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技術 膀胱癌の治療、診断、及び予後判定方法

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 チョイ,ユンジョンカバラ,オマルキム,ドリス
出願日 2015年12月23日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2017-533956
公開日 2018年3月29日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2018-508469
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 最終プロファイル 白色ブロック 発見データ BFT 増加サイズ 誤差曲線 線形性能 仮説検証
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、癌、例えば、膀胱癌治療する、診断する、及び予後判定を提供するための、FGFR3、TP53、及び/またはEGFRを含む1つ以上のバイオマーカー発現を検出するための方法及び組成物を提供する。本発明はまた、本方法における使用のためのキット及び製品を提供する。

概要

背景

癌は、依然としてヒトの健康に対する最も致命的な脅威のうちの1つである。米国において、癌は、毎年約130万人の新たな患者に影響を及ぼし、心疾患に続く第2の主な死亡原因であり、死亡の約4件に1件を占める。固形腫瘍は、そのような死亡の大部分に関与する。悪性腫瘍転移し、制御されていない様子で急速に成長し、時を得た検出及び治療を極めて困難にする。

膀胱癌は、世界で5番目に一般的な悪性腫瘍であり、40万件近くの症例が新たに診断され、1年当たり約15万件の関連死が報告されている。膀胱癌患者の約75〜80%が、初期診断時に筋層非侵襲性膀胱癌(NMIBC)を提示する。固有層に限定され、典型的に致命的ではないが、NMIBCの約50〜80%は再発し、しばしば費用のかかる臨床介入を必要とする。NMIBCは、最も深刻な筋層侵襲性膀胱癌(MIBC)に対して症例の約20〜30%において進行し得る。MIBC(T2及びT3)は、新たな症例のうちの約10〜15%を占めるに過ぎないが、それらは、転移性膀胱癌(pT4)を発達させる高い危険性をもたらす。転移性膀胱癌は、悲観的な5年生存可能性と関連付けられ、主要な対処されていない医療ニーズを表し、今日まで有効な治療法がほとんどない。

したがって、癌、例えば、膀胱癌の治療、診断、及び予後判定の提供に有効な手段の必要性が残る。

概要

本発明は、癌、例えば、膀胱癌を治療する、診断する、及び予後判定を提供するための、FGFR3、TP53、及び/またはEGFRを含む1つ以上のバイオマーカー発現を検出するための方法及び組成物を提供する。本発明はまた、本方法における使用のためのキット及び製品を提供する。なし

目的

本発明は、癌、例えば、膀胱癌のための治療、診断、及び予後判定方法ならびに組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

膀胱癌罹患している患者治療方法であって、治療有効量の抗癌療法剤を前記患者に投与することを含み、前記患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルが、前記少なくとも1つの遺伝子の基準レベルに対して増加したことが決定されている、前記方法。

請求項2

患者における膀胱癌の診断方法であって、(a)前記患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定するステップと、(b)前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、前記少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、前記基準レベルに対する、前記患者試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、膀胱癌を有する患者を特定する、前記方法。

請求項3

(c)膀胱癌を有していることを前記患者に通知することを更に含む、請求項2に記載の方法。

請求項4

(d)前記基準レベルに対する、前記患者試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が検出された場合に、前記患者の治療のための抗癌療法剤を選択することを更に含む、請求項2または3に記載の方法。

請求項5

(e)治療有効量の抗癌療法剤を前記患者に投与することを更に含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

膀胱癌に罹患している患者の予後判定のための方法であって、(a)前記患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、前記少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、(c)前記患者の予後を決定することと、を含み、不良な予後が、前記基準レベルに対して増加した、前記患者試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルによって示される、前記方法。

請求項7

前記予後が、生存の予後である、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記方法が、抗癌療法剤を前記患者に投与する前に実行される、請求項6または7に記載の方法。

請求項9

(d)前記患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、抗癌療法剤の投与から利益を享受する可能性があるとして、前記患者を特定することを更に含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

(e)前記患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、治療有効量の抗癌療法剤を前記患者に投与することを更に含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記生存が、無疾患生存または全生存である、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

膀胱癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかの決定方法であって、(a)前記患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、前記少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、を含み、前記基準レベルに対する、前記患者試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する、前記方法。

請求項13

膀胱癌を有する患者に対する抗癌療法剤の治療効果最適化方法であって、(a)前記患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、前記少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、を含み、前記基準レベルに対する、前記患者試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する、前記方法。

請求項14

(c)治療有効量の抗癌療法剤を前記患者に投与することを更に含む、請求項12または13に記載の方法。

請求項15

前記抗癌療法剤が、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニストを含む、請求項1、4、5、または8〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記抗癌療法剤が、FGFR3アンタゴニスト及びEGFRアンタゴニストを含む、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記FGFR3アンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、またはTP53アンタゴニストが、抗体またはその機能的断片である、請求項15または16に記載の方法。

請求項18

前記FGFR3アンタゴニストが、抗FGFR3抗体またはその機能的断片である、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記EGFRアンタゴニストが、抗EGFR抗体またはその機能的断片である、請求項17に記載の方法。

請求項20

前記TP53アンタゴニストが、抗TP53抗体またはその機能的断片である、請求項17に記載の方法。

請求項21

前記FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、またはEGFRアンタゴニストが、小分子アンタゴニストである、請求項15または16に記載の方法。

請求項22

前記FGFR3アンタゴニストまたはEGFRアンタゴニストが、チロシンキナーゼ阻害剤である、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記EGFRアンタゴニストが、エルロチニブ(TARCEVA(商標))である、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記抗癌療法剤が、(i)抗新生物剤化学療法剤成長阻害剤、及び細胞毒性剤からなる群から選択される薬剤、(ii)放射線療法剤、または(iii)それらの組み合わせを更に含む、請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記患者から得られる前記試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルが、mRNAを測定することによって決定されている、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記患者から得られる前記試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルが、ポリメラーゼ連鎖反応PCRアッセイによって決定されている、請求項25に記載の方法。

請求項27

前記PCRアッセイが、定量的PCRアッセイである、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記患者から得られる前記試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルが、タンパク質を測定することによって決定されている、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項29

前記患者から得られる前記試料中の前記少なくとも1つの遺伝子の発現レベルが、免疫組織化学(IHC)法によって決定されている、請求項28に記載の方法。

請求項30

前記患者から得られる前記試料が、腫瘍試料である、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。

請求項31

前記腫瘍試料が、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料である、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記遺伝子のうちの少なくとも2つの発現レベルを決定することを更に含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

前記遺伝子のうちの3つ全ての発現レベルを決定することを更に含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

FGFR3の発現レベルが、基準レベルに対して少なくとも2倍増加したことが決定されている、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

FGFR3の発現レベルが、基準レベルに対して少なくとも4倍増加したことが決定されている、請求項34に記載の方法。

請求項36

EGFRの発現レベルが、基準レベルに対して少なくとも4倍増加したことが決定されている、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

EGFRの発現レベルが、基準レベルに対して少なくとも8倍増加したことが決定されている、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記患者から得られる試料中の、DUSB3、FRS2、TSC1、ERBB3、CDKN1A、CCND1、TP63、MMP2、ZEB2、PIK3CB、PIK3R1、MDM2、SNAI2、AXL、ZEB1、BCL2B、TSC2、RB1、FGFR32、PIK3IP1、MTOR、PIK3CA、PTEN、AKT1、BCL2A、FRS3、ERBB2、FGFR31、FGF1、SNAI1、FGFR34、FGF9、及びFGF2からなる群から選択される少なくとも1つの追加遺伝子の発現レベルを決定することを更に含み、前記少なくとも1つの追加遺伝子の発現レベルは、前記少なくとも1つの追加遺伝子の基準レベルに対して変化している、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記膀胱癌が、筋層非侵襲性膀胱癌、筋層侵襲性膀胱癌、または転移性膀胱癌である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記筋層非侵襲性膀胱癌が、再発性筋層非侵襲性膀胱癌である、請求項39に記載の方法。

請求項41

膀胱癌に罹患している患者の治療方法であって、カルメットゲラン桿菌BCGワクチン以外の治療有効量の抗癌療法剤を前記患者に投与することを含み、前記患者から得られる試料中のTP53の発現レベルが、TP53の基準レベルに対して増加したと決定されている、前記方法。

請求項42

前記抗癌療法剤が、FGFR3アンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、及び/またはTP53アンタゴニストを含む、請求項41に記載の方法。

請求項43

前記抗癌療法剤が、FGFR3アンタゴニスト及びEGFRアンタゴニストを含む、請求項42に記載の方法。

請求項44

前記FGFR3アンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、またはTP53アンタゴニストが、抗体またはその機能的断片である、請求項42または43に記載の方法。

請求項45

前記FGFR3アンタゴニストが、抗FGFR3抗体またはその機能的断片である、請求項44に記載の方法。

請求項46

前記EGFRアンタゴニストが、抗EGFR抗体またはその機能的断片である、請求項44に記載の方法。

請求項47

前記TP53アンタゴニストが、抗TP53抗体またはその機能的断片である、請求項44に記載の方法。

請求項48

前記FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、またはEGFRアンタゴニストが、小分子アンタゴニストである、請求項42または43に記載の方法。

請求項49

前記小分子アンタゴニストが、チロシンキナーゼ阻害剤である、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記EGFRアンタゴニストが、エルロチニブ(TARCEVA(商標))である、請求項49に記載の方法。

請求項51

前記抗癌療法剤が、(i)抗新生物剤、化学療法剤、成長阻害剤、及び細胞毒性剤からなる群から選択される薬剤、(ii)放射線療法、または(iii)それらの組み合わせを更に含む、請求項41〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記患者から得られる前記試料中のTP53の発現レベルが、mRNAを測定することによって決定されている、請求項41〜51のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

前記患者から得られる前記試料中のTP53の発現レベルが、タンパク質を測定することによって決定されている、請求項41〜51のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、癌、例えば、膀胱癌治療診断、及び予後判定提供方法を対象とする。

背景技術

0002

癌は、依然としてヒトの健康に対する最も致命的な脅威のうちの1つである。米国において、癌は、毎年約130万人の新たな患者に影響を及ぼし、心疾患に続く第2の主な死亡原因であり、死亡の約4件に1件を占める。固形腫瘍は、そのような死亡の大部分に関与する。悪性腫瘍転移し、制御されていない様子で急速に成長し、時を得た検出及び治療を極めて困難にする。

0003

膀胱癌は、世界で5番目に一般的な悪性腫瘍であり、40万件近くの症例が新たに診断され、1年当たり約15万件の関連死が報告されている。膀胱癌患者の約75〜80%が、初期診断時に筋層非侵襲性膀胱癌(NMIBC)を提示する。固有層に限定され、典型的に致命的ではないが、NMIBCの約50〜80%は再発し、しばしば費用のかかる臨床介入を必要とする。NMIBCは、最も深刻な筋層侵襲性膀胱癌(MIBC)に対して症例の約20〜30%において進行し得る。MIBC(T2及びT3)は、新たな症例のうちの約10〜15%を占めるに過ぎないが、それらは、転移性膀胱癌(pT4)を発達させる高い危険性をもたらす。転移性膀胱癌は、悲観的な5年生存可能性と関連付けられ、主要な対処されていない医療ニーズを表し、今日まで有効な治療法がほとんどない。

0004

したがって、癌、例えば、膀胱癌の治療、診断、及び予後判定の提供に有効な手段の必要性が残る。

0005

本発明は、癌、例えば、膀胱癌の治療、診断、及び予後判定の提供方法を対象とする。

0006

一態様において、本発明は、膀胱癌に罹患している患者の治療方法を特徴とし、本方法は、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを含み、当該患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルが、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルに対して増加したことが決定されている。

0007

別の態様において、本発明は、患者における膀胱癌の診断方法を特徴とし、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定するステップと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、膀胱癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、本方法は、(c)膀胱癌を有していることを患者に通知することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、(d)基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が検出された場合に、当該患者の治療のための抗癌療法剤を選択することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、(e)治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを更に含む。

0008

別の態様において、本発明は、膀胱癌に罹患している患者の予後判定方法を特徴とし、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、不良な予後は、基準レベルに対して増加した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加によって示される。一部の実施形態において、予後は、生存の予後である。一部の実施形態において、本方法は、抗癌療法剤を患者に投与する前に実行される。一部の実施形態において、本方法は、(d)患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、抗癌療法剤の投与から利益を享受する可能性があるとして、患者を特定することを更に含む。一部の実施形態において、本発明は、(e)患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを更に含む。一部の実施形態において、生存は、無疾患生存または全生存である。

0009

別の態様において、本発明は、膀胱癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかを決定する方法を特徴とし、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する。一部の実施形態において、本方法は、(c)治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを更に含む。

0010

別の態様において、本発明は、膀胱癌を有する患者のための抗癌療法剤の治療効果最適化方法を特徴とし、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する。一部の実施形態において、本方法は、(c)治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを更に含む。

0011

別の態様において、本発明は、膀胱癌に罹患している患者の治療方法を特徴とし、本方法は、カルメットゲラン桿菌BCGワクチン以外の治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを含み、患者から得られる試料中のTP53の発現レベルが、TP53の基準レベルに対して増加したと決定されている。

0012

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、抗癌療法剤は、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニストを含む。一部の実施形態において、抗癌療法剤は、FGFR3アンタゴニスト及びEGFRアンタゴニストを含む。一部の実施形態において、FGFR3アンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、またはTP53アンタゴニストは、抗体またはその機能的断片である。一部の実施形態において、FGFR3アンタゴニストは、抗FGFR3抗体、またはその機能的断片である。一部の実施形態において、EGFRアンタゴニストは、抗EGFR抗体、またはその機能的断片である。一部の実施形態において、TP53アンタゴニストは、抗TP53抗体、またはその機能的断片である。一部の実施形態において、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、またはEGFRアンタゴニストは、小分子アンタゴニストである。一部の実施形態において、FGFR3アンタゴニストまたはEGFRアンタゴニストは、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態において、EGFRアンタゴニストは、エルロチニブ(TARCEVA(商標))である。一部の実施形態において、抗癌療法剤は、(i)抗新生物剤化学療法剤成長阻害剤、及び細胞毒性剤からなる群から選択される薬剤、(ii)放射線療法剤、または(iii)それらの組み合わせを更に含む。

