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図面 (20)

課題・解決手段

病原体に感染した対象における、二次感染に関連する疾患の処置または予防方法が提供される。前記方法は、病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを対象に投与することを含む。

概要

背景

背景技術としては、Cheung,et al.,Cardiovasc Pathol.2006 Mar−Apr;15(2):63−74,Elkington,et al.,2005 British Society for Immunology,Clinical and Experimental Immunology,142:12−20;Devy,et al.,Biochemistry Research International,Volume 2011,Article ID 191670,doi:10.1155/2011/191670;Renckens,et al.,J Immunol 2006;176:3735−3741;Vanlaere,et al.,Clinical Microbiology Reviews,Apr.2009,Vol 22,p.224−239;およびUdi,et al.,2015,Structure 23,1−12,January 6,2015が挙げられる。

概要

病原体に感染した対象における、二次感染に関連する疾患の処置または予防方法が提供される。前記方法は、病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを対象に投与することを含む。5E

目的

これらの破壊性表現型と、結果として生じる致死的な結果は、MT1−MMPの活性ブロックすることによって反転し(図4A〜K)、よって組織の維持による治療的介入の新たなモデルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

病原体に起因する感染を有する対象において、二次感染に関連する疾患を処置または予防するための、前記病原体に対する抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドダウンレギュレートする薬剤との使用。

請求項2

病原体に起因する感染を処置するための、前記病原体に対する抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤との使用。

請求項3

前記細胞外マトリックス関連ポリペプチドが、表1に記載されているものである、請求項1または2に記載の使用。

請求項4

前記二次感染が、血液感染である、請求項1に記載の使用。

請求項5

前記疾患が、敗血症である、請求項1の使用。

請求項6

前記少なくとも1つのポリペプチドが、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である、請求項1または2に記載の使用。

請求項7

前記マトリックスメタロプロテイナーゼが、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membranetype1−matrixmetalloproteinase1)(MT1−MMP1)、MMP−9、MMP−8、およびMMP−3からなる群から選択される、請求項6に記載の使用。

請求項8

前記少なくとも1つのポリペプチドが、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membranetype1−matrixmetalloproteinase1)(MT1−MMP1)である、請求項1または2の使用。

請求項9

前記感染が、呼吸器感染である、請求項1または2に記載の使用。

請求項10

前記病原体が、ウイルスである、請求項1または2に記載の使用。

請求項11

前記ウイルスが、呼吸器ウイルスである、請求項10に記載の使用。

請求項12

前記呼吸器ウイルスが、インフルエンザである、請求項11に記載の使用。

請求項13

前記抗病原体剤が、ノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)である、請求項10に記載の使用。

請求項14

前記二次感染が、細菌感染である、請求項10〜13のいずれか1項に記載の使用。

請求項15

前記細菌感染が、肺炎球菌(S.pneumoniae)である、請求項14に記載の使用。

請求項16

前記少なくとも1つのポリペプチドをダウンレギュレートする前記薬剤が、抗体である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。

請求項17

インフルエンザを処置するための、細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤の使用。

請求項18

病原体に感染した対象における、二次感染に関連する疾患の処置または予防方法であって、前記病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを前記対象に投与し、それによって、前記対象における、二次感染に関連する疾患を処置または予防することを含む、前記疾患の処置または予防方法。

請求項19

病原体に感染した対象の処置方法であって、前記病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを前記対象に投与し、それによって、前記対象を処置することを含む、前記処置方法。

請求項20

前記細胞外マトリックス関連ポリペプチドが、表1に記載されているものである、請求項18または19に記載の方法。

請求項21

前記二次感染が、血液感染である、請求項18に記載の方法。

請求項22

前記疾患が、敗血症である、請求項18に記載の方法。

請求項23

前記投与が、共投与を含む、請求項18または19に記載の方法。

請求項24

前記少なくとも1つのポリペプチドが、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である、請求項18または19に記載の方法。

請求項25

前記マトリックスメタロプロテイナーゼが、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membranetype1−matrixmetalloproteinase1)(MT1−MMP1)、MMP−9、MMP−8、およびMMP−3からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記少なくとも1つのポリペプチドが、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membranetype1−matrixmetalloproteinase1)(MT1−MMP1)である、請求項18または19に記載の方法。

請求項27

前記感染が、呼吸器感染である、請求項18または19に記載の方法。

請求項28

前記病原体が、ウイルスである、請求項18または19に記載の方法。

請求項29

前記ウイルスが、呼吸器ウイルスである、請求項28に記載の方法。

請求項30

前記呼吸器ウイルスが、インフルエンザである、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記抗病原体剤が、ノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)である、請求項28に記載の方法。

請求項32

前記ノイラミニダーゼ阻害剤が、ラニナミビルオセルタミビルペラミビル、およびザナミビルからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビルである、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記二次感染が、細菌感染である、請求項29〜33のいずれか1項に記載の方法。

請求項35

前記細菌感染が、肺炎球菌(S.pneumoniae)である、請求項34の方法。

請求項36

前記少なくとも1つのポリペプチドをダウンレギュレートする前記薬剤が、抗体である、請求項18〜35のいずれか1項に記載の方法。

請求項37

前記少なくとも1つのポリペプチドをダウンレギュレートする前記薬剤が、ポリヌクレオチド剤である、請求項18〜35のいずれか1項に記載の方法。

請求項38

抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤とを含む、製造品

請求項39

第1の活性薬剤として抗病原体剤、第2の活性薬剤として少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤、および医薬的に許容され得る担体を含む、医薬組成物

請求項40

前記細胞外マトリックス関連ポリペプチドが、表1に記載されているものである、請求項38または39に記載の製造品または医薬組成物。

請求項41

前記少なくとも1つのポリペプチドが、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である、請求項38または39に記載の製造品または医薬組成物。

請求項42

前記マトリックスメタロプロテイナーゼが、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membranetype1−matrixmetalloproteinase1)(MT1−MMP1)、MMP−9、MMP−8、およびMMP−3からなる群から選択される、請求項41に記載の製造品または医薬組成物。

請求項43

前記少なくとも1つのポリペプチドが、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membranetype1−matrixmetalloproteinase1)(MT1−MMP1)である、請求項41に記載の製造品または医薬組成物。

請求項44

前記抗病原体剤が、抗ウイルス剤である、請求項38または39に記載の製造品または医薬組成物。

請求項45

前記抗ウイルス剤が、ノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)である、請求項44に記載の製造品または医薬組成物。

請求項46

前記ノイラミニダーゼ阻害剤が、ラニナミビル、オセルタミビル、ペラミビル、およびザナミビルからなる群から選択される、請求項45に記載の製造品または医薬組成物。

請求項47

前記ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビルである、請求項46に記載の製造品または医薬組成物。

請求項48

インフルエンザの処置を必要とする対象における、インフルエンザの処置方法であって、細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤を前記対象に投与し、それによって、インフルエンザを処置することを含む、前記処置方法。

請求項49

前記細胞外マトリックス関連ポリペプチドが、表1に記載されているものである、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記細胞外マトリックス関連ポリペプチドが、MT1−MMP1である、請求項48または49に記載の方法。

請求項51

前記投与が、感染の症状が始まった後2日以内に実施される、請求項48に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、いくつかの実施形態において、細胞外マトリックスリモデリングダウンレギュレートする薬剤を用いた、病原体に感染した対象における、二次感染予防方法に関する。

0002

インフルエンザなど、ウイルスが原因のパンデミックは、世界中で無数死者を出してきた。甚だしい例は、1918年のパンデミックであり、六大陸蔓延し、約5億人に感染し、死者数は5千万人に達した。臨床症例およびオートプシー試料の研究によって、症例の死者の95%超が、二次的細菌感染、最も一般的には肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌(S.pneumoniae))の二次的感染を併発していたことが示された。感染部位動員される免疫細胞は、インフルエンザクリアランスのために不可欠である。しかしながら、浸潤性免疫細胞はまた、過剰な炎症反応を生じさせ、付随的な組織損傷および血液空気関門破壊も引き起こし得ることを示す証拠が増加している。

0003

病原体に対する組織耐性は、組織機能を維持しながら病原体に対する宿主免疫応答バランスを取るという、進化における重要なトレードオフである。しかしながら、耐性能力は種々の器官の間で異なり、は組織耐性能力が比較的低く、組織損傷をより受けやすい。したがって、呼吸器ウイルス感染している間の主な死亡原因は、ウイルス力価よりもむしろ宿主由来の無制御な免疫応答であろうということが議論されてきた。この免疫応答は、主に炎症性単球顆粒球マクロファージ、および樹状細胞と関連する。したがって、インフルエンザに感染した肺は広汎出血性であり、このことが宿主の免疫応答を組織破壊に結びつけている可能性がある。組織の破綻は、組織破壊に結びつく二次的な細菌の侵入を導く可能性があり、極端な例では、死亡という結果を生じさせ得る。インフルエンザと二次的細菌感染との間の相互の影響については長い間研究されてきたが、インフルエンザ感染が組織の二次感染を導く分子的なメカニズムは、未だ十分には理解されていない。

0004

宿主の耐性要素の1つは、呼吸器における、細胞外マトリックス(ECM)に結合した上皮性関門完全性である。ECMスキャフォールドは、組織内の細胞によって産生され、2つの層、すなわち、I)間質マトリックス、つまり多糖類線維状タンパク質の3次元ゲル、およびII)基底膜、つまり上皮組織の基部に形成されたメッシュ状シート、からなる。ECMターンオーバーは、正常な状態および病的な状態における過剰なECM分子の不可逆的切断に重要なマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を含む、複数のタンパク質分解酵素によって制御される。タンパク質分解活性調節不全は、炎症、がん、および感染症に付随していることが多い。したがって、病的な状態の研究によって、ECM分子および関連するタンパク質線維タンパク質分解の調節不全が、組織機能に対して重要な影響を及ぼすことが示されてきた。特に、MMPは、肺器官形成に決定的な役割を果たすことが示されており、多くのMMPが肺炎症性疾患の急性および慢性期関与している(Greenlee,et al.,2007、Physiological reviews、87、69−98)。ECMスキャフォールドタンパク質、細胞接着分子成長因子サイトカイン、およびケモカインを含む、MMPの種々の基質が、肺発生中に確認されている(Greenlee,et al.,2007,Physiological reviews 87,69−98)。

0005

係留コラゲナーゼである膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ(Membrane type−I matrix metalloproteinase)(MT1−MMP/MMP−14)は、肺の発生と恒常性の主要制御因子であり、かつ創傷治癒気道リモデリング、および細胞トラフィッキングを媒介する。したがって、この膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼは、気道において、線維芽細胞内皮細胞、およびマクロファージを含む複数の細胞集団発現している(Greenlee,et al.,2007,Physiological reviews 87,69−98)。炎症中のマクロファージ由来プロテアーゼの機能は、典型的には、組織浸潤または分解イベントに関連している。マクロファージにおいて、MT1−MMPは、ECMに作用するプロテアーゼとして働くだけではなく、マクロファージの免疫反応の制御も行う。動員された単球およびマクロファージは、種々のMMPを含む広範な範囲のECMリモデラーをアップレギュレートする。条件によって、マクロファージは、ある範囲のMMPとその阻害剤とを発現し、これらは生理的な肺リモデリングイベントと病的な肺リモデリングイベントの両方に関連している。MMP−9(ゼラチナーゼB)は、感染部位への好中球の移動を促進することにより、インフルエンザ感染からの回復に有用であることが示された(Bradley,et al.,2012,PLoS pathogens 8,e1002641)。これらの知見は重要であるが、ECMの完全性と免疫防御との間のトレードオフを含む、呼吸器感染している間のECMタンパク質分解経路に関する体系的な分析は、全く完結していない。

背景技術

0006

背景技術としては、Cheung,et al.,Cardiovasc Pathol.2006 Mar−Apr;15(2):63−74,Elkington,et al.,2005 British Society for Immunology,Clinical and Experimental Immunology,142:12−20;Devy,et al.,Biochemistry Research International,Volume 2011,Article ID 191670,doi:10.1155/2011/191670;Renckens,et al.,J Immunol 2006;176:3735−3741;Vanlaere,et al.,Clinical Microbiology Reviews,Apr.2009,Vol 22,p.224−239;およびUdi,et al.,2015,Structure 23,1−12,January 6,2015が挙げられる。

先行技術

0007

Greenlee,et al.,2007、Physiological reviews、87、69−98
Greenlee,et al.,2007,Physiological reviews 87,69−98
Bradley,et al.,2012,PLoS pathogens 8,e1002641
Cheung,et al.,Cardiovasc Pathol.2006 Mar−Apr;15(2):63−74
Elkington,et al.,2005 British Society for Immunology,Clinical and Experimental Immunology,142:12−20
Devy,et al.,Biochemistry Research InteRNAtional,Volume 2011,Article ID 191670,doi:10.1155/2011/191670
Renckens,et al.,J Immunol 2006;176:3735−3741
Vanlaere,et al.,Clinical Microbiology Reviews,Apr.2009,Vol 22,p. 224−239
Udi,et al.,2015,Structure 23,1−12,January 6,2015

課題を解決するための手段

0008

本発明のいくつかの実施形態の1つの態様によれば、病原体に感染した対象における、二次感染に関連する疾患の処置または予防方法であって、病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを対象に投与し、それによって、対象における、二次感染に関連する疾患を処置または予防することを含む、疾患の処置または予防方法が提供される。

0009

本発明のいくつかの実施形態の1つの態様によれば、病原体に感染した対象の処置方法であって、病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを対象に投与し、それによって、対象を処置することを含む、処置方法が提供される。

0010

本発明のいくつかの実施形態の1つの態様によれば、抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤とを含む、製造品が提供される。

0011

本発明のいくつかの実施形態の1つの態様によれば、第1の活性薬剤として抗病原体剤と、第2の活性薬剤として少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤と、医薬的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物が提供される。

0012

本発明のいくつかの実施形態の1つの態様によれば、インフルエンザの処置を必要とする対象における、インフルエンザの処置方法であって、細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤を対象に投与し、それによって、インフルエンザを処置することを含む、処置方法が提供される。

