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技術 ACHEのT14ペプチドを認識する抗体

出願人 ニューロ-バイオリミテッド
発明者 グリーンフィールド,スーザンガルシア-ラテス,サラモリル,ポール
出願日 2016年3月23日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2017-550514
公開日 2018年6月28日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-516849
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 移動タンク AD状態 固定剤溶液 タンク貯蔵 氷ブロック 電気泳動タンク 残余分 不活性結合剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、抗体に関し、具体的には、アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経変性障害診断及び治療において使用される抗体に関する。本発明は、神経変性障害の診断及び治療の方法、ならびにこのような疾患の治療用新規治療化合物を単離するためのアッセイ及びスクリーニングにまで及ぶ。

概要

背景

アルツハイマー病は、主に65超のに影響を及ぼし、その疾患が診断される可能性は、実質的に年齢と共に増加する。65歳超の成人の割合が今後40年にわたって世界的に増大すると予想される中、アルツハイマー病の発生率は、2倍を超えて、2010年の2100万症例から2050年には5300万症例にまで上昇すると予想される(www.alzheimersresearchuk.org及びwww.alz.orgからの統計)。アルツハイマー病を呈する患者の予想数におけるこの急激な増加は、未だ満たされていない医療ニーズの主要な部分に相当するだけでなく、この疾患を治療する十分に有効な方法が現在のところ存在しないため、治療法及び診断法のための大きな市場機会を提供する。

過去10年間、具体的にはアルツハイマー病と闘うための新薬も、より一般的には神経変性と闘うためのものも存在していない。この理由は、今までのところ、結果として薬学的に標的とされ得る、基本的な根底にある脳機序が未だ特定されていないことである。神経変性のプロセスを説明するための主要な候補は、ニューロン死が、死後アルツハイマー脳に特徴的なアミロイドの毒性沈着物による細胞膜破壊に起因し、アミロイド前駆体タンパク質の異常な切断から生じるという「アミロイド仮説」である。しかしながら、この「アミロイド仮説」は、アルツハイマー病及びパーキンソン病で頻繁に観察される共病理学も、全脳細胞におけるアミロイドの潜在的偏在性にもかかわらず、変性を受け易い細胞の特徴的な選択性も、認知症動物モデルにおけるアミロイド沈着物不在も、認知障害が明らかでないある特定の脳領域におけるアミロイドの発生をも説明しない。過去20年間にわたり薬学的標的としてのアミロイド形成が注目を集めているにもかかわらず、この理論に基づく治療は、現在のところ有効性が証明されていない。より可能性が高いのは、一旦神経変性プロセスが進み始めると、アミロイドが、より特異性の低い二次的な増悪効果として付加的に生成されるということである。

概要

本発明は、抗体に関し、具体的には、アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経変性障害の診断及び治療において使用される抗体に関する。本発明は、神経変性障害の診断及び治療の方法、ならびにこのような疾患の治療用新規治療化合物を単離するためのアッセイ及びスクリーニングにまで及ぶ。

目的

アルツハイマー病を呈する患者の予想数におけるこの急激な増加は、未だ満たされていない医療ニーズの主要な部分に相当するだけでなく、この疾患を治療する十分に有効な方法が現在のところ存在しないため、治療法及び診断法のための大きな市場機会を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに特異的に結合する、抗体またはその抗原結合フラグメント

請求項2

配列番号2に結合しない、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項3

配列番号4に結合しない、請求項1または請求項2に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項4

配列番号8に結合しない、請求項1〜3のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項5

ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項1〜4のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項6

ウサギマウス、またはラット、好ましくはウサギにおいて生成される、請求項1〜5のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項7

モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項1〜6のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項8

前記その抗原結合フラグメントが、配列番号3に特異的であるか、または配列番号3内のエピトープ免疫特異的である、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項9

前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号3のC末端における1個以上のアミノ酸に特異的に結合する、請求項1〜8のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項10

前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号5における1個以上のアミノ酸に特異的に結合する、請求項1〜9のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項11

前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、前記エピトープにおけるC末端リジン(K)残基に特異的に結合する、請求項1〜10のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項12

前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号6における1個以上のアミノ酸に特異的に結合する、請求項1〜11のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項13

前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号6に特異的に結合する、請求項1〜12のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項14

抗体またはその抗原結合フラグメントであって、(i)宿主生物を、配列番号3もしくは配列番号7またはその変異体もしくはフラグメントで免疫化することと、(ii)前記抗体またはその抗原結合フラグメントを、前記宿主から収集することと、を含む方法によって得られる、抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項15

前記宿主が、哺乳動物である、請求項14に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項16

前記変異体またはフラグメントが、配列番号6を含むかまたはそれからなる、請求項14または請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項17

前記方法が、前記宿主動物から採血することと、次いで前記抗体またはその抗原結合フラグメントを血清から収集することと、を含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項18

前記血清が、共有結合したペプチド支持体を有する重力カラムを通過させられる、請求項17に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項19

抗原として使用するための、配列番号3もしくは配列番号7またはその変異体もしくはフラグメント。

請求項20

前記抗原が、抗体が結合するエピトープとして作用する、請求項19に記載の使用のための配列番号3もしくは配列番号7またはその変異体もしくはフラグメント。

請求項21

前記変異体またはフラグメントが、配列番号6を含むかまたはそれからなる、請求項19または請求項20に記載の使用のための配列番号3もしくは配列番号7またはその変異体もしくはフラグメント。

請求項22

請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント、及び細胞毒性部分を含む、抗体薬物複合体ADC)。

請求項23

治療または診断における使用のための、各々が必要に応じて誘導体化される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または請求項21に記載の抗体薬物複合体。

請求項24

神経変性障害の治療、予防、または寛解における使用のための、各々が必要に応じて誘導体化される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または請求項21に記載の抗体薬物複合体。

請求項25

前記神経変性障害が、アルツハイマー病パーキンソン病ハンチントン病運動ニューロン病、脊髄小脳1型2型、及び3型筋萎縮性側索硬化症ALS)、ならびに前頭側頭認知症からなる群から選択される、請求項24に記載の使用のための抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項26

前記神経変性障害が、アルツハイマー病である、請求項24または25に記載の使用のための抗体またはその抗原結合フラグメント。

請求項27

各々が必要に応じて誘導体化される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または請求項21に記載の抗体薬物複合体、及び必要に応じて薬学的に許容されるビヒクルを含む、薬剤組成物

請求項28

請求項27に記載の薬剤組成物の作製プロセスであって、各々が必要に応じて誘導体化される、治療上有効な量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または請求項21に記載の抗体薬物複合体を、薬学的に許容されるビヒクルと複合することを含む、プロセス。

請求項29

前記組成物が、神経変性障害の治療組成物である、請求項27に記載の組成物、または請求項28に記載のプロセス。

請求項30

神経変性障害の検出または診断用バイオマーカーとして使用するための配列番号3またはその変異体もしくはフラグメント。

請求項31

バイオマーカーとして使用される前記配列番号3の変異体またはフラグメントが、配列番号6を含むかまたはそれからなる、請求項30に記載の配列番号3またはその変異体もしくはフラグメント。

請求項32

神経変性障害に罹患している被検体、もしくはそれに対する素因の診断、または前記被検体の病態予後判定の提供のためのキットであって、前記キットが、試験被検体からの試料中に存在する抗原の濃度の検出のための検出手段を含み、前記検出手段が、必要に応じて誘導体化される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含み、前記試料中の抗原の存在が、前記被検体が神経変性障害に罹患していることを示唆する、キット。

請求項33

神経変性障害に罹患している被検体、もしくはそれに対する素因の診断方法、または前記被検体の病態の予後判定の提供方法であって、前記方法が、被検体から得られた試料中に存在する前記抗原の濃度を検出することを含み、前記検出が、必要に応じて誘導体化される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して達成され、前記試料中の抗原の存在が、前記被検体が神経変性障害に罹患していることを示唆する、方法。

請求項34

前記試料が、脳脊髄液CSF)を含む、請求項32に記載のキット、または請求項33に記載の方法。

請求項35

前記試料が、血液、尿、または組織を含む、請求項32に記載のキット、または請求項33に記載の方法。

請求項36

前記試料が、血液を含む、請求項35に記載のキットまたは方法。

請求項37

前記神経変性障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、運動ニューロン病、脊髄小脳1型、2型、及び3型、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ならびに前頭側頭型認知症からなる群から選択され、好ましくは、アルツハイマー病である、請求項30または請求項31に記載の使用のための、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメント、あるいは請求項32〜36のいずれか1項に記載のキットまたは方法。

請求項38

神経変性障害の治療、予防、または寛解における使用のための治療化合物の特定のための薬物発見スクリーニングにおける、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。

請求項39

T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性阻害する薬剤の特定のための比色標識または蛍光標識T14ペプチド(配列番号3)のエクスビボ使用。

請求項40

神経変性障害の治療、予防、または寛解における使用のための候補薬剤特定方法であって、(i)インビトロまたはエクスビボで、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの存在下、細胞試験薬剤と接触させるステップと、(ii)前記抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して、T14ペプチド(配列番号3)の存在、濃度、または活性を検出するステップと、を含み、T14ペプチドの不在、または対照と比較したT14ペプチドの合成、濃度、もしくは活性の低減が、前記薬剤が、不適切補体活性化を特徴とする疾患の治療、寛解の予防のための候補であることの指標である、方法。

請求項41

T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を阻害する薬剤の特定のためのアッセイであって、(i)細胞ベース発現系と、(ii)請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと、(iii)少なくとも1つの試験薬剤の、前記発現系との接触を可能にするように構成された容器と、を含む、アッセイ。

請求項42

T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を調節する薬剤の特定方法であって、(i)インビトロまたはエクスビボで、請求項1〜18のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントの存在下、細胞を試験薬剤と接触させることと、(ii)前記抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して、T14ペプチド(配列番号3)の存在、濃度、または活性を検出することと、を含み、対照と比較したT14の合成、濃度、または活性における変化が、前記試験薬剤がT14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を調節することの指標である、方法。

技術分野

0001

本発明は、抗体に関し、具体的には、アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経変性障害診断及び治療において使用される抗体に関する。本発明は、神経変性障害の診断及び治療の方法、ならびにこのような疾患の治療用新規治療化合物の特定のためのアッセイ及びスクリーニングにまで及ぶ。

背景技術

0002

アルツハイマー病は、主に65超のに影響を及ぼし、その疾患が診断される可能性は、実質的に年齢と共に増加する。65歳超の成人の割合が今後40年にわたって世界的に増大すると予想される中、アルツハイマー病の発生率は、2倍を超えて、2010年の2100万症例から2050年には5300万症例にまで上昇すると予想される(www.alzheimersresearchuk.org及びwww.alz.orgからの統計)。アルツハイマー病を呈する患者の予想数におけるこの急激な増加は、未だ満たされていない医療ニーズの主要な部分に相当するだけでなく、この疾患を治療する十分に有効な方法が現在のところ存在しないため、治療法及び診断法のための大きな市場機会を提供する。

0003

過去10年間、具体的にはアルツハイマー病と闘うための新薬も、より一般的には神経変性と闘うためのものも存在していない。この理由は、今までのところ、結果として薬学的に標的とされ得る、基本的な根底にある脳機序が未だ特定されていないことである。神経変性のプロセスを説明するための主要な候補は、ニューロン死が、死後アルツハイマー脳に特徴的なアミロイドの毒性沈着物による細胞膜破壊に起因し、アミロイド前駆体タンパク質の異常な切断から生じるという「アミロイド仮説」である。しかしながら、この「アミロイド仮説」は、アルツハイマー病及びパーキンソン病で頻繁に観察される共病理学も、全脳細胞におけるアミロイドの潜在的偏在性にもかかわらず、変性を受け易い細胞の特徴的な選択性も、認知症動物モデルにおけるアミロイド沈着物不在も、認知障害が明らかでないある特定の脳領域におけるアミロイドの発生をも説明しない。過去20年間にわたり薬学的標的としてのアミロイド形成が注目を集めているにもかかわらず、この理論に基づく治療は、現在のところ有効性が証明されていない。より可能性が高いのは、一旦神経変性プロセスが進み始めると、アミロイドが、より特異性の低い二次的な増悪効果として付加的に生成されるということである。

0004

神経変性の一次機序を特定するための1つの手掛かりは、単に様々なニューロン群が、本来脆弱であるということであり得る。さらに、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び運動ニューロン病になり易い種々の細胞下位群が、それにもかかわらず互いに隣接して、すべてが散乱突起をより高い脳中心へと上向き及び外向きに送る、脳幹から前脳まで延びる連続「ハブ」を形成する。したがって、伝達物質におけるそれらの異質性にもかかわらず、これらのニューロン群は、小脳視床皮質などの脳の大半の他の部分における良く知られている局在回路からそれらを区別するために、集合的に「グローバルニューロン名付けられた。これらの選択的に脆弱なグローバルニューロンは、異なる専門用語(「等樹状突起コア」)を使用してではあるが、数十年前に神経変性の中枢として既に特定されていた。

0005

グローバルニューロンの下位群は、脳内の他の場所にあるそれらの相対物が、脳卒中によって損傷された場合でさえも進行的に死に至らないのに対して(それらは、成長栄養因子」を補助し、持続させる物質に対する特異的な感受性を伴って、成人期へと、また成人期を通じて強い柔軟性を保持する)、なぜこれらの細胞のみがそうなるのかに関する不可解で未だに解明されていない質問を説明するかもしれない、共通する特定の特徴を有する。発達中の脳において、栄養因子は、細胞内で一連事象を誘発するカルシウム流入刺激することによって作用し、最終的に選択的分化及び成長をもたらす。しかしながら、より高い用量またはより長い暴露の場合、持続的なカルシウム流入は、ニューロンに対して毒性となり得る。最も重要なことに、カルシウム流入が栄養作用を誘発するか、または毒性作用を誘発するかに関するさらなる決定因子は年齢であり、ニューロンが成熟するにつれて、かつては栄養レベルであった細胞内カルシウム致死的になる。

