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技術 超音波血栓溶解用及び血管音響共振器を介した他の治療用のインターリーブビームパターン

出願人 コーニンクレッカフィリップスエヌヴェブラッコスイスエス.アー.
発明者 ダイアニススコットウィリアムパワーズジェフリーアールサイプラルフシウィリアムタオボーレンヤニックゴーエマヌエルヤン‐マリエヒヴェリンヤン‐マークポールロバート
出願日 2016年12月7日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2018-529202
公開日 2018年12月27日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2018-538056
状態 未査定
技術分野 手術用機器
主要キーワード 側方ビーム 変形振幅 アクセス面 重力中心 各走査パターン 直線座標 音波レベル マネキン人形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題・解決手段

音波血栓溶解及び他の血管音共振器(VAR)を介した治療における使用のために、スタガード又はインタリーブパターン治療ビームを送信する治療超音波ステムである。発明技術は、隣接ビームによるVAR(例えば微小気泡破壊を最小限に抑え、後続パスにおいてビーム間の空間を埋めることによって標的領域の均一な超音波照射を確実にし、更に、超音波による血栓溶解を最大限とするように、気泡補充手段を提供する。当該技術は、診断超音波検査、VARを介した薬剤送達及び血液脳関門開放にも適用可能である。

概要

背景

虚血性脳梗塞は、医学において知られている最も身体を衰弱させる疾患のうちの1つである。脳への血流閉塞又は著しい減少はすぐにまひ状態又は死をもたらす。組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)を用いる治療といった血栓溶解剤治療を用いて再疎通を実現する試みは、症候性脳内出血を引き起こすことが少なからずあったことが報告されている。この深刻な影響をもたらす苦痛診断及び治療における進歩が、継続的な医学研究の主題である。

米国特許第8,211,023号(Swan他)は、臨床医が、血栓があるかも知れない脳血管系の領域を経頭蓋的に視覚化することを可能にする診断超音波ステム及び方法について説明している。2次元又は3次元撮像が採用される。血管系の撮像は、好適には、VARの投与によって高められる。血管系の流動状態が血栓による部分又は完全閉塞の存在を示すならば、超音波集束ビーム又はペンシルビームが閉塞部の位置に向けられ、VARの振動及び/又は破裂によって血栓が破壊される。時には、破裂したVARは、封入されていた血栓溶解剤も放出する。上記特許は更に、再発状態に対する医療援助注意喚起がされるように、閉塞再発を示す変化について頭蓋血管系を超音波撮像によってモニタリングすることも説明している。

超音波が血栓を効果的に破壊又は溶解するには、血栓によって血流が停止又は減少した場所に、超音波を均一且つ十分に照射し、可能な限り早く且つ完全に血栓を破壊するために、血栓の場所及びそれを囲む関連の関心領域において、VARを効果的に使用することが重要である。関心領域は、血栓が明白に特定される場合は、血栓ほどの小ささででも、血栓が疑われるが明白には特定できない又は場所が分からない場合は、数立方センチメートルであってよい。所望の治療効果のために十分な超音波振幅を達成するために、集束超音波印加が通常好まれる。しかし、集束超音波ビーム表面積は比較的小さいため、集束ビームは、適切な血栓治療のためには、関心領域全体ステアリングされなければならない。集束超音波ビームの面積は、ピークビーム圧と、側圧がピークビームの半分であるビーム幅とによって特徴付けられる。したがって、VARは、超音波ビームパターンピーク圧に関して、それらの位置に応じて様々な超音波圧力を受ける。50〜100kPAの低〜中程度の音圧では、VARは、VARのエンベロープからのガスの段階的な漏出により徐々に消失する。しかし、VARが、治療効果があるように、通常、200〜400kPaの十分な音圧振幅に晒されると、VARエンベロープは、すぐに破壊されるが、超音波場内にあり続ける限り、(通常は、数十ミリ秒の間)超音波血栓溶解のために有効であり続ける。結果として、十分な音響ビーム圧では、VARは、ビームピークにおいて効率的であるが、ビームに近いVARは徐々に消失する。ビーム領域の中心から離れたVARのこの消失は、治療効果には効果的に寄与しない低超音波振幅において生じる。したがって、血栓溶解が可能な限り速く且つ効果的に生じるように、このようなVARの消失(即ち、非効果的な破壊)を制限又は阻止することが望ましい。

概要

超音波血栓溶解及び他の血管音共振器(VAR)を介した治療における使用のために、スタガード又はインタリーブパターン治療ビームを送信する治療超音波システムである。発明技術は、隣接ビームによるVAR(例えば微小気泡)破壊を最小限に抑え、後続パスにおいてビーム間の空間を埋めることによって標的領域の均一な超音波照射を確実にし、更に、超音波による血栓溶解を最大限とするように、気泡補充手段を提供する。当該技術は、診断超音波検査、VARを介した薬剤送達及び血液脳関門開放にも適用可能である。

目的

本開示は、血栓部位におけるVARのより効果的な使用を通じて、超音波血栓溶解の有効性を向上させることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

超音波ビームの空間的にインターリーブされたパターンで、血管音共振器(VAR)を含む関心領域に超音波照射する超音波システムであって、前記関心領域内へと、超音波治療ビームを送信する超音波アレイと、前記超音波アレイに結合され、複数の連続パターンにおける前記超音波治療ビームのステアリングを制御する送信コントローラと、を含み、時間的に後続する各パターンは、前のパターンのビーム領域間に空間的にインターリーブされるビーム領域を含む、超音波システム。

請求項2

前記複数の連続パターンは、所定の間隔に従って、互いから空間によって離されている超音波治療ビームの第1のパターンと、前記第1のビームパターンの前記超音波治療ビームを互いから離す前記空間へとステアリングされる超音波治療ビームの第2のパターンと、を含む、請求項1に記載の超音波システム。

請求項3

前記複数の連続パターンは更に、前記第1のビームパターン及び前記第2のビームパターンの前記超音波治療ビーム間に空間的にインターリーブされる超音波治療ビームの第3のパターンを含む、請求項2に記載の超音波システム。

