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技術 皮膚再建の方法

出願人 ユニベルシテドゥボルドーインセルムサントル・オスピタリエ・ユニベルシテール・ドゥ・ボルドー
発明者 カーゾリ,ヴィンセントカリオ-アンドレ,ミュリエルレピヴァート,ジャン-クリストフ
出願日 2016年3月25日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2017-550498
公開日 2018年5月31日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2018-513724
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 炭酸水素ナトリウム濃度 基底位置 明色領域 両端値 内部媒体 注文生産 外部要素 制御雰囲気
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、代用皮膚を作製するための方法、代用真皮を作製するための方法、代用皮膚、代用真皮、及びその方法を実行するためのキットに関する。本発明はまた、代用皮膚から成る移植片、並びに皮膚障害及び/又は皮膚物質喪失治療する手段としてのその使用にも関する。本発明は、特に、薬理学医療、及び臨床の分野で用いられ得る。

概要

背景

皮膚は、非常に特定の層構造を含む非常に複雑な器官である。それは、以下の3つの主要部分:
− 最も薄く、表皮と称される表層部分、
− より厚い中間部分で、表皮が付着されている真皮、及び
− より深い層の皮下組織
を含む。

それは特に、外部媒体と、多くの哺乳類、特にヒトの内部媒体との間のバリアを提供する。この「バリア」機能のおかげで、皮膚は、生物にとっての保護を自然に提供し、一方同時に、前記生物と外部環境との間の繋がりも提供する。皮膚は、何らかの攻撃に対する最初の防御器官も成す。

皮膚は、多くの攻撃を受けるものであり、それらは、例えば、癌の原因となる炎症反応細胞改変を引き起こし得るUV線に伴う攻撃、熱傷乱切など、例えば鈍器によるものなどの物理的攻撃、洗剤を例とする化学製品に例えば伴う化学的攻撃であり得る。このような様々な攻撃は、特に、皮膚の構造を改変すること、その色を変化させること、及び/又は皮膚創傷外観を引き起こすことを起こし得る皮膚障害を誘発し得る。

実際、ヒドロキノンなどの化学製品及び/又は分子が、高い用量で用いられた場合、強い色素脱失を誘発し得ること、瘢痕ストレッチマーク糖尿病高血圧症皮膚癌、又は全身合併症を例とする重篤病態腎障害体毛発達を引き起こし得ること、並びに鬚の成長及び体臭乱れを引き起こし得ることが知られている。脱色が所望される効果を超えて進み過ぎると、これらの結果は、不可逆的となり得る。この場合、主要なソリューションは、依然として、正常な外観に「戻す」試みとしての皮膚移植である。

他の要素が皮膚の変化の原因となる場合もあり、例えば、遺伝的秩序(genetic order)のパラメータ、並びに/又は全身内分泌及び/若しくは自己免疫障害に伴うパラメータである。それらは、特に、白斑メラニン増加症、無色性色素失調症、又は母斑などの色素異常を引き起こす病態であり得る。そのような障害治療するための方法の1つは、皮膚移植及び/又は色素細胞の組み込み(implementation)を含む。しかし、このような方法は、適用される皮膚及び/又は色素細胞の安定性に多くの場合関連する相対効果を有する。

皮膚は、例えば鈍器などの外部要素によって損傷される場合もあり、ある程度深い創傷が引き起こされ得る。皮膚は、非常に強い再生及び治癒能力を有しており、それによって、ほとんどの場合、ある程度の長期間にわたる治癒が可能となる。治癒時間及び/又は能力は、特に、創傷の深さ/程度、及びさらには個体の生理的状態に依存し得る。実際、深い創傷の場合、それらは、病原体に対する「開かれた扉」となる可能性があり、モニタリングの増加が、及び/又は例えば縫合糸を用いることによる、若しくは特に皮膚の再生を可能とする目的で、特に様々な損傷部分修復する目的で、その上に皮膚移植片を適用することによる創傷を閉じるための介入の必要性が求められる。

先行技術には、特に皮膚再生に好ましい環境の形成を一時的に可能とする人工代用真皮が存在する。これらの代用物によって形成される構造及び環境は、多くの場合、真皮のそれに近い。しかし、これらの代用物は、医療デバイスであり、本質的に合成物であり、高価である。

先行技術にはまた、個体からの皮膚サンプルから得られた細胞、特に角化細胞を培養するためのシステムも存在し、それは、数週間の後、慢性創傷又は熱傷を例とする創傷に、その治癒を促進する目的で堆積噴霧することができる培養物を形成する。

しかし、これらの方法及び代用物は、それ自体、線維芽細胞、角化細胞、及びメラニン形成細胞などの皮膚の主要構成細胞を含む代用皮膚を構成するものではない。特に、これらの代用物は、メラニン形成細胞を含んでおらず、したがって、色素沈着された及び/又は色素沈着可能である代用皮膚を得ることはできない。さらに、これらの代用物は、例えば、色素異常の治療、例えば、外科手術、完全な皮膚の喪失まで起こり得る著しい皮膚の喪失を例えば引き起こす事故に起因する深い創傷の治療に用いることはできない。

さらに、利用可能な代用真皮を得るための方法は、「遅い」方法であり、この方法では、例えば、深い熱傷などの特定の創傷の治療に適合する時間で代用物を得ることはできない。

そして、市販の代用皮膚の大部分は、構造的な意味でも、及び疫学的な意味でも、脆弱製品である。したがって、これらの製品は、特にその取扱い時における製品のいかなる断裂も回避するために、小サイズである場合が多い。

先行技術にはまた、例えば米国特許第5755814号の文書に記載のように、特に、細胞の培養、特に線維芽細胞及び/又はメラニン形成細胞と角化細胞との混合物の培養を含む代用皮膚を作製するためのシステム/方法も存在する。しかし、これらのシステム/方法では、生体内の皮膚と同一の構造を有する代用物を得ることはできない。加えて、これらの方法によって得られた代用物は、角質層中におけるケラチン成熟異常に相当する皮膚の分化異常である不全角化を呈し、したがって、皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失の治療にこれらを用いることはできない。そして、代用皮膚を作製するための公知のシステム/方法は、特に、ウシ脳下垂体抽出物を例とする臨床使用に不適合である化合物を含む媒体を用いる。

概要

本発明は、代用皮膚を作製するための方法、代用真皮を作製するための方法、代用皮膚、代用真皮、及びその方法を実行するためのキットに関する。本発明はまた、代用皮膚から成る移植片、並びに皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失を治療する手段としてのその使用にも関する。本発明は、特に、薬理学医療、及び臨床の分野で用いられ得る。

目的

それは特に、外部媒体と、多くの哺乳類、特にヒトの内部媒体との間のバリアを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

a.線維芽細胞培地M1中で線維芽細胞を培養する工程;b.コラーゲンを含むマトリクスに、工程aで得られた線維芽細胞を播種する工程;c.コラーゲンを含む前記マトリクスに播種された線維芽細胞を、アスコルビン酸アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む線維芽細胞培地M2中で培養し、前記マトリクス及び前記培養された線維芽細胞に代用真皮を形成させる工程;d.メラニン形成細胞を、メラニン形成細胞培地M3中で培養する工程;e.角化細胞を、角化細胞培地M4中で培養する工程;f.工程dで得られたメラニン形成細胞と工程eで得られた角化細胞とを混合する工程;g.工程cで得られた前記代用真皮を、工程fで得られた前記混合物とともに播種する工程;h.工程gで播種された前記代用真皮を、皮膚培地M5中で培養し、それによって代用皮膚を形成する工程を含む、代用皮膚を作製するための方法。

請求項2

前記培地M5が、ヒアルロン酸ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記培地M5が、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む、請求項2に記載の方法。

請求項4

工程fのメラニン形成細胞と角化細胞との前記混合が、1/20から1/15のメラニン形成細胞/角化細胞比で行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

工程gの前記播種が、9から19の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比で行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

工程bの前記播種が、コラーゲンを含む前記マトリクスの表面積に対して20000から50000線維芽細胞/cm2の密度で行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

工程cが、アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩を含まない線維芽細胞培地M21の存在下、18から28時間にわたる第一の培養工程c’、及びアスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む線維芽細胞培地M22の存在下、少なくとも2日間にわたる第二の培養工程c’’を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

工程hが:−ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩を含まない培地M51の存在下、6から24時間にわたる第一の培養工程h’、−ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M52の存在下、少なくとも2日間にわたる第二の培養工程h’’、並びに−ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体、及びアスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M53中、少なくとも2日間にわたる第三の培養工程h’’’を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することによって得ることができる代用皮膚。

請求項10

前記線維芽細胞が、個体に関して、前記代用皮膚の前記個体への移植という観点から自家性である、請求項9に記載の代用皮膚。

請求項11

前記線維芽細胞、前記メラニン形成細胞、及び前記角化細胞が、個体に関して自家性である、請求項10に記載の代用皮膚。

請求項12

請求項1から11のいずれか一項に記載の方法の工程cで得ることができる代用真皮。

請求項13

請求項10若しくは11に記載の代用皮膚、又は請求項12に記載の代用真皮から構成される移植片

請求項14

皮膚障害及び/又は皮膚物質喪失治療するための手段としての使用のための請求項13に記載の移植片。

請求項15

前記皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失が、熱傷治癒欠陥慢性創傷色素異常血管腫、及び皮膚癌を含む群より選択される、請求項14に記載の使用のための移植片。

請求項16

線維芽細胞培地M1、コラーゲンを含むマトリクス、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む線維芽細胞培地M2、メラニン形成細胞培地M3、角化細胞培地M4、及び皮膚培地M5を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するためのキット

