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技術 記録装置、制御方法、およびプログラム

出願人 キヤノン株式会社
発明者 深澤拓也中野孝俊高橋敦士中川善統
出願日 2017年7月7日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2017-133530
公開日 2019年1月31日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2019-014146
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 循環システム内 インナーガイド 共通供給流路 液面レベルセンサ 温湿度状態 循環ユニット ワイパユニット メンテナンス状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年1月31日)のものです。
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図面 (20)

課題

クリーニング処理後に正常に予備吐出を実施できるようにすること。

解決手段

本発明は、液体吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環動作を行う循環手段と、前記記録ヘッドに対するクリーニング処理を行うクリーニング機構と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出動作を行う予備吐出手段とを有する記録装置であって、前記クリーニング機構は、前記液体の循環が停止している状態で前記クリーニング処理を行い、前記クリーニング処理の後、前記循環手段による前記循環動作と前記予備吐出手段による前記予備吐出動作のうち、少なくとも一方を行うことを特徴とする記録装置である。

概要

背景

特許文献1には、インクジェット記録装置記録ヘッド吐出口面ワイピングした後に予備吐出を実施することが開示されている。

概要

クリーニング処理後に正常に予備吐出を実施できるようにすること。本発明は、液体吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環動作を行う循環手段と、前記記録ヘッドに対するクリーニング処理を行うクリーニング機構と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出動作を行う予備吐出手段とを有する記録装置であって、前記クリーニング機構は、前記液体の循環が停止している状態で前記クリーニング処理を行い、前記クリーニング処理の後、前記循環手段による前記循環動作と前記予備吐出手段による前記予備吐出動作のうち、少なくとも一方を行うことを特徴とする記録装置である。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みて、ワイピング等のクリーニング処理後に正常に予備吐出を実施できるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液体吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環動作を行う循環手段と、前記記録ヘッドに対するクリーニング処理を行うクリーニング機構と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出動作を行う予備吐出手段とを有する記録装置であって、前記クリーニング機構は、前記液体の循環が停止している状態で前記クリーニング処理を行い、前記クリーニング処理の後、前記循環手段による前記循環動作と前記予備吐出手段による前記予備吐出動作のうち、少なくとも一方を行うことを特徴とする記録装置。

請求項2

前記記録ヘッドの前記吐出部は第1のインクと第2のインクを吐出可能であり、前記第1のインクは前記クリーニング処理の後、前記循環動作を行い、前記第2のインクは前記クリーニング処理の後、前記予備吐出動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。

請求項3

前記第1のインクは前記クリーニング処理の後、前記循環動作と前記予備吐出動作の両方を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。

請求項4

前記循環手段による前記第1のインクの循環と、前記予備吐出手段による前記第1のインクの予備吐出とは同時に開始され、前記第1のインクの予備吐出による排出量は、前記第1のインクの循環経路を循環する第1のインクの流量より多いことを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。

請求項5

前記循環手段による前記第1のインクの循環と、前記予備吐出手段による前記第1のインクの予備吐出とは同時に開始され、前記循環手段が前記第1のインクの循環を停止した後、前記予備吐出手段は前記第1のインクの予備吐出を停止することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。

請求項6

前記第1のインクは、前記循環動作を所定時間行った後、前記予備吐出動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。

請求項7

前記循環手段は、前記第1のインクの前記循環経路で前記第1のインクを循環させるか否か、及び、前記第2のインクの前記循環経路で前記第2のインクを循環させるか否かを一括で制御することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の記録装置。

請求項8

前記循環手段は、前記記録装置の設置環境における温度と、該設置環境における湿度と、前記第1のインクの濃度との少なくとも1つに基づいて、前記第1のインクを循環させることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の記録装置。

請求項9

前記第1のインクはブラックインクで、前記第2のインクはカラーインクであることを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載の記録装置。

請求項10

前記記録ヘッドは複数の前記吐出部を有し、前記予備吐出手段は、前記循環経路における下流側にある前記吐出部からの排出量を、該循環経路における上流側にある前記吐出部からの排出量より多くすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。

請求項11

液体を吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記吐出部の吐出口面キャップするキャップ部材と、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環手段と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出手段とを有する記録装置であって、前記吐出口面を前記キャップ部材がキャップしないキャップオープン状態で、前記予備吐出手段が前記液体を予備吐出させるにあたって、前記吐出口面を前記キャップ部材がキャップするキャップクローズ状態継続時間に基づき、前記予備吐出による排出量を導出することを特徴とする記録装置。

請求項12

前記液体は、ブラックインクとカラーインクとを含み、前記予備吐出手段は、前記ブラックインクについては循環が開始された後で予備吐出する一方、前記カラーインクについては循環が開始されていない状態で予備吐出することを特徴とする請求項11に記載の記録装置。

請求項13

液体を吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記吐出部の吐出口面をキャップするキャップ部材と、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環手段と、前記記録ヘッドに対するクリーニング処理を行うクリーニング機構と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出手段とを有する記録装置であって、前記液体の循環が停止している状態で、前記吐出口面を前記キャップ部材がキャップするキャップクローズ状態から、前記吐出口面を前記キャップ部材がキャップしないキャップオープン状態に遷移し、該遷移したキャップオープン状態で前記クリーニング機構による前記クリーニング処理が行われ、該クリーニング処理の後、前記キャップオープン状態から前記キャップクローズ状態に遷移し、該遷移したキャップクローズ状態で、前記循環手段は前記液体を循環させることを特徴とする記録装置。

請求項14

前記クリーニング処理の後、印字命令があるか判定する判定手段を更に有し、前記判定手段により前記印字命令が無いと判定された場合、前記キャップオープン状態から前記キャップクローズ状態への遷移、及び、該キャップクローズ状態における前記液体の循環が実行され、前記判定手段により前記印字命令があると判定された場合、前記循環手段による前記液体の循環、及び、前記予備吐出手段による前記液体の予備吐出が実行されることを特徴とする請求項13に記載の記録装置。

請求項15

前記印字命令が無いと判定された場合に実行される前記循環の時間は、前記印字命令があると判定された場合に実行される前記循環の時間より長いことを特徴とする請求項14に記載の記録装置。