0006

本発明者らは、神経変性プロセスが、実際は異常に活性化した発達プロセスであることを以前に提議した。この仮説を支持して、脳幹「ハブ」ニューロンの肥大が、アルツハイマー脳において実際に報告されている(Bowser et al.,1997,Brain Pathol.7:723−30)。このハブの大きな領域が損傷されると、頻繁に見られるが未だに説明されていない、アルツハイマー病とパーキンソン病の共病理学の症例において起こるように、1つを超える神経変性疾患が存在することになる。興味深いことに、グローバルニューロンの脆弱なハブ内のすべてのニューロンは、伝達物質の異質性にもかかわらず、すべてが良く知られている酵素アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を含有する。したがって、ノルアドレナリン作動性青斑核ドーパミン作動性黒質、またはセロトニン作動性縫線核などの細胞の下位群が、この従来物質のアセチルコリンを含有することはないため、AChEは、その正常な機能を行うことができない場合、ニューロン内に存在する。その正常な酵素的役割からのさらなる予想外の逸脱は、AChEが、恐らくはそれ自体の能力においてある種の細胞内メッセンジャーとして、実際にグローバルニューロンから放出されることである。一般に、AChEは現在、神経性組織及び非神経性組織の両方において、多種多様な状況で栄養活性を有するシグナル伝達分子として広く十分に確立されている。

0007

本発明者らは、その酵素作用から独立して栄養作用物質として作動するAChEが、ニューロンへのカルシウム流入を実際に誘発することを以前に示した。したがって、グローバルニューロン内で、AChEは、量、利用可能期間、及び最も重要なことに年齢に応じて、栄養性−毒性軸に沿った二重の非古典的作用を有することが可能である。脳卒中と同様に、標準ニューロンが成人期に損傷される場合、他のものが機能的に補償することになる。対照的に、グローバルニューロンは、再生を試みて、それらの栄養資源を要求することによって応答する。しかし、後次のカルシウム流入は、より古い成熟細胞では致死的となるため、結果として生じる損傷が、神経変性を特徴とする悪性循環において、さらなる補償の試行を誘発することになる。

0008

アセチルコリンエステラーゼ(AChE)は、異なる発達段階で様々な形態で発現され、これらはすべて同一の酵素活性を有するが、非常に異なる分子組成を有する。「末端付加(tailed)」(T−AChE)は、シナプスにおいて発現され、本発明者らは以前に、そのC末端から切断することができる2つのペプチドを特定し、一方は「T14」と称され、他方の「T30」として知られているもの中に含まれ、そして両者はβ−アミロイド相当領域に対して強い配列相同性を有する。AChE C末端ペプチド「T14」は、その非加水分解作用の範囲に関与するAChE分子の突出部として特定された。合成14アミノ酸ペプチド類似体(すなわち、「T14」)、及びそれが埋め込まれる後次のより大きく、より安定し、かつより有能アミノ酸配列(すなわち、「T30」)は、「非コリン作動性」AChEに関して報告されたものに相当する作用を示すが、T30配列内の不活性残基(すなわち、「T15」)は、効果がない。

0009

T14及びT30の急性効果は、それらが、(i)数ミリ秒から数時間までのタイムスケールにわたって脳切片内のニューロンへのカルシウム流入を調節すること、(ii)PC12細胞における、またインビトロでのニューロン器官型培養物における細胞生存性を低下させること、(iii)ニューロン及びPC12細胞からの「補償的」カルシウム誘導型AChE放出を調節すること、(iv)脳切片内の卵母細胞及びニューロンにおけるカルシウム流を活性化すること、(v)毒性作用においてアミロイドと相乗作用すること、及び(vi)アミロイド前駆体タンパク質の産生及びアミロイドβ(Aβ)ペプチドの放出に関与することである。T14及びT30の慢性効果は、それらが、(i)ニューロンの成長を低減すること、(ii)アポトーシス誘導すること、(iii)AChEの放出を増加させること、(iv)α7ニコチン受容体に結合し、調節すること、及び(v)細胞表面上のα7受容体の発現を24時間にわたって強化し、それにより、さらなる毒性のためのフィードフォワード機序を提供することである。

0010

T14及びT30は、細胞毒性の誘導においてβ−アミロイドよりも選択的であり、また毒性を悪化させるアミロイドと相乗的であるため、T14またはT30の毒性作用をブロックする任意の薬剤もまた、アミロイドの低選択性かつ後次の毒性作用を低減すると仮定されてきた。

0011

実施例に論じられているように、本発明者らは、高い特異性でT14ペプチド(配列番号3)に結合し、T30ペプチド(配列番号2)またはβ−アミロイドに結合しない新規の抗体を識別した。したがって、この抗体は、アルツハイマー病またはパーキンソン病などの神経変性障害の診断及び治療において重要な実用性を有するであろう。

実施例

0012

したがって、本発明の第1の態様により、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供される。

0013

好都合なことに、実施例に記載されているデータは、本発明の抗体が、非常に高い特異性でT14ペプチドに結合することを示す。T30に結合する任意の抗体は、実際により大きなペプチドの不活性成分である抗原を検出する危険性を高めるため、避けるべきである。しかしながら、代わりに本発明による抗体は、T14またはその変異体もしくはフラグメントにだけ特異的に結合し、T30には結合しないため、その生理活性、毒性作用が特定され、かつブロックされることを確実にすることができる。驚くべきことに、この抗体は、深温凍結された組織であっても、生物組織内で生存可能である。中でも最も驚くべきことは、対照脳と比較して、アルツハイマー病試料において有意差が検出され得ることである。したがって、これらの発見は、本発明の抗体が、診断ツールとして、ならびに治療介入において使用され得ることを示唆する。

0014

アセチルコリンエステラーゼは、アセチルコリンを加水分解するセリンプロテアーゼであり、当業者に周知である。脳で発見されるアセチルコリンエステラーゼの主要な形態は、末端付加アセチルコリンエステラーゼ(T−AChE)として知られている。ヒト末端付加アセチルコリンエステラーゼ(GenBank:AAA68151.1)の一実施形態のタンパク質配列は、長さが614アミノ酸であり、本明細書では配列番号1として以下のように提供される。

0015

0016

T30のアミノ酸配列(配列番号1の最後の30個のアミノ酸残基に相当する)は、本明細書では配列番号2として以下のように提供される。

0017

0018

好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号2に結合しない。上述されるように、T30を標的とする抗体を開発することによって、実際にはより大きなペプチドの不活性成分である抗原を検出する危険性がある。しかしながら、好都合なことに、本発明の抗体は、代わりにT14に特異的に結合するため、それがT14のみの生理活性、毒性作用を識別し、かつブロックすることを確実にすることができる。

0019

T14のアミノ酸配列(配列番号1の端部に向かって位置する14個のアミノ酸残基に相当し、かつT30に見られる最後の15個のアミノ酸を欠く)は、本明細書では配列番号3として以下のように提供される。

0020

0021

T15のアミノ酸配列(配列番号1の最後の15個のアミノ酸残基に相当する)は、本明細書では配列番号4として以下のように提供される。

0022

0023

好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号4に結合しない。T15は、T30の不活性成分であり、したがって、T14の抗体の選択性に関する適切な対照としての役割を果たす。

0024

β−アミロイド(Aβ)の一部のアミノ酸配列は、本明細書では配列番号8として以下のように提供される。

0025

0026

好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号8に結合しない。

0027

本発明は、配列番号3に対して免疫特異性を有する全抗体(すなわち、免疫グロブリン)、ならびに対応する完全長抗体の抗原結合フラグメントまたは領域にまで及ぶ。

0028

抗体またはその抗原結合フラグメントは、一価二価、または多価であってもよい。一価抗体は、ジスルフィド架橋によって軽鎖(L)と関連付けられた重(H)鎖を含む二量体(HL)である。二価抗体は、少なくとも1つのジスルフィド架橋によって関連付けられた2つの二量体を含む四量体(H2L2)である。多価抗体は、例えば、複数の二量体を結合することによって産生されてもよい。抗体分子基本構造は、非共役的に関連し、ジスルフィド結合によって結合され得る、2つの同一軽鎖及び2つの同一重鎖からなる。各重鎖及び軽鎖は、約110個のアミノ酸のアミノ末端可変領域、及び残りの鎖に定常配列を含有する。この可変領域は、抗体分子の抗原結合部位を形成し、抗原、すなわち配列番号3またはその変異体もしくはフラグメント(例えば、エピトープ)に対するその特異性を決定する、いくつかの超可変領域、または相補性決定領域(CDR)を含む。重鎖及び軽鎖のCDRのいずれかの側には、CDRを係留し、配向するアミノ酸の比較的保存された配列である、フレームワーク領域がある。抗体フラグメントは、二重特異性抗体(BsAb)またはキメラ抗原受容体(CAR)を含んでもよい。

0029

定常領域は、5つの重鎖配列(μ、γ、ζ、α、またはε)のうちの1つ、及び2つの軽鎖配列κまたはλ)のうちの1つからなる。重鎖定常領域配列は、抗体のアイソタイプ及び分子のエフェクター機能を決定する。

0030

好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、単離されるか、または精製される。

0031

好ましい一実施形態において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、ポリクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。抗体またはその抗原結合フラグメントは、ウサギマウス、またはラットにおいて生成されてもよい。

0032

実施例に記載されているように、本発明者らは、高度に特異的なポリクローナル抗体をウサギから調製した。好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、宿主動物を配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントで免疫化し、次いで抗体またはその抗原結合フラグメントを収集することによって得られる。宿主動物は、最も好ましくはウサギである。

0033

別の好ましい実施形態において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。好ましくは、本発明の抗体は、ヒト抗体である。本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに対して免疫特異性を呈する特定のヒト抗体において見出されるものと実質的に同じ重鎖及び軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体などの抗体を意味し得る。重鎖及び軽鎖CDRと実質的に同じアミノ酸配列は、基準配列と比較した場合、相当量配列同一性を呈する。このような同一性は、特定のヒト抗体のアミノ酸配列を表すものとして決定的に知られているか、または認識可能である。実質的に同じ重鎖及び軽鎖CDRアミノ酸配列は、例えば、アミノ酸のわずかな修飾または保存的置換を有し得る。このようなヒト抗体は、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに選択的に結合するその機能を維持する。

0034

ヒトモノクローナル抗体」という用語は、例えば、ファージライブラリーによるか、リンパ球によるか、またはハイブリドーマ細胞による産生などの組み換え方法によって産生されたヒトCDRアミノ酸配列を実質的に、または全体的に有するモノクローナル抗体を含み得る。

0035

ヒト化抗体」という用語は、そのタンパク質配列が、ヒトにおいて天然に産生される抗体に対するそれらの類似性を増加させるように修飾された非ヒト種(例えば、マウスまたはウサギ)からの抗体を意味し得る。

0036

抗体は、組み換え抗体であってもよい。「組み換えヒト抗体」という用語は、組み換えDNA技術を使用して産生されたヒト抗体を含み得る。

0037

抗原結合領域」という用語は、その標的抗原、例えば、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに対して特定の結合親和性を有する抗体の領域を意味し得る。好ましくは、このフラグメントは、エピトープである。結合領域は、超可変CDRまたはその機能的部分であり得る。CDRの「機能的部分」という用語は、標的抗原に対して特定の親和性を示すCDR内の配列を意味し得る。CDRの機能的部分は、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに特異的に結合するリガンドを含んでもよい。

0038

「CDR」という用語は、可変重鎖及び軽鎖における超可変領域を意味し得る。抗体の重鎖及び軽鎖の各々において、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のCDRが存在し得る。通常、少なくとも3つのCDRが各鎖上に存在してもよく、これらは、一緒に構成されると、抗原結合部位、すなわち抗原が結合するか、または特異的に反応する3次元複合部位を形成する。しかしながら、いくつかの抗体の重鎖において、4つのCDRが存在し得ると仮定されてきた。

0039

CDRの定義には、互いに比較した場合、アミノ酸残基の重複またはサブセットも含まれる。特定のCDRまたはその機能的部分を包含する正確な残基数は、CDRの配列及びサイズに応じて変動する。当業者であれば、抗体の可変領域アミノ酸配列を考慮して、どの残基が特定のCDRを含むかを日常的に決定することができる。

0040

抗体の「機能的フラグメント」という用語は、機能的活性を保持する抗体の部分を意味し得る。機能的活性は、例えば、抗原結合活性または特異性であり得る。機能的活性は、例えば、抗体定常領域によって提供されるエフェクター機能でもあり得る。「機能的フラグメント」という用語はまた、例えば、ヒトモノクローナル抗体のプロテアーゼ消化または低減によって、及び当業者に知られている組み換えDNA方法によって産生されるフラグメントを含むことも意図される。ヒトモノクローナル抗体機能的フラグメントには、例えば、VL、VH及びFdなどの個々の重鎖または軽鎖及びそのフラグメント;Fv、Fab及びFab’などの一価フラグメント;F(ab’)2などの二価フラグメント;一本鎖Fv(scFv);ならびにFcフラグメントが含まれる。

0041

「VLフラグメント」という用語は、CDRを含む軽鎖可変領域の全部または一部を含む、ヒトモノクローナル抗体の軽鎖のフラグメントを意味し得る。VLフラグメントは、軽鎖定常領域配列をさらに含み得る。

