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技術 荷電イオンチャネル遮断薬及び使用方法

出願人 プレジデントアンドフェローズオブハーバードカレッジザチルドレンズメディカルセンターコーポレーション
発明者 ビーン,ブルース,ピー.ウールフ,クリフォード,ジェイ.リー,ジンボジョ,スヨンロバーソン,デイビッドタルボット,セバスチアン
出願日 2016年8月3日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2018-506119
公開日 2018年10月18日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-530518
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 5員環以上窒素含有飽和複素環式化合物 ピロ-ル系化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 水添ピリジン系化合物 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 圧搾エア 大型孔 有効形 膝及び腰 遮断部位 測定規準 休止間隔 ハッシュマーク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年10月18日)のものです。
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図面 (15)

課題・解決手段

本発明は、痛み、痒み、及び神経性炎症治療用化合物組成物、方法、及びキットを提供する。

概要

背景

リドカイン及びアルチカイン等の局部麻酔薬は、ニューロン中の電位依存性ナトリウムチャネル阻害することによって作用する。これらの麻酔薬は、ナトリウムチャネル遮断し、それにより痛みを感じるニューロン(侵害受容器)のみではなく、全てのニューロン(心臓血管系中の興奮細胞)の興奮性を遮断する。したがって、表面麻酔薬又は局所麻酔薬目標は、侵害受容器中のシグナル伝達を遮断して傷みを防止することであるが、局部麻酔薬の投与は、低限界圧力及び触覚受容体の遮断による全身性無感覚運動性軸索の遮断による運動障害及び自律神経線維の遮断による他の合併症等の不要な又は有害な効果も生む。局部麻酔薬は、細胞膜中へ又は細胞膜を通して拡散することによってナトリウムチャネルの遮断部位アクセスする、比較的疎水性分子である。膜に浸透しない、これらの化合物電荷誘導体(QX-314、リドカインの第4級窒素誘導体等)は、神経細胞膜の外面に適用されたとき、ニューロンのナトリウムチャネルへの影響がないが、何らかの形で、例えば単離ニューロンからの全細胞の電気生理学的記録に使用されたマイクロピペットから拡散することによって細胞内に導入された場合、ナトリウムチャネルを遮断することができる。痛み及び痒みを感じるニューロンは、痛みを伴う熱によって又は唐辛子の成分である、カプサイシンによって活性化される、TRPV1受容体/チャネル発現する他種のニューロン(ほとんどの場合)とは異なる。様々なタイプの痛みを感じる及び痒みを感じる(掻痒受容器)ニューロン中で選択的に発現される他種の受容体には、TRPA1及びP2X(2/3)受容体が挙げられるが、これらに限定されない。

神経因性炎症性、及び侵害受容性疼痛は、それらの病因病態生理学診断、及び治療において異なる。侵害受容性疼痛は、強力な又は有害な刺激による侵害受容性である高閾値末梢感覚ニューロン特定サブセットの活性化に応答して生じる。これは、一般に、急性かつ自己限定的であり、潜在的又は進行中の組織傷害警戒徴候として作用することによって生物学的保護機能として働く。典型的には、極めて限局されている。侵害受容性疼痛の例としては、外傷又は術後疼痛陣痛捻挫骨折火傷こぶ打撲充血歯科処置皮膚生検、及び閉塞が挙げられるが、これらに限定されない。

炎症性疼痛は、術後、外傷後疼痛関節痛(リウマチ又は変形性関節症)、軸性腰痛において見られるような関節、筋、及びへの損傷に関連する疼痛を含めた組織傷害又は炎症の存在下で生じる痛みであり、侵害受容性の激痛は、関連組織外傷がある場合、炎症性疼痛に移行し得る。

神経因性疼痛は、一般的なタイプの慢性良性疼痛であり、末梢又は中枢神経系における傷害又は機能不全の結果であり、生物学的保護機能として働くものではない。米国人口中160万人超が罹患していると推定される。神経因性疼痛は、多数の異なる病因があり、例えば、外傷、手術椎間板ヘルニア脊髄損傷糖尿病帯状疱疹(herpes zoster)の感染(帯状疱疹(shingles))、HIV/AIDS、末期癌、切断術(乳房切除術を含む)、手根管症候群、慢性アルコール使用、放射線照射への曝露、並びに特定の抗HIV剤及び化学療法薬等の神経毒性治療薬非意図的副作用として生じ得る。

神経因性疼痛は、性質上、よく「灼熱痛」、「電撃痛」、「打診痛」、又は「刺痛」として説明される。多くの場合、慢性動的アロディニア(軽い触覚等、普通は疼痛反応を誘発しない移動刺激からもたらされる痛みとして定義される)及び痛覚過敏(通常の疼痛刺激に対する感受性増加として定義される)を特徴とし、任意の損傷組織見掛け治癒より数カ月又は数年長く持続し得る。

痛みは、癌患者に生じ得、複数の原因、炎症、圧迫浸潤、骨又は他の組織への転移拡散に起因し得る。

有害刺激組織損傷又は神経系の病変(機能不全による痛みと呼ばれる)の不在下で痛みが生じる条件がいくつかあり、これらに限定されないが、線維筋痛緊張型頭痛、及び過敏性腸障害が挙げられる。

偏頭痛は、脳の髄膜神経支配する知覚線維の活性化に関連する頭痛である。

痒み(掻痒)は、局在化及び全身化し得る皮膚病変であり、皮膚損傷(発疹アトピー性湿疹膨疹)に関連し得る。痒みは、これらに限定されないが、ストレス、不安、太陽の紫外線、代謝及び内分泌障害(例えば、肝又は腎疾患甲状腺機能亢進症)、癌(例えば、リンパ腫)、薬物又は食物への反応、寄生虫及び真菌感染症アレルギー反応血液疾患(例えば、真性赤血球増加症)、並びに皮膚病変を含めた多くの状態を伴う。痒みは、TRPV1チャネルの発現を含むがこれらに限定されない侵害受容器ニューロンの多くの特徴を共有する、掻痒受容器である小径一次知覚性ニューロンサブセットによって媒介される。特定の掻痒メディエーター、例えばエイコサノイドヒスタミンブラジキニンATP、及び様々なニューロトロフィンは、エンドバニロイド機能を有する。局所カプサイシンは、ヒスタミン誘発性の痒みを抑制する。したがって侵害受容器のような掻痒受容器は、このイオンチャネル遮断薬送達方法に適した標的である。

神経性炎症は、感覚ニューロンの遠心(運動)機能によって媒介される炎症様式であり、痛みを感じるニューロン(侵害受容器)によって末梢中に放出される炎症性メディエーター分子が両方とも免疫細胞中の多種多様な炎症経路を活性化し、脈管系にも作用して血流及び毛細血管透過性を変化する。

神経性炎症は、様々な組織における組織傷害、自己免疫疾患感染症アレルギー刺激物への曝露によって誘発される末梢性炎症の一因となり、数々の障害(例えば、偏頭痛、関節炎鼻炎胃炎大腸炎膀胱炎、及び日焼け)の原因において重要な役割を果たすと考えられている。神経性炎症を低減する一方法として、侵害受容器中の興奮性を遮断し、それによって侵害受容末梢端の活性化及び炎症性化学物質の放出を防止するものがある。

概要

本発明は、痛み、痒み、及び神経性炎症の治療用の化合物、組成物、方法、及びキットを提供する。A

目的

したがって、表面麻酔薬又は局所麻酔薬の目標は、侵害受容器中のシグナル伝達を遮断して傷みを防止することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

式(I)[式中、R1F及びR1Gは一緒に、少なくとも1個の窒素原子を有する複素環を完成し、R1A、R1B、及びR1Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、OR1I、NR1JR1K、NR1LC(O)R1M、S(O)R1N、SO2R1OR1P、SO2R1QR1R、SO3R1S、CO2R1T、C(O)R1U、及びC(O)NR1VR1Wから選択され、R1I、R1J、R1K、R1L、R1M、R1N、R1O、R1P、R1Q、R1R、R1S、R1T、R1U、R1V、及びR1Wのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、X1は、-CR1XR1Y-、-NR1ZC(O)-、-OC(O)-、-SC(O)-、-C(O)NR1AA-、-CO2-、及び-OC(S)-から選択され、R1X、R1Y、R1Z、及びR1AAのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、R1D及びR1Eのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、C3〜8環状アルキルアリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択され、又はR1D及びR1Eは一緒に、3〜6員の複素環又はヘテロアルキル環を形成し、R1Hは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される]を有する第4級アミン化合物

請求項2

X1が-NHC(O)-である、請求項1に記載の化合物

請求項3

R1A及びR1Bのそれぞれが、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びNR1JR1Kから選択され、R1J及びR1Kのそれぞれが、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択されるか、又は少なくとも1つのR1Cが存在する、請求項1又は2に記載の化合物。

請求項4

R1Dが、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、又はヘテロアリールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。

請求項5

R1Eが、H又は場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、又はヘテロアリールである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。

請求項6

R1Hが、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、又はヘテロアリールである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。

請求項7

表1中の化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。

請求項8

である、請求項7に記載の化合物。

請求項9

である、請求項7に記載の化合物。

請求項10

式(II)[式中、mは0又は1であり、R2A、R2B、及びR2Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、CF3、OR2H、NR2IR2J、NR2KC(O)R2L、S(O)R2M、SO2R2NR2O、SO2NR2PR2Q、SO3R2R、CO2R2S、C(O)R2T、及びC(O)NR2UR2Vから選択され、R2H、R2I、R2J、R2K、R2L、R2M、R2N、R2O、R2P、R2Q、R2R、R2S、R2T、R2U、及びR2Vのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9であり、各R2Fは、独立に、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、CF3、OR2H、NR2IR2J、NR2KC(O)R2L、S(O)R2M、SO2R2NR2O、SO2NR2PR2Q、SO3R2R、CO2R2S、C(O)R2T、及びC(O)NR2UR2Vから選択され、R2H、R2I、R2J、R2K、R2L、R2M、R2N、R2O、R2P、R2Q、R2R、R2S、R2T、R2U、及びR2Vのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、R2D及びR2Eのそれぞれは、独立に、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される]を有する第4級アミン化合物。

請求項11

R2D及びR2Eのそれぞれが、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリールである、請求項10に記載の化合物。

請求項12

R2A、R2B、及びR2Cのそれぞれが、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、及びCF3から選択されるか、又は少なくとも1つのR2Cが存在するか、又は少なくとも1つのR2Fが存在する、請求項10又は11に記載の化合物。

請求項13

表2中の化合物である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物。

請求項14

である、請求項13に記載の化合物。

請求項15

一般式(III)[式中、nは、0、1、2、又は3であり、R3A、R3B、及びR3Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、OR3I、NR3JR3K、NR3LC(O)R3M、S(O)R3N、SO2R3OR3P、SO2NR3QR3R、SO3R3S、CO2R3T、C(O)R3U、及びC(O)NR3VR3Wから選択され、R3I、R3J、R3K、R3L、R3M、R3N、R3O、R3P、R3Q、R3R、R3S、R3T、R3U、R3V、及びR3Wのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、X3は、-NHC(O)-及び-C(O)NHから選択され、R3D及びR3Eのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択することができるか、又はR1D及びR1Eは一緒に、3〜6員の複素環又はヘテロアルキル環を形成することができ、R3F、R3G、及びR3Hのそれぞれは、独立に、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される]を有する第4級アミン化合物。

請求項16

X3が-NHC(O)-である、請求項15に記載の化合物。

請求項17

Nが0又は1である、請求項15又は16に記載の化合物。

請求項18

R3A、R3B、及びR3Cのそれぞれが、独立に、H、C1〜4アルキル、及びNR3JR3Kから選択され、R3J及びR3Kのそれぞれが、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択される、請求項15〜17のいずれか一項に記載の化合物。

請求項19

R3E、R3F、及びR3Gのそれぞれが、独立に、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される、請求項15〜18のいずれか一項に記載の化合物。

請求項20

表3中の化合物番号21〜24のいずれか1つである、請求項15〜19のいずれか一項に記載の化合物。

請求項21

である、請求項15〜20のいずれか一項に記載の化合物。

請求項22

請求項1〜21のいずれか一項に記載の第4級アミン化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物

請求項23

経口、静脈内、筋内、直腸、皮膚、皮下、局所経皮下、経鼻吸入内、鞘内硬膜外、又は眼内投与用に製剤化される、請求項21に記載の組成物。

請求項24

患者における痛み、痒み、又は神経性炎症障害治療方法であって、前記患者に、請求項1〜21のいずれか一項に記載の第4級アミン化合物を含む組成物を投与することを含み、前記化合物が、侵害受容器及び/又は掻痒受容器に存在する1つ以上の電位依存性イオンチャネル内面に適用されたとき、前記チャネル阻害するが、前記チャネルの外面に適用されたとき、前記チャネルを実質的に阻害せず、チャネル形成受容体活性化されると前記受容体を通って侵害受容器又は掻痒受容器に入り、前記侵害受容器中に存在する前記1つ以上の電位依存性イオンチャネルを阻害することができる、方法。

請求項25

前記チャネル形成受容体が、一時的受容体電位イオンチャネル(TRPチャネル形成受容体)である、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記TRPチャネル形成受容体が、外因性又は内因性アゴニストによって活性化される、請求項24又は25に記載の方法。

請求項27

前記TRPチャネル形成受容体がTRPA1又はTRPV1である、請求項25又は26に記載の方法。

請求項28

前記化合物が、前記TRPA1又はTRPV1受容体が活性化されると、前記受容体を通って侵害受容器又は掻痒受容器に入ることができる、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記化合物が、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する、請求項24に記載の方法。

請求項30

前記痛みが、神経因性疼痛炎症性疼痛侵害受容性疼痛感染症による痛み、及び処置痛からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。

請求項31

前記神経性炎症性障害が、アレルギー性炎症、ぜんそく、慢性結膜炎鼻炎乾癬炎症性腸疾患、及び間質性膀胱炎アトピー性皮膚炎からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。

請求項32

前記組成物が、からなる群から選択される第4級アミン化合物を含む、請求項24に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、痛み及び痒みを感じニューロン(侵害受容器及び掻痒受容器(pruriceptor))を選択的に阻害する組成物及び方法並びに痛みを感じないニューロン又は他のタイプの細胞への影響を最小限に抑えながら、低分子量の薬物分子で侵害受容器を標的化することによる神経性炎症治療を特徴とする。本発明の方法によれば、親水性薬物低分子は、痛み及び痒みを感じるニューロンに存在するが、他のタイプのニューロン又は他のタイプの組織内には僅かしか存在しない又は全く存在しない大型孔受容体(large pore receptor)/イオンチャネルを通る入口を介して、痛みを感じるニューロンの細胞内区画アクセスする。

背景技術

0002

リドカイン及びアルチカイン等の局部麻酔薬は、ニューロン中の電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することによって作用する。これらの麻酔薬は、ナトリウムチャネル遮断し、それにより痛みを感じるニューロン(侵害受容器)のみではなく、全てのニューロン(心臓血管系中の興奮細胞)の興奮性を遮断する。したがって、表面麻酔薬又は局所麻酔薬目標は、侵害受容器中のシグナル伝達を遮断して傷みを防止することであるが、局部麻酔薬の投与は、低限界圧力及び触覚の受容体の遮断による全身性無感覚運動性軸索の遮断による運動障害及び自律神経線維の遮断による他の合併症等の不要な又は有害な効果も生む。局部麻酔薬は、細胞膜中へ又は細胞膜を通して拡散することによってナトリウムチャネルの遮断部位にアクセスする、比較的疎水性の分子である。膜に浸透しない、これらの化合物電荷誘導体(QX-314、リドカインの第4級窒素誘導体等)は、神経細胞膜の外面に適用されたとき、ニューロンのナトリウムチャネルへの影響がないが、何らかの形で、例えば単離ニューロンからの全細胞の電気生理学的記録に使用されたマイクロピペットから拡散することによって細胞内に導入された場合、ナトリウムチャネルを遮断することができる。痛み及び痒みを感じるニューロンは、痛みを伴う熱によって又は唐辛子の成分である、カプサイシンによって活性化される、TRPV1受容体/チャネル発現する他種のニューロン(ほとんどの場合)とは異なる。様々なタイプの痛みを感じる及び痒みを感じる(掻痒受容器)ニューロン中で選択的に発現される他種の受容体には、TRPA1及びP2X(2/3)受容体が挙げられるが、これらに限定されない。