請求項17

前記培地M1からM5が、独立して、臨床グレードの培地である、請求項16に記載のキット。

技術分野

0001

本発明は、代用皮膚を作製するための方法、その方法を実行することによって得ることができる動物の代用皮膚、好ましくは、哺乳類及び/又はヒトの代用皮膚、並びにその方法を実行するためのキットに関する。

0002

本発明はまた、代用皮膚から成る移植片、並びに皮膚障害及び/又は皮膚物質喪失治療するための手段としてのその使用にも関する。

0003

本発明は、特に、薬理学医療、及び臨床の分野で用いられ得る。

0004

以下の記述において、角括弧([])内の参照番号は、テキストの最後に提示する参考文献のリストを参照することを意味する。

背景技術

0005

皮膚は、非常に特定の層構造を含む非常に複雑な器官である。それは、以下の3つの主要部分:
− 最も薄く、表皮と称される表層部分、
− より厚い中間部分で、表皮が付着されている真皮、及び
− より深い層の皮下組織
を含む。

0006

それは特に、外部媒体と、多くの哺乳類、特にヒトの内部媒体との間のバリアを提供する。この「バリア」機能のおかげで、皮膚は、生物にとっての保護を自然に提供し、一方同時に、前記生物と外部環境との間の繋がりも提供する。皮膚は、何らかの攻撃に対する最初の防御器官も成す。

0007

皮膚は、多くの攻撃を受けるものであり、それらは、例えば、癌の原因となる炎症反応細胞改変を引き起こし得るUV線に伴う攻撃、熱傷乱切など、例えば鈍器によるものなどの物理的攻撃、洗剤を例とする化学製品に例えば伴う化学的攻撃であり得る。このような様々な攻撃は、特に、皮膚の構造を改変すること、その色を変化させること、及び/又は皮膚創傷外観を引き起こすことを起こし得る皮膚障害を誘発し得る。

0008

実際、ヒドロキノンなどの化学製品及び/又は分子が、高い用量で用いられた場合、強い色素脱失を誘発し得ること、瘢痕ストレッチマーク糖尿病高血圧症皮膚癌、又は全身合併症を例とする重篤病態腎障害体毛発達を引き起こし得ること、並びに鬚の成長及び体臭乱れを引き起こし得ることが知られている。脱色が所望される効果を超えて進み過ぎると、これらの結果は、不可逆的となり得る。この場合、主要なソリューションは、依然として、正常な外観に「戻す」試みとしての皮膚移植である。

0009

他の要素が皮膚の変化の原因となる場合もあり、例えば、遺伝的秩序(genetic order)のパラメータ、並びに/又は全身内分泌及び/若しくは自己免疫障害に伴うパラメータである。それらは、特に、白斑メラニン増加症、無色性色素失調症、又は母斑などの色素異常を引き起こす病態であり得る。そのような障害を治療するための方法の1つは、皮膚移植及び/又は色素細胞の組み込み(implementation)を含む。しかし、このような方法は、適用される皮膚及び/又は色素細胞の安定性に多くの場合関連する相対効果を有する。

0010

皮膚は、例えば鈍器などの外部要素によって損傷される場合もあり、ある程度深い創傷が引き起こされ得る。皮膚は、非常に強い再生及び治癒能力を有しており、それによって、ほとんどの場合、ある程度の長期間にわたる治癒が可能となる。治癒時間及び/又は能力は、特に、創傷の深さ/程度、及びさらには個体の生理的状態に依存し得る。実際、深い創傷の場合、それらは、病原体に対する「開かれた扉」となる可能性があり、モニタリングの増加が、及び/又は例えば縫合糸を用いることによる、若しくは特に皮膚の再生を可能とする目的で、特に様々な損傷部分修復する目的で、その上に皮膚移植片を適用することによる創傷を閉じるための介入の必要性が求められる。

0011

先行技術には、特に皮膚再生に好ましい環境の形成を一時的に可能とする人工代用真皮が存在する。これらの代用物によって形成される構造及び環境は、多くの場合、真皮のそれに近い。しかし、これらの代用物は、医療デバイスであり、本質的に合成物であり、高価である。

0012

先行技術にはまた、個体からの皮膚サンプルから得られた細胞、特に角化細胞を培養するためのシステムも存在し、それは、数週間の後、慢性創傷又は熱傷を例とする創傷に、その治癒を促進する目的で堆積噴霧することができる培養物を形成する。

0013

しかし、これらの方法及び代用物は、それ自体、線維芽細胞、角化細胞、及びメラニン形成細胞などの皮膚の主要構成細胞を含む代用皮膚を構成するものではない。特に、これらの代用物は、メラニン形成細胞を含んでおらず、したがって、色素沈着された及び/又は色素沈着可能である代用皮膚を得ることはできない。さらに、これらの代用物は、例えば、色素異常の治療、例えば、外科手術、完全な皮膚の喪失まで起こり得る著しい皮膚の喪失を例えば引き起こす事故に起因する深い創傷の治療に用いることはできない。

0014

さらに、利用可能な代用真皮を得るための方法は、「遅い」方法であり、この方法では、例えば、深い熱傷などの特定の創傷の治療に適合する時間で代用物を得ることはできない。

0015

そして、市販の代用皮膚の大部分は、構造的な意味でも、及び疫学的な意味でも、脆弱製品である。したがって、これらの製品は、特にその取扱い時における製品のいかなる断裂も回避するために、小サイズである場合が多い。

0016

先行技術にはまた、例えば米国特許第5755814号の文書に記載のように、特に、細胞の培養、特に線維芽細胞及び/又はメラニン形成細胞と角化細胞との混合物の培養を含む代用皮膚を作製するためのシステム/方法も存在する。しかし、これらのシステム/方法では、生体内の皮膚と同一の構造を有する代用物を得ることはできない。加えて、これらの方法によって得られた代用物は、角質層中におけるケラチン成熟異常に相当する皮膚の分化異常である不全角化を呈し、したがって、皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失の治療にこれらを用いることはできない。そして、代用皮膚を作製するための公知のシステム/方法は、特に、ウシ脳下垂体抽出物を例とする臨床使用に不適合である化合物を含む媒体を用いる。

発明が解決しようとする課題

0017

したがって、代用物のコスト及び作製時間を低減するために、先行技術のこれらの欠陥、欠点、及び障害を克服する代用皮膚を作製するための方法、特に、皮膚の主要な構成細胞、特に線維芽細胞、角化細胞、及びメラニン形成細胞を含む代用皮膚を得ることを可能とする方法を見出すことが実際に求められている。

0018

また、再現可能であり、信頼性の高い皮膚モデルの作製を可能とする方法を見出すことも、先行技術において実際に求められている。

0019

また、皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失の治療に用いることができる新規な代用皮膚を見出すことも実際に求められている。

0020

また、容易に取り扱うことができ、その取扱い時に断裂の高リスクを呈さない新規な代用皮膚を見出すことも実際に求められている。

課題を解決するための手段

0021

本発明の目的は、具体的には、以下の:
a.線維芽細胞培地M1中で線維芽細胞を培養する工程;
b.コラーゲンを含むマトリクスに、工程aで得られた線維芽細胞を播種する工程;
c.コラーゲンを含むマトリクスに播種された線維芽細胞を、アスコルビン酸アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む線維芽細胞培地M2中で培養し、マトリクス及び培養された線維芽細胞に代用真皮を形成させる工程;
d.メラニン形成細胞を、メラニン形成細胞培地M3中で培養する工程;
e.角化細胞を、角化細胞培地M4中で培養する工程;
f.工程dで得られたメラニン形成細胞と工程eで得られた角化細胞とを混合する工程;
g.工程cで得られた代用真皮を、工程fで得られた混合物とともに播種する工程;
h.工程gで播種された代用真皮を、皮膚培地M5中で培養して、代用皮膚を形成する工程
を含む、代用皮膚を作製するための方法を提供することによって、この必要性を満たすことである。

実施例

0022

本発明において、「含む(comprise)」の用語は、一方では、「含む(include)」、「含有する」、又は「包含する」を、他方では、「から構成される」又は「から成る」を同等に意味し得る。

0023

本発明において、本発明の方法に従って得られた代用真皮は、生体内の真皮の特徴を再現する完全な組織であり、すなわち、タンパク質型の高分子、特にコラーゲン線維グリコサミノグリカン線維、タンパク質、及び機能性線維芽細胞を含む。

0024

本発明において、本発明の方法に従って得られた代用皮膚は、生体内の皮膚の特徴を再現する完全な組織であり、すなわち、組織学的に正常である基底層有棘層顆粒層、及び角質層を再現する角化細胞、並びに基底メラニン形成細胞を含み、機能性線維芽細胞を含有する代用真皮と機能性基底層を介して接触している角化多重層表皮(keratinized pluristratified epithelium)を含む。

0025

有利には、本発明に従う方法により、代用物の細胞によって分泌されるタンパク質混合物から特に成り、それによって、生体内の皮膚の特徴を再現する真皮−表皮接合部を形成する基底層を含む代用皮膚を得ることができる。

0026

本発明では、本発明の方法で用いることができる線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び角化細胞は、当業者に公知のあらゆる線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び角化細胞であってよい。それらは、例えば、Institut Pasteur、25 rue du
Docteur Roux、F−75724 Paris Cedex 15のCollection Nationale de Culture de Microorg
anisme[フランス国立微生物カルチャーコレクション](CNCM)由来のものを例とする細胞バンクから入手した線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。それらはまた、市販の線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってもよく、例えば、Thermofischer scientific社、CellnTec社、又はPromocell社から販売されている細胞である。それらはまた、動物、好ましくは、哺乳類から、及び/又はヒトから予め単離された生物サンプルから単離された線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってもよい。線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞は、1つの生検組織又は複数の生検組織から独立して単離された線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞は、前記患者への前記代用皮膚の移植片の目的で、個体、好ましくは、哺乳類及び/又はヒトからの1つの生検組織又は複数の生検組織から独立して単離されてよい。それらは、独立して、個体に対して自家性又は異種性である線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。