請求項16

液体を吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環動作を行う循環手段と、前記記録ヘッドに対するクリーニング処理を行うクリーニング機構と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出動作を行う予備吐出手段とを有する記録装置の制御方法であって、前記液体の循環が停止している状態で前記クリーニング処理を行うステップと、前記クリーニング処理の後、前記循環手段による前記循環動作と前記予備吐出手段による前記予備吐出動作のうち、少なくとも一方を行うステップとを有することを特徴とする制御方法。

請求項17

コンピュータに請求項16に記載の方法を実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、記録装置制御方法、およびプログラムに関する。

背景技術

0002

特許文献1には、インクジェット記録装置記録ヘッド吐出口面ワイピングした後に予備吐出を実施することが開示されている。

先行技術

0003

特開2014−24210号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、ワイピング中に、吐出口内で外気に触れるインク濃縮が進行し、ワイピング後の予備吐出で正常に吐出することができなくなる虞がある。しかし、特許文献1ではこの課題は考慮されていない。

0005

そこで本発明は、上記の課題に鑑みて、ワイピング等のクリーニング処理後に正常に予備吐出を実施できるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、液体を吐出する吐出部を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを含む循環経路で前記液体を循環させる循環動作を行う循環手段と、前記記録ヘッドに対するクリーニング処理を行うクリーニング機構と、前記吐出部から前記液体を予備吐出させる予備吐出動作を行う予備吐出手段とを有する記録装置であって、前記クリーニング機構は、前記液体の循環が停止している状態で前記クリーニング処理を行い、前記クリーニング処理の後、前記循環手段による前記循環動作と前記予備吐出手段による前記予備吐出動作のうち、少なくとも一方を行うことを特徴とする記録装置である。

発明の効果

0007

本発明により、クリーニング処理後に正常に予備吐出を実施できるようになる。

図面の簡単な説明

0008

記録装置が待機状態にあるときの図である。
記録装置の制御構成を示すブロック図である。
記録装置が記録状態にあるときの図である。
(a)〜(c)は、第1カセットから給送された記録媒体搬送経路図である。
(a)〜(c)は、第2カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。
(a)〜(d)は、記録媒体の裏面に記録動作を行う場合の搬送経路図である。
記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。
(a)および(b)は、メンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。
循環型インク供給システムを示す図である。
(a)および(b)は、インク吐出ユニットにおける吐出部の構成を示す図である。
第1実施形態におけるワイピングシーケンスフローチャートである。
第1実施形態におけるワイピングシーケンスの説明図である。
第2実施形態におけるワイピングシーケンスのフローチャートである。
第2実施形態におけるワイピングシーケンスの説明図である。
第3実施形態におけるワイピングシーケンスのフローチャートである。
第4実施形態におけるワイピングシーケンスのフローチャートである。
第5実施形態におけるワイピングシーケンスのフローチャートである。
第6実施形態におけるワイピングシーケンスのフローチャートである。
(a)〜(b)は、第6実施形態におけるワイピングシーケンスの説明図である。
第7実施形態で用いるテーブルである。
(a)〜(b)は、第8実施形態におけるワイピングシーケンスのフローチャートである。

実施例

0009

以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッド及び液体吐出装置について説明する。以下の実施形態では、インクを吐出するインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置について具体的な構成で説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及び液体の供給方法は、プリンタ複写機通信ステムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置複合的に組み合わせた産業記録装置に適用可能である。例えば、バイオチップ作製や電子回路印刷などの用途としても用いることができる。また、以下に述べる実施形態は、本発明の具体例であるから、技術的に好ましい様々の限定が付けられている。しかし、本発明の思想に沿うものであれば、実施形態は以下に記載の実施形態やその他の具体的方法に限定されるものではない。

0010

<記録装置の内部構成について>
図1は、インクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。

0011

記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADFオートドキュメントフィーダ)とFBSフラットベッドスキャナ)を備えており、ADFで自動給紙される原稿読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、ここではプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機を示すが、スキャナ部3を備えない形態であっても良い。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。

0012

プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。

0013

搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19、およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。

0014

ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。

0015

記録ヘッド8は、フルラインタイプカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向きキャップユニット10によってキャップされている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。

0016

インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。ここで4色のインクとは、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクを指す。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。記録装置1は循環型のインク供給システムを有し、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。

0017

メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作については後に詳しく説明する。

0018

<記録装置の制御構成について>
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。記録装置1は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下、制御構成の詳細について説明する。

0019

コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。

0020

なお、記録装置1は無線通信有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナエンジンユニット300に送信する。

0021

操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。

0022

プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。

0023

ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17等のクリーニング機構の動作を制御する。

0024

スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えばコントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。

0025

<記録状態における記録装置の動作について>
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。

0026

記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。

0027

次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。

0028

図4(a)〜(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第1カセット5A内の1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。

0029

記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、搬送ローラ7と拍車7bに案内されながら、先端が右に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pの位置から、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。

0030

記録媒体Sは、鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。排出された記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で、排出トレイ13上に保持される。

0031

図5(a)〜(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内の1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。

0032

図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字上に湾曲されてプラテン9まで搬送される。

0033

その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。

0034

図6(a)〜(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)〜(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。

0035

記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。

0036

その後記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。

0037

その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面を記録する場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。

0038

<記録ヘッドに対するメンテナンス動作について>
次に、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作について説明する。図1でも説明したように、メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。

0039

図7は、記録装置1がメンテナンス状態にあるときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。

0040

一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。

0041

図8(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に対応し、図8(b)は図7に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10は鉛直方向上方に移動しており、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプ吸引させる機能も備えている(キャップ吸引)。

0042

一方、図8(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。

0043

ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。

0044

ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。

0045

一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。

0046

ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171によるワイピング動作を行いバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を行わない第1のワイピング処理と、両方のワイピング処理を順番に行う第2のワイピング処理を実施することができる。第1のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16から引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。この移動により、吐出口面8aに付着するインク等はブレードワイパ171aに拭き取られる。すなわち、ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16から引き出された位置からメンテナンスユニット16内へ移動する際に吐出口面8aをワイピングする。

