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課題・解決手段

少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含むnドープされた導電性ポリマー、ここで、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、及びポリマー又は材料中に含まれているさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンを含む材料であって、ポリマーが、電子不足芳香族部分あたり0.1〜1個の電子電荷密度になるまでn-ドープされて、ポリマーが、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WF)を有する層を形成することが可能であり、材料中に含まれる対陽イオンはすべて、ポリマー中のいずれの電子も、ポリマーの外に著しく拡散又は移動することができないよう、固定化されている、材料が提供される。材料を調製する方法も提供される。

概要

背景

nドープされた導電性ポリマーとは、導電性状態にnドープされているπ共役ポリマー有機半導体(OSC)である。これは、ポリマー主鎖のπ-共役系に電子を導入するために、強力な還元剤、又は電子供与体であるn型ドーパント(n-dopant)を使用して達成することができる。これらの電子は可動性であり、したがって、電流運ぶことができる。ポリマー主鎖は負に帯電しているので、対陽イオンと呼ばれる陽イオンによって電荷バランスをとる必要がある。OSC分子は、nドープされることができ、nドープされたポリマーOSCは、電子注入層(EIL)及び電子抽出層(EEL)を設けるための溶液処理及びフィルム処理に関連する特定の利点を有する。

nドープされたポリマーOSCは、様々なデバイスの用途における半導体への電子注入の機能、並びに太陽電池及び光起電性の用途における電子抽出の機能を果たす、半導体デバイスの電子接触として有用である。これらの機能を果たす層は、それぞれEIL及びEELと呼ばれる。半導体デバイスにおけるEIL及びEELとしての用途に好適な導電性は、10-6〜102Scm-1である。しかし、実際には、これまで達成されたnドープされたポリマーOSCは不安定である。その結果、nドープされた導電性ポリマーは、研究規模でさえも、EIL及びEELの用途の開発に利用可能ではない。重要な課題は、負に帯電しているπ-共役系の化学的、熱的な安定性が乏しく、加工においても不安定であること、周囲(ambient)におけるnドープされたポリマーの熱力学ウインドウ(thermodynamic window)における安定性が制限されること、並びに加工に伴って有害に変化しない安定なドーピングプロファイル(すなわち、層の厚さ方向の距離に伴うドープレベル依存性)を有するフィルムを形成するのは一般に難しいことである。

導電性の他に、EIL及びEELの仕事関数(WF)も、電子注入及び抽出のための電子接触として、その有効性を決定する上で役割を果たす。EIL又はEELがデバイスに適用される場合、重要なことは、デバイス内の隣接する半導体とのその埋め込み接触部における、EIL(EEL)の有効仕事関数(WFeff)である。EILのWFeffと半導体の電子親和力(EA)との間のエネルギー差は、EILから半導体への電子注入に対する明確な熱力学的障壁(Δe)をもたらす。しかし、このWFeffは、EIL又はEELのフィルムの特性である真空WFに関係する。

ポリマーOSCは、その表面上への低仕事関数の金属、例えばアルカリ金属(Li、Na、K、Rb及びCs)及びアルカリ土類金属(特に、Ca及びBa)及び一部の遷移金属(Sm)の蒸発によりnドープされ得る。ポリマー表面の得られたnドープは、ポリマーOSCの状態密度の変化によって確認され、この変化は、紫外光電子分光法によって測定することができ、ダイオード中で観察される、電子注入電流の大きな改善によってもやはり確認することができる(例えば、US 8,049,408を参照されたい)。これは、対陽イオンとして対応する金属陽イオンを導入するものである。しかし、このドープは表面にしか起こらない。さらに、これらは、デバイス内で取り扱うための脱ドープに対しても、ドーピングプロファイル(すなわち、距離の関数としてのドープされたキャリア密度)のマイグレーションに対しても一般的に安定でなく、これらのことは、ドープされたポリマーを用いるオーミック接触のための一般的な溶液ベースとする手法を開発する妨げとなる。金属酸化物を用いる代替手法は、望ましくないことがある、真空蒸着及び/又は高温の後アニールを必要とすることを含めて、制限がある。

nドープされたポリマーは、「n型」ポリマーとは異なる。n型ポリマーの例としては、絶縁ポリマー及び半導体ポリマー、例えば、エトキシル化ポリエチレンイミン(PEIE)及びポリエチレンイミン(PEI)、これらは、透明導電性酸化物及びpドープされた導電性ポリマー、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)上に堆積される:低WF表面をもたらす、ポリ(スチレンスルホン酸);並びに非ドープの共役ポリ電解質が挙げられる。しかし、これらは、明確に定められたバルクWFを有していない、抵抗が高い、且つ半導体へのオーミック電子接触を一般にもたらすことができない。

nドープされたポリマーはまた、ドーパントとして水酸化物又はヨウ化物を使用する自己nドープによって製造することもできる。しかし、この自己nドープは、一般に、電子不足部分あたり0.1個の電子を超えるドープレベル、及び有効なEIL(EEL)材料を実現するために必要な4.0eVよりも浅いWFを実現することができない。

概要

少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含むnドープされた導電性ポリマー、ここで、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、及びポリマー又は材料中に含まれているさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンを含む材料であって、ポリマーが、電子不足芳香族部分あたり0.1〜1個の電子の電荷密度になるまでn-ドープされて、ポリマーが、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WF)を有する層を形成することが可能であり、材料中に含まれる対陽イオンはすべて、ポリマー中のいずれの電子も、ポリマーの外に著しく拡散又は移動することができないよう、固定化されている、材料が提供される。材料を調製する方法も提供される。

目的

本発明は、これらの問題に対処すること、及び/又は様々な用途のための任意の所望のOSCへのオーミック電子接触を形成するのに好適な、改善された材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

-少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含むnドープされた導電性ポリマー、ここで、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、及び-ポリマー又は材料中に含まれるさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンを含む、材料であって、ポリマーが、電子不足芳香族部分あたり0.1〜1個の電子電荷密度になるまでn-ドープされており、ポリマーが、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WF)を有する層を形成することが可能であり、材料中に含まれる対陽イオンはすべて、ポリマー中のいずれの電子も、ポリマーの外に著しく拡散又は移動することができないよう、固定化されている、材料。

請求項2

電子不足芳香族部分が、官能基化多環式芳香族モチーフ一環ベンゾモチーフ、二環化ベンゾモチーフ、一環化ナフトモチーフ、二環化ナフトモチーフ、一環化複素環式モチーフ、ピリジンモチーフ、ベンゼンモチーフ、ピリリウムモチーフ又はそれらの組合せである、請求項1に記載の材料。

請求項3

電子不足芳香族部分が、置換されている又は非置換の、ベンゾチアジアゾール、ベンゾビスチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾビスオキサジアゾール、ベンゾイミダゾールインダゾールベンゾトリアゾールペリレンテトラカルボキシジイミドナフタレンテトラカルボキシジイミドジケトピロロピロールチエノピロールチアジアゾキノキサリン、ナフトチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、インデノフルオレン、2,5-ジフルオロベンゼンフルオレン又はそれらの組合せである、請求項2に記載の材料。

請求項4

ポリマーが、置換されている又は非置換の、フルオレン、フェニレンアリーレンビニレンチオフェンアゾール、キノキサリン、チエノチオフェン、アリールアミンビスフェノール-A、メタクリレートシロキサンメタ位結合ベンゼン及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの共通部分を場合により含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の材料。

請求項5

電子不足芳香族部分の芳香族環上の少なくとも1個のHが、アルキルシクロアルキルフェニル置換フェニル置換複素環式基アルコキシフェノキシ、置換フェノキシ、アルキルチオフェニルチオ、置換フェニルチオフッ素シアノ、ニトロ、アルキルケトトリクロロメチル及びトリフルオロメチルからなる1つの基により置換されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の材料。

請求項6

対陽イオンが、置換されている又は非置換のアンモニウムモルホリニウム、ピペリジニウムピロリジニウムスルホニウムホスホニウムピリジニウムイミダゾリウムピロリウム及びピリリウムからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の材料。

請求項7

-ポリ(2,5-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル-3-(5-(チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-イル)チオフェン-2-イル)-6-(チオフェン-2,5-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン)トリフレート](DPPT2C3NMe3OTf-TT);-ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]ヨージド}(NDIC3NMe3I-TT);-ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]トリフレート}(NDIC3NMe3OTf-TT);-ポリ{[N,N'-ビス(3-(4-メチルモルホリノ)プロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]トリフレート}(NDIC3MorOTf-TT);-ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[5,5'-(2,2'-ビチオフェン)トリフレート}、(NDIC3NMe3OTf-T2);-ポリ{[9,9'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)フルオレニル-2,7-ジイル]-alt-(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール-4,8-ジイル)トリフレート}(BT-F3NMe3OTf);又は-ポリ{[9,9'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)フルオレニル-2,7-ジイル]-alt-(9,9'-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)}(F3NMe3OTf-F8)を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の材料。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の材料及びポリマー希釈剤を含む、組成物

請求項9

-1種のポリマー、及びポリマー又はさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンを含む混合物を用意するステップ、ここで、ポリマーは、少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含み、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、-ポリマーをn型ドーパントでドープして、nドープされたポリマーを形成するステップ、ここで、n型ドーパントは、標準水素電極に対して約-1.3Vより小さな形式還元電位を有する還元剤である、及び-過剰の可動性対陽イオンを除去して、材料を形成するステップを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の材料を調製する方法。

請求項10

n型ドーパントが、ナトリウムナトリウムナフタレニド、ナトリウムベンゾフェノンケチル、ナトリウム9,10-ジフェニルアントラセニド、コバルトセン及びデカメチルコバルトセンからなる群から選択されるか、又は2-フェニル-1,3-ジアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール、2-フェニル-1,2,3-トリアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール及び1,2,2,3-テトラアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾールの誘導体からなる群から選択される、n型ドーパント前駆体から光又は熱活性化によって生成される、請求項9に記載の方法。

請求項11

ドープする前に、基板の表面にポリマーの層を堆積するステップをさらに含む、請求項9又は10に記載の方法。

請求項12

ドープする前に、層をパターン形成するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

請求項1から7のいずれか1項に記載の材料を含み、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WF)を有する、層。

請求項14

電子注入層又は電子抽出層である、請求項13に記載の層。

請求項15

半導体へのオーミック電子注入又は電子抽出接触を形成する、請求項13又は14に記載の層。

請求項16

5〜100nmの厚さを有する、請求項13から15のいずれか1項に記載の層。

請求項17

請求項1から7のいずれか1項に記載の材料、又は請求項13から16のいずれか1項に記載の層を備えたデバイス

技術分野

0001

本発明は、nドープされた導電性ポリマー材料、それを製造する方法及びその使用に関する。

背景技術

0002

nドープされた導電性ポリマーとは、導電性状態にnドープされているπ共役ポリマー有機半導体(OSC)である。これは、ポリマー主鎖のπ-共役系に電子を導入するために、強力な還元剤、又は電子供与体であるn型ドーパント(n-dopant)を使用して達成することができる。これらの電子は可動性であり、したがって、電流運ぶことができる。ポリマー主鎖は負に帯電しているので、対陽イオンと呼ばれる陽イオンによって電荷バランスをとる必要がある。OSC分子は、nドープされることができ、nドープされたポリマーOSCは、電子注入層(EIL)及び電子抽出層(EEL)を設けるための溶液処理及びフィルム処理に関連する特定の利点を有する。

0003

nドープされたポリマーOSCは、様々なデバイスの用途における半導体への電子注入の機能、並びに太陽電池及び光起電性の用途における電子抽出の機能を果たす、半導体デバイスの電子接触として有用である。これらの機能を果たす層は、それぞれEIL及びEELと呼ばれる。半導体デバイスにおけるEIL及びEELとしての用途に好適な導電性は、10-6〜102Scm-1である。しかし、実際には、これまで達成されたnドープされたポリマーOSCは不安定である。その結果、nドープされた導電性ポリマーは、研究規模でさえも、EIL及びEELの用途の開発に利用可能ではない。重要な課題は、負に帯電しているπ-共役系の化学的、熱的な安定性が乏しく、加工においても不安定であること、周囲(ambient)におけるnドープされたポリマーの熱力学ウインドウ(thermodynamic window)における安定性が制限されること、並びに加工に伴って有害に変化しない安定なドーピングプロファイル(すなわち、層の厚さ方向の距離に伴うドープレベル依存性)を有するフィルムを形成するのは一般に難しいことである。

0004

導電性の他に、EIL及びEELの仕事関数(WF)も、電子注入及び抽出のための電子接触として、その有効性を決定する上で役割を果たす。EIL又はEELがデバイスに適用される場合、重要なことは、デバイス内の隣接する半導体とのその埋め込み接触部における、EIL(EEL)の有効仕事関数(WFeff)である。EILのWFeffと半導体の電子親和力(EA)との間のエネルギー差は、EILから半導体への電子注入に対する明確な熱力学的障壁(Δe)をもたらす。しかし、このWFeffは、EIL又はEELのフィルムの特性である真空WFに関係する。

