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技術 巨大分子の経口送達のための細胞浸透性ペプチド及びテトラエーテル脂質を含むリポソーム

出願人 ウニベルジテートハイデルベルク
発明者 ウールフィリップザウターマックスハーバコルンウーヴェミアーヴァルターフリッカーゲルト
出願日 2016年10月11日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2018-520422
公開日 2018年11月8日 (8ヶ月経過) 公開番号 2018-532740
状態 未査定
技術分野 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 用途限定 無次元値 非無菌状態 自動電圧 修飾レシチン 実証実験 モデル物質 ノニトール
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年11月8日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、テトラエーテル脂質TEL)と、細胞浸透性ペプチドCPP)とを含むリポソームを含むリポソーム組成物であって、上記CPPがリポソームの脂質二重層の一部である化合物に付着される、リポソーム組成物に関する。さらに、本発明は、治療剤及び/又は診断剤の経口送達のためのそれらの使用に関する。

概要

背景

経口薬送達は、特に、長期的で繰り返しの投薬を必要とする、慢性疾患治療に対して、最も有利な適用方法であるとされている。経口経路は、高い薬物安全性を提供し、簡便であるため患者の間で幅広受け入れられている。さらに、経口薬物形態の非無菌状態は、生産、保存、及び流通にかかる費用下げ、第三世界の国々におけるヘルスケア改善に寄与し得る。販売される全薬物製剤の90%は経口用途向けであると推定される。

しかしながら、多くの薬物、特にペプチド及び他の巨大分子の薬物は、経口投与後の中の酸性条件下で非常に乏しい安定性を示すとともに、胃腸バリアを介した吸収が不十分である(図1)。この課題を克服するため、過去数年に亘って、固体脂質ナノ粒子ナノエマルジョン若しくはマイクロエマルジョン、又はリポソームを含む、バイオアベイラビリティを改善する種々のアプローチ試験されてきた。しかしながら、従来のリポソーム製剤は、消化管GIT)におけるそれらの不安定性のため、それほど納得のいくものではなかった。

リポソームにおける著しい改善は、従来のリン脂質PL)と、古細菌、例えば好極限性古細菌であるスルホロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)に由来する特定の脂質、いわゆるテトラエーテル脂質との組み合わせによってなされ得る。最近の研究は、これらのTELがGITにおけるリポソーム安定性を改善するとともに、粘膜浸透を媒介し得ることを示した。

S.アシドカルダリウスは、ほとんどが酸性状態下において50℃〜100℃の温度で生育し、必然的に安定な細胞膜となる。古細菌膜脂質は、主に、エーテル結合によってグリセロール及び/又はノニトール架橋(nonitol bridge)基(複数の場合がある)に連結される、C20〜C40のイソプレノイドサブユニット骨格を含む。架橋基は、非置換であるか、又は多様な極性若しくは非極性頭部基の1つで置換されている。古細菌細胞膜中のこれらの部分の量は生育条件によって異なり、環境温度とともに増加する。平均4個〜6個のシクロペンチル環を有するTELであるグリセリルカルジチルテトラエーテルGCTE)及びジグリセリルテトラエーテル(DGTE)は、S.アシドカルダリウスから単離され得る。

しかしながら、TELを使用しても、上記リポソームの粘膜浸透は多くの場合においてまだ不十分である。したがって、現在も、リポソームの粘膜浸透を改善する必要がある。

概要

本発明は、テトラエーテル脂質(TEL)と、細胞浸透性ペプチド(CPP)とを含むリポソームを含むリポソーム組成物であって、上記CPPがリポソームの脂質二重層の一部である化合物に付着される、リポソーム組成物に関する。さらに、本発明は、治療剤及び/又は診断剤の経口送達のためのそれらの使用に関する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

リポソームを含むリポソーム組成物であって、前記リポソームが、(a)テトラエーテル脂質TEL)と、(b)細胞浸透性ペプチドCPP)と、を含み、前記CPPが、前記リポソームの脂質二重層の一部である化合物に付着される、リポソーム組成物。

請求項2

前記TELがスルホロブス属の一種由来する、請求項1に記載のリポソーム組成物。

請求項3

前記TELがスルホロブス・アシドカルダリウスに由来する、請求項2に記載のリポソーム組成物。

請求項4

前記TELがグリセリルカルジチルテトラエーテルGCTE)、ジグリセリルテトラエーテル(DGTE)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項5

前記リポソームが、前記脂質の総量に対して1モル%〜10モル%の量で前記TELを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項6

前記CPPが、直鎖又は環化ペネトラチン(配列番号1)、TAT転写トランス活性化因子)−ペプチド(配列番号2)、MAPモデル両親媒性ペプチド)(配列番号3)、R9(配列番号4)、pVEC(配列番号5)、トランスポータン(配列番号6)及びMPG(配列番号7)、並びにそれらの組み合わせ及びそれらの二量体からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項7

前記リポソームが前記脂質の総量に対して0.1モル%〜1モル%の量で前記CPPを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項8

前記CPPが付着される前記化合物が、コレステロール及びその誘導体リン脂質リゾリン脂質、並びにテトラエーテル脂質からなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項9

前記CPPが共有結合的に付着される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項10

前記CPPがリンカーを介して付着される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項11

前記リンカーが二官能性PEG−リンカーからなる群より選択される、請求項10に記載のリポソーム組成物。

請求項12

少なくとも1種の治療剤及び/又は少なくとも1種の診断剤を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項13

医薬として用いられる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のリポソーム組成物。

請求項14

経口投与用である、請求項13に記載のリポソーム組成物。

請求項15

少なくとも1種の治療剤及び/又は少なくとも1種の診断剤を経口送達するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載のリポソーム組成物の使用。

技術分野

0001

本発明は、テトラエーテル脂質TEL)と、細胞浸透性ペプチドCPP)とを含むリポソームを含むリポソーム組成物であって、上記CPPがリポソームの脂質二重層の一部である化合物に付着される、リポソーム組成物に関する。さらに、本発明は、治療剤及び/又は診断剤の経口送達のためのそれらの使用に関する。

背景技術

0002

経口薬物送達は、特に、長期的で繰り返しの投薬を必要とする、慢性疾患治療に対して、最も有利な適用方法であるとされている。経口経路は、高い薬物安全性を提供し、簡便であるため患者の間で幅広受け入れられている。さらに、経口薬物形態の非無菌状態は、生産、保存、及び流通にかかる費用下げ、第三世界の国々におけるヘルスケア改善に寄与し得る。販売される全薬物製剤の90%は経口用途向けであると推定される。

0003

しかしながら、多くの薬物、特にペプチド及び他の巨大分子の薬物は、経口投与後の中の酸性条件下で非常に乏しい安定性を示すとともに、胃腸バリアを介した吸収が不十分である(図1)。この課題を克服するため、過去数年に亘って、固体脂質ナノ粒子ナノエマルジョン若しくはマイクロエマルジョン、又はリポソームを含む、バイオアベイラビリティを改善する種々のアプローチ試験されてきた。しかしながら、従来のリポソーム製剤は、消化管GIT)におけるそれらの不安定性のため、それほど納得のいくものではなかった。

0004

リポソームにおける著しい改善は、従来のリン脂質PL)と、古細菌、例えば好極限性古細菌であるスルホロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)に由来する特定の脂質、いわゆるテトラエーテル脂質との組み合わせによってなされ得る。最近の研究は、これらのTELがGITにおけるリポソーム安定性を改善するとともに、粘膜浸透を媒介し得ることを示した。

0005

S.アシドカルダリウスは、ほとんどが酸性状態下において50℃〜100℃の温度で生育し、必然的に安定な細胞膜となる。古細菌膜脂質は、主に、エーテル結合によってグリセロール及び/又はノニトール架橋(nonitol bridge)基(複数の場合がある)に連結される、C20〜C40のイソプレノイドサブユニット骨格を含む。架橋基は、非置換であるか、又は多様な極性若しくは非極性頭部基の1つで置換されている。古細菌細胞膜中のこれらの部分の量は生育条件によって異なり、環境温度とともに増加する。平均4個〜6個のシクロペンチル環を有するTELであるグリセリルカルジチルテトラエーテルGCTE)及びジグリセリルテトラエーテル(DGTE)は、S.アシドカルダリウスから単離され得る。

