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技術 パン生地及び練り込み用油脂組成物

出願人 株式会社カネカ
発明者 勝見俊昭寺澤寛律
出願日 2017年6月12日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-114865
公開日 2019年1月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-000004
状態 未査定
技術分野 ベイカリー製品及びその製造方法 食用油脂
主要キーワード 接生地 気体含有量 ミキシング段 燐酸二水素カルシウム ポリグリセリン酸 バゲット シール漏れ 最大荷重値
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課題

合成乳化剤が無添加であるにも関わらず、内相きめ細かく、ボリューム食感、及び老化抑制に優れたパンを作業性よく製造可能なパン生地を提供すること

解決手段

油脂組成物練り込まれたパン生地であって、前記パン生地は、合成乳化剤を含まず、アミラーゼ穀粉100gに対し1.5〜150単位含有し、前記油脂組成物は、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有し、含気され、比重が0.2〜0.8g/mLであり、油脂組成物の含有量は穀粉100重量部に対し1〜30重量部、油脂組成物に含まれるL−アスコルビン酸の含有量は穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部、油脂組成物に含まれていないがパン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は穀粉100重量部に対し1×10−2重量部未満である、パン生地。

概要

背景

パン生地改良剤として、パン生地中のグルテン架橋させる効果を持つ酸化剤であるL−アスコルビン酸が広く用いられている。L−アスコルビン酸そのものは本来還元剤であるが、製パン時には酸化された後で酸化剤として作用する。具体的には、L−アスコルビン酸をパン生地に添加しミキシングすると、ミキシング中に空気中の酸素によってデヒドロアスコルビン酸に酸化され、このデヒドロアスコルビン酸が酸化剤として作用する。L−アスコルビン酸は、パン生地に添加してミキシングし始めた直後からデヒドロアスコルビン酸に酸化されグルテンの架橋効果を発現する、即効性の酸化剤である。

製パン工程においてこのような即効性の酸化剤をパン生地に直接添加すると、ミキシング段階でパン生地中のグルテンの架橋が進行してパン生地が締まり始める。その結果、ミキシング後の成型時には、パン生地は伸展性が乏しくなり、締まり気味の、切れ易い生地となり、そのパン生地を焼成して得たパンは、内相荒れ食感不良を生じるという欠点がある。しかも、デヒドロアスコルビン酸の存在によりパンのボリュームはある程度改善されるものの、十分なものではなかった。従って、L−アスコルビン酸を添加して製造された従来のパンは、ミキシング時に生地が損傷したり、成型時の作業性やパンの品質の点で満足できるものではなかった。

理想的には、ホイロ(最終発酵)に入るまではパン生地に伸展性があり、ホイロに入ってからグルテンの架橋が起きてパン生地が締まることが好ましく、そのような挙動を示すことによってパン生地が傷みにくくなり、内相のキメが細かく、ボリュームや食感に優れたパンを製造することができる。そこで、ホイロに入ってから架橋が起きるように、上記酸化剤の効果を遅延させる方法が望まれている。

特許文献1には、L−アスコルビン酸の効果を遅延させるために、約40℃附近熔融するコーティング剤でL−アスコルビン酸を皮膜した粉末食パン用酸化剤として用いる方法が開示されている。しかし、この方法では、L−アスコルビン酸の被覆は不十分であり、酸化剤の効果を遅延させる効果が十分ではなかった。さらに、L−アスコルビン酸を酸化剤として作用させるのに十分な気体が供給されないため、酸化剤としての十分な効果が得られなかった。

特許文献2には、融点が45〜63℃の油脂でL−アスコルビン酸を被覆した被覆顆粒を製パン用添加物として用いる方法が開示されている。しかし、油脂の融点が45〜63℃であるため、ホイロの段階ではL−アスコルビン酸の効果が発現せず、また、十分な気体も供給されないため、酸化剤としての十分な効果が得られなかった。

一方、得られるパンのボリュームを出したり、ソフトさを出したり、老化(経日的な硬化)を遅くする目的で、パン生地には合成乳化剤がよく添加される。しかし、近年の消費者志向から、厚生労働大臣が指定する指定添加物に含まれる合成乳化剤が敬遠され始めている。

特許文献3では、乳化剤を含まずに、油脂、水、及び酵素からなる油中水型油脂組成物を用いたベーカリー製品が開示されている。該文献の実施例6では、アスコルビン酸を配合した食パンが開示されているが、当該食パンはボリュームやソフトさ、口溶けといった食感が満足のいくものではなかった。

概要

合成乳化剤が無添加であるにも関わらず、内相がきめ細かく、ボリューム、食感、及び老化抑制に優れたパンを作業性よく製造可能なパン生地を提供すること油脂組成物練り込まれたパン生地であって、前記パン生地は、合成乳化剤を含まず、アミラーゼ穀粉100gに対し1.5〜150単位含有し、前記油脂組成物は、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有し、含気され、比重が0.2〜0.8g/mLであり、油脂組成物の含有量は穀粉100重量部に対し1〜30重量部、油脂組成物に含まれるL−アスコルビン酸の含有量は穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部、油脂組成物に含まれていないがパン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は穀粉100重量部に対し1×10−2重量部未満である、パン生地。なし

目的

そこで、ホイロに入ってから架橋が起きるように、上記酸化剤の効果を遅延させる方法が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

油脂組成物練り込まれたパン生地であって、前記パン生地は、合成乳化剤を含まず、アミラーゼを、パン生地を構成する穀粉100gに対し1.5〜150単位含有し、前記油脂組成物は、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有し、前記油脂組成物は、含気されたものであり、比重が0.2〜0.8g/mLであり、前記油脂組成物の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1〜30重量部であり、前記油脂組成物に含まれる前記L−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部であり、前記油脂組成物に含まれていないが前記パン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1×10−2重量部未満である、パン生地。

請求項2

前記油脂組成物における水分量は5重量%以下である、請求項1に記載のパン生地。

請求項3

更に、キシラナーゼを前記穀粉100gに対し0.5〜50単位含有する、請求項1又は2に記載のパン生地。

請求項4

パン生地練り込み用油脂組成物であって、合成乳化剤を含まず、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有し、前記油脂組成物全体に対するL−アスコルビン酸の含有量が14〜25000ppmであり、前記油脂組成物は含気されたものであり、比重が0.2〜0.8g/mLである、パン生地練り込み用油脂組成物。