0047

ブレードワイパユニット171が収納されると、プリントコントローラ202は、次にキャップユニット10を鉛直方向上方に移動させ、キャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させる。そして、プリントコントローラ202は、その状態で記録ヘッド8を駆動して予備吐出を行わせ、キャップ部材10a内に回収されたインクを吸引ポンプによって吸引する。

0048

一方、第2のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。これにより、ブレードワイパ171aによるワイピング動作が吐出口面8aに対して行われる。次に、プリントコントローラ202は、再び記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて所定位置まで引き出す。続いて、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を図7に示すワイピング位置下降させながら、平板172aと位置決めピン172dを用いて吐出口面8aとバキュームワイパユニット172の位置決めを行う。その後、プリントコントローラ202は、上述したバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を実行する。プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向上方に退避させ、ワイピングユニット17を収納した後、第1のワイピング処理と同様に、キャップユニット10によるキャップ部材内への予備吐出と回収したインクの吸引動作を行う。

0049

<循環型インク供給システムについて>
図9は、記録装置1で採用する循環型インク供給システムを示す図である。循環型インク供給システムは、インクタンクユニット14、インク供給ユニット15、記録ヘッド8が連結されて構成される。ここでは、1色のインクについての循環システムを示しているが、実際にはこのような循環システムが、インク色ごとに用意されている。

0050

インクタンクユニット14には、比較的大容量のインクを貯留するメインタンク141が設置されている。インク供給ユニット15には、バッファタンク151と、これに連結する3つのポンプP0、P1、P2が含まれている。循環ポンプP1およびP2は、供給システム中のインクが循環ポンプP1からバッファタンク151を経由して循環ポンプP2方向へ移動するように、循環経路全体のインクを流動させる。

0051

バッファタンク151には液面レベルセンサ154が設けられている。液面レベルセンサ154は、2本のピンで構成され、2本のピン間の導通電流の有無を検出することにより、インク液面の位置(高さ)を把握することが可能である。即ち、液面レベルセンサ154を用いることで、バッファタンク151内のインク液面が液面レベルセンサ154の高さに達したことを検知できる。補充ポンプP0は、バッファタンク151内のインク残量が少なくなった時に作動し、メインタンク141より新たなインクを補充する。インク補充の際、インク液面の高さが液面レベルセンサ154の高さを超えないよう、ポンプP0は制御される。つまり、バッファタンク151内のインク液面が、液面レベルセンサ154の高さに達した場合、インク供給制御部209はポンプP0を制御して、メインタンク141からバッファタンク151へのインク補充を停止する。

0052

記録ヘッド8は、インク吐出ユニット80と、循環ユニット81と、負圧制御ユニット82を有している。インク吐出ユニット80は吐出データに従ってインク滴を吐出するための構造を備えている。ここでは、個々の記録素子ヒータ配備し、当該ヒータに電圧印加することによってインク内に膜沸騰を生じさせ、泡の成長エネルギーに伴って吐出口からインクを吐出させる方式を採用する。負圧制御ユニット82は、インク吐出ユニット80において、インクが正常な方向に適切な圧力で流れるように調整する。循環ユニット81は、バッファタンク151から負圧制御ユニット82へのインクの供給、および、インク吐出ユニット80からバッファタンク151へのインクの回収を制御することで、循環動作を実行する。

0053

バッファタンク151から循環ユニット81に供給されたインクは、フィルタ811を介して負圧制御ユニット82に供給される。負圧制御ユニット82には、相対的に高圧でインクを流出する負圧制御ユニットHと、相対的に低圧でインクを流出する負圧制御ユニットLが配されている。負圧制御ユニットHから流出されたインクと負圧制御ユニットLより流出されたインクは、それぞれ別の経路で循環ユニット81を介しインク吐出ユニット80に供給される。

0054

インク吐出ユニット80には、複数のノズルがy方向に配列される記録素子基板80aが更にy方向に複数配置され、長尺ノズル列が形成されている。また、負圧制御ユニットHによって相対的に高圧で供給されるインクを導くための共通供給流路80bと、負圧制御ユニットLによって相対的に低圧で供給されるインクを導くための共通回収流路80cも、インク吐出ユニット80内に形成されている。さらに個々の記録素子基板80aには、共通供給流路80bと接続する個別流路と、共通回収流路80cと接続する個別流路が形成されている。2つの負圧制御ユニットにより差圧圧力差)が生じることで、個々の記録素子基板80aには、相対的に高圧を有する共通供給流路80bより流入し、相対的に低圧を有する共通供給流路80cへ流出するような、インクの流れが生成される。そして、記録素子基板80aで吐出動作が行われると、循環するインクの一部は吐出によって消費されるが、残りのインクは共通回収流路80cを経て循環ユニット81に還流され、循環ポンプP1を経てバッファタンク151に戻される。

0055

このような循環型インク供給システムにおいては、記録素子基板80aの吐出動作で発生する熱が循環するインクによって奪われるので、吐出動作が連続して行われても蓄熱に伴う吐出不良を抑えることができる。また、吐出動作に伴って発生する泡や増粘インク、さらに異物などが停滞しにくい構成のため、ノズルの吐出状態を良好に維持することができる。

0056

特に、吐出動作に伴って発生した泡は上方へと移動する性質があるため、上述のように吐出口面8a即ちインク吐出ユニット80を傾けた状態で記録動作を行うと、特定の記録素子基板80aや特定の吐出口に泡が滞留するおそれが生じる。しかしながら、循環型インク供給システムを採用すれば、発生した泡も共通回収流路80cを介して確実に回収できるため、吐出動作時における記録ヘッド8の姿勢の自由度も増す。結果として、図3のような記録位置も可能となり装置の小型化を実現することができる。

0057

但し、その一方で、メンテナンス位置においては、個々の記録素子基板80aおよび個々の吐出口に対し重力の影響を均等に作用させるために吐出口面8aは水平になっていることが望ましい。このため、記録ヘッド8においては、図1に示す待機位置、図3に示す記録位置、および図7に示すメンテナンス位置の間を適宜移動する必要が生じ、簡潔で短時間に移動可能な構成が求められる。

