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課題・解決手段
概要
背景
長距離光ネットワークにおいて見られるリンク等の光リンクのための帯域幅需要における増大は、光リンクの容量の急速な増加を必要としている。例えば、いくつかの光通信システムにおける光リンクの波長ごとの容量は、100ギガビット毎秒(Gb/s)を超えている。さらに、光ネットワークの未来の容量需要を満たすために、次世代光通信システムは、数テラビット毎秒(Tb/s)に達する容量を維持するように設計されている。帯域幅及びスループットを増大させる需要が伸び続けているが、光システムの設計は、コスト、電力及びサイズ要件によって多くの場合に制約される。
例えば、搬送波位相推定及び振幅等化における不正確さは、光通信システムの性能を低下させる歪み、すなわち雑音強調を引き起こす。光通信では、種々の方法を用いてこの歪みが低減される。それらの方法は、受信信号の位相及び振幅を求める硬判定に基づいている。例えば、判定指向型最小平均二乗(LMS)法は、更新の誤差を求めるのに硬判定を用いる。
しかし、様々なタイプの歪みが、歪みを等化する様々なタイプのフィルターを必要とする可能性がある。これらの複数のフィルターの最適な組み合わせは、通常達成するのが困難である所望のコスト効率の良いオプションである。例えば、色分散の等化は、通例、より長い応答長にわたる周波数領域において実行される。光学において、色分散とは、波の群速度が波の周波数に依拠する現象である。色分散の等化は、一定係数を有する静的フィルターを用いて行うことができる。
逆に、光信号の偏光の等化は、チャネル条件の変化に起因する高速な時間変動プロセスである。偏光の等化は、その係数の周期的更新を必要とする動的フィルターを用いて行うことができる。静的フィルター及び動的フィルターの組み合わせは困難であり得る。
概要
方法が、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信された光信号を復号する。受信機は、送信された光信号を受信して、デジタル信号を生成し、このデジタル信号は、周波数領域において、静的効果及び/又は動的効果を補償するためにフィルタリングされる。フィルタリングは、周波数領域において行われる一方、フィルターの周波数係数は、フィルターの時間係数のうちの少なくともいくつかを更新し、時間係数を周波数領域に変換することによって、時間領域において更新される。
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請求項1
送信機から光チャネルを通じて受信機に送信された光信号を復号する方法であって、時間領域において受信された前記光信号を、前記光チャネルを通じて周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成することと、前記時間領域におけるフィルタリングのために、フィルターの時間係数のうちの少なくともいくつかを更新することと、前記周波数領域におけるフィルタリングのために、前記時間係数を前記周波数領域に変換して、前記フィルターの周波数係数を生成することと、前記フィルターの前記周波数係数を用いて、前記周波数領域における前記離散スペクトルをフィルタリングすることと、前記フィルタリングされた離散スペクトルを、前記時間領域におけるデジタル信号に変換することと、前記デジタル信号のシンボルを復号することとを含み、前記方法の各ステップは、前記受信機のプロセッサを用いて実行される、方法。
請求項2
前記更新することは、前記デジタルスペクトルを前記時間領域に変換して、第1の信号を生成することと、前記フィルタリングされたデジタルスペクトルを前記時間領域に変換して、第2の信号を生成することと、前記第1の信号及び前記第2の信号の関数に基づいて、前記時間領域における前記フィルターの時間係数を求めることと、前記周波数領域における前記時間係数のうちの少なくとも一部を変換して、前記周波数係数を更新することとを含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
請求項4
請求項5
前記光信号は、パイロットシンボルの集合を含み、前記更新することは、前記デジタルスペクトルを前記時間領域に変換して、第1の信号を生成することと、前記フィルタリングされたデジタルスペクトルを前記時間領域に変換して第2の信号を生成することと、前記第1の信号と、前記第2の信号における前記パイロットシンボルの値と、前記パイロットシンボルの予め設定された値との関数に基づいて、前記時間領域における前記フィルターの時間係数を求めることと、時間係数のサブ集合をゼロと置き換えることによって前記時間係数を更新することと、前記更新された時間係数を前記周波数領域に変換することとを含む、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記フィルターは、前記光チャネルの静的効果をフィルタリングする静的フィルターと、前記光チャネルの動的効果をフィルタリングする動的フィルターとを含み、前記静的フィルターの前記周波数係数は一定であり、前記動的フィルターの前記周波数係数は前記時間領域において更新される、請求項1に記載の方法。
請求項7
