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技術 NO含有組成物

出願人 ユニヴァーシティーコートオブザユニヴァーシティーオブセントアンドリューズ
発明者 ダンカンモルヴァンウォレンダースチュアートモーリスラッセルエドワードカッターネオダミアーノ
出願日 2016年1月28日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2017-541086
公開日 2018年3月15日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-507198
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 食品の着色及び栄養改善 非環式または炭素環式化合物含有医薬 有機低分子化合物及びその製造 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化粧料 農薬・動植物の保存
主要キーワード 密封チャンバ内 UV管 配位ポリマー 単一タイプ 有機活性剤 引き金機構 プラスチック配合物 一般プロセス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

金属有機構造体(MOF)がMOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外NO放出化合物を含むもの、NO放出化合物およびその調製および使用が開示される。MOFとNO放出化合物は、外部刺激の適用時にNOを放出させることができ、複数の抗菌および/または薬剤作用機序を有する材料を提供し得る。

概要

背景

組成物や材料から抗菌剤または他の活性剤放出プロファイルを制御する機能は、感染または汚染を防止するその有効性に重要である。
活性剤の放出の初期速度半減期は、材料または組成物の有効性において重要な因子であり得る。さらに、環境因子を変化させることにより活性剤または薬剤の組み合わせの放出を開始または刺激する機能もまた、例えば活性剤の標的放出を可能にすることによって、極めて重要な役割を果たすことができる。
一酸化窒素(NO)は、抗菌特性を有する小分子であり、生物学的プロセスの範囲においても重要であるのでかなりの関心を集めている。それは、動脈および静脈中の血流量を増加させる血管拡張剤であり、血小板粘着および凝集を制御する際の重要な因子でもある。それは、また、免疫系に重要な役割を担っている。現在、一酸化窒素の作用機序について多くのことが知られており、生体内生体外の両方の用途における医薬バイオテクノロジーにおいて莫大な可能性を有することは明らかである。
一酸化窒素の制御された送達は、治療において重要であり得る。例えば、一酸化窒素は、動脈塞栓におけるバルーン血管形成およびステント挿入後の血栓症および再狭窄を防止することができる(国際特許出願WO 95/24908)。皮膚への一酸化窒素の送達もまた、関節炎およびレイノー症候群のような状態で起こることができる末梢循環問題をもった患者に治療上の利点を有し得る。一酸化窒素は、また、創傷治癒血管形成関与し、例えば、高齢の患者において生じることができる治癒緩慢である場合、創傷への一酸化窒素の送達は有益であり得る(M. Shabani et al, Enhancement of wound repair with a topically applied nitric oxide-releasing polymer Wound repair and regeneration, 4, 353, 1996およびS. Frank H. Kampfer, C. Wetzler, J. Pfeilschifer, Nitric oxide drives skin repair: Novel functions of an established mediator Kidney International, 61, 882, 2002)。

しかしながら、一酸化窒素がガスであることから所望の領域へおよび必要な最適用量での一酸化窒素の送達はしばしば困難である。生体外、例えばバイオテクノロジー用途および生体内、例えば医療用途の両方において、一酸化窒素の送達は困難である。
下記のような一酸化窒素送達の様々な方法が知られている
(a)自発的にNOを放出する分子;
(b)代謝されてNOを与える分子;
(c)光活性化によりNOを放出する分子;
(d)ポリマーおよびポリマーコーティングからのNOの放出;
(e)ゼオライトおよび金属有機構造体(MOF)からのNO放出
クラス(a)の分子には、一酸化窒素求核錯体(ノノエート)が含まれる(C.M.Maragos et al., Complexes of NO with nucleophiles as agents for the controlled biological release of nitric-oxide-vasorelaxant effects J. Med. Chem, 34, 3242, 1991)。多数の官能基がNOと錯体形成することができるが、ほとんどの一般的ノノエートは、第一級および第二級アミンから形成され(例えば米国特許第4954526号に記載されている)、NOがアミン部分、好ましくは第二級アミンに結合している。これらのノノエートは、ジアゼニウムジオレートとしても知られている。
現在、治療におけるノノエートの使用は、選択性を損なうことになる身体全体に分散されることから制限されている。さらなる問題は、多くのノノエートが本質的に不安定であり、高pHでさえ貯蔵寿命が短く、生物学的条件において半減期が比較的短い(数分程度)ことである。

それにもかかわらず、いくつかのノノエートは、制御放出物質として、温度、pH、水への曝露、光活性化が引き金となる一酸化窒素を放出する見込みを示した。
(Aloka Srinivasan, Naod Kebede , Joseph E. Saavedra , Alexander V. Nikolaitchik, Daniel A. Brady, Emily Yourd, Keith M. Davies , Larry K. Keefer and John P. Toscano J. Am. Chem. Soc. 2001, 13;123(23):5465-72)には、ノノエートからNOの光活性化放出が記載されている。しかしながら、別の分解経路から生じる潜在的毒性(例えば、発がん性)生成物が依然として懸念されている。
Lehmann et al. Eur. J. Med. Chem., 19/01/2005には、NOを放出する異なるジアゼニウムジオレート(ノノエート)の使用が報告された。特に、シプロフロキサシン-ジアゼニウムジオレートハイブリッド化合物は、pH温度引き金を使用してNOを放出することがわかった。NO遊離は、pH7.0〜8.0の緩衝水溶液中でのみ報告され、引き金に起因し得る「バースト効果」は比較的穏やかであり、短い半減期を有した。さらに、このように溶液からの制御放出は、多くの用途(例えば創傷包帯)には適していない。
WO 2014/012074には、NO放出コキシブ化合物(コキシブ化合物が抗がん剤としての使用を有する)が記載され、それによってNO部分を含有する異なる分子がプロドラッグ代謝機構によってガスを送達する(すなわちクラス(b))。

クラス(b)の分子には、グリセリルトリニトレートおよびニトロプルシドナトリウムも含まれる(L.J.Ignarro Biosynthesis and metabolism of endothelium-derived nitric-oxide Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 30, 535, 1990)。これらの化合物は、現在、血管拡張剤として広く使用されているが、長時間の使用によりシアン化物のような毒性副生成物が生じる可能性がある。
さらに、クラス(b)における分子はNOを放出するために代謝される必要があることから、特定部位へのNOのターゲティングも悪くなり、結果として効果が全身性になる傾向がある。
特定のジアゼニウムジオレート(ノノエート)に加えて、クラス(c)には、C. Works, C.J. Jocher, G.D. Bart, X. Bu, P.C. Ford, Photochemical Nitric Oxide Precursors Inorg. Chem., 41, 3728, 2002に記載されているルテニウム錯体のような金属錯体が含まれる。しかしながら、全体として、光開始NO放出が可能な化学の範囲は依然として制限されたままである。さらに、NO放出後に残った小分子および錯体は、典型的には他の機能を行わず、より長期の毒性の問題に関連している可能性さえもある。

一酸化窒素のクラス(d)放出は、固体物品上に一酸化窒素放出化合物担持することによって特定の標的部位に一酸化窒素を送達することによって全身作用に関連する問題を軽減する。そのようなNO放出化合物は、治療のために身体の特定の領域を標的とするために使用することができる医療機器コーティングすることができるポリマー材料であってもよい。ポリマーは、例えば、化学反応の後にNOを放出するN2O2基を含有し得る(国際特許出願WO 95/24908号および米国特許出願公開第2002094985号)。しかしながら、このような状況でNOを放出することは制御が難しく、現在、必要な材料の調製は高価である可能性がある。このようなポリマーの可能な使用は、心血管疾患の問題、例えば再狭窄の治療において示されている。
クラス(e)もまた、ゼオライトと呼ばれる結晶性金属交換多孔質アルミノケイ酸多孔質骨格材料から一酸化窒素を放出することによって全身作用に関連する問題を軽減する(本出願人の以前の国際特許出願WO 2005/003032に記載されているように)。これらの材料の報告された容量は、ゼオライト1g当たり約1mmolのNOで許容され、材料は抗血栓形成特性を有することが示されている(Wheatley et al. Journal of the American Chemical Society, 128, 502-509, 2006)。

金属有機構造体(MOF)からNOの貯蔵および放出もまた、例えば本出願人の以前の国際特許出願第WO 2008/020218号、第WO 2012/020214号および第WO 2013/186542号に記載されている。NOの貯蔵と制御放出のためのMOFの使用は、また、R. E. Morris and P. S. Wheatley, Angew. Chem. Int. Ed., 2008, 47, 4966によって報告されており、空気と湿気への曝露時に、CPO-27構造のMOFから経時NOの吸着と放出の例外的な性能を報告している。
金属有機構造体(MOF)は、ナノ細孔材料の一種である。これらの固体では、金属イオン(Mn+)は有機単位(Ly-)と一緒に結合されて三次元網目構造を形成する。これらの網目構造の多くは良好な熱安定性を示し、〜90%までの自由体積で極めて多孔質である。(O.M. Yaghi et al. Nature, 423, 705, 2003 (b) H. Li et al Nature 402, 276, 1999. (c) WO200288148-A)。
しかしながら、多くの容易に入手可能で潜在的に有用なMOF材料は、NOの貯蔵と放出に対してこの挙動を示さない。さらに、水との接触によって引き金となるかまたは水との接触によってのみ引き金となる放出は、ある種の用途には理想的であるが、この挙動は他の用途には適していない可能性がある。さらに、NO充填MOFを乾燥不活性条件で貯蔵する必要性もまた制限するものであり得る。

