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課題・解決手段
本発明は、ユーザ、医療関係者、教師、および親により、認知スキル発達のターゲティング、個人別測定、および管理を可能とするものである。本発明は、実行機能の基盤にある認知スキルをターゲットにして発達させるためのゲームベースの仮想学習カリキュラムを特徴とする。本発明の方法およびシステムは、認知スキル(例えば、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、および自己制御性)を改善する効果的で速やかなビデオゲームベースのトレーニングカリキュラムを提供する。このカリキュラムでは、(i)注意力制御と衝動抑制の基盤にある各認知プロセス、(ii)測定可能でトレーニング可能な認知スキルの特定、(iii)これらのスキルを効果的にトレーニングしてその持続を可能にするゲームデザインおよびゲームメカニクスを用いる。ゲームベースのシステムは、医療専門家、医療関係者、親、教師、およびユーザに、ターゲット認知スキルのトレーニングを測定および管理して、所望のパフォーマンス目標に到達する能力を提供する。
概要
背景
実行機能は認知プロセスであり、これにより私達はタスクを達成することができる。例えば思考を整理する、将来の計画を立てる、問題解決に従事する、などのタスクである。実行機能スキルは、学習と学業成績の基盤において重要であることが分かっている。
幼年期と幼児期の発達過程において、実行機能の神経ネットワークは自然に小児のものへ発達し、分散した神経ネットワークへと成長し洗練される。注意力スキルなどの実行機能発達の障害は、神経ネットワークにおける認知プロセスの機能障害によって生じ、これは主に遺伝的承継とその後の経験的イベントに起因する(Casey et al.,Dev Psychobiol40(2002):237-254)。。これら認知スキルが未発達であると、子供が理路整然と動作することができる能力の妨げになる。例えば新たな情報を取り込み理解すること、学校のタスクを完了すること、である。例えば発話された言語を理解し処理するなどの基礎的能力は、注意力を正確に制御することを要する。言語処理と読取はともに、主要特性を認識して表現されたメッセージを理解する際に、注意力スキルに強く依拠する。例えば特異的言語障害(SLI)を有する子供は、会話を聞きながら選択的に注意を向けることが困難であることが分かっている。これによりそのような子供は、単語の境界と意味にとって重要なキューを見逃す。研究途上ではあるが、注意力制御が弱いことは、数学や単語問題を解く際の障害と関連していることが分かっている(Zentall et al.,J Educ Psychol 82(1990):856-865)。
実行機能障害は、多くの学習障害やこれに関する障害の主要要因である。多くの学習障害、特に注意欠陥/多動性障害(ADHD)における中心課題の1つは、注意力と衝動抑圧制御の障害である。ADHD症状の深刻度は、子供が学業成績についてどの程度問題を抱えているかと直接的に相関していることが分かっている(Barry et al.,J Sch Phychol 40(2002):259-283)。CDCレポートによれば米国の3〜17歳の子供のうち11%がADHDと診断され、ADHD National Resource CenterによればADHDの子供のうち50%は少なくとも1つの学習障害があると診断されている。またADHD罹患者の生産性ロスに起因して360〜520億ドルが失われていると推定されている。
現在のところ、最も有用かつよく研究されているADHD治療は、刺激療法である。刺激療法は、治療として有用なレベルまで速く到達して家庭や教室における行動を改善できることが分かっているが、これら行動改善は治療後の認知プロセスの改善にはならず、しかも治療後の4から10時間程度しか続かない。行動改善は治療を中止すると失われ、有害な副作用が生じる。例えば頭痛、吐き気、食欲減退、不眠症、物理的成長減少、心血管副作用、などである。これら刺激療法を用いると、これら薬剤の乱用にもつながる。近年いくつかの非刺激療法がADHDの治療として認可された。研究によれば、改善度は刺激療法ほど大きくないが、例えば急性自殺願望や鎮静作用などの新たな副作用があるものの刺激療法に関連するより大きなリスクを回避できる。
薬剤治療状況を前提にすると、同等の効果と耐用性を実現でき副作用と濫用リスクが最小限度である非薬剤治療に対して大きな関心がある。従来の行動介入、例えば親によるコーチングや行動療法は、不安症や鬱などの一般的な病状を管理するのには役立つものの、ADHDに対する効果が小さいことが分かっている。他の可能性としては認知トレーニングがあり、これは特定の認知能力またはスキルを訓練し強化するように設計されたコンピュータ上でタスクを実施するものである。例えば選択的注意、抑圧制御、ワーキングメモリである。このアプローチは当初は有用な治療だと思われたが、研究が蓄積するにつれ、より厳密に設計された制御とメタ分析の研究により、これらADHDのための認知治療の有用性に疑問が呈されている。有用性を欠くのは、ADHDと認知スキルとの間の関係についての理解が現在のところ限られていることによると想定された。この関係の複雑性を前提にすると、1つのスキルのみのトレーニングにフォーカスするのではなく、ADHDの子供が効果を上げようとしている認知スキルの全てのセットについて、トレーニング、測定、および管理することが望ましい。
他の治療オプションは脳波フィードバックである。ADHD罹患者の蓄積EEG脳波のレベルは、ADHDではない被検者(正常者)から記録したEEG脳波レベルとは明らかに異なる。例えば高周波脳波帯域(ベータ波)における活動レベルが小さく、低周波数帯域(特に4〜7.5Hzのシータ波)が増えている。脳波フィードバックはEEGバイオフィードバックとしても知られており、これはゲーム類似のフィードバックをユーザに与えて脳波を規制するものであり、ADHDの行動症状を抑制することにいくらかの成功をおさめてきたが、基盤にある実行機能の認知プロセスについては効果を発揮していない。このトレーニングは通常、広範な集団に基づきEEG信号の異なる要素を正常化することにフォーカスしており、シータ/ベータ比を含む。現在のところ、症状の深刻度を抑制することに対する脳波フィードバックの有用性につき、議論が分かれている。脳波フィードバックの重大な限界としては、トレーニングが負担であり、被検者のEEG信号と“正常"集団テンプレートとのマッチングに依拠していることが挙げられる。このマッチングは広範な複合変数に依拠している。被験者が脳活動を正常化しようと試みることは、ADHDによって最も影響を受けている脳部位を強化できるか、ユーザが時間経過にともなって自身の脳活動を繰り返し管理することは非常に困難である。最も重要なのは、脳波フィードバックは、学習と学業成績をもたらす基盤の実行機能の重要な認知プロセスを特定してターゲットとするものではないことである。
ADHDの基盤認知スキルを訓練し、測定し、管理するより効果的な学習システムへのニーズがある。このシステムにより、神経発達遅延に起因する広範な学習障害を患っているユーザ(例えばADHD罹患者)に対して利点をもたらすことができる。
概要
本発明は、ユーザ、医療関係者、教師、および親により、認知スキル発達のターゲティング、個人別測定、および管理を可能とするものである。本発明は、実行機能の基盤にある認知スキルをターゲットにして発達させるためのゲームベースの仮想学習カリキュラムを特徴とする。本発明の方法およびシステムは、認知スキル(例えば、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、および自己制御性)を改善する効果的で速やかなビデオゲームベースのトレーニングカリキュラムを提供する。このカリキュラムでは、(i)注意力制御と衝動抑制の基盤にある各認知プロセス、(ii)測定可能でトレーニング可能な認知スキルの特定、(iii)これらのスキルを効果的にトレーニングしてその持続を可能にするゲームデザインおよびゲームメカニクスを用いる。ゲームベースのシステムは、医療専門家、医療関係者、親、教師、およびユーザに、ターゲット認知スキルのトレーニングを測定および管理して、所望のパフォーマンス目標に到達する能力を提供する。9
目的
効果
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請求項1
ユーザの認知スキルをトレーニングする方法であって、(a)前記ユーザの認知スキルをトレーニングするように構成された、コンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップであって、前記仮想学習カリキュラムは、少なくとも第1のゲームモジュールと第2のゲームモジュールを含み、前記第1のゲームモジュールは、ターゲット認知スキルをトレーニングするスキルトレーニングモジュールを含み、前記第2のゲームモジュールは、前記スキルトレーニングモジュールの外側の仮想環境において前記ユーザが前記ターゲット認知スキルの持続を示すことができるように構成されたスキル伝達モジュールを含む、ステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき、前記ユーザの注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記スキルトレーニングモジュールにおいてトレーニングエクササイズを実施するステップであって、前記スキルトレーニングモジュールは、ユーザアバターをミッションの完了へ向かわせ、前記ユーザの注意状態レベルを高い状態で引き出す第1ストーリーラインを含み、前記ユーザの前記注意状態レベルの増加または減少により、前記ユーザアバターが前記ミッションの完了へ向かうスピードが対応して増加または減少する、ステップと、(d)ステップ(c)の間において、前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップであって、前記チャレンジタスクは前記ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするように構成されている、ステップと、(e)ステップ(d)の間において、前記ユーザアバターが前記ミッションの完了へ向かっている間に、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザの応答に基づき、前記ユーザのスキルパフォーマンススコアを計算し、前記スキルパフォーマンススコアが所定上側閾値を超えたとき前記チャレンジタスクの達成難易度を上げ、前記スキルパフォーマンススコアが所定下側閾値未満になったとき前記チャレンジタスクの達成難易度を下げる、ステップと、(f)前記ミッションの完了に続いて、前記スキル伝達モジュールにおいてスキル持続エクササイズを実施するステップであって、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザに対して持続チャレンジタスクを提示する第2ストーリーラインを含み、前記持続チャレンジタスクは前記スキルトレーニングモジュールにおいて提示された前記チャレンジタスクとは異なり、前記持続チャレンジタスクは前記ユーザが前記ターゲット認知スキルの持続を提示することができるように構成されている、ステップと、を含む方法。
請求項2
請求項3
前記友人キャラクタは、ターゲット認知スキルを学習するように前記ユーザにガイドと動機付けを動的に提供するとともに、前記ユーザがインナーボイスを生じさせるように自尊心または励ましを提供する請求項2に記載の方法。
請求項4
前記第1ストーリーラインと前記第2ストーリーラインは、前記ユーザが問題解決に取り組み、前記ユーザがインナーボイスを生じさせるように自発性を持つことを促すように構成されたメンターキャラクタを含む請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
請求項5
前記メンターキャラクタは、前記チャレンジタスクを前記ユーザに対して示すように構成されていない請求項4に記載の方法。
請求項6
ステップ(e)は、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアに基づき前記チャレンジタスクの達成難易度を調整するステップを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
請求項7
ステップ(e)は、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアおよび前記注意状態レベルの両方に基づき前記チャレンジタスクの達成難易度を調整するステップを含む請求項6に記載の方法。
請求項8
ステップ(e)はさらに、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアまたは前記注意状態レベルに基づき、前記ユーザアバターに対して提示する前記ターゲット認知スキルの順番を調整するステップを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9
ユーザアバターの速度は、前記スキルパフォーマンススコアが上がると増加する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10
ユーザアバターの速度は、前記スキルパフォーマンススコアが下がると低下する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
請求項11
ステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態レベルが上がると増える速さで、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスクを提示するステップを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
請求項12
ステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態レベルが下がると減少する速さで、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスクを提示するステップを含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
ステップ(d)は、前記ユーザが所定の注意状態レベルに達した後にのみ、前記ユーザアバターに対して少なくともいくつかのチャレンジタスクを提示するステップを含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14
ステップ(f)はさらに、前記スキル伝達モジュールにおいて提示された前記チャレンジタスクに対する前記ユーザアバターの応答に基づき、前記ユーザのスキル伝達スコアを計算するステップであって、スキル伝達スコアが所定閾値を超えたことは前記持続されたターゲット認知スキルの伝達性を示し、これにより前記ユーザアバターは前記コンピュータベースの仮想学習カリキュラムの次レベルへ進むことができる、ステップを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
請求項15
前記スキルトレーニングモジュールは注意力維持をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが注意力維持の前記スキルの持続を示すように構成されている請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
請求項16
前記ミッションが完了すると、集中注意状態スコアを計算するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
請求項17
所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの数から前記集中注意状態スコアを計算する請求項16に記載の方法。
請求項18
前記所定注意状態レベル閾値は50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%よりも大きい請求項17に記載の方法。
請求項19
前記ミッションが完了すると持続注意状態スコアを計算するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
請求項20
請求項21
前記所定変化量閾値は前の注意状態レベルの1%から50%である請求項20に記載の方法。
請求項22
前記持続注意状態スコアを、所定注意状態レベル閾値よりも大きい連続する注意状態レベルについて計算する請求項20または21に記載の方法。
請求項23
前記スキルトレーニングモジュールは認知抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが認知抑制のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
請求項24
前記ミッション目標の完了に続いて、認知抑制スコアを計算するステップをさらに含む請求項23に記載の方法。
請求項25
ステップ(c)の始点からある時間が経過するまでに所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの頻度から前記認知抑制スコアを計算する請求項24に記載の方法。
請求項26
前記所定注意状態レベル閾値は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%である請求項25に記載の方法。
請求項27
前記スキルトレーニングモジュールは行動抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが行動抑制のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
請求項28
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(ii)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数を判定するステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから行動抑制スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項27に記載の方法。
請求項29
前記スキルトレーニングモジュールは選択性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが選択性注意力のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
請求項30
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)〜(iii)の組み合わせから選択性注意力スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項29に記載の方法。
請求項31
前記スキルトレーニングモジュールは転換性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが転換性注意力のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
請求項32
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数を判定するステップであって、前記チャレンジタスクはターゲットルールがスイッチすると即座に提示されるステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから転換性注意力スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項31に記載の方法。
請求項33
前記スキルトレーニングモジュールは新規性抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが新規性抑制のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
請求項34
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)〜(iii)の組み合わせから新規性抑制スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項33に記載の方法。
請求項35
前記スキルトレーニングモジュールは満足遅延耐性をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが満足遅延耐性のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
請求項36
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから満足遅延耐性スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項35に記載の方法。
請求項37
前記スキルトレーニングモジュールは自己制御性をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが自己制御性のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
請求項38
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数を判定するステップであって、前記チャレンジタスクは収集または衝突回避チャレンジタスクの前後における所定時間内に発生する、ステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから自己制御性スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項37に記載の方法。
請求項39
前記スキルトレーニングモジュールは配分性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが配分性注意力のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
請求項40
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)〜(iii)の組み合わせから配分性注意力スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項39に記載の方法。
請求項41
前記スキルトレーニングモジュールは干渉制御をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが干渉制御のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
請求項42
(a)前記ミッションが完了すると、(i)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから干渉制御スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項41に記載の方法。
