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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、合成ペプチド化合物、ならびに炎症性疾患自己免疫疾患、ならびに微生物感染症及び細菌感染症などの補体介在疾患;ならびに嚢胞性線維症及び種々の急性疾患などの非補体介在疾患の治療及び診断のためのその使用を提供する。本発明は、ヒトアストロウイルスタンパク質から誘導されたスクランブル化ペプチドである、Polar Assortant(PA)ペプチドからの15アミノ酸の合成ペプチドの修飾に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、例えば、内部ペプチド置換、ならびにN末端及びC末端におけるPEG化を含む修飾を有する、PAのペプチド模倣体ペプチド類似体及び/または合成誘導体(例えば、サルコシン誘導体)であるペプチド化合物に関する。本発明は、さらに、種々の状態を治療するための少なくとも1種の合成ペプチドを選択する方法を提供する。

概要

背景

背景
補体系
自然免疫系の不可欠な要素である補体系は、侵入病原体に対する防衛機構としての重要な役割を果たし、適応免疫反応刺激し、そして免疫複合体及びアポトーシス細胞の除去を補助する。古典経路レクチン経路及び副経路の3つの異なる経路が、補体系を構成する。C1q及びマンノース結合レクチン(MBL)は、それぞれ、古典及びレクチン経路の構造上関連する認識分子である。IgMまたはクラスター化IgGは、C1qに関する主要リガンドとして機能するのに対して、MBLは、マンナンなどの多糖類を認識する。C1q及びMBLによるリガンド結合は、C4及びC2の連続的活性化をもたらし、古典及びレクチン経路C3−転換酵素を形成する。対照的に、副経路活性化は認識分子を必要としないが、古典またはレクチン経路によって開始されたC3活性化を増幅することが可能である。これらの3つの経路のいずれの活性化によっても、炎症介在物質(C3a及びC5a)、ならびに細胞溶解を引き起こす膜侵襲複合体(MAC)の形成がもたらされる。

補体系は、多くの保護免疫機能において重要な役割を果たすが、補体活性化は、広範囲自己免疫疾患プロセス及び炎症性疾患プロセスにおける組織損傷の有意な介在物質である(Ricklin及びLambris,“Complement−targeted therapeutics.”Nat Biotechnol 2007;25(11):1265−75(非特許文献1))。

補体調節因子が必要とされる。一方では、補体系は、病原体に対する重要な宿主防御である。他方では、その抑制されない活性化によって、破壊的な宿主細胞損傷がもたらされる可能性がある。現在、全身性紅斑性狼瘡重症性筋無力症、及び多発性硬化症などの自己免疫疾患を含む多くの疾患プロセスにおける補体調節不全と関連する罹患率及び死亡率が周知であるにもかかわらず、ヒトでの使用を認可されている抗補体療法はわずか2つである:1)遺伝性血管性浮腫HAE)の患者での使用に関して認可された、精製されたヒトC1−阻害剤、及び2)発作性夜間血色素尿症PNH)の治療で使用されるC5に対するヒト化長時間作用性モノクローナル抗体であるエクリズマブ(Soliris(商標))。PNH及びHAEは両方とも、極めて少数のヒトが患う難病である。現在、調節不全補体活性化が中枢的役割を果たすより一般的な疾患プロセスに関して認可されている補体調節因子はない。調節不全補体活性化は、慢性疾患徴候及び急性疾患徴候の両方において役割を果たす可能性がある。急性疾患徴候には、特に、急性血管内溶血性輸血反応AIHTR)、出生仮死低酸素虚血性脳障害虚血再灌流障害(IRI)、心筋梗塞症、冠状動脈バイパス手術及び卒中、ならびに臓器移植拒絶が含まれる。

アストロウイルスコートタンパク質
アストロウイルス科(Astroviridae)は、一本鎖メッセンジャーセンスRNAゲノムを有する、非エンベロープ型二十面体ウイルスの科を構成する。これらのウイルスは、ヒトにおいて胃腸炎、ならびに他の動物種での他の疾患の有意な原因である。それらは、全世界の小児下痢性疾患推定2〜17%を引き起こすと推定されている。

アストロウイルスコートタンパク質(「CP」)は、補体系の活性を減少させ、タンパク質の「活性」部分が、補体介在疾患からの組織損傷を減少させることにおいて臨床的有用性を有し得ることが示唆される。ヒトアストロウイルス1型(HAstV−1)から精製された野生型タンパク質(「WT CP」)は、C1q及びMBLを結合することが可能であり、かつ古典及びレクチン経路活性化の両方を調節することが可能である(Bonaparte et al.,2008.J.Virol.82,817−827(非特許文献2);Hair et al.,2010.Molec.Immunol.47,792−798(非特許文献3))。この特性は、ヒト好中球ペプチド−1(HNP−1)に関して記載された特性に類似している(Van Den Berg et al.,1998.Blood.92,3898−3903(非特許文献4);Groeneveld et al.,2007.Molec.Immunol.44,3608−3614(非特許文献5))。HAstV−1コートタンパク質は、組換型バキュロウイルス構築物から発現されて、次いで精製された787アミノ酸分子である(Bonaparte et al.,2008.J.Virol.82,817−827(非特許文献2))。

古典経路、レクチン経路、及び副経路の3つの経路のそれぞれが多数の自己免疫疾患プロセス及び炎症性疾患プロセスの要因になることが実証されているため、補体系の古典経路、レクチン経路、及び副経路を阻害するためのペプチド化合物の開発が必要とされている。古典経路及びレクチン経路の両方が、多くの動物モデルにおける虚血再灌流誘発障害に関連していたため、これらの経路の特異的遮断が特に必要とされている。副経路欠損を有するヒトは、重度細菌感染症を患う。したがって、機能性副経路は、侵入病原体に対する免疫学的監視のために不可欠である。

微生物及び細菌感染症
多くの微生物は、現在利用可能な抗生物質に対して耐性がある。現在の抗生物質は、細菌が、空間及びエネルギーについて何年もの間競合してきた他の微生物から誘導されるが、迅速かつ予測可能な耐性の出現をもたらした。ヒトに対する最も多くの病原細菌のいくつかは、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、MRSA、及び肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)などのカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)である。緑膿菌及び黄色ブドウ球菌は、肺嚢胞性線維症においても主要な病原体である。ガードネレラ(Gardnerella)は、細菌性膣症の一般的な原因である、グラム不定嫌気性球桿菌である。ガードネレラは、細菌性膣症の症候を引き起こし、かつ内での正常なバリ防御崩壊させることによってHIV感染リスクを増加させる、補体活性化及び炎症も引き起こす。原因となる有機体死滅させ、かつ炎症を遮断する、細菌性膣症の治療が必要とされる。従来の抗生物質に対する耐性の増加を考えると、新規抗微生物性化合物も必要とされる。

単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)及び単純ヘルペスウイルス2(HSV−2)は、ヘルペスを引き起こすウイルスである。HSV−1による感染は、同一用具からの食事リップクリーム共有、またはキスなどの一般的接触から引き起こされる可能性がある。このウイルスは非常に感染力が高く、個人口唇ヘルペスを患っていて、かつその期間に性的活動を実行した場合、HSV−1から性器ヘルペスに感染する可能がある。同様に、HSV−2も非常に感染力が高い。HSV−2は、HSV−2を患うヒトとの性的接触の形態により感染する。米国皮膚科学会(AAD)によれば、米国内の約20パーセントの性的に活動的成人がHSV−2に感染していると推定される。HSV−2感染症は、ヘルペスによる傷に接触することによって拡大するが、AADによれば、ほとんどのヒトは、無症状、または傷を有さない感染者からHSV−1に感染することが報告されている。HSV−1またはHSV−2のためのアシクロビルのような現在の治療は、完全に有効ではあり得ない。したがって、ウイルスに対してより有効なHSV−1及びHSV−2の抗ウイルス治療が必要とされている。

ラクトバチルス(Lactobacillus)の増殖
ラクトバチルスは、180超の種を含有する細菌属である。単一のプロバイオティクス剤として複数のラクトバチルス種一緒投与されることが多い。組み合わせることで、種々のラクトバチルス種が、過敏性大腸症候群を患う個人を助け、壊死性腸炎及び他の新生児感染症を予防することが知られている。その多くの健康上の利点のため、ラクトバチルス種の増殖を促進することが可能な化合物が必要とされている。

嚢胞性線維症
嚢胞性線維症(CF)は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子における突然変異によってもたらされる遺伝性疾患である。CFの患者は、異常に濃厚粘性粘液を産生し、これはを詰まらせて、そして生命脅かす肺感染症を引き起こし、かつ膵臓を妨害して、そして体が食物を分解し重要な栄養を吸収するのを助ける天然酵素の機能を停止させる。CFは、小気道閉鎖細菌性病原体、例えば、緑膿菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む)、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)による感染症、及び炎症による肺損傷のサイクルによって特徴づけられる。補体介在炎症は、CFにおける炎症性肺損傷に対する主要な要因であり得る。CFの治療は、肺の健康及び良好な栄養を維持するための通常の治療手順を含む。CFの他の治療としては、肺に蓄積される可能性のある濃厚粘液を緩めてきれいにすることに有用な毎日の気道浄化、気道を清潔に保つのに有用な抗生物質を含む吸入薬、ならびに重要な栄養の吸収を改善するための膵臓酵素サプリメントを含む。CFの抗炎症治療及び抗微生物治療の両方が必要とされている。

溶血性輸血反応
輸血によって生命を救うことができるが、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)などのいくつかの潜在的に生命を脅かす様々な反応のリスクを伴う可能性もある。AIHTRは、全輸血の5分の1で生じると推定される。頻繁に輸血を受けている個人は、経時的に、赤血球RBC抗原に対して同種抗体及び自己抗体を発現し、クロスマッチがますます困難となり、したがって、AIHTRのリスクが増加することになる。現在の輸血安全対策には、「タイピング」、「抗体スクリーニング」、ならびに「クロスマッチング」が含まれる。これらの手段により輸血はより安全になったが、なお輸血反応は生じる。AIHTRは、宿主の抗体が輸血された赤血球に結合して、古典補体経路活性化を開始し、それによって、炎症介在物質C3a及びC5aの産生、ならびにC3bオプソニン化及び膜侵襲複合体(MAC)による輸血細胞溶血反応がもたらされる時に生じる。今日まで、補体アナフィラトキシンC3a及びC5aの産生阻害によるAIHTRの臨床的介入を説明するケースは1つのみ報告されている。これらの反応に関する特定の介入はなく、現在の反応の管理が、本質的に支持される。既存の安全対策のため、先進国世界においてはABO不適合はまれであるが、頻繁な輸血を必要とする、鎌状赤血球症及び重症地中海貧血症の個人では、赤血球におけるマイナー抗原決定基に対する抗体の蓄積のため、輸血反応のリスクが増加する。新生児における新生児ABO不適合は、黄疸と、深刻な症例の場合、核黄疸をもたらすおそれがある。血液銀行組織または輸血医学診療は、ドナーレシピエントとの間の補体介在赤血球溶解に関するリスクを直接評価する方法を有さない。輸血を止めることを除いて、ATRのために効果的な医療的介入は現在ない。診断手段、AIHTRを予防するための予防的治療、及びAIHTRの際の救命治療が必要とされる。

出生時仮死
出生時仮死は、脳損傷を引き起こす、新生児への酸素欠乏に起因する健康状態である。低酸素虚血性脳障害(HIE)は、脳全体が適切な酸素供給欠乏するが、欠乏が全体的ではない場合に生じる状態である。HIEは、出生時仮死と関連することが最も多い。再灌流障害は、虚血または酸素欠乏の期間の後に血液供給が組織に戻る時に生じる組織損傷である。虚血期間における血液からの酸素及び栄養の欠如によって、循環回復が、通常機能の回復ではなく、酸化的ストレスの誘発を介して炎症及び酸化的損傷をもたらすという状態が生じる。補体活性化は、新生児HIEなどの虚血再灌流障害の発症関与する。人工低体温法(HT)は、HIEのケアのための現在の標準的方法であるが、死亡または障害を11%減少させるだけである。発表されたデータによると、HTは、逆説的に、炎症促進性補体活性化を増加し、これにより潜在的にその利点が制限されることが示されている。補体を調節し、かつ神経保護作用を有するHIE及び出生時仮死の治療が必要とされている。

自己免疫溶血性貧血
自己免疫溶血性貧血(AIHA)は、個人の赤血球に対する抗体が、それらの破裂を引き起こし、不十分な血漿濃度をもたらす時に生じる疾患である。AIHAは、最も一般には、IgG及びIgMによって引き起こされる。IgMは、古典補体経路の有効な活性化因子である。したがって、AIHAは、赤血球の補体介在溶解によって特徴づけられる。したがって、AIHAを治療するための、補体系を対象とする療法が必要とされている。

補体活性化を調節することができ、かつ炎症性疾患及び自己免疫疾患などの補体介在疾患を予防及び治療するために治療的に使用することができる、ペプチド化合物を開発することは望ましい。特に、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)、出生時仮死、自己免疫溶血性貧血、ウイルス性感染症、及び細菌感染症などの急性疾患及び状態を治療するペプチド化合物を開発することも望ましい。嚢胞性線維症を治療するペプチド化合物を開発することも望ましい。

概要

本発明は、合成ペプチド化合物、ならびに炎症性疾患、自己免疫疾患、ならびに微生物感染症及び細菌感染症などの補体介在疾患;ならびに嚢胞性線維症及び種々の急性疾患などの非補体介在疾患の治療及び診断のためのその使用を提供する。本発明は、ヒトアストロウイルスタンパク質から誘導されたスクランブル化ペプチドである、Polar Assortant(PA)ペプチドからの15アミノ酸の合成ペプチドの修飾に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、例えば、内部ペプチド置換、ならびにN末端及びC末端におけるPEG化を含む修飾を有する、PAのペプチド模倣体ペプチド類似体及び/または合成誘導体(例えば、サルコシン誘導体)であるペプチド化合物に関する。本発明は、さらに、種々の状態を治療するための少なくとも1種の合成ペプチドを選択する方法を提供する。C

目的

本発明は、補体系を調節する合成ペプチド化合物及びこれらの化合物を使用する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

それを必要とする対象において溶血性反応を治療及び/または予防する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項2

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記溶血性反応が、急性血管内溶血性輸血反応AIHTR)、輸血関連急性肺障害(TRALI)、及び血小板輸血不応からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記対象に輸血が実施される前、前記対象に輸血が実施された後、及び/または輸血の間に、前記組成物が投与される、請求項1に記載の方法。

請求項5

それを必要とする対象において低酸素虚血性脳障害を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項6

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項5に記載の方法。

請求項7

それを必要とする対象において嚢胞性線維症を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項8

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項7に記載の方法。

請求項9

それを必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項10

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記細菌感染症が、黄色ブドウ球菌(Staphylococcusaureus)、肺炎桿菌(Klebsiellapneumonia)、緑膿菌(Pseudomonasaeruginosa)、淋菌(Neisseriagonorrhoeae)、クラミジアトラコマチス(Chlamydiatrachomatis)、及びガードネレラ(Gardnerella)種からなる群より選択される細菌によって引き起こされる、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記細菌感染症が、グラム陽性菌またはグラム陰性菌によって引き起こされる、請求項9に記載の方法。

請求項13

対象においてラクトバチルス(Lactobacillus)の増殖を増強する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。

請求項14

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項13に記載の方法。

請求項15

それを必要とする対象においてウイルス感染症を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項16

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記ウイルス感染症が、単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)または単純ヘルペスウイルス2(HSV−2)によって引き起こされる、請求項15に記載の方法。

請求項18

それを必要とする対象において自己免疫溶血性貧血を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項19

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記自己免疫溶血性貧血が、上昇した血清ビリルビン、過剰な尿ウロビリノーゲン、減少した血漿ハプトグロビン、上昇した血清乳酸デヒドロゲナーゼLDH)、ヘモジデリン尿、メトヘムアルブミン血症球状赤血球症網状赤血球増加症、及び/または骨髄赤血球過形成のうちの1つ以上によって特徴づけられる、請求項18に記載の方法。

