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課題・解決手段

本発明は、不飽和アルコール、特にアリルアルコール酸化触媒としての任意に鉄がドープされたモリブデンバナジウム混合酸化物の使用、及び、当該触媒の存在下において気相中で不飽和カルボン酸、特にアクリル酸を製造する方法に関する。

概要

背景

アクリル酸(又はアクロレイン酸もしくはプロパ−2−エン酸)は、分子式C3H4O2及び示性式CH2=CHCOOHの有機化合物である。アクリル酸及びそのエステル、すなわちアクリレートは、化学工業、特に高吸収材料、プラスチック材料の製造において、アクリル塗料において、及び、複数の用途を有する様々なポリアクリル化合物において広く使用されている。

現在、アクリル酸の工業生産は、化石資源から、特に石油精製から得られる生産物であるプロピレンに主に依存している。実際、一般的にアクリル酸の合成は、高温(通常320℃より高い)で、気相中、中間生成物としてアクロレインを用いる2又は3工程のプロピレンの酸化により実施される。

特に、主な商業的方法は、BiMoOx触媒上でプロピレンから出発して中間生成物であるアクロレインを形成する2つの工程で実施されうる。次いでアクロレインは下記反応(1)と(2)に従ってMoVWOx触媒上の第2工程でアクリル酸に酸化される:

別の例として特許文献1は、プロピレンからアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造する3工程の方法を記載する。その方法の第1工程ではパラジウム触媒及び酢酸の存在下でプロピレンを酸化して酢酸アリルを生成し、第2工程では得られた酢酸アリルを加水分解してアリルアルコールと酢酸を生成する工程において生成した酢酸をプロピレンの酸化工程にリサイクルし、そして最後に第3工程では担持されたパラジウム−銅又はパラジウム−銀金属触媒の存在下でアリルアルコールを酸化する。しかしながら、この方法はその価格が常に上昇しているプロペンを使用するという欠点を有する。また別の欠点をも有する。3つの工程を含み、2つの異なる触媒を使用し、そして純粋なアクリル酸は得られず、アクロレインを主に含有し(53%〜約72%)アクリル酸をより少ない割合でのみ(約27%から47%)含有する混合物が得られるからである。

さらに最近は、プロピレンとは無関係のアクリル酸の別の製造方法が提案されている。一例として、特許文献2はグリセロールから誘導されたアリルアルコールの酸化によるアクリル酸の製造方法を提供する。この方法によれば、最初にグリセロールを酸性触媒の存在下で脱水し、その他の化合物であるアリルアルコール、アクロレイン及び1−ヒドロキシアセトンを含む化合物の混合物が得られる。これらの化合物は、アクロレイン及びアリルアルコールを主に含む水溶液回収するためにさらに蒸留する必要がある。その後、この水溶液は酸化反応に使用される。酸化反応は、複合モリブデン系混合酸化物触媒、すなわちMo12V4W2.5Cu2Zr2Oxの存在下で気相中で行われる。この方法で得られたアクリル酸の最高収率は約70%である。しかしながら、グリセロール脱水に使用される酸触媒は、例えばO2又はH2が反応中に供給物中に注入されない場合、当該特許文献に開示された方法による反応条件下では、大抵の場合不安定である(コークスの形成)。当該方法の性能は3時間の流れの後でのみ測定された。これは触媒の不活性化を認めるには不十分である。さらに当該先行技術の方法は、高価な蒸留工程と複雑な方法を含むという欠点を有する。

最後に、ゼオライト触媒上で、エタノールからバイオプロピレンを製造するいくつかの研究が行われている。しかし、収率は依然として低く、そのため得られたバイオプロピレンの価格は石油系のものの価格よりもはるかに高い(非特許文献1)。

概要

本発明は、不飽和アルコール、特にアリルアルコールの酸化触媒としての任意に鉄がドープされたモリブデンバナジウム混合酸化物の使用、及び、当該触媒の存在下において気相中で不飽和カルボン酸、特にアクリル酸を製造する方法に関する。

