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技術 電界駆動型静電発電機

出願人 酒井捷夫
発明者 酒井捷夫
出願日 2017年6月13日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-115522
公開日 2019年1月10日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-004549
状態 未査定
技術分野 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 接近間隔 保持円板 機械的抵抗力 木製基板 四枚重ね 固定中心軸 中心支柱 固定回転軸
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

放射状に並べられた電荷注入電極電荷回収電極、及びこれら電極間に配置されこれら電極とで夫々正方向と逆方向の電界を形成する高圧電極とからなる一組の電極ユニットを二組以上、一定間隔を以って積層して固定し、相対する電極ユニット間において、固定軸に支持されて回転する電荷搬送体保持円板を配置し、当該電荷搬送体保持円板と一体であって、電界を進行し、進行方向に非対称な形状を有する電荷搬送体を放射状に複数配置し、電界で受ける静電気力によって回転する当該電荷搬送体保持円板の回転に伴って、電荷注入電極から注入された電荷を電荷回収電極で放出する電界駆動型静電発電機において、搬送される電荷と極性の異なる電荷が、高圧電極から回収電極に流れ込み回収電極に回収された電荷を相殺してしまうことを防止する。

解決手段

リーク電流が回収電極に流れ込まないように、回収電極の手前にガード電極を置き接地する。

概要

背景

本出願人は、先に、本出願人が発見した静電気力(非対称静電気力)を、従来の機械力に代えて使用する新方式の静電発電機を発明した(下記特許文献[1]乃至[11]及び非特許文献[1])。この非対称静電気力とは、非対称形状帯電導体に作用する静電気力(F)の強さ(絶対値)が、電界(E)の方向が反転した時に大きく変わる現象である。

従来、電界中に置かれた電荷(q)に作用する静電気力は、全て図1に示すクーロンの法則(F = qE)を用いて計算されている。
図1において、参照番号1は上電極、参照番号2は下電極、参照番号3は点電荷、参照番号4はそれに作用する静電気力の向きと大きさ、参照番号5は電界(電気力線)、及び参照番号6は電界の方向の反転を示している。
例えば、電界の強さが106 V/mで、点電荷の電荷量が10-7Cの時、作用する静電気力は0.100Nになる。電界の方向が反転した時、静電気力の方向も反転するが、その絶対値は、0.100Nで変わらない。
クーロンの法則は、点電荷又は点電荷とみなせる球形の帯電体にしか適用できない(非特許文献[2])。従来、静電気が利用される分野は、電子写真静電塗装であり、そこに使用される着色帯粉体は点電荷とみなせるので、クーロンの法則を適用できた。

これに対して、出願人には、新型静電発電機の研究中に、非球形の帯電導体に作用する静電気力を求める必要が生じたが、クーロンの法則ではその計算をできないので、2次元差分法を使ってこれを求めてみた。
図2に示すように、参照番号7で示す帯電体の形状を樋型とし、その帯電量と電界の強さは図1と同じとした。その結果、電界が反転すると、静電気力の絶対値は、0.083Nから0.038Nへと大きく変わった。新現象と思われたので、仮に、「非対称静電気力」と命名した。又、相対的に静電気力が大きくなる図2の左側の電界を「順電界」、静電気力が小さくなる右側の電界を「逆電界」と命名した。
尚、この新現象は、シミュレーションのみならず、実験でも確認されている(非特許文献[3])。その一例を図3に示す。
同図において、電界の方向によって静電気力が比較的大きく変化するシミュレーションの結果に対して、実験結果が比較的小さな静電気力の変化となったのは、手作り実験装置である故に、その機械的な精度が悪かったのが原因であると思われる。

新方式の静電発電機と言っても、その基本原理は従来の静電発電機(例えば、バンデグラーフ型)と同じである。
即ち、低電位(例えば0V)で電荷(例えばマイナス電荷を有する電子)を電荷搬送体に乗せ、それに作用する静電気力に逆らって当該電荷搬送体を高電位(例えば-1000V)まで搬送し、そこで搬送してきた電荷を下ろすだけである。両者の違いはその搬送力にあり、従来の静電発電機は機械力を使用するのに対して、新方式では非対称静電気力を利用する(以下、新方式静電発電機を電界駆動型静電発電機とする)。

具体的には、バンデグラーフ型の静電発電機では、絶縁性ベルト上にコロナ放電で電荷を載せ、当該ベルトをモーターで駆動し、100万ボルトの球形電極内に当該電荷を搬送する。
これに対して、電界駆動型静電発電機では、図4に示すように、電位0Vで、静電誘導で帯電させた非対称形状の導電性電荷搬送体を、先ず、順電界中において強い静電気力で十分加速させたのち、逆電界に入れる。このとき、逆電界中で働く静電気力は弱いので、電荷搬送体の電位が0Vに戻ったとき、余剰運動エネルギーが残っている。この結果、更に高い電位まで上ることができる。

概要

放射状に並べられた電荷注入電極電荷回収電極、及びこれら電極間に配置されこれら電極とで夫々正方向と逆方向の電界を形成する高圧電極とからなる一組の電極ユニットを二組以上、一定間隔を以って積層して固定し、相対する電極ユニット間において、固定軸に支持されて回転する電荷搬送体保持円板を配置し、当該電荷搬送体保持円板と一体であって、電界を進行し、進行方向に非対称な形状を有する電荷搬送体を放射状に複数配置し、電界で受ける静電気力によって回転する当該電荷搬送体保持円板の回転に伴って、電荷注入電極から注入された電荷を電荷回収電極で放出する電界駆動型静電発電機において、搬送される電荷と極性の異なる電荷が、高圧電極から回収電極に流れ込み回収電極に回収された電荷を相殺してしまうことを防止する。リーク電流が回収電極に流れ込まないように、回収電極の手前にガード電極を置き接地する。

目的

効果

実績

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請求項1

放射状に並べられた電荷注入電極電荷回収電極、及びこれら電極間に配置されこれら電極とで夫々正方向と逆方向の電界を形成する高圧電極とからなる一組の電極ユニットを二組以上、一定間隔を以って積層して固定し、相対する電極ユニット間において、軸受を介して又は介さないで固定軸に支持されて回転する電荷搬送体保持円板を配置し、当該電荷搬送体保持円板と一体であって、前記電界を進行し、進行方向に非対称な形状を有する電荷搬送体を放射状に複数配置し、当該電荷搬送体が、前記電界で受ける静電気力によって回転する当該電荷搬送体保持円板の当該回転に伴って、前記電荷注入電極から注入された電荷を電荷回収電極で放出する電界駆動型静電発電機において、前記固定軸とその軸受けの間の動摩擦係数、又は前記固定軸と当該固定軸に係合する電荷搬送体保持円板の中心孔との動摩擦係数が0.02以下であることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項2

請求項1において、前記軸受けはADR(自律分散式ベアリングであるか、又は前記電荷搬送体保持円板の中心孔にADRベアリングを設置したことを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項3

請求項1において、前記電界駆動型静電発電機は、更に前記高圧電極と電荷回収電極の間に配置されたガード電極を有し、当該ガード電極が高圧電極から電荷回収電極に流れ込むリーク電流を阻止することを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項4

請求項3において、前記高圧電極と電荷回収電極が同一平面上に配置される場合は、該ガード電極を該平面より下側に形成したことを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項5

請求項1において、前記高圧電極が所定の電界を形成することによって前記電荷搬送体保持円板を自動的に回転開始させることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項6

