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技術 ジャッキアップ装置及び建設機械

出願人 コベルコ建機株式会社
発明者 小泉幸雄垣内和也渡邉拓也高松伸広笹岡佳雄
出願日 2017年6月27日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2017-125513
公開日 2019年1月17日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-006583
状態 未査定
技術分野 ジャッキ ジブクレーン(門形、ケーブルクレーン)
主要キーワード 外ピストン 内シリンダ 内ピストン 外シリンダ 慎重さ ジャッキアップ量 作動油供給装置 油圧シリンダ機構
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図面 (8)

課題

本発明は、装置の外径が小さくジャッキアップ量が大きいジャッキアップ装置を提供することを課題とする。

解決手段

本発明に係るジャッキアップ装置は、多段油圧シリンダ機構を有するジャッキアップ装置であって、外側の油圧シリンダ機構が複動シリンダ機構であり、最中心の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構であることを特徴とする。複動シリンダ機構が、外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間に作動油を供給する往動流路と、外シリンダ内の上記内シリンダ側の空間に作動油を供給する複動流路とを有し、単動シリンダ機構が、外ピストンを貫通し、外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間を上記内シリンダ内の上記ロッドと反対側の空間に連通させる連動流路と、内ピストンを貫通し、内シリンダ内の外ピストン側の空間をロッド側の空間に連通させる油封流路とを有してもよい。

概要

背景

例えばクレーン油圧ショベル等の建設機械は、一般に、クローラー、タイヤ等の走行手段を有する下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に設けられ、ブーム揺動可能に取り付けられる上部旋回体とを備える。特に、クローラーを有する建設機械は、一般道路を自走することが許されないため、トレーラー等に積載して作業現場まで輸送される。

このような建設機械は、例えば特開2007−230747号公報に記載されるように、下部走行体に設けられ、上部旋回体ごと下部走行体を持ち上げるジャッキアップ装置を備える。このジャッキアップ装置により下部走行体を持ち上げた状態で、トレーラーを下部走行体の下に移動させることで、建設機械をトレーラーに積載することができる。

通常、建設機械のジャッキアップ装置は、鉛直方向に伸縮する油圧シリンダを有する。建設機械は、上部旋回体の一部が下部走行体から水平方向外側に突出し、旋回時にジャッキアップ装置の上方に配置され得る。このため、ジャッキアップ装置は、非使用時に上部旋回体の底面より下方に配置されなければならない。また、ジャッキアップ装置は、建設機械の移動時に地面に当接しないよう、非使用時には底面に接触しないよう、クローラーの設置面よりも十分に高い位置に配置されなければならない。このため、ジャッキアップ装置は、非使用時における上下方向の長さが制限されるため、ジャッキアップ量ストローク)を大きくすることが難しい。

このため、従来の建設機械では、トレーラーに積載する際にジャッキアップ装置のジャッキアップ量が不足して下部走行体を十分に地面から持ち上げることができないことがある。このような場合、地面のジャッキアップ装置のシリンダが配置される位置に盤木を配置して、ジャッキアップ装置のジャッキアップ量を補うことが行われている。また、建設機械をトレーラーから下ろす場合にも同様に盤木を配置することが必要である。

盤木を用いた建設機械の積み降ろしは非常に煩雑であると共に、建設機械の重量を支持可能な盤木はそれ自体が重量物であることから、安全確保のために慎重さが要求される作業である。

ストロークの大きい油圧装置としては、多段油圧シリンダが存在する。建設機械のジャッキアップ装置として、ストロークの大きい多段油圧シリンダ機構を利用できればよいが、重量が大きい建設機械を昇降可能とするには、多段油圧シリンダ機構の外形を相当に大きくする必要がある。具体的には、昇降可能な重量は、作動油ピストン押圧する面積に比例するため、多段油圧シリンダ機構の外形はその段数に比例して大きくなる。建設機械用のジャッキアップ装置は、比較的コンパクトであることが要求されるため、断面積が大きい多段油圧シリンダ機構を有する油圧装置は利用しづらい。