0027

本発明において、有利には、線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び角化細胞で表される3つの細胞型のうちの少なくとも2つの細胞型が、個体に対して自家性である。

0028

1つの特定の実施形態では、線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び角化細胞が、有利には、個体に対して自家性の細胞である。

0029

線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞は、例えば、コーカサス人種アジア人種、若しくはアフリ人種皮膚由来、様々な解剖学的部位、例えばヒトの背中、顔、胸部、手の、手のひら由来の1つの生検組織又は複数の生検組織から独立して単離されてよい。

0030

それらは、独立して、加齢シミ日光黒子(actinic lentigo))、肝斑、白斑、母斑、又はメラノーマを例とする1若しくは複数の皮膚病態を有する好ましくはヒトからの皮膚生検組織から独立して単離された線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。

0031

それらはまた、例えば、レトロウィルスレンチウイルスアデノウイルスアデノ随伴ウイルス(AAV)によって独立して遺伝子改変された線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってもよい。それらは、例えば、独立して、少なくとも1つのタンパク質、例えば、VII型コラーゲン、ケラチン5、14、カタラーゼ、及びSIRT6から選択されるタンパク質を過剰発現し、並びに/又は少なくとも1つのタンパク質、例えば、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)若しくは低分子干渉RNA(siRNA)技術を介して、例えば、VII型コラーゲン、HIF1、又はCCN3を過小発現する線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。それらは、例えば、Pendaries V et al., JID 2012[1];Petek LM et al. Mol ther 2010[2]に記載のように独立して遺伝子改変された線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。それらは、例えば、独立して遺伝子改変されていても、又はされていなくてもよい線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよく、例えば、ATCCCRL−4048の参照番号で識別されるKer−CT細胞、又はATCC CRL−4005の参照番号で識別されるTelCOFS02MA細胞である。

0032

それらはまた、HaCaT角化細胞株又はWS1線維芽細胞株を例とする細胞株由来の線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。

0033

好ましくは、用いることができる線維芽細胞は、照射処理3T3線維芽細胞を含まない。

0034

それらはまた、成体幹細胞から、例えば前記成体幹細胞を維持することによって誘導された多能性幹細胞から、並びに/又は例えばOct3/4、Sox2、KLF4、若しくはc−Myc遺伝子の導入、及び続いてのレチノイン酸及び/若しくはBMP−4を例とする因子カクテルによる細胞株への分化を介して誘導された多能性幹細胞から独立して得られた線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってもよい。それらはまた、アルギニン末端ポリアミドアミンナノ粒子を例とするナノ粒子の使用に基づく非ウィルス技術によって誘導された成体幹細胞及び/又は多能性幹細胞であってもよい。当業者であれば、自身の一般的知識により、方法及び/又は細胞を選択することができる。それらは、例えば、Kogut et al. MethodsMol Biol 2014[3]、Ohta et al., Methods Mol
Biol, 2013[4]、及び/又はRevilla et al., J Tissue Eng Regen Med, 2015[5]に記載される方法によって得られた線維芽細胞、メラニン形成細胞、及び/又は角化細胞であってよい。

0035

本発明において、「線維芽細胞培地M1」の用語は、線維芽細胞の培養に適する当業者に公知のいかなる培地をも意味することを意図している。それは、例えば、市販の培地であってよく、例えば、アミノ酸ビタミン無機塩、及び糖(例えば、グルコース、の混合物を特に含むGibco社から販売されているダルベッコ改変イーグル最小必須培地DMEM)、又はCell Systems社から販売されているFibrolife培地であってよい。

0036

0037

本発明において、培地M1は、添加剤、特に、ウシ胎仔血清FCS)も含んでよい。

0038

本発明において、培地M1は、例えば、培地の総重量に対して、5重量%から15重量%、7.5から12.5重量%、10重量%のウシ胎仔血清(FCS)を含んでよい。

0039

本発明において、培地M1は、少なくとも1つの抗真菌性化合物及び/又は抗菌性化合物を含んでよい。これは、例えば、当業者に公知の、及び/又は市販されているいかなる抗真菌性化合物及び/又は抗菌性化合物であってもよい。それは、例えば、アンホテリシンBケトコナゾール、及びこれらの混合物を含む群より選択される少なくとも1つの抗真菌性化合物であってよい。それは、例えば、ペニシリンストレプトマイシンシプロフロキサシン、及びこれらの混合物を含む群より選択される少なくとも1つの抗菌性化合物であってよい。

0040

本発明において、培地M1は、培地の総重量に対して、0.1重量%から10重量%、0.5重量%から5重量%、1重量%の抗真菌剤を含んでよい。

0041

本発明において、培地M1は、培地の総重量に対して、0.1重量%から10重量%、0.5重量%から5重量%、1重量%の抗生物質を含んでよい。

0042

本発明において、培地M1及び/又はその構成成分のすべては、臨床グレードのものであってよい。

0043

「臨床グレード」の用語は、本発明において、構成成分又は培地が、ある分野における臨床的な使用に適するとして該当機関から認可されたものであることを意味する。有利には、本発明において、培地が臨床グレードである場合、それは、ウシ脳下垂体抽出物を含まない。

0044

本発明において、線維芽細胞培養工程aは、30から40℃、35から39℃を含む、又は37℃に等しい温度で行われてよい。

0045

本発明において、工程aの線維芽細胞培養時間は、5から21日間、5から15日間、又は8から15日間を含んでよい。

0046

本発明において、工程aの線維芽細胞培養時間は、5%から10%のCO2を含む制御雰囲気下、例えば、少なくとも5%のCO2を含む雰囲気下で行われてよい。

0047

本発明によると、線維芽細胞培養工程aは、30から40℃、32から40℃、又は37℃に等しい温度、及び少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下のインキュベーター中で行われてよい。

0048

本発明によると、線維芽細胞培養工程aは、当業者に公知である適切ないかなる培養容器中で行われてもよい。それは、ペトリ皿、又は容量が25から75cm2、25、75、若しくは175cm2である培養フラスコであってもよい。

0049

本発明によると、工程aに従う培養によって得られた線維芽細胞は、培養容器中、コンフルエントである細胞の層を形成してよい。例えば、線維芽細胞は、70%から100%コンフルエントであってよく、好ましくは、100%コンフルエントである。

0050

本発明によると、工程aに従う培養が、所望に応じてコンフルエントであってもよい細胞の層に相当する場合、方法はさらに:
−培地を除去し、細胞を溶液リンスし、リンス溶液を除去する工程a’、
トリプシン処理によって細胞を剥離する工程a’’、及び
沈澱又は遠心分離を行う工程a’’’、
も含んでよい。

0051

本発明によると、工程a’において、培地の除去は、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、培地を吸引すること、又は培地を除去するために容器を逆さまにすることであってもよい。

0052

本発明によると、工程a’において、細胞のリンスは、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよく、例えば、リンス溶液中での細胞の浸漬、散布、又はインキュベーションによる。

0053

本発明において、「リンス溶液」の用語は、当業者に公知である細胞をリンスするためのいかなる溶液をも意味することを意図している。それは、例えば、7.2から7.4を含むpHのHBSS(ハンク平衡塩溶液緩衝溶液であってよい。

0054

0055

それは、市販の緩衝溶液であってもよく、例えば、それぞれ、Gibco社、SigmaAldrich社、又はLonza社から販売されているリン酸緩衝食塩水PBS)又はハンクス平衡溶液であってもよい。

0056

本発明によると、工程a’において、リンス溶液の除去は、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、リンス溶液を吸引すること、又はリンス溶液を除去するために容器を逆さまにすることであってもよい。

0057

本発明によると、トリプシン処理工程a’’は、トリプシンを含む緩衝溶液(BS)に細胞を浸漬し、続いて、酵素反応を停止するために、ウシ胎仔血清(FCS)を添加することによって行われてよい。

0058

本発明によると、緩衝溶液(BS)は、トリプシン処理法に用いることができる当業者に公知であるいかなる緩衝溶液であってもよい。それは、例えば、それぞれGibco社、SigmaAldrich社、又はLonza社から販売されているリン酸緩衝食塩水(PBS)又はハンクス平衡溶液であってもよい。

0059

本発明によると、緩衝溶液(BS)に添加されるトリプシンの量は、総重量に対して0.01重量%から0.05重量%であってよい。

0060

本発明によると、緩衝溶液(BS)にFCSを添加する前のトリプシンを含む緩衝溶液中でのインキュベーション時間は、2から10分間であってよい。

0061

本発明によると、緩衝溶液(BS)に添加されるFCSの量は、総体積に対して5体積%から20体積%を含んでよい。

0062

本発明によると、沈澱工程a’’’は、当業者に公知であるいかなる方法で行われても
よい。それは、例えば、沈降、又は800から1400回転毎分、例えば1200回転毎分に等しい速度での遠心分離であってよい。

0063

本発明によると、遠心分離工程a’’’は、4から10分間、例えば5分間に等しい時間にわたって行われてよい。

0064

本発明によると、沈澱工程a’’’は、当業者に公知であるいかなる装置で行われてもよい。それは、例えば、Eppendorf社又はJouan社から販売されている回転式遠心分離機であってもよい。

