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技術 創傷治癒、組織工学、及び再生医療のための組成物及び方法における使用のための大豆由来の生物活性ペプチド

出願人 テンプルユニヴァーシティ-オブザコモンウェルスシステムオブハイアーエデュケーション
発明者 レルケス,ピーター・アイハレル,ヤエル・エイチマーシンキウィッツ,ツェザーリラザロビチ,フィリップバハールー,ソゴル・モーイエドガーズテンハーバー,ジョナソン・エー
出願日 2016年7月21日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2018-503170
公開日 2018年9月6日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2018-525360
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード フラットディスク 乾燥要素 スパイラルカット エンドポイントデータ 擬似液 幾何学的形 繊維含有材料 ブロック矢印
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

創傷治癒及び組織再生の促進のための組成物及び方法を記載する。組成物及び方法では、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)、大豆タンパク質単離物の画分5、画分9、及び/又は生物活性ペプチド成分を使用する。本発明はまた、精製されたWSsoyが、水性環境中の特定の濃度範囲内に懸濁された場合にゲルマトリックスを形成するとの予期せぬ発見に関する。WSsoyを含む本発明の組成物は、自然治癒を促進し、低リスクプロファイルを有する。

概要

背景

概要

創傷治癒及び組織再生の促進のための組成物及び方法を記載する。組成物及び方法では、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)、大豆タンパク質単離物の画分5、画分9、及び/又は生物活性ペプチド成分を使用する。本発明はまた、精製されたWSsoyが、水性環境中の特定の濃度範囲内に懸濁された場合にゲルマトリックスを形成するとの予期せぬ発見に関する。WSsoyを含む本発明の組成物は、自然治癒を促進し、低リスクプロファイルを有する。

目的

本発明は、大豆タンパク質単離物(SPI)の生物活性ペプチド成分を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

組成物が、大豆タンパク質単離物(SPI)の生物活性ペプチド成分を含む、創傷治癒及び組織再生誘導するための組成物。

請求項2

組成物が、画分5を含む、請求項1記載の組成物。

請求項3

画分5が、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分5が、約25〜35分間の保持時間を有する、請求項1記載の組成物。

請求項4

画分5が、約17.9mVゼータ電位を有する、請求項2記載の組成物。

請求項5

組成物が、画分9を含む、請求項1記載の組成物。

請求項6

画分9が、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分9が、約35〜40分間の保持時間を有する、請求項5記載の組成物。

請求項7

画分9が、約34.2mVのゼータ電位を有する、請求項5記載の組成物。

請求項8

組成物が、粉末ゲルローションフィルム溶液スプレー、及び足場からなる群の少なくとも1つを含む、請求項1記載の組成物。

請求項9

組成物が、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための組成物。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一項記載の組成物を被験体処置部位投与することを含む、それを必要とする被験体において創傷治癒及び組織再生を促進するための方法。

請求項11

足場が、大豆タンパク質単離物(SPI)の生物活性ペプチド成分を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための足場。

請求項12

足場が、画分5を含む、請求項11記載の足場。

請求項13

画分5が、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分5が約25〜35分間の保持時間を有する、請求項12記載の足場。

請求項14

画分5が、約17.9mVのゼータ電位を有する、請求項12記載の足場。

請求項15

足場が、画分9を含む、請求項11記載の足場。

請求項16

画分9が、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分9が約35〜40分間の保持時間を有する、請求項15記載の足場。

請求項17

画分9が、約34.2mVのゼータ電位を有する、請求項15記載の足場。

請求項18

足場が、電気処理された繊維を含む、請求項11記載の足場。

請求項19

電気処理された繊維が、SPIの生物活性ペプチド成分を含む、請求項18記載の足場。

請求項20

電気処理された繊維が、合成ポリマーを含む、請求項18記載の足場。

請求項21

合成材料ポリマーが、ポリイプシロンカプロラクトン)(PCL)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、コポリマーポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリアニリン、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項20記載の足場。

請求項22

電気処理された繊維が、α9β1インテグリンリガンドとして作用する画分9を含む、請求項19記載の足場。

請求項23

足場が、可溶性形態の画分5をさらに含む、請求項18記載の足場。

請求項24

画分5を、足場に埋め込まれた薬物送達担体内にロードする、請求項23記載の足場。

請求項25

足場が、SPIの生物活性ペプチド成分を含むヒドロゲルを含む、請求項11記載の足場。

請求項26

ヒドロゲルが、ゲニピン架橋されたゼラチンを含む、請求項25記載の足場。

請求項27

足場が、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための足場。

請求項28

足場が、WSsoyを含む電気処理された繊維を含む、請求項27記載の足場。

請求項29

電気処理された繊維が、合成ポリマーを含む、請求項27記載の足場。

請求項30

合成材料ポリマーが、ポリ(イプシロン−カプロラクトン)(PCL)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、コポリマーポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリアニリン、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項29記載の足場。

請求項31

足場が、WSsoyを含むヒドロゲルを含む、請求項27記載の足場。

請求項32

請求項11〜31のいずれか一項記載の足場を被験体の処置部位に投与することを含む、それを必要とする被験体において創傷治癒及び組織再生を促進する方法。

請求項33

精製された水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)を含む有効量の乾燥組成物を湿潤創傷に適用する工程を含み、乾燥WSsoyが、湿潤創傷中の水分との接触時に自己組織化して半液体マトリックスとなる、湿潤創傷を処置する方法。

請求項34

適用された乾燥WSsoyの量が創傷1cm2あたり1〜200mgである、請求項33記載の方法。

請求項35

乾燥WSsoyを50〜5000μmの厚さで適用する、請求項33記載の方法。

請求項36

液体担体中の有効量のWSsoyを創傷に適用する工程を含み、WSsoyが、液体担体中の半液体マトリックスに自己組織化する、創傷を処置する方法。

請求項37

WSsoyが、1mLの液体担体あたり1〜200mgの間の濃度を有する、請求項36記載の方法。

請求項38

液体担体中のWSsoyの量が、創傷1cm2あたり0.1〜1mLである、請求項36記載の方法。

請求項39

液体担体中の水溶性大豆タンパク質単離物を50〜5000μmの厚さで適用する、請求項36記載の方法。

請求項40

適用方法が、創傷上への直接電気処理によるものである、請求項36記載の方法。

請求項41

WSsoy及び少なくとも1つの活性薬剤を含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

請求項42

乾燥WSsoy粒子を含む、請求項41記載の組成物。

請求項43

粒子が、直径1〜1000μmである、請求項42記載の組成物。

請求項44

少なくとも1つの活性薬剤が、麻酔剤抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤鎮痒剤、筋弛緩剤鎮痛剤解熱剤ビタミン抗菌剤防腐剤消毒剤殺菌剤外部寄生生物駆除剤抗寄生虫剤アルカロイド、塩、イオン抗炎症剤創傷治癒剤植物抽出物成長因子ポリカーボネート細胞外マトリックス(ECM)構成成分、皮膚軟化剤、抗菌剤、抗ウイルス剤精神安定剤鎮咳剤ナノ粒子、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項41記載の組成物。

請求項45

請求項46

液体担体中にWSsoyを含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

請求項47

液体担体が、医薬的に許容可能な担体である、請求項46記載の組成物。

請求項48

組成物が、1mLの液体担体あたり1〜200mgのWSsoyを含む、請求項46記載の組成物。

請求項49

麻酔剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、筋弛緩剤、鎮痛剤、解熱剤、ビタミン、抗菌剤、防腐剤、消毒剤、殺菌剤、外部寄生生物駆除剤、抗寄生虫剤、アルカロイド、塩、イオン、抗炎症剤、創傷治癒剤、植物抽出物、成長因子、ポリカーボネート、細胞外マトリックス(ECM)構成成分、皮膚軟化剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、精神安定剤、鎮咳剤、ナノ粒子、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される薬剤をさらに含む、請求項46記載の組成物。

請求項50

ゼラチン、マトリゲル、ケラチン、コラーゲン、エラスチン、フィブリン、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、キトサン、ポリウレタン、ポリシロキサン又はシリコーン、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレン−コ−酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリメタクリル酸、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリスチレン、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリカーボネート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される成分をさらに含む、請求項46記載の組成物。

請求項51

組成物を繊維、シート、又は布地紡績する、請求項46記載の組成物。

請求項52

少なくとも1つの量の乾燥WSsoy組成物及び少なくとも1つの量の液体担体を含む、創傷を処置するためのキット

請求項53

生物活性成分画分(BCF)5−5を含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

請求項54

BCF9−4を含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

請求項55

βコングリシニンを含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

請求項56

LDVモチーフを有するβコングリシニンのフラグメントを含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

請求項57

LDVモチーフを有するペプチド又はそのフラグメントを含む、迅速な創傷治癒のための組成物。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2015年7月22日に出願された米国仮特許出願第62/195,386号、2015年9月29日に出願された米国仮特許出願第62/234,266号、2015年11月17日に出願された米国仮特許出願第62/256,480号、及び2016年5月12日に出願された米国仮特許出願第62/335,195号の優先権を主張し、その内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。

0002

発明の背景
非治癒性皮膚創傷は、患者罹患の有意な原因及び米国の医療システムでの財政負担となる。全層創傷は、皮膚の毛包及び汗腺に見られる重要な上皮再生要素(前駆細胞)の一部の完全破壊により特徴付けられる(Driver, V.R., et al., 2010, J Am Podiatr Med Assoc 100, 335-341; Gordon, M.D., et al., 2010, J. Burn Care Rehabil 25, 388-410)。

0003

クリニックで使用される製品は、即時のニーズ、例えば機械障壁の提供、水分喪失の防止、創傷閉鎖が達成されるまでの細菌感染の予防などに主に対処している(Skorkowska-Telichowska, K., et al., 2013, J. Am Acad Dermatol 38, e117-126)。最近の研究では、創傷治癒プロセスを改善するための無細胞性及び細胞性生物活性創傷マトリックスの開発に焦点が当てられており(Demidova-Rice, T.N. et al., 2012, Advances in Skin & Wound Care, 25, 304-314; Mayet, N., et al., 2014, Journal of Pharmaceutical Sciences 103, 2211-2230)、瘢痕形成の低減及び皮膚付属器再生の促進に重点が置かれている(Sun, G., et al., 2011, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108, 20976-20981; Bonvallet, P.P., et al., 2014, Tissue engineering. Part A 20, 2434-2445)。無細胞性の生物活性創傷マトリックスにより、外因性細胞非存在下で創傷治癒を増強することができ、このように、長い培養時間、短い有効期間、及び免疫原性といった、それらに関連する限定を伴う、より高価な細胞化創傷マトリックスを置き換えることができる。有意な進歩にもかかわらず、現在の市販製品は、創傷治癒プロセスに関与する細胞を直接的に調節する製品の「理想的」特性を満たさず、治療選択肢に重要な隔たりを残す(Pereira, R.F., et al., 2013, Nanomedicine (Lond) 8 603-621; Shevchenko, R.V., et al., 2010, J R Soc Interface 7, 229-258)。

0004

現在、臨床的に使用されるいくつかの型の生物活性創傷マトリックスが存在する。しかし、いずれも皮膚組織の完全な再生を誘導することはできてきない。また、最も有望な細胞ベースの創傷マトリックスの一部は極めて高価であり、それらの取り扱いは、生存細胞の存在及び製品の短い有効期間により複雑になる。この課題は、無細胞性の創傷マトリックスを含む医薬製剤に変えることができる安価な天然生体材料を同定することであり、皮膚創傷治癒に関与する複雑な生物学的プロセスが増強され、長い有効期間で取り扱いやすくなり、このように、組織修復及び再生のための新規の機会が提供される。

0005

再生工学アプローチによる創傷治癒の促進は、伝統的に、皮膚細胞接着成長、及び分化に導く細胞外マトリックス(ECM)代替物として役立つ三次元足場の生成に頼っている。最近、他者及び本発明者らは、薬物送達及び創傷治癒のための、植物由来の「グリーン」で、再生可能で安価な天然生体材料である大豆タンパク質単離物(SPI)の可能性を研究し始めた(Har-el, Y., et al., 2014, Wound Medicine 5, 9-15; Peles, Z., et al., 2013, J Tissue Eng Regen Med 7, 401-412; Santos, T.C., et al., 2013, Tissue Eng Part A 19, 860-869)。しかし、従来のSPIは、強酸中又は侵襲的で高価な有機溶媒(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロパノール)中でのみ可溶性であり、費用及び腐食性溶媒残留物の可能性のために、その大規模商業生産及び/又は生物医学的使用が妨げられている。さらに、現在まで、小型及び大型動物モデルにおいて、SPIが創傷治癒を増強する機構試験している者はまだいない。増強された創傷治癒に関与するSPIの細胞作用機構に関する詳細な機構情報の欠如は、最適な創傷マトリックスとしてのSPIの開発に対する別の障壁である。

0006

現在使用されている動物及びヒト由来の材料に関連する問題を伴わず、多数の患者に自然治癒を早めるとともに、総治療費を低減することができる製品に対する実質的な満たされない臨床的な必要性が存在する。本発明はこの必要性を満たす。

0007

発明の概要
一態様では、本発明は、大豆タンパク質単離物(SPI)の生物活性ペプチド成分を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための組成物を提供する。

0008

一実施形態では、組成物は画分5を含む。一実施形態では、画分5は、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分5は約25〜35分間の保持時間を有する。一実施形態では、画分5は約17.9mVゼータ電位を有する。

0009

一実施形態では、組成物は画分9を含む。一実施形態では、画分9は、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分9は約35〜40分間の保持時間を有する。一実施形態では、画分9は約34.2mVのゼータ電位を有する。

0010

一実施形態では、組成物は、粉末ゲルローションフィルム溶液スプレー、又は足場を含む。

0011

一態様では、本発明は、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための組成物を提供する。

0012

一態様では、本発明は、WSsoy及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む組成物を被験体治療部位投与することを含む、それを必要とする被験体において創傷治癒及び組織再生を促進する方法を提供する。

0013

一態様では、本発明は、大豆タンパク質単離物(SPI)の生物活性ペプチド成分を含む、創傷治癒及び組織再生を誘導するための足場を提供する。

0014

一実施形態では、足場は画分5を含む。一実施形態では、画分5は、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分5は約25〜35分間の保持時間を有する。一実施形態では、画分5は約17.9mVのゼータ電位を有する。

0015

一実施形態では、足場は画分9を含む。一実施形態において、画分9は、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を伴う、C18を使用した逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoy分離の間に溶出されるタンパク質画分を含み、画分9は約35〜40分間の保持時間を有する。一実施形態では、画分9は約34.2mVのゼータ電位を有する。

0016

一実施形態では、足場は、電気処理された繊維を含む。一実施形態では、電気処理された繊維はSPIの生物活性ペプチド成分を含む。一実施形態では、電気処理された繊維は合成ポリマーを含む。一実施形態では、合成材料ポリマーは、ポリ(エプシロン−カプロラクトン)(PCL)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、コポリマーポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリアニリン、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、及びそれらの任意の組合せからなる群より選択される。