目的

一例として、特許文献2はグリセロールから誘導されたアリルアルコールの酸化によるアクリル酸の製造方法を提供する

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請求項1

下記式(I)で表されるモリブデンバナジウム混合酸化物の使用:式中:−a、b及びcは、それぞれ、Mo、Fe及びOの原子比を示し;−aは3〜4であり;−bは0〜1であり;−cは10〜15であり;前記式(I)の酸化物は、直方晶系又は三方晶系結晶相であり、且つ、CH2=C(R1)−CH2−OH(II)(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す)のアルコールからCH2=C(R1)−COOH(III)(式中、R1は前記式(II)と同義である)の不飽和カルボン酸を得る酸化反応であって、少なくとも酸素を含む気相中で行われる反応を触媒する触媒である。

請求項2

前記式(I)で表される酸化物が、a=3、且つ、b=0〜0.5である化合物から選択される請求項1に記載の使用。

請求項3

前記式(I)で表される酸化物が、三方晶Mo3VOc、直方晶Mo3VOc及び三方晶Mo3VFe0.2Oc(式中、cは前記式(I)と同義である)から選択される請求項1又は2に記載の使用。

請求項4

触媒の存在下でアルコールから不飽和カルボン酸を製造する方法であって、下記式(II)のアルコールの酸化反応の1工程を含み:式中、R1は水素原子又はメチル基を表し;下記式(III)の不飽和カルボン酸が得られ:式中、R1は前記式(II)と同義であり;前記反応は気相中で行われ、前記気相は少なくとも酸素を含み、下記式(I)の酸化物から選択される固体触媒の存在下で行われる方法:式中:−a、b及びcは、それぞれ、Mo、Fe及びOの原子比を示し;−aは3〜4であり;−bは0〜1であり;−cは10〜15であり;前記式(I)の酸化物は、直方晶系又は三方晶系の結晶相である。

請求項5

R1が水素原子を表し、アリルアルコール酸化してアクリル酸を得る工程を含む請求項4に記載の方法。

請求項6

前記固体触媒が、a=3及びb=0〜0.5である前記式(I)の酸化物から選択される請求項4又は5に記載の方法。

請求項7

前記固体触媒が、三方晶Mo3VOc、直方晶Mo3VOc及び三方晶Mo3VFe0.2Oc(式中、cは上記一般式(I)と同義である)から選択される請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記酸化反応が、330〜370℃の範囲の温度で行われる請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記酸化反応が、350℃の温度で行われる請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記酸化反応が、1〜1.106Paの範囲の圧力で行われる請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

気相中では、前記式(II)のアルコール/酸素のモル比が0.1〜2である請求項4〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記酸化反応がキャリアガスとして窒素を含み、前記式(II)のアルコール/酸素/窒素のモル比が約1/2.2/11.8である気相を用いて行われる請求項4〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記酸化反応が、キャリアガスとして窒素とヘリウムの混合物を含み、前記式(II)のアルコール/酸素/窒素+ヘリウムのモル比が0.7/1.5/8である気相を用いて行われる請求項4〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記式(I)で表される触媒が多孔性固体支持体によって支持されている請求項4〜13のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、不飽和アルコール、特にアリルアルコール酸化触媒としての任意に鉄がドープされたモリブデンバナジウム混合酸化物の使用、及び、当該触媒の存在下において気相中で不飽和カルボン酸、特にアクリル酸を製造する方法に関する。

背景技術

0002

アクリル酸(又はアクロレイン酸もしくはプロパ−2−エン酸)は、分子式C3H4O2及び示性式CH2=CHCOOHの有機化合物である。アクリル酸及びそのエステル、すなわちアクリレートは、化学工業、特に高吸収材料、プラスチック材料の製造において、アクリル塗料において、及び、複数の用途を有する様々なポリアクリル化合物において広く使用されている。

0003

現在、アクリル酸の工業生産は、化石資源から、特に石油精製から得られる生産物であるプロピレンに主に依存している。実際、一般的にアクリル酸の合成は、高温(通常320℃より高い)で、気相中、中間生成物としてアクロレインを用いる2又は3工程のプロピレンの酸化により実施される。

0004

特に、主な商業的方法は、BiMoOx触媒上でプロピレンから出発して中間生成物であるアクロレインを形成する2つの工程で実施されうる。次いでアクロレインは下記反応(1)と(2)に従ってMoVWOx触媒上の第2工程でアクリル酸に酸化される:

