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技術 多段階供給を用いる、ステビオール配糖体を生成するための発酵方法

出願人 カーギルインコーポレイテッド
発明者 ジェイムズ・シー・アンダーソンティン・リウ・カールソンアーリーン・エム・フォスマー
出願日 2016年5月27日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2017-561913
公開日 2018年8月9日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2018-521636
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 空気流束 可変速度ポンプ 一定供給速度 消泡剤溶液 相関因子 カルボキシル部位 供給段階 添加システム
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図面 (5)

課題・解決手段

組換え酵母菌を使用して、レバウディオサイドD及びレバウディオサイドM等のステビオール配糖体を生成する方法を開示する。本方法は、少なくとも2つの段階:グルコース含有供給組成物が、各段階において異なる供給方法、例えば可変供給、及び続いて一定供給で培地に提供される、第1及び第2の段階を含む。2段階供給は、第1段階よりも第2段階において遅い増殖速度、並びに、結果的にステビオール配糖体生成速度の増加、発酵時間の減少、及びバイオマス濃度の低下をもたらすことができる。

概要

背景

スクロースフルクトース及びグルコース等の糖類は、飲料、食料薬剤、及び口腔衛生化粧用製品気持ちの良い風味をもたらすために利用されている。特にスクロースは、消費者に好まれる風味を付与する。スクロースは優れた甘味特性をもたらすが、カロリーが高い。消費者の需要を満たすために、非高カロリー、または低カロリー甘味料が導入されてきており、好ましい風味特性を有するこれらの種類の甘味料に対する要求が存在する。

ステビアは、ヒマワリ科(Asteraceae)における約240種の草本及び低木の属であり、北米西部からアメリカ亜熱帯及び熱帯領域に原生している。スイートリーフ(sweetleaf)、スイートリーフ(sweet leaf)、糖葉、または単にステビアとして一般に知られている種Stevia rebaudianaは、その甘みのある葉のために、広範にわたり栽培されている。ステビアベースの甘味料は、葉から1種以上の甘味化合物を抽出することにより得てもよい。これら化合物の多くはステビオール配糖体であり、これらはステビオール配糖体、すなわちジテルペン化合物である。これらのジテルペン配糖体は、糖類よりも約150〜450倍甘い。ステビオール配糖体は、甘味度(sweetness power)、及び、苦味、長続きする後味といった風味の質に寄与する他の感覚的特徴が互いに異なっている。A.D.,Stevia:The genus Stevia,Taylor & Francis,London(2002)を参照のこと。

ステビオール配糖体の例は、WO2013/096420(図1の一覧を参照のこと)、及び、Ohta et.al.,“Characterization of Novel Steviol Glycosides from Leaves of Stevia rebaudiana Morita,”J.Appl.Glycosi.,57,199−209(2010)(例えば、p204の表4を参照のこと)に記載されている。構造上、ジテルペン配糖体は単一コア構造であるステビオールを特徴とし、図2a〜2kに示すように、位置C13及びC19における糖質残基の存在が異なる。PCT特許公報第WO20013/096420号もまた参照のこと。

通常、乾燥重量基準で、ステビアの葉で見出される4種類の主要なステビオール配糖体は、ズルコシドA(0.3%)、レバウディオサイドC(0.6〜1.0%)、レバウディオサイドA(3.8%)、及びステビオシド(9.1%)である。ステビア抽出物で同定された他のグリコシド類としては、レバウディオサイドB、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、ステビオルビオシド、及びルブソシドの1つ以上が挙げられる。

主要なステビオール配糖体であるRebAは、飲料用途において甘味剤として一般に使用されるものの、異味問題を有する。更に最近では、よりよい風味特性を有する、特定の種の微量のステビオール配糖体に焦点が置かれている。例えば、レバウディオサイドMはより高い甘味強度を有し、他のステビオール配糖体よりも一層強力である(例えば、Prakash,I.,et al.(2013)Nat.Prod.Commun.,8:1523−1526、及びWO2013/096420を参照のこと)。レバウディオサイドDの味はスクロースよりも約200〜220倍甘く、感覚的評価では、甘みはゆっくりと始まってとてもすっきりしていた、即ち、スクロースよりも全体的に甘く、スクロースと比較して長続きする甘い後味が少なかった(例えば、Prakash,I.,et al.(2012)Int.J.Mol.Sci.,13:15126−15136を参照のこと)。

発酵によりステビオール配糖体を合成可能な組換え生命体を調製するために、分子技術が使用されてきた。例えば、ステビオール配糖体合成に関係する、複数の導入遺伝子をコードする酵素を有するSaccharomyces cerevisiaeの組換え株は、レバウディオサイドM及びレバウディオサイドDの生成のために使用されてきた(例えば、WO2014/122227を参照のこと)。しかし、組換え生命体を使用する現在の発酵方法は、望ましいステビオール配糖体の生成速度を十分にもたらすことはなく、多量のバイオマスの生成、及び、所望のステビオール配糖体の力価を達成するための、より長い発酵時間とも関係している。

概要

組換え酵母菌を使用して、レバウディオサイドD及びレバウディオサイドM等のステビオール配糖体を生成する方法を開示する。本方法は、少なくとも2つの段階:グルコース含有供給組成物が、各段階において異なる供給方法、例えば可変供給、及び続いて一定供給で培地に提供される、第1及び第2の段階を含む。2段階供給は、第1段階よりも第2段階において遅い増殖速度、並びに、結果的にステビオール配糖体生成速度の増加、発酵時間の減少、及びバイオマス濃度の低下をもたらすことができる。

目的

本発明はまた、本開示の方法に従って得られるステビオール配糖体(複数可)を含む発酵培地、及びまた、発酵培地から得たステビオール配糖体組成物も提供する

効果

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請求項1

ステビオール配糖体複数可)の生成方法であって、前記方法は、(a)培地中で1種以上のステビオール配糖体(複数可)を生成可能な組換え酵母菌を増殖させるステップであって、前記組換え酵母菌は、第1の範囲内の1つ以上の増殖速度(複数可)(希釈速度(複数可))にて増殖し、グルコース含有組成物が、第1の方法に従い前記培地に添加されることを含む、前記増殖させるステップと、(b)前記培地を前記組換え酵母菌により発酵させ、前記1種以上のステビオール配糖体を生成するステップであって、発酵の間に、前記第1の方法とは異なる第2の方法に従って、前記培地にグルコース含有組成物を添加し、また、発酵の間に、第2の範囲内の1つ以上の増殖速度(複数可)(希釈速度(複数可))で前記酵母菌が増殖し、前記第2の範囲は前記第1の範囲よりも小さい、前記生成するステップと、を含む、前記方法。

請求項2

ステップ(a)において、前記増殖速度(希釈速度)は0.06h−1以上である、請求項1に記載の方法。

請求項3

ステップ(a)において、前記第1の範囲は0.06h−1〜0.17h−1である、請求項2に記載の方法。

請求項4

ステップ(a)において、前記第1の範囲は0.09h−1〜0.15h−1である、請求項3に記載の方法。

請求項5

ステップ(b)において、前記増殖速度(希釈速度)は0.09h−1以下である、請求項1に記載の方法。

請求項6

ステップ(b)において、前記第2の範囲は0.015h−1〜0.09h−1である、請求項5に記載の方法。

請求項7

ステップ(b)において、前記第2の範囲は0.015h−1〜0.06h−1である、請求項6に記載の方法。

請求項8

ステップ(b)の前記増殖速度(希釈速度)は、ステップ(a)の最大増殖速度(希釈速度)の50〜90%である、請求項1に記載の方法。

請求項9

ステップ(a)において、前記グルコース含有組成物は、非一定の供給速度である前記第1の方法に従って、前記培地に添加される、請求項1に記載の方法。

請求項10

ステップ(b)において、前記グルコース含有組成物は、一定の供給速度である前記第2の方法に従って前記培地に添加される、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記一定の供給速度は、10gグルコース/L培地/h以下である、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記一定の供給速度は、2gグルコース/L培地/h〜10gグルコース/L培地/hの範囲内である、請求項11に記載の方法。

請求項13

ステップ(a)は、グルコースを添加する前記第1の方法を変更し、前記組換え酵母菌の増殖速度を低下させる1つ以上のサブステップを含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

ステップ(b)において、塩基を添加して、前記培地を、ステップ(a)の前記培地のpHよりも高いpHとする、請求項1に記載の方法。

請求項15

ステップ(b)において、前記培地のpHが6.0以上である、請求項14に記載の方法。

請求項16

ステップ(a)は、前記培地中に3g/L未満のグルコースが存在する時点で開始する、請求項1に記載の方法。

請求項17

ステップ(a)は、ステップ(a)の開始から最大40時間実施される、請求項16に記載の方法。

請求項18

ステップ(b)は、ステップ(a)の開始から30時間またはその後の時点で実施される、請求項16に記載の方法。

請求項19

ステップ(b)は、前記組換え酵母菌の最初の培養から最大130時間実施される、請求項1に記載の方法。

請求項20

ステップ(a)において、前記組換え酵母菌は、少なくとも5gdcw/Lのバイオマス量まで増殖する、請求項1に記載の方法。

請求項21

ステップ(a)において、前記組換え酵母菌は、20gdcw/L〜60gdcw/Lの範囲のバイオマス量まで増殖する、請求項20に記載の方法。

請求項22

ステップ(b)において、前記組換え酵母菌は、180gdcw/Lを超えるバイオマス量まで増殖しない、請求項1に記載の方法。

請求項23

前記組換え酵母菌を含む播種培地を提供するステップを更に含み、前記播種培地を使用して、ステップ(a)の前記第1の培地を形成することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

ステップ(b)において、前記第2の培地は、グルコース、窒素源カリウム源マグネシウム源リン酸源、マグネシウム源、微量金属ビタミン類、及び消泡剤を含む先行請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記1種以上のステビオール配糖体(複数可)は、レバウディオサイドM、レバウディオサイドD、またはレバウディオサイドM及びレバウディオサイドDの両方を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記組換え酵母菌は、Candida、Kloeckera(Hanseniaspora)、Kluyveromyces、Lipomyces、Pichia(Hansenula)、Rhodotorula、Saccharomycete、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Torulopsis、Torulaspora、Yarrowia、及びZygosaccharomycesの種からなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記組換え酵母菌はSaccharomycescerevisiaeである、請求項26に記載の方法。

