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技術 治癒向上のための二層デバイス

出願人 ユニバーシティオブフロリダリサーチファウンデーション,インコーポレイテッドシャークレットテクノロジーズインコーポレイテッド
発明者 マギンチェルシーマリーブレナンアンソニービー.ウィレンバーグブラッドリージェイシュルツグレゴリースコットニールディランバートン
出願日 2016年4月25日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2017-554554
公開日 2018年5月24日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2018-512959
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 熱溶解積層法 テクスチャード表面 ペルフルオロアルコキシエチレン 構造変数 非正弦波形 粒状層 溶融媒体 使用済み溶液
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題・解決手段

第1の層であって、創傷血管新生を促進するチャネルを含む第1の層と、第1の層に接する第2の層であって、第1の層と同じ又は異なる化学組成を有し、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、テクスチャの方向が細胞配向及び増殖を促進するのに有効である、第2の層とを含む多層創傷被覆材を本明細書に開示する。方法は、ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層を第1の層の上に形成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、第1の層及び第2の層が積層造形プロセスによって形成される。

概要

背景

本開示は、治癒向上のための二層デバイスに関する。

効率的全層創傷治癒に望ましい特性のすべてを有する臨床利用可能な被覆材はない。現行標準は、患部を覆う皮膚移植片である。しかし、この手法は、採皮部の病的状態と健康な皮膚の入手性の両方によって制限され、したがって、広範な傷害で実行可能な処置ではない。同種移植片、例えば、死体皮膚又は培養上皮細胞シートは、一時的な創傷被覆に利用可能なときに使用されることが多い。しかし、長い培養時間、移植片脆弱性、及び拒絶率が、同種移植片処置における大きな障壁として残る。合成及び生合成移植片は、これらの同じ欠点を持たないが、どちらも真皮表皮を同時に処置する能力がなく、すべての現在利用可能な全層創傷被覆材も同様である。皮膚の治癒を改善するのに合成皮膚移植片(例えば、Endoform(商標)、Biobrane(登録商標)及びIntegra(登録商標))が使用されるが、これらの製品は、血管新生に最大3週間かかることがあり、治癒期間延長中に合併症が生じる可能性がある。

さらに、これらの製品は、再上皮化を直接促さない。Biobrane(登録商標)及びIntegra(登録商標)は、例えば、表皮の治癒を可能にするために真皮の再生後に除去しなければならないシリコーン系上層を含む。この上部被覆材層を除去する必要性は、多数の合成創傷被覆材の重大な欠点である。それは、上皮細胞移動及び新組織形成を乱し、費用及び患者不快感を増大させる。創傷ケア専門家国際的な調査では、約60%が、被覆材交換頻度を減少させるために、熱傷処置用一体型複合材が好ましいと述べている。

概要

第1の層であって、創傷の血管新生を促進するチャネルを含む第1の層と、第1の層に接する第2の層であって、第1の層と同じ又は異なる化学組成を有し、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、テクスチャの方向が細胞配向及び増殖を促進するのに有効である、第2の層とを含む多層創傷被覆材を本明細書に開示する。方法は、ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層を第1の層の上に形成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、第1の層及び第2の層が積層造形プロセスによって形成される。

目的

効果

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請求項1

第1の層であって、創傷血管新生を促進するチャネルを含む前記第1の層と、前記第1の層に接する第2の層であって、前記第1の層と同じ又は異なる化学組成を有し、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、前記テクスチャの方向が細胞配向及び増殖を促進するのに有効である、前記第2の層と、を含む、多層創傷被覆材

請求項2

前記第1の層が、前記創傷が位置する患者解剖学的組織相補的なテクスチャを有する表面を含む、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項3

前記第1の層と前記第2の層が互いに直接接する、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項4

前記第1の層及び前記第2の層が熱可塑性層である、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項5

前記第1の層及び前記第2の層が生分解性層である、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項6

前記第1の層及び前記第2の層が生体適合性層である、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項7

前記第1の層が架橋層である、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項8

前記第2の層が架橋層である、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項9

前記第1の層及び前記第2の層が、ポリ乳酸グリコール酸PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸グリコール酸とポリ−カプロラクトンのコポリマー(PCL−PLGAコポリマー)、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸PHBV)、ポリオルトエステル(POE)、ポリエチレンオキシドブチレンテレフタラート(PEO−PBTP)、ポリ−D,L−乳酸−p−ジオキサノンポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLA−DX−PEG)又は上記ポリマーの少なくとも1種を含む組合せを含む、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項10

前記第1の層及び前記第2の層が、ポリウレタンとポリ乳酸のコポリマー又はポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸のコポリマーを含む、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項11

前記第2の層の少なくとも1つの表面の前記テクスチャが複数の離隔した特徴部(feature)を含み、各特徴部が、近傍の特徴部とは実質的に異なる形状を有し、前記複数の離隔した特徴部が複数のグループで配列され、前記グループ各々の中の前記離隔した特徴部が平均距離約10ナノメートル〜約200マイクロメートルで離隔しており、隣接する特徴部のグループが互いに離隔されて中間蛇行経路画定する、請求項1に記載の多層創傷被覆材。

請求項12

ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、前記第1の層と同じポリマー材料の第2の層を前記第1の層の上に形成するステップと、前記第1の層と同じポリマー材料の前記第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、前記テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、前記第1の層及び前記第2の層が積層造形プロセスによって形成される、方法。

請求項13

前記第1の層及び前記第2の層が3次元印刷積層造形プロセスによって形成される、請求項12に記載の方法。

請求項14

創傷が位置する患者の表皮の解剖学的組織の3次元コンピュータモデルを作成するステップと、前記第1の層と同じポリマー材料の前記第1の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、前記テクスチャード表面が前記3次元コンピュータモデルに相補的であるステップとを更に含む、請求項12に記載の方法。

請求項16

前記第1の層がチャネルを含む、請求項12に記載の方法。

請求項17

前記第2の層の少なくとも1つの表面の前記テクスチャが複数の離隔した特徴部を含み、各特徴部が、近傍の特徴部とは実質的に異なる形状を有し、前記複数の離隔した特徴部が複数のグループで配列され、前記グループ各々の中の前記離隔した特徴部が平均距離約10ナノメートル〜約200マイクロメートルで離隔しており、隣接する特徴部のグループが互いに離隔されて中間蛇行経路を画定する、請求項12に記載の方法。

請求項18

前記第1の層及び前記第2の層が、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)、ポリ−カプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸グリコール酸とポリ−カプロラクトンのコポリマー(PCL−PLGAコポリマー)、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸(PHBV)、ポリオルトエステル(POE)、ポリエチレンオキシド−ブチレンテレフタラート(PEO−PBTP)、ポリ−D,L−乳酸−p−ジオキサノン−ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLA−DX−PEG)又は上記ポリマーの少なくとも1種を含む組合せを含む、請求項12に記載の方法。

請求項19

前記第1の層及び前記第2の層が、ポリウレタンとポリ乳酸のコポリマー又はポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸のコポリマーを含む、請求項12に記載の方法。

請求項20

前記第1の層及び前記第2の層が生分解性層である、請求項12に記載の方法。

請求項21

多層創傷被覆材を創傷の上又は中に配置するステップを含み、前記多層被覆材が、第1のゲル層であって、創傷被覆材に使用されたときに血管新生を促進するチャネルを含む前記第1のゲル層と、前記第1のゲル層に接する第2の層であって、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含む前記第2の層とを含み、前記チャネル及び前記テクスチャが1つ以上の方向の多層細胞増殖を促進する、方法。

請求項22

前記第1のゲル層と前記第2の層が互いに直接接する、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記第1のゲル層が架橋層である、請求項21に記載の方法。

請求項24

前記第2の層が架橋層である、請求項21に記載の方法。

請求項25

前記第2の層が熱可塑性層である、請求項21に記載の方法。

請求項26

前記第1の層及び前記第2の層が架橋ゼラチンを含む、請求項21に記載の方法。

請求項27

前記第1の層がゼラチンコラーゲンキトサンアルギナート又はそれらの組合せを含む、請求項21に記載の方法。

請求項28

前記第2の層がゼラチン、コラーゲン、キトサン、アルギナート又はそれらの組合せを含む、請求項21に記載の方法。

請求項29

前記第2の層が、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)、ポリ−カプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸グリコール酸とポリ−カプロラクトンのコポリマー(PCL−PLGAコポリマー)、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸(PHBV)、ポリオルトエステル(POE)、ポリエチレンオキシド−ブチレンテレフタラート(PEO−PBTP)、ポリ−D,L−乳酸−p−ジオキサノン−ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLA−DX−PEG)、又は上記生分解性ポリマーの少なくとも1種を含む組合せを含む、請求項25に記載の方法。

請求項30

前記第2の層が、ポリウレタンとポリ乳酸のコポリマー又はポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸のコポリマーを含む、請求項25に記載の方法。

請求項31

前記テクスチャが複数の離隔した特徴部を含み、各特徴部が、近傍の特徴部とは実質的に異なる形状を有し、前記複数の離隔した特徴部が複数のグループで配列され、前記グループ各々の中の前記離隔した特徴部が平均距離約10ナノメートル〜約200マイクロメートルで離隔しており、隣接する特徴部のグループが互いに離隔されて中間蛇行経路を画定する、請求項1に記載の方法。

請求項32

第1のゲル層であって、創傷被覆材に使用されたときに血管新生を促進するチャネルを含み、前記第1の層が第1のタイプの増殖細胞を含む、前記第1のゲル層と、前記第1のゲル層に接する第2の層であって、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、第2のタイプの増殖細胞を含む、前記第2の層とを含む、物品

