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技術 γ−ケト吉草酸をベースとする触媒および水素化処理および/または水素化分解の方法におけるその使用

出願人 イエフペエネルジヌヴェル
発明者 カレットピエール-ルイ
出願日 2016年3月11日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2017-556726
公開日 2018年8月2日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-520841
状態 特許登録済
技術分野 触媒 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード 追加添加物 環境規格 ホウ素含有率 ホウ素前駆体 使用済みオイル 凝集体状 家庭用燃料 水銀ポロシメトリ
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課題・解決手段

本発明は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナの担体と、少なくとも1種の第VIII族元素と、少なくとも1種の第VIB族元素と、γ−ケト吉草酸とを含む触媒に関する。本発明は、前記触媒の調製方法および水素化処理および/または水素化分解法におけるその使用にも関する。

概要

背景

炭化水素含有留分の水素化処理のための触媒の目的は、通常、そこに含有される硫黄含有または窒素含有化合物を除去し、例えば、石油生成物所与の適用(モーター燃料ガソリンまたはガスオイル家庭用燃料油、ジェット燃料)のために要求される仕様硫黄含有率芳香族化合物含有率等)を満たすようにすることにある。それは、この供給原料を前処理してそれから不純物を除去するかまたはそれを水素化し、その後に、それを、その物理化学的特性改変するための種々の転化方法、例えば、改質する方法、真空蒸留物水素化分解する方法、接触分解する方法、常圧残渣または真空残渣を水素化転化する方法に付すという問題であってもよい。水素化処理触媒組成および使用は、著作非特許文献1)からのB. S. Clausen、H. T. Topsoe、およびF. E. Massothによる論文において特によく記載されている。

欧州共同体におけるより厳格な車両公害規格(Official Journal of the European Union, L76, 22 March 2003, Directive 2003/70/CE, pages L76/10-L76/19)により、ディーゼル燃料およびガソリンの硫黄含有率を劇的に低減させることを精製業者強制された(2009年1月1日において硫黄最大10重量ppm(parts per million:100万分の1率)に対して、2005年1月1日において50重量ppm)。さらに、精油業者は、一方では原油がどんどん重質になっており、その結果として、次第に増える量の不純物を含有しているために、他方では、精油業者において転化方法をどんどん使用するために、水素化処理方法に対してますます抵抗性の供給原料を使用するように強制されている。実際に、これらは、常圧蒸留を直接的に起源とする留分より水素化処理し難い留分を生じさせる。「より水素化処理し難い」とは、通常、流出物中の同一の硫黄含有率を達成するためのより高い操作温度、および結果として低減させることのできるサイクルタイムを意味する。これらの供給原料には、従来の触媒に対して大きく改善された水素化脱硫および水素化の機能を有する触媒が必要とされる。

さらに、転化方法、例えば、接触分解または水素化分解には、酸機能基を有する触媒が使用される。この酸機能基により、それらは窒素含有不純物、特に、塩基性窒素含有化合物の存在に対して特に感受性になる。したがって、これらの化合物を除去するためにこれらの供給原料の前処理のための触媒を用いることが必要である。

従来の水素化処理触媒は、一般的に、酸化物担体と、酸化物の形態の第VIB族および第VIII族の金属をベースとする活性相と、リンとを含む。これらの触媒の調製は、一般的に、担体上の金属およびリンの含浸の工程、これに続く、乾燥およびそれらの酸化物の形態にある活性相を得ることを可能にする焼成の工程を含む。水素化処理および/または水素化分解の反応においてそれらが用いられる前に、これらの触媒は、一般的に、活性種を形成するために硫化に付される。

水素化処理触媒へ有機化合物を添加してそれらの活性を改善することが、当業者によって、特に、含浸と、これに続く、後の焼成を伴わない乾燥とによって調製された触媒について推奨された。これらの触媒は、しばしば、「添加物含浸型乾燥済み触媒(additive-impregnated dried catalysts)」と呼ばれる。

多くの文献には、添加物としての種々の範囲の有機化合物の使用が記載されており、例えば、窒素含有有機化合物および/または酸素含有有機化合物である。

文献から現在周知である化合物のファミリーは、キレート窒素含有化合物(特許文献1〜3)であり、例として、エチレンジアミンテトラ酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)、エチレンジアミンジエチレントリアミンまたはニトリロ酢酸(nitrilotriacetic acid:NTA)がある。

酸素を含有する有機化合物のファミリーにおいて、場合によってはエーテル化されたモノオールジオールまたはポリオールの使用が文献に記載されている(特許文献4〜9)。より希少には、従来技術には、エステル基を含む添加物が言及されている(特許文献10および11)。

カルボン酸の使用を特許請求している複数の特許もある(特許文献12および13)。特に、文献(特許文献13)において、クエン酸だけではなく、酒石酸酪酸ヒドロキシヘキサン酸リンゴ酸グルコン酸グリセリン酸グリコール酸ヒドロキシ酪酸が記載された。特異性は、乾燥処理に基づいており、この乾燥処理は、200℃未満の温度で行われなければならない。しかしながら、カルボン酸に関する文献のいずれも、γ−ケト吉草酸の使用は記載されていない。

選択される化合物が何であれ、誘導される改変により、自動車燃料の硫黄および/または窒素含有率に関する仕様を満たすのに十分に触媒性能を向上させることが常時可能になるわけではない。さらに、それらを工業的に適用することはしばしば非常に複雑である。実施するのに方法が複雑であるからである。

結論として、触媒製造業者にとって、改善された性能を有する新しい水素化処理および/または水素化分解の触媒を見出すことは必須であることが分かる。

概要

本発明は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナの担体と、少なくとも1種の第VIII族元素と、少なくとも1種の第VIB族元素と、γ−ケト吉草酸とを含む触媒に関する。本発明は、前記触媒の調製方法および水素化処理および/または水素化分解法におけるその使用にも関する。

目的

炭化水素含有留分の水素化処理のための触媒の目的は、通常、そこに含有される硫黄含有または窒素含有の化合物を除去し、例えば、石油生成物が所与の適用(モーター燃料、ガソリンまたはガスオイル、家庭用燃料油、ジェット燃料)のために要求される仕様(硫黄含有率、芳香族化合物含有率等)を満たすようにすることにある

効果

実績

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請求項1

アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、第VIB族の少なくとも1種の元素と、γ−ケト吉草酸とを含む触媒

請求項2

第VIB族の元素の含有率は、触媒の全重量に対する第VIB族の金属の酸化物として表される重量で5〜40%であり、第VIII族の元素の含有率は、触媒の全重量に対する第VIII族の金属の酸化物として表される重量で1〜10%である、請求項1に記載の触媒。

請求項3

触媒中の第VIII族の元素対第VIB族の元素のモル比は、0.1〜0.8である、請求項1または2に記載の触媒。

請求項4

リンをさらに含有し、リン含有率は、触媒の全重量に対するP2O5として表される重量で0.1〜20%であり、触媒中のリン対第VIB族の元素の比は、0.05以上である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の触媒。

請求項5

γ−ケト吉草酸の含有率は、触媒の全重量に対して1〜35重量%である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の触媒。

請求項6

γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の触媒。

請求項7

有機化合物は、カルボキシアルコールチオールチオエーテルスルホンスルホキシドエーテルアルデヒドケトンエステルカルボナートアミンニトリルイミドオキシムウレアおよびアミド官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される、請求項6に記載の触媒。

請求項8

請求項9

担体は、0.1〜50重量%のゼオライトを含有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の触媒。

請求項10

少なくとも部分的に硫化されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の触媒。

請求項11

請求項1〜10のいずれか1つに記載の触媒の調製方法であって、以下の工程:a)第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとを、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と接触させるか、または、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒を、γ−ケト吉草酸と接触させて、触媒前駆体を得る工程、b)工程a)を起源とする前記触媒前駆体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、その後のそれの焼成は行わない、工程を含む、方法。

請求項12

工程a)は、以下の工程:a’)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとを含有する少なくとも1種の溶液含浸させて、触媒前駆体を得る工程である、請求項11に記載の方法。

請求項13

工程a)は、以下の工程:a1)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含有する少なくとも1種の溶液を含浸させて、含浸済み担体を得る工程、a2)工程a1)において得られた含浸済み担体を、200℃未満の温度で乾燥させて乾燥させられた含浸済み担体を得るようにし、場合によっては、乾燥させられた含浸済み担体を焼成して、焼成された含浸済み担体を得るようにする工程、a3)工程a2)において得られた乾燥させられかつ場合によっては焼成された含浸済み担体に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させて触媒前駆体を得る工程、a4)場合による、工程a3)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程を含む、請求項11に記載の方法。

請求項14

工程a)は、以下の工程:a1’)少なくともγ−ケト吉草酸と、場合によるリンの少なくとも一部とを含む担体を調製する工程、a2’)工程a1’)において得られた担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程a3’)場合による、工程a2’)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程を含む、請求項11に記載の方法。

請求項15

工程a)は、以下の工程:a1”)共含浸により、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する少なくとも1種の有機化合物と、場合によるリンとを含有する溶液を、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と接触させて、含浸済み担体を得る工程、a2”)工程a1”)を起源とする含浸済み担体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、その後のそれの焼成は行わず、乾燥させられた含浸済み担体を得るようにする工程、a3”)工程a2”)を起源とする乾燥させられた含浸済み担体を、工程a1”)において用いられたものと同一のまたは異なる酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物の溶液と接触させて、触媒前駆体を得る工程、a4”)場合による、工程a3”)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程を含み、工程a1”)または工程a3”)における有機化合物の少なくとも一方は、γ−ケト吉草酸である、請求項11に記載の方法。

請求項16

工程a)は、以下の工程:a1’’’)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程、a2’’’)場合による、工程a1’’’)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程を含む、請求項11に記載の方法。

請求項17

γ−ケト吉草酸対第VIII族の元素(1種または複数種)のモル比は、0.1〜5.0mol/molである、請求項11〜16のいずれか1つに記載の方法。

請求項18

炭化水素含有留分の水素化処理および/または水素化分解の方法における請求項1〜10のいずれか1つに記載の触媒または請求項10〜17のいずれか1つにより調製された触媒の使用。