0013

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、患者から得られる試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルは、mRNAを測定することによって決定される。一部の実施形態において、患者から得られる試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルは、ポリメラーゼ連鎖反応PCRアッセイによって決定される。一部の実施形態において、PCRアッセイは、定量的PCRアッセイである。

0014

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、患者から得られる試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルは、タンパク質を測定することによって決定される。一部の実施形態において、患者から得られる試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルは、免疫組織化学(IHC)法によって決定される。

0015

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、患者から得られる試料は、腫瘍試料である。一部の実施形態において、腫瘍試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料である。

0016

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、本方法は、遺伝子のうちの少なくとも2つの発現レベルを決定することを更に含む。一部の実施形態において、本方法は、遺伝子のうちの3つ全ての発現レベルを決定することを更に含む。

0017

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、FGFR3の発現レベルは、基準レベルに対して少なくとも2倍増加したことが決定されている。一部の実施形態において、FGFR3の発現レベルは、基準レベルに対して少なくとも4倍増加したことが決定されている。

0018

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、EGFRの発現レベルは、基準レベルに対して少なくとも4倍増加したことが決定されている。一部の実施形態において、EGFRの発現レベルは、基準レベルに対して少なくとも8倍増加したことが決定されている。

0019

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、本方法は、DUSB3、FRS2、TSC1、ERBB3、CDKN1A、CCND1、TP63、MMP2、ZEB2、PIK3CB、PIK3R1、MDM2、SNAI2、AXL、ZEB1、BCL2B、TSC2、RB1、FGFR32、PIK3IP1、MTOR、PIK3CA、PTEN、AKT1、BCL2A、FRS3、ERBB2、FGFR31、FGF1、SNAI1、FGFR34、FGF9、及びFGF2からなる群から選択される少なくとも1つの追加遺伝子の発現レベルを決定することを更に含み、少なくとも1つの追加遺伝子の発現レベルは、少なくとも1つの追加遺伝子の基準レベルに対して変化している。

0020

上記態様のうちのいずれか1つの一部の実施形態において、膀胱癌は、筋層非侵襲性膀胱癌、筋層侵襲性膀胱癌、または転移性膀胱癌である。一部の実施形態において、筋層非侵襲性膀胱癌は、再発性筋層非侵襲性膀胱癌である。

図面の簡単な説明

0021

患者に関する情報、及び実施例の節(例えば、実施例1〜6)で解析された膀胱癌腫瘍標本臨床病理学的特徴を示す表である。
図2A及び2Bは、Sjodahl et al.Clin.Cancer Res.18(12):3377−3386,2012からの18,000遺伝子の発現に関する主成分解析PCA)(図2A)、及び実施例の節に記載されるカスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネル重複する82遺伝子のみを使用するもの(例えば、表1を参照されたい)を示すグラフである(図2B)。両方の解析は、Sjodahlら(上記)に記載される膀胱癌サブタイプに属する試料の類似の分布を示す。
図2C及び2Dは、重心に基づく分類器との交差検証が、1,000遺伝子に基づく(図2C)及びカスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルと重複する82遺伝子に基づく(図2D)、Sjodahlら(上記)の膀胱癌サブタイプの類似の分類精度をもたらすことを示すグラフである。図2A〜2Dに提示されるデータは、カスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルが、膀胱癌を分子的に定義されたサブタイプに正確に分類するできることを示す。ラインマーカーは、明確にするためであり、データ点を示してはいない。
図3A及び3Bは、Fluidigmアッセイ性能が、ユニバーサルRNA(uRNA)対照入力量を減少させることにより、FGFR3(図3A)及びPIK3CA(図3B)に関して示されるように、RNA入力量によって影響されなかったことを示すグラフである。
図3C及び3Dは、カスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルのラントゥランデータ再現性が、臨床組織に関して高かったことを示すグラフである。図3C(HP−52719)及び図3D(HP−50331)は、各々が異なる日からのラン間で>0.98のR2値を示す、2つの代表的なホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)由来RNA試料を示す。
カスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルの高いチップ・トゥ・チップデータ再現性を示すグラフである。
Fluidigm解析からの転写的に定義された組織クラスタ(組織)及び同時制御遺伝子の群(遺伝子)のヒートマップである。緑色、黄色、及び赤色の組織群は、試料の大半を含有していた。
緑色、黄色、及び赤色組織クラスタ(例えば、図4Aを参照されたい)が、明確な無疾患生存(DFS)可能性と関連付けられることを示すグラフである。赤色群試料は、最良のDFSプロファイルを有し(赤色対黄色:HR=0.54、P=0.03)、緑色群試料は、最悪のDFS可能性と関連付けられた(赤色対緑色:HR=0.29、P=0.004)。
緑色群及び赤色群が、大部分の侵襲性組織及び全ての転移を含んでいた黄色群よりも著しく高い頻度の非侵襲性試料を含んでいたことを示す、非侵襲性及び侵襲性/転移組織像コールを示すグラフである(緑色対赤色:P=0.1029、有意でない(NS);緑色対黄色及び赤色対黄色:両方の比較の場合、P<0.0001)。
3つの主要な組織クラスタにおける、微小乳頭組織像を有する腫瘍の頻度を示すグラフである。より高い頻度の微小乳頭組織像が、黄色群において観察された(緑色対赤色:P=0.2351、NS;緑色対黄色:P=0.1167、NS;赤色対黄色:P=0.0063)。
免疫浸潤陽性試料の有病率に関して、緑色群、赤色群、及び黄色群間で有意差がないことを示すグラフである(緑色対赤色:P=0.3332、NS;緑色対黄色:P=0.5197、NS;赤色対黄色:P=1、NS)。
3つの群の治療頻度分布を示すグラフである。緑色群は、赤色群及び黄色群よりも重度に治療され(両方の比較の場合、P<0.0001)、赤色群及び黄色群は、同程度で治療された(P=0.8836、NS)。治療は、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)ワクチン、化学療法放射線、またはそれらの組み合わせを含んでいた。
実施例2に記載されるカスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルによる発現解析が、緑色群、黄色群、及び赤色群により表される3つの主要な組織のサブセット、ならびに青色群及び紫色群により表される2つのマイナーなサブタイプを特定したことを示すヒートマップである。
実施例2に記載されるカスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルによる発現解析が、異なる生態と関連付けられる4つの主要な遺伝子発現クラスタを特定したことを示すヒートマップである。矢印は、TP53及びFGFR3(ピンク色クラスタI);ZEB1/2のような上皮間葉転換EMT)遺伝子及びPIK3CA及びPIK3R1等のホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)遺伝子(水色クラスタII);PTEN及びAKT1等の他のPI3K遺伝子(マゼンタ色クラスタIII);ならびに線維芽細胞成長因子(FGF)リガンド及び受容体薄茶色クラスタIV)を含む、各クラスタの代表的な遺伝子を指し示す
図5Aに記載される組織サブタイプが、明確な無疾患生存(DFS)可能性と関連付けられたことを示すグラフである。ラインマーカーは、明確にするためであり、データ点を示してはいない。
図6A〜6Dは、(図6A)筋層非侵襲性膀胱癌、(図6B)筋層侵襲性膀胱癌、(図6C)リンパ浸潤陽性組織、及び(図6D)微小乳頭組織像を有する膀胱腫瘍組織学的特徴を示す、代表的なヘマトキシリンエオシン(H&E)で染色された部分である。スケールバーは、100μmを示す。
図6A〜6Dは、(図6A)筋層非侵襲性膀胱癌、(図6B)筋層侵襲性膀胱癌、(図6C)リンパ浸潤陽性組織、及び(図6D)微小乳頭組織像を有する膀胱腫瘍の組織学的特徴を示す、代表的なヘマトキシリン&エオシン(H&E)で染色された部分である。スケールバーは、100μmを示す。
緑色群、赤色群、及び黄色群の標本に関するFGFR3突然変異状態、FGFR3免疫組織化学(IHC)、及び組織病理学コールを示すカラーマップである。
FGFR3転写レベルが、Fluidigm遺伝子発現解析によって決定される通り、野生型(WT)試料(P<0.0001)と比較して、突然変異体(MT)においてより高かったことを示すグラフである。
IHCによって測定される通り、FGFR3突然変異体試料が、野生型組織より高いレベルのタンパク質を発現したことを示すグラフである(P<0.0001)。
FGFR3突然変異率が、赤色群及び侵襲性/転移性黄色群の両方と比較して、緑色群において著しく高かったことを示すグラフである(両方の比較の場合、P<0.0001)。
緑色群の試料が、赤色群及び黄色群の試料よりも著しく高いFGFR3転写レベルを発現したことを示すグラフである(両方の比較の場合、P<0.0001)。
IHCによるFGFR3タンパク質レベルが、赤色群よりも緑色群において高く、黄色群において最低であったことを示すグラフである(緑色対赤色:P=0.0343;赤色対黄色:P<0.0001)。
非侵襲性、侵襲性、及び膀胱癌転移におけるFGFR3発現を示す一連円グラフである。高タンパク質レベルのFGFR3(IHC 2+/3+)が、66%、32%、及び33%の例でそれぞれ観察された。
FGFR3−高侵襲性及び低侵襲性腫瘍ならびに膀胱癌転移を有する患者の3年または5年DFS率を示す一連のグラフであり、両方の状況の高発現腫瘍において低いDFS率を明示する(発現カットオフ=50パーセンタイル)。
3年及び5年における全生存(OS)率が、FGFR3低発現例よりも高発現例において低いことを示す一連のグラフである(発現カットオフ=25パーセンタイル;高FGFR3、N=15;低FGFR3、N=24)。
Kim et al.Mol.Cancer 9:3,2010からの一般に入手可能なデータセットの解析を示し、カプラン・マイヤープロット左パネル)ならびに3年及び5年OS率(右パネル)の両方によって、高(「hi」)レベル対低(「lo」)レベルのFGFR3を発現する進行した膀胱癌を有する患者の著しく不良なOSプロファイルを示す(発現カットオフ=75パーセンタイル;高FGFR3、N=10;低FGFR3、N=52)。
INGENUITY(登録商標)ソフトウェア(Qiagen,RedwoodCity,CA)解析が、p53、PI3K−AKT、EMT、及びERBB、及びFGFR3経路を、非侵襲性の急速に再発する緑色群と、侵攻性の低い赤色群との間で異なって発現されるものとして特定したことを示すグラフである。緑色群と赤色群との間で著しく差次的に発現された45/96遺伝子(P<0.05、多重試験補正を用いる)を、解析のための入力として使用した。
緑色群、黄色群、及び赤色群からの試料において、Fluidigm解析(MutMap、Schleifman et al.PloS One 9:e90761,2014を参照されたい)によって決定される、次世代シーケンシング(NGS)結果及び突然変異状態のカラーマップである。検証された突然変異は、NGS及びMutMapの両方によって特定されたものであった。
は、緑色群、赤色群、及び黄色群の試料においてNGSにより特定されたTP53突然変異を示すTP53遺伝子の概略図(ロリポッププロット)である。色付きのボックスは、組織群の割り当てを示す。類似の番号を有するボックスは、同じ試料中で同時検出された突然変異を指し示す。大部分の突然変異は、DNA結合ドメイン内に密集し、重複していない。
良性の赤色群と比較して、急速に再発する緑色群において著しく高いTP53突然変異率が存在したことを示すグラフである(P=0.03)。TP53突然変異頻度は、赤色群と黄色群、または緑色群と黄色群との間で著しく異ならなかった(P=0.1227、NS;及びP=0.3605、NS)。
TP53の発現レベルが、Fluidigm遺伝子発現解析によって決定される通り、赤色群及び黄色群の両方と比較して、緑色群において高かったことを示すグラフである(それぞれP=0.0187及びP=0.0020)。
TP53転写標的p21の発現レベルが、Fluidigm遺伝子発現解析によって決定される通り、赤色群及び黄色群の両方と比較して、緑色群において著しく高かったことを示すグラフである(両方の比較の場合、P<0.0001)。
突然変異体TP53試料が、IHCによって決定される通り、野生型例よりも高いレベルのTP53タンパク質を発現したことを示すグラフである(P=0.0201)。
実施例1に記載される膀胱癌群全体からの高TP53例及び低TP53例に関して類似のDFSプロファイルを示すカプラン・マイヤープロットである(全腫瘍病期;P=0.4218;高TP53、N=53;低TP53、N=73)。Hi、高い;Lo、低い。
非侵襲性腫瘍において、高いTP53発現が、不良なDFS可能性に向かう傾向と関連付けられることを示すカプラン・マイヤープロットである(HR=1.99;P=0.1292)。
非侵襲性腫瘍状況において、高いTP53発現が、BCG治療された患者における著しく不良なDFS可能性と関連付けられることを示すカプラン・マイヤープロットである(HR=4.2;P=0.0405)。
非侵襲性腫瘍における高いTP53発現が、治療を受けなかった患者の不良なDFS可能性と関連付けられないことを示すカプラン・マイヤープロットである(HR=0.57;P=0.5749)。
膀胱癌標本のサブセットにおけるERBB経路リガンド及び受容体発現、ならびに同じ試料中の重要経路における重複する突然変異及びコピー数変更のFluidigm解析のカラーマップである。ERBB受容体及びリガンドの発現解析、突然変異解析、及びコピー数解析を、カスタムFluidigmパネル上で実行した(Schleifman et al.PloS One 9:e90761,2014)。Fluidigm突然変異解析の場合:暗灰色の棒、突然変異体;中灰色の棒、技術的理由からコールなし;白色の棒、該当なし;明灰色の棒、野生型。FluidigmDNAコピー数解析の場合:暗灰色の棒、DNAコピー数増加;中灰色の棒、技術的理由からコールなし;明灰色の棒、DNAコピー数変化なし;白色の棒、該当なし。
EGFRが、Fluidigmによって決定される通り、赤色群及び黄色群の両方と比較して、緑色群において著しく高いレベルで発現されたことを示すグラフである(それぞれP=0.012及びP=0.0012)。
非侵襲性膀胱癌腫瘍において、高いEGFR発現レベルが、低減した3年及び5年DFS率と関連付けられたことを示すグラフである(発現カットオフ=25パーセンタイル、高EGFR、N=22;低EGFR、N=66)。
高いEGFR発現レベルが、膀胱癌転移を有する患者の低減したDFS率と関連付けられたことを示すグラフである(発現カットオフ=25パーセンタイル;高EGFR、N=6;低EGFR、N=4)。
膀胱癌転移を有する患者において、高いEGFR発現レベルが、より低い3年及び5年OS率と関連付けられたことを示すグラフである(発現カットオフ=50パーセンタイル;高EGFR、N=3;低EGFR、N=7)。
Sjodahl et al.Clin.Cancer Res.18(12):3377−3386,2012からの独立データセットの解析を示すグラフである。このグラフは、高いEGFR発現が、不良な3年及び5年OS頻度と関連付けられたことを示す(発現カットオフ=50パーセンタイル;高EGFR、N=23;低EGFR、N=28)。
Kim et al.Mol.Cancer 9:3,2010からの独立データセットの解析を示すグラフである。このグラフは、高いEGFR発現が、3年及び5年における低いOS率と関連付けられることを示す(発現カットオフ=25パーセンタイル;高EGFR、N=48;低EGFR、N=14)。
EGFR阻害剤エルロチニブ(TARCEVA(商標))による膀胱癌細胞株の治療が、25%超の成長阻害(GI)を示す3つの感受性細胞株(UMUC5、UMUC10、及びUMUC17)、ならびに治療に応答して25%未満のGIを示す4つの耐性細胞株RT112、UMUC3、SW780、及びBFTC905)を特定したことを示すグラフである。
EGFRが、治療に応答して最小のGIを示す細胞株よりも、エルロチニブ(TARCEVA(商標))に感受性である膀胱癌細胞株(25%超のGI)において、著しく高いレベルで発現されることを示すグラフである(P=0.0106)。
実施例1(例えば、表1)に記載されるカスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルを含む遺伝子を示すベン図であり、INGENUITY(登録商標)解析に基づく3つの主要経路群、すなわち(1)FGFR、RTK、MAPK、及びPI3K経路;(2)発達及び上皮間葉転換(EMT)軸;ならびに(3)TP53、ゲノム定性、及び細胞周期制御ネットワークに属する重複及び固有遺伝子を示す。数字は、ベン図の各部分における固有の遺伝子の数に対応する。
Sjodahlら(上記)によって定義される通り、大きな公開データセットからの試料の無監督階層クラスタリングの結果、ならびに対応する腫瘍悪性度、病期、及び分子クラスを示すグラフである。
カスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルに対応するプローブと比較して、減少数のIlluminaプローブに基づく、Sjodahlら(上記)データセットからの腫瘍に関する相互検証された誤分類誤差曲線を示す一連のグラフである。各グラフは、総遺伝子のサブセットと共に最近収縮重心分類器を使用して、腫瘍悪性度、TNM病期、または分子クラスの予測試みる間に生じた分類誤差の量を示す。遺伝子の数は、下x軸に示される対応する「収縮因子」と共に上x軸に沿って示される。
カスタム膀胱癌Fluidigm遺伝子発現パネルの遺伝子に対応するプローブからのシグナル、及び対応する公開された基底管腔状態に基づく4つの公開データセットからの試料の無監督の階層クラスタリングを示す一連のグラフである(Damrauer et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 111:3110−3115,2014)。
増加量の入力量のユニバーサルRNA(uRNA)対照に関して、6つの代表的なアッセイの線形性能及びそれらの原CT値を示す一連のグラフである。
異なる日に実行された2つの代表的なFFPE由来RNA試料に関して見られる通り、アーカイブFFPE組織に関するラン・トゥ・ランデータを示す一連のグラフである。
公開データセットからの遺伝子及び試料、ならびに実施例1及び図1に記載される膀胱癌FFPE組織群からのNMIBC、MIBC、及び転移(MET)の無監督のクラスタリングの結果を示すヒートマップである。白色ブロックは、それぞれのデータセットにおいて見出されない遺伝子を表す。
Damrauerら(上記)の発見試料から計算された膀胱癌パネル遺伝子の基底プロファイル(赤色の棒)及び管腔プロファイル(青色の棒)を示すグラフである。平均中心及び単位分散正規化を、ログ変換された発現値に適用し、平均ログ正規化発現レベルを、基底及び管腔試料群に関して独立して計算して、最終プロファイルを形成した。
公開データからの基底/管腔サイン演算処理し、次いでこれらのサインを膀胱パネルデータに適用して、試料の基底/管腔類似性を測定するために使用される方法論を示す図である。
膀胱癌パネル遺伝子発現ならびに癌関連遺伝子の対応するB/Lスコア、組織像、及び突然変異状態に基づく、204のFFPE試料(実施例1及び図1を参照されたい)の無監督の階層クラスタリング(平均連結法、1−ピアソン相関距離メトリック)の結果を示す。追加の詳細については、実施例6を参照されたい。
図15B〜15Eは、図15Aにおける転写的に定義された管腔及び基底クラスタからの試料中の、B/Lスコアの統計解析(図15B)、NMIBC、MIBC、及びMETの分布(図15C)、FGFR3突然変異の有病率(図15D)、及びFGFR3 IHCスコア(図15E)を示すグラフである。
図15B〜15Eは、図15Aにおける転写的に定義された管腔及び基底クラスタからの試料中の、B/Lスコアの統計解析(図15B)、NMIBC、MIBC、及びMETの分布(図15C)、FGFR3突然変異の有病率(図15D)、及びFGFR3 IHCスコア(図15E)を示すグラフである。
図15Aにおいて管腔試料と基底試料との間で著しく差次的に発現された遺伝子の発現に基づく、INGENUITY(登録商標)経路活性化スコアを示す。
同じ患者からの原発腫瘍におけるB/Lスコア(X軸)と、マッチさせた転移における対応するB/Lスコア(Y軸)との間の相関プロットを示すグラフである。ドットの色は、SNP遺伝子型判定に基づいて同じ患者にマッチさせた試料の有意性を反映する。Log10(p値)=−4(P=0.0001)、Log10(p値)=−3(P=0.001)、及びLog10(p値)=−2(P=0.01)。点線は、95%信頼区間を表し、それを超えて、転移及び原発試料B/Lスコアは、0.05のp値において異なる。
マッチさせた対におけるB/L状況の相違に関して、原発腫瘍(「pri」)、マッチさせた転移(「met」)のB/Lスコア、及び対応するp値を示す表である。
図17A及び17Bは、FFPE組織内の2つの群間で著しく差次的に発現された遺伝子に基づいて、基底試料との比較で管腔内のエストロゲン受容体予測的活性化を示すINGENUITY(登録商標)解析の結果を表す図である。
少なくとも100倍の読み取り範囲及び10%超の頻度で全ての変異型部位における対立遺伝子頻度を比較する、次世代シーケンシング(NGS)AMPLISEQ(商標)データを使用するピアソン相関マトリックスである(平均して、120部位を任意の2つの試料間で比較した)。

