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技術 媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための水性洗浄液、その使用及びそれを調製するためのプロセス

出願人 ベラテルムアーゲー
発明者 ポール、アレクサンダーブルムホーファー、ギュンターロルフゲーベル、ミヒャエルヒューゴ
出願日 2016年8月19日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-528093
公開日 2018年9月6日 (3ヶ月経過) 公開番号 2018-525535
状態 未査定
技術分野 化学的方法による金属質材料の清浄、脱脂 洗浄性組成物
主要キーワード 各化学種 漬プロセス 例示的実施 気体水和物 アルカリ金属ギ酸塩 ニッケル鋼 添加ステップ 固体アルカリ
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この項目の情報は公開日時点(2018年9月6日)のものです。
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課題・解決手段

媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための、第1成分及び第2成分を含む水性洗浄液。第1成分はアルカリ金属亜硫酸塩であり、第2成分はアルカリ金属ギ酸塩であり、その濃度は、ギ酸塩亜硫酸塩に対し1.5〜4.2のモル比で存在し、洗浄液pH値が4.0〜4.8となるように調整される。この水性洗浄液を調製するためには、まず最初にアルカリ金属水酸化物水溶液を準備し、その後、pH値が3.5〜4.5に定まるように過剰の第1量の濃水性ギ酸を混合し、次いで、確立すべき亜硫酸塩濃度に応じて第2量の固体アルカリ金属亜硫酸塩を混合し、その結果としてpH値を5.5〜6.5とし、最後に、第3量の濃水性ギ酸をpH値が4.0〜4.8に到達するまで混合する。

概要

背景

医薬及びバイオテクノロジー産業ならびに食品産業に用いられる多くの装置には純水もしくは超純水又は高純度水蒸気に使用するための配管系が必要であり、この配管系は通常オーステナイト系ステンレス鋼から作製されている。これに関連して、一般には、この種の系(通常、焼戻しされた系)の内面媒体と接触すると、数週間から数ヶ月間の運転期間が経過した後に表面が黄色、赤〜黒紫色、多くの場合は赤褐色〜錆色に変色することになり、この変色は「ルージュ」という技術用語で呼ばれている。ルージュの主要な構成成分は酸化数が+3の鉄を含む様々な酸化鉄及び水酸化鉄であり、さらに、ある量のクロムニッケル及びモリブデンが含まれる場合もある。ルージュ層は目視で確認できるだけでなく、例えば、確立されている白色布ワイプテスト(white cloth wipe test)を用いて確認することもでき、具体的な出現度合いに応じて程度の差はあるが、ルージュ層は容易に拭い取ることができる。ルージュ層が発生すると層の粒子拡散して下流の系を汚染する可能性があるため、こうした理由だけでも既に非常に望ましくない。したがって、「ルージュ除去(derouging)」とも称されるルージュ沈着物の除去は上述の配管系等の管理における重要な側面となっている。そのために、ルージュ沈着物を、表面、特にその電解研磨された部分を損傷することなく有益な時間枠内で可能な限り完全に除去することが極めて重要である。

様々なルージュ除去プロセスが既に知られており、これは一般に、媒体と接触した内面を好適な洗浄液で処理することを含むものである。一般に、ルージュ除去プロセスはpHが酸性であるか中性であるかで区別されている。しかし、硫酸及び塩酸等の高濃度鉱酸をルージュ除去に使用すると様々な不利益が伴うことがかなり以前から認識されている。特にこれらは輸送時の取扱いのみならず使用時においても、その腐食性及び苛性に起因して相当な危険性が伴う。そのため、pHが中性の範囲にある有効なルージュ除去剤を開発するべく様々な努力が費やされてきた。

例えば、特許文献1(ホルダー(Holder))にはpH6.5〜7.5の範囲におけるルージュ除去プロセスが記載されている。これは悪影響を受けた表面をまず最初に有機還元剤錯化剤で前処理し、次いで無機還元剤無機湿潤剤、そして最後に濯ぎ水で連続して処理するものである。

特許文献2(アテコ(Ateco))にもステンレス鋼上のルージュ沈着物を除去するために中性の水性洗浄液を使用することが記載されている。この場合は、還元剤及び少なくとも1種の錯化剤を含む洗浄液が提案されている。

