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技術 スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類のバイオマスをDHAで、かつアミノ酸ARG及びGLUで富化するプロセス

出願人 ロケットフレール
発明者 ベルナールコーリエ
出願日 2016年1月26日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2017-539445
公開日 2018年3月29日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-508199
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 微生物による化合物の製造
主要キーワード 溶解酸素含有量 ソースベース 最短期間 料理法 バイオマス密度 医薬カプセル 窒素欠乏 酸素移動速度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題・解決手段

本発明は、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類バイオマスをDHAで、かつアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸富化するプロセスにおいて、微細藻類の増殖速度を制限すると同時に、発酵培地中窒素源を維持するか、又は発酵培地中に窒素源を連続的に導入することを意図された工程を含むことを特徴とするプロセスに関する。

概要

背景

脂質の技術分野
脂質は、タンパク質及び炭水化物と共に、多量必要栄養素の3つの主要ファミリーを構成する1つである。

脂質のうち、トリグリセリド及びリン脂質が特に際立っている。

トリグリセリド(トリアシルグリセロールもしくはトリアシルグリセリド、又はTAGとも呼ばれる)は、グリセロールの3つのヒドロキシル基脂肪酸エステル化されているグリセリドである。これは、植物油及び動物性脂肪の主な構成成分である。

トリグリセリドは、ヒトによって摂取される食事の脂質のおよそ95%に相当する。これは、生体において主に脂肪組織中に存在し、エネルギー貯蔵の主な形態を構成している。

リン脂質は、両親媒性脂質、すなわち、極性のある(親水性の)「頭部」及び2つの脂肪族の(疎水性の)「尾部」からなる脂質である。

リン脂質は、とりわけ流動性を付与する細胞膜の構成成分であることから、構造用脂質である。

トリグリセリド及びリン脂質は、主に脂肪酸で構成される。これらの脂肪酸は食事によって与えられ、一部については生体によって合成される。

生化学分類脂肪酸分子中に含有される二重結合の数に基づく)により、飽和脂肪酸SFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)、及び多価不飽和脂肪酸(PUFA)に区別される。

生理学見解から、以下が区別される:
不可欠脂肪酸。これは、ヒトの体の発達及び適切な機能に必要とされるが、ヒトの体が生産することはできない;
− 「条件付きで」不可欠な脂肪酸。これは、細胞の正常な増殖及び生理学的機能に必須であるが、前駆体が食事によって提供される場合に前駆体から生産され得る。したがって、必須の前駆体が不在である場合に完全に必要とされる;
− 非不可欠脂肪酸。

全ての不可欠脂肪酸及び「条件付きで」不可欠な脂肪酸が必須脂肪酸を構成する。

他の脂肪酸は、非必須脂肪酸と呼ばれる。

特に、非不可欠脂肪酸として、以下が挙げられる:
オメガ3脂肪酸ファミリーのエイコサペンタエン酸(EPA)、
オレイン酸(ヒトの食事において主たる一価不飽和脂肪酸である)及びパルミトレイン酸
−飽和脂肪酸、例えばラウリン酸ミリスチン酸又はパルミチン酸

より詳細には、多価不飽和脂肪酸は、最後のメチル官能基から出発して、最初の二重結合の位置に従って分類される。

したがって、命名法において、オメガ「x」又は「nx」について「x」は最初の不飽和の位置に相当する。

必須脂肪酸の2つの主なファミリーが識別されている:その前駆体及び主な代表がリノール酸(LA)であるオメガ6脂肪酸(又はn−6 PUFA)、及びその前駆体がアルファリノレン酸(ALA)であるオメガ3脂肪酸(又はn−3 PUFA)。

生物学的に注目される大部分の多価不飽和脂肪酸は、オメガ6ファミリー(アラキドン酸又はARA)又はオメガ3ファミリー(エイコサペンタエン酸又はEPA、ドコサヘキサエン酸又はDHA)に属する。

また、命名法において、鎖を構成する炭素の数も定義される。したがって、EPAはC20:5として、DHAはC22:6として記載される。

このように、「5」及び「6」は、EPA及びDHAによってそれぞれ示される炭素鎖の不飽和の数に相当する。

DHAは、オメガ3脂肪酸ファミリーであり、生体がアルファ−リノレン酸から合成する方法が知られており、又は油っこいマグロサケニシンなど)の消費によって提供される脂肪酸である。

DHAは、膜の構造ならびに脳及び網膜の発達及び機能において重要な役割を果たす。

魚の油が主にオメガ3脂肪酸、例えばDHA及びEPAの源として用いられるが、これらは微細藻類の油にも見出されており、それから混合物として又は別々に抽出される。例えば、油は、選択された特定の株、例えばシゾキトリウム(Schizochytrium)属の株に由来する場合、微量のEPAのみを含有するが、DHA含有量が高い。

ペプチド及びアミノ酸の技術分野
ペプチド及びアミノ酸は、従来、多く分野において機能剤又は栄養補助食品として開発されている。

注目されるアミノ酸の供給に関連して、アルギニン及びグルタミン酸豊富である入手可能なペプチド源を有することが実際に有利であり得る。

アルギニンは、動物界において多くの機能を有するアミノ酸である。

アルギニンは、分解し得るため、これを同化する細胞にとってエネルギー源炭素源及び窒素源として機能し得る。

哺乳類が挙げられる種々の動物において、アルギニンは、オルニチン及び尿素に分解される。後者は、動物生体の細胞中に存在する窒素化合物の量を調節するように(尿の排泄を介して)除外され得る窒素分子である。

