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技術 ポリアリーレンスルフィド組成物

出願人 ティコナ・エルエルシー
発明者 ルオ,ロンチャオ,シンユー
出願日 2016年12月8日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2018-529943
公開日 2018年12月13日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2018-536749
状態 特許登録済
技術分野 被包材 一体成形容器 高分子組成物 高分子成形体の製造
主要キーワード 供給バレル 沿層方向 混合セクション内 熱遮蔽材 透角閃石 自動車排気システム 内部潤滑性 電気センサー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年12月13日)のものです。
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概要

背景

[0002]ポリマー材料広範囲の異なる機器において用いられている。より薄い機器に対する需要が増加するにつれて、所望の構造に成形することができるより高性能プラスチック材料に対する需要も増加している。1つのかかる材料は、高い熱的、化学的、及び機械的応力に耐えることができる高性能ポリマーであるポリフェニレンスルフィド(PPS)である。PPSは、一般に、アルカリ金属硫化物又はアルカリ金属水硫化物を用いてp−ジクロロベンゼン重合して、末端基塩素を含むポリマーを形成することによって形成される。衝撃強さを向上させる試みにおいて、しばしば耐衝撃性改良剤(例えばエラストマーポリマー)がPPS組成物ブレンドされる。残念なことに、殆どの耐衝撃性改良剤はPPSと非相溶性であり、これによって時間経過に伴う成分の相分離、及びこれに付随して機械的性能の低下がもたらされる可能性がある。したがって、他の特性を犠牲にすることなく良好な衝撃強さを示すことができるポリアリーレンスルフィド組成物に対する必要性が現在存在している。

概要

目的

かかる高分子量のポリマーを用いることの1つの有利性は、これらが一般に低い塩素含量を有することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

シロキサンポリマーがポリマー組成物の約0.05重量%〜約5重量%を構成する、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項3

無機繊維がポリマー組成物の約1重量%〜約50重量%を構成し、耐衝撃性改良剤がポリマー組成物の約1重量%〜約40重量%を構成し、有機シラン化合物がポリマー組成物の約0.02重量%〜約4重量%を構成し、及び/又はポリアリーレンスルフィドがポリマー組成物の約25重量%〜約95重量%を構成する、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項4

ポリアリーレンスルフィドが線状ポリフェニレンスルフィドである、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項5

耐衝撃性改良剤がエポキシ官能オレフィンコポリマーを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項6

エポキシ官能化オレフィンコポリマーがエチレンモノマー単位を含む、請求項5に記載のポリマー組成物。

請求項7

エポキシ官能化オレフィンコポリマーがエポキシ官能化(メタアクリルモノマー成分を含む、請求項5に記載のポリマー組成物。

請求項8

エポキシ官能化(メタ)アクリルモノマー成分が、グリシジルアクリレートグリシジルメタクリレート、又はこれらの組合せから誘導される、請求項7に記載のポリマー組成物。

請求項9

エポキシ官能化(メタ)アクリルモノマー単位コポリマーの約1重量%〜約20重量%を構成する、請求項7に記載のポリマー組成物。

請求項10

有機シラン化合物が、次の一般式:R5−Si−(R6)3(式中、R5は、スルフィド基、1〜10個の炭素原子を含むアルキルスルフィド、2〜10個の炭素原子を含むアルケニルスルフィド、2〜10個の炭素原子を含むアルキニルスルフィド、アミノ基、1〜10個の炭素原子を含むアミノアルキル、2〜10個の炭素原子を含むアミノアルケニル、2〜10個の炭素原子を含むアミノアルキニル、又はこれらの組合せであり;R6は、1〜10炭素原子のアルコキシ基である)を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項11

有機シラン化合物が、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項12

無機繊維がガラス繊維を含む、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項13

シロキサンポリマーが約100,000グラムモル以上の重量平均分子量を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項14

シロキサンポリマーが約10,000センチストークス以上の動粘度を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項15

シロキサンポリマーがR3SiO1/2及びSiO4/2単位(ここでRは官能性又は非官能性有機基である)を含む、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項16

ポリマー組成物の0.05重量%〜約5重量%の量のエチレンα−オレフィンポリマーを更に含む、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項17

ISO試験11443:2005にしたがって1200秒−1の剪断速度及び316℃の温度において測定して約5,000ポアズ以下の溶融粘度を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。

請求項18

請求項1に記載のポリマー組成物を含む成形部品

請求項19

ISO試験179−1:2010にしたがって23℃の温度で測定して約5kJ/m2以上のノッチ付きシャルピー衝撃強さを有する、請求項18に記載の成形部品。

請求項20

請求項1に記載のポリマー組成物を含む溶融押出シート

請求項21

請求項1に記載のポリマー組成物を含む食品トレイ

請求項22

下壁部から上向きに伸長して1以上の食品のための収容部を画定する側壁を含み、側壁、下壁部、又はこれらの組合せは前記ポリマー組成物を含む、請求項21に記載の食品トレイ。

請求項23

請求項1に記載のポリマー組成物、及び金属部品を含むオーバーモールド構造体

技術分野

0001

[001]本出願は、2015年12月11日出願の米国仮出願62/266,222(その全部を参照として本明細書中包含する)に対する優先権を主張する。

背景技術

0002

[0002]ポリマー材料広範囲の異なる機器において用いられている。より薄い機器に対する需要が増加するにつれて、所望の構造に成形することができるより高性能プラスチック材料に対する需要も増加している。1つのかかる材料は、高い熱的、化学的、及び機械的応力に耐えることができる高性能ポリマーであるポリフェニレンスルフィド(PPS)である。PPSは、一般に、アルカリ金属硫化物又はアルカリ金属水硫化物を用いてp−ジクロロベンゼン重合して、末端基塩素を含むポリマーを形成することによって形成される。衝撃強さを向上させる試みにおいて、しばしば耐衝撃性改良剤(例えばエラストマーポリマー)がPPS組成物ブレンドされる。残念なことに、殆どの耐衝撃性改良剤はPPSと非相溶性であり、これによって時間経過に伴う成分の相分離、及びこれに付随して機械的性能の低下がもたらされる可能性がある。したがって、他の特性を犠牲にすることなく良好な衝撃強さを示すことができるポリアリーレンスルフィド組成物に対する必要性が現在存在している。

0003

[0003]本発明の一態様によれば、ポリアリーレンスルフィド無機繊維、耐衝撃性改良剤、有機シラン化合物、及び高分子量シロキサンポリマーを含むポリマー組成物が開示される。幾つかの態様においては、食品トレイを、部分的又は完全に本ポリマー組成物から形成することができる。例えば、食品トレイに、下壁部から上向きに伸長して、1以上の食品のための収容部を画定する側壁を含めることができる。側壁、下壁部、又はこれらの組合せに本ポリマー組成物を含ませることができる。

0004

[0004]本発明の他の特徴及び形態を下記においてより詳細に示す。
[0005]当業者に対するそのベストモードを含む本発明の完全且つ実施化可能な程度の開示を、添付の図面の参照を含む明細書の残りの部分においてより詳しく示す。

図面の簡単な説明

0005

[0006]図1は、本発明のポリマー組成物を含ませることができるシートを形成する方法の側面図である。
[0007]図2は、本発明の一態様において用いることができる熱成形プロセスの側面図である。
[0008]図3は、食品トレイの形態の、本発明のポリマー組成物から形成することができる成形部品の一態様の斜視図である。

0006

[0009]本明細書及び図面において参照記号を繰り返し使用することは、本発明の同じか又は類似の特徴部又は部材を表すように意図される。
[0010]本議論は代表的な態様のみの記載であり、本発明のより広い形態を限定するとは意図しないことが当業者に理解される。
[002]一般的に言えば、本発明は、大きく向上した機械特性(例えば衝撃強さ)及び増大した加工性を達成するために、ポリアリーレンスルフィドを注意深く制御されて選択された複数の成分と組み合わせて含むポリマー組成物に関する。例えば、本ポリマー組成物は、有機シラン化合物を、耐衝撃性改良剤及び無機繊維(例えばガラス繊維)と共に含む。理論によって限定されることは意図しないが、有機シラン化合物は無機繊維及び/又は耐衝撃性改良剤との反応を起こして、それによってかかる成分をポリアリーレンスルフィドへ反応性カップリングさせて、それにより向上した相溶性を与えることを可能にすることができると考えられる。本ポリマー組成物はまたシロキサンポリマーも含み、これは中でも(例えば成形中の)加工性を向上させることができる。理論によって限定されることは意図しないが、高い(例えば約100,000グラムモル以上の)重量平均分子量を有する幾つかのタイプのシロキサンポリマーは、シロキサンポリマーが組成物の表面に移動する傾向を減少させて、これにより相分離の可能性を更にもっと最小にして、得られる組成物の機械特性を向上させることができる。

