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課題・解決手段
概要
背景
大半の動物細胞は、多様な大きさと成分を有する細胞内起源の細胞外小胞(extracellular vesicle)を分泌することができる能力を持っており、このような細胞外小胞は血液、小便、唾液及び細胞培養液を含むあらゆる生物学的流体(biological fluids)から発見される(非特許文献1、非特許文献2)。
細胞外小胞は、最小直径約20nmから最大直径約5μmの大きさを有する膜構造の小胞体であって、その大きさと構成で異質性があり、エクソソーム(exosome)、エクトソーム(ectosome)、微小胞(microvesicle)、マイクロ粒子(microparticle)、アポトーシス小体(apoptotic body)などの多数の相違した種を含む。
このような細胞外小胞は、分泌する起源細胞(供与細胞)の状態を反映し、どの細胞から分泌されたかによって様々な生物学的活性を示し、細胞間で遺伝物質とタンパク質を移しながら細胞間相互作用において重要な役割を果たす。
また、メラニン(melanin)は、黒い色素とタンパク質との複合体形態を持つフェノール類の生体高分子物質であって、リンゴ、じゃがいも、バナナの切断された表面が空気中に露出したときに発生する褐変または動物の外皮毛、皮膚、頭部、眼部などで観察される。メラニンが過剰産生すると皮膚に沈着してしみやそばかすなどができ且つ皮膚老化も促進され、皮膚癌を誘発することもある。
人体においてメラニン形成細胞(melanocyte)は外部から入ってくる紫外線に対する防御機作の一環としてメラニンを合成する細胞であって、皮膚が紫外線によって死滅することを防ぐ役割をするものである。外部からの紫外線に皮膚が晒されると、皮膚組織細胞のうちメラニン形成細胞が紫外線と反応してメラニンを合成するようになる。
紫外線によるメラニン合成では、紫外線によってメラニン細胞刺激ホルモン(melanin stimulating hormone、MSH)が分泌され、該MSHは、MC1Rという受容体と反応してメラニン形成細胞内においてcAMPを向上させてメラニン合成のための遺伝子の反応を誘導することでメラニンを合成し、合成されたメラニンは、メラニン形成細胞の外部へ分泌され、紫外線から皮膚を保護する役割をするようになる。メラニンの生合成に関与するタンパク質としては、mitf、tyr、trp1、trp2などが知られている。
しかし、従来、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量とメラニン形成細胞の細胞死滅との関連性については報告されたことがない。美白活性を持つ物質をスクリーニングする方法に係る先行技術は特許文献1に記載されている。
概要
本明細書には、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌制御によって皮膚美白に効能のある皮膚美白用組成物及び皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法が開示される。前記皮膚美白用組成物は、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量を抑制させることでメラニン形成細胞の細胞死滅を増加させることができ、このようなメラニン形成細胞の細胞死滅によって結果的にメラニン生成を阻害して美白効能が奏される効果がある。
目的
韓国登録特許第10−0840144号公報
国際公開第2014/18862号
Loyer X, Vion AC, Tedgui A, Boulanger CM, Microvesicles as cell-cell messengers in cardiovascular diseases,Circ Res 2014; 114: 345-53
Ohno S, Ishikawa A, Kuroda M. Roles of exosomes and microvesicles in disease pathogenesis. Adv Drug Deliv Rev 2013; 65: 398-401
一側面において、本明細書は、メラニン形成細胞からのエクソソームの排出制御によって皮膚美白に効果がある組成物を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
前記エクソソーム抑制剤は、GW4869及びpifithrin-μからなる群より選択される1以上である、請求項1に記載の皮膚美白用組成物。
請求項3
前記有効成分はメラニン生成を抑制する、請求項1に記載の皮膚美白用組成物。
請求項4
前記有効成分は、しみ、そばかす、ほくろ、母斑、黒色腫、薬物による色素沈着、炎症後色素沈着、及び皮膚炎から発生する色素沈着からなる群より選択される1以上の皮膚色素沈着疾患を予防、改善又は治療する、請求項1に記載の皮膚美白用組成物。
請求項5
メラニン形成細胞(melanocytes)に対し試験物質を処理してから紫外線を照射するか、又はメラニン形成細胞(melanocytes)に対し紫外線を照射してから試験物質を処理する段階;前記メラニン形成細胞から分泌されるエクソソーム(exosome)の相対的な分泌量を確認する段階を含む、皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法。
請求項6