請求項5

水分量が5重量%以下である、請求項4に記載のパン生地練り込み用油脂組成物。

請求項6

更に、アミラーゼを前記油脂組成物100gに対し5〜15000単位含有する、請求項4又は5に記載のパン生地練り込み用油脂組成物。

請求項7

更に、キシラナーゼを前記油脂組成物100gに対し2〜5000単位含有する、請求項4〜6のいずれかに記載のパン生地練り込み用油脂組成物。

請求項8

合成乳化剤を含まないパン生地の製造方法であって、穀粉、水、パン酵母、及び、請求項4〜7のいずれかに記載の油脂組成物を混合する工程を含み、前記油脂組成物の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1〜30重量部であり、前記油脂組成物に含まれるL−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部であり、前記油脂組成物に含まれていないが前記パン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1×10−2重量部未満であり、前記アミラーゼの含有量は、前記穀粉100gに対し1.5〜150単位である、パン生地の製造方法。

請求項9

前記パン生地が、更に、キシラナーゼを前記穀粉100gに対し0.5〜50単位含有する、請求項8に記載のパン生地の製造方法。

請求項10

請求項1〜3のいずれかに記載のパン生地を加熱調理する工程を含む、パンの製造方法。

請求項11

請求項1〜3のいずれかに記載のパン生地が加熱調理されたパン。

技術分野

0001

本発明は、油脂組成物練り込まれたパン生地、パン生地練り込み用油脂組成物、パン生地の製造方法、及びパンの製造方法に関する。

背景技術

0002

パン生地改良剤として、パン生地中のグルテン架橋させる効果を持つ酸化剤であるL−アスコルビン酸が広く用いられている。L−アスコルビン酸そのものは本来還元剤であるが、製パン時には酸化された後で酸化剤として作用する。具体的には、L−アスコルビン酸をパン生地に添加しミキシングすると、ミキシング中に空気中の酸素によってデヒドロアスコルビン酸に酸化され、このデヒドロアスコルビン酸が酸化剤として作用する。L−アスコルビン酸は、パン生地に添加してミキシングし始めた直後からデヒドロアスコルビン酸に酸化されグルテンの架橋効果を発現する、即効性の酸化剤である。

0003

製パン工程においてこのような即効性の酸化剤をパン生地に直接添加すると、ミキシング段階でパン生地中のグルテンの架橋が進行してパン生地が締まり始める。その結果、ミキシング後の成型時には、パン生地は伸展性が乏しくなり、締まり気味の、切れ易い生地となり、そのパン生地を焼成して得たパンは、内相荒れ食感不良を生じるという欠点がある。しかも、デヒドロアスコルビン酸の存在によりパンのボリュームはある程度改善されるものの、十分なものではなかった。従って、L−アスコルビン酸を添加して製造された従来のパンは、ミキシング時に生地が損傷したり、成型時の作業性やパンの品質の点で満足できるものではなかった。

0004

理想的には、ホイロ(最終発酵)に入るまではパン生地に伸展性があり、ホイロに入ってからグルテンの架橋が起きてパン生地が締まることが好ましく、そのような挙動を示すことによってパン生地が傷みにくくなり、内相のキメが細かく、ボリュームや食感に優れたパンを製造することができる。そこで、ホイロに入ってから架橋が起きるように、上記酸化剤の効果を遅延させる方法が望まれている。

0005

特許文献1には、L−アスコルビン酸の効果を遅延させるために、約40℃附近熔融するコーティング剤でL−アスコルビン酸を皮膜した粉末食パン用酸化剤として用いる方法が開示されている。しかし、この方法では、L−アスコルビン酸の被覆は不十分であり、酸化剤の効果を遅延させる効果が十分ではなかった。さらに、L−アスコルビン酸を酸化剤として作用させるのに十分な気体が供給されないため、酸化剤としての十分な効果が得られなかった。

0006

特許文献2には、融点が45〜63℃の油脂でL−アスコルビン酸を被覆した被覆顆粒を製パン用添加物として用いる方法が開示されている。しかし、油脂の融点が45〜63℃であるため、ホイロの段階ではL−アスコルビン酸の効果が発現せず、また、十分な気体も供給されないため、酸化剤としての十分な効果が得られなかった。

0007

一方、得られるパンのボリュームを出したり、ソフトさを出したり、老化(経日的な硬化)を遅くする目的で、パン生地には合成乳化剤がよく添加される。しかし、近年の消費者志向から、厚生労働大臣が指定する指定添加物に含まれる合成乳化剤が敬遠され始めている。

0008

特許文献3では、乳化剤を含まずに、油脂、水、及び酵素からなる油中水型油脂組成物を用いたベーカリー製品が開示されている。該文献の実施例6では、アスコルビン酸を配合した食パンが開示されているが、当該食パンはボリュームやソフトさ、口溶けといった食感が満足のいくものではなかった。

先行技術

0009

特開昭54−52741号公報
特開昭55−68231号公報
特開平11−46686号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、合成乳化剤が無添加であるにも関わらず、内相がきめ細かく、ボリューム、食感、及び老化抑制に優れたパンを作業性よく製造可能なパン生地、パン生地練り込み用油脂組成物、パン生地の製造方法、及びパンの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、パン生地が合成乳化剤を含まなくても、アミラーゼ特定量含有することに加えて、L−アスコルビン酸が穀粉に対して特定量含まれるように、特定融点の油脂とL−アスコルビン酸とを含有し、さらに含気され比重特定範囲にある油脂組成物が穀粉に対して特定量練り込まれたパン生地からは、内相がきめ細かく、ボリューム、食感、及び老化抑制に優れたパンを作業性よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0012

すなわち第一の本発明は、油脂組成物が練り込まれたパン生地であって、前記パン生地は、合成乳化剤を含まず、アミラーゼを、パン生地を構成する穀粉100gに対し1.5〜150単位含有し、前記油脂組成物は、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有し、前記油脂組成物は、含気されたものであり、比重が0.2〜0.8g/mLであり、前記油脂組成物の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1〜30重量部であり、前記油脂組成物に含まれる前記L−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部であり、前記油脂組成物に含まれていないが前記パン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1×10−2重量部未満である、パン生地に関する。好ましくは、前記油脂組成物における水分量は5重量%以下である。前記パン生地は、更に、キシラナーゼを前記穀粉100gに対し0.5〜50単位含有することが好ましい。

0013

第二の本発明は、パン生地練り込み用油脂組成物であって、合成乳化剤を含まず、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有し、前記油脂組成物全体に対するL−アスコルビン酸の含有量が14〜25000ppmであり、前記油脂組成物は含気されたものであり、比重が0.2〜0.8g/mLである、パン生地練り込み用油脂組成物に関する。好ましくは、水分量が5重量%以下である。好ましくは、更に、アミラーゼを前記油脂組成物100gに対し5〜15000単位含有する。また、好ましくは、更に、キシラナーゼを前記油脂組成物100gに対し2〜5000単位含有する。

