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技術 熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物

出願人 エルジー・ケム・リミテッド
発明者 ソク、チェ‐ミンチョン、ヨン‐ファンキム、ヨン‐ミンイ、チン‐ヒョンハン、ス‐チョンキム、ユ‐ピンチョン、ソン‐ヘン
出願日 2016年11月28日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2017-542472
公開日 2018年3月22日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2018-507935
状態 特許登録済
技術分野 グラフト、ブロック重合体 高分子組成物
主要キーワード レーザーライト ゴム塊 混合乳化剤 イソ酸 脱水過程 標準品質 ABS樹脂 結論的
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月22日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

本発明は、熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物に関し、コアシェル構造を含む熱可塑性重合体のシェル重合時に、乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸またはこれらの塩を含む場合、高温押出及び射出過程で発生するガス発生量を低減することによって、樹脂表面光沢及び鮮明度が改善され、なお、ラテックス定性に優れた熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物を提供する効果がある。

概要

背景

アクリロニトリルブタジエンスチレン(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene、以下、ABSという)樹脂は、アクリロニトリルの剛性及び耐薬品性、ブタジエンとスチレンの加工性機械的強度及び美麗な外観特性により、自動車用品電気電子製品及び事務用機器などに多様に使用されている。このようなABS樹脂表面光沢及び鮮明度は、加工された成形品品質を決定する重要な要因の一つである。

前記ABS樹脂の表面光沢及び鮮明性に影響を及ぼす因子としては、粒子の大きさ、分布だけでなく、高温押出及び射出による加工時に、熱安定剤未反応単量体などにより発生するガスがある。そこで、ABS樹脂の表面光沢及び鮮明性を改善するために、樹脂の加工時に発生するガス発生量を減少させる必要があるが、樹脂に種々の特性を付与するための添加剤は、その使用を完全に排除することが難しく、未反応単量体も樹脂を加工する過程で完全に除去することは難しいのが実情である。したがって、樹脂の加工時に発生するガスの成分を具体的に確認し、これを通じてガス発生量を減少させる技術の開発が関連業界に持続的に要求されている。

概要

本発明は、熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物に関し、コアシェル構造を含む熱可塑性重合体のシェル重合時に、乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸またはこれらの塩を含む場合、高温の押出及び射出過程で発生するガス発生量を低減することによって、樹脂の表面光沢及び鮮明度が改善され、なお、ラテックス定性に優れた熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物を提供する効果がある。

目的

本発明は、このような従来技術の問題点を克服するために、ゴム重合体の重合時、またはコア−シェル構造を含む熱可塑性重合体のコア及び/又はシェルの重合時に、乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸またはこれらの塩を含む場合、高温の押出及び射出過程で発生するガス発生量を低減して、樹脂の表面光沢及び鮮明度が改善され、なお、ラテックス安定性に優れた熱可塑性重合体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ゴム重合体、または前記ゴム重合体をコアとして含むコア−シェル重合体において、前記ゴム重合体及び前記シェルのうち1つ以上が、分岐鎖脂肪酸(branchedchainfattyacid)、官能基(functionalgroup)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上を含んで重合されたことを特徴とする、熱可塑性重合体

請求項2

前記ゴム重合体は共役ジエン系ゴム質重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項3

前記コア−シェル重合体は、(a)共役ジエン系ゴム質重合体を含むコア、及び(b)前記コアを包み芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物を含んで重合されたシェルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項4

前記共役ジエン系ゴム質重合体は、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンイソプレン及びクロロプレンからなる群から選択された1種以上の共役ジエン系化合物を含んで重合されたことを特徴とする、請求項2又は3に記載の熱可塑性重合体。

請求項5

前記コアは30〜80重量%含まれ、前記シェルは20〜70重量%含まれることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項6

前記芳香族ビニル化合物は、スチレンα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン及びビニルトルエンからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項3に記載の熱可塑性重合体。

請求項7

前記ビニルシアン化合物は、アクリロニトリルメタクリロニトリル及びエタクリニトリルからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項3に記載の熱可塑性重合体。

請求項8

前記分岐鎖脂肪酸は、炭素数1〜10のアルキル基からなる分岐を1〜10個含む鎖脂肪酸であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項9

前記官能基を含む鎖脂肪酸の官能基は、ヒドロキシ基、または炭素数1〜10のアルキル基を含むアルコキシ基であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項10

前記分岐鎖脂肪酸または前記官能基を含む鎖脂肪酸は、それぞれの主鎖(mainchain)の炭素数が14〜22である鎖脂肪酸であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項11

前記分岐鎖脂肪酸または前記官能基を含む鎖脂肪酸は、それぞれの主鎖(mainchain)の不飽和度が1〜20である不飽和鎖脂肪酸であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項12

前記ゴム重合体に含まれる、前記分岐鎖脂肪酸(branchedchainfattyacid)、官能基(functionalgroup)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、前記ゴム重合体100重量部を基準として1〜7重量部含まれることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項13

前記シェルに含まれる、前記分岐鎖脂肪酸、官能基を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、前記コア及びシェルに含まれる単量体の合計100重量部を基準として0.01〜5重量部含まれることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性重合体。

請求項14

ゴムとなる単量体を重合してゴム重合体を製造するステップ、または前記ゴム重合体に、グラフトされる単量体を含んで重合させてコア−シェル構造重合体を製造するステップを含み、前記重合は、分岐鎖脂肪酸(branchedchainfattyacid)、官能基(functionalgroup)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上を含んで重合されることを特徴とする、熱可塑性重合体の製造方法。