0042

「VHフラグメント」という用語は、CDRを含む重鎖可変領域の全部または一部を含む、ヒトモノクローナル抗体の重鎖のフラグメントを意味し得る。

0043

「Fdフラグメント」という用語は、第1の重鎖定常領域、すなわち、VH及びCH−1に結合された重鎖可変領域を意味し得る。「Fdフラグメント」は、軽鎖、または重鎖の第2及び第3の定常領域を含まない。

0044

「Fvフラグメント」という用語は、重鎖及び軽鎖の可変領域の全部または一部を含み、重鎖及び軽鎖の定常領域が不在である、ヒトモノクローナル抗体の一価抗原結合フラグメントを意味し得る。重鎖及び軽鎖の可変領域は、例えば、CDRを含む。例えば、Fvフラグメントは、重鎖及び軽鎖両方の約110個のアミノ酸のアミノ末端可変領域の全部または一部を含む。

0045

Fabフラグメント」という用語は、Fvフラグメントよりも大きなヒトモノクローナル抗体の一価抗原結合フラグメントを意味し得る。例えば、Fabフラグメントは、可変領域、ならびに重鎖及び軽鎖の第1定常ドメインの全部または一部を含む。ゆえにFabフラグメントは、例えば、重鎖及び軽鎖の約110〜約220個のアミノ酸残基を付加的に含む。

0046

「Fab’フラグメント」という用語は、Fabフラグメントよりも大きなヒトモノクローナル抗体の一価抗原結合フラグメントを意味し得る。例えば、Fab’フラグメントには、軽鎖のすべて、重鎖の可変領域のすべて、及び重鎖の第1及び第2定常ドメインの全部または一部を含む。例えば、Fab’フラグメントは、重鎖の220〜330個のアミノ酸残基一部または全部を付加的に含み得る。

0047

「F(ab’)2フラグメント」という用語は、ヒトモノクローナル抗体の二価抗原結合フラグメントを意味し得る。F(ab’)2フラグメントは、例えば、2つの重鎖及び2つの軽鎖の可変領域の全部または一部を含み、2つの重鎖及び2つの軽鎖の第1定常ドメインの全部または一部をさらに含み得る。

0048

「一本鎖Fv(scFv)」という用語は、短いリンカーペプチドと接続された重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域の融合を意味し得る。

0049

「二重特異性抗体(BsAb)」という用語は、より短い結合ペプチドによって互いに結合された2つのscFvを含む二重特異性抗体を意味し得る。

0050

当業者であれば、抗体のフラグメントの正確な境界は、そのフラグメントが機能的活性を維持する限り重要でないことが分かる。周知の組み換え方法を使用して、当業者は、特定の用途に望まれる任意のエンドポイントを有する機能的フラグメントを発現するように、ポリヌクレオチド配列を設計することができる。抗体の機能的フラグメントは、ヒト抗体と実質的に同じ重鎖及び軽鎖可変領域を有するフラグメントを含み得るかまたはそれからなり得る。

0051

好ましくは、その抗原結合フラグメントは、本発明の第1の態様に関して、配列番号3に特異的であるか、または配列番号3内のエピトープに対して免疫特異的である。その抗原結合フラグメントは、VH、VL、Fd、Fv、Fab、Fab’、scFv、F(ab’)2及びFcフラグメントからなる群から選択されるフラグメントのうちのいずれかを含み得るかまたはそれからなり得る。

0052

その抗原結合フラグメントは、VLの抗原結合領域配列のうちのいずれか1つ、VHの抗原結合領域配列のうちのいずれか1つ、またはヒト抗体のVL及びVH抗原結合領域の組み合わせを含み得るかまたはそれからなり得る。VH及びVL抗原結合領域配列の適切な数及び組み合わせは、抗原結合フラグメントの所望の親和性及び特異性、ならびに意図される用途に応じて当業者により決定され得る。抗体の機能的フラグメントまたは抗原結合フラグメントは、当業者に周知の方法を使用して容易に産生され、単離され得る。このような方法には、例えば、タンパク質溶解法組み換え法及び化学合成が含まれる。機能的フラグメントの単離のためのタンパク質溶解方法は、ヒト抗体を出発物質として使用することを含む。ヒト免疫グロブリンのタンパク質溶解に好適な酵素には、例えば、パパイン及びペプシンが含まれ得る。好適な酵素は、例えば、一価フラグメントまたは二価フラグメントのいずれが必要とされるかに応じて、当業者により容易に選択され得る。例えば、パパイン切断は、抗原及びFcフラグメントに結合する2つの一価Fab’フラグメントをもたらす。ペプシン切断は、例えば、二価F(ab’)フラグメントをもたらす。本発明のF(ab’)2フラグメントを、例えば、DTTまたは2−メルカプトエタノールを使用してさらに還元して、2つの一価Fab’フラグメントを産生することができる。

0053

タンパク質溶解によって産生される抗体の機能的または抗原結合フラグメントは、親和性及びカラムクロマトグラフィー手順によって精製され得る。例えば、未消化の抗体及びFcフラグメントは、タンパク質Aへの結合によって除去され得る。さらに、機能的フラグメントは、例えば、イオン交換及びゲル濾過クロマトグラフィーを使用して、それらの負荷及びサイズによって精製されてもよい。このような方法は、当業者に周知である。

0054

抗体またはその抗原結合フラグメントは、組み換え方法によって産生され得る。好ましくは、最初に、抗体重鎖及び軽鎖の所望の領域をコードするポリヌクレオチドを単離する。このような領域には、例えば、重鎖及び軽鎖の可変領域の全部または一部が含まれ得る。好ましくは、このような領域は、特に重鎖及び軽鎖の抗原結合領域、好ましくは抗原結合部位、最も好ましくはCDRを含み得る。

0055

本発明による抗体またはその抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、当業者に既知の方法を使用して産生され得る。抗体またはその抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、当該技術分野において既知のオリゴヌクレオチド合成方法によって直接合成されてもよい。あるいは、より小さなフラグメントを合成し、接合して、当該技術分野において既知の組み換え方法を使用してより大きな機能的フラグメントを形成することができる。

0056

本明細書で使用する場合、「免疫特異性」という用語は、結合領域が、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントと特異的に結合することによって、それとの免疫反応が可能であることを意味し得る。抗体またはその抗原結合フラグメントは、およそ10−5〜10−13M−1、好ましくは10−6〜10−9M−1、さらにより好ましくは、10−10〜10−12M−1の親和性定数を有する抗原(例えば、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメント)と選択的に相互作用し得る。材料及び方法の節において、抗体濃度がどのように決定されるかを説明する詳細が提供される。

0057

「免疫反応する」という用語は、結合領域が、配列番号3またはそのエピトープとの結合時に免疫応答を誘発することができることを意味し得る。

0058

「エピトープ」という用語は、抗体またはその抗原結合フラグメントの結合領域を誘発し、それと複合する能力を有する抗原の任意の領域を意味し得る。

0059

好ましくは、本発明による抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号3のC末端における1個以上のアミノ酸に特異的に結合する。好ましくは、本発明による抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号5における1個以上のアミノ酸(すなわち、SYMVHWK、配列番号3のC末端アミノ酸番号7〜14)に特異的に結合する。好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、エピトープ内のC末端リジン(K)残基に特異的に結合する。

0060

実施例に記載されているように、本発明者らは、驚くべきことに、本明細書では配列番号6として記載される、配列番号3におけるC末端アミノ酸配列VHWK(すなわち、配列番号3のC末端アミノ酸番号10〜14)が、本発明による抗体またはその抗原結合フラグメントに対するエピトープとして作用することを観察した。したがって、より好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号6における1個以上のアミノ酸に特異的に結合する。最も好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号6に特異的に結合する。したがって、抗体が結合するエピトープが、配列番号6を含むかまたはそれからなることが理解されよう。

0061

本明細書に記載されるポリクローナル抗体は、T14ペプチド、特にC末端配列−VHWKに高度に特異的であることを証明した。さらに、全AChEタンパク質のその認識は、このエピトープ配列が暴露され、三次構造アクセス可能であることを示唆する。この抗体が、直鎖T30ペプチドフラグメント(その内部でT14が起こる)を認識しなかったという事実は、T30配列のC末端における暴露されたリジン(K)の不在に起因すると考えられる。

0062

T14ペプチド内の−VHWKエピトープの発見に基づいて、本発明者らは、これらの配列が、有用な抗体の産生のための抗原として使用され得ると考える。実施例に記載されているように、T14ペプチド(配列番号3)は、宿主において免疫応答を刺激する担体タンパク質として作用する、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)にシステイン架橋した。T14に架橋したKLHタンパク質は、本明細書では配列番号7と称される。

0063

したがって、第2の態様において、抗原として使用するための、配列番号3もしくは配列番号7またはその変異体またはフラグメントが提供される。

0064

好ましくは、この抗原は、抗体が結合するエピトープとして作用する。好ましくは、変異体またはフラグメントは、配列番号6を含むかまたはそれからなる。

0065

第3の態様において、
(i)宿主生物を、配列番号3もしくは配列番号7またはその変異体もしくはフラグメントで免疫化することと、
(ii)抗体またはその抗原結合フラグメントを宿主から収集することと、を含む方法によって得られる抗体またはその抗原結合フラグメントが提供される。

0066

宿主は、哺乳動物であり得、ヒト、ウサギ、またはマウスであり得る。好ましくは、変異体またはフラグメントは、配列番号6を含むかまたはそれからなる。好ましくは、この方法は、宿主動物から採血することと、次いで抗体またはその抗原結合フラグメントを血清から収集することとを含む。好ましくは、血清は、共有結合したペプチド支持体を有する重力カラムを通過させられる。洗浄に続いて、抗体またはその抗原結合フラグメントは、好ましくは酸性緩衝液中溶出され、次いで溶液中和され得る。この方法は、好適な緩衝液(例えば、PBS)に対する透析、及び必要に応じで凍結乾燥をさらに含んでもよい。

0067

好都合なことに、本発明の第1の態様による抗体またはその抗原結合フラグメントは、それ自体の能力で治療薬の実用性を有する。しかしながら、さらに、抗体またはその抗原結合フラグメントのADCC抗体依存性細胞媒介型細胞毒性)及び/またはCDC(補体依存性細胞毒性)活性、細胞毒性部分への複合、例えば、放射細胞毒性薬、または毒素を強化するためのグリコシル化操作を含む、薬効最大化する技術が評価されてきた。

0068

ゆえに、第4の態様において、第1または第3の態様の抗体またはその抗原結合フラグメント、及び細胞毒性部分を含む、抗体薬物複合体ADC)が提供される。

0069

抗体薬物複合体(ADC)を使用して、有能な細胞毒性薬を、抗体を介して標的細胞に選択的に送達することができる。ADC開発のための1つの重要なパラメータは、抗体が、標的抗原、すなわち配列番号3または配列番号6への結合時に細胞内に取り込まれることが可能であり得ることである。したがって、細胞内に取り込まれた抗体は、複合薬を標的細胞中に送達することができる。

0070

細胞毒性部分は、Antibody−Drug Conjugates and Immunotoxins:From Pre−Clinical Development to therapeutic applications(118ページを参照されたい)に記載されるものなどの任意の毒素であり得る。またADにおける抗体療法の特定の例は、以下のとおりである。SOLANEZUMAB(Lilly):http://www.alzforum.org/therapeutics/solanezumab
GANTENERUMAB(Roche):http://www.alzforum.org/therapeutics/solanezumab
他の例(I相からIII相にあるアルツハイマーのためのすべての免疫療法を含む):http://www.alzforum.org/therapeutics/search?fda_statuses=&target_types%5B%5D=170&therapy_types%5B%5D=162&conditions%5B%5D=145&keywords−entry=&keywords=。

0071

薬物部分は、225Ac標識などのα放出放射ヌクレオチドであり得る。これらの毒素は、ジスルフィド結合、ヒドラゾンリンカー、もしくはペプチドリンカーなどの切断可能なリンカーを介して、またはSMCC(N−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート)リンカーを使用するチオエーテル結合などの切断可能でないリンカーを介して、抗体またはその抗原結合フラグメントに結合され得る。

0072

実施例に記載されているように、本発明の抗体は、非常に高い特異性でT14ペプチドに結合する。この抗体は、驚くべきことに、深温凍結されていた組織であっても、生物組織内で生存可能である。このデータはまた、T14様ペプチド(すなわち、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメント)が、独立した生化学実体として存在することを示し、これは、アルツハイマー病などの神経変性障害に罹患しているか、またはそれに対する素因がある患者において検出され得る。したがって、これらの発見は、本発明の抗体が、診断ツールとして、ならびに神経変性障害を治療するための治療的介入において使用され得る。

0073

したがって、第5の態様により、第1もしくは第3の態様による抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または第4の態様による抗体薬物複合体(各々が必要に応じて誘導体化される)が、治療または診断における使用のために提供される。

0074

抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または抗体薬物複合体は、神経変性障害の治療、寛解、または予防において使用され得る。

0075

したがって、第6の態様により、第1もしくは第3の態様による抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または第4の態様による抗体薬物複合体(各々が必要に応じて誘導体化される)が、神経変性障害の治療、予防、または寛解における使用のために提供される。

0076

第7の態様により、被検体における神経変性障害の治療、予防、または寛解方法が提供され、この方法は、このような治療を必要とする患者に、治療上有効な量の、第1もしくは第3の態様による抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または第4の態様による抗体薬物複合体(各々が必要に応じて誘導体化される)を投与することを含む。

