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技術 半導体レーザ

出願人 NTTエレクトロニクス株式会社日本電信電話株式会社
発明者 廣野卓夫伊藤弘樹幸前篤朗川口悦弘岸健志大手康義内田敏昭浅川淳一湯田正宏藤原直樹
出願日 2017年6月19日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2017-119730
公開日 2019年1月10日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-004112
状態 未査定
技術分野 半導体レーザ
主要キーワード VI特性 n型半導体 Ga組成比 付加層 アクセプター濃度 内部歪 絶縁性半導体 AlAs障壁層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年1月10日)のものです。
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図面 (15)

課題

SI−BH構造の半導体レーザであって、SI埋め込み層への電流リークを長期間、安定的に低減し、通電時により高い光出力を得ることが可能な半導体レーザを提供すること。

解決手段

メサストライプ構造の両側を半絶縁性InPで埋め込む構造の半導体レーザである。メサストライプ構造は、n型InP基板101の上部に、n型クラッド層102、n側SCH層103、活性層104、p側SCH層105、p型クラッド層106、コンタクト層107を順次積層し、n型クラッド層102の途中までドライエッチング除去したものである。メサストライプ構造の両側は、半絶縁性InP埋め込み層109で埋め込まれている。n型クラッド層102とp型クラッド層106の全部、或いは一部にInPと格子定数が等しく、InPよりバンドギャップが広い半導体、例えば、In0.52Al0.48Asを用いる。

概要

背景

急激に増大する光通信における伝送容量に対応するため、通信用光源として、寄生容量が小さく高速化が可能な半絶縁性埋め込みヘテロ(SI−BH:Semi−Insulating−Buried Heterostructure)構造の半導体レーザが利用されている。

図1に、従来のSI−BH構造の半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図で示す。このSI−BH構造の半導体レーザは、n−InP基板1001の上部に、n型InPクラッド層1002、n側SCH(Separated Confinement Heterostructure)層1003、活性層1004、p側SCH層1005、p型InPクラッド層1006、コンタクト層1007が順次積層された構造を有する。この積層構造は、ドライエッチングによりn型InPクラッド層1002の一部までエッチング除去されてメサストライプ構造に加工され、メサストライプ構造の両側を半絶縁性(SI−)InPのSI埋め込み(SI−InP)層1008で埋め込む構造(SI−BH)とされる。

半絶縁性埋め込み構造は、p型半導体n型半導体ジャンクション逆バイアスを利用したpn埋め込み構造と異なり、ジャンクションキャパシタンスの影響を受けない為、寄生容量を小さくできて高速変調が可能である(非特許文献1参照)。また、埋め込み領域は半絶縁性半導体1種類なので、pn埋め込み構造と較べて、埋め込み構造を単純化できて製造工程数を削減できる。

一方で、SI−BH構造の半導体レーザは、メサストライプ構造のn型InPクラッド層1002やp型InPクラッド層1006から半絶縁性埋め込み層1008へ電子ホール漏れることによるリーク電流の発生とリーク電流による通電時の光出力の低下が課題である。そこで、リーク電流を低減するために、活性層1004を含むメサストライプ構造の側壁及びn型InPクラッド層1002の平坦部とSI−InP埋め込み層1008との間に、InPよりバンドギャップが広いIn0.5Ga0.5P付加層を設けた半導体レーザが提案されている(非特許文献2参照)。

概要

SI−BH構造の半導体レーザであって、SI埋め込み層への電流リークを長期間、安定的に低減し、通電時により高い光出力を得ることが可能な半導体レーザを提供すること。メサストライプ構造の両側を半絶縁性InPで埋め込む構造の半導体レーザである。メサストライプ構造は、n型InP基板101の上部に、n型クラッド層102、n側SCH層103、活性層104、p側SCH層105、p型クラッド層106、コンタクト層107を順次積層し、n型クラッド層102の途中までドライエッチング除去したものである。メサストライプ構造の両側は、半絶縁性InP埋め込み層109で埋め込まれている。n型クラッド層102とp型クラッド層106の全部、或いは一部にInPと格子定数が等しく、InPよりバンドギャップが広い半導体、例えば、In0.52Al0.48Asを用いる。

