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課題・解決手段

本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1および第2のポリペプチドの各々は、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)と、システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長とを含み、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、前記第1のポリペプチドのシステイン部分と前記第2のポリペプチドのシステイン部分との間のジスルフィド結合を介して、共有結合により連結されており、ここで、ダイマーは、多様なアッセイにおいて、ベンチマークコンストラクト、例えばコグネートな多価および多重特異性コンストラクトより優れている。本発明は、本発明のダイマーを作製するための方法を提供する。

概要

背景

背景
治療のために承認されている20を超える、および臨床開発におけるより多くのモノクローナル抗体(mAb)により、このクラスの分子は、多様な疾患について確立された処置モダリティーとなってきた(Reichert(2011)MAbs 3:76-99;Nelson et al. (2010)Nat Rev Drug Discov 9:767-74)。しかし、がんまたは炎症性障害などの複雑な疾患は、通常は、本質的に多因子性であり、これは、疾患を媒介するリガンドおよび受容体重複、ならびにシグナル伝達経路間のクロストークを含む。複数の標的または1つの標的上の複数の部位の遮断は、改善された治療効力をもたらす筈である。慣用的なモノクローナル抗体治療は、顕著な抗腫瘍活性を導入する限定的な能力を有し、このことが、2つの異なる抗原に同時に結合することができる二重特異性抗体の開発をもたらしてきた(Kontermann(2012)mAbs 4:182-197)。過去10年間、二重特異性抗体による二重ターゲティングが、組み合わせ治療または混合物の使用に対する代替として出現してきた。二重特異性抗体による二重ターゲティングは、1つの薬物による複数の疾患を調節する分子のターゲティングに基づく。技術的および規制の観点から、このことが開発をより複雑でないものとする。なぜならば、製造、前臨床および臨床試験が、単一の二重特異性分子縮小されるからである(Kontermann (2012)上記)。組み合わせではなく、単一の二重ターゲティング薬物による治療はまた、患者にとってもより複雑でないものとなるであろう。

二重特異性抗体は、生化学的または遺伝子的手段を介して生成することができる。組み換え技術は、多様な範囲の二重特異性抗体を生成し、過去20年間において45の形式を生み出してきた(Byrne et al (2013) TrendsBiotechnol. 31, 621-32)。この多様なトポロジーにも関わらず、アプローチは、全てのタンパク質の組み合わせについて好適なわけではない。NまたはC末端を介するタンパク質の融合は、しばしば生理活性の低下または喪失をもたらし、フォールディングおよびプロセッシングにおける混乱に起因する発現量の変動性が観察され得る(Schmidt (2009) Curr. Opin. Drug Discovery Dev. 12, 284-295;Baggio et al. (2004) Diabetes 53, 2492-2500;Chames and Baty (2009) mAbs 1, 539-47)。

二重特異性治療剤を生成する代替的アプローチは、ホモまたはヘテロ二官能性カップリング試薬を用いる化学的コンジュゲーションである(Doppalapudi et al. (2010)Proc Natl Acad Sci USA 107:22611-6)。現在までのところ、これは、かかるコンジュゲートを生成する方法としてあまり成功していなかった。この領域において使用される科学技術における根本欠陥は、リジン残基を修飾することに対するそれらの依存性であった。慣用的な抗体1つあたり平均100個のリジン残基が存在し、それらの分布は、抗体またはそのフラグメント、例えばFab、Fcおよび免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)領域の表面トポロジー全体にわたって均一である。したがって、リジン残基を用いるコンジュゲーション技術は、抗体分子の実質的に全ての領域に対して無作為架橋することになり、予測不能な特性を有する生成物の高度に不均質な混合物を生じる。

この問題を克服するための戦略は、化学リンカーの部位特異的な導入を可能にする非天然アミノ酸の挿入により提供される。しかし、非天然のアミノ酸の置換はしばしば不完全であり、発現量は、必要な高濃度における人工アミノ酸の細胞毒性に起因して、一般に低い。

無作為架橋による問題を克服するための別のアプローチは、部位特異的変異誘発により提供され、ここで、抗体中の所望される部位において単一の求核性システイン残基が導入される。システイン残基は、タンパク質中での量は天然では低いが、しばしば分子内ジスルフィド結合中で結びついて見出され、構造および機能的な完全性を提供している;なぜならば、遊離のシステイン残基は、抗体および抗体フラグメントにおいて欠如しているからである(Fodje and Al-Karadaghi(2002)Protein Eng. Des. Sel. 15, 353-358)。これらの試薬を用いて分子内架橋分子間架橋の制御を達成することは、非常に困難である。タンパク質/試薬比、pH、イオン強度などの反応パラメーターの適切な選択を通して、何らかの制御を達成することはできるが、結果は不満足なままである。

WO2004/03019は、可変ドメインが、例えば各々ドメインのC末端においてシステインを有するdAbの提供により、一緒に連結して多価リガンドを形成し得、システインは、2,2’−ジチオジピリジン(2,2’−DTDP)および還元されたモノマーを用いる化学カップリングの手法を用いて一緒にジスルフィド結合していると仮定した。しかし、2,2’−DTDPは刺激物であり、その実質的な使用は制限される。加えて、その使用は、2,2’−DTDPがまた細胞からのCa2+を動態化する反応性ジスルフィドであるために、さらに限定される。この方法が特に分子内チオール結合を妨害および再配置することなく実際に実現可能か否かについて、WO2004/03019が言及しないのみならず、2,2’−DTDPの特性を考慮すると、この剤を完全に取り除くには、面倒な手段を取らなければならない。

Bakerら(2014, Bioconjugate Chem.,DOI:10.1021/bc5002467)は、合成されたビスジブロモマレイミドクロスリンカーを用いる抗体フラグメントジスルフィド結合の還元および架橋を通しての二重特異性抗体コンストラクトを記載する。
Carlssonら(1978 Biochem J. 173:723-737)は、可逆性のタンパク質−タンパク質コンジュゲーションをもたらす、n−サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオプロピオナートを用いるタンパク質のためのチオ化の手法を提案する。当該手法は、しかし、大規模な精製を必要とする。加えて、当該プロトコルに従った場合の活性の低下が報告されている(Carlssonら、1978)。Carlssonら(1978)は、当該手法を抗体またはそのフラグメントについて用いることができるか否かについては言及していない。

一般的に、システイン残基の導入を介した分子間架橋は、システイン変異誘発が、一般に発現量の低下および望ましくない特性(所望されない二量体化に対する感受性混合ジスルフィド形成またはジスルフィドスクランブリングなど)をもたらすので、限定されている(Schmiedl et al. (2000) J. Immunol. Methods242, 101-14;Junutula et al. (2008) Nat. Biotechnol. 26, 925-32;Albrecht et al. (2004) Bioconjugate Chem. 15, 16-26)。

GrazianoおよびGuptillは、F(ab’)2フラグメントの重鎖間ジスルフィド結合の還元により生じる遊離のチオールの使用を介して、Fab’×Fab’の化学的に連結された二重特異体を作製するための方法を議論する。しかし、重鎖軽鎖ジスルフィド結合の大規模な還元なしで重鎖間ジスルフィドの効率的な還元が達成されるように、条件を選択しなければならない。o−フェニレンジマレイミド(o−PDM)法を使用して生成される二重特異体が、Ellman試薬(5,5’−ジチオビス−(2−ニトロ安息香酸)またはDTNB)により生成されるものよりも安定であり得ると述べられているが、o−PDMにより生成された二重特異体を生化学的均質性まで精製することは、より困難であった。o−PDM法の別の特徴的な欠点は、抗体分子において奇数数の重鎖間ジスルフィド結合がマレイミド化されている必要があることである(GrazianoおよびGuptill(2004)第5章:Chemical Production of Bispecific Antibodies(Methodsin Molecular Biology、第283巻:Bioconjugation Protocols:Strategies and Methods;C. M. Niemeyer編(著作権)Humana Press Inc., Totowa, NJ.)から、71〜85頁)。このことが、ヒト−ヒト二重特異体の構築におけるその適用を妨げる。
したがって、ダイマーを生成するための効率的および/または好適な方法を提供することにおいて、問題が残る。

処置、特にがんの処置を改善するためのさらなる戦略は、抗体薬物コンジュゲートADC)を使用することである。現在、50を超える特徴的なADCが臨床試験において存在するが、それらのいくつかは活性であり、ADCの開発、精製および毒性の防止においては広範な問題が残る。まず第一に、抗体あたりのコンジュゲートしている薬物の数、PK体内分布ペイロードおよび送達ビヒクルに起因するADCの不均質性などの物理化学的特性に対して、殆ど制御が存在しない。例えば、多くの薬物がリジンを介して抗体にコンジュゲートする。上述のとおり、リジンは抗体全体にわたって散在するので、このことが、薬物対抗体比を制御することを困難とする。加えて、このカップリングが、リジンカップリングを利用する二重特異性の概念をも妨げる。さらに、がんの処置において用いられる多くの薬物は、極めて疎水性であり、このことが、予測不能かつ多くの場合に好ましくないADC部分の凝集、PKおよび体内分布プロフィールをもたらす。このことは、小さい抗体フラグメントについて特に真実である。慣用的な抗体は約150kDのサイズを有するが、一方、薬物は、平均して約1kDのサイズを有する。したがって、抗体:薬物のサイズ比は、約150:1である。慣用的な抗体とは大きく対照的に、ISVDなどの抗体フラグメントは、僅か約15kDのサイズを有する。結果として、ISVD:薬物のサイズ比は、僅か15:1であり、すなわち、慣用的な抗体についてよりも10倍小さい。したがって、薬物に特徴的な疎水性は、コンジュゲートした抗体フラグメントの物理化学的特性に対して、不釣り合いにより大きな影響を有する。実際に、コンジュゲートした抗体フラグメントによる主な問題は、凝集である(Feng et al. 2014 Biomedicines 2: 1-13)。分析はさらに、IgGサイズの巨大分子コンストラクトが、全身クリアランス血管外漏出との間の有利なバランスを示し、最大の腫瘍取り込みをもたらすことを示唆する(Dane Wittrup et al. 2012 MethodsEnzym. 503、第10章、pp255-268)。これらの困難は、薬物をより小さな抗体フラグメントにコンジュゲートすることの使用を、効果的に限定する。

WO2005/007197は、タンパク質中のジスルフィド結合から誘導される両方の硫黄原子とコンジュゲートしてチオエーテルコンジュゲートを生じる能力を有するコンジュゲーション試薬を用いる、タンパク質へのポリマーのコンジュゲーションのためのプロセスを記載する。この方法において、ジスルフィド結合は、還元されて2個の遊離システイン残基を生じ、次いで、ポリマーが共有結合する架橋試薬を用いて再形成される。この方法は、しかし、抗体分子中の多くの鎖内ジスルフィド結合がジスルフィド結合スクランブリングをもたらすので、抗体をコンジュゲートするためには推奨されない。

WO2013/190292は、抗体に関するWO2005/007197の欠陥を克服すると考えられ、これらの抗体のヒンジ領域における単一の重鎖間ジスルフィド結合から誘導される2個のシステイン残基の間に架橋を形成するコンジュゲーション試薬を介する、ポリマーのコンジュゲーションのためのプロセスを記載する。WO2013/190292は、ヒンジ領域に位置しないシステイン残基のコンジュゲーションについては言及しない。実際に、WO2013/190292は、ヒンジ領域を欠落する免疫グロブリン単一可変ドメインについては言及しない。

上皮増殖因子受容体(EGFR;別名HER-1)は、HER-2、HER-3およびHER-4と共に、HERキナーゼファミリーメンバーである。EGFRは、非小細胞肺癌乳癌、頭部頸部癌胃癌直腸結腸癌食道癌前立腺癌膀胱癌腎臓癌膵臓癌および卵巣癌を含む多様なヒト腫瘍において過剰発現される。EGFRの活性化は、細胞分裂運動性の増大、血管新生およびアポトーシスの減少をもたらし得るシグナル伝達を引き起こす。これらの効果は、マイトジェン活性タンパク質キナーゼMAPK)およびホスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)経路関与などの、複雑な連続したシグナル伝達機構により媒介される。
EGFRはまた、炎症性関節炎およびにおける粘液分泌亢進などのいくつかの他の疾患にも関連付けられている。

IMC-C225(Erbitux, Imclone)、EMD72000(Merck Darmstadt)、ABX-EGF(Abgenix)、h-R3(theraCIM, YM Biosciences)およびHumax-EGFR(Genmab)などのEGFRを標的とする抗体の多くは、リガンドの受容体への結合を妨げる抗体として単離された。しかし、これらの抗体または現在利用可能な薬物のいずれも、癌の処置のために完全に有効ではなく、多くは、重篤な毒性により限定される。
したがって、当該分野において、薬物をダイマーにコンジュゲートするための効率的および/または好適な方法を提供するために、問題が残る。

概要

本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1および第2のポリペプチドの各々は、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)と、システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長とを含み、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、前記第1のポリペプチドのシステイン部分と前記第2のポリペプチドのシステイン部分との間のジスルフィド結合を介して、共有結合により連結されており、ここで、ダイマーは、多様なアッセイにおいて、ベンチマークコンストラクト、例えばコグネートな多価および多重特異性コンストラクトより優れている。本発明は、本発明のダイマーを作製するための方法を提供する。

目的

本発明はさらに、本発明の方法により入手可能な可変ドメイン(本明細書において定義されるとおり)および1つ以上の可変ドメインを含むポリペプチド(また「本発明のポリペプチド」とも称される)、ならびに、1つ以上の基、残基または部分にカップリングされた、かかる可変ドメインおよび/またはポリペプチドを含む化合物(また「本発明の化合物」とも称される)を提供する

効果

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請求項1

ダイマーを作製する方法であって、少なくとも以下のステップ:(i)第1のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第1のポリペプチドは、−少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および−システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長を含む;(ii)第2のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第2のポリペプチドは、−少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および−システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長を含む;ならびに(iii)前記第1のポリペプチドのC末端における前記システイン部分のチオール部分および前記第2のポリペプチドのC末端における前記システイン部分のチオール部分を、任意に、酸化性銅イオン(Cu2+)を添加することにより、および好ましくはpH6.5〜pH7.5において、ジスルフィド誘導型シスチンへと酸化すること;(iv)任意に、ジスルフィド誘導型シスチンを、シスチンから誘導される2個のシステイン残基の間に架橋を形成するコンジュゲート剤と反応させること、ここで、前記コンジュゲート剤は、式(I):の官能基を含み、ここで、Wは、電子求引性基を表し;Aは、C1〜5アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;Bは、結合またはC1−4アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;および、各々のLは、独立して、脱離基を表す;を含み、ISVDの完全性が維持されることを特徴とする、前記方法。

請求項2

コンジュゲート剤が、式(Ia):ここで、Qは、連結基を表し、Dは、診断治療もしくは標識剤(例えば薬物など)、または診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)のための結合剤(例えばリンカー)を表す、の官能基を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

コンジュゲート剤が、式(Ib)の官能基を含み、ここで、Wは、シアノ基を表し:ここで、Qは、連結基を表し、Dは、診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)、または診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)のための結合剤(例えばリンカー)を表す、請求項1に記載の方法。

請求項4

コンジュゲート剤が、式(II)、(III)あるいは(IV):ここで、XおよびX’のうちの一方は、ポリマーを表し、他方は、水素原子を表し;Qは、連結基を表し;Wは、電子求引性基を表すか;または、X’がポリマーを表す場合、X−Q−Wは、一緒に、電子求引性基を表してもよく;Aは、C1〜5アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;Bは、結合またはC1〜4アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;ならびに各々のLは、独立して、脱離基を表す;ここで、X、X’、Q、W、AおよびLは、一般式IIについて示される意味を有し、加えて、Xがポリマーを表す場合、X’および電子求引性基Wは、介在原子と一緒に、環を形成してもよく、mは、整数1、2、3または4を表す;あるいはX−Q−W−CR1R1’−CR2.L.L’(IV)ここで、X、QおよびWは、一般式IIについて示される意味を有し、R1は、水素原子またはC1〜4アルキル基を表し、R1’は、水素原子を表し、LおよびL’の各々は、独立して、脱離基を表す;またはR1は、水素原子またはC1〜4アルキル基を表し、Lは、脱離基を表し、およびR1とL’とは、一緒に、結合を表す;またはR1とLとは、一緒に、結合を表し、R1とL’とは、一緒に、結合を表し;ならびにRは、水素原子またはC1〜4アルキル基を表す、の官能基を含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

薬物が、細胞分裂阻害剤細胞傷害剤化学療法剤増殖阻害剤トキシン(例えば、細菌、真菌、植物もしくは動物由来酵素活性トキシン、またはそのフラグメント)、トキシン部分、および放射性同位元素からなる群より選択される、請求項2または3に記載の方法。

請求項6

薬物が、MMAEである、請求項5に記載の方法。

請求項7

結合剤が、診断、治療または標識剤のためのリンカーである、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

第1のポリペプチドおよび/または第2のポリペプチドが、マレイミド-val-cit-MMAEをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

リンカーが、非切断可能リンカーである、請求項7に記載の方法。

請求項10

リンカーが、細胞酵素(例えば細胞エステラーゼカテプシンBなどの細胞プロテアーゼ)のための切断部位を含む切断可能リンカー、例えばpH切断可能リンカーである、請求項7に記載の方法。

請求項11

薬物対ダイマー比(DAR)が、1である、請求項2、3または5〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