0077

「誘導体化される」という用語は、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または複合体が、好ましくは、その誘導体または変異体を産生するように、使用前に修飾され得ることを意味し得る。誘導体化の例には、PEG化抗体もしくはPEG化抗体フラグメント、または抗体−サイトカイン融合タンパク質が含まれ得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または複合体は、誘導体化されない場合がある。

0078

好ましくは、神経変性障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、運動ニューロン病、脊髄小脳1型2型及び3型筋萎縮性側索硬化症ALS)、ならびに前頭側頭型認知症からなる群から選択される。最も好ましくは、神経変性障害は、アルツハイマー病である。

0079

本発明による抗体、そのフラグメント、及び複合体(本明細書では集合的に「薬剤」と称される)が、神経変性障害の治療、寛解、または予防のための単剤療法(例えば、抗体もしくはその抗原結合フラグメントの単独使用、または抗体薬物複合体の単独使用)において使用され得ることが理解されよう。あるいは、本発明による薬剤は、他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤などの、神経変性障害の治療、寛解、または予防のための既知の療法の補助として、またはそれと組み合わせて使用されてもよい。

0080

本発明による薬剤は、特に、組成物を使用する手法に応じて、多くの異なる形態を有する組成物と組み合わせてもよい。したがって、例えば、組成物は、粉末錠剤カプセル液体軟膏クリームゲルヒドロゲルエアロゾルスプレーミセル溶液経皮パッチリポソーム懸濁液の形態、または治療を必要とするヒトまたは動物に投与してもよいいずれかの他の適切な形態であってもよい。本発明による医薬品のビヒクルは、投与される被検体が十分に耐えうるものであるべきであり、ならびに好ましくは、血液脳関門を横切る薬剤の送達を可能にするものであると理解される。

0081

本発明の薬剤を含む医薬品は、多くの方法で使用され得る。例えば、薬剤が、例えば錠剤、カプセル、または液体の形態で経口的に摂取され得る組成物に含有され得る場合、経口投与が必要とされ得る。本発明の薬剤及び医薬品を含む組成物は、吸入によって(例えば、鼻腔内的に)投与されてもよい。組成物は、局所用途のために製剤化されてもよい。例えば、クリームまたは軟膏が、例えば脳に隣接した皮膚に適用され得る。

0082

本発明による薬剤及び医薬品はまた、徐放性または遅延放出性デバイス内に組み込むこともできる。このようなデバイスは、例えば、皮膚の上または下に挿入することができ、医薬品は、数週間または数ヶ月にわたって放出され得る。デバイスは、少なくとも治療部位、すなわち脳に少なくとも隣接して配置されてもよい。そのようなデバイスは、本発明により使用される薬剤による長期治療が必要であって、かつ頻繁な投与(少なくとも毎日の注射)を通常必要とする場合に、特に有利であり得る。

0083

好ましい実施形態において、本発明による薬剤及び医薬品は、血流への注射または治療を必要とする部位への直接的な注射によって、被検体に投与され得る。例えば、医薬品は、少なくとも脳に隣接して注射されてもよい。注射は、静脈内(ボーラスまたは点滴)または皮下(ボーラスまたは点滴)、または皮内(ボーラスまたは点滴)であり得る。

0084

必要とされる抗体、フラグメント、及び複合体(すなわち、薬剤)の量は、その生物学的活性及び生物学的利用能によって決定され、それは順次投与様式、薬剤の生理化学的性質、及びそれが単独療法または併用療法のいずれで使用されるのかに依存すると理解されよう。また、投与頻度は、治療される被検体内の薬剤の半減期に影響される。投与される最適用量は、当業者によって決定され、使用における特定の薬剤、薬剤組成物の強度、投与様式、細菌感染の進行によって異なる。治療される特定の被検体に依存する追加因子は、被検体の年齢、体重、性別食事、及び投与時間を含んで、用量を調整する必要性が生じる。

0085

一般的に、神経変性障害を治療、寛解、または予防するために、本発明による薬剤を、使用する薬剤に依存して、0.001μg/kg体重〜10mg/kg体重の一日用量で使用してよい。より好ましくは、薬剤の一日用量は、0.01μg/kg体重〜1mg/kg体重、より好ましくは0.1μg/kg体重〜100μg/kg体重、最も好ましくはおよそ0.1μg/kg体重〜10μg/kg体重である。

0086

薬剤は、神経変性障害の発症前、発症中または発症後に投与してもよい。毎日の用量は、単回投与(例えば、1日1回の注射)として与えられてもよい。あるいは、薬剤は、1日2回以上の投与を必要としてもよい。一例として、薬剤は、(すなわち、体重70kgを仮定して)0.07μg〜700mgの量で、1日2回(または、治療される神経変性障害の重症度によってはそれ以上)投与してもよい。治療を受ける患者は、起床時に1回目の投与を、夕方(2回投与の場合)またはそれから3〜4時間空けて2回目の投与を受けてもよい。あるいは、複数回投与を必要としない患者に対して、最適な用量の本発明による薬剤を提供するために、徐放デバイスを用いてもよい。本発明による薬剤の特定の配合、及び(薬剤の一日用量や投与頻度などの)正確な治療計画を形成するのに、製薬業界で従来採用されているものなど既知の方法(例えば、インビボ実験臨床治験など)を用いてもよい。

0087

本発明の第8の態様において、第1もしくは第3の態様による抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または第4の被検体による抗体薬物複合体(各々が必要に応じて誘導体化される)、及び必要に応じて薬学的に許容されるビヒクルを含む薬剤組成物が提供される。

0088

薬剤組成物は、好ましくは抗神経変性疾患組成物、すなわち、アルツハイマー病などの被検体における神経変性障害の治療的寛解、予防、または治療に使用される薬学的製剤である。

0089

抗体もしくはその機能的フラグメント、ペプチド、または核酸は、誘導体化されない場合がある。

0090

また、本発明は、第9の態様において、第8の態様による薬剤組成物を作製するプロセスを提供し、このプロセスは、治療上有効な量の、第1もしくは第3の態様において定義される抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または第4の態様において定義される抗体薬物複合体を、薬学的に許容されるビヒクルと複合することを含む。

0091

抗体またはその抗原結合フラグメントは、第1の態様に関して定義されてもよい。

0092

「被検体」は、脊椎動物哺乳類、または家畜動物であってよい。したがって、本発明による医薬品は、任意の哺乳動物、例えば、家畜(例えば、)、ペットを治療するのに使用してもよく、または他の獣医学的適用において使用してもよい。最も好ましくは、被検体は、ヒトである。

0093

抗体またはその抗原結合フラグメントの「治療上有効な量」は、被検体に投与した際、神経変性疾患を治療するか、または所望の効果を生じるのに必要とされる薬剤量である任意の量である。

0094

例えば、使用される抗体またはそのフラグメントの治療上有効な量は、約0.001ng〜約1mg、及び好ましくは約0.01ng〜約100ngであってもよい。抗体またはフラグメントの量は、約0.1ng〜約10ng、及び最も好ましくは約0.5ng〜約5ngの量であることが好ましい。

0095

本明細書で称される「薬学的に許容されるビヒクル」は、当業者にとって薬剤組成物を処方するのに有用であると知られている、いずれかの既知の化合物または既知の化合物の組み合わせである。

0096

一実施形態において、薬学的に許容されるビヒクルは、固体であってもよく、組成物は粉末または錠剤の形態であってもよい。固体の薬学的に許容されるビヒクルは、香味剤、潤沢剤、可溶化剤懸濁剤染料充填剤滑剤圧縮助剤不活性結合剤甘味剤保存剤、染料、コーティング、または錠剤崩壊剤としても作用し得る1つ以上の物質を含み得る。ビヒクルは、封止材料であってもよい。粉末において、ビヒクルは、微細に分割された固体であり、本発明による微細に分割された活性剤との混和物中にある。錠剤において、活性剤は、好適な比率で必要な圧縮特性を有するビヒクルと混合され、所望の形状及びサイズに圧縮され得る。粉末及び錠剤は、好ましくは、活性剤の99%までを含有する。好適な固体ビヒクルには、例えば、リン酸カルシウムステアリン酸マグネシウムタルク、糖、ラクトースデキストリンスターチゼラチンセルロースポリビニルピロリドン低融点、及びイオン交換樹脂が含まれる。別の実施形態において、薬学的ビヒクルは、ゲルであってもよく、組成物は、クリームなどの形態であり得る。

0097

しかしながら、薬学的ビヒクルは、液体であり得る、薬剤組成物は、溶液の形態である。液体ビヒクルは、溶液、懸濁液、エマルジョンシロップエリキシル、及び加圧組成物を調製する際に使用される。本発明による活性剤は、水、有機溶媒、薬学的に許容される油または脂肪の両方の混合物などの薬学的に許容される液体ビヒクルに溶解または懸濁され得る。液体ビヒクルは、可溶化剤、乳化剤緩衝剤、保存剤、甘味剤、香味剤、懸濁剤、増粘剤着色剤、粘度調節剤、安定剤、または浸透圧調節剤などの他の好適な薬学的添加物を含有し得る。経口投与及び非経口投与に好適な液体ビヒクルの例には、水(上記の添加剤を部分的に含有する、例えば、セルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)、アルコール一価アルコール及び多価アルコールを含む、例えば、グリコール)及びそれらの誘導体、ならびに油(例えば、分留ココナッツ油及び落花生油)が含まれる。非経口投与の場合、ビヒクルは、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルであってもよい。滅菌液体ビヒクルは、非経口投与のための滅菌液体形態の組成物において有用である。加圧組成物のための液体ビヒクルは、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に許容される推進剤であり得る。

0098

滅菌された溶液または懸濁液である液体薬剤組成物は、例えば、筋肉内、髄腔内、硬膜外腹腔内、静脈内、特に皮下注入によって利用することができる。薬剤は、滅菌水生理食塩水、または他の適切な滅菌注入媒質を使用して、投与時に溶解または懸濁され得る滅菌固体組成物として調製されてもよい。

0099

本発明の薬剤及び組成物は、他の溶質や懸濁剤(例えば、溶液を等張にするのに十分な生理食塩水またはグルコース)、胆汁酸塩アカシア、ゼラチン、ソルビタンモノオレエートポリソルベート80ソルビトールオレイン酸エステル及びエチレンオキシドと共重合したその無水物)などを含む、滅菌溶液または懸濁液の形態で経口投与されてもよい。また、本発明により使用される薬剤は、液体または固体の組成物形態で経口投与することができる。経口投与に好適な組成物は、ピルカプセル剤顆粒剤、錠剤及び粉末などの固体形態、ならびに溶液、シロップ、エリキシル及び懸濁液などの液体形態を含む。非経口投与に有用な形態としては、滅菌溶液、エマルジョン及び懸濁液が含まれる。

0100

本明細書に記載されるように、本発明の抗体は、T14ペプチド(すなわち、配列番号3)、及び特にエピトープとして作用するC末端配列、−VHWK(すなわち、配列番号6)に対して高度に特異的または選択的である。この抗体は、驚くべきことに、深温凍結されていたものであっても、生物組織内で生存可能である。さらに、データは、T14様ペプチドが、独立した生物化学的実体として存在することを示す。これらの発見は、検出可能な配列(すなわち、−VHWKエピトープ)が、診断ツールとして使用され得ることを示唆する。

0101

したがって、第10の態様において、神経変性障害を検出または診断するためのバイオマーカーとしての使用のための配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントが提供される。

0102

好ましくは、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントは、抗体または抗原結合フラグメント、好ましくは第1の態様または第3の態様による抗体または抗原結合フラグメントによって結合され得るエピトープとして作用する。

0103

好ましくは、バイオマーカーとして使用される配列番号3の変異体またはフラグメントは、配列番号6を含むかまたはそれからなる。

0104

また、本発明は、神経変性疾患に罹患している患者の診断キットを提供する。

0105

したがって、本発明の第11の態様により、神経変性障害に罹患している被検体もしくはそれに対する素因を診断するため、または被検体の病態予後判定を提供するためのキットが提供され、このキットは、試験被検体からの試料中に存在する抗原濃度を検出するための検出手段を含み、この検出手段は、第1または第3の態様による抗体またはその抗原結合フラグメント(必要に応じて誘導体化される)を含み、試料中の抗原の存在は、被検体が神経変性障害に罹患していることを示唆する。

0106

第12の態様により、神経変性障害に罹患している患者もしくはそれに対する素因を診断するため、または被検体の病態の予後判定を提供するための方法が提供され、この方法は、被検体から得られた試料中に存在する抗原濃度を検出することを含み、検出は、第1または第3の態様による抗体またはその抗原結合フラグメント(必要に応じて誘導体化される)を使用して達成され、試料中の抗原の存在は、被検体が神経変性障害に罹患していることを示唆する。

0107

好都合なことに、本発明の抗体を使用して、個人が神経変性障害(アルツハイマー病またはパーキンソン病など)を発症する危険性が高いかどうかを、現在可能であるよりもはるかに容易に決定することができ、それにより早期治療が提供され得るか、または生活様式及び食事に関して、より十分な情報を得たうえでの決定を助けるために情報が提供され得る。さらに、神経変性障害の早期診断、または被検体が神経変性障害を発症し得る危険性の早期検出は、医師が医薬品を処方するのに大いに助けとなる。

0108

好ましくは、抗原は、配列番号3、より好ましくは配列番号5、最も好ましくは配列番号6を含むかまたはそれからなる。

0109

好ましくは、試料は、生物試料を含む。試料は、タンパク質を得ることができる被検体から得ることができる任意の材料であり得る。試料は、脳、例えば、皮質外皮、青斑核、または海馬を含み得る。