目的

一方で、SI−BH構造の半導体レーザは、メサストライプ構造のn型InPクラッド層1002やp型InPクラッド層1006から半絶縁性埋め込み層1008へ電子やホールが漏れることによるリーク電流の発生とリーク電流による通電時の光出力の低下が課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

InP基板上に積層された下部クラッド層活性層、上部クラッド層およびコンタクト層を含むメサストライプ構造と、前記メサストライプ構造の両側を埋め込む半絶縁性InP埋め込み層と、を備え、前記下部クラッド層および前記上部クラッド層の少なくとも一方が、InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする半導体レーザ

請求項2

前記下部クラッド層および前記上部クラッド層は、一方がn型半導体であり他方がp型半導体であり、前記p型半導体は、前記InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。

請求項3

前記n型半導体は、前記InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ。

請求項4

前記InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体は、In0.52Al0.48Asであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体レーザ。

技術分野

0001

本発明は、絶縁性半導体によってメサストライプ構造の側面を覆ってそのメサストライプ構造の両側を埋め込んだ半絶縁性埋め込みヘテロ構造半導体レーザに関する。

背景技術

0002

急激に増大する光通信における伝送容量に対応するため、通信用光源として、寄生容量が小さく高速化が可能な半絶縁性埋め込みヘテロ(SI−BH:Semi−Insulating−Buried Heterostructure)構造の半導体レーザが利用されている。

0003

図1に、従来のSI−BH構造の半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図で示す。このSI−BH構造の半導体レーザは、n−InP基板1001の上部に、n型InPクラッド層1002、n側SCH(Separated Confinement Heterostructure)層1003、活性層1004、p側SCH層1005、p型InPクラッド層1006、コンタクト層1007が順次積層された構造を有する。この積層構造は、ドライエッチングによりn型InPクラッド層1002の一部までエッチング除去されてメサストライプ構造に加工され、メサストライプ構造の両側を半絶縁性(SI−)InPのSI埋め込み(SI−InP)層1008で埋め込む構造(SI−BH)とされる。

0004

半絶縁性埋め込み構造は、p型半導体n型半導体ジャンクション逆バイアスを利用したpn埋め込み構造と異なり、ジャンクションキャパシタンスの影響を受けない為、寄生容量を小さくできて高速変調が可能である(非特許文献1参照)。また、埋め込み領域は半絶縁性半導体1種類なので、pn埋め込み構造と較べて、埋め込み構造を単純化できて製造工程数を削減できる。

0005

一方で、SI−BH構造の半導体レーザは、メサストライプ構造のn型InPクラッド層1002やp型InPクラッド層1006から半絶縁性埋め込み層1008へ電子ホール漏れることによるリーク電流の発生とリーク電流による通電時の光出力の低下が課題である。そこで、リーク電流を低減するために、活性層1004を含むメサストライプ構造の側壁及びn型InPクラッド層1002の平坦部とSI−InP埋め込み層1008との間に、InPよりバンドギャップが広いIn0.5Ga0.5P付加層を設けた半導体レーザが提案されている(非特許文献2参照)。

先行技術

0006

C. A. Barrios et al., “Analysis of leakage current inGaAs/AlGaAs buried-heterostructure lasers with semi-insulationg GaInP:Fe burying layer ”, Journal of Applied Physics, vol. 92, no. 5, p. 2506, 2002.
S. Asada et al., “Analysys of leakage current in buried heterostructure lasers with semiinsulating blocking layers”,IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. 25, no. 6, p. 1362, 1989.
永井治他、『III−V族半導体混晶』、コロナ社、1988年、p.19

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、In0.5Ga0.5PとInPとの格子定数は異なるため、InPのメサストライプ構造の側壁とIn0.5Ga0.5P付加層との界面に格子欠陥を導入する可能性が有る。また、In0.5Ga0.5PとInPとで格子定数が異なることにより、In0.5Ga0.5P付加層に内部歪が起こるため、In0.5Ga0.5P付加層を厚くし過ぎるとクラック等が形成されて長期間動作させたときに故障の原因となる場合がある。

