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技術 がんの診断及び処置のための組成物及び方法

出願人 バイオンテックアーゲー
発明者 ウグール・サヒンジョイセリン・ヴュステフーベ-ラウシュマルクス・フィードラーマティン・ダーネッシュダーハンス-ウルリヒ・シュモルト
出願日 2016年3月15日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2017-549007
公開日 2018年6月14日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-515066
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 記載要素 連続要素 呼び容積 ブレスレット型 合成プラスチック材料 充填デバイス 循環期間 マイクロインジェクタ
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、がん性疾患、特に、セプラーゼ(Fap-アルファ線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)を発現するがん性疾患の診断及び処置に関する。より詳細には、本発明は、セプラーゼを標的にするペプチドに関する。

概要

背景

がんは、心疾患を凌ぐ、世界で一番多い死亡原因の1つである。2012年には世界人口の820万人ががんで死亡した(WHO)。古典的な抗がん治療、例えば、放射線治療化学療法及び従来の外科手術手技は、不十分な選択性に悩まされることが多く、それ故、健常組織への重篤な毒性副作用に悩まされることが多い。新規処置形態は、腫瘍関連抗原に対して特異的な結合分子による腫瘍環境への生物活性分子(薬物、サイトカイン放射性核種等)の標的化送達に存する。これにより、標的陽性腫瘍組織への薬物の選択的指向が可能になり、健常細胞を害さずに悪性細胞が効果的に殺滅される。これは、個々のがん治療に合理的に適合させた戦略を前もって保証するために患者内の標的陽性腫瘍を決定できるようにする、いわゆるコンパニオン診断の開発に追随する。この中で、標的特異的イメージング技術の適用は重要な診断工程になり、過去数十年の間に目をみはる進歩を見せてきた。イメージング技術は、腫瘍関連タンパク質の存在及び量、局在性早期検出分布、患者層別化、並びに処置モニタリングについての重要な意味をもつ情報をもたらすことができる(Stern、Caseら、2013)。

目的に合わせた個人向け抗がん治療に向けて非常に重要な工程は、選択的腫瘍関連マーカータンパク質の同定である。セリンプロテアーゼセプラーゼ(Fap-アルファ;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)は、乳、及び結腸直腸がん等のヒト原発性上皮腫瘍の90%より多くのがん関連線維芽細胞(CAF)で選択的に過剰発現されるが、正常線維芽細胞又は他の正常組織では殆ど又は全く発現されない(Rui Liu、2012)ため、がん治療及び診断にとって魅力的ターゲットである。セプラーゼは、ポストプロリンジペプチジルアミノペプチダーゼファミリーに属する170kDaII型膜貫通細胞表面タンパク質である。セプラーゼは、短い膜貫通ドメインによって細胞膜内に固定されており、アミノ末端配列を細胞露出しているが、カルボキシル末端を有する触媒ドメイン細胞外空間に残存する(Goldstein、Ghersiら、1997; Pineiro-Sanchez、Goldsteinら、1997)。腫瘍成長及び浸潤におけるセプラーゼの正確な役割、この酵素関与する分子メカニズム、並びにその天然リガンド又は基質は、大部分が依然として不明である。

セプラーゼは腫瘍組織の選択的マーカーであるので、前記タンパク質を標的にする多数の、可能性のある、治療戦略を構想することができる。in vivoで多数の異なるがんモデルにセプラーゼ結合分子を使用することによって、前臨床アプローチ腫瘍進行を効率的に減じることが可能であることが証明されている(Loeffler、Krugerら、2006; Ostermann、Garin-Chesaら、2008; Liao、Luoら、2009; Kraman、Bambroughら、2010; Wen、Wangら、2010)。それとは対照的に、モノクローナル抗体F19、そのヒト化バージョンのシブロツズマブ(Welt、Divgiら、1994; Hofheinz、al-Batranら、2003; Scott、Wisemanら、2003)、又はセプラーゼ酵素阻害剤タラボスタット(Narra、Mullinsら、2007; Eager、Cunninghamら、2009; Eager、Cunninghamら、2009)を使用する、ヒトがん患者の臨床設定でのセプラーゼの標的化は、わずかな臨床有効性しか示していない。セプラーゼを標的にする前臨床研究では有意な毒性は報告されなかった(Welt、Divgiら、1994; Lee、Fassnachtら、2005; Loeffler、Krugerら、2006; Ostermann、Garin-Chesaら、2008; Liao、Luoら、2009; Santos、Jungら、2009; Kraman、Bambroughら、2010; Wen、Wangら、2010)が、興味深いことに、多能性骨髄幹細胞(BMSC)による発現も今は論議されている。要するに、今までに報告された患者におけるセプラーゼ特異的抗体の好適な生体内分布及び転移性疾患部位への選択的取り込み(Welt、Divgiら、1994; Scott、Wisemanら、2003)から、セプラーゼには腫瘍標的アプローチの魅力的候補としての適格性が認められる。セプラーゼが、腫瘍抑制因子として作用するのか(Wesley、Albinoら、1999; Ramirez-Montagut、Blachereら、2004)、又は腫瘍成長を促進するのか(Cheng、Dunbrackら、2002; Goodman、Rozypalら、2003; Huang、Wangら、2004)は、依然として不明であるため、機能に影響を与えず、局在性、早期検出、分布、患者層別化及び処置モニタリングについての情報をもたらすイメージング技術(Stern、Caseら、2013)のためのセプラーゼに対する高選択的リガンドを開発することは、有利でありうる。

血管新生化が不十分な腫瘍の標的化については、大きいサイズの抗体及び更にはそれらの断片は組織透過速度を遅らせることがあり、このことによって効率的送達を妨げることがある。更に、抗体は、血液循環が長いため、診断上の使用には、特に、イメージング概念との関連での診断上の使用には、最適でないように思われる。前述に加えて、複雑なグリコシル化パターン及びジスルフィド架橋を有する抗体の分子構造は、コストのかかる複雑な製造を必要とし、例えばイメージングトレーサーによる、更なる機能化を複雑にする。これらの制限を克服するために、抗体の代替物として、いわゆるタンパク質足場がここ数十年の間に浮上してきた:足場は、所与の標的の厳格で特異的な認識に合わせた相互作用分子を正確に設計するための頑強構造フレームワークを提供する(Weidle、Auerら、2013)。それらの大部分は、非還元性条件下では正確に折り畳まれており、変性及び再折り畳みを必要とせずに細菌内で発現されうる。化学合成も、一部の形式の産生の選択肢である。最後に、それらは、多機能性結合分子を生成するための更なる機能化(標識付けオリゴマー化、他のペプチドとの融合等)によく適している。様々な足場ベースのアプローチの中で、シスチン-ノットミニタンパク質(「ノッチン」)は、標的診断及び治療剤の開発への大きな可能性を示している。例えば、Cochran及び共同研究者は、良好なコントラスト、急速な腫瘍標的化、身体からの迅速なクリアランス、及び正常組織への比較的低い取り込みを特徴とする、U87MG腫瘍のインテグリン特異的PETイメージング用の放射標識ミニタンパク質、18F-FP-2.5D及び18F-FP-2.5Fを生成した(Kimura、Chengら、2009; Kimura、Levinら、2009; Kimura、Miaoら、2010; Kimura、Jonesら、2011; Liu、Liuら、2011)。ミニタンパク質は、名祖結び目構造を形成する3つのジスルフィド結合を含有する、小さい、30〜50アミノ酸ポリペプチドである(Kolmar、2009; Moore及びCochran、2012)。ノットシスチントポロジーは、並外れた熱、タンパク質分解及び化学的定性を担っており、これはin vivoでの生物医学的応用に望ましい(Kolmar 2011)。例えば、構造的及び機能的完全性を失うことなく、ミニタンパク質をアルカリ性又は酸性環境煮沸することができる(Weidle、Auerら、2013)。ジスルフィド拘束ループ領域は、広範な配列多様性許容し、様々な生物医学的標的を認識するタンパク質を設計するための頑強な分子フレームワークをもたらす。

セプラーゼを発現する腫瘍についての診断及び治療アプローチに有用であるセプラーゼ結合分子が当技術分野において必要とされている。

ヒトセプラーゼに対して高い特異性及び選択性を示すセプラーゼ結合剤、例えばセプラーゼ結合ペプチドを、本明細書に記載する。本明細書に記載のセプラーゼ結合剤は、診断応用、特に腫瘍イメージングのための、及び腫瘍微小環境の効率的標的化による治療応用のための、卓越したツールである。

概要

本発明は、がん性疾患、特に、セプラーゼ(Fap-アルファ;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)を発現するがん性疾患の診断及び処置に関する。より詳細には、本発明は、セプラーゼを標的にするペプチドに関する。

目的

これらの制限を克服するために、抗体の代替物として、いわゆるタンパク質足場がここ数十年の間に浮上してきた:足場は、所与の標的の厳格で特異的な認識に合わせた相互作用分子を正確に設計するための頑強な構造フレームワークを提供する

効果

実績

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請求項1

請求項2

アミノ酸配列:Tyr Xaa1 Xaa2 Trp Xaa3 Xaa4 Gly Arg Gly Pro (この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProである)を含む、請求項1に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項3

アミノ酸配列:Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerである)を含む、請求項1又は2に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項4

アミノ酸配列:Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Proを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項5

アミノ酸配列:Xaa1 Tyr Xaa2 Xaa3 Trp Xaa4 Xaa5 Gly Arg Gly Pro(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProである)を含む、請求項1に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項6

アミノ酸配列:Pro Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerである)を含む、請求項1又は5に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項7

アミノ酸配列:Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Proを含む、請求項1、5及び6のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項8

アミノ酸配列:Xaa1 Xaa2 Cys Xaa3 Tyr Xaa4 Xaa5 Trp Xaa6 Xaa7 Gly Arg Gly Pro Xaa8(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、Xaa7は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa8は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspである)を含む、請求項1に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項9

アミノ酸配列:Xaa1 Xaa2 Cys Pro Tyr Xaa3 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa4(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspである)を含む、請求項1又は8に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項10

アミノ酸配列:Gly Lys Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Aspを含む、請求項1、8及び9のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項11

アミノ酸配列:Gly Ala Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Aspを含む、請求項1、8及び9のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項12

アミノ酸配列:(Xaa)n1 Cys (Xaa)n2 Gly Arg Gly Pro (Xaa)n3 Cys (Xaa)n4 Cys (Xaa)n5 Cys (Xaa)n6 Cys (Xaa)n7 Cys (Xaa)n8(この配列中、Cys残基は、シスチンノット構造を形成し、Xaaは、互いに独立して、任意のアミノ酸であり、n1、n2、n3、n4、n5、n6、n7及びn8は、それぞれのアミノ酸の数であり、アミノ酸Xaaの性質並びに/又はアミノ酸n1、n2、n3、n4、n5、n6、n7及びn8の数は、シスチンノット構造がCys残基間で形成しうるようなものであり、好ましくは、n1は、0〜4、好ましくは1又は2であり、n2は、3〜10、好ましくは6、7又は8であり、n3は、0〜4、好ましくは1又は2であり、n4は、3〜7、好ましくは4、5又は6であり、n5は、2〜6、好ましくは2、3又は4であり、n6は、1〜3、好ましくは1又は2であり、n7は、3〜7、好ましくは4、5又は6であり、n8は、0〜4、好ましくは1又は2である)を含む、請求項1に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項13

アミノ酸配列:Cys Xaa1 Tyr Xaa2 Xaa3 Trp Xaa4 Xaa5 Gly Arg Gly Pro Xaa6 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa7 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、Xaa7は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)を含む、請求項1に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項14

アミノ酸配列:Cys Pro Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa2 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa3 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)を含む、請求項1又は13に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項15

アミノ酸配列:Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Arg Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cysを含む、請求項1、13及び14のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項16

アミノ酸配列:Xaa1 Xaa2 Cys Xaa3 Tyr Xaa4 Xaa5 Trp Xaa6 Xaa7 Gly Arg Gly Pro Xaa8 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa9 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Gly(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、Xaa7は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、Xaa8は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、Xaa9は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)を含む、請求項1に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項17

アミノ酸配列:Xaa1 Xaa2 Cys Pro Tyr Xaa3 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa4 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa5 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Gly(この配列中、Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)を含む、請求項1又は16に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項18

アミノ酸配列:Gly Lys Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Arg Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Glyを含む、請求項1、16及び17のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項19

アミノ酸配列:Gly Ala Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Arg Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Glyを含む、請求項1、16及び17のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項20

足場を形成する、又は足場の一部である、請求項1から19のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項21

共有結合性修飾によって安定化される、請求項1から20のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項22

前記共有結合性修飾が環化である、請求項21に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項23

前記環化が1つ又は複数のジスルフィド架橋によるものである、請求項22に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項24

シスチンノット構造、好ましくは、阻害剤シスチンノット構造を形成する、及び/又はシスチンノット構造、好ましくは、阻害剤シスチンノット構造の一部である、請求項1から23のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項25

シスチンノット構造が、ナンバンカラスウリからの鎖式トリプシン阻害剤II (MCoTI-II)に基づく、請求項24に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項26

少なくとも1つの融合パートナーを更に含む、請求項1から25のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項27

融合パートナーが、異種アミノ酸配列を含む、請求項26に記載のセプラーゼ結合ペプチド。

請求項28

少なくとも1つの更なる部分と共有結合的に及び/又は非共有結合的に、好ましくは共有結合的に会合している、請求項1から27のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチドを含む、セプラーゼ結合剤

請求項29

融合パートナー又は更なる部分が、担体タンパク質、標識、レポーター又はタグを含む、請求項26若しくは27に記載のセプラーゼ結合ペプチド、又は請求項28に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項30

共有結合的に及び/又は非共有結合的に会合している少なくとも2つのサブユニットを含み、前記サブユニットのそれぞれが、請求項1から27及び29のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチドを含み、セプラーゼ結合ペプチドが、同一であっても異なっていてもよい、請求項28に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項31

非共有結合的に会合している少なくとも4つのサブユニットを含む、請求項30に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項32

共有結合的に会合している少なくとも3つのサブユニットを含む、請求項30に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項33

少なくとも1つの検出可能な標識若しくはレポーター及び/又は少なくとも1つの治療エフェクター部分と共有結合的に及び/又は非共有結合的に、好ましくは共有結合的に会合している、請求項1から27及び29のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチドを含む請求項28に記載のセプラーゼ結合剤、又は請求項28から32のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項34

セプラーゼの細胞外ドメインと結合する、請求項1から27及び29のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、又は請求項28から33のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項35

前記セプラーゼが細胞によって発現される、請求項1から27、29及び34のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、又は請求項28から34のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項36

DPP IVと結合しない、請求項1から27、29、34及び35のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、又は請求項28から35のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項37

前記結合が特異的結合である、請求項1から27、29及び34から36のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、又は請求項28から36のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項38

請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチドをコードする組換え核酸

請求項39

請求項38に記載の組換え核酸を含む宿主細胞

請求項40

請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド又は請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤を含む、検査キット

請求項41

診断検査キットである、請求項40に記載の検査キット。

請求項42

請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド又は請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤を含む、アッセイデバイス

請求項43

セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤が、固体支持体上に取り外し可能に又は取り外し不能に固定化される、請求項42に記載のアッセイデバイス。

請求項44

試料中のセプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイするための方法であって、請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド又は請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤を使用する工程を含む方法。

請求項45

患者がん診断、検出又はモニタリングのための方法であって、請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド又は請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤を使用して前記患者におけるセプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイする工程を含む方法。

請求項46

前記アッセイする工程が、前記患者から単離された生体試料に関して行われる、請求項45に記載の方法。

請求項47

セプラーゼの存在、又はがんのない参照物と比較して多いセプラーゼの量が、患者ががんに罹患していることを示す、請求項45又は46に記載の方法。

請求項48

セプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイする工程が、(i)生体試料を請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド又は請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤と接触させることと、(ii)セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤とセプラーゼとの複合体の形成を検出すること、及び/又は複合体の量を判定することとを含む、請求項44から47のいずれか一項に記載の方法。