0110

図18〜20は、驚くべきことに、CSF中のT14に結合することを示す。したがって好ましくは、試料は、脳脊髄液(CSF)を含む。

0111

試料は、血液、尿、組織などを含み得る。

0112

図23は、抗体が、驚くべきことに、それ自体が血中のT14に結合することを示す。したがって最も好ましくは、試料は、血液試料を含む。血液は、静脈血または動脈血であってよい。

0113

キットは、抽出された試料を受容するための試料収集容器を含み得る。血液試料は、T14レベルに関して速やかにアッセイされ得る。あるいは、血液試料は、T14アッセイが行われる前に、低温で、例えば冷蔵庫内貯蔵され得るか、またはさらには冷凍され得る。T14の検出は、全血で実行され得る。しかしながら、好ましくは、血液試料は、血清を含む。好ましくは、血液試料は、血漿を含む。

0114

血液は、T14アッセイが行われる前にさらに処理されてもよい。例えば、クエン酸クエン酸ナトリウムなど)、ヒルジンヘパリン、PPACK、またはフッ化ナトリウムなどの抗凝固剤が付加されてもよい。ゆえに、試料収集容器は、血液試料が凝固するのを防ぐために、抗凝固剤を含有してもよい。あるいは、血液試料は、血漿または血清分留を調製するために遠心分離または濾過されてもよく、これが分析に使用され得る。したがって、T14は、血漿または血清試料中で分析またはアッセイされることが好ましい。T14濃度は、被検体から採取された血清試料または血漿試料からインビトロで測定されることが好ましい。

0115

好ましくは、このキットまたは方法は、試料中のT14陽性細胞(すなわち、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントを含む細胞)の存在または不在を特定するか、または試料中のその濃度を決定するために使用される。検出手段は、試料中のT14陽性細胞の存在及び/または不在を検出するように適応されたアッセイを含み得る。このキットまたは方法は、アッセイが比較され得る正の対照及び/または負の対照の使用を含み得る。例えば、キットは、神経変性障害を罹患している個体(すなわち、正の対照)または罹患していない個体(すなわち、負の対照)からの試料中のT14陽性細胞の濃度に関する基準を含み得る。

0116

このキットは、検出され得る標識をさらに含み得る。「標識」という用語は、抗体またはそのフラグメントに結合され得る部分を意味し得る。部分は、例えば、治療または診断手順に使用され得る。治療的標識には、例えば、本発明の抗体またはそのフラグメントに結合され、T14ペプチド(すなわち、配列番号3)またはそのフラグメント、例えば、配列番号5または配列番号6への抗体の結合を監視するために使用され得る部分が含まれる。本明細書に記載されるように、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号3またはその変異体もしくはフラグメントに特異的に結合する。好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号2(すなわち、T30)に結合しない。好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号4(すなわち、T15)またはβ−アミロイドに結合しない。

0117

診断的標識には、例えば、分析方法によって検出され得る部分が含まれる。分析方法には、例えば、定性的及び定量的手順が含まれる。定性的分析方法には、例えば、免疫組織化学及び間接免疫蛍光が含まれる。定量的分析方法には、例えば、放射免疫測定ELISA、またはFACS分析などの免疫親和性手順が含まれる。分析方法には、インビトロ及びインビボ両方の撮像手順も含まれる。分析手段によって検出され得る診断的標識の特定例には、酵素、放射性同位体蛍光色素化学発光マーカー、及びビオチンが含まれる。

0118

標識は、本発明の抗体もしくはそのフラグメントに直接結合され得るか、または本発明の分子に特異的に結合する二次結合剤に結合され得る。このような二次結合剤は、例えば、二次抗体であり得る。二次抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルのいずれかであり、ヒト、齧歯類、またはキメラ起源であり得る。

0119

本発明者らは、本発明の抗体が、薬物送達プロセスにおける新たな治療化合物のスクリーニングの一部として使用され得ると考える。例えば、毒性ペプチドT14を検出する方法及びアッセイは、候補化合物のスクリーニング(例えば、HTS及び選択的ライブラリースクリーン、及び構造ベースの設計)のため、有効な治療をもたらし得るヒット、ならびに二次アッセイ(例えば、インビトロ及びエクスビボ二次アッセイ)を特定するため、医薬品の「ヒットからリードへの」開発の一部として使用することができる。

0120

したがって、本発明の第13の態様では、薬物発見スクリーンにおいて、神経変性障害の治療、予防、または寛解における使用のための治療化合物を特定するための、第1または第3の態様による抗体またはその抗原結合フラグメントの使用が提供される。

0121

第14の態様において、T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を阻害する薬剤の特定のための、比色分析的または蛍光的に標識されたT14ペプチド(配列番号3)のエクスビボ使用が提供される。

0122

第15の態様において、神経変性障害の治療、予防、または寛解における使用のための候補薬剤特定方法が提供され、この方法は、以下の、
(i)インビトロまたはエクスビボで、第1または第3の態様による抗体またはその抗原結合フラグメントの存在下、細胞を試験薬剤と接触させるステップと、
(ii)抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して、T14ペプチド(配列番号3)の存在、濃度、または活性を検出するステップと、を含み、T14ペプチドの不在、または対照と比較したT14ペプチド合成、濃度、または活性の低減は、その薬剤が、不適切補体活性を特徴とする疾患の治療、予防、または寛解のための候補であることの指標である。

0123

第15の態様において、T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を阻害する薬剤の特定のためのアッセイが提供され、このアッセイは、
(i)細胞ベースの発現系と、
(ii)第1または第3の態様による抗体またはその抗原結合フラグメントと、
(iii)少なくとも1つの試験薬剤の、発現系との接触を可能にするように構成された容器とを含む。

0124

第16の態様において、T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を調節する薬剤の特定のための方法が提供され、この方法は、
(i)インビトロまたはエクスビボで、第1または第3の態様による抗体またはその抗原結合フラグメントの存在下、細胞を試験薬剤と接触させることと、
(ii)抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して、T14ペプチド(配列番号3)の存在、濃度、または活性を検出することと、を含み、対照と比較したT14合成、濃度、または活性の変化は、試験薬剤が、T14ペプチド(配列番号3)の合成または活性を調節することの指標である。

0125

抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して、本発明のアッセイ及び方法において、毒性ペプチドT14(配列番号3)の存在、濃度、または活性を検出できることが理解されよう。したがって、抗体が、試験化合物の存在に応答して、T14またはその濃度もしくは活性の増加を検出する場合、これは、試験化合物が、神経変性障害の治療のための有用な候補を表さないことを示す。逆に、抗体によって毒性T14が検出されない場合、またはそれが試験化合物の存在下でその濃度または活性の減少を検出する場合、これは、試験化合物が、神経変性障害の治療のための有用な治療法であることを示す。これらの方法及びアッセイは、T14ペプチドの合成または活性を低減または予防する薬剤を特定することを含むことが好ましい。

0126

本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、インビトロまたはエクスビボで実行され得る。接触は、実質的に無細胞系においてであり得る。これらの方法のうちのいずれかは、細胞ベース系において、及び/または非ヒト哺乳動物においてインビボで同じ活性の陽性指標を示す薬剤をスクリーニングすることを含み得る。

0127

本発明は、いずれかの核酸もしくはペプチド、またはその変異体、誘導体、もしくは類似体にまで及ぶものであり、その変異体またはフラグメントを含む、本明細書で言及される配列のいずれかのアミノ酸または核酸配列を実質的に含むかそれからなることと理解されよう。「実質的にアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列」、「変異体」及び「フラグメント」という用語は、本明細書において言及される配列のうちのいずれか1つのアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列と少なくとも40%の配列同一性、例えば、配列番号3(すなわち、T14ポリペプチド配列)または配列番号6(すなわち、VHWKエピトープ)などとして特定される配列と40%の同一性を有する配列であってよい。

0128

また、言及される配列のいずれかと50%超、より好ましくは65%超、70%超、75%超、さらにより好ましくは80%超である配列同一性を有するアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列についても想定される。好ましくは、アミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列は、言及される配列のいずれかと少なくとも85%の同一性を有し、より好ましくは少なくとも90%、92%、95%、97%、98%、最も好ましくは、本明細書で言及される配列のいずれかと少なくとも99%の同一性を有する。

0129

熟練した技術者であれば、2つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列間の同一性率(persentage identity)の計算方法を理解するであろう。2つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列間の同一性率を計算するためには、まず2つの配列のアラインメントを準備し、配列同一性値を計算する。2つの配列の同一性率は、(i)配列のアラインするために使用される方法、例えば、ClustalW、BLASTFASTA、Smith−Waterman(異なるプログラムで実施される)、または3D比較による構造的アラインメント、及び(ii)アラインメント方法によって使用されるパラメータ、例えば、ローカルグローバルアラインメント、使用されるペアスコアマトリックス(例えば、blosum62、pam250、gonnetなど)、及びギャップペナルティ(例えば、関数形式定数)に依存して、異なる値をとり得る。

0130

アラインメント後、2つの配列間の同一性率を計算する方法は多数ある。例えば、一致数(the number of identities)を、(i)最短配列長さ、(ii)アラインメント長さ、(iii)配列の平均長さ、(iv)非ギャップ位置数、または(iv)オーバーハングを除く等価位置数で、除してもよい。さらに、同一性率は長さにも大きく依存すると理解されよう。ゆえに、配列の短いペアでは、より高い配列同一性が偶然に起こることが予想される。

0131

したがって、タンパク質またはDNA配列の正確なアラインメントは、複雑なプロセスであることが理解されよう。有名な多重アラインメントプログラムであるClustalW(Thompson et al.,1994,Nucleic AcidsResearch,22,4673−4680、Thompson et al.,1997,Nucleic Acids Research,24,4876−4882)は、本発明によるタンパク質またはDNAの多重アラインメントを生成するうえで好適な方法である。ClustalWに好適なパラメータは下記のとおりである:DNAアラインメントの場合:ギャップオープンペナルティ=15.0、ギャップ伸長ペナルティ=6.66、及びマトリックス=アイデンティティ。タンパク質アラインメントの場合:ギャップオープンペナルティ=10.0、ギャップ伸長ペナルティ=0.2、及びマトリックス=Gonnet。DNA及びタンパク質のアラインメントの場合:ENDGAP=−1及びGAPDIST=4。当業者であれば、最適な配列アラインメントのためにこれら及び他のパラメータを変更することが必要なことに気づくであろう。

0132

好ましくは、2つのアミノ酸/ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列間の同一性率の計算は、次に(N/T)*100などのアラインメントから計算してもよく、式中、Nは、同一の残基を共有する配列における位置の数であり、Tは、ギャップを含みオーバーハングを除く位置の総数である。したがって、2つの配列間の同一性率を計算するための最も好ましい方法は、(i)例えば、上記のように、好適な一連のパラメータを用いてclustalwプログラムを用いて配列アラインメントを調製することと、(ii)n及びtの値を次式:配列同一性=(N/T)*100に挿入することとを含む。

0133

類似する配列を特定するための他の方法は、当業者にとって既知である。例えば、実質的に類似するヌクレオチド配列は、ストリンジェントな条件下で本明細書に示される核酸配列のうちのいずれか、またはそれらの相補体ハイブリダイズする配列によってコードされる。ストリンジェントな条件では、ヌクレオチドを45℃で3×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でフィルターに結合したDNAまたはRNAにハイブリダイズさせた後、約20〜65℃で0.2×ssc/0.1%SDS中少なくとも1回洗浄することを意味する。あるいは、実質的に類似するポリペプチドは、本明細書で示される配列とは、少なくとも1個のアミノ酸、しかし5、10、20、50、または100個未満のアミノ酸が異なっていてもよい。

0134

遺伝コード縮退により、本明細書に記載される任意の核酸配列は、これによってコードされるタンパク質配列に実質的に影響を及ぼすことなく、変異または変化して、その機能的変異体を提供できることは明らかである。好適なヌクレオチド変異体は、配列内で同一のアミノ酸をコードし、このためサイレントな変化を生じる異なるコドン置換によって変更された配列を有するものである。他の好適な変異体は、対応するヌクレオチド配列を有するが、置換されるアミノ酸と同様の生物物理学的性質の側鎖を有するアミノ酸をコードする、異なるコドンの置換によって変更されて保守的な変化を生じる、配列の全部または一部を含むものである。例えば、小さい非極性疎水性アミノ酸としては、グリシンアラニンロイシンイソロイシンバリンプロリン及びメチオニンが含まれる。大きい非極性の疎水性アミノ酸としては、フェニルアラニントリプトファン及びチロシンが含まれる。極性中性アミノ酸としては、セリントレオニンシステインアスパラギン及びグルタミンが含まれる。正に荷電した(塩基性)アミノ酸としては、リジン、アルギニン及びヒスチジンが含まれる。負に荷電した(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれる。ゆえに、いずれのアミノ酸が同様の生物物理学的性質を有するアミノ酸で置換できるかが理解され、熟練した技術者であればこれらのアミノ酸をコードするヌクレオチド配列が分かるであろう。

0135

本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で記載された特徴のすべて、及び/または開示されたいずれかの方法またはプロセスの過程のすべては、少なくともこのような特徴及び/または過程の幾つかが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで上記の態様のいずれかと組み合わせてもよい。