0008

これらのことから安定したIn0.5Ga0.5P付加層を得るには、膜厚を数nmから高々10nm程度に抑える必要があり、その結果、電流リークを十分に低減することができないという課題がある。

0009

本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、SI−BH構造の半導体レーザであって、SI埋め込み層への電流リークを長期間、安定的に低減し、それにより通電時により高い光出力を得ることが可能な半導体レーザを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するために、本発明は、半導体レーザであって、InP基板上に積層された下部クラッド層、活性層、上部クラッド層およびコンタクト層を含むメサストライプ構造と、前記メサストライプ構造の両側を埋め込む半絶縁性InP埋め込み層と、を備え、前記下部クラッド層および前記上部クラッド層の少なくとも一方が、InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする。

0011

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体レーザであって、前記下部クラッド層および前記上部クラッド層は、一方がn型半導体であり他方がp型半導体であり、前記p型半導体は前記InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする。

0012

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の半導体レーザにおいて、前記n型半導体は、前記InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする。

0013

請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体レーザにおいて、前記InPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体は、In0.52Al0.48Asであることを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明は、SI−BH構造の半導体レーザにおいて、SI埋め込み層への電流リークを長期間、安定的に低減し、それにより通電時により高い光出力を得られるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0015

従来のSI−BH構造の半導体レーザの構造を示す光軸に垂直な断面図である。
本発明の効果(SI埋め込み層への電流リーク低減)を示す2端子素子の構造模式図である。
2端子素子(1)〜(4)の順方向V−I特性を示す図である。
(a)〜(d)は、2端子素子(1)〜(4)に順方向電圧1.2Vを加えた場合のバンド図である。
本発明の実施例1に係る半導体レーザの構造を示す光軸に垂直な断面図である。
素子A〜Dの光出力Poと順方向電流Ifとの測定結果を示す図である。
素子A〜Dの順方向電流Ifと順方向電圧Vfとの測定結果を示す図である。
本発明の実施例2に係る半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図である。
本発明の実施例2に係る別の半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図である。
実施例1の素子A、Dと実施例2のE、Fの光出力と順方向電流との測定結果を示す図である。
本発明の実施例3に係る半導体レーザの構造を示す光軸に垂直な断面図である。
素子G、H、Iの光出力Poと順方向電流Ifとの測定結果を示す図である。
素子G、H、Iの順方向電流Ifと順方向電圧Vfを示す図である。
15種の4元混晶の等バンドギャップ線と等格子定数線を示す図である。

実施例

0016

本発明は、InP基板上に積層されたクラッド層、活性層、およびコンタクト層を含むメサストライプ構造と、メサストライプ構造の両側を埋め込む半絶縁性InP(SI−InP)埋め込み層とを備えた半導体レーザであって、クラッド層の少なくとも一部がInPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体であることを特徴とする。この構成により、SI−InP埋め込み層への電流リークを低減できる事を次に示す。

0017

図2に、n側電極15、InPと格子定数が等しいn型半導体層11(ドナー濃度:1×1018/cm3)、SI−InP層12、InPと格子定数が等しいp型半導体層13(アクセプター濃度:1×1018/cm3)、コンタクト層14、p側電極16からなる2端子素子を示す。ここで図2に示す層構造を有し、n型およびp型半導体層の組成が異なる2端子素子(1)〜(4)の特性を比較する。

0018

表1に示すように、2端子素子(1)はp型半導体とn型半導体にInPを用い、2端子素子(2)はp型半導体にIn0.52Al0.48Asを、n型半導体にInPを用い、2端子素子(3)はp型半導体にInPを、n型半導体にIn0.52Al0.48Asを用い、2端子素子(4)はp型半導体とn型半導体にIn0.52Al0.48Asを用いている。尚、表1ではIn0.52Al0.48AsをInAlAsと略記している。

0019

0020

In0.52Al0.48AsはInPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体である。SI−InP層12のトラップとしてはFeを用い、その濃度は7×1016/cm3である。

0021

図3に、2端子素子(1)〜(4)の順方向V−I特性を示す。2端子素子(2)と(4)では順方向電圧Vfを増加した時の順方向電流Ifの増加が2端子素子(1)と(3)より小さい。