0006

しかしながら、TELを使用しても、上記リポソームの粘膜浸透は多くの場合においてまだ不十分である。したがって、現在も、リポソームの粘膜浸透を改善する必要がある。

発明が解決しようとする課題

0007

上記を考慮して、本発明の根底にある技術的課題は、粘膜浸透が増強された経口経路による薬物送達手段の提供である。

課題を解決するための手段

0008

上記の技術的課題に対する解決は、請求項において特徴付けられる実施の形態によって達成される。

0009

特に、第1の態様において、本発明は、リポソームを含むリポソーム組成物であって、上記リポソームが、
(a)テトラエーテル脂質(TEL)と、
(b)細胞浸透性ペプチド(CPP)と、
を含み、
上記CPPが、リポソームの脂質二重層の一部である化合物に付着される、リポソーム組成物に関する。

図面の簡単な説明

0010

胃における分解及び不十分な粘膜浸透は、生物学的製剤の経口アベイラビリティを妨げる主なハードルであることを示す図である。CPPを含むTEL−リポソームを使用すると、両方のハードルを克服することができる。
リン脂質にカップリングされたCPPを含むリポソームを示す図である。CPPは、リポソームに組み込まれた巨大分子薬物の粘膜浸透を増強する。
モノマーCPPで修飾されたリン脂質の構造を示す図である。CPPは天然起源ペプチドであるペネトラチンであり、リンカーSMCC−リンカーである。
二量体化CPPで修飾されたリン脂質の構造を示す図である。CPPは天然起原ペプチドであるペネトラチンであり、ここでは、2つのペネトラチン分子トリペプチドKAKによって二量体化される。リンカーは6−マレイミドヘキサン酸リンカーである。
質量分析によるペネトラチン−レシチン複合体の分析を示す図である。
分取放射性HPLCによる精製前/精製後の131I放射能標識バンコマイシンの放射性HPLCスペクトルを示す図である。
CPP−TEL−バンコマイシン−リポソームのクライオ電子顕微鏡写真を示す図である。
凍結乾燥保護剤として100mM〜500mMのショ糖を使用する凍結乾燥プロセス前/後のリポソームサイズの比較を示す図である。
凍結乾燥保護剤として100mM〜500mMのショ糖を使用する凍結乾燥プロセス前/後のリポソームPDIの比較を示す図である。
経口投与から1時間後の131Iバンコマイシンの血液レベルの比較を示す図である。
CPP−TEL−リポソームの血液レベルの比較を示す図である。
特定のテトラエーテル脂質とCPP−リン脂質−複合体(直鎖及び環状)とを含む、新規リポソームを示す図である。
経口薬物送達に対するモデル物質及び分子量を示す図である。
幾つかの時間点におけるHPLC/MSによって検出される人工腸液中のインタクトCPPの回収を示す図である。
幾つかのリポソーム製剤を、放射能標識化バンコマイシン又は免疫アッセイのいずれかにより試験し、幾つかの時間点においてバンコマイシンの血液レベルを特定した図である。
静脈内適用と比較した経口リラグルチド(1モル%の環状CPP−複合体)のバイオアベイラビリティを示す図である。
雄性ウィスターラットにおける抗体アダリムマブヒュミラ(商標))のバイオアベイラビリティを示す図である。
様々なPEG−リンカー(種々の量のPEG単位)を使用する、3つのペプチド薬物の組み込み効率の特定を示す図である。
様々な濃度のPEG単位の量が異なるリンカーを含むリポソーム製剤のサイズ/PDIを示す図である。
標準リポソームと比較したCPP−リン脂質−複合体(1モル%)を有するリポソームのゼータ電位を示す図である。
標準リポソームと比較した、1モル%の環状CPP−リン脂質−複合体を含むリポソームの細胞結合アッセイを示す図である。
静脈内適用と比較した経口バンコマイシン(1モル%の環状CPP−複合体)のバイオアベイラビリティを示す図である。
2つの抗体アダリムマブ及びセツキシマブの組み込み効率を示す図である。
Balb/cマウスにおける抗体セツキシマブ腫瘍蓄積を示す図である。
リポソーム中へのMAP−リン脂質−複合体の組み込み後粒子特性評価を示す図である。

0011

本明細書で使用される「リポソーム組成物」の用語は、リポソームを含む組成物に関する。本明細書で使用される「リポソーム」の用語は、脂質二重層で構成される人工的に作製された小胞を指す。リポソームは、疎水性膜の内側に水溶液の領域を封入するそれらの特有性質により、薬剤の送達に使用され得る。溶解した親水性溶質は、容易に脂質二重層を通り抜けることができない。疎水性化合物は脂質二重層に溶解可能であり、このようにしてリポソームは疎水性と親水性の両方の化合物を運ぶことができる。作用部位へと分子を送達するため、脂質二重層は、細胞膜等の他の二重層と融合して、リポソームの内容物を送達することができる。薬剤の溶液中でリポソームを作製することにより、薬剤をリポソームの内腔(inner lumen)に送達することができる。

0012

リポソームの形成に使用することができるTELは、特に限定されず、当該技術分野において知られている。特定の実施形態では、上記TELはスルホロブス属の古細菌の種、例えば、S.イスランディカス(S. islandicus)又はS.アシドカルダリウスに由来し、後者が特に好ましい。好ましい実施形態において、TELは、グリセリルカルジチルテトラエーテル(GCTE)、ジグリセリルテトラエーテル(DGTE)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。

0013

本発明の組成物で使用されるリポソームは、脂質の総量に対して、1モル%〜25モル%、好ましくは1モル%〜10モル%、より好ましくは3モル%〜7モル%、より好ましくは4モル%〜6モル%の量で上記TELを含むことが好ましい。特定の実施形態において、上記リポソームは、脂質の総量に対して約5モル%の量で上記TELを含む。

0014

上に記載されるTELの存在の他に、本発明による組成物で使用されるリポソームは、特定の脂質に特に限定されない。特に、上記リポソームの生成に使用される脂質は当該技術分野において知られている任意の好適な脂質であってもよい。これらの脂質として、限定されないが、コレステロール若しくはその誘導体、リン脂質、リゾリン脂質又は更なるテトラエーテル脂質が挙げられる。したがって、好ましい実施形態では、上記リポソームは、コレステロール及びその誘導体、リン脂質、リゾリン脂質、並びにテトラエーテル脂質からなる群から選択される1以上の脂質を含む。本発明で好ましいコレステロール誘導体ステロイド、及び基本的なステロイド分子構造を有する化合物である。上記リポソームはリン脂質を含むことが好ましく、ここで、上記リン脂質は合成リン脂質半合成リン脂質又は天然リン脂質であってもよい。一般に、好適な脂質は、ホスファチジルコリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルイノシット(phosphatidylinosites)、ホスファチジルセリンセファリンホスファチジルグリセロール及びリゾリン脂質からなる群から選択され得る。本発明の特定の実施形態では、リポソームはホスファチジルコリン(E−PC;レシチン)及びコレステロールを含み、約85モル%のE−PC及び約10モル%のコレステロールの量で含むことが好ましい。本発明に従って使用されるリポソームは、例えば、酵素阻害剤浸透促進剤、又はリポソームの安定化若しくはリポソーム特性の変更に使用され得る他の脂肪親和性若しくは親水性の物質等の任意の更なる好適な薬剤を更に含んでもよい。かかる脂肪親和性又は親水性の物質は特に限定されず、当該技術分野において知られている。それらの物質として、例えば、ビタミンE脂肪酸ワックス、並びにモノ−、ジ−及びトリグリセリドが挙げられる。さらに、酵素阻害剤、タイトジャンクション調節剤又はキレート剤のような封入された活性剤のバイオアベイラビリティを増強する物質を添加してもよい。