MOFおよび関連材料におけるリンカーとしてNO放出分子が使用されている報告がいくつかある。A. Lowe, P. Chittajallua, Q. Gongb, J. Lib, K. J. Balkus Jr. Micropor. Mesopor. Mat. 2013, 181 (17-22)およびJ. L. Nguyen, K. K. Tananbe, and S. M. Cohen, CrystEngComm 2010, 12, 2335-2338は、第二級アミンを含有するリンカーで作製されたMOF構造を報告している。これらのアミノ基は、一酸化窒素の結合部位として使用することができる(例えば、上述したMorrisらに記載の金属部位とは対照的に)。得られた骨格ノノエート群は、高湿度高温および/またはpH変化への曝露時にNOを放出することができるが、今までのところ報告されている材料の全体のNO容量は制限されている。
他の種類の多孔質材料におけるNO貯蔵の報告もある。例えば、S. Diring, K.Kamei and S. Furukawa Nature Communications 2013, 2684(4)には、UV光への曝露時にNO放出のできるホウイミダゾール構造体が記載されている。しかしながら、一酸化窒素がリンカーの一部であるので、NO放出はリンカー、したがって骨格を劣化させる。それ故、NO放出は不可逆的である。
B. J. Heilman, S.t R. J. Oliver, and P. K. Mascharak J. Am. Chem. Soc., 2012, 134 (28), pp 11573-11582には、光活性的にNOを放出することのできるマンガンニトロシル錯体が記載されている。全体としての錯体は、多孔質材料(例えば、AI-MCM-41)に吸着させることができるが、これは細孔を遮断し、他の分子の吸着を防止する。
したがって、上記の欠点の1つ以上に対処するかまたは緩和するために、抗菌剤の制御放出のための改善された材料および組成物が依然として求められている。

概要

金属有機構造体(MOF)がMOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外NO放出化合物を含むもの、NO放出化合物およびその調製および使用が開示される。MOFとNO放出化合物は、外部刺激の適用時にNOを放出させることができ、複数の抗菌および/または薬剤作用機序を有する材料を提供し得る。

目的

本発明の態様は、ノノエートまたはN-ニトロソ化合物を形成する窒素含有官能基を介してNOに錯体形成された生物活性分子であって、N-ニトロソ化合物がNOとアミンまたはイミン部分のいずれかまたはその両方との錯体形成によって形成される、前記生物活性分子を提供する

効果

実績

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請求項1

1個以上のNO分子がそれに結合したものを含むビグアニド含有化合物であって、1個以上のNO分子がそれに結合したものを含むビグアニド含有化合物を生成するために、ビグアニドが一般構造I:(式中、R1〜R5は、独立して、置換または非置換C1-C10アルキルベースおよび/またはアリールベースの部分(例えばフェニル)を含んでもよく、R1〜R5は、Hであってもよいが、R1がHである場合、R2はHでなく、R3がHである場合、R4はHでなく、R1〜R5のいずれか1つが結合または上で定義したようにさらなる構造(I)へまたはポリマーまたは他の分子への結合基であってもよく、R6およびR7は、独立して、H、C1-C10アルキルベースおよび/またはアリールベースの部分(例えばフェニル)でもよく、または一緒にまたは独立して、銀、銅、ニッケル亜鉛マグネシウムおよびカルシウムのようなこれらに限定されない配位金属イオンを表してもよく、R8〜R12は、各々任意であるが、存在する場合にはこれらが結合しているN原子が正に荷電されることになり、独立して、H、C1-C10アルキルベースおよび/またはアリールベースの部分(例えばフェニル)を含んでもよく、置換基は、C1-C10アルキル、フェニルおよび/またはハロゲンの部分を含んでもよい)を有する前駆体化合物NOガスまたはニトロシル化剤と反応させことにより得られる、前記ビグアニド含有化合物。

請求項2

R5〜R7およびR8〜R12が存在する場合には、Hである、請求項1に記載のビグアニド含有化合物。

請求項3

N,N'-二置換、N,N,N'-三置換、N,N',N'-三置換またはN,N,N',N'-四置換の分子であり、それぞれの置換基が非H置換基である、請求項1または2に記載のビグアニド含有化合物。

請求項4

金属有機構造体(MOF)のような多孔質骨格材料であって、MOFの内部細孔および/またはチャネル内に請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨格外NO錯体形成ビグアニド含有化合物を含んでいる、多孔質骨格材料。

請求項5

MOFからビグアニド含有化合物を放出させることができる、請求項4に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項6

MOFからのビグアニド含有化合物の放出速度が、温度もしくは圧力の変化、光による照射、または他の化学種との接触のような外部刺激によって変化し得る、請求項5に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項7

骨格外ビグアニド含有化合物および/または放出されたビグアニド化合物からNOを放出させることができる、請求項4〜7のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項8

NOの放出速度が、温度もしくは圧力の変化、光による照射、または他の化学種との接触のような外部刺激によって変化し得る、請求項7に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項9

ビグアニド含有化合物が、一酸化窒素分子錯体を形成することのできる電子供与性部分を有する前駆体化合物から形成される、請求項4〜8のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項10

ビグアナイド含有化合物からNOを放出させて骨格外前駆体化合物を形成することができ、続いてMOFから前駆体化合物を放出させることができる、請求項9に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項11

電子供与性部分がアミンおよび/またはイミンである、請求項9または10に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項12

骨格外NO錯体形成化合物を含む多孔質骨格材料またはMOFであって、NO錯体形成化合物が一般構造X:(ここで、R1およびR2は、独立して、イミン、アミド、アルキル、アリール、アリルのような炭素官能基もしくはヘテロ原子官能基またはHであってもよく、またはR1およびR2が一緒になって脂環式基または複素環基を形成する)の1つ以上の官能基を含むか、またはNO錯体形成化合物が一般構造A〜D:(ここで、R1〜R12は、独立して、置換または非置換C1-C10アルキルベース、アリールベース、アルデヒドベースカルボン酸ベース、エステルベース、チオールベース、ホスホネートベース、ホスフィニルベース、スルホネートベース、ホウ素ベースおよび/またはアミンベースの部分、Hおよび/またはハロゲンを含んでもよく;2つ以上のR基は、一緒に置換または非置換の環を含む複素環構造の一部を形成してもよく、置換基はOH、ハロゲン、NH3、オキソ、C1-C6アルキル、フェニルなどであり、R3〜R7の少なくとも1つはNOであり、状況によっては構造CおよびDにおけるR6および/またはR7のみがNOであってもよく;R8〜R12はそれぞれ任意であるが、存在する場合にはこれらが結合しているN原子が正に荷電することになる)の1つ以上の官能基を含んでもよい、前記多孔質骨格材料またはMOF。

請求項13

NO錯体形成化合物が形成される前駆体化合物が、抗生物質殺菌剤殺真菌剤または殺胞子剤のような生物活性剤である、請求項12に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項14

前駆体化合物が、シプロフロキサシンのようなキノロンまたはクロルヘキシジンのようなビグアニド;またはこれらの錯体もしくは塩であるので、MOFがNO錯体形成化合物(例えばNO錯体形成シプロフロキサシン化合物)、NO錯体形成ビグアニド化合物、例えばNO錯体形成クロルヘキシジン化合物、またはスルホンアミド、例えばフロセミド;またはこれらの錯体もしくは塩を含む、請求項13に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項15

前駆体化合物が、金属塩であり、ここで、金属イオン抗菌性を有し(例えば銀塩ニッケル塩亜鉛塩または銅塩)、前記塩がMOFの細孔/チャネルに充填されるので、MOFにはアニオン性骨格外NO錯体形成化合物種およびカチオン性骨格外金属イオンが含まれる、請求項13または14に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項16

前記骨格外金属イオンがMOFから放出されることができる、請求項15に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項17

MOFの細孔および/またはチャネル内のゲスト化学種として、さらなる生物活性剤を含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項18

さらなる活性剤が、不可逆的に放出可能にNOに吸着されていてもよいNOである、請求項17に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項19

さらなる活性剤が、NO以外の生理学的に活性薬剤分子である、請求項17または18に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項20

多孔質骨格材料またはMOFが、骨格金属イオンおよび/または骨格配位子の形態のさらなる活性剤を含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項21

骨格外NO錯体形成化合物、特に請求項4〜20のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOFを含む多孔質骨格材料またはMOFを調製する方法であって、該方法が、適切な前駆体化合物からNO錯体形成化合物を形成する段階;および多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルにNO錯体形成化合物を吸着させるようにMOFをNO錯体形成化合物と接触させる段階を含むか;または該方法が、多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネル内に、反応してNO錯体形成化合物を形成することのできる前駆体化合物を含む多孔質骨格材料またはMOFを形成する段階;および多孔質骨格材料またはMOFをNOと接触させることによってその場で骨格外NO錯体形成化合物を形成する段階を含む、前記方法。

請求項22

多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルに吸着させるように、多孔質骨格材料またはMOFを、反応してNO錯体形成化合物を形成することのできる前駆体化合物と接触させる、請求項22に記載の方法。

請求項23

多孔質骨格材料またはMOFおよび/または前駆体化合物を活性化する段階を含む、請求項21または22に記載の方法。

請求項24

多孔質骨格材料またはMOFが活性化された後、前駆体化合物またはNO錯体形成化合物が吸着される、請求項22に記載の方法。

請求項25

前駆体化合物が、多孔質骨格材料またはMOFの細孔/チャネルに前駆体化合物を吸着させた後、その場で活性化される、請求項23または請求項24に記載の方法。

請求項26

単一の活性化段階またはプロセスにより、多孔質骨格材料またはMOFとその中に吸着された前駆体化合物の両方が活性化される、請求項25に記載の方法。

請求項27

活性化が、多孔質骨格材料またはMOFおよび/または前駆体化合物を加熱する段階;および/または多孔質骨格材料またはMOFおよび/または前駆体化合物を減圧曝す段階;および/または多孔質骨格材料またはMOFおよび/または前駆体化合物が化学処理を使用して化学的に活性化される段階を含む、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。

請求項28

多孔質骨格材料またはMOFをさらなる生物活性剤と接触させる段階を、場合によっては、NO錯体形成化合物または前駆体化合物とその接触の前、後、または同時に含む、請求項21〜26のいずれか1項に記載の方法。

請求項29

さらなる生物活性剤がNOであるので、該方法が骨格外NO錯体形成化合物を含む多孔質骨格材料またはMOFを調製する段階を含む、請求項28に記載の方法。

請求項30

多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルに吸着された前駆体化合物を有する多孔質骨格材料またはMOFを接触させる段階、および同時に多孔質骨格材料またはMOFの細孔およびチャネル内にその場で骨格外NO錯体形成化合物を形成し且つ多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルにNOを吸着させるように、多孔質骨格材料またはMOFをNOと接触させる段階を含む、請求項29に記載の方法。