0022

I.序文
本発明は、癌、例えば、膀胱癌のための治療、診断、及び予後判定方法ならびに組成物を提供する。本発明は、FGFR3、TP53、及び/またはEGFRを含む、表1に記載の遺伝子の少なくとも1つの発現レベル(例えば、基準試料に対して変化した発現レベル)の決定が、癌に罹患している患者を治療するため、癌に罹患している患者の予後を決定するため、癌を有する患者が抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかを決定するため、及び/または癌を有する患者に対する抗癌療法剤の治療効果を最適化するために有用であるという発見に基づいている。一部の実施形態において、次いで、抗癌療法剤が患者に対して選択され得、更に、抗癌療法剤は、任意選択で患者に投与され得る。

0023

II.定義
「発現レベル」、「発現のレベル」、または「レベル」は、交換可能に使用され、概して、生物試料中ポリヌクレオチド(例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)またはアミノ酸産生物若しくはタンパク質の量を指す。「発現」は、概して、遺伝子コードされた情報が、細胞内に存在し、作動する構造体内に転換されるプロセスを指す。したがって、本発明によると、遺伝子の「発現」は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)への転写、ポリペプチド(例えば、タンパク質)への翻訳、または更にポリペプチドの翻訳後修飾を指し得る。転写されたポリヌクレオチドの断片、翻訳されたポリペプチド、または翻訳後修飾されたポリペプチドも、それらが、代替的なスプライシングにより生成された転写産物若しくは劣化した転写産物、または例えば、タンパク質分解によるタンパク質の翻訳後処理を起源とするかどうかにかかわらず、発現されたと見なされよう。「発現遺伝子」には、mRNAとしてポリヌクレオチドへと転写され、次いでタンパク質へと翻訳されるものと、また、RNAへと転写されるがタンパク質へと翻訳されないもの(例えば、トランスファーRNA及びリボソームRNA)とが含まれる。

0024

マーカー」及び「バイオマーカー」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、DNA、RNA、タンパク質、炭水化物、または糖脂質分子マーカーを指し、対象または患者の試料におけるその発現または存在は、標準方法(または本明細書に開示される方法)によって検出され得、例えば、患者における膀胱癌を診断するため、膀胱癌に罹患している患者の予後を決定するため、膀胱癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかを決定するため、膀胱癌を有する抗癌患者の治療効果を最適化するため、及び/またはかかるマーカーの発現レベルを決定することを必要とする治療方法において有用である。かかるバイオマーカーには、表1に記載される遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、遺伝子は、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの1つ以上であり得る。一部の実施形態において、遺伝子は、FGFR3である。一部の実施形態において、遺伝子は、TP53である。一部の実施形態において、遺伝子は、EGFRである。他の実施形態において、遺伝子(複数可)は、DUSB3、FRS2、TSC1、ERBB3、CDKN1A、CCND1、TP63、MMP2、ZEB2、PIK3CB、PIK3R1、MDM2、SNAI2、AXL、ZEB1、BCL2B、TSC2、RB1、FGFR32、PIK3IP1、MTOR、PIK3CA、PTEN、AKT1、BCL2A、FRS3、ERBB2、FGFR31、FGF1、SNAI1、FGFR34、FGF9、またはFGF2から選択されてもよい。かかるバイオマーカーの発現は、患者から得られる試料中で基準レベルよりも高いか、または低いかを決定することができる。少なくとも1つの遺伝子の基準発現レベルを超えるか、またはそれより低い発現レベルを有する個体は、膀胱癌に罹患している対象/患者として、特定の予後(例えば、良好な予後若しくは不良な予後)を有する患者として、または抗癌療法剤での治療に応答する可能性がある者として特定され得る。

0025

ある特定の実施形態において、本明細書における「基準レベル」という用語は、既定値を指す。熟練者であれば理解するであろう通り、基準レベルは既定され、例えば、特異性及び/または感受性に関する要件を満たすように設定されている。これらの要件は、例えば、規制機関ごとに異なり得る。例えば、アッセイの感受性または特異性はそれぞれ、ある特定の制限、例えば、80%、90%、95%、または99%に設定される必要があり得る。これらの要件は、正または負の予測値に関して定義されてもよい。それにも関わらず、本発明において付与される教示に基づいて、それらの要件を満たす基準レベルに達することが常に可能となるであろう。一実施形態において、基準レベルは、健康な個体において決定される。一実施形態において、この基準レベルは、患者が属する疾病単位(例えば、膀胱癌等の癌タイプ、または膀胱癌のサブタイプ)において規定されていた。ある特定の実施形態において、基準レベルは、調査される疾病単位における値の全体分布の20〜95パーセンタイルの間の任意のパーセンタイル(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95パーセンタイル)に設定され得る。特定の実施形態において、基準レベルは、調査される疾病単位における値の全体分布の25パーセンタイルに設定される。他の特定の実施形態において、基準レベルは、調査される疾病単位における値の全体分布の50パーセンタイルに設定される。他の実施形態において、基準レベルは、例えば、調査される疾病単位における、または所与集団における値の全体分布から決定されるメジアン、三分位値、四分位値、または五分位値に設定され得る。他の実施形態において、基準レベルは、調査される疾病単位における、または所与の集団における値の全体分布から決定される平均に設定され得る。

0026

ある特定の実施形態において、「増加」または「より上」という用語は、基準レベルでのレベルを指すか、または基準試料からのレベルと比較して、本明細書に記載される方法によって検出されるマーカー(例えば、FGFR3、TP53、若しくはEGFR)のレベルにおいて、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、100%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、若しくはそれ以上の全体増加を指す。

0027

ある特定の実施形態において、「減少」または「より下」という用語は、基準レベルより下のレベルを指すか、または基準試料からのレベルと比較して、本明細書に記載される方法によって検出されるマーカー(例えば、FGFR3、TP53、若しくはEGFR)のレベルにおいて、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくはそれ以上の全体低減を指す。

0028

ある特定の実施形態において、「基準レベルで」という用語は、基準試料からの、本明細書に記載される方法によって検出されるレベルと同じであるマーカー(例えば、FGFR3、TP53、及び/またはEGFR)のレベルを指す。

0029

「診断」という用語は、分子的または病理学的状態、疾患、または病態(例えば、膀胱癌を含む癌)の特定または分類を指すために本明細書で使用される。例えば、「診断」は、特定タイプの癌の特定を指し得る。「診断」はまた、例えば、病理組織学的基準による、または分子的特徴による、特定のサブタイプの癌の分類(例えば、バイオマーカー(例えば、特定の遺伝子または該遺伝子によってコードされるタンパク質)のうちの1つまたは組み合わせの発現によって特徴付けられるサブタイプ)を指す場合もある。一部の実施形態において、癌のサブタイプは、筋層非侵襲性膀胱癌(NMIBC;T0、T1)、筋層侵襲性膀胱癌(MIBC;T2、T3)、または転移性膀胱癌であり得る。

0030

治療または療法剤、例えば、有効量の抗癌療法剤(例えば、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/若しくはEGFRアンタゴニストを含む抗癌療法剤)を含む治療に対する患者の「応答」または患者の「応答性」は、治療から、または治療の結果として、癌(例えば、膀胱癌)の危険性があるか、またはそれを有する患者に付与される臨床的または治療的利益を指す。かかる利益には、細胞または生物学的応答、完全応答、部分応答、安定した疾患(進行若しくは再発がない)、またはアンタゴニストでの治療から、または治療の結果として患者の晩期再発を伴う応答が含まれ得る。熟練者であれば、患者が応答性であるかどうかを決定するような立場に容易に置かれるであろう。例えば、膀胱癌に関して、応答は、膀胱癌による苦痛の減少、例えば、減退した及び/または停止した腫瘍増殖、腫瘍のサイズの低減、及び/または膀胱癌の1つ以上の症状の改善、例えば、血尿(血尿症)、排尿の変化、他の泌尿器症状、腰痛、または骨盤痛によって反映され得る。一部の実施形態において、応答は、癌の転移性変換の指標または癌の指標の減少または減退、例えば、転移の形成の予防または転移の数若しくはサイズの低減によって反映され得る。例えば、応答は、基準レベルに対して増加レベルまたは減少レベルの、表1に記載されるバイオマーカー(FGFR3、TP53、及びEGFR)のうちの1つを発現していると診断された患者における、低減した腫瘍サイズ、無疾患生存、無進行生存、または全生存であり得る。