0013

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、表1に示されるものである。

0014

本発明のいくつかの実施形態によれば、二次感染は、細菌感染、ウイルス感染、または真菌感染である。

0015

本発明のいくつかの実施形態によれば、二次感染は、血液感染である。

0016

本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、敗血症である。

0017

本発明のいくつかの実施形態によれば、投与は、共投与を含む。

0018

本発明のいくつかの実施形態によれば、病原体は、ウイルス、細菌、および真菌からなる群から選択される。

0019

本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのポリペプチドは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である。

0020

本発明のいくつかの実施形態によれば、マトリックスメタロプロテイナーゼは、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membrane type 1−matrix metalloproteinase 1)(MT1−MMP1)、MMP−9、MMP−8、およびMMP−3からなる群から選択される。

0021

本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのポリペプチドは、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membrane type 1−matrix metalloproteinase 1)(MT1−MMP1)である。

0022

本発明のいくつかの実施形態によれば、感染は、呼吸器感染である。

0023

本発明のいくつかの実施形態によれば、病原体は、ウイルスである。

0024

本発明のいくつかの実施形態によれば、ウイルスは、呼吸器ウイルスである。

0025

本発明のいくつかの実施形態によれば、呼吸器ウイルスは、インフルエンザである。

0026

本発明のいくつかの実施形態によれば、抗病原体剤は、ノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)である。

0027

本発明のいくつかの実施形態によれば、ノイラミニダーゼ阻害剤は、ラニナミビルオセルタミビルペラミビル、およびザナミビルからなる群から選択される。

0028

本発明のいくつかの実施形態によれば、ノイラミニダーゼ阻害剤は、オセルタミビルである。

0029

本発明のいくつかの実施形態によれば、二次感染は、細菌感染である。

0030

本発明のいくつかの実施形態によれば、細菌感染は、肺炎球菌(S.pneumoniae)である。

0031

本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤は、抗体である。

0032

本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤は、ポリヌクレオチド剤である。

0033

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、表1に示されるものである。

0034

本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのポリペプチドは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である。

0035

本発明のいくつかの実施形態によれば、マトリックスメタロプロテイナーゼは、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membrane type 1−matrix metalloproteinase 1)(MT1−MMP1)、MMP−9、MMP−8、およびMMP−3からなる群から選択される。

0036

本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのポリペプチドは、膜型1マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(membrane type 1−matrix metalloproteinase 1)(MT1−MMP1)である。

0037

本発明のいくつかの実施形態によれば、抗病原体剤は抗ウイルス剤である。

0038

本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤は、ノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)である。

0039

本発明のいくつかの実施形態によれば、ノイラミニダーゼ阻害剤は、ラニナミビル、オセルタミビル、ペラミビル、およびザナミビルからなる群から選択される。

0040

本発明のいくつかの実施形態によれば、ノイラミニダーゼ阻害剤は、オセルタミビルである。

0041

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、表1に示されるものである。

0042

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、MT1−MMP1である。

0043

別段の定めがないかぎり、本明細書で用いられる全ての専門用語および/または科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解している通りの意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を、本発明の実施形態を実施または試験するために使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。不一致がある場合、定義を含めて本明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は例示にすぎず、必ずしも限定を意図するものではない。
本発明のいくつかの実施形態を、単なる例示として、添付の図面を参照して本明細書で説明する。図面への以下の詳細な具体的言及に関して、示された事項は、本発明の実施形態に関する例示および実例的な考察のためであることを強調する。この関連で、図面を合わせた本説明により、本発明の実施形態をどのようにして実施し得るかが当業者に明らかとなる。

図面の簡単な説明

0044

インフルエンザウイルス感染している間の細胞外マトリックス遺伝子回路網羅的解析である。図1Aは、インフルエンザ感染後10の時点における、3530個の肺特異的発現遺伝子のK平均クラスタリング(k=20)(実験手順)である(各時点につきn=4)。ダイナミックレンジは、倍率変化−2〜2の間に調整し、色分けする。13.5%(479)の発現が上昇した遺伝子は、ECMリモデリングに関連するものとしてアノテーションした。機能アノテーションは、(cbl−gorilladotcsdottechniondotacdotil)を用いて行われ、クラスターは、それぞれに応じてアノテーションし、色分けする。
インフルエンザウイルス感染している間の細胞外マトリックス遺伝子回路の網羅的解析である。図1Bは、感染した肺で富化(p<10−4)しているジーンオントロジー(GO)のサブセットを示す。
インフルエンザウイルス感染している間の細胞外マトリックス遺伝子回路の網羅的解析である。図1Cは、インフルエンザ感染に続く、ECMリモデリング遺伝子の遺伝子発現動態に関するサブマトリックスである。
インフルエンザウイルス感染している間の細胞外マトリックス遺伝子回路の網羅的解析である。図1Dは、qPCR測定法を用いた、インフルエンザ感染に続くMT1−MMP発現の、時間T0に対する倍率変化を示す棒グラフである。各試料は、4匹のマウス(2つの生物学的繰り返し)から3重で測定した。エラーバーは、平均値に関する標準偏差(SD)を表す。標的遺伝子は、内因性標準遺伝子APDHで標準化し、ΔΔCT標準化法を用いて、非感染対照試料と比較した。
MT1−MMP発現は、インフルエンザ感染に続いて、主として骨髄細胞誘導される。図2Aは、ウイルス感染から74時間後のインフルエンザ感染マウスの肺を、非感染対照(n=25)と比較したFACS分析である(実験手順、n=25)。Gatedは、抗MT1−MMP抗体ならびにCD45、CD11b、およびEpcam抗体を用いて染色したMT1−MMP発現細胞、(実験手順)である。
MT1−MMP発現は、インフルエンザ感染に続いて、主として骨髄細胞で誘導される。MT1−MMP、Epcam、およびCD11bを示すヒストグラムプロットは、インフルエンザウイルス感染前(灰色)、および感染から74時間後(赤)の蛍光強度を意味する。
MT1−MMP発現は、インフルエンザ感染に続いて、主として骨髄細胞で誘導される。図2Cは、ソートした細胞集団におけるMT1−MMP発現のqPCR測定を示す棒グラフである。エラーバーは、平均値に関するSDを表す。**は、t−testでp<0.001であることを示す。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Aは、無細胞ECMスキャフォールドの網羅質量分析である(実験手順参照)。定量的なタンパク質存在量を、−1〜1の範囲の白から黒へのグレースケール塗り分けを用いて、(対照の非感染組織を基準とした)相対的測定によって示す。感染後にECMから失われるタンパク質に、アノテートし白に色づけした。色分け図は、非感染対照と比較した場合の、脱細胞化された感染肺組織中のタンパク質定量における有意な変化(p<0.01、t−test)を示している。試料は、インフルエンザ感染における致死量の感染後、2時点(感染後74時間、122時間)で、Mascot softwareを用いて2重で分析した。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Bは、対照肺と比較した、感染肺の典型的な走査型電子顕微鏡画像である。矢印および矢じりは、コラーゲン原線維方向変化を、部分図において定量した場合のDバンドパターンと共に示す。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。肺胞境界における線維の方向性を、Fiji packageを用いて分析する(実験手順)。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Dは、動物(n=20)から採取した多数の組織切片、および同じ暴露条件で画像化したスライドからスクリーニングした、感染中のECM成分の典型的な免疫染色画像である。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Eは、imageJ packageを用いた免疫染色の定量であり(実験手順)、エラーバーは、平均値に関するSDを表す。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Fは、動物(n=20)から採取した多数の組織切片、および同じ暴露条件で画像化したスライドからスクリーニングした、感染中のECM成分の典型的な免疫染色画像である。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Gは、imageJ packageを用いた免疫染色の定量であり(実験手順)、エラーバーは、平均値に関するSDを表す。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Hは、動物(n=20)から採取した多数の組織切片、および同じ暴露条件で画像化したスライドからスクリーニングした、感染中のECM成分の典型的な免疫染色画像である。
インフルエンザ感染は、ECM構造の変化を伴う。図3Iは、imageJ packageを用いた免疫染色の定量であり(実験手順)、エラーバーは、平均値に関するSDを表す。
MT1−MMP活性ブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Aは、種々の処置を施したインフルエンザ感染に関する実験の設定を示す模式図である。マウスを、致死量に達しないPR8インフルエンザ株に感染させた(実験手順)。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Bは、全肺から採取し、厚さ300μmに薄切し、AirSEM用に染色した、固定した組織切片を用いて、感染後74時間の肺胞区画および気管支区画のAirSEM画像である(実験手順)。肺胞壁の厚さおよび気管支細胞数を、多数の切片の異なる部分で測定した。スケールは、主画像が50μmであり、挿入図が20μmである。棒グラフは、それぞれ肺胞壁の厚さと気管支細胞数を数値化したものである。エラーバーは、平均値に関するSDを表し、FOVは視野(field of view)である。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Cは、全肺から採取し、厚さ300μmに薄切し、AirSEM用に染色した、固定した組織切片を用いて、感染後74時間の肺胞区画および気管支区画のAirSEM画像である(実験手順)。肺胞壁の厚さおよび気管支細胞数を、多数の切片の異なる部分で測定した。スケールは、主画像が50μmであり、挿入図が20μmである。棒グラフは、それぞれ肺胞壁の厚さと気管支細胞数を数値化したものである。エラーバーは、平均値に関するSDを表し、FOVは視野(field of view)である。
cf MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Dは、全肺から採取し、厚さ300μmに薄切し、AirSEM用に染色した、固定した組織切片を用いて、感染後74時間の肺胞区画および気管支区画のAirSEM画像である(実験手順)。肺胞壁の厚さおよび気管支細胞数を、多数の切片の異なる部分で測定した。スケールは、主画像が50μmであり、挿入図が20μmである。棒グラフは、それぞれ肺胞壁の厚さと気管支細胞数を数値化したものである。エラーバーは、平均値に関するSDを表し、FOVは視野(field of view)である。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Eは、全肺から採取し、厚さ300μmに薄切し、AirSEM用に染色した、固定した組織切片を用いて、感染後74時間の肺胞区画および気管支区画のAirSEM画像である(実験手順)。肺胞壁の厚さおよび気管支細胞数を、多数の切片の異なる部分で測定した。スケールは、主画像が50μmであり、挿入図が20μmである。棒グラフは、それぞれ肺胞壁の厚さと気管支細胞数を数値化したものである。エラーバーは、平均値に関するSDを表し、FOVは視野(field of view)である。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Fは、厚さ50μmの非染色肺組織切片由来の、典型的な第二次高調波発生(SHG)画像である。Imarisソフトウェアパッケージバージョン7.7.1を用いたz−stack再構成後、検出されたコラーゲンを表すSHGシグナルは、赤で示されている。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Gは、棒グラフは、Imarisパッケージソフトウェアを用いて分析および定量したコラーゲンの体積を示し、有意性をt−testで検定した。エラーバーは、平均値に関するSDを表す。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Hは、肺のラミニン免疫染色である。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Iは、棒グラフは、ImageJパッケージソフトウェアを用いて分析したラミニン強度を示す。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。図4Jは、高感受性の肺切片におけるコラーゲン分解活性を検出するための蛍光発生基質を用いた、肺組織におけるI型コラーゲンのin situザイモグラフィである。緑色のシグナルおよび矢印は、気管支上皮内層細胞または浸潤性免疫細胞中の活性型コラゲナーゼの局在を示す。スケールは50μmである。
MT1−MMP活性をブロックすると、肺ECM成分が保護される。エラーバーは、平均値に関するSDを表し、FOVは視野(field of view)である。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。インフルエンザと肺炎球菌(S.pneumoniae)の重複感染に関する、予防モードおよび治療モードにおける実験の設定を示す模式図である。マウスを、致死量に達しないインフルエンザに感染させ、次いで肺炎球菌(Strep.pneumoniae)に感染させた(実験手順)。処置群は、タミフル、抗MT1−MMPFab、または両者の組合せを含んでいた。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。ビヒクル処置マウスを対照とした(各群あたり7〜10匹のマウスによる3回の独立した実験からのデータを合わせた)。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。図5Bは、感染の1日前(−1)または1日後(+1)に異なる処置を受けた重複感染マウスの生存曲線カプラン−マイヤー)である。データは、各群あたり5匹のマウスによる3回の独立した実験から収集した。Log−rank(Mantel−Cox)testを用い、*は、P<0.01であることを示し、**は、p<0.001であることを示す。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。図5Cは、ウイルス感染後の種々の時点における、重複感染マウスの相対的な体重減少を示す。エラーバーは、平均からのSDを表す。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。インフルエンザと肺炎球菌(S.pneumoniae)の重複感染に関する、予防モードおよび治療モードにおける実験の設定を示す模式図である。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。マウスを、致死量に達しないインフルエンザに感染させ、次いで肺炎球菌(Strep.pneumoniae)に感染させた(実験手順)。処置群は、タミフル、抗MT1−MMP Fab、または両者の組合せを含んでいた。ビヒクル処置マウスを対照とした(各群あたり7〜10匹のマウスによる3回の独立した実験からのデータを合わせた)。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。図5Eは、感染の1日前(−1)または1日後(+1)に異なる処置を受けた重複感染マウスの生存曲線(カプラン−マイヤー)である。データは、各群あたり5匹のマウスによる3回の独立した実験から収集した。Log−rank(Mantel−Cox)testを用い、*は、P<0.01であることを示し、**は、p<0.001であることを示す。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。図5Fは、ウイルス感染後の種々の時点における、重複感染マウスの相対的な体重減少を示す。エラーバーは、平均からのSDを表す。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。図5Gは、ウイルス感染6日後の感染マウスの脾臓ライセート由来のS.pneumonia細菌量である(実験手順)。
抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。投与は、予防モード(感染の1日前(A〜C))、または治療モード(感染の1日後(D〜E)を用いて行った。図5Hは、ウイルス感染6日後の感染マウスの脾臓ライセート由来のS.pneumonia細菌量である(実験手順)。
インフルエンザ感染過程の間の、ECMモジュレーター遺伝子発現レベルおよびタンパク質発現レベルである。図6Aは、インフルエンザ感染の致死量の感染を受けた全肺組織における、感染後種々の時点の間の、ECM代表遺伝子をqPCR測定した結果(時間T0における発現レベルに対する倍率変化)を示す棒グラフである(実験手順)。各試料は、4匹のマウス(2つの生物学的繰り返し)から3重で測定した。エラーバーは、標準偏差(SD)を表す。
インフルエンザ感染過程の間の、ECMモジュレーターの遺伝子発現レベルおよびタンパク質発現レベルである。図6Bは、インフルエンザ感染の種々の時点の間の、種々の代表プロテアーゼの、還元SDS−PAGEゲルを用いたウェスタンブロット分析である(n=10)。
インフルエンザ感染過程の間の、ECMモジュレーターの遺伝子発現レベルおよびタンパク質発現レベルである。図6Cは、ImageJソフトウェアを用いた、ウェスタンブロット結果の定量である。対象タンパク質平均相対密度は、内部標準GAPDHに対する相対値である。
インフルエンザ感染過程の間の、ECMモジュレーターの遺伝子発現レベルおよびタンパク質発現レベルである。図6Dは、インフルエンザ感染過程の間の、体重の平均値(青、左のY軸)およびウイルス力価(赤、右のY軸)である。エラーバーは、3回の独立した実験から、各時点あたり2〜4匹の動物について計算した、体重の標準偏差を表す。マトリックスタンパク質2(M2)のゲノムコピー数のためにqPCRを用い、次いで検量線を用いてウイルス粒子数に変換した、マウス肺における全肺ホモジネートウイルス負荷である。
免疫細胞は、感染している間、活性型MT1−MMPを発現している。図7Aは、健常対照群と比較した、感染肺(感染後74時間)におけるMT1−MMPとF4/80マーカーとの共局在の免疫染色および定量の棒グラフである。矢印は、MT1−MMP染色細胞を示す。多数の切片の典型的な画像である。
免疫細胞は、感染している間、活性型MT1−MMPを発現している。図7Bは、図7Aの写真定量化した棒グラフである。エラーバーは、t−testにおけるSDを表し、*は、P≦0.01を表す。
免疫細胞は、感染している間、活性型MT1−MMPを発現している。図7Cは、I型コラーゲンの、CD45染色と組み合わせた、in situザイモグラフィである。矢印は、対照切片および感染切片(感染後74時間)において、いずれかのマーカーが発現している細胞を示す。スケールバーは、50μmである。
免疫細胞は、感染している間、活性型MT1−MMPを発現している。図7Dは、写真Cを定量化した棒グラフである。エラーバーは、t−testにおけるSDを表し、*はP≦0.01を表す。
MT1−MMP発現細胞の網羅的発現解析である。(A)感染から74時間後にソートした細胞の、CD45陽性群とCD45陰性群における2169個の特異的発現遺伝子のK平均クラスタリング(k=6)である(感染群および非感染対照群の各群は、n≧5のマウスを含む)。マウスは、致死量である4×103PFUのPR8インフルエンザの感染を受けた(実験手順)。
全肺または脱細胞化された組織のAirSEM画像を用いて示した、破壊性表現型の肺である。図9Aは、全肺組織の画像である。矢印は、細胞(非感染対照)または空になった細胞(感染)における、肺胞開口部の境界を示す。
全肺または脱細胞化された組織のAirSEM画像を用いて示した、破壊性表現型の肺である。図9Bは、健常対照群と比較した、感染肺のECMスキャフォールド画像(脱細胞化後)である。矢印は、厚く組織化されたコラーゲン束(非感染対照)または歪んだフィブリル(感染)を含む肺胞管の境界を示す。
全肺または脱細胞化された組織のAirSEM画像を用いて示した、破壊性表現型の肺である。図9Cは、多数の肺切片のスキャン(n=5)による、対照肺および感染肺における肺細胞個数である。
全肺または脱細胞化された組織のAirSEM画像を用いて示した、破壊性表現型の肺である。図9Dは、Fiji packageを用いて行った、指向性に関する画像解析である。グラフは、GraphPad Prism 6を用いてプロットした。線維の空間的な配向性相対頻度を、Fiji packageバージョン6.1.1の「指向性」プラグイン分析ツールを用いて測定した。
単一のウイルス感染のキャリブレーションである。図10Aは、種々の用量で単一のウイルス感染を受けたマウスの体重減少を示す。データセットは、各時点において、5匹のマウスから分析した。エラーバーはSDを表し、t−testを用いて分析した。
単一のウイルス感染のキャリブレーションである。図10Bは、種々の用量で単一のウイルス感染を受けたマウスの生存を示す。エラーバーはSDを表し、t−testを用いて分析し、**はP≦0.001を表す。
単一のウイルス感染のキャリブレーションである。図10Cは、感染4日後の肺における、標準PFUアッセイを用いた、全肺ホモジネートのウイルス負荷を示す。試料は、各時点において、2つの生物学的繰り返しの3匹の動物を用いて測定した。X軸は、感染に用いたウイルス量を表す。
MT1−MMPの阻害によって、免疫細胞の動員またはサイトカインの誘導は妨げられない。図11Aは、感染から74時間後、かつ抗MT1−MMP阻害剤抗体または非関連のGST対照抗体によって処置した、インフルエンザ感染させた全肺組織のFACS分析である。マウスは、致死量に達しないインフルエンザに感染させた(実験手順)。データは、MT1−MMP抗体ならびにCD45、Ly6G、Ly6C、CD11b、NK46、TCRβで染色したMT1−MMP発現細胞でゲーティングした(実験手順)。実験は、1群あたり3匹のマウスを用いて2回行った。
MT1−MMPの阻害によって、免疫細胞の動員またはサイトカインの誘導は妨げられない。図11Bは、感染から74時間後に採取し、F4/80マーカーを用いてマクロファージを染色した、肺組織の典型的な切片である。スケールバーは、50μmである。FOVは、倍率20倍における全視野を示す。
MT1−MMPの阻害によって、免疫細胞の動員またはサイトカインの誘導は妨げられない。図11Cは、1群あたり少なくとも3匹のマウスからの多数の組織切片を用いた、図11Bに関する定量である。エラーバーは、t−testにおけるSDを表し、***はP≦0.0001を表す。
MT1−MMPの阻害によって、免疫細胞の動員またはサイトカインの誘導は妨げられない。図11Dは、単一のウイルス感染を受けたマウスから、感染から24、48、72、122時間後に採取した気管支肺胞洗浄液(BALF)中の、浸潤性免疫細胞である。マウスは、致死量に達しないインフルエンザに感染させた。試料は、2つの生物学的繰り返しで測定した。試験は、t−testを用いて、非感染マウスに対して有意であった(*はP≦0.01である)。
MT1−MMPの阻害によって、免疫細胞の動員またはサイトカインの誘導は妨げられない。図11Eは、単一のウイルス感染を受けさせ、感染から24、48、72、96、122時間後に採取したマウスのBALF中のTNF−αおよびIL−1βレベルを示す。試料は、2つの生物学的繰り返しで測定した。エラーバーはSDを表し、t−testを用いて分析し、*はP≦0.01である。
MT1−MMPの阻害によって、免疫細胞の動員またはサイトカインの誘導は妨げられない。図11Fは、単一のウイルス感染を受けさせ、感染から24、48、72、96、122時間後に採取したマウスのBALF中のTNF−αおよびIL−1βレベルを示す。試料は、2つの生物学的繰り返しで測定した。エラーバーはSDを表し、t−testを用いて分析し、*はP≦0.01である。
感染から74時間後に抗MT1−MMP抗体処置した後の、肺におけるウイルス負荷量である。図12Aは、タミフル、対照抗体、および抗MT1−MMP抗体を用いてインフルエンザウイルスを染色した、典型的な肺組織切片である。マウスは、致死量に達しないインフルエンザに感染させた(実験手順)。
感染から74時間後に抗MT1−MMP抗体処置した後の、肺におけるウイルス負荷量である。図12Bは、感染から24および48時間後におけるインフルエンザウイルスの定量の棒グラフである。エラーバーは、t−testにおけるSDを表し、**は、P≦0.001を表す。FOVは、倍率20倍における全視野を示す。感染細胞数は、ImageJを用いて、DAPIで標準化した。
感染から74時間後に抗MT1−MMP抗体処置した後の、肺におけるウイルス負荷量である。図12Cは、感染から24および48時間後におけるインフルエンザウイルスの定量の棒グラフである。エラーバーは、t−testにおけるSDを表し、**は、P≦0.001を表す。FOVは、倍率20倍における全視野を示す。感染細胞数は、ImageJを用いて、DAPIで標準化した。
感染から74時間後に抗MT1−MMP抗体処置した後の、肺におけるウイルス負荷量である。図12Dは、ウイルス感染4日後および7日後の全肺組織のPFU値である(実験手順)。試料は、2つの生物学的繰り返しで、3重で測定した。エラーバーはSDを表す。LEM−1、Tami−1、Tami+LEM−1は、種々の処置、すなわち、単剤または合剤、および感染1日前(感染日−1)の投与を示す。LEM+1、Tami+1、Tami+LEM+1は、種々の処置、すなわち、単剤または合剤、および感染1日後(感染日+1)の投与を示す。LEMは、抗MT1−MMP抗体(LEM2/15)を指し、GSTは、非関連抗体を指す。
感染から74時間後に抗MT1−MMP抗体処置した後の、肺におけるウイルス負荷量である。図12Eは、感染から24、48、および96時間後の肺におけるウイルス負荷を示す。全肺ホモジネートをPFUアッセイに用い、各時点において2匹の動物を試験し、2つの生物学的繰り返しで行った。エラーバーはSDを表し、2要因ANOVAを用い、*は、P≦0.01である。
感染から74時間後に抗MT1−MMP抗体処置した後の、肺におけるウイルス負荷量である。図12Fは、細菌感染2日後の重複感染マウスの肺におけるCFU値である。エラーバーは、平均からのSDを表す。各群あたり5匹のマウスによる2回の独立した実験からのデータを合わせた。