請求項31

NOを放出させる方法であって、多孔質骨格材料またはMOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外NO錯体形成化合物を有する多孔質骨格材料またはMOFを準備する段階、前記多孔質骨格材料またはMOFをNOが放出されるべき媒体と接触させる段階、および媒体中にNOを放出させる段階を含む、前記方法。

請求項32

多孔質骨格材料またはMOFに外部刺激を適用する段階であって、外部刺激が温度の上昇、pHの変化、光(例えばUV光)による照射、圧力の変化またはこれらの組み合わせを含み、且つ/または外部刺激が多孔質骨格材料またはMOFを水のような他の化学種と接触させることを含む、前記段階を含む、請求項31に記載の方法。

請求項33

外部刺激を適用することによってNOの放出速度を変化させる段階を含む、請求項31または32に記載の方法。

請求項34

前記さらなる生物剤を、多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルから前記媒体中に放出させる段階を含む、請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。

請求項35

さらなる生物剤が、NO錯体形成化合物が形成される前駆体化合物である、請求項34に記載の方法。

請求項36

多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルから骨格外金属イオン、および/または多孔質骨格材料またはMOFから骨格金属イオンおよび/または骨格配位子を放出させる段階であって、金属イオンまたは配位子が生物活性である、前記段階を含む、請求項34または35に記載の方法。

請求項37

NOを放出させる方法であって、多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルに吸着されたNO錯体形成化合物を有する多孔質骨格材料またはMOFを準備する段階;および多孔質骨格材料またはMOFを、そこからNOを放出させるようにUV光で照射する段階を含む、前記方法。

請求項38

MOFを水分と接触させることによって、不可逆的に放出可能に吸着されたNOを放出させる段階を含む、請求項37に記載の方法。

請求項39

MOFが、CPO-27またはHKUST-1構造型を有する、請求項38に記載の方法。

請求項40

MOFが、Mg-CPO-27またはCu-HKUST-1である、請求項39に記載の方法。

請求項41

MOFが、以下のタイプの骨格配位子:ジカルボキシレートまたはトリカルボキシレート(例えばベンゼン1,3,5-トリカルボキシレート、または2,5-ジヒドロキシテレフタレートまたは1,4-テレフタレート);アミン配位子(例えば、1,4-ビピリジン)の1つ以上を含む、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。

請求項42

個体がそれを必要としている治療または予防方法であって、請求項4〜20のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOFを準備する段階、多孔質骨格材料またはMOFを個体と接触させる段階、およびNOを放出させる段階を含む、前記方法。

請求項43

外科手術および/または治療において使用するための、請求項4〜20のいずれか1項に記載の多孔質角材料またはMOF。

請求項44

請求項4〜20のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOFを、そのための医薬品、栄養補助食品または化粧品担体と共に含む、医薬品、栄養補助食品または化粧品。

請求項45

疾患の治療または予防において使用するための薬剤の調製のための、請求項4〜20のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOF。

請求項46

請求項4〜20のいずれか1項に記載の多孔質骨格材料またはMOFを含む医療用品

請求項47

NOが錯体形成して、構造I、A、B、C、またはDを有するNO錯体形成化合物部分を形成する少なくとも1個の第二級アミンおよび/またはイミンを有する生物活性前駆体化学種を含むNO錯体形成化合物または塩であって、生物活性前駆体化学種がクロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩もしくは錯体、関連錯体またはその塩、シプロフロキサシンまたはシプロフロキサシン塩もしくは錯体、フロセミドまたはフロセミド塩もしくは錯体である、前記NO錯体形成化合物または塩。

請求項48

NOを放出させる方法であって、請求項47に記載のNO錯体形成化合物または塩を準備する段階;

請求項49

NO錯体形成化合物または塩をそこからNOを放出させるようにUV光で照射する段階および/またはNO錯体形成化合物または塩をそこからNOを放出させるように水分/湿気曝露する段階を含む、前記方法。

請求項50

少なくとも1個の第二級アミンおよび/またはイミン部分を有する生物活性前駆体からNO錯体形成化合物を調製する方法であって、前駆体を加熱し且つ/または前駆体を減圧に曝すことによって生物活性前駆体を活性化する段階;および活性化した前駆体をNOに曝露する段階を含む、前記方法。

請求項51

生物活性前駆体が、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩もしくは錯体、関連化合物もしくは塩、シプロフロキサシンまたはシプロフロキサシン塩もしくは錯体、フロセミドまたはフロセミド塩もしくは錯体である、請求項49に記載の方法。

請求項52

生物活性前駆体が、多孔質骨格材料またはMOFの細孔および/またはチャネルに吸着されている、請求項49または50に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、NO放出組成物、特にNOおよび任意により他の抗菌剤制御放出を可能にするノノエート(NONOate)およびN-ニトロソ組成物の形成に関する。

背景技術

0002

組成物や材料から抗菌剤または他の活性剤放出プロファイルを制御する機能は、感染または汚染を防止するその有効性に重要である。
活性剤の放出の初期速度半減期は、材料または組成物の有効性において重要な因子であり得る。さらに、環境因子を変化させることにより活性剤または薬剤の組み合わせの放出を開始または刺激する機能もまた、例えば活性剤の標的放出を可能にすることによって、極めて重要な役割を果たすことができる。
一酸化窒素(NO)は、抗菌特性を有する小分子であり、生物学的プロセスの範囲においても重要であるのでかなりの関心を集めている。それは、動脈および静脈中の血流量を増加させる血管拡張剤であり、血小板粘着および凝集を制御する際の重要な因子でもある。それは、また、免疫系に重要な役割を担っている。現在、一酸化窒素の作用機序について多くのことが知られており、生体内生体外の両方の用途における医薬バイオテクノロジーにおいて莫大な可能性を有することは明らかである。
一酸化窒素の制御された送達は、治療において重要であり得る。例えば、一酸化窒素は、動脈塞栓におけるバルーン血管形成およびステント挿入後の血栓症および再狭窄を防止することができる(国際特許出願WO 95/24908)。皮膚への一酸化窒素の送達もまた、関節炎およびレイノー症候群のような状態で起こることができる末梢循環問題をもった患者に治療上の利点を有し得る。一酸化窒素は、また、創傷治癒血管形成関与し、例えば、高齢の患者において生じることができる治癒緩慢である場合、創傷への一酸化窒素の送達は有益であり得る(M. Shabani et al, Enhancement of wound repair with a topically applied nitric oxide-releasing polymer Wound repair and regeneration, 4, 353, 1996およびS. Frank H. Kampfer, C. Wetzler, J. Pfeilschifer, Nitric oxide drives skin repair: Novel functions of an established mediator Kidney International, 61, 882, 2002)。

0003

しかしながら、一酸化窒素がガスであることから所望の領域へおよび必要な最適用量での一酸化窒素の送達はしばしば困難である。生体外、例えばバイオテクノロジー用途および生体内、例えば医療用途の両方において、一酸化窒素の送達は困難である。
下記のような一酸化窒素送達の様々な方法が知られている
(a)自発的にNOを放出する分子;
(b)代謝されてNOを与える分子;
(c)光活性化によりNOを放出する分子;
(d)ポリマーおよびポリマーコーティングからのNOの放出;
(e)ゼオライトおよび金属有機構造体(MOF)からのNO放出。
クラス(a)の分子には、一酸化窒素求核錯体(ノノエート)が含まれる(C.M.Maragos et al., Complexes of NO with nucleophiles as agents for the controlled biological release of nitric-oxide-vasorelaxant effects J. Med. Chem, 34, 3242, 1991)。多数の官能基がNOと錯体形成することができるが、ほとんどの一般的ノノエートは、第一級および第二級アミンから形成され(例えば米国特許第4954526号に記載されている)、NOがアミン部分、好ましくは第二級アミンに結合している。これらのノノエートは、ジアゼニウムジオレートとしても知られている。
現在、治療におけるノノエートの使用は、選択性を損なうことになる身体全体に分散されることから制限されている。さらなる問題は、多くのノノエートが本質的に不安定であり、高pHでさえ貯蔵寿命が短く、生物学的条件において半減期が比較的短い(数分程度)ことである。

0004

それにもかかわらず、いくつかのノノエートは、制御放出物質として、温度、pH、水への曝露、光活性化が引き金となる一酸化窒素を放出する見込みを示した。
(Aloka Srinivasan, Naod Kebede , Joseph E. Saavedra , Alexander V. Nikolaitchik, Daniel A. Brady, Emily Yourd, Keith M. Davies , Larry K. Keefer and John P. Toscano J. Am. Chem. Soc. 2001, 13;123(23):5465-72)には、ノノエートからNOの光活性化放出が記載されている。しかしながら、別の分解経路から生じる潜在的毒性(例えば、発がん性)生成物が依然として懸念されている。
Lehmann et al. Eur. J. Med. Chem., 19/01/2005には、NOを放出する異なるジアゼニウムジオレート(ノノエート)の使用が報告された。特に、シプロフロキサシン-ジアゼニウムジオレートハイブリッド化合物は、pH温度引き金を使用してNOを放出することがわかった。NO遊離は、pH7.0〜8.0の緩衝水溶液中でのみ報告され、引き金に起因し得る「バースト効果」は比較的穏やかであり、短い半減期を有した。さらに、このように溶液からの制御放出は、多くの用途(例えば創傷包帯)には適していない。
WO 2014/012074には、NO放出コキシブ化合物(コキシブ化合物が抗がん剤としての使用を有する)が記載され、それによってNO部分を含有する異なる分子がプロドラッグ代謝機構によってガスを送達する(すなわちクラス(b))。

0005

クラス(b)の分子には、グリセリルトリニトレートおよびニトロプルシドナトリウムも含まれる(L.J.Ignarro Biosynthesis and metabolism of endothelium-derived nitric-oxide Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 30, 535, 1990)。これらの化合物は、現在、血管拡張剤として広く使用されているが、長時間の使用によりシアン化物のような毒性副生成物が生じる可能性がある。
さらに、クラス(b)における分子はNOを放出するために代謝される必要があることから、特定部位へのNOのターゲティングも悪くなり、結果として効果が全身性になる傾向がある。
特定のジアゼニウムジオレート(ノノエート)に加えて、クラス(c)には、C. Works, C.J. Jocher, G.D. Bart, X. Bu, P.C. Ford, Photochemical Nitric Oxide Precursors Inorg. Chem., 41, 3728, 2002に記載されているルテニウム錯体のような金属錯体が含まれる。しかしながら、全体として、光開始NO放出が可能な化学の範囲は依然として制限されたままである。さらに、NO放出後に残った小分子および錯体は、典型的には他の機能を行わず、より長期の毒性の問題に関連している可能性さえもある。