0017

一実施形態では、電気処理された繊維は、α9β1インテグリンへのリガンドとして作用する画分9を含む。一実施形態では、足場は、可溶性形態の画分5をさらに含む。一実施形態において、画分5を、足場中に埋め込まれた薬物送達担体内にロードする。

0018

一実施形態において、足場は、SPIの生物活性成分を含むヒドロゲルを含む。一実施形態では、ヒドロゲルは、ゲニピンを用いて架橋されたゼラチンを含む。

0019

一態様では、本発明は、創傷治癒及び組織再生を誘導するための足場を提供し、足場はWSsoyを含む。一実施形態では、足場は、WSsoyを含む電気処理された繊維を含む。一実施形態では、電気処理された繊維は合成ポリマーを含む。一実施形態では、合成材料ポリマーは、ポリ(イプシロン−カプロラクトン)(PCL)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、コポリマーポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリアニリン、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、及びそれらの任意の組合せからなる群より選択される。一実施形態では、足場は、WSsoyを含むヒドロゲルを含む。

0020

一態様では、本発明は、WSsoy及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む足場を被験体の治療部位に投与することを含む、それを必要とする被験体において創傷治癒及び組織再生を促進する方法を提供する。

0021

一態様では、本発明は、精製された水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)を含む有効量の乾燥組成物を湿潤創傷に適用する工程を含む、湿潤創傷の治療方法を提供し、乾燥WSsoyは、湿潤創傷中の水分との接触時に、半液体マトリックス自己組織化する。一実施形態では、適用する乾燥WSsoyの量は、創傷1cm2あたり1〜100mgである。一実施形態では、乾燥WSsoyを50〜5000μmの厚さで適用する。

0022

一態様では、本発明は、液体担体中の有効量のWSsoyを創傷に適用する工程を含む創傷を治療する方法を提供し、WSsoyは液体担体中の半液体マトリックスに自己組織化する。一実施形態では、WSsoyは、液体担体1mLあたり1〜200mgの濃度を有する。一実施形態では、液体担体中のWSsoyの量は、創傷1cm2あたり0.1〜1mLである。一実施形態において、液体担体中の水溶性大豆タンパク質単離物を50〜5000μmの厚さで適用する。一実施形態では、適用方法は創傷上への直接電気処理による。

0023

一態様では、本発明は、WSsoy及び少なくとも1つの活性薬剤を含む、迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。一実施形態では、組成物は乾燥WSsoy粒子を含む。一実施形態では、粒子の直径は1〜1000μmである。一実施形態では、少なくとも1つの活性薬剤は、麻酔剤抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤鎮痒剤、筋弛緩剤鎮痛剤解熱剤ビタミン抗菌剤防腐剤消毒剤殺菌剤外部寄生生物駆除剤抗寄生虫剤アルカロイド、塩、イオン抗炎症剤創傷治癒剤植物抽出物成長因子ポリカーボネート、細胞外マトリックス(ECM)構成成分、皮膚軟化剤、抗菌剤、抗ウイルス剤精神安定剤鎮咳剤ナノ粒子、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。

0025

一態様では、本発明は、液体担体中にWSsoyを含む迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。一実施形態では、液体担体は医薬的に許容可能な担体である。一実施形態では、組成物は、液体担体1mLあたり1〜200mgのWSsoyを含む。一実施形態では、組成物は、麻酔剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、筋弛緩剤、鎮痛剤、解熱剤、ビタミン、抗菌剤、防腐剤、消毒剤、殺菌剤、外部寄生生物駆除剤、抗寄生虫剤、アルカロイド、塩、イオン、抗炎症剤、創傷治癒剤、植物抽出物、成長因子、ポリカーボネート、細胞外マトリックス(ECM)構成成分、皮膚軟化剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、精神安定剤、鎮咳剤、ナノ粒子、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される薬剤をさらに含む。

0026

一実施形態では、組成物は、ゼラチン、マトリゲル、ケラチン、コラーゲン、エラスチン、フィブリン、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、キトサン、ポリウレタン、ポリシロキサン又はシリコーン、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレン−コ−酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリメタクリル酸、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリスチレン、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリカーボネート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される成分をさらに含む。一実施形態では、組成物を繊維、シート、又は布にエレクトロスピンする。

0027

一態様では、本発明は、少なくとも1つの量のWSsoy組成物及び少なくとも1つの量の液体担体を含む、創傷を治療するためのキットを提供する。一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの量のWSsoy組成物及び少なくとも1つの量の液体担体を混合する方法をさらに含む。

0028

一態様では、本発明は、生物活性成分画分(BCF)5−5を含む、迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。

0029

一態様では、本発明は、BCF9−4を含む、迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。

0030

一態様では、本発明は、βコングリシニンを含む、迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。

0031

一態様では、本発明は、LDVモチーフを有するβコングリシニンのフラグメントを含む、迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。

0032

一態様では、本発明は、LDVモチーフを有するペプチド又はそのフラグメントを含む、迅速な創傷治癒のための組成物を提供する。

図面の簡単な説明

0033

本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばより良く理解されるであろう。本発明を例示する目的のために、図面には現在好ましい実施形態を示している。しかし、本発明を、図面に示す実施形態の正確な配置及び手段に限定しないことを理解すべきである。
図1は、SPI及びより低レベルのWSsoy粉末並びにそれらのそれぞれのエレクトロスピン繊維における植物エストロゲンの同定を実証する実験結果を示す。左:エレクトロスピン膜の巨視視野、並びにSPI(上)及びWSsoy(下)の繊維のSEM。中央:陽性対照化合物、並びに植物エストロゲンの存在又は非存在を示すSPI及びWSsoyエタノール抽出物で処理した、ERレポーター遺伝子トランスフェクトされたT47D細胞におけるエストロゲン受容体依存性転写の測定(Hirsch, K. et al., 2007, Breast Cancer Res Treat, 104, 221-230)。右:エストロゲン受容体アンタゴニストであるフルベストラント(ICI−182780)によるHaCaT上皮細胞におけるSPI誘導性創傷閉鎖の阻害。SPI(10μm)のエタノール抽出物の遊走活性は、10μmのアンタゴニストにより阻害された。ERE活性を欠くWSsoyのエタノール抽出物は創傷閉鎖において効果がなかった。
図2は、WSsoyのRP−HPLC分離を示すグラフである。WSsoyをTFA可溶化し、C18 VYDACカラム注入し、ACNの直線勾配(点線)を用いて分離した。数字は、生物学的アッセイにより収集及び特徴付けされた画分を示す。
図3は、皮膚細胞スクラッチアッセイにおける遊走前活性が画分5で検出されたことを実証する実験結果を示す。1mmの掻創をHDDEC細胞、HDFC細胞、及びHaCaT細胞の単層で実施した。培養物培地(0.1%FBS)中の画分(50μg/ml)と48時間にわたりインキュベートした。創傷閉鎖の割合は定量的画像分析により決定した。
図4は、画分5の再クロマトグラフィーを示すグラフである。「より平坦な」ACN勾配(120分間にわたり30〜80%)を使用したことを除き、条件は図2と同じであった。収集された亜画分を5−1〜5−5と名付けた。網掛け領域は、HaCaTスクラッチアッセイにおけるタンパク質活性を示す(左の挿入図)。右の挿入図:SDS−PAGEゲルはクーマシーブルーで染色した。
図5は、HaCaT細胞におけるERKリン酸化活性のWSsoy刺激を実証する実験結果を示す。細胞を50μg/mlのWSsoyで刺激した。細胞溶解物電気泳動し、ペーパーに転写し、リン酸−ERK、続いて汎−ERK抗体でイムノブロットした。上:リン酸化バンド。下:pERK/ERK間リン酸化率%。
図6は、1回目のRP−HPLC後に得られた固定化WSsoy画分(50μg/ml)に対する、α9インテグリンサブユニットトランスフェクションした又はしていない細胞の接着を研究する実験の結果を実証するグラフである(図2を参照のこと)。接着は、記載されているように実施し、分析した(Brown et al., 2008, Neuro Oncol, 10: 968-980)。WSsoy:固定化された水溶性大豆。血管細胞接着分子1(VCAM−1、α9β1インテグリンに対する天然リガンド):陽性対照。フィブロネクチン(FN):両方の細胞型についての陽性対照。ウシ血清アルブミン(BSA):陰性対照エラーバーは、BSAへの結合と比較した場合での重複実験(*)p<0.001を表す。
図7A及び図7Bを含む図7は、1回目のRP−HPLC後に得られた画分9の特徴付けのために実施した実験の結果を示す。図7A。ACNの「より平坦な」勾配(120分間にわたる40〜80%)を使用することを除き、図2に記載するのと同じ条件下での画分9の再クロマトグラフィー。収集された亜画分は9−1〜9−5と名付けた。網掛け領域は、α9+細胞接着を促進するタンパク質を示す。挿入図:クーマシーブルーで染色した還元条件下でのSDS−PAGE。マークした領域:プロテオミクスにより分析したバンド。図7B:RP−HPLCの第2工程後に得られた細胞接着アッセイにおける亜画分9の分析。実験は、図5に記載するようにα9+細胞を用いて実施した。重複実験からのエラーバー。(*)9−1への結合と比較したp<0.05。
図8A及び図8Bを含む図8は、画分9−4の存在下(図8A)又は非存在下(図8B)におけるマトリゲル中でのHDMVE管形成を研究する実験の結果を示す。マトリゲルを画分9−4(30μg/50μL)と共重合させ、細胞(150μLの血清及び成長因子不含EGM−2培地あたり1×104個)を適用した。画像は、37℃で24時間のインキュベーション後に撮影した。
図9は、ラットにおける創傷治癒遅延リングモデルを使用した実験の結果を示す。左右のパネル未処置放置された創傷並びにテガダーム(対照)&エレクトロスピンされた大豆サウンドマトリックスで覆い、次にテガダームで覆った創傷。上パネル:18日目の「正常」ラットにおける創傷治癒−エレクトロスピンされた大豆足場での治癒の加速注意すること(右上)。下パネル:ラットリングモデルにおける創傷治癒の遅延:テガダームで覆われた創傷は本質的に非治癒的であるが、大豆足場で処置された創傷は痂皮で覆われたように見えるが、下では再上皮化している。
図10A〜図10Dを含む図10は、対照及びWSsoyで処置された全層皮膚創傷のヘマトキシリン及びエオシン染色の結果を示す。図10A及び図10B:創傷7日後。図10C及び図10D:創傷14日後。詳細については、本文を参照のこと。E:再生上皮内層;A:再生付属器;WM:創傷周辺;S:痂皮。GT肉芽組織;白矢印:血管。スケールバーは200μmを表す。
図11A及び図11Bを含む図11は、WSsoy足場(図11A)で処置された又は未処置で放置され、テガダームのみで覆われた全層皮膚創傷(図11B)のパンサイトケラチン染色の結果を示す。詳細については、本文を参照のこと。スケールバーは200μmを表す。
図12はβコングリシニンサブユニットα’鎖(部分)のアミノ酸配列を画分9に見られるペプチドの配列と比較したプロテオーム分析の結果を示す。フィブロネクチンの類似フラグメント(CS−1ペプチド)も含まれる。
図13は、画分5の亜画分でのSDS−PAGEゲルの結果を示す。生物活性成分画分(BCF)5−5は生物学的に活性であったが、BCF5−4は活性ではなかった。左の最初のライン分子量マーカーを表す。サークルは、プロテオミクスについて分析されたバンドを示す。結果を図16に示す。
図14は、細胞接着アッセイにおける画分9の亜画分での活性を分析する実験の結果を示す。細胞接着は、a9LN18細胞株を使用して実施した。画分を96ウェルプレートに固定化した。Fr 9−4及びFr 9−5は、生物活性成分画分9−4並びに生物活性成分画分9−5、又はBCF9−4及びBCF9−5とさらに言及する。
図15は、画分9の亜画分でのSDS−PAGEゲルの結果を示す。BCF9−4及びBCF9−5は生物学的に活性であったが、BCF5−2は活性ではなかった。左の最初のラインは分子量マーカーを表す。サークルは、プロテオミクスについて分析されたバンドを示す。結果を図17に示す。
図16は、図13のSDS−PAGEゲルからのBCF5−4及びBCF5−5タンパク質バンドペプチド配列を列挙する表である。Moxは、翻訳後修飾メチオニン酸化アミノ酸(メチオニンスルホキシド)である。
図16は、図13のSDS−PAGEゲルからのBCF5−4及びBCF5−5タンパク質バンドのペプチド配列を列挙する表である。Moxは、翻訳後修飾メチオニン、酸化アミノ酸(メチオニンスルホキシド)である。
図17は、図15のSDS−PAGEゲルからのBCF9−4及びBCF9−5タンパク質バンドのペプチド配列を列挙する表である。Moxは、翻訳後修飾メチオニン、酸化アミノ酸(メチオニンスルホキシド)である。
図18Aから図18Hは、創傷閉鎖遅延のラットモデルにおける皮膚処置での一連組織学的染色を示す。図18A及び図18B無傷真皮組織を示す。図18C及び図18Dは未処置の創傷を示す。図18E及び図18Fは、14日後に湿潤WSsoy組成物で処置した創傷を示す。図18G及び18Hは、14日後に乾燥WSsoy組成物で処置した創傷を示す。図18A図18C図18E、及び図18Gは、サンプルの一般的な組織学を示すヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色である。図18B図18D図18F、及び図18Hは、サンプル中のコラーゲンの存在を示すピクロシリウスレッド染色である。全ての画像が130倍に拡大されている。
図19は、ラットモデルにおける皮膚処置の一連の組織学的染色である。左のカラムは、未処置の非創傷皮膚を示す。中央のカラムは、14日後に湿潤WSsoy組成物で処置した創傷を示す。右のカラムは、市販の皮膚代替物Oasis(登録商標)で処置した創傷を示す。上列はH&Eで染色されている。下列はピクロシリウスレッドで染色されている。
図20は、処置の21日後に大豆タンパク質単離物又はOasis(登録商標)で処置したラットモデルにおける全層皮膚切除創での血管新生を実証する実験の結果を示す。矢印は、主に小血管である対照創傷よりも大豆処置した創傷でより多く認められる新たな血管を指す。(ブロック矢印大血管;直線矢印:小血管)。
図21は、処置の14日後に大豆タンパク質単離物又はOasis(登録商標)で処置したラットモデルにおける全層皮膚切除創でのマクロファージ浸潤を実証する実験の結果を示す。棒グラフは、1週間及び4週間後に、未処置対照と比べて、大豆タンパク質離株で処置したブタ創傷モデルにおいて存在するマクロファージの量を示す。
図22は、例示的なエレクトロスピンした大豆組成物が、未処置対照と比べて、大豆タンパク質単離物で処置したブタ創傷モデルにおいて創傷閉鎖を加速することを実証する実験の結果を示す。
図23は、シリンジ分注する準備ができている擬似液体マトリックスとしての例示的なWSsoy組成物を示し(左パネル)、マトリックスは針を通して分注され、迅速な重合を受ける(右パネル)。
図24Aから図24Dは、創傷/処置の14日後にWSsoy製剤で処置した全層切除創における皮膚の表皮層のH&E染色の結果を示す。図24A:ゲルとして適用したWSsoyマトリックス;図24B:粉末として適用したWSsoyマトリックス;図24C:WSsoy電気処理足場;図24D:未処置対照。スケールバーは各々200ミクロンである。
図25Aから図25Dは、創傷/処置の14日後にWSsoy製剤で処置した全層切除創における皮膚の表皮層のピクロシリウスレッド染色の結果を示す。各々の画像ペアは、偏光(左)及び明視野(右)画像を含む。図25A:ゲルとして適用したWSsoyマトリックス。図25B:粉末として適用したWSsoyマトリックス;図25C:WSsoy電気処理足場;図25D:未処置対照。スケールバーは各々200ミクロンである。
図26は、健常な境界領域に対する創傷の「赤み」として計算されたピクロシリスレッド染色(図25Aから図25D)におけるコラーゲンの定量化を示す。各々の領域で6回の測定を行い、エラーバーは平均値標準誤差を表す。計算は、図25Aから図25Dの画像からの値だけを表す。
図27Aから図27Dは、創傷/処置の14日後にWSsoy製剤で処置した全層切除創における皮膚の表皮層のケラチン染色の結果を示す。より成熟したケラチンはよりも濃く染色される。これらのサンプルは、ゲル及び粉末で処置した創傷が、対照よりも成熟したケラチンを有することを示す。各々の画像ペアは、創傷の(左)及び創傷辺縁の健常な皮膚(右)の中心領域を含む。図27A:ゲルとして適用したWSsoyマトリックス;図27B:粉末として適用したWSsoyマトリックス;図27C:WSsoy電気処理足場;図27D:未処置対照。スケールバーは各々200ミクロンである。
図28は、健常な境界領域に対する創傷におけるパンサイトケラチン(pck)抗体染色(図27Aから図27D)の定量化を示す。各々の領域で6回の測定を行い、エラーバーは平均値の標準誤差を表す。計算は、図27Aから図27Dの画像からの値だけを表す。