0031

「試料」及び「生物試料」という用語は、体液体組織(例えば、腫瘍組織)、細胞、または他の源を含む個体から得られた任意の生物試料を指すために交換可能に使用される。体液は、例えば、リンパ、血清、全生血、末梢血単核細胞凍結された全血血漿(生または凍結を含む)、尿、唾液精液滑液、及び髄液である。試料には、乳房組織腎組織結腸組織脳組織筋組織滑膜組織、皮膚、毛包骨髄、及び腫瘍組織も含まれる。哺乳動物からの組織生検標本及び体液の入手方法は、当該技術分野において周知である。

0032

本明細書における「腫瘍試料」は、患者の腫瘍に由来するかまたはその腫瘍細胞を含む試料である。本明細書における腫瘍試料の例には、腫瘍生検標本、循環腫瘍細胞循環血漿タンパク質腹水、腫瘍に由来するかまたは腫瘍の様な特性を示す初代細胞培養物または細胞株、ならびにホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍試料または凍結腫瘍試料等の保管された腫瘍試料が含まれるが、これらに限定されない。

0033

関心対象のポリペプチドの「アンタゴニスト」(交換可能に「阻害剤」と呼ばれる)は、関心対象のポリペプチドの活性化または機能を干渉する、例えば、関心対象のポリペプチドによって媒介される生物活性を部分的にまたは完全に遮断阻害、または中和する薬剤である。例えば、ポリペプチドXのアンタゴニストは、ポリペプチドXによって媒介される生物活性を部分的にまたは完全に遮断、阻害、または中和する任意の分子を指す。阻害剤の例には、抗体、リガンド抗体、小分子アンタゴニスト、アンチセンス、及び阻害性RNA(例えば、shRNA)分子が含まれる。好ましくは、阻害剤は、関心対象のポリペプチドに結合する抗体または小分子である。特定の実施形態において、阻害剤は、約1,000nM以下の関心対象のポリペプチドに対する結合親和性解離定数)を有する。別の実施形態において、阻害剤は、約100nM以下の関心対象のポリペプチドに対する結合親和性を有する。別の実施形態において、阻害剤は、約50nM以下の関心対象のポリペプチドに対する結合親和性を有する。特定の実施形態において、阻害剤は、関心対象のポリペプチドに共有結合される。特定の実施形態において、阻害剤は、1,000nM以下の最大半量阻害濃度(IC50)で関心対象のポリペプチドのシグナル伝達を阻害する。別の実施形態において、阻害剤は、500nM以下のIC50で関心対象のポリペプチドのシグナル伝達を阻害する。別の実施形態において、阻害剤は、50nM以下のIC50で関心対象のポリペプチドのシグナル伝達を阻害する。ある特定の実施形態において、アンタゴニストは、関心対象のポリペプチドの発現レベルまたは生物活性を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上低減するか、または阻害する。一部の実施形態において、関心対象のポリペプチドは、FGFR3またはFGFR3のリガンドである。一部の実施形態において、関心対象のポリペプチドは、EGFRまたはFGFR3のリガンドである。一部の実施形態において、関心対象のポリペプチドは、TP53である。

0034

本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、別途指定されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の関心対象の任意の天然ポリペプチド(例えば、タンパク質)を指す。この用語は、「完全長」未処理のポリペプチド、ならびに細胞内の処理から生じるポリペプチドの任意の形態を包含する。この用語は、ポリペプチドの天然に存在する変異型、例えば、スプライス変異型または対立遺伝子変異型も包含する。一部の実施形態において、ポリペプチドは、FGFR3である。他の実施形態において、ポリペプチドは、TP53である。他の実施形態において、ポリペプチドは、EGFRである。

0035

本明細書で交換可能に用いられる、「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドリボヌクレオチド修飾ヌクレオチド若しくは塩基、及び/またはそれらの類似体、あるいはDNAまたはRNAポリメラーゼによりポリマーに組み込むことができる任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体等の修飾ヌクレオチドを含んでよい。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリマーの組み立て前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分により中断され得る。ポリヌクレオチドは、例えば標識との複合により、合成後に更に修飾され得る。他のタイプの修飾には、例えば、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上を類似体と置換する「キャップ」、ヌクレオチド間修飾、例えば、非電荷性結合(例えば、メチルホスホン酸塩、ホスホトリエステル、ホスホアミデートカルバメート等)によるもの、及び電荷性結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)によるもの、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ毒素、抗体、シグナルペプチドポリ−L−リシン等)の懸垂部分を含むもの、挿入剤(例えば、アクリジンソラーレン等)によるもの、キレート剤(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金属等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾結合(例えば、αアノマー核酸等)によるもの、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の未修飾形態が含まれる。更に、糖内に通常存在するヒドロキシル基のうちのいずれかは、例えば、ホスホン酸基リン酸基により置換されるか、標準保護基により保護されるか、若しくは活性化されて追加のヌクレオチドへの追加の結合を調製し得るか、または固体若しくは半固体支持体に複合されてもよい。5′及び3′末端OHをリン酸化するか、またはアミン若しくは1〜20個の炭素原子有機キャッピング基部分と置換することができる。他のヒドロキシルは、標準保護基に誘導体化されてもよい。ポリヌクレオチドには、一般に当該技術分野において既知リボースまたはデオキシリボース糖の類似形態を含むこともでき、例えば、2′−O−メチル−、2′−O−アリル、2′−フルオロ−または2′−アジド−リボース、炭素環式糖類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノースキシロース、またはリキソースピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース非環式類似体、及び脱塩ヌクレオシド類似体、例えば、メチルリボシドも含まれる。1つ以上のホスホジエステル結合は、代替連結基に置き換えられてもよい。これらの代替連結基には、限定されないが、リン酸塩がP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、″(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR′、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)に置き換えられる実施形態が含まれ、各RまたはR′は、独立してHであるか、または置換若しくは非置換アルキル(1−20C)(任意にエーテル(−O−)結合を含む)、アリールアルケニルシクロアルキルシクロアルケニル、またはアラルジルである。ポリヌクレオチド内のすべての結合が同一である必要はない。前述の説明は、RNA及びDNAを含む、本明細書で言及される全てのポリヌクレオチドに適用する。

0036

「小分子」という用語は、約2000ダルトン以下、好ましくは約500ダルトン以下の分子量を有する任意の分子を指す。

0037

「抗体」という用語は、本明細書で最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含むが、これらに限定されない、種々の抗体構造を包含する。

0038

「関心対象の抗ポリペプチド抗体」及び関心対象のポリペプチド「に結合する抗体」という用語は、その抗体が診断剤及び/または療法剤として関心対象のポリペプチドを標的とすることに有用となるような十分な親和性で関心対象のポリペプチドに結合することができる抗体を指す。一実施形態において、関心対象のタンパク質の無関係の非ポリペプチドへの関心対象の抗ポリペプチド抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法RIA)によって測定した場合に、関心対象のポリペプチドへの抗体の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態において、関心対象のポリペプチドに結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8M〜10−13M、例えば、10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、関心対象の抗ポリペプチド抗体は、異なる種に由来する関心対象のポリペプチド間で保存されている関心対象のポリペプチドのエピトープに結合する。一部の実施形態において、関心対象のポリペプチドは、FGFR3である。一部の実施形態において、関心対象のポリペプチドは、EGFRである。一部の実施形態において、関心対象のポリペプチドは、TP53である。

0039

遮断抗体」または「アンタゴニスト抗体」は、それが結合する抗原生物学的活性を阻害または低減するものである。好ましい遮断抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的にまたは完全に阻害する。

0040

「親和性」は、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の、非共有性相互作用の総和の強度を指す。別途指定されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対メンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する、本来の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は、一般に解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当該技術分野において既知の一般的な方法によって測定することができる。

0041

「抗体断片」は、無傷抗体が結合する抗原に結合する、無傷抗体の一部を含む無傷抗体以外の分子を指す。「機能的断片」は、完全長抗体の機能を維持する抗体断片である。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab′、Fab′−SH、F(ab′)2;二重特異性抗体;線状抗体(LINEAR ANTBODIES);一本鎖抗体分子(例えば、scFv);及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されない。

0042

キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りの部分が異なる源または種に由来する抗体を指す。

0043

「完全長抗体」、「無傷抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書において、天然抗体構造と実質的に類似する構造を有するか、またはFc領域を含む重鎖を有する抗体を指すために交換可能に使用される。

0044

本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指す。すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、同一であり、かつ/または同じエピトープに結合するが、例えば、自然発生突然変異を含有する、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に発生する、想定される変異型抗体を除いて、かかる変異形は一般に少量で存在する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体の特徴を示しており、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免役グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法、例えば、モノクローナル抗体を作製するためのかかる方法及び他の例示的な方法を含むが、これらに限定されない、多様な技法によって作製されてもよい。

0045

ヒト抗体」は、ヒト若しくはヒト細胞によって産生された、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する、抗体のアミノ酸配列、または他のヒト抗体コード配列に対応する、アミノ酸配列を保有するものである。このヒト抗体の定義は、具体的に、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。

0046

ヒト化」抗体は、非ヒト超可変領域HVR)由来のアミノ酸残基及びヒトフレームワーク(FR)由来のアミノ酸残基を含む、キメラ抗体を指す。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、そのHVR(例えば、相補性決定領域(CDR))の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、そのFRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含んでもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の、「ヒト化形態」は、ヒト化を経た抗体を指す。

0047

免疫複合体」は、細胞毒性剤を含むが、これに限定されない1つ以上の異種性分子(複数可)に複合される抗体である。

0048

本明細書で使用される「線維芽細胞成長因子受容体3」及び「FGFR3」という用語は、別途指定されない限り、霊長類(例えば、ヒト)及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然FGFR3を指す。この用語は、「完全長」未処理のFGFR3、ならびに細胞内の処理から生じるFGFR3の任意の形態を包含する。この用語は、FGFR3の天然に存在する変異型、例えば、スプライス変異型または対立遺伝子変異型も包含する。ヒトFGFR3ポリペプチドの例示的な野生型配列は、P22607−1またはP22607−2のUniProtデータベースからのアミノ酸配列を含む。

0049

本明細書で使用される場合、「FGFR3アンタゴニスト」及び「FGFR3阻害剤」という用語は、現在当該技術分野において既知であるか、または今後特定されるであろう任意のFGFR3アンタゴニストを指し、患者への投与時に、他の方法でその天然リガンドのFGFR3への結合から生じる下流生物学的作用のうちのいずれかを含む、患者におけるFGFR3の活性化と関連付けられる生物活性の阻害をもたらす任意の化学実体を含む。かかるFGFR3アンタゴニストには、FGFR3活性化、または患者における癌の治療に関連するFGFR3活性化の下流生物学的作用のうちのいずれかを遮断することができる任意の薬剤が含まれる。かかるアンタゴニストは、受容体の細胞内ドメイン直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害することによって作用することができる。代替として、かかるアンタゴニストは、FGFR3受容体のリガンド結合部位またはその一部分を占拠することによって作用することができ、それにより、受容体をその天然リガンドにアクセスできないようにして、その正常な生物活性が予防または低減される。代替として、かかるアンタゴニストは、FGFR3ポリペプチドの二量体化、若しくはFGFR3ポリペプチドと他のタンパク質との相互作用を調整することによって作用し得るか、またはFGFR3のユビキチン化及びエンドサイトーシス分解を強化し得る。FGFR3アンタゴニストには、小分子阻害剤、抗体または抗体断片、アンチセンス構築体、小阻害性RNA(すなわち、dsRNAによるRNA干渉;RNAi)、及びリボザイムが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、FGFR3アンタゴニストは、ヒトFGFR3に特異的に結合する小分子または抗体である。例示的なFGFR3アンタゴニスト抗体は、例えば、米国特許第8,410,250号に記載され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、米国特許第8,410,250号は、FGFR3アンタゴニスト抗体クローン184.6、184.6.1、及び184.6.1N54Sを説明している(これらのクローンは、「R3 Mab」とも称される)。

0050

上皮成長因子受容体(EGFR)」、「ErbB1」、「HER1」、及び「EGFRキナーゼ」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、例えば、Carpenter et al.Ann.Rev.Biochem.56:881−914(1987)に開示される通りEGFRと称され、その天然に存在する突然変異体形態を含む(例えば、Humphrey et al.PNAS(USA)87:4207−4211(1990)にあるような欠失突然変異体EGFR)。EGFRまたはERBB1は、EGFRタンパク質産生物をコードする遺伝子を指す。例示的なヒトEGFRタンパク質のアミノ酸配列は、例えば、UniProt受入番号P00533で見出され得る。

0051

本明細書で使用される場合、「EGFRアンタゴニスト」及び「EGFR阻害剤」という用語は、現在当該技術分野において既知であるか、または今後特定されるであろう任意のEGFRアンタゴニストを指し、患者への投与時に、他の方法でその天然リガンドのEGFRへの結合から生じる下流生物学的作用のうちのいずれかを含む、患者におけるEGF受容体の活性化と関連付けられる生物活性の阻害をもたらす任意の化学実体を含む。かかるEGFRアンタゴニストには、EGFR活性化、または患者における癌の治療に関連するEGFR活性化の下流生物学的作用のうちのいずれかを遮断することができる任意の薬剤が含まれる。かかるアンタゴニストは、受容体の細胞内ドメインに直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害することによって作用することができる。代替として、かかるアンタゴニストは、EGF受容体のリガンド結合部位またはその一部分を占拠することによって作用することができ、それにより、受容体をその天然リガンドにアクセスできないようにして、その正常な生物活性が予防または低減される。代替として、かかるアンタゴニストは、EGFRポリペプチドの二量体化、若しくはEGFRポリペプチドと他のタンパク質との相互作用を調整することによって作用し得るか、またはEGFRのユビキチン化及びエンドサイトーシス分解を強化し得る。EGFRアンタゴニストには、小分子阻害剤、抗体または抗体断片、アンチセンス構築体、小阻害性RNA(すなわち、dsRNAによるRNA干渉;RNAi)、及びリボザイムが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、EGFRアンタゴニストは、ヒトEGFRに特異的に結合する小分子または抗体である。