0014

第三の本発明は、合成乳化剤を含まないパン生地の製造方法であって、穀粉、水、パン酵母、及び、前記油脂組成物を混合する工程を含み、前記油脂組成物の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1〜30重量部であり、前記油脂組成物に含まれるL−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部であり、前記油脂組成物に含まれていないが前記パン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は、前記穀粉100重量部に対し1×10−2重量部未満であり、前記アミラーゼの含有量は、前記穀粉100gに対し1.5〜150単位である、パン生地の製造方法に関する。好ましくは、前記パン生地が、更に、キシラナーゼを前記穀粉100gに対し0.5〜50単位含有する。

0015

第四の本発明は、前記パン生地を加熱調理する工程を含む、パンの製造方法、又は、前記パン生地が加熱調理されたパンに関する。

発明の効果

0016

本発明に従えば、合成乳化剤が無添加であるにも関わらず、内相がきめ細かく、ボリューム、食感、及び老化抑制に優れたパンを作業性よく製造可能なパン生地、パン生地練り込み用油脂組成物、パン生地の製造方法、及びパンの製造方法を提供することができる。

0017

以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。

0018

第一の本発明は、油脂組成物が練り込まれたパン生地に関する。本願におけるパン生地とは、これを加熱調理することでパンになる生地のことをいうが、ホイロ(最終発酵)前のものであってもよいし、ホイロ後のものであってよい。本願におけるパン生地は、合成乳化剤を含まず、前記油脂組成物の他、穀粉、水、及びパン酵母を含み、さらに、アミラーゼを直接的又は間接的に含むものである。パン生地がアミラーゼを直接的に含むとは、パン生地を作製する時に穀粉に対しアミラーゼを直接混合する態様のことを指し、パン生地がアミラーゼを間接的に含むとは、パン生地に含まれる油脂組成物がアミラーゼを含む態様のことを指す。

0019

本願において合成乳化剤とは、厚生労働大臣が指定する指定添加物に含まれる合成乳化剤のことをいい、例えば、グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン酸脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明のパン生地は、このような合成乳化剤を含有しないものである。なお、乳化剤ではあるが合成乳化剤には該当しない天然由来の乳化剤として、例えば、大豆レシチン卵黄レシチン、これらの分画レシチン酵素分解したリゾレシチン等の改質レシチンなどが知られている。本発明はこれら天然由来の乳化剤の添加を排除するものではない。

0020

本発明のパン生地に直接的又は間接的に含まれるアミラーゼは、ジアスターゼとも称される消化酵素であり、グリコシド結合加水分解することで澱粉中のアミロースアミロペクチンを、ブドウ糖マルトースオリゴ等に変換する酵素である。異性体としてはα−アミラーゼβ−アミラーゼグルコアミラーゼイソアミラーゼが知られており、本発明ではいずれも使用することができる。特にα−アミラーゼが好ましい。

0021

本発明においてアミラーゼは、後述する油脂組成物には含まれずにパン生地に直接含まれていてもよいし、また、油脂組成物に含まれていることでパン生地に間接的に含まれていてもよい。

0022

アミラーゼの含有量は、パン生地を構成する穀粉100gに対し1.5〜150単位であることが好ましい。1.5単位より少ないと、合成乳化剤無添加のパン生地において老化抑制効果を十分に達成することができない。150単位より多いと、生地がべたついて作業性が悪化したり、食感がくちゃついて悪化する場合がある。より好ましくは5〜100単位であり、さらに好ましくは10〜50単位である。

0023

本発明のパン生地は、アミラーゼに加えて、キシラナーゼをさらに含有するものであってもよい。キシラナーゼは、油脂組成物には含まれずにパン生地に直接含まれていてもよいし、また、油脂組成物に含まれていることでパン生地に間接的に含まれていてもよい。キシラーゼを配合することで、パンのボリュームが増加してキメが均一になるため、食感をより良くすることができる。この目的を達成するためには、キシラナーゼの含有量は、パン生地を構成する穀粉100gに対し0.5〜50単位であることが好ましい。より好ましくは1〜40単位であり、さらに好ましくは3〜30単位である。ここで、キシラーゼとはキシランキシロースに分解する酵素を意味する。

0024

本発明のパン生地に含まれる穀粉としては特に限定されず、通常のパン生地に含まれる穀粉であればよく、例えば、小麦粉ライ麦粉ライ小麦粉、大麦粉、モロコシ粉などが挙げられる。また、パン酵母の種類としても特に限定されず、市販のパン酵母であってよい。

0025

本発明のパン生地における水の含有量は特に限定されず、通常のパン生地における含水量であってもよいが、具体的には、穀粉100重量部に対して水分を40〜100重量部含むことが好ましい。また、本発明のパン生地におけるパン酵母の含有量も特に限定されず、通常用いられる含有量であってもよいが、具体的には、穀粉100重量部に対してパン酵母を0.5〜6重量部含むことが好ましい。

0026

本発明のパン生地に練り込まれている油脂組成物は、油脂を主体とする組成物であって、油脂と、L−アスコルビン酸とが含まれており、さらに含気されており、すなわち組成物内部に気体を含むものである。当該油脂組成物は、前記アミラーゼを含むものでよいし、含まないものでもよい。ただし、当該油脂組成物がアミラーゼを含まない場合には、本発明のパン生地は、アミラーゼを別途添加して構成される。なお、パン生地に、互いに異なる複種類の油脂組成物が練り込まれている場合には、その複種類の油脂組成物全体を、本発明のパン生地に練り込まれている油脂組成物とする。ここで、複種類の油脂組成物とは、油脂の種類や量、L−アスコルビン酸配合の有無や量、含気の有無、比重などが互いに異なる複種類の油脂組成物をいう。

0027

前記油脂は、食用の油脂であって融点が25〜45℃の範囲にある油脂であることが好ましい。なお、油脂の融点とは、本発明のパン生地に練り込まれている油脂組成物の油脂全体が示す融点のことをいう。前記油脂の融点は30〜40℃の範囲にあることがより好ましい。前記油脂の融点が25℃より低いと、生地に油脂組成物を混和した直後より油脂が融解し、油脂組成物から気体が放出され、ホイロ中の生地で気体不足となり、ホイロ以降のL−アスコルビン酸によるグルテンの架橋が進まない場合がある。一方、45℃より高いと、ホイロ中油脂の融解が進まないため、油脂組成物から気体が放出されず、ホイロ中の生地で気体不足となり、ホイロ以降のL−アスコルビン酸によるグルテンの架橋が進まない場合がある。なお、油脂の融点は、上昇融点測定法等により測定することができる。

0028

前記油脂の具体的な種類としては食用油脂である限り特に限定されない。例えば、パーム系油脂菜種油大豆油コーン油米油綿実油等の液油パーム核油ヤシ油等のラウリン系油脂牛脂豚脂等の動物脂魚油乳脂肪等や、それらの分別油、エステル交換油極度硬化油等が挙げられる。これらの中から、融点が25〜45℃の範囲にある油脂を適宜選択するか、又は、融点が25〜45℃の範囲に収まるよう複種類の油脂を適宜組み合わせて使用すればよい。

