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技術 目地材の固定構造

出願人 西武ポリマ化成株式会社
発明者 和木多克大橋亘福田興士渡洋平荒木崇裕城戸崎新
出願日 2017年6月20日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2017-120847
公開日 2019年1月17日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-007148
状態 未査定
技術分野 水工一般、港湾設備 護岸 地盤の乾燥維持,ケーソン
主要キーワード 各紐状体 ガイド固定部材 総変位量 摩擦低減部材 膨張モルタル 弾性押圧部材 横断面形 字ばね
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この項目の情報は公開日時点(2019年1月17日)のものです。
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図面 (11)

課題

目地材と開口部との遊間をなくし、目地材を確実に固定でき、遮水性を確保することができる目地材の固定構造を提供する。

解決手段

目地材の固定構造1は、両端に取付部12を有する目地材10と、ケーソン31の目地部32を挟んで上下方向に設けられスリット状の開口部41を備える目地材取付溝40と、取付部12の両側に取り付けられ目地材取付溝40への挿着ガイドするガイド固定部材50と、を備え、取付部12を目地材取付溝40内に配置し、充填材中にガイド固定部材50を埋設固定し、開口部41を介して目地部32に変位吸収部11を配置する。また、開口部41の内面に当てられ開口部41をシールする弾性シール材60と、目地材取付溝40内に配置され充填拡幅材拡幅して弾性シール材60を開口部41の内面に押し付け袋体を備える。

概要

背景

護岸管理型廃棄物最終処分場の護岸などの構造物では、ケーソンブロックなどを並べて護岸とし、隣接するケーソン妻壁部などの目地部に弾性素材目地材を取り付ける。目地材の弾性により、波浪潮汐変動や地震などによる地盤変動不等沈下などによって目地部の間隔が変位しても土砂廃棄物、保有水遮水材などの漏洩を防止する。

ケーソン等の構造物の目地材の固定構造は、例えば特許文献1に開示されたものがある。
連続配置したケーソンの目地部を構成する対向する側壁部(妻壁部)に上下方向に取付溝(溝)を設けておき、その取付溝の開口部をスリット状に狭くしておく。目地材は、両側にこの取付溝内に納まる太さで、かつスリット状の開口部から抜けない部分を有する取付部(係止部)を形成し、目地幅より十分に広い幅を有する弾性素材の変位吸収部(遮水膜)を備えて構成される。目地材は、両端の取付部を、対向するケーソンのそれぞれの取付溝に嵌めて目地部を閉じるように挿着される。目地材は、取付溝の隙間に充填材注入して取付部が固定され、目地部を遮水する。
これにより、目地材は、変位を許容して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの漏洩を防止する。

概要

目地材と開口部との遊間をなくし、目地材を確実に固定でき、遮水性を確保することができる目地材の固定構造を提供する。目地材の固定構造1は、両端に取付部12を有する目地材10と、ケーソン31の目地部32を挟んで上下方向に設けられスリット状の開口部41を備える目地材取付溝40と、取付部12の両側に取り付けられ目地材取付溝40への挿着をガイドするガイド固定部材50と、を備え、取付部12を目地材取付溝40内に配置し、充填材中にガイド固定部材50を埋設固定し、開口部41を介して目地部32に変位吸収部11を配置する。また、開口部41の内面に当てられ開口部41をシールする弾性シール材60と、目地材取付溝40内に配置され充填拡幅材拡幅して弾性シール材60を開口部41の内面に押し付け袋体を備える。

目的

本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたもので、目地材と開口部との遊間をなくし、目地材を確実に固定でき、遮水性を確保することができる目地材の固定構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

両端に取付部を有する目地材と、構造物目地部を挟んで上下方向に設けられスリット状の開口部を備える目地材取付溝と、前記取付部の両側に取り付けられ前記目地材取付溝への前記目地材の挿着ガイドするガイド固定部材と、を備え、両端の前記取付部を前記目地材取付溝内に配置し充填される充填材中に前記ガイド固定部材に埋設して固定するとともに、前記開口部を介して前記目地部に変位吸収部を配置する目地材の固定構造であって、前記取付部に取り付けられ前記開口部の内面に当てられて前記開口部をシールする弾性シール材と、前記目地材取付溝内に配置され充填拡幅材の充填により拡幅して前記弾性シール材を前記開口部内面押し付け袋体と、を備えて構成される、ことを特徴とする目地材の固定構造。

請求項2

前記弾性シール材は、前記目地材取付溝への装着の際の前記弾性シール材と前記開口部の内面との間の摩擦を低減する摩擦低減部材を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の目地材の固定構造。

請求項3

前記摩擦低減部材は、前記開口部内面側の下端部に傾斜面を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の目地材の固定構造。

請求項4

前記ガイド固定部材は、前記袋体の拡幅による反力を受けて前記弾性シール材を押し付ける反力受け部を備える、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の目地材の固定構造。

請求項5

前記ガイド固定部材は、少なくとも下端部に、前記目地材取付溝の内面に当接して前記ガイド固定部材を前記開口部の内面側に押し付ける押し付け力を付与する弾性押圧部材を備える、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の目地材の固定構造。

請求項6

前記弾性押圧部材は、U字状に曲げられ一端部を前記ガイド固定部材に固定し、中間部を前記目地材取付溝に当接させ、他端部を開放状態として設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載の目地材の固定構造。

請求項7

前記弾性シール材は、前記目地材取付溝への装着の際には前記開口部の内面と接触せずに前記摩擦低減部材が前記開口部の内面と接触し、前記袋体の拡幅により変形して前記開口部の内面と接触する形状に形成されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の目地材の固定構造。

請求項8

前記ガイド固定部材は、前記目地材取付溝内に充填される前記充填材を流動させる貫通孔を備える、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の目地材の固定構造。

請求項9

前記弾性シール材は、下端部に設けられ前記目地材取付溝の底面で広がり前記充填材の流出を防止して保持する紐状の充填材保持部材を備える、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の目地材の固定構造。

請求項10

前記充填材保持部材は、前記弾性シール材に形成された凹部に上端縁部が装着されて固定されて構成される、ことを特徴とする請求項9に記載の目地材の固定構造。

技術分野

0001

本発明は、目地材固定構造に関する。

背景技術

0002

護岸管理型廃棄物最終処分場の護岸などの構造物では、ケーソンブロックなどを並べて護岸とし、隣接するケーソン妻壁部などの目地部に弾性素材の目地材を取り付ける。目地材の弾性により、波浪潮汐変動や地震などによる地盤変動不等沈下などによって目地部の間隔が変位しても土砂廃棄物、保有水遮水材などの漏洩を防止する。