概要

本発明は、装置の外径が小さくジャッキアップ量が大きいジャッキアップ装置を提供することを課題とする。本発明に係るジャッキアップ装置は、多段油圧シリンダ機構を有するジャッキアップ装置であって、外側の油圧シリンダ機構が複動シリンダ機構であり、最中心の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構であることを特徴とする。複動シリンダ機構が、外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間に作動油を供給する往動流路と、外シリンダ内の上記内シリンダ側の空間に作動油を供給する複動流路とを有し、単動シリンダ機構が、外ピストンを貫通し、外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間を上記内シリンダ内の上記ロッドと反対側の空間に連通させる連動流路と、内ピストンを貫通し、内シリンダ内の外ピストン側の空間をロッド側の空間に連通させる油封流路とを有してもよい。

目的

本発明は、装置の外径が極力小さく、ジャッキアップ量が大きいジャッキアップ装置、及びトレーラーへの積み降ろしが容易な建設機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

多段油圧シリンダ機構を有するジャッキアップ装置であって、外側の油圧シリンダ機構が複動シリンダ機構であり、最中心の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構であることを特徴とするジャッキアップ装置。

請求項2

上記複動シリンダ機構が、外シリンダと、上記外シリンダ内に摺動可能に嵌合する外ピストンと、一端が上記外ピストンに接続され、他端が上記外シリンダの他端から突出する内シリンダとを備え、上記外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間に作動油を供給する往動流路と、上記外シリンダ内の上記内シリンダ側の空間に作動油を供給する複動流路とを有し、上記単動シリンダ機構が、上記複動シリンダ機構と共有される上記内シリンダと、上記内シリンダ内に摺動可能に嵌合する内ピストンと、一端が上記内ピストンに接続され、他端が上記内シリンダの他端から突出するロッドとを備え、上記外ピストンを貫通し、上記外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間を上記内シリンダ内の上記ロッドと反対側の空間に連通させる連動流路と、上記内ピストンを貫通し、上記内シリンダ内の上記外ピストン側の空間を上記ロッド側の空間に連通させる油封流路とを有する請求項1に記載のジャッキアップ装置。

請求項3

上記ロッドを上記内シリンダ内に後退させた状態で保持する保持機構をさらに有する請求項2に記載のジャッキアップ装置。

請求項4

上記保持機構が、上記油封流路に配設され、上記ロッド側から上記外ピストン側への作動油の移動を防止する逆止弁を有する請求項3に記載のジャッキアップ装置。

請求項5

上記保持機構が、上記内シリンダの他端に配設され、上記内シリンダ内に後退させたロッドに係合する係合部材を有する請求項3に記載のジャッキアップ装置。

請求項6

上記保持機構が、上記ロッドの外側に嵌装され、上記内ピストンを押圧するリターンスプリングを有する請求項3に記載のジャッキアップ装置。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載のジャッキアップ装置を備える建設機械

技術分野

0001

本発明は、ジャッキアップ装置及び建設機械に関する。

背景技術

0002

例えばクレーン油圧ショベル等の建設機械は、一般に、クローラー、タイヤ等の走行手段を有する下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に設けられ、ブーム揺動可能に取り付けられる上部旋回体とを備える。特に、クローラーを有する建設機械は、一般道路を自走することが許されないため、トレーラー等に積載して作業現場まで輸送される。

0003

このような建設機械は、例えば特開2007−230747号公報に記載されるように、下部走行体に設けられ、上部旋回体ごと下部走行体を持ち上げるジャッキアップ装置を備える。このジャッキアップ装置により下部走行体を持ち上げた状態で、トレーラーを下部走行体の下に移動させることで、建設機械をトレーラーに積載することができる。

0004

通常、建設機械のジャッキアップ装置は、鉛直方向に伸縮する油圧シリンダを有する。建設機械は、上部旋回体の一部が下部走行体から水平方向外側に突出し、旋回時にジャッキアップ装置の上方に配置され得る。このため、ジャッキアップ装置は、非使用時に上部旋回体の底面より下方に配置されなければならない。また、ジャッキアップ装置は、建設機械の移動時に地面に当接しないよう、非使用時には底面に接触しないよう、クローラーの設置面よりも十分に高い位置に配置されなければならない。このため、ジャッキアップ装置は、非使用時における上下方向の長さが制限されるため、ジャッキアップ量ストローク)を大きくすることが難しい。