アルギニンは、NOシンセターゼを介して一酸化窒素(NO)の合成を可能にするため、動脈血管拡張関与し、これが血管の剛性引き下げ血流を増大させることで血管の機能を向上させる。

アルギニンを含有する栄養補助食品は、心臓の健康、血管機能を促進するため、「血小板凝集」(血塊形成のリスクとなる)を予防するため、及び動脈圧を低下させるために推奨されている。

創傷回復へのアルギニンの関与は、コラーゲン合成における別の重要なアミノ酸であるプロリンの形成での役割と関連している。

最後に、アルギニンは、特にスポーツをする人々によって頻繁に用いられる栄養ドリンク中の成分である。

グルタミン酸に関しては、タンパク質合成に用いられる元素ブリックの1つであるだけでなく、中枢神経系(脳+脊柱)において非常に広く存在しており、かつGABA作動性ニューロンにおけるGABA前駆体である興奮性神経伝達物質でもある。

コードE620の下で、グルタメートは、食品中の調味料として用いられている。これは、味を向上させるために食品調理物に加えられる。

また、グルタメートの他に、国際食品規格(Codex Alimentarius)は、調味料として、そのナトリウム塩(E621)、カリウム塩(E622)、カルシウム塩(E623)、アンモニウム塩(E624)、及びマグネシウム塩(E625)を認識している。

グルタメート(又はその塩)は、多くの場合、調理済み食品スープソースチップス、及び調理済み料理)中に存在する。これはまた、アジア料理法において一般的に用いられている。

これは、現在、アペリチフにおける風味付けベーコンの調味料、チーズの調味料)と組み合わせて頻繁に用いられている。これにより、ベーコン、チーズなどの風味を向上させることが可能となる。何も含有しないアペリチフを見出すことはほぼない。

これはまた、特定の医薬カプセル中にも見出されるが、その味の作用を目的とするものではない。

最後に、これは、調理補助物(固形スープの素、ソースベース、ソースなど)の主成分である。

微細藻類による脂質、特に脂肪酸の産生
シゾキトリウム(Schizochytrium)属の微細藻類は、従来、発酵槽従属栄養条件:暗黒下及び炭素源の存在下)内で培養される。

これらの微細藻類の有益な利用は、一般に、発酵条件を制御することを必要とする点に
留意すべきである。

したがって、この結果を達成するために、高細胞密度(HCD)を得ることを可能にする発酵のための最初のプロセスが、最大の脂質収率及び生産性を得るために大いに開発されてきた。

これらのHCD培養の目的は、考えられる最短期間で考えられる最高濃度の所望の脂質を得ることであった。

しかしながら、脂質を多量に蓄積させることを所望する場合、例えば、微細藻類を栄養ストレス曝すことが必須であるが、これは、増殖を制限することが当分野の専門家に直ちに明らかとなった。

したがって、増殖及び生産は、慣例的に発酵プロセスにおいて結び付けられていない。

例えば、多価不飽和脂肪酸(この例では、ドコサヘキサエン酸又はDHA)の蓄積を促進するために、特許出願国際公開第01/54510号パンフレットは、多価不飽和脂肪酸の生産から細胞の増殖を切り離すことを推奨している。

より詳細には、微生物の脂質を生産するプロセスが特許請求されており、このプロセスは、
(a)微生物、炭素源、及び制限栄養源を含む培地の発酵を実行して、溶解酸素含有量を前記発酵培地中で少なくともおよそ4%の飽和に維持するのに十分な条件を確実にして、バイオマスを増大させる工程と;
(b)続いて、溶解酸素含有量を前記発酵培地中でおよそ1%以下の飽和に維持するのに十分な条件を与えて、前記微生物が前記脂質を産生し得るのに十分な条件を与える工程と;
(c)前記微生物脂質の少なくともおよそ15%が多価不飽和脂質から構成されている、前記微生物脂質を収集する工程と
を含む工程を含み、少なくともおよそ100g/lのバイオマス密度が発酵の経過から得られる。

したがって、微細藻類のシゾキトリウム(Schizochytrium)属種の株ATCC20888において、第1の増殖期は、より詳細には、炭素源及び窒素源の存在下で酸素を制限することなく実行されて、高細胞密度の生成が促進され、その後、第2期において窒素の供給が停止され、かつ酸素の供給が徐々に減速されて(溶解酸素圧又はpO2が10%から4%に、その後、0.5%に管理される)、微細藻類にストレスが加えられ、その増殖が減速され、かつ注目される脂肪酸の産生がトリガーされる。

微細藻類の渦鞭毛藻(Crypthecodinium cohnii)において、より高いDHA含有量が低グルコース濃度(5g/lのオーダー)で、したがって低い増殖速度で得られる(Jiang and Chen,2000,Process Biochem.,35(10),1205−1209)。

結果的に、産物の形成が高い細胞増殖相関しない場合、細胞増殖の速度を制御することが賢明であることが教示されている。

一般に、当業者は、発酵条件(温度、pHなど)を制御することにより、又は発酵培地への栄養成分の供給を調節すること(「流加(fed batch)」と呼ばれる半継続的条件)により微細藻類の増殖を制御することを選択する。

当業者は、炭素源の供給を介して従属栄養的に微細藻類の増殖を制御することを選択する場合、一般に、産生される代謝物質(例えば、DHA型の多価不飽和脂肪酸)に応じて、炭素源(純粋なグルコースアセテートエタノールなど)を微細藻類(渦鞭毛藻(C.cohnii)、ミドリムシ(Euglena gracilis)など)に適応させることを選択する。

