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技術 金属への固定が可能なポリビニリデンフルオライドを含有するバインダー及び関連するリチウムイオンバッテリー用電極

出願人 アルケマフランス
発明者 ビゼー,ステファンボネ,アンソニーショボー,ジェロームリバ,ナディーヌ
出願日 2016年11月17日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2018-545698
公開日 2018年11月29日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2018-535533
状態 特許登録済
技術分野 電池用電極の担体または集電体 電池の電極及び活物質
主要キーワード 両面接着材 エラストマー状ポリマー はく離試験 ジメチルカルボネート アルミニウムプレート 動力計 重量増大 平方センチ
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課題・解決手段

本発明は、少なくとも1種のポリビニリデンフルオライドと、金属への親和力を有する又は金属への固定が可能な官能基を有するモノマーを含む少なくとも1種のアクリルコポリマーを含む、リチウムイオンバッテリーに使用できるバインダーに関する。本発明によれば、特徴的な一態様において、前記ポリビニリデンフルオライドは、5wt%の前記ポリビニリデンフルオライドを含有するN−メチル−2−ピロリドン溶液が、30rpmのせん断速度を課した状態で23℃において測定したときに、125mPa.s〜1500mPa.sの粘度を有するポリビニリデンフルオライドである。

概要

背景

リチウムイオンバッテリーは、リチウム金属酸化物と、導電性充填剤(一般に、カーボンブラック)と、ポリマーバインダーとの混合物を含む、カソードを備える。この混合物は、金属シート、一般にアルミニウムからできた金属シートに堆積されている。ポリマーバインダーは、堆積層を金属シートに凝着させ、金属シートへの堆積層の付着を可能にする。

文献WO2001/043214は、フルオロポリマー及び凝着促進剤を主体としたバインダーを含む、リチウムイオンバッテリーのためのカソードを記述している。このフルオロポリマーは、ビニリデンジフルオライドホモポリマーであってもよいし、又はビニリデンジフルオライドと、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレントリフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンから選択されるモノマーとのコポリマーであってもよい。凝着促進剤は、5−スルホイソフタル酸及び5−スルホイソフタル酸の金属塩から選択される。この添加剤は、充放電サイクル中に移動できる小分子である。さらに、このタイプの添加剤が電気化学的な性能の品質に与える影響に関しては、疑問が残っている。

文献WO9850479は、ビニリデンフルオライドホモポリマー及びビニリデンフルオライドコポリマーを含有するバインダーを含む、電極であって、これらのポリマーのうちの少なくとも1つが、金属への固定が可能な官能基を含む、電極を記述している。

文献WO9732347は、バッテリー集電体の表面への固定のために使用されるバインダーを含有する電極形成基材を含む、バッテリーのための電極を記述している。このバインダーは、アクリル酸エステル基及び/又はメタクリル酸エステル基を含む少なくとも1種のアクリル酸ポリマーによってグラフト化されたPVDFポリビニリデンフルオライド)ホモポリマー又はPVDFコポリマーを含有し、重量によるこのグラフト化されたアクリル酸ポリマーの含量は、バインダーに対して0.1%〜20%の範囲である。

文献WO9749777は、金属への固定のために使用できるバインダーであって、ポリビニリデンフルオライドポリマー、金属への固定が可能な官能基を含むアクリル酸ポリマー若しくはメタクリル酸ポリマー及びアクリル酸型若しくはメタクリル酸型のエラストマーを含む、バインダーを記述している。このタイプのバインダーは、電解質と接触するとエラストマーが膨潤し、電極を損傷させるため、リチウムイオンバッテリー用電極に使用することができない。

文献US2013/252077は、非水性電解質を用いて動作するリチウムイオンバッテリーのための電極を記述している。この電極は、活物質並びにビニリデンフルオライドポリマー及びアクリル酸ポリマーを含むバインダーを含む。重量によるアクリル酸ポリマーの含量は、40%〜90%であり、したがって、特に電極内の温度が周囲温度より高い場合、電解質と恒久的に接触しているときに、上記アクリル酸ポリマーの膨潤の結果として電極の劣化という課題が起きる。