技術分野

0001

本発明は、添加物であるγ−ケト吉草酸を有する触媒、その調製方法および水素化処理および/または水素化分解の分野におけるその使用に関する。

背景技術

0002

炭化水素含有留分の水素化処理のための触媒の目的は、通常、そこに含有される硫黄含有または窒素含有化合物を除去し、例えば、石油生成物所与の適用(モーター燃料ガソリンまたはガスオイル家庭用燃料油、ジェット燃料)のために要求される仕様硫黄含有率芳香族化合物含有率等)を満たすようにすることにある。それは、この供給原料を前処理してそれから不純物を除去するかまたはそれを水素化し、その後に、それを、その物理化学的特性改変するための種々の転化方法、例えば、改質する方法、真空蒸留物を水素化分解する方法、接触分解する方法、常圧残渣または真空残渣を水素化転化する方法に付すという問題であってもよい。水素化処理触媒組成および使用は、著作非特許文献1)からのB. S. Clausen、H. T. Topsoe、およびF. E. Massothによる論文において特によく記載されている。

0003

欧州共同体におけるより厳格な車両公害規格(Official Journal of the European Union, L76, 22 March 2003, Directive 2003/70/CE, pages L76/10-L76/19)により、ディーゼル燃料およびガソリンの硫黄含有率を劇的に低減させることを精製業者強制された(2009年1月1日において硫黄最大10重量ppm(parts per million:100万分の1率)に対して、2005年1月1日において50重量ppm)。さらに、精油業者は、一方では原油がどんどん重質になっており、その結果として、次第に増える量の不純物を含有しているために、他方では、精油業者において転化方法をどんどん使用するために、水素化処理方法に対してますます抵抗性の供給原料を使用するように強制されている。実際に、これらは、常圧蒸留を直接的に起源とする留分より水素化処理し難い留分を生じさせる。「より水素化処理し難い」とは、通常、流出物中の同一の硫黄含有率を達成するためのより高い操作温度、および結果として低減させることのできるサイクルタイムを意味する。これらの供給原料には、従来の触媒に対して大きく改善された水素化脱硫および水素化の機能を有する触媒が必要とされる。

0004

さらに、転化方法、例えば、接触分解または水素化分解には、酸機能基を有する触媒が使用される。この酸機能基により、それらは窒素含有不純物、特に、塩基性窒素含有化合物の存在に対して特に感受性になる。したがって、これらの化合物を除去するためにこれらの供給原料の前処理のための触媒を用いることが必要である。

0005

従来の水素化処理触媒は、一般的に、酸化物担体と、酸化物の形態の第VIB族および第VIII族の金属をベースとする活性相と、リンとを含む。これらの触媒の調製は、一般的に、担体上の金属およびリンの含浸の工程、これに続く、乾燥およびそれらの酸化物の形態にある活性相を得ることを可能にする焼成の工程を含む。水素化処理および/または水素化分解の反応においてそれらが用いられる前に、これらの触媒は、一般的に、活性種を形成するために硫化に付される。

0006

水素化処理触媒へ有機化合物を添加してそれらの活性を改善することが、当業者によって、特に、含浸と、これに続く、後の焼成を伴わない乾燥とによって調製された触媒について推奨された。これらの触媒は、しばしば、「添加物含浸型乾燥済み触媒(additive-impregnated dried catalysts)」と呼ばれる。

0007

多くの文献には、添加物としての種々の範囲の有機化合物の使用が記載されており、例えば、窒素含有有機化合物および/または酸素含有有機化合物である。

0008

文献から現在周知である化合物のファミリーは、キレート窒素含有化合物(特許文献1〜3)であり、例として、エチレンジアミンテトラ酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)、エチレンジアミンジエチレントリアミンまたはニトリロ酢酸(nitrilotriacetic acid:NTA)がある。

0009

酸素を含有する有機化合物のファミリーにおいて、場合によってはエーテル化されたモノオールジオールまたはポリオールの使用が文献に記載されている(特許文献4〜9)。より希少には、従来技術には、エステル基を含む添加物が言及されている(特許文献10および11)。

0010

カルボン酸の使用を特許請求している複数の特許もある(特許文献12および13)。特に、文献(特許文献13)において、クエン酸だけではなく、酒石酸酪酸ヒドロキシヘキサン酸リンゴ酸グルコン酸グリセリン酸グリコール酸ヒドロキシ酪酸が記載された。特異性は、乾燥処理に基づいており、この乾燥処理は、200℃未満の温度で行われなければならない。しかしながら、カルボン酸に関する文献のいずれも、γ−ケト吉草酸の使用は記載されていない。

0011

選択される化合物が何であれ、誘導される改変により、自動車燃料の硫黄および/または窒素含有率に関する仕様を満たすのに十分に触媒性能を向上させることが常時可能になるわけではない。さらに、それらを工業的に適用することはしばしば非常に複雑である。実施するのに方法が複雑であるからである。

0012

結論として、触媒製造業者にとって、改善された性能を有する新しい水素化処理および/または水素化分解の触媒を見出すことは必須であることが分かる。

0013

欧州特許出願公開第0181035号明細書(特開昭61−114737号公報)
欧州特許出願公開第1043069号明細書(特開2000−325797号公報)
米国特許第6540908号明細書
国際公開第96/41848号
国際公開第01/76741号
米国特許第4012340号明細書
米国特許第3954673号明細書
欧州特許出願公開第601722号明細書(特開平6−226108号公報)
国際公開第2005/035691号
欧州特許出願公開第1046424号明細書(特開2000−342971号公報)
国際公開第2006/077326号
欧州特許出願公開第1402948号明細書(特開2003−299960号公報)
欧州特許出願公開第0482817号明細書(特開平4−156948号公報)

先行技術

0014

B. S. Clausen、H. T. Topsoe、およびF. E. Massoth著、「Catalysis Science and Technology」、Springer-Verlag、1996年、第11巻

課題を解決するための手段

0015

概要
本発明は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、第VIB族の少なくとも1種の元素と、γ−ケト吉草酸とを含む触媒に関する。

0016

出願人は、実際に、第VIII族の少なくとも1種の元素と、第VIB族の少なくとも1種の元素とを含有する触媒上の有機添加物としてのγ−ケト吉草酸の使用により、改善された触媒性能を有する水素化処理および/または水素化分解の触媒を得ることが可能になったことを見出した。

0017

実際に、本発明による触媒により、添加物を有しない触媒および添加物を有する既知の乾燥済み触媒に対して高められた活性が示される。典型的には、活性向上のために、所望の硫黄または窒素の含有率(例えば、ULSD、すなわち、Ultra Low Sulphur Diesel様式におけるガスオイル供給原料の場合には硫黄10ppm)を達成するのに必要とされる温度は、低下させられるかもしれない。さらに、必要とされる温度の低下に起因してサイクルタイムが延長されるので安定性が向上する。

0018

本発明による触媒は、γ−ケト吉草酸の水または任意の他の極性プロトン性溶媒中の高溶解性に起因して調製するのがさらに容易である。さらに、本発明による触媒は、バイオマスを起源とする、好ましくは、γ−ケト吉草酸を含有する原材料から調製されてよい一方で、受け入れ可能なまたは一層有利には、選ばれた調製方法に応じたコス費用が維持される。

0019

変形例によると、第VIB族の元素の含有率は、触媒の全重量に対する第VIB族の金属の酸化物として表される重量で5〜40%であり、第VIII族の元素の含有率は、触媒の全重量に対する第VIII族の金属の酸化物として表される重量で1〜10%である。

0020

変形例によると、触媒中の第VIII族の元素対第VIB族の元素のモル比は、0.1〜0.8である。

0021

変形例によると、触媒は、リンをさらに含有し、リン含有率は、触媒の全重量に対するP2O5として表される重量で0.1〜20%であり、触媒中のリン対第VIB族の元素の比は、0.05以上である。

0022

変形例によると、γ−ケト吉草酸の含有率は、触媒の全重量に対して1〜35重量%である。

0023

変形例によると、触媒は、γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物をさらに含有する。この変形例によると、有機化合物は、好ましくは、カルボキシアルコールチオールチオエーテルスルホンスルホキシドエーテルアルデヒドケトンエステルカルボナートアミンニトリルイミドオキシムウレアおよびアミド官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される。好ましくは、それは、トリエチレングリコールジエチレングリコール、エチレンジアミンテトラ酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)、マレイン酸、クエン酸、ジメチルホルムアミドビシン、またはトリシンから選択される。

0024

変形例によると、担体は、0.1〜50重量%のゼオライトを含有する。

0025

変形例によると、触媒は、少なくとも部分的に硫化されている。

0026

本発明はまた、前記触媒の調製方法であって、以下の工程:
a) 第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとを、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と接触させるか、または、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒を、γ−ケト吉草酸と接触させて、触媒前駆体を得る工程、
b) 工程a)を起源とする前記触媒前駆体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、その後のそれの焼成は行わない工程
を含む、方法に関する。

0027

変形例によると、工程a)は、以下の工程:
a’)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとを含有する少なくとも1種の溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程
である。

0028

別の変形例によると、工程a)は、以下の工程:
a1)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含有する少なくとも1種の溶液を含浸させて、含浸済み担体を得る工程、
a2) 工程a1)において得られた含浸済み担体を、200℃未満の温度で乾燥させて、乾燥させられた含浸済み担体を得るようにし、場合によっては、乾燥させられた含浸済み担体を焼成して、焼成させられた含浸済み担体を得るようにする工程、
a3) 工程a2)において得られた乾燥させられ、場合によっては焼成された含浸済み担体に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程、
a4) 場合による、工程a3)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含む。

0029

別の変形例によると、工程a)は、以下の工程:
a1’) 少なくともγ−ケト吉草酸を含み、場合によっては、リンの少なくとも一部を含む担体を調製する工程、
a2’) 工程a1’)において得られた担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程、
a3’) 場合による、工程a2’)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含む。

0030

別の変形例によると、工程a)は、以下の工程:
a1”) 共含浸により、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する少なくとも1種の有機化合物と、場合によるリンとを含有する溶液を、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と接触させて、含浸済み担体を得る工程、
a2”) 工程a1”)を起源とする含浸済み担体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、続いてのそれの焼成は行わず、乾燥させられた含浸済み担体を得る工程、
a3”) 工程a2”)を起源とする乾燥させられた含浸済み担体を、酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する、工程a1”)において用いられた有機化合物とは同一または異なる有機化合物の溶液と接触させて、触媒前駆体を得る工程、
a4”) 場合による、工程a3”)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含み、工程a1”)または工程a3”)における有機化合物の少なくとも一方は、γ−ケト吉草酸である。

0031

変形例によると、再生触媒から出発して本発明による触媒を調製することが望まれる場合、調製方法の工程a)は、以下の工程:
a1’’’)アルミナまたはシリカまたはシリカアルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させて触媒前駆体を得る工程、
a2’’’) 場合による、工程a1’’’)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含む。