請求項15

前記ゴムとなる単量体は共役ジエン系化合物であることを特徴とする、請求項14に記載の熱可塑性重合体の製造方法。

請求項16

前記グラフトされる単量体は芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物であることを特徴とする、請求項14に記載の熱可塑性重合体の製造方法。

請求項17

請求項1乃至13のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体、及び芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体を含むことを特徴とする、熱可塑性重合体組成物

請求項18

前記熱可塑性重合体は10〜50重量%含まれ、前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体は50〜90重量%含まれることを特徴とする、請求項17に記載の熱可塑性重合体組成物。

請求項19

前記熱可塑性重合体組成物は、表面鮮明性(Haze)が2.5以下であることを特徴とする、請求項17に記載の熱可塑性重合体組成物。

請求項20

前記熱可塑性重合体組成物は、表面光沢度(Gloss)が90以上であることを特徴とする、請求項17に記載の熱可塑性重合体組成物。

技術分野

0001

〔関連出願との相互引用
本出願は、2015年12月17日付けの韓国特許出願第10−2015−0180635号、2015年12月17日付けの韓国特許出願第10−2015−0180637号、及び2015年12月17日付けの韓国特許出願第10−2015−0180638号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。

0002

本発明は、熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物に関し、より詳細には、ゴム重合体重合時、またはコアシェル構造を含む熱可塑性重合体のコア及び/又はシェルの重合時に、乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸またはこれらの塩を含む場合、高温押出及び射出過程で発生するガス発生量を低減して、樹脂表面光沢及び鮮明度が改善され、なお、ラテックス定性に優れた熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物に関する。

背景技術

0003

アクリロニトリルブタジエンスチレン(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene、以下、ABSという)樹脂は、アクリロニトリルの剛性及び耐薬品性、ブタジエンとスチレンの加工性機械的強度及び美麗な外観特性により、自動車用品電気電子製品及び事務用機器などに多様に使用されている。このようなABS樹脂の表面光沢及び鮮明度は、加工された成形品品質を決定する重要な要因の一つである。

0004

前記ABS樹脂の表面光沢及び鮮明性に影響を及ぼす因子としては、粒子の大きさ、分布だけでなく、高温の押出及び射出による加工時に、熱安定剤未反応単量体などにより発生するガスがある。そこで、ABS樹脂の表面光沢及び鮮明性を改善するために、樹脂の加工時に発生するガス発生量を減少させる必要があるが、樹脂に種々の特性を付与するための添加剤は、その使用を完全に排除することが難しく、未反応単量体も樹脂を加工する過程で完全に除去することは難しいのが実情である。したがって、樹脂の加工時に発生するガスの成分を具体的に確認し、これを通じてガス発生量を減少させる技術の開発が関連業界に持続的に要求されている。

先行技術

0005

KR1996−0014181A

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、このような従来技術の問題点を克服するために、ゴム重合体の重合時、またはコア−シェル構造を含む熱可塑性重合体のコア及び/又はシェルの重合時に、乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸またはこれらの塩を含む場合、高温の押出及び射出過程で発生するガス発生量を低減して、樹脂の表面光沢及び鮮明度が改善され、なお、ラテックス安定性に優れた熱可塑性重合体を提供することを目的とする。

0007

また、本発明は、前記熱可塑性重合体の製造方法を提供することを目的とする。

0008

また、本発明は、前記熱可塑性重合体を含む熱可塑性重合体組成物を提供することを目的とする。

0009

本発明の上記目的及びその他の目的は、以下で説明する本発明によって全て達成することができる。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、本発明は、ゴム重合体、または前記ゴム重合体をコアとして含むコア−シェル重合体において、前記ゴム重合体及び前記シェルのうち1つ以上が、分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid);官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸;及びこれらの塩;からなる群から選択された1種以上を含んで重合されたことを特徴とする、熱可塑性重合体を提供する。

0011

前記ゴム重合体は、一例として、共役ジエン系ゴム質重合体であってもよい。

0012

前記コア−シェル重合体は、一例として、(a)共役ジエン系ゴム質重合体を含むコア;及び(b)前記コアを包み芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物を含んで重合されたシェル;を含むことができる。

0013

前記共役ジエン系ゴム質重合体は、一例として、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンイソプレン及びクロロプレンからなる群から選択された1種以上の共役ジエン系化合物を含んで重合されたものであってもよい。
一例として、前記コアは30〜80重量%含まれ、前記シェルは20〜70重量%含まれてもよい。

0014

前記芳香族ビニル化合物は、一例として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン及びビニルトルエンからなる群から選択された1種以上であってもよい。

0015

前記ビニルシアン化合物は、一例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリニトリルからなる群から選択された1種以上であってもよい。
前記分岐鎖脂肪酸は、一例として、炭素数1〜10のアルキル基からなる分岐を1〜10個含む鎖脂肪酸であってもよい。

0016

前記官能基を含む鎖脂肪酸の官能基は、一例として、ヒドロキシ基、または炭素数1〜10のアルキル基を含むアルコキシ基であってもよい。

0017

前記分岐鎖脂肪酸、または前記官能基を含む鎖脂肪酸は、一例として、それぞれの主鎖(main chain)の炭素数が14〜22である鎖脂肪酸であってもよい。

0018

前記分岐鎖脂肪酸、または前記官能基を含む鎖脂肪酸は、一例として、それぞれの主鎖(main chain)の不飽和度が1〜20である不飽和鎖脂肪酸であってもよい。

0019

前記ゴム重合体に含まれる、前記分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、一例として、前記ゴム重合体100重量部を基準として1〜7重量部含まれてもよい。