請求項21

それを必要とする対象において出生仮死を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項22

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項21に記載の方法。

請求項23

出生時仮死の存在が、3以下のアプガースコアが5分以上続くことによって特徴づけられる、請求項21に記載の方法。

請求項24

それを必要とする対象において急性腎障害を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。

請求項25

前記合成ペプチドが、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記組成物が、少なくとも1種の薬学的に許容される担体希釈剤、または賦形剤を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む、合成ペプチド。

請求項28

配列番号:3〜47のアミノ酸配列及び修飾を含む、合成ペプチド。

請求項29

配列番号:21のアミノ酸配列及びPEG化修飾を含む、合成ペプチド。

請求項30

治療有効量の請求項27〜29のいずれか一項に記載の合成ペプチド及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、その全内容が本明細書中での参照によって組み込まれる、2015年6月26日出願の米国仮特許出願第62/185,202号に基づく優先権を主張する。

0002

連邦政府資金による研究に関する言及
本発明は、米国商務省(U.S.Department of Commerce)によって授与された、Virginia Innovation Partnership i6資金機構(Sub−Award #GG11598142515)の下、政府支援を受けてなされたものである。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。

0003

分野
本発明は、合成ペプチド化合物、ならびに炎症性疾患自己免疫疾患微生物及び細菌感染症などの補体介在疾患;及び嚢胞性線維症及び種々の急性疾患などの非補体介在疾患の治療及び診断を含む治療及び診断のためのその使用に関する。

背景技術

0004

背景
補体系
自然免疫系の不可欠な要素である補体系は、侵入病原体に対する防衛機構としての重要な役割を果たし、適応免疫反応刺激し、そして免疫複合体及びアポトーシス細胞の除去を補助する。古典経路レクチン経路及び副経路の3つの異なる経路が、補体系を構成する。C1q及びマンノース結合レクチン(MBL)は、それぞれ、古典及びレクチン経路の構造上関連する認識分子である。IgMまたはクラスター化IgGは、C1qに関する主要リガンドとして機能するのに対して、MBLは、マンナンなどの多糖類を認識する。C1q及びMBLによるリガンド結合は、C4及びC2の連続的活性化をもたらし、古典及びレクチン経路C3−転換酵素を形成する。対照的に、副経路活性化は認識分子を必要としないが、古典またはレクチン経路によって開始されたC3活性化を増幅することが可能である。これらの3つの経路のいずれの活性化によっても、炎症介在物質(C3a及びC5a)、ならびに細胞溶解を引き起こす膜侵襲複合体(MAC)の形成がもたらされる。

0005

補体系は、多くの保護免疫機能において重要な役割を果たすが、補体活性化は、広範囲の自己免疫疾患プロセス及び炎症性疾患プロセスにおける組織損傷の有意な介在物質である(Ricklin及びLambris,“Complement−targeted therapeutics.”Nat Biotechnol 2007;25(11):1265−75(非特許文献1))。

0006

補体調節因子が必要とされる。一方では、補体系は、病原体に対する重要な宿主防御である。他方では、その抑制されない活性化によって、破壊的な宿主細胞損傷がもたらされる可能性がある。現在、全身性紅斑性狼瘡重症性筋無力症、及び多発性硬化症などの自己免疫疾患を含む多くの疾患プロセスにおける補体調節不全と関連する罹患率及び死亡率が周知であるにもかかわらず、ヒトでの使用を認可されている抗補体療法はわずか2つである:1)遺伝性血管性浮腫HAE)の患者での使用に関して認可された、精製されたヒトC1−阻害剤、及び2)発作性夜間血色素尿症PNH)の治療で使用されるC5に対するヒト化長時間作用性モノクローナル抗体であるエクリズマブ(Soliris(商標))。PNH及びHAEは両方とも、極めて少数のヒトが患う難病である。現在、調節不全補体活性化が中枢的役割を果たすより一般的な疾患プロセスに関して認可されている補体調節因子はない。調節不全補体活性化は、慢性疾患徴候及び急性疾患徴候の両方において役割を果たす可能性がある。急性疾患徴候には、特に、急性血管内溶血性輸血反応AIHTR)、出生仮死低酸素虚血性脳障害虚血再灌流障害(IRI)、心筋梗塞症、冠状動脈バイパス手術及び卒中、ならびに臓器移植拒絶が含まれる。

0007

アストロウイルスコートタンパク質
アストロウイルス科(Astroviridae)は、一本鎖メッセンジャーセンスRNAゲノムを有する、非エンベロープ型二十面体ウイルスの科を構成する。これらのウイルスは、ヒトにおいて胃腸炎、ならびに他の動物種での他の疾患の有意な原因である。それらは、全世界の小児下痢性疾患推定2〜17%を引き起こすと推定されている。

0008

アストロウイルスコートタンパク質(「CP」)は、補体系の活性を減少させ、タンパク質の「活性」部分が、補体介在疾患からの組織損傷を減少させることにおいて臨床的有用性を有し得ることが示唆される。ヒトアストロウイルス1型(HAstV−1)から精製された野生型タンパク質(「WT CP」)は、C1q及びMBLを結合することが可能であり、かつ古典及びレクチン経路活性化の両方を調節することが可能である(Bonaparte et al.,2008.J.Virol.82,817−827(非特許文献2);Hair et al.,2010.Molec.Immunol.47,792−798(非特許文献3))。この特性は、ヒト好中球ペプチド−1(HNP−1)に関して記載された特性に類似している(Van Den Berg et al.,1998.Blood.92,3898−3903(非特許文献4);Groeneveld et al.,2007.Molec.Immunol.44,3608−3614(非特許文献5))。HAstV−1コートタンパク質は、組換型バキュロウイルス構築物から発現されて、次いで精製された787アミノ酸分子である(Bonaparte et al.,2008.J.Virol.82,817−827(非特許文献2))。

0009

古典経路、レクチン経路、及び副経路の3つの経路のそれぞれが多数の自己免疫疾患プロセス及び炎症性疾患プロセスの要因になることが実証されているため、補体系の古典経路、レクチン経路、及び副経路を阻害するためのペプチド化合物の開発が必要とされている。古典経路及びレクチン経路の両方が、多くの動物モデルにおける虚血再灌流誘発障害に関連していたため、これらの経路の特異的遮断が特に必要とされている。副経路欠損を有するヒトは、重度の細菌感染症を患う。したがって、機能性副経路は、侵入病原体に対する免疫学的監視のために不可欠である。

0010

微生物及び細菌感染症
多くの微生物は、現在利用可能な抗生物質に対して耐性がある。現在の抗生物質は、細菌が、空間及びエネルギーについて何年もの間競合してきた他の微生物から誘導されるが、迅速かつ予測可能な耐性の出現をもたらした。ヒトに対する最も多くの病原細菌のいくつかは、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、MRSA、及び肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)などのカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)である。緑膿菌及び黄色ブドウ球菌は、肺嚢胞性線維症においても主要な病原体である。ガードネレラ(Gardnerella)は、細菌性膣症の一般的な原因である、グラム不定嫌気性球桿菌である。ガードネレラは、細菌性膣症の症候を引き起こし、かつ内での正常なバリ防御崩壊させることによってHIV感染リスクを増加させる、補体活性化及び炎症も引き起こす。原因となる有機体死滅させ、かつ炎症を遮断する、細菌性膣症の治療が必要とされる。従来の抗生物質に対する耐性の増加を考えると、新規抗微生物性化合物も必要とされる。

0011

単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)及び単純ヘルペスウイルス2(HSV−2)は、ヘルペスを引き起こすウイルスである。HSV−1による感染は、同一用具からの食事リップクリーム共有、またはキスなどの一般的接触から引き起こされる可能性がある。このウイルスは非常に感染力が高く、個人口唇ヘルペスを患っていて、かつその期間に性的活動を実行した場合、HSV−1から性器ヘルペスに感染する可能がある。同様に、HSV−2も非常に感染力が高い。HSV−2は、HSV−2を患うヒトとの性的接触の形態により感染する。米国皮膚科学会(AAD)によれば、米国内の約20パーセントの性的に活動的成人がHSV−2に感染していると推定される。HSV−2感染症は、ヘルペスによる傷に接触することによって拡大するが、AADによれば、ほとんどのヒトは、無症状、または傷を有さない感染者からHSV−1に感染することが報告されている。HSV−1またはHSV−2のためのアシクロビルのような現在の治療は、完全に有効ではあり得ない。したがって、ウイルスに対してより有効なHSV−1及びHSV−2の抗ウイルス治療が必要とされている。

0012

ラクトバチルス(Lactobacillus)の増殖
ラクトバチルスは、180超の種を含有する細菌属である。単一のプロバイオティクス剤として複数のラクトバチルス種一緒投与されることが多い。組み合わせることで、種々のラクトバチルス種が、過敏性大腸症候群を患う個人を助け、壊死性腸炎及び他の新生児感染症を予防することが知られている。その多くの健康上の利点のため、ラクトバチルス種の増殖を促進することが可能な化合物が必要とされている。

0013

嚢胞性線維症
嚢胞性線維症(CF)は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子における突然変異によってもたらされる遺伝性疾患である。CFの患者は、異常に濃厚粘性粘液を産生し、これはを詰まらせて、そして生命脅かす肺感染症を引き起こし、かつ膵臓を妨害して、そして体が食物を分解し重要な栄養を吸収するのを助ける天然酵素の機能を停止させる。CFは、小気道閉鎖細菌性病原体、例えば、緑膿菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む)、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)による感染症、及び炎症による肺損傷のサイクルによって特徴づけられる。補体介在炎症は、CFにおける炎症性肺損傷に対する主要な要因であり得る。CFの治療は、肺の健康及び良好な栄養を維持するための通常の治療手順を含む。CFの他の治療としては、肺に蓄積される可能性のある濃厚粘液を緩めてきれいにすることに有用な毎日の気道浄化、気道を清潔に保つのに有用な抗生物質を含む吸入薬、ならびに重要な栄養の吸収を改善するための膵臓酵素サプリメントを含む。CFの抗炎症治療及び抗微生物治療の両方が必要とされている。

0014

溶血性輸血反応
輸血によって生命を救うことができるが、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)などのいくつかの潜在的に生命を脅かす様々な反応のリスクを伴う可能性もある。AIHTRは、全輸血の5分の1で生じると推定される。頻繁に輸血を受けている個人は、経時的に、赤血球RBC抗原に対して同種抗体及び自己抗体を発現し、クロスマッチがますます困難となり、したがって、AIHTRのリスクが増加することになる。現在の輸血安全対策には、「タイピング」、「抗体スクリーニング」、ならびに「クロスマッチング」が含まれる。これらの手段により輸血はより安全になったが、なお輸血反応は生じる。AIHTRは、宿主の抗体が輸血された赤血球に結合して、古典補体経路活性化を開始し、それによって、炎症介在物質C3a及びC5aの産生、ならびにC3bオプソニン化及び膜侵襲複合体(MAC)による輸血細胞溶血反応がもたらされる時に生じる。今日まで、補体アナフィラトキシンC3a及びC5aの産生阻害によるAIHTRの臨床的介入を説明するケースは1つのみ報告されている。これらの反応に関する特定の介入はなく、現在の反応の管理が、本質的に支持される。既存の安全対策のため、先進国世界においてはABO不適合はまれであるが、頻繁な輸血を必要とする、鎌状赤血球症及び重症地中海貧血症の個人では、赤血球におけるマイナー抗原決定基に対する抗体の蓄積のため、輸血反応のリスクが増加する。新生児における新生児ABO不適合は、黄疸と、深刻な症例の場合、核黄疸をもたらすおそれがある。血液銀行組織または輸血医学診療は、ドナーレシピエントとの間の補体介在赤血球溶解に関するリスクを直接評価する方法を有さない。輸血を止めることを除いて、ATRのために効果的な医療的介入は現在ない。診断手段、AIHTRを予防するための予防的治療、及びAIHTRの際の救命治療が必要とされる。

0015

出生時仮死
出生時仮死は、脳損傷を引き起こす、新生児への酸素欠乏に起因する健康状態である。低酸素虚血性脳障害(HIE)は、脳全体が適切な酸素供給欠乏するが、欠乏が全体的ではない場合に生じる状態である。HIEは、出生時仮死と関連することが最も多い。再灌流障害は、虚血または酸素欠乏の期間の後に血液供給が組織に戻る時に生じる組織損傷である。虚血期間における血液からの酸素及び栄養の欠如によって、循環回復が、通常機能の回復ではなく、酸化的ストレスの誘発を介して炎症及び酸化的損傷をもたらすという状態が生じる。補体活性化は、新生児HIEなどの虚血再灌流障害の発症関与する。人工低体温法(HT)は、HIEのケアのための現在の標準的方法であるが、死亡または障害を11%減少させるだけである。発表されたデータによると、HTは、逆説的に、炎症促進性補体活性化を増加し、これにより潜在的にその利点が制限されることが示されている。補体を調節し、かつ神経保護作用を有するHIE及び出生時仮死の治療が必要とされている。

0016

自己免疫溶血性貧血
自己免疫溶血性貧血(AIHA)は、個人の赤血球に対する抗体が、それらの破裂を引き起こし、不十分な血漿濃度をもたらす時に生じる疾患である。AIHAは、最も一般には、IgG及びIgMによって引き起こされる。IgMは、古典補体経路の有効な活性化因子である。したがって、AIHAは、赤血球の補体介在溶解によって特徴づけられる。したがって、AIHAを治療するための、補体系を対象とする療法が必要とされている。

0017

補体活性化を調節することができ、かつ炎症性疾患及び自己免疫疾患などの補体介在疾患を予防及び治療するために治療的に使用することができる、ペプチド化合物を開発することは望ましい。特に、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)、出生時仮死、自己免疫溶血性貧血、ウイルス性感染症、及び細菌感染症などの急性疾患及び状態を治療するペプチド化合物を開発することも望ましい。嚢胞性線維症を治療するペプチド化合物を開発することも望ましい。

先行技術

0018

Ricklin及びLambris,“Complement−targeted therapeutics.”Nat Biotechnol 2007;25(11):1265−75
Bonaparte et al.,2008.J.Virol.82,817−827
Hair et al.,2010.Molec.Immunol.47,792−798
Van Den Berg et al.,1998.Blood.92,3898−3903
Groeneveld et al.,2007.Molec.Immunol.44,3608−3614

0019

概要
一態様において、本発明は、補体系を調節する合成ペプチド化合物及びこれらの化合物を使用する方法を提供する。特に、いくつかの実施形態において、合成ペプチド化合物は、C1及びMBLを結合し、調節し、かつ不活性化することができ、したがって、副経路は変化させないが、その最も初期ポイントにおいて古典経路活性化及びレクチン経路活性化を効率的に阻害することができる。これらのペプチド化合物は、副経路に影響を与えることなく、C1及びMBLの活性化を選択的に調節及び阻害するための治療価値を有し、かつ古典経路及びレクチン経路の調節不全活性化によって介在された疾患を治療するために使用することができる。他の実施形態において、ペプチド化合物は、レクチン経路活性化ではなく、古典経路活性化を調節する。ペプチド化合物は、様々な治療の指標として有用であり、補体調節と無関係な指標としても有用である。いくつかの実施形態において、これらのペプチド化合物は、特に、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)、出生時仮死、ならびに細菌、ウイルス、及び微生物感染症などの急性の疾患及び状態を治療するための治療価値を有する。これらのペプチド化合物は、嚢胞性線維症を治療するための治療価値も有する。