0005

ポリマーOSCは、その表面上への低仕事関数の金属、例えばアルカリ金属(Li、Na、K、Rb及びCs)及びアルカリ土類金属(特に、Ca及びBa)及び一部の遷移金属(Sm)の蒸発によりnドープされ得る。ポリマー表面の得られたnドープは、ポリマーOSCの状態密度の変化によって確認され、この変化は、紫外光電子分光法によって測定することができ、ダイオード中で観察される、電子注入電流の大きな改善によってもやはり確認することができる(例えば、US 8,049,408を参照されたい)。これは、対陽イオンとして対応する金属陽イオンを導入するものである。しかし、このドープは表面にしか起こらない。さらに、これらは、デバイス内で取り扱うための脱ドープに対しても、ドーピングプロファイル(すなわち、距離の関数としてのドープされたキャリア密度)のマイグレーションに対しても一般的に安定でなく、これらのことは、ドープされたポリマーを用いるオーミック接触のための一般的な溶液ベースとする手法を開発する妨げとなる。金属酸化物を用いる代替手法は、望ましくないことがある、真空蒸着及び/又は高温の後アニールを必要とすることを含めて、制限がある。

0006

nドープされたポリマーは、「n型」ポリマーとは異なる。n型ポリマーの例としては、絶縁ポリマー及び半導体ポリマー、例えば、エトキシル化ポリエチレンイミン(PEIE)及びポリエチレンイミン(PEI)、これらは、透明導電性酸化物及びpドープされた導電性ポリマー、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)上に堆積される:低WF表面をもたらす、ポリ(スチレンスルホン酸);並びに非ドープの共役ポリ電解質が挙げられる。しかし、これらは、明確に定められたバルクWFを有していない、抵抗が高い、且つ半導体へのオーミック電子接触を一般にもたらすことができない。

0007

nドープされたポリマーはまた、ドーパントとして水酸化物又はヨウ化物を使用する自己nドープによって製造することもできる。しかし、この自己nドープは、一般に、電子不足部分あたり0.1個の電子を超えるドープレベル、及び有効なEIL(EEL)材料を実現するために必要な4.0eVよりも浅いWFを実現することができない。

先行技術

0008

US 8,049,408

発明が解決しようとする課題

0009

したがって、EIL又はEELとして使用することが可能な改善された材料が必要とされている。

0010

本発明は、これらの問題に対処すること、及び/又は様々な用途のための任意の所望のOSCへのオーミック電子接触を形成するのに好適な、改善された材料を提供することを探求したものである。

課題を解決するための手段

0011

一般的に、本発明は、nドープされたポリマー材料に関するものであり、これは、好適な導電性、仕事関数、並びに十分な化学的安定性、熱的安定性及び加工安定性を有する加工特徴をもたらし、層のWFまで低下するEAを有する任意の所望のOSCに電子注入するのに適切なWFeff及び安定なn-ドーププロファイルを有する有用なEIL及びEELを形成する。

0012

第1の態様によれば、本発明は、
- 少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含むnドープされた導電性ポリマー、ここで、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、及び
-ポリマー又は材料中に含まれるさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオン
を含む材料であって、ポリマーが、電子不足芳香族部分あたり0.1〜1個の電子の電荷密度になるまでn-ドープされており、ポリマーが、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WF)を有する層を形成することが可能であり、材料中に含まれる対陽イオンはすべて、ポリマー中のいずれの電子も、ポリマーの外に著しく拡散又は移動することができないよう、固定化され得る、材料を提供する。

0013

本ポリマーは、本発明の目的に好適な任意のポリマーとすることができる。別の特定の態様によれば、本ポリマーは、完全に共役していてもよく、又は一部が共役していてもよい。本ポリマーは、以下に限定されないが、置換されている又は非置換の、フルオレンフェニレンアリーレンビニレンチオフェンアゾールキノキサリンチエノチオフェン、アリールアミンビスフェノール-A、メタクリレートシロキサンメタ位結合ベンゼン及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの共通部分を場合により含んでもよい。

0014

電子不足芳香族部分は、ポリマー主鎖の一部であってもよく、又はポリマー主鎖に結合しているペンダント単位として存在していてもよい。電子不足芳香族部分のEAは、1〜3eV、1.2〜2.8eV、1.5〜2.5eV、1.8〜2.2eV、2.0〜2.1eVとすることができる。特に、EAは1.5〜2.5eVとすることができる。

0015

電子不足芳香族部分は、本発明の目的に好適な任意の部分とすることができる。例えば、電子不足芳香族部分は、以下に限定されないが、官能基化多環式芳香族モチーフ(motif)、一環ベンゾモチーフ、二環化ベンゾモチーフ、一環化ナフトモチーフ、二環化ナフトモチーフ、一環化複素環式モチーフ、ピリジンモチーフ、ベンゼンモチーフ、ピリリウムモチーフ又はそれらの組合せとすることができる。

0016

特に、電子不足芳香族部分は、以下に限定されないが、置換されている又は非置換の、ベンゾチアジアゾール、ベンゾビスチアジアゾールベンゾオキサジアゾール、ベンゾビスオキサジアゾール、ベンゾイミダゾールインダゾールベンゾトリアゾールペリレンテトラカルボキシジイミドナフタレンテトラカルボキシジイミドジケトピロロピロール、チエノピロールチアジアゾロキノキサリン、ナフトチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、インデノフルレン、2,5-ジフルオロベンゼン、フルオレン又はそれらの組合せとすることができる。

0017

特定の態様によれば、電子不足芳香族部分の芳香族環上の少なくとも1個の水素は、以下に限定されないが、アルキルシクロアルキルフェニル置換フェニル置換複素環式基アルコキシフェノキシ、置換フェノキシ、アルキルチオフェニルチオ、置換フェニルチオフッ素シアノ、ニトロ、アルキルケトトリクロロメチル又はトリフルオロメチルを含む基により置換されていてもよい。

0018

ポリマー又は材料中に含まれるさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンは、本発明の目的に好適な任意の対陽イオンとすることができる。例えば、対陽イオンは、疎水性、非求電子性及び/又は弱い求電子性の陽イオンであってもよく、良好な還元安定性を有する。特定の態様によれば、対陽イオンは、以下に限定されないが、置換されている又は非置換の、アンモニウムモルホリニウム、ピペリジニウムピロリジニウムスルホニウムホスホニウムピリジニウムイミダゾリウムピロリウム及びピリリウムとすることができる。

0019

特定の態様によれば、本材料は、少なくとも、以下に限定されないが、
-ポリ(2,5-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル-3-(5-(チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-イル)チオフェン-2-イル)-6-(チオフェン-2,5-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン)トリフレート](DPPT2C3NMe3OTf-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]ヨージド}(NDIC3NMe3I-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]トリフレート}(NDIC3NMe3OTf-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-(4-メチルモルホリノ)プロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]トリフレート}(NDIC3MorOTf-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[5,5'-(2,2'-ビチオフェン)トリフレート}、(NDIC3NMe3OTf-T2);
- ポリ{[9,9'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)フルオレニル-2,7-ジイル]-alt-(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール-4,8-ジイル)トリフレート}(BT-F3NMe3OTf);又は
- ポリ{[9,9'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)フルオレニル-2,7-ジイル]-alt-(9,9'-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)}(F3NMe3OTf-F8)
を含むことができる。

0020

第2の態様によれば、本発明は、第1の態様による材料及びポリマー希釈剤を含む組成物を提供する。ポリマー希釈剤は、本発明の目的に好適な任意のポリマー希釈剤とすることができる。

0021

第3の態様によれば、第1の態様による材料を調製する方法であって、
- 1種のポリマー、及びポリマー又はさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンを含む混合物を用意するステップ、ここで、ポリマーは、少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含み、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、
- ポリマーをn型ドーパントでドープして、nドープされたポリマーを形成するステップ、ここで、n型ドーパントは、標準水素電極に対して約-1.3Vより小さな形式還元電位を有する還元剤である、及び
- 過剰の可動性対陽イオンを除去して、材料を形成するステップ
を含む、方法が提供される。

0022

本ポリマー、対陽イオン及び電子不足芳香族部分は、第1の態様に関して上記した通りとすることができる。

0023

n型ドーパントは、本発明の目的に好適な任意のn型ドーパントとすることができる。例えば、n型ドーパントは電子移動還元剤とすることができる。特に、n型ドーパントは一電子還元剤とすることができる。特定の態様によれば、n型ドーパントは、以下に限定されないが、ナトリウムナトリウムナフタレニド、ナトリウムベンゾフェノンケチル(NaPh2CO)、ナトリウム9,10-ジフェニルアントラセニド(NaDPA)、コバルトセン(CoCp2)又はデカメチルコバルトセン(CoCp*2)とすることができる。別の態様によれば、n型ドーパントは、光又は熱による活性化によってn型ドーパント前駆体から生成することができ、2-フェニル-1,3-ジアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール、2-フェニル-1,2,3-トリアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール及び1,2,2,3-テトラアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾールの誘導体からなる群から選択される。

0024

特定の態様によれば、除去は、nドープされたポリマーを溶媒と接触させることを含むことができる。溶媒は、本発明の目的に好適な任意の溶媒とすることができる。特に、溶媒は、標準水素電極に対して約-2Vより小さな形式還元電位、及び>20である誘電率を有することができる。

0025

特定の態様によれば、本方法は、ドープする前に、基板の表面にポリマーの層を堆積することをさらに含むことができる。基板は、本発明の目的に好適な任意の基板とすることができる。本方法は、堆積後のドープの前に、層をパターン形成することをさらに含むことができる。堆積及びパターン形成は、本発明の目的に好適な任意の方法によるものとすることができる。

0026

第4の態様によれば、第1の態様の材料を含む層が提供される。特に、この層は、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WF)を有することができる。

0027

層は、任意の好適な形態であり得る。例えば、層は、フィルムの形態であってもよい。特定の態様によれば、層は、電子注入層(EIL)又は電子抽出層(EEL)であり得る。特に、層は、半導体へのオーミック電子注入又は電子抽出接触を形成することができる。

0028

層は、本発明の目的に好適な厚さを有することができる。例えば、層の厚さは、5〜100nmとすることができる。特に、層の厚さは、10〜95nm、15〜90nm、20〜85nm、25〜80nm、30〜75nm、35〜70nm、40〜65nm、45〜60nm、50〜55nmとすることができる。

0029

第5の態様によれば、本発明は、第1の態様による材料又は第4の態様による層を備えたデバイスを提供する。このデバイスは、有機半導体デバイスとすることができる。

0030

本発明が完全に理解されて、且つ実際的な効果を容易にもたらすことができるよう、これより、非限定例によって、例示的な実施形態のみを記載することにし、これらの記載は、添付の例示的な図面を参照している。

図面の簡単な説明

0031

本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
本発明の実施形態による様々な材料の合成経路を示す図である。
nドープされたポリマーであるNDIC3NMe3I-TTのUV-可視スペクトルを示す図である。
EILとして、nドープされたポリマーであるNDIC3NMe3I-TTを使用して、ポリ{2,5-ビス(2-オクチルドデシル)-3-(5-(チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-イル)チオフェン-2-イル)-6-(チオフェン-2,5-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン}(DPPT2-TT)へのオーミック電子注入を示しているバイポーラダイオードのJV曲線を示すグラフである。
EILとして、nドープされたポリマーであるNDIC3NMe3I-TTを使用して、ポリ{[N,N'-ビス(2-オクチルドデシル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[5,5'-(2,2'-ビチオフェン)PNDI(2OD)-T2へのオーミック電子注入を示しているバイポーラダイオードのJV曲線を示すグラフである。
EILとして、nドープされたポリマーであるBT-F3NMe3OTfを使用して、ポリ(9,9-ビス(p-オクチルフェニル)フルオレン)(PFOP)へのほぼオーミックな電子注入を示しているバイポーラダイオードのJV曲線を示すグラフである。
EELとして、nドープされたポリマーであるNDIC3NMe3I-TTを使用して、P3HT:PCBMからの十分な電子収集を示している有機太陽電池のJV曲線を示すグラフである。
Auソースドレイン電極上、及びAgソースドレイン電極上にも、nドープされた自己組織化NDIC3NMe3I-TTが組み込まれている電界効果トランジスタ(FET)のIV曲線を示すグラフであり、これは、両極性FETがn型FETに変換されていることを実証している。
nドープされた自己補償されているNDIC3NMe3I-TTの安定性の向上を示すグラフである。
nドープNDIC3NMe3OTf-T2フィルムへのn型ドーパント前駆体(DMBI)の使用を示しているグラフである。
EILとしてnドープされたF3NMe3OTf-F8を有する効率モデルである青色発光ダイオードに関するJVLとエレクトロルミネッセンス効率のプロットを示すグラフである。

0032

様々な用途のために、任意の所望の有機半導体(OSC)へのオーミック電子接触を形成することが重要である。したがって、様々な用途のために、任意の所望のOSCへのオーミック電子接触を形成するための、nドープされた又はnドープ可能なポリマーOSCに基づく、溶液処理可能な電子注入層(EIL)及び電子抽出層(EEL)手法を提供することが必要とされている。