0052

本発明での使用に適した例示的なEGFRアンタゴニストには、例えば、小分子EGFRアンタゴニストが含まれ、キナゾリンEGFRキナーゼ阻害剤ピリドピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピリミド−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピロロ−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピラゾロ−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、フェニルアミノ−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、オキシンドールEGFRキナーゼ阻害剤、インドロカルバゾールEGFRキナーゼ阻害剤、フタラジンEGFRキナーゼ阻害剤、イソフラボンEGFRキナーゼ阻害剤、キナロンEGFRキナーゼ阻害剤、及びチルホスチンEGFRキナーゼ阻害剤、例えば、以下の特許公開に記載されるもの、ならびにEGFRキナーゼ阻害剤の全ての薬学的に許容される塩及び溶媒和物が含まれる。国際特許公開第WO96/33980号、同第WO96/30347号、同第WO97/30034号、同第WO97/30044号、同第WO97/38994号、同第WO97/49688号、同第WO98/02434号、同第WO97/38983号、同第WO95/19774号、同第WO95/19970号、同第WO97/13771号、同第WO98/02437号、同第WO98/02438号、同第WO97/32881号、同第WO98/33798号、同第WO97/32880号、同第WO97/3288号、同第WO97/02266号、同第WO97/27199号、同第WO98/07726号、同第WO97/34895号、同第WO96/31510号、同第WO98/14449号、同第WO98/14450号、同第WO98/14451号、同第WO95/09847号、同第WO97/19065号、同第WO98/17662号、同第WO99/35146号、同第WO99/35132号、同第WO99/07701号、及び同第WO92/20642号、欧州特許出願第EP520722号、同第EP566226号、同第EP787772号、同第EP837063号、及び同第EP682027号、米国特許第5,747,498号、同第5,789,427号、同第5,650,415号、及び同第5,656,643号、ならびにドイツ特許出願第DE19629652号。小分子EGFRアンタゴニストの追加の非限定例には、Traxler,Exp.Opin.Ther.Patents 8(12):1599−1625(1998)に記載されるEGFRキナーゼ阻害剤のうちのいずれかが含まれる。

0053

本発明に従って使用され得る小分子EGFRアンタゴニストの特定の好ましい実施例には、[6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリン−4−イル]−(3−エチニルフェニル)アミン(OSI−774、エルロチニブ、またはTARCEVA(商標)(エルロチニブ HCl)、OSI Pharmaceuticals/Genentech/Rocheとしても知られている)(米国特許第5,747,498号;国際特許公開第WO01/34574号、及びMoyer et al.Cancer Res.57:4838−4848(1997))、CI−1033(以前はPD183805として知られていた;Pfizer)(Sherwood et al.,Proc.Am.Assoc.Cancer Res.40:723(1999))、PD−158780(Pfizer)、AG−1478(University of California)、CGP−59326(Novartis)、PKI−166(Novartis)、EKB−569(Wyeth)、GW−2016(GW−572016またはラパチニブトシラートとしても知られている;GSK)、及びゲフィチニブZD1839またはIRESSA(商標)としても知られている;Astrazeneca)(Woodburn et al.,Proc.Am.Assoc.Cancer Res.38:633(1997))が含まれる。本発明に従って使用され得る特定の好ましい小分子EGFRキナーゼ阻害剤は、[6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリン−4−イル]−(3−エチニルフェニル)アミン(すなわち、エルロチニブ)、その塩酸塩(すなわち、エルロチニブHCl、TARCEVA(商標))、または他の塩形態(例えば、エルロチニブメシラート)である。

0054

例示的なEGFRアンタゴニスト抗体には、Modjtahedi,et al.,Br.J.Cancer 67:247−253(1993)、Teramoto et al.,Cancer 77:639−645(1996)、Goldstein et al.,Clin.Cancer Res.1:1311−1318(1995)、Huang,et al.,Cancer Res.15:59(8):1935−40(1999)、及びYang et al.,Cancer Res.59:1236−1243(1999)が含まれる。したがって、一部の実施形態において、EGFRアンタゴニスト抗体は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(Yang et al.Cancer Res.59:1236−43(1999))、またはMab C225(ATCC受入番号HB−8508)、またはその結合特異性を有する抗体若しくは抗体断片であり得る。好適なモノクローナルEGFRアンタゴニスト抗体には、IMC−C225(セツキシマブまたはERBITUX(商標)としても知られている;Imclone Systems)、ABX−EGF(Abgenix)、EMD 72000(Merck KgaA,Darmstadt)、RH3(York Medical Bioscience Inc.)、及びMDX−447(Medarex/Merck KgaA)が含まれるが、これらに限定されない。

0055

本明細書で交換可能に使用される「TP53」、「細胞腫瘍抗原p53」、及び「p53」という用語は、393アミノ酸リンタンパク質をコードする強力な腫瘍抑制タンパク質を指す。TP53は、多くの癌において負の制御を受けるか、または突然変異される。TP53の不在または不活化は、癌に寄与し得る。多種多様なTP53突然変異が存在する。一部の例において、癌は、TP53、特にTP53の突然変異体バージョン過剰発現し得る。「野生型」TP53は、正常(すなわち、非癌性細胞)において見出されるTP53、または癌に相関する突然変異を有しないTP53である。試料のTP53状況(例えば、試料が野生型TP53を含むか、または突然変異体TP53を含むか)は、例えば、Vogelsteinらに発行された米国特許第6,090,566号に記載される通り、または例えば本明細書に記載されるか、若しくは当該技術分野において既知の標準技術を使用して評価され得る。TP53分子には、制限なしに、例えば、UniProt受入番号P04637に記載されるものと実質的に同一の配列を含むポリペプチド、及びそれらの配列によってコードされる核酸分子が含まれ得る。

0056

「チロシンキナーゼ阻害剤」は、EGFR受容体またはFGFR3受容体等のチロシンキナーゼチロシンキナーゼ活性をある程度阻害するアンタゴニスト分子である。

0057

「カルメット・ゲラン桿菌(BCG)ワクチン」は、結核(TB)の危険性が高い人々またはTBが流行している場所においてTBを予防するために使用されるワクチンを指す。それは、TBを引き起こす細菌と類似している、ウシ型結核菌(カルメット・ゲラン桿菌)と呼ばれる細菌の脆弱化形態から作製される。このワクチンは、身体の免疫系がTB細菌を破壊するための抗体を作製するのを助けることができる。また免疫系が癌細胞を殺滅するのを助けることもでき、例えば、膀胱癌における治療として使用される。

0058

「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には制御されない細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態をさすか、または説明する。この定義には、良性癌及び悪性癌が含まれる。「早期癌」または「早期腫瘍」とは、侵襲性若しくは転移性でないか、または0期、I期、若しくはII期癌として分類される癌を意味する。癌の例には、癌種、リンパ腫芽細胞腫髄芽細胞腫及び網膜芽細胞腫を含む)、肉腫脂肪肉腫及び滑液細胞肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍ガストリン産生腫瘍、及び島細胞癌を含む)、中皮腫シュワン細胞腫聴神経腫瘍を含む)、髄膜腫腺癌黒色腫、ならびに白血病またはリンパ球腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。かかる癌のより具体的な例には、膀胱癌、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮系扁平上皮細胞癌)、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、の腺癌、及び肺の扁平上皮癌を含む肺癌腹膜の癌、肝細胞癌消化管癌を含む胃癌(gastric cancer)または胃癌(stomach cancer)、膵臓癌膠芽腫子宮頸癌卵巣癌肝臓癌、膀胱癌、肝臓癌、乳癌転移性乳癌を含む)、結腸癌直腸癌結腸直腸癌子宮内膜癌または子宮癌唾液腺癌、腎臓癌(kidney cancer)または腎臓癌(renal cancer)、前立腺癌外陰部癌、甲状腺癌肝癌肛門癌、陰茎癌、精巣癌、食道癌胆管の腫瘍、ならびに頭頸部癌及び多発性骨髄腫が含まれる。

0059

前癌性」という用語は、典型的に癌に進行するか、または発達する病態または成長を指す。「前癌性」成長は、異常な細胞周期制御、増殖、または分化を特徴とする細胞を有し、細胞周期制御、細胞増殖、または分化のマーカーによって決定され得る。

0060

本明細書で使用される「腫瘍」は、悪性か良性かを問わず、全ての腫瘍性細胞の成長及び増殖、ならびに全ての前癌性及び癌性細胞ならびに組織を指す。「癌」、「癌性」、「細胞増殖性障害」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書で言及される場合、相互排他的ではない。

0061

「転移」とは、その原発部位から体内の他の場所への癌の広がりを意味する。癌細胞は、原発性腫瘍から抜け出しリンパ管及び血管に浸透し、血流を通して循環し、体内の他の場所の正常組織内にある遠隔病巣内で成長する(転移する)ことができる。転移は、局所または遠隔であり得る。転移は、腫瘍細胞が原発性腫瘍から抜け出し、血流を通って移動し、遠隔部位で止まることを条件とする、逐次的プロセスである。この新しい部位において、細胞は、血液供給確立し、成長して、生命脅かす腫瘤を形成し得る。腫瘍細胞内刺激性と阻害性との両方の分子経路がこの挙動を制御し、遠隔部位における腫瘍細胞と宿主細胞との間の相互作用もまた重要である。

0062

「非転移性」とは、良性であるか、または原発部位に滞留し、リンパ管または血管系若しくは原発部位以外の組織に浸透しなかった癌を意味する。一般に、非転移性癌は、0期、I期、またはII期癌、及び場合によってIII期癌である任意の癌である。

0063

「抗癌療法剤」という用語は、癌の治療において有用な療法剤を指す。抗癌療法剤の例には、細胞毒性剤、化学療法剤、成長阻害剤、放射線療法で使用される薬剤、抗血管新生剤アポトーシス剤、抗チューブリン剤、及び癌を治療するための他の薬剤、抗CD20抗体、血小板由来成長因子阻害剤(例えば、GLEEVEC(商標)(イマチニブメシル酸塩))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロンサイトカイン、以下の標的ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR−β、BlyS、APRIL、BCMA、またはVEGF受容体(複数可)、TRAIL/Apo2、ならびに他の生物活性及び有機化学剤等のうちの1つ以上に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体)が含まれるが、これらに限定される。特定の実施形態において、アンタゴニストは、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、またはEGFRアンタゴニストである。これらの組み合わせも、本発明に含まれる。

0064

「放射線療法」とは、正常に機能する細胞の能力を限定するため、または細胞全体を破壊するために、細胞に対して十分な損傷を誘発するための、定方向のγ線またはβ線の使用を意味する。投薬量及び治療の持続時間を決定するための、当該技術分野で既知の多くの方法が存在することは理解されるであろう。典型的な治療は、1回投与として与えられ、典型的な投薬量は、1日当たり10〜200単位(グレイ)の範囲である。

0065

本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」、またはその他の文法上の変形は、治療されている個体の自然経過を変えることを目的とした臨床介入を指し、予防のために、または臨床病理過程中のいずれかに行うことができる。治療の望ましい効果には、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果の減少、転移の予防、疾患進行速度の低減、病状寛解または緩和、及緩解または予後の改善が含まれる。一部の実施形態において、抗癌療法剤(例えば、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニストを含む抗癌療法剤)を使用して、疾患または傷害の発達を遅延させる。

0066

「有効量」は、所望の治療結果または予防結果を達成するために必要な投薬量及び期間で有効な量を指す。

0067

本発明の物質/分子、アゴニスト、またはアンタゴニストの「治療有効量」は、個体の疾患状態年齢性別、及び体重等の要因、ならびに個体における所望の応答を引き出す物質/分子、アゴニスト、またはアンタゴニストの能力により変動し得る。治療有効量は、治療上有益な効果が、物質/分子、アゴニスト、またはアンタゴニストの任意の毒性または有害効果を上回るものでもある。「治療有効量」という用語は、哺乳動物(例えば、患者)における疾患または障害を「治療する」のに有効な本発明の抗体、ポリペプチド、またはアンタゴニストの量を指す。癌の場合、薬物の治療有効量は、癌細胞の数を低減する;腫瘍サイズまたは重量を低減する;末梢器官への癌細胞浸潤を阻害する(すなわち、ある程度の遅延及び好ましくは停止させる);腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度の遅延及び好ましくは停止);腫瘍成長をある程度阻害する;ならびに/または癌と関連付けられた症状のうちの1つ以上をある程度緩和することができる。薬物が既存の癌細胞の成長の予防及び/またはそれらの殺滅を行うことができる限り、この薬物は細胞増殖抑制性及び/または細胞毒性であり得る。一実施形態において、治療有効量は、成長阻害量である。癌療法剤に関して、インビボでの有効度は、例えば生存期間、疾患進行までの期間(TTP)、無疾患生存期間(DFS)、無進行生存期間(PFS)、応答率RR)、応答期間、及び/または生活の質を評価することにより測定され得る。

0068

「生存」という用語は、患者が生存していることを指し、全生存、ならびに無疾患生存を含む。

0069

「全生存」という用語は、患者が、診断または治療の時点から1年、5年等の定義された期間にわたってもなお生存していることを指す。

0070

本発明の文脈において、「無進行生存」という表現は、治療中及び治療後の時間の長さを指し、その間に、治療している医師または調査者の評価に従い、患者の疾患は悪化しない(すなわち、進行しない)。当業者であれば理解するであろう通り、患者の無進行生存は、患者がより長い時間の長さを経験する場合に改善または強化され、その間に、疾患は、類似の状況にある患者の対照群の平均または平均無進行生存期間と比較して進行しない。

0071

「無疾患生存(DFS)」という表現は、癌の一次治療が、癌のいかなる兆候または症状もなく患者が生存するという結果になった後の時間の長さを指す。

0072

「生存期間が延長すること」とは、未処置の患者と比べて(すなわち、抗癌療法剤(例えば、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニストを含む抗癌療法剤)で治療されていない患者と比べて)、または指定された基準レベルでFGFR3、TP53、及び/またはEGFRを発現しない患者と比べて治療される患者において、生存期間、例えば全生存期間または無疾患生存期間が増加することを意味する。