0003

ケーソン等の構造物の目地材の固定構造は、例えば特許文献1に開示されたものがある。
連続配置したケーソンの目地部を構成する対向する側壁部(妻壁部)に上下方向に取付溝(溝)を設けておき、その取付溝の開口部をスリット状に狭くしておく。目地材は、両側にこの取付溝内に納まる太さで、かつスリット状の開口部から抜けない部分を有する取付部(係止部)を形成し、目地幅より十分に広い幅を有する弾性素材の変位吸収部(遮水膜)を備えて構成される。目地材は、両端の取付部を、対向するケーソンのそれぞれの取付溝に嵌めて目地部を閉じるように挿着される。目地材は、取付溝の隙間に充填材注入して取付部が固定され、目地部を遮水する。
これにより、目地材は、変位を許容して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの漏洩を防止する。

先行技術

0004

特開2005−146659号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1の目地材の固定構造では、ケーソンの取付溝内に目地材の取付部を挿入し、スリット状の開口部を介して変位吸収部を目地部に配置し、取付溝の隙間に充填する充填材で固定するようにしているが、隣接するケーソンを設置後、上方から目地材を取付溝に差し込んで開口部に密着させることが難しく、取付溝の隙間に充填材を注入してもスリット状の開口部の内面と目地材との間の遊間によって充填材が漏洩してしまう。
このため、目地材自体を取付溝に固定することが難しく、目地材と開口部の内面との遊間よって目地部の遮水性を確保することができないという問題が生ずる。

0006

本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたもので、目地材と開口部との遊間をなくし、目地材を確実に固定でき、遮水性を確保することができる目地材の固定構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、本発明の目地材の固定構造は、
両端に取付部とを有する目地材と、
構造物の目地部を挟んで上下方向に設けられスリット状の開口部を備える目地材取付溝と、
前記取付部の両側に取り付けられ前記目地材取付溝への前記目地材の挿着をガイドするガイド固定部材と、を備え、
両端の前記取付部を前記目地材取付溝内に配置し充填される充填材中に前記ガイド固定部材に埋設して固定するとともに、前記開口部を介して前記目地部に変位吸収部を配置する目地材の固定構造であって、
前記取付部に取り付けられ前記開口部の内面に当てられて前記開口部をシールする弾性シール材と、
前記目地材取付溝内に配置され充填拡幅材の充填により拡幅して前記弾性シール材を前記開口部内面押し付け袋体と、を備えて構成される、
ことを特徴とする。

0008

前記弾性シール材は、前記目地材取付溝への装着の際の前記弾性シール材と前記開口部の内面との間の摩擦を低減する摩擦低減部材を備える、
ことが好ましい。

0009

前記摩擦低減部材は、前記開口部内面側の下端部に傾斜面を備える、
ことが好ましい。

0010

前記ガイド固定部材は、前記袋体の拡幅による反力を受けて前記弾性シール材を押し付ける反力受け部を備える、
ことが好ましい。

0011

前記ガイド固定部材は、少なくとも下端部に、前記目地材取付溝の内面に当接して前記ガイド固定部材を前記開口部の内面側に押し付ける押し付け力を付与する弾性押圧部材を備える、
ことが好ましい。

0012

前記弾性押圧部材は、U字状に曲げられ一端部を前記ガイド固定部材に固定し、中間部を前記目地材取付溝に当接させ、他端部を開放状態として設けられる、
ことが好ましい。

0013

前記弾性シール材は、前記目地材取付溝への装着の際には前記開口部の内面と接触せずに前記摩擦低減部材が前記開口部の内面と接触し、前記袋体の拡幅により変形して前記開口部の内面と接触する形状に形成されている、
ことが好ましい。

0014

前記ガイド固定部材は、前記目地材取付溝内に充填される前記充填材を流動させる貫通孔を備える、
ことが好ましい。

0015

前記弾性シール材は、下端部に設けられ前記目地材取付溝の底面で広がり前記充填材の流出を防止して保持する紐状の充填材保持部材を備える、
ことが好ましい。

0016

前記充填材保持部材は、前記弾性シール材に形成された凹部に上端縁部が装着されて固定されて構成される、
ことが好ましい。

発明の効果

0017

本発明の目地材の固定構造によれば、目地材と開口部との遊間をなくし、目地材を確実に固定でき、遮水性を確保することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の目地材の固定構造が適用される管理型護岸を説明する平面図、断面図および部分拡大図である。
本発明の目地材の固定構造が適用される深層混合処理工法により改良された地盤上のトレンチ部を説明する概略断面図である。
本発明の一実施の形態にかかるそれぞれが概略平面図である。
本発明の一実施の形態にかかる固定前の状態の平面図である。
本発明の一実施の形態にかかる固定状態部分拡大平面図である。
本発明の一実施の形態にかかる部分正面図である。
本発明の一実施の形態にかかる弾性押圧部材の動作を説明する概略側面図である。
本発明の一実施の形態にかかり中間部の部分拡大側面図である。
本発明の一実施の形態にかかり下端部の部分拡大側面図である。
本発明の目地材の固定構造の他の一実施の形態にかかる固定前の状態の概略平面図である。

実施例

0019

以下、本発明の目地材の固定構造の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の目地材の固定構造1は、構造物31,31間の目地部32、例えば、海面廃棄物処分場の管理型護岸30のケーソン31,31間の目地部32を跨ぐように取り付けられる挿入式の目地材10に適用され、地震動により発生する目地部32の相対変位量を許容し、廃棄物および保有水などの海側Sへの漏洩を防止するものである。
目地材10は、管理型護岸30として必要とされる性能、すなわち要求遮水性能により、板状目地材10A(図4参照)や円筒状目地材10B(図10参照)など種々の挿入式の目地材10を適宜選定して使用することができる。
なお、要求遮水性能の変位量としては、地震動による1次許容量の変位であるレベル1地震動の変位量のみならず1次許容量の変位を越えたレベル2地震動による変位量であっても良く、これらのいずれかを満たす挿入式の目地材10が用いられる。