0003

神経因性炎症性、及び侵害受容性疼痛は、それらの病因病態生理学診断、及び治療において異なる。侵害受容性疼痛は、強力な又は有害な刺激による侵害受容性である高閾値末梢感覚ニューロン特定サブセットの活性化に応答して生じる。これは、一般に、急性かつ自己限定的であり、潜在的又は進行中の組織傷害警戒徴候として作用することによって生物学的保護機能として働く。典型的には、極めて限局されている。侵害受容性疼痛の例としては、外傷又は術後疼痛陣痛捻挫骨折火傷こぶ打撲充血歯科処置皮膚生検、及び閉塞が挙げられるが、これらに限定されない。

0004

炎症性疼痛は、術後、外傷後疼痛関節痛(リウマチ又は変形性関節症)、軸性腰痛において見られるような関節、筋、及びへの損傷に関連する疼痛を含めた組織傷害又は炎症の存在下で生じる痛みであり、侵害受容性の激痛は、関連組織外傷がある場合、炎症性疼痛に移行し得る。

0005

神経因性疼痛は、一般的なタイプの慢性良性疼痛であり、末梢又は中枢神経系における傷害又は機能不全の結果であり、生物学的保護機能として働くものではない。米国人口中160万人超が罹患していると推定される。神経因性疼痛は、多数の異なる病因があり、例えば、外傷、手術椎間板ヘルニア脊髄損傷糖尿病帯状疱疹(herpes zoster)の感染(帯状疱疹(shingles))、HIV/AIDS、末期癌、切断術(乳房切除術を含む)、手根管症候群、慢性アルコール使用、放射線照射への曝露、並びに特定の抗HIV剤及び化学療法薬等の神経毒性治療薬非意図的副作用として生じ得る。

0006

神経因性疼痛は、性質上、よく「灼熱痛」、「電撃痛」、「打診痛」、又は「刺痛」として説明される。多くの場合、慢性動的アロディニア(軽い触覚等、普通は疼痛反応を誘発しない移動刺激からもたらされる痛みとして定義される)及び痛覚過敏(通常の疼痛刺激に対する感受性増加として定義される)を特徴とし、任意の損傷組織見掛け治癒より数カ月又は数年長く持続し得る。

0007

痛みは、癌患者に生じ得、複数の原因、炎症、圧迫浸潤、骨又は他の組織への転移拡散に起因し得る。

0008

有害刺激組織損傷又は神経系の病変(機能不全による痛みと呼ばれる)の不在下で痛みが生じる条件がいくつかあり、これらに限定されないが、線維筋痛緊張型頭痛、及び過敏性腸障害が挙げられる。

0009

偏頭痛は、脳の髄膜神経支配する知覚線維の活性化に関連する頭痛である。

0010

痒み(掻痒)は、局在化及び全身化し得る皮膚病変であり、皮膚損傷(発疹アトピー性湿疹膨疹)に関連し得る。痒みは、これらに限定されないが、ストレス、不安、太陽の紫外線、代謝及び内分泌障害(例えば、肝又は腎疾患甲状腺機能亢進症)、癌(例えば、リンパ腫)、薬物又は食物への反応、寄生虫及び真菌感染症アレルギー反応血液疾患(例えば、真性赤血球増加症)、並びに皮膚病変を含めた多くの状態を伴う。痒みは、TRPV1チャネルの発現を含むがこれらに限定されない侵害受容器ニューロンの多くの特徴を共有する、掻痒受容器である小径一次知覚性ニューロンサブセットによって媒介される。特定の掻痒メディエーター、例えばエイコサノイドヒスタミンブラジキニンATP、及び様々なニューロトロフィンは、エンドバニロイド機能を有する。局所カプサイシンは、ヒスタミン誘発性の痒みを抑制する。したがって侵害受容器のような掻痒受容器は、このイオンチャネル遮断薬送達方法に適した標的である。

0011

神経性炎症は、感覚ニューロンの遠心(運動)機能によって媒介される炎症様式であり、痛みを感じるニューロン(侵害受容器)によって末梢中に放出される炎症性メディエーター分子が両方とも免疫細胞中の多種多様な炎症経路を活性化し、脈管系にも作用して血流及び毛細血管透過性を変化する。

0012

神経性炎症は、様々な組織における組織傷害、自己免疫疾患感染症アレルギー刺激物への曝露によって誘発される末梢性炎症の一因となり、数々の障害(例えば、偏頭痛、関節炎鼻炎胃炎大腸炎膀胱炎、及び日焼け)の原因において重要な役割を果たすと考えられている。神経性炎症を低減する一方法として、侵害受容器中の興奮性を遮断し、それによって侵害受容末梢端の活性化及び炎症性化学物質の放出を防止するものがある。

発明が解決しようとする課題

0013

痛み、痒み、及び神経性炎症に対する様々な療法の発達にもかかわらず、さらなる薬剤が必要とされている。

課題を解決するための手段

0014

第1の態様において、本発明は、式(I)

0015

[式中、
R1F及びR1Gは一緒に、少なくとも1個の窒素原子を有する複素環を完成し、
R1A、R1B、及びR1Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、OR1I、NR1JR1K、NR1LC(O)R1M、S(O)R1N、SO2R1OR1P、SO2R1QR1R、SO3R1S、CO2R1T、C(O)R1U、及びC(O)NR1VR1Wから選択され、R1I、R1J、R1K、R1L、R1M、R1N、R1O、R1P、R1Q、R1R、R1S、R1T、R1U、R1V、及びR1Wのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、
X1は、-CR1XR1Y-、-NR1ZC(O)-、-OC(O)-、-SC(O)-、-C(O)NR1AA-、-CO2-、及び-OC(S)-から選択され、R1X、R1Y、R1Z、及びR1AAのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、
R1D及びR1Eのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、C3〜8環状アルキルアリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択され、又はR1D及びR1Eは一緒に、3〜6員の複素環又はヘテロアルキル環を形成し、
R1Hは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される]を有する第4級アミン化合物を特徴とする。

0016

一部の実施形態では、X1は-NHC(O)-である。一部の実施形態では、R1A及びR1Bのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びNR1JR1Kから選択され、R1J及びR1Kのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択されるか、又は少なくとも1つのR1Cが存在する。他のある特定の実施形態では、R1Dは、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであるか、R1Eは、H及び場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであるか、又はR1Hは、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、C3〜8環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリールである。

0017

一部の実施形態では、化合物は、表1の化合物である。一部の実施形態では、化合物は、以下である。

0018

0019

第2の態様において、本発明は、式(II)

0020

[式中、
mは0又は1であり、
R2A、R2B、及びR2Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、CF3、OR2H、NR2IR2J、NR2KC(O)R2L、S(O)R2M、SO2R2NR2O、SO2NR2PR2Q、SO3R2R、CO2R2S、C(O)R2T、及びC(O)NR2UR2Vから選択され、R2H、R2I、R2J、R2K、R2L、R2M、R2N、R2O、R2P、R2Q、R2R、R2S、R2T、R2U、及びR2Vのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9であり、各R2Fは、独立に、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、CF3、OR2H、NR2IR2J、NR2KC(O)R2L、S(O)R2M、SO2R2NR2O、SO2NR2PR2Q、SO3R2R、CO2R2S、C(O)R2T、及びC(O)NR2UR2Vから選択され、R2H、R2I、R2J、R2K、R2L、R2M、R2N、R2O、R2P、R2Q、R2R、R2S、R2T、R2U、及びR2Vのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、
R2D及びR2Eのそれぞれは、独立に、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される]を有する第4級アミン化合物を特徴とする。

0021

一部の実施形態では、R2D及びR2Eのそれぞれは、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリールである。別の実施形態では、R2A、R2B、及びR2Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、及びCF3から選択されるか、又は少なくとも1つのR2Cが存在するか、又は少なくとも1つのR2Fが存在する。ある特定の実施形態では、化合物は、表2の化合物である。一部の実施形態では、化合物は、以下である。

0022

0023

第3の態様において、本発明は、一般式

0024

[式中、
nは、0、1、2、又は3であり、
R3A、R3B、及びR3Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、OR3I、NR3JR3K、NR3LC(O)R3M、S(O)R3N、SO2R3OR3P、SO2NR3QR3R、SO3R3S、CO2R3T、C(O)R3U、及びC(O)NR3VR3Wから選択され、R3I、R3J、R3K、R3L、R3M、R3N、R3O、R3P、R3Q、R3R、R3S、R3T、R3U、R3V、及びR3Wのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択され、
X3は、-NHC(O)-及び-C(O)NHから選択され、
R3D及びR3Eのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択され得、又はR1D及びR1Eは一緒に、3〜6員の複素環又はヘテロアルキル環を形成することができ、
R3F、R3G、及びR3Hのそれぞれは、独立に、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される]を有する第4級アミン化合物を特徴とする。

0025

特定の実施形態では、X3は-NHC(O)-である。他の実施形態では、nは0又は1である。一部の実施形態では、R3A、R3B、及びR3Cのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、及びNR3JR3Kから選択され、R3J及びR3Kのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択される。さらに別の実施形態では、R3E、R3F、及びR3Gのそれぞれは、独立に、場合によりハロゲンで置換されたC1〜4アルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択される。特定の実施形態では、化合物は、表3の化合物番号21〜24のいずれか1つである。さらに別の実施形態では、化合物は、以下である。

0026

0027

第4の態様において、本発明は、表1〜3の化合物又は式I〜IIIの化合物のいずれか1つの第4級アミン化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む組成物も特徴とする。組成物は、経口、静脈内、筋肉内、直腸、皮膚、皮下、局所、経皮下、経鼻吸入内、鞘内硬膜外、又は眼内投与用に製剤化することができる。

0028

第5の態様において、本発明は、患者における痛み、痒み、又は神経性炎症性障害を治療するための方法であって、表1〜3の化合物又は式I〜IIIの化合物のうちのいずれか1つの第4級アミン化合物を含む組成物を患者に投与することを含み、チャネルの内側面に適用されたとき、化合物は、侵害受容器及び/又は掻痒受容器中に存在する1つ以上の電位依存性イオンチャネルを阻害するが、チャネルの外側面に適用されたときは、チャネルを実質的に阻害せず、受容体が活性化されると、化合物がチャネル形成受容体を通って侵害受容器又は掻痒受容器に入ることができ、侵害受容器中に存在する1つ以上の電位依存性イオンチャネルを阻害する、方法を特徴とする。

0029

ある特定の実施形態では、チャネル形成受容器は、一時的受容器電位イオンチャネル(TRPチャネル形成受容体)である。他の実施形態では、TRPチャネル形成受容体は、外因性又は内因性アゴニストによって活性化される。さらに他の実施形態では、TRPチャネル形成受容器は、TRPA1又はTRPV1である。特定の実施形態では、受容器が活性化されると、化合物は、TRPA1又はTRPV1受容器を通って侵害受容器又は掻痒受容器に入ることができる。さらに他の実施形態では、化合物は、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する。さらに別の実施形態では、痛みは、神経因性疼痛、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛、感染症による痛み、及び処置痛からなる群から選択され、又は神経性炎症性障害は、アレルギー性炎症、ぜんそく、慢性結膜炎、鼻炎、乾癬炎症性腸疾患、及び間質性膀胱炎アトピー性皮膚炎からなる群から選択される。特定の実施形態では、本発明の組成物は、以下からなる群から選択される第4級アミン化合物を含む。

0030

0031

定義
「生物学的に活性な」とは、核酸ペプチドポリペプチド、及びタンパク質等の生体分子を含めた分子が、それ自体に又は他の分子に物理的又は化学的作用を発揮することを意味する。例えば、「生物学的に活性な」分子は、例えば、酵素活性タンパク質結合活性(例えば、抗体相互作用)、又は細胞毒性(例えば、抗癌特性)を有し得る。本明細書に記載の方法及びキットの中で使用することができる生物活性物質には、これらに限定されないが、抗体又は抗体フラグメント抗生物質ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、抗癌剤増殖因子、及びワクチンが挙げられる。

0032

「炎症」とは、免疫系によって生じるもの(免疫介在性炎症)及び神経系によって生じるもの(神経性炎症)等の任意のタイプの炎症、並びに潮紅、熱、腫脹、痛み、及び/又は機能喪失を含めた任意の炎症症状を意味する。

0033

「神経性炎症」とは、ニューロン(例えば侵害受容器)又は中枢もしくは末梢神経系の他の任意の構成要素によって媒介された又は寄与された任意のタイプの炎症を意味する。

0034

用語「痛み」は、本明細書において広義で使用され、急性及び慢性の痛み、例えば侵害受容疼痛、例えば体性痛及び内臓痛、炎症性疼痛、機能不全による痛み、特発性疼痛、神経因性疼痛、例えば中枢に生じた痛み及び末梢に生じた痛み、偏頭痛、並びに癌性疼痛を含めた、全てのタイプの痛みを指す。

0035

用語「侵害受容性疼痛」は、これらに限定されないが、切り傷打撲傷、骨折、圧挫、火傷等によって体内組織を損傷する恐れがあるか又は実際に損傷する有害刺激によって生じる全ての疼痛を挙げるために使用される。組織傷害の痛覚受容体(侵害受容器)は、大部分が、皮膚、筋骨格系、又は内蔵器官中に位置する。

0036

用語「体性痛」は、骨、関節、筋肉、皮膚、又は結合組織から発生する痛みを指すために使用される。このタイプの痛みは典型的には、極めて限局している。

0037

用語「内臓痛」は、本明細書において、呼吸器胃腸管及び膵臓尿路、並びに生殖器等の内臓から発生する痛みを指すために使用される。内臓痛は、臓器被膜(organ capsule)の腫瘍浸潤によって生じる痛みを含む。典型的に中空臓器の閉塞によって生じる、別のタイプの内臓痛は、間欠性痙攣及び局在のはっきりしない痛みを特徴とする。内臓痛は、膀胱炎又は逆流性食道炎等の炎症に関連し得る。

0038

炎症性疼痛という用語は、外傷、手術、感染症及び自己免疫疾患によって生じ得る活動性炎症に関連した痛みを含む。

0039

用語「神経因性疼痛」は、本明細書において、末梢又は中枢神経系による感覚の入力の異常処理を起源とし、結果としてこれらの系に病変を生む痛みを指すために使用される。

0040

用語「処置痛」は、医療歯科又は外科的処置から発生する痛みを指し、処置は通常、計画されているか又は急性外傷に関連する。

0041

用語「痒み」は、本明細書において広義で使用され、全てのタイプの痒み並びに局所及び全身の、急性間欠性及び持続性刺すような感覚を指す。痒みは、特発性、アレルギー性代謝性感染性薬物性であってよく、肝、腎疾患、又は癌に起因するものでよい。「掻痒」は、重篤な痒みである。

0042

「患者」とは、任意の動物を意味する。一実施形態では、患者はヒトである。本発明の方法、組成物、及びキットを使用して治療することができる他の動物には、これらに限定されないが、非ヒト霊長類(例えば、サルゴリラチンパンジー)、家畜(例えば、ウマブタヤギウサギヒツジ畜牛ラマ)、及びコンパニオンアニマル(例えば、テンジクネズミラットマウストカゲヘビイヌネコ、サカナハムスター、及びトリ)が挙げられる。

0043

本発明において有用な化合物は、これらに限定されないが、本明細書に記載の化合物のジアステレオマー及び鏡像異性体等の異性体、それらの塩、エステルアミドチオエステル溶媒和物、及び多形体、並びにラセミ混合物及び純粋な異性体を含めた、それらの薬学的に許容される形態のいずれかの本明細書に記載のものが挙げられる。

0044

「低分子量」とは、約500ダルトン未満を意味する。

0045

用語「薬学的に許容される塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等がなく、適切な医学的良識の範囲内で、ヒト及び下等動物の組織との接触における使用に適し、妥当損益比に対応する、塩を表す。薬学的に許容される塩は、当技術分野において周知である。塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製の間、インサイチュで調製することができるか、又は遊離塩基官能基を好適な有機酸と反応させることによって分離することができる。代表的な酸付加塩には、これらに限定されないが、酢酸塩アジピン酸塩アルギン酸塩アスコルビン酸塩アスパラギン酸塩ベンゼンスルホン酸塩安息香酸塩重硫酸塩ホウ酸塩酪酸塩樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩クエン酸塩シクロペンタンプロピオン酸塩ジグルコ酸塩ドデシル硫酸塩エタンスルホン酸塩フマル酸塩グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩臭化水素酸付加塩塩酸塩ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩ラクトビオン酸塩、乳酸塩ラウリン酸塩ラウリル硫酸塩リンゴ酸塩マレイン酸塩マロン酸塩メシレートメタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩ニコチン酸塩、硝酸塩オレイン酸塩シュウ酸塩パルミチン酸塩パモエートペクチン酸塩過硫酸塩3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩ピクリン酸塩ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩コハク酸塩硫酸塩、酒石酸塩チオシアン酸塩トルエンスルホン酸塩ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、これらに限定されないが、ナトリウムリチウムカリウムカルシウムマグネシウム等、並びに非毒性アンモニウム、第4級アンモニウムアミンカチオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウムテトラエチルアンモニウムメチルアミンジメチルアミントリメチルアミントリエチルアミンエチルアミン等を含むが、これらに限定されない)が挙げられる。