0073

本明細書に使用される「細胞毒性剤」という用語は、細胞の機能を阻害若しくは阻止する、及び/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語は、放射活性アイソトープ(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、及びLuの放射活性アイソトープ)、化学療法剤、例えば、メトトレキサートアドリアミシンビンカアルカロイドビンクリスチンビンブラスチンエトポシド)、ドキソルビシンメルファランミトマイシンC、クロラムブシルダウノルビシン、または他の挿入剤、酵素及びその断片、例えば、核酸分解酵素抗生物質、及び細菌、真菌、植物、または動物起源の小分子毒素または酵素的に活性な毒素等の毒素(その断片及び/または変異型を含む)、ならびに下に開示される様々な抗腫瘍または抗癌剤を含むことを意図する。他の細胞毒性剤が下に記載される。殺腫瘍剤は、腫瘍細胞の破壊を引き起こす。

0074

「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学化合物である。化学療法剤の例には、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド等のアルキル化剤;ブスルファンインプロスルファン、及びピポスルファン等のアルキルスルホネートベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)、及びウレドパ(uredopa)等のアジリジンアルトレタミントリエチレンメラミントリエチレンホスホルアミドトリエチレンチオホスホルアミド、及びトリチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールドロナビノール、MARINOL(登録商標);β−ラパコンラパコールコルヒチンベツリン酸カンプトテシン合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標)、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標)、アセチルカンプトテシン、スコレクチン(scopolectin)、及び9−アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチンカリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシンポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログ、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビンパンクラチスタチンサルコジクチインスポンジスタチン;クロラムブシル、クロルファジン(chlornaphazine)、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチンイホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビシン(novembichin)、フェネステリンプレニムスチントロホスファミド、ウラシルマスタード等の窒素マスタードカルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムヌスチン(ranimnustine)等のニトスレア;エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン、特にカリケアミシンγ1I及びカリケアミシンωI1(例えば、Agnew,Chem Intl.Ed.Engl.,33:183−186(1994)を参照されたい);ダイネミシンAを含む、ダイネミシン;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連色素タンパク質エネジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン、アクチノマイシンアントラマイシン、アザセリンブレオマイシンカクチノマイシンカラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニスダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシンマルセロマイシン、ミトマイシンC等のミトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシンポトフィロマイシン、ピュロマイシンケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリンストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)等の抗代謝物デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート等の葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリンチアプリンチオグアニン等のプリン類似体;アンシタビンアザシチジン6−アザウリジンカルモフールシタラビンジデオキシウリジンドキシフルリジンエノシタビンフロキシウリジン等のピリミジン類似体カルステロンプロピオン酸ドロモスタノロンエピチオスタノールメピチオスタンテストラクトン等のアンドロゲンアミノグルテチミドミトタントリロスタン等の抗副腎;フロリン酸等の葉酸補液アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸エニルウラシルアムサクリンベストラブシル;ビサントレンエダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコンエルフォルニチン;酢酸リプチニウム;エポチロンエトグルシド;硝酸ガリウムヒドロキシウレアレンチナン;ロニダイニン;マイタンシン及びアンサミトシン等のマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモル;ニトラエリンペントスタチン;フェナメトピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジドプロカルバジンPSK(登録商標)多糖錯体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシンシゾフィランスピロゲルマニウムテヌアゾン酸トリアジコン;2,2′,2′′−トリクロロトリエチルアミントリコテセン(特にT−2毒素ベラキュリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタンビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジンマンノムスチンミトブロニトール;ミトラクトールピポブロマン;ガシトシンアラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えばTAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(商標)クレモホールを含有しない、アルブミン操作されたパクリタキセルのナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Illinois)、及びTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France);クロラムブシル(chloranbucil);ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチン等の白金類似体;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチンロイコボビン(leucovovin);ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン(novantrone);エダトレキサート;ダウノマイシンアミノプテリンイバンドロネートトポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチンDMFO);レチノイン酸等のレチノイドカペシタビン(XELODA(登録商標));上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびにCHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロン併用療法略語);及びFOLFOX(5−FU及びロイコボビンと組み合わせたオキサリプラチン(ELOXATIN(商標))を用いた治療計画の略語)等の上記の2つ以上の組み合わせが含まれる。追加の化学療法剤には、例えばマイタンシノイド(例えば、DM1)、ならびにオーリスタチンMMAE及びMMAF等の抗体薬物複合体として有用な細胞毒性剤が含まれる。

0075

「化学療法剤」には、癌の成長を促進し得るホルモンの有効性を制御、低減、遮断、または阻害するために作用し、しばしば全身性または体全体の治療の形態にある「抗ホルモン剤」も含まれる。それら自体がホルモンであってもよい。例には、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、EVISTA(登録商標)ラロキシフェンドロロキシフェン、4−ドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)トレミフェンを含む抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方制御薬(ERD);卵巣を抑制するかまたは閉鎖させるように機能する薬剤、例えばLUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標)ロイプロリド酢酸塩ゴセレリン酢酸塩、ブセレリン酢酸塩、ならびにトリプテレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモンLHRH)アゴニスト;フルタミドニルタミド、及びビカルタミド等の他の抗アンドロゲン;更に例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)メゲストロール酢酸塩、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、ホルメスタインファドロゾールRIVSOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール等の、副腎内のエストロゲン産生を制御する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤が含まれる。加えて、化学療法剤のかかる定義には、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標)、DIDROCAL(登録商標)エチドロネート、NE−58095、ZOMETA(登録商標)ゾレドロン酸ゾレドロネート、FOSAMAX(登録商標)アレンドロネート、AREDIA(登録商標)パミドロネート、SKELID(登録商標)チルドロネート、またはACTONEL(登録商標)リセドロネート等のビスホスホネート;ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、例えばPKC−α、Raf、H−Ras、及び表皮成長因子受容体(EGFR)等の異所(aberrant)細胞増殖に関係があるとされるシグナル伝達系路における遺伝子の発現を阻害するもの;THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン等のワクチン;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;ジトシル酸ラパチニブ(別名GW572016、ErbB−2及びEGFR二重チロシンキナーゼ小分子阻害剤);ならびに上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が含まれる。

0076

「成長阻害剤」は、本明細書で使用される場合、インビトロまたはインビボのいずれかで細胞(例えば、膀胱癌細胞)の成長及び/または増殖を阻害する化合物または組成物を指す。したがって、成長阻害剤は、S相における細胞のパーセンテージを著しく低減するものであってよい。成長阻害剤の例には、G1停止及びM相停止を誘導する薬剤等の細胞周期進行を(S相以外の場所で)遮断する薬剤が含まれる。従来のM相遮断剤には、アントラサイクリン抗生物質ドキソルビシン((8S−シス)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リキソヘキサピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセチル)−1−メトキシ−5,12−ナフタセンジオン)、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシン等のビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキサン、及びトポイソメラーゼII阻害剤が含まれる。G1を停止させるそのような薬剤、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、及びara−C等のDNAアルキル化剤はまた、S相停止へと波及する。更なる情報は、″The Molecular Basis of Cancer,″Mendelsohn and Israel,eds.,Chapter 1,entitled″Cell cycle regulation,oncogenes,and antineoplastic drugs″by Murakami et al.(WB Saunders:Philadelphia,1995)、特に13頁に見出すことができる。タキサン(パクリタキセル及びドセタキセル)は、いずれもイチイ木由来抗癌薬である。ヨーロッパイチイ由来のドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone−Poulenc Rorer)は、パクリタキセルの半合成類似体(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb)である。パクリタキセル及びドセタキセルは、チューブリン二量体からの微小管アセンブリを促進し、脱重合を防止することによって微小管を安定させ、細胞内の有糸分裂の阻害をもたらす。

0077

本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」という用語は、交換可能に使用され、治療が所望される任意の単一の動物、より好ましくは哺乳動物(例えば、イヌネコウマウサギ動物園の動物、雌ウシブタヒツジ、及び非ヒト霊長類等のかかる非ヒト動物を含む)を指す。最も好ましくは、本明細書における患者はヒトである。

0078

本明細書で使用される場合、「投与すること」は、対象(例えば、患者)への化合物(例えば、アンタゴニスト)または薬学的組成物(例えば、アンタゴニストを含む薬学的組成物)の投薬量の供与方法を意味する。投与することは、非経口的、肺内、及び鼻腔内、ならびに局所的治療が所望される場合は、病変内投与を含む任意の好適な手段によることができる。非経口的注入には、例えば、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。投薬は、任意の好適な経路により、例えば、投与が短時間であるか、または慢性的であるかに部分的に応じた、静脈内注射または皮下注射等の注射により、行うことができる。単回または様々な時点にわたる複数回投与ボーラス投与、及びパルス注入を含むがこれらに限定されない様々な投薬スケジュールが本明細書で企図される。

0079

「有効量」という用語は、障害を治療するため、例えば、癌を治療するために有効な医薬品の量を指す。

0080

医薬製剤」という用語は、医薬品の生物活性が有効になるような形態であり、製剤が投与されることになる対象にとって許容できないほど有毒である追加の構成成分を何ら含有しない滅菌調製物を指す。

0081

「滅菌」製剤は、無菌であるか、または全ての生きた微生物及びそれらの胞子を含まない。

0082

添付文書」は、かかる治療薬若しくは薬品適応症使用法、投薬量、投与、禁忌症についての情報、パッケージ製品と組み合わされる他の治療薬、及び/またはその使用に関する警告を含有する、治療薬または薬品の商用のパッケージに通例含まれる指示書を指すように使用される。

0083

キット」は、少なくとも1つの試薬、例えば、癌(例えば、膀胱癌)の治療のための薬品、または本発明のバイオマーカー遺伝子若しくはタンパク質を特異的に検出するためのプローブを含む、任意の製品(例えば、パッケージ若しくは容器)である。この製品は、好ましくは、本発明の方法を行うためのユニットとして奨励分配、または販売される。

0084

「標識」という単語は、本明細書で使用されるとき、核酸プローブ等の試薬または抗体に直接的または間接的に複合または融合され、試薬に複合または融合して試薬の検出を容易にする化合物または組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能であり得るか(例えば、放射性同位標識または蛍光標識)、または酵素標識の場合、検出可能である基質化合物若しくは組成物の化学改変触媒化し得る。この用語は、検出可能な物質をプローブまたは抗体に結合すること(すなわち、物理的に連結すること)によるプローブまたは抗体の直接的標識化、ならびに直接的に標識化される別の試薬との反応性によるプローブまたは抗体の間接的標識化を包含することを意図する。間接的標識化の例には、蛍光的に標識された二次抗体を使用した一次抗体の検出、及びそれが蛍光的に標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようなビオチンを有するDNAプローブの末端標識化が含まれる。

0085

III.治療法
本発明は、癌に罹患している患者の治療方法を提供する。癌という用語は、前癌性成長、良性腫瘍、及び悪性腫瘍を含むがこれらに限定されない、増殖性障害集合を包含する。良性腫瘍は、依然として起源部位に位置し、遠隔部位へと浸潤、侵襲、または転移する能力を有しない。悪性腫瘍は、それらの周りの他の組織を侵襲及び損傷することになる。それらはまた、起源部位から離脱する能力を得て、通常は血流を通して、またはリンパ節が位置するリンパ系を通して体内の他の部分に広がる(転移する)ことができる。原発腫瘍は、それらが生じる組織のタイプによって分類され、転移性腫瘍は、癌細胞が由来する組織タイプによって分類される。経時的に、悪性腫瘍の細胞は、より異常になり、正常細胞のようには見えない。癌細胞の外観のこの変化は、腫瘍悪性度と呼ばれ、癌細胞は、良好に分化している(低悪性度)、中度に分化している、不良に分化している、または未分化高悪性度)であると記載される。良好に分化した細胞は、比較的正常な外観であり、それらが起源とする正常細胞に類似する。未分化細胞は、異常になったため、もはや細胞の起源を特定することができない細胞である。特定の実施形態において、本発明は、膀胱癌の治療方法を提供する。

0086

病期分類ステムは、癌が解剖学的にどれだけ広がったかを説明し、類似の予後及び治療を有する患者を同じ病期群に入れることを目的とする。生検、ならびに胸部x線、マンモグラフ、骨走査、CT走査、及びMRI走査等のある特定の撮像検査を含むいくつかの検査を行って、癌の病期分類を助けることができる。血液検査及び臨床評価も使用して、患者の全体健康状態を評価し、癌がある特定の臓器に広がっているかどうかを検出する。

0087

癌を病期分類するために、対癌米国合同委員会は、最初に、癌、特に固形腫瘍を、TNM分類システムを使用して文字カテゴリーに分ける。癌は、文字T(腫瘍サイズ)、N(触知可能な結節)、及び/またはM(転移)で指定される。T1、T2、T3、及びT4は、増加サイズの原発病変を説明し、N0、N1、N2、N3は、次第に進行する結節の関与を示し、M0及びM1は、遠隔転移の不在または存在を反映する。

0088

全病期グループ分けまたはローマ数字病期分類としても知られる第2の病期分類法において、癌は、病期0〜IVに分割され、原発病変のサイズならびに結節の広がり及び遠隔転移の存在を組み込む。このシステムにおいて、症例は、ローマ数字I〜IVによって示される4つの病期にグループ分けされるか、または「再発」として分類される。一部の癌の場合、0期は、「上皮内」または「Tis」、例えば、乳癌の場合は上皮内腺管癌または上皮内小葉癌と称される。高悪性度腺腫は、0期として分類することもできる。一般にI期癌は、通常は治癒可能な小さな限局性癌であるが、IV期は、通常は手術不可能な癌または転移性癌を表す。II期及びIII期癌は、通常は限局的に進行し、かつ/または局所リンパ節の関与を示す。一般に、より高い病期数は、より広範な疾患を示し、より大きい腫瘍サイズ及び/または付近のリンパ節及び/若しくは原発腫瘍に隣接する臓器への癌の広がりを含む。これらの病期は、正確に定義されるが、この定義は、各種の癌に関して異なり、熟練者に既知である。

0089

NCIの監視疫学、最終結プログラム(SEER)等の多くの癌レジストリは、要約病期分類を使用する。このシステムは、全ての癌タイプに使用される。癌症例を5つの主要カテゴリーにグループ分けする。