0007

[0011]ここで、本発明の種々の態様を下記においてより詳細に記載する。
I.ポリマー組成物:
A.ポリアリーレンスルフィド:
[0012]ポリアリーレンスルフィドは、通常は、ポリマー組成物の約25重量%〜約95重量%、幾つかの態様においては約30重量%〜約80重量%、幾つかの態様においては約40重量%〜約70重量%を構成する。本組成物中において用いる1種類又は複数のポリアリーレンスルフィドは、一般に、式:

0008

0009

(式中、Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4は、独立して6〜18炭素原子アリーレン単位であり;
W、X、Y、及びZは、独立して、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、−O−、−C(O)O−、又は1〜6炭素原子のアルキレン若しくはアルキリデン基から選択される二価連結基であり、連結基の少なくとも1つは−S−であり;
そして、n、m、i、j、k、l、o、及びpは、独立して、0、1、2、3、又は4であり、但しこれらの合計は2以上である)
繰り返し単位を有する。

0010

[0013]アリーレン単位のAr1、Ar2、Ar3、及びAr4は、選択的に置換又は非置換であってよい。有利なアリーレン単位は、フェニレンビフェニレンナフチレンアントラセン、及びフェナントレンである。ポリアリーレンスルフィドは、通常は約30モル%より多く、約50モル%より多く、又は約70モル%より多いアリーレンスルフィド(−S−)単位を含む。例えば、ポリアリーレンスルフィドは、少なくとも約85モル%の、2つの芳香環直接結合しているスルフィド連結基を含んでいてよい。1つの特定の態様においては、ポリアリーレンスルフィドは、本発明においてその成分としてフェニレンスルフィド構造:−(C6H4−S)n−(式中、nは1以上の整数である)を含むものとして定義されるポリフェニレンスルフィドである。

0011

[0014]ポリアリーレンスルフィドを製造するのに用いることができる合成技術は、当該技術において一般的に知られている。例として、ポリアリーレンスルフィドを製造するプロセスには、ヒドロスルフィドイオンを与える材料(例えばアルカリ金属硫化物)を、有機アミド溶媒中でジハロ芳香族化合物と反応させることを含めることができる。アルカリ金属硫化物は、例えば、硫化リチウム硫化ナトリウム硫化カリウム硫化ルビジウム、硫化セシウム、又はこれらの混合物であってよい。アルカリ金属硫化物が水和物又は水性混合物である場合には、アルカリ金属硫化物を、重合反応の前に脱水操作によって処理することができる。アルカリ金属硫化物はまた、in situで生成させることもできる。更に、少量のアルカリ金属水酸化物を反応中に含めて、アルカリ金属硫化物と共に非常に少量で存在する可能性があるアルカリ金属ポリスルフィド又はアルカリ金属チオスルフェートのような不純物を除去するか又は(例えばかかる不純物を無害の材料に変化させるために)反応させることができる。

0012

[0015]ジハロ芳香族化合物は、限定なしに、o−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン、ジハロトルエン、ジハロナフタレンメトキシ−ジハロベンゼン、ジハロビフェニル、ジハロ安息香酸、ジハロジフェニルエーテル、ジハロジフェニルスルホン、ジハロジフェニルスルホキシド、又はジハロジフェニルケトンであってよい。ジハロ芳香族化合物は、単独か又はその任意の組合せのいずれかで用いることができる。具体的な代表的ジハロ芳香族化合物としては、限定なしに、p−ジクロロベンゼン;m−ジクロロベンゼン;o−ジクロロベンゼン;2,5−ジクロロトルエン;1,4−ジブロモベンゼン;1,4−ジクロロナフタレン;1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン;4,4’−ジクロロビフェニル;3,5−ジクロロ安息香酸;4,4’−ジクロロジフェニルエーテル;4,4’−ジクロロジフェニルスルホン;4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシド;及び4,4’−ジクロロジフェニルケトン;を挙げることができる。ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であってよく、同じジハロ芳香族化合物中の2つのハロゲン原子は、同一か又は互いと異なっていてよい。一態様においては、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、又はこれらの2以上の化合物の混合物をジハロ芳香族化合物として用いる。当該技術において公知なように、ポリアリーレンスルフィドの末端基を形成するためか、或いは重合反応及び/又はポリアリーレンスルフィドの分子量を調節するために、モノハロ化合物(必ずしも芳香族化合物ではない)をジハロ芳香族化合物と組み合わせて用いることもできる。

0013

[0016]1種類又は複数のポリアリーレンスルフィドはホモポリマー又はコポリマーであってよい。例えば、ジハロ芳香族化合物の選択的な組み合わせによって、2以上の異なる単位を含むポリアリーレンスルフィドコポリマーを形成することができる。例えば、p−ジクロロベンゼンをm−ジクロロベンゼン又は4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと組み合わせて用いる場合には、式:

0014

0015

の構造を有するセグメント、及び式:

0016

0017

の構造を有するセグメント、又は式:

0018

0019

の構造を有するセグメントを含むポリアリーレンスルフィドコポリマーを形成することができる。
[0017]1種類又は複数のポリアリーレンスルフィドは、線状、半線状、分岐、又は架橋型であってよい。線状ポリアリーレンスルフィドは、通常は80モル%以上の繰り返し単位:−(Ar−S)−を含む。かかる線状ポリマーはまた、少量の分岐単位又は架橋単位を含んでいてもよいが、分岐又は架橋単位の量は、通常はポリアリーレンスルフィドの全モノマー単位の約1モル%未満である。線状ポリアリーレンスルフィドポリマーは、上記に記載の繰り返し単位を含むランダムコポリマー又はブロックコポリマーであってよい。また、半線状ポリアリーレンスルフィドは、3つ以上の反応性官能基を有する少量の1種類以上のモノマーポリマー中に導入した架橋構造又は分岐構造を有していてよい。例として、半線状ポリアリーレンスルフィドを形成するのに用いるモノマー成分に、分岐ポリマーの製造において用いることができる分子あたり2以上のハロゲン置換基を有する所定量のポリハロ芳香族化合物を含ませることができる。かかるモノマーは、式:R’Xn(式中、それぞれのXは、塩素、臭素、及びヨウ素から選択され、nは3〜6の整数であり、R’は、約4個以下のメチル置換基を有していてよい価数nの多価芳香族基であり、R’中の炭素原子の総数は6〜約16の範囲内である)によって表すことができる。半線状ポリアリーレンスルフィドを形成するのに用いることができる分子あたり2個より多いハロゲンで置換されている幾つかのポリハロ芳香族化合物の例としては、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロモベンゼン、1,2,4−トリヨードベンゼン、1,2,3,5−テトラブロモベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロ−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,2’,4,4’−テトラクロロビフェニル、2,2’,5,5’−テトラヨードビフェニル、2,2’,6,6’−テトラブロモ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、1,2,3,4−テトラクロロナフタレン、1,2,4−トリブロモ−6−メチルナフタレンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。

0020

[0018]一態様においては、ポリアリーレンスルフィドは未処理のポリアリーレンスルフィドであってよい。他の態様においては、ポリアリーレンスルフィドは処理したポリアリーレンスルフィドであってよい。例えば、ポリアリーレンスルフィドは、酸素雰囲気中、及び/又はペルオキシドのような架橋剤の存在下で加熱することができる。処理したポリアリーレンスルフィドポリマーを用いることによって、ポリアリーレンスルフィドポリマー組成物の色変化を得ることができる。例えば、処理したポリアリーレンスルフィドに対する未処理のポリアリーレンスルフィドの比を調節することによって、組成物の色を変化させることができる。色変化はまた、処理したポリアリーレンスルフィドに代えて、又はそれに加えて硬化又は分岐ポリアリーレンスルフィドを用いることによって達成することもできる。