第1および第2のポリペプチドの少なくとも80%、例えば85%、90%、95%、99%またはそれより多く、例えば100%が、二量体化されることが、例えば質量分析により決定される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

好ましくは分子ふるいクロマトグラフィーを介して、ダイマーを精製するステップをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとが、同一である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとが異なる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

第1のポリペプチドおよび/または第2のポリペプチドが、システイン部分を、好ましくはC末端において含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

C末端伸長が、ポリペプチド中の最C末端に位置するISVDのC末端に遺伝子融合される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーであって、ここで、前記第1のポリペプチドは、−少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および−システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長を含み;ここで、前記第2のポリペプチドは、−少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および−システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長を含み;およびここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、前記第1のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分(C)のチオエーテル結合および前記第2のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分(C)のチオエーテル結合を介して、式(V)または式(VI)による化合物と、共有結合により連結されており、ここで、「−C−」は、本発明のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分を表し;「−C」は、本発明のポリペプチドのC末端伸長のC末端におけるシステイン部分を表し;R1は、C1〜4アルキル基を表し;Dは、診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)、または診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)のための結合剤(例えばリンカー)を表す、前記ダイマー。

請求項19

薬物が、細胞分裂阻害剤、細胞傷害剤、化学療法剤、増殖阻害剤、トキシン(例えば、細菌、真菌、植物もしくは動物由来の酵素活性トキシン、またはそのフラグメント)、トキシン部分、および放射性同位元素からなる群より選択される、請求項18に記載のダイマー。

請求項20

薬物が、MMAEである、請求項18または19に記載のダイマー。

請求項21

マレイミド-val-cit-MMAEを含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項22

結合剤が、診断、治療または標識剤のためのリンカーである、請求項18〜21のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項23

リンカーが、非切断可能リンカーである、請求項18〜21のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項24

リンカーが、細胞の酵素(例えば細胞エステラーゼ、カテプシンBなどの細胞プロテアーゼ)のための切断部位を含む切断可能リンカー、例えばpH切断可能リンカーである、請求項18〜22のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項25

薬物対ダイマー比(DAR)が、1である、請求項18〜24のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項26

ダイマーが、競合FACSにより決定されるとき、最高でも100nM、例えば50nM、20nM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、好ましくはさらに最高でも2nM、例えば1nMのIC50で標的に結合する、請求項18〜25のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項27

ダイマーが、好ましくは競合FACSにより決定されるとき、ベンチマークのIC50より少なくとも10%、例えば20%、30%、50%、80%、90%、または100%も良好なIC50で標的に結合する、請求項18〜25のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項28

ダイマーが、好ましくは競合FACSにより決定されるとき、ベンチマークのIC50より少なくとも2倍、例えば3倍または4倍、および5倍または10倍も良好なIC50で標的に結合する、請求項18〜25のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項29

第1のポリペプチドおよび/または第2のポリペプチドが、システイン部分を(好ましくはC末端において)含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む、請求項18〜28のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項30

C末端伸長が、GlyGlyGlyCys(配列番号4)、GlyGlyCys(配列番号3)、GlyCys(配列番号2)またはCys(配列番号1)からなる、請求項29に記載のダイマー。

請求項31

C末端伸長が、配列番号1〜15からなる群より選択される、請求項29に記載のダイマー。

請求項32

第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとが同一である、請求項18〜31のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項33

第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとが異なる、請求項18〜31のいずれか一項に記載のダイマー。

請求項34

がん処置における使用のための請求項18〜33のいずれか一項に記載のダイマーであって、内部移行する、前記ダイマー。

請求項35

がんの処置のための医薬の製造のための請求項1〜33のいずれか一項に記載のダイマーであって、内部移行する、前記ダイマーの使用。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1および第2のポリペプチドの各々は、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)と、システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長とを含み、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、前記第1のポリペプチドのシステイン部分と前記第2のポリペプチドのシステイン部分との間のジスルフィド結合を介して、共有結合により連結されており、ここで、ダイマーは、多様なアッセイにおいて、ベンチマークコンストラクト、例えばコグネートな多価および多重特異性コンストラクトより優れている。本発明は、本発明のダイマーを作製するための方法を提供する。本発明はさらに、本発明の方法により入手可能な可変ドメイン(本明細書において定義されるとおり)および1つ以上の可変ドメインを含むポリペプチド(また「本発明のポリペプチド」とも称される)、ならびに、1つ以上の基、残基または部分にカップリングされた、かかる可変ドメインおよび/またはポリペプチドを含む化合物(また「本発明の化合物」とも称される)を提供する。

0002

本発明はまた、かかる可変ドメインおよび/またはポリペプチドをコードする核酸;かかる核酸を含むか、ならびに/あるいは、かかる可変ドメインおよび/またはポリペプチドを発現するかまたはこれを発現することができる宿主細胞;かかる可変ドメインおよび/またはポリペプチド、化合物、核酸および/または宿主細胞を含む組成物、および特に医薬組成物;ならびに、特に標識、予防、治療または診断の目的のための、かかる可変ドメイン、ポリペプチド、核酸、宿主細胞および/または組成物の使用に関する。
本発明の他の側面、態様、利点および用途は、本明細書におけるさらなる説明から明らかとなるであろう。

背景技術

0003

背景
治療のために承認されている20を超える、および臨床開発におけるより多くのモノクローナル抗体(mAb)により、このクラスの分子は、多様な疾患について確立された処置モダリティーとなってきた(Reichert(2011)MAbs 3:76-99;Nelson et al. (2010)Nat Rev Drug Discov 9:767-74)。しかし、がんまたは炎症性障害などの複雑な疾患は、通常は、本質的に多因子性であり、これは、疾患を媒介するリガンドおよび受容体重複、ならびにシグナル伝達経路間のクロストークを含む。複数の標的または1つの標的上の複数の部位の遮断は、改善された治療効力をもたらす筈である。慣用的なモノクローナル抗体治療は、顕著な抗腫瘍活性を導入する限定的な能力を有し、このことが、2つの異なる抗原に同時に結合することができる二重特異性抗体の開発をもたらしてきた(Kontermann(2012)mAbs 4:182-197)。過去10年間、二重特異性抗体による二重ターゲティングが、組み合わせ治療または混合物の使用に対する代替として出現してきた。二重特異性抗体による二重ターゲティングは、1つの薬物による複数の疾患を調節する分子のターゲティングに基づく。技術的および規制の観点から、このことが開発をより複雑でないものとする。なぜならば、製造、前臨床および臨床試験が、単一の二重特異性分子縮小されるからである(Kontermann (2012)上記)。組み合わせではなく、単一の二重ターゲティング薬物による治療はまた、患者にとってもより複雑でないものとなるであろう。

0004

二重特異性抗体は、生化学的または遺伝子的手段を介して生成することができる。組み換え技術は、多様な範囲の二重特異性抗体を生成し、過去20年間において45の形式を生み出してきた(Byrne et al (2013) TrendsBiotechnol. 31, 621-32)。この多様なトポロジーにも関わらず、アプローチは、全てのタンパク質の組み合わせについて好適なわけではない。NまたはC末端を介するタンパク質の融合は、しばしば生理活性の低下または喪失をもたらし、フォールディングおよびプロセッシングにおける混乱に起因する発現量の変動性が観察され得る(Schmidt (2009) Curr. Opin. Drug Discovery Dev. 12, 284-295;Baggio et al. (2004) Diabetes 53, 2492-2500;Chames and Baty (2009) mAbs 1, 539-47)。

0005

二重特異性治療剤を生成する代替的アプローチは、ホモまたはヘテロ二官能性カップリング試薬を用いる化学的コンジュゲーションである(Doppalapudi et al. (2010)Proc Natl Acad Sci USA 107:22611-6)。現在までのところ、これは、かかるコンジュゲートを生成する方法としてあまり成功していなかった。この領域において使用される科学技術における根本欠陥は、リジン残基を修飾することに対するそれらの依存性であった。慣用的な抗体1つあたり平均100個のリジン残基が存在し、それらの分布は、抗体またはそのフラグメント、例えばFab、Fcおよび免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)領域の表面トポロジー全体にわたって均一である。したがって、リジン残基を用いるコンジュゲーション技術は、抗体分子の実質的に全ての領域に対して無作為架橋することになり、予測不能な特性を有する生成物の高度に不均質な混合物を生じる。

0006

この問題を克服するための戦略は、化学リンカーの部位特異的な導入を可能にする非天然アミノ酸の挿入により提供される。しかし、非天然のアミノ酸の置換はしばしば不完全であり、発現量は、必要な高濃度における人工アミノ酸の細胞毒性に起因して、一般に低い。

0007

無作為架橋による問題を克服するための別のアプローチは、部位特異的変異誘発により提供され、ここで、抗体中の所望される部位において単一の求核性システイン残基が導入される。システイン残基は、タンパク質中での量は天然では低いが、しばしば分子内ジスルフィド結合中で結びついて見出され、構造および機能的な完全性を提供している;なぜならば、遊離のシステイン残基は、抗体および抗体フラグメントにおいて欠如しているからである(Fodje and Al-Karadaghi(2002)Protein Eng. Des. Sel. 15, 353-358)。これらの試薬を用いて分子内架橋分子間架橋の制御を達成することは、非常に困難である。タンパク質/試薬比、pH、イオン強度などの反応パラメーターの適切な選択を通して、何らかの制御を達成することはできるが、結果は不満足なままである。

0008

WO2004/03019は、可変ドメインが、例えば各々ドメインのC末端においてシステインを有するdAbの提供により、一緒に連結して多価リガンドを形成し得、システインは、2,2’−ジチオジピリジン(2,2’−DTDP)および還元されたモノマーを用いる化学カップリングの手法を用いて一緒にジスルフィド結合していると仮定した。しかし、2,2’−DTDPは刺激物であり、その実質的な使用は制限される。加えて、その使用は、2,2’−DTDPがまた細胞からのCa2+を動態化する反応性ジスルフィドであるために、さらに限定される。この方法が特に分子内チオール結合を妨害および再配置することなく実際に実現可能か否かについて、WO2004/03019が言及しないのみならず、2,2’−DTDPの特性を考慮すると、この剤を完全に取り除くには、面倒な手段を取らなければならない。

0009

Bakerら(2014, Bioconjugate Chem.,DOI:10.1021/bc5002467)は、合成されたビスジブロモマレイミドクロスリンカーを用いる抗体フラグメントジスルフィド結合の還元および架橋を通しての二重特異性抗体コンストラクトを記載する。
Carlssonら(1978 Biochem J. 173:723-737)は、可逆性のタンパク質−タンパク質コンジュゲーションをもたらす、n−サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオプロピオナートを用いるタンパク質のためのチオ化の手法を提案する。当該手法は、しかし、大規模な精製を必要とする。加えて、当該プロトコルに従った場合の活性の低下が報告されている(Carlssonら、1978)。Carlssonら(1978)は、当該手法を抗体またはそのフラグメントについて用いることができるか否かについては言及していない。

0010

一般的に、システイン残基の導入を介した分子間架橋は、システイン変異誘発が、一般に発現量の低下および望ましくない特性(所望されない二量体化に対する感受性混合ジスルフィド形成またはジスルフィドスクランブリングなど)をもたらすので、限定されている(Schmiedl et al. (2000) J. Immunol. Methods242, 101-14;Junutula et al. (2008) Nat. Biotechnol. 26, 925-32;Albrecht et al. (2004) Bioconjugate Chem. 15, 16-26)。

0011

GrazianoおよびGuptillは、F(ab’)2フラグメントの重鎖間ジスルフィド結合の還元により生じる遊離のチオールの使用を介して、Fab’×Fab’の化学的に連結された二重特異体を作製するための方法を議論する。しかし、重鎖軽鎖ジスルフィド結合の大規模な還元なしで重鎖間ジスルフィドの効率的な還元が達成されるように、条件を選択しなければならない。o−フェニレンジマレイミド(o−PDM)法を使用して生成される二重特異体が、Ellman試薬(5,5’−ジチオビス−(2−ニトロ安息香酸)またはDTNB)により生成されるものよりも安定であり得ると述べられているが、o−PDMにより生成された二重特異体を生化学的均質性まで精製することは、より困難であった。o−PDM法の別の特徴的な欠点は、抗体分子において奇数数の重鎖間ジスルフィド結合がマレイミド化されている必要があることである(GrazianoおよびGuptill(2004)第5章:Chemical Production of Bispecific Antibodies(Methodsin Molecular Biology、第283巻:Bioconjugation Protocols:Strategies and Methods;C. M. Niemeyer編(著作権)Humana Press Inc., Totowa, NJ.)から、71〜85頁)。このことが、ヒト−ヒト二重特異体の構築におけるその適用を妨げる。
したがって、ダイマーを生成するための効率的および/または好適な方法を提供することにおいて、問題が残る。

0012

処置、特にがんの処置を改善するためのさらなる戦略は、抗体薬物コンジュゲートADC)を使用することである。現在、50を超える特徴的なADCが臨床試験において存在するが、それらのいくつかは活性であり、ADCの開発、精製および毒性の防止においては広範な問題が残る。まず第一に、抗体あたりのコンジュゲートしている薬物の数、PK体内分布ペイロードおよび送達ビヒクルに起因するADCの不均質性などの物理化学的特性に対して、殆ど制御が存在しない。例えば、多くの薬物がリジンを介して抗体にコンジュゲートする。上述のとおり、リジンは抗体全体にわたって散在するので、このことが、薬物対抗体比を制御することを困難とする。加えて、このカップリングが、リジンカップリングを利用する二重特異性の概念をも妨げる。さらに、がんの処置において用いられる多くの薬物は、極めて疎水性であり、このことが、予測不能かつ多くの場合に好ましくないADC部分の凝集、PKおよび体内分布プロフィールをもたらす。このことは、小さい抗体フラグメントについて特に真実である。慣用的な抗体は約150kDのサイズを有するが、一方、薬物は、平均して約1kDのサイズを有する。したがって、抗体:薬物のサイズ比は、約150:1である。慣用的な抗体とは大きく対照的に、ISVDなどの抗体フラグメントは、僅か約15kDのサイズを有する。結果として、ISVD:薬物のサイズ比は、僅か15:1であり、すなわち、慣用的な抗体についてよりも10倍小さい。したがって、薬物に特徴的な疎水性は、コンジュゲートした抗体フラグメントの物理化学的特性に対して、不釣り合いにより大きな影響を有する。実際に、コンジュゲートした抗体フラグメントによる主な問題は、凝集である(Feng et al. 2014 Biomedicines 2: 1-13)。分析はさらに、IgGサイズの巨大分子コンストラクトが、全身クリアランス血管外漏出との間の有利なバランスを示し、最大の腫瘍取り込みをもたらすことを示唆する(Dane Wittrup et al. 2012 MethodsEnzym. 503、第10章、pp255-268)。これらの困難は、薬物をより小さな抗体フラグメントにコンジュゲートすることの使用を、効果的に限定する。

0013

WO2005/007197は、タンパク質中のジスルフィド結合から誘導される両方の硫黄原子とコンジュゲートしてチオエーテルコンジュゲートを生じる能力を有するコンジュゲーション試薬を用いる、タンパク質へのポリマーのコンジュゲーションのためのプロセスを記載する。この方法において、ジスルフィド結合は、還元されて2個の遊離システイン残基を生じ、次いで、ポリマーが共有結合する架橋試薬を用いて再形成される。この方法は、しかし、抗体分子中の多くの鎖内ジスルフィド結合がジスルフィド結合スクランブリングをもたらすので、抗体をコンジュゲートするためには推奨されない。

0014

WO2013/190292は、抗体に関するWO2005/007197の欠陥を克服すると考えられ、これらの抗体のヒンジ領域における単一の重鎖間ジスルフィド結合から誘導される2個のシステイン残基の間に架橋を形成するコンジュゲーション試薬を介する、ポリマーのコンジュゲーションのためのプロセスを記載する。WO2013/190292は、ヒンジ領域に位置しないシステイン残基のコンジュゲーションについては言及しない。実際に、WO2013/190292は、ヒンジ領域を欠落する免疫グロブリン単一可変ドメインについては言及しない。

0015

上皮増殖因子受容体(EGFR;別名HER-1)は、HER-2、HER-3およびHER-4と共に、HERキナーゼファミリーメンバーである。EGFRは、非小細胞肺癌乳癌、頭部頸部癌胃癌直腸結腸癌食道癌前立腺癌膀胱癌腎臓癌膵臓癌および卵巣癌を含む多様なヒト腫瘍において過剰発現される。EGFRの活性化は、細胞分裂運動性の増大、血管新生およびアポトーシスの減少をもたらし得るシグナル伝達を引き起こす。これらの効果は、マイトジェン活性タンパク質キナーゼMAPK)およびホスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)経路関与などの、複雑な連続したシグナル伝達機構により媒介される。
EGFRはまた、炎症性関節炎およびにおける粘液分泌亢進などのいくつかの他の疾患にも関連付けられている。

0016

IMC-C225(Erbitux, Imclone)、EMD72000(Merck Darmstadt)、ABX-EGF(Abgenix)、h-R3(theraCIM, YM Biosciences)およびHumax-EGFR(Genmab)などのEGFRを標的とする抗体の多くは、リガンドの受容体への結合を妨げる抗体として単離された。しかし、これらの抗体または現在利用可能な薬物のいずれも、癌の処置のために完全に有効ではなく、多くは、重篤な毒性により限定される。
したがって、当該分野において、薬物をダイマーにコンジュゲートするための効率的および/または好適な方法を提供するために、問題が残る。