0020

いくつかの実施形態において、本発明は、Polar Assortant(PA)ペプチド(配列番号:3)からの15アミノ酸のペプチドの識別及び修飾、そのペプチドの誘導体、ならびにそれらの使用方法に基づく。PAペプチドは、CP1(配列番号:1)と呼ばれるヒトアストロウイルスタンパク質から誘導されたスクランブル化ペプチドである。PAペプチドは、PIC1(補体C1のペプチド阻害剤)、AstroFend、AF、または配列番号:3としても知られている。本明細書で使用される場合、「PIC1ペプチド」という用語には、配列番号:3、ならびに配列番号:3と同一であるが、PEG化修飾を有する他のアミノ酸配列が含まれる。PIC1ペプチドは、最初に、それが補体系によって介在された疾患と関連することが見出されたため、そのように命名された。驚くべきことに、いくつかの態様において、本発明は、限定されないが、嚢胞性線維症及び慢性閉塞性肺疾患COPD)などの補体系と関連しない疾患及び状態を治療するためのPAペプチド及び誘導体の使用にも関する。いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号:3〜47に示されるアミノ酸配列及び修飾を有するPIC1ペプチド及びその修飾に基づく。これらのペプチドは、補体阻害を含む補体活性化の調節;溶血性反応の治療及び/または予防;低酸素虚血性脳障害の治療;嚢胞性線維症の治療;抗微生物的使用;ならびに本明細書に開示された他の疾患及び状態の治療及び/または予防のために使用することができる。

0021

いくつかの態様において、本発明は、例えば、内部ペプチド欠失及び置換N末端及びC末端における欠失及び置換を有するPAのペプチド模倣体ペプチド類似体及び/または合成誘導体であり、かつC1q及びMBLに結合することによって、古典経路活性及びレクチン経路活性化を調節することが可能であるペプチド化合物に関する。

0022

本発明のさらなる実施形態は、サルコシン置換、アラニン置換及び/またはN末端、C末端またはN末端及びC末端のPEG化によって修飾された、本発明のペプチド化合物のいずれか1つである。

0023

いくつかの実施形態において、ペプチド配列は、配列番号:3〜47に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の配列同一性を有する。

0024

一態様において、本発明は、それを必要とする対象において溶血性反応を治療及び/または予防する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。他の実施形態において、溶血性反応は、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)、輸血関連急性肺障害(TRALI)及び血小板輸血不応からなる群より選択される。さらなる実施形態において、対象に輸血が実施される前、対象に輸血が実施された後、及び/または輸血の間に、組成物は投与される。

0025

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象において低酸素虚血性脳障害を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。

0026

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象において嚢胞性線維症を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。

0027

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。いくつかの実施形態において、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)及びガードネレラ種からなる群より選択される細菌によって引き起こされる。さらなる実施形態において、細菌感染症はグラム陽性菌またはグラム陰性菌によって引き起こされる。

0028

別の態様において、本発明は、対象におけるラクトバチルスの増殖を増強する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。

0029

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象においてウイルス感染症を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾への少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。いくつかの実施形態において、ウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)または単純ヘルペスウイルス2(HSV−2)によって引き起こされる。

0030

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象において自己免疫溶血性貧血を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。自己免疫溶血性貧血は、上昇した血清ビリルビン、過剰な尿ウロビリノーゲン、減少した血漿ハプトグロビン、上昇した血清乳酸デヒドロゲナーゼLDH)、ヘモジデリン尿、メトヘムアルブミン血症球状赤血球症網状赤血球増加症、及び/または骨髄の赤血球過形成のうちの1つ以上によって特徴づけられてよい。

0031

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象において出生時仮死を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。いくつかの実施形態において、出生時仮死の存在は、3以下のアプガースコアが5分以上続くことによって特徴づけられる。

0032

別の態様において、本発明は、それを必要とする対象において急性腎障害を治療する方法であって、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドの治療有効量を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、合成ペプチドは、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列及び修飾を有する。

0033

別の態様において、本発明は、配列番号:3〜47からなる群より選択されるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%の配列同一性を含む合成ペプチドである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、治療有効量の合成ペプチド及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体希釈剤、または賦形剤を含むことができる。

0034

別の態様において、本発明は、配列番号:3〜47のアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドである。いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号:4〜18及び30〜47のアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドである。いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号:3及び19〜29のアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドである。いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号:21のアミノ酸配列及びPEG化修飾を含む合成ペプチドである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、治療有効量の合成ペプチド及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含むことができる。

0035

別の態様において、本発明は、ペプチドが、N末端、C末端、またはN末端及びC末端の両方のPEG化によって修飾される、PIC1ペプチドに関する。別の態様において、本発明は、サルコシン及び/またはアラニン置換によって修飾される、PIC1ペプチドに関する。他の実施形態において、ペプチドは、PEG化、ならびにサルコシン及び/またはアラニンの置換によって修飾される。いくつかの実施形態において、ペプチドは、単離及び/または精製される。

0036

一態様において、本発明は、嚢胞性線維症を有する対象の治療のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)嚢胞性線維症における活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、嚢胞性線維症における活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。

0037

別の態様において、本発明は、溶血性反応を有する対象の治療のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)溶血性反応における活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、溶血性反応における活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、溶血性反応は、AIHTR、輸血関連急性肺障害(TRALI)、及び血小板輸血不応からなる群より選択される。

0038

別の態様において、本発明は、細菌感染症を有する対象の治療のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)細菌感染症における活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、細菌感染症における活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌、淋菌、クラミジア・トラコマチス及びガードネレラ種からなる群より選択される細菌によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、細菌感染症は、グラム陽性菌またはグラム陰性菌によって引き起こされる。

0039

別の態様において、本発明は、ラクトバチルスの増殖を増強するための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)ラクトバチルス種の増殖を増強する活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、ラクトバチルス種の増殖を増強する活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。

0040

別の態様において、本発明は、ウイルス感染症の治療及び/または予防のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)ウイルス感染症を治療または予防する活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、ウイルス感染症を治療または予防する活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、ウイルス感染症は、HSV−1またはHSV−2によって引き起こされる。

0041

別の態様において、本発明は、自己免疫溶血性貧血の治療及び/または予防のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)自己免疫溶血性貧血における活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、自己免疫溶血性貧血における活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。

0042

別の態様において、本発明は、出生時仮死の治療のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)出生時仮死における活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、出生時仮死における活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。

0043

別の態様において、本発明は、低酸素虚血性脳障害の治療のための少なくとも1種のペプチドを選択する方法であって、(a)低酸素虚血性脳障害における活性に関して、配列番号:3〜47からなる群より選択されるペプチドを試験すること;及び(b)配列番号:3〜47からなる群より、低酸素虚血性脳障害における活性を有する少なくとも1種の合成ペプチドを選択することを含む、方法を提供する。

0044

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の組成物を投与することによる、疾患の治療方法であって、上記疾患が、少なくとも部分的に補体に介在されており、限定されないが、溶血性輸血反応、寒冷凝集素疾患、免疫複合物疾患、地中海貧血、鎌状赤血球症、ABO不適合、急性/超急性臓器移植拒絶、超急性期血液介在炎症反応(IBMIR)、臓器移植温/冷虚血、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、関節リウマチ、虚血再灌流障害、心筋梗塞、卒中、低酸素虚血性脳障害、外傷性脳障害、冠状動脈バイパス手術、創傷治癒がんアルツハイマー病パーキンソン病、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、ぜんそく、クローン病敗血症症候群/ARDS/SIRS、糸球体腎炎狼瘡腎炎、抗糸球体基底膜抗体病、抗好中球細胞質自己抗体誘発、膜性増殖性糸球体腎炎、密沈積症、膜性腎症IgA腎症またはC3糸球体症を含む、方法を提供する。

0045

別の態様において、本発明は本明細書に記載の組成物を投与することによる、疾患の治療方法であって、上記疾患が、補体に介在されておらず、限定されないが、嚢胞性線維症及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む、方法を提供する。

0046

本発明の別の実施形態は、補体介在組織損傷に関連する疾患の治療方法であって、疾患の治療において有効である少なくとも1種の他の活性成分を対象に投与することをさらに含み、少なくとも1種の他の活性成分としては、非ステロイド性消炎剤コルチコステロイド疾患修飾性抗リウマチ薬、C1−阻害剤及びエクリズマブが含まれる、治療方法である。

0047

別途定義されない限り、本明細書中で使用された全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書に記載のものと類似または同等の方法及び材料が使用可能であるが、適切な方法及び材料が以下に記載される。本明細書に引用された、全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参照文献は、全体として参照によって組み込まれる。加えて、材料、方法、及び実施例は単に例示を目的とするものであり、限定を意図するものではない。

0048

本発明の他の特徴及び利点は、詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲から明白となるであろう。