前記離散スペクトルは、シンボルあたり1より大きく2未満のサンプルを有するサンプルの重なり合ったブロックの集合を含み、前記方法は、前記フィルタリングされた離散スペクトルを、シンボルあたり整数個のサンプルに再サンプリングすることと、前記再サンプリング及びフィルタリングされた離散スペクトルを前記時間領域において変換して、前記第2の信号を生成することと、前記第2の信号における少なくともいくつかのサンプルと、予め設定された複数の値の集合との間の誤差を求めることと、前記誤差に従って調整された前記第1の信号を用いて前記時間係数を更新することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
請求項8
送信機から光チャネルを通じて受信機に送信される光信号を復号する方法であって、前記光チャネルを通じて送信される前記光信号を受信して、時間領域におけるデジタル信号を生成することと、前記時間領域における前記デジタル信号を分割して、サンプルの重なり合ったブロックの集合にすることと、サンプルのブロックを周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成することと、前記離散スペクトルを、静的フィルターを用いてフィルタリングして、第1のフィルタリングされたスペクトルを生成することと、前記第1のフィルタリングされたスペクトルを、動的フィルターを用いてフィルタリングして、第2のフィルタリングされたスペクトルを生成することと、前記第1のフィルタリングされたスペクトルを前記時間領域に変換して、第1の信号を生成することと、前記第2のフィルタリングされたスペクトルを前記時間領域に変換して、第2の信号を生成することと、前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくともいくつかの要素間の差に基づいて前記時間領域における前記動的フィルターの時間係数を決定することと、時間係数のサブ集合をゼロと置き換えることによって前記時間係数を更新することと、前記更新された時間係数を前記周波数領域に変換することと、前記周波数領域における前記動的フィルターの周波数係数を、前記周波数領域に変換された前記更新された時間係数を用いて更新することと、前記サンプルの重なり合ったブロックの集合に対応する第2のデジタル信号の集合を用いて前記時間領域における前記光信号を再構成することとを含み、前記方法のステップは、前記受信機のプロセッサを用いて実行される、方法。
請求項9
前記サンプルのブロックは、シンボルあたり1より大きく2未満のサンプルを含み、前記方法は、前記第2のフィルタリングされた離散スペクトルを、シンボルあたり整数個のサンプルに再サンプリングすることと、前記再サンプリング及びフィルタリングされた第2の離散スペクトルを前記時間領域において変換して、前記第2の信号を生成することと、前記第2のシンボルにおける少なくともいくつかのサンプルと、予め設定された複数の値の集合との間の誤差を求めることと、前記誤差に従って調整された前記第1の信号を用いて前記時間係数を更新することとを更に含む、請求項8に記載の方法。
請求項10
前記光信号は、パイロットシンボルの集合を含み、前記時間係数は、前記第1の信号と、前記第2の信号における前記パイロットシンボルの値と、前記パイロットシンボルの予め設定された値との関数に基づいて求められる、請求項8に記載の方法。
請求項11
光チャネルを通じて送信された光信号を受信及び復号する受信機であって、時間領域において前記光チャネルを通じて前記光信号を受信し、該光信号を周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成する光学機器及び電子機器を備えるフロントエンドと、フィルターの周波数係数を用いて前記周波数領域において前記離散スペクトルをフィルタリングし、該フィルタリングされた離散スペクトルを前記時間領域におけるデジタル信号に変換するデジタル信号プロセッサであって、該プロセッサは、前記時間領域におけるフィルタリングのために、前記フィルターの時間係数のうちの少なくともいくつかを更新し、前記時間係数を前記周波数領域に変換して、前記フィルターの前記周波数係数を生成する、デジタル信号プロセッサと、前記デジタル信号のシンボルを復号する復号器とを備える、受信機。
請求項12
前記プロセッサは、前記デジタルスペクトルを前記時間領域に変換して、第1の信号を生成し、前記フィルタリングされたデジタルスペクトルを前記時間領域に変換して、第2の信号を生成し、前記第1の信号及び前記第2の信号の関数に基づいて、前記時間領域における前記フィルターの時間係数を求め、前記周波数領域における前記時間係数のうちの少なくとも一部を変換して、前記周波数係数を更新する、請求項11に記載の受信機。
請求項13
前記プロセッサは、時間係数のサブ集合をゼロと置き換えることによって前記時間係数を更新し、前記更新された時間係数を前記周波数領域に変換する、請求項12に記載の受信機。
請求項14
前記光信号は、パイロットシンボルの集合を含み、前記プロセッサは、前記デジタルスペクトルを前記時間領域に変換して第1の信号を生成し、前記フィルタリングされたデジタルスペクトルを前記時間領域に変換して第2の信号を生成し、前記第1の信号と、前記第2の信号における前記パイロットシンボルの値と、前記パイロットシンボルの予め設定された値との関数に基づいて、前記時間領域における前記フィルターの時間係数を求め、時間係数のサブ集合をゼロと置き換えることによって前記時間係数を更新し、前記更新された時間係数を前記周波数領域に変換する、請求項11に記載の受信機。
請求項15
前記フィルターは、前記光チャネルの静的効果をフィルタリングする静的フィルターと、前記光チャネルの動的効果をフィルタリングする動的フィルターとを含み、前記静的フィルターの前記周波数係数は一定であり、前記動的フィルターの前記周波数係数は前記時間領域において更新される、請求項11に記載の受信機。
技術分野
背景技術