0033

本発明は、化学的安定性、熱的安定性及び加工安定性が向上した、nドープされたポリマーOSCの一般構造を提供する。特に、nドープされたポリマー材料は、ポリマーの繰り返し単位あたり最大で数十%の電子によってかなりnドープされた状態、所望のOSCに電子注入するために適切なWFeff及び安定なnドーププロファイルを有するEIL並びにEELを得るための、これらの材料をデバイスに組み込む方法を有することができる。例えば、これを行うためには、EIL材料及びEEL材料のWFは、半導体のEAに適合する必要がある。

0034

特に、nドープされたポリマー材料は、電子不足芳香族部分、及び共有結合により結合している対陽イオンを含み、かつ、場合により、1つ以上の非共有結合により結合している傍観陰イオン及びそれらの非ドープの前駆体をさらに含み、上記のnドープされたポリマー材料は、所望の導電性、仕事関数、並びに加工特徴をもたらし、所望のOSCに電子注入するための所望のWFeff及び安定なnドーププロファイルをもたらすのに適切な真空WFを有する、有用なEIL及びEELを形成するのに十分な化学的安定性、熱的安定性及び加工安定性を有することができる。したがって、これらの材料は、OSCを含む半導体材料に、注入及び抽出の両方で、ほぼオーミックの電子接触を実現することができる。半導体は、有機材料、又は無機材料(量子ドットナノワイヤフラーレンカーボンナノチューブグラフェン、2D材料、及びペロブスカイトなどの軟質無機結晶を含む)とすることができる。

0035

EIL及びEELの真空仕事関数(WF)は、電子注入及び抽出のための電子接触として、その有効性の決定において役割を果たすことが予想されている。真空WFは、導電性材料フェルミ準位(EF)と真空準位(Evac)との間のエネルギー差である。したがって、
WF=Evac-EF
である。

0036

EIL又はEELがデバイスに適用される場合に、重要なことは、デバイス内の隣接した半導体とのその埋め込み接触部における、EIL又はEELの有効なWF(WFeff)である。WFeffは、導電性材料のEFとデバイス中の半導体に関連するEvacとの間のエネルギー差である。したがって、
WFeff=Evac(半導体)-EF
である。

0037

半導体デバイスの埋め込み接触部のWFeffは、例えば、電子吸収分光法によるビルトイン型電位測定(M. Zhouら、Appl. Phys. Lett.、2012年、101:013501に記載されている)、、、さらに光照射下での低温開放回路電圧測定(B. Liuら、Adv. Energy Mater.、2014年、4:1200972に記載されている)から得ることができる。

0038

EILのWFeffと半導体の電子親和力(EA)との間のエネルギー差は、EILから半導体への電子注入に対する明白な熱力学的障壁(Δe)をもたらす:
Δe=WFeff-EA。

0039

半導体のEAは、真空準位より下にある半導体の伝導帯端エネルギーである。伝導帯端は、最低空分子軌道(LUMO)帯の端に相当する。いくつかの目的の場合、気相EAは、すべての材料に対して明確に計算することが可能な、さらに一層有用な量になり得る。気相EAは、気相中の材料のEAである。この量は、密度汎関数理論(DFT)計算を含む、高精度量子化学計算によって得ることができる。別段の指定がない限り、EAとは、固体状態量を指す。半導体のEAは、通常、分極効果のために、対応する気相EAよりもほぼ1.5eV高い(M. Pope、C.E. Swenberg、Electronic Processes in Organic Crystals and Polymers(Oxford University Press、1999年))。

0040

好ましいEIL又はEEL接触は、Δeが半導体への電子移動によって拘束されている場合に得られる。したがって、EIL又はEELの真空WFは、通常、半導体のEAの0.2eV近辺に近づける必要がある。実用性のある技術的関心の持たれているOSCの大多数は、4.3eV未満のEAを有する。

0041

ポリマー有機発光ダイオード(OLED)の場合、発光OSCの大部分は、2.5〜3.8eVの範囲内のEAを有する。有機電界効果トランジスタ(OFET)の場合、PNDI(2OD)-T2などの、注目されている最近の空気安定性n型半導体の大部分は、3.5〜4.3eVの範囲内のEAを有する。通常の金による接触は、これらの材料にn型のオーミック特徴をもたらさない。有機太陽電池の場合、開発された新規光活性材料も、3.5〜4.3eVの範囲内の受容体のEAを有することが多い。これらの半導体層に好適に電子接触させるために必要な導電性、WF及び加工性を有する好適なnドープされたEIL及びEELが存在しないことが、デバイス性能及びデバイスの設計柔軟性が依然として制限されている重要な理由である。

0042

第1の態様によれば、本発明は、
- 少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含むnドープされた導電性ポリマー、ここで、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、及び
-ポリマー又は材料中に含まれるさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオン
を含む材料であって、ポリマーが、電子不足芳香族部分あたり0.1〜1個の電子の電荷密度になるまでn-ドープされており、ポリマーが、2.5〜4.5eVの真空仕事関数(WFeff)を有する層を形成することが可能であり、材料中に含まれる対陽イオンはすべて、ポリマー中のいずれの電子も、ポリマーの外に著しく拡散又は移動することができないよう、固定化され得る、材料を提供する。

0043

特定の態様によれば、ポリマー内への拡散又は移動を防止する対陽イオンの固定化は、ポリマー又はさらなるポリマーに陽イオンを共有結合させることによるものとすることができる。

0044

特に、真空WFは、2.5〜4.3eV、2.8〜4.0eV、3.0〜3.8eV、3.2〜3.6eV、3.4〜3.5eVとすることができる。さらにより特には、WFeffは、2.5〜4.0eVとすることができる。WFは、半導体であって、その上に材料が使用される半導体に依存し得る。

0045

特に、ポリマーがドープされる電荷密度は、電子不足芳香族部分あたり、0.1〜0.9、0.2〜0.8、0.3〜0.7、0.4〜0.6、0.45〜0.5個の電子とすることができる。

0046

本発明の目的では、ポリマーという用語は、ポリマー及び/又はオリゴマーを含むと見なされる。ポリマーは、通常、10を超える同一又は非類似のモノマー(繰り返し)単位が一緒に結合している、5kDaを超える比較的高い分子量のマクロ分子である。オリゴマーは、通常、少なくとも2、最大で10の同一又は非類似のモノマー(繰り返し)単位が一緒に結合している、5kDa以下の比較的低い分子量のマクロ分子である。ポリマー及びオリゴマーは、溶媒加工性及びフィルム形成性を含む、いくつかの重要な加工上の利点を共有しており、したがって、1つの分類として見なすことができる。

0047

本ポリマーは、本発明の目的に好適な任意のポリマーとすることができる。本ポリマーは、以下に限定されないが、置換されている又は非置換の、フルオレン、フェニレン、アリーレンビニレン、チオフェン、アゾール、キノキサリン、チエノチオフェン、アリールアミン、ビスフェノール-A、メタクリレート、シロキサン及びメタ位結合ベンゼンからなる群から選択される少なくとも1つの共通部分を場合により含んでもよい。

0048

少なくとも1つの電子不足芳香族部分は、本発明の目的に好適な任意の電子不足芳香族部分とすることができる。例えば、電子不足芳香族部分は、ポリマー主鎖の一部であってもよく、又はポリマー主鎖に結合しているペンダント単位として存在していてもよい。

0049

本発明の目的のための電子不足芳香族部分は、nドープされたポリマーにおいて、所望のWFを実現する1eVより大きな気相EAを有する、芳香族環及び/又は複素環を含む部分として定義され得、加工性、安定性及び最小のΔeなどの、EIL及びEELに対して特性の最良の組合せをもたらす。特に、電子不足芳香族部分のEAは、1〜3eV、1.2〜2.8eV、1.5〜2.5eV、1.8〜2.2eV、2.0〜2.1eVとすることができる。特に、EAは1.5〜2.5eVとすることができる。

0050

電子不足芳香族部分の気相EAは、ポリマーOSCの気相EAに密接に関連することがあり、この場合、電子不足部分は、ポリマー主鎖の部分として、又はペンダント基として存在する。ポリマーOSCの気相EAは、ひいては、負電荷分極エネルギーによって、そのフィルムのEAに関連することがある。これはフィルムの真空WFに関連することがあり、この真空WFは、OSCデバイスにおけるΔeを決定する半導体に接触している、その有効WFに関連し得る。

0051

芳香族部分の気相EA値は、任意の公知の方法から得ることができる。例えば、芳香族部分のEA値は、電子付着分光法(H.P. Fenzlaff及びE. Illenberger、Int. J. Mass Spectr. Ion Processes、1984年、59巻:185頁)から得ることができる。芳香族部分のEA値はまた、高精度量子化学計算から得ることもでき、この化学計算は、可能な化学構造の迅速で明確な(unambigous)スクリーニングを実現することができる。このような計算の一例は、可動性電子が存在する軌道拡散部分に着目した6-31+G*などの適切に大きな基底関数系を用いる、CAM-B3LYP(T. Yanai、D. Tew及びN. Handy、Chem. Phys. Lett.、2004年、393巻:51頁)などの好適なハイブリッド汎関数を使用する、密度汎関数理論(DFT)である(A. Modelliら、J. Phys. Chem. A、2006年、110巻:6482頁)。

0052

電子不足芳香族部分がポリマー主鎖中の他の単位とπ共役している場合、π-共役相互作用により、ポリマーOSCの気相EAがシフト(上昇)し得る。しかし、よくあることであるが、これらの他の単位が、それほど電子不足していない場合、又は電子不足芳香族部分が、他のπ電子系に共役していない場合、この電子不足芳香族部分は、実際には、ポリマーOSCの気相EAを決定することになろう。したがって、電子不足部分の気相EAは、最初の重要なスクリーニングパラメータ提示することができる。したがって、EAの低下は、材料のWFeffをより浅くする傾向がある一方、EAの上昇は、材料のWFeffをより深める傾向がある。

0053

特定の態様によれば、電子不足芳香族部分は、以下に限定されないが、官能基化多環式芳香族モチーフ、一環化ベンゾモチーフ、二環化ベンゾモチーフ、一環化ナフトモチーフ、二環化ナフトモチーフ、一環化複素環式モチーフ、ピリジンモチーフ、ベンゼンモチーフ、ピリリウムモチーフ又はそれらの組合せとすることができる。

0054

電子不足芳香族部分の例は、以下に提示されている:
(a)官能基化多環式芳香族モチーフ:

0055

(式中、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
E'=H、F、CF3、CN、NO2、NMe3+、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(b)一環化ベンゾモチーフ:

0056

(式中、
X=N、
Y=S、Se、O、N(R)、S=O、S(=O)2、
E'=H、F、CF3、CN、NO2、NMe3+、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
R'=H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(c)二環化ベンゾモチーフ:

0057

(式中、
X=N、
Y=S、Se、O、N(R)、S=O、S(=O)2、
E'=H、F、CF3、CN、NO2、NMe3+、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
R'=H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(d)一環化ナフトモチーフ:

0058

(式中、
X=N、
Y=S、Se、O、N(R)、S=O、S(=O)2、
R'=H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(e)二環化ナフトモチーフ:

0059

(式中、
X=N、
Y=S、Se、O、N(R)、S=O、S(=O)2、
E'=H、F、CF3、CN、NO2、NMe3+、
R'=H、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(f)一環化複素環式モチーフ:

0060

(式中、X=N、
Y、Y1、Y2=S、Se、O、N(R)、S=O、S(=O)2、
E'=H、F、CF3、CN、NO2、NMe3+、
R'=H、、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(g)ピリジン及びベンゼンモチーフ:

0061

(式中、
A=CH3、O-、BF3-、BC5H5-、
E'=H、F、CF3、CN、NO2、NMe3+、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。
(h)ピリリウムモチーフ:

0062

(式中、
X=N、
Y=S、Se、O、N(R)、S=O、S(=O)2、
R=アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル基、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ又は置換フェノキシ基、(これらは、陽イオン基により場合により官能基化されている)、
波線は、ポリマー又はRへの結合を表す)。

0063

特に、電子不足芳香族部分は、以下に限定されないが、置換されている又は非置換の、ベンゾチアジアゾール、ベンゾビスチアジアゾールベンゾオキサジアゾール、ベンゾビスオキサジアゾール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、ペリレンテトラカルボキシジイミド、ナフタレンテトラカルボキシジイミド、ジケトピロロピロール、チエノピロール、チアジアゾロキノキサリン、ナフトチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、インデノフルオレン、2,5-ジフルオロベンゼン、フルオレン又はそれらの組合せとすることができる。

0064

別の特定の態様によれば、本ポリマーは、完全に共役していてもよく、又は一部が共役していてもよい。

0065

例えば、電子不足芳香族部分がポリマー主鎖の部分である場合、他の繰り返し単位と場合により完全に共役しているポリマーを形成することがある。これらは、以下に限定されないが、酸素硫黄芳香族、及び/又は複素芳香族単位、例えば、以下に限定されないが、フルオレン、インデノフルオレン、フェニレン、アリーレンビニレン、チオフェン、アゾール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、オキサジアゾール、チエノチオフェン又はアリールアミンを含むことができる。別の繰り返し単位と共に形成される完全に共役しているコポリマーの一例は、2つの繰り返し単位によって表されるポリマー(N,N'-ビス(2-オクチルドデシル)-1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボキシジイミド-2,6-ジイル-alt-5,5'-(2,2'-ビチオフェン))である。