請求項33

前記第1の層と前記第2の層がどちらも同じゲルを含む、請求項32に記載の物品。

請求項34

前記第1の層がチャネルを含み、前記第1のタイプの増殖細胞が前記チャネル中に存在する、請求項32に記載の物品。

請求項35

前記第2のタイプの増殖細胞が前記テクスチャ上に配置された、請求項32に記載の物品。

請求項36

前記第1のタイプの増殖細胞が前記第2のタイプの増殖細胞と同じである、請求項32に記載の物品。

請求項37

前記第1のタイプの増殖細胞が、胚性幹細胞成体幹細胞芽細胞クローン細胞受精卵胎盤細胞角化細胞表皮基底細胞毛幹細胞毛根鞘細胞、表面上皮細胞基底上皮細胞、尿上皮細胞、唾液腺細胞粘液細胞漿液細胞フォンエブネル腺細胞乳腺細胞涙腺細胞耳道腺細胞、エクリン汗腺細胞、アポクリン汗腺細胞、モル腺細胞、皮脂腺細胞ボウマン腺細胞、ブルンネル腺細胞、精嚢細胞、前立腺細胞尿道球腺細胞、バルトリン腺細胞、リトル腺細胞、子宮内膜細胞、気道又は消化管杯細胞の粘液細胞、胃腺酵素原細胞、胃腺の酸分泌細胞インスリン産生β細胞グルカゴン産生α細胞ソマトスタチン産生δ細胞、ポリペプチド産生細胞膵管細胞小腸パネート細胞II型肺胞上皮細胞、肺のクララ細胞、下垂体前葉細胞、下垂体中葉細胞、下垂体後葉細胞腸管又は気道のホルモン分泌細胞甲状腺細胞副甲状腺細胞副腎細胞、性腺細胞腎臓傍糸球体細胞、腎臓の緻密斑細胞、腎臓の周血管極細胞、腎臓のメサンギウム細胞、腸の刷子縁細胞、外分泌腺線条導管胆嚢上皮細胞、腎臓の近位尿細管の刷子縁細胞、腎臓の遠位尿細管細胞、輸出管の無繊毛細胞精巣上体主細胞、精巣上体基底細胞肝細胞(hepatacyte)、脂肪細胞I型肺細胞、膵管細胞、汗腺の非線条部導管細胞、唾液腺の非線条部導管細胞、乳腺の非線条部導管細胞、腎糸球体壁細胞、腎糸球体の足細胞ヘンレ係蹄の薄いセグメントの細胞、集合管細胞、精嚢の導管細胞、前立腺の導管細胞、血管内皮細胞滑膜細胞漿膜細胞、外リンパ腔を覆う扁平細胞、耳の内リンパ腔を覆う細胞、脈絡叢細胞軟膜くも膜の扁平細胞、眼の毛様体上皮細胞、角膜内皮細胞推進機能を有する繊毛細胞、エナメル芽細胞、耳の前庭器半月面細胞、コルチ器歯間細胞、線維芽細胞血液流路周細胞椎間板髄核細胞セメント芽細胞(cementoblast)、セメント細胞(cementocyte)、象牙芽細胞象牙細胞(odontocyte)、軟骨細胞骨芽細胞骨細胞骨芽前駆細胞、眼の硝子体硝子体細胞、耳の外リンパ腔の星細胞骨格筋細胞心筋細胞平滑筋細胞筋上皮細胞赤血球巨核球単球結合組織マクロファージランゲルハンス細胞破骨細胞樹状細胞小膠細胞好中球好酸球好塩基球肥満細胞形質細胞ヘルパーT細胞サプレッサーT細胞キラーT細胞免疫グロブリンM免疫グロブリンG免疫グロブリンA免疫グロブリンEキラー細胞桿体細胞、錐体細胞、コルチ器の内有毛細胞、コルチ器の外有毛細胞、耳の前庭器のI型有毛細胞、耳の前庭器のII型有毛細胞、II型味蕾細胞、嗅神経細胞、嗅上皮の基底細胞、I型頚動脈小体細胞、Ii型頚動脈小体細胞、メルケル細胞、触覚専用の一次感覚神経、温度専用の一次感覚神経、疼痛専用の一次神経、固有受容性一次感覚神経、自律神経系コリン作動性神経細胞、自律神経系のアドレナリン作動性神経細胞、自律神経系のペプチド作動性神経細胞、コルチ器の内柱細胞、コルチ器の外柱細胞、コルチ器の内指節細胞、コルチ器の外指節細胞、辺縁細胞ヘンゼン細胞、前庭器の支持細胞、味蕾の支持細胞、嗅上皮の支持細胞、シュワン細胞衛星細胞、腸管グリア細胞中枢神経系の神経細胞、中枢神経系の星状細胞、中枢神経系の乏突起膠細胞、前水晶体上皮細胞水晶体線維細胞、メラニン細胞網膜色素上皮細胞虹彩色素上皮細胞卵原細胞卵母細胞精母細胞精原細胞卵胞細胞セルトリ細胞及び胸腺上皮細胞又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項36に記載の物品。

請求項38

前記第1のタイプの増殖細胞が前記第2のタイプの増殖細胞とは異なる、請求項32に記載の物品。

請求項39

第1のゲル層であって、前記第1の層が、創傷の血管新生を促進する3次元チャネルを含み、天然又は合成生分解性ポリマーを含む、前記第1のゲル層と、前記第1のゲル層に接する第2の層であって、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、前記テクスチャの方向が細胞配向及び増殖を促進するのに有効である、前記第2の層とを含む、多層創傷被覆材。

請求項40

前記多層創傷被覆材が、前記創傷が位置する患者の解剖学的組織に相補的であるサイズ及び形状を有する表面を含む、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項41

前記第1の層と前記第2の層が互いに直接接する、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項42

前記第1の層及び前記第2の層が熱可塑性層である、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項43

前記第1の層及び前記第2の層が生分解性層である、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項44

前記第1の層及び前記第2の層が生体適合性層である、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項45

前記第1の層が架橋層である、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項46

前記第2の層が架橋層である、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項47

前記第1の層及び/又は前記第2の層が、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)、ポリ−カプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸グリコール酸とポリ−カプロラクトンのコポリマー(PCL−PLGAコポリマー)、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸(PHBV)、ポリオルトエステル(POE)、ポリエチレンオキシド−ブチレンテレフタラート(PEO−PBTP)、ポリ−D,L−乳酸−p−ジオキサノン−ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLA−DX−PEG)又は上記ポリマーの少なくとも1種を含む組合せを含む、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項48

前記第1の層及び/又は前記第2の層が、ポリウレタンとポリ乳酸のコポリマー又はポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸のコポリマーを含む、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項49

前記第2の層の少なくとも1つの表面の前記テクスチャが複数の離隔した特徴部を含み、各特徴部が、近傍の特徴部とは実質的に異なる形状を有し、前記複数の離隔した特徴部が複数のグループで配列され、前記グループ各々の中の前記離隔した特徴部が平均距離約10ナノメートル〜約200マイクロメートルで離隔しており、隣接する特徴部のグループが互いに離隔されて中間蛇行経路を画定する、請求項39に記載の多層創傷被覆材。

請求項50

天然又は合成生分解性ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、ポリマー材料の第2の層を前記第1の層の上に形成するステップと、前記第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、前記テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性の細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、前記第1の層及び前記第2の層が積層造形プロセスによって形成される、方法。

請求項51

前記第1の層及び前記第2の層が3次元印刷積層造形プロセスによって形成される、請求項50に記載の方法。

請求項52

創傷が位置する患者の解剖学的組織の3次元コンピュータモデルを作成するステップと、ポリマー材料の前記第1の層の表面を形成するステップであって、前記表面のサイズ及び形状が前記3次元コンピュータモデルに相補的であるステップとを更に含む、請求項50に記載の方法。

請求項53

前記第1の層が3次元チャネルを含む、請求項50に記載の方法。

請求項54

前記第2の層の少なくとも1つの表面の前記テクスチャが複数の離隔した特徴部を含み、各特徴部が、近傍の特徴部とは実質的に異なる形状を有し、前記複数の離隔した特徴部が複数のグループで配列され、前記グループ各々の中の前記離隔した特徴部が平均距離約10ナノメートル〜約200マイクロメートルで離隔しており、隣接する特徴部のグループが互いに離隔されて中間蛇行経路を画定する、請求項50に記載の方法。

請求項55

前記第1の層及び前記第2の層が、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)、ポリ−カプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸グリコール酸とポリ−カプロラクトンのコポリマー(PCL−PLGAコポリマー)、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸(PHBV)、ポリオルトエステル(POE)、ポリエチレンオキシド−ブチレンテレフタラート(PEO−PBTP)、ポリ−D,L−乳酸−p−ジオキサノン−ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLA−DX−PEG)又は上記ポリマーの少なくとも1種を含む組合せを含む、請求項50に記載の方法。

請求項56

前記第1の層及び前記第2の層が、ポリウレタンとポリ乳酸のコポリマー又はポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸のコポリマーを含む、請求項50に記載の方法。

請求項57

前記第1の層及び前記第2の層が生分解性層である、請求項50に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、どちらも2015年4月23日に出願された米国特許出願第62/151875号及び同62/151936号、並びに2015年12月1日に出願された米国特許出願第62/261407号の利益を主張するものであり、これらを参照によりその全体を本明細書に援用する。

0002

連邦支援研究に関する記載
本発明は、国立衛生研究所によって認められた契約/認可番号1R43AR067584及び海軍/海軍研究局によって認められた契約/認可番号N000141310443の政府支援によって成された。米国政府は、本発明における権利を有する。

背景技術

0003

本開示は、治癒向上のための二層デバイスに関する。

0004

効率的全層創傷治癒に望ましい特性のすべてを有する臨床利用可能な被覆材はない。現行標準は、患部を覆う皮膚移植片である。しかし、この手法は、採皮部の病的状態と健康な皮膚の入手性の両方によって制限され、したがって、広範な傷害で実行可能な処置ではない。同種移植片、例えば、死体皮膚又は培養上皮細胞シートは、一時的な創傷被覆に利用可能なときに使用されることが多い。しかし、長い培養時間、移植片脆弱性、及び拒絶率が、同種移植片処置における大きな障壁として残る。合成及び生合成移植片は、これらの同じ欠点を持たないが、どちらも真皮表皮を同時に処置する能力がなく、すべての現在利用可能な全層創傷被覆材も同様である。皮膚の治癒を改善するのに合成皮膚移植片(例えば、Endoform(商標)、Biobrane(登録商標)及びIntegra(登録商標))が使用されるが、これらの製品は、血管新生に最大3週間かかることがあり、治癒期間延長中に合併症が生じる可能性がある。

0005

さらに、これらの製品は、再上皮化を直接促さない。Biobrane(登録商標)及びIntegra(登録商標)は、例えば、表皮の治癒を可能にするために真皮の再生後に除去しなければならないシリコーン系上層を含む。この上部被覆材層を除去する必要性は、多数の合成創傷被覆材の重大な欠点である。それは、上皮細胞移動及び新組織形成を乱し、費用及び患者不快感を増大させる。創傷ケア専門家国際的な調査では、約60%が、被覆材交換頻度を減少させるために、熱傷処置用一体型複合材が好ましいと述べている。

課題を解決するための手段

0006

第1の層であって、創傷の血管新生を促進するチャネルを含む第1の層と、第1の層に接する第2の層であって、第1の層と同じ又は異なる化学組成を有し、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、テクスチャの方向が細胞配向及び増殖を促進するのに有効である、第2の層とを含む、多層創傷被覆材を本明細書に開示する。

0007

ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、第1の層と同じ又は異なるポリマー材料の第2の層を第1の層の上に形成するステップと、テクスチャード表面を第2の層の上に形成するステップであって、テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、第1の層及び第2の層が積層造形プロセスによって形成される、方法も本明細書に開示する。一実施形態においては、組み合わせると第1の層の一部である複数の層を印刷するのに積層造形プロセス(本明細書では3D印刷と称するときもある)を使用することができる。上述したように、この複数の層は、a)異なる構造、b)異なる組成(例えば、化学的性質)、又はc)異なる構造と化学的性質および組成との両方を有することができる。複数の層は、構造若しくは組成を徐々に変える(すなわち、構造若しくは組成が勾配を有する)ことができ、又は構造若しくは組成を層ごとに無秩序に変えることができる。

0008

多層創傷被覆材を創傷の上又は中に配置するステップを含み、多層被覆材が、第1のゲル層であって、創傷被覆材に使用されたときに血管新生を促進するチャネルを含む第1のゲル層と、第1のゲル層に接する第2の層であって、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含む第2の層とを含み、チャネル及びテクスチャが1つ以上の方向の多層細胞増殖を促進する、方法を本明細書に開示する。

0009

第1のゲル層であって、創傷被覆材に使用されたときに血管新生を促進するチャネルを含み、第1の層が第1のタイプの増殖細胞を含む、第1のゲル層と、第1のゲル層に接する第2の層であって、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、第2のタイプの増殖細胞を含む、第2の層とを含む、物品も本明細書に開示する。

