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技術 トイレ尿臭用徐放性芳香組成物

出願人 花王株式会社
発明者 森一郎石田浩彦
出願日 2017年6月26日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-124047
公開日 2019年1月17日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-005262
状態 未査定
技術分野 空気の消毒,殺菌または脱臭 脂肪類、香料
主要キーワード 介護職員 樹脂製カップ マスキング評価 介護施設内 自費出版 臭気判定 トイレマット 使用直後
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

トイレ設備より発生する尿臭持続的にマスキングすることができるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物の提供。

解決手段

香料化合物アグリコンとするβ-グルコシドからなり、C5-13の非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドを50%以上含有し、該非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中の一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドの含有率が10%以上であるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物〔R1はH又はビニル基、R2はH又はメチル基、R3はH、メチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基、R4はメチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基、イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示す〕

概要

背景

近年、消費者の衛生志向の高まりから、見た目汚ればかりでなく汚れの存在を想起させる臭気についても除去することが強く望まれている。特に尿及び便に関しては存在を生活環境から切り離すことはできず、更に、その臭気は排泄物そのものを強く想起させることから、ヒトに与える不快感は生活環境悪臭の中でもとりわけ大きい。

現在、一般家庭に広く普及している水洗式トイレにおいては、使用直後に、便は水洗により容易に屋外に排出することができる。一方、尿に関しては少量が飛沫としてトイレ設備内に残留し、悪臭の発生源となりやすい。また介護施設等においては入居者のADL(日常生活動作能力)に応じてポータブルトイレが使用されているが、これは現状、非水洗式のものが主流である。ポータブルトイレでの排泄においては、排泄物のうち便については、排便時に介護職員がすぐに排泄物の受器である中バケツを取り出して廃棄される。しかし、排尿のみの場合には、排泄物は、一定期間その場に放置されることも多く、ポータブルトイレの使用時においても、やはり尿由来の臭気が問題となりやすい。また水洗式トイレ、非水洗式のポータブルトイレ、いずれの場合においても、尿は便と異なり排尿直後には臭気が弱いため清掃の対象として見過ごされやすく、これが時間の経過に伴い腐敗し臭気の問題を生じている。

臭気の抑制方法としては、香料化合物を用いて悪臭をマスキングする感覚消臭法が一般に良く知られている。しかし、トイレ設備内に残留した尿は、排尿直後では臭気は弱いが、時間の経過に伴いトイレ設備に棲息する微生物によって腐敗が進行し、強く不快な臭気を発するという特徴を有する。通常、マスキングに用いられる香料化合物は、時間の経過にともない香気揮散して効果が減弱していくことから、時間の経過に伴い強くなる尿臭気の抑制においては、十分なマスキング効果を奏しないという問題がある。また、揮散を考慮して香料化合物の配合量を増やしたり、あるいは、香料化合物の組合せによって香りの強度を増加させたりする方法により、一定程度持続性向上を得ようとすると、今度は排尿直後の弱い尿臭気に対して香りが強すぎて不快感を与えるという別の問題を生じ得る。

これに対し、腐敗に伴い長期に渡って生成する悪臭を持続的にマスキングする方法として、細菌の有する酵素によって香料化合物を遊離させる香料配糖体を利用する方法が知られている。例えば、特許文献1ではβ-グルコシド化合物が、特許文献2ではβ-グルクロニド化合物が、皮膚常在菌により香気を生成し体臭のマスキングに有用であること、特許文献3ではβ-グルコシド化合物が腸内細菌により香気を生成し便臭をマスキングすることが開示されている。また尿臭のマスキングについては、特許文献4においてα-グルコシド及びβ-ガラクトシド化合物が尿中の酵素により香気を生成すること、更に特許文献5においては尿中の酵素により香気を生成させる処方としてα-グルコシド化合物とβ-ガラクトシド化合物の組合せが開示されている。