請求項4

前記複数の連続パターンは更に、前記第1のビームパターン、前記第2のビームパターン及び前記第3のビームパターンの前記超音波治療ビーム間に空間的にインターリーブされる超音波治療ビームの第4のパターンを含む、請求項3に記載の超音波システム。

請求項5

前記送信コントローラは更に、前記超音波システムに、2つの後続パターンの送信間の時間間隔における送信をやめさせる、請求項1乃至4の何れか一項に記載の超音波システム。

請求項6

前記時間間隔は、少なくとも0.1秒である、請求項5に記載の超音波システム。

請求項7

前記時間間隔は、約1秒から2秒の範囲である、請求項6に記載の超音波システム。

請求項8

前記複数の連続パターンは更に、前記第1のビームパターン及び前記第2のビームパターンと同じビームパターンを有し且つ前記超音波治療ビーム間のビーム間間隔だけオフセットされている超音波治療ビームの第3のパターン及び第4のパターンを含む、請求項2に記載の超音波システム。

請求項9

前記複数の連続パターンは更に、前記第2のビームパターンと同じパターンの第3のビームパターンと、前記第1のビームパターンと同じパターンの第4のビームパターンと、を含み、前記超音波治療ビームは、前記ビーム間間隔だけオフセットされている、請求項8に記載の超音波システム。

請求項10

超音波治療ビームの任意のパターンにおけるビーム領域の中心は、電力半値ビーム幅と少なくとも同じである間隔だけ互いから離されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の超音波システム。

請求項11

前記ビーム領域の前記中心は、圧力半値ビーム幅と少なくとも同じである間隔だけ互いから離されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の超音波システム。

請求項12

超音波治療ビームの任意のパターンにおけるビーム領域の中心は、18.75%の圧力ビーム幅未満の間隔だけ互いから離されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の超音波システム。

請求項13

前記ビーム領域の前記中心は、25%の圧力ビーム幅未満の間隔だけ互いから離されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の超音波システム。

請求項14

超音波治療ビームの任意のパターンにおけるビーム領域の中心は、2.6から5.2mmの範囲の間隔だけ互いから離されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の超音波システム。

請求項15

前記複数の連続パターンは、超音波治療ビームが互いから水平方向及び垂直方向に離されている前記超音波治療ビームの第1のパターンと、超音波治療ビームが、前記第1のパターンの前記超音波治療ビーム間で水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされている前記超音波治療ビームの第2のパターンと、超音波治療ビームが、前記第1のパターン及び前記第2のパターンの前記超音波治療ビーム間で水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされている前記超音波治療ビームの第3のパターンと、を含む、請求項1に記載の超音波システム。

請求項16

前記複数の連続パターンは更に、超音波治療ビームが、前記第1のパターン、前記第2のパターン及び前記第3のパターンの前記超音波治療ビーム間で水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされている前記超音波治療ビームの第4のパターンを含む、請求項15に記載の超音波システム。

技術分野

0001

本開示は、医用超音波システム係り、具体的には、ガス入り微小胞といった血管音共振器(VAR)と組み合わせて超音波血栓溶解及び他の治療を行う超音波システムに係る。

背景技術

0002

虚血性脳梗塞は、医学において知られている最も身体を衰弱させる疾患のうちの1つである。脳への血流閉塞又は著しい減少はすぐにまひ状態又は死をもたらす。組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)を用いる治療といった血栓溶解剤治療を用いて再疎通を実現する試みは、症候性脳内出血を引き起こすことが少なからずあったことが報告されている。この深刻な影響をもたらす苦痛診断及び治療における進歩が、継続的な医学研究の主題である。

0003

米国特許第8,211,023号(Swan他)は、臨床医が、血栓があるかも知れない脳血管系の領域を経頭蓋的に視覚化することを可能にする診断超音波ステム及び方法について説明している。2次元又は3次元撮像が採用される。血管系の撮像は、好適には、VARの投与によって高められる。血管系の流動状態が血栓による部分又は完全閉塞の存在を示すならば、超音波の集束ビーム又はペンシルビームが閉塞部の位置に向けられ、VARの振動及び/又は破裂によって血栓が破壊される。時には、破裂したVARは、封入されていた血栓溶解剤も放出する。上記特許は更に、再発状態に対する医療援助注意喚起がされるように、閉塞再発を示す変化について頭蓋血管系を超音波撮像によってモニタリングすることも説明している。

0004

超音波が血栓を効果的に破壊又は溶解するには、血栓によって血流が停止又は減少した場所に、超音波を均一且つ十分に照射し、可能な限り早く且つ完全に血栓を破壊するために、血栓の場所及びそれを囲む関連の関心領域において、VARを効果的に使用することが重要である。関心領域は、血栓が明白に特定される場合は、血栓ほどの小ささででも、血栓が疑われるが明白には特定できない又は場所が分からない場合は、数立方センチメートルであってよい。所望の治療効果のために十分な超音波振幅を達成するために、集束超音波印加が通常好まれる。しかし、集束超音波ビーム表面積は比較的小さいため、集束ビームは、適切な血栓治療のためには、関心領域全体ステアリングされなければならない。集束超音波ビームの面積は、ピークビーム圧と、側圧がピークビームの半分であるビーム幅とによって特徴付けられる。したがって、VARは、超音波ビームパターンピーク圧に関して、それらの位置に応じて様々な超音波圧力を受ける。50〜100kPAの低〜中程度の音圧では、VARは、VARのエンベロープからのガスの段階的な漏出により徐々に消失する。しかし、VARが、治療効果があるように、通常、200〜400kPaの十分な音圧振幅に晒されると、VARエンベロープは、すぐに破壊されるが、超音波場内にあり続ける限り、(通常は、数十ミリ秒の間)超音波血栓溶解のために有効であり続ける。結果として、十分な音響ビーム圧では、VARは、ビームピークにおいて効率的であるが、ビームに近いVARは徐々に消失する。ビーム領域の中心から離れたVARのこの消失は、治療効果には効果的に寄与しない低超音波振幅において生じる。したがって、血栓溶解が可能な限り速く且つ効果的に生じるように、このようなVARの消失(即ち、非効果的な破壊)を制限又は阻止することが望ましい。