請求項28

先行請求項のいずれか一項に記載の方法に従って入手したステビオール配糖体を含む発酵培地

請求項29

請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法に従って入手したステビオール配糖体組成物

請求項30

ステップ(a)の間、グルコースの濃度は前記培地中で5g/L以下である、請求項1に記載の方法。

請求項31

ステップ(a)の間、グルコースの濃度は前記培地中で5g/L以下である、請求項30に記載の方法。

請求項32

ステップ(b)の間、グルコースの濃度が前記培地中で5g/L以下である、請求項1に記載の方法。

請求項33

ステップ(b)の間、グルコースの濃度が前記培地中で5g/L以下である、請求項32に記載の方法。

請求項34

請求項1に記載のステップ(b)において、(i)前記組換え酵母菌の呼吸商RQ)を測定して、前記RQが約0.5〜約2.0の範囲内であるか否かを測定するステップと、(ii)前記RQが前記RQ範囲の外にある場合に、前記第2の方法のグルコース添加速度を調整するステップと、(iii)前記組換え酵母菌細胞を用いる、前記培地の発酵工程を通して、ステップ(i)及び(ii)を繰り返すステップと、を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

前記RQ範囲は0.9〜約1.5である、請求項34に記載の方法。

請求項36

前記RQ範囲は1.0〜約1.3である、請求項34に記載の方法。

請求項37

前記RQは、4時間毎〜1時間毎に測定される、請求項34に記載の方法。

請求項38

ステップ(iii)は、前記RQを測定するデバイスまたはソフトウエアに接続したフィードバック制御メカニズムを使用して自動的に実施される、請求項34に記載の方法。

請求項39

約0.5〜約2.0の前記所望のRQ範囲は、発酵開始後約20〜40時間の時点のものである、請求項34に記載の方法。

請求項40

測定ステップ(i)は、前記発酵の排出ガスサンプリングすることにより実施される、請求項34に記載の方法。

請求項41

測定ステップ(i)は、質量分析計赤外線分析器、または常磁性分析器を使用して実施される、請求項34に記載の方法。

請求項42

ステップ(ii)において、前記第2の方法のグルコース添加速度の調整は、前記RQが前記RQ範囲以下に下降する場合にグルコースを増加させるか、または、前記RQが前記RQ範囲を超える場合に前記グルコース供給速度を低下させるか、のいずれかにより調整される、請求項34に記載の方法。

請求項43

前記グルコース添加速度はステップ(ii)で調整され、前記RQを約0.5〜約2.0、0.9〜約1.5、または1.0〜約1.3に維持する、請求項34〜42のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

レバウディオサイドD及びレバウディオサイドMを組み合わせた生成速度は、少なくとも0.02gL−1h−1、0.03gL−1h−1、0.04gL−1h−1、0.05gL−1h−1、0.06gL−1h−1、0.07gL−1h−1、または0.075gL−1h−1である、請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

配列表の参照:
本出願は、2016年5月27日に作成された、「CAR0212WO_Sequence_Listing.txt」と題する、92キロバイトのサイズを有するASCIIテキストファイルとして本明細書と同時に提出された、アミノ酸配列及び/または核酸配列への参照を含む。配列表は、37 C.F.R.§1.52(e)(5)に従い、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。

0002

関連出願の相互参照
本出願は、2015年5月29日に出願された米国特許仮出願第62/168,372号に対する優先権を主張し、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。

0003

本発明は、ステビオール配糖体を生成するための発酵方法発酵組成物、及び、発酵により生成されたステビオール配糖体組成物に関する。

背景技術

0004

スクロースフルクトース及びグルコース等の糖類は、飲料、食料薬剤、及び口腔衛生化粧用製品気持ちの良い風味をもたらすために利用されている。特にスクロースは、消費者に好まれる風味を付与する。スクロースは優れた甘味特性をもたらすが、カロリーが高い。消費者の需要を満たすために、非高カロリー、または低カロリー甘味料が導入されてきており、好ましい風味特性を有するこれらの種類の甘味料に対する要求が存在する。

0005

ステビアは、ヒマワリ科(Asteraceae)における約240種の草本及び低木の属であり、北米西部からアメリカ亜熱帯及び熱帯領域に原生している。スイートリーフ(sweetleaf)、スイートリーフ(sweet leaf)、糖葉、または単にステビアとして一般に知られている種Stevia rebaudianaは、その甘みのある葉のために、広範にわたり栽培されている。ステビアベースの甘味料は、葉から1種以上の甘味化合物を抽出することにより得てもよい。これら化合物の多くはステビオール配糖体であり、これらはステビオール配糖体、すなわちジテルペン化合物である。これらのジテルペン配糖体は、糖類よりも約150〜450倍甘い。ステビオール配糖体は、甘味度(sweetness power)、及び、苦味、長続きする後味といった風味の質に寄与する他の感覚的特徴が互いに異なっている。A.D.,Stevia:The genus Stevia,Taylor & Francis,London(2002)を参照のこと。

0006

ステビオール配糖体の例は、WO2013/096420(図1の一覧を参照のこと)、及び、Ohta et.al.,“Characterization of Novel Steviol Glycosides from Leaves of Stevia rebaudiana Morita,”J.Appl.Glycosi.,57,199−209(2010)(例えば、p204の表4を参照のこと)に記載されている。構造上、ジテルペン配糖体は単一コア構造であるステビオールを特徴とし、図2a〜2kに示すように、位置C13及びC19における糖質残基の存在が異なる。PCT特許公報第WO20013/096420号もまた参照のこと。

0007

通常、乾燥重量基準で、ステビアの葉で見出される4種類の主要なステビオール配糖体は、ズルコシドA(0.3%)、レバウディオサイドC(0.6〜1.0%)、レバウディオサイドA(3.8%)、及びステビオシド(9.1%)である。ステビア抽出物で同定された他のグリコシド類としては、レバウディオサイドB、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、ステビオルビオシド、及びルブソシドの1つ以上が挙げられる。

0008

主要なステビオール配糖体であるRebAは、飲料用途において甘味剤として一般に使用されるものの、異味問題を有する。更に最近では、よりよい風味特性を有する、特定の種の微量のステビオール配糖体に焦点が置かれている。例えば、レバウディオサイドMはより高い甘味強度を有し、他のステビオール配糖体よりも一層強力である(例えば、Prakash,I.,et al.(2013)Nat.Prod.Commun.,8:1523−1526、及びWO2013/096420を参照のこと)。レバウディオサイドDの味はスクロースよりも約200〜220倍甘く、感覚的評価では、甘みはゆっくりと始まってとてもすっきりしていた、即ち、スクロースよりも全体的に甘く、スクロースと比較して長続きする甘い後味が少なかった(例えば、Prakash,I.,et al.(2012)Int.J.Mol.Sci.,13:15126−15136を参照のこと)。

0009

発酵によりステビオール配糖体を合成可能な組換え生命体を調製するために、分子技術が使用されてきた。例えば、ステビオール配糖体合成に関係する、複数の導入遺伝子をコードする酵素を有するSaccharomyces cerevisiaeの組換え株は、レバウディオサイドM及びレバウディオサイドDの生成のために使用されてきた(例えば、WO2014/122227を参照のこと)。しかし、組換え生命体を使用する現在の発酵方法は、望ましいステビオール配糖体の生成速度を十分にもたらすことはなく、多量のバイオマスの生成、及び、所望のステビオール配糖体の力価を達成するための、より長い発酵時間とも関係している。

0010

本発明は一般に、組換え酵母菌を使用したステビオール配糖体の生成方法、及び発酵組成物、並びに、1種以上のステビオール配糖体を含む発酵製品に関する。本開示の発酵状態は、以下の1つ以上を促進することができる:組換え酵母菌からのステビオール配糖体の力価の増加、ステビオール配糖体の生成速度の増加を含む、細胞活性の増加、収率の増加、発酵時間の減少、及び、バイオマス濃度の低下。代表的実施形態において、本方法は、レバウディオサイドM、レバウディオサイドD、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、及びこれらの組み合わせ等のステビオール配糖体の生成に使用することができる。

0011

本発明の一実施形態は、ステビオール配糖体(複数可)の生成方法を提供し、この方法は、
(a)培地中で1種以上のステビオール配糖体(複数可)を生成可能な組換え酵母菌を増殖させることであって、組換え酵母菌は、第1の範囲内の1つ以上の増殖速度(複数可)(希釈速度(複数可))にて増殖し、グルコース含有組成物が、第1の方法に従い培地に添加されることを含む、増殖させることと、
(b)培地を組換え酵母菌により発酵させ、1種以上のステビオール配糖体(複数可)を生成することであって、発酵中に、第1の方法とは異なる第2の方法に従い、グルコース含有組成物が培地に添加され、発酵中に、酵母菌は、第2の範囲内の1つ以上の増殖速度(複数可)(希釈速度(複数可))で増殖し、第2の範囲は第1の範囲よりも小さい、生成することと、
を含む。

0012

本発明の別の実施形態は、ステビオール配糖体(複数可)の生成方法を提供し、この方法は、
組換え酵母菌の増殖及び発酵を伴う、少なくとも工程(a)及び(b)。工程(a)(即ち、第1段階)において、1種以上のステビオール配糖体(複数可)を生成可能な組換え酵母菌は、第1の範囲内の1つ以上の増殖速度(複数可)(希釈速度(複数可))にて、培地内で増殖する。工程(a)ではまた、酵母菌を第1の範囲内で増殖させる第1の方法に従い、グルコース含有組成物が培地に添加される。工程(b)(即ち、第2段階)において、組換え酵母菌を発酵させて、1種以上のステビオール配糖体(複数可)を生成し、ここで、第1の方法とは異なる第2の方法に従い、グルコース含有組成物が培地に添加される。工程b)の間に、第2の方法に従った添加を行うことで、第1の範囲よりも小さい第2の範囲内で、酵母菌が1つ以上の増殖速度(複数可)(希釈速度(複数可))にて増殖する。
を含む。