0029

前記油脂組成物には、L−アスコルビン酸が含まれている。すなわち、L−アスコルビン酸は、油脂に包含され分散した状態でパン生地中に含まれている。このようにすると、ホイロ時の温度上昇にあわせて油脂が融解することで、L−アスコルビン酸が油脂から放出され、あわせて油脂に含まれていた気体と接触することで、L−アスコルビン酸がデヒドロアスコルビン酸になるため、ホイロに入ってからグルテンの架橋が進行することとなる。これにより、内相がきめ細かく、ボリューム及び食感が優れたパンを作業性よく製造することが可能となる。なお、L−アスコルビン酸としては、発酵法や合成法などで得られるL−アスコルビン酸や、L−アスコルビン酸の含有量が多いカムカム(CAMUCAMU;学名Myrciariadubia)、アセロラ、オレンジレモン等の果実エキス、粉末、抽出物などを使用すればよい。

0030

本発明において、油脂組成物に含まれるL−アスコルビン酸の量は、パン生地を構成する穀粉100重量部に対して4.0×10−4〜4.0×10−2重量部であることが好ましい。当該量が4.0×10−4重量部より少ないと、グルテンの架橋反応が十分に進まずパンのボリュームが不足する場合があり、4.0×10−2重量部より多いと、グルテンの架橋反応が過剰に進行し、パンの内相が荒れ、食感が悪くなる場合がある。前記L−アスコルビン酸の量は、より好ましくは8.0×10−4〜2.0×10−2重量部、さらに好ましくは1.2×10−3〜1.0×10−2重量部、特に好ましくは1.5×10−3〜5.0×10−3重量部である。

0031

以上のように本発明ではL−アスコルビン酸は油脂組成物に包含された状態でパン生地に含まれており、油脂組成物に包含されずにパン生地に直接分散しているL−アスコルビン酸は含まれないことが好ましい。しかし、一部のL−アスコルビン酸は、本発明の効果を阻害しない範囲において、油脂組成物に包含されずに、パン生地に直接分散されていてもよい。具体的には、油脂組成物に含まれていないがパン生地中に含まれているL−アスコルビン酸の含有量は、穀粉100重量部に対して0重量部以上1×10−2重量部未満であることが好ましい。当該量が1×10−2重量部以上であると、ホイロ前にL−アスコルビン酸がデヒドロアスコルビン酸になるため、パンのボリュームが十分には得られず、内相が荒れ、食感が悪くなる傾向が強い。前記L−アスコルビン酸の量は、好ましくは1×10−3重量部未満であり、より好ましくは5×10−4重量部未満であり、さらに好ましくは1×10−4重量部未満である。

0032

本発明のパン生地に練り込まれている油脂組成物は、内部に気体が含まれているものである。これにより、ホイロの進行に伴い油脂から放出されたL−アスコルビン酸の酸化を促進することができる。油脂組成物内部に含まれる気体としては特に限定されず、例えば、空気、酸素、窒素等であってよいが、L−アスコルビン酸を直接酸化する観点から、酸素を含む気体が好ましく、酸素を5%(体積比)以上含む気体がより好ましい。

0033

油脂組成物の比重は、油脂組成物の気体含有量を示す指標となる。本発明では、油脂組成物の比重が0.2〜0.8g/mLとなるように油脂組成物に含気することが好ましい。なお、油脂組成物の比重とは、本発明のパン生地に練り込まれている油脂組成物全体の比重のことをいう。油脂組成物の比重が0.2g/mLより小さいと、油脂組成物を製造する際に過剰なコストが発生する場合があり、0.8g/mLより大きいと、油脂組成物の気体含有量が少ないため、パン生地中に十分量の気体を混和することができず、L−アスコルビン酸の酸化反応を十分に進められない場合がある。前記油脂組成物の比重は、好ましくは0.3〜0.7g/mLであり、より好ましくは0.4〜0.6g/mLである。

0034

油脂組成物は、全ての油脂組成物の含有量が穀粉100重量部に対して1〜30重量部となるように配合されることが好ましい。油脂組成物の含有量が1重量部より少ないと、パン生地中に十分量の気体を混和することができず、L−アスコルビン酸の酸化反応を十分に進められない場合があり、30重量部より多いと、パン生地に対して油脂組成物の体積が過剰に大きくなり穀粉と油脂組成物の混和が進みにくい場合がある。前記油脂組成物の含有量は、より好ましくは2〜25重量部であり、さらに好ましくは3〜20重量部であり、特に好ましくは3〜15重量部であり、最も好ましくは4〜12重量部である。

0035

油脂組成物は、水分をあまり含まないものであることが好ましく、具体的には、水分量が5重量%以下であることが好ましい。油脂組成物に含まれる水分量が5重量%を超えると、L−アスコルビン酸が水に溶解することで分解が進む場合がある。

0036

本発明のパン生地に練り込まれている油脂組成物は、全体として、上述した油脂の融点、含気、比重、油脂の含有量、及びL−アスコルビン酸の含有量の要件を満足すればよい。これらの要件が互いに異なる複種類の油脂組成物を併用してパン生地に練り込み、それら複種類の油脂組成物の全体として、上述した各要件を満足するように構成することも可能である。このような場合の1つの具体例として、L−アスコルビン酸を含有する油脂組成物と、含気した油脂組成物それぞれをパン生地に練り込むことも可能である。

0037

本発明のパン生地は、上述した成分に加えて、糖類、乳製品食塩酸化防止剤など、パン生地に通常配合される材料を適宜含有することができる。また、本発明のパン生地は、L−アスコルビン酸の酸化反応と共役してグルテンの架橋を進める目的で、L−シスチンを含有してもよい。L−シスチンの含有量は、穀粉100重量部に対して0〜5×10−2重量部が好ましい。当該含有量が5×10−2重量部より多いと、グルテンの架橋反応が過剰に進行して、内相が荒れ、食感が悪くなる場合がある。L−シスチンは、油脂組成物に包含された状態でパン生地に含まれてもよいし、油脂組成物には包含されずにパン生地に直接含まれてもよい。

0038

(パン生地及びパンの製法
本発明のパン生地の製造方法は特に限定されず、油脂組成物が練り込まれたパン生地を製造するための通常の方法を適用することができるが、一例を以下に記載する。まず、常法に従って、穀粉、パン酵母、水、及び、必要に応じてアミラーゼを混合して中種を作製する。次いで、本捏ね材料として、穀粉、1種類又は複種類の油脂組成物、及び水を添加、混合して捏ね上げる。フロアタイム一次発酵)をとった後、ベンチタイム二次発酵)をとってパン生地を得る。このパン生地は成型したものであってもよいし、成型前のものであってもよい。以上により得られたパン生地は、成型及びホイロを行なった後、常法により焼成、フライ、蒸しなどの加熱調理をすることでパンが得られる。ここで前記パンとしては、具体的には食パン、バンズロールパンベーグルバゲットやパリジャン等のフランスパン菓子パン、包あんパン、惣菜パンデニッシュパン、蒸しパン、中華まんじゅうドーナツ等が挙げられる。