0005

このため、従来の建設機械では、トレーラーに積載する際にジャッキアップ装置のジャッキアップ量が不足して下部走行体を十分に地面から持ち上げることができないことがある。このような場合、地面のジャッキアップ装置のシリンダが配置される位置に盤木を配置して、ジャッキアップ装置のジャッキアップ量を補うことが行われている。また、建設機械をトレーラーから下ろす場合にも同様に盤木を配置することが必要である。

0006

盤木を用いた建設機械の積み降ろしは非常に煩雑であると共に、建設機械の重量を支持可能な盤木はそれ自体が重量物であることから、安全確保のために慎重さが要求される作業である。

0007

ストロークの大きい油圧装置としては、多段油圧シリンダが存在する。建設機械のジャッキアップ装置として、ストロークの大きい多段油圧シリンダ機構を利用できればよいが、重量が大きい建設機械を昇降可能とするには、多段油圧シリンダ機構の外形を相当に大きくする必要がある。具体的には、昇降可能な重量は、作動油ピストン押圧する面積に比例するため、多段油圧シリンダ機構の外形はその段数に比例して大きくなる。建設機械用のジャッキアップ装置は、比較的コンパクトであることが要求されるため、断面積が大きい多段油圧シリンダ機構を有する油圧装置は利用しづらい。

先行技術

0008

特開2007−230747号公報

発明が解決しようとする課題

0009

上記実情に鑑みて、本発明は、装置の外径が極力小さく、ジャッキアップ量が大きいジャッキアップ装置、及びトレーラーへの積み降ろしが容易な建設機械を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るジャッキアップ装置は、多段油圧シリンダ機構を有するジャッキアップ装置であって、外側の油圧シリンダ機構が複動シリンダ機構であり、最中心の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構であることを特徴とする。

0011

当該ジャッキアップ装置は、最中心の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構であるため、ジャッキアップ量に比して装置の外径を極力小さくすることができる。

0012

当該ジャッキアップ装置において、上記複動シリンダ機構が、外シリンダと、上記外シリンダ内に摺動可能に嵌合する外ピストンと、一端が上記外ピストンに接続され、他端が上記外シリンダの他端から突出する内シリンダとを備え、上記外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間に作動油を供給する往動流路と、上記外シリンダ内の上記内シリンダ側の空間に作動油を供給する複動流路とを有し、上記単動シリンダ機構が、上記複動シリンダ機構と共有される上記内シリンダと、上記内シリンダ内に摺動可能に嵌合する内ピストンと、一端が上記内ピストンに接続され、他端が上記内シリンダの他端から突出するロッドとを備え、上記外ピストンを貫通し、上記外シリンダ内の上記内シリンダと反対側の空間を上記内シリンダ内の上記ロッドと反対側の空間に連通させる連動流路と、上記内ピストンを貫通し、上記内シリンダ内の上記外ピストン側の空間を上記ロッド側の空間に連通させる油封流路とを有してもよい。この構成によれば、当該ジャッキアップ装置は、外側が複動、内側が単動の二段油圧シリンダ機構を有するものとなるので、内シリンダを外シリンダ内に後退させるための内ピストンの受圧面積を小さくすることができる。これにより当該ジャッキアップ装置は、外シリンダの断面積を小さくすることができるので、装置全体の外径を極力小さくすることができる。また、当該ジャッキアップ装置は、上記連動流路を有するため、上記往動流路に作動油を供給することで上記複動シリンダ機構により内シリンダを突出させると同時に上記単動シリンダ機構によりロッドを突出させられる。また、当該ジャッキアップ装置は、油封流路を介して内シリンダ及びロッド間の空間を外部に開放せず作動油を充填するので、塵埃の多い場所で使用しても、内部に異物侵入しないので信頼性に優れる。