0017

先行技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服または改善すること、および有用な代替を提供することが、本発明の目的である。
それらのモジュール性を考慮すると、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および特にNanobodyは、多価コンストラクトに組み合わせるために例外的に好適である。多価コンストラクトを生成するための便利かつ好ましい様式は、ISVDをコードする個々の核酸のアミド結合を介する遺伝子融合によるものであり、ここで、ISVDをコードするヌクレオチド配列は、その3’末端核酸を介して、ISVDをコードする別のヌクレオチド配列の5’末端核酸に(必要な場合には多様な長さの(核酸)リンカーを介して)カップリングされる。したがって、ISVDは、アミド結合を介して(おそらくペプチドリンカーを介して)カップリングされる。

0018

ISVDは、当該部分の完全性および機能性を維持するために、システイン間で分子内ジスルフィド結合を含む。ISVDをコードするヌクレオチド配列の遺伝子融合の後で、カノニカル(分子内とも称される)ジスルフィド結合を形成する固有の特性は、個々のISVDにおいては翻訳の際に影響を受けないことが、大規模に示されている。
遺伝子融合の容易性および多用途性を考慮して、ISVDの化学コンジュゲーションは、特に、それが分子内ジスルフィド結合を妨害することなくISVDを予め決定された部位において選択的にカップリングするために困難な方法を必要とし、および/または非自己の潜在的に有害な成分を用いることから、好ましい方法ではない。

0019

本発明は、実質的にいかなる有害な妨害またはISVDの分子内ジスルフィド結合の関与を伴わず、2つのポリペプチド間のジスルフィド結合を介する分子間二量体化を促進する、便利な方法を提供する。この方法は、ISVDをさらに含むポリペプチドのC末端伸長におけるシステインの導入を用いる。

0020

本発明はまた、本発明のダイマーを作製するための方法を提供する。特に、本発明は、(ポリペプチド−)ダイマーを作製する方法に関し、該方法は、少なくとも以下のステップを含む:
(i)第1のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第1のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
−システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;
(ii)第2のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第2のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
− システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;ならびに
(iii)前記第1のポリペプチドのC末端伸長における前記システイン部分のチオール部分、および前記第2のポリペプチドのC末端伸長における前記システイン部分のチオール部分を、任意に酸化性銅イオン(Cu2+)を添加することにより、および好ましくはpH6.5〜pH7.5において、ジスルフィド誘導型シスチンへと酸化すること;および前記シスチンは、ダイマー中に存在する唯一分子間ジスルフィド結合であり;それにより、前記ダイマーを作製する。

0021

好ましくは、前記ダイマーの前記(C末端)シスチンを還元するステップは、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドの分子内ジスルフィド結合が酸化されたままである条件下において行われる。言い換えると、ISVDの完全性が維持される。方法は、任意に、前記ダイマーの前記(C末端に位置する)シスチンを還元するステップをさらに含んだ。

0022

さらに、驚くべきことに、本発明のダイマーが、多様なアッセイにおいて、ベンチマークコンストラクト、例えばコグネートな多価および多重特異性コンストラクトより優れていたことが見出された。ベンチマークコンストラクトは、本発明のダイマーと同じポリペプチドからなったが、ベンチマークコンストラクトは、これらのポリペプチドをコードする核酸の遺伝子融合により生成された。なぜならば、第1のポリペプチドが、アミド結合を介して、N末端からC末端方向で、第2のポリペプチドにカップリングされるからである。特に、本発明のダイマーは、親和性(ベンチマーク、例えばコグネートな二価コンストラクトより良好なKD値(実際のまたは見かけ上の)、KA値(実際のまたは見かけ上の)、kon速度および/またはkoff速度として、好適に測定および/または表現される)を有する標的に結合することができる。 一方、本発明のダイマーは、2つのアルブミン結合ISVDを含む場合であってすら、1つのみのアルブミン結合ISVDを含むベンチマークと類似の体内分布プロフィールを示した。

0023

さらに、本発明のダイマーは、予想外に、低い標的発現を有する細胞においては特に、ベンチマークコンストラクトと比較して改善された内部移行を示した。内部移行は、良好な効力のために重大であるため、改善された内部移行は、より良好な効力をもたらす可能性がある。加えて、内部移行が改善されることにより、必要とされる薬物がより少量となり、標的から離脱する薬物がより少量となるために、毒性などの副作用が軽減され得る。標的発現が低い細胞におけるダイマーの内部移行は、処置に対してアクセス可能な腫瘍の範囲を拡大し、薬物耐性を生じる機会を減少させ得る。一方、本発明のダイマーは、ベンチマークコンストラクトと類似の、好ましい体内分布プロフィールを示した。

0024

したがって、本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)と、システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長とを含み;ここで、前記第2のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)と、システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長とを含み;およびここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、前記第1のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分と前記第2のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分との間のジスルフィド結合を介する共有結合により連結されている。
したがって、本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む(ポリペプチド)ダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、C末端に位置するジスルフィド結合を介する共有結合により連結されている。

0025

本発明者らはさらに、本発明のダイマーが、予想外の好ましい結合および機能的特徴を有することを観察した。これらの特徴はまた、何らの見かけ上または実質的な効力の喪失を伴うことなく、長期間にわたり保持された。このことが、ダイマーを、貯蔵および輸送のために有用にする。したがって、本発明はさらに、反応性システイン部分を含むポリペプチドを貯蔵するための方法に関し、該方法は、少なくとも、ジスルフィド誘導型シスチンの前記反応性システイン部分のチオール部分を酸化して、それにより、前記反応性システイン部分を一時的に不活化するステップを含み、ここで、前記ポリペプチドはさらに、(内部)シスチン結合を含む。

0026

本発明者らは、ダイマーが、例えばC末端システインを用いる、例えばマレイミド化学による、官能基のカップリングなどの、即時使用のために特に好適であり得ると仮定した。ダイマーの分子間ジスルフィド架橋が還元されて、構成要素であるポリペプチドのチオール基を活性化する、温和還元条件を用いるプロトコルを開発した。至適条件は、内部カノニカルISVDジスルフィド架橋を還元することなく、ダイマーを形成するジスルフィドの還元をもたらした。したがって、本発明は、反応性システイン部分を含むポリペプチドを生成するための方法に関し、該方法は、少なくとも以下のステップ:
(i)シスチン結合を介して二量体化したポリペプチドを提供すること;
(ii)前記シスチン結合を還元すること;
を含み、これにより、反応性システイン部分を含むポリペプチドを生成する。好ましくは、前記シスチン結合は、前記ポリペプチドのC末端に位置する。好ましくは、前記ステップ(ii)の還元条件は、内部シスチン結合が還元されないように選択される。

0027

加えて、本発明はまた、非情に制御された薬物対抗体比(DAR)および95%を超える純度により、本発明のポリペプチドおよび/またはダイマーに対してペイロードをコンジュゲートさせるための方法を提供する。完全に予想外なことに、ポリペプチドにペイロードを(DAR=1で)コンジュゲートさせることは、体内分布プロフィールに対して何らの効果も有しない。さらに、これらのコンジュゲートしたポリペプチドは、in vitroでの細胞傷害性およびin vivoでの腫瘍増殖阻害を示した。したがって、本発明は、本発明のポリペプチドおよび/またはダイマーを用いて対象を処置するための方法を提供する。

0028

特に、本発明は、ダイマーを作製する方法に関し、該方法は、少なくとも以下のステップ:
(i)第1のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第1のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
−システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;
(ii)第2のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第2のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
− システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;ならびに
(iii)前記第1のポリペプチドのC末端における前記システイン部分のチオール部分および前記第2のポリペプチドのC末端における前記システイン部分のチオール部分を、任意に酸化性銅イオン(Cu2+)を添加することにより、および好ましくはpH6.5〜pH7.5において、ジスルフィド誘導型シスチンへと酸化すること;
(iv)任意にジスルフィド誘導型シスチンを、シスチンから誘導される2個のシステイン残基の間に架橋を形成するコンジュゲート剤と反応させること、ここで、前記コンジュゲート剤は、式(I):



の官能基を含み、
ここで、Wは、電子求引性基を表し;Aは、C1〜5アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;Bは、結合またはC1〜4アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;および各々のLは、独立して、脱離基を表す;
を含み、ISVDの完全性が維持されることを特徴とする。

0029

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、コンジュゲート剤は、式(Ia):



の官能基を含み、
ここで、Qは、連結基を表し、Dは、診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)、または診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)のための結合剤(例えばリンカー)を表す。

0030

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、コンジュゲート剤は、式(Ib)の官能基を含み、ここで、Wは、シアノ基を表し:



ここで、Qは、連結基を表し、Dは、診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)、または診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)のための結合剤(例えばリンカー)を表す。

0031

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、コンジュゲート剤は、式(II)、(III)または(IV):



の官能基を含み、
ここで、XおよびX’のうちの一方は、ポリマーを表し、他方は、水素原子を表し;
Qは、連結基を表し;
Wは、電子求引性基を表すか;または、X’がポリマーを表す場合、X−Q−Wは、一緒に、電子求引性基を表してもよく;
Aは、C1〜5アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;
Bは、結合またはC1〜4アルキレンもしくはアルケニレン鎖を表し;および
各々のLは、独立して、脱離基:



ここで、X、X’、Q、W、AおよびLは、一般式IIについて示される意味を有し、加えて、Xがポリマーを表す場合、X’および電子求引性基Wは、介在原子と一緒に、環を形成してもよく、mは、整数1、2、3または4を表す;あるいは
X−Q−W−CR1R1’−CR2.L.L’ (IV)
を表し;
ここで、X、QおよびWは、一般式IIについて示される意味を有し、ならびに、
R1は、水素原子またはC1〜4アルキル基を表し、R1’は、水素原子を表し、LおよびL’の各々は、独立して、脱離基を表すか;あるいは
R1は、水素原子またはC1〜4アルキル基を表し、Lは、脱離基を表し、および
R1とL’とは、一緒に、結合を表すか;あるいは
R1とLとは、一緒に、結合を表し、R1とL’とは、一緒に、結合を表し;および
Rは、水素原子またはC1〜4アルキル基を表す。

0032

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記薬物は、細胞分裂阻害剤細胞傷害剤化学療法剤増殖阻害剤トキシン(例えば、細菌、真菌、植物もしくは動物由来酵素活性トキシン、またはそのフラグメント)、トキシン部分、および放射性同位元素からなる群より選択される。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記薬物は、MMAEである。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記結合剤は、診断、治療または標識剤のためのリンカーである。

0033

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、マレイミド-val-cit-MMAEをさらに含む。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記リンカーは、非切断可能リンカーである。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記リンカーは、細胞の酵素(例えば細胞エステラーゼカテプシンBなどの細胞プロテアーゼ)のための切断部位を含む切断可能リンカー、例えばpH切断可能リンカーである。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、薬物対ダイマー比(DAR)は、1である。

0034

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記第1および前記第2のポリペプチドの少なくとも80%、例えば85%、90%、95%、99%またはそれより多く、例えば100%が、二量体化されることが、例えば質量分析により決定される。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、該方法は、さらに、好ましくは分子ふるいクロマトグラフィーを介して、前記ダイマーを精製するステップを含む。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、同一である。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、異なる。

0035

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、システイン部分を(好ましくはC末端において)含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーを作製する方法に関し、ここで、前記C末端伸長は、前記ポリペプチド中の最C末端に位置するISVDのC末端に遺伝子融合される。

0036

特に、本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)およびシステイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長を含み;ここで、前記第2のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)およびシステイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長を含み;およびここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、式(V)または式(VI)による化合物による、前記第1のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分(C)のチオエーテル結合および前記第2のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分(C)のチオエーテル結合を介して、共有結合により連結されている:



ここで、
「−C−」は、本発明のポリペプチドのC末端伸長中のシステイン部分を表し;
「−C」は、本発明のポリペプチドのC末端伸長のC末端におけるシステイン部分を表し;
R1は、C1〜4アルキル基を表し;およびDは、診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)、または診断、治療もしくは標識剤(例えば薬物など)のための結合剤(例えばリンカー)を表す。

0037

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記薬物は、細胞分裂阻害剤、細胞傷害剤、化学療法剤、増殖阻害剤、トキシン(例えば、細菌、真菌、植物もしくは動物由来の酵素活性トキシン、またはそのフラグメント)、トキシン部分、および放射性同位元素からなる群より選択される。

0038

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記薬物は、MMAEである。
特に、本発明は、マレイミド-val-cit-MMAEを含む、本明細書において記載されるダイマーに関する。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記結合剤は、診断、治療または標識剤のためのリンカーである。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記リンカーは、非切断可能リンカーである。

0039

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記リンカーは、細胞の酵素(例えば細胞エステラーゼ、カテプシンBなどの細胞プロテアーゼ)のための切断部位を含む切断可能リンカー、例えばpH切断可能リンカーである。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、薬物対ダイマー比(DAR)は、1である。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ダイマーは、競合FACS(competition FACS)により決定されるとき、最高でも100nM、例えば50nM、20nM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、好ましくはさらに最高でも2nM、例えば1nMのIC50で標的に結合する。

0040

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ダイマーは、好ましくは競合FACSにより決定されるとき、ベンチマークのIC50よりも少なくとも10%、例えば20%、30%、50%、80%、90%、または100%も良好なIC50で標的に結合する。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ダイマーは、好ましくは競合FACSにより決定されるとき、ベンチマークのIC50より少なくとも2倍、例えば3倍または4倍、および5倍または10倍も良好なIC50で標的に結合する。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、システイン部分を(好ましくはC末端において)含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む。

0041

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記C末端伸長は、GlyGlyGlyCys(配列番号4)、GlyGlyCys(配列番号3)、GlyCys(配列番号2)またはCys(配列番号1)からなる。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記C末端伸長は、配列番号1〜15からなる群より選択される。
特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、同一である。

0042

特に、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、異なる。
特に、本発明は、がんの処置における使用のための本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ダイマーは、内部移行する。
特に、本発明は、がんの処置のための医薬の製造のための本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ダイマーは、内部移行する。
図の説明

図面の簡単な説明

0043

用いられた多様なコンストラクトの模式的描写
競合的結合FACS。
HER14細胞におけるEGFにより媒介されるEGFRのリン酸化の遮断(0.5mMのEGF)。
C末端GGC伸長ポリペプチドのジスルフィドダイマーの還元の模式図。
還元システイン伸長ポリペプチドのSECプロフィール。タンパク質マーカーのMWは、破線(− ‐ −)により示され、670kDa、158kDa、44kDa、17kDaおよび1.35kDaである。mAUは、280nmにおけるミリ吸光単位である。

0044

マレイミド-val-cit-MMAE。
T0238-00001-mc-val-cit-PAB-MMAE(ABL100-NC003-1)のSDS-PAGE分析。1)Novexマーカー;2)T0238-00001ダイマー;3)還元T0238-00001(10mMのDTT、2〜8℃、O/N);4)ABL100-NC003-1粗コンジュゲート混合物;5)ABL100-NC003-1。
還元T023800001-A(酸化)T023800001-A(還元)およびT0238-00001-mc-val-cit-PAB-MMAEについての、オーバーレイした疎水性相互作用クロマトグラム
ポリペプチド−MMAEコンジュゲートのin vitroでの細胞殺傷:正規化された細胞インデックスCI)の変動として測定される、MDA-MB-468細胞の増殖に対する、様々な濃度の非コンジュゲートおよびコンジュゲートNanobodyの効果のインディメトリック(impedimetric)モニタリングデータ分析のために、矢印は投与の時点(すなわち播種の20時間後)を示し、点線エンドポイント(すなわち播種の116時間後)を示す。Nanobodyの不在下における細胞増殖から得られた細胞インデックスを、対照として取得する。
非コンジュゲートおよびMMAEコンジュゲートポリペプチドの用量依存的効果。

0045

ポリペプチド−MMAEコンジュゲートのin vitroでの効力。
ThioBridge(商標)技術の原理
Nanobodyダイマーに対するペイロードに付着したThioBridge(商標)テクノロジー
二重特異性ThioBridge(商標)ダイマーを生成するためのスキーム(スキーム1)。
ThioBridge(商標)を用いる、Nb−薬物コンジュゲートの二重特異体の生成(スキーム2)。

0046

適応させたThioBridge(商標)プロトコルにおいて保護基を用いる、Nb−薬物コンジュゲートの二重特異体の生成(スキーム3)。
NCS-Bz-Dfおよび89Zrを用いるNbの修飾および放射標識
3つのポリペプチドについての平均の%ID/g。
内部移行したポリペプチドおよびコンストラクトの用量応答曲線

実施例

0047

発明の詳細な説明
本明細書全体にわたる先行技術の任意の議論は、決して、かかる先行技術が、広範に知られていたか、当該分野における一般常識の一部を形成することを承認するものとみなされるべきではない。
他に示されるか定義されない限り、用いられる全ての用語は、当業者には明らかであろう当該分野におけるそれらの通常の意味を有する。例えば、Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」(第2版)、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);F. Ausubelら、「Current protocols in molecular biology」、Green Publishing and Wiley Interscience, New York(1987);Lewin「Genes II」、John Wiley & Sons, New York, N.Y.,(1985);Oldら、「Principles of Gene Manipulation:An Introduction to Genetic Engineering」、第2版、University of California Press, Berkeley, CA(1981);Roittら、「Immunology」(第6版)、Mosby/Elsevier, Edinburgh(2001);Roittら、Roitt’s Essential Immunology、第10版、Blackwell Publishing, UK(2001);およびJanewayら、「Immunobiology」(第6版)、Garland Science Publishing/ Churchill Livingstone, New York(2005)などの標準的なハンドブック、ならびに本明細書において引用される一般的な背景技術について参照がなされる。