請求項5において、前記所定の電界を形成する際、前記電荷搬送体保持円板が自動回転開始可能な特定の位置に当該電荷搬送体保持円板を止めておくことを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項7

請求項6において、電荷搬送体保持円板が特定の位置に止まっている時、前記電荷搬送体は電荷注入電極の出口付近にあることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項8

請求項5において、電荷搬送体保持円板の回転に実質的に影響しない程度の抵抗力を電荷搬送体保持円板に加えて電荷搬送体保持円板を特定の位置に止める抵抗力付与回転停止手段を有することを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項9

請求項8において、前記抵抗力付与回転停止手段は、前記電荷注入電極に設けられた前記電荷搬送体に接触する電荷注入端子又は前記電荷回収電極に設けられた前記電荷搬送体に接触する電荷回収端子からなり、当該電荷注入端子又は電荷回収端子が前記電荷搬送体保持円板に前記抵抗力を加えることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項10

請求項8において、前記抵抗力付与回転手段は、電荷搬送体保持円板に配置された複数の磁石と、該電荷搬送体保持円板を取り囲む内壁に配置された同極性の磁石からなり、これら磁石の反発磁力が前記抵抗力となることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項11

請求項5において、前記電荷搬送体に作用する静電気力を変えることで前記電荷搬送体保持円板の回転を停止させる静電気力回転停止手段を有することを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項12

請求項11において、前記静電気力回転停止手段は、電荷注入電極の近傍に接地して配置され電気的にフロート状態であるカット電極であり、当該カット電極が電荷注入電極出口の電界を弱めることで前記電荷搬送体に作用する静電気力を弱めることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項13

請求項11において、前記静電気力回転停止手段は、前記電荷注入電極を接地する取り外し可能な接地線であり、電荷搬送体に加わる静電気力を弱める場合は、当該接地線を取り外し前記電荷注入電極の電位浮遊電位に変えることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項14

請求項11において、前記静電気力回転停止手段は、電荷注入電極に対し高圧電極の電位と同極性のバイアス電位を与える第一バイアス手段と、電荷回収電極に対し高圧電極の電位と異極性バイアス電圧を与える第二バイアス手段とからなり、第一バイアス手段によって電荷搬送体に加わる順方向静電気力を弱め、第二バイアス手段によって逆方向静電気力を強めることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項15

請求項1において、前記電界駆動型静電発電機は、更に、前記電荷注入電極と電荷回収電極に接続された夫々のコンデンサーを有し、これらに蓄えられた異極性の電荷を交互にとりだして交流発電機を構成することを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項16

請求項1において、前記電界駆動型静電発電機は、更に、電荷注入電極より電荷搬送体に電荷を注入するための電荷注入端子、及び当該電荷搬送体より電荷回収電極に電荷を回収する電荷回収端子を有し、これら電荷注入端子と電荷回収端子は導電性糸からなるか、又は表面張力の大きい導電性液体を使用したものであることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項17

請求項1において、前記電界駆動型静電発電機は、更に、当該電界駆動型静電発電機内を減圧し、前記電荷搬送体に働く空気抵抗力を最小限にする減圧手段と、二つのコロナ放電手段を有し、当該減圧手段は、コロナ放電に必要な気圧以上に減圧し、且つ当該二つのコロナ放電手段は夫々コロナ放電を行うことで電荷の注入と回収を行うことを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項18

請求項1において、前記電界駆動型静電発電機は、更に、電界強度均等化手段を有し、前記電荷注入電極、高圧電極、及び電荷回収電極が同一平面上で放射状に配置され且つ各電極間の間隔が放射中心から外側に向かって広がる場合において、放射中心から外側に至るまで、電荷搬送体の進行方向の電界の強さを略同一にすることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項19

請求項18において、前記電界強度均等化手段は、前記高圧電極の電位を、放射中心から外側に向かって高くしたものであることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項20

請求項19において、前記電界強度均等化手段は、前記高圧電極がエレクトレットの場合、エレクトレット層電荷密度を、放射中心から外側に向かって高くしたものであることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項21

請求項20において、前記電界強度均等化手段は電子銃を有し、打ち込む電子の数を変えて、エレクトレット層の電荷密度を、放射中心から外側に向かって高くしたものであることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項22

請求項19において、前記電界強度均等化手段は、前記高圧電極がエレクトレットの場合、エレクトレット層の厚さを放射中心から外側に向かって高くするか、又はエレクトレット層の占有面積率を放射中心から外側に向かって高くしたものであることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項23

請求項22において、前記エレクトレット層をスクリーン印刷又は3Dプリンタで作製することを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項24

請求項18において、前記電界強度均等化手段は、前記電荷搬送体の幅を放射中心から外側に向かって広げたものであることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項25

請求項1において、前記電界駆動型静電発電機は前記電荷搬送体保持円板を支柱を介して保持する回転円基板と、装置基板と、前記電荷搬送体保持円板又は当該回転円形基板を当該装置基板より磁気浮上させる磁気浮上手段を有することを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項26

請求項25において、前記磁気浮上手段は、前記回転円形基板と装置基板上に設けられた同極性同士が向かい合う磁石群であることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項27

請求項25において、前記磁気浮上手段は、前記回転円形基板上の磁石と同じ高さの内壁に配置され、当該磁石と同極同士が向かい合う内壁磁石であることを特徴とする電界駆動型静電発電機。

請求項28

請求項27において、両磁石の長さは、両磁石の最接近間隔よりも長いことを特徴とする電界駆動型静電発電機。

技術分野

0001

本発明は、新たに発見された非対称静電気力電荷搬送体駆動力として使用する電界駆動型静電発電機、特にその構造に関するものである。

背景技術

0002

本出願人は、先に、本出願人が発見した静電気力(非対称静電気力)を、従来の機械力に代えて使用する新方式の静電発電機を発明した(下記特許文献[1]乃至[11]及び非特許文献[1])。この非対称静電気力とは、非対称形状帯電導体に作用する静電気力(F)の強さ(絶対値)が、電界(E)の方向が反転した時に大きく変わる現象である。

0003

従来、電界中に置かれた電荷(q)に作用する静電気力は、全て図1に示すクーロンの法則(F = qE)を用いて計算されている。
図1において、参照番号1は上電極、参照番号2は下電極、参照番号3は点電荷、参照番号4はそれに作用する静電気力の向きと大きさ、参照番号5は電界(電気力線)、及び参照番号6は電界の方向の反転を示している。
例えば、電界の強さが106 V/mで、点電荷の電荷量が10-7Cの時、作用する静電気力は0.100Nになる。電界の方向が反転した時、静電気力の方向も反転するが、その絶対値は、0.100Nで変わらない。
クーロンの法則は、点電荷又は点電荷とみなせる球形の帯電体にしか適用できない(非特許文献[2])。従来、静電気が利用される分野は、電子写真静電塗装であり、そこに使用される着色帯粉体は点電荷とみなせるので、クーロンの法則を適用できた。

0004

これに対して、出願人には、新型静電発電機の研究中に、非球形の帯電導体に作用する静電気力を求める必要が生じたが、クーロンの法則ではその計算をできないので、2次元差分法を使ってこれを求めてみた。
図2に示すように、参照番号7で示す帯電体の形状を樋型とし、その帯電量と電界の強さは図1と同じとした。その結果、電界が反転すると、静電気力の絶対値は、0.083Nから0.038Nへと大きく変わった。新現象と思われたので、仮に、「非対称静電気力」と命名した。又、相対的に静電気力が大きくなる図2の左側の電界を「順電界」、静電気力が小さくなる右側の電界を「逆電界」と命名した。
尚、この新現象は、シミュレーションのみならず、実験でも確認されている(非特許文献[3])。その一例を図3に示す。
同図において、電界の方向によって静電気力が比較的大きく変化するシミュレーションの結果に対して、実験結果が比較的小さな静電気力の変化となったのは、手作り実験装置である故に、その機械的な精度が悪かったのが原因であると思われる。

