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課題・解決手段

特に、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基置換されており、かつ/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチドが提供される。

概要

背景

(発明の背景)
医薬研究開発は、バイオ医薬品、例えば、抗体を含む治療用ポリペプチドに益々集中してきている。典型的には、治療用ポリペプチドは、全身経路を介して循環中に、直接的又は間接的のいずれかで投与される。しかしながら、多くの治療用ポリペプチドは、理想的には経口経路を介して送達されるであろう。経口的に治療用ポリペプチドを送達することは、以下の利点:(a)胃腸疾患局所治療のための胃腸管(GIT)への直接的な標的化(Jones及びMartinoの文献2015 Crit Rev Biotechnol 20:1-15)、(b)GITの生来免疫寛容性のために有害な免疫反応リスクを減少させ、それにより治療用ポリペプチド材料を繰り返し摂取することの長期的安全性を確保し得ること、(c)注射可能な治療用ポリペプチドの生産には厳しい規制上の要件がないため、生産コストを減少させ得ること、及び(d)より高いレベル患者による受容及び長期間の服薬遵守が達成され得ること(Shaji及びPatoleの文献Indian J Pharm Sci 2008 70(3):269-277)を提供し得る。

しかしながら、多くの治療用ポリペプチドは、腸管において不安定であり、従って、経口投与で得られる有益な作用は、一般に限定的である(Brunoらの文献2013 Ther Deliv 4(11):1443-1467)。その結果、従来の小分子薬物のために使用される経口剤形が、経口ポリペプチド送達のために採用されてきた。現在研究中の様々な戦略としては、製剤ビヒクル酵素阻害剤の使用、吸収促進剤、及び粘膜付着性ポリマーが挙げられる(上述のShaji及びPatoleの文献)。

治療用ポリペプチドそれ自体に対する修飾、例えば、(追加の)システイン架橋の導入を伴う代替の戦略もまた採用されている。Hussackらの文献2011PLoS ONE 6(11):e28218は、追加のシステイン架橋の抗TcdA VHHへの導入を記載している。これらの追加のシステイン架橋のタンパク質分解定性を増加させることに対する有効性は、関係する特定のプロテアーゼに高度に依存的であり、ある状況では、これらの追加のシステイン架橋は、組換え製造レベルに弊害をもたらした。同様に、Kimらの文献2014 mAbs 6:1 219-235では、ヒトVLドメインジスルフィド架橋で操作され、入り交じった結果が得られている。

腸管における安定性を強化するために、治療用ポリペプチドの低い腸安定性の原因となっていると考えられている該治療用ポリペプチドにおける特定のアミノ酸置換することを理論的には検討することができる。しかしながら、免疫グロブリン鎖可変ドメインとの関連では、アミノ酸配列における単一の置換が、結合能に悪影響を及ぼし得る。これは、標的抗原への結合を担う免疫グロブリン鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)に特に関連性がある。例えば、特にVHHのCDR3に関して、「・・・CDR3アミノ酸が、抗原直接接触しているか、抗原に直接的に接触する該CDR3アミノ酸のコンホメーションを維持しかつそれに影響を与えているかのいずれかである限りでは、大きな親和性の喪失なしに、減少した安定性の原因となっているCDR3アミノ酸を置き換えることはできない」ことが知られている(Muyldermansの文献Annu Rev Biochem 2013 82:775-797)。この見解は、例えば、特に、CDR2におけるRからGへの置換を含む、カンピロバクタージェジュニ(C. jejuni)鞭毛を標的とするVHHに対する置換が、該VHHの結合能の大幅な低減をもたらした(アプローチング制御(approaching control))(Hussackらの文献2014 Protein Engineering, Design & Selection 27(6):191-198)という知見によって強化されている。

従って、増加した腸安定性を有するポリペプチド、及びそのようなポリペプチドの腸安定性を増加させる方法が長い間必要とされてきた。

本発明のポリペプチドは、少なくともいくつかの実施態様において、従来技術の物質と比較して、以下の利点のうちの1つ以上を有し得る:
(i)経口投与に対する増加した適合性;
(ii)経口投与後の腸管への局所送達に対する増加した適合性;
(iii)増加した腸安定性の一方で、結合親和性及び/又はポテンシーを実質的に維持していること;
(iv)腸管のモデル、例えば、標準トリプシン腸管モデル、標準マウス小腸上清腸管モデル、又は標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける増加した安定性の一方で、結合親和性及び/又はポテンシーを維持していること;
(v)プロテアーゼの存在下、例えば、(a)小腸及び/又は大腸においてみられるプロテアーゼ、及び/又はIBD炎症性プロテアーゼ、例えば、トリプシン、キモトリプシン、MMP、カテプシンエンテロペプチダーゼ宿主炎症性プロテアーゼの存在下での、かつ/又は(b)小腸及び/又は大腸においてみられる微生物細胞の溶解によって活発分泌されるかつ/又は放出される腸内共生ミクロフローラ及び/又は病原性細菌由来のプロテアーゼの存在下での増加した安定性;
(vi)異種宿主、例えば、酵母、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、又はピキア(Pichia)属に属する酵母において発現された場合の、増加した安定性(酵母プロテアーゼへの増加した耐性を理由とするもの);
(vii)有害な免疫反応の減少したリスク;
(viii)減少した生産コスト;
(ix)腸感染症又は自己免疫性及び/もしくは炎症性疾患の向上した治療及び/又は予防;
(x)向上した患者による受容及び長期間の服薬遵守;
(xi)組換え製造中の向上した収率;
(xii)向上した生理活性及び/又は生体内分布;
(xiii)減少した必要投与量;
(xiv)医薬における使用に対する適合性及び該使用のための向上した性質;
(xv)機能性食品における使用に対する適合性及び該使用のための向上した性質。

概要

特に、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており、かつ/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチドが提供される。無し

目的

本発明は、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており、かつ/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチドを提供する

効果

実績

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請求項1

3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基置換されており、かつ/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチド。

請求項2

免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドの腸安定性を増加させる方法であって、該免疫グロブリン鎖可変ドメインが、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含み、(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、を含む、前記方法。

請求項3

免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドを作製する方法であって、該免疫グロブリン鎖可変ドメインが、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含み、(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程を含み:該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記方法。

請求項4

前記置換が、腸管における、例えば、小腸及び/又は大腸における、例えば、十二指腸空腸回腸盲腸結腸直腸、及び/又は肛門管における前記ポリペプチドの安定性を、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項5

前記置換が、腸管のモデルにおける、例えば、小腸及び/又は大腸における、例えば、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、及び/又は肛門管における前記ポリペプチドの安定性を、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる、請求項1〜4のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項6

前記腸管のモデルが、標準ヒト糞便上清腸管モデルである、請求項5記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項7

前記ポリペプチドの安定性が、前記標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける1時間のインキュベーション後に、前記ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して少なくとも5%、より好適には30%、より好適には50%増加する、請求項6記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項8

前記安定性の増加が、前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗TNF-アルファ免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、もしくは前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗毒素免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準毒素ELISAアッセイによって決定される、請求項7記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、もしくはポリペプチドを作製する方法;又は前記安定性の増加が、前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗IL-6R免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準gp130 ELISAアッセイによって、前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗TNF-アルファ免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、もしくは前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗毒素免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準毒素ELISAアッセイによって決定される、請求項7記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、もしくはポリペプチドを作製する方法。

請求項9

前記ポリペプチドの安定性が、前記標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける16時間のインキュベーション後に、前記ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して少なくとも1%、より好適には5%、より好適には10%増加する、請求項6記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項10

前記安定性の増加が、前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗TNF-アルファ免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、もしくは前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗毒素免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準毒素ELISAアッセイによって決定される、請求項9記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、もしくはポリペプチドを作製する方法;又は前記安定性の増加が、前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗IL-6R免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準gp130 ELISAアッセイによって、前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗TNF-アルファ免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、もしくは前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗毒素免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準毒素ELISAアッセイによって決定される、請求項9記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、もしくはポリペプチドを作製する方法。

請求項11

前記置換が、小腸又は大腸において産生される1以上のプロテアーゼに対する前記ポリペプチドの安定性を、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる、請求項1〜10のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項12

前記1以上のプロテアーゼが、トリプシンキモトリプシン、MMP、カテプシンエンテロペプチダーゼ宿主炎症性プロテアーゼ、微生物細胞の溶解によって活発分泌されるかつ/又は放出される腸内共生ミクロフローラ及び/又は病原性細菌由来のプロテアーゼ、及び病原性細菌由来のプロテアーゼ、例えば、C.ディフィシル特異的プロテアーゼからなる群から選択される、請求項11記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項13

前記ポリペプチドのポテンシーが、前記ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドのポテンシーと実質的に同じである、請求項1〜12のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項14

前記ポリペプチドのEC50が、前記ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、400%以下、より好適には100%以下、より好適には20%以下増加している、請求項13記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項15

前記置換が、合成的に導入される、請求項1〜14のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項16

前記置換が:エラープローンPCRシャフリングオリゴヌクレオチド指定変異誘発アセンブリPCR、PCR変異誘発、インビボ変異誘発、カセット変異誘発、リカーシブアンサンブル変異誘発、指数関数的アンサンブル変異誘発、部位特異的変異誘発、遺伝子リアセンブリ、遺伝子部位飽和変異誘発(GSSM)、合成的ライゲーションリアセンブリ(SLR)、組換え、リカーシブ配列組換え、ホスホチオエート修飾DNA変異誘発、ウラシル含有テンプレート変異誘発、ギャップド・デュプレックス変異誘発、ポイントミスマッチ修復変異誘発、修復欠損宿主株変異誘発、化学的変異誘発、放射線誘発性変異誘発、欠失変異誘発、制限選択変異誘発、制限精製変異誘発、アンサンブル変異誘発、キメラ核酸マルチマー作製、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される方法によって導入される、請求項15記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項17

前記置換が、V(D)J組換え又は体細胞突然変異では導入されない、請求項1〜16のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項18

置換を含む各CDRが、5アミノ酸以上の長さである、請求項1〜17のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項19

置換を含む各CDRが、25アミノ酸以下の長さである、請求項1〜18のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項20

前記ポリペプチドが、700アミノ酸以下の長さである、請求項1〜19のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項21

前記少なくとも1個のリジン残基が、CDR1の第2三分位、及び/又はCDR2の第2三分位、及び/又はCDR3の第2三分位として定義されるウィンドウ内に存在する、請求項1〜20のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項22

前記少なくとも1個のリジン残基が、CDR1の第3五分位、及び/又はCDR2の第3五分位、及び/又はCDR3の第3五分位として定義されるウィンドウ内に存在する、請求項21記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項23

前記少なくとも1個のリジン残基が、CDR1の第4七分位、及び/又はCDR2の第4七分位、及び/又はCDR3の第4七分位として定義されるウィンドウ内に存在する、請求項22記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項24

前記少なくとも1個のアルギニン残基が、CDR1の第2三分位、及び/又はCDR2の第2三分位、及び/又はCDR3の第2三分位として定義されるウィンドウ内に存在する、請求項1〜23のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項25

前記少なくとも1個のアルギニン残基が、CDR1の第3五分位、及び/又はCDR2の第3五分位、及び/又はCDR3の第3五分位として定義されるウィンドウ内に存在する、請求項24記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項26

前記少なくとも1個のアルギニン残基が、CDR1の第4七分位、及び/又はCDR2の第4七分位、及び/又はCDR3の第4七分位として定義されるウィンドウ内に存在する、請求項25記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項27

少なくとも2個のリジン及び/又はアルギニン残基が置換されている、請求項1〜26のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項28

少なくとも3個のリジン及び/又はアルギニン残基が置換されている、請求項27記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項29

3個以下のリジン及び/又はアルギニン残基が置換されている、請求項1〜28のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項30

2個以下のリジン及び/又はアルギニン残基が置換されている、請求項29記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項31

リジン残基1個及び/又はアルギニン残基1個が置換されている、請求項30記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項32

CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における各リジン及び/又はアルギニン残基が、それぞれ、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されている、請求項1〜20のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項33

CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における各リジン及び/又はアルギニン残基が、それぞれ、1個のヒスチジン残基で置換されている、請求項32記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項34

前記ポリペプチドが、免疫グロブリン鎖可変ドメインからなる、請求項1〜33のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項35

前記ポリペプチドが、抗体、追加の抗体結合領域を含有する修飾抗体、又は抗体断片、例えば、scFv、Fab断片、F(ab')2断片、もしくは免疫グロブリン鎖可変ドメイン、例えば、VHH、VH、VL、V-NARである、請求項1〜34のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項36

前記ポリペプチドが、VHHである、請求項35記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項37

前記ポリペプチドが、VHである、請求項35記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項38

前記発明のポリペプチド又は前記発明の方法のポリペプチドの親和性が、3〜9の任意のpHにおいて実質的に同じままである、請求項1〜37のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項39

前記ポリペプチドが、腸管経由で到達可能な標的に結合する、請求項1〜38のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項40

前記ポリペプチドが、腸管内の標的に結合する、請求項39記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項41

前記標的が、腸管常在性病原性微生物由来の有害な作用剤である、請求項39又は40記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項42

前記標的が、発病誘導し得る宿主微生物由来の標的、宿主細胞宿主由来炎症性メディエーター、又は疾患の発病に関与するタンパク質である、請求項39又は40記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。

請求項43

前記ポリペプチドが:TNF-アルファ、C.ディフィシル毒素A、又はC.ディフィシル毒素Bからなる群から選択される標的に結合する、請求項1〜42のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、もしくはポリペプチドを作製する方法;又は前記ポリペプチドが:IL-6R、TNF-アルファ、C.ディフィシル毒素A、又はC.ディフィシル毒素Bからなる群から選択される標的に結合する、請求項1〜45のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、もしくはポリペプチドを作製する方法。

請求項44

請求項1〜43のいずれか1項記載の1以上のポリペプチドを含む構築体

請求項45

請求項1〜44のいずれか1項記載のポリペプチド又は構築体、及び1以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体を含む、医薬組成物

請求項46

少なくとも1つのさらなる活性薬剤を含む、請求項45記載の医薬組成物。

請求項47

機能性食品又は薬用食品としての使用のための請求項1〜46のいずれか1項記載のポリペプチド又は医薬組成物。

請求項48

経口投与のための薬物としての使用のための、請求項1〜46のいずれか1項記載のポリペプチド又は医薬組成物。

請求項49

前記組成物が、腸溶性コーティングされた形態で提供される、請求項47又は48記載の医薬組成物。

請求項50

請求項1〜44のいずれか1項記載のポリペプチド又は構築体をコードするポリヌクレオチド

請求項51

請求項50記載のポリヌクレオチドを含むcDNA

請求項52

請求項50又は51記載のポリヌクレオチド又はcDNAを含むベクター

請求項53

請求項52記載のベクターで形質転換され、請求項1〜47のいずれか1項記載のポリペプチド又は構築体を発現する能力がある、哺乳動物細胞植物細胞酵母細胞、例えば、アスペルギルス属サッカロマイセス属クリベロマイセス属、ハンゼヌラ属、もしくはピキア属に属する酵母細胞、又は細菌細胞、例えば、大腸菌などの宿主細胞。

請求項54

経口投与による胃腸管の疾患の治療における使用のための、請求項1〜49のいずれか1項記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物。

請求項55

自己免疫性及び/又は炎症性疾患の治療における使用のための、請求項54記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物。

請求項56

セリアック病放射線誘発性粘膜炎、又は炎症性腸疾患、例えば、クローン病もしくは潰瘍性大腸炎の治療における使用のための、請求項55記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物。

請求項57

クローン病又は潰瘍性大腸炎の治療における使用のための、請求項56記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物。

請求項58

大腸菌、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、カンピロバクターコレラ菌シゲラウェルシュ菌クロストリジウム・ディフィシル、バチルスセレウス腸炎ビブリオ菌、又はエルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)感染症の治療における使用のための、請求項54記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物。

請求項59

クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療における使用のための、請求項58記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物。

請求項60

自己免疫性及び/又は炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要としている人に、治療的有効量の請求項1〜46のいずれか1項記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物を経口投与することを含む、前記方法。

請求項61

大腸菌、サルモネラ・チフィ、カンピロバクター、コレラ菌、シゲラ、ウェルシュ菌、クロストリジウム・ディフィシル、バチルス・セレウス、腸炎ビブリオ菌、又はエルシニア・エンテロコリチカによる感染症を治療する方法であって、それを必要としている人に、治療的有効量の請求項1〜46のいずれか1項記載のポリペプチド、構築体、又は医薬組成物を経口投与することを含む、前記方法。

請求項62

請求項1〜46のいずれか1項記載のポリペプチド又は構築体を含む製品を調製する方法であって、該ポリペプチドを該製品に添加することを含み、該ポリペプチドが:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又はb)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程を含む方法によって製造される、前記方法。

請求項63

3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基の代わりに少なくとも1個のヒスチジン残基、及び/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基の代わりに少なくとも1個のヒスチジン残基;を有し、該ヒスチジン置換を有しない対応する前駆体ポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチド。

技術分野

0001

(発明の分野)
本発明は、標的に高親和性で結合する能力がある領域を含むポリペプチド、特に免疫グロブリン鎖可変ドメイン(ICVD)を含むもの、並びに該ポリペプチドを含む構築体及びそのようなポリペプチド及び構築体を含む医薬組成物に関する。本発明のポリペプチド、構築体、及び医薬組成物は全て、経口投与に適している。本発明はまた、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドを作製する方法、並びにそのようなポリペプチドを利用する方法、そのようなポリペプチドを含む構築体、そのようなポリペプチドをコードする核酸、そのようなポリペプチドをコードする核酸を含むcDNA及びベクター、そのようなポリペプチドを発現している又は発現する能力のある宿主細胞、そのようなポリペプチドを含む医薬組成物、及びそのようなポリペプチドの使用に関する。