0039

この際、1種類の油脂組成物を添加混合する場合には、当該1種類の油脂組成物は、上述した油脂組成物の要件を満足するように構成される。また、複種類の油脂組成物を添加混合する場合には、当該複種類の油脂組成物が全体として、上述した油脂組成物の要件を満足するように各油脂組成物は構成される。ただし、本願でいう油脂組成物は、パン生地に練り込んで使用する油脂組成物のみを意味し、デニッシュパンなどを作製する際にパン生地に折り込んで使用するロールインマーガリンを含むものではない。

0040

(パン生地練り込み用油脂組成物)
本発明のパン生地を容易に製造するためには、上述した油脂組成物の要件を満足する特定のパン生地練り込み用油脂組成物を用いることが好ましい。具体的には、このようなパン生地練り込み用油脂組成物は、合成乳化剤を含まず、融点が25〜45℃の油脂と、L−アスコルビン酸とを含有するものであり、前記油脂組成物全体に対するL−アスコルビン酸の含有量が14〜25000ppmであり、比重が0.2〜0.8g/mLとなるように含気されている。前記L−アスコルビン酸の含有量は、50〜12000ppmが好ましく、100〜10000ppmがより好ましく、110〜5000ppmが更に好ましく、120〜500ppmが特に好ましい。前記L−アスコルビン酸の含有量が14ppm未満であると、本発明のパン生地を製造する際に前記油脂組成物を多量に配合する必要が生じ、穀粉と油脂組成物の混和が進みにくい場合がある。一方、前記含有量が25000ppmを超えると、例えば前記油脂組成物がマーガリンの場合にはその乳化定性が低下する恐れがあり、また、前記油脂組成物がショートニングの場合には製造時に使用する密閉式急冷かきとり捏和装置シール漏れが生じる恐れがあり、いずれの場合も、油脂組成物の製造安定性が低下する恐れがあり、しかも原料コストがかかり、好ましくない。

0041

本発明のパン生地練り込み用油脂組成物は、アミラーゼを含有するものであってよい。アミラーゼを含有する場合、その含有量は、油脂組成物100gに対し5〜15000単位であることが好ましい。より好ましくは30〜10000単位であり、さらに好ましくは50〜5000単位である。油脂組成物におけるアミラーゼの含有量が5単位未満であると、本発明のパン生地を製造する際に前記油脂組成物を多量に配合することになり、穀粉と油脂組成物の混和が進みにくい場合がある。一方、全含有量が15000単位を超えると、パン生地に含まれるアミラーゼの量が過剰になり、生地がべたついて作業性が悪化したり、食感がくちゃついて悪化する場合がある。

0042

ただし、本発明のパン生地練り込み用油脂組成物はアミラーゼを含有しないものであってもよい。この場合、油脂組成物とは別に、アミラーゼを添加することで本発明のパン生地を製造することができる。

0043

また、本発明のパン生地練り込み用油脂組成物は、キシラナーゼを含有するものであってよい。キシラナーゼを含有する場合、その含有量は、油脂組成物100gに対し2〜5000単位であることが好ましい。ただし、本発明のパン生地練り込み用油脂組成物はキシラナーゼを含有しないものであってもよい。この場合、油脂組成物とは別に、キシラナーゼを添加することで、キシラナーゼを含有するパン生地を製造することができる。

0044

本発明のパン生地練り込み用油脂組成物は、単一の組成物であってもよいし、互いに組成が異なる複種類の油脂組成物を組合せてなる組成物であってもよい。このパン生地練り込み用油脂組成物は、パン生地を構成する穀粉100重量部に対する油脂の含有量が1〜30重量部となり、当該油脂組成物に含まれるL−アスコルビン酸の含有量が前記穀粉100重量部に対し4.0×10−4〜4.0×10−2重量部となるような量でパン生地に配合される。これにより、本発明に係るパン生地を容易に製造することができる。

0045

以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。

0046

<融点の測定>
製造例5及び6で得られた油脂組成物の油脂の融点は、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.2.4.2(1996)1996年版」に準拠して測定した。

0047

<比重の測定>
製造例5及び6で得られた油脂組成物を計量カップ(100ml)に入れて、重量(g)を測定し、容量(ml)で除して比重(g/ml)を算出した。

0048

(製造例1)油脂Aの作製
パーム極度硬化油(太陽油脂(株)製、ヨウ素価=1):23重量部、パームステアリン((株)カネカ製、ヨウ素価=33):47重量部、及びパーム核オレイン((株)カネカ製、ヨウ素価=28):30重量部の混合油脂を500Paの減圧下90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換を行なった。水洗した後、500Paの減圧下、90℃において白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色し、240℃、200Paの条件で1時間脱臭してエステル交換油である油脂Aを得た。

0049

(製造例2)油脂Bの作製
パームステアリン((株)カネカ製、ヨウ素価=33):5重量部、パーム油((株)カネカ製、ヨウ素価=52):69重量部、及びパーム核オレイン((株)カネカ製、ヨウ素価=29):26重量部の混合油脂を500Paの減圧下90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換を行なった。水洗した後、500Paの減圧下、90℃において白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色し、240℃、200Paの条件で1時間脱臭してエステル交換油である油脂Bを得た。

0050

(製造例3)油脂Cの作製
パームステアリン((株)カネカ製、ヨウ素価=33):100重量部を500Paの減圧下90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換を行なった。水洗した後、500Paの減圧下、90℃において白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色し、250℃、200Paの条件で1時間脱臭してエステル交換油である油脂Cを得た。

0051

(製造例4)L−アスコルビン酸含有粉末油脂の作製
シアステアリン((株)カネカ製、融点37℃):80重量部を60℃で融解し、L−アスコルビン酸(扶化学工業株式会社製):20重量部を混合して攪拌し、三本ロールで緩やかに冷却して結晶が出始めたところで容器に入れて1日冷蔵した。冷蔵後温度が上がらないように注意しながら三本ロールで粉砕し、L−アスコルビン酸20重量%を含む粉末油脂を得た。

