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技術 排気システム用の亜酸化窒素除去触媒

出願人 ビーエーエスエフコーポレーション
発明者 ユエジンリーシャオライヂェンスタンリーエイ.ロスオルガゲアラッハアンドレアスズンダーマン
出願日 2016年6月30日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-568161
公開日 2018年10月4日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2018-528847
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 摂動周波数 立方晶系材料 二元酸 軽量車 セラミックキャリア 正弦曲線状 正方晶系構造 ガス入口開口
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課題・解決手段

キャリア上にN2O除去触媒材料を含む亜酸化窒素(N2O)除去触媒複合体であって、前記触媒材料は、単相立方晶系蛍石結晶構造を有するセリア含有担体上の白金族金属PGM)成分を含む、N2O除去触媒複合体が記載される。前記触媒材料は、化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下運転する内燃機関排気流の条件下での、亜酸化窒素(N2O)から窒素(N2)および酸素(O2)への分解ならびに/またはN2OからN2および水(H2O)および/もしくは(CO2)への還元に有効である。前記触媒複合体の製造方法およびその使用方法も提供される。

概要

背景

(発明の背景
亜酸化窒素(N2O)は、CO2の310倍の地球温暖化係数を有する温室効果ガスであり、大気中での寿命は114年である。考えられるN2O排出ガス発生源の1つが自動車排ガスであり、N2O排出ガスは、燃料自体の燃焼副生成物としてだけではなく、触媒によるNOx還元の際に生じる副生成物としても発生する。その地球温暖化係数を認識して、米国環境保護庁(US EPA)はすでに、MY2012から開始されるFTPサイクルでの軽量車のN2O排出量制限を10mg/マイルに設定し、またMY2014から開始される重量FTPサイクルでの重量車のN2O排出量制限を0.1g/bhp−hに設定している。これまで、自動車用触媒ステムは通常は、N2O水準を考慮せずにNOx(規制された汚染物質)の最大限の削減に向けて最適化が行われていた。今や、N2Oが10mg/マイルの制限を超えると、CAFEの燃費要件に対する処の対象となる。

現在、亜酸化窒素(N2O)の分解は工業的には、硝酸およびアジピン酸の生成に由来するオフガスの処理のために行われている。こうした操作の温度は、典型的な自動車排ガスの温度よりもはるかに高く(>550℃、例えば約800℃〜900℃)、またプロセス流は水分をほとんど含まない(<1%)。N2O分解触媒について記載した文献報告は数多く存在するが、その多くは次の3つのカテゴリー分類できる:(1)担持されたRh、(2)スピネル構造を有する金属酸化物および(3)イオン交換処理されたゼオライト。こうした触媒は通常は、粉末状やペレット状であり、例えばモノリシック型基材ウォールフロー型フィルターのようなセラミックキャリアには担持させない。独国特許出願公開第102008048159号公報では、適宜セリウムまたは金をドープしたγ−アルミナロジウムを担持させた触媒を用いて、ガス流中でのN2Oの分解が行われる。

韓国特許出願公開第20060019035号公報では、二元触媒層を用いて窒素酸化物を除去する方法であって、窒素酸化物還元触媒Pt/VX−PY−(ヒドロキシル基含有材料)Zの層を用いて窒素酸化物を窒素および亜酸化窒素に分解し、該亜酸化窒素をさらに、亜酸化窒素分解触媒Rh−Ag/CeO2/M1−M2−M3(ここで、M1はMg、BaまたはSrであり、M2は、Al、Fe、V、GaまたはCrであり、M3はZn、Ni、Cuである)の層を用いて窒素および酸化物に分解する方法を対象としている。

国際公開第2011/036320号は、セリウムと遷移金属および内部遷移金属の群から選択される1つまたは複数の金属との混合酸化物に担持された活性ロジウム相と、例えばアルミナのような担体とを含む、ロジウムおよびセリウム酸化物触媒システムを対象とする。国際公開第2011/036320号は、含まれる亜酸化窒素が希釈されており(典型的には500ppm〜5000ppm)、比較的低温であり(<525℃)かつ阻害剤ガスを含有することを特徴とする排出物を目的としている。

米国特許第8,512,658号明細書には、リーンバーン内燃機関排ガス後処理において亜酸化窒素を低減させる方法が提供されている。N2O低減触媒は、三元触媒NOx還元触媒NOx吸蔵触媒および酸化触媒からなる群から選択される触媒であることが好ましい。米国特許第8,512,658号明細書では、高表面積金属酸化物、好ましくはランタン安定化酸化アルミニウムに担持されたパラジウムが、エージング処理後のλ≦1の条件下でのN2Oの反応に関して最も低いライトオフ温度をもたらすことから、こうした触媒がN2O低減触媒の特定の一実施形態であると特定している。米国特許第8,512,658号明細書では、該N2O低減触媒がそのライトオフ温度未満にある場合には、該触媒を加熱することが有利であることが明らかにされている。

概要

キャリア上にN2O除去触媒材料を含む亜酸化窒素(N2O)除去触媒複合体であって、前記触媒材料は、単相立方晶系蛍石結晶構造を有するセリア含有担体上の白金族金属PGM)成分を含む、N2O除去触媒複合体が記載される。前記触媒材料は、化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下運転する内燃機関の排気流の条件下での、亜酸化窒素(N2O)から窒素(N2)および酸素(O2)への分解ならびに/またはN2OからN2および水(H2O)および/もしくは(CO2)への還元に有効である。前記触媒複合体の製造方法およびその使用方法も提供される。

目的

排ガス条件下での亜酸化窒素(N2O)の除去を効率的かつ有効に生じさせる触媒物品を提供する

効果

実績

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請求項1

化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下運転する内燃機関排気流を処理するための亜酸化窒素(N2O)除去触媒複合体であって、前記触媒複合体は、キャリア上にN2O除去触媒材料を含み、前記触媒材料は、単相立方晶系蛍石結晶構造を有するセリア含有担体担持された白金族金属PGM)成分を含み、前記N2O除去触媒材料は、前記排気流中でのN2Oから窒素(N2)および酸素(O2)への分解に有効であるか、またはN2OからN2および水(H2O)もしくは二酸化炭素(CO2)への還元に有効である、前記N2O除去触媒複合体。

請求項2

前記セリア含有担体は、少なくとも0.20cm3/gの細孔容積を有する、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項3

前記セリア含有担体は、リーンフィードとリッチフィードとを交互にして950℃で20時間エージング処理を行った後に、少なくとも10m2/gのBET表面積を有する、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項4

前記セリア含有担体のBET表面積は、約10m2/g〜約100m2/gである、請求項3記載のN2O除去触媒複合体。

請求項5

前記セリア含有担体は、0.517nm〜0.541nmの範囲のX線回折(XRD)格子定数a0を有する、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項6

前記セリア含有担体は、セリアと、ジルコニアプラセオジミア酸化ランタンネオジミアイットリアサマリアおよびガドリニアからなる群から選択される1つまたは複数の金属酸化物とを含む固溶体形態の混合金属酸化物を含む、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項7

前記混合金属酸化物は、約5重量%〜約95重量%の量のセリアと、約5重量%〜約95重量%の量のジルコニアと、0重量%〜約20重量%の量のプラセオジミア、酸化ランタン、ネオジミア、イットリア、サマリアおよびガドリニアのうちの1つまたは複数とを含む、請求項6記載のN2O除去触媒複合体。

請求項8

前記セリア含有担体は、約90重量%〜約100重量%のセリアと、前記PGM成分とは異なる0重量%〜約10重量%の助触媒金属とを含む、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項9

前記PGM成分は、ロジウム成分パラジウム成分白金成分またはそれらの組合せ物を含み、前記PGM成分は、前記セリア含有担体上に、前記セリア含有担体の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項10

前記セリア含有担体の約0.001重量%〜約10重量%の量の、前記PGM成分とは異なる助触媒金属であって、銅(Cu)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)およびスズ(Sn)からなる群から選択される1つまたは複数の卑金属を含む助触媒金属と、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、金(Au)およびルテニウム(Ru)からなる群から選択される1つまたは複数の追加の白金族金属成分とをさらに含む、請求項9記載のN2O除去触媒複合体。

請求項11

銀(Ag)、イリジウム(Ir)、金(Au)およびルテニウム(Ru)からなる群から選択される1つまたは複数の追加の白金族金属成分をさらに含む、請求項9記載のN2O除去触媒複合体。

請求項12

前記キャリアは、フロースルー型基材またはウォールフロー型フィルターを含む、請求項1記載のN2O除去触媒複合体。

請求項13

化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流を処理するための排出ガス処理システムであって、排気マニホルドを介して前記内燃機関に流体連通する排気ダクトと、処理触媒と、請求項1から12までのいずれか1項記載のN2O除去触媒複合体とを含む、前記排出ガス処理システム。

請求項14

前記処理触媒は、窒素酸化物処理触媒を含み、前記窒素酸化物処理触媒は、三元転化(TWC)触媒リーンNOxトラップ(LNT)または選択的接触還元SCR)触媒を含む、請求項13記載の排出ガス処理システム。

請求項15

前記処理触媒は、ディーゼル酸化触媒DOC)を含む、請求項13記載の排出ガス処理システム。

請求項16

前記N2O除去触媒複合体と前記処理触媒とは、別個の層または別個のゾーンとして前記キャリア上に堆積されている、請求項13記載の排出ガス処理システム。

請求項17

第2のキャリアをさらに含み、前記第2のキャリアの上に前記処理触媒が配置されている、請求項13記載の排出ガス処理システム。

請求項18

摂動化された化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流の排ガスを処理するための方法であって、炭化水素一酸化炭素および窒素酸化物を含む排気流を、請求項1から12までのいずれか1項記載のN2O除去触媒複合体と接触させることを含む、前記方法。