0015

本発明と関連して使用され得るCPPは特に限定されず、当該技術分野において知られている。CPPは正の全電荷を有するCPPであることが好ましい。各CPPは当該技術分野において知られている。CPPは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)に由来する直鎖の又は環化されたペネトラチン(配列番号1;RQKIWFQNRRMKWKK)、HIV−1に由来するTAT転写トランス活性化因子)−ペプチド(配列番号2;CGRKKKRRQRRRPPQC)、人工ペプチドであるMAP(モデル両親媒性ペプチド)(配列番号3;GALFLGFLGAAGSTMGAWSQPKSKRKV)、人工ペプチドであるR9(配列番号4;RRRRRRRRR)、ネズミ科血管内皮カドヘリンに由来するCPPであるpVEC(配列番号5;LLIILRRRIRKQAHAHSK−アミド)、ヒト神経ペプチドガラニンに由来するトランスポータン(配列番号6;GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKISIL−アミド)、及びHIVに由来するMPG(配列番号7;GALFLGFLGAAGSTMGAWSQPKSKRKV)、それらの組み合わせ、並びにそれらの二量体からなる群から選択されることがより好ましい。ここで、上記のペプチドはいずれも、直鎖形態又は環化形態で存在してもよく、環化形態が好ましい。さらに、本発明のCPPは、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又はそれらの混合物で構成されてもよく、直鎖CPPについてはD−アミノ酸が好ましい。

0016

本発明によれば、CPPは、リポソームの脂質二重層の一部である化合物に付着される。ここで、「リポソームの脂質二重層の一部である」の用語は、上記リン脂質が上記脂質二重層へ統合されるという事実を示すことを意図する。付着は共有結合的な付着であることが好ましい。CPPが付着され、リポソームの脂質二重層の一部である化合物は、上に定義される好適な脂質、例えば、コレステロール及びその誘導体、リン脂質、リゾリン脂質、並びにテトラエーテル脂質からなる群から選択される脂質であることが好ましく、リン脂質が好ましく、上記脂質は修飾された脂質及び/又は活性化された脂質であってもよい。CPPはリンカーを介して上記化合物に付着されることが好ましい。ここでは、単量体CPPはリンカーを介してリン脂質に共有結合的に付着されてもよく(図3)、又はホモ二量体及びヘテロ二量体が可能である二量体化CPPがリンカーを介してリン脂質に共有結合的に付着される(図4)。CPPの二量体化は当該技術分野で知られている任意の手段によってなされ得る。特定の実施形態では、CPPはトリペプチドKAKによって二量体化される。しかしながら、例えば、マレイミド修飾頭部基を有するリン脂質等の修飾された及び/又は活性化された脂質を使用する場合、リンカーによらない付着も可能である。

0017

本発明のリポソーム組成物に含まれるリポソームは、脂質の総量に対して0.05モル%〜5モル%、好ましくは0.1モル%〜1モル%の量で上記CPPを含むことが好ましい。単量体CPPの場合、これらは、脂質の総量に対して0.05モル%〜2モル%、好ましくは0.1モル%〜1モル%の量で含まれることが好ましい。二量体化CPPの場合、これらは、脂質の総量に対して0.05モル%〜0.5モル%、好ましくは0.1モル%の量で含まれることが好ましい。

0018

CPPの共有結合的な付着に適したリン脂質は、特定のリン脂質に特に限定されない。特に、CPPの共有結合的な付着に使用されるリン脂質は、当該技術分野において知られている任意の好適なリン脂質であってもよく、上記リン脂質は合成リン脂質、半合成リン脂質又は天然リン脂質であってもよい。一般に、好適なリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシット、ホスファチジルセリン、セファリン、ホスファチジルグリセロール、及びリゾリン脂質からなる群から選択され得る。この点で特定のリン脂質は、卵ホスファチジルコリン(E−PC;レシチン)である。さらに、この点で適したリン脂質として、上記リン脂質のPEG修飾形態、例えば、DSPE−PEG(2000)マレイミド(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[マレイミド(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩))が挙げられる。

0019

リン脂質へのCPPの共有結合的な付着に適したリンカーは特に限定されず、当該技術分野において知られている。それらのリンカーとして、例えば、一般に、二官能性PEG−リンカー、例えばSM(PEG)24(PEG化、長鎖SMCC架橋リンカー)が挙げられる。この点で特定の例示的なリンカーは、SMCC(スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボキシレート)−リンカー、及び6−マレイミドヘキサン酸リンカーである。ここでは、かかるリンカー中のPEG部分の長さは、本発明のリポソーム組成物に含まれるリポソームに組み込まれる薬物の封入効率に影響を及ぼす。したがって、上記PEG部分は、8個〜50個の個別のPEG単位の長さを有することが好ましい。さらに、リンカーを介してCPPをリン脂質に共有結合で連結する方法は特に限定されず、当該技術分野において知られている。

0020

また、本発明の組成物中に含まれるリポソームの作製に使用される脂質は、ペプチド配列、抗体、受容体リガンド及び界面活性剤等の標的探索構造(target seeking structures)に付着され得る。

0021

好ましい実施形態では、本発明の組成物に含まれるリポソームは、水性媒質中希釈後、動的光散乱によって測定される高くても350nmのZ平均、及び高くても0.3の多分散性指数(PDI)を示し、Z平均100nm〜200nmと、多分散性指数0.1〜0.3、好ましくは約0.2とが特に好ましい。

0022

リポソームを生成する方法は特に限定されず、当該技術分野において知られている。それらの方法として、例えば、高圧均質化、押し出し及び二重非対称遠心分離(DAC:dual asymmetric centrifugation)が挙げられる。

0023

好ましい実施形態において、本発明のリポソーム組成物は、少なくとも1種の更なる治療剤及び/又は少なくとも1種の診断剤を更に含むことができる。

0024

各治療剤としては、特に限定されず、経口送達を目的とし得る任意の薬剤が挙げられる。治療剤として、例えば、ペプチド薬物(例えばオクトレオチド酢酸グラチラマー、バンコマイシン、ミルクデックスB、あらゆる種類のインスリン及びリラグルチド、並びにエキセナチドリキシセナチドアルビグルチドデュラグルチド、タスポグルチド及びセマグルチド等のGLPグルカゴン様ペプチド)−アナログ)、及びタンパク質又は抗体(例えばエタネルセプトペグフィルグラスチム;アダリムマブ、インフリキシマブリツキシマブエポエチンアルファトラスツズマブラニビズマブベータインターフェロンオマリズマブ)等の巨大分子が挙げられる。他の例として、ヒト成長ホルモン成長ホルモン放出ホルモン成長ホルモン放出ペプチド、インターフェロン、コロニー刺激因子インターロイキンマクロファージ活性化因子マクロファージペプチド、B細胞因子、T細胞因子プロテインAアレルギー阻害剤細胞壊死糖タンパク質免疫毒素リンホトキシン腫瘍壊死因子腫瘍抑制因子転移増殖因子、アルファ−1抗トリプシンアルブミン及びそのフラグメントポリペプチドアポリポタンパク質−E、エリスロポイエチン血液凝固VII因子、血液凝固第VIII因子、血液凝固第IX因子プラスミノゲン活性化因子ウロキナーゼストレプトキナーゼプロテインCC−反応性タンパク質レニン阻害剤コラゲナーゼ阻害剤スーパーオキシドジスムターゼ血小板由来増殖因子表皮増殖因子、骨形成増殖因子、骨刺激タンパク質カルシトニン、インスリン、アトリオペプチン、軟骨誘導因子結合組織活性化因子卵胞刺激ホルモン黄体形成ホルモン黄体形成ホルモン放出ホルモン神経成長因子副甲状腺ホルモンリラキシンセクレチンソマトメジンインスリン様増殖因子副腎皮質ホルモングルカゴンコレシストキニン膵臓ポリペプチドガストリン放出ペプチド副腎皮質刺激ホルモン放出因子甲状腺刺激ホルモン、様々なウイルス、細菌又は毒素に対するモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体ウイルス由来ワクチン抗原、オクトレオチド、シクロスポリンリファンピシン)、ロピナビルリトナビル、バンコマイシン、テラバンシンオリタバンシンダルババンシンビスホスホネートイトラコナゾールダナゾールパクリタキセル、シクロスポリン、ナプロキセンカプサイシン硫酸アルブテロール硫酸テルブタリン塩酸ジフェンヒドラミンマレイン酸クロルフェニラミン塩酸ロラタジン塩酸フェキソフェナジンフェニルブタゾンニフェジピンカルバマゼピン、ナプロキセン、シクロスポリン、ベタメタゾン、ダナゾール、デキサメタゾンプレドニゾンヒドロコルチゾン、17ベータ−エストラジオールケトコナゾールメフェナム酸ベクロメタゾンアルプラゾラムミダゾラムミコナゾールイブプロフェンケトプロフェンプレドニゾロン、メチルプレドニゾン(methylprednisone)、フェニトインテストステロンフルニソリドジフルニサール、ブデソニドフルチカゾン、インスリン、グルカゴン様ペプチド、C−ペプチド、エリスロポイエチン、カルシトニン、黄体形成ホルモン、プロラクチン副腎皮質刺激ホルモンリュープロリドインターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ−Ia、サルグラモスチム、アルデスロイキン、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−n3、アルファ−プロテイナーゼ阻害剤エチドロネート、ナファレリン、絨毛膜性生殖腺刺激ホルモンプロスタグランジンE2、エポプロステノールアカルボースメトホルミンデスモプレシンシクロデキストリン抗生物質抗真菌薬、ステロイド、抗癌剤鎮痛剤抗炎症剤駆虫剤抗不整脈薬ペニシリン抗凝血薬、抗鬱薬抗糖尿病薬抗てんかん薬抗ヒスタミン薬血圧降下薬抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤(antimycobacterial agents)、抗腫瘍剤CNS活性剤、免疫抑制剤抗甲状腺薬抗ウイルス剤抗不安鎮静剤催眠薬神経遮断薬収斂薬、ベータ−アドレナリン受容体遮断薬血液製剤及び代用血液心臓変力薬(cardiacinotropic agents)、造影剤副腎皮質ステロイド鎮咳薬去痰剤粘液溶解薬利尿薬ドーパミン作動薬抗パーキンソン病薬止血薬免疫学的薬剤、脂質調節剤筋弛緩薬副交感神経作用薬甲状腺カルシトニン、プロスタグランジン放射性医薬品、性ホルモン、ステロイド、抗アレルギー剤賦活薬食思減退薬、交感神経作用薬、甲状腺薬、血管拡張剤キサンチンヘパリン治療用オリゴヌクレオチドソマトスタチン及びそれらのアナログ、並びにそれらの薬理学的に許容可能な有機塩及び無機塩、又は金属錯体からなる群から選択される薬学的活性剤が挙げられる。