0013

例示的な方法において、酵母菌は、工程(a)において、約0.06h−1〜約0.15h−1の範囲の増殖速度、及び、工程(b)において、約0.015h−1〜約0.09h−1の範囲の増殖速度を有する。工程(a)から工程(b)への増殖速度の変化は、例えば、グルコース含有組成物を培地に添加する速度を変更すること、または、グルコース含有組成物を培地に添加する方法の変化、例えば、工程(a)において非一定速度の供給を行い、次いで工程(b)において、一定速度の供給を行うことによる、添加「方法」の変化により引き起こすことができる。

0014

別の例示的な方法において、組換え酵母菌は、工程(a)において、5g dcw/L〜60g dcw/Lの範囲でバイオマス量まで、続いて、工程(b)において、150g dcw/Lを超えないバイオマス量まで増殖する。

0015

更に別の例示的方法では、組換え酵母菌は、呼吸商RQ)、酸素吸収速度(OUR)、二酸化炭素放出速度(CER)、またはこれらの組み合わせに基づいて、グルコースの供給速度を制御することにより増殖する。いくつかの例示的方法において、発酵段階の間にグルコースを、約0.5〜約2.0の範囲内のRQに調節する。

0016

本発明はまた、本開示の方法に従って得られるステビオール配糖体(複数可)を含む発酵培地、及びまた、発酵培地から得たステビオール配糖体組成物も提供する。

図面の簡単な説明

0017

例示的なメバロン酸経路を示す。

0018

例示的な非メバロン酸経路を示す。

0019

ステビオール生成のための例示的経路を示す。

0020

ステビオールからのステビオール配糖体の生合成のための例示的経路を示す。

実施例

0021

本明細書で記載される本開示の実施形態は排他的であることを意図するものでなく、または、本発明を、以下の詳細の説明に開示される正確な形態に限定することを意図するものでもない。むしろ、選択及び記載される実施形態の目的は、本発明の原理及び実践の当業者による評価及び理解を促進することを可能にするということである。

0022

本開示の発酵方法では、ステビオール配糖体を生成可能な組換え酵母菌を用いる。ステビオール配糖体を生成可能な組換え酵母菌は、細胞内で1種以上のステビオール配糖体の形成を促進する酵素(複数可)をコードする1種以上の外来性核酸を含むことができる。

0023

本明細書で使用する場合、用語「ステビオール配糖体(複数可)」は、ステビオールの配糖体を意味する。例示的なステビオール配糖体としては、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、ステビオシド、ステビオルビオシド、ズルコシドA、ルブソシドが挙げられるが、これらに限定されない。組換え酵母菌は、自然に見出される(自然に発生する)ステビオール配糖体と同じステビオール配糖体、及び、自然に見出されないステビオール配糖体を生成することができる。ステビオール配糖体は、酵素プロセスにより組換え酵母菌内で形成することができる。

0024

構造上、ステビオール配糖体は中心の分子部位を有し、これは単一のステビオール基部、並びに、以下に示す基部での原子ナンバリングに従った、ステビオール基部のC13及び/またはC19原子に結合したグルコピラノシル残基である。即ち、グルコピラノシル残基は、以下の式において、R2基及びR1基を示す。

0025

以下の表Aは、種々のステビオール配糖体、並びに対応するR1基及びR2基を示す。

Glu:グルコース
Rha:ラムノース

0026

本開示に従うと、ステビオール配糖体は、少なくとも2つの段階:グルコース含有供給組成物が、各フェーズにおいて異なる供給方法、例えば可変供給、及び続いて一定供給で培地に提供される、第1及び第2段階を有するプロセスで生成される。本明細書に記載した2段階供給プロセスは、第1段階よりも第2段階において遅い増殖速度、並びに、結果的にステビオール配糖体生成速度の増加、発酵時間の減少、及びバイオマス濃度の低下をもたらすことができる。組換え酵母菌は、ステビオール配糖体の合成のための経路を提供する一連の酵素を有することができる。例えば、本プロセスは、RebM及びRebD等のステビオール配糖体を生成することができる。

0027

本開示の方法は、組換えを行った種々の酵母菌宿主細胞を使用して、1種以上のステビオール配糖体への経路を提供することができる。このような細胞は、ステビオール配糖体合成のための、1つ以上のDNA構築物(複数可)をコードする酵素により形質転換することができる。ステビオール配糖体経路酵素をコードする外来性DNA構築物に対する宿主使用可能な例示的な酵母菌としては、Candida、Kloeckera(Hanseniaspora)、Kluyveromyces、Lipomyces、Pichia(Hansenula)、Rhodotorula、Saccharomycete、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Torulopsis、Torulaspora、Yarrowia、及びZygosaccharomycesの種が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な種は、Candida albicans、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiae、及びSchizosaccharomyces pombe、及びYarrowia lipolyticaである。更に、宿主細胞はまた、発酵の間に向上した性能を付与し得る、ステビオール配糖体経路のもの以外の遺伝子組換えも含むことができる。

0028

「組換え酵母菌」とは、細胞のゲノム統合されたか、またはプラスミドもしくはエピソーム等の染色体外構築物に存在するかのいずれかの、細胞に導入された少なくとも1つの外来性DNA配列を有する酵母細胞を意味する。用語「外来性」とは、宿主酵母菌に導入された分子(例えば核酸)、または活性(例えば酵素活性)を意味する。外来性核酸を、周知の技術によって酵母菌宿主に導入することが可能であり、かつ、宿主染色体物質の外部で維持可能である(例えば、非統合ベクターで維持可能である)か、または、例えば組換え事象により、酵母菌の染色体に統合することができる。一般に、組換え酵母菌のゲノムは、1つ以上の組換え遺伝子を安定的に導入することより補完される。外来性核酸は、酵母菌に相同または異種のいずれかである酵素、またはその一部をコードすることができる。外来性核酸は、分子技術により操作される1つ以上の方法で、自然に存在しない形態となった核酸を意味する「組換え遺伝子またはDNA構築物」の形態で存在することができる。

0029

用語「異種」(例えば「非ネイティブ」)とは、言及される分子または生命体とは異なる源からの分子または活性を意味する。したがって、言及される生命体に異種である遺伝子またはタンパク質は、その生命体では見出されない遺伝子またはタンパク質である。本開示との関係においては、「異種グリコシルトランスフェラーゼ」とは、宿主生命体に対してネイティブであり得るあらゆるグリコシルトランスフェラーゼポリペプチドとも異なるグリコシルトランスフェラーゼポリペプチドを意味する。例えば、第1の種で見出され、第1の種とは異なる宿主酵母菌生命体に外来的に導入される特定のグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子は、宿主酵母菌に対して「異種」である。

0030

組換え酵母菌は、ステビオール配糖体経路酵素をコードする核酸を有する形質転換体を選択するのに好適な栄養素要求性マーカーを用いることができる。宿主酵母菌は、栄養素要求性を制御する1種以上の遺伝子、例えばLYS2、LEU2、HIS3、URA3、URA5、及びTRP1における変異(欠失等)を含むことができる。1種以上の外来性遺伝子を導入するための所望の遺伝的背景を有する宿主細胞を用いることで、1つ以上の遺伝子構築物(複数可)を細胞に導入してゲノムに統合するか、または安定して保持され、発現を可能にする。遺伝子構築物を宿主細胞に導入するための方法としては形質転換、形質導入トランスフェクション、コトランスフェクション、及び電気穿孔法が挙げられる。特に、酵母菌の形質転換は、酢酸リチウム法、プロトプラスト法等を使用して実施することができる。導入される遺伝子構築物は、プラスミドの形態で、または宿主の遺伝子内への挿入により、または宿主の遺伝子による相同組み換えにより、染色体に組み込まれてよい。遺伝子構築物が導入される形質転換酵母菌を、選択マーカー(例えば、上述した栄養素要求性マーカー)を用いて選択することができる。発現したタンパク質の活性、またはステビオール配糖体等のバイオ生成物の生成を測定することにより、更なる確認を行うことができる。

0031

ステビオール経路遺伝子を含む外来性核酸配列の形質転換を、当該技術分野において周知の方法を用いて確認することができる。このような方法としては、例えば、mRNAノーザンブロットもしくはポリメラーゼ連鎖反応PCR増幅、もしくは遺伝子産物の発現のための免疫ブロット法、または、導入した核酸配列、もしくは対応するその遺伝子産物の発現を試験するための、他の好適な分析方法等の核酸分析が挙げられる。所望の生成物を生成するのに十分な量で外来性核酸が発現していることが、当業者によって理解されており、当該技術分野において周知の方法、及び本明細書で開示した方法を使用して、発現レベルを最適化して十分な発現を得ることができることが更に理解されている。

0032

テルペノイド化合物であるイソペンテニル二リン酸(IPP)及びジメチルアリル二リン酸DMAPP)は、組換え酵母菌において、ステビオール配糖体の化学物質前駆体として機能することができる。植物、昆虫、及びいくつかの微生物種を含むいくつかの生命体は、一連の化学的中間体を経由して、アセチル−CoAをIPP及びDMAPPに転換するメバロン酸(MVA)経路を有する。いくつかの生命体は、グリセルアルデヒド−3−リン酸(G3P)及びピルビン酸(PYR)から始まる非メバロン酸経路(メチルD−エリスリトール4−リン酸またはMEP経路としても知られている)によりIPP及びDMAPPを生成する。

