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技術 軽度認知障害の処置のためのJNKシグナル伝達経路の細胞透過性ペプチド阻害剤の新規使用

出願人 ザイジェンインフラメーションエルティーディー
発明者 ジャン-マルク・コンベットカトリーヌ・デローシュ
出願日 2016年6月24日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-566407
公開日 2018年9月6日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2018-525337
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 部分回避 頭頂領域 アクロニム 機能的ユニット 動作障害 ダンバー 精神的作業 有色色素
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図面 (12)

課題・解決手段

本発明は、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害防止及び/又は処置のための、タンパク質キナーゼ阻害剤の使用、より具体的には、タンパク質キナーゼであるc−JunN末端キナーゼ阻害剤JNK阻害剤配列キメラペプチド、又はそれをコードする核酸並びにそれを含有する医薬組成物の使用に言及するものである。

概要

背景

c−JunN末端キナーゼは、分裂促進因子活性化タンパク質MAP)キナーゼのストレス活性化群のメンバーである。これらのキナーゼは、細胞増殖及び分化の制御、より一般的には、環境刺激に対する細胞応答関与してきた。JNKシグナル伝達経路は、環境ストレスに応答して、また、いくつかのクラスの細胞表面受容体の関与によって活性化される。これらの受容体は、サイトカイン受容体セルペンチン受容体及び受容体チロシンキナーゼを含んでもよい。哺乳動物細胞において、JNKは発がん性形質転換などの生物学的プロセス及び環境ストレスに対する適応反応の媒介に関与してきた。JNKはまた、免疫細胞成熟及び分化などを含む免疫応答の調節、並びに免疫系による破壊について同定された細胞におけるプログラム細胞死の実行と関連してきた。このユニークな特性は、JNKシグナリングを、薬学介入を開発するための有望な標的にする。いくつかの神経障害のうち、JNKシグナリングは虚血性脳卒中及びパーキンソン病に特に関与するが、以下に更に記載される他の疾患にも関与する。また、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)は、脊髄神経結紮(SNL)によりもたらされる神経障害性疼痛に関与し、SNLはJNK、特に、JNK1の遅く持続的な活性化を誘導するが、p38分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ活性化はSNL後に脊髄ミクログリア中に見出され、21日までに基底レベル近くまで低下したことも示された(非特許文献1)。

したがって、JNKシグナリング経路阻害又は中断、特に、JNKシグナリング経路の阻害剤の提供は、前述の神経障害に対抗するための有望な手法であると考えられる。しかしながら、今までのところ知られるJNKシグナリング経路の阻害剤はほんのわずかしか存在しない。

先行技術において既に公知であるJNKシグナリング経路の阻害剤としては、特に、例えば、上流キナーゼ阻害剤(例えば、CEP−1347)、例えば、タンパク質キナーゼATP結合部位競合することによってキナーゼ活性に直接影響するJNKの低分子化学的阻害剤(SP600125及びAS601245)、並びにJNKとその基質(D−JNKI及びI−JIP)との相互作用ペプチド阻害剤(例えば、非特許文献2)が挙げられる。

上流キナーゼ阻害剤CEP−1347(KT7515)は、混合系統キナーゼファミリー半合成阻害剤である。CEP−1347(KT7515)は、栄養除去後の初代胚性培養物及び分化したPC12細胞において、並びに1−メチル−4−フェニルテトラヒドロピリジン処置されたマウスにおいてc−JunN末端キナーゼ(JNK)の活性化を阻害する用量でニューロン生存を促進する。更に、CEP−1347(KT7515)は、培養ニワトリ胚後根神経節交感神経毛様体及び運動ニューロン長期生存を促進することができる(例えば、非特許文献3を参照されたい)。

低分子化学的JNK阻害剤SP600125は、C57BL/6NマウスにおけるMPTP誘発性PDにおいて、c−Junリン酸化のレベルを低下させ、ドーパミン作動性ニューロンアポトーシスから保護し、ドーパミンのレベルを部分的に回復させることが見出された(非特許文献4)。これらの結果は、JNK経路がin vivoでのMPTPの神経毒性効果の主要なメディエータであり、JNK活性の阻害がPDを処置するための新しく有効なストラテジーであり得ることを更に示している。

低分子化学的阻害剤の更なる例は、上記のJNK阻害剤AS601245である。AS601245は、JNKシグナリング経路を阻害し、脳虚血後の細胞生存を促進する。in vivoで、AS601245は、一過性全脳虚血スナネズミモデルにおいて海馬CA1ニューロン遅延喪失に対する有意な保護を提供した。この効果はJNK阻害によって、したがって、c−Junの発現及びリン酸化によって媒介される(例えば、非特許文献5を参照されたい)。

第3のクラスのJNKシグナリング経路の阻害剤は、上記のような、JNKとその基質との相互作用のペプチド阻害剤である。そのようなJNK阻害剤ペプチド構築のための出発点として、天然に存在するJNKタンパク質配列アラインメントを使用することができる。典型的には、これらのタンパク質は、JNK結合ドメインJBD)を含み、IB1又はIB2などの様々なインスリン結合(IB)タンパク質中に存在する。そのような例示的な配列アラインメントの結果は、例えば、IB1(配列番号13)、IB2(配列番号14)、c−Jun(配列番号15)及びATF2(配列番号16)のJNK結合ドメインの間の配列アラインメントである(例えば、図1A〜図1Cを参照されたい)。そのようなアラインメントは、部分的に保存された8アミノ酸の配列を示す(例えば、図1Aを参照されたい)。IB1とIB2のJBDの比較は、2つの配列間で高度に保存された7個及び3個のアミノ酸の2つのブロックを更に示す。

そのようなアラインメントに基づいて構築された配列は、例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3に開示されている。特許文献2、特許文献1、及び特許文献3は、HIVTATタンパク質の基本輸送配列由来するいわゆるTAT細胞透過配列と、IB1の最小20アミノ酸の阻害的配列とを含む、低分子細胞透過性融合ペプチドを開示する。両成分は、互いに共有結合される。特許文献2、特許文献1、及び特許文献3に開示されたMAPK−JNKシグナリング経路の例示的な(及び現在唯一の)阻害剤は、例えば、L−JNKI1(Lアミノ酸から構成されるJNK阻害剤ペプチド)又は、特に、プロテアーゼ耐性D−JNKI1ペプチド(非天然Dアミノ酸から構成されるJNK阻害剤ペプチド)である。これらのJNK阻害剤(JNKI)ペプチドは、JNK(JNK1、JNK2及びJNK3)に対して特異的である。上記で考察されたこれらの低分子化合物阻害剤とは対照的に、特許文献2、特許文献1、及び特許文献3中の阻害剤配列、例えば、JNKI1はむしろ、JNKとその基質との相互作用を阻害する。TATに由来するその輸送配列により、融合ペプチドは細胞中に効率的に輸送される。輸送成分により得られる新規特性のため、融合ペプチドは細胞中に能動的に輸送され、そこでそれらはタンパク質分解的分解まで有効なままである。

特許文献3は、特に、アルツハイマー病の処置におけるそのような新規JNK阻害剤ペプチドの使用を開示する。しかしながら、軽度認知障害(MCI)は、アルツハイマー病(AD)と異なり、認知症を伴わない患者において診断される。認知症を伴わないことが、ADとMCIとを区別する幾つかの重要な基準の一つである。

軽度認知障害は、個人年齢及び教育レベルから予想されるよりも大きく且つ認知症の診断基準を満たさない、認知及び機能の主観的及び客観的低下として定義される症候群である。しかしながら、MCIと診断された高齢患者は、認知症、特に、アルツハイマー病(AD)のほか、他の認知症、例えば、血管性認知症前頭側頭型認知症(FTD)、及びレビー小体型認知症(DLB)などを発症する高リスク人口を構成する。MCIは、認知症を伴わない、本質的に正常な機能活性を有する人における、加齢による客観的な認知に関する訴えであると、しばしば言及される。65以上の人の19%がこれに罹患する。同年齢の人口では3%であるのに対して、MCIの人では約46%が3年以内に認知症を発症する。

特に高齢患者において、軽度認知障害の罹患率が高いにもかかわらず、現在、軽度認知障害の処置のための薬剤承認されていない。MCIと診断された患者は、アルツハイマー病などの認知症、及び他の認知症を発症するリスクがより高いので、アルツハイマー病の処置のために承認されている薬剤の多くが、MCIの潜在的な治療剤として幾つかの臨床試験で評価されている。しかしながら、アルツハイマー病を治療するために承認された薬剤は、MCIにおいて又はMCIの認知症への進行の遅延又は防止において持続的な利益を示していない。

すなわち、ドネペジルガランタミン、及びリバスチグミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤が、アルツハイマー病の処置のために承認されている。しかしながら、MCIの臨床試験において、有望な結果を示したコリンエステラーゼ阻害剤はなかった(非特許文献6)。これに鑑みて、コリンエステラーゼ阻害剤は、MCIに対して臨床的に処方しないことが推奨されている(非特許文献7;非特許文献6)。

コリンエステラーゼ阻害剤に加えて、ニコチンイチョウ(gingko biloba)、ビタミンB群ビタミンE、及びオメガ多価不飽和脂肪酸などの他の化合物も、MCIの潜在的な治療剤として評価されたが、それらの研究の結果は、有望でも特すべきものでもなかった。

概要

本発明は、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害防止及び/又は処置のための、タンパク質キナーゼ阻害剤の使用、より具体的には、タンパク質キナーゼであるc−JunN末端キナーゼの阻害剤、JNK阻害剤配列キメラペプチド、又はそれをコードする核酸並びにそれを含有する医薬組成物の使用に言及するものである。

目的

本発明の目的は、軽度認知障害(MCI)、特に、アルツハイマー病(AD)に起因するMCIを防止及び/又は処置するための化合物を同定することである

効果

実績

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請求項1

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、150未満の長さのアミノ酸を含むJNK阻害剤配列

請求項2

前記JNK阻害剤配列が、5〜150個の範囲のアミノ酸残基、より好ましくは10〜100個の範囲のアミノ酸残基、更により好ましくは10〜75個の範囲のアミノ酸残基、最も好ましくは10〜50個の範囲のアミノ酸残基を含む請求項1に従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項3

前記JNK阻害剤配列が、c−junN末端キナーゼ(JNK)に結合する請求項1から2のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項4

前記JNK阻害剤配列がJNK発現細胞中に存在する場合に、前記JNK阻害剤配列が少なくとも1つのJNK標的転写因子活性化を阻害する請求項1から3のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項5

前記JNK標的転写因子が、c−Jun、ATF2、及びElklからなる群から選択される請求項4に従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項6

前記ペプチドがJNK発現細胞中に存在する場合に、前記JNK阻害剤配列がJNK効果を変化させる請求項1から5のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項7

前記JNK阻害剤配列が、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又は両方の組合せから構成され、好ましくは、少なくとも1個又は更には2個、好ましくは、少なくとも3、4又は5個、より好ましくは、少なくとも6、7、8又は9個及び更により好ましくは、少なくとも10個又はそれ以上のD−及び/又はL−アミノ酸を含み、前記D−及び/又はL−アミノ酸がブロックごとに(blockwise)、非ブロックごとに(non−blockwise)、又は交互の様式で前記JNK阻害剤配列中に配置され得る請求項1から6のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項8

前記JNK阻害剤配列が、配列番号102、配列番号103、配列番号104又は配列番号105の配列のいずれかにより定義又はコードされるヒト又はラットIB1配列の断片、バリアント、又はそのような断片のバリアントを含む請求項1から7のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項9

前記JNK阻害剤配列が、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の少なくとも1つのアミノ酸配列、又はその断片、誘導体若しくはバリアントを含む又はからなる請求項1から8のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列。

請求項10

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、共有結合により連結される少なくとも1つの第1のドメイン及び少なくとも1つの第2のドメインを含み、前記第1のドメインが輸送配列を含み、前記第2のドメインが請求項1から9のいずれかに定義されたJNK阻害剤配列を含むことを特徴とするキメラペプチド

請求項11

前記キメラペプチドが、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又は両方の組合せから構成され、好ましくは、少なくとも1個又は更には2個、好ましくは、少なくとも3、4又は5個、より好ましくは、少なくとも6、7、8又は9個及び更により好ましくは、少なくとも10個又はそれ以上のD−及び/又はL−アミノ酸を含み、前記D−及び/又はL−アミノ酸がブロックごとに、非ブロックごとに、又は交互の様式で前記キメラペプチド中に配置され得る請求項10に従って使用するためのキメラペプチド。

請求項12

前記輸送配列が、ヒト免疫不全ウイルスTATポリペプチドのアミノ酸配列を含む請求項10から11のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項13

前記輸送配列が、配列番号5、6、7、8、21又は22のアミノ酸配列からなる又は含む請求項10から12のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項14

前記輸送配列が、前記ペプチドの細胞取込みを増大させる請求項10から13のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項15

前記輸送配列が前記ペプチドの核局在化を導く請求項10から14のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項16

前記キメラペプチドが、配列番号9〜12及び23〜32のいずれかのアミノ酸配列、又はその断片、若しくはバリアントからなる又は含む請求項10から15のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項17

前記キメラペプチドが、配列番号9又は11と少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる又は含む請求項10から16のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項18

前記キメラペプチドが、配列番号9又は11のアミノ酸配列からなる又は含む請求項17に従って使用するためのキメラペプチド。

請求項19

前記キメラペプチドが、(i)配列番号11のアミノ酸配列、又は(ii)配列番号11と少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる又は含む請求項17から18のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項20

(i)前記キメラペプチドのC末端が、アミド修飾により修飾されている、及び/又は(ii)前記キメラペプチドのN末端が、NH2保護基によって、例えばアシル化によって修飾されている請求項10から19のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド。

請求項21

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置に使用するための、(a)請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドと、(b)PK阻害剤との組合せ。

請求項22

前記組合せが、(c)アミロイド低下剤、及び/又は(d)グルココルチコイドを更に含む請求項21に従って使用するための組合せ。

請求項23

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置に使用するための、(a)請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドと、(b)アミロイド低下剤との組合せ。

請求項24

前記組合せが、(c)PKR阻害剤、及び/又は(d)グルココルチコイドを更に含む請求項23に従って使用するための組合せ。

請求項25

前記JNK阻害剤配列又は前記キメラペプチドが、前記PKR阻害剤、前記アミロイド低下剤、及び/又は前記グルココルチコイドの前後に投与される請求項21から24のいずれかに従って使用するための組合せ。

請求項26

前記JNK阻害剤配列又はキメラペプチドが、前記PKR阻害剤、前記アミロイド低下剤、及び/又は前記グルココルチコイドと同一又は異なる投与経路で投与される請求項21から25のいずれかに従って使用するための組合せ。

請求項27

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドと、薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする医薬組成物

請求項28

前記医薬組成物が、PKR阻害剤を更に含む請求項27に従って使用するための医薬組成物。

請求項29

前記医薬組成物が、アミロイド低下剤及び/又はグルココルチコイドを更に含む請求項27から28のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項30

前記軽度認知障害が、健忘性軽度認知障害(a−MCI)又は非健忘性軽度認知障害(na−MCI)、好ましくは、前記軽度認知障害が、健忘性軽度認知障害(a−MCI)、より好ましくは、前記軽度認知障害が、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害である請求項1から9のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から29のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項31

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドをコードすることを特徴とする単離された核酸

請求項32

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、請求項31に定義される核酸を含むことを特徴とするベクター

請求項33

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、請求項31に定義される単離された核酸及び/又は請求項32に定義されるベクターを含むことを特徴とする細胞。

請求項34

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドに免疫特異的に結合することを特徴とする抗体。

請求項35

前記JNK阻害剤配列、前記キメラペプチド、又は前記医薬組成物が、(i)静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮などの非経口経路、(ii)経口、直腸などの経腸経路、(iii)経鼻鼻腔内などの局所経路、(iv)CSF内、髄腔内などの血液脳関門を避ける投与経路、及び(v)表皮又はパッチ送達などの他の経路からなる群から選択される投与経路によって投与される、請求項1から9及び30のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20及び30のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26及び30のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から30のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項36

前記JNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの用量(体重1kgあたり)が、10mmol/kgまで、好ましくは、1mmol/kgまで、より好ましくは、100μmol/kgまで、更により好ましくは、10μmol/kgまで、更により好ましくは、1μmol/kgまで、更により好ましくは、100nmol/kgまで、最も好ましくは、50nmol/kgまでの範囲にある、請求項1から9、30及び35のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20、30及び35のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26、30及び35のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から30及び35のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項37