請求項49

セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤が、少なくとも1つの検出可能な標識若しくはレポーターを含む、又は少なくとも1つの検出可能な標識若しくはレポーターにコンジュゲートしている、請求項44から48のいずれか一項に記載の方法。

請求項50

セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤が、固体支持体上に取り外し可能に又は取り外し不能に固定化される、請求項44から49のいずれか一項に記載の方法。

請求項51

請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤、請求項38に記載の組換え核酸、又は請求項39に記載の宿主細胞を含む、医薬組成物

請求項52

治療に使用するための、特に、患者のがんの処置又は予防に使用するための、請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤、請求項38に記載の組換え核酸、請求項39に記載の宿主細胞、又は請求項51に記載の医薬組成物。

請求項53

患者のがんの標的化に使用するための、請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、又は請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤。

請求項54

患者を処置する方法であって、請求項1から27、29及び34から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合ペプチド、請求項28から37のいずれか一項に記載のセプラーゼ結合剤、請求項38に記載の組換え核酸、請求項39に記載の宿主細胞、又は請求項51に記載の医薬組成物を患者に投与する工程を含み、好ましくは、患者ががんに罹患している又はがんを発症するリスクがある、方法。

請求項55

セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤が、少なくとも1つの治療エフェクター部分を含む、又は少なくとも1つの治療エフェクター部分にコンジュゲートしている、請求項51に記載の医薬組成物、請求項52に記載のセプラーゼ結合ペプチド、セプラーゼ結合剤、組換え核酸、宿主細胞若しくは医薬組成物、請求項53に記載のセプラーゼ結合ペプチド若しくはセプラーゼ結合剤、又は請求項54に記載の方法。

請求項56

がんが、セプラーゼ陽性である、及び/又はセプラーゼを発現する細胞に関わる、請求項45から50のいずれか一項に記載の方法、請求項52若しくは55に記載のセプラーゼ結合ペプチド、セプラーゼ結合剤、組換え核酸、宿主細胞若しくは医薬組成物、請求項53若しくは55に記載のセプラーゼ結合ペプチド若しくはセプラーゼ結合剤、又は請求項54若しくは55に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、がん性疾患、特に、セプラーゼ(Fap-アルファ;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)を発現するがん性疾患、例えば、乳がん肺がん(pulmonary若しくはlung cancer)、例えば非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸直腸がん結腸がん食道がん頭頸部がん胃がん胆管がん膵臓がん腎臓がん、子宮頸がん卵巣がん膀胱がん子宮内膜がん又は前立腺がん診断及び処置に関する。より詳細には、本発明は、セプラーゼを標的にするペプチドに関する。

背景技術

0002

がんは、心疾患を凌ぐ、世界で一番多い死亡原因の1つである。2012年には世界人口の820万人ががんで死亡した(WHO)。古典的な抗がん治療、例えば、放射線治療化学療法及び従来の外科手術手技は、不十分な選択性に悩まされることが多く、それ故、健常組織への重篤な毒性副作用に悩まされることが多い。新規処置形態は、腫瘍関連抗原に対して特異的な結合分子による腫瘍環境への生物活性分子(薬物、サイトカイン放射性核種等)の標的化送達に存する。これにより、標的陽性腫瘍組織への薬物の選択的指向が可能になり、健常細胞を害さずに悪性細胞が効果的に殺滅される。これは、個々のがん治療に合理的に適合させた戦略を前もって保証するために患者内の標的陽性腫瘍を決定できるようにする、いわゆるコンパニオン診断の開発に追随する。この中で、標的特異的イメージング技術の適用は重要な診断工程になり、過去数十年の間に目をみはる進歩を見せてきた。イメージング技術は、腫瘍関連タンパク質の存在及び量、局在性早期検出分布、患者層別化、並びに処置モニタリングについての重要な意味をもつ情報をもたらすことができる(Stern、Caseら、2013)。

0003

目的に合わせた個人向け抗がん治療に向けて非常に重要な工程は、選択的腫瘍関連マーカータンパク質の同定である。セリンプロテアーゼセプラーゼ(Fap-アルファ;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)は、乳、及び結腸直腸がん等のヒト原発性上皮腫瘍の90%より多くのがん関連線維芽細胞(CAF)で選択的に過剰発現されるが、正常線維芽細胞又は他の正常組織では殆ど又は全く発現されない(Rui Liu、2012)ため、がん治療及び診断にとって魅力的ターゲットである。セプラーゼは、ポストプロリンジペプチジルアミノペプチダーゼファミリーに属する170kDaII型膜貫通細胞表面タンパク質である。セプラーゼは、短い膜貫通ドメインによって細胞膜内に固定されており、アミノ末端配列を細胞露出しているが、カルボキシル末端を有する触媒ドメイン細胞外空間に残存する(Goldstein、Ghersiら、1997; Pineiro-Sanchez、Goldsteinら、1997)。腫瘍成長及び浸潤におけるセプラーゼの正確な役割、この酵素関与する分子メカニズム、並びにその天然リガンド又は基質は、大部分が依然として不明である。

0004

セプラーゼは腫瘍組織の選択的マーカーであるので、前記タンパク質を標的にする多数の、可能性のある、治療戦略を構想することができる。in vivoで多数の異なるがんモデルにセプラーゼ結合分子を使用することによって、前臨床アプローチ腫瘍進行を効率的に減じることが可能であることが証明されている(Loeffler、Krugerら、2006; Ostermann、Garin-Chesaら、2008; Liao、Luoら、2009; Kraman、Bambroughら、2010; Wen、Wangら、2010)。それとは対照的に、モノクローナル抗体F19、そのヒト化バージョンのシブロツズマブ(Welt、Divgiら、1994; Hofheinz、al-Batranら、2003; Scott、Wisemanら、2003)、又はセプラーゼ酵素阻害剤タラボスタット(Narra、Mullinsら、2007; Eager、Cunninghamら、2009; Eager、Cunninghamら、2009)を使用する、ヒトがん患者の臨床設定でのセプラーゼの標的化は、わずかな臨床有効性しか示していない。セプラーゼを標的にする前臨床研究では有意な毒性は報告されなかった(Welt、Divgiら、1994; Lee、Fassnachtら、2005; Loeffler、Krugerら、2006; Ostermann、Garin-Chesaら、2008; Liao、Luoら、2009; Santos、Jungら、2009; Kraman、Bambroughら、2010; Wen、Wangら、2010)が、興味深いことに、多能性骨髄幹細胞(BMSC)による発現も今は論議されている。要するに、今までに報告された患者におけるセプラーゼ特異的抗体の好適な生体内分布及び転移性疾患部位への選択的取り込み(Welt、Divgiら、1994; Scott、Wisemanら、2003)から、セプラーゼには腫瘍標的アプローチの魅力的候補としての適格性が認められる。セプラーゼが、腫瘍抑制因子として作用するのか(Wesley、Albinoら、1999; Ramirez-Montagut、Blachereら、2004)、又は腫瘍成長を促進するのか(Cheng、Dunbrackら、2002; Goodman、Rozypalら、2003; Huang、Wangら、2004)は、依然として不明であるため、機能に影響を与えず、局在性、早期検出、分布、患者層別化及び処置モニタリングについての情報をもたらすイメージング技術(Stern、Caseら、2013)のためのセプラーゼに対する高選択的リガンドを開発することは、有利でありうる。

0005

血管新生化が不十分な腫瘍の標的化については、大きいサイズの抗体及び更にはそれらの断片は組織透過速度を遅らせることがあり、このことによって効率的送達を妨げることがある。更に、抗体は、血液循環が長いため、診断上の使用には、特に、イメージング概念との関連での診断上の使用には、最適でないように思われる。前述に加えて、複雑なグリコシル化パターン及びジスルフィド架橋を有する抗体の分子構造は、コストのかかる複雑な製造を必要とし、例えばイメージングトレーサーによる、更なる機能化を複雑にする。これらの制限を克服するために、抗体の代替物として、いわゆるタンパク質足場がここ数十年の間に浮上してきた:足場は、所与の標的の厳格で特異的な認識に合わせた相互作用分子を正確に設計するための頑強構造フレームワークを提供する(Weidle、Auerら、2013)。それらの大部分は、非還元性条件下では正確に折り畳まれており、変性及び再折り畳みを必要とせずに細菌内で発現されうる。化学合成も、一部の形式の産生の選択肢である。最後に、それらは、多機能性結合分子を生成するための更なる機能化(標識付けオリゴマー化、他のペプチドとの融合等)によく適している。様々な足場ベースのアプローチの中で、シスチン-ノットミニタンパク質(「ノッチン」)は、標的診断及び治療剤の開発への大きな可能性を示している。例えば、Cochran及び共同研究者は、良好なコントラスト、急速な腫瘍標的化、身体からの迅速なクリアランス、及び正常組織への比較的低い取り込みを特徴とする、U87MG腫瘍のインテグリン特異的PETイメージング用の放射標識ミニタンパク質、18F-FP-2.5D及び18F-FP-2.5Fを生成した(Kimura、Chengら、2009; Kimura、Levinら、2009; Kimura、Miaoら、2010; Kimura、Jonesら、2011; Liu、Liuら、2011)。ミニタンパク質は、名祖結び目構造を形成する3つのジスルフィド結合を含有する、小さい、30〜50アミノ酸ポリペプチドである(Kolmar、2009; Moore及びCochran、2012)。ノットシスチントポロジーは、並外れた熱、タンパク質分解及び化学的定性を担っており、これはin vivoでの生物医学的応用に望ましい(Kolmar 2011)。例えば、構造的及び機能的完全性を失うことなく、ミニタンパク質をアルカリ性又は酸性環境煮沸することができる(Weidle、Auerら、2013)。ジスルフィド拘束ループ領域は、広範な配列多様性許容し、様々な生物医学的標的を認識するタンパク質を設計するための頑強な分子フレームワークをもたらす。

0006

セプラーゼを発現する腫瘍についての診断及び治療アプローチに有用であるセプラーゼ結合分子が当技術分野において必要とされている。

0007

ヒトセプラーゼに対して高い特異性及び選択性を示すセプラーゼ結合剤、例えばセプラーゼ結合ペプチドを、本明細書に記載する。本明細書に記載のセプラーゼ結合剤は、診断応用、特に腫瘍イメージングのための、及び腫瘍微小環境の効率的標的化による治療応用のための、卓越したツールである。

先行技術

0008

「A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)」、H.G.W.Leuenberger、B. Nagel、及びH. Kolbl編、Helvetica Chimica Acta、CH-4010 Basel、Switzerland、(1995)
Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、J. Sambrookら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press社、Cold Spring Harbor 1989
Berzofskyら、「Antibody-Antigen Interactions」In Fundamental Immunology、Paul, W. E.編、Raven Press社 New York、N Y (1984)
Kuby、Janis Immunology、W. H. Freeman and Company社 New York、N Y (1992)
Scatchardら、Ann N.Y. Acad. ScL、51:660頁(1949)
Smith及びWaterman((1981) AdsApp. Math. 2、482頁
Neddleman及びWunsch、1970、J. Mol. Biol. 48、443頁
Pearson及びLipman、1988、Proc. Natl Acad. Sci. USA 85、2444頁
Current Protocols in Molecular Biology、F.M. Ausubelら編、John Wiley & Sons. Inc.社、New York
Goodman及びGilman、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第8版、1990、McGraw-Hill Inc.社

発明が解決しようとする課題

0009

本発明に従って、ナンバンカラスウリ(Momordica cochinchinensis)からのノッチン型トリプシン阻害剤II(oMCoTI-II)の鎖式バリアントを、腫瘍標的化応用のために、セプラーゼ特異的結合タンパク質を設計するための分子足場として使用した。このために、コンビナトリアルファージライブラリーを、組換えヒトセプラーゼの細胞外ドメインと特異的に相互作用するoMCoTI-IIバリアントの選択に利用した。定義済み標的との結合を示す、同定されたノッチンペプチド(ミニタンパク質)の1つ、MC-FA-010 (aa: GKCPYSNWTPGRGPDCRRDSDCPGRCICRGNGYCG)を、より詳細に特徴付けた。それは、ヒトセプラーゼの特異的複合体化を示すが、関連タンパク質、例えば密接な関連がある相同DPP-IVを認識しない。結合は、MC-FA-010の2つの脂肪族残基及び第1のループ内でのGRGP輸送性に主として依存し、このことをアラニンスキャニング変異導入によって証明することができた。更に、セプラーゼ特異的ミニタンパク質は、標的陽性CHO-K1細胞株を使用するフローサイトメトリー及び全細胞ELISAによって判定して、マウス相同体交差反応性である。がん関連線維芽細胞(CAF)によって発現されたセプラーゼの特異的標的化を、CT26腫瘍切片免疫蛍光染色によって証明することができた。新生物組織のin vivo標的化を標的陽性CHO-K1腫瘍を担持しているFox n1 (nu)マウスで立証することができた。

0010

本発明は、一般に、セプラーゼの標的化によるがん疾患の処置及び/又は診断に有用な化合物を提供する。これらの化合物は、セプラーゼを発現する細胞の選択的検出、並びに/又はセプラーゼを発現する細胞の及び/若しくはセプラーゼを発現する細胞に関連する細胞の根絶をもたらし、その結果、セプラーゼを発現しない正常細胞に対する有害効果を最小にする。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、アミノ酸配列Gly Arg Gly Proを含むセプラーゼ結合ペプチドを提供する。

0012

第1の実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Tyr Xaa1 Xaa2 Trp Xaa3 Xaa4 Gly Arg Gly Pro
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはAsn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはThr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProである)
を含む。

0013

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerである)
を含む。

0014

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro
を含む。

0015

第2の実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Xaa1 Tyr Xaa2 Xaa3 Trp Xaa4 Xaa5 Gly Arg Gly Pro
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、
Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProである)
を含む。

0016

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Pro Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerである)
を含む。

0017

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro
を含む。

0018

第3の実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Xaa1 Xaa2 Cys Xaa3 Tyr Xaa4 Xaa5 Trp Xaa6 Xaa7 Gly Arg Gly Pro Xaa8
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、
Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、
Xaa7は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa8は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspである)
を含む。

0019

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Xaa1 Xaa2 Cys Pro Tyr Xaa3 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa4
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspである)
を含む。

0020

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Gly Lys Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp
を含む。

0021

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Gly Ala Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp
を含む。

0022

更なる実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Cys Xaa1 Tyr Xaa2 Xaa3 Trp Xaa4 Xaa5 Gly Arg Gly Pro Xaa6 Cys
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、
Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspである)
を含む。

0023

一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、好ましくはシスチンノット構造の一部であり、システインは、好ましくはシスチンノット構造の第1のシステイン及び第2のシステインであり、並びに/又はシステイン間のアミノ酸配列は、シスチンノット構造の第1のループを形成する。

0024

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Cys Pro Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa2 Cys
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspである)
を含む。

0025

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys
を含む。

0026

更なる実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
(Xaa)n1 Cys (Xaa)n2 Gly Arg Gly Pro (Xaa)n3 Cys (Xaa)n4 Cys (Xaa)n5 Cys (Xaa)n6 Cys (Xaa)n7 Cys (Xaa)n8
(この配列中、
Cys残基は、システインノット構造を形成し、
Xaaは、互いに独立して、任意のアミノ酸であり、
n1、n2、n3、n4、n5、n6、n7及びn8は、それぞれのアミノ酸の数であり、
アミノ酸Xaaの性質並びに/又はアミノ酸n1、n2、n3、n4、n5、n6、n7及びn8の数は、システインノット構造がCys残基間で形成しうるようなものであり、
好ましくは、
n1は、0〜4、好ましくは1又は2であり、
n2は、3〜10、好ましくは6、7又は8であり、
n3は、0〜4、好ましくは1又は2であり、
n4は、3〜7、好ましくは4、5又は6であり、
n5は、2〜6、好ましくは2、3又は4であり、
n6は、1〜3、好ましくは1又は2であり、
n7は、3〜7、好ましくは4、5又は6であり、
n8は、0〜4、好ましくは1又は2である)
を含む。