請求項19

前記内燃機関の運転条件は、第1の継続時間にわたる還元条件と、それに続く第2の継続時間にわたるリーン運転条件とを含み、前記第2の継続時間は、前記第1の継続時間の少なくとも2倍の長さであり、前記第2の継続時間中に、前記接触ステップによって、前記排ガス流中のN2Oの少なくとも90%が転化される、請求項18記載の方法。

請求項20

前記N2O除去触媒複合体は、約200℃〜約500℃の温度にある、請求項18記載の方法。

請求項21

前記N2O除去触媒複合体は、約200℃〜約500℃の温度にある、請求項19記載の方法。

請求項22

前記接触ステップは、約400℃以下の温度にある、請求項20記載の方法。

請求項23

前記第1の継続時間は、約0.25秒間〜約30秒間であり、前記第2の継続時間は、約1分間〜約30分間である、請求項19記載の方法。

請求項24

前記N2O除去触媒複合体は、リーンNOxトラップ(LNT)または三元転化(TWC)触媒を含む排ガス処理システムに含まれ、前記排ガス処理システムは、窒素酸化物(NOx)制御のためにリッチ条件を周期的に必要とする、請求項18記載の方法。

請求項25

前記N2O除去触媒複合体は、ディーゼル酸化触媒を必要に応じて選択的接触還元(SCR)触媒と組合せて含む排ガス処理システムに含まれ、前記内燃機関の運転条件は、N2O除去のためのリッチ運転の期間を含む、請求項18記載の方法。

技術分野

0001

(発明の技術分野)
本発明は、化学量論的条件下か、またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下運転する内燃機関排気システム用の浄化触媒およびその使用方法を対象とする。より具体的には本発明は、セリア含有担体担持された白金族金属PGM)、例えばロジウム(Rh)成分、パラジウム(Pd)成分および/または白金(Pt)成分を含む触媒であって、内燃機関の排気流中に存在する亜酸化窒素(N2O)の除去に有効である触媒に関する。例えば該N2O除去触媒は、N2Oから窒素(N2)および酸素(O2)への分解に有効であり、かつ/または存在する還元剤に応じてN2Oから窒素および水および/もしくは二酸化炭素への還元に有効である。

背景技術

0002

(発明の背景
亜酸化窒素(N2O)は、CO2の310倍の地球温暖化係数を有する温室効果ガスであり、大気中での寿命は114年である。考えられるN2O排出ガス発生源の1つが自動車排ガスであり、N2O排出ガスは、燃料自体の燃焼副生成物としてだけではなく、触媒によるNOx還元の際に生じる副生成物としても発生する。その地球温暖化係数を認識して、米国環境保護庁(US EPA)はすでに、MY2012から開始されるFTPサイクルでの軽量車のN2O排出量制限を10mg/マイルに設定し、またMY2014から開始される重量FTPサイクルでの重量車のN2O排出量制限を0.1g/bhp−hに設定している。これまで、自動車用触媒ステムは通常は、N2O水準を考慮せずにNOx(規制された汚染物質)の最大限の削減に向けて最適化が行われていた。今や、N2Oが10mg/マイルの制限を超えると、CAFEの燃費要件に対する処の対象となる。

0003

現在、亜酸化窒素(N2O)の分解は工業的には、硝酸およびアジピン酸の生成に由来するオフガスの処理のために行われている。こうした操作の温度は、典型的な自動車排ガスの温度よりもはるかに高く(>550℃、例えば約800℃〜900℃)、またプロセス流は水分をほとんど含まない(<1%)。N2O分解触媒について記載した文献報告は数多く存在するが、その多くは次の3つのカテゴリー分類できる:(1)担持されたRh、(2)スピネル構造を有する金属酸化物および(3)イオン交換処理されたゼオライト。こうした触媒は通常は、粉末状やペレット状であり、例えばモノリシック型基材ウォールフロー型フィルターのようなセラミックキャリアには担持させない。独国特許出願公開第102008048159号公報では、適宜セリウムまたは金をドープしたγ−アルミナにロジウムを担持させた触媒を用いて、ガス流中でのN2Oの分解が行われる。

0004

韓国特許出願公開第20060019035号公報では、二元触媒層を用いて窒素酸化物を除去する方法であって、窒素酸化物還元触媒Pt/VX−PY−(ヒドロキシル基含有材料)Zの層を用いて窒素酸化物を窒素および亜酸化窒素に分解し、該亜酸化窒素をさらに、亜酸化窒素分解触媒Rh−Ag/CeO2/M1−M2−M3(ここで、M1はMg、BaまたはSrであり、M2は、Al、Fe、V、GaまたはCrであり、M3はZn、Ni、Cuである)の層を用いて窒素および酸化物に分解する方法を対象としている。

0005

国際公開第2011/036320号は、セリウムと遷移金属および内部遷移金属の群から選択される1つまたは複数の金属との混合酸化物に担持された活性ロジウム相と、例えばアルミナのような担体とを含む、ロジウムおよびセリウム酸化物触媒システムを対象とする。国際公開第2011/036320号は、含まれる亜酸化窒素が希釈されており(典型的には500ppm〜5000ppm)、比較的低温であり(<525℃)かつ阻害剤ガスを含有することを特徴とする排出物を目的としている。

0006

米国特許第8,512,658号明細書には、リーンバーン内燃機関の排ガス後処理において亜酸化窒素を低減させる方法が提供されている。N2O低減触媒は、三元触媒NOx還元触媒NOx吸蔵触媒および酸化触媒からなる群から選択される触媒であることが好ましい。米国特許第8,512,658号明細書では、高表面積金属酸化物、好ましくはランタン安定化酸化アルミニウムに担持されたパラジウムが、エージング処理後のλ≦1の条件下でのN2Oの反応に関して最も低いライトオフ温度をもたらすことから、こうした触媒がN2O低減触媒の特定の一実施形態であると特定している。米国特許第8,512,658号明細書では、該N2O低減触媒がそのライトオフ温度未満にある場合には、該触媒を加熱することが有利であることが明らかにされている。

発明が解決しようとする課題

0007

排ガス条件下での亜酸化窒素(N2O)の除去を効率的かつ有効に生じさせる触媒物品を提供することが、当技術分野において引き続き求められている。

課題を解決するための手段

0008

(発明の概要
N2Oは、これらに限定されるものではないが例えば、従来の/化学量論的であるガソリン車ガソリン直噴(GDI)ガソリン車に見られる三元転化(TWC)触媒や四元転化(FWC)触媒といったあらゆる種類の主要な排出ガス制御触媒での過渡的条件下で形成される。さらにN2Oは、ディーゼル車に見られるディーゼル酸化触媒DOC)、キャタライズド・スートフィルターCSF)、リーンNOxトラップ(LNT)、選択的接触還元SCR)触媒および選択的アンモニア酸化(AMOx)触媒での過渡的条件下でも形成される。さらにより厳しいN2O排出量規制では、排出ガス制御システムの設計を、NOx転化性能の向上だけでなくN2O排出量の削減に向けても最適化することが要求される。理論的にはN2O排出量の削減は、N2Oの形成を最小限に抑えることによっても対処可能であるし、N2OをN2およびO2へと直接転化しかつ/または(還元剤に応じて)N2OをN2およびH2Oおよび/またはCO2へと還元する触媒を用いることによっても対処可能である。有効なN2O触媒を、場合によってはスタンドアローン型の装置として提供してもよいし、既存の触媒システムに組み込んでもよい。

0009

第1の態様は、化学量論的条件下か、またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流を処理するための亜酸化窒素(N2O)除去触媒複合体であって、前記触媒複合体は、キャリア上にN2O除去触媒材料を含み、前記触媒材料は、単相立方晶システムの蛍石結晶構造を有するセリア含有担体に担持された白金族金属(PGM)成分を含み、前記N2O除去触媒材料は、前記排気流中でのN2Oから窒素(N2)および酸素(O2)への分解に有効であり、かつ/または前記排気流条件下でのN2OからN2および水(H2O)および/もしくは二酸化炭素(CO2)への還元に有効である。

0010

セリア含有担体は、少なくとも0.20cm3/gの細孔容積を有してよい。セリア含有担体は、リーンフィードとリッチフィードとを交互にして950℃で20時間エージング処理を行った後に、少なくとも10m2/gのBET表面積を有する。セリア含有担体のBET表面積は、約10m2/g〜約100m2/gである。セリア含有担体は、0.517nm〜0.541nmの範囲のX線回折(XRD)格子定数a0を含んでよい。

0011

セリア含有担体は、セリアと、ジルコニアプラセオジミア酸化ランタンネオジミアイットリアサマリアおよびガドリニアからなる群から選択される1つまたは複数の金属酸化物とを含む固溶体形態の混合金属酸化物を含んでよい。詳細な一実施形態において、混合金属酸化物は、約5重量%〜約95重量%の量のセリアと、約5重量%〜約95重量%の量のジルコニアと、約0重量%〜約20重量%の量のプラセオジミア、酸化ランタン、ネオジミア、イットリア、サマリアおよびガドリニアのうちの1つまたは複数とを含む。

0012

セリア含有担体は、約90重量%〜約100重量%のセリアと、PGM成分とは異なる約0重量%〜10重量%の助触媒金属とを含んでよい。

0013

PGM成分は、ロジウム成分パラジウム成分白金成分またはそれらの組合せ物を含んでよく、ここで、該PGM成分は、セリア含有担体上に、該セリア含有担体の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する。

