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技術 哺乳動物における着床用の体外受精胚を選択するためのバイオマーカーとしての可溶性CD146の使用

出願人 ユニヴェルシテデクス-マルセイユアンスティチュナショナルドゥラサンテエドゥラルシェルシュメディカルウニヴェルシテ・ドゥ・モンペリエサントル・オスピタリエ・ユニヴェルシテール・ドゥ・ニームアシスタンス・ピュブリク・オピトー・ドゥ・マルセイユ
発明者 バルダン,ナタリーブロ-シャボー,マルセルブヴィエ,シルヴィラクロワ,オディールディニャ-ジョルジュ,フランソワーズグリ,ジャン-クリストフ・レイモン
出願日 2016年4月21日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2017-555300
公開日 2018年5月31日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2018-513979
状態 特許登録済
技術分野 微生物による化合物の製造 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード タンブール 観察内容 予備状態 推定方程式 着床状態 出産率 取扱説明 体外受精胚
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

本発明は、ヒト不妊治療の分野に関する。より具体的には、本発明は胚培養培地で測定されると、哺乳動物子宮内着床につき選択可能か否かを判定するために使用することができるバイオマーカーとしての、可溶性CD146(sCD146)の同定に関する。本発明はしたがって、着床に適格な胚を(予備)選択するための新しいツール及び関連キットを提供する。本発明はまた、胚移植を受けるヒトにおいて妊娠を促進するための方法にも関する。

概要

背景

過去数十年にわたる、体外受精インビトロ受精、IVF)における胚培養条件及び移植技術の双方の向上にかかわらず、妊娠及び出産率の有意な向上は成し遂げられていない(Kupka MS et al., Hum Reprod. 2014)。着床に失敗するは70%を超える。これに関連して、妊娠の確率を増大させるために2個以上の胚が移植される。しかしながら、複数胚移植は、胎児及び母親の罹患率及び死亡率の増加をもたらすことが知られている、多胎妊娠の有意なリスク誘導する。このリスクを回避するために、多胎出産頻度を低減する手法として単一胚移植が推奨されている(McLernon et al., BMJ. 2010; Pandian Z et al., Cochrane Database Syst Rev. 2013)。胚の品質の評価は今日まで、細胞サイズ及び対称性細胞数卵割段階、無核細胞断片を含むいくつかの基準で、形態学的に評価される。しかしながら、胚の品質は胚の生存率及び着床可能性(implantation potential)に厳密に相関しているわけではない。したがって、高い着床可能性を呈する単一胚の移植を可能にするために、着床の予後のより良好な査定には着床の生物学的マーカー検索が必要とされる。

膜CD146は、早期段階で胚によって発現されることが証明されており(Wang et al., Journal of Reproduction and Contraception, 2008)、そして発明者らは最近、妊娠ラットにおける胚着床を調節する新しい因子として可溶性CD146を同定した(Kaspi et al., Angiogenesis, 2013)。

CD146(又は、Ag S-Endo 1 / MUC 18 / M-CAM)は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着分子であり、これは基本的に、内皮接合部に局在する(Bardin et al. Blood 2001)。生理的には、CD146はヒト内皮に遍在的且つ構成的に発現され、そこで内皮の単層接着(cohesion)に関与する。CD146はまた、膜タンパク質分解によって生成される可溶性フォームとしても存在する。可溶性CD146(sCD146)は、培養内皮細胞上清中、並びに正常及び病的ヒト血清中の両者に存在することが立証された(Bardin et al. FEBSLett 1998)(Bardin et al. Thromb Haemost 2003)。

産科学では、膜CD146は卵丘卵母細胞複合体、着床前胚絨毛栄養膜及び子宮内膜によって発現される(Wang et al. J Reprod Contracept 2008)。また、抗CD146遮断抗体の使用により、マウスにおいてインビトロ及びインビボでの胚の着床が妨げられる。AA98抗体は、子宮内膜細胞上に存在する膜CD146を遮断するが、これは胚盤胞の着床を妨げる(Liu et al. J Cell Physiol, 2008)。子癇前症では、これらの栄養膜の浸潤能減弱に関連して、CD146の発現が大幅に低減するか又は発現しなくなる(Liu et al. Lab Investig J Tech MethodsPathol 2004)。可溶性フォームに関し、正常な妊娠中の妊娠持続期間に伴う血清sCD146の減少が発表された(Kaspi et al. Angiogenesis 2013)。加えて発明者らは、少なくとも1人の生存児がいる女性と比べて、原因不明の少なくとも2の胎児喪失があった女性における、sCD146の上昇を報告した(Pasquier et al. Thromb Haemost 2005)。発明者らは、絨毛外栄養膜に対するsCD146の異なる効果:i)インビトロで、絨毛外栄養膜細胞HTR/Svneo細胞の遊走、増殖及び擬似毛細管形成阻害することと、ii)エクスビボ胎盤外植)で、侵襲可能性を低減することと、並びにiii)最後に、妊娠ラットのモデルで、sCD146の反復注射により妊娠率及び同腹子あたりの胚の数が低減することも報告した。これらのラット(rates)の胎盤の胎盤組織学的研究により、女性における絨毛外栄養膜に類似するグリコーゲン細胞の遊走の低下を、これらの効果が伴うことが示されている(Kaspi et al. Angiogenesis 2013)。