0020

前記シェルに含まれる、前記分岐鎖脂肪酸、官能基を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、一例として、前記コア及びシェルに含まれる単量体の合計100重量部を基準として0.01〜5重量部含まれてもよい。

0021

本発明は、ゴムとなる単量体を重合してゴム重合体を製造するステップ;または前記ゴム重合体に、グラフトされる単量体を含んで重合させてコア−シェル構造の重合体を製造するステップを含み、前記重合は、分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上を含んで重合されることを特徴とする、熱可塑性重合体の製造方法を提供する。

0022

前記ゴムとなる単量体は、一例として、共役ジエン系化合物であってもよい。
前記グラフトされる単量体は、一例として、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物であってもよい。

0023

本発明は、前記熱可塑性重合体、及び芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体を含むことを特徴とする、熱可塑性重合体組成物を提供する。

0024

一例として、前記熱可塑性重合体は10〜50重量%含まれ、前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体は50〜90重量%含まれてもよい。
前記熱可塑性重合体組成物は、一例として、表面鮮明性(Haze)が2.5以下であってもよい。

0025

前記熱可塑性重合体組成物は、一例として、表面光沢度(Gloss)が90以上であってもよい。

発明の効果

0026

本発明によれば、ゴム重合体の重合時、またはコア−シェル構造を含む熱可塑性重合体のコア及び/又はシェルの重合時に、乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸またはこれらの塩を含む場合、高温の押出及び射出過程で発生するガス発生量を低減することによって、樹脂の表面光沢及び鮮明度が改善され、なお、ラテックス安定性に優れた熱可塑性重合体、その製造方法及びそれを含む熱可塑性重合体組成物を提供する効果がある。

図面の簡単な説明

0027

リシノール酸及び脂肪酸熱安定性を示すTGA試験の比較結果である。
水素化されたリシノール酸、ステアリン酸及び脂肪酸の熱安定性を示すTGA試験の比較結果である。

実施例

0028

以下、本発明を詳細に説明する。

0029

本発明者らは、200〜270℃の高温で樹脂を押出及び射出する際、ガスを発生させる物質として、熱安定剤、重合後に残留するオリゴマー、未反応単量体、及び脱水過程で容易に除去されない乳化剤などがあることを確認した。

0030

本発明者らは、前記物質のうち乳化剤の種類を調節するために、既存に使用される脂肪酸系乳化剤を代替する乳化剤をまず選別する過程を先行し、高温の押出及び射出工程でのガス発生量を減少させるための本発明の目的によって、沸点(boiling point)及びTGA試験を通じて、さらに高い熱安定性を有する乳化剤を選別した。

0031

下記の図1は、リシノール酸(ricinoleic acid)及び既存に使用される脂肪酸系乳化剤に含まれる脂肪酸(FADH、Fatty acid)のTGA試験の比較結果を示す。前記TGA試験の比較結果をまとめた下記の表1を説明すると、リシノール酸が、脂肪酸よりも熱安定性が優れることを確認できる。

0032

0033

下記の図2は、本発明による官能基を含む鎖脂肪酸である水素化されたリシノール酸(hydrogenated ricinoleic acid)、分岐又は官能基を含まない飽和脂肪酸であるステアリン酸(stearic acid)、及び既存に使用される脂肪酸系乳化剤に含まれる脂肪酸(FADacid:パルミチン酸オレイン酸及びステアリン酸の混合物)のTGA試験の比較結果を示す。前記TGA試験の比較結果をまとめた下記の表2を説明すると、水素化されたリシノール酸が、ステアリン酸及び脂肪酸よりも熱安定性が優れることを確認できる。

0034

0035

そこで、本発明者らは、新たに導入される乳化剤として、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸を選別し、ゴム重合体の重合時、またはコア−シェル構造を含む熱可塑性重合体のコア及び/又はシェルの重合時に、前記乳化剤を使用する場合、樹脂の表面光沢及び表面鮮明性が改善され、なお、ラテックスの安定性も向上することを確認し、これに基づいて本発明を完成するようになった。

0036

本発明による熱可塑性重合体を詳細に説明すると、次の通りである。
前記ゴム重合体は、一例として、共役ジエン系化合物;及び分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上;を含んで重合されてもよい。

0037

前記共役ジエン系化合物は、一例として、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン及びクロロプレンからなる群から選択された1種以上であってもよい。
前記ゴム重合体は、一例として、重合された共役ジエン系ゴム質重合体がコロイド状態で水に分散したラテックスの形態であってもよい。

0038

前記ゴム重合体は、一例として、平均粒径が1,500〜3,500Å、2,000〜3,500Å、あるいは2,500〜3,500Åであってもよく、ゲル含量が60〜95重量%、65〜90重量%、あるいは70〜90重量%であってもよく、この範囲内で、機械的物性及び物性バランスに優れるという効果がある。

0039

前記分岐鎖脂肪酸、官能基を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、一例として、前記共役ジエン系化合物100重量部を基準として1〜7重量部、1〜5重量部、あるいは1〜3重量部含まれてもよく、この範囲内で、表面光沢及び鮮明性に優れ、ラテックス安定性に優れるという効果がある。

0040

本発明のゴム重合体の製造方法は、共役ジエン系化合物;及び分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上;を含んで重合するステップを含むことを特徴とする。

0041

前記ゴム重合体の重合は、一例として、乳化重合で行われてもよい。

0042

前記ゴム重合体の乳化重合方法は、一般的にゴム重合体の製造方法に用いられる乳化重合方法であれば、特に制限されない。

0043

前記分岐鎖脂肪酸、官能基を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、一例として、前記ゴム重合体の乳化重合時に、乳化剤の役割を果たすことができる。