0066

あるいは、電子不足芳香族部分は、一部が共役しているポリマーを形成してもよく、それは、その主鎖に沿って非共役単位により中断されている。このような単位には、以下に限定されないが、ビスフェノール-A、メタクリレート、シロキサン及びメタ位結合ベンゼンが含まれる。一部が共役しているポリマーコポリマーの一例は、2つの繰り返し単位である、N,N'-ビス(2-オクチルドデシル)-1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボキシジイミド-2,6-ジイル及びビスフェノール-Aによって形成されるポリマーである。

0067

あるいは、電子不足芳香族部分は、ポリマー主鎖に結合しているペンダント基とすることができる。このようなポリマー主鎖の例には、以下に限定されないが、ポリ(メタクリレート)及びビニルポリマーが含まれる。主鎖の選択は、安定性、加工特徴、所望の電子不足部分との適合性及び官能基化の容易さを考慮することによって決定される。ポリマーの分子量は、2〜200kDa、5〜175kDa、10〜150kDa、15〜125kDa、20〜100kDa、25〜75kDa、30〜50kDa、35〜45kDaとすることができる。特に、ポリマーは、5〜200kDaの分子量を有することができる。

0068

電子不足芳香族部分はまた、互いに結合して、電子不足単位の二量体及びより高次多量体を形成することができる。二量体及びより高次の多量体は、有利なことに、電子不足芳香族部分の化学的反応性を低減し、その安定性及びEAを改善することがある。

0069

特定の態様によれば、電子不足芳香族部分の芳香族環上の少なくとも1個の水素は、以下に限定されないが、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、置換複素環式基、アルコキシ、フェノキシ、置換フェノキシ、アルキルチオ、フェニルチオ、置換フェニルチオ、フッ素、シアノ、ニトロ、アルキルケト、トリクロロメチル又はトリフルオロメチルを含む基により置換されていてもよい。このような置換は、標的溶媒中の加工性の改善及び/又はEAの改変の一助となることがある。例えば、少なくとも1個のHをアルキル、シクロアルキル、フェニル及び置換フェニル基のうちのいずれかにより置換すると、標的溶媒中での電子不足芳香族部分の加工性が改善されることがある。同様に、少なくとも1個のHをアルコキシ、フェノキシ及び置換フェノキシ基のうちのいずれかにより置換すると、標的溶媒中での電子不足芳香族部分の加工性が改善され、EAが低下することがある一方、少なくとも1個のHをフッ素、シアノ、ニトロ、アルキルケト、トリクロロメチル又はトリフルオロメチル基のうちのいずれかにより置換すると、標的溶媒中での電子不足芳香族部分の加工性が改善され、EAが上昇することがある。これにより、選択した電子不足芳香族部分のEAの微調整が可能となり、したがって、電子不足芳香族部分が含まれるポリマーのEAの微調整が可能となる。

0070

特に、置換基のアルキル部分は、1〜10個の炭素原子を含むことができる。さらにより特には、置換基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル及びt-ブチルなどの1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を含むことができる。

0071

ポリマー又は材料中に含まれるさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンは、本発明の目的に好適な任意の対陽イオンとすることができる。例えば、対陽イオンは、疎水性、非求電子性及び/又は弱い求電子性の陽イオンであってもよく、良好な還元安定性を有する。特定の態様によれば、対陽イオンは、以下に限定されないが、置換されている又は非置換の、アンモニウム、モルホリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、スルホニウム、ホスホニウム、及びそれらの置換されている類縁体とすることができる。

0072

例えば、アンモニウムは、R4N+とすることができ、Rは、好ましくは、C1〜C12アルキル又はフェニルである。スルホニウムは、R3S+とすることができ、Rは、C1〜C12アルキル又はフェニルである。ホスホニウムは、R4P+とすることができ、Rは、C1〜C12アルキル又はフェニルである。

0073

特定の態様によれば、少なくとも1つの対陽イオンは、芳香族複素環陽イオンとすることができる。このような陽イオンの例には、以下に限定されないが、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピロリウム、ピリリウム、及びそれらの置換されている類縁体が含まれ得る。

0074

特に、少なくとも1つの対陽イオンは、アルキル化アンモニウム、モルホリニウム、イミダゾリウム又はそれらの組合せとすることができる。

0075

対陽イオンは、良好な還元安定性を有する必要がある。還元安定性とは、化学部分電気化学的還元に抵抗する能力として定義することができる。これは、化学部分の還元の電極電位によって評価することができる。したがって、対陽イオンは、標準水素電極(SHE)に対して最大-3Vの電極電位の電気化学的還元を受けないはずである。特定の態様によれば、対陽イオンは、水の物理吸着を回避するため、非吸湿性であってもよく、これより良好な還元安定性を有する。

0076

別の特定の態様によれば、対陽イオンは、非求電子性であってもよい。非求電子性陽イオンは、求電子反応関与しない。例えば、非求電子性陽イオンは、以下に限定されないが、アルキル化アンモニウム、モルホリニウム又はイミダゾリウムとすることができる。

0077

対陽イオンは、ポリマー又は材料中に含まれるさらなるポリマーに共有結合し得る。特に、対陽イオンは、直接ポリマーに結合していてもよく、又は短いスペーサー鎖、例えば、アルキル鎖(例えば、-(CH2)x-(ここで、xは、1〜8、好ましくは2〜4である))、パーフルオロアルキル鎖(例えば、-(CF2)x-(ここで、xは、1〜8、好ましくは2である))、アルコキシ鎖-(OCH2CH2)x-(ここで、xは、1〜3、好ましくは1である)、又はパーフルオロアルコキシ鎖-(OCF2CF2)x-(ここで、xは、1〜3、好ましくは1である)を介してポリマーに結合していてもよい。

0078

ポリマーは、対陽イオンを結合するために設けられている、共役部分又は個別のポリマーを含有するものであってもよい。このような個別のポリマーの例には、以下に限定されないが、ビニルポリマー、例えば、四級ポリアリルアミン(quaternized polyallyamine)、四級化ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)、及び四級化アミノ側鎖を有するアクリレートポリマーが含まれる。

0079

最適なスペーサー長さは、ポリマーの正確な構造に伴って変動するので、経験的に決定されてもよい。非ドープの前駆体形態又はnドープされた形態であるかに関わらず、ポリマーの加工性は、π共役コア及び側鎖の疎水性と、電子及び傍観イオン(存在する場合)と一緒になった対陽イオンのイオン的性質との間の競争によって影響を受ける。

0080

fによって表される、陽イオンの当量とnドープされた電子不足芳香族部分との比は、1〜5とすることができる。特に、fは、1〜4又は2〜3とすることができる。さらにより特には、fは1〜3とすることができる。単一で帯電している対陽イオンは、1当量として計数され得る。f比は、電荷のバランスをとるために、傍観陰イオンを必要とする、材料中の対陽イオンの過剰割合(fractional excess)を決定するものである。必要な傍観陰イオンの割合(fractional spectator anion)は、
f-1
によって与えられ得る。

0081

f=1の場合、対陽イオンの数は、材料上の電子数を自己補償するのにちょうど十分である。完全に自己補償されたnドープされた導電性材料は、両性イオン形態で存在することができ、この場合、負電荷及び結合している正電荷は、正確にバランスがとれている。この場合、電子は、共有結合している対陽イオンによって完全に電荷のバランスがとれている。f<1の場合、nドープされた材料は、完全に自己補償されておらず、したがって、遊離対陽イオンが存在している必要がある。

0082

特定の態様によれば、自己補償されている材料中に含まれる対陽イオンはすべて、ポリマー中のいかなる電子も、ポリマーの外に著しく拡散又は移動することができないよう、固定化され得る。したがって、これにより、加工、保管又はデバイスの操作の間に、分解することがない、安定なドープレベルを実現することが可能となる。特に、ドープレベルを徐々に変化させた材料を逐次堆積することによって、EIL中に段階的なドーピングプロファイルを達成することができると、望ましいものになり得る。

0083

一方、f>1である場合、対陽イオン当量の数は、nドープされた電子不足芳香族部分の数より大きくなる。したがって、f-1によって与えられる陽イオンの割合は、傍観陰イオンによって補償される必要がある。この場合、非ドープ前駆体材料に溶媒加工性を付与するために、傍観イオンが有利に用いられ得る。これは、溶液状態でのドープには有益となり得る。傍観イオンは、その選択に応じて、完全に又はかなりnドープされたポリマーに溶媒加工性をさらに付与することができる。

0084

例えば、NDIC3NMe3OTf-TTの交互コポリマーモデルの場合、繰り返し単位あたり1個の電子のドープレベル及びf=2では、このポリマーは、ジメチルスルホキシドに依然として可溶である。しかし、ドープレベルがより高い場合、このポリマーは不溶となることがあり、したがって、沈殿し得る。

0085

共有結合している対陽イオンは、所望の加工用溶媒にポリマーを可溶にする一助となり得る。これらの対陽イオンの性質及び数密度により、nドープされた材料中の、対陽イオン、電子及び傍観陰イオンを含むイオンクラスター内部の形態及びクーロン相互作用が改変される。溶媒との相互作用によって、対陽イオンは、溶媒和エネルギーへのエンタルピー寄与及びエントロピー寄与、したがって、材料の溶解度を改善する自由度をもたらすことができる。例えば、NDIC3NMe3OTf-TTは、ジメチルスルホキシド及びプロピレンカーボネートには可溶となり得るが、ビス(3-(4-メチルモルホリノ)プロピル類縁体(NDIC3MorOTf-TT)は、さらに、アセトニトリルに可溶である。

0086

対陽イオンはまた、nドープされた材料の仕事関数(WF)に影響を及ぼし得る。特に、電子不足芳香族部分上の可動性電子は、同じポリマー主鎖に結合し得る、又は対陽イオンに特に提供される別のポリマーに結合し得る対陽イオンによって電荷のバランスがとられるので、結合している陽イオンは、nドープされている状態に化学的安定性、熱的安定性及び加工安定性をもたらし、デバイスの加工、保管及び操作中のドープの損失又は移動を防止する。したがって、これらの材料は、デバイス中のEIL及びEELとして働くことができる、2.5eV〜4.5eVのWFを有するnドープされた安定なフィルムをもたらすための重要な課題を克服する。したがって、所望の半導体のEAに適合するよう、4.5eVより浅い、好ましくは2.5〜4.5eVの範囲、より好ましくは3〜4eVの範囲のEILのWFを有することが望ましい。

0087

対陽イオンは、任意の好適な方法によって、ポリマーに共有結合され得る。特に、対陽イオンは、合成及び精製の容易さ、並びに得られた材料の特徴に応じて、事前官能基化又は事後官能基化によってポリマー上に設けることができる。例えば、対陽イオンは、モノマーに組み込まれて、次に、このモノマーは、重合され得る。あるいは、対陽イオンは、好適な化学を使用して、重合後にポリマーに官能基化されてもよい。

0088

材料は、少なくとも1つの傍観陰イオンを場合によりさらに含んでもよい。傍観陰イオンは、任意の好適な陰イオンとすることができる。傍観陰イオンは、材料の構造、及び材料の調製に使用される溶媒に基づいて選択することができる。傍観陰イオンの組み込みは、溶解度及びレオロジーを含む材料の溶媒加工特徴を改変するのに有利となり得る。傍観陰イオンはまた、nドープされた材料の仕事関数に影響を及ぼし得る。例えば、1つ又は複数の傍観陰イオンは、以下に限定されないが、Cl-、Br-、I-などのハロゲン化物イオン、OCN-などの擬ハロゲン化物イオンフルオロアルキルスルホン酸イオンアルキルスルホン酸イオン、フェニルスルホン酸イオンなどのスルホン酸イオン、及びビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド)などのスルホンイミド、テトラフルオロホウ酸イオンヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオンを含む非求核性陰イオンを含む陰イオンの群から選択することができる。

0089

傍観陰イオンは、所望の加工用溶媒にnドープされたポリマーを可溶にする一助となり得る。傍観陰イオンの性質及び数密度は、nドープされた材料中の、対陽イオン、電子及び傍観陰イオンを含むイオンクラスター内部の形態及びクーロン相互作用を改変することができる。溶媒との相互作用によって、傍観陰イオンは、溶媒和エネルギーへのエンタルピー寄与及びエントロピー寄与、したがって、材料の溶解度を改善する自由度をもたらすことができる。

0090

非結合性傍観陰イオンの存在は、非結合性対陽イオンの存在とは異なり、ドーピングプロファイルの安定性の損失をもたらさない。これは、可動性電子は、中性の要素(entity)として、非結合性の陰イオンではなく、非結合性陽イオンと一緒に拡散又は移動することができ、これにより、所期のEIL又はEELにおいて、隣接半導体層、又は加工用溶媒中の偶発的な不純物へのドープの移動、及びドープの損失をもたらすからである。