0013

当該ジャッキアップ装置において、上記ロッドを上記内シリンダ内に後退させた状態で保持する保持機構をさらに有してもよい。この構成によれば、当該ジャッキアップ装置は、上記ロッドの突出方向が下向きになるよう設置された場合に、ロッドを内シリンダに後退させた後でロッドを内シリンダに押し込む力を除去しても自重によってロッドが突出することを防止できる。

0014

当該ジャッキアップ装置において、上記保持機構が、上記油封流路に配設され、上記ロッド側から上記外ピストン側への作動油の移動を防止する逆止弁を有してもよい。この構成によれば、ロッドの重量によって内シリンダ及びロッド間の空間に充填した作動油が外シリンダへの流出を防止することができるので、ロッドの意図しない突出を効率よく防止することができる。

0015

当該ジャッキアップ装置において、上記保持機構が、上記内シリンダの他端に配設され、上記内シリンダ内に後退させたロッドに係合する係合部材を有してもよい。この構成によれば、当該ジャッキアップ装置は、係合部材の係合により機械的にロッドの突出を確実に防止することができる。

0016

当該ジャッキアップ装置において、上記保持機構が、上記ロッドの外側に嵌装され、上記内ピストンを押圧するリターンスプリングを有してもよい。この構成によれば、当該ジャッキアップ装置は、上記リターンスプリングによってロッドが後退方向に付勢されているので、作動油の供給なしにロッドの重量だけではロッドが突出しないようにできる。

0017

本発明の別の態様に係る建設機械は、上述のジャッキアップ装置を備える。当該建設機械は、装置の外径が小さくジャッキアップ量が大きいジャッキアップ装置を備えるので、トレーラーへの積み降ろしが容易でありながら、従来の建設機械と同じ条件で設計することができる。

発明の効果

0018

以上のように、本発明に係るジャッキアップ装置は、装置の外径が小さく、ジャッキアップ量が大きい。また、本発明に係る建設機械は、トレーラーへの積み降ろしが容易である。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態に係る建設機械の模式的側面図である。
図1の建設機械の下部走行体の模式的平面図である。
図1の建設機械のジャッキアップ装置を示す模式的側面図である。
図3のジャッキアップ装置の多段油圧シリンダ機構の模式的断面図である。
図4の多段油圧シリンダ機構の伸長時の模式的断面図である。
図4とは異なる実施形態に係るジャッキアップ装置の多段油圧シリンダ機構の模式的断面図である。
図4及び図7とは異なる実施形態に係るジャッキアップ装置の多段油圧シリンダ機構の模式的断面図である。

実施例

0020

以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。

0021

[第一実施形態]
図1に、本発明に係る建設機械の一実施形態であるクローラークレーンを示す。

0022

当該建設機械は、自走可能な下部走行体1と、下部走行体上1に水平に旋回可能に設けられる上部旋回体2と、上部旋回体2に設けられるクレーンアタッチメント作業具)3とを備える。

0023

下部走行体1は、図2に示すように、上部旋回体2を支持するメインフレーム4を有するクローラーフレーム5と、このクローラーフレーム5に配設される一対のクローラー(履帯)6と、メインフレーム4に配設される4つのジャッキアップ装置(トランスリフター)7とを有する。

0024

<ジャッキアップ装置>
ジャッキアップ装置7は、それ自体が本発明の別の態様に係るジャッキアップ装置の実施形態である。

0025

ジャッキアップ装置7は、図3に示すように、メインフレーム4に水平方向に揺動可能に配設される支持アーム8と、この支持アーム8の先端に鉛直に配設される多段油圧シリンダ機構9とを有する。

0026

多段油圧シリンダ機構9は、図4及び図5に示すように、同軸に配設される2つの油圧シリンダ機構を有し、外側の油圧シリンダ機構が油圧によって伸長及び収縮する複動シリンダ機構であり、内側(最中心)の油圧シリンダ機構が油圧によって伸長するが収縮は外力によって行う単動シリンダ機構である。