中性pHでルージュを除去する分野におけるさらなる発展が、G.ヘンケル(G.Henkel)及びB.ヘンケル(B.Henkel)による概説記事に記載されている(非特許文献1)。

現在、酸をベースとするか又は中性に近い(quasi−neutral)多くのルージュ除去剤が市場入手可能であり、これらは実際、特定の用途において十分に効果を発揮するが、他の特定の用途においては所望の洗浄効果を発揮しない。さらに、実使用においてある程度の幾つかの不利益が伴うことが判明している:
・毒性が非常に高い物質を使用することに起因する人体及び環境に及ぼす潜在的危険性の高さ(対応する安全データシートも参照されたい);
・取扱いの複雑さ(N2ガス層で保護する必要性、臭気問題、使用が意図されている場所で混合物又は原料を調製する必要性、洗浄プロセス監視にかかる高額な費用);
・高価な化学物質

概要

媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための、第1成分及び第2成分を含む水性洗浄液。第1成分はアルカリ金属亜硫酸塩であり、第2成分はアルカリ金属ギ酸塩であり、その濃度は、ギ酸塩亜硫酸塩に対し1.5〜4.2のモル比で存在し、洗浄液のpH値が4.0〜4.8となるように調整される。この水性洗浄液を調製するためには、まず最初にアルカリ金属水酸化物水溶液を準備し、その後、pH値が3.5〜4.5に定まるように過剰の第1量の濃水性ギ酸を混合し、次いで、確立すべき亜硫酸塩濃度に応じて第2量の固体アルカリ金属亜硫酸塩を混合し、その結果としてpH値を5.5〜6.5とし、最後に、第3量の濃水性ギ酸をpH値が4.0〜4.8に到達するまで混合する。

目的

本発明の目的は、媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための改良された水性洗浄液を提供する

効果

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請求項1

媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するために、第1成分及び第2成分を含有する水性洗浄液において、前記第1成分はアルカリ金属亜硫酸塩であり、前記第2成分はアルカリ金属ギ酸塩であり、その濃度は、ギ酸塩亜硫酸に対し1.5〜4.2のモル比で存在し、前記洗浄液pH値は4.0〜4.8となるように調整されることを特徴とする、水性洗浄液。

請求項2

ギ酸塩は亜硫酸塩に対し3.0〜4.2のモル比で存在し、前記洗浄液のpH値は4.1〜4.5である、請求項1に記載の水性洗浄液。

請求項3

前記アルカリ金属亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウムであり、前記アルカリ金属ギ酸塩はギ酸ナトリウムである、請求項1又は2に記載の水性洗浄液。

請求項4

前記亜硫酸塩の濃度は0.05〜1.5mol/kg、好適には0.1〜1mol/kg、特に0.3〜0.5mol/kgである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性洗浄液。

請求項5

媒体と接触したクロムニッケル鋼及びクロム/ニッケルモリブデン鋼の群から選択されるステンレス鋼の表面上のルージュ沈着物を除去するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性洗浄液の使用。

請求項6

前記ルージュ沈着物の層の厚みは0.1μm〜10μmである、請求項5に記載の使用。

請求項7

請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性洗浄液を調製するためのプロセスであって、まずアルカリ金属水酸化物水溶液を設け、その後、pH値が3.5〜4.5に定まるように過剰の第1量の濃水性ギ酸を混合し、次いで、確立すべき亜硫酸塩濃度に応じて第2量の固体アルカリ金属亜硫酸塩を混合して、その結果としてpH値が5.5〜6.5となるようにし、最後に、第3量の濃水性ギ酸をpH値が4.0〜4.8に到達するまで混合する、プロセス。

請求項8

前記アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウムであり、前記アルカリ金属亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウムである、請求項7に記載のプロセス。

請求項9

前記最初に準備される水酸化ナトリウム水溶液の濃度は0.9〜1.1mol/kgであり、前記混合される水性ギ酸の濃度は80〜100重量%、好適には約85重量%である、請求項8に記載のプロセス。