0005

0006

別の例として特許文献1は、プロピレンからアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造する3工程の方法を記載する。その方法の第1工程ではパラジウム触媒及び酢酸の存在下でプロピレンを酸化して酢酸アリルを生成し、第2工程では得られた酢酸アリルを加水分解してアリルアルコールと酢酸を生成する工程において生成した酢酸をプロピレンの酸化工程にリサイクルし、そして最後に第3工程では担持されたパラジウム−銅又はパラジウム−銀金属触媒の存在下でアリルアルコールを酸化する。しかしながら、この方法はその価格が常に上昇しているプロペンを使用するという欠点を有する。また別の欠点をも有する。3つの工程を含み、2つの異なる触媒を使用し、そして純粋なアクリル酸は得られず、アクロレインを主に含有し(53%〜約72%)アクリル酸をより少ない割合でのみ(約27%から47%)含有する混合物が得られるからである。

0007

さらに最近は、プロピレンとは無関係のアクリル酸の別の製造方法が提案されている。一例として、特許文献2はグリセロールから誘導されたアリルアルコールの酸化によるアクリル酸の製造方法を提供する。この方法によれば、最初にグリセロールを酸性触媒の存在下で脱水し、その他の化合物であるアリルアルコール、アクロレイン及び1−ヒドロキシアセトンを含む化合物の混合物が得られる。これらの化合物は、アクロレイン及びアリルアルコールを主に含む水溶液回収するためにさらに蒸留する必要がある。その後、この水溶液は酸化反応に使用される。酸化反応は、複合モリブデン系混合酸化物触媒、すなわちMo12V4W2.5Cu2Zr2Oxの存在下で気相中で行われる。この方法で得られたアクリル酸の最高収率は約70%である。しかしながら、グリセロール脱水に使用される酸触媒は、例えばO2又はH2が反応中に供給物中に注入されない場合、当該特許文献に開示された方法による反応条件下では、大抵の場合不安定である(コークスの形成)。当該方法の性能は3時間の流れの後でのみ測定された。これは触媒の不活性化を認めるには不十分である。さらに当該先行技術の方法は、高価な蒸留工程と複雑な方法を含むという欠点を有する。

0008

最後に、ゼオライト触媒上で、エタノールからバイオプロピレンを製造するいくつかの研究が行われている。しかし、収率は依然として低く、そのため得られたバイオプロピレンの価格は石油系のものの価格よりもはるかに高い(非特許文献1)。

0009

米国特許第4,051,181号明細書
日本国特開2008−162907号公報

先行技術

0010

Takahashi A;et al.,Applied Catalysis A:General 423−424(2012)162−167

発明が解決しようとする課題

0011

したがって、より良好な収率が得られるプロピレンとは無関係のアクリル酸又はその誘導体の製造方法の存在が依然として必要である。本発明者らは、特に、アリルアルコールから特にアクリル酸を製造することを可能にする方法の開発を目的とした。さらに、それは生物資源化することができ、この製造方法に環境上の利点をもたらす。これらの研究の間に本発明者らは、任意に鉄がドープされた、モリブデンとバナジウムをベースとした特定の触媒の使用により、特に1工程のプロセスで気相中でのアリルアルコールからアクリル酸への酸化を非常に良好な収率で触媒できることを発見した。

課題を解決するための手段

0012

したがって、本発明の第1の対象は、下記式(I)で表されるモリブデンとバナジウムの混合酸化物の使用である:

0013

0014

式中:
−a、b及びcは、それぞれ、Mo、Fe及びOの原子比を示し;
−aは3〜4であり;
−bは0〜1であり;
−cは約10〜15であり;
前記式(I)の化合物は、直方晶系又は三方晶系結晶相であり、
CH2=C(R1)−CH2−OH(II)(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す)のアルコールからCH2=C(R1)−COOH(III)(式中、R1は前記式(II)と同義である)の不飽和カルボン酸を得る酸化反応であって、少なくとも酸素を含む気相中で行われる反応を触媒する触媒である。

0015

上記式(I)及び本明細書の他の場所で特に言及される式(I)の全ての化合物において、cの値(示されていない場合)は、他の元素酸化状態によって決定されることに留意すべきである。

