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技術 アルツハイマー病に関係する生体分子

出願人 エレクトロフォレティクスリミテッド
発明者 イアンヒューゴピケマルコルムアンドリューワードクレアルイーズラッセルヴィクラムミトラ
出願日 2016年5月27日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2017-561625
公開日 2018年7月19日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2018-519505
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード すらせ アルミニウムチップ トップスピード フォトアブレーション 試料インジェクタ 進行予測 検量体 環境情報処理
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この項目の情報は公開日時点(2018年7月19日)のものです。
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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、タンパク質ホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A及び/又は2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ及び/又はリン酸化されたタウもしくはその断片を含むバイオマーカーパネル、並びにタウ毒性を特徴とする神経認知障害、特に、アルツハイマー病診断するため、ステージ分類するため、治療するため、及び該障害の治療の応答を評価するためにそれを用いる方法に関する。本発明は、本明細書において開示されるバイオマーカーが、神経認知障害の進行したステージ(BraakステージV/VI)の対象の脳において上昇する、かつ/又は認知的に冒されている非AD対照と比較してAD対象のCSFにおいて調節される;かつ/又は2種のカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤に応答して調節されることを示す。

概要

背景

(発明の背景)
タウタンパク質細胞凝集体から構成される神経原線維変化は、タウオパチーと総称されるアルツハイマー病(AD)及び他の神経変性疾患の鍵となる神経病理学的特徴である。タウは細胞内微小管関連タンパク質であり、天然には折り畳まれていないコンホメーション熱安定性、酸安定性、及び翻訳後修飾能力などのいくつかのユニークな特徴を有する。

異常に過剰リン酸化されたタウは、ヒトタウオパチーの鍵となる特徴である。ADの病態形成において、アミロイドペプチド(Aβ)の蓄積が、タウのリン酸化を調節するシグナル伝達経路相互作用する。タウの過剰リン酸化は、軸索輸送の調節におけるその正常な機能を乱し、神経原線維変化及び可溶性タウの有毒種の蓄積に繋がる

現在のところ、ADを治癒させる方法はない。承認されている治療は少なく、かつ有効性は限られており、ほとんどは、進行を減速又は遅延させる役割を果たしている。

AD及び他のタウオパチーの治療のための新たな療法の特定及び開発もまた、効果的な診断用、予後用、及び予測バイオマーカー欠くこと、並びに新たな療法の設計のための新たな標的を欠くことによって大いに影響を受けている。現在のところ、ADは、脳生検によるか、患者死亡した後の剖検時にしか確定診断することができない。明らかに、臨床現場では、脳生検は滅多に行われず、診断は、今でも主に、症状の履歴に基づいて行われ、一連神経学検査心理測定的検査、及び生化学的検査に依存している。これらの後者の検査としては、ApoE e4アレル状態の評価、及び脳脊髄液中のアミロイドベータ、タウ、及びホスホ-タウの測定が挙げられる。

それでもやはり、これらの現行の方法はなお、AD及び他のタウオパチーの早期診断のために不満足なものであるのみでなく、患者を臨床試験動員するために重要である神経疾患の進行を予測するため、新たな療法を設計するため、及び現行の療法及び新たな療法の有効性を予測するためにも不満足なものである。

理想的な診断用バイオマーカーは、非疾患と比較した疾患に対する高い特異性、並びに疾患の種類及びステージを区別する高い感度を有するべきである。

予後用バイオマーカーは、病理学的変化の強度及び重症度を反映し、変性が観察される前の疾患の非常に初期の段階から、疾患の進行したステージまでのそれらの将来の経過を予測するものであるべきである。

薬力学的バイオマーカーは、容易に利用可能な体液、例えば、血液、血小板血清、及び最も好ましくは血漿を含む血液産物、並びにCSFにおける疾患関連タンパク質のレベルの変化に基づいて、実施された療法が効果的であるのかどうかについての信頼できる指標を提供すべきである。そのような薬力学的バイオマーカーが、いつ治療を中止したらよいか、又はいつ別の療法に変更したらよいかのガイダンス臨床医に提供できることも望ましい。

新たな標的は、効果的であり、安全であり、臨床的及び商業的必要性を満たし、かつ特に、「ドラッガブル(druggable)」である必要がある。「ドラッガブル」な標的は、小分子であれより大きな生体分子であれ想定される薬物分子にとって到達可能なものであり、結合すると、インビトロ及びインビボの双方で測定し得る生物学的応答を誘発する。言い換えれば、それの阻害又は活性化は、疾患状態治療効果をもたらすこととなる。

従って、アルツハイマー病及び他のタウオパチーの患者の診断、ステージ分類、予後モニタリング、及び治療有効性の評価において、バイオマーカーとして優れた感度及び/又は特異性で働き得るとともに、新たな療法の開発のための新たな標的として役立ち得るタンパク質が依然として必要とされている。

概要

本発明は、タンパク質ホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A及び/又は2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ及び/又はリン酸化されたタウもしくはその断片を含むバイオマーカーのパネル、並びにタウ毒性を特徴とする神経認知障害、特に、アルツハイマー病を診断するため、ステージ分類するため、治療するため、及び該障害の治療の応答を評価するためにそれを用いる方法に関する。本発明は、本明細書において開示されるバイオマーカーが、神経認知障害の進行したステージ(BraakステージV/VI)の対象の脳において上昇する、かつ/又は認知的に冒されている非AD対照と比較してAD対象のCSFにおいて調節される;かつ/又は2種のカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤に応答して調節されることを示す。なし

目的

本発明は、タウ毒性を特徴とする神経認知障害、例えば、タウオパチー、特に、アルツハイマー病を診断するため、ステージ分類するため、治療するため、及び該障害の治療の応答を評価するための方法における使用のための新規のバイオマーカー及びタウ又はその断片のリン酸化アミノ酸を提供する

効果

実績

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請求項1

i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/あるいはii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片を含むバイオマーカーパネル

請求項2

タウ又はその1以上の断片を含むバイオマーカーのパネルであって、タウが:i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記パネル。

請求項3

表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質を含むバイオマーカーのパネル。

請求項4

配列番号:11のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアクチンアルファ心筋1、配列番号:12のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアンチトロンビン-III、配列番号:3のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するBH3共役ドメインデスアゴニスト、配列番号:24のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するcAMP依存性プロテインキナーゼI型-ベータレギュラトリーサブユニット、配列番号:4のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するカテニンデルタ-1、配列番号:23のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する170kDaの中心体タンパク質、配列番号:5のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するクラスリン軽鎖B、配列番号:13のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するEgl nineホモログ1、配列番号:14のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するフィブリノーゲンガンマ鎖、配列番号:27のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するGMP還元酵素1、配列番号:6のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するグアニンヌクレオチド結合タンパク質G(q)サブユニットアルファ、配列番号:15のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するインスリン様増殖因子結合タンパク質6、配列番号:28のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するKxDLモチーフ含有タンパク質1、配列番号:18のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するラムダ-クリスタリンホモログ、配列番号:20のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するミエリン関連オリゴデンドロサイト塩基性タンパク質、配列番号:7のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する中性アルファ-グルコシダーゼAB、配列番号:19のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する核膜孔複合体タンパク質Nup155、配列番号:16のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するOCIAドメイン含有タンパク質1、配列番号:25のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタンパク質KIAA1045、配列番号:8のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するセセルニン-2、配列番号:17のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する血清アルブミン、配列番号:9のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する短鎖特異的アシルCoAデヒドロゲナーゼ、配列番号:22のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシナプトポリン、配列番号:10のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシンタフィリン、配列番号:21のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する膜貫通型タンパク質119、及び配列番号:26のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するチューブリンアルファ鎖様3を含む群Aから選択される1以上の、代わりの2以上のタンパク質をさらに含む、請求項1記載のバイオマーカーのパネル。

請求項5

群B、C、又はDから選択される1以上のタンパク質をさらに含む、請求項1記載のバイオマーカーのパネル。

請求項6

請求項2記載のパネルにおいて定義される1以上のバイオマーカーをさらに含む、請求項1、4、又は5のいずれか1項記載のバイオマーカーのパネル。

請求項7

請求項3記載のパネルにおいて定義される1以上のバイオマーカーをさらに含む、請求項1、4、5、又は6のいずれか1項記載のバイオマーカーのパネル。

請求項8

タウが:i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつii)S61、S64、S199、S205、及びS396から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、請求項2記載のバイオマーカーのパネル。

請求項9

少なくともベイジン及び/又はミトコンドリアシトクロムcオキシダーゼサブユニット7A関連タンパク質を含む、請求項3記載のバイオマーカーのパネル。

請求項10

対象における神経認知障害診断するための方法であって:a)該対象から得られる試料を、請求項1〜9のいずれか1項において定義されるパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定することを含む、前記方法。

請求項11

対象における神経認知障害をステージ分類するための方法であって:a)該対象から得られる試料を、請求項1〜9のいずれか1項において定義されるパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象における該神経認知障害のステージを決定することを含む、前記方法。

請求項12

対象において神経認知障害を発症する可能性を評価するための方法であって:a)該対象から得られる試料を、請求項1〜9のいずれか1項において定義されるパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;c)該試料中の該バイオマーカーパネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を発症する可能性があるかどうかを決定することを含む、前記方法。

請求項13

対象における神経認知障害を治療するための方法であって:a)該対象から得られる試料を、請求項1〜9のいずれか1項において定義されるパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること;d)該神経認知障害を治療するための薬物を、該対象に投与することを含む、前記方法。

請求項14

対象における神経認知障害を治療するための薬物に対する応答を評価するための方法であって、該対象が、該薬物で治療されてきたか又は該薬物で治療されており、該方法が:a)対象から得られる試料を、請求項1〜9のいずれか1項において定義されるパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、該薬物に応答してきたかどうか又は該薬物に応答しているかどうかを決定することを含む、前記方法。

請求項15

神経認知障害を治療するための前記薬物が、キナーゼ阻害剤である、請求項13又は請求項14記載の方法。

請求項16

前記キナーゼ阻害剤が、タウキナーゼ阻害剤、又はカゼインキナーゼ阻害剤、任意に、カゼインキナーゼ1アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、もしくはイプシロンから選択される、請求項15記載の方法。

請求項17

前記キナーゼ阻害剤が、5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン;2-アミノ-3-[(チオフェン-2-イル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-[3-(ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3-ベンゾオキサゾール;2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-アミノ-3-ベンゾイルインドリジン-1-カルボキサミド;2-アミノ-1-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]-1H-インドール-3-カルボキサミド;それらの組合せ;又はそれらの医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物から選択されるカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤である、請求項16記載の方法。

請求項18

前記カゼインキナーゼ1デルタ阻害剤が、5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン;2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミドから選択される、請求項17記載の方法。