0020

構造物としての海面廃棄物処分場の管理型護岸30のケーソン31は、例えば、図1に示すように、海底地盤上に構築された捨石マウンド33上にアスファルトマット34を介して設置される。ケーソン31,31間の目地部32には、例えば、2つのシール材35,35が設けられる。2つのシール材35,35間には、アスファルトマスチックのような変形追随性遮水材が目地部遮水材36として充填されて遮水される。ケーソン31の底部の埋立側Eは、アスファルトマット34から捨石マウンド33に沿って樹脂系の遮水シート37が敷かれ、アスファルトマスチック38によって押圧されて遮水される。
また、ケーソン31は、捨石マウンド33に代えて、図2に示すように、コンクリート系アスファルト系土質系の遮水材を用いた不透水性地盤改良工法である深層混合処理工法により地盤改良されたトレンチ部39内に設置される場合もある。
なお、構造物としては、管理型護岸として用いられるコンクリート製、鋼板製、これらを組み合わせたハイブリッド製などのケーソンに限らず、L型ブロックやセルラーブロックなどであっても良く、地震動などによる変位の許容と遮水性の確保を必要とする構造物などに広く適用することができる。

0021

本発明の目地材の固定構造1は、図3に示すように、ケーソン31,31間の目地部32の2つのシール材35,35の間に目地部遮水材36を充填して遮水する遮水工に加えて設ける場合の目地材10に適用されたり(図3(a)参照)、これらのシール材35および目地部遮水材36に代えて設ける2つの目地材10に適用される(図3(b)参照)。
また、目地部32に充填する目地部遮水材36をシールする両側の2つのシール材35,35に代えて目地材10を設ける場合の4つの目地材10に適用することもできる(図3(c)参照)。
これにより、いずれの場合も目地材10によって廃棄物および保有水などの漏洩を防止する。

0022

本実施の形態の目地材の固定構造1は、ケーソン(構造物)31の目地部32を挟んで上下方向に設けられスリット状の開口部41を備える目地材取付溝40と、構造物31,31間の変位を許容して目地部32からの漏洩をシールする中間の変位吸収部11と両端の取付部12とを有する目地材10と、取付部12の両側に取り付けられ目地材取付溝40への目地材10の挿着をガイドするガイド固定部材50と、を備えている。さらに、目地材の固定構造1は、両端の取付部12を目地材取付溝40内に配置し充填される充填材51中にガイド固定部材50に埋設して固定するとともに、開口部41を介して目地部32に変位吸収部11を配置している。さらに、目地材10の固定構造1は、取付部12に取り付けられ開口部41の内面に当てられて開口部41をシールする弾性シール材60と、目地材取付溝40内に配置され充填拡幅材71の充填により拡幅して弾性シール材60を開口部41の内面に押し付ける袋体70と、を備えて構成されている。
なお、目地材10は、少なくとも両端に取付部12が設けられたものであれば適用でき、素材自体で変位を吸収する変位吸収部11を構成するものであっても良い。

0023

目地材取付溝40は、構造物としてのケーソン31,31の目地部32を挟んで対向する妻壁面31a、31aに上下方向に沿って形成してある。
目地材取付溝40,40には、それぞれスリット状の開口部41,41が設けられるとともに、内側に略矩形の空間42,42が形成される。
目地材取付溝40,40は、例えば図4図5に示すように、ケーソン31の妻壁面31aに横断面が矩形の凹部が形成され、矩形の凹部に横断面形状がコ字状の枠体43が取り付けられて構成される。枠体43の開口は、2枚の板材44で塞ぐようにしてスリット状の開口部41と内側の空間42が形成される。さらに、開口部41,41には、例えば板材44の開口側縁部が円弧状に加工(R加工)され、これにより、目地材10と円弧面で接触するようにして損傷を防止する。
なお、板材44の開口側縁部を円弧状に加工(R加工)するのに代え、丸棒溶接することで、目地材10と円弧面で接触するようにしてもよい。
ケーソン31,31に設けられた目地材取付溝40には、後述するように、目地材10の両端の取付部12がそれぞれガイド固定部材50に取り付けれて開口部41,41を介して挿し込まれた後、モルタルなどの充填材51を空間42,42に充填して固定・設置される。

0024

なお、この目地材取付溝40は、開口部41がスリット状(狭幅)で内側に空間42が形成されるものであれば、その横断面形状は、矩形に限らず円形など他の形状であっても良い。また、開口部41がケーソン31の妻壁面31a上に位置し、空間42がケーソン31内に配置される場合に限らず、鋼材などで構成した枠体43をケーソン31の妻壁面31aから突き出すように取り付けて目地材取付溝40とすることもできる。

0025

目地材10は、中間の変位吸収部11と、両端の取付部12とで構成される。
本実施形態の目地材10は、例えば、図4に示すように、変位吸収部11が1次許容量としてのレベル1地震動の変位量に追随する1次側変位吸収部11aと、1次許容量の変位を越えるレベル2地震動の変位量に追随する2次側変位吸収部11bとで構成されている。目地材10は、1次側変位吸収部11aと2次側変位吸収部11bとがそれぞれ独立して構成され、2次側変位吸収部11bの両側を覆うように1次側変位吸収部11aが配置されている。
1次側変位吸収部11aおよび2次側変位吸収部11bの両端には、それぞれ一体に平板状の1次側取付部12aと、2次側取付部12bが設けられている。
こうすることで、2次側変位吸収部11bに1次側変位吸収部11aを変位させようとする力が1次側取付部12aから2次側取付部12bを介して加わることがなく、それぞれの変位吸収部11a,11bを独立して変位させることができる。
なお、目地材10では、1次側変位吸収部11aは、2次側変位吸収部11bの少なくとも一方側に設けられれば良く、2次側変位吸収部11bを変位させる力が加わる上流側、または上流側および下流側の両側に設けられる。
すなわち、目地材10は、レベル1地震動までは、1次側変位吸収部11aで変位を許容して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの漏洩を防止する。同時に、1次側変位吸収部11aは、2次側変位吸収部11bの少なくとも一方側に設けることで、2次側変位吸収部11bの変位を規制するように機能させることができる。
一方、レベル1地震動の変位量を越える変位量に対しては、1次側変位吸収部11aは破断され、2次側変位吸収部11bにより変位を許容可能とし、漏洩を防止する。
これにより、レベル1地震動に対して目地材10は、1次側変位吸収部11aによってケーソン31,31間の目地部32からの廃棄物および保有水などの漏洩を防止する。レベル2地震動に対して目地材10は、2次側変位吸収部11bによってケーソン31,31などの構造物(護岸)自体は変形しても海面廃棄物処分場内の廃棄物および保有水が目地部32から外部に漏洩(流出あるいは浸出)しないようにする。
なお、目地材10は、1次側変位吸収部11aを2次側変位吸収部11bの変位の規制のみの機能とし、レベル1の地震動およびレベル2の地震動のいずれの地震動に対しても2次側変位吸収部11bで変位を許容して遮水などを行うようにしたものであっても良い。