0010

第1のゲル層であって、第1の層が、創傷の血管新生を促進する3次元チャネルを含み、天然又は合成生分解性ポリマーを含む、第1のゲル層と、第1のゲル層に接する第2の層であって、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を含み、テクスチャの方向が細胞配向及び増殖を促進するのに有効である、第2の層とを含む多層創傷被覆材を、本明細書に開示する。

0011

天然又は合成生分解性ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、ポリマー材料の第2の層を第1の層の上に形成するステップと、第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性の細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、第1の層及び第2の層が積層造形プロセスによって形成される、方法も本明細書に開示する。

図面の簡単な説明

0012

図1は、創傷治癒用二層デバイスの一実施形態の略図である。
図2において、図2aは、アクチン(白)及び核(青)染色されたSM(平滑)表面で培養されたHEKを示す図である。スケールバーは50μmである。図2bは、アクチン(白)及び核(青)染色されたSK(+1.7SK2x2)(Sharklet)表面で培養されたHEKを示す図である。染色は、SK上の接触誘導を明らかにした(矢印はパターン方向を示す)。スケールバーは50μmである。図2cは、改変引っかき傷検査の結果の示すところによれば、SK上の3日後の創傷域内の細胞の被覆はSMに対して33%増加する。
図3において、生分解性材料において複製されたSharklet(商標)パターンは、平滑表面に比べて細胞移動及び創閉鎖率が増加する。改変引っかき傷検査の結果の示すところによれば、+1SK10x5及び+10SK50x50上の4日後の創傷域内の細胞の被覆は、平滑に対してそれぞれ46%及び64%増加する。
図4は、細胞増殖が起こり得る第1の層内の3Dチャネル構造を示す図である。この画像は、特にCAPGEL(商標)材料の場合であるが、別の材料を使用して同様の3D構造を作製することもできる。
図5は、負傷後7日目のラット皮膚のH&E染色切片の代表的な顕微鏡写真である。
図6は、組織学的創傷治癒スコアを示すグラフである。
図7は、負傷後28日目のラット皮膚のH&E染色切片の代表的な顕微鏡写真である。この図は、創傷被覆材が次第にin vivoで分解することを示す。

0013

血管新生、真皮治癒及び自己表皮治癒を改善する多層のパターン形成された全層創傷被覆材を本明細書に開示する。被覆材は少なくとも2つの層を含み、その第1の層は血管誘導性真皮マトリックス層であり、その第2の層は、創傷を横切る細胞移動を誘導するパターン形成された最上層である。

0014

一実施形態においては、第1の層は、構造、組成(例えば、化学的性質)又は組成と構造の両方が異なる複数の層を含むことができる。これらの異なる構造及び/又は組成は、勾配の形で漸進的若しくは系統的とすることができ、又は無秩序とすることができる。一実施形態においては、第1の層は、一般に、血管新生を促進する複数の連続3次元チャネルを有し、第2の層上のテクスチュアリングは、創傷治癒被覆材における方向性の細胞増殖を促進する。第2の層は第1の層の上に置かれ、それに直接接してもよい。第2の層は、テクスチャを有する少なくとも1つの表面を有する。テクスチャの方向は、細胞配向及び増殖を促進するのに有効である。

0015

第1の層はチャネルを含み、第2の層はテクスチャード表面を含む。テクスチャード表面におけるチャネル及びパターンの配向は、配向の異なる(第1の層中の)細胞層を生成するように変えることができる。異なる層中の細胞を異なる方向に配向させることによって、新しい細胞層の強度を古い細胞層よりも改善することができる。

0016

第2の層の表面をテクスチュアリングすることによって、創傷における望ましくない流体を排出することができ、治癒を促進する別の望ましい流体を創傷に導く。多層創傷被覆材におけるテクスチャは、創傷近くの望ましくない細菌又はウイルスの増殖を軽減又は排除するために使用することもできる。

0017

多層創傷被覆材を創傷の中又は上で使用する方法も本明細書に開示する。多層創傷被覆材を使用すると、複数層の1つにおけるミクロポアの配向、及び複数層の別の1つにおけるチャネル配向に応じて、創傷域の細胞が単一方向又は複数の方向に増殖することができる。

0018

本明細書では「チャネル」という用語は、第1の層、又は第1の層を構成する複数の層を通って部分的又は全面的に延在する経路を意味する。これらのチャネルは、毛細管、細孔、ミクロポアを含むことができ、正方形矩形三角形円形楕円形多角形又はそれらの組合せの断面形状を有することができる。チャネルは、寸法がナノメートル範囲又はマイクロメートル範囲である。チャネルは、平均断面寸法10ナノメートル〜10マイクロメートル、好ましくは20ナノメートル〜1マイクロメートル、より好ましくは50ナノメートル〜5マイクロメートルとすることができる。一部の実施形態においては、チャネルは平均断面寸法10マイクロメートル〜1ミリメートルとすることができる。より大きいチャネルは、より多量の流体輸送が可能であり、創傷被覆材の大部分に栄養素をうまく送達するのに有用である。断面寸法は、チャネルの長さに対して垂直に測定される。チャネルは、アスペクト比が2:1を超え、好ましくは5:1を超え、より好ましくは10:1を超える。

0019

チャネルは、第1の層を構成する材料ですべての側面が包囲されてもよいが、第1の層を構成する材料の壁ですべての側面が包囲されなくてもよい。そうではなく、それは、その表面の1つ以上が第2の層に使用される材料を含むことができる。あるいは、チャネルの1つ以上の表面は、開放面であり、すなわち、周囲条件にさらされ(すなわち、雰囲気にさらされ)、又は何らかの別の形体の創傷被覆材に接触している。

0020

第1の層と第2の層は、同じポリマー材料を含んでも、異なるポリマー材料を含んでもよい。場合によっては、接着剤を使用して、第1の層を第2の層に接合することができる。一部の実施形態においては、第1の層及び/又は第2の層は、熱可塑性材料でも熱硬化性材料でもよいポリマー材料である。熱硬化性材料は、架橋することができ、熱エネルギー及び/又は照射によって架橋することができる。照射としては、紫外線赤外線マイクロ波照射、x線、電子線照射陽子線若しくは中性子線照射、又はそれらの組合せが挙げられる。架橋材料は、高度に架橋することができ、又はゲルの形で軽く架橋することができる。

0021

ポリマー材料としては、オリゴマーホモポリマーブレンド又はオリゴマー及び/又はホモポリマー、コポリマーイオノマー高分子電解質デンドリマー、又はそれらの組合せが挙げられる。コポリマーとしては、ブロックコポリマーランダムコポリマーグラジエントコポリマー交互共重合体星形ブロックコポリマー又はそれらの組合せが挙げられる。

0022

第1の層及び/又は第2の層に使用することができるポリマー熱可塑性又は熱硬化性の両方)の例は、ポリアセタールポリオレフィンポリアクリル酸ポリカーボネートポリスチレンポリエステルポリアミドポリアミドイミドポリアリラートポリアリールスルホンポリエーテルスルホンポリフェニレンスルフィドポリ塩化ビニルポリスルホンポリイミドポリエーテルイミドポリテトラフルオロエチレンポリエーテルケトンポリエーテルエーテルケトンポリエーテルケトンケトンポリベンゾオキサゾールポリフタリド、ポリアセタール、ポリ酸無水物ポリビニルエーテルポリビニルチオエーテルポリビニルアルコール、ポリビニルケトンポリハロゲン化ビニル、ポリビニルニトリルポリビニルエステルポリスルホナート、ポリスルフィドポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミドポリ尿素ポリホスファゼンポリシラザンスチレンアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS:acrylonitrile−butadiene−styrene)、ポリエチレンテレフタラートポリブチレンテレフタラートポリウレタンエチレンプロピレンジエンゴムEPR:ethylene propylene diene rubber)、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロエラストマーフッ化エチレンプロピレンペルフルオロアルコキシエチレンポリクロロトリフルオロエチレンポリフッ化ビニリデンポリシロキサンなど、又はそれらの組合せである。

0023

高分子電解質の例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ペクチンカラゲナンアルギナートカルボキシメチルセルロースポリビニルピロリドンなど、又はそれらの組合せが挙げられる。

0025

熱可塑性ポリマーのブレンドの例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン/ナイロン、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン/ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル/ナイロン、ポリスルホン/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリカーボネート/熱可塑性ウレタン、ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタラート、熱可塑性エラストマーアロイ、ナイロン/エラストマー、ポリエステル/エラストマー、ポリエチレンテレフタラート/ポリブチレンテレフタラート、アセタール/エラストマー、スチレン−無水マレイン酸/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリエーテルエーテルケトン/ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン/ポリエーテルイミドポリエチレン/ナイロン、ポリエチレン/ポリアセタールなどが挙げられる。

0026

一部の実施形態においては、第1の層は、生分解性ポリマー材料で形成された生分解性ゲルである。一実施形態においては、第1の層及び/又は第2の層は、熱可塑性層生分解性層及び/又は生体適合性層とすることができ、本明細書に記載のポリマーのいずれかを含むことができる。一実施形態においては、第1の層及び/又は第2の層は、熱硬化性層、生分解性層及び/又は生体適合性層とすることができる。本明細書で使用する熱可塑性又は熱硬化性材料は、生分解性層及び/又は生体適合性層とすることができる。第1の層の形成に使用される生分解性ポリマー材料の例としては、本明細書に記載の生分解性ポリマーのいずれかが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態においては、第1の層は、少なくとも1種の天然又は合成生分解性ポリマーによって形成されるゲルを含む。別の一実施形態においては、第1の層は、少なくとも1種の合成生分解性ポリマーによって形成され、第1の層及び少なくとも1種の合成生分解性ポリマーは、ゼラチンコラーゲン、CAPGEL(商標)ゲル、銅キャピラリーアルギナートゲル(CCAG:copper capillary alginate gels)及び/又は天然生分解性ポリマーを含まない。例示的一実施形態においては、第1の層は生分解性ヒドロゲルである。別の例示的一実施形態においては、第1の層及び第2の層は生分解性ヒドロゲルである。

0027

図1を参照して、多層創傷被覆材の一実施形態の略図を示す。多層創傷被覆材100は、創傷の血管新生を促すことによって皮膚テンプレートとして役立ち、3次元マイクロチャネル構造を有する、第1の層110(本明細書では「足場」とも称する)を含む。多層創傷被覆材100は、更に、第1の層に直接接する第2の層120を含み、本明細書で更に記述するように、この第2の層の上に置かれる方向性のテクスチュアリング130によって誘導される細胞移動によって自己表皮治癒を促進する。

0028

第1の層は、一般に、血管新生を促進する複数のチャネルを有し、第2の層の上のテクスチュアリングは、創傷被覆材において方向性の細胞増殖を促進する。チャネルは、直径がナノメートル〜マイクロメートルの桁の経路である。

0029

一実施形態においては、第2の層は、第1の層と同じ化学組成を有する。第1の層も第2の層もゲルではない。第1の層及び第2の層は、熱可塑性層、生分解性層及び/又は生体適合性層とすることができ、本明細書に記載の非ゲルポリマーのいずれかを含むことができる。第1の層と第2の層は組成が同じであるので、第1の層を第2の層に接合するのに中間層も反応層も不要である。第1の層及び/又は第2の層は架橋層とすることができる。