0014

N2O除去触媒複合体は、セリア含有担体の約0.001重量%〜10重量%の量の、PGM成分とは異なる助触媒金属であって、銅(Cu)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)およびスズ(Sn)からなる群から選択される1つもしくは複数の卑金属を含む助触媒金属、ならびに/または銀(Ag)、イリジウム(Ir)、金(Au)およびルテニウム(Ru)からなる群から選択される1つもしくは複数の追加の白金族金属成分を、さらに含んでよい。

0015

キャリアは、フロースルー型基材またはウォールフロー型フィルターを含んでよい。

0016

もう1つの態様は、化学量論的条件下か、またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流を処理するための排出ガス処理システムであって、排気マニホルドを介して内燃機関に流体連通する排気ダクトと、処理触媒と、本明細書中のいずれかの実施形態に記載のN2O除去触媒複合体とを含む排出ガス処理システムである。処理触媒は、窒素酸化物処理触媒を含んでよく、該窒素酸化物処理触媒は、三元転化(TWC)触媒またはリーンNOxトラップ(LNT)または選択的接触還元(SCR)触媒を含む。処理触媒は、ディーゼル酸化触媒(DOC)を含んでよい。処理触媒は、N2O除去触媒複合体と同一のキャリア上に配置されてよい。例えば処理触媒は、N2O除去触媒複合体のキャリアの層またはゾーンとして存在することができる。排出ガス処理システムは、第2のキャリアをさらに含んでよく、該第2のキャリアの上に処理触媒が配置される。例えば処理触媒は、N2O除去触媒複合体のキャリアとは別のキャリア上に配置されてよい。

0017

さらなる一態様は、化学量論的条件下か、またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流の排ガスを処理するための方法であって、炭化水素一酸化炭素および窒素酸化物を含む排気流を、本明細書に開示されるいずれかの実施形態に記載のN2O除去触媒複合体と接触させることを含む方法である。いくつかの実施形態において、内燃機関の運転条件は、第1の継続時間にわたる還元条件と、それに続く第2の継続時間にわたるリーン運転条件とを含み、ここで、第2の継続時間は、第1の継続時間の少なくとも2倍の長さであり、接触ステップによって、排ガス流中のN2Oの少なくとも90%が転化される。N2O除去触媒複合体は、約200℃〜約500℃の温度にあってよい。N2O除去触媒複合体は、約400℃以下の温度にあってよい。第1の継続時間は、約0.25秒間〜約30秒間であってよく、第2の継続時間は、約1分間〜約30分間であってよい。

0018

いくつかの実施形態において、N2O除去触媒複合体は、リーンNOxトラップまたは三元転化(TWC)触媒を含む排ガス処理システムに含まれ、該排ガス処理システムは、窒素酸化物(NOx)制御のためにリッチ条件を周期的に必要とした。いくつかの実施形態において、N2O除去触媒複合体は、ディーゼル酸化触媒を必要に応じて選択的接触還元触媒組合せて含む排ガス処理システムに含まれ、ここで、内燃機関の運転条件は、N2O除去のためのリッチ運転の期間を含む。

0019

本開示は、本開示の様々な実施形態の以下の詳細な説明を付属の図面と関連付けて考慮することにより、より完全に理解されうる。

図面の簡単な説明

0020

担持Rh触媒試料1、試料2および試料3についてのリーン/リッチ条件下でのN2O転化率(%)を時間に対して示すグラフである。
担持Rh触媒の試料1、試料4および試料5についてのリーン/リッチ条件下でのN2O転化率(%)を時間に対して示すグラフである。
担持Rh触媒の試料1、試料6および試料7についてのリーン/リッチ条件下でのN2O転化率(%)を時間に対して示すグラフである。
担持Rh触媒の試料1、試料8、試料9および試料10についてのリーン/リッチ条件下でのN2O転化率(%)を時間に対して示すグラフである。
担持Rh(1重量%)触媒についてのλ=1摂動条件下でのN2O転化率(%)を温度に対して示すグラフである。
担持Rh(0.1重量%)触媒についてのλ=1摂動条件下でのN2O転化率(%)を温度に対して示すグラフである。
担持Pd(1重量%)触媒についてのλ=1摂動条件下でのN2O転化率(%)を温度に対して示すグラフである。
担持Pd(5重量%)触媒についてのλ=1摂動条件下でのN2O転化率(%)を温度に対して示すグラフである。
担持Pt(1重量%)触媒についてのλ=1摂動条件下でのN2O転化率(%)を温度に対して示すグラフである。
担体A上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体B上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体C上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体D上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体E上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体F上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体G上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
担体H上の1%Rhの試料のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
シミュレートされたガソリン車のエンジンの運転および排気の条件についての温度(℃)およびA/F(λ)の過渡的なトレースを時間に対して示す。
例示的なTWC+N2O触媒と、TWCのみの比較触媒とについての、累積N2O排出量を時間に対して示すグラフを示す。
N2O触媒を含む例示的なガソリンTWC排気システムの流れ図を示す。
N2O触媒を含む例示的なGDI排気システムの流れ図を示す。
N2O触媒を含む例示的なディーゼルLNT排気システムの流れ図を示す。
N2O触媒を含む例示的なディーゼルDOC排気システムの流れ図を示す。
フロースルー型基材上にTWC触媒およびN2O触媒を含む、例示的な層状の複合体を示す。
フロースルー型基材上にTWC触媒およびN2O触媒を含む、例示的な層状のおよび区画された複合体を示す。
フロースルー型基材上にTWC触媒およびN2O触媒を含む、例示的な層状のおよび区画された複合体を示す。
TWC触媒およびN2O触媒を含む、例示的なガソリン・パティキュレート・フィルターを示す。
TWC触媒およびN2O触媒を含む、例示的なガソリン・パティキュレート・フィルターを示す。
フロースルー型基材上のディーゼルLNT触媒およびN2O触媒の例示的な層状の複合体を示す。
フロースルー型基材上のディーゼルSCR触媒およびN2O触媒の例示的な層状の複合体を示す。
フロースルー型基材上のディーゼルLNT触媒およびN2O触媒の例示的な層状のおよび区画された複合体を示す。
フロースルー型基材上のディーゼルSCR触媒およびN2O触媒の例示的な層状のおよび区画された複合体を示す。
フロースルー型基材上のディーゼルLNT触媒およびN2O触媒の例示的な層状のおよび区画された複合体を示す。
フロースルー型基材上のディーゼルSCR触媒およびN2O触媒の例示的な層状のおよび区画された複合体を示す。
LNT触媒とN2O触媒とを有する例示的なディーゼル・パティキュレート・フィルターを示す。
SCR触媒とN2O触媒とを有する例示的なディーゼル・パティキュレート・フィルターを示す。

0021

(発明の詳細な説明)
立方晶系の蛍石結晶構造の単相を有するセリア含有担体に担持された白金族金属(PGM)成分を含む亜酸化窒素(N2O)除去触媒が提供される。該触媒は、亜酸化窒素(N2O)から窒素(N2)および酸素(O2)への分解に有効であり、かつ/または多くの条件下で(還元剤に応じて)N2OからN2およびH2Oおよび/もしくはCO2への還元に有効であり、ここで、該条件としては特に、(1)空燃比揺動的であり、わずかにリッチな条件とわずかにリーンな条件とが交互に生じることを特徴とする化学量論的条件か、または(2)リッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件が含まれる。該触媒は、400℃以下の温度で特に有効である。適切なセリア含有担体は、単相の立方晶系の蛍石結晶構造を有する。1つまたは複数の実施形態において、セリア含有担体は、少なくとも約0.20cm3/gの細孔容積を有する。1つまたは複数の実施形態は、リーンフィードとリッチフィードとを交互にして約950℃で約20時間エージング処理を行った後に、少なくとも約10m2/gのBET表面積を有する。特定の一実施形態は、0.517〜0.541の範囲のXRD立方格子定数a0を有する。

0022

意想外にも、約400℃で過渡的なリッチ(すなわち還元性曝露(約15秒間)を行うだけで、その後のリーン(すなわち酸化性)条件下で、N2O分解活性が約8分超にわたって90%超に達することが判明した。したがって本明細書に開示されるN2O除去触媒は、ある継続時間の還元性雰囲気が存在し、その後にもう1つの継続時間の酸化性雰囲気が続くという様々な条件下での適用が可能である。したがって、リッチ/還元性曝露の継続時間は、約0.25秒間〜約30秒間の範囲であってよい。後続のリーン/酸化性条件の際に90%を超える転化率(または約80%または約70%または約60%またはさらには約50%)に達するN2O分解活性の継続時間は、約1分間〜約30分間の範囲であってよい。リーン条件下でのN2O分解活性の継続時間は、リッチ曝露の継続時間の少なくとも約2倍(すなわち2倍)であってよい。いくつかの実施形態において、リーン条件下でのN2O分解活性の継続時間は、リッチ曝露の継続時間の少なくとも約10倍であってよい。

0023

本明細書に開示されるN2O除去触媒に適した条件は、工業的な使用において遭遇する条件とは異なる。すなわち、硝酸およびアジピン酸の生成に由来するオフガスの処理のためのN2O分解での条件においては典型的には、温度は550℃を上回り(例えば約800℃〜900℃)、H2Oの水準は低く(1体積%未満)、またO2の水準も低い(1体積%未満)。本明細書に開示されるN2O除去触媒は、従来の工業的な使用よりも低い約200℃〜約500℃の温度で、かつH2O水準およびO2水準がそれぞれ約10体積%で有効である。このことは、内燃機関の排気条件において、ここに論じられる触媒を用いたN2Oの除去が生じうることを意味する。好ましい一実施形態において、排気流中のN2O除去触媒は、約400℃以下(例えば約200℃〜約400℃)の温度にある。

