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技術 腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む癌又は血管新生関連疾患の予防及び治療用薬学的組成物

出願人 イルドンファーマスーティカルカンパニーリミテッド
発明者 クォン、ヒョク-サンコ、ジョン-ヒリ、ヨン-ミンジュン、ヘイ-ユンヤン、ソク-ウカン、ジェ-フンキム、ヨン-スン
出願日 2016年9月1日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2018-530461
公開日 2018年11月1日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-531989
状態 拒絶査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 補償作用 フィルター濾過後 成分要素 競争者 結論的 配列目録 管周辺 方法段階
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重要な関連分野

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図面 (15)

課題・解決手段

本発明は、組織透過性ペプチドと抗-血管内皮細胞成長因子(抗-VEGF)製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物に関する発明で、より具体的には、本発明は、抗血管内皮細胞成長因子製剤の組織透過性が改善され、癌ターゲティング効果が発揮されて新生血管形成阻害効果が優れているだけでなく、抗-VEGF製剤に耐性又は無反応を示す癌に対しても治療効果を示すことができる、融合蛋白質の癌又は血管新生関連疾患の治療用途に関する発明である。

概要

背景

本出願は2015年9月1日に出願された大韓民国特許出願第10-2015-0123878号に基づく優先権を主張し、前記明細書全体は参照により本出願に援用する。

血管新生とは、既存の微細血管から新たな毛細血管が形成される過程を意味し、通常的な生理作用発生過程創傷治癒女性生殖サイクルにおいて重要な役割をするものと知られている。また、血管新生が自律的に調節されず、病的に成長することによって引き起こされる疾患があるが、例えば、非正常的に過剰な血管新生は、癌の成長と転移糖尿病性網膜症年齢関連黄斑変性リウマチ性関節炎子宮内膜症乾癬又は慢性炎症等の疾患に決定的な役割をすることが知られている。一方、不十分な血管新生は、冠状動脈疾患、脳卒中、心筋梗塞潰瘍又は創傷治癒の遅延等の原因となっている。

前記の疾患のうち、癌は、肉体を構成する細胞に一定の発癌因子が作用して、不規則分裂することにより、その細胞自体が肉体を構成する制御から外れて、無計画的に増殖する疾病を意味する。さらに周囲の組織侵害して、血管、リンパ管等を通じて他の臓器遠隔転移して障害を起こし、そのまま放置すると命を奪われる病態であるため、悪性腫瘍又は悪性新生物とも呼ばれ、その細胞を癌細胞悪性細胞と称する。

癌の種類によって治療方法が多様であるが、一般的に、手術細胞死滅を誘発する化学療法放射線療法、癌細胞標的治療免疫治療高温熱療法幹細胞移植光線疫学療法等が使用されている。最近では、正常な細胞の破壊に因る副作用を最小限に抑えながら、薬剤効能を高めるために、標的治療を多く実施しており、その種類は、癌特異的な成長を阻害するシグナル伝達遮断剤、癌細胞への酸素及び栄養の供給を遮断するための新生血管形成阻害剤、細胞死滅誘導剤免疫力増強剤等がある。

新生血管形成(angiogenesis)は、既存の血管から新たな血管が形成される過程で、発生、発達段階と正常細胞と組織の分裂と成長だけでなく、癌細胞の分裂と成長にも必要な過程の一つである。
血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor、VEGF)は、血管形成関与する幾つかの成長因子の一つであり、これらの中でVEGF-Aの役割が重要であると知られている。VEGF-Aを特異的に阻害することにより新生血管形成を抑制する抗VEGFモノクローナル抗体ベバシズマブ(アバスチン)は、2004年と2005年にそれぞれFDAEMAによって、5−フルオロウラシル併用療法転移性大腸癌の1次又は2次治療剤として許可され、その後も数百件の臨床試験を通じて、転移腎臓癌、転移性非小細胞癌進行性母細胞腫及び転移性乳癌等の様々な癌の治療剤として承認された。
アバスチンと同じ抗-VEGF製剤は、新生血管形成が活発に起こる癌を標的することができるが、癌だけでなく、VEGF濃度が高い他の臓器にも影響を与えるため、腎臓胃腸等において、副作用が用量依存的に表われた。

一方、新生血管形成には、VEGF-Aの他にも線維芽細胞増殖因子(FGF)、ノッチリガンド受容体系、胎盤増殖因子(PlGF)、血小板由来増殖因子−BB(PDGF-BB)等、他の成長因子とシグナル伝達メカニズムが関与するので、前記アバスチンと同じ抗-VEGF製剤によりVEGF-Aが遮断されても、他のメカニズムを介した補償が可能である。従って、多くの患者において、アバスチンのような抗VEGF製剤への無反応又は反復的なアバスチン投与により耐性が発生して明確な効果が見れないものと推定される。

アバスチンと同じ抗-VEGF製剤は、VEGF-Aによるシグナル伝達を遮断することにより、新生血管形成を阻害して高い抗癌活性を有しているので、治療が困難な転移性癌を含む様々な癌腫に単独又は併用療法にも適用が可能な効果的な製剤である。それにも拘らず、作用メカニズムと投与量に因る耐性及び副作用のため、臨床での効果が期待よりも低く、使用が制限的である。従って、これらのアバスチンのような抗-VEGF製剤の欠点を克服して効能を高め得る、新たな製剤の開発が求められているのが実情である。

概要

本発明は、組織透過性ペプチドと抗-血管内皮細胞成長因子(抗-VEGF)製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物に関する発明で、より具体的には、本発明は、抗血管内皮細胞成長因子製剤の組織透過性が改善され、癌ターゲティング効果が発揮されて新生血管形成阻害効果が優れているだけでなく、抗-VEGF製剤に耐性又は無反応を示す癌に対しても治療効果を示すことができる、融合蛋白質の癌又は血管新生関連疾患の治療用途に関する発明である。

目的

本発明の目的は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質を有効成分として含む、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

腫瘍透過性ペプチドと抗-新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む、癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物

請求項2

前記癌又は血管新生関連疾患は、抗新生血管生成製剤に耐性又は無反応であることを特徴とする、請求項1記載の薬学的組成物

請求項3

前記腫瘍透過性ペプチドは、ニューロピリン1(NRP1)及びニューロピリン2(NRP2)の両方に結合するか、又はニューロピリン1のみに特異的に結合することを特徴とする、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項4

前記腫瘍透過性ペプチドの内、ニューロピリン1及びニューロピリン2の両方に結合するペプチドは、配列番号1乃至4からなる群より選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列を含み、ニューロピリン1のみに特異的に結合するペプチドは、配列番号5乃至7からなる群より選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項3記載の薬学的組成物。

請求項5

腫瘍透過性ペプチドと抗血管内皮皮細胞成長因子が、リンカーを介して融合されたことを特徴とする、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項6

前記リンカーは、配列番号8で表示されるアミノ酸配列を有することを特徴とする、請求項5記載の薬学的組成物。

請求項7

前記融合蛋白質は、配列番号9、10、及び12からなる群より選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列で表示される重鎖及び配列番号11のアミノ酸配列で表示される軽鎖を含むことを特徴とする、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項8

前記抗-新生血管生成製剤は抗-血管内皮細胞成長因子(抗-VEGF)製剤、抗-PDGF(血小板由来成長因子)製剤、抗-PlGF(胎盤増殖因子)製剤、抗-FGF(線維芽細胞増殖因子)製剤、抗-TGF(トランスフォーミング増殖因子))製剤、抗-ANG(アンジオポエチン)製剤、抗-HGF(肝細胞増殖因子)製剤、抗-IGF(インスリン様成長因子)製剤、抗-ALK1(アクチビン受容体様キナーゼ1)製剤、抗-エフリンA製剤、抗-インターロイキン製剤、抗-BMP(骨形成蛋白質)製剤、VEGF、PDGF、PlGF、FGF、TGF、ANG、HGF、IGF、ALK1、エフリンA又はインターロイキンそれぞれに対する受容体拮抗抗体、及び受容体基キメラ分子からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項9

前記抗-血管内皮細胞成長因子製剤は、ラニビズマブ(ranibizumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、アフリセプト(aflibercept)、コンバーセプト(Conbercept)、これらのバイオシミラー(biosimilar)、これらの変異体及び抗体薬融合体ADC、Antibody Drug Conjugate)からなる群より選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項8記載の薬学的組成物。

請求項10

前記血管新生関連疾患は、リウマチ性関節炎乾癬、炎症、子宮内膜症及び血管腫からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項11

請求項12

腫瘍透過性ペプチドと抗-血管新生製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む、癌転移抑制用薬学的組成物。

請求項13

前記癌は、抗-新生血管生成製剤に耐性又は無反応であることを特徴とする、請求項12記載の薬学的組成物。

請求項14

癌又は血管新生関連疾患の治療用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗-新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質の使用。

請求項15

腫瘍透過性ペプチドと抗-新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法

請求項16

癌転移抑制用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗-新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の使用。

請求項17

腫瘍透過性ペプチドと抗-新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法。

技術分野

0001

本発明は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成(anti-angiogenesis)製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物に関する発明であって、より具体的には、本発明は、抗新生血管生成製剤の腫瘍透過性が改善され、癌に対するターゲティング効果が発揮されて新生血管形成阻害効果が優れているだけでなく、抗新生血管生成製剤の効能増進させて、耐性又は無反応を示す癌に対しても治療効果を示すことができる融合蛋白質の、癌又は血管新生関連疾患の治療用途に関する発明である。