請求項43
前記スキルトレーニングモジュールは動機付け抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが動機付け抑制のスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
請求項44
(a)前記ミッションが完了すると、(i)不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる、正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる、正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)正しく選択されたチャレンジタスクの総数、(iv)正しく拒否されたチャレンジタスクの総数、(v)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、(vi)不正確に拒否されたチャレンジタスクの個数を判定するステップと、(b)(i)〜(vi)の組み合わせから動機付け抑制スコアを計算するステップと、をさらに含む請求項43に記載の方法。
請求項45
前記スキルトレーニングモジュールはインナーボイスをトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザがインナーボイスのスキルの持続を示すように構成されている請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法。
請求項46
前記ミッションが完了すると、前の注意状態レベルを超える注意状態レベルの個数からインナーボイススコアを計算するステップであって、前記前の注意状態レベルは所定閾値レベルよりも小さい請求項45に記載の方法。
請求項47
前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが前記ターゲット認知スキルの持続を示すことができるように構成されている請求項1〜46のいずれか一項に記載の方法。
請求項48
前記持続を示すことは、前記チャレンジタスクの前記所望の目標の達成チャンス増加またはターゲット認知スキル学習の増加に対応する請求項47に記載の方法。
請求項49
請求項50
請求項51
請求項52
前記スキルパフォーマンスはターゲット認知スキルパフォーマンスである請求項51に記載の方法。
請求項53
前記モジュールは1つ以上のレベルから構成され、各レベルは任意的に1つ以上のミッションから構成されている請求項1〜52のいずれかに記載の方法。
請求項54
前記1つ以上のレベルは1つ以上のターゲット認知スキルの発達に対して構成されている請求項53に記載の方法。
請求項55
前記ターゲット認知スキルは、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、および自己制御性から選択される請求項54に記載の方法。
請求項56
ステップ(a)〜(f)を少なくとも1つのターゲット認知スキルに対して繰り返す請求項1〜55のいずれか一項に記載の方法。
請求項57
ステップ(a)〜(f)を2つ以上のターゲット認知スキルに対して繰り返された請求項1〜56のいずれか一項に記載の方法。
請求項58
前記方法を、一定の間隔、例えば3、4、5、6、または7回/週で、10、20、30、40、50、または60分間の間、3週間以上に渡って実施して、前記ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングする請求項56または57に記載の方法。
請求項59
前記スキルトレーニングモジュールは、(i)ユーザのスキルパフォーマンスのスコアを提供するステップ、(ii)前記スコアに基づき、前記スキルトレーニングモジュールに対する難易度レベルを選択するステップ、を実施する請求項1〜58のいずれかに記載の方法。
請求項60
請求項61
ステップ(d)の間において、前記応答に基づき、(i)前記ユーザが衝動/抑制チャレンジタスクに対して不正確に応答しているときまたは無刺激に応答しているときを判定することによって衝動的反応を特定するステップ、(ii)前記ユーザに前記衝動的反応について警報を出すステップ、をさらに含む請求項1〜60のいずれか一項に記載の方法。
請求項62
請求項63
前記ユーザは前記衝動的反応が特定されたときに即座の否定的な結果を受ける請求項61または62に記載の方法。
請求項64
ステップ(d)は、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき前記ユーザについてのスキルパフォーマンススコアを計算するステップを含み、ステップ(e)は、前記衝動的反応が特定されたときに前記スキルパフォーマンススコアを減らすステップを含む請求項59〜63のいずれか一項に記載の方法。
請求項65
前記スキルパフォーマンススコアを、(i) 前記ユーザが種々の刺激を正しく区別する正確さと、(ii)衝動的反応を抑制する前記ユーザの能力との組み合わせを用いて定量化する請求項64に記載の方法。
請求項66
ステップ(d)の間において、前記ユーザに不安によってフラストレーションが起こるときを特定し、友人キャラクタまたはメンターキャラクタからボイスオーバーダイアログを引き起こすことをさらに含む請求項1〜65のいずれか一項に記載の方法。
請求項67
請求項68
ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするためのゲームベースのシステムであって、請求項1〜67のいずれか一項に記載の方法によりコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示するためのアルゴリズムを実装したプロセッサを含むシステム。
請求項69
前記アルゴリズムは、前記ユーザが注意力集中および/または注意力持続の状態にある間に、コンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示する請求項68に記載のゲームベースのシステム。
請求項70
請求項71
(d)前記注意状態レベルおよび/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力関連スキルのそれぞれについての注意力スコアを得るステップであって、前記注意力関連スキルは、注意力集中、注意力持続、選択性注意力、転換性注意力、または配分性注意力を含む、ステップと、前記注意状態および/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力または衝動/抑制関連スキルのそれぞれに対する注意力または衝動/抑制スコアを得るステップであって、前記注意力または衝動/抑制関連スキルは、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、または自己制御性を含む、得るステップと、(f)各トレーニングセッションに対して、(i)前記注意力スコアのそれぞれから得たグローバル注意力スコアを計算し、および/または(ii)前記注意力または衝動/抑制スコアのそれぞれから得たグローバル組合せスコアを計算する、ステップと、(g)トレーニング期間に渡って、(i)各注意力スコアの変化と前記グローバル注意力スコアの変化、または(ii)各注意力および衝動/抑制スコアの変化と前記グローバル組合せスコアの変化、を判定するステップと、をさらに含む請求項1〜67のいずれか一項に記載の方法。
請求項72
ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするための方法であって、(a)複数のトレーニングセッションを含むトレーニング期間に渡って、複数の注意力関連スキルをトレーニングするように構成されたコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき、前記ユーザの注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップであって、前記チャレンジタスクは、前記ユーザの前記複数の前記注意力関連スキルのうちの1つ以上をトレーニングするように構成されている、ステップと、(d)前記注意状態レベルおよび/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力関連スキルのそれぞれに対する注意力スコアを得るステップであって、前記注意力関連スキルは、注意力集中、注意力持続、選択性注意力、転換性注意力、または配分性注意力を含む、ステップと、(e)各トレーニングセッションに対して、前記注意力スコアのそれぞれから得たグローバル注意力スコアを計算するステップと、(f)トレーニング期間に渡って、各注意力スコアの変化および/または前記グローバル注意力スコアの変化を判定するステップと、を含む方法。
請求項73
ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするための方法であって、(a)複数のトレーニングセッションを含むトレーニング期間に渡って、複数の注意力関連スキルおよび衝動/抑制関連スキルをトレーニングするように構成されたコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき、前記ユーザの注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップであって、前記チャレンジタスクは、前記ユーザの前記複数の注意力関連スキルおよび衝動抑制関連スキルのうちの1つ以上をトレーニングするように構成されている、ステップと、(d)前記注意状態レベルおよび/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力および衝動/抑制関連スキルのそれぞれに対する注意力および衝動/抑制スコアを得るステップであって、前記注意力および衝動/抑制関連スキルは、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、または自己制御性を含む、ステップと、(f)各トレーニングセッションに対して、前記注意力および衝動/抑制スコアのそれぞれの組み合わせから得たグローバル組合せスコアを計算するステップと、(g)トレーニング期間に渡って、各注意力および衝動/抑制スコアの変化および/または前記グローバル注意力および衝動/抑制スコアの変化を判定するステップと、を含む方法。
請求項74
(a)前記ミッションが完了すると、所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの数を判定するステップと、(b)前記所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの数から集中注意状態スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項75
前記所定注意状態レベル閾値は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%である請求項74に記載の方法。
請求項76
(a)前記ミッションが完了すると、注意状態レベルが所定変化量閾値よりも小さく変化する時間を判定するステップと、(b)注意状態レベルが所定変化量閾値よりも小さく変化する前記時間から持続注意状態スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項77
前記所定変化量閾値は前の注意状態レベルの1%から50%である請求項76に記載の方法。
請求項78
前記持続注意状態スコアを、所定の注意状態レベルを超える連続する注意状態レベルについて計算する請求項77に記載の方法。
請求項79
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)〜(iii)の組み合わせから選択性注意力スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項80
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数を判定するステップであって、前記チャレンジタスクはターゲットルールがスイッチすると即座に提示される、ステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから転換性注意力スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項81
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)〜(iii)の組み合わせから配分性注意力スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項82
(a)前記ミッションが完了すると、ステップ(c)の始点からある時間が経過するまでに所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの数を判定するステップと、(b)部分(a)で判定した注意状態レベルの数から認知抑制スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項83
前記所定注意状態レベル閾値は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%である請求項82に記載の方法。
請求項84
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(ii)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数を判定するステップと、(b)(i)と(ii)に基づいて行動抑制スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項85
(a)前記ミッションが完了すると、(i)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから干渉制御スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項86
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップと、(b)(i)〜(iii)の組み合わせから新規性抑制スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項87
(a)前記ミッションが完了すると、(i)不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる、正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる、正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)正しく選択されたチャレンジタスクの総数、(iv)正しく拒否されたチャレンジタスクの総数、(v)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、(vi)不正確に拒否されたチャレンジタスクの個数、を判定するステップと、(b)(i)〜(vi)の組み合わせから動機付け抑制スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項88
(a)前記ミッションが完了すると、前の注意状態レベルを超える注意状態レベルの個数を判定するステップであって、前記前の注意状態レベルは所定注意状態レベル閾値よりも小さい、ステップと、(b)部分(a)での注意状態レベルの数からインナーボイススコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項89
前記所定注意状態レベル閾値は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、または70%である請求項88に記載の方法。
請求項90
前記注意状態レベルはそれぞれ、前記前の注意状態レベルを、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%だけ超える請求項88または89に記載の方法。
請求項91
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数を判定するステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから満足遅延耐性スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項92
(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数を判定するステップであって、前記チャレンジタスクは、収集または衝突回避チャレンジタスクの後の所定時間内に発生する、ステップと、(b)(i)と(ii)の組み合わせから自己制御性スコアを計算するステップと、を含む請求項72または73に記載の方法。
請求項93
前記所定時間は0〜5秒である請求項92に記載の方法。
請求項94
前記グローバル注意力スコアは前記注意力スコアの組合せスコアである請求項72に記載の方法。
請求項95
前記グローバル組合せスコアは前記注意力スコアと前記衝動/抑制スコアの組み合わせである請求項73に記載の方法。
請求項96
必要とするユーザの不注意障害を治療するための方法であって、(a)前記ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするように構成された、コンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップであって、前記仮想学習環境は少なくとも第1のゲームモジュールと第2のゲームモジュールを含み、前記第1のゲームモジュールは、ターゲット認知スキルをトレーニングするスキルトレーニングモジュールを含み、前記第2のゲームモジュールは、前記スキルトレーニング環境の外側の仮想環境において前記ユーザが前記ターゲット認知スキルの持続を示すことができるように構成されたスキル伝達モジュールを含む、ステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき、前記ユーザの前記注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記スキルトレーニングモジュールにおいてトレーニングエクササイズを実施するステップであって、前記スキルトレーニングモジュールは、ユーザアバターをミッションの完了へ向かわせ、前記ユーザの注意状態レベルを高い状態で引き出す第1ストーリーラインを含み、前記ユーザの前記注意状態レベルの増加または減少により、前記ユーザアバターのスピードが対応して増加または減少する、ステップと、(d)ステップ(c)の間において、前記ユーザに対して衝動/抑制チャレンジタスクを提示して前記ユーザから入力デバイスを介して応答を引き出すステップであって、前記衝動/抑制チャレンジタスクは、前記ユーザの前記ターゲット認知スキルをトレーニングするように構成されている、ステップと、(e)ステップ(d)の間において、前記応答に基づき、(i)前記ユーザが衝動的に応答しているときを判定することによって衝動的反応を特定し、(ii)前記ユーザに前記衝動的反応について警報を出すステップと、(f)前記ミッションの完了に続いて、前記スキル伝達モジュールにおいてスキル持続エクササイズを実施するステップであって、前記スキル伝達モジュールは、前記スキルトレーニングモジュールからの仮想学習カリキュラムにおいて前記ユーザに対して前記チャレンジタスクを提示する第2ストーリーラインを含み、前記チャレンジタスクは、前記トレーニングモジュールにおいて学習した前記ユーザが前記ターゲット認知スキルの持続を示すことができるように構成されている、ステップと、を含む方法。
請求項97
前記ユーザの前記注意状態レベルは0%〜100%と目盛られている請求項96に記載の方法。
請求項98
請求項99
前記警報を出すことは、前記ユーザに衝動的反応に対する聴覚または視覚的合図を提示することを含む請求項96〜98のいずれか一項に記載の方法。
請求項100
ステップ(d)は、前記衝動/抑制チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記ユーザに対するスキルパフォーマンススコアを計算するステップを含み、ステップ(e)は、前記衝動的反応が特定されたときに前記スキルパフォーマンススコアを減らすステップを含む請求項96〜99のいずれか一項に記載の方法。
請求項101
ステップ(e)は、前記ユーザアバターが前記所望の目標へ向かっている間に、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記ユーザに対するスキルパフォーマンススコアを計算し、前記スキルパフォーマンススコアが所定上側閾値を超えたとき前記チャレンジタスクの難易度を上げ、前記スキルパフォーマンススコアが所定下側閾値未満になったとき前記チャレンジタスクの前記難易度を下げるステップを含む、請求項96〜100のいずれか一項に記載の方法。
請求項102
ステップ(e)は、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアおよび前記注意状態の両方に基づき、前記衝動/抑制チャレンジタスクの達成難易度を調整すること含む請求項101に記載の方法。
請求項103
ステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態が上がると増える速さで、前記ユーザに対して衝動/抑制チャレンジタスクを提示するステップを含む請求項96〜102のいずれか一項に記載の方法。
請求項104
ステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態レベルが下がると減少する速さで、前記ユーザに対して衝動/抑制チャレンジタスクを提示するステップを含む請求項96〜103のいずれか一項に記載の方法。
請求項105
ステップ(d)は、前記ユーザが所定注意状態レベル閾値に達した後にのみ、前記ユーザに対して少なくともいくつかの衝動/抑制チャレンジタスクを提示するステップを含む請求項96〜104のいずれか一項に記載の方法。
請求項106
ステップ(d)は、前記ユーザが所定注意状態レベル閾値に達した後にのみおよび前記ユーザが前記所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルを維持している間にのみ、前記ユーザに対して少なくともいくつかのチャレンジタスクを提示するステップを含む請求項105に記載の方法。
請求項107
ステップ(d)は、前記ユーザが所定注意状態レベル閾値に達した後に、所定の時間の長さの間、前記ユーザに対して衝動/抑制チャレンジタスクを提示するステップを含む請求項106に記載の方法。
請求項108
前記第1ストーリーラインは、前記ユーザにガイドと動機付けを提供するために提示される友人キャラクタを含む請求項96〜107のいずれか一項に記載の方法。
請求項109
前記第1ストーリーラインと前記第2ストーリーラインは、前記ユーザが問題解決に取り組み、自発性を持つことを促すように構成されたメンターキャラクタを含む請求項108に記載の方法。