0026

1次側変位吸収部11aは、弾性素材によってシート状に形成されており、弾性素材の可撓性および/または折り返して重ねた形状などの形状効果によりレベル1地震動の変位量を許容することができるように構成してある。
1次側変位吸収部11aは、必要に応じて弾性素材の内部に補強材が入れられて外部を弾性素材とした補強構造が採られたものが用いられる。同様に、取付部12aも、必要に応じて補強材で補強され、後述するガイド固定部材50にボルトナット52を介して取り付けられて目地材取付溝40に挿着されて固定される。
1次側変位吸収部11aは、目地部32に配置され、レベル1地震動までの変位量に追随してシール状態を保持し、土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの漏洩を防止する。
なお、1次側変位吸収部11aは、レベル1地震動までの変位量、例えば、相対変位量を100〜200mmと想定した範囲に追随できれば良く、その形状は、折り返して重ねた形状に限らず、蛇行状などこれまでの止水部材に採用されている形状を採用することができる。

0027

2次側変位吸収部11bは、シート状の弾性素材によって形成され、目地部32を跨いで配置され、例えば、構造物であるケーソン31,31間のレベル2地震動による変位を許容して漏洩を防止することができる形状とされる。
すなわち、2次側変位吸収部11bは、1次側変位吸収部11aでの相対変位量が100〜200mmの範囲に想定されるのに対し、例えば、相対変位量を最大750mmと想定した範囲であっても変位を許容して漏洩を防止することができる形状とされる。
2次側変位吸収部11bは、例えば、図4に示すように、想定した変位量に対応することができる長さ(横幅)のシート状の弾性素材を蛇行させた形状に形成して構成される。2次側変位吸収部11bは、両端の2次側取付部12bが隣接する構造物であるケーソン31,31の目地材取付溝40にガイド固定部材50を介して固定される。
これにより、構造物であるケーソン31,31が、レベル2地震動によって護岸自体が損傷したとしても、2次側変位吸収部11bによって相対変位量を最大750mm(総変位量は、1500mm)として、ケーソン31,31などの護岸の内側の廃棄物および保有水の目地部32からの流出(漏洩)を防止することができる。
なお、2次側変位吸収部11bは、蛇行させて必要な変位量を確保する場合に限らず、中央部で折り重ねて巻くようにした巻取り形状や両端部などの複数箇所で折り返すようにした折返し形状などとしても良く、レベル2地震動の変位量に追随できる長さ(横幅)を備えて構成されていれば良い。

0028

目地材10は、上下方向には、ケーソン31の高さに応じた必要な長さ(上下幅)に形成され、複数枚の弾性素材のシートを接着などで連結することで製造される。
なお、目地材10は、吊り上げて挿し込むなどの施工の必要に応じ、施工後切断する部分を上端部に設けておくことが好ましい。

0029

目地材10の底縁部については、1次側変位吸収部11aや2次側変位吸収部11bの底縁部(下端部)、少なくとも2次側変位吸収部11bの底縁部に変形に追随する弾性体等の遮水材を取り付けるようにし、その弾性体の遮水材を目地材10の自重により圧縮して追随させることで遮水するようにする。
また、1次側変位吸収部11aや2次側変位吸収部11bの底縁部に弾性体やブラシ状のものなどを設けるようにすることもできる。これにより、レベル1地震動およびレベル2地震動の目地材10の変位のいずれに対しても対応することを可能とする。
なお、図2に示した深層混合処理工法により改良された地盤上のトレンチ部39内にケーソン31を設置する場合には、目地材10の底縁部に弾性体を設けることなく、トレンチ部39内の遮水材によって遮水するようにすることも可能である。

0030

次に、本発明の目地材の固定構造1を適用して目地材10を目地材取付溝40を介して固定する場合について説明する。
目地材10は、2次側取付部12bの両側に1次側取付部12aを重ね、それぞれの1次側取付部12aの外側にガイド固定部材50が当てられ、これらを貫通してボルト・ナット52によってガイド固定部材50が取り付けられる。
これにより、目地材10の取付部12の形状を上下方向に直線状に保持するとともに、吊り下げて目地材取付溝40に挿着する際の作業性を向上する。

0031

ガイド固定部材50は、鋼材で形成され、図4図6に示すように、目地材取付溝40の開口部41側の前面部50aと、前面部50aと直角な目地材10が当てられる中間部50bと、中間部50bに対して外側に広がるように形成された背面部50cとで横断面形状が略コ字状に形成されている。背面部50cは、前面部50aに比べて長く延長され、延長された部分が開口部41側への押し付け力の反力受け部50dとされる。
ガイド固定部材50は、目地材10の取付部12の両側に配置され、それぞれの中間部50bの外側面に、重ねた目地材10の取付部12が当てられて、貫通するボルト・ナット52で取り付けられる。
ガイド固定部材50は、ケーソン31の高さに対応した長さとされる。
ガイド固定部材50は、例えば、施工の際にガイド固定部材50を取り付けながら挿着できるように上下に複数に分割され、分割したものを作業の進行に合わせて連結し、目地材10に随時取り付けるようにする。
ガイド固定部材50は、上下方向に分割され、それぞれの上下端部に、水平なフランジ板53が中間部50bから前面部50aおよび背面部50cの端部までを塞ぐように溶接などで取り付けられている。分割されたガイド固定部材50は、上下に配置され、下端部のフランジ板53と上端部のフランジ板53とを合わせるように連結用のボルト・ナット54で連結される(図6参照)。
フランジ板53には、目地材取付溝40内に充填される充填材51を流入させる貫通孔55が形成され、溶接用スカラップ協働して充填材51の流入用や空気抜き用の孔として機能させる(図5参照)。貫通孔55は、ガイド固定部材50の鉛直壁となる背面部50cにも形成され、充填材51をガイド固定部材50の内側へ流入させることができるようにしてある(図6参照)。
なお、ガイド固定部材50は、工場などで目地材10に予め取り付ける場合には、折り重ねて平置き状態とできるように、分割したものを間隔をあけて取り付けておき、施工の際に、間隔をあけた部分に図示しない連結部材を連結してケーソン31の高さに連続させるようにすることもできる。

0032

目地材の固定構造1は、弾性素材で形成される弾性シール材60を備えており、図4に示すように、取付部60aとシール部60bとが一体とされて横断面形状がL字状に形成されており、シール部60bは、例えば平坦な板状に形成されている。
弾性シール材60は、目地材10の取付部12の外側に弾性シール材60の取付部60aが配置され(図4参照)、目地材10を目地材取付溝40に挿着後、後述する袋体70を充填拡幅材71で拡幅させることで、開口部41の内面に弾性変形させてシール部60bを押し当てて開口部41をシールする(図5参照)。