概要

本発明は、ヒト不妊治療の分野に関する。より具体的には、本発明は胚培養培地で測定されると、胚が哺乳動物子宮内着床につき選択可能か否かを判定するために使用することができるバイオマーカーとしての、可溶性CD146(sCD146)の同定に関する。本発明はしたがって、着床に適格な胚を(予備)選択するための新しいツール及び関連キットを提供する。本発明はまた、胚移植を受けるヒトにおいて妊娠を促進するための方法にも関する。

目的

本発明は、着床に適格な胚を(予備)選択するための新しいツール及び関連キットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

哺乳動物子宮における着床バイオマーカーとしての、胚培養培地中に存在する可溶性CD146タンパク質(sCD146)の使用。

請求項2

体外受精によって得られる胚に関する有用な情報を得るため、及び好ましくは胚が哺乳動物の子宮内着床につき選択可能かどうかを判定するための方法であって、胚培養培地中にsCD146を投与するインビトロ工程、及び閾値との比較を含む、方法。

請求項3

前記閾値を超える量でsCD146が存在することが、哺乳動物の子宮における胚着床不全高リスク指標であり、前記閾値以下の量でsCD146が存在することが、哺乳動物の子宮における胚着床成功の確率の指標である、請求項2記載の方法。

請求項4

前記投与する工程が、インビトロ卵母細胞受精後2〜5日の間に、好ましくはインビトロ卵母細胞受精後第2日に実施される、請求項2から請求項3のいずれか一項記載の方法。

請求項5

前記哺乳動物がヒトである、請求項2から請求項4のいずれか一項記載の方法。

請求項6

哺乳動物の子宮における体外受精胚の着床可能性を評価するため、及び任意に、着床不全のリスクが高い着床胚につき不適格と判定するための、請求項2から請求項5のいずれか一項記載の方法の使用。

請求項7

哺乳動物の子宮内着床につき、体外受精胚を選択するため、及び好ましくは予備選択するための、請求項2から請求項5のいずれか一項記載の方法の使用。

請求項8

体外受精(IVF)によって得られる胚が、哺乳動物の子宮内着床につき選択可能かどうかを判定するための、検出可能なsCD146結合モノクローナル抗体を含むキットの使用。

請求項9

任意に、胚培養培地中のsCD146に結合されると前記検出可能なモノクローナル抗体を明らかにする適切な基質一緒に、及び任意に、コントロールを調製するために使用されるべき、sCD146不含の薬学的に不活性希釈剤と、又は既知濃度のsCD146を含む少なくとも1つの溶液、好ましくは検量線と一緒に、濃縮された剤形の検出可能なsCD146結合モノクローナル抗体と、、異なる既知濃度のsCD146を含むいくつかの溶液とを含む、キット。

請求項10

前記検出可能な抗体が、フルオロフォア磁気ビーズ抗原エピトープ、特異的酵素の基質、特異的リガンド結合ドメインから選択される検出マーカーでラベルされる、請求項9記載のキット。

技術分野

0001

本発明は、ヒト不妊治療の分野に関する。発明者らは本願明細書において実際に、新しいバイオマーカーである可溶性CD146(sCD146)を同定したが、前記バイオマーカーは胚培養培地で測定されると、哺乳動物子宮内着床につき選択可能か否かを判定するために使用することができる。したがって本発明は、着床に適格な胚を(予備)選択するための新しいツール及び関連キットを提供する。本発明はまた、胚移植を受けるヒトにおいて妊娠を促進するための方法にも関する。

背景技術

0002

過去数十年にわたる、体外受精インビトロ受精、IVF)における胚培養条件及び移植技術の双方の向上にかかわらず、妊娠及び出産率の有意な向上は成し遂げられていない(Kupka MS et al., Hum Reprod. 2014)。着床に失敗する胚は70%を超える。これに関連して、妊娠の確率を増大させるために2個以上の胚が移植される。しかしながら、複数胚移植は、胎児及び母親の罹患率及び死亡率の増加をもたらすことが知られている、多胎妊娠の有意なリスク誘導する。このリスクを回避するために、多胎出産頻度を低減する手法として単一胚移植が推奨されている(McLernon et al., BMJ. 2010; Pandian Z et al., Cochrane Database Syst Rev. 2013)。胚の品質の評価は今日まで、細胞サイズ及び対称性細胞数卵割段階、無核細胞断片を含むいくつかの基準で、形態学的に評価される。しかしながら、胚の品質は胚の生存率及び着床可能性(implantation potential)に厳密に相関しているわけではない。したがって、高い着床可能性を呈する単一胚の移植を可能にするために、着床の予後のより良好な査定には着床の生物学的マーカー検索が必要とされる。

0003

膜CD146は、早期段階で胚によって発現されることが証明されており(Wang et al., Journal of Reproduction and Contraception, 2008)、そして発明者らは最近、妊娠ラットにおける胚着床を調節する新しい因子として可溶性CD146を同定した(Kaspi et al., Angiogenesis, 2013)。