文献EP2953193は、フルオロポリマー及びニトリル基含有アクリル酸ポリマーを含む、リチウムイオンバッテリーのためのバインダーを記述している。

文献WO97/27260は、活物質及びバインダーを含む層によってコーティングされた金属製集電体を含む、電極を記述している。このバインダーは、ビニリデンフルオライドポリマー、金属への固定が可能な官能基を含むアクリル酸ポリマー若しくはメタクリル酸ポリマー及びビニリデンフルオライドコポリマーという3種の成分のうちの少なくとも2種を含む。バインダーがビニリデンフルオライドポリマー及びアクリル酸ポリマー若しくはメタクリル酸ポリマーのみを含む場合、これらのポリマーは、バインダーの総重量に対して0.5重量%〜20重量%の範囲の比率である。この文献の例において使用されたビニリデンフルオライドコポリマーは、230℃で測定した重量による流量によって特徴付けられる。実際、使用されるバインダーの重量は、活性層の良好な凝着及び金属集電体への活性層の良好な付着を達成するために、かなり大きくしなければならないことが判明している。さらに、電解質と接触したカソードの膨潤も観察される。この文献において検討されたビニリデンフルオライドコポリマーは、Kynar(R)500及びKynar(R)301Fである。これらのコポリマーは、12.5kg下で1.2g/10分において測定したメルトフローインデックスMFR)又は21.6kg下で4g/10分において測定したメルトフローインデックスを示す。5重量%の濃度のこれらのコポリマーのそれぞれのN−メチル−2−ピロリドン溶液は、23℃で75mPa.sの粘度を示す。このような粘度の値は、基材層がバッテリーの金属集電体を被覆しているときに、5重量%未満の含量でこのようなバインダーをリチウムイオンバッテリーに使用することには、適さないことが判明している。

さらに、リチウムバッテリー電極のためのバインダーとして、高分子量のビニリデンフルオライドホモポリマーを使用することが公知であり、N−メチル−2−ピロリドンに溶かしたこのビニリデンフルオライドホモポリマーの5%溶液は、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で測定したときに、100mPa超の粘度を示す。このバインダーには、限定的な膨潤のみを起こし、電解質に取り込まれたごく低い含量の溶出物を示すという長所があり、つまり、電極の使用中には、バインダーに由来した少量の生成物が電解質中に移動する。このバインダーは、上記PVDFホモポリマーの高分子量の結果として、良好な付着をもたらす。一方、この同じポリマーは、高い分子量を有するため、結果として非常に粘性があり、したがって、このバインダーと電極の活物質との混合物によって形成されたペーストを金属集電体に塗り広げることは、困難である。

概要

本発明は、少なくとも1種のポリビニリデンフルオライドと、金属への親和力を有する又は金属への固定が可能な官能基を有するモノマーを含む少なくとも1種のアクリルコポリマーを含む、リチウムイオンバッテリーに使用できるバインダーに関する。本発明によれば、特徴的な一態様において、前記ポリビニリデンフルオライドは、5wt%の前記ポリビニリデンフルオライドを含有するN−メチル−2−ピロリドンの溶液が、30rpmのせん断速度を課した状態で23℃において測定したときに、125mPa.s〜1500mPa.sの粘度を有するポリビニリデンフルオライドである。

目的

本発明の第1の目的は、金属へのPVDF含有材料層の固定を可能にする、新規ポリマー型バインダーを提供する

効果

実績

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請求項1

少なくとも1種のビニリデンフルオライドポリマーと、金属への親和力を示す又は金属に固定された状態になることができる官能基を含むモノマーを含む少なくとも1種のアクリルコポリマーとを含む、リチウムイオンバッテリーのためのバインダーであって、前記アクリルコポリマーが、メチルメタクリレートメタクリル酸とのコポリマーであり、前記ビニリデンフルオライドポリマーが、5重量%の前記ビニリデンフルオライドポリマーを含有するN−メチル−2−ピロリドン溶液が、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で23℃において測定したときに、125mPa.s以上、好ましくは300mPa.s以上、有利には700mPa.s以上、かつ、1500mPa.s未満、好ましくは1200mPa.s未満の粘度を示すビニリデンフルオライドポリマーであることを特徴とする、バインダー。