0058

<吐出部について>
図10(a)は記録素子基板80aの一部を拡大した平面模式図であり、図10(b)は、図10(a)の断面線Xb−Xbにおける断面模式図である。記録素子基板80aには、インクが充填される圧力室1005とインクを吐出する吐出口1006が設けられている。圧力室1005において、吐出口1006と対向する位置には記録素子1004が設けられている。また、記録素子基板80aには、共通供給流路80bと接続する個別供給流路1008と、共通回収流路80cと接続する個別回収流路1009とが吐出口1006毎に複数形成されている。

0059

上述した構成により、記録素子基板80aでは、相対的に負圧の弱い(圧力の高い)共通供給流路80bより流入し、相対的に負圧の強い(圧力の低い)共通回収流路80cへ流出するインクの流れが生成される。より詳しくは、共通供給流路80b→個別供給流路1008→圧力室1005→個別回収流路1009→共通回収流路80cの順にインクが流れる。記録素子1004によってインクが吐出されると、共通供給流路80bから共通回収流路80cへ移動するインクの一部は吐出口1006から吐出されることによってヘッドユニット8の外部へ排出される。一方、吐出口1006から吐出されなかったインクは、共通回収流路80cを経て回収流路C4へ回収される。

0060

<予備吐出について>
予備吐出とは、ワイピング処理によって吐出口内に押し込まれて混色したインクを排出するための動作であり、第1のワイピング処理または第2のワイピング処理が行われた後に行われる。これは、ワイピング処理において吐出口列が順次払拭されるため、一連のワイピング動作中において、前段の吐出口列で払拭されたインクが、後段の吐出口列の払拭時に後段の吐出口列に付着して混色インクが残存する虞があることによる。従って本実施形態では、ワイピング処理の後に、キャップ部材10aに予備吐出動作を行う。この予備吐出により、吐出口内で混色したインクが排出される。

0061

以下、これまで説明してきた基本構成踏まえ、本発明の好適な実施形態について説明する。

0062

[第1実施形態]
本実施形態は、ブラックインクを使用する場合に、ワイピングシーケンス中に吐出口1006内のブラックインクが濃縮、増粘することが原因で、吐出口1006からブラックインクを吐出することが困難になってしまうことに対処するためのものである。これは、本実施形態におけるブラックインクが、他のシアン、マゼンタ、イエローのカラーインクと比べて顔料を多く含み、増粘しやすいインクであることによる。

0063

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図11及び図12を用いて説明する。

0064

テップS1101において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を停止(循環OFF)する。図12(a)は、ブラックインクの循環システムの吐出部1000において、循環が停止している状態を示す。図示するように、吐出部1000においてブラックインクが充填されているが、循環による吐出口1006内でのインクの流れは発生していない。

0065

ステップS1102において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(即ち、上述の第1のワイピング処理を実施する)。この間、吐出口面8aは、キャップユニット10によってキャップされておらず、吐出口1006内のブラックインクは吐出口面8aで外気に触れているため、インク中の水分が蒸発し、濃縮が進行する。図12(b)は、この状態を示している。ブラックインクの濃縮が過度に進んだ場合、図12(c)に示すように、増粘により吐出口1006からブラックインクを吐出することができなくなってしまう。尚、ここでは、ステップS1102において第1のワイピング処理を実施する場合を示しているが、第1のワイピング処理の代わりに、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0066

ステップS1103において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を再び開始(循環ON)する。循環を再開すると、図12(d)に示すように、インク流1205により、吐出口1006内の濃縮インクは、個別回収流路1009へ流出する。この結果、吐出口1006内は、濃縮インクの体積縮小し、代わりに濃縮されていないインクで満たされる。なお、吐出口面8a付近の濃縮インクは、図12(d)に示すように残存することもある。

0067

ステップS1103でインク循環を再開し、所定時間(例えば5秒)が経過した後、ステップS1104において、プリントコントローラ202は、記録素子1004を駆動してブラックインクの予備吐出を行わせる。尚、ステップS1103での循環再開により吐出口1006内に滞留する濃縮インクを減少させたことで、本ステップにて、吐出口1006からブラックインクを問題なく吐出することが可能となっている。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0068

尚、上述の例では、ワイピング後に、インクの循環と予備吐出との両方を実行する場合を説明しているが、本実施形態はこれに限定されない。ワイピング後に、インクの循環と予備吐出との何れかを実行するような実施形態も考えられる。

0069

<本実施形態の効果について>
本実施形態により、ワイピング後に濃縮インクで吐出口1006が詰まって吐出不良の状態になることを防ぐことができる。

0070

[第2実施形態]
第1実施形態では、ブラックインクを使用する場合を説明した。本実施形態では、ブラックインクの他にシアン、マゼンダ、イエロー等のカラーインクを使用し、かつ全色のインク循環のON/OFFを一括制御する(即ち、色毎に循環のON/OFFを制御しない)場合を説明する。尚、以下では上述の実施形態との差分について主に説明し、上述の実施形態と同様の内容については説明を適宜省略する。

0071

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図13及び図14を用いて説明する。

0072

ステップS1301において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、全色のインクの循環システム(つまり、Cインク、Mインク、Yインク、Kインク夫々の循環システム)におけるインク循環を停止(循環OFF)する。この後のステップS1302では、ワイピング処理が行われる。循環を継続したままワイピングを行うと、ワイピングによって吐出口面8aに付着した混色インクがインク流路拡散してしまう。このため、ワイピング処理を行う前に、インクの循環を停止する。図14(a)は、カラーインクの循環システムの吐出部1000において、カラーインクの循環が停止している状態を示し、図14(d)は、ブラックインクの循環システムの吐出部1000において、ブラックインクの循環が停止している状態を示す。図示するように、夫々の吐出部1000においてインクが充填されているが、インク流は発生していない。