0046

本発明の化合物の一般的記述において、置換基中の特定の種類の原子の数は一般に、例えば、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基又はC1〜4アルキルが、範囲で挙げられる。このような範囲への言及は、それぞれの原子の数が特定の範囲内の整数で含まれる基への特定の言及を含むことが意図される。例えば、炭素原子が1〜4個のアルキル基は、C1、C2、C3、及びC4のそれぞれを含む。例えば、C1〜12ヘテロアルキルは、1個以上のヘテロ原子に加えて1〜12個の炭素原子を含む。他の原子数及び他の種類の原子も同様のやり方で指示され得る。

0047

本明細書で使用する場合、用語「アルキル」及び接頭語「alk-」は、直鎖及び分枝鎖基の両方並びに環状基、すなわちシクロアルキルを含める。環状基は、単環式でも多環式でもよく、好ましくは、両端を含めた3〜6個の環炭素原子を有する。例示的な環状基には、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチル、及びシクロヘキシル基が挙げられる。

0048

「C1〜4アルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有する分枝又は非分枝炭化水素基を意味する。C1〜4アルキル基は、置換でも非置換でもよい。例示的な置換基には、アルコキシアリールオキシスルフィドリルアルキルチオアリールチオハロゲン化合物ヒドロキシルフルオロアルキルペルフルオロアルキルアミノアミノアルキル二置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキルカルボキシアルキル、及びカルボキシル基が挙げられる。C1〜4アルキルには、限定されないが、メチルエチル、n-プロピルイソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチルn-ブチルイソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びシクロブチルが挙げられる。

0049

「C2〜4アルケニル」とは、1つ以上の二重結合を含有し、2〜4個の炭素原子を有する分枝又は非分枝炭化水素基を意味する。C2〜4アルケニルは、場合により、単環又は多環を含んでよく、各環は、3〜6員を有することが望ましい。C2〜4アルケニル基は、置換でも非置換でもよい。例示的な置換基には、アルコキシ、アリールオキシ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化合物、ヒドロキシル、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びカルボキシル基が挙げられる。C2〜4アルケニルには、限定されないが、ビニルアリル、2-シクロプロピル-1-エテニル、1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-プロペニル、及び2-メチル-2-プロペニルが挙げられる。

0050

「C2〜4アルキニル」とは、1つ以上の三重結合を含み、2〜4個の炭素原子を有する分枝又は非分枝炭化水素基を意味する。C2〜4アルキニルは、場合により、単環、二環、又は三環を含んでよく、各環は、5又は6員を有することが望ましい。C2〜4アルキニル基は、置換でも非置換でもよい。例示的な置換基には、アルコキシ、アリールオキシ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化合物、ヒドロキシ、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びカルボキシル基が挙げられる。C2〜4アルキニルには、限定されないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、及び3-ブチニルが挙げられる。

0051

「C2〜6ヘテロシクリル」とは、飽和、部分的に不飽和、又は不飽和(芳香族)で、2〜6個の炭素原子並びにN、O、及びSから独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子からなり、上で定義したの複素環のいずれかがベンゼン環と融合している任意の二環式基を含む、安定性の5〜7員単環式又は7〜14員二環式複素環を意味する。ヘテロシクリル基は、置換でも非置換でもよい。例示的な置換基には、アルコキシ、アリールオキシ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化合物、ヒドロキシ、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びカルボキシル基が挙げられる。窒素及び硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されてもよい。複素環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して共有結合することができ、結果として安定性の構造をもたらし、例えば、イミダゾニル環は、環炭素原子位置又は窒素原子のいずれかで連結し得る。複素環中の窒素原子は、場合により四級化されてよい。好ましくは、複素環中のS及びO原子の総数が1を超えると、これらのヘテロ原子は互いに隣接しなくなる。複素環には、限定されないが、1H-インダゾール、2-ピロリドニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、2H-ピロリル、3H-インドリル、4-ピペリドニル、4aH-カルバゾール、4H-キノリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニルアクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニルベンゾオキサゾリルベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダザロニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、b-カルボリニル、クロマニル、クロメニルシンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリルインドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニルナフチリジニルオクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニルオキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニルピペリジニルプテリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニルピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリルピリダジニルピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾールピリジニルピリジルピリミジニルピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニルチエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、キサンテニルが挙げられる。好ましい5〜10員複素環には、これらに限定されないが、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、1H-インダゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾオキサゾリニル、キノリニル、及びイソキノリニルが挙げられる。好ましい5〜6員複素環には、限定されないが、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、及びテトラゾリルが挙げられる。

0052

「C6〜12アリール」とは、共役π電子を有する炭素原子で構成される環系(例えば、フェニル)を有する芳香族基を意味する。アリール基は、6〜12個の炭素原子を有する。アリール基は、場合により、単環、二環、又は三環を含んでよく、各環が5又は6員を有することが望ましい。アリール基は、置換でも非置換でもよい。例示的な置換基には、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化合物、フルオロアルキル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、一置換アミノ、二置換アミノ、及び第4級アミノ基が挙げられる。

0053

「C7〜14アルカリル」とは、7〜14個の炭素原子を有するアリール基(例えば、ベンジルフェネチル、又は3,4-ジクロロフェネチル)で置換されているアルキルを意味する。

0054

「C3〜10アルクヘテロシクリル」とは、1個以上のヘテロ原子に加えて3〜10個の炭素原子を有するアルキル置換複素環式基(例えば、3-フラニルメチル、2-フラニルメチル、3-テトラヒドロフラニルメチル、又は2-テトラヒドロフラニルメチル)を意味する。

0055

「C1〜7ヘテロアルキル」とは、N、O、S、及びPからなる群から独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子に加えて1〜7個の炭素原子を有する分枝又は非分枝アルキル、アルケニル、又はアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルには、限定されないが、第3級アミン、第2級アミン、エーテルチオエーテル、アミド、チオアミドカルバメートチオカルバメートヒドラゾンイミンリン酸ジエステル、アミド亜リン酸エステルスルホンアミド、及びジスルフィドが挙げられる。ヘテロアルキルは、場合により、単環、二環、又は三環を含んでよく、各環は3〜6員を有することが望ましい。ヘテロアルキル基は、置換でも非置換でもよい。例示的な置換基には、アルコキシ、アリールオキシ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化合物、ヒドロキシル、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、二置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びカルボキシル基が挙げられる。C1〜7ヘテロアルキルの例としては、限定されないが、メトキシメチル及びエトキシエチルが挙げられる。

0056

「ハロゲン化合物」とは、臭素塩素ヨウ素、又はフッ素を意味する。

0057

「フルオロアルキル」とは、フッ素原子で置換されているアルキル基を意味する。

0058

「ペルフルオロアルキル」とは、炭素及びフッ素原子のみからなるアルキル基を意味する。

0059

「カルボキシアルキル」とは、式-(R)-COOH(式中、Rは、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10alkヘテロシクリル、又はC1〜7ヘテロアルキルから選択される)を有する化学部分を意味する。

0060

「ヒドロキシアルキル」とは、式-(R)-OH(式中、Rは、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10alkヘテロシクリル、又はC1〜7ヘテロアルキルから選択される)を有する化学部分を意味する。

0061

「アルコキシ」とは、式-OR(式中、Rは、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10alkヘテロシクリル、又はC1〜7ヘテロアルキルから選択される)の化学置換基を意味する。

0062

「アリールオキシ」とは、式-OR(式中、Rは、C6〜12アリール基である)の化学置換基を意味する。

0063

「アルキルチオ」とは、式-SR(式中、Rは、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10alkヘテロシクリル、又はC1〜7ヘテロアルキルから選択される)の化学置換基を意味する。

0064

「アリールチオ」とは、式-SR(式中、Rは、C6〜12アリール基である)の化学置換基を意味する。

0065

「第4級アミノ」とは、式-(R)-N(R')(R'')(R''')+(式中、R、R'、R''、及びR'''は、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリール基である)の化学置換基を意味する。Rは、置換基として第4級アミノ窒素原子を別の部分と連結させるアルキル基でよい。窒素原子Nは、アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、及び/又はアリール基の4個の炭素原子に共有結合し、結果として窒素原子に正電荷を持たせる。

0066

「荷電部分」とは、生理的pHでプロトンを得ることによって正電荷になる部分(例えば、アンモニウム、グアニジニウム、又はアミジニウム)又はプロトン化なしで有効形式正電荷(net formal positive charge)を含む部分(例えば、第4級アンモニウム)を意味する。荷電部分は、永久的に荷電されていても、一時的に荷電されていてもよい。

0067

本明細書で使用する場合、用語「親」は、親化合物中に存在するアミン窒素原子の四級化又はグアニル化によって修飾可能なチャネル遮断化合物を指す。四級化又はグアニル化化合物は、親化合物の誘導体である。本明細書に記載のグアニジル誘導体は、非荷電塩基形態で存在する。これらの化合物は、塩として(すなわち、酸付加塩)又は非電荷塩基形態で投与することができ、インサイチュでプロトン化を経て荷電部分を形成する。

0068

「治療に有効な量」とは、所望の結果、例えば、完全に又は部分的に神経性炎症によって生じる状態、疾患、病気(例えば、ぜんそく、関節炎、大腸炎、接触性皮膚炎、糖尿病、湿疹、膀胱炎、胃炎、偏頭痛、乾癬、鼻炎、しゅさ、又は日焼け)に罹患する患者(例えば、ヒト)における痛み、痒み、又は神経性炎症の軽減又は除去、をもたらすために充分な量を意味する。

0069

本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0070

ナトリウムチャネルを通る電流を、増大する周波数印加した電圧パルス脱分極することによって誘導し、間に休止期間を設けて使用依存性からの回復アッセイする全細胞パッチクランプ記録において、細胞内に適用された100μM QX-314(中央のトレース)又はナトリウムチャネル遮断薬化合物BW 8186(化合物6)(下のトレース)によるNav1.7ナトリウムチャネルの使用依存性遮断を示す図である。上のトレースは、薬物抜きで同じプロトコールを適用したときに、有意な遮断が欠如していたことを示す。
外部から適用した化合物6(中央のトレース)は、同じプロトコールで試験したときに、ごく僅かな効果しかなかった(薬物抜きの場合と同等)ことを示す図である。
荷電ナトリウムチャネル遮断薬によるCFA誘発温熱性痛覚過敏逆転を示す図である。図2A及び2Cは、20μL(左後足に注射)のCFA(50%エマルション)及び生理食塩水併用処置したマウスの後足の底面に適用した一定放射熱源に対する応答待ち時間(秒)として測定した温熱性侵害受容感度における経時的(0、1、6、及び24時間)変化を示し、またCFAをQX-314(1%、白色の四角)、N-エチルエチドカイン(化合物21、1%、黒色の四角)、又はACS8180-3B(化合物3、1%、黒色の三角)と一緒に併用して適用した場合も示す。図2B及び2Dは、CFA処置の前及びCFA注射の1時間後に行った異なる化合物による処置の後の侵害温痛覚応答時間を示す。データは、1群当たり8〜16匹のマウスの平均±SEMである。CFA前(*)及びCFA+ビヒクル(+)との統計比較を、+P<0.05、++P<0.01及び+++、***P<0.001で示す。
荷電ナトリウムチャネル遮断薬によるCFA誘発温熱性痛覚過敏の逆転を示す図である。図2Aと同様。
荷電ナトリウムチャネル遮断薬によるCFA誘発温熱性痛覚過敏の逆転を示す図である。図2Aと同様。
荷電ナトリウムチャネル遮断薬によるCFA誘発温熱性痛覚過敏の逆転を示す図である。図2Aと同様。
荷電ナトリウムチャネル遮断薬による、足の切り傷から誘発された温熱性痛覚過敏の逆転を示すデータのグラフ図である。図3Aは、生理食塩水、QX-314(0.5%)、又はN-エチルエチドカイン(化合物21)(0.5%)の急性足底内注射(50μl)を受けた(試験の1時間前)ラットの反対側の足と同側の足の間で観察された温熱性侵害受容閾値を示す。図3Bは、反対側の足と比較して、生理食塩水、QX-314、又はN-エチルエチドカイン(化合物21)を注射した後、左後足に外科切開を受けたラットで観察された温熱性侵害受容閾値を示す。データは、1群当たり8匹のラットの平均±SEMである。反対側の足との統計比較(*)を、***P<0.001で示す。
荷電ナトリウムチャネル遮断薬による、足の切り傷から誘発された温熱性痛覚過敏の逆転を示すデータのグラフ図である。図3Aと同様。
N-エチルエチドカイン(化合物21)が、神経毒性を誘発しないことを示す結果の画像である。マウスの後根神経節スライス中のATF3発現の代表的な画像(ダークシェーディング、図4A〜4C)は、CFA+N-エチルエチドカイン(化合物21)(1%、20μl)の急性後足注射の8週前に曝露した。
N-エチルエチドカイン(化合物21)によるの感覚ニューロンへのサイレンシングが、アレルギー性気道炎症を低減することを示す結果の図である。OVAに曝露されたマウス(21日目)は、BALF合計(図5A)、並びに好酸球(図5C)、マクロファージ(図5D)及びT細胞(図5E)計数を含めたCD45+細胞(図5B)を増加させる。ビヒクル処置と比較して、エアロゾル化QX-314(100μM、白色の四角)又はN-エチルエチドカイン(化合物21)(100μM、黒色の四角)を使用した感覚ニューロンのサイレンシングは、これらのレベルを減少させた。N-エチルエチドカイン(化合物21)は、QX-314と比べて大きく減少する傾向を示す。データは、平均±SEMで表した(両側の独立スチューデントt-検定(n=8〜16頭の動物/群、1〜2のコホート))。
N-エチルエチドカイン(化合物21)による肺の感覚ニューロンへのサイレンシングが、アレルギー性気道炎症を低減することを示す結果の図である。図5Aと同様。
N-エチルエチドカイン(化合物21)による肺の感覚ニューロンへのサイレンシングが、アレルギー性気道炎症を低減することを示す結果の図である。図5Aと同様。
N-エチルエチドカイン(化合物21)による肺の感覚ニューロンへのサイレンシングが、アレルギー性気道炎症を低減することを示す結果の図である。図5Aと同様。
N-エチルエチドカイン(化合物21)による肺の感覚ニューロンへのサイレンシングが、アレルギー性気道炎症を低減することを示す結果の図である。図5Aと同様。

0071

本発明者らは、侵害受容器及び/又は掻痒受容器で発現するが、細胞内に適用するとイオンチャネル遮断薬としてQX-314より強力な運動ニューロンでは発現しない開口TRPチャネル形成受容体を通過することができる新規の第4級アンモニウム化合物を同定した。正電荷を帯びているため、本発明のイオンチャネル遮断薬は膜透過性ではなく、したがってTRPチャネル形成受容体を発現しない細胞には入ることができない。内因性リガンドの放出又は温熱刺激による活性化に起因して、TRPチャネル形成受容体は、多くの場合、痛みに関連する組織状態(炎症等)でより活性である。痛み、痒み、又は神経性炎症を効果的に治療(例えば、除去又は緩和)するために、本発明のイオンチャネル遮断薬を単独で使用して、選択的に活性化侵害受容器を標的化することができる。痛み、痒み、又は神経性炎症を効果的に治療(例えば、除去又は緩和)するために、本発明のイオンチャネル遮断薬を、1つ以上の外因性TRPチャネル形成受容体アゴニストと組み合わせて使用して、選択的に侵害受容器を標的化することもできる。

0072

痛みを感じるニューロン中の電位依存性イオンチャネルは、現在、痛みを治療する薬物の開発において非常な関心を持たれている。痛みを感じるニューロン中の電位依存性ナトリウムチャネルの遮断は、活動電位の開始及び伝達を中断することによって痛みのシグナルを遮断することができ、カルシウムチャネルの遮断は、脊髄中の二次ニューロンへの痛みのシグナルの神経伝達を防止することができる。その上、侵害受容器中の電位依存性ナトリウムチャネルの遮断は、侵害受容器末梢端の活性化及びその炎症性化学物質の放出を防止することによって神経性炎症を低減又は除去することができる。