0090

上皮内癌は、それが開始する細胞の層にのみ存在する早期癌である。

0091

限局性癌は、広がりの証拠なしに、それが開始する臓器に限定される癌である。

0092

局所癌は、元の(原発)部位を越えて付近のリンパ節または臓器及び組織に広がった癌である。

0093

遠隔癌は、原発部位から遠隔臓器または遠隔リンパ節に広がった癌である。

0094

不明は、病期を示すのに十分な情報がない症例を説明するために使用される。

0095

加えて、原発腫瘍が除去されてから数ヶ月または数年後に癌が再発することが一般的である。全ての目に見える腫瘍が根絶された後に再発する癌は、再発性疾患と呼ばれる。原発腫瘍の領域で再発する疾患は、限局的に再発し、転移として再発する疾患は、遠隔再発と称される。

0096

腫瘍は、固形腫瘍または非固形若しくは軟組織腫瘍であり得る。軟組織腫瘍の例には、白血病(例えば、慢性骨髄性白血病急性骨髄性白血病成人急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、成熟B細胞急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、前リンパ球性白血病、若しくは毛様細胞白血病)またはリンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫皮膚T細胞リンパ腫、若しくはホジキン病)が含まれる。固形腫瘍には、血液、骨髄、またはリンパ系以外の体組織の任意の癌が含まれる。固形腫瘍は、上皮細胞起源のものと、非上皮細胞起源のものとに更に分割され得る。上皮細胞固形腫瘍の例には、膀胱、消化管結腸乳房前立腺、肺、腎臓肝臓膵臓、卵巣、頭頚部口腔十二指腸小腸大腸、肛門、堪能、口唇鼻咽頭、皮膚、子宮男性器、泌尿器、及び皮膚が含まれる。非上皮起源の固形腫瘍には、肉腫、脳腫瘍、及び骨腫瘍が含まれる。腫瘍の他の例は、定義部分に記載されている。

0097

一部の実施形態において、本発明の方法は、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを含み、患者から得られる試料の本発明のバイオマーカー(例えば、表1に列挙されるバイオマーカー)のうちの少なくとも1つの発現レベルが、本発明のバイオマーカーの基準レベルに対して変化したと決定されている。例えば、一部の実施形態において、本発明は、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを含む、癌(例えば、膀胱癌)の治療方法を提供し、表1に列挙される少なくとも1つの遺伝子(例えば、表1に列挙される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96遺伝子)の発現レベルが、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルに対して変化したと決定されている。

0098

別の実施例では、一部の実施形態において、本発明は、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを含む、癌(例えば、膀胱癌)の治療方法を提供し、表4に列挙される少なくとも1つの遺伝子(例えば、表4に列挙される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48遺伝子)の発現レベルが、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルに対して変化したと決定されている。一部の実施形態において、変化は増加である。他の実施形態において、変化は減少である。

0099

特定の実施形態において、本発明の方法は、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを含み、患者から得られる試料中の以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及び/またはEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルが、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルに対して増加したことが決定されている。本発明のバイオマーカーの(例えば、表1に列挙される遺伝子、例えば、FGFR3、TP53、及び/またはEGFR)の発現レベルは、本明細書に記載される方法またはアッセイ(例えば、本発明の詳細な説明の第IV節または実施例に記載される方法またはアッセイ)のうちのいずれかを使用して決定され得る。一部の実施形態において、膀胱癌は、NMIBCである。他の実施形態において、膀胱癌は、MIBCである。更に他の実施形態において、膀胱癌は、転移性膀胱癌である。患者は、任意選択で、進行性難治性、再発性、及び/または化学療法耐性形態の癌を有し得る。例えば、一部の実施形態において、患者は、再発性膀胱癌、例えば、再発性NMIBCを有し得る。

0100

本発明の上記方法のうちのいずれかにおいて、患者から得られる試料中の本発明のバイオマーカー(例えば、表1に列挙される遺伝子、例えば、FGFR3、TP53、及び/またはEGFR)の発現レベルは、バイオマーカーの基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上変化し得る。例えば、一部の実施形態において、患者から得られる試料中の本発明のバイオマーカーの発現レベルは、バイオマーカーの基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上増加し得る。他の実施形態において、患者から得られる試料中の本発明のバイオマーカーの発現レベルは、バイオマーカーの基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上減少し得る。

0101

特定の実施形態において、患者から得られる試料中の以下、FGFR3、TP53、及び/またはEGFRのうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の発現レベルは、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上増加し得る。例えば、FGFR3の発現レベルは、FGFR3の基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上増加し得る。別の例において、TP53の発現レベルは、TP53の基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上増加し得る。更に別の例において、EGFRの発現レベルは、EGFRの基準レベルに対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、またはそれ以上増加し得る。

0102

一部の実施形態において、基準レベルは、例えば、所与の癌タイプ(例えば、膀胱癌)におけるバイオマーカー(例えば、FGFR3、TP53、またはEGFR)の発現レベルの全体分布の20〜99パーセンタイルの間の任意のパーセンタイル(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99パーセンタイル)に設定され得る。特定の実施形態において、基準レベルは、膀胱癌における値の全体分布の25パーセンタイルに設定され得る。他の特定の実施形態において、基準レベルは、膀胱癌における値の全体分布の50パーセンタイルに設定され得る。他の実施形態において、基準レベルは、膀胱癌における値の全体分布のメジアンであり得る。

0103

一部の実施形態において、本発明の方法は、以下、FGFR3アンタゴニスト、TP53、及び/またはEGFRアンタゴニストのうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)を含む抗癌療法剤を患者に投与することを含む。例えば、一部の実施形態において、本発明の方法は、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、またはEGFRアンタゴニストを含む抗癌療法剤を投与することを含む。他の事例において、本方法は、FGFR3アンタゴニスト及びEGFRアンタゴニストを含む抗癌療法剤を投与することを含み得る。他の事例において、本方法は、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及びEGFRアンタゴニストを含む抗癌療法剤を投与することを含み得る。

0104

上記方法のうちのいずれかにおいて、FGFR3アンタゴニストは、FGFR3アンタゴニスト抗体または小分子FGFR3アンタゴニストであり得る。例示的なFGFR3アンタゴニスト抗体、例えば、184.6、184.6.1、及び184.6.1N54Sは、例えば、米国特許第8,410,250号に記載され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態において、小分子FGFR3アンタゴニストは、チロシンキナーゼ阻害剤である。

0105

上記方法のうちのいずれかにおいて、TP53アンタゴニストは、TP53アンタゴニスト抗体、または小分子TP53アンタゴニストであり得る。

0106

上記方法のうちのいずれかにおいて、EGFRアンタゴニストは、EGFRアンタゴニスト抗体または小分子EGFRアンタゴニストであり得る。一部の実施形態において、小分子FGFR3アンタゴニストは、チロシンキナーゼ阻害剤である。特定の実施形態において、小分子FGFR3アンタゴニストは、エルロチニブ(TARCEVA(商標))である。

0107

本発明の方法で使用され得る例示的なEGFRアンタゴニストには、例えば、小分子EGFRアンタゴニストが含まれ、キナゾリンEGFRキナーゼ阻害剤、ピリド−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピリミド−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピロロ−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピラゾロ−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、フェニルアミノ−ピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、オキシンドールEGFRキナーゼ阻害剤、インドロカルバゾールEGFRキナーゼ阻害剤、フタラジンEGFRキナーゼ阻害剤、イソフラボンEGFRキナーゼ阻害剤、キナロンEGFRキナーゼ阻害剤、及びチルホスチンEGFRキナーゼ阻害剤、例えば、以下の特許公開に記載されるもの、ならびにEGFRキナーゼ阻害剤の全ての薬学的に許容される塩及び溶媒和物が含まれる。国際特許公開第WO96/33980号、同第WO96/30347号、同第WO97/30034号、同第WO97/30044号、同第WO97/38994号、同第WO97/49688号、同第WO98/02434号、同第WO97/38983号、同第WO95/19774号、同第WO95/19970号、同第WO97/13771号、同第WO98/02437号、同第WO98/02438号、同第WO97/32881号、同第WO98/33798号、同第WO97/32880号、同第WO97/3288号、同第WO97/02266号、同第WO97/27199号、同第WO98/07726号、同第WO97/34895号、同第WO96/31510号、同第WO98/14449号、同第WO98/14450号、同第WO98/14451号、同第WO95/09847号、同第WO97/19065号、同第WO98/17662号、同第WO99/35146号、同第WO99/35132号、同第WO99/07701号、及び同第WO92/20642号、欧州特許出願第EP520722号、同第EP566226号、同第EP787772号、同第EP837063号、及び同第EP682027号、米国特許第5,747,498号、同第5,789,427号、同第5,650,415号、及び同第5,656,643号、ならびにドイツ特許出願第DE19629652号。小分子EGFRアンタゴニストの追加の非限定例には、Traxler,Exp.Opin.Ther.Patents 8(12):1599−1625(1998)に記載されるEGFRキナーゼ阻害剤のうちのいずれかが含まれる。

0108

本発明の方法で使用され得る小分子EGFRアンタゴニストの特定の好ましい実施例には、[6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリン−4−イル]−(3−エチニルフェニル)アミン(OSI−774、エルロチニブ、またはTARCEVA(商標)(エルロチニブ HCl)、OSI Pharmaceuticals/Genentech/Roche)(米国特許第5,747,498号;国際特許公開第WO01/34574号、及びMoyer et al.,Cancer Res.57:4838−4848(1997))、CI−1033(以前はPD183805として知られていた;Pfizer)(Sherwood et al.,1999,Proc.Am.Assoc.Cancer Res.40:723)、PD−158780(Pfizer)、AG−1478(University of California)、CGP−59326(Novartis)、PKI−166(Novartis)、EKB−569(Wyeth)、GW−2016(GW−572016またはラパチニブジトシラートとしても知られている;GSK)、及びゲフィチニブ(ZD1839またはIRESSA(商標)としても知られている;Astrazeneca)(Woodburn et al.,1997,Proc.Am.Assoc.Cancer Res.38:633)が含まれる。

0109

本発明の方法で使用され得る例示的なEGFRアンタゴニスト抗体には、Modjtahedi et al.,Br.J.Cancer 67:247−253(1993)、Teramoto et al.,Cancer 77:639−645(1996)、Goldstein et al.,Clin.Cancer Res.1:1311−1318(1995)、Huang,et al.,Cancer Res.15:59(8):1935−40(1999)、及びYang et al.,Cancer Res.59:1236−1243(1999)に記載されるものが含まれる。したがって、一部の実施形態において、EGFRアンタゴニスト抗体は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(Yang et al.Cancer Res.59:1236−43(1999))、またはMab C225(ATCC受入番号HB−8508)、またはその結合特異性を有する抗体若しくは抗体断片であり得る。好適なモノクローナルEGFRアンタゴニスト抗体には、IMC−C225(セツキシマブまたはERBITUX(商標)としても知られている;Imclone Systems)、ABX−EGF(Abgenix)、EMD 72000(Merck KgaA,Darmstadt)、RH3(York Medical Bioscience Inc.)、及びMDX−447(Medarex/Merck KgaA)が含まれるが、これらに限定されない。

0110

ある特定の実施形態において、癌は、FGFR3、増幅FGFR3、転座FGFR3、及び/または突然変異FGFR3を発現する。ある特定の実施形態において、癌は、活性化FGFR3を発現する。ある特定の実施形態において、癌は、転座FGFR3(例えば、t(4;14)転座)を発現する。ある特定の実施形態において、癌は、構成的FGFR3を発現する。一部の実施形態において、構成的FGFR3は、チロシンキナーゼドメイン及び/または膜近傍ドメイン及び/またはリガンド結合ドメイン内に突然変異を含む。ある特定の実施形態において、癌は、リガンド独立型FGFR3を発現する。一部の実施形態において、癌は、リガンド依存型FGFR3を発現する。

0111

一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbS248Cに対応する突然変異を含むFGFR3を発現する。一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbS248C及び/またはFGFR3−IIIcS248Cを発現する。

0112

一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbK652Eに対応する突然変異を含むFGFR3を発現する。一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbK652E及び/またはFGFR3−IIIcK650Eを発現する。

0113

FGFR3−IIIbS249Cに対応する突然変異を含むFGFR3。一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbS249C及び/またはFGFR3−IIIcS249Cを発現する。

0114

一態様において、癌は、FGFR3−IIIbG372Cに対応する突然変異を含むFGFR3を発現する。一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbG372C及び/またはFGFR3−IIIcG370Cを発現する。

0115

一態様において、癌は、FGFR3−IIIbY375Cに対応する突然変異を含むFGFR3を発現する。一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbY375C及び/またはFGFR3−IIIcY373Cを発現する。

0116

一部の実施形態において、癌は、(a)FGFR3−IIIbK652E、ならびに(b)FGFR3−IIIbR248C、FGFR3−IIIbY375C、FGFR3−IIIbS249C、及びFGFR3−IIIbG372Cのうちの1つ以上を発現する。

0117

一部の実施形態において、癌は、(a)FGFR3−IIIbR248C、ならびに(b)FGFR3−IIIbK652E、FGFR3−IIIbY375C、FGFR3−IIIbS249C、及びFGFR3−IIIbG372Cのうちの1つ以上を発現する。

0118

一部の実施形態において、癌は、(a)FGFR3−IIIbG372C、ならびに(b)FGFR3−IIIbK652E、FGFR3−IIIbY375C、FGFR3−IIIbS249C、及びFGFR3−IIIbR248Cのうちの1つ以上を発現する。

0119

一部の実施形態において、癌は、FGFR3−IIIbR248C、FGFR3−IIIbK652E、FGFR3−IIIbY375C、FGFR3−IIIbS249C、及びFGFR3−IIIbG372Cを発現する。

0120

ある特定の実施形態において、癌は、対照試料(例えば、正常組織の試料)またはレベルに対して増加したレベルのホスホ−FGFR3、ホスホ−FRS2、及び/またはホスホ−MAPKを発現する。

0121

抗癌療法剤、例えば、アンタゴニスト(例えば、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニスト)を含む抗癌療法剤を含む組成物は、良質な医療実践と一致する形で製剤、投薬、及び投与される。この文脈における考慮の要因には、治療されている特定タイプの癌、治療されている特定の哺乳動物、個々の患者の臨床的病態、癌の原因、薬剤の送達部位投与方法、投与のスケジュール管理、及び医療従事者に知られている他の要因が含まれる。投与されるアンタゴニストの有効量は、このような考慮によって管理される。