0065

本発明において、「コラーゲンを含むマトリクス」の用語は、細胞を播種することができる当業者に公知であるコラーゲンを含むいずれのマトリクスをも意味することを意図している。それは、例えば、Bell et al., 1979[6]に記載されるように、好ましくは線維芽細胞のいかなる優先的な組織化も起こさない、弛緩状態の(non-taut)I型コラーゲンゲルに相当するコラーゲンのマトリクスであってよい。それは、例えば、25から500cm2の表面積であるI型コラーゲンが好ましいコラーゲンの密度/濃度を有するマトリクスであってよい。それは、例えば、市販のコラーゲンを含むマトリクスであってよく、例えば、それは、Integra社から販売されているコラーゲンを含むマトリクスであってもよい。

0066

有利には、コラーゲンを含むマトリクスは、真皮再生マトリクス(dermal regeneration matrix)であってよい。真皮再生マトリクスは、特に、それぞれIntegra Life Science Corporation社及びMedSkin Solutions Dr. SuwelackAG社からIntegra(登録商標)及びMatriderm(登録商標)の商品名で販売されているマトリックスから選択されてよい。有利には、及びコラーゲンを含む他のマトリックスとは対照的に、上記で述べたものなどの真皮再生マトリクスは、既にモデル化されており、それによって、皮膚同等物構築が促進される。

0067

1つの実施形態では、コラーゲンを含むマトリクスは、架橋されたコラーゲン、及び少なくとも1つのグリコサミノグリカン、例えばコンドロイチン−6−硫酸を含むマトリクスであってよい。それは、例えば、Integralife Sciences社から販売されているIntegraマトリクス(登録商標)及び/又はBoyce ST et al., 1988[7]の文書に記載される方法に従って得られたマトリクスであってもよい。

0068

別の実施形態では、コラーゲンを含むマトリクスは、未変性構造コラーゲン及びエラスチンの線維を含むマトリクスであってもよい。「未変性構造コラーゲンの線維」の用語は、特に、化学的に架橋されていない線維を意味することを意図している。マトリクスは、例えば、MedSkin Solutions Dr. SuwelackAG社から販売されているMatridermマトリクス、及び/又はHafemann et al., Burns 1999[8]の文書に記載の方法に従って得られたマトリクスであってもよい。

0069

本発明において、コラーゲンを含むマトリクスの厚さは、線維芽細胞を播種する前は、1.0から3.0mm(両端値を含む)であってよい。1つの特定の実施形態では、コラーゲンを含むマトリクスの厚さは、線維芽細胞を播種する前は、厳密に1.0mm超であってよい。

0070

本発明において、工程bの播種は、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、線維芽細胞を含む培地のマトリクス上への散布による、マトリクス上で細胞をサブ培養することによる堆積による、細胞を懸濁状態で含む培地の注ぎ入れによ
る、又は例えばWonhye Lee et al. “Multi-layered culture of human skin fibroblasts and keratinocytes through three-dimensional freeform fabrication.” Biomaterials, 2009, March; 30(8):1587-95[7]に記載のような3Dプリンティングによる適用であってもよい。

0071

本発明において、工程aが、工程a’’を含む場合、本発明の方法は、播種工程bの前に、遠心分離した細胞の培地M1中での再懸濁の工程b1を含んでよい。

0072

本発明において、コラーゲンを含むマトリクスの工程bの播種は、コラーゲンを含むマトリクスの表面積に対して、20000から50000線維芽細胞/cm2、好ましくは、30000線維芽細胞/cm2の密度で行われてよい。1つの特定の実施形態では、線維芽細胞密度は、コラーゲンを含むマトリクスに対して、厳密に50000線維芽細胞/cm2未満であってよい。

0073

本発明において、線維芽細胞培地M2は、線維芽細胞の培養に適する当業者に公知であるいかなる培地であってもよい。それは、例えば、市販の培地であってもよく、例えば、アミノ酸、ビタミン、無機塩、糖、例えばグルコースの混合物を特に含むダルベッコ改変イーグル最小必須培地(DMEM)であってもよい。

0074

本発明において、培地M1はまた、添加剤、特に、ウシ胎仔血清(FCS)を含んでもよい。

0075

本発明において、培地M2は、培地の総重量に対して、5から15重量%、7.5重量%から12.5重量%、又は10重量%のウシ胎仔血清(FCS)を含んでもよい。

0076

本発明において、培地M2は、少なくとも1つの抗真菌性化合物及び/又は抗菌性化合物を含んでよい。それは、例えば、当業者に公知である及び/又は市販されているいかなる抗真菌性化合物及び/又は抗菌性化合物であってもよい。それは、例えば、アンホテリシンB、ケトコナゾール、又はこれらの混合物を含む群より選択される少なくとも1つの抗真菌性化合物であってもよい。それは、例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン、シプロフロキサシン、及びこれらの混合物を含む群より選択される少なくとも1つの抗菌性化合物であってもよい。

0077

本発明において、培地M2は、培地の総重量に対して、0.1重量%から10重量%、0.5重量%から5重量%、又は1重量%の抗真菌剤を含んでよい。

0078

本発明において、培地M2は、培地の総重量に対して、0.1重量%から10重量%、0.5重量%から5重量%、又は1重量%に等しい量の抗生物質を含んでよい。

0079

本発明において、培地M2はまた、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含んでもよい。例えば、培地M2は、20から60mg・mL−1、例えば、30から55mg・mL−1、又は50mg・mL−1に等しい濃度で、アスコルビン酸又はアスコルビン酸塩を含んでよい。

0080

本発明において、「誘導体」の用語は、当業者に公知であるカルボン酸又はカルボキシレートのいかなる誘導体も示す。例えば、この用語は、対応する酸のエステル又は無水物などの誘導体を含み得る。

0081

有利には、アスコルビン酸により、特に、線維芽細胞によるコラーゲン合成刺激することによって、コラーゲンを含むマトリクスのリモデリングを促進することが可能となる

0082

本発明において、培地M2及び/又はその構成成分のすべては、臨床グレードのものであってよい。

0083

本発明において、線維芽細胞培養工程cは、30から40℃、35から39℃を含む、又は37℃に等しい温度で行われてよい。

0084

本発明において、工程cの線維芽細胞培養時間は、5から12日間、又は7から10日間であってよい。

0085

本発明において、線維芽細胞培養工程cは、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0086

本発明において、コラーゲンを含むマトリクスに播種された線維芽細胞の培養工程cは:
−アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩を含まない線維芽細胞培地M21の存在下、18から28日間にわたる第一の培養工程c’、及び
− アスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む線維芽細胞培地M22の存在下、少なくとも2日間にわたる第二の培養工程c’’
を含んでよい。

0087

この実施形態において、線維芽細胞培地M21は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩及びそれらの誘導体を含まない上記で定める通りの培地M2に相当する。本発明において、培地M21及び/又はその構成成分のすべては、臨床グレードのものであってよい。

0088

この実施形態において、線維芽細胞培地M22は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む上記で定める通りの培地M2に相当する。本発明において、培地M22及び/又はその構成成分のすべては、臨床グレードのものであってよい。

0089

本発明において、培養工程c’は、30から45℃、35から39℃を含む、又は37℃に等しい温度で行われてよい。

0090

本発明において、工程c’の培養時間は、19から27時間、例えば24時間であってよい。

0091

本発明において、培養工程c’’は、30から40℃、35から39℃を含む、又は37℃に等しい温度で行われてよい。

0092

本発明において、工程c’’の培養時間は、5から12日間、又は7日間に等しくてよい。

0093

本発明者らはまた、有利には、工程cで得られたマトリクス及び培養線維芽細胞が、代用真皮に相当する構造を形成することも実証した。

0094

有利には、本発明者らはまた、培養工程c’が、接着及び線維芽細胞によるマトリクスのコロニー形成の工程に相当し、工程c’’が、有利には、代用真皮を形成するための線維芽細胞を含むマトリクスのリモデリングを可能とすることも実証した。特に、それぞれ培地M21及びM22を用いることによる連続する工程c’及びc’’により、有利には、線維芽細胞が増殖せず、コラーゲンを含むマトリクスにコロニー形成する代用真皮の形
成が可能となり、同時に、有利には、線維芽細胞自体によるコラーゲン産生も可能となり、したがって、真皮のリモデリングが可能となる。

0095

言い換えると、工程c後に得られた製品は、有利には、代用真皮として用いることができる。特に、この製品は、線維芽細胞が誘導され得る真皮のすべての物理化学的特性を含む。

0096

本発明によると、メラニン形成細胞培養工程dは、当業者に公知である適切ないかなる培養容器中で行われてもよい。それは、ペトリ皿、又は容量が25から75cm2、25、75、若しくは175cm2である培養フラスコであってもよい。

0097

本発明において、メラニン形成細胞培地M3は、メラニン形成細胞の培養に適する当業者に公知であるいかなる培地であってもよい。それは、例えば、市販の培地であってよく、例えば、Promocell社から「Melanocyte Medium M2」の参照名で販売されている市販の培地、Promocell社から販売されている「MBM」、以下の表3に示されるように、アミノ酸、ビタミン、無機塩、糖、例えばグルコースの混合物を特に含むSigma−Aldrich社から販売されているMCDB153培地であってよい。

0098

0099

それはまた、改変された市販の培地であってもよく、例えば、チロシンメチオニン、又はこれらの混合物を例とするアミノ酸、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を例とするさらなる無機塩をさらに含むMCDB153培地であってもよい。

0100

本発明において、培地M3はさらに、ウシ脳下垂体抽出物(BPE)、インスリン、ペニシリン−ストレプトマイシン(PS)、ヒドロコルチゾンウマ血清ウシ血清塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)、SCF、又はこれらのいずれかの混合物から選択される少なくとも1つの添加剤も含んでよい。