0073

従来、ナトリウムチャネル又はカルシウムチャネルを遮断する有機低分子の設計における限度は、標的細胞に外部から適用したときに活性にならなければならない程度である。このような外部から適用される分子の大部分は、疎水性であり、膜を通過することができる。このため、これらの分子は全ての細胞に入り、したがって侵害受容器のみに影響を与える選択性はない。

0074

カチオン性リドカイン誘導体QX-314等の一部の阻害剤は、膜に非透過性であり、侵害受容器細胞の内部に存在する場合のみ有効であり、そのため効果を生むには、一時的受容体電位イオンチャネル(TRPチャネル、例えば、TRPAV1、TRPA1、及びP2X(2/3))等のチャネル又は受容体を介して細胞膜を通過する必要がある。普通の状況下で、侵害受容器中のほとんどのTRPチャネルは活性でないが、これらを活性化するために有害性温熱機械的、又は化学的刺激を必要とする。例えば、侵害受容器中のTRPチャネルは、TRPV1チャネルを開口するカプサイシン等の外因性TRPリガンド(すなわちTRPアゴニスト)によって活性化することができる。したがって、侵害受容器を選択的に標的化する一手法は、膜に非透過性のイオンチャネル阻害剤と、TRPチャネルを通って細胞内に入る阻害剤の経路を可能にする外因性TRPリガンドとを同時投与するものである。カプサイシンに加えて、外因性TRPリガンドは、別のカプサイシノイドカラシ油、又はリドカインであってもよい。別の例では、TRPチャネルは、煙又は催眠ガス等の化学兵器由来の吸入アクロレイン等の外因性刺激活性化剤に応答して活性化し得る。

0075

特定の状況下で、TRPチャネルは、外因性TRPアゴニスト/リガンドがなくても、組織傷害、感染症、自己免疫アトピー虚血低酸素症細胞ストレス、免疫細胞活性化、免疫メディエーター生成、及び酸化ストレスによって発生する内因性炎症活性化剤によって活性化することができる。このような条件下で、内因性分子(例えば、プロトン、脂質、及び活性酸素種)は、侵害受容器で発現したTRPチャネルを活性化することができ、膜に非透過性の電位依存性イオンチャネル遮断薬が、内因的に活性化されたTRPチャネルを通して侵害受容器の内部にアクセスすることを可能にする。TRPチャネルの内因性炎症活性化剤には、例えば、プロスタグランジン酸化窒素(NO)、過酸化物(H2O2)、システイン反応性炎症メディエーター様4-ヒドロキシノネナール、内因性アルケニルアルデヒド内在性カンナビノイド、及び免疫メディエーター(例えば、インターロイキン1(IL-1)、神経成長因子(NGF)、及びブラジキニン(これらの受容体はTRPチャネルに結合される))が挙げられる。

0076

本発明を、以下でより詳細に説明する。

0077

荷電イオンチャネル遮断薬
本発明の組成物、キット、及び方法の中で使用することができる化合物には、次式(I)の化合物が挙げられる。

0078

0079

式(I)中、R1F及びR1Gは一緒に、少なくとも1個の窒素原子を有する複素環を完成する。好ましい実施形態では、複素環は、6員環又は5員環である。加えて、R1A、R1B、及びR1Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、OR1I、NR1JR1K、NR1LC(O)R1M、S(O)R1N、SO2R1OR1P、SO2R1QR1R、SO3R1S、CO2R1T、C(O)R1U、及びC(O)NR1VR1Wから選択することができ、R1I、R1J、R1K、R1L、R1M、R1N、R1O、R1P、R1Q、R1R、R1S、R1T、R1U、R1V、及びR1Wのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択することができる。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つの独立したR1Cを有する。X1は、-CR1XR1Y-、-NR1ZC(O)-、-OC(O)-、-SC(O)-、-C(O)NR1AA-、-CO2-、及び-OC(S)-から選択することができる。好ましい実施形態では、X1は-NHC(O)-である。R1X、R1Y、R1Z、及びR1AAのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択することができる。R1D及びR1Eのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択することができるか、又はR1D及びR1Eは一緒に、3〜6員環(環状アルキル又は複素環)を形成することができる。R1Hは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択することができる。例示的な式(I)の化合物には、表1に列挙したものが挙げられる。これらの化合物は、実施例1〜6に記載の方法と同様の方法を使用して調製することができる。

0080

0081

本発明の組成物、キット、及び方法の中で使用できる化合物には、式(II)の化合物が挙げられる。

0082

0083

式(II)中、mは0又は1でよく、R2A、R2B、及びR2Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、CF3、OR2H、NR2IR2J、NR2KC(O)R2L、S(O)R2M、SO2R2NR2O、SO2NR2PR2Q、SO3R2R、CO2R2S、C(O)R2T、及びC(O)NR2UR2Vから選択することができ、R2H、R2I、R2J、R2K、R2L、R2M、R2N、R2O、R2P、R2Q、R2R、R2S、R2T、R2U、及びR2Vのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択することができる。nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9であってよく、各R2Fは、独立に、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、CF3、OR2H、NR2IR2J、NR2KC(O)R2L、S(O)R2M、SO2R2NR2O、SO2NR2PR2Q、SO3R2R、CO2R2S、C(O)R2T、及びC(O)NR2UR2Vから選択することができ、R2H、R2I、R2J、R2K、R2L、R2M、R2N、R2O、R2P、R2Q、R2R、R2S、R2T、R2U、及びR2Vのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択することができる。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つの独立したR2Cを有する。別の実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つのR2F及び9つまでのR2Fを有する。R2D及びR2Eは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択することができる。例示的な式(II)の化合物には、表2に列挙したものが挙げられる。これらの化合物は、実施例7〜10に記載の方法と同様の方法を使用して調製することができる。

0084

0085

本発明の組成物、キット、及び方法の中で使用できる化合物には、式(III)の化合物が挙げられる。

0086

0087

式(III)中、nは、0、1、2、又は3であってよく、R3A、R3B、及びR3Cのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、OR3I、NR3JR3K、NR3LC(O)R3M、S(O)R3N、SO2R3OR3P、SO2NR3QR3R、SO3R3S、CO2R3T、C(O)R3U、及びC(O)NR3VR3Wから選択することができ、R3I、R3J、R3K、R3L、R3M、R3N、R3O、R3P、R3Q、R3R、R3S、R3T、R3U、R3V、及びR3Wのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、及びC2〜4ヘテロアルキルから選択することができる。X3は、-NHC(O)-及び-C(O)NHから選択することができる。R3D及びR3Eのそれぞれは、独立に、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、もしくはヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択することができるか、又はR3D及びR3Eは一緒に、3〜6員環(環状アルキル又は複素環)を形成することができる。R3F、R3G、及びR3Hのそれぞれは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、場合によりハロゲンで置換されたC2〜4ヘテロアルキル、環状アルキル、アリール、又はヘテロアリール、及びC3〜6シクロアルキルから選択することができる。例示的な式(III)の化合物には、表3に列挙したものが挙げられる。これらの化合物は、実施例11〜14に記載の方法と同様の方法を使用して調製することができる。

0088

0089

合成
荷電改変イオンチャネル遮断薬の合成は、親イオンチャネル遮断薬、リンカー巨大な基、及び/又は荷電基のアルコール、アミン、ケトンスルフヒドリル又はカルボキシル官能基の選択的な保護及び脱保護が関与し得る。例えば、通常使用されるアミンの保護基には、カルバメート、例えばtert-ブチル、ベンジル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、9-フルオレニルメチル、アリル、及びm-ニトロフェニルが挙げられる。他の通常使用されるアミンの保護基には、アミド、例えばホルムアミドアセトアミドトリフルオロアセトアミド、スルホンアミド、トリフルオロメタンスルホニルアミド、トリメチルシリルエタンスルホンアミド、及びtert-ブチルスルホニルアミドが挙げられる。通常使用されるカルボキシルの保護基の例としては、エステル、例えばメチル、エチル、tert-ブチル、9-フルオレニルメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジル、ジフェニルメチル、O-ニトロベンジルオルト-エステル、及びハロ-エステルが挙げられる。通常使用されるアルコールの保護基の例としては、エーテル、例えばメチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラニル、エトキシエチル、ベンジル、2-ナフチルメチル、O-ニトロベンジル、P-ニトロベンジル、P-メトキシベンジル、9-フェニルキサンチルトリチル(メトキシトリチルを含む)、及びシリルエーテルが挙げられる。通常使用されるスルフヒドリルの保護基の例としては、ヒドロキシルに使用されるものと同じ保護基の多くが挙げられる。加えて、スルフヒドリルは、還元型(例えば、ジスルフィドとして)又は酸化型(例えば、スルホン酸スルホン酸エステル、又はスルホンアミドとして)で保護することができる。保護基は、分子中の他の保護基を除くそれぞれを除去するために選択的条件(例えば、酸性条件塩基性条件求核剤による触媒作用ルイス酸による触媒作用、又は水素化)が必要とされるように、選択することができる。アミン、アルコール、スルヒドリル、及びカルボキシル官能基への保護基の追加に必要とされる条件並びにこれらの除去のために必要とされる条件は、T.W. Green及びP.G.M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis (第2版)、John Wiley & Sons、1991並びにP.J. Kocienski、Protecting Groups、Georg Thieme Verlag、1994に詳細に記載されている。

0090

荷電改変イオンチャネル遮断薬は、当業者によく知られている技術を使用して調製することができる。改変は、例えば、J. March、Advanced Organic Chemistry: Reactions、Mechanisms and Structure、John Wiley & Sons, Inc.、1992、617頁に記載の技術を使用して、親イオンチャネル遮断薬をアルキル化することによって行うことができる。アミノ基からグアニジン基への変換は、標準合成プロトコールを使用して達成することができる。例えば、Mosherは、アミノイミノメタンスルホン酸とアミンとの反応による一置換グアニジンの一般的な調製方法を記載した(Kimら、Tetrahedron Lett. 29:3183 (1988))。第1級及び第2級アミンのグアニル化のより好都合な方法は、Bernatowiczによって、1H-ピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩、1-H-ピラゾール-1-(N,N'-ビス(tert-ブトキシカルボニル)カルボキサミジン)、又は1-H-ピラゾール-1-(N,N'-ビス(ベンジルオキシカルボニル)カルボキサミジン)を用いて開発された。これらの試薬は、アミンと反応して一置換グアニジンを生成する(Bernatowiczら、J. Org. Chem. 57:2497 (1992)、及びBernatowiczら、Tetrahedron Lett. 34:3389 (1993)を参照)。加えて、チオ尿素及びS-アルキル-イソチオ尿素は、置換グアニジンの合成において有用な中間体であることが示されている(Possら、Tetrahedron Lett. 33:5933 (1992))。

0091

荷電改変イオンチャネル遮断薬は、スキーム1に示す親化合物中のアミン窒素のアルキル化によって調製することができる。

0092

0093

あるいは、荷電改変イオンチャネル遮断薬は、グアニジン基を導入することによって調製することができる。親化合物は、シアナミド、例えば、メチルシアナミド又はピラゾール-1-カルボキサミジン誘導体と反応させることができる。あるいは、親化合物は、スキーム2に示すように、臭化シアンと反応した後、メチルクロロアルミニウムアミドと反応することができる。試薬、例えば2-(メチルチオ)-2-イミダゾリンも、好適に官能化された誘導体の調製に使用することができる(スキーム3)。

0094

0095

0096

アミン窒素原子を含有する任意のイオンチャネル遮断薬を、スキーム1〜5に示すように改変することができる。本発明の特定の荷電イオンチャネル遮断薬についての例示的な合成スキームを、実施例1〜14でさらに詳述する。

0097

外因性TRPチャネル形成受容体アゴニスト
本発明の方法及びキットの中で用いることができるTRPV1アゴニストには、侵害受容器でTRPV1受容体を活性化し、電位依存性イオンチャネルの少なくとも1つの阻害剤の侵入を可能にする任意のものが挙げられるが、これに限定されない。好適なTRPV1アゴニストは、カプサイシン又は別のカプサイシノイドであり、これらはバニロイドファミリーの分子の一員である。天然カプサイシノイドは、カプサイシン自体、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、及びノニバミドである。本発明の組成物及び方法において使用される他の好適なカプサイシノイド並びにカプサイシノイド類似体及び誘導体には、天然及び合成カプサイシン誘導体及び類似体が挙げられ、例えば、バニロイド(例えば、N-バニリル-アルカンエナミド、N-バニリル-アルカンジエニル、及びN-バニリル-シス-単不飽和アルケンアミド)、カプシェイト、ジヒドロカプシェイト、ノルジヒドロカプシェイト及び他のカプシノイド、カプシコニエート、ジヒドロカプシコニエート及び他のコニフェリルエステル、カプシコニノイド、レシニフェラトキシン、チニアトキシンシバミド、N-フェニルメチルアルケンアミドカプサイシン誘導体オルバニル、N-[(4-(2-アミノエトキシ)-3-メトキシフェニル)メチル]-9Z-オクタ-デカンアミド、N-オレイル-ホモバニルアミド、トリプレニルフェノール(例えば、スクゲラール)、ジンゲロールピペリンショウガオールグアヤコールオイゲノールジンゲロン、ヌバニル、NE-19550、NE-21610、及びNE-28345が含まれる。追加のカプサイシノイド、それらの構造、及びそれらの製造方法は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,446,226号及び同第7,429,673号に記載されている。

0098

追加の好適なTRPV1アゴニストには、これらに限定されないが、オイゲノール、アルバニル(N-アラキドノイルバニルアミン)、アナンドアミド、ホウ酸2-アミノエトキシジフェニル(2APB)、AM404、レシニフェラトキシン、ホルボール12-フェニルアセテート13-アセテート20-ホミバニレート(PPAHV)、オルバニル(NE 19550)、OLDA(N-オレオイルドーパミン)、N-アラキドニルドーパミン(NADA)、6'-ヨードレシニフェラトキシン(6'-IRTX)、C18 N-アシエタノールアミンリポキシゲナーゼ誘導体、例えば12-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸インヒビターシステインノット(ICK)ペプチド(バニロトキシン)、ピペリン、MSK195 (N-[2-(3,4-ジメチルベンジル)-3-(ピバロイルオキシ)プロピル]-2-[4-(2-アミノエトキシ)-3-メトキシフェニル]アセトアミド)、JYL79 (N-[2-(3,4-ジメチルベンジル)-3-(ピバロイルオキシ)プロピル]-N'-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)チオ尿素)、ヒドロキシ-アルファ-サンショオール、ホウ酸2-アミノエトキシジフェニル、10-ショウガオール、オレイルジンゲロール、オレイルショウガオール、及びSU200 (N-(4-tert-ブチルベンジル)-N'-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)チオ尿素)が挙げられる。さらに他のTRPV1アゴニストには、アミロカイン、アルチカイン、ベンゾカインブピバカイン、カルボカイン、カルチカイン、クロロプロカインシクロメチカイン、ジブカイン(シンコカイン)、ジメトカイン(ラロカイン)、エチドカイン、ヘキシルカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン(オラカイン)、メタブトキシカイン、ピペロカイン、プリロカイン、プロカイン(ノバカイン)、プロパラカインプロポキシカイン、リゾカイン、ロピバカインテトラカイン(アメトカイン)、及びトリメカインが挙げられる。

0099

本発明の方法、組成物、及びキットの中で用いることができるTRP1Aアゴニストには、侵害受容器又は掻痒受容器でTRP1A受容体を活性化し、電位依存性イオンチャネルの少なくとも1つの阻害剤の侵入を可能にする任意のものが挙げられる。好適なTRP1Aアゴニストには、これらに限定されないが、シンナムアルデヒド、アリル-イソチオシアネート(カラシ油)、二硫化ジアリルイシリン桂皮油冬緑油丁子油、アクロレイン、ヒドロキシ-アルファ-サンショオール、ホウ酸2-アミノエトキシジフェニル、4-ヒドロキシノネナール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、及び3'-カルバモイルジフェニル-3-イルシクロヘキシルカルバメート(URB597)が挙げられる。

0100

本発明の方法、組成物、及びキットの中で用いることができるP2Xアゴニストには、侵害受容器又は掻痒受容器でP2X受容体を活性化し、電位依存性イオンチャネルの少なくとも1つの阻害剤の侵入を可能にする任意のものが挙げられる。好適なP2Xアゴニストには、これらに限定されないが、2-メチルチオ-ATP、2'及び3'-O-(4-ベンゾイルベンゾイル)-ATP及びATP5'-O-(3-チオトリホスフェート)が挙げられる。