0024

したがって本明細書に開示される触媒は、例えば三元転化(TWC)触媒配合物や四元転化(FWC)触媒配合物といった一般的でかつ過渡的なリッチ状態を有する用途にも、ガソリン車向けのリーンNOxトラップ(LNT)用途にも使用することができ、これによって排気管におけるN2O排出量が最小限に抑えられる。該触媒は、リーンNOxトラップ(LNT)触媒が、頻繁ではない周期的かつ過渡的なリッチ状態で運転するディーゼル車両用途での使用が可能である。さらに該触媒は、排気管におけるN2O排出量の削減という特定の目的にのみ過渡的なリッチ状態が適用されるような、他のリーンバーン車両用途での使用も可能である。

0025

転化化学は、以下の反応に従う:
分解:2N2O→2N2+O2 (I)
還元:
N2O+H2→N2+H2O (IIa)
N2O+HC→N2+CO2+H2O (IIb)
N2O+CO→N2+CO2 (IIc)
3N2O+2NH3→4N2+3H2O (IId)

0026

本明細書では、以下の定義を用いる。

0027

本明細書で使用する場合に、「白金族金属(PGM)成分」、「白金(Pt)成分」、「ロジウム(Rh)成分」、「パラジウム(Pd)成分」、「イリジウム(Ir)成分」、「ルテニウム(Ru)成分」などは、触媒がか焼または使用される際に、ある触媒活性形態、通常は金属または金属酸化物へと分解あるいは転化する、それぞれの白金族金属化合物錯体などを指す。

0028

「セリア含有担体」とは、少なくともセリアを含有する担体材料を指す。例えば、セリア含有担体は、必要に応じて助触媒金属を含むバルクセリアであってよい。セリア含有担体は、セリアと、以下のもののうちの1つまたは複数とを含む固溶体形態の混合金属酸化物であってよい:ジルコニア、プラセオジミア、酸化ランタン、ネオジミア、イットリア、サマリアおよびガドリニア。

0029

「単相」への言及は、異なる元素の存在下であっても単結晶構造を示す材料を意味する。単相の存在を判断する方法の1つが、X線回折(XRD)技術によるものである。本明細書で使用する場合に、XRDは、材料の構造の特性解析を行うために粉末試料について行われる。

0030

XRDによる測定とは、結晶三次元構造を特定し、これを特定の格子定数によって特徴付けることを意味する。単相の立方晶系材料は、格子定数を1つしか持たない。

0031

XRDによって求められる「立方晶系の蛍石結晶構造」とは、結晶がCaF2によって示される等軸立方晶系の形状であることを意味する。

0032

「BET表面積」は、N2吸着測定により表面積を求めるためにBrunauer−Emmett−Teller法を参照するというその通常の意味を有する。特に明記しない限り、「表面積」はBET表面積を指す。

0033

触媒材料または触媒ウォッシュコートにおける「担体」とは、沈殿会合、分散、含浸または他の適切な方法によって貴金属、安定剤、助触媒結合剤などを受容する材料を指す。

0034

耐火性金属酸化物担体」には、バルクアルミナ、セリア、ジルコニア、チタニアシリカマグネシア、ネオジミアおよびこうした用途で知られている他の材料が含まれる。こうした材料は、得られる触媒に耐久性を与えるものと考えられる。

0035

「高表面積耐火性金属酸化物担体」とは具体的には、20Åより大きい細孔および広い細孔分布を有する担体粒子を指す。高表面積耐火性金属酸化物担体、例えばアルミナ担体材料(「γ−アルミナ」または「活性アルミナ」とも呼ばれる)では典型的には、新鮮な材料のBET表面積が、1g当たり約60平方メートル(「m2/g」)を超える、しばしば約200m2/gまでまたはそれを上回る。このような活性アルミナは通常は、アルミナのγ相とδ相との混合物であるが、相当量のηアルミナ相κアルミナ相およびθアルミナ相をも含みうる。

0036

本明細書で使用する場合に、例えばゼオライトや他のゼオライト骨格材料(例えば同形置換材料)などの「モレキュラーシーブ」という用語は、粒状の形態で触媒貴金属を担持しうる材料を指す。モレキュラーシーブとは、一般に四面体型の部位を含みかつ平均細孔径が20Å以下である実質的に均一な細孔分布を有する、酸素イオンの広範な三次元網状構造ベースとする材料である。細孔径は、リングサイズによって定められる。

0037

本明細書で使用する場合に、「ゼオライト」という用語は、モレキュラーシーブの特定の一例であって、ケイ素原子およびアルミニウム原子をさらに含むものを指す。ゼオライトは、ゼオライトの種類ならびにゼオライト格子に含まれるカチオンの種類および量に応じて、直径が約3Å〜約10Åの範囲にある、かなり均一な細孔径を有する結晶性材料である。

0038

本明細書で使用する場合の助触媒とは、所望の化学反応や機能に向けて活性を増強する金属である。亜酸化窒素(N2O)分解の助触媒としては、これらに限定されるものではないが例えば、卑金属および/または1つもしくは複数のPGMが挙げられる。酸素吸蔵の助触媒としては、これらに限定されるものではないが例えば、希土類金属酸化物が挙げられる。

0039

「希土類金属酸化物」とは、元素周期表に定められたスカンジウムイットリウムおよびランタン系列のうちの1つまたは複数の酸化物を指す。希土類金属酸化物は、例示的な酸素吸蔵成分であってもよいし、酸素吸蔵の助触媒であってもよい。酸素吸蔵に適した助触媒としては、ランタン、セリウム、ネオジムガドリニウム、イットリウム、プラセオジムサマリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数の希土類金属が挙げられる。

0040

アルカリ土類金属酸化物」とは、例示的な安定剤材料である第II族金属の酸化物を指す。適切な安定剤としては、1つまたは複数の非還元性金属酸化物が挙げられ、ここで、該金属は、バリウムカルシウムマグネシウムストロンチウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、安定剤は、バリウムおよび/もしくはストロンチウムの1つまたは複数の酸化物を含む。

0041

「ウォッシュコート」とは、ハニカムフロースルー型のモノリス型基材のようなキャリア基材や、被処理ガス流が通過しうるのに十分な多孔性を示すフィルター基材施与される、触媒材料や他の材料の薄い付着性コーティングである。したがって「ウォッシュコート層」とは、担体粒子から構成されるコーティングであると定義される。「触媒化ウォッシュコート層」とは、触媒成分が含浸された担体粒子から構成されるコーティングである。

0042

「キャリア」とは、モノリス型担体であり、その例としては、これらに限定されるものではないが、ハニカムフロースルー型基材やウォールフロー型フィルター基材が挙げられる。「モノリシック型基材」への言及は、均質かつ連続的な一体構造を意味し、これは、別々の基材片の貼合せによって形成されたものではない。

0043

本明細書で使用する場合に、「上流」および「下流」という用語は、エンジンから排気管に向かうエンジン排ガス流の流れによる相対的な方向を指し、その際、エンジンは上流の位置に存在し、排気管や、例えばフィルターおよび触媒などの汚染物質除去物品は、エンジンの下流に存在する。

0044

「区画された」キャリアとは、軸方向に区画された構成における、別個ウォッシュコートスラリー中に含まれる少なくとも2つの触媒組成物でコーティングされた、同一のキャリア基材である。例えば、キャリアの上流では、同一のキャリア基材が1つの触媒組成物のウォッシュコートスラリーでコーティングされ、キャリアの下流では別の触媒組成物のウォッシュコートスラリーが施与され、その際、各触媒組成物は異なる。

0045

「TWC」とは、三元転化の機能を指し、これによって、炭化水素、一酸化炭素および窒素酸化物が実質的に同時に転化される。ガソリンエンジンは典型的には、空燃比(A/F比)が、燃料リッチ燃料リーンとの間で0.5Hz〜2Hzの摂動周波数で揺動するかまたはわずかに摂動化される(λ=1±約0.01)、ほぼ化学量論的な反応条件下で運転する。この運転様式を、「摂動化された化学量論的な」反応条件とも呼ぶ。本明細書中での「化学量論的」の使用は、化学量論的な空燃比近傍でのA/F比の揺動または摂動を示すガソリンエンジンの条件を指す。TWC触媒としては例えば、多価状態を有することにより空燃比の変化下に酸素を保持および放出しうる、例えばセリアのような酸素吸蔵成分(OSC;oxygen storage component)が挙げられる。NOxが還元されるリッチ条件下では、OSCが少量の酸素を供給することで、未反応のCOおよびHCが消費される。同様に、COおよびHCが酸化されるリーン条件下では、OSCは、余剰の酸素および/またはNOxと反応する。その結果、空燃比が燃料リッチと燃料リーンとの間で揺動する雰囲気が存在する場合であっても、HC、COおよびNOxがすべて同時に(または実質的にすべて同時に)転化される。典型的にはTWC触媒は、例えばパラジウムおよび/またはロジウムおよび必要に応じて白金のような1つもしくは複数の白金族金属と、酸素吸蔵成分と、必要に応じて助触媒および/または安定剤とを含む。リッチ条件下では、TWC触媒は、アンモニアを生成しうる。