0033

酵母菌Saccharomyces cerevisiaeはメバロン酸経路の遺伝子を自然に発現する。メバロン酸経路遺伝子は、(a1)アセトアセチルCoAチオラーゼ(EC 2.3.1.9)、(b1)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoAシンターゼ(EC 4.1.3.5);(c1)HMG−CoAレダクターゼ(EC 1.1.1.34);(d1)メバロン酸キナーゼ(EC 2.7.1.36);(e1)ホスホメバロン酸キナーゼ(EC 2.7.4.2);及び(f1)メバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼ(EC 4.1.1.33)を含む。メバロン酸経路の酵素は、以下の通りにアセチル−CoAをIPPに転換する:アセチル−CoA→アセトアセチル−CoA→3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA→メバロン酸→メバロン酸−5−リン酸→メバロン酸−5−ピロリン酸→IPP。図1もまた参照のこと。

0034

いくつかの実施形態では、組換え酵母菌は、1つ以上の変異を含み、アセチル−CoAからIPP及び/またはDMAPPへの流動を増加させることができ、これにより、ステビオールへの経路に使用するためのIPP及び/またはDMAPPのプールの増加をもたらす。変異としては、例えば、発現の増加をもたらすプロモーターの制御下において、酵母菌細胞に相同もしくは異種である酵素をコードする核酸を配置すること、核酸の複数のコピーを使用すること、及び/または、ネイティブ酵素と比較して、より高レベルの酵素活性を提供する、異種酵素、変異酵素(例えば1つ以上のアミノ酸置換基を含むもの)、もしくは変異異種酵素を使用すること等により、1つ以上のメバロン酸経路酵素(a1)〜(f1)の発現または活性を増加させること、を挙げることができる。

0035

あるいは、非メバロン酸(MEP)経路を使用して、ステビオール配糖体生成の前駆体として、IPP及びDMAPPを提供することができる。酵母菌Saccharomyces cerevisiaeは、MEP経路の遺伝子を自然には発現しないが、所望により組換えを行うことで、MEP経路遺伝子を付与することができる。理論上、MEP経路は一般的に、MVA経路と比較して、CO2として失う炭素がより少ない(MEP経路:1CO2/IPP;MVA経路:4CO2/IPP;炭素源としては糖)ため、エネルギー的により効率的である。

0036

特に、非メバロン酸(MEP)経路においては、化合物のイソペンテニル二リン酸(IPP)、ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)は、グリセルアルデヒド−3−リン酸(G3P)及びピルベート(PYR)から導かれる一連の中間体により生成され、多数の酵素がこの転換を担う。G3P及びPYRからIPP及びDMAPPへの生合成経路関与する酵素としては、(a2)1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸シンターゼ(DXS)、(b2)1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸リダクトイソメラーゼ(ispC)、(c2)4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールシンターゼ(IspD)、(d2)4−ジホスホシチジル−2−C−メチル−D−エリスリトールキナーゼ(IspE)、(e2)2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸シンターゼ(IspF)、(f2)1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸シンターゼ(IspG)、(g2)4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸レダクターゼ(IspH)、及び(h2)イソペンテニル−二リン酸イソメラーゼ(IDI)が挙げられる。図2を参照のこと。

0037

発酵によりステビオール配糖体(複数可)を生成するための本開示の方法では、1つ以上の遺伝子変異を有する組換え酵母菌を使用して、G3P及びPYRからIPP及び/またはDMAPPへの流動を増加させることができ、これにより、ステビオールへの経路に使用するためのIPP及び/またはDMAPPのプールの増加をもたらす。変異としては、例えば、発現の増加をもたらすプロモーターの制御下において、酵母菌細胞に異種の酵素をコードする核酸を配置すること、核酸の複数のコピーを使用すること、及び/または、高レベルの酵素活性を付与する異種酵素、変異酵素(例えば、1つ以上のアミノ酸置換基を含むもの)、もしくは変異異種酵素により、1種以上の酵素(a2)〜(h2)の発現または活性を増加させること等を挙げることができる。

0038

組換え酵母菌を用いることができる、発酵によりステビオール配糖体(複数可)を生成するための本開示の方法はまた、IPP及び/またはDMAPPをステビオールに転換する経路も含むことができる。例えば、いくつかの態様において、組換え酵母菌は、以下の酵素:(a3)ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(GGPPS)、(b3)コパリル二リン酸シンターゼ(CPS)、(c3)カウレンシンターゼ(KS)、(d3)カウレンオキシダーゼ(KO)、及び(e3)カウレン酸13−ヒドロキシラーゼ(KAH)を発現する外来性核酸を含むことができる。図3を参照のこと。メバロン酸経路の酵素は、以下の通りにIPP及び/またはDMAPPをステビオールに転換する:IPP/DMAPP→ゲラニルゲラニル二リン酸→コパリル二リン酸→カウレン→カウレン酸→ステビオール。図3を参照のこと。酵母菌細胞に異種の酵素(a3)〜(e3)をコードする外来性核酸を、核酸の複数のコピーを使用すること、及び/または変異酵素(例えば、1つ以上のアミノ酸置換基を含むもの)、もしくは、高レベルの酵素活性をもたらす変異異種酵素を使用して、発現の増加をもたらすプロモーターの制御下において配置することができる。

0039

発酵によりステビオール配糖体(複数可)を生成するための本開示の方法では、ステビオールをステビオール配糖体に転換する任意の経路を有する組換え酵母菌を用いることができる。2種以上のステビオール配糖体経路酵素が組換え酵母菌に存在する場合、酵母菌は異なるステビオール配糖体を生成することが可能であり得る。例えば、酵母菌は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11種以上の異なるステビオール配糖体種を生成することが可能であり得る。

0040

ステビオール配糖体経路は、活性化したヌクレオチド糖から受容体分子への、グリコシル残基の移動を仲立ちする1種以上のウリジン二リン酸UDP)グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)を含むことができる。ステビオール配糖体経路の場合、単糖類を、ステビオールもしくはステビオール配糖体分子上のヒドロキシルもしくはカルボキシル部位、または、ステビオール基部に結合したグルコース基上のヒドロキシル基に移動することができる。図4を参照のこと。UGTは、配列相同性に基づいてファミリー及びサブファミリー分類されている。Li,et al.,2001,J.Biol.Chem.276:4338−4343を参照のこと。それぞれが42個のアミノ酸コンセンサス配列を含有する、UGTをコードする100種以上の遺伝子のスーパーファミリーモデル植物であるArabidopsis thalianaで同定されており、UGTをコードする遺伝子がいくつかの他のより高次植物種でも同定されている。

0041

例示的なUDP−グルコシルトランスフェラーゼは、ステビオール及び/またはステビオール配糖体基質に少なくとも1つのグルコース単位を付加して標的ステビオール配糖体をもたらすことができる、任意のUDP−グルコシルトランスフェラーゼであることができる。一実施形態では、組換え酵母菌は、群UGT74G1(配列番号:1)、UGT85C2(配列番号:2)、UGT76G1(配列番号:3)、UGT91D2(配列番号:4)、並びにまた、これらのポリペプチドに実質的同一性(例えば>85%、>75%、>65%、>55%、>45%及び>35%)を有するUGTから選択される、1つ以上のUDP−グルコシルトランスフェラーゼを含むことができる。組換え酵母菌は、これらのUGTをコードする1つ以上の外来性核酸分子(複数可)を含むことができる。

0042

組換え酵母菌は更に、1種以上のUGT、及びUGT−グルコース再利用酵素(複数可)を含むことができる。少なくとも1つのグルコース単位をルブソシドに付加させてステビオシドを形成可能な、例示的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT91D2である。少なくとも1つのグルコース単位をステビオシドに付加させてレバウディオサイドAを形成可能な、例示的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT76G1である。少なくとも1つのグルコース単位をレバウディオサイドAに付加させて、レバウディオサイドDを形成可能な例示的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT91D2である。少なくとも1つのグルコース単位をレバウディオサイドDに付加させて、レバウディオサイドMを形成可能な例示的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT76G1である。

0043

ステビオール配糖体生成のための組換え微生物、及びステビオール配糖体経路酵素について記載している代表的な出版物としては、例えば、US2014/0357588、WO2014/193934、WO2014/193888、及びWO2014/122227が挙げられ、これらそれぞれの全体が参考として本明細書に組み込まれる。

0044

一実施形態では、ステビオール配糖体の生成に有用な組換え酵母菌は、以下の酵素:ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(GGPPS)、entコパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)、カウレンオキシダーゼ(KO)、カウレンシンターゼ(KS);ステビオールシンターゼ(KAH)、シトクロムP450レダクターゼ(CPR)、UGT74G1、UGT76G1、UGT91D2、UGT85C2及びEUGT11を発現する。WO2014/122227は、これらの酵素を発現する組換え酵母菌株について記載している。UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、ポリペプチドをコードする遺伝子、例えば、UGT74G1(配列番号:1)、UGT85C2(配列番号:2)、UGT76G1(配列番号:3)、UGT91D2(配列番号:4)、及びEUGT11(配列番号:13)であることができる。これらの遺伝子は、多数の反応を行うことが可能なポリペプチド、例えば、a)ステビオール配糖体の19−OグルコースのC2’のβ−1,2グルコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(b)ステビオール配糖体の13−O−グルコースのC2’のβ−1,2−グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(c)ステビオール配糖体の19−O−グルコースのC3’のβ−1,3グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(d)ステビオール配糖体の13−O−グルコースのC3’のβ−1,3−グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(i)ステビオールまたはステビオール配糖体の13−OHのグリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(j)ステビオールまたはステビオール配糖体のC−19カルボキシル基のグリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子をコードする。例えば、UGT85C2は反応(i)を行い、UGT74G1は反応(j)を行い、UGT91D2は反応(a;弱く)、(b)を行い、UGT76G1は反応(c)及び(d)を行い、EUGT11は反応(a)、(b;さほど良好でない)を行う。

0045

用語「培地」とは、組換え酵母菌または菌類を維持可能、これらが増殖可能、発酵可能、またはこれらの組み合わせが可能な液体組成物を意味する。「培地」はまた、「液体培地」または「細胞培養液」のように呼ばれてもよく、用語「増殖」「分裂」「呼吸」、及び「発酵」等の用語は、培地で発生する細胞活性の種類をより具体的に規定するために用いられ得る。

