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課題・解決手段

本発明は、反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路(1、1a、1b)、該少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム(2)、該少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通する排出システム(3)であって、第2の端部は第1の端部の下流に位置し、排出システムは第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された該排出システム、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れに振動流を重ね合わせるように構成され、振動は該少なくとも1つの流路の少なくとも一部で生じる振動システム(4、5)及び第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように流入システムを制御し、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせるように振動システムを制御し、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応するように導入された物質から該流路内に形成された反応生成物を継続的に抽出するよう排出システムを制御するコントローラを備える反応器による、有機過酸化物の連続調製のための方法及び装置(10、20)に関する。

概要

背景

有機過酸化物は、ポリマーの調製における開始剤として、又は医療用製剤及び複雑な化学合成における酸化剤として重要な役割を果たす。

有機過酸化物は、十分に低い温度に保たれていないと自己加速発熱反応で分解することが知られている感熱性反応性の高い化合物である。それぞれの自己加速反応の開始及び進行は、温度だけでなく、それぞれの有機過酸化物が保持される放熱条件にも依存する。したがって、発熱分解が開始し得る最低温度を規定するSADT(自己加速分解温度)は絶対値を表すものではなく、それぞれの有機過酸化物が保持される条件も反映する。より小さいパッケージは、通常、より大きいパッケージよりも高い表面/体積比を有し、したがってより高いSADTをもたらすより良好な放熱条件を有する。

それらの熱的不安定性のために、有機過酸化物の合成は、あらゆる重大な事故を避けるために非常に正確な温度制御を必要とする。それぞれの製造方法又は調製方法は、不混和相二相又は多相反応を用いるので、満足できる反応速度を達成するためには反応成分の完全な混合が必要である。

有機過酸化物は、不連続又は連続方法で製造することができる。不連続方法では、反応物は全て反応器充填される(バッチ反応)か、又は1つの反応物又は触媒が反応器に提供された他の反応物に投与される(半バッチ反応)。そのような反応器で利用可能な反応容積冷却表面との間の比は通常高く、そのことにより正確な温度制御が困難であり、したがって1ロット内で安全に生成される有機過酸化物の量が制限される。

したがって、より大量の生産量のためには、出発物質の供給及び最終生成物の抽出が連続的に行われる連続調製方法が好ましい。

L. Fritzsche及びA. Knorrは、「Transformation of the 2nd step of a peroxyester synthesis from semi−batch to continuous mode」、Chemical Engineering and Processing 70(2013)217−221において、半バッチモードから連続モードへの有機過酸化物合成の転換を記載する。この反応は、混合の改善及び相境界の界面の増加ひいては2相間のより良好な物質移動のために、超音波に曝された管状の連続流動反応器内で行われる。

「Continuous synthesis of a high energetic substance using small scale reactors」、Chemical Engineering Transactions、32(2013)685−690では、L. Fritzsche及びA. Knorrは、2つの蛇行するチャンネルがそれらの長さ全体に沿って繰り返し分かれ、再結合する「分割及び再結合」(SAR)反応器を記載する。SAR反応器は、超音波の適用によるTBPEH(tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)合成に使用される。

文献WO2008/006666A1号は、例えば、2つの反応ゾーンを有する反応器を使用するアシ過酸化物の連続的な調製方法を記載する。第1の反応ゾーンは二相反応合物の大部分が冷却ループ内で循環され、その一部、より正確には循環容量の20%〜50%の間が第2の反応ゾーンに供給され、対応する量の新たに供給された出発物質と置き換えられるループ反応器として構成される。第2の反応ゾーンは、2つ以上の反応セル直列に接続され、反応セルの各々の内容物が少なくとも1つの攪拌器によって混合される撹拌セル反応器によって形成される。反応セルは、下流の反応セルから上流の反応セルへの反応混合物の実質的な逆混合がないように、互いに接続される。有機過酸化物の連続的な調製を可能にするが、第2の反応ゾーンでの処理は、連続フロースルー反応器ではなくCSTR(連続攪拌タンク反応器)のシーケンスを表す。何故なら、第2の反応ゾーンは、各セルは、指定された期間、総反応容積のある部分を処理するセルのカスケード組織化されるからである。セル処理のために、冷却表面と反応混合物の体積との間の比は、第2の反応ゾーンでは依然として比較的不十分であり、したがって反応器の処理量が制限されるか、又は多数の反応セルが必要とされる。連続流反応とは異なり、攪拌は、転化が進んだ状態の部分と転化がまだ不十分な部分の再混合をもたらす。このため、CSTRは、良好な最終転化を得るために多数のセルを必要とする。再混合のさらなる結果として、機械的撹拌機は相の微細分散混合をもたらさず、比較的低い転化率及び/又は長い滞留時間(反応混合物が反応器を通過するのに要する時間)をもたらす。

例えば、管型反応器プレート型反応器等のフロースルー反応器により、連続流中で有機過酸化物の連続的な調製が可能になる。フロースルー反応器は、反応混合物が通過するための少なくとも1つの反応器流路を含み、それにより2つ以上の反応器流路が使用される場合、流路並列及び/又は直列に接続され得る。反応混合物が反応器流路を通って連続的に流れるので、反応成分の局所濃度は、基本的に、反応混合物が反応器流路の長さに沿ってそれぞれの位置まで横断する距離の関数であり、プラグ流反応器モデルによって説明することができる。換言すれば、反応混合物成分の濃度は、その流れ方向に沿ってのみ変化し、流れ方向に対して横断する勾配を有さないと推測される。

フロースルー反応器における相混合は、通常、乱流、即ち、主流方向と異なる方向を有する不規則な局所流を作り出すことによって達成される。乱流は、高流速(通常3,000程度以上のレイノルズ数によって特徴付けられる)又はバッフルのような流路への方向転換手段(例えば、WO1999/55457A1号参照)を導入することによって、又は流路壁凹凸(例えば、国際公開第2006/092360A1号に開示されているようならせん形突起はくぼみ)によって、又は反応流路又は流路方向の変化(例えば、WO2012/095176A1号に記載)によって、又は流れの分割及び再結合(WO2014/044624A1号に記載のヘリンボーン構造)によって生成される。乱流は、有機過酸化物の合成に存在する不混和相の完全な混合を提供するだけでなく、通常、攪拌器等の機械的撹拌手段で可能なものよりも小さい最大液滴サイズをもたらす。最大液滴サイズが小さいほど、大きな反応表面が得られ、反応速度が速くなり、したがって反応時間が短くなる。乱流に基づく混合は可動部分を必要としないので、それぞれの反応器は静的ミキサーとも呼ばれる。

有機過酸化物を合成するための処理条件は、いわゆるミニリアクターを使用することによって改善することができる。ミニリアクターは、ミリメートル(ミリリアクター)又はさらにはマイクロメートル(マイクロリアクター)の範囲で(主流方向に対して横断する)流路寸法を有することを特徴とする。ミニリアクターの使用により、局所的な反応容積が著しく減少すると同時に、冷却に利用可能な反応器流路表面と反応器流路体積との比が増加する。これにより、局所的な体積が小さくなると共に調製方法の安全性を向上させる局所的な反応温度の制御の改善が可能となる。

連続フロースルーミニリアクターの1つの例は、例えば、文献WO2007/125091A1号に記載されているプレート交換器である。プレート交換器は、反応器流路及びそれらの間に熱交換流路を形成するように配置された3つのプレートを含む。2つの反応器流路が直列に接続された反応器は、有機過酸化物を合成するために使用することができる。2つの反応物は、2つの反応器流路のうちの第1の反応器流路に供給されて中間生成物を形成し、この中間生成物は次いで第3の反応物と共に2つの反応流路の他方に供給されて最終生成物を形成する。熱伝導流体が、反応熱消散させるための熱交換流路を通って流れる。

連続フロースルーミニリアクターの別の例は、WO2014/044624A1号に開示されている。この反応器は、傾斜した歯を有する少なくとも2つの櫛状構造を含む。この2つの構造のうちの一方は、2つの構造の歯が交差するように他方の構造の上に配置される。このように組み合わされた構造体はその上面と底面を覆うハウジング内に配置されて、流体がその流れ方向を繰り返し変えるように強制される交差経路を形成する。有機過酸化物の調製を可能にするために、ハウジングは、冷却液を通す管の中に配置される。

国際公開第2012/095176A1号に開示されているフロースルーミニリアクターは、経路方向繰り返し変化する反応流路を提供する。反応流路は、さらなるプレートによって覆われたプレート内に形成される。乱流を強化し、処理された流体の混合を改善するために、振動流が流体の定常流に重ね合わされる。

振動流は、出発物質用の入口と最終生成物用の出口との間の領域に制限され、反応器内で繰り返し高い流速を生じる。「振動流」という用語は、時間による流速の変化を意味し、そのため振動流の平均流速はゼロに等しい。したがって、振動流を定常流に重ね合わせると、平均流速は定常流の速度によって与えられる。しかし、一時的により高い流速のために、反応混合物成分のより効率的な混合をもたらすより強い乱流が生成される。平均流速は依然として定常流速に等しいので、反応混合物の滞留時間は振動流の影響を受けない。

定常流に振動流を重ね合わせることは、US4,271,007号特許明細書に、高温炭化水素分解に使用される管状反応器の壁上に固体堆積するのを防止するための適切な手段として既に記載されている。使用した振動数は115Hzであった。国際公開第2012/095176A1号には、反応器流路が反復経路の変化を伴って構成されるミニリアクター内の振動流の使用が記載されている。振動流は、反応器内の固体材料の堆積が防止され、反応器の沈降、汚染又は目詰まり心配する必要のないように、処理される懸濁液を効果的に混合するために定常流に重ね合わされる。