0045

ECMの破壊は、ウイルス力価が低いことによって乱されない。図13Aは、タミフル処置マウス、ビヒクル処置マウス、または対照マウスからの、感染から74時間後の肺のAirSEM画像である。
ECMの破壊は、ウイルス力価が低いことによって乱されない。図13Bは、ImageJを用いて測定した細胞壁厚であり(実験手順)、それぞれのマークは、個々の動物に関する、切片に基づく領域の測定値の平均を表す。
ECMの破壊は、ウイルス力価が低いことによって乱されない。図13Cは、qPCRを用いた、ビヒクル処置およびタミフル処置マウス肺におけるウイルスの個数を表す棒グラフである。各カラムは、3匹のマウスの平均を表す。バーは、平均および平均からのSDを示す。X軸は、ウイルス感染後の時間を示す。
ECMの破壊は、ウイルス力価が低いことによって乱されない。図13Dは、90PFUのPR8インフルエンザ株に感染し、異なる処置を受けているマウス肺におけるMT1−MMP発現レベルである。エラーバーはSDを表し、t−testを用いて分析し、**はP≦0.001である。
抗ウイルスと組織保護療法との併用によって、肺の構造的特徴が維持される。図14Aは、感染を受け、種々の様式の処置を受けている間の、肺気管支および肺胞における変化を表す肺切片のAirSEM画像である。スケールバーは、20μmである。
抗ウイルスと組織保護療法との併用によって、肺の構造的特徴が維持される。図14Bは、多数の切片から得た種々の処置における細胞数を定量化した棒グラフである。
インフルエンザ感染の際のヒト呼吸器上皮細胞におけるMT1−MMP発現である。MT1−MMPのLog2相対発現レベルは、H1N1株A/PR/8/34(PR8)に感染したヒト気管支上皮細胞の感染経過(感染後の時間)と関連性がある。エラーバーは、SDを表す。データは、(Shapira SD,2009)により分析した。

0046

本発明は、いくつかの実施形態において、細胞外マトリックスリモデリングをダウンレギュレートする薬剤を用いた、病原体に感染した対象における、二次感染の予防方法に関する。

0047

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明するのに先立ち、本発明は、その適用において、以下の説明における詳細または実施例による例示に、必ずしも限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施形態が可能であり、種々の様式で実施または実行することが可能である。

0048

感染症の処置は、従来、抗微生物薬の投与、またはワクチン接種を用いた宿主免疫応答の刺激、のいずれかによる病原体の除去に焦点が当てられてきた。本発明者らは、インフルエンザマウスモデルの網羅的ゲノミクスおよびプロテオミクス分析を実施し、感染過程の間の調節不全なECMリモデリングイベントに重要な細胞外マトリックス(ECM)関連遺伝子およびタンパク質が、思いもよらず過多状態であることを明らかにした(図1A〜D、および図6A〜D)。MT1−MMPが、感染マウス肺の肺胞および気管支のECMスキャフォールドの破壊を導く主要なコラゲナーゼであった。インタクトな肺の電子顕微鏡観察、網羅的質量分析、2光子顕微鏡法と免疫染色、および組織ザイモグラフィによって、基底膜の構成要素の多面的な破壊が明らかとなった(図3A〜I、および図9A〜D)。この前例のない肺の損傷は、血液空気関門の喪失に寄与し、肺から内臓への漏出による全身への二次的細菌感染の拡散を引き起こし、敗血症および死をもたらす。これらの破壊性表現型と、結果として生じる致死的な結果は、MT1−MMPの活性をブロックすることによって反転し(図4A〜K)、よって組織の維持による治療的介入の新たなモデルを提供する。図5A〜Hに示すように、抗ウイルス処置とECM保護との併用により、生存が維持され、全身的な細菌性敗血症が予防される。

0049

本発明者らは、不適当な宿主応答と付随的な組織損傷を緩和しながら、組織形態と恒常性を維持するように設計された、感染のための、この新たな処置の機会を提案する。

0050

よって、本発明の第1の態様によれば、病原体に感染した対象の処置方法であって、病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤(下記)とを対象に投与し、それによって、対象を処置することを含む、処置方法が提供される。

0051

本明細書で用いられる場合、用語「方法(method)」は、所定の仕事をを遂行するためのやり方、手段、技法、および手順を指し、例えば知られているやり方、手段、技法、および手順、または知られているやり方、手段、技法、および手順から、化学薬理学、生物学、生化学、および医学分野実務家によって、容易に開発できるやり方、手段、技法、および手順のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。

0052

本明細書で用いられる場合、用語「処置する(treating)」には、ある状態の進行を阻止する、実質的に阻害する、遅らせる、もしくは反転させること、またはある状態の臨床的もしくは審美的な症状を実質的に改善すること、またはある状態の臨床的もしくは審美的な症状の出現を実質的に予防することが含まれる。