0027

(複動シリンダ機構)
多段油圧シリンダ機構9の複動シリンダ機構は、支持アーム8に固定される外シリンダ10と、外シリンダ10の一端を封止するキャップ11と、外シリンダ10内に摺動可能に嵌合する外ピストン12と、一端が外ピストン12に封止され、他端が外シリンダ10の他端から突出する内シリンダ13と、外シリンダ10の他端と内シリンダ13との隙間を封止する外ブッシュ14とを備える。

0028

また、多段油圧シリンダ機構9の複動シリンダ機構は、外シリンダ10を貫通し、外シリンダ10内のキャップ11及び外ピストン12間の空間に作動油を供給する往動流路15と、外シリンダ10を貫通し、外シリンダ10内の外ピストン12及び外ブッシュ14間の空間に作動油を供給する複動流路16を有する。

0029

往動流路15及び複動流路16には、作動油が供給されない(供給圧力が小さい)場合には、往動流路15及び複動流路16からの作動油の排出を防止するパイロットチェック弁17を介して、一方に外部から作動油が供給され、他方から外部に作動油が流出する。より詳しくは、多段油圧シリンダ機構9の複動シリンダ機構を図5に示すように伸長させる場合は、往動流路15に作動油を供給して複動流路16から作動油を排出(不図示の作動油供給装置環流)する。逆に、多段油圧シリンダ機構9の複動シリンダ機構を図4に示すように収縮させる場合は、複動流路16に作動油を供給して往動流路15から作動油を排出する。

0030

(単動シリンダ機構)
一方、多段油圧シリンダ機構9の単動シリンダ機構は、複動シリンダ機構と共有される内シリンダ13と、内シリンダ13内に摺動可能に嵌合する内ピストン18と、一端が内ピストン18に接続され、他端が内シリンダ13の他端から突出するロッド19と、内シリンダ13の他端とロッド19との隙間を封止する内ブッシュ20とを備える。

0031

また、多段油圧シリンダ機構9の単動シリンダ機構は、外ピストン12を貫通し、外シリンダ10内のキャップ11側の空間を内シリンダ13内の空間に連通させる連動流路21と、内ピストン18を貫通し、内シリンダ13内の外ピストン12側の空間をロッド19側の空間に連通させる油封流路22とを有する。

0032

さらに、多段油圧シリンダ機構9は、ロッド19を内シリンダ13内に後退させた状態で保持する保持機構を有する。具体的には、本実施形態のジャッキアップ装置における保持機構は、油封流路22に配設され、ロッド19側から外ピストン12側への作動油の移動を防止する逆止弁23を有する。

0033

ジャッキアップ装置7は、往動流路15から外シリンダ10内のキャップ11と外ピストン12との間の空間に作動油を供給することによって、外ピストン12を内シリンダ13側に押し出して内シリンダ13を外シリンダ10から突出させる。また、このとき、連動流路21を通して内シリンダ13内の外ピストン12と内ピストン18との間の空間に作動油が流入することによって、内ピストン18をロッド19側に押し出してロッド19を内ピストン18から突出させる。これにより、ジャッキアップ装置7は、図5に示すように、多段油圧シリンダ機構9を伸長して、ロッド19の先端を地面又は地面に載置したフロート等の部材に押し当てて支持アーム8ひいてはメインフレーム4を持ち上げることができる。

0034

多段油圧シリンダ機構9は、油封流路22を有するため、伸長時に作動油が内シリンダ13とロッド19との間の空間に流入する。このとき、内ピストン18の外ピストン12側の受圧面(作動油が作用する面)の面積が、内ピストン18の内ブッシュ20側の受圧面の面積よりも大きいことにより、内ピストン18を内ブッシュ20側に移動させてロッド19を突出させる。なお、このとき、外ピストン12と内ピストン18との間の空間に作動油が供給されてその圧力が内シリンダ13とロッド19との間の空間よりも高くなるため、逆止弁23が開放される。これにより、内シリンダ13とロッド19との間の空間から外ピストン12と内ピストン18との間の空間への作動油の流出が可能となり、ロッド19を内シリンダ13から突出させることができる。