0022

図4(a)〜(d)に、2端子素子(1)〜(4)に順方向電圧1.2Vを加えた場合のバンド図を示す。2端子素子(2)、(4)のp型In0.52Al0.48AsとSI−InPの間には、2端子素子(1)、(3)のp型InPとSI−InPの間と較べ、伝導帯下端により高いエレクトロン障壁価電子帯上端により高いホール障壁ができる。これは、順方向電流を減少させる要因となる。そのため、図3に示すように、2端子素子(2)、(4)では、2端子素子(1)、(3)に較べ順方向電圧Vfを増加した時の順方向電流Ifが小さくなる。

0023

2端子素子(2)、(4)におけるエレクトロン障壁とホール障壁はp型In0.52Al0.48AsとSI−InPの境界に形成されており、その積層構造は、p型半導体層の組成以外、2端子素子(1)または(3)と同じである。つまり、エレクトロン障壁やホール障壁を作るためにそれ専用のキャリア障壁層を付加的に導入している訳では無い。そのため2端子素子(2)、(4)は、2端子素子(1)、(3)に対して、構造を複雑にしたり、製造工程数を増加させたりすること無く、エレクトロン障壁とホール障壁の両方を高くすることができている。

0024

このように図3の順方向VI特性および図4(a)〜(d)のバンド図が示すように、n型半導体層11、p型半導体層13にInPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体を用いることで、SI−InP埋め込み層12への電流リークを低減できる。また、n型半導体層11、p型半導体層13にInPと格子定数が等しい半導体を用いると格子欠陥を導入する事が無いので、長時間動作させてもSI−InP埋め込み層12にクラックが生じて故障する可能性も大幅に低減できる。

0025

n型半導体層11、p型半導体層13にInPよりバンドギャップが広く、InPと格子定数が等しい半導体としては、上述のようにIn0.52Al0.48Asが有る。以下、クラッド層にIn0.52Al0.48Asを用いた実施例を示す。尚、本明細書では、以後、In0.52Al0.48AsをInAlAsと略記する。また、混晶In1-x-yGaxAlyAsをInGaAlAsと略記し、混晶In1-xGaxAs1-yPyをInGaAsPと略記する。

0026

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

0027

(実施例1)
図5に、本発明の実施例1に係る半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図で示す。実施例1に係る半導体レーザは、メサストライプ構造の両側を半絶縁性InPで埋め込む構造(SI−BH)の半導体レーザである。メサストライプ構造は、n型InP基板101の上部に、n型クラッド層102、n側SCH層103、活性層104、p側SCH層105、p型クラッド層106、コンタクト層107を順次積層し、ドライエッチングによりn型クラッド層102を深さ0.4μmまでエッチング除去したものである。メサストライプ構造の両側は、半絶縁性InP(SI−InP)埋め込み層109で埋め込まれている。

0028

メサストライプ構造の幅は1.8μmであり、SI−InP埋め込み層109のトラップとしてはFeを用い、その濃度は7×1016/cm3である。n型クラッド層102は厚さ0.6μmで、n型ドーパントとしてSiを用い、キャリア濃度は1×1018/cm3とした。p型クラッド層106は厚さ2μmで、p型ドーパントとしてZnを用い、キャリア濃度は1×1018/cm3とした。活性層104は、ノンドープで厚さ6nmのInGaAlAs量子井戸とノンドープで厚さ10nmのInGaAlAs障壁層からなる6周期圧縮歪量井戸活性層とした。

0029

本実施例では、表2に示すように、4種の半導体レーザ素子製作した。素子Aはn型クラッド層102とp型クラッド層106にInPを用い、素子Bはn型クラッド層102にInPを用いてp型クラッド層106にInAlAsを用い、素子Cはn型クラッド層102にInAlAsを用いてp型クラッド層106にInPを用い、素子Dはn型クラッド層102とp型クラッド層106にInAlAsを用いている。

0030

0031

これらの素子A〜Dは、共振器長300μmのファブリ−ペローFP)素子である。共振器両端の反射鏡面劈開により製作した。素子A、B、C、Dはその順に、n型クラッド層102やp型クラッド層106からSI−InP埋め込み層109への電流リークに関して、上述の2端子素子(1)、(2)、(3)、(4)に対応している。素子Aは従来のInP基板上のSI−BH構造半導体レーザの構造である。