連続流反応器中での有機過酸化物の調製は、現時点で局所流速が経時的に変化しない定常流条件下で行われる。反応混合物中の成分の必要な混合を達成するために、反応混合物の流速は、乱流条件を引き起こすのに十分高くなければならない。これに関連して、乱流は無秩序の流れ条件を導入するが、反応器の一部分(流路の長さ)を通る流速は一般に時間と共に変化せず、したがって定常流条件という用語はこの文書では、反応器の経路の長さに沿って流体の動きパターンが時間とともに変化しない乱流に使用される。本明細書で使用される「定常流」という用語は、(場合によってはゆっくり及び/又はわずかに変化する)一定流速だけでなく、休止時間が反応時間よりも、例えば、10倍以上のはるかに短い脈動流のような多かれ少なかれ間欠流れし特性も指す。

有機過酸化物の合成は比較的低温で実施しなければならないので、必要な反応時間は比較的長い。定常流条件下で操作されるフロースルー反応器中で所望の程度までそれぞれの合成を完結させるために、反応混合物は必要な反応時間の全体にわたって反応器内に存在しなければならない。出発物質の導入とこれらの出発物質から合成された最終生成物の出力との間に経過する時間の長さは滞留時間と呼ばれ、上記の反応時間に対応する。反応混合物の流速と共に、この時間は必要とされる反応経路の長さを規定する。必要な流速が高く、滞留時間が長くなればなるほど、経路を規定する流路が長くなる。

有機過酸化物の合成は、反応媒体の効率的な温度制御も必要とする。したがって、流路の横方向の寸法、即ち、それによって規定される流れ方向を横切る寸法は、少なくとも一方向において、有効な熱伝達保証するのに十分小さいものでなければならない。このような断面の制約から、長い流路はそれに応じて高い流動抵抗を意味する。高い流動抵抗は、ひいては取り扱いが困難である相当な圧力低下をもたらし、それぞれの反応器の実施を技術的に困難なものにする可能性がある。加えて、長い反応流路はまた、過酸化物の場合に重大な危険をもたらす大きな反応容積を意味する。

したがって、連続フロースルー条件下で有機過酸化物の安全で大規模な合成を可能にする方法及び装置が望まれている。

概要

本発明は、反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路(1、1a、1b)、該少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム(2)、該少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通する排出システム(3)であって、第2の端部は第1の端部の下流に位置し、排出システムは第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された該排出システム、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れに振動流を重ね合わせるように構成され、振動は該少なくとも1つの流路の少なくとも一部で生じる振動システム(4、5)及び第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように流入システムを制御し、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせるように振動システムを制御し、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応するように導入された物質から該流路内に形成された反応生成物を継続的に抽出するよう排出システムを制御するコントローラを備える反応器による、有機過酸化物の連続調製のための方法及び装置(10、20)に関する。

目的

国際公開第2012/095176A1号に開示されているフロースルーミニリアクターは、経路方向が繰り返し変化する反応流路を提供する

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請求項1

有機過酸化物の連続調製のための方法であって、反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路(1、1a、1b)、前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを前記少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム(2)、前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)の第2の端部と流体連通する排出システム(3)であって、前記第2の端部が前記第1の端部の下流に位置し、前記排出システムが前記第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された、排出システム、及び前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)を通過する物質の流れに振動流を重ね合わせるように構成され、前記振動が前記少なくとも1つの流路の少なくとも一部で生じる振動システム(4、5)を有する連続流反応器(10、20)を提供する工程、前記流入システム(2)を使用して第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)に導入する工程(S1)、前記振動システム(4、5)の使用により、前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせて、物質の流れに乱流を発生させる工程(S2)、導入された前記物質から前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)に形成された反応生成物を継続的に排出システム(3)を使用して抽出する工程であって、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応する、工程(S3)を含む該方法。

請求項2

前記連続流反応器(10)を提供する工程が、前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)の長さに沿って温度プロファイルを制御するように適合された温度制御システム(6、6a、6b)をさらに有する反応器を提供することを含み、前記方法が、前記温度制御システム6、6a、6b)を使用して前記少なくとも1つの流路(1、1a、1b)に沿って温度プロファイルを制御する工程(S4)をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記第1の時間特性にしたがって前記少なくとも2つの物質を導入することが、前記2つの物質の少なくとも1つを一定又は脈動的に導入することを含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記少なくとも1つの流路(1)を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせる工程が、第1の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通する振動流発生装置(4)及び第1の位置とは異なる第2の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通する油圧式アキュムレータを有する振動システムを使用することを含む、請求項1、2又は3に記載の方法。

請求項5

前記連続流反応器を提供する工程が、少なくとも1つの流路(1)が第1の流路(1a)及び第2の流路(1b)を有する反応器(20)を提供することを含み、前記第1の流路の第1の端部が前記流入システム(2)と流体連通し、前記第1の流路の第2の端部が第2の流路(1b)の第1の端部と流体連通し、前記反応器が、前記第1の流路(1a)の第2の端部から出た反応混合物の一部を該第2の端部の上流の前記第1の流路に再導入するように構成された再循環システム(9、7、4)をさらに備え、前記方法が、前記再循環システムを用いて、前記第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部を該第2の端部の上流の前記第1の流路に再導入する工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記連続流反応器を提供する工程が、直列に接続された3つの流路モジュールによって形成される前記第1の流路(1a)を提供することを含み、それにより、第1の流路モジュール(1ai)及び第2の流路モジュール(1aii)が、それぞれ分割−再結合反応器によって形成され、第3の流路モジュール(1aiii)が、蛇行流路反応器によって形成され、流入システム(2a、2b)が、前記第1の流路モジュール(1ai)の第1の入口に第1の物質を導入し、前記第2の流路モジュール(1aii)の第1の入口に第2の物質を導入するよう構成され、前記第1の流路モジュール(1ai)の出口が前記第2の流路モジュール(iaii)の第2の入口と流体連通し、前記第2の流路モジュール(iaii)の出口が前記第3の流路モジュール(1aiii)の入口と流体連通し、前記第3の流路モジュール(1aiii)の出口が、前記第3の流路モジュール(1aiii)から出た反応混合物の一部を前記第1の流路モジュール(1ai)の第2の入口に再導入するように構成された再循環システムと流体連通する、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記再循環システム(9、7、4)が前記振動流発生装置(4)を備え、前記油圧式アキュムレータ(5)が前記第2の流路の第2の端部と流体連通する、請求項4に従属する場合の請求項5又は6に記載の方法。

請求項8

前記温度制御システムを使用して前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御する工程が、第1の熱交換システム(6a)及び第2の熱交換システム(6b)を有し、前記第2の流路に沿った温度プロファイルとは異なる前記第1の流路に沿った温度プロファイルを制御するための温度制御システム(6)の使用を含み、前記第1の熱交換システムが前記第1の流路(1a)との熱交換に適合され、前記第2の熱交換システムが前記第2の流路(1b)との熱交換に適合される、請求項2に従属する場合の請求項5、6又は7に記載の方法。

請求項9

前記連続流反応器を提供する工程が、1つ以上の物質を前記少なくとも1つの流路(1)の第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路(1)に導入するように構成された追加の流入システム(8)をさらに有する反応器を提供することを含み、前記方法が、第2の時間特性にしたがって1つ以上の追加の物質を前記少なくとも1つの流路の第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路に導入する工程をさらに含み、前記排出システムによってもたらされる出力質量流速が追加の入力質量流速も含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記連続流反応器を提供する工程が、振動システムが0.1Hz〜500Hzの間、好ましくは1〜50Hzの間、より好ましくは2Hz〜25Hzの間の周波数を有する振動流を生成するように構成された反応器を提供することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記連続流反応器を提供する工程が、振動システムが第1の時間特性の平均流速の1〜500倍の範囲の最大流速を有する振動流を生成するように構成された反応器を提供することを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記流入システムが、先行する反応器と流体連通し、前処理された反応混合物に対応する物質の組合せを前記先行する反応器から前記少なくとも1つの流路に移動させるように構成され、及び/又は、前記排出システムが、後続の反応器と流体連通し、前記第2の端部に存在する反応生成物を前記後続の反応器に移動させるように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

調製される前記有機過酸化物が、以下の過酸化物種類、即ち、ジアシルペルオキシドペルオキシエステルペルオキシカーボネートエステルペルオキシジカーボネートヒドロペルオキシドジアルキルペルオキシドケトンペルオキシド、ペルオキシケタールモノペルオキシケタール、ペルオキシカルボン酸及びそれらの混合物の1つから選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路(1、1a、1b)、前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを前記少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム(2)、前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通し、前記第2の端部が前記第1の端部の下流に配置され、前記第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された排出システム(3)、前記少なくとも1つの流路を通過する物質の流れに振動流を重ね合わせるように構成された振動システム(4、5)であって、前記振動が前記少なくとも1つの流路の少なくとも一部で生じる振動システム、及び第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを前記少なくとも1つの流路に導入するように前記流入システムを制御し、前記少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせるように前記振動システムを制御し、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応するように導入された前記物質から前記流路内に形成された反応生成物を継続的に抽出するよう前記排出システムを制御するコントローラを備える、好ましくは有機過酸化物を調製するための連続流反応器。