0034

詳細な説明
本発明は、水溶性大豆タンパク質単離物(本明細書では「WSsoy」と言及する)及び/又は大豆タンパク質単離物(SPI)の生物活性ペプチド成分を使用する組成物及び方法に関する。本発明は、部分的には、WSsoyが、組織工学適用における使用のための従来の大豆タンパク質単離物(SPI)を上回る種々の利点を有するとの発見に基づく。例えば、WSsoyは、大豆タンパク質の処理のために過酷な有機溶媒の使用を要求しないため、有利であることが本明細書に記載されている。さらに、WSsoy粉末は、エストロゲン類似体サブセットである低レベルのイソフラボノイドを含み、これは従来のSPIを使用する際に課題を提起しうる。

0035

特定の実施形態では、組成物及び方法は、SPIの1つ又は複数の生物活性ペプチド成分を含む。例えば、SPIは、生物活性を付与する異なるタンパク質/ペプチド画分を含むことが本明細書に記載されている。例えば、WSsoyの種々の画分は、細胞遊走、細胞増殖、及び血管新生を促進することが実証されている。

0036

本発明は、WSsoy及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む組織工学及び創傷治癒組成物を提供する。例示的な組成物には、粉末、溶液、ヒドロゲル、フィルム、ローション、スプレー、薬物送達担体及び足場が単独又は他の材料との複合で含まれる。

0037

定義
他に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと類似又は等価な任意の方法及び材料が本発明の実行又は試験において使用されうるが、好ましい方法及び材料を記載する。

0038

明細書中で使用する場合、以下の用語の各々は、このセクションにおいてそれに関連する意味を有する。

0039

詞「a」及び「an」は、本明細書では、その冠詞の文法的目的の1つ又は複数(即ち、少なくとも1つ)を指すために使用する。例として、「ある要素」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。

0040

測定可能な値(例えば量、持続時間など)を指すときに本明細書で使用する「約」は、特定の値からの±20%、±10%、±5%、±1%、又は±0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動が、開示する方法を実施するのに適当であるためである。

0041

用語「生体分子」又は「生体有機分子」は、典型的には生物により作製された有機分子を指す。これは、例えば、ヌクレオチドアミノ酸、糖、脂肪酸ステロイド核酸ポリペプチド、ペプチド、ペプチドフラグメント炭水化物、脂質、アミノ酸、フラボノイド、及びこれらの組み合わせ(例、糖タンパク質リボ核タンパク質リポタンパク質など)を含む分子を含む。

0042

「細胞外マトリックス」は、細胞により合成された細胞外マトリックスにより提供される細胞成長を支持するために実質的に同じ条件を提供する1つ又は複数の物質を指す。細胞外マトリックスは基質上に提供してもよい。あるいは、細胞外マトリックスを含む成分を溶液中で提供してもよい。細胞外マトリックスの成分は、ラミニン、コラーゲン、及びフィブロネクチンを含みうる。

0043

本明細書で使用する用語「細胞外マトリックス成分」は、ラミニン、コラーゲン、フィブロネクチン、及びエラスチンより選択されるメンバーを含むことができる。

0044

用語「ブロースピニング」は、材料を標的基質に向けて流し込み、吹き付け、スパッタリング、又は滴下する方法を指す。材料は、加圧ガス流の1つ又は複数の供給源により標的基質の方向に空気力学的に導くことができる。

0045

用語「電気集束」ブロースピニングとは、ポリマーの流れを発生させるのに必要な要素(例えばエレクトロスピンなど)ではなく、標的基質に向かう材料の流れの集束を改善するためだけ電界が提供されるブロースピニング方法を指す。用語「電気集束」は、本明細書に記載する特定の実施例に限定せず、標的上に材料を沈着させるために電界を使用する任意の手段を含む。

0046

本明細書で使用する用語「電気処理」又は「電着」は、材料のエレクトロスピン、エレクトロスプレーエレクトロエアロゾルエレクトロブローイング、及びエレクトロスパッタリングの全ての方法、2つ又はそれ以上のそのような方法の組み合わせ、及び材料が流される、スプレーされる、電場を横切って標的に向かって滴下される任意の方法を含む。電気処理材料は、1つ又は複数の接地リザーバから、荷電基質の方向に、又は荷電リザーバから接地標的に向けて電気処理することができる。「エレクトロスピン」は、電気的に荷電した溶液又は溶融物を、オリフィスを通して流すことにより、溶液又は溶融物から繊維が形成されるプロセスを意味する。「エレクトロエアロゾル」は、荷電ポリマー溶液又は溶融物を、オリフィスを通して流すことにより溶液又は溶融物から液滴が形成されるプロセスを意味する。「エレクトロブローイング」は、ポリマー溶液を、電場を通してブロースピニングすることにより溶液から繊維が形成されるプロセスを意味する。用語「電気処理」は、本明細書に記載する特定の例に限定せず、標的上に材料を沈着させるために電界を使用する任意の手段を含む。

0047

「エレクトロエアロゾル」は、荷電ポリマー溶液又は溶融物を、オリフィスを通して流すことにより溶液又は溶融物から液滴が形成されるプロセスを意味する。

0048

「成長因子」は、細胞の成長を促進するのに効果的な物質を指す。成長因子は、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性繊維芽細胞成長因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子I(IGF−T)、インスリン様成長因子II(IGF−II)、血小板由来成長因子AB(PDGF)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、アクチビンA、骨形成タンパク質(BMP)、インスリンサイトカインケモカインモルフォゲン中和抗体、他のタンパク質、及び小分子を含むが、これらに限定しない。

0049

「ヒドロゲル」は、液体のそれ自体の重量の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも10倍を吸収することが可能である水不溶性及び水膨潤性架橋ポリマーを指す。「ヒドロゲル」は、本明細書で使用するように「熱応答性ポリマー」を指すこともできる。

0050

本明細書で使用するように、「足場」は、細胞の接着及び増殖のための適切な生体適合性表面を提供する生体適合性材料を含む構造を指す。足場は、機械的安定性及び支持をさらに提供しうる。足場は、増殖細胞集団により想定される三次元形状又は形態に影響を及ぼす又は境界を定めるように、特定の形状又は形態でありうる。そのような形状又は形態は、フィルム(例、三次元よりも実質的に大きい二次元を伴う形態)、リボン、コード、シート、フラットディスクシリンダ球体、3次元アモルファス形状などを含むが、これらに限定しない。

0051

用語「単離された」は、材料を産生するために使用される成分を実質的に又は本質的に含まない材料を指す。組成物についての純度の範囲の下限は約60%、約70%、又は約80%であり、純度の範囲の上限は約70%、約80%、約90%、又は約90%を上回る。

0052

本明細書で使用するように、「生体適合性」は、哺乳類移植された場合、哺乳動物において有害応答を引き起こさない任意の物質を指す。生体適合性材料は、個体に導入された場合、その個体に有毒でも有害でもなく、哺乳動物における材料の免疫学的拒絶も誘導しない。

0053

本明細書で使用するように、「移植片」は、典型的には、欠損を置き換えるか、矯正するか、そうでなければ克服するために、個体に移植される細胞、組織、又は器官を指す。移植片は足場をさらに含んでもよい。組織又は器官は、同じ個体に由来する細胞からなってもよい。この移植片は、本明細書において、以下の交換可能な用語により言及する:「自家移植片(autograft)」、「autologous transplant」、「autologous implant」、及び「autologous graft」。同じ種の遺伝的に異なる個体由来の細胞を含む移植片は、本明細書において、以下の交換可能な用語により言及する:「同種移植片(allograft)」、「allogeneic transplant」、「allogeneic implant」、及び「allogeneic graft」。個体から彼の一卵性双生児への移植片は、本明細書において「同系移植片(isograft)」、「syngeneic transplant」、「syngeneic implant」、又は「syngeneic graft」と言及する。「異種移植片(xenograft)」、「xenogeneic transplant」、又は「xenogeneic implant」は、異なる種の一個体から別の個体への移植片を指す。

0054

本明細書で使用するように、用語「組織移植」及び「組織再構築」は両方とも組織欠損(例えば欠損又は軟部組織欠損など)を処置又は軽減するために移植片を個体に移植することを指す。

0055

「個体」、「患者」、又は「被験体」は、本明細書で使用する用語として、任意の動物種鳥類、ヒト、及び他の霊長類を含むが、これらに限定しない)のメンバー、及び他の哺乳動物(商業的に関連する哺乳動物、例えばウシ、ブタ、ウマヒツジネコイヌなどを含む)を含む。好ましくは、被験体はヒトである。

0056

本明細書で使用するように、用語「医薬的組成物」は、本発明の少なくとも1つの化合物と他の化学成分及び実体(例えば担体、安定剤、希釈剤分散剤懸濁剤増粘剤、及び/又は賦形剤など)の混合物を指す。医薬的組成物により、生物への化合物の投与が促される。化合物を投与する複数の技術が当技術分野に存在する(静脈内、経口、エアロゾル、非経口眼科、肺、及び局所投与を含むが、これらに限定しない)。

0057

「医薬的に許容可能な」は、薬理学的/毒物学的観点から患者に、及び組成、製剤、安定性、患者の受け入れ、及びバイオアベイラビリティーに関する物理的/化学的観点から製薬化学者に許容可能な特性及び/又は物質を指す。「医薬的に許容可能な担体」は、活性成分生物学的活性の有効性干渉せず、それが投与される宿主に対して毒性のない担体を指す。

0058

本明細書で使用するように、用語「医薬的に許容可能な担体」は、意図された機能を実施しうるように、患者内又は患者に本発明の範囲内で有用な化合物の運搬又は輸送に含まれる、医薬的に許容可能な材料、組成物、又は担体(例えば液体又は固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒、又はカプセル化材料など)を意味する。典型的には、そのような構築物は、1つの器官、又は身体の一部から、別の器官又は身体の部分に運搬又は輸送される。各々の担体は、製剤の他の成分(本発明の範囲内で有用な化合物を含む)と適合し、患者に有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。医薬的に許容可能な担体として役立ちうる材料の一部の例は、以下を含む:糖類(例えば乳糖グルコース、及びスクロースなど);デンプン(例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなど);セルロース及びその誘導体(例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースエチルセルロース、及び酢酸セルロースなど);粉末トラガカント麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えばカカオバター及び坐薬ワックスなど);油(例えば落花生油綿実油ベニバナ油ゴマ油オリーブ油トウモロコシ油、及び大豆油など);グリコール(例えばプロピレングリコールなど);ポリオール(例えばグリセリンソルビトールマンニトール、及びポリエチレングリコールなど);エステル(例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなど);寒天緩衝剤(例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなど);界面活性剤アルギン酸パイロジェンフリー水等張性生理食塩水リンゲル溶液エチルアルコールリン酸緩衝液;及び医薬製剤に用いる他の非毒性適合物質。本明細書で使用するように、「医薬的に許容可能な担体」はまた、本発明の範囲内で有用な化合物の活性と適合する任意の及び全てのコーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、及び吸収遅延剤などを含む。補充活性化合物も組成物中に組み入れてもよい。「医薬的に許容可能な担体」は、本発明の範囲内で有用な化合物の医薬的に許容可能な塩をさらに含みうる。本発明の実行において使用する医薬的組成物に含まれうる他の追加成分は、当技術分野で公知であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro, Ed., Mack Publishing Co., 1985, Easton, PA)に記載されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。

0059

本明細書で使用する「サンプル」又は「生物学的サンプル」は、被験体由来生物学的材料(器官、組織、エキソソーム、血液、血漿唾液、尿、及び他の体液を含むが、これらに限定しない)を意味する。サンプルは、被験体から得られた任意の材料源でありうる。

0060

本明細書で使用するように、疾患、欠損、障害、又は状態を「軽減する」は、疾患、欠損、障害、又は状態の1つ又は複数の症状の重症度を低減させることを意味する。

0061

本明細書で使用するように、「処置する」は、疾患、欠損、障害、又は有害状態などの症状が患者により経験される頻度を低減することを意味する。

0062

本明細書で使用するように、「治療有効量」は、組成物が投与される個体に有益な効果を提供するのに十分な本発明の組成物の量である。

0063

本明細書で使用するように、用語「成長培地」は、細胞の成長を促進する培地を指すことを意味する。成長培地は一般的に動物血清を含む。一部の例では、成長培地は動物血清を含まなくてもよい。

0064

分化培地」は、本明細書では、完全に分化していない幹細胞胎児肺細胞、又は他のそのような前駆細胞が、培地中でインキュベートされた場合に分化細胞の特徴の一部又は全てを有する細胞に発生する、添加剤を含む又は添加剤を欠く細胞成長培地を指す。

0065

単離細胞」は、組織又は哺乳動物において単離細胞を自然に伴う他の成分及び/又は細胞から分離された細胞を指す。

0066

本明細書中で使用するように、「実質的に精製された」細胞は、他の細胞型を本質的に含まない細胞である。このように、実質的に精製された細胞は、天然に生じる状態で通常会合している他の細胞型から精製された細胞を指す。