概要

トイレ設備より発生する尿臭を持続的にマスキングすることができるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物の提供。香料化合物をアグリコンとするβ-グルコシドからなり、C5-13の非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドを50%以上含有し、該非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中の一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドの含有率が10%以上であるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物〔R1はH又はビニル基、R2はH又はメチル基、R3はH、メチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基、R4はメチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基、イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示す〕なし

目的

本発明は、香料化合物をアグリコンとするβ-グルコシドからなるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物であって、1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドを50質量%以上含有し、前記非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中における、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドの含有率が10質量%以上である、トイレ尿臭用徐放性芳香組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

香料化合物アグリコンとするβ-グルコシドからなるトイレ尿臭徐放性芳香組成物であって、1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドを50質量%以上含有し、前記非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中における、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドの含有率が10質量%以上である、トイレ尿臭用徐放性芳香組成物。〔式中、R1は水素原子又はビニル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は水素原子、メチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示し、R4はメチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基、イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示す。〕

請求項2

1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類又はフェノール類が、cis-3-ヘキセノールゲラニオールテトラヒドロゲラニオール、シトロネロールネロールリナロール、テトラヒドロリナロール、オイゲノールジヒドロオイゲノールチモールカルバクロールバニリンエチルバニリン及びo-クマル酸から選ばれる1種以上である請求項1に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物。

請求項3

一般式(1)で表されるテルペンアルコールが、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、シトロネロール、ネロール、リナロール及びテトラヒドロリナロールから選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物。

請求項4

一般式(1)で表されるテルペンアルコールが、テトラヒドロゲラニオールである請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物。

請求項5

炭素数が5以上13以下であるフェノール類が、オイゲノールである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物。

請求項6

一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドと炭素数が5以上13以下であるフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドの質量比が9:1〜1:1である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物を0.01質量%以上20質量%以下含有するトイレ尿臭用消臭剤組成物

請求項8

更に、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするα-グルコシドを0.01質量%以上20質量%以下含有する請求項7に記載のトイレ尿臭用消臭剤組成物。

請求項9

請求項1〜6のいずれか1項に記載のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物又は請求項7若しくは8に記載のトイレ尿臭用消臭剤組成物を、トイレ周辺部位に棲息する微生物に接触させ、微生物によるグルコシドの分解によって香気持続的に生成させる、尿の臭気の持続的なマスキング方法

技術分野

0001

本発明はトイレ尿臭徐放性芳香組成物、及びこれを用いたトイレ設備における尿臭気の持続的なマスキング方法に関する。

背景技術

0002

近年、消費者の衛生志向の高まりから、見た目汚ればかりでなく汚れの存在を想起させる臭気についても除去することが強く望まれている。特に尿及び便に関しては存在を生活環境から切り離すことはできず、更に、その臭気は排泄物そのものを強く想起させることから、ヒトに与える不快感は生活環境悪臭の中でもとりわけ大きい。

0003

現在、一般家庭に広く普及している水洗式トイレにおいては、使用直後に、便は水洗により容易に屋外に排出することができる。一方、尿に関しては少量が飛沫としてトイレ設備内に残留し、悪臭の発生源となりやすい。また介護施設等においては入居者のADL(日常生活動作能力)に応じてポータブルトイレが使用されているが、これは現状、非水洗式のものが主流である。ポータブルトイレでの排泄においては、排泄物のうち便については、排便時に介護職員がすぐに排泄物の受器である中バケツを取り出して廃棄される。しかし、排尿のみの場合には、排泄物は、一定期間その場に放置されることも多く、ポータブルトイレの使用時においても、やはり尿由来の臭気が問題となりやすい。また水洗式トイレ、非水洗式のポータブルトイレ、いずれの場合においても、尿は便と異なり排尿直後には臭気が弱いため清掃の対象として見過ごされやすく、これが時間の経過に伴い腐敗し臭気の問題を生じている。