背景技術

0002

本出願は2015年9月1日に出願された大韓民国特許出願第10-2015-0123878号に基づく優先権を主張し、前記明細書全体は参照により本出願に援用する。

0003

血管新生とは、既存の微細血管から新たな毛細血管が形成される過程を意味し、通常的な生理作用発生過程創傷治癒女性生殖サイクルにおいて重要な役割をするものと知られている。また、血管新生が自律的に調節されず、病的に成長することによって引き起こされる疾患があるが、例えば、非正常的に過剰な血管新生は、癌の成長と転移糖尿病性網膜症年齢関連黄斑変性リウマチ性関節炎子宮内膜症乾癬又は慢性炎症等の疾患に決定的な役割をすることが知られている。一方、不十分な血管新生は、冠状動脈疾患、脳卒中、心筋梗塞潰瘍又は創傷治癒の遅延等の原因となっている。

0004

前記の疾患のうち、癌は、肉体を構成する細胞に一定の発癌因子が作用して、不規則分裂することにより、その細胞自体が肉体を構成する制御から外れて、無計画的に増殖する疾病を意味する。さらに周囲の組織侵害して、血管、リンパ管等を通じて他の臓器遠隔転移して障害を起こし、そのまま放置すると命を奪われる病態であるため、悪性腫瘍又は悪性新生物とも呼ばれ、その細胞を癌細胞悪性細胞と称する。

0005

癌の種類によって治療方法が多様であるが、一般的に、手術細胞死滅を誘発する化学療法放射線療法、癌細胞標的治療免疫治療高温熱療法幹細胞移植光線疫学療法等が使用されている。最近では、正常な細胞の破壊に因る副作用を最小限に抑えながら、薬剤の効能を高めるために、標的治療を多く実施しており、その種類は、癌特異的な成長を阻害するシグナル伝達遮断剤、癌細胞への酸素及び栄養の供給を遮断するための新生血管形成阻害剤、細胞死滅誘導剤免疫力増強剤等がある。

0006

新生血管形成(angiogenesis)は、既存の血管から新たな血管が形成される過程で、発生、発達段階と正常細胞と組織の分裂と成長だけでなく、癌細胞の分裂と成長にも必要な過程の一つである。
血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor、VEGF)は、血管形成関与する幾つかの成長因子の一つであり、これらの中でVEGF-Aの役割が重要であると知られている。VEGF-Aを特異的に阻害することにより新生血管形成を抑制する抗VEGFモノクローナル抗体ベバシズマブ(アバスチン)は、2004年と2005年にそれぞれFDAEMAによって、5−フルオロウラシル併用療法転移性大腸癌の1次又は2次治療剤として許可され、その後も数百件の臨床試験を通じて、転移腎臓癌、転移性非小細胞癌進行性母細胞腫及び転移性乳癌等の様々な癌の治療剤として承認された。
アバスチンと同じ抗-VEGF製剤は、新生血管形成が活発に起こる癌を標的することができるが、癌だけでなく、VEGF濃度が高い他の臓器にも影響を与えるため、腎臓胃腸等において、副作用が用量依存的に表われた。

0007

一方、新生血管形成には、VEGF-Aの他にも線維芽細胞増殖因子(FGF)、ノッチリガンド受容体系、胎盤増殖因子(PlGF)、血小板由来増殖因子−BB(PDGF-BB)等、他の成長因子とシグナル伝達メカニズムが関与するので、前記アバスチンと同じ抗-VEGF製剤によりVEGF-Aが遮断されても、他のメカニズムを介した補償が可能である。従って、多くの患者において、アバスチンのような抗VEGF製剤への無反応又は反復的なアバスチン投与により耐性が発生して明確な効果が見れないものと推定される。

0008

アバスチンと同じ抗-VEGF製剤は、VEGF-Aによるシグナル伝達を遮断することにより、新生血管形成を阻害して高い抗癌活性を有しているので、治療が困難な転移性癌を含む様々な癌腫に単独又は併用療法にも適用が可能な効果的な製剤である。それにも拘らず、作用メカニズムと投与量に因る耐性及び副作用のため、臨床での効果が期待よりも低く、使用が制限的である。従って、これらのアバスチンのような抗-VEGF製剤の欠点を克服して効能を高め得る、新たな製剤の開発が求められているのが実情である。

0009

[発明の詳細な説明]
技術的課題
そこで、本発明者らは、抗新生血管生成製剤にニューロピリン受容体(NRP)をターゲティングする腫瘍透過性ペプチド(TPP、tumor penetrating peptide)を融合した融合蛋白質が、抗新生血管生成製剤の腫瘍透過性を増加させるだけでなく、TPPによる癌ターゲティング効果が発揮され、高い投与容量の減少による患者の便宜性増加だけでなく、用量依存的な副作用も軽減することができ、抗新生血管生成製剤の継続的な使用による、血管周辺微細環境の変化に由来する耐性を克服することができることを発見して、本発明を完成した。

0010

従って、本発明の目的は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質を有効成分として含む、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物を提供することである。

0011

本発明の他の目的は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質を有効成分として含む、癌転移抑制用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる、癌転移抑制用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる、癌転移抑制用薬学的組成物を提供することである。

0012

本発明の他の目的は、癌又は血管新生関連疾患の治療用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の使用を提供することである。

0013

本発明の他の目的は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供することである。

0014

本発明の他の目的は、癌転移抑制用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の使用を提供することである。

0015

本発明の他の目的は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌の転移を抑制する方法を提供することである。

0016

[技術的解決方法
前記の目的を達成するために、本発明は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質を有効成分として含む、癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明の目的を達成するために、本発明は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる、癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明の目的を達成するために、本発明は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる、癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物を提供する。

0017

本発明の他の目的を達成するために、本発明は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質を有効成分として含む、癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる、癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる、癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。

0018

本発明の他の目的を達成するために、癌又は血管新生関連疾患の治療用製剤を製造するための腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質の使用を提供する。

0019

本発明の他の目的を達成するために、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供する。

0020

本発明の他の目的を達成するために、癌転移抑制用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質の使用を提供する。

0021

本発明の他の目的を達成するために、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供する。

0022

以下、本発明を詳細に説明する。

0023

本発明は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる、癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物を提供する。

0024

血管内皮細胞増殖因子−Aは、血液の噴出溢血、Extravasation)を誘導することがよく知られている。これは別名で血管透過性因子(Vascular permeability factor)とも呼ばれる。この作用は血管内皮細胞成長因子受容体との結合による現象として知られているが、興味深いことに、血管内皮細胞成長因子−Aの突然変異実験で、血管内皮細胞成長因子受容体に結合できなくても血管透過性が増進される事例を示した。これは血管内皮細胞成長因子−Aの、さらに別の受容体が存在することを示した(Stacker et al. 1999)。

0025

ニューロピリンは、Takagi et al.(1987)とFujisawa et al.(1989)によって初めてアフリカツメガエルの神経系で発見された。ニューロピリンは、膜透過性糖蛋白質であって、NRP1及びNRP2の二つの形態がある。ニューロピリンはVEGFファミリーリガンド結合によって、VEGFR(VEGF receptor)等の共受容体(coreceptor)として作用する。特にNRP1は、VEGFR1、VEGFR2、VEGFR3の共受容体に作用して、様々なVEGFリガンドと結合することにより、リガンドと受容体間の結合力強化させることが、NRP1によって、VEGF165がVEGFR2の結合力を変化させることを介して明らかになった (Soker et al., 1998)。一方、NRP2は、VEGFR2、VEGFR3の共受容体に作用して、リンパ管形成及び細胞付着に寄与する。また、NRP1/NRP2は、プレキシンファミリー受容体の共受容体に作用して、分泌されたセマフォリン3系列リガンド(class 3 semaphorin:Sema3A、Sema3B、Sema3C、Sema3D、Sema3E、Sema3F、Sema3G)と結合する。

0026

NRP1は、VEGFR-2と共受容体として作用して、内皮細胞細胞移動と血管新生を増加させ、周皮細胞が血管を囲む血管再建過程に関与する等、血管の発達に重要な因子である。また、血管内皮細胞(VE)−カドヘリン上皮細胞接着分子(E-cadherin)の発現を増加させ、細胞と細胞との間の接着接合を維持する役割をする。特に、NRP1は、乳房前立腺膵臓及び大腸等の、様々な癌細胞株で高発現され、進行大腸がん患者の中でNRP1の発現が高いと、リンパ節肝臓への転移の可能性が高く、生存率が低いことが知られている等、NRP1と癌転移との関連性が、臨床的にも明らかにされている。

0027

本発明で、前記“腫瘍透過性”とは、NRPを過発現する組織を特異的に認識して蓄積され、血管内皮細胞の細胞間隙を広げて薬剤の血管外流出を促進させ、水溶性分子に対する障壁の役割をする組織である角膜細胞間隙を調節し、薬剤の組織内分布を促進する特性の内、いずれかの特性を有することを意味する。

0028

血管新生(angiogenesis)は、単純な血管内皮細胞の成長だけでなく、内皮細胞の基底膜浸透、移動と分化、さらに、毛細血管の形成等、多様で複雑な一連の過程が必要である。血管形成過程を調節する多くの促進因子抑制因子報告された。また、新生血管形成のためには、組織分解酵素活性化等が必要であり、このような一連の過程は、癌細胞の浸潤過程と極めて類似している。

0029

最もよく知られた血管形成促進因子は、血管内皮細胞成長因子である。VEGFは、32-44kDaの大きさで、殆どの細胞から分泌され、腫瘍の透過性と深い関係がある。VEGFは、早くから血管流出因子として知られており、ヒスタミンより50000倍以上の強力な血液流出効果を示した (Senger et al., 1983)。これらの血液流出に対する特性は、血液内蛋白質を血管の外に移動させて、新しい血管形成の助けとなる。
最近、アンジオポエチン類の蛋白質が新たに分離精製され、新生血管構造の形成に重要な作用をすることが知られている。アンジオポエチン蛋白質は、Ang-1とAng-2に区分され、これらは内皮細胞に特異的に存在するTie-2受容体と結合する。Ang-1は、内皮細胞の分化と安定化に関与するのに対し、Ang-2は、Tie-2受容体に結合してAng-1の結合を抑制するので、内皮細胞の非安定化及び血管退化の結果をもたらす。癌組織では、新生血管形成のために、まず、癌細胞が既存の血管を選択して、血管吸収(vascular cooption)、さらに、血管退化過程を経るが、このときにAng-2が作用を示す。