0101

追加の薬剤
典型的には神経性炎症の治療に使用される1種以上の追加の生物活性剤を、所望に応じて、本明細書に記載の本発明の組成物と組み合わせて使用してよい。生物活性剤には、これらに限定されないが、アセトアミノフェン、NSAID、グルココルチコイド麻薬(例えば、オピオイド)、三環系抗うつ薬、アミン輸送体阻害剤、抗痙攣薬抗増殖剤、及び免疫調節剤が挙げられる。生物活性剤は、治療に有効な当技術分野で公知の任意の製剤化、用量、又は投与を使用して、本発明の組成物の投与の前に、同時に、又は後に投与することができる。

0102

神経性炎症に罹患している患者(例えば、ヒト)に、本発明の組成物と組み合わせて投与することができる非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)には、これらに限定されないが、アセチルサリチル酸、アモキシプリン、ベノリレート、ベノリラート、サリチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサルエテンザミドファイスラミンサリチル酸メチルサリチル酸マグネシウムサリチル酸サリチルサリチルアミドジクロフェナクアセクロフェナクアセメタシンアルクロフェナク、ブロムフェナクエトドラクインドメタシンナブメトンオキサメタシン、プログルメタシンスリンダクトルメチンイブプロフェンアルミノプロフェン、ベノキサプロフェンカルプロフェンデクスイブプロフェンデクスケトプロフェンフェンブフェンフェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェンイブプロキサム、インドプロフェン、ケトプロフェンケトロラクロキソプロフェンナプロキセンオキサプロジンピルプロフェンスプロフェンチアプロフェン酸メフェナム酸フルフェナム酸メクロフェナム酸トルフェナム酸フェニルブタゾンアンピロンアザプロパゾンクロフェゾンケブゾンメタミゾールモフェブタゾンオキシフェンブタゾン、フェナゾン、スルフィンピラゾンピロキシカム、ドロキシカムロルノキシカムメロキシカムテノキシカム、及びCOX-2阻害剤セレコキシブエトリコキシブルミラコキシブパレコキシブロフェコキシブバルデコキシブ、並びにこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。

0103

神経性炎症に罹患している患者(例えば、ヒト)に、本発明の組成物と組み合わせて投与することができるグルココルチコイドには、これらに限定されないが、ヒドロコルチゾン酢酸コルチゾンプレドニゾンプレドニゾロンメチルプレドニソロンデキサメタゾンベータメタゾントリアムシノロンベクロメタゾン酢酸フルドロコルチゾン酢酸デオキシコルチコステロンアルドステロン、及びこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。

0104

神経性炎症に罹患している患者(例えば、ヒト)に、本発明の組成物と組み合わせて投与することができる麻薬には、これらに限定されないが、トラマドールヒドロコドンオキシコドンモルヒネ、及びこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。

0105

神経性炎症に罹患している患者(例えば、ヒト)に、本発明の組成物と組み合わせて投与することができる抗増殖剤及び免疫調節剤には、これらに限定されないが、アルキル化剤白金剤(platinum agents)、代謝拮抗物質トポイソメラーゼ阻害剤ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、抗腫瘍性抗生物質抗有糸分裂剤アロマターゼ阻害剤チミジル酸シンターゼ阻害剤、DNAアンタゴニストファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ポンプ阻害剤、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤リボヌクレオシド還元酵素阻害剤、TNF-アルファアゴニスト、TNF-アルファアンタゴニスト又はスカベンジャー、インターロイキン1(IL-1)アンタゴニスト又はスカベンジャー、エンドセリンA受容体アンタゴニストレチノイン酸受容体アゴニスト、ホルモン剤抗ホルモン剤光力学剤(photodynamic agents)、及びチロシンキナーゼ阻害剤が挙げられる。

0106

組成物の製剤化
本発明の化合物の投与は、標的領域で感知された痛覚の低減をもたらす任意の好適な手段によるものでよい。本発明の化合物は、任意の好適なキャリア物質中に任意の適切な量で含有され得、一般に、組成物の総重量の1〜95重量%の合計量で存在する。組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、筋内)、直腸、皮膚、皮下、局所、経皮、舌下、経鼻、膣内、鞘内、硬膜外、又は眼内投与に適した剤形で、あるいは注射、吸入、又はもしくは口腔粘膜との直接的接触によって提供され得る。

0107

したがって、組成物は、例えば、錠剤カプセル剤丸剤粉末剤顆粒剤懸濁剤エマルション剤液剤ゲル剤(ヒドロゲル剤を含む)、ペースト剤軟膏剤クリーム剤硬膏剤飲薬剤、浸透送達器具(osmotic delivery devices)、坐薬浣腸剤注入物質インプラント噴霧液剤、又はエアロゾルの形態でよい。組成物は、従来の薬務に従って製剤化してよい(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、2000、A.R. Gennaro編、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、並びにEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、J. Swarbrick及びJ.C. Boylan編、1988〜1999、Marcel Dekker、New Yorkを参照)。

0108

各化合物は、当技術分野で公知の様々な方法で製剤化することができる。例えば、第1及び第2の薬剤を一緒に製剤化してもよい、又は別々に製剤化してもよい。望ましくは、第1及び第2の薬剤は、同時又はほぼ同時に投与するように一緒に製剤化する。

0109

個別に又は別々に製剤化した薬剤は、キットとして一緒にパッケージ化してよい。非限定的な例として、これらに限定されないが、例えば、2つの丸剤、丸剤及び粉末剤、坐薬及び液剤(バイアル中)、2種の局所クリーム剤等を含有するキットが挙げられる。キットは、患者への単位用量の投与を助ける任意の構成要素、例えば粉末形態再構成するためのバイアル、注射用シリンジカスタマイズされたIV送達システム吸入器(inhaler)等を含んでよい。さらに、単位用量キットは、組成物の調製及び投与の説明書を備えてよい。

0110

キットは、一患者用使い捨ての単位用量として製造されたもの、特定の患者用に複数回使用するもの(一定容量で又は療法の進行に伴い個々の化合物で効力が異なり得る)、又は複数の患者への投与に適した複数用量を含有するもの(「バルク包装」)でよい。キットの構成要素は、カートンブリスターパックびん、管等の中にまとめられてよい。

0111

放出制御製剤
単独の又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせた、本発明の各化合物は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0152637号及び同第2005/0025765号に記載されるように、放出制御(例えば、持続された又は測定された)投与のために製剤化することができる。例えば、単独の又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせた、本発明の化合物は、炎症部位に投与されるカプセル剤又は錠剤の中に組み込むことができる。

0112

治療される部位(例えば、痛みをもたらす外科切開、傷、又は関節)への局所浸潤又は注射に適した、本発明の化合物を持続放出させることが可能な、単独の又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせた、任意の薬学的に許容されるビヒクル又は製剤を、必要に応じて用いて、長時間の炎症の除去又は緩和をもたらすことができる。当技術分野で公知の徐放製剤は、特殊なコーティングを施したペレット剤、外科的挿入用のポリマー製剤又はマトリックス、又は、移植、挿入、注入もしくは注射用の持続放出性微粒子、例えば微小球もしくはマイクロカプセルを含み、活性薬剤徐放性は、マトリックスからの持続もしくは制御された拡散、及び/又は調合薬のコーティングの選択的な分解、もしくはポリマーマトリックスの選択的分解を通してもたらされる。患者の中の好ましい局所部位へ薬剤を持続的に又は即座に送達するための他の製剤又はビヒクルには、例えば、懸濁液、エマルション、ゲルリポソーム、及び任意の他の好適な当技術分野で公知の、皮下又は筋内投与に許容される送達ビヒクル又は製剤が挙げられる。

0113

様々な生体適合性材料が、単独で又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせて、本発明の化合物の放出制御をもたらす放出制御キャリアとして利用できる。当技術分野で公知の任意の薬学的に許容される生体適合性ポリマーを利用してもよい。生体適合性放出制御材料は、in vivoで、約1年以内、好ましくは約3カ月以内、より好ましくは約2カ月以内で分解することが好ましい。より好ましくは、放出制御材料は、1〜3カ月以内に有意に分解し、少なくとも50%の材料が非毒性残留物に分解して、身体から除去され、100%の本発明の化合物が、約2週以内、好ましくは約2日〜約7日以内の期間に放出される。分解性放出制御材料は、好ましくは、表面浸食又は内部浸食のいずれかによる加水分解によって分解すべきであり、したがって放出は持続的であるだけでなく、所望の放出速度も得られる。しかし、これらの製剤の薬物動態放出プロファイルは、所望の期間にわたって所望の可逆性局部麻酔効果をもたらすために、一次、ゼロ次二相又は多相であってよい。

0114

好適な生体適合性ポリマーを、放出制御材料として利用することができる。ポリマー材料は、生体適合性かつ生分解性のポリマーを含んでよく、ある特定の好ましい実施形態では、好ましくは、乳酸及びグリコール酸コポリマーである。本発明の製剤に有用な好ましい放出制御材料には、ポリ無水物ポリエステル、乳酸及びグリコール酸のコポリマー(好ましくは、乳酸のグリコール酸に対する重量比が4:1以下、すなわち80重量%以下の乳酸と20重量%以上のグリコール酸である)、及び触媒又は分解促進化合物を含有する、例えば少なくとも1重量%の無水物触媒、例えば無水マレイン酸を含有するポリオルトエステルが挙げられる。ポリエステルの例としては、ポリ乳酸ポリグリコール酸及びポリ乳酸-ポリグリコール酸コポリマーが挙げられる。他の有用なポリマーには、タンパク質ポリマー、例えばコラーゲンゼラチンフィブリン及びフィブリノゲン並びに多糖類、例えばヒアルロン酸が挙げられる。

0115

ポリマー材料は、当業者に公知の任意の方法によって調製してよい。例えば、ポリマー材料が、乳酸及びグリコール酸のコポリマーで構成される場合、このコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,293,539号に記載の手順によって調製することができる。あるいは、乳酸及びグリコール酸のコポリマーは、当業者に公知の他の任意の手順によって調製してもよい。他の有用なポリマーには、ポリラクチドポリグリコリド、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトンポリホスファゼンポリホスホエステル、多糖類、タンパク性ポリマー、多糖類の可溶性誘導体、タンパク性ポリマーの可溶性誘導体、ポリペプチド、ポリエステル、及びポリオルトエステル又はこれらのいずれかの混合物もしくはブレンドが挙げられる。本発明において有用な薬学的に許容されるポリ無水物は、水に不安定な無水物結合を有する。薬物放出の速度は、利用される特定のポリ無水物ポリマー及びその分子量によって制御することができる。多糖類は、ポリ-1,4-グルカン、例えば、デンプングリコーゲンアミロースアミロペクチン、及びこれらの混合物でよい。生分解性の親水性又は疎水性ポリマーは、加水分解アミロペクチン、加水分解アミロペクチンのヒドロキシアルキル誘導体、例えばヒドロキシエチルデンプン(HES)、ヒドロキシエチルアミロース、ジアルデヒドデンプン等を含めた、ポリ-1,4-グルカンの水溶性誘導体でよい。ポリ無水物ポリマーは、分枝でも直鎖状でもよい。本発明において有用なポリマーの例としては、(ポリ(乳酸)及び/又はポリ(グリコール酸)のホモポリマー及びコポリマーに加えて)ポリ[ビス(p-カルボキシフェノキシ)プロパン無水物](PCPP)、ポリ[ビス(p-カルボキシ)メタン無水物](PCPM)、オリゴマー化不飽和脂肪族酸のポリ無水物、改変されて追加のカルボン酸に含まれるアミノ酸から調製されるポリ無水物ポリマー、芳香族ポリ無水物組成物、及びポリ無水物と他の物質、例えば脂肪酸末端ポリ無水物、例えば不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪族酸の二量体及び/又は三量体モノマーから重合されるポリ無水物とのコポリマーが挙げられる。ポリ無水物は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,757,128号に記載の方法に従って調製することができる。ポリオルトエステルポリマーは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,070,347号に記載の通りに調製してよい。ポリホスホエステルは、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,008,318号、同第6,153,212号、同第5,952,451号、同第6,051,576号、同第6,103,255号、同第5,176,907号、及び同第5,194,581号に記載の通りに、調製し使用してよい。

0116

タンパク性ポリマーも使用してよい。タンパク性ポリマー及びそれらの可溶性誘導体には、ゼラチン生分解性合成ポリペプチドエラスチン、アルキル化コラーゲン、アルキル化エラスチン等が挙げられる。生分解性合成ポリペプチドには、ポリ-(N-ヒドロキシアルキル)-L-アスパラギン、ポリ-(N-ヒドロキシアルキル)-L-グルタミン、N-ヒドロキシアルキル-L-アスパラギン及びN-ヒドロキシアルキル-L-グルタミンのコポリマーと他のアミノ酸が挙げられる。示唆されるアミノ酸には、L-アラニン、L-リシン、L-フェニルアラニン、L-バリン、L-チロシン等が挙げられる。

0117

追加の実施形態では、実質上、単独の又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせる、本発明の化合物のキャリアとして作用する放出制御材料は、生体接着ポリマー、例えばペクチン(ポリガラクツロン酸)、ムコ多糖(ヒアルロン酸、ムチン)もしくは非毒性レクチンをさらに含むことができるか、又はポリマー自体が、生体接着性、例えばポリ無水物又は多糖類、例えばキトサンでもよい。

0118

生分解性ポリマーがゲルを含む実施形態では、このような有用な一ポリマーは、熱的にゲル化するポリマー、例えば、ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシド(PEO-PPO)ブロックコポリマー、例えばBASFWyandotte製のPluronic(商標)F127である。このような場合、局部麻酔製剤は、30℃超で急速にゲル化する(例えば、患者の内部に注射されて入ったとき)流動性液体として注射器を介して注射できる。次いでゲル系は、単独の又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせた本発明の化合物の一定容量を、投与部位で放出する。

0119

経口用固体剤形
経口用の製剤には、非毒性の薬学的に許容される賦形剤を有する混合物中の有効成分を含有する錠剤が挙げられる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤又は充填剤(例えば、スクロースソルビトール、糖、マンニトール微結晶性セルロースジャガイモデンプンを含めたデンプン、炭酸カルシウム塩化ナトリウムラクトースリン酸カルシウム硫酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム)、造粒剤及び崩壊剤(例えば、微結晶性セルロースを含めたセルロース誘導体、ジャガイモデンプンを含めたデンプン、クロスカルメロースナトリウムアルギネート、又はアルギン酸)、結合剤(例えば、スクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファ化デンプン、微結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースエチルセルロースポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール)、並びに平滑剤流動促進剤、及び粘着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸亜鉛ステアリン酸シリカ硬化植物油、又はタルク)であってよい。他の薬学的に許容される賦形剤には、着色料香味剤可塑剤保湿剤緩衝剤等があり得る。

0120

2種以上の化合物を、錠剤、カプセル剤、もしくは他のビヒクル中に一緒に混合してもよく、又は分割してもよい。一例では、第1の化合物を錠剤の内部に含有し、第2の化合物が外側にあり、第2の化合物の大部分が放出された後で、第1の化合物が放出される。

0121

経口用の製剤はまた、チュアブル錠、又は硬ゼラチンカプセル剤(有効成分は、不活性固体希釈剤(例えば、ジャガイモデンプン、ラクトース、微結晶性セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合される)、もしくは軟ゼラチンカプセル剤(有効成分は、水又は油媒体、例えばラッカセイ油流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される)として調製することもできる。粉末剤、顆粒剤、及びペレット剤は、従来の様式での錠剤及びカプセル剤に用いた上記成分を使用し、例えばミキサー流動床装置又は噴霧乾燥機を使用して調製することができる。

0122

溶解又は拡散放出制御は、化合物の錠剤、カプセル剤、ペレット剤、又は顆粒製剤の適当なコーティングによって、又は化合物を適当なマトリックスに組み込むことによって実現することができる。放出制御コーティングは、上記のコーティング物質、並びに/又は、例えば、シェラック蜜蝋グリコワックスキャスターワックスカルナウバ蝋ステアリルアルコールモノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルパルミトステアリン酸グリセロール、エチルセルロース、アクリル樹脂、ジポリ乳酸、酢酸酪酸セルロースポリ塩化ビニルポリ酢酸ビニルビニルピロリドンポリエチレンポリメタクリレートメチルメタクリレート、2-ヒドロキシメタクリレート、メタクリレートヒドロゲル、1,3ブチレングリコールエチレングリコールメタクリレート、及び/もしくはポリエチレングリコールのうちの1つ以上を含んでよい。放出制御マトリックス製剤中、マトリックス材料は、例えば、水和メチルセルロース、カルナウバ蝋及びステアリルアルコール、カーボポール934、シリコーントリステアリングリセリルメチルアクリレート-メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、及び/又はハロゲン化フルオロカーボンも含んでよい。