請求項10

前記第3量の前記混合は使用直前に行われる、請求項7〜9のいずれか一項に記載のプロセス。

技術分野

0001

本発明は、請求項1のプリアンブルに従う、媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための水性洗浄液に関する。さらに本発明は、本発明の洗浄液の使用に加えてそれを調製するためのプロセスにも関する。

背景技術

0002

医薬及びバイオテクノロジー産業ならびに食品産業に用いられる多くの装置には純水もしくは超純水又は高純度水蒸気に使用するための配管系が必要であり、この配管系は通常オーステナイト系ステンレス鋼から作製されている。これに関連して、一般には、この種の系(通常、焼戻しされた系)の内面が媒体と接触すると、数週間から数ヶ月間の運転期間が経過した後に表面が黄色、赤〜黒紫色、多くの場合は赤褐色〜錆色に変色することになり、この変色は「ルージュ」という技術用語で呼ばれている。ルージュの主要な構成成分は酸化数が+3の鉄を含む様々な酸化鉄及び水酸化鉄であり、さらに、ある量のクロムニッケル及びモリブデンが含まれる場合もある。ルージュ層は目視で確認できるだけでなく、例えば、確立されている白色布ワイプテスト(white cloth wipe test)を用いて確認することもでき、具体的な出現度合いに応じて程度の差はあるが、ルージュ層は容易に拭い取ることができる。ルージュ層が発生すると層の粒子拡散して下流の系を汚染する可能性があるため、こうした理由だけでも既に非常に望ましくない。したがって、「ルージュ除去(derouging)」とも称されるルージュ沈着物の除去は上述の配管系等の管理における重要な側面となっている。そのために、ルージュ沈着物を、表面、特にその電解研磨された部分を損傷することなく有益な時間枠内で可能な限り完全に除去することが極めて重要である。

0003

様々なルージュ除去プロセスが既に知られており、これは一般に、媒体と接触した内面を好適な洗浄液で処理することを含むものである。一般に、ルージュ除去プロセスはpHが酸性であるか中性であるかで区別されている。しかし、硫酸及び塩酸等の高濃度鉱酸をルージュ除去に使用すると様々な不利益が伴うことがかなり以前から認識されている。特にこれらは輸送時の取扱いのみならず使用時においても、その腐食性及び苛性に起因して相当な危険性が伴う。そのため、pHが中性の範囲にある有効なルージュ除去剤を開発するべく様々な努力が費やされてきた。

0004

例えば、特許文献1(ホルダー(Holder))にはpH6.5〜7.5の範囲におけるルージュ除去プロセスが記載されている。これは悪影響を受けた表面をまず最初に有機還元剤錯化剤で前処理し、次いで無機還元剤無機湿潤剤、そして最後に濯ぎ水で連続して処理するものである。

0005

特許文献2(アテコ(Ateco))にもステンレス鋼上のルージュ沈着物を除去するために中性の水性洗浄液を使用することが記載されている。この場合は、還元剤及び少なくとも1種の錯化剤を含む洗浄液が提案されている。

0006

中性pHでルージュを除去する分野におけるさらなる発展が、G.ヘンケル(G.Henkel)及びB.ヘンケル(B.Henkel)による概説記事に記載されている(非特許文献1)。

0007

現在、酸をベースとするか又は中性に近い(quasi−neutral)多くのルージュ除去剤が市場入手可能であり、これらは実際、特定の用途において十分に効果を発揮するが、他の特定の用途においては所望の洗浄効果を発揮しない。さらに、実使用においてある程度の幾つかの不利益が伴うことが判明している:
・毒性が非常に高い物質を使用することに起因する人体及び環境に及ぼす潜在的危険性の高さ(対応する安全データシートも参照されたい);
・取扱いの複雑さ(N2ガス層で保護する必要性、臭気問題、使用が意図されている場所で混合物又は原料を調製する必要性、洗浄プロセス監視にかかる高額な費用);
・高価な化学物質