0030

前記のVEGF及びANG以外にも、血管新生過程には、PlGF(胎盤成長因子)、FGF(線維芽細胞増殖因子)、PDGF(血小板由来成長因子)、HGF肝細胞増殖因子)、TGF(トランスフォーミング増殖因子)、IGF(インスリン様成長因子)、エフリンインターロイキン及びBMP(骨形成蛋白質)を含む様々なリガンドが、一連の受容体を活性化させることにより促進されることが知られている。

0031

本発明で前記“抗新生血管生成”とは、新生血管生成と関連した分子天然受容体との間の相互作用を妨害する分子、例えば、VEGF又はVEGF受容体に結合してVEGFとVEGF受容体との間の相互作用を防止するか又は阻止する分子を含む。VEGF拮抗剤には、抗VEGF抗体、抗VEGF受容体抗体及びVEGF受容体基盤キメラ分子が含まれる。さらに、PDGF、PlGF、FGF、TGF、ANG、HGF、IGF、エフリンA、インターロイキン、BMPと、それぞれの受容体が結合して、互いの相互作用を防止し、阻止する分子を含む。これらの拮抗剤には、抗PDGF、抗PlGF、抗FGF、抗TGF、抗ANG、抗HGF、抗IGF、抗エフリンA、抗インターロイキン、抗BMP抗体と、それぞれの受容体の拮抗抗体及び受容体基盤キメラ分子が含まれる。

0032

本発明において“融合”とは、機能又は構造が異なるか又は同じ二つの分子を一体化するものであって、抗新生血管生成製剤に腫瘍透過性ペプチドが結合できる全ての物理的、化学的又は生物学的方法による融合でもある。前記融合は、好ましくは、リンカーペプチドによることができて、このリンカーペプチドは、例えば、抗体のFc断片C末端に結合することができる。

0033

一方、抗新生血管生成製剤は、新生血管生成に関連したシグナル伝達を遮断することにより、新生血管生成を阻害して高い抗癌活性を有するため、治療が困難な転移性癌を含む、多様な癌腫に単独又は併用療法で適用が可能な効果的な薬剤である。それにも拘らず、作用メカニズムと投与容量に因る耐性及び副作用のため、臨床での効果が期待より低く、使用が制限的である。このような抗新生血管生成製剤の中で最も代表的な薬剤の抗VEGF製剤、アバスチン(ベバシズマブ)は、他の抗体医薬品とは異なり、癌特異的にターゲティングされる薬剤ではないので、効能を発揮するために投与量が多いだけでなく、癌組織以外のVEGF濃度が高い組織でも分布が可能なため、これによる副作用が発生するものと知られている。

0034

本発明の前記融合蛋白質は、抗新生血管生成製剤にNRPを特異的にターゲティングする腫瘍透過性ペプチドを融合することにより、癌に分布しているNRPをターゲティングするため、抗新生血管生成製剤の癌特異的効果を高めて、投与量の減少による患者の便宜性増加だけでなく、容量依存的な副作用も軽減できる。

0035

さらに、NRP1は、VEGFR-1、VEGFR-2と共受容体に作用しながら、VEGF-A以外にもVEGF-B、C、D、EとPDGF等、他の成長因子とも結合するので、本発明の融合蛋白質に融合された腫瘍透過性ペプチドを通じて前記成長因子とNRP1との結合を抑制することにより、抗新生血管生成製剤による新生血管形成阻害効果が上昇する。

0036

本発明はさらに、前記癌又は血管新生関連疾患は、抗新生血管生成製剤に耐性又は無反応であることを特徴とする薬学的組成物を提供する。

0037

前記耐性又は無反応とは、一般的に治療効果を示す薬剤濃度において、治療効果を示さないことを意味する。

0038

新生血管形成には、VEGF-A以外にもFGF、ノッチリガンド/受容体系、PlGF、PDGF-BB等、他の成長因子とシグナル伝達メカニズムが関与するので、一つのシグナルを遮断しても、他のメカニズムを通じた補償作用により、血管新生が継続的に発生する。従って、多くの患者が抗新生血管生成製剤に反応しないか、又は反復的な投与により耐性が発生して、はっきりした効果が得られないものと推定されている。

0039

より具体的には、抗新生血管生成製剤の内、抗VEGF製剤の使用を例に挙げられる。新生血管生成は、VEGF濃度が高い時、細胞の分裂と成長を通じて血管が成長するようになり、以降VEGF濃度が低くなり、PDGF濃度が上昇しながら、正常化又は再建過程を経るようになる。正常化過程には、未成熟血管の数と大きさの減少と共に、周皮細胞(pericyte)が血管を取り囲むことにより、細胞間質液による血管圧力を減少させる段階が含まれる。アバスチンのような抗VEGF製剤によりVEGF濃度が低くなると、血管は正常化過程を通じて周皮細胞被覆率を増加させることにより、薬剤の癌組織内浸透が弱化され、実際のアバスチンとドセタキセル非小細胞肺癌患者に併用投与する際に、癌への浸透量減少が報告された。これはアバスチンのような抗VEGF製剤と他の薬剤との併用投与に限界があることを意味するばかりでなく、抗VEGF製剤の耐性発生の原因になるものと判断されている。

0040

一方、本発明の融合蛋白質は、抗新生血管生成製剤だけでなく、NRPに直接的に結合して作用できる腫瘍透過性ペプチドが融合されていて、NRPは周皮細胞群を通じた血管の再建に関与するので、本発明の融合蛋白質内組織透過性ペプチドを通じてこれを阻害することにより、新生血管発達を直接的に抑制できるばかりでなく、抗新生血管生成製剤の持続的な使用による血管周辺の微細環境変化に由来する耐性を克服することができる。
さらに、NRP1は細胞間接合維持に関与するVE-カドヘリンとE-カドヘリンの発現を調節するが、本発明の融合蛋白質はこれを阻害することにより、細胞間の間隔を緩めて、従来の抗体治療剤のような併用投与薬剤と免疫細胞の、癌腫塊内部への透過力を上昇させて、薬剤の効能を増大させることができる。

0041

本発明の一実施例によれば、本発明者らは、抗VEGF製剤のアバスチンのC末端に組織透過性ペプチドであるA22pを融合したアバスチン-A22p融合蛋白質とTPP11とを融合したアバスチン-TPP11融合蛋白質を製作して、多様な生理学的活性を評価した。具体的には、本発明による融合蛋白質は、(i)NRP1及びVEGFに対する結合能が極めて優れ(実施例2)、(ii)野生型のアバスチンと比べて癌を標的する能力と組織内浸透力が格段に向上し(実施例3)、(iii)抗VEGF製剤の耐性発生メカニズムに推定される周皮細胞被覆率を著しく減少させることが示され(実施例4)、(iv)腫瘍動物モデルでも優れた抗腫瘍活性を示した(実施例5)。

0042

本発明の融合蛋白質が前記のような優れた生理学的活性を示すことは、抗-VEGF製剤と腫瘍透過性ペプチドが、VEGFとNRP1にそれぞれ同時に作用することにより、上昇効果を示したためと判断される。

0043

本発明に係る薬学的組成物は、前記融合蛋白質を単独で含有するか又は薬学的に許容される担体と共に適切な形態で剤形化することができ、賦形剤又は希釈剤を追加して含むことができる。前記“薬学的に許容される”とは、生理学的に許容されてヒトに投与した時、通常的に胃腸障害、眩気症等のようなアレルギー反応又はこれと類似した反応を起こさない、非毒性の組成物を意味する。

0044

薬学的に許容される担体としては、例えば、経口投与用担体又は非経口投与用の担体をさらに含むことができる。経口投与用担体は、ラクトースデンプンセルロース誘導体ステアリン酸マグネシウムステアリン酸等を含むことができる。併せて、ペプチド製剤に対する経口投与用に使用される様々な薬剤伝達物質を含むことができる。また、非経口投与用担体は、水、適切な油、食塩水水性グルコース及びグリコール等を含むことができ、安定化剤及び保存剤を追加的に含むことができる。適切な安定化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。適切な保存剤としては、塩化ベンザルコニウムメチル又はプロピルパラベン、及びクロロブタノールがある。本発明の薬学的組成物は、前記成分に加えて潤滑剤、湿潤剤甘味料香味剤乳化剤懸濁剤等をさらに含むことができる。その他の薬学的に許容される担体及び製剤は、以下の文献に記載されていることを参考にすることができる(Remington's Pharmaceutical Sciences、19th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)。

0045

本発明の組成物は、ヒトを初めとする哺乳動物にどのような方法でも投与することができる。例えば、経口又は非経口的に投与することができる。非経口的な投与方法としては、これに限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、内、境膜内、心臓内経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管局所下又は直腸内投与でもある。