0046

培地は、培地に存在する構成成分、及びそれらの量、例えば、(a)糖質(グルコース等)及びデンプン生成物マルトデキストリン等)を含む炭素源;(b)酵母菌窒素塩基水酸化アンモニウム尿素硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせ等の窒素源;(c)リン酸カリウム一塩基性二塩基性)、硫酸マグネシウム塩化ナトリウム、及び塩化カルシウム等の塩類;(d)ビオチンパントテン酸カルシウム葉酸、(myo)−イノシトールニコチン酸p−アミノ安息香酸ピリドキシンHCl、リボフラビンチアミンHCL、及びクエン酸等のビタミン類;並びに/または(e)ホウ酸硫酸銅塩化コバルト、塩化カルシウム、ヨウ化カリウム塩化第二鉄、硫酸マグネシウム、塩化マンガンモリブデン酸ナトリウム、及び硫酸亜鉛等の微量金属に対応して規定することができる。培地中の構成成分は、乾燥重量基準で規定することができる。更に、培地は水ベース、即ち「水性」組成物である。培地はまた、pH、及び生体適合性酸塩基、及び、培地のpHを制御するために使用する緩衝液に関して規定することができる。

0047

例示的実施形態において、工程(a)及び(b)での培地内のグルコースの濃度を、約0g/L〜約5g/L、または0g/L〜約2g/Lの範囲に維持する。例示的実施形態において、酵母菌窒素塩基、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、酵母菌抽出物等の、培地内の窒素源(総量)の濃度は、約5g/L〜約40g/Lの範囲内である。例示的実施形態において、培地中の塩(総量)、例えば硫酸マグネシウムを含む塩の濃度は約0g/L〜約12g/Lの範囲内であり、リン酸カリウムを含む塩の濃度は約0g/L〜約22g/Lの範囲内である。例示的実施形態において、培地中の微量金属(総量)の濃度は、約0g/L〜約0.4g/L、または0g/L〜約0.2g/Lの範囲内である。

0048

組換え酵母菌を含む培地に組成物(「供給組成物」)を添加して、培地の体積を増加させることができ、組換え酵母菌が培地内で増殖するにつれ、バイオマスの量が増加する。供給組成物は、酵母菌増殖及び発酵のための構成成分を含み、所望の培地を形成することができる。供給組成物としては、糖質(複数可)、窒素源(例えば水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム)、酵母菌抽出物、またはこれらの任意の組み合わせ;塩類、ビタミン類、及び微量金属を挙げることができる。供給組成物中の構成成分の濃度は、培地中の構成成分の濃度より高くてよく、そのため、供給組成物が添加された場合、組換え酵母菌の発酵に好適な培地中に、所望の量の構成成分をもたらす。

0049

組換え酵母菌の発酵は、任意の植物及び植物部位、例えば塊茎、根、、葉、及び種子に由来可能な植物物質を含有するデンプン及び/または糖を用いて行うことができる。デンプン及び/または糖含有植物物質は、穀物、例えば大麦小麦トウモロコシライ麦サトウモロコシ雑穀、大麦、ジャガイモキャッサバ、または米及びこれらの任意の組み合わせから入手することができる。デンプン及び/または糖含有植物物質は、例えばミリング麦芽製造法、または部分的麦芽製造法等の方法により、加工することができる。いくつかの実施形態では、工程(a)及び(b)用の培地は、処理済みデンプンを含む。例えば、増殖及び/または発酵用培地は、部分加水分解デンプンを含むことができる。部分加水分解デンプンは、より分子量の大きいデキストリン、及びより分子量の大きいマルトデキストリンを含むことができる。ステビオール配糖体生成に有益な所望の範囲内の量で、デンプン及びデンプン分解生成物を有する部分加水分解デンプン生成物を使用することができる。

0050

所望により、発酵段階の間に組換え酵母菌により利用可能な、グルコース等の単糖類の濃度を増加させるために、デンプン物質を含む培地に、デンプン分解酵素を添加することができる。例示的なデンプン分解酵素としては、グリコアミラーゼ及びアミラーゼ等のデンプン分解酵素が挙げられる。いくつかの実施形態では、フルクトース、スクロース、マルトースマルトトリオース等の発酵可能な糖を、グルコースの代わりに、またはグルコースに加えて、培地中に含めることができる。

0051

いくつかの任意の実践方法において、ステビオール含有化合物を含む培地内で発酵を行うことができる。このような化合物は、組換え酵母菌内のグルコシルトランスフェラーゼにより直接使用することができる。例えば、所望により、ステビオール−13−O−グルコシドまたはステビオール−19−O−グルコシド含有培地内で発酵を行うことができる。この培地を用いることで、微生物が、機能的EUGT11、機能的UGT74G1、機能的UGT85C2、機能的UGT76G1、及び機能的UGT91D2をコードする遺伝子を含有し、これらを発現し得る。レバウディオサイドA、レバウディオサイドD、及びレバウディオサイドM等の化合物を、発酵培地から入手することができる。別の選択肢として、ルブソシド含有培地内で発酵を行うことができる。この培地を用いることで、微生物が、機能的EUGT11、機能的UGT76G1、及び機能的UGT91D2をコードする遺伝子を含有し、これらを発現し得る。レバウディオサイドA、D、及びM等の化合物を、発酵後の培地から入手してよい。

0052

場合によっては、商業規模での経済的恩恵と制御を達成するために、工業的容量のある発酵槽内で発酵を行う。一実施形態では、発酵は、約10,000リットル以上の容量を有する発酵槽内で行われる。

0053

用語「第1段階」及び「第2段階」(及び所望により、必要であれば「前段階」、「第3段階」、「第4段階」、「第5段階」等)を使用して、培地に関して、ステビオール配糖体の生成方法の態様を記載してよい。用語「段階(stage)」を、「段階(phase)」に関して用いてもよい。本プロセスは、例えば、供給組成物を、前の第1段階において供給組成物を添加する方法とは異なる方法で、処理後の第2段階において培地に添加することにより、培地が各段階で異なるように処理される、2つ以上の段階を含む。添加方法の違いは、組換え酵母菌の増殖、及び、本プロセス間におけるステビオール配糖体の生成に影響を与える。

0054

(第1の添加方法により細胞増殖が制御される)第1段階の前に、細胞を「前段階」に従って培養することができる。前段階は、細胞が培地内で増殖し、培地構成成分(糖質、窒素源、塩類、ビタミン類、微量金属)に馴化する「播種初期増殖段階」であることができる。細胞への糖質の供給は、この段階が第1段階と第2段階の間であるため、細胞が最大の生物学的速度で増殖し得るため、前段階において制御されない。例えば、前段階の細胞はバッチで供給されてよい。細胞が培地に馴化すると、細胞は増殖段階に突入し、細胞数が増加する。前段階の間、組換え酵母菌は出芽により増加することが可能であり、これは酵母菌分裂と呼ばれる。

0055

例えば、前段階の間、糖質(複数可)、窒素源(酵母菌窒素塩基、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせ)、塩類、ビタミン類、及び微量金属を含む増殖組成物を、組換え酵母菌を含む培地にバッチプロセスで添加することができる。いくつかの実践方法においては、組成物を添加して、単一の窒素源として、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの組み合わせを有する培地を提供する。同一の組成物を、後の第1段階において供給組成物として使用することができ、この段階では、培地への供給組成物の添加方法により、細胞増殖が制御される。

0056

急速な細胞増殖及びバイオマスの増加を特徴とする前段階の後、第1の添加方法に従って、組成物を含有するグルコースの添加を制御することにより、第1段階(例えば工程a)を開始することができる。第1段階は、例えば供給溶液がどのように培地に添加されるのか、そして、添加のその種類に応じてどのように細胞が増殖するのか等、種々の方法で記載することができる。

0057

添加方法が、組換え酵母菌の倍加時間に影響を及ぼす可能性がある。第1段階における倍加時間は、前段階の倍加時間よりも長くすることができる(より遅い増殖)。第1段階の間、培地のバイオマスは増加することができるが、バイオマスは、前段階で見られる増加よりも低い速度で増加し得る。第1段階はまた、第2段階と比較して、細胞がどのように増殖するかの観点から記載することも可能であり、ここでは、供給溶液が、第1の方法とは異なる第2の方法で、培地に添加される。

0058

例えば、第1段階において、酵母菌は1つ以上の増殖速度(複数可)を達成する条件下において、培地内で増殖することができる。増殖速度は、培地を発酵槽に供給し、第2段階における増殖よりも大きな第1の範囲内にある、特定の希釈速度(複数可)に到達する供給速度を制御することにより制御されてよい。例えば、播種/増殖段階において、増殖速度(μ)は、約0.06h−1以上、例えば、約0.06h−1〜約0.17h−1、または約0.09h−1〜約0.15h−1の範囲内の速度であることができる。増殖は、例えば600nmにおける光学密度により測定することができる。増殖速度は、増殖速度測定に基づいて供給培地の供給速度を調整することにより、例えば、供給速度を増加させて増殖速度を増加させることにより、または、供給速度を低下させて増殖速度を低下させることにより、制御することができる。

0059

所望により、第1段階は、培地内のグルコース濃度の観点から記載することができる。例えば、いくつかの実践方法においては、第1段階は、培地内に3g/L未満のグルコースが存在するときに開始される(グルコースは、YS12700 Select Chemical Analyzer,Yellow Springs,OHを使用することにより測定してよい)。例えば、前段階の間の、培地内のグルコースの量を監視することができ、濃度が3g/L未満に下がったときに、第1段階の供給を開始することができる。

0060

第1段階における所望の増殖速度は、第1の方法に従ってグルコース含有組成物を培地に添加することにより達成可能である。「供給方法」とは、グルコースを含有する供給組成物を、組換え酵母菌を有する培地に添加する方法を意味する。供給方法は、一定速度の供給、非一定速度の供給、供給組成物の連続添加、供給組成物のバルク添加等を含む。いくつかの供給方法においては、第1段階の間に、供給組成物を非一定速度の供給で培地に添加する。例えば、非一定速度の供給は、変更可能な供給速度であることができる。