前記エクソソームの相対的な分泌量は、対照群であるメラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量と比較して確認し、前記対照群は、試験物質を処理することなく紫外線を照射したメラニン形成細胞である、請求項5に記載の皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法。
請求項7
前記エクソソームの相対的な分泌量を確認した後、エクソソームの相対的な分泌量を減少させた試験物質を皮膚美白効能物質として選別する段階を含む、請求項5に記載の皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法。
請求項8
前記紫外線としてはUVBを20〜30mJ/cm2で照射する、請求項5に記載の皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法。
請求項9
前記メラニン形成細胞に対し試験物質を処理する時間は10〜24時間である、請求項5に記載の皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法。
請求項10
前記エクソソームの分泌量は、CD81又はHSP90の発現量で確認する、請求項5に記載の皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法。
請求項11
請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法に従い皮膚美白効能物質として選別された物質を有効成分として含む皮膚美白用組成物。
技術分野
背景技術
0002
大半の動物細胞は、多様な大きさと成分を有する細胞内起源の細胞外小胞(extracellular vesicle)を分泌することができる能力を持っており、このような細胞外小胞は血液、小便、唾液及び細胞培養液を含むあらゆる生物学的流体(biological fluids)から発見される(非特許文献1、非特許文献2)。
0003
細胞外小胞は、最小直径約20nmから最大直径約5μmの大きさを有する膜構造の小胞体であって、その大きさと構成で異質性があり、エクソソーム(exosome)、エクトソーム(ectosome)、微小胞(microvesicle)、マイクロ粒子(microparticle)、アポトーシス小体(apoptotic body)などの多数の相違した種を含む。
0004
このような細胞外小胞は、分泌する起源細胞(供与細胞)の状態を反映し、どの細胞から分泌されたかによって様々な生物学的活性を示し、細胞間で遺伝物質とタンパク質を移しながら細胞間相互作用において重要な役割を果たす。
0005
また、メラニン(melanin)は、黒い色素とタンパク質との複合体形態を持つフェノール類の生体高分子物質であって、リンゴ、じゃがいも、バナナの切断された表面が空気中に露出したときに発生する褐変または動物の外皮毛、皮膚、頭部、眼部などで観察される。メラニンが過剰産生すると皮膚に沈着してしみやそばかすなどができ且つ皮膚老化も促進され、皮膚癌を誘発することもある。
0006
人体においてメラニン形成細胞(melanocyte)は外部から入ってくる紫外線に対する防御機作の一環としてメラニンを合成する細胞であって、皮膚が紫外線によって死滅することを防ぐ役割をするものである。外部からの紫外線に皮膚が晒されると、皮膚組織細胞のうちメラニン形成細胞が紫外線と反応してメラニンを合成するようになる。
0007
紫外線によるメラニン合成では、紫外線によってメラニン細胞刺激ホルモン(melanin stimulating hormone、MSH)が分泌され、該MSHは、MC1Rという受容体と反応してメラニン形成細胞内においてcAMPを向上させてメラニン合成のための遺伝子の反応を誘導することでメラニンを合成し、合成されたメラニンは、メラニン形成細胞の外部へ分泌され、紫外線から皮膚を保護する役割をするようになる。メラニンの生合成に関与するタンパク質としては、mitf、tyr、trp1、trp2などが知られている。
0008
しかし、従来、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量とメラニン形成細胞の細胞死滅との関連性については報告されたことがない。美白活性を持つ物質をスクリーニングする方法に係る先行技術は特許文献1に記載されている。
先行技術
0010
Loyer X, Vion AC, Tedgui A, Boulanger CM, Microvesicles as cell-cell messengers in cardiovascular diseases,Circ Res 2014; 114: 345-53
Ohno S, Ishikawa A, Kuroda M. Roles of exosomes and microvesicles in disease pathogenesis. Adv Drug Deliv Rev 2013; 65: 398-401
発明が解決しようとする課題
0012
他の側面において、本明細書は、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量を確認して皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0013
一側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン形成細胞(melanocytes)から分泌されるエクソソーム(exosome)の分泌量を抑制するエクソソーム抑制剤を有効成分として含む皮膚美白用組成物を提供する。
0014