請求項15

前記流路の長さに沿って温度プロファイルを制御するように適合された温度制御システム(6、6a、6b)をさらに備え、前記コントローラが、前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御するよう前記温度制御システムを制御するようにさらに適合された、請求項14に記載の連続流反応器。

請求項16

前記振動システムが、第1の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通するように取り付けられた振動流発生装置(4)と、前記第1の位置とは異なる第2の位置で前記第1の流路と流体連通するように取り付けられた油圧式アキュムレータ(5)とを含む、請求項14又は15に記載の連続流反応器。

請求項17

前記少なくとも1つの流路(1)が、第1の流路(1a)及び第2の流路(1b)を含み、前記第1の流路の第1の端部が前記流入システム(2)と流体連通し、前記第1の流路の第2の端部が前記第2の流路(1b)の第1の端部と流体連通し、前記反応器が、前記第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部を該第2の端部の上流の前記第1の流路に再導入するように構成された再循環システム(9、7、4)をさらに備え、前記コントローラが、前記第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部を該第2の端部の上流の前記第1の流路に再導入するように前記再循環システムを制御するようにさらに適合された、請求項14から16のいずれか一項に記載の連続流反応器。

請求項18

前記第1の流路(1a)が、直列に接続された3つの流路モジュールによって形成され、それにより、第1の流路モジュール(1ai)及び第2の流路モジュール(1aii)が、それぞれ分割−再結合反応器によって形成され、第3の流路モジュール(1aiii)が、蛇行流路反応器によって形成され、流入システム(2a、2b)が、前記第1の流路モジュール(1ai)の第1の入口に第1の物質を導入し、前記第2の流路モジュール(1aii)の第1の入口に第2の物質を導入するよう構成され、前記第1の流路モジュール(1ai)の出口が、前記第2の流路モジュール(iaii)の第2の入口と流体連通し、前記第2の流路モジュール(iaii)の出口が、前記第3の流路モジュール(1aiii)の入口と流体連通し、前記第3の流路モジュール(1aiii)の出口が、前記第3の流路モジュール(1aiii)から出た反応混合物の一部を前記第1の流路モジュール(1ai)の第2の入口に再導入するように構成された再循環システムと流体連通する、請求項17に記載の連続流反応器。

請求項19

前記再循環システムが前記振動流発生装置(4)を備え、前記油圧式アキュムレータ(5)が前記第2の流路の第2の端部と流体連通する、請求項16に従属する場合の請求項17又は18に記載の連続流反応器。

請求項20

前記温度制御システム(6)が、第1の熱交換システム(6a)及び第2の熱交換システム(6b)を備え、前記第1の熱交換システムが前記第1の流路(1a)との熱交換に適合され、前記第2の熱交換システムが前記第2の流路との熱交換に適合され、前記コントローラが前記第2の流路に沿った温度プロファイルとは異なる前記第1の流路に沿った温度プロファイルを制御するようにさらに適合される、請求項15に従属する場合の請求項17から19のいずれか一項に記載の連続流反応器。

請求項21

1つ以上の物質を前記少なくとも1つの流路(1)の第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路(1)に導入するように構成された少なくとも1つの追加の流入システム(8)をさらに備え、前記コントローラが、第2の時間特性にしたがって1つ以上の追加の物質を前記少なくとも1つの流路の第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路に導入するよう前記追加の流入システムを制御し、追加の入力質量流速も含む出力質量流速を生じるように前記排出システムを制御するようにさらに構成される、請求項14から20のいずれか一項に記載の連続流反応器。

請求項22

前記振動システムが、0.1Hz〜500Hzの間、好ましくは1〜50Hzの間、より好ましくは2Hz〜25Hzの間の周波数を有する振動流を生成するように構成される、請求項14から21のいずれか一項に記載の連続流反応器。

請求項23

前記振動システムが、前記第1の時間特性の平均流速の1〜500倍の範囲の最大流速を有する振動流を生成するように構成される、請求項14から22のいずれか一項に記載の連続流反応器。

技術分野

0001

本発明は、有機過酸化物の効率的かつ安全な合成に関し、特に、振動流条件下での有機過酸化物の連続合成に関する。

背景技術

0002

有機過酸化物は、ポリマーの調製における開始剤として、又は医療用製剤及び複雑な化学合成における酸化剤として重要な役割を果たす。

0003

有機過酸化物は、十分に低い温度に保たれていないと自己加速発熱反応で分解することが知られている感熱性反応性の高い化合物である。それぞれの自己加速反応の開始及び進行は、温度だけでなく、それぞれの有機過酸化物が保持される放熱条件にも依存する。したがって、発熱分解が開始し得る最低温度を規定するSADT(自己加速分解温度)は絶対値を表すものではなく、それぞれの有機過酸化物が保持される条件も反映する。より小さいパッケージは、通常、より大きいパッケージよりも高い表面/体積比を有し、したがってより高いSADTをもたらすより良好な放熱条件を有する。

0004

それらの熱的不安定性のために、有機過酸化物の合成は、あらゆる重大な事故を避けるために非常に正確な温度制御を必要とする。それぞれの製造方法又は調製方法は、不混和相二相又は多相反応を用いるので、満足できる反応速度を達成するためには反応成分の完全な混合が必要である。

0005

有機過酸化物は、不連続又は連続方法で製造することができる。不連続方法では、反応物は全て反応器充填される(バッチ反応)か、又は1つの反応物又は触媒が反応器に提供された他の反応物に投与される(半バッチ反応)。そのような反応器で利用可能な反応容積冷却表面との間の比は通常高く、そのことにより正確な温度制御が困難であり、したがって1ロット内で安全に生成される有機過酸化物の量が制限される。

0006

したがって、より大量の生産量のためには、出発物質の供給及び最終生成物の抽出が連続的に行われる連続調製方法が好ましい。

0007

L. Fritzsche及びA. Knorrは、「Transformation of the 2nd step of a peroxyester synthesis from semi−batch to continuous mode」、Chemical Engineering and Processing 70(2013)217−221において、半バッチモードから連続モードへの有機過酸化物合成の転換を記載する。この反応は、混合の改善及び相境界の界面の増加ひいては2相間のより良好な物質移動のために、超音波に曝された管状の連続流動反応器内で行われる。

0008

「Continuous synthesis of a high energetic substance using small scale reactors」、Chemical Engineering Transactions、32(2013)685−690では、L. Fritzsche及びA. Knorrは、2つの蛇行するチャンネルがそれらの長さ全体に沿って繰り返し分かれ、再結合する「分割及び再結合」(SAR)反応器を記載する。SAR反応器は、超音波の適用によるTBPEH(tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)合成に使用される。

0009

文献WO2008/006666A1号は、例えば、2つの反応ゾーンを有する反応器を使用するアシ過酸化物の連続的な調製方法を記載する。第1の反応ゾーンは二相反応合物の大部分が冷却ループ内で循環され、その一部、より正確には循環容量の20%〜50%の間が第2の反応ゾーンに供給され、対応する量の新たに供給された出発物質と置き換えられるループ反応器として構成される。第2の反応ゾーンは、2つ以上の反応セル直列に接続され、反応セルの各々の内容物が少なくとも1つの攪拌器によって混合される撹拌セル反応器によって形成される。反応セルは、下流の反応セルから上流の反応セルへの反応混合物の実質的な逆混合がないように、互いに接続される。有機過酸化物の連続的な調製を可能にするが、第2の反応ゾーンでの処理は、連続フロースルー反応器ではなくCSTR(連続攪拌タンク反応器)のシーケンスを表す。何故なら、第2の反応ゾーンは、各セルは、指定された期間、総反応容積のある部分を処理するセルのカスケード組織化されるからである。セル処理のために、冷却表面と反応混合物の体積との間の比は、第2の反応ゾーンでは依然として比較的不十分であり、したがって反応器の処理量が制限されるか、又は多数の反応セルが必要とされる。連続流反応とは異なり、攪拌は、転化が進んだ状態の部分と転化がまだ不十分な部分の再混合をもたらす。このため、CSTRは、良好な最終転化を得るために多数のセルを必要とする。再混合のさらなる結果として、機械的撹拌機は相の微細分散混合をもたらさず、比較的低い転化率及び/又は長い滞留時間(反応混合物が反応器を通過するのに要する時間)をもたらす。

0010

例えば、管型反応器プレート型反応器等のフロースルー反応器により、連続流中で有機過酸化物の連続的な調製が可能になる。フロースルー反応器は、反応混合物が通過するための少なくとも1つの反応器流路を含み、それにより2つ以上の反応器流路が使用される場合、流路並列及び/又は直列に接続され得る。反応混合物が反応器流路を通って連続的に流れるので、反応成分の局所濃度は、基本的に、反応混合物が反応器流路の長さに沿ってそれぞれの位置まで横断する距離の関数であり、プラグ流反応器モデルによって説明することができる。換言すれば、反応混合物成分の濃度は、その流れ方向に沿ってのみ変化し、流れ方向に対して横断する勾配を有さないと推測される。