0008

米国特許第4,789,406号明細書
国際公開第2009/095475A1号パンフレット

先行技術

0009

G.ヘンケル(G.Henkel)及びベネディクト・ヘンケル(Benedikt Henkel)著、「中性pHを有する高性能薬品を用いたオーステナイト系ステンレス鋼表面のルージュ除去(Derouging von austenitischen Edelstahloberflaechen mittels pH−neutraler Hochleistungschemikalien)」、テクファーム(TechnoPharm)第1巻第1号、2011年、pp.46〜53

発明が解決しようとする課題

0010

この状況に鑑み、効率が高く、費用対効果が高く、取扱いが容易であることに加えて、特に環境に無害なルージュ除去プロセス又はルージュ除去剤がそれぞれ依然として強く求められている。

課題を解決するための手段

0011

したがって本発明の目的は、媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための改良された水性洗浄液を提供することにある。本発明の他の目的は、本発明の洗浄液の使用又はそれを調製するためのプロセスを具体的に述べることにある。

0012

上述の目的は、本発明に従い、請求項1に従う水性洗浄液により達成され、請求項5に従うその使用により達成され、及び請求項7に従う調製プロセスにより達成される。
本発明の有利な実施形態を従属請求項に定義する。

実施例

0013

媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための本発明による水性洗浄液は第1成分及び第2成分を含み、第1成分はアルカリ金属亜硫酸塩であり、第2成分はアルカリ金属ギ酸塩であり、これらの濃度は、ギ酸塩亜硫酸塩に対し1.5〜4.2のモル比で存在し、洗浄液のpH値が4.0〜4.8となるように調整される(請求項1)。こうすることにより、第1成分は錯形成性還元剤として作用し、第2成分は緩衝剤として作用する。

0014

一実施形態において、ギ酸塩は亜硫酸塩に対し1.5〜2.5のモル比で存在し、洗浄液のpHは4.3〜4.7である。
有利な実施形態において、ギ酸塩は亜硫酸塩に対し3.0〜4.2のモル比で存在し、洗浄液のpH値は4.1〜4.5である(請求項2)。

0015

一般に、アルカリ金属亜硫酸塩は式M2SO3で表される任意の化合物とすることができ、アルカリ金属ギ酸塩は式HC(O)OMで表される任意の化合物とすることができ、式中、Mは、非放射性アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)のいずれか1種を表す。しかしながら、実使用上及び経済上の理由から、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)のみが妥当である。アルカリ金属化合物に関連する「対応する」という用語は、言及した全てのアルカリ金属化合物が同一のアルカリ金属を含むことを意味するものと理解されたい。

0016

特に、一貫してナトリウムを使用すること、すなわち、アルカリ金属亜硫酸塩として亜硫酸ナトリウムを使用し、アルカリ金属ギ酸塩としてギ酸ナトリウムを使用すると有利であることが判明している(請求項3)。Na2SO3は食品産業において食品添加物として使用されている亜硫酸塩の1種である。Na2SO3は、酸化防止剤及び防腐剤等の添加剤分類するE番号(European approval number)のE221として欧州で認可されている。

0017

水性洗浄液中の個々の成分の比率は、ギ酸塩が亜硫酸塩に対し1.5〜4.2の範囲、特に約3.0〜4.2の範囲のモル比で存在するように選択される。さらに、洗浄液のpH値は、4.0〜4.8の範囲、特にpH4.1〜4.5の範囲に調整すべきである。こうすることにより洗浄液の電気化学ポテンシャルが確実に−225〜−320mVの範囲内に安定して維持される。この電位が負の量を示すことは、所望のルージュ除去効果を得るのに十分に強い還元作用が存在することを意味している。最適なpH値はある程度プロセスの種類に依存することが見出されており、浸漬プロセスにはpH約4.5が好ましく、一方、噴霧プロセスには若干低いpH約4.1が有利である。

0018

驚くべきことに、上に定義した特徴の組合せを用いることにより、媒体と接触したステンレス鋼表面に使用するための非常に効果の高いルージュ除去液が得られることと、この種の溶液が、非合金鋼及び低合金鋼の表面に沈着した錆を除去することもできることとを見出した。後により詳細に説明するが、このルージュ除去液は環境適合性を有する安価な物質から構成される。