0067

本明細書で使用するように、「組織工学」は、組織置換又は再構築における使用のための生体外で組織を生成するプロセスを指す。組織工学は、「再生医療」の一例であり、生物工学的材料及び技術と共に、細胞、遺伝子、又は他の生物学的構成要素の組み入れによる組織及び器官の修復又は置換へのアプローチを包含する。

0068

本明細書中で使用するように、「内因性」は、生物、細胞、もしくは系からの、又はそれらの内部で産生される任意の物質を指す。

0069

外因性」は、生物、細胞、もしくは系中に導入される、又はそれらの外部に産生される任意の物質を指す。

0070

本明細書で使用するように、「創傷治癒」は、任意の疾患、障害、症候群、異常、病状、もしくは皮膚及び/又は下層結合組織の異常な状態により特徴付けられる全ての障害、例えば、機械的損傷により起こされる皮膚創傷、手術後の皮膚創傷、機械的外傷腐食剤、又は火傷により起こされる皮膚擦過傷白内障手術又は角膜移植後の角膜、感染又は薬物療法後の粘膜上皮創傷(例、呼吸器胃腸泌尿生殖器乳房口腔眼組織肝臓、及び腎臓)、糖尿病性創傷、移植後の皮膚創傷、及び血管形成術後の血管の再成長を含むことを意図する。

0071

範囲:本開示を通じて、本発明の種々の態様を範囲形式提示することができる。範囲形式の記載は、便宜上のものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきではないことを理解する必要がある。したがって、範囲の記載は、その範囲内の全ての可能な部分範囲並びに個々の数値を具体的に開示するものとみなすべきである。例えば、範囲の記載、例えば1〜6は、部分範囲、例えば1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜7など、並びにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6などを具体的に開示するものとみなすべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用する。

0072

説明
本発明は、組織工学及び創傷治癒の目的のために大豆由来タンパク質を使用する組成物及び方法を提供する。一態様では、本発明は、例えば、ヒドロゲル、エレクトロスピン足場などを含む足場を含み、この足場は大豆タンパク質単離物及び/又はその生物活性成分を含む。一態様では、本発明は、粉末、軟膏、ゲル、ペーストなどを含む局所組成物を含み、この組成物は大豆タンパク質単離物及び/又はその生物活性成分を含む。本発明は、大豆由来タンパク質単離物及び/又はその生物活性成分を含む生体材料を生成する手段を提供する。そのような生体材料は、組織工学、薬物送達、創薬、治療、及び他の研究目的における足場として使用することができる。

0073

特定の実施形態では、本発明の大豆タンパク質単離物は、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)及び/又はその生物活性成分を含む。本明細書に記載するように、WSsoyは、従来の大豆タンパク質単離物よりも特に安全性、経済性、及び実用性での利点を有する。

0074

植物由来の生物活性化合物栄養補助食品)全般、特に大豆/植物の創傷治癒特性の試験は初期段階にある。以前の試験では、従来の大豆タンパク質単離物(SPI)に焦点を当てており、SPIの有益な効果の多くがSPIに含まれる植物性エストロゲン/イソフラボノイドに端を発しうることが実証されている。エストロゲン類似体であるため、植物エストロゲン(例えばゲニステインなど)の使用により、それ自体の課題が提起される。

0075

本明細書には、創傷治癒のための大豆タンパク質単離物(WSsoy)の水溶性製剤を使用した組成物及び方法を記載している。WSsoyは、安価で再生可能な「グリーンな」原材料であり、イソフラボノイドを欠いている。WSsoy由来の生物活性/再生治療法の開発により、材料がもはや植物性エストロゲンを含まないため、大豆ベースの創傷治癒技術のパラダイムが変化するであろう。イソフラボノイド/植物エストロゲンを欠く水溶性大豆タンパク質単離物の最近の可用性により、創傷治癒のモデルにおけるこの複合タンパク質混合物及び/又はその成分の治療的寄与を研究する機会が与えられる。

0076

WSsoyは異なる大豆タンパク質及び/又はその分解産物中に存在する再生性の生物活性を持つことを本明細書に記載している。さらに、生物活性タンパク質WSsoy成分が、異なる細胞シグナル伝達経路による皮膚細胞の複雑な皮膚創傷治癒挙動に影響を及ぼしうることを本明細書で実証している。本明細書中に提示される実験では、WSsoy中の生物活性タンパク質成分の分離が実証され、個々のWSsoyタンパク質画分が創傷治癒に関与するそれらの活性を発揮する異なる作用機構の一部が明らかになっている。

0077

一実施形態では、本発明は、皮膚細胞の移動を強力に刺激する本明細書で画分5と言及するペプチド画分の使用に関する。本明細書で使用するように、画分5は、生物活性ペプチド画分又はSPIの生物活性ペプチド成分を指しうる。画分5はWSsoyに由来することを本明細書に記載しているが、画分5は任意のSPI製剤から誘導されうることが本明細書において熟慮される。本明細書に記載する実験では、画分5の生物活性成分画分(BCF)をBCF5−5と言及してもよい。

0078

特定の例では、画分5は、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を使用し、C18カラムを用いたWSsoyの逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)分離を使用して溶出することができるペプチド画分を含む。このタンパク質画分は、230nmでのUV検出により同定される、約25〜35分の保持時間で溶出する。追加の分析では、このタンパク質画分のゼータ電位が17.9±1.2mVであることが示されている。

0079

一実施形態では、本発明は、創傷治癒に含まれるインテグリンに強く選択的に結合する、本明細書において画分9と言及するペプチド画分の使用に関する。本明細書で使用するように、画分9は、生物活性ペプチド画分又はSPIの生物活性ペプチド成分を指しうる。画分9がWSsoyに由来することを本明細書に記載しているが、画分9は任意のSPI製剤に由来しうることを本明細書において熟慮する。本明細書に記載する実験では、画分9の生物活性成分画分をBCF9−4と言及してもよい。

0080

特定の例において、画分9は、溶出の直線勾配(45分間にわたる0〜80%アセトニトリル(ACN))を使用し、C18カラムを用いたWSsoyの逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)分離を使用して溶出することができるペプチド画分を含む。このタンパク質画分は、230nmでのUV検出により同定される、約35〜40分の保持時間で溶出する。追加の分析では、このタンパク質画分のゼータ電位が34.2±0.7mVであることが示されている。特定の実施形態において、画分9は、ベータ−コングリシニン(βCG)のアルファプライム鎖又はそのフラグメントを含む。

0081

特定の例において、生物活性ペプチド画分をさらに精製し、より小さなタンパク質画分又は亜画分を得てもよい。亜画分はβコングリシニンなどの最も高い生物活性を有するペプチドを含みうる。βコングリシニンは、インテグリン結合のために重要であり、哺乳動物組織への植物タンパク質の結合を可能にするLDVモチーフを含む。一部の実施形態では、本発明は、LDVモチーフを含むペプチド又はそのフラグメントに関する。一実施形態では、本発明は、生物活性ペプチド亜画分の使用に関する。

0082

このように、本発明はまた、本明細書に開示するペプチドと実質的な相同性を有する任意のペプチドを含むと解釈すべきである。好ましくは、「実質的に相同」であるペプチドは、本明細書に開示するペプチドのアミノ酸配列と約50%相同、より好ましくは約70%相同、さらにより好ましくは約80%相同、より好ましくは約90%相同、さらにより好ましくは約95%相同、さらにより好ましくは約99%相同である。

0083

ペプチドは、あるいは、組換え手段により、又はより長いポリペプチドからの切断により作製してもよい。ペプチドの組成は、アミノ酸分析又は配列決定により確認してもよい。

0084

本発明に従ったペプチドの変異体は(i)アミノ酸残基の1つ又は複数が保存された又は保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換されており、そのような置換されたアミノ酸残基は、遺伝コードによりコードされるものであっても、そうでなくてもよい変異体、(ii)1つ又は複数の修飾アミノ酸残基、例えば、置換基の付着により修飾された残基が存在する変異体、(iii)ペプチドが本発明のペプチドの選択的スプライスバリアントである変異体、(iv)ペプチドのフラグメント、及び/又は(v)ペプチドが別のペプチド、例えばリーダー配列もしくは分泌配列など、又は精製(例えば、Hisタグ)もしくは検出(例えば、Svエピトープタグ)のために用いられる配列と融合している変異体である。フラグメントは、本来の配列のタンパク質分解的切断マルチサイトタンパク分解を含む)を介して生成されたペプチドを含む。変異体を翻訳後に又は化学的に修飾してもよい。そのような変異体は、本明細書の教示から当業者の範囲内にあるとみなされる。

0085

当技術分野で公知であるように、2つのペプチド間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配列及びその保存されたアミノ酸置換物を第2のポリペプチドの配列と比較することにより決定する。変異体は、本来の配列とは異なる、好ましくは本来の配列とは目的のセグメントあたり残基の40%未満が異なる、より好ましくは本来の配列とは目的のセグメントあたり残基の25%未満が異なる、より好ましくは目的のセグメントあたり残基の10%未満が異なる、最も好ましくは本来のタンパク質配列とは目的のセグメントあたりわずか数残基が異なり、同時に本来の配列の機能性を保持するために本来の配列と十分に相同であるペプチド配列を含むと定義する。本発明は、本来のアミノ酸配列と少なくとも60%、65%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、90%、又は95% 類似している又は同一であるアミノ酸配列を含む。2つのペプチド間の同一性の程度は、コンピュータアルゴリズム及び当業者に公知である方法を使用して決定する。2つのアミノ酸配列間の同一性は、好ましくは、BLASTPアルゴリズム(BLAST Manual, Altschul, S., et al.,NCBINLM NIH Bethesda, Md. 20894, Altschul, S., et al., J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))を使用して決定する。

0086

このように、WSsoy及びSPIの生物活性ペプチド成分は、異なる製剤(例えば粉末、溶液、フィルム、スプレー、ローション、軟膏、ヒドロゲル、及び繊維創傷マトリックスなど)を単独で、又は他の薬物(抗生物質抗炎症薬鎮痛薬など)と組み合わせることにより、創傷治癒薬物のための新規治療法/薬物に開発することができる。

0087

構成
本発明は、WSsoy及びSPIの生物活性ペプチド成分を使用して創傷治癒を促進することができるとの発見に基づく。このように、本発明は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む創傷治癒及び組織工学適用のための組成物を提供する。種々の実施形態において、組成物がWSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む、粉末、溶液、ゲル、ペースト、ローション、ヒドロゲル、マイクロスフェア、又はエレクトロスピン足場を含む。

0088

本明細書で使用するように、用語「大豆材料」は、大豆に由来する材料として定義する。用語「大豆」は、グリシンmax、グリシンsoja、又はグリシンmaxと性的に交差適合性のある任意の種を指す。

0089

本明細書で使用する用語「大豆タンパク質単離物」は、大豆タンパク質産業に対して従来の意味で使用する。例えば、大豆タンパク質単離物は、水分を含まない少なくとも90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。「単離大豆タンパク質」は、当技術分野で使用するように、本明細書中で使用し、当技術分野で使用される「大豆タンパク質単離物」と同じ意味を有する。大豆タンパク質単離物は、子葉から大豆の外皮及び胚芽を除去し、子葉を剥離又は粉砕し、フレーク状にした又は粉砕した子葉から油を除去し、子葉の大豆タンパク質及び炭水化物を子葉繊維及び脂質から分離し、その後、炭水化物から大豆タンパク質を分離することにより大豆から形成させる。特定の実施形態では、結果として得られた材料をエタノール洗浄し、特定の割合のイソフラボノイドを除去する。

0090

一実施形態では、大豆ベースの組成物は、大豆タンパク質及び大豆子葉繊維を含む繊維状材料を含む。繊維状材料は、一般的に、脱脂大豆タンパク質材料及び大豆子葉繊維を含む。繊維状材料は、大豆タンパク質材料及び大豆子葉繊維を押し出すことにより産生する。繊維状材料は6%〜80%の含水量を有する。繊維材料の産生において用いる水分条件は、低水分繊維材料(6%〜35%)及び高水分繊維材料(50%〜80%)である。追加成分は、大豆タンパク質材料及び大豆子葉繊維を用いて押し出してもよい(例えば小麦グルテン、デンプン、及びクニッツタンパク質阻害剤など)。

0091

大豆タンパク質単離物は低分子量分布を有する高加水分解大豆タンパク質単離物ではないはずである。なぜなら、高加水分解大豆タンパク質単離物は、プロセスにおいてタンパク質繊維を適切に形成するためのタンパク質鎖長を欠くためである。高加水分解大豆タンパク質単離物は、しかし、組み合わせた大豆タンパク質分離物の高加水分解大豆タンパク質単離物の含量が、組み合わされた大豆タンパク質単離物の40重量%未満であれば、他の大豆タンパク質単離物と組み合わせて使用することができる。

0092

利用された大豆タンパク質単離物は、単離物中のタンパク質が電気処理時に繊維を形成するのに十分な保水能力を有する必要がある。大豆タンパク質単離物の保水能力は、水和時にタンパク質が受ける膨潤量測定値である。タンパク質の膨潤は、タンパク質が分子間接触を形成して繊維形成が起こることを可能にするのに十分である必要がある。本発明の方法において使用する大豆タンパク質単離物は、好ましくは、pH7.0で大豆タンパク質単離物(そのまま)のグラムあたり少なくとも4.0グラムの保水能力を有し、より好ましくはpH7.0で大豆タンパク質単離物(そのまま)のグラムあたり少なくとも5.0グラムの保水能力を有する。保水能力は遠心分離法により決定する。

0093

本発明において有用な大豆タンパク質単離物1グラムあたり少なくとも水4.0グラムの保水能力を有する非高度加水分解大豆タンパク質単離物が市販されている。

0094

繊維状材料において有用な大豆タンパク質単離物を、大豆タンパク質製造産業における従来のプロセスに従って大豆から産生してもよい。そのようなプロセスの例として、大豆全体を、従来のプロセスに従って、最初に離解し、割砕し、脱皮し、脱し、脱脂し、大豆フレーク大豆粉、粗びき大豆、又は大豆ミールを形成する。大豆を磁気分離器に通過させて鉄、鋼、及び他の磁気感受性物体を除去し、続いて徐々に細かくなるメッシュスクリーン上で大豆を撹拌し、土壌残留物、雑草種子、小さすぎる豆、他のゴミを除去することにより大豆を離解してもよい。離解大豆は、大豆を割砕ロールに通過させることにより割砕してもよい。割砕ロールは、大豆がロールを通過する際に殻を弛緩させ、大豆材料をいくつかの片に割砕するスパイラルカット波形シリンダである。割砕大豆は、次に、吸引により脱皮することができる。脱皮大豆は、十分に小さいメッシュサイズのスクリーン上で脱皮大豆を撹拌し、小さなサイズの胚を除去し、豆のより大きな子葉を保持することにより、脱胚される。子葉を、次に、剥離ロールに通過させることにより子葉をフレーク状にする。フレーク状子葉は、フレークから油を機械的に排出することにより、又はフレークをヘキサンもしくは他の適切な親油性疎水性溶媒と接触させることにより、フレークから油を抽出することにより脱脂する。脱脂フレークは、所望の場合、粉砕して大豆粉、粗びき大豆、又は大豆ミールを形成してもよい。

