい。一方、積層体が割れたり、破断したり、押圧ロールなどに付着したりしないようにする観点から、通常150μm以下、好ましくは60μm以下であってよい。

0061

上記押圧ロールの表面にエンボス模様を彫刻する方法は、特に制限されず、任意の方法を用いることができる。上記彫刻方法としては、例えば、彫刻ミルロールによる型押し法や酸腐食によるエッチング法ダイヤモンドスタイラスを用いた機械彫刻法;CO2レーザーYAGレーザーなどを用いたレーザー彫刻法;及び、サンドブラスト法;などをあげることができる。またこれらの彫刻した押圧ロールの表面については、腐食や傷付きからの保護を目的としてクロームメッキや鉄−リン合金メッキPVD法やCVD法による硬質カーボン処理などを施すことができる。

0062

上記受けロールは、通常は、表面の平滑なロールである。上記受けロールの表面を構成する素材は、ゴムが一般的であるが、特に制限されず、金属やセラミックなどであってもよい。

0063

本発明の積層体を製造する方法としては、例えば、上記表皮シートの一方の面の上に、任意の接着剤を、任意の方法で塗布した後、該接着剤の塗布膜を覆うように上記基布を重ね、押圧するドライラミネート方法をあげることができる。

0064

上記ドライラミネート方法で形成される接着剤層の厚み(乾燥・硬化後)は、特に制限されないが、接着強度の観点から、通常3μm以上、好ましくは5μm以上であってよい。一方、接着剤層を形成する際の乾燥工程に要する時間の短縮、及び該工程の作業容易性の観点から、通常70μm以下、好ましくは50μm以下であってよい。

0065

上記基布を、上記接着剤層の塗布膜を覆うように重ね、押圧する工程は、表面にエンボス模様の彫刻された押圧ロールと受けロールとを有するエンボス装置を使用し、上記表皮シートの層が上記押圧ロール側となるようにして行うことにより、得られる積層体に、積層と同時にエンボス模様を形成してもよい。押圧ロール温度は、通常10〜110℃、好ましくは15〜80℃、より好ましくは20〜40℃であってよい。押圧の圧力は、通常3〜15Kg/cm、好ましくは3.5〜12Kg/cm、より好ましくは4〜8Kg/cmであってよい。押圧ロール及び受けロールの具体的態様については上述した。

0066

上記接着剤としては、上記表皮シートと上記基布とのT形剥離試験における剥離強度が10N/25mm以上になるような接着剤であること以外は、特に制限されない。上記接着剤としては、例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エポキシ系、ポリクロロプレン系、ポリアクリル系、ポリメタクリル系ポリスチレン系ポリアミド系、セルロース系、クロロプレンゴム系、及びスチレン−ブタジエン共重合体系などの接着剤をあげることができる。上記接着剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。これらの中で、上記接着剤としては、クロロプレンゴム系接着剤が好ましい。

0067

上記接着剤を上記表皮シートに塗布する方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコートリバースコート、ロールブラッシュスプレーコートエアナイフコート、及びダイコートなどの方法をあげることができる。このとき、所望に応じて任意の溶剤、例えば1−メトキシ2−プロパノール酢酸nブチル、トルエンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン酢酸エチルアセトン、及び水などを用いることができる。

0068

上記接着剤は、意匠性の観点から、任意の色に着色されたものであってよい。

0069

図1は本発明の積層体の一例を示す断面の概念図である。表層側から順に表皮シートの層1、接着剤層3、及び基布の層2を有している。

0070

以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0071

測定方法
(イ)剥離強度:
JIS K6854−3:1999に準拠して測定した。積層体からマシン方向200mm、横方向25mmの長方形試験片採取し、表皮シートと基布とを、試験片の一方の短辺から長さ方向に50mm剥がし、当該剥がした部分を試験機の掴み部分でつかみ、つかみ移動速度300mm/分の条件でT形剥離試験を行った。

0072

(ロ)耐摩耗性:
JIS K7204:1999に準拠して測定した。テスター産業株式会社のテーバー摩耗試験機を使用し、摩耗輪H−22、回転速度72rpm、荷重1Kg、及び回転数1000回の条件で、積層体の表皮シート側表面のテーバー摩耗量を測定した。

0073

(ハ)エンボス転写性:
積層体の表皮シート側表面に形成されたエンボス模様を目視観察し、以下の基準で評価した。
A:エンボスの転写が良好である。
B:エンボスの転写性が十分ではない。
C:エンボスの転写性が悪い。

0074

(ニ)高温高湿環境下での耐変色性:
JIS Z 8722:2009に従い、コニタミノルジャパン株式会社の分光測色計「CM600d」を使用し、幾何条件c、鏡面反射となる成分含む条件で、XYZ座標を測定し、これをL*a*b*座標換算することにより、積層体の表皮シート側表面の処理前のb*値を求めた。次に、積層体を温度70℃、相対湿度95%の環境下に1680時間(10週間)曝した後、上述した方法により、積層体の表皮シート側表面の処理前のb*値を求めた。結果の表には、処理前と処理後のb*値の差の絶対値を記載した。なおL*a*b*座標については、コニタミノルタジャパン株式会社のホームページ(下記アドレス)などを参照することができる。http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part1/07.html