0136

本発明のより良い理解のため、及び本発明の実施形態を有効に実施することができる方法を示すために、ここで例として添付の図面を参照する。

図面の簡単な説明

0137

ELISAによるPep4(配列番号7)の標準曲線である。
ELISAによるT14(配列番号3)の標準曲線である。
ELISAによるT30(配列番号2)の標準曲線である。
ElISAによるT15(配列番号4)の標準曲線である。
C末端にVHWKモチーフ(配列番号6)を有する9、10、11、12、13、及び14個のアミノ酸ペプチドのELISA検出を示す。
C末端にVHWKモチーフを有しない9、10、11、12、13、及び14個のアミノ酸ペプチドのELISA検出を示す。
11個のアミノ酸ペプチドのELISA検出を示す。
12個のアミノ酸ペプチドのELISA検出を示す。
13個のアミノ酸ペプチドのELISA検出を示す。
14個のアミノ酸ペプチドのELISA検出を示す。
本発明による抗体の一実施形態を使用する、ELISAによるAChE分子の検出を示す。
AChE単独の活性、及びエルマンアッセイによって決定される本発明による抗体の一実施形態との組み合わせでの活性を示す。
AChE単独の活性、及びエルマンアッセイによって決定される本発明による抗体の一実施形態との組み合わせでの活性を示す。
AChE単独の活性、及びエルマンアッセイによって決定される本発明による抗体の一実施形態との組み合わせでの活性を示す。
ラットホモジネートの異なる希釈液中のT14様ペプチドの検出を示す。
総タンパク質(mg)当たりのT14様ペプチド(μg)として発現される、ヒト脳対照及びADを示す。AD試料は、P=0.03において著しく高い濃度を示す。
T14に対する抗体の特異性の検証を示す。ヒストグラムは、100nMの外因性T14、T30、T15、アミロイド、及び最終K残基が付加されていないT14に対する応答を示す。全例において、n=3。抗体に対する明らかな応答は、T14を用いる場合にのみ見られる。
対照及びAD患者の10同年齢対に関するウェスタンブロット(WB)データを示し、患者コード、性別、年齢、CERAD状態、及びBraakステージを表す。CSF中のT14レベルは、本発明の抗体の実施形態を使用するウェスタンブロッティングを使用して試験したADの症例の大半(80%)において増加し、ゆえに、その仮説を証明し、T14をバイオマーカーとして特定する。
本発明の抗体の実施形態を使用して、AD患者におけるCSF中で上昇したT14レベルを示すが、Aβは未変化のままである。図19(A):代表的なウェスタンブロットにおける対照及びAD患者の死後CSF中のT14発現。集合に起因して、T14(Bond,Zimmerman et al.2009,Cottingham,Hollingshead et al.2002)は、より低速の電気泳動可動性(50KDa)と共に見られる。対照:男性、80歳、CERAD正常、Braak I。AD:男性、81歳、CERAD明確、Braak V;図19(B):代表的なウェスタンブロットにおける対照及びAD患者の死後CSF中のAβ発現。対照:男性、80歳、CERAD正常、Braak I。AD:男性、81歳、CERAD明確、Braak V。左から右へ:対照:女性、82歳、CERAD正常;AD:女性、81歳、CERAD明確、Braak VI;対照:男性、83歳、CERAD正常、Braak I/II;AD:男性、79歳、CERAD明確、Braak V/VI;図19(C):T14発現の定量;及び図19(D):対照(n=10)及びAD患者(n=10)の死後CSF中のAβ発現。T14レベルを、Blot−FaststainTM(Collins et al.2015)によって検出され、対照+/−SEMの平均のパーセンテージとして表される、総タンパク質発現に対して正規化した。レベルP<0.0001での有意差は、****によって示される。
T14レベルが、本発明の抗体の実施形態を使用して、3つの脳領域と比較して、対照及びAD患者のCSF中で一貫して高いことを示す。しかしながら、これは、Aβには該当しない。T14レベルを、CSF及び3つの脳領域において測定した(CC:皮質外皮、LC:青斑核、HC:海馬)。脳領域及びCSFにおけるT14の量は、A)対照及びB)AD患者両方におけるCSF中のT14量の%として表した。Aβレベルを測定し、C)対照及びD)AD患者に関して上記と同じ方法で表す。E)次いで、CSF中のT14及びAβの相対量(黒色の棒)を一緒にプロットした。
T14集合が、指数関数的に成長し、T14モノマープールが未変化のままであることを示す。外因性T14ストック溶液(20mM)溶液を、蒸留水中の再懸濁によって作成した。その後、ストック溶液を、PBS(pH10.5)で作用ストック溶液(400μM)に希釈した。PBS(pH5)を付加することによって作用ストック溶液を中和して、最終濃度を200μMにすることにより集合を開始させ、これを0、1、2、3、4時間にわたって25℃でインキュベートした。さらに、T14モノマー対照を、作用ストックをPBS(pH10.5)で200μMに希釈し、25℃で4時間インキュベートすることによって作成した。pH5及びpH10.5PBSを一緒に混合し、25℃で4時間インキュベートすることによって、さらなるペプチド不含対照を作成した。次いでWB(A)及びELISA(B)を、上記のT14集合試料上で行い、定量した。
臨床脳組織(皮質及び海馬)におけるT14レベルが、本発明の抗体の実施形態を使用して、AD脳において著しく上昇する(タンパク質1mg当たり)ことを示す。
濾過したヒト血清(30kDa MWCO)が、本発明の抗体の実施形態を使用し、T14 ELISAによって測定して、T14の存在が検出可能なレベルであることを示すことを示す。
進行したアルツハイマー患者のグローバルニューロンにおけるT14の存在を示す抗体を使用した免疫組織化学結果を示す。
神経学的対照及び重度ADの両方における抗T14抗体切片によるヒト中脳免疫組織化学染色を示す。

0138

「末端付加(tailed)」アセチルコリンエステラーゼ(T−AChE)は、シナプスにおいて発現され、本発明者らは以前に、そのC末端から切断することができる2つのペプチドを特定し、一方は「T14」(14アミノ酸長)と称され、他方の「T30」(30アミノ酸長)として知られているもの中に含まれ、そして両者はβ−アミロイド相当領域に対して強い配列相同性を有する。「T15」と称されるさらなるペプチドは、T30の最後の15個のアミノ酸残基に対応する。

0139

線状ペプチドのアミノ酸配列、T14は、AEFHRWSSYMVHWK[配列番号3]である。

0140

線状ペプチドのアミノ酸配列、T30は、KAEFHRWSSYMVHWKNQFDHYSKQDRCSDL[配列番号2]である。T30の後の15個のアミノ酸残基に対応する線状ペプチドのアミノ酸配列、T15は、NQFDHYSKQDRCSDL[配列番号5]である。

0141

AChEのC末端ペプチド「T14」は、非加水分解作用の領域を担うAChE分子の際立った部分として特定されている。合成の14個のアミノ酸のペプチド類似体(すなわち「T14」)、続いてそれが埋め込まれたより大きく、より安定で、より強力なアミノ酸配列(すなわち「T30」)は、「非コリン作動性(non−cholinergic)」AChEとして報告されているものに匹敵する作用を示す。

0142

また、本発明者らは以前に、14アミノ酸長の環状T14ペプチド(すなわち「NBP−14」)を調製している。これは、T14のアミノ酸配列、すなわち、AEFHRWSSYMVHWK[配列番号3]に基づくが、末端アラニン(A)及びリジン(K)残基を介して環化されている。環化は、いくつかの異なる手段によって達成することができる。例えば、Genosphere Biotechnologies(フランス)は、線状ペプチドをN末端からC末端のラクタムに変換することによってT14の環化を行った。環状NBP14を作製するためのT14の環化は、両端(すなわち、HWK−AEF)を一緒に結合する。本発明者らは、環状NBP−14が、AChEの非古典的な効果(すなわち、その酵素活性から独立したAChEの効果)及び/またはその末端ペプチドをインビトロで選択的に阻害し、神経変性障害を治療するために使用され得ることを以前に示した。NBP14は、α7ニコチン受容体上で作用し、細胞を直鎖T14、T30、及びβ−アミロイド毒性から保護する。それはまた、直鎖T14及びT30の毒性によって誘導される相補的AChE放出をブロックする。さらに、単独で付与された場合、環状NBP14は、ラット脳スライスにおけるCa2+濃度に著しい効果を有しないが、T30の効果をブロックする。

0143

早期研究に基づいて、本発明者らは、非常に高い特異性でAChEC末端ペプチド「T14」に結合する、抗体を開発した。本発明者らは、この抗体が、神経変性障害を診断するための診断ツールとして、高い信頼性で使用され得ることを示した。また、本発明者らは、抗体が治療法において使用され得ると考える。

0144

材料及び方法
ポリクローナル抗体の合成
抗体は、Genosphere Biotechnologies(Paris,France)によって合成した。2羽のニュージーランドウサギを使用し、免疫原としてKLH−ペプチドを用い、70日間にわたって4回免疫化した(「Pep4」:T14−ハプテンCAEFHRWSSYMVHWK−配列番号7)。動物から4回採血し、血液をプールした。次いで抗血清を、共有結合したペプチド支持体を有する重力カラムを通過させ、洗浄した後、抗体を酸性緩衝液中に溶出し、溶液を中和した。PBS緩衝液に対するさらなる透析及び凍結乾燥でプロセスを完了した。

0145

0146

T14抗体条件の最適化
抗体に関する製造元の報告を使用して、最適条件でELISAの実験を行った。この報告において、製造元は、抗体の濃度に関する最適密度(下記の表を参照されたい)、及びこの手順に使用されるELISAプロトコル(下記のプロトコルを参照されたい)を特定している。

0147

製造元からのプロトコル:
抗原を、EIAストリップ上に1ウェル当たり10μgでコーティングした。ウェルを、200μLPBS緩衝液で洗浄した。

0148

抗血清を連続希釈し、別個のウェルに付加して、2時間インキュベートした。未結合の抗体を洗浄し、抗ウサギIgG−HRP複合体を付加した。プレートを洗浄し、TMB基剤を用いて発色現像を15分間行った。吸光度を405nm(2.00AUFS)で読み取った。色強度は、抗体の量に直接比例していた。吸光度が、免疫前血清の吸光度よりも2倍超である場合、抗体は陽性であった。免疫前血清のバックグラウンド吸光度は、0.1〜0.3に到達し得る。

0149

結論
本明細書に記載されるすべての実験に対して、選択される抗体希釈は、1:1000であった。

0150

抗体を使用することによる試料中のペプチドの検出(ELISA)
ELISAアッセイの手順は以下のとおりであった。

0151

標準曲線及び試料を3回実施した。T14、Pep4、T15、及びアミロイドの検出の場合、各々を8ナノモル濃度でELISAに使用した。一方で、モチーフ決定実験の場合、ペプチド変異体の各々を、1つの濃度の100nMのみで使用した。ラット脳試料上のT14の検出の場合、タンパク質の異なる希釈を使用した。ヒトホモジネート試料の値に起因して、これらを1:160の希釈のみで使用した。脳組織内のT14ペプチドの決定に関する標準曲線、及び脳組織試料を、PBS緩衝液中に希釈した。標準曲線は、8〜100nMのT14の範囲であった。つまり、96ウェルイムノプレート(NUNC)を、100μL/ウェルの試料または標準T14でコーティングし、パラフィルム被覆して、4℃で一晩インキュベートした。翌日、この試料を、水を流したシンク上でプレートをはじくことによって除去し、Tris緩衝生理食塩水、及びTween20(TBS−T)中に2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する200μLのブロッキング溶液を付加し、室温で4時間インキュベートした。次いでブロッキング溶液を除去し、ブロッキング溶液中に1μg/mLまで希釈した100μLの抗体を付加し、4℃で一晩インキュベートした。翌日、一次抗体を除去し、ウェルを3回、200μLのTBS−Tで洗浄した。その後、ブロッキング溶液中に0.1μg/mLまで希釈した100μLの二次抗体を付加し、室温で2時間インキュベートした。すべてのインキュベーションの間、プレートをパラフィルムで被覆した。2時間後、プレートを4回、TBS−Tで洗浄した。3,3,5,5−テトラメチルベンジジンの付加が、発色反応を開始した。この反応を、15〜30分後に、2M H2SO4を含有する停止溶液で停止させ、吸光度を、Vmaxプレートリーダー(Molecular devices,Wokingham,UK)において450nmで測定した。

0152

AChE活性に関するエルマンアッセイ
AChE活性は、AChE活性の結果としてのチオール基の存在を測定するエルマン試薬を使用して測定した。G4実験の場合、AChE(G4)を単独で、またはNBP−14と組み合わせて、またはガランタミンと組み合わせてアッセイした。細胞生存性アッセイに関する実験の前日に細胞を播種した。細胞を、異なる濃度のNBP−14(0.1〜100μM)及びT30、T14、ならびにAβ10μM単独で、またはNBP−14(0.1及び0.7μM)と組み合わせて処理した。処理後、各処理の上澄灌流液)を収集し、各条件の25μLを、新たな平底96ウェルプレートに付加し、続いて175μLのエルマン試薬を付加した(溶液A:KH2PO4 139mM、及びK2HPO4 79.66mM、pH7.0;溶液B(基質):ヨウ化アセチルチオコリン11.5mM;溶液C(試薬):5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)8mM、及びNaHCO3 15mM)。エルマン試薬は、3つの溶液の混合物として、33(A):3(B):4(C)の比率で調製した。吸光度測定値は、405nmにおいて、実験を通して規則的な間隔(3、10、30、及び60分)で記録した。