0095

脱脂された大豆フレーク、大豆粉、粗びき大豆、又は大豆ミールは、次に、アルカリ性水溶液、典型的には7.5〜11.0のpHを有する希釈水酸化ナトリウム水溶液で抽出され、アルカリ性水溶液中で可溶性タンパク質不溶物から抽出する。不溶物は、主に不溶性炭水化物で構成される大豆子葉繊維である。可溶性タンパク質を含む水性アルカリ抽出物を、その後、不溶物から分離し、抽出物を次に酸で処理し、抽出物のpHを大豆タンパク質の等電点付近に、好ましくはpH4.0〜5.0に、最も好ましくはpH4.4〜4.6に低下させる。大豆タンパク質は、その等電点又はその近辺の水溶液中でのタンパク質の溶解性の欠如のため、酸性化抽出物から沈殿する。沈殿したタンパク質凝固物を次に、残りの抽出物から分離する。分離されたタンパク質を水で洗浄し、残留可溶性炭水化物及び灰分をタンパク質材料から除去してもよい。分離されたタンパク質を次に、従来の乾燥手段(例えば噴霧乾燥又はトンネル乾燥など)を使用して乾燥させ、大豆タンパク質単離物を形成する。

0096

特定の実施形態では、大豆タンパク質単離物は、エタノール、メタノールイソプロピルアルコールなどで洗浄してもよく、これによりイソフラボノイド(例えばゲニステインなど)が除去されるが、生物活性画分Prokinet及び画分9は除去されない。

0097

大豆タンパク質濃縮物を大豆タンパク質単離物と混ぜて、大豆タンパク質単離物の一部を大豆タンパク質の供給源として代替してもよい。大豆タンパク質単離物は、一般的に、大豆タンパク質濃縮物よりも高い保水能力を有し、より良好な繊維を形成する。従って、大豆タンパク質単離物に代替される大豆タンパク質濃縮物の量は、押出物中で有意な繊維形成を可能にする量に限定すべきである。好ましくは、大豆タンパク質濃縮物を大豆タンパク質単離物の一部について代替した場合、大豆タンパク質濃縮物は多くとも大豆タンパク質単離物の40重量%まで、より好ましくは大豆タンパク質単離物の30重量%まで代替される。

0098

繊維状材料において有用な大豆タンパク質濃縮物が市販されている。本発明において有用な大豆タンパク質濃縮物はまた、大豆タンパク質製造産業における従来のプロセスに従って大豆から産生してもよい。例えば、上に記載するようにして産生された脱脂大豆フレーク、大豆粉、粗びき大豆、又は大豆ミールは、大豆タンパク質及び大豆繊維から可溶性炭水化物を除去するために水性エタノール(好ましくは60%〜80%水性エタノール)で洗浄してもよい。大豆タンパク質及び大豆繊維含有材料をその後に乾燥させ、大豆タンパク質濃縮物を産生する。あるいは、脱脂大豆フレーク、大豆粉、粗びき大豆、又は大豆ミールは、大豆タンパク質及び大豆繊維から可溶性炭水化物を除去するために、4.3〜4.8のpHを有する水性酸性洗浄液で洗浄してもよい。大豆タンパク質及び大豆繊維含有材料をその後に乾燥させて、大豆タンパク質濃縮物を産生する。

0099

繊維状材料に利用される大豆子葉繊維は、大豆タンパク質材料と大豆子葉繊維との混合物が同時に押出された場合、水と効果的に結合する必要がある。水を結合することにより、大豆子葉繊維は、押出物が冷却ダイを通じて押出され、それによりタンパク質繊維の形成が促進されるため、押出物を横切り粘性勾配が誘導される。本発明のプロセスの目的のために水と効果的に結合するためには、大豆子葉繊維は、大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも水5.50グラムの保水能力を有する必要があり、好ましくは、大豆子葉繊維は大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも6.0グラムの保水能力を有する。また、大豆子葉繊維は、大豆子葉繊維1グラムあたり最大8.0グラムの保水能力を有することが好ましい。

0100

大豆子葉繊維は複雑な炭水化物であり、市販されている。本発明のプロセスにおいて有用な大豆子葉繊維は、大豆加工産業における従来のプロセスに従って産生してもよい。例えば、上に記載するようにして産生された脱脂大豆フレーク、大豆粉、粗びき大豆、又は大豆ミールは、大豆タンパク質単離物の産生に関して上に記載したようにアルカリ性水溶液で抽出して不溶性大豆子葉繊維をアルカリ水溶性大豆タンパク質及び炭水化物から分離してもよい。分離された大豆子葉繊維を次に、好ましくは噴霧乾燥により乾燥させて、大豆子葉繊維産物を産生する。大豆子葉繊維は、一般的に、水分を除き、1重量%〜8重量%、好ましくは1.5重量%〜7.5重量%、最も好ましくは2重量%〜5重量%で繊維材料中に存在する。

0101

本明細書に記載するように、本発明は、水溶性大豆タンパク質単離物(WSsoy)、及びその成分又は画分を含む。特定の実施形態では、水溶性PI溶液を、存在しうる任意の不溶物から分離する。本明細書の他の箇所に記載するように、特定の例では、WSsoyは、従来の大豆タンパク質単離物中に存在するイソフラボノイド/植物エストロゲンのレベル低下を特徴とする。

0102

特定の実施形態では、WSsoyを生物活性成分に画分する。例えば、当技術分野で公知の方法(1D又は2D電気泳動、液体クロマトグラフィー高速液体クロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー陰イオン交換クロマトグラフィー逆相クロマトグラフィー二相性イオン交換クロマトグラフィークロマトフォーカシング、及びサイズ排除クロマトグラフィーを含むが、これらに限定しない)を使用してWSsoyを画分してもよい。本明細書の他の箇所に記載するように、特定の実施形態では、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用してWSsoyを画分する。例えば、WSsoyは、溶出の直線勾配(0〜80%アセトニトリル(ACN))を用いてC18を使用して分離することができ、11のタンパク質画分が得られる(図2)。例えば、RP−HPLC分画により、有意な創傷治癒特性を呈する少なくとも2つのタンパク質画分(画分5及び画分9と表示する)が得られる。特定の実施形態では、生物活性画分は、画分を再クロマトグラフィーすることによりさらに分画することができる。例えば、画分5は、ACNの「より平坦な」勾配(120分間にわたる30〜80%)を使用したRP−HPLC C18カラムでの再クロマトグラフィーによりさらに分画することができる。さらに、画分9は、アセトニトリルの「より平坦な」勾配(120分間にわたる40〜80%)を使用したRP−HPLCで再クロマトグラフィーすることによりさらに分画することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載する創傷治癒組成物中への包含のために生物活性画分を精製してもよい。

0103

特定の実施形態では、組成物は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む粉末を含む。例えば、特定の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分は、当技術分野で公知の任意の方法(例、米国特許第4,001,944号を参照のこと)を使用して凍結乾燥又は凍結乾燥させてもよい。例えば、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分は、100%エタノール及びドライアイス中で急速に凍結させ、次に乾燥するまで滅菌凍結乾燥機内で、−20℃で凍結乾燥させてもよい。

0104

特定の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を製粉し、刻み、又は微粉に粉砕する。得られる粉末の形成は、当技術分野で公知の任意の方法により行ってもよい。例えば、一実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分は極低温衝撃粉砕機内に配置する。例示的な極低温衝撃粉砕機は、サンプルの粉砕の間に冷却段階及び粉砕段階サイクルを可能にするSamplePrep 6870 Freezer/Mill(登録商標)である。

0105

一実施形態では、本発明の組成物は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む溶液を含む。例えば、特定の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を適切な緩衝液と混合し、溶液に到達させる。特定の実施形態では、溶液のpHを調整する。例えば、溶液を約7〜7.5の範囲のpHに調節してもよい。

0106

一部の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を適切な等張緩衝液又は細胞培養培地と混合してもよい。適切な緩衝液として、リン酸緩衝化生食塩水PBS)、生理食塩水、MOPS、HEESハンクス平衡塩類溶液などが含まれるが、これらに限定されない。適切な細胞培養培地には、RPMI1640、フィッシャー培地、イスコフ培地、マッコイ培地、ダルベッコ培地などが含まれるが、これらに限定されない。

0107

特定の実施形態では、組成物は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含むクリーム、液体、ゲル、スプレー、軟膏などを含む。例えば、特定の実施形態において、組成物は、粉末化又は可溶性WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含むクリーム、液体、ゲル、スプレー、軟膏などを含む。

0108

一実施形態では、組成物は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む薬物送達担体を含む。例えば、薬物送達担体は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分と埋め込んでもよい。特定の実施形態では、担体は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を担体からの制御放出、連続放出、又は遅延放出のために製剤化する。例示的な薬物送達担体には、マイクロスフェア、微小粒子、ナノ粒子、ポリマーゾーム、脂質ナノ粒子ミセルなどが含まれるが、これらに限定しない。

0109

特定の実施形態では、薬物送達担体は、1つ又は複数のバイオポリマー又は合成ポリマーを含むマイクロスフェアを含む。例えば、一実施形態では、マイクロスフェアはPLGAを含む。一実施形態では、マイクロスフェアはアルギン酸塩を含む。しかし、本発明は、高分子マイクロスフェアの特定の製剤に限定しない。むしろ、本発明は、溶液中の又はナノ粒子内に埋め込まれたWSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分をロードする又は埋め込むことが可能である、当技術分野で公知の任意の適切なマイクロスフェアを包含する。

0110

医薬的組成物
本発明はまた、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む医薬的組成物を提供する。本明細書の他の箇所に記載しているように、本発明は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分が創傷治癒及び組織再生を増強するとの知見に基づく。製剤は、従来の賦形剤、即ち、創傷又は処置部位への投与のために適切な医薬的に許容可能な有機又は無機担体物質との混合物中で用いてもよい。医薬的組成物は、滅菌し、所望の場合、補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤乳化剤浸透圧緩衝に影響を与える塩、着色剤、及び/又は芳香物質などと混合してもよい。それらはまた、所望の場合、他の活性薬剤、例えば抗炎症剤、抗生物質、又は鎮痛剤と組み合わせてもよい。

0111

本明細書で使用するように、「追加成分」には以下の1つ又は複数を含むが、これらに限定しない:賦形剤;界面活性剤;分散剤;不活性希釈剤顆粒化剤及び崩壊剤結合剤;潤滑剤;着色剤;防腐剤;生理学的に分解可能な組成物(例えばゼラチンなど);水性担体及び溶媒;油性担体及び溶媒;懸濁剤;分散剤又は湿潤剤;乳化剤、粘滑剤;緩衝剤;塩;増粘剤;充填剤;乳化剤;抗酸化剤抗生剤;抗真菌剤;安定剤;及び医薬的に許容可能なポリマー又は疎水性材料。本発明の医薬的組成物中に含まれてもよい他の「追加成分」は、当技術分野において公知であり、例えば、Genaro, ed.(1985, Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA)に記載されており、参照により本明細書に組み入れられる。

0112

一実施形態では、組成物は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分の1つ又は複数の成分の分解を阻害する抗酸化剤及びキレート剤を含む。一部の化合物についての好ましい酸化防止剤は、組成物の総重量の約0.01重量%〜0.3重量%の好ましい範囲中のBHT、BHA、アルファ−トコフェロール、及びアスコルビン酸、より好ましくは0.03重量%〜0.1重量%の範囲中のBHTである。好ましくは、キレート剤は、組成物の総重量の0.01重量%〜0.5重量%の量で存在する。特に好ましいキレート剤は、組成物の総重量の約0.01重量%〜0.20重量%、より好ましくは0.02重量%〜0.10重量%の範囲中のエデト酸塩(例、エデト酸二ナトリウム)及びクエン酸を含む。キレート剤は、製剤の有効期間に有害でありうる、組成物中の金属イオンキレート化するのに有用である。BHT及びエデト酸二ナトリウムは、一部の化合物についてそれぞれ特に好ましい酸化防止剤及びキレート剤であるが、他の適切な等価の酸化防止剤及びキレート剤を、従って、当業者に公知のように代替してもよい。

0113

液体懸濁液は、水性又は油性担体中のWSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分の懸濁を達成するための従来の方法を使用して調製してもよい。水性担体は、例えば、水及び等張性生理食塩水を含む。液体懸濁液は、1つ又は複数の追加成分(懸濁化剤、分散剤又は湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、保存剤、緩衝剤、塩、着香剤、着色剤及び甘味剤を含むが、これらに限定しない)をさらに含みうる。公知の懸濁化剤は、ソルビトールシロップ硬化食用油脂アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムアカシアゴム、及びセルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウムメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)を含むが、これらに限定しない。公知の分散剤又は湿潤剤は、天然リン脂質(例えばレシチンなど)、アルキレンオキシドと脂肪酸との、長鎖脂肪族アルコールとの、脂肪酸及びヘキシトールから由来する部分エステルとの、又は脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合産物(例、ステアリン酸ポリオキシエチレンヘプタデカエチレンオキシセタノールモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)を含むが、これらに限定しない。公知の乳化剤は、レシチン及びアカシアゴムを含むが、これらに限定しない。公知の保存剤は、メチル、エチル、又はn−プロピルパラ−ヒドロキシベンゾエート、アスコルビン酸、及びソルビン酸を含むが、これらに限定しない。

0114

本発明の医薬的組成物の液体溶液は、液体懸濁液に関して記載する成分の各々を含んでもよく、懸濁剤は必ずしも溶媒中での活性成分の溶解を助長しないことが理解される。水性溶媒は、例えば、水及び等張性生理食塩水を含む。

0115

本発明の医薬的組成物は、水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンの形態で調製、包装、又は販売してもよい。油性相は、植物油(例えばオリーブ油又はラッカセイ油など)、鉱油(例えば流動パラフィンなど)、又はこれらの組み合わせでありうる。そのような組成物は、1つ又は複数の乳化剤、例えば天然ガム(例えばアカシアゴム又はトラガカントゴムなど)、天然リン脂質(例えば大豆又はレシチンリン脂質など)、脂肪酸及びヘキシトール無水物との組み合わせから由来するエステル又は部分エステル(例えばソルビタンモノオレエートなど)、及びそのような部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)をさらに含んでもよい。

0116

材料を化学組成物含浸又は被覆する方法は、当技術分野において公知であり、化学組成物を表面上に沈着又は結合させる方法、材料の合成の間に化学組成物を材料の構造中に組み入れる方法(即ち、生理学的に分解可能な材料を用いる、など)、及びその後の乾燥の有無を問わず、及び水性又は油性の溶液又は懸濁液を吸収材料中に吸収させる方法を含むが、これらに限定しない。