0035

逆に、ジャッキアップ装置7において、多段油圧シリンダ機構9を収縮する場合、パイロットチェック弁17を介して、外部から複動流路16に作動油を供給し、往動流路15から外部に作動油を排出可能とする。これにより、外シリンダ10内の外ピストン12と外ブッシュ14との間の空間に作動油を供給して、内シリンダ13を外シリンダ10内に後退させること、つまり複動シリンダ機構を収縮させることができる。

0036

また、外シリンダ10を保持する支持アーム8を介して下部走行体1及び上部旋回体2の重量が内シリンダ13を下方に押し下げる力として作用する。すると、内シリンダ13とロッド19との間の空間の圧力が負圧となるため、逆止弁23が開く。これにより、外ピストン12と内ピストン18との間の空間から内シリンダ13とロッド19との間の空間に作動油が流入して、ロッド19を内シリンダ13の内部に後退させること、つまり単動シリンダ機構を収縮させることができる。なお、外ピストン12と内ピストン18との間の空間の断面積は、内シリンダ13とロッド19との間の空間の断面積よりも大きいため、この単動シリンダ機構の収縮によって往動流路15から外部に作動油がさらに排出される。

0037

<利点>
上述のように、本発明の実施形態に係るジャッキアップ装置7は、多段油圧シリンダ機構9を備えるため多段油圧シリンダ機構9の全長を超えるジャッキアップ量を実現することができる。

0038

また、ジャッキアップ装置7において、多段油圧シリンダ機構9は、内側の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構であるため、内シリンダ13の内径とロッド19の外径との差を小さくして、装置全体の外径を小さくすることができる。このため、当該建設機械は、従来のジャッキアップ装置に替えて本発明に係るジャッキアップ装置7を設けたものとすることができるので、設計が容易である。

0039

また、ジャッキアップ装置7は、油封流路22を介して内シリンダ13及びロッド19間に作動油を充填する構成としたことにより、内シリンダ13及びロッド19間の空間を外部に開放せずに動作することができる。このため、ジャッキアップ装置7は、塵埃の多い場所で使用しても、内部に異物が侵入しないので信頼性に優れる。

0040

また、当該建設機械は、内シリンダ13からのロッド19の突出方向が下向きになるよう多段油圧シリンダ機構9が配設されているが、ジャッキアップ装置7が油封流路22に逆止弁23を有することによって、例えば当該建設機械がクローラー6を用いて移動するとき等に、意図せず重力によってロッド19が内シリンダ13から突出して地面等に干渉したりすることを防止できる。具体的には、下部走行体2がトレーラー等によって支持されて内シリンダ13に下部走行体2及び上部旋回体の重量が作用しない状態では、ロッド19の自重により外ピストン12と内ピストン18との間の空間の圧力より内シリンダ13とロッド19との間の空間の圧力の方が高くなるので、逆止弁23が閉鎖される。これによって内シリンダ13とロッド19との間の空間内の作動油が内ピストン18を支持して、ロッド19が自重により内シリンダ13から突出することを防止できる。

0041

[第二実施形態]
図6に、図4の多段油圧シリンダ機構9に替えて、図3のジャッキアップ装置7ひいては図1の建設機械に用いられる多段油圧シリンダ機構9aを示す。つまり、図3のジャッキアップ装置7の多段油圧シリンダ機構9を図6の多段油圧シリンダ機構9aに置き換えたもの、及びそのようなジャッキアップ装置を備える建設機械は、いずれも本発明の実施形態である。

0042

図6の多段油圧シリンダ機構9aは、同軸に配設される2つの油圧シリンダ機構を有し、外側の油圧シリンダ機構が油圧によって伸長及び収縮する複動シリンダ機構であり、内側の油圧シリンダ機構が油圧によって伸長するが収縮は外力によって行う単動シリンダ機構である。

0043

(複動シリンダ機構)
多段油圧シリンダ機構9aの複動シリンダ機構は、支持アーム8に固定される外シリンダ10と、外シリンダ10の一端を封止するキャップ11と、外シリンダ10内に摺動可能に嵌合する外ピストン12と、一端が外ピストン12に封止され、他端が外シリンダ10の他端から突出する内シリンダ13と、外シリンダ10の他端と内シリンダ13との隙間を封止する外ブッシュ14とを備える。