前記JNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの用量(体重1kgあたり)が、100mg/kgまで、好ましくは、50mg/kgまで、より好ましくは、10mg/kgmまで、最も好ましくは、1mg/kgまでの範囲にある、請求項1から9、30、35及び36のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20、30、35及び36のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26、30、35及び36のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から30、35及び36のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項38

前記JNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの用量が、約1pmol/kg〜約1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.01mmol/kg、約50pmol/kg〜約1μmol/kg、約100pmol/kg〜約500nmol/kg、約200pmol/kg〜約300nmol/kg、約300pmol/kg〜約100nmol/kg、約500pmol/kg〜約50nmol/kg、約750pmol/kg〜約30nmol/kg、約250pmol/kg〜約5nmol/kg、約1nmol/kg〜約10nmol/kg、又は前記値のいずれか2つの組合せの範囲にある、請求項1から9、30、35から37のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20、30、35から37のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26、30、35から37のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から30、35から37のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項39

前記JNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの用量(体重1kgあたり)が、1μg/kg〜100mg/kg、好ましくは、10μg/kg〜50mg/kg、より好ましくは、100μg/kg〜10mg/kg、最も好ましくは、500μg/kg〜1mg/kgの範囲にある、請求項1から9、30、35から38のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20、30、35から38のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26、30、35から38のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から30、35から38のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項40

前記JNK阻害剤配列及び/又は前記キメラペプチドが、繰り返し投与される、好ましくは、1ヶ月間ごとに少なくとも1回、3週間ごとに少なくとも1回、2週間ごとに少なくとも1回、又は1週間ごとに少なくとも1回投与される;より好ましくは、1ヶ月間ごとに少なくとも1回、3週間ごとに少なくとも1回、又は2週間ごとに少なくとも1回投与される;更により好ましくは、1ヶ月間ごとに少なくとも1回又は3週間ごとに少なくとも1回投与される;最も好ましくは、3週間ごとに少なくとも1回投与される、請求項1から9、30、35から39のいずれかに従って使用するためのJNK阻害剤配列、請求項10から20、30、35から39のいずれかに従って使用するためのキメラペプチド、請求項21から26、30、35から39のいずれかに従って使用するための組合せ、又は請求項27から30、35から39のいずれかに従って使用するための医薬組成物。

請求項41

軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の処置及び/又は防止のための(医薬組成物の調製のための)請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドの使用。

請求項42

それを必要とする対象における軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害を防止及び/又は処置する方法であって、前記対象に、請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドを投与することを含むことを特徴とする方法。

請求項43

請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列、請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチド、請求項21から26のいずれかに定義される組合せ、又は請求項27から29のいずれかに定義される医薬組成物が前記対象に投与される請求項42に記載の方法。

請求項44

前記対象が、軽度認知障害、好ましくは健忘性又は非健忘性軽度認知障害、より好ましくは健忘性軽度認知障害、更により好ましくはアルツハイマー病に起因する軽度認知障害と診断された対象である請求項42に記載の方法。

請求項45

前記JNK阻害剤配列又は前記キメラペプチドが請求項35から40のいずれかに定義されるように投与される請求項42に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、軽度認知障害の防止及び/又は処置のための、タンパク質キナーゼ阻害剤の使用、より具体的には、タンパク質キナーゼc−JunN末端キナーゼ阻害剤(JNK)、JNK阻害剤配列キメラペプチド、又はそれをコードする核酸の使用並びにそれを含有する医薬組成物の使用に言及するものである。

背景技術

0002

c−JunN末端キナーゼは、分裂促進因子活性化タンパク質MAP)キナーゼのストレス活性化群のメンバーである。これらのキナーゼは、細胞増殖及び分化の制御、より一般的には、環境刺激に対する細胞応答関与してきた。JNKシグナル伝達経路は、環境ストレスに応答して、また、いくつかのクラスの細胞表面受容体の関与によって活性化される。これらの受容体は、サイトカイン受容体セルペンチン受容体及び受容体チロシンキナーゼを含んでもよい。哺乳動物細胞において、JNKは発がん性形質転換などの生物学的プロセス及び環境ストレスに対する適応反応の媒介に関与してきた。JNKはまた、免疫細胞成熟及び分化などを含む免疫応答の調節、並びに免疫系による破壊について同定された細胞におけるプログラム細胞死の実行と関連してきた。このユニークな特性は、JNKシグナリングを、薬学介入を開発するための有望な標的にする。いくつかの神経障害のうち、JNKシグナリングは虚血性脳卒中及びパーキンソン病に特に関与するが、以下に更に記載される他の疾患にも関与する。また、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)は、脊髄神経結紮(SNL)によりもたらされる神経障害性疼痛に関与し、SNLはJNK、特に、JNK1の遅く持続的な活性化を誘導するが、p38分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ活性化はSNL後に脊髄ミクログリア中に見出され、21日までに基底レベル近くまで低下したことも示された(非特許文献1)。

0003

したがって、JNKシグナリング経路阻害又は中断、特に、JNKシグナリング経路の阻害剤の提供は、前述の神経障害に対抗するための有望な手法であると考えられる。しかしながら、今までのところ知られるJNKシグナリング経路の阻害剤はほんのわずかしか存在しない。

0004

先行技術において既に公知であるJNKシグナリング経路の阻害剤としては、特に、例えば、上流キナーゼ阻害剤(例えば、CEP−1347)、例えば、タンパク質キナーゼのATP結合部位競合することによってキナーゼ活性に直接影響するJNKの低分子化学的阻害剤(SP600125及びAS601245)、並びにJNKとその基質(D−JNKI及びI−JIP)との相互作用ペプチド阻害剤(例えば、非特許文献2)が挙げられる。

0005

上流キナーゼ阻害剤CEP−1347(KT7515)は、混合系統キナーゼファミリー半合成阻害剤である。CEP−1347(KT7515)は、栄養除去後の初代胚性培養物及び分化したPC12細胞において、並びに1−メチル−4−フェニルテトラヒドロピリジンで処置されたマウスにおいてc−JunN末端キナーゼ(JNK)の活性化を阻害する用量でニューロン生存を促進する。更に、CEP−1347(KT7515)は、培養ニワトリ胚後根神経節交感神経毛様体及び運動ニューロン長期生存を促進することができる(例えば、非特許文献3を参照されたい)。

0006

低分子化学的JNK阻害剤SP600125は、C57BL/6NマウスにおけるMPTP誘発性PDにおいて、c−Junリン酸化のレベルを低下させ、ドーパミン作動性ニューロンアポトーシスから保護し、ドーパミンのレベルを部分的に回復させることが見出された(非特許文献4)。これらの結果は、JNK経路がin vivoでのMPTPの神経毒性効果の主要なメディエータであり、JNK活性の阻害がPDを処置するための新しく有効なストラテジーであり得ることを更に示している。

0007

低分子化学的阻害剤の更なる例は、上記のJNK阻害剤AS601245である。AS601245は、JNKシグナリング経路を阻害し、脳虚血後の細胞生存を促進する。in vivoで、AS601245は、一過性全脳虚血スナネズミモデルにおいて海馬CA1ニューロン遅延喪失に対する有意な保護を提供した。この効果はJNK阻害によって、したがって、c−Junの発現及びリン酸化によって媒介される(例えば、非特許文献5を参照されたい)。

0008

第3のクラスのJNKシグナリング経路の阻害剤は、上記のような、JNKとその基質との相互作用のペプチド阻害剤である。そのようなJNK阻害剤ペプチド構築のための出発点として、天然に存在するJNKタンパク質配列アラインメントを使用することができる。典型的には、これらのタンパク質は、JNK結合ドメインJBD)を含み、IB1又はIB2などの様々なインスリン結合(IB)タンパク質中に存在する。そのような例示的な配列アラインメントの結果は、例えば、IB1(配列番号13)、IB2(配列番号14)、c−Jun(配列番号15)及びATF2(配列番号16)のJNK結合ドメインの間の配列アラインメントである(例えば、図1A〜図1Cを参照されたい)。そのようなアラインメントは、部分的に保存された8アミノ酸の配列を示す(例えば、図1Aを参照されたい)。IB1とIB2のJBDの比較は、2つの配列間で高度に保存された7個及び3個のアミノ酸の2つのブロックを更に示す。

0009

そのようなアラインメントに基づいて構築された配列は、例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3に開示されている。特許文献2、特許文献1、及び特許文献3は、HIVTATタンパク質の基本輸送配列由来するいわゆるTAT細胞透過配列と、IB1の最小20アミノ酸の阻害的配列とを含む、低分子細胞透過性融合ペプチドを開示する。両成分は、互いに共有結合される。特許文献2、特許文献1、及び特許文献3に開示されたMAPK−JNKシグナリング経路の例示的な(及び現在唯一の)阻害剤は、例えば、L−JNKI1(Lアミノ酸から構成されるJNK阻害剤ペプチド)又は、特に、プロテアーゼ耐性D−JNKI1ペプチド(非天然Dアミノ酸から構成されるJNK阻害剤ペプチド)である。これらのJNK阻害剤(JNKI)ペプチドは、JNK(JNK1、JNK2及びJNK3)に対して特異的である。上記で考察されたこれらの低分子化合物阻害剤とは対照的に、特許文献2、特許文献1、及び特許文献3中の阻害剤配列、例えば、JNKI1はむしろ、JNKとその基質との相互作用を阻害する。TATに由来するその輸送配列により、融合ペプチドは細胞中に効率的に輸送される。輸送成分により得られる新規特性のため、融合ペプチドは細胞中に能動的に輸送され、そこでそれらはタンパク質分解的分解まで有効なままである。

0010

特許文献3は、特に、アルツハイマー病の処置におけるそのような新規JNK阻害剤ペプチドの使用を開示する。しかしながら、軽度認知障害(MCI)は、アルツハイマー病(AD)と異なり、認知症を伴わない患者において診断される。認知症を伴わないことが、ADとMCIとを区別する幾つかの重要な基準の一つである。

0011

軽度認知障害は、個人年齢及び教育レベルから予想されるよりも大きく且つ認知症の診断基準を満たさない、認知及び機能の主観的及び客観的低下として定義される症候群である。しかしながら、MCIと診断された高齢患者は、認知症、特に、アルツハイマー病(AD)のほか、他の認知症、例えば、血管性認知症前頭側頭型認知症(FTD)、及びレビー小体型認知症(DLB)などを発症する高リスク人口を構成する。MCIは、認知症を伴わない、本質的に正常な機能活性を有する人における、加齢による客観的な認知に関する訴えであると、しばしば言及される。65以上の人の19%がこれに罹患する。同年齢の人口では3%であるのに対して、MCIの人では約46%が3年以内に認知症を発症する。

0012

特に高齢患者において、軽度認知障害の罹患率が高いにもかかわらず、現在、軽度認知障害の処置のための薬剤承認されていない。MCIと診断された患者は、アルツハイマー病などの認知症、及び他の認知症を発症するリスクがより高いので、アルツハイマー病の処置のために承認されている薬剤の多くが、MCIの潜在的な治療剤として幾つかの臨床試験で評価されている。しかしながら、アルツハイマー病を治療するために承認された薬剤は、MCIにおいて又はMCIの認知症への進行の遅延又は防止において持続的な利益を示していない。

0013

すなわち、ドネペジルガランタミン、及びリバスチグミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤が、アルツハイマー病の処置のために承認されている。しかしながら、MCIの臨床試験において、有望な結果を示したコリンエステラーゼ阻害剤はなかった(非特許文献6)。これに鑑みて、コリンエステラーゼ阻害剤は、MCIに対して臨床的に処方しないことが推奨されている(非特許文献7;非特許文献6)。

0014

コリンエステラーゼ阻害剤に加えて、ニコチンイチョウ(gingko biloba)、ビタミンB群ビタミンE、及びオメガ多価不飽和脂肪酸などの他の化合物も、MCIの潜在的な治療剤として評価されたが、それらの研究の結果は、有望でも特すべきものでもなかった。

0015

WO01/27268
WO2007/031280
WO2009/144037

先行技術

0016

Zhuangら、The Journal of Neuroscience、March 29、2006、26(13):3551〜3560頁
Kuanら、Current Drug Targets−CNS& Neurological Disorders、February 2005、vol.4、no.1、63〜67頁(5)
Borasioら、Neuroreport.9(7):1435〜1439頁、1998年5月11日
Wangら、Neurosci Res.2004 Feb;48(2);195〜202頁
Carboniら、J Pharmacol Exp Ther.2004 Jul;310(1):25〜32頁、EPUB 2004年2月26日
C.Cooperら, 2013, Treatment for Mild Cognitive Impairment: systematic review, The British Journal of Psychiatry 203: 255−264頁
National Institute for Health and Care Excellence. Dementia: supporting people with dementia and their carers in health and social care. Clinical Guideline 42. NICE, 2006

発明が解決しようとする課題

0017

上記に鑑みて、本発明の目的は、軽度認知障害(MCI)、特に、アルツハイマー病(AD)に起因するMCIを防止及び/又は処置するための化合物を同定することである。

課題を解決するための手段

0018

この目的は、添付の請求項の主題によって解決され、特に、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害を処置及び/又は防止するための医薬組成物の調製のためのJNK阻害剤配列、好ましくは、本明細書に定義されるJNK阻害剤配列、典型的には、150未満の長さのアミノ酸を含むJNK阻害剤配列の使用によって解決される。すなわち、この目的は、特に、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の処置及び/又は防止において使用するためのJNK阻害剤配列、好ましくは、本明細書に定義されるJNK阻害剤配列、典型的には、150未満の長さのアミノ酸を含むJNK阻害剤配列によって解決される。

0019

そのようなJNK阻害剤ペプチドは、アルツハイマー病の潜在的処置として既に知られていたが、MCIの防止及び/又は処置におけるその応用は、驚くべきことである。注目すべきこととして、ADのための薬剤が多く承認されているにもかかわらず、これらの薬剤をMCIの治療剤として評価する臨床試験において、それらはいずれも、有望な結果を示さなかった。これは、それらの根底にある神経生物学的プロセスにおける違いによる可能性がある。すなわち、アルツハイマー病に関連するある経路が、軽度認知障害に関連しない(まだ関連していない)可能性がある。そのような経路を標的とする薬剤は、アルツハイマー病では十分有効であり得るが、MCIの防止又は処置には役立たない。

0020

例えば、E.J.Mufsonら, 2012, J Neuropathol Exp Neurol 71(11): 1018−1029頁は、認知障害がない(「NCI」)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)の対象において、ProNGFシグナル経路の関与と、細胞生存促進及び細胞死促進作用に関連する、それらの下流のタンパク質キナーゼシグナル経路について研究した。この経路は、Erk及びタンパク質キナーゼB/Akを含むが、これらは、神経生存及び神経突起分化並びにc−junキナーゼ(JNK)仲介アポトーシス促進性経路を司る細胞内イベントを活性化する。

0021

C−JunN末端キナーゼ(JNK)は、3つの遺伝子JNK1、JNK2及びJNK3によりコードされ、mRNA選択的スプライシングによって10の異なるアイソフォームとして発現されるセリントレオニンタンパク質キナーゼであり、それぞれのアイソフォームは短い形態(46kDa)及び長い形態(54kDa)として発現される(Davis、2000、Cell 103:239〜52頁)。JNK1及びJNK2は遍在性であるが、JNK3は主に脳において発現される(Kyriakis及びAvruch、2001、Physiol Rev 81:807〜69頁)。JNKは、紫外線ストレスサイトカイン及びAβペプチドなどの細胞外刺激によるMAPキナーゼ活性化を介するリン酸化により活性化され(pJNK)、それらは遺伝子発現調節、細胞増殖及びアポトーシスなどの複数の機能を有する(Dhanasekaran及びReddy、2008、Oncogene 27:6245〜51頁)。

0022

興味深いことに、E.J.Mufsonら., 2012, J Neuropathol Exp Neurol 71(11): 1018−1029頁は、認知障害がない(「NCI」)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)の対象において、JNK発現に違いがないことを報告する。しかしながら、ホスホJNK及びホスホJNK対JNK比(活性化されたJNKのレベルを示す)が、NCI群及びMCI群に比べてAD群において有意に上昇した。更に、AD群におけるホスホJNKレベルの高さが、エピソード記憶を含む認知テストスコアの低さと相関した。これに鑑みると、JNKは、アルツハイマー病の魅力的治療標的であるように見える。しかしながら、軽度認知障害群においては、「認知障害がない」群に比べて、JNK、ホスホJNK、又はホスホJNK対JNK比の違いが特定されなかった。より驚くべきことは、JNK阻害剤が確かにMCIの治療剤として有用であるという本発明者らの知見であった。