0052

(製造例5)油脂組成物1〜17の作製
表1及び2に記載の配合に従って、油脂組成物1〜17を作製した。即ち、それぞれの油脂を融解して表1及び2に記載の配合比で混合し、さらにL−アスコルビン酸を混合して攪拌した。これを急冷かきとり捏和装置で急冷して、L−アスコルビン酸が分散したショートニング(油脂組成物)を作製した。なお、油脂組成物9は、L−アスコルビン酸の混合時にα−アミラーゼも混合した。油脂組成物1〜12、及び14〜17では含気させており、これらの場合、送液ポンプに窒素、又は空気のボンベを接続し、ガスを吹き込みながらショートニングを作製した。また油脂組成物16は、L−アスコルビン酸を添加せずにショートニングを作製した。各ショートニングの比重、融点、α−アミラーゼの含有量、及び水分量を表1及び2に記載した。なお、表1及び2に記載の各材料の配合量の単位は重量部である。

0053

(製造例6)油脂組成物18の作製
表2に記載の配合に従って、油脂組成物18を作製した。即ち、それぞれの油脂を融解して表2に記載の配合比で混合し、さらにL−アスコルビン酸を分散させ、撹拌しながら水を加えて乳化した。乳化液に空気を吹き込みながら、急冷かきとり捏和装置で急冷し、マーガリン(油脂組成物)を作製した。作製したマーガリンの比重、融点、α−アミラーゼの含有量、及び水分量を表2に記載した。

0054

0055

0056

(実施例1)コッペパンの作製
中種製法に基づき、表3に示す生地組成によってコッペパンを製造した。コッペパンの製造条件を下記に示す。

0057

[コッペパンの製造条件]
中種ミキシング:表3に示した中種配合の材料を製パン用縦型ミキサー(関東ミキサー20コートタイプ)に入れ、低速で3分間、その後中速で2分間混和し、捏ね上げ温度25℃で中種生地を得た。
中種発酵:28℃2時間30分

0058

本捏ミキシング:表3に示した本捏配合の材料のうち油脂組成物1以外の材料を製パン用縦型ミキサー(関東ミキサー20コートタイプ)に入れ、低速で2分間、その後中速で6分間混和し、さらに油脂組成物1を添加した後、低速で2分間、その後中速で6分間混和し、捏ね上げ温度27℃で本捏生地を得た。

0059

フロアタイム:30分
コッペパン用分割:80gずつ12本
比容積測定用分割:300gずつ3本
ベンチタイム:20分

0060

コッペパン用成型:モルダーにてロール型に成型した。
比容積測定用成型:モルダーにてロール型に成型し、1本ずつ型比容積4.1になるようワンローフ型に詰めた。

0061

コッペパン用ホイロ:38℃、相対湿度80%で60分間発酵を行なった。
比容積測定用ホイロ:38℃、相対湿度80%で50分間発酵を行なった。

0062

コッペパン用焼成:菓子パン型に蓋をして、上火210℃、下火190℃で10分間焼成してコッペパンを得た。
比容積測定用焼成:上火200℃、下火200℃で20分間焼成して比容積測定用のパンを得た。

0063

得られたコッペパンにおいて、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)を評価し、比容積測定用のパンを用いてパンのボリュームを評価し、それらの結果を表3に示した。

0064

0065

(実施例2及び3、比較例1及び2)コッペパンの作製
表3の配合に従い、本捏配合でα−アミラーゼの添加量を変えた以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表3に示した。

0066

表3から明らかなように、α−アミラーゼの添加量が生地中の穀粉100gに対して15単位のコッペパン(実施例1)は、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は全て良好であった。また、α−アミラーゼの添加量が生地中の穀粉100gに対して1.5単位のコッペパン(実施例2)は、α−アミラーゼの添加量が15単位のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリュームは同等で、パンの老化抑制とパンの食感は若干劣ったものの品質的には問題のないものであった。また、α−アミラーゼの添加量が生地中の穀粉100gに対して150単位のコッペパン(実施例3)は、α−アミラーゼの添加量が15単位のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの食感で若干劣ったものの品質的には問題のないものであった。一方、α−アミラーゼの添加量が生地中の穀粉100gに対して1.0単位のコッペパン(比較例1)は、α−アミラーゼの添加量が15単位のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリュームは同等以上であったものの、パンの老化抑制とパンの食感が明らかに劣るものであった。また、α−アミラーゼの添加量が生地中の穀粉100gに対して170単位のコッペパン(比較例2)は、α−アミラーゼの添加量が15単位のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンの食感が明らかに劣り、パンのボリュームが不十分なものであった。

0067

(実施例4及び5、比較例3及び4)コッペパンの作製
表4の配合に従い、油脂組成物1を他の油脂組成物2,3,11,12に変更した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表4に示した。

0068

0069

表4から明らかなように、油脂全体の融点が35℃の油脂組成物1を配合したコッペパン(実施例1)は、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は全て良好であった。また、油脂全体の融点が25℃の油脂組成物2を配合したコッペパン(実施例4)は、融点が35℃の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時に生地の損傷が少しあって作業性がやや劣り、そのためにパンの内相、パンのボリューム、パンの食感が若干劣ったものの品質的には問題ないものであった。更に、油脂全体の融点が45℃の油脂組成物3を配合したコッペパン(実施例5)は、融点が35℃の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等であったが、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制及びパンの食感が若干劣ったものの商品性には問題ないものであった。一方、油脂全体の融点が23℃の油脂組成物11を配合したコッペパン(比較例3)は、融点が35℃の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パンの内相が不十分で、パンの食感も劣るものであった。また、油脂全体の融点が48℃の油脂組成物12を配合したコッペパン(比較例4)は、融点が35℃の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等であったが、パンの内相が不十分で、パンの老化抑制と食感の点でも満足できるものではなかった。

0070

(実施例6及び7、比較例5)コッペパンの作製
表5の配合に従い、油脂組成物1を他の油脂組成物4,5,13に変更した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表5に示した。

0071

0072

表5から明らかなように、比重が0.5g/mlの油脂組成物1を配合したコッペパン(実施例1)は、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は全て良好であった。また、比重が0.8g/mlの油脂組成物4を配合したコッペパン(実施例6)は、比重が0.5g/mlの油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等であり、品質的には問題ないものであったが、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感が若干劣った。さらに、比重が0.3g/mlの油脂組成物5を配合したコッペパン(実施例7)は、比重が0.5g/mlの油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性とパンの老化抑制は同等で、内相、ボリューム、食感の何れもより良好なものであった。一方、含気していない比重が0.9g/mlの油脂組成物13を配合したコッペパン(比較例5)は、比重が0.5g/mlの油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等であったが、パンの内相が不十分で、パンの老化抑制と食感も劣っていた。

0073

(実施例8及び9、比較例6及び7)コッペパンの作製
表6の配合に従い、油脂組成物1を他の油脂組成物6,7,14,15に変更した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表6に示した。