0005

新方式の静電発電機と言っても、その基本原理は従来の静電発電機(例えば、バンデグラーフ型)と同じである。
即ち、低電位(例えば0V)で電荷(例えばマイナス電荷を有する電子)を電荷搬送体に乗せ、それに作用する静電気力に逆らって当該電荷搬送体を高電位(例えば-1000V)まで搬送し、そこで搬送してきた電荷を下ろすだけである。両者の違いはその搬送力にあり、従来の静電発電機は機械力を使用するのに対して、新方式では非対称静電気力を利用する(以下、新方式静電発電機を電界駆動型静電発電機とする)。

0006

具体的には、バンデグラーフ型の静電発電機では、絶縁性ベルト上にコロナ放電で電荷を載せ、当該ベルトをモーターで駆動し、100万ボルトの球形電極内に当該電荷を搬送する。
これに対して、電界駆動型静電発電機では、図4に示すように、電位0Vで、静電誘導で帯電させた非対称形状の導電性電荷搬送体を、先ず、順電界中において強い静電気力で十分加速させたのち、逆電界に入れる。このとき、逆電界中で働く静電気力は弱いので、電荷搬送体の電位が0Vに戻ったとき、余剰運動エネルギーが残っている。この結果、更に高い電位まで上ることができる。

0007

[特許文献1] 特開2008−005690号公報
[特許文献2] 特開2009−232667号公報
[特許文献3] 特開2010−098925号公報
[特許文献4] 特開2012−039842号公報
[特許文献5] 特開2012−070607号公報
[特許文献6] 特開2013−236530号公報
[特許文献7] 特開2014−176286号公報
[特許文献8] 特開2015−035938号公報
[特許文献9] 特開2015−057033号公報
[特許文献10] 特開2015−216823号公報
[特許文献11] 特開2016−082856号公報

先行技術

0008

[非特許文献1] [Asymmetric Electrostatic Forces and a New Electrostatic Generator]、Nova Science Publishers、New York、2010
[非特許文献2]「物理学基礎電磁気学」、ハリディレスニックウォーカー共著、野崎光昭監訳、培風
[非特許文献3] [Asymmetric Electrostatic Force]、K. Sakai、Journal of Electromagnetic Analysis and Applications、Scientific Research
[非特許文献4]「「場」とはなんだろう」、内薫、講談社
[非特許文献5] [The Electric Field Energy of an Electret]、K. Sakai、Global Journal of Science Frontier Research A、 Global Journals Inc.

発明が解決しようとする課題

0009

出願人は、理論的確立した電界駆動型静電発電機を実用化するために、実験装置(ベンチモデル)を作製し、実験を行った。当該実験装置では、エレクトレットではなく、高電圧印加された電極高圧電極とした。エレクトレットでは、その電位を任意に変更することが困難であったからである。又、各電極8、9、及び10、並びに電荷搬送体11を、図6のように平行にせず、垂直とした。
しかしながら、当該ベンチモデルを用いた実験において下記の諸課題を見出した。
即ち、課題1は、固定された回転軸16と電荷搬送体保持円板14間の動摩擦力が静電気力より大きく、電荷搬送体保持円板14は回転できないことである。
課題2は、高圧電9から回収電極10に流れるリーク電流(正)が、回収電極10が電荷搬送体11から回収する発電電流(負)より大きく、発電にならないことである。
課題3は、当該実験装置では、電荷搬送体保持円板14を連続回転を開始させるため、エアースプレイを使用して送風する等付勢する必要があったが、実用機にかかる送風装置を加えることは、コストアップとなることである。
課題4は、電荷搬送体保持円板14の回転を止めて発電を中断する場合、高圧電源を切る必要があるが、(ベンチモデルではなく)実用機では、高圧電極としてエレクトレットを使用するため、その電位を落とすことはできないことである。
課題5は、当該電界駆動型静電発電機は、その原理故に直流発電であるが、実用機には交流も必要なことである。
課題6は、当該実験装置では、注入電極8から電荷搬送体11に電荷を注入及び電荷搬送体11から回収電極10に電荷を回収するための各導電性端子23及び24として、夫々アルミフォイルを使用したが、多数回接触を繰り返すとアルミフォイルは倒れてしまい、電荷搬送体11と接触となって、電荷の注入及び回収ができないことである。
課題7は、前記した垂直型の実験機に次いで、図6に示すように、注入電極と高圧電極、及び高圧電極と回収電極間の距離が一定ではなく、それらの間隔が、半径方向に末広がりになる平行型の実験機を設計し、実験したが、その場合は電界が低くなることである。
課題8は、上記諸課題が解決されれば、電界駆動型発電機は実用化でき、エレクトレットを採用する場合はその寿命が約100年なので、長寿命の電界駆動型発電機を得ることができるが、機械的接触を伴って回動する部分もあるため、実質的にその部品の寿命に限定されることである。つまり、電界駆動型発電機を機械的接触のない構造にすることが望ましいことである。

0010

本発明の目的は、8項目の課題の内の少なくとも一つを解決することである。

課題を解決するための手段

0011

上記目的は、上記実験機(ベンチモデル)の構造を改良し、又使用する部品・材料を選定することで達成できる。具体的な構造や部品・材料は、以下の夫々の実施例において詳細に説明する。

発明の効果

0012

改良された構造且つ選定された部品・材料を使用することで、上記した諸課題の少なくとも一は解消され、当該電界駆動型静電発電機が実用化しうる。更に、高寿命とすることも可能となる。

図面の簡単な説明

0013

クーロンの法則を説明する模式図
非対称静電気力を説明する模式図
シミュレーションと実験で求めた各非対称静電気力を比較するグラフ
バンデグラーフ型静電発電機と非対称静電気力を駆動力とする電界駆動型発電機の原理を示す模式図
非対称静電気力を駆動力とする電界駆動型静電発電機の1ユニットの動作を示す模式図
上部固定電極円板、中間回転搬送体円板、下部固定電極円板から構成される電界駆動型静電発電機を示す斜視図
電界駆動型静電発電機の実験機の断面図
電界駆動型静電発電機の実験機の横断面図
電荷搬送体に作用する静電気力と空気抵抗力、及び電荷搬送体保持円板に作用する動摩擦力を示す模式図
電荷搬送体の位置によって電荷搬送体に作用する順方向の静電気力、逆方向の静電気力、及びその差を示すグラフ
電荷搬送体保持円板に作用する動摩擦力、及び電荷搬送体に作用する空気抵抗力faと静電気力(8kVと10kV)を示すグラフ
ガード電極の有無による高圧電極への印加電圧回収電流の関係を示すグラフ
ガード電極の有無による高圧電極への印加電圧とリーク電流の関係を示すグラフ
カット電極の有無及びカット電極の接地フロートの別による高圧電極への印加電圧と注入電極出口付近の電界の関係を示すグラフ
放射状に順次形成された電荷注入電極、高圧電極(電極)、及び電荷回収電極を夫々有する上下固定電極円板と、上下固定電極円板に挟まれて回転し、放射状に形成した電荷搬送体を有する電荷搬送体保持円板からなる装置の縦断面図
図15に示す電荷搬送体保持円板の横断面図
電荷搬送体保持円板を支持する回転円基板と本体側固定基板上に、同極性が向かい合うよう磁石を夫々配置して、当該回転円形基板を磁気浮上させる装置の縦断面図
回転円形基板上の磁石と同じ高さにおいて、同極性同士が相対するよう装置の円筒内壁に別の磁石を取り付けた当該回転円形基板の横ブレを防止する装置の縦断面図
電荷搬送体保持円板の回転が終わった時点における図18に示す両磁石の位置関係を示す横断面図