0004

臭気の抑制方法としては、香料化合物を用いて悪臭をマスキングする感覚消臭法が一般に良く知られている。しかし、トイレ設備内に残留した尿は、排尿直後では臭気は弱いが、時間の経過に伴いトイレ設備に棲息する微生物によって腐敗が進行し、強く不快な臭気を発するという特徴を有する。通常、マスキングに用いられる香料化合物は、時間の経過にともない香気揮散して効果が減弱していくことから、時間の経過に伴い強くなる尿臭気の抑制においては、十分なマスキング効果を奏しないという問題がある。また、揮散を考慮して香料化合物の配合量を増やしたり、あるいは、香料化合物の組合せによって香りの強度を増加させたりする方法により、一定程度持続性向上を得ようとすると、今度は排尿直後の弱い尿臭気に対して香りが強すぎて不快感を与えるという別の問題を生じ得る。

0005

これに対し、腐敗に伴い長期に渡って生成する悪臭を持続的にマスキングする方法として、細菌の有する酵素によって香料化合物を遊離させる香料配糖体を利用する方法が知られている。例えば、特許文献1ではβ-グルコシド化合物が、特許文献2ではβ-グルクロニド化合物が、皮膚常在菌により香気を生成し体臭のマスキングに有用であること、特許文献3ではβ-グルコシド化合物が腸内細菌により香気を生成し便臭をマスキングすることが開示されている。また尿臭のマスキングについては、特許文献4においてα-グルコシド及びβ-ガラクトシド化合物が尿中の酵素により香気を生成すること、更に特許文献5においては尿中の酵素により香気を生成させる処方としてα-グルコシド化合物とβ-ガラクトシド化合物の組合せが開示されている。

先行技術

0006

特開平7-179328号公報
特表2016-528318号公報
特開平10-28724号公報
特開平9-30944号公報
特開平10-263062号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1〜5に記載の技術で利用する香料配糖体は、いずれもそれ自体は芳香を有しないため初期には香りが無いが、対応する菌や酵素により分解することで香気を発生させることから、理想的なマスキングが行えるものと考えられる。しかしながら、特許文献1〜3では、これら配糖体がトイレ設備より発生する尿臭に対して効果的であることを示す知見は得られていなかった。また特許文献4及び5において、β-グルコシド化合物が他の配糖体よりもトイレ設備より発生する尿臭に対して特に効果的であることを示す知見は得られておらず、特に特許文献5においてはβ-グルコシド化合物の尿による分解活性はごくわずかであると評価されていた(表1)。

0008

加えて、特許文献1〜5のいずれにおいても、トイレ設備より発生する尿臭のマスキングにおいて、より効果的な香気を生成させるための香料配糖体及びその組合せについては何ら示唆されていない。

0009

したがって本発明は、トイレ設備より発生する尿臭を持続的にマスキングすることができるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物、及びこれを用いたトイレ設備における尿臭気の持続的なマスキング方法に関する。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、特許文献5において尿中での代謝活性が低いとされたβ-グルコシド化合物に関し研究を進めたところ、驚くべきことに、介護施設内で使用されているポータブルトイレの受器底面やポータブルトイレ中に排出された高齢者尿から、β-グルコシド化合物を代謝するβ-グルコシダーゼ活性菌が多量に検出されることを見出した。また、このポータブルトイレより単離した細菌を混合して尿中で培養したところ、β-グルコシド構造を有する香料配糖体から確かに持続的に香気が生成することを確認した。更に、特定の構造を有する香料配糖体及びこれを含む特定の香料配糖体の組合せが、トイレ設備より発生する尿臭のマスキングにおいて過去に開示されている技術より高い効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。

0011

本発明は、香料化合物をアグリコンとするβ-グルコシドからなるトイレ尿臭用徐放性芳香組成物であって、1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドを50質量%以上含有し、前記非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中における、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドの含有率が10質量%以上である、トイレ尿臭用徐放性芳香組成物を提供するものである。

0012

0013

〔式中、R1は水素原子又はビニル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は水素原子、メチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示し、R4はメチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基、イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示す。〕