0011

フロースルー反応器における相混合は、通常、乱流、即ち、主流方向と異なる方向を有する不規則な局所流を作り出すことによって達成される。乱流は、高流速(通常3,000程度以上のレイノルズ数によって特徴付けられる)又はバッフルのような流路への方向転換手段(例えば、WO1999/55457A1号参照)を導入することによって、又は流路壁凹凸(例えば、国際公開第2006/092360A1号に開示されているようならせん形突起はくぼみ)によって、又は反応流路又は流路方向の変化(例えば、WO2012/095176A1号に記載)によって、又は流れの分割及び再結合(WO2014/044624A1号に記載のヘリンボーン構造)によって生成される。乱流は、有機過酸化物の合成に存在する不混和相の完全な混合を提供するだけでなく、通常、攪拌器等の機械的撹拌手段で可能なものよりも小さい最大液滴サイズをもたらす。最大液滴サイズが小さいほど、大きな反応表面が得られ、反応速度が速くなり、したがって反応時間が短くなる。乱流に基づく混合は可動部分を必要としないので、それぞれの反応器は静的ミキサーとも呼ばれる。

0012

有機過酸化物を合成するための処理条件は、いわゆるミニリアクターを使用することによって改善することができる。ミニリアクターは、ミリメートル(ミリリアクター)又はさらにはマイクロメートル(マイクロリアクター)の範囲で(主流方向に対して横断する)流路寸法を有することを特徴とする。ミニリアクターの使用により、局所的な反応容積が著しく減少すると同時に、冷却に利用可能な反応器流路表面と反応器流路体積との比が増加する。これにより、局所的な体積が小さくなると共に調製方法の安全性を向上させる局所的な反応温度の制御の改善が可能となる。

0013

連続フロースルーミニリアクターの1つの例は、例えば、文献WO2007/125091A1号に記載されているプレート交換器である。プレート交換器は、反応器流路及びそれらの間に熱交換流路を形成するように配置された3つのプレートを含む。2つの反応器流路が直列に接続された反応器は、有機過酸化物を合成するために使用することができる。2つの反応物は、2つの反応器流路のうちの第1の反応器流路に供給されて中間生成物を形成し、この中間生成物は次いで第3の反応物と共に2つの反応流路の他方に供給されて最終生成物を形成する。熱伝導流体が、反応熱消散させるための熱交換流路を通って流れる。

0014

連続フロースルーミニリアクターの別の例は、WO2014/044624A1号に開示されている。この反応器は、傾斜した歯を有する少なくとも2つの櫛状構造を含む。この2つの構造のうちの一方は、2つの構造の歯が交差するように他方の構造の上に配置される。このように組み合わされた構造体はその上面と底面を覆うハウジング内に配置されて、流体がその流れ方向を繰り返し変えるように強制される交差経路を形成する。有機過酸化物の調製を可能にするために、ハウジングは、冷却液を通す管の中に配置される。

0015

国際公開第2012/095176A1号に開示されているフロースルーミニリアクターは、経路方向繰り返し変化する反応流路を提供する。反応流路は、さらなるプレートによって覆われたプレート内に形成される。乱流を強化し、処理された流体の混合を改善するために、振動流が流体の定常流に重ね合わされる。

0016

振動流は、出発物質用の入口と最終生成物用の出口との間の領域に制限され、反応器内で繰り返し高い流速を生じる。「振動流」という用語は、時間による流速の変化を意味し、そのため振動流の平均流速はゼロに等しい。したがって、振動流を定常流に重ね合わせると、平均流速は定常流の速度によって与えられる。しかし、一時的により高い流速のために、反応混合物成分のより効率的な混合をもたらすより強い乱流が生成される。平均流速は依然として定常流速に等しいので、反応混合物の滞留時間は振動流の影響を受けない。

0017

定常流に振動流を重ね合わせることは、US4,271,007号特許明細書に、高温炭化水素分解に使用される管状反応器の壁上に固体堆積するのを防止するための適切な手段として既に記載されている。使用した振動数は115Hzであった。国際公開第2012/095176A1号には、反応器流路が反復経路の変化を伴って構成されるミニリアクター内の振動流の使用が記載されている。振動流は、反応器内の固体材料の堆積が防止され、反応器の沈降、汚染又は目詰まり心配する必要のないように、処理される懸濁液を効果的に混合するために定常流に重ね合わされる。

0018

連続流反応器中での有機過酸化物の調製は、現時点で局所流速が経時的に変化しない定常流条件下で行われる。反応混合物中の成分の必要な混合を達成するために、反応混合物の流速は、乱流条件を引き起こすのに十分高くなければならない。これに関連して、乱流は無秩序の流れ条件を導入するが、反応器の一部分(流路の長さ)を通る流速は一般に時間と共に変化せず、したがって定常流条件という用語はこの文書では、反応器の経路の長さに沿って流体の動きパターンが時間とともに変化しない乱流に使用される。本明細書で使用される「定常流」という用語は、(場合によってはゆっくり及び/又はわずかに変化する)一定流速だけでなく、休止時間が反応時間よりも、例えば、10倍以上のはるかに短い脈動流のような多かれ少なかれ間欠流れし特性も指す。

0019

有機過酸化物の合成は比較的低温で実施しなければならないので、必要な反応時間は比較的長い。定常流条件下で操作されるフロースルー反応器中で所望の程度までそれぞれの合成を完結させるために、反応混合物は必要な反応時間の全体にわたって反応器内に存在しなければならない。出発物質の導入とこれらの出発物質から合成された最終生成物の出力との間に経過する時間の長さは滞留時間と呼ばれ、上記の反応時間に対応する。反応混合物の流速と共に、この時間は必要とされる反応経路の長さを規定する。必要な流速が高く、滞留時間が長くなればなるほど、経路を規定する流路が長くなる。

0020

有機過酸化物の合成は、反応媒体の効率的な温度制御も必要とする。したがって、流路の横方向の寸法、即ち、それによって規定される流れ方向を横切る寸法は、少なくとも一方向において、有効な熱伝達保証するのに十分小さいものでなければならない。このような断面の制約から、長い流路はそれに応じて高い流動抵抗を意味する。高い流動抵抗は、ひいては取り扱いが困難である相当な圧力低下をもたらし、それぞれの反応器の実施を技術的に困難なものにする可能性がある。加えて、長い反応流路はまた、過酸化物の場合に重大な危険をもたらす大きな反応容積を意味する。

0021

したがって、連続フロースルー条件下で有機過酸化物の安全で大規模な合成を可能にする方法及び装置が望まれている。

0022

国際公開第2008/006666号
国際公開第1999/55457号
国際公開第2006/092360号
国際公開第2012/095176号
国際公開第2014/044624号
国際公開第2007/125091号
米国特許第4,271,007号明細書

先行技術

0023

L. Fritzsche及びA. Knorr、「Transformation of the 2nd step of a peroxyester synthesis from semi−batch to continuous mode」、Chemical Engineering and Processing 70(2013)217−221
Continuous synthesis of a high energetic substance using small scale reactors」、Chemical Engineering Transactions、32(2013)685−690、L. Fritzsche及びA. Knorr

課題を解決するための手段

0024

上記は、独立請求項に定義された本発明によって達成される。

0025

有機過酸化物の連続調製のためのそれぞれの方法は、反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路、該少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム、該少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通する排出システムであって、前記第2の端部は前記第1の端部の下流に位置し、前記排出システムが前記第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された排出システム、及び該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れに振動流を重ね合わせるように構成され、前記振動流は該少なくとも1つの流路の少なくとも一部で生じる振動システムを有する連続流反応器を提供する工程を含む。有機過酸化物を連続的に調製するこの方法は、第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを前記少なくとも1つの流路に導入する工程、前記振動システムの使用により、前記少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせて、物質の流れに乱流を発生させる工程、及び導入された前記物質から前記少なくとも1つの流路に形成された反応生成物を、継続的に排出システムを使用して抽出する工程であって、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応する、工程をさらに含む。

0026

これに関連して、本明細書及び特徴を列挙するための請求項において使用される「含む(including)」、「含む(comprising)」、「含む(containing)」、「有する(having)」、及び「有する(with)」という用語並びにそれらの文法上の変更は、例えば、方法の工程、成分、範囲、寸法等のような特徴の非網羅リストを指定すると一般的に考えられるべきであり、他の特徴又は他の又は追加の特徴の1つ以上のグループの存在又は追加を決して排除するものではないことに留意されたい。さらに、本明細書中で使用される「反応生成物」という用語は、反応器の反応ゾーンにおいて行われた反応の結果を特定するものであって、出発物質に基づく化学反応生成物だけを特定するものではないことに留意されたい。また、「物質」という用語は、反応物又は試薬の意味における出発物質、並びに、例えば、溶媒又は触媒等のように1つ以上の他の物質との反応物質の混合物の意味における出発物質を特定するために使用され、「物質の流れ」という用語は、導入される物質だけでなく、方法中に既にもたらされていると考えられる反応生成物も含むことが理解される。「物質」という用語は、特に、有機過酸化物の調製に必要かつ使用される反応物、添加剤及び溶媒を特定する。最後に、「継続中」という用語は、連続的又は断続的に実行されるあらゆる処理又は動作であって、バッチ式処理に特徴的なような別個の部分におけるものではない処理又は動作を特徴付けるために本明細書で使用されることが指摘される。

0027

有利には、連続流反応器を提供する工程は、前記少なくとも1つの流路の長さに沿って温度プロファイルを制御するように適合された温度制御システムをさらに有する反応器を提供することを含み、方法はさらに温度制御システムを用いて前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御する工程を含む。

0028

また、前記少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせる工程は、第1の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通する振動流発生装置及び第1の位置とは異なる第2の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通している液圧式アキュムレータを有する振動システムの使用を含む。