0123

本発明の化合物及び組成物が経口投与用に導入され得る液体形態には、水溶液、好適に風味付けされたシロップ水性又は油懸濁液、及び風味付けされたエマルションと食用油、例えば綿実油ゴマ油ヤシ油、又はラッカセイ油、並びにエリキシル剤及び同様の薬用ビヒクルが含まれる。

0124

一般に、ヒトに投与するとき、本発明の組み合わせの化合物のいずれかの経口用量は、化合物の性質によって決まり、当業者によって容易に決定することができる。典型的には、このような用量は、通常、1日当たり約0.001mg〜2000mg、望ましくは1日当たり約1mg〜1000mg、より望ましくは1日当たり約5mg〜500mgである。1日当たり200mgまでの用量が必要なこともある。

0125

本明細書に記載の、併用療法における各薬物の投与は、独立に、1日〜1年間、毎日1〜4回であってよく、患者の寿命が続く限りであることもある。慢性の長期投与が、多くの事例で指定される。

0126

非経口製剤
非経口投与(例えば、注射による)に適した製剤は、化合物が溶解しているか、懸濁しているか、又はそうでなければ加えられている(例えば、リポソーム又は他の微粒子中に)、水性又は非水性の等張ピロゲン非含有滅菌液(例えば、溶液、懸濁液)を含む。このような液体は、他の薬学的に許容される成分、例えば酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、安定剤、静菌薬懸濁化剤増粘剤、及び溶質をさらに含有してよく、これらは、製剤を、所定のレシピエントの血液(又は他の関連した体液)で等張性にする。賦形剤の例としては、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等が挙げられる。このような製剤における使用に好適な等張キャリアの例としては、塩化ナトリウム注射液リンゲル液、又は乳酸加リンゲル注射液が挙げられる。典型的には、液体中の化合物の濃度は、約1ng/ml〜約10μg/ml、例えば約10ng/ml〜約1μg/mlである。製剤は、単回投与又は多回投与密封容器、例えば、アンプル及びバイアル中に存在してよく、フリーズドライした(凍結乾燥した)条件下で保管してよく、使用直前に、滅菌液キャリア、例えば注射用の水を添加する必要があるだけである。即席の注射液及び懸濁液を、滅菌粉末剤、顆粒剤、及び錠剤から調製することができる。

0127

局所製剤
単独の又は本明細書に記載の1種以上の生物活性剤と組み合わせた、本発明の組成物は、0.0001%〜25%(w/w)以上の間の有効成分を含有する局所ビヒクルで局所使用適合することもできる。

0128

好ましい組み合わせにおいて、有効成分はそれぞれ、好ましくは0.0001%〜10%(w/w)の間、より好ましくは0.0005%〜4%(w/w)の間の活性剤である。必要に応じて、クリーム剤を毎日1〜4回塗布してもよい。本明細書に記載の方法を実行するにあたり、本発明の組成物を含有する局所ビヒクル、又は本発明の組成物を含有する併用療法を、好ましくは、患者の炎症部位に適用する。例えば、クリーム剤を、関節炎の指に悩む患者の手に塗布してよい。

0129

組成物は、任意の皮膚科学的に許容されるキャリアを使用して製剤化することができる。例示的なキャリアには、固体キャリア、例えばアルミナ粘土、微結晶性セルロース、シリカ、もしくはタルク、及び/又は液体キャリア、例えばアルコール、グリコール、もしくは水-アルコール/グリコールブレンドが挙げられる。治療薬は、治療薬が皮膚に入るようにするリポソーム製剤でも投与することができる。このようなリポソーム製剤は、米国特許第5,169,637号、同第5,000,958号、同第5,049,388号、同第4,975,282号、同第5,194,266号、同第5,023,087号、同第5,688,525号、同第5,874,104号、同第5,409,704号、同第5,552,155号、同第5,356,633号、同第5,032,582号、同第4,994,213号、同第8,822,537号、及びPCT公開第WO96/40061号に記載されている。他の適当なビヒクルの例は、米国特許第4,877,805号、同第8,822,537号、及び欧州特許公開第0586106(A1)号に記載されている。本発明の好適なビヒクルには、鉱油ペトロラタムポリデセン、ステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピルステアリン酸ポリオキシル40、ステアリルアルコール、又は植物油も挙げることができる。

0130

組成物は、皮膚浸透促進剤、例えば「Percutaneous Penetration enhancers」、(Smith EW and Maibach HI.編CRCPress 1995)に記載のものをさらに含むことができる。例示的な皮膚浸透促進剤には、アルキル(N,N-二置換アミノアルカノエート)エステル、例えば、両方とも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,083,996号及び同第6,118,020号に記載されているドデシル2-(N,Nジメチルアミノ)プロピオネート(DDAIP)、水分散性酸系ポリマー、例えばポリアクリル酸系ポリマーカルボマー(例えば、B.F. Goodrich Company(Akron, Ohio)製のCarbopol(商標)又はCarbopol 940P(商標))、ポリアクリル酸のコポリマー(例えば、B.F. Goodrich Company製のPemulen(商標)又はA.H. Robbins(Richmond, Va)製のPolycarbophil(商標))、多糖類樹脂、例えば寒天ガム、アルギネート、カラギーナンガムガティガムカラヤゴム、カダヤゴムラムザンガムキサンタンガム、及びガラクトマンナンガム(例えば、グアーガムカロブガム、及びローカストビーンガム)、並びに他の当技術分野に公知のガム(例として、Industrial Gums: Polysaccharides & Their Derivatives、Whistler R. L., BeMiller J. N. (編),第3版Academic Press (1992)及びDavidson, R. L., Handbook of Water-Soluble Gums & Resins, McGraw-Hill, Inc., N.Y. (1980)を参照)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。

0131

他の好適なポリマー皮膚浸透促進剤は、セルロース誘導体、例えばエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースである。さらに、公知の経皮性浸透促進剤も、所望に応じて添加してよい。実例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びジメチルアセトアミド(DMA)、2-ピロリドン、N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(Nelson Researchの登録商標のAzone(商標))、N,N-ジメチルホルムアミドN-メチル-2-ピロリドンチオグリコール酸カルシウム、並びに他の促進剤、例えばジオキソラン環状ケトン、及びこれらの誘導体等がある。

0132

また、実例として、生分解性吸収促進剤の群があり、これらは、両方とも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,980,378号及び同第5,082,866号に記載されるアルキルN,N-2-(二置換アミノ)アルカノエートであり、(N,N-ジメチルアミノ)酢酸テトラデシル、(N,N-ジメチルアミノ)酢酸ドデシル、(N,N-ジメチルアミノ)酢酸デシル、(N,N-ジメチルアミノ)酢酸オクチル、及び(N,N-ジエチルアミノ)酢酸ドデシルが挙げられる。

0133

特に好ましい皮膚浸透促進剤には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド中鎖脂肪酸のジメチルアラニンアミド、2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオン酸ドデシル又はその塩、例えばその有機塩(例えば、塩酸付加塩、臭化水素酸付加塩、硫酸付加塩リン酸付加塩、及び硝酸付加塩)及びその無機塩(例えば、酢酸付加塩、安息香酸付加塩、サリチル酸付加塩、グリコール酸付加塩、コハク酸付加塩、ニコチン酸付加塩、酒石酸付加塩、マレイン酸付加塩リンゴ酸付加塩、パモン酸付加塩、メタンスルホン酸付加塩シクロヘキサンスルファミン酸付加塩、ピクリン酸付加塩、及び乳酸付加塩)(米国特許第6,118,020号に記載されている)、並びにアルキル2-(N,N-二置換アミノ)-アルカノエート(米国特許第4,980,378号及び同第5,082,866号に記載されている)が挙げられる。

0134

この組成物中の皮膚浸透促進剤は、重量で、0.5%〜10%(w/w)の範囲である。最も好ましい範囲は、1.0%〜5%(w/w)である。別の実施形態では、皮膚浸透促進剤は、組成物の0.5%〜1%、1%〜2%、2%〜3%、3%〜4%、又は4%〜5%(w/w)の間を占める。

0135

組成物は、任意の有用な形態で提供することができる。例えば、本発明の組成物は、液剤、エマルション剤(マイクロエマルション剤を含む)、懸濁液、クリーム剤、フォーム剤ローション剤ジェル剤、粉末剤、又は他の典型的な固体半固体、もしくは組成物が使用され得る皮膚もしくは他の組織への適用に使用される液体(例えば、局所スプレー)の組成物として製剤化することができる。このような組成物は、このような製品に典型的に使用される他の成分、例えば着色料、香料、増粘剤(例えば、キサンタンガム、脂肪酸脂肪酸塩もしくはエステル、脂肪アルコール変性セルロース変性無機物質、Krisgel 100(商標)、又は合成ポリマー)、抗菌剤溶媒界面活性剤洗剤ゲル化剤、酸化防止剤、充填剤、染料粘度調整剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤(例えば、天然もしくは合成油炭化水素油、ワックス、又はシリコーン)、水和剤キレート剤鎮痛剤可溶化賦形剤、補助剤分散剤、皮膚浸透促進剤、可塑剤、安定剤、乳化破壊剤湿潤剤日焼け止め剤乳化剤モイスチャライザー収斂剤脱臭剤を含有してよく、また場合により、麻酔剤、痒み止め活性剤、植物抽出物、調整剤、暗色化又は明色化剤、光沢剤マイカ鉱物ポリフェノール、シリコーン又はその誘導体、サンブロックビタミン、及び植物医薬(phytomedicinal)を含んでもよい。

0136

組成物は、さらに利益を生み、局所製剤の感触及び/又は見た目を改善するために、他の同様の成分を含むこともできる。これらの製剤に一般に使用される特定のクラスの添加剤には、ミリスチン酸イソプロピル、ソルビン酸NF粉末、ポリエチレングリコール、ホスファチジルコリン(ホスファチジルコリンの混合物、例えばホスフォリポンGを含む)、Krisgel 100(商標)、蒸留水水酸化ナトリウム、デシルメチルスルホキシド(皮膚浸透促進剤)、メントール結晶ラベンダー油ブチル化ヒドロキシトルエンエチルジグリコール試薬、及び95%(190 proof)エタノールが挙げられる。

0137

眼内投与用の製剤
本発明の化合物はまた、有効量の活性化合物(1種以上)を眼の視神経部位に送達するために、充分な濃度の眼科的に許容されるキャリアを用いて製剤化することもできる。好ましくは、眼科用治療液は、約0.0001%〜約1%(容量による重量)、より好ましくは約0.0005%〜約0.1%(容量による重量)の範囲の濃度で1種以上の活性化合物を含有する。

0138

眼科的に許容されるキャリアは、眼に大きな刺激を与えず、荷電ナトリウムチャネル遮断薬の薬理活性及び特性を無効にしない。眼科的に許容されるキャリアは、一般に無菌であり、本質的に異物を含まず、一般に5〜8の範囲のpHを有する。好ましくは、pHは、可能な限り涙液のpH(7.4)に近い。眼科的に許容されるキャリアは、例えば、無菌等張液、例えば等張食塩液又はホウ酸液である。このようなキャリは、典型的には、塩化ナトリウム又はホウ酸を含有する水溶液である。また、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)も有用である。

0139

種々の防腐剤を、眼科用調合薬に使用してもよい。好ましい防腐剤には、これらに限定されないが、ベンザルコニウムカリウム、クロロブタノールチメロサール酢酸フェニル水銀、及び硝酸フェニル水銀が挙げられる。同様に、種々の好ましいビヒクルを、このような眼科用調合薬に使用してもよい。これらのビヒクルには、これらに限定されないが、ポリビニルアルコールポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマーカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。

0140

緊張力調整剤を、必要に応じて又は好都合に添加してもよい。これらに限定されないが、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム等、マンニトール及びグリセリン、又は他の任意の好適な眼科的に許容される緊張力調整剤が挙げられる。

0141

種々の緩衝液及びpHを調節する手段を、結果として得られる調合薬が眼科的に許容される限り、使用してよい。これに応じて、緩衝液には、これらに限定されないが、酢酸緩衝液クエン酸緩衝液リン酸緩衝液、及びホウ酸緩衝液が挙げられる。必要に応じて、これらの製剤のpHの調節に酸又は塩基を使用してもよい。眼科的に許容される酸化防止剤も含むことができる。酸化防止剤は、これらに限定されないが、メタ重亜硫酸ナトリウムチオ硫酸ナトリウムアセチルシステインブチル化ヒドロキシアニソール、及びブチル化ヒドロキシトルエンが挙げられる。

0142

経鼻及び吸入投与用の製剤
本発明の医薬組成物は、経鼻又は鼻腔内投与用に製剤化することができる。キャリアが固体のとき、経鼻投与に適した製剤は、例えば、約20〜500マイクロメートルの範囲の粒径を有する粗粉末剤を含み、これが、鼻道を通って急速に吸入されることによって投与される。キャリアが液体、例えば、鼻腔用スプレー又は点鼻薬のとき、1種以上の製剤を水溶液又は油性溶液中に混ぜ、鼻道中へ吸入又はスプレーすることができる。

0143

吸入による投与の場合、好適な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタントリクロロフルオロメタンジクロロテトラフルオロエタン二酸化炭素又は他の好適なガスを使用して、加圧パック又はネブライザから出るエアロゾルスプレーの形態で、有効成分を好都合に送達することができる。圧搾エアゾルの場合において、単位剤形は、計測した量を送達するバルブを設けることによって決定することができる。例えば、吸入器又は吹送器(insufflator)の使用向けのゼラチンのカプセル剤及びカートリッジに、化合物及び好適な粉状塩基、例えばラクトース又はデンプンの粉状混合物を含有して製剤化することができる。

0144

徴候
本発明の方法、組成物、及びキットを使用して、背痛及び痛、癌性疼痛、婦人科痛及び陣痛、線維筋痛、関節炎痛及び他のリウマチ性疼痛、整形外科痛、帯状疱疹後神経痛及び他の神経因性疼痛、鎌状赤血球クライシス、間質性膀胱炎、尿道炎及び他の泌尿器痛、歯痛、頭痛、術後疼痛、並びに処置痛(すなわち、注射、膿瘍の排出、手術、歯科処置、眼の処置、眼の刺激、結膜炎(例えば、アレルギー性結膜炎)、眼の赤み、ドライアイ関節鏡検査及び他の医療器具の使用、美容整形手術、皮膚科手術、接骨(setting fractures)、生検等に関連する痛み)を含めた、多数の状態のいずれに関連する痛み又は痒みを治療することができる。

0145

サブクラスの侵害受容器は掻痒感を媒介するため、本発明の方法、組成物、及びキットを、皮膚炎、感染症、寄生虫、昆虫刺傷妊娠代謝障害、肝又は腎不全薬物反応、アレルギー反応、湿疹、及び癌のような状態にある患者の痒みの治療にも使用することができる。

0146

本発明の方法、組成物、及びキットは、熱病(発熱)、異常高熱症悪性高熱症、又は高体温を特徴とする状態の治療にも使用することができる。

0147

本発明の方法、組成物、及びキットは、神経性炎症及び神経性炎症性障害の治療にも使用することができる。炎症は、有害な刺激に対する複合的な応答であり、局所的な赤み、腫れ、及び痛みをもたらす。炎症は、先天性又は順応性であり得、順応性は抗原によって決まり、免疫細胞によって媒介される(免疫介在性炎症)。神経性炎症は、痛感ニューロン(侵害受容器)の遠心機能からもたらされ、前炎症性メディエーターである神経ペプチド及び他の化学物質は、活性化されたときに侵害受容器の末梢端から放出される。この放出プロセスは、カルシウム流入及び小胞体を含有するペプチドのエクソサイトーシスによって媒介され、前炎症性神経ペプチドには、サブスタンスPニューロキニンA及びB(ひとまとめにタキキニンとして知られる)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、及び血管活性腸管ポリペプチド(VIP)が挙げられる。

0148

末梢端化学物質の放出は、種々の炎症応答を刺激する。第一に、サブスタンスPの放出が、毛細血管透過性を増強し、血漿タンパク質が血管内コンパートメントから細胞外空間漏れ(血漿浸出)、浮腫をもたらし得る。これは、膨疹(皮膚の、硬い隆起性の腫れ)として検出することができ、これは、ルイス3相応答として知られる、膨疹、赤斑、及び発赤の3組の炎症応答の一構成要素である。第二に、CGRPの放出が、血管拡張をもたらし、血流の増加につながる。これは、発赤として検出することができ、別のルイス3相応答の構成要素である。