請求項110
ステップ(f)はさらに、前記スキル伝達モジュールにおいて提示された前記タスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記ユーザのスキル伝達スコアを計算するステップであって、伝達スコアが所定閾値注意力レベルを超えると、前記ユーザは前記コンピュータベースの仮想学習カリキュラムの次レベルへ進むことができる、ステップを含む請求項96〜109のいずれか一項に記載の方法。
請求項111
前記スキルトレーニングモジュールは、集中した持続する注意力維持をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが前記トレーニングモジュールにおいてトレーニングされたスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜110のいずれか一項に記載の方法。
請求項112
前記スキルトレーニングモジュールは、行動抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが行動抑制のスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜111のいずれか一項に記載の方法。
請求項113
前記スキルトレーニングモジュールは、選択性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが選択性注意力のスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜112のいずれか一項に記載の方法。
請求項114
前記スキルトレーニングモジュールは転換性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが転換性注意力のスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜113のいずれか一項に記載の方法。
請求項115
前記スキルトレーニングモジュールは新規性抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが新規性抑制のスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜114のいずれか一項に記載の方法。
請求項116
前記スキルトレーニングモジュールは満足遅延耐性をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが満足遅延耐性のスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜115のいずれか一項に記載の方法。
請求項117
前記スキルトレーニングモジュールは自己制御性をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが自己制御性のスキルの持続を示すように構成されている請求項96〜116のいずれか一項に記載の方法。
請求項118
前記モジュールは1つ以上のレベルから構成され、各レベルは任意的に1つ以上のミッションから構成されている請求項96〜117のいずれかに記載の方法。
請求項119
前記レベルは前記ユーザにターゲット認知スキルを教示するようにデザインされ、前記ターゲット認知スキルは、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、または自己制御性を含む請求項118に記載の方法。
請求項120
ステップ(a)〜(f)を少なくとも1つのターゲット認知スキルに対して繰り返す請求項96〜119のいずれか一項に記載の方法。
請求項121
ステップ(a)〜(f)を2つ以上のターゲット認知スキルに対して繰り返す請求項96〜119のいずれか一項に記載の方法。
請求項122
前記ユーザはADHDを有し、前記方法は、前記ユーザが、ADHD評価尺度によって測定したときの前記ユーザの不注意、衝動性、または多動性のうちの少なくとも1つを抑制するのに十分な量または頻度で実施する請求項96〜121のいずれか一項に記載の方法。
請求項123
前記方法を、3〜7セッション/週で、10〜60分間/セッションで、3〜8週間の期間に渡って実施して、前記ユーザの不注意、衝動性、または多動性のうちの少なくとも1つを治療する請求項122に記載の方法。
請求項124
前記スキルトレーニングモジュールは、(i)ユーザのパフォーマンスのスコアを提供するステップ、(ii)前記スコアに基づき、前記スキルトレーニングモジュールに対する難易度レベルを選択するステップ、を実施する請求項96〜123のいずれかに記載の方法。
請求項125
前記ユーザのスキルパフォーマンススコアを、(i) 前記ユーザが種々の刺激を正しく区別する正確さと、(ii)衝動的反応を抑制する前記ユーザの能力との組み合わせを用いて定量化する請求項96〜124のいずれかに記載の方法。
請求項126
前記ユーザは、複数日に渡って2つ以上のセッションでトレーニングを受け、前記2つ以上のセッションのそれぞれに対して、グローバル注意力スコアを計算する請求項1〜67または72〜125のいずれかに記載の方法。
請求項127
前記ユーザは、複数日に渡って2つ以上のセッションでトレーニングを受け、前記2つ以上のセッションのそれぞれに対して、グローバル注意力スコアとグローバル組合せスコアを計算する請求項126に記載の方法。
請求項128
前記2つ以上のセッションのそれぞれに対して、前記グローバル注意力スコアと前記グローバル組合せスコアを含むミッションパフォーマンスレポートを生成することをさらに含む請求項127に記載の方法。
請求項129
前記2つ以上のトレーニングセッションに渡って前記ユーザが達成した前記グローバル注意力スコアと前記グローバル組合せスコアとの変化を示す概略進行レポートを生成することをさらに含む請求項128に記載の方法。
請求項130
必要とするユーザの不注意障害を治療するためのゲームベースのシステムであって、請求項71〜129のいずれか一項に記載の方法によりコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示するためのアルゴリズムを実装したプロセッサを含むシステム。
請求項131
前記ユーザからEEGデータを集めてコンピューティングおよびビデオディスプレイ装置に伝達するためのEEGヘッドセットをさらに含む請求項130に記載のゲームベースのシステム。
請求項132
必要とするユーザの不注意、衝動性および多動性障害を治療するためのゲームベースのシステムであって、請求項1〜67または71〜131のいずれか一項に記載の方法により、仮想学習カリキュラムにおいて、前記学習カリキュラムに準拠して、注意力および衝動性の前記基盤にある認知スキルを発達させるときの前記ユーザの進歩と、前記学習カリキュラム中のいずれかの時点で成功裏に示されるターゲット認知スキルレベルとを示す報告システムを含むシステム。
請求項133
前記報告システムは医療または臨床専門報告システムである請求項132に記載のゲームベースのシステム。
請求項134
前記報告システムは非臨床報告システムである請求項133に記載のゲームベースのシステム。
請求項135
必要とするユーザの不注意、衝動性および多動性障害を治療するためのゲームベースのシステムであって、前記トレーニングプログラム中のいずれかの時点で保持される前記ユーザトレーニングプログラム遵守および認知スキルレベルを示す親、教師、ユーザ、または他の当事者に対する報告システムを含み、請求項1〜67または71〜131のいずれか一項に記載の方法によりコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示するためのアルゴリズムを実装したプロセッサを含むシステム。
請求項136
前記ユーザからEEGデータを集めてコンピューティングおよびビデオディスプレイ装置に伝達するためのEEGヘッドセットをさらに含む請求項135に記載のゲームベースのシステム。
請求項137
ユーザが始めたトレーニングセッションの数と前記トレーニングセッションの長さを記録および報告するためのコンピュータをさらに含む請求項68〜70または130〜136のいずれか一項に記載のゲームベースのシステム。
請求項138
背景技術
0001
実行機能は認知プロセスであり、これにより私達はタスクを達成することができる。例えば思考を整理する、将来の計画を立てる、問題解決に従事する、などのタスクである。実行機能スキルは、学習と学業成績の基盤において重要であることが分かっている。
0002
幼年期と幼児期の発達過程において、実行機能の神経ネットワークは自然に小児のものへ発達し、分散した神経ネットワークへと成長し洗練される。注意力スキルなどの実行機能発達の障害は、神経ネットワークにおける認知プロセスの機能障害によって生じ、これは主に遺伝的承継とその後の経験的イベントに起因する(Casey et al.,Dev Psychobiol40(2002):237-254)。。これら認知スキルが未発達であると、子供が理路整然と動作することができる能力の妨げになる。例えば新たな情報を取り込み理解すること、学校のタスクを完了すること、である。例えば発話された言語を理解し処理するなどの基礎的能力は、注意力を正確に制御することを要する。言語処理と読取はともに、主要特性を認識して表現されたメッセージを理解する際に、注意力スキルに強く依拠する。例えば特異的言語障害(SLI)を有する子供は、会話を聞きながら選択的に注意を向けることが困難であることが分かっている。これによりそのような子供は、単語の境界と意味にとって重要なキューを見逃す。研究途上ではあるが、注意力制御が弱いことは、数学や単語問題を解く際の障害と関連していることが分かっている(Zentall et al.,J Educ Psychol 82(1990):856-865)。
0003
実行機能障害は、多くの学習障害やこれに関する障害の主要要因である。多くの学習障害、特に注意欠陥/多動性障害(ADHD)における中心課題の1つは、注意力と衝動抑圧制御の障害である。ADHD症状の深刻度は、子供が学業成績についてどの程度問題を抱えているかと直接的に相関していることが分かっている(Barry et al.,J Sch Phychol 40(2002):259-283)。CDCレポートによれば米国の3〜17歳の子供のうち11%がADHDと診断され、ADHD National Resource CenterによればADHDの子供のうち50%は少なくとも1つの学習障害があると診断されている。またADHD罹患者の生産性ロスに起因して360〜520億ドルが失われていると推定されている。
0004
現在のところ、最も有用かつよく研究されているADHD治療は、刺激療法である。刺激療法は、治療として有用なレベルまで速く到達して家庭や教室における行動を改善できることが分かっているが、これら行動改善は治療後の認知プロセスの改善にはならず、しかも治療後の4から10時間程度しか続かない。行動改善は治療を中止すると失われ、有害な副作用が生じる。例えば頭痛、吐き気、食欲減退、不眠症、物理的成長減少、心血管副作用、などである。これら刺激療法を用いると、これら薬剤の乱用にもつながる。近年いくつかの非刺激療法がADHDの治療として認可された。研究によれば、改善度は刺激療法ほど大きくないが、例えば急性自殺願望や鎮静作用などの新たな副作用があるものの刺激療法に関連するより大きなリスクを回避できる。
0005
薬剤治療状況を前提にすると、同等の効果と耐用性を実現でき副作用と濫用リスクが最小限度である非薬剤治療に対して大きな関心がある。従来の行動介入、例えば親によるコーチングや行動療法は、不安症や鬱などの一般的な病状を管理するのには役立つものの、ADHDに対する効果が小さいことが分かっている。他の可能性としては認知トレーニングがあり、これは特定の認知能力またはスキルを訓練し強化するように設計されたコンピュータ上でタスクを実施するものである。例えば選択的注意、抑圧制御、ワーキングメモリである。このアプローチは当初は有用な治療だと思われたが、研究が蓄積するにつれ、より厳密に設計された制御とメタ分析の研究により、これらADHDのための認知治療の有用性に疑問が呈されている。有用性を欠くのは、ADHDと認知スキルとの間の関係についての理解が現在のところ限られていることによると想定された。この関係の複雑性を前提にすると、1つのスキルのみのトレーニングにフォーカスするのではなく、ADHDの子供が効果を上げようとしている認知スキルの全てのセットについて、トレーニング、測定、および管理することが望ましい。
0006
他の治療オプションは脳波フィードバックである。ADHD罹患者の蓄積EEG脳波のレベルは、ADHDではない被検者(正常者)から記録したEEG脳波レベルとは明らかに異なる。例えば高周波脳波帯域(ベータ波)における活動レベルが小さく、低周波数帯域(特に4〜7.5Hzのシータ波)が増えている。脳波フィードバックはEEGバイオフィードバックとしても知られており、これはゲーム類似のフィードバックをユーザに与えて脳波を規制するものであり、ADHDの行動症状を抑制することにいくらかの成功をおさめてきたが、基盤にある実行機能の認知プロセスについては効果を発揮していない。このトレーニングは通常、広範な集団に基づきEEG信号の異なる要素を正常化することにフォーカスしており、シータ/ベータ比を含む。現在のところ、症状の深刻度を抑制することに対する脳波フィードバックの有用性につき、議論が分かれている。脳波フィードバックの重大な限界としては、トレーニングが負担であり、被検者のEEG信号と“正常"集団テンプレートとのマッチングに依拠していることが挙げられる。このマッチングは広範な複合変数に依拠している。被験者が脳活動を正常化しようと試みることは、ADHDによって最も影響を受けている脳部位を強化できるか、ユーザが時間経過にともなって自身の脳活動を繰り返し管理することは非常に困難である。最も重要なのは、脳波フィードバックは、学習と学業成績をもたらす基盤の実行機能の重要な認知プロセスを特定してターゲットとするものではないことである。
0007
ADHDの基盤認知スキルを訓練し、測定し、管理するより効果的な学習システムへのニーズがある。このシステムにより、神経発達遅延に起因する広範な学習障害を患っているユーザ(例えばADHD罹患者)に対して利点をもたらすことができる。
発明が解決しようとする課題
0008
本発明は、ユーザ、医療関係者、患者、その他サードパーティにより、認知スキル発達の正確なターゲティング、個人別測定、および管理を可能とするものである。本発明は、ゲームソフトウェアアプリケーションに組み込まれた学習カリキュラムを特徴とする。このソフトウェアは、EEGベース脳:コンピュータインターフェース(BCI)とともに利用される。BCIインターフェースは、ユーザの注意状態レベルをリアルタイムで測定し、前記ユーザの注意状態を用いて前記ユーザを正しい認知スキルに速やかに訓練することにより、前記ユーザがビデオゲームをプレイ/管理できるようにする。本発明は例えばユーザが完全にアクセスすることができるシームレスな体験を生成するために設計されている。この体験は、ユーザに力を与える壮大なストーリーラインを組み込んでおり、ユーザの取り組みを増やし(すなわち取り組む意思を作り出し)、ターゲットにする認知スキルの速やかな学習を促進する。
課題を解決するための手段
0009
第1側面において本発明は、ユーザの認知スキル(例:集中した継続する注意力)をトレーニングする方法を特徴とする。前記方法は以下のステップを有する:(a)前記ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするように構成された、コンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップであって、前記仮想学習環境は少なくとも1つの第1ゲームモジュールと第2ゲームモジュールを有し、前記第1ゲームモジュールはターゲット認知スキルをトレーニングするスキルトレーニングモジュールを有し、前記第2ゲームモジュールは前記スキルトレーニングモジュールの学習環境から分離した(例:前記スキルトレーニングモジュールの外)仮想学習環境において前記ターゲット認知スキルの持続を前記ユーザが示すことができるように構成されたスキル伝達モジュールを有する、ステップ;(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき前記ユーザの前記注意状態レベルを計算するステップ;(c)前記スキルトレーニングモジュールにおいてスキルトレーニングエクササイズを実施するステップであって、前記スキルトレーニングモジュールは、ユーザアバターをミッションの完了へ向かわせ、前記ユーザの注意状態レベルを高い状態および/または持続した状態で引き出す、第1ストーリーラインを有し、前記ユーザの前記注意状態レベルの増減により前記ユーザアバターが前記ミッションの完了へ向かうスピードが対応して増減する(例:チャレンジタスクの達成チャンスが対応して増減する、(例:スキル学習が対応して増減する(例:認知スキル学習))、ステップ;(d)ステップ(c)の間において、前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップであって、前記チャレンジタスクは前記ユーザの前記ターゲット認知スキルをトレーニングするように構成されている、ステップ;(e)ステップ(d)の間において、前記ユーザアバターが前記トレーニングミッションの完了へ向かっている間に(例:前記ユーザがコントロールしているときできる限り速く)、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザの応答に基づき、前記ユーザのスキルパフォーマンススコアを計算し、前記スキルパフォーマンススコアが所定上側閾値を超えたときチャレンジタスクの達成難易度を上げ、前記スキルパフォーマンススコアが所定下側閾値未満になったときチャレンジタスクの達成難易度を下げる、ステップ;(f)前記トレーニングミッションの完了に続いて(例:各トレーニングモジュールにおいて)、前記スキル伝達モジュールにおいて認知スキル持続エクササイズを実施するステップであって、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザに対して前記持続チャレンジタスクを提示する第2ストーリーラインを有し、前記持続チャレンジタスクは前記スキルトレーニングモジュールにおいて提示される前記チャレンジタスクとは異なり、前記持続チャレンジタスクは前記ユーザが前記ターゲット認知スキルの持続を示すことができるように構成されている(例:スキル伝達モジュールにおいて)、ステップ。実施形態において、前記第1ストーリーラインは友人キャラクタを有し、前記友人キャラクタは、前記ユーザがインナーボイスを生じさせるようにガイドと動機付けを提供する(例:前記ユーザアバターに対して、ターゲット認知スキルを学習することにより所望の目的を達成するようにガイドと動機づけを直接的に提供するとともに、自尊心と励ましを提供する)。
0010
実施形態において、前記第1ストーリーラインと前記第2ストーリーラインは、前記ユーザが問題解決に取り組み自発性を持つことを促すように構成されたメンターキャラクタを有する。実施形態において前記メンターキャラクタは、前記チャレンジタスクを前記ユーザに対して示すように構成されていない。実施形態においてステップ(e)は、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアと前記注意状態レベルに基づき前記チャレンジタスクの難易度を調整するステップを有する。これに代えてステップ(e)は、前記ユーザの前記パフォーマンススコアまたは前記注意状態レベルに基づき(例:前記注意状態レベルによらず前記スキルパフォーマンススコアのみに基づき)前記チャレンジタスクの難易度を調整するステップを有する。実施形態においてステップ(e)はさらに、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアおよび/または前記注意状態レベルに基づき、前記ユーザアバターに対して提示する前記ターゲット認知スキルの順番を調整するステップを有する。実施形態において、ユーザアバターの速度は、前記注意状態レベルが上がると増加し、前記注意状態レベルが下がると低下する。他実施形態においてステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態レベルが上がると増える速さで、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスクを提示するステップを有する。実施形態においてステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態レベルが下がると減少する速さで、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスクを提示するステップを有する。他実施形態においてステップ(d)は、前記ユーザが所定の注意状態レベル閾値に達した後にのみ、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスク(例:集合回避または衝突回避チャレンジタスク、および/または、注意力若しくは衝動/抑制に関連するチャレンジタスク)を提示するステップを有する。実施形態において、集中または持続注意状態レベルの期間に、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスクを提示する。例えばステップ(d)は、前記ユーザが所定の注意状態レベルに到達した後、かつ前記ユーザが注意状態レベルを前記所定注意状態レベル閾値よりも高く維持している間に限り、前記ユーザアバターに対してチャレンジタスクを提示するステップを有する。
0011
実施形態においてステップ(f)はさらに、前記スキル伝達モジュールにおいて提示された前記チャレンジタスクに対する前記ユーザの応答に基づき、前記ユーザのスキル伝達スコアを計算するステップであって、スキル伝達スコアが所定閾値を超えたことは前記ターゲット認知スキルの伝達性を示し、これにより前記ユーザは前記コンピュータベース仮想学習カリキュラム(例:前記トレーニング環境を含む)の次レベルへ進むことができる、ステップを有する。
0012