0002
長距離光ネットワークにおいて見られるリンク等の光リンクのための帯域幅需要における増大は、光リンクの容量の急速な増加を必要としている。例えば、いくつかの光通信システムにおける光リンクの波長ごとの容量は、100ギガビット毎秒(Gb/s)を超えている。さらに、光ネットワークの未来の容量需要を満たすために、次世代光通信システムは、数テラビット毎秒(Tb/s)に達する容量を維持するように設計されている。帯域幅及びスループットを増大させる需要が伸び続けているが、光システムの設計は、コスト、電力及びサイズ要件によって多くの場合に制約される。
0003
例えば、搬送波位相推定及び振幅等化における不正確さは、光通信システムの性能を低下させる歪み、すなわち雑音強調を引き起こす。光通信では、種々の方法を用いてこの歪みが低減される。それらの方法は、受信信号の位相及び振幅を求める硬判定に基づいている。例えば、判定指向型最小平均二乗(LMS)法は、更新の誤差を求めるのに硬判定を用いる。
0004
しかし、様々なタイプの歪みが、歪みを等化する様々なタイプのフィルターを必要とする可能性がある。これらの複数のフィルターの最適な組み合わせは、通常達成するのが困難である所望のコスト効率の良いオプションである。例えば、色分散の等化は、通例、より長い応答長にわたる周波数領域において実行される。光学において、色分散とは、波の群速度が波の周波数に依拠する現象である。色分散の等化は、一定係数を有する静的フィルターを用いて行うことができる。
0005
逆に、光信号の偏光の等化は、チャネル条件の変化に起因する高速な時間変動プロセスである。偏光の等化は、その係数の周期的更新を必要とする動的フィルターを用いて行うことができる。静的フィルター及び動的フィルターの組み合わせは困難であり得る。
発明が解決しようとする課題
0006
したがって、光チャネルにわたって送信される光信号の等化を改善する必要がある。
課題を解決するための手段
0007
本発明のいくつかの実施形態は、色分散と、偏光モード分散等の他の効果との、組み合わされた等化を、周波数領域において、有利に行うことができるという認識に基づく。なぜなら、色分散及び他の効果のフィルタリングを分離することなく、僅かな数のみの時間領域係数の適応により、色分散及び他の効果に起因するフィルター応答を、周波数領域において適用することができるためである。
0008
特に、いくつかの実施形態は、光通信に適したフィルターの長さ、すなわち、タップ又は係数の数に起因して、フィルタリング動作が、時間領域よりも周波数領域においてより効率的であるという認識に基づいている。なぜなら、周波数領域におけるフィルタリングはブロック単位で行うことができるが、時間領域におけるフィルタリングは要素ごとに行われるためである。しかし、フィルターの係数の更新は、周波数領域よりも時間領域においてより効率的であることが更に認識される。なぜなら、周波数領域における係数の一部のみを更新することが実現困難であるためである。しかし、いくつかの状況では、全てのタップを更新することは望ましくなく、時間領域における更新により、更なる柔軟性を加えることができる。例えば、周波数領域における全ての係数の更新により、フィルターのタップ雑音が増大する可能性がある。
0009
このために、本発明のいくつかの実施形態は、周波数領域においてフィルタリング動作を行う一方で、時間領域においてフィルターの係数の更新を行う。
0010
本発明のいくつかの他の実施形態は、性能に悪影響を与えることなく、組み合わされた等化器入力サンプリングレートを、シンボルあたり2サンプルから、シンボルあたり1サンプルよりも大きな任意のレートに低減することができるという認識に基づく。これは、フィルターによって必要とされる係数の数を低減することができ、したがってフィルターの複雑度を低減することができるために有利である。
0011
本発明のいくつかの他の実施形態は、出力シンボルのサブ集合について時間領域における時間係数を計算することによって、低減された複雑度で出力誤差項を計算することができるという認識に基づく。いくつかの実施形態は、パイロットシンボルについてのみ決定された誤差項を用いる一方、いくつかの他の実施形態は、未知の出力シンボルのサブ集合について決定された誤差項を用いる。
0012
したがって、1つの実施形態は、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信された光信号を復号する方法を開示する。本方法は、
時間領域において受信された前記光信号を、前記光チャネルを通じて周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成することと、
前記時間領域におけるフィルタリングのために、フィルターの時間係数のうちの少なくともいくつかを更新することと、
前記周波数領域におけるフィルタリングのために、前記時間係数を前記周波数領域に変換して、前記フィルターの周波数係数を生成することと、
前記フィルターの前記周波数係数を用いて、前記周波数領域における前記離散スペクトルをフィルタリングすることと、
前記フィルタリングされた離散スペクトルを、前記時間領域におけるデジタル信号に変換することと、
前記デジタル信号のシンボルを復号することと、
を含む。前記方法のステップは、前記受信機のプロセッサを用いて実行される。
0013
別の実施形態は、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信される光信号を復号する方法を開示する。本方法は、
前記光チャネルを通じて送信される前記光信号を受信して、時間領域におけるデジタル信号を生成することと、