発明の効果

0016

上記式(I)の触媒の使用は、式(II)のアルコールの酸化反応を気相中で実施して、特にアクリル酸及びメタクリル酸に対応する式(III)の不飽和カルボン酸を得ることを可能にする。その際、式(II)のアルコールの約98〜100%が転換され、対応する式(III)の不飽和カルボン酸は良好な収率で得られる。この収率は、直方晶Mo3VOcでは73%以上であり、三方晶Mo3VFe0.2Ocでは約80%に達する。さらに上記のように、出発物質(式(II)のアルコール)は再生可能資源から製造することができ、化石資源からは完全に無関係に式(III)の酸、特にアクリル酸を得ることができる。例えば、単独又は蟻酸との混合物としてのグリセロールは、文献、特に国際公開WO2008/092115号及びWO2011/08509号に記載されている気相または液相において様々な触媒プロセスに従ってアリルアルコールを製造するために使用することができる。

0017

上記式(I)の酸化物の中でも、a=3、b=0〜0.5が好ましい。これらの酸化物の中でも、cが上記式(I)と同義である三方晶Mo3VOc、直方晶Mo3VOc及び三方晶Mo3VFe0.2Ocが特に好ましい。

0018

例として、上記の式(I)の触媒は、特にT.Konya,etal.,Catal.Sci.Technol.,2013,3,380−387に記載された方法による水熱法によって調製することができる。

0019

本発明の別の対象は、触媒の存在下で不飽和アルコールから不飽和カルボン酸を製造する方法であって、下記式(II)の不飽和アルコールの酸化の1工程のみを含み:

0020

0021

式中、R1は水素原子又はメチル基を表し;
下記式(III)の不飽和カルボン酸が得られ:

0022

0023

式中、R1は前記式(II)と同義であり、
前記反応は気相中で行われ、前記気相は少なくとも酸素を含み、下記式(I)の化合物から選択される固体触媒の存在下で行われる:

0024

0025

式中:
−a、b及びcは、それぞれ、Mo、Fe及びOの原子比を示し;
−aは3〜4であり;
−bは0〜1であり;
−cは約10〜15であり;
前記式(I)の化合物は、直方晶系又は三方晶系の結晶相である。

0026

本発明による方法は、出発物質(式(II)のアルコール、特にアリルアルコール)がバイオマスから得られる場合に、化石資源なしで開始することができる。それは実施が簡単でり(1工程のみ)非常に選択的である。約80%の収率と約98〜100%という式(II)のアルコールの非常に良好な転換率で、式(III)の不飽和カルボン酸、特にアクリル酸(R1=H)が得られる。

0027

R1が水素原子を表す場合、式(II)のアルコールはアリルアルコールであり、式(III)の不飽和カルボン酸はアクリル酸である。

0028

R1がメチル基を表す場合、式(II)のアルコールはメタリルアルコールであり、式(III)の不飽和カルボン酸はメタクリル酸である。

0029

本発明の好ましい実施形態では、R1は水素原子を表す。従って、この好ましい実施態様では、本発明による方法はアリルアルコールを酸化してアクリル酸を得る工程を含む。

0030

固体触媒は、好ましくはa=3及びb=0〜0.5である式(I)の化合物から選択される。これらの酸化物の中でも、三方晶Mo3VOc、直方晶Mo3VOc及び三方晶Mo3VFe0.2Oc(式中、cは上記一般式(I)と同義である)が特に好ましい。

0031

酸化反応は、好ましくは約300℃以上、より好ましくは約330〜370℃の範囲の温度で行われる。本発明では、約350℃の温度がさらにより好ましい。

0032

本発明による方法の好ましい実施形態では、酸化反応は1〜1.106Paの範囲、より好ましくは1〜3.105Paの範囲の圧力で行われる。本発明では、約2.105Paの圧力が特に好ましい。

0033

接触時間は、20℃、105Paで計算された、反応器に注入されるガス総流量(mL.min−1)に対する触媒の質量(g:g−cat)の比として定義される。好ましくは約0.004g−cat(mL.min−1)−1未満、より好ましくは約0.002g−cat(mL.min−1)−1未満に保たれる。