発明が解決しようとする課題

0005

本開示は、血栓部位におけるVARのより効果的な使用を通じて、超音波血栓溶解の有効性を向上させることを目的とする。本開示は、溶解ビーム中心のすぐ近傍で非効果的に破壊されたVARの補充を可能にすることを更なる目的とする。

課題を解決するための手段

0006

幾つかの態様では、本開示は、例えば治療領域である関心領域に超音波を照射する方法及びシステムを含む。例えば本開示は、超音波治療ビームを用いて、VARを含む治療領域に超音波を照射する方法及びシステムを含む。方法は、超音波治療ビームの第1のパターンを治療領域全体に送信するステップであって、当該ビームは、ビーム間所定間隔だけ互いから離されている送信するステップと、超音波治療ビームの第2のパターンを治療領域全体に送信するステップであって、当該ビームは、第1のビームパターンのビームを互いから離す空間へと向けられる送信するステップとを含み、システムは、当該方法の実施のために構成されている。一態様によれば、第1(及び好適には後続)のパターンのビーム間の間隔は、ビーム間に残留VARを残す。

0007

幾つかの態様では、方法は、治療領域におけるVAR補充を可能とするように、様々なパターン間(例えば各パターン間)の時間間隔における送信をやめるステップを含み、システムは、当該方法の実施のために構成されている。時間間隔は、例えば少なくとも0.1秒以上、0.1乃至20秒、0.5乃至10秒、1乃至2秒、又は、1乃至5秒の所定時間量を含む。

0008

方法は、他のパターンを送信するステップを含み、システムは、当該方法の実施のために構成されている。例えば第1及び第2のビームパターンと同じビームパターンを有し、超音波治療ビーム間のビーム間間隔だけオフセットされている治療超音波ビームの第3及び第4のパターンが送信される。超音波治療ビームの第3及び第4のパターンの送信は更に、第2のビームパターンと同じパターンの第3のビームパターンを送信することと、第1のビームパターンと同じパターンの第4のビームパターンを送信することとを含み、超音波治療ビームは、ビーム間間隔だけオフセットされている。

0009

一般に、各ビームは、ピークビーム圧力(及び電力)と、各々のビーム幅とによって特徴付けられる。当該各々のビーム幅では、対応する側圧が、ピークビーム圧力又は電力の割合である。例えばビーム幅は、18.25〜25%の側圧、即ち、本明細書では圧力半値ビーム幅(half pressure beam width)と呼ぶピークビーム圧の半分(50%)を有するものとして特定される。更に、ビーム幅は、本明細書では電力半値ビーム幅(half power beam width)と呼ぶ、一般に、電力半値ピークビームにおけるビーム幅に対応するピークビーム圧の約70%の側圧を有するものとして特定される。幾つかの態様では、超音波治療ビームのパターンを送信することは、各々のビーム中心が互いから、電力半値ピークビーム幅(half power peak beam width)(ピークビーム圧の約70%におけるビーム幅に対応)と少なくとも同じである間隔だけ離されているビームを送信することを含む。他の態様では、超音波治療ビームのパターンを送信することは、圧力半値(50%)ビーム幅と少なくとも同じである間隔だけ互いから離されているビームを送信することを含む。幾つかの態様では、超音波治療ビームのパターンを送信することは、18.75%〜25%の圧力ビーム幅未満の間隔だけ互いから離されているビームを送信することを含む。超音波治療ビームのパターンを送信することは、例えば幾つかの実施形態では、2.6から5.2mmの範囲の間隔だけ互いから離されているビームを送信することを含む。

0010

幾つかの態様では、超音波治療ビームの第1のパターンを送信することは、水平方向及び垂直方向に互いから離されているビームのパターンを送信することを含む。超音波治療ビームの第2のパターンを送信することは更に、第1のパターンのビーム間に水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされているビームのパターンを送信することと、第1及び第2のパターンのビーム間に水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされている超音波治療ビームの第3のパターンを送信することとを含む。

0011

幾つかの態様では、方法は、超音波治療ビームが互いから水平方向及び垂直方向に離されている当該ビームの第1のパターンを送信するステップを含み、システムは、当該方法の実施のために構成されている。方法は、超音波治療ビームが、第1のパターンのビーム間で対角線上に空間的にインターリーブされている当該ビームの第2のパターンを送信するステップを含み、システムは、当該方法の実施のために構成されている。更に、方法は、第1及び第2のパターンのビーム間で水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされている超音波治療ビームの第3のパターンを送信するステップと、第1及び第2のパターンのビーム間で水平方向及び垂直方向に空間的にインターリーブされている超音波治療ビームの第4のパターンを送信するステップとを含み、システムは、当該方法の実施のために構成されている。