0033

弾性シール材60は、開口部41の内面に接触することで開口部41をシールするが、さらなるシール性の向上を図るため、目地材取付溝40の底部をシールするため、下端部に目地材取付溝40の底面45で広がり充填材51の流出を防止して保持する紐状の充填材保持部材61が設けられている。
充填材保持部材61は、弾性シール材60に形成された凹部62に、上端縁部が装着されて固定されている。
充填材保持部材61は、弾性シール材60の下端部の全幅、取付部60aおよびシール部60bの全幅に設けられ、弾性シール材60が目地材取付溝40の底面45に当たった状態で、充填材保持部材61が絡まるように広がり、海水などは保持できなくともグラウトなどの充填材51を保持できるように各紐状体の長さと、紐状体束ね密度(本数)が設定される。
充填材保持部材61は、例えばポリエステルの紐状体を束ねて構成され、弾性シール材60の凹部62に基端部を挿着し、加硫接着などで固定される。
したがって、充填材保持部材61は、加硫接着の温度、例えば100℃、好ましくは130℃程度に耐える耐熱性を備えるものが好ましい。
なお、充填材保持部材61は、加硫接着に限らず、弾性シール材60に固定することができれば良く、他の接着方法などで固定したり、当て板で挟んでボルト・ナットなどで機械的に固定するようにしても良い。
また、充填材保持部材61の紐状体の素材は、ポリエステルに限らず他の素材であっても良く、各紐状体の太さや長さは、グラウトなどの充填材を保持できるものであれば良く、横断面形状も円形に限らず、楕円形などの他の形状であっても良い。

0034

弾性シール材60は、目地材取付溝40への装着の際の弾性シール材60と開口部41の内面との間の摩擦を低減する摩擦低減部材80を備える。
摩擦低減部材80は、例えば板状の鋼材で構成され、弾性シール材60のシール部60bの開口部41側の略半分程度を覆うように目地材取付溝40の上下方向全長に渡って皿ねじ・ナット81で外側(開口部41側)から取り付けられる(図4,5,7参照)。
こうすることで、摩擦低減部材80の表面が開口部41の内面に接触し、弾性シール材60のシール部60bの半分程度が接触しない状態で目地材10を目地材取付溝40に挿着することができる。
したがって、弾性素材の弾性シール材60を開口部41の内面に接触させて挿着する場合に比べ、小さな押し込み力で挿着できるとともに、弾性シール材60に摩擦によりシワなどが発生しないようにして挿着することができ、挿着を容易とすることができる。
なお、摩擦低減部材80は、板状の鋼材に限らず、合成樹脂の板材など他の素材であっても良く、摩擦を減らしてシワなどの発生を抑えることができるものであれば良い。

0035

摩擦低減部材80は、図8に示すように、開口部41の内面側の下端部に傾斜面82を備える。傾斜面82は、摩擦低減部材80の前面側(開口部41の内面側)から摩擦低減部材80の背面側に向かって傾斜する傾斜面82として形成してある。これにより、摩擦低減部材80を目地材取付溝40の開口部41の内面に接触しながら挿着する場合に、開口部41の内面を構成する板材44に溶接部などの段差部44aがあっても引っ掛かることなく、円滑に挿着することができる。

0036

目地材の固定構造1は、目地材取付溝40内に配置され充填拡幅材71の充填により拡幅して弾性シール材60を開口部41の内面に押し付ける袋体70を備えている。袋体70は、例えば、伸縮性のある素材で円筒状に形成されて底部が塞がれて構成され、内部に充填される充填拡幅材71が漏れ出さずに拡幅できるように構成されている。袋体70は、例えば、織布の円筒体の底部を結んで結び目が内側となるように反転して底部の結び目を略平坦状として用いる。袋体70には、例えば、グラウトなどの液体の充填拡幅材71が充填され、拡幅される。
なお、袋体70の底部は、塞がれていれば良く、結んで塞ぐ場合に限らず、他の方法で塞ぐようにしても良い。
袋体70は、ガイド固定部材50の前面部50aと背面部50cとの間に配置され、拡幅した状態では、弾性シール材60の前面部50aの内側に接触することで開口部41の内面に押し付けることができるように配置される。
拡幅された袋体70は、ガイド固定部材50の背面部50cおよび反力受け部50dに当たって支持されることで、弾性シール材60側への押し付け力が加わり、平板状の弾性シール材60のシール部60bを弾性変形させ、目地材取付溝40の開口部41に押し付けてシール状態にする。
したがって、袋体70の横断面上での周長は、拡幅した状態で弾性シール材60のシール部60bを弾性変形させ、目地材取付溝40の開口部41に押し付けてシール状態にできるように設定される。
袋体70をガイド固定部材50の前面部50aと背面部50cとの間の狭い空間に配置することで、少ない充填拡幅材71によって拡幅でき、拡幅による力を弾性シール材60のシールに有効に利用することができる。
なお、袋体70は、内部に充填する充填拡幅材71として、グラウトなどの液体の充填拡幅材71に限らず、気体や砂などの固体を充填拡幅材71として充填することで拡幅するようにしても良く、使用する充填拡幅材71により、袋体70を充填拡幅材71が漏れ出さずに拡幅できる素材とすれば良く、素材自体が伸縮するものでなくとも蛇腹状や折り畳んだ形状として膨らますことができるようにしても良い。

0037

袋体70は、ガイド固定部材50に袋体70の底を予め取り付けておき、目地材10を取り付けたガイド固定部材50を目地材取付溝40に挿着する際、ガイド固定部材50と同時に挿着する。あるいは、別工程として目地材10を取り付けたガイド固定部材50を目地材取付溝40に挿着した後、袋体70を、ガイド固定部材50の前面部50aと背面部50cとの間に挿着する。この場合には、袋体70に浮き上がりを防止するため石や砂などを重りとして入れるようにし、挿着を容易にする。
袋体70の挿着は、ガイド固定部材50の挿着と同時、あるいは挿着後のいずれであっても良い。