請求項2

前記ビニリデンフルオライドポリマーが、5重量%の前記ビニリデンフルオライドポリマーを含有するN−メチル−2−ピロリドンの前記溶液の前記粘度が、150mPa.sに等しい又は700mPa.sに等しい粘度であることを特徴とする、請求項1に記載のバインダー。

請求項3

前記アクリルコポリマーが、カルボキシル基カルボン酸無水物基エポキシ基メルカプト基スルフィド基フェノール基及びエステル基から選択される少なくとも1種類の官能基を含むモノマーを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバインダー。

請求項4

前記アクリルコポリマーが、金属への親和力を示す又は金属に固定された状態になることができる官能基、特に10mol%のメタクリル酸基を有する10mol%のモノマーを含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のバインダー。

請求項5

重量基準で、0.1%以上、かつ、25%以下、好ましくは20%以下、好ましくは10%未満の含量のアクリルコポリマーを含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバインダー。

請求項6

活物質及びバインダーを含有する基材の層によって少なくとも1つの面が被覆された金属集電体を含むタイプの、リチウムイオンバッテリーのための電極であって、前記バインダーが、請求項1から6のいずれか一項に記載のとおりであることを特徴とする、電極。

請求項7

前記基材が、重量基準で、1%以上で5%以下、特に3%に等しい含量の前記バインダーを含有することを特徴とする、請求項8に記載の電極。

請求項8

前記基材が、活物質として、リチウム金属酸化物及び任意選択的にカーボンブラックを含有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の電極。

請求項9

前記基材が、活物質として、コークス、カーボンブラック、黒鉛活性炭及び炭素繊維から選択される少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の電極。

技術分野

0001

本発明は、リチウムイオンバッテリーのために使用できる金属へのポリビニリデンフルオライド含有材料の固定を可能にする、バインダーに関し、当該バインダーに関連する電極にも関する。

背景技術

0002

リチウムイオンバッテリーは、リチウム金属酸化物と、導電性充填剤(一般に、カーボンブラック)と、ポリマーバインダーとの混合物を含む、カソードを備える。この混合物は、金属シート、一般にアルミニウムからできた金属シートに堆積されている。ポリマーバインダーは、堆積層を金属シートに凝着させ、金属シートへの堆積層の付着を可能にする。

0003

文献WO2001/043214は、フルオロポリマー及び凝着促進剤を主体としたバインダーを含む、リチウムイオンバッテリーのためのカソードを記述している。このフルオロポリマーは、ビニリデンジフルオライドホモポリマーであってもよいし、又はビニリデンジフルオライドと、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレントリフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンから選択されるモノマーとのコポリマーであってもよい。凝着促進剤は、5−スルホイソフタル酸及び5−スルホイソフタル酸の金属塩から選択される。この添加剤は、充放電サイクル中に移動できる小分子である。さらに、このタイプの添加剤が電気化学的な性能の品質に与える影響に関しては、疑問が残っている。

0004

文献WO9850479は、ビニリデンフルオライドホモポリマー及びビニリデンフルオライドコポリマーを含有するバインダーを含む、電極であって、これらのポリマーのうちの少なくとも1つが、金属への固定が可能な官能基を含む、電極を記述している。

0005

文献WO9732347は、バッテリー集電体の表面への固定のために使用されるバインダーを含有する電極形成基材を含む、バッテリーのための電極を記述している。このバインダーは、アクリル酸エステル基及び/又はメタクリル酸エステル基を含む少なくとも1種のアクリル酸ポリマーによってグラフト化されたPVDF(ポリビニリデンフルオライド)ホモポリマー又はPVDFコポリマーを含有し、重量によるこのグラフト化されたアクリル酸ポリマーの含量は、バインダーに対して0.1%〜20%の範囲である。

0006

文献WO9749777は、金属への固定のために使用できるバインダーであって、ポリビニリデンフルオライドポリマー、金属への固定が可能な官能基を含むアクリル酸ポリマー若しくはメタクリル酸ポリマー及びアクリル酸型若しくはメタクリル酸型のエラストマーを含む、バインダーを記述している。このタイプのバインダーは、電解質と接触するとエラストマーが膨潤し、電極を損傷させるため、リチウムイオンバッテリー用電極に使用することができない。