請求項19

前記神経認知障害が、タウ毒性を特徴とする、請求項10〜18のいずれか1項記載の方法。

請求項20

前記神経認知障害が、タウオパチーである、請求項8〜17のいずれか1項記載の方法。

請求項21

前記タウオパチーが、アルツハイマー病、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病皮質基底核変性症多系統萎縮症(MSA)、鉄蓄積を伴う神経基底変性1型(ハラーホルデン・スパッツ)、嗜銀顆粒性認知症、ダウン症候群石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ボクサー認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、筋強直性ジストロフィーニーマン・ピック病C型進行性皮質下グリオーシスプリオンタンパク質アミロイドアンギオパチー、神経原線維変化型認知症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎クロイツフェルトヤコブ病筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症症候群、神経原線維変化/認知症を伴う非グアム運動ニューロン疾患慢性外傷性脳障害、アルファ-シヌクレイン病パーキンソン病、又はそれらの組合せの群から選択される、請求項20記載の方法。

請求項22

前記タウオパチーが、アルツハイマー病である、請求項21記載の方法。

請求項23

工程d)が、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤を投与することをさらに含む、請求項13記載の方法。

請求項24

請求項14記載の方法であって:i)前記対象が、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、若しくはそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤でも治療されてきたか又は治療されており;かつ/又はii)工程c)の後に、該方法が、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、若しくはそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤を投与することを含む、前記方法。

請求項25

前記アッセイする工程a)及び/又は前記測定する工程b)が:i)前記試料を、前記パネルの前記バイオマーカーの各々に対する1以上の結合性物質と接触させること;又はii)前記試料中で前記バイオマーカーの各々に特異的な自己抗体を検出すること;又はiii)前記試料中で、質量分析により、前記パネルの前記バイオマーカー又はそれらの断片の各々を、任意に該試料を1以上のアイソバリック反応性質量標識事前に標識して、検出すること;又はiv)前記試料中で、2Dゲル電気泳動により、前記パネルの前記バイオマーカーの各々を検出すること;又はiv) i)、ii)、iii)、もしくはiv)のいずれかの組合せを含む、請求項10〜24のいずれか1項記載の方法。

請求項26

工程a)における前記アッセイすること及び/又は工程b)における前記測定することが:i)前記パネルにおける前記バイオマーカーの1以上の断片を検出すること、及び/又はii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタウもしくはその1以上の断片上の1以上のリン酸化アミノ酸を検出することであって、検出されるべきタウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合、タウ又はその1以上の断片上の少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸が検出される、前記検出すること;を含む、請求項25記載の方法。

請求項27

前記試料が、固体支持体上に固定化されている、請求項25又は請求項26記載の方法。

請求項28

前記試料が、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿血清唾液、尿、組織(例えば、脳組織)又はそれらの組合せの群から選択される、請求項10〜27のいずれか1項記載の方法。

請求項29

前記試料が、CSF又は血液である、請求項10〜28のいずれか1項記載の方法。

請求項30

前記対象が、ヒト対象である、請求項10〜29のいずれか1項記載の方法。

請求項31

試料中で、請求項1〜9のいずれか1項において定義されるパネルの前記バイオマーカーをアッセイ及び/又は測定するための試薬を含むキット

請求項32

前記試薬が、前記パネルの前記バイオマーカーに特異的に結合する1以上の結合性物質を含む、請求項31記載のキット。

請求項33

前記1以上の結合性物質が、一次抗体であり、各々の一次抗体が:i)前記パネルの異なるバイオマーカー、及び/又はii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタウもしくはその断片の1以上のリン酸化アミノ酸に特異的に結合する、請求項32記載のキット。

請求項34

前記試薬が、前記一次抗体に特異的に結合する1以上の二次抗体をさらに含む、請求項33記載のキット。

請求項35

前記二次抗体が、標識されている、請求項34記載のキット。

請求項36

前記試料が、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、唾液、尿、組織(例えば、脳組織)又はそれらの組合せの群から選択される、請求項31〜35のいずれか1項記載のキット。

技術分野

0001

(本発明の分野)
本発明は、タウ毒性を特徴とする神経認知障害、特に、アルツハイマー病のためのバイオマーカーのセット、並びに該障害診断するため、ステージ分類するため、治療するため、及び該障害の治療の応答を評価するために該セットを用いる方法に関する。

背景技術

0002

(発明の背景)
タウタンパク質細胞凝集体から構成される神経原線維変化は、タウオパチーと総称されるアルツハイマー病(AD)及び他の神経変性疾患の鍵となる神経病理学的特徴である。タウは細胞内微小管関連タンパク質であり、天然には折り畳まれていないコンホメーション熱安定性、酸安定性、及び翻訳後修飾能力などのいくつかのユニークな特徴を有する。

0003

異常に過剰リン酸化されたタウは、ヒトタウオパチーの鍵となる特徴である。ADの病態形成において、アミロイドペプチド(Aβ)の蓄積が、タウのリン酸化を調節するシグナル伝達経路相互作用する。タウの過剰リン酸化は、軸索輸送の調節におけるその正常な機能を乱し、神経原線維変化及び可溶性タウの有毒種の蓄積に繋がる

0004

現在のところ、ADを治癒させる方法はない。承認されている治療は少なく、かつ有効性は限られており、ほとんどは、進行を減速又は遅延させる役割を果たしている。

0005

AD及び他のタウオパチーの治療のための新たな療法の特定及び開発もまた、効果的な診断用、予後用、及び予測用バイオマーカーを欠くこと、並びに新たな療法の設計のための新たな標的を欠くことによって大いに影響を受けている。現在のところ、ADは、脳生検によるか、患者死亡した後の剖検時にしか確定診断することができない。明らかに、臨床現場では、脳生検は滅多に行われず、診断は、今でも主に、症状の履歴に基づいて行われ、一連神経学検査心理測定的検査、及び生化学的検査に依存している。これらの後者の検査としては、ApoE e4アレル状態の評価、及び脳脊髄液中のアミロイドベータ、タウ、及びホスホ-タウの測定が挙げられる。

0006

それでもやはり、これらの現行の方法はなお、AD及び他のタウオパチーの早期診断のために不満足なものであるのみでなく、患者を臨床試験動員するために重要である神経疾患の進行を予測するため、新たな療法を設計するため、及び現行の療法及び新たな療法の有効性を予測するためにも不満足なものである。

0007

理想的な診断用バイオマーカーは、非疾患と比較した疾患に対する高い特異性、並びに疾患の種類及びステージを区別する高い感度を有するべきである。

0008

予後用バイオマーカーは、病理学的変化の強度及び重症度を反映し、変性が観察される前の疾患の非常に初期の段階から、疾患の進行したステージまでのそれらの将来の経過を予測するものであるべきである。

0009

薬力学的バイオマーカーは、容易に利用可能な体液、例えば、血液、血小板血清、及び最も好ましくは血漿を含む血液産物、並びにCSFにおける疾患関連タンパク質のレベルの変化に基づいて、実施された療法が効果的であるのかどうかについての信頼できる指標を提供すべきである。そのような薬力学的バイオマーカーが、いつ治療を中止したらよいか、又はいつ別の療法に変更したらよいかのガイダンス臨床医に提供できることも望ましい。

0010

新たな標的は、効果的であり、安全であり、臨床的及び商業的必要性を満たし、かつ特に、「ドラッガブル(druggable)」である必要がある。「ドラッガブル」な標的は、小分子であれより大きな生体分子であれ想定される薬物分子にとって到達可能なものであり、結合すると、インビトロ及びインビボの双方で測定し得る生物学的応答を誘発する。言い換えれば、それの阻害又は活性化は、疾患状態治療効果をもたらすこととなる。

0011

従って、アルツハイマー病及び他のタウオパチーの患者の診断、ステージ分類、予後モニタリング、及び治療有効性の評価において、バイオマーカーとして優れた感度及び/又は特異性で働き得るとともに、新たな療法の開発のための新たな標的として役立ち得るタンパク質が依然として必要とされている。

0012

(発明の概要)
従って、本発明は、タウ毒性を特徴とする神経認知障害、例えば、タウオパチー、特に、アルツハイマー病を診断するため、ステージ分類するため、治療するため、及び該障害の治療の応答を評価するための方法における使用のための新規のバイオマーカー及びタウ又はその断片のリン酸化アミノ酸を提供する。加えて、本発明は、タウオパチーに対する新たな療法の開発のため、又は元々は神経認知障害、例えば、タウオパチーの治療のために設計されたものではない既存の療法の別用途への使用のための新規の標的を提供する。

0013

第1の態様において、本発明は:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片
を含むバイオマーカーのパネルを提供する。

0014

第2の態様において、本発明は、タウ又はその1以上の断片を含むバイオマーカーのパネルであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;
タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記パネルを提供する。

0015

第3の態様において、本発明は、表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質を含むバイオマーカーのパネルを提供する。

0016

第1の態様の一実施態様において、前記バイオマーカーのパネルは、配列番号:11のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアクチンアルファ心筋1、配列番号:12のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアンチトロンビン-III、配列番号:3のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するBH3共役ドメインデスアゴニスト、配列番号:24のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するcAMP依存性プロテインキナーゼI型-ベータレギュラトリーサブユニット、配列番号:4のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するカテニンデルタ-1、配列番号:23のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する170kDaの中心体タンパク質、配列番号:5のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するクラスリン軽鎖B、配列番号:13のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するEgl nineホモログ1、配列番号:14のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するフィブリノーゲンガンマ鎖、配列番号:27のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するGMP還元酵素1、配列番号:6のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するグアニンヌクレオチド結合タンパク質G(q)サブユニットアルファ、配列番号:15のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するインスリン様増殖因子結合タンパク質6、配列番号:28のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するKxDLモチーフ含有タンパク質1、配列番号:18のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するラムダ-クリスタリンホモログ、配列番号:20のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するミエリン関連オリゴデンドロサイト塩基性タンパク質、配列番号:7のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する中性アルファ-グルコシダーゼAB、配列番号:19のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する核膜孔複合体タンパク質Nup155、配列番号:16のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するOCIAドメイン含有タンパク質1、配列番号:25のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタンパク質KIAA1045、配列番号:8のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するセセルニン-2、配列番号:17のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する血清アルブミン、配列番号:9のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する短鎖特異的アシルCoAデヒドロゲナーゼ、配列番号:22のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシナプトポリン(Synaptoporin)、配列番号:10のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシンタフィリン(Syntaphilin)、配列番号:21のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する膜貫通型タンパク質119、及び配列番号:26のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するチューブリンアルファ鎖様3(Tubulin alpha chain-like 3)を含む群Aから選択される1以上の、代わりの2以上のタンパク質をさらに含む。

0017

別の実施態様において、本発明の第1の態様によるバイオマーカーのパネルは、群B、C、又はDから選択される1以上のタンパク質をさらに含む。

0018

他の一実施態様において、第1の態様およびその実施態様によるバイオマーカーのパネルは、本発明の第2及び/又は第3の態様において定義される1以上のバイオマーカーをさらに含んでいてもよい。