0101

本発明において、培地M3は、培地の総重量に対して、0.1重量%から10重量%、0.5から5重量%、又は1重量%のペニシリン−ストレプトマイシン(PS)を含んでよい。

0102

本発明において、培地M3は、1.25から1.60μM、1.40から1.55μM、又は1.45μMのヒドロコルチゾン濃度を含んでよい。

0103

本発明において、培地M3は、100から160μg・mL−1、110から150μ
g・mL−1、又は140μg・mL−1に等しいウシ脳下垂体抽出物(BPE)濃度を含んでよい。

0104

本発明において、培地M3は、15から25μg・mL−1、又は20μg・mL−1に等しいインスリン濃度を含んでよい。

0105

本発明において、培地M3は、0.01から0.2μg・mL−1、0.01から0.1μg・mL−1、又は0.01μg・mL−1に等しいGM−CSF濃度を含んでよい。

0106

本発明において、培地M3は、0.004から0.2μg・mL−1、0.01から0.15μg・mL−1、又は0.05μg・mL−1に等しいSCF濃度を含んでよい。

0107

本発明において、培地M3は、0.1から10ng・mL−1、0.5から5ng・mL−1、0.8から2ng・mL−1、又は1ng・mL−1に等しいbFGF濃度を含んでよい。

0108

本発明において、培地M3は、培地の総重量に対して、1重量%から5重量%、2重量%から4重量%、若しくは3重量%のウマ又はウシ血清を含んでよい。

0109

本発明において、培地M3及び/又はその構成成分のすべては、臨床グレードのものであってよい。

0110

本発明において、メラニン形成細胞培養工程dは、30から40℃、例えば37℃に等しい温度を例とする周囲温度で行われてよい。

0111

本発明において、工程dの培養時間は、15から28日間であってよい。

0112

本発明において、工程dのメラニン形成細胞培養は、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0113

本発明によると、工程dに従う培養によって得られたメラニン形成細胞は、培養容器中、コンフルエントである細胞層を形成してよい。例えば、メラニン形成細胞は、50%から100%コンフルエントの細胞層を形成してよい。

0114

本発明によると、工程dに従う培養が、所望に応じてコンフルエントであってもよい細胞層に相当する場合、方法はさらに:
−培地を除去し、細胞を溶液でリンスし、リンス溶液を除去する工程d’、
−トリプシン処理によって細胞を剥離する工程d’’、及び
−沈澱工程d’’’、
も含んでよい。

0115

本発明において、工程d’では、培地の除去は、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、培地を吸引すること、又は培地を除去するために容器を逆さまにすることであってもよい。

0116

本発明において、工程d’では、細胞のリンスは、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよく、例えば、リンス溶液中での細胞の散布又は浸漬であってもよい。

0117

本発明において、「メラニン形成細胞リンス溶液」の用語は、当業者に公知であるいか
なるメラニン形成細胞リンス溶液をも意味することを意図している。それは、例えば、上記の表2に記載の溶液を例とするHBSS緩衝溶液、又は7.2から7.4を含むpHのリン酸緩衝食塩水(PBS)であってもよい。それはまた、市販の緩衝溶液であってもよく、例えば、それぞれ、Gibco社、SigmaAldrich社、又はLonza社から販売されているリン酸緩衝食塩水(PBS)又はハンクス平衡溶液であってもよい。

0118

本発明において、工程d’では、リンス溶液の除去は、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、リンス溶液を吸引すること、又はリンス溶液を除去するために容器を逆さまにすることであってもよい。

0119

本発明によると、トリプシン処理工程d’’は、トリプシンを含む緩衝溶液(BS)に細胞を浸漬し、続いて、酵素反応を停止するために、ウシ胎仔血清(FCS)を添加することによって行われてよい。

0120

本発明によると、緩衝溶液(BS)は、上記で定める通りの緩衝溶液であってよい。

0121

本発明によると、緩衝溶液(BS)に添加されるトリプシンの量は、総重量に対して、0.01重量%から0.05重量%であってよい。

0122

本発明によると、FCSを緩衝溶液に添加する前のトリプシンインキュベーション時間は、2から5分間であってよい。

0123

本発明において、溶液(BS)に添加されるFCSの量は、総体積に対して5体積%から20体積%を含んでよい。

0124

本発明によると、沈澱工程d’’’は、沈降によって、遠心分離によって、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、800から1200回転毎分の速度での遠心分離であってもよい。

0125

本発明によると、遠心分離工程d’’’は、5から10分間にわたって行われてよい。

0126

本発明において、遠心分離工程d’’’は、当業者に公知であるいかなる装置で行われてもよい。それは、例えば、Eppendorf社又はJouan社から販売されている回転式遠心分離機であってもよい。

0127

本発明において、遠心分離工程d’’’により、細胞を培地から分離するために、細胞を沈降させることができる。当業者であれば、一般的知識により、培地中の細胞を沈降させることができる公知のいずれかの技術を用いて遠心分離工程d’’’を適合/改変させる方法を認識しているであろう。

0128

本発明によると、角化細胞培養工程eは、当業者に公知である適切ないかなる培養容器中で行われてもよい。それは、ペトリ皿、又は容量が25から75cm2、25、75、若しくは125cm2である培養フラスコであってもよい。

0129

本発明において、角化細胞培地M4は、角化細胞の培養に適する当業者に公知であるいかなる培地であってもよい。それは、例えば、市販の培地であってよく、例えば、Life−Technology社から販売されているKSFM培地、Lonza社若しくはProvitro社から販売されているKGM、アミノ酸、ビタミン、無機塩、糖、例えばグルコースの混合物を特に含むSigma−Aldrich社から販売されているMCD
B153培地であってよい。それはまた、改変された市販の培地であってもよく、例えば、0.100から0.110M/l、例えば0.104M/lの塩化ナトリウム濃度、2から3×10−2M/l、例えば2.29×10−2M/lのHepes濃度、1.10×10−2M/lから1.25×10−2M/l、例えば1.19×10−2M/lの炭酸水素ナトリウム濃度を含み、並びに未改変MCDB153培地の濃度の2倍であるアルギニン、ヒスチジンイソロイシンロイシン、メチオニン、フェニルアラニンスレオニントリプトファン、チロシン、バリン、及びコリンの濃度を含むMCDB153培地であってもよい。

0130

本発明において、培地M4は、増殖因子、例えば上皮増殖因子(EGF)、ウシ脳下垂体抽出物(BPE)、インスリン、ペニシリン−ストレプトマイシン(PS)、ヒドロコルチゾン、又はこれらのいずれかの混合物から選択される添加剤も含んでよい。有利には、培地M4は、臨床グレードの添加剤を含んでよい。それらは、例えば、増殖因子、例えば上皮増殖因子(EGF)、インスリン、ペニシリン−ストレプトマイシン(PS)、ヒドロコルチゾン、又はこれらのいずれかの混合物から選択される添加剤であってよい。

0131

本発明において、培地M4は、例えば、培地の総重量に対して、0.5重量%から5重量%、0.75から3重量%、又は1重量%のペニシリン−ストレプトマイシン(PS)を含んでよい。

0132

本発明において、培地M4は、1.25から1.60μM、1.40から1.55μM、又は1.45μMのヒドロコルチゾン濃度を含んでよい。

0133

本発明において、培地M4は、50から90μg・mL−1、60から80μg・mL−1、又は70μg・mL−1のウシ脳下垂体抽出物(BPE)濃度を含んでよい。

0134

本発明において、培地M4は、3から8μg・mL−1、例えば5μg・mL−1に等しいインスリン濃度を含んでよい。

0135

本発明において、培地M4は、5から15ng・mL−1、6.5から13ng・mL−1、又は10ng・mL−1に等しい上皮増殖因子(EGF)濃度を含んでよい。

0136

本発明において、培地M4及び/又はその構成成分のすべては、臨床グレードのものであってよい。

0137

本発明において、角化細胞培養工程eは、25から39℃、例えば37℃に等しい温度で行われてよい。

0138

本発明において、工程eの培養時間は、15から28日間を含んでよい。

0139

本発明において、工程eの角化細胞培養は、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0140

本発明によると、工程eに従う培養によって得られた角化細胞は、培養容器中にて細胞の単層を形成し得る。それは、例えば、培養容器中、コンフルエントに近い、例えば、50%から80%コンフルエントである細胞の単層であってよい。

0141

本発明によると、工程eに従う培養が、コンフルエントに近い、好ましくは、50%から80%コンフルエントである細胞の単層に相当する場合、方法はさらに:
−培地を除去し、細胞を溶液でリンスし、リンス溶液を除去する工程e’、
−トリプシン処理によって細胞を剥離する工程e’’、及び
−遠心分離工程e’’’、
も含んでよい。

0142

本発明において、工程e’では、培地の除去は、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、培地を吸引すること、又は培地を除去するために容器を逆さまにすることであってもよい。

0143

本発明において、工程e’では、細胞のリンスは、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよく、例えば、角化細胞リンス溶液中での細胞の浸漬、散布、又はインキュベーションによる方法であってもよい。

0144

本発明において、「角化細胞リンス溶液」の用語は、当業者に公知であるいかなる角化細胞リンス溶液をも意味することを意図している。それは、例えば、7.2から7.4を含むpHのPBS緩衝溶液又は例えば上記の表2に記載のようなHBSS緩衝溶液であってよい。それはまた、市販の緩衝溶液であってもよく、例えば、それぞれ、Gibco社、SigmaAldrich社、又はLonza社から販売されているリン酸緩衝食塩水(PBS)又はハンクス平衡溶液であってよい。

0145

本発明において、工程e’では、角化細胞リンス溶液の除去は、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、角化細胞リンス溶液を吸引すること、又は角化細胞リンス溶液を除去するために容器を逆さまにすることであってもよい。