0025

さらに、各診断用剤は特に限定されず、経口送達を目的とし得る任意の薬剤を含む。

0026

上記の薬剤は、例えば、上記薬剤が親水性であるか、又はリポソーム膜へ統合される場合、例えば、上記薬剤が脂肪親和性である場合、リポソームに封入された本発明のリポソーム組成物中、すなわち上記リポソームの内腔に存在してもよい。ここでは、治療剤及び/又は診断剤の封入は、上記薬剤の親水性及びリポソーム作製方法に依存する。

0027

好ましい実施形態では、本発明によるリポソーム組成物中の治療剤及び/又は診断剤の含有量は、薬剤の使用量に関して0%超であり、多くても50%(重量/重量)である。

0028

上記の態様に従って、本発明のリポソーム組成物は医薬として用いられるものであってもよい。上記リポソーム組成物は、敗血症糖尿病リウマチ先端巨大症、あらゆる種類の肝炎、あらゆる種類の癌、及び貧血の治療に使用されることが好ましい。好ましくは、本発明の用途限定リポソーム組成物は、経口投与用である。

0029

最近の研究は、プロトンポンプ阻害剤であるオメプラゾールによる前処理が、リポソーム中へのプロトン拡散を減少させ、結果的に胃の中のpHを引き上げることによってタンパク質等の封入された薬剤の変性を減少させることを示した。したがって、本発明の用途限定リポソーム組成物の好ましい実施形態では、被験体はプロトンポンプ阻害剤で事前に治療され、ここで上記プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール(6−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン−2−イルメタンスルフィニル]−1H−1,3−ベンゾジアゾール)、パントプラゾール((RS)−6−(ジフルオロメトキシ)−2−[(3,4−ジメトキシピリジン−2−イル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾ[d]イミダゾール)、エソメプラゾール((S)−5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン−2−イル)メチルスルフィニル]−3H−ベンゾイミダゾール)、ランソプラゾール((RS)−2−([3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール)、及び/又はラベプラゾール((RS)−2−([4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール)であることが好ましい。

0030

有利には、本発明のリポソーム組成物を、例えば、上記組成物の長期保存を可能にする凍結乾燥保護剤として300mM〜500mMのショ糖を使用して、凍結乾燥することができる。

0031

関連の第2の態様において、本発明は、少なくとも1種の治療剤及び/又は少なくとも1種の診断剤を経口送達するための、本発明のリポソーム組成物の使用に関する。

0032

ここで、「経口送達」の用語は、上記薬剤の経口投与による1以上の薬剤の送達に関する。

0033

この態様では、本発明の第1の態様に対して与えられる全ての関連する限定及び定義が同じように適用される。特に、リポソーム組成物、治療剤、及び診断剤は上に定義される通りである。

0034

更に関連する態様では、本発明は、被験体に本発明のリポソーム組成物を投与する工程、好ましくは経口投与する工程を含む、少なくとも1種の治療剤及び/又は少なくとも1種の診断剤を上記被験体に送達する方法に関する。

0035

この態様では、本発明の第1の態様に対して与えられる全ての関連する限定及び定義が同じように適用される。特に、リポソーム組成物、治療剤、及び診断剤は上に定義される通りである。

0036

本明細書で使用される、「約」の用語は、明示される値の±10%の修飾語であることが意図される。例として、「約5%」の用語は、4.5%〜5.5%の範囲を包含することが意図される。

0037

「含んでいる/含む」、「からなっている/からなる」、及び「から本質的になっている/から本質的になる」の用語は、本明細書で置き換え可能に使用され、すなわち、上記用語は各々、他の2つの用語のうちの1つと明確に交換可能である。

0038

「組成物」及び「製剤」の用語は本明細書で等価に使用され、互いに置き換え可能であることが明確に意図される。

0039

本発明は、上記リポソームの粘膜浸透を有利に増加させるためにリポソームに共有結合的に付着されるCPPを利用する(図2)。

0040

本発明を以下の実施例により更に説明するが、本発明はそれらに限定されない。

0041

実施例
材料及び方法
材料
Egg Bio Chemica(ドイツ国ダルムシュタットのAppliChem GmbH)製レシチン;コレステロール(ドイツ国タウフキルヘンのSigma Aldrich);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホチオエタノールチオール修飾レシチン;米国アラバマ州のAvanti(商標) polar lipids);以下に記載されるようにS.アシドカルダリウスから単離したテトラエーテル脂質(TEL);ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(英国のlife technologies(商標)によるgibco(商標));ガラスビーズ(0.75mm〜1.0mm;カールスルーエのCarl Roth GmbH + Co. KG);NAP(商標)−5カラム(英国バッキガムシャーのGE Healthcare);Triton(商標)X−100(ドイツ国タウフキルヘンのSigma Aldrich);クロロホルム(ドイツ国タウフキルヘンのSigma Aldrich);メタノール(ドイツ国タウフキルヘンのSigma Aldrich);Antra MUPS(オメプラゾール、ヴェーデルのAstra Zeneca GmbH);シリカゲル60(0.063mm〜0.200mm、ドイツ国ゲルンスハイムのMerck);放射性ヨウ素(米国ボストンのPerkin Elmer(商標))。

0042

TELの単離
当該技術分野において知られている通りに細胞の生育及び脂質抽出を行った。S.アシドカルダリウスを培地から分離し、Christ製のDelta 1−20 KDを使用して凍結乾燥した。当該技術分野において知られている通りにクロロホルム/メタノール(2:1)を用いるソックスレー抽出によって脂質を単離した。抽出した溶媒ロータリーエバポレーション(Rotavapor−R、スイス国フラヴィルのBuchi Labortechnik AG)によって除去した。その後、脂質混合物をクロロホルム、メタノール及び塩酸(8:3:1)の混合物に溶解した。脂質頭部基を開裂するために該混合物を3日間加熱した。最後に、脂質を水相からクロロホルム/メタノール(2:1)で抽出した。グリセリルカルジチルテトラエーテル脂質(GCTE)は第1の溶離液(カラムの予備洗浄用)として水/メタノール(1:1)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離した後、望ましくない脂質及びメタノール/クロロホルム(1:1)を除去するために水/メタノール/クロロホルム(1:2.5:1)によって分離し、GCTE画分を得た。