0019

第4の態様において、本発明は、対象における神経認知障害を診断するための方法であって:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること
を含む、前記方法を提供する。

0020

第5の態様において、本発明は、対象における神経認知障害をステージ分類するための方法であって:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象における該神経認知障害のステージを決定すること
を含む、前記方法を提供する。

0021

第6の態様において、本発明は、対象において神経認知障害を発症する可能性を評価するための方法であって:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該バイオマーカーパネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を発症する可能性があるかどうかを決定すること
を含む、前記方法を提供する。

0022

第7の態様において、本発明は、対象における神経認知障害を治療するための方法であって:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること;
d)該神経認知障害を治療するための薬物を、該対象に投与すること
を含む、前記方法を提供する。

0023

あるいは、本発明の第7の態様は、対象における神経認知障害の治療における使用のための薬物であって、該対象が:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること
を含む方法によって選択される、前記薬物として説明され得る。

0024

あるいは、本発明の第7の態様は、対象における神経認知障害の治療のための薬品生産のための薬物の使用であって、該対象が:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること
を含む方法によって選択される、前記使用として説明され得る。

0025

第8の態様において、本発明は、対象における神経認知障害を治療するための薬物に対する応答を評価するための方法であって、該対象が、該薬物で治療されてきたか又は該薬物で治療されており:
a)対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、該薬物に応答してきたかどうか又は該薬物に応答しているかどうかを決定すること
を含む、前記方法を提供する。

0026

本発明の第7及び第8の態様の一実施態様において、神経認知障害を治療するための前記薬物は、キナーゼ阻害剤である。好ましくは、該キナーゼ阻害剤は、タウキナーゼ阻害剤、又はカゼインキナーゼ阻害剤、任意に、カゼインキナーゼ1アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、もしくはイプシロンから選択される。より好ましくは、該キナーゼ阻害剤は、5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン;2-アミノ-3-[(チオフェン-2-イル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-[3-(ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3-ベンゾオキサゾール;2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-アミノ-3-ベンゾイルインドリジン-1-カルボキサミド;2-アミノ-1-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]-1H-インドール-3-カルボキサミド;それらの組合せ;又はそれらの医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物から選択されるカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤である。さらにより好ましくは、前記カゼインキナーゼ1デルタ阻害剤は、5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン;2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミドから選択される。

0027

本発明の第4、第5、第6、第7、及び第8の態様の好ましい実施態様において、前記神経認知障害は、タウ毒性を特徴とする。より好ましくは、前記神経認知障害は、タウオパチーである。

0028

前記タウオパチーは、アルツハイマー病、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病皮質基底核変性症多系統萎縮症(MSA)、鉄蓄積を伴う神経基底変性、1型(ハラーホルデン・スパッツ)、嗜銀顆粒性認知症、ダウン症候群石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ボクサー認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、筋強直性ジストロフィーニーマン・ピック病C型進行性皮質下グリオーシスプリオンタンパク質アミロイドアンギオパチー、神経原線維変化型認知症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎クロイツフェルトヤコブ病筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症症候群、神経原線維変化/認知症を伴う非グアム運動ニューロン疾患慢性外傷性脳障害、アルファ-シヌクレイン病パーキンソン病、又はそれらの組合せの群から選択されてもよい。

0029

さらにより好ましくは、前記タウオパチーは、アルツハイマー病である。

0030

本発明の第7の態様の一実施態様において、工程d)は、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤を投与することをさらに含む。

0031

本発明の第8の態様の他の一実施態様において、前記対象は、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤でも治療されてきたか又は治療されていてもよい。

0032

第8の態様の別の実施態様において、好ましくは又は代わりに、工程c)の後に、前記方法は、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤を投与することを含む。

0033

本発明の第4、第5、第6、第7、及び第8の態様の実施態様において、前記アッセイする工程a)及び/又は前記測定する工程b)は:
i)前記試料を、前記パネルの前記バイオマーカーの各々に対する1以上の結合性物質と接触させること;又は
ii)前記試料中で前記バイオマーカーの各々に特異的な自己抗体を検出すること;又は
iii)前記試料中で、質量分析により、前記パネルの前記バイオマーカー又はそれらの断片の各々を、任意に該試料を1以上のアイソバリック反応性質量標識事前に標識して、検出すること;又は
iv)前記試料中で、2Dゲル電気泳動により、前記パネルの前記バイオマーカーの各々を検出すること;又は
iv)i)、ii)、iii)、もしくはiv)のいずれかの組合せ
を含む。

0034

好ましくは、工程a)における前記アッセイすること及び/又は工程b)における前記測定することは:
i)前記パネルにおける前記バイオマーカーの1以上の断片を検出すること、及び/又は
ii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタウもしくはその1以上の断片上の1以上のリン酸化アミノ酸を検出することであって;検出されるべきタウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合、タウ又はその1以上の断片上の少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸が検出される、前記検出することを含む。

0035

より好ましくは、前記試料は、固体支持体上に固定化されている。

0036

本発明の第4、第5、第6、第7、及び第8の態様の実施態様において、前記試料は、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、唾液、尿、組織(例えば、脳組織)又はそれらの組合せの群から選択される。好ましくは、前記試料は、CSF又は血液である。同じく好ましくは、前記対象は、ヒト対象である。

0037

第9の態様において、本発明は、試料中でそれらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義されるパネルのバイオマーカーをアッセイ及び/又は測定するための試薬を含むキットを提供する。

0038

前記試薬は、前記パネルの前記バイオマーカーに特異的に結合する1以上の結合性物質を含んでいてもよい。好ましくは、前記1以上の結合性物質は、一次抗体であり、各々の一次抗体は:
i)前記パネルの異なるバイオマーカー、及び/又は
ii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタウもしくはその断片の1以上のリン酸化アミノ酸
に特異的に結合する。

0039

前記試薬は、該一次抗体に特異的に結合する1以上の二次抗体をさらに含んでいてもよい。好ましくは、前記二次抗体は、標識されている。

0040

第9の態様及びその実施態様の別の実施態様において、前記試料は、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、唾液、尿、組織(例えば、脳組織)又はそれらの組合せの群から選択される。

図面の簡単な説明

0041

(図面の簡単な説明)
ヒトプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aの配列。記号□又は*でフラグを付けたアミノ酸は、それぞれ、ヒトプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのアイソフォーム又はバリアントにおいて異なるアミノ酸又は修飾アミノ酸によって置換されたアミノ酸を示す。
ヒト2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼの配列。記号□又は*でフラグを付けたアミノ酸は、それぞれ、ヒト2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのアイソフォーム又はバリアントにおいて異なるアミノ酸又は修飾アミノ酸によって置換されたアミノ酸を示す。
プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのベン図
2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのベン図。
(A)軽症(Braak 0〜II)(n=3)、中等症(Braak III/IV)、又は重症(Braak V/VI)タウ病態のヒト脳;(B)ビヒクル単独で、又は30mg/kgのカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(PS110)、及び2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド(PS278-05)を含むビヒクルで経口的に処置したヒトタウオパチーのTMHTモデル由来マウス脳;及び(C)認知的に冒されている非AD対照(CTL;n=3)及び生化学的に診断されたAD患者(AD;n=3)由来のCSFにおけるプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのレベル(全ての非修飾ペプチドイオン強度の合計としてのもの)。
(A)軽症(Braak 0〜II)(n=3)、中等症(Braak III/IV)(n=3)、又は重症(Braak V/VI)(n=3)タウ病態のヒト脳;(B)ビヒクルのみ(n=3)、又は30mg/kgのカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(PS110;n=3)及び2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド(PS278-05;n=3)を含むビヒクルで経口的に処置したヒトタウオパチーのTMHTモデル由来のマウス脳;及び(C)認知的に冒されている非AD対照(CTL;n=3)、及び生化学的に診断されたAD患者(AD;n=3)由来の脳脊髄液における2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのレベル(全ての非修飾ペプチドのイオン強度の合計としてのもの)。
ヒト対照及び生化学的に診断されたAD対象のCSFにおける脳由来のタンパク質を測定するTMTcalibrator(商標)実験の実験設計。

0042

(定義)
「バイオマーカー」という用語は、翻訳後修飾を含む、同定されたタンパク質の全ての生物学的に関係のある形態を含む。例えば、バイオマーカーは、グリコシル化形態、リン酸化形態、多量体形態、断片化形態、又は前駆体形態で存在することができる。バイオマーカー断片は、天然に存在するものであってもよく、又は例えば、酵素的に生成され、完全なタンパク質の生物学的に活性のある機能を依然として保持しているものであってもよい。断片は、典型的には、少なくとも約10アミノ酸、通常、少なくとも約50アミノ酸の長さであり、300アミノ酸もの長さ、又はそれより長いものとすることができる。

0043

標準配列」という用語は、オルソロガスな種の中で最もよく見られる配列及び/又は最もよく似ている配列を指すために本明細書において使用される。特に、別途規定されない限り、標準配列は、本明細書において、ヒト配列を指す。

0044

KEGG経路」という用語は、代謝、遺伝情報処理、環境情報処理細胞プロセス生物システムヒト疾患、及び創薬についての分子相互作用及び反応ネットワークを表す手描きの一群経路地図を指す。「KEGG経路マッピング」とは、分子データセット、特に、ゲノミクストランスクリプトミクスプロテオミクス、及びメタボロミクスにおける大規模なデータセットを、高次全身機能の生物学的解釈のためにKEGG経路地図にマッピングするプロセスのことである;(http://www.genome.jp/kegg/pathway.html)。

0045

「濃度又は量」という用語は、例えば、曲線下面積及びスペクトルカウントなどのLC-MS/MS無標識定量法によって決定されるような試料中のバイオマーカーの相対濃度又は量を指す。

0046

「比較すること」もしくは「比較する」という用語又はその文法等価物は、試料中のバイオマーカーの相対濃度又は量を、他の試料(例えば、私的な又は公的なデータベースに保存されているタンパク質濃度又は量)と比べて測定することを意味する。

0047

「参照濃度もしくは量」という用語は、私的な又は公的なデータベースに保存されているタンパク質濃度又は量を指すが、この用語は、それに限定されるものではない。「参照濃度又は量」は、患者の大規模スクリーニングから、又はそのような決定と対照患者における臨床情報との間の既知のもしくは以前に決定された相関を参照することにより得られたものであってもよい。例えば、参照値は、対象と同様の年齢及び性別対照対象、例えば、健常者(すなわち、認知症を有しない者)におけるバイオマーカーの濃度又は量との比較によって決定されてもよい。あるいは、参照値は、文献中に見出すことができる値、例えば、位置112及び158における変異の有無が比較すべき参照を表すApoE ε4アレルの存在、又はCSF中の>350ng/Lの全タウ(T-タウ)、>80ng/Lのホスホ-タウ(P-タウ)、及び<530ng/LのAβ42のレベルのようなものである(Hansson Oらの文献、Lancet Neurol. 2006, 5(3):228-34)。さらに、参照値は、時間的に試験時点よりも前の1以上の時点で同じ対象から得られたものであってもよい。そのような早期の試料を、試験時点の日付から1週間以上、1カ月以上、3カ月以上、最も好ましくは、6カ月以上前採取してもよい。いくつかの実施態様において、複数の早期の試料を長期的に比較してもよく、バイオマーカー発現の変化の傾きを認知低下関連要因として算出してもよい。