本明細書が記載する前記方法の実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは注意力維持(例:注意力集中および注意力持続)をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが注意力維持(例:注意力集中および注意力持続)のスキルを示すことができるように構成されている。実施形態において前記方法は、前記ミッションが完了すると、所定注意状態レベル閾値(例:50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%)よりも大きい注意状態レベルの個数を識別することにより、集中注意力スコア、持続注意力スコア、または認知抑制スコアを計算するステップを有する。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)ミッションが完了すると、所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの個数を判定するステップ;(b)前記所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルの前記個数から集中注意状態スコアを計算するステップ。実施形態において前記方法は、前記ミッションが完了すると持続注意状態スコアを計算するステップを有する。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)ミッションが完了すると、注意状態レベルが所定変化量閾値よりも小さく変化する時間を判定するステップ;(b)注意状態レベルが所定変化量閾値(例:1%から50%、例:前の注意状態レベルの5%、10%、15%、20%、25%、または30%)よりも小さく変化する前記時間から持続注意状態スコアを計算するステップ。前記持続注意状態スコアは、所定注意状態レベルよりも大きい(例:50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%)連続する注意状態レベルについて計算することができる。
0013
実施形態において前記方法は以下を有する:(a)ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップ;(b)(i)〜(iii)の組み合わせから配分性注意力スコアを計算するステップ。実施形態において配分性注意力スコアは、(i)と(ii)の和を(iii)で割ることにより計算される。
0014
実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは認知抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが認知抑制のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)ステップ(c)の始点からある時間(例:10〜120秒、例:60秒)が経過するまでに所定注意状態レベルを超える注意状態レベルの個数を判定するステップ;(b)ステップ(a)において判定した注意状態レベルの個数から認知抑制スコアを計算するステップ。実施形態において前記所定注意状態レベル閾値は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%である。
0015
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは行動抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが行動抑制のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:前記ミッションが完了すると、(i)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(ii)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、を判定するステップ;(b)(i)と(ii)の組み合わせから行動抑制スコアを計算するステップ。実施形態において行動抑制スコアは、例えば正しく拒否されたチャレンジタスクと不正確に選択されたチャレンジタスクの和を、チャレンジタスクの和で除算することにより計算される。
0016
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは選択性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが選択性注意力のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップ;(b)(i)〜(iii)の組み合わせから選択性注意力スコアを計算するステップ。実施形態において選択性注意力スコアは、例えば正しく選択されたチャレンジタスクと正しく拒否されたチャレンジタスクの和を、チャレンジタスクの総数で除算することにより計算される。
0017
他実施形態において、前記スキルトレーニングジュールは転換性注意力をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールはユーザが転換性注意力のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、を判定するステップであって、前記チャレンジタスクはターゲットルールがスイッチすると即座に提示される(例:ターゲットルールスイッチの直後のチャレンジタスク)、ステップ;(b)(i)と(ii)の組み合わせから転換性注意力スコアを計算するステップ。実施形態において転換性注意力スコアは、例えばスイッチ直後の正しく選択されたチャレンジタスクと正しく拒否されたチャレンジタスクの和を、スイッチの総数で除算することにより計算される。
0018
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは新規性抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが新規性抑制のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップ;(b)(i)〜(iii)の組み合わせから新規性抑制スコアを計算するステップ。実施形態において新規性抑制スコアは、例えば正しく選択されたチャレンジタスクと正しく拒否されたチャレンジタスクの個数の和を、チャレンジタスクの総数で除算することにより計算される。
0019
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは満足遅延耐性をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが満足遅延耐性のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップ;(b)(i)と(ii)の組み合わせから満足遅延耐性スコアを計算するステップ。実施形態において満足遅延耐性スコアは、例えば正しく選択されたチャレンジタスクの個数をチャレンジタスクの総数で除算することにより計算される(例:衝突回避チャレンジタスクの前後において所定時間内(例:0.1〜10秒、例:1、2、3、4、5、またはこれ以上の秒数以内)に提示されたチャレンジタスク)。
0020
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは自己制御性をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが自己制御性のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、(i)正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数、を判定するステップであって、前記チャレンジタスクは収集または衝突回避チャレンジタスクの前後における所定時間以内(例:0.1〜10秒、例:1、2、3、4、5、またはこれ以上の秒数)に発生する、ステップ;(b)(i)と(ii)の組み合わせから自己制御性スコアを計算するステップ。実施形態において自己制御性スコアは、例えば正しく選択されたチャレンジタスクの個数をチャレンジタスクの総数で除算することにより計算される。
0021
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールは動機付け抑制をトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールはユーザが動機付け抑制のスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、(i)不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる、正しく選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる、正しく拒否されたチャレンジタスクの個数、(iii)正しく選択されたチャレンジタスクの総数、(iv)正しく拒否されたチャレンジタスクの総数、(v)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、(vi)不正確に拒否されたチャレンジタスクの個数、を判定するステップ;(b)(i)〜(vi)の組み合わせから動機付け抑制スコアを計算するステップ。実施形態において動機付け抑制スコアは、正しく選択されたチャレンジタスクの個数と、不正確に選択されまたは不正確に拒否されたチャレンジタスクの後に生じる正しく拒否されたチャレンジタスクの個数の和を、正しく選択したチャレンジタスク、正しく拒否されたチャレンジタスク、不正確に選択されたチャレンジタスク、および不正確に拒否されたチャレンジタスクの和によって除算することにより、判定される。
0022
他実施形態において、前記スキルトレーニングモジュールはインナーボイスをトレーニングするように構成されており、前記スキル伝達モジュールはユーザがインナーボイスのスキルを示すように構成されている。実施形態において前記方法は以下を有する:(a)前記ミッションが完了すると、前の注意状態レベルを超える注意状態レベルの個数を判定するステップであって、前記前の注意状態レベルは所定注意状態レベル閾値よりも小さい、ステップ;(b)ステップ(a)における注意状態レベルの個数からインナーボイススコアを計算するステップ。例えば前記インナーボイススコアは、前記前の注意状態レベルが所定注意状態レベル閾値よりも小さいとき、注意状態レベルの正変化の個数を判定することにより、計算することができる。例えば前記所定注意状態レベル閾値は、10%、20%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%である。前記正変化は例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%の正変化である。実施形態において干渉制御スコアは、不正確に選択されたチャレンジタスクの個数をチャレンジタスクの総数で除算することにより判定される。
0023
他の実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは干渉制御をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが干渉制御のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、本方法は、(a)最終目標の完了に続いて、(i)不正確に選択されたチャレンジタスクの個数、(ii)チャレンジタスクの総数を判定するステップ;(b)(i)と(ii)の組み合わせから干渉制御スコアを計算するステップ;を含む。例えば、干渉制御スコアを、不正確な選択の個数(例えば、不正確に選択された個々のチャレンジタスク(例えば、ターゲットまたはターゲットの塊)の数)をチャレンジタスクの総数で割ることによって計算することができる。
0024
いくつかの実施形態では、前記スキル伝達モジュールは、前記ユーザが前記スキルトレーニングモジュールで学習した前記ターゲット認知スキルの持続を示すことができるように構成されている。ある場合には、持続を実証することは、所望の目標の達成チャンスの増加または認知スキル学習の増加に対応する。
0026
各モジュールは1つ以上のレベルを含むことができ、各レベルは1つ以上のミッションを含むことができる。1つ以上のレベルはターゲット認知スキル発達のレベルとすることができる。前記レベルを、前記ユーザにターゲット認知スキル(注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、および自己制御性を含む)を教示するように構成することができる。ある実施形態では、本方法は、前記ユーザの前記スキルパフォーマンスを測定し、分析し、報告することを含む(例えば、ミッションパフォーマンスレポートまたは概略進行レポートを通して、例えば、ADHDの症状の重症度の最適化および減少を可能にするために)。
0027
特定の実施形態において、前記ユーザは、低い注意制御および/または抑制制御(例えば、注意欠損)または不注意障害を有している。他の実施形態では、前記ユーザは低い抑制制御または抑制障害を有している。本発明の方法は、一定の間隔で実施することができ、ステップ(a)〜(f)を少なくとも1つのターゲット認知スキルに対して繰り返すか、またはステップ(a)〜(f)を2つ以上のターゲット認知スキルに対して繰り返す。例えば、本発明の方法は、3〜7回/週以上で、10〜60分間以上/セッションで、3〜8週間以上に渡って、一定の間隔で実施することができる。例えば、本方法は、一定の間隔で、例えば1、2、3、4、またはそれ以上の回数/週で、10、20、30、40、50、または60分間連続して、3週間以上の期間にわたって実施することができる(これにより、例えば、ADHDの陰性症状の重症度の減少が所望のレベルになるまで、前記ユーザのターゲット認知スキル発達をトレーニングし、測定し、および管理することができる)。
0028
いくつかの実施形態では、先行する方法のいずれかの方法において、前記スキルトレーニングモジュールは、(i)前記ユーザのスキルパフォーマンスのスコアを提供すること、(ii)前記スコアに基づき、前記スキルトレーニングモジュールに対する難易度レベルを選択すること、を含む。いくつかの実施形態では、前記ユーザが種々の刺激間でその活動を正しく区別する正確さによって前記ユーザのスキルパフォーマンスを定量化する。
0029
いくつかの実施形態では、先行する請求項のいずれかに記載の方法はさらに、ステップ(d)の間において、前記応答に基づき、(i)前記ユーザが衝動/抑制チャレンジタスクに対して不正確に応答しているかまたは無刺激に応答している(例えば、衝動的または無作為に応答している、例えば、刺激によって応答することを促されていないときに応答している)ときを判定することによって衝動的反応を特定すること、(ii)衝動的反応をしたとき前記ユーザに対して警報を出すことを、含む。いくつかの実施形態では、前記警報を出すことは、前記衝動的反応が特定されたときに前記ユーザに聴覚または視覚的合図を提示することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(d)は、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき前記ユーザに対するスキルパフォーマンススコアを計算するステップを含み、ステップ(e)は、前記衝動的反応が特定されたときに前記スキルパフォーマンススコアを減らすステップを含む。いくつかの実施形態では、前記ユーザのスキルパフォーマンススコアを、(i) 前記ユーザが種々の刺激を正しく区別する正確さ、および/または(ii)衝動的反応を回避する(そして、例えば、スキル改善を管理する一方で、症状重症度の減少を所望のレベルの行動正常性まで行なう)前記ユーザの能力、の組み合わせを用いて定量化する。
0030
いくつかの実施形態では、先行する請求項のいずれかに記載の方法はさらに、ステップ(d)の間において、前記ユーザに(例えば、不安および/または鬱によって)フラストレーションが起こるときを特定し、友人キャラクタまたはメンターキャラクタからボイスオーバーダイアログを引き起こすことを含む。いくつかの実施形態では、前記友人キャラクタまたは前記メンターキャラクタは、フラストレーションの感覚(例えば、不安および/または鬱を伴う)に対する感情的反応を調整するための安心および/または簡単なストラテジを提供する。
0031
関連する態様では、本発明の特徴は、前記ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするためのゲームベースのシステムであって、本発明の先行する方法のいずれかによりコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示するためのアルゴリズムを備えたプロセッサを含むシステムである。いくつかの実施形態では、前記アルゴリズムは、前記ユーザが集中または持続した注意力の状態にある(例えば、注意状態レベルが50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または90%を超える)間にコンピュータベースの仮想学習環境を提示するためのものである。前記ゲームベースのシステムはさらに、前記ユーザからEEG脳活動信号を集めるためのEEGヘッドセットを含むことができる。
0032
先行する方法のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明はさらに、(d)前記注意状態レベルおよび/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力関連スキルのそれぞれに対する注意力スコアを得るステップであって、前記注意力関連スキルは、注意力集中、注意力持続、選択性注意力、転換性注意力、または配分性注意力を含む、ステップ;前記注意状態および/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力または衝動/抑制関連スキルのそれぞれに対する注意力または衝動/抑制スコアを得るステップであって、前記注意力または衝動/抑制関連スキルは、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、または自己制御性を含む、ステップ;を有するステップ、(f)各トレーニングセッションに対して、(i)前記注意力スコアのそれぞれから得たグローバル注意力スコアを計算し、および/または(ii)前記注意力または衝動/抑制スコアのそれぞれから得たグローバル組合せスコアを計算する、ステップ、(g)トレーニング期間に渡って、(i)各注意力スコアの変化と前記グローバル注意力スコアの変化、または(ii)各注意力および衝動/抑制スコアの変化と前記グローバル組合せスコアの変化を判定するステップと、を含む。
0033
別の態様では、本発明の特徴は、前記ユーザのターゲット認知スキルをトレーニングするための方法であって、(a)複数のトレーニングセッションを含むトレーニング期間に渡って、複数の注意力関連スキルをトレーニングするように構成されたコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき、前記ユーザの注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップであって、前記チャレンジタスクは、前記ユーザの前記複数の前記注意力関連スキルのうちの1つ以上をトレーニングするように構成されている、ステップと、(d)前記注意状態レベルおよび/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記注意力関連スキルのそれぞれに対する注意力スコアを得るステップであって、前記注意力関連スキルは、注意力集中、注意力持続、選択性注意力、転換性注意力、または配分性注意力を含む、ステップと、(e)各トレーニングセッションに対して、前記注意力スコアのそれぞれの組み合わせから得たグローバル組合せスコアを計算するステップと、(f)トレーニング期間に渡って、各注意力スコアの変化および前記グローバル注意力スコアの変化を判定するステップと、を含む方法である。
0034
別の態様では、本発明の特徴は、患者の認知スキルをトレーニングするための方法であって、(a)複数のトレーニングセッションを含むトレーニング期間に渡って、複数のターゲット認知スキル(例えば、注意力集中、注意力持続、選択性注意力、転換性注意力、または配分性注意力認知抑制、行動抑制、干渉制御、新規性抑制、または動機付け抑制満足遅延耐性、インナーボイス、または自己制御性)をトレーニングするように構成されたコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づき、前記ユーザの注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップであって、前記チャレンジタスクは、前記ユーザの前記複数のターゲット認知スキルのうちの1つ以上をトレーニングするように構成されている、ステップと、(d)前記注意状態レベルおよび/または前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記ターゲット認知スキルのそれぞれに対するターゲット認知スキルスコアを得るステップであって、前記ターゲット認知スキルは、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、または自己制御性を含む、ステップと、(f)各トレーニングセッションに対して、前記ターゲット認知スキルスコアのそれぞれの組み合わせから得たグローバル組合せスコアを計算するステップと、(g)トレーニング期間に渡って、各注意力スコア、各衝動/抑制スコア、および各自己制御性スコアの変化、および/または前記グローバル組合せスコアの変化を判定するステップと、を含む方法である。
0035
先行する方法のいずれかのいくつかの実施形態では、前記グローバル注意力スコアは、1つ以上の認知スキルスコアの組合せスコア(例えば、平均値、または加重平均)である。いくつかの実施形態では、前記グローバル組合せスコアは、1つ以上のグローバル注意力スコアおよび/または衝動/抑制スコアの組合せ(例えば、平均値、または加重平均)である。
0036
先行する方法のいずれかのいくつかの実施形態では、前記グローバル注意力スコアは、注意力スコアの組合せ(例えば、平均値または加重平均)である。いくつかの実施形態では、前記グローバル組合せスコアは前記認知スキルスコアの組合せ(例えば、平均値または加重平均)である。
0037