図面の簡単な説明

0049

B因子枯渇血清を使用する溶血アッセイにおける、PA−dPEG24(配列番号:21)、PA−P7Sar(配列番号:10)及びPA−C9Sar(配列番号:12)の滴定を示す。ペプチドの濃度は、mMで示される。
図2A〜Bは、B因子枯渇血清を使用する溶血アッセイにおいて、PA−dPEG24(配列番号:21)が、PA(配列番号:3)と同程度まで補体活性化を阻害することを示す。
PA−dPEG24(配列番号:21)の構造を示す。
図4A〜Eは、プレート希釈アッセイを示す。図4Aは、PA−dPEG24(配列番号:21)または生理食塩水対照で処理された黄色ブドウ球菌のプレート希釈アッセイを示す。X軸は、mg/mlでのPA−dPEG24(配列番号:21)の阻害剤濃度を示す。図4Bは、PA−dPEG24またはバンコマイシンで処理された黄色ブドウ球菌のプレート希釈アッセイを示す。X軸は、mg/mlでのPA−dPEG24(配列番号:21)及び5μg/mlで開始するバンコマイシンの阻害剤濃度を示す。図4Cは、PA−dPEG24(配列番号:21)またはゲンタマイシンで処理された肺炎桿菌のプレート希釈アッセイを示す。X軸は、mg/mlでのPA−dPEG24(配列番号:21)の阻害剤濃度を示す。ゲンタマイシンは、4μg/mlで開始する。図4Dは、PA−dPEG24(配列番号:21)またはゲンタマイシン対照で処理された緑膿菌のプレート希釈アッセイを示す。X軸は、mg/mlでのPA−dPEG24(配列番号:21)の阻害剤濃度を示す。ゲンタマイシンは、4μg/mlで開始する。図4Eは、4種の異なるバージョンのPA−dPEG24(配列番号:21)またはゲンタマイシン対照で処理された緑膿菌のプレート希釈アッセイを示す。図凡例:PIC1=PA−dPEG24(配列番号:21);PA−L3Sar(H2N−IA(Sar)ILEPICCQERAA−OH)(配列番号:6);PA−I4Sar(H2N−IAL(Sar)LEPICCQERAA−OH)(配列番号:7);PA−L5Sar(H2N−IALI(Sar)EPICCQERAA−OH)(配列番号:8)。
PA−dPEG24(配列番号:21)、PA−L3Sar(配列番号:6)、PA−I4Sar(配列番号:7)、またはPA−L5Sar(配列番号:8)の存在下でのガードネレラ増殖の阻害を示す。PIC1=PA−dPEG24(配列番号:21);Sarc−1=PA−L3Sar(配列番号:6);Sarc−2=PA−I4Sar(配列番号:7);Sarc−3=PA−L5Sar(配列番号:8)。
PA−dPEG24(配列番号:21)の異なる濃度において、血清がガードネレラと一緒にインキュベーションされる時のC5a放出を示す。PIC1=PA−dPEG24(配列番号:21)。
血液B型レシピエントにおいてATRを引き起こしたRBC輸血からの2種のO型血漿を示す。各血漿のIgG力価は非常に高いが、無差別的である。しかしながら、CH50タイプの溶血アッセイにおいて、それらは劇的に異なる挙動を示す。一方は、非常に溶血性であるが、他方は、有意の溶血を引き起こさない。
血液B型レシピエントにおいてATRを引き起こしたRBC輸血からのO型血漿(#426)を示す。B型赤血球を添加する前に、PA−dPEG24(配列番号:21)を、増加する濃度で血漿に添加した。PA−dPEG24(配列番号:21)により溶血の用量反応阻害が実証され、>95%までの阻害が実証された。
C5aによって介在された好中球動員及び活性化による、細菌が開始する古典経路補体活性化を示す。
図10A〜Dは、CF及び対照肺流体における補体アナフィラトキシンを示す。図10Aは、CF患者(n=15)及び対照(n=3)のからの可溶性ゾル)画分中のC5a濃度である。箱は四分位数を示し、ひげは第90及び第10の百分位数であり、そして破線は平均である。CFゾルのC5aレベルは、対照ゾルより5倍高い(P=0.04)。図10Bは、2人の健康対照(A及びB)ならびに2人のCF対象(X及びY)の痰ゾルのC5aウエスタンブロットである。図10Cは、CF患者(n=14)及び対照(n=4)の痰からのゾル画分中のC3a濃度である。箱は四分位数を示し、ひげは第90及び第10の百分位数であり、破線は平均である。P=0.03。図10Dは、CF患者(n=15)及び対照(n=5)の痰からのゾル画分中のC4a濃度である。箱は四分位数を示し、ひげは第90及び第10の百分位数であり、破線は平均である。P=0.05。
図11A〜Bは、黄色ブドウ球菌の補体オプソニン化を示す。図11Aは、CF患者(n=5)及び対照(n=3)の痰からのゾル画分中でのインキュベーション後の黄色ブドウ球菌結合C3フラグメントである。箱は四分位数を示し、ひげは第90の百分位数であり、破線は平均である。P=0.42。図11Bは、CF患者(n=5)及び対照(n=3)の痰からのゾル画分中でのインキュベーション後の黄色ブドウ球菌結合C4フラグメントである。箱は四分位数を示し、ひげは第90及び第10の百分位数であり、破線は平均である。P=0.13。
図12A〜Dは、CFゾル中で細菌によって発生したC5aを示す。図12Aは、生存または死滅緑膿菌または黄色ブドウ球菌とのインキュベーション前後のCF患者(n=3)及び対照(n=3)の痰からのゾル画分中でのC5a濃度である。データは、平均±SEである。C5aは、緑膿菌(P=0.03)または黄色ブドウ球菌(P=0.03)の存在下、CFゾル中で発生した。図12Bは、生存または死滅緑膿菌とのインキュベーション前(当初)及び後のCF患者(対象A、B、及びC)の痰からのゾル画分中でのC5a濃度である。図12Cは、生存または死滅黄色ブドウ球菌とのインキュベーション前(当初)及び後のCF患者(対象A、B及びC)の痰からのゾル画分中でのC5a濃度である。図12Dは、緩衝液中で単独でインキュベーションされた(CFゾルのみ)か、死滅緑膿菌とインキュベーションされた(CFゾル+緑膿菌)か、またはPA−dPEG24(配列番号:21)及び死滅緑膿菌(CFゾル+PA−dPEG24+P.aerug)とインキュベーションされた、CFゾル中でのC5a濃度である。PA−dPEG24、配列番号:21は、緑膿菌とインキュベーションされたCFゾル中でのC5a発生を低減させる。
図13A〜Cは、補体エフェクター及び臨床的介入に関する相関プロットを示す。図13Aは、CFゾル中のC5a濃度が、年齢増加と正の相関を示すことを示す。r=0.53、P=0.04。図13Bは、CFゾル中のC5a濃度が、小児のBMI百分位数と逆相関を示すことを示す。r=−0.77、P=0.04。図13Cは、CFゾル中のC3a濃度が、FEV1%と正の相関を示すことを示す。rs=0.63、P=0.02。
図14A〜Eは、ペプチド化合物がC1qに結合し、かつ阻害していることを示す。図14Aは、PA(配列番号:3)が、CRTまたはBSAではなく、C1qに結合することを示す。図14Bは、PIC1(配列番号:21)が、組換CRTにおけるDyLight 680標識C1qの結合を阻害することを示す。図14Cは、PIC1(配列番号:21)が、Raji細胞へのDyLight標識488C1qの結合を阻害することを示す。図14Dは、PIC1(配列番号:21)の量増加が、Raji細胞の結合からDyLight 680標識C1qを阻害することを実証する、LICOR Odysseyにおいて描写された代表的なIn−Cellウエスタンプレートアッセイを示す。図14Eは、実験構成を示す。
BSAではなく、カルレティキュリン(CRT)と結合する可溶性C1qを示す。
PA(配列番号:3)が、負の対照ペプチドCP2と比較して、C1qのカルレティキュリン(CRT)への結合を阻害することを示す。
図17A〜Cは、20倍でのRaji細胞を示す。図17Bは、1/50秒曝露におけるFITC(C1q)を示す。図17Cは、1/500秒曝露におけるDAPIを示す。図17Aはオーバーレイを示す。
図18A〜Cは、20倍での、0.523mMのPA−dPEG24(配列番号:21)で処理されたRaji細胞を示す。図18Bは、1/50秒曝露におけるFITC(C1q)を示す。図18Cは、1/500秒曝露におけるDAPIを示す。図18Aはオーバーレイを示す。
図19A〜Cは、20倍での、1.05mMのPA−dPEG24(配列番号:21)で処理されたRaji細胞を示す。図19Bは、1/50秒曝露におけるFITC(C1q)を示す。図19Cは、1/500秒曝露におけるDAPIを示す。図19Aはオーバーレイを示す。
2つの異なる用量のPA−dPEG24(配列番号:21)で、または通常生理食塩溶液で処理されたラットにおける溶血アッセイにおける赤血球溶解を示す。
図21A〜Bは、実験デザイン及び試験アームを示す。図21Aは、AIHTRモデルでのPA−dPEG24(配列番号:21)投与を示し、図21Bは、AIHTRモデルでのPA−dPEG24(配列番号:21)の有効性を示す。
図22A〜Bは、高用量PA−dPEG24(配列番号:21)(40mg)対低用量PA−dPEG24(配列番号:21)(20mg)を比較する、AIHTRモデルにおけるPA−dPEG24(配列番号:21)投与試験を示す。図22Aは、分光光度法によって測定された、ヒト赤血球(HuRBC)の15%輸血後、0秒(採血前)、30秒、5分、20分、60分、及び120分の時点において採取されたラット血漿に存在する遊離ヘモグロビンを示す。媒体対照は、生理食塩水である。正の対照は、コブラ毒因子CVF)である。n=各動物の数。エラーバーは、平均値標準誤差を示す。図22Bは、フローサイトメトリーによって測定された、輸血後、30秒、5分及び20分の時点における生存HuRBC(FITC結合型抗ヒトCD235a(グリコホリンAモノクローナル抗体)を使用して検出される)のパーセントを示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。CVF:コブラ毒因子。生理食塩水:0.9%の通常生理食塩溶液。
図23A〜Cは、AIHTRモデルにおける予防(輸血前)対治療(輸血後の救命治療)におけるPA−dPEG24(配列番号:21)の有効性を示す。図23Aは、分光光度法によって測定された、HuRBCの15%輸血後、0秒(採血前)、30秒、5分、20分、60分及び120分の時点において採取されたラット血漿に存在する遊離ヘモグロビンを示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図23Bは、120分にわたる曲線下面積(放出された全ヘモグロビン)を示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図23Cは、輸血前(採血前)と比較して、120分の時点において測定された非結合型ビリルビンを示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。
図24A〜Dは、PA−dPEG24(配列番号:21)による、生体外でのラット血清による溶解からのヒトRBCの保護を示す。図24Aは、ラット血清中で5分間インキュベーションし、次いで、抗グリコホリンA(APC)及び抗C3(FITC)で標識されたHuRBCのフローサイトメトリー分析を示す。標識されたオプソニン化RBCは、未標識RBC中にスパイクした(代表的プロット)。図24Bは、PA−dPEG24で処理されたラット血清中で5分間インキュベーションしたHuRBCのフローサイトメトリー分析を示す(代表的プロット)。図24Cは、5分後の、未処理の血清と比較して、PA−dPEG24で処理された血清中のC3沈着のないHuRBCの数(Q3)の相対的増加を示す。エラーバーは、2つの独立した実験の平均値の標準誤差を示す。図24Dは、C3フラグメントと結合した血清インキュベーションRBCのパーセント(Q2/Q2+Q3)が、5分後、未処理の血清と比較して、PA−dPEG24で処理された血清中で減少することを示す。エラーバーは、2つの独立した実験の平均値の標準誤差を示す。Q2:C3及びグリコホリンAで二重染色された細胞(グリコホリンA標識細胞上のC3沈着)。Q3:グリコホリンA標識を有する細胞(変化のない細胞)。
図25A〜Fは、30秒(図25A及び25D)、5分(図25B及び25E)ならびに20分(図25C及び25F)の時点におけるラット中に輸血されたヒトRBCの、生理食塩水に対するPA−dPEG24(配列番号:21)保護を示す。採血により回収され、抗グリコホリンA(APC)及び抗C3(FITC)で標識されたRBCのフローサイトメトリー分析。図25A〜Cでは、動物には、生理食塩水対照を投与した。図25D〜Fでは、動物は、PA−dPEG24(配列番号:21)で予防治療された。Q2:C3及びグリコホリンAで二重染色された細胞。Q3:グリコホリンA標識を有する細胞(変化のないHuRBC)。
図26A〜Dは、ラットにおける輸血されたヒトRBC生存を示す。図26Aは、HuRBCによる輸血後30秒の時点において測定された事象の数を示し、PA−dPEG24(配列番号:21)予防、生理食塩水対照、CVF(コブラ毒因子)対照及びPA−dPEG24(救命)治療に関する全ての抗gpA+RBC(Q2+Q3)、抗gpA+抗C3−(Q3)及び抗gpA+抗C3+(Q2)を示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図26Bは、全抗gpA+RBC(Q2/Q2+Q3)と比較する、抗gpA+、抗C3+RBCのパーセントを示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図26Cは、対照(生理食塩水及びCVF)と比較する、5分及び20分の時点における血液に存在する全抗gpA+RBC(Q2+Q3)を示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図26Dは、最大20分間血液に存在する全抗gpA−抗C3+RBC(Q1)を示す。凡例:PIC1(配列番号:21)予防は、星形で示され;PIC1(配列番号:21)治療(生理食塩水対照と比較する救命治療)は、ひし形で示され;生理食塩水対照は、四角形で示され;CVF対照は、三角形で示される。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。
図27A〜Fは、輸血後、30秒(図27A及び27D)、5分(図27B及び27E)ならびに20分(図27C及び27F)の時点における、ラット中に輸血されたヒトRBCの、免疫グロブリン静注(IVIG)と比較するPA−dPEG24(配列番号:21)保護を示す。採血により回収され、抗グリコホリンA(APC)及び抗C3(FITC)で標識されたRBCのフローサイトメトリー分析。図27A〜Cは、動物がIVIGによって予防治療されたことを示す。図27D〜Fは、動物がPA−dPEG24によって予防治療されたことを示す。Q2は、C3及びグリコホリンAで二重染色された細胞を示す。Q3は、グリコホリンA標識を有する細胞(変化のないHuRBC)を示す。
図28A〜Cは、予防免疫グロブリン静注(IVIG)と比較する、予防PA−dPEG24(配列番号:21)の有効性を示す。図28Aは、分光光度法によって測定された、HuRBCの15%輸血後、0秒(採血前)、30秒、5分、20分、60分、120分、180分、240分、300分及び360分の時点において採取されたラット血漿に存在する遊離ヘモグロビンを示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図28Bは、HuRBCによる輸血後30秒の時点において測定された事象の数を示し、PA−dPEG24予防及びIVIG予防に関する全ての抗gpA+RBC(Q2+Q3)、抗gpA+抗C3−(Q3)及び抗gpA+抗C3+(Q2)を示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図28Cは、PA−dPEG24予防及びIVIG予防に関して、30秒の時点において血液中に存在する抗gpA−抗C3+RBC(Q1)を示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。図28Dは、輸血後5分及び20分の時点における、IVIG(線なし)及びPIC1(斜線)予防に関する全抗gpA1 RBCを示す。
図29A〜Cは、急性腎障害において、予防免疫グロブリン静注(IVIG)と比較する、PA−dPEG24(配列番号:21)(PIC1として標識)の有効性を示す。図29Aは、ホルマリン定着前のIVIG予防及びPA−dPEG24予防に関して測定された、総腎臓重量を示す。エラーバーは、平均値の標準誤差を示す。n=6。図29Bは、ホルマリン定着の前のIVIG予防及びPA−dPEG24予防に関する、総腎臓像を示す(代表的な動物)。図29Cは、生理食塩水(i、ii)、IVIG予防(iii、iv)またはPIC1予防(v、vi)を与えられたラットからの腎臓の代表的な組織学ヘマトキシリン及びエオシン染色)を示す。PIC1によって治療されたラットは、通常の腎臓構造を示すのに対して、生理食塩水及びIVIGによって治療されたラットは、急性尿細管壊死と一致する細胞構造の破損を示す。バーは、20mmを表す。組織は、室温で、4003の倍率において顕微鏡Bmax,Olympus)を用いて観察された。画像は、デジタルカメラDP71,Olympus)を用いて得られた。
PIC1(PA−dPEG24)(配列番号:21)、コブラ毒因子(CVF)、または(31〜32℃で6時間の)治療低体温法による治療後、1、2、4、8、16、24、48時間の時点におけるラットの低酸素状態になった後の最大血清溶血パーセントを示す。
PIC1ペプチド(PA−dPEG24)、コブラ毒因子(CVF)、または(31〜32℃で6時間の)治療低体温法によって治療されたラットの低酸素状態になった後の脳切片の画像を示す。
HIEにおける合計頭蓋C1qレベルを示す。脳障害後、4、12、及び24時間において、未治療のHIE対照(正常体温−ひし形)と比較した場合、PIC1(配列番号:21)治療群(正常体温+PIC1(配列番号:21)−三角形)において、有意に少ないC1q沈着がある。PIC1(配列番号:21)治療動物は、治療低体温法(四角形)を受けた動物と比較して、類似レベルのC1qを有した。
PIC1(配列番号:21)治療によるHIE後の神経保護証拠を示す。図32BパネルA〜Dは、クレジルバイオレット染色を示す。クレジルバイオレットは、神経細胞におけるニッスル物質を染色する。HIE群(パネルB)は、PIC1(配列番号:21)群(パネルD)と比較して、クレジルバイオレット染色の有意な減少を示しており、治療低体温法(パネルC)に類似のPIC1(配列番号:21)の神経保存作用を示す。パネルE〜Hは、ヘマトキシリン及びエオシン染色を示す。ヘマトキシリン及びエオシン染色は、PIC1(配列番号:21)(パネルH)で治療されたものと比較した場合、HIE脳におけるより高度の神経破壊壊死凝縮及び核崩壊)(パネルF)を示した。パネルI〜Lは、アクリジンオレンジ染色を示す。アクリジンオレンジは、脳の生存可能な部分を明るい緑色に染色する(パネルK及びL)。HIEは、脳におけるアクリジンオレンジ染色を有意に減少する(パネルJ)。PIC1(配列番号:21)治療によって、アクリジンオレンジ染色が回復し、脳におけるより多くの生存細胞の存在を示す(パネルL)。
組織学的神経保護が、HIE後、神経機能の改善にも変換されることを示す。PIC1(配列番号:21)を注射された動物は、正常温動物より良好に、かつ非介入動物または治療低体温法を受けた動物と類似に機能した(介入なし、左側の第1のバー;HIE:正常体温、左から2番目のバー;HIE+治療低体温法:低体温、左から3番目のバー、HIE+PIC1(配列番号:21):正常体温−PIC1(配列番号:21)、左から4番目のバー)。
PIC1(配列番号:21)対アシクロビルのGFPコード化HSV−1阻害を示す。ウイルスのない負の対照(標識される)において、柱状図は左にピークを示し、感染した細胞がないことを示す(GFP−)。正の対照において、ピークは右にシフトし、感染した細胞を示す(GFP+)。第2列において、PIC1(配列番号:21)の濃度が増加すると、次第にピークは左にシフトし、PIC1(配列番号:21)がウイルス複製を阻害することを示す。それと対照的に、第3列は、ウイルス複製に対するアシクロビル(ACV)の用量依存効果を示す。5mMのACVによる治療によって、小さな右ピークが生じ、なお残留するウイルス複製があったことが示される。
PIC1(配列番号:21)対アシクロビルのHSV−2の阻害を示す。負の対照(標識される)において、柱状図は左にピークを示し、感染した細胞がないことを示す(GFP−)。正の対照において、ピークは右にシフトし、感染した細胞を示す(GFP+)。第2列において、PIC1(配列番号:21)の濃度が増加すると、次第にピークは左にシフトし、PIC1(配列番号:21)がウイルス複製を阻害することを示す。それと対照的に、第3列は、ウイルス複製に対するアシクロビル(ACV)の用量依存効果を示す。
図のx軸上でAF1と記載されるPIC1(配列番号:21)が、L.アシドフィルス(L.acidophilus)及びL.ライヒマニ(L.leichmannii)の増殖を促進することを示す。
図36A〜Cは、PIC1(配列番号:7、8、12及び21)の抗微生物活性を示す。図36Aは、微量希釈MIC試験において、PIC1(配列番号:21)が、黄色ブドウ球菌、緑膿菌及び肺炎桿菌の増殖を阻害することを示す。図36Bは、緑膿菌の微量希釈MIC試験におけるペプチド変異体AF1〜AF5(それぞれ、配列番号:21、5、6、7及び8)を示す。図36Cは、PIC1(配列番号:21)が細菌の外面に結合していることを示す共焦点顕微鏡法を示す。
図37A〜Dは、PIC1(配列番号:21)の存在下または不在下における淋菌増殖を示す。図37Aは、20mg/mlのPIC1(配列番号:21)の存在下または不在下における淋菌増殖を示す。図37Bは、30mg/mlのPIC1(配列番号:21)の存在下または不在下における淋菌増殖を示す。図37Cは、PIC1(配列番号:21)の漸増濃度における淋菌増殖を示す。図37Dは、PIC1(配列番号:21)と一緒に、及びなしでインキュベーションされた淋菌からのコロニー数を示す。
PIC1(配列番号:21)が、嚢胞性線維症(CF)患者から単離された痰試料(ゾル)中のMPO活性を阻害することを示す。CFゾル試料は、20mg/mlのPIC1(配列番号:21)の存在下または不在下で30分間インキュベーションされ、続いて、室温において30分間のTMBの添加が行われた。次いで、MPO活性は、450nmで分光光度計においてTMB色変化の検出によって測定された。
PIC1(配列番号:21)が、嚢胞性線維症(CF)患者から単離された痰試料(ゾル)において用量依存的にMPO活性を阻害することを示す。CFゾルは、増加量のPIC1(配列番号:21)の存在下で室温でインキュベーションされた。次いで、MPO活性は、450nmで分光光度計においてTMB色変化の検出によって測定された。
PIC1(配列番号:21)が、低酸素虚血性脳障害(HIE)のラット脳におけるMPO活性を阻害することを示す。HIEを患うラットの脳溶解産物からの浮遊物は、20mg/mlのPIC1(配列番号:21)の存在下または不在下でインキュベーションされた。次いで、MPO活性は、450nmで分光光度計においてTMB色変化の検出によって測定された。
治療を受けていない(NT=正常体温)、低体温法(HT)またはPIC1(配列番号:21)腹腔内投与(NP=正常体温+PIC1(配列番号:21))を受けたHIEを有する子ラットからの脳溶解産物を示す。次いで、溶解産物は、TNBによるMPO活性に関して試験された。48時間にわたって、NT動物は、増加した再灌流障害及び梗塞サイズ一貫する、MPO活性の増加を経験する。PIC1(配列番号:21)治療動物は、各時点において治療なし(NT)群と比較して、MPO活性が減少する傾向があり、PIC1(配列番号:21)の腹腔内投与後のHIE脳でのMPO活性減少を暗示する。
PIC1(配列番号:21)が、精製ヒト好中球(PMN)の溶解産物におけるMPO活性を用量依存的に阻害することを示す。PMN溶解産物は、増加量のPIC1(配列番号:21)の存在下でインキュベーションされた。次いで、MPO活性は、450nmで分光光度計においてTMB色変化の検出によって測定された。
PIC1(配列番号:21)の量増加による、MPO活性の阻害の滴定を示す。PIC1(配列番号:21)は、MPOを直接阻害する。
ヘモグロビンを含有するRBC溶解産物の量増加が、クロモゲンテトラメチルベンズジン(TMB)基質酸化の用量依存的増加を実証したことを示す。20mg/mlにおけるPIC1(配列番号:21)の存在下、TMBの酸化は阻害された。
PIC1(配列番号:21)の量増加によって、RBC溶解産物からのヘモグロビンによる酸化TMBシグナルの用量依存的減少がもたらされることを示す。
PIC1(配列番号:21)の量増加によって、RBC溶解産物からのヘモグロビンの量増加によるテトラメチルベンジジンTMBの酸化が用量依存的に阻害されることを示す。