0153

脳ホモジネートの調製(ラット及びヒト)
試料は、以下のように調製した。脳試料を計量した後、ダウンス内に配置し、脳物質1mg当たり1.5μLのPBSを付加した。ダウンスの底部にある脳試料を、「ルースな」プランジャーを使用して少なくとも10回、ダウンスの底部に至るまでプランジすることによって均質化した。「タイトな」プランジャーを使用して材料をさらに均質化し、最低10回の完全プランジを確実にした。均質化した試料を、2mLのエッペンドルフに収集し、4℃で冷蔵した遠心分離器内で、13,000gで15分間遠心分離した。一旦遠心分離が終了すると、懸濁液を、調製した0.5mLの30KDa MWCOフィルターに収集した。これらの試料を、13,000gで30分間遠心分離し、プロテアーゼ阻害剤カクテル(RocheコンプリートPIC04693116001)を濾過物に付加した。これを、T14ペプチドに関するELISAに使用した。未濾過の試料残余分(>30kDa)を、フィルターを反転させることによって、別個の微量遠心分離管に収集し、これを使用し、ピアースアッセイを使用して、初期試料タンパク質濃度を決定した(下記のとおり)。

0154

タンパク質定量
Thermo Scientific Pierce 660nmタンパク質アッセイは、ウシ血清アルブミンのタンパク質標準物と比較して、(A660nm)総タンパク質濃度を速やかに測定するための既製の洗剤及び還元剤適合性アッセイ試薬である。このアッセイの場合、PBS中に1:10で希釈した10μLの各ヒト脳ホモジネート試料を、マイクロタイター96ウェルプレートに付加し、続いて150μLのピアースアッセイを付加した。5分のインキュベーション後、吸光度を、Vmaxプレートリーダー(Molecular devices,Wokingham,UK)内で、660nmで測定し、光学密度の結果を、BSAの標準曲線に挿入して、1μL当たりのミリグラムを得た。

0155

データの分析
すべての実験に関して、一元配置分散分析ANOVA)及びGraphPADInstat(GraphPAD software,San Diego,CA)を使用するターキー事後検定によって、複数治療群と同じ対照との間の比較を行った。これらの試験は、あらゆる処置手段を、あらゆる他の処置手段と比較し、すなわち、すべての対合比較の組に同時に適用し、2つの手段の差が、許容することが予想される標準誤差より大きい場合を特定する。統計的有意差は、P値<0.05において記録した。グラフを、Microsoft Excelを使用してプロットした。

0156

ヒト脳実験の場合、データの分析は、5名の対照及び7名のアルツハイマー患者の値の平均として図に表され、平均の標準誤差には、ベッセル補正を適用する(n−1)。光学密度の読み取り値を各試料中のT14のマイクログラムに変換するために、較正曲線を使用し、外因性T14の異なる既知の濃度を、「指数関数モデル」を使用して、それぞれの読み取り値に対してプロットした。最後に値を、総タンパク質に対するT14の含有量に関して標準化した(μg/mg)。

0157

脳試料の供給源
ラット:Charles Riverからの35日齢の雄ウィスターラットからの新鮮な均質化した全脳。

0158

ヒト:Thomas Willis Oxford Brain Collection(c/o Professor Margaret Esiri)によって供給された深温凍結組織からの中脳切片。倫理適用は、Human Tissue Bank of the Oxford Radcliffe Hospital NHSによって承認され、Human Tissue Act、Human Tissue Authority Codes of Practise及び死後検査及び組織の使用に関する他の法律に基づいて実施された。具体的に、約5mmのコロナルスライスは、中脳中心灰白質を上に、大脳脚及び黒質を下に有し、背側縫線赤核、及び第3神経核を含む。

0159

ウェスタンブロッティング
脳試料の調製
10名の死後AD患者及び同年齢対照からの皮質外皮、青斑核、海馬、及びCSF部分は、大にもProf.Margaret Esiri及びDr Gabriele DeLucaによってJohn Radcliffe Hospital Brain Bank,Oxfordから寄付された。各脳試料を計量し、デュースに配置した。1μgの脳物質当たり、ミニEDTA遊離プロテアーゼ阻害剤カクテル(RocheコンプリートPIC04693116001)を含有する2μLのPBS(1倍)を、デュースに付加し、最初に「ルースな」プランジャーを使用し、続いて「タイトな」プランジャーを使用して均質化を行った。続いて、試料を13,000gで30分間、4℃で回転させ、上澄を採取した。CSF試料は調製を必要としなかった。全試料を−80℃で貯蔵した。

0160

タンパク質試料濃度の測定
上記試料からのタンパク質濃度を、Pierce(商標)660nmタンパク質アッセイ(Thermo Scientific)を使用して測定した。手短に言えば、連続希釈(0〜2mg/mL)を、ウシ血清アルブミン(BSA)の10mg/mLストックから作製した。10μLのタンパク質を透明な96ウェルプレート(Greiner)に移すことによって、各BSA濃度の3つの複製を調製した。次いで、試料を、3つの濃度(1:1、1:2、1:10)で希釈し、各濃度の3つの複製を、10μLの試料を含有する各複製と共に、同じ96ウェルプレートに配置した。続いて、150μLのピアース試薬を標準物質及び全試料に付加し、混合物を放置して5分間、優しく振りながらインキュベートした。最後に、プレートを、分光光度計(Molecular Devices)上で、660nmで読み取った。これらの試料のタンパク質濃度は、BSA標準曲線からの傾斜及びy切片を使用して決定され、両者はMicrosoft Excelを介して計算される。

0161

タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動
ポリアクリルアミドゲル(ミニPROTEAN(登録商標)TGX stain free(商標)ゲル、BIO−RAD)を、電気泳動タンク(BIO−RAD、ミニPROTEANテトラステム)内に入れ、走行緩衝液(25mM TRISベース、pH8.6、192mMグリシン、0.1% SDS)を、ゲル及びタンク貯蔵器(BioRad)に付加した。タンパク質試料を、蒸留水及び4×Laemmli試料緩衝液(最終濃度:69.5mM TRIS−HCl pH6.8、1.1% LDS、11.1%(w/v)グリセロール、0.005%ブロモフェノールブルー、BIO−RAD)、及び2.5%メルカプトエタノール(BIO−RAD)を混合することによって調製した。また、試料相当濃度の外因性T14も調製し、これが、外因性T14ペプチドを測定するための正の対照として作用した。これらの混合物を、95℃で5分間加熱した後、上で冷却した。試料及び正の対照をゲル中に負荷し、分子量マーカー(Precision Plus Protein(商標)Dual Xtra Standards、BIO−RAD)と共に、35mVで90分間電気泳動させた。氷ブロックを、走行タンクの内側に配置して、いかなる過熱も防止した。

0162

PVDF膜上へのタンパク質試料の移動
濃縮ゲル切り落とし、分離するゲルをMini Transblot Cell(BIO−RAD)内のPVDF移動膜(Thermo Scientific)の上に移動させた。つまり、PVDF移動膜を、メタノールに1分間浸漬し、続いて蒸留水に2分間浸漬することによって活性化した。続いて、すべての層を移動緩衝液で飽和させた(20mM TRISベースpH8.6、154mMグリシン、0.8% w/v SDS、及び20%メタノール)。底部から上部の順に、移動スポンジブロッティングペーパー、ゲル、PVDF移動膜、ブロッティングペーパー、移動スポンジからなる移動サンドイッチを、移動カセットの中に配置し、これを移動緩衝液で充填されたMini Transblot Cellに挿入した。最後に、電気泳動移動は、200mAで90分間行った。氷ブロックを、移動タンクの内側に配置して、いかなる過熱も防止した。

0163

PVDF膜の染色
BLOT−Faststain(商標)(G−Biosciences,USA)を使用して、負荷対照として作用する総タンパク質を染色した(Colinsら、2015)。電気泳動移動の直後に、PVDF移動膜を、希釈したBLOT−Faststain(商標)固定剤溶液(10倍)で2分間、優しく振りながら染色した。次いでこの膜を、希釈したBLOT−Faststain(商標)現像液(4倍)で1分間、優しく振りながらインキュベートした。続いて、この膜を4℃の暗所において現像液中で30分間貯蔵して、タンパク質バンド最大強度に到達させた。最後に、この膜を冷水で洗浄し、地汚れを排除し、G box(Syngene)を使用して撮像した。次いでこの膜を、温かい脱イオン水(40〜45℃)を使用して脱染し、ブロッキング段階のために準備することができる。

0164

タンパク質バンドの検出
PVDF移動膜を、5%脱脂粉乳を含有するTBS(TRIS緩衝生理食塩水、20mM TRISベースpH7.5、0.5mM NaCl)中で1時間ブロックし、次いで各々7分間、TTBS(0.05% v/v Tween−20で補充したTBS)中で2回洗浄した。この膜を、1%脱脂粉乳を含有するTTBS中に希釈した一次抗体を用いて、4℃で一晩インキュベートした(表1)。翌日、一次抗体を除去した。この膜を、各々5分間、TTBS中で3回洗浄し、次いで二次抗体を用いて、室温で1時間インキュベートした。選択される二次抗体は、使用される一次抗体の種類に依存する。それは、1%脱脂粉乳を含有するTTBS中に希釈されたHRP(a9309、Sigma)に複合されたヤギ抗マウス二次抗体(作用濃度:1:1000)、または1%脱脂粉乳を含有するTTBS中に希釈されたHRP(ab6721、abcam)に複合された抗ウサギ二次抗体(作用濃度:1:5000)のいずれかであり得る。二次抗体インキュベーション後、膜を5分間、TTBS中で3回洗浄した後、最後に10分間、TBS中で洗浄した。タンパク質バンドを、G box(Syngene)を使用して検出した。

0165

0166

タンパク質バンドの撮像及びデータ分析
PVDF膜を、G box(Syngene)内に配置した。焦点及びズーム設定は、確実に膜が画面の中心で最大になるように調整した。Clarity(商標)WesternECL基質(BIO−Rad)からのルミノール及びペルオキシド溶液を等量部で混合し、膜に適用した。画像を、暗所において1分間隔で5分間にわたって撮影して、タンパク質バンドのための最適シグナルを得た。それに続いて、この膜を、分子ラダーの画像を得るために、自動設定を使用して白色光に暴露した。次いでブロット画像を、画像Jを使用して分析した。等しいサイズのボックスを、各レーンのタンパク質バンドの周りに配置し、タンパク質バンドの強度の測定を可能にした。次いで、バックグラウンドバンド強度から差し引いて、結果をMicrosoft Excel及びGraphpadソフトウェアにおいて分析した。

0167

再検出のための抗体剥片
PVDF移動膜からのタンパク質シグナルを剥離し、異なるタンパク質に関して再検出することができる。つまり、この膜をマイルドな剥離緩衝液(200mMグリシン、3.5mM SDS、1% v/v Tween−20、pH2.2)で2回、各々10分間にわたって洗浄した。続いてこの膜を、PBSで2回、各々10分間洗浄した後、TTBSで2回、各々5分間洗浄した。Clarity(商標)WesternECL基質(BIO−Rad)を膜に付加し、残留タンパク質シグナルをチェックするために、G Box(Syngene)を使用して撮像した。残留シグナルが強すぎる場合、次いで剥離プロセス全体を繰り返した。次いでこの膜を、続くブロッキング段階及び一次抗体検出のために準備した(上記を参照されたい)。

0168

ヒト血清(HS)の調製
HSを、リーズ大学分子細胞生物学研究所のProfessor Nigel Hooperによって提供された対照及びAD患者の群から採取した。これらの試料は、2008年にオックスフォード大学薬理学部のSusan Greenfiledチーム一員として勤務していた前博士研究員のAmy Hallidayにより、分子量カットオフフィ(MWCO)フィルターで濾過された。血清を濾過し、30kDa超、30〜10kDa、及び10kDa未満の分留に分離した。この研究の場合、30〜10kDa、及び10kDa未満の部分を等量で組み換えて、30kDa未満のHS中に存在するT14のスペクトルを付与した。

0169

T14ペプチド抗体に関するELISA
標準曲線及び試料を、3回実施した。ヒト脳ホモジネート試料を、1:160、ヒト血清で希釈した。組織試料中のT14ペプチドの決定のための標準曲線を、PBS緩衝液中で希釈した。標準曲線は、8〜100nMのT14の範囲であった。つまり、96ウェルイムノプレート(NUNC)を、100μL/ウェルの試料または標準T14でコーティングし、パラフィルムで被覆して、4℃で一晩インキュベートした。翌日、この試料を、水を流したシンク上でプレートをはじくことによって除去し、Tris緩衝生理食塩水、及びTween20(TBS−T)中に2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する200μLのブロッキング溶液を付加し、室温で4時間インキュベートした。次いでブロッキング溶液を除去し、ブロッキング溶液中で1μg/mLに希釈した100μLの抗体を付加し、4℃で一晩インキュベートした。翌日に一次抗体を除去し、ウェルを200μLのTBS−Tで3回洗浄した。ブロッキング溶液中で0.1μg/mLに希釈した100μLの二次酵素複合抗体を付加し、室温で2時間インキュベートした後、全インキュベーション中にプレートをパラフィルムで被覆した。2時間後、プレートをTBS−Tで4回洗浄した。3,3,5,5−テトラメチルベンジジンは、発色反応を開始した。この反応を、30分後に2M H2SO4を含有する停止溶液で停止させ、吸光度を、脳ホモジネートの場合はVmaxプレートリーダー(Molecular Devices,Wokingham,UK)において、ヒト血清の場合はVersaMaxプレートリーダー(Molecular Devices,Wokingham,UK)において、450nmで測定した。