0012

幾つかの態様では、本開示は、治療領域に超音波を照射し、本明細書に開示される方法を実行する超音波システムを含む。例えば本開示は、実行されると、超音波システムに、超音波治療ビームの第1のパターンを治療領域全体に送信させ、超音波治療ビームの第2のパターンを治療領域全体に送信させる命令を有する上記超音波システムを含む。ビーム領域は、ある状況下では、ビーム間に残留VARを残す所定間隔だけ互いから離されている。ビームは、第1のビームパターンのビームを互いから離す空間へと向けられる。他の実施形態では、本開示は、超音波ビームの空間的にインターリーブされたパターンで超音波照射されるVARを含む領域を含む。システムは、超音波トランスデューサ素子の2次元(2D)アレイ(例えばフェーズド2Dアレイ)と、トランスデューサアレイに結合され、治療領域内へと治療ビーム電子的にステアリングする送信コントローラとを含む。送信コントローラは、トランスデューサアレイに、(1)超音波治療ビームの第1のパターンを治療領域全体に送信させ(当該ビームは、所定空間だけ互いから離されている)、(2)第1のビームパターンのビームを互いから離す上記空間へと向けられる超音波治療ビームの第2のパターンを送信させる。具体的には、パターンのビーム間の所定空間は、側方ビームのより低い超音波圧力が、実質的に影響を受けていない当該空間内に特定量のVARを残すような空間である。特定の態様では、送信コントローラは、トランスデューサアレイに、第1及び第2のパターンの送信間のリフレッシュ間隔では、送信をやめさせる。送信コントローラは更に、トランスデューサアレイに、第1及び第2のビームパターンのビーム間に空間的にインターリーブされている超音波治療ビームの第3のパターンを送信させるか、及び/又は、トランスデューサアレイに、第1及び第2のビームパターンのビーム間に空間的にインターリーブされている超音波治療ビームの第4のパターンを送信させる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、本開示の原理に従って構成される超音波システムをブロック図形式で示す。
図2は、頭部の両側の側頭骨に置かれるトランスデューサアレイによって治療可能である頭蓋の領域を示す。
図2aは、頭部の側頭骨領域に音響的に接触しているトランスデューサアレイの保持に適した頭蓋ヘッドセットを示す。
図3は、典型的な超音波ビームの圧力閾値グラフである。
図4aは、超音波治療ビームの様々なシーケンスの様々な適用後の血栓の横断面図である。
図4bは、超音波治療ビームの様々なシーケンスの様々な適用後の血栓の横断面図である。
図4cは、超音波治療ビームの様々なシーケンスの様々な適用後の血栓の横断面図である。
図5aは、本開示の原理による超音波治療ビームの4つのパターンのうちの1つを示す。
図5bは、本開示の原理による超音波治療ビームの4つのパターンのうちの1つを示す。
図5cは、本開示の原理による超音波治療ビームの4つのパターンのうちの1つを示す。
図5dは、本開示の原理による超音波治療ビームの4つのパターンのうちの1つを示す。
図5eは、図5a乃至図5dの4パターンの重ね合わせを示す。
図6は、本開示の原理による別の4パターン治療ビームシーケンスの数値表現である。
図7は、本開示の原理による3パターン治療ビームシーケンスの数値表現である。
図8は、本開示の原理による別の4パターン溶解ビームシーケンスの数値表現である。
図9aは、ラットに行われた実験結果を示す。
図9bは、ラットに行われた実験結果を示す。

実施例

0014

本開示の原理によれば、インターリーブ治療ビーム走査を介して、血栓の部位において血管音響共振器VARをより効率的に使用する超音波血栓溶解システム及び方法が説明される。超音波血栓溶解システムは、関心領域内へと超音波治療ビームを送信する少なくとも1つの超音波アレイ(例えばフェーズドアレイ)と、アレイに結合され、複数の連続パターンにおける治療ビームのステアリングを制御する送信コントローラとを含む。時間的に後続する各パターンは、前のパターンのビーム領域間に空間的にインターリーブされたビーム領域を含む。

0015

後続のパターンのビーム領域のオーバーラップが制限されると、皮膚表面における瞬時音響出力を低減する一方で、当該表面の下の所望の場所におけるVAR破壊に十分な音響出力を提供する。残留VARは、任意選択的に、補充によりもたらされる更なるVARと組み合わされて、異なるビームパターンでの後続の走査によって効果的に破壊される。例えば2つ以上の異なる走査パターンの治療ビームが、所定のビーム間隔(通常、各パターンのビーム間に残留VARを残す)で交互に適用される。残留VARは、任意選択的に、補充によりもたらされる更なるVARと組み合わされて、異なるビームパターンでの後続の走査によって効果的に破壊される。各パターンの走査間の時間間隔、即ち、リフレッシュ間隔が、通常、好まれる。これは、後続のビームパターンのより効果的な適用のためにVARの補充を可能にすることに役立つからである。本開示は、例えば脳卒中の超音波血栓溶解治療において効果的である。このような場合、脳全体に超音波を照射することが1つの選択肢ではあるが、高レベル超音波エネルギーを小さい側頭骨窓を通じて送信することは、患者の表面熱傷を引き起こす可能性がある。したがって、所望の場所におけるVAR破壊のために十分な振幅を得るために、本明細書において説明される超音波ビーム構成は、皮膚表面における瞬時出力を低減するが、集束利得を介して関心の場所における振幅を増加させるように構成され、集束される。なお、本開示は、心臓応用や、例えば超音波の媒介による薬物若しくは遺伝子送達又は血液脳関門を開くことにおけるように、意図しないVAR破壊を最小限に抑えることにより、超音波照射と循環VARとの相互作用を最大にする必要のある他の応用にも同じく適用可能である。

0016

図1を最初に参照するに、本開示の原理に従って構成される超音波システムが、ブロック図形式で示される。2つのトランスデューサアレイ10a及び10bが、超音波を送信し、エコー情報を受信するために設けられている。この例では、図示されるアレイは、ボリュメトリック領域を走査し、撮像用の3D画像情報を提供可能なトランスデューサ素子の2次元アレイマトリクスアレイ)である。幾つかの実施形態では、トランスデューサ素子のアレイは、素子の数に応じて、システムビームフォーマに結合される。素子の数が多い場合、トランスデューサアレイは、アレイ素子による信号の送受信を制御するマイクロビームフォーマ12a及び12bに結合される。マイクロビームフォーマは更に、米国特許第5,997,479号(Savord他)、第6,013,032号(Savord)及び第6,623,432号(Powers他)に説明されるように、トランスデューサ素子のグループ、即ち、「パッチ」によって受信される信号の少なくとも部分的なビーム形成が可能である。信号は、時間的にインターリーブされた信号によって、マルチプレクサ14によってマイクロビームフォーマに及びマイクロビームフォーマから送られる。マルチプレクサは、送受信間切り替わりメインビームフォーマ20を高エネルギー送信信号から保護する送受信(T/R)スイッチ16に結合される。マイクロビームフォーマ12a及び12bの制御下のトランスデューサアレイ10a及び10bからの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチに結合された送信コントローラ18によって命令される。送信コントローラ18は、ユーザがユーザインターフェース又は制御パネル38を操作することによる入力を受信し、システム制御設定に従って、アレイトランスデューサへの及びアレイトランスデューサからのビームのステアリング方向及び集束を制御する。送信コントローラは、マイクロプロセッサといった構成可能なハードウェア、又は、集積回路若しくは他のハードウェアチップベースデバイスを含んでよい。