0021

B.耐衝撃性改良剤:
[0019]耐衝撃性改良剤は、通常は、ポリマー組成物の約1重量%〜約40重量%、幾つかの態様においては約2重量%〜約30重量%、幾つかの態様においては約3重量%〜約25重量%を構成する。好適な耐衝撃性改良剤の例としては、例えば、ポリエポキシドポリウレタンポリブタジエンアクリロニトリルブタジエンスチレンポリアミド、ブロックコポリマー(例えばポリエーテルポリアミドブロックコポリマー)等、並びにこれらの混合物を挙げることができる。一態様においては、平均で分子あたり2以上のエポキシ官能基を含むという点で「エポキシ官能化されている」オレフィンコポリマーを用いる。コポリマーは、一般に1種類以上のα−オレフィンから誘導されるオレフィンモノマー単位を含む。かかるモノマーの例としては、例えば2〜20個の炭素原子、通常は2〜8個の炭素原子を有する線状及び/又は分岐のα−オレフィンが挙げられる。具体例としては、エチレンプロピレン、1−ブテン;3−メチル−1−ブテン;3,3−ジメチル−1−ブテン;1−ペンテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ペンテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ヘキセン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ヘプテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−オクテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ノネン;エチル、メチル、又はジメチル置換1−デセン;1−ドデセン;及びスチレン;が挙げられる。特に望ましいα−オレフィンモノマーはエチレン及びプロピレンである。このコポリマーはまた、エポキシ官能性モノマー単位も含んでいてよい。かかる単位の1つの例は、エポキシ官能性メタアクリルモノマー成分である。本明細書において用いる「(メタ)アクリル」という用語は、アクリル及びメタクリルモノマー、並びにアクリレート及びメタクリレートモノマーのようなその塩又はエステルを包含する。例えば、好適なエポキシ官能性(メタ)アクリルモノマーとしては、グリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートのような1,2−エポキシ基を含むものを挙げることができるが、これらに限定されない。他の好適なエポキシ官能性モノマーとしては、アリルグリシジルエーテルグリシジルエタクリレート、及びグリシジルイタコネートが挙げられる。所望の分子量の達成を助けるために、他の好適なモノマーを用いることもできる。

0022

[0020]勿論、コポリマーは、当該技術において公知なように他のモノマー単位を含んでいてもよい。例えば、他の好適なモノマーとしては、エポキシ官能性でない(メタ)アクリルモノマーを挙げることができる。かかる(メタ)アクリルモノマーの例としては、メチルアクリレートエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、i−アミルアクリレート、イソボルニルアクリレートn−ヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートメチルメタクリレートエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレートn−ブチルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、i−アミルメタクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルブチルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、シンナミルメタクリレート、クロチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等、及びこれらの組合せを挙げることができる。例えば1つの特定の態様においては、コポリマーは、エポキシ官能性(メタ)アクリルモノマー成分、α−オレフィンモノマー成分、及び非エポキシ官能性(メタ)アクリルモノマー成分から形成されるターポリマーであってよい。コポリマーは、例えば次の構造:

0023

0024

(式中、x、y、及びzは1以上である)
を有するポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−グリシジルメタクリレート)であってよい。

0025

[0021]1つ又は複数のモノマー成分の相対割合は、エポキシ反応性とメルトフローレートの間のバランスを達成するように選択することができる。より詳しくは、高いエポキシモノマー含量はマトリクスポリマーとの良好な反応性をもたらすことができるが、含量が過度に高いと、コポリマーがポリマーブレンド溶融強度に悪影響を与える程度までメルトフローレートが減少する可能性がある。したがって、殆どの態様において、1種類又は複数のエポキシ官能性(メタ)アクリルモノマーは、コポリマーの約1重量%〜約20重量%、幾つかの態様においては約2重量%〜約15重量%、幾つかの態様においては約3重量%〜約10重量%を構成する。また、1種類又は複数のα−オレフィンモノマーは、コポリマーの約55重量%〜約95重量%、幾つかの態様においては約60重量%〜約90重量%、幾つかの態様においては約65重量%〜約85重量%を構成していてよい。用いる場合には、他のモノマー成分(例えば非エポキシ官能性(メタ)アクリルモノマー)は、コポリマーの約5重量%〜約35重量%、幾つかの態様においては約8重量%〜約30重量%、幾つかの態様においては約10重量%〜約25重量%を構成していてよい。得られるメルトフローレートは、通常は、ASTM−D1238−13にしたがって2.16kgの荷重及び190℃の温度において測定して、約1〜約30グラム/10分(g/10分)、幾つかの態様においては約2〜約20g/10分、幾つかの態様においては約3〜約15g/10分である。

0026

[0022]本発明において用いることができる好適なエポキシ官能化コポリマーの1つの例は、ArkemaからLOTADER登録商標)AX8840の名称で商業的に入手できる。LOTADER(登録商標)AX8840は、例えば5g/10分のメルトフローレートを有し、エチレンとグリシジルメタクリレート(8重量%のモノマー含量)のランダムコポリマーである。他の好適なコポリマーは、DuPontからELVALOY(登録商標)PTWの名称で商業的に入手でき、これはエチレン、ブチルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートのターポリマーであり、12g/10分のメルトフローレート、及び4重量%〜5重量%のグリシジルメタクリレートモノマー含量を有する。

0027

C.無機繊維:
[0023]無機繊維は、通常は、ポリマー組成物の約1重量%〜約50重量%、幾つかの態様においては約2重量%〜約40重量%、幾つかの態様においては約5重量%〜約30重量%を構成する。一般に、ガラスネオシリケートソロシリケート、イノシリケート(例えば、珪灰石のようなカルシウムイノシリケート;透角閃石のようなカルシウムマグネシウムイノシリケート;陽起石のようなカルシウムマグネシウム鉄イノシリケート;直閃石のようなマグネシウム鉄イノシリケート;等)、フィロシリケート(例えばパリゴルスカイトのようなアルミニウムフィロシリケート)、テクトシリケート等のようなシリケート;硫酸カルシウム(例えば脱水又は無水石膏)のようなスルフェートミネラルウール(例えば、ロックウール又はスラグウール);などから誘導されるもののような任意の種々の異なるタイプの無機繊維を用いることができる。E−ガラス、A−ガラス、C−ガラス、D−ガラス、AR−ガラス、R−ガラス、S1−ガラス、S2−ガラス等、及びこれらの混合物から形成されるもののようなガラス繊維が、本発明において用いるために特に好適である。

0028

[0024]無機繊維は、円形平坦等のような任意の所望の断面形状を有していてよい。幾つかの態様においては、約1.5〜約10、幾つかの態様においては約2〜約8、幾つかの態様においては約3〜約5のアスペクト比(即ち、断面の幅を断面の厚さで割った値)を有するという点で比較的平坦な断面寸法を有する繊維を用いることが望ましい可能性がある。かかる平坦な繊維を特定の濃度で用いると、これらは、ポリマー組成物の溶融粘度に実質的に悪影響を与えることなく、成形部品の機械特性を更に向上させることができる。無機繊維は、例えば、約1〜約50マイクロメートル、幾つかの態様においては約5〜約50マイクロメートル、幾つかの態様においては約10〜約35マイクロメートルのみかけの幅を有していてよい。繊維はまた、約0.5〜約30マイクロメートル、幾つかの態様においては約1〜約20マイクロメートル、幾つかの態様においては約3〜約15マイクロメートルの見かけの厚さを有していてもよい。更に、無機繊維は狭い寸法分布を有していてよい。即ち、繊維の少なくとも約60体積%、幾つかの態様においては繊維の少なくとも約70体積%、幾つかの態様においては繊維の少なくとも約80体積%は、上記の範囲内の幅及び/又は厚さを有していてよい。成形部品においては、ガラス繊維の体積平均長さは、約10〜約500マイクロメートル、幾つかの態様においては約100〜約400マイクロメートル、幾つかの態様においては約150〜約350マイクロメートルであってよい。