例示的な一具現例において、前記エクソソーム抑制剤は、GW4869及びpifithrin-μからなる群より選択される1以上であってよい。
0015
例示的な一具現例において、前記有効成分は、メラニン生成を抑制するものであってよい。
0016
例示的な一具現例において、前記有効成分は、しみ、そばかす、ほくろ、母斑、黒色腫、薬物による色素沈着、炎症後の色素沈着、及び皮膚炎から発生する色素沈着からなる群より選択される1以上の皮膚色素沈着疾患を予防、改善又は治療するものであってよい。
0017
他の側面において、本明細書に開示された技術は、対象に有効量のエクソソーム抑制剤を含む組成物を適用することを含む皮膚美白増進方法を提供する。
また他の側面において、メラニン過多生成による疾患の予防、改善又は治療に有効な量のエクソソーム抑制剤を含む組成物を、これを必要とする対象に投与することを含む、メラニン過多生成による疾患の予防、改善又は治療方法を提供する。
0019
例示的な一具現例において、前記方法は、組成物を対象の皮膚に適用することを含んでいてよい。
0020
また他の側面において、本明細書に開示された技術は、対象の皮膚美白増進のためのエクソソーム抑制剤を提供する。
0021
また他の側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン過多生成による疾患の予防、改善又は治療のためのエクソソーム抑制剤を提供する。
0022
また他の側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン形成細胞(melanocytes)に対し試験物質を処理してから紫外線を照射するか、又はメラニン形成細胞(melanocytes)に紫外線を照射してから試験物質を処理する段階;及び前記メラニン形成細胞から分泌されるエクソソーム(exosome)の相対的な分泌量を確認する段階を含む皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法を提供する。
0023
例示的な一具現例において、前記エクソソームの相対的な分泌量は、対照群であるメラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量と比較して確認し、前記対照群は、試験物質を処理することなく紫外線を照射したメラニン形成細胞であってよい。
0024
例示的な一具現例において、前記エクソソームの相対的な分泌量を確認した後、エクソソームの相対的な分泌量を減少させた試験物質を皮膚美白効能物質として選別する段階を含んでいてよい。
0025
例示的な一具現例において、前記紫外線としてはUVBを20〜30mJ/cm2で照射していてよい。
0026
例示的な一具現例において、前記メラニン形成細胞に対し試験物質を処理する時間は、10〜24時間であってよい。
0027
例示的な一具現例において、前記エクソソームの分泌量は、CD81又はHSP90の発現量で確認していてよい。
0028
また他の側面において、本明細書に開示された技術は、前記方法によって皮膚美白効能物質として選別された物質を有効成分として含む皮膚美白用組成物を提供する。
発明の効果
0029
一側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン形成細胞からのエクソソームの排出制御によって皮膚美白に効果のある組成物を提供する効果がある。
0030
他の側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量を確認して皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法を提供する効果がある。
図面の簡単な説明
0031
本明細書の一実験例に従う、メラニン形成細胞から放出されたエクソソームの平均大きさを確認した結果である。
本明細書の一実験例に従う、紫外線の照射時に増加したエクソソームの分泌量がエクソソーム抑制剤の処理により減少したことを確認した結果である。
本明細書の一実験例に従う、エクソソーム抑制剤が紫外線照射されたメラニン形成細胞の生存力に及ぼす影響を確認した結果である。
本明細書の一実験例に従う、UVBを照射していないメラニン形成細胞ではエクソソームによる細胞生存力に大きな差がないことを確認した結果である。
実施例
0032
以下、本発明を詳しく説明する。
0033
一側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン形成細胞(melanocytes)から分泌されるエクソソーム(exosome)の分泌量を抑制するエクソソーム抑制剤を有効成分として含む皮膚美白用組成物を提供する。
0034
本明細書において「エクソソーム(exosome)」とは、細胞から分泌されて細胞外空間に放出されたナノ大きさの細胞外小胞、すなわち、細胞外ベジクル(extracellular vesicles)を意味するものであって、エクソソームは膜構造小胞体で内部と外部とが区分され、他の細胞及び組織に結合して膜構成要素、タンパク質(成長ホルモン、サイトカインなど)、RNAなどを伝達して細胞-細胞間の疎通を媒介するなどの多様な役割を果たすものと知られている。一方、メラニン形成細胞の周辺にはメラニン形成細胞を取り囲んでいる細胞及び細胞間物質が存在する。具体的に、メラニン形成細胞から所定の半径、例えば、2mm以内には角質形成細胞又は線維芽細胞及び/又はコラーゲンなどのような細胞間物質が存在していてよく、メラニン形成細胞は細胞外基質でエクソソームを分泌する。
0035
一側面において、前記エクソソームは、20〜400nmの直径を有する細胞外ベジクルであってよい。