温度も重要なパラメータであり得る。例えば、微細藻類の一部の種における多価不飽和脂肪酸、例えばクロレラ・ミヌティッシマ(Chlorella minutissima)によるEPAの合成は、前記微細藻類の最適な増殖に必要とされるよりも低い温度で促進されることが報告されている。

また、トリグリセリドの生産を最適化するために、当業者は、発酵培地の栄養環境に影響を与えることにより、炭素フローを油生産に向けて最適化するようになる。

したがって、炭素の供給が十分であるが窒素欠乏条件下にある場合、油が蓄積することが知られている。

したがって、C/N比がここでの決定因子であり、窒素含有量に直接影響を与えることによって最も良い結果が得られることが認められており、グルコース含有量制限因子ではない。

したがって、油生産を最適化するために、タンパク質生産を損なうほど炭素フローを油生産に向けることによって炭素フローを制御することが当業者にとって必須である。微細藻類が窒素欠乏培地に入れられると、炭素フローは再分配されて、脂質貯蔵物質として蓄積する。

微細藻類によるタンパク質の産生
先に詳細に説明されるように、トリグリセリドの生産を最適化するために、当業者は、発酵培地の栄養環境に影響を与えることにより、炭素フローを油生産に向けて最適化するようになる。

クロレラ(Chlorella)属型の微細藻類において実行される研究では、窒素欠乏が細胞増殖に影響を及ぼすことにより、増殖速度が微細藻類の正常な増殖速度と比較して30%低下することが注目されている(Xiong et al.,Plant Physiology,2010,154,pp.1001−1011)。

この結果を説明するために、先のXiongらの論文において、実際に、クロレラ(Chlorella)属バイオマスが5つの主成分、特に炭水化物、脂質、タンパク質、DNA、及びRNA(その固体の85%に相当する)に分割される場合、C/N比は、DNA、RNA又は炭水化物の含有量に影響しないが、タンパク質及び脂質の含有量について重要性を増すことが実証されている。

したがって、低いC/N比で培養されたクロレラ(Chlorella)属細胞は、25.8%のタンパク質及び25.23%の脂質を含有する一方、高いC/N比では53.8%の脂質及び10.5%のタンパク質の合成を可能にする。

したがって、タンパク質生産を最適化するために、脂質生産を損なうほど炭素フローをタンパク質生産に向けることによって炭素フローを制御することが当業者にとって必須である。微細藻類が窒素欠乏でない培地に入れられると、炭素フローは再分配されて、タン
パク質貯蔵物質として蓄積する。

したがって、この教示をもって、タンパク質及びそれを構成するアミノ酸が豊富であるバイオマスを生産するために、当業者は、低いC/N比を促進する代わりに発酵条件に影響を与えるようになり、したがって、
− 大量の窒素源を発酵培地へ供給する一方、タンパク質に変換されることになる炭素源フィードストックを一定に維持し、かつ
−微細藻類の増殖を刺激する。

概要

本発明は、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類のバイオマスをDHAで、かつアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸で富化するプロセスにおいて、微細藻類の増殖速度を制限すると同時に、発酵培地中で窒素源を維持するか、又は発酵培地中に窒素源を連続的に導入することを意された工程を含むことを特徴とするプロセスに関する。

目的

これはまた、特定の医薬カプセル中にも見出されるが、その味の作用を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類バイオマスドコサヘキサエン酸(DHA)で、かつアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸富化するプロセスにおいて、前記微細藻類の増殖速度を制限すると同時に、前記微細藻類の前記増殖速度の比率μ/μmaxの値が0.2未満になると直ちに、発酵培地中窒素源を維持するか、又は発酵培地中に窒素源を連続的に導入することを意図された工程を含むことを特徴とするプロセス。

請求項2

前記微細藻類は、シゾキトリウム(Schizochytrium)属種又はシゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytriummangrovei)のものであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。

請求項3

前記微細藻類は、パスツール研究所のCollectionNationaledeCulturesdeMicroorganismes[FrenchNationalCollectionofMicroorganismCultures]にそれぞれ2011年4月14日及び2012年11月22日に寄託された株CNCMI−4469及びCNCMI−4702から選択される株であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプロセス。

請求項4

前記微細藻類の前記増殖速度の前記制限は、前記発酵培地中の微量元素を低減もしくは枯渇させることにより、又はO2移行を制限することにより、好ましくはO2移行を制限することにより得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項5

前記バイオマスを収穫することと、任意選択的に前記バイオマスから細胞抽出物又は溶解物を調製することと、その後、任意選択的にDHAが豊富粗油を抽出することとをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項6

得られる前記バイオマスは、総脂肪酸の少なくとも45重量%のDHAを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項7

得られる前記バイオマスは、総アミノ酸に対して少なくとも10重量%のアルギニン及び少なくとも25重量%のグルタミン酸を含め、バイオマスの少なくとも40重量%(g/g)の、N.6.25で表されるタンパク質を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。

技術分野

0001

本発明は、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、より詳細にはシゾキトリウム(Schizochytrium)属種又はシゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytrium mangrovei)の微細藻類バイオマスドコサヘキサエン酸(DHA)で、かつアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸富化する新規発酵プロセスと、また、この微細藻類バイオマスから抽出される油を生産するプロセスとに関する。

背景技術

0002

脂質の技術分野
脂質は、タンパク質及び炭水化物と共に、多量必要栄養素の3つの主要ファミリーを構成する1つである。

0003

脂質のうち、トリグリセリド及びリン脂質が特に際立っている。

0004

トリグリセリド(トリアシルグリセロールもしくはトリアシルグリセリド、又はTAGとも呼ばれる)は、グリセロールの3つのヒドロキシル基脂肪酸エステル化されているグリセリドである。これは、植物油及び動物性脂肪の主な構成成分である。