0091

例えば、NDIC3NMe3I-TTポリマー中の小さなI-の傍観陰イオンは、ジメチルスルホキシドへの溶解性をもたらす一方、より大きなトリフレート陰イオンを有する類縁体は、プロピレンカーボネートなどの非プロトン性極性溶媒への溶解性ももたらす。

0092

傍観陰イオンは、任意の好適な方法によって、材料中に含まれ得る。例えば、材料は、使用される化学的方法に応じて、非ドープ前駆体材料中のI-又はBr-などの傍観陰イオンによって電荷のバランスがとられた、共有結合している陽イオンを含むことができる。いくつかの方法が、nドープ前の材料に所望の傍観陰イオン(単数又は複数)を交換するために利用可能となり得る。これらには、以下に限定されないが、透析イオン交換樹脂又はメタセシスが含まれる。

0093

透析方法では、材料は、適切な溶媒に溶解されて、好適な透析用膜の一方の側に維持され得る。標的陰イオン(単数又は複数)の好適な塩が適切な溶媒に溶解されて、膜の同じ側又は反対側のどちらか一方に入れられる。膜は、例えば、セルロース又はポリエーテルスルホンから製造され得る。透析が進行するにつれて、透析物新しくされて、徐々に純粋な溶媒により交換される。この方法では、イオン交換が行われ、過剰のイオンが材料から除去される。材料は、所望のイオン純度が得られるまで、例えば、イオン性不純物が1%未満(sub-1%)となるまで、透析によって精製することができる。

0094

イオン交換樹脂法では、好適なイオン交換樹脂に、所望の陰イオンが最初に通常の方法で挿入され、次に、このイオン交換樹脂は、イオン交換が行われる溶液中の材料と接触するように置かれる。

0095

メタセシス法では、材料は、不溶性塩を沈殿させるために、標的陰イオンの好適な塩と混合され得る。これを遂行するための方法の1つは、トリフレートなどの標的陰イオンを含むAg+塩を調製して、臭化物イオン又はヨウ化物イオンなどの元々のハロゲン化物イオンと反応させて、次に、形成するハロゲン化銀をろ過又は遠心分離によって除去することである。

0096

特定の態様によれば、本材料は、少なくとも、以下に限定されないが、
-ポリ(2,5-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル-3-(5-(チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-イル)チオフェン-2-イル)-6-(チオフェン-2,5-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン)トリフレート](DPPT2C3NMe3OTf-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]ヨージド}(NDIC3NMe3I-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]トリフレート}(NDIC3NMe3OTf-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-(4-メチルモルホリノ)プロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[2,5-(チエノ[3,2-b]チオフェン)]トリフレート}(NDIC3MorOTf-TT);
- ポリ{[N,N'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)-ナフタレン-1,4,5,8-ビス(ジカルボキシイミド)-2,6-ジイル]-alt-[5,5'-(2,2'-ビチオフェン)トリフレート}、(NDIC3NMe3OTf-T2);
- ポリ{[9,9'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)フルオレニル-2,7-ジイル]-alt-(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール-4,8-ジイル)トリフレート}(BT-F3NMe3OTf);又は
- ポリ{[9,9'-ビス(3-トリメチルアンモニオプロピル)フルオレニル-2,7-ジイル]-alt-(9,9'-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)}(F3NMe3OTf-F8)
を含むことができる。

0097

本材料のEAは、2.5eV〜4.5eVで選択することができる。一例として、電子不足芳香族部分は、官能基化多環式芳香族モチーフから選択される1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボキシジイミド-2,6-ジイル(気相EA、2.8eV)とすることができ、コモノマー単位はチエノ[3,2-b]チオフェン-5,5'-ジイルとすることができ、結合している対陽イオンは3-トリメチルアンモニオプロピルとすることができ、傍観陰イオンは、トリフレートとすることができる。得られた材料であるNDIC3NMe3OTf-TTは、4.3eVのEAを有する。かなりnドープされたポリマー(繰り返し単位あたり0.1〜1個の電子)のWFは、4.3eVであり、ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオンポリマーと接触している場合、WFは3.7eVである。

0098

別の例では、電子不足芳香族部分は、一環化複素環式モチーフ(グループ5)からの(チオフェン-2,5-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン)(気相EA、2.1eV)とすることができ、コモノマー単位はチエノ[3,2-b]チオフェン-5,5'-ジイルとすることができ、結合している対陽イオンは3-トリメチルアンモニオプロピルとすることができ、傍観陰イオンは、トリフレートとすることができる。得られた材料であるDPPT2C3NMe3OTf-TTは、3.6eVのEA値を有する。かなりnドープされたポリマー(繰り返し単位あたり0.75個の電子)に対して得られたWFは、3.8eVである。

0099

材料のnドープされた状態における過剰の負電荷は非局在化されるべきである。好ましくは、π電子系中の任意の炭素原子上の過剰の負電荷は、0.2個の電子を超えず、より好ましくは0.1個の電子を超えず、最も好ましくは0.05個の電子を超えない。これは、高精度量子化学計算によって求めることができる。

0100

所望のEAを有する共役ポリマー又はオリゴマーを生成するため、当該部分の選択、その置換基及びコポリマーの単位(存在する場合)により、構造の多くの組合せが利用可能となり得る。π共役構造及びそれらの修飾のこうした組合せにより、所望の低仕事関数のnドープされた材料を生成するのに必要なEAを実現することができる。

0101

仕事関数は、任意の好適な方法によって、測定することができる。例えば、WFは、例えば、Hwang J.H.ら、Mater. Sci. Eng. R 64巻:1頁、2009年において記載されている通り、紫外照射電子分光法で、試料のフェルミ準位及び低エネルギーカットオフにおける運動エネルギーから測定され、真空準位を決定することができる。これにより、真空WFが得られる。材料の固体状態のイオン化ポテンシャル(Ip)は、上記の参照文献にやはり記載されている通り、同じ実験で、光放出の開始からの外挿から測定されて、Ipを定めることができる。本発明において言及されているイオン化ポテンシャル及び仕事関数のすべてが、この方法で測定された。Ipを測定する他の方法には、対イオン効果によって複雑化することがあるサイクリックボルタンメトリー、及びAC2としばしば称される、周囲環境での光放出技法が含まれる。EAは、ポリマーのIp及びポリマーの吸収スペクトルから推定することができ、バンドギャップ(Eg)を見出し、次に、IpからEgを引き、励起結合エネルギー(通常、0.5eV)をさらに引く。EAを測定する他の方法には、逆光電子放出分光法が含まれる。

0102

導電性は、任意の好適な方法によって、測定することができる。例えば、標準的な4つのプローブ力覚(force-sense)測定法を使用することができる。あるいは、EIL/EELの適合性は、dcバイアス及び周波数の関数として、キャパシタンス-電圧測定によるデバイス構成で、直接、評価することができる。キャパシタンスは、好ましくは、最大10MHzまで一定であり、-3V〜+3Vでバイアスに実質的に依存しない。

0103

第2の態様によれば、本発明は、第1の態様による材料及びポリマー希釈剤を含む組成物を提供する。ポリマー希釈剤は、本発明の目的に好適な任意のポリマー希釈剤とすることができる。

0104

例えば、1つ又は複数のポリマー希釈剤は、還元安定性及び低い求電子性が要求される、nドープされた材料と都合のよい相互作用を有することができるポリマーの群から好ましくは選択することができる。このようなポリマーの例には、ポリエチレングリコールが含まれる。

0105

特に、1つ又は複数のポリマー希釈剤は、結合した対陽イオン、及び場合により1つ又は複数の結合していない傍観陰イオンを有するnドープされた導電性材料、及び1つ又は複数のポリマー希釈剤を含む組成物をもたらすよう有利に組み込まれ得る。ポリマー希釈剤の組み込みは、組成物の電気特性及び光学特性を改変するのに有利となり得る。

0106

nドープされた材料及び組成物を生成するため、場合により、合成後の別々の工程において、強力な還元剤(n型ドーパントとも呼ばれる)が材料をドープするために適用され、次いで過剰のイオンが除去されて、自己補償がもたらされる。ドープ及び自己補償というこれらの2つの工程は、逐次又は同時に行うことができる。適切なn型ドーパントにより、好適なEAを有するポリマーOSCのnドープが可能になり、最終的に、2.5〜4.5eVの範囲のWFが得られる。

0107

上記の2つの工程は、溶液中の非ドープ前駆体材料に行われて、溶液中に自己補償されたnドープされた材料を生成させてもよい。これは、溶液状態ドープ法と呼ばれる。次に、nドープされた材料は、スピンキャスト法、インクジェット印刷法ドクターブレード法又は他の好適な方法によって、所望の基板上に堆積させてパターン形成することができる。

0108

あるいは、2つの工程は、層ごとのポリ電解質アセンブリを含む、上記の好適な方法によって、基板上に堆積されてパターン形成される非ドープ前駆体材料のフィルム上に行ってもよい。層ごとのポリ電解質アセンブリでは、非ドープ前駆体材料を含む、ポリ陽イオン及びポリ陰イオンの一方又は両方が、電極又は基板上への吸着によって交互に組み立てられ、フィルムが構築される。さらに、フォトリソグラフィパターン形成方法が使用されてもよい。この方法では、フィルムは、フィルムをパターン形成するためにマスクを通って発光される光によって活性化される、光架橋性部分を含有することができる。あるいは、フィルムは、フィルムの上に作製されたフォトレジストマスク層により露光された領域をエッチング又は溶解除去することにより、パターン形成することができる。次に、フィルムを、溶液中でn型ドーパントに、次に適切な溶媒混合物曝露し、自己補償工程を完了することができる。これは、フィルム状態でのドープ法と呼ばれる。

0109

第3の態様によれば、上記の材料を調製する方法であって、
- 1種のポリマー、及びポリマー又はさらなるポリマーに共有結合している少なくとも1つの対陽イオンを含む混合物を用意するステップ、ここで、ポリマーは、少なくとも1つの電子不足芳香族部分を含み、各電子不足芳香族部分は、1〜3eVの気相電子親和力(EA)を有する、
- ポリマーをn型ドーパントでドープして、nドープされたポリマーを形成するステップ、ここで、該n型ドーパントは、標準水素電極に対して約-1.3Vより小さな形式還元電位を有する還元剤である、及び
- 過剰の可動性対陽イオンを除去して、材料を形成するステップ
を含む、方法が提供される。

0110

特定の態様によれば、本方法は、ドープする前に、基板の表面に混合物の層を堆積するステップをさらに含むことができる。基板は、本発明の目的に好適な任意の基板とすることができる。本方法は、堆積後のドープ前に、層をパターン形成するステップをさらに含むことができる。堆積及びパターン形成は、本発明の目的に好適な任意の方法によるものとすることができる。

0111

本ポリマー、対陽イオン及び電子不足芳香族部分は、上記の通りとすることができる。

0112

調製するステップ、ドープするステップ及び除去するステップは、本発明の目的に好適な任意の方法によるものとすることができる。

0113

特に、過剰の可動性対陽イオンの除去は、塩として過剰の可動性対陽イオンを除去して、材料を形成することを含むことができる。これは、例えば、塩にとっての溶媒であるが、材料にとっての非溶媒を用いて材料を沈殿させることにより、又は塩にとっての溶媒であるが、材料フィルムにとっての非溶媒を用いて材料フィルムを洗浄することにより実現することができる。

0114

電子不足芳香族部分の幅広いEA範囲の結果として、nドープは、ヒドロキシルラジカル又は塩基よりもかなり高い酸化電位を有するn型ドーパントを使用して行う必要がある。還元剤の形式還元電位E°は、別の材料を還元するために、電子を移動させる還元剤の熱力学的能力を測定するものである。より低いE°値を有するドーパントは、より強力なn型ドーパントである。水溶液中のプロトンE値は、0.0V対SHEである。

0115

ドープに使用されるn型ドーパントは、本発明の目的に好適な任意のn型ドーパントとすることができる。ドーパントは、以下の考慮点:(1)安定性及び加工性、(ii)その後に精製して、自己補償されたnドープされた材料を得る容易さ、(iii)残留陽イオン、陰イオン及び中性物の濃度のデバイス性能への無害性(benignity)に基づいて選択することができる。

0116

例えば、n型ドーパントは電子移動還元剤とすることができる。特に、n型ドーパントは一電子還元剤とすることができる。特定の態様によれば、n型ドーパントは、以下に限定されないが、THF中のナトリウム金属(E°=-3.0V)、ナトリウムナフタレニド(E°=-3.1V)、ナトリウムベンゾフェノンケチル(E°=-2.3V)又はナトリウム9,10-ジフェニルアントラセニド(E°=-2.1V)とすることができる。別の特定の態様によれば、n型ドーパントは、溶液状態のドープ又はフィルム状態のドープを含む方法の選択された条件下で、ポリマーをnドープするのにまさに十分に強力である。ナトリウム、ナトリウムアマルガム、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムベンゾフェノンケチルは、溶液状態のドープ及びフィルム状態のドープの両方にとって、2.5eVまで低下したEAを有するポリマーに好適な非常に強力な還元剤である。別の好適なn型ドーパントは、ナトリウム9,10-ジフェニルアントラセニド又はコバルトセン(E°=-1.3V)、デカメチルコバルトセン(E°=-1.9V)である。