0050

詳細な説明
本発明は、Polar Assortant(PA)ペプチド(配列番号:3)からの15アミノ酸の単離され精製されたペプチドの修飾に基づく合成ペプチド化合物、上記ペプチドの誘導体、及びその使用方法を提供する。PAペプチドは、CP1(配列番号:1)と呼ばれるヒトアストロウイルスタンパク質から誘導された、スクランブル化、短縮化ペプチドである。いくつかの実施形態において、本発明は、CP1の単離され精製されたペプチドの修飾に基づき、そのペプチド誘導体は、配列番号:4〜47に示されるアミノ酸配列を有する。配列番号:4〜47は、例えば、N末端及びC末端において、PEG化を含むサルコシン置換及び/または修飾を有する、PA(配列番号:3)の誘導体である。これらのペプチドは、補体阻害を含む補体活性化の調節;溶血性反応の治療及び/または予防;低酸素虚血性脳障害の治療;嚢胞性線維症の治療;抗微生物的使用;ならびに本明細書に開示された他の疾患及び状態の治療及び/または予防のために使用することができる。

0051

いくつかの態様において、これらのペプチド化合物は、古典経路及びレクチン経路の調節不全活性化によって介在された疾患及び状態の治療に関して治療価値を有する。いくつかの態様において、本発明は、抗微生物活性を有し、嚢胞性線維症を治療するために使用可能であり、かつ/または種々の急性疾患を治療するために使用可能であるペプチドを選択するための方法を提供する。PAペプチド(配列番号:3)は、水溶液中で低い溶解度を有する。配列番号:21のペプチドならびに他のPEG化及びサルコシン置換物(例えば、配列番号:5〜8、10〜12、21〜25、27〜29、30〜40、43、45及び47)は、水溶液中での溶解度が増加しており、このため、治療化合物としてのそれらの有効性が増加し得る。

0052

いくつかの実施形態において、本発明は、CP1と呼ばれ、かつC1q及びMBLに結合することによって古典経路及びレクチン経路の活性化を調節することが可能な配列(配列番号:1)を有する、ヒトアストロウイルスコートタンパク質から誘導された30アミノ酸の単離され精製されたペプチドの識別及び修飾に基づく。他の実施形態において、ペプチド化合物は、レクチン経路活性化ではなく、古典経路活性化を調節する。

0053

CP1のアミノ酸構造の修飾によって、C1q活性などの補体活性化を調節することが可能である追加的なペプチド化合物が発見された。

0054

「ペプチド化合物(複数可)」という用語は、本明細書で使用される場合、天然由来であり得るアミノ酸配列、または、配列番号:3に基づく約15アミノ酸のペプチド模倣体、ペプチド類似体及び/もしくは合成誘導体を指す。加えて、ペプチド化合物は、約10〜約15アミノ酸残基、及び約5〜約10アミノ酸残基のペプチド化合物などの約15未満のアミノ酸残基であり得る。例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15アミノ酸のペプチド残基は同様に、本発明に関連するペプチド化合物であり得る。ペプチド化合物は、15超のアミノ酸、例えば、16、17、18、19、及び20以上のアミノ酸であることも可能である。

0055

開示されたペプチド化合物は、概して、約15アミノ酸残基、または約15未満のアミノ酸残基の、制限される(すなわち、例えば、βターンまたはβプリーツシートを開始するアミノ酸、またはジスルフィド結合Cys残基の存在によって環化されるアミノ酸の存在といった、いくつかの構造要素を有する)か、あるいは制限されていない(すなわち、直鎖)アミノ酸配列である。

0056

ペプチド配列内のアミノ酸の置換は、そのアミノ酸が属するクラスの他の要素から選択されてよい。例えば、非極性疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシンイソロイシンバリンプロリンフェニルアラニントリプトファン及びメチオニンが含まれる。芳香族環構造を含有するアミノ酸としては、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンが含まれる。極性中性アミノ酸としては、グリシンセリントレオニンシステイン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミンが含まれる。正帯電塩基性)アミノ酸としては、アルギニン及びリシンが含まれる。負帯電(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれる。例えば、配列中の1または複数のアミノ酸残基は、機能的に同等の役割を果たす別の類似の極性を有するアミノ酸によって置換可能であり、それによってサイレント改変がもたらされる。

0057

一般に、保存的な変更によってもたらされる、得られるタンパク質の構造及び機能の変化は小さい。保存的ではない変更は、得られるタンパク質の構造、活性、または機能を変更する可能性がいっそう高い。例えば、本開示のペプチドは、次の保存的アミノ酸置換の1つ以上を含む:アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンなどの脂肪族アミノ酸と、別の脂肪族アミノ酸との置換;セリンと、トレオニンとの置換;トレオニンと、セリンとの置換;アスパラギン酸とグルタミン酸などの酸性残基と、別の酸性残基との置換;アスパラギン及びグルタミンなどのアミド基を有する残基と、アミド基を有する別の残基との置換;リシン及びアルギニンなどの塩基性残基と、別の塩基性残基との交換;ならびにフェニルアラニン及びチロシンなどの芳香族残基と、別の芳香族残基との置換。

0058

特に好ましいアミノ酸置換としては、次のものが含まれる:
a)負電荷が減少し得るような、Gluに対するAla、またはその逆;
b)正電荷が維持されることが可能であるような、Argに対するLys、またはその逆;
c)正電荷が減少し得るような、Argに対するAla、またはその逆;
d)負電荷が維持されることが可能であるような、Aspに対するGlu、またはその逆;
e)遊離−OHが維持されることが可能であるような、Thrに対するSer、またはその逆;
f)遊離NH2が維持されることが可能であるような、Asnに対するGln、またはその逆;
g)ほぼ同等の疎水性アミノ酸としての、LeuもしくはValに対するIle、またはその逆;
h)ほぼ同等の芳香族アミノ酸としての、Tyrに対するPhe、またはその逆;ならびに
i)ジスルフィド結合が影響を受けるような、Cysに対するAla、またはその逆。

0059

ペプチド配列内のアミノ酸に対する置換は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、ピロリシンセレノシステイン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、N−ホルミル−L−メチオニン、サルコシンまたは他のN−メチル化アミノ酸を含むがこれらに限定されない任意のアミノ酸から選択され得る。いくつかの実施形態において、サルコシンは、ペプチド配列内のアミノ酸を置換する。

0060

一実施形態において、本発明は、ヒトアストロウイルスコートタンパク質から誘導される合成ペプチドである、配列番号:3〜47のアミノ酸配列及び修飾を含むペプチドを開示する。いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトアストロウイルスコートタンパク質から誘導される合成ペプチドである、配列番号:3及び19〜29のアミノ酸配列及び修飾を含むペプチドを開示する。他の実施形態において、本発明は、ヒトアストロウイルスコートタンパク質から誘導される合成ペプチドである、配列番号:4〜18及び30〜47のアミノ酸配列及び修飾を含むペプチドを開示する。

0061

別の実施形態において、本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列を含み、1または複数のアミノ酸置換、修飾、挿入、または欠失を有する合成ペプチドであって、本明細書に記載の他の治療活性のうち補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。

0062

別の実施形態において、本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列を含み、1または複数のサルコシン置換を有する合成ペプチドであって、本明細書に記載の他の治療活性のうち補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。

0063

別の実施形態において、本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列を含み、1または複数のアラニン置換を有する合成ペプチドであって、本明細書に記載の他の治療活性のうち補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。

0064

別の実施形態において、本発明は、配列番号:3のPEG化アミノ酸配列を含む合成ペプチドであって、本明細書に記載の他の治療活性のうち補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。

0065

ペプチド化合物は、配列番号:3に基づき、内部ペプチド欠失及び置換、ならびにN末端及びC末端における欠失及び置換を有し得る。いくつかの実施形態において、ペプチドは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸置換、修飾、挿入、または欠失を有する。

0066

いくつかの実施形態において、ペプチド配列は、配列番号:3に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の配列同一性を有する。

0067

いくつかの実施形態において、本発明は、中毒または薬剤治療による虚血、炎症及び/または中毒作用によって誘発された臓器機能不全を治療または予防する効果を有する治療活性ペプチドに関する。他の実施形態において、本発明は、抗微生物効果を有する治療活性ペプチドにも関する。他の実施形態において、本発明は、嚢胞性線維症の治療効果を有する治療活性ペプチドに関する。他の実施形態において、本発明は、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)の治療効果または予防効果を有する治療活性ペプチドに関する。他の実施形態において、本発明は、出生時仮死の治療効果を有する治療活性ペプチドに関する。本発明は、急性補体介在疾患の治療効果を有する治療活性ペプチドにも関する。

0068

本明細書で使用される場合、ペプチド配列は、疾患状態生理学的状態、症状、または病原学的徴候の治療、寛解、または減弱、あるいはその評価または診断のために使用可能である場合、「治療活性である」。ペプチド配列は、疾患状態、生理学的状態、症状または病原学的徴候を予防するために使用可能である場合、「予防活性である」。

0069

本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、診断、予後診断、または治療が所望される任意の対象を意味する。例えば、対象は、哺乳類、例えば、ヒトあるいは(類人猿サルオランウータンまたはチンパンジーなどの)ヒト以外の霊長類イヌネコテンジクネズミウサギ、ラット、マウスウマウシまたは雌ウシであることが可能である。

0070

本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、障害(例えば、本明細書に記載の障害)またはその症状を改善するため、あるいは障害(例えば、本明細書に記載の障害)またはその症状を予防するかまたは進行を遅らせるために有効な量、様式(例えば、投与スケジュール)、及び/またはモード(例えば、投与経路)で治療薬を投与することを意味する。これは、例えば、統計学的に有意な度合まで、または当業者に検出可能である度合までの障害またはその症状に関連するパラメーターの改善によって証拠づけることができる。有効な量、様式、またはモードは、対象に応じて変更可能であり、かつ対象に合わせて調整されてもよい。障害またはその症状を予防するか、またはその進行を遅らせることによって、治療は、罹患したか、または診断を受けた対象における障害またはその症状から生じる悪化を予防することができるか、あるいは遅らせることができる。

0071

アストロウイルスコートタンパク質ペプチド及び誘導体
CP1は、ヒトアストロウイルスコートタンパク質から誘導されたペプチドであり、配列番号:1のアミノ酸配列を含むペプチドである。

0072

CP1を親ペプチドとして使用して、Δ8〜22ペプチド(配列番号:2)に関して、残基8〜残基22の内部欠失を行った(内部欠失は、表1中破線で示される)。このペプチドは、試験された全ての機能的アッセイで活性であり、かつC1qを結合した。Δ8〜22ペプチドからの15アミノ酸残基をスクランブル化し、Polar Assortantペプチド(配列番号3)を作成した。スクランブル化Polar Assortantペプチド(配列番号:3)は、PA、PIC1、AstroFend、またはAFとも呼ばれる。本明細書で記載される場合、「PIC1」ペプチドという用語は、配列番号:3に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、ならびに同アミノ酸配列を有するが、PEG化などの修飾を有するペプチドを含む。PAペプチドは、試験された全ての機能的アッセイで活性であった。CP1の一連の他のペプチド欠失、置換、及び修飾は、その内容が参照によって全体的に組み込まれる米国特許第8,906,845号明細書に記載されている。

0073

以下の表1、2、3及び4に示されるように、PAの一連のペプチド置換及び修飾を開示する。本出願は、表1〜4に示される配列番号:1〜47のアミノ酸配列のいずれか1つを含む合成ペプチドを開示する。ヒト用の治療剤として、ペプチド化合物は、投与経路が、例えば、局所的、経腸吸入非経口(すなわち、筋肉内、皮下、静脈内)であってもよく、あるいは噴霧器、ならびに当業者に既知の他の任意の投与経路で投与されてもよい。

0074

(表1)

0075

サルコシン置換
サルコシン(「Sar」)は、N−メチルグリシンとしても知られている天然アミノ酸である。サルコシンは、コリンからグリシンへの代謝における中間体である。サルコシン置換を使用して、順次、PAの各残基を置換した(表2)。サルコシン置換は、補体阻害活性を維持し、かつ水溶性のペプチドを識別するために使用することができる。

0076

特定の位置においてサルコシンで置換されたペプチド化合物が本明細書に開示される。表2は、配列番号:3の配列を含み、1または複数のアミノ酸がサルコシンで置換され、かつ補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。1または複数の実施形態において、アミノ酸は、7位または9位においてサルコシンで置換される。1または複数の実施形態において、2以上のアミノ酸がサルコシンで置換される。

0077

(表2)

0078

PEG化
ポリエチレングリコール(PEG)は、エチレンオキシドオリゴマーまたはポリマーである。本明細書中、PEG化された(すなわち、結合された1または複数のPEG部分を有する)ペプチド化合物が開示される。PEG化は、補体阻害活性を維持し、かつ水溶性である修飾ペプチドを識別するために使用することができる。1または複数のPEG部分が、ペプチドのN末端、ペプチドのC末端またはペプチドのN及びC末端の両方に結合可能である。PEG化ペプチド化合物としては、N末端、C末端、またはN末端及びC末端の両方のPEG化によって修飾された、本明細書に記載の任意のペプチドが含まれる(表1〜4)。

0079

PEG化は、PAのN末端、C末端、またはN末端及びC末端の両方に1または複数のPEG部分を結合するために使用された(表3)。1または複数の実施形態において、24のPEG部分が、PAのN末端に結合される。1または複数の実施形態において、24のPEG部分が、PAのC末端に結合される。1または複数の実施形態において、24のPEG部分が、PAのN末端及びPAのC末端に結合される。1または複数の実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれ以上のPEG部分が、PAのN末端に結合される。1または複数の実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれ以上のPEG部分が、PAのC末端に結合される。1または複数の実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれ以上のPEG部分が、PAのN末端及びPAのC末端に結合される。

0080

本明細書において、PEG化ペプチド化合物が開示される。本出願は、配列番号:3の配列を含む合成ペプチド(PIC1)であって、1または複数のPEG部分が結合し、かつ補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。

0081

(表3)

0082

アミノ酸置換と組み合わせたペプチドのPEG化
本出願は、サルコシン置換及び/またはアラニン置換及び/またはPEG化の組み合わせによって修飾されたPA/PIC1を開示する。PAの一連のペプチド置換及び修飾は、以下の表4に示されるように開示される。修飾ペプチド及び置換ペプチドは、補体阻害活性を維持し、かつ水溶性であるペプチドを識別するために使用することができる。本出願は、配列番号:3の配列を含む合成ペプチドであって、1または複数のアミノ酸がサルコシンまたはアラニンで置換され、かつ補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドを開示する。本出願は、配列番号:3の配列を含む合成ペプチドであって、1または複数のアミノ酸がサルコシンまたはアラニンで置換され、かつ1または複数のPEG部分が、ペプチドのN末端、ペプチドのC末端、またはペプチドのN及びC末端の両方に結合し、補体活性化を調節しかつ/または抗微生物活性を有する合成ペプチドも開示する。

0083

1または以上の実施形態において、2以上のアミノ酸がサルコシンで置換される。1または以上の実施形態において、2以上のアミノ酸がアラニンで置換される。1または以上の実施形態において、1または複数のアミノ酸がサルコシンで置換され、かつ1または複数のアミノ酸がアラニンによって置換される。置換ペプチドは、上記のとおり、PEG化によってさらに修飾可能である。

0084

(表4)

0085

PIC1ペプチドの抗微生物活性
多くの微生物が、現在処方される抗生物質に対して耐性を有するようになったため、現在、新規抗生物質が臨床的に必要とされている。さらに、多くの抗生物質は、細菌が、空間及びエネルギーについて何年もの間競合してきた他の微生物から誘導され、これによって迅速かつ予測可能な耐性の出現がもたらされた。