0019

特定の理論に束縛されるものではないが、ルージュ除去プロセスの過程には次に示す反応が関与していると考えることができる:

0020

0021

まず、反応1〜3によって亜硫酸が生成する。その後、亜硫酸は反応系4に従って分解し、それによって気体水和物形態にあるSO2*H2Oが生成する。これは室温下において十分な可溶性を示すので、平衡系はこちらに傾いている。その後に行われる実際のルージュ除去プロセスは、反応5に従い鉄(III)が鉄(II)に還元され、それに付随して硫黄(IV)が硫黄(VI)に酸化され、次いで、結果として生成した水酸化鉄(II)が反応6に従いギ酸が作用することにより溶解すると共に、反応7に従いギ酸ナトリウムが作用することにより溶解することに基づいている。

0022

実際、亜硫酸塩は非常に酸性の強い条件下で少量の二酸化硫黄(SO2)を放出する。しかしこれは、低濃度では無毒の化合物であることが知られており、実際、食品産業において防腐剤、酸化防止剤及び殺菌料として利用されている。

0023

本発明のさらなる態様は、媒体と接触したクロム/ニッケル鋼及びクロム/ニッケル/モリブデン鋼の群から選択されるステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための、本発明の洗浄液の使用に関する(請求項5)。

0024

特定の状況下においては、ルージュ沈着物は既に室温である本発明の洗浄液を用いて除去することができる。一方、他の状況下においては高温で作業することが必要となるが、安全上の理由及び蒸発によってギ酸が急速に失われることを回避するという両方の観点から、約80℃を超えないようにすべきである。

0025

一般に、本発明の洗浄液は非常に幅広濃度範囲で有効に使用することができる。特に、亜硫酸塩の濃度は、0.05〜1.5mol/kgの範囲とすることができる(請求項4)。比較的低い濃度においてはより長い曝露時間が求められるのが普通であり、一方、過度に高い濃度では若干の溶解性の問題が起こり得る。したがって、有利な実施形態において、亜硫酸塩濃度は0.1〜1mol/kg、好適には0.3〜0.5mol/kgである。

0026

有利な実施形態によれば、水性洗浄液は、層の厚みが0.1μm〜10μmであるルージュ沈着物を除去するために使用される(請求項6)。
一般に、本発明の洗浄液は、所要量のアルカリ金属亜硫酸塩及びアルカリ金属ギ酸塩を出発量の水に添加し、pHを一般に知られている方法で所要の値に調整することによって調製することができる。特に、pH値は、ギ酸及び/又はアルカリ金属水酸化物を添加することにより調製することができる。

0027

一方、本発明の調製プロセス(請求項7)の場合は、最初にアルカリ金属水酸化物の水溶液を準備し、その後、pH値が3.5〜4.5に定まるように過剰の第1量の濃水性ギ酸を混合する。次いで、第2量の固体アルカリ金属亜硫酸塩を確立すべき亜硫酸塩濃度に応じて混合し、その結果としてpH値を5.5〜6.5とし、最後に、第3量の濃水性ギ酸をpH値が4.0〜4.8に到達するまで混合する。既に述べたように、最適なpHはある程度プロセスの種類に依存し、浸漬プロセスにはpHが約4.5であることが好ましく、一方、噴霧プロセスには若干低いpHである約4.1が有利である。

0028

「濃水性ギ酸」という用語は、この場合、濃度が少なくとも50〜約95重量%であるギ酸の水溶液であるものとして理解されたい。必要に応じて、この種の溶液は高濃度で、すなわち約100%のギ酸を調製することができる。

0029

添加ステップ順序は、SO32−の副反応という観点及び様々な成分の溶解性という観点で決まる。本発明の調製プロセスに従うアルカリ金属水酸化物及びギ酸の添加は、アルカリ金属ギ酸塩を添加するよりも明らかに簡単な添加に相当することが理解されるであろう。しかしながら、本発明による方法はこの調製プロセスを比較的安価かつ単純に実施するものであることが見出されている。