0029

D.有機シラン化合物:
[0025]本発明のポリマー組成物はまた、有機シラン化合物も含む。かかる有機シラン化合物は、通常は、ポリマー組成物の約0.01重量%〜約3重量%、幾つかの態様においては約0.02重量%〜約1重量%、幾つかの態様においては約0.05重量%〜約0.5重量%を構成する。有機シラン化合物は、例えば、ビニルアルコキシシランエポキシアルコキシシランアミノアルコキシシランメルカプトアルコキシシラン、及びこれらの組合せのような当該技術において公知の任意のアルコキシシランであってよい。例えば一態様においては、有機シラン化合物は、次の一般式
R5−Si−(R6)3
(式中、
R5は、スルフィド基(例えば−SH)、1〜10個の炭素原子を含むアルキルスルフィド(例えば、メルカプトプロピルメルカプトエチルメルカプトブチル等)、2〜10個の炭素原子を含むアルケニルスルフィド、2〜10個の炭素原子を含むアルキニルスルフィド、アミノ基(例えばNH2)、1〜10個の炭素原子を含むアミノアルキル(例えば、アミノメチルアミノエチルアミノプロピルアミノブチル等);2〜10個の炭素原子を含むアミノアルケニル、2〜10個の炭素原子を含むアミノアルキニルなどであり;
R6は、1〜10炭素原子のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシなどである)
を有していてよい。

0030

[0026]混合物中に含ませることができる有機シラン化合物の幾つかの代表例としては、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルトリメトキシシラン、エチレントリメトキシシラン、エチレントリエトキシシラン、エチントリメトキシシラン、エチントリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン又は3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメトキシシラン、ビス(3−アミノプロピル)テトラエトキシジシロキサン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン等、及びこれらの組合せが挙げられる。特に好適な有機シラン化合物は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランである。

0031

E.高分子量シロキサンポリマー:
[0027]上記に示したように、本ポリマー組成物中においては、シロキサンポリマーも用いる。理論によって限定されることは意図しないが、シロキサンポリマーは、中でも、例えばより良好な金型充填性内部潤滑性離型性等を与えることによって組成物の加工性を向上させることができると考えられる。更に、その高い分子量のために、シロキサンポリマーは組成物の表面に移動又は拡散する傾向がより小さく、これにより相分離の可能性が更に最小になり、衝撃エネルギー減衰させるのが更に支援されるとも考えられる。例えば、かかるシロキサンポリマーは、通常は、約100,000グラム/モル以上、幾つかの態様においては200,000グラム/モル以上、幾つかの態様においては約500,000グラム/モル〜約2,000,000グラム/モルの重量平均分子量を有する。本シロキサンポリマーはまた、約10,000センチストークス以上、幾つかの態様においては約30,000センチストークス以上、幾つかの態様においては約50,000〜約500,000センチストークスのような比較的高い動粘度を有していてもよい。

0032

[0028]本ポリマー組成物中においては、一般に任意の種々の高分子量シロキサンポリマーを用いることができる。例えば幾つかの態様においては、シロキサンポリマーは、主としてR3SiO1/2及びSiO4/2単位(それぞれM及びQ単位)(ここで、Rは官能性又は非官能性有機基である)から形成される高分子ポリマーである「MQ」樹脂であってよい。好適な有機官能基(R)としては、例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、アリール(例えばフェニル)、シクロアルキル(例えばシクロペンチル)、アリーレニル、アルケニル、シクロアルケニル(例えばシクロヘキセニル)、アルコキシ(例えばメトキシ)等、及びこれらの組合せを挙げることができる。かかる樹脂は、一般に、低い重量平均分子量(例えば100,000グラム/モル未満)を有するMQ樹脂分子をポリシロキサンリンカーと化学的に連結(共重合)することによって製造される。例えば1つの特定の態様においては、樹脂は、低分子量のMQ固体樹脂(A)を、Juenらの米国特許6,070,012に記載されているような実質的に線状のポリジオルガノシロキサンリンカー(B)と共重合することによって形成することができる。樹脂(A)は、例えば、次の一般式:
R1aR2bR3cSiO(4−a−b−c)/2
(式中、
R1は、ヒドロキシル基であり;
R2は、ケイ素結合水素原子付加反応することができる少なくとも1つの不飽和炭素炭素結合(即ちビニル)を有する一価炭化水素基であり;
それぞれのR3は、独立して、アルキル、アリール、及びアリールアルキル基からなる群から選択され;
aは、0〜1、幾つかの態様においては0〜0.2の数であり;
bは、0〜3、幾つかの態様においては0〜1.5の数であり;
cは、0以上の数である)
を有するM及びQシロキシ単位を有していてよい。

0033

[0029]また、実質的に線状のポリジオルガノシロキサンリンカー(B)は、次の一般式:
(R4(3−p)R5pSiO1/2)(R42SiO2/2)x((R4R5SiO2/2)(R42SiO2/2)x)y(R4(3−p)R5pSiO1/2)
(式中、
それぞれのR4は、独立してアルキル、アリール、及びアリールアルキル基からなる群から選択される一価の基であり;
それぞれのR5は、独立して水素ヒドロキシル、アルコキシ、オキシモ(oximo)、アルキルオキシモ(alkyloximo)、及びアリールオキシモ(aryloximo)基からなる群から選択される一価の基であり、ここで通常はそれぞれの分子中に少なくとも2つのR5基が存在していて、異なるケイ素原子に結合しており;
pは、0、1、2、又は3であり;
xは、0〜200,幾つかの態様においては0〜100の範囲であり;
yは、0〜200、幾つかの態様においては0〜100の範囲である)
を有していてよい。

0034

[0030]高分子量シロキサンポリマーは、通常は、ポリマー組成物の約0.05重量%〜約5重量%、幾つかの態様においては約0.1重量%〜約3重量%、幾つかの態様においては約0.5〜約2重量%を構成する。

0035

[0031]幾つかの態様においては、シロキサンポリマーは、キャリア樹脂を含むマスターバッチの形態で与えることができる。キャリア樹脂は、例えばポリマー組成物の約0.05重量%〜約5重量%、幾つかの態様においては約0.1重量%〜約3重量%、幾つかの態様においては約0.5〜約2重量%を構成していてよい。ポリオレフィンエチレンポリマープロピレンポリマー等)、ポリアミド等のような任意の種々のキャリア樹脂を用いることができる。例えば一態様においては、キャリア樹脂はエチレンポリマーである。エチレンポリマーは、エチレンと、C3〜C20−α−オレフィン又はC3〜C12−α−オレフィンのようなα−オレフィンのコポリマーであってよい。好適なα−オレフィンは、線状又は分岐(例えば1以上のC1〜C3アルキル分岐、又はアリール基)であってよい。具体例としては、1−ブテン;3−メチル−1−ブテン;3,3−ジメチル−1−ブテン;1−ペンテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ペンテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ヘキセン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ヘプテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−オクテン;1以上のメチル、エチル、又はプロピル置換基を有する1−ノネン;エチル、メチル、又はジメチル置換1−デセン;1−ドデセン;及びスチレン;が挙げられる。特に望ましいα−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンである。かかるコポリマーのエチレン含量は、約60モル%〜約99モル%、幾つかの態様においては約80モル%〜約98.5モル%、幾つかの態様においては約87モル%〜約97.5モル%であってよい。また、α−オレフィン含量は、約1モル%〜約40モル%、幾つかの態様においては約1.5モル%〜約15モル%、幾つかの態様においては約2.5モル%〜約13モル%の範囲であってよい。エチレンポリマーの密度は、用いるポリマーのタイプに応じて変化する可能性があるが、一般に約0.85〜約0.96グラム/立方センチメートル(g/cm3)の範囲である。例えば、ポリエチレンプラストマー」は、約0.85〜約0.91g/cm3の範囲の密度を有していてよい。また、例えばASTM−D792にしたがって測定して、「線状低密度ポリエチレン」(LLDPE)は約0.91〜約0.940g/cm3の範囲の密度を有していてよく;「低密度ポリエチレン」(LDPE)は約0.910〜約0.940g/cm3の範囲の密度を有していてよく;「高密度ポリエチレン」(HDPE)は約0.940〜約0.960g/cm3の範囲の密度を有していてよい。用いることができる高分子量シロキサンポリマーマスターバッチの幾つかの非限定的な例としては、例えばDow CorningからMB50-001、MB50-002、MB50-313、MB50-314、及びMN50-321の商品名で入手できるものが挙げられる。