0046

本発明の薬学的組成物は、上述したような投与経路に応じて、経口投与用又は非経口投与用の製剤として製剤化することができる。
経口投与用製剤の場合に、本発明の組成物は、粉末顆粒錠剤丸剤糖衣錠剤カプセル剤液剤ゲル剤シロップ剤スラリー剤、懸濁液等で、当業界に公知された方法を用いて剤形化することができる。例えば、経口用製剤は、活性成分固体賦形剤と配合して、これを粉砕して適切な補助剤を添加した後、顆粒混合物に加工することにより、錠剤又は糖衣剤を得ることができる。適切な賦形剤の例としては、ラクトース、デキストローススクロースソルビトールマンニトールキシリトールエリスリトール、及びマルチトール等を含む糖類とトウモロコシ澱粉小麦澱粉米澱粉及びジャガイモ澱粉等を含む澱粉類セルロースメチルセルロースナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等を含むセルロース類ゼラチンポリビニルピロリドン等の充填剤を含むことができる。また、場合によっては架橋結合ポリビニルピロリドン寒天アルギン酸又はアルギン酸ナトリウム等を崩解剤として添加することができる。さらに、本発明の薬学的組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、及び防腐剤等をさらに含むことができる。
非経口投与用製剤の場合には、注射剤クリーム剤ローション剤外用軟膏剤オイル剤保湿剤、ゲル剤、エアロゾル及び鼻腔吸入器の形で、当業界に公知された方法で製剤化することができる。これらの剤形は、全て製薬化学で一般的に公知された処方書である文献(Remington's Pharmaceutical Science、19th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)に記載されている。

0047

本発明の組成物の総有効量は、単一投与量で患者に投与することができ、多重投与量で長期間投与される分割治療方法によって投与することもできる。本発明の薬学的組成物は、疾患の程度に応じて、有効成分の含有量を異にすることができる。好ましくは、本発明の薬学的組成物の望ましい全体容量は、1日当たり、患者の体重1kg当たり約0.01μg乃至10000mg、最も好ましくは0.1μg乃至1000mgでもある。しかし、前記薬学的組成物の容量は、製剤化方法、投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態性別、疾患の重症度食餌及び排泄率等、さまざまな要因を考慮して、患者の有効投与量が決定されるので、このような点を考慮して、当分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の組成物の適切な有効投与量を決定することができる。本発明に係る薬学的組成物は、本発明の効果を示す限り、その剤形、投与経路及び投与方法は特に制限されない。

0048

本発明は、また、前記抗新生血管生成製剤は、抗血管内皮細胞成長因子製剤、抗-PDGF製剤、抗-PlGF製剤、抗-FGF製剤、抗-TGF製剤、抗-ANG製剤、抗-HGF製剤、抗-IGF製剤、抗-ALK1(アクチビン受容体様キナーゼ1)製剤、抗-エフリンA製剤、抗-インターロイキン製剤、抗-BMP製剤、
VEGF、PDGF、PlGF、FGF、TGF、ANG、HGF、インスリン様成長因子、ALK1、エフリンA及びインターロイキン、それぞれに対する受容体の拮抗抗体、
及び受容体基盤キメラ分子からなる群より選択されることを特徴とする、薬学的組成物を提供する。

0049

本発明で前記抗血管内皮細胞成長因子製剤は、ベバシズマブ(bevacizumab)、ラニビズマブ(ranibizumab)、r84(PLoS One、2010 Aug 6;5(8))、アフリセプト(aflibercept)、コンバーセプト(conbercept)、CT01(WO2005056764A2)、DOM15-10-11(WO2008149147A2)、DOM15-26-593(WO2008149143A2)、PRS-050(PLoS One、2013 Dec 13;8(12))、CT-322(BMCCancer 2008、8:352)、ESBA903(Eur J Pharm Biopharm. 2015 Mar 14 pii:S0939-6411(15)00089-2)、EPI-0030(WO2011023130A1)及び抗-VEGF抗体と薬剤が融合された抗体薬融合体ADC、antibody-drug conjugate)からなる群から選択でき、それらのバイオシミラー及び変異体も含む概念である。より好ましくは、ラニビズマブ、ベバシズマブ、アフリバセプト、コンバーセプトでもあるが、これに制限されるものではない。

0050

前記バイオシミラー(biosimilar)とは、遺伝子組換え及び細胞培養技術等、生命工学技術を活用して、既に開発/販売されている、特許満了した元のバイオ医薬品模倣して、品質、効能及び安全性の面で同等性を証明した複製医薬品を意味する。

0051

前記変異体とは、前記抗血管内皮細胞成長因子製剤の核心的な生理学的活性はそのまま保有しながら、これらの活性には影響を与えないアミノ酸の位置に1つ以上の変異を含む、全ての類似した配列を含む。すなわち、前記羅列した抗血管内皮細胞成長因子製剤のアミノ酸配列と80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上同じ、機能的変異体でもある。

0052

本発明で、前記“受容体の拮抗抗体”とは、VEGF、PDGF、PlGF、FGF、TGF、ANG、HGF、IGF、ALK1、エフリンA及びインターロイキンに対する受容体の一つ以上の生物学的活性を抑制することができる抗体を意味する。これらの抗体は、前記リガンドに対する受容体の結合を妨害することにより、血管新生のための分子生物学的シグナル伝達を阻害する機能を示すことができる。本発明で前記抗体は、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体キメラ抗体ヒト化抗体、Fv-断片、Fab-断片、F(ab')2-断片及びscFv断片でもあって、抗体は抗体全体の形態だけでなく、抗体分子の機能的な断片を含む。

0053

本発明で前記血管新生関連疾患は、従来の血管から血管内皮細胞が発して、組織に侵入する形態で毛細血管が伸びていく脈管形成により発生する疾患を意味し、この非制限的な例示としては、リウマチ性関節炎、乾癬、炎症、子宮内膜症及び血管腫が挙げられる。

0054

本発明で前記癌は、扁平上皮細胞癌小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌腹膜癌、皮膚癌、皮膚又は眼球内黒色腫直腸癌肛門付近癌、食道癌小腸癌、内分泌腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫尿道癌、慢性又は急性白血病リンパ球性リンパ腫肝細胞癌胃癌膵臓癌、膠芽癌、卵巣癌肝臓癌膀胱癌肝腫瘍乳癌結腸癌、大腸癌、子宮内膜又は子宮癌唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌陰門癌、甲状腺癌、肝臓癌及び頭頸部癌からなる群より選ばれるが、これらに制限されるものではない。

0055

本発明はさらに、前記組織透過性ペプチドは、ニューロピリン1及びニューロピリン2の両方に結合するか、又はニューロピリン1のみに特異的に結合することを特徴とする薬学的組成物を提供する。

0056

本発明で前記組織透過性ペプチドの内、ニューロピリン1及びニューロピリン2の両方に結合するペプチドは、配列番号1乃至4からなる群より選ばれた、いずれか一つのアミノ酸配列を含み、ニューロピリン1のみに特異的に結合するペプチドは、配列番号5乃至7からなる群より選ばれた、いずれか一つのアミノ酸配列を含むことを特徴とすることができる。

0057

前記配列番号1乃至4からなる群より選ばれるアミノ酸配列で示されている組織透過性ペプチドは、ニューロピリン1及び2の両方に結合することができるペプチドで、ニューロピリンのb1b2ドメインに結合するVEGF165リガンドの結合部位のアミノ酸配列及び長さを分析してニューロピリンに結合すると知られている、セマフォリン3A及びセマフォリン3FのプリンC-末端配列塩基配列解析してこれらのC-末端の配列が類似していることを基に設計されたペプチドである。

0058

前記配列番号5乃至7からなる群より選ばれるアミノ酸配列で示された組織透過性ペプチドは、ニューロピリン2には結合せず、ニューロピリン1にのみ特異的に結合するペプチドであって、本発明者らは重鎖不変部位(Fc)のC-末端に融合されたペプチドライブラリデザインして、これを酵母細胞表面に発現させてFc融合ペプチドライブラリ構築した後、ニューロピリン1のb1ドメインに選択的に結合するクローン選別して導出されたペプチドを分離、同定した。一方、前記Fc-ペプチドライブラリから、ニューロピリン1に特異的で、高親和度で結合するペプチドを分離するために、ニューロピリン1のb1b2ドメイン蛋白質を利用して選別するとともに、ニューロピリン2のb1b2ドメイン蛋白質を競争者(competitor)として利用して、選別過程を進行してペプチドを製作した。

0059

本発明で前記配列番号1乃至7のアミノ酸配列は以下の通りである:

0060

0061

本発明で前記融合蛋白質は、前記組織透過性ペプチドと抗-VEGF製剤とを、リンカーを介して融合させたことを特徴とすることができ、前記リンカーペプチドは、1乃至100個のアミノ酸からなることができ、好ましくは4乃至20個、さらに好ましくは4乃至15個のアミノ酸からなることができる。また、前記リンカーペプチドは、グリシン(glycine)、セリン(serine)又はアラニン(alanine)で構成することができ、好ましくは前記リンカーペプチドの配列は(GA)n又は(GGGGS)mのアミノ酸配列からなるもの(但し、前記n及びmはそれぞれ独立して、整数1乃至20である)であることができ、より好ましくは、GAGA又は(GGGGS)3のアミノ酸配列からなることができる。本発明の一実施例で前記リンカーは、配列番号8(GGGGSGGGGSGGGGS)で表示されるアミノ酸配列を有するものを利用した。

0062

本発明の一実施例によれば、前記の融合蛋白質は、アバスチンと組織透過性ペプチドが融合されたもので、重鎖には配列番号9又は10のアミノ酸配列を有し、軽鎖には配列番号11のアミノ酸配列を有する融合蛋白質でもある。また、前記融合蛋白質は、アバスチン変異体と組織透過性ペプチドが融合されたもので、重鎖には配列番号12のアミノ酸配列を有して、軽鎖には配列番号11のアミノ酸配列を有する融合蛋白質でもある。

0063

本発明は、また、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む、癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合された融合蛋白質からなる、癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。
また、本発明はさらに、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる、癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。