0043

CPP(ペネトラチン)−リン脂質−複合体の合成
1.CPPペネトラチンの合成
Applied Biosystems 433Aペプチド合成機でフルオレニルメトキシカルボニル/t−ブチル(Fmoc/tBu)化学を使用し、固相合成によって、ペネトラチンを産生した。カップリング条件の残りは記載の通り行う。Reprosil(商標)Gold 120C−18カラム(4μm、150mm×20mm)を備えるLaPrep P110(VWR International)HPLCシステムで精製を行った。0.1%のTFAを含む水及びアセトニトリルを、20ml/分の流速で溶離液として使用した。分離条件は15分で60%〜90%のアセトニトリルの直線濃度勾配であった。溶離液として、水中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)(溶離液A)及びアセトニトリル中の0.1%TFA(溶離液B)を使用した。合成したペプチドのアイデンティティーは、HPLC−MS(質量分析)分析(Exactive、Thermo Fisher Scientific)によって検証した。

0044

2.CPP(ペネトラチン)−リン脂質−複合体の合成
DCM/DMSOの2:1混合物中のチオール修飾リン脂質の1mMの溶液5mlに対して、200μlのDMSOに予め溶解した20mgのペネトラチン−Cysを添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を20mlのACN/H2Oの4:1混合物に溶解した。Reprosil(商標)Gold 120C−18カラム(4μm、150mm×20mm)を備えるLaPrep P110(VWR International)HPLCシステムで精製を行った。0.1%のTFAを含む水及びアセトニトリルを20ml/分の流速で溶離液として使用した。Chromolithe(商標) Performance RP−C18eカラム(100mm×4.6mm)を備えるAgilent 1100 HPLCシステムで分析的分析を行った。0.1%のTFAを含む水及びアセトニトリルを2ml/分の流速で溶離液として使用した。Waters(商標)Hypersil Gold aqカラム(200mm×2.1mm)を備えるAgilent 1200 HPLCシステム、続いてThermo Scientific Exactive質量分析計でHPLC−MS分析を行った。0.05%のTFAを含む水及びアセトニトリルを200μl/分の流速で溶離液として使用した。

0045

バンコマイシンの131I放射能標識化
131I放射能標識化のため、PBS中にモデル物質であるバンコマイシンの1mmol原液を用意した。必要量の放射性ヨウ素−131を25μlの原液に添加し、当該技術分野において知られているクロラミンT法を使用して標識化を行った。当該技術分野において知られている半分取(semi-preparative)HPLCによって反応混合物を精製した。その後、5分以内;流量2ml/分;UV吸光度λ=214;γ−検出で、アセトニトリル中の0.1%TFA(溶離液B)に対する水中の0.1%TFA(溶離液A)の直線勾配を適用して、Chromolithe(商標)Performance RP−C18(100mm−3mm)カラムを使用する放射性HPLC(Agilent 1100シリーズ)によって放射能標識の純度を特定した。

0046

リポソームの作製
SpeedMixer(商標)(DAC150FVZ ドイツ国ハムのHauschild Engineering GmbH & Co. KG)を使用するDAC法によりリポソームを作製した。最初に、脂質をクロロホルム/メタノール9:1に溶解して100mmolの原液を得る一方で、クロロホルム/メタノール1:1(1mmol原液)にCPPを溶解した。必要量のCPP原液(0.1モル%〜1.0モル%)を脂質混合物(85モル%のEPC、10モル%のコレステロール及び5モル%のTEL)に添加し、窒素流(nitrogen stream)によって有機溶媒を蒸発させた。その後、得られた脂質フィルム真空チャンバーで1時間乾燥した。スピード混合プロセスを開始する前に、20mgの0.075mm〜1.00mmのガラスビーズを添加した。スピード混合、及び総容積250μl(表1を参照されたい)までの3回の実行で種々の量の組み込み物質(例えば、バンコマイシン−PBSに溶解した1mmol原液−;1回目)又はPBS(2回目/3回目)の添加によって、リポソームを作製した。比較のため、標準リポソーム(85モル%のEPC;15モル%のコレステロール)を同じように作製した。

0047

0048

封入効率
5分以内;流量2ml/分;UV吸光度λ=214nmで、アセトニトリル中の0.1%TFA(溶離液B)に対する水中の0.1%TFA(溶離液A)の直線勾配を適用して、C18カラム(Chromolithe(商標)Performance RP−18e、100mm−3mm)を使用する逆相(rp)HPLC(Agilent 1100シリーズ)によってバンコマイシンの封入効率を特定した。スピード混合プロセスの後、リポソームを100μlずつ2つの部分に分割した。50μlの10%Triton(商標)X−100の添加によってリポソームを破壊し、rpHPLCによってバンコマイシンのAUCを特定することにより、部分1(Part 1)を使用して100%の値を計算した。部分2をSephadex G−25ゲル濾過クロマトグラフィー(NAP(商標)−5カラム)によって精製した後、部分1と同じように処理した。封入効率E(%)を、部分2の希釈の補正後に以下の方程式によって特定した。
E(%)=[AUC]バンコマイシン部分2/[AUC]バンコマイシン部分1×100%

0049

[AUC]バンコマイシン部分2が精製されたリポソーム画分であり、[AUC]バンコマイシン部分1はリポソーム作製後の100%の値である。

0050

粒子の特性評価
1.粒子径、多分散性指数(PDI)及びゼータ電位
全てのリポソーム製剤の粒子径、PDI及びゼータ電位を、Malvern(商標)(英国ウースタシャーのMalvern Instruments Ltd.)製Zetasizer Nano ZSを使用して、室温で特定した。サイズ及びPDIをPBSで0.076mg/mlの濃度に希釈した後に測定し、一方、ゼータ電位を50mmolリン酸バッファーによって0.95mg/mlの濃度に希釈した後に特定した。測定は自動モード及び3回の測定の平均を使用して行った。サイズをnmで、ゼータ電位をmVで明示するが、PDIは無次元値である。

0051

2.クライオ電子顕微鏡写真(EM
当該技術分野で知られているように、CPP−TEL−リポソームのサイズ及びラメラ構造を特定するため、試料を2/2 QuantifoilグリッドでFEIVitrobotを使用して凍結した。その後、各サンプルを3秒間グロー放電させ、8秒間〜10秒間4℃及び100%湿度ブロットした。グリッドを200kV及び液体窒素温度にて操作したクライオス(Krios)顕微鏡で観察した。CPP−リポソーム試料の写真を倍率64000倍で撮影した。

0052

長期保存安定性
1.種々のモル比で凍結乾燥保護剤としてショ糖を使用する凍結乾燥
全てのリポソーム製剤をChrist製のDelta 1−20 KDで凍結乾燥した。主な乾燥を−20℃で2日間行い、続いて少なくとも6時間に亘って0℃で二次乾燥を行った。以前より、ショ糖が良好な凍結乾燥保護剤であることがわかっていたため、100nm〜500nmの範囲で凍結乾燥保護剤としてショ糖を使用した。簡潔には、3回の実行の間にPBSバッファーに代えて所望の濃度のPBD中のショ糖を添加する点で異なるが、上に記載されるようにリポソームを作製した。リポソーム懸濁液をエッペンドルフ管1本当たり50μlに分割して凍結乾燥した。凍結乾燥リポソームを50μlのPBSによって再水和し、サイズ及びPDIを上に記載されるMalvern(商標)製Zetasizer Nano ZSを使用して特定した。

0053

2.凍結乾燥物残留水分(residual moisture)
90秒で120℃まで加熱することにより凍結乾燥されたリポソーム100mgを使用して、水分計(ドイツ国バーリンゲンのKern&Sohn)によってCPP−TEL−リポソームの残留水分を特定した。