0146

本発明によると、トリプシン処理工程e’’は、トリプシンを含む溶液(S)に細胞を浸漬し、続いて、酵素反応を停止するために、ウシ胎仔血清(FCS)を添加することによって行われてよい。

0147

本発明によると、溶液(S)に添加されるトリプシンの量は、溶液の総重量に対して、0.01重量%から0.05重量%を含んでよい。

0148

本発明によると、FCSを培地に添加する前のトリプシンインキュベーション時間は、5から10分間を含んでよい。

0149

本発明において、溶液(S)に添加されるFCSの量は、溶液の総重量に対して5重量%から20重量%を含んでよい。

0150

本発明によると、遠心分離工程e’’’は、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、800から1200回転毎分の速度での遠心分離であってもよい。

0151

本発明によると、遠心分離工程e’’’は、5から10分間にわたって行われてよい。

0152

本発明において、遠心分離工程e’’’は、当業者に公知であるいかなる装置を用いて行われてもよい。それは、例えば、Eppendorf社又はJouan社から販売されている回転式遠心分離機であってもよい。

0153

本発明において、工程dで得られたメラニン形成細胞を工程eで得られた角化細胞と混合する工程fは、当業者に公知である適切ないかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、培地中、撹拌下での細胞の混合であってもよい。

0154

本発明において、工程fのメラニン形成細胞と角化細胞との混合は、1/20から1/15、又は1/19に等しい数基準でのメラニン形成細胞/角化細胞比で行われてよい。

0155

有利には、本発明者らは、驚くべきことに、メラニン形成細胞と角化細胞との混合を、1/20から1/15、好ましくは1/19に等しいメラニン形成細胞/角化細胞比で行った場合、得られる代用皮膚が、生体内の皮膚と同一の構造的/生物学的特性を有することを実証した。

0156

1つの好ましい実施形態では、工程fのメラニン形成細胞と角化細胞との混合は、1/20から1/15、又は1/19に等しい数基準でのメラニン形成細胞/角化細胞比で行われ、コラーゲンを含むマトリクスは、上記で定める通りの真皮再生マトリクスである。

0157

本発明において、工程gの代用真皮への播種は、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、工程fで得られたメラニン形成細胞と角化細胞との混合物を含む培地の散布による、代用真皮上で細胞をサブ培養することでの堆積による、工程fで得られたメラニン形成細胞と角化細胞との混合物細胞を含む培地の滴下による、又は例えばWonhye Lee et al. “Multi-layered culture of human skin fibroblasts and keratinocytes through three-dimensional freeform fabrication.” Biomaterials, 2009, Mar; 30(8):1587-95[9]に記載のような3Dプリンティングによる適用であってもよい。

0158

本発明において、工程gの代用真皮への播種は、有利には、9から19の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比で行われてよい。本発明者らは、実際、驚くべきことに、工程gの播種を9から19の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比で行った場合、得られる代用皮膚が、正常皮膚と同一の構造的/生物学的特性を有することを実証した。

0159

1つの好ましい実施形態では、工程gの代用真皮への播種は、9から19の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比で行われ、コラーゲンを含むマトリクスは、上記で定める通りの真皮再生マトリクスである。

0160

本発明において、「皮膚培地M5」の用語は、皮膚の培養に適する当業者に公知であるいかなる培地をも意味することを意図している。それは、例えば、市販の培地であってよく、例えば、改変グリーン培地(modified Green medium)であってよく、すなわち、2/3のダルベッコ/フォークト改変イーグル最小必須培地(DMEM);1/3のハムF12培地を含み、及び10%のウシ胎仔血清(FCS)を含んでおり、これは、アミノ酸、ビタミン、無機塩、糖、例えばグルコースの混合物を特に含むGibco社から販売されている注文生産の混合物である。それはまた、改変グリーン培地、すなわち、コレラ毒素及びトリヨードチロニン(triodothyronine)を含まないグリーン培地、又は10%のFCSを含むイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)とMCDB153培地との混合物、又は10%のFCSを含むIMDM/dermalife角化細胞培地であってよく、それぞれ、Gibco社、Lifescience社、Promocell社、及びSigma Aldrichから販売されている。

0161

本発明において、培地M5は、ヒアルロン酸ヒアルロン酸塩若しくはそれらの誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩若しくはそれらの誘導体、又はこれらの混合物から選択される添加剤もさらに含んでよい。

0162

本発明において、培地M5は、例えば、40から60mg・L−1、45から55mg・L−1、又は50mg・L−1のヒアルロン酸塩又はヒアルロン酸を含んでよい。

0163

有利には、培地M5が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩及び/又はそれらの誘導体を含む場合、それは、ウシ脳下垂体抽出物を含まない。

0164

本発明において、培地M5は、例えば、40から60mg・L−1、45から55mg・L−1、又は50mg・L−1のアスコルビン酸又はアスコルビン酸塩を含んでよい。

0165

本発明において、皮膚培養工程hは、25から40℃を含む、例えば37℃に等しい温度で行われてよい。

0166

本発明において、工程hの皮膚培養時間は、6から21日間、例えば8から15日間であってよい。

0167

本発明において、工程hの皮膚培養は、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0168

本発明によると、工程hの皮膚培養は、25から40℃を含む、例えば37℃に等しい温度、及び少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0169

本発明において、培地M5及び/又はその各構成成分は、臨床グレードのものであってよい。

0170

本発明において、工程hは:
−ヒアルロン酸及びヒアルロン酸塩を、又はアスコルビン酸及びアスコルビン酸塩を含まない培地M51の存在下、少なくとも6時間、好ましくは、6から24時間にわたる第一の培養工程h’、
− ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M52の存在下、0から7日間、好ましくは、少なくとも2日間にわたる第二の培養工程h’’、並びに
− ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体、及びアスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M53中、少なくとも2日間にわたる第三の培養工程h’’’
を含んでよい。

0171

代用皮膚培地M51は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩及びそれらの誘導体を含まない上記で定める通りの培地M5に相当する。

0172

本発明において、培地M51及び/又はその各構成成分は、臨床グレードのものであってよい。

0173

代用皮膚培地M52は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含み、同時に、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩及びそれらの誘導体を含まない上記で定める通りの培地M5に相当する。

0174

本発明において、培地M52及び/又はその各構成成分は、臨床グレードのものであってよい。

0175

代用皮膚培地M53は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含み、及びアスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む上記で定める通りの培地M5に相当する。

0176

本発明において、培地M53は、臨床グレードの培地であってよい。

0177

本発明において、培養工程h’は、工程gで得られた播種された代用真皮を、培地M51中に堆積されることによって行われてよい。

0178

本発明において、培養工程h’は、25から40℃を含む、例えば37℃に等しい温度で行われてよい。

0179

本発明において、培養工程h’の継続時間は、6から24時間、例えば8から24時間、又は12から18時間であってよい。

0180

本発明において、皮膚培養工程h’は、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0181

有利には、本発明者らは、工程h’により、メラニン形成細胞及び角化細胞の代用真皮上での接着を促進することが可能となることを実証した。

0182

本発明において、培養工程h’’は、工程h’で得られた播種された代用真皮を、培地M52中に堆積されることによって、又は工程h’で得られた播種された代用真皮を、培地M52中に浸漬若しくは液浸(submersion)することで行われてよい。

0183

本発明において、培養工程h’’は、25から40℃を含む、例えば37℃に等しい温度で行われてよい。

0184

本発明において、培養工程h’’の継続時間は、0から7日間、好ましくは、2から7日間を含んでよい。

0185

本発明において、皮膚培養工程h’’は、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0186

本発明において、培養工程h’’’は、工程h’’で得られた播種された代用真皮の培地M52での堆積、工程h’’で得られた播種された代用真皮の培地M52への浸漬、又は工程h’’で得られた播種された代用真皮の、前記代用物が気液界面まで前記培地中に浸漬されるか若しくは前記培地の液面からちょうど出るように浸漬される浸漬によって行われてよい。

0187

本発明において、「前記培地の液面からちょうど出る」の用語は、培地中への代用物の浸漬が、その上部を浸漬することなくその高さ全体にわたって代用物を覆うように行われることを意味することを意図している。

0188

本発明において、培養工程h’’’は、25から40℃を含む、例えば37℃に等しい温度で行われてよい。

0189

本発明において、培養工程h’’’の継続時間は、2から7日間、好ましくは、7日間を含んでよい。

0190

本発明において、皮膚培養工程h’’’は、少なくとも5%のCO2を含む制御雰囲気下で行われてよい。

0191

有利には、本発明者らは、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体、及びア
スコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M53中に、工程h’’で得られた播種された代用真皮を浸漬させることにより、真皮−表皮接合部の形成を促進することが可能となり、したがって、播種された代用真皮の細胞のより良好な極性化が得られることを実証した。

0192

有利には、本発明者らはまた、工程h’’で得られた播種された代用真皮を培地の気液界面まで、又は培地の液面からちょうど出るように、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体、及びアスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M53中に浸漬させることにより、表皮の分化が可能となり、したがって、代用皮膚又は同等物上での角質層の形成が促進されることも実証した。

0193

有利には、本発明者らはまた、工程h’’で得られた播種された代用真皮を培地の気液界面まで、又は培地の液面からちょうど出るように、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体、及びアスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含む培地M53中に浸漬させることにより、基底層の細胞の高い増殖能、並びに生体内の皮膚で見られる勾配に類似する表皮の分化の増加に伴う増殖能の減少勾配を維持することが可能となることも実証した。

0194

有利には、本発明者らはまた、培地M5がヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含む場合、このことにより、驚くべきことに、代用皮膚又は同等物の品質を改善することが可能となることも実証した。