0007

文献US2013/252077は、非水性電解質を用いて動作するリチウムイオンバッテリーのための電極を記述している。この電極は、活物質並びにビニリデンフルオライドポリマー及びアクリル酸ポリマーを含むバインダーを含む。重量によるアクリル酸ポリマーの含量は、40%〜90%であり、したがって、特に電極内の温度が周囲温度より高い場合、電解質と恒久的に接触しているときに、上記アクリル酸ポリマーの膨潤の結果として電極の劣化という課題が起きる。

0008

文献EP2953193は、フルオロポリマー及びニトリル基含有アクリル酸ポリマーを含む、リチウムイオンバッテリーのためのバインダーを記述している。

0009

文献WO97/27260は、活物質及びバインダーを含む層によってコーティングされた金属製集電体を含む、電極を記述している。このバインダーは、ビニリデンフルオライドポリマー、金属への固定が可能な官能基を含むアクリル酸ポリマー若しくはメタクリル酸ポリマー及びビニリデンフルオライドコポリマーという3種の成分のうちの少なくとも2種を含む。バインダーがビニリデンフルオライドポリマー及びアクリル酸ポリマー若しくはメタクリル酸ポリマーのみを含む場合、これらのポリマーは、バインダーの総重量に対して0.5重量%〜20重量%の範囲の比率である。この文献の例において使用されたビニリデンフルオライドコポリマーは、230℃で測定した重量による流量によって特徴付けられる。実際、使用されるバインダーの重量は、活性層の良好な凝着及び金属集電体への活性層の良好な付着を達成するために、かなり大きくしなければならないことが判明している。さらに、電解質と接触したカソードの膨潤も観察される。この文献において検討されたビニリデンフルオライドコポリマーは、Kynar(R)500及びKynar(R)301Fである。これらのコポリマーは、12.5kg下で1.2g/10分において測定したメルトフローインデックスMFR)又は21.6kg下で4g/10分において測定したメルトフローインデックスを示す。5重量%の濃度のこれらのコポリマーのそれぞれのN−メチル−2−ピロリドン溶液は、23℃で75mPa.sの粘度を示す。このような粘度の値は、基材層がバッテリーの金属集電体を被覆しているときに、5重量%未満の含量でこのようなバインダーをリチウムイオンバッテリーに使用することには、適さないことが判明している。

0010

さらに、リチウムバッテリー電極のためのバインダーとして、高分子量のビニリデンフルオライドホモポリマーを使用することが公知であり、N−メチル−2−ピロリドンに溶かしたこのビニリデンフルオライドホモポリマーの5%溶液は、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で測定したときに、100mPa超の粘度を示す。このバインダーには、限定的な膨潤のみを起こし、電解質に取り込まれたごく低い含量の溶出物を示すという長所があり、つまり、電極の使用中には、バインダーに由来した少量の生成物が電解質中に移動する。このバインダーは、上記PVDFホモポリマーの高分子量の結果として、良好な付着をもたらす。一方、この同じポリマーは、高い分子量を有するため、結果として非常に粘性があり、したがって、このバインダーと電極の活物質との混合物によって形成されたペーストを金属集電体に塗り広げることは、困難である。

先行技術

0011

国際公開第2001/043214号
国際公開第98/50479号
国際公開第97/32347号
国際公開第97/49777号
米国特許出願公開第2013/252077号明細書
欧州特許第2953193号明細書
国際公開第97/27260号

課題を解決するための手段

0012

本発明の第1の目的は、金属へのPVDF含有材料層の固定を可能にする、新規ポリマー型バインダーを提供することである。

0013

本発明の別の目的は、金属と、PVDF含有材料層との良好な付着をもたらす、上記バインダーを提供することである。

0014

本発明の別の目的は、リチウムイオンバッテリー用電極内に使用されたときに、電解質中に移る化合物の膨潤及び量を抑制する、バインダーを提供することである。

0015

本発明の別の目的は、フィルム形態のときに、重量基準で1対1対1の組成を有するエチルカルボネートジメチルカルボネートジエチルカルボネートとの混合物中に60℃で24時間浸漬した後で、膨潤が30体積%を超えないバインダーを提供することである。