0005

トリグリセリドは、ヒトによって摂取される食事の脂質のおよそ95%に相当する。これは、生体において主に脂肪組織中に存在し、エネルギー貯蔵の主な形態を構成している。

0006

リン脂質は、両親媒性脂質、すなわち、極性のある(親水性の)「頭部」及び2つの脂肪族の(疎水性の)「尾部」からなる脂質である。

0007

リン脂質は、とりわけ流動性を付与する細胞膜の構成成分であることから、構造用脂質である。

0008

トリグリセリド及びリン脂質は、主に脂肪酸で構成される。これらの脂肪酸は食事によって与えられ、一部については生体によって合成される。

0009

生化学分類脂肪酸分子中に含有される二重結合の数に基づく)により、飽和脂肪酸SFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)、及び多価不飽和脂肪酸(PUFA)に区別される。

0010

生理学見解から、以下が区別される:
不可欠脂肪酸。これは、ヒトの体の発達及び適切な機能に必要とされるが、ヒトの体が生産することはできない;
− 「条件付きで」不可欠な脂肪酸。これは、細胞の正常な増殖及び生理学的機能に必須であるが、前駆体が食事によって提供される場合に前駆体から生産され得る。したがって、必須の前駆体が不在である場合に完全に必要とされる;
− 非不可欠脂肪酸。

0011

全ての不可欠脂肪酸及び「条件付きで」不可欠な脂肪酸が必須脂肪酸を構成する。

0012

他の脂肪酸は、非必須脂肪酸と呼ばれる。

0013

特に、非不可欠脂肪酸として、以下が挙げられる:
オメガ3脂肪酸ファミリーのエイコサペンタエン酸(EPA)、
オレイン酸(ヒトの食事において主たる一価不飽和脂肪酸である)及びパルミトレイン酸
−飽和脂肪酸、例えばラウリン酸ミリスチン酸又はパルミチン酸

0014

より詳細には、多価不飽和脂肪酸は、最後のメチル官能基から出発して、最初の二重結合の位置に従って分類される。

0015

したがって、命名法において、オメガ「x」又は「nx」について「x」は最初の不飽和の位置に相当する。

0016

必須脂肪酸の2つの主なファミリーが識別されている:その前駆体及び主な代表がリノール酸(LA)であるオメガ6脂肪酸(又はn−6 PUFA)、及びその前駆体がアルファリノレン酸(ALA)であるオメガ3脂肪酸(又はn−3 PUFA)。

0017

生物学的に注目される大部分の多価不飽和脂肪酸は、オメガ6ファミリー(アラキドン酸又はARA)又はオメガ3ファミリー(エイコサペンタエン酸又はEPA、ドコサヘキサエン酸又はDHA)に属する。

0018

また、命名法において、鎖を構成する炭素の数も定義される。したがって、EPAはC20:5として、DHAはC22:6として記載される。

0019

このように、「5」及び「6」は、EPA及びDHAによってそれぞれ示される炭素鎖の不飽和の数に相当する。

0020

DHAは、オメガ3脂肪酸ファミリーであり、生体がアルファ−リノレン酸から合成する方法が知られており、又は油っこいマグロサケニシンなど)の消費によって提供される脂肪酸である。

0021

DHAは、膜の構造ならびに脳及び網膜の発達及び機能において重要な役割を果たす。

0022

魚の油が主にオメガ3脂肪酸、例えばDHA及びEPAの源として用いられるが、これらは微細藻類の油にも見出されており、それから混合物として又は別々に抽出される。例えば、油は、選択された特定の株、例えばシゾキトリウム(Schizochytrium)属の株に由来する場合、微量のEPAのみを含有するが、DHA含有量が高い。

0023

ペプチド及びアミノ酸の技術分野
ペプチド及びアミノ酸は、従来、多く分野において機能剤又は栄養補助食品として開発されている。

0024

注目されるアミノ酸の供給に関連して、アルギニン及びグルタミン酸が豊富である入手可能なペプチド源を有することが実際に有利であり得る。

0025

アルギニンは、動物界において多くの機能を有するアミノ酸である。

0026

アルギニンは、分解し得るため、これを同化する細胞にとってエネルギー源炭素源及び窒素源として機能し得る。

0027

哺乳類が挙げられる種々の動物において、アルギニンは、オルニチン及び尿素に分解される。後者は、動物生体の細胞中に存在する窒素化合物の量を調節するように(尿の排泄を介して)除外され得る窒素分子である。

0028

アルギニンは、NOシンセターゼを介して一酸化窒素(NO)の合成を可能にするため、動脈血管拡張関与し、これが血管の剛性引き下げ血流を増大させることで血管の機能を向上させる。

0029

アルギニンを含有する栄養補助食品は、心臓の健康、血管機能を促進するため、「血小板凝集」(血塊形成のリスクとなる)を予防するため、及び動脈圧を低下させるために推奨されている。

0030

創傷回復へのアルギニンの関与は、コラーゲン合成における別の重要なアミノ酸であるプロリンの形成での役割と関連している。

0031

最後に、アルギニンは、特にスポーツをする人々によって頻繁に用いられる栄養ドリンク中の成分である。

0032

グルタミン酸に関しては、タンパク質合成に用いられる元素ブリックの1つであるだけでなく、中枢神経系(脳+脊柱)において非常に広く存在しており、かつGABA作動性ニューロンにおけるGABA前駆体である興奮性神経伝達物質でもある。