0048

対照」又は本明細書で使用される場合、「非AD対照」もしくは「非AD対象」という用語は、認知的に正常であるヒト又は非ヒト対象、又は認知異常と診断されたか、もしくはその症状を呈しているが、既存の生化学的検査に関して、非AD対象と定義される、ヒト又は非ヒト対象から採取された組織試料又は体液試料を指す。

0049

「結合性物質」という用語は、一般に、本発明のバイオマーカーに対する親和性を有する任意の分子を指す。結合性物質は、アパタマー(apatamer)、抗体、レクチン、及び酵素を含み得る。

0050

「抗体」という用語は、ポリクローナル抗血清モノクローナル抗体、抗体の断片、例えば、単鎖及びFab断片、並びに遺伝子改変抗体を含む。抗体は、キメラであっても、単一種のものであってもよい。

0051

アプタマー」という用語は、特定の標的に対する選択性を有する小型の親和性物質を含み、これは、核酸、アミノ酸、もしくは他の合成有機分子、又はこれらの構成分子のうちの任意のものの組合せのプロイマー(ploymer)である。

0052

選択反応モニタリング」、「SRM」、及び「MRM」という用語は、既知のバイオマーカーを表す既知の質量電荷比プリカーサーイオンが、優先的にイオントラップ又は三連四重極質量分析計でのタンデム質量分析による分析の標的とされる質量分析アッセイを意味する。分析中親イオンは断片化され、第2の予め規定された質量電荷比の娘イオンの数がカウントされる。通常、定量内部標準としての役割を果たすように、予め規定された数の安定同位体置換を有するが、他の点では、標的イオン化学的に同一である等価なプリカーサーイオンが本方法に含まれる。

0053

イムノアッセイ」という用語は、本発明の1以上のバイオマーカーのレベルを、1以上の結合性物質を用いて標的バイオマーカーを捕捉すること及び又はその存在を検出することによって定量的に測定する任意の方法を指す。イムノアッセイは、バイオマーカーが表面に吸着され、検出可能な標識を保持する結合性物質を用いて検出される直接的なものであってもよく、バイオマーカーが表面に吸着され、その後、該バイオマーカーに対する特異性を有する第1の結合性物質が該標的バイオマーカーに対する特異的結合を介して該表面に捕捉され、第1の抗体に対して特異的である検出可能な標識を保持する第2の結合性物質を用いて検出される間接的なものであってもよい。あるいは、イムノアッセイは、結合性物質が固体支持体上に固定化されており、分析試料由来の標的バイオマーカーを捕捉するサンドイッチイムノアッセイであってもよい。その後、目下固定化されているバイオマーカーは、上述のように直接的又は間接的な方法において結合性物質を用いて検出される。

0054

ビーズ懸濁アレイ」という用語は、バイオマーカーが、懸濁液に保持されている1つ又はモール固体粒子上で検出されるイムノアッセイを意味する。

0055

平面アレイ」という用語は、個々のバイオマーカー又は結合性物質が、ガラススライドシリコンウェハーニトロセルロース片を含むがこれらに限定されない連続的な固体表面上の個々に分離したアドレス指定可能な位置に固定化されているイムノアッセイ系を意味する。その後、イムノアッセイの後続の工程が、平面アレイの全表面に適用された通常の試薬を用いて行なわれるか、又は該アレイ内の適切なアドレス指定可能な位置で個別に追加され得る。

0056

「単離された」という用語又はその文法的等価物は、本明細書の全体を通じて、タンパク質、抗体、ポリヌクレオチド、又は化学的分子が、場合によっては、それが天然に生じ得る物理的環境とは異なる物理的環境で存在することを意味する。

0057

本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類齧歯類ヒツジイヌネコウマウシニワトリ両生類爬虫類などを含む。

0058

「治療する」、「治療すること」、「治療」、「予防する」、「予防すること」、もしくは「予防」という用語又はこれらの文法的等価物は、治療的治療、予防的治療、及び対象が障害を発症するリスク又は他のリスク因子を軽減する適用を含む。治療は、障害の完全な治癒を必要とせず、症状又は基礎となるリスク因子の軽減を包含する。

0059

本明細書で使用される「診断」という用語又はその文法的等価物は、患者における障害の存在(existence)もしくは存在(presence)、非存在もしくは不在、又は可能性に関する何らかの情報の提供を含む。これは、障害又はそれに関連して経験されるもしくは経験され得る症状の種類又は分類に関する情報の提供をさらに含む。これには、例えば、障害の重症度の診断が含まれてもよい。これは、障害の医学的経過の予後、例えば、その持続期間、重症度、及び軽度認知障害(MCI)からAD又は他の認知症への進行の経過を包含する。

0060

本明細書で使用される「ステージ分類する」という用語又はその文法的等価物は、対象において、神経認知障害、特に、ADのステージを特定することを意味する。例えば、ADは、使用される診断の枠組みに応じて、3つのステージ又は7つのステージにより特徴付けられる。全般的認知症スケール(Global Dementia Scale)は、全体的機能の1つのそのような尺度である。これは、標準化された重症度基準セットに対する認知及び機能を含む重症度の評価によって測定される。

0061

効力」という用語は、所与介入(例えば、薬物、医療機器外科的手技など)の有益な変化に関する能力を示す。効力が立証されれば、その介入は、それが比較されることになる他の利用可能な介入と少なくとも同じ程度に良好である可能性がある。「効力」及び「有効性」という用語は、本明細書において互換的に使用される。

0062

「含む」という用語は、対象が、列挙された全ての要素を含むが、任意に、追加の、名前を挙げていない要素も含み得ること(すなわち、非限定(open))を示す。

0063

本明細書で使用される場合の「及び/又は」という用語は、2つの明記された特徴又は成分の各々の、他方を伴う又は伴わない具体的開示として解釈されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、各々が個別に本明細書に記述されているかのように、(i)A、(ii)B、並びに(iii)A及びBの各々の具体的開示として解釈されるべきである。

0064

文脈上、そうでないと指示されない限り、上に記述された特徴/用語の定義は、本発明の任意の特定の態様又は実施態様に限定されるのではなく、本明細書に記載される全ての態様及び実施態様に等しく適用される。

0065

(略語)
CSF(脳脊髄液);LBD(レビー小体型認知症);FTD(前頭側頭型認知症);VaD(血管性認知症);ALS(筋萎縮性側索硬化症) CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病);CNS(中枢神経系);TMT(登録商標)(Tandem Mass Tag(登録商標));TEAB(炭酸水素テトラ-エチルアモニウム(amonium);TFA(トリフルオロ酢酸);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン);ACN(アセトニトリル);Da(ダルトン);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);FA(ギ酸);IFC(インテリジェントフロー制御);LC-MS/MS(タンデム質量分析検出を伴う液体クロマトグラフィー);MS(質量分析);MS/MS又はMS2(タンデムMS);MS/MS/MS又はMS3(トリプルMS) PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動);SCX(強陽イオン交換);ppm(百万分率);TiO2(二酸化チタン);IMAC(鉄金属アフィニティークロマトグラフィー);ELISA(酵素結合免疫吸着測定(enzyme-linked immonusorbent assay))。

0066

(詳細な説明)
(1.タンパク質パネル及びそれを使用する方法)
タウが、神経変性障害、例えば、ADのようなタウオパチーの病態に関与していること、及びそれが、神経原線維変化の形成に積極的に関与していることは広く受け入れられているものの、過剰発現されかつ過剰リン酸化されたタウの毒性を媒介する分子過程についてはそれほど知られていない。

0067

本発明者らは、タウの過剰発現及び過剰リン酸化が、脳におけるタウ毒性を引き起こし、疾患の進行及び重症度の一因となり得るシグナル伝達経路の活性化を含むさらなる事象に繋がることを仮定した。本発明者らはさらに、これらの経路に関与するタンパク質の多くが、タウ毒性の発展の間に血液及びCSF中に放出されるであろうこと、及び疾患過程の早期に検出可能であろうことを仮定した。

0068

本発明者らは、驚くべきことに、複数の細胞プロセス、関連タンパク質、及び/又はそれらのレベルが、タウ用量依存的な様式で修飾されること、及びこれらの影響を受けた経路が、ADのいくつかの特徴と相関していることを見出した。

0069

さらに、本明細書で同定されるバイオマーカーのパネルは、脳においてのみ発現しているのではなく、これらは、驚くべきことに、脳脊髄液(CSF)においても同定可能であり、かつ最も重要なことには、それらのCSF中での存在量が、実質的なメモリー効果を伴い非AD患者及びAD患者間で調節されている。

0070

最後に、本発明者らは、本明細書において、タウキナーゼ阻害剤(タウリン酸化を阻害する酵素)の投与に際し、本発明によるパネルのタンパク質(すなわちバイオマーカー)の存在量が、それらの投与前存在量に逆比例して増加する又は減少して、阻害剤がタウの過剰リン酸化の減少において効果的であることを示すことの実証に成功した。最も驚くべきことに、これらのタンパク質の存在量が、それらの投与前存在量に逆比例して増加する又は減少するにつれて、タウ毒性も同等に減少する。

0071

本発明は:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片
を含むバイオマーカーのパネルを提供する。

0072

プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aは、PPP1CA(セリン/スレオニンプロテインホスファターゼPP1-アルファ触媒サブユニット)の阻害剤である。リン酸化された場合に、1000倍超高い阻害活性を有し、PPP1CA基質リン酸化状態及び平滑な筋収縮を調節するための分子スイッチを作製している。

0073

ミエリン形成細胞におけるRNA代謝に関与すると記載されている2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼは、中枢神経系ミエリンにおいて3番目に多く存在するタンパク質である。その触媒活性は、ヌクレオシド2',3'-環状ホスフェートに対するものであり、これはヌクレオシド2'-ホスフェートに変換される。

0074

アイソフォームは、標準配列に関する選択的タンパク質配列として本明細書に記載されている。アイソフォームは、単一の選択的プロモーター使用、単一の選択的スプライシング、単一の選択的開始、及び単一のリボソームフレームシフトによるか、又はこれらの組合せによって、同じ遺伝子から生じさせることができる。

0075

バリアントは、(天然に生じる)多形系統分離株、又は品種間の変化、疾患に関連する変異、及びRNA編集事象などの、天然のバリアントを含むように本明細書に記載されている。バリアントは、通常、標準配列に関するアミノ酸変化として報告される。ほとんどの天然に生じる多形(単一アミノ酸多形又はSAPとも呼ばれる)は、コドンレベルでの単一ヌクレオチド変化によるものである。RNA編集事象には、ヌクレオチドの変換、挿入、及び欠失が含まれる。