0073

ステップS1302において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(即ち、上述の第1のワイピング処理を実施する)。この間、吐出口面8aは、キャップユニット10によってキャップされていない。従って、第1実施形態と同様、ブラックインクの循環システムの吐出口1006内のブラックインクは、図14(e)に示すように濃縮する。濃縮が過度に進んだ場合、図14(f)に示すように、増粘により吐出口1006からブラックインクを吐出することができなくってしまう。

0074

これに対し、カラーインクの循環システムの吐出口1006では、カラーインクが、図14(b)に示すように濃縮する。この点はブラックインクと同様であるが、カラーインクはブラックインクと比較して粘度が低いため、ブラックインクと同程度の時間外気に触れていた場合であっても、図14(c)に示すように吐出口1006においてカラーインクを吐出可能な状態が維持される。

0075

また、本実施形態では、ブラックインクとカラーインクとを使用することから、ワイピングにより各色の循環システムに混色インクが混入する虞がある。

0076

尚、ここでは、ステップS1302において第1のワイピング処理を実施する場合を示しているが、第1のワイピング処理の代わりに、第2のワイピング処理やキャップ吸引処理等の、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0077

ステップS1303において、プリントコントローラ202は、カラーインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してカラーインクの予備吐出を行わせる。この結果、濃縮したカラーインクおよび混色インクが、カラーインクの循環システム外に排出される。なお、上述したように、カラーインクはブラックインクと比較して粘度が低いために、濃縮が進行した場合であっても、吐出口からカラーインクを吐出可能な状態が維持される。従って、カラーインクの予備吐出を行うにあたって、カラーインクの循環を再開してインク流を発生させる必要はない。

0078

ステップS1304において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、全色のインクの循環システム(つまり、Cインク、Mインク、Yインク、Kインク夫々の循環システム)におけるインク循環を再開(循環ON)する。循環再開後のブラックインクの循環システムでは、図14(g)に示すように、インク流1415により、吐出口1006内の濃縮インクが個別回収流路1009へ流出する。結果、吐出口1006内は、濃縮インクの体積は縮小し、代わりに濃縮されていないブラックインクで満たされる。

0079

ステップS1305において、プリントコントローラ202は、ブラックインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してブラックインクの予備吐出を行わせる。この結果、濃縮したブラックインクおよび混色インクがブラックインクの循環システム外に排出される。なお、ステップS1304で吐出口1006内に滞留する濃縮インクを減少させたことで、本ステップにて、吐出口1006からブラックインクを問題なく吐出することが可能となっている。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0080

<本実施形態の変形例について>
本実施形態では上述したように、吐出口1006内に滞留する濃縮インクや混色インクは、予備吐出により循環システム外に排出される。しかし、濃縮インクや混色インクの一部は、インク流により個別回収流路1009から流出し循環システム内に残ってしまう。このような濃縮インクや混色インクは印字不良を引き起こす原因となるので、可能な限り排出した方が良い。従って、例えば、記録素子基板80a毎に排出量を制御する、つまり、下流側にある記録素子基板80aの吐出部1000からの吐出回数を、上流側にある記録素子基板80aの吐出部1000からの吐出回数より多くする実施形態が考えられる。これにより、より多くの濃縮インクや混色インクを循環システム外に排出することが可能となる。

0081

<本実施形態の効果について>
本実施形態により、ワイピング後に吐出口1006内に滞留する濃縮インクを減らすことができるので、吐出口1006が詰まって吐出不良の状態になることを防ぐことができる。また、ワイピングにより各色の循環システム内に生じる虞がある混色インクを循環システム外に排出することができるので、混色インクによる印字不良を抑制することができる。

0082

[第3実施形態]
第2実施形態では、ブラックインクとカラーインクとを使用し、かつ全色のインク循環のON/OFFを一括制御する場合を説明した。本実施形態では、ブラックインクとカラーインクとを使用し、かつインク循環のON/OFFを色ごとに制御可能な場合の一例を説明する。

0083

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図15を用いて説明する。

0084

ステップS1501において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、全色のインクの循環システム(つまり、Cインク、Mインク、Yインク、Kインク夫々の循環システム)におけるインク循環を停止(循環OFF)する。

0085

ステップS1502において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(即ち、上述の第1のワイピング処理を実施する)。この間、吐出口面8aは、キャップユニット10によってキャップされていない。従って、第2実施形態と同様に、ブラックインクの循環システムの吐出口1006内のブラックインクの濃縮が進行し、濃縮が過度に進行した場合、この吐出口からブラックインクを吐出することができなくなる。一方、カラーインクの循環システムの吐出口1006においても、カラーインクの濃縮が進行するが、カラーインクはブラックインクと比較して粘度が低いために、濃縮が過度に進行した場合であっても、吐出口においてカラーインクを吐出可能な状態が維持される。また、ワイピングにより各色の循環システムに混色インクが混入する虞がある。尚、ここでは、ステップS1502において第1のワイピング処理を実施する場合を示しているが、第1のワイピング処理の代わりに、第2のワイピング処理やキャップ吸引処理等の、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0086

ステップS1503において、プリントコントローラ202は、カラーインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してカラーインクの予備吐出を行わせることで、濃縮したカラーインクおよび混色インクを、該循環システム外に排出する。尚、上述したように、カラーインクはブラックインクと比較して粘度が低く、濃縮が進行した場合であっても吐出口からカラーインクを吐出可能な状態が維持される。従って、カラーインクを予備吐出するにあたって、カラーインクの循環を再開してインク流を発生させる必要はない。

0087

ステップS1503の処理と並行して、ステップS1504において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を再開(循環ON)する。循環再開後のブラックインクの循環システムでは、吐出口1006内の濃縮インクが個別回収流路1009へ流出する結果、吐出口1006内は、濃縮インクが縮小し、代わりに濃縮されていないブラックインクで満たされる。

0088

ステップS1505において、プリントコントローラ202は、ブラックインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してブラックインクの予備吐出を行わせる。この結果、濃縮したブラックインクおよび混色インクがブラックインクの循環システム外に排出される。ステップS1504で吐出口1006内に滞留する濃縮インクを減少させたことで、本ステップにて、吐出口1006からブラックインクを問題なく吐出することが可能となっている。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0089