0029

この方法は、有利には、反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路、該少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム、該少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通する排出システムであって、第2の端部は第1の端部の下流に位置し、排出システムは第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された該排出システム、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れに振動流を重ね合わせるように構成され、振動流は該少なくとも1つの流路の少なくとも一部において生じる振動システム、及び第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように流入システムを制御し、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせるように振動システムを制御し、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応するように、導入された物質から該流路内に形成された反応生成物を継続的に抽出するように排出システムを制御するように構成されたコントローラを備えた連続流反応器として構成された装置で実施される。

0030

上記のような調製方法及び装置を用いて、反応成分の完全な混合のために必要とされる乱流条件を、連続流反応器の送達速度とは大きく独立して達成することができる。送達速度は、基本的に反応器の平均生産能力、したがって流入システムを介して導入される質量流によって規定されるが、乱流条件は、重ね合わされた振動流のために平均よりも繰り返し高い有効流速によって規定される。反応混合物の平均流速を増加させることを必要とせずに乱流条件を達成することにより、より短いフロースルー反応器を使用することができ、したがって処理中の材料の体積を減少させることができる。振動流は、最大液滴サイズの減少及び2相混合物の最小液滴サイズの増加を支援するので、反応を進め、必要とされる滞留時間を短縮し、副反応を低減し、分離が困難なエマルジョンの形成を回避するためにそれを使用することもできる。流入システムを介して導入される物質の流れを調整することによってのみ滞留時間を制御することができるが、反応速度は、振動流条件によって独立して制御することができる。

0031

振動流速を平均流速とは無関係に調整できるため、反応器のコストを上昇させ、流動抵抗を損ない、物質の堆積及び目詰まりを引き起こし、非常に低い反応「デッドゾーン及び非常に速い反応「ホットスポットの存在の危険性を高める液滴サイズの不規則な分布をもたらす小さなジェット、バッフル、オリフィス又はその他の障害がないフロースルー反応器を使用することができる。それぞれのフロースルー反応器に振動流を適用することにより、液滴の均一な分布が得られ、そのサイズは振動流条件によって規定され、反応中に生じる物質移動を決定し、それにより非常に良好な空時収量単位反応容積及び単位時間当たりに得られる生成物の量)を有する調製方法を容易に制御することが可能になる。

0032

反応混合物の周囲の表面の、該表面によって囲まれた容積に対する比は、フロースルー反応器内では、化学変換方法の過程で発生する熱の効果的な除去を可能にするのに十分高いので、容器に保存された場合にそれぞれの有機過酸化物に対して規定されたSADTを上回る反応温度を、反応時間をより短くする危険性を冒すことなく使用することができる。

0033

異なる反応器構造に対し、互いに独立した反応速度及び滞留時間を調整することができるので、使用されるフロースルー反応器の種類、生成される有機過酸化物の種類、又は適用される反応速度(高速又は低速)に関する制約がない。所与のフロースルー反応器構造に有機過酸化物製造方法を適合させることができ、反応器自体を改変する必要ことなく可能な最大の空時収量に関して調製方法を最適化することができ、又は反応プロセスを外部で実施することができることによって、安全上の制約、設定時間、及び異なる生産ランのための休止時間を最小限に抑えることができる。

0034

調製方法の好ましい実施形態は、前記流路の長さに沿って温度プロファイルを制御するように適合された温度制御システムを提供する連続流反応器を提供する工程、この温度制御システムを使用して前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御するさらなる方法の工程を含む。このさらなる方法の工程は、この目的のために、前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御するよう温度制御システムを制御するようにさらに構成された反応器のコントローラによって有利に実施される。

0035

上記で規定された温度制御システムのいくつかの構成は、前記少なくとも1つの流路の1つの部分の温度プロファイルが、この少なくとも1つの流路の別の部分の温度プロファイルとは無関係に制御され得るように、部分の温度プロファイルを制御することをさらに可能にすることができる。それぞれの温度制御システム及び制御によって、必要に応じて前記少なくとも1つの流路の長さに沿って変化するように設定することもできる反応温度の正確な設定が可能になる。

0036

有利な実施形態によれば、第1の時間特性による少なくとも2つの物質の導入は、2つの物質の少なくとも1つを一定又は脈動的に導入することを含む。1つ以上の物質を脈動的に導入することは、反応器における反応方法に影響を及ぼさず、スナッバーを必要とせずに(マルチヘッド)膜又はピストン投与ポンプのような脈動ポンプの使用を可能にする。

0037

好ましい実施形態は、前記少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせるための工程を有することができ、これは第1の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通する振動流発生装置、及び第1の位置とは異なる第2の位置でこの少なくとも1つの流路と流体連通する油圧式アキュムレータを含む振動システムを使用することによって実施することができる。それぞれの振動システムを使用することにより、流入システムと排出システムの動作に影響を及ぼすことなく、振動流発生装置と油圧式アキュムレータとの間で、前記少なくとも1つの流路の少なくとも一部を通って、反応混合物体積を前後にシフトさせることができる。

0038

好ましい実施形態は、少なくとも1つの流路が第1の流路及び第2の流路を備え、第1の流路の第1の端部は流入システムと流体連通し、第1の流路の第2の端部は第2の流路の第1の端部と流体連通する連続流反応器を提供する工程をさらに有することができる。それぞれの反応器は、第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部をその第2の端部の上流の第1の流路に再導入するように構成された再循環システムをさらに含む。調製方法のそれぞれの好ましい実施形態は、再循環システムを使用して第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部をその第2の端部の上流の第1の流路に再導入する工程をさらに含む。

0039

有利には、連続流反応器を提供するステップは、直列に接続された3つの流路モジュールによって形成された第1の流路を提供することを含み、それにより、第1の流路モジュール及び第2の流路モジュールがそれぞれ分割−再結合反応器によって形成され、第3の流路モジュールは蛇行流路反応器によって形成され、流入システムは、第1の物質を第1の流路モジュールの第1の入口に導入し、第2の物質を第2の流路モジュールの第1の入口に導入するように構成され、第1の流路モジュールの出口は第2の流路モジュールの第2の入口と流体連通し、第2の流路モジュールの出口は第3の流路モジュールの入口と流体連通し、第3の流路モジュールの出口は、第3の流路モジュールから出た反応混合物の一部を第1の流路モジュールの第2の入口に再導入するように構成された再循環システムと流体連通する。

0040

有利には、再循環システムは振動流発生装置を備え、油圧式アキュムレータは、第2の流路の第2の端部と流体連通する。

0041

この工程は好ましくはコントローラによって行われ、コントローラはこの目的のために、再循環システムを制御して、第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部をその第2の端部の上流の第1の流路に再導入するようにさらに適合される。

0042

それぞれの実施形態の構成は、有利には振動流発生装置を含む再循環システムを有し、それにより油圧式アキュムレータは第2の流路の第2の端部と流体連通する。そのような実施形態では、振動流発生装置は、第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部の再導入と、第2の流路内での定常流への振動流の重ね合わせの両方を行う。

0043

そのような実施形態のいくつかの構成では、温度制御システムを使用して前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御する工程は、第1の熱交換システム及び第2の熱交換システムを有する温度制御システムの使用をさらに含み、第1の熱交換システムは、第1の流路との熱交換に適合し、第2の熱交換システムは第2の流路との熱交換に適合し、それにより第2の流路に沿った温度プロファイルとは別個の第1の流路に沿った温度プロファイルの制御が可能となる。この工程は好ましくはコントローラによって達成され、コントローラはこの目的のために、第2の流路に沿った温度プロファイルとは別個の第1の流路に沿った温度プロファイルを制御するようにさらに適合される。それぞれの構成により、2つの流路に存在する異なる反応条件に対して温度プロフィールを最適に適合させることが可能となる。

0044

上記調製方法の有利な実施形態では、連続流反応器を提供する工程は、1つ以上の物質をその第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路に導入するように構成された追加の流入システムをさらに含み、この方法は第2の時間特性にしたがって1つ以上の追加の物質をその第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路に導入する工程をさらに含み、排出システムによって行われる出力質量流速は追加の入力質量流速もさらに含む。この工程は好ましくはコントローラによって実施され、コントローラは、この目的のために、第2の時間特性にしたがって1つ以上の追加の物質をその第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路に導入する追加の流入システムを制御し、追加の入力質量流速もさらに含む出力質量流速をもたらすよう排出システムを制御するようにさらに構成される。それぞれの追加の流入システムは、所望の反応方法のより正確な制御を可能にし、調製方法の多様性を高める。

0045

好ましい実施形態によれば、連続流反応器を提供する工程は、振動システムが0.1Hz〜500Hzの間、より好ましくは1〜50Hzの間、さらにより好ましくは2Hz〜25Hzの間の周波数を有する振動流を発生させるように構成された反応器を提供することを含む。それぞれの振動数は、混合物の混合に必要な乱流の生成のための基本的要件を形成する反応混合物の実際の振動運動を確保する。

0046

好ましい実施形態では、連続流反応器を提供する工程は、振動システムが、第1の時間特性の平均流速の1〜500倍の範囲の最大流量を有する振動流を発生させるように構成された反応器の提供をさらに含むことができる。それぞれの振動システムにより、振動流を前記少なくとも1つの流路の構成の詳細並びに前記少なくとも1つの流路の内部で処理される反応混合物の粘度及び他の特性に対し調整することが可能になる。

0047

さらなる有利な実施形態では、流入システムはまた先行する反応器と流体連通し、該先行する反応器からの前処理された反応混合物を表す物質の組合せを前記少なくとも1つの流路に移動させるように構成され、及び/又は排出システムはまた次の反応器と流体連通し、前記少なくとも1つの流路の第2の端部に存在する反応生成物を次の反応器に移動させるように構成される。物質の移動は、流入システム及び排出システムを必要な方法で制御するように構成されたコントローラによって行われる。