0054

実証実験動物研究
1.種々の製剤の131I標識化バンコマイシンの血液レベル
体重約220g〜250gの雄性ウィスターラットを用いて、地方自治体(local authorities)に従い、動物研究を行った。種々の製剤の血液レベルを特定するため、バンコマイシンを131Iによって放射能標識化し、幾つかのリポソーム製剤に組み込んだ。経口投与から1時間後のバンコマイシンの血液レベルを、標準と比較して、Berthold LB 951 Gカウンターを使用して、放射能を直接計数することにより測定した。簡潔には、5群(n=6)のウィスターラットを形成した。プロトンポンプ阻害剤であるオメプラゾールによる前処理がリポソーム中へのプロトンの拡散を減少させ、結果的に胃のpHを引き上げることによって封入された薬剤の変性を減少させることが最近の研究により示されたため、実験の前日に強制投与によって懸濁したAntra MUPS(商標)(オメプラゾール)(ラット1匹当たり10mg)でラットを前処理した。実験前12時間に亘り給餌せず、自由飲水でラットを維持した。経口適用を強制投与によって実施した。1時間後にラットを屠殺し、血液試料採取して計量し、血液試料中の放射能を、標準と比較して、Berthold LB 951 Gカウンターを使用して測定した。血液関連活性は総注入用量(ID)と関連し、組織グラム当たりの総注入用量の割合(%ID)として表した。その後、総血液レベル(%ID)を計算した。

0055

2.免疫アッセイによるバンコマイシン血液レベルの特定
放射性血液試料の測定によって得られた値を検証するため、CPP−TEL−バンコマイシン−リポソーム製剤のバンコマイシン免疫アッセイ(米国タリータウンのSiemens、ADVIA Centaur(商標)VANCReadyPack(商標))を行った。放射能標識化による研究と同様、500μlのCPP−TEL−バンコマイシン−リポソームを強制投与によって250gの雄性ウィスターラット(n=6)に投与した。実験の前日、強制投与によって懸濁したAntra MUPS(商標)(オメプラゾール)(ラット1匹当たり10mg)でラットを前処理した。経口投与の1時間後、ラットを屠殺し、血液試料を得て、血漿を分離し、バンコマイシンの量を上に記載される免疫アッセイによって特定した。

0056

実施例1:
TELの単離
離処理は、質量分析及び薄層クロマトグラフィーによって特定される脂肪親和性鎖中のペンチル環の数がほんのわずかに変化する(3個〜5個)精製形態のテトラエーテル脂質をもたらした。環の数は古細菌の培養中の温度によって影響を受ける。400gの湿質量の細胞(wet cell mass)当たり、平均1gのテトラエーテル脂質を得ることができた。

0057

実施例2:
CPP−リン脂質−複合体の合成及び特性評価
質量分析によって特定されるように、高純度でCPP(ペネトラチン)−リン脂質−複合体を得ることができた(図5)。生成物全収率は分取HPLCによる精製の後、約59%であった。

0058

実施例3:
バンコマイシンの131I放射能標識化
バンコマイシンの131I放射能標識化は、放射性HPLCによって特定されるように高純度(95%超)の所望の生成物をもたらした(図6)。クロラミンT法を使用する標識化効率は、適用された放射能の約60%であった。

0059

実施例4:
封入効率
CPP−TEL−バンコマイシン−リポソームは、標準リポソームの特定された値(38.73±1.23%)に匹敵する35.38±1.65%の封入効率を示した。

0060

実施例5:
粒子の特性評価
1.粒子径、多分散性指数(PDI)及びゼータ電位
応用DAC法は、サイズ、PDI及び組み込み効率(表2を参照されたい)において高い均一性を有するCPP−TEL−バンコマイシン−リポソームをもたらした。標準リポソームと比較して、サイズ及びPDIはわずかな増加を示したのに対し、CPP−TEL−バンコマイシン−リポソームは標準リポソームより高い正のゼータ電位を特徴とする。

0061

0062

2.クライオ電子顕微鏡写真(EM)
クライオ電子顕微鏡写真(図7)は、85モル%レシチン;10モル%コレステロール;5モル%TEL及び0.1モル%ペネトラチンを含むCPP−TEL−バンコマイシン−リポソームのサイズ及びラメラ構造を示す。撮影されたリポソームの大半は、単層から最大3層までのラメラ層をそれぞれ示す。

0063

実施例6:
長期保存安定性
1.種々のモル比で凍結乾燥保護剤としてショ糖を使用する凍結乾燥
凍結乾燥保護剤として種々のモル比でショ糖を含むCPP−TEL−リポソームを凍結乾燥することは、凍結乾燥プロセスの前に測定したデータと比較して、或る特定のモル比について匹敵するサイズ及びPDIをもたらした(図8A図8B)。このリポソーム製剤に関し、ショ糖の下限は300mmolであるが、最良の結果は500mMの濃度のショ糖を使用して得られた。凍結乾燥保護剤の濃度の更なる増加(500mmol超のショ糖)は、リポソームのサイズ及びPDIに関してより良好な結果を提供しない。

0064

2.凍結乾燥プロセス後の残留水分
リポソーム懸濁液の非常に不十分な安定性のため、凍結乾燥リポソームの長期安定性を保証するためには、非常に低い残留水分を示す凍結乾燥物を得ることが望ましいであろう。凍結乾燥保護剤として500mmolのショ糖を含むCPP−TELリポソーム組成物の残留水分は、2.88%±0.79%であった。

0065

実施例7:
実証実験:動物研究
1.種々の製剤の131I標識化バンコマイシンの血液レベル
実証実験の研究は、CPP−TEL−リポソームについて、標準リポソームと比較してバンコマイシン血液レベルの3倍の増加を示した。1種の追加成分(CPP又はTELのいずれか)のみの添加は、バンコマイシン血液レベルのわずかな増加を示したに過ぎない。これは、巨大分子の経口送達手段を提供するため、1つのリポソーム組成物において両方の成分の必要性を強調する(図9)。

0066

2.免疫アッセイによるバンコマイシン血液レベルの特定
免疫アッセイによるバンコマイシン血液レベルの特定は、放射能標識化研究に匹敵する結果(7.83%対8.68%)を示した(図10)。

0067

実施例8:
本発明では、新規クラスのCPP−リン脂質−複合体を確立した。1つが直鎖CPP(モデルCPPペネトラチン、d/l−形態)で、もう1つが環状CPP(環状R9誘導体)の異なる2つのCPP変異体を使用した(図11)。質量分析によって検出される腸液中でのより高い酵素安定性のため、環状CPPを使用した(図13)。さらに、直鎖CPPペネトラチンは、D−アミノ酸で構成される場合、より安定であることがわかった。

0068

図12は4つのモデル物質バンコマイシン、インスリン、リラグルチド及び抗体アダリムマブ(ヒュミラ(商標))を示す。これらの物質は、巨大分子薬物の分子量全般を包含し、本発明の新規リポソーム製剤が巨大分子薬物一般に対するプラットフォームとして役立つ可能性があることを実証する。

0069

腸液中のCPPの安定性アッセイに対する方法−人工腸液中のCPPの安定性
全てのCPP(水中1mg/ml)を人工腸液で1:1(容積/容積)に希釈し、当該技術分野で知られているように、常に振蕩しながら37℃でインキュベートした。0分後、15分後、30分後及び60分後、無傷のCPPの回復を検出するため試料をHPLC/MSで分析し、初期の溶液との関係で比較した。

0070

実施例9:
雄性ウィスターラット(200g〜250g)において、モデル物質であるバンコマイシンを用いて様々なリポソーム製剤を試験した。バンコマイシンの放射能標識化血液レベルの測定は、1モル%の直鎖CPP−リン脂質複合体を含むリポソーム製剤を使用することでバンコマイシンの経口アベイラビリティの著しい増加を示した。それにもかかわらず、わずか0.1モル%しか環状CPP−リン脂質−複合体を含まない別の製剤は、複合体を必要としても微量であるという利益を伴って、バンコマイシン血液レベルのより高い増加を示した。得られた結果は、バンコマイシンの免疫アッセイによって確認され、同様の血液レベルを測定することができた(図14)。