0027

更なる実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Cys Xaa1 Tyr Xaa2 Xaa3 Trp Xaa4 Xaa5 Gly Arg Gly Pro Xaa6 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa7 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、
Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、
Xaa7は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)
を含む。

0028

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Cys Pro Tyr Xaa1 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa2 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa3 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)
を含む。

0029

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Arg Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys
を含む。

0030

更なる実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Xaa1 Xaa2 Cys Xaa3 Tyr Xaa4 Xaa5 Trp Xaa6 Xaa7 Gly Arg Gly Pro Xaa8 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa9 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Gly
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asn、Ala及びAspからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asn及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAsnであり、
Xaa6は、任意のアミノ酸、好ましくは、Thr、Ala及びValからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThr及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはThrであり、
Xaa7は、任意のアミノ酸、好ましくはPro及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはProであり、
Xaa8は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、
Xaa9は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)
を含む。

0031

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Xaa1 Xaa2 Cys Pro Tyr Xaa3 Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Xaa4 Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Xaa5 Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Gly
(この配列中、
Xaa1は、任意のアミノ酸、好ましくはGly及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはGlyであり、
Xaa2は、任意のアミノ酸、好ましくはLys及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり、
Xaa3は、任意のアミノ酸、好ましくはSer、Ala及びCysからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSer及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはSerであり、
Xaa4は、任意のアミノ酸、好ましくは、Asp、Ala及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくは、Asp及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはAspであり、
Xaa5は、任意のアミノ酸、好ましくはArg及びAlaからなる群から選択されるアミノ酸、より好ましくはArgである)
を含む。

0032

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Gly Lys Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Arg Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Gly
を含む。

0033

好ましい実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、アミノ酸配列:
Gly Ala Cys Pro Tyr Ser Asn Trp Thr Pro Gly Arg Gly Pro Asp Cys Arg Arg Asp Ser Asp Cys Pro Gly Arg Cys Ile Cys Arg Gly Asn Gly Tyr Cys Gly
を含む。

0034

一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、下記のTable 1(表1)、Table 2(表2)又はTable 4(表4)に示すアミノ酸配列を含む。一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチドは、配列表の配列番号5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、又は96で示されるアミノ酸配列を含む。

0035

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、足場を形成する、又は足場の一部である。用語「足場」は、本明細書に記載のセプラーゼ結合ペプチド又はアミノ酸配列に剛性を付与する構造に関する。

0036

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、共有結合性修飾によって安定化される。一実施形態において、前記共有結合性修飾は、環化である。一実施形態において、前記環化は、1つ又は複数のジスルフィド架橋によるものである。

0037

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、シスチンノット構造、好ましくは阻害剤シスチンノット構造を形成する、及び/又はシスチンノット構造、好ましくは阻害剤シスチンノット構造の一部である。一実施形態において、シスチンノット構造は、ナンバンカラスウリからの鎖式トリプシン阻害剤II (MCoTI-II)、テッポウウリ(Ecballium elaterium)のトリプシン阻害剤EETI-II、及び最適化MCoTI-II足場に基づく。

0038

アミノ酸配列Gly Arg Gly Pro、及び/又は本発明の第1若しくは第2の実施形態のセプラーゼ結合ペプチドにおけるアミノ酸配列は、好ましくは、シスチンノット構造の一部であり、アミノ酸配列は、シスチンノット構造の第1のループ内(すなわち、第1のシステインと第2のシステインの間)に位置する。

0039

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、少なくとも1つの融合パートナーを更に含む。一実施形態において、融合パートナーは、異種アミノ酸配列を含む。

0040

本発明は、本明細書に記載の1つ又は複数の、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ超のセプラーゼ結合ペプチドを含むセプラーゼ結合剤であって、セプラーゼ結合ペプチドが同一であっても異なっていてもよい、セプラーゼ結合剤も提供する。本発明は、少なくとも1つの更なる部分と共有結合的に及び/又は非共有結合的に、好ましくは共有結合的に会合している本発明のセプラーゼ結合ペプチドを含むセプラーゼ結合剤も提供する。

0041

本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤の一実施形態において、融合パートナー又は更なる部分は、担体タンパク質、標識、レポーター又はタグを含む。一実施形態において、レポーターは、アルカリホスファターゼホースラディッシュペルオキシダーゼ又は蛍光分子からなる群から好ましくは選択される、免疫学的アッセイのためのレポーターである。一実施形態において、融合パートナー又は更なる部分は、His6-カセットチオレドキシン、Sタグ、ビオチン又はこれらの組合せからなる群から選択される。

0042

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合剤は、共有結合的に及び/又は非共有結合的に会合している少なくとも2つのサブユニットを含み、前記サブユニットのそれぞれは本発明のセプラーゼ結合ペプチドを含み、セプラーゼ結合ペプチドは、同一であってもよく、又は異なっていてもよい。

0043

本発明によると、一実施形態において、非共有結合性会合は、ストレプトアビジンを含む化合物を介したものである。本発明によると、一実施形態において、共有結合性会合は、ペプチドリンカー及び/又は非ペプチドリンカーを介したものである。

0044

したがって、一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、オリゴマー形態又は多量体形態で存在する。この実施形態において、同一であっても異なっていてもよい本発明の2つ以上のセプラーゼ結合ペプチドは、共有結合又は非共有結合によって、例えばビオチン/ストレプトアビジンを介して連結又はカップリングされていることもある。したがって、本発明のセプラーゼ結合ペプチドは、二量体三量体四量体等を形成することがある。

0045

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合剤は、非共有結合的に会合している少なくとも4つのサブユニットを含む。

0046

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合剤は、共有結合的に会合している少なくとも3つのサブユニットを含む。

0047

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合剤は、少なくとも1つの検出可能な標識若しくはレポーター及び/又は少なくとも1つの治療エフェクター部分と共有結合的に及び/又は非共有結合的に、好ましくは共有結合的に会合している、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤を含む。

0048

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤は、セプラーゼの細胞外ドメインと結合する。

0049

本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤の一実施形態において、前記セプラーゼは、細胞によって発現される。

0050

一実施形態において、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤は、DPP IVと結合しない。

0051

本発明の一実施形態において、結合は、特異的結合である。

0052

本発明は、本発明のセプラーゼ結合ペプチドをコードする組換え核酸も提供する。一実施形態において、組換え核酸は、ベクターの形態又はRNAの形態である。

0053

本発明は、本発明の組換え核酸を含む宿主細胞も提供する。

0054

本発明の別の目的は、がん疾患の診断、検出又はモニタリング、すなわち、退縮、進行、経過及び/又は発症の判定、のための手段及び方法を提供することである。

0055

本発明は、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤を含む検査キットを提供する。一実施形態において、検査キットは、イムノアッセイを行うための少なくとも1つの追加の試薬及び/又他はイムノアッセイを行うためのキット使用説明書を更に含む。一実施形態において、本発明の検査キットは、診断検査キットである。

0056

本発明の診断検査キットは、本発明のがんの診断、検出又はモニタリングのための方法に有用でありうる。これらのキットは、情報を提供するパンフレット、例えば、本明細書に開示する方法を実施するための試薬の使用方法についての情報を提供するパンフレットを含むこともある。

0057

本発明は、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤を含むアッセイデバイスを提供する。一実施形態において、アッセイデバイスは、酵素結合免疫吸着アッセイデバイスである。本発明のアッセイデバイスの一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤は、固体支持体上に取り外し可能に又は取り外し不能に固定化される。

0058

本発明は、試料中のセプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイするための方法であって、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤を使用する工程を含む方法を提供する。

0059

本発明は、患者のがんの診断、検出又はモニタリングのための方法であって、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤を使用して前記患者におけるセプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイする工程を含む方法を提供する。

0060

特定の態様において、本発明は、がん疾患の検出方法、すなわち、がん疾患の位置又は部位、例えば特定の組織又は器官を決定する方法に関する。一実施形態において、前記方法は、検出可能な標識にカップリングされている本発明のセプラーゼ結合化合物を患者に投与する工程を含む。

0061

前記患者における組織又は器官に標識付けすることで、前記組織又は器官におけるがん疾患の存在又はリスクを示すことができる。

0062

一実施形態において、組織又は器官は、その組織又は器官にがんがない場合には細胞がセプラーゼを実質的に発現しない、組織又は器官である。

0063

本発明の方法の一実施形態において、前記アッセイは、前記患者から単離された生体試料に関して行われる。

0064

一実施形態において、生体試料は、がん疾患に罹患している患者、又はがん疾患に罹患している疑い若しくは罹患する疑いがある患者、又はがん疾患の可能性がある患者から単離される。一実施形態において、生体試料は、その組織又は器官にがんがない場合には細胞がセプラーゼを実質的に発現しない組織又は器官からのものである。

0065

概して、生体試料中のセプラーゼのレベル基準レベルと比較され、前記基準レベルからの偏差は、患者におけるがん疾患の存在及び/又はステージを示す。基準レベルは、対照試料(例えば、健常組織又は対象からのもの)で決定されるようなレベル、又は健常対象からの中央値レベルでありうる。前記基準レベルからの「偏差」は、あらゆる有意な変化、例えば、少なくとも10%、20%又は30%、好ましくは、少なくとも40%若しくは50%、又は更にはそれを超える、増加又は減少を示す。基準レベルと比較して、例えば、がん疾患のない患者と比較して増加されるセプラーゼの存在及び/又はセプラーゼの量は、前記患者におけるがんの存在又はリスク(すなわち、がんを発症する可能性)を示しうる。

0066

一実施形態において、生体試料及び/又は対照/参照試料は、がん疾患による罹患に関して診断、検出又はモニタリングすべき組織又は器官に相当する組織又は器官からのものであり、例えば、診断、検出又はモニタリングすべきがん疾患は脳がんであり、生体試料及び/又は対照/参照試料は脳組織である。

0067

一実施形態において、生体試料及び/又は対照/参照試料は、その組織又は器官にがんがない場合には細胞がセプラーゼを実質的に発現しない組織又は器官からのものである。本発明の方法による患者におけるがん疾患の存在又はリスクの表示は、がん疾患が前記組織若しくは器官にあること、又は前記組織若しくは器官に前記がん疾患のリスクがあることを示しうる。

0068

診断、検出又はモニタリングのための方法は、定量的及び/又は定性的評価、例えば、標的分子の、例えばセプラーゼの発現レベルの、絶対的及び/又は相対的測定を可能にする。

0069

セプラーゼの存在及び/又は量について前記アッセイする工程を遂行する手段は、本明細書に記載されており、当業者には明らかであろう。概して、本発明の方法におけるアッセイする工程は、セプラーゼと特異的に結合する標識されたリガンド、例えば、検出をもたらす標識、例えば、指示酵素、放射標識、フルオロフォア又は常磁性粒子と直接又は間接的に結合しているセプラーゼと特異的に結合する本発明の化合物の使用を含む。

0070

本発明の方法の一実施形態において、セプラーゼの存在、又はがんのない参照物と比較して多いセプラーゼ量は、患者ががんに罹患していることを示す。

0071

本発明によるモニタリングの方法は、第1の時点で第1の試料中の及び第2の時点で更なる試料中のセプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイする工程を好ましくは含み、2つの試料を比較することによってがん疾患の退縮、進行、経過及び/又は発症を判定することができる。

0072

患者から以前に採取した生体試料と比較して生体試料中で減少しているセプラーゼの量は、前記患者におけるがん疾患の退縮、肯定的経過、例えば処置成功、又は発症リスク低下を示しうる。

0073

患者から以前に採取した生体試料と比較して生体試料中で増加しているセプラーゼの量は、前記患者におけるがん疾患の、進行、否定的経過、例えば処置不成功再発若しくは転移性挙動、発症、又は発症リスクを示しうる。

0074

本発明の方法の一実施形態において、セプラーゼの存在及び/又は量についてアッセイする工程は、
(i)生体試料を本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤と接触させることと、
(ii)セプラーゼ結合ペプチド若しくはセプラーゼ結合剤とセプラーゼとの複合体の形成を検出すること、及び/又は複合体の量を判定することと
を含む。

0075

本発明の方法の一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤は、少なくとも1つの検出可能な標識若しくはレポーターを含む、又は少なくとも1つの検出可能な標識若しくはレポーターにコンジュゲートしている。

0076

一実施形態において、本発明の方法は、イムノアッセイとの関連で行われる。

0077

本発明の方法の一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤は、固体支持体上に取り外し可能に又は取り外し不能に固定化される。

0078

本発明によるセプラーゼ結合化合物のセプラーゼとの結合は、例えば触媒活性阻害することによって、セプラーゼの機能に干渉することができる。更に、セプラーゼ結合化合物を治療エフェクター部分、例えば、放射標識、細胞毒細胞毒性酵素等に結合させてもよく、化合物のセプラーゼとの結合は、セプラーゼを発現する細胞、又はセプラーゼを発現する細胞に関連する細胞、特にがん細胞を選択的に標的化し、殺滅することができる。一実施形態において、前記化合物は、腫瘍細胞増殖を低減させる及び/又は腫瘍細胞死を誘導するため、腫瘍阻害効果又は腫瘍破壊効果を有する。したがって、本明細書に記載のセプラーゼ結合化合物を治療に、特に、がん疾患の予防的及び/又は治療的処置のために、使用することができる。

0079

本発明の方法を使用する上記のがん疾患の陽性診断は、本明細書に記載の処置方法に適しているがん疾患を示しうる。

0080

したがって、本発明の別の目的は、がん疾患の治療的及び/又は予防的処置のための手段及び方法を提供することである。

0081

本発明は、本発明のセプラーゼ結合ペプチド、本発明のセプラーゼ結合剤、本発明の組換え核酸、又は本発明の宿主細胞を含む、医薬組成物を提供する。

0082

本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含むことがあり、本明細書に記載の更なる物質任意選択で含むことがある。

0083

本発明は、治療に使用するための、特に、患者のがんの処置又は予防に使用するための、本発明のセプラーゼ結合ペプチド、本発明のセプラーゼ結合剤、本発明の組換え核酸、本発明の宿主細胞、又は本発明の医薬組成物を提供する。

0084

本発明は、患者のがんの標的化に使用するための、本発明のセプラーゼ結合ペプチド又は本発明のセプラーゼ結合剤を提供する。

0085

本発明は、患者を処置する方法であって、本発明のセプラーゼ結合ペプチド、本発明のセプラーゼ結合剤、本発明の組換え核酸、本発明の宿主細胞、又は本発明の医薬組成物を患者に投与する工程を含み、好ましくは、患者ががんに罹患している又はがんを発症するリスクがある、方法を提供する。

0086

上記態様の一実施形態において、セプラーゼ結合ペプチド又はセプラーゼ結合剤は、少なくとも1つの治療エフェクター部分を含む、又は少なくとも1つの治療エフェクター部分にコンジュゲートしている。

0087

上記態様の一実施形態において、がんは、セプラーゼ陽性である、及び/又はセプラーゼを発現する細胞に関わる。一実施形態において、細胞は、がん関連線維芽細胞である。

0088

本発明の全ての態様によると、がんは、乳がん、肺がん(pulmonary若しくはlung cancer)、例えば非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸直腸がん、結腸がん、食道がん、頭頸部がん、胃がん、胆管がん、膵臓がん、腎臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、膀胱がん、子宮内膜がん又は前立腺がんからなる群から好ましくは選択される。