0048

有機過酸化物の連続的調製方法との関連で上に開示した反応器の特徴は、同様に、連続流反応器装置の特徴と見なされることに留意されたい。

0049

上記の方法及び装置は、以下の過酸化物種類、即ち、ジアシルペルオキシドペルオキシエステルペルオキシカーボネートエステルペルオキシジカーボネートヒドロペルオキシドジアルキルペルオキシドケトンペルオキシド、ペルオキシケタールモノペルオキシドケタール、ペルオキシカルボン酸、及びそれらの混合物から選択される純粋な及び/又は希釈された形態の有機過酸化物の調製に好適に使用され、
− ジアシルペルオキシドは、例えば、デカノイルペルオキシドラウロイルペルオキシドベンゾイルペルオキシド、o−メチルベンゾイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシドであり、
− ペルオキシエステルは、例えば、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルペルオキシネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオヘプタノエート、tert−アミルペルオキシネオデカノエート、tert−ブチルペルオキシネオデカノエート、tert−アミルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、tert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルオキシアセテート、tert−アミルペルベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオクトエートであり、
− ペルオキシカーボネートエステルは、例えば、OO−tert−アミル−O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、OO−tert−ブチル−O−イソプロピルモノペルオキシカーボネート、OO−tert−ブチル1−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、ポリ(tert−ブチルペルオキシカートネート)ポリエーテルであり、
− ペルオキシジカーボネートは、例えば、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートであり、
− ヒドロペルオキシドは、例えば、クメンヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシドであり、
− ジアルキルペルオキシドは、例えば、ジ−tert−アミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル−ペルオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5-ジ(tert−ブチル−ペルオキシ)−ヘキシンであり、
− ケトンペルオキシドは、例えば、シクロヘキサノンペルオキシドメチルエチルケトンペルオキシドメチルイソブチルケトンペルオキシドアセチルアセトンペルオキシドであり、
− ペルオキシケタールは、例えば、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルペルオキシ)バリレート、エチル3,3−ジ(tert−アミルペルオキシ)ブチレート、エチル3,3−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ブチレートであり、
− モノペルオキシケタール(エーテルペルオキシド)は、例えば、1−メトキシ−1−(tert−アミルペルオキシ)シクロヘキサンであり、
− ペルオキシカルボン酸は、例えば、コハク酸ペルオキシド、ペルプロピオン酸である。

0050

本発明はまた、反応ゾーンとして構成された少なくとも1つの流路、該少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通し、2つ以上の物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように構成された流入システム、該少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通する排出システムであって、第2の端部は第1の端部の下流に配置され、該排出システムは第2の端部に存在する反応生成物を抽出するように構成された該排出システム、該少なくとも1つの流路を通過する物質流に振動流を重ね合わせるように構成された振動システムであって、振動が該少なくとも1つの流路の少なくとも一部において行われる該振動システム、及び第1の時間特性にしたがって少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを該少なくとも1つの流路に導入するように流入システムを制御し、該少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせるように振動システムを制御し、出力質量流速が入力質量流速の合計に対応するように、導入された物質から該流路内に形成された反応生成物を継続して抽出するよう排出システムを制御するよう構成されたコントローラを備えた連続流反応器に関する。

0051

さらなる実施形態を以下に詳述する。
− それは、前記流路の長さに沿って温度プロファイルを制御するように適合された温度制御システムをさらに備え、コントローラは、前記少なくとも1つの流路に沿って温度プロファイルを制御するように温度制御システムを制御するようにさらに適合され、
−振動システムは、第1の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通するように取り付けられた振動流発生装置、及び第1の位置とは異なる第2の位置で前記少なくとも1つの流路と流体連通するように取り付けられた油圧式アキュムレータを備え、
− 前記少なくとも1つの流路は第1の流路及び第2の流路を備え、第1の流路の第1の端部は流入システムと流体連通し、第1の流路の第2の端部は第2の流路の第1の端部と流体連通し、反応器は、第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部をその第2の端部の上流の第1の流路に再導入するように構成された再循環システムをさらに備え、コントローラは、第1の流路の第2の端部から出た反応混合物の一部をその第2の端部の上流の第1の流路の上流に再導入するように再循環システムを制御するようさらに適合され、
− 第1の流路は、直列に接続された3つの流路モジュールにより形成されて、それにより第1の流路モジュール及び第2の流路モジュールは、それぞれ分割−再結合反応器により構成され、第3の流路モジュールは蛇行流路反応器によって形成され、流入システムは、第1の物質を第1の流路モジュールの第1の入口に導入し、第2の物質を第2の流路モジュールの第1の入口に導入するように構成され、第1の流路モジュールの出口は第2の流路モジュールの第2の入口と流体連通し、第2の流路モジュールの出口は第3の流路モジュールの入口と流体連通し、第3の流路モジュールの出口は第3の流路モジュールから出た反応混合物の一部を第1の流路モジュールの第2の入口に再導入するように構成された再循環システムと流体連通し、
− 再循環システムは振動流発生装置を備え、油圧式アキュムレータは第2の流路の第2の端部と流体連通し、
− 温度制御システムは、第1の熱交換システム及び第2の熱交換システムを備え、第1の熱交換システムは第1の流路との熱交換に適合され、第2の熱交換システムは第2の流路との熱交換に適合され、コントローラは第2の流路に沿った温度プロファイルとは別の第1の流路に沿った温度プロファイルを制御するようにさらに適合され、
− それは1つ以上の物質をその第1の端部の下流の前記少なくとも1つの流路に導入するように構成された少なくとも1つの追加の流入システムをさらに備え、コントローラは、第2の時間特性にしたがって、1つ以上の追加の物質をその第1の端部の下流にある前記少なくとも1つの流路に導入する追加の流入システムを制御し、追加の入力質量流速を含む出力質量流速を実行するように排出システムを制御するようにさらに構成され、
− 振動システムは、0.1Hz〜500Hzの間、好ましくは1Hz〜50Hzの間、より好ましくは2Hz〜25Hzの間の周波数を有する振動流を発生させるように構成され、
− 振動システムは、第1の時間特性の平均流速の1〜500倍の範囲の最大流量を有する振動流を生成するように構成される。

0052

本発明の方法を用いた有機過酸化物の調製のための出発物質は当業者に知られている。

0053

以下の反応スキームは、異なる過酸化物種類の調製を説明し、基本的に必要とされる材料を示す(希釈剤及び/又は他の考えられる/必要な添加剤は示されていない;酸塩化物酸無水物であってもよい)。
ジアシルペルオキシド:酸塩化物及び過酸化水素はジアシルペルオキシドを形成する
RC(O)Cl+H2O2+2NaOH/KOH→RC(O)OOC(O)R+2H2O+2NaCl/KCl
ペルオキシエステル:酸塩化物及び有機ヒドロペルオキシドはペルオキシエステルを形成する。
R‘C(O)Cl+R“OOH+NaOH/KOH→R’C(O)OOR”+H2O+NaCl/KCl
ペルオキシカーボネートエステル:クロロホルメート及び有機ヒドロペルオキシドはペルオキシカルボネートを形成する。
R‘OC(O)Cl+R“OOH+NaOH/KOH→R’OC(O)OOR”+H2O+NaCl/KCl
ペルオキシジカーボネート:クロロホルメート及び過酸化水素はペルオキシジカーボネートを形成する。
2ROC(O)Cl+H2O2+2NaOH/KOH→ROC(O)OOC(O)OR+2H2O+2NaCl/KCl
ヒドロペルオキシド:アルコール及び過酸化水素はヒドロペルオキシドを形成する(例えば、触媒としてのH2SO4のような酸で)。
ROH+H2O2→ROOH+H2O
ジアルキルペルオキシド:アルコール及び過酸化水素はヒドロペルオキシドを形成する(例えば、触媒としてのH2SO4のような酸で)。
2ROH+H2O2→ROOR+H2O
ケトンペルオキシド:ケトン及び過酸化水素はケトンペルオキシドを形成する(例えば、触媒としてのH2SO4のような酸で)。
R‘C(O)R“+2H2O2→R’C(OOH)2R”+H2O
ペルオキシケタール:ケトン及び有機ヒドロペルオキシドはペルオキシケタールを形成する(例えば、触媒としてのH2SO4のような酸で)。
R‘C(O)R“+2R”’OOH→R’C(OOR“‘)2R”+H2O
モノペルオキシケタール(エーテルペルオキシド):ケトン、アルコール及び有機ヒドロペルオキシドはモノペルオキシケタールを形成する(例えば、触媒としてのH2SO4のような酸で)。
R‘C(O)R“+R”’OH+R“”OOH→R’C(OR“‘)(OOR”“)R”+H2O
ペルオキシカルボン酸:炭酸と過酸化水素は過酸を形成する。
RC(O)OH+H2O2→RC(O)OOH+H2O

0054

本発明のさらなる特徴は、例示的な実施形態、特許請求の範囲、及び添付の図面についての以下の説明から明らかになるであろう。本発明の実施形態は、例示的な実施形態によって提供されるものとは異なる組み合わせで、特定の実施形態との関連で以下に説明される特徴を実施することができることに留意されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、以下の例示的な実施形態のいずれによっても限定されない。