0064

癌転移は、原発性癌から癌細胞が他の臓器に広がって新たな癌を形成することである。転移は、様々な癌患者において命を脅かす主な現象であるため、転移を予防し、調節することは、癌研究分野での重要目標である。転移がなされていない初期診断された場合には、手術、抗癌治療、又は放射線治療が効果的であるものの、診断時に転移がなされている場合には、これらの治療効果は減少される。これだけでなく診断時に転移を確認できなかったが、転移が治療中や後で確認される場合もしばしばある。

0065

転移は、浸潤(invasion)、血管内流入(intravasation)、停止(arrest)、血管外排出(extravasation)、及び、集落形成(colonization)等の連続的な段階からなり、この過程を通じて、原発性臓器から始まって最終的に他の臓器に癌を形成することになる。最初の段階である浸潤は、転移の初期段階で癌細胞の細胞間又は細胞外基質との相互作用の変化、周囲組織の分解、そして組織内への癌細胞の遊走等を含む。

0066

本発明の一実施例では、アバスチンに対して耐性を示す腫瘍細胞株に、本発明に係る融合蛋白質(アバスチン−A22p)を処理した結果、腫瘍細胞の遊走が著しく抑制されることを確認した。これは、本発明に係る融合蛋白質が、VEGF-A以外にも他の成長因子によるシグナル伝達を抑制するので、アバスチンについて耐性を示す腫瘍細胞に対しても優れた転移抑制効果を示したものと判断される。

0067

一方、癌細胞でPDGFがPDGF受容体に結合すると、p130cas蛋白質のリン酸化が増加しながら、癌細胞の遊走と浸潤が促進されることが知られているが、アバスチンを処理した時には何の変化も無かったp130cas蛋白質のリン酸化が、アバスチン-A22pを処理したことにより、対照群水準に抑制されることを確認した。すなわち、本発明に係る融合蛋白質は、VEGFを阻害するだけでなく、NRP1にも結合することにより、PDGFによるシグナル伝達も抑制して、PDGFによる腫瘍細胞の遊走と浸潤を抑制して、抗-VEGF製剤に耐性を示す腫瘍細胞に対しても効果的な転移抑制効果を示すものと判断することができる。

0068

従って、本発明で前記癌は、抗新生血管生成製剤に耐性又は無反応であることを特徴とすることができる。

0069

本発明は、癌又は血管新生関連疾患治療用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の使用を提供する。

0070

本発明は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供する。
また、本発明は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供する。
また、本発明は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌又は血管新生関連疾患の治療方法を提供する。

0071

本発明は、癌転移抑制用製剤を製造するための、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の使用を提供する。

0072

本発明は、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌の転移を抑制する方法を提供する。
また、本発明は、有効成分として、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供する。
また、本発明は、有効成分として、本質的に、腫瘍透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする、癌転移を抑制する方法を提供する。

0073

本発明の前記“有効量”とは、個体に投与したとき、癌又は血管新生関連疾患の改善、治療、予防、検出、診断、又は癌転移抑制又は減少効果を示す量を意味し、前記“個体”とは、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物でもあって、動物から由来した細胞、組織、器官等でもある。前記個体は前記の効果が必要な患者でもある。
本発明の前記“治療”とは、癌又は血管新生関連疾患又は癌又は血管新生関連疾患の症状を改善させることを包括的に指称して、これはこのような疾患を治癒したり、実質的に予防するか又は状態を改善させることを含むことができ、癌又は血管新生関連疾患から始まった一つの症状又は殆どの症状を緩和させたり、又は治癒するか予防することを含むが、これに制限されるものではない。

0074

本発明の用語“〜を含む(comprising)”とは、“含有する”又は“特徴とする”と同一に使用され、組成物又は方法において、記載されていない追加的な成分要素又は方法段階等を排除しない。用語“〜からなる(consisting of)”とは、別に記載されていない追加的な要素、段階を又は成分等を除外することを意味する。用語“本質的に〜からなる(essentially consisting of)”とは、組成物又は方法の範囲において、記載された成分要素又は段階と共にこの基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又は段階等を含むことを意味する。

0075

[有利な効果]
本発明の組織透過性ペプチドと抗新生血管生成製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む、癌又は血管新生関連疾患の治療用薬学的組成物は、抗新生血管生成製剤の腫瘍透過性が改善され、癌をターゲットとする効果を発揮して、少ない容量でも優れた治療効果を示すことができ、抗新生血管生成製剤の副作用を軽減させることができ、新生血管生成関連成長因子とNRP1に同時に結合することにより、抗新生血管生成製剤に耐性を示す癌又は血管新生関連疾患にも優れた治療効果を示すことができる。

図面の簡単な説明

0076

図1は、腫瘍透過性ペプチドと抗血管内皮細胞成長因子が融合した融合蛋白質(アバスチン-A22p)の模式図である。
図2は、腫瘍透過性ペプチドと抗血管内皮細胞成長因子が融合した融合蛋白質を、SDS-PAGEで確認した結果である(レーン1:アバスチン、レーン2:アバスチン-A22p、レーン3:アバスチン-TPP11)。
図3は、腫瘍透過性ペプチドと抗血管内皮細胞成長因子が融合した融合蛋白質(アバスチン−A22p)を、SE-HPLCで確認した結果である(A:アバスチン、B:アバスチン-A22p)。
図4は、アバスチン-A22pの、NRP1又はVEGFとの結合力を評価した結果である(A:NRP1との結合力、B:VEGFとの結合力)。
図5は、アバスチンとアバスチン-A22pをSW620異種移植動物モデルに投与した後、3時間、8時間、16時間経過後、蛍光顕微鏡を使用して癌組織での蛋白質の分布を観察した結果である(Veh:生理食塩水投与群)。
図6は、アバスチン-A22pを処理した時の癌細胞内周皮細胞被覆率の変化を評価した結果である(PECAM1:血管染色、NG2:周皮細胞染色)
図7は、SW620異種移植動物モデルにおいて、アバスチン-A22pの抗癌効能を評価した結果である。
図8は、アバスチンに対する耐性を示すHCT116/bev細胞にVEGFを処理して遊走を誘導した後、アバスチン又はアバスチン-A22pをそれぞれ1μM処理して、遊走抑制効果を確認した結果である(A:顕微鏡観察写真、B:顕微鏡観察の結果を定量化してグラフで表した結果)。
図9は、アバスチン-A22pがPDGFによるシグナル伝達を抑制するか否かを確認するために、U87MG細胞にアバスチンとアバスチン-A22pをそれぞれ25μg/mlになるように処理して、30分後にPDGFを50ng/mlになるように処理した後、p130casの蛋白質リン酸化の可否を確認した結果である(A:ウエスタンブロッティング結果、B:ウエスタンブロッティング結果を定量化したグラフ、A22p+P:アバスチン-A22p 25μg/ml+PDGF 50ng/ml、P:PDGF 50ng/ml、C:対照群、A+P:アバスチン 25ug/ml+PDGF 50ng/ml)。
図10は、腫瘍透過性ペプチドと抗血管内皮細胞成長因子が融合した融合蛋白質を、SDS-PAGEで確認した結果である(レーン1:アバスチン(V)-A22p、レーン2:アバスチン-A22p)。
図11は、腫瘍透過性ペプチドと抗血管内皮細胞成長因子が融合した融合蛋白質を、SE-HPLCで確認した結果である(A:アバスチン(V)-A22p、B:アバスチン-A22p)。
図12は、アバスチン(V)-A22pのNRP1又はVEGFとの結合力を、アバスチン-A22pと比較して評価した結果である(A:NRP1との結合力、B:VEGFとの結合力)。

実施例

0077

以下、本発明を詳細に説明する。
但し、下記の実施例は、本発明を例示するのみで、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。

0078

<実施例1>
アバスチン-組織透過性ペプチド(TPP)融合蛋白質の製作

0079

本発明者らは、抗-VEGF製剤であるアバスチンの効能増大及び耐性克服のために、アバスチンのC-末端にニューロピリン1及び2の両方に結合するか、又はニューロピリン1のみに特異的に結合することができる組織透過性ペプチドの融合を試み、TPPのアミノ酸配列は下記表1に示した。下記表1の配列目録の中で、配列番号1乃至4のアミノ酸配列を有するTPPはニューロピリン1及び2の両方に結合が可能であり、配列番号5乃至7のアミノ酸配列を有するTPPはニューロピリン1にのみ特異的に結合が可能である。アバスチンにTPPが融合された融合蛋白質の模式図を図1に示した。

0080

本発明で使用したアバスチンは、重鎖は配列番号13、軽鎖は配列番号11のアミノ酸配列を有するペプチドであり、www.Drugbank.comで入手して本実験に使用した。

0081

一方、下記表1に示したTPPの配列番号2のアミノ酸配列を有するTPPのA22pは、ニューロピリンの内在性リガンドであるVEGF165及びセマフォリン3系列リガンドのC末端部位を変形したものであり、TPP11はニューロピリン1のb1b2ドメイン蛋白質と同時に、ニューロピリン2のb1b2ドメイン蛋白質を競争者として利用して、ニューロピリン1のb1ドメインに選択的に結合するクローンから導出されたペプチドを分離同定したものであり、ここで、リンカーでアバスチンを融合してニューロピリン受容体に二価として作用できるようにすることにより、VEGFとSema3Aリガンドと類似した親和力を有しながらも、組織透過性を有することができるように設計した。

0082

0083

具体的に、アバスチンのC-末端に、前記配列番号2のアミノ酸配列を有するTPP(A22p)と、配列番号7のアミノ酸配列を有するTPP(TPP11)が、それぞれ融合した融合蛋白質及びこれを生産する細胞株を、下記方法により製作した。