0014

以下、電界駆動型静電発電機の基本的な原理、構造、及び動作等を簡単に説明する。
図5は、電界駆動型静電発電機の基本ユニットの縦断面図である。図中、参照番号8は電荷注入電極を、参照番号9は高圧電極(エレクトレット)を、参照番号11は電荷搬送体を、参照番号10は電荷回収電極を、参照番号12は電荷回収電極に接続されたコンデンサーを、参照番号13は、両電極8及び10並びに高圧電極(エレクトレット)9を支持する絶縁性支持体を示している。
尚、参照番号4及び5は、図1及び図2と同じく、電荷搬送体に加わる静電気力と電界(電気力線)を示している。
エレクトレット(高圧電極9)は、例えば、0.1mC/m2 の表面電荷密度を有し、その電位は例えば+2000Vである。一方、注入電極8の電位は0Vで、回収電極の電位は例えば-200Vである。
この結果、注入電極8と高圧電極(エレクトレット)9の間には、負帯電の非対称形電荷搬送体11に対して順電界が形成される。一方、高圧電極(エレクトレット)9と回収電界10の間には、同電荷搬送体11に対して逆電界が形成される。

0015

電荷搬送体11は、図示する様に、例えば、横向きにした樋型で、電界の方向に左右非対称形である。当該電荷搬送体11は、軽い導体、例えばアルミで形成されていて、例えば図6に示す絶縁性の電荷搬送体保持円板14に支持されている。その結果、電気的にフロートである。
当該電荷搬送体11は、非対称静電気力4で駆動されて、図中、左から右に移動、詰り、注入電極8、高圧電極(エレクトレット)9、及び回収電極10を通り抜ける。
電荷搬送体11が注入電極対8を抜ける時、誘導電荷注入用の導電性端子23が接触して、静電誘導によって当該電荷搬送体11に電荷が注入される。
又、(一対の)回収電極10に奥深く入ったとき、搬送電荷回収用の導電性端子24が接触して、当該電荷搬送体11が有する電荷は回収される。

0016

当該電荷搬送体11が受ける静電気力の強さは、順電界では大きく、逆電界では小さい。電界駆動型静電発電機では、この順電界と逆電界において電荷搬送体11に生ずる静電気力の差を、当該電荷搬送体11の駆動力として使用する。
即ち、順電界中においては強い静電気力で電荷搬送体11を加速運動させ、電荷搬送体11が逆電界に入り減速運動になっても、それが受けるのは弱い静電気力なので、十分な速度を持って回収電極10に到達するのである。
当該電界発電工程をエンドレス且つスムーズに行うために、図6の構造が採用される。
即ち、図6において、参照番号13と15は上下の固定電極円板である。その中間に電荷搬送体保持円板14が配置され、回転軸16に固定されている。上下の固定電極円板13と15には、図示する様に、注入電極8、高圧電極(エレクトレット)9、及び回収電極10が、上の固定電極円板13の裏面と下の固定電極円板15の表面の夫々において相対して設けられ、放射状に複数組配置されている。
又、電荷搬送体保持円板14には、断面形状が横向き樋型の非対称形状の電荷搬送体11が、放射状に多数配置されている。
従って、電荷搬送体保持円板14が等速度で回転することで、電界駆動型発電がスムーズ且つエンドレスに行われることになる。

0017

尚、かかる構成に於いては、一つのエレクトレット9が構成する電界を多数の電荷搬送体11が次々と通り抜けていくことになる。
この場合、エレクトレット9が形成する電界のエネルギーがそこに静止して蓄えられているなら、電荷搬送体11に静電気力を生じさせ、これを移動させる結果、そのエネルギーは次々に消費されすぐに枯渇する。即ち、発電は止まる。
しかしながら、電界のエネルギーは静止して蓄えられているのではなく、その空間を光速で移動しているので、同エネルギーは枯渇しない。
尚、電子が、その全周囲に絶えることなく光子電気エネルギー)を放射し続けて電界を形成していることは、量子電気力学の理論に基づく(非特許文献[4])。又、電界のエネルギーが連続的に使用できることは実験的にも確認されている(非特許文献[5])。
以下、各実施例を具体的に説明する。

0018

今回試作した電界駆動型静電発電実験機(ベンチモデル)の概略縦断面図を図7に、概略横断面図図8に示す。図中、図5及び図6と同じ参照番号が付された部材は、図5及び図6と同一の部材を示す。
即ち、参照番号8は注入電極、参照番号9は高圧電極(高圧電極)、参照番号10は回収電極、参照番号13は各電極のテフロン登録商標)製基板、参照番号14は電荷搬送体保持円板、参照番号16はステンレス製の回転軸(支柱)、参照番号23は注入用端子、及び参照番号24は回収用端子である。

0019

新しく加わった参照番号17は、電荷搬送体保持円板14のセンターに固定され、固定回転軸16の周りを回転するベアリングである。参照番号18は、固定回転軸16を支える木製の台である。初期の実験においては、ベアリングの代わりに回転するテフロン製円板が使用され、又テフロン製の固定中心軸が使用された。参照番号19と20は、装置全体の基板であって、夫々、PET樹脂製及び木製である。尚、参照番号31と32は、後述する実施例2と4で採用するガード電極とカット電極である。

0020

注入電極8、高圧電極9、及び回収電極10の3電極、及び電荷搬送体11は、図7及び図8に示されるように、垂直に形成され固定されている。 そして、注入電極8、高圧電極9、及び回収電極10の各内外一対電極間を、電荷搬送体11が順次回転して通り抜けるように構成されている。
即ち、注入電極8、高圧電極9、及び回収電極10は、各々2個あり、合計6個の固定電極が、図8に示されるように、60度間隔で配置されている。又、電荷搬送体11も6個あり、電荷搬送体保持円板14に60度間隔で吊り下げられている。

0021

注入電極及び高圧電極9は、厚さ0.1mmの二枚のアルミ板で作成した。回収電極10は、コンデンサーとするために、0.1mmのアルミ板、0.5mmのPETフイルム、及び0.1mmのアルミを順次重ねて作成した。電荷搬送体11は、厚さ0.1mmの両面金メッキアルミ板で作成した。
非対称静電気力を最大限有効に使用するためには、樋型電荷搬送体(電極)の表面に、電気力線が垂直に入らなければならない。通常、アルミ表面は酸化して絶縁性の酸化層が形成されるため、電気力線が斜めに入るようになる。そこで、酸化しない金メッキアルミ板を使用した。電荷搬送体保持円板14は、PET樹脂で作成した。注入端子23及び回収端子24は、アルミフォイルで作成した。各電極の絶縁性基板13は、厚さ1.0mmのテフロンシート四枚重ねて作成した。