0055

特別な実施形態に関して本発明をより詳細に説明するとき、添付の図面が参照される。

図面の簡単な説明

0056

反応混合物の定常流に振動流を重ね合わせることを可能にする連続流混合反応器を提供する装置の第1の構成の概略図である。
連続流混合反応器を提供する装置の第2の構成の概略図であり、ループ反応ゾーンは、反応混合物の定常流に振動流を重ね合わせるように構成された別の反応ゾーンの上流に位置する。
3つの反応器モジュールを有するループ反応ゾーンが、反応混合物の定常流に振動流を重ね合わせるように構成された別の反応ゾーンの上流に位置する装置の第3の構成の概略図である。
反応混合物の定常流に重ね合わされた振動流を使用する有機過酸化物の連続的調製のための方法の基本工程を説明するフローチャートである。

0057

以下に説明する例示的な実施形態では、機能及び構造において同様の構成要素は、同様の参照番号によって可能な限り参照される。したがって、特定の実施形態の個々の構成要素の特徴を理解するために、他の実施形態の説明及び本開示の要約を参照すべきである。

0058

図1の概略図は、連続流反応器を表す装置の第1の実施形態10を示す。出発物質を形成する物質及び/又は物質の組み合わせは、流入システム2を介して反応ゾーン1に導入される。反応ゾーン1で行われる方法から生じる物質は、排出システム3を介して排出される。流入システム2及び排出システム3は、それらの間に物質の定常流を生成するように構成される。流入システム2は、通常、出発物質を反応ゾーン1に活発に導入するように構成され、排出システム3は、いくつかの実施形態では、図1に示されるような受動装置として実施されてもよい。他の実施形態は、反応生成物を継続的に活発に抽出する能動装置として実施される排出システムも有する。

0059

既に上述したように、「定常流」という用語は、流れの全体的な方向を変えず、時間挙動が、調製手順初期及び最終段階を除いて、時間的に実質的に不変である、即ち、変位ポンプを使用することに起因するもののような脈動流の場合と同様に、流速は事実上一定であるか、又は反復パターンに従う流れを特徴付けることがここでは意図される。

0060

連続流反応器10は、排出システムと直接的又は間接的に協働して、流入システムによって生じる定常流に振動流を重ね合わせるように構成された振動システムをさらに備える。反応器ゾーン1内の流体を一定の長さだけ前後に移動させる任意の振動システムが実用的であるが、振動システムの好ましい実施形態は、油圧式アキュムレータ等のような膨張タンク5と組み合わせた変位機構4を備える。変位機構4、例えば、メンブレンポンプピストンポンプ等によって生成される急上昇は、膨張タンク5、例えば、油圧式アキュムレータ等によって受け取られ、変位機構の吸入サイクルで膨張タンクから戻される。

0061

反応ゾーンは、その上流の第1の端部とその下流の第2の端部との間に流体連通を提供する少なくとも1つの流路1を含む。流入システム2は、この少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通する。排出システム3は、この少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通する。

0062

少なくとも1つの流路1は、長さが、基本的に、所定の有機過酸化物を調製するのに必要な反応時間と、管内の対応する反応混合物の平均流速との積によって定義される管によって形成されてもよい。管の内径によって反応器の容量が決定される。内径は、振動流の特性にさらに依存し、即ち、内径は、振動システムによって生成される振動流条件が、反応混合物成分の所望の混合をもたらす管内の乱流を可能にするように選択される。換言すれば、管の内径及び振動流の特性は、3,000以上のレイノルズ数によって特徴付けられる流れをもたらすように設計される。成分の完全な混合のためには、通常、4,000以上のレイノルズ数によって特徴付けられる流れが好ましい。

0063

比較的低い流速で成分の良好な混合をもたらすために、他の種類の流路、例えば、乱流の生成がいくつかの方向変化を有する流路を提供することによって改善される、公開された国際特許出願WO2014/044624A1号又はWO2002/095176A1号に記載されているものも使用することができる。方向性経路変化は、この場合通常は液体流である有機過酸化物を調製するための反応混合物の、流体流を強制的に方向転換させる。それぞれの方向性の変化又は流れの方向転換は、渦を導入して、反応混合物成分を混合する乱流を生じさせる。経路の断面は、局所的な流速が反応を支援するには低い不感帯の形成を生じさせないならば、様々な形状であり得る。好ましい実施形態は、円形、環状、正方形又は長方形の断面形状を有する流路を有する。断面形状は流路に沿って変化してもよい。流路は、例えば、WO2007/125091A1号に示されるプレート構造から形成されたアセンブリによって提供されてもよい。流路は、プレートの凹部として形成されてもよく、それによりいくつかのプレートがサンドイッチ状にされて、並列及び/又は直列に接続された個々の流路を有する反応ゾーンを形成してもよい。プレートは、その中に形成された伝熱流体の循環を可能にする流路を有する熱交換プレートであってもよいし、又は、熱交換流体のために1つおきのプレートが使用され、一方残りのプレートは実際の反応ゾーンのための流路を形成してもよい。

0064

流路の断面寸法は、後者の放熱又は熱交換能力に影響を与える。流路の境界面によって囲まれた体積に対する流路の境界面の比率は、流路のより小さい断面寸法のサイズが大きくなるにつれて減少し、その結果、流路の最も内側の位置と最も外側の位置との間の温度差がより大きくなる。したがって、放熱特性の悪い流路の空時収量は低い。より高い生産量又は工業規模での生産のためには、いくつかのより狭い流路を並行して配置することができる。流路の断面積が減少すると、流路に沿った圧力低下が増加するので、断面が小さすぎる流路は設計してはならない。さもなければ、取り扱いが難しい圧力低下が生じるおそれがある。

0065

断面流路は、断面の濡れた外周に対する流路の断面積の比の4倍と定義される、いわゆる水力直径によって特徴付けることができる。水力直径は、好ましくは0.5mm〜100mm、より好ましくは2〜50mmの範囲である。流路表面と流路の内部容積との間の比は、20m2/m3以上であることが好ましい。

0066

反応ゾーンに沿った温度プロファイルは、好ましくは、少なくとも1つの流路1を取り囲む反応器壁熱接触する熱伝達流体を使用して制御される。温度プロファイルは、通常のサイズの容器、例えば、容量25kgの容器に入れられた有機過酸化物のために定義されたSADT未満又は超過の反応温度を提供するように調整することができる。上に説明した連続流反応器に適した流路構造によってもたらされる効率的な放熱のために、SADTよりも高い反応温度が可能である。

0067

温度プロファイルは、有利には、少なくとも1つの流路1に沿って2つ以上の熱伝達流体ループ6又は回路を設けることによって、反応方法の局所的要件に合わせて調整することができる。熱伝達流体ループ6は、前記少なくとも1つの流路の内部に所望の温度プロファイルを設定することができる温度制御システム(さらに図示されていない)の一部を形成する。熱伝達流体は、反応混合物を冷却すると共に加熱するため、即ち、反応混合物に出入りさせるために使用することができる。

0068

図1に示す実施形態では、振動システムは、少なくとも1つの流路1の全長に沿って振動流を生じさせる。他の実施形態は、振動流を、流路1の一部のみ、好ましくは下流の部分に沿って生じさせる。それぞれの構成は、反応物の濃度が最も高く、相の微細な分散が速すぎる反応をもたらすであろう該少なくとも1つの流路の上流部分にいわゆる「ホットスポット」の形成を防止するために使用することができる。膨張タンク又は膨張チャンバ5と協働する変位機構4に基づくシステムを使用する場合、変位される容積は、好ましくは、反応ゾーン内の物質の流れの関連する動きが、前記少なくとも1つの流路の長さの一部のみに対応するように選択される。振動システムは、好ましくは、0.1Hz以上500Hz以下、より好ましくは1Hz以上50Hz以下、さらにより好ましくは2Hz以上25Hz以下の周波数を有する振動流を生じさせる。周波数及び変位容積は、さらに好ましくは、最大流速が、前記少なくとも1つの流路への物質の導入(及び場合により抽出)によってもたらされる定常流の平均流速の倍数に等しいかそれに対応する振動流をもたらすように調整される。好ましい実施形態では、倍数は定常流の平均流速の約500倍までとすることができる。

0069

流入システム2は、好ましくは、十分に投与された様式で出発物質を導入するための2つ以上の入口を有する。流入システムは、変位ポンプ又は他の種類の投与システムによって形成することができる。いくつかの独立したポンプの代わりに、全てのポンプ機構が1つの駆動装置、例えば、電子制御モータによって同時に操作されるマルチヘッドポンプを使用することができる。流入システム2を使用して導入することができる出発物質は、上に示したように生成された過酸化物種類により変化する。入口の数は、反応器で行われるそれぞれの方法に依存し、したがって図1及び図2に示す3つの入口とは異なることがあることに留意されたい。

0070

さらに下流で前記少なくとも1つの流路に、又は反応器ゾーンの下流に反応物、添加剤又は希釈剤を添加することを可能にするために、装置10又は20(図2参照)は、物質の流れに所望の位置でそれぞれの物質又は物質の混合物を添加するための追加の流入システム8(図2にのみ示される)をさらに備えることができる。追加の流入システム8は1つの入口のみを有するように示されているが、前記流路の特定の点で混合物を導入するために組み合わせることができる、及び/又は物質又は物質の混合物を前記少なくとも1つの流路の異なる点で添加するために組み合わされない2つ以上の入り口を有することもできることが理解される。後者は、例えば、ある反応物の添加を反応ゾーンの経路に沿って分配するために使用されてもよい。