背景技術

0002

(発明の背景)
医薬研究開発は、バイオ医薬品、例えば、抗体を含む治療用ポリペプチドに益々集中してきている。典型的には、治療用ポリペプチドは、全身経路を介して循環中に、直接的又は間接的のいずれかで投与される。しかしながら、多くの治療用ポリペプチドは、理想的には経口経路を介して送達されるであろう。経口的に治療用ポリペプチドを送達することは、以下の利点:(a)胃腸疾患局所治療のための胃腸管(GIT)への直接的な標的化(Jones及びMartinoの文献2015 Crit Rev Biotechnol 20:1-15)、(b)GITの生来免疫寛容性のために有害な免疫反応リスクを減少させ、それにより治療用ポリペプチド材料を繰り返し摂取することの長期的安全性を確保し得ること、(c)注射可能な治療用ポリペプチドの生産には厳しい規制上の要件がないため、生産コストを減少させ得ること、及び(d)より高いレベル患者による受容及び長期間の服薬遵守が達成され得ること(Shaji及びPatoleの文献Indian J Pharm Sci 2008 70(3):269-277)を提供し得る。

0003

しかしながら、多くの治療用ポリペプチドは、腸管において不安定であり、従って、経口投与で得られる有益な作用は、一般に限定的である(Brunoらの文献2013 Ther Deliv 4(11):1443-1467)。その結果、従来の小分子薬物のために使用される経口剤形が、経口ポリペプチド送達のために採用されてきた。現在研究中の様々な戦略としては、製剤ビヒクル酵素阻害剤の使用、吸収促進剤、及び粘膜付着性ポリマーが挙げられる(上述のShaji及びPatoleの文献)。

0004

治療用ポリペプチドそれ自体に対する修飾、例えば、(追加の)システイン架橋の導入を伴う代替の戦略もまた採用されている。Hussackらの文献2011PLoS ONE 6(11):e28218は、追加のシステイン架橋の抗TcdA VHHへの導入を記載している。これらの追加のシステイン架橋のタンパク質分解安定性を増加させることに対する有効性は、関係する特定のプロテアーゼに高度に依存的であり、ある状況では、これらの追加のシステイン架橋は、組換え製造レベルに弊害をもたらした。同様に、Kimらの文献2014 mAbs 6:1 219-235では、ヒトVLドメインジスルフィド架橋で操作され、入り交じった結果が得られている。

0005

腸管における安定性を強化するために、治療用ポリペプチドの低い腸安定性の原因となっていると考えられている該治療用ポリペプチドにおける特定のアミノ酸置換することを理論的には検討することができる。しかしながら、免疫グロブリン鎖可変ドメインとの関連では、アミノ酸配列における単一の置換が、結合能に悪影響を及ぼし得る。これは、標的抗原への結合を担う免疫グロブリン鎖可変ドメインの相補性決定領域(CDR)に特に関連性がある。例えば、特にVHHのCDR3に関して、「・・・CDR3アミノ酸が、抗原直接接触しているか、抗原に直接的に接触する該CDR3アミノ酸のコンホメーションを維持しかつそれに影響を与えているかのいずれかである限りでは、大きな親和性の喪失なしに、減少した安定性の原因となっているCDR3アミノ酸を置き換えることはできない」ことが知られている(Muyldermansの文献Annu Rev Biochem 2013 82:775-797)。この見解は、例えば、特に、CDR2におけるRからGへの置換を含む、カンピロバクタージェジュニ(C. jejuni)鞭毛を標的とするVHHに対する置換が、該VHHの結合能の大幅な低減をもたらした(アプローチング制御(approaching control))(Hussackらの文献2014 Protein Engineering, Design & Selection 27(6):191-198)という知見によって強化されている。

0006

従って、増加した腸安定性を有するポリペプチド、及びそのようなポリペプチドの腸安定性を増加させる方法が長い間必要とされてきた。

0007

本発明のポリペプチドは、少なくともいくつかの実施態様において、従来技術の物質と比較して、以下の利点のうちの1つ以上を有し得る:
(i)経口投与に対する増加した適合性;
(ii)経口投与後の腸管への局所送達に対する増加した適合性;
(iii)増加した腸安定性の一方で、結合親和性及び/又はポテンシーを実質的に維持していること;
(iv)腸管のモデル、例えば、標準トリプシン腸管モデル、標準マウス小腸上清腸管モデル、又は標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける増加した安定性の一方で、結合親和性及び/又はポテンシーを維持していること;
(v)プロテアーゼの存在下、例えば、(a)小腸及び/又は大腸においてみられるプロテアーゼ、及び/又はIBD炎症性プロテアーゼ、例えば、トリプシン、キモトリプシン、MMP、カテプシンエンテロペプチダーゼ宿主炎症性プロテアーゼの存在下での、かつ/又は(b)小腸及び/又は大腸においてみられる微生物細胞の溶解によって活発分泌されるかつ/又は放出される腸内共生ミクロフローラ及び/又は病原性細菌由来のプロテアーゼの存在下での増加した安定性;
(vi)異種宿主、例えば、酵母、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、又はピキア(Pichia)属に属する酵母において発現された場合の、増加した安定性(酵母プロテアーゼへの増加した耐性を理由とするもの);
(vii)有害な免疫反応の減少したリスク;
(viii)減少した生産コスト;
(ix)腸感染症又は自己免疫性及び/もしくは炎症性疾患の向上した治療及び/又は予防;
(x)向上した患者による受容及び長期間の服薬遵守;
(xi)組換え製造中の向上した収率;
(xii)向上した生理活性及び/又は生体内分布;
(xiii)減少した必要投与量;
(xiv)医薬における使用に対する適合性及び該使用のための向上した性質;
(xv)機能性食品における使用に対する適合性及び該使用のための向上した性質。

0008

(発明の概要)
本発明者らは、経口投与に適した、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含む驚くべきほど有利なポリペプチドを製造した。これらのポリペプチドは、それらの増加した腸安定性(すなわち、増加した腸管における安定性)のために特に有利である。これらのポリペプチドは、胃腸管の疾患、例えば、自己免疫性及び/又は炎症性疾患、例えば、炎症性腸疾患の予防又は治療において、又は腸管常在性病原性微生物による感染症の予防又は治療において特定の有用性を有することを期待し得る。また、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、及び増加した安定性を有する免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドを作製する方法も提供される。

0009

従って、本発明は、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており、かつ/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチドを提供する。

0010

また、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドの腸安定性を増加させる方法であって、該免疫グロブリン鎖可変ドメインが、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含み:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程を含む、前記方法も提供される。

0011

また、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドを作製する方法であって、該免疫グロブリン鎖可変ドメインが、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含み:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程を含み、該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記方法も提供される。

0012

また、標的に高親和性で結合する能力がある領域を含むポリペプチドであって、(a)該領域における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており、かつ/又は(b)該領域における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチドも提供される。

図面の簡単な説明

0013

(図面の説明)
図1—Vero細胞での例示的なTcdA用量反応曲線
図2A—TNFR2/TNF干渉ELISAにおけるヒトTNFに対する抗TNF ICVD、Q65B1、ID8F-EV、ID43F、及びID44F(実験1)のポテンシー図2B—TNFR2/TNF干渉ELISAにおけるヒトTNFに対する抗TNF ICVD、Q65B1及びID8F-EV(実験2)のポテンシー
図3A—6時間インキュベーション後のマウス小腸上清中での抗TNF ICVD、Q65B1、ID8F-EV、ID43F、及びID44Fの安定性図3B—16時間インキュベーション後のヒト糞便上清及びマウス小腸上清中での抗TNF ICVD、Q65B1及びID8F-EVの安定性
図4—TNFR2/TNF干渉ELISAにおけるヒトTNFに対するICVD、ID32F及びID34Fのポテンシー
図5A—16時間のインキュベーション後のマウス小腸上清中での抗TNF ICVD、ID32F及びID34Fの安定性 図5B—16時間のインキュベーション後のヒト糞便上清プール4中での抗TNF ICVD、ID32F及びID34Fの安定性
図6A—Vero細胞細胞傷害性アッセイにおけるID45B-ID50BによるTcdB 027中和図6B—30分インキュベーション後のウエスタンブロットにより分析したヒト糞便上清プール4中での抗TcdB ICVD、ID45B〜ID50Bの安定性
図7—Vero細胞細胞傷害性アッセイにおけるID2B、ID20B、ID21B、及びID22BによるTcdB 027中和
図8A—ID2Bトリプシンアッセイ—染色されたポリアクリルアミドゲル図8B—ID20B及びID21Bトリプシンアッセイ—染色されたポリアクリルアミドゲル 図8C—ID22Bトリプシンアッセイ—染色されたポリアクリルアミドゲル
図9—1時間インキュベーション後のヒト糞便上清中での抗TcdB ICVD、ID2B及びID21Bの安定性
図10A—Vero細胞細胞傷害性アッセイにおけるID1B、ID24B、ID25B、及びID27BによるTcdB 027中和 図10B—1時間インキュベーション後のヒト糞便上清プール2中での抗TcdB ICVD、ID1B、ID24B、ID25B、及びID27Bの安定性
図11A—ID1Bトリプシンアッセイ—染色されたポリアクリルアミドゲル 図11B—ID24B及び25Bトリプシンアッセイ—染色されたポリアクリルアミドゲル 図11C—ID27Bトリプシンアッセイ—染色されたポリアクリルアミドゲル
図12A—Vero細胞細胞傷害性アッセイにおけるバイヘッド構築体ID41B及びID43BによるTcdB 017中和 図12B—4時間インキュベーション後のC.ディフィシル(C. difficile)陰性ヒト糞便上清プール2中での抗TcdBバイヘッド構築体ID41B及びID43Bの安定性(3回繰り返しのELISA) 図12C—4時間インキュベーション後のC.ディフィシル陰性ヒト糞便上清プール3中での抗TcdBバイヘッド構築体ID41B及びID43Bの安定性(3回繰り返しのELISA) 図12D—4時間インキュベーション後のC.ディフィシル陰性ヒト糞便上清プール4中での抗TcdBバイヘッド構築体ID41B及びID43Bの安定性(3回繰り返しのELISA)
図13A—Vero細胞細胞傷害性アッセイにおけるID17A及びID29AによるTcdA 087中和 図13B—1時間のインキュベーション後のヒト糞便上清中での抗TcdAバイヘッド構築体ID17A及びID29Aの安定性

0014

(配列の説明)
列番号:1—抗TNF-アルファICVD Q65B1のポリペプチド配列
配列番号:2—抗TNF-アルファICVD ID8F-EV(ID32F)のポリペプチド配列
配列番号:3—抗TNF-アルファICVD ID43Fのポリペプチド配列
配列番号:4—抗TNF-アルファICVD ID44Fのポリペプチド配列
配列番号:5—抗TNF-アルファICVD ID34Fのポリペプチド配列
配列番号:6—抗TcdB ICVD B10F1のポリペプチド配列
配列番号:7—抗TcdB ICVD Q31B1のポリペプチド配列
配列番号:8—抗TcdB ICVD ID1Bのポリペプチド配列
配列番号:9—抗TcdB ICVD ID2Bのポリペプチド配列
配列番号:10—抗TcdB ICVD ID20Bのポリペプチド配列
配列番号:11—抗TcdB ICVD ID21Bのポリペプチド配列
配列番号:12—抗TcdB ICVD ID22Bのポリペプチド配列
配列番号:13—抗TcdB ICVD ID24Bのポリペプチド配列
配列番号:14—抗TcdB ICVD ID25Bのポリペプチド配列
配列番号:15—抗TcdB ICVD ID27Bのポリペプチド配列
配列番号:16—抗TcdB構築体ID41Bのポリペプチド配列
配列番号:17—抗TcdB構築体 ID43Bのポリペプチド配列
配列番号:18—抗TcdB ICVD ID45Bのポリペプチド配列
配列番号:19—抗TcdB ICVD ID46Bのポリペプチド配列
配列番号:20—抗TcdB ICVD ID47Bのポリペプチド配列
配列番号:21—抗TcdB ICVD ID48Bのポリペプチド配列
配列番号:22—抗TcdB ICVD ID49Bのポリペプチド配列
配列番号:23—抗TcdB ICVD ID50Bのポリペプチド配列
配列番号:24—抗TcdA構築体 ID17Aのポリペプチド配列
配列番号:25—抗TcdA構築体 ID29Aのポリペプチド配列
配列番号:26—例示的なCDRA
配列番号:27—例示的なCDR Aの第1三分位
配列番号:28—例示的なCDR Aの第2三分位
配列番号:29—例示的なCDR Aの第3三分位
配列番号:30—例示的なCDR B
配列番号:31—例示的なCDR Bの第2三分位
配列番号:32—抗IL-6R ICVD 7F6のポリペプチド配列
配列番号:33—抗IL-6R ICVD ID-3Vのポリペプチド配列
配列番号:34—抗IL-6R ICVD 5G9のポリペプチド配列
配列番号:35—抗IL-6R ICVD ID-54Vのポリペプチド配列

0015

(発明の詳細な説明)
(免疫グロブリン鎖可変ドメイン(ICVD)、例えば、VH及びVHHを含むポリペプチド、抗原結合性ポリペプチド、抗体、及び抗体断片)
ポリペプチドは、1本の鎖において一緒に結合したいくつかのアミノ酸残基からなる有機ポリマーである。本明細書で使用される「ポリペプチド」は、「タンパク質」及び「ペプチド」と互換的に使用される。ポリペプチドは、それらが、ある親和性(好適には、本明細書でさらに記載されるようにKd値、Ka値、kon速度、及び/又はkoff速度として表される)をもって標的抗原上のエピトープに結合する能力がある抗原結合性部位を形成するアミノ酸残基の1以上の区間を含有する場合に、抗原結合性であると言われる。抗原結合性ポリペプチドとしては、ポリペプチド、例えば、抗体、追加の結合領域を含むように修飾された抗体、及び抗原結合性断片が挙げられる。

0016

ポリペプチドは、高親和性(好適には、本明細書でさらに記載されるようにKd値、Ka値、kon速度、及び/又はkoff速度として表される)で標的に結合する能力がある領域を含み得る。そのようなポリペプチドとしては、DARPins(Binz等の文献Journal of Molecular Biology 332(2):489-503)、Affimers(商標)、Fynomers(商標)、Centyrins、Nanofitins(登録商標)、及び環状ペプチドが挙げられる。

0017

従来の抗体又は免疫グロブリン(Ig)は、4本のポリペプチド鎖:2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含むタンパク質である。各々の鎖は、定常領域及び可変ドメインに分けられる。重鎖可変ドメインは、本明細書において、VHCと略記され、軽(L)鎖可変ドメインは、本明細書において、VLCと略記される。これらのドメイン、これらに関連するドメイン、及びこれらから誘導されるドメインは、本明細書において、免疫グロブリン鎖可変ドメインと称される。VHC及びVLCドメインを、「相補性決定領域」(「CDR」)と名付けられた超可変性の領域にさらに細分することができ、これらには、「フレームワーク領域」(「FR」)と名付けられたより保存された領域が散在する。フレームワーク領域及び相補性決定領域が、厳密に定義されている(その全体が引用により本明細書に組み込まれているKabatらの文献1991「免疫学的興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)第5版)」、米国保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)、NIH文書番号(Publication Number)91-3242)。従来の抗体においては、VHC及びVLCの各々は、アミノ末端からカルボキシ末端へと以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された3つのCDR及び4つのFRから構成される。2本の免疫グロブリン重鎖及び2本の免疫グロブリン軽鎖の従来の抗体四量体は、該免疫グロブリン重鎖及び軽鎖が、例えば、ジスルフィド結合によって相互接続され、かつ該重鎖が同様に接続されて形成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLから構成される。重鎖の可変ドメイン及び軽鎖の可変ドメインは、抗原と相互作用する結合性ドメインである。抗体の定常領域は、通常、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の成分(C1q)を含む宿主の組織又は因子への抗体の結合を媒介する。抗体という用語は、IgAIgGIgEIgDIgMタイプ(並びにそれらのサブタイプ)の免疫グロブリンを含み、ここで、該免疫グロブリンの軽鎖は、カッパ又はラムダ型であり得る。2つの同一の重(H)鎖ポリペプチド及び2つの同一の軽(L)鎖ポリペプチドから組み立てられる免疫グロブリン-ガンマ(IgG)抗体の全体構造は、よく確立されており、哺乳動物において高度に保存されている(Padlanの文献1994 Mol Immunol 31:169-217)。

0018

従来の抗体構造の例外が、ラクダ科動物血清中にみられる。従来の抗体に加えて、これらの血清は、特別なIgG抗体を有する。これらのIgG抗体は、重鎖抗体(HCAb)として知られ、L鎖ポリペプチドを欠き、第1定常ドメイン(CH1)を欠く。そのN-末端領域では、ホモ二量体タンパク質のH鎖は、その同族抗原と会合するのに役立ち、VHHと呼ばれる専用の免疫グロブリン鎖可変ドメインを含む(それらの全体が本明細書に引用により組み込まれる、Muyldermansの文献2013 Annu Rev Biochem 82:775-797、Hamers-Castermanらの文献1993 Nature 363(6428):446-448、Muyldermansらの文献1994 Protein Eng 7(9):1129-1135)。

0019

VHH又はVHにおけるアミノ酸残基の総数は、105〜140の範囲とすることができ、好適には108〜130残基、最も好適には110〜125残基である。

0020

本明細書で使用される抗原結合性断片(又は「抗体断片」、「免疫グロブリン断片」、もしくは「抗原結合性ポリペプチド」)は、標的に特異的に結合する抗体の一部(例えば、分子中の1以上の免疫グロブリン鎖が完全長ではないが、標的に特異的に結合する前記分子)を指す。抗原結合性断片は、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含む。抗原結合性断片という用語に包含される結合性断片の例としては:
(i)Fab断片(VLC、VHC、CL、及びCH1ドメインからなる一価の断片);
(ii)F(ab')2断片(ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片);
(iii)Fd断片(VHC及びCH1ドメインからなる);
(iv)Fv断片(抗体の単一のアームのVLC及びVHCドメインからなる);
(v)scFv断片(VLC及びVHCドメインであって、それらを、VLC及びVHC領域が対を成し一価の分子を形成している単一のタンパク質鎖として作製することを可能にする合成リンカーによって、組換え法を用いて連結された、前記VLC及びVHCドメインからなる);
(vi)VH(VHCドメインからなる免疫グロブリン鎖可変ドメイン(Wardらの文献Nature 1989 341:544-546);
(vii)VL(VLCドメインからなる免疫グロブリン鎖可変ドメイン);
(viii)V-NAR(軟骨魚綱IgNAR由来のVHCドメインからなる免疫グロブリン鎖可変ドメイン(その全体が本明細書に引用により組み込まれるRouxらの文献1998 Proc Natl Acad Sci USA 95:11804-11809及びGriffithsらの文献2013 Antibodies 2:66-81))
(ix)VHH
が挙げられる。