0046

「OSC」とは、酸素吸蔵成分を指す。これは、多価酸化状態を有する実体であり、酸化的条件下で例えば酸素(O2)や酸化窒素(NO2)のような酸化剤と活発に反応しうるか、または還元条件下で例えば一酸化炭素(CO)や水素(H2)のような還元剤と反応する。適切な酸素吸蔵成分の例としては、セリアが挙げられる。OSCとしては、プラセオジミアも挙げられる。ウォッシュコート層へのOSCの供給は、例えば混合酸化物の使用によって達成可能である。例えばセリアを、セリウムとジルコニウムとの混合酸化物および/またはセリウムとジルコニウムとネオジムとの混合酸化物として供給することができる。例えばプラセオジミアを、プラセオジムとジルコニウムとの混合酸化物および/またはプラセオジムとセリウムとランタンとイットリウムとジルコニウムとネオジムとの混合酸化物として供給することができる。

0047

「DOC」とは、ディーゼルエンジンの排ガス中の炭化水素および一酸化炭素を転化するディーゼル酸化触媒を指す。典型的にはDOCは、例えばパラジウムおよび/または白金などの1つもしくは複数の白金族金属と、アルミナのような担体材料と、必要に応じて助触媒および/または安定剤とを含む。

0048

ディーゼルエンジンは典型的には、燃料リーンの空燃比(A/F比)(λ>1)(LNT機能なし)で運転する。そのようなエンジンは通常は、過渡的なリッチ状態をまったく有しない。以下に説明する図23は、従来のディーゼルエンジン運転条件に対して、N2O制御の目的でのみリッチ戦略を実行するという本発明のシステムの構成を説明するものである。

0049

「CSF」とは、キャタライズド・スート・フィルターを指す。これは、低温でスート粒子煤煙粒子)を回収して再生条件の間にスート(煤煙)を燃焼させるのに適した酸化触媒を有するウォールフロー型基材である。「GPF」とは、ウォールフロー型フィルターに施与されるTWC触媒を指す。

0050

「LNT」とは、リーンNOxトラップを指す。これは、白金族金属と、セリアと、リーン条件時のNOx吸着に適したアルカリ土類トラップ材料(例えばBaOまたはMgO)とを含む触媒である。リッチ条件下で、NOxが放出されて窒素へと還元される。

0051

「GDI」とは、ガソリン直噴方式のガソリンエンジンを指し、これはリーンバーン条件下で運転する。

0052

「選択的接触還元」(SCR)とは、主として窒素および蒸気の形成を伴う、適量の酸素の存在下での還元剤を用いた窒素酸化物の接触還元である。還元剤は例えば、炭化水素、水素および/またはアンモニアであってよい。アンモニアの存在下でのSCR反応は、次の2つの反応にしたがって起こる:
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O、および
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O

0053

SCR触媒は一般に、卑金属を助触媒とするモレキュラーシーブを含み、該卑金属は、リーン条件下で例えばNH3の存在下でNOxを還元するように作用する。「SCRoF」とは、ウォールフロー型パティキュレート・フィルターにSCR触媒を施与したものを指す。

0054

「AMOx」とは、1つまたは複数の金属(典型的にはPtを含む)を含む触媒である選択的アンモニア酸化触媒と、アンモニアから窒素への転化に適したSCR触媒とを指す。

0055

「リーン」エンジン運転条件という用語は、内燃機関内に余剰の空気が存在する状態で燃料が燃焼することを指す。リーンバーンエンジンでは、空燃比(A/F)は典型的には、(ガソリンを化学量論的に燃焼させるのに必要な空燃比14.7:1と比較して)約15:1である。同様に、「リッチ」運転条件下で運転する内燃機関とは、空燃比が化学量論的な比よりも低い運転条件を指す。燃焼機関が「リッチ」運転条件下で短い時間間隔で運転する場合に、こうした時間間隔は、しばしば「リッチ側への周期的かつ過渡的な変動」と定義される。こうした時間間隔は、数秒間から数分間継続しうる。

0056

排ガス流システム
N2O触媒を、内燃機関の下流で種々の方法で組み込むことができる。図面を参照すると、図20は、N2O触媒を含む例示的なガソリンTWC排気システムの流れ図を示す。システムAは、三元転化(TWC)触媒と、それに続くN2O触媒とを示す。システムBは、TWC触媒と、それに続くガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)と、それに続くN2O触媒とを示す。システムCは、TWC触媒と、それに続くガソリン・パティキュレート・フィルター上のN2O触媒(GPF+N2O)とを示す。システムDは、同一のキャリア上のTWC触媒とN2O触媒とを示す。TWC触媒およびN2O触媒は、例えば層状であってもよいし区画されていてもよい。

0057

図21は、N2O触媒を含む例示的なGDI排気システムの流れ図を示す。システムEは、三元転化(TWC)触媒と、それに続くLNTと、それに続くN2O触媒とを示す。システムFは、TWC触媒と、それに続くLNTと、それに続くガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)と、それに続くN2O触媒とを示す。システムGは、TWC触媒と、それに続くLNTと、それに続くガソリン・パティキュレート・フィルター上のN2O触媒(GPF+N2O)とを示す。システムHは、TWC触媒と、それに続くLNTと、それに続くSCR触媒と、それに続くN2O触媒とを示す。システムIは、TWC触媒と、それに続くLNTと、それに続くSCRoFと、それに続くN2O触媒とを示す。システムJは、TWC触媒と、それに続くLNTと、それに続くSCRoF上のN2O触媒とを示す。

0058

図22は、N2O触媒を含む例示的なディーゼルLNT排気システムの流れ図を示す。システムKは、リーンNOxトラップ(LNT)と、それに続く触媒スートフィルター(CSF)と、それに続くN2O触媒とを示す。システムLは、LNTと、それに続くキャタライズド・スート・フィルター上のN2O触媒(CSF+N2O)とを示す。システムMは、LNTと、それに続くCSFと、それに続くSCR触媒と、それに続くN2O触媒とを示す。システムNは、LNTと、それに続くフィルター上のSCR触媒(SCRoF)と、それに続くN2O触媒とを示す。システムOは、LNTと、それに続くSCRoF上のN2O触媒とを示す。

0059

図23は、N2O触媒を含む例示的なディーゼルDOC排気システムの流れ図を示す。システムPは、ディーゼル酸化触媒(DOC)と、それに続く触媒スートフィルター(CSF)と、それに続くN2O触媒とを示す。システムQは、DOCと、それに続くキャタライズド・スート・フィルター上のN2O触媒(CSF+N2O)とを示す。システムRは、DOCと、それに続くCSFと、それに続くSCR触媒と、それに続くN2O触媒とを示す。システムSは、DOCと、それに続くフィルター上のSCR触媒(SCRoF)と、それに続くN2O触媒とを示す。システムTは、DOCと、それに続くSCRoF上のN2O触媒とを示す。図23においてDOCシステムは、通常であればリーン条件下でのみ運転される従来のディーゼルエンジンの運転に対して、周期的かつ過渡的なリッチ状態を加えることを意図している。次いで、本明細書において提案されるこのようなDOCシステム(LNTなし)において、N2O除去の目的で本明細書に記載のN2O触媒を使用することができる。

0060

N2O触媒
単相の立方晶系の蛍石結晶構造を有するセリア含有担体に担持された白金族金属(PGM)成分を含むN2O触媒材料のウォッシュコートは、様々な技術によって作製可能である。一般的には、PGMの塩を、例えばインピエトウェットネス技術(incipient wetness techniques)によってセリア含有粉末に含浸させる。この含浸された粉末を、次いで脱イオン水スラリー化してウォッシュコートを形成させる。該ウォッシュコートをキャリアにコーティングする前に、追加の処理ステップを、含浸された粉末に対して適用することも、スラリーに対して適用することもできる。

0061

セリア含有担体は好ましくは、100%セリアであり、セリアを少なくとも約50重量%、またはさらには少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約91重量%、少なくとも約92重量%、少なくとも約93重量%、少なくとも約94重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、またはさらには少なくとも約99.9重量%含む。

0062

セリア含有担体は、混合金属酸化物複合体であってよく、ここで、該混合金属酸化物の残部は、ジルコニア、酸化ランタン、イットリア、プラセオジミア、ネオジミア、サマリア、ガドリニアまたは他の希土類金属酸化物を含んでよい。

0063

スラリーに、例えば白金族金属、安定剤および助触媒のようないずれかの所望の追加成分を加えてよい。1つまたは複数の実施形態において、スラリーは酸性であり、約2から約7未満までのpHを有する。スラリーに適量の無機酸または有機酸を加えることによって、該スラリーのpHを低下させてよい。酸と原料相容性を考慮して、双方の組合せ物を使用することができる。無機酸としては、これに限定されるものではないが例えば硝酸が挙げられる。有機酸としては、これらに限定されるものではないが例えば、酢酸プロピオン酸シュウ酸マロン酸コハク酸グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸フマル酸フタル酸酒石酸クエン酸などが挙げられる。その後、所望であれば、例えば酢酸バリウムのような安定剤や、例えば硝酸ランタンのような助触媒の、水溶性または水分散性化合物を、スラリーに加えてもよい。

0064

フロースルー型基材であるキャリアにコーティングするためには、スラリーをその後で粉砕して、実質的にすべての固形物平均直径が約20マイクロメートル未満、すなわち約0.1マイクロメートル〜15マイクロメートルの粒径となるようにしてよい。この粉砕を、ボールミルまたは他の類似の装置で達成してよく、スラリーの固形分は、例えば約10重量%〜50重量%であってよく、より具体的には約10重量%〜40重量%であってよい。次いで、こうしたスラリーにフロースルー型基材を1回または複数回浸漬してもよいし、こうしたスラリーを基材にコーティングして、例えば約0.5g/in3〜約5.0g/in3といった所望の負荷量のウォッシュコートを堆積させてもよい。