前記時間領域における前記デジタル信号を分割して、サンプルの重なり合ったブロックの集合にすることと、
サンプルのブロックを周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成することと、
前記離散スペクトルを、静的フィルターを用いてフィルタリングして、第1のフィルタリングされたスペクトルを生成することと、
前記第1のフィルタリングされたスペクトルを、動的フィルターを用いてフィルタリングして、第2のフィルタリングされたスペクトルを生成することと、
前記第1のフィルタリングされたスペクトルを前記時間領域に変換して、第1の信号を生成することと、
前記第2のフィルタリングされたスペクトルを前記時間領域に変換して、第2の信号を生成することと、
前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくともいくつかの要素間の差に基づいて前記時間領域における前記動的フィルターの時間係数を決定することと、
時間係数のサブ集合をゼロと置き換えることによって前記時間係数を更新することと、
前記更新された時間係数を前記周波数領域に変換することと、
前記周波数領域における前記動的フィルターの周波数係数を、前記周波数領域に変換された前記更新された時間係数を用いて更新することと、
前記サンプルの重なり合ったブロックの集合に対応する第2のデジタル信号の集合を用いて前記時間領域における前記光信号を再構成することと、
を含む。前記方法のステップは、前記受信機のプロセッサを用いて実行される。
0014
更に別の実施形態は、光チャネルを通じて送信された光信号を受信及び復号する受信機であって、
時間領域において前記光チャネルを通じて前記光信号を受信し、該光信号を周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成する光学機器及び電子機器を備えるフロントエンドと、
フィルターの周波数係数を用いて前記周波数領域において前記離散スペクトルをフィルタリングし、該フィルタリングされた離散スペクトルを前記時間領域におけるデジタル信号に変換するデジタル信号プロセッサであって、該プロセッサは、前記時間領域におけるフィルタリングのために、前記フィルターの時間係数のうちの少なくともいくつかを更新し、前記時間係数を前記周波数領域に変換して、前記フィルターの前記周波数係数を生成する、デジタル信号プロセッサと、
前記デジタル信号のシンボルを復号する復号器と、
を備える、受信機を開示する。
図面の簡単な説明
0015
本発明のいくつかの実施形態による光通信システムのブロック図である。
本発明の1つの実施形態による光通信システムの送信機のブロック図である。
本発明の1つの実施形態による光通信システムの受信機のブロック図である。
本発明の1つの実施形態による、光通信システムにおいて用いられる受信機デジタル信号処理アルゴリズムのブロック図である。
本発明のいくつかの実施形態による、時間領域において更新される係数を用いて周波数領域においてフィルタリングするフィルターの概略図である。
本発明の1つの実施形態による、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信される光信号を復号する方法のフローチャートである。
本発明の1つの実施形態による、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信される光信号を復号する方法のブロック図である。
本発明のいくつかの実施形態による、パイロット支援光通信システムの概略図である。
本発明のいくつかの実施形態による、パイロット支援光通信システムの信号構造の例示的な概略図である。
本発明の1つの実施形態による、パイロット支援光通信システムの送信機のブロック図である。
本発明の1つの実施形態による、パイロット支援光通信システムの受信機のブロック図である。
本発明の1つの実施形態による、パイロット支援光通信システムの周波数領域における静的及び動的効果のフィルタリングの概略図である。
本発明の1つの実施形態による、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信される光信号をパイロット支援により復号する方法のブロック図である。
実施例
0016
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による光通信システムのブロック図を示す。ソース001からのデータが送信機(Tx)010に送信される。例えば、送信機において、データは、任意選択(optional)の前方エラー訂正(FEC)符号器011に送信され、次に、符号化された信号がデジタル信号プロセッサ(DSP)014によって処理される。いくつかの実施形態では、このDSPは、信号のマッピング、フィルタリング及び予等化等の種々の機能も実行する。信号は、次に、送信機フロントエンド015に送信され、この送信機フロントエンドにおいて、増幅、フィルタリング、変調及びアップコンバート等のアナログ動作が生じ、次に、信号は、光チャネル020を通じて受信機(Rx)030に送信される。
0017
受信機において、信号は、受信信号のダウンコンバート、増幅、フィルタリング及び量子化等のアナログ動作を行ってデジタル信号を生成する受信機フロントエンド031を通過する。デジタル信号は、等化及び搬送波位相回復の正確さを改善するために、受信機DSP032によって処理される。次に、処理された信号は、任意選択(optionally)で、FEC復号器034に送信され、その後、宛先、例えばデータシンク040に送信される。