0053

本明細書で用いられる場合、用語「対象」は、哺乳動物の対象、例えばヒト対象を指す。

0054

処置を受ける対象は、感染の原因となる病原体を保持する。

0055

本明細書で用いられる場合、用語「病原体」は、疾患(例えば、呼吸器疾患)の原因となる、ウイルス、バクテリアプリオン、または真菌などの微生物(microbe)または微生物(microorganism)を指す。

0056

特定の実施形態によれば、病原体は、ヒト病原体である。

0057

典型的な病原性ウイルスは以下の科、すなわちアデノウイルス科ピコルナウイルス科ヘルペスウイルス科ヘパドナウイルス科、フラビウイルス科レトロウイルス科オルトミクソウイルス科パラミクソウイルス科パポーバウイルス科、ポリオーマウイルスラブドウイルス科トガウイルス科に属するものであり得る。本発明で意図する特定の病原性ウイルスは、天然痘、インフルエンザ、流行性耳下腺炎麻疹水疱エボラ、または風疹の原因となるウイルスである。

0058

特定の実施形態によれば、ウイルスは、呼吸器感染(例えば、上気道感染および/または下気道感染)を引き起こすウイルスである。

0059

よって、特定の実施形態によれば、病原性ウイルスは、インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザウイルスA−(例えば、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、およびH7N9)、インフルエンザウイルスB、またはインフルエンザウイルスC)である。

0060

別の実施形態において、病原性ウイルスは、ヒトパラインフルエンザウイルス1型(hPIV−1)(喉頭炎の原因となる);ヒトパラインフルエンザウイルス2型(hPIV−2)(喉頭炎およびその他の上下気道疾患の原因となる)、ヒトパラインフルエンザウイルス3型(hPIV−3)(細気管支炎および肺炎に関係する)、およびヒトパラインフルエンザウイルス4型(hPIV−4)を含む、パラインフルエンザウイルス(hPIV)である。

0061

さらに別の実施形態において、病原性ウイルスは、RSウイルス呼吸器合胞体ウイルス)(RSV)である。

0062

典型的な病原性細菌には、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(結核の原因となる)、レンサ球菌(Streptococcus)およびシュードモナス(肺炎の原因となる)、ならびに赤痢菌(Shigella)、カンピロバクター、およびサルモネラ食物性疾患の原因となる)が含まれる。 本発明で意図する、その他の例示的な病原性細菌は、破傷風腸チフスジフテリア梅毒、およびハンセン病などの感染症の原因となる細菌である。

0063

一実施形態によれば、病原体は、対象の急性感染の原因となる。

0064

別の実施形態によれば、病原体は、対象の慢性感染の原因となる。

0065

用語「抗病原体剤」は、抗微生物剤を指し、抗病原体剤には抗ウイルス剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗プリオン剤が含まれるが、これらに限定されない。
1.抗ウイルス剤

0066

本発明の態様による併用療法で用いることができる抗ウイルス剤としては、アマンタジン、リマンジン、およびプレコナリルなどのCRX4レセプター阻害剤およびCCR5レセプター阻害剤が挙げられる。本発明のこの態様の併用療法で用いることができるさらなる抗ウイルス剤としては、ウイルスが細胞に侵入した後のウイルス成分を合成するウイルスのプロセスを妨げる薬剤が挙げられる。典型的な薬剤としては、RNAまたはDNAの構成要素に類似するが、RNAまたはDNAに組み込まれるとRNAまたはDNAの合成酵素不活性化する、ヌクレオチドアナログおよびヌクレオシドアナログが挙げられる。アシクロビルはヌクレオシドアナログであり、ヘルペスウイルス感染に対して有効である。ジドブジン(AZT)、3TC、FTC、およびその他のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、ならびに非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤NNRTI)もまた使用できる。インテグラーゼ阻害剤もまた使用できる。その他の抗ウイルス剤としては、(ウイルスRNAまたはDNAの選択した部位に向けられた)アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムが挙げられる。

0067

HIVなどのいくつかのウイルスはプロテアーゼ酵素を含み、そのプロテアーゼ酵素がウイルスのタンパク質鎖切り離し、それによってウイルスは最終的な形態に組み立てられることができる。プロテアーゼ阻害剤は、本明細書に記載された併用療法に使用し得る、別のタイプの抗ウイルス剤である。

0068

ウイルスのライフサイクルにおける最終段階は、宿主細胞からの、完成したウイルスの放出である。ザナミビル(リレンザ)およびオセルタミビル(タミフル)などのいくつかの活性薬剤は、インフルエンザウイルスの表面に存在するノイラミニダーゼと呼ばれる分子をブロックすることによって、ウイルス粒子の放出を妨げることによって、インフルエンザを処置する。

0069

さらなるその他の抗ウイルス剤は、患者の免疫系を刺激することによって機能する。インターフェロンは、ペグ化インターフェロンを含めて、このような種類の典型的な化合物である。例えば、インターフェロンαは、B型肝炎およびC型肝炎の処置に用いられる。種々の抗体は、モノクローナル抗体を含めて、ウイルスを標的とするために用いることができる。
抗菌剤

0070

本発明の態様による併用療法に使用することができる抗菌剤は、殺菌性であってもよく、静菌性であってもよい。

0071

一実施形態において、抗菌剤は、抗生剤である。

0072

本明細書で用いられる場合、用語「抗生物質」は、細菌の増殖を阻害する能力、または細菌を破壊する能力を有する、天然源から単離された化学物質、または天然源から単離された抗生物質に由来する化学物質の集まりを指す。抗生物質の例としては、アミカシンアモキシシリンアンピシリンアジスロマイシン;アズロシリンアズトレオナム;アズトレオナム;カルベニシリンセファクロールセフェピム;セフェタメト;セフィネタゾール(Cefinetazole);セフィキシム;セフォニシド;セフォペラゾンセフォタキシムセフォテタンセフォキシチンセフポドキシムセフプロジルセフスロジンセフタジジムセフチゾキシムセフトリアキソンセフロキシムセファレキシンセファロチン;セスロマイシンクロラムフェニコールシノキサシンシプロフロキサシンクラリスロマイシンクリンダマイシンクロキサシリンコアモキシクラブアネート(Co−amoxiclavuanate);ダルババンシンダプトマイシンジクロキサシリンドキシサイクリンエノキサシンエリスロマイシンエストレートエチルコハク酸エリスロマイシングルコヘプトン酸エリスロマイシンラクトビオン酸エリスロマイシンステアリン酸エリスロマイシンエリスロマイシン;フィダキソマイシン;フレロキサシンゲンタマイシンイミペネムカナマイシンロメフロキサシン;ロラカルベフ;メチシリンメトロニダゾールメズロシリンミノサイクリンムピロシンナフシリンナリジクス酸ネチルマイシンニトロフラントインノルフロキサシンオフロキサシンオキサシリンペニシリンGピペラシリンレタパムリンリファキシミン(Rifaxamin)、リファンピシンロキシスロマイシンストレプトマイシンスルファメトキサゾールテイコプラニンテトラサイクリンチカルシリンチゲサイクリントブラマイシントリメトプリムバンコマイシン;ピペラシリンとタゾバクタムとの組合せ;ならびにそれらの種々の塩、酸、塩基、およびその他の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。抗細菌抗生物質としては、アミノグリコシド系カルバセフェム系カルバペネム系、セファロスポリン系、セファマイシン系、フルオロキノロン系、糖ペプチド、リンコサミド系、マクロライド系モノバクタム系、ペニシリン系キノロン系、スルホンアミド系、およびテトラサイクリン系抗細菌抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。

0073

抗菌剤としては、抗菌性ペプチドも挙げられる。例えば、アバエシン(abaecin);アンドピン(andropin);アピデシン系;ボンビニン;ブレビニン類(brevinins);ブフォリンII;CAP18;セクロピン類セラトキシン(ceratotoxin);ディフェンシン類;ダーマセプチン;ダームシジン;ドロソマイシン(drosomycin);エスクレンチン系(esculentins);インドリシジンLL37;マガイニンマキシマムH5(maximum H5);メリチン;モリシン(moricin);プロフェニン(prophenin);プロテグリン;および/またはタキプレシン系抗菌性ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
抗真菌剤

0074

用語「抗真菌剤」は、胞子発芽もしくは基質接着をブロックすることによって、または真菌またはその胞子成長および発育に必要ないずれかの代謝プロセスまたはステップを妨げることによって、真菌感染を妨げる薬剤または化学物質を指す。
抗原虫剤

0075

本明細書で用いられる場合、用語「抗原虫」は、広範囲真核微生物および無脊椎蠕形動物寄生的特質またはその他の生活環の特質を妨げる、あらゆる化学物質または薬剤を指す。前記薬剤または化学物質は、タンパク質合成、不可欠な脂質の産生、呼吸過程またはその他の代謝イベントもしくは生育調整ステップをブロックし得る。

0076

本明細書において上記したように、本発明は、(上記の部分で詳述したような)病原体に対する薬剤と、少なくとも1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤とを、両方とも投与することを意図する。

0077

用語、1つの細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、細胞外マトリックスの形成を減少させるポリペプチド、もしくは細胞外マトリックスの分解を高めるポリペプチド、または細胞外マトリックスに含まれるポリペプチドを指す。

0078

特定の実施形態によれば、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、コラーゲン、エラスチンフィブロネクチン、およびラミニンなどの線維状タンパク質である。

0079

別の実施形態によれば、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、マトリックスメタロプロテイナーゼなどのプロテアーゼ、ADAMTS1−17を含むADAMTS(class A Disintegrin And Metalloproteinase with Thrombospondin Motif)に属する酵素、およびリジルオキシダーゼホモログ2(LOXL)などのリジルオキシダーゼファミリーに属する酵素である。

0080

一実施形態において、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、以下の実施例の項目の表2Bに示されるものである。

0081

好ましくは、細胞外マトリックス関連ポリペプチドは、以下の表1に示すものである。各遺伝子の例示的なcDNA配列は、その表中に示されている。

0082

ECM関連ポリペプチドのダウンレギュレーションは、転写および/または翻訳を妨げる種々の分子[例えば、RNAサイレンシング剤(例えば、アンチセンス、siRNA、shRNA、ミクロRNA)、リボザイム、およびDNAザイム]を利用してゲノムおよび/または転写物レベルで、または、例えば、アンタゴニスト、ポリペプチドを切断する酵素などを利用してタンパク質レベルで引き起こされ得る。

0083

ECM関連ポリペプチドの発現レベルおよび/または活性をダウンレギュレートさせ得る薬剤のリストを以下に示す。

0084

ECM関連ポリペプチドであり得る薬剤の1つの例は、ECM関連ポリペプチドに特異的に結合し、その活性をダウンレギュレートすることができる抗体または抗体フラグメントである。

0085

好ましくは、抗体は、1000nm未満のKiで、より好ましくは100nm未満のKiで、さらに好ましくは10nmのKiで、標的ポリペプチドに結合する。

0086

好ましくは、抗体は、ポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する。本明細書で用いられる場合、用語「エピトープ」は、抗体のパラトープが結合する、抗原上のあらゆる抗原決定基を指す。

0087

エピトープ決定要素は、通常、アミノ酸または炭水化物側鎖などの、化学的に活性な表面分子群から構成され、通常、特定の3次元構造的特性、ならびに特定の電荷的特性を有する。

0088

一実施形態によれば、エピトープ決定要素は、ポリペプチドの表面にある。

0089

別の実施形態によれば、ポリペプチドがMT1−MMP1、MMP−9、MMP−8、およびMMP−3などのマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である場合、抗体は、ハプテン化合物である[2−(2−ミノエチルカルボモイル)−エトキシメチル]−トリス−[2−(N−(3−イミダゾール−1−イルプロピル))−エトキシメチル]メタン([2−(2−minoethylcarbomoyl)−ethoxymethyl]−tris−[2−(N−(3−imidazol−1−yl−propyl))−ethoxymethyl]methane)に結合する(場合により、前記抗体は、前記ハプテン化合物で免疫することによって作製し得る)。このハプテン分子は、MMP内の反応性亜鉛部位の局所構造およびコンフォメーションを厳密に模倣している(国際公開第2008/102359号パンフレット参照、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。

0090

一実施形態において、抗体は、活性型の抗体に特異的に結合することができ、プロ酵素型の抗体には結合しない。

0091

好ましくは、抗体は、特定のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に特異的であり、前記特定のMMPに対して、関連のないMMPと比べて少なくとも5倍高いアフィニティーで結合する。

0092

特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、MMP−14としても知られる、MT1−MMP1である。

0093

MMP−14に結合し、ダウンレギュレートする抗体の例としては、例えば、Udi,et al.,Structure 23,1−12,January 6,2015(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されているような、LEM−2/15ハイブリドーマ細胞によって産生される抗体が挙げられる。

0094

別の実施形態によれば、抗体は、MMP−14の表面エピトープを標的とする。よって、例えば、抗体は、MMP−14のV−Bループ(例えば、MMP−14の残基の160−173位、および/または218−233位)に結合し得る。別の実施形態において、抗体は、MMP−14のV−Bループに、コンフォメーション的な旋回運動を起こさせる抗体である。

0095

MMP−14をダウンレギュレートする抗体のVHの例示的なアミノ酸配列を、配列番号54に示す。MMP−14をダウンレギュレートする抗体のVLの例示的なアミノ酸配列を、配列番号55に示す。

0096

さらに別の実施形態において、抗体は、MMP−14のコラゲナーゼ活性をダウンレギュレートするが、プロ−MMP−2の活性化には影響しない抗体である。

0097

MMP−14をダウンレギュレートするさらなる抗体は、さらに、米国特許第8,501,181号明細書、およびDevy,et al.,Biochemistry Research International,Volume 2011,Article ID 191670,11 pages,doi:10.1155/2011/191670に開示されている。