0004

CD146(又は、Ag S-Endo 1 / MUC 18 / M-CAM)は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着分子であり、これは基本的に、内皮接合部に局在する(Bardin et al. Blood 2001)。生理的には、CD146はヒト内皮に遍在的且つ構成的に発現され、そこで内皮の単層接着(cohesion)に関与する。CD146はまた、膜タンパク質分解によって生成される可溶性フォームとしても存在する。可溶性CD146(sCD146)は、培養内皮細胞上清中、並びに正常及び病的ヒト血清中の両者に存在することが立証された(Bardin et al. FEBSLett 1998)(Bardin et al. Thromb Haemost 2003)。

0005

産科学では、膜CD146は卵丘卵母細胞複合体、着床前胚絨毛栄養膜及び子宮内膜によって発現される(Wang et al. J Reprod Contracept 2008)。また、抗CD146遮断抗体の使用により、マウスにおいてインビトロ及びインビボでの胚の着床が妨げられる。AA98抗体は、子宮内膜細胞上に存在する膜CD146を遮断するが、これは胚盤胞の着床を妨げる(Liu et al. J Cell Physiol, 2008)。子癇前症では、これらの栄養膜の浸潤能減弱に関連して、CD146の発現が大幅に低減するか又は発現しなくなる(Liu et al. Lab Investig J Tech MethodsPathol 2004)。可溶性フォームに関し、正常な妊娠中の妊娠持続期間に伴う血清sCD146の減少が発表された(Kaspi et al. Angiogenesis 2013)。加えて発明者らは、少なくとも1人の生存児がいる女性と比べて、原因不明の少なくとも2の胎児喪失があった女性における、sCD146の上昇を報告した(Pasquier et al. Thromb Haemost 2005)。発明者らは、絨毛外栄養膜に対するsCD146の異なる効果:i)インビトロで、絨毛外栄養膜細胞HTR/Svneo細胞の遊走、増殖及び擬似毛細管形成阻害することと、ii)エクスビボ胎盤外植)で、侵襲可能性を低減することと、並びにiii)最後に、妊娠ラットのモデルで、sCD146の反復注射により妊娠率及び同腹子あたりの胚の数が低減することも報告した。これらのラット(rates)の胎盤の胎盤組織学的研究により、女性における絨毛外栄養膜に類似するグリコーゲン細胞の遊走の低下を、これらの効果が伴うことが示されている(Kaspi et al. Angiogenesis 2013)。

課題を解決するための手段

0006

発明者らは本明細書において、ELISA及びウエスタンブロット実験の結果により、胚培養培地中の可溶性CD146タンパク質(sCD146)の存在を明らかにする。発明者らは、sCD146が胚培養培地において測定されると、着床不全(failure)の高いリスクを随伴する胚の子宮内着床につき不適格と判定するため、移植可能な胚を同定するため、又はいくつかのうち、最高の着床可能性を随伴する胚を選択するためのバイオマーカーとして有利に使用可能であることを立証する。

0007

本願明細書に記載される第一の目的はしたがって、哺乳動物の子宮における胚の着床のバイオマーカーとしての、胚培養培地中に存在する可溶性CD146タンパク質(sCD146)の使用に関する。

0008

本願明細書に記載されるのはまた、体外受精によって得られる胚に関する有用な情報を得るための、特に体外受精胚の着床可能性を評価/判定するための、典型的には、哺乳動物の子宮に移植された場合に着床可能性を備える胚(「移植可能な胚」)を同定するための、早期的且つ非侵襲的な方法でもある。このような方法は典型的には、哺乳動物の子宮内着床につき、胚を不適格と判定するため、又は逆に選択するため、例えば予備選択するために実行される。

0009

本発明の方法は有利には、胚培養培地中に、好ましくは胚培養培地上清中にsCD146を投与するインビトロ工程、及びその投与量を閾値と比較する工程を含む。

0010

本願明細書に記載されるのはまた、検出可能なsCD146結合モノクローナル抗体を含むキット、さらには体外受精(IVF)によって得られる胚のうち哺乳動物の子宮内着床に適格であるものを同定するための、好ましくは最高の着床可能性を随伴する胚を選択するための、又は単一胚の着床状態(「着床能」)を確認するための、このようなキットの使用でもある。

0011

さらにまた記載されるのは、胚培養培地中にsCD146を投与するインビトロ工程、及びその投与量を閾値と比較する工程を含む、胚移植を受けるヒトにおいて妊娠を促進するための方法である。

実施例

0012

本願明細書に記載の発明は、哺乳動物の、典型的にはヒトの、子宮における胚の着床のバイオマーカーとしての、胚培養培地中に存在する可溶性CD146タンパク質(sCD146)の使用に関する。

0013

sCD146は、早期且つ非侵襲的バイオマーカーに相当する革新的手段である。本発明の結果、哺乳動物の子宮内への移植に適格な胚の選択はもはや、胚の形態学的な基準頼みとならない。sCD146は、イスタンブール分類(「最良(top)」、「良好(fair)」又は「不良(poor)」な品質)によって定義される胚の品質が何れであっても、任意の胚培養培地中で試験可能である。前記選択は加えて、胚発生において非常に早期に、且つ既存の技術での場合よりも早期に実施可能である。sCD146は、胚発生の早期段階で、典型的にはインビトロ卵母細胞受精後早くも2日で、胚培養培地中で実際に検出可能である。