0036
本明細書において「エクソソーム抑制剤」とは、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量を抑制する物質を意味するものであって、メラニン形成細胞内のエクソソームの生成、メラニン形成細胞からのエクソソームの分泌又は放出を抑制する物質を意味する最広義の概念である。
0037
例示的な一具現例において、前記エクソソーム抑制剤は、GW4869及びpifithrin-μからなる群より選択される1以上であってよい。
0038
「GW4869」は分子式C30H30Cl2N6O2を有するsphingomyelinase(Smase)抑制剤であって、下記化学式1で表される(CAS 6823-69-4)になる。Sphingomyelinaseはスフィンゴミエリンを加水分解してセラミド及びホスホコリンを生成させるスフィンゴミエリン-特異的ホスホリパーゼ(phospholipase)Cである。
0039
0040
「ピフィスリン(pifithrin)-μ」は、分子式C8H7NO2Sを有するp53抑制剤であって、下記化学式2で表される(CAS 64984-31-2)。p53は細胞が不要に増殖しないように制御する癌制御遺伝子である。しかし、異常的に過度にp53が活性化すると細胞の生存に致命的であり、ピフィスリンは、放射線治療中において正常細胞は保護したまま、癌細胞の死滅を増大させる化合物と同定された。
0041
0042
例示的な一具現例において、前記有効成分は、メラニン形成細胞の増加と直接又は間接的に関連している皮膚損傷又は皮膚疾患を予防、治療又は改善する効果がある。すなわち、前記有効成分は、メラニン生成を効果的に抑制するので、メラニン過多生成による疾患を予防、治療又は改善する効果がある。
0043
前記メラニン過多生成による疾患は、しみ、そばかす、老人性しみ、細かいほこり、表皮メラニン細胞性病変(Epidermal melanocytic lesion)、カフェオレ斑(Cafe's au lait macules)、ベッカー母斑(Becker's Nevus)、扁平母斑(Nevus Spilus)、黒子(Lentigines)、真皮メラニン細胞性病変(Dermal melanocytic lesions)、蒙古斑(Mongolian spot)、太田母斑(Nevus of Ota)、遅発性両側性太田母斑様色素斑(Acquired bilateral nevus of Ota−like macules)、伊藤母斑(Nevus of Ito)、青色母斑(Blue nevus)、メラニン形成細胞性母斑(Melanocytic nevus)、境界性母斑(Junctional nevus)、複合性母斑(Compound nevus)、真皮内母斑(Intradermal nevus)、暈状母斑(Halo nevus)、先天性メラニン細胞性母斑(Congenital nevocytic nevus)、スピッツ母斑(Spitz nevus)、異形成母斑(Dysplastic nevus)、黒色腫(Melanoma)、悪性黒字型黒色腫(Lentigo maligna melanoma)、表在拡大型黒色腫(Superficial spreading melanoma)、末端性黒子性黒色腫(Acral lentiginous melanoma)、結節型黒色腫(Nodular melanoma)、色素性基底細胞癌(pigment basal cell carcinoma)、色素性皮膚線維腫(dermatofibromas)、色素性類皮嚢胞(dermoid cyst)、色素性ケロイド(keloid)及び色素性角化棘細胞腫(keratoacanthomas)からなる群より選択される1以上であってよい。
0044
例示的な一具現例において、前記組成物は、メラニン生成増加で皮膚に局所的にできるしみ、そばかす、ほくろ、母斑、黒色腫、薬物による色素沈着、炎症後色素沈着、及び皮膚炎から発生する色素沈着からなる群より選択される1以上の皮膚色素沈着疾患を予防、改善又は治療するものであってよい。
0045
他の側面において、本明細書に開示された技術は、メラニン形成細胞(melanocytes)に対し試験物質を処理してから紫外線を照射するか、又はメラニン形成細胞(melanocytes)に対し紫外線を照射してから試験物質を処理する段階;及び前記メラニン形成細胞から分泌されるエクソソーム(exosome)の相対的な分泌量を確認する段階を含む皮膚美白効能物質をスクリーニングする方法を提供する。
0046
例示的な一具現例において、前記エクソソームの相対的な分泌量は、対照群であるメラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量と比較して確認し、前記対照群は、試験物質を処理することなく紫外線を照射したメラニン形成細胞であってよい。
0047
例示的な一具現例において、前記エクソソームの相対的な分泌量を確認した後、エクソソームの相対的な分泌量を減少させた試験物質を皮膚美白効能物質として選別する段階を含んでいてよい。
0048
例示的な一具現例において、前記紫外線としてはUVBを20〜30mJ/cm2で照射していてよい。
0049
例示的な一具現例において、前記メラニン形成細胞に対し試験物質を処理する時間は、10〜24時間であってよい。
0050