本発明の特徴は、必要とするユーザの不注意および/または衝動性障害(例えば、注意欠陥多動性障害、ADHD)を治療するための方法であって、(a)前記ユーザの認知スキルをトレーニングするように構成されたコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提供するステップであって、前記仮想学習環境は少なくとも第1のゲームモジュールと第2のゲームモジュールを含み、前記第1のゲームモジュールは、認知スキルをトレーニングするためのスキルトレーニングモジュールを含み、前記第2のゲームモジュールは、前記スキルトレーニングモジュールの外側の仮想学習環境において認知スキルの持続を前記ユーザが示すことができるように構成されたスキル伝達モジュールを含む、ステップと、(b)前記ユーザのEEG脳活動信号を測定し、前記EEG脳活動信号に基づいて、前記ユーザの注意状態レベルを計算するステップと、(c)前記スキルトレーニングモジュールにおいてトレーニングエクササイズを実施するステップであって、前記スキルトレーニングモジュールは、ユーザアバターを最終目標へ向かわせ、前記ユーザの注意状態レベルを高い状態で引き出す第1ストーリーラインを含み、前記ユーザの注意状態レベルの増加または減少により、前記ユーザアバターのスピードが対応して増加または減少する、ステップと、(d)ステップ(c)の間において、前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示して前記ユーザから入力デバイスを介して応答を引き出すステップであって、前記チャレンジタスクは、前記ユーザの前記ターゲット認知スキルをトレーニングするように構成されている、ステップと、(e)ステップ(d)の間において、前記応答に基づき、(i)前記ユーザが不正確に選択しているかまたは応答している(例えば、時期尚早に、無作為に、または衝動的に選択または応答している)ときを判定することによって衝動的反応を特定し、(ii)前記ユーザに衝動的反応について警報を出す、ステップと、(f)前記ミッションの完了に続いて、前記スキル伝達モジュールにおいてスキル持続エクササイズを実施するステップであって、前記スキル伝達モジュールは、前記スキルトレーニングモジュールとは異なる仮想学習環境において前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示する第2ストーリーラインを含み、前記チャレンジタスクは、前記ユーザの認知スキルの持続を示すように構成されている、ステップと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、前記ユーザは前記衝動的反応が特定されたときに即座の否定的な結果を受け取る。ユーザの注意状態レベルは、例えば0%〜100%、または0〜100ポイントと目盛ることができる。ステップ(e)はさらに、(iii)前記ユーザが衝動性の望ましくない結果を理解して衝動抑制を改善させる(例えば、所望の衝動抑制、例えば、前記ユーザが衝動性の望ましくない結果を理解できるようにすることによって)ための同様のチャレンジタスクを適応して提供するステップを含んでいてもよい。前記警報を出すことは、前記衝動的反応が特定されたときに前記ユーザに聴覚または視覚的合図を提示することを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)は、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき前記ユーザに対するスキルパフォーマンススコアを計算するステップを含み、ステップ(e)は、前記衝動的反応が特定されたときに前記スキルパフォーマンススコアを減らすステップを含む。特定の実施形態において、ステップ(e)は、前記ユーザアバターが前記ミッションの完了へ向かっている間に、前記チャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記ユーザのスキルパフォーマンススコアを計算し、前記スキルパフォーマンススコアが所定上側閾値を超えたとき前記チャレンジタスクの難易度を上げ、前記スキルパフォーマンススコアが所定下側閾値未満になったとき前記チャレンジタスクの難易度を下げる。例えば、ステップ(e)は、前記ユーザの前記スキルパフォーマンススコアおよび/または前記注意状態レベルの両方に基づき前記チャレンジタスクの難易度を調整するステップを含むことができる。例えば、ステップ(e)は、前記ユーザの前記パフォーマンススコアまたは前記注意状態レベル(例えば、前記注意力レベルに関係なく単に前記パフォーマンススコア)に基づき、前記チャレンジタスクの難易度を調整するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)は、前記ユーザの前記注意状態レベルが上がると増えるかまたは前記ユーザの前記注意状態レベルが下がると減少する速さで、前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(d)は、前記ユーザが所定の注意状態レベルに達した後にのみ、前記ユーザに対して少なくともいくつかのチャレンジタスクを提示するステップを含む。例えば、ステップ(d)は、前記ユーザが所定注意状態レベル閾値に達した後にのみおよび/または前記ユーザが前記所定注意状態レベル閾値を超える注意状態レベルを維持している間にのみ、前記ユーザに対して少なくともいくつかのチャレンジタスクを提示するステップを含むことができる。ステップ(d)は、前記ユーザが所定注意状態レベル閾値に達した後に、所定の時間の長さの間、前記ユーザに対してチャレンジタスクを提示することを含むことができる。いくつかの実施形態では、前記第1ストーリーラインは、前記ユーザにガイドと動機付けを提供するために提示される友人キャラクタを含む。第1ストーリーラインと第2ストーリーラインは、前記ユーザの問題解決および自発性を(例えば、友人キャラクタが実施したようなガイドを提供することなく)助けるために示されたメンターキャラクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステップ(f)はさらに、前記スキル伝達モジュールにおいて提示されたチャレンジタスクに対する前記ユーザ応答に基づき、前記ユーザに対するスキル伝達スコアを計算するステップであって、伝達スコアが所定閾値を超えると、前記ユーザはコンピュータベースの仮想学習環境の次のレベルへ進むことができる、ステップを含む。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは、集中した持続する注意力維持をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは、前記トレーニングモジュールにおいてトレーニングされたスキルを前記ユーザが持続していることを示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは行動抑制をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが行動抑制のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは選択性注意力をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが選択性注意力のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは転換性注意力をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが転換性注意力のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは新規性抑制をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが新規性抑制のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは満足遅延耐性をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが満足遅延耐性のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは自己制御性をトレーニングするように構成され、前記スキル伝達モジュールは前記ユーザが自己制御性のスキルの持続を示すように構成されている。いくつかの実施形態では、前記モジュールは1つ以上のレベルから構成され、各レベルは任意的に1つ以上のミッション(例えば、ステージ)から構成されている。前記ユーザ認知スキルを教示するようにレベルをデザインすることができる。認知スキルには、注意力集中、注意力持続、認知抑制、行動抑制、選択性注意力、転換性注意力、配分性注意力、干渉制御、新規性抑制、満足遅延耐性、インナーボイス、動機付け抑制、または自己制御性が含まれる。特定の実施形態において、ステップ(a)〜(f)を少なくとも1つの認知スキルに対して繰り返すか、またはステップ(a)〜(f)を2つ以上の認知スキルに対して繰り返す。いくつかの実施形態では、前記ユーザはADHDを有し、本方法は、ADHD評価尺度によって測定される前記ユーザの不注意、衝動性、または多動性のうちの少なくとも1つを抑制するのに十分な量または頻度で前記ユーザによって実施される。特定の実施形態において、本方法を、3〜7セッション/週で、10〜60分間/セッションで、3週間以上の期間に渡って実施して、前記ユーザの不注意、衝動性、または多動性のうちの少なくとも1つを治療する。いくつかの実施形態では、前記スキルトレーニングモジュールは、(i)前記ユーザのパフォーマンスのスコアを提供すること、(ii)前記スコアに基づき、前記スキルトレーニングモジュールに対する難易度レベルを選択することを含む。いくつかの実施形態では、前記ユーザのスキルパフォーマンススコアは、(i) 前記ユーザが種々の刺激を正しく区別する正確さ、(ii)前記ユーザが正しいアクションを取ること、および/または(iii)前記ユーザが不正確なアクションを回避すること(例えば、衝動的反応を回避するため)によって定量化される。
0038
関連する態様において、本発明の特徴は、必要とするユーザの不注意および/または衝動性障害(例えば、ADHD)を治療するためのゲームベースのシステムであって、前記ゲームベースのシステムは、本明細書で説明する方法のいずれかを実施するためのコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示するためのアルゴリズムを備えたプロセッサを含んでいる。ゲームベースのシステムはさらに、前記ユーザからEEGデータを集めてコンピューティングおよびビデオディスプレイ装置に送るためのEEGヘッドセットを含むことができる。
0039
いくつかの実施形態では、本発明の特徴は、必要とするユーザの不注意、衝動性および多動性障害(ADHD)を治療するためのゲームベースのシステムであって、前記システムは、本明細書で説明する方法のいずれかを実施するためのトレーニングプログラム中のいずれかの時点で保持される前記ユーザトレーニングプログラム遵守および認知スキルレベルを示す報告システムを含んでいる。前記報告システムは例えば、医療用または臨床の専門家が用いるように構成された医療または臨床専門報告システムとすることができる。付加的にまたは代替的に、前記報告システムは非臨床報告システム(例えば、消費者または教育報告システム)とすることができる。例えば、報告システムは、親、保護者、教師、または他の非医療専門家、当事者、または消費者が用いるように(そして、例えば、パフォーマンスの所定または相対レベルに対してスキル上達を判定するように)適応させることができる。いくつかの実施形態では、本発明の特徴は、必要とするユーザの注意、衝動性、および多動性障害を治療するためのゲームベースのシステムであって、前記システムは、トレーニングプログラム中のいずれかの時点で保持される前記ユーザトレーニングプログラム遵守および認知スキルレベルを示す親、教師、前記ユーザ、または他の当事者報告システムを含み、前記システムは、先行する方法のいずれかによりコンピュータベースの仮想学習カリキュラムを提示するためのアルゴリズムを備えたプロセッサを含んでいる。
0040
いくつかの実施形態では、本発明の特徴は、必要とするユーザの不注意、衝動性および多動性障害を治療するためのゲームベースのシステムであって、前記システムは、仮想学習カリキュラムにおいて、前記学習カリキュラムに準拠して、注意力および衝動性の前記基盤にある認知スキルを発達させるときの前記ユーザの進歩と、前記学習カリキュラム中のいずれかの時点で成功裏に示されるターゲット認知スキルレベルとを示す報告システムを含む。
0041
本発明の特徴は、必要とするユーザの注意、衝動性および多動性障害(例えば、ADHD)を治療するための仮想学習カリキュラムであって、前記システムは、本明細書で説明する方法のいずれかを実施するためのトレーニングプログラム中のいずれかの時点で示され保持される前記ユーザトレーニングプログラム遵守および認知スキルレベルを示す医療専門家、教師、前記ユーザ、親、または当事者報告システムを含んでいる。仮想学習カリキュラムはさらに、EEGヘッドセットを含むことができる。EEGヘッドセットは、前記ユーザからEEGデータを集め、前記ユーザがそれらのEEGデータを用いて冒険ストーリーまたは一連の叙事詩的ストーリーにおける結果を伝達してガイドすることを可能にする。仮想学習カリキュラムはさらに、コンピュータ(例えば、タブレット、またはスマートフォン、または任意のコンピューティング装置)を、前記ユーザが始めた(または始めていない)トレーニングセッションの数とトレーニングセッションの長さとを記録および報告するために含むことができる。いくつかの実施形態では、前記仮想学習カリキュラムはさらに、前記ユーザによるトレーニングセッションをスケジューリングし、および/またはスケジュールされたイベントを前記ユーザに思い出させるためのセッションプランナーを含む。
0042
先行する方法のいずれかのいくつかの実施形態では、スキルトレーニングモジュールは、(i)前記ユーザのパフォーマンスのスコアを提供すること、(ii)スコアに基づき、スキルトレーニングモジュールに対する難易度レベルを選択すること、を含む。
0043
本明細書で用いる場合、用語「能力」は、正しいアクションおよび非アクションを取り、不正確なアクションおよび非アクションを回避して、チャレンジタスクを達成するユーザの認知能力を指す。
0044
本明細書で用いる場合、用語「脳対コンピュータのインターフェース」または「BCI」は、ユーザの脳活動と受信装置との間の伝達経路を指す。脳造影機器は、ユーザと、仮想学習カリキュラムのゲーム要素に接続されてユーザの注意力(例えば、注意力レベルは0〜100%と目盛られ、100%はユーザの最も高い注意力レベルであり、0%はユーザの最も低い注意力レベルである)のEEGベースの指標を提供するプロセッサとの間のこの脳活動インターフェースを促進することを助ける。
0045
本明細書で用いる場合、用語「スキルトレーニングモジュール」は、仮想の空想の世界内で1つまたは複数のターゲット認知スキルを教示するようにデザインされたビデオゲーム学習モジュールのタイプを指す。例えば、ユーザは、ビデオゲームの第1のミッションを始めたら最初にこのモジュールに入り、そしてそれぞれの後続するミッションに入ってもよい。スキルトレーニングモジュールは、ユーザの認知スキルのうちの1つ以上を面白くて速やかな方法でトレーニングするように構成されている。
0046
本明細書で用いる場合、用語「スキル伝達モジュール」は、前記ビデオゲームのレベルまたはミッションにおいて前記スキルトレーニングモジュールが完了した後に入るビデオゲーム学習モジュールのタイプを指す。前記スキル伝達モジュールは、先行するスキルトレーニングモジュールで教示された前記ターゲット認知トレーニングスキルを強化してユーザに示すように構成されている。スキル伝達モジュールは、前記ターゲット認知スキルをトレーニングするためのトレーニングモジュールの前記ユーザによるパフォーマンスに続いて認知スキル持続エクササイズを前記ユーザに与えるためのゲームモジュールである。スキル伝達モジュールは、トレーニングモジュールとは異なる背景および/または環境における認知チャレンジタスクを提示して、実生活におけるターゲットスキルの適応性を実証して報告し、後で用いるように持続を最大にする。例えば、スキルトレーニングモジュールを、スキル最適化を管理するために複数の異なる用途に対して認知チャレンジタスクを評価するテスト環境として与えることができる。
0047
本明細書で用いる場合、用語「不注意障害」とは、不注意、過活動、および/または衝動性によって特徴付けられる症状を指す。本発明の方法およびシステムは、注意障害(例えば、限定することなく、注意欠陥多動性障害、注意欠陥障害、および多動性障害)を治療する(すなわち、本明細書で説明するトレーニング計画に従って障害の1つ以上の症状を改善する)のに有用である可能性がある。注意欠陥多動性障害(文献では注意欠陥障害/多動症候群(ADD/HS)とも言われる)は、衝動性、散漫性、社会的状況における不適当行動、および多動性によって特徴付けられる症状(または一連の症状)である(米国精神医学会、精神障害の診断および統計マニュアル:DSM-5.ManMag,2013)。特に重症型のADHDを多動性障害と言う。
0048
本明細書で用いる場合、「転換性注意力」は、注意をある注意対象物から別の注意対象物へと(例えば、単一のチャレンジタスクの一部としてまたは複数のチャレンジタスク間で)素早くシフトすることができる精神的柔軟性である。
0050
本明細書で用いる場合、「注意力維持」とは、注意力を持続させつつ刺激に長時間集中する能力である。
0052
本明細書で用いる場合、「チャレンジタスク」は、ユーザの1つ以上の認知スキルを教示するように構成されたユーザ応答を要求する仮想学習カリキュラム内のゲーム要素を指す。チャレンジタスクは、ターゲットまたはターゲットの塊とすることができる。これらに対して、ユーザは、基準(すなわち、ターゲットルール)に従って応答すること(例えば、ターゲットを選択または拒否することによって)を指示される。代替的に、チャレンジタスクは衝突回避タスク(例えば障害物をかわすかまたはハードルをジャンプする要求など)とすることができる。第3のタイプのチャレンジタスクは収集チャレンジタスクであり、ユーザが物品(例えば、トークンまたはクリスタル)を集めることを要求する場合がある。「衝動/抑制チャレンジタスク」とは、ユーザの衝動/抑制制御を教示するように構成されたチャレンジタスクを指す。衝動/抑制チャレンジタスクは、ターゲットの導入と前記ターゲットルールをターゲットに適用するユーザの能力との間に遅延を伴う可能性がある(例えば、形状または記号が即座に提示されない場合がある)。この場合、ユーザがターゲットに、そのターゲットルールを提示する前に応答すると、その応答は不正確であり衝動的反応と分類される。チャレンジタスクまたはチャレンジタスクの任意の組み合わせに対するユーザの応答を、注意力スコアまたは注意力および衝動/抑制スコアの計算において用いることができる。
0053
本明細書で用いる場合、「持続チャレンジタスク」は、前記ユーザにおいてトレーニングされたターゲット認知スキルの持続を示すように構成されたユーザ応答を要求するゲーム要素を指す。
0055
本明細書で用いる場合、「動的な」ガイドまたは「動的にガイドする」は、ガイドの発生および/またはタイプが前記ユーザのスキルパフォーマンスまたは注意状態レベルに依存するという特徴を指す。例えば、ユーザが注意を維持しようと奮闘しているならば、ガイドはもっと頻繁に発生してもよい。
0056
本明細書で用いる場合、「メンターキャラクタ」は、ゲームプレイ中にユーザに提示されるキャラクタであって、知恵、客観性、および構想を提供するが、友人キャラクタがユーザアバターに提供するガイドはユーザに提供しないキャラクタを指す。メンターキャラクタは、例えば、ユーザに何をすべきかは伝えるがどのように活動すべきかは伝えないボイスオーバーキャラクタとすることができる。したがって、メンターキャラクタを、ユーザアバターが、どんなキャラクタによる助けも受けないでスキルを保持していると示せるように構成することができる。用語「メンターキャラクタ」と「メンターアバター」は本明細書では交換可能に用いられる。
0057
本明細書で用いる場合、「新規性抑制」は、新規な刺激が関連性がない場合を理解し、続いてそれを無視して現在のチャレンジタスクまたは目標に戻る能力を指す。
0058
本明細書で用いる場合、「友人キャラクタ」は、ゲームプレイ中にユーザに提示されるキャラクタであって、ゲームプレイ中(例えば、スキルトレーニングモジュール中に)に提示されるチャレンジタスクに成功するようにユーザに励ましおよび項目ヘルプを提供するキャラクタを指す。用語「友人キャラクタ」と「友人アバター」は本明細書では交換可能に用いられる。
0059
本明細書で用いる場合、「パフォーマンススコア」または「スキルパフォーマンススコア」は、ユーザに割り当てられユーザに対して計算され、ユーザ、医療専門家、教師、大人、または任意のサードパーティに対して作成されて、認知スキル上達を、スキルトレーニングモジュールにおいて提示されたチャレンジタスクに対する応答に基づいて、単独でまたは注意状態レベル測定値と組み合わせて提示するスコアを指す。
0060
本明細書で用いる場合、「選択性注意力」は、適切な目標に関連する特定の刺激を処理するかまたはそれに注意を集中する一方で、関連性がない刺激を無視する能力を指す。
0062
本明細書で用いる場合、「スキル持続エクササイズ」は、スキル伝達モジュール内のタスクまたは一連のチャレンジタスクであって、ユーザに、最近トレーニングエクササイズが(例えば、スキルトレーニングモジュール中に)要求したのと同じ認知機能を用いることを要求するタスクまたは一連のチャレンジタスクを指す。
0063
本明細書で用いる場合、「スキルトレーニングモジュール」は、認知スキルを用いてその対応するスキル伝達モジュールに進むことを要求するゲーム内のミッションを指す。スキルトレーニングモジュールは、一連のストーリー冒険ミッション内の1つまたは複数の認知スキルを教示するように一意にデザインされた仮想学習カリキュラムのタイプとすることができる。ユーザは、仮想学習カリキュラムの最初のミッションが始まったら、最初にスキル伝達モジュールにユーザアバターとして入ることができ、それぞれの後続するミッションに進む。スキルトレーニングモジュールを、ユーザの認知スキルを面白くて速やかな方法でトレーニングするように構成することができる。
0064
本明細書で用いる場合、「スキル伝達モジュール」は、先行するスキルトレーニングモジュールによってトレーニングされた認知スキルのうちの1つ以上のユーザの発達をテストするゲーム内のミッションを指す。スキル伝達モジュールは、ビデオゲームの任意のミッションにおいてスキルトレーニングモジュールが完了した後に入る仮想学習カリキュラムのタイプとすることができる。前記スキル伝達モジュールは、先行するスキルトレーニングモジュールにおいて学習および教示されたターゲット認知トレーニングスキルを強化して、ユーザ、医療専門家、教師、親、または任意のサードパーティに示すように構成することができる。前記スキル伝達モジュールは、前記ターゲット認知スキルをトレーニングするためのトレーニングモジュールの前記ユーザによるパフォーマンスに続いて、前記ユーザに認知スキル持続エクササイズを提示するためのゲームモジュールとすることができる。前記スキル伝達モジュールは、トレーニングモジュールとは異なる背景および/または環境における認知チャレンジタスクを提示して、実生活におけるターゲットスキルの適応性を実証し、後で用いるように持続を最大にすることができる。
0065
本明細書で用いる場合、「トレーニングエクササイズ」は、ユーザにスキルトレーニングモジュール中に認知スキルを行使することを要求するチャレンジタスクまたは一連のチャレンジタスクを指す。
0066
本明細書で用いる場合、「伝達スコア」は、スキル伝達モジュールにおいて提示されたチャレンジタスクに対する応答に基づき、ユーザに対して計算されてユーザに割り当てられたスコアを指す。
0067
本明細書で用いる場合、用語「電気センサ」とは、生体電気信号(例えば、EEGまたはEMG信号)を測定するために用いるセンサを指す。電気センサは、1つ以上の電極(任意的に、可撓性の導電性布地から形成される)を含むことができる。
0068
本発明の他の特徴および優位性は、以下の詳細な説明、図面、および請求項から明らかである。
図面の簡単な説明
0069
友人、メンターの役割と、注意状態レベルと、学習カリキュラムのフィードフォワード要素とを示す典型的なグラフである。
仮想学習カリキュラムを完了する関数として効果の持続時間を示す典型的なグラフである。