0021

好適には、本発明のポリペプチドは、免疫グロブリン鎖可変ドメインからなる。好適には、本発明のポリペプチドは、抗体、追加の抗体結合領域を含有する修飾抗体、又は抗体断片、例えば、VHH、VH、VL、V-NAR、scFv、Fab断片、もしくはF(ab')2断片である。

0022

本発明のポリペプチドは、例えば、核酸合成のための技術を用いて該ポリペプチドをコードする核酸を調製し、それに続き、そのようにして得られた核酸を発現させることによって得てもよい(本明細書において更に詳細に記載されるように)。

0023

本明細書において提供される実施例は、免疫グロブリン鎖可変ドメイン自体に関するものである。しかしながら、本明細書において開示される本発明の原理は、少なくとも、免疫グロブリン鎖可変ドメインを含む任意のポリペプチド、例えば、抗体、及び抗体断片にも同様に適用可能である。例えば、本明細書において開示される免疫グロブリン鎖可変ドメインを、ポリペプチド、例えば、完全長抗体に組み込んでもよい。そのようなアプローチは、二量体構築体として発現される、ヒトFc領域(ヒンジ、CH2、及びCH3ドメインを含むもの)との融合体として操作された抗HIVVHHを提供するMcCoyらの文献Retrovirology 2014 11:83によって実証されている。

0024

(ポリペプチド及びポリヌクレオチド配列)
本明細書で使用されるポリペプチド配列の番号付け並びにCDR及びFRの定義は、Kabatシステムにより定義される通りである(上述のKabatらの文献)。第1及び第2のポリペプチド配列間で「対応する」アミノ酸残基は、第2の配列におけるアミノ酸残基と、Kabatシステムによる同じ位置を共有する第1の配列におけるアミノ酸残基であるが、該第2の配列におけるアミノ酸残基は、第1の配列とは素性(identity)が異なっていてもよい。好適には、対応する残基は、フレームワーク及びCDRが、Kabat定義により同じ長さである場合、同じ番号(及び文字)を共有するであろう。アラインメントは、手作業で、又は例えば、配列アラインメントのための公知のコンピューターアルゴリズム、例えば、標準的な設定を用いるNCBIBLASTv2.0 (BLASTP又はBLASTN)などを用いて達成することができる。2つ以上のポリペプチドは、それらが、規定された任意の変化を別として同じ配列を共有している場合に、「対応している」。

0025

0026

ICVD及びICVD構築体配列に適用されるKabatキャラクタリゼーションシステム
CDR1、CDR 2、及びCDR 3は、各ICVD又は構築体の第1、第2、及び第3の下線を付した部分である。FR1、FR2、FR3、及びFR4は、各ICVDのCDR同士を連結している第1、第2、第3、及び第4の部分である。バイヘッドの場合には、リンカーも示す。非修飾コンパレーターと比較しての置換を、イタリック体かつボールド体で示した。括弧内の置換の説明は、N末端からC末端の番号付けによって記載した(Kabat番号付けとは逆である)。

0027

好適には、本発明のポリペプチドのCDRにおける少なくとも1個、例えば、2個、例えば、3個のアルギニン及び/又はリジン残基が、ヒスチジン残基で置換される。好適には、1個のアルギニン及び/又はリジン残基が置換される。好適には、該置換は、少なくとも1つ、例えば、少なくとも2つ、例えば、3つのCDRにおいてなされる。好適には、1〜3個、例えば、1〜2個、例えば、1個の置換が、本発明のポリペプチドのCDRの3つすべて、2つ、又は1つにおいてなされる。好適には、3個以下の、例えば、2個以下のリジン及び/又はアルギニン残基が置換されている。

0028

好適には、本発明のポリペプチドのCDR1、CDR2、及び/又はCDR3における各リジン及び/又はアルギニン残基が、それぞれ、少なくとも1個、より好適には1個のヒスチジン残基で置換されている。

0029

好適には、置換を含む本発明のポリペプチドの各CDRは、3アミノ酸以上の長さ、より好適には、4アミノ酸以上の長さ、より好適には、5アミノ酸以上の長さ、より好適には、6アミノ酸以上の長さ、より好適には、7アミノ酸以上の長さ、より好適には、8アミノ酸以上の長さ、より好適には、9アミノ酸以上の長さ、より好適には、10アミノ酸以上の長さ、より好適には、11アミノ酸以上の長さ、より好適には、12アミノ酸以上の長さ、より好適には、13アミノ酸以上の長さである。

0030

好適には、置換を含む本発明のポリペプチドの各CDRは、35アミノ酸以下の長さ、より好適には、30アミノ酸以下の長さ、より好適には、25アミノ酸以下の長さ、より好適には、23アミノ酸以下の長さ、より好適には、21アミノ酸以下の長さ、より好適には、20アミノ酸以下の長さ、より好適には、19アミノ酸以下の長さ、より好適には、18アミノ酸以下の長さ、より好適には17アミノ酸以下の長さである。

0031

好適には、本発明のポリペプチドは、2000アミノ酸以下の長さ、より好適には、1500アミノ酸以下の長さ、より好適には、1200アミノ酸以下の長さ、より好適には、900アミノ酸以下の長さ、より好適には、700アミノ酸以下の長さ、より好適には、600アミノ酸以下の長さ、より好適には、500アミノ酸以下の長さ、より好適には、400アミノ酸以下の長さ、より好適には、300アミノ酸以下の長さ、より好適には、250アミノ酸以下の長さ、より好適には、200アミノ酸以下の長さ、より好適には150アミノ酸以下の長さである。

0032

(CDR内に定義されるウィンドウ)
CDR内の残基を、該CDRの特定の画分に属するものと見なし得る。例えば、15個のアミノ酸



からなるCDRは、3つの三分位:第1三分位(



からなるウィンドウ)、第2三分位(



からなるウィンドウ)、及び第3三分位(



からなるウィンドウ)からなるものと見なすことができる。同様に、このCDRを、5つの五分位:第1五分位(ARNからなるウィンドウ)、第2五分位(ECDからなるウィンドウ)、第3五分位(QGHからなるウィンドウ)、第4五分位(ILKからなるウィンドウ)、及び第5五分位(MFPからなるウィンドウ)からなるものと見なすことができる。CDRの画分の番号付けは、N末端からC末端である。CDRが、画分への分割の結果、各画分に属する残基の数が整数でないものとなるような数の残基からなる場合であって(例えば、



からなるCDRの七分位)、(a)該CDRが、奇数個の残基からなる場合、中央の画分における(例えば、第2三分位又は第3五分位、など)残基の数は、最も近い奇数に切り上げられ、又は(b)該CDRが、偶数個の残基からなる場合、中央の画分における残基の数は、最も近い偶数に切り上げられる。例えば、



からなるCDRの第4七分位は、QGHからなるウィンドウであり、



からなるCDRの第2三分位は、



からなるウィンドウである。

0033

好適には、前記少なくとも1個のリジン及び/又はアルギニン残基は、CDR1の第2三分位、及び/又はCDR2の第2三分位、及び/又はCDR3の第2三分位、及び/又はCDR1の第3五分位、及び/又はCDR2の第3五分位、及び/又はCDR3の第3五分位、及び/又はCDR1の第4七分位、及び/又はCDR2の第4七分位、及び/又はCDR3の第4七分位として定義されるウィンドウ内に存在する。

0034

特定の実施態様により、本発明によるポリペプチドは、天然に存在するポリペプチドのアミノ酸配列と全く同じ(すなわち、それと100%の配列同一性を共有する)アミノ酸配列を有しない。

0035

一実施態様において、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基の代わりに少なくとも1個のヒスチジン残基、及び/又は(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基の代わりに少なくとも1個のヒスチジン残基を有し;該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応する前駆体ポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチドが提供される。

0036

前駆体ポリペプチドは、好適には、本明細書において開示される発明的ヒスチジン置換を受けていないポリペプチドである。好適には、対応する前駆体ポリペプチドは、動物によって、例えば、V(D)J組換え及び体細胞突然変異によって(例えば、ラマ、例えば、免疫化後に)直接産生され、かつ本明細書において開示される発明的ヒスチジン置換を受ける前に、任意に、さらなる合成的修飾を受けていてもよい「野生型」ポリペプチド(例えば、抗体)である。

0037

特異性、親和性、及びアビディティー)
特異性とは、特定の抗原結合性ポリペプチドが結合することができる異なる種類の抗原又は抗原決定基の数を指す。抗原結合性ポリペプチドの特異性は、該抗原結合性ポリペプチドが特定の抗原をユニークな分子実体として認識し、それを別のものと区別する能力である。

0038

抗原の抗原結合性ポリペプチドとの解離平衡定数(Kd)によって表される親和性は、抗原決定基と抗原結合性ポリペプチド上の抗原結合性部位との間の結合強度尺度である:Kdの値が小さいほど、抗原決定基と該抗原結合性ポリペプチドとの間の結合強度は強い(あるいは、親和性を、1/Kdである親和性定数(Ka)としても表すことができる)。親和性は、対象となる特異的抗原次第で決まる公知の方法によって決定することができる。

0039

アビディティーは、抗原結合性ポリペプチドと関連抗原との間の結合の強度の尺度である。アビディティーは、抗原決定基とその抗原結合性ポリペプチド上の抗原結合性部位との間の親和性及び該抗原結合性ポリペプチド上に存在する関連結合部位の数の双方に関係する。

0040

好適には、本発明のポリペプチドは、10-6〜10-12M、より好適には10-7〜10-12M、より好適には10-8〜10-12M、及びより好適には10-9〜10-12Mの解離定数(Kd)でそれらの標的に結合する。

0041

10-6未満の任意のKd値を、特異的結合を示すものとみなす。抗原結合性ポリペプチドの抗原又は抗原決定基への特異的結合は、例えば、スキャッチャード分析及び/又は競合結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA)、及びサンドイッチ競争アッセイ、並びに当技術分野において公知のこれらの種々の変種を含む任意の適当な公知の様式で決定することができる。

0042

(ポテンシー、阻害、及び中和)
ポテンシーは、所与の強度の作用を生じさせるのに必要とされる量で表わされた治療薬剤活性の尺度である。非常に強力な薬剤は、低濃度でより小さい反応を誘起するより低いポテンシーの薬剤と比べて、低濃度でより大きな反応を誘起する。ポテンシーは、親和性及びエフィカシーの関数である。エフィカシーは、標的リガンドへの結合に際して、治療薬剤が生物学的反応を生じさせる能力及び、該反応の定量的な大きさを指す。最大半量有効濃度(EC50)という用語は、特定の曝露時間の後にベースラインと最大との中間の反応を引き起こす治療薬剤の濃度を指す。治療薬剤は、阻害又は刺激を引き起こし得る。これは、ポテンシーの尺度としてよく使用され、本明細書で使用される。

0043

本発明の目的のための中和ポリペプチドは、薬剤(例えば、TNF-アルファ)に結合するポリペプチドであって、ELISAによって測定される、該薬剤のその同族受容体(cognate receptor)(例えば、TNFR1及びTNFR2)のうちの1つ以上への結合を阻害する。あるいは、又は加えて、本発明の目的のための中和ポリペプチドは、細胞を、薬剤(例えば、TNF-アルファ)の作用から、例えば、該薬剤の生物学的作用を阻害することによって守るポリペプチドである。例えば、本発明の目的のための中和ポリペプチドは、細胞を、毒素(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium Difficile)毒素A又はB—「TcdA/TcdB」)の作用から、例えば、該毒素の生物学的作用を阻害することによって守るポリペプチドである。あるいは、又は加えて、本発明の目的のための中和ポリペプチドは、IL-6R(及び、従って、IL-6R/IL-6複合体)に結合するポリペプチドであり、ELISAによって測定される、gp130へのIL-6R/IL-6複合体の結合を阻害する。

0044

治療薬剤の有効性(例えば、中和能力)を、ポテンシーアッセイを用いて確認することができる。特に相応しいポテンシーアッセイは、アラマーブルーを用いたベロ細胞生存率の測定である(Fields及びLancasterの文献American Biotechnology Laboratory 1993 11(4):48-50)。ある範囲の既知濃度の毒素を用いて本アッセイを行って、用量反応曲線を作成すること、及び/又は該治療用ポリペプチドの最大半量有効濃度(EC50)を確認することによって、治療用ポリペプチドの毒素の作用を中和する能力を確認し得る。このベロ細胞細胞傷害性標準アッセイが、本明細書で使用され、後述の実施例セクションにおいてさらに詳細に記載される。

0045

別の特に相応しいポテンシーアッセイは、標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイであり(後述の実施例セクションにおいてさらに詳細に記載される)、これは、ある範囲の既知濃度の薬剤に関して、用量反応曲線を作成すること及び/又は治療用ポリペプチドの最大半量有効濃度(EC50)を確認することによって、TNFR2へのTNF-アルファの結合をブロッキングすることにおける治療薬剤の有効性を試験する。

0046

別の特に相応しいポテンシーアッセイは、標準gp130ELISAアッセイ(後述の実施例セクションにおいてさらに詳細に記載される)であり、これは、ある範囲の既知濃度の薬剤に関して、用量反応曲線を作成すること及び/又は治療用ポリペプチドの最大半量有効濃度(EC50)を確認することによって、gp130へのsIL-6/IL-6R複合体の結合をブロッキングすることにおける治療薬剤の有効性を試験する。

0047

好適には、本発明のポリペプチドのポテンシーは、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドのポテンシーと実質的に同じである。

0048

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドは、結合剤結合相手への、例えば、標準TNF/TNFR2干渉ELISAアッセイにおけるTNF-アルファのTNFR2への結合を、300nM以下、より好適には200nM以下、より好適には100nM以下、より好適には80nM以下、より好適には60nM以下、より好適には40nM以下、より好適には20nM以下、より好適には10nM以下、より好適には5nM以下のEC50で阻害する。

0049

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドのEC50は、例えば、標準TNF/TNFR2干渉ELISAアッセイにおけるTNF-アルファのTNFR2への結合の阻害において、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、300pM以下、より好適には200pM以下、より好適には100pM以下、より好適には50pM以下、より好適には25pM以下、より好適には10pM以下、より好適には5pM以下増加する。

0050

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドのEC50は、例えば、標準TNF/TNFR2干渉ELISAアッセイにおけるTNF-アルファのTNFR2への結合の阻害において、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、500%、より好適には400%、より好適には300%、より好適には200%、より好適には100%、より好適には70%、より好適には60%、より好適には50%、より好適には40%、より好適には30%、より好適には25%、より好適には20%、より好適には15%、より好適には10%、より好適には5%、より好適には2%、より好適には1%以下増加する。

0051

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドは、ベロ細胞細胞傷害性標準アッセイにおいて、100nM以下、より好適には80nM以下、より好適には60nM以下、より好適には40nM以下、より好適には30nM以下、より好適には20nM以下、より好適には10nM以下、より好適には9nM以下、より好適には8nM以下、より好適には7nM以下、より好適には6nM以下、より好適には5nM以下、より好適には4nM以下、より好適には3nM以下、より好適には2nM以下、より好適には1nM以下のEC50で、毒素、例えば、TcdA又はTcdBの細胞傷害性を中和する。

0052

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドのEC50は、ベロ細胞細胞傷害性標準アッセイにおける毒素、例えば、TcdA又はTcdBの細胞傷害性の中和において、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、200nM、より好適には150nM、より好適には100nM、より好適には80nM、より好適には60nM、より好適には40nM、より好適には20nM、より好適には10nM、より好適には5nM以下増加する。

0053

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドのEC50は、ベロ細胞細胞傷害性標準アッセイにおける毒素、例えば、TcdA又はTcdBの細胞傷害性の中和において、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、500%、より好適には400%、より好適には300%、より好適には200%、より好適には100%、より好適には70%、より好適には60%、より好適には50%、より好適には40%、より好適には30%、より好適には25%、より好適には20%、より好適には15%、より好適には10%、より好適には5%、より好適には2%、より好適には1%以下増加する。

0054

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドは、結合剤の結合相手への結合、例えば、標準gp130ELISAアッセイにおけるsIL-6/IL-6R複合体のgp130への結合を、300nM以下、より好適には200nM以下、より好適には100nM以下、より好適には80nM以下、より好適には60nM以下、より好適には40nM以下、より好適には20nM以下、より好適には10nM以下、より好適には5nM以下、より好適には1nM以下、より好適には0.5nM以下、より好適には0.3nM以下、より好適には0.2nM以下、より好適には0.15nM以下のEC50で阻害する。

0055

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドのEC50は、例えば、結合剤の結合相手への結合、例えば、標準gp130ELISAアッセイにおけるsIL-6/IL-6R複合体のgp130への結合の阻害において、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、300pM以下、より好適には200pM以下、より好適には100pM以下、より好適には80pM以下、より好適には70pM以下、より好適には60pM以下、より好適には50pM以下、より好適には25pM以下、より好適には20pM以下、より好適には15pM以下、より好適には10pM以下、より好適には5pM以下増加する。

0056

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドのEC50は、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、600%以下、より好適には500%以下、より好適には400%、より好適には300%、より好適には200%、より好適には100%、より好適には70%、より好適には60%、より好適には50%、より好適には40%、より好適には30%、より好適には25%、より好適には20%、より好適には15%、より好適には10%、より好適には5%、より好適には2%、より好適には1%増加する、標準gp130ELISAアッセイにおいて、このようなsIL-6/IL-6R複合体はgp130に結合する。

0057

pH感受性を導入する目的で、例えば、抗体が酸性エンドソームに入った際の抗体の抗原に対する親和性を顕著に減少させるために、置換をポリペプチドに行い得る。しかしながら、本発明の置換は、好適には、実質的なpH感受性を生じさせない。好適には、本発明のポリペプチドに対する置換又は本発明の方法のポリペプチドに対する置換は、標的とする結合のpH依存性を操作するためのものではない。好適には、発明の前記ポリペプチドの親和性又は本発明の方法のポリペプチドは、3〜9の任意のpH、より好適には、4〜8の任意のpHにおいて実質的に同じままである。