0065

ウォールフロー型のモノリス型(フィルター)であるキャリアにコーティングするためには、スラリーを粉砕して、実質的にすべての固形物の平均直径が約10マイクロメートル未満、すなわち約2マイクロメートル〜3マイクロメートルの粒径となるようにしてよい。この粉砕を、ボールミルまたは他の類似の装置で達成してよく、スラリーの固形分は、例えば約5重量%〜30重量%であってよく、より具体的には約10重量%〜20重量%であってよい。次いで、こうしたスラリーにフィルターを1回または複数回浸漬してもよいし、こうしたスラリーをフィルターにコーティングして、例えば約0.1g/in3〜約3.0g/in3といった所望の負荷量のウォッシュコートを堆積させてもよい。

0066

その後、コーティングされたキャリアを、例えば約400℃〜800℃で約10分間〜約3時間にわたる加熱によってか焼する。

0067

白金族金属または卑金属が所望される場合、典型的には、金属成分を可溶性化合物または錯体の形態で利用することにより、セリア含有担体上での該成分の分散を達成する。本明細書において、「金属成分」という用語は、それがか焼または使用される際に、ある触媒活性形態、通常は金属または金属酸化物へと分解あるいは転化する、いかなる化合物や錯体などをも意味する。担体粒子に金属成分を含浸または堆積させるために使用される液体媒体が、金属もしくはその化合物もしくはその錯体と、または触媒組成物中に存在する可能性がありかつ加熱および/もしくは真空適用時に揮発もしくは分解によって該金属成分から除去されうる他の成分と、不都合な反応を生じることがない限り、該金属成分の水溶性化合物または水分散性化合物または錯体を使用することができる。いくつかの場合において、触媒が実際に使用されて運転中に遭遇する高温に曝されるまで、液体の除去を完了させなくてもよい。総じて、経済上の観点からも環境上の観点からも、貴金属の可溶性化合物または錯体の水溶液が利用される。か焼ステップの際に、または少なくとも複合体を使用する初期段階の際に、そのような化合物を、金属またはその化合物の触媒活性形態へと転化させる。

0068

N2O除去触媒を、他の触媒活性材料と組合せていずれの組合せで使用してもよく、例えば均質な混合物や、区画されたおよび/もしくは層状の形態で使用してよい。例えば、セリア含有担体に担持されたPGM成分(すなわち、本明細書に記載のN2O触媒)を、排気流条件下で炭化水素および/または一酸化炭素を酸化するのに有効である、高表面積耐火性金属酸化物担体(例えばγ−Al2O3)上の他の貴金属(例えばPtおよび/またはPd)と組合せて使用することができる。こうした触媒材料のすべての組合せ物を使用することで、例えば他の貴金属、担体、安定剤、助触媒、結合剤などのさらなる成分を適宜加えてTWC触媒および/またはLNT触媒を配合調製することができる。

0069

追加の機能触媒層を調製し、これを、先行する層の上に、キャリア上へのいずれかの層の堆積に関して上記したのと同様に堆積させてよい。

0070

図24は、TWC触媒とN2O触媒との例示的な層状の複合体50を示し、上層56は、TWCの担持Pd−Rh触媒を含み、下層54は、フロースルー型キャリア52上に配置されたセリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含む。

0071

図25は、TWC触媒とN2O触媒との例示的な層状でかつ区画された複合体60を示し、フロースルー型キャリア62上で、下(または第1の)層の前側(または上流側)ゾーン67は、あるTWC活性のTWC−1触媒(例えば担持されたPd、OSC)を含み、後側(または下流側)ゾーン65は、セリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含み、上(または第2の)層66は、あるTWC活性の触媒TWC−2(例えば担持されたRh)を含む。

0072

図26は、TWC触媒とN2O触媒との例示的な層状でかつ区画された複合体70を示し、フロースルー型キャリア72上で、前側(または上流側)ゾーンの下(第1の)層77は、あるTWC活性のTWC−1触媒(例えば担持されたPd、OSC)を含み、前側ゾーンの上(または第2の)層76は、あるTWC活性のTWC−2触媒(例えば担持されたRh)を含み、後側(または下流側)ゾーン75は、セリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含む。

0073

図27は、TWC触媒とN2O触媒とを有するガソリン・パティキュレート・フィルターの例示的な複合体80を示し、ガソリン粒子状物質捕捉に適したウォールフロー型フィルター83の上流(または入口)側81は、TWC触媒86を含み、このTWC触媒86は、例えばアルミナ上のパラジウムと、例えばセリア−ジルコニア複合体のような酸素吸蔵成分(OSC)とを含み、フィルター83の下流(または出口)側89は、N2O触媒85を含む。

0074

図28は、TWC触媒とN2O触媒とを有するガソリン・パティキュレート・フィルターのもう1つの例示的な複合体90を示し、ガソリン粒子状物質の捕捉に適したウォールフロー型フィルター93の上流側91は、層96を含み、この層96は、TWC−1触媒を含み、このTWC−1触媒は、例えばあるTWC活性のアルミナ上のパラジウムまたはOSCを含み、フィルター93の下流側99は、ゾーン94を含み、このゾーン94は、アルミナ上のロジウムかまたはOSCを含むTWC−2触媒とN2O触媒との混合物である。

0075

図29は、LNT触媒とN2O触媒との例示的な層状の複合体100を示し、上層106は、LNTに適した触媒を含み、下層104は、フロースルー型キャリア102上に配置されたセリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含む。

0076

図30は、SCR触媒とN2O触媒との例示的な層状の複合体110を示し、上層116は、SCRに適した触媒を含み、下層114は、フロースルー型キャリア112上に配置されたセリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含む。

0077

図31は、LNT触媒とN2O触媒との例示的な層状でかつ区画された複合体120を示し、フロースルー型キャリア122上で、下(または第1の)層の前側(または上流側)ゾーン127は、あるLNT活性のLNT−1触媒を含み、後側(または下流側)ゾーン125は、セリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含み、上(または第2の)層126は、あるLNT活性の触媒LNT−2を含む。

0078

図32は、SCR触媒とN2O触媒との例示的な層状でかつ区画された複合体130を示し、フロースルー型キャリア132上で、下(または第1の)層の前側(または上流側)ゾーン137は、あるSCR活性のSCR−1触媒を含み、後側(または下流側)ゾーン135は、セリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含み、上(または第2の)層136は、あるSCR活性の触媒SCR−2を含む。

0079

図33は、LNT触媒とN2O触媒との例示的な層状でかつ区画された複合体140を示し、フロースルー型キャリア142上で、前側(または上流側)ゾーンの下(第1の)層147は、あるLNT活性のLNT−1触媒を含み、前側ゾーンの上(または第2の)層146は、あるLNT活性のLNT−2を含み、後側(または下流側)ゾーン145は、セリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含む。

0080

図34は、SCR触媒とN2O触媒との例示的な層状でかつ区画された複合体150を示し、フロースルー型キャリア152上で、前側(または上流側)ゾーンの下(第1の)層157は、あるSCR活性のSCR−1触媒を含み、前側ゾーンの上(または第2の)層156は、あるSCR活性のSCR−2を含み、後側(または下流側)ゾーン155は、セリア含有担体上のPGMのN2O触媒を含む。

0081

図35は、LNT触媒とN2O触媒とを含むウォールフロー型フィルター(例えばCSF)の例示的な複合体160を示し、スートの捕捉に適したウォールフロー型フィルター163の上流(または入口)側161は、LNT触媒166を含み、フィルター163の下流(または出口)側169は、N2O触媒165を含む。

0082

図36は、SCR触媒とN2O触媒とを含むウォールフロー型フィルター(例えばCSF)の例示的な複合体170を示し、スートの捕捉に適したウォールフロー型フィルター173の上流(または入口)側171は、SCR触媒176を含み、フィルター173の下流(または出口)側179は、N2O触媒175を含む。

0083

キャリア
触媒材料は典型的には、例えば排ガス用途向けのモノリシック型基材のようなキャリア上に配置される。

0084

キャリアは、触媒複合体の調製に典型的に使用されるいずれの材料であってもよく、好ましくはセラミックまたは金属のハニカム型構造体を含む。適切ないずれのキャリアを使用してもよく、例えば細い平行ガス流通路を有するタイプのモノリシック型基材であって、該通路が該基材の入口または出口の面から該基材を貫通して延びており、該基材を貫通する流体流に向けて該通路が開口している基材(ハニカムフロースルー型基材と呼ばれる)を使用してもよい。こうした通路は、その流体入口からその流体出口まで実質的に直線の経路であり、触媒材料がウォッシュコートとしてコーティングされている壁部によって画定されているため、該通路を通って流れるガスが該触媒材料と接触する。モノリシック型基材の流路は、薄肉チャネルであり、例えば台形矩形正方形正弦曲線状六角形楕円形円形などのような、適切ないずれの断面形状およびサイズのものであってもよい。こうした構造体は、断面1平方インチ当たり約60個〜約900個またはそれを上回る量のガス入口開口部(すなわちセル)を含んでよい。

0085

キャリアは、ウォールフロー型フィルター基材であってもよい。該基材においては、チャネルは交互に遮断されており、それによって、ガス状流がある方向(入口方向)から該チャネルに入ってチャネル壁部を通って流れ、もう一方の方向(出口方向)から該チャネルを出ることが可能となる。ウォールフロー型フィルターに、二元酸化触媒組成物をコーティングすることができる。こうしたキャリアを利用した場合、得られるシステムによって、ガス状汚染物質とともに粒子状物質を除去することができよう。ウォールフロー型フィルターキャリアは、例えばコージエライト炭化ケイ素といった当技術分野で広く知られている材料から作製可能である。