0086

CP1ペプチドは、最初、ヒト好中球防御ペプチド1(HNP−1)に対するその弱い相同性によって識別されていた。補体活性化の阻害に加えて、HNP−1は、細菌増殖を阻害する能力を有する。本明細書に記載される、配列番号:3〜47を含むPIC1ペプチドは、HNP−1とはアミノ酸配列順序が非常に異なり、かつ自然界では、周知の同族体を有さない。驚くべきことに、いくつかの態様において、PIC1ペプチドは、抗細菌活性を有する。

0087

いくつかの態様において、開示されたペプチド化合物は、直接的な抗微生物効果を有し、したがって、細菌疾患の増大を阻害するのに理想的である。開示されたペプチド化合物は、細菌によって介在された疾患を予防及び治療するために使用することができる。いくつかの実施形態において、開示されたペプチド化合物は、グラム陽性細菌感染症及びグラム陰性細菌感染症を予防及び治療するために使用することができる。いくつかの実施形態において、開示されたペプチド化合物は、例えば、緑膿菌、MRSA、及びカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)(例えば、耐性肺炎桿菌)を予防及び治療するために使用することができる。開示されたペプチド化合物は、細菌性膣疾患及び膣炎を予防及び治療するために使用することができる。1または複数の実施形態において、開示されたペプチド化合物は、細菌性膣疾患の原因生物体を死滅させ、また、バリア防御を崩壊させてHIV感染のリスクを増加させる炎症を防ぐ。PIC1ペプチドは、周知のタンパク質またはペプチドとの相同性を有さないため、これは耐性の出現の可能性を減少させる可能性を有する。

0088

開示されたペプチド化合物は、ラクトバチルスの増殖を増強することも可能である。本発明のいくつかの実施形態において、L.アシドフィルス及びL.ライヒマニは、開示されたペプチド化合物によって増強される。特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47からなる群より選択される少なくとも1種の合成ペプチドの治療有効量を投与することによる、ラクトバチルスの増殖を増強する方法を提供する。

0089

細菌性膣疾患及び膣炎は、現在、全身性抗生物質によって治療される。開示されたペプチド化合物は、局所(local)投与(例えば、局所(topical)投与)によって、または全身投与(例えば、静脈内投与)によって、細菌性膣疾患及び膣炎を予防及び治療するために使用することができる。

0090

特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47から選択されるアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドの治療有効量を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、細菌感染症の治療方法を提供する。1または複数の実施形態において、細菌は、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌、淋菌、クラミジア・トラコマチスまたはガードネレラ種である。1または複数の実施形態において、対象は嚢胞性線維症を有し、かつペプチド化合物は嚢胞性線維症を治療する。1または複数の実施形態において、対象は淋病またはクラミジアを有し、かつペプチド化合物は淋病またはクラミジアを治療する。1または複数の実施形態において、対象は肺炎を有し、かつペプチド化合物は肺炎を治療する。

0091

特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47から選択されるアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドの治療有効量を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、細菌性膣炎の治療方法を提供する。

0092

補体系及びその調節不全と関連する疾患
補体は、細菌及びいくつかのエンベロープ型ウイルスなどの微生物に対して重要な宿主防御であるが、その抑制されない活性化は、破壊的な宿主細胞損傷を引き起こす可能性がある。補体によって介在される宿主組織損傷は、慢性関節リウマチ全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、自己免疫溶血性貧血、膜性増殖性糸球体腎炎、及び血清病などの自己免疫病態を含む多種多様な疾患に関連している。これは、また、次の疾患:成人の呼吸困難症候群(ARDS)、虚血再灌流障害(卒中及び心筋梗塞を含む)、同種及び異種移植合併症超急性拒絶反応及び移植片対宿主病(GVHD)を含む)、アルツハイマー病、火傷血液透析損傷、心肺バイパス損傷及び発作性夜間血色素尿症(PNH)の発現に寄与するものとして識別されている。

0093

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、機能性C1阻害剤のレベル減少または不在によって引き起こされる、まれな遺伝的障害であり;HAEの症状としては急性水腫が含まれる。C1阻害剤は、本質的にC1活性化を阻害し、そして急性水腫の治療は、C1阻害剤の実質的な注入または血漿輸血を必要とする。アストロウイルスCPは、C1活性化を機能的に阻害するため、開示されたペプチド化合物をHAEを治療するために使用することは治療必要性を満たす。C1阻害剤は、複数の対象由来ヒト血清から精製される必要があり、したがって、ヒトの血液由来病原体によって汚染される可能性がある。開示されたペプチド化合物の治療投与は、C1阻害剤との補助療法において、または独立型の治療として、C1を調節する。

0094

開示されたペプチド化合物は、副経路活性に影響を与えることなく、C1q及びMBLの活性化を選択的に調節することが可能であり、したがって、古典経路及びレクチン経路の調節不全活性化によって介在された疾患を予防及び治療するために理想的である。これらの経路の両方とも、多くの動物モデルにおいて、虚血再灌流誘発障害に関連していたため、古典経路及びレクチン経路の特異的遮断が特に必要とされている[Castellano et al.,“Therapeutic targeting of classical and lectin pathways of complement protects from ischemia−reperfusion−induced renal damage.”Am J Pathol.2010;176(4):1648−59;Lee et al.,“Early complement factors in the local tissue immunocomplex generated during intestinal ischemia/reperfusion injury.”Mol.Immunol.2010 Feb;47(5):972−81;Tjernberg,et al.,“Acute antibody−mediated complement activation mediates lysis of pancreatic islets cells and may cause tissue loss in clinical islet transplantation.”Transplantation.2008;Apr 27;85(8):1193−9;Zhang et al.“The role ofnaturalIgMin myocardial ischemia−reperfusion injury.”J Mol Cell Cardiol.2006 Jul;41(1):62−7)。副経路は、侵入病原体に対する免疫学的監視のために不可欠であり、かつ副経路欠損を有するヒトは、重症の細菌感染症を患う。C1q及びMBLに結合して不活性化することによって、ペプチド化合物は、副経路を変化させずに、古典経路及びレクチン経路活性化を効率的に調節することができる。

0095

「調節する」という用語は、本明細書で使用される場合、i)個々に、または複合体において、酵素、タンパク質、ペプチド、因子副産物、またはその誘導体の生物学的機能を制御すること、減少させること、阻害すること、または調節すること;ii)生体内で、または生体外で生物学的タンパク質、ペプチド、またはその誘導体の量を減少させること;あるいはiii)関連する一連の生物学的または化学的反応を含むことが知られている、事象の生物学的連鎖、カスケード、または経路を中断させることを意味する。したがって、「調節する」という用語は、例えば、対照試料と比較して補体カスケードの単一成分の量を減少させること、成分または成分の複合体の形成の速度または総量を減少させること、あるいは、細胞溶解、転換酵素の形成、補体によって誘導された膜攻撃複合体の形成、炎症または炎症性疾患といった結果がもたらされる複雑なプロセスまたは一連の生物学的反応の全体的な活性を減少させることを説明するために使用されてよい。生体外アッセイにおいて、「調節する」という用語は、いくらかの生物学的または化学的事象の測定可能な変化または減少を意味し得るが、当業者は、測定可能な変化または減少が全体として「調節性」であることを必要としないことを理解するであろう。

0096

1または複数の態様において、開示されたペプチド化合物は、炎症性疾患を治療するために使用可能である。1または複数の実施形態において、開示されたペプチド化合物は、自己免疫疾患を治療するために使用可能である。1または複数の実施形態において、開示されたペプチド化合物は、溶血性輸血反応、寒冷凝集素疾患、免疫複合物疾患(例えば、血清病)、地中海貧血、鎌状赤血球症、ABO不適合(例えば、新生児黄疸)、急性/超急性臓器移植拒絶、臓器移植温/冷虚血、超急性期血液介在炎症反応(IBMIR)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、関節リウマチ、虚血再灌流障害、心筋梗塞、卒中、低酸素虚血性脳障害(例えば、出生時仮死脳障害)、外傷性脳障害、冠状動脈バイパス手術、創傷治癒、がん、アルツハイマー病、パーキンソン病、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、敗血症症候群/ARDS/SIRS、糸球体腎炎(例えば、狼瘡腎炎、抗糸球体基底膜抗体病、抗好中球細胞質自己抗体誘発、膜性増殖性糸球体腎炎、(例えば、密沈積症)、膜性腎症)、IgA腎症またはC3糸球体症を治療するために使用可能である。

0097

補体介在血管内溶血性輸血反応(AIHTR)
急性血管内溶血性輸血反応(「ATR」、「AHTR」または「AIHTR」)は、溶血と関連する輸血反応の一種である。AIHTRは、ドナー赤血球の補体介在溶解及び迅速な破壊をもたらす可能性がある。AIHTRは、軽度のかつ一時的な徴候及び症状から、ショック汎発性血管内凝固腎不全及び死といった重度の症例までの広範囲の臨床症状を有する。

0098

米国赤十字によると、毎年3千万の血液成分が米国(US)内で輸血されていると推定される[Barbee I.Whitaker PSH,PhD,The 2011 National Blood Collection and Utilization Survey Report;2011]。米国の約70,000人の鎌状赤血球症患者及び160万人のがんと診断された個人は、疾患管理の一環として、定期的に、輸血を必要とする。輸血は生命を救うが、急性血管内溶血性輸血反応(AIHTR)などのいくつかの潜在的に生命を脅かす様々な反応のリスクを伴う(MurphyMF,Waters JH,WoodEM,YazerMH.“Transfusing blood safely and appropriately.”BMJ.2013;347:f4303]。AIHTRは、全輸血の5分の1で生じると推定される(Refaai MA,Blumberg N.“The transfusion dilemma−weighing the known and newly proposed risks of blood transfusions against the uncertain benefits.”Best practice & research Clinical anaesthesiology.2013;27(1):17−35)。頻繁に輸血を受けている個人は、経時的に、赤血球(RBC)抗原に対して同種抗体及び自己抗体を発現し、クロスマッチがますます困難となり、したがって、AIHTRのリスクが増加することになる(Aygun B,Padmanabhan S,Paley C,Chandrasekaran V.“Clinical significance of RBC alloantibodies and autoantibodies in sickle cell patients who received transfusions.”Transfusion.2002;42(1):37−43]。現在の輸血安全対策には、『タイピング』、『抗体スクリーニング』、ならびに『クロスマッチング』が含まれ、これらの介入によって、輸血は以前よりも安全になったが、なお輸血反応は生じる(Osterman JL,Arora S.“Blood product transfusions and reactions.”Emergency medicine clinics of North America.2014;32(3):727−738]。AIHTRは、宿主の抗体が輸血された赤血球に結合して、古典補体経路活性化を開始し、それによって、炎症介在物質C3a及びC5aの産生、ならびにC3bオプソニン化及び膜侵襲複合体(MAC)による輸血細胞の溶血反応がもたらされる時に生じる(Stowell SR,Winkler AM,Maier CL,et al.“Initiation and regulation of complement during hemolytic transfusion reactions.”Clinical & developmental immunology.2012;2012:307093]。AIHTRにおける補体の役割は十分に認識されているが、今日までに報告された、補体アナフィラトキシンC3a及びC5aの産生阻害によるAIHTRの臨床的介入を説明するケースは、わずか1つである[Weinstock C,Mohle R,Dorn C,et al.“Successful use of eculizumab for treatment of an acute hemolytic reaction after ABO−incompatible red blood cell transfusion.”Transfusion.2015;55(3):605−610]。

0099

補体の古典経路は、抗体による補体複合体C1の初期活性化後にカスケード的増幅の役割を果たす(Frank MM AJ ed Complement system.In:Austen KF,Atkinson JP,Cantor HI ed.Samter’s Immunologic Disease.New York:Lippincott Williams and Wilkins;2001]。C1複合体は、パターン認識分子C1q及びセリンプロテアーゼ四量体C1r−C1s−C1s−C1rからなる。IgMまたはクラスター化IgG抗体へのC1qの結合時、C1qが構造変化を経て、C1r−C1s−C1s−C1rを活性化し、そして古典経路介在補体活性化を開始する。本明細書に記載の補体C1のペプチド阻害剤(PIC1)は、補体の古典経路のペプチド阻害剤である(Mauriello CT,PalleraHK,Sharp JA,et al.“A novel peptide inhibitor of classical and lectin complement activation including ABO incompatibility.”Mol Immunol.2013;53(1−2):132−139;Sharp JA,Whitley PH,Cunnion KM,Krishna NK.“Peptide inhibitor of complement C1,a novel suppressor of classical pathway activation:mechanistic studies and clinical potential.”FrontImmunol.2014;5:406;Gronemus JQ,Hair PS,CrawfordKB,Nyalwidhe JO,Cunnion KM,Krishna NK.“Potent inhibition of the classical pathway of complement by a novel C1q−binding peptide derived from the human astrovirus coat protein.”Mol Immunol.2010;48(1−3):305−313)。PIC1は、C1qを結合し、かつC1r−C1s−C1s−C1r12の活性化を予防することによって、抗体によって開始されたC1活性化を阻害する。PIC1は、生体外で、ヒト赤血球の古典補体経路介在ABO不適合性溶血を阻害することが示された(Mauriello CT,Pallera HK,Sharp JA,et al.“A novel peptide inhibitor of classical and lectin complement activation including ABO incompatibility.”Mol Immunol.2013;53(1−2):132−139;Sharp JA,Whitley PH,Cunnion KM,Krishna NK.“Peptide inhibitor of complement C1,a novel suppressor of classical pathway activation:mechanistic studies and clinical potential.”FrontImmunol2014;5:406;Shah TA,Mauriello CT,Hair PS,et al.“Complement inhibition significantly decreases red blood cell lysis in a rat model of acute intravascular hemolysis.”Transfusion.2014)。本明細書に記載のPIC1の水性ポリエチレングリコール(PEG)結合型であるPA−dPEG24(配列番号:21)をラットに経脈管的に投与すると、30秒以内に、90%を上回る動物の血清補体価の全身性阻害を達成することができる(Sharp JA,Whitley PH,Cunnion KM,Krishna NK.“Peptide inhibitor of complement C1,a novel suppressor of classical pathway activation:mechanistic studies and clinical potential.”Front Immunol.2014;5:406]。補体活性化を阻害するPIC1の能力によって、これは、AIHTRに特徴的である迅速な補体介在溶血を遮断するために理想的な分子となる。

0100

ヒトRBCの異種輸血に基づくラットAIHTR疾患モデル確立された(Shah TA,Mauriello CT,Hair PS,et al.“Complement inhibition significantly decreases red blood cell lysis in a rat model of acute intravascular hemolysis.”Transfusion.2014]。ウィスターラットは、血清中に、ヒトAB赤血球に結合する生得的血球凝集素を有する(Shah et al;Aptekman PM,BogdenAE.“Characterization of thenatural hemagglutinins in normal rat serum associated with a negative phase following tumor implantation.”Cancer Research.1956;16(3):216−221)。ヒト赤血球の輸血時、それらは、抗体によって開始される古典補体経路活性化によって、迅速なABO不適合様溶血を生じることになる(Yazdanbakhsh K,Kang S,Tamasauskas D,Sung D,Scaradavou A.“Complement receptor 1 inhibitors for prevention of immune−mediated red cell destruction:potential use in transfusion therapy.”Blood.2003;101(12):5046−5052]。

0101

PA(配列番号:3)及びPA−dPEG24(配列番号:21)を含むPIC1ペプチドは、生体外で、O血清によるABヒト赤血球(RBC)の補体介在溶解を遮断することができる。このアッセイは、ABO不適合を模倣する。PA−dPEG24は、AIHTRのげっ歯類モデルにおいて有効性を有し、予防及び救命シナリオにおいてヒトRBC溶解の阻害を実証する。したがって、PIC1ペプチドは、現在のところ療法が存在しないヒトにおける輸血反応の治療において使用可能である。