0023

前述したように、軽度認知障害は、通常、アルツハイマー病と区別される。したがって、MCIは、それ自体、F06.7におけるICD−10によって分類される疾患であり、アルツハイマー病(AD)は、G30におけるICD−10によって分類される。言い換えれば、ICD−10は、AD(第6章−Diseases of the Nervous System)と全く異なる章(第5章−Mental,Behavioral and Neurodevelopmental Disorders)にMCIを分類している。

0024

ICD−10(F06.7)においては、MCIは、記憶障害、学習困難、及び短期間を超えて仕事に集中する能力の低下を特徴とする障害と記載される。精神的作業が試みられる場合に精神的疲労の顕著な感覚があることが多く、新しい学習が、客観的に成功している場合であっても、主観的には難しいとわかっている。これらの症状はいずれもそれほど重篤ではなく、認知症(F00−F03)又はせん妄(F05.−)のいずれかの診断を行うことができる。この障害は、脳と全身の両方である様々な感染及び身体障害に先行する、付随する、又はその後に続くものであってもよいが、脳の関与の直接的証拠は必ずしも存在しない。それを、その異なる病因、より厳密な範囲の一般的により軽度の症状、及び通常はより短い持続期間により、脳炎後症候群(F07.1)及び脳震とう後症候群(F07.2)と区別することができる。

0025

軽度認知障害(MCI)、特に、アルツハイマー病に起因するMCIは、記憶及び思考技術を含む認知能力のわずかであるが、顕著で測定可能な低下を引き起こす。MCIは、個体の年齢及び教育に基づいて予測されるが、その日常活動を妨害するには有意に十分ではないものを超えるあらゆる型の認知障害の開始及び進化を含む。MCIの診断は、例えば、Albert MS、DeKosky ST、Dickson D、Dubois B、Feldman HH、FoxNC、Gamst A、HoltzmanDM、Jagust WJ、Petersen RC、Snyder PJ、Carrillo MC、Thies B、Phelps CH(2011)The diagnosis of Mild Cognitive Impairment due to Alzheimer’s disease: recommendations from the National Institute on Aging−Alzheimer’s Association workgroups on diagnostic guidelines for Alzheimer’s disease;Alzheimers Dement.;7(3):270〜9頁により記載されている。MCIは、あらゆる型の認知症の開始時にあってもよく、又は認知症の臨床症状をもたらすことなく時間と共に消失し得る一時的な(ephemeric)形態の認知障害を表す。MCIを有する人は、アルツハイマー病又は別の認知症を発症するリスクが高く、特に、アルツハイマー病を発症するリスクが高いが、認知症、特に、アルツハイマー病を必ず発症するとは限らない。軽度認知障害を処置するための薬剤は、米国食品医薬品局FDA)によって現在認可されていない。アルツハイマー病の症状を処置するために認可された薬物は、MCIの認知症への進行を遅延させるか、又は防止する際にいかなる持続的な利益も示していない。

0026

1つ又は複数の認知ドメインが影響されているかどうか、及び主要な記憶障害があるかどうかによって、MCIの各種サブタイプを区別することができる。即ち、
(i)患者がエピソード記憶の神経心理学テストパフォーマンス動作障害を示す場合、健忘性MCI(a−MCI)、又は
(ii)患者が認知の非記憶ドメインの神経心理学テストで動作障害を示す場合、非健忘性MCI(na−MCI)。
障害は、1つの認知ドメイン(MCI単一ドメイン)又は複数ドメイン(MCI複数ドメイン)に限定することができる。したがって、患者は、4つの可能な臨床上のサブタイプの1つとして分類することができる。すなわち、1)a−MCI単一ドメイン、2)a−MCI複数ドメイン、3)na−MCI単一ドメイン、又は4)na−MCI複数ドメインとして分類することができる。臨床上のサブタイプと推定される病因(退行性血管性精神性外傷性)の組合せを、MCI患者が発症する可能性が最も高い認知症のタイプ(AD、血管性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、レビー小体型認知症(DLB)、など)の予測に使用できる。

0027

好ましくは、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列は、健忘性軽度認知障害(a−MCI)又は非健忘性軽度認知障害(na−MCI)、好ましくは健忘性軽度認知障害(a−MCI)、より好ましくはアルツハイマー病に起因する軽度認知障害(ADに起因するMCI)の処置及び/又は防止のために(そのための医薬の調製のために)用いられる。

0028

ADに起因するMCIは、健忘性MCI(a−MCI)のサブタイプである。ADのバイオマーカー、例えば、アミロイドベータ(Aβ)沈着のバイオマーカー及び神経損傷のバイオマーカーなどが、ADに起因するMCIの診断に推奨される。Aβ沈着の有効な指標としては、Aβ42の脳脊髄液CSF)中濃度(低下したCSF中β42レベル)及びポジトロン断層法(PET)アミロイドイメージングなどが挙げられる。神経損傷の有効な指標としては、タウリン酸化タウ(上昇したCSFタウ/pタウレベル)のCSF中濃度、海馬の体積又は側頭葉内側萎縮又は構造MRIを用いて測定される脳萎縮の割合、及びフルオロデオキシグルコースFDG)PETイメージングにおける側頭頭頂領域の低下したグルコース代謝などが挙げられる。

0029

アルツハイマー病(AD)は、記憶障害及び認知症と共に進行性認知低下をもたらす破壊的な神経変性障害である。神経病理学的病変は、β−アミロイド(Aβ)ペプチドにより形成される老人斑の細胞外沈着、及び高リン酸化タウタンパク質から構成される細胞内神経原線維変化(NFT)を特徴とする(Duyckaertsら、2009、Acta Neuropathol 118:5〜36頁)。アミロイドカスケード仮説によれば、ADにおける神経変性は、ベータ部位AP切断酵素1(BACE1)及びプレセニリン1の活性を介してプロセシングする異常なアミロイド前駆体タンパク質(APP)と関連し、Aβを形成する前に線維状Aβペプチドに蓄積する毒性Aβオリゴマーの産生をもたらし得る。Aβの蓄積は、シナプス機能障害、NFT形成をもたらすキナーゼ活性の変化、ニューロン脱落及び認知症をもたらし得る(Hardy及びHiggins、1992、Science 256:184〜5頁)。したがって、ADの発病は、Aβの蓄積によって誘発されると考えられ、Aβは様々なサイズのものであってよいオリゴマーに自己凝集し、実質及び血管中拡散斑及び老人斑を形成する。Aβオリゴマー及び斑は強力なシナプス毒性を有し、プロテアソーム機能遮断し、ミトコンドリア活性を阻害し、細胞内Ca2+レベルを変化させ、炎症プロセスを刺激する。Aβの正常な生理機能の喪失はまた、ニューロン機能障害に寄与すると考えられる。Aβは、微小管関連タンパク質タウのリン酸化を調節するシグナリング経路と相互作用する。タウの高リン酸化は、軸索内輸送の調節におけるその正常な機能を破壊し、神経原線維変化(NFT)及び毒性種の可溶性タウの蓄積をもたらす。更に、プロテアソームによる高リン酸化タウの分解は、Aβの作用によって阻害される。

0030

典型的には、本明細書に定義されたJNK阻害剤配列を、ヒト又はラットのIB1配列から、好ましくは、配列番号102(ラット由来IB1cDNA配列及びその予測アミノ酸配列を記載する)、配列番号103(rIB1遺伝子−スプライスドナーエクソンイントロン境界によりコードされるラット由来IB1タンパク質配列を記載する)、配列番号104(ヒト(Homo sapiens)由来IB1タンパク質配列を記載する)、又は配列番号105(ヒト由来IB1 cDNA配列を記載する)の配列のいずれかにより定義又はコードされるアミノ酸配列から、より好ましくは、配列番号104(ヒト由来IB1タンパク質配列を記載する)、又は配列番号105(ヒト由来IB1 cDNA配列を記載する)の配列のいずれかにより定義又はコードされるアミノ酸配列から、又はその任意の断片若しくはバリアントから誘導することができる。換言すれば、JNK阻害剤配列は、ヒト又はラットIB1配列の断片、バリアント、又はそのような断片のバリアントを含む。ヒト又はラットIB配列は、それぞれ、配列番号102、配列番号103、配列番号104又は配列番号105の配列によって定義又はコードされる。

0031

好ましくは、本明細書で使用されるそのようなJNK阻害剤配列は、全長150個未満のアミノ酸残基、好ましくは、5〜150個の範囲のアミノ酸残基、より好ましくは、10〜100個のアミノ酸残基、更により好ましくは、10〜75個のアミノ酸残基、最も好ましくは、10〜50個の範囲のアミノ酸残基、例えば、10〜30、10〜20、又は10〜15個のアミノ酸残基を含む。

0032

より好ましくは、そのようなJNK阻害剤配列及び上記範囲を、上記配列のいずれかから、更により好ましくは、配列番号104に従って定義された、又は配列番号105によりコードされたアミノ酸配列から、更により好ましくは、配列番号105のヌクレオチド420〜980の領域又は配列番号104のアミノ酸105〜291、最も好ましくは、配列番号105のヌクレオチド561〜647の領域又は配列番号104のアミノ酸152〜180から選択することができる。

0033

特定の実施形態によれば、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、典型的には、JNKに結合する、及び/又は少なくとも1つのJNK活性化転写因子、例えば、c−Jun若しくはATF2(例えば、それぞれ、配列番号15及び配列番号16を参照されたい)又はElk1の活性化を阻害する。

0034

同様に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、好ましくは、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のいずれか1つに記載の少なくとも1つのアミノ酸配列、又はその断片、誘導体若しくはバリアントを含む又はからなる。より好ましくは、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のアミノ酸配列、又はそのバリアント、断片若しくは誘導体の1、2、3、4又は更に多くのコピーを含有してもよい。1より多いコピーで存在する場合、本明細書で使用される、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のこれらのアミノ酸配列、又はそのバリアント、断片、若しくは誘導体を、リンカー配列を用いずに互いに直接連結するか、又は1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸を含むリンカー配列を介して連結することができる。リンカー配列を形成するアミノ酸は、好ましくは、アミノ酸残基としてグリシン又はプロリンから選択される。より好ましくは、本明細書で使用される、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のこれらのアミノ酸配列、又はその断片、バリアント若しくは誘導体を、2個、3個又はそれ以上のプロリン残基ヒンジによって互いに分離することができる。

0035

本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又は両方の組合せから構成されていてもよい。好ましくは、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、少なくとも1個又は更には2個、好ましくは少なくとも3、4又は5個、より好ましくは少なくとも6、7、8又は9個、更により好ましくは少なくとも10個以上のD−及び/又はL−アミノ酸を含み、ここで、D−及び/又はL−アミノ酸を、ブロックごとに(blockwise)、非ブロックごとに(non−blockwise)、又は交互の様式で、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列中に配置してもよい。

0036

1つの好ましい実施形態によれば、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、L−アミノ酸のみから構成されていてもよい。次いで、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、配列番号1又は配列番号3の少なくとも1つの「天然JNK阻害剤配列」を含む又はからなってもよい。これに関連して、用語「天然」又は「天然JNK阻害剤配列」は、全てL−アミノ酸から構成される、本明細書で使用される配列番号1又は配列番号3のいずれかの変化していないJNK阻害剤配列を指す。

0037

したがって、本明細書で使用されるJNK阻害剤は、少なくとも1つの(天然)アミノ酸配列NH2−Xnb−Xna−RPTTLXLXXXXXXXQD−Xnb−COOH(L−IB一般(s))(配列番号3)及び/又はIB1のJNK結合ドメイン(JBD)XRPTTLXLXXXXXXXQDS/TX(L−IB(一般)(配列番号19)を含む又はからなってもよい。これに関連して、それぞれのXは、典型的には、好ましくは任意の(天然)アミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基を表す。Xnaは、典型的には、好ましくはセリン又はトレオニン以外の任意のアミノ酸残基から選択される1つのアミノ酸残基を表し、ここで、n(Xの反復数)は0又は1である。更に、それぞれのXnbを、任意のアミノ酸残基から選択することができ、ここで、n(Xの反復数)は0〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜30以上であるが、但し、Xnaのn(Xの反復数)が0である場合、Xnbは好ましくはこの位置でのセリン又はトレオニンを回避するために、そのC末端にセリン又はトレオニンを含まない。好ましくは、Xnbは、配列番号1又は配列番号3に由来するペプチド残基連続ストレッチを表す。Xna及びXnbは、D又はLアミノ酸を表してもよい。更に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、IB1のJNK結合ドメインDTYRPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(L−IB1)(配列番号17)を含む群から選択される少なくとも1つの(天然)アミノ酸配列を含む又はからなってもよい。より好ましくは、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、少なくとも1つの(天然)アミノ酸配列NH2−RPKRPTTLNLFPQVPRSQD−COOH(L−IB1(s))(配列番号1)を更に含む又はからなってもよい。更に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、IB1 L−IB1(s1)(NH2−TLNLFPQVPRSQD−COOH、配列番号33);L−IB1(s2)(NH2−TTLNLFPQVPRSQ−COOH、配列番号34);L−IB1(s3)(NH2−PTTLNLFPQVPRS−COOH、配列番号35);L−IB1(s4)(NH2−RPTTLNLFPQVPR−COOH、配列番号36);L−IB1(s5)(NH2−KRPTTLNLFPQVP−COOH、配列番号37);L−IB1(s6)(NH2−PKRPTTLNLFPQV−COOH、配列番号38);L−IB1(s7)(NH2−RPKRPTTLNLFPQ−COOH、配列番号39);L−IB1(s8)(NH2−LNLFPQVPRSQD−COOH、配列番号40);L−IB1(s9)(NH2−TLNLFPQVPRSQ−COOH、配列番号41);L−IB1(s10)(NH2−TTLNLFPQVPRS−COOH、配列番号42);L−IB1(s11)(NH2−PTTLNLFPQVPR−COOH、配列番号43);L−IB1(s12)(NH2−RPTTLNLFPQVP−COOH、配列番号44);L−IB1(s13)(NH2−KRPTTLNLFPQV−COOH、配列番号45);L−IB1(s14)(NH2−PKRPTTLNLFPQ−COOH、配列番号46);L−IB1(s15)(NH2−RPKRPTTLNLFP−COOH、配列番号47);L−IB1(s16)(NH2−NLFPQVPRSQD−COOH、配列番号48);L−IB1(s17)(NH2−LNLFPQVPRSQ−COOH、配列番号49);L−IB1(s18)(NH2−TLNLFPQVPRS−COOH、配列番号50);L−IB1(s19)(NH2−TTLNLFPQVPR−COOH、配列番号51);L−IB1(s20)(NH2−PTTLNLFPQVP−COOH、配列番号52);L−IB1(s21)(NH2−RPTTLNLFPQV−COOH、配列番号53);L−IB1(s22)(NH2−KRPTTLNLFPQ−COOH、配列番号54);L−IB1(s23)(NH2−PKRPTTLNLFP−COOH、配列番号55);L−IB1(s24)(NH2−RPKRPTTLNLF−COOH、配列番号56);L−IB1(s25)(NH2−LFPQVPRSQD−COOH、配列番号57);L−IB1(s26)(NH2−NLFPQVPRSQ−COOH、配列番号58);L−IB1(s27)(NH2−LNLFPQVPRS−COOH、配列番号59);L−IB1(s28)(NH2−TLNLFPQVPR−COOH、配列番号60);L−IB1(s29)(NH2−TTLNLFPQVP−COOH、配列番号61);L−IB1(s30)(NH2−PTTLNLFPQV−COOH、配列番号62);L−IB1(s31)(NH2−RPTTLNLFPQ−COOH、配列番号63);L−IB1(s32)(NH2−KRPTTLNLFP−COOH、配列番号64);L−IB1(s33)(NH2−PKRPTTLNLF−COOH、配列番号65);及びL−IB1(s34)(NH2−RPKRPTTLNL−COOH、配列番号66)のJNK結合ドメインを含む群から選択される少なくとも1つの(天然)アミノ酸配列を含む又はからなってもよい。

0038

更に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、IB1の(長い)JNK結合ドメイン(JBD)PGTGCGDTYRPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(IB1−long)(配列番号13)、IB2の(長い)JNK結合ドメインIPSPSVEEPHKHRPTTLRLTTLGAQDS(IB2−long)(配列番号14)、c−JunのJNK結合ドメインGAYGYSNPKILKQSMTLNLADPVGNLKPH(c−Jun)(配列番号15)、ATF2のJNK結合ドメインTNEDHLAVHKHKHEMTLKFGPARNDSVIV(ATF2)(配列番号16)を含む群から選択される少なくとも1つの(天然)アミノ酸配列を含む又はからなってもよい(例えば、図1A〜図1Cを参照されたい)。これに関連して、アラインメントは、部分的に保存された8アミノ酸の配列(例えば、図1Aを参照されたい)を示し、IB1とIB2のJBDの更なる比較は、2つの配列間で高度に保存された7個及び3個のアミノ酸の2つのブロックを示した。