0006

一酸化窒素のクラス(d)放出は、固体物品上に一酸化窒素放出化合物担持することによって特定の標的部位に一酸化窒素を送達することによって全身作用に関連する問題を軽減する。そのようなNO放出化合物は、治療のために身体の特定の領域を標的とするために使用することができる医療機器コーティングすることができるポリマー材料であってもよい。ポリマーは、例えば、化学反応の後にNOを放出するN2O2基を含有し得る(国際特許出願WO 95/24908号および米国特許出願公開第2002094985号)。しかしながら、このような状況でNOを放出することは制御が難しく、現在、必要な材料の調製は高価である可能性がある。このようなポリマーの可能な使用は、心血管疾患の問題、例えば再狭窄の治療において示されている。
クラス(e)もまた、ゼオライトと呼ばれる結晶性金属交換多孔質アルミノケイ酸多孔質骨格材料から一酸化窒素を放出することによって全身作用に関連する問題を軽減する(本出願人の以前の国際特許出願WO 2005/003032に記載されているように)。これらの材料の報告された容量は、ゼオライト1g当たり約1mmolのNOで許容され、材料は抗血栓形成特性を有することが示されている(Wheatley et al. Journal of the American Chemical Society, 128, 502-509, 2006)。

0007

金属有機構造体(MOF)からNOの貯蔵および放出もまた、例えば本出願人の以前の国際特許出願第WO 2008/020218号、第WO 2012/020214号および第WO 2013/186542号に記載されている。NOの貯蔵と制御放出のためのMOFの使用は、また、R. E. Morris and P. S. Wheatley, Angew. Chem. Int. Ed., 2008, 47, 4966によって報告されており、空気と湿気への曝露時に、CPO-27構造のMOFから経時NOの吸着と放出の例外的な性能を報告している。
金属有機構造体(MOF)は、ナノ細孔材料の一種である。これらの固体では、金属イオン(Mn+)は有機単位(Ly-)と一緒に結合されて三次元網目構造を形成する。これらの網目構造の多くは良好な熱安定性を示し、〜90%までの自由体積で極めて多孔質である。(O.M. Yaghi et al. Nature, 423, 705, 2003 (b) H. Li et al Nature 402, 276, 1999. (c) WO200288148-A)。
しかしながら、多くの容易に入手可能で潜在的に有用なMOF材料は、NOの貯蔵と放出に対してこの挙動を示さない。さらに、水との接触によって引き金となるかまたは水との接触によってのみ引き金となる放出は、ある種の用途には理想的であるが、この挙動は他の用途には適していない可能性がある。さらに、NO充填MOFを乾燥不活性条件で貯蔵する必要性もまた制限するものであり得る。

0008

MOFおよび関連材料におけるリンカーとしてNO放出分子が使用されている報告がいくつかある。A. Lowe, P. Chittajallua, Q. Gongb, J. Lib, K. J. Balkus Jr. Micropor. Mesopor. Mat. 2013, 181 (17-22)およびJ. L. Nguyen, K. K. Tananbe, and S. M. Cohen, CrystEngComm 2010, 12, 2335-2338は、第二級アミンを含有するリンカーで作製されたMOF構造を報告している。これらのアミノ基は、一酸化窒素の結合部位として使用することができる(例えば、上述したMorrisらに記載の金属部位とは対照的に)。得られた骨格ノノエート群は、高湿度高温および/またはpH変化への曝露時にNOを放出することができるが、今までのところ報告されている材料の全体のNO容量は制限されている。
他の種類の多孔質材料におけるNO貯蔵の報告もある。例えば、S. Diring, K.Kamei and S. Furukawa Nature Communications 2013, 2684(4)には、UV光への曝露時にNO放出のできるホウイミダゾール構造体が記載されている。しかしながら、一酸化窒素がリンカーの一部であるので、NO放出はリンカー、したがって骨格を劣化させる。それ故、NO放出は不可逆的である。
B. J. Heilman, S.t R. J. Oliver, and P. K. Mascharak J. Am. Chem. Soc., 2012, 134 (28), pp 11573-11582には、光活性的にNOを放出することのできるマンガンニトロシル錯体が記載されている。全体としての錯体は、多孔質材料(例えば、AI-MCM-41)に吸着させることができるが、これは細孔を遮断し、他の分子の吸着を防止する。
したがって、上記の欠点の1つ以上に対処するかまたは緩和するために、抗菌剤の制御放出のための改善された材料および組成物が依然として求められている。

0009

本発明の態様は、ノノエートまたはN-ニトロソ化合物を形成する窒素含有官能基を介してNOに錯体形成された生物活性分子であって、N-ニトロソ化合物がNOとアミンまたはイミン部分のいずれかまたはその両方との錯体形成によって形成される、前記生物活性分子を提供することである。
本発明のさらなる態様によれば、金属有機構造体(MOF)のような多孔質骨格材料であって、多孔質材料またはMOFの内部細孔および/またはチャネル内にノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物から選択される骨格外NO錯体形成化合物を含む、前記多孔質骨格材料が提供される。いくつかの実施態様において、多孔質骨格材料はMOFを除外している。
ノノエート化合物は、一酸化窒素分子と錯体形成することのできる電子供与性部分を有する有機前駆体化合物から形成される。次に、そのようにして形成された反応中間体は、さらなる一酸化窒素分子と錯体を形成し得る。したがって、ノノエートは、前駆体の各電子供与性部分に対応する1当量、またはより一般的に2当量のNOを放出することができる(典型的には前駆体化合物自体の形成または再形成をもたらす)。
N-ニトロソ錯体は、窒素原子に結合した単一のNO部分を含む。典型的には、NOが結合するN原子アミン基に属するが、本発明者らは、NOがイミン部分にも結合することができることを発見した。本発明の特定の態様は、グアニジンビグアニジンのようなアミンとイミン両方の部分を含有する化合物において、NOがイミンNに優先的に結合して、新規な部分、例えば

0010

0011

を形成するものである。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物はNOを放出することができ、本発明者らはこの点で該化合物の挙動が多孔質材料/MOF骨格内の吸着によって実質的に影響を受けないことを見出した。例えば、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からのNOの制御された放出(例えば、光、温度変化、pHなどの刺激に応答して)は、材料/およびMOFの内部細孔および/またはチャネル内の骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からなお達成され得る。さらに、それらの内部表面積が大きいことによって、MOFのノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の高充填が可能である。MOFの構造と特性は、また、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物のゲスト化学種によって実質的に影響を受けない。したがって、本発明は、MOF材料の既知能力と使用とを組み合わせて与えられるノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物のNOの貯蔵と放出の能力を提供する。
金属有機構造体(MOF)は、金属イオン(Mn+)または金属イオンのクラスターがリンカー(Ly-)と一緒に結合して三次元網目構造を形成し、分子寸法拡張された細孔やチャネルを画成する結晶性多孔質材料の一種である。チャネル網目構造は、一、二または三次元に拡張し得る。チャネル網目構造は、交差してもよく、内部空洞を画成してもよい。それ故、金属有機構造体は、大きな内部(および外部)表面積を画成する材料と見なされ得る。MOFは、ゼオタイプ材料の一種とみなされ得る。

0012

説明が主にMOFの使用に関するものであるが、これは限定するものと解釈すべきではなく、2Dおよび1D配位ポリマー、ゼオライトおよびゼオタイプ、メソポーラス材料および有機骨格固体のような他の拡張多孔質材料も知られていることを留意しなければならない。そのような材料は、本発明の範囲内と見なされるべきであり、以後、MOFについて述べることは、限定するものと解釈されてはならない。
MOFは、単一タイプの金属イオンまたは1つを超えるタイプの金属イオンを含んでもよい。MOFは、1種以上の遷移金属アルカリ金属アルカリ土類金属および/または他の適切な金属カチオン、例えばアルミニウムの金属イオンを含んでもよい。MOFは、1つを超える酸化状態金属元素イオンを含んでもよい。
MOFは、Tin+、Vn+、Crn+、Mnn+、Fen+、Con+、Ni、Cu、Zn、Ag、Ru、Rh(ここで、nは1、2、3または4であり、金属およびその金属の酸化状態に依存する)から選択される(これらに限定されない)1種以上の骨格遷移金属イオンを含んでもよい。
MOFは、Cu+、Cu2+、Mn2+、Mn3+、Zn2+、Fe2+、Fe3+、V3+、V4+、Ag+、Ru3+、Rh3+、Ni2+、Cr2+、Co2+およびCo3+から選択される1種以上の骨格遷移金属イオンを含んでもよい。例えば、骨格金属イオンは、Cu+、Cu2+、Cr2+、Zn2+、Co2+、Co3+、Ag+、Ni2+、Mn2+およびMn3+から選択され得る。好ましくは、骨格金属イオンは、Cu2+、Zn2+、Ag+、Ni2+、Mn2+から選択される。

0013

MOFは、例えば、Na+およびK+から選択される1種以上の骨格アルカリ金属イオンを含んでもよい。
MOFは、Ca2+およびMg2+、特にMg2+から選択される(これらに限定されない)1種以上の骨格アルカリ土類金属イオン含んでもよい。
(或いはまたは上記に加えて)存在していてもよい他の骨格金属イオンには、例えばAl3+が含まれてもよい。
いくつかの実施態様(例えば生物学的、医学的および/または化粧品の用途のために)において、MOFに存在する金属イオンが、そのような使用に毒物学的に許容され得ると考えられるもの、例えば許容され得る/制限された毒性を有するとみなされるその金属であることが好ましい場合がある。そのような検討は、使用の状況に依存し、当業者によって適切に決定されてもよい。例えば、Mg、Ca、FeまたはMnのイオンは、毒性が低いとみなされてもよい。許容され得る毒性と抗菌効力との間にバランスが存在してもよい。例えば、Agは、抗菌性を示すことが知られており、Ni、CuおよびZnのイオンについては許容され得る毒性を有する(毒性は低いが一般的には抗菌活性が低い)。
MOFは、単一タイプの配位子、または1つを超えるタイプの配位子を含んでもよい。1つを超えるタイプの配位子および/または金属を含むMOFは、「混合成分」MOF、またはより詳しくは混合配位子または混合金属MOFと呼ばれてもよい。