0022

電荷搬送体保持円板14の半径は45mmで、注入電極8、高圧電極9、及び回収電極10の3電極の各外側電極は半径55mmの円の上に形成し、各内側電極は半径35mmの円の上に形成した。注入電極8、高圧電極9、及び回収電極10の3電極の各外側電極の幅は、夫々、22mm、22mm、及び44mmであり、各内側電極の幅は、夫々、10mm、10mm、及び20mmである。外側注入電極8と外側高圧電極9の間隔は30mmで、外側高圧電極9と外側回収電極10の間隔は30mmである。 又、内側注入電極8と内側高圧電極9の間隔は25mmで、内側高圧電極9と内側回収電極10の間隔は25mmである。
これら注入電極8、高圧電極9、回収電極10の3電極の外側電極の高さは共に60mmで、内側電極の高さは55mmである。樋型電荷搬送体11の幅と奥行きと高さは、夫々、5mm、5mm、及び60mmである。

0023

当該電荷搬送体11の幅5mmは、内外回収電極10の幅20mm及び44mmに比べると十分狭いので、当該回収電極10は、疑似的にファラデーゲージとなる。なんとならば、当該電荷搬送体11が、図5に示されるように、当該回収電極10の奥に入ったとき、そこには、高圧電極9から発した電気力線が届いておらず、電荷搬送体11の電位は、回収電極10の電位と同じになるからである。
この結果、電荷搬送体11で搬送されてきた電荷の大部分は、電荷搬送体11が、回収用端子24を介して回収電極10と電気的に接続された瞬間に当該回収電極10に移動する。即ち当該電荷の大部分は回収される。その割合は、シミュレーションによれば90%以上である。よって、回収電極10の電位が注入電極8の電位よりも負側に高いとき、詰り、搬送電荷の極性が負の時、これは発電になる。
搬送した電荷の大部分を回収電極10に放出した電荷搬送体11は、回収電極10を抜けて更に回転し、次の注入電極8に入る。そして、同様に非対称静電気力により電界駆動型発電を行う。

0024

回収電極10のコンデンサーは、図5に示すように、外部コンデンサー12と接続されていて、その表面電位が、表面電位計シシド静電気株式会社製表電位計:STATIRON-DZ 3)で測定される。当該表面電位計は、20cm × 20cmの測定面積を必要とする。そこで、同面積のアルミ板と、同面積であって厚さ1.0mmのPET樹脂フイルム、及び同面積のアルミ板を重ねて外部コンデンサーを作製した。その電気容量は1100pFである。ゆえに、回収電極コンデンサーと合わせると、全容量は1430pFとなる。

0025

図9に示すように、電荷搬送体保持円板14は、円板14と固定支柱16間に働く動摩擦力fkと、6個の電荷搬送体11に働く空気抵抗力faに抗して、非対称静電気力feのみで回転しなければならない。
即ち、注入電極8と高圧電極9の間を回転する電荷搬送体AとDには、時計回りに、順方向静電気力fe1と、反時計回りに、空気抵抗力faが作用する。
これに対して、高圧電極9と回収電極10の間を移動する電荷搬送体BとEには、反時計回りに、逆方向静電気力fe2と空気抵抗力faが働く。
一方、回収電極10と、注入電極8の間を移動する電荷搬送体CとFには、空気抵抗力faのみが働く。何故なら、その時点では、電荷搬送体に殆ど電荷が残っておらず、又、この間に電界もないからである。
この二力(静電気力と空気抵抗力fa)とは別に、回転する電荷搬送体保持円板14には、固定回転軸16との間に、反時計方向の動摩擦力fkが働く。

0026

電荷搬送体11に働く順方向静電気力fe1と逆方向静電気力fe2は、電荷搬送体11が、夫々注入電極8及び高圧電極9から1.6mmづつ移動するごとに、2次元差分法を用いてシミュレーションし求めた。
図10に、高圧電極9に+8.0kVを印加したときの、当該シミュレーション結果を示す。
図8のベンチモデルにおいて、6個の電荷搬送体の内、2個に順方向静電気力fe1が働き、他の2個に逆方向静電気力fe2が働き、残りの2個にはいずれの静電気力も働かないので、合計静電気力を (fe1×2-fe2×2)として求めた。
電荷搬送体11の位置によって異なるが、順方向静電気力の合計たるfe1×2の値は0.3mNから0.44mNの間であり、逆方向静電気力の合計たるfe2 × 2の値は、0.2mNから0.24mNの間である。よって、その差たる(fe1×2-fe2×2)の値は、0.1mNから0.2mNの間であり、その平均は0.15mNである。即ち、電荷搬送体11が順方向に移動するには、空気抵抗力faと動摩擦力の合計は、0.15mN以下でなければならない。
此処で、空気抵抗力faは次式で求められる。

0027

上式において、Cdは空気抵抗係数、pは空気密度、Sは6個の電荷搬送体の前面面積、及びvは電荷搬送体電極の速度である。
空気密度は1.3kg/m3、電荷搬送体11の前面面積は0.0048m2である。従って、空気抵抗係数を1.0、速度を0.34m/秒(72rpm)とすると、空気抵抗力faは0.135mNとなる。即ち、搬送体11が順方向に移動するため動摩擦力が許容されるのは、僅か0.015mNのみである。
動摩擦力fkは次式で求められる。

0028

ここで、μは動摩擦係数、mは電荷搬送体保持円板と電荷搬送体の合計質量、及びgは重力加速度である
動摩擦係数を最小にするために、当初、電荷搬送体保持円板14の回転部分と、固定支柱軸16をともにテフロンにした。この場合、動摩擦係数は0.10である。合計質量は0.0065kgで、重力加速度は、9.81m/s2なので、動摩擦力fkは6.38mNになる。つまり静電気力の40倍以上である。
そして、実際に、エアースプレイで5秒間電荷搬送体11に空気を吹付け、当該空気流強制的に回転させてみたが、空気の吹付を止めると10秒程度で止まってしまった。よって、真空にすることで空気抵抗力faをゼロにできたにしても、動摩擦係数は、0.0023以下でなければならない。

0029

一方、テフロンより動摩擦係数の小さい物質は存在しない
近年発明されたADB(自律分散式)ベアリング(空スペース社製)によれば、動摩擦係数が0.0015であり、計算すると、動摩擦力は、0.0016mNである。 従来のボールベアリングは、レオナルドダビンチの発明以来、全てボール同士が接触しないように、ボールホルダーを使用しているが、その機構を工夫することで、ボールホルダーを不要にしたものである。

0030

そこで、電荷搬送体保持円板14の中心に、直径22mmのADBベアリングを固定し、ベアリングの中心の直径8mmの孔を、直径8mmのステンレス製固定支柱16の先端にはめ込んだ。このときの静電気力、空気抵抗力fa、及び動摩擦力を図11に示す。
図11に示す通り、高圧電極9への印加電圧が約8kVの場合、電荷搬送体保持円板14は静電気力によって連続的に回転し始め、印加電圧が10kVになれば安定的に回転すると予想される。

0031

そして、高圧電極9に7.0kVを印加して、5秒間、エアースプレイで空気を電荷搬送体11に吹き付けて、当該空気流で電荷搬送体保持円板14を強制的に回転させた。その結果、電荷搬送体保持円板14は25秒後に止まり、7.2kVを印加した場合も同じであった。
一方、印加電圧が7.4kV以上では、電荷搬送体保持円板14は止まることなくいつまでも回り続けた。即ち、静電気力のみで、電荷搬送体保持円板14を回し続けることができた。
又、回収電極10につなげた外部コンデンサー12の表面電位の時間変化から、当該外部コンデンサー12に負電荷蓄積され、発電を確認できた。
このように、動摩擦係数が非常に低いADBベアリングを使用することで、第一の課題は解決できた。