0089

本発明の全ての態様によると、セプラーゼは、好ましくは、配列表の配列番号3若しくは4によるアミノ酸配列、又は前記アミノ酸配列のバリアントを含む。

0090

一態様において、本発明は、本明細書に記載の処置方法に使用するための、本明細書に記載の薬剤を提供する。一実施形態において、本発明は、本明細書に記載の処置方法に使用するための、本明細書に記載の医薬組成物を提供する。

0091

本明細書に記載の処置は、外科切除及び/又は放射線及び/又は旧来の化学療法と併用することができる。

0092

本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになる。

実施例

0093

本発明を以下に詳細に説明するが、本明細書に記載の特定の方法論プロトコル及び試薬は変わることがあるので、本発明がこれらに限定されないことを理解されたい。本明細書において使用する専門用語が、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲によってのみ限定さる本発明の範囲を限定することを意図したものでないことも、理解されたい。別段の定義がない限り、本明細書において使用する全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。

0094

以下で本発明の要素を説明する。具体的な実施形態を用いてこれらの要素を収載するが、これらを任意の様式及び任意の数で組み合わせて追加の実施形態を創出することができることを理解すべきである。様々に記載する例及び好ましい実施形態が、明示的に記載する実施形態のみに本発明を限定すると、解釈すべきでない。明示的に記載する実施形態を任意の数の開示する及び/又は好ましい要素と組み合わせる実施形態が、この説明によって裏づけられ、包含されると理解すべきである。更に、文脈上別段の指示がない限り、本出願における全ての記載要素のあらゆる順列及び組合せが本出願のこの説明によって開示されていると見なされるべきである。

0095

好ましくは、本明細書において使用する用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)」、H.G.W.Leuenberger、B. Nagel、及びH. Kolbl編、Helvetica Chimica Acta、CH-4010 Basel、Switzerland、(1995)に記載されている通りに定義する。

0096

別段の指示がない限り、本発明の実施には当分野の文献において説明されている化学生化学細胞生物学免疫学及び組換えDNA技術の従来の方法を用いる(例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、J. Sambrookら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press社、Cold Spring Harbor 1989を参照されたい)。

0097

文脈上別段の要求がない限り、本明細書及び後続の特許請求の範囲全体を通して、単語「含む(comprise)」、並びに「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」等の変化形は、述べられているメンバー整数若しくは工程、又はメンバー、整数若しくは工程の群の包含を含意するが、いかなる他のメンバー、整数若しくは工程、又はメンバー、整数若しくは工程の群も除外せず、ただし、一部の実施形態において、そのような他のメンバー、整数若しくは工程、又はメンバー、整数若しくは工程の群を除外することもあり、すなわち、主題は、述べられているメンバー、整数若しくは工程、又はメンバー、整数若しくは工程の群の包含に存すると理解されたい。用語「a」及び「an」及び「the」並びに本発明を記載する文脈で(特に、特許請求の範囲の文脈で)使用する同様の言及は、本明細書中で別段の指示がない限り、又は文脈上明らかな矛盾がない限り、単数形と複数形の両方を網羅すると解釈されたい。本明細書における値の範囲の列挙は、範囲内のそれぞれの別々の値を個々に言及する省略方法としての役割を果たすことのみを意図する。本明細書中で別段の指示がない限り、それぞれの個々の値は、本明細書中に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書中で別段の指示がない限り、又は文脈上別段の明らかな矛盾がない限り、適するいかなる順序で行ってもよい。本明細書中で提供する任意の及び全ての例、又は例示的な言葉(例えば、「等(such as)」)の使用は、本発明をより良好に例示することを意図したものに過ぎず、別様に特許請求の範囲に記載する本発明の範囲に制限を課さない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な任意の非特許請求要素を示すと解釈されるべきでない。

0098

本明細書の本文全体を通して、幾つかの文献を引用している。本明細書に引用する文献(全ての特許、特許出願、科学的出版物製造業者仕様書説明書等を含む)のそれぞれは、上記であるか下記であるかを問わず、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている。本明細書中にいかなるものも、先行発明に基づいて本発明がそのような開示に先行する権利を有さないという承認として解釈されるべきでない。

0099

本発明は、セプラーゼ結合化合物又はセプラーゼ結合剤、例えば、セプラーゼ結合ペプチド、又は1つ若しくは複数のセプラーゼ結合ペプチドを含む薬剤に関する。

0100

線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPα)又は170kDa黒色腫膜結合ゼラチナーゼとしても公知のセプラーゼは、ヒトではFAP遺伝子によってコードされているタンパク質である。このタンパク質は、ゼラチナーゼ活性を有すると証明されている、膜内在性セリンペプチダーゼである。

0101

セプラーゼは、2つの97kDaサブユニットからなる、タンパク質分解活性170kDaホモ二量体として作用するようである。それは、グループII型膜内在性セリンプロテアーゼのメンバーであり、このグループは、ジペプチジルペプチダーゼIV (DPP IV/CD26)及び関連II型膜貫通プロリルセリンペプチダーゼを含み、細胞表面で作用機序を発揮する。セプラーゼは、S9Bプロリルオリゴペプチダーゼサブファミリーのメンバーである。S9Bサブファミリーの他のメンバーは、DPP IV、DPP8及びDPP9である。

0102

セプラーゼは、DPP IVと最も密接な関連があり、それらは、それらのアミノ酸の約50%を共有する。DPP IV及びセプラーゼは、互いと複合体を形成する及び他の膜結合分子と相互作用するそれらの能力に起因して、複数の機能を示す。

0103

セプラーゼは、腫瘍進行において二重の機能を有する。セプラーゼのタンパク質分解活性は、細胞外マトリックスへの細胞侵入性を促進することが証明されており、腫瘍成長及び増殖を支持することも証明されている。それは、上皮がん反応性間質線維芽細胞、創傷治癒肉芽組織、並びに骨及び軟部組織肉腫の悪性細胞において選択的に発現される。セプラーゼ発現は、ヒトの全ての癌腫の90%より多くの活性化間質線維芽細胞上で見られる。間質線維芽細胞は、癌腫の発生、成長及び転移に重要な役割を果す。

0104

本発明によると、用語「セプラーゼ」は、好ましくはヒトセプラーゼに関する。

0105

好ましくは、用語「セプラーゼ」は、配列表の配列番号1若しくは2の核酸配列又は前記核酸配列のバリアントを含む、好ましくはそれらからなる、核酸、及びこの核酸によってコードされるタンパク質、好ましくは、配列表の配列番号3若しくは4のアミノ酸配列又は前記アミノ酸配列のバリアントを含む、好ましくはそれらからなる、タンパク質に関する。

0106

セプラーゼのアミノ酸配列は、6アミノ酸の細胞質側末端に20アミノ酸の膜貫通ドメインそして734アミノ酸の細胞外ドメインが続く、II型膜内在性タンパク質を予示する。カルボキシル末端は、非古典的セリンプロテアーゼジペプチジルペプチダーゼIV (DPP IV)のものと相同(同一性68%)である推定的触媒領域(約200アミノ酸)を含有する。保存セリンプロテアーゼモチーフG-X-S-X-Gは、G-W-S-Y-Gとして存在する。

0107

セプラーゼは、様々な起源のがん、例えば、乳がん、肺がん(pulmonary若しくはlung cancer)、例えば非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸直腸がん、結腸がん、食道がん、頭頸部がん、胃がん、胆管がん、膵臓がん、腎臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、膀胱がん、子宮内膜がん又は前立腺がんにおいて発現される。セプラーゼは、原発性腫瘍及び転移の診断、予防及び/又は処置の有用な標的である。

0108

本発明のセプラーゼ結合剤は、セプラーゼと結合する能力、すなわち、セプラーゼ中に存在するエピトープと、好ましくは、セプラーゼの細胞外ドメイン内に位置するエピトープと、特に、セプラーゼのアミノ酸27〜760位と、結合する能力を有する。特定の実施形態において、本発明のセプラーゼ結合剤は、DPP IV上に存在しない、セプラーゼ上のエピトープと結合する。

0109

セプラーゼ結合剤は、好ましくは、セプラーゼと結合するがDPP IVとは結合しない。好ましくは、セプラーゼ結合剤は、セプラーゼに特異的である。好ましくは、セプラーゼ結合剤は、細胞表面で発現されるセプラーゼと結合する。特定の好ましい実施形態において、セプラーゼ結合剤は、生存細胞の表面に存在するセプラーゼのネイティブエピトープと結合する。

0110

用語「エピトープ」は、結合剤によって認識される分子の一部又は一部分を指す。例えば、エピトープは、結合剤によって認識される、分子上の個々の三次元部位である。エピトープは、アミノ酸又は糖側鎖等の分子の化学的に活性な表面集団から通常はなり、特異的三次元構造特性はもちろん、特異的電荷特性も通常は有する。高次構造エピトープと非高次構造エピトープは、後者とではなく前者との結合が変性溶媒の存在下で失われることで区別される。タンパク質のエピトープは、好ましくは、前記タンパク質の連続又は不連続部分を含み、長さが好ましくは5〜100アミノ酸の間、好ましくは5〜50アミノ酸の間、より好ましくは8〜30アミノ酸の間、最も好ましくは10〜25アミノ酸の間であり、例えば、エピトープは、好ましくは、長さが8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25アミノ酸でありうる。

0111

本発明によると、用語「セプラーゼ結合剤」又は「セプラーゼ結合化合物」は、セプラーゼとの結合能力を有する任意の化合物(分子の複合体を含む)を含む。好ましくは、そのような結合剤は、本発明の少なくとも1つのセプラーゼ結合ペプチドである、又は本発明の少なくとも1つのセプラーゼ結合ペプチドを含む。セプラーゼ結合剤が、本発明の少なくとも2つの(同一であっても異なっていてもよい)セプラーゼ結合ペプチドを含む場合、これらのペプチドは、共有結合的に又は非共有結合的に会合している(すなわち、結合している)ことがある。セプラーゼ結合剤は、任意の他の化合物又は部分、例えば、標識又は治療エフェクター部分と、共有結合的に又は非共有結合的に会合している1つ又は複数のセプラーゼ結合ペプチドを含むこともある。

0112

本発明によると、薬剤は、標準的なアッセイにおいて、所定の標的に対して有意な親和性を有し、前記所定の標的と結合する場合、前記所定の標的、例えばセプラーゼ、と結合することができる。「親和性」又は「結合親和性」は、平衡解離定数(KD)によって測定されることが多い。好ましくは、用語「有意な親和性」は、10-5M以下、10-6M以下、10-7M以下、10-8M以下、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、又は10-12M以下の解離定数(KD)での所定の標的との結合を指す。

0113

薬剤は、標準的なアッセイにおいて、標的に対して有意な親和性を有さず、前記標的に有意に結合しない、特に、検出可能に結合しない場合、前記標的と(実質的に)結合することができない。好ましくは、薬剤は、最大で2、好ましくは10、より好ましくは20、特に、50又は100μg/ml又はそれ超の濃度で存在する場合、前記標的と検出可能に結合しない。好ましくは、薬剤は、薬剤が結合することができる所定の標的との結合についてのKDより少なくとも10倍、102倍、103倍、104倍、105倍、又は106倍高いKDで標的と結合する場合、前記標的に対して有意な親和性を有さない。例えば、薬剤が結合できる標的との薬剤の結合についてのKDが10-7Mである場合、薬剤が有意な親和性を有さない標的との結合についてのKDは、少なくとも10-6M、10-5M、10-4M、10-3M、10-2M、又は10-1Mになる。

0114

本発明によると、用語「結合(binding)」は、好ましくは、特異的結合に関する。

0115

「有意な結合」は、薬剤が、特異的である標的と、別の標的との結合と比較して強く結合することを意味する。第2の標的についての解離定数(KD)より低い解離定数で第1の標的と結合する場合、薬剤は、第2の標的と比較して第1の標的と強く結合する。好ましくは、薬剤が特異的に結合する標的についての解離定数(KD)は、薬剤が特異的に結合しない標的についての解離定数(KD)より、102倍、103倍、104倍、105倍、106倍、107倍、108倍、109倍、又は1010倍を超えて低い。

0116

好ましくは、薬剤は、所定の標的と結合することができるが、他の標的と結合することができない、すなわち、標準的なアッセイにおいて他の標的に対して有意な親和性を有さず、他の標的と有意に結合しない場合、前記所定の標的に特異的である。本発明によると、薬剤は、セプラーゼと結合することができるが、DPP IV等の他の標的と(実質的に)結合することができない場合、セプラーゼに特異的である。好ましくは、薬剤は、そのような他の標的に対する親和性及び結合が、セプラーゼとは無関係のタンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインヒト血清アルブミン(HSA)、又は非セプラーゼ膜貫通タンパク質、例えばMHC分子若しくはトランスフェリン受容体、又は任意の他の特定ポリペプチド、との親和性又はそれらとの結合を有意に上回らない場合、セプラーゼに特異的である。好ましくは、薬剤が特異的でない標的との結合についてのKDより少なくとも102倍、103倍、104倍、105倍、106倍、107倍、108倍、109倍、又は1010倍低いKDで所定の標的と結合する場合、薬剤は、前記標的に特異的である。

0117

薬剤の標的との結合は、任意の適する方法を使用して実験により判定することができる。例えば、Berzofskyら、「Antibody-Antigen Interactions」In Fundamental Immunology、Paul, W. E.編、Raven Press社 New York、N Y (1984)、Kuby、Janis Immunology、W. H. Freeman and Company社 New York、N Y (1992)、及び本明細書に記載の方法を参照されたい。親和性は、従来の技術を使用して、例えば、平衡透析によって、製造業者により概説された一般手順を使用して表面プラズモン共鳴分析(例えばBiacore)を使用することによって、放射標識された標的抗原を使用するラジオイムノアッセイによって、又は当業者に公知の別の方法によって、容易に判定することができる。親和性データは、例えば、Scatchardら、Ann N.Y. Acad. ScL、51:660頁(1949)の方法によって分析することができる。特定の相互作用について測定された親和性は、異なる条件、例えば塩濃度、pH下で測定すると、変動しうる。したがって、親和性及び他の結合パラメーター、例えば、KD、IC50の測定は、結合剤及び標的の標準化された溶液、並びに標準化された緩衝液を用いて行うのが好ましい。

0118

本発明によると、用語「セプラーゼ陽性がん」又は類似の用語は、セプラーゼに関わる又はセプラーゼに関連するがん、特に、セプラーゼを発現する細胞、好ましくは細胞の表面で発現するセプラーゼに関わるがんを意味する。

0119

本発明によると、がんは、セプラーゼが前記がんに空間的につながっている場合、特に、セプラーゼが前記がん中に存在する場合、セプラーゼに関わる又は関連する。好ましくは、セプラーゼに関わる又は関連するがんは、セプラーゼを発現する細胞、好ましくは前記細胞の表面で発現するセプラーゼを含有する。前記細胞は、がん細胞であってもがんに関連する細胞、例えば、線維芽細胞、特に、がん関連線維芽細胞であってもよい。

0120

「細胞表面」は、当技術分野におけるその通常の意味に従って使用しており、したがって、タンパク質及び他の分子による結合に利用可能である細胞の外側を含む。

0121

セプラーゼは、細胞の表面に位置すると前記細胞の表面で発現され、その細胞に添加されるセプラーゼ特異的薬剤による結合に利用可能である。

0122

本発明に関して用語「細胞外ドメイン」は、細胞の細胞外空間に面している、及び好ましくは、前記細胞の外部から、例えば細胞の外部に位置する抗体等の結合剤が、到達可能である、タンパク質等の分子の一部分を指す。好ましくは、この用語は、1つ若しくは複数の細胞外ループ若しくはドメイン又はそれらの断片を指す。

0123

用語「一部」又は「断片」は、本明細書では互換的に使用しており、連続要素を指す。タンパク質配列の一部又は断片は、好ましくは、タンパク質配列の連続した少なくとも6、特に、少なくとも8、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50又は少なくとも100アミノ酸を含む。