0074

0075

表6から明らかなように、油脂組成物1を配合して、穀粉100重量部に対し2.4×10−3重量部のL−アスコルビン酸を含有させたコッペパン(実施例1)は、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は全て良好であった。また、油脂組成物6を配合して、5.0×10−4重量部のL−アスコルビン酸を含有させたコッペパン(実施例8)は、L−アスコルビン酸の含有量が2.4×10−3重量部のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等で、パンの内相、ボリューム、パンの老化抑制、食感は若干劣ったものの商品性は問題ないものであった。更に、油脂組成物7を配合して、3.5×10−2重量部のL−アスコルビン酸を含有させたコッペパン(実施例9)は、L−アスコルビン酸の含有量が2.4×10−3重量部のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性、パンの内相、ボリューム、パンの老化抑制及びパンの食感が何れも若干劣ったものの商品性には問題ないものであった。一方、油脂組成物14を配合して、3.0×10−4重量部のL−アスコルビン酸を含有させたコッペパン(比較例6)は、L−アスコルビン酸の含有量が2.4×10−3重量部のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等であったが、パンの内相、パンのボリュームがともに不十分で、パンの老化抑制と食感も劣るものであった。また、油脂組成物15を配合して、4.8×10−2重量部のL−アスコルビン酸を含有させたコッペパン(比較例7)は、L−アスコルビン酸の含有量が2.4×10−3重量部のコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性が非常に悪く、パンの内相、パンのボリュームがともに不十分で、パンの老化抑制と食感も悪いものであった。

0076

(実施例10)コッペパンの作製
表7の配合に従い、油脂組成物1を、窒素を含気させた油脂組成物8に変更した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表7に示した。

0077

0078

表7から明らかなように、空気を吹き込んだ油脂組成物1を配合したコッペパン(実施例1)は、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は全て良好であった。また、窒素を吹き込んだ油脂組成物8を配合したコッペパン(実施例10)は、空気を吹き込んだ油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等であり、商品性は問題ないものであったが、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は若干劣るものであった。

0079

(実施例11)コッペパンの作製
表7の配合に従い、油脂組成物1を、α−アミラーゼを配合した油脂組成物9に変更し、本捏配合でα−アミラーゼを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表7に示した。

0080

表7から明らかなように、α−アミラーゼを配合した油脂組成物を練り込んで作製した、α−アミラーゼを間接的に含むパン生地を焼成してなる実施例11のコッペパンは、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感の全て良好で、実施例1のコッペパンと同等以上の品質のパンが得られた。

0081

(実施例12)コッペパンの作製
表7の配合に従い、油脂組成物1を、L−アスコルビン酸を含有していない油脂組成物16に変更し、更にL−アスコルビン酸含有粉末油脂(製造例4)を配合した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表7に示した。

0082

表7から明らかなように、L−アスコルビン酸を含有していない油脂組成物16とL−アスコルビン酸含有粉末油脂を併用した実施例12のコッペパンは、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感の全て良好で、実施例1のコッペパンと同等以上の品質のパンが得られた。

0083

(実施例13)コッペパンの作製
表7の配合に従い、本捏配合でキシラナーゼを添加した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表7に示した。

0084

表7から明らかなように、キシラナーゼを添加した実施例13のコッペパンは、キシラナーゼを添加していないコッペパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性、パンのボリュームとパンの老化抑制は同等であり、パンの内相とパンの食感はより好ましいものであった。

0085

(比較例8)コッペパンの作製
表7の配合に従い、油脂組成物1を、L−アスコルビン酸を含有していない油脂組成物16に変更し、更にL−アスコルビン酸を直接生地に配合した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表7に示した。

0086

表7から明らかなように、比較例8のコッペパンは、パンの内相が不十分で、パンの老化抑制と食感も劣るものであった。また、ホイロ後の生地の抗張力は、L−アスコルビン酸を含有する油脂組成物1を配合したパン生地(実施例1)では、250BUと値が高く、ホイロ発酵時のデヒドロアスコルビン酸の架橋効果が発揮されていることが示唆される結果であった。一方、L−アスコルビン酸を直接生地に配合したパン生地(比較例8)では、150BUと値が小さく、デヒドロアスコルビン酸の架橋は十分に起こっていないと思われる結果であり、想定したホイロ発酵でのメカニズムを支持するものであった。

0087

(実施例14、比較例9及び10)コッペパンの作製
表8の配合に従い、油脂組成物1を他の油脂組成物10,15,17に変更し、パン生地中の穀粉100重量部に対するL−アスコルビン酸の含有量が同じになるように夫々の油脂組成物の配合量を変えた以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表8に示した。

0088

0089

表8から明らかなように、穀粉100重量部に対して10重量部の油脂組成物1を配合したコッペパン(実施例1)は、パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感は全て良好であった。また、25重量部の油脂組成物10を配合したコッペパン(実施例14)は、10重量部の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パン生地作製時の作業性は同等で、品質的にも問題ないものであったが、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制とパンの食感が若干劣った。一方、0.5重量部の油脂組成物15を配合したコッペパン(比較例9)は、10重量部の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、全ての項目で劣り、特にパン生地作製時の作業性、パンの内相、パンの老化抑制、パンの食感が悪いものであった。また、35重量部の油脂組成物17を配合したコッペパン(比較例10)は、10重量部の油脂組成物を配合したパン(実施例1)に比べ、パンのボリュームが不足し、パンの内相、パンの老化抑制と食感も劣るものであった。

0090

(実施例15)コッペパンの作製
表8の配合に従い、油脂組成物1を油脂組成物18に変更した以外は、実施例1と同様にしてコッペパンを得た。得られたコッペパンの作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の評価を表8に示した。

0091

表8から明らかなように、水分含量が3重量%の油脂組成物18を配合した食パン(実施例15)は、水分を含有しない油脂組成物1を配合したパン(実施例1)に比べ、パンの内相、ボリューム、パンの食感が若干劣ったものの、品質的には問題ないものであった。

0092

なお、製造例、実施例及び比較例で使用した各材料としては、以下のものを使用した。各材料の配合量の単位は重量部である。
1)(株)カネカ製「菜種油(ヨウ素価:117)」
2)扶桑化学工業(株)製「L−アスコルビン酸」
3)新日本化学工業(株)製「スミチームAS」
4)日清製粉(株)製「カメリヤ
5)東洋精糖(株)製「上白糖
6)(株)カネカ製「イーストGA」
7)全体を100重量部として、塩化アンモニウム(BASF株式会社製):5重量部、炭酸カリウム(備粉化工業株式会社製):0.75重量部、燐酸二水素カルシウム太平化学産業株式会社製):7.5重量部、燐酸二水素アンモニウム(太平化学産業株式会社製):5重量部、コーンスターチ81.75重量部からなるイーストフード
8)キュピータマゴ(株)製「液全卵(殺菌)」
9)公益財団法人事業センター製「精製塩
10)よつ葉乳業(株)製「脱脂粉乳
11)新日本化学工業(株)製「スミチームX」