例示的な一具現例において、前記エクソソームの分泌量は、例えば、同じ細胞数から同一の分離法にて分離されたエクソソームを定量分析装備Q−Nano或いはNanoSight機器を利用し、nanoparticle tracking analysis(NTA)でパーティクル(particle)数を数えるか、又はエクソソーム表面のタンパク質、脂質またはエクソソーム内部のタンパク質、ペプチド、RNA、miRNA(microRNA)、lncRNA(long noncoding RNA)、代謝物質などの定量によって確認することができ、定量したい対象に応じてウエスタンブロット(western blot)、ドットブロット(dot blot)、ELISA、ノーザンブロット(northern blot)、PCR、RT-qPCR、GC-MS、LC-MS、NMR、放射線免疫分析(radioimmunoassay)、免疫沈降アッセイ(immunoprecipitation assay)、放射線免疫拡散法(radioimmunodiffusion)、FACS、及びタンパク質チップ(protein chip)などの方法を当業者が適宜選択すればよい。例えば、本明細書の実施例では、エクソソーム表面のCD81又はエクソソーム内部のHSP90を定量マーカーとして利用してウエスタンブロットによってエクソソームの量を視覚的に相対評価したが、これに制限されるものではない。
0051
メラニン形成細胞から細胞外基質として分泌されるエクソソームは、紫外線照射されたメラニン形成細胞の細胞死滅を抑制する。よって、メラニン形成細胞から分泌されるエクソソームの分泌量を抑制させることでメラニン形成細胞の細胞死滅を増加させることができ、このようなメラニン形成細胞の細胞死滅によって結果的にメラニン生成を阻害して美白効能が奏される効果がある(Pigment Cell Melanoma Res. 2009 Jun;22(3):307-318)。
0052
また、メラニン形成細胞からのエクソソームの分泌を抑制又は増加させる物質は、メラニン形成細胞の細胞死滅を促進(分泌抑制物質)又は減少(分泌増加物質)させてメラニン生成を調節することができる。これにより、紫外線処理の前または後に皮膚美白効能候補物質をメラニン形成細胞に対し処理しメラニン形成細胞から分泌されるエクソソーム分泌量を確認することによって皮膚色素沈着を調節する物質をスクリーニングする効果がある。
0053
また他の側面において、本明細書に開示された技術は、前記方法によって皮膚美白効能物質として選別された物質を有効成分として含む皮膚美白用組成物を提供する。
0054
例示的な一具現例によると、前記組成物は薬学組成物であってよい。
0055
前記薬学組成物は、エクソソーム抑制剤の他、防腐剤、安定化剤、水和剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤などの薬剤学的補助剤、並びにその他治療的に有用な物質をさらに含んでいてよく、通常的な方法によって多様な経口投与剤又は非経口投与剤の形態で剤形化していてよい。
0056
前記経口投与剤は、例えば、錠剤、丸剤、硬質及び軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、粉剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、ペレット剤などがあり、これらの剤形は、有効成分の他、界面活性剤、希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及びグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩、並びにポリエチレングリコール)を含有していてよい。錠剤は、さらに、マグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリジンといった結合剤を含有していてよく、場合によって、澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩といった崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤、及び甘味料などの薬剤学的添加剤を含有していてよい。前記錠剤は、通常の混合、顆粒化又はコーティング方法によって製造されていてよい。
0057
また、前記非経口投与形態として、経皮投与型剤形であってよく、例えば、注射剤、点滴剤、軟膏、ローション、ゲル、クリーム、スプレー、懸濁剤、乳剤、坐剤、パッチなどの剤形であってよいが、これらに限定されるものではない。
0059
前記有効成分の投与量の決定は、当業者の水準内にあり、薬物の1日投与量は、投与しようとする対象の進行程度、発症時期、年齢、健康状態、合併症などの多様な要因に応じて異なるが、成人を基準としたとき、一側面において、前記組成物1μg/kg〜200mg/kg、他の側面において、50μg/kg〜50mg/kgを、1日1〜3回に分割して投与していてよく、前記投与量は、いかなる方法であれ、本発明の範囲を限定するものではない。
0061
例示的な一具現例によると、前記組成物は化粧料組成物であってよい。
0062
前記化粧料組成物には、エクソソーム抑制剤の他、機能性添加物及び一般的な化粧料組成物に含まれる成分がさらに含まれていてよい。前記機能性添加物としては、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、スフィンゴ脂質及び海草エキスからなる群より選択された成分を含んでいてよい。その他含まれる配合成分としては、油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などが挙げられる。
0063