0086

キャリアは、適したいかなる耐火性材料で作製されてもよく、例えばコージエライト、コージエライト−アルミナ、窒化ケイ素ジルコンムライトリシア輝石、アルミナ−シリカマグネシア、ケイ酸ジルコン、シリマナイトケイ酸マグネシウム、ジルコン、ペタライト、アルミナ、アルミノシリケートなどから作製されてよい。

0087

本発明の触媒に有用なキャリアはまた、本質的に金属性のものであってもよく、また1つもしくは複数の金属または金属合金から構成されていてもよい。金属性キャリアは、例えば波形シートモノリシック形態など様々な形状での使用が可能である。好ましい金属性担体としては、例えば耐熱性の金属や金属合金が挙げられ、例えばチタンステンレス鋼、さらにはその他の合金であって鉄が実質的または主要な成分であるものが挙げられる。こうした合金は、ニッケル、クロムおよび/またはアルミニウムのうちの1つまたは複数を含んでよく、これらの金属の総量は有利には、少なくとも15重量%の合金を含んでよく、例えば10重量%〜25重量%のクロム、3重量%〜8重量%のアルミニウムおよび20重量%までのニッケルを含んでよい。合金はまた、少量または痕跡量の1つまたは複数の他の金属を含んでもよく、例えばマンガン、銅、バナジウム、チタンなどを含んでよい。金属キャリアの表面を例えば1000℃以上の高温で酸化させることで、該キャリアの表面上への酸化物層の形成により該合金の耐腐食性を向上させることができる。このような高温により誘発される酸化によって、耐火性金属酸化物担体および助触媒金属成分の、キャリアへの付着性を高めることができる。

0088

他の実施形態において、1つまたは複数の触媒組成物を、連続気泡発泡体基材上に堆積させてもよい。こうした基材は当技術分野において周知であり、典型的には耐火性のセラミックや金属性の材料で形成される。

0089

本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は以下の説明に記載する構成またはプロセスステップの詳細に限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な様式での実施が可能である。以下に好ましい設計を提供するが、単独でまたは無制限の組合せで使用される記載された組合せ物が含まれ、その使用には、本発明の他の態様の触媒、システムおよび方法が含まれる。

0090

実施形態
様々な実施形態を以下に列挙する。以下に列挙する実施形態を、本発明の範囲にしたがうすべての態様および他の実施形態と組合せてもよいことが理解されよう。

0091

実施形態1:化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流を処理するための亜酸化窒素(N2O)除去触媒複合体であって、
前記触媒複合体は、キャリア上にN2O除去触媒材料を含み、前記触媒材料は、単相の立方晶系の蛍石結晶構造を有するセリア含有担体に担持された白金族金属(PGM)成分を含み、前記N2O除去触媒材料は、前記排気流中でのN2Oから窒素(N2)および酸素(O2)への分解に有効であるか、またはN2OからN2および水(H2O)もしくは二酸化炭素(CO2)への還元に有効である、前記N2O除去触媒複合体。

0092

実施形態2:前記セリア含有担体は、少なくとも0.20cm3/gの細孔容積を有する、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0093

実施形態3:前記セリア含有担体は、リーンフィードとリッチフィードとを交互にして950℃で20時間エージング処理を行った後に、少なくとも10m2/gのBET表面積を有する、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0094

実施形態4:前記セリア含有担体のBET表面積は、約10m2/g〜約100m2/gである、実施形態3記載のN2O除去触媒複合体。

0095

実施形態5:前記セリア含有担体は、0.517nm〜0.541nmの範囲のX線回折(XRD)格子定数a0を有する、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0096

実施形態6:前記セリア含有担体は、セリアと、ジルコニア、プラセオジミア、酸化ランタン、ネオジミア、イットリア、サマリアおよびガドリニアからなる群から選択される1つまたは複数の金属酸化物とを含む固溶体形態の混合金属酸化物を含む、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0097

実施形態7:前記混合金属酸化物は、約5重量%〜約95重量%の量のセリアと、約5重量%〜約95重量%の量のジルコニアと、0重量%〜約20重量%の量のプラセオジミア、酸化ランタン、ネオジミア、イットリア、サマリアおよびガドリニアのうちの1つまたは複数とを含む、実施形態6記載のN2O除去触媒複合体。

0098

実施形態8:前記セリア含有担体は、約90重量%〜約100重量%のセリアと、前記PGM成分とは異なる0重量%〜約10重量%の助触媒金属とを含む、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0099

実施形態9:前記PGM成分は、ロジウム成分、パラジウム成分、白金成分またはそれらの組合せ物を含み、前記PGM成分は、前記セリア含有担体上に、前記セリア含有担体の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0100

実施形態10:前記セリア含有担体の約0.001重量%〜10重量%の量の、前記PGM成分とは異なる助触媒金属であって、銅(Cu)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)およびスズ(Sn)からなる群から選択される1つまたは複数の卑金属を含む助触媒金属と、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、金(Au)およびルテニウム(Ru)からなる群から選択される1つまたは複数の追加の白金族金属成分とをさらに含む、実施形態9記載のN2O除去触媒複合体。

0101

実施形態11:銀(Ag)、イリジウム(Ir)、金(Au)およびルテニウム(Ru)からなる群から選択される1つまたは複数の追加の白金族金属成分をさらに含む、実施形態9記載のN2O除去触媒複合体。

0102

実施形態12:前記キャリアは、フロースルー型基材またはウォールフロー型フィルターを含む、実施形態1記載のN2O除去触媒複合体。

0103

実施形態13:化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流を処理するための排出ガス処理システムであって、排気マニホルドを介して前記内燃機関に流体連通する排気ダクトと、処理触媒と、実施形態1から12までのいずれかに記載のN2O除去触媒複合体とを含む、前記排出ガス処理システム。

0104

実施形態14:前記処理触媒は、窒素酸化物処理触媒を含み、前記窒素酸化物処理触媒は、三元転化(TWC)触媒またはリーンNOxトラップ(LNT)または選択的接触還元(SCR)触媒を含む、実施形態13記載の排出ガス処理システム。

0105

実施形態15:前記処理触媒は、ディーゼル酸化触媒(DOC)を含む、実施形態13記載の排出ガス処理システム。

0106

実施形態16:前記N2O除去触媒複合体と前記処理触媒とは、別個の層または別個のゾーンとして前記キャリア上に堆積されている、実施形態13記載の排出ガス処理システム。

0107

実施形態17:第2のキャリアをさらに含み、前記第2のキャリアの上に前記処理触媒が配置されている、実施形態13記載の排出ガス処理システム。

0108

実施形態18:化学量論的条件下またはリッチ側への周期的かつ過渡的な変動を伴うリーン条件下で運転する内燃機関の排気流の排ガスを処理するための方法であって、炭化水素、一酸化炭素および窒素酸化物を含む排気流を、実施形態1から12までのいずれかに記載のN2O除去触媒複合体と接触させることを含む、前記方法。

0109

実施形態19:前記内燃機関の運転条件は、第1の継続時間にわたる還元条件と、それに続く第2の継続時間にわたるリーン運転条件とを含み、前記第2の継続時間は、前記第1の継続時間の少なくとも2倍の長さであり、前記第2の継続時間中に、前記接触ステップによって、前記排ガス流中のN2Oの少なくとも90%が転化される、実施形態18記載の方法。

0110

実施形態20:前記N2O除去触媒複合体は、約200℃〜約500℃の温度にある、実施形態18記載の方法。

0111

実施形態21:前記N2O除去触媒複合体は、約200℃〜約500℃の温度にある、実施形態19記載の方法。

0112

実施形態22:前記N2O除去触媒複合体は、400℃以下の温度にある、実施形態20記載の方法。

0113

実施形態23:前記第1の継続時間は、約0.25秒間〜約30秒間であり、前記第2の継続時間は、約1分間〜約30分間である、実施形態19記載の方法。

0114

実施形態24:前記N2O除去触媒複合体は、リーンNOxトラップ(LNT)または三元転化(TWC)触媒を含む排ガス処理システムに含まれ、前記排ガス処理システムは、窒素酸化物(NOx)制御のためにリッチ条件を周期的に必要とする、実施形態18記載の方法。

0115

実施形態25:前記N2O除去触媒複合体は、ディーゼル酸化触媒を必要に応じて選択的接触還元(SCR)触媒と組合せて含む排ガス処理システムに含まれ、前記内燃機関の運転条件は、N2O除去のためのリッチ運転の期間を含む、実施形態18記載の方法。

0116

以下の非限定的な実施例によって、本発明の様々な実施形態を説明するものとする。各実施例において、キャリアは、コージエライトであった。

0117

実施例1
試料1〜試料10のための触媒調製
試料1〜試料3は、湿式含浸法によって調製された1重量%Rhを有する担持Rh触媒であった。担体材料粉末に脱イオン水を加えることによって、固形分約30%の担体材料スラリーを作製した。その後、このスラリーのpHをHNO3でpH=4に調整した。ミル処理ステップの後、このスラリーに硝酸のRh塩の溶液を加え、次いでこのスラリーを撹拌下で乾燥させた。得られた粉末を、空気中で、500℃で2時間か焼し、この粉末に対してさらに、空気中で10%の水を含んだ状態で、750℃で20時間にわたって熱エージング処理を行った。CeO2担体およびAl2O3担体は市販の材料であり、ZrO2−SiO2材料は、米国特許第7,850,842号明細書に記載の手法により社内で作製したものであり、ここで、本明細書の一部を構成するものとして該米国特許明細書の内容を援用する。試料1〜試料3と同様の手法を用いて、硝酸のRh塩および第2の金属(CuまたはAg)の塩の溶液を同時にCeO2に含浸させることにより、試料4および試料5を作製した。か焼されたRh/CeO2(試料1)に第2の金属の前駆体溶液を含浸させることにより、試料6〜試料10を作製した。表1に、試料1〜試料10に関する触媒の情報をまとめる。