0075

(ホ)防汚性:
積層体の表皮シート側表面に、下記汚染物質の何れか1種を、下記汚染物質01〜04、08、10〜13、18〜22についてはスポイトを用いて1滴滴下し、下記汚染物質05〜07、09、14〜17については直径10mmの円形に塗布した後、室温23℃湿度50%の雰囲気下で24時間放置した。次いで、汚染部分を、流水で十分洗浄した後、水道水を十分含ませた日本製紙クレシア株式会社の産業用ワイパーキムワイプS−200(商品名)」を用いて、キムワイプに新たに汚れが付かなくなるまで拭いて洗浄した後、上記汚染部分を目視観察し、以下の基準で評価した。
A:汚染無し
B:汚染が僅かに残っている
C:汚染がかなり残っている
D:汚染が著しく残っている

0076

試験(ホ)で用いた汚染物質:
(汚染物質01)キッコーマン株式会社の醤油「特選丸大豆しょうゆ(商品名)」。
(汚染物質02)キッコーマン株式会社のソース「デリシャソース中濃(商品名)」。
(汚染物質03)株式会社ミツカン食酢「ミツカン穀物酢(商品名)」。
(汚染物質04)味の素株式会社のコーヒーブレディブラルブレンド(商品名)」。
(汚染物質05)株式会社ちふれ化粧品の赤色のマニキュア「ちふれネイルエナメル100(商品名)」。
(汚染物質06)株式会社オーブの赤色の口紅「OR763(商品名)」。
(汚染物質07)ホーユー株式会社の黒色毛染め「ビゲンクリームトーン登録商標)」。
(汚染物質08)株式会社マンダムヘアートニック「マンダムヘアトニック(商品名)」。
(汚染物質09)アース製薬株式会社の歯磨き粉ニューアクフレッシュZF(商品名)」。
(汚染物質10)花王株式会社の浴室用合成洗剤バスマジックリン(登録商標)」。
(汚染物質11)花王株式会社の台所漂白剤キッチンハイター(商品名)」。
(汚染物質12)ライオン株式会社の台所用合成洗剤「ママレモン(登録商標)」。
(汚染物質13)株式会社パイロットの赤色インキ「パイロットインキレッド(商品名)」。
(汚染物質14)ゼブラ株式会社の黒色油性ペン「Hi‐Mckee(登録商標)」。
(汚染物質15)ぺんてる株式会社の赤色クレヨン「ぺんてるくれよん(商品名)」。
(汚染物質16)パイロット株式会社の黒色水ペン「COLORPEN NO101(商品名)」。
(汚染物質17)日本サラリー株式会社の黒色の靴墨「キゥウイエリート液体クリーム(商品名)」。
(汚染物質18)日清食品株式会社のサラダ油「日清サラダ油(商品名)」。
(汚染物質19)明治製菓株式会社のうがい薬イソジンうがい薬(商品名)」。
(汚染物質20)リプトン株式会社の紅茶「リプトンイエローベルラベルティー(商品名)」。
(汚染物質21)JIS L0848:2004の6.1に準拠して得た酸性人工汗液
(汚染物質22)JIS L0848:2004の6.2に準拠して得たアルカリ性人工汗液。

0077

(へ)触感:
積層体の表皮シート側表面の触感を、温かさ、サラサラ感、及び柔らかさの観点から以下の基準で評価した。評価は、モニター10人の平均をとった。
A:温かさ、サラサラ感、及び柔らかさのバランスが良く、シルクのような触感である。
B:温かさ、サラサラ感、及び柔らかさのバランスが良い。
C:温かさ、サラサラ感、及び柔らかさのバランスが少し崩れている。しかし、不快感はない。
D:温かさ、サラサラ感、及び柔らかさのバランスが崩れており、不快な触感である。

0078

使用した原材料
1.表皮シート:
(1−1)下記成分(A1−1)30質量部、下記(A2−1)70質量部、下記(B−1)150質量部、下記(C−1)150質量部、下記(D−1)1質量部、下記(E−1)2質量部、及び下記(F−1)4質量部の配合物を、同方向二軸押出機を使用し、ダイス出口樹脂温度240℃、及びスクリュウ回転数350rpmの条件で溶融混練し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。このとき、各ゾーン表示温度と平均滞留時間とから、下記成分(D−1)の1分半減期温度以上の温度で2分間以上溶融混練されたと計算された。次に上記で得た熱可塑性エラストマー組成物をTダイと押出機を有する装置を使用し、Tダイ出口樹脂温度220℃の条件で、厚み350μmの表皮シートを得た。