0016

本発明の別の目的は、活物質を金属集電体に容易に塗り広げることを可能にし、この結果、リチウムイオンバッテリーのための電極の製造を容易にする、バインダーを提供することである。

0017

本発明の別の目的は、活性充填剤との混合物(この混合物は一般的に、「スラリー」として知られている。)として、バッテリー電極の製造のための工程に必要な時間と適合する満足な「ポットライフ」を保持及び示すことができる、バインダーを提供することである。

0018

本発明の別の目的は、低減された含量の有機溶媒を含む、バインダーを提供することである。

0019

本発明の別の目的は、リチウムイオンバッテリーのための電極であって、当該電極の活物質層が、集電体から脱離した状態にならず、及び/又は膨潤しない、電極を提供することである。

0020

本発明の別の目的は、膨潤の上記課題を回避するという目的及び/又はバッテリーの用量を最大化するためにカソード中における活性充填剤の含量増大を可能にするという目的で、重量による比較的低い含量のバインダーを含む、電極を提供することである。

0021

本発明は、リチウムイオンバッテリーに使用することが可能であり、少なくとも1種のビニリデンフルオライドポリマーと、金属への親和力を示す又は金属に固定された状態になることができる官能基を有するモノマーを含む少なくとも1種のアクリルコポリマーとを含む、バインダーに関する。前記アクリルコポリマーは、メチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマーである。

0022

本発明によれば、前記ビニリデンフルオライドポリマーは、5重量%の前記ビニリデンフルオライドポリマーを含有するN−メチル−2−ピロリドンの溶液が、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で測定したときに、125mPa.s以上、好ましくは300mPa.s超、かつ、1500mPa.s未満、好ましくは1200mPa.s未満の粘度を示すビニリデンフルオライドポリマーであることを特徴とする。

0023

これには、本出願人の企業が、上記バインダーにより、活物質を金属シート、特にアルミニウムシートに良好に付着できることを発見したという理由がある。

0024

アクリルコポリマーが存在すると、バインダーと活物質との混合物の粘度低下の結果として、電極の製造中における活物質の塗布が容易になる。

0025

本発明によるバインダーと活性充填剤との混合物は、1時間〜24時間の範囲の満足なポットライフ、より特定すると概算で約10時間の満足なポットライフを示す。

0026

さらに、上記バインダーは、使用中に、低減された膨潤のみを起こす。特に、本出願人の企業は、バインダーフィルムの場合、膨潤が、重量基準で1対1対1の組成を有するエチルカルボネートとジメチルカルボネートとジエチルカルボネートとの混合物中に60℃で24時間浸漬した後で30体積%を超えないことを発見した。

0027

本出願人の企業は、特にバインダーが少量であることの結果として、活物質から電解質に移る化合物の含量が低減されることも実証した。特に、本発明のバインダーは、活物質から電解質に移る化合物(溶出物としても公知)の含量を概算で2%にすることができる。

0028

本出願人の企業は、電解質中に移る化合物の膨潤及び量を抑制する限定的な量のバインダーによって、良好な付着を達成できることも実証した。

0029

さらに、バインダーの粘度が低下し、したがって、バインダーと活物質との混合物の粘度が低下する結果、電極の製造に使用しなければならない有機溶媒の量が低減される。したがって、本発明によるバインダーの使用は、より経済的である。

0030

本発明のバインダーは、エラストマー状ポリマー又はエラストマー状コポリマー、特にアクリル酸型のエラストマー状(コ)ポリマーを含有せず、アクリル酸型ポリマーは、エラストマーではない。

0031

上記タイプのビニリデンフルオライドポリマーは、概算で100万グラムモル重量提示し、リチウムイオンバッテリー用のバインダーとしてすでに使用されている。上記ビニリデンフルオライドポリマーとアクリルコポリマーとの混合物は、バインダーの粘度を低下させ、この結果、リチウムイオンバッテリー用電極の製造のために使用されるペーストの粘度を低下させることが可能であり、したがって、電極の製造は、より容易になる。しかしながら、確かに官能化されてはいるが、PVDFのモル質量よりはるかに低いモル質量を有するアクリル酸ポリマーの添加により、付着が非常に著しく強まることは、明白でなかった。これには、バインダーのモル質量が高いほど、金属プレートへのバインダーの付着がより満足になり、これにより、やはり、このバインダーを含む電極の凝着が改善されることが当業者に公知であるという理由がある。