0032

実施例1で、実験装置で発電できることは確認されたが、回収電極10に回収される回収電流の実測値は、その理論上の予測とは異なっていた。
具体的には、回収電流は、高圧電極9に印加される電圧が高くなるに従って、負側にどんどん大きくなり、その極性がプラスになる筈はないが、実際は、図12ガードなしの折れ線グラフに示されるように、印加電圧が約8.2kVのとき、回収電流は負側にピーク打ち、その後はプラス側に増加し、印加電圧が約8.8kVからは、その極性が正に反転した。
この結果は、印加電圧が高くなるとともに、回収電極10に正電荷が流れこんでいることを示唆している。

0033

回収電極10に流れ込む正電荷としては、高圧電極9から各基板13及び19を伝って回収電極10に流れるリーク電流がある。
そこで、電荷搬送体保持円板14を固定した状態で、高圧電極9に電圧を印加したときの、回収電極外部コンデンサー12の表面電位の時間変化からリーク電流を求めた。その結果を、図13において、ガードなしの折れ線グラフが示すリーク電流として示している。
図示するように、印加電圧が7kV以上で、リーク電流は大きく増加している。これが、回収電流が増えず、逆に、その極性が正に反転してしまった原因である。

0034

そして、此の知見に基づいて、リーク電流を遮断するために、図8に示すように、時計回りに見て、回収電極10の近傍上流側において、幅5mm、長さ50mmのガード電極31を全体基板19の上に設け、接地した。
このときのリーク電流を、図13においてガードありの折れ線グラフで示す。図示するように、印加電圧が8kVまではリーク電流は殆どゼロであるが、9kVから増加している。
この結果から、ガード電極31がある場合では、リーク電流が9kVになるまでは回収電流の極性は反転しないと予想される。

0035

又、ガード電極31を設けたときの回収電流とガード電極のない場合の回収電流を図12に示す。
図示するように、ガード電極のない場合と比較すると、ガード電極の有る場合は、回収電流の大きさは約2倍となり、印加電圧が9.2kVまで、回収電流の極性は反転していない。尚、これは一例であって、ガード電極31の形状や配置位置を工夫すれば、たとえ前記印加電圧が10kVでも、リーク電流を実質ゼロにすることも可能と考えられる。
又、後述する実施例7のように、高圧電極9と回収電極10を同一平面上に形成する場合は、当該ガード電極31を、当該平面より適当な深さ下げた方がよい。
このように、回収電極10の手前に接地したガード電極31を設けることで、リーク電流は殆ど消えて、課題2は解決された。

0036

実施例2においては、高圧電極9への印加電圧が約+7.4kVから約+9.2kVの範囲で発電できたが、電荷搬送体保持円板14が回転するためには、当初、エアースプレイで空気を吹き付ける必要があった。
しかしながら、実用機にエアースプレイを導入することは、装置も大きくなりコストもかかって好ましくない。
一方、実施例1及び2の測定中、高圧電極9へ約+10kVを印加したとき、時々、電荷搬送体保持円板14が、エアースプレイなしで自動的に回転し始め、その後も回り続けた。
高圧電極9への約+9kVの印加時にも、たまに自動回転が始まり、又1回のみではあったが、約+8kV印加時にも、電荷搬送体保持円板14の自動回転が認められた。

0037

これらの現象は、電荷搬送体11が、注入電極8、高圧電極9、及び回収電極10に対して、特定の位置にあったときのみに発生していた。
具体的には、6個の電荷搬送体11のうちの2個が注入電極8の出口付近にあったときである。
回転する電荷搬送体保持円板14が、高圧電極9に印加された電圧が切られて、当該電荷搬送体保持円板14を回転させる静電気力が消えて、空気抵抗力faにより順次速度を落として止まるとき、その位置は決まっていない。
しかしながら、注入端子23と回収端子24のアルミフォイルが、夫々、電極8及び10の各電極板に対して垂直に伸びていると、電荷搬送体11と当該各端子23及び24の接触地点で電荷搬送体保持円板14が止まっていることが見られた。
そこで、当該各端子23及び24に対し、その回転に殆ど影響しないような機械的抵抗力を与えて、電荷搬送体11を前記特定の位置に止めるようにすると、次のスタート時、電荷搬送体保持円板14は、高圧電源9への電圧印加のみで自動的に回転が始め、エアースプレイは不要となって課題3は解決された。

0038

実施例3に示されるように、電荷搬送体11を特定の位置に止めておけば、次のスタートは、高圧電極9に高圧を印加するのみでよい。
一方、発電を中断するために、電荷搬送体保持円板14の回転を止める手段も必要である。機械的手段で止めることはできるが、その場合装置は大きくなり、コストもかかり、又部品の耐久性も悪くなる。

0039

そこで、機械的にではなく静電気力で滑らかに止めるのが望ましい。
その方法としては、順方向静電気力fe1よりも逆方向静電気力fe2を強くすればよい。
但し、実施例1に記載したように、fe2がfe1よりも弱い状態であっても、高圧電極9に対する印加電圧が約+7.2kV以下では、エアースプレイで空気を当てて強制的に回転させ、空気流を止めると25秒後に自然に止まった。これは、静電気力が空気抵抗力faよりも弱かったからである。静電気力を弱めるためには、電荷搬送体11に注入する電荷の量を減らせばよく、そのためには注入電極8出口付近の電界を弱めればよい。
そこで、図8に示すように、時計回りに見て、注入電極から高圧電極側に3.2mm離れた位置に、幅3.2mm、高さ(長さ)60mmのカット電極32を置いた。そして、当該カット電極32を接地したときの注入電極出口の電位をシミュレーションし、その地点電界強度を求めた。その結果を図14において、カット電極32がない場合の電界強度と共に示す。同図より明らかなように、カット電極32を接地した場合、注入電荷量半減する。
尚、カット電極32の接地線を開いて、これを電気的にフロートにした場合、注入電極出口付近の電界は、カット電極32のない場合と比較して、少し弱くなる。このとき、高圧電極9の電位を+8.4kVから約+9.0kVにすると、カット電極32がない場合の電界と同じになる。

0040

注入電荷量を減らすのではなく、電界そのものを弱くしてもよい。
例えば、高圧電極9がエレクトレットの場合、その電位は変えられないので、注入電極8と回収電極10に、高圧電極9と同じ極性のバイアスを加えればよい。この場合は、バイアス用のコンデンサー等が必要になる。
又は、注入電極8の接地線を開いて、これをフロートするだけでもよい。接地されている隣の回収電極10と高電位の高圧電極9の間において、注入電極8は高圧電極9と同極性の浮遊電位を持つ。この結果、注入電極8と高圧電極9間の電界は弱くなる。
尚、以上は、空気抵抗力fa等の回転を妨げる力が存在する場合であって、装置内を真空に引いた場合は、fe2をfe1より大きくしなければならない。
空気抵抗が存在しない場合の高圧電極に必要な電位を、仮に+1.0kVとすると、注入電極8に約+0.5kV、回収電極10に約-0.5kVを加えれば、十分この条件は満たされる筈である。
即ち、カット電極32を接地する、又は注入電極8をフロートにする、又は注入電極8と回収電極10をバイアス源に接続することで、回転している電荷搬送体保持円板14を機械的手段を使用することなく、滑らかに止めて課題4を解決することができた。