0084

<1-1>発現ベクターの製作及び細胞の形質転換
pcDNA3.1(−)ベクターに、選別マーカーとしてDHFR遺伝子を挿入し、アバスチン-A22p、アバスチン-TPP11の重鎖と軽鎖を、それぞれ制限酵素NotIとBamHIでクローニングした。CHO DG44細胞に、前記構築された、それぞれの抗体重鎖不変部位とNRP1に結合するペプチドが融合された蛋白質をコードするプラスミドと、軽鎖蛋白質をコードするプラスミドを、Neon(商標エレクトロポレーション法を利用して導入し、蛋白質を発現させた。T25フラスコにそれぞれのプラスミドをトランスフェクションした細胞を3X106 cell接種し、37℃で培養した。選別マーカーを利用して安定発現株を確保した後、バイオリアクター無血清SFM4CHO(Hyclone)を利用して、浮遊状態で7日間、100 rpm、37℃、pH7.2、50% C02の条件で培養した。上澄み液は、遠心分離を利用して細胞と分離して、0.22μmフィルターを用いて除菌した。

0085

<1-2>融合蛋白質の精製
アバスチン、アバスチン-A22pとアバスチン-TPP11の培養液回収して、標準プロトコルを参照して、それぞれの蛋白質を精製した。精製カラムは、蛋白質Aレジン(MabselectSure resin)(GE healthcare)をXK16/20カラム(MabselectSure resin)(GE healthcare)に20 mL充填して200 cm/hの線速度を適用した。蛋白質Aカラムに1Lの抗体を適用して、カラムの15倍体積のPBS(pH 7.4、137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM Na2HPO4、2mM KH2PO4)で洗浄した。0.1 Mグリシン緩衝液100 mLを用いてpH3.0で抗体を溶離した。280 nmの波長でUV吸光度が10 mAU〜10 mAUまで回収された蛋白質の60 mLを、1 M Tris緩衝液0.7 mLを使用してpH 7.0に中和した。抗体画分は、0.2umフィルター(Millipore)で濾過後、アミコン濃縮機(30 MWCO)(Millipore)を使用して3500rpmで10分ずつ濃縮して、10%グリセロールを含むPBS緩衝液に交換した。精製された抗体重鎖不変部位と選別されたNRP1に特異的に結合するペプチドが融合された蛋白質は、補正された280nmの波長で吸光度と吸光係数を用いて定量した。精製された抗体重鎖不変部位と選別されたNRP1に特異的に結合するペプチドが融合された蛋白質は、還元性及び非還元性の条件で10%SDS-PAGEで分析した。

0086

アバスチンとアバスチン-A22p、アバスチン-TPP11を発現する細胞株から回収した培養液で、それぞれの蛋白質を精製して、SDS-PAGEで分離した。図2でアバスチン-A22pとアバスチン-TPP11が正常的に抗体を形成して、還元条件で、アバスチンにペプチドが融合されて、還元条件で、アバスチンに比べアバスチン-A22pとアバスチン-TPP11のサイズが大きいことが確認できた。また、アバスチン-A22pとアバスチン-TPP11が類似したレベルで発現することにより、TPP融合が抗体発現に大きな影響を与えないことを確認できた。

0087

アバスチン-A22p精製された蛋白質の純度を確認するためにHPLC(High performance lipid chromatography)分析を行った。Agilent1200(Agilent)を利用し、サイズ排除カラム(Biosuite 250)(Waters)を使用した。
具体的には、0.2 Mリン酸カリウムと0.25 M塩化カリウムを混合した緩衝溶液(pH 6.2)を移動相として使用し、0.35 ml/minの流速で20分間流して実施された。滞留時間により蛋白質のサイズを確認して、面積と高さにより純度を確認した。

0088

図3に示した通り、精製したアバスチン-A22pの純度を、SE-HPLCを用いて分析した。アバスチン-A22pの純度が97%以上であり、アバスチンに比べてサイズが大きいことが確認できた。

0089

本発明者らは、以下において、アバスチンに前記配列番号2で表示されるアミノ酸配列を有するTPPのA22pを融合した、アバスチン-A22p融合蛋白質を製作してその活性を評価した。

0090

<実施例2>
アバスチン-組織透過性ペプチド融合蛋白質のNRP1及びVEGF結合能

0091

前記実施例1で製作された融合蛋白質であるアバスチン-A22pのN-末端は、従来のアバスチンと同じくVEGFを除去し、C-末端のA22pはNRP1と結合して、関連シグナルを二重に遮断できるか否かを評価するために、アバスチン-A22pのNRP1及びVEGF結合能を評価した。

0092

精製されたアバスチン-A22Pのニューロピリン1のb1b2ドメイン(Neuropilin 1-b1b2 domain)の結合能をELISAで確認した。陽性対照群として、ハーセプチン-A22p(HCT-A22p)、陰性対照群にアバスチン(Roche、Swiss)を使用した。標的分子ニューロピリン1のb1b2ドメイン(273-586)を96ウェルMaxibindingイムノプレート(SPLLife sciences、 Korea)に、1ウェル当たり1μgずつ、2時間37℃で結合させた後、0.1%PBST(0.1% Tween20、pH 7.4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、10 mM Na2HPO4、2 mM KH2PO4)で1分間、3回洗浄した。5%スキムミルクが含まれた0.1%PBSTで1時間結合した後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。陽性対照群として、ハーセプチン-A22p、陰性対照群にアバスチンを使用して、実験群に、アバスチン-A22pを50nM、25nM、12.5nM、6.25nMになるように0.1%PBSTで希釈して、各濃度別に37℃で1時間処理した後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。HRPが接合された抗κ軽鎖抗体(Horseradish peroxidase-conjugated anti-human kappa light chain mAb、SIGMA-ALDRICH、USA)を、5%スキムミルクが含まれた0.1%PBSTで10万倍に希釈して、37℃で30分処理した。その後、0.1%PBSTで1分間、5回洗浄した。発色のために、TMB HRP発色基質(Surmodics、USA)を処理して、常温で10分間反応させた後、同じ嵩の1N HCl(stop buffer)を処理した後、450nmで吸光度を測定した。得られたELISAの結果を通じて、発現精製したアバスチン-A22pの、ニューロピリン1のb1b2ドメインへの結合能を確認した。

0093

精製されたアバスチン-A22pの組換えヒトVEGF165(R&D systems、China)に対する結合能をELISAで確認した。陽性対照群としてアバスチン、陰性対照群にHCT-A22pを使用した。標的分子組換えヒトVEGF165を96ウェルMaxibindingイムノプレートに一つのwell当り0.2μgずつ2時間37℃で結合させた後、0.1%PBSTで1分間3回洗浄した。5%スキムミルクが含まれた0.1%PBSTで1時間結合した後、0.1%PBSTで1分間3回洗浄した。陽性対照群としてアバスチン、陰性対照群にHerceptin-A22pを使用し、実験群でアバスチン-A22pを1.5nM、0.75nM、0.35nM、0.17nMになるように0.1%PBSTで希釈して、各濃度別に37℃で1時間処理した後0.1%PBSTで1分間3回洗浄した。HRPが接合されたanti-kappa light chain抗体を0.1%PBSTが含まれている5%スキムミルクで10万倍に希釈して、37℃で30分処理した後、0.1%PBSTで1分間、5回洗浄する。発色のために、TMB HRP発色基質を処理して、常温で10分間反応させた後、同じ嵩の1N HClを処理した後、450nmで吸光度を測定した。得られたELISAの結果を通じて、発現精製したアバスチン-A22pの、組換えヒトVEGF165に対する結合能を確認した。

0094

これに対する結果を図4に示した。
図4に示した通り、アバスチン-A22pは、対照群として使用されたHCT-A22pと同等のレベルでNRP1に結合して、VEGFとも、アバスチンと同等のレベルで結合することが確認された。

0095

<実施例3>
アバスチン-A22pの癌ターゲットティング試験

0096

アバスチンは、他の抗体医薬品とは異なり、癌特異的にターゲティングされる薬剤でないので、効果を発揮するための投与量が高いだけでなく、癌組織以外の、VEGF濃度が高い他の組織でも分布が可能であるので、これにより副作用が発生するものと知られている。従って、NRP1の癌特異的分布を利用すれば、癌ターゲティング効果を高め、投与量の減少による患者の便宜性増加だけでなく、用量依存的な副作用も減らすことができると予想され、本発明者らは、アバスチン-A22pが癌を効果的にターゲティングできるか否かの評価を試みた。

0097

つまり、アバスチン-A22pが癌組織及び腫瘤内部の新生血管に存在するNRP1をターゲティングすることにより、癌細胞において分布がアバスチンより優れているか否かを確認するために、SW620をヌードマウス移植して、腫瘍の嵩が250mm3程度になったとき、それぞれPBS、アバスチン-A22p又はアバスチンを、それぞれ5mg/kgずつ静脈投与した後、3時間、8時間、16時間が経過した時点で腫瘍を摘出して、蛍光顕微鏡で癌組織における蛋白質の分布を、免疫組織化学実験を通じて確認した。

0098

より具体的には、摘出した腫瘍はパラフィン切片方法で8μmの厚さに切り、1次抗体であるNG2抗体(Cell signaling technology、USA)と、これを認知するAlexa(Red fluorescence、Life technology)が結合された2次抗体として血管周辺細胞を染色し、組織内に分布しているアバスチンとアバスチン-A22pを観察するために、IgGを認識するAlexa(登録商標)488(Green fluorescence、Life technology)が結合された抗体を使用した。

0099

これに対する結果を図5に示した。
図5に示した通り、アバスチン-A22pは、投与後3時間から、アバスチンに比べて癌組織内濃度が高く、時間経過とともに、血管から離れた細胞の間でも、より多量の蛋白質が分布しており、癌腫内部の血管新生も効果的に低減させることを確認した。