0032

図6に、素子A〜Dの光出力Poと順方向電流Ifとの測定結果を示す。測定温度は55℃で発振波長は1.28μmである。素子B〜Dは従来構造の素子Aより光出力が高く、本発明の有効性を示している。特に、素子Dは従来構造の素子Aに較べ100mAでの光出力が約20%増加している。

0033

また図7に、素子A〜Dの順方向電流Ifと順方向電圧Vfとの測定結果を示す。素子B、Dは素子A,Cに較べ同一順方向電流でのVfが高く、p型クラッド層106にInAlAsを用いる事によるp型クラッド層106からSI−InP埋め込み層109への電流リーク抑制効果が働いていることを示している。

0034

(実施例2)
図8に、本発明の実施例2に係る半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図で示す。また図9に、本発明の実施例2に係る別の半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図で示す。実施例2は、n型InP基板101の上部に、n型クラッド層102、n側SCH層103、活性層104、p側SCH層105、p型クラッド層106、コンタクト層107を順次積層するところまでは実施例1と同じである。実施例1との差異は、実施例2の一態様である素子Eでは、図8に示すように、ドライエッチングによりn型クラッド層102の下部まで除去してメサストライプ構造作製後、メサストライプ構造の両側を半絶縁性InP埋め込み層109で埋め込む構造(SI−BH)の半導体レーザである点である。また、実施例2の別の一態様である素子Fでは、図9に示すように、ドライエッチングによりn型クラッド層102の下部を超えn型InP基板101を深さ0.2μmまで除去してメサストライプ構造作製後、メサストライプ構造の両側を半絶縁性InP埋め込み層109で埋め込む構造(SI−BH)の半導体レーザである点である。

0035

図8に示す素子Eと図9に示す素子Fのメサストライプ構造の幅は共に1.8μmである。n型クラッド層102とp型クラッド層106には共にInAlAsを用いた。n側SCH層103、活性層104、p側SCH層は実施例1と同じである。共振器長300μmのFP素子とした点も実施例1と同じである。

0036

図10に、実施例1の素子A、Dと実施例3のE、Fの光出力と順方向電流との測定結果を示す。測定温度は55℃で発振波長は1.28μmである。素子FとEの光出力は素子Dとほぼ同じであり、図10は本発明の有効性を示している。

0037

(実施例3)
図11に、本発明の実施例3に係る半導体レーザの構造を光軸に垂直な断面図で示す。実施例3に係る半導体レーザは、メサストライプ構造の両側を半絶縁性InPで埋め込む構造(SI−BH)の半導体レーザである。メサストライプ構造は、n型InP基板101の上部に、n型クラッド層102、n側SCH層103、活性層114、p側SCH層105、p型クラッド層106、コンタクト層107を順次積層し、ドライエッチングによりn型クラッド層102を深さ0.4μmまでエッチング除去したものである。メサストライプ構造の両側は、半絶縁性InP(SI−InP)埋め込み層109で埋め込まれている。

0038

メサストライプ構造の幅は1.8μmであり、SI−InP埋め込み層109のトラップとしてはFeを用い、その濃度は7×1016/cm3である。n型クラッド層102は厚さ0.6μmで、n型ドーパントとしてSiを用い、キャリア濃度は1×1018/cm3とした。p型クラッド層106は厚さ2μmで、p型ドーパントとしてZnを用い、キャリア濃度は1×1018/cm3とした。活性層114は、ノンドープで厚さ6nmのInGaAsP量子井戸とノンドープで厚さ10nmのInGaAsP障壁層からなる6周期の圧縮歪量子井戸活性層とした。

0039

このように実施例3は、活性層114が実施例1の活性層104と異なる以外は全て同じ構成である。

0040

本実施例では、表3に示すように、3種の半導体レーザ素子を製作した。素子Gは、n型クラッド層102とp型クラッド層106にInPを用い、素子Hはn型クラッド層102にInPを用いてp型クラッド層106にInAlAsを用い、素子Iはn型クラッド層102とp型クラッド層106にInAlAsを用いている。