0034

気相中では、式(II)のアルコール/酸素のモル比は、おおよそ0.1〜2の範囲で変化し得る。本発明の好ましい実施形態では、酸化反応は、式(II)のアルコール/酸素のモル比が約0.45に等しい気相を用いて実施される。

0035

本発明の好ましい実施形態では、気相はキャリアガスを含む。そのキャリアガスは、例えば、ヘリウム及び/又は窒素である。

0036

本発明の特に好ましい実施形態では、酸化反応は、キャリアガスとして窒素を含み、式(II)のアルコール/酸素/窒素のモル比が約1/2.2/11.8である気相を用いて行われる。本発明の特に好ましい別の実施形態では、酸化反応は、キャリアガスとして窒素とヘリウムの混合物を含み、式(II)のアルコール/酸素/窒素+ヘリウムのモル比が0.7/1.5/8である気相を用いて行われる。

0037

本発明の方法の具体的な実施形態では、これは必ずしも良好な酸化反応の進行のために必要ではないが、式(I)の触媒は、多孔性固体支持体によって支持できる。この場合、多孔性固体支持体は、シリカをベースとした、特にシリカゲル(CARiACT(商標)型)又はメソ構造シリカ(例えば、SBA−15型のメソ構造シリカなど)の形状の支持体から選択することができる。また、例えばSiO2−TiO2又はSiO2−ZrO2などの酸化ケイ素の混合物をベースとした支持体;炭化ケイ素(SiC)等からなる支持体等から選択することができる。

0038

この多孔性固体支持体は、好ましくは0.1cm3/g〜2.0cm3/g、より好ましくは0.5cm3/g〜1.5cm3/gの平均気孔率を示す。

0039

反応が終了すると、反応の副産物の分離は、当業者に公知の任意の適切な技術、例えば蒸留によって行うことができる。

0040

以下の実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0041

以下の実施例では、以下の出発物質を使用した:
−99%アリルアルコール(Sigma Aldrich);
−酸素(Air Liquide);
−ヘリウム(Air Liquide);
これらの材料は全て供給業者から受け取ったそのまま、すなわち追加の精製なしに使用された。

0042

実施例で使用した様々な触媒を以下に列挙する:
−三方晶Mo3VOc(Tr−MoVOと示す);
−直方晶Mo3VOc(Or−MoVOと示す);
正方晶Mo3VOc(Te−MoVOと示す);
−非晶質Mo3VOc(Am−MoVOと示す);
−三方晶Mo3VFe0.2Oc(Tr−MoVFeOと示す);
−三方晶Mo3VCu0.14Oc(Tr−MoVCuOと示す);
−三方晶Mo3VNb0.13Oc(Tr−MoVNbOと示す);
−三方晶Mo3VTe0.23Oc(Tr−MoVTeOと示す);
−三方晶Mo3VTa0.38Ox(Tr−MoVTaOと示す);
−三方晶Mo3VW0.24Ox(Tr−MoVWOと示す);
−三方晶Mo3VW0.27Cu0.14Ox(Tr−MoVWCuOと示す)。
上記触媒は以下のように調製した:

0043

直方晶Mo3VOc混合酸化物の調製
既に述べたように、直方晶Mo3VOc材料は、T.Konya,et al.,Catal.Sci.Technol.,2013,3,380−387に記載された方法に従って、水熱法により合成した。

0044

(NH4)6Mo7O24・4H2O(Mo:50mmol、Wako)を120mLの蒸留水に溶解した。これとは別に、12.5mmolのVOSO4水和物(Mitsuwa Chemicals)を120mLの蒸留水に溶解して、VOSO4の水溶液を調製した。これらの2つの溶液を20℃で混合し、10分間撹拌した後、オートクレーブ(300mLテフロン(商標)内管)に導入した。10分間の窒素バブリング残留空気置換した後、水熱処理を175℃で48時間行った。得られた灰色の固体を蒸留水で洗浄し、80℃で一晩乾燥させた。これらの固体をシュウ酸処理により精製した:乾燥固体シュウ酸水溶液(0.4M;25mL/固体1g)に添加し、この混合物を60℃で30分間撹拌した。濾過により固体を懸濁液から単離し、蒸留水で洗浄し、80℃で一晩乾燥させた。