0044

前記熱可塑性重合体は、一例として、コア−シェル構造を含み、前記シェルは、分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上を含んで重合されたことを特徴とする。

0045

他の例として、前記熱可塑性重合体はコア−シェル構造を含み、前記コア及びシェルは、それぞれ、分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上を含んで重合されたことを特徴とする。

0046

前記コアは、一例として、上述したゴム重合体であってもよい。

0047

前記コア−シェル構造の熱可塑性重合体は、一例として、(a)共役ジエン系ゴム質重合体を含むコア;及び(b)前記コアを包み、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物を含んで重合されたシェル;を含むことができる。

0048

前記コアは、一例として、コア、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物の合計量100重量%を基準として、30〜80重量%、40〜75重量%、あるいは50〜70重量%含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性及び表面特性に優れるという効果がある。

0049

前記シェルは、一例として、前記ゴム重合体、すなわち、コアを包み、グラフト重合されたものであってもよく、前記ゴム重合体、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物の合計量100重量%を基準として、20〜70重量%、25〜60重量%、あるいは30〜50重量%含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性及び物性バランスに優れるという効果がある。

0050

前記コアの共役ジエン系ゴム質重合体は、一例として、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン及びクロロプレンからなる群から選択された1種以上の共役ジエン系化合物を含んで重合されたものであってもよい。

0051

前記シェルは、一例として、前記コアを包み、前記分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸及びこれらの塩を含んでグラフト重合されたものであってもよい。

0052

前記芳香族ビニル化合物は、一例として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン及びビニルトルエンからなる群から選択された1種以上であってもよく、前記ビニルシアン化合物は、一例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリロニトリルからなる群から選択された1種以上であってもよい。

0053

前記シェルの芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物は、一例として、重量比を基準として、1:1〜5:1、あるいは1.5:1〜4:1、あるいは2:1〜4:1の範囲で含まれてもよい。

0054

前記分岐鎖脂肪酸は、一例として、炭素数1〜10、1〜5、あるいは1〜3のアルキル基からなる分岐を1〜10個、1〜5個、あるいは1〜3個含む鎖脂肪酸であってもよい。

0055

前記分岐をなすアルキル基は、一例として、メチル基エチル基プロピル基、あるいはイソプロピル基であってもよい。

0056

前記分岐鎖脂肪酸は、一例として、ミリスチン酸ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びノナデシル酸からなる群から選択された1種以上の鎖脂肪酸に対するイソ酸(iso−acid)、アンテイソ酸(anteiso−acid)、またはこれらの混合であってもよい。

0057

前記イソ酸は、前記分岐鎖脂肪酸の主鎖の炭素数を(n)とするとき、炭素数(n−1)の主鎖を有し、(n−2)番目炭素の水素1個がメチル基で置換された構造異性質体を意味し、前記アンテイソ酸は、炭素数(n−1)の主鎖を有し、(n−3)番目の炭素と結合された水素1個がメチル基で置換された構造異性質体を意味する。具体例として、主鎖の炭素数が18であるステアリン酸のイソ酸であるイソステアリン酸は、主鎖の炭素数が17であり、そのうち16番目の炭素と結合された水素1個がメチル基で置換された構造を有し、ステアリン酸のアンテイソ酸であるアンテイソステアリン酸は、主鎖の炭素数が17であり、そのうち15番目の炭素と結合された水素1個がメチル基で置換された構造を有する。

0058

前記主鎖は、本発明で特に特定しない限り、脂肪酸のカルボキシル基(R−COOH)またはカルボキシレート基(R−COO−)に含まれる炭素全体(R−及びC)の鎖を意味する。

0059

前記官能基を含む鎖脂肪酸の官能基は、一例として、ヒドロキシ基、または炭素数1〜10、1〜5、あるいは1〜3のアルキル基を含むアルコキシ基であってもよく、前記それぞれの場合、乳化剤の熱安定性が高くなるため、押出及び射出時のガス発生量を低減させ、樹脂の表面光沢及び鮮明性に優れるという効果がある。
前記官能基は、一例として、ヒドロキシ基、メトキシ基エトキシ基、あるいはエポキシ基であってもよい。

0060

前記官能基を含む鎖脂肪酸は、一例として、リシノール酸(ricinoleic acid)、水素化されたリシノール酸(12−ヒドロキシオクタデカン酸、12−hydroxy octacdecanoic acid)、2−ヒドロキシエイコサン酸(2−hydroxy eicosanoic acid)、3−ヒドロキシエイコサン酸(3−hydroxy eicosanoic acid)、3−ヒドロキシオクタデカン酸(3−hydroxy octadecanoic acid)、9−ヒドロキシオクタデカン酸(9−hydroxy octadecanoic acid)、10−ジヒドロキシオクタデカン酸(10−dihydroxy octadecanoic acid)、18−ヒドロキシオクタデカン酸(18−hydroxy octadecanoic acid)、2−ヒドロキシヘキサデカン酸(2−hydroxy hexadecanoic acid)、3−ヒドロキシヘキサデカン酸(3−hydroxy hexadecanoic acid)、16−ヒドロキシヘキサデカン酸(16−hydroxy hexadecanoic acid)、14−ヒドロキシテトラデカン酸(14−hydroxy tetradecanoic acid)、ベルノール酸(Vernolic acid)、10−ヒドロキシオクタデカン酸、11−ヒドロキシオクタデカン酸、13−ヒドロキシオクタデカン酸、14−ヒドロキシオクタデカン酸、10−メトキシオクタデカン酸、11−メトキシオクタデカン酸、12−メトキシオクタデカン酸、13−メトキシオクタデカン酸、14−メトキシオクタデカン酸、10−エトキシオクタデカン酸、11−エトキシオクタデカン酸、12−エトキシオクタデカン酸、13−エトキシオクタデカン酸、14−エトキシオクタデカン酸、10−イソプロピルオクタデカン酸、11−イソプロピルオクタデカン酸、12−イソプロピルオクタデカン酸、13−イソプロピルオクタデカン酸、14−イソプロピルオクタデカン酸及びこれらの金属塩からなる群から選択された1種以上であってもよい。