0100

蛍光顕微鏡観察の結果、アバスチン-A22pは、アバスチンよりも癌を標的する能力と、組織内の浸透力が優れていることと予想することができ、アバスチンとは異なり、VEGF-Aだけでなく、VEGF-B、VEGF-C、PlGF等、多様な新生血管生成因子を抑制することによって、血管新生をより効果的に抑制すると判断することができた。これらの結果を通じて、低い投与量でも腫瘍に標的が可能なため、副作用を減らすことができる。また、高い浸透力により、血管と近接した癌細胞だけでなく、腫瘤の内側癌組織にも到達することにより、これらの細胞から分泌されるVEGF-Aを含む、様々な新生血管生成因子の活性を阻害することにより、細胞分裂を抑制して、これを介して抗癌活性を高めることができると予想するこができた。

0101

結論的に、本結果を通じて、新生血管形成因子の中でVEGF-Aに対する依存性が比較的低いことにより発生するアバスチン不応患者の治療に、アバスチン-A22pの適用可能性を確認できた。

0102

<実施例4>
アバスチン-A22pが周皮細胞被覆率に及ぼす影響

0103

新生血管形成は、VEGFの濃度が高いとき、細胞の分裂と成長を通じて血管が成長するようになり、以降VEGF濃度が低くなり、PDGF濃度が上昇しながら、正常化、又は再建過程を経ることになる。正常化過程には、未成熟血管の数と大きさの減少と共に、周皮細胞(pericyte)が血管を囲むことにより、細胞間質液による血管の圧力を減少させる段階が含まれる。アバスチン投与によりVEGF濃度が低くなると、血管は、正常化過程を通じて周皮細胞被覆率を増加させるので、薬剤の癌組織内浸透が弱化され、実際のアバスチンとドセタキセルを非小細胞肺癌患者に併用投与した時に、癌への薬剤浸透量の減少が報告された(Arjaans et al.、2013)。これは、アバスチンと他の薬剤との併用投与には限界があることを意味するだけでなく、アバスチン耐性発生の原因になると推定されている。

0104

Fan等の報告によると、原発性若しくは転移性大腸癌細胞株に、それぞれアバスチンを3ヶ月間継続的に処理した結果、両細胞株の全てからアバスチンに適応した細胞株が作られ、この細胞株らの細胞成長は従来の細胞株と同一ではあるが、細胞の移動性が増加する特性を有し、異種移植時に、従来の癌細胞に比べて転移がよくなされることが確認された。これらのアバスチンの適応細胞株は、VEGFR1とNRP1が特異的に高発現され、VEGF-Aだけでなく、VEGF-B、VEGF-C、PlGF等、多様な新生血管生成因子をより多く分泌する細胞に変形され、アバスチンに耐性を示した。従って、NRP1に結合してVEGF-A以外にも、様々な新生血管生成因子のシグナル伝達を阻害するアバスチン-A2若しくはアバスチン-TPP11処理時に、アバスチンに耐性を示す細胞株の成長及び転移を効果的に抑制できることと判断された。
また、抗NRP1抗体とVEGF阻害剤の併用投与時、抗NRP1抗体による血管の周皮細胞被覆率減少が血管の正常化を調節して抗癌効能増大と直接的に関連するだけでなく、耐性克服とも関連されるとの報告を基に、本発明者らは、アバスチンとアバスチン-A22pを投与した異種移植モデルから、癌組織内の周皮細胞被覆率の変化を蛍光顕微鏡で比較する試験を実施した。

0105

マウスモデルにおいてアバスチン-A22pの新生血管生成及び血管安定化抑制能を確認するために、SW620をヌードマウスに移植した後、アバスチン-A22pとアバスチンをそれぞれ投与して、蛍光顕微鏡で癌組織における周皮細胞被覆率を確認した。Balb/cヌードマウスにSW620細胞を注入し、腫瘍の嵩が250mm3程度になったとき、それぞれPBS、アバスチン、アバスチン-A22pを5mg/kgで静脈注射した。それぞれ16時間後、マウスから腫瘍を摘出して免疫組織化学実験を行った。摘出した腫瘍はパラフィン切片の方法で8μmの厚さに切り、1次抗体のPECAM1(Sigma)と、これを認識するAlexa(登録商標)488が結合された2次抗体で血管細胞を染色して、1次抗体のNG2抗体とこれを認識するAlexa(登録商標)594が結合された2次抗体で血管周辺細胞を染色した。

0106

これに対する結果を図6に示した。
図6に示した通り、アバスチンに比べて、アバスチン-A22p群から血管対比周皮細胞被覆率が明らかに低くなることを確認して、アバスチン-A22pによる抗癌効果の増進は、周皮細胞被覆率と関連付けられることを予想することができた。このような結果は、Genetech社で開発した抗-NRP1抗体とアバスチンを併用投与した動物試験結果と一致することと、アバスチン-A22pのVEGFとNRP1のそれぞれの阻害効果が、独立的なそれぞれの抗体を使用したものと類似した水準であることを確認できる結果である。つまり、アバスチン-A22pがVEGFとNRP1を同時に阻害する、二重抗体概念の蛋白質であることを検証することができた。

0107

これらの結果は、A22pによる周皮細胞被覆率減少を介して、アバスチン-A22pは、新生血管形成阻害効果の増大及びアバスチンの持続的な投与から発生する耐性克服可能性があることを暗示することである。

0108

<実施例5>
アバスチン-A22pのin vivo抗癌効能評価

0109

アバスチン-A22pの抗癌効能を確認するために、大腸癌細胞株のSW620異種移植モデルで、アバスチンと比較試験を実施した。SW620細胞株は、VEGFに対するRGIが45%である腫瘍細胞株で、本動物実験は一般的な腫瘍に対する抗癌効能評価の目的のために行った。予備実験により、アバスチン-A22pはアバスチン対比同等以上の効能を示すことを確認して(結果未図示)、本実験では、SW620細胞を移植したBalb/cヌードマウスに、アバスチン 5mg/kgとアバスチン-A22p 0.5、1.25、2.5mg/kgをそれぞれ1週間に2回ずつ、5週間静脈投与した。

0110

これに対する結果を図7に示した。
図7に示した通り、アバスチン5mg/kg投与群とアバスチン-A22p 1.25mg/kg投与群の癌の成長抑制効果が、類似したレベルであることを確認した。つまり、アバスチン-A22p融合蛋白質は、アバスチンの1/4容量でも同等程度の抗癌効果を示すことが分かった。
アバスチン-A22pがアバスチンの1/4の容量でも同じ抗癌効果を示すことは、A22pによるNRP1シグナル伝達遮断の結果として考えられ、これらの結果は、臨床適用時にも投与量の減少を通じた副作用減少の可能性を提示する。

0111

<実施例6>
アバスチン-A22pの耐性細胞株遊走抑制確認試験

0112

アバスチンの耐性及び無反応の原因の一つは、アバスチンのターゲットであるVEGF-Aの他にも、FGF、ノッチリガンド/受容体系、PlGF、PDGF-BB等の、他の成長因子とシグナル伝達メカニズムが関与するからである。NRP1は、VEGF-Aと結合するVEGFR2の他にも、VEGFR1、VEGFR3、C-met、PDGFRとも共重合体としての役割をし、シグナル伝達に影響を与えるとして知られている。本発明者らは、アバスチンと融合したA22pが、NRP1に結合する他の血管新生因子競争的に結合を阻害するか否かの確認を試みた。

0113

HCT116細胞にアバスチンを継続的に処理して、アバスチンに耐性を獲得した細胞株HCT116/bev(L M Ellis、MD andersonから得る)に、アバスチンとアバスチン-A22pを処理して、それぞれの遊走抑制能を確認した。HCT116/bevは、母細胞であるHCT116に比べてVEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、PlGFの発現量が高く、細胞遊走と転移能力が母細胞より優れているため、アバスチン-A22pがHCT116/bev細胞の遊走を抑制すれば、アバスチンによる耐性を克服して、効能を増大できる可能性を確認することができると判断した。具体的な試験方法は次の通りである。

0114

HCT116とHCT116/bev細胞を、それぞれ6ウェルプレートに4 x 105/ウェルずつ分株して2日培養した。その後、各ウェルに十字状の空白を作成して培地を除去し、1%FBSが添加されたMEM-α培地に、VEGFが50ng/mlになるように添加して分株した。アバスチンとアバスチン-A22pは、それぞれ1μMになるように処理した。空白は薬剤を処理した後、すぐに撮影して、48時間から2時間間隔で同じ位置を撮影した。撮影結果物はImage Jプログラムを通じて、空白の広さを計算して、逆に細胞の移動程度を定量化して、アバスチン-A22pとアバスチンの細胞移動阻害能を比較した。

0115

これに対する結果を図8に示した。
図8に示した通り、HCT116は、VEGFによって遊走が51.7%から67.4%に増加し、アバスチンとアバスチン-A22p処理時、それぞれ61.2%、61.7%と同じ水準で減少した。これに対して、HCT116/bev細胞は、VEGFを処理していない群においても65.3%で、HCT116よりさらに侵攻性であることを確認しており、VEGF処理時には72.9%に上昇した。アバスチンによっては、74.1%で遊走に差がなかったが、アバスチン-A22p処理時には66.2%で、VEGFを処理していない群と同じレベルに遊走が抑制されたことを確認した。