0041

当該電界駆動型発電機は直流発電機である。
しかしながら、現時点で使用されている電気器具の多くは交流で駆動されている。実施例1乃至4で使用した実験機では、負電圧が生成された。交流発電のためには正電圧の生成が必要である。この場合、高圧電極として、正極性エレクトレットを使用する電源装置負極性エレクトレットを使用する電源装置を並置して、両者から交互にその電圧を取り出せば交流発電が可能になる。
しかし、交流発電装置が大きくなり、コストも増え、好ましくない。更に、エレクトレットは、長年、負極性のみが使用されてきたので、正極性エレクトレットは未だ信頼性がない。

0042

実施例2の実験において、高圧電極9に約+7.0kVの電圧を印加し、エアースプレイを用いて、電荷搬送体11に5秒間空気を吹き付け、電荷搬送体保持円板14を強制的に回転させたところ、回収電極コンデンサー12の表面電位がプラス側に上がって行った。 尚、図13に示されるように、ガード電極があり、印加電圧が約+7kVの場合は、リーク電流(正)は殆どゼロである。よって、この正電荷が生じたのは以下の理由による。

0043

出願人は上記実験に於いて、本来時計回りに回すべきところ、反時計回りに回してしまった。その為、回収電極10が注入電極8の役割を担うこととなり、電荷搬送体11に負電荷を注入した。その結果、当該回収電極10に正電荷が残され、回収電極コンデンサー12に移動して、その表面電位を順次プラス方向に高めたのである。

0044

この現象は、電荷搬送体保持円板14が時計方向に回転しているとき、注入電極8でも同様に起こっていた筈である。
そこで、注入電極8に注入電極コンデンサーをつないでその表面電位を測定したところ、プラス側に高くなっていくのが確認された。注入電極コンデンサーの容量と電位の時間変化からその電流(正)を求めたところ、その大きさは、回収電流(負)と同じであった。
それゆえ、注入電極及び回収電極の両コンデンサー12等を交互に負荷に接続すれば、当該負荷には交流電圧が加わる。
結線切り替えは、機械的に行ってもよいが、100V乃至300V程度であれば、パワートランジスタゲート電圧のON/OFF制御で、簡単に行うことができる。 即ち、注入電極コンデンサーの追加とパワートランジスタ等の使用により課題5は容易に解決された。

0045

初期の実験において、注入端子23や回収端子24として、いろいろな材料をテストしたのち、アルミフォイルに決定した。つまり、硬すぎると電荷搬送体保持円板14の回転を妨げ、反対に柔らかすぎると数回の接触で倒れて接触しなくなるので、柔らかくかつ弾性もあるアルミフォイルとした。
しかしながら、長時間の使用では、やはり倒れて復元しなくなった。

0046

そこで、アルミフォイルに代えて、弾力性のある導電糸を使うことにした。具体的には、例えば、カーボンナノファイバー、あるいは、それを添加して作られた複合材料である。これらは、導電性が高く機械的な強度も大きい。
使い方としては、1本ではなく多数本まとめて使用する方が良い。
又、電荷搬送体11の通過方向に倒れるものより、電荷搬送体11の先端との当接によって、通過方向の左右に分かれる構造がよい。
又、導電糸群の代わりに、表面張力が強い導電性液体、例えば水銀を使用することもできる。
これらの材料を使うことにより、注入端子23及び回収端子24の寿命は大きく改善され、課題6は解決される。

0047

前記電界駆動型発電機の発電量は多くはない。そこで、実用機では、電荷搬送体保持円板14を、縦方向に重ねて発電量を増やすと良い。
しかしながら、図7及び図8に示す実験機の構造では、製品設計上、縦方向に多数枚重ねることができない。そこで、垂直に伸びている注入電極(内外電極板)8、高圧電極(内外電極板)9、回収電極(内外電極板)10、及び電荷搬送体11を、図6の実施例のように、水平に伸ばすこととした。この改良実験装置(ベンチモデル)を図15に示す。尚、同図は、その要部を示す縦断面図である。

0048

図15において、参照番号11は電荷搬送体、13は上電極円板、14は電荷搬送体保持円板、15は下電極円板、16は回転支柱、17はボールベアリング、20は装置全体の基板(以下、装置基板という)、21は装置の円筒、及び22は装置の上蓋である円板を示す。
即ち、装置基板20の上に、上蓋22付きの円筒21が設けられていて、円筒21の内部壁に、上電極円板13と下電極円板15の組が複数固定されている。装置基板20と上蓋22の各センターには、ボールベアリング17が固定されている。各ボールベアリング17の外側は装置基板20と上蓋22に固定されているが、内側は自由に回転できる。当該ベアリングの内側に回転支柱16が固定され、当該ボールベアリング17の内側と共に自在に回転する。
更に、前記回転支柱16には、各組の上電極円板13と下電極円板15の間に配置された電荷搬送体保持円板14が固定されていて、回転支柱16と共に回転する。
尚、同図には、三枚の電荷搬送体保持円板14が描かれているが、前記したADBベアリングの定格荷重は2000N以上なので、何百枚重ねても不具合は生じない。

0049

この装置で使用される上下電極円板13及び15を図16に示す。尚、同図は上蓋を取り除いた状態の概略平面図(又は横断面図)である。
参照番号8が注入電極、参照番号9が高圧電極、参照番号10が回収電極、及び参照番号16が回転支柱である。図7図8に示した注入電極8、高圧電極9、回収電極10の3電極を、水平に伸ばした形状である。
当該三電極共に、長さは70mmであり、半径100mmの円板の中心から30mmの位置から外側に向かって伸びている。各電極の内側(中心から30mmの円周上)の幅と各電極相互のその間隔は、図8の内側の各電極板と同じである。
即ち、図16中、L1で示す注入電極8と高圧電極9の間隔、及び高圧電極9と回収電極10の間隔は各25mmである。このとき、外側(中心から100mmの円周上)では、注入電極8と高圧電極9、及び高圧電極9と回収電極10の間隔L3は、各90mmとなる。

0050

図8に示す各電極では、高圧電極9と注入電極8及び高圧電極9と回収電極10の間の各間隔は、夫々、内側の電極板で25mm、外側の電極板で30mmだったので、内外電極間の中央の間隔は27.5mmであった。そのため、高圧電極に8kVを印加したとき、中央での電界強度は、0.29kV/mmであった。
此れに対し、図16の各電極では、図中L2で示す中央での間隔が60mmなので、電界強度は0.13kV/mmとなり、図8の実施例の半分以下になる。よって、電界駆動型静電発電機では、静電気力は電界の二乗に比例するので、当該静電気力は1/5になってしまう。
そこで、中央での電界強度を図8の実施例と同じにするためには、高圧電極へ印加すべき電圧として17.4kVが必要になる。しかしながら、この値では、多量のリーク電流やコロナ放電の発生が起きる。
又、注入電極8と回収電極10の外側の幅を大きく広げて、高圧電極9との各間隔を、前記中央で27.5mmとすることもできるが、この場合は、順方向静電気力が電荷搬送体11に作用する時間が半分以下となってしまう。

0051

高圧電極の電位を、高圧電極9の外側から内側に向かって、高圧電極9と注入電極8及び回収電極9との間の間隔に比例して下げていけば、間隔が変わっても一定の電界強度が得られるのであるが、単一電極では不可能である。
しかしながら、エレクトレットではこれが可能である。
つまり、エレクトレットの表面電荷密度を上記間隔に比例して低くしていけばよい。具体的には、電子銃を使って打ち込む電子数を間隔に比例して変えることで可能となる。

0052

通常、エレクトレットは、フッ素樹脂フイルムコロナ帯電して作成される。広い面積であれば、コロナ放電電圧を変えたり、又はフイルムの送り速度を変える等して電荷密度を変えることができる。