0061

前記分岐鎖脂肪酸及び官能基を含む鎖脂肪酸の塩は、一例として、金属塩であってもよく、前記金属は、一例として、アルカリ金属またはアルカリ土金属であってもよい。

0062

前記分岐鎖脂肪酸及び前記官能基を含む鎖脂肪酸は、一例として、それぞれの主鎖(main chain)の炭素数が14〜22、14〜20、あるいは16〜20である鎖脂肪酸であってもよく、この範囲内で、乳化剤の熱安定性が優れるため、押出及び射出加工時のガス発生量を低減させる効果がある。

0063

前記分岐鎖脂肪酸及び前記官能基を含む鎖脂肪酸は、一例として、それぞれの主鎖(main chain)の不飽和度が1〜20、1〜10、あるいは1〜5である不飽和鎖脂肪酸であってもよく、この範囲内で、ラテックス安定性及び表面特性に優れるという効果がある。

0064

前記シェルに含まれる、前記分岐鎖脂肪酸、官能基を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、一例として、前記コア及びシェルに含まれる単量体の合計100重量部を基準として、0.01〜5重量部、0.01〜3重量部、0.01〜2重量部、0.02〜1.5重量部、0.05〜1.5重量部、あるいは0.1〜1重量部含まれてもよく、この範囲内で、表面光沢及び鮮明性に優れ、ラテックス安定性に優れるという効果がある。

0065

本発明の熱可塑性重合体の製造方法は、一例として、共役ジエン系化合物;及び分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上;を含んで重合してコアを製造するステップと、前記コアに、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物をグラフト重合してコア−シェル構造の重合体を製造するステップと、を含むことを特徴とする。

0066

他の例として、本発明の熱可塑性重合体の製造方法は、コアを重合するステップと;前記重合されたコアに、分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上を含んでシェルをグラフト重合するステップと;を含むことを特徴とする。

0067

更に他の例として、本発明の熱可塑性重合体の製造方法は、共役ジエン系化合物;及び前記分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上;を含んで重合してコアを製造するステップと、前記コアに、芳香族ビニル化合物;ビニルシアン化合物;及び前記分岐鎖脂肪酸(branched chain fatty acid)、官能基(functional group)を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上;を含んで重合してコア−シェル構造の重合体を製造するステップとを含むことを特徴とする。

0068

前記コアの重合及びシェルのグラフト重合は、一例として、それぞれ乳化重合で行われてもよい。

0069

前記コアの乳化重合及びシェルの乳化グラフト重合方法は、一般的にABS樹脂の製造方法に用いられる乳化重合及び乳化グラフト重合であれば、特に制限されない。

0070

前記熱可塑性重合体の製造方法は、一例として、前記コアとして含まれたゴム質重合体ラテックス、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物の総重量100重量部を基準として、ゴム質重合体ラテックス50〜80重量部あるいは50〜70重量部、及び水性媒質50〜150重量部を混合するステップと;前記混合液に、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物の混合物20〜50重量部あるいは30〜50重量部、水性媒質20〜50重量部、低温重合開始剤0.01〜5重量部、油溶性重合開始剤0.01〜5重量部及び乳化剤0.01〜10重量部を乳化させた乳化混合物と、酸化還元開始剤0.01〜5重量部とを投入して重合させる第1重合ステップと;前記第1重合ステップの進行中に、重合転化率90〜95%、92〜95%、あるいは92〜94%の時点で油溶性重合開始剤0.01〜1重量部及び酸化還元開始剤0.01〜1重量部を投入して重合させる第2重合ステップと;を含むことができる。

0071

前記分岐鎖脂肪酸、官能基を含む鎖脂肪酸、及びこれらの塩からなる群から選択された1種以上は、一例として、前記コア及び/又はシェルの乳化グラフト重合時に、乳化剤の役割を果たすことができる。

0072

本発明の熱可塑性重合体組成物は、前記熱可塑性重合体、及び芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体を含むことを特徴とする。

0073

前記熱可塑性重合体組成物は、一例として、芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体からなるマトリックス樹脂に前記熱可塑性重合体が分散した形態であってもよく、この場合、衝撃強度及び物性バランスに優れるという効果がある。

0074

前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体は、一例として、塊状重合で重合されたものであってもよく、この場合、衝撃強度及び表面鮮明性に優れるという効果がある。

0075

前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体の芳香族ビニル化合物は、一例として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン及びビニルトルエンからなる群から選択された1種以上であってもよく、前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体に対して10〜90重量%、30〜80重量%、あるいは50〜80重量%含まれてもよく、この範囲内で、表面鮮明性及び光沢度に優れるという効果がある。

0076

前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体のビニルシアン化合物は、一例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリロニトリルからなる群から選択された1種以上であってもよく、前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体に対して10〜90重量%、20〜70重量%、あるいは20〜50重量%含まれてもよく、この範囲内で、色相及び物性バランスに優れるという効果がある。