0014

本願明細書に記載される新しいバイオマーカーは、有利には、単一胚の、典型的には、いくつかのうち哺乳動物の子宮内着床の最高の可能性を呈する胚の移植を可能とする。この選択肢は、多胎妊娠のリスク及び体外受精[古典的な体外受精又は細胞質内精子注入体外受精(ICSI−体外受精)]に関わる関連合併症を回避するために、そして同時に体外受精手順に随伴するコストを低下させながらも妊娠の確率を有意に増大するために採用され得る。

0015

本明細書に記載の発明はまた、体外受精によって得られる胚に関する有用な情報を得るための、特に体外受精胚の着床可能性を評価/判定するための、好ましくは、哺乳動物の子宮に移植された場合に着床可能性を備える胚(「移植可能な胚」)を同定/選択するための方法も提供する。このような方法は典型的には、哺乳動物の子宮内着床につき、体外受精胚を不適格と判定するため、又は逆に選択するため、例えば予備選択するために使用される。

0016

本発明の方法は有利には、非侵襲的であり、そして胚培養培地中に、典型的には胚培養培地上清中にsCD146を投与するインビトロ工程、及びその投与量を閾値と比較する工程を含む。本発明の方法の結果として胚が予備選択されると、本方法はさらに、胚を調べる際に、細胞サイズ及び対称性、細胞数、卵割段階、無核細胞フラグメントの存在などの、当業者により認められた数値の基準を使用することからなる形態学的選択の次の工程を含むことができる。

0017

用いられるべき培地は、胚培養又は移植に以前から使用される従来の培地のいずれであってもよい。培養培地は典型的には、グルコースピルビン酸、及びエネルギー供給成分、さらにはその中で発生する着床前胚により遊離される因子を基本的に含有する人工培養培地である。培地はさらに、例えばアミノ酸ヌクレオチドビタミン、及びコレステロールを含むことができる。

0018

プリオン又は他の感染病原体での汚染のリスクを排除すべきとの観点から、無血清培地が好ましい。

0019

培養培地は定期的に交換される。培地は、培養期間中ずっと同じであるか、又は培養期間にわたり発生段階に応じて変更される場合がある。

0020

適切な培地の例として、10%ヒト血清アルブミンが添加されたGLOBAL(登録商標、Life Global)が挙げられる。このような培地は、第5日に胚盤胞が形成されるまで継続されることになる培養に、好適に使用可能である。

0021

収集されるべき培養培地、又は培養培地の上清は、好ましくは収集の前にその中で少なくとも1日胚培養が実施されたものである。

0022

胚への十分量の培地を供給することの必要性と、培地から胚を収集するための利便性との両方を考慮し、ヒト胚の前記培養は、ヒト胚あたり、好ましくは50μL〜1mL、より好ましくは500〜800μLの培地に相当する量の培地で、典型的にはヒト胚あたり600μLの培地で行われる。

0023

収集された培養培地又は培養上清は、直接、又は凍結保存され試験前に解凍されて試験される場合がある。一種類以上の薬学的に不活性希釈剤(例えば、滅菌精製水、又はヒト血漿アルブミン、グルコース、塩化ナトリウムなど、GLOBAL(登録商標)に含まれる化合物を含有する水溶液)を添加して、例えば、0.2mL又は0.5mLといった、取扱いがより容易な容量に希釈することによって容量を増やすことも許容される。

0024

本願明細書に記載される特定の方法は、体外受精によって得られる胚に関する有用な情報を得るための方法、そして好ましくは、前記情報を用いて、胚が哺乳動物の子宮内着床につき選択可能かどうかを判定する方法である。本方法は、胚培養培地中にsCD146を投与するインビトロ工程、及びその投与量を閾値と比較する工程を含む。閾値を超える量でsCD146が胚培養培地中に存在することは、哺乳動物の子宮における胚着床不全の高リスク指標であり(関連し)、前記閾値以下の量でsCD146が存在することは、哺乳動物の子宮における胚着床成功の確率の指標である(関連する)。sCD146濃度が低いほど、胚着床成功の確率が高くなる。「閾値」は、培養に用いられる培地の性質に応じて、また具体的に試験される培地の部分(上清又は全培地)に応じて変動し得る。例えば、実験の項にて実施されたものなど、Global(登録商標)培地(Life Global)を用いて培養培地上清に投与が実施される場合、閾値は1mLの上清あたり1164pgである。

0025

投与する工程は有利には、卵母細胞受精後2日と5日の間、好ましくは卵母細胞受精後2日、典型的には哺乳動物の子宮内への胚移植の日に実施される。

0026

検出可能なsCD146結合抗体、好ましくは検出可能なsCD146結合モノクローナル抗体を含むキット、典型的には体外受精胚選択キット、さらには体外受精(IVF)によって得られる胚が哺乳動物の子宮内着床につき選択可能かどうかを判定するためのその使用も、また本願明細書に記載される。