0058

(胃腸管(GIT)及び消化酵素)
GITは、食糧消費及び消化栄養素の吸収、及び廃棄物の排出を担う器官系である。ヒト及び他の哺乳動物において、GITは、口、食道、小腸(十二指腸空腸、及び回腸)、並びに大腸(盲腸結腸直腸、及び肛門管)からなる。腸管は、胃腸管とは対照的に、小腸及び大腸のみからなる。胃腸管の異なるエリアにおいて、種々の病原体コロニー形成する可能性があり、種々の疾患が顕在化する可能性がある。

0059

胃腸管の異なる部分はそれぞれ、複雑な消化酵素の混合物を含有する。これらの消化酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼアミラーゼ、及びヌクレアーゼが挙げられる。プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼトレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼアスパルテートプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、及びメタロプロテアーゼが挙げられる。プロテアーゼは、アミノ酸残基を連結しているペプチド結合分断させることによるポリペプチド鎖のより短い断片への消化(タンパク質分解)に関与する。あるものは末端アミノ酸をタンパク質鎖から取り外し(エキソペプチダーゼ);別のものはタンパク質の内部ペプチド結合を攻撃する(エンドペプチダーゼ)。腸管は、無数の異なるプロテアーゼを含む。

0060

腸管におけるタンパク質分解は、高度に無差別的であることができ、その結果広範なタンパク質基質が、存在する多様なプロテアーゼによって加水分解される。これは、腸管の多様な摂取されたポリペプチドをより小さいポリペプチド断片へと切断するプロテアーゼの場合にあてはまる

0061

好適には、本発明のポリペプチドに対してか、又は本発明の方法のポリペプチドに対してなされた置換は、小腸又は大腸内に存在する1以上のプロテアーゼに対するポリペプチドの安定性を、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる。好適には、該プロテアーゼは、腸の微生物叢又は病原性細菌由来のプロテアーゼを含み、例えば、ここで、該プロテアーゼは、細胞膜結合型プロテアーゼ、分泌型プロテアーゼ、及び/又は細胞溶解で放出されたプロテアーゼである。好適には、前記1以上のプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、宿主炎症性プロテアーゼ、微生物叢由来のプロテアーゼ、及び病原性細菌由来のプロテアーゼ、例えば、C.ディフィシル特異的プロテアーゼからなる群から選択される。好適には、前記腸管は、哺乳動物の腸管、例えば、ヒト、サル、マウス、ウシヒツジイヌネコウマ、又はブタの腸管である。

0062

好適には、本発明のポリペプチドに対してなされた置換、又は本発明の方法のポリペプチドに対してなされた置換は、該ポリペプチドの腸管における、又は腸管のモデルにおける、例えば、小腸及び/又は大腸における、例えば、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、及び/又は肛門管における安定性を、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる。好適には、前記腸管のモデルは、標準ヒト糞便上清腸管モデル、標準マウス小腸上清腸管モデル、又は標準トリプシン腸管モデルである。

0063

好適には、例えば、ICVDが抗TNF-アルファICVDである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、又はICVDが抗毒素ICVDである場合に標準毒素ELISAアッセイによって決定される場合、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドの少なくとも20%、より好適には少なくとも25%、より好適には少なくとも30%、より好適には少なくとも35%、より好適には少なくとも40%、より好適には少なくとも50%、より好適には少なくとも60%が、標準マウス小腸上清腸管モデルにおける6時間又は16時間のインキュベーションの後に機能可能(viable)なままで残る。

0064

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドの安定性は、例えば、ICVDが抗TNF-アルファICVDである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、又はICVDが抗毒素ICVDである場合に標準毒素ELISAアッセイによって決定される場合、標準マウス小腸上清腸管モデルにおける6又は16時間のインキュベーション後、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、少なくとも1%、より好適には2%、より好適には3%、より好適には5%、より好適には7%、より好適には10%、より好適には15%、より好適には20%、より好適には30%、より好適には40%、より好適には50%、より好適には60%、より好適には70%増加する。

0065

好適には、例えば、ICVDが抗TNF-アルファICVDである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、ICVDが抗毒素ICVDである場合に標準毒素ELISAアッセイによって、又は標準ウエスタンブロット安定性アッセイによって決定される場合、前記標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける30分間、1時間、4時間、又は16時間のインキュベーションの後に、少なくとも20%、より好適には少なくとも25%、より好適には少なくとも30%、より好適には少なくとも35%、より好適には少なくとも40%、より好適には少なくとも50%、より好適には少なくとも60%、より好適には少なくとも70%、より好適には少なくとも80%、より好適には少なくとも90%の本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドが、機能可能なままで残る。

0066

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドの安定性は、例えば、ICVDが抗TNF-アルファICVDである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、ICVDが抗毒素ICVDである場合に標準毒素ELISAアッセイによって、又は標準ウエスタンブロット安定性アッセイによって決定される場合、前記標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける30分間、1時間、4時間、又は16時間のインキュベーションの後に、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、少なくとも1%、より好適には2%、より好適には3%、より好適には5%、より好適には7%、より好適には10%、より好適には15%、より好適には20%、より好適には25%、より好適には30%、より好適には40%、より好適には50%、より好適には60%、より好適には70%増加する。

0067

好適には、例えば、ICVDが抗IL-6R ICVDである場合に標準gp130ELISAアッセイによって決定される場合、標準マウス小腸上清腸管モデルにおいて4時間インキュベーション後に、少なくとも5%、より好適には少なくとも10%、より好適には少なくとも少なくとも20%、より好適には少なくとも25%、より好適には少なくとも30%、より好適には少なくとも35%、より好適には少なくとも40%、より好適には少なくとも50%、より好適には少なくとも60%の本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドが機能可能なままで残る。

0068

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドの安定性は、例えば、ICVDが抗IL-6R ICVDである場合に標準gp130ELISAアッセイによって決定される場合、標準マウス小腸上清腸管モデルにおいて4時間インキュベーション後に、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して少なくとも1%、より好適には2%、より好適には3%、より好適には5%、より好適には7%、より好適には10%、より好適には15%、より好適には20%、より好適には30%、より好適には40%、より好適には50%、より好適には60%、より好適には70%増加する。

0069

好適には、例えば、ICVDが抗IL-6R ICVDである場合に標準gp130ELISAアッセイによって決定される場合、標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける16時間のインキュベーション後に、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドの少なくとも20%、より好適には少なくとも25%、より好適には少なくとも30%、より好適には少なくとも35%、より好適には少なくとも40%、より好適には少なくとも50%、より好適には少なくとも60%、より好適には少なくとも70%、より好適には少なくとも80%、より好適には少なくとも90%が、機能可能なままで残る。

0070

好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドの安定性は、例えば、ICVDが抗IL-6R ICVDである場合に標準gp130ELISAアッセイによって決定される場合、前記標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける16時間のインキュベーション後に、本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して、少なくとも1%、より好適には2%、より好適には3%、より好適には5%、より好適には7%、より好適には10%、より好適には15%、より好適には20%、より好適には25%、より好適には30%、より好適には40%、より好適には50%、より好適には60%、より好適には70%増加する。

0071

インキュベーション後に残存する「機能可能な(viable)」ICVDの百分率とは、インタクトなICVDの比率(例えば、標準ウエスタンブロット安定性アッセイにおけるもの)、又は機能性(functional)ICVDの比率(例えば、ICVDが抗TNF-アルファICVDである場合の標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイ、又はICVDが抗毒素ICVDである場合の標準毒素ELISAアッセイにおけるもの)をいう。あるいは、又は加えて、インキュベーション後に残存する「機能可能な」ICVDの百分率とは、インタクトなICVDの比率(例えば、標準ウエスタンブロット安定性アッセイにおけるもの)、又は機能性ICVDの比率(例えば、ICVDが抗IL-6R ICVDである場合の標準gp130 ELISAアッセイにおけるもの)をいう。

0072

(胃腸管の疾患)
胃腸管の疾患とは、胃腸管、すなわち、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、及び回腸)、並びに大腸(盲腸、結腸、直腸、及び肛門管)に関連する疾患を指す。本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドを、そのような疾患の治療又は予防において用いてもよい。好適には、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドは、そのような疾患の局所的(local)及び/又は局部的(topical)な治療又は予防において用いられる。

0073

例示的な胃腸管の疾患を、以下に記載する。

0074

(胃腸管の自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患)
自己免疫疾患は、免疫系が、正常な身体組織に有害に反応した場合に発生する。自己免疫障害は、身体組織への損傷、異常な器官成長、及び/又は器官機能の変化をもたらし得る。該障害は、器官又は組織の1種のみに影響を及ぼすこともあり、複数の器官及び組織に影響を及ぼすこともある。自己免疫障害によってよく影響を受ける器官及び組織としては、血液成分、例えば、赤血球、血管、結合組織内分泌腺、例えば、甲状腺又は膵臓筋肉、関節、及び皮膚が挙げられる。炎症性疾患は、炎症を特徴とする疾患である。多くの炎症性疾患が、自己免疫疾患であり、逆もまた同様である。

0075

小児及び成人の双方を苦しめる慢性炎症性腸疾患(IBD)クローン病及び潰瘍性大腸炎は、胃腸管の自己免疫性及び炎症性疾患の例である(その全体が引用により本明細書に組み込まれているHendricksonらの文献2002 Clin Microbiol Rev 15(1):79-94)。潰瘍性大腸炎は、炎症反応及び形態変化が、結腸に限局されたままである状態と定義される。患者の95%で、直腸が関係している。炎症は、粘膜にほとんど限定されており、かつ結腸の長さに沿った、変化する重症度での潰瘍浮腫、及び出血の連続的な併発からなる(その全体が引用により本明細書に組み込まれているHendricksonらの文献2002 Clin. Microbiol Rev 15(1):79-94)。潰瘍性大腸炎は、通常、腸管運動の通過の間で最も重篤なものである下腹部けいれんと共に、大便と混合した血液及び粘液の存在によって顕在化する。臨床的には、潰瘍性大腸炎は、血液及び粘液を伴う下痢の存在によって、血液が存在しない過敏性腸症候群から区別される。潰瘍性大腸炎とは異なり、クローン病の症状は、通常、微妙なものであり、これが診断遅れに繋がる。部位、程度、及び合併症の重症度などの因子が、症状の程度を決定する。回腸結腸の合併症を有する患者は、通常、右下腹部における圧痛及び時折みられる炎症性腫瘤を伴う食後の腹痛を有する。

0076

好適には、本発明の組成物は、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、II型糖尿病糸球体腎炎自己免疫性肝炎シェーグレン症候群セリアック病、及び薬物又は放射線誘発性粘膜炎からなるリストから好適に選択される胃腸管の自己免疫性及び/又は炎症性疾患(最も好適には、クローン病)の治療における使用のためのものである。

0077

(胃腸管の感染症)
ウイルス性細菌性寄生生物性、及び他の病原性感染症が、胃腸管で生じ得る。これらは、胃腸管に限られるか、又は、胃腸管で始まりその後身体の他の部分に広がることもある。本発明のポリペプチドは、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ(Salmonella)、カンピロバクター(Campylobacter)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、シゲラ(Shigella)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル、バチルスセレウス(Bacillus cereus)、腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus)、及びエルシニアエンコリチカ(Yersinia enerocolitica)を含む一般的な細菌性胃腸管病原体による感染症を含む細菌感染症の治療又は予防のために用い得る。本発明のポリペプチドは、ロタウイルスノロウイルス、及び小型球ウイルスを含む一般的なウイルス性の胃腸管病原体を含むウイルス感染症の治療又は予防のために用い得る。好適には、本発明のポリペプチドは、院内感染症の治療又は予防における使用のためのものである。好適には、本発明のポリペプチドは、C.ディフィシル感染症の治療又は予防における使用のためのものである。

0078

好適には、本発明のポリペプチドは、腸管経由で到達可能な標的、例えば、腸管内の標的に結合する。好適には、前記標的は、腸管常在性病原性微生物由来の有害な作用剤である。好適には、前記標的は、発病を誘導し得る宿主微生物由来の標的、宿主細胞、宿主由来炎症性メディエーター、又は疾患の発病に関与するタンパク質である。好適には、前記標的は:TNF-アルファ、C.ディフィシル毒素A、又はC.ディフィシル毒素Bからなる群から選択される。あるいは、前記標的は:IL-6R、TNF-アルファ、C.ディフィシル毒素A、又はC.ディフィシル毒素Bからなる群から選択される。

0079

(リンカー及び多量体)
本発明による構築体は、複数のポリペプチドを含み、従って、好適には多価のものであり得る。そのような構築体は、少なくとも2つの同一の本発明によるポリペプチドを含み得る。本発明による2つの同一ポリペプチドからなる構築体は、「ホモバイヘッド」である。本発明の一態様において、本発明のポリペプチドを含む構築体が提供される。さらなる態様において、2つ以上の(場合により同一の)本発明のポリペプチドを含む構築体が提供される。

0080

あるいは、構築体は、異なっているが、それでもなお、双方とも本発明によるポリペプチドである少なくとも2つのポリペプチドを含み得る(「ヘテロバイヘッド」)。

0081

あるいは、そのような構築体は、(a)少なくとも1個の本発明によるポリペプチド、及び(b)本発明のポリペプチドではない、少なくとも1個のポリペプチド、例えば、抗体又はその抗原結合性断片を含み得る(これも「ヘテロバイヘッド」である)。(b)の少なくとも1個のポリペプチドは、TNF-アルファ、TcdA、又はTcdB(例えば、(a)のエピトープとは異なるエピトープを介して)に結合してもよく、あるいは、全く別の標的に結合してもよい。好適には、異なるポリペプチド(b)は、例えば、別の炎症促進性サイトカインもしくはケモカイン、又はそれらそれぞれの受容体、他の炎症性メディエーター、又はヒトの病理学的プロセスに関与する免疫学的に関連のあるリガンドに結合する。

0082

構築体は、多価かつ/又は多重特異性とすることができる。多価構築体(例えば、二価構築体)は、2つ以上の結合性ポリペプチドを含み、従って、1以上の抗原への付着が起こり得る2つ以上の部位を提示する。多価構築体の例は、ホモバイヘッド又はヘテロバイヘッドであり得る。多重特異性構築体(例えば、二重特異性構築体)は、(a)2つ以上の異なる抗原への付着が起こり得るか、又は(b)同じ抗原上の2つ以上の異なるエピトープへの付着が起こり得るかのいずれかの2つ以上の部位を呈する2つ以上の異なる結合性ポリペプチドを含む。多重特異性構築体の例は、ヘテロバイヘッドであり得る。多重特異性構築体は、多価のものである。

0083

好適には、前記構築体内に含まれるポリペプチドは、抗体断片である。より好適には、前記構築体内に含まれるポリペプチドは:VHH、VH、VL、V-NAR、scFv、Fab断片、又はF(ab')2断片からなるリストから選択される。より好適には、前記構築体内に含まれるポリペプチドは、VHHである。

0084

本発明のポリペプチドを、互いに、直接的に(すなわち、リンカーを使用せずに)又はリンカーを介して連結することができる。該リンカーは、好適には、ポリペプチドであり、前記ポリペプチドのそれらのエピトープへの結合を可能とするように選択される。治療目的のために使用される場合、前記リンカーは、好適には、前記ポリペプチドが投与される対象において非免疫原性である。好適には、前記ポリペプチドは全て、リンカーによって接続される。好適には、前記リンカーは、(G4S)x形式のものである。最も好適には、xは6である。

0085

(治療的使用及び送達)
好適には、本発明のポリペプチドは、経口投与により送達される薬物としての使用のためのものであり、好適には、胃腸管の疾患(上記を参照されたい)の治療又は予防における使用のためのものである。本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドはまた、経口投与による他の医学的状態、例えば、代謝障害、例えば、肥満症の治療又は予防においても用い得る。一実施態様において、本発明のポリペプチドは、腸管における局所作用を有することが意図される。一実施態様において、本発明のポリペプチド又は本発明の方法のポリペプチドは、治療上効果的な量での循環中への送達による疾患の治療又は予防における使用のためのものではない。

0086

本発明の一態様において、胃腸管の疾患を治療する方法であって、それを必要としている人に、治療的有効量の前記発明のポリペプチドを投与することを含む、前記方法が提供される。

0087

ポリペプチドの治療的有効量は、対象への1回又は複数回の投与量の投与の際に、対象において、選択された標的の生物学的作用を有意な程度まで中和させるのに効果的な量である。治療的有効量は、個体の疾患の状態、年齢性別、及び体重、並びに該ポリペプチドの該個体において所望の反応を誘発する能力などの因子によって変化し得る。治療的有効量はまた、治療上有益な作用が、ポリペプチドのいかなる有毒又は有害な作用をも上回る量でもある。本発明のポリペプチドは、対象への経口投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。本発明のポリペプチドは、医薬として許容し得る塩の形態とすることができる。

0088

本発明の一態様において、本発明のポリペプチド、及び1以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体を含む医薬組成物が提供される。

0089

本発明の医薬組成物は、経口での送達用に製剤化し得る。本発明の医薬組成物は、様々な形態とすることができる。形態としては、例えば、液体半固体、及び固体剤形、例えば、液体の溶液、分散液、又は懸濁液、錠剤丸剤、及び散剤が挙げられる。固体剤形が好ましい。該医薬組成物は、医薬として許容し得る賦形剤を含み得、好適には、摂取可能な錠剤(ingestible tablet)、バッカル錠トローチ剤カプセル剤エリキシル剤懸濁剤シロップ剤オブラート剤(wafer)などの形態で用いてもよい。

0090

典型的には、本発明の組成物又は本発明の医薬組成物は、本発明のポリペプチド及び医薬として許容し得る賦形剤、例えば、担体を含む。医薬として許容し得る担体の例としては、水、生理食塩水リン酸緩衝生理食塩水、ブドウ糖グリセロール、及びエタノールなど、並びにそれらの組合せのうちの1つ以上が挙げられる。医薬として許容し得る担体は、本発明のポリペプチドの有効期間又は有効性を強化する少量の補助物質、例えば、湿潤もしくは乳化剤防腐剤、又は緩衝剤をさらに含んでいてもよい。医薬組成物は、付着防止剤(antiadherent)、結合剤、コーティング崩壊剤香料着色料滑沢剤吸着剤、防腐剤、甘味料凍結乾燥賦形剤(凍結乾燥保護剤を含む)、又は圧縮助剤(compression aid)を含み得る。好適には、本発明のポリペプチドは、医薬組成物に組み込まれる前に凍結乾燥される。