0030

一実施形態においては、創傷被覆材を特定の患者の創傷用にカスタマイズすることができる。コンピュータ断層撮影(「CT」:computed tomography)スキャンなどの画像を使用して、創傷が位置する場所において患者の皮膚の真皮/表皮接合部を構成する微小規模隆起部及び突出部を含めて、創傷の場所における患者の解剖学的組織の3次元コンピュータモデルを作成する。コンピュータモデルを用いて、第2の層に直接接する表面の反対側の第1の層の表面140に、創傷が位置する患者の真皮/表皮解剖学的組織に相補的であるテクスチャをテクスチャ付けする。第1の層上に生じたテクスチャは、物理的誘導の合図(cue)を利用して、角化細胞による創傷の被覆を促し、それによって創傷の治癒プロセスを更に促す。第1の層は、3D毛細管構造からなり、真皮治癒及び/又は血管新生を促すのに使用される。こうしたテクスチャを有するカスタマイズされた第1の層は、したがって、誘導される細胞移動によって自己真皮治癒を更に促進する。

0031

一実施形態においては、方法は、ポリマー材料の第1の層を形成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層を第1の層の上に形成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、テクスチャード表面が、創傷被覆材に使用されたときに方向性の細胞増殖を促進するのに有効である、ステップとを含み、第1の層及び第2の層が積層造形プロセスによって形成される。

0032

別の一実施形態においては、方法は、更に、創傷が位置する患者の表皮の解剖学的組織の3次元コンピュータモデルを作成するステップと、第1の層と同じポリマー材料の第2の層のテクスチャード表面を形成するステップであって、テクスチャード表面が3次元コンピュータモデルに相補的であるステップとを含む。第2の層は、患者の表皮に接する層である。

0033

多層創傷被覆材の層、及びそのそれぞれのテクスチャード表面は、各々が同じ材料で形成され、積層造形プロセスによって単一の小片として一緒に形成される。一実施形態においては、多層創傷被覆材は、3次元(「3D」)印刷積層造形プロセスによって3次元物体として形成される。3D印刷積層造形プロセスにおいては、材料の連続層コンピュータ制御下で形成されて、3次元コンピュータモデルに基づく3次元物体を作製する。3次元コンピュータモデルは、コンピュータ支援設計(「CAD」:computer aided design)パッケージ、3Dスキャナー、又は簡単なデジタルカメラ及び写真測量ソフトウェアによって作成することができる。

0034

一実施形態においては、粉体材料単数又は複数)を用いた押し出し又は熱溶解積層及び焼結に基づくプロセスを含めて、ただしそれらに限定されない、3D印刷に適した任意の技術を採用することができる。一実施形態においては、熱溶解積層法を使用して、硬化して層を形成する材料の小さなビーズ押し出すことによって3次元物体を作製する。別の一実施形態においては、粒状層中の材料を選択的に溶融させる。この技術は、層の一部を溶融させ、次いで作業域を下方に移動し、顆粒の別の層を追加し、このプロセスを小片が構築されて完成するまで繰り返す。プロセスは、作製される部分の張出し及び薄壁を支持する非溶融媒体を使用して、小片の一時的な補助的支持体の必要性を低減する。次いで、レーザーを使用して媒体を焼結させて固体にすることができる。

0035

別の一実施形態においては、ステレオリソグラフィバイオプリンティング、粉体材料(単数又は複数)を用いた押し出し又は熱溶解積層及び焼結に基づくプロセスを含めて、ただしそれらに限定されない、3D印刷に適した任意の技術を採用することができる。例示的一実施形態においては、ステレオリソグラフィ又はバイオプリンティングインクジェット3D印刷プロセスを採用する。

0036

別の一実施形態においては、熱溶解積層法を使用して、硬化して層を形成する材料の小さなビーズを押し出すことによって3次元物体を作製する。別の一実施形態においては、粒状層中の材料を選択的に溶融させる。この技術は、層の一部を溶融させ、次いで作業域を下方に移動し、顆粒の別の層を追加し、このプロセスを小片が構築されて完成するまで繰り返す。プロセスは、作製される部分の張出し及び薄壁を支持する非溶融媒体を使用して、小片の一時的な補助的支持体の必要性を低減する。次いで、レーザーを使用して媒体を焼結させて固体にすることができる。

0037

別の一実施形態においては、3次元物体をインクジェット3D印刷システムによって作製する。プリンタは、粉体の層を広げ、部分の断面に結合剤をインクジェットのようなプロセスで印刷することによって、3次元物体を1回に1層ずつ作製する。このプロセスをすべての層が印刷されるまで繰り返す。材料の連続層がこうして形成されて、多層創傷被覆材の第1及び第2のそれぞれの層、並びにそのそれぞれの表面を構築する。同様に、材料の連続層を構築して、第1の層のマイクロチャネル構造を形成する。

0038

一実施形態においては、創傷被覆材を特定の患者の創傷用にカスタマイズすることができる。コンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンなどの画像を使用して、創傷の場所における患者の解剖学的組織の3次元コンピュータモデルを作成する。コンピュータモデルを用いて、第2の層に直接接する表面の反対側の第1の層の表面140を、創傷が位置する患者の解剖学的組織に相補的であるサイズ及び形状で形成する。第2の層上に生じたテクスチャは、物理的誘導の合図を利用して、角化細胞による創傷の被覆を促し、それによって創傷の治癒プロセスを更に促す。こうしたテクスチャを有するカスタマイズされた第1の層は、したがって、誘導される細胞移動によって自己表皮治癒を更に促進する。

0039

別の一実施形態においては、第1の層は、「足場」として機能し、血管新生を促すことによって皮膚テンプレートとして役立ち、ゲルから製造される。例示的なゲルは、米国特許第7,601,525号に詳述されているCAPGEL(商標)である。第2の層は、第1の層に直接接触しても、しなくてもよく、この層の上に置かれる方向性のテクスチュアリングによって誘導される細胞移動によって自己表皮治癒を促進する。多層創傷被覆材は、必要に応じて3、4、5層以上を含むことができる。例示的一実施形態においては、第1の層と第2の層はどちらも同じゲルを含むことができる。別の一例示的実施形態においては、第1の層と第2の層は互いに組成が異なってもよい。

0040

一実施形態においては、第1の層は複数の層を含むことができ、すなわち、第1の層は2つ以上の一次層、3つ以上の一次層、4つ以上の一次層などを含むことができる。第1の層の複数の層を一次層と称する。したがって、第1の層は、3つの一次層を含むことができ、第1の一次層は、第2の層に第1の表面で接し、第1の表面の反対側の第2の表面で第2の一次層に接し、第2の一次層は、第1の一次層に接する表面の反対側の表面で第3の一次層に接する。この複数の層を積層造形によって製造することができる。

0041

複数の層は物理的構造が徐々に変化してもよく、例えば、第1の一次層中のチャネルは、第2の一次層中のチャネルより大きい断面積を有することができ、第2の一次層中のチャネルは、第3の一次層中のチャネルより大きい断面積を有することができ、以下同様である。

0042

別の一実施形態においては、第1の層の複数の層は化学的性質が徐々に変化してもよく、すなわち、第1の一次層は第2の一次層より高い架橋密度を有することができ、第2の一次層は第3の一次層より高い架橋密度を有する。

0043

一実施形態においては、第1の層は架橋ポリマーゲルを含み、第2の層は架橋ポリマーゲルを含む。両方の架橋ポリマーゲルは、生体適合性及び生分解性である。生体適合性ポリマーは、望ましくない副作用なしに生物体内に挿入することができるものである。生分解性ポリマーは、分解すると、望ましくない副作用なしに体によって消費することができる。別の一実施形態においては、第1の層は架橋ポリマーゲルを含み、第2の層は熱可塑性ポリマーを含む。第1の層と第2の層は、共有結合的又はイオン結合的に接合されることが望ましい。第1の層は、一般に、血管新生を促進するチャネルを有し、第2の層上のテクスチュアリングは、創傷治癒被覆材において方向性の細胞増殖を促進する。

0044

第1の層は、一般に、生分解性ゲルを含む。第1の層に使用されるゲルは、流体及び生物環境中で安定化された銅キャピラリーアルギナートゲル(CCAG)である。一実施形態においては、CCAGは、少なくとも1種のカルボジイミドを用いた架橋によって安定化される。好ましい一実施形態においては、安定化は、カチオン、好ましくはバリウムとのイオン交換キトサン若しくはオリゴキトサン又は両方の組合せの添加による高分子電解質積層複合体(PEC:polyelectrolyte laminate complex)の形成を含む。一実施形態においては、第1の層は、複数のゲル副層を含むことができる。第1の層は、2つ以上、3つ以上又は5つ以上のゲル層を含むことができる。

0045

別の好ましい一実施形態においては、第1の層は、ポリウレタンとポリ乳酸とのコポリマー又はポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸とのコポリマーを含む。

0046

一実施形態においては、第1の層の製造の詳細は、Journal of Biomaterials Science 22(2011)1621〜1637に発表されたWillenbergら、Gelatinized Copper−Capillary Alginate Gel Functions as an Injectable Tissue Scaffolding System for Stem Cell Transplantsに記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。

0047

ゲルは、ヒト又は動物におけるその後のin vivo移植のために生物学的製剤を含有させ、増殖させ、及び/又は再生させるのに有用な構造を与える生体材料足場として有用である。本発明の一態様は、第1の層に使用することができる改変又は安定化CCAGを対象とする。CCAGは、連続平行微小管構造を有する軟質ヒドロゲルを含む。有利なことに、安定化CCAGは、増殖及び再生する細胞及び組織に構造秩序課すことができる。微小管又は毛細管の直径(ミクロポアとも称する)は、約3μm(マイクロメートル)〜約300μmの範囲とすることができる。好ましくは、毛細管の直径は約10μm〜約250μmの範囲である。より好ましくは、毛細管の直径は約25μm〜約30μmである。

0048

有利には、細胞形態は、効率的細胞増殖を促すように設計することができる。当業者は、細胞が異なる曲面においては異なる挙動をすることを理解されたい。例えば、細胞は、別々に繁殖及び/又は増殖(proliferate)し得る。形態は、凍結乾燥技術によって所望の形状に調節することができる。

0049

毛細管の直径は、ゲル厚さの関数であるので、異なるゲルレベルで変わり得る。対象足場の別の物性もゲル厚さによって変わる。例えば、毛細管の密度は、親ゲルの厚さが増加すると減少する。ここで、親ゲルとは、それから試料が誘導されて、安定化された第1の層を形成する、初期に増殖された原料CCAGを指す。平均表面積も親ゲルの厚さが増加すると減少する。

0050

有利なことに、安定化CCAGは、流体環境で利用すると、CCAG単独よりも優れた性質を持つ。安定化CCAGは、膨潤が減少し、機械的性質がより維持される。安定化ゲルの構造、正の表面電荷、及び親水性は、複数の細胞型の増殖及び再生のための足場の調製に有用である。安定剤は、種々の化合物及びイオンから選択することができる。重要なことは、安定剤が、増殖細胞若しくはその周囲環境無毒であり、又は周囲の生理的環境遊離しないようにアルギナートゲルに結合されることである。例としては、カチオン、多糖及びカルボジイミドが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、カチオンは二価カチオンである。より好ましくは、二価カチオンはバリウムイオンである。バリウムイオンは、細胞に有毒である剤の一例である。しかし、それは生理的環境ではアルギナートゲルに結合したままであり、したがってその毒性を打ち消している。任意の二価イオンを使用することができる。カルシウム及びバリウムを、ゲルを安定化するために、使用することもできる。