0032

変形例によると、第VIII族の元素(1種または複数種)当たりのγ−ケト吉草酸のモル比は、0.1〜5.0mol/molである。

0033

本発明は、炭化水素含有留分の水素化処理および/または水素化分解の方法における、本発明による触媒または本発明による調製方法によって調製された触媒の使用にも関する。

0034

以降において、化学元素の族は、CAS分類に従って与えられる(CRCHandbook of Chemistry and Physics, publisher CRC Press, chief editor D.R. Lide, 81st edition, 2000-2001)。例えば、CAS分類による第VIII族は、新IUPAC分類による8、9および10族の金属に対応する。

0035

「水素化処理(hydrotreatment)」とは、水素化脱硫(hydrodesulphurization:HDS)、水素化脱窒(hydrodenitrogenation:HDN)および芳香族化合物の水素化(hydrogenation of aromatics:HDA)を特に含む反応を意味する。

実施例

0036

(発明の詳細な説明)
(触媒)
本発明による触媒は、少なくともγ−ケト吉草酸を含有する添加触媒である。より特定的には、本発明による触媒は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、第VIB族の少なくとも1種の元素と、γ−ケト吉草酸とを含む。

0037

本発明による触媒は、新鮮な触媒、すなわち、触媒装置において、特に、水素化処理および/または水素化分解において触媒として前もって用いられていない触媒である。

0038

本発明による触媒は、再活触媒であってもよい。再活触媒(rejuvenated catalyst)とは、触媒装置、特に水素化処理および/または水素化分解において触媒として用いられ、かつ、コークを焼き払うために少なくとも1回の焼成の工程(再生)を経た触媒を意味する。次いで、少なくともγ−ケト吉草酸が、この再生触媒に加えられて、再活触媒が得られる。この再活触媒は、1種以上の他の有機添加物を含有してよく、この有機添加物は、γ−ケト吉草酸の前、その後またはそれと同時に加えられてよい。

0039

活性相とも呼ばれる前記触媒の水素化機能基は、第VIB族の少なくとも1種の元素および第VIII族の少なくとも1種の元素によって保証される。

0040

第VIB族の好ましい元素は、モリブデンおよびタングステンである。第VIII族の好ましい元素は、非貴金属元素、特に、コバルトおよびニッケルである。有利には、水素化機能基は、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステンまたはニッケル−コバルト−モリブデン、またはニッケル−モリブデン−タングステンの元素の組合せを含む群から選択される。

0041

水素化脱硫、または水素化脱窒および芳香族化合物の水素化における高い活性が望まれる場合、水素化機能基は、有利には、ニッケルおよびモリブデンの組合せによって提供される;モリブデンの存在下のニッケルおよびタングステンの組合せも有利であってよい。真空蒸留物タイプの供給原料またはより重質な供給原料の場合、コバルト−ニッケル−モリブデンのタイプの組合せが有利には用いられてよい。

0042

第VIB族および第VIII族の元素の全含有率は、有利には、触媒の全重量に対する酸化物として表される重量で6%より高い。

0043

第VIB族の元素の含有率は、触媒の全重量に対する第VIB族の金属の酸化物として表される重量で5〜40%、好ましくは8〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%である。

0044

第VIII族の元素の含有率は、触媒の全重量に対する第VIII族の金属の酸化物として表される重量で1〜10%、好ましくは1.5〜9重量%、より好ましくは2〜8重量%である。

0045

触媒中の第VIII族の元素対第VIB族の元素のモル比は、好ましくは0.1〜0.8、より好ましくは0.15〜0.6、一層より好ましくは0.2〜0.5である。

0046

本発明による触媒は、有利には、ドーパントとしてリンも含む。ドーパントは、添加される元素であり、それは、それ自体では何等の触媒特性を有しないが、活性相の触媒活性を高める。

0047

前記触媒中のリン含有率は、好ましくはP2O5として表される重量で0.1〜20%、好ましくはP2O5として表される重量で0.2〜15%、非常に好ましくはP2O5として表される重量で0.3〜10%である。

0048

触媒中のリン対第VIB族の元素のモル比は、0.05以上、好ましくは0.07以上、好ましくは0.08〜1、好ましくは0.08〜0.7、非常に好ましくは0.08〜0.5である。

0049

本発明による触媒は、有利には、ホウ素と、フッ素と、ホウ素およびフッ素の混合物とから選択される少なくとも1種のドーパントをさらに含有してよい。

0050

触媒がホウ素を含有する場合、ホウ素含有率は、好ましくは酸化ホウ素として表される重量で0.1〜10%、好ましくは0.2〜7重量%、非常に好ましくは0.2〜5重量%である。

0051

触媒がフッ素を含有する場合、フッ素含有率は、好ましくはフッ素として表される重量で0.1〜10%、好ましくは0.2〜7重量%、非常に好ましくは0.2〜5重量%である。

0052

触媒がホウ素およびフッ素を含有する場合、ホウ素およびフッ素の全含有率は、好ましくは酸化ホウ素およびフッ素として表される重量で0.1〜10%、好ましくは0.2〜7重量%、非常に好ましくは0.2〜5重量%である。

0053

本発明による触媒は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体を含む。

0054

前記触媒の担体がアルミナをベースとする場合、それは、50%超のアルミナを含有し、一般的には、それは、下記に定義されるようにアルミナのみまたはシリカ−アルミナを含有する。

0055

好ましくは、担体は、アルミナを含み、好ましくは押し出されたアルミナである。好ましくは、アルミナは、ガンマアルミナである。

0056

アルミナ担体全細孔容積は、有利には0.1〜1.5cm3・g−1、好ましくは0.4〜1.1cm3・g−1である。全細孔容積は、水銀ポロシメトリにより、規格ASTMD4284に従って、140°のぬれ角により、Rouquerol F.;Rouquerol J.;Singh Kによる著作「Adsorption by Powders & Porous Solids: Principle, methodology and applications」、Academic Press, 1999に記載されるようにして、例えば、商標Micromeritics(登録商標)を有するモデルAutopore III(登録商標)装置により測定される。

0057

アルミナ担体の比表面積は、有利には5〜400m2・g−1、好ましくは10〜350m2・g−1、より好ましくは40〜350m2・g−1である。比表面積は、本発明では、BET法によって規格ASTMD3663に従って決定される;この方法は、上記と同一の著作に記載されている。

0058

別の好ましい場合において、前記触媒の担体は、最低50重量%のアルミナを含有するシリカ−アルミナである。担体のシリカ含有率は、最高50重量%、ほとんどの場合45重量%以下、好ましくは40重量%以下である。

0059

ケイ素の源は、当業者に周知である。例として、ケイ酸粉体の形態またはコロイド形態のシリカ(シリカゾル)、およびテトラエチルオルトシリカート(Si(OEt)4)が挙げられてよい。

0060

前記触媒の担体がシリカをベースとしている場合、それは、50重量%超のシリカを含有し、一般的には、それは、シリカのみを含有する。

0061

特に好ましい変形例によると、担体は、アルミナ、シリカまたはシリカ−アルミナからなる。

0062

担体は、有利には、0.1〜50重量%のゼオライトをさらに含有してもよい。この場合、当業者に知られる調製の全てのゼオライト源および全ての関連する方法が組み入れられてよい。好ましくは、ゼオライトは、FAU、BEA、ISV、IWR、IWW、MEI、UWYの群から選択され、好ましくは、ゼオライトは、FAUおよびBEAの群から選択され、例えば、ゼオライトYおよび/またはベータである。

0063

所定の特定の場合において、担体は、第VIB族および第VIII族の金属(1種または複数種)の少なくとも一部、および/またはリンを含むドーパント(1種または複数種)の少なくとも一部および/または含浸の外側で導入された(例えば、担体の調製の間に導入された)、酸素(γ−ケト吉草酸その他)および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物(1種または複数種)の少なくとも一部を含有してもよい。

0064

担体は、有利には、ビーズ状、押出物状、ペレット状、または不規則な非球体凝集体状の形態であり、その特定の形態は、粉砕工程に由来してよい。

0065

本発明による触媒は、γ−ケト吉草酸も含む。γ−ケト吉草酸は、以下の式に相当する。

0066

0067

γ−ケト吉草酸の源は、従来の化学工業からであってよく、一般的に高レベル純度を有する。この酸はまた、バイオマス加工処理を起源とし得、この生成物は、好ましくは、精製されるかまたは使用前ではないγ−ケト吉草酸の大部分を含有する。例として、バイオファイン(Biofine)法(D. J. Hayes, J. Ross, M.H.B. Hayes, S. Fitzpatrick, Bioref. Ind. Proc. Prod., 1, 139-164, 2006)が挙げられてよく、これにより、リグノセルロースから出発して、精製の前に、最低50重量%のγ−ケト吉草酸を含有する混合物を生じさせることが可能になり、主要な副生物の一つは、ギ酸である。

0068

触媒上のγ−ケト吉草酸の存在により、添加物を有しない触媒および添加物を有する既知の乾燥済み触媒に対する活性の向上を観察することが可能になる。本発明による触媒上のγ−ケト吉草酸の含有率は、触媒の全重量に対して1〜35重量%、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは3〜25重量%である。触媒の調製の間に、酸の導入の後に乾燥させる1回または複数回の工程が200℃未満の温度で行われ、これにより、好ましくは、導入された酸の量の最低30%、好ましくは最低50%、非常に好ましくは最低70%が、触媒上に残留する炭素基礎に計算されて、保持される。

0069

本発明による触媒は、γ−ケト吉草酸に加えて、添加物としての役割のために知られている1種のまたは一群の別の有機化合物を含んでよい。添加物の機能は、添加物を有しない触媒に対して、触媒活性を高めることにある。より特定的には、本発明による触媒は、γ−ケト吉草酸以外の酸素を含有する1種以上の有機化合物および/または窒素を含有する1種以上の有機化合物および/または硫黄を含有する1種以上の有機化合物をさらに含んでよい。好ましくは、本発明による触媒は、γ−ケト吉草酸以外の酸素を含有する1種以上の有機化合物、および/または窒素を含有する1種以上の有機化合物をさらに含んでよい。好ましくは、有機化合物は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の酸素および/または窒素の原子を含有する。

0070

一般的に、有機化合物は、カルボキシ、アルコール、チオール、チオエーテル、スルホン、スルホキシド、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボナート、アミン、ニトリル、イミド、オキシム、ウレアおよびアミドの官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される。好ましくは、有機化合物は、2つのアルコール基および/または2つのカルボキシ基および/または2つのエステル基および/または少なくとも1つのアミド基を含む化合物から選択される。