0014

更に本発明は、上記のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物を0.01質量%以上20質量%以下含有するトイレ尿臭用消臭剤組成物を提供するものである。

0015

更に本発明は、上記のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物又はトイレ尿臭用消臭剤組成物を、トイレ周辺部位に棲息する微生物に接触させ、微生物によるグルコシドの分解によって香気を持続的に生成させる、尿の臭気の持続的なマスキング方法を提供するものである。

発明の効果

0016

本発明のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物は、トイレ設備に棲息する微生物の代謝により、安定的かつ持続的に香気を生成し、トイレ設備内から生じる尿臭のマスキングにおいて有用である。

0017

〔トイレ尿臭用徐放性芳香組成物〕
本発明のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物は、香料化合物をアグリコンとするβ-グルコシドからなるものであり、トイレ設備内から生じる尿臭のマスキング効果の観点から、1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドを50質量%以上、好ましくは70質量%以上含有するものである。

0018

また、前記非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中には、下記の一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドを10質量%以上含有するものである。

0019

0020

〔式中、R1は水素原子又はビニル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は水素原子、メチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基、イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示し、R4はメチル基、2-メチル-1-プロペン-1-イル基、イソブチル基、4-メチル-3-ペンテン-1-イル基又は4-メチルペンチル基を示す。〕

0021

β-グルコシドのアグリコンのうち、一般式(1)で表されるテルペンアルコールとしては、ゲラニオールテトラヒドロゲラニオール、シトロネロールネロールリナロール、テトラヒドロリナロール等が挙げられ、このうち、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、シトロネロール、リナロール、テトラヒドロリナロールが好ましく、なかでもテトラヒドロゲラニオールが好ましい。

0022

β-グルコシドのアグリコンである、1又は2個の水酸基を有し炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類としては、前記一般式(1)で表されるテルペンアルコールのほか、cis-3-ヘキセノール等が挙げられる。1又は2個の水酸基を有し炭素数が5以上13以下であるフェノール類としては、オイゲノールジヒドロオイゲノールチモールカルバクロールバニリンエチルバニリン、o-クマル酸等が挙げられる。これらのなかでもオイゲノール、ジヒドロオイゲノールが好ましく、オイゲノールがより好ましい。

0023

更に、1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類又はフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシド中における、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドの含有率は、トイレ設備内から生じる尿臭のマスキング効果の観点から、10質量%以上であって、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは97質量%以下、より好ましくは92質量%以下である。

0024

本発明のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物に用いるβ-グルコシドとしては、より高いマスキング効果の観点から、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドと、1又は2個の水酸基を有し炭素数が5以上13以下である非環式アルコール類であって一般式(1)で表されるテルペンアルコール以外のアルコール類、又は1又は2個の水酸基を有し炭素数が5以上13以下であるフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドとを併用することが好ましい。また、一般式(1)で表されるテルペンアルコールと調香的な相乗効果を有する等の観点から、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドと、オイゲノール又はジヒドロオイゲノールをアグリコンとするβ-グルコシドとを併用することが好ましい。

0025

β-グルコシドの組合せとしては、好ましくは一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドと炭素数が5以上13以下であるフェノール類をアグリコンとするβ-グルコシドの組合せが挙げられ、その質量比を9:1〜1:1とすることが好ましい。更に、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするβ-グルコシドとオイゲノールをアグリコンとするβ-グルコシドの組合せ、より好ましくはテトラヒドロゲラニオールをアグリコンとするβ-グルコシドとオイゲノールをアグリコンとするβ-グルコシドの組合せが挙げられ、その質量比は、好ましくは9:1〜1:1、より好ましくは8:2〜6:4である。