0117

特定の例では、本発明の組成物の1つの利点は、それが不規則で深い創傷を充填する能力を有することである。このように、一実施形態では、医薬的組成物は、創傷又は組織再生を必要とする部位に局所適用しうる。

0118

局所投与のための適切な製剤は、液体又は半液体製剤、例えばリニメント剤、ローション、水中油又は油中水型エマルジョン(例えばヒドロゲル、クリーム、軟膏又はペーストなど)、及び溶液又は懸濁液が含まれるが、これらに限定されない。局所的に投与可能な製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の活性成分を含むことができるが、活性成分の濃度は、賦形剤の存在において溶媒中の活性成分の溶解限界と同じくらい高くてもよい。局所投与のための製剤は、本明細書に記載する追加成分の1つ又は複数をさらに含んでもよい。

0119

浸透増強剤を使用してもよい。これらの材料により、皮膚を横切る薬物の浸透速度が増加する。当技術分野における典型的な増強剤は、エタノール、グリセロールモノラウレートPGML(ポリエチレングリコールモノラウレート)、ジメチルスルホキシドなどが含まれる。他の増強剤には、オレイン酸オレイルアルコールエトキシジグリコールラウロカプラムアルカンカルボン酸、ジメチルスルホキシド、極性脂質、又はN−メチル−2−ピロリドンを含む。

0120

本発明の組成物の一部の局所送達のための1つの許容可能な担体は、リポソームを含みうる。リポソームの組成及びその使用は、当技術分野において公知である(例えば、米国特許第6,323,219号を参照のこと)。

0121

代替の実施形態では、局所投与のための適切な製剤は、場合により、他の成分(例えばアジュバント、酸化防止剤、キレート剤、界面活性剤、発泡剤、湿潤剤、乳化剤、粘性付与剤、緩衝剤、防腐剤など)と組み合わせてもよい。別の実施形態では、透過又は浸透増強剤が組成物中に含まれ、浸透増強剤を欠く組成物に対して角質層中への及びそれを通じた経皮浸透を改善する際に効果的である。種々の透過増強剤(オレイン酸、オレイルアルコール、エトキシジグリコール、ラウロカプラム、アルカンカルボン酸、ジメチルスルホキシド、極性脂質、又はN−メチル−2−ピロリドンを含む)及びそれらの製剤は当業者に公知である。別の態様では、組成物は、角質層の構造における障害を増加させるように機能するハイドロトロープ剤をさらに含み、このように、角質層を横切り輸送を増加させることが可能になる。種々のヒドロトロープ剤(例えばイソプロピルアルコール、プロピレングリコール、又はキシレンスルホン酸ナトリウムなど)が当業者に公知である。

0122

局所投与のための適切な製剤は、所望の変化に影響を及ぼすのに効果的な量で適用すべきである。本明細書中で使用するように、「効果的な量」は、変化が望ましい皮膚表面の領域を覆うのに十分な量を意味するものとする。活性化合物は、組成物の約0.0001重量%〜約50重量%の量で存在する必要がある。より好ましくは、それは組成物の約0.0005%〜約15%の量で存在する必要がある;最も好ましくは、それは組成物の約0.001%〜約5%の量で存在する必要がある。そのような化合物は、合成的に又は天然に由来しうる。

0123

別の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む医薬的組成物は、包帯又はドレッシング材に適用してもよく、次に被験体の創傷又は治療部位に適用する。例えば、一実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む液体溶液又は液体懸濁液中にドレッシング材を浸漬する。別の実施形態において、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む軟膏を、ドレッシング材又は包帯の表面に適用する。

0124

別の実施形態では、医薬的組成物は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含むエアロゾル化又は噴霧化された溶液又は懸濁液を含む。そのようなエアロゾル化又はエアロゾル化された製剤は、分散時に、好ましくは約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均粒子又は液滴サイズを有し、本明細書に記載する追加成分の1つ又は複数をさらに含んでもよい。本明細書に記載する製剤の例は網羅的ではなく、本発明が、これら及び、本明細書に記載していないが、当業者に公知である他の製剤の追加修飾を含むことが理解される。

0125

足場
本発明は、工学的適用のために有用な生体材料の生成のためのWSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分の使用を提供する。本明細書に記載するように、WSsoy及びその生物活性成分は、細胞移動、細胞増殖、及び血管新生を支持する足場の産生において使用することができ、このように、創傷治癒を含む様々な組織工学的適用において使用することができる。

0126

例えば、一実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を足場内に組み入れる。一実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を足場の表面に適用する。本発明の足場は、当技術分野において公知の任意の型の足場でありうる。そのような足場の非限定的な例には、ヒドロゲル、エレクトロスピン足場、泡、メッシュ、シート、パッチ、及びスポンジが含まれる。

0127

ヒドロゲル
一実施形態では、本発明は、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含むヒドロゲルを提供する。ヒドロゲルは、一般的に多量の液体を吸収することができ、平衡状態では、典型的には60〜90%の液体及び10〜30%のポリマーだけで構成される。好ましい実施形態では、ヒドロゲルの含水量は約70〜80%である。ヒドロゲルは、架橋ポリマーネットワークでの固有の生体適合性のため、特に有用である(Hill-West, et al.,1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:5967-5971)。ヒドロゲルの生体適合性は、親水性及び多量の生物学的液体浸す能力に起因しうる(Brannon-Peppas. Preparation and Characterization of Cross-linked Hydrophilic Networks in Absorbent Polymer Technology, Brannon-Peppas and Harland, Eds. 1990, Elsevier: Amsterdam, pp 45-66; Peppas and Mikos. Preparation Methods and Structure of Hydrogels in Hydrogels in Medicine and Pharmacy, Peppas, Ed. 1986,CRCPress: Boca Raton, Fla., pp 1-27)。ヒドロゲルは、親水性バイオポリマー又は合成ポリマーを架橋することにより調製してもよい。親水性バイオポリマーの物理的又は化学的架橋から形成されたヒドロゲルの例は、ヒアルロン酸、キトサン、アルギン酸塩、コラーゲン、デキストランペクチンカラゲナンポリリジン、ゼラチン、又はアガロースを含むが、これらに限定しない(W. E. Hennink and C. F. van Nostrum, 2002, Adv. Drug Del. Rev. 54, 13-36 and A. S. Hoffman, 2002, Adv. Drug Del. Rev. 43, 3-12を参照のこと)。これらの材料は、直鎖状又は分枝状の多糖類又はポリペプチドで作製される高分子量主鎖からなる。化学的又は物理的架橋性合成ポリマーの基づくヒドロゲルの例は、(メタアクリレートオリゴラクチド−PEO−オリゴラクチド−(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、ポリ(エチレングリコール)(PEO)、ポリ(プロピレングリコール)(PPO)、PEO−PPO−PEOコポリマー(Pluronics)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(Nビニルピロリドン)、PL(G)A−PEO−PL(G)Aコポリマー、ポリ(エチレンイミン)などを含むが、これらに限定しない(A. S Hoffman, 2002, Adv. Drug Del. Rev, 43, 3-12を参照)。

0128

一実施形態では、ヒドロゲルは少なくとも1つのバイオポリマーを含む。他の実施形態では、ヒドロゲル足場は、少なくとも2つのバイオポリマーをさらに含む。さらに他の実施形態では、ヒドロゲル足場は、少なくとも1つのバイオポリマー及び少なくとも1つの合成ポリマーを含む。

0129

ヒドロゲルは、天然生存細胞外マトリックスに密接に似ている(Ratner and Hoffman. Synthetic Hydrogels for Biomedical Applications in Hydrogels for Medical and Related Applications, Andrade, Ed. 1976, American Chemical Society: Washington, D.C., pp 1-36)。ヒドロゲルは、PLA、PLGA、又はPGAポリマーを組み入れることによりインビボで分解可能にしてもよい。さらに、ヒドロゲルは、表面修飾のために、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、又は、例えばRGDで修飾しもよく、これらにより細胞接着及び増殖が促進されうる(Heungsoo Shin, 2003, Biomaterials 24:4353-4364; Hwang et al., 2006 Tissue Eng. 12:2695-706)。実際に、分子量、ブロック構造、分解可能な結合、及び架橋様式を変化させることで、インスタントヒドロゲルの強度、弾性、及び分解特性に影響を及ぼしうる(Nguyen and West, 2002, Biomaterials 23(22):4307-14; Ifkovits and Burkick, 2007, Tissue Eng. 13(10):2369-85)。

0130

ヒドロゲルはまた、種々のタンパク質(例、コラーゲン)又は化合物(例えば治療用薬剤など)を共有結合的に付着するための官能基で修飾してもよい。マトリックスに結合してもよい治療用薬剤は、鎮痛剤、麻酔剤、抗真菌剤、抗生物質、抗炎症剤、駆虫剤解毒剤制吐剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤抗マラリア剤、抗菌剤、解熱剤、防腐剤、抗関節炎剤、抗ウイルス剤、化学療法剤、着色又は蛍光造影剤コルチコイド(例えばステロイドなど)、診断補助剤、酵素ホルモンミネラル副交感神経興奮剤カリウム補助剤放射線増感剤鎮静剤スルホンアミド交感神経興奮剤、精神安定剤、血管収縮剤血管拡張剤、ビタミン、キサンチン誘導体などを含むが、これらに限定しない。治療用薬剤はまた、他の小有機分子、天然で単離された実体もしくはその類縁体有機金属剤、キレート化金属もしくは金属塩ペプチドベースの薬物、又はペプチドもしくは非ペプチド受容体標的もしくは結合剤でありうる。マトリックスへの治療的薬剤の結合は、プロテアーゼ感受性リンカー又は他の生分解性結合を介しうることが熟慮される。ヒドロゲルマトリックス中に組み入れてもよい分子は、ビタミン及び他の栄養補助剤;糖タンパク質(例、コラーゲン);フィブロネクチン;ペプチド及びタンパク質;炭水化物(単一及び/又は複合体の両方);プロテオグリカン;抗原オリゴヌクレオチドセンス及び/又はアンチセンスDNA及び/又はRNA);抗体(例えば、感染性物質腫瘍、薬物、又はホルモン);及び遺伝子治療試薬を含むが、これらに限定しない。

0131

特定の実施形態では、1つ又は複数の多官能性架橋剤は、バイオポリマー又は合成ポリマーを共有結合する反応性部分として利用されうる。そのような二官能性架橋剤には、グルタルアルデヒド、ゲニピン、エポキシド(例、ビスオキシラン)、酸化デキストラン、pアジドベンゾイルヒドラジド、N−[α−マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、pアジドフェニルグリオキサール一水和物、ビス−[β(4アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド、ビス[スルホスクシンイミジルスベレートジチオビス[スクシンイミジルプロピオネート]、ジスクシンイミジルスベレート、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、及び当業者に公知の二官能性架橋剤を含みうる。ヒドロゲルの機械的特性は、架橋時間及び架橋剤の量により大きく影響されることが当業者には理解されるはずである。

0132

架橋剤を利用する別の実施形態では、ポリアクリル化材料(例えばエトキシル化(20)トリメチルプロパントリアクリレートなど)を非特異的光活性化架橋剤として使用してもよい。例示的な反応混合物の成分は、39℃で保持された熱可逆性ヒドロゲル、ポリアクリレートモノマー(例えばエトキシル化(20)トリメチルプロパントリアクリレートなど)、光開始剤(例えばエオシンYなど)、触媒剤(例えば1−ビニル−2−ピロリジノンなど)、及びトリエタノールアミンを含みうる。この反応性混合物長波長光(>498nm)に連続的に暴露することで、架橋ヒドロゲルネットワークが生成される。

0133

一実施形態では、ヒドロゲルは、ヒドロゲル重合を開始させるUV感受性硬化剤を含む。例えば、一実施形態では、ヒドロゲルは、光開始剤4−(2−ヒドロキシエトキシフェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンを含む。一実施形態では、重合は、UV光の適用時に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンにより誘導される。UV感受性硬化剤の他の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−アセトフェノン1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトントリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、及びそれらの混合物を含む。

0134

本発明の安定化された架橋ヒドロゲルマトリックスは、1つ又は複数の増強剤の添加を通じてさらに安定化され、増強されうる。「増強剤」又は「安定化剤」により、さらなる安定性又は機能的利点を提供することによりヒドロゲルマトリックスを増強する、高分子量成分に加えてヒドロゲルマトリックスに加えられる任意の化合物を意図する。高分子量成分と混合され、ヒドロゲルマトリックス内に分散される適切な増強剤には、上で考察した熱可逆性マトリックスに関連して先に記載した添加剤の多くが含まれる。増強剤は、架橋されたヒドロゲルマトリックス中に組み入れられると、さらなる安定性又は機能的利点を提供することによりヒドロゲルマトリックスを増強する任意の化合物、特に極性化合物を含みうる。

0135

安定化された架橋ヒドロゲルマトリックスと使用するための好ましい増強剤には、極性アミノ酸アミノ酸類似体アミノ酸誘導体未変性コラーゲン、及び二価カチオンキレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸EDTA)又はその塩など)が含まれる。極性アミノ酸では、チロシンシステインセリントレオニンアスパラギングルタミンアスパラギン酸グルタミン酸アルギニンリジン、及びヒスチジンを含むことを意図する。好ましい極性アミノ酸は、L−システイン、L−グルタミン酸、L−リシン、及びL−アルギニンである。各々の特定の好ましい増強剤の適切な濃度は、熱可逆性ヒドロゲルマトリックスに関連する上記のものと同じである。極性アミノ酸、EDTA、及びそれらの混合物は好ましい増強剤である。増強剤は、高分子量成分の架橋前又はその間にマトリックス組成物に加えてもよい。

0136

一実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分がヒドロゲルに組み入れられる。例えば、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を、ゲルのゲル化又は重合前にヒドロゲル溶液に加えてもよい。WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分は、所望の効果を産生するのに望ましい任意の量でヒドロゲル溶液に加えてもよい。一実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分対ヒドロゲル溶液の比率は、約10:1〜1:10の範囲である。別の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分対ヒドロゲル溶液の比率は、約5:1〜1:5の範囲である。別の実施形態では、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分対ヒドロゲル溶液の比率は1:1である。このようにして、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分の成分がヒドロゲル内に散在するようになる。別の実施形態では、重合したヒドロゲルを有効量のWSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分で被覆する。一部の実施形態では、ヒドロゲルは、WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分がヒドロゲルの中及びその全体に拡散することを可能にする。

0137

エレクトロスピン足場
本発明は、天然産物(例えば大豆など)からエレクトロスピンされた繊維並びにナノファイバー生体適合性バイオマトリックスを提供する。一部の例では、天然産物をバイオポリマー及び/又は合成ポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)(PEO)などと混ぜて、組織工学足場を産生する。特定の実施形態では、特定のブレンドにより、架橋することなく足場内での細胞の浸透及び増殖を促す、機械的及び物理的特性独特の混合物が提供される。