0118

0119

実施例2
試料1〜試料10の試験
プロトコール:試料1〜試料10を、250μm〜500μmに成形された0.2gの試料を用いて、高処理型反応器システムで試験した。全ガス流量は50L/hであり、これは、2g/in3のウォッシュコート負荷量で30,000h−1のモノリス空間速度に相当した。400℃でリーンフィード/リッチフィードを交互に用いてN2O転化率を測定した。リーンフィードは、200ppmのN2O、5%のCO2、5%のH2Oおよび残部のN2からなり、一方でリッチフィードは、200ppmのN2O、0.75%のCO、0.25%のH2、5%のCO2、5%のH2Oおよび残部のN2を含む。リーン/リッチサイクルを、20分間のリーンおよび1分間のリッチで各触媒について3回運転した。

0120

試験結果:図1は、試料1〜試料3についてのN2O転化率を示す。試料1についてのリーンフィードによる安定化されたN2O転化率は、84%である。リッチフィードに切り替えると、リッチ期間(1分間)の終了時にこの転化率が徐々に95%へと増加する。フィードを再度リーンに切り替えた後、N2O転化率は、約310秒間にわたって同様の水準を保ち、次いで徐々に定常状態のリーンの水準(84%)に戻る。リッチフィードに曝露すると、結果的に、リッチ期間後に観察されるリーンN2O転化率が高くなる。このリッチ効果は、試料2および試料3ではかなり異なる。試料2および試料3に関する安定化されたリーンN2O転化率は低く(それぞれ20%および22%)、1分間のリッチ期間の後に、転化率は、40秒後にその高い水準から低下し、100秒以内に、安定化された水準へと戻る。

0121

図2は、試料1、試料4および試料5についてのN2O転化率を示す。試料4、すなわちRh−Cuバイメタル触媒は、強力なリッチ曝露効果を示す:リッチ曝露後のリーンN2O転化率は98%であり、これは530秒間続く。Rh−Ag触媒、すなわち試料5は、非常に高い安定化されたリーンN2O転化率(95%)を示し、リッチ曝露によって、340秒間にわたって転化率がさらに98%へと増加する。試料4および試料5のいずれも、試料1よりも優れた性能を示す。

0122

図3は、試料1、試料6および試料7のN2O転化率を示す。試料6(1%Rh、0.2%Ir)は、安定化されたリーンN2O転化率の点でも、リッチ曝露効果のリーンの(約190秒間の)継続時間の点でも、試料1(1%Rh)に比べて劣っている。一方で試料7(1%Rh、0.02%Au)は、試料1よりわずかに優れており、そのN2O転化率は、リッチフィードで98%であり、この転化率は、リッチ期間後に300秒間にわたってこの水準に維持される。

0123

図4に、試料8〜試料10のN2O転化率を試料1と比較して示す。試料8(1%Rh、0.02%Pd)は、安定化されたリーンN2O転化率の点でも、リッチ曝露効果の程度の点でも、試料1に匹敵する。Pd負荷量を0.2%まで増加させると(試料9)、予想外にもリッチ曝露効果が240秒間に短縮される。0.2%PtによるRh触媒の改質(試料10)によって、リッチフィードにおけるN2O転化率も、リッチ曝露効果の継続時間も(約390秒間)増加する。

0124

実施例3
触媒調製
試料1〜試料3に用いたのと1つの例外を除いては同様の手法で表2に記載の担体を用いて、担持されたRh、PdおよびPt触媒を調製した。いずれの触媒も、リーン/リッチサイクリングフィードで、950℃で20時間エージング処理した。いずれの担体材料も、商業的供給元より入手した。担体B〜担体Gについて、元素の後の数字は、その元素の酸化物としての重量パーセントを表す。

0125

0126

実施例4
試験
λ=1の摂動条件下での試験プロトコール:
担体A〜担体Hに担持されたRh、Pd、Ptを、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃および550℃で、1秒間のリーン(λ=1.05)/1秒間のリッチ(λ=0.95)という揺動するフィードでN2O転化率について試験した。各温度で、この揺動するフィードを180秒間平衡化させたが、最後の30秒間のデータのみを収集した。リーンフィードは、200ppmのN2O、0.7%のCO、0.22%のH2、14%のCO2および10%のH2Oからなり、λ=1.05となるようにラムダセンサによってO2濃度を調整した。リッチフィードは、2.33%のCO、0.77%のH2、14%のCO2および10%のH2Oを含み、λ=0.95となるようにラムダセンサによってO2濃度を調整した。触媒を、250μm〜500μmに成形された0.2gの試料を用いて、高処理型反応器システムで試験した。全ガス流量は50L/hであり、これは、2g/in3のウォッシュコート負荷量で30,000h−1のモノリス空間速度に相当した。

0127

λ=1の摂動条件下で試験した、担持されたRh、PdおよびPtの結果:
図5は、1%Rh触媒のN2O転化率を示す。この実験において試験したすべての触媒のうち最も活性の高い触媒は、1%Rh/Aであり(200℃で転化率60%)、一方で最も活性の低い触媒は、1%Rh/Gである。他の触媒は、その間で可変活性プロファイルを示す。

0128

図6は、0.1%Rh触媒のN2O転化率を示す。Rh負荷量が1/10になっても、Rh/Aは、200℃で転化率が50%であり、N2O転化率については依然として非常に活性が高い。0.1%Rh/Gは、この群において依然として最も活性の低い触媒のままである。全体として、N2O転化率は、次の順序である:Rh/A>Rh/E≒Rh/B≒Rh/D>Rh/F≒Rh/C≒Rh/H>Rh/G。

0129

図7は、1%Pd触媒のN2O転化率を示す。1%Pd触媒のN2O活性は、2つの群に分けることができる。第1の群には、Pd/A、Pd/B、Pd/D、Pd/CおよびPd/Eが含まれ、この群は、第2の群(Pd/F、Pd/GおよびPd/H)よりもはるかに活性が高い。最も活性が高いPd触媒は、Pd/Aであり(200℃で転化率62%)、一方で最も活性の低いPd触媒は、Pd/Hである。

0130

図8は、5%Pd触媒のN2O転化率を示す。5%Pd触媒の全体的な活性順位は、1%Pd触媒のそれと類似しているが、これよりもわずかに高い転化率を示す。

0131

図9は、1%Pt触媒のN2O転化率を示す。担体Aは、1%Ptについても最良の担体であり、200℃で52%のN2O転化率を示す。1%Pt触媒の活性順位は、Pt/A>Pt/B>Pt/D>Pt/C>Pt/E>Pt/G>Pt/F>Pt/Hである。

0132

実施例5
試験
Rh試料の特性解析、X線回折データ

0133

担体A〜担体H(表2参照)上の1%Rhについて、X線回折(XRD)により特性解析を行う。図10図17に、担体A〜担体H上の1%Rhの試料のXRDスペクトルを示す。いずれの試料も、リーン(空気で10分間)フィード/リッチ(フォーミングガスで10分間)フィードを交互にして950℃で20時間エージング処理した。担体A〜担体EのXRDスペクトルは、単相の立方晶系の蛍石結晶構造を示す。格子定数a0は、表3に示すように、Ce含有量が減少するにつれて直線的に減少する。担体F(LaをドープしたZrO2)は、正方晶系構造を示す。担体Gは、2つの別個の立方晶系の結晶子相を示す。担体Hは、アルミナ相:θ−Al2O3、δ−Al2O3と痕跡量のα−Al2O3との混合物を示す。

0134

0135

実施例6
モノリス型N2O触媒の調製
従来のウォッシュコート法を用いて、30g/ft3のRh負荷量で、モノリス型セラミック基材(600セル/in2)上に試料1(Rh/CeO2粉末)を堆積させた。この触媒を、空気中で10%のH2Oを含んだ状態で、750℃で20時間にわたってエージング処理した。

0136

実施例7
試験
モノリシック型Rh/CeO2触媒の試験
実施例6のモノリス型Rh/CeO2触媒を、ガソリン車の排気をシミュレートする実験室反応器で試験した。図18に、シミュレートされたエンジンの運転および排気の条件の過渡的なトレースを示す。この試験では、三元転化(TWC)触媒を用いて、シミュレートされたエンジン試験中にN2Oを生成させ、この三元転化(TWC)触媒をN2O触媒の前に配置した。このN2O触媒の前後でのN2O排出量を測定し、これを用いて各サイクルの累積N2O排出量を算出した。図19に、累積N2O排出量を時間に対して示す。TWC触媒後の累積N2O排出量0.30g/L触媒は、過渡的な車両試験中にこのTWC触媒を通って形成されたN2Oを表し、一方でN2O触媒後の0.084g/Lは、モノリス型Rh/CeO2 N2O分解触媒によるN2O転化率が72%であることを表す。

0137

本明細書全体を通じた「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「ある実施形態」への言及は、当該実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、材料または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じた様々な箇所における例えば「1つまたは複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」または「ある実施形態において」といった表現出現は、必ずしも本発明の同一の実施形態への言及であるとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料または特性を、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な様式で組合せることができる。

実施例

0138

本発明を好ましい実施形態に重点を置いて説明してきたが、好ましい装置および方法の変形形態を使用してもよいこと、ならびに本明細書に具体的に記載された様式以外の様式で本発明を実施してもよいことが意図されることは、当業者には自明であろう。したがって本発明には、以下の特許請求の範囲によって定められる本発明の趣旨および範囲に包含されるすべての修正形態が含まれる。

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