0032

さらに、本出願人の企業は、低減された量のバインダーを含有するリチウムイオンバッテリーのための電極であって、カソード中における活性充填剤の含量増大を可能にし、この結果、カソードの電荷容量の増大を可能にする、電極を製造できることも実証した。

0033

好ましくは、ビニリデンフルオライドポリマーは、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で23℃において測定したときの5重量%の前記ビニリデンフルオライドポリマーを含有するN−メチル−2−ピロリドンの前記溶液の粘度が、125mPa.s以上、好ましくは300mPa.s以上、好ましくは700mPa.s以上、かつ、1500mPa.s未満、好ましくは1200mPa.s未満であるビニリデンフルオライドポリマーである。

0034

特定の実施形態によれば、ビニリデンフルオライドポリマーは、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で23℃において測定したときの5重量%の前記ビニリデンフルオライドポリマーを含有するN−メチル−2−ピロリドンの前記溶液の粘度が、150mPa.sに等しくなるビニリデンフルオライドポリマーである。

0035

別の実施形態によれば、ビニリデンフルオライドポリマーは、せん断速度を毎分30回転に制御した状態で23℃において測定したときの5重量%の前記ビニリデンフルオライドポリマーを含有するN−メチル−2−ピロリドンの前記溶液の粘度が700mPa.sに等しいビニリデンフルオライドポリマーである。

0036

金属に固定された状態になることができる又は金属への親和力を示す官能基は、当業者に周知である。これらの官能基は例えば、カルボキシル基カルボン酸無水物基エポキシ基メルカプト基スルフィド基フェノール基及びエステル基から選択される少なくとも1種類の基であってよい。有利には、アクリルコポリマーは、メタクリル酸官能基を含む、好ましくはメタクリル酸官能基のみを含む、モノマーを含む。

0037

本発明によれば、アクリルコポリマーは限定されない。「アクリルコポリマー」という用語は、次の式

0038

(式中、R1が、水素原子又はアルキル基、好ましくはメチルであり、R2が、任意選択的に置換されたアルキル基である。)の任意のコポリマーを表す。

0039

アクリルコポリマー又はアクリル(コ)ポリマーの混合物は、エラストマーではなく、つまり、20℃未満のガラス転移温度を提示しない。

0040

有利には、アクリルコポリマーは、金属への親和力を示す又は金属に固定された状態になることができる官能基を有する10mol%のモノマー、特にメタクリル酸基を有する10mol%のモノマーを含有する。本出願人の企業は、このようなコポリマーが、当該ポリマーを含有する材料に良好に付着し、金属シートに堆積されることを実証した。

0041

有利には、バインダーは、重量基準で、0.1%以上で25%以下、特に20%以下、特に10%未満の含量のアクリルコポリマーを含有する。特に、バインダーは、2.5%以上で25%以下、好ましくは20%以下、特に10%以下の含量のアクリルコポリマーを含有する。

0042

本発明は、活物質と、本発明によるバインダーを含むこと又は本発明によるバインダーからなることを特徴とするバインダーとを含有する基材層によって少なくとも1つの面が被覆された金属集電体を含むタイプの、リチウムイオンバッテリーのための電極にも関する。

0043

アノード又はカソードの形成のために使用できる活物質は、当業者に周知である。

0044

有利には、前記基材は、重量基準で、1%以上で5%以下、特に3%に等しい含量の前記バインダーを含有する。本出願人の企業は、これらの低い含量のバインダーが、基材の良好な凝着及び金属、特にアルミニウムへの基材の良好な付着の達成を可能にすることを実証した。

0045

電極は、カソードであってよいが、この場合、基材は、活物質として、リチウム金属酸化物及び任意選択的にカーボンブラックを含有し得る。

0046

電極は、アノードであってもよいが、この場合、前記基材は、活物質として、コークス、カーボンブラック、黒鉛活性炭及び炭素繊維から選択される少なくとも1種の成分を含有し得る。