0195

有利には、本発明者らは、この方法により、有利には、その構成層のすべてを含む代用皮膚又は同等物を得ることが可能となることを実証した。したがって、本発明の方法に従って得られる代用皮膚は、先行技術で知られる代用皮膚とは対照的に、天然の皮膚に類似の特性を有する。

0196

有利には、本発明者らはまた、この方法により、先行技術で知られているよりも非常に大きいサイズの代用真皮及び/又は代用皮膚を得ることが可能となることも実証した。特に、この方法により、有利には、1から25cm2、例えば、5から25cm2の表面積を有する代用真皮及び/又は代用皮膚を得ることが可能となる。

0197

本発明者らはまた、有利には、この方法により、最小増幅能(minimum amplification capacity)が6である代用真皮若しくは同等物、及び/又は皮膚同等物若しくは代用物を得ることが可能となることも実証した。

0198

加えて、本発明者らはまた、有利には、本発明に従う方法により、その取扱い時に代用物のいかなる断裂/物理的変化をも回避することが有利には可能となる粘弾性を伴って取扱うことができる代用真皮及び/又は代用皮膚を得ることが可能となることも実証した。

0199

加えて、本発明の方法による代用真皮及び/又は代用皮膚の作製時間は、典型的には、30日間未満であり、したがって、特に熱傷の治療における要件に適合している。

0200

上記で定める通りの方法を実行することによって得ることができる代用皮膚も、本発明の主題である。

0201

有利には、本発明者らは、代用皮膚が、表皮メラニン沈着ユニット(epidermal melanization unit)を形成する基底層のレベルにメラニン形成細胞を含むことを実証した。

0202

有利には、本発明の方法によって得ることができる代用皮膚は、有利には、メラニン形
成細胞の存在によって、構成的な色素沈着を呈する。

0203

有利には、代用皮膚は、先行技術で知られるよりも非常に大きいサイズであり、それによって、特に、広範な創傷がある場合、単一の、又は先行技術と比較してより少ない数の代用皮膚の適用が可能となる。また、適用されるべき代用皮膚の数の減少により、有利には、治療コストを削減し、同時に前記治療を加速させることも可能となる。

0204

方法の工程cで得ることができる代用真皮も、本発明の主題である。

0205

有利には、代用真皮は、新たに形成された(neoformed)IV型コラーゲンを含んでよい。

0206

有利には、代用真皮は、線維芽細胞が分布しているI型コラーゲンを含む少なくとも1つのマトリクスを含む。それはまた、特にIV型コラーゲンであるコラーゲン、ラミニン、又はグリコサミノグリカンなどの分子を例とするその他の細胞外マトリクス構成成分も含有してよい。

0207

有利には、代用真皮は、先行技術で知られるよりも非常に大きいサイズであり、それによって、特に、広範な創傷がある場合、単一の、又は先行技術と比較してより少ない数の代用物の適用が可能となる。また、適用されるべき代用物の数の減少により、有利には、例えば治療されるべき表面全体を覆う単一のデバイスの提供によって、治療コストを削減し、同時に治療を加速させることも可能となる。

0208

本発明者らはまた、本発明に従う代用真皮及び/又は代用皮膚を、有利には、物質の喪失を補うために用いることができること、したがって、本発明に従う代用真皮及び/又は代用皮膚を、有利には、移植片として用いることができることも実証した。

0209

しがたって、上記で定める通りの代用皮膚又は上記で定める通りの代用真皮から構成される移植片も本発明の主題である。

0210

本発明において、本発明に従う移植片は、皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失を治療するための手段として用いることができる。特に、本発明に従う移植片は、熱傷、外傷又は慢性創傷に伴う治癒欠陥、色素異常、血管腫、及び皮膚癌を含む群より選択される皮膚障害及び/又は皮膚物質の喪失を治療するための手段として用いることができる。

0211

したがって、本発明に従う代用皮膚又は代用真皮の移植又は植え込みを含む皮膚の病気を治療するための方法も本発明の主題である。

0212

本発明において、代用皮膚の植え込みは、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、治療されるべき領域への代用物の直接適用であってよく、例えば、Pena, and al. Use of Autologous Skin Equivalents With Artificial Dermal Matrix (Integra) in Donor Site Coverage in Radial Forearm Free Flaps: Preliminary Cases J Oral and Maxillofacial Surgery, 70:10 10, 2012[10]に記載の方法に従う。

0213

本発明において、代用皮膚の移植は、当業者に公知であるいかなる方法で行われてもよい。それは、例えば、除去されるべき皮膚/真皮の領域の特定及び除去の第一の工程、及びそれに続く、除去された状態の領域への代用物の組み込みの第二の工程を含む方法であってよい。それはまた、E. Dantzer, F. Braye Reconstructive surgery using an artificial dermis (Integra): results with 39 grafts. Br J Plast Surg, 54:8 8, 2001[11]の文書に記載の方法であってもよい。

0214

治療方法において、「皮膚の病気」の用語は、熱傷、外傷又は慢性創傷に伴う治癒欠陥、色素異常、血管腫、及び皮膚癌を意味することを意図している。

0215

したがって、治療方法により、病変及び/又は損傷及び/又は病態皮膚を、健全な代用皮膚で置き換えることができる。

0216

治療方法は、例えば、色素性母斑巨大色素性母斑、メラノーマ、血管腫、又はエクリン汗孔腫アブレーション後の代用皮膚の移植を含んでよい。

0217

治療方法はまた、熱傷、及び/又は深い損傷、及び/又は慢性創傷例えば、糖尿病性創傷に、代用皮膚を植え込み及び/又は適用することも含んでよい。

0218

有利には、本発明者らは、驚くべきことに、培地M5がヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩又はそれらの誘導体を含む本発明の方法に従って代用皮膚又は同等物が得られた場合における、特に皮膚障害の治療の過程での組織修復の加速を実証した。

0219

また、線維芽細胞培地M1、コラーゲンを含むマトリクス、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩又はそれらの誘導体を含むマトリクス中の線維芽細胞の培養のための培地M2、メラニン形成細胞培地M3、角化細胞培地M4、及び皮膚培地M5を含む、本発明に従う方法を実行するためのキットも本発明の主題である。

0220

また、線維芽細胞培地M1、コラーゲンを含むマトリクス、コラーゲンを含むマトリクス中の線維芽細胞の培養のための培地M21、M22、メラニン形成細胞培地M3、角化細胞培地M4、皮膚培地M51、及び/又は皮膚培地M52、及び/又は皮膚培地M53を含む、本発明に従う方法を実行するためのキットも本発明の主題である。

0221

培地M1、M2、M21、M22、M3、M4、M5、M51、M52、及びM53は、上記で定める通りである。

0222

− 個体の健常領域から皮膚サンプルを採取する工程
−線維芽細胞、角化細胞、及び採取したサンプルからの線維芽細胞を用いて、本発明に従って代用皮膚を作製する工程、及び
− 得られた代用物を個体に移植する工程
を含む皮膚移植法も本発明の主題である。

0223

その他の利点は、当業者であれば、説明のために与えられ、添付の図面によって示される以下の例を読むことで、さらに明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0224

図1は、代用皮膚/同等物を得るための工程の図を示す。
図2は、皮膚(図2A)、及び播種する細胞の比を変化させて本発明の方法に従って得られた代用皮膚(図2B及び2C)の光学顕微鏡写真を示す。
図3Aは、工程cで得られた代用真皮の、線維芽細胞を染色した後の光学顕微鏡による写真である。図3Bは、小サイズ、すなわち0.5cm2の得られた代用皮膚の写真である。図3Cは、中サイズ、すなわち25cm2の得られた代用皮膚の写真である。
図4は、コラーゲンを含むマトリクスの移植後の(A列)、又は工程cで得られた代用真皮の移植後の(B列)写真を示し、移植の日(1段目)、移植の14日後(2段目)、又は移植の24日後(3段目)である。
図5は、移植の24時間後、ヘマトキシリンエオシン染色後の移植片から採取したサンプルの光学顕微鏡写真を示す。
図6は(図6AからD)、13.3の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞播種細胞比による方法に従って得られた皮膚同等物の光学顕微鏡写真(図6A及びB);基底位置(basal position)のメラニン形成細胞の免疫組織化学的標識(図6C、明色領域)、並びにIV型コラーゲン(図6D(2))及びp63増殖マーカー図6D(1))を標識した基底層の生成を示す。図6E及び6Fは、基底位置のメラニン形成細胞の免疫組織化学的標識後(図6E、明色領域)、IV型コラーゲンの標識後(図6F(2))、及びp63増殖マーカーの標識後(図6F(1))の皮膚の光学顕微鏡写真を示す。

0225

例1:代用皮膚の作製の例
本例において、用いた細胞は、過去に患者に対して行った乳房形成術から採取した皮膚生検組織から得た。

0226

生検組織の採取は、形成外科医が行い、生検組織は、生理食塩水を含有する滅菌チューブに入れた。

0227

細胞は、以下のようにして生検組織から単離した。

0228

1.表皮細胞単離
a.生検組織を滅菌HBSS(ハンクス平衡塩溶液)でリンスする。
b.生物学技術者外科用メスを用いて脂肪組織を除去する。
c.37℃まで予備加熱したトリプシン−EDTAと共に、3から24時間インキュベートする。
d.照射処理FCS(トリプシン阻害剤)で中和する。
e.表皮を除去し、高増殖(p63陽性)細胞が見られる基底層を外科用メスでこすり取る
f.ろ過、1200回転毎分での遠心分離、並びに、以下の表4に示す化合物を含むが、L−アルギニン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、及び塩化コリンの濃度を2倍とし、NaCl濃度を0.104M/lに低下させ、Hepesを2.29×10−2M/lに低下させ、及びNaHCO3を1.19×10−2M/lに低下させ、培地のpHを7.4に調節し、及び角化細胞のための抗生物質(ペニシリン及びストレプトマイシン1%)を含む改変*MCDB153培地中への1cm2あたり100000細胞でのペレットの播種を行う。