0018
図1Bは、本発明の1つの実施形態による光通信システムの送信機のブロック図を示す。ソース101からのデータ110は、送信機120に送信される。送信機において、データは、FEC符号器121によって符号化される。信号は、次に、DSPと、アナログ/デジタル変換器等の他のフロントエンド電子機器122とを用いて処理を受ける。信号は、次に、光搬送波に対して変調を行う送信機光学機器123に送信される。光信号は、その後、波長合波器(WM)130に送信され、この波長合波器において、信号は、任意選択で、異なる波長を有する他の光信号131と組み合わせることができ、その後、光チャネル135に送信される。
0019
図1Cは、本発明の1つの実施形態による光通信システムにおける受信機のブロック図を示す。光チャネル141からの信号は、波長分波器(WDM)150に送信される。他の波長151は、任意選択で、対象となる波長チャネルとは独立に処理するために他の受信機に送信される。信号は、次に、受信機160に送信される。この光信号は、光受信機フロントエンド161によって検出される。このブロックは、ダウンコンバート、増幅、及び量子化等の光学素子及び電子素子の双方を備えて、デジタル信号179を生成することができる。次に、デジタル信号は、DSP162によって処理される。この処理は、振幅及び位相歪みのフィルタリング又は等化を含む。処理された信号は、次に、復号器163に送信されて、FEC復号の軟判定情報が生成され、その後、その最終宛先、例えばデータシンク170に送信される。
0020
図1Dは、本発明の1つの実施形態による、DSP162のデジタル信号処理のブロック図を示す。例えば、DSPは、任意選択で、信号の静的フィルタリング182を行うことができ、次に、いくつかの場合に長い応答長を有する色分散及びパルス成形等の時不変効果について補償される。そのために、いくつかの実施形態では、一定係数を有する静的フィルターを用いて静的フィルタリングが行われる。
0021
それに加えて、又は代替として、DSP162は、未知の歪み(電気フィルタリングに起因した歪み等)、及び通常はるかに短い応答長を有する、偏光モード分散等の時変歪みについて補正するための動的フィルタリング183を行う。動的フィルターの係数は、例えば、最小二乗平均(LMS)方法を用いて動的フィルターの入力及び出力に基づいて更新される(180)。次に、搬送波周波数及び位相の別個の回復が任意選択で実行され(184)、送信機レーザーと受信機レーザーとの間の光周波数の差、及びそれらの位相のランダムな変動について補償する。
0022
いくつかの実施形態は、光通信に適したフィルターの長さ、すなわち、タップ又は係数の数に起因して、フィルタリング動作が、時間領域よりも周波数領域においてより効率的であるという認識に基づいている。なぜなら、周波数領域におけるフィルタリングはブロック単位で行うことができるが、時間領域におけるフィルタリングは要素ごとに行われるためである。しかし、フィルターの係数の更新は、周波数領域よりも時間領域においてより効果的であることが更に認識される。なぜなら、周波数領域における係数の一部のみを更新することが実現困難であるためである。しかし、いくつかの状況では、全てのタップを更新することは望ましくなく、時間領域における更新により、更なる柔軟性を加えることができる。例えば、周波数領域における全ての係数の更新により、フィルターのタップ雑音が増大する可能性がある。
0023
図1Eは、本発明のいくつかの実施形態による、時間領域において更新される係数を用いて周波数領域においてフィルタリングするフィルター190の概略図を示す。フィルターは、フィルタリングの領域に依拠するフィルターの係数を用いてフィルタリングを行う。例えば、フィルターは、時間領域においてフィルタリングを行うための時間係数191、又は周波数領域においてフィルタリングを行うための周波数係数192を有することができる。時間係数191及び周波数係数192は、互いに関係する。例えば、時間係数191は、フーリエ変換193を用いて周波数係数192に変換することができる。
0024
同様に、周波数係数192は、逆フーリエ変換193を用いて時間係数191に変換することができる。本発明のいくつかの実施形態は、周波数係数192を用いて周波数領域におけるフィルター190のフィルタリング196動作を行う。しかし、周波数係数は、時間係数のうちの少なくともいくつかの更新を通じて時間領域において更新される(195)。
0025
例えば、図1Dに戻って参照すると、動的フィルター183によってフィルタリングされる前の周波数領域におけるデジタル信号又はデジタルスペクトルが、時間領域に変換され、第1の信号165が生成される。フィルタリングされたデジタルスペクトル、すなわち動的フィルター183によってフィルタリングされた後のデジタルスペクトルも、時間領域に変換され、第2の信号166が生成される。更新180は、第1の信号165及び第2の信号166の関数に基づいて時間領域におけるフィルターの時間係数を決定し、周波数領域における時間係数の少なくとも一部分を変換して(167)、周波数係数を更新する。
0026
図1Fは、本発明の1つの実施形態による、送信機から光チャネルを通じて受信機に送信される光信号を復号する方法のフローチャートを示す。実施形態は、光チャネルを通じて時間領域において受信された光信号を、周波数領域に変換して、離散スペクトルを生成する(171)。実施形態は、時間領域におけるフィルタリングのために、フィルターの時間係数のうちの少なくともいくつかを更新し(172)、時間係数を周波数領域に変換して、周波数領域におけるフィルタリングのためのフィルターの周波数係数を生成する(173)。実施形態は、フィルターの周波数係数を用いて周波数領域における離散スペクトルをフィルタリングし(174)、フィルタリングされた離散スペクトルを、時間領域におけるデジタル信号に変換し(175)、デジタル信号のシンボルを復号する(176)。本方法のステップは、受信機のプロセッサ、例えば、DSP32を用いて実行される。