0039

別の好ましい実施形態によれば、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、部分的に、又は専ら、上記で定義されたD−アミノ酸から構成されていてもよい。より好ましくは、D−アミノ酸から構成されるこれらのJNK阻害剤配列は、上記の(天然)JNK阻害剤配列の非天然Dレトロインベルソ配列である。用語「レトロ−インベルソ配列」とは、配列の向きが逆転し、各アミノ酸残基のキラリティ反転した線状ペプチド配列の異性体を指す(例えば、Jamesonら、Nature、368、744〜746頁(1994);Bradyら、Nature、368、692〜693頁(1994)を参照されたい)。D−エナンチオマーリバース合成との組合せの利点は、各アミド結合中カルボニル基アミノ基の位置が交換されるが、各アルファ炭素での側鎖基の位置が保持されるということである。別途、特に記述しない限り、本発明に従って使用される任意の所与のL−アミノ酸配列又はペプチドを、対応する天然のL−アミノ酸配列又はペプチドの配列又はペプチドのリバースを合成することによって、Dレトロ−インベルソ配列又はペプチドに変換することができると推定される。

0040

本明細書で使用され、上記で定義されたDレトロ−インベルソ配列は、様々な有用な特性を有する。例えば、本明細書で使用されるDレトロ−インベルソ配列は、本明細書で使用されるL−アミノ酸配列と同程度に効率的に細胞に進入するが、本明細書で使用されるDレトロ−インベルソ配列は対応するL−アミノ酸配列よりも安定である。

0041

したがって、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、アミノ酸配列NH2−Xnb−DQXXXXXXXLXLTTPR−Xna−Xnb−COOH(D−IB1一般(s))(配列番号4)及び/又はXS/TDQXXXXXXXLXLTTPRX(D−IB(一般))(配列番号20)の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含む又はからなってもよい。この状況で使用される場合、X、Xna及びXnbは上記で定義された通りであり(好ましくは、Dアミノ酸を表す)、ここで、Xnbは好ましくは、配列番号2又は配列番号4に由来する残基の連続ストレッチを表す。更に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、IB1のJNK結合ドメイン(JBD)TDQSRPVQPFLNLTTPRKPRYTD(D−IB1)(配列番号18)を含むアミノ酸配列の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含むか又はからなってもよい。より好ましくは、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、アミノ酸配列NH2−DQSRPVQPFLNLTTPRKPR−COOH(D−IB1(s))(配列番号2)の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含む又はからなってもよい。更に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、IB1 D−IB1(s1)(NH2−QPFLNLTTPRKPR−COOH、配列番号67);D−IB1(s2)(NH2−VQPFLNLTTPRKP−COOH、配列番号68);D−IB1(s3)(NH2−PVQPFLNLTTPRK−COOH、配列番号69);D−IB1(s4)(NH2−RPVQPFLNLTTPR−COOH、配列番号70);D−IB1(s5)(NH2−SRPVQPFLNLTTP−COOH、配列番号71);D−IB1(s6)(NH2−QSRPVQPFLNLTT−COOH、配列番号72);D−IB1(s7)(NH2−DQSRPVQPFLNLT−COOH、配列番号73);D−IB1(s8)(NH2−PFLNLTTPRKPR−COOH、配列番号74);D−IB1(s9)(NH2−QPFLNLTTPRKP−COOH、配列番号75);D−IB1(s10)(NH2−VQPFLNLTTPRK−COOH、配列番号76);D−IB1(s11)(NH2−PVQPFLNLTTPR−COOH、配列番号77);D−IB1(s12)(NH2−RPVQPFLNLTTP−COOH、配列番号78);D−IB1(s13)(NH2−SRPVQPFLNLTT−COOH、配列番号79);D−IB1(s14)(NH2−QSRPVQPFLNLT−COOH、配列番号80);D−IB1(s15)(NH2−DQSRPVQPFLNL−COOH、配列番号81);D−IB1(s16)(NH2−FLNLTTPRKPR−COOH、配列番号82);D−IB1(s17)(NH2−PFLNLTTPRKP−COOH、配列番号83);D−IB1(s18)(NH2−QPFLNLTTPRK−COOH、配列番号84);D−IB1(s19)(NH2−VQPFLNLTTPR−COOH、配列番号85);D−IB1(s20)(NH2−PVQPFLNLTTP−COOH、配列番号86);D−IB1(s21)(NH2−RPVQPFLNLTT−COOH、配列番号87);D−IB1(s22)(NH2−SRPVQPFLNLT−COOH、配列番号88);D−IB1(s23)(NH2−QSRPVQPFLNL−COOH、配列番号89);D−IB1(s24)(NH2−DQSRPVQPFLN−COOH、配列番号90);D−IB1(s25)(NH2−DQSRPVQPFL−COOH、配列番号91);D−IB1(s26)(NH2−QSRPVQPFLN−COOH、配列番号92);D−IB1(s27)(NH2−SRPVQPFLNL−COOH、配列番号93);D−IB1(s28)(NH2−RPVQPFLNLT−COOH、配列番号94);D−IB1(s29)(NH2−PVQPFLNLTT−COOH、配列番号95);D−IB1(s30)(NH2−VQPFLNLTTP−COOH、配列番号96);D−IB1(s31)(NH2−QPFLNLTTPR−COOH、配列番号97);D−IB1(s32)(NH2−PFLNLTTPRK−COOH、配列番号98);D−IB1(s33)(NH2−FLNLTTPRKP−COOH、配列番号99);及びD−IB1(s34)(NH2−LNLTTPRKPR−COOH、配列番号100)のJNK結合ドメイン(JBD)を含むアミノ酸配列の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含む又はからなってもよい。

0042

本明細書で使用され、上記に開示されたJNK阻害剤配列を、表1に提示する(配列番号1〜4、13〜20及び33〜100)。この表は、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列の名称、並びにその配列識別番号、その長さ、及びアミノ酸配列を提示する。更に、表1は、例えば、それぞれ、配列番号1、2、5、6、9及び11並びに配列番号3、4、7、8、10及び12に関する配列並びにその一般式を示す。表1は、キメラ配列である配列番号9〜12及び配列番号23〜32(以下を参照されたい)、L−IB1配列である配列番号33〜66及びD−IB1配列である配列番号67〜100を更に開示する。

0043

0044

別の好ましい実施形態によれば、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の上記で定義された天然又は非天然アミノ酸配列の少なくとも1つのバリアント、断片及び/又は誘導体を含む又はからなる。好ましくは、これらのバリアント、断片及び/又は誘導体は、本明細書で使用される上記に開示された天然又は非天然JNK阻害剤配列、特に、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の天然又は非天然アミノ酸配列の生物活性、すなわち、JNKへの結合、及び/又は少なくとも1つのJNK活性化転写因子、例えば、c−Jun、ATF2若しくはElk1の活性化の阻害を保持する。様々な試験、例えば、ペプチドのその標的分子への結合試験により、又は生物物理学的方法、例えば、分光法コンピュータモデリング構造分析などにより、機能を試験することができる。特に、上記で定義されたJNK阻害剤配列又はそのバリアント、断片及び/又は誘導体を、ペプチドの疎水性及び親水性領域を同定するために使用することができ、したがって、結合実験などにおける実験操作のため、又は抗体合成のための基質の設計に役立つ親水性分析(例えば、Hopp及びWoods、1981.Proc Natl Acad Sci USA 78:3824〜3828頁を参照されたい)によって分析することができる。また、二次構造分析を実施して、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列又はそのバリアント、断片及び/又は誘導体の領域を同定し、特定の構造モチーフを推定することもできる(例えば、Chou及びFasman、1974、Biochem 13:222〜223頁を参照されたい)。操作、翻訳、二次構造予測、親水性及び疎水性プロファイルオープンリーディングフレーム予測及びプロッティング、並びに配列相同性の決定を、当技術分野利用可能なコンピュータソフトウェアプログラムを使用して達成することができる。構造分析の他の方法としては、例えば、X線結晶構造解析(例えば、Engstrom、1974.Biochem Exp Biol 11:7〜13頁を参照されたい)、質量分析及びガスクロマトグラフィー(例えば、METHODS IN PROTEIN SCIENCE、1997、J.Wiley and Sons、New York、NYを参照されたい)が挙げられ、コンピュータモデリング(例えば、Fletterick及びZoller(編)、1986、Computer Graphics and Molecular Modeling、CURRNTCOMMUNICATIONS IN MOLECULAR BIOLOGY、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NYを参照されたい)を用いることもできる。

0045

したがって、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列の少なくとも1つのバリアントを含む又はからなってもよい。本発明においては、「配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列のバリアント」は、好ましくは、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の配列のいずれかに由来する配列であり、ここで、バリアントは、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のアミノ酸配列のアミノ酸変化を含む。そのような変化は、典型的には、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のアミノ酸の1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個の置換、付加及び/又は欠失を含み、ここで、バリアントは、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%又は更には99%の配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の配列のいずれかとの配列同一性を示す。

0046

上記で定義され、本明細書で使用される配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列のバリアントが特定のアミノ酸の置換によって得られる場合、そのような置換は、好ましくは保存的アミノ酸置換を含む。保存的アミノ酸置換は、群のメンバー間での置換が分子の生物活性を保持するような、十分に類似する物理化学的特性を有する群内の同義アミノ酸残基を含んでもよい(例えば、Grantham,R.(1974)、Science 185、862〜864頁を参照されたい)。特に、挿入及び/又は欠失がわずかなアミノ酸、例えば、20個未満、好ましくは、10個未満しか含まず、機能活性にとって重要であるアミノ酸を除去しない、又は置き換えない場合、アミノ酸を、その機能を変化させることなく上記で定義された配列中で挿入及び/又は欠失させることもできることが当業者には明らかである。更に、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列又は本明細書で使用されるキメラペプチドのin vivo若しくはin vitroでの不活化を回避するために、ホスホリラーゼ、好ましくは、キナーゼに接近可能であるアミノ酸位置に追加のトレオニンをもたらす置換を、本明細書で使用されるバリアントにおいては回避すべきである。

0047

好ましくは、同じ群に分類され、典型的には、保存的アミノ酸置換によって交換可能である同義アミノ酸残基を、表2に定義する。

0048

0049

本明細書で使用される配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のバリアントの特定の形態は、典型的には、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100と比較して少なくとも1個の欠失によって変化した、本明細書で使用される配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列の断片である。好ましくは、断片は、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のいずれかの少なくとも4個の連続するアミノ酸を含み、その長さは、典型的には、これらの配列のいずれかに由来するエピトープの特異的認識を可能にするために十分なものである。更により好ましくは、断片は、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100のいずれかの4〜18、4〜15、又は最も好ましくは4〜10個の連続するアミノ酸を含み、その範囲の下限は、4、又は5、6、7、8、9、又は10であってもよい。欠失されるアミノ酸は、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の任意の位置にあってもよいが、好ましくは、N又はC末端にある。

0050

更に、上記のような、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列の断片は、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%又は更には99%の本明細書で使用される配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の配列のいずれかとの配列同一性を有する配列と定義することができる。

0051

本明細書で使用されるJNK阻害剤配列は、上記で定義された配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列の少なくとも1つの誘導体を更に含む又はからなってもよい。これに関連して、「配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の(天然又は非天然)アミノ酸配列の誘導体」は、好ましくは、配列番号1〜4、13〜20及び33〜100の配列のいずれかに由来するアミノ酸配列であり、ここで、誘導体は、少なくとも1個の改変されたL−又はD−アミノ酸(非天然アミノ酸を形成する)、好ましくは、1〜20個、より好ましくは1〜10個、更により好ましくは、1〜5個の改変されたL−又はD−アミノ酸を含む。バリアント又は断片の誘導体もまた、本発明の範囲内にある。

0052

これに関する「改変されたアミノ酸」は、例えば、様々な生物における異なるグリコシル化、リン酸化又は特定のアミノ酸の標識によって変化した任意のアミノ酸であってもよい。次いで、そのような標識は、典型的には、
(i)放射性標識、すなわち、放射性リン酸化又は硫黄水素炭素窒素などを用いる放射性標識;
(ii)有色色素(例えば、ジゴキシゲニンなど);
(iii)蛍光基(例えば、フルオレセインなど);
(iv)化学発光基
(v)固相上への固定のための基(例えば、His−タグ、ビオチンストレプタグ、フラッグタグ、抗体、抗原など);及び
(vi)(i)〜(v)の下で記載された2つ以上の標識の組合せ
を含む標識群から選択される。

0053

上記に関連して、本発明のクエリアミノ酸配列に対して少なくとも、例えば、95%の「配列同一性を有する」配列を有するアミノ酸配列は、対象アミノ酸配列が、クエリアミノ酸配列のそれぞれの100個のアミノ酸あたり、5個までのアミノ酸変化を含んでもよいことを除いて、対象アミノ酸配列の配列がクエリ配列と同一であることを意味することが意図される。換言すれば、クエリアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一である配列を有するアミノ酸配列を得るために、対象配列中のアミノ酸残基の最大5%(100個のうちの5個)を、挿入するか、又は別のアミノ酸で置換するか、又は欠失させることができる。

0054

正確に一致しない配列については、第1の配列の「同一性%」を、第2の配列に対して決定することができる。一般に、比較されるこれらの2つの配列を整列させて、配列間の最大相関を得る。これは、アラインメントの程度を増強するために、一方又は両方の配列に「ギャップ」を挿入することを含んでもよい。次いで、同じか、若しくは類似する長さの配列にとって特に好適である、比較される配列のそれぞれの全長にわたって(いわゆるグローバルアラインメント)、又は等しくない長さの配列にとってより好適である、より短い、規定の長さにわたって(いわゆるグローバルアラインメント)、同一性%を決定することができる。

0055

特に、本明細書で使用されるような、2つ以上の配列の同一性及び相同性を比較するための方法は、当技術分野で周知である。したがって、例えば、Wisconsin Sequence Analysis Package、バージョン9.1(Devereuxら、1984、Nucleic AcidsRes.12、387〜395頁)中で利用可能なプログラム、例えば、プログラムBESTFIT及びGAPを使用して、2つのポリヌクレオチド間の同一性%並びに2つのポリペプチド配列間の同一性%及び相同性%を決定することができる。BESTFITは、(Smith及びWaterman(1981)、J.Mol.Biol.147、195〜197頁)の「部分相同性」アルゴリズムを使用し、2つの配列間の類似性最良単一領域見出すものである。配列間の同一性及び/又は類似性を決定するための他のプログラムも、当技術分野で公知であり、例えば、ワールドワイドウェブイトncbi.nlm.nih.govのNCBIのホームページを介してアクセス可能なBLASTファミリーのプログラム(Altschulら、1990、J.Mol.Biol.215、403〜410頁)及びFASTA(Pearson(1990)、Methods Enzymol.183、63〜98頁;Pearson及びLipman(1988)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 85、2444〜2448頁)がある。

0056

本発明に従って使用され、上記で定義されたJNK阻害剤配列を、当技術分野で周知の方法、例えば、化学的合成又は以下に考察される遺伝子工学的方法によって取得又は産生することができる。例えば、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列の所望の領域を含む前記JNK阻害剤配列の一部に対応する、又はin vitro若しくはin vivoで所望の活性を媒介するペプチドを、ペプチド合成装置の使用によって合成することができる。

0057

本明細書で使用され、上記で定義されたJNK阻害剤配列を、輸送配列によって更に改変し、本明細書で使用され、上記で定義されたJNK阻害剤配列を細胞中に効率的に輸送することができる。そのような改変されたJNK阻害剤配列は、好ましくは、キメラ配列として提供及び使用される。

0058

したがって、本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの第1のドメインと少なくとも1つの第2のドメインとを含むキメラペプチドの、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置のための医薬組成物の調製のための使用であって、キメラペプチドの第1のドメインが輸送配列を含み、キメラペプチドの第2のドメインが前記JNK阻害剤配列、好ましくは配列番号1〜4、13〜20、及び33〜100の配列のいずれか又はその誘導体若しくは断片を含む。言い換えれば、本発明は、また、共有結合で結合された少なくとも1つの第1のドメインと少なくとも1つの第2のドメインとを含み、第1のドメインが輸送配列を含み、第2のドメインが請求項1から9のいずれかに記載のJNK阻害剤配列を含む、本明細書中に記載される、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するためのキメラペプチドを提供する。