0138

本発明の足場は、種々の方法で産生することができる。例示的な実施形態では、足場は、エレクトロスピンにより産生することができる。エレクトロスピンは、静電界導電性流体との間の相互作用を利用する導電性流体の噴霧プロセスである。導電性流体(例、半希釈ポリマー溶液又はポリマー溶融物)に外部静電界を適用する場合、懸濁した円錐状の小滴が形成され、それによって小滴の表面張力が電場と平衡状態になる。静電場が液体の表面張力に打ち勝つだけ十分に強い場合、静電噴霧が起こる。液滴は次に不安定になり、微小噴射が液滴の表面から排出される。接地標的に達すると、材料は、比較的細い、即ち、小さな直径の繊維を含む相互接続された蜘蛛状物として収集することができる。これらの小径繊維から結果として得られるフィルム(又は膜)は、非常に大きな表面積対体積比及び小さな孔径を有する。エレクトロスピン装置の詳細な記載を、Zong, et al., 2002 Polymer 43: 4403-4412; Rosen et al., 1990 Ann Plast Surg 25: 375-87; Kim, K., Biomaterials 2003, 24: 4977-85; Zong, X., 2005 Biomaterials 26: 5330-8に提供する。エレクトロスピン後、押出及び成形を利用してポリマーをさらに形作ることができる。整列した繊維状ポリマー足場中に繊維構成を調節するために、パターン化電極ワイヤードラムコレクター、又は後処理方法(例えば一軸延伸など)の使用が成功している。Zong, X., 2005 Biomaterials 26: 5330-8; Katta, P., 2004 Nano Lett 4: 2215-2218; Li, D., 2005 Nano Lett 5: 913-6。

0139

WSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含むタンパク質溶液は、いくつかの方法のうちの1つで産生することができる。1つの方法は、大豆タンパク質単離物、又はWSsoyの生物活性成分を適当な溶媒中に溶解することを含む。このプロセスは、シリンジアセンブリにおいて達成することができ、又はその後、シリンジアセンブリ中にロードすることができる。別の方法は、市販のポリマー溶液又は市販のポリマーを購入し、それらを溶解してポリマー溶液を作製することを含む。例えば、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)はSigma(Sigma、ミズーリ州セントルイス)から購入することができ、ポリ−L−ラクチド(PLLA)はDuPont(デラウェア州ウィルミントン)、ポリ−コ−グリコリド)はEthicon(ニュージャージー州ソマービル)から購入することができる。本発明のさらなるポリマー足場成分(例えば細胞及び生体分子など)も供給業者から市販されている。

0140

特定の実施形態では、大豆タンパク質単離物又はWSsoyの生物活性成分を最初に溶媒中に溶解する。例えば、一実施形態では、溶媒は水又は他の適切な緩衝液である。特定の実施形態では、溶媒は、過酷な有機溶剤、例えばN,N−ジメチルホルムアミドDMF)、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレンジオキサン、エタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、クロロホルム、1,1,1,2−テトラフルオロエタン3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFP)、又は氷酢酸などを欠いている。

0141

タンパク質溶液は、場合により、過剰電荷効果を作り、エレクトロスピンプロセスを促す塩を含むことができる。適切な塩の例は、NaCl、KH2PO4、K2HPO4、KIO3、KCl、MgSO4、MgCl2、NaHCO3、CaCl2又はこれらの塩の混合物を含む。

0142

導電性流体を形成するタンパク質溶液は、好ましくは約1〜約80重量%、より好ましくは約8〜約60重量%の範囲のタンパク質濃度を有する。

0143

エレクトロスピンプロセスにおいて作製される電場は、好ましくは約5〜約100キロボルト(kV)、より好ましくは約10〜約50kVの範囲である。スピナレット(又は電極)に対する導電性流体の供給速度は、好ましくは約0.1〜約1000マイクロリットル/分、より好ましくは約1〜約250マイクロリットル/分の範囲である。

0144

単一又は複数のスピナレットを、調整可能なプラットフォーム上に置き、プラットフォームと接地コレクタ基板との間の距離を変化させる。距離は、ポリマーと接地コレクタ基板との接触前に溶媒が本質的に完全に蒸発することを可能にする任意の距離でありうる。例示的な実施形態では、この距離は1cmから25cmまで変動することができる。接地コレクタ基板とプラットフォームとの間の距離を増加させることで、より薄い繊維が一般的に産生される。

0145

回転マンドレルが要求されるエレクトロスピンの場合、マンドレルは、しばしばドリルチャックを通じてモータに機械的に取り付ける。例示的な実施形態では、モータは約1回転/分(rpm)〜約500rpmの速度でマンドレルを回転させる。例示的な実施形態では、モータの回転速度は、約200rpm〜約500rpmの間である。別の例示的な実施形態では、モータの回転速度は、約1rpm〜約100rpmの間である。

0146

エレクトロスピンプロセス及び装置の追加の実施形態又は改変を本明細書に記載する。

0147

本発明はまた、天然材料の組み合わせ、合成材料の組み合わせ、及び天然及び合成材料の組み合わせを含む。組み合わせの例として、異なる型のコラーゲンのブレンド(例えばI型II型、I型とIII型、II型とIII型など);1つ又は複数の型のコラーゲンとフィブリノゲントロンビン、エラスチン、PGA、PLA、及びポリジオキサノンとのブレンド;フィブリノゲンと1つ又は複数の型のコラーゲン、トロンビン、エラスチン、PGA、PLA及びポリジオキサノンとのブレンドを含むが、これらに限定しない。

0148

本発明の電気処理された材料は、天然材料、合成材料、又はそれらの組み合わせの電気処理から得ることができる。例は、アミノ酸、ペプチド、変性ペプチド(例えば変性コラーゲンからのゼラチンなど)、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、糖タンパク質、リポタンパク質、糖脂質、グリコサミノグリカン、及びプロテオグリカンを含むが、これらに限定されない。

0149

電気処理される一部の好ましい材料は、天然に生じる細胞外マトリックス材料及び天然細胞外マトリックス材料(コラーゲン、フィブリン、フィブリノゲン、トロンビン、エラスチン、ラミニン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン6硫酸、デルマタン硫酸ヘパリン硫酸、ヘパリン、及びケラタン硫酸、並びにプロテオグリカンを含むが、これらに限定しない)のブレンドである。電気処理のための特に好ましい材料は、コラーゲン、フィブリン、フィブリノゲン、トロンビン、フィブロネクチン、及びそれらの組み合わせを含む。使用する一部のコラーゲンは、コラーゲン型I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、及びXIXを含むが、これらに限定しない。一部の好ましいコラーゲンは、I型、II型、及びIII型を含む。これらのタンパク質は、任意の形態(天然形態及び変性形態を含むが、これらに限定しない)でありうる。電気処理のための他の好ましい材料は、炭水化物、例えば多糖類(例、セルロース及びその誘導体)、キチン、キトサン、アルギン酸、及びアルギン酸塩(例えばアルギン酸カルシウム及びアルギン酸ナトリウムなど)などである。これらの材料は、植物産物、ヒト、又は他の生物もしくは細胞から単離してもよく、あるいは合成的に製造してもよい。電気処理のための特に好ましい一部の天然材料は、コラーゲン、フィブリノゲン、トロンビン、フィブリン、フィブロネクチン、及びそれらの組み合わせである。また、組織の粗抽出物、細胞外マトリックス材料、非天然組織の抽出物、又は細胞外マトリックス材料(即ち、癌性組織の抽出物)が単独又は組み合わせて含まれる。生物学的材料(細胞、組織、器官、及び腫瘍を含むが、これらに限定しない)の抽出物も電気処理してもよい。

0150

コラーゲン及びフィブリノゲンの各々をエレクトロスピンし、繊維長さに沿って反復するバンドパターンを有する繊維を産生することができる。これらのパターンは、例えば透過型電子顕微鏡観察可能であり、自然プロセスにより産生されたパターンに典型的である。一部の実施形態では、エレクトロスピンされたコラーゲン繊維中で観察されるバンドパターンは、インビボで細胞により産生されるものと同じである。一部の実施形態では、エレクトロスピンされたフィブリノゲンにおけるバンディングパターンは、インビボで形成された正常な凝塊において見出されるフィブリノゲンのバンディングパターンと同じである。任意の特定の理論に拘束されることを望まないが、天然コラーゲン繊維に沿って明らかであるバンディングは、コラーゲン中のタンパク質鎖のらせんパターンに起因し、インビボでのフィブリノゲン中のバンディングは、積み重ねられた構成における個々のフィブリン分子積層構成である。これらの実施形態の一部では、組成物は、フィブリン凝塊に特徴的なネットワークではなく、繊維ウェブで構成される。さらに、一部の実施形態では、電気処理されたフィブリノゲンは、天然フィブリノゲンとは異なり、水に溶解しない。

0151

本発明は、任意の材料の電気処理から生じる全ての天然又は天然合成ハイブリッド組成物を含む。電気処理の前、間、又は後に組成又は構造が変化する材料は、本発明の範囲内である。

0152

これらの電気処理された材料は、本発明の組成物を形成する際に他の材料及び/又は物質と組み合わせてもよいことを理解すべきである。一部の実施形態における電気処理された材料は、同じ効果を達成するために、非常に塩基性又は酸性のpHで(例えば、特定のpHを有する溶液からの電気処理により)調製する。別の例として、細胞を含む電気処理されたマトリックスは、電気処理された生物学的に適合するポリマー及び成長因子と組み合わせて、電気処理されたマトリックス中の細胞の成長及び分裂を刺激してもよい。

0153

足場中での使用のために電気処理された合成材料は、人工合成、加工、単離、又は製造の任意の方法を通じて調製された任意の材料を含む。合成材料は、好ましくは、インビボ又はインビトロでの投与のために生物学的に適合する。そのようなポリマーは以下を含むが、これらに限定しない:ポリ(ウレタン)、ポリ(シロキサン)又はシリコーン、ポリ(エチレン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ナイロンポリアミド、ポリ無水物、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)(EVOH)、ポリカプロラクトンポリ酢酸ビニルPVA)、ポリビニルヒドロキシド、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)、及びポリオルトエステル、又は生物学的に適合するように開発されうる他の同様の合成ポリマーを含むが、これらに限定しない。一部の好ましい合成材料は、PLA、PGA、PLA及びPGAのコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)、EVOH、PVA、及びPEOを含む。カチオン性部分を有するポリマーも一部の実施形態では好ましい。そのようなポリマーの例は、ポリ(アリルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(リシン)、及びポリ(アルギニン)を含むが、これらに限定しない。ポリマーは、任意の分子構造(直鎖、分岐グラフトブロック、スターコーム及びデンドリマー構造を含むが、これらに限定しない)を有してもよい。マトリックスは、エレクトロスピンされた繊維、エレクトロエアロゾル、エレクトロスプレーされた、もしくはエレクトロスパッタリングされた液滴、電気処理された粉末もしくは粒子、又はこれらの組み合わせで形成することができる。

0154

異なる天然及び合成物質、又はそれらの組み合わせを選択することにより、足場の多くの特徴を操作する。電気処理された材料及び物質で構成されるマトリックスの特性を調整してもよい。また、電気処理のための材料の選択は、移植されたマトリックスの永続性に影響を及ぼしうる。例えば、フィブリノゲン又はフィブリンを電気処理することにより作製された多くのマトリックスは、より迅速に分解しうるが、コラーゲンで作製された多くのマトリックスはより耐久性があり、電気処理材料により作製された多くのマトリックスはさらにより耐久性がある。このように、例えば、耐久性合成ポリマー(例、PLA、PGA)宙への組み入れにより、一部の実施形態において、フィブリノゲンの溶液から電気処理されたマトリックスの耐久性及び構造強度が増加する。電気処理天然材料(例えばWSsoyなど)により作製されたマトリックスの使用によっても、移植マトリックスへの拒絶又は免疫学的応答が最小限になる。したがって、電気処理及び物質送達における使用のための材料の選択は、所望の用途により影響される。

0155

一実施形態にでは、電気処理されたWSsoy、画分5、画分9、及び/又はSPIの生物活性ペプチド成分を含む皮膚パッチは、治癒促進剤、鎮痛剤、及び/又は麻酔剤や抗拒絶物質と組み合わせ、皮膚に適用し、その後に皮膚中に溶解しうる。マトリックスがマトリックスから放出される物質を含む実施形態では、電気処理された合成成分(例えば生体適合性物質など)を組み入れることにより、電気処理された組成物からの物質の放出を調節することができる。例えば、層状構造又は積層構造を使用して物質の放出プロファイルを制御することができる。非層状構造も使用することができ、この場合、放出は、構築物の各々の成分の相対的な安定性により制御される。例えば、交互の電気処理された材料からなる層状構造を、異なる材料を順に標的上で電気処理することにより調製する。外側層は、例えば、内側層よりも速く又は遅く溶解するように調整する。複数の薬剤を、この方法により、場合により異なる放出速度で送達することができる。層は、経時的な単一薬剤の複雑な多動態放出プロファイルを提供するように調整することができる。上記の組み合わせを使用することにより、放出される複数の物質の放出が提供され、各々がそれ自体のプロファイルを伴う。複雑なプロファイルが可能である。

0156

天然成分(例えば生体適合性物質など)を使用して、電気処理された材料又は電気処理された組成物からの物質の放出を調節することができる。例えば、制御された様式で放出される薬物もしくは一連の薬物又は他の物質もしくは物質は、一連の層中に電気処理することができる。層状構築物を移植することができ、連続層が溶解又は分解する際、各々の連続層が侵食されるにつれて薬物(又は薬物)が順番に放出される。一部の実施形態では、非層状構造を使用し、放出は、構築物の各々の成分の相対的安定性により制御される。

0157

一部の実施形態では、電気処理された材料自体治療効果を提供しうる。例えば、本明細書に記載するように、画分9は、α9β1インテグリンについてのリガンドとして作用することにより、それらの固定化状態でのそれらの活性を付与する生物活性成分を含む。従って、電気処理されたWSsoy及び/又はSPIの画分9は、治療効果を提供する。

0158

治療効果を有する材料の非限定的な例は、電気処理されたフィブリノゲン、トロンビン、フィブリン、又はそれらの組み合わせである。例えば、トロンビンはフィブリノゲンをフィブリンに変換する。フィブリンは出血の抑止(止血)を助ける。フィブリンは、治癒の初期段階に位置付けられる暫定マトリックスの成分であり、また、隣接領域における脈管構造の成長を促進しうる。多くの点で、フィブリンは自然治癒促進剤である。一部の実施形態では、電気処理されたフィブリノゲンはまた、治癒を補助する。患者の創傷と接触して置かれた場合、このような電気処理された材料はフィブリンと同じ治癒特性を提供する。

0159

特定の実施形態では、足場は、可溶性生物活性WSsoy成分をさらに含む。例えば、画分5はその可溶性形態でその生物活性を付与することを本明細書に記載している。このように、足場は、エレクトロスピン足場内にWSsoy及び/又は画分5を含んでもよい。例えば、足場は、可溶性WSsoy及び/又は画分5を放出するヒドロゲル層を含みうる。一実施形態では、エレクトロスピン足場は、可溶性WSsoy及び/又は画分5を含む埋め込まれたマイクロスフェアを含む。