0045

三方晶Mo3VOc混合酸化物の調製
pH条件と水熱合成の時間以外は直方晶Mo3VOcの合成についての直前の記載と同様の手順を三方晶Mo3VOcの合成に使用した。硫酸(2molL−1)を加えて混合液pH値を2.2に調整した。水熱合成時間は20時間とした。

0046

非晶質Mo3VOc混合酸化物の調製
混合水溶液の濃度を2倍高くすることにより、c方向には良好に結晶化したが、それ以外の方向には不規則となったMo3VOc材料が得られた。他の調製条件は直方晶Mo3VOcについて上述したものと同じとした。

0047

正方晶Mo3VOc混合酸化物の調製
正方晶Mo3VOcは、熱処理により直方晶Mo3VOcから相変態により合成した。乾燥した直方晶Mo3VOcを10℃/分の加熱勾配で400℃まで空気中で加熱し、周囲温度に冷却する前にその温度で2時間保持した。熱処理された試料を10℃/分の加熱勾配で575℃まで窒素気流中(50mL/min)で再び加熱し、その温度で2時間保持した。

0048

三方晶MoVMO(M=Fe,Cu,Nb,Te,Ta,W,Cu及びW)の調製
1)イソポリモリブデン酸エチルアンモニウムの調製
22.594gのMoO3(0.150mol、Kanto)を40重量%エチルアミン水溶液(エチルアミン:0.300mol,Wako)に溶解した。固体が完全に溶解した後、溶液を真空下で約70℃で蒸発乾固し、三モリブデン酸エチルアンモニウムからなる固体粉末を得て空気中で約80℃で一晩乾燥させた。

0049

2)三方晶MoVMOの調製
調製した三モリブデン酸エチルアンモニウム(Mo:50mmol)を120mLの蒸留水に溶解した。これとは別に、12.5mmolの水和VOSO4を120mLの蒸留水に溶解して、VOSO4(Mitsuwa Chemicals)の水溶液を調製した。これらの2つの溶液と、Mのために追加した前駆体とを約20℃で混合し、10分間撹拌した後、オートクレーブ(300mLのテフロン(商標)内管)に導入した。様々な前駆体とその量は以下の通りである:
−Tr−MoVFeO:Fe(NH4)(SO4)2・12H2O(0.63mmol(Fe));
−Tr−MoVCuO:Cu(NH4)2Cl4・2H2O(0.13mmol(Cu));
−Tr−MoVNbO:Nb2O5・nH2O(0.63mmol(Nb));
−Tr−MoVTeO:TeO3nH2O(0.36mmol(Te));
−Tr−MoVTaO:Ta2O5・nH2O(0.31mmol(Ta));並びに、
−Tr−MoVWCuO:Cu(NH4)2Cl4・2H2O(0.13mmol(Cu))及び(NH4)6[H2W12O40]・nH2O(0.63mmol(W))。

0050

残留空気を置換するための10分間の窒素バブリングの後、水熱反応を約175℃で48時間行った。得られた灰色の固体を蒸留水で洗浄し、約80℃で一晩乾燥させた。これらの固体をシュウ酸処理により精製した。乾燥固体をシュウ酸水溶液(0.4M;25mL/固体1g)に添加し、この混合物を約60℃で30分間攪拌した。濾過により固体を懸濁液から単離し、蒸留水で洗浄し、約80℃で一晩乾燥させた。

0051

これらの触媒は、触媒試験に使用する前に静大気中で400℃で2時間焼成することによって活性化した。

0052

アクリル酸の合成は、内径2.6mm(外径3mm)、長さ300mmの管状固定床反応器中で気相で行った。アリルアルコールの注入は、ジャスコ(Jasco)社がPU−2080なる名称販売する高圧液体クロマトグラフィーHPLCポンプを用いて行った。反応器の温度は、熱電対によって正確に調節及び制御した。