0059

典型的には、本発明に従って使用されるキメラペプチドは、少なくとも25個のアミノ酸残基、例えば、25〜250アミノ酸残基、より好ましくは25〜200個のアミノ酸残基、更により好ましくは25〜150個のアミノ酸残基、25〜100個のアミノ酸残基、最も好ましくは25〜50個のアミノ酸残基の長さを有する。

0060

第1のドメインとして、本明細書で使用されるキメラペプチドは、好ましくは、(それが存在する)ペプチドを所望の細胞運命指向させるアミノ酸の任意の配列から典型的に選択される輸送配列を含む。したがって、本明細書で使用される輸送配列は、典型的には、細胞膜横断して、例えば、細胞の外部から、細胞膜を通って、細胞質にペプチドを指向させる。あるいは、又は更に、輸送配列は、例えば、2つの成分(例えば、細胞透過のための成分と核局在化のための成分)を組み合わせることにより、又は例えば、細胞膜輸送及び標的化された、例えば、核内での輸送の特性を有する1つの単一成分によって、ペプチドを、細胞内の所望の位置、例えば、核、リボソーム小胞体ER)、リソソーム、又はペルオキシソームに指向させることができる。輸送配列は、細胞質成分又は任意の他の成分又は細胞のコンパートメント(例えば、小胞体、ミトコンドリアグルーム(gloom)装置、リソソーム小胞)に結合することができる別の成分を更に含んでもよい。したがって、例えば、第1のドメインの輸送配列及び第2のドメインのJNK阻害剤配列を、細胞質又は細胞の任意の他のコンパートメント中に局在化させることができる。これにより、取込み時の細胞におけるキメラペプチドの局在化を決定することができる。

0061

好ましくは、輸送配列(本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる)は、5〜150個の長さのアミノ酸配列、より好ましくは5〜100個の長さ、最も好ましくは5〜50個、5〜30個又は更には5〜15個の長さのアミノ酸を有する。

0062

より好ましくは、輸送配列(本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる)は、第1のドメイン中に連続するアミノ酸配列ストレッチとして存在してもよい。あるいは、第1のドメイン中の輸送配列を、2つ以上の断片に分割してもよく、ここで、これらの断片の全ては、輸送配列全体と類似し、輸送配列が上記に開示されたようなその運搬特性をそのまま保持するという条件で、1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸によって互いに分離されていてもよい。輸送配列の断片を分離するこれらのアミノ酸を、例えば、輸送配列とは異なるアミノ酸配列から選択することができる。あるいは、第1のドメインは、それぞれの成分が、第2のドメインのカーゴJNK阻害剤配列の、例えば、特定の細胞コンパートメントへの輸送のためのそれ自身の機能を有する、1つを超える成分から構成される輸送配列を含有してもよい。

0063

上記で定義された輸送配列は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又は両方の組合せから構成されていてもよい。好ましくは、輸送配列(本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる)は、少なくとも1個又は更には2個、好ましくは少なくとも3、4又は5個、より好ましくは少なくとも6、7、8又は9個、更により好ましくは少なくとも10個以上のD−及び/又はL−アミノ酸を含んでもよく、ここで、D−及び/又はL−アミノ酸を、ブロックごとに、非ブロックごとに、又は交互の様式で、JNK輸送配列中に配置してもよい。

0064

1つの代替的な実施形態によれば、本明細書で使用されるキメラペプチドの輸送配列は、L−アミノ酸のみから構成されていてもよい。より好ましくは、本明細書で使用されるキメラペプチドの輸送配列は、上記で定義された少なくとも1つの「天然」輸送配列を含む又はからなる。これに関連して、用語「天然」は、全てL−アミノ酸から構成される変化していない輸送配列を指す。

0065

別の代替的な実施形態によれば、本明細書で使用されるキメラペプチドの輸送配列は、D−アミノ酸のみから構成されていてもよい。より好ましくは、本明細書で使用されるキメラペプチドの輸送配列は、上記に提示された配列のDレトロ−インベルソペプチドを含んでもよい。

0066

本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメインの輸送配列は、天然の供給源から取得するか、又は遺伝子工学技術若しくは化学的合成(例えば、Sambrook,J.、Fritsch,E.F.、Maniatis,T.(1989)Molecular cloning: A laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照されたい)を使用することにより産生することができる。

0067

例えば、TATタンパク質(例えば、それぞれ、参照により本明細書に組み込まれる参考文献である米国特許第5,804,604号及び第5,674,980号に記載されている)、VP22(例えば、WO97/05265号;Elliott及びO’Hare、Cell 88:223〜233頁(1997)に記載されている)、非ウイルスタンパク質(Jacksonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10691〜10695頁(1992))、アンテナペディア(例えば、アンテナペディア担体配列)に由来する、又は塩基性ペプチド、例えば、5〜15アミノ酸、好ましくは10〜12アミノ酸の長さを有し、例えば、アルギニンリシン及び/又はヒスチジンなどの、少なくとも80%、より好ましくは85%若しくは更には90%の塩基性アミノ酸を含むペプチドに由来する輸送配列などの、例えば、天然タンパク質を含む第1のドメインの輸送配列のための供給源を用いることができる。更に、輸送配列として使用される天然タンパク質の1つのバリアント、断片及び誘導体が、本明細書に開示される。バリアント、断片及び誘導体に関して、それは本明細書で使用されるJNK阻害剤配列について上記に与えられた定義を言う。バリアント、断片並びに誘導体は、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列について上記したように一致して定義される。特に、輸送配列に関連して、バリアント又は断片又は誘導体は、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%、又は更には99%の上記で定義された輸送配列として使用される天然タンパク質の1つとの配列同一性を有する配列と定義することができる。

0068

本明細書で使用されるキメラペプチドの好ましい実施形態においては、第1のドメインの輸送配列は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1TATタンパク質に由来する配列、特に、TATタンパク質を構成する86個のアミノ酸のいくらか、又は全部を含む又はからなる。

0069

輸送配列(本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる)については、TATタンパク質の機能的に有効な断片、すなわち、細胞への進入及び取込みを媒介する領域を含むTATペプチドを形成する、完全長TATタンパク質の部分配列を使用することができる。そのような配列がTATタンパク質の機能的に有効な断片であるかどうかに関して、公知の技術を使用して決定することができる(例えば、Frankedら、Proc.Natl.Acad.Sci、USA 86:7397〜7401頁(1989)を参照されたい)。したがって、本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中の輸送配列を、86個未満のアミノ酸を含み、細胞への取込み、場合により、細胞核への取込みを示すTATタンパク質配列の機能的に有効な断片又は部分から誘導することができる。より好ましくは、細胞膜を横断するキメラペプチドの透過を媒介する担体として使用されるTATの部分配列(断片)は、完全長TATの塩基性領域(アミノ酸48〜57又は49〜57)を含むことが意図される。

0070

より好ましい実施形態によれば、輸送配列(本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる)は、TAT残基48〜57又は49〜57を含有するアミノ酸配列、最も好ましくは、一般TAT配列NH2−Xnb−RKKRRQRRR−Xnb−COOH(L−一般−TAT(s))(配列番号7)及び/又はXXXXRKKRRQ RRRXXXX(L−一般−TAT)(配列番号21)(ここで、X又はXnbは上記で定義された通りである)を含む又はからなってもよい。更に、配列番号8中の「Xnb」残基の数は、記載されたものに限定されず、上記のように変化してもよい。あるいは、本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる輸送配列は、例えば、アミノ酸配列NH2−GRKKRRQRRR−COOH(L−TAT)(配列番号5)を含有するペプチドを含む又はからなっていてもよい。

0071

別のより好ましい実施形態によれば、輸送配列(本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる)は、上記に提示された配列のDレトロ−インベルソペプチド、すなわち、配列NH2−Xnb−RRRQRRKKR−Xnb−COOH(D−一般−TAT(s))(配列番号8)及び/又はXXXXRRRQRRKKRXXXX(D−一般−TAT)(配列番号22)を有する一般TAT配列のDレトロ−インベルソ配列を含んでもよい。また、ここで、Xnbは上記で定義された通りである(好ましくは、Dアミノ酸を表す)。更に、配列番号8中の「Xnb」残基の数は、記載されたものに限定されず、上記のように変化してもよい。最も好ましくは、本明細書で使用される輸送配列は、Dレトロ−インベルソ配列NH2−RRRQRRKKRG−COOH(D−TAT)(配列番号6)を含んでもよい。

0072

別の実施形態によれば、本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる輸送配列は、上記で定義された輸送配列のバリアントを含む又はからなっていてもよい。「輸送配列のバリアント」は、好ましくは、上記で定義された輸送配列に由来する配列であり、ここで、バリアントは、上記で定義された輸送配列中に存在する少なくとも1つのアミノ酸の改変、例えば、付加、(断片をもたらす)(内部)欠失及び/又は置換を含む。そのような改変は、典型的には、1〜20個、好ましくは、1〜10個、より好ましくは、1〜5個のアミノ酸の置換、付加及び/又は欠失を含む。更に、バリアントは、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%又は更には99%の、好ましくは、上記で定義された輸送配列、より好ましくは、配列番号5〜8又は配列番号21〜22のいずれかとの配列同一性を示す。

0073

好ましくは、本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる輸送配列のそのような改変は、安定性が増大又は減少した輸送配列をもたらす。あるいは、輸送配列のバリアントを、本明細書で使用されるキメラペプチドの細胞内局在化をモジュレートするように設計することができる。外因的に付加した場合、上記で定義されたそのようなバリアントは、典型的には、細胞に進入する輸送配列の能力が保持される(すなわち、細胞中への輸送配列のバリアントの取込みが、輸送配列として使用される天然タンパク質のものと実質的に類似する)ように設計される。例えば、核局在化にとって重要であると考えられる塩基性領域の変化(例えば、Dang及びLee、J.Biol.Chem.264:18019〜18023頁(1989);Hauberら、J.Virol.63:1181〜1187頁(1989);ら、J.Virol.63:1〜8頁(1989)を参照されたい)は、輸送配列、したがって、本明細書で使用されるキメラペプチドの成分としてのJNK阻害剤配列の細胞質の位置又は部分的に細胞質の位置をもたらすことができる。上記に加えて、例えば、コレステロール又は他の脂質部分を輸送配列に連結して、膜溶解性が増大した輸送配列を産生することにより、更なる改変をバリアント中に導入することができる。本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメイン中に含まれる輸送配列の上記の開示されたバリアントのいずれかを、典型的には、当業者には公知の技術を使用して産生することができる(例えば、Sambrook,J.、Fritsch,E.F.、Maniatis,T.(1989)Molecular cloning:A laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照されたい)。

0074

第2のドメインとして、本明細書で使用されるキメラペプチドは、典型的には、これらのJNK阻害剤配列のバリアント、断片及び/又は誘導体を含む、上記で定義されたJNK阻害剤配列のいずれかから選択されるJNK阻害剤配列を含む。

0075

本明細書で使用されるキメラペプチドの両ドメイン、すなわち、第1及び第2のドメインは、機能的ユニットを形成させるように連結されていてもよい。当技術分野で一般的に公知の第1及び第2のドメインを連結するための任意の方法を適用することができる。

0076

一実施形態によれば、本明細書で使用されるキメラペプチドの第1及び第2のドメインは、好ましくは、共有結合によって連結される。本明細書で定義される共有結合は、例えば、ペプチド結合であってもよく、融合タンパク質として上記で定義されたキメラペプチドを発現させることによって取得することができる。本明細書に記載される融合タンパク質を、以下に記載されるような標準的な組換えDNA技術と類似するか、又はそれから容易に適合可能である方法で形成させ、使用することができる。しかしながら、両ドメインを、側鎖を介して連結するか、又は化学的リンカー部分により連結することもできる。

0077

本明細書で使用されるキメラペプチドの第1及び/又は第2のドメインは、前記キメラペプチド中に1又はそれ以上のコピーで存在してもよい。両ドメインが単一のコピーで存在する場合、第1のドメインを、第2のドメインのN末端又はC末端に連結することができる。複数のコピーで存在する場合、第1及び第2のドメインを、任意の可能な順序で配置させることができる。例えば、第1のドメインは、好ましくは、連続する順序で配置される、複数のコピー数で、例えば、2、3又はそれ以上のコピーで、本明細書で使用されるキメラペプチド中に存在してもよい。次いで、第2のドメインは、第1のドメインを含む配列のN又はC末端に存在する単一コピーで存在してもよい。あるいは、第2のドメインは、複数のコピー数で、例えば、2、3又はそれ以上のコピーで存在してもよく、第1のドメインは単一のコピーで存在してもよい。両方の選択肢によれば、第1及び第2のドメインは、連続する配置においていずれの場所を取ってもよい。例示的な配置を以下に示す:例えば、第1のドメイン−第1のドメイン−第1のドメイン−第2のドメイン;第1のドメイン−第1のドメイン−第2のドメイン−第1のドメイン;第1のドメイン−第2のドメイン−第1のドメイン−第1のドメイン;又は例えば、第2のドメイン−第1のドメイン−第1のドメイン−第1のドメイン。当業者は、これらの例が、例示目的に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことをよく理解できる。したがって、コピー数及び配置を、最初に定義されたように変化させることができる。

0078

好ましくは、第1及び第2のドメインを、いかなるリンカーも用いずに互いに直接連結することができる。あるいは、それらを、1〜10個、好ましくは、1〜5個のアミノ酸を含むリンカー配列を介して互いに連結することができる。リンカー配列を形成するアミノ酸は、好ましくは、アミノ酸残基としてのグリシン又はプロリンから選択される。より好ましくは、第1及び第2のドメインを、第1のドメインと第2のドメインとの間の2、3個以上のプロリン残基のヒンジによって互いに分離することができる。

0079

少なくとも1つの第1のドメインと少なくとも1つの第2のドメインとを含む、上記で定義され、本明細書で使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又は両方の組合せから構成されていてもよい。その中で、それぞれのドメイン(並びに使用されるリンカー)は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又は両方の組合せ(例えば、D−TATとL−IB1(s)又はL−TATとD−IB1(s)など)から構成されていてもよい。好ましくは、本明細書で使用されるキメラペプチドは、少なくとも1個又は更には2個、好ましくは少なくとも3、4又は5個、より好ましくは少なくとも6、7、8又は9個、更により好ましくは少なくとも10個以上のD−及び/又はL−アミノ酸を含んでもよく、ここで、D−及び/又はL−アミノ酸を、ブロックごとに、非ブロックごとに、又は交互の様式で、本明細書で使用されるキメラペプチド中に配置してもよい。

0080

特定の実施形態によれば、本明細書で使用されるキメラペプチドは、一般L−TAT−IBペプチドNH2−Xnb−RKKRRQRRR−Xnb−Xna−RPTTLXLXXXXXXXQD−Xnb−COOH(L−TAT−IB(一般)(s))(配列番号10)(式中、X、Xna及びXnbは好ましくは上記で定義された通りである)に記載のL−アミノ酸キメラペプチドを含む又はからなる。より好ましくは、本明細書で使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸キメラペプチドNH2−GRKKRRQRRRPPRPKRPTTLNLFPQVPRSQD−COOH(L−TAT−IB1(s))(配列番号9)を含む又はからなる。あるいは、又は更に、本明細書で使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸キメラペプチド配列GRKKRRQRRRPPDTYRPKRPTTLNLFPQVP RSQDT(L−TAT−IB1)(配列番号23)、若しくはXXXXXXXRKK RRQRRRXXXX XXXXRPTTLX LXXXXXXXQD S/TX(L−TAT−IB一般)(配列番号24)(式中、Xは好ましくは上記で定義された通りである)を含む若しくはからなる、又は本明細書で使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸キメラペプチド配列RKKRRQRRRPPRPKRPTTLNLFPQVPRSQD(L−TAT−IB1(s1))(配列番号27)、GRKKRRQRRRXncRPKRPTTLNLFPQVPRSQD(L−TAT−IB1(s2))(配列番号28)、若しくはRKKRRQRRRXncRPKRPTTLNLFPQVPRSQD(L−TAT−IB1(s3))(配列番号29)を含む若しくはからなる。これに関連して、それぞれのXは、典型的には、上記で定義されたアミノ酸残基を表し、より好ましくは、Xncは、それぞれのXがグリシン又はプロリンから互いに独立に選択されるペプチド残基の連続するストレッチ、例えば、単調なグリシンストレッチ又は単調なプロリンストレッチを表し、ここで、n(Xncの反復数)は、典型的には、0〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜30又は更により好ましくは0〜5又は5〜10である。Xncは、D又はLアミノ酸を表してもよい。