0027
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、周波数領域におけるフィルタリングのための方法のブロック図を示す。これらの実施形態において、フィルター190は、静的フィルター、例えば、光チャネルの静的効果をフィルタリングするフィルター182と、動的フィルター、例えば、光チャネルの動的効果をフィルタリングするフィルター183とを含む。静的フィルターの周波数係数は一定であるが、動的フィルターの周波数係数は時間領域において更新される。
0028
例えば、1つの実施形態は、光チャネルを通じて送信された光信号を受信し(201)、時間領域におけるデジタル信号に光信号を変換する。デジタル信号は、時間領域において、サンプルの重なり合ったブロックの集合に分割され(202)、サンプルの各ブロックは、次に、例えば高速フーリエ変換を用いて周波数領域に変換され(203)、離散スペクトルが生成される。本発明の異なる実施形態において、サンプルのブロックは、復号されるシンボルごとに、整数又は有理数のサンプルを含む。例えば、1つの実施形態において、各シンボルは、2つのサンプルを用いて符号化される。代替的な実施形態では、サンプルのブロックは、シンボルあたり、1より大きく2未満のサンプルを含む。
0029
例えば、光学受信機は、時点kにおいて信号Ekを検出する。次に信号は、長さ2Nの重なり合ったブロックに分割される。ここで、Nは、チャネル応答の長さよりも厳密に大きい。いくつかの場合、連続した複数のブロック(consecutive blocks)との重なり合いは、ブロック長の半分とすることができる。この場合、ブロックBj=[Ek+1,...,Ek+2N]及びその隣接ブロックBj+1=[Ek+N+1,...,Ek+3N]を定義する。次に、実施形態は、静的フィルターを用いて離散スペクトルをフィルタリングし(204)、第1のフィルタリングされたスペクトルを生成し、動的フィルターを用いて第1のフィルタリングされたスペクトルをフィルタリングし(205)、第2のフィルタリングされたスペクトルを生成する。次に、実施形態は、第2のフィルタリングされたスペクトルを時間領域に変換し(206)、第2の信号207を生成する。第2の信号207は、時間領域において光信号209を再構成する(208)のに用いられる。例えば、サンプルの重なり合ったブロックの集合に対応する第2のデジタル信号の集合を、例えば重畳加算法又は重畳保留法を用いて光信号209を再構成するために用いることができる。
0030
例えば、重畳保留方法は、以下の疑似コードを用いて説明することができる。
h=FIR_impulse_response;
M=length(h);
overlap=M-1;
N=4*overlap;
step_size=N-overlap;
H=DFT(h,N);
position=0;
while(position+N<=length(x))
yt=IDFT(DFT(x(1+position:N+position),N)*H,N);
y(1+position:step_size+position)=yt(M:N);
position=position+step_size;
end
0031
実施形態は、時間領域における動的フィルターの周波数係数も更新する。例えば、動的フィルターの周波数係数を更新するために、実施形態は、例えば周期的に又はトリガーイベントに応答して、第1のフィルタリングされたスペクトルを時間領域に変換して(211)第1の信号216を生成し、第2のフィルタリングスペクトルを時間領域に変換して(206)第2の信号207を生成し、第1の信号及び第2の信号の少なくともいくつかの要素間の差に基づいて、時間領域における動的フィルターの時間係数を求める(210)。例えば、時間係数は、第2の信号における少なくともいくつかのサンプルと、予め設定された複数の値の集合との間の誤差に従って調整される第1の信号を用いて決定及び/又は更新することができる。そのために、いくつかの実施形態は、対応する出力ブロックにおける誤差を計算し(213)、任意選択でフィルタリング、例えば平均化され(212)、その後第1の信号が調整される。
0032
例えば、2×2MIMOフィルター205の瞬時時間領域出力207は、以下によって得られる。
0033
0034
ここで、ux及びuyは、それぞれ、x偏光及びy偏光における時間領域入力ベクトル216であり、hxx、hyx、hxy及びhyyは、4つのFIRフィルターの係数であり、vx及びvyは、それぞれx偏光及びy偏光において出力ブロック207から取得された瞬時時間領域出力であり、H演算子は、エルミートベクトル転置(Hermite vector transpose)である。
0036
0037
ここで、ex及びeyは、それぞれx偏光及びy偏光における誤差項である。
0038
さらに、1つの実施形態は、グライディングウィンドウアキュムレーターフィルターの場合には以下のように与えられる誤差項212のフィルタリングしたものを用いることによって、誤差項計算を更に精緻化することができる。
0039
0040
ここで、ex’及びey’は、それぞれ、x偏光及びy偏光における平均誤差項であり、Mは、平均される誤差項の数である。