0076

断片は、タンパク質のタンパク質分解的(酵素的又はその他の)切断の結果として本明細書に記載されている。断片は、天然のタンパク質分解的切断の結果、例えば、補体の活性化、凝固カスケードの間に生じたか、又はマトリックスタンパク質の酵素的切断から生じた断片であり得る。あるいは、断片は、インビボ及び/又はインビトロで、例えば、プロテアーゼによって生じ得る。

0077

一実施態様において、プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのバリアントは、配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有しており、ここで、
a)位置26のセリンが、ホスホセリンによって置き換えられているか;又は
b)位置38のスレオニンが、ホスホスレオニンによって置き換えられているか;又は
c)位置136のセリンが、ホスホセリンによって置き換えられているか;又は
d)位置123のグリシンが、アルギニンによって置き換えられている。

0078

図1は、プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A(配列番号:1)のヒト配列を示し;記号□でフラグを付けたものは、d)において上で示したように、ヒトプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのアイソフォームにおいて異なるアミノ酸と置き換えられたアミノ酸である。*でフラグを付けたアミノ酸は、a)〜c)において上で示したように、ヒトプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのアイソフォームにおいて修飾アミノ酸によって置き換えられたアミノ酸である。

0079

別の実施態様において、プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのアイソフォームは、配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有しており、ここで、アミノ酸68〜94は、欠失している(アイソフォーム2)。

0080

別の実施態様において、2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのバリアントは、配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつここで
a)位置110のチロシンが、ホスホチロシンによって置き換えられているか;又は
b)位置418のシステインが、システインメチルエステルによって置き換えられているか;又は
c)位置418のシステインが、S-ファルネシルシステインによって置き換えられているか;又は
d)位置207のグルタミンが、アルギニンによって置き換えられている。

0081

図2は、2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ(配列番号:2)のヒト配列を示し;記号□でフラグを付けたものは、d)において上で示したように、ヒト2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのアイソフォームにおいて異なるアミノ酸と置き換えられたアミノ酸である。*でフラグを付けたアミノ酸は、a)〜c)において上で示したように、ヒトプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのアイソフォームにおいて修飾アミノ酸によって置き換えられたアミノ酸である。

0082

別の実施態様において、2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのアイソフォームは、
配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有しており、ここで、アミノ酸1〜20は、欠失している(アイソフォームCNPI)。一般的な臨床実践において、バイオマーカーとしての使用のためのタンパク質は、少なくとも2つ、好ましくは、少なくとも3つ又は4つのセットとして測定される。従って、配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片、及び/又は配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片に加えて、本発明によるバイオマーカーのパネルは、配列番号:11のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアクチンアルファ心筋1、配列番号:12のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアンチトロンビン-III、配列番号:3のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するBH3共役ドメインデスアゴニスト、配列番号:24のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するcAMP依存性プロテインキナーゼI型-ベータレギュラトリーサブユニット、配列番号:4のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するカテニンデルタ-1、配列番号:23のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する170kDaの中心体タンパク質、配列番号:5のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するクラスリン軽鎖B、配列番号:13のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するEgl nineホモログ1、配列番号:14のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するフィブリノーゲンガンマ鎖、配列番号:27のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するGMP還元酵素1、配列番号:6のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するグアニンヌクレオチド結合タンパク質G(q)サブユニットアルファ、配列番号:15のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するインスリン様増殖因子結合タンパク質6、配列番号:28のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するKxDLモチーフ含有タンパク質1、配列番号:18のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するラムダ-クリスタリンホモログ、配列番号:20のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するミエリン関連オリゴデンドロサイト塩基性タンパク質、配列番号:7のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する中性アルファ-グルコシダーゼAB、配列番号:19のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する核膜孔複合体タンパク質Nup155、配列番号:16のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するOCIAドメイン含有タンパク質1、配列番号:25のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタンパク質KIAA1045、配列番号:8のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するセセルニン-2、配列番号:17のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する血清アルブミン、配列番号:9のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する短鎖特異的アシルCoAデヒドロゲナーゼ、配列番号:22のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシナプトポリン、配列番号:10のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシンタフィリン、配列番号:21のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する膜貫通型タンパク質119、及び配列番号:26のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するチューブリンアルファ鎖様3を含む群Aから選択される1以上の、代わりの2以上の、好ましくは、3つ以上のタンパク質をさらに含んでいてもよい。

0083

表1は、「群A」のバイオマーカーの名称、及びヒトタンパク質及びそのマウス対応物についてのそれらのUniprotコードを示す。

0084

表1:群Aのバイオマーカー

0085

一実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又はii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片、並びに配列番号:11のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアクチンアルファ心筋1、配列番号:12のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアンチトロンビン-III、配列番号:3のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するBH3共役ドメインデスアゴニスト、配列番号:4のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するカテニンデルタ-1、配列番号:5のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するクラスリン軽鎖B、配列番号:13のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するEgl nineホモログ1、配列番号:14のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するフィブリノーゲンガンマ鎖、配列番号:6のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するグアニンヌクレオチド結合タンパク質G(q)サブユニットアルファ、配列番号:15のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するインスリン様増殖因子結合タンパク質6、配列番号:18のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するラムダ-クリスタリンホモログ、配列番号:7のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する中性アルファ-グルコシダーゼAB、配列番号:19のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する核膜孔複合体タンパク質Nup155、配列番号:16のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するOCIAドメイン含有タンパク質1、配列番号:8のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するセセルニン-2、配列番号:17のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する血清アルブミン、配列番号:9のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する短鎖特異的アシルCoAデヒドロゲナーゼ、及び配列番号:10のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシンタフィリンを含む「群B」から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0086

このバイオマーカーの部分群(本明細書においては、「群B」と称する)は、非AD個体のヒト血漿又はヒト血清において別々に同定されている(http://www.plasmaproteomedatabase.org/)。従って、これらのバイオマーカーが、AD患者の血液/血液産物中に存在するのみではなく、CSFにおいて観察されるそれらの上方/下方調節が血液中/血液産物中に移動することも期待される。血液及びその産物(血漿又は血清)は、診断のためにCSFよりもすぐにかつ簡単に利用可能であるために、このことは特に有利である。

0087

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又はii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片、並びに配列番号:11のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアクチンアルファ心筋1、配列番号:12のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するアンチトロンビン-III、配列番号:3のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するBH3共役ドメインデスアゴニスト、配列番号:24のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するcAMP依存性プロテインキナーゼI型-ベータレギュラトリーサブユニット、配列番号:4のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するカテニンデルタ-1、配列番号:23のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する170kDaの中心体タンパク質、配列番号:5のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するクラスリン軽鎖B、配列番号:13のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するEgl nineホモログ1、配列番号:14のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するフィブリノーゲンガンマ鎖、配列番号:27のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するGMP還元酵素1、配列番号:6のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するグアニンヌクレオチド結合タンパク質G(q)サブユニットアルファ、配列番号:15のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するインスリン様増殖因子結合タンパク質6、配列番号:18のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するラムダ-クリスタリンホモログ、配列番号:20のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するミエリン関連オリゴデンドロサイト塩基性タンパク質、配列番号:7のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する中性アルファ-グルコシダーゼAB、配列番号:19のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する核膜孔複合体タンパク質Nup155、配列番号:16のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するOCIAドメイン含有タンパク質1、配列番号:25のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタンパク質KIAA1045、配列番号:17のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する血清アルブミン、配列番号:9のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する短鎖特異的アシルCoAデヒドロゲナーゼ、配列番号:22のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシナプトポリン、配列番号:10のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するシンタフィリン及び配列番号:26のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するチューブリンアルファ鎖様3を含む「群C」から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0088

このバイオマーカーの部分群(本明細書において、「群C」と称することとする)は、対照対象と比較して、AD患者のヒトCSFにおいて調節されていること、及びカゼインキナーゼ阻害剤の投与の際に、マウス脳において逆調節されることが見出されている。

0089

表2:「群C」のバイオマーカー

0090

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又はii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片、並びに配列番号:8のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するセセルニン-2、配列番号:21のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する膜貫通型タンパク質119、配列番号:28のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するKxDLモチーフ含有タンパク質1を含む「群D」から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0091

このバイオマーカーの部分群(本明細書において、「群D」と称することとする)は、対照と比較して、AD患者の脳において調節されること、及びカゼインキナーゼ阻害剤の投与に際しマウス脳において調節されることが見出されている。

0092

表3:「群D」のバイオマーカー

0093

群C及びD(それぞれ、表2及び表3に記載)は、2つの異なるカゼインキナーゼ阻害剤の投与後に、マウス脳において調節されることが示されているバイオマーカー、及びi)(表2;群C)Braakステージ3/4又は5/6のADのヒト患者のCSFにおいて、上方又は下方調節されるバイオマーカー又はii)(表3;群D)対照対象と比較して、AD患者のヒト脳において上方/下方調節されるバイオマーカーを含む。これらのバイオマーカーは、タウオパチーを診断及びステージ分類することを可能とし、その特定の患者において治療が効果的であるかどうか、又は代わりのアプローチを次に行うべきかどうかをはっきりさせることを可能とする薬力学的バイオマーカーとしても役立つために非常に有利である。

0094

さらに、本発明は、タウ又はその1以上の断片を含むバイオマーカーのパネルであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記バイオマーカーのパネルを提供する。

0095

微小管関連タンパク質タウは、アルツハイマー病の患者の海馬及び皮質において異常にリン酸化され、最終的には、該疾病の病理学的特徴である対を成すらせん状の線維(PHFタウ)へと器質化する凝集体を形成する。タウタンパク質のある種のリン酸化された形態は、経シナプス伝播によっって脳内を伝播することができ、かつ、恐らく、これ及び他のよく理解されていないプロセスによって、脳脊髄液中にも見出される。CSF中の全タウに対するセリン181でリン酸化されたタウ(2N4Rタウアイソフォーム配列;配列番号:29に基づく)の比は、個体を前症候性アルツハイマー病を有するものとして分類するため、及び症候性疾患において臨床診断を確認するために用いられる受け入れられたバイオマーカーである。

0096

本発明において同定された配列番号:29のアミノ酸配列を有するか又は該アミノ酸配列を含むタウ又はその断片上のリン酸化されたアミノ酸は、表4に例示されるように、セリン及び/又はスレオニン及び/又はチロシンアミノ酸である。

0097

表4:ヒトCSF及び/又はヒト脳及び/又はマウス脳由来のタウにおいてリン酸化されていることが分かったタウタンパク質(配列番号:29)のアミノ酸(Xは、検出されたことを意味する)

0098

表4に示すアミノ酸の各々は、診断用、予後用、及び/又は薬力学的バイオマーカーとして有用なものである。好ましくは、全ての試験において検出された(すべてのカラムでXの)17個のリン酸化残基は、ヒト疾患の間に存在し、カゼインキナーゼ阻害剤で処置した動物モデルにおいても検出され、かつヒトのCSFにおいても検出することができたために、薬力学的バイオマーカーとして最大の可能性を有する。