前記化粧料組成物は、その剤形が特に限定されず、目的とするところに応じて適宜選択すればよい。例えば、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、ファウンデーション、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、クレンジングフォーム、クレジングローション、クレンジングクリーム、ボディーローション、及びボディークレンザーからなる群より選択されたいずれか一つ以上の剤形で製造されていてよいが、これらに制限されるものではない。
0064
本発明の剤形がペースト、クリーム、又はゲルである場合は、担体成分として、動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク、又は酸化亜鉛などが用いられていてよい。
0065
本発明の剤形がパウダー又はスプレーである場合は、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はポリアミドパウダーが用いられていてよく、特にスプレーである場合は、さらに、クロロフルオロハイドロカーボン、プロパン/ブタン、又はジメチルエーテルのような推進剤を含んでいてよい。
0066
本発明の剤形が溶液又は乳濁液である場合は、担体成分として、溶媒、溶媒和剤、又は乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール、又はソルビタンの脂肪酸エステルがある。
0067
本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として、水、エタノール、又はプロピレングリコールのような液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル、及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、又はトラガカントなどが用いられていてよい。
0068
本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングである場合は、担体成分として、脂肪族アルコールスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、スルホサクシネートモノエステル、イセチオン酸、イミダゾリウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体、又はエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられていてよい。
0069
例示的な一具現例によると、前記組成物は食品組成物であってよい。
0070
前記食品組成物は、液状又は固体状態の剤形であってよく、例えば、各種の食品類、飲料、ガム、茶、ビタミン複合剤、健康補助食品類などがあり、粉末、顆粒、錠剤、カプセル又は飲料の形態で使用されていてよい。各剤形の食品組成物は、有効成分の他、当該分野において通常的に用いられる成分を剤形又は使用目的に応じて当業者が困難なく適宜選定して配合していてもよく、他の原料と同時に適用した場合に相乗効果が奏されることがある。
0071
本明細書に開示された有効成分の他に含有し得る液体成分には特に制限点がなく、通常の飲料と同様に種々の香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含んでいてよい。前記天然炭水化物の例としては、葡萄糖、果糖などの単糖類、マルトース、スクロースなどの二糖類及びデキストリン、シクロデキストリンなどの通常的な糖及びキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールがある。前記香味剤としては、天然香味剤(ソーマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウディオサイドA、グリチルリチンなど))及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用していてよい。前記天然炭水化物の割合は、本明細書に開示された組成物100ml当たり一般的に約1〜20g、一側面において、約5〜12gであってよい。
0072
前記食品組成物は、一側面において、多様な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクト酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含んでいてよい。他の側面において、天然果物ジュース及び野菜飲料の製造のための果肉を含んでいてよい。これらの成分は、独立的にまたは組み合わせて使用していてよい。前記添加剤の割合は種々であってよいが、本明細書に開示された組成物100重量部当たり0.001〜約20重量部の範囲で選択されるのが一般的である。
0073
以下、実施例を通じて本発明をより詳しく説明することにする。なお、これらの実施例は単に本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解釈されないことは当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
0074
実験例
(1)細胞培養及び物質
正常ヒトメラニン形成細胞(normal human melanocytes、Cascade Biologics、Portland、OR、USA)は、ヒトメラニン形成細胞成長補充剤(Cascade)が含有されたM-254培地(Cascade)で保管した。GW4869(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA、USA)及びピフィスリン(pifithrin)-μ(Sigma、St. Louis、MO、USA)はDMSOに溶解させて利用した。