0053

実施例1:
本発明に従った三方晶又は直方晶のモリブデンとバナジウムの混合酸化物を用いたアクリル酸の合成−本発明の一部を構成しない触媒との比較
この実施例では、アクリル酸は、三方晶Mo3VOc(Tr−MoVO)又は直方晶Mo3VOc(Or−MoVO)を用いて、アリルアルコールから出発して気相(キャリアガスとして窒素を使用)で合成した。比較のために、またアクリル酸の合成は、本発明の一部を構成しない触媒、すなわち正方晶Mo3VOc(Te−MoVO)及び非晶質Mo3VOc(Am−MoVO)を用いて行った。

0054

各合成について、平均粒度210μmの2層の炭化ケイ素の間に50mgの触媒を配置した。反応器を空気流10mL/分の下で規定温度(300又は350℃)まで加熱し、2.105Paの圧力で反応物(アリルアルコール/O2/H2O/N2)を供給した。流速は40mL/分に調整した。触媒と反応物の接触時間は0.00125g−cat(mL.min−1)−1のオーダーであり、全反応時間は140分とした。すべての実験において、アリルアルコール/O2/H2O/N2のモル比を1/2.2/42.1/11.8に設定した。

0055

反応から得られた液体及び気体生成物を、約10℃の温度に維持されたバブラー中反応器出口捕捉した後に分析した。次いで、得られた液体を、フレームイオン化検出器を備えたガスクロマトグラフで分析した。

0056

温度条件及び対応する結果を以下の表1に要約する:

0057

0058

上記の表において:
−アリルアルコール転換率(%)=[(注入したアリルアルコールのモル数)−(反応器出口で分析したアリルアルコールのモル数)/(注入したアリルアルコールのモル数)]×100
−アクリル酸の分離割合(%)=[(反応器出口で分析したアクリル酸のモル数)/(注入したアリルアルコールのモル数)−(反応器出口で分析したアリルアルコールのモル数)]×100

0059

これらの結果は、様々な試験触媒においてアリルアルコールの総転換率が34.8〜100%の範囲であり、アクリル酸の分離割合が0.9〜66.3で変化することを示している。アリルアルコールの最良の転換率(66.3%)は、350℃で使用されるOr−MoVOで得られる。反応の主な副生成物は、プロピオン酸、酢酸、アクロレイン及び酸化炭素(COx)である。これは、結晶構造が、アリルアルコールのアクリル酸への酸化に対するモリブデンとバナジウムの混合酸化物の触媒特性に非常に重要な影響を及ぼすことを示す。これらの結果はまた、酸化反応が350℃の温度で行われる場合に、アクリル酸のより良好な分離割合が観察されることを示す。

0060

実施例2:
本発明に従った任意に鉄がドープされた三方晶モリブデンとバナジウムの混合酸化物を用いたアクリル酸の合成−本発明の一部を構成しないドープされた触媒との比較
この実施例では、Tr−MoVO又はTr−MoVFeOを用いてアリルアルコールから出発し、気相中(キャリアガスとして窒素及びヘリウムを使用)で、アクリル酸を合成した。比較のために、またアクリル酸の合成は本発明の一部を構成しないドープされたモリブデン及びバナジウム触媒、すなわちTr−MoVCuO,Tr−MoVNbO,Tr−MoVTeO,Tr−MoVTaO,Tr−MoVWO及びTr−MoVWCuOを用いて行った。

0061

各合成について、25μmの触媒を210μmの平均粒度を有する2層の炭化ケイ素の間に配置した。反応器を空気流10mL/分の下で規定温度(350℃)まで加熱し、次いで、2.105Paの圧力で反応物(アリルアルコール/O2/H2O/N2/He)を供給した。流速は80mL/分に調整した。触媒と反応物の接触時間は0.00031g−cat(mL.min−1)−1のオーダーであり、全反応時間は140分とした。すべての実験において、アリルアルコール/O2/H2O/N2+Heのモル比を0.7/1.5/29.8/8に設定した。

0062

混合物N2+Heでは、N2流を6mL/分に設定し、He流を2mL/分に設定した。

0063

結果を以下の表2に示す。

0064

実施例

0065

これらの結果は、鉄がドープされた三方晶モリブデンとバナジウムの混合酸化物の使用は、Tr−MoVOと比較して、アクリル酸の収率が向上することを示す(71.9%に対して78.8%)。Cu,Te,Ta又はW等の他の金属の使用は、アリルアルコールのアクリル酸への酸化に対して同様の増強効果を示さない。

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