0124

用語「一部分」は、連続及び/又は不連続要素を指す。タンパク質配列の一部分は、好ましくは、タンパク質配列の連続した及び/又は連続していない少なくとも6、特に、少なくとも8、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50又は少なくとも100アミノ酸を含む。

0125

本発明によると、セプラーゼは、発現レベルが検出限界より下である場合、及び/又は発現レベルが低すぎて細胞に添加されたセプラーゼ特異的結合剤による結合を可能にしない場合、細胞において(実質的に)発現されない。

0126

本発明によると、セプラーゼは、発現レベルが検出限界より上である場合、及び/又は発現レベルが、細胞に添加されたセプラーゼ特異的結合剤による結合を可能にするのに十分な高さである場合、細胞において発現される。好ましくは、細胞において発現されるセプラーゼは、前記細胞の表面で発現される、又は前記細胞の表面に露出している。

0127

シスチンノットは、少なくとも3つのジスルフィド架橋(システイン分子のペアから形成されたもの)を含有するタンパク質構造モチーフである。それは、2つのジスルフィド結合及びそれらの連結主鎖セグメントによって形成された、埋め込まれた環を含み、第3のジスルフィド結合がその環を通り抜けている。この構造は、好ましくは、ベータ-シート構造と会合している。シスチンノットを含有するペプチドは、好ましくは25〜60、好ましくは25〜50又は25〜40アミノ酸残基長である。

0128

シスチンノットは、多くの種にわたって多くのペプチド又はタンパク質中に存在し、かなりの構造安定性をもたらす。ジスルフィド結合のトポロジーが異なる3タイプのシスチンノットがある:成長因子シスチンノット(GFCK)、阻害剤シスチンノット(ICK)、及び環状シスチンノット、又はシクロチド。

0129

阻害剤シスチンノット(ICK)又はノッチンは、3つのジスルフィド架橋を含有するタンパク質構造モチーフである。(第1のシステインと第4のシステイン、及び第2のシステインと第5のシステインを、それぞれ連結する)2つのジスルフィドは、それらの間のポリペプチドセクションと共にループを形成し、このループを(配列中、第3のシステインと第6のシステインを連結する)第3のジスルフィド結合が貫通しており、その結果、ノットになる。このモチーフは、クモ類及び軟体動物からのもの等の無脊椎動物毒素によく見られる。このモチーフは、植物に見られる一部の阻害剤タンパク質にも見られる。

0130

したがって、本発明によると、ICKモチーフは、2つのシステイン間主鎖セグメントと、それらの連結ジスルフィド結合、CysI-CysIV及びCysII-CysVとを含み、これらが環を形成し、その環に第3のジスルフィド結合、CysIII-CysVI、が貫通している。

0131

ICKモチーフは、環状シスチンノット又はシクロチドに類似しているが、後者ファミリーに存在するポリペプチド主鎖の環化を欠く。成長因子シスチンノット(GFCK)は、モチーフを共有するが、そのトポロジーは、(第2のシステインと第5のシステインの間及び第3のシステインと第6のシステインの間にそれぞれ形成される)ループを通り抜ける、第1のシステインと第4のシステインの間の結合であるようなトポロジーである。

0132

シクロチドは、2つの主要構造サブファミリーに分類される。メビウス型シクロチド(Moebius cyclotide)、2つのうち頻度が低い方は、局所的な180°の主鎖のねじれを誘導するシス-プロリンをループ5に含有するが、ブレスレット型シクロチド(bracelet cyclotide)は含有しない。トリプシン阻害剤シクロチドは、配列多様性及び天然の活性に基づいて、それらの独自のファミリーに分類される。トリプシン阻害剤シクロチドは、ノッチン又は阻害剤シスチンノットとして公知のカボチャ植物からの非環状トリプシン阻害剤のファミリーとの相同性が、他のシクロチドとの相同性より高い。

0133

MCoTI-I及びMCoTI-IIは、瓢箪(spinal gourd)ナンバンカラスウリの種子からの天然ポリペプチドである。これらのポリペプチドは、トリプシン様プロテアーゼの阻害剤であり、アミノ末端とカルボキシ末端を連結する追加のループと3つの保存ジスルフィド結合の結び目のある配置とを含有する。シスチンノットは、3つの分子内ジスルフィド結合によって規定され、直鎖状ペプチド配列のCysICysIV及びCysII-CysVが環を形成し、この環に第3のジスルフィド結合、CysIII-CysVI、が貫通している。この配置は、並外れた熱及びタンパク質分解安定性を示す、明確に定義されており極めて安定している足場を提供する。構造的類似性及び共通の生物活性、すなわち、トリプシンファミリーのプロテアーゼの阻害に起因して、MCoTI-I及びMCoTI-IIは、低分子プロテアーゼ阻害剤カボチャ阻害剤シスチン-ノット(ICK)ファミリーに分類されている。このファミリーのメンバーは、シスチン-ノットフレームワークを生じさせるように3つの分子内ジスルフィド結合によって一緒に保持されている、小さい3本鎖β-シート及び短い310ヘリックスを形成する鎖式分子である。MCoTI-I及びMCoTI-IIは、環状であるカボチャ阻害剤の大きいファミリーの唯一の公知メンバーである。環化ループを欠くMCoTI-IIの鎖式バリアントが合成されている。

0134

本発明によると、本明細書に記載のペプチドを、当技術分野において周知である化学合成方法によって、単離されたペプチドとして、又は別のペプチド若しくはポリペプチドの一部として、合成的に産生させることができる。或いは、ペプチドを産生する微生物においてペプチドを産生させることができ、その後、そのペプチドを単離し、必要に応じて更に精製する。したがって、ペプチドを、微生物、例えば、細菌、酵母若しくは真菌において、真核細胞、例えば、哺乳動物若しくは昆虫細胞において、又は組換えウイルスベクター、例えば、アデノウイルスポックスウイルスヘルペスウイルスセムリキ森林ウイルスバキュロウイルスバクテリオファージシンドビスウイルス、若しくはセンダイウイルスにおいて産生させることができる。ペプチドの産生に適する細菌としては、大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、又はペプチドを発現することができる任意の他の細菌が挙げられる。ペプチドの発現に適する酵母型としては、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、カンジダ属(Candida)、又はペプチドを発現することができる任意の他の酵母が挙げられるが、これらに限定されない。上述の細菌、組換えウイルスベクター、真核細胞を使用してペプチドを産生させる方法は、当技術分野において公知である。

0135

ペプチドを産生させるために、ペプチドをコードする核酸は、好ましくはプラスミド内にあり、核酸は、微生物においてペプチドを発現させるプロモーター作動可能に連結されている。適するプロモーターとしては、T7ファージプロモーター、T3ファージプロモーター、β-ガラクトシダーゼプロモーター、及びSp6ファージプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドを単離及び精製する方法は当技術分野において周知であり、ゲル濾過アフィニティークロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィー又は遠心分離等の方法を含む。

0136

本発明のペプチドをそれ自体で又は融合ペプチドの一部として、異種ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートさせることができる。そのような異種タンパク質としては、ウシ血清アルブミン(BSA)等の担体タンパク質、及びホースラディッシュペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼを含むがこれらに限定されないレポーター酵素が挙げられるが、それらに限定されない。更に、ペプチド、又はペプチドを含む融合ペプチドを、蛍光レポーター分子に化学的にコンジュゲートさせることができ、蛍光レポーター分子としては、フルオレセイン又はR-フィコエリトリンが挙げられるが、これらに限定されない。担体タンパク質、酵素及び蛍光レポーター分子をペプチド及び融合ペプチドにコンジュゲートさせる方法は、当技術分野において周知である。

0137

ペプチドの単離を助長するために、融合ポリペプチド簡易回収、例えば、アフィニティークロマトグラフィー又は金属アフィニティークロマトグラフィー、好ましくはニッケルアフィニティークロマトグラフィーによるその単離を可能にする異種タグ、例えば、異種ポリペプチド又はポリヒスチジン、好ましくは6ヒスチジン残基、にペプチドが翻訳的に融合されている(共有結合的に連結されている)、融合ポリペプチドを製造することができる。場合によっては、精製後にタグを除去することが望ましいこともある。そのために、融合ポリペプチドがペプチドと異種タグの間の接合部に切断部位を含むことも企図している。切断部位は、その部位においてそのアミノ酸配列に特異的な酵素で切断されるアミノ酸配列からなる。

0138

本明細書に記載のセプラーゼ結合剤は、セプラーゼ又はセプラーゼ抗体の存在又は量をアッセイするためのアッセイに使用することができる。そのようなアッセイは、免疫検出を含むがこれに限定されない多数の方法で行うことができ、ELISA、特にペプチドELISA、競合結合アッセイRIA等を含む。本発明の方法は、セプラーゼ又はセプラーゼ抗体の定量的及び/又は定性的評価、例えば、絶対及び/又は相対評価を可能にする。

0139

一般に、アッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)実施形態を使用して行われる。

0140

本明細書において使用する用語「酵素結合免疫吸着アッセイ又はELISA」は、マルチウェルプレート形式(通常は1プレート当り96ウェル)で試料、例えば、血漿血清又は細胞/組織抽出物からのタンパク質濃度を定量的に又は半定量的に判定する方法に関する。おおまかに言えば、溶液中のタンパク質をELISAプレート吸着させる。目的のタンパク質に特異的な抗体を使用して、プレートをプローブしてもよい。バックグラウンドを(IHCの場合と同様に)ブロッキング及び洗浄方法の最適化によって最小化し、特異性を陽性及び陰性対照の存在によって保証する。検出方法は、通常は、比色分析又は化学発光に基づく。

0141

第1のウェル又は一連のウェルが、ウェルの表面に固定化されたセプラーゼに対するモノクローナル抗体を収容している、複数のウェルを含有するマイクロタイタープレートを用意してもよい。結合されたモノクローナル抗体を収容しているウェルに試料を添加してもよい。試料中のセプラーゼは、モノクローナル抗体と結合する。抗体複合体が形成するのに十分な時間、ELISAをインキュベートする。本発明のペプチドを更に添加してもよい。ペプチドは、融合ポリペプチドの一部であってもよい。その後、ウェルを洗浄して一切の未結合材料を除去する。次いで、ウェルを標識された抗体、又は融合ポリペプチドと結合して検出することができる複合体を形成するレポーター分子にコンジュゲートされた抗体と共にインキュベートしてもよい。標識又はレポーターからの検出可能なシグナルは、試料がセプラーゼを含有することを示す一方で、シグナルの不在は、試料がセプラーゼを含有しないことを示しうる。融合ポリペプチドが、標識又はレポーター分子、例えば、レポーター酵素、例えばアルカリホスファターゼを含む場合、標識された抗体を必要とせずに抗体複合体を直接検出することができる。

0142

或いは、第1のウェル又は一連のウェルが、ウェルの表面に固定化された担体タンパク質又は融合ポリペプチドにコンジュゲートされていてよい本発明のペプチドを収容している、複数のウェルを含有するマイクロタイタープレートを用意してもよい。結合されたペプチドを収容しているウェルに試料を添加してもよい。試料中のセプラーゼ、及びウェル表面と結合しているペプチドを、複合体が形成するのに十分な時間インキュベートする。その後、ウェルを洗浄して一切の未結合材料を除去する。ウェルを標識された抗体、又はセプラーゼと結合して検出することができる複合体を形成するレポーター分子にコンジュゲートされた抗体と共にインキュベートすることによって、ウェル内に固定化されたペプチドと結合しているセプラーゼの量を判定する。レポーターからの検出可能なシグナルは、セプラーゼを含有する試料を示す一方で、シグナルの不在は、試料がセプラーゼを含有しないことを示す。シグナルの強度によって、試料中のセプラーゼの濃度の推定値を得ることができる。

0143

本発明によると、アッセイすべきセプラーゼを細胞の表面で発現させることができる。

0144

本発明のペプチドは、セプラーゼに対する抗体の存在を検出する方法にも使用することができる。これらの方法を実施するのに適しているイムノアッセイの設計は多大に変更されることがあり、様々なこれらのイムノアッセイが当技術分野において公知である。適するイムノアッセイプロトコルは、例えば、競合、又は直接反応、又はサンドイッチ型アッセイに基づくことがある。使用するイムノアッセイプロトコルは、例えば、固体支持体を使用することもあり、又は免疫沈降によることもある。アッセイは、標識されたペプチドの使用を含むことがあり、その標識は、例えば、蛍光、化学発光、放射性又は色素分子であってもよい。特定の好ましいアッセイは、酵素標識及び媒介性イムノアッセイ、例えばELISAアッセイである。

0145

したがって、ペプチドをELISAアッセイ等のアッセイで使用して、試料中のセプラーゼに対する抗体を判定することもできる。このために、ELISAプレートのウェルをペプチドでコーティングしてもよい。セプラーゼ、及びウェル表面に結合されたペプチドを、複合体が形成するのに十分な時間インキュベートしてもよい。その後、血漿等の試料を添加してもよく、セプラーゼ特異的抗体(一次抗体)の検出を、一次抗体に対する標識された二次抗体を用いて行ってもよい。

0146

本明細書に記載するようにアッセイ試薬として使用する場合、本発明のペプチドを標識にコンジュゲートさせてもよい。

0147

本発明によると、標識は、その存在を容易に検出することができる任意の実体である。好ましくは、標識は、直接標識である。直接標識は、それらの天然の状態で、肉眼で容易に見える、又は光学フィルター及び/若しくは印加刺激、例えば、蛍光を促進するためのUV線活用して容易に見える、実体である。例としては、放射性化合物化学発光化合物電気活性化合物(例えば、レドックス標識)、及び蛍光化合物が挙げられる。直接微粒子状標識、例えば、染料ゾル金属ゾル(例えば金)及び着色ラテックス粒子も、非常に適しており、蛍光化合物と共に好ましい。これらの選択肢のうち、着色ラテックス粒子及び蛍光化合物が最も好ましい。小領域又は体積への標識の濃縮は、容易に検出できるシグナル、例えば、極めて色の濃いエリアを生じさせるはずである。間接標識、例えば、酵素、例えばアルカリホスファターゼ及びホースラディッシュペルオキシダーゼも使用することができるが、これらは通常、基質等の1つ又は複数の現像試薬の添加を必要とし、その後、可視シグナルを検出することができる。

0148

本発明によると、標識は、(i)検出可能なシグナルを提供するように、(ii)第1又は第2の標識、例えば、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)によって提供される検出可能なシグナルを修飾するように第2の標識と相互作用するように、(iii)電荷、疎水性、形状若しくは他の物理的パラメーターによって移動度、例えば、電気泳動移動度に影響を与えるように、又は(iv)捕捉部分、例えば、親和性、抗体/抗原若しくはイオン性複合体化をもたらすように、機能することができる。標識として適しているのは、蛍光標識発光標識発色団標識、放射性同位体標識、同位体標識、好ましくは安定した同位体標識、等圧標識、酵素標識、粒子標識、特に金属粒子標識、磁性粒子標識、ポリマー粒子標識、小有機分子、例えばビオチン、受容体のリガンド、又は結合分子、例えば細胞接着タンパク質若しくはレクチン、結合剤の使用によって検出することができる核酸及び/又はアミノ酸残基を含む標識-配列、等のような構造である。標識は、非限定的に、硫酸バリウムヨーセタム酸イオパノ酸、イポダートカルシウム、ジアトリゾ酸ナトリウム、ジアトリゾ酸メグルミンメトリザミド、チロパノ酸ナトリウム、及び放射性診断用のものを含み、放射性診断用のものとしては、陽電子放射体、例えば、フッ素-18及び炭素-11、ガンマ放射体、例えば、ヨウ素-123、テクネチウム-99m、ヨウ素-131及びインジウム-111、核磁気共鳴用の核種、例えば、フッ素及びガドリニウムが挙げられる。好ましい実施形態において、標識は、セプラーゼ結合剤と結合されたDOTA (1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)等のリガンドと複合体化することができる放射性核種、例えば、ルテチウム-177又はガリウム-68を含む。