0071

酸素を含有する有機化合物は、カルボキシ、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステルまたはカルボナートの官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される1種以上であってよい。例として、酸素を含有する有機化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール分子量は200〜1500g/molである)、プロピレングリコール2−ブトキシエタノール、2−(2−ブトキシエトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリエチレングリコールジメチルエーテルグリセロールアセトフェノン、2,4−ペンタンジオンペンタノン酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、リンゴ酸、シュウ酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸C1−C4ジアルキルアセト酢酸メチルラクトンジベンゾフランクラウンエーテルオルソフタル酸グルコースおよび炭酸プロピレンによって構成される群から選択される1種以上であってよい。

0072

窒素を含有する有機化合物は、アミンまたはニトリルの官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される1種以上であってよい。例として、窒素を含有する有機化合物は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミンペンタエチレンヘキサミンアセトニトリルオクチルアミングアニジンまたはカルバゾールによって構成される群から選択される1種以上であってよい。

0073

酸素および窒素を含有する有機化合物は、カルボン酸、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボナート、アミン、ニトリル、イミド、アミド、ウレアまたはオキシムの官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される1種以上であってよい。例として、酸素および窒素を含有する有機化合物は、1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸モノエタノールアミン(monoethanolamine:MEA)、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、エチレンジアミンテトラ酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)、アラニングリシンニトリロトリ酢酸(nitrilotriacetic acid:NTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−トリ酢酸(N-(2-hydroxyethyl)ethylenediamine-N,N′,N′-triacetic acid:HEDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(diethylenetriaminepentaacetic acid:DTPA)、テトラメチルウレア、グルタミン酸ジメチルグリオキシム、ビシンまたはトリシン、またはラクタムによって構成される群から選択される1種以上であってよい。

0074

硫黄を含有する有機化合物は、チオール、チオエーテル、スルホンまたはスルホキシドの官能基から選択される1個以上の化学官能基を含む化合物から選択される1種以上であってよい。例として、硫黄を含有する有機化合物は、チオグリコール酸、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸ベンゾチオフェンスルホナート化誘導体またはベンゾチオフェンのスルホキシド化誘導体によって構成される群から選択される1種以上であってよい。

0075

好ましくは、有機化合物は、酸素を含有し、好ましくは、それは、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、マレイン酸、クエン酸、ジメチルホルムアミド、ビシン、またはトリシンから選択される。

0076

それ(それら)が存在している場合、本発明による触媒上の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する添加物機能を有する有機化合物(1種または複数種)(γ−ケト吉草酸以外)の含有率は、触媒の全重量に対して1〜30重量%、好ましくは1.5〜25重量%、より好ましくは2〜20重量%である。

0077

(調製方法)
本発明による触媒は、当業者に知られている添加物として有機化合物を有する担持型触媒のあらゆる調製方法によって調製されてよい。

0078

本発明による触媒は、以下の工程:
a) 第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとを、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と接触させるか、または、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒を、γ−ケト吉草酸と接触させて、触媒前駆体を得る工程、
b) 工程a)を起源とする前記触媒前駆体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、続けてそれの焼成は行わない、工程
を含む調製方法によって調製されてよい。

0079

最初に、新鮮な触媒の調製方法が説明されることになり、その後に、再活触媒の調製方法が説明されることになる。

0080

(新鮮な触媒の調製方法)
接触工程a)は、複数の実施形態を含み、これらは、γ−ケト吉草酸の導入の時点によって特に相違しており、金属の含浸と同時(共含浸)、または金属の含浸の後(後含浸)、あるいは、金属の含浸の前(前含浸)のいずれかで行われてよい。さらに、接触工程は、少なくとも2つの実施形態、例えば、共含浸および後含浸を組み合わせてよい。これらの種々の実施形態は後に記載されることになる。各実施形態は、単独でまたは組み合わせて、1回以上の工程において行われてよい。

0081

その調製方法の間に、本発明による触媒は、γ−ケト吉草酸または酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する任意の他の有機化合物の導入の後に焼成を経ず、これにより、少なくとも部分的に、触媒中のγ−ケト吉草酸または任意の他の有機化合物が保護されることを強調することは重要である。焼成とは、ここでは、空気または酸素を含有するガス下に、200℃以上の温度で熱処理することを意味する。

0082

しかしながら、触媒前駆体は、γ−ケト吉草酸または酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する任意の他の有機化合物の導入の前、特に、第VIB族および第VIII族の元素の含浸の後(後含浸)に、場合によってはリンおよび/または他のドーパントの存在下に、または、すでに用いられた触媒の再生の間に、焼成工程を経てよい。活性相とも呼ばれる、本発明による触媒の第VIB族および第VIII族の元素を含む水素化機能基は、酸化物の形態である。

0083

別の変形例によると、触媒前駆体は、第VIB族および第VIII族の元素の含浸の後(後含浸)に焼成工程を経ず、それは、単に乾燥させられる。活性相とも呼ばれる、本発明による触媒の第VIB族および第VIII族の元素を含む水素化機能基は、酸化物の形態ではない。

0084

実施形態が何であれ、接触工程a)は、一般的に、少なくとも1回の含浸工程、好ましくは、乾式含浸の工程を含み、この含浸の工程において、担体は、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含む含浸溶液を含浸させられる。以下に詳細に記載されるように、共含浸の場合、この含浸溶液は、少なくともγ−ケト吉草酸をさらに含む。第VIB族および第VIII族の元素は、一般的に、含浸、好ましくは乾式含浸または過剰な溶液による含浸によって導入される。好ましくは、第VIB族および第VIII族の元素の全ては、実施形態に拘わらず、含浸、好ましくは乾式含浸によって導入される。

0085

第VIB族および第VIII族の元素は、一部、前記担体を成形する間の、マトリクスとして選択される少なくとも1種のアルミナゲルと混合する時点において導入されてもよく、水素化元素の残りは、その後に含浸によって導入される。好ましくは、第VIB族および第VIII族の元素が、一部、混合する時点において導入される場合、この工程の間に導入される第VIB族の元素の割合は、最終触媒上に導入される第VIB族の元素の全量の5重量%未満である。

0086

好ましくは、導入の方法に拘わらず、第VIB族の元素は、第VIII族の元素と同時に導入される。

0087

用いられてよいモリブデン前駆体は、当業者に周知である。例えば、モリブデン源の中で、酸化物および水酸化物モリブデン酸およびその塩が用いられ得、特に、アンモニウム塩、例えば、モリブデン酸アンモニウムヘプタモリブデン酸アンモニウムリンモリブデン酸(H3PMo12O40)およびその塩、場合によっては、ケイモリブデン酸(H4SiMo12O40)およびその塩がある。モリブデン源は、例えば、ケギン型、ラクナケギン型、置換ケギン型、ドーソン型、アンダーソン型、またはストランドベルグ型のヘテロポリ化合物であってもよい。三酸化モリブデンおよびストランドベルグ型、ケギン型、ラクナケギン型または置換ケギン型のヘテロポリアニオンが好適に用いられる。

0088

用いられてよいタングステン前駆体も当業者に周知である。例えば、タングステン源の中で、酸化物および水酸化物、タングステン酸およびその塩が用いられ得、特に、アンモニウム塩、例えば、タングステン酸アンモニウムメタタングステン酸アンモニウムリンタングステン酸およびその塩、および場合によっては、ケイタングステン酸(H4SiW12O40)およびその塩である。タングステン源は、例えば、ケギン型、ラクナケギン型、置換ケギン型、またはドーソン型のヘテロポリ化合物であってもよい。酸化物およびアンモニウム塩、例えば、メタタングステン酸アンモニウムまたはケギン型、ラクナケギン型または置換ケギン型のヘテロポリアニオンが好適に用いられる。

0089

用いられてよい第VIII族の元素の前駆体は、有利には、第VIII族の元素の酸化物、水酸化物、ヒドロキシ炭酸塩炭酸塩および硝酸塩から選択され、例えば、ヒドロキシ炭酸ニッケル、コバルトの炭酸塩または水酸化物が好適に用いられる。

0090

リンが存在する場合、それは、全体的にまたは部分的に、含浸によって導入されてよい。好ましくは、それは、含浸によって、好ましくは乾式含浸によって、第VIB族および第VIII族の元素の前駆体を含有する溶液を用いて導入される。

0091

前記リンは、有利には、単独でまたは第VIB族および第VIII族の元素の少なくとも1種との混合物で、これが複数回の実施において導入されるならば水素化機能基の含浸のための工程のいずれかの間に導入されてよい。前記リンは、全体的にまたは部分的に、水素化機能基とは別にこれが導入されるならば(後に説明される後含浸または前含浸の場合)、γ−ケト吉草酸の含浸の間に、γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物の存在下または非存在下に導入されてもよい。それは、担体の合成の間の、その合成のあらゆる工程において導入されてもよい。それは、それ故に、選択されるアルミナゲルマトリクス、例えばおよび好ましくはアルミナ前駆体であるオキシ水酸化アルミニウムベーマイト)の混合の前、その間またはその後に導入されてよい。

0092

好ましいリン前駆体は、オルトリン酸H3PO4であるが、その塩およびエステル、例えば、リン酸アンモニウムも適切である。リンは、第VIB族の元素(1種または複数種)と同時に、ケギン型、ラクナケギン型、置換ケギン型またはストランドベルグ型のヘテロポリアニオンの形態で導入されてもよい。

0093

γ−ケト吉草酸は、有利には、含浸溶液に導入され、この含浸溶液は、調製方法に応じて、第VIB族および第VIII族の元素を含有する溶液と同一の溶液または異なる溶液であってよく、全量において、以下に相当する:
−触媒前駆体のγ−ケト吉草酸対第VIB族の元素(1種または複数種)のモル比:0.2〜2.0mol/mol、好ましくは0.3〜1.7mol/mol、好ましくは0.5〜1.5mol/mol、非常に好ましくは0.8〜1.2mol/mol;含浸溶液(1種または複数種)に導入された成分を基礎として計算される;
− 触媒前駆体のγ−ケト吉草酸対第VIII族の元素(1種または複数種)のモル比:0.1〜5.0mol/mol、好ましくは0.5〜4.0mol/mol、好ましくは1.0〜3.0mol/mol、非常に好ましくは1.5〜3.0mol/mol;含浸溶液(1種または複数種)に導入された成分を基礎として計算される。