0098

本明細書で用いられる場合、用語「抗体」としては、インタクトな分子ならびにその機能性フラグメント、例えばマクロファージに結合することができるFab、F(ab’)2、およびFv、が挙げられる。これらの機能性抗体フラグメントは、以下のように定義され、すなわち(1)Fab、すなわち抗体分子の1価抗原結合性フラグメントを含み、全抗体を酵素であるパパイン消化し、インタクトな軽鎖と1本の重鎖部分とを生じさせることによって作製することができるフラグメント、(2)Fab’、すなわち全抗体をペプシンで処理し、次いで還元し、インタクトな軽鎖と重鎖部分とを生じさせることによって得ることができる、抗体分子のフラグメント(1抗体分子あたり2つのFab’フラグメントが得られる)、(3)(Fab’)2、すなわち全抗体を酵素であるペプシンで処理するが、その後の還元を行わずに得ることができる、抗体のフラグメント(F(ab’)2は、2つのFab’フラグメントが2つのジスルフィド結合によって結合した二量体である)、(4)Fv、すなわち2本鎖として発現させた、軽鎖可変領域重鎖可変領域とを含む遺伝子組換えフラグメントと定義されるフラグメント、および(5)一本鎖抗体(「SCA」)、すなわち軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを、適当なポリペプチドリンカーによって結合した遺伝子融合一本鎖分子として含む、遺伝子組換え分子、と定義される。

0099

ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、ならびにそれらのフラグメントの作製方法は、当技術分野で周知である(例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York,1988(参照により本明細書に組み込まれる)参照)。

0100

本発明のいくつかの実施形態による抗体フラグメントは、抗体のタンパク質分解性加水分解によって、またはフラグメントをコードするDNAを大腸菌(E. coli)もしくは哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞培養物またはその他のタンパク質発現系)で発現させることによって、調製することができる。抗体フラグメントは、通常の方法により、全抗体をペプシン消化またはパパイン消化することによって得ることができる。例えば、抗体フラグメントは、抗体をペプシンで酵素的に切断し、F(ab’)2で表される5Sのフラグメントを生じさせることによって作製することができる。このフラグメントは、チオール還元剤と、場合によりスルフヒドリル基のための保護基とを用いてさらに切断することができ、ジスルフィド結合が切断されて、3.5SのFab’1価フラグメントが生じる。一方、ペプシンを用いた酵素的切断によって、直接的に、2つの1価Fab’フラグメントと、Fcフラグメントとが生じる。これらの方法は、例えば、Goldenbergによる、米国特許第4,036,945号明細書および米国特許第4,331,647号明細書、ならびにこれらの特許に記載されている参考文献に記載されている(これらの特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。Porter,R.R.[Biochem.J.73:119−126(1959)]も参照のこと。抗体を切断するその他の方法、例えば重鎖を引き離して1価の軽鎖−重鎖フラグメントを形成する方法、フラグメントをさらに切断する方法、またはその他の酵素学的、化学的、もしくは遺伝学的技法もまた、インタクト抗体によって認識される抗原にフラグメントが結合する限り、使用することができる。

0101

Fvフラグメントは、VH鎖VL鎖との結合を含む。この結合は、Inbar et al.[Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 69:2659−62(19720]に記載されているように、非共有結合であってもよい。一方、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合で結合されていてもよく、グルタルアルデヒドなどの化学物質で架橋されていてもよい。好ましくは、Fvフラグメントは、ペプチドリンカーで連結されたVH鎖とVL鎖とを含む。これらの一本鎖抗原結合タンパク質(sFv)は、オリゴヌクレオチドで連結されたVHドメインとVLドメインとをコードするDNA配列を含む構造遺伝子を作成することによって調製される。構造遺伝子は、発現ベクターに挿入され、発現ベクターは、次に大腸菌(E.coli)などの宿主細胞に導入される。組換え宿主細胞は、2つのVドメインを架橋するリンカーペプチドを含む単一のポリペプチド鎖を合成する。sFvを作製する方法は、例えば、Whitlow and Filpula,Methods2:97−105(1991);Bird,et al.,Science 242:423−426(1988);Pack,et al.,Bio/Technology 11:1271−77(1993);および米国特許第4,946,778号明細書に記載されている(これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。

0102

別な形態の抗体フラグメントは、単一の相補性決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」)は、対象とする抗体のCDRをコードする遺伝子を作成することによって得ることができる。このような遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成することによって調製される。例えば、Larrick and Fry[Methods,2:106−10(1991)]を参照のこと。

0103

ヒト化形態非ヒト(例えばマウス)抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む、免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体のその他の抗原結合性部分配列)のキメラ分子である。ヒト化抗体としては、ヒト免疫グロブリンレシピエント抗体)の相補性決定領域(CDR)を形成する残基が、所望の特異性、アフィニティー、およびキャパシティーを持つ、マウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種免疫グロブリン(ドナー抗体)のCDR由来の残基によって置換された、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が挙げられる。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基で置換される。ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも存在せず、移入されるCDRまたはフレームワーク配列にも存在しない残基も含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、実質的に全ての、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインを含み、全てのまたは実質的に全てのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に相当し、全てのまたは実質的に全てのFR領域はヒト免疫グロブリン共通配列のFR領域であろう。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部も含むであろう[Jones,et al.,Nature,321:522−525(1986);Riechmann,et al.,Nature,332:323−329(1988);およびPresta,Curr. Op. Struct. Biol.,2:593−596(1992)]。

0104

非ヒト抗体ヒト化する方法は、当技術分野で周知である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト源から導入された、1つまたは複数のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、インポート残基と呼ばれることが多く、典型的にはインポート可変ドメインから取られたものである。ヒト化は、基本的に、Winterと共同研究者[Jones,et al.,Nature,321:522−525(1986);Riechmann,et al.,Nature 332:323−327(1988);Verhoeyen,et al.,Science,239:1534−1536(1988)]の方法に従って、ヒト抗体の対応する配列を、げっ歯動物のCDRまたはCDR配列で置換することにより実施することができる。したがって、このようなヒト化抗体はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号明細書)、インタクトなヒト可変ドメインよりも大幅に少ない配列が、非ヒト種由来の対応する配列で置換されている。実際に、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基と、場合によりいくつかのFR残基が、げっ歯動物抗体の類似の部位からの残基で置換されたヒト抗体である。

0105

ヒト抗体は、当技術分野で知られている、ファージディスプレイライブラリ[Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks,et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)]を含む種々の技法を用いて作製することもできる。Coleら、およびBoernerらの技法もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる[Cole,et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、およびBoerner,et al.,J.Immunol.,147(1):86−95(1991)]。同様に、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン部位を、トランスジェニック動物、例えば内因性免疫グロブリン遺伝子を部分的または完全に不活化したマウスに導入することによって作成することができる。チャレンジの際、ヒト抗体の産生が観察され、遺伝子再構成アセンブリー、および抗体レパートリーを含む全ての点において、ヒトで見られるものと酷似している。この手法は、例えば、米国特許第5,545,807号明細書;米国特許第5,545,806号明細書;米国特許第5,569,825号明細書;米国特許第5,625,126号明細書;米国特許第5,633,425号明細書;米国特許第5,661,016号明細書、ならびに以下の科学出版物、すなわちMarks,et al.,Bio/Technology 10,:779−783(1992);Lonberg,et al.,Nature 368:856−859(1994);Morrison,Nature 368 812−13(1994);Fishwild,et al.,Nature Biotechnology 14,845−51(1996);Neuberger,Nature Biotechnology 14:826(1996);およびLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.13,65−93(1995)に記載されている。

0106

ECM関連ポリペプチドのダウンレギュレーションは、RNAサイレンシングによって実現することもできる。本明細書で用いられる場合、語句「RNAサイレンシング」は、RNA分子を介し、対応するタンパク質コード遺伝子の発現を阻害または「サイレンシング」する結果をもたらす制御機構グループ[例えば、RNA干渉(RNAi)、転写型遺伝子サイレンシングTGS)、転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)、クエリング、共抑制、および翻訳抑制]を指す。RNAサイレンシングは、植物、動物、および真菌を含む、多くの種類の生物で観察されている。

0107

本明細書で用いられる場合、用語「RNAサイレンシング剤」は、標的遺伝子の発現を特異的に阻害または「サイレンシング」することができるRNAを指す。ある実施形態において、RNAサイレンシング剤は、転写後サイレンシングメカニズムによって、mRNA分子の完全なプロセシング(例えば、完全な翻訳および/または発現)を妨げることができる。RNAサイレンシング剤としては、非コードRNA分子、例えば、対になった鎖を含むRNA二重鎖、ならびにこのような低分子非コードRNAを生成し得るRNA前駆体が挙げられる。例示的なRNAサイレンシング剤としては、siRNA、miRNA、およびshRNAなどのdsRNAが挙げられる。一実施形態において、RNAサイレンシング剤は、RNA干渉を誘導することができる。別の実施形態において、RNAサイレンシング剤は、翻訳抑制を媒介することができる。

0108

本発明の実施形態によれば、RNAサイレンシング剤は、標的RNA(例えば、MMP−14)に特異的であり、標的遺伝子に対して99%以下の全体的相同性を示す遺伝子またはスプライスバリアントを交差阻害または交差サイレンシングせず、例えば、標的遺伝子に対して98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%未満の全体的相同性を示す遺伝子またはスプライスバリアントを交差阻害または交差サイレンシングしない。

0109

RNA干渉は、動物において、低分子干渉RNA(siRNA、short interfering RNA)によって媒介される、配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングプロセスを指す。植物における対応するプロセスは、一般に転写後遺伝子サイレンシングまたはRNAサイレンシングと呼ばれ、真菌においてクエリングとも呼ばれる。転写後遺伝子サイレンシングのプロセスは、外来遺伝子の発現を予防するために用いられる、進化的に保存された細胞防御機構だと考えられ、一般に多様な植物群および動物群によって共有されている。このような外来遺伝子の発現からの保護は、ウイルス感染に由来する、または宿主ゲノムへのトランスポゾンエレメント無秩序な組込みに由来する二本鎖RNA(dsRNA、double−stranded RNA)の生成に応答して、相同一本鎖RNAまたはウイルスのゲノムRNAを特異的に破壊する細胞応答を経て、おそらく進化したのであろう。

0110

細胞内に長いdsRNAが存在することにより、ダイサー(dicer)と呼ばれるリボヌクレアーゼIII酵素の活性が刺激される。ダイサーは、前記dsRNAを、低分子干渉RNA(siRNA)として知られるdsRNAの短い断片にするプロセシングにかかわっている。ダイサー活性に由来する低分子干渉RNAは、典型的には、長さが約21〜約23ヌクレオチドであり、約19塩基対二本鎖を含む。RNAi反応は、一般にRNA誘導サイレンシング複合体RISC)と呼ばれる、エンドヌクレアーゼ複合体も特徴とし、siRNA二重鎖のアンチセンス鎖相補的な配列を有する一本鎖RNAの切断を媒介する。標的RNAの切断は、siRNA二重鎖のアンチセンス鎖に相補的な領域の中央で起こる。

0111

したがって、本発明のいくつかの実施形態は、mRNAからのタンパク質発現をダウンレギュレートするためのdsRNAの使用を意図する。

0112

一実施形態によれば、dsRNAは、30塩基対より大きい。長いdsRNA(例えば、30塩基対より大きいdsRNA)の使用は、二本鎖RNAのこのような長い領域はインターフェロンおよびPKR応答を誘導する結果となるであろうと考えられていたため、非常に限られていた。しかしながら、長いdsRNAを用いることによって、細胞が最適なサイレンシング配列を選択することができ、非常に多くのsiRNAを試験する必要性が軽減されること、長いdsRNAによって、サイレンシングライブラリが有するべき複雑性を、siRNAで必要にされるものよりも少なくすることを可能にするであろうこと、および、おそらく最も重要な点であるが、長いdsRNAは、治療薬として用いた場合、ウイルスのエスケープ変異を予防し得る、という点で非常に多くの利点がもたらされる。

0113

種々の研究によって、長いdsRNAが、ストレス応答を誘導せずに、または著しいオフターゲット作用を引き起こさずに、遺伝子発現をサイレンシングするために使用し得ることが示されており、例えば、[Strat,et al.,Nucleic Acids Research,2006,Vol.34,No.13 3803−3810;Bhargava A.,et al. Brain Res. Protoc. 2004;13:115−125;Diallo M.,et al.,Oligonucleotides.2003;13:381−392;Paddison P.J.,et al.,Proc.Natl Acad.Sci. USA.2002;99:1443−1448;Tran N.,et al.,FEBSLett.2004;573:127−134]を参照のこと。

0114

特に、本発明は、いくつかの実施形態によれば、遺伝子サイレンシングのために、インターフェロン経路が活性化していない細胞(例えば、胚細胞卵母細胞)内に、長いdsRNA(30塩基超の転写物)を導入することを意図しており、例えば、Billy,et al.,PNAS 2001,Vol 98,pages 14428−14433.、およびDiallo,et al,Oligonucleotides,October 1,2003,13(5):381−392.doi:10.1089/154545703322617069を参照のこと。

0115

本発明は、いくつかの実施形態によれば、インターフェロンおよびPKR経路を誘導しないように特に設計された、遺伝子発現をダウンレギュレートするための長いdsRNAを導入することも意図している。例えば、ShinagwaとIshii[Genes&Dev.17(11):1340−1345,2003]は、RNAポリメラーゼII(Pol II)プロモーターから、長い二本鎖RNAを発現させるための、pDECAPと名付けられたベクター構築した。pDECAPからの転写物は、細胞質へのdsRNAの輸送を促進する5’−キャップ構造も、3’−ポリテールも、いずれも欠いているため、pDECAPからの長いdsRNAは、インターフェロン応答を誘導しない。

0116

哺乳動物系における、インターフェロンおよびPKR経路を回避するための別の方法は、トランスフェクションまたは内因性の発現のいずれかによる、低分子干渉RNA(siRNA)の導入である。

0117

用語「siRNA」は、RNA干渉(RNAi)経路を誘導する、低分子干渉RNA二重鎖(一般に、18〜30塩基対の間)を指す。典型的には、siRNAは、中央部に19塩基対の二重鎖領域と、3’末端に2塩基の対称的なオーバーハングとを有する21マーとして化学的に合成されるが、近時、化学的に合成された25〜30塩基長のRNA二重鎖は、21マーと同じ部位で比較して、100倍も増大した効力を有し得ることが報告されている。RNAiの誘発においてより長いRNAを用いて得られ、観察された効力の増大は、Dicerを、産物(21マー)に代えて基質(27マー)と共に供給し、これがRISC内へのsiRNA二重鎖の移行速度または移行効率を向上させるという結果から理論づけられる。