0051

好ましくは、多糖はキトサン又はオリゴキトサンである。好ましくは、カルボジイミドは、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、NN’−ジシクロヘキシル−カルボジイミド(DCC:NN’−dicyclohexyl−carbodiimide)、N’−ジイソプロピル−カルボジイミド、N’N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド 1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1,3−ジ−(4−ジエチルアミノシクロ−ヘキシル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(−ジエチルアミノエチルカルボジイミド、及び1−シクロヘキシル−1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4)−エチル)カルボジイミド 1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミドから選択される。また、足場は、潜在的食用成分を含むので、動物細胞を増殖及び再生させる合成肉製品基礎として有用である。それに対して、CCAG単体は、細胞培養環境に溶解し、銅イオン浸出し、周囲環境に浸入する。

0052

ゲルは、in vivo又はin vitroで細胞に無毒である生体材料足場として機能し、足場は、アルギナートゲル及び少なくとも1種の安定剤を含み、ゲルは、更に複数の連続微小管銅チャネルを含む。本開示では銅チャネルを考察するが、銅以外の金属を使用することもできる。本発明の組成物(例えば、安定化ゲル足場又は安定化ゲルの第1の層)は、生物活性剤のin situ送達用ビヒクルとして使用することができる。本発明の組成物に組み入れられる、又は添加剤として入れられる生物活性剤としては、医薬品、ビタミンミネラル補助剤、疾患若しくは疾病の処置、防止、診断、治癒(cure)若しくは軽減に使用される物質、体の構造若しくは機能に影響する物質、又は薬物が挙げられるが、それらに限定されない。生物活性剤は、例えば、組成物を患者に移植するのを容易にするために、また、後続の組み込み及び治癒プロセスを促すために、使用することができる。活性剤としては、抗体、抗体断片抗生物質抗真菌剤抗菌剤抗ウイルス剤駆虫剤増殖因子神経栄養因子血管形成因子麻酔薬ムコ多糖、金属、細胞、タンパク質ポリヌクレオチドポリペプチド酵素分解剤、脂質、炭水化物、医薬品などの化合物、他の創傷治癒剤が挙げられるが、それらに限定されない。物質は、治療薬診断材料及び/又は研究試薬とすることができる。

0053

組成物に組み入れられ得る、又は付随し得るタンパク質の例は、(様々なタイプの)コラーゲン及びフィブロネクチンである。組成物は、生物活性剤の遅延放出、又は経時的な制御放出を可能にするように適合することができる。

0054

本発明の組成物を処理した後、続いて、生細胞を組成物に組織工学技術によって浸入させることができる。有利なことに、本発明の足場(例えば、導管)の平行微小管構造は、組織内方増殖を促進し、移植片部位又は細胞培養物において栄養素及び/又は細胞材料を浸入させることができる。栄養素は、安定化CCAGを通って拡散して、銅チャネル内に播かれた細胞に栄養を与えることもできる。

0055

上述したように、細胞は、本発明のアルギナートゲルの銅チャネルの上及び/又は中に播くことができる。同様に、軟骨神経組織などの組織は、患者に移植する前にゲルに結合させることができる。利用される細胞としては、外胚葉中胚葉又は内胚葉生殖細胞層に由来する細胞が挙げられる。細胞の例としては、膵島細胞、骨の細胞(破骨細胞骨芽細胞軟骨細胞、及び骨細胞など)、血球細胞、上皮細胞、神経系細胞(例えば、神経細胞星状細胞及び乏突起膠細胞)、筋細胞脂肪細胞腱細胞靱帯細胞真皮細胞線維芽細胞及び歯細胞(象牙芽細胞及びエナメル芽細胞)が挙げられるが、それらに限定されない。播かれた細胞は、足場が移植された患者に対して自家、同種又は異種とすることができる。播かれた細胞は、被包されても、されなくてもよい。細胞は、幹細胞若しくは前駆細胞(上記分化細胞型のいずれかの幹細胞若しくは前駆細胞など)、又は成熟、分化細胞とすることができる。例えば、アルギナートゲルの上及び/又は中に播かれた細胞は、造血幹細胞間葉幹細胞神経幹細胞などとすることができる。幹細胞、前駆細胞又は成熟細胞は、遺伝子改変されていても、いなくてもよい。

0056

本明細書では「細胞」という用語は、別段の記載がない限り、初代細胞細胞培養の細胞、及び細胞系の細胞(例えば、腫瘍の細胞又は不死化細胞)を含むものとする。当業者には理解されるように、人体には200を超える細胞型がある。本発明の方法及び組成物は、これらの細胞型のいずれかを単独で又は組み合わせて利用することができる。本発明の組成物及び方法で使用するのに適した別の細胞としては、Spier R.E.ら編、The Encyclopedia of Cell Technology(2000)、John Wiley&Sons,Inc.、及びAlberts B.ら編、Molecular Biology of the Cell(1994)、3版、Garland Publishing,Inc.、例えば、1188〜1189ページに開示されたものが挙げられ、これらを参照によりその全体を本明細書に援用する。

0057

本発明の一実施形態は、負に帯電したCCAGの第1の層である。好ましくは、バリウムイオンは、足場内及び足場全体でアルギナートとの付加架橋によってCCAGを安定化するが、別のイオン、例えば、Cd2+、Cu2+、Ca2+、Ni2+、Co2+及びMn2+を使用することもできる。有利なことに、バリウム安定化足場の細孔形態は、流体環境に置かれると円形である。本発明の別の一実施形態は、正に帯電したCCAG足場である。別の特定の一実施形態においては、オリゴキトサンを使用してCCAGを安定化する。オリゴキトサンとアルギナートゲルは、反応して、CCAGの内部コアを包囲する架橋皮膚を形成する。

0058

更に別の一実施形態においては、バリウムのようなカチオンとのイオン交換と、少なくとも1種の静電気成分との反応の両方は、高分子電解質複合体(PEC:polyelectrolyte complex)を形成し、CCAG足場の安定化に利用される。これらの成分としては、キトサン、その誘導体、オリゴキトサン、ポリリジン、カルボジイミド及びエチレンジアミンが挙げられるが、それらに限定されない。別のカチオン、例えば、Cd2+、Cu2+、Ca2+、Ni2+、Co2+及びMn2+を使用することもできる。有利なことに、細胞は、正に帯電したキトサン表面に付着し、広がり、増殖する(proliferate)。また、PEC安定化足場を複数のPEC層を用いて調製することができる。好ましくは、3〜5層のPECが存在する。複数層のCCAGの利点は、機械完全性の増加と、薬物の担体として使用した場合、拡散速度を制御する柔軟性の増大である。

0059

CCAGの調製方法は当該技術分野で周知であり、例えば、Hassanら、Journal of Polymer Science、1991、29(11):1645;European Polymer Journal、1988、24(12):1173;Thiele,H.Histolyse und Histogenese、Gewebe und ionotrope Gele、Prinzip einer Stukturbildung、1967、Frankfurt:Akademische Verlagsgesellschaft;Schuberth,R.Ionotropic Copper Alginates:Investigations into the formation of capillary gels and filtering properties of the primary membrane、1992、University of Regensburg:Regensburgに開示されている。

0060

基剤のアルギナートは、褐色の海藻から誘導することができる。アルギナートは、例えば、それらに限定されないが、ラミナリアペルボレア(Laminaria hyperborea)又はマクロシスチピリフェラ(Macrocystis pyrifera)から誘導することができる。

0061

バリウム安定化銅キャピラリーゲルを調製する方法は、最初に過剰の未反応銅イオンを除去するためにCCAGを脱イオン(DI)水で十分な時間洗浄するステップと、CCAGをバリウム水溶液撹拌しながら浸漬するステップと、生じた足場を洗浄するステップとを含む。好ましくは、バリウム溶液はBa(OH)2である。Ba(OH)2溶液の濃度は、約0.01M〜約0.1Mであり、好ましくは約0.05MのBa(OH)2である。浸漬ステップは、Ba2+イオンがCCAGを通って拡散するのに十分な時間続く。拡散は、淡青緑から紺青へのゲルの色変化を観察することによって測定可能である。好ましくは、浸漬ステップを約12〜約48時間行う。より好ましくは、浸漬ステップを約12〜約24時間行う。場合によっては、バリウム溶液を定期的な間隔で完全に交換することができる。好ましくは、約0.05MのBa(OH)2の新しい溶液を使用済み溶液と約12時間ごとに交換する。最終洗浄ステップをDI水浴、生理的平衡塩溶液洗浄、又は両方で行う。これらのステップを約13℃〜約33℃の温度で行う。好ましくは、ステップを室温(約23℃)で行う。洗浄が不十分な試料は、ゲル内で黒色層を示した。

0062

第1の層は、キトサン安定化CCAGを含むこともできる。キトサンは、生体適合性、創傷治癒性、抗菌性などの多数の有益な性質を持つことが知られている、甲殻類細胞から調製される天然多糖である(Otterlei,M.ら、Vaccine、1994、12:825〜32;Muzzarelli,R.ら、Biomaterials、1988、10:598〜603;Pappineau,A.M.ら、Food Biotechnol、1991、5:45〜47;Erbacher,P.ら、Pharm Res、1998、15:1332〜9;Richardson,S.C.ら、Int J Pharm、1999、178:231〜43)。オリゴキトサンは、短鎖の、すなわち低分子量のキトサンである。有利なことに、オリゴキトサンは、中性pHで水溶性である。

0063

本明細書では「キトサン」という用語は、より大きい割合のN−アセチル基加水分解によって除去された、キチンのすべての誘導体、又はポリ−N−アセリル(aceryl)−D−グルコサミン(すべてのポリグルコサミン及び分子量の異なるグルコサミン材料のオリゴマーを含む)を含むと当業者には理解される。一般に、キトサンは、(1→4)結合2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコース(GlcNAc、A単位)及び2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グルコース(GlcN;D単位)で構成されるカチオン性二成分ヘテロ多糖ファミリーである(Varum K.M.ら、Carbohydr.Res.、1991、217:19〜27;Sannan T.ら、Macromol.Chem.、1776、177:3589〜3600)。好ましくは、キトサンは正電荷を有する。キトサン、キトサン誘導体、又はキトサンの塩(例えば、硝酸塩リン酸塩硫酸塩、塩酸塩グルタミン酸塩乳酸塩又は酢酸塩)を使用することができ、これらは「キトシン(chitosin)」という用語の意味に含まれる。本明細書では「キトサン誘導体」という用語は、キトサンのNH2基ではなく、OH基アシル及び/又はアルキル基の結合によって形成されるエステルエーテル又は他の誘導体を含むものとする。例は、キトサンのO−アルキルエーテル及びキトサンのO−アシルエステルである。修飾キトサン、特にポリエチレングリコールに結合したものは、この定義に含まれる。低粘度及び中粘度キトサン(例えば、CL113、G210及びCL110)は、PRONOVA Biopolymer,Ltd.(UK)、SEIGAGAKU America Inc.(メリーランド州、USA)、MERON(インド)Pvt,Ltd.(インド)、VANSON Ltd.(バージニア州、USA)、及びAMSBiotechnology Ltd.(UK)を含めて、様々な供給源から得ることができる。適切な誘導体としては、Roberts、Chitin Chemistry、MacMillan Press Ltd.、London(1992)に開示されたものが挙げられる。生物活性剤の送達の効率のためのキトサンの電荷密度、分子量などの構造変数の最適化は、本発明によって企図され、包含される。