0102

現在の血液銀行組織または輸血医学診療は、ドナーとレシピエントとの間の補体介在RBC溶解に関するリスクを直接評価する方法を有さない。開示されたペプチド化合物は、診断ツールとして使用することができる。開示されたペプチド化合物は、AIHTRを予防するための予防治療として、またはAIHTRが重要な臨床上の意義を有する間の救命治療として使用することも可能である。開示されたペプチド化合物は、AIHTRにおいて急性腎障害を引き起こす高濃度の遊離ヘモグロビンを予防することができる。ATRに対する療法は、現在、支持療法以外はない。

0103

開示されたペプチド化合物は、RBCの補体介在溶解を検出するために使用可能であり、したがって、赤血球輸血がAIHTRを引き起こし得るかどうかを判別するために理想的である。開示されたペプチド化合物は、AIHTRを予測するために使用することができる。

0104

特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47から選択されるアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドの治療有効量を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、急性輸血反応の治療方法を提供する。1または複数の実施形態において、対象が輸血を受ける前に、医薬組成物は投与される。1または複数の実施形態において、対象が輸血を受けた後に、医薬組成物は投与される。1または複数の実施形態において、対象が輸血を受ける前及び輸血を受けた後に、医薬組成物は投与される。

0105

嚢胞性線維症(CF)における補体エフェクター
嚢胞性線維症(CF)において、肺損傷は、閉塞、感染症、及び炎症のサイクルによって介在されると思われる。正常対照と比較して、CF患者の肺液中で補体エフェクターが上昇することが判定された。

0106

米国において、30,000人の個人が嚢胞性線維症(CF)を患っており(Boyle MP.“Adult cystic fibrosis.”JAMA 2007;298(15):1787−93)、死亡原因の大半は呼吸不全である。肺実質の破壊の進行は、閉塞、細菌性病原体への感染、及び炎症のサイクルにより介在される(RoweSM,Miller S,Sorscher EJ,“Cystic fibrosis.”N Engl J Med 2005;352(19):1992−2001)。サイクルが繰り返されると、肺の損傷が肺の瘢痕へと進行して、最終的に肺不全にまで進行する(Gibson RL,Burns JL,Ramsey BW.“Pathophysiology and management of pulmonary infections in cystic fibrosis.”Am J Respir Crit Care Med 2003;168(8):918−51]。

0107

人体で最も破壊的な炎症カスケードは、多数の炎症性疾患プロセスにおいて宿主組織損傷の一因となる補体系である(Ricklin D,Lambris JD.“Complement−targeted therapeutics.”Nat Biotechnol 2007;25(11):1265−75)。最近の証拠によって、補体タンパク質がCF患者及び健常者の肺液の主成分であり、C3及びC4が、4つの最も一般的なタンパク質の2つを構成することが示された(Gharib SA,Vaisar T,Aitken ML,et al.“Mappingthe lung proteome in cystic fibrosis.”J Proteome Res 2009;8(6):3020−8)。これは、補体が、CF肺炎症において、これまで推測されていたものよりもはるかに大きい役割を果たし得ることを示唆する。細菌に結合した抗体は、開始成分C1によって古典補体経路を活性化することができる(図9)。C4は、オプソニンC4bの形成及び下流のC3活性化をもたらす、古典(すなわち、抗体により開始される)経路に関するカスケード成分である(Lambris JD,Sahu A,Wetsel RA.“The chemistry and biology of C3,C4,and C5.”In:Volanakis JE,Frank MM,(eds).The human complement system in health and disease.New York:Marcel Dekker;1998,83 −118)。C3は、活性化時に補体エフェクターC3aを生成し、細胞をオプソニンフラグメントC3b及びiC3bと共有結合させる、中心的な補体成分である。次いで、C3bは、C5の活性化を開始し、極めて効力があるアナフィラトキシンC5aを生成する。C5aは、酸化性バースト及び脱顆粒をもたらす、好中球移動及び活性化のために最も強力な刺激である(Lambris JD,Sahu A,Wetsel RA.“The chemistry and biology of C3,C4,and C5.”In:Volanakis JE,Frank MM,(eds).The human complement system in health and disease.New York:Marcel Dekker;1998,83 −118;Tralau T,Meyer−Hoffert U,Schroder JM,et al.“Human leukocyte elastase and cathepsin G are specific inhibitors of C5a−dependent neutrophil enzyme release and chemotaxis.”Exp Dermatol 2004;13(5):316−25)。脱顆粒後の好中球死は、CF肺の気道の閉塞の一因となる粘着性DNAの主要源である(Dwyer M,Shan Q,D’Ortona S,et al.“Cystic Fibrosis Sputum DNA Has NETosis Characteristics and Neutrophil Extracellular Trap Release Is Regulated by Macrophage Migration−Inhibitory Factor.”J Innate Immun 2014;Hodson ME.“Aerosolized dornase alfa (rhDNase) for therapy of cystic fibrosis.”Am J Respir Crit Care Med 1995;151(3 Pt 2):S70−4]。好中性顆粒産物の中でも、好中球エラスターゼが放出され、これは、CFにおける実質肺損傷に大きく寄与する(Gifford AM,Chalmers JD.“The role of neutrophils in cystic fibrosis.”Curr Opin Hematol 2014;21(1):16−22;Le Gars M,Descamps D,Roussel D,et al.“Neutrophil elastase degrades cystic fibrosis transmembrane conductance regulator via calpains and disables channel function in vitro and in vivo.”Am J Respir Crit Care Med 2013;187(2):170−9;Sagel SD,Wagner BD,Anthony MM,et al.“Sputum biomarkers of inflammation and lung function decline in children with cystic fibrosis.”Am J Respir Crit Care Med 2012;186(9):857−65]。したがって、補体活性化は、組織損傷に寄与する、CF肺における好中球動員及び活性化において重要な役割を果たし得る。CF肺疾患に寄与し得るC5aの追加的特性は、ヒスタミン放出の刺激、血管浸透性拡張、及び平滑筋収縮誘因である(Lambris JD,Sahu A,Wetsel RA.“The chemistry and biology of C3,C4,and C5.”In:Volanakis JE,Frank MM,(eds).The human complement system in health and disease.New York:Marcel Dekker;1998,83−11]。C5aの既知の炎症特性は、急性肺障害を含む炎症肺疾患におけるC5aの役割についての増加する証拠と一致する(Schmudde I,StroverHA,Vollbrandt T,et al.“C5a receptor signalling in dendritic cells controls the development of maladaptive Th2 and Th17 immunity in experimental allergic asthma.”Mucosal Immunol 2013;6(4):807−25;Bosmann M,Ward PA.“Role of C3,C5 and anaphylatoxin receptors in acute lung injury and in sepsis.”Adv Exp Med Biol 2012;946:147−59]。したがって、理論によって拘束されないが、複数の推論系統によって、補体介在炎症が、CFにおける炎症肺損傷に大きく寄与し得ることが示される。

0108

CF肺におけるC5aの潜在的に重大な役割に関するいくつかの調査が実行された。1986年、Fickらは、健康対照からの気管支肺胞洗浄液(BAL)と比較して、臨床的に安定した肺疾患を有する9人のCF患者のBALにおける放射免疫測定によって測定された増加量のC5aの存在を説明した(Fick RB,Jr.,Robbins RA,Squier SU,et al.“Complement activation in cystic fibrosis respiratory fluids:in vivo and in vitro generation of C5a and chemotactic activity.”Pediatr Res 1986;20(12):1258−68)。CF BAL液は、好中球に対して走化性であり、これは、C5a濃度と関連するように見えた。BAL液は、交叉免疫電気泳動法によって分析された、C3cの存在によって事前の補体活性化の証拠を示した。最も低いC5a測定値を有する2人のCF患者は、正常なFEV1及びFVCの測定値を有することがわかり、これは、肺損傷との潜在的な関連を示唆した。しかしながら、CF肺液中のC5a濃度が、CFにおける急性肺悪化または慢性肺疾患進行と関連するかどうかを試験するためのさらなる試験は実行されなかった。

0109

いずれの機構によっても拘束されないが、開示されたペプチド化合物は、副経路活性に影響を及ぼさずに、C1q及びMBLの活性化を選択的に調節することができ、したがって、嚢胞性線維症の治療に理想的である。1または複数の実施形態において、開示されたペプチド化合物は、嚢胞性線維症を治療するために使用することができる。1または複数の実施形態において、開示されたペプチド化合物は、抗炎症剤及び抗微生物剤として使用することができる。1または複数の実施形態において、開示されたペプチド化合物は、噴霧療法によって肺中にペプチド(複数可)を直接投与することによって、嚢胞性線維症を治療するために使用することができる。1または複数の実施形態において、噴霧療法による本開示のペプチド化合物(複数可)の投与は、嚢胞性線維症によって引き起こされた肺破壊を緩和する。開示されたペプチド化合物は、肺損傷の進行を遅らせることによってCF患者に対する臨床的利益を有し、寿命延長させ、かつ生活の質を向上させる。

0110

特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47から選択されるアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドの治療有効量を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、嚢胞性線維症の治療方法を提供する。

0111

C1q受容体とC1qとの相互作用の調整
C1qはC1q受容体と相互作用して、アポトーシス細胞砕片及び免疫複合体の掃去などの恒常性機能、ならびに抗原提示細胞(大型食細胞及び樹状細胞)を介するT細胞シグナル伝達において重要な役割を果たすと思われる。現在、C1q受容体とC1qとの相互作用を調整する臨床的な薬剤はない。

0112

開示されたペプチド化合物は、カルレティキュリン/cC1qRを含むC1q受容体に結合するC1qを遮断するために使用可能である。細胞受容体へのC1qの結合を遮断する、開示されたペプチド化合物の能力は、C1q受容体に結合するC1qによって介在される細胞内シグナル伝達プロセスの調整において重要な役割を有し得る。開示されたペプチド化合物は、全身性エリテマトーデス及びがんなどの疾患プロセスにおいて補体反応を調節するために使用することができる。

0113

出生時仮死における脳損傷
補体活性化は、新生児低酸素虚血性脳障害(HIE)などの虚血再灌流障害の発生に寄与する。治療低体温法(HT)によってもたらされる死亡または障害の減少はわずか11%である。発表された生体外でのデータによると、HTは、逆説的に、炎症促進性補体活性化を増加し、潜在的にその利点を制限することが示されている。

0114

PIC1ペプチドは、長期の全身性補体欠乏を生じずに、脳梗塞量を低減することができる。PIC1ペプチドは、HIEにおける神経学転帰を改善するための、HTの有用な補助剤となる可能性がある。

0115

開示されたペプチド化合物は、出生時仮死による脳損傷を予防するために使用することができる。開示されたペプチド化合物は、心筋梗塞、冠状動脈バイパス手術、卒中などの疾患における虚血再灌流障害(IRI)を予防するために使用することができる。開示されたペプチド化合物は、古典補体経路介在事象である、超急性及び急性臓器移植拒絶を予防するためにも使用することができる。

0116

特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47から選択されるアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドの治療有効量を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、出生時仮死の治療方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象は、治療低体温法によってさらに治療される。

0117

特定の態様において、本発明は、配列番号:3〜47から選択されるアミノ酸配列及び修飾を含む合成ペプチドの治療有効量を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、低酸素虚血性脳障害の治療方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象は、治療低体温法によってさらに治療される。

0118

ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、急性炎症において次亜塩素酸漂白剤)を形成し、また侵入細胞及び宿主細胞に損傷を与える好中球からの酵素である。この酵素は、嚢胞性線維症(CF)及び低酸素虚血性脳障害(HIE)において、宿主組織に対して破壊的であることが知られている。

0119

いくつかの実施形態において、PIC1は、嚢胞性線維症患者の痰におけるMPOの酵素活性を阻害した。いくつかの実施形態において、PIC1は、HIE患者からの脳組織における酵素活性を阻害した。いくつかの実施形態において、精製されたヒト好中球の溶解産物に存在するMPO活性は、PIC1によって直接阻害することができる。いくつかの実施形態において、本発明は、PIC1が嚢胞性線維症及びHIEに対して抗炎症性活性を有することを実証する。

0120

自己免疫溶血性貧血
本開示は、自己免疫溶血性貧血を治療することが可能であるペプチド化合物を提供する。自己免疫溶血性貧血は、赤血球が体にとって異物であるかのように赤血球を攻撃する自己抗体を生じる免疫系の機能不全によって特徴づけられる障害の群である。自己免疫溶血性貧血は、上昇した血清ビリルビン、過剰な尿ウロビリノーゲン、減少した血漿ハプトグロビン、上昇した血清乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、ヘモジデリン尿、メトヘムアルブミン血症、球状赤血球症、網状赤血球増加症、及び/または骨髄の赤血球過形成のうちの1つ以上によって特徴づけられ得る。本発明の特定の態様において、自己免疫溶血性貧血の治療は、配列番号3〜47からなる群より選択されるペプチド化合物を投与することを含む。

0121

医薬製剤及び投与
本開示は、少なくとも1種の上記ペプチド及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤、安定剤、または賦形剤を含む、補体系を調節することが可能である医薬組成物を提供する。薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤は、利用される用量及び濃度においてレシピエントに無毒性である。それらは、固体半固体、または液体であることが可能である。本発明の医薬組成物は、タブレットピル粉末ロゼンジサッシェカシェ剤エリキシル、懸濁液、乳濁液溶液、またはシロップの形態であることが可能である。

0122

薬学的に許容される担体、希釈剤、安定剤、または賦形剤のいくつかの例としては、ラクトースデキストローススクロースソルビトールマンニトールでんぷんアカシアガムカルシウムホスフェートアルギネートトラガカントゼラチンカルシウムシリケート微結晶性セルロースポリビニルピロリドンセルロース滅菌水、シロップ、及びメチルセルロースが含まれる。本発明の医薬組成物は、活性成分の迅速、通常、または持続的もしくは徐放的放出を提供するために、当該技術において既知の手順を使用して配合することができる。

0123

本開示は、対象に上記組成物を与えることを含む、対象における補体系を調節する方法に関する。本発明の医薬組成物は、適切な純度を有するペプチド化合物を、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と混合することによって調製される。そのような製剤を調製するための配合及び方法の例は、当該技術において周知である。本発明の医薬組成物は、上記の種々の障害及び疾患のための予防及び治療剤として有用である。一実施形態において、組成物は、ペプチド化合物の治療有効量を含む。別の実施形態において、組成物は、補体介在組織損傷と関連する少なくとも1つの疾患を治療することにおいて効果がある、少なくとも1種の他の活性成分を含む。「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、対象に利益を示すために十分である各活性成分の総量を意味する。

0124

ペプチド化合物の治療有効量は、治療される状態、状態の重症度、投与時間、投与経路、利用された化合物の排出速度、治療の期間、関連する連携療法、ならびに対象の年齢、性別、体重、及び状態などのいくつかの因子に応じて変化する。当業者は、治療有効量を決定することができる。したがって、当業者は、最大治療効果を得るために、用量を滴定し、投与経路を調整する必要があり得る。

0125

有効1日用量は、一般に、体重1kgあたり約0.001〜約200ミリグラム(mg/kg)、好ましくは、約80〜約160mg/kg、より好ましくは、約0.1〜約20mg/kgの範囲内である。この用量は、1日あたり1〜6回の投与レジメンによって達成することができる。代替的に、最適な治療は、より低頻度の投与レジメンによる徐放性製剤によって達成することができる。

0126

医薬製剤は、例えば、経口、経鼻、局所(下、または経皮を含む)、あるいは非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節内、腹腔内、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内病巣内、静脈、または皮内注射または点滴を含む)による、任意の適切な経路による投与に適合させてもよい。ヒトへの投与のために、製剤は、好ましくは、米国食品医薬品局FDA)によって要求される滅菌発熱原性、一般的安全性、及び純度の標準を満たす。

0127

併用療法
本発明のさらなる実施形態は、対象に本発明の医薬組成物を投与することを含む、補体介在組織損傷と関連する疾患を予防または治療する方法を提供する。本発明の医薬組成物は、単一活性薬剤として投与することができるが、それらは、疾患を予防または治療数ために有効である1種またはそれ以上の治療剤または予防剤と組み合わせて使用することも可能である。この態様において、本発明の方法は、補体介在組織損傷と関連する少なくとも1つの疾患を治療することにおいて有効である1種またはそれ以上の追加の治療または予防剤の投与の前に、それと同時に、かつ/または後に、本発明の医薬組成物を投与することを含む。