0033

コードE620の下で、グルタメートは、食品中の調味料として用いられている。これは、味を向上させるために食品調理物に加えられる。

0034

また、グルタメートの他に、国際食品規格(Codex Alimentarius)は、調味料として、そのナトリウム塩(E621)、カリウム塩(E622)、カルシウム塩(E623)、アンモニウム塩(E624)、及びマグネシウム塩(E625)を認識している。

0035

グルタメート(又はその塩)は、多くの場合、調理済み食品スープソースチップス、及び調理済み料理)中に存在する。これはまた、アジア料理法において一般的に用いられている。

0036

これは、現在、アペリチフにおける風味付けベーコンの調味料、チーズの調味料)と組み合わせて頻繁に用いられている。これにより、ベーコン、チーズなどの風味を向上させることが可能となる。何も含有しないアペリチフを見出すことはほぼない。

0037

これはまた、特定の医薬カプセル中にも見出されるが、その味の作用を目的とするものではない。

0038

最後に、これは、調理補助物(固形スープの素、ソースベース、ソースなど)の主成分である。

0039

微細藻類による脂質、特に脂肪酸の産生
シゾキトリウム(Schizochytrium)属の微細藻類は、従来、発酵槽従属栄養条件:暗黒下及び炭素源の存在下)内で培養される。

0040

これらの微細藻類の有益な利用は、一般に、発酵条件を制御することを必要とする点に
留意すべきである。

0041

したがって、この結果を達成するために、高細胞密度(HCD)を得ることを可能にする発酵のための最初のプロセスが、最大の脂質収率及び生産性を得るために大いに開発されてきた。

0042

これらのHCD培養の目的は、考えられる最短期間で考えられる最高濃度の所望の脂質を得ることであった。

0043

しかしながら、脂質を多量に蓄積させることを所望する場合、例えば、微細藻類を栄養ストレス曝すことが必須であるが、これは、増殖を制限することが当分野の専門家に直ちに明らかとなった。

0044

したがって、増殖及び生産は、慣例的に発酵プロセスにおいて結び付けられていない。

0045

例えば、多価不飽和脂肪酸(この例では、ドコサヘキサエン酸又はDHA)の蓄積を促進するために、特許出願国際公開第01/54510号パンフレットは、多価不飽和脂肪酸の生産から細胞の増殖を切り離すことを推奨している。

0046

より詳細には、微生物の脂質を生産するプロセスが特許請求されており、このプロセスは、
(a)微生物、炭素源、及び制限栄養源を含む培地の発酵を実行して、溶解酸素含有量を前記発酵培地中で少なくともおよそ4%の飽和に維持するのに十分な条件を確実にして、バイオマスを増大させる工程と;
(b)続いて、溶解酸素含有量を前記発酵培地中でおよそ1%以下の飽和に維持するのに十分な条件を与えて、前記微生物が前記脂質を産生し得るのに十分な条件を与える工程と;
(c)前記微生物脂質の少なくともおよそ15%が多価不飽和脂質から構成されている、前記微生物脂質を収集する工程と
を含む工程を含み、少なくともおよそ100g/lのバイオマス密度が発酵の経過から得られる。

0047

したがって、微細藻類のシゾキトリウム(Schizochytrium)属種の株ATCC20888において、第1の増殖期は、より詳細には、炭素源及び窒素源の存在下で酸素を制限することなく実行されて、高細胞密度の生成が促進され、その後、第2期において窒素の供給が停止され、かつ酸素の供給が徐々に減速されて(溶解酸素圧又はpO2が10%から4%に、その後、0.5%に管理される)、微細藻類にストレスが加えられ、その増殖が減速され、かつ注目される脂肪酸の産生がトリガーされる。

0048

微細藻類の渦鞭毛藻(Crypthecodinium cohnii)において、より高いDHA含有量が低グルコース濃度(5g/lのオーダー)で、したがって低い増殖速度で得られる(Jiang and Chen,2000,Process Biochem.,35(10),1205−1209)。

0049

結果的に、産物の形成が高い細胞増殖相関しない場合、細胞増殖の速度を制御することが賢明であることが教示されている。

0050

一般に、当業者は、発酵条件(温度、pHなど)を制御することにより、又は発酵培地への栄養成分の供給を調節すること(「流加(fed batch)」と呼ばれる半継続的条件)により微細藻類の増殖を制御することを選択する。

0051

当業者は、炭素源の供給を介して従属栄養的に微細藻類の増殖を制御することを選択する場合、一般に、産生される代謝物質(例えば、DHA型の多価不飽和脂肪酸)に応じて、炭素源(純粋なグルコースアセテートエタノールなど)を微細藻類(渦鞭毛藻(C.cohnii)、ミドリムシ(Euglena gracilis)など)に適応させることを選択する。

0052

温度も重要なパラメータであり得る。例えば、微細藻類の一部の種における多価不飽和脂肪酸、例えばクロレラ・ミヌティッシマ(Chlorella minutissima)によるEPAの合成は、前記微細藻類の最適な増殖に必要とされるよりも低い温度で促進されることが報告されている。

0053

また、トリグリセリドの生産を最適化するために、当業者は、発酵培地の栄養環境に影響を与えることにより、炭素フローを油生産に向けて最適化するようになる。

0054

したがって、炭素の供給が十分であるが窒素欠乏条件下にある場合、油が蓄積することが知られている。

0055

したがって、C/N比がここでの決定因子であり、窒素含有量に直接影響を与えることによって最も良い結果が得られることが認められており、グルコース含有量制限因子ではない。