トレーニングモジュールにおいて「注意力維持」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクの種類の例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「行動抑制」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「選択性注意力」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「転換性注意力」スキルがトレーニングされて評価されるタイプ環境およびタスクの第1の例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「転換性注意力」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの第2の例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「新規性抑制」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「インナーボイス」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「自己制御性」および「満足遅延耐性」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの第1の例を示す図面である。
トレーニングモジュールにおいて「自己制御性」および「満足遅延耐性」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの第2の例を示す図面である。
ユーザがトレーニングモジュールで学習したターゲット認知スキルの伝達を学習して実証する異なる環境およびタスクのタイプの例を示す図面である。
臨床研究を通る参加者のフローを示す略図である。
最初の8週間の介入の前後のトレーニンググループおよび対照グループに対する平均のADHD評価尺度(ADHD-RS)結合スコアを示すグラフであり、医療関係者および親によって報告されたものである。エラーバーは標準誤差である。
成績の恒常結果測定法(PERMP)に基づく正しく答えた質問の平均数を、最初の8週間(Wk)の介入期間前後について示すグラフである。エラーバーは標準誤差である。
ユーザのトレーニングセッションに対する典型的なミッションパフォーマンスレポート(MPR)である。
実施例16に示すケーススタディに対するミッション2のミッションパフォーマンスレポートである。
実施例16に示すケーススタディに対するミッション4のミッションパフォーマンスレポートである。
実施例16に示すケーススタディに対するミッション8のミッションパフォーマンスレポートである。
実施例16に示すケーススタディに対するミッション12のミッションパフォーマンスレポートである。
実施例16に示すケーススタディに対するミッション14のミッションパフォーマンスレポートである。
実施例16に示すケーススタディに対するミッション15のミッションパフォーマンスレポートである。
実施例16に示すケーススタディに対する概略進行レポートである。
実施例
0070
本発明の特徴は、認知スキル(例えば、人の実行機能の基盤にある認知スキル)をターゲティングして発達させるためのビデオゲームベースの仮想学習カリキュラム(例えば、教育)である。本発明の方法およびシステムによって、実行機能の基盤にある複数の認知スキル(例えば注意力および衝動制御)を改善する効果的かつ速やかなビデオゲームベースの学習カリキュラムが提供される。このカリキュラムでは以下を用いる。(i)注意力制御の基盤にある認知スキルおよびプロセス、(ii)それらのプロセスを用いる測定可能で、トレーニング可能で、管理可能な認知スキルの特定、(iii)以後の人生で用いるためにそれらのスキルを効果的にトレーニングするゲームデザインおよびゲームメカニクス。本発明によって、ユーザ、医療関係者、教師、および親による認知スキル発達の正確なターゲティング、個人別測定、および管理が可能になる。
0071
ここで説明した仮想ゲーム(すなわち、学習カリキュラム)は、フィードフォワードモデリングシステムを用いて、スキルトレーニングモジュールおよび伝達モジュール中のユーザのターゲット認知スキルをトレーニングし、測定し、管理する。フィードフォワードモデリングが行なわれるのは、所望の目標が予想または視覚化されて、個人がその常駐する認知スキルレベルを所望の目標を達成するために進めるときである。したがって、フィードフォワードモデリングシステムの特徴的な要素は、取り組み、目標開発、目標達成の予想、および行為の遂行またはそうでないことである。ゲームの仮想の世界に埋め込まれた学習カリキュラムによって、ユーザの脳内に認知プロセスのフィードフォワードモデリングが誘起される。具体的には、動的なチャレンジタスクを高度な注意状態レベルと結合することによって、ゲームはその所望の注意状態レベルに対応する神経回路をトレーニングする。ユーザは、ゲーム物語が提供する報酬を予想して、自分の注意をこれらの報酬に到達するのに必要な状態レベルに持って行く。ゲームが進行するにつれ、ユーザの変化する注意状態レベルに適応して、ユーザにとって容易になりすぎず難しくなりすぎないようにする。これによって、各ユーザに対する最適なフィードフォワードダイナミクスと、脳の注意力関連領域における最大の神経刺激とが確実になる。
0072
本発明は、ここ20年の研究によって引き起こされている。この研究は、神経心理学的方法の発達にとって極めて有望であり、神経系を認知機能障害と結びつけ、認知スキル学習の欠陥に起因する神経発達遅延障害(すなわち、実行機能障害例えばADHD)に対する持続的治療の発展への道筋(すなわち、行動障害と神経回路の基盤にある問題との間の閉ループ)を見出すものである。結果は複雑であり、しばしば相反するが、ADHDの複雑性および不均一性と神経認知機能障害との間の結びつけが示されている。精神病は、化学的バランシングではなく自然な回路補正を必要とする回路障害であること、および神経可塑性ベースの治療は、神経および精神医学における将来の「最善の措置」の重要な部分であることが分かっている(Insel et al Scientific American302.4(2010):44-51)。我々は、我々の脳が、我々が学習することに基づいて物理的に変化することを知っている。我々の脳内の回路のうち、我々が用いるものは強くなり、我々が用いないものは最終的に消滅する(すなわち、神経可塑性;Merzenich et al.,Neuroplasticity and Neurorehabilitation(2015):6)。幼年時代の間に臨界/感受期が存在する。この臨界期の間に、子供はさらされることから学習する。子供がある特定のスキルに十分にさらされていないかまたはその脳が正しい回路を発達させていない場合、子供は特殊なトレーニングおよびさらしが必要である(Blakemore et al.,Journal of Child Psychology and Psychiatry47.3‐4(2006):296-312)。この臨界期の後、回路に対して変更または補正を行なうには、特定の高レベルの注意が必要である。小児期後期およびそれを過ぎて成人期に入る頃、何か新しいことを学習して変わるために、脳は、本人が学習したいことに対して注意を具体的に高度に集中させる必要がある(Merzenich et al.,Front Human Neurosci27(2014):385;Polley et al.,J Neuroci3(2006):4970-82)。注意を払うと、脳は学習して変化するようにセットアップされる。注意力は、脳が基底核からアセチルコリンを放出して、脳に「学習の準備をさせる」引き金である(Grossberg et al.,Front Neurosci 20(2016):501;Polley et al.,J Neuroci 3(2006):4970-82;Murray et al., Neuroscience 14 (1985): 1025-32; Robbins et al., Kilgard et al., Science 13 (1998): 1714-8)。報酬のある経験によって、学習することが制御される。報酬によって、長期の相乗作用を促進することによって学習すべきことを信号で伝えるドーパミンが大脳基底核から放出される(Merzenich et al.,Front Human Neurosci 27(2014):385;Reynoldset al.,Nature 6(2001):67-70;Reynolds et al.,Neuroscience 99(2000):199-203)。
0073
本発明の方法およびシステムを動的な閉ループ神経心理学的方法に取り入れて、本来は自然に発達する実行機能の基盤にある認知スキルを素早く教示し、測定し、管理することができる。これは注意力および抑制制御から始めることができる。本発明の方法およびシステムは、診療所、学校、自宅、職場などにおいて用いることができる。基本的に、本方法によって、ユーザを最適な学習ゾーンまたは環境に配置することができる。そこでは、脳の学習能力の神経生体物質が、非常に魅力的なチャレンジタスクが提供する新規性と同時に活性化される。チャレンジタスクでは、認知スキルを効果的に教示し、それを自宅、学校、仕事、生活まで伝達するために持続を促進する。組み合わせは、新たに発達した認知スキルを保持するために新しい強化された脳回路を発達させるときに、ユーザの神経可塑性プロセス上で自然に活性化する。本発明の方法およびシステムは、利用するためのユーザの注意状態レベルの個人別較正と、叙事詩的冒険ストーリー(認知スキル発達のための仮想学習カリキュラム)内でのリアルタイム測定とを含むことができる。ユーザはその注意力レベルを最大にして冒険ストーリーミッション完了まで進むことによって、ユーザはこの学習ゾーンに素早く入り、回路を構築および強化する一方で、13の基盤となる認知スキルを教示するスキルチャレンジタスクの動的なモデリングを経験することができる。ストーリーライン内のチャレンジタスクを、個人的なスキルパフォーマンスレベルと注意状態レベルとの正確な測定値に動的に調整して、ユーザを仮想学習カリキュラムに案内して、実行機能の基盤にある認知スキルをターゲティングしてさらに発達させることができる。文献における学習方法はフィードフォワード学習と言われ、本発明の方法およびシステムでは、このアプローチを、動的にモデリングされた認知スキルの教示と一意に組み合わせる。したがって、フィードフォワードモデリングと言う。ゲームベースのシステムは、医療専門家、医療関係者、親、教師、またはユーザに、ADHDの重い症状(すなわち、不注意および衝動性)を逆転させることができる閉ループシステムを提供することができる。この逆転は、認知スキルのトレーニングを正確にターゲティングし、測定し、および管理して、非ADHDの子供および大人の特徴を示す標準化された症候学レベルを達成することによって行なわれる。
0074
本明細書で説明する認知スキル発達およびビデオゲームベースの学習カリキュラムにおけるフィードフォワードモデリングの役割を、図1および2に示す。
0075
<認知スキル>
注意の基盤にある認知プロセスとしては、限定することなく、下表1に示す8つの重大な注意力、抑制、および自己調整スキルが挙げられる。
0076
0077
これらの組合せの8つの認知スキルをさらに精緻なものにして全部で13の認知スキルにして、ユーザの注意力および衝動性抑制スキルにおける更なるニュアンスをターゲッティングしてトレーニングすることができる。具体的には、注意力維持を注意力集中と注意力持続とに分離することができる。選択性注意力を選択性注意力と干渉制御とに分割することができる。これらのプロセスを同時に活性化させて、1つの刺激に選択的に集中する一方で、他の刺激からの注意散漫を抑えることができる。転換性注意力はさらに、配分性注意力のスキルを含むことができる。なぜならば、これらのプロセスは両方とも、複数の刺激およびタスク間で集中を素早くシフトする能力に基づくからである。行動抑制のスキル上に構築されるのは動機付け抑制であり、これは懲罰(例えば、衝動行為の否定的な結果)および報酬に応じて自分の行動を有効に変更する子供の能力のことである。肯定的なインナーボイスの発達は、認知抑制(注意散漫を抑える能力)のプロセスをサポートする。認知抑制は行動抑制にも関係する。注意力および衝動抑制の基盤にある13の認知スキルのモデルを下表2に示す。
0078
0079
次にこれらの13の認知スキルをそれぞれ、効果的なチャレンジタスクと整合させて、これらの活動に基づくビデオゲームメカニクスを開発した。更なる認知スキルを加えて、仮想学習カリキュラムでトレーニングされるスキルを拡大することができる。
0080
<ゲームデザイン>
ゲームは、注意力および衝動性モデル(AIM)を用いて、本人の不注意力および衝動性制御(例えば、ターゲット認知スキル)を改善するようにユーザをトレーニングする。AIMは、注意力および衝動抑制に対する認知プロセススキルの中で、またそれを越えて他の実行機能へと入って、ユーザがマスタする複数の異なる認知プロセススキルを含むことができる。異なる認知スキルを、ゲームの学習カリキュラムの複数のレベルのそれぞれにおいて教示する。これは、対応するゲームスキル教示メカニクスをターゲット認知スキルに対して用いることによって行なう。ゲーム内のレベルには、ユーザに対する種々のゲームチャレンジタスクおよび目標を含む1つ以上のゲームミッションを含むことができる。各ミッション内において、少なくとも2つのモジュール、スキルトレーニングモジュール、およびスキル伝達モジュールがある。このデザインを通して、スキルトレーニングモジュールは、スキルトレーニングモジュールにおける冒険物語からなっていてもよく、伝達モジュールはストーリーライン内の実世界環境に戻る。ここでは、ゲーム学習カリキュラムモジュールで学習したスキルが、慣れで最大になり、実生活に伝達され、日常使用によって強化される可能性がある。特定の実施形態では、ゲーム内の異なるミッションおよびレベルに進むために、スキルトレーニングモジュールおよびスキル伝達モジュールの両方において、所望のスキルを反映する成功パフォーマンス指標を示さなければならない。
0081
ここで説明した認知スキル学習カリキュラムでは、フィードフォワードモデリング方法を用いる。この方法は、カリキュラム内に新たに現れるモデリングされた所望の目標を達成する実地経験から速やかな学習を行なうことを可能にする。これは最初に、ユーザに、その注意力持続を一段高い注意状態レベルで積極的に集中させて、最適な学習ゾーン内に進んで速やかな認知スキル発達を行なうことを要求する。ユーザが、その一段高い注意状態レベルをフィードフォワードして、接近する環境に新たに現れるモデリングされた認知スキルチャレンジタスクを満たすことによって、ユーザは、どんな認知スキルであれ利用して自己発達させて、失敗または成功による(すなわち、これによりモデリングされた)所望の目標を達成するチャレンジを満たす。注意状態レベルを最大にすることによって、ユーザは、所望の目標を素早く見て、認知スキルを自然に発達させてこれらの接近するチャレンジタスクを満たすことができる。最近の研究が示唆するところによれば、認知プロセスを教示する際に含まれるフィードフォワード学習メカニズムは、フィードバック学習メカニズムが学習にとって不十分なモデルである場合に、加速された効率的なスキル学習を得るのに貢献する。フィードフォワードモデリングおよび速やかな学習は、人の前方で所望の目標の知識が示された(すなわち、モデリングされた)ときに行なわれ、その人によって、その所望の目標を達成するためにその人の将来のアクションまたは非アクションをガイドするために用いられる。したがって、フィードフォワードモデリングプロセスの特徴的な要素は将来を想定する能力である。この能力によって、ユーザの注意力レベルに取り組んでこれを押し上げて、学習経験またはゾーンを最適化することができる。認知スキルトレーニングモジュールによって、ユーザに本人の最も高い注意力レベルをフィードフォワードさせて、ユーザの脳内の注意力回路を構築および強化する具体的なターゲット認知スキルの学習(例えば、速やかな学習)を可能にすることができる。具体的には、ユーザの高度な注意状態レベルを伴う仮想チャレンジ(例えば、チャレンジタスク)を用いてターゲット認知スキルを動的にモデリングすることによって、認知スキルトレーニングエクササイズは、注意力および衝動抑制のその所望の認知スキルをサポートすることに対応する神経回路をターゲッティングする。ユーザまたは最初の人のユーザは、ゲームの物語(例えば、冒険ストーリー)が提供する報酬を予想することができ、最終的に自分の注意状態を、そのチャレンジタスクおよび報酬に到達するのに必要なレベルに持って行くことができる。ゲーム(例えば、冒険ゲーム)が進むにつれ、ゲーム(例えば、チャレンジタスクの学習カリキュラム)は、ユーザの変化する注意状態レベルおよび/またはパフォーマンスに瞬時に適応して、ユーザにとって容易になり過ぎることも難しくなり過ぎることもない(例えば、その結果、ユーザをその失敗、努力、および成功の繰り返しを通して十分に取り組ませる)。いくつかの実施形態では、この瞬時アルゴリズムの適応性は、最適な取り組みを維持して、各ユーザに対するフィードフォワードモデリングと注意力および衝動抑制関連回路における最大の神経刺激とを個人化することができる。
0082
<認知スキルトレーニングモジュール>
認知スキルトレーニングモジュールはそれぞれ、2つの主要な構成要素から構成されている。a)認知スキル教育のトレーニング、学習、および経験に対する人の注意状態レベルを正確に規定して最大にする個人別の正確に較正された注意状態レベルのフィードフォワード、b)ユーザの個人的な認知スキルパフォーマンスを、表1および2に示す注意力および衝動抑制の基盤にある認知スキルのさらに高いスキルレベルに対して直接比較する一意に規定されたチャレンジタスクを通して行なう動的な認知注意力スキルモデリングの仮想学習カリキュラムまたは教育ストラテジ(教育)。各モジュールの教育は、トレーニングセッションあたりの時間、トレーニングセッション間の最小の休息時間、および最小のトレーニングセッション数に対して制限を設定して、新しい脳神経回路の構築および強化を確実にする。一実施形態では、プログラムを、10〜60分間のトレーニングセッションであって、休息時間として少なくとも12時間(睡眠を含む)がセッション間に存在するように調整されたものが得られるようにデザインすることができる。トレーニングの進行を、例えば、3〜7セッション/週の速さで、3〜8週間の間に、全体の冒険ゲームシリーズ(学習カリキュラム)が予想合計の少なくとも8時間(ほぼ24の20分間セッション)のトレーニングセッションに渡って完了するまで行なうようにデザインすることができる。認知スキルトレーニングモジュールは、認知スキル学習を最適化するようにデザインされている。この最適化は、新しいスキルを繰り返して学習し、エクササイズに飽き、注意力回路を疲れ果てさせ、次に休息し、回復し、そして同じ神経回路の再エクササイズを、回路を再び疲れ果てさせる前にチャレンジを学習する反復スキルによって行なうことに十分な時間を提供することによって行なう。人の自然な神経可塑性を発達させるこの反復ニューロンエクササイズプロセスは、脳回路を具体的には学習に起因して構築および強化することが知られている。フィードフォワードモデリングは、複数の異なる教示方法の1つであるが、ユーザが、冒険ビデオゲームシリーズ(すなわち、仮想学習カリキュラム)内のターゲットチャレンジタスクおよびミッションの達成に成功できるように、自分の能力を発達させて自分の注意力レベルを高めて維持する必要性を理解することから一意的に始まる。ユーザの注意状態レベルが高められている間、各トレーニングモジュールの教育ストラテジ(例えば、教育)から、表2に示す13の認知スキルのそれぞれに対してカスタマイズされたトレーニングが送られる。フィードフォワード学習方法と動的にモデリングされた認知スキルトレーニングとを組み合わせることによって、効率的かつ速やかな認知スキル学習および実生活環境への伝達が実証されている。例えば、ゲームベースの学習カリキュラムシリーズの課程が完了した後で、ユーザは、総計し、理解し、関連情報のみを選択し、関連性がない注意散漫な情報は無視し、その増加する認知スキルを学校、自宅、仕事、生活に適用することを学習する。
0083
フィードフォワードモデリングは基本的に、目標を達成するための将来のアクションまたは非アクションに対する必要性を、非アクションまたはアクションの結果が実現する前に理解して、そしてその将来の所望の目標を達成するために適切なアクションまたは非アクションを取ることができることからなる。一例では、ユーザは、学習カリキュラムが提示する多くのチャレンジタスクの所望の目標を成功裏に満たすことによって、すべてのトレーニングミッションを進んで、冒険ストーリーの終了に到達するために、自分は自分の注意状態レベルを高く保たなければならないことを理解する。例えば、ユーザが、ゲーム内の最初の人アバターとして、そのセッションを完了することができる前に回避しなければならない壁バリアの個数である。特定の実施形態において、その所望の目標を達成するために、ユーザは、壁バリアの周りを進む間に、自分の注意状態レベルが落ちようとしているときを瞬時に理解して、より高い注意状態レベルに戻るように個人的なアクションを取らなければならない。最適なフィードフォワードモデリングの場合、最適な取り組みと認知スキル学習とを維持するように変わる瞬間に、目標および難易度をユーザの実際の注意状態レベルに合わせて正確に個人別にすることができる。
0084
各認知スキルトレーニングの難易度チャレンジをパーソナライズすることは、ユーザのそのときのターゲット認知スキルパフォーマンスに基づく瞬時適応型認知スキルチャレンジ難易度調整(すなわち、動的な認知モデリング)を通して達成される。新しいおよび/または増大した認知スキルを学習することは、ユーザに対するチャレンジタスクの適切な増大レベル内で最良に達成され、一方で、学習すべきターゲットスキルにマッチする接近するターゲットチャレンジタスクに対する成功および失敗の最適な組み合わせを通して取り組みが最大になる。新しい増大したスキル能力の学習および持続を最大にするために、チャレンジタスク難易度を、ユーザのそのときのスキル能力の最大をわずかに超えるスキルレベルにアルゴリズム的に調整する。これらの動的なモデリング調整によって、ユーザはその現在のスキル能力を、視覚的に見て、経験して、そしてそれを超えて進むことができる。速やかなスキル学習を達成して保持するために、以下で詳細に説明するように、スキル学習および伝達モジュールをチャレンジタスクの難易度を適応的に調整するようにデザインする。アルゴリズミックモデルが、ゲームプレイ中にチャレンジタスクを動的に調整して適応する難易度のレベルは、トレーニングモジュールおよび/または伝達モジュール中にユーザに新しいまたはより高いレベルの認知スキルにチャレンジさせるように計算されそして最後に示されるレベルである。ユーザがターゲット認知スキル上達を示すかまたは示さないとき、アルゴリズム的に得られたターゲットチャレンジタスクがユーザの前方に出現して、ユーザが示すどんなパフォーマンスレベルからも、増大するスキルパフォーマンスレベルを引き出して取り組む。このような適応は、各学習トレーニングおよび伝達セッションの全体を通じてリアルタイムで完了することができる。
0085
<認知スキル伝達モジュール>