0117

例えば、n型ドーパントは、熱又は光活性化によってn型ドーパント前駆体から生成されて、ポリマーをnドープすることができる。特定の態様によれば、n型ドーパント前駆体は、以下に限定されないが、2-フェニル-1,3-ジアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール、2-フェニル-1,2,3-トリアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール及び1,2,2,3-テトラアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾールの誘導体とすることができる。2-フェニル-1,3-ジアルキル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾールの一例は、少なくとも1つのイオン性基により官能基化された、DMBIとして一般に知られている、2-(p-ジメチルアミノ)フェニル-1,3-ジメチル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾールである。これは、低いEAを有するnドープポリマーに有用である。ドーパント前駆体は、溶液中で所望の比でポリマーと混合されて、フィルムにキャストされる。フィルムは、続いてその場で加熱されるか又は適切な波長の光に曝露されて、加工周囲環境に曝露されることなく、ポリマーのドープを活性化する。

0118

所望のドープレベルは、繰り返し単位あたり約0.1個の電子〜繰り返し単位あたり約1.0個の電子、より好ましくは、繰り返し単位あたり約0.3個の電子〜繰り返し単位あたり約0.8個の電子とすることができる。これは、X線光電子分光法を使用して確認することができる。あるいは、これは、π-π*バンド吸収バンド強度の損失率(fractional loss)及びnドープされたバンド強度の上昇を定量することにより、UV-可視分光法を使用して確認することができる。

0119

ドープは、溶液状態及びフィルム状態のドープの両方に対して、UV-可視分光法によってその場でモニタリングして、所望のドープレベルが達成するまで、n型ドーパントの濃度を調節することができる。

0120

本方法は、材料を精製して、可動性イオン副生物を除去し、材料の所望の自己補償状態を得るステップをさらに含むことができる。溶液状態でのドープの場合、精製は材料に対する非溶媒を使用して(しかし、イオン性副生物は溶解する)、nドープされた材料を沈殿させて、次に、この沈殿した材料を適切な溶媒に再溶解することにより実現することができる。材料が所望の純度に到達するまで、これらの工程を繰り返してもよい。非極性溶媒又は弱極性溶媒、例えばジグリム(diglyme)が、この目的に好適となり得る。得られた自己補償されたnドープされた材料の純度は、赤外振動分光法によって、望ましくないイオンの吸収バンド強度により、定量することができる。

0121

フィルム状態のドープの場合、精製は、好適な洗浄用溶媒にフィルムを浸漬することにより達成することができる。適度に極性の溶媒、例えばジグリム、及び非常に極性の溶媒、例えばニトロメタンと非極性溶媒、例えばジオキサンとの溶媒混合物が、この目的に好適となり得る。

0122

特定の態様によれば、除去は、nドープされたポリマーを溶媒に接触させることを含むことができる。使用される溶媒は、本発明の目的に好適な任意の溶媒とすることができる。特に、溶媒は、標準水素電極に対して約-2V、好ましくはSHEに対して-3Vより小さな形式還元電位、及び>20である誘電率を有することができる。溶媒は、使用されるn型ドーパント及び関与するポリマーを考慮して選択することができる。適切な溶媒の例には、以下に限定されないが、アセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンメトキシアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びジメチルスルホキシドが含まれる。プロトン性溶媒は好適ではない。選択される溶媒又は溶媒混合物は、選択されるフィルム堆積法にとって適切な揮発性(沸点)を有するべきである。

0123

第4の態様によれば、上記の材料を含む層が提供される。特に、層は、2.5〜4.5eVの真空WFを有することができる。層は、任意の好適な形態にあることができる。例えば、層は、フィルムの形態にあってもよい。特定の態様によれば、層は、電子注入層(EIL)又は電子抽出層(EEL)とすることができる。特に、層は、半導体へのオーミック電子注入接触又はオーミック電子抽出接触を形成することができる。

0124

層は、本発明の目的に好適な厚さを有することができる。例えば、層の厚さは、5〜100nmとすることができる。特に、層の厚さは、10〜95nm、15〜90nm、20〜85nm、25〜80nm、30〜75nm、35〜70nm、40〜65nm、45〜60nm、50〜55nmとすることができる。

0125

第5の態様によれば、本発明は、上記の材料又は層を備えたデバイスを提供する。デバイスは、有機半導体デバイスとすることができる。例えば、材料は、発光ダイオード及び光導電性ダイオード、並びに電界効果トランジスタを含む、ダイオードにおけるEILとして適用することができる。

0126

発光ダイオードの場合、EILは、発光半導体層又は複数の発光半導体層上に、5〜100nm、好ましくは30〜50nmの厚さに作製することができる。EILは、ドープされた形態で直接堆積されてもよく、又は非ドープの前駆体形態で堆積されて、次にドープされてもよい。場合により、EILは、フォトリソグラフィ又は他の方法によりパターン形成することができる。例えば、金属又はコンポジット積層構造体又は透明な導電性酸化物から製造することができるカソードを、EILの上に堆積させてもよい。

0127

場合により、1つ又は複数の緩衝中間層が発光半導体層の上に堆積された後、EILを堆積させてもよい。次に、LiFを含む金属又はコンポジット積層構造体から製造することができる、カソードが堆積されてもよい。場合により、1つ又は複数の緩衝中間層がアノードの上に堆積された後、半導体層を堆積させてもよい。緩衝中間層は、反対側のキャリア(opposite carrier)の封じ込め、励起子(エキシトン)の封じ込め及びキャリア注入支援を含む役割を果たすことができる。あるいは、発光ダイオードは、逆配列で作製されてもよい。

0128

電界効果トランジスタの場合、EILは、例えば、金属又は透明な導電性酸化物から製造することができる電極アレイ上に、5〜100nm、好ましくは5〜20nmの厚さに作製することができる。EILは、好ましくは、フォトリソグラフィ又は自己組織化によって電極アレイに整合する(align)ことができる。EILは、ドープされた形態で直接堆積されてもよく、又は非ドープの前駆体形態で堆積されて、次にドープされてもよい。

0129

フォトリソグラフィ法では、フィルムは、フィルムをパターン形成するためにマスクを通って発光される光によって活性化され得る、光架橋性部分を含有することができる。あるいは、フィルムは、フィルム上に最初に作製されたフォトレジストマスク層により露光された領域をエッチング又は溶解除去することにより、パターン形成することができる。自己組織化法では、EILは、化学的相互作用によって電極アレイに自己整合させることができる。

0130

次に、EILの上に、半導体、次いで1つ又は複数のゲート誘電層及びパターン形成したゲート電極が堆積され得る。半導体層は、フォトリソグラフィによりパターン形成することができる。あるいは、電界効果トランジスタは、逆配列で作製されてもよい。この場合、酸素プラズマ又は酸化剤が使用されて、EILをパターン形成することができる。

0131

nドープされた材料は、光ダイオードにおけるEELとして適用することができる。光ダイオードの場合、EELは、光吸収性光活性半導体層又は複数の光活性半導体層上に、5〜100nm、好ましくは30〜50nmの厚さに作製することができる。EELは、ドープされた形態で直接堆積されてもよく、又は非ドープの前駆体形態で堆積されて、次にドープされてもよい。場合により、EELは、フォトリソグラフィ又は他の方法によりパターン形成することができる。例えば、金属又はコンポジット積層構造体又は透明な導電性酸化物から製造することができる電子コレクタ電極は、EELの上に堆積させてもよい。場合により、1つ又は複数の緩衝中間層が光活性層の上に堆積された後、EEL層を堆積させてもよい。場合により、1つ又は複数の緩衝中間層が正孔コレクタ電極の上に堆積された後、光活性層を堆積させてもよい。緩衝中間層は、反対側のキャリアの封じ込め及びキャリア抽出支援を含む役割を果たすことができる。あるいは、光ダイオードは、逆配列で作製されてもよい。

0132

タンデム型光ダイオードの場合、EELを組み込んだ第1の電池、次いで、同一又は異なるEELを組み込んだ第2の電池を作製することができる。

0133

上記の一般原理に従って、超低仕事関数EIL/EELを用いる、センサースーパーキャパシタ変換器アクチュエータ及びエレクトロクロミックデバイスを含む、他のデバイスも考えることができる。

0134

ドープされた材料は水溶液中に存在しないので、有利なことに、EIL又はEEL層をデウェッティング(dewetting)の問題なしに、他の層の上に作製することができる。

0135

上述の記載は例示的な実施形態を記載しているが、本発明から逸脱することなく、多数の改変を行うことができることが、当業者により理解されよう。

0136

これまで本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例を参照することにより、本発明は一層容易に理解される。これらの実施例は、例示として提示されており、限定を意図するものではない。

0137

[実施例1]
合成
概念普遍性を例示するために、ポリマーの合成に関して、対応するモノマーから様々なコポリマーを得る実施例が、以下に概説されている。

0138

実施例1a - NDIC3NMe3I-TTの合成(図1a)
20mLのマイクロ波安全バイアルに、等モル量のdiBr-NDIC3NMe2(234.12mg、0.3365mmol)及びdiSn-TT(156.70mg、0.3365mmol)を加えた。次に、Pd2(dba)3触媒(6.16mg、2mol%)及びp-o-(tol)3(8.19mg、8mol%)を加え、バイアルをクリンプシールした。バイアルに、3回、真空になるまでポンプパージしてアルゴン逆充填した。完全に脱気した無水クロロベンゼン溶媒(18ml)をバイアルに加えて、モノマーを溶解した。反応剤溶液をさらに脱気した(15分)。この反応用バイアルを、Biotageマイクロ波合成装置に搭載し、選択した重合条件(110℃で2分、130℃で2分、及び150℃で26分)まで急速に加熱した。粗製中性ポリマーヘキサン中で沈殿させる。粗製中性ポリマーを、重合後、イオン形態に直ちに官能基化する。100mgの粗製NDIC3NMe2-TTポリマーを20mlのマイクロ波用バイアルに加えた。バイアルをクリンプシールした後、3回、真空になるまでポンプで吸引し、アルゴンを逆充填した。Me-I(1ml、100当量)を加え、次いで18mlのメタノールを添加した。反応用バイアルを80℃で2時間、加熱した。室温まで冷却すると、ポリマーを最初にアセトニトリルに抽出し、反応溶媒は、揮発物であるヨウ化メチルと一緒に回転蒸発させて、乾固した。ポリマーを最小限のDMSOポリマーに再溶解して、トルエン中で再沈殿させて、真空下で一晩、乾燥した。表題ポリマーの構造は、1H NMR及びX線光電子分光法によって確認する。

0139

実施例1b - NDIC3NMe3OTf-TTの合成(図1b)
バイアル中で、NDIC3NMe3I-TT(100mg、0.117mmol、1当量)を4mLのDMSOに溶解した。別のバイアルに、銀トリフレート(66.01mg、0.256mmol、2.2当量)を660μLのメタノールに溶解した。この銀トリフレート溶液をNDIC3NMe3I-TT溶液に加え、室温で15分間、撹拌した。溶液を0.45μLのナイロンフィルターに通してろ過し、AgIを除去した。ポリマーをCHCl3中で再沈殿させて、水で洗浄して過剰のAgOTfを除去し、真空下で一晩、乾燥した。表題ポリマーの構造は、X線光電子分光法によって確認した。

0140

実施例1c - NDIC3MorOTf-TTの合成(図1c)
実施例1a及び実施例1bと同様であるが、diBr-NDIC3NMe3の代わりに、diBr-NDIC3Mor(228.28mg、0.3365mmol)を用いた。重合及び官能基化の工程条件は、同じとした。表題ポリマーの構造は、1H NMR及びX線光電子分光法によって確認した。

0141

実施例1d - NDIC3NMe3OTf-T2の合成(図1d)
実施例1a及び実施例1bと同様であるが、diSn-TTの代わりに、diSn-T2(165.53mg、0.3365mmol)を用いた。重合及び官能基化の工程条件は、同じとした。表題ポリマーの構造は、1H NMR及びX線光電子分光法によって確認した。