0149

サブスタンスPは、ニューロキニン-1(NK1)受容体を介して免疫細胞(例えば、マクロファージ、T細胞、肥満細胞、及び樹枝状細胞)で前炎症作用も有する。この効果は、アレルギー性鼻炎、胃炎、及び大腸炎において実証されており、炎症の神経性構成要素と免疫介在性構成要素との間の境界面を表す。一侵害受容器から放出されたサブスタンスPは、隣接する侵害受容器のNK1受容体にも作用して、それらを感作又は活性化し得、活性化及び求心性/遠心性機能の広がりをもたらす。侵害受容器のこれらの遠心性機能は、1)終端へ加えられた末梢適刺激(例えば、つまみ)による侵害受容器末端の直接的活性化、2)軸索反射による非刺激侵害受容器末端の間接逆行性活性化(侵害受容器の一端から入力された活動電位が、末梢中の収束軸索枝点に達すると、分岐点から下って非刺激末端の末梢端まで移動する活動電位になる)、及び3)末梢へ移動するCNS中の侵害受容器中央末端における活動の結果生じる活性化(例えば、GABAによって生じる中央末端の一次求心性線維脱分極は、「間違った方向」へ移動する活動電位を開始するのに充分であり得る)によって引き起こされ得る。

0150

常在性ILC2細胞のゲノム解析は、SP、CGRP及びVIPを含めた感覚ニューロンによって放出されたいくつかの神経ペプチドに対する受容体の発現が、侵害受容器にこれらの細胞と直接連絡させる機会を与えることを明らかにした。特に、VIPは、OVAに曝露したマウスにおける肺求心性を含め、NaV1.8+節状神経節ニューロン中で発現することが判明している。カプサイシン又はIL5で刺激した培養節状神経節ニューロンもVIPを放出したが、OVA曝露マウス由来のBALFは、ビヒクル接種したマウスより多くのVIPを含有していた(Talbotら、Neuron 2015、印刷中)。これらのデータは、VIPが、炎症を起こした肺の中で放出され、本発明の荷電ナトリウムチャネル遮断薬でニューロンをサイレンシングすることによって遮断され得ることを示す。加えて、TH2スキューイング(skewing)条件下で培養されたCD4+ T細胞が、組み換えマウスVIPに曝露されたとき、IL-13及びIL-5の転写レベルが増加し、VIPが、TH2細胞がこれらのII型調節サイトカイン転写する反応能に貢献することを示唆する。

0151

免疫細胞から放出される免疫メディエーターも、侵害受容器を活性化することができる。肥満細胞は、一次侵害受容ニューロンの近くに存在し、多くの侵害受容器感作に貢献する。分泌促進化合物48/80の注射は、硬膜中の肥満細胞の脱顆粒を促進し、髄膜侵害受容器の励起につながる。肥満細胞の脱顆粒は、神経成長因子誘発温熱性痛覚過敏の急激な発症の一因にもなる。マクロファージは、いくつかの可溶性メディエーターを放出することによって侵害受容器感作に貢献する。ケモカインマクロファージ炎症タンパク質1α(MIP-1α)並びにその受容体CCR1及びCCR5の発現は、坐骨神経の部分的な結紮の後にマクロファージ及びシュワン細胞内で増加し、神経因性疼痛の進行に寄与する。リンパ球は、末梢侵害受容器の感作に寄与する。神経損傷後、T細胞は、坐骨神経及び後根神経節(DRG)に浸潤する。神経損傷によって誘発される痛覚過敏及び異痛は、T細胞が不足している齧歯類において著しく減衰し又は無効になり、免疫抑制剤ラパマイシンは、部分的にT細胞の効果に起因して、ラットの神経因性疼痛を減衰する。T細胞サブセットのうち、1型及び2型ヘルパーT細胞(TH1及びTH2細胞)は、神経因性疼痛において異なる役割を持つことが示されている。TH1細胞は、炎症性サイトカイン(IL-2及びインターフェロンγ(IFNγ))を放出することによって神経因性疼痛挙動を促進するが、TH2細胞は、抗炎症性サイトカイン(IL-4、IL-10及びIL-13)を放出することによって阻害する。補体系も、炎症性痛覚過敏及び神経因性疼痛において役割を有する。アナフィラトキシンC5aは、補体活性化経路の重要なエフェクターであり、好中球のC5aR1受容体に結合すると、強力な好中球誘引物質になる(Ren & Dubner、Nat. Med. 16:1267〜1276頁(2010))。

0152

細菌感染は、侵害受容器を直接活性化することが示されており、TLR2、MyD88、T細胞、B細胞、並びに好中球及び単球を通って媒介される免疫応答は、マウスの黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)誘発疼痛には必要とされない(Chiuら、Nature 501:52〜57頁(2013))。マウスにおける機械的及び温熱性痛覚過敏は、組織腫脹又は免疫活性化よりも生細菌負荷相関する。細菌は、独特機構を通して、細菌性N-ホルミル化ペプチド及び孔形成毒素α-溶血素を部分的に介して侵害受容器ニューロンにおけるカルシウム流出及び活動電位を誘発する。侵害受容器を含むNav1.8-系統ニューロンの特定アブレーションは、細菌感染の間の痛みを無効にしたが、同時に局所免疫浸潤及び流入領域リンパ節リンパ節症を進行させた。したがって、細菌性病原体は、宿主病原体相互作用における予想外の神経系の役割である、炎症を調節する感覚ニューロンを直接活性化することによって痛みを生み出す。Talbotら、Neuron 2015(印刷中)のデータは、侵害受容器が、感作動物におけるアレルゲンへの曝露の間に活性化されることも示唆している。

0153

ある特定の障害において、神経性炎症は、軟組織、皮膚、呼吸器系、関節、尿生殖器及び消化管肝臓、並びに脳における、組織損傷、自己免疫疾患、感染症、並びに刺激物への曝露によって誘発される末梢性炎症の一因となる。神経性炎症性障害には、本本明細書に記載の、ぜんそく、鼻炎、結膜炎、関節炎、大腸炎、接触性皮膚炎、糖尿病、湿疹、膀胱炎、胃炎、偏頭痛、乾癬、鼻炎、酒さ、及び日焼けの他、膵臓炎、慢性咳、慢性鼻副鼻腔炎外傷性脳損傷、複数菌による敗血症腱障害、慢性じんましんリウマチ性疾患急性肺損傷、刺激物への曝露、刺激物、汚染物質、又は化学兵器の吸入が挙げられる。

0154

痛み、痒み、及び神経性炎症の評価
本発明の方法、組成物、又はキットのいずれの有効性を測定するために、測定指標を使用してよい。筋骨格免疫性炎症性及び神経障害に関連する痛みの測定のための本発明の方法、組成物、及びキットの中で有用な指標には、視覚アナログ尺度(VAS)、リッカート尺度、カテゴリー別痛み尺度、記述子、Lequesne指標、WOMAC指標、及びAUSCAN指標が挙げられる、それぞれ、当技術分野において周知である。このような指標を使用して、痛み、痒み、機能、剛性、又は他の変数を測定することができる。

0155

視覚的アナログ尺度(VAS)は、一次元の量の測定を提供する。VASは一般に、距離の図、例えば一定の距離間隔(例えば10個の1cm間隔)でハッシュマークを付けた線の描画を利用する。例えば、患者は、線の一端が「痛み無し」(0cmのスコア)又は「痒み無し」に対応し、線の他端が「耐え難い痛み」又は「耐え難い痒み」(10cmのスコア)に対応するものとして、痛み又は痒みの感覚に最も対応する線の箇所を選択することによる痛み又は痒みの感覚のランク付けを求められることがある。この手順は、患者が経験する傷み又は痒みの程度についての定量的な情報を得るための簡易かつ迅速な手法を提供する。VAS尺度及びそれらの使用については、例えば、米国特許第6,709,406号及び同第6,432,937号に記載されている。

0156

リッカート尺度も、同様に、一次元の量の測定を提供する。一般に、リッカート尺度は、低値(例えば、痛みがないことを意味する0)から高値(極度の痛みがあることを意味する7)までの範囲で飛び飛びの整数値を有する。傷みを経験している患者は、経験している傷みの程度を表す低値から高値の間の数を選択するように求められる。リッカート尺度及びそれらの使用については、例えば、米国特許第6,623,040号及び同第6,766,319号に記載されている。

0157

Lequesne指標及びウェスタンオンタリオ大学及びマックマスター大学(WOMAC)変形性関節症指標は、自己記入質問表を使用してOA患者の膝及び腰の痛み、機能、及び剛性を評価する。膝及び腰の両方がWOMACに包含さるが、一Lequesne質問表はに関し、別の一つはに関する。これらの質問表は、VAS又はリッカートより多くの情報量を含有するいう理由で有用である。WOMAC指標及びLequesne指標の質問表は両方とも、手術状況(例えば、膝及び腰の関節形成術)を含めたOAにおいて広範に有効である。それらの測定規準の特性は大きく異ならない。

0158

AUSCAN(オーストラリア-カナダにおける手の関節炎(Australian-Canadian hand arthritis))指標は、有効かつ信頼性のあるレスポンス型患者自己記録質問表を用いる。一例では、この質問表は、3つの面(痛み-5問、剛性-1問、及び身体機能-9問)の範囲内で15個の質問を含有する。AUSCAN指標は、例えば、リッカート又はVAS尺度を利用し得る。

0159

痛みの測定のために、本発明の方法、組成物、及びキットにおいて有用である指標には、疼痛記述子尺度(Pain Descriptor Scale)(PDS)、視覚的アナログ尺度(VAS)、口頭記述子尺度(Verbal Descriptor Scales)(VDS)、数的疼痛強度尺度(Numeric Pain Intensity Scale)(NPIS)、神経因性疼痛尺度(NPS)、神経因性疼痛症候群一覧表(Neuropathic Pain Symptom Inventory)(NPSI)、現在の疼痛一覧表(Present Pain Inventory)(PPI)、高齢者の疼痛基準(Geriatric Pain Measure)(GPM)、マクギル疼痛質問表(MPQ)、平均疼痛強度(記述子識別尺度(Descriptor Differential Scale))、数的疼痛尺度(numeric pain scale)(NPS)、包括評価スコア(global evaluation score)(GES)、簡易版マクギル疼痛質問表、ミネソタ多面人格目録、疼痛プロファイル及び多面的疼痛一覧表(Pain Profile and Multidimensional Pain Inventory)、小児健康質問票(Child Heath Questionnaire)、及び小児評価質問票(Child Assessment Questionnaire)が挙げられる。

0160

痒みは、主観的測定によって測定することができる(VAS、リッカート、記述子)。別の手法は、振動変換器又は移動-感度計器(movement-sensitive meters)を使用して、痒みの客観的相関である引っ掻きを測定するものである。

0161

以下の実施例は、本発明を説明することを意図するものであり、これに限定することを意図しない。

0162

実験方法
In vitro電気生理学
ホールセル記録を、ヒトNav1.7チャネルを安定発現するHEK293細胞中の電位活性化チャネルによって運ばれる電流で作製した。記録は、パッチピペット(patch pipettes)を使用して行い、CsOHでpHを7.2に調節した、61mM CsF、61mM CsCl、9mM NaCl、1.8mM MgCl2、9mM EGTA、14mMクレアチンリン酸(トリス塩)、4mM MgATP、及び0.3mMGTP(トリス塩)、9mM HEPESからなる内液で充填したとき、抵抗は2〜3.5MΩだった。電極シャンクパラフィルムで覆い、キャパシタンスを低減し、振動なしで最適直列抵抗補償を可能にした。シールを得て、タイロード液(155mM NaOH、3.5mM KCl、1.5mM CaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES、10mMグルコース、pHをNaOHで7.4に調節した)中の細胞と10mM TEAClでホールセル構成を確立した。ピペット液による完全な透析を確保するために、ホールセル構成が確立してから5〜10分後に記録を開始した。

0163

Axopatch 200増幅器を用いて室温(21〜23℃)で電流を記録し、低域Besselフィルターを用いて5kHzで濾過した。増幅器を、直列抵抗の部分的補償のために整調した(典型的には全直列抵抗4〜10MΩの70〜80%)。pClamp9.2ソフトウェアによって制御されたDigidata 1322Aデータ収集インターフェース(Axon Instruments)を使用して電流をデジタル化し、Igor Pro 4.0(Wavemetrics, Lake Oswego, OR)で記述されたプログラムを使用して分析した。電流を直線容量性電流及び漏洩電流に対して補正し、これらは、静止電位(通常-80又は-100mV)から送達され、次いで適切にスケール調整し、引き算した5mVの過分極を使用して決定された。

0164

ナトリウム電流は、-100mVから-20mVまでの30msecの脱分極によって誘発した。使用-頻度依存性遮断を分析するために、一連増加速度:1分間に0.05Hz、1分間に0.33Hz、1分間に1Hz、1分間に3Hz、30秒間に5Hz、30秒間に10Hzでパルスを送達し、各一連パルス間で1分停止した。一連のパルスで使用-頻度依存性遮断を誘発した後、0.1Hz(2分)及び0.05Hz(1分)で送達されたパルスを使用して回復の経時変化を追跡した。

0165

動物
全ての手順は、動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committees)によって承認されたものである。マウス及びラットは、実験動物ケア評価認証協会(Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care)によって認可された設備の標準的環境条件(12時間の明暗サイクル、23℃、及び水による不断給餌)に収容した。8週齢の雄のBALB/c(ストックナンバー:001026)及びC57BL/6J(ストックナンバー000664)のマウスをJackson Laboratoryから購入し、それぞれアレルギー性気道炎症(図5)及び痛覚過敏モデル(図2A〜2D)に使用した。6週齢の雄のSprague-Dawley(ストックナンバー:400)ラット(150±25グラム)をCharles River研究室から購入し、痛覚過敏の評価に使用した(図3)。

0166

免疫蛍光法
採取時、後根神経節を、4%パラ-ホルムアルデヒド中に終夜固定し、PBS中で洗浄し、連続スクロース浸漬によって凍結保護した(PBS 10〜30%スクロース、終夜)。神経節をO.C.T.(Tissue-tek)中にマウントし、クライオスタットを用いて連続的に20μm冠状切片カットした。切片を、Fisherbrand superfrost顕微鏡スライド上に解凍マウント(thaw-mount)し、-80℃で維持した。実験日に、切片を室温で10分間解凍した。切片をPBS中で5分間洗浄し、室温で1時間遮断し(PBS、0.1% Triton X-100、5%BSA)、一次抗体、すなわちウサギ抗マウスATF3(Sigma、#HPA001562)に曝露した(終夜、4℃)。次いで切片をPBS中で3回洗浄し(5分)、二次抗体及びDAPI(1:2000、Sigma、#D9542)に曝露し(2時間、暗所)、洗浄し、Vectashield(Vector Labs)でカバースリップし、共焦点顕微鏡(Leica、LSM-710)下で観察した。

0167

オボアルブミン感作及び気道負荷
アレルギー性気道炎症を、オボアルブミン(OVA)系モデルで研究した。0日目及び7日目に、マウスを、1mg/mlのオボアルブミン(Sigma-Aldrich)及び5mg/mlの水酸化アルミニウム(Sigma-Aldrich, Boston, MA)を含有する溶液200μlを腹腔内注射することによって感作した。14〜17日目(10:00am)に、マウスを6% OVAエアロゾルに25分間曝露して、気道アレルギー性炎症を誘発させた。18日目(10:00am)に薬物を噴霧化し、炎症(BALF細胞含有物)/気道過敏応答性を21日目(10:00am)に評価した。

0168

気管支肺胞洗浄(BAL)
21日目に、ウレタン(用量)を腹腔内注射した後、マウスを麻酔し、20G滅菌カテーテル気管中へ縦方向に挿入した。2mlのよく冷えたPBS含有プロテアーゼ阻害剤(Roche)を肺に注射し、採取し、上で貯蔵した。BAL液を400g遠心分離(15分、4℃)にかけ、上澄みを捨て、細胞を200μl中で再懸濁した。