0014

各配位子には、1つの配位性官能基または1つを超える配位性官能基が含まれてもよい。配位性官能基は、所定の金属イオンに配位する1つの原子または1つを超える原子を含んでもよい。
例えば、各配位子には、2〜10個の配位性部位、例えば2〜6個の配位性部位または2〜4個の配位性部位;2または3個の配位性部位が含まれてもよい。
MOFは、多座配位子、例えば、二座、三座または他の次数の歯状度を有する配位子を含んでもよい。
MOFは、カルボキシレートまたはポリカルボキシレート配位子、例えば、ベンゼンポリカルボキシレート配位子を含んでもよい。ポリカルボキシレート配位子は、多座(例えば、二座または三座)結合配位子であってもよい。
ベンゼンポリカルボキシレート配位子は、ベンゼン環と、少なくとも2つのカルボキシレート基と、任意に、ベンゼン環への1個以上のさらなる置換基とを含んでもよい。
MOFは、生物活性NO結合分子を収容するのに充分大きい(例えば、最小寸法で4オングストロームより大きい)細孔サイズを有する適切な任意のMOFであってもよい。MOFは、生物活性グアニジンベース、ビグアニジン-ベースまたはポリグアニジンベースの分子を収容するのに充分大きい細孔サイズを有する適切な任意のMOFであってもよい。

0015

MOFは、例えば、1,4-ベンゼンジカルボキシレート、1,3,5-ベンゼントリカルボキシレート(BTC)、ジヒドロキシベンゼンジカルボキシレート、特に2,5-ジヒドロキシテレフタレート(DHTP)などを含んでもよい。
MOFは、例えば、MOF-74(CPO-27)、HKUST-1、STAM-1、MIL101およびSIP-3であってもよい。
MOFは、生物活性配位子を含んでもよい。例えば:MOFは、ニコチネートまたはイソニコチネート配位子(すなわち、ニコチン酸共役塩基またはピリジン環および少なくとも1個のペンダントカルボキシレート基を有する関連化学種)を含んでもよい。MOFは、フマレート配位子(すなわち、フマル酸の共役塩基)または他の不飽和ジカルボキシレート、例えば、Imaz et al., Chem. Commun., 2011, 467, 7287-7302に記載されているようなMOFを含んでもよい。MOFは、スクシネート(すなわち、コハク酸の共役塩基)または他のパラフィンジカルボキシレートを含んでもよい。MOFから放出されるときに(例えばMOFが経時的に分解するときに)、前記配位子は生物活性剤であってもよく、従って本発明のMOFのさらなる作用機序を与える。
MOFは、アミン配位子、例えば、1,4-ビピリジンなどを含んでもよい。

0016

MOFは、5-スルホイソフタレート配位子などの1つを超えるタイプの配位部分を有する配位子を含んでもよい。
MOFは1つを超えるタイプの配位子を含んでもよい。
MOFは、上述したものに追加の物質、例えばさらなる金属または他の正に荷電したイオン、または他のアニオン化学種を含むかまたは含有してもよい。
さらなるアニオンには、ハロゲン、例えばCl-、F-、Br-またはI-または他のアニオン、例えばOH-またはSO4-が含まれてもよい。
金属有機構造体には、特に、骨格内に形成される細孔またはチャネルのようなゲスト部位内部に化学種/分子が含まれてもよい。そのような化学種は、例えば骨格の製造に使用される成分に由来する、例えば、水、溶媒または他の分子であってもよい。
水分子の1つ以上は、水和する水分子として存在し、網目構造、例えば、骨格金属イオンまたは骨格配位子に結合されてもよい。
当業者には理解されるように、さらなる水分子と共に、例えば、プロトン化「H3O+」化学種および配位するOH-配位子を形成するように、1つ以上の水分子を解離させてもよい。
水の総量は、例えば周囲湿度、温度、生体液との接触などによるMOFの水和の程度に応じて異なってもよい。

0017

ヒドロキシド配位子が骨格構造の一部を形成してもよく、骨格構造内部の1つを超える金属イオンに配位してもよい。
本発明は、特定のMOF形態または構造形式に限定されない。MOFは、例えば、構造形式STAM-1、CPO-27またはHKUST-1を有してもよく、この合成および特性は一般にWO2008/020218、WO2002/020214およびWO2013/86542に記載されており、当業者が指示されている。MOFは構造形式SIP-3を有してもよい。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物または他のゲスト化学種のような骨格外化学種は、MOFに吸収されたと記載され得る。そのような化学種は、MOFの内面に、その細孔またはチャネル内に吸着されたとみなされ得る。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、MOFに、すなわちその内面および外面に吸着されてもよい。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、MOFに物理吸着または化学吸着されてもよい。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、例えば分散力を含める静電および/またはファンデルワールス力によって、表面(例えば、MOF内)に非共有結合され得る。ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、表面原子との共有結合の形成または表面原子への配位を含める表面と化学的相互作用し得る。

0018

ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、骨格金属イオン、骨格配位子および/または水、または骨格外のカチオンまたはアニオンのような他の骨格外化学種と相互作用し得る(化学的または物理的結合を含める)。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は可逆的に吸着され得る。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、時間の経過とともにMOFから取り除かれ得る。ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、MOFのそれへの曝露時に水または他の小分子のような他の化学種によって置換されることができる場合がある。或いはまたはさらに、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、温度もしくは圧力の変化または光による照射のような刺激、またはMOFからノノエートおよび/またはN-ニトロソを置換し得る他の化学種との接触に応答してMOFから放出されることができる場合がある。MOFからのノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の放出速度は、刺激によって変化(例えば、加速)され得る。
NOは、時間の経過とともに自然にMOFから(またはMOF自体から放出されると、ノノエートおよび/またはN-ニトロソから)放出され得る。例えば、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、時間の経過とともにNOを放出するように分解し得る。

0019

ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、MOFがそれへの曝露時に(または遊離のノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物のそれへの曝露時に)水または他の小分子のような他の化学種との相互作用後にNOを放出することができることになる。ノノエートおよび/またはN-ニトロソ(遊離および/またはMOFにおける)化合物は、温度もしくは圧力の変化、光による照射のような刺激、または他の化学種との接触に応答してNOを放出することができることになる。ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物(および/またはMOF)によるNOの放出速度は、刺激によって変化(例えば加速)されてもよい。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソは、MOF内に無期限に保持されるように、不可逆的に吸着され得る。ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、特定の外部刺激がないときはMOF内に無期限に保持されるように不可逆的に放出可能に吸着され得るが、外部刺激が適用される場合にはそこから放出可能である。同様に、MOFからNOを放出した後に残っている骨格外化合物は、同様に、可逆的、不可逆的または不可逆的に放出可能に吸着されてもよい。NOの不可逆的放出可能吸着は、特に、水がないときはMOF内に無期限に保持されるNOを指してもよいが、水分/湿気と接触するとMOFから放出される。

0020

ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、電子供与性部分を有する前駆体化合物から形成されてもよく、ここで電子供与性部分はアミンまたはイミンであり、またはグアニジンまたはビ-/ポリ-グアニジンのようなアミンとイミンの両方の官能性の組み合わせから構成される基である。或いは、電子供与性部分は、酸素リンまたは硫黄のような電子供与体として他のヘテロ原子を含んでいてもよい。例えば、ノノエートは、亜硫酸塩部分を含む前駆体から形成されたスルホ-ノノエートであってもよい。同様に、ニトロソ化合物は、N-オキシドスルホンアミドまたはS-ニトロソチオール、またはP-ニトロソ化合物の形をとり得る。
本発明に関連して使用されるノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、安定であるかまたは周囲温度および圧力でおよび外部刺激(水との接触、光による照射、pHの変化のような)がないときに(数日、数週間または数ヶ月の程度の)非常に長い半減期を有することが好ましい。
ノノエートは、一般構造X:

0021

0022

(式中、R1およびR2は、独立して、イミン、アミドアルキルアリールアリルなどの炭素またはヘテロ原子の官能性またはHであってもよい。R1およびR2は一緒になって脂環式基または複素環式基を形成してもよい)
の1つ以上の官能基を含んでもよく;
N-ニトロソ化合物は、一般構造A〜D:

0023

0024

(式中、R1〜R12は、独立して、置換または非置換のC1-C10アルキル、アリールベース、アルデヒドベースカルボン酸ベース、エステルベース、チオールベース、ホスホネートベース、ホスフィニルベース、スルホネートベース、ホウ素ベースおよび/またはアミンベースの部分、Hおよび/またはハロゲンを含んでいてもよい。2つ以上のR基は、一緒になって1つ以上の置換または非置換環を含む複素環構造の一部を形成してもよい。置換基は、OH、ハロゲン、NH3、オキソ、C1-C6アルキル、フェニルなどである。R3〜R7の少なくとも1つは、任意にNOであってもよく、場合によっては構造CおよびDにおけるR6および/またはR7のみがNOであってもよい。R8〜R12はそれぞれ任意であるが、存在する場合にはこれらが結合しているN原子が正に荷電されることになる。官能基は、ポリマー鎖または高分子に結合するかまたはポリマー鎖または高分子の一部を形成してもよい)
の1つ以上の官能基を含んでもよい。
いくつかの実施態様において、構造は上記のCおよびDである。
実施態様においては、R1〜R12は、独立して、置換または非置換のC1〜C10アルキルベース、アリールベース、アルデヒドベース、カルボン酸ベースおよび/またはエステルベースの部分、Hおよび/またはハロゲンを含んでいてもよい。置換基は、OH、ハロゲン、C1-C6アルキルまたはフェニルである。R3〜R7の少なくとも1つは、任意にNOであってもよい。R8〜R12は任意であり、存在する場合にはこれらが結合している窒素原子に正電荷を導入する。