0061

変更可能な供給速度とは、供給溶液を培地に添加する期間にわたって、2つ以上の異なる速度で、供給溶液を培地に添加することを意味する。いくつかの実践方法においては、変更可能な速度での供給の間に、一定時間を経て速度が低下する。例えば、本プロセスの増殖段階において、供給は、増殖段階初期の、より速い供給速度から、増殖段階後期における、より遅い供給速度に変化することができる。このことは、供給速度を一定に低下させることにより実施することができるか、または、一連の小さな漸減工程により実施することができる。任意の実践方法において、変更可能な供給速度は、供給速度を増加させた後、供給速度を低下させることを含むことができる。

0062

変更可能な供給速度は、変更可能な速度の添加システムを用いて達成することができる。このようなシステムの例は、可変速度ポンプ、またはポンプに操作可能に接続された絞り弁スロットルバルブ等)を含むことができ、このポンプまたは弁を利用して、時間の経過とともに発酵培地に導入される供給組成物の量を変化させることができる。

0063

第1段階はまた、培地と関係する1つ以上のパラメーター、例えば、第1段階の期間、培地温度、増殖したバイオマスの量、及び培地のpHを参照して説明されてよい。いくつかの実践方法においては、変更可能な供給速度を行う第1段階を、約2時間以上〜最大約40時間の期間行うことができる。例えば、第1段階は約10時間以上、例えば、約10時間〜約30時間、または約10時間〜約24時間の期間とすることができる。第1段階は、組換え酵母菌の増殖誘導期の全てまたは一部、及び、組換え酵母菌の増殖対数指数)期の全てまたは一部を包含してよい。この期間の後、続いて、グルコースを含む供給組成物を培地に添加する方法を(例えば、第2段階の一定供給速度に)変更することができる。

0064

例示的な実践方法において、第1段階においては、培地を約25〜35℃、または28〜32℃の範囲の温度、最も好ましくは約30℃に維持する。また、組換え酵母菌の増殖を通気、及び/または攪拌により行うことができる。通気条件は、培地に溶解した酸素量、したがって、組換え酵母菌に利用可能な酸素に影響を及ぼすことができる。組換え酵母菌により取り込まれる酸素の量は、培地中に酸素が、小さな酸素の泡を形成して供給される速度により制御することができ、この制御は攪拌及び/またはスパージにより達成することができる。

0065

培地内においては、第1段階の間に通気を行うことができる。溶存酸素移動速度(単位mg min−1liter−1)の観点から通気について記載してよい。通気はまた、溶存酸素(%)の観点からも記載してよい。(例えば、Anderlei,T.,and Buchs,J.(2000)Biochem.Engin.J.3478:1−6を参照のこと。)微小気泡の形成を促進するスパージ技術を実施して、所望の通気をもたらすことができる。いくつかの実践方法においては、第1段階の間、攪拌及び通気は、例えば段階的に増加する。2段階供給プロセスを用いる本開示の方法はまた、培地での通気の必要性を低下させることができながら、依然として所望のステビオール配糖体生成をもたらす。いくつかの実践方法においては、溶存酸素は15%を超えて維持される。

0066

本明細書で使用する場合、「バイオマス」とは、組換え酵母菌の重量を意味し、バイオマスは、培地1リットルあたりの乾燥細胞重量グラム)(DCW/L)で測定することができる。別の例示的なパラメーターとして、いくつかの実践方法においては、変更可能な供給速度を用いる第1段階では、少なくとも約5dcw/Lの量のバイオマスを生成する。生成されるバイオマスの量は、約5g dcw/L〜約60g dcw/L、約20g dcw/L〜約60g dcw/L、または約20g dcw/L〜約40g dcw/Lの範囲であるのが好ましい。

0067

別の例として、いくつかの実践方法においては、変更可能な供給速度を用いる第1段階は、6.0以下、または約5.5未満、及び好ましくは5.2未満、例えば、約4.0〜約5.2の範囲のpHにて実施される。第1段階の間、pHは監視することができるので、所望の、より低いpH範囲、例えば約4.0〜5.2の範囲内にとどまっている。酸または塩基を、供給中に培地に添加して、pHを所望の範囲内に維持することができる。

0068

第1段階の後、組換え酵母菌は、「発酵段階」等の第2段階に突入することができ、ここでは、供給組成物の供給方法が第1段階とは異なる。第2段階では、組換え酵母菌の増殖は少なくとも遅くなり、積極的に糖質を同化して、ステビオール配糖体(複数可)を生成する。本明細書で使用する場合、「発酵」は、ステビオール配糖体(複数可)の著しい生成段階を説明するために使用され、発酵は完全に好気性、部分的に好気性、または嫌気性条件で生じることができる。部分的好気性条件では、発酵及び呼吸経路の両方が活性となることができ、若干の細胞増殖が発生し得る。部分的好気性条件では、消費される酸素量は、播種/増殖段階の間より少量であることができる。

0069

第2段階では、グルコースを含む供給組成物を、第1段階とは異なる方法で培地に添加することができる。いくつかの実践方法においては、第1及び第2段階は同一容器で実施され、第1段階の間に、グルコースを含有する供給溶液を変更可能な速度で容器内の培地に添加し、続いて、第2段階では、同じ容器内の培地に一定速度で供給溶液を添加する。

0070

いくつかの実践方法においては、第2段階では、供給組成物を一定の供給速度で培地に添加する。例えば、一定の供給速度は10gグルコース/L培地/h以下であり、2gグルコース/L培地/h〜10gグルコース/L培地/hの範囲内の一定の供給速度であるのが好ましい。

0071

例えば、ステビオール配糖体の発酵及び生成を含む第2段階において、酵母菌は、範囲内の1つ以上の増殖速度(複数可)を達成する条件下において、培地内で増殖することができる。例えば、第2段階では、増殖速度(複数可)は、約0.09h−1以下、例えば、約0.015h−1〜約0.09h−1、または約0.015h−1〜約0.06h−1の範囲内の速度とすることができる。

0072

いくつかの実践方法においては、一定速度の第2段階を一定期間行い、ステビオール配糖体の所望の生成をもたらすことができる。例えば、第2段階を、約30時間の時期に、または工程(a)の開始後に開始することができ、続いて、工程(a)の開始から最大130時間実施することができる。第2段階は、ステビオール配糖体の大部分が生成される発酵段階の全てまたは一部を包含してよい。ステビオール配糖体(複数可)の大部分(即ち、50%超)が、第2段階の間に組換え酵母菌により生成されるのが好ましい。2段階供給を含む本開示の方法は、発酵についての利点をもたらし、対照プロセス(例えば、1段階の発酵)と比較して、発酵時間の最大約25%減少、あるいは最大約40%減少を可能にする。

0073

更に、いくつかの実践方法においては、一定の供給速度を用いる第2段階を制御することができるため、組換え酵母菌は180g dcw/Lより多いバイオマス量まで増殖しない。2段階供給を含む本開示の方法は、バイオマス生成についての利点をもたらし、1段階の発酵を用いる対照プロセスと比較して、生成されるバイオマス量の最大25%低下を可能にする。

0074

更に、いくつかの実践方法においては、第2段階の間に、培地は、第1段階の間の培地でのpHよりも高いpHを有することができる。例えば、第2段階の開始時、または間に、塩基を培地に添加し、低いpHから高いpHにpHを増加させることができる。塩基は供給組成物中に存在することができるか、または第2段階用の供給組成物とは別に添加することができる。例えば、第2段階では、pHを約pH5.8以上、または約pH6.0以上、例えば、約pH5.8〜約pH7.5以上、または約pH6.0〜約7.0の範囲内に調節することができる。第2段階の間に、pHを(例えば周期的または連続的に)監視することができ、pHが所望の範囲外に下がると、培地に調整を加えることができる。例えば、pHが6.0または5.8未満に下がると、水酸化アンモニウムを第2の培地に加え、pHを約6.0以上に調節することができる。

0075

例示的な実践方法において、所望により、第2段階での発酵及び増殖を、約25〜35℃、または28℃〜32℃の範囲の温度、最も好ましくは約30℃で実施する。また、所望により、第2段階での組換え酵母菌の発酵及び増殖を、通気、及び攪拌を行いながら実施することができる。2段階供給プロセスを用いる本開示の方法はまた、培地での通気の必要性を低下させることができながら、依然として所望のステビオール配糖体生成をもたらす。

0076

発酵中、ステビオール配糖体の生成のために培地を監視することができる。所望のステビオール配糖体の総量及びプロファイルが存在する時点で、発酵を停止することができる。

0077

いくつかの実践方法においては、ステビオール配糖体を生成する発酵の、グルコース供給速度を、呼吸商(RQ)、酸素吸収速度(OUR)、二酸化炭素放出速度(CER)、またはこれらの組み合わせ等の変数に基づいて制御することができる。これらの変数を、液体培地またはオフガス内で測定することができる。これらの変数(例えば、呼吸商(RQ))によりグルコース供給速度を制御することで生成を増加させることができ、収率を増加、バイオマス生成を減少、並びに、レバウディオサイドD及びレバウディオサイドM等の所望のステビオール配糖体のエタノール生成を減少させることができる。グルコース供給速度を制御することで、発酵操作の精度を増加させることもできる、即ち、グルコース供給速度または培養生理機能により、バッチの失敗率を低下させ、全体的なシステムの変動性を低下させる。

0078

RQを使用してグルコース供給速度を制御し、毒性エタノール蓄積、発酵代謝による副生成物を防止することができる。

0079

RQは、培養中に消費した酸素の分子率により除した、生成される二酸化炭素の分子率と定義される。RQは、発酵槽から生じる排出ガスを、二酸化炭素及び酸素の含量について分析することにより測定することができる。この代謝パラメーターは、所望の生成段階を通して連続的に、または断続的に測定することができる。いくつかの実践方法においては、適切な測定間隔は、4時間毎2時間毎、1時間毎、半時間毎、15分毎、10分毎、5分毎、4分毎、3分毎、2分毎、または1分毎である。測定中の期間は、培養開始からステビオール配糖体の生成の間で、条件と共に変化し得る。測定及び制御の例示的期間は、発酵槽での培養開始後20〜40時間、10〜60時間、5〜70時間、及び20〜110時間である。