0094

本発明において記載されるあらゆる含浸溶液は、当業者に知られているあらゆる極性溶媒を含んでよい。用いられる前記極性溶媒は、有利には、メタノール、エタノール、水、フェノールシクロヘキサノールによって形成される群から選択され、これらは、単独でまたは混合物で用いられる。前記極性溶媒は、有利には、炭酸プロピレン、DMSO(dimethylsulphoxide;ジメチルスルホキシド)、N−メチルピロリドン(N-methylpyrrolidone:NMP)またはスルホランによって形成される群から選択されてもよく、これらは、単独でまたは混合物で用いられる。好ましくは、極性プロトン溶媒が用いられる。通常の極性溶媒並びにそれらの比誘電率リストは、書籍「Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry」、C. Reichardt, Wiley-VCH, 3rd edition, 2003, pages 472-474において見出されてよい。非常に好ましくは、用いられる溶媒は水またはエタノールであり、特に好ましくは、溶媒は水である。考えられる実施形態において、溶媒は、含浸溶液を欠いていてもよい。

0095

触媒がホウ素、フッ素、またはホウ素およびフッ素の混合物から選択されるドーパントをさらに含む場合、このドーパントまたはこれらのドーパントの導入は、リンの導入と同様に、調製の種々の工程において種々の方法でなされてよい。前記ドーパントは、有利には、単独でまたは第VIB族および第VIII族の元素の少なくとも1種との混合物で、これが複数回の試行において導入されるならば水素化機能基の含浸の工程のいずれかの間に導入されてよい。前記ドーパントは、全体的または部分的に、水素化機能基とは別にこれが導入されるならば(後に説明される、後含浸または前含浸の場合)、γ−ケト吉草酸の含浸の間に、γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物の存在下または非存在下に導入されてもよい。それは、担体の合成以降から、その合成のあらゆる工程において導入されてもよい。それは、それ故に、選択されるアルミナゲルマトリクス、例えばおよび好ましくはアルミナ前駆体であるオキシ水酸化アルミニウム(ベーマイト)の混合の前、その間またはその後に導入されてよい。

0096

前記ドーパントが存在する場合、それは、有利には、第VIB族および第VIII族の元素の前駆体(1種または複数種)との混合物で、全体的にまたは部分的に、成形された担体上に、金属の前駆体、リン前駆体およびドーパント(1種または複数種)の前駆体(1種または複数種)を含有する(共含浸の実施形態ではγ−ケト吉草酸も含有する)溶液、好ましくは水溶液を用いる前記担体の乾式含浸によって導入される。

0097

ホウ素前駆体は、ホウ酸オルトホウ酸H3BO3、二ホウ酸アンモニウムまたは五ホウ酸アンモニウム、酸化ホウ素、ホウ酸エステルであってよい。ホウ素は、例えば、水/アルコール混合物中あるいは水/エタノールアミン混合物中のホウ酸の溶液によって導入されてよい。好ましくは、ホウ素前駆体は、ホウ素が導入されるならば、オルトホウ酸である。

0098

用いられてよいフッ素前駆体は当業者に周知である。例えば、フッ化物アニオンは、フッ化水素酸またはその塩の形態で導入されてよい。これらの塩は、アルカリ金属アンモニウムまたは有機化合物により形成される。有機化合物の場合、塩は、有利には、有機化合物とフッ化水素酸との間の反応による反応混合物中に形成される。フッ素は、例えば、フッ化水素酸、またはフッ化アンモニウムまたは一水素二フッ化アンモニウムの水溶液の含浸によって導入されてよい。

0099

触媒が(γ−ケト吉草酸に加えて)γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物から選択される1種または一群の追加添加物をさらに含む場合、これは、工程a)において含浸溶液中に導入されてよい。

0100

触媒上の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物(1種または複数種)対第VIB族の元素(1種または複数種)のモル比は、含浸溶液(1種または複数種)に導入された成分を基礎に計算されて、0.05〜5mol/mol、好ましくは0.1〜4mol/mol、好ましくは0.2〜3mol/molである。

0101

酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物(1種または複数種)対γ−ケト吉草酸のモル比は、含浸溶液(1種または複数種)に導入された成分を基礎に計算されて、0.05〜5mol/mol、好ましくは0.1〜4mol/mol、より好ましくは0.2〜3mol/molである。

0102

有利には、各含浸工程の後に、含浸済み担体は、放置されて成熟させられる。成熟により、含浸溶液が担体内に均一に分散することが可能になる。

0103

本発明において記載されるあらゆる成熟工程は、有利には、大気圧で、水飽和雰囲気中、17℃〜50℃の温度、好ましくは周囲温度で行われる。一般的には、10分〜48時間、好ましくは30分〜5時間の成熟時間が十分である。より長い時間は除外されないが、なんらかの改善を必ずしも提供するものではない。

0104

本発明による調製方法の工程b)によると、工程a)において得られ、場合によっては成熟させられた触媒前駆体は、200℃未満の温度での乾燥工程に付されるが、続いての焼成工程は行われない。

0105

本発明において記載されたγ−ケト吉草酸の導入の後のあらゆる乾燥工程が行われる際の温度は、200℃未満、好ましくは50〜180℃、好ましくは70〜150℃、非常に好ましくは75〜130℃である。

0106

乾燥工程は、有利には、当業者に知られているあらゆる技術によって行われる。それは、有利には、大気圧または減圧で行われる。好ましくは、この工程は、大気圧で行われる。それは、有利には、横断床(transversed bed)において、空気または任意の他の高温ガスを用いて行われる。好ましくは、乾燥処理が固定床において行われる場合、用いられるガスは、空気、または不活性ガス、例えば、アルゴンまたは窒素のいずれかである。非常に好ましくは、乾燥処理は、横断床において、窒素および/または空気の存在下に行われる。好ましくは、乾燥工程は、短継続期間のものであり、5分〜4時間、好ましくは30分〜4時間、非常に好ましくは1時間〜3時間である。乾燥処理は、含浸工程の間に導入されたγ−ケト吉草酸の好ましくは最低30%を保持するように行われ、好ましくは、この量は、触媒上に残る炭素を基礎として計算されて、50%より高く、一層より好ましくは70%より高い。γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物が存在している場合、乾燥工程は、触媒上に残留する炭素を基礎に計算されて、導入された量の好ましくは最低30%、好ましくは最低50%、非常に好ましくは最低70%を保持するように行われる。

0107

乾燥工程b)の終わりに、乾燥済み触媒が得られるが、このものは、あらゆるその後の焼成工程に付されない。

0108

(共含浸)
(新鮮な)触媒の調製方法の工程a)の第1の実施形態によると、第VIB族の元素と、第VIII族の元素と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとの前記成分は、前記担体上に、1回以上の共含浸工程によって沈着させられる。すなわち、第VIB族の元素と、第VIII族の元素と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとの前記成分は、前記担体に同時に導入される(「共含浸」)。変形例によると、工程a)は、以下の工程:
a’)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンとを含有する少なくとも1種の溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程
である。

0109

1回または複数回の共含浸工程は、好ましくは、乾式含浸または過剰の溶液による含浸によって行われる。この第1の実施形態が複数回の共含浸工程の利用を含む場合、各共含浸工程の後に、好ましくは中間乾燥工程が行われ、その際の温度は、200℃未満、有利には50〜180℃、好ましくは70〜150℃、非常に好ましくは75〜130℃であり、場合によっては、含浸と乾燥処理との間に成熟の期間が観察される。

0110

非常に好ましくは、共含浸による調製の間、第VIB族および第VIII族の元素と、γ−ケト吉草酸と、場合によるリンと、場合による、ホウ素および/またはフッ素から選択される別のドーパントと、場合による、γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物とは、工程a)において全体的に、前記担体の成形の後に、第VIB族および第VIII族の元素の前駆体と、γ−ケト吉草酸の前駆体と、場合によるリン前駆体と、場合による、ホウ素および/またはフッ素から選択されるドーパント前駆体と、場合による、前記の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物とを含有する含浸水溶液を用いる前記担体の乾式含浸によって導入される。

0111

(後含浸)
本発明による(新鮮な)触媒の調製方法の工程a)の第2の実施形態によると、少なくともγ−ケト吉草酸は、乾燥させられ、場合によっては焼成された含浸済みの担体であって、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含むものと接触させられて触媒前駆体が得られ、前記担体は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする。

0112

この第2の実施形態は、γ−ケト吉草酸の「後含浸」による調製である。これは、例えば、乾式含浸によって行われる。

0113

この第2の実施形態によると、工程a)による接触処理は、後に詳細に記載されることになる以下の連続する工程:
a1)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含有する少なくとも1種の溶液を含浸させて、含浸済み担体を得る工程、
a2) 工程a1)において得られた含浸済み担体を、200℃未満の温度で乾燥させて、乾燥させられた含浸済み担体を得るようにし、場合によっては、乾燥させられた含浸済み担体を焼成して、焼成された含浸済み担体を得るようにする工程、
a3) 工程a2)において得られた乾燥させられ、場合によっては焼成された含浸担体に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程、
a4) 場合による、工程a3)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含む。

0114

後含浸を利用する実施形態の工程a1)において、担体上への第VIB族および第VIII族の元素と、場合によるリンとの導入は、有利には、担体上への過剰溶液による1回以上の含浸によって、または好ましくは前記担体の1回以上の乾式含浸によって、好ましくは、単一回の乾式含浸によって行われてよく、用いられる溶液(1種または複数種)は、好ましくは水溶液であり、金属の1種または複数種の前駆体と、好ましくはリン前駆体とを含有する。

0115

複数回の含浸工程が行われる場合、各含浸工程の後、好ましくは、中間乾燥工程が行われ、その際の温度は、200℃未満、有利には50〜180℃、好ましくは70〜150℃、非常に好ましくは75〜130℃であり、場合によっては、含浸と乾燥処理との間に成熟の期間が観察される。γ−ケト吉草酸の導入に先行して、各中間乾燥工程の後に、下記に工程a2)のために記載される条件下に焼成工程が行われてよい。

0116

非常に好ましくは、後含浸による調製の間に、第VIB族および第VIII族の元素と、場合によるリンと、場合による、ホウ素および/またはフッ素から選択される別のドーパントと、場合による、γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物との導入は、工程a1)において全体的に、前記担体を成形した後に、第VIB族および第VIII族の元素の前駆体と、リン前駆体と、場合による、ホウ素および/またはフッ素から選択されるドーパント前駆体と、場合によるγ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物とを含有する含浸水溶液を用いる前記担体の乾式含浸によって行われる。

0117

別の変形例によると、第VIB族および第VIII族の元素と、場合によるリンと、場合による、ホウ素および/またはフッ素から選択される別のドーパントと、場合による、γ−ケト吉草酸以外の酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物とは、工程a1)において連続的に、1種以上の成分を含有する複数種の含浸溶液によって導入されてよい。