0030

さらに、解離したギ酸及び解離していないギ酸の相対量は、それぞれ溶液のpH値に依存することが理解されるであろう。
本発明の調製プロセスは様々なアルカリ金属水酸化物を用いて実施することができるが、水酸化ナトリウム(NaOH)が好適なものの1種である(請求項8)。最初に準備する水酸化ナトリウムの水溶液の濃度が0.9〜1.1mol/kgであり、添加する水性ギ酸の濃度が80〜100重量%、好適には約85重量%であると特に有利である(請求項9)。

0031

原則として、そのまま使用できる洗浄液を事前に調製しておき、原液として貯蔵することが可能である。その場合、望ましくない有効性の低下を回避するために、洗浄液の加熱、例えば太陽放射による加熱は回避すべきである。しかしながら、有利な実施形態によれば、第3量の混合は使用直前に行われる(請求項10)。このようにして、比較的複雑なアルカリ金属水酸化物及びギ酸の混合ならびに後続のアルカリ金属亜硫酸塩の添加は好適な作業環境で実施することができ、このようにして調製される前駆物質は危険性のない物質として容易に貯蔵することができる。次いで、洗浄液の最終調製を、使用直前に、好適には現場で行うことができる。

0032

本記載事項及び以下に示す記載事項を実際に実施する際は、mol又はmol/kgを各化学種分子量を考慮して重量又は重量濃度に変換することができることが理解されるであろう。
(実施例)
例示的実施形態
以下に、媒体と接触したステンレス鋼表面上のルージュ沈着物を除去するための水性洗浄液を調製する2種類の異なる方法を示す。どちらの場合においても、100kgのバッチとなる、そのまま使用できる溶液(NaOHを4重量%含有する)について記載する。
実施例1:50%NaOH水溶液の添加
水(79kg)を準備した後、50重量%NaOH水溶液(水酸化ナトリウム溶液)(8kg)を加える。その後、85重量%水性ギ酸(7kg)を撹拌しながらゆっくりと加えるとpH値は約4に到達し、それに伴い温度が35℃に上昇する。次いで固体亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)(5kg)を加えると、pH値は約6に定まる。最後に、さらに水性ギ酸(85%HCOOH)(1〜2kg)を加え、pH値が4.5〜4.1(プロセスの種類に依存、実施例4参照)に定まるように計量添加する。こうして得られた洗浄液の電気化学ポテンシャルは−50〜−350mVとなるはずである。
実施例2:NaOHペレットの添加
水(81kg)を準備した後、98〜100重量%苛性ソーダペレット(4kg)を加える。得られた溶液をNaOHが全て溶解するまで撹拌する。その後、85重量%水性ギ酸(7kg)を撹拌しながらゆっくりと加えるとpH値は約4に到達し、それに伴い温度が35℃に上昇する。次いで固体亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)(5kg)を加えると、pH値は約6に定まる。最後にさらに水性ギ酸(85%HCOOH)(1〜2kg)を加え、pH値が4.5〜4.1(プロセスの種類に依存、実施例4参照)に定まるように計量添加する。こうして得られた洗浄液の電気化学ポテンシャルは−50〜−350mVとなるはずである。
実施例3:貯蔵性が向上した前駆物質の調製
実施例1又は2に記載したバッチにおいて、亜硫酸ナトリウムを添加した後に得られたpH値が約6の溶液を前駆物質として好適な容器内で保管する。洗浄プロセスの直前に、所要量の前駆物質を現場で計り取った後、pH値を4.5〜4.1(プロセスの種類に依存、実施例4参照)に調整するために必要な量の水性ギ酸を混合する。これでそのまま使用できる洗浄液の調製は完了する。
実施例4:ルージュ除去プロセス
浸漬プロセスを用いてルージュ沈着物を除去する場合、pH=4.5の洗浄液を使用する。好適には、処理温度を70℃とする場合は曝露時間を2時間に設定すべきであり、他方、処理温度を80℃とする場合は曝露時間を1時間に設定すべきである。

0033

噴霧プロセスを用いてルージュ沈着物を除去する場合、pH=4.1の洗浄液を使用する。好適には、処理温度を70℃とする場合は曝露時間を4時間に設定すべきであり、他方、処理温度を80℃とする場合は曝露時間を2時間に設定すべきである。

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