0064

好ましく使用されるキトサン(又はキトサン誘導体若しくは塩)は、分子量が1,000ダルトン以上、好ましくは1,000〜4,000ダルトンの範囲である。様々な低分子量のキトサンを、キトサナーゼを用いたキトサンの酵素分解によって、又は亜硝酸の添加によって、調製することができる。どちらの手順も当業者によく知られており、様々な刊行物に記載されている(Liら、Plant Physiol.Biochem.、1995、33:599〜603;Allan及びPeyron、Carbohydrate Research、1995、277:257〜272;Damard及びCartier、Int.J.Biol.Macromol.、1989、11:297〜302)。好ましくは、キトサンは、水可溶性であり、キチンから40%を超える、好ましくは50%〜98%、より好ましくは70%〜90%の程度まで脱アセチルして製造することができる。

0065

キトサン安定化CCAGを調製する一方法は、CCAGを脱イオン(DI)水浴中で洗浄して過剰の銅イオンを除去するステップと、キトサン溶液をCCAGを通る微小管構造を通して流してCCAGに接触させるステップと、生じた安定化足場を溶液で洗浄して、結合していない、又は過剰のキトサンを除去するステップとを含む。一洗浄ステップは省略することができる。キトサン溶液の濃度は、約0.1w/v%〜約3w/v%とすることができる。好ましくは、キトサン溶液の濃度は、約0.2w/v%〜約2w/v%である。より好ましくは、溶液の濃度は約2w/v%である。有利には、溶液の溶媒を水又は酢酸とすることができる。

0066

場合によっては、接触ステップ及び第2の洗浄ステップを繰り返し、アルギナートとキトサン又はオリゴキトサン溶液を交互にして、多層のPECを足場上に生成することができる。好ましくは、接触ステップ及び第2の洗浄ステップを約3〜5回繰り返して、3〜5層のCCAGを生成する。換言すれば、第1の層は、血管新生を促進するチャネルを含む2層以上のゲルを含むことができる。

0067

バリウムとキトサンの両方で安定化されたCCAGの第1の層を調製する一方法は、過剰の未反応銅イオンを除去するために原料CCAGをDI水で十分な時間洗浄するステップと、CCAGをバリウム水溶液に撹拌しながら浸漬するステップと、生じた足場を洗浄するステップと、キトサン溶液をバリウム安定化CCAGに接触させるステップと、結合していない又は過剰のキトサンを除去する第3の洗浄ステップとを含む。やはり、洗浄ステップの1つ又は2つを省略することができる。

0068

第2の層は、第1の層のものに組成が類似した生分解性ゲルを含むことができる。生分解性ゲルは、天然ポリマー、すなわちゼラチン若しくはコラーゲン、又は合成非天然ポリマーで構成することができる。合成生分解性ヒドロゲルの例としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸PGA)、ポリ−カプロラクトン(PCL)又はこれらの組合せを含む、ポリエチレングリコール(PEG)ブロックコポリマーが挙げられる。第2の層は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)などの細胞分泌物によって分解され得る酵素分解性ペプチド配列で架橋されたヒドロゲルを含むこともできる。MMP−2及びMMP−9は創傷環境で広く認められる。別の一実施形態においては、第2の層は、第1の層とイオン的又は共有結合的に反応することができる生分解性熱可塑性材料を含むことができる。更に別の一実施形態においては、第2の層は、第1の層と相溶性があり、化学反応による接合を必要としない。

0069

熱可塑性生分解性ポリマーの適切な例は、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)、ポリウレタンとポリ乳酸グリコール酸とのコポリマー、ポリウレタン、ポリ−カプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸グリコール酸とポリ−カプロラクトンとのコポリマー(PCL−PLGAコポリマー)、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸PHBV)、ポリオルトエステル(POE)、ポリエチレンオキシドブチレンテレフタラート(PEO−PBTP)、ポリ−D,L−乳酸−p−ジオキサノン−ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLA−DX−PEG)など、又は上記生分解性ポリマーの少なくとも1種を含む組合せである。これらのポリマーを表面処理して、ゼラチン層との共有結合性又はイオン性の接合を促進することができる。これは、熱可塑性生分解性材料を電離放射線、電子線照射、x線照射又は強酸塩酸硝酸、硫酸など)で表面処理して、第一級アミンカルボン酸などの反応基を含むステップを含むことができる。

0070

生体適合性であるが生分解性ではない別の熱可塑性ポリマーを使用することもできる。例としては、ポリテトラフルオロエチレン又はポリオルガノシロキサンが挙げられる。第1及び第2の層に好ましいポリマーは、上記生分解性ポリマーである。

0071

第2の層は、少なくとも1つの表面にテクスチャを有する。第2の層のテクスチャード表面は、第1の層に接触しない。テクスチュアリングは、テクスチャの配向によって決まる特定の方向に沿った細胞増殖を促進する。

0072

第2の層は、任意の種類のテクスチャを有することができる。表面テクスチャの例は、Spath、米国特許出願公開第20050003146号(A1)、Brennan他、米国特許第7143709号(B2)、及びBrennan他、特許出願第12/550,870号に詳述されており、それらの全内容を参照によりその全体を援用する。

0073

第2の層の少なくとも1つの表面は、複数の離隔した特徴部(feature)を含み、特徴部は複数のグループで配列され、特徴部のグループは、第1の方向から見て蛇行経路画定するように互いに配列される。第2の方向から見て、特徴部のグループは、線状経路を画定するように配列される。放射状パターンを使用することもできる。放射状パターンにおいては、パターンは、焦点から生じ、放射状方向に外向きに広がる。

0074

一実施形態においては、第2の方向から見て、特徴部間の経路を非線形及び非正弦波形とすることができる。換言すれば、経路を非線形及び非周期的とすることができる。別の一実施形態においては、特徴部間の経路を線状であるが、可変の厚さにすることができる。複数の離隔した特徴部は、表面から外側に突出し、又は表面の内側に突出し得る。一実施形態においては、複数の離隔した特徴部は、表面と同じ化学組成を有することができる。別の一実施形態においては、複数の離隔した特徴部は、表面とは異なる化学組成を有することができる。

0075

複数の特徴部は各々少なくとも1つの微小規模の(マイクロメートル又はナノメートルサイズの)寸法を有し、実質的に異なる形状の少なくとも1個の近傍の特徴部を有する。隣接する特徴部間の平均第1特徴部間隔は、表面の少なくとも一部において10ナノメートル〜100マイクロメートルであり、前記複数の離隔した特徴部は周期関数で表される。一実施形態においては、第1特徴部間隔は、表面の少なくとも一部において0.5マイクロメートル(μm)〜5μmである。別の一実施形態においては、第1特徴部間隔は、前記表面の少なくとも一部において15〜60μmである。上述したように、周期関数は、2個の異なる正弦波を含む。一実施形態においては、トポグラフィーは、サメ皮のトポグラフィーに似ている(例えば、Sharkletマイクロトポグラフィー)。別の一実施形態においては、パターンは、表面の一部の上の少なくとも1個の多要素プラトー層を含み、プラトー層の要素間の間隔は第2特徴部間隔を与え、第2特徴部間隔は前記第1特徴部間隔に比べて実質的に異なる。複数の特徴部の特徴部の各々は、互いに分離し、互いに接触しないことに注意されたい。

0076

テクスチャのパターンは、近傍のパターンから蛇行経路によって分離される。蛇行経路は、周期関数によって表すことができる。周期関数は、各蛇行経路で異なり得る。一実施形態においては、パターンは、2つ以上の周期関数で表すことができる蛇行経路によって互いに分離することができる。周期関数は、正弦波を含むことができる。例示的一実施形態においては、周期関数は、2つ以上の正弦波を含むことができる。

0077

別の一実施形態においては、複数の異なる蛇行経路を複数の周期関数でそれぞれ表すときには、それぞれの周期関数を一定の位相差で分離することができる。更に別の一実施形態においては、複数の異なる蛇行経路を複数の周期関数でそれぞれ表すときには、それぞれの周期関数を可変の位相差で分離することができる。

0078

一実施形態においては、複数の離隔した特徴部は、実質的に平面状の上面を有する。別の一実施形態においては、多要素プラトー層を表面の一部の上に配置することができ、前記プラトー層の要素間の間隔は第2特徴部間隔を与え、第2特徴部間隔は第1特徴部間隔に比べて実質的に異なる。

0079

一実施形態においては、2つの近傍のグループによって共有される特徴部の数の合計が奇数に等しい。別の一実施形態においては、2つの近傍のグループによって共有される特徴部の数の合計が偶数に等しい。(図の形のテクスチャの詳細は、Brennan他、特許出願第12/550,870号に見ることができ、その全内容を参照によりその全体を援用する。

0080

一実施形態においては、多層創傷被覆材を製造する一方法においては、ゲルに転化することができる前駆体ゾルをまず型に入れる。ゲルは、好ましくはゼラチンである。前駆体ゾルは、初期に硬化されて上記ゲルを生成する前駆体を含む。初期の硬化ステップでは、ゾルを部分的に硬化してゲルを生成する。ゼラチンの初期の架橋は、EDC(学名:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩)及びNHS(学名:N−ヒドロキシスクシンイミド)の溶液を用いて行われる。

0081

型の壁は、所望の表面テクスチャを含み、初期硬化時にゲルの少なくとも1つの表面にテクスチャを付与する。成形中、型の温度及び型の内圧を上昇させてゲルに強度を付与することができる。温度の制約は、パターンの気泡破壊を回避するために極めて注意を要すると思われる。プロセスに関わる温度/pHも、追加の生物活性タンパク質/分子の取り込みを可能にし得ると本発明者らが考える生理的温度の領域内である。

0082

型に入れた後、ゾルを硬化させて、テクスチャ付けされた1つ以上の表面を有するゲルを形成する。テクスチャを有するこの層が第2の層である。一実施形態においては、2つ以上の表面をテクスチャ付けすることができる。別の一実施形態においては、3つ以上の表面をテクスチャ付けすることができる。別の一実施形態においては、第1の層に接する表面を含めて、すべての表面をテクスチャ付けすることができる。第1の層に接する表面のテクスチュアリングは、第1の層と第2の層の機械的接着を共有結合性又はイオン性の接合を使用せずに促進し、向上させることができる。

0083

上述したように、第2の層はゲルを含む必要はない。それは、熱可塑性生分解性ポリマーから製造することができ、この特別な場合、第2の層を硬化させないことが望ましい。

0084

別の一実施形態においては、第2の層を製造する別の方法においては、まず、毛細管デバイス又は針を装着したシリンジを通してゲルを押し出して、ゲルのビーズを製造する。ビーズは、上記内部チャネルを有する。テクスチャを含む型にゲルを押し出す。ゲルは、ビーズの形である必要はない。それは、ゲルの不規則な形状部分を含むことができる。テクスチャがゲル表面に転写されて、第2の層を形成する。