0116

アバスチンの適応細胞株であるHCT116/bevが母細胞であるHCT116に比べて、VEGF-A添加の有無に関係無く、遊走が増加したことは、HCT116/bevがVEGF-Aだけでなく、他の成長因子に依存的な遊走が増加したことを示す結果であって、アバスチン処理時には、これを抑制できないが、アバスチン-A22p処理時には、VEGF-Aを処理していないレベルに遊走が減少した。これは、アバスチン-A22pが、VEGF-Aの他にも、他の成長因子によるシグナル伝達を抑制することを意味し、従って、アバスチンによる耐性克服に寄与できることを意味する。また、VEGF-Aの他にも、他のシグナル伝達を抑制して抗癌効果を増進させることができるだけでなく、耐性発生の可能性も下げられることを暗示する。

0117

<実施例7>
アバスチン-A22pのPDGFシグナル伝達抑制確認試験

0118

NRP1は、PDGF受容体の共重合体として作用し、PDGFによるシグナル伝達を強化する。癌細胞で、PDGFがこれらの受容体に結合すると、p130cas蛋白質リン酸化が増加しながら癌細胞の遊走と浸潤が促進すると知られている。本発明者らは、アバスチンと融合したA22pがNRP1に結合することにより、PDGFのシグナル伝達を抑制することの確認を試みた。
U87MG細胞にアバスチンとアバスチン-A22pを、それぞれ25μg/mlになるように処理して、30分後にPDGFを50ng/mlになるように処理した。5分後に蛋白質を抽出して、抗-リン酸化p130抗体と抗-p130cas抗体を使用して、p130casリン酸化を比較した。
これに対する結果を図9に示した。
図9に示した通り、PDGFによりp130casリン酸化が増加し、アバスチン処理時には差がなかったが、アバスチン-A22p処理群ではリン酸化が対照群レベルに抑制されることが確認できた。

0119

これは、アバスチン-A22pがVEGF-Aを除去するだけでなく、NRP1にも結合することにより、PDGFによるシグナル伝達も抑制することを意味し、PDGFによる遊走と浸潤を抑制することにより、抗癌効果を増加させ得ることを意味する。

0120

<実施例8>
アバスチン変異体組織透過性ペプチド融合蛋白質の製作

0121

本発明者らは、他の抗体医薬品で多く変形される配列を含む変異体に、組織透過性ペプチドを融合した融合蛋白質からも、その特性が維持されるか否かを確認するためにアバスチンのアミノ酸配列から、362番目及び364番目のアミノ酸が変異されたアバスチン変異体ペプチド(以下、アバスチン(V)と称する)のC-末端に、ニューロピリン1及び2の両方に結合する組織透過性ペプチド(TPP)の融合を試みた。

0122

具体的には、アバスチン(V)のC-末端に、前記配列番号2のアミノ酸配列を有するTPP(A22p)がそれぞれ融合した融合蛋白質、及びこれを生産する細胞株を製作した。pcDNA3.1(−)ベクターに選別マーカーとしてDHFR遺伝子を挿入し、アバスチン(V)-A22p重鎖と軽鎖を、制限酵素NotIとBamHIでそれぞれクローニングした。CHO DG44細胞に前記構築されたそれぞれの抗体重鎖不変部位とNRP1に結合するペプチドが融合された蛋白質をエンコードするプラスミドと、軽鎖蛋白質をエンコードするプラスミドをNeon(商標)エレクトロポレーション法を利用して、蛋白質を発現させた。T25フラスコにそれぞれのプラスミドをトランスフェクションした3X106細胞を接種して、37℃で培養した。選別マーカーを利用して、安定発現株を確保した後、バイオリアクターで無血清SFM4CHO(Hyclone)を利用して、浮遊状態で7日間、100 rpm、37℃、pH7.2、50%D02の条件で培養した。上澄み液は、遠心分離を利用して細胞と分離して、0.22μmフィルターを用いて除菌した。

0123

アバスチン(V)-A22pの培養液を回収して、標準プロトコルを参照して、それぞれの蛋白質を精製した。精製カラムは蛋白質Aレジン(MabselectSure resin)(GE healthcare)をXK16/20カラム(MabselectSure resin)(GE healthcare)に20 mL充填して、200 cm/hの線速度を適用した。蛋白質Aカラムに1Lの抗体を適用して、カラムの15倍嵩のPBSで洗浄した。0.1 Mグリシン緩衝液100 mLを用いてpH3.0で抗体を溶離した。UV吸光度280 nmの波長で10 mAU-10 mAUまで回収された蛋白質60 mLを、1 M Tris緩衝液0.7 mLを使用してpH 7.0に中和した。抗体分画は、0.2μmフィルター濾過後、アミコン濃縮機を使用して、3500rpmで10分ずつ濃縮して、10%glycerolを含むPBS緩衝液に交換した。精製された抗体重鎖不変部位と選別されたNRP1に特異的に結合するペプチドが融合された蛋白質は、還元性及び非還元性条件でSDS-PAGE分析した。

0124

アバスチン(V)-A22p、アバスチン-A22pを発現する細胞株から回収した培養液でそれぞれの蛋白質を精製して、SDS-PAGEで分離した。図10において、アバスチン(V)-A22pが正常的に抗体を形成して、アバスチン-A22pと類似した分子量を有することを確認できた。

0125

アバスチン(V)-A22pの精製された蛋白質の純度を確認するために、HPLC分析を行った。アジレント1200(Agilent)を利用してサイズ排除カラムを使用した。

0126

具体的には、0.2 Mリン酸カリウムと0.25 M塩化カリウムを混合した緩衝溶液を移動相として使用し、0.35 ml/minの流速で20分間流して実施された。滞留時間により、蛋白質の大きさを確認して、面積と高さによって純度を確認した。

0127

図11で、精製したアバスチン(V)-A22pの純度をSE-HPLCを用いて分析した。アバスチン(V)-A22p(図11A)の純度が97%以上であり、アバスチン-A22p(図11B)と同一であることを確認できた。

0128

本発明者らは、以下のアバスチン(V)に、前記配列番号2で表示されるアミノ酸配列を有するTPPのA22pを融合した、アバスチン(V)-A22p融合蛋白質を製作してその活性を評価した。

0129

<実施例9>
アバスチン(V)組織透過性ペプチド(TPP)融合蛋白質のNRP1及びVEGF結合能

0130

前記実施例8で製作された融合蛋白質であるアバスチン(V)-A22pが、アバスチン-A22pとN-末端は、従来のアバスチンと同一にVEGFを除去し、C-末端は、NRP1と結合して、関連シグナル伝達を二重に遮断できるか否かを評価するために、アバスチン(V)-A22pのNRP1及びVEGF結合能を評価した。

0131

精製されたアバスチン(V)-A22pのニューロピリン1のb1b2ドメインに対する結合能を、ELISAで確認した。陽性対照群として、アバスチン-A22pを使用した。標的分子ニューロピリン1のb1b2ドメイン(273-586)を、96ウェルMaxibindingイムノプレート(SPLLife sciences、Korea)に1ウェル当り1μgずつ、2時間37℃で結合させた後、0.1%PBSTで1分間3回洗浄した。5%スキムミルクが含まれた0.1%PBSTで1時間結合した後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。各実験群で、アバスチン(V)-A22pを50nM、25nM、12.5nMになるように0.1%PBSTで希釈して、各濃度別に37℃で1時間処理した後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。HRPが接合された抗-κ軽鎖抗体を、5%スキムミルクが含まれた0.1%PBSTで10万倍に希釈して、37℃で30分処理した。その後、0.1%PBSTで1分間、5回洗浄した。発色のために、TMB HRP発色基質を処理して、常温で10分間反応させた後、同じ嵩の1N HClを処理した後、450nmで吸光度を測定した。得られたELISAの結果を通じて、発現精製したアバスチン(V)-A22pのニューロピリン1のb1b2ドメインの結合能を確認した。

0132

精製されたアバスチン(V)-A22pの、組換えヒトVEGF165に対する結合能を、ELISAで確認した。陽性対照群として、アバスチン-A22pを使用した。標的分子組換えヒトVEGF165を96ウェルMaxibindingイムノプレートに、1ウェル当り0.2μgずつ2時間37℃で結合させた後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。5%スキムミルクが含まれた0.1%PBSTで1時間結合した後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。各実験群で、アバスチン(V)-A22pを6.25nM、3.12nM、1.56nMになるように0.1%PBSTで希釈して、各濃度別に37℃で1時間処理した後、0.1%PBSTで1分間、3回洗浄した。HRPが接合された抗−κ軽鎖抗体を、0.1%PBSTが含まれた5%スキムミルクで10万倍希釈して、37℃で30分処理した。その後、0.1%PBSTで1分間、5回洗浄した。発色のために、TMB HRP発色基質を処理して、常温で10分間反応させた後、同じ嵩の1N HClを処理した後、450nmで吸光度を測定した。得られたELISA結果を通じて、発現精製したアバスチン(V)-A22pの組換えヒトVEGF165に対する結合能を確認した。

0133

これに対する結果を図12に示した。

0134

図12に示した通り、アバスチン(V)-A22pは、対照群として使用されたアバスチン-A22pと同等のレベルでNRP1に結合し(図12A)、VEGFともアバスチン-A22pと同等なレベルで結合することが確認された(図12B)。

0135

本発明の組織透過性ペプチドと抗新生血管生成(anti-angiogenesis)製剤が融合した融合蛋白質の有効成分を含む、癌又は血管新生関連疾患治療用薬学的組成物は、抗新生血管生成製剤の腫瘍透過性が改善され、癌をターゲットする効果を発揮して、少量でも優れた治療効果を示すことができ、抗新生血管生成製剤の副作用を軽減させることができて、新生血管生成と関連した成長因子とNRP1に同時に結合することにより、抗新生血管生成製剤に耐性を示す癌又は血管新生関連疾患にも優れた治療効果を示すことができて、産業上の利用可能性が非常に優れている。

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