0118

有利には、工程a1)において得られた含浸済み担体は、上記に記載された成熟のための条件下に放置されて成熟させられる。

0119

工程a2)によると、工程a1)において得られた含浸済み担体は、200℃未満の温度で乾燥させられ、上記の乾燥条件下に乾燥させられた含浸済み担体が得られる。

0120

場合によっては、乾燥させられた含浸済み担体は、次いで、焼成処理を経てもよい。焼成処理が行われる際の温度は、一般的には200℃〜900℃、好ましくは250℃〜750℃である。焼成時間は、一般的には0.5時間〜16時間、好ましくは1時間〜5時間である。それは、一般的には空気下に行われる。焼成処理により、第VIB族および第VIII族の金属の前駆体を酸化物に転化させることが可能となる。

0121

工程a3)によると、工程a2)において得られた乾燥させられた含浸済み担体は、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させられ、触媒前駆体が得られる。

0122

γ−ケト吉草酸は、有利には、1回以上の工程において、過剰での含浸または乾式含浸、または当業者に知られている任意の他の手段のいずれかによって沈着させられてよい。好ましくは、γ−ケト吉草酸は、乾式含浸によって、上記の溶媒の存在下または非存在下に導入される。

0123

好ましくは、工程a3)において用いられる含浸溶液における溶媒は、水であり、これは、工業スケールでの実施を促進する。

0124

γ−ケト吉草酸は、有利には、工程a3)における含浸溶液に、上記の第VIB族または第VIII族の元素当たりのモル比で導入される。

0125

さらに、(γ−ケト吉草酸に加えて)酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物から選択される1種のまたは一群の追加添加物を導入することが望まれる場合、これは、工程a1)における含浸溶液中に、および/または工程a3)における含浸溶液中に、または、工程b)における最終乾燥前の調製方法中の任意の時点における追加の含浸工程によって導入されてよく、焼成工程は、その導入の後に行われないことが理解される。この化合物は、上記の割合で導入される。

0126

工程a4)によると、場合によっては、工程a3)において得られた触媒前駆体は、上記の成熟条件下に放置されて成熟させられる。

0127

本発明による調製方法の工程b)によると、場合により工程a4)において成熟させられた触媒前駆体は、200℃未満の温度で乾燥させる工程に付されるが、上記のようにその後に焼成工程は行われない。

0128

(前含浸)
本発明による(新鮮な)触媒の調製方法の工程a)の第3の実施形態によると、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとは、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとしかつγ−ケト吉草酸を含有する担体と接触させられて、触媒前駆体が得られる。

0129

この第3の実施形態は、γ−ケト吉草酸の「前含浸」による調製である。これは、例えば、乾式含浸によって行われる。

0130

この第3の実施形態によると、工程a)による接触は、以下に詳細に記載されることになる以下の連続する工程:
a1’) 少なくともγ−ケト吉草酸と、場合によるリンの少なくとも一部とを含む担体を調製する工程、
a2’) 工程a1’)において得られた担体に、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、場合によるリンとを含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程、
a3’) 場合による、工程a2’)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含む。

0131

前含浸を利用する実施形態の工程a1’)において、少なくともγ−ケト吉草酸と、場合によるリンの少なくとも一部とを含む担体が調製される。γ−ケト吉草酸は、担体の調製におけるあらゆる時点において、好ましくは成形処理の間に、または、すでに成形されている担体上への含浸によって導入されてよい。

0132

予め成形された担体上へのγ−ケト吉草酸の導入が選択されるならば、この導入は、後含浸の工程a3)について指し示されたように行われてよい。それに続いて、場合による成熟工程と、200℃未満の温度での乾燥処理とが、上記の成熟および乾燥処理の条件下に行われることとなる。

0133

成形処理の間の導入が選ばれるならば、好ましくは、前記成形は、混合−押出ペレット化油滴方法、回転板による造粒、または、当業者に周知である任意の他の方法によって行われる。非常に好ましくは、前記成形処理は、混合−押出によって行われ、γ−ケト吉草酸は、混合−押出の間のあらゆる時点において導入されてよい。成形工程の終わりに得られた成形済みの物は、次いで、有利には、γ−ケト吉草酸の少なくとも一部が存在したままになるような温度での熱処理の工程を経る。

0134

同じことは、工程a1’)において前記担体中に場合により存在するリンに適用する。リンは、上記のように、担体の調製におけるあらゆる時点において、好ましくは、成形処理の間に、または、すでに成形されている担体上への含浸によって導入されてよい。リンのみが成形処理の間に導入される、すなわち、γ−ケト吉草酸自体は含浸により導入されることがないならば、それの導入の後の焼成温度は、有利には、1,000℃未満の温度で行われてよい。

0135

前含浸を利用する実施形態の工程a2’)において、第VIB族および第VIII族の元素と、場合によるリンとの導入は、有利には、担体上の1回以上の過剰溶液中の含浸によって、または、好ましくは前記担体の1回以上の乾式含浸によって、好ましくは単一回の乾式含浸によって行われてよく、金属の1種または複数種の前駆体と、場合によるリン前駆体とを含有する溶液(1種または複数種)、好ましくは水溶液が用いられる。

0136

有利には、工程a2’)において得られた触媒前駆体は、上記の成熟条件下に放置されて成熟させられる。

0137

さらに、(γ−ケト吉草酸に加えて)酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物から選択される一種のまたは一群の追加添加物を導入することが望まれる場合、これは、工程a1’)において担体に、成形処理の間または含浸によって、および/または工程a2’)における含浸溶液に、または、工程b)における最終乾燥処理前の調製方法中のあらゆる時点における追加の含浸工程によって導入されてよく、焼成工程は、それの導入の後に行われないことが理解される。

0138

上記の3つの実施形態は、上記のように単独で、または、技術的および実際的な制約に応じた他の混成の調製方法を引き起こすように混合して行われてよい。

0139

別の代替実施形態によると、工程a)による接触処理は、少なくとも2つの接触方法、例えば、有機化合物の共含浸と、共含浸のために用いられたものと同一であっても異なっていてもよい有機化合物の後含浸とを組み合わせるが、これは、有機化合物のすくなくとも一方は、γ−ケト吉草酸であることが前提である。

0140

この代替実施形態によると、工程a)による接触処理は、以下の連続的な工程:
a1”) 共含浸により、第VIB族の少なくとも1種の元素と、第VIII族の少なくとも1種の元素と、酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する少なくとも1種の有機化合物と、場合によるリンとを含有する溶液を、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と接触させて、含浸済み担体を得る工程、
a2”) 工程a1”)を起源とする含浸済み担体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、その後のそれの焼成は行わず、乾燥させられた含浸済み担体を得る工程、
a3”) 工程a2”)を起源とする乾燥させられた含浸済みの担体を、工程a1”)において用いられたものと同一であるかまたは異なっている酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物の溶液と接触させて、触媒前駆体を得る工程、
a4”) 場合による、工程a3”)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含み、工程a1”)または工程a3”)における有機化合物の少なくとも一方は、γ−ケト吉草酸である。

0141

上記の操作条件は、当然、この最後に言及された実施形態の状況において適用可能である。

0142

(再活触媒の調製方法)
本発明による触媒は、再活触媒であってよい。この触媒は、以下の工程:
a)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒を、γ−ケト吉草酸と接触させて触媒前駆体を得る工程、
b) 工程a)を起源とする前記触媒前駆体を、200℃未満の温度で乾燥させるが、その後のそれの焼成は行わない、工程
を含む調製方法によって調製されてよい。

0143

工程a)によると、再生触媒は、γ−ケト吉草酸と接触させられて、触媒前駆体が得られる。再生触媒は、触媒装置中で、特に、水素化処理および/または水素化分解において触媒として用いられていた、コークを焼き払うために焼成する(再生)少なくとも1回の工程を経ていた触媒である。再生により、それの工業的使用の間に触媒上に沈着させられた炭素の燃焼が可能になる。それは、当業者に知られているあらゆる手段によって行われてよい。再生が行われる際の温度は、一般的に350〜550℃、ほとんどの場合400〜520℃、または420〜520℃、または450〜520℃であり、500℃未満の温度がしばしば有利である。

0144

再生触媒は、アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを、上記に与えられた各割合で含有する。再生(焼成工程)の後、再生触媒の第VIB族および第VIII族の元素を含む水素化機能基は、酸化物の形態にある。それは、上記に記載されるようにリン以外のドーパントを含有してもよい。

0145

この実施形態によると、工程a)による接触処理は、以下の連続する工程:
a1’’’)アルミナまたはシリカまたはシリカ−アルミナをベースとする担体と、第VIB族の元素の少なくとも1種の成分と、第VIII族の元素の少なくとも1種の成分と、場合によるリンとを含有する再生触媒に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させて、触媒前駆体を得る工程、
a2’’’) 場合による、工程a1’’’)において得られた触媒前駆体を放置して成熟させる工程
を含む。

0146

好ましくは、工程a)における接触処理は、再生触媒に、少なくともγ−ケト吉草酸を含む含浸溶液を含浸させることによって行われ、触媒前駆体が得られる。

0147

γ−ケト吉草酸は、有利には、1回以上の工程において、過剰での含浸または乾式含浸または当業者に知られている任意の他の手段のいずれかによって沈着させられてよい。好ましくは、γ−ケト吉草酸は、乾式含浸によって、上記の溶媒の存在下または非存在下に導入される。

0148

好ましくは、用いられる含浸溶液における溶媒は水であり、これは、工業スケールでの実施を促進する。

0149

γ−ケト吉草酸は、有利には、含浸溶液に、上記の第VIB族または第VIII族の元素当たりのモル比で導入される。

0150

さらに、(γ−ケト吉草酸に加えて)酸素および/または窒素および/または硫黄を含有する有機化合物から選択される一種のまたは一群の追加添加物を導入することが望まれる場合、これは、工程a1’’’)における含浸溶液中に、または、工程b)における最終乾燥工程前の調製方法中のあらゆる時点における追加の含浸工程によって導入されてよく、焼成工程は、それの導入の後に行われないことが理解される。この化合物は、上記の割合で導入される。

0151

工程a2’’’)によると、場合によって、工程a1’’’)において得られた触媒前駆体は、上記の成熟条件下に放置されて成熟させられる。

0152

本発明による調製方法の工程b)によると、場合によっては工程a2’’’)の間に成熟させられている触媒前駆体は、200℃未満の温度で乾燥させる工程に付されるが、上記のように続いての焼成工程は行われない。

0153

(硫化)
水素化処理および/または水素化分解の反応のためにそれが用いられる前に、本発明において記載された導入の方法のいずれか一つにより得られた乾燥済み触媒を硫化触媒に転化させて、その活性な種を形成することが有利である。この活性化または硫化の工程は、当業者に周知である方法によって、有利には、スルホ還元雰囲気下に、水素および硫化水素が存在する中で行われる。