0071

モデル物質として糖ペプチド薬物であるバンコマイシンを使用する動物試験に対する方法
体重約200g〜250gの雄性ウィスターラットを使用し、地方自治体に従って動物研究を行った。実証実験の研究では、先に記載される通り、バンコマイシンを131Iで放射能標識化し、様々なリポソーム製剤に組み込んだ。経口投与から1時間後、放射能標識化した試料を直接計数することによりバンコマイシンの血液レベルを測定した。簡潔には、雄性ウィスターラット群(n≧3)を形成した。実験前12時間に亘りラットを給餌せず、自由飲水で維持した。リポソーム及び遊離ペプチドの経口適用を強制投与によって実施した。血液を除去して計量し、Berthold LB 951 Gカウンターを使用し、標準と比較して放射能を測定した。血液関連活性は総注入用量(ID)に関連し、組織1グラム当たりの総注入用量の割合(%ID/g)として表した。統計学的データをPrism(商標)ソフトウェア(米国カリフォルニアサンディエゴのGraphPad Software)を使用して処理し、平均±平均値標準偏差(S.D.)として提示した。Prism(商標)ソフトウェアを使用する一元配置分散分析検定によって種々の動物実験群を比較し、*p<0.05、**p<0.01及び***p<0.001で有意とした(図14)。

0072

実施例10:
或る1つの更なる研究では、ペプチド薬物であるリラグルチドのバイオアベイラビリティを検討した。このため、薬物を静脈内注射し、血液レベルを1モル%の環状CPP−リポソームを含む経口リポソーム製剤と比較した。このペプチド薬物に関し、本発明者らのリポソーム製剤の使用によるバイオアベイラビリティは、リラグルチドの静脈内適用と比較して50%超である(図15)。

0073

バイオアベイラビリティ特定用のモデル物質としてリラグルチドを使用する動物実験に対する方法
体重約200g〜250gの雄性ウィスターラットを使用し、地方自治体に従って動物研究を行った。バイオアベイラビリティの特定のため、抗糖尿病薬であるリラグルチドを131Iで放射能標識化し、1モル%の環状CPP−リン脂質−複合体を含むリポソーム製剤に組み込み、先に記載される通り、リラグルチド静脈内注射と比較した。幾つかの時間点において、放射能標識化した試料を直接計数することによりリラグルチドの血液レベルを測定した。簡潔には、雄性ウィスターラット群(n≧3)を形成した。実験前12時間に亘りラットを給餌せず、自由飲水で維持した。リポソームの経口適用を強制投与によって実施した。血液を除去して計量し、Berthold LB 951 Gカウンターを使用し、標準と比較して放射能を測定した。血液関連活性は総注入用量(ID)に関連し、組織1グラム当たりの総注入用量の割合(%ID/g)として表した。統計学的データをPrism(商標)ソフトウェア(米国カリフォルニア州サンディエゴのGraphPad Software)を使用して処理し、平均±平均値の標準偏差(S.D.)として提示した(図15)。

0074

実施例11:
或る1つの更なるパイロット試験では、アダリムマブ(ヒュミラ(商標))の経口アベイラビリティを検討した。このため、抗体を131Iで放射能標識化し、1モル%の環状CPP−複合体を含むリポソームに組み込み、経口投与して、放射能標識化した遊離ペプチドと比較した。精製前及びその後の放射能標識化抗体の直接測定によって検出されるように、リポソーム中への抗体の組み込み効率は約60%であった。ここでも、アダリムマブの経口アベイラビリティの強い増加を検出することができた(図16)。したがって、この新規のリポソーム製剤もまた、抗体等の100kDa超の分子量を有する巨大分子薬物に適していると主張することができた。

0075

バイオアベイラビリティ(絶対)の特定用モデル物質として抗体アダリムマブ(ヒュミラ(商標))を使用する動物実験に対する方法
体重約200g〜250gの雄性ウィスターラットを使用し、地方自治体に従って動物研究を行った。バイオアベイラビリティ(絶対)の特定のため、抗体アダリムマブ(ヒュミラ(商標))を131Iで放射能標識化し、1モル%の環状CPP−リン脂質−複合体を含むリポソーム製剤に組み込み、先に記載される通り、遊離抗体と比較した。6時間後、放射能標識化した試料を直接計数することにより血液レベルを測定した。実験前12時間に亘りラットを給餌せず、自由飲水で維持した。リポソーム及び放射能標識化した遊離抗体の経口適用を強制投与によって実施した。血液を除去して計量し、Berthold LB 951 Gカウンターを使用し、標準と比較して放射能を測定した。血液関連活性は総注入用量(ID)に関連し、組織1グラム当たりの総注入用量の割合(%ID/g)として表した(図16)。

0076

実施例12:
別の研究では、頭部基修飾リン脂質へのCPPのカップリングに使用されるリンカーの影響を検討し、ペプチド薬物の組み込み効率は、リンカーのPEG単位の量に依存することがわかった(図17)。図18では、様々なリンカーを使用する幾つかの量(0モル%〜3モル%)のCPP−リン脂質複合体をリポソームに組み込み、その後、リポソームのサイズ及びPDIを特定した。PEG−リンカーが最も良好な結果を示し、8個〜50個の個別のPEG単位からなるPEG−リンカーが好ましいことがわかった。

0077

種々のPEG−リンカーの検討に対する方法
5分以内(流量2ml/分;UV吸光度λ=214nm)で、アセトニトリル中の0.1%TFA(溶離液B)に対して水中の0.1%TFA(溶離液A)の直線勾配を適用し、C18カラム(Chromolithe(商標)Performance RP−18e、100mm−3mm)を使用する、逆相HPLC(Agilent 1100シリーズ)によってペプチド薬物の封入効率を特定した。スピード混合プロセスの後、リポソームを100μlずつ2つの部分に分割した。50μlの1%Triton(商標)X−100の添加によってリポソームを破壊し、HPLCによってペプチド薬物の曲線下面積(AUC)を特定することにより、部分1を使用して100%の値を計算して得た。部分2をSephadex G−25ゲル濾過クロマトグラフィー(NAP(商標)−5カラム)によって精製し、部分1のように定量した。部分2の精製中におけるNAP(商標)−5カラム上での脂質の潜在的喪失を特定するため、スピード混合プロセスの後、及びNAP(商標)−5カラムを使用する精製の後、リポソーム懸濁液中コレステロール濃度を直接測定した。両測定に対してリポソームをメタノールに1:10(容積/容積)で溶解した。RP−18カラム上、15分以内(流速2ml/分;UV吸光度λ=208nm)でアセトニトリル/メタノール(80:20容積/容積)の無勾配(isocratic gradient)を適用するHPLCによってコレステロールを定量した。封入効率の計算にNAP(商標)−5カラム上での脂質喪失を含めるため、精製工程前及びその後のコレステロール濃度を比較し、補正係数Cを決定した。以下の方程式を使用して封入効率E(%)を計算した。
E(%)=([AUC]ペプチド薬物部分2)/([AUC]ペプチド薬物部分1)×100%×C

0078

[AUC]ペプチド薬物部分2は精製されたリポソーム画分中のペプチド薬物の濃度であり、[AUC]ペプチド薬物部分1はリポソーム懸濁液中のペプチド薬物の濃度である。CはNAP(商標)−5カラム上での脂質の喪失を考慮する補正係数である。

0079

実施例13:
サイズ排除クロマトグラフィーによるリポソーム懸濁液の精製後、CPP修飾リポソームのゼータ電位は、CPPの正に帯電したアミノ酸により、未修飾のリポソームと比較して強い増加を示し(図19)、リポソーム中への複合体の組み込みの成功を確認した。

0080

ゼータ電位測定に対する方法
リポソームのゼータ電位を、Malvern(商標)(英国ウースタシャーのMalvern Instruments Ltd.)製のZetasizer Nano ZSの自動モードを使用して、室温で特定した。リポソーム製剤の粒子径、PDI及びゼータ電位を、いずれもMalvern(商標)(英国ウースタシャーのMalvern Instruments Ltd.)製のZetasizer Nano ZSを使用して室温で特定した。自動モードを使用して、pH7.4の10mMリン酸バッファーで0.076mg/mlの脂質濃度に希釈した後、サイズ及びPDIを測定した。pH7.4の50mMリン酸バッファーで0.95mg/mlの脂質濃度に希釈した後、ゼータ電位を特定した。Malvern(商標)(英国ウースタシャーのMalvern Instruments Ltd.)製のZetasizer Nano ZSの自動モードのデフォルト設定は次の通りであった:測定回数=3;実行時間=10秒;実行回数=10;平衡化時間=60秒;溶媒の屈折率1.330;ポリスチレンキュベットの屈折率1.590;粘度=0.8872mPa s;温度=25℃;誘電率=78.5F/m;後方散乱モード(173°);自動電圧選択;スモルコスキー(Smoluchowski)方程式、リン酸バッファーpH7.4。