0079

(1−2〜5)表1に示すように上記配合物の配合を変更したことの以外は、上記(1−1)と同様にして表皮シートを得た。

0080

(A1)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体:
(A1−1)旭化成ケミカルズ株式会社のスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体「アサプレンT−430(商品名)」、スチレンに由来する構成単位の含有量30質量%、数平均分子量 13万、質量平均分子量 20万。

0081

(A2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水素添加物:
(A2−1)株式会社クラレのスチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体「セプトン4077(商品名)」、スチレンに由来する構成単位の含有量30質量%、数平均分子量 26万、質量平均分子量 32万、水素添加率90%以上。

0082

(B)非芳香族系ゴム用軟化剤:
(B−1)出光興産株式会社のn−パラフィン系プロセスオイル「PW−90(商品名)」。

0083

(C)ポリプロピレン系樹脂:
(C−1)株式会社プライムポリマーホモポリプロピレン「CJ−700(商品名)」、融点166℃、メルトマスフローレート(230℃、21.18N)12g/10分。

0084

(D)有機過酸化物:
(D−1)日本油脂株式会社の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン「パーヘキサ25B(商品名)」、1分半減期温度189℃。

0085

(E)架橋助剤:
(E−1)新中化学工業株式会社のトリエチレングリコールジメタクリレート「NKエステル3G(商品名)」。

0086

(F)着色剤
(F−1)住化カラー株式会社の黒色の着色剤マスターバッチ「PEM−8080−GN−BL(商品名)」。

0087

2.基布:
(2−1)アンドー株式会社の綿「C−2095(商品名)」。番手20、密度タテ50本/inch・ヨコ45本/inch、厚さ250μm。
(2−2)木下資材社のナイロン繊維の織布「シーバス85(商品名)」。420デニール、綿換算の番手12、密度タテ78本/inch・ヨコ48本/inch、厚さ0.45mm)
(2−3)ヒクマ株式社のポリエステル系不織布(フェルト)「フェルト蛍光白220g/m2タイプ(商品名)」。目付量220g/m2、厚さ0.98mm。
(2−4)旭化成せんい株式会社のポリプロピレン不織布「P03040(商品名)」。目付量40g/m2、厚さ0.34mm。
(2−5)アンドー株式会社のポリエステル基布「E−3070(商品名)」。番手30、密度タテ35本/inch・ヨコ35本/inch、厚さ250μm。

0088

3.接着剤:
(3−1)セメダイン株式会社のエチレン・酢酸ビニル重体エマルジョン接着剤「EM152(商品名)」。(3−2)コニシ株式会社のクロロプレンゴム系接着剤「ボンドG17Z(商品名)」。

0089

例1
上記表皮シート(1−1)の片面の上に、上記接着剤(3−1)を、乾燥・硬化後の厚みが5μmとなるように塗布し、更にその上に上記基布(2−1)を覆うように重ね、表面にエンボス模様の彫刻された金属製の押圧ロール(溝深さ40μm)と受けロールとを有するエンボス装置を使用し、上記表皮シート(1−1)が上記押圧ロール側となるようにして、積層体の予熱温度140℃、圧力4.0kg/cm、押圧ロール温度35℃の条件で押圧し、積層体を得た。上記試験(イ)〜(へ)を行った。結果を表1に示す。

0090

例2〜5
表皮シートとして上記(1−1)に替えて、表1に示すものを用いたこと以外は、例1と同様に行った。結果を表1に示す。

0091

例6
Tダイ、押出機、冷却ロール、及び受けロールを有する装置を使用し、上記表皮シート(1−1)の製膜に用いた熱可塑性エラストマー組成物を、上記基布(2−2)の片面の上に、Tダイ出口樹脂温度190℃の条件で温度溶融押出し、冷却ロールと受けロールとで押圧し、厚み350μmの表皮シートの層を形成した。
続いて、表面にエンボス模様の彫刻された金属製の押圧ロール(溝深さ40μm)と受けロールとを有するエンボス装置を使用し、上記表皮シートの層が上記押圧ロール側となるようにして、積層体の予熱温度140℃、圧力4.0kg/cm、押圧ロール温度35℃の条件で押圧し、積層体を得た。上記試験(イ)〜(へ)を行った。結果を表2に示す。

0092

例7〜9
基布として上記(2−2)に替えて、表2に示すものを用いたこと以外は、例6と同様に行った。結果を表1に示す。

0093

例10
接着剤として上記(3−1)に替えて、表2に示すものを用いたこと以外は、例1と同様に行った。結果を表1に示す。

0094

0095

実施例

0096

本発明の皮革調樹脂シートは、表皮シートと基布(綿布、ナイロン織布、ポリエステル不織布(フェルト)、ポリプロピレンスパンボンド不織布、及びポリエステル織布)との剥離強度、及び耐摩耗性に優れている。またエンボス転写性、高温高湿環境下での耐変色性、防汚性、及び触感も良好である。

図面の簡単な説明

0097

本発明の積層体の一例を示す断面の概念図である。

0098

1:表皮シートの層
2:基布の層
3:接着剤層

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