0017

マイクロビームフォーマ12a、12bによって生成される部分的にビーム形成された信号は、メインビームフォーマ20に結合される。メインビームフォーマにおいて、素子の個々のパッチからの部分的にビーム形成された信号は、フルにビーム形成された信号となるように組み合わされる。例えばメインビームフォーマ20は、128個のチャネルを有し、それぞれ、12個のトランスデューサ素子からなるパッチから部分的にビーム形成された信号を受信する。このようにすると、2次元アレイの1500を超えるトランスデューサ素子によって受信される信号は、単一のビーム形成された信号に効率的に寄与する。例えばアレイに128個のトランスデューサ素子が使用される例では、素子はマイクロビームフォーマを使用せずに、メインビームフォーマ20に直接結合される。

0018

ビーム形成された信号は、基本/高調波信号分離器22に結合される。分離器22は、VARから返される強力に非線形エコー信号を特定できるように、線形信号と非線形信号とを分けるように機能する。分離器22は、基本周波数帯域及び高調波周波数帯域における受信信号バンドパスフィルタリング、又は、パルス反転高調波分離として知られる処理といったように様々な方法で動作する。適切な基本/高調波信号分離器が、国際特許公開WO2005/074805(Bruce他)に示され、説明されている。分離された信号は、信号プロセッサ24に結合される。信号プロセッサにおいて、当該信号は、スペックル除去信号合成及びノイズ除去といった更なるエンハンスメントを受ける。

0019

処理された信号は、Bモードプロセッサ26及びドップラープロセッサ28に結合される。Bモードプロセッサ26は、筋肉組織及び血管といった体内構造物の撮像のために振幅検出を使用する。身体の構造物のBモード画像は、高調波モードか又は基本モードで形成される。体内の組織及びVARは共に、両方の種類の信号を返し、VARの高調波戻りによって、VARが画像内で明白にセグメント化される。ドップラープロセッサは、VARを含む画像フィールド内の物質動きを検出するために、動く組織及び血流からの時間的に特徴のある信号を処理する。これらのプロセッサによって生成される構造的信号及び動き信号は、スキャンコンバータ32及びボリュームレンダラ34に結合される。これらは、組織構造、流れの画像データ、又は、両方の特徴の合成画像を生成する。スキャンコンバータは、極座標を有するエコー信号を、デカルト座標でのセクタ画像といった所望の画像フォーマット画像信号に変換する。ボリュームレンダラ34は、米国特許第6,530,885号(Entrekin他)において説明されるように、3Dデータセットを、所与基準点から見た投射3D画像に変換する。当該特許において説明されるように、レンダリングの基準点が変わると、3D画像は、いわゆる運動視差で回転するように見える。この画像操作は、ユーザインターフェース38とボリュームレンダラ34との間の表示制御線によって示されるように、ユーザによって制御される。更に、マルチプラナリフォーマティングとして知られている技術である、様々な像面の平面像による3Dボリュームの表現が説明されている。ボリュームレンダラ34は、米国特許第6,723,050号(Dow他)において説明されるように、直線座標又は極座標の画像データに作用することができる。2D又は3D画像は、画像ディスプレイ40上での表示のための更なるエンハンスメント、バッファリング及び一時保管のために、スキャンコンバータ及びボリュームレンダラから画像プロセッサ30へと結合される。

0020

超音波画像と共に表示されるグラフィックオーバーレイを生成するグラフィクスプロセッサ36も、画像プロセッサ30に結合されている。これらのグラフィックオーバーレイは、患者名、画像の日時、撮像パラメータ等といった標準的な識別情報を含んでよく、以下に説明されるように、ユーザによってステアリングされるビームベクトルのグラフィックオーバーレイも生成することができる。このために、グラフィクスプロセッサは、ユーザインターフェース38から入力を受信する。ユーザインターフェースは、送信コントローラ18にも結合され、トランスデューサアレイ10a及び10bからの超音波信号の生成、したがって、生成される画像と、トランスデューサアレイによって施される治療とを制御する。ユーザによる調整に反応して制御される送信パラメータは、超音波のキャビテーション作用に関連する送信波のピーク圧を制御するMIメカニカルインデックス)、像位置決めのための送信ビームのステアリング及び/又は治療ビームの位置決め(ステアリング)を含む。

0021

トランスデューサアレイ10a及び10bは、頭部の両側から患者の頭蓋内へと超音波を送信するが、頭部の前部又は頭蓋骨背部後頭下の音響窓といった他の場所を使用してもよい。大多数の患者の頭部の側部が、頭部の両側の周り又は上方の側頭骨における経頭蓋超音波検査に適した音響窓を有利に提供する。様々な身体部分に適用される他の超音波治療とは対照的に、頭蓋骨において適切な音響窓を提供するアクセス面積は限られている。本発明は、皮膚表面における瞬時音響出力を有利に低減し、これにより、患者の安全性を向上させる。これらの音響窓を介してエコーを送受信するために、トランスデューサアレイは、これらの場所において、優れた音響的接触状態になければならないが、これは、トランスデューサアレイを頭部に対してヘッドセットで保持することにより行われる。例えば図2aは、マネキン人形の頭部60に取り付けられた2つのマトリクスアレイプローブ10用のヘッドセット62を示す。大多数の患者の頭部の側部は、頭部の両側の耳の周り及び耳の前の側頭骨における経頭蓋超音波検査に適した音響窓を有利に提供する。これらの音響窓を介してエコーを送受信するために、トランスデューサアレイは、これらの場所において、優れた音響的接触状態になければならないが、これは、トランスデューサアレイを頭部に対してヘッドセット62で保持することにより行われる。ヘッドセットは、トランスデューサアレイがその共形接触面によって操作されることを可能にし、脳内の動脈に向けられる一方で、側頭部窓に対する音響的接触を維持するスナップ式の変形可能な音響スタンドオフ44を有する。図示されるプローブ10は、プローブハンドルを90°曲げることによって湾曲され、これにより、プローブは、その重力中心が頭部及びヘッドセットに近づくので、ヘッドセット62に取り付けられるとより安定する。音響的結合は、プローブハンドルに嵌合球面を組み込むことによって容易にされる。これは、プローブが、患者の側頭部窓にしっかりと結合されるまで、ヘッドセット62内でピボットすることを可能にする。