0149

本発明のペプチドへの標識のコンジュゲーションは、共有結合若しくは非共有結合(疎水性結合を含む)によることも又は吸着によることもある。そのようなコンジュゲーションのための技術は、当技術分野では当たり前のことであり、用いる特定の試薬に容易に適応させることができる。

0150

本明細書において使用する用語「試料」は、患者から単離して分析のために使用することができる、任意の生体試料を含む。前記試料は、体液試料組織試料、又は細胞試料であってよい。例えば、本発明によって包含される試料は、組織(例えば、切片又は外植片)試料、単一細胞試料、細胞コロニー試料、細胞培養試料、血液(例えば、全血又は血液画分、例えば血液細胞画分、血漿若しくは血清)試料、尿試料、又は他の末梢源からの試料である。前記試料は、混合又はプールされていてもよく、例えば、試料は、血液試料と尿試料の混合物であってもよい。前記試料を、患者から体液、細胞、細胞コロニー、外植片又は切片を取り出すことによって用意してもよいが、以前に単離された試料を使用することによって用意してもよい。例えば、従来の生検技術によって患者から組織試料を取り出してもよく、又は従来の採血技術によって患者から血液試料を採取してもよい。試料、例えば組織試料又は血液試料は、患者から治療的処置の開始前、治療的処置中、及び/又は治療的処置後に得てもよい。

0151

一実施形態において、試料は、体液試料である。本明細書において使用する用語「体液試料」は、患者の身体から得た任意の液体試料を指す。前記体液試料は、血液試料、尿試料、試料、母乳試料、脳脊髄液(CSF)試料、耳垢(くそ)試料、内リンパ試料、外リンパ試料、胃液試料、粘液試料、腹水試料、胸膜液試料、唾液試料皮脂(皮膚の油)試料、精液試料汗試料試料、膣分泌液試料又は嘔吐物試料(これらの成分又は画分を含む)でありうる。前記体液試料は、混合又はプールされていてもよい。したがって、体液試料は、血液試料と尿試料の混合物、又は血液試料と脳脊髄液試料の混合物であってよい。前記体液試料を、患者から体液を取り出すことによって用意してもよいが、以前に単離された体液試料物質を使用することによって用意してもよい。好ましい一実施形態において、試料は、全血試料、又は血液画分試料、例えば、血液細胞画分、血清若しくは血漿試料である。

0152

一実施形態において、生体試料は、がん等の疾患に冒されている疑いがある組織から得た試料である。一実施形態において、生体試料は、腫瘍試料、例えば、腫瘍から得た、腫瘍細胞を含む試料である。本発明によると、用語「生体試料」は、処理された生体試料、例えば、生体試料の画分又は単離物、例えば、核酸及びペプチド/タンパク質単離物も含む。

0153

本発明によると、参照試料又は参照生物等の「参照物」は、本発明の方法で被検試料又は被検生物、すなわち患者から得た結果を相関させる及び比較するために使用することができる。通常は、参照生物は、健常生物、特に、腫瘍疾患に罹患していない生物である。

0154

基準値」又は「基準レベル」は、十分多数の参照物を測定することによって実験により参照物から決定することができる。好ましくは、基準値は、少なくとも2、好ましくは少なくとも3、好ましくは少なくとも5、好ましくは少なくとも8、好ましくは少なくとも12、好ましくは少なくとも20、好ましくは少なくとも30、好ましくは少なくとも50、又は好ましくは少なくとも100の参照物を測定することによって決定される。

0155

本明細書において使用する「低減させる」、「減少させる」又は「阻害する」は、レベルの、例えば、発現レベルの又は細胞の増殖レベルの、好ましくは5%以上、10%以上、20%以上、より好ましくは50%以上、及び最も好ましくは75%以上の、総合的減少、又は総合的減少を引き起こす能力を意味する。生体試料等の被検試料中の物質の量は、参照試料中でその物質を検出できるが被検試料中にはない又は検出できない場合も、参照試料と比較して低減されている。

0156

「増加させる」又は「増強する」等の用語は、好ましくは、約少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、よりいっそう好ましくは少なくとも80%、及び最も好ましくは少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%、少なくとも1000%、少なくとも10000%又は更にはそれを超える増加又は増強に関する。生体試料等の被検試料中の物質の量は、被検試料中でその物質を検出できるが参照試料中にはない又は検出できない場合も、参照試料と比較して増加されている。

0157

本発明のペプチド等のセプラーゼ結合剤を固体支持体、例えば、イムノアッセイウェル若しくは尿試験紙の表面と結合しても、及び/又はキットの適する容器内に適する試薬、対照、説明書等と共に包装してもよい。

0158

したがって、本発明は、本発明の少なくとも1つのセプラーゼ結合剤を含むキットも提供する。好ましい実施形態において、キットは、少なくとも1つの追加の薬剤、例えば、イムノアッセイを行うための1つ若しくは複数の適する試薬、対照、又はキットの使用説明書を更に含む。

0159

本発明によると、本発明の少なくとも1つのセプラーゼ結合剤を含むアッセイデバイスが更に提供される。一実施形態において、アッセイデバイスは、酵素結合免疫吸着アッセイデバイスからなる群から選択される。

0160

そのようなデバイスは様々な形態をとることができ、行われるアッセイのまさにその性質に依存してそれを変更することができる。例えば、本発明のペプチドを固体支持体、典型的には、ニトロセルロース又は他の疎水性多孔質材料上にコーティングしてもよい。或いは、ペプチドを合成プラスチック材料マイクロタイターアッセイプレートマイクロアレイチップラテックスビーズセルロース系又は合成ポリマー材料を含むフィルタースライドガラス又はプラスチックスライド、尿試験紙、毛細管充填デバイス等の上にコーティングしてもよい。これらの表面へのペプチドのコーティングは、当技術分野において公知の方法によって遂行することができる。タンパク質担体は、概して複合体化に使用され、BSA又は接着性ペプチドが最も好ましい。一実施形態において、本発明のペプチドは、固体支持体上に取り外し可能に固定化されている。更なる好ましい実施形態において、本発明のペプチドは、固体支持体上に取り外し不能に固定化されている。

0161

本明細書に記載のペプチドを、ペプチドをコードするRNA等の核酸を投与することによって、及び/又はペプチドをコードするRNA等の核酸を含む宿主細胞を投与することによって患者に送達してもよいことを理解されたい。したがって、ペプチドをコードする核酸は、患者に投与されるとき、の形態で、又はリポソーム若しくはウイルス粒子の形態等の適する送達ビヒクル中に、又は宿主細胞内に存在することもある。与えられた核酸は、長期間にわたって持続的にペプチドを産生することができる。患者に送達すべき核酸は、組換え手段によって産生させることができる。核酸が宿主細胞内に存在することなく患者に投与される場合、核酸は、好ましくは、核酸によってコードされるペプチドの発現のために患者の細胞によって取り込まれる。宿主細胞内に存在している核酸が患者に投与される場合、核酸は、好ましくは、患者内で宿主細胞によって発現されて、核酸によってコードされるペプチドを産生する。

0162

本明細書において使用する用語「核酸」は、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)、例えば、ゲノムDNA、cDNAmRNA、組換えで産生された及び化学的に合成された分子を含むことが意図される。核酸は、一本鎖状であっても二本鎖状であってもよい。RNAは、in vitroで転写されたRNA (IVTRNA)、又は合成RNAを含む。

0163

本明細書において使用する用語「RNA」は、リボヌクレオチド残基を含む分子を意味する。「リボヌクレオチド」は、ベータ-D-リボ-フラノース部分の2'位にヒドロキシル基があるヌクレオチドを意味する。この用語は、二本鎖RNA一本鎖RNA、単離されたRNA、例えば部分的に精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換えで産生されたRNAはもちろん、1つ又は複数のヌクレオチドの付加、欠失置換及び/又は変更によって天然起源のRNAとは異なる、変更されたRNAも含む。そのような変更は、例えば、RNAの末端への、又は内部への、例えば、RNAの1つ若しくは複数のヌクレオチドにおける非ヌクレオチド物質の付加を含むことができる。RNA分子中のヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド、例えば、非天然起源のヌクレオチド又は化学合成されたヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドも含むことができる。これらの変更されたRNAを、アナログ、又は天然起源のRNAのアナログと呼ぶことができる。

0164

本発明によると、用語「RNA」は、「メッセンジャーRNA」を意味する「mRNA」を含み、好ましくは「mRNA」に関し、鋳型としてDNAを使用して産生されうる「転写産物」に関し、ペプチド又はタンパク質をコードする。mRNAは5'非翻訳領域(5'-UTR)、タンパク質又はペプチドコード領域、及び3'非翻訳領域(3'-UTR)を通常は含む。本発明の一実施形態において、RNAは、in vitro転写又は化学合成によって得られる。好ましくは、mRNAは、鋳型DNAを使用するin vitro転写によって産生される。in vitro転写方法論は、当業者に公知である。例えば、市販の様々なin vitro転写キットがある。

0165

本発明に従って使用されるRNAの発現及び/又は安定性を増加させるために、好ましくは、発現されたペプチド又はタンパク質の配列を変更することなく、そのRNAを修飾することができる。

0166

RNAとの関連で本発明に従って使用する用語「修飾」は、RNA中に天然に存在しない前記RNAのあらゆる修飾を含む。

0167

本発明の一実施形態において、本発明に従って使用されるRNAは、キャップのない5'-三リン酸を有さない。そのようなキャップのない5'-三リン酸の除去は、RNAをホスファターゼで処理することによって果たすことができる。

0168

本発明によるRNAは、その安定性を増加させる及び/又は細胞毒性を減少させるために、修飾された天然起源の又は合成リボヌクレオチドを有することもある。例えば、一実施形態において、本発明に従って使用されるRNA中の5-メチルシチジンは、部分的に又は完全に、好ましくは完全に、シチジンに置換される。或いは又は加えて、一実施形態において、本発明に従って使用されるRNA中のプソイドウリジンは、部分的に又は完全に、好ましくは完全に、ウリジンに置換される。

0169

一実施形態において、用語「修飾」は、RNAに5'キャップ又は5'キャップアナログを提供することに関する。用語「5'キャップ」は、mRNA分子の5'末端に見られるキャップ構造を指し、一般に、異例の5'-5'三リン酸結合によってmRNAに連結されているグアノシンヌクレオチドからなる。一実施形態において、このグアノシンは、7位がメチル化されている。用語「従来の5'キャップ」は、天然起源のRNA 5'キャップ、好ましくは、7-メチルグアノシンキャップ(m7G)を指す。本発明に関して、用語「5'キャップ」は、RNAキャップ構造に似ており、好ましくはin vivo及び/又は細胞内で、RNAに結合するとRNAを安定化する能力を有するように修飾されている5'キャップアナログを含む。

0170

RNAへの5'キャップ又は5'キャップアナログの提供は、生成されるRNA鎖に前記5'キャップが同時転写的に組み込まれる、前記5'キャップ又は5'キャップアナログの存在下での鋳型DNAのin vitro転写によって果たされてもよく、又はRNAは、in vitro転写によって生成されてもよく、キャッピング酵素、例えば、ワクシニアウイルスのキャッピング酵素を使用して転写後にRNAに5'キャップを結合させてもよい。

0171

RNAは、更なる修飾を含むこともある。例えば、本発明において使用されるRNAの更なる修飾は、天然起源のポリ(A)尾部伸長若しくは短縮化、又は5'-若しくは3'-非翻訳領域(UTR)の変更、例えば、前記RNAのコード領域に関係のないUTRの導入、例えば、グロビン遺伝子、例えばアルファ2-グロビン、アルファ1-グロビン、ベータ-グロビン、好ましくはベータ-グロビン、より好ましくはヒトベータ-グロビン、に由来する3'-UTRの1つ若しくは複数、好ましくは2つのコピーの挿入であってもよい。

0172

本発明に関して、用語「転写」は、DNA配列内の遺伝コードがRNAに転写されるプロセスに関する。その後、RNAは、タンパク質に翻訳されることもある。本発明によると、用語「転写」は、「in vitro転写」を含み、用語「in vitro転写」は、RNA、特にmRNAが無細胞系で、好ましくは適切な細胞抽出物を使用して、in vitroで合成されるプロセスに関する。好ましくは、クローニングベクターが転写産物の生成に適用される。これらのクローニングベクターは、一般に転写ベクターとして指示され、本発明によると用語「ベクター」によって包含される。

0173

本発明によると、用語「翻訳」は、メッセンジャーRNAの鎖が、ペプチド又はタンパク質になるためのアミノ酸配列の集合を指示する、細胞のリボソームにおけるプロセスに関する。

0174

用語「発現」は、本発明によると、その最も一般的な意味で使用しており、RNA及び/又はペプチド又はタンパク質の、例えば転写及び/又は翻訳による、産生を含む。RNAに関して、用語「発現」又は「翻訳」は、特に、ペプチド又はタンパク質の産生に関する。この用語は、核酸の部分的発現も含む。更に、発現は、一過的又は安定的でありうる。本発明によると、用語発現は、「異所的発現」又は「異常発現」も含む。

0175

「異所的発現」又は「異常発現」は、本発明によると、発現が、基準、例えば、ある特定のタンパク質、例えばセプラーゼの異所的又は異常発現に関連する疾患に罹患していない対象における状態と比較して変更される、好ましくは増加されることを意味する。発現の増加は、少なくとも10%、特に、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%、少なくとも1000%、少なくとも10000%又はそれ超増加することを指す。一実施形態において、発現が罹病組織でしか見られず、しかも健常組織では発現が抑止される。

0176

用語「特異的に発現される」は、タンパク質が特異的組織又は器官でしか本質的に発現されないことを意味する。例えば、胃粘膜で特異的に発現されるタンパク質は、前記タンパク質が主として胃粘膜で発現され、他の組織では発現されない、又は他の組織若しくは器官型では有意な程度に発現されないことを意味する。したがって、胃粘膜の細胞で排他的に発現され、精巣等の他のどの組織でも有意に低い程度に発現されるタンパク質は、胃粘膜の細胞で特異的に発現される。

0177

本発明によると、用語「をコードする核酸」は、核酸が、適切な環境に、好ましくは細胞内に存在すると発現されて、その核酸がコードするタンパク質又はペプチドを産生することができることを意味する。

0178

本発明に従って記載する核酸は、好ましくは単離されている。用語「単離された核酸」は、本発明によると、核酸が、(i) in vitroで、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、増幅された、(ii)クローニングによって組換えで産生された、(iii)例えば切断及びゲル-電気泳動分画によって、精製された、又は(iv)例えば化学合成によって、合成されたことを意味する。単離された核酸は、組換えDNA技術による操作に利用可能である核酸である。

0179

本発明によると、例えば核酸及びアミノ酸配列に関して、用語「バリアント」は、あらゆるバリアント、特に、変異体スプライスバリアント高次構造アイソフォームアレルバリアント、種バリアント及び種ホモログ、特に、天然に存在するものを含む。アレルバリアントは、正常な遺伝子配列の変更に関し、その重要性は、多くの場合、不明である。完全遺伝子シークエンシングは、所与の遺伝子について多数のアレルバリアントを同定することが多い。種ホモログは、所与の核酸又はアミノ酸配列のものとは起源が異なる種に関する核酸又はアミノ酸配列である。

0180

核酸分子に関して、用語「バリアント」は、縮重核酸配列を含み、本発明による縮重核酸は、遺伝コードの縮重に起因してコドン配列内の参照核酸とは異なる核酸である。

0181

更に、本発明による特異的核酸配列の「バリアント」は、単一の又は複数の、例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6の、好ましくは最大3、最大4、最大5、最大6、最大10、最大15若しくは最大20の、ヌクレオチド置換、欠失及び/又は付加を含む、核酸配列を含む。