0048

他に示されない限り、特に詳細に記載されない全ての方法、ステップ、技術および操作は、当業者には明らかであろうそれ自体公知の様式において行うことができ、行われた。やはり、標準的なハンドブックおよび本明細書において言及される一般的な背景技術について;ならびに、例えば以下の総説について参照がなされる:Presta、2006(Adv. Drug Deliv. Rev. 58 (5-6): 640-56)、LevinおよびWeiss、2006(Mol. Biosyst. 2 (1): 49-57)、Irvingら、2001(J. Immunol. Methods248 (1-2): 31-45)、Schmitzら、2000(Placenta 21 Suppl. A:S106-12)、Gonzalesら、2005(Tumour Biol. 26 (1): 31-43);これらは、親和性成熟などのタンパク質工学についての技術、ならびに免疫グロブリンなどのタンパク質の特異性および他の所望される特性を改善するための他の技術を記載する。

0049

核酸配列またはアミノ酸配列は、それが、通常は前記ソースまたは培地中では関連している少なくとも1つの他の成分(別の核酸、別のタンパク質/ポリペプチド、別の生体成分または巨大分子または少なくとも1つの夾雑物不純物または微量成分などの)から分離されている場合に、例えば、それが得られた反応媒質または培養培地と比較して、「本質的に単離されている(形態)(で)」あるとみなされる。特に、核酸配列またはアミノ酸配列は、それが、少なくとも2倍、特に少なくとも10倍、さらに特に少なくとも100倍、および1000倍以上にまで精製されている場合に、「本質的に単離されている」とみなされる。「本質的に単離された形態で」ある核酸配列またはアミノ酸配列は、好ましくは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの好適なクロマトグラフィー技術などの好適な技術を用いて測定される場合に、本質的に均質である。

0050

文脈が明らかに他を要求しない限り、説明および請求の範囲全体にわたり、単語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、排他的または網羅的な意味とは反対の、包括的な意味において、つまり、「〜を含むが、これらに限定されない」の意味において、解釈されるべきである。

0051

例えば、ヌクレオチド配列、アミノ酸配列またはポリペプチドが、それぞれ、別のヌクレオチド配列、アミノ酸配列またはポリペプチド「を含む」、または、別のヌクレオチド配列、アミノ酸配列またはポリペプチド「から本質的になる」と言われる場合、これは、後者のヌクレオチド配列、アミノ酸配列またはポリペプチドが、それぞれ、最初に言及されたヌクレオチド配列、アミノ酸配列またはポリペプチドに組み込まれていることを意味するが、より普通には、これは、一般に、最初に言及された配列がどのようにして実際に生成されたか、または得られたかに関わらず(これは例えば本明細書において記載される任意の好適な方法によるものであってもよい)、最初に言及されたヌクレオチド配列、アミノ酸配列またはポリペプチドが、それぞれ、その配列中に、それぞれ後者の配列と同じヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を有するヌクレオチドまたはアミノ酸残基のストレッチを含むことを意味する。非限定的な例として、本発明のポリペプチドが免疫グロブリン単一可変ドメインを含むと言われる場合、これは、前記免疫グロブリン単一可変ドメイン配列が、本発明のポリペプチドの配列中に組み込まれていることを意味してもよいが、より普通には、これは、一般に、前記本発明のポリペプチドがどのようにして生成されたか、または得られたかに関わらず、本発明のポリペプチドが、その配列中に、免疫グロブリン単一可変ドメインの配列を含むことを意味する。また、核酸またはヌクレオチド配列が別のヌクレオチド配列を含むと言われる場合、最初に言及された核酸またはヌクレオチド配列は、好ましくは、それが発現生成物(例えばポリペプチド)に発現される場合に、後者のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列が、前記発現生成物の一部を形成するように(言い換えると、後者のヌクレオチド配列が、最初に言及されたより大きな核酸またはヌクレオチド配列と同じリーディングフレーム中にあるように)存在する。

0052

「〜から本質的になる」または「本質的に〜からなる」などにより、本明細書において用いられるポリペプチドが、本発明のポリペプチドと正確に同じであるか、または、限定された数のアミノ酸残基、例えば1〜20アミノ酸残基、例えば1〜10アミノ酸残基および好ましくは1〜6アミノ酸残基、例えば1、2、3、4、5または6アミノ酸残基が、免疫グロブリン単一可変ドメインのアミノ末端において、カルボキシ末端において、またはアミノ末端とカルボキシ末端の両方に付加された、本発明のポリペプチドに対応することが意味される。

0053

特異的な抗原決定基エピトープ、抗原またはタンパク質(または少なくとも1つの部分について、そのフラグメントもしくはエピトープ)に(特異的に)結合することができるか、これについての親和性を有するか、および/またはこれに特異性を有するアミノ酸配列(例えば免疫グロブリン単一可変ドメイン、抗体、本発明のポリペプチド、または一般に、抗原結合タンパク質またはそのポリペプチドもしくはフラグメント)は、前記抗原決定基、エピトープ、抗原またはタンパク質に「対する」、またはこれに「対して向けられている」と言われる。

0054

親和性は、分子相互作用の強度または安定性を表す。親和性は、一般にKDまたは解離定数により示され、これは、mol/リットル(またはM)の単位を有する。親和性はまた、会合定数、KAとして表すこともでき、これは1/KDに等しく、(mol/リットル)−1(またはM−1)の単位を有する。本明細書において、2つの分子の間の相互作用の安定性は、主に、それらの相互作用のKD値に関して表されるであろう;関係KA=1/KDを考慮すると、分子相互作用の強度をそのKD値で特定することはまた、対応するKA値を計算するためにも用いることができることは、当業者には明らかである。KD値は、周知の関係DG=RTにより結合の自由エネルギー(DG)の変化に関係しているので、熱力学的な意味においても分子相互作用の強度を特徴づける。ln(KD)(同等に、DG=−RT.ln(KA))において、Rは気体定数に等しく、Tは絶対温度に等しく、lnは自然対数を表す。

0055

意義である(例えば特異的である)とみなされる生物学的相互作用についてのKDは、典型的には、10−12M(0.001nM)〜10−5M(10000nM)の範囲である。相互作用が強いほど、そのKDは低くなる。KDはまた、koffとして表される複合体の解離速度定数の、konとして表されるその会合の速度に対する比としても表すことができる(したがって、KD=koff/konおよびKA=kon/koff)。オフ(off)速度koffは、単位s−1(ここでsは、秒のSI単位記号である)を有する。オン(on)速度konは、単位M−1s−1を有する。オン速度は、102M−1s−1〜約107M−1s−1で変化し得、生体分子相互作用についての拡散により限定される会合速度定数に近づく。オフ速度は、関係t1/2=ln(2)/koffにより、所与の分子相互作用の半減期に関連する。オフ速度は、10−6s−1(数日間のt1/2による不可逆性複合体付近)〜1s−1(t1/2=0.69s)の間で変化し得る。

0056

ISVDなどの抗原結合タンパク質の抗原または抗原決定基に対する特異的結合は、それ自体公知の任意の好適な様式において決定することができ、これは、例えば、スキャッチャード分析および/または競合的結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイRIA)、酵素イムノアッセイEIA)およびサンドウィッチ競合アッセイ、およびそれ自体が当該分野において公知のそれらの様々なバリアント;ならびに本明細書において限定される他の技術を含む。

0057

2つの分子間の分子相互作用の親和性は、それ自体公知の様々な技術、例えば、一方の分子をバイオセンサーチップ上に固定して、他方の分子を、kon、koff測定を生じ、およびそれによりKD(またはKA)値を得られる流動条件下において、固定された分子の上を通過させる、周知の表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサー技術(例えばOber et al. 2001, Intern. Immunology 13: 1551-1559を参照)を介して測定することができる。これは、例えば、周知のBIACORE(登録商標)装置(Pharmacia Biosensor AB, Uppsala, Sweden)を用いて行うことができる。結合平衡外法(Kinetic Exclusion Assay:KINEXA(登録商標))(Drake et al. 2004, Analytical Biochemistry 328: 35-43)は、結合パートナーを標識せずに溶液中の結合イベントを測定し、複合体の解離動力学的に除外することに基づく。
GYROLAB(登録商標)イムノアッセイシステムは、自動化生体分析および迅速な試料ターンアラウンドのためのプラットフォームを提供する(Fraley et al. 2013, Bioanalysis 5: 1765-74)。

0058

測定プロセスが、何らかの形で、例えば一方の分子のバイオセンサー上のコーティングに関連するアーチファクトにより、読み取られた分子の固有の結合親和性に影響を及ぼす場合、測定されたKDが、見かけ上のKDに対応し得ることも、当業者にはまた明らかであろう。また、一方の分子が他方の分子についての1以上の認識部位を含む場合にも、見かけ上のKDが測定され得る。かかる状況において、測定された親和性は、2つの分子による相互作用の結合活性により影響を受け得る。当業者には明らかであり、WO 08/020079の53〜56頁において記載されるとおり、解離定数は、実際のまたは見かけ上の解離定数であってよい。解離定数を決定するための方法は、当業者には明らかであり、例えば、WO 08/020079の53〜56頁において言及される技術を含む。

0059

用語「特異性」は、WO 08/020079の53〜56頁における段落n)においてそれに与えられる意味を有し;そこにおいて言及されるとおり、特定の抗原結合分子または抗原結合タンパク質(例えば本発明のダイマーまたはポリペプチド)分子が結合することができる多数の様々な型の抗原または抗原決定基を指す。抗原結合タンパク質の特異性は、WO 08/020079(本明細書において参考として援用され、これはまた、抗原結合分子(例えば本発明のポリペプチドまたはISVD)と関連する抗原との間の結合を測定するためのいくつかの好ましい技術を記載する)の53〜56頁において記載されるとおり、親和性および/または結合活性に基づいて決定することができる。典型的には、抗原結合タンパク質(例えば、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/またはポリペプチド)は、それらの抗原に、10−5〜10−12モル/リットル以下、および好ましくは10−7〜10‑12モル/リットル以下、およびより好ましくは10−8〜10−12モル/リットルの解離定数(KD)で(すなわち、105〜1012リットル/モル以上、および好ましくは107〜1012リットル/モル以上、およびより好ましくは108〜1012リットル/モルの会合定数(KA)で)結合するであろう。10−4mol/リットルより高い任意のKD値(または104リットル/molより低い任意のKA値)は、一般に、非特異的結合を示すとみなされる。好ましくは、本発明の一価の免疫グロブリン単一可変ドメインは、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満の親和性で、所望される抗原に結合するであろう。

0060

親和性を評価するために用いることができる別のアプローチは、Friguetら、1985(J. Immunol. Methods77: 305-19)の2ステップELISA酵素結合免疫吸着測定)法である。この方法は、溶液相結合平衡測定を確立し、プラスチックなどの支持体上での分子のうちの1つの吸着に関する、起こり得るアーチファクトを回避する。
しかし、KDの正確な測定は、非常に労働集約的であり得、結果として、しばしば、2つの分子の結合強度を評価するために、見かけ上のKD値が決定される。全ての測定が一貫した方法において行われる(例えば、アッセイ条件を不変に保つ)限り、見かけ上のKD測定を、真のKDの近似として用いることができ、したがって、本文書において、KDおよび見かけ上のKDは、同等の重要性および関連性をもって扱われるべきであることに留意すべきである。

0061

最後に、多くの状況において、経験を積んだ科学者は、いくつかの参照分子と比較して結合親和性を測定するために便利であるように、それを判断することができることに、留意すべきである。例えば、分子AとBとの間の結合強度を評価するために、例えば、Bに結合すること、およびELISAもしくはFACS(蛍光励起細胞分取)における容易な検出のためのビオチンなどのフルオロフォアもしくは発色団基または他の化学部分、または他の形式(蛍光検出のためのフルオロフォア、吸光検出のための発色団ストレプトアビジン媒介ELISA検出のためのビオチン)で好適に標識されることが知られている、参照分子Cを用いることができる。典型的には、参照分子Cは、固定された濃度に保たれ、Bの所与の濃度または量について、Aの濃度を変化させる。結果として、Aの不在下においてCについて測定されたシグナルが半分となるAの濃度に対応するIC50値が得られる。参照分子のKDであるKDref、ならびに参照分子の合計濃度crefが知られていると仮定して、相互作用A−Bについての見かけ上のKDは、以下の式から得ることができる:KD=IC50/(1+cref/KDref)。cref<<KDrefである場合、KD≒IC50であることに留意する。比較される結合剤についてIC50の測定を一貫した方法において行う(例えばcrefを固定したままにする)と仮定して、分子相互作用の強度または安定性は、IC50により評価することができ、本文全体にわたり、この測定は、KDと、または見かけ上のKDと等しいものとして判断される。

0062

最大半量阻害濃度(IC50)は、生物学的または生化学的機能、例えば薬理学的効果を阻害することにおける化合物の有効性尺度である。この定量的尺度は、所与の生物学的プロセス(またはプロセスの成分、すなわち、酵素、細胞、細胞受容体走化性退形成転移浸潤性など)の半量を阻害するために、どれほどのISVD(例えばNanobody)(阻害剤)が必要とされるかを示す。言い換えると、それは、物質の最大半量(50%)阻害濃度(IC)である(50%ICまたはIC50)。薬物のIC50は、用量応答曲線を構築し、アゴニスト活性逆転させることについて、様々な濃度のアンタゴニスト(本発明のISVD(例えばNanobody)など)の効果を試験することにより決定することができる。本発明のISVD(例えばNanobody)などの所与のアンタゴニストについてのIC50値は、アゴニストの最大生物学的応答の半量を阻害するために必要とされる濃度を決定することにより、計算することができる。

0063

用語、最大半量有効濃度(EC50)は、基線と、特定された暴露時間の後の最大値との間の半分の応答を誘導する化合物の濃度を指す。本文脈において、それは、ポリペプチドの、ISVDの(例えばNanobodyの)効力の尺度として用いられる。計量的な用量応答曲線のEC50は、その最大の効果の50%が観察される化合物の濃度を表す。濃度は、好ましくは、モル濃度単位で表される。

0064

生体の系において、リガンド濃度の僅かな変化は、典型的には、シグモイド関数に従う応答の迅速な変化をもたらす。増大するリガンド濃度による応答の増大が失速し始める屈曲点が、EC50である。これは、最良適合直線を導くことにより数学的に決定することができる。概算のためにグラフに頼ることは、多くの場合において便利である。例においてEC50が提供される場合、実験は、KDを可能な限り正確に反映するように設計された。言い換えると、EC50値は、したがって、KD値とみなされ得る。用語「平均KD」とは、少なくとも1回であるが、好ましくは1回より多く、例えば少なくとも2回の実験において得られた平均KD値を指す。用語「平均」とは、数学用語「平均」(データの合計をデータ中の項目の数により除算したもの)を指す。

0065

それはまた、化合物の阻害の尺度(50%阻害)であるIC50に関係する。競合結合アッセイおよび機能的アンタゴニストアッセイについて、IC50は、用量応答曲線の最も一般的な要約尺度である。アゴニスト/刺激因子アッセイについては、最も一般的な要約尺度は、EC50である。

0066

阻害剤定数Kiは、阻害剤がどれほど強力であるかの指標である;それは、最大半量阻害をもたらすために必要とされる濃度である。絶対阻害定数Kiは、チェンプルソフ(Cheng-Prusoff)の式を用いて計算することができる:



ここで、[L]は、リガンドの固定された濃度である。

0067

用語「遺伝子融合」とは、本明細書において用いられる場合、アミド結合を介した個々の核酸(例えばISVDをコードするもの)のカップリングを指し、ここで、ISVDをコードするヌクレオチド配列が、その3’末端核酸を介して、ホスホジエステル結合を介して、別のISVDをコードするヌクレオチド配列の5’末端核酸に(適切な場合には多様な長さの(核酸)リンカーを介して)カップリングされ、例えば、ISVDをコードするヌクレオチド配列が、その3’末端核酸を介して、ホスホジエステル結合を介して、リンカー配列の5’末端核酸にカップリングされ、これが、その3’末端核酸を介して、ホスホジエステル結合を介して、別のISVDをコードするヌクレオチド配列の5’末端核酸にカップリングされる(すなわち、ISVDおよび任意にリンカーが、遺伝子融合される)。遺伝子融合は、標準的な組み換えDNAプロトコル(上記)に従って、または例のセクションにおいて、例えばGaraicoecheaら(2008, J Virol. 82: 9753-9764)において記載されるように、行うことができる。

0068

アミノ酸配列は、文脈に依存して、単一のアミノ酸または2つ以上のアミノ酸の非分枝状配列を意味するように解釈される。ヌクレオチド配列は、3個以上のヌクレオチドの非分枝状配列を意味するように解釈される。