0026

本発明で用いる前記β-グルコシドは、トイレ設備、又はトイレ設備内に排泄若しくは付着した尿中に棲息するβ-グルコシダーゼ活性を有する菌によって代謝され、そのアグリコンである非環式アルコール類又はフェノール類を持続的に生成することでトイレ設備における尿臭を効果的にマスキングすることができる。このようなβ-グルコシダーゼ活性を有する菌としては、例えば、Clostridium perfringens等のクロストリジウム属細菌;Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei等のラクトバチルス属細菌;Bifidobacterium adolescentis等のビフィドバクテリウム属細菌;Enterococcus faecalis、Enterococcus casseliflavus、Enterococcus gllinarum等のエンテロコッカス属細菌;Bacillus subtilis等のバチルス属細菌;Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus capitis等のスタフィロコッカス属細菌;Aerococcus urinaeequi等のエーロコッカス属細菌;Micrococcus luteus等のミクロコッカス属細菌;Corynebacterium minutissimum、Corynebacterium xerosis等のコリネバクテリウム属細菌等を挙げることができる。このうち、介護施設内で使用されているポータブルトイレの受器、ポータブルトイレ設置場所の床や絨毯、あるいはポータブルトイレ中に排出された高齢者尿から検出されるβ-グルコシダーゼ活性菌がより重要であり、具体的には、Enterococcus faecalis、Enterococcus casseliflavus、Enterococcus gllinarum等のエンテロコッカス属細菌;Aerococcus urinaeequi等のエーロコッカス属細菌、なかでもエンテロコッカス属細菌が重要である。

0027

〔トイレ尿臭用消臭剤組成物〕
本発明のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物は、他の配合成分や溶剤と適宜組合せることにより、トイレ尿臭用消臭剤組成物とすることができる。

0028

トイレ尿臭用消臭剤組成物中における本発明のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物の含有量は、トイレ設備内から生じる尿臭のマスキング効果の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。

0029

・他の香料配糖体
トイレ尿臭用消臭剤組成物には、前述のβ-グルコシド以外の香料配糖体を含有させることができる。このような他の香料配糖体としては、1又は2個の水酸基を有し、炭素数が5以上13以下であるアルコール類又はフェノール類をアグリコンとするα-グルコシドが挙げられ、なかでも前記一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするα-グルコシドが好ましい。本発明のトイレ尿臭用消臭剤組成物中における、一般式(1)で表されるテルペンアルコールをアグリコンとするα-グルコシドの含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。

0030

トイレ尿臭用消臭剤組成物中には、更に『香料と調香の基礎知識』(中島基貴編著,産業図書株式会社,1995年6月21日初版)、『合成香料化学商品知識』(合成香料編集委員会編集、化学工業日報社、2016年12月20日、増補新版)、『Perfume and Flavor Chemicals」(ステファン・アークテンダー著、自費出版、1969年)に記載されている一般的に使用される天然精油、香料化合物、又はそれらを適宜混合して得られる調合香料を含有させることができる。例えば、本発明の消臭剤組成物をトイレ設備に適用した直後における、香りによる消臭効果補助するという観点から、本発明の消臭剤組成物によって持続的に発生する香料と同じ香料化合物、又は本発明の消臭剤組成物から持続的に発生する香料と類似した香調を有する香料化合物を含むことができる。具体的には、cis-3-ヘキセノール、ゲラニオール、テトラヒドロゲラニオール、シトロネロール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、バニリン、エチルバニリン、オイゲノール、ジヒドロオイゲノール、チモール、カルバクロール、クマリンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。また、尿臭のマスキング効果の観点から、薄荷油オレンジ油レモン油ライム油ユーカリ油ラベンダー油等の天然精油や、リモネン酢酸ベンジル酢酸ゲラニル酢酸リナリル酢酸イソアミルシトラール、1,8-シネオール、γ-デカラクトンγ-ウンデカラクトンダマスコンダマセノン等の香料化合物から選ばれる1種以上を使用することもできる。

0031

・任意成分
本発明のトイレ尿臭用消臭剤組成物は、更に、カチオン性アニオン性ノニオン性両性界面活性剤や、酸化防止剤防腐剤、溶剤、色素等を含有してもよい。

0032

また、本発明のトイレ尿臭用消臭剤組成物は、シリカシリカゲルセラミックなどの無機粉体;紙、天然繊維又は合成繊維及びこれらを混紡した不織布又は織布等のシート基材ポリプロピレンポリエチレンエチレン-酢酸ビニル共重合体活性炭木粉等の有機粉体含浸させたり、粉状、粒状に成型させたりして使用することもできる。