0047

本特許出願を通して、粘度は、SC4−34型スピンドルを備えるBrookfield回転粘度計を使用して測定されている。

0048

本発明、本発明が提供する本発明の特徴及び様々な利点は、説明用の非限定的な例として提供されている下記の例を読めば、よりはっきりと明らかになる。

0049

バインダーの組成のために使用される製品
・PVDF1:ASTMD3835に従って測定したときに、230℃及び100s−1で4450Pa.s〜5450Pa.sの間の溶融粘度を特徴とする、ビニリデンフルオライドホモポリマー。

0050

・PVDF2:ASTMD3835に従って測定したときに、230℃及び100s−1で3400Pa.s〜4000Pa.sの間の溶融粘度を特徴とする、ビニリデンフルオライドホモポリマー。

0051

・PVDF:ASTMD3835に従って測定したときに、230℃及び100s−1で3000Pa.s及び3300Pa.sの溶融粘度を特徴とする、3:ビニリデンフルオライドホモポリマー。

0052

・ASTMD3835に従って232℃及び100s−1で測定したときに、3800Pa.sの溶融粘度を特徴とする、重量基準で1:1の比率のKynar(R)HSV900とKynar(R)720PVDFとの混合物。

0053

・CMM:メチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー。このコポリマーは、10mol%のメタクリル酸を含有する。このコポリマーは、27cm3/gの固有粘度を有する。

0054

・無官能化PMMA:46cm3/gの固有粘度を有するメチルメタクリレートを主体としたアクリル酸ポリマー。このポリマーは、カルボキシル官能基を有する官能化されたコモノマーを含有しない。

0055

バインダーの組成
調査した異なるバインダー組成は、下記の表1において照査されている。

0056

0057

バインダーのN−メチル−2−ピロリドン溶液の粘度測定
それぞれ
・5重量%のPVDF1単独(表1の比較例1)、
・5重量%のPVDF2単独(表1の比較例2)、
・5重量%のPVDF3単独(表1の比較例3)、
・5重量%のKynar(R)HSV900とKynar(R)720PVDFとの混合物、
・90重量%のPVDF1及び10重量%のCMMからなる、PVDF1とCMMとからできた5重量%の混合物(表1の実施例2)並びに
・97.5重量%のPVDF1及び2.5重量%のCMMからなる、PVDF1とCMMとからできた5重量%の混合物(表1の実施例3)
を含有する、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)の溶液の粘度を測定した。

0058

スピンドルの回転速度が毎分30回転に制御されたSC4−34型のローターを装着した粘度計Brookfield DV−II Proを使用して、23℃において、上記溶液のそれぞれの粘度を測定した。

0059

得られた結果は、下記の表2に明示されているが、表2は、やはり、異なるバインダー組成を照査している。表2は、メタクリル酸官能基を有するアクリルコポリマーをPVDFポリマーに付加することにより、PVDF単独に比較して、PVDFとアクリル酸ポリマーとの混合物の粘度を低下させ得ることを示している。この低減された粘度により、電極の活物質を含有する基材を形成する混合物をより容易に塗り広げることができる。さらに、文献EP2953193において開示されたN−メチル−2−ピロリドンに溶かしたKynar(R)HSV900とKynar(R)720PVDFとの混合物の5%溶液の粘度は、80mPa.sである。

0060

0061

カソードの調製
カソードの調製のために、上記ポリマー型バインダーに加えて、
・UmicoreからMX10という名称販売されている1:1:1のリチウム金属酸化物LiNMC、
・Timcalから販売されているカーボンブラックSuper P Li
という製品を使用した。

0062

ポリマー型バインダーに関しては、表1に明示の組成と同じ組成が使用されている。

0063

カソードは、次の段階に従って製造された。

0064

・N−メチル−2−ピロリドンに溶かしたポリマー型バインダーの5重量%溶液を、ポリマー型バインダーが完全に溶解するまで調製する。次いで、カーボンブラックSuper P Liをこの溶液に加える。機械的撹拌器を使用して、溶液を混合する。次いで、リチウム金属酸化物LiNMC MX10を加える。重量基準で、LiNMCとカーボンブラックとバインダーとの混合物100部当たり、94部のLiNMC、3部のカーボンブラック及び3部のバインダーを含有するペーストが得られる。得られたペーストは、350μmの湿潤厚さを有するように、アルミニウムシートに堆積させる。次いで、コーティングされたシートを90℃で15分加熱した後、150℃で30分加熱することによって、NMPを蒸発させる。この結果、110±15μmの厚さを有するコーティングが得られる。