0075
(2)エクソソーム(exosome)の分離
エクソソームの分離のために融合性メラニン形成細胞をPBSで洗浄してM-254で48時間培養した。ならし培地(conditioned medium)を収集して10分間500×g、20分間3,000×g、及び2時間100,000×gで遠心分離した。収得されたエクソソーム含有ペレットをPBSに再懸濁させ、−80℃で保存した。また、ならし培地を0.45μmの空隙フィルタ(Millipore、Billerica、MA、USA)にてろ過して精製し、100kDaのカットオフスピンカラム(Millipore)にて濃縮した。エクソソームは、ExoQuick-TCキット(SBI、San Jose、CA、USA)を利用して製造元の指示に従って分離した。分離されたエクソソーム20μlは、ウエスタンブロット及び銀染色法にて分析を行った。
0076
(3)DLS(Dynamic light scattering)の分析
エクソソームの径は、散乱強度10×30sで633nmのレーザーが具備されたZetasizer Nano S instrument(Malvern Instruments Ltd.、Worcestershire、UK)を利用して測定した。
0077
(4)ゲル内タンパク質の分離
エクソソームタンパク質はSDS-PAGEで分離した。SDS-PAGEゲルを10片に切断し、既に公知の方法(Bahk YY, Kim SA, Kim JS et al., (2004) Antigens secreted from Mycobacterium tuberculosis: identification by proteomics approach and test for diagnostic marker. Proteomics 4:3299-307.)によってトリプシン(Promega、Madison、WI、USA)を利用してゲル内分離を行った。要約すると、ゲル片を1:1のアセトニトリル(ACN)/25mMアンモニウムバイカーボネート(ABC)で4〜5回洗浄し、100% ACNで脱水及び乾燥させた。45分間、56℃で100mM ABCと共に100mM DTTで還元し、次いで30分間光が遮られた常温で100mM ABCと共に55mMヨードアセトアミドでアルキル化した後、該片を100% ACNで乾燥させ、37℃で20時間、20ngトリプシンを含有する325mM ABCで再度水和した。液体を新しいチューブに移し、残存するペプチドは30℃で40分間0.1%(v/v)ギ酸を含む50%(v/v)水溶性アセトニトリルを用いてゲルから抽出した。複合上澄液を蒸発させ、質量分析のために0.1%(v/v)ギ酸を含む5%(v/v)水溶性アセトニトリル溶液に溶解させた。
0078
(5)LC-MS/MSによるタンパク質の同定
分離されたペプチドは、既に公知の方法(Zuo X, Echan L, Hembach P, et al., (2001), Towardsglobal analysis of mammalian proteomes using sample prefractionation prior to narrow pH range two-dimensional gels and using one-dimensional gels for insoluble and large proteins. Electrophoresis 22:1603-15.)に若干の変形を加えてFinnigan LCQイオン-トラップ質量分析計(LC-MS/MS)に直結された逆相毛細管HPLCを利用して分析を行った。ペプチドは、10分間トラッピングカラムに結合され、50分間、0.2μl/minの流量速度で0.1%(v/v)ギ酸を含む5〜80%(v/v)水溶性アセトニトリルで傾斜溶離された。Tandem MSはm/z=450〜2000Daで遂行され、各スペクトルはTurboSEQUESTソフトウェア(Thermo Quest、San Jose、CA、USA)を利用して処理された。収得されたピーク目録はMASCOTプログラム(http://www.matrixscience.com)を利用してMSDBまたはNCBIデータベースを照会するのに用いられた。
0079
(6)ウエスタンブロット及び銀染色法
細胞または分離されたエクソソームをプロテアーゼ抑制剤(Sigma)が含有された溶解バッファ(1% NP-40、0.05M Tris−HCl、pH7.5、0.15M NaCl、及び0.01M MgCl2)を利用して溶解させた。タンパク質の濃度はBCAアッセイで分析し、サンプルはSDS-PAGEで分離し、PVDF膜に移して、CD81(SBI)に対する抗体で分析を行った。一方、銀染色のためにSDS-PAGEゲルを製造元の指示に従って銀染色キット(Thermo Fisher Scientific、Rockford、IL、USA)に適用して実験を行った。
0080
(7)細胞毒性試験
メラニン形成細胞を6-ウェルプレートに1×104細胞/ウェルの密度で分注した。翌日、同じ細胞数から分離されたエクソソーム10μlを処理した。細胞を15分間PBS中の4%ホルムアルデヒドで固定させ、PBSで洗浄し、20分間0.1%クリスタルバイオレットで染色した。PBSで洗浄した後、細胞を乾燥させ、10%酢酸で溶解させた。分光光度計を利用して590nmにおける吸光度を測定した。
0081