0038

通常、ケーソン31に設置した目地材取付溝40にガイド固定部材50を介して目地材10および弾性シール材60を挿着した後、ガイド固定部材50をケーソン31の上部から操作してガイド固定部材50を目地材取付溝40の開口部41の内面に接触するように動かすことは不可能に近い。
そこで、本実施の形態の目地材の固定構造1では、ガイド固定部材50を目地材取付溝40に挿着する際、弾性シール材60の外側に当てた摩擦低減部材80を目地材取付溝40の開口部41の内面に接触するようにして挿着する。
このため、ガイド固定部材50は、ガイド固定部材50に取り付けられて目地材取付溝40の内面(背面)に当接することで、開口部41の内面側に押し付ける押し付け力を付与する弾性押圧部材90を備えている。
弾性押圧部材90は、図4,5,7に示すように、例えば、ガイド固定部材50の反力受け部50dの少なくとも下端部に設けられ、例えば図示例のように、間隔をあけて上下方向の複数箇所に設けられる。
弾性押圧部材90は、例えばU字状に形成されたU字ばね(U字ボルト)91が用いられ、図7に示すように、端部91aを上下に配置し、円弧部91bを目地材取付溝40の背面と接触するようにし、下端91aをガイド固定部材50の反力受け部50dにナット92で固定し、上端91aをフリーな状態で貫通孔50eに通した状態とする。
弾性押圧部材90は、ガイド固定部材50に取り付けた状態で、ガイド固定部材50に取り付けた弾性シール材60の外側の摩擦低減部材80が目地材取付溝40の開口部41の内面に接する状態、あるいは、開口部41の内面側に押し付け力が加わる状態となる長さ(目地材取付溝40の内面との距離)に設定される。

0039

弾性押圧部材90を設けた目地材の固定構造1では、目地材10、弾性シール材60および摩擦低減部材80を取り付けたガイド固定部材50を、目地材取付溝40に吊り下ろすようにして挿着すると、U字ばね91の円弧部91bが目地材取付溝40の背面に接触し、ガイド固定部材50の反力受け部50dを介して開口部41の内面側への押し付け力が加わる。
これにより、摩擦低減部材80を目地材取付溝40の開口部41の内面に接するように挿着することができる。
ガイド固定部材50による目地材10の目地材取付溝40への挿着の際、目地材取付溝40の背面に段差部などがある場合には、図7(a)に示すように、弾性押圧部材90のU字ばね91の円弧部91bが接触するが、図7(b)に示すように、U字ばね91が弾性変形することにより、段差部などを乗り越えることができ、ガイド固定部材50の目地材取付溝40への挿着を続けることができる。この弾性押圧部材90が段差部などを乗り越える場合には、U字ばね91の弾性変形に加え、ガイド固定部材50の反力受け部50dが撓むように変形することが組み合わされ、一層円滑に段差部を乗り越えて目地材10を挿着することができる。

0040

このような弾性押圧部材90は、少なくともガイド固定部材50の下端部に設けることで、ガイド固定部材50の底部を目地材取付溝40の所定の位置、すなわち、弾性シール材60の外側の摩擦低減部材80が開口部41の内面に接した状態になれば、例えガイド固定部材50が背面側に傾いたとしても、ガイド固定部材50の底部を中心に前面側に起こすようにすれば、摩擦低減部材80を開口部41の内面に接する状態(所定の状態)にすることができる。
また、ガイド固定部材50に間隔をあけて複数の弾性押圧部材90を設けておくことで、ガイド固定部材50を底部のみならず目地材取付溝40の所定の位置に配置して挿入することができる。
なお、弾性押圧部材90は、図示例のU字ばね91で構成し、その弾性変形を利用して押圧力を得ると同時に、円弧部91bで段差部の乗り越えを可能とする場合に限らず、ガイド固定部材50に取り付けた伸縮軸の間にコイルばねを挿着して押圧力を得ると同時に段差部の乗り越を可能としたり、さらに、コイルばねで伸縮する伸縮軸の先端にローラを取り付けて挿着時の摩擦を減らすようにしたものなどであっても良い。
また、押圧力を得るためのバネは、上記のU字ばね91やコイルばねに限らず、板ばねなどの他のばねを利用して押圧力の付与と段差部の乗り越えとを可能とするものであればその機構は、そのようなものであって良く、挿着後は、充填材51中に埋設されることから簡素なものであることが好ましい。

0041

このように構成した目地材の固定構造1では、例えば図4に示すように、目地材10は、ケーソン31,31の目地部32に、目地方向と直交して配置されてケーソン31,31の妻壁面31a、31a間に目地材取付溝40,40を介して固定される。
目地材10の固定は、施工現場に目地材10、ガイド固定部材50、弾性シール材60、袋体70、摩擦低減部材80、弾性押圧部材90等の必要な部材を運搬する。
この後、目地材10を平置き状態とし、目地材10の目地材取付溝40への挿着先端部(下端部)の幅方向両端部の2次側変位吸収部11bの取付部12bに1次側変位吸収部11aの取付部12aを重ね、さらに弾性シール材60を重ね、弾性シール材60の取付部60aの外側にそれぞれガイド固定部材50の中間部50bを背中合せにするように配置し、これらを貫通するボルト・ナット52で固定する。
ガイド固定部材50には、弾性押圧部材90を少なくとも下端部の反力受け部50dに取り付けておく。また、弾性シール材60には、摩擦低減部材80を皿ねじ・ナット81で取り付けておく。さらに、袋体70をそれぞれのガイド固定部材50に取り付けておく。
この後、平置き状態とした目地材10を、図示しない吊り上げ治具で吊り上げて、起立状態の目地材10の先端部(下端部)をケーソン31の目地部32上に位置させる。

0042

こうして、目地材10の挿入先端部の挿着準備が完了した後、目地材取付溝40上にガイド固定部材50を配置し、目地材10の中間部の変位吸収部11を、開口部41を介して目地部32上に配置し、目地材10を目地部32に吊り下ろすことができる状態とする。

0043

こうして吊り上げ治具を介して目地材10を吊り上げて起立させた後、吊り上げた目地材10を吊り下ろし、両端部の取付部12,12が目地材取付溝40,40の空間42、42内に位置し、変位吸収部11を開口部41,41間に位置させて、ガイド固定部材50などの重量を利用して吊り下ろすことで、目地材10の下端から目地材取付溝40に挿着していく。
ガイド固定部材50を介して目地材10を吊り下げて挿着して行くと、弾性押圧部材90が目地材取付溝40の空間42の背面に当たることで、ガイド固定部材50が反力受け部50dを介して開口部41の内面側に押し付けられ、摩擦低減部材80が目地材取付溝40の開口部41の内面に接した状態で挿着されて行く。この挿着の際、弾性シール材60は、直接目地材取付溝40の開口部41の内面に接触せず、摩擦低減部材80が接触することで、摩擦を減らして挿着することができ、しかも弾性シール材60のシワの発生を抑えることができる。