0022

図2は、頭蓋骨100を走査するように音響結合されると、マトリクスアレイトランスデューサ10a及び10bによって走査されるボリュメトリック画像フィールド102、104を示す。臨床医は、これらのボリュメトリック画像フィールドにおける頭蓋血管系を撮像し、頭蓋血流を妨げている血栓を見つけ出すべく様々な方向にピラミッド形状の画像フィールドをステアリングすることができる。画像フィールド102、104の各位置において、臨床医は、ディスプレイ上のリアルタイム画像内の血流の障害物探すか、又は、頭蓋血管系の画像若しくはマップ捕捉フリーズ)することができる。血管マップが取得され、静的に保持されると、画像は、画像の分解能又はスケールを向上するように高度処理(例えば合成、信号平均化)され、また、画面上で操作され、血管閉塞の詳細な探査において、様々な点及び様々な視野から注意深く調べられる。このように、臨床医は狭窄症と診断することができる。臨床医は、血管マップを調べて血流経路における障害の形跡が見つけられなければ、画像フィールドを頭蓋の別の領域にステアリングして、別の画像フィールドの血管マップを調べる。臨床医は、血管マップのドップラーデータ又は超音波システムのスペクトルドップラー機能を使用して、頭蓋血管系内の特定の位置において流速測定を行うことができる。次に、超音波システムのレポート生成機能を使用して、測定値を記録し、診断のレポートを作成する。

0023

臨床医が狭窄部を発見した場合、超音波ビームで血栓を溶解させるように、狭窄部のある部位においてVARを適用する本発明の方法により治療が提供可能である。臨床医は、超音波システムの「治療」モードを作動させると、治療超音波ビームのベクトル経路を示すグラフィック110、112が画像フィールド102、104内に出現する。治療超音波ビームは、ベクトルグラフィック110又は112が血栓部位に合焦するまで、ユーザインターフェース38を制御することによって操作される。以下に説明される本開示の実施態様では、治療ビームは、臨床医がベクトルグラフィックを向けた血栓周辺においてパターンで自動的に走査される。治療ビームは、細く集束された収束ビーム、又は、ペンシルビームと知られている比較的長い焦点距離を有するビームであってよい。治療ビーム用に生成されるエネルギーは、診断超音波に許可されている超音波レベルを上回り、この場合、血栓部位におけるVARが効果的に破壊される。任意の特定の科学的理論に縛られるつもりはないが、結果として生じるVAR破裂のエネルギーが、血栓に効果的に作用し、血栓を破壊する傾向があり、血栓を血流内に溶解させると仮定する。しかし、診断エネルギーレベルにおけるVARの超音波照射でも、血栓の溶解に十分である場合もある。

0024

図3は、超音波血栓溶解に使用される典型的な集束超音波治療ビーム領域の横断面の圧力レベルプロファイルプロットである。プロットの線は、様々な圧力レベルにおける集束ビーム直径を示す。超音波場内のVAR、具体的には、微小気泡は、50〜100kPaの比較的中程度の圧力によって素早く破壊されるが、超音波場内に残り続ける限り、通常は、数十ミリ秒の間、治療血栓溶解のために治療的に有効であり続ける。しかし、ビームが、治療効果があるように十分な振幅(通常は200〜400kPaのピーク圧力)を有すると、ビームに近接するVARは、治療効果に寄与することなく、ビームの両側における減少した振幅によって破壊される。この影響により、血栓の周りのより大きい治療ボリュームに亘って超音波ビームをステアリングする際に、幾つかの不所望の結果が生じる可能性がある。ビームがステアリングされて互いの間隔が近くになり過ぎると、連続ビームによる治療効果が減少する。これは、図4aに示される血栓の図によって説明される。図4aは、52に示されるように、血栓の上部に沿って左から右へと送られた一連の治療ビームからなる治療ビームパターンによって溶解されたある長さのインビトロ血栓50を示す。図示されるように、パターンの初期治療ビームは、左側で血栓を深くまで破壊するのに効果的であるが、初期治療ビーム付近における不所望の微小気泡の破壊によって微小気泡が減少することにより、走査が右側へと進むにつれて、残る有効な微小気泡の数が少なくなる。結果として、範囲が示された領域の右側では、血栓は浅い深度までしか溶解されないことが分かる。しかし、この影響を回避するために、個々のビームが離れ過ぎていると、結果として、血栓の治療ビーム照射が不十分となり、図4bの54に示されるように、血栓のスカロッピングがもたらされる。本開示のシステム及び方法は、図4cの56に示されるように、これら両方の不所望の結果を阻止するのに効果的である。