0036

F.他の成分:
[0032]ポリアリーレンスルフィド、耐衝撃性改良剤、無機繊維、有機シラン化合物、及び高分子量シロキサンポリマーに加えて、本ポリマー組成物にはまた、その全体的な特性の向上を助けるために種々の他の異なる成分を含ませることもできる。例えば、本ポリマー組成物中において粒子状充填剤を用いることができる。用いる場合には、粒子状充填剤は、通常は、ポリマー組成物の約5重量%〜約60重量%、幾つかの態様においては約10重量%〜約50重量%、幾つかの態様においては約15重量%〜約45重量%を構成する。当該技術において公知の種々のタイプの粒子状充填剤を用いることができる。例えば、クレイ鉱物は、本発明において用いるのに特に好適である可能性がある。かかるクレイ鉱物の例としては、例えば、タルク(Mg3Si4O10(OH)2)、ハロイサイト(Al2Si2O5(OH)4)、カオリナイト(Al2Si2O5(OH)4)、イライト((K,H3O)(Al,Mg,Fe)2(Si,Al)4O10[(OH)2,(H2O)])、モンモリロナイト(Na,Ca)0.33(Al,Mg)2Si4O10(OH)2・nH2O)、バーミキュライト((MgFe,Al)3(Al,Si)4O10(OH)2・4H2O)、パリゴルスカイト((Mg,Al)2Si4O10(OH)・4(H2O))、パイロフィライト(Al2Si4O10(OH)2)等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。クレイ鉱物に代えて、又はこれに加えて、更に他の無機充填剤を用いることもできる。例えば、ケイ酸カルシウムケイ酸アルミニウムマイカ珪藻土、珪灰石などのような他の好適なシリケート充填剤を用いることもできる。例えば、マイカは本発明において用いるのに特に好適な無機物である可能性がある。地質学存在状態における相当な相違を有する幾つかの化学的に異なるマイカ種が存在するが、全て実質的に同じ結晶構造を有する。本明細書において用いる「マイカ」という用語は、モスコバイト(KAl2(AlSi3)O10(OH)2)、バイオタイト(K(Mg,Fe)3(AlSi3)O10(OH)2)、フロパイト(KMg3(AlSi3)O10(OH)2)、レピドライト(K(Li,Al)2〜3(AlSi3)O10(OH)2)、グローコナイト(K,Na)(Al,Mg,Fe)2(Si,Al)4O10(OH)2)等、並びにこれらの組み合わせのような任意のこれらの種を総称的に包含すると意図される。

0037

[0033]また、幾つかの態様においてはジスルフィド化合物も用いることができ、これは溶融加工中においてポリアリーレンスルフィドとの連鎖切断反応にかけて、その全体的な溶融粘度を低下させることができる。用いる場合には、ジスルフィド化合物は、通常は、ポリマー組成物の約0.01重量%〜約3重量%、幾つかの態様においては約0.02重量%〜約1重量%、幾つかの態様においては約0.05〜約0.5重量%を構成する。また、ポリアリーレンスルフィドの量とジスルフィド化合物の量との比は、約1000:1〜約10:1、約500:1〜約20:1、又は約400:1〜約30:1であってよい。好適なジスルフィド化合物は、通常は次式
R3−S−S−R4
を有するものである。

0038

[0034]式中、R3及びR4は、同一か又は異なっていてよく、独立して1〜約20個の炭素を含む炭化水素基である。例えば、R3及びR4は、アルキル、シクロアルキル、アリール、又は複素環式基であってよい。幾つかの態様においては、R3及びR4は、一般に、フェニル、ナフチル、エチル、メチル、プロピル等のような非反応性官能基である。かかる化合物の例としては、ジフェニルジスルフィドナフチルジスルフィド、ジメチルジスルフィドジエチルジスルフィド、及びジプロピルジスルフィドが挙げられる。R3及びR4はまた、ジスルフィド化合物の1つ又は複数の末端において反応性官能基を含んでいてもよい。例えば、R3及びR4の少なくとも1つは、末端カルボキシル基、ヒドロキシル基、置換又は非置換アミノ基、ニトロ基などを含んでいてよい。かかる化合物の例としては、限定なしに、2,2’−ジアミノジフェニルジスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルジスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィドジチオサリチル酸(dithiosalicyclic acid)(又は2,2’−ジチオ安息香酸)、ジチオグリコール酸、α,α’−ジチオジ乳酸、β,β’−ジチオジ乳酸、3,3’−ジチオジピリジン、4,4’−ジチオモルホリン、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール)、2,2’−ジチオビス(ベンズイミダゾール)、2,2’−ジチオビス(ベンゾオキサゾール)、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等、及びこれらの混合物を挙げることができる。

0039

[0035]所望の場合には、組成物の結晶化特性を更に向上させるために成核剤を用いることもできる。かかる成核剤の1つの例は、ホウ素含有化合物(例えば、窒化ホウ素四ホウ酸ナトリウム四ホウ酸カリウム四ホウ酸カルシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウムマグネシウム)、酸化物(例えば、酸化チタン酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化亜鉛三酸化アンチモン等)、ケイ酸塩(例えば、タルク、ケイ酸ナトリウム−アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等)、アルカリ土類金属の塩(例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等)などのような無機結晶質化合物である。窒化ホウ素(BN)は、本発明のポリマー組成物中において用いると特に有益であることが分かった。窒化ホウ素は、種々の異なる結晶形(例えば、h−BN−六方晶、c−BN−立方晶又は閃亜鉛鉱、及びw−BN−ウルツ鉱)で存在し、これらのいずれも一般的に本発明において用いることができる。六方晶の結晶形がその安定性及び柔軟性のために特に好適である。

0040

[0036]所望の場合には、本ポリマー組成物中において、ポリアリーレンスルフィドと組み合わせて用いるために他のポリマーを用いることもできる。用いる場合には、かかる更なるポリマーは、通常は、ポリマー組成物の約0.1重量%〜約30重量%、幾つかの態様においては約0.5重量%〜約20重量%、幾つかの態様においては約1重量%〜約10重量%を構成する。ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミドポリアリーレンエーテルケトンポリエステル等のような任意の種々のポリマーを用いることができる。1つの特定の態様においては、液晶ポリマーを用いることができる。「液晶ポリマー」という用語は、一般に、それがその溶融状態において液晶質挙動(例えばサーモトロピックネマチック状態)を示すことを可能にする棒状の構造を有することができるポリマーを指す。ポリマーに、それが全芳香族(例えば芳香族単位のみを含む)、又は部分芳香族(例えば、芳香族単位と、脂環式単位のような他の単位を含む)になるように芳香族単位(例えば芳香族ポリエステル芳香族ポリエステルアミド等)を含ませることができる。液晶ポリマーは、一般に、棒状の構造を有することができ、それらの溶融状態において結晶質の挙動(例えばサーモトロピックネマチック状態)を示すことができる限りにおいて「サーモトロピック」として分類される。サーモトロピック液晶ポリマーは溶融状態において秩序相を形成するので、これらは比較的低い剪断粘度を有することができ、したがって時にはポリアリーレンスルフィドのための流動助剤として機能する。液晶ポリマーはまた、ポリマー組成物の幾つかの機械特性の更なる向上を助ける場合もある。

0041

[0037]液晶ポリマーは、当該技術において公知の1以上のタイプの繰り返し単位から形成することができる。液晶ポリマーには、例えば、通常はポリマーの約60モル%〜約99.9モル%、幾つかの態様においては約70モル%〜約99.5モル%、幾つかの態様においては約80モル%〜約99モル%の量の1以上の芳香族エステル繰り返し単位を含ませることができる。本発明において用いるのに好適な芳香族エステル繰り返し単位の例としては、例えば芳香族ジカルボン酸繰り返し単位、芳香族ヒドロキシカルボン酸繰り返し単位、及びこれらの種々の組合せを挙げることができる。