0041
フィルター210の係数は、誤差項及び何らかの適応アルゴリズム、例えば、最小二乗平均(LMS)アルゴリズムを用いて求められる。これは、以下の式の組によって求められる。
0042
0043
ここで、ベクトルhxx’、hyx’、hxy’及びhyy’は、更新されたフィルター係数ベクトルであり、*は、共役演算子であり、μは、等化器コンバージェンスパラメーターである。次に、更新された係数を、それらが周波数領域フィルターと同じ長さになるように、ゼロでパディングし(214)、その後、それらを、高速フーリエ変換215等のアルゴリズムを用いて周波数領域に変換する。
0044
本発明のいくつかの実施形態は、光チャネルにおける状態の変化に応答した動的フィルターの係数の一部分のみの更新により、フィルターのタップ雑音を低減することができるという認識に基づいている。しかし、周波数領域における係数の一部のみを更新することは実現困難である。なぜなら、単一の時間領域係数における変更は、全ての周波数領域係数に影響を及ぼすためである。
0045
しかし、時間領域における所望の適応的応答のスパース性に起因して、時間係数の一部分のみを更新することが可能である。そのために、いくつかの実施形態は、時間領域において、時間係数の一部のみを更新する。例えば、時間係数を決定(210)した後、1つの実施形態は、時間係数のサブ集合をゼロと置き換えることによって時間係数を更新する(214)。そのような置き換えは、更新されることが決定された時間係数のみを保持し、これらの残された時間係数のみが周波数領域において変換され(215)、動的フィルターの周波数係数が更新される。例えば、動的であり、短い応答長のみを有する偏光モード分散について補償するために、時間領域において中心にあるタップのみを更新することを決定することができる。中心係数を除く全ての係数更新項がゼロに設定され、したがって更新されない。
0046
本発明のいくつかの実施形態は、光チャネルの不確実性を考慮に入れるために、シンボルあたり複数のサンプルを光送信において用いることができるという認識に基づいている。通例、各シンボルは、整数のサンプル、例えば、シンボルあたり2つのサンプルを用いて符号化される。なぜなら、そのようなサンプリングは、サンプルとシンボルとの間の直接的な対応に起因してフィルタリングを単純化するためである。
0047
しかし、いくつかの実施形態は、シンボルあたりのサンプル数を、1と2との間の有理数に低減することにより、フィルタリングの複雑度が低減されるが、サンプルとシンボルとの間の直接対応がなくなるという認識に基づいている。特に、シンボルに対するサンプルの比が有理数であるとき、例えば、サンプルの重なり合った複数のブロックが、シンボルあたり1より大きく2未満のサンプルを有するとき、1つのサンプルが、複数のシンボルの情報を搬送することができる。しかし、いくつかの実施形態は、フィルタリングされた信号を、シンボルあたり整数個のサンプルに再サンプリングする後続の再サンプリング演算を伴って、フィルタリングのために有理数のシンボルを用いることが可能であるという認識に基づく。追加の再サンプリングステップにかかわらず、再サンプリングされたフィルタリング信号の直接関係を伴うフィルターの複雑度の低減が依然として有利である。
0048
そのために、本発明の1つの実施形態では、離散スペクトルは、シンボルあたり1より大きく2未満のサンプルを有するサンプルの重なり合った複数のブロックの集合を含む。この実施形態は、フィルタリングされた離散スペクトルを、シンボルあたり整数個のサンプルに再サンプリングし(226)、時間領域における再サンプリングされフィルタリングされた離散スペクトルを変換して(206)第2の信号を生成する。
0049
図3Aは、本発明のいくつかの実施形態によるパイロット支援光通信システムのブロック図を示す。ソース301からのデータは、送信機(Tx)310に送信される。例えば、データは、任意選択の前方エラー訂正(FEC)符号器311に送信され、次に、パイロット挿入ブロック312に送信される。ここで、パイロットシーケンス313からのパイロットシンボルは、予め設定された或るレートで加えられ、データシンボルの集合と、既知の振幅及び位相を有するパイロットシンボルの集合とを含む信号が生成される。パイロットシンボルの挿入後、当該信号は、デジタル信号処理(DSP)314を受ける。いくつかの実施形態では、DSPは、マッピング、フィルタリング、及び予等化等の他の機能も実行する。次に、当該信号は、送信機フロントエンド315に送信され、ここで、増幅、フィルタリング、変調及びアップコンバート等のアナログ動作が生じ、次に光チャネル320を介して受信機(Rx)330に送信される。
0050
受信機において、当該信号は、受信した信号のダウンコンバート、増幅、フィルタリング及び量子化等のアナログ動作を行ってデジタル信号を生成する受信機フロントエンド331を通過する。このデジタル信号は、デジタルアルゴリズム332によって処理され、その後、受信パイロットシンボル333が抽出される。次に、抽出されたパイロットシンボルは、パイロット支援DSPアルゴリズム336によって、パイロットシンボル313に対応する既知の振幅及び位相を有する送信パイロットシーケンス335と組み合わせて処理される。次に、等化及び搬送波位相回復の正確さを改善するために、この処理の結果生じる情報を受信機DSP332において用いる。次に、パイロット抽出後の受信信号が、任意選択でFEC復号器334に送信され、その後、宛先、例えば、データシンク340に送信される。
0051