<本実施形態の効果について>
本実施形態では、カラーインクの予備吐出(ステップS1503)と、ブラックインクの循環(ステップS1504)とを同時に実行する。これにより、第2実施形態よりワイピングシーケンスに要する時間を短縮することができる。

0090

[第4実施形態]
本実施形態では、ブラックインクとカラーインクとを使用し、かつインク循環のON/OFFを色ごとに制御可能な場合の一例を説明する。

0091

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図16を用いて説明する。

0092

ステップS1601において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、全色のインクの循環システム(つまり、Cインク、Mインク、Yインク、Kインク夫々の循環システム)におけるインク循環を停止(循環OFF)する。

0093

ステップS1602において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(即ち、上述の第1のワイピング処理を実施する)。この結果、第2〜第3実施形態と同様に、ブラックインクの循環システムにおける吐出口内のブラックインクの濃縮、及び、カラーインクの循環システムにおける吐出口内のカラーインクの濃縮が進行する。また、ワイピングにより各色の循環システムに混色インクが混入する虞がある。尚、ここでは、ステップS1602において第1のワイピング処理を実施する場合を示しているが、第1のワイピング処理の代わりに、第2のワイピング処理やキャップ吸引処理等の、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0094

ステップS1603において、プリントコントローラ202は、カラーインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してカラーインクの予備吐出を行わせることで、濃縮したカラーインクおよび混色インクを、カラーインクの循環システム外に排出する。

0095

ステップS1603の処理と並行して、ステップS1604において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を再開する。また、これと同時に、プリントコントローラ202は、この循環システムにおける記録素子1004を駆動してブラックインクの予備吐出を行わせる。このように本ステップでは、ブラックインクの循環とブラックインクの予備吐出とが同時に開始される。このとき、プリントコントローラ202は、予備吐出による排出量を制御する。具体的には、プリントコントローラ202は、ノズル1個当たり、単位時間当たりの吐出回数を調整することで、予備吐出による循環システムからの排出量が、循環ポンプP1、P2を駆動することで循環する流量(循環流量とする)より多くなるようにする。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0096

<本実施形態の変形例について>
本実施形態では、ステップS1602において第1のワイピング処理等のクリーニング処理が実施される場合を説明したが、ステップS1602で実施されるクリーニング処理の内容に応じて、予備吐出による排出量を適宜変更しても良い。つまり、循環システム内に混色インクが発生する度合いは、クリーニング処理の内容に応じて異なってくるため、該内容に応じて排出量を調整する。具体的には、循環システム内に混色インクが多く発生するクリーニング処理が実施された場合に、混色インクがそれほど発生しないクリーニング処理が実施された場合よりも、排出量を多くする。例えば、キャップ吸引処理が実施された場合に排出量を最も多くし、第2のワイピング処理が実施された場合は排出量を減らし、第1のワイピング処理が実施された場合は排出量を更に減らすような実施形態が考えられる。

0097

<本実施形態の効果について>
本実施形態では、カラーインクの予備吐出(ステップS1603)と、ブラックインクの循環(ステップS1604)とを同時に実行する。これにより、第2実施形態よりワイピングシーケンスに要する時間を短縮することができる。

0098

また、本実施形態では、ブラックインクの循環システムにおいて、予備吐出による排出量が循環流量より多くなるよう制御される。これにより、記録ヘッド8から回収される濃縮インクや混色インクの量を減らすことができるので、濃縮インクや混色インクが原因の印字不良を抑制することができる。

0099

[第5実施形態]
本実施形態では、ブラックインクとカラーインクとを使用し、かつインク循環のON/OFFを色ごとに制御可能な場合の一例を説明する。

0100

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図17を用いて説明する。

0101

ステップS1701において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、全色のインクの循環システム(つまり、Cインク、Mインク、Yインク、Kインク夫々の循環システム)におけるインク循環を停止(循環OFF)する。

0102

ステップS1702において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(即ち、上述の第1のワイピング処理を実施する)。この結果、第2〜第4実施形態と同様に、ブラックインクの循環システムにおける吐出口内のブラックインクの濃縮、及び、カラーインクの循環システムにおける吐出口内のカラーインクの濃縮が進行する。また、ワイピングにより各色の循環システムに混色インクが混入する虞がある。尚、ここでは、ステップS1702において第1のワイピング処理を実施する場合を示しているが、第1のワイピング処理の代わりに、第2のワイピング処理やキャップ吸引処理等の、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0103

ステップS1703において、プリントコントローラ202は、カラーインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してカラーインクの予備吐出を行わせることで、濃縮したカラーインクおよび混色インクを、カラーインクの循環システム外に排出する。

0104

ステップS1703の処理と並行して、ステップS1704において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を再開する。また、これとともに、プリントコントローラ202は、この循環システムにおける記録素子1004を駆動してブラックインクの予備吐出を行わせる。このように、ブラックインクについては、循環と予備吐出とを同時に実行する。これにより、吐出口内の増粘インクを減らして吐出口からの吐出安定性(吐出口から安定して吐出できる特性)を回復しながら、濃縮インクや混色インクをブラックインクの循環システム外に排出している。

0105

ステップS1705において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を停止(循環OFF)する。

0106

ステップS1706において、プリントコントローラ202は、ブラックインクの循環システムにおける記録素子1004を停止してブラックインクの予備吐出を終了させる。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0107

<本実施形態の変形例について>
本実施形態を第4実施形態のケースに適用しても良い。つまり、プリントコントローラ202は、予備吐出による循環システムからの排出量が循環流量より多くなるように制御しても良い。

0108

<本実施形態の効果について>
本実施形態では、ブラックインクについては循環と予備吐出とを同時に実行した後、予備吐出は継続して実行しつつ、循環は停止する。これにより、記録ヘッド8から回収される濃縮インクや混色インクの量を減らすことができるので、濃縮インクや混色インクが原因の印字不良を抑制することができる。

0109

[第6実施形態]
本実施形態では、記録装置1の設置環境に応じて、ブラックインクを循環させる。尚、本実施形態も上述の実施形態3〜5と同様に、ブラックインクとカラーインクとを使用し、かつインク循環のON/OFFを色ごとに制御可能な場合を想定している。