0081

代替的な特定の実施形態によれば、本明細書で使用されるキメラペプチドは、上記で開示されたL−アミノ酸キメラペプチドのD−アミノ酸キメラペプチドを含む又はからなる。本発明による例示的なDレトロ−インベルソキメラペプチドは、例えば、一般D−TAT−IBペプチドNH2−Xnb−DQXXXXXXXLXLTTPR−Xna−Xnb−RRRQRRKKR−Xnb−COOH(D−TAT−IB(一般)(s))(配列番号12)である。ここで、X、Xna及びXnbは、好ましくは上記で定義された通りである(好ましくは、Dアミノ酸を表す)。より好ましくは、本明細書で使用されるキメラペプチドは、TAT−IB1ペプチドNH2−DQSRPVQPFLNLTTPRKPRPPRRRQRRKKRG−COOH(D−TAT−IB1(s))(配列番号11)に記載のD−アミノ酸キメラペプチドを含む又はからなる。あるいは、又は更に、本明細書で使用されるキメラペプチドは、D−アミノ酸キメラペプチド配列TDQSRPVQPFLNLTTPRKPRYTDPPRRRQRRKKRG(D−TAT−IB1)(配列番号25)若しくはXT/SDQXXXXXXXLXLTTPRXXXXXXXXRRRQRRKKRXXXXXXX(D−TAT−IB一般)(配列番号26)(式中、Xは好ましくは、上記で定義された通りである)を含む若しくはからなる、又は本明細書で使用されるキメラペプチドは、D−アミノ酸キメラペプチド配列DQSRPVQPFLNLTTPRKPRPPRRRQRRKKR(D−TAT−IB1(s1))(配列番号30)、DQSRPVQPFLNLTTPRKPRXncRRRQRRKKRG(D−TAT−IB1(s2))(配列番号31)、若しくはDQSRPVQPFLNLTTPRKPRXncRRRQRRKKR(D−TAT−IB1(s3))(配列番号32)を含む若しくはからなる。Xncは、上記で定義された通りであってもよい。

0082

上記で定義されたキメラペプチドの第1及び第2のドメインを、当技術分野で公知の任意の好適な様式で実行される化学的又は生物化学的カップリングによって、例えば、第1のドメインと第2のドメインとの間のペプチド結合を確立することによって、例えば、融合タンパク質として第1のドメインと第2のドメインを発現させることによって、又は例えば、上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋することによって、互いに連結することができる。

0083

上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとの化学的架橋にとって好適な多くの公知の方法は非特異的である、すなわち、それらはカップリング点を、輸送ポリペプチド又はカーゴ大分子上の任意の特定の部位に指向させない。結果として、非特異的架橋剤の使用は、機能部位攻撃するか、又は活性部位立体的に遮断し、コンジュゲートされたタンパク質を生物学的に不活性にすることができる。したがって、好ましくは、第1のドメインと第2のドメインとのより特異的なカップリングを可能にする、そのような架橋方法が使用される。

0084

これに関連して、カップリング特異性を増大させる1つの方法は、架橋しようとする第1のドメインと第2のドメインの一方又は両方に1回のみ、又は数回存在する官能基への直接的な化学的カップリングである。例えば、チオール基を含有する唯一のタンパク質アミノ酸であるシステインは、多くのタンパク質ではほんの数回出現する。また、例えば、ポリペプチドリシン残基を含有しない場合、第1級アミンに特異的な架橋試薬は、そのポリペプチドのアミノ末端に対して選択的である。カップリング特異性を増大させるためのこの手法の使用の成功には、ポリペプチドが分子の生物活性を失うことなく変化させることができる分子の領域中に好適には稀で反応性の残基を有することが必要である。システイン残基がポリペプチド配列の一部に存在する場合、それらを置き換えてもよく、そうでなければ橋反応へのそれらの関与が生物活性を阻害する可能性がある。システイン残基が置き換えられる場合、典型的には、ポリペプチドの折りたたみの結果生じる変化を最小化することが望ましい。ポリペプチドの折りたたみの変化は、置き換えがシステインと化学的に、また立体的に類似する場合に最小化される。これらの理由から、セリンが、システインへの置き換えとして好ましい。以下の実施例に示されるように、システイン残基を、架橋目的でポリペプチドのアミノ酸配列中に導入することができる。システイン残基が導入される場合、アミノ末端又はカルボキシ末端での、又はその近くでの導入が好ましい。従来の方法は、そのようなアミノ酸配列改変のために利用可能であり、ここで、目的のポリペプチドは、化学的合成により、又は組換えDNAの発現を介して産生される。

0085

上記で定義され、本明細書で使用されるキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとのカップリングを、カップリング剤又はコンジュゲート剤により達成することもできる。使用することができるいくつかの分子間架橋試薬が存在する(例えば、Means及びFeeney、CHEMICAL MODIFICATION OF PROTEINS、Holden−Day、1974、39〜43頁を参照されたい)。これらの試薬の中には、例えば、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオプロピオン酸(SPDP)又はN,N’−(1,3−フェニレンビスマレイミド両方ともスルフヒドリル基に対して高度に特異的であり、不可逆的結合を形成する);N,N’−エチレンビス−(ヨードアセタミド)又は6〜11個の炭素のメチレン架橋を有する他のそのような試薬(スルフヒドリル基に対して比較的特異的である);並びに1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(アミノ及びチロシン基との不可逆的結合を形成する)がある。この目的にとって有用な他の架橋試薬としては;p,p’−ジフルオロ−m,m’−ジニトロジフェニルスルホン(アミノ及びフェノール基との不可逆的架橋を形成する);ジメチルアジピミデート(アミノ基に特異的である);フェノール−1,4ジスルホニルクロリド(主にアミノ基と反応する);ヘキサメチレンジイソシアネート若しくはジイソチオシアネート、又はアゾフェニル−p−ジイソシアネート(主にアミノ基と反応する);グルタルアルデヒド(いくつかの異なる側鎖と反応する)及びジスジアゾベンジジン(主にチロシン及びヒスチジンと反応する)が挙げられる。

0086

上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋するために使用される架橋試薬は、ホモ二官能性であってもよい、すなわち、同じ反応を受ける2つの官能基を有する。好ましいホモ二官能性架橋試薬は、ビスマレイミドヘキサン(「BMH」)である。BMHは、温和な条件(pH6.5〜7.7)下でスルフヒドリル含有化合物と特異的に反応する2つのマレイミド官能基を含有する。2つのマレイミド基は、炭化水素鎖によって接続される。したがって、BMHは、システイン残基を含有するポリペプチドの不可逆的架橋にとって有用である。

0087

上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋するために使用される架橋試薬はまた、ヘテロ二官能性であってもよい。ヘテロ二官能性架橋剤は、それぞれ、遊離アミン及びチオールを有する2つのタンパク質を架橋する、2つの異なる官能基、例えば、アミン反応基及びチオール反応基を有する。ヘテロ二官能性架橋剤の例は、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(「SMCC」)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(「MBS」)、及びスクシンイミド4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(「SMPB」)、MBSの拡張鎖類似体である。これらの架橋剤のスクシンイミジル基は第1級アミンと反応し、チオール反応性マレイミドはシステイン残基のチオールと共有結合を形成する。

0088

上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋するのに好適な架橋試薬は、水中で低い溶解度を有することが多い。したがって、スルホネート基などの親水性部分を架橋試薬に付加して、その水溶性を改善することができる。これに関して、スルホ−MBS及びスルホ−SMCCは、本発明に従って使用することができる、水溶性について改変された架橋試薬の例である。

0089

同様に、多くの架橋試薬は、細胞条件下で本質的に非切断性であるコンジュゲートをもたらす。しかしながら、上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋するのに特に好適ないくつかの架橋試薬は、細胞条件下で切断性である、ジスルフィドなどの共有結合を含有する。例えば、トラウト試薬、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオン酸)(「DSP」)、及びN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(「SPDP」)は、周知の切断性架橋剤である。切断性架橋試薬の使用により、カーゴ部分標的細胞中への送達後に輸送ポリペプチドから分離することが可能となる。直接ジスルフィド結合も有用であり得る。

0090

上記で考察されたものを含むいくつかの架橋試薬が商業的に入手可能である。その使用のための詳細な説明書は、業者から容易に入手可能である。タンパク質架橋及びコンジュゲート調製に関する一般的な参考文献は、Wong, CHEMISTRY OF PROTEIN CONJUGATION AND CROSSLINKING,CRCPress (1991)である。

0091

上記で定義されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとの化学的架橋は、スペーサーアームを含んでもよい。スペーサーアームは、分子内可撓性を提供するか、又はコンジュゲートされた部分の間の分子間距離を調整し、それによって、生物活性を保持するのに役立ち得る。スペーサーアームは、スペーサーアミノ酸、例えば、プロリンを含むポリペプチド部分の形態にあってもよい。あるいは、スペーサーアームは、「長鎖SPDP」(Pierce Chem.CO.、Rockford、IL.、カタログ番号21651H)などにおける架橋試薬の一部であってもよい。

0092

好ましくは、本明細書に開示される任意のペプチド、特に、本明細書に開示されるJNK阻害剤、輸送配列及びキメラペプチド、好ましくは、配列番号11のJNK阻害剤は、その末端の一方又は両方に、すなわち、C若しくはN末端又は両方に改変を有してもよい。C末端は、好ましくは、アミド改変により改変することができるが、N末端は例えば、アシル化などの任意の好適なNH2保護基により改変することができる。より好ましくは、本明細書に開示されるJNK阻害剤及びキメラペプチド、好ましくは、配列番号11のJNK阻害剤は、C末端でのアミド改変によって改変される。

0093

好ましくは、本明細書中に記載されるキメラペプチドにおいて、キメラペプチドは、(a)配列番号11と少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%同一であるアミノ酸配列、又は(b)配列番号11のアミノ酸配列を含み、
(i)キメラペプチドのC末端が、アミド修飾により修飾されている、及び/又は
(ii)キメラペプチドのN末端が、NH2保護基によって、例えばアシル化によって修飾されている。

0094

また、本明細書に開示される任意のペプチド、特に、本明細書に開示されるJNK阻害剤、輸送配列(例えば、キメラペプチドの)及びキメラペプチド、好ましくは、配列番号11のJNK阻害剤を、1、2又は3個のアミノ酸によって、そのN及び/又はC末端で欠失させることも好ましい。例えば、本発明によるキメラペプチドにおいて、それぞれのドメイン、すなわち、JNK阻害剤及び輸送配列ドメインを、1、2若しくは3個のアミノ酸によってそのN及び/又はC末端で欠失させる、及び/又は本発明によるキメラペプチドを、1、2若しくは3個のアミノ酸によってそのN及び/又はC末端で欠失させることができる。より好ましくは、本発明のキメラペプチドは、TAT−IB1ペプチド[NH2−DQSRPVQPFLNLTTPRKPRPPRRRQRRKKRG−COOH、配列番号11]に記載のD−アミノ酸キメラペプチドを含む又はからなり、第1のドメインと第2のドメインの連結部分(PPの代わり)は、上記で定義された−Xna−Xnb−から構成されていてもよい。特に、最終的には(PP)の代わりに−Xna−Xnb−を含む配列番号11の第2のドメインを、1、2又は3個のアミノ酸によってそのN及び/又はC末端で欠失させることができる。別の好ましい実施形態においては、配列番号11の第1のドメインを、1、2又は3個のアミノ酸によってそのN及び/又はC末端で欠失させることができる。この/これらの欠失を、第2のドメインの末端のアミノ酸残基について開示される欠失と組み合わせることができる。繰り返しになるが、ペプチドが短くなるほど、その(非特異的)細胞毒性が低くなる。しかしながら、そのペプチドは、その生物学的機能、すなわち、その細胞膜透過性(第1のドメイン)及びそのJNK阻害機能(第2のドメイン)を保持しなければならない。

0095

更に、上記で開示されたキメラペプチドの1つのバリアント、断片又は誘導体を、本明細書で使用することができる。断片及びバリアントに関して、それは一般的には、JNK阻害剤配列について上記に与えられた定義を言う。

0096

特に、本発明ににおいて、「キメラペプチドのバリアント」は、好ましくは、配列番号9〜12及び23〜32の配列のいずれかに由来する配列であり、ここで、キメラバリアントは、本明細書で使用されるような配列番号9〜12及び23〜32のキメラペプチドのアミノ酸変化を含む。そのような変化は、典型的には、配列番号9〜12及び23〜32のアミノ酸の1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個の置換、付加及び/又は欠失(断片をもたらす)を含み、本明細書で使用される変化したキメラペプチドは、少なくとも約30%、50%、70%、80%、又は95%、98%又は更には99%の、配列番号9〜12及び23〜32の配列のいずれかとの配列同一性を示す。

0097

好ましくは、キメラペプチドは、配列番号9又は11と少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる又は含む。より好ましくは、キメラペプチドは、配列番号9又は11のアミノ酸配列からなる又は含む。キメラペプチドは、
(i)配列番号11のアミノ酸配列、又は
(ii)配列番号11と少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる又は含むことが特に好ましい。

0098

好ましくは、前記バリアントは、本明細書で使用されるキメラペプチド中に含まれるような第1及び第2のドメインの生物活性、すなわち、上記で開示された第1のドメインの輸送活性と、JNKに結合する、及び/又は少なくとも1つのJNK活性化転写因子の活性化を阻害する第2のドメインの活性とを保持する。

0099

したがって、本明細書で使用されるキメラペプチドはまた、上記に開示されたキメラペプチド、特に、配列番号9〜12及び23〜32のいずれかのキメラペプチド配列の断片も含む。したがって、本発明においては、「キメラペプチドの断片」は、好ましくは、配列番号9〜12及び23〜32の配列のいずれかに由来する配列であり、断片は配列番号9〜12及び23〜32のいずれかの少なくとも4つの連続するアミノ酸を含む。この断片は、好ましくは、これらの配列のいずれかに由来するエピトープの特異的認識を可能にし、前記配列を細胞、核又は更に好ましい位置に輸送するのに十分である長さを含む。更により好ましくは、断片は、配列番号9〜12及び23〜32のいずれかの4〜18、4〜15、又は最も好ましくは4〜10個の連続するアミノ酸を含む。本明細書で使用されるキメラペプチドの断片を、少なくとも約30%、50%、70%、80%、又は95%、98%又は更には99%の、配列番号9〜12及び23〜32のいずれかの配列のいずれかとの配列同一性を有する配列と更に定義することができる。

0100

最後に、本明細書で使用されるキメラペプチドはまた、上記で開示されたキメラペプチド、特に、配列番号9〜12及び23〜32のいずれかのキメラペプチド配列の誘導体も含む。

0101

更なる態様においては、本発明は、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置に使用するための、
(a)本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドと、
(b)PKR阻害剤と
の組合せなどの組合せ療法を提供する。

0102

PKR阻害剤は、二本鎖RNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)の阻害剤である。PKR阻害剤の好ましい例としては、C16(PKRiとも称される)、2−アミノプリン(2−AP)、及びペプチドPKR阻害剤(例えば、M.J.Duら、Selection of peptide inhibitors for double−stranded RNA−dependent protein kinase PKR, Biochemistry (Mosc.) 2013 Nov;78(11):1254−62に記載のペプチドP1及びP2など)が挙げられる。Duら、2013は、また、PKRペプチド阻害剤をどのように同定するかの方法を提供する。ペプチドPKR阻害剤がより好ましく、特に好ましいペプチドPKR阻害剤は、PolyPeptide Groupによって与えられる「SC1481」である。

0103

好ましくは、前記組合せは、更に、
(c)アミロイド低下剤、及び/又は
(d)グルココルチコイドを含む。

0104

アミロイド低下剤は、β−セクレターゼ(BACE1)阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤(GSI)及びモジュレータ(GSM)を含む。現在、臨床試験中にある、そのようなアミロイド低下剤の例を、Vassar R.(2014)BACE1 inhibitor drugs in clinical trials for Alzheimer’s disease. Alzheimers Res Ther.;6(9):89頁から、又はJia Q、Deng Y、Qing H(2014)Potential therapeutic strategies for Alzheimer’s disease targeting or beyond β−amyloid:insights from clinical trials. Biomed Res Int.2014;2014:837157頁から回収することができ、例えば、ピオグリタゾンCTS−21166、MK8931、LY2886721、AZD3293、E2609、NIC5−15、ベガセスタット、CHF5074、EVP−0962、アトルバスタチンシンバスタチンエタゾレートエピガロカテキン−3−ガレート(EGCg)、シロイノシトール(ELND005/AZD103)、トラミプロセート(3APS)、PBT2、アフィトープAD02、及びアフィトープAD03がある。更に好ましいアミロイド低下剤は、M.S.Wolfe, Amyloid lowering agents,BMCNeurosci. 2008; 9(Suppl 2): S4によって記載されているものである。