0091

本発明のポリペプチドはまた、腸溶性コーティングを備えていてもよい。腸溶性コーティングは、胃の低いpHから前記ポリペプチドを保護する、経口薬物上に適用されたポリマー障壁である。腸溶性コーティングのために使用される材料としては、脂肪酸ワックスセラックプラスチック、及び植物繊維が挙げられる。適当な腸溶性コーティング成分としては、アクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体セルロースアセテートスクシネートヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(ヒプロメロースアセテートスクシネート)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、メチルメタクリレート-メタクリル酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、及びステアリン酸が挙げられる。適当な腸溶性コーティングとしては、pH依存性放出ポリマーが挙げられる。これらは、胃でみられる高度に酸性のpHでは不溶であるが、それよりも酸性度が低いpHで急速に溶解するポリマーである。従って、好適には、前記腸溶性コーティングは、酸性の胃液(pH〜3)には溶解しないが、小腸(pH6超)内又は結腸(pH7.0超)内に存在するより高いpH環境では溶解する。該pH依存性放出ポリマーは、本発明のポリペプチドが、投薬が腸管の標的領域に到着するころに放出されるように選択される。

0092

本発明の組成物を、該組成物のpHを安定化するために、5〜50、又はより好適には15〜40、又はより好適には25〜30g/リットルの濃度で緩衝液中に製剤化し得る。適当な緩衝液成分の例としては、生理学的な塩、例えば、クエン酸ナトリウム及び/又はクエン酸が挙げられる。好適には、緩衝液は、100〜200、より好適には125〜175mMの生理的な塩、例えば、塩化ナトリウムを含有する。好適には、前記緩衝液は、前記組成物のpH又は患者の生理的なpHに近いpKaを有するように選択される。

0093

医薬組成物における例示的なポリペプチド濃度は、約10ng/mL〜約200mg/mL、例えば、約50ng/mL〜約100mg/mL、例えば、約1ug/mL〜約80mg/mL、例えば、約10ug/mL〜約50mg/mL、例えば、約50ug/mL〜約30mg/mL、例えば、約100ug/mL〜約20mg/mL、又は約1mg/mL〜約200mg/ml、又は約50mg/mL〜約200mg/mL、又は約150mg/mL〜約200mg/mLの範囲にわたり得る。

0094

本発明のポリペプチドの水性製剤は、pH緩衝溶液中で、例えば、約4.0〜約7.0もしくは約5.0〜約6.0の範囲のpHで、又は約5.5で調製し得る。適当な緩衝液の例としては、リン酸ヒスチジン、クエン酸、コハク酸酢酸緩衝液、及び他の有機酸緩衝液が挙げられる。緩衝剤濃度は、例えば、緩衝液及び製剤の所望の浸透圧に応じて、約1mM〜約100mM、又は約5mM〜約50mMとすることができる。

0095

前記医薬組成物の浸透圧は、浸透圧調整剤を含ませることによって変化させ得る。そのような浸透圧調整剤は、電荷を有する又は有しない化学種であり得る。典型的な無電荷の浸透圧調整剤としては、糖類もしくは糖アルコール又は他のポリオール、好ましくは、トレハローススクロースマンニトール、グリセロール、1,2-プロパンジオールラフィノースソルビトール、又はラクチトール(特に、トレハロース、マンニトール、グリセロール、又は1,2-プロパンジオール)が挙げられる。典型的な電荷を有する浸透圧調整剤としては、塩、例えば、ナトリウムカリウム、又はカルシウムイオンと、塩化物硫酸炭酸亜硫酸硝酸乳酸、コハク酸、酢酸、又はマレイン酸イオンとの組合せ(特に、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウム);又はアミノ酸、例えば、アルギニンもしくはヒスチジンが挙げられる。好適には、前記水性製剤は、等張のものであるが、高張性又は低張性の溶液も適当であり得る。用語「等張の」とは、それと比較される何らかの他の溶液、例えば、生理的な塩溶液又は血清と等しい浸透圧を有する溶液を意味する。等張化剤を、約5mM〜約350mMの量、例えば、1mM〜500nMの量で用いてもよい。好適には、少なくとも1つの等張化剤が、前記組成物中に含まれる。

0096

界面活性剤もまた、製剤化されたポリペプチドの凝集を減少させる、かつ/又は製剤中の微粒子の形成を最小化する、かつ/又は吸着を減少させるために、前記医薬組成物に添加し得る。例示的な界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij)、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(Triton-X)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体(ポロクサマー、Pluronic)、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。適当なポリオキシエチレンソルビタン-脂肪酸エステルの例は、ポリソルベート20、及びポリソルベート80である。界面活性剤の例示的な濃度は、約0.001%〜約10%w/vの範囲にわたり得る。

0097

凍結乾燥保護剤もまた、凍結乾燥プロセスの間の不安定化する条件に対して本発明のポリペプチドを保護するために添加し得る。例えば、公知の凍結乾燥保護剤としては、糖類(グルコース、スクロース、マンノース、及びトレハロースを含む);ポリオール(マンニトール、ソルビトール、及びグリセロールを含む);並びにアミノ酸(アラニングリシン、及びグルタミン酸を含む)が挙げられる。凍結乾燥保護剤を、約10mM〜500mMの量で含むことができる。

0098

本発明の医薬組成物の投与のための投薬量範囲は、所望の治療効果を生じさせるものである。必要とされる投薬量範囲は、前記医薬組成物の厳密な性質、腸管内の標的領域、製剤の性質、患者の年齢、患者の状態の性質、程度、又は重症度、もしあるならば禁忌症、及び担当医師の判断次第である。これらの投与量レベルの変動は、最適化のための標準的な経験的ルーチンを用いて調整することができる。

0099

本発明のポリペプチドの増加した腸安定性は、そうしなければ本発明のヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドの場合に経口的に送達される必要があったであろう量よりも低い投与量を経口的に送達してもよいことを意味する。本発明のポリペプチド又は本発明の医薬組成物の適当な1日投与量は、(例えば、ヒトの)体重1kgあたり50ng〜50mg、例えば、50ug〜40mg、例えば、5〜30mgの範囲であり、例えば、体重1kgあたり25mg未満、例えば、20mg未満、例えば、15mg未満、例えば、10mg未満、例えば、50ug未満、例えば、50ng未満である。単位用量は、典型的には、1投与あたり250〜2000mgの範囲、例えば、1000mg未満から、例えば、700mg未満、例えば、400mg未満、例えば、100mg未満、例えば、100ug未満、例えば、50ug未満、例えば、10ug未満、例えば、100ng未満、例えば、50ng未満である。

0100

投与量を、毎日又はより頻繁に、例えば、1日あたり2、3、もしくは4回、又はより低頻度で、例えば、1日おきに、1週間に1回、2週間に1回、又は1月に1回投与し得る。

0101

疾患の治療はまた、その増悪の治療も包含し、疾患症状再発を予防するための、疾患症状からの寛解中の患者の治療も包含する。

0102

(組合せ療法)
本発明の医薬組成物はまた、1以上の活性薬剤(例えば、本明細書において言及されたものなどの疾患を治療するのに適した活性薬剤)も含み得る。前記本発明の医薬組成物を、細菌性、自己免疫性、及び/又は炎症性疾患の治療において通常用いられる他の確立された療法の補助として、又はそれと併用して、細菌感染症、自己免疫性及び/又は炎症性疾患の治療のための治療方法において使用することは本発明の範囲内である。

0103

炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)の治療のために考えられる組合せとしては、例えば:5-アミノサリチル酸、又はそのプロドラッグ(例えば、スルファサラジンオルサラジン、又はビサラジド(bisalazide));コルチコステロイド(例えば、プレドニゾロンメチルプレドニゾロン、又はブデソニド);免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンタクロリムスメトトレキサートアザチオプリン、又は6-メルカプトプリン);抗TNF-アルファ抗体(例えば、インフリキシマブアダリムマブセルトリズマブペゴル、又はゴリムマブ);抗IL12/IL23抗体(例えば、ウステキヌマブ);抗IL-6R抗体、又は小分子IL12/IL23阻害剤(例えば、アピリモド);抗アルファ-4-ベータ-7抗体(例えば、ベドリズマブ);MAdCAM-1ブロッカー(例えば、PF-00547659);細胞接着分子アルファ-4-インテグリンに対する抗体(例えば、ナタリズマブ);IL2受容体アルファサブユニットに対する抗体(例えば、ダクリズマブ又はバシリキシマブ);JAK3阻害剤(例えば、トファシチニブ又はR348);Syk阻害剤およびそれらのプロドラッグ(例えば、ホスタマチニブ(fostamatinib)及びR-406);ホスホジエステラーゼ-4阻害剤(例えば、テトミラスト);HMPL-004;プロバイオティクス;デルサラジン(Dersalazine);セマピモド(semapimod)/CPSI-2364;並びにタンパク質キナーゼC阻害剤(例えば、AEB-071)を含むリストから選択される1以上の活性薬剤との組合せが挙げられる。最も適当な組合せ薬剤は、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、又はゴリムマブである。

0104

細菌感染症、例えば、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療のために考えられる組合せとしては、例えば、C.ディフィシルトキソイドワクチンアンピシリンアモキシシリンバンコマイシンメトロニダゾールフィダキソマイシンリネゾリドニタゾキサニドリファキシミンラモプラニンディフィミシン(difimicin)、クリンダマイシンセファロスポリン(例えば、第2及び第3世代セファロスポリン)、フルオロキノロン(例えば、ガチフロキサシン又はモキシフロキサシン)、マクロライド(例えば、エリスロマイシンクラリスロマイシンアジスロマイシン)、ペニシリンアミノグリコシドトリメトプリム-スルファメトキサゾールクロラムフェニコールテトラサイクリンイミペネムメロペネム抗菌剤殺菌剤、又は静菌剤を含むリストから選択される1以上の活性薬剤との組合せが挙げられる。考えられる組合せとしては、プロバイオティクスである1以上の活性薬剤、例えば、サッカロマイセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)又はラクトバチルスラムノサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)との組合せも挙げられる。

0105

従って、本発明の別の態様は、1以上のさらなる活性薬剤、例えば、上述の1以上の活性薬剤と組み合わせた本発明の医薬組成物を提供する。本発明のさらなる態様において、前記医薬組成物又はポリペプチドは、上記リストから選択される少なくとも1つの活性薬剤と順次に、同時に、又は別々に投与される。

0106

同様に、本発明の別の態様は:
(A)本発明の医薬組成物;及び
(B)1以上の他の活性薬剤、
を含む組合せ製品を提供し、ここで、成分(A)及び(B)はそれぞれ、医薬として許容し得るアジュバント、希釈剤、又は担体との混合物中に製剤化されている。本発明のこの態様において、前記組合せ製品は、単一の(組合せ)製剤又はパーツキットのいずれであってもよい。従って、本発明のこの態様は、本発明の医薬組成物及び別の治療薬剤を、医薬として許容し得るアジュバント、希釈剤、又は担体との混合物中に含む組合せ製剤を包含する。

0107

本発明はまた、以下の成分:
(i)医薬として許容し得るアジュバント、希釈剤、又は担体との混合物中の本発明の医薬組成物;及び
(ii)医薬として許容し得るアジュバント、希釈剤、又は担体との混合物中に1以上の他の活性薬剤を含む製剤を含むパーツのキットであって、該成分(i)及び(ii)のそれぞれが、他方との併用投与に適した形態で提供される、前記キットを包含する。

0108

前記パーツのキットの成分(i)は、従って、医薬として許容し得るアジュバント、希釈剤、又は担体との混合物中の上記成分(A)である。同様に、成分(ii)は、医薬として許容し得るアジュバント、希釈剤、又は担体との混合物中の上記成分(B)である。該1以上の他の活性薬剤(すなわち上記成分(B))は、例えば、細菌感染症、例えば、クロストリジウム・ディフィシル感染症、自己免疫性及び/又は炎症性疾患、例えばIBD(例えば、クローン病及び/又は潰瘍性大腸炎)の治療に関連して上で言及した薬剤のうちのいずれかであり得る。成分(B)が、2つ以上のさらなる活性薬剤である場合、これらのさらなる活性薬剤を、互いに製剤化することができるし、成分(A)と製剤化することもできるし、これらを別々に製剤化してもよい。一実施態様において、成分(B)は、他の治療薬剤1つである。別の実施態様において、成分(B)は、他の治療薬剤2つである。本発明のこの態様の組合せ製品(組み合わされた調製物又はパーツのキットのいずれか)を、自己免疫疾患(例えば、本明細書において言及された自己免疫疾患)の治療又は予防において用いてもよい。

0109

(ベクター及び宿主)
本明細書で使用される用語「ベクター」は、それが連結された別の核酸を輸送する能力がある核酸分子を指すことが意図される。ベクターの1種としては、プラスミドが挙げられ、これは、追加のDNAセグメントライゲーションされ得る環状二本鎖DNAループを指す。別の種類のベクターのとしては、ウイルスベクターが挙げられ、ここでは、追加のDNAセグメントが、ウイルスゲノムにライゲーションされ得る。あるベクターは、それらが導入された宿主細胞において自律複製する能力がある(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター、並びに哺乳動物及び酵母のエピソーマルベクター)。他のベクター(例えば、哺乳動物の非エピソーマルベクター)を、宿主細胞への導入の際に、宿主細胞のゲノムに組み込むことができ、それにより、宿主ゲノムとともに複製される。さらに、あるベクターは、それらが作動的に連結された遺伝子の発現を導く能力がある。そのようなベクターを、本明細書では、「組換え発現ベクター」(又は、単に「発現ベクター」)と称する。一般的に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」及び「ベクター」は、互換的に使用されることがあり、これは、プラスミドが、最もよく使用されるベクターの形態であるためである。しかしながら、本発明は、同等の機能を果たす他の形態の発現ベクター、例えば、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルスアデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)、並びにバクテリオファージ及びファージミド系を含むことが意図される。本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に関する。本明細書で使用される用語「組換え宿主細胞」(又は、単に「宿主細胞」)は、組換え発現ベクターが導入されている細胞を指すことが意図される。そのような用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫も指すことが意図される。

0110

本発明の一態様において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。本発明のさらなる態様において、前記ポリヌクレオチドを含むベクター又は該ポリヌクレオチドを含むcDNAが提供される。本発明のさらなる態様において、本発明のポリペプチドを発現する能力がある、前記ベクターで形質転換された宿主細胞が提供される。好適には、該宿主細胞は、哺乳動物細胞植物細胞酵母細胞、例えば、アスペルギルス属サッカロマイセス属、クリベロマイセス属、ハンゼヌラ属、又はピキア属に属する酵母細胞、例えば、出芽酵母(S. cerevisiae)もしくはP.パストリス(P. Pastoris);又は細菌細胞、例えば、大腸菌(E. coli)である。

0111

(調製方法)
本発明のポリペプチドは、例えば、Green及びSambrookの文献、2012モレキュラークローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)、第4版、Cold Spring Harbour Laboratory Pressに開示された技術を用いて得ること及び操作することができる。好適には、本発明のポリペプチドに対してなされる置換、又は本発明の方法においてなされる置換は、合成的に導入される。好適には、前記置換は、V(D)J組換えや体細胞突然変異では導入されない。

0112

特に、人工遺伝子合成を用いて、本発明によるポリペプチドを製造してもよい(それらの全体が本明細書に引用により組み込まれる、Nambiarらの文献1984 Science 223:1299-1301、Sakamar及びKhoranaの文献1988 Nucl. AcidsRes 14:6361-6372、Wellsらの文献1985 Gene 34:315-323、及びGrundstromらの文献1985 Nucl. Acids Res 13:3305-3316)。本発明のポリペプチドをコードする遺伝子は、例えば、固相DNA合成によって合成的に製造することができる。遺伝子全体を、前駆体テンプレートDNAを必要とすることなく新規に合成し得る。所望のオリゴヌクレオチドを得るために、ビルディングブロッキングを、生成物の配列により必要とされる順番で順次、成長するオリゴヌクレオチド鎖カップリングする。鎖の組み立てが完了すると、生成物は、固相から溶液へと放出され、脱保護され、回収される。生成物を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって単離して、所望のオリゴヌクレオチドを高純度で得ることができる(Verma及びEcksteinの文献、1998、Annu Rev Biochem 67:99-134)。

0113

本発明の構築体を、DNAレベルで遺伝的に融合してもよい(すなわち、1以上のポリペプチドを含む完全な構築体をコードするポリヌクレオチド構築体)。複数のポリペプチドを遺伝学的なルートを介して連結する1つの方法は、ポリペプチドコード配列を不安定ペプチドリンカーコード配列を介して連結することによるものである。例えば、第1のポリペプチドのカルボキシ末端を、次のポリペプチドのアミノ末端に、不安定ペプチドリンカーコード配列を介して連結してもよい。この連結様式を、トリ、テトラなどの機能的構築体の構築のためのポリペプチドを連結するために拡張することができる。多価の(例えば、二価の)VHHポリペプチド構築体を製造するための方法は、WO96/34103(その全体が引用により本明細書に組み込まれている)に開示されている。

0114

前記ポリペプチドのアミノ酸配列に関しては無変化であるが、特定の宿主における翻訳に好ましいコドンを提供するポリペプチドをコードするDNA又はcDNAに変異を導入することができる。例えば、大腸菌及び出芽酵母における核酸の翻訳に好適なコドンは公知である。