0080

酸素の存在下において、酵母菌細胞は好気性代謝を用いる。この代謝は一層効率的で、例えば、発酵代謝下よりも好気性代謝下において、グルコース1molからより多くのエネルギーが入手される。

0081

グルコースからエタノールのみを生成する培地のRQは無限に達する(酸素がほとんど、または全く消費されないため、RQの分母がゼロに達する)一方、純粋なグルコースの好気性代謝に関しては、RQは値1.0に達する(酸素3molが消費され、二酸化炭素3molが生成する)。したがって、1を超える値は、代謝状態の混合を示し、この状態では、好気性及び発酵代謝の両方が同時に発生している。通常、RQをフィードバック制御変数として使用して、酸素移動速度及び/またはグルコース供給速度(もしくは、他の糖質供給速度(複数可))を調節し、この混合代謝を達成することができる。

0082

RQは発酵槽からの排出ガス流で測定することができる。消費した酸素、及び生成した二酸化炭素のモル濃度を確認するための任意の既知、及び好適な方法を使用することができる。使用され得る例示的な技術は、質量分析法赤外分光法、及び常磁性分析である。例えば質量分光光度計と共に用いられ得る代表的なソフトウエアとしては、Thermo Scientific(商標)製のGasWorksが挙げられる。

0083

いくつかの実施形態では、RQは約0.5〜約2.0に維持される。いくつかの実践方法においては、RQは約0.9〜約1.5、または約1.0〜約1.3に維持される。開示した範囲内にRQを維持することで、改善されたステビオール配糖体生成をもたらすことができる。例えば、いくつかの実践方法は、改善されたRebD及びRebM生成をもたらす。
RQが約1.1〜約2の狭い範囲内に維持されるとき、エタノールの蓄積は、毒性でないレベルに維持される。いくつかの実施形態では、エタノールの濃度は、約5g/L〜17g/Lの間に維持される。所望であり得るRQ範囲としては、約1.08〜2.0;約1.08〜1.85;約1.08〜1.65;約1.08〜1.45;約1.08〜1.35;約1.08〜1.25;約1.08〜1.2;及び約1.08〜1.15が挙げられる。他の好適なRQ範囲としては1.08〜1.35、及び1.15〜1.25が挙げられる。いくつかの実施形態では、グルコース添加速度を調節して、RQを約0.5〜約2.0、0.9〜約1.5、または1.0〜約1.3に維持する。

0084

任意の発酵期間、例えば0〜110時間、20〜40時間、20〜70時間、20〜90時間、20〜110時間、または任意の他の所望の期間の間、RQを監視して制御することができる。いくつかの実施形態において、段階IIの供給、または発酵段階の間、RQを監視する。

0085

したがって、時間の経過とともに、種々の炭素源を添加することにより、様々な量の炭素源を添加することにより、及び、酸素レベルを操作することにより、RQを操作及び変更することができる。一実施形態では、攪拌を増加または減少させることにより、酸素レベルを操作する。別の実施形態では、ガス供給における、窒素ガスに対する酸素の割合を制御する。酸素移動速度を調節可能な方法としては、空気流束酸素濃度細胞密度、温度、及び/または攪拌を変更することが挙げられる。いくつかの実施形態では、グルコース、または他の発酵可能な糖の供給を制御して、RQに影響を与える。供給において使用可能な他の発酵可能な糖としては、フルクトース、スクロース、マルトース、及びマルトトリオースが挙げられるが、これらに限定されない。供給速度または組成物を制御して、RQに影響を与える。RQの制御は、手動または自動であってよい。

0086

「全てのステビオール配糖体」とは、発酵期間後に培地に存在する全てのステビオール配糖体を意味し、液体培地に存在する、及び組換え酵母菌から入手可能なステビオール配糖体の量を含む。ステビオール配糖体の含量は、培地中の全てのステビオール配糖体の量、または、培地中の、全てではないが1種以上のステビオール配糖体の量に関して表すことができる。組成物中のステビオール配糖体の量は互いに関係して、または、ステビオール配糖体の総量に対して、例えば、ステビオール配糖体の総量の重量%、または、重量%もしくはモル%として表現される割合、もしくは割合の範囲により、表すことができる。ステビオール配糖体の量はまた、対照サンプル、例えば、供給の第1段階及び第2段階を含まないプロセスにより調製される対照サンプルに対して表すことができる。

0087

いくつかの実践方法においては、本開示の方法は、特定のステビオール配糖体、例えばレバウディオサイドD及びレバウディオサイドMの生成の改善をもたらす。いくつかの実施形態では、レバウディオサイドD及びレバウディオサイドMを組み合わせた生成速度は、少なくとも0.02g/L/h、0.03g/L/h、0.04g/L/h、0.05、0.06、0.07、または0.075gL−1h−1である。

0088

本開示の方法は、発酵中のステビオール配糖体生成速度の改善をもたらす。例えば、本明細書に記載した第1及び第2段階の方法を使用して増殖及び発酵する組換え酵母菌は、対照プロセスで増殖及び発酵した組換え酵母菌株により生成したステビオール配糖体の速度と比較して、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約5%以上、約7%以上、約10%以上、約12%以上、または約15%以上の、ステビオール配糖体生成速度の増加を示すことができる(第1段階 μ=0.12h−1;第2段階 7.71gグルコースL−1h−1)。

0089

本開示に従った、段階を分けた供給は、RebD及びRebM生成、並びに生成速度の増加、収率の増加、発酵時間の減少及びバイオマス濃度の低下をもたらすことができる。

0090

発酵によりステビオール配糖体(複数可)が生成する第2段階に続いて、1種以上のステビオール配糖体(複数可)を含有する組成物を、各種技術を使用して培地から入手することができる。いくつかの実施形態では、透過剤等の化合物を培地に添加し、細胞からステビオール配糖体を取り出し培地に移すことを向上させることができる。

0091

次に、培地を遠心分離または濾過し、組換え細胞を取り除くことができる。培地を所望により、例えば膜透析により処理し、低分子量成分(グルコース、塩基性栄養素、及び塩類)を取り除くことができる。所望の用途に応じて、1種以上のステビオール配糖体化合物(複数可)を含む組成物を使用することができる。

0092

発酵後、熱処理法を使用して組換え酵母菌を所望により処理し、ステビオール配糖体の回収率を向上させることができる。発酵後、ただしあらゆる熱処理の前に、培地は、最適下限量のステビオール配糖体を含有してよく、所望のステビオール配糖体の大部分が組換え酵母菌内にある。ステビオール配糖体の回収率を増加させるために、いくつかの実践方法においては、組換え酵母菌が発酵した、pHがより高い培地等の組成物を、5分〜48時間の範囲の期間、50℃〜95℃、または70℃〜95℃の範囲の温度に加熱する。

0093

濃縮または精製形態のステビオール配糖体を含む組成物を提供するのが所望される場合、または、特定のステビオール配糖体が互いに分離される場合、更なる精製を行うことができる。ステビオール配糖体構成成分のこのような濃縮または精製は、発酵が行われる培地で実施することが可能であるか、または、培地を続いて、精製前に乾燥させることができる。例えば、凍結乾燥を用いて培地を乾燥させ、後で処理可能なステビオール配糖体を含む乾燥組成物(例えば粉末またはフレーク)を形成することができる。

0094

本明細書で使用する場合、用語「全てのステビオール配糖体」(TSG)は、乾燥(無水)基準での、組成物中の全てのステビオール配糖体の含量の合計として計算される。

0095

いくつかの実践方法においては、ステビオール配糖体用に濃縮した、乾燥した発酵液体培地を、精製の出発物質として使用する。例えば、溶媒、または溶媒の組み合わせを乾燥した発酵液体培地に添加し、ステビオール配糖体を含む物質を溶解または懸濁させることができる。ステビオール配糖体を溶解させるための例示的な組み合わせは、水とアルコールの混合物(例えば、50:50エタノール:水)である。溶解または懸濁を促進するために、乾燥した液体培地の物質を、室温を超える温度、例えば40℃〜60℃の範囲で加熱することができる。乾燥した液体培地の物質の機械的破壊もまた、例えば音波処理により実施することができる。分取クロマトグラフィー等により、更なる精製の前に、ミクロンまたはサブミクロンを用いて、溶解または懸濁液体培地物質を濾過することができる。

0096

ステビオール配糖体化合物用に濃縮した乾燥した発酵液体培地を、例えば逆相液体クロマトグラフィーにより、精製に通すことができる。好適な樹脂を使用して、カラム内にステビオール配糖体化合物を保持することができ、水等の液体で、カラムを洗浄した親水性化合物を取り除く。カラムからのステビオール配糖体の溶出は、アセトニトリルまたはメタノール等の、好適な溶媒、または溶媒の組み合わせにより達成することができる。

0097

逆相カラムからステビオール配糖体を溶出することにより、種々の目的のいずれか1つに有用となり得る組成物を得ることができる。例えば、精製したステビオール配糖体組成物を、口腔摂取または口腔使用のために、甘味剤組成物として使用可能である。組成物中のステビオール配糖体に関して、組成物を定義することができる。

0098

ステビオール配糖体生成S.cerevisiae株を、WO2011/153378、WO2013/022989、WO2014/122227、及びWO2014/122328(これらそれぞれの全体が参照として組み込まれている)に記載されている方法を使用して構築した。以下の配列を、親株(株A)の構築のために使用した:Synechococcus属GGPPSポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:6)、短縮Zea mays CDPSポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:7)、Arabidopsis thaliana KSポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:8)、組換えStevia rebaudiana KOポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:9、配列番号:10)、Arabidopsis thalianaATR2をコードする組換え遺伝子(配列番号:11、配列番号:12)、Oryza sativa EUGT11ポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:13)、SrKAHe1ポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:14、配列番号:15)、Stevia rebaudiana CPR8ポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:16、配列番号:17)、Stevia rebaudiana UGT85C2ポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:2)、Stevia rebaudiana UGT74G1ポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:1)、Stevia rebaudiana UGT76G1ポリペプチドをコードする組換え遺伝子(配列番号:3)、及び、Stevia rebaudiana UGT91D2変異体(または機能的ホモログ)である、UGT91D2e−b(配列番号:4)ポリペプチドから生成したステビオール配糖体をコードする組換え遺伝子。