0081

実施例14:
抗体マツズマブの放射能標識化により標準リポソームと比較した環状CPP−リン脂質−複合体を含むリポソームの結合能を試験した。新規な複合体を含むリポソームは、標準リポソームよりも有意に高い結合能を示した(図20)。

0082

結合アッセイに対する方法
Caco−2細胞を6ウェルプレートに蒔いた。2週間の分化の後、増殖培地を除去した後に1mlのリポソーム試料を添加した。細胞を37℃で15分間、30分間及び60分間インキュベーションした後、リン酸バッファーで洗浄した。その後、細胞を1mlの1molグリシンバッファーpH2.2と共に5分間インキュベートした。0.3molのNaOHを添加し、0.25%SDSによって細胞溶解を行った。グリシンバッファー及び細胞溶解画分を収集し、Berthold LB 951 Gカウンターを使用し、標準と比較して放射能の量を測定した。

0083

実施例15:
或る1つの更なる研究では、ペプチド薬物であるバンコマイシンのバイオアベイラビリティ(絶対)を検討した。このため、薬物を静脈内注射し、血液レベルを1モル%の環状CPP−リポソームを含む経口リポソーム製剤と比較した。このペプチド薬物に関し、本発明者らのリポソーム製剤の使用によるバイオアベイラビリティは、バンコマイシンの静脈内適用と比較して最大50%である(図21)。

0084

バイオアベイラビリティ(絶対)の特定用モデル物質としてバンコマイシンを使用する動物実験に対する方法
体重約200g〜250gの雄性ウィスターラットを使用し、地方自治体に従って動物研究を行った。バイオアベイラビリティ(絶対)の特定のため、糖ペプチド抗生物質であるバンコマイシンを131Iで放射能標識化し、1モル%の環状CPP−リン脂質−複合体を含むリポソーム製剤に組み込み、先に記載される通り、バンコマイシン静脈内注射と比較した。幾つかの時間点において、放射能標識化した試料を直接計数することによりバンコマイシンの血液レベルを測定した。簡潔には、雄性ウィスターラット群(n≧3)を形成した。実験前12時間に亘りラットを給餌せず、自由飲水で維持した。リポソームの経口適用を強制投与によって実施した。血液を除去して計量し、Berthold LB 951 Gカウンターを使用し、標準と比較して放射能を測定した。血液関連活性は総注入用量(ID)に関連し、組織1グラム当たりの総注入用量の割合(%ID/g)として表した。

0085

実施例16:
別の研究では、2つの抗体、すなわちアダリムマブ及びセツキシマブの組み込み効率を先に記載される通り特定した(図22)。両抗体もまた、ペプチド薬物に匹敵する高い組み込み効率(約50%〜70%)を示すことがわかった。

0086

実施例17:
1モル%の環状CPP−複合体を含むリポソームに組み込まれたセツキシマブの腫瘍濃縮を特定するため、腫瘍を持つマウスに各リポソームを投与した。これらのマウスを得るため、細胞株A431をBalb/cマウス(EGFR過剰発現)に注射した。抗体セツキシマブを放射能標識化し、リポソームに組み込んだ後、マウスに経口適用した。リポソーム製剤を使用することで、遊離ペプチドと比較した腫瘍蓄積の有意な増加がわかった(図23)。

0087

抗体セツキシマブの腫瘍蓄積の特定に対する方法
体重約200g〜250gの雄性ウィスターラットを使用し、地方自治体に従って動物研究を行った。セツキシマブの腫瘍濃縮の特定のため、抗体を131Iで放射能標識化し、1モル%の環状CPP−リン脂質−複合体を含むリポソーム製剤に組み込み、先に記載される通り、セツキシマブ遊離/静脈内注射と比較した。幾つかの時間点において、放射能標識化した試料を直接計数することにより腫瘍濃縮を測定した。簡潔には、雄性ウィスターラット群(n≧3)を形成した。実験前12時間に亘りラットを給餌せず、自由飲水で維持した。リポソームの経口適用を強制投与によって実施した。血液を除去して計量し、Berthold LB 951 Gカウンターを使用し、標準と比較して放射能を測定した。血液関連活性は総注入用量(ID)に関連し、組織1グラム当たりの総注入用量の割合(%ID/g腫瘍)として表した。

0088

実施例18:
或る1つの更なる研究は、粒子の特徴を特定するため、別のCPP(MAP)を検討した。複合体を合成し、0モル%〜1モル%の範囲でリポソームへと組み込んだ。粒子径は標準リポソームに類似し、ゼータ電位は増加を示し、リポソームへの複合体の組み込みが成功したことを実証した(図24)。

0089

粒子の特性評価に対する方法
リポソーム製剤の粒子径、PDI及びゼータ電位を、いずれもMalvern(商標)(英国ウースタシャーのMalvern Instruments Ltd.)製のZetasizer Nano ZSを使用して室温で特定した。自動モードを使用して、pH7.4の10mMリン酸バッファーで0.076mg/mlの脂質濃度に希釈した後、サイズ及びPDIを測定した。pH7.4の50mMリン酸バッファーで0.95mg/mlの脂質濃度に希釈した後、ゼータ電位を特定した。Malvern(商標)(英国ウースタシャーのMalvern Instruments Ltd.)製のZetasizer Nano ZSの自動モードのデフォルト設定は次の通りであった:測定回数=3;実行時間=10秒;実行回数=10;平衡化時間=60秒;溶媒の屈折率1.330;ポリスチレンキュベットの屈折率1.590;粘性=0.8872mPa s;温度=25℃;誘電率=78.5F/m;後方散乱モード(173°);自動電圧選択;スモルコフスキー方程式。

0090

結論
本発明では、多様なCPP−TEL−リポソームの使用により、例えば、バンコマイシン、リラグルチド、インスリン等の様々なペプチド薬物、及びアダリムマブ又はセツキシマブ等の様々な抗体に対する有望で新規な経口送達システムを確立することができた。これらの結果(非常に増強された粘膜取り込み)は、一般に巨大分子薬物(ペプチド、タンパク質及び抗体)に対するプラットフォーム技術としてこの新規技術が役立つ可能性があることを実証する。CPP−TEL−リポソームはいずれも、サイズ、PDI及び組み込み効率(50%超)において高い均一性を示した。人工腸液中での安定性アッセイは、環状CPP−リン脂質−複合体が直鎖のものより安定し、直鎖CPPに関してD−アミノ酸の組み込みが好ましいことを示した。PEG単位の量が異なる幾つかのリンカーに関して、8個〜50個のPEG単位を有するPEG−リンカーが使用される場合、封入効率がより高いことがわかった。リポソームの特徴を他のCPPに伝達可能であることを実証するため、他のCPPに類似する特徴を示したCPPMAPをリポソームに組み込んだ。リポソーム製剤はいずれも、全ての試験した濃度で細胞毒性を示さなかった。さらに、凍結乾燥保護剤としてショ糖を使用する凍結乾燥によってCPP−TEL−リポソームの長期保存をもたらすことができた。雄性ウィスターラット(n=6)を使用する実証実験の研究では、標準リポソームと比較して、131Iで放射能標識化したバンコマイシンの3倍高い血中濃度を検出することができた。また、これらの結果を確認するため、血中濃度を免疫アッセイによって特定したところ、これもまたCPP−TEL−リポソーム製剤を使用するバンコマイシン血液レベルに匹敵する濃縮(7.83%ID対8.68%ID)を示した。リラグルチド;インスリン;アダリムマブ及びセツキシマブ等の更なる物質を放射能標識化して、経口適用後の特定の時間点において放射能を特定することにより、これらの物質に対し、これらの結果(リポソーム製剤による非常に増強された粘膜の取り込み)を確認することができた。

実施例

0091

総合すると、上記結果は、プラットフォーム技術としてあらゆる巨大分子薬物の経口適用に対する本発明によるCPP−TEL−リポソーム製剤の可能性を実証する。

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