0077

前記熱可塑性重合体は、一例として、前記熱可塑性重合体組成物に対して10〜50重量%、10〜40重量%、あるいは15〜40重量%含まれてもよく、前記芳香族ビニル化合物−ビニルシアン化合物共重合体は、一例として、前記熱可塑性重合体組成物に対して50〜90重量%、60〜90重量%、あるいは60〜85重量%含まれてもよく、この範囲内で、衝撃強度、表面鮮明性及び光沢度に優れるという効果がある。

0078

前記熱可塑性重合体組成物は、その物性に影響を与えない範囲で、一例として、熱安定剤、光安定剤酸化防止剤帯電防止剤抗菌剤または滑剤などの添加剤をさらに含むことができる。

0079

前記熱可塑性重合体組成物は、一例として、表面鮮明性(Haze)が2.5以下、1〜2.0、1〜1.5、0.5〜1.5、あるいは1.2〜1.7であってもよく、この範囲内で、樹脂の表面が鮮明であるという効果がある。

0080

前記熱可塑性重合体組成物は、一例として、表面光沢度(Gloss)が90以上、90〜99.9、96〜99.9、90〜99、95〜99、あるいは92〜97であってもよく、この範囲内で、樹脂の表面光沢に優れるという効果がある。

0081

以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示するが、以下の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変更及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然である。

0082

[実施例]
実施例1−1
ゴム重合体コア重合ステップ
窒素置換された重合反応器に、イオン交換水65重量部、1,3−ブタジエン75重量部、乳化剤としてリシノール酸石鹸2.5重量部、電解質として炭酸カリウム(K2CO3)1.2重量部、分子量調節剤として三級ドデシルメルカプタン(TDDM)0.4重量部、開始剤として過硫酸カリウム(K2S2O8)0.3重量部を一括投入し、反応温度70℃で重合転化率30〜40%まで反応させた。次いで、1,3−ブタジエン25重量部を連続投入し、75℃で重合転化率60%まで反応させた後、過硫酸カリウム(K2S2O8)0.2重量部を一括投入し、82℃まで昇温させ、重合転化率95%で反応を終了して、平均粒径3,000Å、ゲル含量85重量%のポリブタジエンゴムラテックス(コア)を収得した。

0083

シェル重合ステップ
窒素置換された重合反応器に、前記コア重合ステップで重合されたポリブタジエンゴムラテックス(シード)60重量部(固形分基準)、別途混合装置で混合されたアクリロニトリル10重量部、スチレン30重量部、イオン交換水25重量部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.12重量部、ロジン酸カリウム1.0重量部及び三級ドデシルメルカプタン0.3重量部の混合溶液と、デキストローズ0.054重量部、ピロリン酸ナトリウム0.004重量部及び硫酸第一鉄0.002重量部を共に70℃で3時間投入した。

0084

前記投入が完了した後、デキストローズ0.05重量部、ピロリン酸ナトリウム0.03重量部、硫酸第一鉄0.001重量部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.05重量部を前記重合反応器に一括投入し、温度を80℃まで1時間かけて昇温させた後、反応を終結して、シード−シェル構造のABSグラフト共重合体ラテックスを製造した、このとき、重合転化率は97%であり、製造されたABSグラフト共重合体ラテックスのグラフト率は41%であり、生成された凝固物の含量は0.3重量%であった。

0085

次いで、前記製造されたABSグラフト共重合体ラテックスに、10重量%硫酸水溶液2重量部を投入して凝固させた後、洗浄して粉体を収得した。

0086

熱可塑性重合体組成物の製造ステップ
前記収得されたABSグラフト共重合体粉体27.5重量部及びSAN共重合体(LG化学社製、製品名92HR)72.5重量部を混合機に入れて混合した後、押出機を用いて200〜250℃で溶融及び混練してペレット化した後、射出機を用いて、物性測定のための試片を作製した。

0087

実施例1−2
前記実施例1−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、水素化されたリシノール酸石鹸(12−ヒドロキシオクタデカン酸石鹸)2.5重量部を投入した以外は、前記実施例1−1と同様の方法で行った。

0088

実施例1−3
前記実施例1−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、イソステアリン酸石鹸2.5重量部を投入した以外は、前記実施例1−1と同様の方法で行った。

0089

実施例1−4
前記実施例1−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、ステアリン酸石鹸2.5重量部を投入した以外は、前記実施例1−1と同様の方法で行った。

0090

比較例1−1
前記実施例1−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、FAD石鹸2.5重量部を投入した以外は、前記実施例1−1と同様の方法で行った。

0091

[試験例]
前記実施例1−1〜1−4及び比較例1−1で収得した熱可塑性樹脂組成物試片の物性を下記の方法で測定し、その結果を下記の表3に示す。

0092

測定方法

0093

*平均粒径(Å):米国Nicomp社のNicomp 370HPL機器を用いてダイナミックレーザーライトスキタリング法で測定した。

0094

*ゲル含量(重量%):ポリブタジエンゴムラテックスを希酸や金属塩を使用して凝固させた後、洗浄し、60℃の真空オーブンで24時間乾燥させた後、得られたゴム塊をはさみで細かく切った後、1gのゴム切片トルエン100gに入れ、室温の暗室で48時間保管した後、ゾルゲルに分離し、それぞれ乾燥させた後、下記の数式1によってゲル含量を測定した。