0099

より好ましくは、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、T181、S184、S202、S205、T231、及び/又はS235を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0100

一実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)S61、S64、S199、S205、及びS396から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0101

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0102

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0103

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S199を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0104

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0105

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0106

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61及びS64を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0107

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61及びS199を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0108

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0109

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0110

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64及びS199を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0111

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0112

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0113

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S199及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0114

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S199及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0115

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S205及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0116

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、及びS199を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0117

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0118

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0119

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S199、及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0120

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S199、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0121

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S205、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0122

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64、S199、及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0123

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64、S199、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0124

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S64、S205、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0125

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S199、S205、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0126

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、S199、及びS205を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0127

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、S199、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0128

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S199、S205、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0129

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)リン酸化アミノ酸S61、S64、S199、S205、及びS396を含む、前記タウ又はその1以上の断片を含む。

0130

上述のような、アミノ酸配列、及びタウ内又はその1以上の断片上の特定のリン酸化アミノ酸に関する実施態様は、本発明の第2の態様の他の実施態様の全て、及びタウ又はその1以上の断片が関与する本発明の他の態様の全てに等しく適用可能である。

0131

一実施態様において、バイオマーカーのパネルは、群A、B、C、又はDから選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む;前記タウ又はその1以上の断片から選択される1つのバイオマーカーを含み、ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。好ましくは、群A、B、C、又はDから選択されるバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0132

より好ましくは、パネルは、3つ以上、4つ以上、5つ以上のバイオマーカーを含み、ここで、タウに追加される少なくとも2つのバイオマーカーは、群A、B、C、又はDから選択され、かつi)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及びii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0133

さらに、本発明は、表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質を含むバイオマーカーのパネルを提供する。

0134

これらのバイオマーカーは、対照と比較して、AD患者のCSFにおいて高度に調節されていることが見出されている。各々のタンパク質の全ての非修飾ペプチドを、3つの対照、及び3つのAD症例についてまとめた。その後、各々のタンパク質のlog2比及びp値を算出した。2以上のペプチド、>60%調節、及びp<0.05であるタンパク質を表5のバイオマーカーとして選択した。

0135

表5:対照と比較してAD患者のCSFにおいて上方/下方調節されるバイオマーカー

0136

一実施態様において、バイオマーカーのパネルは、少なくともベイジンを含む。

0137

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、少なくともミトコンドリアシトクロムcオキシダーゼサブユニット7A関連タンパク質を含む。

0138

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、少なくともベイシジン、及びミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼサブユニット7A関連タンパク質を含む。

0139

ベイシジン又はBSG又は細胞外マトリックスメタロプロテイナーゼ誘導因子(EMMPRIN)又は表面抗原分類147(CD147)は、I型内在性膜受容体である。シクロフィリン(CyP)タンパク質Cyp-A及びCyP-B、並びに特定のインテグリンを含む多くのリガンドを有する。ベイシジンは、メタロプロテイナーゼ誘導能を有しており、かつそれは、いくつかの別個機能、例えば、精子形成モノカルボン酸輸送体の発現、及びリンパ球応答性も調節している。それは、上皮細胞内皮細胞、及び白血球を含む多くの細胞型により発現される。ヒトベイシジンタンパク質は、N-末端細胞外部分に2つの重度グリコシル化されたC2型免疫グロブリン様ドメインを形成する269個のアミノ酸を含有する。その細胞外部分に追加の免疫グロブリン様ドメインを1つ含有するベイシジンの第2の形態も特性が明らかにされている。そのアミノ酸配列を、配列番号:30に示す。

0140

ミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼサブユニット7A関連タンパク質、すなわちCox7rは、ヒトにおいてCOX7A2L遺伝子によってコードされる酵素である。ミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼサブユニット7A関連タンパク質は、シトクロムcオキシダーゼ(COX)の成分であり、それは、ミトコンドリア呼吸鎖末端成分であり、かつ還元型シトクロムcから酸素への電子伝達触媒する。そのアミノ酸配列を、配列番号:31に示す。

0141

上記したような、表5から選択されるバイオマーカーに関する実施態様は、本発明の第3の態様の他の実施態様の全て、及び表5から選択されるバイオマーカーが関与する本発明の他の態様の全てに等しく適用可能である。

0142

一実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表5から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0143

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1つのバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択されるバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0144

表5に列挙したバイオマーカーは、ADの病態に関連性があることが知られている特定の経路に属していることもある。それらを、以下で特定のGO用語(http://geneontology.org/)に従い表6〜表13に例示されているもののような特定のリストにさらにグループ分けしてもよい。

0145

データを解析するために用いたGO用語の1つは、「Synap*」という用語であった。表5のうちでこの特定の経路の一部として登録されるバイオマーカーを、表6に示す。

0146

一実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表6から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0147

表6:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Synap*」を有するタンパク質

0148

一実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表6から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0149

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1つのバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択されるバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0150

データを解析するために用いた別のGO用語は、「Phosporyl*」という用語であった。表5のうちでこの特定の経路の一部として登録されるバイオマーカーを表7に示す。

0151

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表7から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0152

表7:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Phosporyl*」を有するタンパク質

0153

一実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表7から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0154

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1つのバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択されるバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0155

データを解析するために用いた別のGO用語は、「Stress」という用語であった。表5のうちでこの特定の経路の一部として登録されるバイオマーカーを表8に示す。

0156

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表8から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0157

表8:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Stress」を有するタンパク質

0158

さらに別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表8から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0159

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0160

データを解析するために用いた別のGO用語は、「Calcium」という用語であった。表5のうちでこの特定の経路の一部として登録されるバイオマーカーを表9に示す。

0161

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表9から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0162

表9:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Calcium」を有するタンパク質

0163

別の実施態様の1つにおいて、バイオマーカーのパネルは、表9から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0164

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1つのバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択されるバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0165

データを解析するために用いた別のGO用語は、「Cytoskelet*」という用語であった。表5のうちでこの特定の経路の一部として登録されるバイオマーカーを表10に示す。

0166

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表10から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0167

表10:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Cytoskelet*」を有するタンパク質

0168

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表10から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0169

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0170

データを解析するために用いたさらに別のGO用語は、「Mitochondri*」という用語であった。表5のうちでこの特定の経路の一部として登録されるバイオマーカーを表11に示す。

0171

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表11から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0172

表11:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Mitochondri*」を有するタンパク質

0173

別の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表11から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0174

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0175

表5のバイオマーカーを、GO用語「Vesicle」及び「Insuline」でも解析した。これらの特定の経路の一部として登録されるものを、表12及び表13にそれぞれ示す。

0176

別の実施態様において、本発明によるバイオマーカーのパネルは、表12又は表13から選択される1以上、好ましくは2以上のバイオマーカーを含む。

0177

表12:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Vesicle」を有するタンパク質

0178

表13:AD患者のCSFにおいて調節されることが分かっているGO用語「Insulin」を有するタンパク質

0179

他の実施態様において、バイオマーカーのパネルは、表12又は表13から選択される少なくとも1つのバイオマーカー、及びタウ又はその1以上の断片から選択される少なくとも1つのバイオマーカーであって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含む、前記少なくとも1つのバイオマーカーを含み;ここで、タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルは、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む。

0180

好ましくは、該パネルは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーも含む。より好ましくは、群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカーは:
i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片であるか;又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片である。

0181

各々のタンパク質の全ての非修飾ペプチドを、3つの対照及び3つのAD症例についてまとめた。その後、各々のタンパク質のlog2比及びp値を算出した。2以上のペプチド、>60%調節、及びp<0.05であるタンパク質を、シナプス機能障害(表6)、調節不全のリン酸化(表7)、酸化ストレス(表8)、調節不全のカルシウムシグナル伝達(表9)、調節不全の細胞骨格(表10)、ミトコンドリア損傷(表11)、異常なベシクル機能(表12)、及び機能障害性インスリンシグナル伝達(表13)のバイオマーカーとして選択した。

0182

本明細書に記載されるバイオマーカーのパネルは、タウ毒性を特徴とする神経認知疾患、例えば、タウオパチー、及び特にアルツハイマー病などの神経認知障害を診断するため、該神経認知障害をステージ分類するため、該神経認知障害を発症する可能性を評価するため、及び該神経認知障害を治療するための薬物への応答を評価するために有用である。このような方法のいずれかにおけるこれら本発明によるバイオマーカーのパネルの使用には、かなりの利点がある。

0183

第一に、本発明によるバイオマーカーは、タウ毒性及び結果として脳において生じる経路の変化の、末梢組織、例えばCSF及び血液における末梢シグナルへの翻訳を表す。従って、これらは、組織試験を末梢液試験で置き換えることを可能とする。特に、神経認知障害において主に影響される組織が、脳組織であるために、このことは、大きな利点となる。脳生検(brain biopsy)は、死後でない限り行われない。

0184

第二に、本発明によるバイオマーカーは、タウ毒性を特徴とする神経認知障害、例えば、アルツハイマー病の特定のステージを説明することができるものとして選択されている。また、現在のところ、疾患の進行をある程度表すものの、疾患のステージに関しては正確ではない可能性があり、従って、特定のステージのために開発及び承認されている療法を選択することを特に難しくする一連の心理測定的試験を介して、ADのような神経認知疾患の進行を臨床医は評価しているために、このことは大きな利点となる。

0185

第三に、これらのバイオマーカーは、典型的には文献で報告されているものでも臨床の現場でタウオパチーのバイオマーカーとして現在用いられているものでもないタンパク質をさらに含んでおり、従って、タウ毒性を特徴とする神経認知障害、例えば、ADを有する対象、及び神経認知障害の症状を呈しているにもかかわらず、ADの初期兆候によって影響を受けていない対象を、初期段階においてさえも特定しかつ区別するための追加のツールを、臨床医に提供する。

0186

従って、本発明は、対象における神経認知障害を診断するための方法であって、該方法が:
a)該対象から得られる試料を、本明細書において規定されたようなパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること;
を含み、
該バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ
を含むパネルから選択される、前記方法を提供する。

0187

好ましくは、前記神経認知障害は、タウ毒性を特徴とする;より好ましくは、前記神経認知障害は、アルツハイマー病、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病、皮質基底核変性症、多系統萎縮症(MSA)、鉄蓄積を伴う神経基底変性、1型(ハラーホルデン・スパッツ)、嗜銀顆粒性認知症、ダウン症候群、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ボクサー認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、筋強直性ジストロフィー、ニーマン・ピック病C型、進行性皮質下グリオーシス、プリオンタンパク質脳アミロイドアンギオパチー、神経原線維変化型認知症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症症候群、神経原線維変化/認知症を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、慢性外傷性脳障害、アルファ-シヌクレイン病、パーキンソン病、又はそれらの組合せの群から選択されるタウオパチーである。