0044

また、多段油圧シリンダ機構9aの複動シリンダ機構は、外シリンダ10を貫通し、外シリンダ10内のキャップ11及び外ピストン12間の空間に作動油を供給する往動流路15と、外シリンダ10を貫通し、外シリンダ10内の外ピストン12及び外ブッシュ14間の空間に作動油を供給する複動流路16を有する。

0045

往動流路15及び複動流路16には、パイロットチェック弁17を介して一方に作動油が供給され、他方から作動油が流出する。より詳しくは、多段油圧シリンダ機構9aの複動シリンダ機構を伸長させる場合は、往動流路15に作動油を供給して複動流路16から作動油を排出する。逆に、多段油圧シリンダ機構9aの複動シリンダ機構を収縮させる場合は、複動流路16に作動油を供給して往動流路15から作動油を排出する。

0046

(単動シリンダ機構)
一方、多段油圧シリンダ機構9aの単動シリンダ機構は、複動シリンダ機構と共有される内シリンダ13と、内シリンダ13内に摺動可能に嵌合する内ピストン18と、一端が内ピストン18に接続され、他端が内シリンダ13の他端から突出するロッド19aと、内シリンダ13の他端とロッド19aとの隙間を封止する内ブッシュ20とを備える。

0047

また、多段油圧シリンダ機構9aの単動シリンダ機構は、外ピストン12を貫通し、外シリンダ10内のキャップ11側の空間を内シリンダ13内の空間に連通させる連動流路21と、内ピストン18を貫通し、内シリンダ13内の外ピストン12側の空間をロッド19a側の空間に連通させる油封流路22とを有する。

0048

さらに、多段油圧シリンダ機構9aは、ロッド19aを内シリンダ13内に後退させた状態で保持する保持機構を有する。具体的には、多段油圧シリンダ機構9aの保持機構は、ロッド19aの内シリンダ13からの突出側の端部近傍に設けられ、外周に係合溝24が形成された環状凸部25と、内シリンダ13の他端の内ブッシュ20に接続され、ロッド19aを内シリンダ13内に後退させた状態で、環状凸部25の係合溝24に係合する係合部材26を有する保持具27とを有する。

0049

保持具27は、複数の係合部材26を保持する環状のケーシング28と、係合部材26を内側に突出させる係止スプリング29とを有する構成とすることができる。係合部材26は、球状体とすることができる。係止スプリング29の強さは、内ピストン18及びロッド19の重量によっては係合部材26が係合溝24から脱離することなく、往動流路15から作動油を供給したときには油圧によって係合部材26を係合溝24から脱離させられるよう選定される。

0050

本実施形態の多段油圧シリンダ機構9aを備えるジャッキアップ装置も、ロッド19aの突出方向が下向きになるよう配置して使用しても、意図せずにロッド19aが内シリンダ13から突出することを防止できる。

0051

[第三実施形態]
図7に、図3のジャッキアップ装置7ひいては図1の建設機械に用いられる図4及び図6とは異なる多段油圧シリンダ機構9bを示す。つまり、図3のジャッキアップ装置7の多段油圧シリンダ機構9を図7の多段油圧シリンダ機構9aに置き換えたもの、及びそのようなジャッキアップ装置を備える建設機械は、いずれも本発明の実施形態である。

0052

図7の多段油圧シリンダ機構9aは、同軸に配設される2つの油圧シリンダ機構を有し、外側の油圧シリンダ機構が油圧によって伸長及び収縮する複動シリンダ機構であり、内側の油圧シリンダ機構が油圧によって伸長するが収縮は外力によって行う単動シリンダ機構である。

0053

(複動シリンダ機構)
多段油圧シリンダ機構9bの複動シリンダ機構は、支持アーム8に固定される外シリンダ10と、外シリンダ10の一端を封止するキャップ11と、外シリンダ10内に摺動可能に嵌合する外ピストン12と、一端が外ピストン12に封止され、他端が外シリンダ10の他端から突出する内シリンダ13と、外シリンダ10の他端と内シリンダ13との隙間を封止する外ブッシュ14とを備える。