0115

ポリペプチドの変異は、例えば、該ポリペプチドをコードする核酸に対する置換、付加、又は欠失によって達成することができる。置換は、同一の対応する部位での、ある残基の異なる残基での置き換えである。該該ポリペプチドをコードする核酸に対する置換、付加、又は欠失は、例えば、エラープローンPCRシャフリング、オリゴヌクレオチド指定変異誘発(oligonucleotide-directed mutagenesis)、アセンブリPCR、PCR変異誘発、インビボ変異誘発、カセット変異誘発、リカーシブアンサンブル変異誘発(recursive ensemble mutagenesis)、指数関数的アンサンブル変異誘発(exponential ensemble mutagenesis)、部位特異的変異誘発(その全体が引用により本明細書に組み込まれているLingらの文献1997 Anal Biochem 254(2):157-178)、遺伝子リアセンブリ、遺伝子部位飽和変異誘発(GSSM)、合成的ライゲーションリアセンブリ(SLR)、又はこれらの方法の組合せを含む多くの合成的方法で導入することができる。核酸に対する改変、付加、又は欠失もまた、組換え、リカーシブ配列組換え(recursive sequence recombination)、ホスホチオエート修飾DNA変異誘発、ウラシル含有テンプレート変異誘発、ギャップド・デュプレックス変異誘発(gapped duplex mutagenesis)、ポイントミスマッチ修復変異誘発(point mismatch repair mutagenesis)、修復欠損宿主株変異誘発(repair-deficient host strain mutagenesis)、化学的変異誘発、放射線誘発性変異誘発、欠失変異誘発、制限選択変異誘発(restriction-selection mutagenesis)、制限精製変異誘発(restriction-purification mutagenesis)、アンサンブル変異誘発、キメラ核酸マルチマー作製(chimeric nucleic acid multimer creation)、又はこれらの組み合わせを含む方法で導入することができる。

0116

免疫グロブリン鎖可変ドメイン、例えば、VH及びVHHを含むポリペプチドの発現は、適当な発現ベクター、例えば、原核生物細胞、例えば、細菌、例えば、大腸菌を用いて達成することができる(例えば、引用により本明細書中に組み込まれているWO94/04678及びWO96/34103に開示されているプロトコールによる)。免疫グロブリン鎖可変ドメイン、例えば、VH及びVHHの発現も、真核細胞、例えば、昆虫細胞CHO細胞、Vero細胞、又は好適には、酵母細胞、例えば、アスペルギルス属、サッカロマイセス属、クリベロマイセス属、ハンゼヌラ属、又はピキア属に属する酵母を用いて達成することができる。好適には、出芽酵母が用いられる(例えば、引用により本明細書中に組み込まれているWO94/025591に開示されているプロトコールによる)。

0117

好適には、本発明のポリペプチドは、WO02/48382に開示されている方法により、真菌、例えば、酵母(例えば、出芽酵母)内で製造することができ、炭素源を含む培地上での該真菌の増殖を含み、ここで、該炭素源の50〜100wt%は、エタノールである。

0118

(項目)
本発明及びその好ましい態様を定義する一組の項目は、以下の通りである:
1.3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含む免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドであって:
(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており、かつ/又は
(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;
該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチド。
2.免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドの腸安定性を増加させる方法であって、該免疫グロブリン鎖可変ドメインが、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含み:
(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は
(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、
を含む、前記方法。
3.免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドを作製する方法であって、該免疫グロブリン鎖可変ドメインが、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)及び4つのフレームワーク領域を含み:
(a)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は
(b)CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程を含み、
該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記方法。
4.前記置換が、腸管における、例えば、小腸及び/又は大腸における、例えば、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、及び/又は肛門管における前記ポリペプチドの安定性を、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる、項目1〜3のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
5.前記置換が、腸管のモデルにおける、例えば、小腸及び/又は大腸における、例えば、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、及び/又は肛門管における前記ポリペプチドの安定性を、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる、項目1〜4のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
6.前記腸管のモデルが、標準ヒト糞便上清腸管モデルである、項目5記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
7.前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗TNF-アルファ免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイによって、又は前記免疫グロブリン鎖可変ドメインが抗IL-6R免疫グロブリン鎖可変ドメインである場合に標準gp130 ELISAアッセイによって決定される前記ポリペプチドの安定性が、前記標準ヒト糞便上清腸管モデルにおける16時間のインキュベーション後に、前記ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して少なくとも1%、より好適には5%、より好適には10%増加する、項目6記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
8.前記置換が、小腸又は大腸において産生される1以上のプロテアーゼに対する前記ポリペプチドの安定性を、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加させる、項目1〜7のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
9.前記ポリペプチドのポテンシーが、前記ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドのポテンシーと実質的に同じである、項目1〜8のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
10.前記少なくとも1個のリジン及び/又はアルギニン残基が、CDR1の第2三分位、及び/又はCDR2の第2三分位、及び/又はCDR3の第2三分位として定義されるウィンドウ内に存在する、項目1〜9のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
11.CDR1、CDR2、及び/又はCDR3における各リジン及び/又はアルギニン残基が、それぞれ、1個のヒスチジン残基で置換されている、項目11記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
12.前記ポリペプチドが、抗体、追加の抗体結合領域を含有する修飾抗体、又は抗体断片、例えば、scFv、Fab断片、F(ab')2断片、もしくは免疫グロブリン鎖可変ドメイン、例えば、VHH、VH、VL、V-NARである、項目1〜12のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
13.前記ポリペプチドが、腸管経由で到達可能な標的に結合する、項目1〜12のいずれか1項記載のポリペプチド、ポリペプチドの腸安定性を増加させる方法、又はポリペプチドを作製する方法。
14.経口投与のための薬物としての使用のための、項目1〜13のいずれか1項記載のポリペプチド又は構築体を含む医薬組成物。
15.前記組成物が、腸溶性コーティングされた形態で提供される、項目14記載の医薬組成物。

0119

(さらなる項目)
本発明及びその好ましい態様を定義する一組のさらなる項目は、以下の通りである。後述の請求項4〜61記載の特徴は、任意にこれらのさらなる項目1〜3に準用される。
1.標的に高親和性で結合する能力がある領域を含むポリペプチドであって:
(a)該領域における少なくとも1個のリジン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており、かつ/又は
(b)該領域における少なくとも1個のアルギニン残基が、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換されており;
該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記ポリペプチド。
2.標的に高親和性で結合する能力がある領域を含むポリペプチドの腸安定性を増加させる方法であって:
(a)該領域における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は
(b)該領域における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程
を含む、前記方法。
3.標的に高親和性で結合する能力がある領域を含むポリペプチドを作製する方法であって:
(a)該領域における少なくとも1個のリジン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程、及び/又は
(b)該領域における少なくとも1個のアルギニン残基を、少なくとも1個のヒスチジン残基で置換する工程を含み、
該ポリペプチドが、該ヒスチジン置換を有しない対応するポリペプチドと比較して増加した腸安定性を有する、前記方法。

0120

ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例を用いてさらに説明する。

0121

(実施例)
(実施例1:標準腸管モデル、標準腸安定性アッセイ、及び標準ポテンシーアッセイ)
免疫グロブリン鎖可変ドメインを含むポリペプチドの腸安定性及びポテンシーを、以下の方法を用いてアッセイすることができる。下記の方法では、ICVDに触れるが、該方法は、ICVDを含む任意のポリペプチド、例えば、抗体に等しく適用可能である

0122

(1.1標準腸管モデル)
ヒト糞便由来のエクスビボ試料及びマウス小腸試料は、ヒト腸管における安定性の推定に非常に適したマトリックスである。そのような試料は、本来の宿主により産生されるプロテアーゼ及び関連微生物により産生されるプロテアーゼを、プロテアーゼの存在下でのICVD安定性に影響を及ぼし得る任意のカオトロピック剤又は界面活性剤と共に含有する。マウス及びヒト起源の小腸内に存在する少なくともいくつかのプロテアーゼの酵素切断部位は、よく特徴付けられており、該2つの種間で保存されている。ブタ由来の小腸試料及び臨床由来のヒト小腸洗浄液試料との比較によって、マウス小腸上清が、総プロテアーゼ活性の観点から特にストリンジェントチャレンジであることが分かった。

0123

従って、以下に詳細が記載される、ヒト糞便及びマウス小腸由来のエクスビボ試料を利用する腸管モデルにより、腸管の条件を非常によく代表する環境における、ICVDを含むポリペプチドの安定性をアッセイすることを可能とする。インキュベーション後に残存する機能可能なICVDの百分率が、腸管モデルにおいてインキュベーション後に、適切なアッセイ、例えば、標準ウエスタンブロット安定性アッセイ(インタクトなICVDの比率をアッセイするためのもの)、又は標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイ、又は標準毒素ELISAアッセイ(双方とも、機能性ICVDの比率をアッセイするためのもの)を用いて、評価される。

0124

マウス又はヒトからのサンプリングの時点から、ICVD安定性アッセイにおける使用の時点まで、全ての糞便/腸試料、スラリー、及び上清を、で冷却しておくべきであるか、又は遠心分離などの操作を、4℃で実施すべきであることに留意されたい。ひとたび調製してしまえば、上清試料は、-80℃で凍結してもよく、かつ使用の前に1度(又は2度)解凍してもよい。凍結融解の繰り返しは、プロテアーゼ安定性の喪失をもたらす可能性がある。-80℃で長期保管(>1年)しても、総プロテアーゼ活性は低減されないようである。しかしながら、スラリー及び上清を、ケースバイケースで、経時的にモニターすべきである。

0125

(1.1.1標準ヒト糞便上清腸管モデル)
(糞便上清プール製造)
安定性試験用の上清を生成させるために、1×PBSを、糞便1グラムあたり1×PBSが1又は2mLの比率で、糞便試料に添加する。その後、該試料を均一となるまでボルテックスにかける。得られた材料を、糞便スラリーと呼ぶ(下記実施例において用いられた非常に限られた数の特に硬い試料の場合には、均質な糞便スラリーを生成させるためには、糞便1グラムあたり3mLの1×PBSを添加することが必要であった)。試験用上清を生成させるために、スラリーを、4.5krpm又は13.5krpm(4℃)で1〜5分間遠心分離して、大部分の固体材料及び全ての細胞物質を取り除く。1回目遠心で得た上清を、その後、13.5krpm(4℃)で5分間再遠心分離すると、プロテアーゼを含んだ可溶性画分のみが残る。複数個体由来の上清を、各プールが、複数個体の糞便由来の組み合わせプロテアーゼ産物を代表するように一緒にプールする。

0126

下記の実施例のために、病院起源のヒト糞便試料を得て(かつ、該試料におけるC.ディフィシルの存在を立証した)、その後、上清プールを上述のように生成させた。該プールを、表1により特徴付けた。

0127

表1

0128

(アッセイの実施)
5mLのプロテアーゼ停止バッファー(1×PBS、2%BSA、5mMEDTA)に、1錠のSigmafastプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma S8830、AEBSF(フッ化4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルベスタチン、E-64、ペプスタチンA、ホスホラミドンロイペプチンアプロチニンを含有)を加えることにより、20×プロテアーゼ阻害剤溶液を調製する。この溶液は、2〜8℃で2週間保管し得る。アッセイ当日に、前記上清マトリックスを短時間ボルテックスして、均一性を確保する。全ての反応を氷上で調製し、該アッセイが最初にインキュベートされるまで、冷却したままで保つ。

0129

20×プロテアーゼ阻害剤溶液をプロテアーゼ停止バッファーで希釈し、前記2×停止バッファー中1mMの濃度までPMSFを添加することによって2×プロテアーゼ停止溶液を調製する(0.1M溶液Sigma 93482の1/100希釈物)。使用の前は常に、この溶液を氷上で冷却したままで保つ。

0130

ICVD(又は抗体)溶液を、0.1%BSA中250μg/mLで調製する。氷上で、薄肉PCRチューブ又はプレート中で、前記250μg/mLのICVDを、前記上清マトリックス中に希釈して、20μg/mLの最終ICVD濃度(時刻ゼロでのもの)を得る。得られた溶液を氷上でピペット操作によって混合して、該溶液が温まらないことを確実なものとする。均質になったら、1体積の該試料マトリックス+20μg/mLのICVDを直ちに取り出し、同体積の2×プロテアーゼ停止溶液と混合する。該停止されたマトリックス溶液を氷上で混合し、-80℃で直ちに凍結させる。これが、時刻ゼロの試料である。残りの試験マトリックス試料+20μg/mLのICVDを、PCR機械又は類似の装置中、37℃でインキュベートする。必要とされる時点で、上記手順を繰り返して、前記時刻ゼロの試料との比較のための、停止された上清試料を生成させる。加えて、時刻ゼロからの1体積のマトリックス試料(ICVD不含)に、同体積の2×プロテアーゼ停止溶液を加えることにより、ICVDを含有しないプロテアーゼ停止マトリックス対照を生成させる。これが、下流の分析において対照として用いられ、前記マトリックスの、例えば、ELISA又はウエスタンブロットプロファイルに対する作用が評価される。
標準ウエスタンブロット安定性アッセイ、標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイ、又は標準毒素ELISAアッセイを用いた測定の後に、所与の時点でのマトリックス試料中でのインキュベーション後に残存する機能可能なICVDの量を、ゼロ時点で存在する量で除する。その後、得られた数値に100を乗じて、%安定性を得る。標準ウエスタンブロット安定性アッセイの場合には、これにより、インタクトなICVDの比率が提供される。標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイ、又は標準毒素ELISAアッセイの場合には、これにより、機能性ICVDの比率が提供される。

0131

(1.1.2標準マウス小腸上清腸管モデル)
(糞便上清プール製造)
C57BL/6(「ブラック6」)マウスを屠殺する。完全な十二指腸、空腸、及び回腸を含む小腸を、マウスの体腔から、不必要な組織の損傷を最小とするように慎重切除する。小腸の固形内容物収集し、小腸の内表面を、1mLの0.9%生理食塩水で流す(腸内容物の本来のpHを保つため)。この1mLの腸洗浄溶液及び腸内容物試料を、その後、共に混合し、ボルテックスすることにより完全に均質化して、小腸スラリーを生成させる。試験用上清を生成させるために、スラリーを、13.5krpm(4℃)で2分間遠心分離して、大部分の固体材料及び全ての細胞物質を取り除く。1回目の遠心で得た上清を、その後、13.5krpm(4℃)で5分間再遠心分離すると、プロテアーゼを含んだ可溶性画分のみが残る。複数のマウス由来の上清(1プールあたり平均で5頭)を、各プールが、複数のマウスの小腸由来の組み合わされたプロテアーゼ産物を代表するように、共に混合する。

0132

下記の実施例において、経時的に使用された異なるプールのマウス小腸上清が、類似のタンパク質分解活性を示したことが分かった。

0133

(アッセイの実施)
前記上清を、上で標準ヒト糞便上清腸管モデルの「アッセイの実施」で記載したのと同様に使用する。

0134

(1.2標準ウエスタンブロット安定性アッセイ)
腸管モデルにおける、百分率でのインキュベーション後に残存する機能可能なICVDの評価のためのものである。

0135

(SDS-PAGE用試料の調製(還元性条件下)
1)還元SDS-PAGE用サンプルバッファーの調製:還元剤0.5Mジチオスレイトール(DTT)(Novex NP0004)を、Novex 4×LDSサンプルバッファー(NP0007)に、1:9の比率で添加する。例えば、10μLの0.5M DTTを90μLの4×サンプルバッファーに添加する。得られる溶液を、これ以降「4×ロード色素(load dye)」と呼ぶ。
2)1×ロード色素は、前記4×ロード色素ストックを、無菌H2Oで1:3に希釈することによって調製し得る。
3)時刻ゼロ又は30分から、消化マトリックス中の各ICVD含有実験試料15μLを、5μLの4×ロード色素に添加する。停止されたゼロ時点から、100〜200ngのICVDの最終量をロードすることを目標とする。ICVDの経時的な減少/分解がいかなるものであっても、最終ブロット上で肉眼により明らかとなるように、30分の時点からの試料の体積を、ゼロ時点で添加された体積と合わせる(同じく使用し得る他の時点、例えば、15分、1時間、2時間なども同様とする)。可能であれば、移送及び検出システムが正しく作動していることを確認するために、被験ICVDの未処理標準品を(100及び10ngで)含ませる。
4)ICVDを含有する全ての試料を、95℃に5〜10分間加熱して(全ての試料を均等に処理して)、タンパク質を変性させ、それらを、ロード色素中に存在するLDSでコートする。試料を放冷し、それらを遠心機中で短時間スピンダウンして、全ての液体を回収する。
5)ブロッティングの後に可視化することができる適当な参照ラダーを準備する(Super Signal MWタンパク質ラダー(Pierce))。6.5μLのタンパク質ラダー+13μLの1×ロード色素を添加する。該参照ラダーを、ゲルローディングの前に加熱する必要はないことに留意されたい(供給元説明書を参照されたい)。

0136

(電気泳動)
Novex 10%ビス-トリスゲル(NP0302Box)を、1×SDS-MES泳動バッファー(Novex NP0002-02)と組み合わせて使用して、ICVDをSDS-PAGEによって可視化する。
1)1×SDS-MES溶液(Novex NP0002-02、20×ストックから)を調製し、Novex 10%ビス-トリスゲルを、適切な電気泳動槽内に組み立てる。
2)ゲルローディングピぺットチップを用いて、ゲルの1レーンあたり15μLの上で調整した試料をロードする。
3)色素の先端がゲルの端に到達するが、それ以上ではない時点までゲルを200Vで泳動する。