0053

又、コロナ放電を使用するエレクトレット製造において、電荷を受けるフッ素樹脂側で電位を変えることができる。
例えば、フイルムの厚さを、外側から内側に向けて間隔に比例して薄くする。そうすると、電荷密度が同じでも、電位は間隔に比例して変化する。
更に、厚さを変える代わりに、フッ素樹脂フイルムの占有面積を外側から内側に向けて間隔に比例して下げていけばよい。この場合、ミクロに見ればフッ素樹脂フイルム上の電荷密度は同じであるが、マクロにみれば電荷密度は外側から内側に向かって低下している。

0054

この場合、市販のフイルムでは、厚さを変えることも、又専有面積を変えることもできないが、エレクトレット用樹脂粉末溶剤に溶かし、スクリーンを通過させて塗布し、加熱硬化させるスクリーン印刷法では、スクリーンパターン微細に変えることで、膜厚変化専有面積率変化も可能である。
又、3Dプリンターを利用すれば、当該溶液射出量を変えて射出することでも可能である。
尚、電荷搬送体の幅も、外側から内側に向かって狭くしてもよい。
このように、エレクトレットの厚さ又は専有面積を、エレクトレットと電極間の間隔に比例して変えるだけで、課題7は低コストで解決された。

0055

図15に示す当該実験装置(ベンチモデル)で可動部が接触しているのは、参照番号17で示すADBベアリングと、図8に参照番号23で示す注入端子と、参照番号24で示す回収端子である。
エレクトレットの寿命が100年あっても、装置寿命はこれら接触可動部の寿命で決まってしまう。よって、下記の様に、これら接触可動部品を、回転や電荷の移動を、非接触で可能にする機構に置き換えるのが良い。

0056

先ず、非接触回転であるが、これは、電荷搬送体保持円板14を、静電気的又は磁気的に浮上させることで可能となる。
但し、静電気的浮上は、そのために形成された静電界が、電荷搬送体11を駆動する静電界を乱す虞があるので、磁気浮上が望ましい。
そこで、図15のADBベアリング17を取り除き、そこに、図17に示すように、回転円形基板28を取り付けた。即ち、電荷搬送体保持円板14が、その周りに固定されている中心支柱16を、当該回転円形基板28のセンターに固定した。

0057

次に、平板型の小型磁石25を、当該回転円形基板28の下面に45度間隔で8個張り付けた。又、対向する装置基板20の上面に、当該小型磁石25と、S及びN極同士が向かい合うように8個の平板型の小型磁石26を張り付けた。小型磁石としては、(株)二六製作所のフェライト磁石FK018を使用した。当該磁石の長さ、幅、及び高さは、夫々、12mm、7mm、及び3mmである。その表面磁束密度は90mTで、吸着力は0.16kgである。

0058

この結果、三枚の電荷搬送体保持円板14、支柱16、及び8個の小型磁石が載った回転円形基板28は数mm浮上した。但し、すぐ、左右前後いずれかに動いて滑り落ちてしまった。
これを防止するために、その中心に直径10mmの孔30が開けられるズレ防止円板29を、円筒21の内壁に図のように固定した。
支柱16の直径は8mmなので、通常は接触しないが、電荷搬送体保持円板14が1mm以上ズレた場合に、支柱16とズレ防止円板29の内壁とが接触する。その時の回転摩耗を軽減するために、支柱16の表面にナノダイヤモンドを塗布しておくよい。
尚、当該円形基板28、小型磁石25及び26、並びにブレ防止円板29は、下側のみならず、図17に示されるように上蓋円板22側にも配置すると、全体の動きがより安定する。

0059

上記構造によってその寿命は延びるが、更に延ばすことができる。
即ち、横方向へのブレ磁気力で抑えるのである。その態様概略を図18の縦断面図に示す。
先ず、小型磁石25及び26を縦長型の小型磁石25及び26に置き換える。具体的には、フェライト磁石FK123((株)二六製作所製)に換える。当該磁石の長さ、幅、及び高さは、夫々、5mm、5mm、及び16mmである。その表面磁束密度は70mTで、吸着力は0.20kgである。
そして、小型磁石25と同じ高さにおいて、円筒21内壁に、同様の当該縦長磁石27を、それらS局とS局が向かい合うように固定する。
このとき、回転する磁石25と固定された磁石27の間隔は5mmであり、当該縦長磁石のN極とS極の間隔16mmより十分短いので、NS間の引力は働かず、SS及びNN間の反発力のみが働く。この結果、回転円形基板28は、前後左右にブレることなく回転する。
尚、この場合、ブレ防止円板29は不要であるが、残しておいてもよい。

0060

次に、非接触状態で電荷を注入し回収する機構であるが、前記した公知のバンデグラーフ型静電発電機では、コロナ放電を使用している。
コロナ放電は、電界が集中して非常に高くなったときに起きるので、電荷搬送体11、注入電極8、又は回収電極10に、鋭い突起部を設けると、その先端で発生する。尚、コロナ放電には、電界の集中と同時に、空気の存在が必要である。但し、その密度は薄くともよい。
当該電界駆動型静電発電機では、装置内を真空に引き、空気抵抗力faをゼロにして高出力を得ることができる。但し、真空に引かなくとも、その密度を1/10にすれば、空気抵抗力も1/10になる。そこで、コロナ放電が発生可能な最低空気密度で使用するのがベストである。

実施例

0061

尚、コロナ放電で、電荷の注入及び回収を行うと、注入端子23及び回収端子24が要らなくなるが、電荷搬送体11を特定の位置で止めることができなくなる。
しかしながら、図18の構造の場合、回転円形基板28の磁石250は、円筒21の内壁に固定され隣接する磁石27の中間に、図19の状態で止まる。
これは、この地点で、磁石25が、隣接する磁石27より受ける力がバランスしてゼロになるからである。この地点から先に進むと、前方の磁石27より排斥磁力をうけて戻される。
尚、このとき、電荷搬送体11が自動回転できる特定の位置になるように、電荷搬送体保持円板14上の電荷搬送体11の位置を定めればよい。

0062

1:上電極
2:下電極
3:点電荷
4: 点電荷に作用する静電気力の方向と大きさを示す矢印
5:電界の方向を示す矢印
6: 電界の方向が反転されたことを示す矢印
7: 電界の方向に非対称形状を有する帯電体
8:電荷注入電極
9:高圧電極(エレクトレット)
10:電荷回収電極
11:電荷搬送体
12: 電荷回収電極に接続された外部コンデンサー
13:注入電極、高圧電極(エレクトレット)、及び電荷回収電極を放射状に配置した上部固定電極円板
14: 電荷搬送体を放射状に配置した電荷搬送体保持円板
15: 注入電極、高圧電極(エレクトレット)、及び電荷回収電極を放射状に配置した下部固定電極円板
16: 電荷搬送体の回転軸(支柱)
17:ボールベアリング
18:固定軸(支柱)を支える木製基板
19:装置全体の樹脂製基板
20: 装置全体の木製基板
21:発電装置の円筒
22: 発電装置の上蓋
23:電荷注入用端子
24:電荷回収用端子
25:回転円形基板に取り付けられた磁石
26:装置基板に取り付けられた磁石
27: 装置円筒内壁に取り付けられた磁石
28: 電荷搬送体保持円板を支持する回転円形基板
29:ズレ防止円板
30: ズレ防止円板のセンターの孔
31:ガード電極
32:カット電極

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