図3Bは、符号化される対応するデジタル信号の例示的な構造を示す。この信号は、本発明のいくつかの実施形態による、データシンボルの集合並びに既知の振幅及び位相を有するパイロットシンボルの集合を含む。いくつかのパイロットシンボル350、352、354及び356が、データシンボル351、353及び355のいくつかのブロックを通じて分散される。データシンボルの単一のブロック353におけるデジタル信号処理は、隣接するパイロットシンボル352、354及び/又は隣接していないパイロットシンボル350、356を用いて行うことができる。
0052
図4Aは、本発明の1つの実施形態による、パイロット支援光通信システムの送信機のブロック図を示す。ソース401からのデータ410は、送信機420に送信される。送信機において、データはFEC符号器421によって符号化され、その後、パイロットシンボル424が間欠的に挿入される。次に、当該信号は、DSPアルゴリズム、及びアナログ/デジタル変換器等の他のフロントエンド電子機器422を用いた処理を受ける。次に、当該信号は、光搬送波に対する変調のために送信機光学機器423に送信される。次に、当該光信号は、波長合波器WM430に送信され、この波長合波器において、当該信号は、任意選択で、異なる波長431を有する他の光信号と組み合わせることができ、その後、光チャネル435に送信される。
0053
図4Bは、本発明の1つの実施形態によるパイロット支援光通信システムにおける受信機のブロック図を示す。光チャネル441からの信号は、波長分波器(WDM)450に送信される。他の波長451は、任意選択で、対象の波長チャネルと独立して処理するために他の受信機に送信される。次に、当該信号は、受信機460に送信される。当該光信号は、光学受信機フロントエンド461によって検出される。このブロックは、ダウンコンバート、増幅及び量子化等の光学素子及び電子素子の双方を含むことができる。次に、当該デジタル信号は、DSPアルゴリズム462によって処理される。DSP処理後、受信パイロットシンボルが抽出され(465)、パイロットシンボルの既知の送信シーケンス466と組み合わせて処理される(464)。次に、振幅等化及び位相等化等の機能のための等化器を含む、このパイロット処理からの情報がRx DSP462において用いられる。次に、処理された信号は、復調モジュール463に送信され、FEC復号のための軟判定情報が生成され、その後、最終宛先、例えばデータシンク470に送信される。
0054
図5Aは、本発明の1つの実施形態による、パイロット支援デジタル受信機サブシステムのブロック図を示す。量子化器501からのデジタル信号は、DSP510により処理される。最初に、光末端電気受信機フロントエンド511において、静的かつ場合によっては非線形の処理が行われ、欠陥が補正される。次に、静的フィルター512を用いて信号の静的等化が行われ、いくつかの場合に極度に長い応答長を有する色分散及びパルス成形等の時不変効果について補償される。次に、動的フィルター513を用いて適応等化が行われ、未知の歪み(電気フィルタリングに起因するもの等)、及び通常はるかに短い応答長を有する、偏光モード分散等の時変歪みについて補正される。例えば、最小平均二乗(LMS)方法を用いて、パイロットシンボル514の値及びパイロットシンボルの予め設定された複数の値に基づいて、時間領域における動的フィルターの周波数係数が更新される(515)。次に、任意選択で、搬送波周波数及び位相の別個の回復が行われ(516)、送信機信号と受信機信号との間の光周波数の差、及びそれらの位相のランダムな変動について補償される。次に、この信号が、復調及び復号(520)のために送信される。
0055
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態による、周波数領域におけるパイロット支援フィルタリングの方法のブロック図を示す。図2に関連して説明したステップに加えて、この実施形態では、時間係数を求めるために用いられる誤差542が、第2の信号から抽出されたパイロットシンボル543、及び予め設定されたパイロットシンボル550を用いて求められる。例えば、1つの実施形態において、第1の信号と、第2の信号におけるパイロットシンボルの値と、パイロットシンボル550の予め設定された複数の値との関数に基づいて、時間係数が求められる(510)。例えば、各偏光において送信(550)及び受信(543)されたパイロットの半径による誤差項542を、(例えば、)下式による定モジュラス法に従って計算することができる。
0056
0057
ここで、ex及びeyは、それぞれ、x偏光及びy偏光における誤差項であり、px及びpyは、それぞれ、x偏光及びy偏光におけるパイロットシンボルである。
0058
本発明の上記で説明した実施形態は、多数の方法のうちの任意のもので実施することができる。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせを用いて実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピューターに設けられるのか又は複数のコンピューター間に分散されるのかにかかわらず、任意の適したプロセッサ又はプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは、1つ以上のプロセッサを集積回路部品に有する集積回路として実装することができる。ただし、プロセッサは、任意の適したフォーマットの回路類を用いて実装することができる。
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