0085

第2の層のテクスチュアリング及び初期硬化後、ゾルの薄い液体層を初期硬化ゲル(第2の層)の上に置いて、第2の層と第1の層の接合を促進する。この後、ゲルの別の初期硬化層(第1の層)を上記のように製造し、次いで第2の層の上に置くことができる。次いで、第2の層をゾルの液体層を用いて第1の層に接合させる。第1の層の表面は、一般に、テクスチャ付けされていないが、必要に応じてテクスチャ付けすることができる。

0086

互いに接している第1の層と第2の層を別のEDC/NHS溶液を用いて接合して、固体二層デバイスを形成することができる。固体二層デバイスは、創傷被覆材として使用することができる。

0087

一実施形態においては、多層デバイスを創傷の中又は上に置くことができる。細胞は、第1の層中のミクロポア中で、第2の層のテクスチュアリングによって付与された表面テクスチャに沿って増殖し始める。多層創傷被覆材中の1つ以上の層は生分解性であるので、細孔及びチャネルの配向は、初期の細胞増殖の進行を促進し、生分解性材料が分解し始めると、これらの初期の細胞は、更に、更なる細胞増殖のテンプレートとして役立つ。

0088

ミクロポア配向の異なる複数の異なる層を各層に有することによって、複数の細胞層を得ることができ、その各々は異なる配向を有し、治癒領域を創傷発生前よりもかなり強くすることができる。さらに、様々な層中のテクスチャ及びミクロポアに対して異なるアスペクト比を選択することによって、新しい細胞のアスペクト比も変化させて、治癒プロセスを改善することができる。

0089

異なる種類の細胞を、胚性幹細胞成体幹細胞芽細胞クローン細胞受精卵胎盤細胞、角化細胞、表皮基底細胞毛幹細胞毛根鞘細胞、表面上皮細胞、基底上皮細胞、尿上皮細胞、唾液腺細胞粘液細胞漿液細胞フォンエブネル腺細胞乳腺細胞涙腺細胞耳道腺細胞、エクリン汗腺細胞、アポクリン汗腺細胞、モル腺細胞、皮脂腺細胞ボウマン腺細胞、ブルンネル腺細胞、精嚢細胞、前立腺細胞尿道球腺細胞、バルトリン腺細胞、リトル腺細胞、子宮内膜細胞、気道又は消化管杯細胞の粘液細胞、胃腺酵素原細胞、胃腺の酸分泌細胞インスリン産生β細胞グルカゴン産生α細胞ソマトスタチン産生δ細胞、ポリペプチド産生細胞膵管細胞小腸パネート細胞II型肺胞上皮細胞、肺のクララ細胞、下垂体前葉細胞、下垂体中葉細胞、下垂体後葉細胞腸管又は気道のホルモン分泌細胞甲状腺細胞副甲状腺細胞副腎細胞、性腺細胞腎臓傍糸球体細胞、腎臓の緻密斑細胞、腎臓の周血管極細胞、腎臓のメサンギウム細胞、腸の刷子縁細胞、外分泌腺線条部導管、胆嚢上皮細胞、腎臓の近位尿細管の刷子縁細胞、腎臓の遠位尿細管細胞、輸出管の無繊毛細胞精巣上体主細胞、精巣上体基底細胞肝細胞(hepatacyte)、脂肪細胞、I型肺細胞、膵管細胞、汗腺の非線条部導管細胞、唾液腺の非線条部導管細胞、乳腺の非線条部導管細胞、腎糸球体壁細胞、腎糸球体の足細胞ヘンレ係蹄の薄いセグメントの細胞、集合管細胞、精嚢の導管細胞、前立腺の導管細胞、血管内皮細胞滑膜細胞漿膜細胞、外リンパ腔を覆う扁平細胞、耳の内リンパ腔を覆う細胞、脈絡叢細胞軟膜くも膜の扁平細胞、眼の毛様体上皮細胞、角膜内皮細胞推進機能を有する繊毛細胞、エナメル芽細胞、耳の前庭器半月面細胞、コルチ器歯間細胞、線維芽細胞、血液流路周細胞椎間板髄核細胞セメント芽細胞(cementoblast)、セメント細胞(cementocyte)、象牙芽細胞、象牙細胞(odontocyte)、軟骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、骨芽前駆細胞、眼の硝子体硝子体細胞、耳の外リンパ腔の星細胞骨格筋細胞心筋細胞平滑筋細胞筋上皮細胞赤血球巨核球単球結合組織マクロファージランゲルハンス細胞、破骨細胞、樹状細胞小膠細胞好中球好酸球好塩基球肥満細胞形質細胞ヘルパーT細胞サプレッサーT細胞キラーT細胞免疫グロブリンM免疫グロブリンG免疫グロブリンA免疫グロブリンEキラー細胞桿体細胞、錐体細胞、コルチ器の内有毛細胞、コルチ器の外有毛細胞、耳の前庭器のI型有毛細胞、耳の前庭器のII型有毛細胞、II型味蕾細胞、嗅神経細胞、嗅上皮の基底細胞、I型頚動脈小体細胞、Ii型頚動脈小体細胞、メルケル細胞、触覚専用の一次感覚神経、温度専用の一次感覚神経、疼痛専用の一次神経、固有受容性一次感覚神経、自律神経系コリン作動性神経細胞、自律神経系のアドレナリン作動性神経細胞、自律神経系のペプチド作動性神経細胞、コルチ器の内柱細胞、コルチ器の外柱細胞、コルチ器の内指節細胞、コルチ器の外指節細胞、辺縁細胞ヘンゼン細胞、前庭器の支持細胞、味蕾の支持細胞、嗅上皮の支持細胞、シュワン細胞衛星細胞、腸管グリア細胞中枢神経系の神経細胞、中枢神経系の星状細胞、中枢神経系の乏突起膠細胞、前水晶体上皮細胞水晶体線維細胞、メラニン細胞網膜色素上皮細胞虹彩色素上皮細胞卵原細胞卵母細胞精母細胞精原細胞卵胞細胞セルトリ細胞及び胸腺上皮細胞又はそれらの組合せからなる群から選択することができる。

0090

二層デバイス及び製造方法を以下の非限定的実施例に開示する。

0091

実施例1
ポリジメチルシロキサンエラストマー(XiameterRTV−4232−T2、Dow Corning;PDMSe)を凹形シリコンウエハ型で注型することによって、平滑(SM)及び微細パターン(+1.7SK2x2)試料を作製した。円形試料(d=20mm)を、細胞移動方向に平行に整列した特徴部を有する12ウェルプレートに付着させ、フィブロネクチン(15μg/mL終夜)で処理して、細胞接着を促進した。SM PDMSe矩形(5mmx20mm)を試料の中央に沿って配置して、改変引っかき検査を行った。ヒト表皮角化細胞(HEK:Human epidermal keratinocytes)を構成全体に1x104細胞/cm2で播き、完全角細胞増殖培地(真皮細胞基本培地、0.4%ウシ下垂体抽出物、0.5ng/ml rh TGF−アルファ、6mM L−グルタミン、100ng/mlヒドロコルチゾン、5μg/mlインスリン、1μMエピネフリン、5μg/mlアポトランスフェリン、50U/mlペニシリンストレプトマイシン及び1μg/mlファンギゾン抗真菌剤)中で維持した。約70%コンフルエントにおいて、PDMSe矩形を除去して、空のパターン形成域を横切って細胞移動させた。移動を光学顕微鏡法で7日目までモニターした後、試料をCellTracker Orangeで染色し、固定した。創傷域の蛍光顕微鏡画像を取り、この領域内の細胞で覆われた平均面積をImageJソフトウェアによって計算した。

0092

ここで採用する命名法(例えば、+1.7SK2x2)は、以下のように解読すべきである:+1.7は、基準面上のテクスチャの高さを示し、SKは、Brennan他、米国特許第7143709号B2、及びBrennan他、特許出願第12/550,870号に図示され、記載されたSharkletパターンを指す。1.7の前の負号(−)は、テクスチャが基準面よりも下であることを示す。SK2x2の最初の2はパターンの各特徴部の幅を表し、2番目の2はパターンの特徴部間の間隔を表す。

0093

Sharklet微細パターン(表1)は、既報の結果に基づく2つのサイズスケール(例えば、5μm及び50μm間隔)で設計され、これらのサイズのチャネルが再上皮化を改善し、天然の表皮−真皮接合部のテクスチャを再現することが実証された。様々なアスペクト比(すなわち、トポグラフィー高さとトポグラフィー幅の比)によって、本発明者らは、細胞移動及び新組織形成を誘導するためにマイクロトポグラフィー高さを最適化することができる。図2は、a)及びb)アクチン(白)及び核(青)染色されたSM(平滑)及びSK(Sharklet、+1.7SK2x2)表面で培養されたHEKを示す。染色は、SK上の接触誘導を明らかにした(矢印はパターン方向を示す)。スケールバー50μm。c)改変引っかき傷検査の結果の示すところによれば、SK上の3日後の創傷域内の細胞の被覆はSMに対して33%増加する。

0094

生分解性ゼラチン材料中で複製された新規設計Sharklet(商標)パターンの上記と同じ検査による試験予備的な結果によれば、特徴部のサイズ及びアスペクト比の増加とともに細胞移動及び創閉鎖率も有意に増加する(図3)。図3によれば、生分解性材料において複製されたSharklet(商標)パターンは、平滑表面に比べて細胞移動及び創閉鎖率が増加する。改変引っかき傷検査の結果の示すところによれば、+1SK10x5及び+10SK50x50上の4日後の創傷域内の細胞の被覆は、平滑に対してそれぞれ46%及び64%増加する。

0095

実施例2
創傷治癒の複雑さの我々の知識の進化に従い、創傷被覆材市場もそれに応じて成長した。傷害は様々な程度に皮膚構造を損なうので、失われた皮膚を置き換える要求は、創傷のタイプ及び程度に大きく依存する。表面の創傷は、皮膚の最外層、すなわち表皮の喪失を招く。この層は、皮膚のバリア機能を維持し、角化細胞と呼ばれる上皮細胞から主になる。より重篤な傷害においては、表皮層、及び真皮の一部又は全部(例えば、それぞれ部分又は全層創傷)の喪失は、皮膚の完全性を回復するために2つの重要な組織タイプを交換又は再建する必要がある。真皮は、皮膚の機械的性質を担う結合組織である。それは、主に線維芽細胞及びその関連細胞外基質(ECM)で構成される。皮膚創傷治癒は、4つの正確に統合された段階、すなわち、止血、炎症、増殖及び再構築で進行する。創傷治癒が成功するには、4つの段階すべてが適切な順序及びタイミングで進行しなければならない。Sharklet微細パターン形成全層創傷処置は、増殖段階における2つの重要なステップ、すなわち血管新生と再上皮化を同時に促す最初の利用可能な被覆材である。

0096

創床における血管新生、すなわち新しい血管の形成は、肉芽組織の形成を促進し、再上皮化のための基盤を供給する。再上皮化、すなわち新しい皮膚細胞による創傷の被覆は、創傷治癒の最適な機能的及び審美的成果である。