0118

3’末端のオーバーハングの位置は、siRNAの効力に影響し、アンチセンス鎖上に3’末端のオーバーハングを有する非対称な二重鎖は、一般に、センス鎖上に3’末端のオーバーハングを有するものよりも効力が強いことが見いだされている(Rose et al., 2005)。これは、アンチセンス転写物を標的とする場合に逆の効力パターンが観察されることから、RISC内への非対称な鎖の取り込みに起因するものであり得る。

0119

二本鎖干渉RNA(例えば、siRNA)の鎖(複数)は、結合してヘアピン構造またはステムループ構造(例えば、shRNA)を形成し得る。よって、上記した本発明のいくつかの実施形態のRNAサイレンシング剤は、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)でもあり得る。

0120

本明細書で用いられる場合、用語「shRNA」は、ステムループ構造を有するRNA因子を指し、相補的配列の第1の領域と第2の領域とを含み、それらの領域の相補性の程度と配向とは、前記領域間塩基対形成が起こるのに十分であり、前記第1の領域と第2の領域とはループ領域で連結され、ループは、ループ領域内のヌクレオチド(またはヌクレオチドアナログ)間に塩基対が欠けている結果として生じる。ループ内のヌクレオチド数は、両端の数値を含み、3〜23、5〜15、7〜13、4〜9、または9〜11である。ループ内のいくつかのヌクレオチドは、ループ内のその他のヌクレオチドとの塩基対相互作用に関係していてもよい。結果として生じる一本鎖オリゴヌクレオチドは、RNAi機構と相互作用できる二本鎖領域を含むステムループ構造またはヘアピン構造を形成することを、当業者は認識するであろう。

0121

本発明のいくつかの実施形態のRNAサイレンシング剤は、RNAのみを含む分子に限定される必要はなく、さらに化学修飾ヌクレオチドおよび非ヌクレオチド包含することが理解されよう。

0122

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されたRNAサイレンシング剤は、機能的に細胞透過性ペプチドと関係し得る。 本明細書で用いられる場合、「細胞透過性ペプチド」は、細胞透過性複合体が細胞の原形質膜および/または核膜を横切る移動に関係する、エネルギーに依存しない(すなわち、非エンドサイトーシス的な)移動特性を付与する、短い(約12〜30残基)アミノ酸配列または機能モチーフを含むペプチドである。本発明のいくつかの実施形態の膜透過性複合体で用いられる細胞透過性ペプチドは、好ましくは、少なくとも1つの非機能性システイン残基を含み、前記システイン残基は、フリーであるか、誘導体化されて、ジスルフィド結合を、そのような結合のために修飾された二本鎖リボ核酸と形成するか、のいずれかである。このような特性を与える典型的なアミノ酸モチーフが、米国特許第6,348,185号明細書に記載されている(その内容は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる)。本発明のいくつかの実施形態の細胞透過性ペプチドとしては、好ましくは、ペネトラチントランスポータン、pIsl、TAT(48〜60)、pVEC、MTS、およびMAPが挙げられるが、これらに限定されない。

0123

RNAサイレンシング剤を用いて標的化されるmRNAとしては、その発現が望ましくない表現型形質と関連するmRNAが挙げられるが、これらに限定されない。標的化され得る例示的なmRNAは、切断型タンパク質をコードするmRNAであり、すなわち欠失を含むmRNAである。したがって、本発明のいくつかの実施形態のRNAサイレンシング剤は、欠失のいずれかの側の架橋領域を標的化し得る。このようなRNAサイレンシング剤を細胞内に導入することによって、非変異タンパク質に影響を与えることなく、変異タンパク質のダウンレギュレーションが引き起こされるであろう。

0124

別の実施形態によれば、RNAサイレンシング剤は、miRNAまたはmiRNA模倣物であり得る。

0125

用語「microRNA」、「miRNA」、および「miR」は、同義語であり、長さが約19〜28ヌクレオチドの非コード一本鎖RNA分子の集合であり、遺伝子発現を制御する。miRNAは、幅広い生物(ウイルス→ヒト)に見られ、発生、恒常性、および疾患の病因において役割を果たしていることが示されている。

0126

用語「microRNA模倣体」は、RNAi経路に入り、遺伝子発現を制御することができる合成非コードRNAを指す。miRNA模倣体は、内因性microRNA(miRNA)の機能を模倣し、成熟した二本鎖分子、または模倣前駆体(例えば、プレmiRNA)として設計することができる。miRNA模倣体は、修飾または非修飾RNA、DNA、RNA−DNAハイブリッド、または別の核酸化学物質(例えば、LNA、または2’−O,4’−C−エチレン−架橋核酸(ENA))から構成され得る。成熟した、二本鎖miRNA模倣体については、二重鎖領域の長さは、13〜33、18〜24、または21〜23ヌクレオチドの間でさまざまである。miRNAは、全体で、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40ヌクレオチドを含んでいてもよい。miRNAの配列は、プレmiRNAの初めの13〜33ヌクレオチドであってもよい。miRNAの配列はまた、プレmiRNAの終わりの13〜33ヌクレオチドであってもよい。

0127

ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートすることができる別の薬剤は、ECM関連ポリペプチドのmRNA転写物またはDNA配列を特異的に切断することができるDNAザイム分子である。

0128

ECM関連ポリペプチドのダウンレギュレーションは、ECM関連ポリペプチドをコードするmRNA転写物と特異的にハイブリダイズすることができるアンチセンスポリヌクレオチドを用いることによって引き起こすこともできる。

0129

ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートすることができる別の薬剤は、ECM関連ポリペプチドをコードするmRNA転写物を特異的に切断することができるリボザイム分子である。

0130

ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートすることができる別の薬剤は、ECM関連ポリペプチドに結合および/またはECM関連ポリペプチドを切断することができるあらゆる分子であろう。このような分子は、アンタゴニスト、または阻害性ペプチドであり得る。

0131

例えば、Zarrabiら(J Biol Chem.2011 Sep 23;286(38):33167−33177)は、MMP−14を阻害するペプチドを開示している。

0132

開示されたあらゆるポリペプチドの、少なくとも触媒性の、または結合性の部位の非機能性アナログもまた、ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤として使用し得ることが理解されよう。

0133

本発明のいくつかの実施形態と共にECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートするために使用することができる別の薬剤は、ECM関連ポリペプチドの活性化を阻害またはECM関連ポリペプチドへの基質の結合を阻害する分子である。

0134

追加の例示的なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤としては、ヒドロキサム酸基ヒドロキシル酸素およびカルボニル酸素を介して、二座様式で、触媒部位亜鉛イオンと特異的に相互作用する、ヒドロキサメート阻害剤、すなわち線維性コラーゲンの低分子ペプチドアナログ、が挙げられる[Grams,et al.,(1995),Biochem.34:14012−14020;Bode,et al.,(1994),EMBO J.,13:1263−1269]。

0135

ヒドロキサメート系MMP阻害剤は、一般に、炭素バックボーン(国際公開第95/29892号パンフレット、国際公開第97/24117号パンフレット、国際公開第97/49679号パンフレット、およびEP0780386)、ペプチジルバックボーン(国際公開第90/05719号パンフレット、国際公開第93/20047号パンフレット、国際公開第95/09841号パンフレット、および国際公開第96/06074号パンフレット)、またはペプチド模倣バックボーン[Schwartz,et al.,Progr.Med.Chem.,29:271−334(1992);Rasmussen,et al.,Pharmacol.Ther.,75:69−75(1997);Denis,et al.,Invest.New Drugs,15:175−185(1997)]、のいずれかから構成される。一方、ヒドロキサメート系MMP阻害剤は、フェニル環の片側に結合したスルホンアミドスルホニル基と、炭素原子1〜4個の鎖を介してヒドロキサメート基に結合したスルホンアミド窒素とを含む(欧州特許第0757984号明細書(EP0757984A1))。

0136

その他のペプチド系MMP阻害剤は、コラゲナーゼ阻害活性を示すチオールアミド(米国特許第4,595,700号明細書)、MMP−3、MMP−2、およびコラゲナーゼを阻害するビフェニルエチルグリシンを含有するN−カルボキシアルキル誘導体(Durette,et al.,国際公開第95/29689号パンフレット)、MMP、TNF−α、およびアグリカナーゼを阻害するラクタム誘導体(米国特許第6,495,699号明細書参照)、および三環系スルホンアミド化合物(米国特許第6,492,422号明細書参照)である。

0137

その他のMMP阻害剤は、in vitroでいくつかのMMPの発現をブロックすることが示された、化学修飾非微生物性テトラサイクリン類(CMT)である(Axisa,et al.,2002,Stroke 33:2858−2864)。

0138

近時、MMP活性部位に関するX線結晶学的情報に従って、メカニズムに基づくMMP阻害剤、すなわちSB−3CT、が設計された(Brown,et al.,2000)。X線吸収の研究により、この分子が触媒亜鉛に結合すると、活性部位金属イオン周辺のコンフォメーション環境が再構築され、プロ酵素のものに戻ることが明らかとなった[Kleifeld,et al.,2001,J Biol.Chem.276:17125−31]。

0139

併用療法の面に関して、併用療法化合物は、上記化合物を投与するのと同じ投与経路(例えば、肺内、経口、経腸など)によって投与し得る。代わりに、併用療法のために用いる薬剤は、本明細書に記載された薬剤と共に、異なる投与経路によって投与してもよい。

0140

ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤は、抗病原体剤の直前(または直後)に投与してもよく、抗病原体剤と同日に、1日前(または後)、1週間前(または後)、1か月前(または後)、または2か月前(または後)などに投与してもよい。

0141

ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートする薬剤と抗病原体剤とは、同時に投与してもよく、すなわち、これらの各薬剤は、互いの投与が部分的または完全に重なり合う時間間隔で投与がなされてもよい。本明細書に記載された薬剤は、互いに重なり合わない時間間隔の間に投与してもよい。例えば、第1の薬剤をt=0〜1時間の時間帯内に投与してもよく、一方で第2の薬剤をt=1〜2時間の時間帯内に投与してもよい。また、第1の薬剤をt=0〜1時間の時間帯内に投与してもよく、一方で第2の薬剤をt=2〜3時間、t=3〜4時間、t=4〜5時間、t=5〜6時間、t=6〜7時間、t=7〜8時間、t=8〜9時間、t=9〜10時間などの時間帯内のどこかで投与してもよい。さらに、第2の薬剤は、t=−2〜3時間、t=−3〜4時間、t=−4〜5時間、t=5〜6−時間、t=−6〜7時間、t=−7〜8時間、t=−8〜9時間、t=−9〜10時間の時間帯中のどこかで投与してもよい。

0142

本発明の薬剤は、典型的には、感染を処置および/または二次感染に関連する症状または疾患を軽減させるための総量で提供される。この量は、使用のために選択した特定の薬剤、他の処置様式の性質および数、処置、予防および/または緩和すべき状態、対象の種、年齢性別、体重、健康状態および予後、投与様式、標的化の有効性滞留時間、クリアランス様式、薬剤の副作用の種類および重大さに明らかに依存し、当業者に明らかであろうその他多くの因子に明らかに依存するであろう。

0143

本発明者らは、MMP−14に結合し、ダウンレギュレートする抗体の投与によって、二次感染の合併症が予防されることを示した。より具体的には、本発明者らは、MMP−14抗体を抗ウイルス剤と一緒に投与することによって、(一次感染として)インフルエンザウイルスと、(二次感染として)肺炎球菌(S.pneumoniae)とに感染した動物の症状が軽減することを示した。

0144

よって、本発明者らは、ECM関連ポリペプチドを特異的にダウンレギュレートする薬剤と、抗病原体剤との投与によって、二次感染が予防(または二次感染の症状が軽減)され得ることを提唱する。

0145

よって、本発明の別の態様によれば、病原体に感染した対象における、二次感染に関連する疾患の処置または予防方法であって、病原体に対する治療有効量の抗病原体剤と、ECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤とを対象に投与し、それによって、対象における、二次感染に関連する疾患を処置または予防することを含む、疾患の処置または予防方法が提供される。

0146

本明細書で用いられる場合、語句「二次感染」は、別の既存の感染の処置中または処置後に起こる感染を指す。二次感染は、処置自体によって、または免疫系の変化によって起こり得る。

0147

用語「予防」は、二次感染の発生を阻害もしくは阻止すること、および/または二次感染の症状の予防、減少、軽減、または後退をもたらすことを指す。

0148

特定の実施形態によれば、本発明が提唱する併用療法は、合併症を減少させ、または二次感染に関連する疾患(例えば敗血症)を処置する。

0149

二次感染は、細菌感染、ウイルス感染、または真菌感染であり得る。

0150

一次感染および二次感染は、典型的には、同じ臓器(例えば、肺および/または気道)の感染である。

0151

一実施形態において、一次感染は、ウイルス感染(例えばインフルエンザ)であり、二次感染は、細菌感染(例えば肺炎球菌(S.pneumoniae))である。

0152

別の実施形態において、一次感染は、細菌感染であり、二次感染は、ウイルス感染である。

0153

さらに別の実施形態において、一次感染は、ウイルス感染であり、二次感染は、真菌感染である。

0154

さらに別の実施形態において、一次感染は、細菌感染であり、二次感染は、真菌感染である。

0155

本発明のさらに別の態様によれば、インフルエンザの処置を必要とする対象における、インフルエンザの処置方法であって、少なくとも1つのECM関連ポリペプチドをダウンレギュレートする治療有効量の薬剤を対象に投与し、それによって、インフルエンザを処置することを含む、インフルエンザの処置方法が提供される。

0156

ECM関連ポリペプチドは、上記の部分で説明されている。特定の実施形態によれば、ECM関連ポリペプチドは、表1に記載されているもの、例えばMT1−MMP1である。

0157

特定の実施形態によれば、インフルエンザの処置は、かなりの量のMT1−MMP1をダウンレギュレートする抗体(例えば、上記の部分で説明したもの)を投与することによって実施される。

0158

ECMの崩壊を予防するために、好ましくは、薬剤は、インフルエンザウイルスの症状が始まった後5日以内、インフルエンザウイルスの症状が始まった後4日以内、インフルエンザウイルスの症状が始まった後3日以内、インフルエンザウイルスの症状が始まった後2日以内、さらにインフルエンザウイルスの症状が始まった後1日以内に与えられる。