0025

本開示の原理によれば、超音波血栓溶解中のVARの時期尚早な/不所望の破壊による上記スカロッピング及び治療効果減少を回避する幾つかの独自の治療ビーム走査フォーマットが説明される。これらの走査フォーマットは、通常、不所望な微小気泡破壊を制限するのに十分に広い集束超音波ビーム間隔を有する2つ以上の独自の走査パターンを連続的に使用することからなる。治療ビームの送信は、効果的な治療送達に必要とされる十分に高いVAR濃度の存在を確実とするために、各走査パターン間に十分に長いVAR補充時間をおいて、大域的且つ均一的な血栓カバレッジを依然としてもたらすように、時間的にインターリーブされる。各走査パターンは、通常は不所望のVAR破壊を制限するのに十分に広い集束超音波ビーム間隔を有する。発明者の研究によって、400kPaのピーク圧ビームでは、ビーム間隔は、好適には、少なくとも電力半値ビーム幅(half-power beam width)(最大ビーム圧の約70%に相当)の大きさであり、理想的には、約100kPa乃至圧力半値ビーム幅(half-pressure beam width)であるが、75〜100kPa(18.75%乃至25%)圧力ビーム幅未満であるべきことが示された(図3参照)。VAR(具体的には微小気泡)をその焦点ゾーンにおいて400kPaで超音波照射するように設定される1MHzにおける典型的な集束超音波血栓溶解治療超音波ビームでは、このビーム間隔は、おおよそ2.6mm(電力半値ビーム幅のサイズ)乃至3.6mm(圧力半値ビーム幅のサイズ)又は5.2mmの範囲である。

0026

本開示に従った使用に適したビーム走査パターンは、血栓ボリューム全体及び周囲組織に亘って連続的に送信される個々の集束ビームの集まりから構成され、これにより、適切な処理マージンが確保される。典型的な脳血栓は、閉塞血管内径に相当する直径(中大脳動脈の場合2〜5mm)と最大で数センチの長さを有する円筒形である。血栓とその周囲組織との徹底的な超音波照射を達成するために、各走査パターンは、好適には1〜5cm2の典型的な断面積に及ぶ。これは、各走査パターンが、所望のビーム間隔及び標的領域カバレッジを所与として、多くのビームからなることを意味する。ビームの重なりと、隣接ビームにより結果として生じるVAR破壊とを更に最小限に抑えるために、各連続走査パターンのビームは、先行パターンのビーム間に、インターリーブされて配置される。2ビームシーケンス、3ビームシーケンス、4ビームシーケンス又は5ビームシーケンスといった様々なビームパターンシーケンスが使用されてよい。シーケンスにおけるすべてのビームパターンが異なっても、ビームパターンのうちの幾つかが同じであってもよい。

0027

図5a及び図5bは、例示的なビームパターンシーケンスにおいて送信された2つの例示的なビームパターンを示す。これらの図面は、血栓の場所における横断面において軸方向に見たビーム70を示す。外側の円は半圧ビームプロファイル限界を定め、小さい円はピーク圧ビーム軸の限界を定める。ビームの相対位置と、ビームのビーム幅とは、隣接ビーム内の造影剤との干渉への影響を低減するように調整される。例えば図5a及び図5bにおけるビームの外側の円は重なり合わず、隣接ビームがビーム焦点領域外のVAR、即ち、微小気泡を破裂させないように離間されている。様々なビームパターンが使用されてよい。例えばX×Yマトリクスビームを使用することができ、また、様々な数のビームを選択することもできる。幾つかの実施形態では、使用されるビーム数は、例えば5乃至50、10乃至30又は10乃至20に及ぶ。図5a乃至図5dでは、各ビームパターンは、この例では約1平方センチメートルの断面積に及ぶ4×3マトリクスに配置された8つの個別に送信され、集束されたビームからなる。この例では、中心間ビーム間隔は2.6mmである。図5a乃至図5dの走査パターンのビームは空間的にインターリーブされ、したがって、1つの走査パターンが、他の走査パターン間の空間を埋めることが分かる。

0028

図5a乃至図5dの走査パターンは、必要に応じて、送信されたビームパターン間に補充期間又は時間間隔を有する4パターンシーケンスで送信される。血栓領域は、最初に、図5aのパターンにおけるビームで走査され、次に、ビーム間間隔の半分(約1.3mm)だけ図5aのパターンから左にオフセットされている図5bのビームで走査される。次に、図5aのビームパターンが再び送信されるが、ビーム間間隔の半分(約1.3mm)だけ図5aのビームパターンから垂直方向にオフセットされている。次に、これもビーム間間隔の半分だけ図5bのビームパターンから垂直方向にオフセットされている図5bのビームパターンで走査される。標的治療ボリュームに超音波照射するように各走査パターンが実行された後、新しいVARが治療領域に補充されるように、数秒(通常は2秒)の中断があり、その後、次の走査パターンが実行される。図5eに示されるように、4つの連続走査パターンの完了後、音響的に、血栓標的は実質的に均一な超音波場に晒される。

0029

図6は、本開示による別の4パス走査シーケンス数値例である。このシーケンスでは、第1のビームパターンのビーム「1」は、グリッドの第1、第3及び第5の横列に沿って水平方向に離間されている。グリッド位置「2」によって表される第2のビームパターンは、第2及び第4の横列において水平方向に離間され、第1のパターンのビーム間で対角線上に配置される。第3のパターンのビーム「3」は、第1、第3及び第5の横列における第1のパターンのビームによって走査されなかった空間を埋め、また、第2のビームパターンのビーム間で垂直方向に埋める。第4のビームパターンのビーム「4」は、第1のビームパターンのビーム間を垂直方向に、また、第2のビームパターンのビーム間を水平方向に埋めることが分かる。結果として、グリッド領域、したがって、ビームによって横断されるボリュームの完全な超音波照射がもたらされる。図4cは、図6のビームパターンを用いた血栓溶解から生じる所望の均一血栓溶解プロファイルを示す。

0030

図7に、図6と同じグリッド及びボリュームの3パス走査シーケンスが示される。第1のビームパターンのビーム「1」は、2つのグリッド位置だけ水平方向に、1つのグリッド位置だけ垂直方向に離間されて交互配列で送信される。第2のビームパターンのビーム「2」も、2つのグリッド位置だけ水平方向に、1つのグリッド位置だけ垂直方向に離間されて第1のビームパターンからオフセットされるパターンで同様に送信される。第3のグリッドパターンのビーム「3」は、第1及び第2のビームパターンとは異なるパターンでオフセットされ、ここでも、互いから、2つのグリッド位置だけ水平方向に、1つのグリッド位置だけ垂直方向に離間されてグリッドの残りの位置を埋める。この3パスビームパターンシーケンスも、グリッド領域全体に超音波照射することが分かるが、不所望な隣接VAR破壊を回避し、したがって、これらのVARが後続のビームパターンによって効果的に治療的に破壊できるように各パターンのビームは間隔があけられている。前の例と同様に、血栓位置への新しいVARの流入を可能とするように、リフレッシュ時間が連続パターン間に許容されている。