0154

本発明による方法の種々の調製方法による工程b)の終わりに、得られた前記触媒は、したがって有利には、硫化工程に付されるが、中間の焼成工程は行われない。

0155

前記乾燥済み触媒は、有利には、現場外(ex situ)または現場内(in situ)で硫化される。硫化剤は、H2Sガスまたは触媒の硫化のための炭化水素供給原料の活性化のために使用される硫黄を含有する任意の他の化合物である。硫黄を含有する前記化合物は、有利には、アルキルジスルフィド、例えば、ジメチルジスルフィド(dimethyl disulphide:DMDS)、アルキルスルフィド、例えば、ジメチルスルフィド、チオール、例えば、n−ブチルメルカプタン(または1−ブタンチオール)、tert−ノニルポリスルフィドタイプのポリスルフィド化合物、または触媒の良好な硫化を得るために当業者に知られている任意の他の化合物から選択される。好ましくは、触媒は、現場内で、硫化剤および炭化水素含有供給原料の存在下に硫化される。非常に好ましくは、触媒は、炭化水素含有供給原料にジメチルジスルフィドを加えたものの存在下に現場内で硫化される。

0156

(水素化処理および/または水素化分解の方法)
最後に、本発明は、炭化水素含有留分の水素化処理および/または水素化分解の方法における本発明による触媒または本発明による調製方法によって調製された触媒の使用にも関する。

0157

本発明による触媒は、好ましくは、事前に硫化工程を経たものであるが、このものは、有利には、炭化水素含有供給原料、例えば、石油留分、石炭を起源とする留分または場合によっては混合物での天然ガスから、または、バイオマスを起源とする炭化水素含有留分から生じた炭化水素の水素化処理および/または水素化分解の反応、より特定的には、炭化水素含有供給原料の水素化、水素化脱窒、水素化脱芳香族、水素化脱硫、水素化脱酸素、水素化脱金属または水素化転化の反応のために用いられる。

0158

これらの使用において、本発明による触媒は、好ましくは事前に硫化工程を経たものであるが、このものは、従来技術の触媒に対して改善された活性を有している。この触媒は、有利には、接触分解または水素化分解、または残渣の水素化脱硫またはディーゼル深度水素化脱硫(deep hydrodesulphurization)(ULSD:Ultra Low Sulphur Diesel(超低硫黄軽油))のための供給原料の前処理の間に用いられてもよい。

0159

水素化処理方法において用いられる供給原料は、例えば、ガソリン、ガスオイル、真空ガスオイル、常圧残渣、真空残渣、常圧蒸留液、真空蒸留液、重質燃料オイル、オイル、ワックスおよびパラフィン使用済みオイル脱アスファルト残渣または粗製油(crude oil)、熱転化方法また接触転化方法から得られた供給原料、リグノセルロース供給原料、より一般的には、バイオマスを起源とする供給原料であり、これらは、単独でまたは混合物で用いられる。処理される供給原料、特に、上記に挙げられたものは、一般的に、ヘテロ原子、例えば、硫黄、酸素および窒素を含有し、重質供給原料では、ほとんどの場合、それらは、金属も含有する。

0160

上記の炭化水素含有供給原料の水素化処理の反応を利用する方法において用いられる操作条件は、一般的には以下の通りである:温度は、有利には180〜450℃、好ましくは250〜440℃であり、圧力は、有利には0.5〜30MPa、好ましくは1〜18MPaであり、毎時空間速度は、有利には0.1〜20h−1、好ましくは0.2〜5h−1であり、温度および圧力の標準条件下に測定される水素の容積液体供給原料の容積として表される水素/供給原料の比は、有利には50L/L〜5,000L/L、好ましくは80〜2,000L/Lである。

0161

第1の使用方法によると、本発明による前記水素化処理方法は、ガスオイル留分の水素化処理、特に、水素化脱硫(hydrodesulphurization:HDS)の方法であり、本発明による少なくとも1種の触媒の存在下に行われる。本発明による前記水素化処理方法の目的は、現行環境規格、すなわち、10ppmまでの許可される硫黄含有率を達成するように前記ガスオイル留分中に存在する硫黄含有化合物を除去することにある。それにより、水素化処理されるべきガスオイル留分中の芳香族化合物および窒素の含有率を低下させることも可能となる。

0162

本発明の方法により水素化処理されるべき前記ガスオイル留分は、0.02〜5.0重量%の硫黄を含有する。それは、有利には、直接蒸留直留ガスオイル)、コーキング装置、ビスブレーキング装置、水蒸気分解装置、より重質な供給原料の水素化処理および/または水素化分解のための装置および/または接触分解装置(Fluid Catalytic Cracking:流動接触分解)を起源とする。前記ガスオイル留分の化合物の最低90%は、好ましくは大気圧でのその沸点が250℃〜400℃である。

0163

本発明による前記ガスオイル留分の水素化処理のための方法は、以下の操作条件下に行われる:温度:200〜400℃、好ましくは300〜380℃、全圧:2MPa〜10MPa、より好ましくは3MPa〜8MPa、水素の容積対炭化水素含有供給原料の容積の比(温度および圧力の標準条件下に測定される水素の容積/液体供給原料の容積として表される):100〜600リットル/リットル、より好ましくは200〜400リットル/リットル、毎時空間速度:1〜10h−1、好ましくは2〜8h−1。HSVは、時間で表される接触時間の逆関数に対応し、液体炭化水素含有供給原料の容積流量対本発明による水素化処理方法を利用する反応装置中充填された触媒の容積の比によって定義される。本発明による前記ガスオイル留分の水素化処理方法を行う反応装置は、好ましくは、固定床、移動床または沸騰床において、好ましくは固定床において操作される。

0164

第2の使用方法によると、本発明による前記水素化処理および/または水素化分解の方法は、本発明による少なくとも1種の触媒の存在下に行われる真空蒸留液留分の水素化処理(特に、水素化脱硫、水素化脱窒、芳香族化合物の水素化)および/または水素化分解のための方法である。前記水素化処理および/または水素化分解の方法は、本発明による水素化分解前処理または水素化分解の方法とも呼ばれ、この方法の目的は、場合に応じて、前記蒸留液留分中に存在する硫黄含有化合物、窒素含有化合物または芳香族性の化合物を除去して、接触分解における転化または水素化転化の方法に先行して前処理を行い、または、要求されるならば事前に前処理されたものであるだろう蒸留液留分を水素化分解することにある。

0165

非常に多種にわたる供給原料が、上記の真空蒸留液の水素化処理および/または水素化分解の方法によって処理され得る。一般的に、それらは、最低20容積%、しばしば、最低80容積%の、大気圧において340℃超で沸騰する化合物を含有する。供給原料は、例えば、真空蒸留液並びに、潤滑油ベースから芳香族化合物を抽出するための装置を起源とする供給原料、または潤滑油ベースおよび/または脱アスファルト油の溶媒脱ろうを起源とする供給原料であってよいか、または、供給原料は、脱アスファルト油またはフィッシャートロプシュ法を起源とするパラフィンまたは上記の供給原料の任意の混合物であってよい。一般に、供給原料は、大気圧で340℃超、よりさらに良好には、大気圧で370℃超のT5沸点を有し、すなわち、供給原料中に存在する化合物の95%は、340℃超、よりさらに良好には370℃超の沸点を有する。本発明による方法において処理される供給原料の窒素含有率は、通常には200重量ppm超、好ましくは500〜10,000重量ppmである。本発明による方法において処理される供給原料の硫黄含有率は、通常には0.01〜5.0重量%である。供給原料は、場合によっては、金属を含有し得る(例えば、ニッケルおよびバナジウム)。アスファルテン含有率は、一般的には3,000重量ppm未満である。

0166

水素化処理および/または水素化分解の触媒は、一般的に、水素の存在下に、上記の供給原料と接触させられ、その際の温度は、200℃超、しばしば250℃〜480℃、有利には320℃〜450℃、好ましくは330℃〜435℃であり、その際の圧力は、1MPa超、しばしば2〜25MPa、好ましくは3〜20MPaであり、空間速度は、0.1〜20.0h−1、好ましくは0.1〜6.0h−1、好ましくは0.2〜3.0h−1であり、導入される水素の量は、水素の容積(リットル)/炭化水素の容積(リットル)の容積比が温度および圧力の標準条件下に測定される水素容積/液体供給原料の容積として表されて80〜5,000L/L、ほとんどの場合100〜2,000L/Lになるようにされる。本発明による方法において用いられるこれらの操作条件により、一般的に大気圧で340℃未満、よりさら良好には大気圧で370℃未満の沸点を有する生成物中の通過当たりの転化率:15%超、一層より好ましくは20〜95%を達成することが可能になる。

0167

本発明による触媒を利用する真空蒸留液の水素化処理および/または水素化分解のための方法は、マイルド水素化分解から高圧水素化分解にわたる圧力および転化の範囲をカバーする。マイルド水素化分解(mild hydrocracking)とは、一般的には40%未満の穏やかな転化率をもたらし、一般的には2MPa〜6MPaの低圧で操作する水素化分解を意味する。

0168

本発明による触媒は、単独で、固定床様式の単一のまたは複数の触媒床において、1基以上の反応器において、いわゆる1工程水素化分解システムで、未転化部分の液体再循環を伴ってまたは伴わずに、または、いわゆる2工程水素化分解システムで、場合によっては、本発明の触媒の上流に配置された水素化精製触媒と組み合わされて、用いられてよい。

0169

第3の使用方法によると、本発明による前記水素化処理および/または水素化分解の方法は、有利には、流動床接触分解方法(または流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking)のFCC方法)における前処理として用いられる。温度範囲圧力範囲、水素再循環比、および毎時空間速度に関する前処理の操作条件は、一般的に、真空蒸留液の水素化処理および/または水素化分解のための方法のための上記に記載された条件と同一である。FCC方法は、当業者に知られているように従来通りに、適切な分解条件下に行われてよく、より低い分子量の炭化水素含有生成物が生じる。接触分解の簡単な説明は、例えば、ULLMANS ENCYCLOPEDIA OF INDUSTRIAL CHEMISTRY VOLUME A 18, 1991, pages 61 to 64において見出されることになる。

0170

第4の使用方法によると、本発明による前記水素化処理および/または水素化分解の方法は、本発明による少なくとも1種の触媒の存在下でのガソリン留分の水素化処理(特に水素化脱硫)のための方法である。

0171

他の水素化処理方法とは対照的に、ガソリンの水素化処理(特に水素化脱硫)により、2つの両立しない要件:ガソリンの深度水素化脱硫を保証することおよび存在する不飽和化合物の水素化を制限してオクタン価喪失を制限することを満たすことが可能にならなければならない。