0188

さらにより好ましくは、該タウオパチーは、アルツハイマー病である。

0189

本発明は、対象における神経認知障害をステージ分類するための方法であって:該方法が
a)該対象から得られる試料を、本明細書において規定されたパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象における該神経認知障害のステージを決定すること;
を含み、該バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ
を含むパネルから選択される、前記方法も提供する。

0190

好ましくは、本発明によるステージ分類する方法においては、プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aのレベルが、神経認知障害の進行したステージにある対象の試料中で増加し;かつ/又は2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼのレベルが、神経認知障害の進行したステージにある対象の試料中で増加する。一実施態様において、神経認知障害のステージ分類が高いほど(すなわちより進行したステージにあるほど)、タウ発現及び過剰リン酸化が高い。従って、該ステージは、タウ依存的である。

0191

好ましくは、前記神経認知障害は、タウ毒性を特徴とし、より好ましくは、該神経認知障害は、アルツハイマー病、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病、皮質基底核変性症、多系統萎縮症(MSA)、鉄蓄積を伴う神経基底変性、1型(ハラーホルデン・スパッツ)、嗜銀顆粒性認知症、ダウン症候群、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ボクサー認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、筋強直性ジストロフィー、ニーマン・ピック病C型、進行性皮質下グリオーシス、プリオンタンパク質脳アミロイドアンギオパチー、神経原線維変化型認知症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症症候群、神経原線維変化/認知症を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、慢性外傷性脳障害、アルファ-シヌクレイン病、パーキンソン病、又はそれらの組合せの群から選択されるタウオパチーである、

0192

さらにより好ましくは、前記タウオパチーは、アルツハイマー病(AD)であり、かつ前記ステージ分類は、ADのBraakステージ分類のステージのいずれか1つである。

0193

ADのBraakステージ分類は、1991年に初めて記載(Braak, H.らの文献、(1991) Acta Neuropathologica 82 (4): 239-59)され:
・神経原線維変化の関与が、主として脳のトランス嗅内領域(transentorhinal region)に限定されている場合に使用されるステージI及びII;
・海馬などの辺縁系領域の関与も存在する場合のステージIII、及びIV、並びに
・広範な新皮質の関与が存在する場合のステージV及びVI
を含む。

0194

好ましい一実施態様において、前記神経認知障害がADである場合、配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片の濃度又は量は、AD BraakステージIII又はステージIVのAD患者と比較してAD BraakステージV又はBraakステージVIのAD患者の試料において増加している。

0195

別の好ましい実施態様において、前記神経認知障害がADである場合、配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片の濃度又は量は、AD BraakステージIII又はステージIVのAD患者と比較して、AD BraakステージV又はBraakステージVIのAD患者の試料において増加している。

0196

本発明は、対象において神経認知障害を発症する可能性を評価するための方法であって:
a)該対象から得られる試料を、本明細書において規定されたパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該バイオマーカーパネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を発症する可能性があるかどうかを決定すること;を含み、
前記バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ、を含むパネルから選択される、前記方法も提供する。

0197

好ましくは、前記神経認知障害は、タウ毒性を特徴とし、より好ましくは、前記神経認知障害は、アルツハイマー病、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病、皮質基底核変性症、多系統萎縮症(MSA)、鉄蓄積を伴う神経基底変性、1型(ハラーホルデン・スパッツ)、嗜銀顆粒性認知症、ダウン症候群、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ボクサー認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、筋強直性ジストロフィー、ニーマン・ピック病C型、進行性皮質下グリオーシス、プリオンタンパク質脳アミロイドアンギオパチー、神経原線維変化型認知症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症症候群、神経原線維変化/認知症を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、慢性外傷性脳障害、アルファ-シヌクレイン病、パーキンソン病、又はそれらの組合せの群から選択されるタウオパチーである。

0198

さらにより好ましくは、前記タウオパチーは、アルツハイマー病である。

0199

本発明は、対象における神経認知障害を治療するための方法であって:
a)該対象から得られる試料を、本明細書において規定されたパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること;
d)該神経認知障害を治療するための薬物を、該対象に投与すること;を含み、
前記バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ、を含むパネルから選択される、前記方法も提供する。

0200

あるいは、本態様は、対象における神経認知障害の治療における使用のための薬物であって、該対象が:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること;
を含む方法によって選択され、
該バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ
を含むパネルから選択される、前記薬物として、又は、あるいは、対象における神経認知障害の治療のための薬品の生産のための薬物の使用であって、該対象が:
a)該対象から得られる試料を、それらの実施態様を含む本発明の第1、第2、及び第3の態様のうちのいずれか1つにおいて定義される前記パネルの前記バイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害を有しているかどうかを決定すること;を含む方法によって選択され、
該バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ
を含むパネルから選択される、前記使用として説明され得る。

0201

一実施態様において、試料が脳試料である場合、配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片の濃度又は量は、神経認知障害を治療するための薬物の投与に応答して減少するであろう。

0202

別の実施態様において、試料がCSFである場合、配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片の濃度又は量は、治療に応答して増加又は減少する。

0203

本発明は、対象における神経認知障害を治療するための薬物に対する応答を評価するための方法であって、該対象が、該薬物で治療されてきたか又は該薬物で治療されており、該方法が:
a)該対象から得られる試料を、本明細書に記載されるパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該バイオマーカーパネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該パネルの各々のバイオマーカーの該濃度又は量を、該バイオマーカーの参照濃度又は量と比較することによって、該アルツハイマー病の治療が成功かどうかを決定すること、を含み
該バイオマーカーのパネルが:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって、タウが:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ
を含むパネルから選択される、前記方法も提供する。

0204

好ましくは、本発明のこれら2つの態様における神経認知障害は、タウ毒性を特徴とし、より好ましくは、前記神経認知障害は、アルツハイマー病、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病、皮質基底核変性症、多系統萎縮症(MSA)、鉄蓄積を伴う神経基底変性、1型(ハラーホルデン・スパッツ)、嗜銀顆粒性認知症、ダウン症候群、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ボクサー認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、筋強直性ジストロフィー、ニーマン・ピック病C型、進行性皮質下グリオーシス、プリオンタンパク質脳アミロイドアンギオパチー、神経原線維変化型認知症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症症候群、神経原線維変化/認知症を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、慢性外傷性脳障害、アルファ-シヌクレイン病、パーキンソン病、又はそれらの組合せ、の群から選択されるタウオパチーである。

0205

好ましい一実施態様において、前記タウオパチーは、アルツハイマー病である。

0206

一実施態様において、神経認知障害を治療するための薬物はキナーゼ阻害剤であり;好ましくは、該キナーゼ阻害剤は、タウキナーゼ阻害剤又はカゼインキナーゼ阻害剤、より好ましくはカゼインキナーゼ1アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、又はイプシロンから選択される。

0207

さらにより好ましくは、前記キナーゼ阻害剤は、カゼインキナーゼ1デルタ阻害剤である。カゼインキナーゼ1デルタ阻害剤は、引例として本明細書に組み込まれているWO2012080727及びWO2012080729に記載されている。

0208

カゼインキナーゼ1デルタ阻害剤の例は、5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(PS110);
2-アミノ-3-[(チオフェン-2-イル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;
2-[3-(ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3-ベンゾオキサゾール;
2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド(PS278);2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド
2-アミノ-3-ベンゾイルインドリジン-1-カルボキサミド;
2-アミノ-1-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]-1H-インドール-3-カルボキサミド;それらの組合せ;又はそれらの医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物である。

0209

最も好ましいカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤は、5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(PS110);
2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド(PS278);2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;それらの組合せ;又はそれらの医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物から選択される。

0210

好ましくは、本発明による治療の方法における工程d)は、追加の治療薬剤を投与することをさらに含む。一実施態様において、前記対象は、キナーゼ阻害剤で治療されてきたか又は治療されており、かつ前記追加の治療薬剤は、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される。別の実施態様において、前記対象は、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される薬剤で治療されてきたか又は治療されており、かつ前記追加の治療薬剤は、キナーゼ阻害剤、好ましくはカゼインキナーゼ1デルタ阻害剤、より好ましくは5-(1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン;
2-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;2-メチル-アミノ-3-[(4-フルオロフェニル)カルボニル]インドリジン-1-カルボキサミド;それらの組合せ;又はそれらの医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物から選択されるカゼインキナーゼ阻害剤から選択される。

0211

本発明の一実施態様において、対象における神経認知障害を治療するための薬物に対する応答を評価する場合であって、該対象が、該薬物で治療されてきたか、又は治療されている場合:
i)該対象は、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤でも治療されてきたか又は治療されており;かつ/又は
ii)工程c)の後に、該方法が、メマンチン(例えば、Namenda(登録商標))、ガランタミン(例えば、Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(例えば、Exelon(登録商標))、ドネペジル(例えば、Aricept(登録商標))、ソラネズマブ、5HT5アンタゴニスト、又はそれらの組合せの群から選択される追加の治療薬剤を投与することを含む。

0212

本発明による全ての方法の前記アッセイする工程a)及び/又は前記測定する工程b)は:
i)前記試料を、前記パネルの前記バイオマーカーの各々に対する1以上の結合性物質と接触させること;又は
ii)前記試料中で前記バイオマーカーの各々に特異的な自己抗体を検出すること;又は
iii)前記試料中で、質量分析により、前記パネルの前記バイオマーカーの各々を、任意に該試料を1以上のアイソバリックな反応性質量標識で事前に標識して、検出すること;又は
iv)前記試料中で、2Dゲル電気泳動により、前記パネルの前記バイオマーカーの各々を検出すること;又は
iv) i)、ii)、iii)、もしくはiv)のいずれかの組合せをさらに含んでいてもよい。

0213

好ましくは、工程a)における前記アッセイすること及び/又は工程b)における前記測定することは:
i)前記パネルにおける前記バイオマーカーの1以上の断片を検出すること、及び/又は
ii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタウもしくはその1以上の断片上の1以上のリン酸化アミノ酸を検出することであって;検出されるべきタウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合、タウ又はその1以上の断片上の少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸が検出される、前記検出すること、を含む。

0214

任意に、前記試料は、固体支持体上に固定化されている。

0215

本発明による方法においてアッセイされる試料は、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、唾液、尿、組織(例えば、脳組織)又はそれらの組合せの群から選択される。

0216

好ましくは、前記試料は、CSF又は血液である。

0217

診断、評価、又は治療される対象は、ADのもしくは本明細書に記載されるタウオパチーの動物モデル(例えば、齧歯動物又は霊長類)、又はヒト対象であり得る。好ましくは、診断、評価、又は治療される対象は、ヒト対象である。