0027

特定のキットは、任意に、胚培養培地中のsCD146に結合されると前記検出可能な抗体を明らかにする適切な基質一緒に、検出可能なsCD146結合抗体、好ましくは検出可能なsCD146結合モノクローナル抗体、好ましくは選択的にCD146の可溶性フォームを結合し、且つCD146膜結合フォームを結合しない検出可能な(モノクローナル)抗体を含む。キットは、コントロールを調製するために使用されるべき、sCD146不含の薬学的に不活性な希釈剤、又は既知濃度のsCD146を含む少なくとも1つの溶液、好ましくは検量線(典型的には0pg/ml〜10000pg/ml)と一緒に、異なる既知濃度のsCD146を有するいくつかの溶液(2、3、4、5又は6つなどの溶液)をさらに任意に含む。一般的に、キットはまた、本願明細書に開示される物質(抗体、希釈剤、及び溶液)の一以上で満たされた一以上の容器も含む。このような容器(一以上)に関連付けて、開示された方法に従い前記物質を用いるための取扱説明を提供する注意書きベルを添付してもよい。

0028

sCD146結合抗体は、合成品、モノクローナル、又はポリクローナルであり得、また当技術分野において周知の技術によって製造可能である。

0029

sCD146結合モノクローナル抗体は有利には、BioCytexからのクローンCOM 3D9、クローンCOM 2F6、クローンCOM 5G6、クローンCOM 7A4及びクローンF4-35H7(S-endo 1)より選択され、好ましくはクローンCOM 7A4である。

0030

このような抗体を生成する方法は、当技術分野において公知である(例えば、Despoix N, Walzer T, Jouve N, Blot-Chabaud M, Bardin N, Paul P, Lyonnet L, Vivier E, Dignat-George F, Vely F. Mouse CD146/MCAMis a marker of natural killer cell maturation.(マウスCD146/MCAMはナチュラルキラー細胞成熟マーカーである。)Eur J Immunol. 2008;38: 2855-64を参照のこと)。

0031

前記キットの検出可能なsCD146結合モノクローナル抗体は、胚培養培地又は上清中の低濃度のsCD146を検出するために、濃縮された剤形であることが好ましい。それゆえ濃縮された抗体が好ましく使用される。好ましい実施形態では、濃縮された抗体で、100ng/ml以下、好ましくは50ng/ml以下、さらにより好ましくは10ng/ml以下のsCD146を含有する胚培地の上清中のsCD146の検出が可能となる。

0032

sCD146の存在や、さらにはその量の尺度の判定は、培養培地、若しくは培養上清が適切な抗原直接接触される1工程法によって、又は生物試料の予備的処置含意される方法によって、イムノアッセイ法にて判定されるのが好ましい。イムノアッセイ法は、固相又は均一相において、1又は2工程、競合的方法り、等の当該技術分野で周知の方法で実施可能である。

0033

より好ましくは、前記イムノアッセイ法は、ELISA、FEIA、ウエスタンブロット、ドットブロットビーズベースアッセイ法抗原アレイ及びラジオイムノアッセイ法からなる群より選択される。

0034

ELISAにおいて抗原は、固体表面に固定化されなければならず、次いで酵素に結合される抗体と複合されなければならない。検出は、着色産物を精製する基質とのインキュベーションを介して、接合された酵素活性を査定することによって達成される。

0035

FEIAにおいて、前記着色産物は蛍光性である。

0036

ラジオイムノアッセイ法では、前記最終産物放射活性を有する。

0037

ドットブロットプロトコールを用いるタンパク質検出は、両方法が対象となるタンパク質の同定及び分析を可能にするという点でウエスタンブロット法に類似している。ドットブロット方法論は、電気泳動を用いてタンパク質試料を分離しないことが従来のウエスタンブロット技術と異なっている。代わりに試料タンパク質は膜上にスポットされ、抗体プローブハイブリダイズされる。

0038

半定量的測定値は、例えば正常なコントロールを用い値を標準化した後に比を確立するか、又は標準物質として陽性コントロールを用いる(任意の単位で表される)、これまでに記載された方法の各々で得られる場合がある。

0039

検出は、例えば、検出及び定量されるべき、sCD146に対応する抗原がその上に配置されるミクロプラーク(microplaque)、又は固体粒子試験管、等の固体支持体上で実施され得る。

0040

本発明に関連して使用可能なsCD146を認識する抗体は、それらの同定、フォローアップ、検出及び/又は測定を可能とする、一以上のタグ(検出マーカー)でラベルされることが好ましい。検出マーカーは、例えばフルオロフォア磁気ビーズ抗原エピトープ、特異的酵素の基質、特異的リガンド結合ドメイン、及び検出又は定量され得る任意の他の分子又は部分から選択され得る。本発明に関連して使用可能な抗体は、sCD146を認識する抗体の同定、フォローアップ、検出及び/又は測定をするために使用される抗−抗体であってもよい。

0041

sCD146不含の薬学的に不活性な希釈剤は、例えば滅菌精製水、又はGLOBAL(登録商標)培地など、ヒト血漿アルブミン、グルコース、塩化ナトリウム等を含有する水溶液から選択され得る。