0097

下にある基層の物性に応じた細胞の配向及び極性化(すなわち、伸長)は、接触誘導として知られる。この現象は、血管新生、すなわち新しい血管形成、及び細胞移動の重要な制御機構である。物理的誘導の能力は、二層Sharklet微細パターン形成創傷被覆材を介した創床の血管新生及び創面の被覆を促す。第1の層は、規則的に配列された調節可能な異方性チャネルを自己組織化によって形成する注射用アルギナート材料であるCAPGEL(商標)からなる。CAPGEL(商標)内に形成する3Dマイクロチャネル構造(図4参照)は、ラット心筋梗塞モデルにおいて血管の浸潤を支持することが示された。全層創傷後の真皮の血管再生は、前もって形成されたチャネルを介した創傷端部からの血管の内方成長によって進行することも示された。最も複雑な全層創床に注射した液体CAPGEL(商標)でさえ、血管新生及び肉芽組織形成を促す二層被覆材の基盤を形成することができると考えられる。

0098

CAPGEL(商標)技術によって作製された真皮の基盤は、創傷被覆材の最上Sharklet微細パターン形成表面上の表皮治癒を促す。角化細胞による創傷の被覆、すなわち再上皮化は、創傷治癒の成功の証しとみなされる。角化細胞の増殖及び移動による再上皮化は、傷害の72時間以内に始まり、約14日間続く。増殖治癒段階の間、細胞移動は、治癒プロセスの貴重な要素である。Sharklet微細パターンは、最上層における接触誘導を利用して、移動の方向及び速度を能動的に導いて、創閉鎖を予想どおりに促す。その結果、早期の再上皮化は、感染リスクを減少させ、患者の苦痛を軽減するだけでなく、下にある肉芽組織の再構築も惹起し、肥大型の瘢痕の可能性を低下させる。革新的な全層創傷ケア被覆材がなければ、皮膚基底膜組織構造と、皮膚線維芽細胞によって産生される細胞外基質(ECM)線維組織化の両方が、創縁からそれぞれ線維芽細胞及び上皮細胞移動を誘導する。実際、天然の皮膚における真皮/表皮接合部は平坦ではなく、一連の微小規模の隆起部及び突出部からなる。これらの物理的合図は、角化細胞の成熟、分化及び機能を調節し、ひいては皮膚構造の組織化及び完全性に不可欠である。これらの原理は、同様の成果をより効率的に得るために総合的に活用することができ、例えば、深さ150μm、幅50μmの単純なチャネルは再上皮化速度を高め、無細胞真皮上で培養された同じ細胞によって得られるものに類似した組織構造をもたらした。同様に、深さ1μm及び5μm、溝間隔1μm〜10μmの微細溝は、個々の上皮細胞及び無傷上皮組織由来の細胞の移動を増大させ、誘導する。これは、創縁に存在する物理的合図が生物的か非生物的かにかかわらず、マイクロトポグラフィーが細胞の移動を誘導することを示している。したがって、Sharklet微細パターン形成被覆材は、頂端の細胞の増殖及び移動を誘導して、迅速な表皮創閉鎖を成すと同時に、下にある真皮内の細胞浸潤及び毛細血管増殖も誘導することによって、創傷治癒環境を向上させる。

0099

実施例3
HEK移動分析からの最高性能Sharklet微細パターン(+10SK50x50)を創傷被覆材に適切なサイズにスケールアップし、ラットの確立された遅延治癒モデルにおいて試験して、広範な非治癒/慢性創傷に対する治癒挙動を確認した。創傷被覆材原型の最上層を上で概説した同じ手順に従って形成して、ゼラチンヒドロゲルを生成した。次いで、溶液を充填した型を4℃に1時間冷却して、ゼラチンを凝固させた。次に、2mlのCAPGEL(商標)スラリーを前述のように合成し、固体ゼラチンの上のPDMSe型(d=20mm)に充填した。最上ゼラチン層及び基底CAPGEL(商標)層を0.6M EDC及び0.2M NHSのPBS溶液で4℃で18時間化学的に架橋した。シリコーン型構築物から除去し、6mm生検パンチを使用して、適切なサイズの被覆材を作製した。次いで、被覆材をPBSで1時間洗浄し、続いて24時間の間に10x食塩水クエン酸ナトリウムSSC:saline sodium citrate)(20xSSC、Fisher BioReagants、脱イオン水で10xに希釈)を3回交換した。最後に、被覆材を24時間の間に生理食塩水を3回交換して洗浄し、続いて最終PBSリンス及び移植前に、Minncare滅菌剤(3%脱イオン水溶液)(Mar Cor、ミネソタプリマス)に10分間浸漬して滅菌した。

0100

フロリダ大学動物実験委員会(Animal Care and Use Committee)によって認可され、国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)によって出版された「Guide for Care and Use of Laboratory Animals」の基準に従った手順で全動物実験を実施した。適切な麻酔の後、体重約250〜300gの20匹の雄性スプレードーリーラットの背面を剪毛し、矩形テンプレート肩甲骨の底部と腸骨稜の間の脊柱上に中心が来るように置いた。テンプレートを使用して、4個の円形穴の配置及び垂直組織フラップ切開の配置の輪郭を描いた。4つの全層創傷を対応する印の所に6mm生検パンチを用いて作った。これらの正常皮膚パンチをその後の分析のために10%中性緩衝ホルマリンで固定した。一過性虚血の状態を作り出すために、2本の平行線状切り込みをテンプレートの側面に沿って入れた。作製された皮膚フラップを、下にある脈管構造を切断するために持ち上げ、再配置し、各側面をステープルで留めた。4つの被覆材の各々の1つ:1)複合CAPGEL(商標)血管新生技術を用いた新規二層Sharklet微細パターン形成最上層、2)CAPGEL(商標)を有する平滑最上層、3)商業的競合物として現在臨床使用されている皮膚テンプレートEndoform、及び4)無処置。Endoform皮膚テンプレートは、天然由来ヒツジコラーゲンECMからなる。すべての創傷を圧縮性二次被覆材で覆い、Vetrap(3M)で覆った。

0101

術後7、10及び14日目に、ラット(N=6)を安楽死させた。術後28日目にも2匹のラットを安楽死させ、被覆材分解の程度を定性的に観察した。組織生検を8mm生検パンチを用いて収集し、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィン包埋し、薄片化し、ヘマトキシリンエオシン(H&E)又はマッソン三色染料で染色した。米国獣医病理学会(American College of Veterinary Pathologists)によって認定された委員である獣医病理医によって、組織学的創傷切片の被覆材場所、再上皮化、急性及び慢性炎症、肉芽組織形成並びに血管新生を、確立された半定量的組織学的採点基準(表2)によって評価した。結果を分析して、創傷治癒環境を向上させる各処置の臨床的に関連する結果、例えば、上皮被覆、血管新生及び全体の創傷治癒、すべての測定結果を含む複合スコアを評価した。

0102

虚血性創傷モデル
負傷後7日目のラット皮膚のH&E染色切片の代表的顕微鏡写真(図5b)の定性的評価は、二層被覆材で処置した創傷では無処置対照に比べて治癒結果が改善した徴候を示す。無処置創傷は、概して、無傷の皮膚に比べて、より高レベル収縮不完全な再上皮化、及び皮膚構造の相違を示した(図5c)。両方の二層被覆材構築物は、無処置又はEndoform処置創傷に比べて、より完全な再上皮化、拘縮の減少を示し、天然の皮膚により近い真皮再生を示した(図5d及び5e)。臨床利用可能な皮膚テンプレート被覆材Endoformで処置した創傷は、二層構築物で被覆したものよりも収縮レベルが高く、不完全な上皮化を示し、7日目の肉芽組織形成の量及び完成度が低下した(図5f)。

0103

組織学的等級付けからの半定量的創傷治癒スコアによれば、二層構築物は、無処置創傷に比べて治癒全体を改善し、これらの改善は、Endoform処置創傷で測定されたものと統計的に差がない(図6a)。複合創傷治癒スコアは、被覆場所、再上皮化、急性及び慢性炎症、肉芽組織形成並びに血管新生の評価を含む。すべての被覆材、すなわち、平滑、Sharkletパターン形成及びEndoformは、負傷後7日目(22%増加、p≦0.05)、10日目(32%増加、p≦0.001)及び14日目(31%増加、p≦0.05)において、無処置に比べて複合平均創傷治癒スコアが増加した。再上皮化の評価は、群間有意差がなかった(図6b)。血管新生の平均創傷治癒スコアは、無処置の負の対照よりもすべての処置群で増加したが、処置群間では有意差がなかった。被覆材によって、高倍率(40x倍率)の1視野当たりの血管が、負傷後10日目(14%、p≦0.05)及び14日目(29%、p≦0.001)において、無処置対照よりも増加した(図6c)。負傷後28日目のラット皮膚のH&E染色切片の定性的観察(N=2)によれば、二層ヒドロゲル被覆材は、この期間にin vivoで分解した(図7)。

0104

図5は、負傷後7日目のラット皮膚のH&E染色切片の代表的な顕微鏡写真である。a)無傷対照ラット皮膚における表皮の構造。b)無傷対照ラット皮膚における真皮の構造。c)無処置群の創傷域を示す。これらの創傷は、天然の皮膚に比べて、より高レベルの収縮、不完全な上皮被覆、及び皮膚構造の相違を示す。d)平滑被覆材で処置した皮膚の創傷域を示す。この画像においては、被覆材は表皮の下に完全には取り込まれず(スコア2)、上皮化が不完全であり、真皮の構造は無傷の皮膚と一致しない。e)Sharklet被覆材で処置した皮膚の創傷域を示す。これらの創傷は、完全な再上皮化、無処置又はEndoform処置創傷に比べた拘縮の減少、及び天然の皮膚により近い皮膚構造を示す。f)臨床利用可能な皮膚テンプレート被覆材Endoformで処置した創傷域を示す。Endoformで処置した創傷は、二層構築物で被覆したものよりも収縮レベルが高く、不完全な上皮化を示し、7日目の肉芽組織形成の量及び完成度が低下した。

0105

図6は、組織学的創傷治癒スコアを示す。a)被覆場所、再上皮化、急性及び慢性炎症、肉芽組織形成並びに血管新生の等級付けを含む平均全創傷治癒スコアの複合。すべての被覆材タイプが、無処置に対して治癒を有意に改善した。無処置よりも統計的に有意な増加がすべての被覆材で報告され、群間の有意差はなかった。b)平均再上皮化スコアは、処置群間で有意差がない。c)平均血管新生結果によれば、被覆材で処置した創傷において形成される新しい血管数は無処置よりも多いが、被覆材タイプ間で有意差がない。無処置に対する治癒の全体的改善、及び標準ケア処置、すなわちEndoform皮膚テンプレートに匹敵する成果は、二層創傷被覆材構築物が治癒結果を改善する可能性を示している。

0106

図7は、負傷後28日目のラット皮膚のH&E染色切片の代表的な顕微鏡写真である。これらの画像は、二層ヒドロゲル被覆材が28日間でin vivoで完全に分解したことを定性的に示す。矢印は、Sharkletパターン形成被覆材を移植した創傷の組織中に残った被覆材のほんのわずかの小片を示す。平滑二層被覆材で処置した創傷中には被覆材が見られない。

実施例

0107

本発明をその好ましい特定の実施形態に関連して記述したが、上記明細書本文及びそれに続く実施例は、本発明を説明するものであって、その範囲を限定するものではないことを理解されたい。別の態様、効果、及び本発明の範囲内の変更が、本発明が関係する当該技術分野の当業者に明らかになるはずである。

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