0105

グルココルチコイドの好ましい例としては、ヒドロコルチゾンプレドニゾンプレドニゾロンメチルプレドニゾロンデキサメタゾンベタメタゾントリアムシノロンベクロメタゾンフルドロコルチゾン、及びデオキシコルチコステロンが挙げられる。デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、及びメチルプレドニゾロンが特に好ましい。

0106

本発明は、また、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置に使用するための更なる組合せ療法、即ち、
(a)本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドと、
(b)アミロイド低下剤との組合せを提供する。

0107

好ましくは、前記組合せは、更に、
(c)PKR阻害剤、及び/又は
(d)グルココルチコイドを含む。

0108

アミロイド低下剤、PKR阻害剤、及びグルココルチコイドは、前述のように選択することができる。

0109

一般に、本明細書中に記載される組合せ療法においては、異なる成分を別々又は同一の医薬組成物で投与することができる。組合せ療法が2超の成分を含む場合、成分のうちの2つ(又は2以上)を同一の医薬組成物中に含有させ、少なくとも1つの更なる成分を別の医薬組成物で投与することもできる。一般に、組み合わせる活性成分は、別々の医薬組成物であることが、個々の投与量をよりよく調整できる点で好ましいが、利便性の点では、組み合わせる活性成分を含む単一の医薬組成物も考えられる。

0110

組み合わせる活性成分が別々の医薬組成物にある場合、本発明に係るJNK阻害剤又はキメラペプチドは、PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドなどの他の活性成分の投与前、投与中(同時又は重複投与)、又は投与後に投与することができる。好ましくは、JNK阻害剤配列又はキメラペプチドは、PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドの前又は後に投与される。

0111

PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドの投与「前」のJNK阻害剤配列又はキメラペプチドの投与は、好ましくは、JNK阻害剤配列又はキメラペプチドの投与が、PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドの投与開始前の24h以内、より好ましくは12h以内、更により好ましくは3h以内、特に好ましくは1h以内、及び最も好ましくは30min以内に終了することを意味する。PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドの投与「後」のJNK阻害剤配列又はキメラペプチドの投与は、好ましくは、PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドの投与終了後の24h以内、より好ましくは12h以内、更により好ましくは3h以内、特に好ましくは1h以内、及び最も好ましくは30min以内であることを意味する。

0112

更に、JNK阻害剤配列又はキメラペプチドは、PKR阻害剤、アミロイド低下剤、及び/又はグルココルチコイドと同一又は異なる投与経路で投与することができる。好ましい投与経路を、特に医薬組成物の文脈において以下に記載する。医薬組成物について記載される好ましい実施形態は、組合せ療法の文脈にも当てはまる

0113

本発明は更に、対象における上記で定義された軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害を防止及び/又は処置するための医薬組成物の調製のための、上記で定義されたJNK阻害剤配列をコードする核酸配列、キメラペプチド又はその断片、バリアント若しくは誘導体(いずれも上で定義されている)の使用に関する。言い換えれば、本発明は、また、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドをコードする単離された核酸を提供する。本明細書で使用されるJNK阻害剤配列をコードする好ましい好適な核酸は、典型的には、ヒトIB1核酸(GenBank受託番号AF074091)、ラットIB1核酸(GenBank受託番号AF108959)、若しくはヒトIB2(GenBank受託番号AF218778)から、又は上記で定義された配列のいずれかをコードする任意の核酸配列、すなわち、配列番号1〜26の任意の配列から選択される。

0114

本明細書で使用されるJNK阻害剤配列又は本明細書で使用されるキメラペプチドをコードする核酸を、当技術分野で公知の任意の方法によって取得することができる(例えば、配列の3’及び5’末端にハイブリダイズ可能な合成プライマーを使用するPCR増幅による、及び/又は所与の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチド配列を使用するcDNA若しくはゲノムライブラリーからのクローニングによる)。

0115

更に、ストリンジェントな条件下で、上記で定義された(天然)JNK阻害剤配列又はキメラペプチドをコードする適切な鎖とハイブリダイズする核酸配列も同様に本明細書に開示される。好ましくは、そのような核酸配列は、特異的ハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な長さを有する、少なくとも6個の(連続する)核酸を含む。より好ましくは、そのような核酸配列は、6〜38個、更により好ましくは6〜30個、最も好ましくは6〜20個又は6〜10個の(連続する)核酸を含む。

0116

「ストリンジェントな条件」は、配列依存的であり、異なる環境下では異なるものである。一般に、ストリンジェントな条件を、規定のイオン強度及びpHで特定の配列に関する融点(TM)より約5℃低くなるように選択することができる。TMは、標的配列の50%が、完全に一致したプローブにハイブリダイズする温度(規定のイオン強度及びpHの下で)である。典型的には、ストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7で少なくとも約0.02モルであり、温度が少なくとも約60℃であるものである。他の因子ハイブリダイゼーションストリンジェンシー(特に、とりわけ塩基組成及び相補鎖のサイズを含む)、有機溶媒の存在及び塩基不一致の程度に影響し得るため、パラメータの組合せが、いずれか1つの絶対的な尺度よりも重要である。

0117

「高ストリンジェンシー条件」は、例えば、以下のものを含んでもよい。ステップ1:6*SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mMEDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.02%BSA、及び500μg/ml変性サケ精子DNAから構成されるバッファー中、65℃で8時間から一晩、DNAを含有するフィルター予備処理する。ステップ2:100mg/mlの変性サケ精子DNA及び5〜20*106cpmの32P標識プローブを添加した上記のプレハイブリダイゼーション合物中、65℃で48時間、フィルターをハイブリダイズさせる。ステップ3:2*SSC、0.01%PVP、0.01%Ficoll、及び0.01%BSAを含有する溶液中、37℃で1時間、フィルターを洗浄する。この後、0.1*SSC中、50℃で45分間洗浄する。ステップ4:フィルターをオートラジオグラフィーにかける。使用することができる高ストリンジェンシーの他の条件は、当技術分野で周知である(例えば、Ausubelら(編)、1993、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons、NY及びKriegler、1990、Gene Transfer and Expression,a Laboratory Manual、Stockton Press、NYを参照されたい)。

0118

「中ストリンジェンシー条件」は、以下のものを含んでもよい。ステップ1:6*SSC、5*Denhardt溶液、0.5%SDS及び100mg/ml変性サケ精子DNAを含有する溶液中、55℃で6時間、DNAを含有するフィルターを予備処理する。ステップ2:5〜20*106cpmの32P標識プローブを添加した同じ溶液中、55℃で18〜20時間、フィルターをハイブリダイズさせる。ステップ3:2*SSC、0.1%SDSを含有する溶液中、37℃で1時間、フィルターを洗浄した後、1*SSC及び0.1%SDSを含有する溶液中、60℃で30分間、2回洗浄する。ステップ4:フィルターをドライブロットし、オートラジオグラフィーに曝露する。使用することができる中ストリンジェンシーの他の条件は、当技術分野で周知である(例えば、Ausubelら(編)、1993、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons、NY及びKriegler、1990、Gene Transfer and Expression,a Laboratory Manual、Stockton Press、NYを参照されたい)。

0119

最後に、「低ストリンジェンシー条件」は、以下を含んでもよい。ステップ1:35%ホルムアミド、5XSSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mMEDTA、0.1%PVP、0.1%Ficoll、1%BSA、及び500μg/ml変性サケ精子DNAを含有する溶液中、40℃で6時間、DNAを含有するフィルターを予備処理する。ステップ2:0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.2%BSA、100μg/mlサケ精子DNA、10%(wt/vol)硫酸デキストラン、及び5〜20x106cpmの32P標識プローブを添加した同じ溶液中、40℃で18〜20時間、フィルターをハイブリダイズさせる。ステップ3:2XSSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTA、及び0.1%SDSを含有する溶液中、55℃で1.5時間、フィルターを洗浄する。洗浄溶液新鮮な溶液と交換し、60℃で更に1.5時間インキュベートする。ステップ4:フィルターをドライブロットし、オートラジオグラフィーに曝露する。必要に応じて、フィルターを65〜68℃で3回目の洗浄を行い、フィルムに再曝露する。使用することができる低ストリンジェンシーの他の条件は、当技術分野で周知である(例えば、交差種ハイブリダイゼーションのために用いられる)。例えば、Ausubelら(編)、1993、CURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley and Sons、NY;及びKriegler、1990、GENE TRANSFERAND EXPRESSION,A LABORATORYMANUAL、Stockton Press、NYを参照されたい。

0120

本発明による上記で定義された核酸配列を使用して、ペプチド、すなわち、分析、特徴付け又は治療的使用のために;対応するペプチド(本明細書で使用される)が優先的に発現される(構成的に、又は組織分化若しくは発達の特定の段階で、又は疾患状態において)組織マーカーとして、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列又は本明細書で使用されるキメラペプチドを発現させることができる。これらの核酸のための他の使用としては、例えば、核酸のゲル電気泳動に基づく分析における分子量マーカーが挙げられる。

0121

本発明の更なる実施形態によれば、発現ベクターを、上記で定義された1つ若しくはそれ以上のJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの組換え発現のために上記目的で使用することができる。言い換えれば、本発明は、また、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において(そのための医薬の調製において)用いるための前記核酸を含むベクターも提供する。用語「発現ベクター」は、二本鎖又は一本鎖である、環状又は線状DNA又はRNAを指すように本明細書で使用される。それは、宿主細胞又は単細胞若しくは多細胞宿主生物中に導入される上記で定義された少なくとも1つの核酸を更に含む。本明細書で使用される発現ベクターは、好ましくは、本明細書で使用されるJNK阻害剤配列又はその断片若しくはバリアント、又は本明細書で使用されるキメラペプチド又はその断片若しくはバリアントをコードする上記で定義された核酸を含む。更に、本発明による発現ベクターは、好ましくは、インスレーター境界エレメント、LCR(例えば、Blackwood及びKadonaga(1998)、Science 281、61〜63頁によって記載されている)又はマトリックス足場結合領域(例えば、Li,Harju及びPeterson(1999)、TrendsGenet.15、403〜408頁によって記載されている)などの、宿主細胞中における挿入されたポリヌクレオチドの発現を駆動する、ウイルス、細菌、植物、哺乳動物、及び他の真核供給源に由来するエンハンサープロモーターなどの様々な調節エレメントを含む、発現を支援するための適切なエレメントを含む。いくつかの実施形態においては、調節エレメントは異種性である(すなわち、天然の遺伝子プロモーターではない)。あるいは、必要な転写及び翻訳シグナルを、遺伝子のための天然プロモーター及び/又はその隣接領域によって供給することもできる。

0122

本明細書で使用される用語「プロモーター」とは、上記で定義された1つ又は複数の核酸配列の転写を制御するように機能し、DNA依存的RNAポリメラーゼ結合部位及びプロモーター機能を調節するように相互作用する他のDNA配列の存在によって構造的に同定されるDNAの領域を指す。プロモーターの断片を促進する機能的発現は、プロモーターとしての活性を保持する短縮型又はトランケート型プロモーター配列である。プロモーター活性は、当技術分野で公知の任意のアッセイによって測定することができる(例えば、Wood、de Wet、Dewji、及びDeLuca(1984)、Biochem Biophys.Res.Commun.124、592〜596頁;Seliger及びMcElroy(1960)、Arch.Biochem.Biophys.88、136〜141頁を参照されたい)、又はPromega(登録商標)から商業的に入手可能である。

0123

本明細書で定義される発現ベクターに対して使用される「エンハンサー領域」は、典型的には、1つ又は複数の遺伝子の転写を増加させるように機能するDNAの領域を指す。より具体的には、本明細書で使用される用語「エンハンサー」は、発現させる遺伝子に関してその位置及び向きと関係なく遺伝子の発現を増強する、増大させる、改善する、又は改良するDNA調節エレメントであり、1を超えるプロモーターの発現を増強する、増大させる、改善する、又は改良してもよい。

0124

本明細書で定義される発現ベクター中で使用されるプロモーター/エンハンサー配列は、植物、動物昆虫、又は真菌調節配列を使用してもよい。例えば、酵母及び他の真菌に由来するプロモーター/エンハンサーエレメント(例えば、GAL4プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼプロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター)を使用することができる。あるいは、又は更に、それらは、動物の転写制御領域、例えば、(i)膵臓ベータ細胞内で活性なインスリン遺伝子制御領域(例えば、Hanahanら、1985、Nature 315:115〜122頁を参照されたい);(ii)リンパ系細胞内で活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域(例えば、Grosschedlら、1984、Cell 38:647〜658頁を参照されたい);(iii)肝臓内で活性なアルブミン遺伝子制御領域(例えば、Pinckertら、1987、Genes and Dev 1:268〜276頁を参照されたい);(iv)脳のオリゴデンドロサイト細胞内で活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(例えば、Readheadら、1987、Cell 48:703〜712頁を参照されたい);及び(v)海馬内で活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域(例えば、Masonら、1986、Science 234:1372〜1378頁を参照されたい)などを含んでもよい。

0125

更に、本明細書で定義される発現ベクターは、増幅マーカーを含んでもよい。この増幅マーカーを、例えば、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、ジヒドロ葉酸リダクターゼ(DHFR)、多剤耐性遺伝子(MDR)、オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)及びN−(ホスホンアセチル)−L−アスパラギン酸耐性CAD)からなる群から選択することができる。

0126

本発明にとって好適な例示的な発現ベクター又はその誘導体としては、特に、例えば、ヒト又は動物のウイルス(例えば、ワクシニアウイルス又はアデノウイルス);昆虫ウイルス(例えば、バキュロウイルス);酵母ベクターバクテリオファージベクター(例えば、ラムダファージ);プラスミドベクター及びコスミドベクターが挙げられる。

0127

本発明は、更に、上記で定義された核酸のペプチドコード配列を発現することができる、様々な宿主−ベクター系を使用することができる。これらのものとしては、限定されるものではないが、(i)ワクシニアウイルス、アデノウイルスなどに感染した哺乳動物細胞系;(ii)バキュロウイルスなどに感染した昆虫細胞系;(iii)酵母ベクターを含有する酵母又は(iv)バクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、若しくはコスミドDNAで形質転換された細菌が挙げられる。使用される宿主−ベクター系に応じて、いくつかの好適な転写及び翻訳エレメントのいずれか1つを使用することができる。

0128

好ましくは、目的の挿入配列の発現をモジュレートする、又は所望の特定の様式で前記配列によってコードされる発現されるペプチドを改変する、若しくはプロセシングする、そのような宿主−ベクター系にとって好適な宿主細胞株を選択することができる。更に、ある特定のプロモーターからの発現を、選択された宿主株中、ある特定の誘導因子の存在下で増強させ、したがって、遺伝子操作されたペプチドの発現の制御を容易にすることができる。更に、様々な宿主細胞が、発現されるペプチドの翻訳及び翻訳後プロセシング及び改変(例えば、グリコシル化、リン酸化など)のための特徴的で特異的な機構を有する。したがって、適切な細胞株又は宿主系を選択して、所望の改変を確保することができ、外来ペプチドのプロセシングが達成される。例えば、細菌系内でのペプチド発現を使用して、非グリコシル化されたコアペプチドを産生させることができるが、哺乳動物細胞内での発現は、異種ペプチドの「天然」グリコシル化を確保する。

0129

したがって、本発明は、また、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において(そのための医薬の調製において)用いるための前記ベクターを含む細胞も提供する。

0130

本発明は、本明細書で定義される軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置のための、上記のJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドに対する抗体の使用を更に提供する。言い換えれば、本発明は、また、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための請求項1から9のいずれかに定義されるJNK阻害剤配列又は請求項10から20のいずれかに定義されるキメラペプチドに免疫特異的に結合する抗体を提供する。更に、本発明によるJNK阻害剤配列、又はそのような阻害剤配列を含有するキメラペプチドに特異的な抗体の産生のための効率的な手段が記載され、この目的のために使用することができる。

0131

本発明によれば、本明細書で定義されるJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチド、並びに、その断片、バリアント又は誘導体を、これらのペプチド成分に免疫特異的に結合する抗体を生成するための免疫原として使用することができる。そのような抗体としては、例えば、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体キメラ抗体一本鎖抗体Fab断片及びFab発現ライブラリーが挙げられる。特定の実施形態においては、本発明は、上記で定義されたキメラペプチド又はJNK阻害剤配列に対する抗体を提供する。当技術分野で公知の様々な手順を、これらの抗体の産生のために使用することができる。