0071

排出システム3は、ダブルチェックバルブ又は他の種類の圧力保持装置のような逆流防止装置、又は必要な場合には脈動ダンパーと組み合わされるポンプ等の任意の他の適切な装置によって形成することができる。

0072

装置10及び20は、各々、そのサブシステム、即ち、所望の方式で出発物質を導入するための流入システム、所望の程度に乱気流を発生させる振動システム、前記少なくとも1つの流路に沿って反応温度を所望の温度プロフィールに調節するための温度制御システム、及び適用可能であれば、出発物質の流入速度及び場合によっては追加的に導入された物質の入力速度の合計に対応する速度で反応生成物を抽出する排出システムを制御するコントローラ(図示せず)をさらに備える。換言すると、出口は、物質の流入速度に対応する速度で反応生成物を抽出する。

0073

図2は、連続流反応器を表す装置の第2の実施形態20を示す。第1の実施形態10とは異なり、少なくとも1つの流路1は、直列に接続された2つの別個の流路1a及び1bから構成される。第1の流路1aと下流側の第2の流路1bとを接続するライン9は、第1の流路1aの下流端と上流端との間を流体連通するように選択される。この接続部7は、第1の流路1aの下流端から出る反応混合物の一部の再循環を行う。1つの構成では、再循環は、再循環ライン7に配置されたポンプによって達成され、一方、振動システムの変位機構4は、第2の流路1bの上流端又はこの端部のさらに下流に接続される。

0074

図2に示され、資本支出の減少を特徴とする別の構成は、再循環ライン7に配置された振動システムの変位機構4による再循環を行う。振動システムの膨張タンク5は、図1による実施形態と同様に、第2の流路の下流端と排出システム3との間に配置されるか、又はその上流端と下流端の間のどこかの第2の流路1bに流体接続される。吸入サイクルにおいて、変位機構4は、第1の流路1aの下流端と第2の流路1bの上流端とを結ぶラインから材料を吸入する。排出サイクルにおいて、変位機構4は、その上流端を介して材料を第1の流路1bに排出する。これにより、第1の流路1aを流れる材料の一部の再循環と、第2の流路1bを通過する物質の流れに重ね合わされた振動流の両方が生じる。

0075

2つの直列に接続された別々の流路1a及び1bの形態で前記少なくとも1つの流路1を実施し、再循環で第1の流路を駆動することにより、異なる目的を果たす2つの連続する反応サブゾーンが形成される。反応物の濃度が最も高い第1の反応サブゾーンでは、反応混合物の一部がループ内を流れ、再循環を維持するために変位機構の排出サイクルのみが使用されるので、反応物の良好なマクロ混合が可能になり、反応応混合物中の反応物の均一な分布であるが、望ましくないホットスポットを回避し、より低い反応速度を確実にし、ひいては熱の発生を少なくするのに十分な大きさの液滴サイズを有する均一な分布がもたらされる。再循環のために、第1の流路1a内の平均流速は、第1の反応サブゾーンの長さに沿ってより均一に反応の過程で発生した熱を分配する流入システム2によって誘導される流速よりも早く、このため反応のこの初期段階でより良好な温度制御が可能になる。第1の反応サブゾーンにおける反応条件は下流の第2の反応サブゾーンにおける反応条件とは異なるので、第1の流路は、図2に示すように、好ましくは第2の反応サブゾーン1bに設けられた他の熱交換システム6bとは無関係に操作することができる別個の熱交換システム6aを備える。

0076

第1の流路1aとは異なり、変位機構4の両サイクルが第2の流路1bに作用する。油圧式アキュムレータ5との協働により、変位機構4は、第2の流路1b内の反応混合物を前後に移動させ、微小混合を生じさせ、小さいサイズの微細に分散された液滴を生じさせ、反応速度を高める。異なる反応速度によれば、第2の流路における温度プロファイルは、好ましくは、熱交換システム6aとは独立した操作のために構成された別個の熱交換システム6bによって制御される。

0077

図1による実施形態と同様に、図2による実施形態は、装置20の個々の構成要素を制御して上述のような種類から有機過酸化物を調製する方法を実行するためのコントローラ(図示せず)を備える。

0078

図3は、図2に示す装置の変形例を示す。この実施形態では、流路1aは、3つの流路モジュール1ai、1aii、1aiiiを含み、それにより最初の2つの流路モジュール1ai及び1aiiは、それぞれWO2014/044624A1に開示されたものと同様のヘリンボーン構造に配置された反応流路を有する分割—再結合反応器によって形成される。WO2012/095176A1の図6に開示されたものと同様の蛇行する流路構造を有する反応器は、第3の流路モジュール1aiiiを形成する。流入システムは、2つの入口、即ち、第1の流路モジュール1aiに第1の出発物質(それは第3の流路モジュール1aiiiの出力から再循環される部分と混合される)を導入するための第1の入口2a、及び第2の流路モジュール1aiiに第2の出発物質(それは第1の流路モジュール1aiの出力と混合される)を導入するための第2の入口2bからなる。この構成により、反応の初期段階における温度制御がさらに向上する。図3による実施形態はまた、装置20の個々の構成要素を制御して、上記のような種類から有機過酸化物を調製する方法を実施するためのコントローラ(図示せず)を備えることが理解される。第1の出発物質は、例えば、tert−ブチルカリウムヒドロペルオキシド(TBKP)の水溶液であり得、第2の出発物質は、2−エチルヘキサノイルクロライド(EHC)であり得る。

0079

図1図3に示す装置は、独立型反応器であってもよいし、それぞれがより複雑な多段反応器設計のサブ反応器を形成してもよい。多段反応器の一部を形成する場合、流入システム2は、通常、少なくとも1つの流路1の上流に位置する先行する反応器の一部であるか、及び/又は排出システム3は、通常、少なくとも1つの流路1の下流に位置する後続の反応器の一部である。このような構成では、全反応の一部のみが前記少なくとも1つの流路で行われる。

0080

有機過酸化物を調製する方法の基本的な工程は、図4のフローチャートに示される。手順の個々の工程を結ぶ矢印は、時間的順序を示すことを意図しない。矢印は、手順における質量流又は物質の流れの方向を示す。方法が確立されると、全ての処理工程が同時に実行される。工程S1、即ち、第1の時間特性にしたがって、少なくとも2つの物質又は物質の組み合わせを前記少なくとも1つの流路に導入することは、流入システムに作用する装置10又は20のコントローラによって行われる。工程S2、即ち、前記少なくとも1つの流路を通過する物質の流れの少なくとも一部に振動流を重ね合わせることは、振動システムに作用する装置10又は20のコントローラによって実行される。工程S3、即ち、導入された物質から前記少なくとも1つの流路中に形成された反応生成物を継続して抽出することは、排出システムに作用する装置10又は20のコントローラによって行われる。ほとんどの反応は、今回は前記少なくとも1つの流路の長さに沿って温度プロファイルを制御し、それにより流路の異なる部分又は異なるサブ反応ゾーンが互いに独立して制御できるように温度制御システムに作用する装置10又は20のコントローラによって同様に行われる工程S4を必要とする。

0081

本発明の可能性は、図3によって特徴付けられる実施形態の種類に応じた2つの反応サブゾーンを有する装置を用いて以下の実施例によって説明される。使用される装置は、水力直径が1mmのガラス型反応器であった。第1の反応ゾーンの全容積は約1.5mlであり、第1の流路モジュール1ai(0.2ml)、第2の流路モジュール1aii(再び0.2ml)及び第3の流路モジュール1aiii(1.1ml)の容積の合計であり、第2の反応ゾーンの容積は1.1ml、再循環及び振動流は、両方とも図3に示す再循環ループ内に配置された1つのプランジャポンプによって行われた。ポンプは1000rpmの速度で操作され、したがって振動流の周波数は約17Hzであった。定常流速に対する最大振動流速の比は約14であった。

0082

使用した出発物質は、tert−ブチルカリウムヒドロペルオキシド(TBKP)の水溶液及び2−エチルヘキサノイルクロライド(EHC)であった。TBKPを、第1の反応器サブゾーンの上端に7.93ミリモル/分の定常流でシリンジポンプで導入した。EHCを、第1の反応サブゾーンの2つの分割−再結合反応器の間に6.15ミリモル/分の定常流でシリンジポンプで導入した。温度制御のために、反応器システム浴中に挿入した。反応温度は47℃に設定し、全体の滞留時間は約1分であった。反応生成物tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH)を、5.86ミリモル/分の定常流で第2の反応サブゾーンから出た後、分離した。これは、TBKPに基づいて95%を超える収率を示し、DD128663(約90%)及びWO 2008/006666A1号(98.5%)で達成された収率に匹敵する。合計反応容積3.7ml(2×0.2ml+2×1.1ml+配管1.1ml)で、計算された空時収量は20kg/l・hである。これは、WO2008/006666A1号(2.5kg/l・h)による反応器で達成された空時収量の8倍であり、DD128663(3.6kg/l・h)による反応器で達成された空時収量の約5倍である。EHCの転化率は100%であり、TBPEHの選択率は95%より良好である。上に引用した刊行物のFritzsche及びKnorrによって開示された結果と比較して、より良好な選択率、転化率及び収率が達成される。

実施例

0083

上記の説明は、特定の例示的な実施形態を参照して本開示を説明するが、当業者には多くの代替、変更、及び変形が明らかであることは明らかである。したがって、本明細書に記載された開示の例示的な実施形態は、本開示を例示する目的を果たし、決してそれを限定することを意図するものではない。以下の特許請求の範囲で定義される本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に様々な変更を加えることができる。

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