0160

マトリックス又は足場の形成方法
生体適合性足場は、例えば、溶媒キャスティング圧縮成形フィラメント延伸、噛合、浸出製織発泡、エレクトロスピン、及びコーティングなどの方法を使用して成形してもよい。溶媒キャスティングでは、適当な溶媒中の1つ又は複数のタンパク質の溶液が分岐パターンレリーフ構造としてキャスティングされる。溶媒の蒸発後、薄膜が得られる。圧縮成形では、ポリマーを1平方インチあたり30,000ポンドまでの圧力で適当なパターンにプレスする。フィラメントの引き抜きは、溶融ポリマーからの引き抜きを含み、噛合は、繊維をフェルト様材料に圧縮することによりメッシュを形成することを含む。浸出において、2つの材料を含有する溶液を人工器官最終形態に近い形状に広げる。次に、溶剤を使用して成分の1つを溶解させ、孔を形成させる(Mikosの米国特許第5,514,378号を参照のこと)。

0161

足場は、任意の数の全体的な系、幾何学的形状、又は空間制限を満たすために任意の数の望ましい配置に成形してもよい。例えば、マトリックス又は足場は、処置される組織の全体又は部分の寸法及び形状に適合するように成形してもよい。足場は、異なるサイズの患者の器官又は創傷に適合するように、異なるサイズ及び形状に成形してもよい。マトリックス又は足場はまた、患者の特別なニーズに順応するように他の様式で成形してもよい。

0162

一実施形態では、足場に細胞の1つ又は複数の集団を播種して人工器官構築物を形成する。人工器官構築物は自己由来であることができ、細胞集団は被験体自身の組織由来、又は同種異系であり、細胞集団は患者と同じ種内の別の被験体から由来する。人工器官構築物は異種でもあることができ、異なる細胞集団が被験体とは異なる哺乳動物種から由来する。例えば、細胞は、哺乳動物(例えばヒト、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、及びヒツジなど)の器官から由来してもよい。

0163

細胞は、多くの供給源(例えば、生きている被験体からの生検及び死体からの全器官の回収を含む)から単離することができる。単離された細胞は、好ましくは、レシピエントであることが意図される被験体からの生検により得られた自己細胞である。例えば、腕、前腕、もしくは下肢からの骨格筋、又は少量のリドカイン皮下注射した局所麻酔薬で処置した部位の平滑筋の生検を培養中で増殖させる。生検は、急速で簡単な操作を行う迅速な処置針である生検針を使用して得ることができる。

0164

細胞を、当業者に公知の技術を使用して単離してもよい。例えば、組織もしくは器官を機械的に分解し、及び/又は隣接細胞間の結合を弱める消化酵素及び/又はキレート剤で処理して、認識できる細胞破壊なしに個々の細胞の懸濁液中に組織を分散させることができる。酵素的解離は、組織を刻み、多数の消化酵素のいずれかを用いて、刻んだ組織を単独で又は組み合わせて処理することにより達成することができる。これらは、トリプシンキモトリプシンコラゲナーゼエラスターゼ、及び/又はヒアルロニダーゼ、DNase、プロナーゼ及びディスパーゼを含むが、これらに限定しない。機械的破壊はまた、多くの方法(器官の表面の剥離、グラインダーブレンダー、ふるい、ホモジナイザー圧力セル、又はソニケーターの使用を含むが、これらに限定しない)により達成することができる。

0165

好ましい細胞型は、尿路上皮細胞間葉細胞、特に平滑筋細胞又は骨格筋細胞筋細胞筋幹細胞)、繊維芽細胞軟骨細胞脂肪細胞、繊維筋芽細胞、及び外胚葉細胞管細胞及び皮膚細胞を含む)、肝細胞島細胞、腸内に存在する細胞、及び他の実質細胞骨芽細胞、及び骨又は軟骨を形成する他の細胞を含むが、これらに限定しない。一部の場合では、神経細胞を含むことも望ましいであろう。他の場合には、幹細胞を含むことが望ましいであろう。

0166

一旦組織が個々の細胞の懸濁液に還元されれば、懸濁液を、細胞成分を得ることができる亜集団に分画することができる。これは、細胞分離のための標準的な技術(特定の細胞型のクローニング及び選択、不必要な細胞の選択的破壊(ネガティブ選択)、混合集団中での細胞分画凝集性に基づく分離、凍結融解手順、混合集団中での細胞の分画付着特性濾過、従来及びゾーン遠心分離遠心水簸(逆流遠心分離)、単位重力分離向流分配、電気泳動、及び蛍光活性細胞選別を含むが、これらに限定しない)を使用して達成してもよい。

0167

細胞画分は、例えば、ドナーが、疾患(例えば癌など)又は所望の組織に対する他の腫瘍の転移を有する場合には望ましいであろう。細胞集団を選別し、正常な非癌細胞から悪性細胞又は他の腫瘍細胞を分離してもよい。正常な非癌性細胞を、1つ又は複数の選別技術から単離し、次に器官再構築のために使用してもよい。

0168

単離された細胞は、生体適合性足場をコーティングするために利用可能な細胞の数を増加させるためにインビトロで培養することができる。同種異系細胞、より好ましくは自己細胞の使用が、組織拒絶を防止するために好ましい。しかし、人工器官の移植後に被験体に免疫学的応答が生じた場合、被験体を免疫抑制剤(例えばシクロスポリン又はFK506など)で処置し、拒絶反応の可能性を低減してもよい。特定の実施形態では、キメラ細胞、又はトランスジェニック動物からの細胞を、生体適合性足場上にコーティングすることができる。

0169

単離細胞を、遺伝材料でコーティングする前にトランスフェクトしてもよい。有用な遺伝材料は、例えば、宿主における免疫応答を低減又は排除することが可能な遺伝子配列でありうる。例えば、細胞表面抗原(例えばクラスI及びクラスII組織適合抗原など)の発現を抑制してもよい。これにより、移植細胞の宿主による拒絶の可能性が低減することが可能になりうる。また、トランスフェクションを遺伝子送達のために使用することもできる。

0170

単離細胞は、正常であるか、又は遺伝的に改変し、追加又は正常な機能を提供することができる。レトロウイルスベクター、ポリエチレングリコール、又は当業者に公知の他の方法を用いて細胞を遺伝子操作するための方法を使用することができる。これらには、細胞中核酸分子を輸送及び発現する発現ベクターの使用が含まれる(Goeddel; Gene Expression Technology: Methodsin Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)を参照のこと)。

0171

ベクターDNAを、従来の形質転換又はトランスフェクション技術を介して原核生物又は細胞に導入する。宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトするための適切な方法が、Sambrook et al.(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press (2001))及び他の実験室用教科書に記載されている。

0172

マトリックス又は足場への細胞の播種は、標準的な方法に従って実施することができる。例えば、組織修復における使用のためのポリマー基質上への細胞の播種が報告されている(例、Atala, A. et al., J. Urol. 148(2 Pt 2): 658-62 (1992);Atala, A., et al. J. Urol. 150 (2 Pt 2): 608-12 (1993)を参照のこと)。培養中で成長させた細胞をトリプシン処理して細胞を分離することができ、分離した細胞をマトリックス上に播種することができる。あるいは、細胞培養から得られた細胞を、細胞層として培養プレートから持ち上げることができ、細胞層は、細胞を事前に分離することなく、足場上に直接播種することができる。

0173

好ましい実施形態では、100万〜700億5,000万個の範囲の細胞を培地中に懸濁し、足場の表面の各1平方センチメートルに適用する。好ましくは、100万〜5,000万個の細胞、より好ましくは100万〜1,000万個の細胞を培地中に懸濁し、足場の表面の各1平方センチメートルに適用する。マトリックス又は足場を、細胞が付着するまでの期間にわたり、標準的な培養条件(例えば37℃、5%CO2など)下でインキュベートする。しかし、足場上に播種された細胞の密度は変動しうることが理解されるであろう。例えば、より高い細胞密度により、播種細胞によるより大きな組織再生が促進されるが、より低い密度により、宿主から移植片に浸潤する細胞による組織の比較的大きな再生が可能になりうる。他の播種技術をマトリックス又は足場及び細胞に依存して使用してもよい。例えば、細胞を、真空濾過によりマトリックス又は足場に適用してもよい。細胞型の選択、及び足場上への細胞の播種は、本明細書の教示に照らして当業者にはルーチンであろう。

0174

一実施形態では、足場に1つの細胞集団を播種して人工器官構築物を形成する。別の実施形態では、マトリックス又は足場は、2つの異なる細胞集団を用いて2つの側に播種される。これは、最初にマトリックス又は足場の片側に播種し、次に他の側に播種することにより実施してもよい。例えば、足場は、1つの側を上に配置して播種してもよい。次に、マトリックス又は足場を、第2の側が上になるように再配置してもよい。第2の側には、次に、第2の細胞集団を播種してもよい。あるいは、マトリックス又は足場の両側を同時に播種してもよい。例えば、2つの細胞チャンバーを足場の両側(即ち、サンドイッチ)に配置してもよい。2つのチャンバーを異なる細胞集団で満たし、マトリックス又は足場の両側を同時に播種してもよい。サンドイッチされた足場を回転させるか、又は頻繁にひっくり返して、両方の細胞集団について等しい付着機会を可能にしてもよい。同時播種が、マトリックス又は足場の細孔が1つの側から他の側への細胞通過のために十分に大きい場合には好ましいであろう。足場の両側に同時に播種することにより、細胞が反対側に移動する可能性を低減することができる。

0175

別の実施形態では、2つの別々の足場に異なる細胞集団を播種してもよい。播種後、2つのマトリックスを一緒に付着させて、2つの異なる細胞集団を伴う単一のマトリックス又は足場を両側に形成してもよい。足場同士の付着は、標準的な手順(例えばフィブリン糊液体コポリマー縫合糸など)を使用して実施してもよい。

0176

本発明の足場上での細胞増殖を促すために、足場は、1つ又は複数の細胞接着促進剤でコーティングしてもよい。これらの薬剤は、コラーゲン、ラミニン、及びフィブロネクチンを含むが、これらに限定しない。足場はまた、足場上で培養された細胞を含み、標的組織代替物を形成しうる。本発明の足場を使用して形成されうる標的組織は、動脈血管でありうるが、ここでは、一連のマイクロファイバーが、動脈血管の中間層においてエラスチンの配置を模倣するように配置される。あるいは、他の細胞を本発明の足場上で培養してもよい。これらの細胞は、足場上で培養されて血管代替物を形成する細胞、足場上で培養されて上皮組織を形成する上皮細胞、足場上で培養され筋肉組織を形成する筋細胞、足場上で培養されて内皮組織を形成する内皮細胞、足場上で培養されて骨格筋組織を形成する骨格筋細胞、足場上で培養されて心筋組織を形成する心筋細胞、足場上で培養されて軟骨を形成するコラーゲン繊維、足場上で培養されて弁組織を形成する間質弁細胞、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定しない。

0177

治療適用
増大すべき器官又は組織への足場の移植は、本明細書に記載する方法に従って、又は当技術分野で認められている方法に従って実施することができる。マトリックス又は足場は、移植材料標的器官縫合することにより、被験体の器官又は組織に移植することができる。全器官置換のための新生器官構築物の移植は、本明細書に記載する方法に従って、又は当技術分野で認められている外科的方法に従って実施することができる。足場は、生物製剤、薬物を活性化する酵素、プロテアーゼ阻害剤などの送達にも有用である。

0178

一実施形態では、本発明は、天然の皮膚繊維芽細胞及びケラチノサイトの誘導による創傷治癒が、足場を定植し、適当なマトリックス成分を分泌するように方向づけるためのプラットフォームとしての天然タンパク質ベースの足場の使用を含む。一部の例では、足場は所望の細胞を含むこともできる。例えば、足場は、血管新生成長因子及びサイトカインを発現し、創傷治癒関連サイトカインを分泌し、コラーゲンを分泌し、及びインビボで創傷治癒を促進する能力を有する細胞を含むことができる。

0179

記載する本発明の足場は、臨床的及び個人的な創傷ケア並びに軟部組織再生のために有用でありうる。本発明の一態様では、足場は、外皮創傷用のための創傷ドレッシング材又は移植片として使用する。臨床現場では、足場は、外傷、火傷、潰瘍、擦過傷、裂傷、手術、又は他の損傷から生じる創傷を処置するために使用することができる。外科医は、これらの移植片を使用して、創傷領域を被覆して保護し、喪失又は損傷した皮膚組織を一時的に置換し、損傷領域に新しい組織生成及び創傷治癒に導くことができる。臨床状況では、足場は、縫合糸、接着剤、又は包帯を使用して創傷領域に固定してもよい。足場は、創傷の大きさに合わせて切断されてもよく、又は創傷辺縁と重なってもよい。

0180

本発明の別の態様では、足場は、足場包帯を作製するためにシートを接着性裏地と組み合わせることにより、個人/在宅ケア用に調整してもよい。接着部分により、創傷部位上の足場を適所に保持することができ、繊維が分解する又は組織と融合する場合に除去することができる。足場シートは、液体又はゲル接着剤を用いて固定してもよい。

0181

本発明の別の態様では、足場シートは、流体を吸収し大きな創傷を保護するためのガーゼとして使用することができる。この足場ガーゼは、創傷部位に巻き付けるか、テープで固定することができる。

0182

本発明の別の態様では、足場シートは、内部軟部組織創傷(例えば羊水中の創傷、胃腸管又は粘膜中の潰瘍、歯肉の損傷又は後退、内部の外科切開又は生検など)を処置するために使用することができる。足場移植片は、適所に縫合又は接着して損傷組織部位を充填又は被覆することができる。

0183

足場は、創傷治癒のために有用な多数の特徴を有する。第一に、ナノファイバーを含む、本明細書に記載するポリマー足場は、ナノ多孔性及び通気性の両方である。それらは微生物及び感染性粒子が通過するのを予防することができるが、自然な創傷治癒において重要な空気流及び水分浸透を可能にする。

0184

第二に、本発明の繊維は生分解性であり、一時的な創傷被覆、それに続く新組織での最終的な内殖を可能にする。足場創傷ドレッシング材用の材料の選択は、機械的強度及び分解速度/組織再生を含む自然の組織特徴に適合するように決定することができる。

0185

第三に、足場は、分解の際に放出されうる種々の因子を用いて埋め込んでもよく、結合させてもよい。これらの因子は、表皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、トランスフォーミング成長因子β(TGF−β)、及びメタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP)を含むが、これらに限定しない。これらは創傷治癒において有益であることが示されている。追加の創傷治癒因子(例えば抗生物質、殺菌剤、殺菌剤、銀含有剤、鎮痛剤、及び一酸化窒素放出化合物など)も足場創傷ドレッシング材又は移植片中に組み入れることができる。

0186

第四に、創傷治癒のための足場移植片は、より速い組織再生及びより自然な組織構造のために、細胞と播種することができる。これらの細胞は、繊維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、間葉幹細胞、及び/又は胚性幹細胞を含むが、これらに限定しない。

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