0069

アミノ酸は、天然に存在するタンパク質中に一般的に見出されるL−アミノ酸であり、以下の表1において列記される。D−アミノ酸を含むアミノ酸配列は、この定義により包含されることを意図されない。翻訳後に修飾されるアミノ酸を含む任意のアミノ酸配列は、初めに、以下の表において示される記号を用いて、修飾された位置(例えばヒドロキシル化またはグリコシル化)と共に翻訳されるが、これらの修飾は、アミノ酸配列中に明示的に示されない場合がある。配列が修飾された連結、架橋およびエンドキャップ、非ペプチジル結合などとして表すことができる任意のペプチドまたはタンパク質は、この定義により包含される。

0070

用語「タンパク質」、「ペプチド」、「タンパク質/ペプチド」および「ポリペプチド」は、本開示全体にわたり交換可能に用いられ、各々が、本開示の目的のために、同じ意味を有する。各々の用語は、2個以上のアミノ酸の直鎖からなる有機化合物を指す。化合物は、10個以上のアミノ酸;25個以上のアミノ酸;50個以上のアミノ酸;100個以上のアミノ酸、200個以上のアミノ酸、および300個以上ものアミノ酸を有していてもよい。当業者は、ポリペプチドは一般にタンパク質よりも少ないアミノ酸を含むが、当該分野において認識されているポリペプチドとタンパク質とを区別するアミノ酸の数のカットオフ点は存在しないこと;ポリペプチドは、化学合成または組み換え法により作製することができること;ならびにタンパク質は一般に、当該分野において公知であるようにin vitroまたはin vivoで組み換え方法により作製されることを理解するであろう。

0071

本発明の理解を容易にするために、本発明と関連して用いられる用語の簡単な議論を提供する。慣習により、ポリペプチドの一次構造中のアミド結合は、ポリペプチドのアミン末端(N末端)が常に左側となり、酸末端(C末端)が右側となるようにアミノ酸が記述される順序となる。
本発明のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)と、システイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長とを含む。その最も簡単な形態において、本発明のポリペプチドは、1つのISVDと、それに続く(これに結合しているかまたはこれにコンジュゲートしている)システインからなる。
C末端伸長は、最後の(最もC末端側に位置する)ISVDの最後のアミノ酸残基(通常はセリン残基)のC末端に存在し、システイン残基を含む。好ましくは、本発明のシステイン部分は、C末端伸長のC末端に存在または位置する。

0072

本発明に関して、C末端伸長は、少なくとも1個のアミノ酸、すなわちシステイン部分、またはC末端伸長のC末端に存在または位置する少なくとも1つのシステイン残基を含む最大50個までのアミノ酸残基の少なくとも2つのアミノ酸残基のアミノ酸配列からなる。C末端伸長は、好ましくは、2〜40個のアミノ酸残基、例えば2〜30個のアミノ酸残基、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20個のアミノ酸残基などからなる。例えば、C末端伸長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個のアミノ酸残基からなっていてもよく、このうち、C末端に位置するアミノ酸はシステイン部分である(例えばC末端伸長は、システイン残基のみからなるなど);例えばC末端伸長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のアミノ酸残基と、それに続くシステイン部分からなっていてもよい;例えばC末端伸長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のグリシン残基と、それに続くシステイン部分からなっていてもよい;例えばC末端伸長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のアラニン残基と、それに続くシステイン部分からなっていてもよい。ポリペプチドのC末端伸長は、好ましくは1個のみのシステイン部分を含むことは、明らかであろう。

0073

別の側面において、システイン残基は、C末端伸長における、C末端(C末端)とは異なる部位に存在または位置する。例えば、システイン残基は、C末端伸長の最後のアミノ酸残基の前(上流)のアミノ酸残基(すなわち、本発明のポリペプチドの最後から2番目のアミノ酸残基)において、またはC末端伸長の最後の2個のアミノ酸残基の前(上流)のアミノ酸残基(すなわち、本発明のポリペプチドの最後から3番目のアミノ酸残基)において、存在または位置する。例えば、C末端伸長は、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸残基(例えばグリシンまたはアラニンなど)からなっていてもよく、このうち、それぞれ第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7のアミノ酸残基は、システインである(すなわち、本発明のポリペプチドの最後から2番目のアミノ酸残基);あるいは、C末端伸長は、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸残基(例えばグリシンまたはアラニンなど)からなっていてもよく、このうち、それぞれ第1、第2、第3、第4、第5または第6のアミノ酸残基(すなわち、本発明のポリペプチドの最後から3番目のアミノ酸残基)は、システインである。

0074

C末端伸長の好ましい例は、表2において示す。

0075

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、システイン部分、好ましくは1個のみのシステイン部分を含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む。システイン部分は、好ましくはC末端に位置する。一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記C末端伸長は、GlyGlyGlyCys(配列番号4)、GlyGlyCys(配列番号3)、GlyCys(配列番号2)またはCys(配列番号1)からなる。

0076

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、システイン部分、好ましくは1個のみのシステイン部分、およびC末端に位置するアラニン部分を含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む。一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記C末端伸長は、GlyGlyGlyCysAla(配列番号85)、GlyGlyCysAla(配列番号84)、GlyCysAla(配列番号83)またはCysAla(配列番号82)からなる。

0077

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ポリペプチド配列番号1〜15および82〜96からなる群より、好ましくは配列番号1〜15より選択されるC末端伸長を含む。
C末端伸長は、当業者に公知の任意の好適な技術を介して、例えば遺伝子融合について上で記載される組み換えDNA技術などにより、ISVDにカップリングすることができる。

0078

本発明のポリペプチドは、1つより多くのISVD、例えば2、3、4またはそれより多くのISVDを含んでもよい。したがって、本発明は、少なくとも2つのISVDを含む本発明のポリペプチドに関する。加えて、本発明は、本明細書において記載される第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドは、少なくとも2つのISVDを含み、および/または前記第2のポリペプチドは、少なくとも2つのISVDを含む。

0079

本発明のポリペプチド中に含まれるISVDは、同じであっても異なっていてもよい。一態様において、ISVDは、ISVDが同じであるか異なっているかに関わらず、同じ標的に結合することができる。したがって、本発明は、同一のISVD、同じ標的に結合するISVD、および/またはそれぞれ同じCDR1、CDR2およびCDR3を含むISVDを含む、本発明のポリペプチドに関する。一態様において、ISVDは、異なる標的に結合することができる。一態様において、本発明は、本明細書において記載される第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドの前記少なくとも2つのISVDは、同一であり、および/または前記第2のポリペプチドの前記少なくとも2つのISVDは、同一である。
本発明のポリペプチドにおいて、本発明のダイマー中に含まれるか否かに関わらず、ISVDは、直接連結されていても、リンカーを介して連結されていてもよい。

0080

相対的な親和性は、ポリペプチド中のISVDの位置に依存し得る。本発明のポリペプチド中のISVDの順序(向き)は、当業者の必要に従って選択することができることが、理解されるであろう。個々のISVDの順序、ならびにポリペプチドがリンカーを含むか否かは、設計上の選択の問題である。いくつかの向きは、リンカーがあってもなくても、他の無機と比較して、好ましい結合の特徴を提供し得る。例えば、本発明のポリペプチド中の第1のISVD(例えばISVD 1)および第2のISVD(例えばISVD 2)の向きは、以下であってよい(N末端からC末端へ):(i)ISVD 1(例えばNanobody 1)−[リンカー]−ISVD 2(例えばNanobody 2);または(ii)ISVD 2(例えばNanobody 2)−[リンカー]−ISVD 1(例えばNanobody 1);(ここでリンカーは任意である)。全ての向きは、本発明により包含される。所望される結合の特徴を提供する向きでISVDを含むポリペプチドは、例えば例のセクションにおいて例示されるような慣用的なスクリーニングにより、容易に同定することができる。

0081

本発明のポリペプチドにおいて、2つ以上のISVD(Nanobodyなど)は、互いに直接連結していても(例えばWO 99/23221において記載されるように)、および/または1つ以上の好適なリンカーを介して互いに連結されていても、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。本発明のポリペプチドにおける使用のために好適なリンカーは、当業者には明らかであり、一般に、アミノ酸配列を連結するために当該分野において用いられる任意のリンカーであってよい。好ましくは、前記リンカーは、薬学的使用のために意図されるタンパク質またはポリペプチドを構築することにおける使用のために好適である。

0082

いくつかの特に好ましいリンカーは、抗体フラグメントまたは抗体ドメインを連結するために当該分野において用いられるリンカーを含む。これらは、上で引用される刊行物において言及されるリンカー、ならびに、例えば二重特異性抗体またはscFvフラグメントを構築するために当該分野において用いられるリンカーを含む(このことに関しては、しかし、二重特異性抗体において、およびscFvフラグメントにおいて、用いられるリンカー配列は、適切なVHおよびVLドメインが一緒になって完全な抗原結合部位を形成することができる長さ、可撓性の程度および他の特性を有するべきであるが、本発明のポリペプチドにおいて用いられるリンカーの長さまたは可撓性について特に限定は存在しないことに留意すべきである。なぜならば、各々のISVD(Nanobodyなど)は、それ自体が、完全な抗原結合部位を形成するからである)。

0083

例えば、リンカーは、好適なアミノ酸またはアミノ酸配列、および特に1〜50個、好ましくは1〜30個、例えば1〜10個のアミノ酸残基のアミノ酸配列であってよい。かかるアミノ酸配列のいくつかの好ましい例は、gly−serリンカー、例えばWO 99/42077において記載されるような(glyxsery)z型、例えば(例えば(gly4ser)3または(gly3ser2)3のもの、および本明細書において言及されるAblynxによる出願(例えばWO 06/040153およびWO 06/122825を参照)において記載されるGS30、GS15、GS9およびGS7リンカー、ならびに、ヒンジ様領域、例えば天然に存在する重鎖抗体のヒンジ領域または類似の配列(WO 94/04678において記載されるものなど)を含む。好ましいリンカーは、表3において表される。
一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記リンカーは、配列番号16〜26からなる群より選択される。

0084

本発明の範囲は、用いられるリンカーの長さ、可撓性の程度および/または他の特性は(通常はscFvフラグメントにおいて用いられるリンカーのためのものであるので、決定的なものではないが)、最終的な本発明のポリペプチドおよび/またはダイマーの特性(限定されないがケモカインまたは他の抗原のうちの1つ以上に対する親和性、特異性またはアビディティーを含む)に対して何らかの影響を有し得ることを包含する。本明細書における開示に基づいて、当業者は、任意にいくらかの限定された慣用的な実験の後で、特定の本発明のポリペプチドおよび/またはダイマーにおける使用のための最適なリンカーを決定することができるであろう。
本発明のポリペプチドにおいて2つ以上のリンカーが用いられる場合、これらのリンカーは、同じであっても異なっていてもよい。やはり、本明細書における開示に基づいて、当業者は、任意にいくらかの限定された慣用的な実験の後で、特定の本発明のポリペプチドにおける使用のための最適なリンカーを決定することができるであろう。

0085

本発明のポリペプチドにおいて、ISVDは、N末端伸長に先行されていてもよい。本発明に関して、N末端伸長は、少なくとも1つのアミノ酸残基から最大40アミノ酸残基、好ましくは2〜30アミノ酸残基、例えば2〜20アミノ酸残基、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸残基などのアミノ酸配列からなる。N末端伸長は、本発明のポリペプチド中の第1の(すなわち、最もN末端側に位置する)ISVDの、第1の(すなわち、最もN末端側に位置する、一般にKabatの番号付けによるアミノ酸1により指定される)アミノ酸残基の、N末端側に存在する。したがって、本発明は、N末端伸長を含む第1のポリペプチドおよび/または第2のポリペプチドに関する。

0086

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドの前記の少なくとも2つのISVDは同一であり、および/または前記第2のポリペプチドの前記の少なくとも2つのISVDは、同一である。
一態様において、ダイマーの本発明の第1のポリペプチドと本発明の第2のポリペプチドとは異なる。

0087

一態様において、ダイマーを形成する本発明の第1のポリペプチドと本発明の第2のポリペプチドとは同じである。したがって、本発明の第1のポリペプチドと本発明の第2のポリペプチドとは同一である。

0088

下でさらに詳述するとおり、ISVDは、VHH、VHまたはVLドメインから誘導することができるが、ISVDは、本発明のポリペプチドにおいて、または本発明のダイマーにおいて、VHおよびVLドメインの相補対を形成しないように選択される。Nanobody、VHHおよびヒト化VHHは、軽鎖を有さない天然のラクダ科抗体から誘導される点において普通ではなく、実際に、これらのドメインは、ラクダ科軽鎖と結合して相補的なVHHおよびVL対を形成することができない。したがって、本発明のダイマーおよびポリペプチドは、相補的ISVDを含まず、および/または例えば相補的VH/VL対などの相補的ISVD対を形成しない。

0089

一価ポリペプチドは、1つのみの結合ユニット(例えば免疫グロブリン単一可変ドメインなど)を含むか、これから本質的になる。2つ以上の結合ユニット(例えば免疫グロブリン単一可変ドメインなど)を含むポリペプチドはまた、本明細書において「多価」ポリペプチドとして言及され、かかるポリペプチド中に存在する結合ユニット/免疫グロブリン単一可変ドメインはまた、本明細書において、「多価形式」にあるものとして言及されるであろう。例えば、「二価」ポリペプチドは、任意にリンカー配列を介して連結された、2つの免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでもよく、一方、「三価」ポリペプチドは、任意に2つのリンカー配列を介して連結された、3つの免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでもよく;一方、「四価」ポリペプチドは、任意に3つのリンカー配列を介して連結された、4つの免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでもよい、など。

0090

多価ポリペプチドにおいて、2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは、同じであっても異なっていてもよく、同じ抗原または抗原決定基に対して(例えば同じ部分もしくはエピトープに対して、または異なる部分もしくはエピトープに対して)向けられていてもよく、あるいは、代替的に、異なる抗原または抗原決定基に対して向けられていてもよく;あるいは、これらの任意の好適な組み合わせであってもよい。少なくとも1つの結合ユニットが第1の標的の第1の抗原に対して向けられ、少なくとも1つの結合ユニットが第2の標的の抗原(例えば 第1の標的とは異なるもの)に対して向けられている、少なくとも2つの結合ユニット(例えば免疫グロブリン単一可変ドメインなど)を含むポリペプチドは、また、「多重特異性」ポリペプチドとして言及され、かかるポリペプチド中に存在する結合ユニット(例えば免疫グロブリン単一可変ドメインなど)はまた、本明細書において、「多重特異性形式」にあるものとして言及されるであろう。したがって、例えば、本発明の「二重特異性」ポリペプチドは、第1の標的の第1の抗原に対して向けられた少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン、および第2の抗原(すなわち、前記第1の標的の第1の抗原とは異なるもの)に対して向けられた少なくとも1つのさらなる免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドである、など。

0091

例えば「二重パラトピック(biparatopic)ポリペプチド」または「三重パラトピック(triparatopic)ポリペプチド」などの「多重パラトピック(multiparatopic)ポリペプチド」は、各々が異なるパラトープを有する2つ以上の結合ユニットを含むか、これらから本質的になる。さらなる側面において、本発明のポリペプチドは、例えば「本発明の二重パラトピックポリペプチド」または「本発明の三重パラトピックポリペプチド」などの多重パラトピックポリペプチド(本明細書においてまた「本発明の多重パラトピックポリペプチド」と称される)である。用語「多重パラトピック」(抗原−)結合分子または「多重パラトピック」ポリペプチドは、本明細書において用いられる場合、少なくとも2つの(すなわち2つ以上の)免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドであって、ここで、「第1の」免疫グロブリン単一可変ドメインは第1の標的に対して向けられ、「第2の」免疫グロブリン単一可変ドメインは同じ第1の標的に対して向けられ、ここで、前記「第1」および「第2」の免疫グロブリン単一可変ドメインは、異なるパラトープを有するものを意味するべきである。したがって、多重パラトピックポリペプチドは、第1の標的に対して向けられた2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインを含むか、これらからなり、ここで、少なくとも1つの「第1の」免疫グロブリン単一可変ドメインは、前記第1の標的上の第1のエピトープに対して向けられ、少なくとも1つの「第2の」免疫グロブリン単一可変ドメインは、前記第1の標的上の第1のエピトープとは異なる前記第1の標的上の第2のエピトープに対して向けられる。
一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、一価、二価、多価、単一特異性、二重特異性および多重特異性のポリペプチドの群から選択される。

0092

本明細書において用いられる場合、本発明の「標的」は、ISVDが結合することができる任意の好適な抗原(例えば目的の任意の標的)である。本発明のISVDは、例えば悪性病変に関与する、例えば受容体チロシンキナーゼ(RTK)またはGタンパク質共役受容体(GPCR)などの標的の、抗原決定基、エピトープ、部分、ドメイン、サブユニットまたは立体構造(適用可能である場合)に結合することができるか、またはこれに対して向けられていてもよい。本発明の標的は、任意の標的、例えば細胞の表面上の細胞受容体など、例えば悪性病変に関与することが知られている、腫瘍の開始、維持、血管新生および脈管の増殖に関与する、受容体チロシンキナーゼ(RTK)およびRTKにより媒介されるシグナル伝達経路の成分などであってよい。約20の異なるRTKのクラスが同定されており、そのうち、最も広範に研究されているものは、以下である:1.RTKクラスI(EGF受容体ファミリー)(ErbBファミリー)、2.RTKクラスII(インスリン受容体ファミリー)、3.RTKクラスIII(PDGF受容体ファミリー)、4.RTKクラスIV(FGF受容体ファミリー)、5.RTKクラスV(VEGF受容体ファミリー)、6.RTKクラスVI(HGF受容体ファミリー)、7.RTKクラスVII(Trk受容体ファミリー)、8.RTKクラスVIII(Eph受容体ファミリー)、9.RTKクラスIX(AXL受容体ファミリー)、10.RTKクラスX(LTK受容体ファミリー)、11.RTKクラスXI(TIE受容体ファミリー)、12.RTKクラスXII(ROR受容体ファミリー)、13.RTKクラスXIII(DDR受容体ファミリー)、14.RTKクラスXIV(RET受容体ファミリー)、15.RTKクラスXV(KLG受容体ファミリー)、16.RTKクラスXVI(RYK受容体ファミリー)、17.RTKクラスXVII(MuSK受容体ファミリー)。特に、上皮増殖因子受容体(EGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、c-Met、HER3、プレキシンインテグリン、CD44、RONなどの標的、ならびにRas/Raf/マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼおよびホスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)/Akt/哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mammalian target of rapamycin:mTOR)経路などの経路に関与する受容体上のものが好ましい。