0218

(2.キット)
本発明は、試料中で、本発明によるパネルのバイオマーカーをアッセイ及び/又は測定するための試薬を含むキットも提供する。

0219

好ましくは、キットは、神経認知障害、特にアルツハイマー病を診断すること、ステージ分類すること、及び該障害の治療に対する応答を評価することを可能とする。

0220

本発明によるキット試薬は、本明細書に記載されるパネルのバイオマーカーに特異的に結合する1以上の結合性物質を含んでいてもよい。好ましくは、該1以上の結合性物質は、一次抗体であって、ここで各々の一次抗体は:
i)該パネルの異なるタンパク質、及び/又は
ii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するタウもしくはその断片の1以上のリン酸化アミノ酸
に特異的に結合する。

0221

より好ましくは、一次抗体は、プロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14Aに対する1以上の抗体、及び/又は2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼに対する1以上の抗体である。他の一次抗体としては、群A、B、C、又はD及び表5〜表13に列記したタンパク質のうちの他のバイオマーカーに対する抗体が挙げられる。

0222

一次抗体は、アッセイプレート、ビーズ、マイクロスフェア、又は粒子に固定化されていてもよい。任意に、ビーズ、マイクロスフェア、又は粒子は、染色されているか、タグ化されているか、又は標識されていてもよい。任意に、アッセイプレートは、平面アレイ又はマイクロタイターマルチウェルプレートである。

0223

キットが、パネルのバイオマーカーに対する一次抗体を含む場合、該キットは、該一次抗体に特異的に結合する1以上の二次抗体をさらに含んでいてもよい。

0224

任意に、二次抗体は、標識、例えば、蛍光標識又はタグ化されていてもよい。

0225

本発明によるキットは、タグ化された二次抗体の存在を検出するための1以上の検出試薬をさらに含んでいてもよい。

0226

試料は、好ましくは、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、唾液、尿、組織(例えば、脳組織)又はそれらの組合せの群から選択される。

0227

本発明のキットは:
a)対象から得られる試料をパネルのバイオマーカーについてアッセイすること;
b)該試料中で、該パネルの各々のバイオマーカーの濃度又は量を測定すること;
c)該試料中の該タンパク質の各々の該濃度又は量を、該タンパク質の参照濃度又は量と比較することによって、該対象が、神経認知障害特に、アルツハイマー病を有しているかどうかを決定すること;
を可能とし、ここで、該バイオマーカーのパネルは:
I)i)配列番号:1のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するプロテインホスファターゼ1レギュラトリーサブユニット14A、又はそのアイソフォーム、もしくはバリアント、もしくは断片;及び/又は
ii)配列番号:2のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有する2’,3’-環状ヌクレオチド3’-ホスホジエステラーゼ、又はそのアイソフォーム、バリアント、もしくは断片;又は
II)群A、B、C、又はDから選択される1以上のバイオマーカー;又は
III)タウ又はその1以上の断片であって:
i)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有し、かつ
ii)T39、S46、T50、T52、T56、S61、T63、S64、S68、T69、S113、T181、S184、S185、S191、S195、S198、S199、S202、S205、S208、S210、T212、S214、T217、T231、S235、S237、S238、S258、S262、S285、S289、S356、Y394、S396、S400、T403、S404、S409、S412、S413、T414/S416、又はS422から選択される1以上、任意に2以上のリン酸化アミノ酸を含み;タウ上の該リン酸化アミノ酸が、T181である場合に、該パネルが、少なくとももう1つのリン酸化アミノ酸を有するタウ又はその1以上の断片を含む、前記タウ又はその1以上の断片;又は
IV)表5、6、7、8、9、10、11、12、13、又はそれらの組合せから選択される1以上、任意に2以上のタンパク質;又は
V) I)、II)、III)、及びIVの組合せ、を含むパネルから選択される。

0228

特に、本発明によるキットは:
i)前記試料を、前記パネルの前記バイオマーカーの各々に対する1以上の結合性物質と接触させること;又は
ii)前記試料中で前記バイオマーカーの各々に特異的な自己抗体を検出すること;又は
iii)前記試料中で、質量分析により、前記パネルの前記バイオマーカーの各々を、任意に該試料を1以上のアイソバリックな反応性質量標識で事前に標識して、検出すること;又は
iv)前記試料中で、2Dゲル電気泳動により、前記パネルの前記タンパク質の各々を検出すること;又は
iv) i)、ii)、iii)、もしくはiv)のいずれかの組合せ
によって、前記試料をアッセイすること(工程a)と同様に)及び/又は測定すること(工程b)と同様に)を指示し得る。

0229

さらに別の実施態様において、キットは、脳組織を調製するのに適した、任意に、ホルマリン固定パラフィン包脳組織切片を調製するのに適した試薬を含んでいてもよい。

0230

キットは、1以上のバイオマーカーの濃度又は量の決定を比較可能である定量的な尺度を提供する参照をさらに提供し得る。該参照は、神経認知障害、例えば、タウオパチー、特に、ADの存在、又はそのステージ分類、又はそれを発症する可能性を示すタンパク質量又は濃度を示し得る。

0231

キットは、本発明による方法を実施するための印刷された説明書も含み得る。

0232

一実施態様において、キットは、質量分析アッセイを実施するためのものであってもよく、参照ペプチド(例えば、SRMペプチド)のセットをアッセイ適合性フォーマットで含んでいてもよく、ここで、該セット中の各々のペプチドは、i)群A、B、C、又はDのバイオマーカーのうちの1以上;ii)配列番号:29のアミノ酸配列を含むか又は該アミノ酸配列を有するリン酸化されたタウもしくはその1以上の断片;又はiii)表5〜表13に列記したタンパク質のうちの1以上をユニークに表すものである。

0233

好ましくは、そのようなユニークなペプチドの2以上を、そのためにキットがデザインされ、かつユニークなペプチドの各々のセットが健常対象の試料中のそのようなバイオマーカーの量又は濃度を反映する既知の量で提供される、各々のバイオマーカーに使用する。

0234

任意に、キットは、試料からの本発明によるバイオマーカーの単離及び抽出のためのプロトコル及び試薬、トリプシンなどのタンパク質分解酵素精製調製物、並びにモニタリングされるべきプリカーサー質量及び比遷移の詳細を含む方法の詳細なプロトコルも提供し得る。ペプチドは合成ペプチドであってもよく、かつ炭素窒素、酸素、及び/又は水素の1以上の重同位体を含んでいてもよい。

0235

任意に、本発明のキットは、適当な細胞、容器成長培地、及びバッファーも含み得る。

0236

(3.バイオマーカーの検出及び測定)
本明細書に記載されるバイオマーカーのパネルは、発現が調節される、すなわち、定量的に増加又は減少するバイオマーカーと、疾患状態と比べて正常状態もっぱら存在するか又はもっぱら存在しない、すなわち、定性的に発現されるバイオマーカーの両方を含む。その発現が疾患状態と比べて正常状態で異なる程度は、標準的な特徴解析技術によって可視化されるのに十分な大きさであるだけでよい。

0237

タンパク質の検出及び定量の方法は当技術分野で周知であり、任意の好適な方法を利用し得る。

0238

一実施態様において、パネルのバイオマーカーは、そのバイオマーカーに特異的な結合性物質、例えば、抗体を、例えば、ELISAアッセイ又はウェスタンブロッティングで用いて検出し得る。

0239

本明細書に記載されるパネル中の個々のバイオマーカーの、リン酸化アミノ酸又は他の翻訳後修飾を有するアミノ酸を含む1以上のエピトープを特異的に認識する能力がある抗体の産生に関する方法は、当技術分野において公知である。そのような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、ヒト化又はキメラ抗体単鎖抗体、Fab断片、F(ab')2断片、Fab発現ライブラリーによって産生される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片を挙げることができるが、これらに限定されない。

0240

抗体の産生のために、様々な宿主動物をタンパク質又はその部分の注射によって免疫することができる。そのような宿主動物としては、ウサギ、マウス、及びラットを挙げることができるが、これらに限定されない。リゾレシチン、Pluronicポリオールポリアニオン、ペプチド、油乳剤キーホールリンペットヘモシアミン(keyhole limpet hemocyamin)、ジニトロフェノール、並びに潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCGカルメットゲラン桿菌(BCG bacille Calmette-Fuerin)及びコリネバクテリウムパルヴム(Corynebacterium parvum)などの活性物質を含む、様々なアジュバントを用いて、宿主種に応じて、免疫学的応答を増大させることができる。

0241

ポリクローナル抗体は、抗原、例えば、標的タンパク質、又はその抗原性機能性誘導体で免疫した動物の血清に由来する不均一な抗体分子集団である。ポリクローナル抗体の産生のために、宿主動物、例えば、上記のような宿主動物を、同じく上記のようなアジュバントが補充された示差発現タンパク質又は経路タンパク質の注射によって免疫することができる。

0242

特定の抗原に対する均一な抗体集団であるモノクローナル抗体は、培養下の継続細胞株による抗体分子の産生をもたらす任意の技術によって得ることができる。これらには、Kohler及びMilsteinのハイブリドーマ技術(1975, Nature 256:495-497;及び米国特許第4,376,110号)、ヒトβ細胞ハイブリドーマ技術(Kosborらの文献、1983, Immunology Today 4:72; Coleらの文献、1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:2026-2030)、並びにEBVハイブリドーマ技術(Coleらの文献、1985、モノクローナル抗体及び癌療法(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)、Alan R. Liss社、pp. 77-96)が含まれるが、これらに限定されない。そのような抗体は、IgGIgMIgEIgAIgDを含む任意の免疫グロブリンクラス及びその任意のサブクラスのものであり得る。本発明のmAbを産生するハイブリドーマは、インビトロ又はインビボで培養することができる。インビボで高力価のmAbを産生するので、これが現在好ましい産生方法になっている。

0243

さらに、適当な抗原特異性マウス抗体分子由来の遺伝子を適当な生物学的活性ヒト抗体分子由来の遺伝子と一つに結合させることによる「キメラ抗体」の産生のために開発された技術(Morrisonらの文献、1984, Proc. Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855; Neubergerらの文献、1984, Nature 312:604-608; Takedaらの文献、1985, Nature 314:452-454)を使用することができる。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子、例えば、マウスmAbに由来する可変領域及びヒト免疫グロブリン定常領域を有する分子である。

0244

あるいは、単鎖抗体の産生について記載されている技術(米国特許第4,946,778号; Birdの文献、1988, Science 242: 423-426; Hustonらの文献、1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883;及びWardらの文献、1989, Nature 334:544-546)を、示差発現タンパク質又は経路タンパク質-単鎖抗体を産生するように適合させることができる。単鎖抗体は、アミノ酸架橋によってFv領域の重鎖断片と軽鎖断片を連結させ、単鎖ポリペプチドを生じさせることにより形成される。

0245

特異的エピトープを認識する抗体断片は、公知の技術によって作製することができる。例えば、そのような断片としては、抗体分子のペプシン消化によって産生することができるF(ab')2断片及び該F(ab')2断片のジスルフィド架橋還元することにより作製することができるFab断片が挙げられるが、これらに限定されない。所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ容易な同定を可能にするために、別のFab発現ライブラリーを構築してもよい(Huseらの文献、1989, Science 246:1275-1281)。

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