0025

別の実施態様において、R1〜R5は、独立して、置換または非置換のC1-C8アルキルベースおよび/またはフェニルベース(例えば、フェニル)の部分またはHを含んでいてもよい。R6および/またはR7はNOである。置換基は、C1-C6アルキル、フェニル、ハロゲンである。R8-R12は存在しない。
前駆体化合物の電子供与性部分は、第一級アミンであってもよい。従って、構造AにおけるR1とR2の1つはHであってもよく、R8は存在しない。
前駆体化合物の電子供与性部分は、第二級アミンであってもよい。
前駆体化合物は、例えば、グアニド、ビグアニドまたはビスビグアニド化合物であってもよい。
前駆体化合物の電子供与性部分は、第三級アミンであってもよい。前駆体化合物は、例えば、メトロニダゾールまたはカフェインであってもよい。
さらなる態様において、それに結合した1つ以上のNO分子を含むビグアニド化合物であって、ビグアニドが、それに結合した1つ以上のNO分子を含むビグアニド化合物を生成させるために一般構造I:

0026

0027

(ここで、R1〜R5は、独立して、置換および/または非置換のC1-C10アルキル-および/またはアリールベース(例えば、フェニル)の部分を含んでいてもよい。R1〜R6はHであってもよいが、R1がHである場合、R2はHではなく、R3がHである場合、R4はHではない。
R6およびR7は、独立して、H、C1-C10アルキルベースおよび/またはアリールベース(例えば、フェニル)の部分であってもよく、または一緒にまたは独立して、銀、銅、ニッケル亜鉛マグネシウムおよびカルシウムのようなこれらに限定されない配位金属イオンを表してもよい。
R8〜R12は各々任意であるが、存在する場合にはこれらが結合しているN原子が正に荷電されることになり、独立して、H、C1-C10アルキルベースおよび/またはアリールベース(例えば、フェニル)の部分を含んでもよい。
置換基は、C1-C10アルキル-、フェニル-および/またはハロゲンの部分を含んでいてもよい。
R1〜R7は、追加の構造I(本明細書に定義される通りで典型的には第1の構造と同一)に結合して、例えば、ビスビグアニドまたはトリスビグアニドのようなビスまたはトリス構造を形成してもよい)
を有する前駆体化合物をNOガスまたはニトロシル化剤と反応させることによって得られる、前記ビグアニド化合物が提供される。

0028

構造は、単独でも、または構造が1回以上繰り返してもよいポリマー鎖または高分子の一部であってもよい。
便利には、R5〜R7およびR8〜R12が存在する場合、Hであってもよい。好ましくは、R8〜R12は存在せず、R2、R3およびR5-7は存在しない。
上記の構造は、N,N'-二置換、N,N,N'-三置換、N,N',N'-三置換またはN,N、N'、N'-四置換分子であってもよく、各置換基は非H置換基である。
適切なニトロシル化剤は、NOCl + CCl4)であってもよい。
上記によれば、前駆体化合物は、異なる方法でNOと錯体を形成し得る。可能な形態の2つの(限定されない)例は、ノノエート錯体とN-ニトロソ錯体である。
N-ニトロソ錯体は、窒素原子に結合した単一のNO部分を含む。可能な結合部位を以下に示す:

0029

0030

ここで、R1/R2およびR3/R4は、構造Iに関連して上記で定義した通り非H置換基である。正確な結合部位は、置換基R基の種類に依存する。上記の構造は、NO基が結合している窒素第四級として表されている。しかしながら、前記窒素は第三級であってもよいので、窒素に結合しているとして示されているR基が存在しないことは理解されなければならない。例えば、N-ニトロソ化合物は、

0031

0032

であってもよい。
可能なノノエート結合部位を以下に示す:

0033

0034

(ここで、R2、R4およびR5は、Hである。1つ以上の第四級窒素は、上記のように第三級であってもよい)。
本発明に従って使用するための例示的な化合物には、クロルヘキシジンアレキシジン、プログアニル、クロルプログアニル、ポリアミノビグアニドおよびポリヘキサメチルビグアニドが挙げられる。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、塩として(MOFは、例えばアルカリ金属の、骨格外対イオンを含んでもよい)または共役酸または塩基形態で存在してもよい。
前駆体化合物は、抗生物質殺生剤殺真菌剤、殺胞子剤などの生物活性剤であってもよい。前駆体化合物は、ヒトまたは動物投与するのに適した(局所、静脈内、経口など)薬剤化合物であってもよい。例えば、前駆体化合物は、シプロフロキサシンのようなキノロン、またはクロルヘキシジンのようなビグアニドまたはその関連化合物、錯体または塩、またはフロセミドのようなスルホンアミドであってもよい。
それ故、有利には、活性前駆体から形成されたノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物が形成された活性剤を再形成するようにNOを放出し得る。したがって、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ充填MOFは、第1作用機序(抗菌NOの放出)およびノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物が形成された生物活性剤の放出に関連した第2作用機序を有していてもよい。

0035

前駆体化合物は、それ自体1つを超える作用機序を有し得る。例えば、前駆体化合物は、金属塩の形態であってもよく、金属イオン自体が、抗菌性(例えば銀塩、またはニッケル、亜鉛または銅の塩、または混合金属塩)を有する。そのような塩は、MOFの細孔/チャネルに充填されてもよく、MOFには、骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化学種(典型的にはアニオン)および骨格外金属イオンが含まれ、これらはMOFから放出されることができてもよい。
MOF材料自体が生物活性を有する配位子および/または金属イオンを含み得ることは既知である。それ故、本発明は、MOF材料の最終的な分解中に、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からNOの放出、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物が形成される前駆体化合物の放出、およびいくつかの実施態様においてさらなる生物活性剤および/またはMOF骨格自体を形成する生物活性剤の放出に関連する複数の作用機序を有するノノエートおよび/またはN-ニトロソ充填MOF材料を提供する場合がある。
以下でさらに詳述するように、本発明に従う1つを超える作用機序を有し、各作用機序は、異なる時間スケールで行われてもよく且つ/または異なる刺激に応答して開始または加速されてもよい。
シプロフロキサシンは、下記の構造を有する化合物である:

0036

0037

クロルヘキシジンは、下記の構造を有する化合物である:

0038

0039

フロセミドは、下記の構造を有する化合物である:

0040

0041

或いは、特定のクロルヘキシジン塩は、クロルヘキシジン錯体、すなわちクロルヘキシジンおよび酸性または塩基性化合物または塩の錯体とみなされ或いは呼ばれてもよい。
本発明者らは、クロルヘキシジンおよび関連分子およびその塩(クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジン二塩酸塩およびクロルヘキシジンジグルコ酸塩、およびクロルヘキシジン銀のようなクロルヘキシジン金属塩が挙げられるがこれらに限定されない)は、安定なノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成させることができることを見出した。本発明の特定の態様は、グアニジン及びビグアニジンのようなアミンとイミン両方の部分を含有する化合物において、NOがイミンNに優先的に結合することができ下記のような新規な部分を形成するという予想外の発見である

0042

0043

関連クロルヘキシジン分子は、下記の形態:

0044

0045

(ここで、AおよびA1は、各々独立して、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基またはアルコキシ基ニトロ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基;1〜12個の炭素原子を含むアルキル基;または4〜12個の炭素原子を含む脂環式基のいずれかを表し;XおよびX1は、各々独立して1〜3個の炭素原子を含むアルキレン基を表し;zおよびz1は、各々独立して、0または1のいずれかであってもよく;R及びR1は、各々独立して、水素、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基、または7〜12個の炭素原子を含むアラルキル基を表し;nは、2〜12の整数である)
をとり得る。
例示的な化合物は、アレキシジンである。
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、また、シプロフロキサシン、シプロフロキサシン塩もしくは錯体、フロセミドまたはフロセミド塩もしくは錯体のような他の生物活性前駆体から調製されてもよい。さらに、得られたノノエートおよび/またはN-ニトロソからNOの放出プロファイルは、光による照射および/または水分に応答して変化してもよく、これらのノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からNOの制御された放出を可能にする。例えば、これらの材料からNOの放出は、初期バーストに続いてNOの持続放出を与えるように(ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物が周囲条件下で分解するので)引き金となり得る(例えば光による照射によって)。したがって、本発明は、前駆体化合物/塩自体と比較して、抗菌活性の著しい延長を与え得る。

0046

したがって、別の態様において、本発明は、NOが錯体形成した少なくとも1つの第二級アミンを有する生物活性前駆体を含むノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物または塩にまで及び、構造XまたはA、B、C、またはDを有するノノエートおよび/またはN-ニトロソ部分を形成する。生物活性前駆体化学種は、クロルヘキシジン、定義されたような関連分子またはその塩、クロルヘキシジン塩もしくは錯体、シプロフロキサシンまたはシプロフロキサシン塩もしくは錯体、フロセミドまたはフロセミド塩もしくは錯体であってもよい。
さらに、本発明の別の態様においては、NOを放出させる方法であって、NOが錯体形成した少なくとも1つの第二級アミンを有する生物活性前駆体化学種を含む、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物または塩を準備して、構造X、B、C、またはDを有するノノエートおよび/またはN-ニトロソ部分を形成する段階であって;生物活性前駆体化学種が、例えば、クロルヘキシジン、定義されるような関連分子またはその塩、クロルヘキシジン塩もしくは錯体、シプロフロキサシンまたはシプロフロキサシン塩もしくは錯体、フロセミドまたはフロセミド塩もしくは錯体であってもよい、前記段階;および
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物または塩をそこからNOを放出させるようにUV光を照射する段階および/または
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物または塩をそこからNOを放出させるように水分/湿気に曝露する段階
を含む、前記方法が提供される。