0137

(ブロッティング)
1)電気泳動後、iblotセミドライ転写装置(Invitrogen、7分セミドライ転写プログラム3)を用いて、タンパク質を、ニトロセルロースメンブレン(IB3010, Invitrogen)上に転写する。
2)室温で穏やかに揺らしながら、25mLのブロッキング溶液(1%BSA、2 % Marvel、0.05% Tween20、1×PBS、pH7.4)と、2時間インキュベートすることにより膜をブロッキングする。
3)一次検出抗体用に、ブロッキング溶液(1%BSA、2% Marvel、0.05% Tween20、1×PBS、pH7.4)中に、pAb 1952ウサギα-VHH(VHH免疫原を用いてEurogentechで産生されたもの—別のpAbウサギα-ICVD、例えば、pAbウサギα-VHも使用することができる)の1/1000希釈物を調製する。ブロットを、25mLのこの溶液と、穏やかに揺らしながら4℃で1晩インキュベートする。
4)翌日、ブロットを、25mLのPBST(1×PBS、0.1% Tween20)に入れ、揺動装置で室温で5分間インキュベートする。各回で、新たな量のPBSTを用いて非特異的に結合した一次抗体を全て洗い落としながら、この手順を5回繰り返す。合計で6回の洗浄を完了する。
5)二次検出体用に、ブロッキング溶液中に、HRPコンジュゲートpAbブタα-ウサギ(Dako、P0217)を1/1000の希釈度で調整する。正常ヤギ血清(Dako)をこの溶液に1%の終濃度まで添加する(例えば、50mLの二次抗体溶液中に500μLのヤギ血清)。ブロットを、穏やかに揺らしながら室温で2時間、25mLのこの溶液とインキュベートする。
6)ブロットを25mLのPBST(1×PBS、0.1%Tween 20)に入れ、揺動装置で5分間インキュベートする。各回で、新たな量のPBSTを用いて全ての非特異的に結合した二次抗体を洗い落としながら、この手順を5回繰り返す。合計で6回の洗浄を完了する。
7)ブロットを現像するために、2mLのSuperSignal West Pico Chemiluminescent(ECL、Pierce 34087)と1〜2分間インキュベートして、該ブロットの全表面が確実に基質に覆われるようにする。
8)ImageQuant LAS4000装置又は同等品を用いて5〜10分の露光でブロット上に存在するICVDを可視化する。用いる露光時間を変化させて最高のICVDシグナルを得る。ImageQuantTLソフトウェア又は同等品を用いて、バンド濃度を決定する。

0138

所与の時点でのマトリックス試料中の機能可能なICVDの量を、ゼロ時点で存在する量で除する。その後、得られた数値に100を乗じて%安定性を得る。

0139

(1.3標準毒素ELISAアッセイ)
抗TcdA又は抗TcdB ICVDのポテンシーを評価するため及び腸管モデルにおいてインキュベーション後に残存する機能可能な抗TcdA又は抗TcdB ICVDの百分率の評価のためのものである。

0140

材料:
・96ウェル平底Nunc Maxisorpイムノプレート
・1×PBS中のR20291株(リボタイプ027)由来の組換えN-末端His10タグ化クロストリジウム・ディフィシルTcdB細胞結合性ドメイン(CBD-B)。このタンパク質をクローニングし、大腸菌から発現させ、FPLCによってHis-タグ精製した。
VPI10463株(リボタイプ087)由来の精製した全長クロストリジウム・ディフィシル毒素A。嫌気性静置培養で増殖させた細菌及びFPLCイオン交換クロマトグラフィーによって精製した分泌TcdA。
・抗VHHポリクローナルウサギ抗体:6CP(同等の抗ICVD、例えば、抗VHポリクローナルウサギ抗体も使用することができる)。
・ブタ抗ウサギポリクローナル免疫グロブリン-HRPとコンジュゲートしたもの(Dako、P0217)
・ELISA用超高感度TMB:Sigma(T4444)
・0.5M硫酸
ブロッキングバッファー:1×PBS中1%BSA(pH7.2〜7.5)。
・ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤(1×PBS中1%BSA、pH7.3〜7.5、2×プロテアーゼ阻害剤カクテル、2.5mMEDTA、0.5mMPMSF)。
・PBST:1×PBS+0.05%Tween 20。

0141

ICVD試料が、そうしなければELISAの成績を妨げる可能性がある消化マトリックス、例えば、マウス小腸上清又はヒト糞便上清中に存在する場合には、ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤をアッセイ希釈剤として使用して、ICVD溶液を調製してから、ELISAプレートへ添加した。1/200希釈の0.1 MPMSF溶液Sigma 93482を使用して、0.5mM PMSFを達成し得る。EDTAも、2.5mMの終濃度まで添加する必要がある。Sigmafastプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma S8830、AEBSF(フッ化4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニル、ベスタチン、E-64、ペプスタチンA、ホスホラミドン、ロイペプチン、アプロチニンを含有)が、本緩衝液において用いられる。1錠のSigmafastプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma S8830)を、5mLのプロテアーゼ停止バッファー(1×PBS、2% BSA、5mM EDTA)に加えることにより、20×プロテアーゼ阻害剤溶液のストックを調整できる。この溶液を、2〜8℃で2週間保管して、ELISA当日にブロッキングバッファーに希釈し得る。

0142

(ELISAによる抗TcdA ICVD検出)
本アッセイは、抗TcdA特異的ICVDを、それらのELISAプレートに結合したクロストリジウム・ディフィシル毒素Aに結合する能力について試験するよう設計されている。本アッセイ用のプレートコーティング毒素は、全長TcdAVPI10463 (087)である。

0143

方法:
1.C.ディフィシルTcdAを1×PBS中に希釈して、2μg/mLのコーティング溶液を調製する。これを、Nunc Maxisorpプレートの1ウェルあたり50μLで添加し、該プレートをシールして2〜8℃で1晩インキュベートする。多数のプレート(3枚超)を2μg/mL溶液TcdAの同じストックで調製しないこと。
2.プレート×4を、プレート洗浄機を用いて380μLのPBSTで洗浄する。プレートを軽くたたいて、残留物が残るのを最低限にすることを確実とする。
3.ブロッキングバッファーの1ウェルあたり200μLを添加し、シールして、振盪しながら室温で少なくとも1時間放置してインキュベートする。必要であれば、プレートも、放置して2〜8℃で1晩ブロッキングすることができる。
4.ICVD参照標準段階希釈系列を、希釈剤として、ブロッキングバッファー、又は主たるアッセイ試料が消化マトリックス由来である場合にはブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤を用いて調製する。希釈範囲を、それが、よく定義された直線範囲を伴って、バックグラウンドシグナルから飽和までの全アッセイシグナル範囲に及ぶように、試験された各ICVDの結合に基づいて調整すべきである。50μLを三連でプレートに加えるのに十分な体積の各希釈物を調製する。
5.試験されるICVD含有試料の適切な希釈物を、希釈剤としてのブロッキングバッファー中に、又は試料が消化マトリックス由来である場合はブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中に調製する。希釈物の推定濃度がアッセイ検出の直線範囲で低下するように希釈物を調製する。希釈範囲を、試験される各ICVDの結合に基づいて調整すべきである。これらの希釈物も、最終のELISAプレート上に50μLでの繰り返しを3回行うために十分な体積が存在するようにマイクロプレートにおいて連続的に調製すべきである。アッセイブランク(ICVD無し)を含める。消化分析ELISAでは、プロテアーゼ阻害剤で停止された時刻ゼロマトリックス対照(ICVD不含)を含めて、アッセイにおけるバックグラウンドシグナルをチェックする。これは、ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中に希釈すべきであり、かつプレート上の試験されたICVD試料を含有するマトリックスの最高濃度に合わせるべきである。試料が消化マトリックスから調製される場合には、調製の間それらを冷却したままとする。50μL/ウェルで三連でプレートに添加するのに十分な各試料を調製する。
6.ELISAプレート上のブロッキングバッファーを取り除き廃棄し、すべての残留物を紙タオル上に軽くたたき落とし、50μLの希釈した試料を各ウェルに添加する。1)マトリックス無し、ICVD無し(ブランクウェル)及び2)マトリックスのみ(ICVD無し)のウェルを含める。プレートをシールし、振盪しながら2時間室温でインキュベートする。
7.工程2のように4回洗浄する。
8.1ウェルあたり50μLのブロッキングバッファー中に1/2000に希釈したウサギ抗VHH PAbを添加し、プレートをシールし、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
9.工程2のように4回洗浄する。
10.1ウェルあたり50μLのブロッキングバッファーを用いて1/2000に希釈したブタ抗ウサギ-HRPを添加し、プレートをシールし、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
11.工程2のように4回洗浄する。
12.1ウェルあたり100μLのTMBを添加し、プレートをシールし、振盪しながら30分を超えない時間室温でインキュベートする。TMBが光感受性であるために、該プレートを銀ホイルで覆うべきである。
13.50μLの0.5M硫酸を各ウェルに添加し、プレートを450nmで読み取る。
14.ICVD標準検量線を用いて、GraphPad Prismソフトウェア(又は同等品)を用いて未知試料濃度内挿する。

0144

(ELISAによる抗TcdB ICVD検出)
本アッセイは、抗TcdB特異的ICVDを、それらのELISAプレートに結合したクロストリジウム・ディフィシルTcdB細胞結合性ドメイン(CBD-B)に結合する能力について試験するよう設計されている。本アッセイを実行する前に、試験されているICVDが、TcdB上のどこか別の所に結合しないことをチェックすることが重要であり、さもなければ、シグナルが観察されないであろう。

0145

方法:
1.C.ディフィシルCBD-B(027)をPBSに希釈して、0.5〜1μg/mLのコーティング溶液を調製する。これを、Nunc Maxisorpプレートの1ウェルあたり50μLで添加し、フィルムでシールし、2〜8℃で1晩インキュベートする。多数のプレート(3枚超)を、同じストックの0.5〜1μg/mL CBD-B溶液を用いて調製しないこと。
2.ブロッキングバッファーの1ウェルあたり200μLを添加し、シールして、振盪しながら室温で少なくとも1時間放置してインキュベートする。必要であれば、プレートも、放置して2〜8℃で1晩ブロッキングすることができる。
3.ICVD参照標準の段階希釈系列を、希釈剤として、ブロッキングバッファー、又は主たるアッセイ試料が消化マトリックス由来である場合にはブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤を用いて調製する。希釈範囲を、それが、よく定義された直線範囲を伴って、バックグラウンドシグナルから飽和までの全アッセイシグナル範囲に及ぶように、試験される各ICVDの結合に基づいて調整すべきである。50μLを三連でプレートに加えるのに十分な体積の各希釈物を調製する。
4.試験されるICVD含有試料の適切な希釈物を、希釈剤としてのブロッキングバッファー中に、又は試料が消化マトリックス由来である場合はブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中に調製する。希釈物の推定濃度がアッセイ検出の直線範囲で低下するように希釈物を調製する。希釈範囲を、試験される各ICVDの結合に基づいて調整すべきである。これらの希釈物も、最終のELISAプレート上に50μLでの繰り返しを3回行うために十分な体積が存在するようにマイクロプレートにおいて連続的に調製すべきである。アッセイブランク(ICVD無し)を含める。消化分析ELISAでは、プロテアーゼ阻害剤で停止された時刻ゼロマトリックス対照(ICVD不含)を含めて、アッセイにおけるバックグラウンドシグナルをチェックする。これは、ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中に希釈すべきであり、かつプレート上の試験されたICVD試料を含有するマトリックスの最高濃度に合わせるべきである。試料が消化マトリックスから調製される場合には、調製の間それらを冷却したままとする。50μL/ウェルで三連でプレートに添加するのに十分な各試料を調製する。
5.ELISAプレート上のブロッキングバッファーを取り除き廃棄し、すべての残留物を紙タオル上に軽くたたき落とし、50μLの試料希釈物を各ウェルに添加する。1)マトリックス無し、ICVD無し(ブランクウェル)、及び2)マトリックスのみ(ICVD無し)ウェルを含める。プレートをシールし、振盪しながら2時間室温でインキュベートする。
6.工程2のように4回洗浄する。
7.ブロッキングバッファー中に1/2000に希釈した1ウェルあたり50μLのウサギ抗VHH pAb (又は他のICVD同等品)を添加し、プレートをシールし、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
8.工程2のように4回洗浄する。
9.1ウェルあたり50μLのブロッキングバッファーを用いて1/2000に希釈したブタ抗ウサギ-HRPを添加し、プレートをシールし、振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
10.工程2のように4回洗浄する。
11.1ウェルあたり100μLのTMBを添加し、プレートをシールし、振盪しながら30分を超えない時間室温でインキュベートする。TMBが光感受性であるために、該プレートを銀ホイルで覆うべきである。
12. 50μLの0.5M硫酸を各ウェルに添加し、プレートを450nmで読み取る。
13.ICVD標準検量線を用いて、GraphPad Prismソフトウェア(又は同等品)を用いて未知の試料濃度を内挿する。

0146

(1.4標準TNFR2/TNF干渉ELISAアッセイ)
抗TNF ICVDのポテンシーを評価するため、及び腸管モデルにおいてインキュベーション後に残存する百分率での機能可能な抗TNF ICVDの評価のためのものである。

0147

1.原理
本アッセイでは、組換えヒトTNFの融合タンパク質エンブレル(エタネルセプト)への結合を検出する。このタンパク質は、ヒトIgGのFc領域に結合した可溶性TNRF2から構成され、TNFαの捕獲に使用し得る。この相互作用は、抗TNF ICVDと競争となり得、TNFαのエンブレルへの減少した結合を引き起こす。その後、結合したTNFは、抗hTNFα抗体によって検出される。故に、このELISAにおける高いシグナルは、低い濃度の抗TNF ICVDを表し、逆もまた同様である。一次検出抗体との1晩のインキュベーション工程のために、本アッセイを完了するには、通常、約1.5日かかる。

0148

2.材料
必要とされる溶液:
・0.5M硫酸(H2SO4)
・1×PBS
・PBST(1×PBS、0.05%Tween 20)
・ブロッキングバッファー(1×PBS中1%BSA、pH7.3〜7.5)
・ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤(1×PBS中1%BSA、pH7.3〜7.5、2×プロテアーゼ阻害剤カクテル、2.5mMEDTA、0.5mMPMSF)。

0149

ICVD試料が、そうしなければELISAの成績を妨げる可能性があるマウス小腸上清又はヒト糞便上清などの消化マトリックス中に存在する場合には、ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤をアッセイ希釈剤として使用して、ICVD及びTNF溶液を調製してから、混合してELISAプレートに添加する。1/200希釈の0.1 MPMSF溶液Sigma 93482を使用して、0.5mM PMSFを達成し得る。EDTAも、2.5mMの終濃度まで添加する必要がある。Sigmafastプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma S8830、AEBSF(フッ化4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニル、ベスタチン、E-64、ペプスタチンA、ホスホラミドン、ロイペプチン、アプロチニン含有)が、本緩衝液において用いられる。1錠のSigmafastプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma S8830)を、5mLのプロテアーゼ停止バッファー(1×PBS、2% BSA、5mM EDTA)に加えることにより、20×プロテアーゼ阻害剤溶液のストックを調整できる。この溶液を、2〜8℃で2週間保管して、ELISA当日にブロッキングバッファーに希釈し得る。

0150

必要とされる試薬:
・既知濃度(例えば、PBS中2mg/ml)のエンブレルストック
・PBS中1%BSA中に10μg/mlで調製され、小量に(≦20μl)分割して-80℃に保たれた既知濃度の組換えヒトTNFストック(Life Technologies, Cat No PHC 3015)
・既知濃度の抗TNFα ICVD標準品
・ウサギ抗ヒトTNFα抗体(Peprotech, 500-P31ABt, 300μg/ml)
・ExtrAvidin HRP (Sigma, E2886)
・TMB基質(Microwellペルオキシダーゼ基質系2-C, KPL, 50-70-00)

0151

3.手順
調製:
アッセイに必要とされるプレートの数を決定する。Maxisorb96ウェルELISAプレート(Nunc)を、50μl/ウェルの1×PBS中1μg/mlエンブレルでコートする。プレートを短時間振盪し、シールして、4℃で1晩インキュベートする。

0152

アッセイ:
1.プレート洗浄機を用いてELISAプレートを洗浄する(4×〜380μlのPBST)。プレートをタオルの上で叩いて、残留する液体を取り除く。
2. 200μl/ウェルのブロッキングバッファーを加える。シールして、回転式プレート振盪機上で、≧1時間インキュベートする。
3.希釈剤として、ブロッキングバッファー、又は主たるアッセイ試料が消化マトリックス由来である場合にはブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤を用いて、100μlの最小最終体積で0.04nM〜10nMの間のICVD参照標準の段階希釈系列を調製する。試験される各ICVDのポテンシーに基づいて希釈範囲を調整すべきである。例を表2に示す。

0153

表2

0154

4.試験されるICVD含有試料の適切な希釈物を、希釈剤としてのブロッキングバッファー中に、又は試料が消化マトリックス由来である場合はブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中に調製する。段階希釈系列を調製する。希釈範囲を、それが、よく定義された直線範囲を伴って、バックグラウンドシグナルから飽和までの全アッセイシグナル範囲に及ぶように、試験される各ICVDのポテンシーに基づいて調整すべきである。これらの希釈物も、最終のELISAプレート上に50μLでの繰り返しを3回行うために十分な体積が存在するようにマイクロプレートにおいて連続的に調製すべきである。消化分析ELISAには、プロテアーゼ阻害剤で停止された時刻ゼロマトリックス対照(ICVD不含)を含める。これは、ブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中に希釈すべきであり、かつプレート上の試験されたICVD試料を含有するマトリックスの最高濃度に合わせるべきである。試料が消化マトリックスから調製される場合には、調製の間それらを冷却したままとする。
5.ブロッキングバッファー中に、又はアッセイ試料が消化マトリックス由来の場合にはブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤中にhrTNFαの5ng/ml溶液を調製する。
6.別の96ウェルプレート中で、ブランクウェル(例えば、ウェルH1)を、ブロッキングバッファー又はブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤で満たす。残りの関連するウェルを85μlのTNF溶液で満たす。
7. 85μLの調製プレートからの各ICVD希釈物を、第2のプレート中の85μlのhrTNFα溶液と共に混合する。ブロッキングバッファー、又はブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤のみを含有するウェル(ブランクウェル)を1つ含ませる。hrTNFαが、ブロッキングバッファー、又はブロッキングバッファー+2×プロテアーゼ阻害剤のみ(TNFのみコントロールウェル)で希釈される別のウェルを含ませる。上述のように、hrTNFαが、「停止された」消化マトリックスで希釈されるウェルを含ませる。シールして、回転式プレート振盪機上で、1時間インキュベートする。
8.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
9. 50μlのICVD-TNF混合物(+適切な対照;1)TNF無し、ICVD無し、2)TNFありだが、ICVD無し、3)TNF+「停止された」消化マトリックス、ICVD無し)を、洗浄したELISAプレートに三連で移す。シールして、回転式プレート振盪機上で2時間インキュベートする。
10.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
11.ブロッキングバッファー中に5ml/プレートの1/1000希釈の抗ヒトTNFα抗体(Peprotech, P31A)を調製する。50μl/ウェルを添加し、シールし、回転式プレート振盪機上で短時間振盪し、その後、低温室/冷蔵庫(4℃)で1晩インキュベートする。注:本工程は、プレート振盪機上RTで2時間に減らすことができるが、シグナルが減少して、感度の低下が生じる。
12.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
13. 5ml/プレート1/1000希釈物のExtrAvidin連結HRP(Sigma, E2886)を調製する。50μl/ウェルを添加し、シールし、回転式プレート振盪機上で≧30分間インキュベートする。
14.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
15. 10ml/プレートのTMB基質(基質A及びBの比率は1:1)を調製する。100μl/ウェルを添加し、シールし、回転式プレート振盪機上で≦30分間インキュベートする。遮光する。
16. 50μl/ウェルの0.5M H2SO4で反応を停止する。
17.プレートを、450nmで読み取る。
18.ICVD標準検量線を用いて、GraphPad Prismソフトウェア(又は同等品)を用いて未知の試料濃度を内挿する。