0142

実施例1e -DPPT2C3NMe3OTf-TTの合成(図1e)
20mLのマイクロ波安全バイアルに、等モル量のdiBr-DPPTC3Br(234.12mg、0.3365mmol)及びdiSn-TT(156.70mg、0.3365mmol)を加えた。次に、Pd2(dba)3触媒(6.16mg、2mol%)及びp-o-(tol)3(8.19mg、8mol%)を加え、このバイアルをクリンプシールした。このバイアルに、3回、真空になるまでポンプでパージしてアルゴンを逆充填した。完全に脱気した無水クロロベンゼン溶媒(18ml)をバイアルに加えた。これにより、モノマーが可溶化した。反応剤溶液をさらに脱気した(15分)。反応用バイアルを、Biotageマイクロ波合成装置に搭載し、選択した重合条件(110℃で2分、130℃で2分、及び150℃で26分)まで急速に加熱した。粗製中性ポリマーをヘキサン中で沈殿させた。粗製中性ポリマーを、重合後に、イオン形態に官能基化した。100mgの粗製NDIC3NMe2-TTポリマーを20mlのマイクロ波用バイアルに加えた。このバイアルをクリンプシールした後、3回、真空になるまでポンプでパージしてアルゴンを逆充填した。バイアルに、トリメチルアミン(エタノール中、31〜35重量%、4.2M(8ml、100当量))を加え、次いで12mlのメタノールを加える。反応用バイアルを70℃で12時間、加熱した。室温まで冷却すると、ポリマーを最初にアセトニトリルに抽出して、回転蒸発させて乾固した。ポリマーを最小限のDMSOポリマーに再溶解して、トルエン中で再沈殿させて、真空下、一晩乾燥すると純粋な表題ポリマーが回収される。DPP-T2C3NMe3Br-TTを、実施例1bのように、DMSO中、2当量の銀トリフレートと反応させることにより、DPP-T2C3NMe3Br-TTをさらにイオン交換してDPP-T2C3NMe3OTf-TTにした。表題ポリマーの構造は、1H NMR及びX線光電子分光法によって確認する。

0143

実施例1f -BT-F3NMe3OTfの合成(図1f)
20mlのマイクロ波用バイアルに、等モル量のBT-diBr(74.94mg、0.2549mmol)、F3NMe2-diEs(150.00mg、0.2549mmol)、及びPd(PPh3)4(2mol%、5.89mg、0.00510mmol)を加えた。このバイアルをクリンプシールし、3回、真空までポンプ吸引し、アルゴンを逆充填した。Aliquat-336(0.15ml)を溶解した脱気したトルエン(15ml)をバイアルに加えて、モノマーを溶解した。次に、脱イオン水中のNa2CO3溶液(10当量、1M、2.55ml)を加えて入れた。Ar通気によって、この反応剤溶液を15分間、さらに脱気した後、この溶液をマイクロ波反応チャンバ中、100℃で1分間、及び150℃で19分間、加熱した。バイアルを温度(temperature)まで冷却した後、混合物をヘキサン中に沈殿させて、0.45μmのナイロンフィルターに通してろ過することによりポリマーが得られた。中性のポリマーであるF3NMe2-BTを脱イオン水で洗浄した。

0144

透明な22mlのバイアルに、メタノール(15ml)中の中性ポリマー(110mg、0.2347mmol)及びヨウ化メチル(1.46ml、23.47mmol)を加えた。混合物を40℃で2時間、撹拌した後、室温まで冷却した。回転蒸発によって、メタノール及びヨウ化メチルを反応混合物から除去した。ヨウ素によって電荷のバランスをとった粗製陽イオン性ポリマーを最小量のDMSOに溶解し、トルエン(120mg、80.6%)中で沈殿させると、F3-NMe3I-BTが得られた。透明な22mlのバイアル中で、F3-NMe3I-BT(120mg、0.1892mmol)をDMSO(7ml)に溶解した。実施例1bのように、F3NMe3I-BTをさらにイオン交換して、F3NMe3OTf-BTにした。表題物の構造は、1H NMR及びX線光電子分光法によって確認する。

0145

実施例1g -BTF3Brの合成(図1g)
還流コンデンサを取り付けたアルゴン充填済み丸底フラスコにdiEs-F3Br(1当量)及びdiBr-BT(1当量)を加えた。反応混合物に、新しく蒸留して脱気した乾燥トルエンを加えた。反応混合物を125℃で還流させ、モノマーを溶解した。アルゴン充填済み丸底フラスコ中の新しく蒸留して脱気した乾燥トルエン10mlに、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2mol%、Sigma Aldrich)を溶解した後、反応混合物に加えた。最後に、相間移動剤aliquot 336(3滴)と一緒にした1M炭酸ナトリウム水溶液(20当量)を反応混合物に加えた。反応物を125℃で10時間、還流させた。20時間後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物をろ過し、系に存在している不溶粒子及び過剰の炭酸ナトリウムを除去した。有機相水相から分離し、続いて、過剰のヘキサン(トルエンの5倍の体積分)に沈殿させた。ポリマーを沈殿させている間、ヘキサンを連続して撹拌し、沈殿を助けた。ヘキサン中で懸濁しているポリマーを0.2μmのPTFEフィルターに通してろ過した。オレンジ色のポリマーをろ過後に得た。このポリマーを4mlのクロロホルムに再溶解し、黄色溶液を得た。ヘキサンを用いて再沈殿を行うと、オレンジ-イエロー色のポリマーが得られた。この混合物を遠心分離にかけて、溶媒を除去した。この過程をもう2回、繰り返し、湿潤したオレンジ-イエロー色のポリマーを得た。続いて、このポリマーを減圧下で一晩、乾燥すると、表題ポリマーが得られた。

0146

実施例1h - F3NMe3OTf-F8の合成(図1h)
20mlのマイクロ波用バイアルに、等モル量のF3NMe2-diBr(300.00mg、0.607mmol)、F8-diEs(338.90mg、0.607mmol)、及びPd(PPh3)4(2mol%、14.03mg、0.0121mmol)を加えた。バイアルをクリンプシールし、3回、真空までポンプ吸引し、アルゴンを逆充填した。Aliquat-336(0.15ml)を溶解した脱気したトルエン(15ml)をバイアルに加えて、モノマーを溶解した。次に、脱イオン水中のNa2CO3溶液(10当量、2M、3.03ml)を加えて入れた。Ar通気によって、この反応剤溶液を15分間、さらに脱気した後、この溶液をマイクロ波反応チャンバ中、100℃で1分間、及び120℃で14分間、加熱した。バイアルを温度(temperature)まで冷却した後、この混合物をメタノール中で沈殿させて、0.45μmのナイロンフィルターに通してろ過することによりポリマーが得られた。この中性ポリマーであるF3NMe2-F8を脱イオン水及びアセトンで洗浄した。透明な22mlのバイアルに、メタノール(40ml)中の中性ポリマー(200mg、0.2347mmol)及びヨウ化メチル(1.46ml、23.47mmol)を加えた。混合物を40℃で2時間、撹拌した後、室温まで冷却した。回転蒸発によって、メタノール及びヨウ化メチルを反応混合物から除去した。ヨウ素によって電荷のバランスをとった粗製陽イオン性ポリマーを最小量のDMSOに溶解し、トルエン中で沈殿させた。採集したポリマーの固体を、飽和ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液と一緒に激しく撹拌し(20時間)、Pd触媒残留物を除去した。洗浄、及び最後にAmberlyst A26 OTf-樹脂によりイオン交換してトリフレート(OTf-)形態にした後、ろ過によりポリマーの固体を回収した。表題物の構造は、1H NMR及びX線光電子分光法によって確認する。

0147

[実施例2]
ポリマーのドープ
超低仕事関数を有する自己補償されたnドープされたフィルムを得て、その概念の普遍性を例示するために、様々なnドープ可能なポリマーの溶液状態でのドープ及びフィルム状態での後ドープに関する実施例を以下に概説する。

0148

実施例2a -ナトリウムジフェニルアントラセニドによるNDIC3NMe3I-TTのフィルム状態での後ドープ
NDIC3NMe3I-TTポリマー(10.0mg、11.6μmol)及びジメチルスルホキシド(259μL)を混合して、38.6mg/mLの青紫色溶液を得た。この溶液を2000回転/分でスピンキャストし、厚さ20〜25nmのフィルムを得て、このフィルムを窒素(N2)充填したグローブボックス中のホットプレート(140℃、15分)上で焼き、水を含む残留溶媒を除去した。

0149

N2グローブボックス中、9,10-ジフェニルアントラセン(diphenylanthrance)(DPA)(104.38mg、空気中で量)を無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(21mL)と混合して、15mMの溶液を得た。15mMのDPA溶液14mLを144mgのナトリウム水銀アマルガム(Na5%)に加えた。95.4uLの水銀を混合物に添加した。濁りのないDPA溶液は暗青色になり、NaDPA n型ドーパントが形成されたことを示した。15mMの暗青色NaDPA溶液200uLを1mLの無水ジエチレングリコールジメチルエーテルにより希釈すると、2.5mMのn型ドーパント溶液が得られた。

0150

工程1:フィルム状態でのnドープ
N2グローブボックス中、無水ジエチレングリコールジメチルエーテル中の2.5mM NaDPA(フィルム1平方cmあたり80μL)をポリマーフィルムに接触させて(30秒)、6,000回転/分で回転除去した。ポリマーフィルムは青紫色から褐色になった。

0151

工程2:過剰イオンの除去
N2グローブボックス中、無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(フィルム1平方cmあたり80μL)をポリマーフィルムに接触させて(10秒)、6000回転/分で回転除去した。UV-可視分光法は、ポリマーの繰り返し単位あたり1.0個の電子のドープ密度であることを示した(図2)。X線光電子分光法は、ナトリウム、ヨウ素及びDPA不純物が十分に除去されたことを示した。これらの結果により、自己補償されたnドープ状態が達成されたことが確認された。紫外線光電子放出分光法により、4.3eVの仕事関数であることが示された。

0152

実施例2b -コバルトセンによるNDIC3NMe3OTf-TTのフィルム状態での後ドープ
NDIC3NMe3OTf-TTポリマー(10mg、11.07μmol)及びDMSO(0369μL)を混合して、30mMの青紫色溶液を得た。この溶液を2000回転/分でスピンキャストし、厚さ20〜25nmのフィルムを得て、このフィルムを窒素(N2)充填したグローブボックス中のホットプレート(140℃、15分)上で焼き、水を含む残留溶媒を除去した。

0153

N2グローブボックス中、CoCp2(2mg、10.58μmol、N2下で秤量)をジグリム(7.05mL)と混合すると、1.5mMのn型ドーパント溶液の溶液が得られた。

0154

工程1:フィルム状態でのnドープ。
NaDPAをコバルトセンドーパントに置きかえた以外、実施例2aと同様である。

0155

工程2:過剰イオンの除去。
実施例2aと同様

0156

実施例2c -デカメチルコバルトセンによるDPPT2C3NMe3OTf-TTのフィルム状態での後ドープ
DPPT2C3NMe3OTf-TTポリマー(10mg、10.67μmol)及びDMSO(333μL)を混合して、30mg/mLの暗青色溶液を得た。この溶液を2000回転/分でスピンキャストし、厚さ20〜25nmのフィルムを得て、このフィルムを窒素(N2)充填したグローブボックス中のホットプレート(140℃、15分)上で焼き、水を含む残留溶媒を除去した。

0157

N2グローブボックス中、CoCp*2(2mg、6.07μmol、N2下で秤量)をジグリム(12mL)と混合すると、0.5mMのn型ドーパント溶液の溶液が得られた。

0158

工程1:フィルム状態でのnドープ。
N2グローブボックス中、CoCp*2 n型ドーパント溶液(フィルム1平方cmあたり80μL)をポリマーフィルムに接触させて(30秒)、6,000回転/分で回転除去した。ポリマーフィルムは青色から褐色になった。

0159

工程2:過剰イオンの除去。
N2グローブボックス中、無水ジグリム(フィルム1平方cmあたり80μL)をポリマーフィルムに接触させて(10秒)、6000回転/分で回転除去した。

0160

実施例2d -ナトリウムベンゾフェノンケチルによるF3NMe3BrBTのフィルム状態での後ドープ
F3NMe3BrBTポリマー(10mg、151.38μmol)及びMeOH(1mL)を混合して、10mg/mLのイエロー-オレンジ色溶液を得た。この溶液を2000回転/分でスピンキャストすると、厚さ20〜25nmのフィルムが得られた。

0161

N2グローブボックス中、ベンゾフェノン(Ph2CO)(40.0mg、空気中で秤量)を無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(14.6mL)と混合して、15mMの溶液を得た。15mMのPh2CO溶液12.2mLを56.2mgのナトリウム水銀アマルガム(Na5%)に加えた。37.2uLの水銀を混合物に添加した。濁りのないPh2CO溶液は暗青色になり、NaPh2CO n型ドーパントが形成されたことを示した。15mMのNaPh2CO暗青色溶液200uLを1mLの無水ジエチレングリコールジメチルエーテルにより希釈すると、2.5mMのn型ドーパント溶液が得られた。

0162

工程1:フィルム状態でのnドープ
ドーパントをNaPh2COに置きかえた以外、実施例2aと同様である。ポリマーフィルムは淡黄色から青色になった。

0163

工程2:過剰イオンの除去
N2グローブボックス中、無水ジグリム(フィルム1平方cmあたり80μL)をポリマーフィルムに接触させて(30秒)、6000回転/分で回転除去した。X線光電子分光法により、ナトリウム酸化物副生物が十分に除去されたことが示された。これらの結果により、自己補償されたnドープされた状態が達成されたことが確認された。紫外線光電子放出分光法により、3.5eVの仕事関数であることが示された。