0110

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図18を用いて説明する。

0111

ステップS1801において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、全色のインクの循環システム(つまり、Cインク、Mインク、Yインク、Kインク夫々の循環システム)におけるインク循環を停止(循環OFF)する。

0112

ステップS1802において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(即ち、上述の第1のワイピング処理を実施する)。この結果、第2〜第5実施形態と同様に、ブラックインクの循環システムにおける吐出口内のブラックインクの濃縮、及び、カラーインクの循環システムにおける吐出口内のカラーインクの濃縮が進行する。また、ワイピングにより各色の循環システムに混色インクが混入する虞がある。尚、ここでは、ステップS1802において第1のワイピング処理を実施する場合を示しているが、第1のワイピング処理の代わりに、第2のワイピング処理やキャップ吸引処理等の、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0113

ステップS1803において、プリントコントローラ202は、記録装置1の設置環境の温度及び湿度を取得する。尚、記録装置1は、温度計及び湿度計を備え、プリントコントローラ202は任意のタイミングで、記録装置1の設置環境の温度及び湿度を取得することが可能である。

0114

ステップS1804において、プリントコントローラ202は、ブラックインクの循環システムにおけるブラックインクの濃度情報(濃度Nとする)を取得する。尚、濃度Nとして、以下の式によって算出された値がROM203に記憶されている。
NX+1=(NX×(Jn−In))÷(Jn−In−V)
ここでNX+1は記録動作後の濃度、NXは記録動作前の濃度を示す。また、Jnは記録動作前のブラックインクの循環システム内のインク量、Inは記録によって消費されたインク量、Vは該循環システムからの蒸発量を示す。プリントコントローラ202は、記録動作毎にNX+1を算出し、該算出した値を濃度NとしてROM203に上書き保存する。

0115

ステップS1805において、プリントコントローラ202は、ステップS1803で取得した温度及び湿度、並びに、ステップS1804で取得した濃度Nに基づき、ブラックインクの循環システムにおいてインク循環が必要か判定する。尚、このブラックインクの循環実行可否判定の詳細については後述する。ステップS1805の判定結果が真の場合、ステップS1806及びステップS1807に進む一方、該判定結果がの場合、ステップS1809に進む。

0116

まず、インク循環が必要と判定された場合(ステップS1805でYES)について説明する。この場合、ステップS1806において、プリントコントローラ202は、カラーインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してカラーインクの予備吐出を行わせる。この結果、濃縮したカラーインクおよび混色インクが、カラーインクの循環システム外に排出される。また、ステップS1806の処理と並行して、ステップS1807において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、ブラックインクの循環システムにおけるインク循環を再開(循環ON)する。次いで、ステップS1808において、プリントコントローラ202は、ブラックインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してブラックインクの予備吐出を行わせる。この結果、濃縮したブラックインクおよび混色インクがブラックインクの循環システム外に排出される。

0117

続いて、インク循環が必要ないと判定された場合(ステップS1805でNO)について説明する。この場合、ステップS1809において、プリントコントローラ202は、全色のインクの循環システムにおける記録素子1004を駆動してインクの予備吐出を行わせる。この結果、濃縮したブラックインクおよび混色インクがブラックインクの循環システム外に排出され、濃縮したカラーインクおよび混色インクがカラーインクの循環システム外に排出される。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0118

<ブラックインクの循環実行可否判定について>
以下、ステップS1805におけるブラックインクの循環実行可否判定について説明する。

0119

ブラックインクの循環実行可否判定ではまず、ステップS1803で取得した温度及び湿度に基づき、図19(a)に例示するようなグラフを用いて、設置環境の温湿度状態分類される。例えば図19(a)に示すグラフを用いた場合、第1の温湿度状態1901と、第2の温湿度状態1902と、第3の温湿度状態1903との何れかに分類される。第1の温湿度状態1901は、低温高湿な状態、つまりインクが濃縮しにくい状態である。第3の温湿度状態1903は、高温低湿な状態、つまりインクが濃縮しやすい状態である。第2の温湿度状態1902は、第1の温湿度状態1901と第3の温湿度状態1903との中間の状態である。

0120

次いで、ステップS1804で取得した濃度Nと、上で分類された温湿度状態とに基づき、図19(b)に例示するようなテーブルを用いて、ブラックインクの循環が必要か判定する。図19(b)に示すテーブルを用いる場合、濃度Nが0.089以上のときは温湿度状態によらず、ブラックインクの循環が必要と判定される。一方、濃度Nが0.089未満のときは温湿度状態に応じて、ブラックインクの循環が不要と判定されるケースがある。

0121

<本実施形態の変形例について>
本実施形態では、温度と湿度とブラックインクの濃度とに基づき、循環を実行するか判定した。しかし、温度と湿度とブラックインクの濃度との少なくとも1つに基づき、循環を実行するか判定しても良い。

0122

<本実施形態の効果について>
本実施形態では、記録装置1の設置環境によっては、ワイピングシーケンスにおけるブラックインクの循環を実施しないため、第3実施形態よりワイピングシーケンスに要する時間を短縮することができる。

0123

[第7実施形態]
上述の実施形態では、ワイピング等のクリーニング処理後に予備吐出を行う場合を説明した。これに対し、本実施形態では、長時間未使用の(つまり、吐出口面8aがキャップユニット10によって長時間キャップされている)記録装置1を使用する際に、キャップをオープンするタイミングで予備吐出を行う(記録前予備吐とする)場合を説明する。記録前予備吐とは、記録命令を受け取ってから記録動作前に行う予備吐を意味し、キャップオープン状態における予備吐出とキャップクローズ状態における予備吐出のいずれも含む。尚、本実施形態も上述の第3〜6実施形態と同様に、ブラックインクとカラーインクとを使用し、かつインク循環のON/OFFを色ごとに制御可能な場合を想定している。

0124

<記録前予備吐について>
以下、本実施形態における記録前予備吐について説明する。まず、プリントコントローラ202は、記録装置1の未使用状態継続時間キャッピング時間とする)を取得する。尚、記録装置1は、未使用状態の時間(キャッピング時間)をカウント可能なタイマーを備え、プリントコントローラ202は任意のタイミングで、キャッピング時間を取得することが可能である。