0093

[捏上後又はホイロ後の生地の抗張力の測定方法
生地の物性は次の手法により、ブラベンダー社製のエクステングラフE型を用いて生地抗張力を測定した。本捏ミキシング直後の生地、分割時の生地、成型時の生地それぞれを150g分割し、すぐにモルダーでロールに成型した。ロール生地をエクステンソグラフの生地ホルダーにセットし、生地の抗張力を測定し、抗張力の最大値を捏上後の生地の抗張力とした。また成型時の生地をエクステンソグラフの生地ホルダーにセットし、ホイロで50分発酵後、抗張力を測定し、抗張力の最大値をホイロ後の生地の抗張力とした。

0094

<捏上後の生地物性評価
捏上後の生地の抗張力であるブラベンダーユニット数値に基づき、生地物性として下記の通り評価した。この評価項目は、パン生地製造時の作業性を示す指標であり、パンの種類に応じた適切な範囲に調整することで、生地作製時の生地損傷が少なく、パン生地の成形性が良くなる。

0095

(コッペパン生地作製時の作業性)
5点:生地作製時の生地損傷が殆どなく、且つ成形性も良好で、作業性が極めて良い(250BU以上、300BU未満)
4点:生地作製時の生地損傷は少なく、且つ成形性も比較的良好で、作業性が良い(200BU以上、250BU未満、又は300BU以上、350BU未満)
3点:生地作製時の生地損傷が少ないが、成形性がやや劣る、或いは生地作製時の生地損傷が若干あるが、成形性は良好で、作業性が普通である(150BU以上、200BU未満、又は350BU以上、400BU未満)
2点:生地作製時の生地損傷が酷い、及び/又は成形性が劣り、作業性が悪い(100BU以上、150BU未満、又は400BU以上、450BU未満)
1点:生地作製時の生地損傷が非常に酷く、且つ成形性も不良で、作業性が非常に悪い(100BU未満、又は450BU以上)

0096

<パンの内相の評価>
コッペパンの内相の評価は、訓練された10名(男性5人、女性5人)のパネラーにより、以下の基準により目視で実施し、それらの平均点評価値とした。
5点:気泡膜が薄く、均一でタテ目である、極めてきめ細かい内相
4点:気泡膜が薄く、均一である、非常にきめ細かい内相
3点:気泡膜が薄く、均一である、きめ細かい内相
2点:気泡膜がやや厚く、不均一で目が詰まっている、ややきめの粗い内相
1点:気泡膜が厚く、不均一で目が詰まっている、きめの粗い内相

0097

焼成パンの比容積測定方法]
比容積測定用に焼成されたパンの体積を、ASTEX社3D LaserScannerで測定し、パンの重量で割った比率を比容積(mL/g)とした。

0098

<コッペパンのボリュームの評価>
コッペパンのボリュームの評価は、以下の基準に従い評価した。
5点:比容積が5.70以上
4点:比容積が5.55以上、5.70未満
3点:比容積が5.40以上、5.55未満
2点:比容積が5.25以上、5.40未満
1点:比容積が5.25未満

0099

<パンの老化抑制の評価>
コッペパンの老化抑制の評価は、コッペパンの保存1日後と4日後のクラムの硬さを下記手法に従い測定し、下記の通り評価した。すなわち、クラムを厚さ20mmで30mm角切り出した後、クリープメータ(株式会社山電製「レオナー」、型番:RE2−3305C)を用いて、テクスチャーモードにて、プランジャー平板型(破断面60mm×60mm)、測定速度:5mm/sec、圧縮率50%の条件で測定し、最大荷重値(N)を得た。そして、保存4日後の最大荷重値及び保存4日後と1日後の最大荷重値の差により、以下の基準で評価した。
5点:老化抑制が極めて良好である。(保存4日後の最大荷重値が3.0N未満、且つ保存4日後と1日後の最大荷重値の差が1.8N未満)
4点:老化抑制が良好である。(保存4日後の最大荷重値が3.4N未満、且つ保存4日後と1日後の最大荷重値の差が2.2N未満であって、保存4日後の最大荷重値が3.0N以上3.4N未満及び/又は保存4日後と1日後の最大荷重値の差が1.8N以上2.2N未満)
3点:老化抑制がやや劣るが、商品性には問題ない。(保存4日後の最大荷重値が3.8N未満、且つ保存4日後と1日後の最大荷重値の差が2.6N未満であって、保存4日後の最大荷重値が3.4N以上3.8N未満及び/又は保存4日後と1日後の最大荷重値の差が2.2N以上2.6N未満)
2点:老化抑制が劣る。(保存4日後の最大荷重値が4.2N未満、且つ保存4日後と1日後の最大荷重値の差が3.0N未満であって、保存4日後の最大荷重値が3.8N以上4.2N未満及び/又は保存4日後と1日後の最大荷重値の差が2.6N以上3.0N未満)
1点:老化抑制が非常に劣る。(保存4日後の最大荷重値が4.2N以上及び/又は保存4日後と1日後の最大荷重値の差が3.0N以上)

0100

<食感の評価>
コッペパンの食感の評価は、訓練された10名(男性5人、女性5人)のパネラーにより、ソフトさ、歯切れの良さ、口溶けの3項目について以下の基準により実施し、評価項目毎のそれらの平均点をそれぞれの項目の評価値とした。そして、上記3項目の平均値を、パンの総合的な食感の評価値とした。

0101

(ソフトさ)
5点:非常にソフトである
4点:ソフトである
3点:ソフトさがやや劣るが、商品としては問題ないレベルである
2点:やや硬さが有り、ソフトさに欠け
1点:硬くて、ソフトでない

0102

(歯切れの良さ)
5点:非常に歯切れが良い
4点:歯切れが良い
3点:歯切れがやや劣るが、商品としては問題ないレベルである
2点:歯切れが悪い
1点: 非常に歯切れが悪い

0103

(口溶け)
5点:非常に口溶けが良い
4点:口溶けが良い
3点:口溶けがやや劣るが、商品としては問題ないレベルである
2点:口溶けが悪い
1点: 非常に口溶けが悪い

実施例

0104

<パンの総合評価
パン生地作製時の作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感(ソフトさ、歯切れの良さ、口溶け)の各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感が全て4.0点以上5.0点以下を満たすもの。
B:作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感が全て3.5点以上5.0点以下であって、且つ3.5以上4.0未満が少なくとも一つあるもの。
C:作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上3.5未満が少なくとも一つあるもの。
D:作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの。
E:作業性、パンの内相、パンのボリューム、パンの老化抑制、パンの食感の評価において、2.0未満が少なくとも一つあるもの。

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