0033

剤型
本発明のトイレ尿臭用消臭剤組成物の剤型は特に限定されず、水溶液乳剤、分散液、エアゾール剤固形状、ジェル状等の剤型に製造することができる。エアゾール剤には、LPG液化石油ガス)、ペンタンジメチルエーテルジエチルエーテル等の噴射剤等を使用することができる。
また、製品形態としては、スプレー式スクイズ式、エアゾール式等の吐出型製品タブレットペレット粉末等の溶解性固形製品;トイレのタンク上、又は便器内に設置される滴下型製品薬剤が含浸されているか又は使用時に薬剤を含浸させるシート状製品等が挙げられる。更に最近では、便器内に直接貼付又は塗布し、洗浄時に溶解させて使用する形態の製品も挙げられる。

0034

〔マスキング方法〕
本発明のトイレ尿臭用徐放性芳香組成物又はトイレ尿臭用消臭剤組成物は、便器便座トイレマット、トイレの床、ポータブルトイレ、ポータブルトイレ設置場所の床、絨毯等の各種トイレ設備に使用することにより、トイレ周辺部位に棲息する微生物に接触させ、微生物によるグルコシドの分解によって香気を持続的に生成させ、尿臭を持続的にマスキングすることができる。

0035

参考例
各種香料化合物を用いて、トイレ設備における尿臭に対するマスキング効果を評価した。
<ポータブルトイレ分離菌による腐敗尿の調製>
介護施設において非常に強い尿臭を発していたポータブルトイレより尿石採取し、LP希釈液にて細菌を抽出し、適宜希釈しながらSCDLP寒天平板培地上で培養した。培地上にて形成されたコロニーより、コロニー外観から代表的な4菌株大腸菌1株、Enterococcus属細菌2株、Citrobacter属細菌1株)を採取した。得られた尿石分離菌4菌株のコロニーよりそれぞれ約1μLを採取し、尿40mLに接種して、37℃下で一晩腐敗させた。

0036

<マスキング試験
上記腐敗尿を除菌尿で5倍に希釈したものを評価サンプルとした。樹脂製カップに評価サンプルを50mL入れ、各香料を10ppm添加し、5分間静置した。臭気判定士を含む3名の専門パネル合議により、尿臭のマスキング効果を以下の5段階で評価した。この結果を表1に示す。
A:尿のにおいが全く感じられない
B:尿のにおいがかろうじて感じられる
C:尿のにおいが弱く感じられる
D:尿のにおいがはっきり感じられる
E:尿のにおいが強く感じられる

0037

0038

実施例1〜13、比較例1〜5
各種香料配糖体を用いて、尿臭マスキング評価を行った。

0039

菌液の調製>
介護施設において非常に強い尿臭を発していたポータブルトイレより尿石を採取し、LP希釈液にて細菌を抽出し、適宜希釈しながらSCDLP寒天平板培地上で一晩培養した。培地上にて形成されたコロニーより、コロニー外観から代表的な4菌株(大腸菌1株、Enterococcus属細菌2株、Citrobacter属細菌1株)を採取した。得られた尿石分離菌4菌株を等量混合して除菌尿に懸濁させ、合計で109CFU/mLとなるように菌液を調製した。

0040

<配糖体水溶液の調製>
表2及び3に示す配糖体処方(全配糖体中の質量百分率)の10w/v%配糖体水溶液を調製した。

0041

<マスキング試験>
配糖体水溶液を除菌尿10mLに対して配糖体として250ppm添加し、更に前記菌液を1容量%添加して、室温下で15時間培養した。臭気判定士を含む3名の専門パネルの合議により尿臭のマスキング効果を前述の5段階で評価した。

0042

実施例

0043

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