0044

こうして目地材10の最初(先端)のガイド固定部材50の大部分を挿入した状態で、次のガイド固定部材50を、隣接するフランジ板53を介してボルト・ナット54で連結する。この場合には、弾性シール材60に摩擦低減部材80を取り付けるとともに、ガイド固定部材50の反力受け部50dには、必要に応じて弾性押圧部材90を取り付けるようにする。
こうして、ガイド固定部材50の取り付けで目地材10の取付部12,12の形状を直線状に保持するとともに、吊下げ重量を確保して吊り下ろすことを繰り返し、目地材取付溝40,40に、目地材10を予めつけてある天端マークまで挿着する。

0045

次いで、ガイド固定部材50に袋体70を取り付けていない場合には、袋体70に石や砂などの重りを入れてガイド固定部材50の前面部50aと反力受け部50dとの間に吊り下げるようにして挿着する。
この後、吊り上げ治具を取り外し、袋体70の一方に充填拡幅材71を充填し、袋体70を拡幅して弾性シール材60のシール部60bを目地材取付溝40の開口部41の内面に押し付けるように弾性変形させ、開口部41をシール状態とする。同様にして、目地材10を挟むもう一方の袋体70にも充填拡幅材71を充填し、袋体70を拡幅して弾性シール材60のシール部60bを目地材取付溝40の開口部41の内面に押し付けるように弾性変形させ、開口部41をシール状態とする。

0046

さらに、目地材取付溝40の空間42に、膨張モルタルなどの充填材51を充填してガイド固定部材50を固定する。充填材51は、2つのガイド固定部材50の背面部50cと反力受け部50dで囲まれた空間42だけでなく、フランジ板53および背面部50cに形成した貫通孔55とフランジ板53の溶接用のスカラップを介して袋体70と中間部50bとの間にも流入し、袋体70を外側から支持する。
これにより、袋体70の外側が確実に支持され、充填拡幅材71により拡幅した袋体70で弾性シール材60を開口部41の内面に押し付けてシール状態にすることができる。

0047

また、弾性シール材60の底縁部に充填材保持部材61を取り付けておき、充填材保持部材61を目地材取付溝40の底面45上に広げるようにすることで、目地材取付溝40の底面45上から充填材51が流出することを防止して保持することができる。これにより、弾性シール材60によるシール状態を一層確実にすることができる。

0048

このような工程を経ることで、目地材取付溝40へ目地材10を固定状態とすることができる。この後、例えば目地材10の上端部の切断部を切断することで、1箇所の目地材10の取付施工が完了する。
なお、1つの目地部32に対しては、図3で例示したように、目地材10を1箇所乃至複数箇所に設ける必要があり、それぞれの箇所に目地材の固定構造1を適用して目地材10(10A,10B)を施工すれば良い。
このような目地材10として板状目地材10Aを用いた固定構造1では、レベル1地震動に対して目地材10Aは、1次側変位吸収部11aによってケーソン31,31間の目地部32からの廃棄物および保有水などの漏洩を防止することができる。
また、レベル2地震動に対して目地材10Aは、2次側変位吸収部11bによってケーソン31,31などの構造物(護岸)自体は変形しても海面廃棄物処分場内の廃棄物および保有水が目地部32から外部に漏洩(流出あるいは浸出)しないようにすることができる。
また、目地材10が目地材取付溝40の開口部41の内面に押し付けられており、空間42内に隙間なく袋体70および充填材51が充填されているので、目地材10に地震などで引っ張り力が加わった場合でも取付部12が目地材取付溝40内で移動することがなく、シール状態を保持することができる。
これにより、目地材取付溝40の開口部41の内面のシール状態を確保することができ、目地材取付溝40内を回り込むような流れを防止して確実にシール状態とすることができる。

0049

なお、上記の目地材の固定構造1では、板状目地材10Aを用いた場合を例に説明したが、図10に示した円筒状目地材10Bの場合には、円筒部11cを押し潰した状態で目地部32に位置させ、上記の目地材の固定構造1の工程と同一の工程を経て円筒状目地材10Bを目地材取付溝40に固定する。
この後、円筒状目地材10Bの円筒部11cの内側にアスファルトマスチックなどの中詰材13を充填して押し広げ、目地部32の両側の妻壁面31a,31aに接する遮水状態とする(この中詰材13の充填は、充填後、ケーソン31,31の安定を待って必要な補充を行う)。
また、2つの目地材10を隣接して設けた場合には、これら目地材10間にアスファルトマスチックなどの遮水材を投入し、一層完全な遮水状態を確保するようにする。
こうして円筒状目地材10Bを固定した状態で、例えば地震などでケーソン31,31が変位して目地部32の間隔が広がる場合には、目地材10の円筒部11cは、引き出されるように広がって遮水状態を維持する。
また、地震などでケーソン31,31が変位して目地部32の間隔が広がると同時に前後にずれるようになる場合には、円筒状目地材10Bの円筒部11cが斜めに引き出されるように広がることで遮水状態が維持される。

0050

以上、実施の形態とともに詳細に説明したように、本発明の目地材の固定構造1によれば、両端に取付部12とを有する目地材10と、ケーソン(構造物)31の目地部32を挟んで上下方向に設けられスリット状の開口部41を備える目地材取付溝40と、取付部12の両側に取り付けられ目地材取付溝40への目地材10の挿着をガイドするガイド固定部材50と、を備え、両端の取付部12を目地材取付溝40内に配置し充填される充填材51中にガイド固定部材50に埋設して固定するとともに、開口部41を介して目地部32に変位吸収部11を配置する目地材10の固定構造1であって、取付部12に取り付けられ開口部41の内面に当てられて開口部41をシールする弾性シール材60と、目地材取付溝40内に配置され充填拡幅材71の充填により拡幅して弾性シール材60を開口部41の内面に押し付ける袋体70と、を備えて構成したので、弾性シール材60を充填拡幅材71で拡幅した袋体70で押し付けて開口部41の内面をシールすることができ、開口部41の内面に遊間を生じさせることなく目地材10を固定することができる。
これにより、ケーソン(構造物)31の目地部32に要求される遮水性能を確保することができる。
また、目地材10は、開口部41の内面に遊間を生じさせることなく固定できるので、目地材10に引張張力が作用しても目地材10を介してガイド固定部材50が移動し、ガイド固定部材50を固定する充填材51を圧壊して水みちが発生することがなく、目地材取付溝40の開口部41の内面のシール状態を維持することができる。