0155

工程6において、同体積の希釈したICVD及びTNFαを混合してから、ELISAプレートに添加する。本工程は、ICVD及びTNFαの濃度を効果的に2倍希釈する。故に、プレート上のTNFαの終濃度は、2.5ng/mlとなり、ICVD標準曲線の終濃度は、0.02nM〜5nMとなる。適切な試料希釈係数を推定する際に、この希釈を考慮すべきである。TMB基質反応は、迅速に進行し得る。プレートの色を、定期的にチェックすべきであり、非常に明るい青色が30分より前に現れた場合には、非常に高い吸光度は高いバックグラウンドに繋がることがあるために、反応を停止するべきである。適切な対照は:BSAのみ、ICVD無し(すなわち、2.5ng/ml TNFαのみ)、及び望ましい場合、TNFα無し(すなわち、5nM ICVDのみ)の3連のウェルを含むべきである。消化分析ELISAでは、2×プロテアーゼ停止溶液の添加によって停止された無ICVDマトリックス試料をTNFに添加するべきである。対照におけるバックグラウンドマトリックスの最低希釈度(すなわち最高濃度)を、TNFと混合された/プレートに加えられた最高ICVD濃度消化マトリックスの最低希釈度(すなわち最高濃度)と釣り合わせるべきである。

0156

(1.5ベロ細胞細胞傷害性標準アッセイ)
抗毒素ICVDのポテンシーを評価するためのものである。
(使用前のベロ細胞の培養及び維持)
ベロ細胞のルーチンの継代培養は、以下のように達成することができる:
1.フラスコの細胞がフルコフルエンスまで増殖したら、全ての細胞培養培地吸引し、2mlの1×トリプシン(0.02%EDTA, Sigma E8008に溶解したもの)を加える。トリプシンを加えたら、洗浄の間の細胞の喪失を防ぐように素早く操作する。
2.細胞の表面上の、加えられた第1のトリプシンを洗浄し、その後、完全に吸引して、微量の細胞培養培地の全てを取り除く(微量の培地由来の血清があると、トリプシン活性が阻害される)。
3. 2mlのトリプシンを加え、細胞の表面を洗浄する。
4.約1.5〜1.7mlのトリプシンをフラスコから取り除く。
5.フラスコを傾けて、残りの300〜500μLがプレートの表面上のベロ細胞を覆うようにする。
6.細胞を、37℃、5% CO2で10〜12分間インキュベートする。
7.トリプシン活性を停止するために、10mlのベロ細胞培地を添加する。
8.培地が曇る(細胞集塊消失を示す)まで、ピペットを用いて懸濁液を、フラスコの底部に対してそっと噴き出すことによって細胞を再懸濁する。3〜4回で十分なはずである。過度のピペット操作は、細胞を害することがあるために避けること。
9. 0.2〜0.5mlの細胞懸濁液を、75cm2細胞培養フラスコ(Corning)中の、25〜30mlの新鮮なベロ細胞培地に添加する。フラスコを、37℃、5%CO2でインキュベートして、細胞をフルコンフルエンスまで増殖させる。これは、接種体積及び細胞数に応じて3〜5日間で行うべきである。プロセスをより微細に制御するためには、細胞を、以下に概要が示されるように血球計数器を用いて計数して、一定の接種材料を培地に添加してもよい。ひとたびコンフルエント状態となると、細胞単層は、培地を交換しなくても、さらに1〜2日間健康なままであるはずである。使用のためのコンフルエント単層寿命延長するために、培養培地の1/3〜1/2を新しいものとすることが多くの場合役に立つ(増殖しているベロ由来のサイトカイン馴化されているはずであるために、全ての培地を置き換えることはしない)。細胞は、円形化及び剥離が起き始める前に分割すべきである。

0157

(アッセイ用プレートの調製(第-1日))
理想的には、プレートは、細胞傷害性アッセイにおける使用の前日に調製すべきである。しかしながら、プレートは、必要であれば、使用の当日に調製してもよい。後者の場合、プレートを午前中に(午後に使用するために)調整して、使用前にマイクロプレートへの細胞接着のために少なくとも3時間を確保する。完全にコンフルエントなフラスコのベロ細胞を使用して、播種用の細胞懸濁液を調製すべきである。
1. 150μlの無菌H20をウェル間の隙間に添加し、300μlを96ウェル平底マイクロプレートの最上及び最下列に添加する。これにより、マイクロプレート中での増殖の間、培養される細胞が確実に水和される。
2.上述のように、コンフルエントなフラスコのベロ細胞をトリプシン処理し、(10mlのベロ細胞培養培地中に)再懸濁する。
3.血球計数器及び光学顕微鏡を用いて細胞を計数する(4回の独立した計数値をとり平均を使用する、例えば、単一の血球計数器スライド格子四隅を用いる)。トリプシン処理後細胞生存率について何らかの懸念があれば、計数の前にトリパンブルー色素を細胞に添加して(1:1v/v)、生細胞数を2倍とする。
4.細胞を、必要な体積(アッセイプレート1枚あたり8mlを可能とする)のベロ細胞培養培地中に、5×104細胞/mlまで希釈する。
5.マルチチャンネルピペットを用いて、100μLの細胞懸濁液を各ウェルに分注する。これは、5000細胞/ウェルに相当する。複数のプレートが調製されている場合には、確実に、細胞が均一に分布するように、連続した播種間で細胞懸濁液を回旋させたまま及び/又はピペットで操作したままとする。
6.マイクロプレートを1,000rpmで、室温で2分間遠心して、所定の位置、プレート底部の全体にわたって均一に細胞を固定する。遠心機の各アームにおいて最高で2枚のプレートを回転させて、アームが内側に傾くこと及びウェル間の水がこぼれることを回避する。
7.細胞分布及び細胞数が予想通りであることを、光学顕微鏡を用いて見て確認する。
8.プレートを、37℃、5%CO2でインキュベートする。

0158

(アッセイの設定(第0日))
注:本セクションに記載される溶液は全て、ベロ細胞培養培地中に調製される。アッセイを開始する前に、プレート/組合せの数に足りるように毒素及びICVDの必要とされる最終体積を計算しなければならない。希釈工程間で、全ての溶液をよく混合する(ボルテックスすること及び/又は複数回の倒置によって)。
1.必要な体積の毒素を、最終アッセイ濃度の2倍(2×)で調製する。必要とされるアッセイ濃度を、前もって決定しておくべきである(後述の予備的な作業を参照されたい)。
2.アッセイにおいて試験される最高濃度の2倍(2×)で被験ICVDを調製する。アッセイにおいて明確な投与量-反応毒素中和関係を示すICVDの最高濃度を目標とする(後述のグラフの例を参照されたい)。
3.希釈トラフ中に、2×ICVDストックの段階希釈物を10個(非希釈の最高濃度を含めて)調製する。典型的には、1/3希釈で、有用データ範囲が得られる。
4. 96ウェル丸底マイクロプレートを用いて混合溶液を調製してから、ベロ細胞を含有するプレートへ添加する。
5.培地のみ、毒素のみ(1×希釈物)、及びTriton-X100(0.01%)対照の溶液を三連で調製し、各々をプレートの空のウェルに添加する。
6. 8チャンネル吸引器の中央6列に10μlピぺットチップを取りつけ、第0日に調製したベロ細胞マイクロプレートからすべての培地(1ウェルあたり100μl前後)を慎重に取り除く。
7.マルチチャンネルピペットを用いて、調製プレートの1列から100μlを、アッセイプレート上の細胞に添加する。これを2回繰り返して、アッセイプレート上の2つの隣接する列を満たす(合計で3列複製):
8.プレートへの供給が完了したら、37℃で3日間インキュベートする。

0159

(アッセイの処理(第3日))
1.プレートを光学顕微鏡下観察する。培地のみの対照ウェルにおけるコンフルエントな増殖及び毒素のみの対照ウェルにおける良好な毒素反応についてチェックする。
2.マルチチャンネルピペットを用いて、暗所で、10μlのアラマーブルー試薬(感光性)を各ウェルに添加する。
3.プレートを30秒間振盪して、アラマーブルーを培養培地中に確実に混合する。
4.プレートを、37℃、5%CO2で1時間30分インキュベートする。
5.インキュベーション後、暗所で、50μlの3% SDSを添加する。
6.プレートリーダー(例えば、Fluostar Omega)、励起フィルター544、発光フィルター590、底部光学部材(bottom optic)を用いてプレートを読み取る。ブランク(それに対し、データが補正されることとなる)を、TritonX100で処理したプレートの3つのウェルにセットする。
7.プレートに対する各処理について3連の平均を算出する。式:%中和=(ICVD処理−毒素対照)×100/(培地対照−毒素対照)を用いて%毒素中和値を算出する。

0160

(予備的な作業:主たる中和アッセイにおける使用に最適な毒素の量の決定)
主たるアッセイにおける解釈を容易とするために、使用する毒素の適切な濃度を、Vero細胞での毒素投与量-反応実験を行って前もって決定しておくべきである。12ウェル希釈トラフに10個の毒素の段階希釈物を調製する。残りの2つのウェルを、0.01% Triton及び培地のみの対照のために使用する。最少で330μLの各溶液を希釈トラフに調製する(このことは、各100μlでの3回の複製を可能とする)。事前に毒素調製物がどの程度強力であるかの指標が無い場合には、予備的な実験のために広い希釈範囲を選択する。必要であれば、このことをより細かい濃度範囲にわたって繰り返すことができる。これらの溶液を、平底マイクロプレート中のベロ細胞に加え、インキュベートし、上述のようにプレートを処理する。

0161

ICVD又は全長抗体を、所与の濃度の毒素に対する中和活性についてアッセイするために、細胞生存率の最大の減少を誘導する能力がある最小濃度の各毒素調製物を選択する。ベロ細胞での例示的な毒素用量反応曲線を、図1に示す。横棒は、主たる中和アッセイにおける使用に適した毒素濃度を示す。

0162

(1.6標準gp130ELISAアッセイ)
(抗IL-6R ICVDのポテンシーを評価するためのもの)
本アッセイの目的は、sIL-6/IL-6R複合体のgp130への結合における干渉を測定することにより、抗IL-6R ICVDのポテンシーを測定することである。本アッセイは、hIL-6R/hIL-6複合体の組換えヒトgp130への結合を検出する。この相互作用は、抗IL-6R ICVDによって競争的に阻害され、hIL-6R-hIL-6複合体のgp130に対する減少した結合を引き起こすことができる。故に、このELISAにおける高いシグナルは、低い濃度の抗IL-6R ICVDを表し、逆もまた同様である。

0163

(材料)
必要とされる溶液:
1×PBS
PBST(1×PBS、0.05%Tween 20)
ブロッキングバッファー(1×PBS中1%BSA、pH7.3〜7.5)
0.5M硫酸(H2SO4)
必要とされる試薬:
既知濃度の組換え可溶性ヒトgp130
既知濃度のICVDストック
既知濃度の組換え可溶性ヒトIL-6
既知濃度の組換え可溶性ヒトIL-6R
ビオチン化されたヤギ抗IL-6Rポリクローナル抗体(R&D systems BAF227);無菌のPBS中に250ug/mlで再懸濁したもの
ExtrAvidin-ペルオキシダーゼ(Sigma E2886)
TMB基質(Microwellペルオキシダーゼ基質系2-C, KPL, 50-70-00)

0164

(手順)
調製:
1.アッセイに必要とされるプレートの数を決定する。
2. 1×PBS中5 ug/mLのBSAを伴う、適切な体積(1回で最高3プレートまで)のPBS中0.2μg/mlの組換え可溶性ヒトgp130を調製する。
3.素早く操作して、50μl/ウェルをMaxisorp96ウェルELISAプレート(Nunc)中に分注して、1バッチで最高で3プレートにロードする。
4.プレートを短時間振盪し、シールして、4℃で1晩インキュベートする。

0165

アッセイ:
1.ELISAプレートを、プレート洗浄機を用いて洗浄する(4×〜380μlPBST)。プレートをタオルの上で叩いて、残留する液体を取り除く。
2. 200μl/ウェルのブロッキングバッファーを加える。シールして、回転式プレート振盪機上で、≧1時間インキュベートする。
3.ブロッキングバッファーを希釈剤として用いて、70μlの最小最終体積で0.004nM〜80nMの間のICVD標準品の希釈系列を調製する。
4.プレート上の試験される試料の推定終濃度が、0.001nM〜250nM ICVDの範囲で低下するように、ブロッキングバッファー中に該試料の適切な希釈物を調製する。
5. 40ng/mlのIL-6R溶液をブロッキングバッファー中に調製する。
6.別の96ウェルプレート中で、50μLの各ICVD希釈物を50μlのIL-6R溶液と共に混合する。各希釈系列において、ICVD無しのウェルを1つ含める。回転式プレート振盪機上で、1時間インキュベートする。
7. 100ng/mlのIL-6溶液を、ブロッキングバッファー中に調製する。
8.さらなる追加の96ウェルプレートにおいて、工程6からの85μlのICVD-IL-6R混合物を、85μlの工程7において調製されたIL-6溶液と共に混合する。以下の対照:IL-6のみ、及びICVD無し(IL-6+IL-6Rのみ)が、各プレートに加えられるようにブロッキングバッファーのみを含有するウェルを含める。回転式プレート振盪機上で、10分インキュベートする。
9.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
10. 50μLの工程8において調製された混合物を、洗浄したELISAプレートに三連で移し、シールして、回転式プレート振盪機上で2時間インキュベートする。
11.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
12. 5.2ml/プレートの、ブロッキングバッファー中に調製された125ug/mLのBAF227抗hIL-6R抗体を調製する。50μl/ウェルを添加し、シールし、短時間振盪して、室温で1時間又は4℃で1晩インキュベートする。
13.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
14. 5.2ml/プレートのExtrAvidinの1/1,000〜1/3000希釈物を、ブロッキングバッファー中に調製する。50μl/ウェルを添加し、シールして、回転式振盪機上で30分間インキュベートする。
15.ブロッキングしたELISAプレートを、工程1と同様に洗浄する。
16. 10ml/プレートのTMB基質(基質A及びBの比率は1:1)を調製する。100μl/ウェルを添加し、シールし、回転式プレート振盪機上で、最低希釈度ウェル中に青色(mid blue colour)が発生するか、又は最長で30分までインキュベートする。遮光する。
17. 50μl/ウェルの0.5M H2SO4で反応を停止する。
18.プレートを、450nmで読み取る。
19.標準曲線を用いて、活性なICVDの濃度を内挿する。生のOD450値を、ブランク対照ウェルから得た読み取り値で調整する。標準曲線は、適切なソフトウェアを用いてプロットする(例えば、Log(阻害剤)対反応—可変スロープ(variable slope)(4パラメーター)を用いるGraphpad Prism)。被験試料中のICVD濃度は、該標準曲線を用いてソフトウェアで計算される。

0166

(腸管モデルにおいてインキュベーション後に残存する百分率での機能可能な抗IL-6R ICVDの評価用)
本アッセイの目的は、タンパク質分解性材料、例えば、マウス小腸上清又はヒト糞便抽出物の存在下前もってインキュベートされた活性抗IL-6R ICVDの残存濃度を測定し、それによりインキュベーションの間に起きた可能性がある何らかのタンパク質分解の該ICVDに対する影響、従って、抗IL-6R ICVDのタンパク質分解安定性を解明することである。本アッセイは、hIL-6R/hIL-6複合体の組換えヒトgp130への結合を検出する。この相互作用は、抗IL-6R ICVDによって競争的に阻害することができ、hIL-6R-hIL-6複合体のgp130への減少した結合を引き起こす。故に、このELISAにおける高いシグナルは、活性なままでいる抗IL-6R ICVDの低い濃度又は低い親和性を表し、逆もまた同様である。%残存率は、標準曲線を用いて内挿した、消化の前後の試料で維持されている活性なICVDの百分率濃度である。

0167

(材料)
必要とされる溶液:
1×PBS
PBS中1%BSA
PBST(1×PBS、0.05%Tween 20)
ブロッキングバッファー(1×PBS中1%BSA、pH7.3〜7.5)
アッセイバッファー(1%BSA、1×PBS中2×プロテアーゼ阻害剤*)
0.5M硫酸(H2SO4)
*2×プロテアーゼ阻害剤=緩衝液50mlあたり1錠
必要とされる試薬:
既知濃度の組換え可溶性ヒトgp130
SigmaFastプロテアーゼ阻害剤錠(S8820)
既知濃度のICVDストック
既知濃度の可溶性ヒトIL-6
既知濃度の可溶性ヒトIL-6R
ビオチン化されたヤギ抗IL-6Rポリクローナル抗体(R&D systems BAF227);無菌のPBS中に250ug/mlで再懸濁したもの。
ExtrAvidin-ペルオキシダーゼ(Sigma E2886)
TMB基質(Microwellペルオキシダーゼ基質系2-C, KPL, 50-70-00)

0168

(手順)
調製:
1.アッセイに必要とされるプレートの数を決定する。
2.適切な体積(1回で最高3プレートまで)のPBS中0.2μg/mlの組換え可溶性ヒトgp130+5μg/mlBSAを調製する。
3.素早く操作して、50μl/ウェルを、Maxisorp96ウェルELISAプレート(Nunc)中に分注して、1バッチで最高4プレートにロードする。
4.プレートを短時間振盪し、シールして、4℃で1晩インキュベートする。

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