0056

したがって、油生産を最適化するために、タンパク質生産を損なうほど炭素フローを油生産に向けることによって炭素フローを制御することが当業者にとって必須である。微細藻類が窒素欠乏培地に入れられると、炭素フローは再分配されて、脂質貯蔵物質として蓄積する。

0057

微細藻類によるタンパク質の産生
先に詳細に説明されるように、トリグリセリドの生産を最適化するために、当業者は、発酵培地の栄養環境に影響を与えることにより、炭素フローを油生産に向けて最適化するようになる。

0058

クロレラ(Chlorella)属型の微細藻類において実行される研究では、窒素欠乏が細胞増殖に影響を及ぼすことにより、増殖速度が微細藻類の正常な増殖速度と比較して30%低下することが注目されている(Xiong et al.,Plant Physiology,2010,154,pp.1001−1011)。

0059

この結果を説明するために、先のXiongらの論文において、実際に、クロレラ(Chlorella)属バイオマスが5つの主成分、特に炭水化物、脂質、タンパク質、DNA、及びRNA(その固体の85%に相当する)に分割される場合、C/N比は、DNA、RNA又は炭水化物の含有量に影響しないが、タンパク質及び脂質の含有量について重要性を増すことが実証されている。

0060

したがって、低いC/N比で培養されたクロレラ(Chlorella)属細胞は、25.8%のタンパク質及び25.23%の脂質を含有する一方、高いC/N比では53.8%の脂質及び10.5%のタンパク質の合成を可能にする。

0061

したがって、タンパク質生産を最適化するために、脂質生産を損なうほど炭素フローをタンパク質生産に向けることによって炭素フローを制御することが当業者にとって必須である。微細藻類が窒素欠乏でない培地に入れられると、炭素フローは再分配されて、タン
パク質貯蔵物質として蓄積する。

0062

したがって、この教示をもって、タンパク質及びそれを構成するアミノ酸が豊富であるバイオマスを生産するために、当業者は、低いC/N比を促進する代わりに発酵条件に影響を与えるようになり、したがって、
− 大量の窒素源を発酵培地へ供給する一方、タンパク質に変換されることになる炭素源フィードストックを一定に維持し、かつ
−微細藻類の増殖を刺激する。

課題を解決するための手段

0063

本発明は、脂質画分について、DHAが豊富であり、総アミノ酸に対するアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸の含有量が高い、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類のバイオマスを生産するプロセスに関する。

0064

このプロセスは、微細藻類の増殖速度の制御に基づいており、この制御は、増殖速度をその最小値に引き下げると同時に、発酵培地中で窒素源を維持するか、又は発酵培地中に窒素源を連続的に導入するように行われる。

0065

この結果は、例えば、発酵培地中の微量元素を低減もしくは枯渇させることにより、又はO2移行を制限することにより得られ得る。

0066

したがって、本発明に従うプロセスの優先される一実施形態において、酸素供給を制限することによって微細藻類の増殖速度を制限することが選択される。

0067

本発明の目的のために、増殖速度の制限は、微細藻類の実際の増殖速度(μ)の、その最適な増殖速度(μmax)に対する比によって評価され、「μ」は、バイオマス1gあたり及び毎時、すなわち(h−1)で形成されるバイオマスのgで表される増殖速度である。

0068

より詳細には、本発明のプロセスは、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類のバイオマスをDHAで、かつアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸で富化するプロセスにおいて、微細藻類の増殖速度の比率μ/μmaxの値が0.2未満になると直ちに、発酵培地中で窒素源を維持するか、又は発酵培地に窒素源を加えることを含む工程を含むことを特徴とするプロセスである。

0069

好ましくは、微細藻類は、シゾキトリウム(Schizochytrium)属種又はシゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytrium mangrovei)のものである。

0070

より詳細には、微細藻類は、パスツール研究所(Institut Pasteur)のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes[French National Collection of Microorganism Cultures]にそれぞれ2011年4月14日及び2012年11月22日に寄託された株CNCM I−4469及びCNCM I−4702から選択される株であってよい。

0071

任意選択的に、プロセスはまた、バイオマスを収穫することと、任意選択的にこのバイオマスから細胞抽出物又は溶解物を調製することと、その後、任意選択的にDHAならびにアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸が豊富な粗油を抽出することとを含んでもよい。

0072

本発明に従うプロセスは、得られるバイオマスが、
総脂肪酸の少なくとも45重量%のDHA;及び
−総アミノ酸に対して少なくとも10重量%のアルギニン及び少なくとも25重量%のグルタミン酸、好ましくは総アミノ酸に対して少なくとも15重量%のアルギニン及び少なくとも40重量%のグルタミン酸。

図面の簡単な説明

0073

C/Nの関数として、アミノ酸のうちのアルギニン及びグルタミン酸の割合の変化を示すグラフである。

0074

本発明に関連して、本出願人企業は、発酵を実施する新規の方法を提唱することにより、DHAならびにアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸の生産を最適化する独創的経路探究することを選択した。

0075

このように、本出願人企業は、主題についての技術的な予想に反するが、発酵により、以下のような微細藻類バイオマスを生産することが可能であることを見出した:
− 脂質が豊富であり(バイオマスの乾物重で25%超、好ましくは少なくとも30%)(その主たる脂肪酸はドコサヘキサエン酸(DHA)である)、かつ
−アミノ酸アルギニン及びグルタミン酸が豊富であり(総アミノ酸の35重量%超、好ましくは少なくとも55%)、
先行技術に記載されるように、C/N比(消費される窒素に対する消費される炭素、モル/モル)を最大にすることは必須ではない。