0042

また記載されるのは、胚移植を受ける哺乳動物において、典型的にはヒトにおいて妊娠を促進する(すなわち、妊娠を成し遂げる成功率を高める)ための方法であって、i)胚培養培地中にsCD146を投与するインビトロ工程、ii)その投与量を本発明に係る閾値と比較して、投与量が閾値以下であれば、胚が哺乳動物の子宮内着床に適格であること、また投与量が閾値を超えれば、胚が哺乳動物の子宮内着床に適格でないことを決定する工程を含み、任意に、iii)形態学的な基準を用いて胚を検査する工程、及びiv)投与量が閾値以下であれば、且つ前記胚が着床の形態学的な基準を満たしていれば、哺乳動物の子宮内に胚を移植する工程を含む、方法である。

0043

これまでに記載された方法において、任意の工程iii)は最初に、すなわち工程i)及びii)の前に実施される場合がある。別の実施形態では、工程iii)は工程i)とii)との間に実施される場合がある。

0044

本発明のさらなる態様及び利点が、以下の実施例において説明されるが、これらは限定としてではなく例示を目的として示される。

図面の簡単な説明

0045

カップル及び胚の分布
ELISA試験による陽性又は陰性の胚上清のウエスタンブロット解析陰性コントロールは胚を全く含まない培養培地に対応する。MW:分子量
第2日(D2)及び第3日(D3)でのsCD146濃度。
イスタンブールの分類により定義される胚の品質に基づくsCD146濃度(タイプ1「最良」n=90、タイプ2「良好」n=190、又はタイプ3「不良」n=43)
移植された胚(イエス、n=63)と移植されない胚(ノー、n=172)との間のsCD146濃度の比較
sCD146の数値に基づく妊娠の百分率

0046

実施例
材料及び方法
患者
2013年3月から2014年12月まで、発明者らはLa Conception University Hospital(AP-HM, Marseille, France)の医療センター生殖部門において、体外受精(IVF)の試行を受けた162のカップルの初発パイロット試験を実施した。全てのカップルが、移植された胚からの胚培養培地が胚移植後に研究目的で保存されることになる旨を知らされ、この試験に加わるか否かを選択した。各々のカップルが参加したのは1回のみであった。発明者らは、同意がなければ卵母細胞及び精子ドナー及び患者はこの試験から除外した。施設内倫理委員会(Institutional Review Board)は、この研究を認可した。

0047

処置プロトコール
患者は、3つのタイプのプロトコール、すなわち、長期アゴニストプロトコール(前のサイクル黄体期GnRHアゴニスト投与);短期アゴニストプロトコール(体外受精サイクルの第1日以降、毎日GnRHアゴニスト投与);及びアンタゴニストプロトコール(第5日から毎日GnRHアンタゴニスト投与)を用いて、コントロールされた卵巣過刺激を受けた。肥満度指数、女性の年齢、基準の第3日FSH値及び胞状卵胞(antral follicle)の数に従い、150IU/日と450IU/日との間の範囲の用量でリコンビナントFSH及び/又はhMGを用いた。患者は、卵巣過刺激の第8日に開始の連続的経膣音波と、血清エストラジオール(E2)測定とをルーチンに受けた。ゴナドトロピンの用量はその後、卵巣応答に従って調整された。少なくとも3つの卵胞が16mmの平均直径に達したら、リコンビナントヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG、Ovitrelle(登録商標)、Merck-Serono、250μg)の皮下注射排卵誘発を実施した。卵母細胞の回収は、局所又は全身麻酔下に卵胞の経膣超音波ガイド穿刺を用いてhCG投与後35時間に実施された。従来の体外受精又は細胞質内精子注入(ICSI体外受精)がその後、精子パラメータに基づき、日常的なプロトコールを用いて実施された。受精後18時間に正常な受精(すなわち、2つの前核を持つ受精された卵母細胞、いわゆる2倍体接合子)の査定をした後、接合子は次いで、500μlのGlobal(登録商標)培地(Life Global)中5%CO2で37℃にて胚移植の日(第2日又は第3日)まで個々に培養された。

0048

それらは、早期の細胞分割を検出するために、受精後26時間観察された。得られた2倍体胚は、イスタンブールの合意(Alpha Scientists in Reproductive Medicine andESHRE Special Interest Group of Embryology. Hum Reprod. 2011)に従い、細胞サイズ及び対称性、断片化及び細胞数に基づく採点によって移植の前にランク付けされた。

0049

胚は次いで、3つのサブグループに分類された。
1/ 同じサイズの細胞で、断片化はなしか又は10%未満であり、且つ第2日に4細胞か又は第3日に8細胞の、最良な品質の胚;取得可能なら移植用優先的に選択される;
2/ 細胞の大多数につき、段階特異的な細胞サイズ、及び/又は10〜25%断片化、及び/又は第2日に3若しくは5細胞か又は第3日に6、7又は9細胞の、良好な品質の胚;
3/ 段階特異的細胞サイズでなく、及び/又は深刻な断片化(>25%)、及び/又は第2日に2細胞若しくは>5細胞か又は第3日に<6細胞若しくは>9細胞の、不良な品質の胚。

0050

胚移植後、黄体期は次いで、毎日のプロゲステロン錠剤(DuphastonR、30mg/日;Abbot ProductsSAS,France)によって補助された。妊娠は、血清陽性hCGレベル(>100IU/l)によって胚移植後14日に診断された。臨床的妊娠は、胚移植後第5週の間の超音波検査での心臓活性を伴う胎嚢の存在により確認された。