0054

また、多段油圧シリンダ機構9bの複動シリンダ機構は、外シリンダ10を貫通し、外シリンダ10内のキャップ11及び外ピストン12間の空間に作動油を供給する往動流路15と、外シリンダ10を貫通し、外シリンダ10内の外ピストン12及び外ブッシュ14間の空間に作動油を供給する複動流路16を有する。

0055

往動流路15及び複動流路16には、パイロットチェック弁17を介して一方に作動油が供給され、他方から作動油が流出する。より詳しくは、多段油圧シリンダ機構9bの複動シリンダ機構を伸長させる場合は、往動流路15に作動油を供給して複動流路16から作動油を排出する。逆に、多段油圧シリンダ機構9bの複動シリンダ機構を収縮させる場合は、複動流路16に作動油を供給して往動流路15から作動油を排出する。

0056

(単動シリンダ機構)
一方、多段油圧シリンダ機構9bの単動シリンダ機構は、複動シリンダ機構と共有される内シリンダ13と、内シリンダ13内に摺動可能に嵌合する内ピストン18と、一端が内ピストン18に接続され、他端が内シリンダ13の他端から突出するロッド19と、内シリンダ13の他端とロッド19との隙間を封止する内ブッシュ20とを備える。

0057

また、多段油圧シリンダ機構9bの単動シリンダ機構は、外ピストン12を貫通し、外シリンダ10内のキャップ11側の空間を内シリンダ13内の空間に連通させる連動流路21と、内ピストン18を貫通し、内シリンダ13内の外ピストン12側の空間をロッド19側の空間に連通させる油封流路22とを有する。

0058

さらに、多段油圧シリンダ機構9bは、ロッド19を内シリンダ13内に後退させた状態で保持する保持機構を有する。具体的には、多段油圧シリンダ機構9bの保持機構は、ロッド19の外側に嵌装され、内ピストン18及び内ブッシュ20間に圧縮状態に保持されるリターンスプリング30を有する。リターンスプリング30と内ピストン18及び内ブッシュ20との間には、それぞれスプリングシート31が配設されている。

0059

リターンスプリング30としては、往動流路15から作動油を供給し、内シリンダ13内の外ピストン12と内ピストン18との間の作動油の圧力が上昇したときには、内ピストン18により圧縮され、往動流路15から作動油を排出し、内シリンダ13内の外ピストン12と内ピストン18との間の作動油の圧力が低下したときには、内ピストン18を押し返してロッド19を後退させられるようなばね定数を有するものが選定される。

0060

本実施形態の多段油圧シリンダ機構9bを備えるジャッキアップ装置も、ロッド19の突出方向が下向きになるよう配置して使用しても、意図せずにロッド19が内シリンダ13から突出することを防止できる。

0061

[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。

0062

本発明に係るジャッキアップ装置は、3重以上のシリンダ機構を有してもよい。この場合、最中心の油圧シリンダ機構が単動シリンダ機構とされる。

0063

本発明に係るジャッキアップ装置は、ロッドを内シリンダ内に保持する保持機構を有しないものであってもよい。

0064

本発明に係る建設機械は、クレーンに限られず、例えば油圧ショベル等の他の種類の建設機械であってもよい。

0065

本発明に係るジャッキアップ装置は、建設機械のトレーラーへの積み降ろしに用いるトランスリフターとして特に好適に利用することができる。

0066

1下部走行体
2上部旋回体
3クレーンアタッチメント
4メインフレーム
5クローラーフレーム
6クローラー
7ジャッキアップ装置
8支持アーム
9,9a,9b多段油圧シリンダ機構
10外シリンダ
11キャップ
12外ピストン
13内シリンダ
14 外ブッシュ
15往動流路
16複動流路
17パイロットチェック弁
18内ピストン
19,19aロッド
20 内ブッシュ
21連動流路
22 油封流路
23逆止弁
24係合溝
25 環状凸部
26係合部材
27保持具
28ケーシング
29係止スプリング
30リターンスプリング
31 スプリングシート

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