0076

このように、本出願人企業は、脂質の生産について従来的でないが、増殖速度μ/μmaxが0.2未満である場合ですら、発酵の全体を通して窒素供給を維持することにより、発酵により生産されるバイオマスの脂質及びアミノ酸の組成を変更することが可能であることを見出した。

0077

実際に、本出願人企業は、μ/μmax比が0.2未満である場合、窒素又は炭素ベース培養基以外の栄養培養基の制限後、代謝生産をアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸の生産に向けると同時に、相当なDHA生産を保持することが可能であることを理解した。

0078

一実施形態において、増殖速度を引き下げることを可能にする制限は、酸素供給(OTR、酸素移動速度)の制限であり得る。

0079

特に、発酵段階中のOTRは、好ましくは30〜35mmol/l/hである。

0080

増殖制限はまた、好ましくはリン酸塩マグネシウム、又はカリウムから選択される微量元素又は無機物を枯渇させることによっても誘導され得る。

0081

より詳細には、本出願人企業は、μがμmaxの20%未満であることを条件として、優先して水性アンモニアの形態(例えばpH調節に用いられる)で窒素を供給することが必須であること、又は窒素供給を培養の最後まで維持することが必須であることを見出した。

0082

好ましい一実施形態において、初期の窒素供給は、pHの調節によって加えられる。したがって、消費される窒素は、pH調節の窒素によって補償される。これにより、培養の
終了時のC/N比(消費された窒素に対する消費された炭素、モル/モル)について、20未満、例えば10〜15、好ましくはおよそ15を得ることが可能となる。

0083

本発明の方法に用いられる株は、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、より詳細にはシゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytrium mangrovei)又はシゾキトリウム(Schizochytrium)属種のものである。そのような株は当業者に知られている。

0084

その研究の間、本出願人企業は、DHAを産生する非常に注目されるいくつかの微細藻類株を同定した。本出願人企業は、とりわけ、同定した2つの株に非常に興味がある。

0085

第1の株は、シゾキトリウム(Schizochytrium)属種の株であり、フランスにおいて2011年4月14日にパスツール研究所(25 rue du Docteur Roux,75724 Paris Cedex 15,France)のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes[French National Collection of Microorganism Cultures](CNCM)に番号I−4469として、また、中国において武漢大学(Wuhan 430072,P.R.China)のChina Center for Type Culture Collection(CCTCC)に番号M 209118として寄託されている。この株は、主に、DHAと、それほどではないがパルミチン酸及びパルミトレイン酸とを産生する。これは、18S RNAをコードする遺伝子の部分配列(配列番号1)によって特徴付けられた。

0086

0087

これにより、シゾキトリウム(Schizochytrium)属種型の株であると同定することが可能となった。この株は、その後、本出願において「CNCM I−4469」と表されることになる。

0088

さらに、第2の株は、シゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytrium mangrovei)の株である。これは、DHA及びパルミチン酸を比較的等しい割合で産生する。これは、本出願人企業により、フランスにおいて2012年11月22日にパスツール研究所(25 rue du Docteur Roux,75724 Paris Cedex 15)のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes(CNCM)に番号CNCM
I−4702として寄託された。これは、18SrRNAをコードする遺伝子の配列(配列番号2)によって特徴付けられた。

0089

0090

これにより、シゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytrium mangrovei)型の株であると同定することが可能となった。この株は、その後、本出願において「CNCM I−4702」と表されることになる。

0091

さらに、本発明に従う発酵プロセスは従属栄養培養条件下で実行される。これらの条件は、考慮して微細藻類に適応される。また、培地は当業者に周知である。

0092

微細藻類の増殖に必須の炭素源は、好ましくはグルコースである。

0093

好ましくは、グルコース供給は、発酵中のグルコース濃度が20g/l以上の濃度に維持されるようなものである。発酵の終了時のグルコース濃度は、少なくとも5g/lである。

0094

窒素源は、酵母抽出物、尿素、グルタミン酸ナトリウム硫酸アンモニウム、pH調節の水性アンモニアが単独で用いられても併用されてもよい。

0095

通常、培養工程は、株を復活させる前培養工程、その後の適切な培養工程又は発酵工程を含む。後者の工程は、注目される脂質、特にDHAの生産工程に相当する。

0096

好ましくは、pHは、発酵中、5〜7、好ましくはおよそ6のpHに調節される。

0097

好ましくは、発酵中の温度は、26〜30℃、好ましくはおよそ28℃である。

0098

発酵時間は、好ましくは、少なくとも50時間、好ましくは65〜90時間、さらにより好ましくは70〜85時間である。

0099

本発明に従う発酵プロセスは、総脂肪酸の少なくとも45重量%のDHAを含むバイオマスを得ることを可能にする(又は得るように実行される)。また、このプロセスは、バイオマスに対して少なくとも25重量%の脂質含有量保証する。したがって、バイオマスは、実際にDHAが富化される。

0100

さらに、本発明に従う発酵プロセスは、タンパク質をバイオマスに対して少なくとも40重量%含むバイオマスを得ることを可能にする(又は得るように実行される)。また、総アミノ酸に対するグルタミン酸の割合は、少なくとも25%である。アルギニンの割合は、少なくとも10%である。

0101

CNCM I−4702株について、本発明に従う発酵プロセスで得られる結果は、総脂肪酸のおよそ47重量%のDHAを含み、脂質含有量はバイオマスに対しておよそ35重量%であり、及びおよそ53%のタンパク質を含み、グルタミン酸の割合はおよそ40
%であり、かつアルギニンはおよそ16%である、バイオマスである。