0099

UGT91D2のUGT91D2e−b変異体(配列番号:5、PCT/US2012/050021より)は、位置211における、メチオニンロイシンでの置換、及び、位置286における、アラニンバリンでの置換を含む。(PCT/US2012/050021(その全体が参照として本明細書に組み込まれている)の表12及び実施例11に記載されている、T144S、M152L、L213F、S364P、及びG384C変異体を除く更なる変異体を使用することができる。)L211M及びV286Aのアミノ酸修飾を有する、Stevia rebaudianaUGT91D2e−bをコードするGeneArtのコドン最適化配列(アミノ酸配列については配列番号:4;コドン最適化ヌクレオチド配列は配列番号:5で説明している)。

0100

株Bは上述の親株に由来し、Stevia rebaudianaからのコドン最適化CPR1(アミノ酸配列番号:19に対応する配列番号:18)を更に含む。
実施例1
2段階供給プロセスによる、RebD及びRebMの生成

0101

種菌調製のために、酵母菌株Bを、1リットルの振盪フラスコ内の150mLの播種フラスコ培地の中で、250rpm及び30℃で、20〜24時間培養した。
表1 播種フラスコ培地

0102

発酵のために、表2のように、0.75リットルの初期体積で(槽のレベルの38.5%)、75mLの播種培養液を最初の発酵培地に移した。流加培養発酵を2LのNew Brunswick BioFlo310発酵槽で実施した。12%のNH4OHで発酵はpH5.0で制御し、発酵中は温度を30℃に維持した。発酵中は、空気流速は1.75SLPMであり、攪拌速度は1200rpmであった。

0103

発酵供給培地の流速を制御することにより、グルコース濃度は制限を加えたまま維持した。二段階供給方法は、(発酵槽に播種後)12時間の時点で、増殖速度u=0.12h−1以上にて最初の指数段階(供給段階I)を伴ったが、供給段階IIは、一定の流速で35〜39時間の範囲で開始した。段階IIでの供給は、14.4〜22.96gグルコース/L液体培地/hの範囲内での、一定の供給を伴った。1.0リットルの発酵供給培地が送達されるまで、供給を続けた。消泡剤(Ivanhoe 1163B)を1.3g/Lで供給培地に添加し、5重量%の消泡剤溶液の、追加でのボーラス添加を、必要に応じて加えた。

0104

培地は、表2及び3に記載している修正を加えつつ、Verduyn et al(Verduyn C,Postma E,Scheffers WA,and Van Dijken JP.Yeast.1992 Jul;8(7):501−17)に基づいた。
表2 最初の発酵培地



微量金属原液



ビタミン原液



表3発酵供給培地

0105

ステビオール配糖体の定量化は、以下に記載する高速液体クロマトグラフィーHPLC)分析により実施することが可能であり、Chromadexから購入した確実な基準を用いて得た較正曲線と比較することが可能である。

0106

100μLの発酵培地をピペットで取り、2mLの微細遠心分離管に入れた。900μLの61%メタノール(抽出溶媒)を2mL微細遠心分離管に加え、サンプ回転機に10分間配置して攪拌することにより、ステビオール配糖体を抽出した。次に、サンプルを微細遠心分離器で10000rpmで3分間遠心分離にかけ、不純物を除去した上清をピペットで取り、分析のためにオートサンプラーバイアルに入れた。

0107

配糖体分離のためのUHPLC法

0108

ステビオール配糖体を、プレカラムフィルターとして導入したOptimize Technologies社のステムフィルターアセンブリと共に、2個のAgilent SB−C18RRHDカラム(2.1mmx150mm、1.8um)を連続して用いて分離した。使用する移動相チャネルA:水中の0.01%トリフルオロ酢酸(TFA)、及びチャネルBアセトニトリルであった。流量は0.38mL/minであり、カラム温度は65℃であり、検出を、210nmの紫外線吸収で行った。
勾配溶離プロファイルを以下に示す:

0109

以下の濃度:0.35、0.175、0.07、0.035、0.014、0.007mg/mLで、55%MeOH中のCargill,Inc生のRebA(純度98.85%)(ロット1008−005)を用いて、較正を行った。全てのグリコシドをRebA曲線について定量化した。RebD、RebM、及びRebBについての実験上の相関因子をRebAに対して測定しながら、他の全ての分析を分子量で修正した。

0110

液体培地を0.45マイクロメートルのフィルターで濾過し、3体積の水で洗浄することにより細胞に乾燥重量(バイオマス)を測定し、105オーブンで18時間乾燥させる。



実施例2

0111

種菌調製のために、表1、実施例1の播種フラスコ培地を使用して、実施例1に記載の通りに酵母菌株Bを培養した。発酵、最初の発酵培地、及び発酵供給培地は、実施例1に記載の通りである。

0112

段階Iの供給速度は一定に保ち、供給段階IIの速度は変更可能であるが、実施例1で用いたものより低い。上で示したデータは、より遅い段階IIの供給速度による、改善した収率を示す。
実施例3

0113

種菌調製のために、表1、実施例1の播種フラスコ培地を使用して、実施例1に記載の通りに酵母菌株Cを培養した。実施例1とは異なり、最初の発酵培地はコバルトモリブデン酸塩及びホウ酸塩を含まず、ビタミン及び微量無機質のみを、発酵供給培地ではなく最初の発酵培地に添加した。

0114

より遅い供給速度により改善した収率は、より速い供給(対照)が、より速い速度だったことから観察された。
実施例4
リアルタイムの呼吸商に基づく、グルコースのフィードバック制御を用いた、流加培養発酵によるRebD及びRebMの生成

0115

種菌調製のために、表1、実施例1の播種フラスコ培地を使用して、実施例1に記載の通りに酵母菌株Bを培養した。

0116

発酵のために、75mLの播種培養液を、実施例1の表2に記載の通りに、最初の発酵培地(0.75リットルの開始体積)に移した。全体を通して、温度は30℃に維持した。発酵中、空気流速は1.75SLPMであり、攪拌速度を自動制御して、段階的な方法で400から900rpmに増加させた。12%のNH4OHで、pHを5.0に制御した。

0117

培地は、実施例1の表2及び3に記載している修正を加えつつ、Verduyn et al(Verduyn C,Postma E,Scheffers WA,Van Dijken JP.Yeast.1992 Jul;8(7):501−17)に基づいた。尿素処理のために、最初の発酵培地で硫酸アンモニウムを15g/Lに増加させ、発酵供給培地に尿素を39g/L添加した。

0118

Saccharomyces cerevisiaeはクラブトリー陽性の生命体であるため、大変少量のグルコースの存在下でアルコールを生成する。したがって、発酵供給培地の流速を制御することでグルコースの濃度を限定的に維持して(実施例1の表3に示すように)、エタノール生成を最小限に維持しながら増殖を可能にする。

0119

2段階供給方式に関して、最初の指数段階(播種段階I)は、10時間の時点でμ=0.12 1/hの増殖速度で開始したが、供給の第2段階(即ち供給段階II)は、33時間の時点で、0.180mL/分の一定の流速で開始した。1.95リットルの最終体積が120時間で得られるまで、供給を続けた。

0120

呼吸商(RQ)に基づく供給のフィードバック制御による処理には、供給段階Iでの典型的な指数供給が伴う。次に、39時間の時点で、供給の供給段階IIにおいて、グルコース培地添加のフィードバック制御を測定し、続いて、Thermo Scientific Prima Pro ProcessMS測定により、発酵槽のオフガス対参照ガス(空気)における、酸素及び二酸化炭素濃度のオフガス質量分析によるRQのリアルタイム測定により供給を制御した。アルゴリズムで制御する供給は、RQを1.05〜1.25の間に維持するように設計した。以下の計算を用いて、二酸化炭素放出速度(CER)を、酸素吸収速度(OUR)で除することにより、(Thermo Scientific(商標)GasWorks製の質量分光光度計ソフトウエアにより)RQを計算した。
OUR(mmol/L/h)=(F(L/min)×(%O2in−%O2out)×60min/h×1000mmol/mol)/(100×24.45L/mol×発酵槽の容積(L))
CERの計算:
CER(mmol/L/h)=(F(L/min)×(%CO2in−%CO2out)×60min/h×1000mmol/mol)/(100×24.45L/mol×発酵槽の容積(L)
RQ=OUR/CER(単位のない割合)

0121

グルコースでのRebD及びRebMの収率を、利用した全てのグルコースに基づいて計算した。バイオマスでのRebD及びRebMの収率は、細胞の乾燥重量に基づいた。細胞の乾燥重量でのバイオマス測定は、当該技術分野において一般的に知られている、濾過/オーブン法に基づいた。
表7呼吸商に基づくフィードバック制御の結果一覧



「通常の2段階供給」は、第1段階:μ=0.12h−1;第2段階=7.71gL−1h−1である。
実施例5

0122

種菌調製のために、表1、実施例1の播種フラスコ培地を使用して、実施例1に記載の通りに酵母菌株Cを培養した。実施例1とは異なり、最初の発酵培地はコバルト、モリブデン酸塩及びホウ酸塩を含まず、ビタミン及び微量無機質のみを、発酵供給培地ではなく最初の発酵培地に添加した。

0123

呼吸商(RQ、単位のない割合)は、酸素吸収速度(OUR、mmol/L/h)により除した二酸化炭素放出速度(CER、mmol/L/h)に等しい。呼吸商(RQ)目標は、発酵の排出ガス内の二酸化炭素及び酸素の、リアルタイムのオフガス監視からのRQ値に基づき、グルコース供給速度を増加または減少させたBioCommandソフトウエアのアルゴリズムにより達成した。RQフィードバック制御は、2段階供給の段階IIのみで使用した。

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