0229

メラニン形成細胞については、ろ過、1200回転毎分での遠心分離、並びに、以下の表4に示す化合物を含み、さらに5.88gの炭酸水素ナトリウム/5l、0.272gのチロシン/5l、及び0.157gのL−メチオニン/5lを含み、培地のpHを7.4に調節した改変*MCDB153培地中への1cm2あたり100000細胞でのペレットの播種を行う。

0230

0231

g.3日ごとに培地を交換しながら、37℃、5% CO2で1週間インキュベートする。
h.およそ1週間後、差別的トリプシン処理(differential trypsinization)=0.025%トリプシン及び0.0.1MEDTAでのトリプシン処理(メラニン形成細胞を剥離するために1〜2分間、角化細胞を剥離するために10分間)を行う。メラニン形成細胞が先に剥離するために、培養物を精製することができる。
照射処理FCSでの中和、1200回転毎分での遠心分離、及び同じ媒体での増幅のためのペレットの播種を行う。
i.3日ごとに培地を交換しながら、37℃、5% CO2で1週間インキュベートする。

0232

2.線維芽細胞の単離
a.真皮部分をHBSSでリンスする。
b.1%コラゲナーゼと共に、37℃で、真皮の種類に応じて最大3時間にわたって真皮をインキュベートする。
c.照射処理FCSで中和する。
d.40μmの細胞ふるいでのろ過、GR 2022遠心分離機による1200回転毎
分での5分間の遠心分離、並びに10% 照射処理FCS、及び1%でペニシリン及びストレプトマイシンを含むDMEM中への24時間の1cm2あたり100000細胞でのペレットの播種を行う。
e.Jouan IG 150インキュベーター中、3日ごとに培地を交換しながら、37℃、5% CO2で1週間インキュベートする。

0233

3.代用皮膚の作製
a.0.025%トリプシン及び0.0.1MEDTAで10分間線維芽細胞をトリプシン処理し、続いて照射処理FCSで中和し、GR 2022遠心分離機により1200回転毎分で5分間遠心分離し、予めハンクス平衡塩溶液(HBSS)で3回リンスした滅菌コラーゲン由来の真皮マトリクス、すなわち、Integra matrix(登録商標)上の10% FCSを含むDMEMに、注文生産のステンレス鋼インキュベーターチャンバー中、1cm2あたり30000線維芽細胞の割合で播種する。
b.37℃、5% CO2での24時間の培養後、インキュベーションチャンバーをマトリクスから取り除いた。
c.播種したマトリクスを、10%の照射処理FCS、並びに1%でペニシリン及びストレプトマイシン、並びに50mg/mLアスコルビン酸を含むDMEM中、3日ごとに培地を交換しながら、37℃、5% CO2で1週間インキュベートした。
d.角化細胞及びメラニン形成細胞のトリプシン処理を、0.025% トリプシン及び0.0.1M EDTAで、メラニン形成細胞培養皿からのメラニン形成細胞の剥離のために1から2分間、角化細胞培養皿からの角化細胞の剥離のために10分間行う。照射処理FCSでの中和、及び遠心分離、及びインキュベーションチャンバー中での、19角化細胞あたり1メラニン形成細胞を含有する混合物の1cm2あたり400000細胞での播種を行う。
e.24時間接着させる。
f.改変グリーン培地:50mg/mlでヒアルロン酸を含むDMEM/ハムF12/10% FCSで7日間液浸させる。
g.改変グリーン培地:10% FCS、50mg/mlでのヒアルロン酸及び50mg/ml アスコルビン酸、並びに抗生物質、すなわち1% ペニシリン−ストレプトマイシンを含むDMEM/ハムF12で7日間界面培養する。

0234

図1は、代用皮膚を得るための工程の図を示す。

0235

本例において、得られた2つの代用皮膚は、13.3の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比を有していた。13.3の比の場合、線維芽細胞、及び角化細胞/メラニン形成細胞混合物の堆積工程の過程において、播種した細胞の量は、それぞれ、線維芽細胞は15000、メラニン形成細胞は10000、角化細胞は190000であった。

0236

代用物が得られると、それを、4%ホルマリンで固定し、パラフィン包埋し、次に4μmのセクション切り出し、続いて皮膚の様々な層の標識のために、ヘマトキシリン・エオシン染色を行った。光学顕微鏡での観察を×40の倍率で行った。顕微鏡CCDカメラニコンソフトウェアNIS element Br)と連結させたため、観察結果の写真を撮影した。図2Bは、(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比を13.3とした場合の方法に従って得られた代用皮膚の光学顕微鏡写真を示す。図2Cは、(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比を6.7とした場合の方法に従って得られた代用皮膚の光学顕微鏡写真を示し、図2Aは、正常皮膚生検組織の光学顕微鏡写真を示す。図6A及び6Bも、(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比を13.3とした場合の方法に従って得られた皮膚同等物の光学顕微鏡写真を示す。

0237

さらに、(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比を13.3とした場合の方法
に従って得られた代用物、及び生体内皮膚の免疫組織化学的標識を、代用物中でのメラニン形成細胞の存在、特にIV型コラーゲンを含む基底層の生成(図6D(2))、基底層中における細胞の増殖能(図6D(1))、及びメラニン形成細胞の存在(図6C)を識別する目的で、Salducci, M., Andre, N., Guere, C., Martin, M., Fitoussi, R., Vie,
K., and Cario-Andre, M. (2014). Factors secreted by irradiated aged fibroblasts
induce solar lentigo in pigmented reconstructed epidermis. Pigment Cell Melanoma Res. 27, 502-504[12]又はSimon, D., Daubos, A., Pain, C., Fitoussi, R., Vie, K., Taieb, A., de Benetti, L., and Cario-Andre, M. (2013). Exposure to acute electromagnetic radiation of mobile phone exposure range alters transiently skin homeostasis of a model of pigmented reconstructed epidermis. Int. J. Cosmet. Sci. 35, 27-34[13]に記載の方法に従って行った。図6E及び6Fは、基底位置のメラニン形成細胞の免疫組織化学的標識後(図6E、明色領域)、IV型コラーゲンの標識後(図6F(2))、及びp63増殖マーカーの標識後(図6F(1))の生体内皮膚の光学顕微鏡写真を示す。図6C及び6Dにおいて、生体内皮膚の場合のように(図6E及び6F)存在する細胞が高増殖性であるレベルにIV型コラーゲンが存在することによって実証されるように、本発明に従う代用皮膚がメラニン形成細胞及び基底層を含むことが明白に見られる。

0238

これらの写真に示されるように、方法によって得られる代用物は、生体内皮膚と同一の構造を有している。

0239

例2:本発明に従う代用真皮のマウスへの移植
本例において、用いた代用皮膚は、乳房形成術から得た細胞を13.3の(角化細胞+メラニン形成細胞)/線維芽細胞比で用いて例1に記載のようにして得た代用物であった。用いたマウスは、Jackson Labからのswiww nu/nuヌードマウスであった。

0240

本例において、移植は、10体のマウスに対して並行して行った。

0241

真皮及び表皮を除去するために、マウスの切開を、外科用メスを用い、5cm2の領域に対して行い、乱切した領域を生理食塩水で洗浄した。乱切した領域に、それを覆うために予め作製しておいた代用皮膚を適用し(図4A、1段目)、次に、移植した領域を、マウスの皮膚と共に縫合して閉じた(図4B、1段目)。

0242

マウスを、専用の動物ハウスに、移植片の生着に必要な時間にわたってはカゴ1つあたり1体、その後は適切なサイズのカゴにカゴ1つあたり5体で飼育した。

0243

2週間後、マウスから皮膚の皮弁を取り除くことによって移植片がどの程度生着したかについての観察を行った(図4A、2段目)。言い換えると、縫合したマウス皮膚から縫合糸を取り除き、前記皮膚を取り除き、移植した代用真皮を露出させて目視観察を行った(図4B、2段目)。

0244

3週間後に、移植片がどの程度生着したかについての目視観察を行った(図4B及びB、3段目)。

0245

図4に示されるように、有利には、代用真皮を、特に、副作用を誘発することのない移植片として適用することができることが明らかに見られる。

0246

加えて、適用後3週間での代用真皮の構造状態を調べるために、代用物を外科用メスで切除することでサンプルを採取した。代用物を4%ホルマリンで固定し、パラフィンに
包埋し、次に4μmのセクションを切り出し、続いて皮膚の様々な層の標識のために、ヘマトキシリン・エオシン染色を行った。光学顕微鏡での観察を×40の倍率で行った。顕微鏡をCCDカメラ(ニコン、ソフトウェアNIS element Br)と連結させたため、観察結果の写真を撮影した。

0247

図5は、移植した代用物の光学顕微鏡写真を示す。特に、図5Aは、それほど多く存在せず、コラーゲンの再組織化を開始していないマウス線維芽細胞によってコロニー形成された代用物を示す。図5Bは、移植前ヒト線維芽細胞でコロニー形成された代用物を示す。数多くの線維芽細胞及びマトリクスの再組織化が、特にコラーゲンの厚い束の存在する表層領域に見られる。したがって、本例は、細胞のすべてが存在することによって、容易に一体化可能であり、経時で劣化せず、移植後に成熟を示し、それはマトリクス中の線維芽細胞下で加速される代用物を得ることが可能となることを明らかに実証するものである。

0248

参考文献のリスト
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