0042

[0038]本組成物中に含ませることができる更に他の成分としては、例えば抗菌剤顔料(例えば、黒色顔料無機顔料)、滑剤酸化防止剤、安定剤、界面活性剤ワックス流動促進剤固体溶媒難燃剤、並びに特性及び加工性を向上させるために加える他の材料を挙げることができる。

0043

II.溶融加工:
[0039]ポリアリーレンスルフィド、無機繊維、有機シラン化合物、耐衝撃性改良剤、高分子量シロキサンポリマー、及び他の随意的な添加剤を混合する方法は、当該技術において公知なように変化させることができる。例えば、材料を分散ブレンドする溶融加工装置に複数の材料を同時か又は順々のいずれかで供給することができる。バッチ及び/又は連続溶融加工技術を用いることができる。例えば、ミキサーニーダーバンバリーミキサーファレル連続ミキサー一軸押出機二軸押出機ロールミル等を用いて、材料をブレンド及び溶融加工することができる。1つの特に好適な溶融加工装置は、同時回転二軸押出機(例えば、Leistritz同時回転完全噛み合い二軸押出機)である。かかる押出機には供給及び排出口を含めることができ、高強度分分散混合を与えることができる。例えば、複数の成分を、二軸押出機の同一か又は異なる供給口に供給し、溶融ブレンドして実質的に均一な溶融混合物を形成することができる。溶融ブレンドは、高剪断/圧力及び加熱下で行って十分な分散を確保することができる。例えば、溶融加工は、約50℃〜約500℃、幾つかの態様においては約100℃〜約250℃の温度で行うことができる。また、溶融加工中のみかけ剪断速度は、約100秒−1〜約10,000秒−1、幾つかの態様においては約500秒−1〜約1,500秒−1の範囲にすることができる。勿論、所望の均一度を達成するために、溶融加工中の滞留時間(これは処理速度に逆比例する)のような他の変数を制御することもできる。

0044

[0040]所望の場合には、溶融加工ユニット混合セクション内において、1以上の分配及び/又は分散混合部材を用いることができる。好適な分配ミキサーとしては、例えば、Saxon、Dulmage、キャビティートランスファーミキサー等を挙げることができる。更に、好適な分散ミキサーとしては、ブリスターリング、Leroy/Maddock、CRDミキサー等を挙げることができる。当該技術において周知なように、混合は、Bussニーダー押出機、キャビティートランスファーミキサー、及びボルテックスインターメッシュピンミキサーにおいて用いられているもののようなポリマー溶融体の折り畳み及び再配向生起させるバレル内のピンを用いることによって激しさを更に増加させることができる。また、スクリューの速度を制御して組成物の特性を向上させることもできる。例えば、スクリュー速度は、約400rpm以下、例えば一態様においては約200rpm〜約350rpmの間、又は約225rpm〜約325rpmの間にすることができる。一態様においては、向上した衝撃特性及び引張特性を示すポリマー組成物が与えられるように配合条件のバランスを取ることができる。例えば、配合条件に、温和か、中程度か、又は激しいスクリュー条件を与えるスクリューデザインを含めることができる。例えば、スクリューが温和な溶融及び分配的溶融体均質化を目的としてスクリューの下流の半分の上に1つの単一の溶融セクションを有する軽度の激しさのスクリューデザインをシステムに与えることができる。中程度の激しさのスクリューデザインには、均一な溶融を達成するためにより強分散性の部材上により多く集中している充填剤供給バレルから上流により強い溶融セクションを与えることができる。更に、充填剤を混合するために下流に他の温和な混合セクションを与えることができる。このセクションは、より弱いが、なおスクリューの剪断度を増大させて、それを軽度の激しさのデザインよりも全体的に強くすることができる。高度の激しさのスクリューデザインは、3つの中で最も強い剪断度を有することができる。主溶融セクションは、高分散性混練ブロックの長い列から構成することができる。下流の混合セクションは、全てのタイプの充填剤の均一な分散を達成するために、分配及び高分散部材混合部材を用いることができる。高度の激しさのスクリューデザインの剪断度は、他の2つのデザインよりも非常に大きくすることができる。一態様においては、比較的温和なスクリュー速度(例えば約200rpm〜約300rpmの間)を有する中程度乃至激しいスクリューデザインをシステムに含めることができる。

0045

[0041]それらを混合する方法に関係なく、本発明者らは、ポリマー組成物に比較的低い溶融粘度を与えることができ、それによってそれを部品の製造中に容易に流動させることができることを見出した。例えば、本組成物は、毛細管流量計によって約310℃の温度及び1200秒−1の剪断速度において測定して、約5,000ポアズ以下、幾つかの態様においては約2,500ポアズ以下、幾つかの態様においては約2,000ポアズ以下、幾つかの態様においては約50〜約1,000ポアズの溶融粘度を有することができる。特にこれらの粘度特性によって、本組成物を小さい寸法を有する部品に容易に成形することを可能にすることができる。

0046

[0042]本発明において達成することができる比較的低い溶融粘度のために、比較的高分子量のポリアリーレンスルフィドを殆ど困難なしに押出機に供給することもできる。例えば、かかる高分子量のポリアリーレンスルフィドは、下記に記載するゲル透過クロマトグラフィーを用いて求めて、約14,000グラム/モル(g/モル)以上、幾つかの態様においては約15,000g/モル以上、幾つかの態様においては約16,000g/モル〜約60,000g/モルの数平均分子量、並びに約35,000g/モル以上、幾つかの態様においては約50,000g/モル以上、幾つかの態様においては約60,000g/モル〜約90,000g/モルの重量平均分子量を有していてよい。かかる高分子量のポリマーを用いることの1つの有利性は、これらが一般に低い塩素含量を有することである。この点に関し、得られるポリマー組成物は、約1200ppm以下、幾つかの態様においては約900ppm以下、幾つかの態様においては0〜約800ppm、幾つかの態様においては約1〜約500ppmのような低い塩素含量を有することができる。

0047

[0043]更に、ポリマー組成物の結晶化温度(成形部品に成形する前)は、約250℃以下、幾つかの態様においては約100℃〜約245℃、幾つかの態様においては約150℃〜約240℃にすることができる。また、ポリマー組成物の溶融温度は、約250℃〜320℃、幾つかの態様においては約260℃〜約300℃の範囲にすることができる。溶融温度及び結晶化温度は、当該技術において周知なようにISO試験11357:2007にしたがって示差走査熱量測定を用いて求めることができる。かかる溶融温度においても、溶融温度に対する荷重撓み温度(DTUL)(短時間耐熱性指標)の比は、なお比較的高く維持することができる。例えば、この比は、約0.65〜約1.00、幾つかの態様においては約0.70〜約0.99、幾つかの態様においては約0.80〜約0.98の範囲にすることができる。具体的なDTUL値は、例えば、約200℃〜約300℃、幾つかの態様においては約210℃〜約290℃、幾つかの態様においては約220℃〜約280℃の範囲にすることができる。かかる高いDTUL値は、中でも、小さい寸法公差を有する部品の製造中にしばしば用いられる高速プロセスを使用することを可能にすることができる。

0048

[0044]得られる組成物(及びそれから形成される成形部品)はまた、優れた機械特性も有することが見出された。例えば、本発明者らは、本発明の官能化カップリング系を用いることによって部品の衝撃強さを大きく向上させることができることを見出した(これは小さな部品を形成する際に有用である)。部品は、例えば、ISO試験179−1:2010(ASTM−D256−12、方法Bと技術的に同等)にしたがって23℃において測定して約5kJ/m2以上、幾つかの態様においては約7〜約40kJ/m2、幾つかの態様においては約8〜約30kJ/m2のシャルピノッチ付き衝撃強さを有することができる。本発明者らはまた、低い溶融粘度及び高い衝撃強さを有しているにもかかわらず、引張及び曲げ機械特性は悪影響を受けないことも見出した。例えば、本成形部品は、約20〜約500MPa、幾つかの態様においては約50〜約400MPa、幾つかの態様においては約100〜約350MPaの引張り強さ;約0.5%以上、幾つかの態様においては約0.6%〜約10%、幾つかの態様においては約0.8%〜約3.5%の引張破断歪み;及び/又は約3,000MPa〜約30,000MPa、幾つかの態様においては約4,000MPa〜約25,000MPa、幾つかの態様においては約5,000MPa〜約22,000MPaの引張弾性率を示すことができる。引張特性は、ISO試験527:2012(ASTM−D638−14と技術的に同等)にしたがって23℃において求めることができる。本部品はまた、約20〜約500MPa、幾つかの態様においては約50〜約400MPa、幾つかの態様においては約100〜約350MPaの曲げ強さ;約0.5%以上、幾つかの態様においては約0.6%〜約10%、幾つかの態様においては約0.8%〜約3.5%の曲げ破断歪み;及び/又は約3,000MPa〜約30,000MPa、幾つかの態様においては約4,000MPa〜約25,000MPa、幾つかの態様においては約5,000MPa〜約22,000MPaの曲げ弾性率も示すことができる。曲げ特性は、ISO試験178:2010(ASTM−D790−10と技術的に同等)にしたがって23℃において求めることができる。