0159

本明細書に記載されたあらゆる方法および使用において、薬剤は、それ自体で、またはさらに医薬的に(または化粧的に)許容され得る担体を含む医薬組成物中で用いることができる。

0160

一実施形態において、薬剤は、同じ医薬組成物中に一緒に製剤化される。

0161

別の実施形態において、薬剤は、別々の医薬組成物中に製剤化される。 別々の医薬組成物は、単一の製造品、例えばキットに含まれていてもよい。

0162

本明細書で用いられる場合、「医薬組成物」は、1つまたは複数の本明細書に記載された活性成分の、生理学的に適切な担体および賦形剤などの他の化学成分を共に含む製剤を指す。 医薬組成物の目的は、生物に対する化合物の投与を容易にすることである。

0163

本明細書において、用語「活性成分」は、本明細書に記載されたあらゆる薬剤を指す。医薬組成物は、特定の疾患の処置に有用だと知られている追加の活性薬剤を含んでいてもよいことが理解されよう。

0164

以下、語句「生理学的に許容され得る担体」および「医薬的に許容され得る担体」は、互換的に使用されることがあり、生物に対して著しい刺激の原因とならず、投与した化合物の生物学的活性および特性を抑制しない、担体または希釈剤を指す。アジュバントは、これらの語句に含まれる。

0165

本明細書において、用語「賦形剤」は、活性成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に加えられる不活性物質を指す。賦形剤の例としては、炭酸カルシウムリン酸カルシウム,種々の糖およびデンプン類セルロース誘導体ゼラチン植物油、およびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。

0166

本発明の医薬組成物は、当技術分野で周知のプロセス、例えば通常の混合プロセス溶解プロセス造粒プロセス糖衣錠製造プロセス、研和プロセス、乳化プロセス、カプセル化プロセス、封入プロセス、または凍結乾燥プロセスによって製造することができる。

0167

よって、本発明に従って使用するための医薬組成物は、医薬的に使用することができる賦形剤および助剤(これらは活性成分の製剤への加工を容易にする)を含む1種または複数の生理学的に許容され得る担体を用いて、通常のやり方で製剤化し得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。

0168

注射のために、医薬組成物の活性成分は、水溶液で製剤化してもよく、好ましくは、ハンクス液リンゲル液、または生理食塩水バッファーなどの生理学的に適合性のバッファーで製剤化してもよい。

0169

適切な投与経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜、特に経鼻腸管、または、非経口送達、例えば筋肉内注射皮下注射、および内注射、ならびに髄腔内注射、直接的脳室内注射心臓内注射、例えば右心室腔内または左心室腔内への心臓内注射、総冠動脈内注射、静脈内注射腹腔内注射鼻腔内注射、もしくは眼内注射を含む非経口送達が挙げられ得る。

0170

特定の実施形態によれば、投与経路は局所送達である。

0171

あるいは、医薬組成物を、全身的ではなく、局所的に投与してもよく、例えば、医薬組成物を、患者の組織領域内への直接的な注射によって投与してもよい。

0172

本発明の医薬組成物は、当技術分野で周知のプロセス、例えば通常の混合プロセス、溶解プロセス、造粒プロセス、糖衣錠製造プロセス、研和プロセス、乳化プロセス、カプセル化プロセス、封入プロセス、または凍結乾燥プロセスによって製造することができる。

0173

よって、本発明に従って使用するための医薬組成物は、医薬的に使用することができる賦形剤および助剤(これらは活性成分の製剤への加工を容易にする)を含む1種または複数の生理学的に許容され得る担体を用いて、通常のやり方で製剤化し得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。

0174

注射のために、医薬組成物の活性成分は、水溶液で製剤化してもよく、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩水バッファーなどの生理学的に適合性のバッファーで製剤化してもよい。経粘膜投与のために、製剤には、透過すべきバリアに適した浸透剤が用いられる。このような浸透剤は、本技術分野で一般に知られている。

0175

経口投与のために、医薬組成物は、活性化合物を、当技術分野で周知の医薬的に許容され得る担体と組み合わせることによって、容易に製剤化することができる。このような担体は、医薬組成物を、患者が経口摂取するための、錠剤丸薬、糖衣錠、カプセル液剤、ゲル、シロップ剤スラリー、懸濁液などに製剤化することを可能にする。経口使用のための薬理学的製剤は、固形賦形剤を使用して製造することができ、場合により得られた混合物すりつぶし細粒混合物を処理し、必要であれば適切な助剤を加えた後、錠剤または糖衣錠の核を得ることができる。適切な賦形剤は、特に、ラクトーススクロースマンニトール、またはソルビトールを含む糖類;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプンコムギデンプンコメデンプンバレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴムメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなど;および/またはポリビニルピロリドンPVP)などの生理学的に許容され得るポリマー、などのフィラーである。必要であれば、架橋ポリビニルピロリドン寒天、もしくはアルギン酸、またはこれらの塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を加えてもよい。

0176

糖衣錠の核は、適切なコーティングを施して提供される。この目的のために、濃縮糖液を使用してもよく、前記濃縮糖液は、場合により、アラビアゴムタルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタンラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含んでいてもよい。識別のために、または活性化合物の用量に関する種々の配合を特徴付けるために、染料または顔料を、錠剤または糖衣錠のコーティングに加えてもよい。

0177

経口で使用できる医薬組成物としては、ゼラチンでできた押し込みカプセル、ならびにゼラチンと、グリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とでできたソフトシールドカセルが挙げられる。押し込みカプセルは、活性成分を、ラクトースなどのフィラー、デンプンなどの結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および、場合により、安定化剤と混合して含んでいてもよい。ソフトカプセルにおいて、活性成分は、脂肪油流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁していてもよい。さらに、安定化剤を加えてもよい。経口投与のための全ての製剤は、選択された投与経路に適切な用量であるべきである。

0178

口腔投与のために、組成物は、通常のやり方で製剤化した、錠剤またはロゼンジの形態であってもよい。

0179

経鼻吸入による投与のために、本発明に従って使用するための活性成分は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタントリクロロフルオロメタンジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素を使用して、加圧包装またはネブライザーから出るエアゾールスプレーの形態で便宜に送達される。加圧エアゾールの場合、投薬単位は、定量を送達するようにバルブを設けることによって決定することができる。分注器で用いるための、(例えばゼラチンの)カプセルおよびカートリッジは、化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基材とのパウダーミックスを含めて製剤化してもよい。

0180

本明細書に記載された医薬組成物は、非経口投与、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために製剤化してもよい。注射のための製剤は単位投与剤形、例えばアンプルで、または複数回投与容器で、場合により保存剤を加えて提供され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、または乳濁液であってもよく、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤用薬剤を含んでいてもよい。

0181

非経口投与のための医薬組成物は、水溶性形態活性製剤の水溶液を含む。さらに、活性成分の懸濁液は、適切な油性または水性注射用懸濁液として調製してもよい。適切な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルトリグリセリド、またはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性の注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランを含んでいてもよい。場合により、懸濁液は、適切な安定化剤、または活性成分の溶解性を増大させ、非常に濃厚な溶液の調製を可能にする薬剤も含んでいてもよい。

0182

一方、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、無菌パイロジェンフリー水を基にした溶液を用いて構成するための、粉末形態であってもよい。

0183

本発明の医薬組成物はまた、例えば、カカオバター、またはその他のグリセリドなどの通常の坐剤基剤を用いて、坐剤または停留浣腸などの直腸用組成物に製剤化してもよい。

0184

本発明に関して、使用に適した医薬組成物としては、意図する目的を達成するのに有効な量の活性成分を含む組成物が挙げられる。より具体的には、治療有効量は、障害(例えば、線維性疾患または炎症性疾患)の症状を予防、緩和、もしくは改善、または処置している対象の生存期間延長するのに有効な、活性成分(例えば、本明細書に記載された化合物)の量を意味する。

0185

治療有効量の決定は、特に本明細書に示された詳細な開示を考慮すると、十分に当業者の能力の範囲内である。

0186

本発明の方法で使用されるあらゆる調製物について、治療有効量または治療有効用量は、所望の濃度または力価を達成する動物モデルから推定することができる。このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために利用することができる。

0187

本明細書に記載された活性成分の毒性および治療有効性は、実験動物における標準的な製薬学的手順に従って決定することができる。これらの動物実験から得られたデータは、ヒトで用いる用量範囲の策定に利用することができる。用量は、採用する剤型および利用する投与経路によって異なり得る。的確な製剤、投与経路、および用量は、患者の状態を考慮して、個々の医師によって選択され得る(例えば、Fingl,et al.,1975,in“The Pharmacological Basis of Therapeutics”,Ch.1 p.1を参照のこと)。

0188

投薬量および間隔は、正常血糖最小有効濃度、MEC)を誘導するのに十分な細胞数をもたらすように、個別に調節しうる。MECは、製剤ごとに異なるであろうが、in vitroデータから推定し得る。MECを実現するために必要な用量は、個々の特性および投与経路に依存するであろう。検出アッセイを、血漿中濃度を決定するために使用することができる。

0189

投与する組成物の量は、当然ながら、処置している対象、疾病重篤度、投与のやり方、処方する医師の判断などに依存するであろう。

0190

本発明の組成物は、必要であれば、パックまたは分注装置、例えばFDA承認したキット、で提供してもよく、それらは活性成分を含む1または複数の単位投与剤型を含んでいてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックのように、金属またはプラスチックホイルを含んでいてもよい。パックまたは分注装置には、投与指示書が添付されていてもよい。パックまたは分注器はまた、医薬品の製造、使用、または販売規制している政府機関が規定する形態で、容器に付けられる注意書き適応していてもよく、前記注意書きは、組成物の形態、またはヒトもしくは動物への投与に関する政府機関による承認を反映している。このような注意書きは、例えば、処方薬に関する、米国食品医薬品局によって承認されたラベルの注意書きであってもよく、承認された製品への差し入れ物であってもよい。適合する医薬担体で製剤化された、本発明の調製物を含む組成物もまた、上記部分でさらに詳述されているかのごとく、調製し、適切な容器に入れ、指示された状態を処置するためのラベルを付けることができる。

0191

本出願から生じた特許の期間中に、多くの関連する抗ウイルス/抗菌剤が開発されるであろうことが予期され、用語抗ウイルス/抗菌の範囲は、先験的に、このような新たなテクノロジーの全てを含むことを意図している。
本明細書で用いられる場合、用語「約(about)」は、±10%を指す。

0192

用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」、およびこれらの活用形は、「含むが、これらに限定されない」を意味する。

0193

用語「からなる(consisting of)」は、「含み、これらに限定される」を意味する。

0194

用語「から本質的になる」は、組成物、方法、または構造が、追加の成分、工程および/または部分を含み得ることを指すが、追加の成分、工程、および/または部分が、クレームした組成物、方法、または構造の基本的かつ新たな特性を実質的に変えない場合に限られる。

0195

本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、明らかに文脈に反しない限り、複数形への言及を含む。例えば、用語「化合物(a compound)」、または「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物を含んでもよく、その混合物も含み得る。

0196

本出願全体にわたって、本発明の種々の実施形態が範囲の形式で示されているであろう。範囲の形式での記載は、便宜および簡潔のために過ぎず、本発明の範囲に対する硬直的な限定と解釈すべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、その範囲内の、可能な全てのサブレンジ、ならびに個々の数値を具体的に開示しているものとみなすべきである。例えば、1〜6のような範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などのサブレンジ、ならびにこの範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、および6を具体的に開示しているものとみなすべきである。これは、範囲の広さとは無関係にあてはまる

0197

本明細書で数値範囲が示されている場合はいつでも、示された範囲内の、引用されたあらゆる数値(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数および第2の指示数の間の「範囲(ranging/ranges)」、ならびに第1の指示数から第2の指示数までの「範囲(ranging/ranges」、という語句は、本明細書において互換的に用いられ、第1の指示数および第2の指示数、ならびにその間の全ての分数および整数を含むことを意味する。

0198

本発明の特定の特徴は、明確性のために、別々の実施形態の文脈中に記載されているが、単一の実施形態の中で組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、本発明の種々の特徴は、簡潔性のために、単一の実施形態の文脈中に記載されているが、別々に提供すること、もしくは適切なあらゆるサブコンビネーションで提供すること、または他に記載された本発明のあらゆる実施形態において適切なように提供することができる。種々の実施形態の文脈中に記載された特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除き、それらの実施形態の不可欠な特徴とみなすべきではない。

0199

上述の部分で記載し、下記の特許請求の範囲の項目で記載した、本発明の種々の実施形態および態様には、以下の実施例における実験的なサポートがある。

0200

以下の実施例を参照し、上記の詳細な説明と合わせて、本発明のいくつかの実施形態を、非限定的な様式で例証する。

0201

一般に、本明細書で用いられる命名法および本発明で利用される実験手順としては、分子的、生化学的、微生物学的、および組換えDNA技法が挙げられる。このような技法は、文献で十分に説明されている。例えば、“Molecular Cloning:A laboratory Manual”Sambrook,et al.,(1989);“Current Protocols in Molecular Biology”Volumes I−III Ausubel,R.M.,ed.(1994);Ausubel,et al.,“Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989);Perbal,“A Practical Guide to Molecular Cloning”,John Wiley&Sons,New York(1988);Watson,et al.,“Recombinant DNA”,Scientific American Books,New York;Birren et al.(eds)“Genome Analysis:A Laboratory Manual Series”,Vols.1−4,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998);米国特許第4,666,828号明細書;米国特許第4,683,202号明細書;米国特許第4,801,531号明細書;米国特許第5,192,659号明細書;米国特許第5,272,057号明細書に記載された方法論;“Cell Biology:A Laboratory Handbook”,Volumes I−III Cellis,J. E.,ed.(1994);“Culture of Animal Cells−A Manual of Basic Technique”by Freshney,Wiley−Liss,N.Y.(1994),Third Edition;“Current Protocols in Immunology”Volumes I−III Coligan J.E.,ed.(1994);Stites et al.(eds),“Basic and Clinical Immunology”(8th Edition),Appleton&Lange,Norwalk,CT(1994);Mishell and Shiigi(eds),“Selected Methods in Cellular Immunology”,W.H.Freeman and Co.,New York(1980)を参照のこと;利用可能なイムノアッセイは、特許および学術文献に広く記載されており、例えば、米国特許第3,791,932号明細書;米国特許第3,839,153号明細書;米国特許第3,850,752号明細書;米国特許第3,850,578号明細書;米国特許第3,853,987号明細書;米国特許第3,867,517号明細書;米国特許第3,879,262号明細書;米国特許第3,901,654号明細書;米国特許第3,935,074号明細書;米国特許第3,984,533号明細書;米国特許第3,996,345号明細書;米国特許第4,034,074号明細書;米国特許第4,098,876号明細書;米国特許第4,879,219号明細書;米国特許第5,011,771号明細書;および米国特許第5,281,521号明細書;“Oligonucleotide Synthesis” Gait,M. J.,ed.(1984);“Nucleic Acid Hybridization” Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1985);“Transcription and Translation” Hames,B. D.,and Higgins S. J.,eds.(1984);“Animal Cell Culture” Freshney,R. I.,ed.(1986);“Immobilized Cells and Enzymes”IRL Press,(1986);“A Practical Guide to Molecular Cloning”Perbal,B.,(1984)and “Methods in Enzymology”Vol.1−317,Academic Press;“PCRProtocols:A Guide To Methods And Applications”,Academic Press,San Diego,CA(1990);Marshak,et al.,“Strategies for Protein Purification and Characterization−A Laboratory Course Manual” CSHLPress(1996)を参照のこと;(これら全ては、参照によりあたかも本明細書に全て記載されているかのように組み込まれる)。その他の一般的な参考文献は、本文書全体にわたって示されている。それらの参考文献中の手順は、当業者に周知であると考えられ、読者の便宜のために提供する。参考文献中に含まれる情報は、全て参照により本明細書に組み込まれる。
材料および方法