0102

CNCM I−4469株について、本発明に従う発酵プロセスで得られる結果は、総脂肪酸のおよそ52重量%のDHAを含み、脂質含有量はバイオマスに対しておよそ26重量%であり、及びおよそ43%のタンパク質を含み、グルタミン酸の割合はおよそ26%であり、かつアルギニンはおよそ10%である、バイオマスである。

0103

重量パーセントに言及する場合、乾物重によることが理解される。

0104

バイオマスとは別に、本発明はまた、このバイオマスから調製される細胞抽出物又は溶解物に関する。特に、この抽出物又は溶解物は、発酵後に回収されるバイオマスから調製される。この抽出物又は溶解物は、DHAならびにアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸が豊富である。

0105

細胞は、脂質内容物を抽出するために、機械的方法化学的方法、及び酵素による方法が挙げられる種々の方法で破壊されてよい。

0106

その後、油が細胞溶解物から抽出され得る。

0107

したがって、注目される脂質、好ましくはDHAならびにアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸を生産する方法は、バイオマスを収穫し、細胞抽出物又は溶解物を調製し、かつ注目される脂質、好ましくはDHAならびに任意選択的にアミノ酸アルギニン及びグルタミン酸を含む粗油を抽出する、本発明に従う発酵プロセスを含む。

0108

用語「およそ」は、値+又は−前記値の10%、好ましくは+又は−前記値の5%を意味することが意図される。

0109

本発明は、実例となり、かつ非限定的であることが意図される以下の実施例からより明らかに理解されるであろう。

0110

実施例1:CNCN I−4702株を培養する条件
プロトコルは、シゾキトリウム・マングローベイ(Schizochytrium mangrovei)CNCM I−4702株について、発酵槽の接種用にバイオマスを0.1g/lに前培養することを含む。

0111

前培養
500mlのバッフル付きエルレンマイヤーフラスコ内での前培養(100mlの培地)を28℃で24時間にわたり続ける。

0112

培地の成分は全て濾過滅菌する。

0113

0114

培養
培地を3部において滅菌する。

0115

T0の直前に、添加用のグルコースをKH2PO4で滅菌する。

0116

残りの塩を0.75ml/lのClearol FBA 3107で発酵槽内において滅菌する。微量元素及びビタミンを濾過滅菌する。

0117

T0時の容量は、最終容量の75%に相当する。pHを、水性アンモニアを用いてT0時に調整してから、なお水性アンモニアで6に調節する。

0118

0119

流加グルコース(濃度:500g/l)をT0から一定の速度(計算に従って調整するべきである)で始めて連続的に供給して、20g/l未満の濃度にならないようにする。終了時にグルコースは枯渇することになるが、発酵を停止する時点で5g/l未満まで下降することはない。

0120

培養を28℃で実行し、70〜85時間続ける。固定した一定のOTR(酸素吸収速度
)は、20〜30mmolのO2/l/hである。

0121

0122

0123

2つの発酵条件を実施する:
コントロールとして:「標準的な」条件。炭素ベースの培養基の供給ではなく窒素供給を中断することにより、本質的に脂質を生産するようにC/N比(消費された窒素に対する消費された炭素)を最大にする。これにO2の制限はない。したがって、これらの条件は窒素欠乏である。

0124

1つ又は複数の塩が枯渇する場合、窒素供給の抑制を行う。その後、実際の増殖は不可能であるか、又は非常に制限される。細胞増殖速度下がり、存在する細胞の脂質富化の利益が得られる。細胞の全体質量は増大するが、細胞数はほとんど変化せず、なぜなら、増殖速度が落ちるからである。
− 本発明に従う:DHAが豊富で、アミノ酸アルギニン及びグルタミン酸が豊富な脂質を生産することを可能にする条件は、μが迅速にμ/μmax<0.2まで下がるようにO2移行を制限することによって増殖速度を制限すると同時に、水性アンモニアによるpHの調節を介してグルコース及び窒素の供給を優先して維持することによるものである。

0125

図1は、培養の終了時に算出したC/Nの関数として、アミノ酸のうちのアルギニン及びグルタミン酸の割合の変化を示している。

0126

C/N比が15未満である(#μ/μmax<0.2)場合、プロセスは、アミノ酸アルギニン及びグルタミン酸の生産を促進しているように見える。

0127

以下の表IIIは、CNCN I−4702株について、「従来の」操作条件及び本発明に従う操作条件に従って産生されるバイオマスの脂肪酸及びアミノ酸の組成を反映している。

0128

0129

アミノ酸の合計に対するグルタミン酸の割合は3.75倍増大しており、アミノ酸の合計に対するアルギニンの割合は2.75倍増大している。

0130

脂質組成物は引き下げられるが、脂肪酸のDHA含有量はほぼ2倍増大している。

0131

実施例2:CNCN I−4469株を培養する条件
この微細藻類を培養する条件は、実施例1の条件と同じである(但し、シゾキトリウム(Schizochytrium)属種について、前培養において選択した接種原のレベルは約5g/lであることを除く)。

0132

「従来的に」実施される2つの培養条件に従い、及び本発明に従う。

0133

以下の表IVは、「従来の」操作条件及び本発明に従う操作条件に従って生産されるバイオマスの脂肪酸及びアミノ酸の組成を反映している。

0134

0135

シゾキトリウム(Schizochytrium)属種株について、効果は同じであるがより小さい。さらにまた、アミノ酸のうちのプロリンの割合が75%増大していることも注目される。

0136

アミノ酸アルギニン及びグルタミン酸の含有量は、それぞれ60%及び75%増大する一方、タンパク質含有量は2倍である。

実施例

0137

脂肪酸におけるDHA含有量は23%増大する。

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