0049

[0045]更に、着色剤又は他の添加剤の濃度を変更することなく、ポリアリーレンスルフィド組成物(及びそれから形成される成形部品)の色を変化させることができる。例えば、これは、処理したポリアリーレンスルフィドを未処理のポリアリーレンスルフィドと組み合わせて用いることによって達成することができる。色の測定値は、F. CostによるPocket Guide to Digital Printing, Delmar Publishers, Albany, N.Y. ISBN 0-8273-7592-1の144及び145頁、並びに"Photoelectric color difference meter", Journal of Optical Society of America, 48巻, 985〜995頁, S. Hunter (1958)(両方ともそれらの全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている「CIELAB」として知られている標準試験法にしたがって、光学読み取り装置を用いて吸光度を測定することによって定量することができる。より具体的には、CIELAB試験法は、3つの「Hunter」スケール値であるL*、a*、及びb*(これらは、色覚反対色説に基づく知覚された色の3つの特徴に対応し、次:L*=明度(又は光度)(0〜100の範囲;0=暗、100=明);a*=赤/緑軸(−100〜100の範囲;正の値は赤みがかっており、負の値は緑色がかっている);及び、b*=黄/青軸(−100〜100の範囲;正の値は黄色がかっており、負の値は青色がかっている);のように規定される)を規定する。次に、色度を求めて、色の質の示度を与える。

0050

III.成形部品:
[0046]本ポリマー組成物は、種々の技術を用いて、広範囲の異なるタイプの成形部品において用いることができる。例えば幾つかの態様においては、射出成形圧縮成形ナノ成形オーバーモールドブロー成形等のような成形技術によって成形部品を形成することができる。例えば、当該技術において公知なように、射出成形は2つの主要段階−即ち射出段階及び保持段階−で行うことができる。射出段階中においては、金型キャビティを溶融したポリマー組成物で完全に満たす。保持段階は射出段階が完了した後に開始し、保持圧を制御して更なる材料をキャビティ中充填して、冷却中に起こる体積収縮を補う。ショットが形成されたら、それを次に冷却することができる。冷却が完了したら、成形サイクルを終了し、この時点で金型開放し、例えば金型内排出ピンを用いて部品を排出する。

0051

[0047]種々の装置において、本発明のポリマー組成物を含む成形部品を用いることができる。例えば、本ポリマー組成物は、ベアリング電気センサーコイル(例えば、ペンシルコイル、点火コイル等)、クランプ(例えばホースクランプ)、バルブ、スイッチ、プリンター部品、ポンプ(例えば、ギアポンプポンプインペラーポンプハウジング等)、ダッシュボードパイプホース(例えば自動車排気システム用)、チューブ、油及びガスフローライン(例えば坑井セントラライザー)のような部品において用いることができる。例えば一態様においては、中空の内部を有する細長い部材を形成して、流体(例えば、油、燃料、水、排気ガス等)を流すことができる。この細長い部材は、管状又は他の複雑な形状のような種々の形状を有していてよい。この細長い部材は、単一方向又は複数の方向に伸長させて、複数の角変位を有するようにすることができる。他の態様においては、この細長い部材は、ヒンジで連結されたカラー部を取り付けた状の部材を含む坑井セントラライザーであってよい。当該技術において公知なように、かかるセントラライザーは、一般にケーシング又はライナーボーリングの中心に保持して、ケーシング・ストリングの周囲におけるシース(例えばセメント)の有効な配置を確保するために用いられる。

0052

[0048]更に他の態様においては、成形部品はオーバーモールド構造体を形成するために用いることができる。これは、ポリマー組成物を金属部品の一部又は全表面上に「オーバーモールド」して、それに接着している樹脂部品が形成されるようにすることによって達成することができる。金属部品は、アルミニウム、ステンレススチール、マグネシウム、ニッケルクロム、銅、チタン、及びこれらの合金のような任意の種々の異なる金属を含んでいてよい。マグネシウム−アルミニウム合金は、金属部品において用いるのに特に好適である。かかる合金は、通常は、0.5重量%〜15重量%のアルミニウム及び85重量%〜99.5重量%のマグネシウムを含む。金属部品は、鋳造鍛造等のような公知の技術を用いて成形することができ、複合構造体所期の用途に応じて任意の所望の形状又は寸法を有していてよい。ポリマー組成物は、一般に、オーバーモールド中において金属部品の表面の凹み又は孔の中及び/又はその周りを流れることによって金属部品に接着する。接着性を向上させるために、場合によっては金属部品を予備処理して、表面の凹みの程度及び表面積を増加させることができる。これは、機械的技術(例えば、サンドブラスト研削火炎処理パンチ、成形等)、及び/又は化学的技術(例えば、エッチングアノード酸化等)を用いて行うことができる。例えば、金属表面をアノード酸化する技術は、Leeらの米国特許7,989,079においてより詳細に記載されている。表面を予備処理することに加えて、金属部品はまた、ポリマー組成物の溶融温度に近接しているが、それよりも低い温度で予備処理することもできる。これは、接触加熱輻射ガス加熱赤外加熱対流又は強制対流空気加熱、誘導加熱マイクロ波加熱、又はこれらの組合せのような種々の技術を用いて行うことができる。いずれにせよ、本ポリマー組成物は、一般に、場合によっては予め加熱した金属部品を含む金型中に射出する。所望の形状に形成されたら、複合構造体を冷却して、樹脂部品が金属部品にしっかりと接着するようにする。

0053

[0049]勿論、成形部品を形成するための他の技術を用いることができる。例えば一態様においては、ポリマー組成物をシートに溶融押出して、これを用いてフィルム、繊維、熱成形物品等を形成することができる。好適な溶融押出技術としては、例えば、管状トラップバブルフィルムプロセス(tubular trapped bubble film processes)、フラット又はチューブキャストフィルムプロセス(flat or tube cast film processes)、スリットダイフラットキャストフィルムプロセス(slit die flat cast film processes)等を挙げることができる。例えば、図1を参照すると、溶融押出プロセスの一態様がより詳細に示されている。示されているように、ポリマー組成物の成分をまず押出機110に供給して、それを流動させるのに十分な温度に組成物を加熱する。一態様においては、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の融点、又はポリマー組成物の融点よりも約20℃高いか又は低い範囲内の温度に加熱する。押出機110によって前駆体シート112を生成させる。固化する機会を与える前に、前駆体シート112を、場合によってはカレンダー装置114のニップ中に供給して、より均一な厚さを有するポリマーシートを形成することができる。カレンダー装置114には、例えばニップを形成する1対のカレンダーロールを含めることができる。カレンダー加工されたら、得られるポリマーシートを場合によっては、切断具116を用いて個々のシート118に切断することができる。

0054

[0050]得られる溶融押出シートは、幾つかの態様においては、それを特定の温度に加熱して流動性にして、金型内でシートを成形し、次に場合によっては成形物品トリミングして所望の物品を形成することによって熱成形プロセスにおいて用いることができる。例えば、シートを熱成形器の内部に固定して、(例えば赤外ヒーターを用いて)ポリマーマトリクスの融点又はその付近の温度、例えば約250℃以上、幾つかの態様においては約270℃以上、幾つかの態様においては約280℃〜約350℃の温度に加熱することができる。用いる機械のタイプに応じて、シートを成形装置に移すことができ、或いは成形具によってシートを形成することができるように、底部の加熱部材を動かすことができる。所望の場合には、シートはまた、組成物から湿分を除去することを助けるために熱成形の前に乾燥することもできる。例えば、乾燥は、約60℃〜約200℃、幾つかの態様においては約100℃〜約160℃の温度で行うことができる。真空成形プラグアシスト真空成形圧力成形逆絞りツインシート熱成形などのような異なる熱成形技術をうまく用いることができる。成形工程が完了したら、部品をトリミングすることができる。