0172

供給原料は、一般的に、30〜260℃の蒸留範囲を有する炭化水素留分である。好ましくは、この炭化水素留分は、ガソリンタイプの留分である。非常に好ましくは、ガソリン留分は、例えば、接触分解装置(Fluid Catalytic Cracking:流動接触分解)を起源とするオレフィンガソリン留分である。

0173

水素化処理方法は、炭化水素留分を、本発明による触媒および水素と、以下の条件下で接触させることからなる:その際の温度は、200〜400℃、好ましくは230〜330℃であり、その際の全圧は、1〜3MPa、好ましくは1.5〜2.5MPaであり、その際の毎時空間速度(hourly space velocity:HSV)は、触媒の容積に対する供給原料の容積流量として定義されて、1〜10h−1、好ましくは2〜6h−1であり、その際の水素/ガソリン供給原料の容積比は、100〜600NL/L、好ましくは200〜400NL/Lである。

0174

ガソリンの水素化処理のための方法は、直列固体床タイプのまたは沸騰床タイプの1基以上の反応器において行われてよい。直列の少なくとも2基の反応器によって方法が行われるならば、第1の水素化脱硫反応器を起源とする流出物からH2Sを除去した後に前記流出物を第2の水素化脱硫反応器において処理するデバイスを提供することが可能である。

0175

下記に与えられる実施例により、従来技術の触媒に対する、本発明による方法によって調製された触媒についての有意に高まった活性が実証され、本発明が説明されるが、しかしながら、本発明の範囲を制限するものではない。

0176

(実施例)
(実施例1:有機化合物を有しないアルミナ上CoMoP触媒C1およびC2(本発明に合致しない)の調製)
コバルト、モリブデンおよびリンがアルミナ担体に加えられる。このアルミナ担体のBET表面積は230m2/gであり、水銀ポロシメトリによって得られた細孔容積は0.78mL/gであり、水銀ポロシメトリによる体積による中位径として定義される細孔の平均径は11.5nmであり、「押出物」の形態にある。含浸溶液は、酸化モリブデン(24.34g)および水酸化コバルト(5.34g)を90℃で、85%リン酸水溶液7.47g中に溶解させることによって調製される。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中に12時間にわたって周囲温度で放置されて成熟させられ、次いで、それらは、90℃で16時間にわたって乾燥させられる。こうして得られた乾燥済み触媒前駆体は、C1で表記される。触媒前駆体C1を450℃で2時間にわたって焼成すると、焼成済み触媒C2が得られる。触媒C1およびC2の最終組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.5±0.2重量%、CoO=4.1±0.1重量%およびP2O5=4.0±0.1重量%。

0177

(実施例2:アルミナ上CoMoP触媒C3およびC4(本発明に合致しない)、C5(本発明に合致する)の共含浸による調製)
コバルト、モリブデンおよびリンが、上記の実施例1において記載された、「押出物」の形態にあるアルミナ担体に加えられる。含浸溶液は、酸化モリブデン(28.13g)および水酸化コバルト(6.62g)を90℃で85%リン酸水溶液7.88g中に溶解させることによって調製された。上記混合物を均一にした後、37.79gのクエン酸が加えられ、その後、水を加えることによって溶液の容積が担体の細孔容積に調節された。(クエン酸)/Moのモル比は、1mol/molに等しく、(クエン酸)/Coのモル比は、2.8mol/molに等しい。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中12時間にわたって周囲温度で放置されて成熟させられ、次いで、それらは、120℃で16時間にわたって乾燥させられる。こうして得られた乾燥済み触媒前駆体は、C3で表記される。触媒C3の最終組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.7±0.2重量%、CoO=4.2±0.1重量%およびP2O5=3.8±0.1重量%。

0178

触媒C4は、触媒C3と同様にして調製されるが、コバルト、モリブデンおよびリンを含有する金属溶液を均一にした後に、トリエチレングリコール(triethylene glycol:TEG)が加えられ、ここで再度、モリブデンのモル当たりモルまたはコバルトのモル当たり2.8モルの割合とされる。触媒C4は、水飽和雰囲気中で12時間にわたって周囲温度で放置されて成熟させられ、次いで、120℃で16時間にわたって乾燥させられた。触媒C4の最終組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.6±0.2重量%、CoO=4.1±0.1重量%およびP2O5=3.9±0.1重量%。

0179

本発明に合致する触媒C5は、以下のようにして調製される。コバルト、モリブデンおよびリンが、実施例1に記載された、「押出物」の形態にあるアルミナ担体に加えられる。含浸溶液は、酸化モリブデン(78.75g)および水酸化コバルト(18.54g)を90℃で、85%リン酸水溶液22.08g中に溶解させることによって調製された。上記混合物を均一にした後、γ−ケト吉草酸が、溶液に、モリブデンに対して等モルの割合で、コバルトのモル当たり2.8モルで加えられ、その後、水を加えることによって溶液の容積が担体の細孔容積に調節された。乾式含浸の後、触媒の押出物は、水飽和雰囲気中12時間にわたって周囲温度で放置されて成熟させられ、次いで、120℃で16時間にわたって乾燥させられた。触媒C5の最終組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.4±0.2重量%、CoO=4.0±0.1重量%およびP2O5=4.0±0.1重量%。

0180

(実施例3:アルミナ上CoMoP触媒C6(本発明に合致する)の前含浸による調製)
γ−吉草酸24.7gが、担体の細孔容積に等しい全容積を有する溶液を得るように水に希釈され、上記の実施例1に記載された、「押出物」の形態にあるアルミナ担体に加えられる。こうして形成された溶液は、次いで、担体上に乾式含浸させられた後、3時間の成熟時間が水飽和雰囲気中周囲温度で観察され、次いで、120℃で2時間にわたって乾燥処理がなされる。改変された担体は、次いで、85%リン酸水溶液7.57g中の酸化モリブデン(27.00g)および水酸化コバルト(6.36g)の高温溶解によって調製された新鮮な含浸溶液を含浸させられる。水を加えることによってこの最後に言及された溶液の容積は、従前に改変された担体の細孔容積に調節するよう注意がなされる。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中3時間にわたって周囲温度で放置されて成熟させられ、次いで、120℃で16時間にわたって乾燥させられ、結果、触媒C6が得られた。触媒C6の最終組成は、酸化物の形態で表わされかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.5±0.2重量%、CoO=4.1±0.1重量%およびP2O5=4.0±0.1重量%。使用される量は、γ−ケト吉草酸の量が、モリブデンのモル当たり1モル、コバルトのモル当たり2.8モルになるようにされる。

0181

(実施例4:アルミナ上CoMoP触媒C7(本発明に合致しない)およびC8(本発明に合致する)の共含浸による調製(低有機化合物/Mo比))
コバルト、モリブデンおよびリンが、触媒C3の調製の場合と同様に、上記の実施例1に記載された、「押出物」の形態にあるアルミナ担体に加えられる。しかしながら、含浸溶液の調製の間に、クエン酸/モリブデンのモル比は、この場合、0.25mol/molに等しく、またはコバルトのモル当たりクエン酸0.70モルである。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中12時間にわたって周囲温度で放置されて成熟させられ、次いで、それらは、120℃で16時間にわたって乾燥させられる。こうして得られた乾燥済み触媒前駆体は、C7で表記される。触媒C7の最終組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.5±0.2重量%、CoO=4.0±0.1重量%およびP2O5=3.9±0.1重量%。

0182

コバルト、モリブデンおよびリンが、触媒C5の調製の場合と同様にして、上記の実施例1に記載された、「押出物」の形態にあるアルミナ担体に加えられる。しかしながら、含浸溶液の調製の間に、γ−ケト吉草酸対モリブデンのモル比は、0.25mol/molに固定され、すなわち、コバルトのモル当たりγ−ケト吉草酸0.70モルであった。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中12時間にわたって周囲温度に放置されて成熟させられ、次いで、120℃で16時間にわたって乾燥させられた。こうして得られた乾燥済み触媒前駆体は、C8で表記される。触媒C8の最終組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の質量に対して言及されて、以下の通りである:MoO3=22.3±0.2重量%、CoO=4.1±0.1重量%およびP2O5=4.3±0.1重量%。

0183

(実施例5:ガスオイルのHDSにおける触媒C1、C2、C3、C4およびC7(本発明に合致しない)およびC5、C6およびC8(本発明に合致する)の評価)
触媒C1、C2、C3、C4およびC7(本発明に合致しない)およびC5、C6、C8(本発明に合致する)が、ガスオイルのHDSにおいて試験された。

0184

用いられたガスオイル供給原料の特徴は以下の通りである。

0185

0186

試験は、等温試験反応器において行われる。この等温試験反応器は、横断式固定床を有し、流体は、底部から頂部に流通する。試験用のガスオイルに2重量%のジメチルジスルフィドを加えたものよる圧力下の装置中の350℃での現場内硫化の後、水素化脱硫試験が以下の操作条件下に行われた:全圧:7MPa、触媒容積:30cm3、温度:330〜360℃、水素流量:24L/hおよび供給原料流量:60cm3/h。

0187

試験された触媒の触媒性能は、表1において示される。それらは、基準として選択された比較触媒(C2)をベースとするセ氏温度で表される:それらは、流出物中の硫黄50ppmを達成するのに適用されるべき温度差に相当する。負の値は、より低い温度で目標硫黄含有率が達成されること、したがって、活性の利得があることを指し示す。正の値は、より高い温度で目標硫黄含有率が達成されること、したがって、活性の喪失があることを意味する。得られた結果は、表1において提示される。

0188

表1により、γ−ケト吉草酸によって提供される触媒効果における利得が明らかに示される。実際に、触媒C5およびC6(本発明に合致する)は、有機化合物の同一のモル割合(1mol/molMo)について評価される全ての他の触媒について得られた活性より高い活性を有する。

0189

利得は、同一の量の添加物でも最大にされる;触媒C5は、それぞれクエン酸またはTEGにより得られた触媒C3およびC4より活性であり、これらは、4.7℃および2.5℃でありより活性が低い。

0190

触媒C6の活性は、ベース触媒C2の活性またはγ−ケト吉草酸を有しない乾燥済み触媒C1の活性よりはるかに高い。

0191

本発明による触媒の利点は、触媒C8によって示されるように、有機化合物のより低い割合においてさらに有意であり、これは、それ故に、有意な触媒効果を観察するためにより高い割合の化合物を導入することが必要である、他の化合物の有効性より大きいγ−ケト吉草酸の固有の有効性を有する。

0192

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