0202

インフルエンザウイルスおよび肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)バクテリア剤マウス馴化PR8ウイルス、すなわちインフルエンザA/プエルトリコ/8/34(A/PR/8/34,H1N1)、を、鶏卵羊膜で持続的に増殖させ、インフルエンザ有効力価を、以前の報告通りに定量した(Achdout,et al.,2003)。肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌(S.pneumoniae))の莢膜を有する株であるD39タイプ2株を、トッド−ヒューイットブロス(Difco Laboratories)で増殖させた。
単離およびマウスの感染のために、細菌を、3%(vol/vol)ヒツジ赤血球補足したトリプチックソイ寒天(Hylab Laboratories)上で、37℃で終夜増殖させ、次いで4000g、20分間の遠心によって収集して細菌をペレット化し、それを所望の濃度に希釈した。

0203

感染手順雌性C57BL/6Jマウス(4〜5週齢)をケタミンキシラジン麻酔し、50μlの希釈したウイルスを鼻腔内に接種した。インフルエンザA/プエルトリコ/8/34(A/PR/8/34、H1N1)株、9×107PFU/ml、HA1:1,024を含有する同一のストックを、全ての実験に使用した。インフルエンザ感染の病因を研究するために、致死量に等しい4×103PFUのインフルエンザPR8ウイルスを、C57BL/6マウスの鼻腔内に感染させた。マウスは、感染から3、7、11、26、32、49、74、98、122、148時間後に屠殺し、肺を回収してRNAを単離するためにホモジナイズした。抗MT1−MMP阻害剤の有効性を、単一ウイルス感染モデル、および肺炎球菌(S.pneumoniae)(致死量に達しない800PFUを用いた)を組み合わせた二重感染モデルの両方において研究するために、適宜希釈して同じ経路で投与した。肺炎球菌(S.pneumoniae)は、3%(vol/vol)ヒツジ赤血球を補足したトリプチックソイ寒天(Hylab Laboratories)上で増殖させた。肺炎球菌を無菌PBSで希釈し、ウイルス感染の4日後に30CFUの用量で、容積50μlを鼻腔内に投与した。マウスを麻酔し、接種の間、立位に保った。マウスは、加重し、少なくとも1日1回、疾病および死亡をモニターした。全ての動物手順は、IACUCのガイドラインに従って実施し、ワイツマ科学研究所の委員会によって承認された。

0204

動物の処置マウスは、単一感染実験ならびに重複感染実験において、注射あたり合計量100μlで、毎日腹腔内投与によって、3mg/kgのLEM2/15Fabフラグメントで処置された。GST−Fab(本文中では対照Fabとして示されている)は、非関連対照としての役割を果たし、LEM2/15処置群と同じ用量で投与された。PBSは、ビヒクル対照として用いた。

0205

LEM2/15(抗MT1−MMP抗体)の精製 LEM−2/15のハイブリドーマ細胞は、DCCM(ハイブリドーマ細胞の増殖およびモノクローナル抗体の産生のために設計された無血清培地、Biological Industriesから購入)で増殖させた。細胞を193gの遠心によって沈殿させ、上清を集めた。上清を、20mMリン酸バッファー(pH8)に対して透析した。1mlのHiTrap protein A HPカラムを100mMリン酸バッファー(pH8)で平衡化し、上清を1ml/分で負荷した。抗体を、100mMクエン酸バッファー(pH6)で溶出させ、50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaClに対して透析した。

0206

パパインによる抗体消化パパインを、0.5M Tris−HCl(pH8)、10mMEDTA、5mMジチオスレイトール中、370℃で15分間活性化した。活性型パパインを、インタクトなLEM−2/15の溶液に1:1,000の割合で加え、消化処理を370℃で3時間行った。消化反応を、20mMヨードアセトアミドを加え、暗所、室温、30分間で終了させた。Fabフラグメントを、プロテインAカラムによってFcから分離し、素通り画分からFabフラグメントを集め、50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaClに対して透析した。Fabフラグメントの純度は、12%SDS−PAGEゲルによって推定した。純粋なFabフラグメントをフィルターにかけて無菌性を確実にし、使用まで−80℃の条件で保存した。

0207

グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)−Fabフラグメント全GST抗体から、上記の部分に記載したようにして(パパインによる抗体消化)、Fabフラグメントを作製した。

0208

ウイルス負荷および細菌負荷の定量肺におけるウイルス力価は、MDCK細胞上で器官ホモジネートを滴定することによって決定し、プラーク形成単位(PFU)は、(Okuda et al.,2001)に記載されているようにして定量した。肺炎球菌(Strep.pneumoniae)レベルは、滴定した量の器官ホモジネートを、3%ヒツジ赤血球(Hylab Laboratories)を補足したトリプチックソイ寒天プレート上で培養することによって決定した。器官は、GentleMACSを用いて、PFUのためには、1mlの適切なバッファーで、または肺炎球菌(Strep.pneumoniae)についてのCFUのためには、10mlの滅菌水でホモジナイズした。ウイルス負荷もまた、以前に患者のウイルスの検出に関して記載されているようにして(Hindiyeh,et al.,2005)、qPCRを用いて定量した。肺炎球菌(S.pneumoniae)の同定は、以前に記載されているようにして(Ogunniyi,et al.,2002)、qPCRを用いて行った。メイディンダービーイヌ腎臓(MDCK)細胞上で滴定したインフルエンザA(A/PR/8/34)ウイルスの段階希釈物は、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)によってインフルエンザウイルス量を決定するための標準品として用い、qPCR結果をウイルス負荷数に変換した。

0209

RNAの単離肺を取り出し、直ちにRNA Latter溶液(Invitrogen)中に移した。RNA単離のために、QIAzol存在下で肺を小片に切断し、SPEX CertiPrepホモジナイザーを用いてホモジナイズし、全RNAをmiRNeasy Mini Kit(Qiagen)で抽出した。RNA integrityを決定し(Tapestation、Agilent Technologies)、Qubit Fluorometric定量装置(LifeTechnologies)で濃度を測定した。

0210

RNAシークエンシングライブラリの調製RNAシークエンシングのために、(Jaitin,et al.,2014)に記載されているように、MARS−seq技法の派生法を用いた。簡潔に言えば、全RNAを、化学的な加熱処理(95℃)を4時間30分にわたって行うことにより、平均サイズが300ヌクレオチドのフラグメントに断片化した(NEBNext Magnesium RNA Fragmentation Module)。3’ポリアデニル化フラグメントを、ポリdTビーズ(Dynabeads、Invitrogen)で選択することによって濃縮した。鎖特異的なcDNAを、ポリT−VNオリゴ(18T)およびAffinity Script逆転写酵素(Agilent)を用いて合成した。二本鎖DNAを、Second strand synthesis kit (NEB)を用いて得た。DNAの末端を、T4ポリヌクレオチドキナーゼおよびT4ポリメラーゼ(NEB−Next)を用いて修復した。クレノウ酵素(NEB−Next)を用いて、アデニン塩基の残基を5’末端に付加した後、各フラグメントにbarcode Illumina互換性アダプター(IDT)をライゲートした。洗浄したDNAフラグメントを、ライゲートしたアダプターに特異的なプライマー(IDT)を用いてPCR(12サイクル)で増幅させた。各ライブラリの品質は、TapeStation(Agilent)によって解析した。

0211

RNA−Seqデータの前処理 RNA−seqは、Lavinら(2014)が記載しているようにして行った。簡潔に言えば、全ての読み取りデータ(全肺(図1)から、および細胞集団(図8)からの両方とも)を、TopHat alignerを用いて、マウスリファレンスゲノム(NCBI37/MM9)に対してアラインさせた。正規化した発現テーブルを、負の二項分布および局所回帰モデルに基づく、ESAT garberlabdotumassmeddotedu/software/esat/を用いて作成した。データ操作:値が1度だけ0超であった遺伝子をテーブルから除外する;データの結果が33である(ノイズは32にセットした)75パーセンタイルを計算する;列の最大値を見つけ、最大値が<32であった場合は除外する;x+32のとしてのlog2の値;平均複製数;最大値が、0.8分超(2倍ではなく、1.75倍であることに留意)である列はそのままにする;20クラスターについてのmatlabにおけるK平均;遺伝子Eにおいて、視覚目的の写真についてのクラスターを手作業で順に並べた。

0212

qPCR: 全RNAを、high capacitycDNAreverse transcription kit(Applied Biosystems)を用いて逆転写し、cDNAにした。RT−PCRを、LightCycler480 SYBR green Iマスターミックス(Roche)で、正規化のためにGAPDHおよびβ−アクチンを用いて、3重で行った。プライマーのリストを、以下の表2Aに示す。

0213

ゲル内タンパク質分解および質量分析肺試料を、2%Tritonを補足した0.5%EDTAを用いて、24時間振盪して脱細胞化した。次いで試料を、Speedvacを用いて脱水し、加重した。次いで、試料を(50mM Tris−HCl、150mM NaCl、5mM MgCl2、5mM CaCl2、pH7.4)中のTNCバッファー中で、容積120μl、30℃で、24時間振盪して、500nMの活性化MMP−13を用いて、溶液内消化させた。活性化MMP−13の容積および濃度は、各試料の重量に従って調節し、各試料は2重で実施した。タンパク質抽出物を、短時間用のSDS−PAGEにかけた。ゲル中のタンパク質は2.8mM DTT(60℃、30分間)で還元し、100mM炭酸水素アンモニウム中、8.8mMヨードアセトアミド(暗所、室温、30分間)で変性させ、10%アセトニトリルおよび10mM炭酸水素アンモニウム中、修飾トリプシン(Promega)、酵素−基質比1:10、終夜、37℃で消化した。さらに、2回目トリプシン処理を4時間行った。得られたトリプシンペプチドを、Reprosil逆相材料(Dr Maisch GmbH、Germany)を充填した0.075×200mmの溶融シリカキャピラリー(J&W)で逆相クロマトグラフィーによって分離した。ペプチドは、流速0.25μl/分で、7〜40%の95分間のリニアグラジエントと、8分間の95%アセトニトリル/0.1%ギ酸(水中)によって溶出させた。質量分析は、イオントラップ質量分析計(Orbitrap XP、Thermo)によって、ポジティブモードで、反復的MSフルスキャンを用いて行い、続いて最初のMSスキャンから選んだ7つの最も顕著なイオンについて、衝突誘起解離(collision induces dissociation)(CID)を用いて行った。

0214

質量分析データは、MaxQuant 1.3.0.5ソフトウェアを用いて、Uniprotデータベースのマウスセクションを、マストランスを前駆体質量に対して20ppmに設定して検索し、解析した。ペプチドレベルおよびタンパク質レベルの発見率(FDR、false discovery rate)は、ターゲットデコイストラテジー(target−decoy strategy)を用いて、1%でフィルタリングした。タンパク質テーブルは、リバースデータベースからの同定、ならびに一般的な混入物および単一ペプチドの同定を除外するためにフィルタリングした。データは、前記と同じソフトウェアを用いて、ペプチドに関する抽出したイオンカレント(XIC、extracted ion current)に基づいて、ラベルフリー分析によって定量した。抽出したイオンカレント(XIC)によって、あらゆる実験において同定した各ペプチドの各LC/MS測定からの定量が可能となる。ECM関連タンパク質を探索するために、GORILLA Bioinformatics Resourcesを用いてアノテーションを決定した。

0215

ウェスタンブロット肺試料を、gentleMACS(Miltenyi Biotec)をメーカー使用説明書に従って使用して、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)を含む、500μlのrippaバッファーを用いてホモジナイズした。次いで、タンパク質レベルをBCAキット(Pierce Biotechnology)を用いて測定し、2重で、小型電気泳動装置(Bio−Rad Laboratories,Inc.)を用いて、SDS−PAGEゲルで泳動した。分離したポリペプチドを、25%メタノールを含むトリスグリシンバッファー中でニトロセルロース膜に転写した。膜を5%粉乳ブロッキングし、次いでヤギ抗MMP−8抗体(SantaCruz)、ウサギ抗MMP−9抗体(Abcam)、またはウサギ抗MT1MMP抗体(Abcam)とインキュベートした。各手順において、アッセイ間の変動を避けるために、ウサギ抗GAPDH抗体(SantaCruz)を含めた。ニトロセルロース膜を、ヤギ抗ウサギHRP標識抗体(Abcam)、またはウシ抗ヤギHRP標識抗体(Sigma)とインキュベートした。膜は、EZ−ECL化学発光検出キット(Biological industries)を用いて現像した。各アッセイにおいて、タンパク質分子量標準品(PageRuler Prestained Protein ladder、Fermentas)を含めた。

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