0122

本発明の療法剤は、ボーラスとしての静脈内投与または一定期間にわたる連続注入による、筋内、腹腔内、脳髄内、皮下、関節内、滑液嚢内、髄腔内、経口、局所、または吸入経路による等の既知の方法に従い、ヒト患者に投与される。体外戦略治療用途に使用することもできる。体外戦略は、対象から得られる細胞を、アンタゴニストをコードするポリヌクレオチドで形質移入または形質導入することを含む。次いで、形質移入または形質導入された細胞を対象に戻す。これらの細胞は、限定なしに、造血細胞(例えば、骨髄細胞マクロファージ単球樹状細胞、T細胞、またはB細胞)、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞角化細胞、または筋細胞を含む広範囲のタイプのうちのいずれかであり得る。

0123

例えば、抗癌療法がアンタゴニスト抗体(例えば、FGFR3アンタゴニスト抗体、TP53アンタゴニスト抗体、またはEGFRアンタゴニスト抗体)を含む場合、抗体は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、及び鼻腔内投与、ならびに局所免疫抑制治療で所望される場合の病変内投与を含む、任意の好適な手段によって投与される。非経口注入には、筋肉内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。加えて、抗体は、パルス注入によって、特に抗体の用量を低下させながら好適に投与される。好ましくは、投薬は、投与が短時間であるか慢性的であるかに部分的に応じて、最も好ましくは静脈内または皮下注射等の注射によって付与される。

0124

別の例において、アンタゴニスト化合物は、腫瘍の障害または場所が許す場合、例えば、直接注射によって局所的に投与され、注射は定期的に繰り返すことができる。アンタゴニストは、局所再発または転移を予防または低減するために、対象に全身的に、または腫瘍の外科切開に続いて腫瘍細胞、例えば、腫瘍若しくは腫瘍床に直接送達することもできる。

0125

抗癌療法剤は、併用療法として、併用医薬製剤または投与計画において、抗癌特性を有する少なくとも1つの追加の化合物と組み合わされ得る。併用医薬製剤または投与計画の少なくとも1つの追加の化合物は、好ましくは、それらが互いに悪影響を及ぼさないように、アンタゴニスト組成物に対して相補的な活性を有する。

0126

抗癌療法剤は、化学療法剤、細胞毒性剤、サイトカイン、成長阻害剤、抗ホルモン剤、及びそれらの組み合わせを含み得る。かかる分子は、意図する目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。例えば、アンタゴニスト(例えば、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニスト)を含有する医薬組成物はまた、治療有効量の抗新生物剤、化学療法剤、成長阻害剤、細胞毒性剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。

0127

療法剤の組み合わせ投与は、典型的に、定義された期間(選択される組み合わせに応じて通常は数分、数時間、数日、または数週間)にわたって行われる。併用療法は、これらの療法剤の逐次的投与(つまり、各療法剤が異なる時間に投与される)、ならびにこれらの療法剤または療法剤のうちの少なくとも2つの実質的に同時投与を包含することを意図する。

0128

療法剤は、同じ経路または異なる経路によって投与され得る。例えば、アンタゴニスト抗体の組み合わせは、静脈内注射によって投与されるのに対し、化学療法剤の組み合わせは、経口投与され得る。代替として、例えば、特定の療法剤に応じて、療法剤の両方が経口投与され得るか、または両方の療法剤が静脈内注射によって投与され得る。療法剤が投与される順序もまた、特定の薬剤に応じて異なる。

0129

疾患の種類及び重症度に応じて、例えば、1回以上の別個の投与によるか、または連続注入によるかを問わず、約1μg/kg〜100mg/kgの各療法剤が、患者に投与するための初回候補投薬量である。典型的な日用量は、上述の要因に応じて、約1μg/kg〜100mg/kg、またはそれ以上の範囲に及び得る。数日間またはそれ以上にわたる反復投与については、病態に応じて、上記の方法によって測定して、癌が治療されるまで治療が継続される。しかしながら、他の投薬計画も有用であり得る。抗癌療法剤、例えば、1つ以上のアンタゴニスト(例えば、FGFR3アンタゴニスト、TP53アンタゴニスト、及び/またはEGFRアンタゴニスト)、化学療法剤等を含む抗癌療法剤の組成の調製及び投薬スケジュールは、製造元の指示に従うか、または熟練した医師によって経験的に決定される通り使用されてもよい。かかる化学療法剤の調製及び投薬スケジュールは、″Chemotherapy Service,″Ed.,M.C.Perry,Williams&Wilkins,Baltimore,Md(1992)にも記載されている。

0130

併用療法は、「相乗効果」をもたらし、「相乗性」を証明することができる。つまり、活性成分一緒に使用される場合に達成される効果は、化合物を別個に使用することから生じる効果の総和を超える。相乗効果は、活性成分が、(1)共製剤及び投与されるか、若しくは組み合わされた単位投与製剤で同時に送達される場合、(2)別個の製剤として交互に、若しくは平行して送達される場合、または(3)いくつかの他の計画による場合に達成され得る。代替療法で送達される場合、相乗効果は、化合物が逐次的に投与または送達される場合、例えば、別個の注射器での異なる注射によって達成され得る。概して、交互療法の間、各活性成分の有効な投薬量は、逐次的に、すなわち、連続的に投与され、一方、併用療法においては、2つ以上の活性成分の有効な投薬量は、一緒に投与される。

0131

上記の伝統的経路による患者への抗癌療法剤の投与とは別に、本発明は、遺伝子療法による投与を含む。アンタゴニストをコードする核酸のこのような投与は、「有効量の抗癌療法剤を投与する」という表現によって包含される。例えば、細胞内抗体を生成するための遺伝子療法の使用に関しては、WO1996/07321を参照されたい。かかる方法は、例えば、TP53等の細胞内タンパク質を標的とするのに有用であり得る。

0132

核酸(任意選択でベクターに含有される)を患者の細胞にインビボ及び体外で入れ込むための2つの主なアプローチが存在する。インビボ送達の場合、核酸は、通常はアンタゴニストが必要とされる部位において患者に直接注射される。体外治療の場合、患者の細胞が除去され、これらの単離された細胞に核酸が導入され、修飾された細胞が患者に直接投与されるか、または例えば、患者に埋め込まれる多孔質膜内被包される(例えば、米国特許第4,892,538号及び同第5,283,187号を参照されたい)。核酸を生きた細胞に導入するために使用可能な様々な技法が存在する。これらの技法は、意図される宿主の細胞において、インビトロまたはインビボで、核酸が培養された細胞に移行したかどうかに応じて異なる。インビトロでの哺乳動物細胞への核酸の移行に適した技法には、リポソームの使用、電気穿孔微量注入細胞融合DEAEデキストランリン酸カルシウム沈降法等が含まれる。遺伝子の体外送達に一般に使用されるベクターは、レトロウイルスである。

0133

現在好ましいインビボ核酸移行技法には、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルスI型単純ヘルペスウイルス、またはアデノ関連ウイルス)による形質移入、及び脂質系システム(遺伝子の脂質媒介性移行に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、及びDC−Cholである)が含まれる。一部の状況において、核酸源を、標的細胞に特異的な薬剤、例えば、標的細胞上の細胞表面膜タンパク質に特異的な抗体、標的細胞上の受容体のためのリガンド等と共に提供することが望ましい。リポソームが用いられる場合、エンドサイトーシスと関連付けられた細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質は、例えば、特定の細胞タイプ向性カプシドタンパク質またはその断片、循環中の内部化を受けるタンパク質の抗体、及び細胞内限局化を標的とし、細胞内半減期を強化するタンパク質を標的とするため、及び/またはそれらの取り込みを促進するために使用され得る。受容体媒介性エンドサイトーシスの技法は、例えば、Wu et al.,J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987)、及びWagner et al.,PNAS USA 87:3410−3414(1990)によって記載されている。遺伝子マーキング及び遺伝子療法プロトコルは、例えば、Anderson et al.,Science 256:808−813(1992)及びWO1993/25673に記載されている。

0134

IV.診断及び予後判定方法
本発明は、癌に罹患している患者を診断するため、癌に罹患している患者の予後を決定するため、癌を有する患者が抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかを決定するため、及び癌を有する患者に対する抗癌療法剤の治療効果を最適化するための方法を提供する。これらの方法は、特に、癌のサブタイプを診断するため、治療転帰を予測するため、及び患者への抗癌療法剤の投与が有効となる可能性を増加させるために有用である。いくつかの実施形態において、これらの方法は、患者から得られる試料中の、本発明のバイオマーカー(例えば、表1に列挙されるバイオマーカー)のうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、その発現レベルを、本発明のバイオマーカーの基準レベルと比較することと、を含む。特定の実施形態において、これらの方法は、患者から得られる試料中の以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及び/またはEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、この発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、を含む。本発明のバイオマーカー(例えば、FGFR3、TP53、及び/またはEGFR)の発現レベルは、下記の方法若しくはアッセイのうちのいずれかを使用するか、または当該技術分野において既知の任意の方法若しくはアッセイによって決定され得る。特定の実施形態において、癌は、膀胱癌である。一部の実施形態において、膀胱癌は、NMIBCである。他の実施形態において、膀胱癌は、MIBCである。更に他の実施形態において、膀胱癌は、転移性膀胱癌である。患者は、任意選択で、進行性、難治性、再発性、及び/または化学療法耐性形態の癌を有し得る。例えば、一部の実施形態において、患者は、再発性膀胱癌、例えば、再発性NMIBCを有し得る。

0135

例えば、一部の実施形態において、本発明は、患者における癌の診断方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、表1に列挙される遺伝子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96遺伝子)の発現レベルを決定するステップと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルが、癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、変化は、増加であり得る。他の実施形態において、変化は、減少であり得る。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。例えば、特定の実施形態において、本発明は、患者における癌の診断方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の発現レベルを決定するステップと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0136

一部の事例において、本発明は、患者における癌の診断方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のFGFR3の発現レベルを決定するステップと、(b)FGFR3の発現レベルをFGFR3の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中のFGFR3の発現レベルの増加が、癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0137

一部の事例において、本発明は、患者における癌の診断方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のTP53の発現レベルを決定するステップと、(b)TP53の発現レベルをTP53の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中のTP53の発現レベルの増加が、癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0138

一部の事例において、本発明は、患者における癌の診断方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のEGFRの発現レベルを決定するステップと、(b)EGFRの発現レベルをEGFRの基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中のEGFRの発現レベルの増加が、癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0139

別の実施例において、一部の実施形態では、本発明は、患者における癌の診断方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、表4に列挙される遺伝子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48遺伝子)の発現レベルを決定するステップと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの変化が、癌を有する患者を特定する。一部の実施形態において、変化は、増加であり得る。他の実施形態において、変化は、減少であり得る。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0140

上記方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、(c)癌を有していることを患者に通知することを更に含み得る。上記方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、(d)試料に対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が検出された場合に、患者の治療のための抗癌療法剤を選択することを更に含み得る。上記方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、例えば、本発明の詳細な説明の第III節に記載される通り、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを更に含み得る。

0141

他の事例において、本発明は、癌に罹患している患者の予後判定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、表1に列挙される遺伝子(例えば、表1に列挙される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96遺伝子)のうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、基準レベルに対して変化した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルによって、不良な予後が示される。一部の実施形態において、変化は、増加であり得る。他の実施形態において、変化は、減少であり得る。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0142

例えば、一部の事例において、本発明は、癌に罹患している患者の予後判定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、不良な予後は、基準レベルに対して増加した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加によって示される。

0143

一部の事例において、本発明は、癌に罹患している患者の予後判定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のFGFR3の発現レベルを決定することと、(b)FGFR3の発現レベルを、FGFR3の基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、基準レベルに対して増加した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加によって、不良な予後が示される。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0144

他の事例において、本発明は、癌に罹患している患者の予後判定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のTP53の発現レベルを決定することと、(b)TP53の発現レベルを、TP53の基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、基準レベルに対して増加した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加によって、不良な予後が示される。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0145

例えば、一部の事例において、本発明は、癌に罹患している患者の予後判定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のEGFRの発現レベルを決定することと、(b)EGFRの発現レベルを、EGFRの基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、基準レベルに対して増加した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加によって、不良な予後が示される。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0146

他の事例において、本発明は、癌に罹患している患者の予後判定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、表4に列挙される遺伝子(例えば、表4に列挙される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48遺伝子)のうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較することと、(c)患者の予後を決定することと、を含み、基準レベルに対して変化した患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルによって、不良な予後が示される。一部の実施形態において、変化は、増加であり得る。他の実施形態において、変化は、減少であり得る。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0147

上記方法のうちのいずれかにおいて、予後は、生存の予後であり得る。一部の事例において、本方法は、抗癌療法剤を患者に投与する前に実行される。他の実施形態において、本方法は、抗癌療法剤を患者に投与している間に実行される。他の実施形態において、本方法は、抗癌療法剤を患者に投与した後に実行される。

0148

上記方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、抗癌療法剤の投与から利益を享受する可能性があるとして、患者を特定することを更に含み得る。他の事例において、本方法は、患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、抗癌療法剤の投与から利益を享受する可能性が低いとして、患者を特定することを更に含み得る。

0149

上記方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、例えば、本発明の詳細な説明の第III節に記載される通り、患者が不良な生存予後を有すると決定された場合に、治療有効量の抗癌療法剤を患者に投与することを更に含み得る。

0150

上記方法のうちのいずれかにおいて、生存は、無疾患生存、無進行生存、または全生存であり得る。

0151

他の事例において、本発明は、癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかの決定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、表1に列挙される遺伝子(例えば、表1に列挙される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96遺伝子)のうちの少なくとも1つの発現レベルを決定するステップと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの変化が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する。一部の実施形態において、変化は、増加であり得る。他の実施形態において、変化は、減少であり得る。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0152

例えば、一部の事例において、本発明は、癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかの決定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中の、以下の遺伝子、FGFR3、TP53、及びEGFRのうちの少なくとも1つの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを、少なくとも1つの遺伝子の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中の少なくとも1つの遺伝子の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0153

例えば、一部の事例において、本発明は、癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかの決定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のFGFR3の発現レベルを決定するステップと、(b)FGFR3の発現レベルをFGFR3の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中のFGFR3の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

0154

他の事例において、本発明は、癌を有する患者が、抗癌療法剤での治療に応答する可能性があるかどうかの決定方法を提供し、本方法は、(a)患者から得られる試料中のTP53の発現レベルを決定するステップと、(b)TP53の発現レベルをTP53の基準レベルと比較するステップと、を含み、基準レベルに対する、患者試料中のTP53の発現レベルの増加が、抗癌療法剤を含む治療に応答する可能性がある患者を特定する。一部の実施形態において、癌は、膀胱癌である。

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