0170

T14に対して向けられた抗体によるヒト及びラット脳切片の免疫組織化学染色
1.脳試料を10%ホルマリン中に固定する。

0171

2.組織ブロック脱水し、パラフィン蝋に埋め込む。

0172

3.6μm切片を各パラフィンに埋め込まれた組織ブロックから切り取る。

0173

4.60℃で20分間焼成することによって、各スライド上に組織を溶解する。

0174

5.スライドをhistoclear内でインキュベートして(3×5分)蝋を溶解する。

0175

6.段階的エタノール系(10×浸液100% EToH、10×浸液 100% EToH、10×浸液 100% EToH、10×浸液 90% EToH、10×浸液 70% EToH)を使用してスライドを水和する。

0176

7.スライドを、3%過酸化水素中で30分間インキュベートし、内因性ペルオキシダーゼ活性を抑制する。

0177

8.EDTAを含有するpH9緩衝液中でスライドをオートクレーブする(121℃で10分間)。

0178

9.スライドをカセットの上に載せ、シーケンザ(sequenza)に固定する。

0179

10.スライドを、0.05% tween 20(TBS/T)を含有するTris緩衝生理食塩水で洗浄する(2×5分)。

0180

11.一次抗T14抗体を1時間適用する。

0181

12.スライドをTBS/Tで洗浄する(2×5分)。

0182

13.ホースラディッシュペルオキシダーゼに複合された二次抗体を40分間にわたって適用する(Dakoによって提供される、カタログ番号K5007)。二次抗体は、T14一次抗体の不可変領域を認識する。二次抗体は、その二次抗体に付着した色素原の検出を可能にする反応を触媒する酵素である、ホースラディッシュペルオキシダーゼに複合され、これがT14一次抗体に結合される。したがって、これは、脳切片における免疫標識されたT14の検出を可能にする。

0183

14.スライドをTBS/Tで洗浄する(2×5分)。

0184

15.Impact VIPペルオキシダーゼ基質を、製造元の指示に概説されるように、平坦に置かれたスライドに15分間にわたって適用する(Vector Laboratoriesによって提供される、カタログ番号SK−4605)。

0185

16.スライドをTBS/Tで洗浄する(2×5分)。

0186

17.スライドをDPマウンタントと共に載せる。

0187

別途指示されない限り、すべてのインキュベーションは、室温で実行した。

0188

結果
実施例1−ペプチド認識
本発明者らは、ポリクローナル抗体をウサギから単離した。図1〜4は、1:1000抗体の用量反応、及び異なるペプチド(すなわち、PEP4、T14、T30、及びT15)の指定ナノモル濃度を示す。

0189

図1に示されるように、抗体は、その合成に使用される抗ペプチド、すなわち、PEP4(CAEFHRWSSYMVHWK−配列番号7)を特異的に検出する。図2に示されるように、抗体は、T14(AEFHRWSSYMVHWK−配列番号3)にも特異的に結合する。しかしながら、図3及び4に示されるように、抗体は、T30(KAEFHRWSSYMVHWKNQFDHYSKQDRCSDL−配列番号2)またはT15(NQFDHYSKQDRCSDL−配列番号5)には結合しない。これは、検出のための要件が、暴露される特定の末端アミノ酸、及びそれらが獲得する可能な三次構造に基づくことを意味する。

0190

さらに、図17に示されるように、抗体は、アミロイドを認識しなかった。これは、前述されるように、抗体による認識が、暴露されるアミノ酸の異なる組み合わせに依存することを意味する。

0191

したがって、本発明者らは、本発明のポリクローナル抗体の驚くほど高い特異性を示した。

0192

実施例2−ペプチド結合領域
本発明者らは、一連の異なる線状ペプチドとの結合実験を行うことによって、本発明の抗体の免疫特異性を調査する。抗体の免疫特異性を決定するために使用される線状ペプチドの配列は、表2及び3に示される。

0193

0194

0195

図5に示されるように、抗体は、ペプチドを検出することができるように、C末端における−VHWKアミノ酸モチーフまたはエピトープ(すなわち、配列番号6)の存在を具体的に必要とする。モチーフを含有するが、C末端Kアミノ酸を有しないそのようなペプチドは、図6に示されるように、抗体によって認識されない。さらに、−VHWKモチーフを含有するが、配列の最後においてではないそのようなペプチドもまた、図6に示されるように、抗体によって認識されない。

0196

図7〜10は、異なる11、12、13、及び14−mer線状ペプチドに対する抗体の結合を表し、必要とされるC末端−VHWKモチーフを有するものもあれば、それがないものもある。明らかに見ることができるように、ペプチド1107、1206、1305、及び1404の各々はすべて、抗体が強力に結合するC末端−VHWKモチーフを有する。

0197

実施例3−AChE認識
図11に示されるように、抗体は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE、すなわち、「G4」)を検出し、図12〜14に示されるように、またAChE活性が高濃度の抗体に対して低い場合にのみ著しく、酵素の最終活性に影響を及ぼすことなく、アセチルコリンの加水分解の速度を変更する。脳及び体内のAChE活性が非常に高く、治療法としてのいずれの抗体も、より低い用量範囲内であることを考慮して、酵素活性を低下させることから生じるいかなる副作用も最小限に抑えられ得る。さらに、抗体は、臨床用途の薬物であるガランタミンとは対照的に、およそ15%、AChEを最大限にブロックし、これが活性をはるかに多く、すなわち50%阻害する(WO2015/004430を参照されたい)。

0198

実施例4−ラット及びヒト組織における検出
ラット及びヒト試料で検出を行う場合、試料を30KDa MWCOフィルターで濾過し、酵素の検出を妨げるAChE、及び試料中の偽陽性を除去した。結果は、抗体が、両方の試料においてどのようにペプチドを検出するかを示す。図15は、ラット脳ホモジネートにおける結果を示し、図16は、対照及びアルツハイマー病(AD)ヒト脳ホモジネートからの結果を示す。

0199

考察
抗体の特異性
ポリクローナル抗体は、T14ペプチド(決定的に、C末端配列、−VHWK)に高度に特異的であることが証明された。完全AChEタンパク質のその認識は、この配列が暴露され、三次構造で入手可能であることを示唆する。抗体が、線状T30ペプチドフラグメント(その中でT14が起こる)を認識しなかったという事実は、獲得された三次構造の暴露されないT30配列の最後におけるリジン(K)の不在に起因すると考えられる。

0200

ラット及びヒト脳としての複合試料において検出する能力
これらのデータは、抗体が、驚くべきことに、深温凍結されていたものでも生物組織内で生存可能であること、及びT14様ペプチドが、間接的な証拠のみによって以前に示唆されているように、独立して生化学的実体として存在することを示す(Garcia−Ayllon,M.S.et al.Altered levels of acetylcholinesterase in Alzheimer plasma.PloS one 5,e8701,doi:10.1371/journal.pone.0008701(2010)、Arendt,T.,Bruckner,M.K.,Lange,M.&Bigl,V.Changes in acetylcholinesterase and butyrylcholinesterase in Alzheimer’s disease resemble embryonic development−−a study of molecular forms.Neurochemistry international 21,381−396(1992)。中でも最も特すべきことは、対照脳と比較して、ADにおいて有意差が検出され得ることである。

0201

検出された配列の重要性
これらの発見は、検出可能な配列(すなわち、−VHWKエピトープ)、及び特にC末端における暴露されたK残基が、診断ツールとして、ならびに細胞毒性部分に結合される場合、抗体自体の可能な使用を含めて、治療介入のための標的として使用され得ることを示唆する。後者の適用は、抗体が、AChE酵素反応の速度を低減し得るが、AChEに対する触媒速度は非常に高いため、閾値を超え得るという発見によって制限され得、なぜガランタミン及びアリセプトなどの薬物が、それにもかかわらず依然として臨床用途にあるかを実際に説明する。

0202

実施例5−ウェスタンブロット(WB)によって示される、CSFにおけるT14の検出
本発明の抗体を使用して、本発明者らは次に、脳脊髄液(CSF)中のT14フィブリル及びAβを比較した。本発明者らは、T14が、フィブリルを形成するため、ウェスタンブロッティングによって50KDaバンドとして検出されることを発見した。これは、T14ウェスタンブロットシグナルの増加によって示されるように、経時的に集合する外因性T14によるさらなる証拠である(図21Aを参照されたい)。

0203

次に図18を参照すると、CSF中のT14フィブリルは、ウェスタンブロッティングを使用してこれまでに試験したAD症例10件のうち8件(80%)において増加する。全10症例がプールされた場合、この増加は、対照と比較して、AD患者において約24%である(p<0.0001、図19Cを参照されたい)。興味深いことに、全10AD症例がプールされた場合、対照とAD患者との間でCSFにおけるAβレベルの変化はなかった(図19Dを参照されたい)。見られるように、T14及びAβレベルは、対照患者のCSF中のレベルに相当する。しかしながら、驚くべきことに、T14レベルは、AD患者において増加したが、Aβレベルは、変わらないままである(図20Dを参照されたい)。したがって、本発明者らは、CSF中のT14が、Aβよりも良好かつ頑強AD診断バイオマーカーであり、疾患の早期検出に使用され得ることを明らかに示した。

0204

次いで本発明者らは、T14フィブリル及びAβを、CSFと3つの脳領域(皮質外皮、青斑核、及び海馬)との間で比較した。本発明者らは、T14レベルが、対照及びAD患者の両方に関して試験した3つの脳領域と比較して、CSF中で高いことを示し、T14が、CSF中に放出され、そこで集合することを示唆する(図20A及び20Bを参照されたい)。対照的に、本発明者らは、Aβレベルが、対照患者の場合、CSFと比較して3つの脳領域(皮質外皮、青斑核、及び海馬)においてより高いこと(図20Cを参照されたい)、及び対照患者の場合、皮質外皮、青斑核、及びCSFの間でAβレベルに有意差がないこと(図20Dを参照されたい)を観察した。また、Aβレベルは、AD患者の場合、CSFよりも海馬においてより低い(図20Dを参照されたい)。

0205

したがって、CSF中のアミロイドが、T14ほど一貫してADを反映しないことは明らかである。T14レベルは、脳組織内よりもCSF中ではるかに高く、T14が、脳組織内で、アミロイドと同様に、集合するのではなく長距離シグナル伝達のために遊離分子として主に放出されることを示唆する。したがって、T14は、AD内のアミロイドよりもはるかに良好なバイオマーカーであり、T14は、パーキンソン病ならびにアルツハイマー病の高感度指標として明らかに可能性がある。

0206

ゆえに、本発明の抗体を明らかに使用して、試験した脳領域内、ならびにCSF中のT14を検出することができ、T14レベルが上昇するため、検出がより容易である。

0207

実施例6−脳試料中のT14モノマーに関するELISAデータ
実施例5から引き続き、本発明者らは、次にT14のC末端に特異的なポリクローナル抗体を使用して、追加の脳試料中のT14モノマーを検出した。本発明者らは、脳皮質及び海馬内のT14レベルを比較した。これらの試料を、30kDa MWCOフィルターを使用して濾過し、AChE及びアルブミンなどのより大きなタンパク質を排除し、それによりバックグラウンドシグナルを低減する。

0208

図22に示されるように、本発明者らは、対照及びAD患者の4つの同年齢ペアを比較する研究において、T14レベルが、AD脳の皮質及び海馬の両方において著しく上昇する(タンパク質1mg当たり)ことを見出した。本発明者らは、したがって、T14が、アルツハイマー病における損傷と関連することが周知されている脳領域において増加することを示した。

0209

実施例7−対照及びADヒト血清中のT14のレベルを比較する
実施例5及び6から明らかであるが、T14は、本発明の抗体を使用して脳及びCSFにおいて容易に検出することができ、生きている患者から脳及びCSF試料を得ることは、高度に侵襲的かつ危険な行為である。したがって、本発明者らは、長期間にわたって−80℃で貯蔵されたヒト血清(HS)試料中のT14を検出するために、抗体を使用する可能性について調査した。この研究のねらいは、これらの試料を使用して、処理され得るより新鮮なHS試料と共に使用するために、ELISAを最適化することである。これらの試料は、30kDa MWCOフィルターを使用して濾過され、AChE及びアルブミンなどのより大きなタンパク質が排除されており、それによりバックグラウンドシグナルを低減する。

0210

図23を参照すると、対照及びAD患者HSの12同年齢ペアのパイロット研究は、驚くべきことに、抗体を使用して、濾過したヒト血清中のT14を検出することが可能であることを明らかにした。さらに、T14は、対照と比較した場合、ADにおいて上昇する。したがって、このデータは、HS中のT14を検出することが可能であり、そのため、簡単な非侵襲的診断ツールとして使用することができ、神経変性障害を有するか、または有することが疑われる患者からCSF(または脳)試料を得ることが好ましいことを示す。

0211

実施例8−免疫組織化学
図24を参照すると、免疫組織化学による進行したアルツハイマー病におけるグローバルニューロンに存在するT14の第1の可視化が示される。示されるこの特定領域は、パーキンソン病において典型的に脆弱であるため、2つの変性疾患が、毒性T14に基づいて共通の機序を共有するという理論を支持する。

0212

実施例9−抗T14抗体によるヒト中脳切片の免疫組織化学染色
図25を参照すると、対照及び重度のアルツハイマー病(AD)試料における中脳の黒質のT14免疫組織が、40倍及び200倍の拡大で示される。重度のADにおける細胞外T14免疫標識された沈着物(矢印)は、対照及びADにおける典型的なドーパミン作動性ニューロン細胞質T14免疫染色パターン(矢頭)と同様に示される。一連のT14ニューロン細胞質染色パターンが、視野内で捕捉される。図に見られるように、T14は、AD試料の細胞から放出されるが(矢印)、対照では放出されない。AD細胞からのT14放出または分泌は、瀕死のニューロンからの漏出に起因すると考えられる。T14の細胞外沈着物は、暗色メラニン、すなわちドーパミン癒合すると思われる。

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