(8)定量的リアルタイム(real-time)PCR
Trizol試薬(Invitrogen)を利用して総RNAを分離し、ReverTra Ace(Toyobo、Osaka、Japan)を利用してcDNAに逆転写させた。遺伝子発現分析はTaqMan Universal Master Mix and TaqMan Gene Expression Assays: Hs00365052_m1(Applied Biosystems、FosterCity、CA、USA)を利用して行った。
0082
(9)統計的分析
two−tailed Student's t-testが2グループ間の差異点を分析するのに用いられた。データは3回の実験に対するmean±SD(***;p<0.005、**;p<0.05)で表した。
0083
実験結果1.メラニン形成細胞から分泌されたエクソソームの確認
メラニン形成細胞はエクソソームを分泌して放出し、分離されたエクソソームの大きさを分析(dynamic light scattering analysis)した結果、メラニン形成細胞から放出されたエクソソームは、206.90±22.18nmの平均径を有することを確認した(図1参照)。
0084
実験結果2.紫外線の照射によるメラニン形成細胞から分泌されるエクソソーム分泌量の変化
メラニン形成細胞にUVB(20mJ/cm2)を照射し、24時間培養した結果、紫外線に晒したとき、エクソソームの分泌量が増加することが分かった。
0085
また、UVBに晒す前に、12時間、エクソソームの生成/分泌阻害剤である10μMの GW4869(Smase(sphingomyelinase)抑制剤)又は10μMのピフィスリン(pifithrin)-μ(p53抑制剤)で処理した場合、エクソソームのマーカーであるCD81発現量が減少することが分かった(図2参照)。
0086
これにより、メラニン形成細胞は、紫外線に晒されると、放出されるエクソソームの量が増加し、また、紫外線に晒されてもエクソソームの生成/分泌阻害剤を加える処理を施した場合、放出されるエクソソームの量が減少することを確認した。
0087
実験結果3.エクソソーム抑制剤が紫外線照射されたメラニン形成細胞の生存力に及ぼす影響
UVB非処理のメラニン形成細胞、UVB処理済みのメラニン形成細胞、UVB+GW4869処理済みのメラニン形成細胞から得たそれぞれのエクソソームを、メラニン形成細胞と共にUVB(20mJ/cm2)で照射し3日間培養した結果、図3に見られるように紫外線に晒されたメラニン形成細胞由来エクソソームは紫外線損傷を受けたメラニン形成細胞の生存力を増加させることが分かった。このようなメラニン形成細胞の生存力増進効果は、エクソソーム分泌阻害物質であるGW4869、pifithrin-μが紫外線と共に処理されたメラニン形成細胞由来エクソソームによって減少された。一方、前記したような方法にてUVB非処理のメラニン形成細胞、UVB処理済みのメラニン形成細胞から得たそれぞれのエクソソームをメラニン形成細胞と共に培養するが、メラニン形成細胞にUVBを照射しない条件で培養した場合は、メラニン形成細胞の生存力に大きな差がないと示された(図4参照)。
0088
したがって、紫外線に晒されたメラニン形成細胞由来エクソソームは、紫外線損傷を受けたメラニン形成細胞の生存力を増加させ、且つUV照射時にメラニン形成細胞から排出されるエクソソームがメラニン形成細胞のアポトーシス(apoptosis)を抑制する効能を有することが分かった。
0089
その結果、メラニン形成細胞からのエクソソームの排出を抑制又は増加させる物質は、メラニン形成細胞のアポトーシスを促進(排出抑制物質)又は減少(排出増加物質)させてメラニン生成を調節することができることを確認した。
0090
以下、本発明の一側面に係る組成物の剤形例について説明するが、他の様々な剤形への応用も可能であり、且つ、これらは本発明を限定するためのものではない、単に具体的に説明するためのものである。
0091
[剤形例1]軟質カプセル剤
GW4869又はpifithrin-μ50mg、L-カルニチン80〜140mg、大豆油180mg、パーム油2mg、植物性硬化油8mg、黄蝋4mg及びレシチン6mgを混合し、通常の方法に従って、1カプセルあたり400mgずつ充填して軟質カプセルを製造した。
0092
[剤形例2]錠剤
GW4869又はpifithrin-μ50mg、ガラクトオリゴ糖200mg、乳糖60mg及び麦芽糖140mgを混合し、流動層乾燥機を利用して顆粒した後、糖エステル(sugar ester)6mgを添加して、打錠機で打錠して錠剤を製造した。
0093
[剤形例3]顆粒剤
GW4869又はpifithrin-μ50mg、無水結晶ブドウ糖250mg及び澱粉550mgを混合し、流動層造粒機を使用して顆粒に成形した後、包に充填して顆粒剤を製造した。
0094
[剤形例4]ドリンク剤
GW4869又はpifithrin-μ50mg、ブドウ糖10g、クエン酸0.6g及び液状オリゴ糖25gを混合した後、精製水300mlを加えて各瓶に200mlずつ充填した。瓶に充填した後、130℃で4〜5秒間殺菌して、ドリンク剤飲料を製造した。
0095
[剤形例5]ローション
下記の表1に記載された組成にて通常の方法によりローションを製造した。
0096
0097
[剤形例6]クリーム
下記の表2に記載された組成にて通常の方法によりクリームを製造した。
0098
0099
[剤形例7]パック
下記の表3に記載された組成にて通常の方法によりパックを製造した。
0100
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