0031

図8は、本開示に使用可能であるビームパターンの別の例を示す。「1」と示されるビームが最初に走査される4ビーム走査シーケンスが示される。例えば2秒である待機時間後、「2」と示されるビームが走査され、その次に、「3」と示されるビームが走査され、「4」と示されるビームが走査される。

0032

当然ながら、ブロック図の各ブロック、ブロック図におけるブロックの組み合わせ、並びに、本明細書に開示されるシステム及び方法の任意の部分が、コンピュータプログラム命令によって実施可能である。これらのプログラム命令は、プロセッサ上で実行する命令が、ブロック図の1つ以上のブロックに指定される又は本明細書に開示されるシステム及び方法について説明される動作を実施する手段を作成するようにマシンを生成するように、プロセッサに提供される。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ実施処理を生成するために、一連の動作ステップをプロセッサによって行わせるプロセッサによって実行される。コンピュータプログラム命令は更に、動作ステップの少なくとも一部を並列に行わせる。更に、ステップの幾つかは、マルチプロセッサコンピュータシステムにおいて起きるように、2つ以上のプロセッサにわたって行われる。更に、1つ以上の処理は、他の処理と同時に行われるか、又は、開示の範囲若しくは精神から逸脱することなく、示されるシーケンスとは異なるシーケンスにおいて行われる。コンピュータプログラム命令は、RAM、ROM、EEPROMフラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術CD−ROMデジタルバータイルディスク(DVD)若しくは他の光学ストレージ磁気カセット磁気テープ磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は、所望の情報を記憶するのに使用可能でありコンピュータデバイスによってアクセス可能である任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。

0033

本発明による方法において有用な血管音響共振器は、伝搬媒体における音圧をミクロンサイズの変位に変換可能であり、ミクロンサイズの変形振幅を用いて血栓又は血管壁に変形を印加可能である任意の化学成分を含む。適切なVARの好適な例は、ガス入り微小胞、即ち、内部に適切なガスを含む安定化エンベロープを含むナノ又はミクロンサイズの小胞を含む。VARの処方設計及び調合は、当業者にはよく知られている。例えば国際特許公開WO91/15244、米国特許第5,686,060号(Schneider他)及び国際特許公開WO2004/069284に説明されるように、リン脂質を含むエンベロープを有する微小気泡や、例えば米国特許第5,711,933号に説明されるポリマーを含むエンベロープを有するマイクロバルーンや、例えば米国特許第6,333,021号に説明されるように、生分解性不水溶性脂質を含むエンベロープを有するマイクロカプセルの処方設計及び調合が含まれる。好適には、安定化エンベロープは、両親媒性の物質を含み、より好適にはリン脂質を含む。好適なリン脂質は、脂肪酸の1つ又は好適には2つの(同じ又は異なる)残基及びリン酸を有するグリセロールエステルを含む。リン酸残基は、次に、親水基に結合する。他の好適なリン脂質は、ホスファチジン酸、即ち、脂肪酸を有するグリセロール−リン酸のジエステルを含む。特に好適なリン脂質は、ホスファチジルコリンエチルホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミンホスファチジルセリンホスファチジルイノシトール又はスフィンゴミエリン脂肪酸ジエステルである。ペグ化されたリン脂質を含むポリマー改質リン脂質も、微小気泡の安定化エンベロープを形成するために有利に使用される。任意の生体適合ガス、ガス前駆体又はこれらの混合物を用いて、上記微小胞を充填してよい。フッ素化ガス、具体的にはパーフルオロ化ガスが好まれる。特に好適なガスは、例えば米国特許第6,881,397号及び第5,556,610号に説明されるように、SF6、C3F8、C4F10又はこれらの混合体であり、任意選択的に、空気、酸素窒素二酸化炭素又はこれらの混合物が混合される。

0034

VARの安定化エンベロープを形成する化学成分は、任意選択的に、他の賦形剤と混合されて、所望のガスと接触する乾燥残留物として保管される。微小胞は、通常、ガスの存在下で、優しく振動して、乾燥残留物を水性担体(例えば生理食塩水又はグルコース溶液)に接触させる。これにより、微小胞の水性懸濁液が得られる。微小胞懸濁液は、次に、通常は、注射によって、好適には静脈内投与される。

0035

図9a及び図9bは、ラットに行われた実験結果を示す。図面は、治療群(b)及び対照(未治療)群(a)について、血管音響共振器を含み、複数の連続パターンで治療ビームを用いて超音波照射された小塞栓が形成されたラットの後肢コントラスト増強超音波画像を示す。当物生体において、ラットの後肢のかん流が、超音波臨床システム(Sequioi512)と超音波造影剤(SonoVue(商標))とを使用してコントラスト増強超音波撮像(CEUS)を行う基準の図9(a1)及び図9(b1)においてアクセスされる。自己移植微小血栓の懸濁液が、大腿動脈注入され、10分後、CEUSを行い、成功した閉塞が評価された。閉塞が成功したことは、図9(a2)及び図9(b2)に示される超音波画像内にコントラスト増強がないことにより明らかとなる。30分後、図9(a3)によって表される対照群ではかん流は見られなかった。VARと組み合わされた超音波治療ビームでラットの後肢を治療した30分後、図9(b3)に示されるように、治療群の再かん流が明らかとなった。図5において説明されたパターンと同様の複数の連続パターンで送信された超音波ビームパターンは、4×3マトリクスに配置される12の個々に送信され集束されたビームを含む。これらの実験に使用される中心間ビーム間隔は2.6mmであり、最大ピーク圧は400kPaであった。再かん流は、半定量的等級付けを使用して等級付けられた(0:再かん流なし、1:最小、2:部分的、3:完全)。

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