0047

本発明者らは、また、驚くべきことに、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物がこれらの生物活性前駆体化合物から分子篩材料(ゼオライトやMOFのような)をNOで充填するために以前に適用された方法を用いて形成され得ることを見出した - 例えば、Morris & Wheatley(Angew.Chem. Int. Ed., 2008, 47, 4966)またはLowe et al. (Micropor. Mesopor. Mat. 2013, 181 (17-22))によって一般的に記載されるように、その分子篩はまず活性化され、次にNOで充填される。
本発明は、また、さらなる態様において、少なくとも1つの第二級アミン部分を有する生物活性前駆体(クロルヘキシジン、定義されたような関連化合物またはその塩、クロルヘキシジン塩もしくは錯体、シプロフロキサシンまたはシプロフロキサシン塩もしくは錯体、フロセミドまたはフロセミド塩もしくは錯体のような)からノノエートおよび/またはN-ニトロソを調製する方法であって、
前駆体を加熱し且つ/または前駆体を減圧に曝露することによって生物活性前駆体を活性化する段階;および
活性化された前駆体をNOに曝露する段階を含む、前記方法に及ぶ。
加熱および/または前駆体を減圧に曝露することは、第二級アミンに結合または安定化することになる分子を除去すると考えられるので、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成するように、より高い割合の第二級アミンが続いてのNOの錯体形成に利用可能である。

0048

ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、MOFの細孔および/またはチャネルに吸着された生物活性前駆体からのものであってもよい。
この方法は、前駆体を高真空(例えば10-2、10-3または10-4トール未満程度)に曝露する段階を含んでいてもよい。
この方法は、活性化された前駆体を1気圧以上のNOに曝露する段階を含んでもよい。この方法は、活性化された前駆体を約2、3または4気圧のNOに曝露する段階を含んでもよい。
前駆体は、適切な任意の時間活性化されてもよく、例えば前駆体化合物の組成純度または形態、または活性化条件よっては異なってもよい。典型的には、例えば、活性化は、約1時間かけて行われてもよい。
同様に、活性化された前駆体は、適切な時間、例えば1、2またはそれ以上の時間、NOに曝露されてもよい。
当業者は、段階の最適条件と時間が反応の進行をモニターすることによって(例えば、圧力の変化、重量分析分光学的になどモニターすることによって)求められ得ることを理解するであろう。

0049

本発明に従うMOFは、MOFの細孔および/またはチャネル内のゲスト化学種としてさらなる生物活性剤を含んでもよい。さらなる生物活性剤は、MOFの細孔/チャネルに組み込まれ、貯蔵され、自発的に(例えば拡散によって)および/または刺激に応答して(水分または化学物質への曝露、温度の上昇など)環境へ放出されてもよい。
さらなる活性剤は、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からのNOの放出と同様のまたはそれよりも長い/短い時間にわたって放出されてもよい。さらなる活性剤は、最適方法でまたは相乗的にNOと作用し得る。
さらなる活性薬剤はNOであってもよい。MOFは、不可逆的に放出可能にNOを含んでいてもよい。
MOFは、便利には、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物と同時にまたはその場で前駆体からノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成しながら不可逆的に放出可能に吸着されたNOで充填されてもよい。
骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物で充填したMOF(上述のように)は、NOを自発的におよび/または刺激に応答して放出してもよい。

0050

多くのさらなる生物活性剤を想定することができる。活性薬剤は、小分子(一酸化炭素硫化水素窒素酸化物など)または有機活性剤(次の種類 -ペニシリン(例えば、アモキシシリン、ペニシリン)、セファロスポリン(すべての世代)、アミノグリコシド(例えば、ネオマイシンストレプトマイシン)、糖ペプチド(バンコマイシンなど)、マクロライド(エリスロマイシンなど)が挙げられるが、これらに限定されない)であってもよい。抗菌剤、抗ウイルス剤および/または抗真菌剤は、同様の方法で貯蔵され吸着させることができる。活性薬剤は、また、骨格外金属イオンまたは金属ナノクラスター(例えば銀、銅、亜鉛、ニッケルなど)であることができる。
活性剤は抗菌性であってもよく且つ/またはそれにかかった細菌をNOにより感受性にするために役立ってもよい。或いは、さらなるゲスト化学種は、単に、防汚用途で使用され得るように微生物忌避するように設計された忌避分子であってもよい。
活性剤には、生理活性薬剤分子が含まれてもよい(それによって中性またはイオン化学種の両方が含まれるので、骨格外対イオンが存在してもよい)。薬剤分子は、それ自体には抗菌活性がない場合がある(例えば、ドキソルビシンのような抗がん剤またはカフェインのような他の薬剤)。NOと薬剤分子の組み合わせは、特定の状態を防止しかつ治療中の感染症または細菌汚染を予防するのを援助し得る。活性剤の組み合わせの送達は、細菌耐性の発生を遅らせるように提案されている。

0051

活性剤は、抗バイオフィルム活性を有していてもよい、すなわち、活性剤は細菌性バイオフィルムを分解させ得る(特に、D-ロイシン、D-メチオニン、D-チロシン、D-トリプトファンなどのD-アミノ酸またはアミノ酸の混合物)。
MOFは、2つ以上のさらなる活性剤を含んでいてもよい。
本発明の別の態様によれば、骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を含むMOF、特に他の態様に従うMOFを調製する方法であって、
この方法が、
ノノエートおよび/またはN-ニトロソを適切な前駆体化合物から形成する段階;および
ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物をMOFの細孔および/またはチャネルに吸着させるようにMOFとノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を接触させる段階
を含むか;または
この方法が、
MOFの細孔および/またはチャネルにおいて、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成するのに反応させることのできる前駆体化合物を含むMOFを形成する段階;および
MOFとNOを接触させることによってその場で骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成する段階
を含む、前記方法が提供される。

0052

この方法は、MOFの細孔および/またはチャネルに前駆体化合物を吸着させるように、ノノエートおよび/またはN-ニトロソを形成するために反応させることのできる前駆体化合物とMOFを接触させる段階を含んでいてもよい。
この方法は、例えば、MOFの合成のための鋳型分子として前駆体化合物(またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物)を使用することにより、前駆体化合物(またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物)の周りにMOFを形成する段階を含んでいてもよい。
したがって、本発明の態様において、MOFの内部細孔および/またはチャンネル内に、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成するために反応させることのできる骨格外前駆体化合物を含む、金属有機構造体(MOF)が提供される。
この方法は、MOFおよび/または前駆体化合物を活性化する段階を含んでいてもよい。
「活性化された」という用語は、MOFが、そうでない場合よりも骨格外またはゲスト化学種の吸着に対してより受容された状態で存在していることを意味する。同様に、「活性化された」という用語は、前駆体化合物がノノエートおよび/またはN-ニトロソ錯体の形成により受容された状態で存在していることを意味する。活性化は、吸着/反応の速度を改善させ得る。活性化は、吸着/反応の程度を増加させ得る。

0053

活性化は、望ましくない分子/化学種の除去を含んでもよい。
例えば、MOFの活性化は、骨格の細孔および/またはチャネルからのゲスト分子/化学種(例えば、MOFの合成後に存在する化学種、または水のような周囲からMOFに拡散したもの)を除去して、他の化学種がMOFにより容易に吸着させることができることを含んでもよい。そのようなゲスト分子/化学種は、MOFの細孔/チャネルを介して拡散を妨害することがあり得るので、それらの除去は別の化学種(例えば、NO)で充填することを容易にし得る。MOFの活性化によって、MOF、例えば骨格金属イオンがもたらされ、配位飽和が少なくなり、それによってより多くのおよび/またはより反応性の配位または吸着部位を存在させ得る。
利用可能な部位は、引き続き導入されるゲスト化学種に強く(不可逆的に、または不可逆的に放出可能に)結合することができることになる。不可逆的にまたは不可逆的に放出可能に吸着したゲスト化学種の存在は、吸着/脱着等温線の吸着脱着アーム間の強いヒステリシスによって指示されてもよい。対照的に、可逆的に吸着したゲスト種はより弱く結合され得る。
同様に、前駆体化合物の活性化は、例えば前駆体のアミン部分への、NOの結合を別に妨害し得る分子/化学種の除去を含んでもよい。

0054

MOFの活性化は、また、ゲスト化学種(例えば、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物)の吸着を促進するための骨格の構造の変化を含んでもよい。さらに、前駆体化合物の活性化は、前駆体をNOへの結合により感受性にし得るプロトン化または脱プロトン化のような化学変化を含んでもよい。
MOFは、場合によっては、前駆体化合物またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の吸着前に活性化させてもよい。
前駆体化合物は、その場で;すなわちMOFの細孔/チャネルへの吸着後に活性化させてもよい。
単一活性化段階またはプロセスにより、MOFとその中に吸着した前駆体化合物の両方の活性化がもたらされ得る。
いくつかの実施態様において、MOFは、本質的に、ゲスト分子(例えばノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物)が不可逆的に吸着されることを可能にし、その場合、活性化は必要とされないことになるかまたは活性化を使用して吸着され得るゲスト分子の量を増加させることになる。

0055

活性化は、MOFおよび/または前駆体化合物を加熱すること含んでもよい。活性化のために使用し得る典型的な温度には、約450℃まで、例えば約20℃〜約250℃、好ましくは約50℃〜約150℃、最も好ましくは約80℃〜約120℃、例えば約110℃の温度が含まれる。前駆体化合物、または前駆体化合物が吸着されているMOFの活性化にはより低い温度が適切であってもよい。
活性化は、例えばある種の生物活性前駆体化合物に関連して一般的に上述したように、MOFおよび/または前駆体化合物を減圧下に(周囲温度または高温において)曝露する段階を含んでいてもよい。
活性化に使用し得る典型的な圧力には、大気圧未満、例えば1バール未満、約1×10-4ミリバール〜1バールのような圧力が含まれる。
活性化は、光、例えば紫外光による照射を含んでもよい。
活性化、特にMOFの活性化は、化学的に達成され得る。化学活性化は、MOFを所望の化学物質または化学物質の混合物に曝露のような化学処理法を使用して達成され得る。適当な化学物質の例としては、アセトニトリル(CH3CN)、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール(EtOH中)またはメタノール(MeOH)、超臨界二酸化炭素などの溶媒が挙げられる。
化学活性化は、選択された活性化化学種の分子によってゲスト分子の化学的置換により、望ましくない分子、例えばMOF骨格から望ましくないゲスト分子を除去し得る。