認知スキルトレーニングモジュールに対するユーザの取り組みおよびパフォーマンス経験に続いて、ユーザは、ストーリーラインによってスキル伝達モジュール内に導かれて、トレーニングモジュールで学習したスキルを実証することができる。すなわち、ユーザは、これまでのトレーニングモジュールで教示された新しいスキルのその実際の学習および持続を、生存中に後で用いるために独立に示す。この認知スキル伝達モジュールは、学習した同じ新しいスキルであって、スキルトレーニングモジュールで経験したものとは異なる仮想環境で用いるものを、プレーヤに適用させる。スキル伝達モジュール応用の環境は、ゲームストーリーラインの仮想世界環境の外側の実生活経験とより厳密に整合するようにデザインされている。各スキルトレーニングモジュールは、空想冒険ストーリーのようにすることができ、一方で、スキル伝達モジュールは、より現実的な環境(例えば、宇宙輸送内の実験室)(学校、仕事場、または実験室と事実上同様である)のようにすることができる。このスキル伝達モジュール実施を加えることによって、新たに学習したスキルがトレーニングの外側の背景(家庭内行動生活、仕事、遊び、および学業成績を含む)に伝達されることになる。
0086
<ゲームメカニクス内への注意力および衝動性モデル(AIM)の組込み>
以下のAIMの認知スキルをそれぞれ、本明細書で説明するように、ゲームベースの仮想学習カリキュラム内に、冒険ストーリーライン内に埋め込まれた種々の教示メカニクスによって組み込んでもよい。
0087
<注意力維持>
注意力維持(例えば、注意力集中および注意力持続)とは、自分の注意または集中レベルに対する制御を維持する人の能力を指す。この能力によって、人は刺激に対して自分のより高い注意状態レベルを持続して、いつ自分の覚醒が低下しているのかまたは自分の注意力レベルを失い低下させ始めているかを知ることができる。このスキルには、この注意の欠落(すなわち、より低い注意状態)を瞬時に補正または補償して、自分の注意状態レベルをリアルタイムで調整する人の能力が含まれる。注意力維持をトレーニングする目的は、自分の注意状態レベルを高い学習レベルに長時間(例えば、座学を完全に受ける間)持続するようにユーザをトレーニングすることである。
0088
すべてのスキルトレーニングおよびスキル伝達モジュールにおいて、ユーザの注意状態レベルをセッションモジュールの間に持続的に測定し、注意状態レベルをユーザが用いて、そのアバターキャラクタを冒険ストーリー内にフィードフォワードすることを、自分の注意状態レベルを上げてアバターキャラクタが進むスピードを伝達し、制御し、および命令するか、またはスキル伝達モジュールにおいていくつかの他の同程度のスピード機能を実行することによって行なう。このユーザの注意状態レベルのフィードフォワードを、注意状態レベル0%(0は最も低い注意状態レベル)〜100%(最も高い注意状態レベル)で提示することができる。方向制御は、左、右、上下の矢印キーを通して、またはコンピュータタブレットガラス上を指でスワイプすることによって実行する。ユーザの動きを、トークンおよび障害物の回避を介して、正しい報酬の取得(遂行および怠慢の両方)または不正確なアクション(遂行および怠慢の両方)に関連付ける。このようなタスクを本明細書では「衝突回避および収集チャレンジタスク」と言う。
0089
高い、低い、および持続注意状態レベルのパターンをモニタして、キャラクタの「パワー」評価に変換する。またパワー評価には、チャレンジタスクパフォーマンスの指標(例えば、注意状態レベルをチャレンジタスクパフォーマンスと統合する組合せ値)を包含することができる。こうして、パワー評価によって、より良好なパフォーマンスおよび高いまたは持続注意状態レベルに対して視覚的な報酬が提供される。パワー評価はセッションの間に蓄積し、パワーメーターとして視覚的に表示することができる。いくつかの実施形態では、パワーメーター上の閾値は次のミッションへの進行のゲートとして機能する。特定のパワー評価に到達したら、賞(例えば、業績またはランク昇格)をユーザに与えることができる。
0090
仮想の「距離」を各セッションに対して規格化する。ミッションの完了に必要な時間によって、セッション中の全体的なスピードおよび変化の組合せ指標が得られる。時間が短いほど、セッション内のスピードの高い平均速度および/または低い変化が示される。トークンをそれらが走行経路内に現れたときに取得または無視してもよく、障害物を、車線を変更するか、飛び越えるか、または下に滑り込むことによって回避してもよい(例えば、衝突回避および収集チャレンジタスク)。方向性の動きと望ましいかまたは望ましくないトークンまたは障害物との間に相関関係が無いことを通して、衝動的な動きが特定される。これらのタスク(衝動抑制をテストする)を本明細書では「衝動/抑制チャレンジタスク」と言う。
0091
特定の実施形態において、ユーザは、教示されている認知スキルとユーザの成功とに相応するチャレンジタスクのゲーム教育を進むために、高注意状態レベルを維持しなければならない。ユーザはまたゲーム中にチャレンジタスクに遭遇してもよい。ここでは、本人のゲーム進行がブロックされ、本人は、通常の冒険ゲームの進行に戻るために、強いまたはより高い集中の時間の間、自分の注意状態レベルを高めなければならない。一例では、各チャレンジタスクを成功して進むためには、ユーザは自分の注意状態のレベルを制御して高くすることを学習しなければならず、注意状態レベルを高レベルで持続する能力が高くなるほど、ミッションおよびモジュールのそれぞれで教示される認知プロセススキルに対応するチャレンジタスクをユーザアバターはより速く進んで進歩を成功させることができる。注意状態レベル目盛り0%〜100%をユーザに対して個人別にされ、ゲーム進行をブロックしないために必要な注意状態レベルは、これまでの進行ブロック上でのユーザの成功パフォーマンスに基づいて変わる。
0092
特定の実施形態において、スキル伝達モジュールでは、ユーザは、チャレンジタスクを完了するために自分の注意状態レベルを高レベルに持って行かなければならない。例えば、本人は、スクリーン上のチャレンジタスクとやり取りするために特定の注意状態レベルを実現する必要がある場合がある。一例では、ユーザは、タスクの繰り返しを完了するために高注意状態レベルを持続しなければならない。ゲームの次のスキルトレーニングモジュールへ進むためには、最小数の繰り返しが要求される。伝達セッション中に、ユーザの注意状態レベル(0〜100%)を持続的に測定する。完了したチャレンジタスクに対するカウントを、全体のエクササイズに対して、また独立にスキル伝達エクササイズ内のサブタスク/セグメントに対して追跡する。完了速さの測定を、全体のエクササイズに対して、また独立にスキル伝達エクササイズ内のサブタスク/セグメントに対して行なう。
0093
ユーザの成功パフォーマンスを、スピード、パワー、収集されたトークンおよび回避された障害物のカウントを通して、ゲーム物語の背景内に提示する。スキル伝達モジュールの背景において、ユーザのパフォーマンスを、平均注意状態レベル、完了したチャレンジタスクのカウント、およびサブタスク/セグメントを完了する速さを通して提示する。成功パフォーマンスに、ゲーム教育と整合する理解(ステータス、トークン、および賞)を通して報酬を与える。ユーザのスキル評価を、各ゲームセッションに渡るスピード、パワー、および正確さに対する時系列チャートと、スキル伝達セグメントに対する総計チャートのセットとして提示する。全体的なスキルパフォーマンスを凝縮して、スキル学習およびスキル伝達セグメントの両方において、加重された注意力と正しく完了したチャレンジタスクとを組み合わせる単一のスコアにする。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0094
<選択性注意力>
選択性注意力(例えば、選択性注意力および干渉制御)とは、人の目標に関連する特定の刺激に対して自分の注意を処理または集中させて、関連性がない刺激を無視する人の能力を指す。選択性注意力をトレーニングする目的は、注意散漫な環境でユーザがチャレンジタスクのすべての部分を完了する(例えば、学校でのクラスワーク、自宅でのホームワーク、または雇用タスクを完了する)ようにトレーニングすることである。
0095
特定の実施形態では、スキルトレーニングモジュールにおいて、チャレンジタスク関連の刺激のグループと直面したときに、ユーザは、ターゲット刺激がそのグループ内に存在するか否かを特定して、正しいターゲットを選択し、一方で、非ターゲット刺激を無視する(すなわち、選択しない)ようにしなければならない。ユーザは、正しいターゲットを選択して不正確な非ターゲットを無視するための自分の冒険における将来の成功を実現する。ユーザは不正確な非ターゲットを選択するかまたは正しいターゲットを無視するための本人の成功から押し戻されて、将来の目標に向かうユーザの進行が妨げられる可能性がある。一例では、スキルトレーニングモジュールを完了するために、ユーザは、特定されたターゲット(目標)に成功裏に注意を払って選択する一方で、そのモジュールの目標を進めない環境内の注意散漫および非ターゲット刺激の両方を無視しなければならない。グループ内の刺激の数、ターゲットの特定性、および応答ウィンドウ(すなわち、ユーザがグループに応答する時間)を、他の刺激のグループとのこれまでのパフォーマンスに基づいて動的に調整することができる。
0096
ユーザのアクションを、ターゲット認知スキルを学習するためのチャレンジタスクに対する正確および不正確な応答に対して持続的に採点する。刺激に対する正確および不正確な応答のパターンをモニタする。ユーザは、正確な応答の連続配列(または流れ)があると、成功パフォーマンスの視覚的表示が報酬として与えられる(例えば、パワーメーターを通して)ことを理解する。持続注意状態レベルのパターンをモニタする。より高いレベルおよび持続状態レベルに、成功パフォーマンスの視覚的表示によって報酬を与える(例えば、パワーメーターを通して)。パワーは各モジュールの間に蓄積することができる。特定のパワーレベルに到達したら、賞(例えば、業績および/またはランク昇格)を与えることができる。例えば、所定の「パワーレベル」を達成したら、ゲーム内でスターを授与してもよい。これらはミッションが始まるとパワーメーター上に見ることができ、アニメーションおよび/または音によって、いつ所定のパワーレベルに到達してスターが授与されるかが示される。業績およびランク昇格の授与を、例えば、平均注意状態レベルおよび/またはチャレンジタスクパフォーマンス(例えば、ターゲット応答チャレンジタスクならびに/または収集および衝突回避チャレンジタスクにおける正確さ)に基づいて行なうことができる。いくつかの実施形態では、業績およびランク昇格をミッションの終わりに授与する。
0097
スキル伝達モジュールでは、ユーザに、これまでのスキルトレーニングモジュールに相応するチャレンジタスクのグループを提示することができる。一例では、ユーザはターゲットに選択的に注意を払わなければならない。これによって、スコアを増やすという自分の目標を進めて、非ターゲットを選択的に無視することができる。別の例では、ユーザは、次のトレーニングセグメントに進むために、最小限の成功スコアを達成しなければならない。スコアを、ターゲットを正確に選択したら増やすことができ、非ターゲットを不正確に選択したら減らすことができる。ユーザのアクションを、新しい脳回路を構築および強化するチャレンジタスクに対する正確および不正確な応答に対して持続的に追跡する。
0098
ユーザの成功パフォーマンスをこれまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0099
<転換性注意力>
転換性注意力(例えば、転換性注意力および配分性注意力)とは、注意をあるタスクから別へ素早くそらす人の精神的柔軟性を指す。転換性注意力をスキルトレーニングする目的は、指示に従って複数のタスクを実行する(例えば、服を着た後で階下に戻る)ようにユーザをトレーニングすることである。
0100
スキルトレーニングモジュールでは、完了すべき2つの異なるチャレンジタスクをユーザに提示することができる。一例では、ユーザは、2つのチャレンジタスクに対する指示を念頭において、各チャレンジタスク間を素早くシフトしなければならない。例えば、指示をターゲットルール(例えば、対象物をターゲットまたは非ターゲットとして特定するルール)の形式で与えることができる。トレーニングモジュール中の任意の所定の時点で、ユーザは2つのチャレンジタスクのうちの少なくとも一方を行なうことができる。ある間隔の後で、ユーザはどのチャレンジタスクを自分は実行しているかを変える必要があってもよいし、または、例えば、ターゲットルールを変えてもよい。正確なタスクを成功裏に完了すること(すなわち、ターゲットルールの現在のタスクまたは現在のセットにスイッチすること)ができなかった場合、待ち受けているゲームのすべてのチャレンジタスクを通るユーザの進行が妨げられる可能性がある。スイッチングの速さ、およびタスク間のスイッチがいつ起こり得るかの予測可能性は、各チャレンジタスクに対するこれまでのパフォーマンス、およびチャレンジタスク間のスイッチングに基づいて調整することができる。
0101
スキル伝達モジュールでは、ユーザに2つ(またはそれ以上)の異なるチャレンジタスクを提示することができる。一例では、ユーザは、チャレンジタスクに対する指示を念頭におき、チャレンジタスクをシフトする指示に気が付き、他のチャレンジタスクに成功裏にシフトしなければならない。完了のためのターゲットタスクは断続的に変化することができ、変化はターゲットチャレンジタスクの変化として示される。ユーザは、2つのチャレンジタスクの複数の繰り返しを完了することによって最小の成功スコアを達成する必要があってもよい。
0102
ユーザの成功パフォーマンスをこれまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0103
<行動抑制>
行動抑制(例えば、行動抑制、動機付け抑制、および認知抑制)とは、優勢な学習応答を、その応答が所定の背景において不適切となったときに抑制または抑えることを指す。行動抑制をトレーニングする目的は、異なる背景に対して適切に行動して不適切な応答を抑制する(例えば、医院において静かに挙動する)ようにユーザをトレーニングすることである。
0104
スキルトレーニングモジュールでは、ユーザに、ターゲット認知プロセスを教示する一連のチャレンジタスクを提示することができる。チャレンジタスクの大部分(50%以上)を、ユーザが冒険ゲーム内を前へ進むために選択するべきターゲットとすることができる。特定の実施形態において、残りのチャレンジタスクを非ターゲットとすることができ、ユーザはこれらのタスクまたはチャレンジに対する応答を抑制しなければならない。ユーザは、正確な刺激を選択する一次的な応答を学習しているであろう。なぜならば、刺激の大部分は正しいターゲットだからである。一例では、ユーザは、非ターゲットが提示されたときに、この学習した行動を抑制しなければならない。ターゲット対非ターゲットの比およびユーザの応答ウィンドウを、各チャレンジタスクに対するこれまでの成功パフォーマンスに基づいて動的に調整することができる。
0105
スキル伝達モジュールでは、ユーザに、スキル持続を示す刺激またはゲームメカニクスのセットを提示することができ、メカニクスの大部分は特定のアクションを必要とする可能性がある。チャレンジタスクの少数については、アクションを取らないように(すなわち、禁止するように)要求することができる。刺激のサブセットに対しては、ユーザは自分が完了している一次的なアクションを、その刺激に対して不適切であるため、抑制する必要があってもよい。
0106
ユーザの成功パフォーマンスは、これまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0107
<新規性抑制>
新規性抑制とは、新規な刺激が関連性がない場合を理解し、続いてそれを無視して、人の現在のタスクまたは目標に戻る能力を指す。新規性抑制をトレーニングする目的は、タスクの完了に関連しない環境で新規な状況または変化に直面したときに、学習したタスクを完了する(例えば、新学期の初日に正しく挙動する)ことができるようにユーザをトレーニングすることである。
0108
スキルトレーニングモジュールでは、ユーザに、トレーニングモジュールにおいて本人が以前に遭遇したことがない注意逸らし刺激または環境を提示することができる。特定の実施形態において、ユーザは、以前にトレーニングしたスキルを完了してもよく、新規性変化は無視しなければならない。一例では、ユーザにチャレンジタスク(本人がゲーム中に以前に成功裏に完了した)を完了するように要求するだけであってもよいが、本人は自分がタスクを完了している環境に対する関連性はないが新規性の変化を無視しなければならない。難易度は、ユーザが実施している他の認知スキルに従って調整することができる。チャレンジタスクの難易度を変えることによって、新規性の関連性がない注意散漫に対する応答を抑制する難易度も変わることができる。
0109
スキル伝達モジュールでは、ユーザは、以前に学習したスキル伝達タスクを完了している場合がある。新たな注意逸らし刺激を導入することができる。例えば、環境における更なる関連性がない注意逸らし刺激または変化である。ユーザは、タスクを完了するユーザの能力に関連しないチャレンジタスク中の変化を経験してもよい。特定の実施形態において、高レベルの成功パフォーマンス(したがって進行)を維持するために、ユーザはこれらの新規性発生を無視しなければならない。
0110
ユーザの成功パフォーマンスは、これまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0111
<満足遅延耐性>
満足遅延耐性とは、後でより大きい報酬を得るために、目前の報酬になるであろうアクションを抑制または抑える能力を指す。満足遅延耐性をトレーニングする目的は、目前の報酬を見合わせて後のより大きな報酬を獲得できるようにユーザをトレーニングすることである。例えば、テレビを見るまたは遊ぶ代わりに最初にホームワークを行なって、ホームワークを終わらせた後により良い評点およびもっと遊び時間を手に入れる。
0112
スキルトレーニングモジュールでは、ユーザは、小さい目前の報酬(例えば現時点での正のフィードバック)を受け取るかまたはゲームストーリーラインのより大きな進行につながるアクションを取る機会があってもよい。特定の実施形態において、成功裏にゲームを進めるためには、ユーザは、小さい目前の報酬につながるアクションではなくて、全体的な進行および成功をサポートするアクションを選択しなければならない。個々のチャレンジタスクの難易度が変わると、ユーザの判定の複雑さおよび報酬を遅延させる必要性も同様に変わることができる。トークン取得や間近に迫った障害物回避などの課題をこなしながら、刺激に対してユーザが正確にまたは不正確に応答する様子を、継続的に測定する。応答の正確な配列(優先順位)を(刺激に対する正確な応答に加えて)用いて、成功スキルパフォーマンスの組み合わせを発生させる。
0113
スキル伝達モジュールでは、ユーザには、小さい目前の報酬(例えば肯定的な報酬またはその時点でのスコアの小さな増加)を受け取るか、または成功スコア全体のより大きな増加につながるアクションを取る機会があってもよい。特定の実施形態では、ゲームのスキル学習および持続モジュールを成功裏に進むためには、ユーザは、進歩に対する最小のスコアレベルを満足するように十分に高い値まで全体的な成功スコアを増加させるアクションを選択しなければならない。これは、小さい増加だけの場合に可能なものよりも大きいスコアの増加を必要とする可能性がある。ユーザのアクションを、刺激に対する正確な応答に加えて応答の正確な配列(優先順位)に対し、持続的に測定する。
0114
ユーザの成功パフォーマンスは、これまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0115
<インナーボイス>
インナーボイスとは、問題を解くかまたはタスクを完了する間、人の独自の頭の中での独り言を用いて分析、論法、動機付け、およびガイドを行なう能力を指す。インナーボイスをトレーニングする目的は、タスクの完了を自己動機付けられるようにユーザをトレーニングすることである。タスクには、複数のステップを伴うタスク(例えば、数学の文章問題を完了する、章を読む、または車によって都市の間を進む)が含まれる。
0116
スキルトレーニングモジュールでは、ユーザに友人およびメンターキャラクタの両方を提示して、質問および応答チャレンジに対するインナーボイスのモデリングを始めることができる。ゲームのチャレンジタスクの教育の全体を通して、友人はユーザアバター、スキル発達および学習を促進することができるガイドを提供することができる。ゲームが進行するにつれ、友人キャラクタは、ユーザに基づいて、提供するスキルガイドを少なくして、本人の独自の自己ガイド、自信、尊重をその独自のインナーボイスとして独立に発達させてもよい。友人およびユーザアバターモデルが提供するガイドは、インナーボイスの適切な発達を示している。友人像からのガイドが減ることで、ガイドおよび自信をユーザが内面化すること、ならびに自発性および問題解決のための自分の独り言が増えることが促進される。友人像が提供するガイドの量は、成功パフォーマンスの現在レベルおよび/または冒険ゲームの進行の現在ポイントに基づいて調整することができる。例えば、友人ガイドをパフォーマンスによって作動させることができる。パワー発生の速さが低いと励ましの通知(テキスト、グラフィックス、音)が生成され、パワー発生の速さが高くなると遂行の通知が生成される。遂行の通知が生成される頻度は、成功パフォーマンスのレベルが上がれば少なくすることができる。
0117
スキル伝達モジュールでは、ユーザに賢いメンターを提示することができる。ゲームのスキル伝達モジュールを通して、このメンターは環境および自己チャレンジをユーザアバターに提供して、学習したスキルを新しい応用に独立に適応させることができる。新たに学習したスキルをこのように示す(または示さない)ことによって、スキルトレーニングモジュールでユーザが学習したスキルが実生活に効果的に伝達される。冒険ゲームが進行するにつれ、メンターから来るガイドが減ってもよく、ユーザはもっと自己チャレンジ、知恵、および経験をもたらして、そのインナーボイスを示すことができる。賢いメンターおよびユーザが提供する自己チャレンジは、インナーボイスの適切な発達を示している。メンターからの自己チャレンジが減ると、自発性および問題解決のためにユーザが知恵を内面化することおよび自分の独り言を増やすことが促進される。
0118
ユーザの成功パフォーマンスは、これまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0119
<自己制御性>
自己制御性は、目標指向の状態、動機付けされた状態、および組織化された状態に留まる一方で、人の行動を常にモニタして評価する能力を指す。自己制御性をトレーニングする目的は、異なるタスクに優先順位を付けて、これらのタスクを完了する(例えば、異なるユーザに対するホームワークを完了する)計画を立てられるように、ユーザをトレーニングすることである。
0120