0164

実施例2e - NaDPAによるNDIC3NMe3OTf-TTの溶液状態でのドープ
NDIC3NMe3OTf-TTポリマー(5.35mg、5.93μmol)及び無水ジメチルスルホキシド(356μL)を混合して、15mg/mLの青紫色溶液を得た。実施例2aに記載した通り、30mMのNaDPA溶液をジエチレングリコールジメチルエーテル中で調製した。NaDPA溶液をポリマー溶液(1.0当量)に徐々に加えると、暗褐色溶液が得られた。粗製のnドープされたポリマー生成物を無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(5体積)により沈殿させて、6,000回転/分(3100g、5分)で遠心分離器で回収した。次に、この沈殿物を無水ジメチルスルホキシドに溶解すると、暗褐色溶液(繰り返し単位基準、30mM)が得られた。

0165

UV-可視分光法により、ポリマーの繰り返し単位あたり1.0個の電子のドープ密度であることが示された。

0166

実施例2f -コバルトセンによるNDIC3NMe3OTf-TTの溶液状態でのドープ
NDIC3NMe3OTf-TTポリマー(14.4mg、15.9μmol)及び無水ジメチルスルホキシド(500μL)を混合して、10mg/mLの青紫色溶液を得た。実施例2bに記載した通り、100mMのCoCp2溶液をジエチレングリコールジメチルエーテル中で調製した。コバルトセン溶液をポリマー溶液(1.0当量)に徐々に加えると、暗褐色溶液が得られた。粗製のnドープされたポリマー生成物を無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(5体積)により沈殿させて、6,000回転/分(3100g、5分)で遠心分離器で回収した。次に、沈殿物を無水ジメチルスルホキシドに溶解すると、暗褐色溶液(繰り返し単位基準、30mM)が得られた。

0167

UV-可視分光法により、ポリマーの繰り返し単位あたり1.0個の電子のドープ密度であることが示された。赤外分光法により、トリフレート及びコバルタセン(cobaltacene)及びコバルトセニウム不純物が十分に除去されたことが示された。これらの結果により、自己補償されたnドープされた状態が達成されたことが確認された。

0168

実施例2g - NaDPAによりNDIC3NMe3OTf-TTを溶液状態でドープして、自己組織化したnドープされた単層を得る
NDIC3NMe3OTf-TTポリマー(5.35mg、5.93μmol)及び無水ジメチルスルホキシド(356μL)を混合して、15mg/mLの青紫色溶液を得た。実施例2aに記載した通り、15mMのNaDPA溶液をジエチレングリコールジメチルエーテル中で調製した。NaDPA溶液をポリマー溶液(1.5当量)に徐々に加えると、暗褐色溶液が得られた。粗製のnドープされたポリマー生成物を無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(5体積)により沈殿させて、6,000回転/分(3100g、5分)で遠心分離器で回収した。次に、この沈殿物を無水ジメチルスルホキシドに溶解し、10mg/mlの自己補償されたnドープされた溶液を得た。s-d電極上のnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTの自己整合層が、1分間、nドープされたNDIC3NMe3OTf-TTのDMSO中10mg/ml溶液と接触させて、次いで、清浄なDMSOによりフラッド洗浄(flood-wash)して遠心脱水することにより、Au又はAg s-d電極上に自己組織化された。

0169

[実施例3]
デバイス性能の改善
電子注入及び電子抽出の性能における改善を例示するために、実施例が以下に概説される。

0170

実施例3a - nドープされたEILによる深い仕事関数Agからの電子注入
空気中、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(1:6)(PEDT:PSSH)ポリマーフィルムをO2プラズマ清浄ITO基板上にスピンし、N2グローブボックス中でアニール(140℃、15分)した。次に、PEDT:PSSHフィルムの上に、クロロベンゼンからホスト材料であるDPPT2-TTをスピンキャストした。実施例2fに記載されている自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTフィルムをDPPT2-TT上でスピンキャストした。デバイスをAgの蒸発により完成させた。

0171

EILとしてnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTのない参照デバイスは、8Vにおいて注入電流密度0.1Acm-2をもたらした。自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTは、Alの蒸発により完成させた別のデバイスである、DPPT2-TTへのオーミック注入体に類似した参照よりも、1桁高電子電流密度をもたらす(図3)。

0172

実施例3b - nドープされたEILによるITOからの電子注入
N2グローブボックス中、上の実施例2fにおいて記載されている、自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3I-TT及びNDIC3NMe3OTf-TTポリマーフィルムを、O2プラズマ清浄ITO基板上にスピンキャストした。次に、フィルム上に、クロロベンゼンからホスト材料であるPNDI(2OD)-T2をスピンキャストした。デバイスを30nmのPd及び120nmのAgの蒸発により完成させた。

0173

nドープされたEILのない参照デバイスは、4Vにおいて注入電流密度10-2Acm-2をもたらした。自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3I-TT及びNDIC3NMe3OTf-TTは、参照より2桁高い電子電流密度をもたらす(図4)。

0174

実施例3c - nドープされたEILによる深い仕事関数Agからの電子注入
空気中、PEDT:PSSH(1:6)ポリマーフィルムをSC1清浄ITO基板上にスピンし、N2グローブボックス中でアニール(140℃、15分)した。次に、PEDT:PSSHフィルムの上に、トルエンからの厚さ120nmのホスト材料であるPFOPをスピンキャストした。厚さ20nmのF3NMe3BrBTフィルムをPFOP上にスピンキャストし、実施例2dに記載されている通り、nドープした。デバイスをAgの蒸発により完成させた。

0175

EILとしてnドープされたF3NMe3BrBTのない参照デバイスは、8Vにおいて注入電流密度10-4Acm-2をもたらした。自己補償されたnドープされたF3NMe3BrBTは、参照より1桁高い電子電流密度をもたらす(図5)。

0176

実施例3d - nドープされたEILによるITOからの電子注入
N2グローブボックス中、上の実施例2fにおいて記載されている、自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTポリマーフィルムを、O2プラズマ清浄ITO基板上にスピンキャストした。次に、フィルムの上に、クロロベンゼンからホスト材料であるP3HT:PCBM(1:0.8 w/w)をスピンキャストした。5mol%の臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムにより修飾したPEDT:PSSHを活性層上でスピンキャストした。デバイスを120nm Agの蒸発により完成させた。

0177

nドープされたEILのない参照デバイスは、5mAcm-2という低い短絡電流(Jsc)及び0.18Vの低開放回路電圧(Voc)をもたらした。自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTを備えたデバイスは、それぞれ、9mAcm-2及び0.59Vというかなり高いJsc及びVocをもたらす(図6)。

0178

実施例3e - n型トップゲートボトム-コンタクト有機電界効果トランジスタ
ガラス製基板上のシャドーマスクを介して50mの厚いAuソースドレイン(s-d)電極を堆積させると、100μmのチャネル長さ及び3nmのチャネル幅が得られた。従来技術のデバイスに関しては、基板は、UV-オゾンにより清浄した。自己補償されたnドープされたEILの単層を備えたデバイスに関しては、自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTポリマーの単層が、Au s-dの上に自己組織化する。グローブボックス中、クロロベンゼン溶液からの厚さ50nmのポリ{2,5-ビス(2-オクチルドデシル)-3-(5-(チオフェン-2,5-イル)チオフェン-2-イル)-6-(チオフェン-2,5-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン}(DPPT2-T)フィルムを、s-d電極の上にスピンキャストした。グローブボックス中、フィルムを3分間、100℃(ホットプレート)でアニールした。酢酸ブチル中のポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA、Sigma Aldrich;Mw 2M)をOSC上にスピンキャストし、厚さ450nmのゲート絶縁体を得た。グローブボックス中、フィルムを3分間、90℃(ホットプレート)でアニールした。ゲート電極としてシャドーマスクを介して50nmのAgを蒸発させた(デバイス構成に関しては、図7を参照されたい)。

0179

Au電極を有するFETは、対称性に乏しい、予想された二極性挙動をもたらす。EILが挿入されると、p-チャネル特性は、そのVgs閾値の15V下側へのシフト及び正孔電流の低減によって抑制される。Au s-d電極をAgによって置きかえた場合、同様の効果が観察される。結果として、二極性FETは、n-チャネルFETに区別され得る。(図8を参照されたい)。

0180

[実施例4]
nドープされたポリマーフィルムの周囲環境での安定性の改善
PNDI(2OD)-T2をTHFに溶解して10mg/mlの溶液を得た。2.0当量のコバルトセン(THF中)を滴下添加し、ポリマーにドープした。nドープされたPNDI(2OD)-T2のポリマー主鎖上の電子は、コバルトセニウム陽イオンによって電荷のバランスがとられている。別のドーパントであるNaDPAを使用して、PNDI(2OD)-T2をTHF溶液からスピンすると、O2プラズマ清浄ガラス基板の上に厚さ40nmのフィルムが得られた。N2中でフィルムを140℃(ホットプレート)で15分間、アニールした後、ジグリム中で10秒間、1.8mMのNaDPAに接触させて、ドーパントを高速で回転除去した。過剰のイオン及び不純物をACNスピン-洗浄工程によって除去した。こうして、nドープされたPNDI(2OD)-T2のポリマー主鎖上の電子は、ナトリウム陽イオンによって電荷のバランスがとられる。実施例2bに記載されている自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTフィルムをO2プラズマ清浄ガラス基板上で調製した。ここで、対陽イオンは固定される。続いて、これらのドープされたフィルムを周囲環境(22℃、65%RH、遮光)に曝露し、それらのUV-可視スペクトルを異なる時間間隔で収集した。

0181

自己補償されたnドープされたNDIC3NMe3OTf-TTフィルムは、可動性ナトリウム又はコバルトセニウムを有する他の2種のnドープされたフィルムと比べて、かなり良好な安定性(50%のd.l.となるまでの時間は〜2時間)を示した。

0182

[実施例5]
1,3-ジメチル-2-(p-ジメチルアミノ)フェニル-2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール(DMBI)による、NDIC3NMe3OTf-T2及びPNDI(2OD)-T2のフィルム状態でのドープ
非ドープのNDIC3NMe3OTf-T2をDMSOに溶解して40mg/mLの溶液を得た。2当量のDMBI(DMSO中の100mM)を滴下添加し、ポリマー溶液にした。DMBIを使用して及び使用しないで厚さ15nmのフィルムをスピンキャストし、120℃(ホットプレート;N2グローブボックス)で10分間、さらにアニールした

0183

非ドープのPNDI(2OD)-T2をCHCl3に溶解して5mg/mlの溶液を得た。2当量のDMBI(CHCl3中の50mM)を滴下添加し、ポリマー溶液にした。DMBIを使用して及び使用しないで厚さ20nmのフィルムをスピンキャストし、120℃(ホットプレート;N2グローブボックス)で10分間、さらにアニールした。

0184

図9は、非ドープのNDIC3NMe3OTf-T2、DMBIがドープされたNDIC3NMe3OTf-T2(120℃までアニールした)のUV-可視スペクトルを示している。後者は、PNDI(2OD)-T2(これは、NDIC3NMe3OTf-T2と同じp-共役半導体コアを有しているが、拘束された(tethered)対イオンがなく、そのn-ドープされた状態の安定性がより低いために、同一条件下でnドープの広がりがかなり少ないことを示す)に比べて、ドーパント前駆体によるn-ドープを促進して安定化する、その拘束された対イオンのために、より高いドープレベルを有する。

0185

[実施例6]
EILとしてnドープされたF3NMe3OTf-F8を備えた青色発光ダイオードのモデル
非ドープのF3NMe3OTf-F8をACNに溶解して5mg/mLの溶液を得た。溶液を3当量のNa-Hgアマルガム(5重量%のNa)に加えた。Hgを溶液に加えて、合金液化するよう、Na-Hgの濃度を0.05重量%に希釈した。溶液はドープ後、無色から紫がかった赤色になる。

0186

pTFF-F3TFSINa(WF=5.7eV)の厚さ30nmのドープされたフィルムをO2プラズマ清浄ITO基板上に堆積した。グローブボックス中、HILの上に、PFOPをトルエン溶液からスピンキャストし、厚さ90nmのフィルムを得た。nドープされたF3NMe3OTf-F8溶液を0.2mmのポリプロピレンフィルターによりろ過した後、PFOPフィルム上にスピンキャストして厚さ20nmのフィルムを得て、続いてAlを厚さ150nmにした。

0187

上の標準的手順に従い、厚さ45nmのPEDT:PSSHフィルムをO2プラズマ清浄ITO基板上に堆積した。グローブボックス中で、HILの上にPFOPをトルエン溶液からスピンキャストし、厚さ90nmのフィルムが得られ、次いで、厚さ30nmのCaを150nmの厚さのAlでキャップして、対照デバイスを得た。

実施例

0188

図10(左)は、溶液処理したHIL及びEILを備えたダイオードは、JV特性をV-Vbiに整合すると、より高い電流密度を与えることを示している。図10(右)は、このダイオードはまた、エレクトロルミネッセンス効率が、電子が優勢となる対照ダイオード(0.1cdA-1)よりも、1.5桁改善される(2〜3cdA-1)ことにより証明される通り、かなり一層バランスのとれた電子-正孔注入を示すことを示している。

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