0051

胚上清
移植された各胚の培養培地(500μl Global(登録商標))は胚移植後、個々に収集され、sCD146定量化まで−20℃で凍結保存された。胚上清を収集するのは非侵襲的技術であり、患者のケアに変更はなかった。体外受精の結果は、全患者で遡及的に比較された。

0052

胚上清中のsCD146の存在の確認
CD146は既に、ヒト胚の早期段階で同定されており(Wang H et al. J of Reprod and contracept 2008)、栄養膜細胞における膜CD146を脱落させることによって可溶性フォームを産生可能であることが公知である(Kaspi et al., Angiogenesis, 2013)。しかしながら、胚によるsCD146の分泌については、文献からデータが得られない。発明者らは、胚上清につきウエスタンブロット解析を行い、胚によるsCD146の放出を確認した。50μLの胚上清又は陰性コントロール(培養培地)を4〜12% NuPage SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(In Vitrogen/Life Technologies, USA)に付し、ニトロセルロース膜へと転写した。Bio-Rad分子量マーカーを使用した。転写は、定電圧(60V)で2時間実施した。TBS−Tween 20(TBST)中4%ウシ血清アルブミン(BSA)でブロッキングした後、4℃で一晩連続的に振盪しながらTBST(1:3000)で希釈した抗ヒトCD146抗体(7A4 1mg/l、Biocytex, Marseille, France)を用いて可溶性CD146が証明された。可溶性CD146は、HRP結合ヤギ抗マウス抗体(Thermo Scientific, USA)によって検出された。G:Box-Chemi-XT4(Syngene, Cambridge, United Kingdom)によって膜をスキャン及び分析した。

0053

可溶性CD146アッセイ法
sCD146は、市販のELISAアッセイ法の適応を用いてアッセイされた(CY-QUANTsCD146、Biocytex、Marseille)。プレートは、特異的マウスモノクローナル抗ヒトCD146 F(ab’)2フラグメントでコーティングされた。200μLの胚上清1/2希釈液を各ウェルに加えて室温で30分間インキュベーションした。インキュベーション後に、プレートを5回洗浄し、その後特異的HRP結合抗CD146モノクローナル抗体(7A4−HRP、1mg/ml、Biocytex, Marseille, France)と特異的希釈剤中1:1000希釈にて室温で30分間インキュベーションし、次いで5回洗浄した。200μLのテトラメチルベンジジン(TMB)基質を室温でおよそ20分間インキュベーションした。比色反応をその後、100μLの酸溶液の添加によって停止させた。シグナルの強度は、試料中に最初に含有されていたsCD146の濃度に直接連関していた。技術の適応は、胚培養培地によるキットの希釈剤の置換に基づき、胚上清と同じ条件(37℃、5%CO2、48時間)で保存されたが、試験の反復性及び再現性を向上させるためにこれには胚を含めなかった。濃縮された抗CD146抗体も使用したが、これはヒト血清又は血漿中よりも上清中でsCD146が低濃度なためである(7A4−HRP、1mg/ml、Biocytex, Marseille, France)。既知濃度(0pg/mlから10000pg/mlまで)のsCD146を含む溶液の検量線を使用して、胚上清中のsCD146の濃度を求めた。上清の容量が小さいことと、提供者の推奨(200μl/ウェル)とにより、各試料を希釈し(1:2)、一重で(in simplicate)分析した。光学密度OD)を450nmで測定した。

0054

反復性及び再現性解析を実施し、データは4%の反復性及び11%の再現性(n=3試験)を示した。

0055

収集されたデータ
発明者らは、患者の臨床的及び生物学的データ(年齢、肥満度指数、喫煙習慣不妊症の指示及び継続期間、胞状卵胞カウント数及び基準の第3日FSH及びAMH血漿レベルによって評価された卵巣予備能力の査定)、体外受精サイクルの特性及び実験用データ(以前の体外受精−ICSI試行、従来の体外受精又はICSI−体外受精の数、卵巣刺激プロトコール、誘発日のエストラジオールレベル及び子宮内膜の厚さ、回収された卵母細胞の数、成熟卵母細胞の数、得られた2倍体胚の数及び移植された胚の数、移植された胚の形態的スコア、移植の日)、並びに臨床的妊娠の発生率を収集した。

0056

統計解析
データは、平均±SEMとして表された。統計解析は、Prismソフトウェア(GraphPad Software Inc., San Diego)を用いて実施された。有意差は、ノンパラメトリックMann Whitney and Chi2検定を用いて判定された。本発明者らには、各カップルにつきいくつかの観察内容があるので、多変量のモデルを用いる一般化推定方程式(GEE)が使用される。p値<0.05が有意と考えられた。