0182

好ましくは、所与の核酸配列と前記所与の核酸配列のバリアントである核酸配列との同一性の程度は、少なくとも約60%、65%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%になる。好ましくは、参照核酸配列全長の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%又は少なくとも約100%である領域について、同一性度が得られる。例えば、参照核酸配列が200ヌクレオチドからなる場合、好ましくは少なくとも約20、少なくとも約40、少なくとも約60、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約140、少なくとも約160、少なくとも約180、又は約200ヌクレオチド、好ましくは連続ヌクレオチドについて、類似性又は同一性度が得られる。好ましい実施形態において、参照核酸配列の全長について同一性度が得られる。

0183

2つの核酸配列間の「配列同一性」は、それらの配列間で同一であるヌクレオチドのパーセンテージを示す。

0184

用語「同一性パーセンテージ」は、最良アラインメント後に得られる、比較すべき2つの配列間で同一である、ヌクレオチドのパーセンテージを示すことを意図し、このパーセンテージは純粋に統計的なものであり、2つの配列間の差はランダムに且つそれらの全長にわたって分布する。2つのヌクレオチド配列間の配列比較は、従来、これらの配列を最適にアラインメントした後に比較することによって行われ、前記比較は、配列類似性の局所領域を同定し、比較するために、セグメントごとに又は「比較ウィンドウ」ごとに行われる。比較のための最適な配列アラインメントは、手作業でのほかに、Smith及びWaterman (1981) AdsApp. Math. 2、482頁の局所相同性アルゴリズムによって、Neddleman及びWunsch、1970、J. Mol. Biol. 48、443頁の局所相同性アルゴリズムによって、Pearson及びLipman、1988、Proc. Natl Acad. Sci. USA 85、2444頁の類似性検索方法によって、又はこれらのアルゴリズムを使用するコンピュータープログラム(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group社、575 Science Drive、Madison、Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、BLASTP、BLAST N及びTFASTA)によって、生成することができる。

0185

同一性パーセンテージは、2つの配列間を比較して同一位置の数を決定し、この数を比較した位置の数で割り、得られた結果に100を掛けて、これら2つの配列間の同一性パーセンテージを得ることによって計算される。

0186

好ましくは、所与の核酸配列と、前記所与の核酸配列のバリアントである核酸配列は、ハイブリダイズすることができる。

0187

核酸は、別の核酸に、これらの2つの配列が互いに相補的である場合、「ハイブリダイズすることができる」又は「ハイブリダイズする」。核酸は、別の核酸に、これらの2つの配列が互いに安定した二重鎖を形成することができる場合、「相補的」である。本発明によると、ハイブリダイゼーションは、好ましくは、ポリヌクレオチド間の特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件(ストリンジェントな条件)下で行われる。ストリンジェントな条件は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、J. Sambrookら編、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory press社、Cold Spring Harbor、New York、1989、又はCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M. Ausubelら編、John Wiley & Sons. Inc.社、New Yorkに記載されており、例えば、ハイブリダイゼーション用緩衝液(3.5 xSSC、0.02%フィコール、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%ウシ血清アルブミン、2.5mM NaH2PO4 (pH7)、0.5% SDS、2mMEDTA)中、65℃でのハイブリダイゼーションを指す。SCCは、0.15M塩化ナトリウム/0.15Mクエン酸ナトリウム、pH7である。ハイブリダイゼーション後、DNAが移された膜を、例えば、2 x SSC中、室温で、次いで、0.1〜0.5×SSC/0.1×SDS中、最高68℃の温度で洗浄する。

0188

相補性パーセントは、核酸分子中の、第2の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン-クリック塩基対合)を形成することができる、連続する残基のパーセンテージを示す(例えば、10のうち5、6、7、8、9、10は、50%、60%、70%、80%、90%及び100%相補的)。「完全に相補的(Perfectly complementary)」又は「完全相補的(fully complementary)」は、核酸配列の連続する残基全てが、第2の核酸配列中の同数の連続する残基と水素結合することを意味する。好ましくは、本発明による相補性度は、少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、よりいっそう好ましくは少なくとも90%、又は最も好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%である。最も好ましくは、本発明による相補性度は、100%である。

0189

用語「誘導体」は、ヌクレオチド塩基上の、糖上の、又はリン酸塩上の、核酸のあらゆる化学的誘導体化を含む。用語「誘導体」は、天然起源でないヌクレオチド及びヌクレオチドアナログを含有する核酸も含む。好ましくは、核酸の誘導体化は、その安定性を増加させる。

0190

核酸は、本発明によると、単独で、又は他の核酸、特に異種核酸との組合せで存在することもある。好ましくは、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸は、前記ペプチド又はタンパク質を発現する。好ましい実施形態において、核酸は、前記核酸に対して相同であって非相同であってもよい、発現制御配列又は調節配列に、機能的に連結されている。コード配列と調節配列は、前記コード配列の発現又は転写が前記調節配列の制御下又は影響下にあるように互いに共有結合的に連結されている場合、互いに「機能的に」連結されている。コード配列を機能性タンパク質に翻訳すべき場合には、調節配列を前記コード配列に機能的に連結させることで、前記調節配列を導入することによって、前記コード配列内でフレームシフトを生じさせることも、前記コード配列を所望のタンパク質若しくはペプチドに翻訳することができなくなることもなく、前記コード配列が転写されることになる。

0191

用語「発現制御配列」又は「調節配列」は、本発明によると、遺伝子の発現を調節する、プロモーター、エンハンサー及び他の制御エレメントを含む。本発明の特定の実施形態において、発現制御配列を調節することができる。調節配列の正確な構造は、種又は細胞型関数として変わりうるが、転写及び翻訳の開始にそれぞれ関与する5'非転写及び5'非翻訳配列、例えば、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列等を一般に含む。より具体的には、5'非転写調節配列は、機能的に連結された遺伝子の転写制御のためにプロモーター配列を含む、プロモーター領域を含む。調節配列は、エンハンサー配列又は上流アクチベーター配列も含むことがある。

0192

本発明によると、更に、核酸は、前記核酸によってコードされているタンパク質又はペプチドの宿主細胞からの分泌を制御するペプチドをコードする別の核酸との組合せで存在することもある。本発明によると、核酸は、コードされているタンパク質若しくはペプチドを宿主細胞の細胞膜上に固定させる又は前記細胞の特定の細胞小器官区画化させるペプチドをコードする別の核酸との組合せで存在することもある。同様に、レポーター遺伝子又は任意の「タグ」に相当する核酸との組合せが可能である。

0193

好ましい実施形態において、組換え核酸分子は、本発明によると、核酸の発現を制御する、必要に応じてプロモーターを伴う、ベクターである。用語「ベクター」は、ここではその最も一般的な意味で使用しており、核酸の、例えば、真核細胞及び/又は原核細胞への導入、並びに必要に応じてゲノムへの組み込みを可能にする、前記核酸用の任意の中間ビヒクルを含む。この種のベクターは、好ましくは、細胞内で複製及び/又は発現される。中間ビヒクルを、例えば、エレクトロポレーションにおける、マイクロインジェクタイルでのボンバードメントにおける、リポソーム投与における、アグロバクテリアを活用する移入における、又はDNA若しくはRNAウイルスによる挿入における使用に適応させることができる。ベクターは、プラスミド、ファージミド、バクテリオファージ又はウイルスゲノムを含む。

0194

本発明による核酸は、宿主細胞のトランスフェクションに使用することができる。ここでの核酸は、組換えDNAと組換えRNAの両方を意味する。組換えRNAを鋳型DNAのin vitro転写によって調製してもよい。更に、それを適用する前に配列の安定化、キャッピング及びポリアデニル化によって修飾してもよい。

0195

本発明に関して用語「組換え」は、「遺伝子工学によって作製された」を意味する。好ましくは、本発明に関して組換え核酸等の「組換え物」は天然起源のものではない。

0196

本明細書において使用する用語「天然起源の」は、物体を自然界で見つけることができることを指す。例えば、生物(ウイルスを含む)内に存在し、天然の源から単離することでき、研究室で人間によって意図的に修飾されていない、ペプチド又は核酸は、天然起源のものである。

0197

用語「細胞」又は「宿主細胞」は、好ましくは、その正規細胞内成分、例えば、酵素、細胞小器官又は遺伝物質を放出していない無傷細胞、すなわち、無傷の膜を有する細胞に関する。無傷細胞は、好ましくは、生細胞、すなわち、その正常な代謝機能を行うことができる生存細胞である。好ましくは、前記用語は、本発明によると、外来性核酸トランスフェクトすることができる任意の細胞に関する。好ましくは、外来性核酸をトランスフェクトすると、細胞は、その核酸を発現することができる。

0198

用語「宿主細胞」は、本発明によると、原核細胞(例えば、大腸菌(E. coli))又は真核細胞(例えば、樹状細胞B細胞CHO細胞、COS細胞、K562細胞、酵母細胞及び昆虫細胞)を含む。哺乳動物細胞、例えば、ヒト、マウス、ハムスターブタヤギ霊長類からの細胞が、特に好ましい。細胞は、非常に多数の組織型に由来し、初代細胞及び細胞株を含みうる。具体的な例は、ケラチノサイト末梢血白血球骨髄幹細胞、及び胚性幹細胞を含む。核酸は、宿主細胞内に単一コピーの、又は2つ以上のコピーの形態で存在することもあり、一部の実施形態において、宿主細胞において発現される。

0199

用語「ペプチド」は、オリゴペプチド及びポリペプチドを含み、ペプチド結合によって共有結合的に接合されている2つ以上、好ましくは3つ以上、好ましくは4つ以上、好ましくは6つ以上、好ましくは8つ以上、好ましくは10以上、好ましくは13以上、好ましくは16以上、好ましくは21以上、好ましくは最大8、10、20、30、40又は50、特に100のアミノ酸を含む物質を指す。用語「タンパク質」は、大きいペプチド、好ましくは、100を超えるアミノ酸残基を有するペプチドを指すが、一般に、用語「ペプチド」及び「タンパク質」は同義語であり、本明細書では互換的に使用している。

0200

本発明によると、ペプチドは、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸を含みうる。一実施形態において、ペプチドは、天然アミノ酸のみを含む。

0201

本発明によると、用語「非天然アミノ酸」は、20の天然アミノ酸種のものとは異なる構造を有するアミノ酸を指す。非天然アミノ酸は、天然アミノ酸のものに類似した構造を有するので、所与の天然アミノ酸の誘導体又はアナログとして分類されることがある。

0202

本発明によると、用語「環状ペプチド」は、環を形成しているペプチド又はポリペプチド鎖に関する。ペプチドは、次の4つの異なる方法で環化されうる:頭-尾結合(C末端-N末端結合)、頭-側鎖結合、側鎖-尾結合、又は側鎖-側鎖結合。本発明によると、分子内ジスルフィド架橋を形成して環状ペプチドをもたらすことができるシステイン等のチオール基を含有する2つ以上の残基を含有するペプチドが、特に好ましい。

0203

本発明によると、ペプチドは、1つ又は複数の他の化合物と共有結合又は非共有結合していることもある。そのような化合物には、ペプチド性化合物、例えばペプチド及びタンパク質、並びに非ペプチド性化合物、例えばポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。

0204

一実施形態において、本明細書に記載のペプチドは、PEG化されている。PEG化は、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー鎖を別の分子、例えばペプチド又はタンパク質、に共有結合させる方法である。PEGの共有結合は、薬剤を宿主の免疫系から「遮蔽」(免疫原性及び抗原性を低減させる)し、薬剤の流体力学的サイズ(溶液中でのサイズ)を増加させることができ、これは、腎クリアランスを低減させることによってその薬剤の循環時間延長する。PEG化は、疎水性薬物及びタンパク質に水溶性をもたらすこともできる。

0205

好ましくは、本発明に従って記載するタンパク質及びペプチドは単離されている。用語「単離されたタンパク質」又は「単離されたペプチド」は、タンパク質又はペプチドがその天然環境から分離されていることを意味する。単離されたタンパク質又はペプチドは、本質的に精製された状態でありうる。用語「本質的に精製された」は、そのタンパク質又はペプチドに自然界又はin vivoでは付随している他の物質が本質的にないことを意味する。そのようなタンパク質及びペプチドは、例えば、免疫学的アッセイ若しくは診断アッセイにおいて、又は治療薬として使用することができる。本発明に従って記載するタンパク質又はペプチドを生体試料、例えば、組織又は細胞ホモジネートから単離することができ、非常に多数の原核生物又は真核生物発現系において組換え発現させることもできる。

0206

用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に連結されている少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含む糖タンパク質、並びにそのような糖タンパク質の抗原結合部分を含む任意の分子を含む。用語「抗体」は、モノクローナル抗体、組換え抗体ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体、抗体の結合断片又は誘導体を含む分子(限定ではないが、一本鎖抗体、例えばscFv、並びに抗原結合抗体断片、例えばFab及びFab'断片を含む)を含み、抗体、例えば、原核細胞において発現される抗体、非グリコシル化抗体、並びに本明細書に記載の任意の抗原結合抗体断片及び誘導体、の全ての組換え形態も含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記する)及び重鎖定常領域で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記する)及び軽鎖定常領域で構成される。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称する、より高度に保存される領域が散在している、相補性決定領域(CDR)と称する超可変性の領域に、更に細分することができる。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRで構成され、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端へ次の順序で配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)と古典的補体系の第1の成分(Clq)と含む宿主組織又は因子との免疫グロブリンの結合を媒介することができる。

0207

特定のアミノ酸配列、例えば配列表に示すもの、に関して本明細書で与える教示は、前記特定の配列と機能的に等価である配列、例えば、特定のアミノ酸配列のものと同一の又は類似の特性を示すアミノ酸配列、をもたらす前記特定の配列のバリアントにも関するように解釈されたい。1つの重要な特性は、セプラーゼ等の標的との結合の保持である。

0208

本発明では、アミノ酸配列の「バリアント」は、アミノ酸挿入バリアント、アミノ酸付加バリアント、アミノ酸欠失バリアント、及び/又はアミノ酸置換バリアントを含む。タンパク質のN末端及び/又はC末端部に欠失を含むアミノ酸欠失バリアントは、N末端及び/又はC末端短縮化バリアントとも呼ばれる。

0209

アミノ酸挿入バリアントは、特定のアミノ酸配列内に単一の又は2つ以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入を有するアミノ酸配列バリアントの場合、1つ又は複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列内の特定の部位に挿入されるが、結果として得られる生成物を適切にスクリーニングすることでランダム挿入も可能である。

0210

アミノ酸付加バリアントは、1つ又は複数のアミノ酸、例えば1、2、3、5、10、20、30、50又はそれ超のアミノ酸、のアミノ末端融合及び/又はカルボキシ末端融合を含む。

0211

アミノ酸欠失バリアントは、配列からの1つ又は複数のアミノ酸の除去、例えば1、2、3、5、10、20、30、50又はそれ超のアミノ酸の除去により特徴付けられる。欠失は、ペプチド又はタンパク質の任意の位置にあってもよい。

0212

アミノ酸置換バリアントは、配列中の少なくとも1つの残基が除去され、その位置に別の残基が挿入されていることにより特徴付けられる。相同タンパク質又はペプチド間で保存されないアミノ酸配列内の位置にある修飾、及び/又はアミノ酸を、類似の特性を有する他のものと置き換えることが好ましい。好ましくは、タンパク質バリアントのアミノ酸変化は、保存的アミノ酸変化、すなわち、同様に荷電している又は非荷電のアミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化は、側鎖に関連性があるアミノ酸のファミリーのうちの1つについての置換を含む。天然起源のアミノ酸は、一般に、次の4つのファミリーに分けられる:酸性(アスパルテートグルタメート)、塩基性(リジンアルギニンヒスチジン)、非極性(アラニン、バリンロイシンイソロイシン、プロリン、フェニルアラニンメチオニントリプトファン)、及び非荷電極性(グリシンアスパラギングルタミン、システイン、セリントレオニンチロシン)アミノ酸。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンは、一緒に芳香族アミノ酸として分類されることもある。