0132

例えば、様々な宿主動物を、上記で定義された任意のキメラペプチド又はJNK阻害剤配列を用いる注射によってポリクローナル抗体の産生のために免疫することができる。それにより、様々なアジュバントを使用して、免疫応答を増加させることができ、それには、限定されるものではないが、Freundの(完全及び不完全)アジュバント、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、リゾレシチンプルロニックポリオールポリアニオン、ペプチド、油乳濁液ジニトロフェノールなど)、CpG、ポリマー、プルロニック、並びにカルメットゲラン桿菌(Bacille Calmette−Guerin)及びコリネバクテリウムパルブム(Corynebacterium parvum)などのヒトアジュバントが挙げられる。

0133

上記で定義されたキメラペプチド又はJNK阻害剤配列に対するモノクローナル抗体の調製のために、連続細胞株培養によって抗体分子の産生を提供する任意の技術を使用することができる。そのような技術としては、限定されるものではないが、ハイブリドーマ技術(Kohler及びMilstein、1975、Nature 256:495〜497頁を参照されたい);トリオーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983、Immunol Today 4:72頁を参照されたい)及びヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、1985、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77〜96頁を参照されたい)が挙げられる。ヒトモノクローナル抗体を、本発明の実施において使用し、ヒトハイブリドーマの使用(Coteら、1983、Proc Natl Acad Sci USA 80:2026〜2030頁を参照されたい)により、又はin vitroでヒトB細胞をエプスタイン・バーウイルスで形質転換すること(Coleら、1985、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77〜96頁を参照されたい)により産生することができる。

0134

本発明によれば、技術を、本明細書で定義されるJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドに特異的な一本鎖抗体(例えば、米国特許第4,946,778号を参照されたい)の産生のために適合させることができる。更に、Fab発現ライブラリーの構築のために方法を適合させて(例えば、Huseら、1989、Science 246:1275〜1281頁を参照されたい)、これらのJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドに対する所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ効率的な同定を可能にすることができる。当技術分野で周知の技術(例えば、米国特許第5,225,539号を参照されたい)により、非ヒト抗体を「ヒト化」することができる。例えば、(i)抗体分子のペプシン消化により産生されるF(ab’)2断片;(ii)F(ab’)2断片のジスルフィド架橋還元することにより生成されるFab断片;(iii)抗体分子のパパイン及び還元剤による処理により生成されるFab断片並びに(iv)Fv断片などの、本明細書で定義されるJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドに対するイディオタイプを含有する抗体断片を、当技術分野で公知の技術により産生することができる。

0135

本発明の一実施形態においては、抗体のスクリーニングのために使用することができ、所望の特異性を有する方法としては、限定されるものではないが、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)及び当技術分野で公知の他の免疫学的に媒介される技術が挙げられる。特定の実施形態においては、本明細書で定義されるJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの特定のエピトープ(例えば、典型的には、5〜20個、好ましくは8〜18個、最も好ましくは8〜11個のアミノ酸の長さを含むその断片)に特異的である抗体の選択は、そのようなエピトープを有する、本明細書で定義されるJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドの断片に結合するハイブリドーマの生成によって容易になる。上記で定義されたエピトープに特異的であるこれらの抗体も、本明細書で提供される。

0136

本明細書で定義される抗体を、例えば、適切な生理学的試料内のペプチドのレベルを測定する際に使用するため、診断方法において使用するため、又はペプチドを画像化する際に使用するためなどに、JNK阻害剤配列(及び/又は対応する上記で定義されたキメラペプチド)の局在化及び/又は定量化に関する当技術分野で公知の方法において使用することができる。

0137

本発明にしたがって定義されるJNK阻害剤配列、キメラペプチド、核酸、ベクター、ホスト細胞、及び/又は抗体は、医薬組成物中に処方することができ、これを、本明細書中に定義される軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置に適用することができる。したがって、本発明は、また、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置において使用するための、
(i)本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列、本明細書中に記載されるキメラペプチド、本明細書中に記載される核酸、本明細書中に記載されるベクター、本明細書中に記載される(ホスト)細胞、及び/又は本明細書中に記載される抗体と、
(ii)薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も提供する。

0138

典型的には、本発明に従って使用されるそのような医薬組成物は、活性成分として、例えば、(i)上記で定義されたJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチド、及び/又はそのバリアント、断片若しくは誘導体、特に、配列番号1〜4及び13〜20及び33〜100の配列のいずれかのJNK阻害剤配列及び/又は配列番号9〜12及び23〜32の配列のいずれかのキメラペプチド、好ましくは配列番号11の配列のキメラペプチド、及び/又は配列番号5〜8及び21〜22のいずれかの輸送配列を含む、配列番号1〜4及び13〜20及び33〜100の配列のいずれかのJNK阻害剤配列、又は上記定義内にあるそのバリアント若しくは断片のいずれか1つ若しくは複数;及び/又は(ii)上記で定義されたJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチド及び/又はそのバリアント若しくは断片をコードする核酸、及び/又は(iii)上記で定義された、JNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチド、及び/又はそのバリアント、断片若しくは誘導体のいずれか1つ若しくは複数を含む細胞、及び/又は(iv)上記で定義されたJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチド及び/又はそのバリアント若しくは断片をコードするベクター及び/又は核酸をトランスフェクトされた細胞を含む。

0139

好ましい実施形態によれば、本発明に従って使用されるそのような医薬組成物は、典型的には、安全かつ有効な量の上記で定義された成分、好ましくは、配列番号1〜4及び13〜20及び33〜100の配列のいずれかの少なくとも1つのJNK阻害剤配列及び/又は配列番号9〜12及び23〜32の配列のいずれかの少なくとも1つのキメラペプチド、好ましくは配列番号11の配列のキメラペプチド、及び/又は配列番号5〜8及び21〜22のいずれかの輸送配列を含む、配列番号1〜4及び13〜20及び33〜100の配列のいずれかの少なくとも1つのJNK阻害剤配列、又は上記定義内にあるそのバリアント若しくは断片、又はそれをコードする少なくとも1つの核酸、又は上記で定義された少なくとも1つのベクター、宿主細胞若しくは抗体を含む。本発明に従って使用される医薬組成物は、活性成分として、配列番号11の配列又は上記で定義されたその機能的配列バリアントを含む又はからなるキメラペプチドを含むことが特に好ましい。

0140

更に、本発明に従って使用される医薬組成物は、更に、すなわち、上記で定義されたJNK阻害剤配列及び/又はキメラペプチドのいずれか1つ若しくは複数、及び/又はそのバリアント、断片若しくは誘導体に加えて、場合により、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害においても有用である更なる「活性成分」をも含んでもよい。これに関連しては、本発明による医薬組成物は、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の療法において、更なる「活性成分」を含む更なる医薬組成物と組み合わせることもできる。例えば、本発明によるJNK阻害剤及び/又はキメラペプチドを含む医薬組成物は、独立型療法として、又はPKR阻害剤と組み合わせて、場合により、本発明によるJNK阻害剤及びPKR阻害剤に加えて、アミロイド低下剤と組み合わせて、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因するMCIの防止及び/又は処置において使用することができる。

0141

したがって、医薬組成物は、PKR阻害剤を更に含むことが好ましい。更に、医薬組成物は、アミロイド低下剤及び/又はグルココルチコイドを更に含むことができる。組合せ療法の文脈で上に記載した好ましいPKR阻害剤、アミロイド低下剤、及びグルココルチコイドは、本明細書中に記載される医薬組成物においても好ましい。

0142

前記組合せ療法の場合、組み合わせる活性成分は、別々の医薬組成物であることが、個々の投与量をよりよく調整できる点で好ましいが、利便性の点では、組み合わせる活性成分を含む単一の医薬組成物も考えられる。

0143

本発明の発明者らは更に、それぞれ、本明細書で定義されるJNK阻害剤配列及びキメラペプチドが、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害に関与する細胞において特に良好な取込み率を示すことを見出した。したがって、対象に投与される医薬組成物中の、それぞれ、JNK阻害剤配列及びキメラペプチドの量は、限定されるものではないが、非常に低用量を有してもよい。したがって、用量は、DTS−108(Florence Meyer−Losicら、Clin Cancer Res.、2008、2145〜53頁)などの、当技術分野で公知のペプチド薬物よりもはるかに低いものであってもよい。これは、いくつかの肯定的な側面、例えば、潜在的な副反応の減少及び費用の減少を有する。

0144

好ましくは、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列、本明細書中に記載されるキメラペプチド、本明細書中に記載される組合せ療法、本明細書中に記載される医薬組成物において、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドの用量(体重1kgあたり)は、10mmol/kgまで、好ましくは、1mmol/kgまで、より好ましくは、100μmol/kgまで、更により好ましくは、10μmol/kgまで、更により好ましくは、1μmol/kgまで、更により好ましくは、100nmol/kgまで、最も好ましくは、50nmol/kgまでの範囲にある。

0145

また、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列、本明細書中に記載されるキメラペプチド、本明細書中に記載される組合せ療法、本明細書中に記載される医薬組成物において、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドの用量(体重1kgあたり)は、100mg/kgまで、好ましくは、50mg/kgまで、より好ましくは、10mg/kgまで、最も好ましくは、1mg/kgまでの範囲にある。

0146

したがって、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドの用量範囲は、好ましくは、約0.01pmol/kg〜約1mmol/kg、約0.1pmol/kg〜約0.1mmol/kg、約1.0pmol/kg〜約0.01mmol/kg、約10pmol/kg〜約1μmol/kg、約50pmol/kg〜約500nmol/kg、約100pmol/kg〜約300nmol/kg、約200pmol/kg〜約100nmol/kg、約300pmol/kg〜約50nmol/kg、約500pmol/kg〜約30nmol/kg、約250pmol/kg〜約5nmol/kg、約750pmol/kg〜約10nmol/kg、約1nmol/kg〜約50nmol/kg、又は前記値のいずれか2つの組合せであってもよい。

0147

好ましくは、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列、本明細書中に記載されるキメラペプチド、本明細書中に記載される組合せ療法、本明細書中に記載される医薬組成物において、本明細書中に記載されるJNK阻害剤配列又は本明細書中に記載されるキメラペプチドの用量(体重1kgあたり)は、1μg/kg〜100mg/kg、好ましくは、10μg/kg〜50mg/kg、より好ましくは、100μg/kg〜10mg/kg、最も好ましくは、500μg/kg〜1mg/kgの範囲にある。

0148

これに関連して、上記の医薬組成物を使用する場合の処置の処方、例えば、用量の決定などは、典型的には、一般開業医及び他の医師責任の範囲内にあり、典型的には、処置される障害、個々の患者の状態、送達部位投与方法及び医師には公知の他の因子を考慮に入れる。上記の技術及びプロトコールの例を、REMINGTON’SPHARMACEUTICAL SCIENCES、第16版、Osol,A.(編)、1980に見出すことができる。したがって、本発明に従って使用される医薬組成物の成分のための上記で定義された「安全かつ有効な量」とは、本明細書で定義される軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の正の改変を有意に誘導するのに十分なものである、これらの成分のそれぞれ又は全部の量を意味する。しかしながら、同時に、「安全かつ有効な量」は、重篤な副作用を回避する、すなわち、利益とリスクとの道理にかなった関係を可能にするのに十分に小さいものであると言える。これらの限界の決定は、典型的には、道理にかなった医学的判断の範囲内にある。そのような成分の「安全かつ有効な量」は、付随する医師の知識及び経験の範囲内で、処置される特定の状態及びまた、処置される患者の年齢及び身体状態、状態の重症度、処置の持続期間、付随する療法の性質、使用される特定の薬学的に許容される担体、及び同様の因子と関連して変化する。本発明による医薬組成物は、ヒトのため、及びまた、獣医学的目的で本発明に従って使用することができる。

0149

本発明に従って使用される医薬組成物は更に、これらの物質の1つに加えて、(適合性の)薬学的に許容される担体、賦形剤、バッファー、安定剤又は当業者には周知の他の材料を含んでもよい。

0150

これに関連して、「(適合性の)薬学的に許容される担体」という表現は、好ましくは、液体又は非液体ベース組成物を含む。用語「適合性」とは、本明細書で使用される医薬組成物の構成要素を、通常の使用条件下で組成物の薬学的有効性を実質的に低下させる相互作用が起こらないような様式で、上記で定義された薬学的に活性な成分及び1つの別の成分と混合することができることを意味する。薬学的に許容される担体は、勿論、それらを処置される人への投与にとって好適なものにするのに十分に高い純度及び十分に低い毒性を有する必要がある。

0151

本明細書で使用される医薬組成物が液体形態で提供される場合、薬学的に許容される担体は、典型的には、1つ又は複数の(適合性の)薬学的に許容される液体担体を含む。組成物は、(適合性の)薬学的に許容される液体担体として、例えば、発熱源を含まない水;等張食塩水、すなわち、0.9%NaClの溶液、又は緩衝化水性)溶液、例えば、リン酸クエン酸などで緩衝化された溶液、例えば、ピーナッツ油綿実油ゴマ油オリーブ油コーン油及びカカオ油などの植物油;例えば、ポリプロピレングリコールグリセロールソルビトールマンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸などを含んでもよい。特に、本明細書で使用される医薬組成物の注射及び/又は輸注のために、バッファー、好ましくは水性バッファー、及び/又は0.9%NaClを使用することができる。

0152

本明細書で使用される医薬組成物が固体形態で提供される場合、薬学的に許容される担体は、典型的には、1つ又は複数の(適合性の)薬学的に許容される固体担体を含む。組成物は、(適合性の)薬学的に許容される固体担体、例えば、1つ若しくは複数の適合性固体若しくは液体充填剤若しくは希釈剤を含んでもよく、又は人への投与にとって好適である封入化合物を同様に使用してもよい。そのような(適合性の)薬学的に許容される固体担体のいくつかの例は、例えば、ラクトースグルコース及びスクロースなどの糖;例えば、コーンスターチ又はジャガイモデンプンなどのデンプン;例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムエチルセルロース酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;粉末トラガカントモルトゼラチン獣脂;例えば、ステアリン酸ステアリン酸マグネシウムなどの固体流動促進剤;硫酸カルシウムなどである。

0153

(適合性の)薬学的に許容される担体又は他の材料の正確な性質は、投与経路に依存してもよい。したがって、(適合性の)薬学的に許容される担体の選択を、原理的には、本発明に従って使用される医薬組成物が投与される様式によって決定することができる。様々な可能な投与経路が、参照により本明細書に組み込まれるFDAの「Route of Administration」(FDA:Data StandardsManual − Drug Nomenclature Monographs − Monograph Number:C−DRG−00301;Version Number 004を参照)の一覧に列挙されている。特に、非ヒト動物のための適切な投与経路を選択するための更なる指針を、参照により本明細書に組み込まれるTurnerPVら(2011)Journal of the American Association for Laboratory Animal Science、Vol.50、No 5、600〜613頁に見出すことができる。投与経路に関する好ましい例としては、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、若しくは経皮経路などの非経口経路(例えば、注射による)、経口、若しくは直腸経路などの経腸経路、経鼻、若しくは内経路などの局所経路、又は表皮経路若しくはパッチ送達などの他の経路が挙げられる。より具体的には、好ましい投与経路は、(i)静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮などの非経口経路、(ii)経口、直腸などの経腸経路、(iii)経鼻、鼻腔内などの局所経路、(iv)CSF内、髄腔内などの血液脳関門を避ける投与経路、及び(v)表皮又はパッチ送達などの他の経路が挙げられる。

0154

本発明に従って使用される医薬組成物は、全身的に投与することが好ましい。一般に、全身投与のための経路としては、例えば、静脈内、動脈内、骨内、筋肉内、皮下、皮内、経皮、若しくは経粘膜経路などの非経口経路(例えば、注射及び/又は輸注による)、及び経口、消化管若しくは直腸経路などの経腸経路(例えば、錠剤カプセル坐剤栄養チューブによるもの、胃瘻として)が挙げられる。全身投与により、全身での作用を達成することができ、全身投与は非常に便利であることが多いが、環境によっては、それは望ましくない「副作用」を誘発することもあり、及び/又は局部投与と比較して高い濃度の本発明によるJNK阻害剤が必要となることもある。全身投与は、一般に、その全身作用のため、軽度認知障害、特に、アルツハイマー病に起因する軽度認知障害の防止及び/又は処置に適用可能である。全身投与の好ましい経路は、静脈内、筋肉内、皮下、経口及び直腸投与であり、静脈内及び経口投与が特に好ましい。

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