0065

表1に記載された実施例1〜3のバインダーによって形成されたペーストは、アルミニウムシートに塗り広げるのがより容易であると認められる。

0066

付着の測定
続いて、LiNMCとカーボンブラックとバインダーとの混合物から形成された層と、アルミニウムシートの間の付着を測定する。この測定を実施するために、幅25mmのストリップ切り出す。続いて、LiNMCとカーボンブラックとバインダーとからできたコーティングの面に堆積させた両面接着材を使用して、このストリップをアルミニウムプレート接着する。はく離試験は、Synergie 200H型のMTSSystems製動力計を使用して、一方のあご部には、剛直なアルミニウムプレートを固定し、他方のあご部には、堆積が実施された柔軟なアルミニウムシートを固定することによって実施される。この構成において、はく離角度は、180℃である。あご部の変位速度は、100mm/分に設定されている。表1に明示のバインダー例を対象にした付着試験の結果は、下記の表3において照査されている。表3は、金属への親和力を示す又は金属に固定された状態になることができる官能基を含有するアクリルコポリマーがビニリデンフルオライドポリマーに付加されることによって、付着の改善が達成されることを示している。表3は、付着の改善が少なくとも部分的に、上記官能基に起因することも示している。最後に、表3の結果は、上記アクリルコポリマーの比率が、バインダーに対して少なくとも20重量%に及び得ること、及び、この比率が高いほど、付着がより良好になることを示している。しかしながら、上記のアクリルコポリマーの量の増大に関しては、重量によるこのアクリルポリマーの比率が10%に到達したときに、付着の改善の減少が認められる。

0067

0068

文献EP2953193で開示されたKynar(R)HSV900とKynar(R)720とのPVDF混合物の接着特性もまた、下記の表4に提示のように測定した。

0069

0070

得られた結果は、Kynar(R)HSV900とKynar(R)720とのPVDF混合物により、リチウムイオンバッテリー用のバインダーとしての用途に十分な接着特性を達成できないことを示している。

0071

電解質中に移る化合物(溶出物)の電解質中での膨潤及び含量の測定
電解質に取り込まれたバインダーの重量を測定するための第1の段階は、バインダー不含フィルムを調製するものである。この第1の段階のために、N−メチル−2−ピロリドンに溶かしたポリマー型バインダーの5重量%溶液を、ポリマー型バインダーが完全に溶解するまで調製する。ある量の溶液を、1平方センチメートル当たり約20ミリグラムの溶液を有するようにガラスペトリ皿に注ぎ込む。続いて、ペトリ皿を120℃のオーブン終夜入れておくことによって、溶媒を蒸発させる。この結果、バインダーからできた乾燥フィルムが得られる。10平方センチメートルを切り出した。続いて、試料量した。試料の重量は、W0として表されている。

0072

続いて、重量基準で1対1対1の組成を有するエチルカルボネートとジメチルカルボネートとジエチルカルボネートとの混合物からなる電解質を内包する試験管内に、試料を60℃で24時間浸漬する。24時間経ったら、フィルムを試験管から取り出し、表面にある電解質の液滴を除去するために大まかにふく。続いて、フィルムを秤量する。この重量は、W1と表される。

0073

続いて、試料を、ジメチルカルボネート中に周囲温度で2時間浸漬する。次いで、試料を、オーブン内において120℃で2時間乾燥させる。この段階が完了したら、試料を秤量する。試料の重量は、W2と表される。

0074

重量における膨潤又は取込み度合いは、次の式

0075

に従って計算される。

0076

溶出物の含量(又はバインダーから電解質に移る化合物の含量)は、

0077

に従って計算される。

実施例

0078

このプロトコルを、実施例2の組成に適用した。本発明者らは、23%の重量増大及び2%の溶出物含量を達成した。

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