0041

0042

これらの素子G〜Iは、共振器長300μmのファブリ−ペロー(FP)素子である。共振器両端の反射鏡面は劈開により製作した。素子G、H、Iはその順に、n型クラッド層102やp型クラッド層106からSI−InP埋め込み層109への電流リークに関して、上述の2端子素子(1)、(2)、(4)に対応している。素子Gは従来のInP基板上のSI−BH構造半導体レーザの構造である。

0043

図12に、素子G、H、Iの光出力Poと順方向電流Ifとの測定結果を示す。測定温度は55℃で発振波長は1.29μmである。素子Hと素子Iは、従来構造の素子Gより光出力が高く、本発明の有効性を示している。

0044

また図13に、素子G、H、Iの順方向電流Ifと順方向電圧Vfを示す。素子H、Iは、素子Gに較べ同一順方向電流IfでのVfが高く、p型クラッド層106にInAlAsを用いる事によるp型クラッド層106からSI−InP埋め込み層109への電流リーク抑制効果が働いていることを示している。

0045

以上、本発明ではn−InP基板上に製作された半導体レーザを実施例として示してきたが、本発明の内容である、p型クラッド層とn型クラッド層の一部、或いは全部にInPと格子定数が等しく、InPよりバンドギャップが広い半導体を用いて、SI−InP埋め込み層への電流リークを抑制することは、p−InP基板上に作製された半導体レーザや半絶縁性基板上に製作された半導体レーザにおいても有効に適用できる。

0046

また、実施例1〜3では、SI−InP埋め込み層109に用いる半絶縁性InPとしてFeをドーピングしたInPを用いているが半絶縁性を示すInPであればそれに限らず使用することが可能であり、例えばRuをドーピングしたInPも使用できる。

0047

また、実施例1〜3では、p型ドーパントとしてはZnを用いているが、C、Cd等を使用しても良い。実施例1〜3では、n型ドーパントとしてはSiを用いているが、SnやSを使用しても良い。

0048

また、実施例1〜3では、発振波長1.28μmや1.29μmの半導体レーザにおける光出力の増加を示したが、本発明は発振波長1.3μmや1.55μmその他の波長の半導体レーザにおいても適用できる。

0049

また、実施例1〜3では、ファブリペロー(FP)半導体レーザにおける光出力の増加を示したが、本発明は分布帰還型DFB)半導体レーザにおいても適用できる。さらにDFB半導体レーザ電界吸収型(EA)半導体変調器モノリシック集積したEML(Electro−absorption Modulator Integrated Laser Diode)にも適用できる。

0050

また、実施例1〜3では、クラッド層がInAlAs(=In0.52Al0.48As)である場合について説明したが、バンドギャップがInPより広く格子定数がInPと等しい半導体であればクラッド層として使用可能である。

0051

特に、InPと格子整合したInGaAlAs4元混晶においてInPよりバンドギャップが広いものは使用可能である。InPよりバンドギャップが広く、格子定数がInPと等しいInGaAlAs4元混晶組成計算式から求められるが、InAs、AlAs、GaAs100%を三角形頂点とする等、図14に示すようなバンドギャップと等格子定数を線で表記した図から簡単に4元混晶組成の情報を得ることができる(非特許文献3)。

0052

そのような図から、InPと同じ格子定数を示す線上では、Ga組成比が小さいほどバンドギャップが大きくなることが分かる。また、バンドギャップが最大となり最も高い障壁を作れるのは、InAsとAlAsの頂点を結ぶ辺と、InPと同じ格子定数を示す線とが交わる点に相当する組成のIn0.52Al0.48Asであることが分かる。

0053

101 n−InP基板
102 n型クラッド層
103 n側SCH層
104、114活性層
105 p側SCH層
106 p型クラッド層
107コンタクト層
109 SI埋め込み(SI−InP)層
110、111電極
1001 n−InP基板
1002 n型クラッド層
1003 n側SCH層
1004 活性層
1005 p側SCH層
1006 p型クラッド層
1007 コンタクト層
1008 SI埋め込み(SI−InP)層
1009、1010 電極

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