0169

気道炎症性及び差次的細胞計数
気管支肺胞洗浄液(BALF)細胞をFACS緩衝液(PBS、2%FCSEDTA)中で再懸濁し、Fcブロックでインキュベートした(0.5mg/ml、10分、BD Biosciences)。次いで細胞をモノクローナル抗体(FITC抗マウスCD45、BD Biosciences、カタログ番号553079、PE抗マウスSyglec-F、BD Biosciences、カタログ番号552126、APC抗マウスGR-1、e Biosciences、カタログ番号17-593-81、PE-Cy7抗マウスCD3e、カタログ番号25-0031-81、PerCP抗マウスF4/80、BioLegend、カタログ番号123125、PE抗マウス、BD Bioscience、カタログ番号552126、45分、氷上4℃)で染色した後、FACSCanto II(BD Biosciences)でデータを取得した。白血球分画計数は、通常の白血球抗原CD45(BD Pharmigen、カタログ番号553079)を発現する細胞のフローサイトメトリー分析中に決定した。特定の細胞集団を以下:F4/80Hi-Ly6gNegとしてのマクロファージ、F4/80Int-Ly6gLo-SiglecFHiとしての好酸球、F4/80Lo-Ly6gHi-SiglecFNegとしての好中球、及びF4/80Neg-Ly6gNeg-CD3Posとしてのリンパ球のように同定した。総BAL細胞計数は、標準の血球計を使用して実施し、絶対細胞数を、総BAL細胞数とFACSで決定した細胞亜種パーセンテージを乗じて計算した。

0170

温度過敏症
各動物の右後足の底面に10μl(マウス)又は50μl(ラット)容積完全フロインドアジュバント(CFA)1:1エマルション中の化合物を注射した。Ugo Basile Plantar Test(Hargreaves)装置を使用して足底面に適用された放射熱集束ビームから後足を引っ込めるまでの待ち時間を測定することによって温熱性痛覚過敏を調べた。3日間連続、8週齢のSprague Dawley雄ラットをHargreaves装置に60分間慣らす。4日目、それらの温熱性侵害受容閾値を評価した。1時間後、ラットをイソフルラン(3%誘導、2%維持)下で軽度麻酔し、試験化合物の存在下又は不在下でCFAの足底内注射を受けさせた。処置の衝撃を、処置の1時間前並びに1、3、6及び24時間後に分析した。開始した足を5分間隔で交代して各足に対して実証試験を3回実施した。陽性疼痛反応は、突然に足を引っ込めること、たじろぐこと、及び/又は足をなめることで定義した。各読み取りで、中断時間が32秒になるように装置を設定した。

0171

[実施例1]
塩化1-(1-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-1-メチルピロリジニウム(化合物1)の合成

0172

工程1: 2の調製

0173

30mL SOCl2中1(5.0g、32.86mmol、1.0当量)の溶液を8℃で2時間還流した。競合後、反応混合物を直接、真空中で濃縮し、さらなる精製をせずに残留物を得た(7.8g、y=120%)。
工程2: 3の調製

0174

DCM(10mL)及びTEA(4.6g、45.8mmol、1.2当量)中2,6-ジメチルアニリン(4.6g、38.2mmol、1.0当量)の溶液に、氷浴中で、DCM(20mL)中2(7.8g、45.8mmol、1.2当量)の溶液をゆっくり添加した。次いで反応混合物を2時間かけて室温まで温めた。競合後、2N HClで反応混合物をpH=5〜6に調節し、EAで抽出(150mL×2)した。合わせた有機相ブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、灰色の固体の所望の生成物(4.8g、収率50%)を得た。
工程3: 4の調製

0175

トルエン(15mL、c=0.5)中3(2g、7.68mmol、1.0当量)の溶液に、ピロリジン(1.17g、16.5mmol、2.0当量)を添加した。反応混合物を110℃で30分間還流した。競合後、反応混合物を真空中で直接濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、黄色の油状物の所望の生成物(1.8g、95%収率)を得た。
工程4: 5の調製

0176

DCM(20mL、c=0.1)中4(500mg、2.03mmol、1.0当量)の溶液に、Mel(721mg、5.08mmol、2.5当量)を室温で終夜かけて添加した。反応混合物を真空中で直接濃縮して残留物を得た。残留物をEAで洗浄して、所望の生成物(233mg、30%収率)を得た。
工程5:化合物1の調製

0177

H2O(1.6mL、c=0.37)中5(233mg、0.602mmole、1.0当量)の溶液に、AgCl(172mg、2.0当量)を添加した。反応混合物を60℃で終夜加熱した。競合後、反応混合物を濾過した。濾液を凍結乾燥して、白色の固体の所望の生成物(62mg、35%収率)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO): δ7.18〜7.09 (m, 3H), 4.31 (q, J=7.2 Hz, 1H), 3.65〜3.57 (m, 4H), 3.16 (s, 3H), 2.15〜2.25 (m, 4H), 2.08 (s, 6H), 1.74 (d, J=6.9 Hz,3H) ppm.HPLC純度: 220nmで100%; 質量: m/z = 261.5 (M+1,ESI+).

0178

[実施例2]
塩化1-(1-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)-1-メチルピロリジニウム(化合物2)の合成

0179

工程1: 2の調製

0180

60mlのSOCl2中1(10.0g、59.88mmol、1.0当量)の溶液を80℃で2時間還流した。競合後、反応混合物を真空中で直接濃縮し、さらなる精製をせずに残留物(15.0g、y=132%)を得た。
工程2: 3の調製

0181

DCM(50ml)及びTEA(8.18g、80.86mmol、1.2eq)中2,6-ジメチルアニリン(8.16g、67.38mmol、1.0当量)の溶液に、DCM(50mL)中2(15.0g、80.86mmol、1.2eq)を氷浴でゆっくり添加した。次いで、反応混合物を2時間、室温まで温めた。競合後、反応混合物を2N HClでpH=5〜6に調節して、EA(200mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、固体の所望の生成物(14.8g、82%収率)を得た。

0182

工程3: 4の調製



THF(32mL、c=0.2)中3(1.7g、6.32mmol、1.0当量)の溶液に、THF(32mL、c=0.2)中ピロリジン(539mg、7.58mmol、1.2当量)及びNaH(303mg、12.64mmol、2.0当量)を添加した。反応混合物を室温で30分間攪拌した。競合後、30mLのH2Oをゆっくり添加し、EA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体の所望の生成物(680g、68%収率)を得た。
工程4: 5の調製

0183

MeCN(5.7mL、c=0.1)中4(150mg、0.577mmol、1.0当量)の溶液に、Mel(245mg、1.73mmol、3.0当量)を添加した。反応混合物を終夜還流した。競合後、反応混合物を真空中で直接濃縮して残留物を得た。残留物をEAで洗浄し、白色の固体の所望の生成物(170mg、73%収率)を得た。
工程5: 6の調製

0184

H2O(1.4mL、c=0.3)中5(170mg、0.423mmol、1.0当量)の溶液に、AgCl(121mg、2.0当量)を添加した。反応混合物を60℃で終夜加熱した。競合後、反応混合物を濾過した。濾液を凍結乾燥して、白色の固体の所望の生成物(82mg、63%収率)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO): δ7.15〜7.09 (m, 3H), 3.95〜3.85 (m, 2H), 3.53〜3.49 (m, 2H), 3.11 (s, 3H), 2.11〜2.10 (m, 4H), 2.08 (s, 6H), 1.85 (s, 6H) ppm.HPLC純度: 220nmで95.6%; 質量: m/z = 261.5 (M+1,ESI+).

0185

[実施例3]
塩化1-(1-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-1-エチルピロリジニウム(化合物3)の合成

0186

工程1: 2の調製

0187

60mLのSOCl2中1(10.0g、60.2mmol、1.0当量)の溶液を80℃で2時間還流した。競合後、反応混合物を真空中で直接濃縮して、さらなる精製をせずに、残留物(15.0g、y=132%)を得た。
工程2: 3の調製

0188

DCM(200mL)及びTEA(8.25g、81.56mmol、1.2当量)中2,6-ジメチルアニリン(8.2g、67.97mmol、1.0当量)の溶液に、DCM(50mL)中2(15.0g、80.86mmol、1.2当量)を氷浴でゆっくり添加した。次いで、反応混合物を2時間、室温まで温めた。競合後、反応混合物を2N HClでpH=5〜6に調節して、EA(200mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空中で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、固体の所望の生成物(3.0g、17%収率)を得た。
工程3: 4の調製

0189

トルエン(22mL、c=0.5)中3(3.0g、11.15mmol、1.0当量)の溶液に、ピロリジン(1.66g、23.42mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を110℃で3時間還流した。競合後、反応混合物を真空中で直接濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体の所望の生成物(1.2g、41%収率)を得た。
工程4: 5の調製

0190

4(500mg、1.921mmol、1.0当量)のMeCN(20mL、c=0.1)溶液に、Etl(749mg、4.802mmol、2.5当量)を添加した。反応混合物を終夜還流した。競合後、反応混合物を真空中で直接濃縮して残留物を得た。残留物をEAで洗浄して、白色の固体の所望の生成物(423mg、50%収率)を得た。
工程5: 6の調製

0191

5(423mg、1.016mmol、1.0当量)のH2O(4mL、c=0.3)溶液に、AgCl(291mg、2.033mmol、2.0当量)を添加した。反応混合物を60℃で終夜加熱した。競合後、反応混合物を濾過した。濾液を凍結乾燥して、白色の固体の所望の生成物(83mg、63%収率)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO): δ10.30(br,1H), 7.26〜7.19 (m, 3H), 4.23(q,J=6.15,1H), 3.95〜3.80 (d, J=3.12, 2H), 3.70〜3.55 (m, 4H), 3.22 (s, 6H), 2.15〜2.11 (m, 6H), 1.47〜1.44(d,J=4.23, 3H), 1.22〜1.19 (d, J=4.40, 3H) ppm.HPLC純度: 220nmで98%; 質量: m/z = 289.5 (M+1,ESI+).

0192

[実施例4]
塩化1-(1-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-1-メチルピペリジニウム(化合物4)の合成

0193

工程1: 3の調製

0194

1(0.5g、1.95mmol、1.0当量)のトルエン(10ml、c=0.2)溶液に、2(0.35g、4.1mmol、2.1)を添加した。添加後、混合物を加熱還流した。完了後、懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、固体の所望の生成物(0.4g、収率=78.9%)を得た。
工程2: 4の調製

0195

3(162mg、0.62mmol、1.0当量)のMeCN(6mL、c=0.1)溶液に、Mel(220mg、2.5当量)を添加した。添加後、反応混合物を5時間加熱還流した。完了後、反応溶液を減圧下で濃縮して、固体の生成物(184mg、収率=73.8%、HPLC:93%)を得た。
工程3: 5の調製

0196

4(122.7mg、0.3mmole、1.0当量)の脱イオン水(2ml、c=0.15)溶液に、AgCl(86mg、2.0eq)を添加した。添加後、反応混合物を60℃で終夜攪拌した。完了後、懸濁液を濾過し、濾液を使用して凍結乾燥し、固体の生成物(89.6mg、収率=96.1%)を得た。HPLC純度: 220nmで95%; 質量: M+: M-35.5=275.5; 2M-35.5=585.8; M-: M=310.5; M+35.5=345.5. 1H NMR(500MHz, D2O): δ 7.1400〜7.1981 (m; 3H), 4.4345 (s; 1H), 3.6625 (s; 1H), 3.5410 (s; 1H), 3.4610 (s; 2H), 3.2348 (s; 3H), 2.1289 (s; 6H), 1.9253 (d, J=28.3 Hz, 4H), 1.7403 (t, 4H), 1.6225 (s; 1H). ppm.

0197

[実施例5]
塩化1-(1-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)-1-メチルピペリジニウム(化合物5)の合成

0198

工程1: 2の調製

0199

1(10.0g、59.88mmol)の混合物に、SOCl2(60ml、c=1.0)を添加した。混合物を加熱還流した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色の油状物の所望の生成物(14.8g、収率=128.8%)を得た。
工程2: 4の調製

0200

DCM(100ml、c=0.5)中3(6.0g、50mmol、1.0eq)の混合物に、TEA(10.1g、100mmol、2当量)を添加した。次いで、2(14.3g、77.1mmol、1.5当量)のDCM(50ml、c=1)溶液を添加した。反応混合物を室温で終夜攪拌した。次いで水(60ml)混合物を添加して層状にした。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、混成試料n-ヘキサンで洗浄した。固体を合わせ、生成物(5.7g、収率=42.2%、HPLC:99.5%)を得た。
工程3: 6の調製

0201

MeCN(98ml、c=0.2)中4(5.3g、19.6mmol、1.0当量)及びK2CO3(2.7g、19.6mmol、1.0当量)の溶液に、5(2.5g、29.4mmol、1.5当量)を添加した。添加後、混合物を加熱還流した。完了後、懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、固体の所望の生成物(1.7g、収率=31.6%、HPLC:96.4%)を得た。
工程4: 7の調製

0202

6(1.6g、5.8mmol、1.0当量)及びMeCN(30mL、c=0.2)を密封管に添加した。この溶液に、Mel(5mL、14.0当量)を添加した。添加後、反応混合物を90℃で32時間攪拌した。完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、EA(5ml×2)で洗浄し、固体の生成物(557mg、収率=23%、HPLC:99.6%)を得た。
工程4: 8の調製

0203

脱イオン水(4ml、c=0.12)中7(200mg、0.48mmol、1.0当量)の溶液に、AgCl(137.8mg、2.0当量)を添加した。添加後、反応混合物を室温で6時間攪拌した。完了後、懸濁液を濾過し、濾液を使用して凍結乾燥し、固体の生成物(152mg、収率=97%)を得た。HPLC純度: 220nmで100%; 質量: M+:M-35.5=289.5;2M-35.5=613.8; 1H NMR(500MHz, D2O): δ 7.0842〜7.1578 (m, 3H), 3.5323 (d, J=7.85 Hz, 4H), 3.1250 (s, 3H), 2.0620 (s, 6H), 1.9314 (m, 2H), 1.7323〜1.8119 (m, 9H), 1.3277〜1.3543 (m, 2H)ppm.

0204

[実施例6]
1-(1-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-1-エチルピペリジニウム(化合物6)の合成

0205

工程1: 2の調製

0206

1(10.0g、59.88mmol)の混合物に、SOCl2(60ml、c=1.0)を添加した。混合物を加熱還流した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色の油状物の所望の生成物(9.2g、収率=82.8%)を得た。
工程2: 4の調製

0207

DCM(100ml、c=0.5)中3(5.0g、41.3mmole、1.0当量)の混合物に、ピリジン(4.9g、61.95mmole、1.5当量)を添加した。次いで2(9.2g、49.59mmol、1.2当量)のDCM(40ml、c=1.2)溶液を添加した。反応混合物を室温で終夜攪拌した。次いで水(50ml)溶液を添加して層状にした。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をn-ヘキサンで洗浄した。固体を合わせて、生成物(7.8g、収率=70%、HPLC:98.6%)を得た。
工程3: 6の調製

0208

THF(37mL、c=0.4)中NaH(0.35g、14.8mmol、2.0当量)の溶液に、5(0.75g、8.8mmol、1.2当量)を添加した。次いで4(2.0g、7.4mmol、1.0当量)のTHF(20mL、c=0.37)溶液を添加した。添加後、混合物を室温で終夜攪拌した。完了後、水(20mL)及びEA(50mL)の懸濁液を添加して層状にした。有機相を水(50mL×2)で洗浄した。次いで有機相のpHを2に調節し、EA(40mL×2)で抽出した。水相のpHを9に調節し、次いでEA(40×2)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をn-ヘキサンで洗浄して、固体の所望の生成物(0.48g、収率=24%、HPLC:99.3%)を得た。
工程4: 7の調製

0209

6(0.48g、1.75mmol、1.0当量)及びMeCN(9mL、c=0.2)を密封管に添加した。この溶液に、Etl(2mL、14.0当量)を添加した。添加後、反応混合物を90℃で10時間攪拌した。完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、固体の生成物(470mg、収率=62.6%、HPLC:99%)を得た。
工程4: 8の調製

0210

脱イオン水(3ml、c=0.15)7(200mg、0.465mmol、1.0当量)の溶液に、AgCl(133mg、0.93mmol、2.0当量)を添加した。添加後、反応混合物を室温で終夜攪拌した。完了後、懸濁液を濾過し、濾液を使用して凍結乾燥し、固体の生成物(141mg、収率=89.8%)を得た。HPLC純度: 220nmで; 質量: M+1=339.4. 1H NMR(300MHz, D2O): δ 7.117 (m, 3H), 4.056 (dd, J=8.1 Hz, 1H), 3.712〜3.808 (m, 1H), 3.656 (m, J=13.2 Hz, 2H), 3.510〜3.582 (m, 1H), 3.344 (m, 2H), 2.117 (s, 6H), 1.984〜2.070 (m, 2H), 1.818 (m, 4H), 1.660 (m, 1H), 1.455 (m, 1H), 1.278 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.107 (t, 3H) ppm.

0211

[実施例7]
塩化2-(2,6-ジメチルフェニルカルバモイル)-1,1-ジメチルピロリジニウム(化合物13)の合成

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