0093

したがって、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1の標的および前記第2の標的は、独立して、以下からなる群より選択される:GPCR、受容体チロシンキナーゼ、DDR1、ジスコイジンI(CD167a抗原)、DDR2、ErbB-1、C-erbB-2、FGFR-1、FGFR-3、CD135抗原、CD117抗原、タンパク質チロシンキナーゼ−1、c-Met、CD148抗原、C-ret、ROR1、ROR2、Tie-1、Tie-2、CD202b抗原、Trk-A、Trk-B、Trk-C、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、Notch受容体1-4、FAS受容体、DR5、DR4、CD47、CX3CR1、CXCR-3、CXCR-4、CXCR-7、ケモカイン結合タンパク質2、およびCCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11;MART-1、癌胎児抗原(「CEA」)、gp100、MAGE-1、HER-2、およびLewisY抗原、CD123、CD44、CLL-1、CD96、CD47、CD32、CXCR4、Tim-3、CD25、TAG-72、Ep-CAM、PSMA、PSA、GD2、GD3、CD4、CD5、CD19、CD20、CD22、CD33、CD36、CD45、CD52、およびCD147;ErbB3およびErbB4を含む増殖因子受容体;ならびに以下を含むサイトカイン受容体インターロイキン−2受容体ガンマ鎖(CD132抗原);インターロイキン−10受容体アルファ鎖IL-10R-A);インターロイキン−10受容体ベータ鎖(IL-10R-B);インターロイキン−12受容体β−1鎖(IL-12R−ベータ1);インターロイキン−12受容体β−2鎖(IL-12受容体ベータ−2);インターロイキン−13受容体アルファ−1鎖(IL-13R-アルファ−1)(CD213 al抗原);インターロイキン−13受容体アルファ−2鎖(インターロイキン−13結合タンパク質);インターロイキン−17受容体(IL-17受容体);インターロイキン−17B受容体(IL-17B受容体);インターロイキン21受容体前駆体(IL-21R);インターロイキン−1受容体、I型(IL-1R-1)(CD121a);インターロイキン−1受容体、II型(IL-1R-ベータ)(CDw121b);インターロイキン−1受容体アンタゴニストタンパク質(IL-1ra);インターロイキン−2受容体アルファ鎖(CD25抗原);インターロイキン−2受容体ベータ鎖(CD122抗原);インターロイキン−3受容体アルファ鎖(IL-3R-アルファ)(CD123抗原)。例示的な分子標的(例えば抗原)として、以下が挙げられる:CDタンパク質、例えばCD2、CD3、CD4、CD8、CD11、CD19、CD20、CD22、CD25、CD33、CD34、CD40、CD52;ErbB受容体ファミリーのメンバー、例えばEGF受容体(EGFR、HER1、ErbB1)、HER2(ErbB2)、HER3(ErbB3)またはHER4(ErbB4)受容体;CRIgなどのマクロファージ受容体;TNFaまたはTRAIL/Apo-2などの腫瘍壊死因子細胞接着分子、例えばLFA-1、Mad、p150、p95、VLA-4、ICAM-1、VCAM、およびaまたはβサブユニットのいずれかを含むανβ3インテグリン;増殖因子および受容体、例えばEGF、FGFR(例えばFGFR3)およびVEGF;IgE;IL1などのサイトカイン;IL2受容体などのサイトカイン受容体;血液型抗原;flk2/flt3受容体;肥満(OB)受容体;mpl受容体;CTLA-4;タンパク質C;ニューロピリンエフリンおよび受容体;ネトリンおよび受容体;スリット(slit)および受容体;ケモカインおよびケモカイン受容体、例えばCCL5、CCR4、CCR5;アミロイドベータ補体因子Dなどの補体因子;酸化LDL(oxLDL)などのリポタンパク質リンホトキシンアルファ(LTa)などのリンホトキシン。他の分子標的として、Tweak、B7RP-1、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)、スクレロスチン、c-kit、Tie-2、c-fmsおよび抗M1が挙げられる。

0094

好ましい態様において、ISVDのうちの少なくとも1つは、上皮増殖因子受容体(EGFR)、好ましくはヒトEGFR、またはその任意のアイソフォーム(Uniprotデータベース(http://www.uniprot.org/uniprot/P00533)により提供されるとおりのP00533-1、P00533-2、P00533-3またはP00533-4により表されるようなもの)、さらにより好ましくは配列番号61により表されるhEGFRに結合する。

0095

一態様において、本発明のポリペプチドは、配列番号27〜31および62〜81から選択される。
一態様において、本発明のポリペプチドは、CD4、CD123、IL23、CXCR4、IL12Rb1、IL12Rb2またはCEACAM5に結合するISVDのうちの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記ISVDは、独立して、配列番号97〜110から選択される(表6を参照)。
また、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチドおよび/またはダイマーは、一般にその標的の全ての天然に存在するかまたは合成のアナログ、バリアント、変異体対立遺伝子、部分およびフラグメントに結合するであろうことが予測される。
したがって、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドの前記ISVDは、第1の標的に結合し、および/または前記第2のポリペプチドの前記ISVDは、第2の標的に結合する。

0096

したがって、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドは、第1の標的に:
−競合FACSにより決定されるとき、最高でも100nM、例えば50nM、20nM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、好ましくはさらに最高でも2nM、例えば1nMのIC50で;
− 10−5〜10−12モル/リットル以下、および好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、およびより好ましくは10−8〜10−12モル/リットルの解離定数(KD)で;
− 102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1の会合の速度(kon速度)で;ならびに/または
− 1s−1〜10−6s−1、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−6s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1の解離の速度(koff速度)で、
結合する。

0097

したがって、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第2のポリペプチドは、第2の標的に:
−競合FACSにより決定されるとき、最高でも100nM、例えば50nM、20nM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、好ましくはさらに最高でも2nM、例えば1nMのIC50で;
− 10−5〜10−12モル/リットル以下、および好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、およりより好ましくは10−8〜10−12モル/リットルの解離定数(KD)で;
− 102M−1s−1〜約107M−1s−1、好ましくは103M−1s−1〜107M−1s−1、より好ましくは104M−1s−1〜107M−1s−1、例えば105M−1s−1〜107M−1s−1の会合の速度(kon速度)で;ならびに/または
− 1s−1〜10−6s−1、好ましくは10−2s−1〜10−6s−1、より好ましくは10−3s−1〜10−6s−1、例えば10−4s−1〜10−6s−1の解離の速度(koff速度)で
結合する。

0098

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1の標的と前記第2の標的とは、異なる。
一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1の標的と前記第2の標的とは、同一である。

0099

他に示されない限り、用語「免疫グロブリン配列」とは、本明細書において重鎖抗体に言及して用いられるか、慣用的な4鎖抗体に言及して用いられるかに関わらず、フルサイズの抗体、その個々の鎖、ならびにその部分、ドメインまたはフラグメント(抗原結合ドメインまたはフラグメント、例えばそれぞれVHHドメインまたはVH/VLドメインを含むが、これらに限定されない)の全てを含むような一般的用語として用いられる。加えて、用語「配列」とは、本明細書において(例えば「免疫グロブリン配列」、「抗体配列」、「可変ドメイン配列」、「VHH配列」または「タンパク質配列」などの用語中で)用いられる場合、文脈がより限定された解釈を必要としない限り、一般に、関連するアミノ酸配列、ならびにそれをコードする核酸またはヌクレオチド配列の全てを含むように理解されるべきである。

0100

免疫グロブリン単一可変ドメインは、ポリペプチドの調製のための「結合ユニット」、「結合ドメイン」または「構成要素(building block)」(これらの用語は、交換可能に用いられる)として用いられる場合があり、これは任意に、結合ユニットとして働き得る(すなわち、同じ標的の同じまたは異なるエピトープに対する、および/または1つ以上の異なる標的に対する)1つ以上のさらなる免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでもよい。

0101

用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」(「ISVD」)は、「単一可変ドメイン」(「SVD」)と交換可能に用いられ、抗原結合部位が、単一の免疫グロブリンドメイン上に存在するか、またはこれにより形成される分子を定義する。免疫グロブリン単一可変ドメインのこのセットは、2つの免疫グロブリンドメイン、特に2つの可変ドメインが、相互作用して抗原結合部位を形成する「慣用的な」免疫グロブリンまたはそれらのフラグメントとは異なる。典型的には、慣用的な免疫グロブリンにおいて、重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)が、相互作用して抗原結合部位を形成する。この場合、VHおよびVLの両方の相補性決定領域(CDR)が抗原結合部位に寄与し、すなわち、全6個のCDRが抗原結合部位の形成に関与する。

0102

対照的に、免疫グロブリン単一可変ドメインの結合部位は、単一のVHまたはVLドメインにより形成される。したがって、免疫グロブリン単一可変ドメインの抗原結合部位は、3個以下のCDRにより形成される。
用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」および「単一可変ドメイン」は、このように、抗原結合部位の形成のために少なくとも2つの可変ドメインの相互作用を必要とする慣用的な免疫グロブリンまたはそれらのフラグメントを含まない。しかし、これらの用語は、抗原結合部位が単一可変ドメインにより形成される、慣用的な免疫グロブリンのフラグメントを含む。

0103

一般に、単一可変ドメインは、4個のフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3個の相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になるアミノ酸配列である。かかる単一可変ドメインおよびフラグメントは、最も好ましくは、免疫グロブリンの折り畳み(fold)を含むか、好適な条件下において、免疫グロブリンの折り畳みを形成することができるようなものである。したがって、単一可変ドメインは、例えば、軽鎖可変ドメイン配列(例えばVL−配列)もしくはその好適なフラグメント;または重鎖可変ドメイン配列(例えばVH配列もしくはVHH配列)もしくはその好適なフラグメントを含んでもよい(それが単一の抗原結合ユニット(すなわち、単一可変ドメインから本質的になる機能的な抗原結合ユニット(したがって、例えば例えば慣用的な抗体中に存在する可変ドメイン、および機能的な抗原結合ドメインを形成するために別の可変ドメインと(例えばVH/VL相互作用を通して)相互作用する必要があるscFvフラグメントについての場合のように、単一の抗原結合ユニットが、機能的な抗原結合ユニットを形成するために別の可変ドメインと相互作用する必要がない))を形成することができる限りにおいて)。

0104

本発明の一態様において、免疫グロブリン単一可変ドメインは、軽鎖可変ドメイン配列(例えばVL−配列)、または重鎖可変ドメイン配列(例えばVH−配列)である;より具体的には、免疫グロブリン単一可変ドメインは、慣用的な4鎖抗体から誘導される重鎖可変ドメイン配列、または重鎖抗体から誘導される重鎖可変ドメイン配列であってよい。
例えば、単一可変ドメインまたは免疫グロブリン単一可変ドメイン(または免疫グロブリン単一可変ドメインとしての使用のために好適なアミノ酸)は、(単一)ドメイン抗体(または(単一)ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸)、「dAb」もしくはdAb(またはdAbとしての使用のために好適なアミノ酸)またはNanobody(本明細書において定義されるとおりであり、VHHを含むがこれに限定されない);他の単一可変ドメイン、またはそのうちの任意の1つの任意の好適なフラグメントであってよい。

0105

(単一)ドメイン抗体の一般的説明についてはまた、本明細書において引用される先行技術に対する、ならびにEP 0368684に対する参照がなされる。用語「dAb」については、例えば、Wardら、1989(Nature 341: 544-546)に対して、Holtら、2003(TrendsBiotechnol. 21: 484-490)に対して;ならびに、例えばWO 04/068820、WO 06/030220、WO 06/003388、WO 06/059108、WO 07/049017、WO 07/085815およびDomantis Ltd.の他の公開された特許出願に対して、参照がなされる。また、哺乳動物由来するものではないので本発明に関しては好ましさが低いが、単一可変ドメインは、ある種のサメから誘導することができることにも、留意すべきである(例えば、いわゆる「IgNARドメイン」、例えばWO 05/18629を参照)。
特に、免疫グロブリン単一可変ドメインは、NANOBODY(登録商標)(本明細書において定義されるとおり)またはその好適なフラグメントであってよい[注意:NANOBODY(登録商標)、NANOBODIES(登録商標)およびNANOCLONE(登録商標)は、Ablynx N.V.の登録された商標である]。Nanobodyの一般的説明については、以下のさらなる記載、ならびに本明細書において引用される先行技術(例えばWO 08/020079(16頁)において記載されるものなど)に対して参照がなされる。

0106

VHHおよびNanobodyのさらなる説明については、Muyldermans 2001(Reviews in Molecular Biotechnology 74: 277-302)による総説論文に対して、ならびに、一般的な背景技術として言及される以下の特許出願に対して、参照がなされる:Vrije Universiteit BrusselのWO 94/04678、WO 95/04079およびWO 96/34103;UnileverのWO 94/25591、WO 99/37681、WO 00/40968、WO 00/43507、WO 00/65057、WO 01/40310、WO 01/44301、EP 1134231およびWO 02/48193;Vlaams Instituut voor Biotechnologie(VIB)のWO 97/49805、WO 01/21817、WO 03/035694、WO 03/054016およびWO 03/055527;Algonomics N.V.およびAblynx N.V.のWO 03/050531;National Research Council of CanadaのWO 01/90190;Institute of AntibodiesのWO 03/025020;ならびに、Ablynx N.V.によるWO 04/041867、WO 04/041862、WO 04/041865、WO 04/041863、WO 04/062551、WO 05/044858、WO 06/40153、WO 06/079372、WO 06/122786、WO 06/122787およびWO 06/122825、およびAblynx N.V.によるさらなる公開された特許出願。また、これらの出願において言及されるさらなる先行技術、および特に国際出願WO 06/040153の41〜43頁において言及される参考文献のリストに対して参照がなされ、このリストおよび参考文献は、本明細書において参考として援用される。これらの参考文献において記載されるとおり、Nanobody(特にVHH配列および部分的にヒト化されたNanobody)は、特に、フレームワーク配列のうちの1つ以上における1つ以上の「ホールマーク(Hallmark)残基」の存在により特徴づけることができる。Nanobodyのヒト化および/またはラクダ化(camelization)、ならびに他の修飾、部分またはフラグメント、誘導体または「Nanobody融合体」、多価コンストラクト(リンカー配列のいくつかの非限定的な例を含む)、およびNanobodyの半減期を延長するための様々な修飾、およびそれらの調製を含む、Nanobodyのさらなる説明は、例えば、WO 08/101985およびWO 08/142164において見出すことができる。

0107

したがって、本発明の意味において、用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」または「単一可変ドメイン」は、非ヒトのソース、好ましくはラクダ科、好ましくはラクダ科重鎖抗体から誘導されるポリペプチドを含む。それらは、先に記載されるようにヒト化されていてもよい。さらに、当該用語は、例えばDaviesおよびRiechmann、1994(FEBS339: 285-290)、1995(Biotechnol. 13: 475-479)、1996(Prot. Eng. 9: 531-537)ならびにRiechmannおよびMuyldermans、1999(J. Immunol. Methods231: 25-38)において記載されるような、非ラクダ科ソース、例えばマウスまたはヒトから誘導されるポリペプチドであって「ラクダ化(camelized)」されているものを含む。

0108

用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」は、マウス、ラットウサギロバ、ヒトおよびラクダの免疫グロブリン配列を含む、異なる起源の免疫グロブリン配列を包含する。それはまた、完全なヒトの、ヒト化された、またはキメラの免疫グロブリン配列を含む。例えば、それは、ラクダ免疫グロブリン配列およびヒト化ラクダ免疫グロブリン配列、またはラクダ化免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えばWardら、1989年(例えばWO 94/04678ならびにDaviesおよびRiechmann、1994、1995および1996年を参照)により記載されるラクダ化dAb、ならびにラクダ化VHを含む。

0109

やはり、かかる免疫グロブリン単一可変ドメインは、任意の好適な様式において、および任意の好適なソースから誘導することができ、例えば天然に存在するVHH配列(すなわち、ラクダ科の好適な種)であっても、合成もしくは半合成のアミノ酸配列であってもよく、これは、限定されないが、部分的にまたは完全に「ヒト化された」VHH、「ラクダ化された」免疫グロブリン配列(および特にラクダ化VH)、ならびに親和性成熟(例えば、合成の、ランダムな、または天然に存在する免疫グロブリン配列、例えばVHH配列から出発する)、CDRグラフティング(grafting)、べニアリング(veneering)、異なる免疫グロブリン配列から誘導されるフラグメントを組み合わせること、重複プライマーを用いるPCRアセンブリ、および当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作するための類似の技術などの技術により得られたNanobodyおよびVHH;または、前述のいずれかの任意の好適な組み合わせを含む。