0057

結果
ベースライン患者特性
試験グループは、少なくとも1個の移植された胚を用いた体外受精又は体外受精−ICSIを受けた162組のカップルを含んでいた。1505個の回収された卵母細胞のうち、1199個(81.2%)は成熟であり、907個の胚が得られて738個が2倍体であった。第2日/3日に、1回の移植あたり1または2個の胚を用いて合計261個の胚が移植された。試験された162組のカップルのうち、完全なデータ(sCD146試験結果及び妊娠検査)が、それらのうち138組につき入手でき、移植された胚は225個であった(図1)。これらの225個の移植された胚は結果的に、36例の臨床的妊娠をもたらし、これには33人の単身と3組の双子が含まれていた。第2日に、146個の胚が移植された(D2、64.8%)、第3日には79個であった(D3、35.2%)。移植された胚の平均数は1.63個(SD±0.53)で、着床率は17.3%(39個の(卵黄/225個の胚)であった。全体の妊娠率は26.1%(36例の妊娠/138人の患者)であった。

0058

これらの225個の胚のうち、イスタンブール分類によると、64個は「最良な品質の胚」、125個は「良好な品質」、そして36個は「不良な品質」であった。それらの着床率はそれぞれ、26.2%、12%及び5.7%であった。

0059

女性の平均年齢は33.1であった(SD±4.51)。コントロールされた卵巣過刺激は、試行のうち21.5%で短期アゴニストプロトコール、58.3%で長期アゴニストプロトコール、及び20.2%でアンタゴニストプロトコールを用いて実施された。カップルのうち54%が古典的なインビトロ受精を受け、46%は細胞質内精子注入を受けた。体外受精サイクルの平均列(mean row)は1.77(SD±0.97)であった。体外受精についての指示は、カップルの58%が男性不妊症に、42%が女性不妊症に関連するものであった。試験された集団の特性(卵巣予備状態、着床の臨床的予後因子、誘発日の卵巣応答及び子宮内膜の状態)を表1に要約している。

0060

0061

第2日からの胚上清中のsCD146の存在
胚上清中のsCD146の存在を確認するため、発明者らは種々のsCD146濃度を用い4つの試料についてウエスタンブロット解析を実施した。ELISAにより、第1の試料は220pg/mlで(第2日に移植)、第2の試料は1178pg/mlで(第2日に移植)、第3の試料は3850pg/mlで(第3日に移植)評価され、最後の試料は陰性コントロールでありアッセイ法に使用された希釈剤に対応していた(胚上清と同じ条件に保存されたが胚を含まない胚培養培地)(図2)。

0062

胚は第2日(D2)又は第3日(D3)に移植されたので、発明者らは胚上清中のsCD146濃度をD2及びD3に比較した。D2又はD3移植間でsCD146濃度に有意差は示されなかった(p=0.36)(図3)。

0063

sCD146濃度及び胚の品質
実際には、胚の選択は形態学に基づく。これは移植前に査定される唯一判断基準である。よって、発明者らはsCD146の濃度と、イスタンブール分類により定義される胚の品質との関係を研究した。発明者らは、sCD146の濃度が胚のタイプと相関しないことを見出した(図4)。

0064

sCD146濃度と体外受精の結果
発明者らは、着床胚と非着床胚との間のsCD146濃度の有意差を見出し(図5)、低濃度は高い着床可能性に連関していた。共変数のイスタンブール分類及びFSH率に調整して逐次多変量解析をした後、発明者らは低sCD146濃度と着床との間の有意な相関を確認し、Wald chi-square5.39(p=0.02)であった。

0065

着床のバイオマーカーとしてのsCD146の有用性
算定されたROC曲線で、着床に対する至適感度(71%)及び特異性(60%)は1164pg/mLのsCD146で見出されることが示された。この閾値では、妊娠の百分率は約40%増加した。この増大は、最良、良好及び不良の胚の品質の3つのイスタンブール群において、それぞれ20、30及び77%の増大で維持される(図6)。

0066

結論
多胎妊娠のリスク及び関連合併症を回避するため、胚1個だけを選択して移植することが必要である。胚の着床可能性の予測はしたがって、体外受精における必要事項を構成する。本実験で発明者らは、sCD146は着床可能性が最も高い胚を選択するのに早期、非侵襲的且つ革新的なバイオマーカーに相当することを示した。興味深いことに、このバイオマーカーは、これまでに唯一の選択基準であったイスタンブール分類により定義される形態学的基準からは独立である。したがって、sCD146を用いた胚選択は、何れの胚の群であっても有用であり得る。それゆえsCD146は、胚選択の精度及び体外受精有効性を向上させる、胚選択の第一のバイオマーカーを表す。

0067

最高の着床可能性を備えた胚の早期、正確且つ厳密な選択は事実上、体外受精における妊娠の確率を増大するのに最良の手法を構成する。

0068

発明者は、その実験において、ELISA及びウエスタンブロットの双方により胚上清中のsCD146の存在を証明した。この検出は、最短第2日の胚上清中で達成できた。胚盤胞の早期段階において検出されることができるバイオマーカーはこれまでにないので、これらの結果は、体外受精において有利なバイオマーカーとしてのsCD146を明示するものである。さらに、センターの大多数は第2日又は第3日に胚を移植し、これはsCD146検出に適合する期間であるので、sCD146の使用の別の利点が示される。最後に、sCD146の早期検出コスト低減にも関わる。

0069

胚上清中のsCD146濃度は、着床可能性が最も高い胚を選択するのに、早期、非侵襲的且つ革新的なバイオマーカーに相当する。このバイオマーカーは有利なことに、妊娠するための時間とコストを低減することによって、体外受精の有効性を向上させる。

0070

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