0051

本発明の目地材の固定構造1によれば、弾性シール材60は、目地材取付溝40への装着の際の弾性シール材60と開口部41の内面との間の摩擦を低減する摩擦低減部材80を備えているので、弾性シール材60の外側の摩擦低減部材80によって目地材取付溝40の開口部41の内面との摩擦を低減して弾性シール材60を挿着することができる。また、摩擦低減部材80によって引っ掛かることなく目地材取付溝40の開口部41の内面に弾性シール材60を取り付けることで、弾性シール材60の自重だれなどによるシワの発生を防止することができる。これにより、一層弾性シール材60による遮水性を向上することができる。

0052

本発明の目地材の固定構造1によれば、摩擦低減部材80は、開口部41の内面側の下端部に傾斜面82を備えているので、目地材取付溝40の開口部41の内面に溶接などによる段差部があっても摩擦低減部材80は、引っ掛かることなく乗り越えて挿着することができる。これにより、目地材取付溝40に予めガイドプレートを取り付けておく従来技術に比べ、挿着が困難になることがなく、目地材10の挿着が容易となる。

0053

本発明の目地材の固定構造1によれば、ガイド固定部材50は、袋体70の拡幅による反力を受けて弾性シール材60を押し付ける反力受け部50dを備えているので、袋体70を狭い空間に挿着して拡幅することができ、反力受け部50dに当てて反力を支持することで、袋体70の充填拡幅材71による押し付け力を有効に利用して弾性シール材60を変形させ、シール状態にすることができる。これにより、弾性シール材60を大きな押し付け力で押し付けてシールすることができるとともに、充填拡幅材71の充填量を抑えて遮水性能を確保することができる。

0054

本発明の目地材の固定構造1によれば、ガイド固定部材50は、少なくとも下端部に、目地材取付溝40の内面に当接してガイド固定部材50を開口部41の内面側に押し付ける押し付け力を付与する弾性押圧部材90を備えているので、弾性押圧部材90によってガイド固定部材50を押すことで、摩擦低減部材80を開口部41の内面に接触させた状態(所定の状態)で目地材10を挿着することができる。これにより、ガイド固定部材50の挿着時や挿着後の位置調整の必要がなく、挿着が完了すれば、目地材10などが目地材取付溝40に対して所定の状態となる。

0055

本発明の目地材の固定構造1によれば、弾性押圧部材90は、U字状に曲げられ一端部をガイド固定部材50に固定し、中間部を目地材取付溝40に当接させ、他端部を開放状態として設けられているので、例えばU字ボルト91を利用するなどで、簡単に弾性押圧部材90を用意することができ、U字ボルト91によって摩擦低減部材80を開口部41の内面に接触させた状態(所定の状態)で確実に目地材10を挿着することができる。

0056

本発明の目地材の固定構造1によれば、弾性シール材60は、目地材取付溝40への装着の際には、開口部41の内面と接触せずに摩擦低減部材80が開口部41の内面と接触し、袋体70の拡幅により変形して開口部41の内面と接触する形状に形成されているので、弾性シール材60の外側の摩擦低減部材80によって目地材取付溝40の開口部41の内面との摩擦を半減して弾性シール材60を挿着することができるとともに、袋体70の拡幅にともなう押し付け力で弾性シール材60を目地材取付溝40の開口部41の内面に密着させることができ、挿着の容易性と確実な遮水性を両立させることができる。

0057

本発明の目地材の固定構造1によれば、ガイド固定部材50は、目地材取付溝40内に充填される充填材51を流動させる貫通孔55を備えているので、目地材取付溝40の空間42内に隙間なく充填材51を充填することができ、袋体70の支持やガイド固定部材50の固定を確実に行うことができる。これにより、遊間の発生による充填材51の圧壊を防止することで、安定した状態で目地材10を固定することができ、遮水性を確保することができる。

0058

本発明の目地材の固定構造1によれば、弾性シール材60は、下端部に設けられ目地材取付溝40の底面45で広がり充填材51の流出を防止して保持する紐状の充填材保持部材61を備えているので、目地材取付溝40の底面45での充填材51の漏洩を防止することができ、目地材取付溝40での底面45からの遮水性を一層向上し、確実に遮水することができる。

0059

本発明の目地材の固定構造1によれば、充填材保持部材61は、弾性シール材60に形成された凹部62に上端縁部が装着されて固定されて構成されているので、弾性シール材60に確実に固定することができるとともに、弾性シール材60が挿着されると自動的に底面45上に充填材保持部材61が広がって充填材51を保持することができ、充填材51によってガイド固定部材50や目地材10などを確実に固定することができる。

0060

また、本発明の目地材の固定構造1によれば、目地材10を構造物であるケーソン31の目地部32に入って作業する必要がなく、ケーソン31の上方からの作業で目地材10を固定することができる。

0061

なお、上記実施の形態では、2種類の目地材10A,10Bを例に説明したが、目地材10の形状は両端部に取付部12を備え、これらをつないで中間に変位に追従できる変位吸収部11が設けられるものであれば、どのような形状や材料であっても良い。

0062

また、上記実施の形態では、ケーソン31の目地部32に固定する目地材10に適用する場合で説明したが、ケーソン31に限らず他の構造物の目地部にも同様に適用することができる。また、ケーソン31についても管理型護岸のケーソン31の目地部32に限らず他の用途のケーソン31などの目地部32に広く適用することができる。

0063

1目地材の固定構造
10 目地材
10A 板状目地材
10B円筒状目地材
11変位吸収部
11a1次側変位吸収部
11b2次側変位吸収部
11c円筒部
12取付部
12a 取付部
12b 取付部
13 中詰材
30管理型護岸
31ケーソン(構造物)
31a妻壁面
32目地部
33捨石マウンド
34アスファルトマット
35シール材
36 目地部遮水材
37遮水シート
38アスファルトマスチック
39トレンチ部(深層混合処理)
40目地材取付溝
41 開口部
42 空間
43枠体
44板材
44a段差部
45 底面
50ガイド固定部材
50a 前面部
50b 中間部
50c 背面部
50d反力受け部
50e貫通孔
51充填材
52ボルト・ナット
53フランジ板
54 ボルト・ナット
55 貫通孔
60弾性シール材
60a 取付部
60bシール部
61 充填材保持部材
62 凹部
70袋体
71充填拡幅材
80摩擦低減部材
81皿ねじ・ナット
82 傾斜面
90弾性押圧部材
91 U字ばね(U字ボルト)
91a 端部
91b円弧部
92 ナット
S海側
E埋立側

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