0128

例えば、本発明の医薬組成物は、単独で、または治療低体温法との組み合わせで、脳仮死または低酸素虚血性脳障害を治療するために使用することができる。

0129

例えば、本発明の医薬組成物は、単独で、あるいは非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、コルチコステロイド、または疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)との組み合わせで、関節リウマチを治療するために使用することができる。

0130

NSAIDの例としては、(アスピリン、アモキシプリン、ベノリラート、サリチル酸コリンマグネシウムジフルニサルファイスラミンサリチル酸メチルサリチル酸マグネシウム及びサリチル酸サリチル(サルサラート)などの)サリチル酸塩、(ジクロフェナクアセクロフェナクアセメタシンブロムフェナクエトドラクインドメタシンケトロラクナブメトンスリンダク及びトルメチなどの)アリールアルカン酸、(イブプロフェンカルプロフェンフェンブフェンフェノプロフェンフルルビプロフェンケトプロフェンロキソプロフェンナプロキセンチアプロフェン酸及びスプロフェンなどの)2−アリールプロピオン酸、(メフェナム酸及びメクロフェナム酸などの)N−アリールアントラニリン酸、(フェニルブタゾンアザプロパゾンメタミゾールオキシフェンブタゾン及びスルフィンプラゾンなどの)ピラゾリジン誘導体、(ピロキシカムロルノキシカムメロキシカム及びテノキシカムなどの)オキシカム、(エトリコキシブルミラコキシブ及びパレコキシブなどの)COX−2阻害剤、ニメスリドなどのスルホンアニリド、ならびにリコフェロン及びオメガ−3脂肪酸などが含まれる。

0131

コルチコステロイドの例としては、トリアムシノロン(Aristocort(登録商標))、コルチゾン(Cortone(登録商標)アセテート錠)、デキサメタゾン(Decadron(登録商標)エリキシル剤)、プレドニソン(Deltasone(登録商標))及びメチルプレドニゾロン(Medrol(登録商標))が含まれる。

0132

DMARDの例としては、メトトレザト(Rheumatrex(登録商標))、レフルノミド(Arava(登録商標))、エタネルセプト(Enbrel(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、アダリムマブ(Humira(登録商標))、アナキンラ(Kineret(登録商標))、スルファサラジン(Azulfidine EN−Tabs(登録商標))、抗マラリア薬金塩、d−ペニシラミンサイクロスポリルンA、シクロホスファミド及びアザチオプリンが含まれる。

0133

Soliris(商標)(エクリズマブ)は、ヒト化抗C5モノクローナル抗体である。これは、まれな形態の溶血性貧血、発作性夜間血色素尿症の治療用に、FDAによって認可されている。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、発作性夜間血色素尿症、非典型尿毒症症候群心臓疾患、肺疾患、自己免疫疾患、ぜんそくの治療、ならびに移植の補助的なケアにおいて、Soliris(商標)と組み合わせて使用することができる。

0134

本発明の医薬組成物は、一緒にもしくは別々に、または1つの組成物中に医薬組成物と追加的な薬剤(複数可)とを組み合わせることによって、併用療法において追加的な薬剤(複数可)と一緒に投与することができる。状態の最大管理を達成するために、用量は管理され、かつ調整される。例えば、医薬組成物及び追加的な薬剤(複数可)の両方は、通常、単一療法レジメンで通常投与される用量の約10%〜約150%、より好ましくは、約10%〜約80%の用量レベルで存在する。

0135

本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらは、説明目的のみで提供される。これらは決して、本発明の範囲または内容を限定するものとして解釈されない。

0136

実施例1:サルコシン(SAR)置換ペプチドの溶解度及び溶血アッセイ
方法:溶血アッセイ
ペプチドは、B因子枯渇ヒト血清(Complement Technologies,Inc.)中0.77mMまで希釈され、37℃で1時間インキュベーションされた。次いで、これらのペプチドは、2.5%血清に等しくなるまでGVBS++で希釈され、そのうちの0.25mlは0.4mlのGVBS++及び0.1ml感作ヒツジ赤血球(RBC)と組み合わせられ、37℃で1時間、再びインキュベーションされた。この手順は、4.0mlのGVBS−−を添加することによって停止され、1,620xgで5分間遠心分離され、上澄みの吸光度を分光光度計で412nmで読み取った。それぞれの試料の溶解パーセントは、血清のみの対照のものに対し標準化された。

0137

結果:サルコシン置換ペプチドの溶解度
表5に、B因子枯渇血清中のサルコシン(Sar)置換ペプチドの溶解度及び溶血アッセイを示す。B因子枯渇血清中のペプチドの最終濃度は、0.77mMであった。それぞれのペプチドは3回評価されて、平均値が報告される。水溶性ではないペプチドをDMSO中で再懸濁させた。溶血アッセイにおいて、溶解性ペプチドは、水に対し標準化されており、不溶解性ペプチドは、DMSOに対し標準化されている。

0138

(表5)

0139

ペプチド誘導体PA−P7Sar(配列番号:10)及びPA−C9Sar(配列番号:12)は、両方とも水溶性であり、PAペプチド(配列番号:3)と同程度まで補体活性を阻害した。溶血アッセイにおけるPA−P7Sar及びPA−C9Sarの両方による用量依存性の補体活性の阻害は、図1に示される。

0140

実施例2−PEG化PAペプチドの溶解度及び溶血アッセイ
方法:溶血アッセイ
Polar Assortantペプチドは、未希釈のB因子枯渇ヒト血清(Complement Technologies,Inc.)中に連続的に希釈され、37℃で1時間インキュベーションされた。水、GVBS++及びDMSOは、対照として含まれた。次いで、これらのペプチドは、2.5%血清に等しくなるまでGVBS++で希釈され、そのうちの0.25mlは0.4mlのGVBS++及び0.1ml感作ヒツジ赤血球(RBC)と組み合わせられ、37℃で1時間、再びインキュベーションされた。この手順は、4.0mlのGVBS−−を添加することによって停止され、1,620xgで5分間遠心分離され、上澄みの吸光度を分光光度計にて412nmで読み取った。それぞれの試料の溶解パーセントは、血清のみの対照のものに対し標準化された。

0141

最初に、PAは、N末端(dPEG24−PA、配列番号:20)、C末端(PA−dPEG24、配列番号:21)、またはN末端及びC末端の両方(dPEG24−PA−dPEG24、配列番号:19)において、24PEG部分でPEG化された。全3種のPEG化ペプチドは、水溶性であり、そして様々な程度の補体阻害を示したが、PA−dPEG24(配列番号:21)はPAと同程度まで補体活性化を阻害した(図2A)。

0142

図2Bに示すように、PA−dPEG24(配列番号:21)は、PAと同程度まで補体活性化を阻害し、またより広範囲の用量反応を示したが、これは水溶液における溶解度の増加に起因する可能性が最も高い。PA−dPEG24(配列番号:21)の構造は、図3で示される。

0143

次に、PEG化PIC1誘導体を、C末端におけるPEG部分の数を減少させて設計した。以下の表6に示されるように、これらのペプチドの多くは、溶解度及び補体阻害活性を維持したが、PA−dPEG24(配列番号:21)が最も良好な阻害活性を実証した。

0144

結果:PEG化ペプチドの溶解度
表6に、B因子枯渇血清中のPEG化PAペプチドの溶解度及び溶血アッセイを示す。B因子枯渇血清中のペプチドの最終濃度は、0.77mMであった。水溶性でないペプチドはDMSO中で再懸濁させた。溶血アッセイにおいて、溶解性ペプチドは、水に対し標準化され、不溶解性ペプチドは、DMSOに対し標準化された。

0145

(表6)

0146

ラットでの生体内データによって、PA−dPEG24(配列番号:21)は、ラットへの注射から30秒以内に90%まで(溶血アッセイにおける赤血球溶解によって測定した場合)補体活性化を阻害し、阻害活性は最大4時間観察されたことが示された(図20)。2つの投与量は、静脈内(IV)投与された。これは、全ての時点において最大溶血を示す、媒体対照(通常生理食塩溶液)と比較された。PA−dPEG24(配列番号:21)は、生体内で0.9% NaCl+10mM NaHPO4において有効であったが、食塩水及びヒトへのIV注射用の他の一般的な水溶液(例えば、乳酸リンゲル液、D5Wなど)中でも作用した。

0147

実施例3−PEG化ならびにサルコシン(SAR)及び/またはアラニン置換ペプチドの溶解度及び溶血アッセイ
表7は、PEG化及びサルコシン(SAR)置換ペプチドのB因子枯渇血清中の溶解度及び溶血アッセイを示す。B因子枯渇血清中のペプチドの最終濃度は、0.77mMであった。水溶性でないペプチドはDMSO中で再懸濁させた。溶血アッセイにおいて、溶解性ペプチドは、水に対し標準化されており、不溶解性ペプチドは、DMSOに対し標準化されている。

0148

(表7)

0149

複数のアミノ酸がサルコシン及び/またはアラニンで置換されるように、PAに変更を加えた。いくつかのペプチドは、さらにPEG化と組み合わせた。PA−dPEG24(配列番号:21)と同程度の阻害活性及び溶解度を維持する複数のペプチドとしては、PA−R13Sar−dPEG24(配列番号:35)、PA−A14Sar−dPEG24(配列番号:36)、E6SarP7Sar(配列番号:37)、Q11SarP7Sar(配列番号:39)、A14SarP7Sar(配列番号:43)、E6AE12A−dPEG24(配列番号:45)及びE6AE12AP7Sar(配列番号:47)が含まれる。

0150

実施例4−PIC1ペプチドの最小阻害濃度(MIC)
方法:最小阻害濃度(MIC)アッセイ
微量希釈最小阻害濃度(MIC)アッセイを実行し、マイクロタイタープレート中のブロス培養中で増殖した様々な細菌に、増加量のPA−dPEG24(配列番号:21)またはサルコシン誘導体(配列番号:4〜18、30〜47)を添加した。次いで、プレートを37℃で一晩インキュベーションし、次にプレートを、OD600nmの吸光度にて分光光度計で読み取り、溶液の濁度を決定した。濁度の減少は、細菌増殖の阻害を示す。

0151

結果
PA−dPEG24(配列番号:21)は、食塩水対照と比較して、1mMより高い濃度において、黄色ブドウ球菌の増殖を用量依存的に阻害することができ(図4A)、かつ同病原体を抗生物質バンコマイシンと類似の様式で阻害した(図4B)。PA−dPEG24(配列番号:21)は、>3mg/mlではゲンタマイシンと同様に肺炎桿菌を阻害することができ(図4C)、≧13mg/mlでは緑膿菌も阻害することができた(図4D)。PA−dPEG24(配列番号:21)の活性は、緑膿菌に対する3つの水溶性のサルコシン置換ペプチド(PA L3Sar(配列番号:6)、PA I4Sar(配列番号:7)及びPA L5Sar(配列番号:8))と比較され、全3種のサルコシン誘導ペプチドは、≧6mg/mlで、この種類の細菌を用量依存的に阻害することが見出された(図4E)。これらの結果は、PIC1ファミリーペプチドの補体阻害特性から完全に独立している、これまで報告されていないこれらのペプチドの全く新しい抗微生物特性を示す。

0152

次に、PA−dPEG24(配列番号:21)、PA L3Sar(配列番号:6)、PA I4Sar(配列番号:7)及びPA L5Sar(配列番号:8)が細菌性膣疾患の一般原因であるグラム不定嫌気性球桿菌であるガードネレラの増殖を阻害することができるかどうかを試験した。全4種のペプチドは、ガードネレラの増殖を阻害した(図5)。PA−dPEG24(配列番号:21)が、ガードネレラ介在補体活性化を阻害することができるかどうかも分析された。このアッセイにおいて、正常ヒト血清を室温で1時間、増加量のPA−dPEG24(配列番号:21)の存在下、ガードネレラと一緒にインキュベーションした。補体活性化は、ELISA法を使用して、C5aの産生を測定することによって分析した。PA−dPEG24(配列番号:21)の量を増加させることによって、C5a形成が阻害された(図6)。これらの結果は、PIC1ペプチド(例えば、配列番号:3〜47)は、ガードネレラの複製を抑制することにより細菌性膣疾患を治療するために、ならびにガードネレラによって引き起こされた炎症を治療するために、膣に局所的に送達されることができることを示唆する。この関連する炎症は、細菌性膣疾患の症状を引き起こし、膣内の正常なバリア防衛を崩壊させることによって、HIV感染のリスクを増加させる。

0153

実施例5−急性輸血反応(ATR)を引き起こす可能性が高い赤血球輸血を識別することができる、補体介在溶血を検出するアッセイ
方法:補体介在溶血を検出するためのアッセイ
鎌状赤血球障害を有する13女性B+は、2人の異なるドナーから3ユニットのO+濃厚赤血球(pRBC)を与えられた。2ユニットの最初の輸血の間、患者は低血圧(BP89/39)と、それに続いて発熱(Tmax102.6°F)を経験した。第3の血液製剤の輸血では許容性が示され、合併症は生じなかった。急性輸血反応(ATR)の疑いのため、第1の輸血血液製剤の輸血反応検査によって、高い抗B力価が明らかにされた。両方の識別されたドナーのその後の調査試験によって、以下が示された:ドナー#1は、輸血有害事象が報告されない48歳男性であった。ドナー#2は、妊娠経験があり、輸血有害事象が報告されない61歳女性であった。

0154

両方のドナーからの血漿をGVBS++(0.1%ゼラチン、0.15mM CaCl2及び1mM MgCl2を含むベロナール緩衝食塩水)で希釈し、37℃で1時間、B+ドナーからの精製された赤血球と一緒にインキュベーションした。遊離ヘモグロビンは、412nmで分光光度計によって測定された。赤血球とのインキュベーションの前に、溶血性血漿試料中に古典補体経路阻害剤PA−dPEG24(配列番号:21)を添加することによって、古典補体活性化がさらに評価された。

0155

結果
補体介在溶血は、異なるドナーからの2つの血漿試料間で>100倍異なった(表8)。表8は、2人のO+ドナーの血漿抗B力価及び補体溶血を示す。古典補体活性化は、古典補体経路阻害剤PA−dPEG24(配列番号:21)による溶血の阻害によって確認された。

0156

(表8)

0157

このデータは、ATRが補体介在性であるかどうかを確認するためにPIC1ペプチド(例えば、配列番号:3〜47)が利用可能であることを明示する。上記表8のデータは、高度溶血性血漿試料の用量反応PA−dPEG24(配列番号:21)阻害試験(図8)を伴って、図7に示される。溶血の用量反応阻害は、PA−dPEG24(配列番号:21)によって>95%阻害まで実証された。これは、B型レシピエントにおいてATRをもたらすO型RBC輸血が、古典補体介在事象であったことを示した。図8は、このようなATR生体外モデルにおいてドナー血漿によって介在される極めて強固な溶血性活性を薬理学的に阻害することが可能であったことを示した。

0158

結論
過去の方法論は、補体介在ATRの可能性を十分に予測することが不可能であった。このケースでは、O型RBCの2ユニットがB型レシピエントに与えられ、次いで、このレシピエントはATRを患った。濃厚RBC(pRBC)のユニット中、約30〜40体積%の血漿があることが推定された(すなわち、500mlユニットあたり150〜200mlの血漿)。RBC輸血の血漿中の抗体が、おそらく、古典経路補体介在ATRを開始した。それぞれのRBC輸血のドナーからの血漿のIgG力価は両方とも高く、したがって、この血小板輸血によってAHTRが引き起こされることは予測不能であった。しかしながら、CH50タイプの補体溶血アッセイでは、どのO型血漿がB型赤血球の大規模な(>100倍増加)溶血を引き起こすかについて、容易に識別することが可能であった。したがって、血小板輸血の前に実行された溶血補体アッセイによって、血小板のユニットの1つがAHTRを引き起こす可能性が高かったことが識別され、この重大な有害事象を予防することができた。

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