0125

次いで、プリントコントローラ202は、取得したキャッピング時間に基づき、図20に示すテーブルを用いて、各色の循環システムにおける循環及び予備吐出を制御する。尚、図20のテーブルは例示に過ぎず、他のテーブルを用いても良い。このような、キャッピング時間と、記録前予備吐時の動作内容(具体的には、循環実行の有無、及び、ノズル1個当たりの吐出回数)とを規定するテーブルがROM203に予め記憶されている。プリントコントローラ202は、かかるテーブルを参照して、取得したキャッピング時間に対応する動作内容を導出する。

0126

図20のテーブルを用いる場合、ブラックインクの循環システムでは、記録前予備吐において、インク循環が必ず実施され、所定時間が経過した後に予備吐出が行われる。また、キャッピング時間が長いほどノズル1個当たりの吐出回数が多くなる。これは、キャッピング時間が長いほどインクの濃縮が進行し、より多くの濃縮インクを排出する必要があるためである。一方、カラーインクの循環システムでは、記録前予備吐において、インク循環は実施されず、キャッピング時間が長いほど吐出口当たり予備吐出回数が多くなる。

0127

<本実施形態の効果について>
本実施形態におけるブラックインクの循環システムでは、記録前予備吐において、濃縮インクを循環によって分散させてから予備吐出を行っている。これにより、キャッピング中に吐出口1006内に滞留する濃縮インクを減らすことができるので、吐出口1006における吐出不良を防ぐとともに、予備吐出によるブラックインクの排出量を低減している。このように増粘しやすいブラックインクについては、その排出量を低減することで、廃インク堆積による目詰まり等のリスクを減らすことができるため、信頼性が向上する。

0128

一方、本実施形態におけるカラーインクの循環システムでは、記録前予備吐において、ブラックインクの循環システムより多い排出量で予備吐出を行うことで、該循環システム内のカラーインクの濃縮を抑制する。

0129

[第8実施形態]
第7実施形態では、キャッピング中に生じる吐出口1006内の濃縮に対して、循環および予備吐出を実施する場合を説明した。これに対し、本実施形態では、ワイピング中(すなわち、キャップオープン中)に生じる吐出口1006内の濃縮に対して、循環のみを実施する場合を説明する。

0130

<ワイピングシーケンスについて>
以下、本実施形態におけるワイピングシーケンスについて、図21(a)を用いて説明する。尚、以下のシーケンスは、各色の循環システム毎に実行される。

0131

ステップS2101において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、循環システムにおけるインク循環を停止(循環OFF)する。

0132

ステップS2102において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、吐出口面8aをキャップするキャップユニット10を移動させることで、記録ヘッド8をキャップオープン状態にする。

0133

ステップS2103において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、ブレードワイパ171aを駆動し吐出口面8aをワイピングする(第1のワイピング処理)。尚、第1のワイピング処理の代わりに、第2のワイピング処理やキャップ吸引処理等の、他のクリーニング処理を実施しても良い。

0134

ステップS2104において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、吐出口面8aをキャップしていないキャップユニット10を移動させることで、記録ヘッド8をキャップオープン状態からキャップクローズ状態に遷移させる。

0135

ステップS2105において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、循環システムにおけるインク循環を再開(循環ON)する。尚、本実施形態では、インク循環のみで(予備吐出を行うことなく)吐出安定性の回復を図るため、上述の実施形態に比べてインクを循環させる時間を長く取る必要がある(15〜30秒程度)。

0136

ステップS2106において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、循環システムにおけるインク循環を停止(循環OFF)する。以上が、本実施形態におけるワイピングシーケンスの内容である。

0137

<本実施形態の変形例について>
尚、ワイピング後に印字命令があるか否かに応じて、上述のキャップクローズ状態でのインク循環を実施するか判定しても良い。以下、このような変形例におけるワイピングシーケンスについて、図21(b)を用いて説明する。

0138

ステップS2111〜S2113は、ステップS2101〜S2103と同様である。ステップS2114において、プリントコントローラ202は印字命令があるか判定する。この判定結果が真の場合、ステップS2115に進む一方、該判定結果が偽の場合、ステップS2120に進む。

0139

ステップS2115において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、吐出口面8aをキャップしていないキャップユニット10を移動させることで、記録ヘッド8をキャップオープン状態からキャップクローズ状態に遷移させる。

0140

ステップS2116において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、循環システムにおけるインク循環を再開(循環ON)する。尚、後続するステップS2117で予備吐出を行うので、本ステップでインクを循環させる時間は、ステップS2105と比べて短くて良い。

0141

ステップS2117において、プリントコントローラ202は、記録素子1004を駆動してインクの予備吐出を行わせる。

0142

ステップS2118において、プリントコントローラ202はメンテナンス制御部210を制御して、空吸引を行わせる。空吸引とは、キャップ部材10aが大気と連通している状態で吸引することである。空吸引を行うことでキャップ部材10aの吸収体着弾したインクが吸引され、キャップ部材10a上から排出される。

0143

ステップS2119において、プリントコントローラ202はインク供給制御部209を制御して、循環システムにおけるインク循環を停止(循環OFF)する。このように印字命令がある場合は(ステップS2114でYES)、インク循環に加え、予備吐出や空吸引を行うことで、印字命令がない場合と比べて吐出安定性をより早く回復する。尚、ステップS2120〜S2122は、ステップS2104〜S2106と同様である。

0144

<本実施形態の効果について>
本実施形態では、ワイピング後にインク循環のみを行い、予備吐出を行わない。従って、予備吐出を行わない分、上述の実施形態よりも廃インクの量を低減することができる。よって、廃インクの堆積による目詰まり等のリスクを減らすことができるため、信頼性が向上する。また、印字命令がある場合は予備吐出等によって記録ヘッド8を回復することで、記録動作を開始するまでにかかる時間(FPOT:First Print−Out Time)を短縮することができる。

0145

[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

0146

8記録ヘッド
17ワイピングユニット
202プリントコントローラ
209インク供給制御部

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