スキルトレーニングモジュールでは、ユーザに複数のタスク(トレーニング中のスキルに関係しているか、または二次的に報酬を受けるタスクである)を提示することができる。一例では、ユーザは、達成する成功報酬の量を最適化するように、チャレンジタスクに優先順位を付けて自分のアクションを計画しなければならない。ユーザは、自分の目標を達成する(目標指向のままでいる)ために自分のアクションを選択して、自分のアクション計画が成功したか否か、または自分がより高いレベルの成功報酬を獲得して冒険ゲームをより速く進むために異なるアクション選択が必要であるか否かを評価する必要があってもよい。個々のスキルタスクの難易度が変わるにつれて、判定および成功に必要な計画の複雑性も同様に現れて、取ったアクションに基づいて変わることができる。ユーザのアクションは、刺激に対する正確および不正確な応答に対して持続的に測定されながら、同時にトークン取得および障害物回避によるチャレンジを受ける。トークン取得および障害物回避に対する刺激の正確な選択と、刺激に対する正確な応答とを用いて、スキル成功パフォーマンスの組み合わせを生成する。
0121
スキル伝達モジュールでは、ユーザは、自分のパフォーマンスを、達成する成功スコアレベルに関するため、評価する必要があってもよい。本人が最小のスコアレベルを満たさない場合、ユーザはどのように自分が実施したかを再評価して、成功パフォーマンスの改善を、次のスキルトレーニングセグメントに進むことができる前に行なう必要があってもよい。一例では、ユーザは、より高い成功スコアを達成する目標に関連して、自分のアクション計画および成功パフォーマンス評価しなければならない。ユーザのアクションを、刺激に対する正確な選択および応答に対して、他の同時に提示されるタスクに渡って持続的に測定する。
0122
ユーザの成功パフォーマンスは、これまでのセクションで説明したように提示する。スキルパフォーマンス報告を、医療専門家、教師、親、ユーザまたは他のサードパーティに提供してもよい。
0123
<EEGデータ収集>
本発明の特徴は、EEG(脳電図脳波活動)データを用いる方法およびシステムである。EEGデータの収集は、例えば、ヘッドセットの形態の電極システムを用いて行なうことができる。本発明で用いるのに適したヘッドセットとしては、例えば、U.S.S.N.14/179,416(本明細書において参照により取り入れられている)に記載されたものが挙げられる。国際的な10-20システムによって、規格化された電極位置が提供され、最近では、より高密度のシステムが開発されている(しばしば言われる10-10システム)。本発明のヘッドセットは次のことができるようにデザインすることができる。(i)子供の前額部上の10-10システムの電気センサを位置AF3およびAF4に直感的および便利に配置する(ならびに、接地電極、乳様突起に任意的に配置する)(すなわち、ヘッドセットの装着の仕方についての著しいトレーニングを伴わない)、(ii)異なる年齢の子供の間で頭部サイズが変わりやすいことを考慮する、(iii)装着が快適である。例えば、ヘッドセットのサイズおよび構成は、頭部サイズの範囲に適応するように設定することができる。
0124
ヘッドセットはEEG信号を測定する電気センサを含み、電気センサは外部のコンピュータによって処理される。電気センサは、ユーザのEEG信号を測定するために1つ以上の電極を含むことができる。電極は乾式電極または湿式電極とすることができる(すなわち、乾式電極は、導電性で典型的に濡れた材料が電極とユーザの皮膚との間になくても信号を得ることができ、濡れた材料はこのような導電性材料が必要である)。電気センサは、乾式電極(例えば、乾燥した織物電極)を含むことができる。本発明の方法およびシステムで用いるのに適した織物電極としては、米国特許公開公報第20090112077号(本明細書において参照により取り入れられている)に記載されたものが挙げられる。電気センサは、ユーザの快適さを助け、調整性および皮膚接触の改善も助けるパディングを含むことができる。
0125
本発明の特徴は、EEG脳活動データを収集することである。EEG脳活動データは、ゲームセッション中に増幅され、変換され、コンピュータに伝達されて処理されて、ユーザの注意状態レベルの指標(目盛りは0%〜100%)を生成する。他では、シータ対ベータ比を用いてユーザの相対的な注意状態レベルを判定するために用いるユーザの脳信号活動の種々の周波数帯域からのEEG-データを用いることが実証されている。すなわち、相対的に大きなベータ(ほぼ16〜32Hz)活動が、覚醒状態で観察されているが、アルファ(ほぼ8〜16Hz)活動が、警戒状態だが精神的にはそれほど忙しくない状態で優勢であり、シータ(ほぼ4〜8Hz)活動が、注意が経過するにつれて増す(Streitberg et al.,Neuropsychobiology17(1987):105-117)。注意力レベルをモニタするためのEEGデータを収集および解釈する方法が、当該技術分野で知られており、以下で説明されている。例えば、米国特許第8,862,581号、米国特許公報第20120108997 A1号、第20100145214 A1号、第20110289030 A1号、および第20130331727 A1号、米国仮出願第62/172,601号、および第62/199,749号、ならびに国際出願PCT/US2016/044828。それぞれは本明細書において参照により取り入れられている。別個の周波数帯域に加えて、EEG信号を、脳における別個の記録部位で取得することができる。例えば、AF3およびAF4電極間の電圧は、前帯状皮質背側部における電気的活動を反映している。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた研究では、注意が経過すると前帯状皮質背側部が活性することが観察されている(Uddin et al.,Journal of Neuroscience Methods169(2008):249-254)。
0126
<実施例>
以下の実施例は、当業者に、本明細書で請求した方法およびシステムをどのように実施して評価するかについての完全な開示および説明を提供するために出しており、単に本発明の典型であることが意図されており、発明者がその発明とみなしている範囲を限定することは意図されていない。
0127
<実施例1:注意力維持ゲーム要素>
「注意力維持」スキルをトレーニングして評価する環境およびタスクの種類の実施例を、図3に示す。ユーザアバター1は、測定されてEEGヘッドセットを通してコンピュータまたはタブレット2に伝達されるユーザの注意状態レベルから得られるスピードで経路に沿って前に進む。タイマ3は実行の持続時間を記録し、進行メーターは経路の終わりまでの距離を示す。この実施例では、ユーザは自己制御性を用いて、経路の終わりまでやり通さなければならず、注意力維持を用いて、より速い完了時間を達成しなければならない。注意散漫にする対象物および動物4が経路に現れ、ユーザは注意逸らし刺激を無視して、自分の一段高い注意状態レベルおよびスピードを、そのセグメントを通して持続する。「パワーメーター」5はユーザの注意力維持スキルレベルを測定する。メーターは、注意状態レベルとチャレンジタスクパフォーマンスとの間の組合せを反映する速さで増える(例えば、注意状態レベルが維持される時間が長くなるとより速く増える)。次のミッションへ進むためには、パワーメーター上の成功スコアが最小である必要がある。
0128
<実施例2:行動抑制ゲーム要素>
「行動抑制」スキルをトレーニングして評価する環境およびタスクのタイプの実施例を、図4に示す。特定の視覚特徴6を伴う対象物が経路の上方に現れて、ユーザアバターに向かって進む。ターゲット対象物のリスト7がユーザのディスプレイ内に現れる。この実施例では、ユーザは、その視覚特徴がターゲットの1つにマッチするときは対象物を叩かなければならないが、行動抑制を用いて、マッチしない対象物は通さなければならない。ある場合には、対象物の視覚特徴はユーザには見えず、ユーザが対象物に接近したときにのみ見える。この場合、ユーザが対象物を、それが視覚特徴を明らかにする前に選択すると、応答は衝動的反応と特定される。この環境でのパワーメーター5によって、ユーザの行動抑制スキルレベルを測定する。ユーザが対象物に対して正しいアクションを取るとき、およびユーザが多くの連続的な正しいアクションを取るときに、メーターはより速く増える。次のミッションへ進むためにはパワーメーター上の最小の成功スコアが要求される。
0129
<実施例3:選択性注意力ゲーム要素>
「選択性注意力」スキルがトレーニングされて評価される環境およびチャレンジタスクのタイプの実施例を、図5に示す。特定の視覚特徴6を伴う対象物のグループが経路の上方に現れて、ユーザアバターに向かって進む。ターゲット対象物のリスト7がユーザのディスプレイ内に現れる。この実施例では、ユーザは選択性注意力を用いて、ターゲットの1つにマッチするグループ内の対象物を特定して、その対象物を選択しなければならない。この環境でのパワーメーター5は、ユーザの選択性注意力スキルレベルを測定する。メーターは、ユーザが対象物グループに対して正しいアクションを行なうとき、またユーザが多くの連続的な正しいアクションを行なうときに、より速く増える。次のミッションへ進むためには、パワーメーター上の成功スコアが最小である必要がある。
0130
<実施例4:転換性注意力ゲーム要素>
「転換性注意力」スキルをトレーニングして評価する環境およびタスクのタイプの実施例を、図6および7に示す。特定の視覚特徴6を伴う対象物のグループが経路の上方に現れて、ユーザアバターに向かって進む。ターゲット対象物のリストがユーザのディスプレイ内に現れ、しばしば1つの視覚パラメータ(例えば、符号7)を示し、他のときには異なる視覚パラメータ(例えば、形状8)を示す。この実施例では、ユーザは、図示したパラメータにマッチする対象物を特定しなければならず、当該パラメータが素早く変化するときでも、転換性注意力を用いて当該パラメータにマッチする対象物を選択しなければならない。この環境でのパワーメーター5は、ユーザの転換性注意力スキルレベルを測定する。メーターは、ユーザが対象物に対して正しいアクションを取るとき、またユーザが多くの連続的な正しいアクションを取るときに、より速く増える。次のミッションへ進むためには、パワーメーター上の成功スコアが最小である必要がある。
0131
<実施例5:新規性抑制ゲーム要素>
「新規性抑制」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの実施例を、図8に示す。特定の視覚特徴6を伴う対象物が経路の上方に現れて、ユーザアバターに向かって進む。これらの対象物のいくつかによって、対象物を選択するようにユーザを誘惑する視覚的強調表示詳細10が特徴付けられる。ターゲット対象物のリスト7がユーザのディスプレイ内に現れる。この実施例では、ユーザは、その視覚特徴がターゲットの1つにマッチするときは対象物を叩かなければならないが、新規性抑制を用いて、視覚的強調表示に対するユーザの自然な反応を抑えなければならない。この環境でのパワーメーター5によって、ユーザの新規性抑制スキルレベルを測定する。ユーザが対象物に対して正しいアクションを取るとき、およびユーザが多くの連続的な正しいアクションを取るときに、メーターはより速く増える。次のミッションへ進むためには、パワーメーター上の成功スコアが最小である必要がある。
0132
<実施例6:インナーボイスゲーム要素>
「インナーボイス」スキルをトレーニングして評価する環境およびタスクのタイプの実施例を、図9に示す。種々のユーザパフォーマンス閾値によって、ボイスオーバーダイアログを介して知恵および自尊心励ましを与える非ユーザキャラクタ11からの介入が引き起こされる。ゲームが進行するにつれ、ユーザアバターキャラクタは徐々に、自分自身に対する励ましを声に出して言うようになり、ユーザに対して内部モノローグの取得をモデリングして、アクションを動機付ける。
0133
<実施例7:自己制御性ゲーム要素>
「自己制御性」および「満足遅延耐性」スキルがトレーニングされて評価される環境およびタスクのタイプの実施例を、図10および11に示す。トークン12が経路に現れる。この実施例では、ユーザアバターはトークンを通り抜けてそれを集めなければならない。小さい障害物13および大きい障害物14によって強制的に、ユーザは経路に沿ってかわし、ジャンプし、またはかがむことになる。ユーザアバターが障害物と衝突すると、ユーザは自分が収集したトークンのうちの1つを失う。この実施例では、ユーザは自己制御性を用いて最大数のトークンを集めなければならない。本人は、経路上の前方を見て、最も効率的にトークンを集めて障害物を回避するようにユーザアバターの動きを計画する。ある場合には、ユーザは、トークンの経路内に移動したら障害物と衝突する危険な状態になる場合には、満足遅延耐性を用いて、トークンを集めることから得られる目前の満足を遅らせる必要があってもよい。経路に沿って対象物6が現れる環境では、ユーザはさらに、自己制御性を用いて最大数のトークンを集める一方で、再び経路の前方を見て自分のアプローチを計画することによって、最大数の正しいターゲットを選択しなければならない。ある場合には、ユーザはさらに満足遅延耐性を用いて、トークンを集めるかまたは障害物を回避することからくる目前の満足を遅らせて、正しいターゲットを視界から消える前に選択してもよい。なぜならば、ターゲットの選択は、パワーメーターの増加速度および次のミッションへ進むユーザの能力を判定することだからである。
0134
<実施例8:スキル伝達ゲーム要素>
ゲームのある部分でトレーニングされたスキルを別の背景へ伝達することをユーザが学習する環境およびタスクのタイプの実施例を、図12に示す。この場合、選択性注意力スキルのトレーニングを、変更したゲームメカニクスを用いて、図5に示すものに由来する代替的な視覚背景において行なう。2D提示では、別個の視覚特徴6を伴う複数の対象物が、スクリーン領域にすべて一度に現れて、数秒間、見えたままでいる。ターゲット対象物のリスト7がユーザのディスプレイ内に現れる。この実施例では、ユーザは選択性注意力を用いて、ターゲットの1つにマッチする領域内の対象物を特定して、それら対象物を選択しなければならない。リストにマッチしない対象物をユーザが選択すると、他の対象物はすべて消滅する。後に、ユーザは自分の注意状態レベルを閾値よりも高い値に高めて、選択した任意の対象物を集めなければならない。カウンタ15は、収集した正確な対象物の数を記録し、ユーザの選択性注意力スキルの成功測定値を表す。
0135
<実施例9:トレーニングシステムの有効性を検討するための手順>
トレーニングシステムを、ADHDを被る子供における有効性に対して評価することができる。初診中に、医療関係者はユーザの不注意症状をADHD-RSを用いて評価し、全体的な不注意重症度を臨床全般印象重症度(CGI-S)尺度を用いて評価して、適格性を確実にし、トレーニング前後の個々の変化をモニタする。
0136
<トレーニング時間および頻度>
第1のトレーニングセッションは20〜25分間で完了することができる。第2のトレーニングセッションおよび以後のすべてのトレーニングセッションは20〜30分間で完了することができる。ユーザは、3〜7回/週で3〜8週間、トレーニングすることができる。スキル伝達モジュールを、各スキルトレーニングモジュールの後にユーザに与えることができる。トレーニングが進むにつれ、ゲームスキル発達は、AIMに詳述されるスキルのうちの1つ以上を進む。ユーザは、スキルトレーニングモジュールおよびスキル伝達モジュールの両方に対するチャレンジをゲート制御する形でこれまでのセッション目的を成功裏に完了すれば、より高いスキルレベルに進むことができる。
0137
<トレーニングセッション手順>
トレーニングシステムは、PCラップトップ(またはコンピュータ、タブレット、若しくはパーソナル電子デバイス)上のゲームとEEGヘッドバンドとを含むことができる。各ゲームセッションの間、ユーザはゲーム(スキルトレーニング)で遊ぶことができる。ユーザがゲームで遊ぶときに、そのEEG波を、ヘッドバンドに埋め込まれたEEGセンサを介して同時に記録することができる。EEG波を用いて患者の注意状態レベルをリアルタイムで定量化することができる、注意状態レベルへの定量化(目盛りは0%〜100%)があれば、最終的に冒険ゲームにおけるアバターのスピードを制御することができる。注意状態レベルが高いほど、アバターキャラクタはミッションを冒険完了に向かって速く進むことができる。ゲームセッションは20〜30分間続くことができる。ゲームは、AIMに基づく注意および抑制スキル発達からなることができる。最初のトレーニングを、集中した持続する注意力にして、ユーザにキャラクタを迅速に移動させながら、聴覚および注意散漫とやり取りさせることができる。ユーザがスキルトレーニングおよび伝達モジュールを通って進むときに、更なるスキルを以後のセッションで導入することができる。ユーザに、より高いおよび/または持続注意状態レベルを示すことに対して、また種々の優先度の選択および拒否刺激に対するその正確な応答に対して、ポイントを報酬として与えることができる。ユーザの能力に基づいて、難易度のレベルはゲームプレイの全体にわたって動的に変わることができる。
0138
伝達モジュールを各ユーザが遊んで、実生活応用へ伝達するためのスキル持続を示すことができる。このスキル伝達エクササイズには、異なる背景(例えば、環境、メカニクス、およびスコアリング)を用いてトレーニングモジュールに導入された同じスキルを含むことができる。トレーニングモジュールおよび伝達モジュールにおけるスキルをマッチングさせることで、新たに学習した注意力および衝動抑制スキルを実行して、スキル持続を示すことができる。ユーザは、トレーニングの後に認知スキルの改善を経験することができる。これは、例えば、以下に説明する評価方法、または認知スキルを評価するための当該技術分野で知られた他の方法のいずれかを用いて行なう。
0139
<実施例10:衝動的反応の特定およびユーザ衝動性を抑制するための介入>
本発明の仮想学習カリキュラムは、ゲームベースのカリキュラムを実行する間にユーザが衝動的反応を特定するためのプログラムおよび方法を含むことができる。これらのプログラムおよび方法には、最初の刺激提示とユーザの応答の促しとの間の遅延の組み込みが含まれる。ユーザの衝動/抑制をトレーニングするチャレンジタスクを衝動/抑制チャレンジタスクと言う。衝動/抑制チャレンジタスクの一部として、ミッションによって、ユーザが応答すべき特定のタイプの刺激を提供する一方で、フルセットの刺激の残りの部分を無視してもよい。遅延中および応答プロンプト前(例えば、正しく応答するために必要な情報をユーザが受け取る前)の刺激に対するユーザの応答を、衝動的として分類することができる。衝動的反応にまた、刺激がない場合の応答が含まれる。例えば、ミッションの経路にチャレンジタスクが無くてユーザが応答する場合、このような応答は衝動的として分類することができる。
0140
伝達モジュールでは、衝動的反応を、完全な応答がすでになされた後に発生する応答として規定することができる。例えば、プログラムに、ユーザが自分の応答を完了した後の時間に対する遅延を含んでもよい。この場合、ユーザがこの遅延中に応答すると、応答は衝動的として分類される。
0141
本発明のトレーニングシステムは、ユーザによる衝動性を減らすためのプログラムおよび方法を含むことができる。これらには、正確な応答に対する結果として肯定的な視聴覚音響効果およびゲーム報酬を提示する一方で、衝動的反応に対する結果として否定的な視聴覚音響効果を提示し、ゲーム報酬を限定することが含まれる。さらに、友人キャラクタからの適応型ボイスオーバーフィードバックによって、アクションまたは非アクションの正しい方針の注意喚起と、当該認知スキルを正しく適用するための記憶しやすいストラテジの伝達とが提供される。否定的な視聴覚強化はポイントの損失を伴う可能性がある。これは、接近するチャレンジタスクをやり遂げる成功が減ることに対応する場合がある。これらの方法にはまた、ユーザが次のゲームミッションに進むことができる前に非衝動的反応の最小閾値への要求が含まれる。
0142
<実施例11:ユーザフラストレーションの特定およびユーザフラストレーションを抑制する介入>
本発明のトレーニングモジュールおよび伝達モジュールは、ゲームベースの学習カリキュラムのパフォーマンス中のユーザによるフラストレーションまたは不安を、スキルおよび行動の改善をモデリングすることによって特定するためのプログラムおよび方法を含むことができる。これらのプログラムおよび方法には、ゲームチャレンジ(例えば、チャレンジタスク)に対する連続のまたは全体的な不正確な応答の数の連続カウントまたは計算を維持することと、この数が閾値(例えば、妥当なマージンまたは誤り率)を超えたときにカリキュラムに対する変化を起こすことと、が含まれる。例えば、連続する閾値を、連続する3つの不正確な応答に設定してもよい。代替的に、連続カウント閾値を、不正確だった(例えば、不正確に選択または不正確に拒否された)最後の5つの応答のうちの3つに設定してもよい。代替的に、合計の閾値を、10の合計の不正確な応答に設定してもよい。
0143
これらのプログラムおよび方法には、ゲームチャレンジ(例えば、チャレンジタスク)に対する連続のまたは全体的な不正確な応答の数の連続カウントまたは計算を維持することと、ユーザの全体的な成功に対する重大な悪影響を起こすことと、が含まれる。
0144
本発明の学習カリキュラムは、ユーザによるフラストレーションを下げるためのプログラムおよび方法を含むことができる。これらには、連続する不正確な応答の数または連続カウントが閾値(例えば、妥当なマージンまたは誤り率)を超えたときに、ゲームチャレンジ(例えば、チャレンジタスク)の難易度を即座に下げること、および最初に下げた後にユーザが不正確な応答をし続けるときに難易度をさらにいっそう激しく下げることが含まれる。多くの場合、プレーヤフラストレーションに応じてこのようにゲーム難易度を下げることは、フラストレーションの感覚に対する感情的反応を穏やかにするための安心および/または簡単なストラテジを提供する友人キャラクタからの動的なボイスオーバー解説を伴う。
0146
<方法>
この研究では、このFFMを非薬理学的コミュニティケア介入と比較する無作為に選んで制御された並列デザインを実施した。改善の測定を、ADHD症候学の親および医療関係者の評価尺度上で、また参加者が完了した学業成績テスト上で行なった。参加者を、トレーニング後に3ヶ月間追跡した。
0147
<a.参加者>
研究は3つの臨床サイトで行なった。各サイトを1人のトレーニングコーディネーター(TC)と1人の臨床研究者とで監督した。参加者を、医療関係者の推薦とともに印刷物およびウェブベースの宣伝を介して募集した。関心のある候補には、適格性を判定してADHD症状の重症度を評価するための研究医療関係者の1人による初診をスケジュールした。
0148
研究に参加するためには、参加者は、年齢が8〜12の子供であり、研究医療関係者の1人による精神障害(DSM)基準の診断および統計マニュアルによる公式のADHD診断を受け取り、医療関係者評価ADHD評価尺度(ADHD-RS)の不注意下位尺度上でスコアが14以上(軽度から中程度の不注意症状を示す)である必要があった(Wigal et al.,Journal of Attention Disorders,10(2006):92-111)。研究医療関係者は、すべての参加者について、精神障害の診断および統計マニュアル(DSM-IV American Psychiatric Association,2000;Goodman et al.、17(2010))基準によりADHD診断を確認し、また医療関係者評価のADHD-RSも完了した。