0095

0096

*ガス発生量(ppm):HS−GC/MSDを用いて、樹脂組成物試料1gに対して250℃、1時間の条件で発生する揮発性有機化合物(VOC)の成分を分析した。

0097

*表面鮮明性(Reflection Haze):試片を用いて、標準測定ASTME430に準拠して17〜19°及び21〜23°の間の光沢数値を加算してreflection hazeを測定した。

0098

*表面光沢度(Gloss、45°):試片を用いて、標準測定ASTMD528に準拠して45°の角度で測定した。

0099

*衝撃強度(Notched Izod Impact Strength、kgf・m/m):1/4"及び1/8"の試片を用いて、標準測定ASTMD256に準拠して測定した。

0100

*凝固物の含量(Coagulum、重量%):反応槽内に生成された凝固物の重量、ゴムの重量及び単量体の総重量を測定し、下記の数式2によって凝固物の含量を計算した。

0101

0102

オクタノール水分配係数(octanol−water partition coefficient、Soap Acid form、Log P):各脂肪酸に対して、韓国標準科学研究所(KRISS)のデータセンター標準品質マニュアルDCQM−01に準拠したslow−stirring方法を3回行って測定した後、下記の数式3によってLogP値を計算した。

0103

0104

Kow=(1−オクタノール内の溶解した物質量)/(蒸留水に溶解した物質量)

0105

0106

前記表3に示したように、本発明によって製造された実施例1−1〜1−4の場合、従来のFAD乳化剤を使用した比較例1−1に比べて、ガス発生量を著しく低減させ、表面鮮明性、光沢度及び衝撃強度が非常に優れ、オクタノール−水分配係数が低いため、親水性単量体であるビニルシアン化合物と疎水性単量体である芳香族ビニル化合物との間の乳化力を制御することによって、凝固物の含量が低く、ラテックス安定性が改善されたことが確認できた。

0107

実施例2−1
コア重合
窒素置換された重合反応器(オートクレーブ)に、イオン交換水65重量部、単量体として1,3−ブタジエン75重量部、乳化剤としてロジン酸カリウム塩1.5重量部、オレイン酸カリウム塩0.8重量部、電解質として炭酸カリウム(K2CO3)0.8重量部、分子量調節剤として三級ドデシルメルカプタン(TDDM)0.3重量部、重合開始剤として過硫酸カリウム(K2S2O8)0.3重量部を一括投入し、反応温度70℃で重合転化率30〜40%まで反応させた。その後、1,3−ブタジエン25重量部を一括投入し、ロジン酸カリウム塩0.3重量部を投入した後、82℃まで昇温させ、重合転化率95%で反応を終了して、平均粒径3,000〜3,500Åのポリブタジエンゴムラテックス(コア)を収得した。

0108

シェル重合ステップ
窒素置換された重合反応器に、前記コア重合ステップで重合されたポリブタジエンゴムラテックス(コア)60重量部(固形分基準)及びイオン交換水100重量部の混合液と、別途の混合装置で混合されたスチレン30重量部、アクリロニトリル10重量部、イオン交換水25重量部、低温重合開始剤(2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル))0.6重量部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.6重量部、リシノール酸石鹸1.0重量部及び三級ドデシルメルカプタン(TDDM)0.3重量部の混合溶液と、デキストローズ0.027重量部、ピロリン酸ナトリウム0.002重量部及び硫酸第一鉄0.001重量部を共に70℃で2時間連続投入しながら重合を行った(第1重合ステップ)。

0109

前記第1重合ステップの連続投入の完了時点である重合転化率92〜95%の時点で、デキストローズ0.05重量部、ピロリン酸ナトリウム0.03重量部、硫酸第一鉄0.001重量部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.05重量部を前記反応器に一括投入し、温度を80℃まで1時間かけて昇温して重合を行った後、反応を終結して、ABSグラフト共重合体ラテックスを製造した(第2重合ステップ)。このとき、重合転化率は98%であった。

0110

熱可塑性重合体組成物の製造ステップ
前記製造されたABSグラフト共重合体ラテックスを硫酸水溶液で凝固させ、洗浄した後、粉体を収得し、この粉体27.5重量部及びSAN共重合体(LG化学社製、製品名92HR)72.5重量部を混合機に入れて混合した後、押出機を用いてペレット化した後、射出機を用いて、物性測定のための試片を作製した。

0111

実施例2−2
前記実施例2−1のシェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、水素化されたリシノール酸石鹸(12−ヒドロキシオクタデカン酸石鹸)1.0重量部を投入した以外は、前記実施例2−1と同様の方法で行った。

0112

実施例2−3
前記実施例2−1のシェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、イソステアリン酸石鹸1.0重量部を投入した以外は、前記実施例2−1と同様の方法で行った。

0113

実施例2−4
前記実施例2−1のシェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、ベルノール酸(Vernolic acid)石鹸1.0重量部を投入した以外は、前記実施例2−1と同様の方法で行った。

0114

比較例2−1
前記実施例2−1のシェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、パルミチン酸石鹸、ステアリン酸石鹸及びオレイン酸石鹸の混合乳化剤1.0重量部を投入した以外は、前記実施例2−1と同様の方法で行った。

0115

前記実施例2−1〜2−4及び比較例2−1で収得した熱可塑性重合体組成物試片の物性を、前記試験例と同じ方法で測定し、その結果を下記の表4に示す。

0116

0117

前記表4に示したように、本発明によって製造された実施例2−1〜2−4の場合、ガス発生量を低減させ、表面鮮明性、光沢度及び衝撃強度に優れ、オクタノール−水分配係数が低いため、親水性単量体であるビニルシアン化合物と疎水性単量体である芳香族ビニル化合物との間の乳化力を制御することによって凝固物の含量が低く、ラテックス安定性が改善されたことが確認できた。