0213

好ましくは、所与のアミノ酸配列と前記所与の核酸配列のバリアントであるアミノ酸配列との類似性度、好ましくは同一性度は、少なくとも約60%、65%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%になる。好ましくは、参照アミノ酸配列の全長の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%又は少なくとも約100%であるアミノ酸領域について、類似性又は同一性度が得られる。例えば、参照アミノ酸配列が200アミノ酸からなる場合、好ましくは少なくとも約20、少なくとも約40、少なくとも約60、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約140、少なくとも約160、少なくとも約180、又は約200アミノ酸、好ましくは連続アミノ酸について、類似性又は同一性度が得られる。好ましい実施形態において、参照アミノ酸配列の全長について類似性又は同一性度が得られる。配列類似性、好ましくは配列同一性を判定するためのアラインメントは、当技術分野において公知のツールで、好ましくは、最良配列アラインメントを使用して、例えば、標準的な設定、好ましくは、EMBOSS::needle、行列: Blosum62、ギャップ開始10.0、ギャップ伸長0.5を用い、Alignを使用して行うことができる。

0214

「配列類似性」は、同一である、又は保存的アミノ酸置換を表す、アミノ酸のパーセンテージを示す。2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」は、それらの配列間で同一であるアミノ酸のパーセンテージを示す。

0215

用語「同一性パーセンテージ」は、最良アラインメント後に得られる、比較すべき2つの配列間で同一である、アミノ酸残基のパーセンテージを示すことを意図し、このパーセンテージは純粋に統計的なものであり、2つの配列間の差はランダムに且つそれらの全長にわたって分布する。2つのアミノ酸配列間の配列比較は、従来、これらの配列を最適にアラインメントした後に比較することによって行われ、前記比較は、セグメントごと、又は配列類似性の局所領域を同定し、比較するために「比較ウィンドウ」ごとに行われる。比較のための最適な配列アラインメントは、手作業でのほかに、Smith及びWaterman、1981、As App. Math. 2、482頁の局所相同性アルゴリズムによって、Neddleman及びWunsch、1970、J. Mol. Biol. 48、443頁の局所相同性アルゴリズムによって、Pearson及びLipman、1988、Proc. Natl Acad. Sci. USA 85、2444頁の類似性検索方法によって、又はこれらのアルゴリズムを使用するコンピュータープログラム(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group社、575 Science Drive、Madison、Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、BLASTP、BLAST N及びTFASTA)によって、生成することができる。

0216

同一性パーセンテージは、2つの配列間を比較して同一位置の数を決定し、この数を比較した位置の数で割り、得られた結果に100を掛けて、これら2つの配列間の同一性パーセンテージを得ることによって計算される。

0217

本明細書に記載のペプチド及びアミノ酸バリアントは、例えば、固相合成(Merrifield、1964)及び類似の方法による技術、又は組換えDNA操作による技術等の、公知のペプチド合成技術を活用して、容易に調製することができる。置換、挿入又は欠失を有するタンパク質及びペプチドを調製するためのDNA配列の操作は、例えば、Sambrookら(1989)に詳細に記載されている。

0218

本発明によると、用語「ペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド及びタンパク質の「誘導体」を含む。そのような誘導体は、ペプチド及びタンパク質の修飾形態である。そのような修飾は、任意の化学的修飾を含み、炭水化物、資質、タンパク質及び/又はペプチド等のペプチド又はタンパク質と会合しているあらゆる分子についての単一の又は複数の置換、欠失及び/又は付加を含む。用語「誘導体」は、前記ペプチド及びタンパク質の全ての機能的化学的等価物にも及ぶ。好ましくは、修飾ペプチドは、安定性増加及び/又は免疫原性増加を有する。

0219

本発明のセプラーゼ結合剤は、治療アプローチに使用することができる。このために、本発明のセプラーゼ結合剤を、1つ若しくは複数の治療エフェクター部分と共有結合及び/若しくは非共有結合させてもよく、並びに/又は様々な成分と組み合わせて薬学的に許容される組成物を生成してもよい。本明細書に記載のペプチド等の薬剤は、任意の適する医薬組成物の形態で投与することができる。

0220

標的細胞」は、がん細胞等の任意の望ましくない細胞を意味する。好ましい実施形態において、標的細胞はセプラーゼを発現する。

0221

本発明によると、用語「治療エフェクター部分」は、治療効果を発揮することができる任意の分子を意味する。本発明によると、治療エフェクター部分は、好ましくは、セプラーゼを発現する細胞に選択的に誘導される。がん細胞に対して治療効果を発揮する任意の薬剤をセプラーゼ結合剤とのコンジュゲーション用の薬物として使用することができる。好ましくは、薬物のコンジュゲーションは、本明細書において論じるようなセプラーゼ結合剤の結合特性、特に特異性を変更しない、又は有意に変更しない。

0222

本発明によると、治療エフェクター部分は、抗がん剤、放射性同位体、例えば放射性ヨウ素標識化合物、毒素、細胞分裂阻害薬又は細胞溶解薬等を含む。抗がん剤は、例えば、アミノグルテチミドアザチオプリンブレオマイシン硫酸塩、ブスルファンカルムスチンクロラムブシルシスプラチンシクロホスファミドシクロスポリンシタラビンダカルバジンダクチノマイシンダウノルビシンドキソルビシンタキソールエトポシドフルオロウラシルインターフェロン-α、ロムスチンメルカプトプリンメトトレキセートミトタンプロカルバジンHCl、チオグアニンビンブラスチン硫酸塩、及びビンクリスチン硫酸塩を含む。他の抗がん剤は、例えば、Goodman及びGilman、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第8版、1990、McGraw-Hill Inc.社、特に、Chapter 52 (Antineoplastic Agents (Paul Calabresi及びBruce A. Chabner))に記載されている。毒素は、タンパク質、例えばヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質コレラ毒素百日咳毒素リシンゲロニンアブリンジフテリア外毒素、又は緑膿菌(Pseudomonas)外毒素でありうる。毒素残基は、コバルト-60等の高エネルギー放出性放射性核種であることもある。

0223

治療エフェクター部分は、特に、細胞毒又は細胞毒性薬剤を含む。細胞毒又は細胞毒性薬剤は、細胞に有害である、特に細胞を殺滅する、任意の薬剤を含む。

0224

細胞毒性薬剤の有用なクラスとしては、例えば、抗チューブリン剤、DNA副溝結合剤(例えば、エンジイン類及びレキトロシン類)、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、白金錯体、例えばシスプラチン、一(白金)、二(白金)及び三核白金錯体、並びにカルボプラチン)、アントラサイクリン類、抗生物質葉酸代謝拮抗薬代謝拮抗薬、化学療法増感剤デュオカルマイシン類、エトポシド類、フッ化ピリミジン類イオノフォアニトロソ尿素類、プラチノル類予備形成化合物、プリン代謝拮抗薬ピューロマイシン類、放射線増感剤ステロイド類タキサン類(例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)、トポイソメラーゼ阻害剤ビンカアルカロイド類等が挙げられる。

0225

個々の細胞毒性薬剤としては、例えば、アンドロゲンアントラマイシン(AMC)、アスパラギナーゼ、5-アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミンカンプトテシン、カルボプラチン、カルムスチン(BSNU)、CC-1065、クロラムブシル、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シチジンアラビノシドサイトカラシンB、ダカルバジン、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ダウノルビシン、ダカルバジン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エストロゲン5-フルオロデオキシウリジン5-フルオロウラシルグラミシジンD、ヒドロキシ尿素イダルビシンイホスファミドイリノテカン、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メルファラン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトラマイシンマイトマイシンCミトキサントロンニトロイミダゾール、パクリタキセル、プリカマイシン、プロカルバジン、ストレプトゾトシン、テニポシド、6-チオグアニンチオテパトポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、VP-16及びVM-26が挙げられる。

0226

抗チューブリン剤の例としては、ドラスタチン類(例えば、オーリスタチンE、AFP、MMAF、MMAE、AEB、AEVB)、メイタンシノイド類、タキサン類(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、T67 (Tularik社)、ビンカアルカロイド類(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビン)、バッカチン誘導体タキサンアナログ(例えば、エポチロンA及びB)、ノコダゾール、コルヒチン及びコルセミドエストラムスチンクリプトフィシン類、セマドチン、コンブレタスタチン類、ディスコデルモリド、並びにエリュテロビンが挙げられるが、これらに限定されない。

0227

細胞毒性放射性医薬品を生成するための放射性同位体としては、例えば、ヨウ素-131、イットリウム-90、又はインジウム-111が挙げられる。

0228

そのような治療エフェクター部分(薬物)をペプチドにコンジュゲートさせる技術は周知である。ペプチド-薬物コンジュゲートの生成は、当業者に公知の任意の技術によって遂行することができる。ペプチドと薬物を、それらの独自のリンカー基によって互いに直接、又はリンカー若しくは他の物質を介して間接的に結合させてもよい。

0229

ペプチドへの薬物の共有結合には多数の異なる反応が利用可能である。これは、リジンのアミン基グルタミン酸及びアスパラギン酸遊離カルボン酸基、システインのスルフヒドリル基、及び芳香族アミノ酸の様々な部分を含む、ペプチド分子のアミノ酸残基の反応によって遂行されることが多い。共有結合の最も一般的に使用される非特異的な方法の1つは、化合物のカルボキシ(又はアミノ)基をペプチドのアミノ(又はカルボキシ)基に連結させるためのカルボジイミド反応である。加えて、ジアルデヒド又はイミドエステル等の二官能性薬剤が、化合物のアミノ基をペプチド分子のアミノ基に連結させるために使用されてきた。シッフ塩基反応も薬物のペプチドへの結合に利用可能である。この方法は、グリコール又はヒドロキシ基を含有する薬物の過ヨウ素酸塩酸化を含み、そのようにしてアルデヒドを形成し、次いでそのアルデヒドをペプチド分子と反応させる。結合は、ペプチド分子のアミノ基とのシッフ塩基の形成によって起こる。薬物をペプチドに共有結合させるためのカップリング剤としてイソチオシアン酸塩も使用することができる。他の技術は当業者に公知であり、本発明の範囲内である。

0230

ペプチド-薬物コンジュゲートを製造するための多くの連結基が当技術分野において公知である。リンカーは、ペプチド及び薬物のどちらか又は両方と反応する1つ又は複数の官能基を好ましくは含む。官能基の例としては、アミノ、カルボキシルメルカプトマレイミド及びピリジニル基が挙げられる。

0231

本発明の一実施形態において、ペプチドを二官能性架橋試薬によって薬物と連結させる。本明細書において使用する場合、「二官能性架橋試薬」は、2つの反応性基を有し、その一方が、ペプチドと反応することができ、同時にもう一方が、ペプチドを薬物と連結させるように薬物と反応することができ、その結果、コンジュゲートを形成する試薬を指す。任意の適する二官能性架橋試薬を、そのリンカー試薬が薬物、例えば細胞毒性及びペプチドの標的化特性の保持をもたらす限り、本発明に関連して使用することができる。好ましくは、リンカー分子は、薬物をペプチドに化学結合によって接合させ、その結果、薬物とペプチドは、互いに化学的にカップリングする(例えば、共有結合する)。

0232

一実施形態において、二官能性架橋試薬は、切断不能リンカーを含む。切断不能リンカーは、安定した共有結合様式で薬物をペプチドに連結することができる任意の化学的部分である。好ましくは、切断不能リンカーは、生理条件下で、特に、体内及び/又は細胞内で、切断可能でない。したがって、切断不能リンカーは、薬物又はペプチドが活性のままである条件で、酸誘導性切断、光誘導性切断、ペプチダーゼ誘導性切断、エステラーゼ誘導性切断、及びジスルフィド結合切断に対して実質的に耐性である。薬物とペプチドとの間に切断不能リンカーを形成する、適する架橋試薬は、当技術分野において周知である。一実施形態において、薬物は、チオエーテル結合によってペプチドに連結される。

0233

特に好ましい一実施形態において、連結試薬は、切断可能リンカーである。好ましくは、切断可能リンカーは、生理条件下で、特に、体内及び/又は細胞内で、切断可能である。適する切断可能リンカーの例としては、ジスルフィドリンカー、酸不安定性リンカー、光解離性リンカー、ペプチダーゼ不安定性リンカー、及びエステラーゼ不安定性リンカーが挙げられる。

0234

リンカーの例としては、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート(SPDB)、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)、N-スクシンイミジル-4-(マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(SMCC)、N-スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-l-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)(LC-SMCC)、4-マレイミド酪酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(GMBS)、3-マレイミドカプロン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(EMCS)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、N-(α-マレイミドアセトキシ)-スクシンイミドエステル(AMAS)、スクシンイミジル-6-(β-マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)、N-スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)-ブチレート(SMPB)、N-(p-マレイミドフェニル)イソシアネート(PMPI)、6-マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロパノイル(MP)、p-アミドベンジルオキシカルボニル(PAB)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)、及びN-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドリンカー、例えば、バリン-シトルリン(Val-Cit)又はアラニン-フェニルアラニン(ala-phe)を使用してもよく、上述のリンカーのいずれかを適切な組合せで使用してもよい。

0235

ジスルフィド含有リンカーは、生理条件下で起こりうるジスルフィド交換によって切断可能なリンカーである。更に他の実施形態において、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。例えば、SATA (N-スクシンイミジル-5-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB (N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)及びSMPT (N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)を使用して形成することができるものを含む、様々なジスルフィドリンカーが、当技術分野において公知である。

0236

酸不安定性リンカーは、酸性pHで切断可能なリンカーである。例えば、ある特定の細胞内区画、例えば、エンドソーム及びリソソームは、酸性pH (pH4〜5)を有し、酸不安定性リンカーの切断に適する条件を提供する。酸不安定性リンカーは、血液中でのpH条件等の中性pH条件下では比較的安定しているが、pH5.5又は5.0より下では不安定である。例えば、ヒドラゾンセミカルバゾンチオセミカルバゾン、cis-アコニットアミド、オルトエステルアセタールケタール等を使用することができる。

0237

光解離性リンカーは、体表で、及び光が到達できる多くの体腔において有用である。更に、赤外線は、組織を透過することができる。

0238

ペプチダーゼ不安定性リンカーは、細胞内又は細胞外の、ある特定のペプチドを切断するために使用することができる。一実施形態において、切断可能リンカーは、穏やかな条件、すなわち、細胞毒性薬剤の活性が影響を受けない細胞内の条件下で切断される。

0239

リンカーは、例えば、リソソーム又はエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されない細胞内ペプチダーゼ又はプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチジルリンカーでありうる又はペプチジルリンカーを含むことができる。典型的に、ペプチジルリンカーは、少なくとも2アミノ酸長、又は少なくとも3アミノ酸長である。切断剤としては、カテプシンB及びD並びにプラスミンを挙げることができ、これらの全ては、ジペプチド薬誘導体を加水分解し、その結果、標的細胞内で活性薬物の放出をもたらすことが公知である。例えば、がん性組織において高度に発現されるチオール依存性プロテアーゼカテプシン-Bによって切断可能であるペプチジルリンカー(例えば、Phe-Leu又はGly-Phe-Leu-Glyリンカー)を使用することができる。特定の実施形態において、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチジルリンカーは、バリン-シトルリン(Val-Cit; vc)リンカー又はフェニルアラニン-リジン(Phe-Lys)リンカーである。治療剤の細胞内タンパク質分解性放出を使用することの1つの利点は、薬剤が、コンジュゲートすると、通常は減弱されること、及びそのコンジュゲートの血清安定性が通常は高いことである。

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