0110

免疫グロブリン単一可変ドメインのアミノ酸配列および構造は、(しかしそれに限定されることなく)、4つのフレームワーク領域または「FR」からなるものと考えることができ、これらは、当該分野においておよび本明細書において、それぞれ、「フレームワーク領域1」または「FR1」として;「フレームワーク領域2」または「FR2」として;「フレームワーク領域3」または「FR3」として;および「フレームワーク領域4」または「FR4」として言及され;このフレームワーク領域は、3つの相補性決定領域または「CDR」により断続し、これらは、当該分野において、それぞれ、「相補性決定領域1」または「CDR1」として;「相補性決定領域2」または「CDR2」として;および「相補性決定領域3」または「CDR3」として言及される。

0111

したがって、一般に、ISVDは、(一般的)構造:
FR1 -CDR1 - FR2 - CDR2 - FR3 - CDR3 - FR4
を有するアミノ酸配列として定義することができ、ここで、FR1〜FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1〜4を指し、ここで、CDR1〜CDR3は、ぞれぞれ、相補性決定領域1〜3を指す。特に、Nanobodyは、(一般的)構造:
FR1 - CDR1 - FR2 - CDR2 - FR3 - CDR3 - FR4
を有するアミノ酸配列であってよく、ここで、FR1〜FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1〜4を指し、ここで、CDR1〜CDR3は、ぞれぞれ、相補性決定領域1〜3を指し、ここで、ホールマーク残基のうちの1つ以上は、本明細書において引用される参考文献において、または表B−2において、さらに定義される。

0112

したがって、別の好ましいが限定的ではない側面において、本発明のNanobodyは、
(一般的)構造:
FR1 -CDR1 - FR2 - CDR2 - FR3 - CDR3 - FR4
を有するアミノ酸配列として定義することができ、ここで、FR1〜FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1〜4を指し、ここで、CDR1〜CDR3は、ぞれぞれ、相補性決定領域1〜3を指し、およびここで:(i)Kabat番号付けによる11、37、44、45、47、83、84、103、104および108位におけるアミノ酸残基の1つ以上は、表B−2において言及されるホールマーク残基から選択され;およびここで:(ii)CDR1、CDR2およびCDR3は、本明細書において定義されるとおりである。

0113

好ましいが非限定的な側面において、本発明は、例えばEGFRなどの標的に対するISVD(Nanobodyなど)に関し、これは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)からなり、ここで:
− CDR1は、以下からなる群より選択される:
(a)配列番号47および55のアミノ酸配列;
(b)配列番号47および55のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(c)配列番号47および55のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− CDR2は、以下からなる群より選択される:
(d)配列番号49および57のアミノ酸配列;
(e)配列番号49および57のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(f)配列番号49および57のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− CDR3は、以下からなる群より選択される:
(g)配列番号51および59のアミノ酸配列;
(h)配列番号51および59のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(i)配列番号51および59のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
または、かかるアミノ酸配列の任意の好適なフラグメント。

0114

好ましいが非限定的な側面において、本発明は、例えばEGFRなどの標的に対するISVD(Nanobodyなど)に関し、これは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)からなり、ここで:
− FR1は、以下からなる群より選択される:
(i)配列番号46および54のアミノ酸配列;
(ii)配列番号46および54のうちの少なくとも1つのアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(iii)配列番号46および54のうちの少なくとも1つのアミノ酸配列と3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− CDR1は、以下からなる群より選択される:
(a)配列番号47および55のアミノ酸配列;
(b)配列番号47および55のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(c)配列番号47および55のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− FR2は、以下からなる群より選択される:
(iv)配列番号48および56のアミノ酸配列;
(v)配列番号48および56のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(vi)配列番号48および56のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− CDR2は、以下からなる群より選択される:
(d)配列番号49および57のアミノ酸配列;
(e)配列番号49および57のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(f)配列番号49および57のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− FR3は、以下からなる群より選択される:
(vii)配列番号50および58のアミノ酸配列;
(viii)配列番号50および58のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(ix)配列番号50および58のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− CDR3は、以下からなる群より選択される:
(g)配列番号51および59のアミノ酸配列;
(h)配列番号51および59のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(i)配列番号51および59のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
ならびに/または
− FR4は、以下からなる群より選択される:
(x)配列番号52および60のアミノ酸配列;
(xi)配列番号52および60のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
(xii)配列番号52および60のアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと3、2または1個のアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列;
または、かかるアミノ酸配列の任意の好適なフラグメント。

0115

好ましくは、ISVDは、配列番号45〜53からなる群より選択される。
免疫グロブリン単一可変ドメイン中のアミノ酸残基の合計数は、110〜120の範囲であってよく、好ましくは112〜115であり、最も好ましくは113である。

0116

WO 08/020079(本明細書において参考として援用される)の58および59頁における段落q)においてさらに記載されるとおり、免疫グロブリン単一可変ドメインのアミノ酸残基は、RiechmannおよびMuyldermans、2000(J. Immunol. Methods240: 185-195;例えば本刊行物図2を参照)の論文においてラクダ科からのVHHドメインに適用されるとおり、Kabatらにより示されたVHドメインの一般的な番号付け(「Kabat番号付け」)に従って番号付けられ(「Sequence of proteins of immunological interest」、US Public Health Services、NIH Bethesda, MD、刊行物番号91)、したがって、免疫グロブリン単一可変ドメインのFR1は、1〜30位におけるアミノ酸残基を含み、免疫グロブリン単一可変ドメインのCDR1は、31〜35位におけるアミノ酸残基を含み、免疫グロブリン単一可変ドメインのFR2は、36〜49位におけるアミノ酸を含み、免疫グロブリン単一可変ドメインのCDR2は、50〜65位におけるアミノ酸残基を含み、免疫グロブリン単一可変ドメインのFR3は、66〜94位におけるアミノ酸残基を含み、免疫グロブリン単一可変ドメインのCDR3は、95〜102位におけるアミノ酸残基を含み、免疫グロブリン単一可変ドメインのFR4は、103〜113位におけるアミノ酸残基を含む。

0117

本明細書において、ならびにWO 08/020079において、WO 06/040153において、および 本明細書において引用されるさらなる免疫グロブリン単一可変ドメインに関連する参考文献において示される免疫グロブリン単一可変ドメイン配列の例に基づいて、アミノ酸残基の正確な数はまた、免疫グロブリン単一可変ドメイン中に存在する特定のCDRの長さに基づくであろうことは、明らかであろう。CDRに関して、当該分野において周知であるとおり、Kabatの定義(配列変異性に基づき、最も一般的に用いられる)、およびChothiaの定義(構造的ループ領域の位置に基づく)などの、VHまたはVHHフラグメントのCDRを定義および記載するための複数の慣習が存在する。例えば、ウェブサイトhttp://www.bioinf.org.uk/abs/に対する参照がなされる。本明細書および請求の範囲の目的のために、KabatによるCDRもまた言及され得るが、CDRは、最も好ましくは、Abmの定義(Oxford Molecular'のAbM 抗体モデリングソフトウェアに基づく)に基づく。なぜならば、これがKabatとChothiaとの定義の間の最適な折衷案であると考えられるからである。やはり、ウェブサイトhttp://www.bioinf.org.uk/abs/に対して参照がなされる。

0118

一態様において、FR4は、C末端アミノ酸配列VTSS、すなわち、109、110、111、112および113位の各々を含む。本発明はまた、109、110、111または112位で終わるISVDを包含する。本発明の側面において、FR4は、C末端アミノ酸配列VTVS(109〜112位)で終わり、FR4は、C末端アミノ酸配列VTV(109〜111位)で終わり、FR4は、C末端アミノ酸配列VT(109〜110位)で終わるか、またはFR4は、C末端アミノ酸V(109位)で終わる。C末端伸長は、FR4の最後のアミノ酸残基、例えばV109、T110、V111、S112またはS113の、または最後の(最もC末端に位置する)ISVDのC末端に存在してもよく、ここで、本発明のシステイン部分は、好ましくはC末端伸長のC末端に存在または位置する。一態様において、FR4は、C末端アミノ酸配列VTVSSを含み、C末端伸長は、システインである(例えば、VTVSSCにおいて終わる本発明のポリペプチド)。一態様において、FR4は、C末端アミノ酸配列VTVSを含み、C末端伸長は、システインである(例えば、VTVSCにおいて終わる本発明のポリペプチド)。一態様において、FR4は、C末端アミノ酸配列VTVを含み、C末端伸長は、システインである(例えば、VTVCにおいて終わる本発明のポリペプチド)。一態様において、FR4は、C末端アミノ酸配列VTを含み、C末端伸長は、システインである(例えば、VTCにおいて終わる本発明のポリペプチド)。一態様において、FR4は、C末端アミノ酸Vを含み、C末端伸長は、システインである(例えば、VCにおいて終わる本発明のポリペプチド)。

0119

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、ISVDは、軽鎖可変ドメイン配列(VL)であるか、重鎖可変ドメイン配列(VH)であるか、慣用的な4鎖抗体から誘導されるか、または重鎖抗体から誘導される。
一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ISVDの各々は、独立して、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAb、dAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列、Nanobody、VHH、ヒト化VHH、およびラクダ化VHからなる群より選択される。好ましくは、ISVDは、100〜140個のアミノ酸、例えば110〜130個のアミノ酸を含む。

0120

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ISVDの各々は、独立して、Nanobody、VHH、ヒト化VHH、およびラクダ化VHからなる群より選択され、105〜125個のアミノ酸、例えば好ましくは110〜120個のアミノ酸、例えば110個、111個、例えば110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120個のアミノ酸、最も好ましくは113個のアミノ酸を含む。
本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ISVDの各々は、独立して、Nanobody、VHH、ヒト化VHH、およびラクダ化VHからなる群より選択され、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120位のアミノ酸において、好ましくはKabat番号付けに従う113位のアミノ酸において終わる。

0121

本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ISVDの各々は、独立して、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAb、dAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列およびラクダ化VHからなる群より選択され、ここで、前記単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAb、dAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列およびラクダ化VHは、VHから誘導される。

0122

本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAb、dAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列およびラクダ化VHは、110〜130個のアミノ酸、好ましくは115〜127個のアミノ酸、例えば115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126または127個のアミノ酸、最も好ましくは123個のアミノ酸を含む。好ましくは、ここで、前記単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAb、dAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列およびラクダ化VHは、Kabat番号付けに従うアミノ酸110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129または130において、好ましくはアミノ酸123において終わる。

0123

したがって、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記ISVDの各々は、独立して、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAbおよびdAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列からなる群より選択され、ここで、前記単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAbまたはdAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列は、VLから誘導される。好ましくは、ここで、前記単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAbおよびdAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列は、100〜120個のアミノ酸、好ましくは105〜115個のアミノ酸、例えば100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120個のアミノ酸、最も好ましくは108個のアミノ酸を含む。好ましくは、ここで、前記単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、ドメイン抗体としての使用のために好適なアミノ酸配列、dAbおよびdAbとしての使用のために好適なアミノ酸配列は、Kabat番号付けに従うアミノ酸101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120において、好ましくはアミノ酸108において終わる。

0124

本発明の特定の側面において、本発明のポリペプチドまたはダイマーは、対応する本発明のポリペプチドまたはダイマーと比較して延長した半減期を有していてもよい。かかるポリペプチドまたはダイマーのいくつかの好ましいが非限定的な例は、本明細書におけるさらなる開示に基づいて、当業者に明らかとなり、例えば、その半減期を延長するように(例えばペグ化により)化学修飾された本発明のポリペプチド;血清タンパク質血清アルブミンなど)に結合するための少なくとも1つのさらなる結合部位を含む本発明のポリペプチド;または、本発明のポリペプチドの半減期を延長する少なくとも1つの部分に連結される少なくとも1つの本発明のポリペプチドを含む、本発明のポリペプチドを含む。

0125

本発明の、特定の好ましいが非限定的な側面によれば、本発明のポリペプチドは、標的細胞上のエピトープに対して向けられた1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインの他に、少なくとも1つのヒト血清アルブミンに対する免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでもよい。これらのヒト血清アルブミンに対する免疫グロブリン単一可変ドメインは、一般に、本明細書において引用されるAblynx N.V.による出願(例えばWO 04/062551を参照)において記載されるようなものであってよい。延長された半減期を提供され、本発明のポリペプチドにおいて用いることができる、いくつかの特に好ましいISVD、例えばNanobodyは、ISVD、例えばWO 06/122787において開示されるNanobody ALB-1〜ALB-10(表IIおよびIIIを参照)を含み、このうち、ALB-8(WO 06/122787における配列番号62)、ならびに、ISVD、例えばWO 2012/175400において開示されるNanobody(WO 2012/175400における配列番号1〜11)、およびISVD、例えば、同時係属のUS仮出願番号No 62/047,560、表題「Improved Immunoglobulin single variable domains」(出願日:2014年9月8日;譲受人:Ablynx N.V.)において開示される配列番号109を有するNanobodyが特に好ましい。

0126

さらなる側面において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドはさらに、1つ以上の他の基、残基、部分または結合ユニット(本明細書において定義されるもの)を含み、ここで、前記の1つ以上の他の基、残基、部分または結合ユニットは、ダイマーの半減期を(前記の1つ以上の他の基、残基、部分または結合ユニットを欠くダイマーと比較して)延長する。好ましくは、ダイマーの半減期を延長する前記の1つ以上の他の基、残基、部分または結合ユニットは、ダイマーの半減期を延長するISVDである。

0127

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、ここで、ダイマーの半減期を延長する前記ISVDは、血清アルブミン、好ましくはヒト血清アルブミン、または血清イムノグロブリン、好ましくはヒトIgGに結合する。
一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、これは、ダイマーの半減期を延長する前記ISVDを含まない対応するダイマーの半減期よりも、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、例えば少なくとも10倍、または20倍より長い血清半減期を有する。

0128

一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、これは、ダイマーの半減期を延長する対応する前記ISVDと比較して、1時間より長く、好ましくは2時間より長く、より好ましくは6時間より長く、例えば12時間より長く、または24、48または72時間より長くまでも延長された血清半減期を有する。
一態様において、本発明は、本明細書において記載されるダイマーに関し、これは、ヒトにおいて、少なくとも約12時間、好ましくは少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも48時間、さらにより好ましくは少なくとも72時間以上の;例えば、少なくとも5日間(例えば約5〜10日間)、好ましくは少なくとも9日間(例えば約9〜14日間)、より好ましくは少なくとも約10日間(例えば約10〜15日間)、または少なくとも約11日間(例えば約11〜16日間)、より好ましくは少なくとも約12日間(例えば約12〜18日間以上)、または14日間より長く(例えば約14〜19日間)の血清半減期を有する。

0129

本発明の特に好ましいが非限定的な側面において、本発明は、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含み;さらに、本明細書において記載されるような1つ以上(好ましくは1つの)血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えばAlb11、Alb23、Alb129、Alb132、Alb8、Alb11(S112K)-A、Alb82、Alb82-A、Alb82-AA、Alb82-AAA、Alb82-G、Alb82-GG、Alb82-GGG(表10を参照)の、例えば配列番号32〜44から選択される血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む、本発明のポリペプチドを提供する。




ISVD(Nanobodyなど)は、高度に保存された内部(別名、カノニカルまたは分子内)ジスルフィド架橋を含む。これらの特定の内部ジスルフィド架橋を取り除くことは、ISVDの活性を損なう。

0130

本発明者らは、驚くべきことに、本発明の第1のポリペプチドのC末端伸長において、好ましくはC末端において位置する不対システイン残基(Cys、cysまたはCとして略される;2−アミノ−3−スルフヒドリルプロパン酸;これは、化学式HO2CCH(NH2)CH2SHを有するα−アミノ酸である)のチオール部分(−SH)、および本発明の第2のポリペプチドのC末端伸長において、好ましくはC末端において位置する不対システイン部分のチオール部分を酸化すると、ジスルフィド誘導型シスチンがもたらされ、それによりダイマーが作製されるが、ここで分子内チオール部分が反応していないことを観察した。言い換えると、例のセクションにおいて示すように、C末端に位置するシステインのチオール基が、特異的に酸化されて、異常を生じることなく、または分子内チオール基を再酸化することなく、それによりISVDの完全性を維持しつつ、分子間結合を形成した。ポリペプチドのダイマーへのカップリングは、化学的コンジュゲーションにより行われ、ここで、2つのポリペプチドの各々におけるC末端伸長におけるシステインのチオール部分が、ジスルフィド誘導型シスチンへと酸化された。好ましくは、前記シスチン(例えばジスルフィド架橋)は、ダイマー中に存在する唯一の鎖間ジスルフィド結合であり、例えば、




ここで、



は、ジスルフィド誘導型シスチンを表し;
−[Cys−S]および−[AAx]−[Cys−S]−[AAy]は、前記ポリペプチドのシステインを含むC末端伸長を表し;
「AA」は、本明細書において定義される任意のアミノ酸を表し;
接頭語「N」は、ポリペプチドのN末端を表し;
接尾語「C」は、ポリペプチドのC末端を表し;
添字「x」、「y」、「p」および「q」は、独立して、0〜50の範囲、例えば1〜40の範囲、または2〜30の範囲、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20などから選択される数を表す。例えば、「x」、「y」、「p」および「q」の全てが0である場合、C末端伸長は、システインのみである;「y」および「q」の両方が0であるが、「x」および「p」が0出ない場合、C末端伸長のC末端はシステインである。