0118

反面、従来の分岐又は官能基を含まない飽和脂肪酸の混合乳化剤を使用した比較例2−1の場合、ガス発生量が多すぎ、表面鮮明性、光沢度及び衝撃強度がいずれも劣悪であり、オクタノール−水分配係数が高いため、凝固物の含量が多く、ラテックス安定性が劣悪であることが確認できた。

0119

実施例3−1
ゴム重合体コア重合ステップ
窒素置換された重合反応器に、イオン交換水65重量部、1,3−ブタジエン75重量部、乳化剤としてリシノール酸石鹸2.5重量部、電解質として炭酸カリウム(K2CO3)1.2重量部、分子量調節剤として三級ドデシルメルカプタン(TDDM)0.4重量部、開始剤として過硫酸カリウム(K2S2O8)0.3重量部を一括投入し、反応温度70℃で重合転化率30〜40%まで反応させた。次いで、1,3−ブタジエン25重量部を連続投入し、75℃で重合転化率60%まで反応させた後、過硫酸カリウム(K2S2O8)0.2重量部を一括投入し、82℃まで昇温させ、重合転化率95%で反応を終了して、平均粒径3,000Å、ゲル含量85重量%のポリブタジエンゴムラテックス(コア)を収得した。

0120

シェル重合ステップ
窒素置換された重合反応器に、前記コア重合ステップで重合されたポリブタジエンゴムラテックス(コア)60重量部(固形分基準)、別途の混合装置で混合されたアクリロニトリル10重量部、スチレン30重量部、イオン交換水25重量部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.12重量部、リシノール酸石鹸1.0重量部及び三級ドデシルメルカプタン0.3重量部の混合溶液と、デキストローズ0.054重量部、ピロリン酸ナトリウム0.004重量部及び硫酸第一鉄0.002重量部を共に70℃で3時間投入した。

0121

前記投入が完了した後、デキストローズ0.05重量部、ピロリン酸ナトリウム0.03重量部、硫酸第一鉄0.001重量部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.05重量部を前記重合反応器に一括投入し、温度を80℃まで1時間かけて昇温させた後、反応を終結して、シード−シェル構造のABSグラフト共重合体ラテックスを製造した。このとき、重合転化率は97%であり、製造されたABSグラフト共重合体ラテックスのグラフト率は41%であり、生成された凝固物の含量は0.3重量%であった。

0122

次いで、前記製造されたABSグラフト共重合体ラテックスに、10重量%硫酸水溶液2重量部を投入して凝固させた後、洗浄して粉体を収得した。

0123

熱可塑性重合体組成物の製造ステップ
前記収得されたABSグラフト共重合体粉体27.5重量部及びSAN共重合体(LG化学社製、製品名92HR)72.5重量部を混合機に入れて混合した後、押出機を用いて200〜250℃で溶融及び混練してペレット化した後、射出機を用いて、物性測定のための試片を作製した。

0124

実施例3−2
前記実施例3−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、水素化されたリシノール酸石鹸(12−ヒドロキシオクタデカン酸石鹸)2.5重量部を投入し、シェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、水素化されたリシノール酸石鹸(12−ヒドロキシオクタデカン酸石鹸)1.0重量部を投入した以外は、前記実施例3−1と同様の方法で行った。

0125

実施例3−3
前記実施例3−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、イソステアリン酸石鹸2.5重量部を投入し、シェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、イソステアリン酸石鹸1.0重量部を投入した以外は、前記実施例3−1と同様の方法で行った。

0126

実施例3−4
前記実施例3−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、ステアリン酸石鹸2.5重量部を投入し、シェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、ステアリン酸石鹸1.0重量部を投入した以外は、前記実施例3−1と同様の方法で行った。

0127

比較例3−1
前記実施例3−1のコア重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸2.5重量部の代わりに、FAD石鹸2.5重量部を投入し、シェル重合ステップにおいて、リシノール酸石鹸1.0重量部の代わりに、FAD石鹸1.0重量部を投入した以外は、前記実施例3−1と同様の方法で行った。

0128

前記実施例3−1〜3−4及び比較例3−1で収得した熱可塑性樹脂組成物試片の物性を、前記試験例と同じ方法で測定し、その結果を下記の表5に示す。

0129

0130

前記表5に示したように、本発明によって製造された実施例3−1〜3−4の場合、従来のFAD乳化剤を使用した比較例3−1に比べて、ガス発生量を著しく低減させ、表面鮮明性、光沢度及び衝撃強度が非常に優れ、オクタノール−水分配係数が低いため、親水性単量体であるビニルシアン化合物と疎水性単量体である芳香族ビニル化合物との間の乳化力を制御することによって凝固物の含量が低く、ラテックス安定性が改善されたことが確認できた。

0131

結論的に、本発明は、鎖脂肪酸系乳化剤が特定の分岐又は官能基を有するとき、乳化剤の熱安定性に優れることで、樹脂組成物の押出及び射出加工時に、ガス発生量を低減させる特性を利用するもので、ゴム重合体の重合時、またはコア−シェル構造を含む熱可塑性重合体のコア及び/又はシェルの重合時に、特定の分岐又は官能基を有する鎖脂肪酸塩を使用する場合、樹脂組成物の表面光沢及び表面鮮明性が改善され、ラテックスの安定性も向上した熱可塑性重合体及びそれを含む熱可塑性重合体組成物を具現できることが確認できた。

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