0055

[0051]例えば図2を参照すると、熱成形プロセスの1つの特定の態様がより詳細に示されている。示されているように、ポリマーシート118をまず加熱装置120に供給して、ポリマーを変形又は延伸するのに十分な温度に加熱する。一般に、対流オーブン電気抵抗ヒーター、赤外ヒーター等のような任意の好適な加熱装置を用いることができる。加熱したら、ポリマーシート118を成形装置122に供給して、そこでそれを物品に成形する。真空金型(例えば通気性金型)のような任意の種々の成形装置を、熱成形プロセスにおいて用いることができる。しかしながら、通常はシートに対して力(例えば吸引力)を配して、それを金型の外形合致させる。例えば、外形において延伸比は1:1より大きく、約5:1までであってよい。ポリマーシート118の成形は、通常はシートが実質的に固化及び/又は結晶化する前に行う。而して、ポリマーの特性は、ポリマーシート118の製造中において重要なだけでなく、その後の成形プロセス中においても重要である。ポリマーシート118が過度に迅速に固化及び/又は結晶化すると、ポリマーは、成形中において、破れるか、破裂するか、膨れるか、又は他の形態で最終物品内に欠陥を形成する可能性がある。

0056

[0052]用いるプロセスに関係なく、溶融押出した組成物は種々の寸法に成形することができ、それは広範囲の異なる用途において用いることができる。例えば、熱安定性耐化学薬品性、及び良好な機械特性のその独特の組合せのために、本溶融押出組成物は、熱遮蔽材又は化学遮蔽材として用いられる金属又は被覆金属代替品として有用である可能性がある。かかる用途の例としては、例えば、熱交換器(例えば煙道ガス熱交換器)、自動車部品電化製品(例えば、オーブン又は電子レンジ)、建設機器鉄道包装容器トレイ(例えば食料品用、又は電子用途)、反応器水素発生器電子部品(例えば、ハウジングコネクター回路基板等)、調理器具耐熱皿等が挙げられる。かかる用途における本物品の通常の使用としては、例えばハウジング、遮蔽材、フレームカバー等としてのものが挙げられる。

0057

[0053]例えば一態様においては、食品トレイ2を、本発明の溶融押出したポリマー組成物から部分的又は全体的に形成することができる。例えば示されている態様においては、食品トレイ2は、概して長方形の形状であり、トレイ2の下壁部から上向きに伸長して、1以上の食品のための収容部5を画定する側壁6を含む。側壁及び/又は底壁を、本発明のポリマー組成物から形成することができる。また、本発明のポリマー組成物から形成することができるフランジ10が側壁6から突き出ていて、トレイ2の周縁の周りに広がっている。所望の場合には、蓋(図示せず)によって、それがフランジ10の上表面11に隣接して配置されるようにトレイ2を覆うことができる。所望の場合には、この蓋も本発明のポリマー組成物から形成することができる。

0058

[0054]本発明は以下の実施例を参照してより良好に理解することができる。
試験方法
[0055]溶融粘度:溶融粘度(Pa・秒)は、ISO試験11443:2005にしたがって、1200秒−1の剪断速度において、Dynisco LCR7001毛細管流量計を用いて求めることができる。流量計オリフィス(ダイ)は、1mmの直径、20mmの長さ、20.1のL/D比、及び180°の入口角を有していてよい。バレルの直径は9.55mm±0.005mmであってよく、ロッドの長さは233.4mmであった。溶融粘度は、通常は316℃のような融点よりも少なくとも15℃高い温度において求める。

0059

[0056]融点:融点(Tm)は、当該技術において公知なように示差走査熱量測定(DSC)によって求めることができる。半結晶質及び結晶質材料に関しては、融点は、ISO試験11357−2:2013によって求められる示差走査熱量測定(DSC)ピーク融解温度である。DSC手順においては、TA-Q2000装置上で行うDSC測定を用いて、ISO標準規格10350に示されているように試料を20℃/分で加熱及び冷却した。

0060

[0057]荷重撓み温度(DTUL):荷重撓み温度は、ISO試験75−2:2013(ASTM−D648−07と技術的に同等)にしたがって求めることができる。より詳しくは、80mmの長さ、10mmの厚さ、及び4mmの幅を有する試験片試料を、規定荷重(最大外繊維応力)が1.8メガパスカルである沿層方向3点曲げ試験にかけることができる。試験片をシリコーン油浴中に降下させることができ、そこで0.25mm(ISO試験75−2:2013に関しては0.32mm)歪むまで温度を2℃/分で上昇させる。

0061

[0058]引張弾性率、引張応力、及び破断点引張伸び:引張特性は、ISO試験527:2012(ASTM−D638−14と技術的に同等)にしたがって試験することができる。80mmの長さ、10mmの厚さ、及び4mmの幅を有する同じ試験片試料について、弾性率及び強度の測定を行うことができる。試験温度は23℃であってよく、試験速度は5mm/分であってよい。

0062

[0059]曲げ弾性率、曲げ応力、及び曲げ破断歪み:曲げ特性は、ISO試験178:2010(ASTM−D790−10と技術的に同等)にしたがって試験することができる。この試験は64mmの支持材スパンに関して行うことができる。試験は、未切断のISO−3167多目的棒材の中央部分について行うことができる。試験温度は23℃であってよく、試験速度は2mm/分であってよい。

0063

[0060]ノッチ付きシャルピー衝撃強さ:ノッチ付きシャルピー特性は、ISO試験179−1:2010(ASTM−D256−10:方法Bと技術的に同等)にしたがって試験することができる。この試験は、タイプAのノッチ(0.25mmの底半径)、及びタイプ1の試験片寸法(80mmの長さ、10mmの幅、及び4mmの厚さ)を用いて行うことができる。試験片は、一枚歯フライス盤を用いて多目的棒材の中央部分から切り出すことができる。試験温度は23℃であってよい。

0064

[0061]塩素含量:塩素含量は、Parr Bomb燃焼を用いる元素分析、次にイオンクロマトグラフィーにしたがって求めることができる。
[0062]色の測定:色の測定は、積分球を用いるDataColor 650分光光度計を用いて行い、測定は正反射光を含むモード(specular included mode)を用いて行った。また、色座標は、ASTM−D2244−11にしたがって、光源D65/10°、A/10°、又はF2/10°観察装置下で、CIELAB単位(L*、a*、b*)を用いて計算することができる。また、次式:C*=(a*2+B*2)1/2(式中、a*は試料の色の赤/緑軸値であり、b*は試料の色の黄/青軸値である)によって算出されるC*値(色度)も報告する。

0065

実施例1:
[0063]25mmの直径を有するWerner Pfleiderer ZSK-25共回転相互噛み合い二軸押出機内で、下表1に示す成分を混合した。

0066

0067

[0064]また、Mannesmann Demag D100NCIII射出成形機上ペレットを射出成形し、下表2に与える幾つかの物理特性に関して試験した。

0068

0069

実施例2:
[0065]25mmの直径を有するWerner Pfleiderer ZSK-25共回転相互噛み合い二軸押出機内で、下表3に示す成分を混合した。

0070

0071

[0066]次に、色の測定値(下表4にまとめる)を得るために、ペレットをプラークに成形した。

0072

0073

[0067]データ、特に色度の値によって示されるように、PPS1とPPS3(処理したPPS)の比を変化させることによって、着色剤又は他の添加剤の濃度を調節する必要なしに色の変化を達成することができた。

実施例

0074

[0068]本発明のこれら及び他の修正及び変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって実施することができる。更に、種々の態様の複数の形態は、全体的又は部分的の両方で相互に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者であれば、上記の記載は例のみの目的であり、添付の特許請求の範囲において更に記載されている発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

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