0131

本発明は、(ポリペプチド−)ダイマーを作製する方法に関し、該方法は、少なくとも以下のステップを含む:(i)第1のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第1のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)、およびシステイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長を含む;(ii)第2のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第2のポリペプチドは、少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)、およびシステイン部分を(好ましくはC末端において)含むC末端伸長を含む;ならびに(iii)前記第1のポリペプチドのC末端伸長における、好ましくはC末端における前記システイン部分のチオール部分、および前記第2のポリペプチドのC末端伸長における、好ましくはC末端における前記システイン部分のチオール部分を、ジスルフィド誘導型シスチンに参加すること;それにより前記ダイマーを作製すること;ならびに前記ジスルフィド誘導型シスチンは、ダイマーに存在する唯一の分子間ジスルフィド結合である。

0132

ポリペプチドのダイマーへのカップリングは、例えばPichiaに使用され培地(Pichia spent medium)中での化学的コンジュゲーションにより行うことができ、ここで、例えばpH6.5〜pH7.5、例えばpH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4およびpH7.5などの中性付近のpHにおいて、前記の2つのポリペプチドの各々におけるC末端伸長におけるシステイン(好ましくはC末端に位置する)が、それらのチオール部分を介してジスルフィド誘導型シスチンへと酸化される。

0133

一態様において、酸化プロセスは、酸化性銅イオン(Cu2+)を、例えばCuSO4の形態において添加することにより最適化される。銅処置の後で、C末端に位置するチオール部分のほぼ100%が酸化されたことが観察された。したがって、本発明は、前記第1および/または前記第2のポリペプチドの少なくとも80%、例えば85%、90%、95%、99%または99%より多く、例えば100%が二量体化される、本明細書において記載される方法に関する。酸化の程度は、任意の好適な方法により決定することができるが、好ましくは、質量分析により決定される。

0134

本発明はさらに、本明細書において記載される方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドは、少なくとも2つのISVDを含む、および/または前記第2のポリペプチドは、少なくとも2つのISVDを含む。
本発明はさらに、本明細書において記載される方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドの前記少なくとも2つのISVDは同一である、および/または前記第2のポリペプチドの前記少なくとも2つのISVDは、同一である。
本発明はさらに、本明細書において記載される方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドは、同一であるか、異なっている。

0135

本明細書において用いられる場合、用語「二重特異性ダイマー」は、第1および第2のポリペプチドの原子価(例えば一価、二価または多価)または特異性(例えば単一特異性、二重特異性または多重特異性)に関わらず、ダイマーの第1のポリペプチドがダイマーの第2のポリペプチドと異なるダイマーを指す。ダイマーは、2つの同一であるが二重特異性のポリペプチド(本明細書において「単一特異性ダイマー」としてみなされるであろう)を含んでもよいことが、理解されるであろう。

0136

例えばダイマーの第1のポリペプチドが第2のポリペプチドと異なる二重特異性ダイマーの生成のために、方法が提供される。第1の態様において、宿主株、例えばPichia株を、2つの異なるベクター形質転換し、ここで、第1のベクターは第1のポリペプチドをコードし、第2のベクターは第2のポリペプチドをコードする。あるいは、1つのベクターが用いられるが、ベクターは、第1のポリペプチドをコードする第1の遺伝子および第2のポリペプチドをコードする第2の遺伝子を含む。あるいは、各々が一方または他方のポリペプチドを発現する2つの宿主細胞が用いられる;例えば、第1のポリペプチドをコードする第1のベクターは、第1の宿主細胞(例えばPichia)において発現され、第2のポリペプチドをコードする第2のベクターは、第2の宿主細胞(例えばまたPichia)において発現される、など、

0137

ポリペプチドの二重特異性ダイマーへのカップリングは、例えばPichiaに使用され培地中での化学的コンジュゲーションにより行うことができ、ここで、例えばpH6.5〜pH7.5、例えばpH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4およびpH7.5などの中性付近のpHにおいて、前記の2つのポリペプチドの各々におけるC末端伸長におけるシステイン(好ましくはC末端に位置する)は、それらのチオール部分を介してジスルフィド誘導型シスチンに酸化される。

0138

一態様において、本発明は、二重特異性ダイマーを作製するための方法に関し、該方法は、少なくとも以下のステップを含む:
(i)第1のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第1のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
−システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;
(ii)第2のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第2のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
− システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;
ここで、前記第1のポリペプチドは、前記第2のポリペプチドと異なる;ならびに
(iii)前記第1のポリペプチドのC末端における前記システイン部分のチオール部分および前記第2のポリペプチドのC末端における前記システイン部分のチオール部分を、任意に、好ましくはpH6.5〜pH7.5において、酸化性銅イオン(Cu2+)を添加することにより、ジスルフィド誘導型シスチンへと酸化し;それにより前記ダイマーを作製すること。
好ましくは、ISVDの完全性は維持され、前記シスチンは、ダイマー中に存在する唯一の分子間ジスルフィド結合である。

0139

用語「完全性」とは、本明細書において用いられる場合、ISVDの構造、安定性および/または機能の維持、例えば、免疫グロブリンドメインの逆平行βシート構造の2つの層を連結し、そのコグネートな抗原に結合する、適切な分子内ジスルフィド結合の維持などを指す。好ましくは、アミノ酸22位と92位との間(Kabatに従う)のジスルフィド結合(シスチン)が維持され、存在する場合には、CDR1とCDR3との間のさらなるジスルフィド結合が維持される。

0140

本発明は、本明細書において記載される方法に関し、ここで、第1のポリペプチドをコードする遺伝子と第2のポリペプチドをコードする遺伝子とは、2つの異なるベクター上に存在する。好ましくは、前記ベクターは、1つの宿主細胞、例えばPichia中に存在する。あるいは、前記ポリペプチドは、1つのベクター法に配置された異なる遺伝子によりコードされる。
本発明のベクターは、例えばプラスミドコスミド、YAC、ウイルスベクターまたはトランスポゾンなどの任意の好適なベクターであってよい。特に、ベクターは発現ベクター、すなわち、in vitroおよび/またはin vivoでの(例えば好適な宿主細胞、宿主生物および/または発現系において)発現を提供することができるベクターであってよい。

0141

本発明のベクターは、宿主細胞または宿主生物を形質転換するために、すなわち、本発明のポリペプチドの発現および/または産生のために用いることができる。好適な宿主または宿主細胞は、当業者には明らかであり、例えば任意の好適な真菌、原核生物または真核生物細胞または細胞系統または任意の好適な真菌、原核生物または(非ヒト)真核生物、例えば以下であってよい:
− 以下を含むがこれらに限定されない細菌株グラム陰性株、例えばEscherichia coli;Proteus、例えばProteus mirabilis;Pseudomonas、例えばPseudomonas fluorescensの株;およびグラム陽性株、例えばBacillus、例えばBacillus subtilisまたはBacillus brevis;Streptomyces、例えばStreptomyces lividans;Staphylococcus、例えばStaphylococcus carnosus;およびLactococcus、例えばLactococcus lactisの株;
− 以下を含むがこれらに限定されない真菌細胞:Trichodermaの種、例えばTrichoderma reeseiからのもの;Neurospora、例えばNeurospora crassa;Sordaria、例えばSordaria macrospora;Aspergillus、例えばAspergillus nigerまたはAspergillus sojae;または他の糸状菌からの細胞;
− 以下を含むがこれらに限定されない酵母細胞:Saccharomycesの種、例えばSaccharomyces cerevisiae;Schizosaccharomyces、例えばSchizosaccharomyces pombe;Pichia、例えばPichia pastorisまたはPichia methanolica;Hansenula、例えばHansenula polymorpha;Kluyveromyces、例えばKluyveromyces lactis;Arxula、例えばArxula adeninivorans;Yarrowia、例えばYarrowia lipolyticaからの細胞;
両生類の細胞または細胞系統、例えばXenopus oocytes;
昆虫由来の細胞または細胞系統、例えば限定されないがSpodopteraSF9およびSf21細胞を含む鱗翅類由来の細胞または細胞系統、またはDrosophila由来の細胞または細胞系統、例えばSchneiderおよびKc細胞;
− 植物または植物細胞、例えばタバコ植物;ならびに/あるいは
−哺乳動物の細胞または細胞系統、例えばヒト由来の細胞または細胞系統、限定されないがCHO細胞(例えばCHO-K1細胞)、BHK細胞を含む哺乳動物由来の細胞または細胞系統、ならびにHeLa、COS、Caki、NIH3T3およびHEK293H細胞などのヒト細胞または細胞系統;
ならびに、抗体および抗体フラグメント(限定されないが(単一)ドメイン抗体およびscFvフラグメントを含む)の発現および産生のためにそれ自体公知の全ての他の宿主細胞または(非ヒト)宿主;これらは、当業者には明らかであろう。また、本明細書において上で引用される一般的な背景技術に対して、ならびに、例えばWO 94/29457;WO 96/34103;WO 99/42077;Frenkenら(Res Immunol. 149: 589-99, 1998);RiechmannおよびMuyldermans(1999)、上記;van der Linden(J. Biotechnol. 80: 261-70, 2000);Joostenら(Microb. Cell Fact. 2: 1, 2003);Joostenら(Appl. Microbiol. Biotechnol. 66: 384-92, 2005);および本明細書において引用されるさらなる参考文献に対して、参照がなされる。

0142

本記載において、遺伝子は、機能的ポリペプチドの合成のために必要である核酸配列全体として定義される。したがって、遺伝子は、ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド(コード領域)だけでなく、また、特定のRNA転写物の合成のために必要とされる全てのDNA配を含む。好ましくは、ステップ(iii)は、Pichiaに使用され培地において行われる。
核酸を操作するための方法(例えば、ISVDをコードする核酸と比較して、核酸を付加する、挿入する、変異誘発する、置き換えるまたは欠失させることなど)は、当業者に周知である。上記の標準的なハンドブックに対して参照がなされる。

0143

本発明者らは、二重特異性ダイマーを作製するためのさらに最適化されたプロトコルを提供し、ここで、効率は、50%より高く、例えば60%、70%、80%または90%より高く、例えば>95%であった。これは、第1の反応性ポリペプチドを(固体の)キャリアに結合させ、キャリア上に結合した第1のポリペプチドの上に第2の反応性ポリペプチドを流すことにより達成された。任意の反応しなかった第2のポリペプチドは、再生(還元)して、再びキャリア上に結合した第1のポリペプチドの上に流すことができる。このステップは、全ての第1および/または第2のポリペプチドが反応するまで繰り返すことができる。

0144

ステップ1において、第1のポリペプチドを還元して、単量体材料、好ましくは100%の単量体材料を得る。典型的なポリペプチド溶液を還元するための一般的な条件は、本明細書において述べられる。
ステップ2において、バッファー中の第1のポリペプチドを、還元条件下において、キャリアに結合させる。キャリアは、好ましくはクロマトグラフィー樹脂である。好ましくは、キャリアは、第1のポリペプチドにのみ結合し、第2のポリペプチドには結合しない。固定されたままで、起こり得る第1のポリペプチドのホモダイマーの形成を回避するために、第1のポリペプチドを、キャリアに対して低い密度で固定することができる。個々の第1のポリペプチドのかかる空間的分離は、最適以下結合条件(例えば典型的な親和性樹脂にとっては高すぎる流速)を用いて、または拡張式床式クロマトグラフィー(expanded bed chromatography)を介して、キャリアをロードすることにより、達成することができる。キャリア上の個々のポリペプチドを空間的に分離するための方法および条件は、一般常識に属するか、当業者による慣用的な実験により達成することができる。好ましい態様において、キャリアは、第1のポリペプチドにのみ結合し、第2のポリペプチドには結合しない。例えば、タンパク質Aなどのキャリアは、第1のポリペプチド(および好ましくは第2のポリペプチドではない)がタンパク質Aに結合する場合に用いることができる。あるいは、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドの両方がキャリアに結合する場合には、キャリアは、第1のポリペプチドを固定した後で、第2のポリペプチドを適用する前に、非システイン伸長Nanobodyなどのダミーポリペプチドで飽和させる。

0145

ステップ3において、第2のポリペプチドの過剰量は、これもまた還元された形態において(上を参照)、バッファー中に適用し、カラム上を循環させる(任意に僅かに酸化性の条件下において)。第2のポリペプチドは、固定された第1のポリペプチドが、ジスルフィド結合を介して第2のポリペプチドと完全に複合体化(コンジュゲーション)されるまで、キャリア上を通過させる。好ましくは、これに続いて、飽和した第1のポリペプチド集団整合するように、第2のポリペプチドの濃度低下を測定する。必要な場合には、このステップのために、条件を、第2のポリペプチドの単一特異性ダイマーの形成の量を限定するために最適化することは、当業者には周知である。キャリアに結合していない第2のポリペプチドの集団は、回収して、将来的なカップリング反応において用いることができる(例えば、再び還元して、第1のポリペプチドが飽和するまで第1のポリペプチドを有するカラムに適用するなど)。
ステップ4において、当業者には周知である用いられるキャリアについての典型的な溶離条件(例えばタンパク質Aについては酸性条件)により、二重特異性ダイマーをキャリアから回収する。

0146

本文脈において、用語「固定」とは、空間におけるその移動が、固体構造、例えばキャリアへの付着により、完全に、または小さな限定された領域に制限された分子を指す。一般的に、用語、固定は、移動を限定するか、または移動を不可能にする、例えば移動を遅延させる作用を指す。本発明のダイマーは、任意の好適な方法により、例えば吸着、共有結合、封入カプセル封入および(可逆性)架橋などにより、好ましくは共有結合、より好ましくは親和性により、固定することができる。固定のための任意の好適なキャリアを用いることができる。当業者は、キャリアの好適性が固定の方法に依存することを、理解するであろう。例えば、共有結合のためのキャリアは、アガロースセルロース架橋デキストランポリスチレンポリアクリルアミドゲルおよび多孔性シリカゲルである。好ましいキャリアは、タンパク質A樹脂である。
好適なバッファーとして、これらに限定されないが、酢酸バッファー、リン酸バッファークエン酸バッファー硫酸バッファー、グリシンバッファー、カルボン酸バッファー、および/またはトリスバッファーが挙げられ得る。

0147

還元および酸化条件は、当該分野において周知である。例のセクション、説明に対して、および例えば標準的な化学のハンドブック、例えばPrinciples of Modern Chemistry(2011年、Oxtoby、GillisおよびCampion著、第7版)に対して参照がなされる。好ましい還元条件は、1〜15mM、例えば2〜12mM、4〜11mM、5〜10mM、好ましくは10mMのDTT中で、最短1時間(最大8時間まで)にわたり室温で、または、カノニカル−S−S−を酸化されたままに維持するために、一晩4℃で、ポリペプチド10mg/mlまでの濃度において行う。好ましい酸化条件は、0.1〜10mM、0.5〜5mM、好ましくは1mMのCuSO4中で、1〜4時間、好ましくは2時間にわたり、室温で、または、当業者が容易に決定することができる便利な酸化還元対を用いることにより、行う。

0148

したがって、本発明は、二重特異性ダイマーを作製するための方法に関し、該方法は、少なくとも以下のステップを含む:
1. 第1のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第1のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)および
−システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含む;
2. 前記第1のポリペプチドを還元すること;
3. ステップ2の還元された第1のポリペプチドを、還元条件下において、キャリアに結合させること;
4. 第2のポリペプチドを提供すること、ここで、前記第2のポリペプチドは、
− 少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)、
− システイン部分を、好ましくはC末端において含む、C末端伸長
を含み、
ここで、前記第1のポリペプチドは、前記第2のポリペプチドと異なる;
5. 前記第2のポリペプチドを還元すること;
6. 任意に僅かに酸化性の条件下において、ステップ5の還元された第2のポリペプチドを、ステップ3のキャリアに結合した還元された第1のポリペプチドに適用し、前記第1のポリペプチドの、好ましくはC末端における前記システイン部分のチオール部分、および前記第2のポリペプチドの、好ましくはC末端における前記システイン部分のチオール部分を、ジスルフィド誘導型シスチンに酸化して;それにより、前記二重特異性ダイマーを作製すること(任意に、第1のポリペプチドの全てが、ジスルフィド結合を介して、完全に第2のポリペプチドにコンジュゲートするまで);
7. 任意に、コンジュゲートしていない第2のポリペプチドを取り除き、還元し、再びステップ5および6に従って適用する;
8. 二重特異性ダイマーをキャリアから溶離させる。

0149

本発明はさらに、本明細書において記載される任意の方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、N末端伸長を含む。
本発明はさらに、本明細書において記載される方法に関し、ここで、前記第1のポリペプチドおよび/または前記第2のポリペプチドは、システイン部分を(好ましくはC末端において)含む、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基のC末端伸長を含む。。
本発明はさらに、本明細書において記載される方法に関し、ここで、前記C末端伸長は、配列番号1〜15からなる群より選択され、好ましくは前記C末端伸長は、GlyGlyGlyCys(配列番号4)、GlyGlyCys(配列番号3)、GlyCys(配列番号2)またはCys(配列番号1)からなる。

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