0056

活性化は、これらの段階の組み合わせを含んでいてもよい。例えば、活性化が化学的に達成され、続いて1つ以上の他の非化学活性化段階がまたはその逆に達成されてもよい。
MOFは、存在するゲスト化学種の一部のみを除去することによりまたは或る種類のゲスト化学種のみを除去することにより、部分的に活性化されてもよく、またはMOFは、実質的にゲスト化学種の全てを骨格から除去することにより、「完全に」活性化されてもよい。
この方法は、MOFおよび/または前駆体(MOFに吸着されていてもよい)を1気圧以上のNOに接触させる段階を含んでいてもよい。NOとの接触は、2、3または4気圧のNOで行われてもよい。
MOFおよび/または前駆体をNOと高圧で接触させる段階は、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の形成および/またはMOF骨格自体へNOの吸着を容易にし得る。
MOFおよび/または前駆体をNOと高圧で接触させる段階は、NOのより大きい充填を生じさせ得る。
MOFおよび/または前駆体をNOと高圧で接触させる段階は、より温和な活性化条件を与え得る。例えば、(不可逆的に放出可能に貯蔵されたNOとしておよび/またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物として、MOFに吸着したNOの)所定のNO充填を達成するために、より低い温度の活性化が必要とされ得るか、または活性化が減圧によってのみ達成され得る。

0057

したがって、本発明は、さらに、態様において、不可逆的に放出的に貯蔵したNOを含むMOFを調製する段階に及び、この方法は、MOFをNOに高圧で曝露する段階を含む。この方法は、MOFを活性化した後にそれをNOと高圧で接触する段階を含んでもよい。MOFは、MOFを減圧に曝露することによって活性化されてもよい。
この方法は、MOF(前駆体、またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物で充填したMOFを含める)をさらなる生物活性剤と接触させる段階を含んでもよい。
MOFは、場合によっては、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物または前駆体化合物とその接触の前に、後に、または同時にさらなる生物活性剤と接触させ得る。
さらなる生物活性剤は、NOであってもよいので、この方法は、不可逆的に放出的にNOを吸着されてもよい、吸着した骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物および吸着したNOを含むMOFを調製する段階を含む。
この方法が充填されるMOFを前駆体化合物と接触させる段階を含む場合(すなわち、MOFの細孔および/またはチャネルに吸着される)、MOFをNOと接触させる段階は、MOFの細孔およびチャネル内で、その場で骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の形成を生じさせてもよい。

0058

MOFをNOと接触させる段階により、MOFの細孔および/またはチャネルへのNOの吸着がもたらされ得る。MOFへのNOの吸着およびノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物のその場形成は、同時に起こってもよい。
吸着されたNOは、不可逆的に放出可能に吸着され得る。
この方法は、NOと接触する前にMOFを活性化する段階を含んでもよい。
この方法は、単一活性化段階を使用して含んでもよい。例えば、前駆体化合物で充填したMOFは、活性化され(すなわち、前駆体とMOF自体の両方を少なくとも部分的に活性化する)、次いで骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を形成し且つ不可逆的に放出可能にNOを吸着するようにNOと接触させてもよい。
或いは、MOFは、活性化されてもよく、次いで、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物及びNO(例えば活性化されたMOFを使用される反応混合物と接触させてノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を調製することによって)、または実際には他の任意の生物活性剤で同時に充填されてもよい。
この方法は、MOFをイオン交換する段階を含んでもよい(上述したものの前にまたは後にまたは中間段階として)。イオン交換は、例えば、MOFを金属イオンまたはイオン群の溶液の過剰で洗浄することによって、適切な任意の方法によって達成され得る。イオン交換は、MOFをキレート剤、またはいくつかの他の薬剤または存在する骨格外金属イオンに優先的に結合することのできる配位子の溶液で洗浄した後、続いて他の金属イオンの溶液で洗浄する段階を含んでもよい。

0059

MOFは、当技術分野において知られているように任意の適切な方法によって調製し得る。例えば、MOFは、便利には、本出願人の同時係属出願第PCT/GB2013/051520号に記載されているように低温水性合成によって調製し得る。
本発明の別の態様において、NOを放出させる方法であって、MOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を有するMOFを準備する段階、前記MOFをNOが放出されることになる媒体と接触させる段階、およびNOを媒体中に放出させる段階を含む、前記方法が提供される。
この方法は、MOFの細孔および/またはチャネルからノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を、例えば、周囲条件下で拡散することにより、ある時間にわたって放出させる段階を含んでもよい。この方法は、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からNOをある時間にわたって放出させる段階を含んでもよい。NOは、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物がMOF内にありながらノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からおよび/またはMOFから放出されたノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物から放出されてもよい。
この方法は、外部刺激をMOFに適用する段階を含んでもよい。外部刺激は、温度の上昇、pHの変化、光による照射、圧力の変化またはこれらの組み合せを含んでもよい。

0060

外部刺激は、MOFからのノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を置換しておよび/またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物と相互作用してNO放出するように、MOFを水のような別の化学種と接触させる段階を含んでもよい。
NO(および/またはMOFからノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物)の放出は、外部刺激によって開始され得る。NOの放出速度は、刺激によって変化(例えば、加速)され得る。
したがって、本発明は、制御された方法でNO(存在し得るさらなる生物活性剤)の放出を提供する。制御された放出プロファイルは、さらに、例えば、チャネル/細孔の寸法または骨格イオンまたは配位子の吸着特性によって、金属有機構造体自体の選択による特定の要求に調整されてもよい。
この方法は、特定の周波数で(例えば、UV光による)照射する段階を含んでもよい。例えば、ある種のノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、NOを放出するようにノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を分解させ得るUV光による照射に感受性があり得る。本発明者らは、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物のこの挙動がMOFへのその取り込みによって悪影響を受けないことがわかった。

0061

この方法は、MOFの細孔および/またはチャネルからさらなる生物活性剤を前記媒体へ放出させる段階を含んでもよい。
上述したように、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、それ自体が生物活性であり得る適切な前駆体化合物(例えば、クロルヘキシジン化合物、関連化合物またはシプロフロキサシン化合物)から形成され得る。さらに、前駆体化合物は、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物がNOを放出した時点で残っていてもよい。したがって、さらなる生物活性剤は、前記前駆体化合物であってもよい。
この方法は、MOFの細孔および/またはチャネルから金属イオンを放出させる段階を含んでもよい。金属イオンは、骨格外金属イオンとしてMOF中に存在してもよい。金属イオンは、生物活性であってもよい(例えば、抗菌的に活性であるAg+)。
この方法は、MOFの成分、すなわち骨格金属イオンおよび/または骨格配位子を前記媒体へ放出させる段階を含んでもよい。MOFは、生物活性剤である骨格金属イオンおよび/または配位子を含んでもよい。
MOFは、1つを超える「作用機序」を与えることになる。
例えば、MOFは、1種類を超える生物活性剤を放出することになり、その各々が異なる生物活性を示し得る(例えば、NOとクロルヘキシジン)。実際に、生物活性剤は相乗的に作用するので、組み合わせたその有効性は個々に適用されたときのいずれかまたは両方の薬剤の効果を超える。

0062

MOFは、1回を超える時間スケール(異なる半減期の特徴を有してもよい)にわたって生物活性剤を放出することができてもよい。第1の生物活性剤(例えばNO)は、第1の時間スケール(例えば短い初期バーストで)放出されてもよく、第2の生物活性剤(例えば前駆体化合物)は第2の時間スケール(典型的には長い時間スケール)にわたって放出されてもよい。
実際に、MOFは、1回を超える時間スケールにわたって、所定の生物活性剤、特にNOを放出することができてもよい。例えば、MOF中のノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、周囲条件で(数時間または数日程度の)長い半減期を有してもよく、さらにUV照射への曝露などの外部刺激に応答してNOをより速い速度(より短い半減期)で放出することができてもよい。
MOFは、1つを超える外部刺激に応答して生物活性剤を放出することができてもよい。例えば、MOFは、不可逆的に放出可能に吸着されたNOおよび骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を含んでいてもよい。この方法は、MOFを水分と接触させ、UV光による照射でノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からNOを放出させることによって、不可逆的に放出可能に吸着されたNOを放出させる段階を含んでいてもよい。
したがって、この方法は、1つを超える外部刺激を適用する段階を含んでもよい。
さらに、驚くべきことに、吸着されたNOを含むある種のMOFが、UV光による照射時にNOを放出させることもできることがわかった。

0063

この挙動は、不可逆的に放出可能に吸着されたNOを含むMOFについて見られており、水分との接触時にNOを放出することができることが既に示されている(例えば、下記の参考文献3〜6および本出願人の国際出願第WO 2008/020,218号、第WO 2012/020,214号および第WO 2013/186,542号;当業者が指示しているものに記載されているように)。
この方法は、湿気を引き金とするNO放出を示すMOFに適用して、これらの材料からのNO放出開始およびプロファイルについて追加の制御を得ることができる。
Mg-CPO-27またはHKUST-1(銅ベースのMOF)のような実質的に不可逆的にNOを吸着すると以前に考えられていたMOFについても挙動が見られている。そのような場合、試料を空気(およびその中の水分)に長時間NOの放出が少ないかまたは放出がなく曝露することができ、NO放出は、UV光で照射することによって選択的に達成することができる。
したがって、別の態様において、本発明は、NOを放出させる方法であって、
MOFの細孔および/またはチャネルに、好ましくは不可逆的または不可逆的に放出可能に、吸着させたNOを有するMOFを準備する段階;および
それからNOを放出させるようにMOFをUV光で照射する段階
を含む、前記方法に及ぶ。

0064

MOFは、NOが放出され、次いで照射される媒体と、またはその逆に接触させてもよい。NOが放出されることになる媒体は、それ自体NOの放出を刺激し得る水のような化学種を含み得る。
NOは、骨格金属イオンに結合していてもよい。
MOFは、生物活性NO結合分子を収容するのに充分大きい細孔サイズを有する適切な任意のMOFであり得る。MOFは、本明細書に記載されているような生物活性グアニジンベース、ビグアニジンベースまたはポリグアニジンベースの分子を収容するのに充分な大きさの細孔サイズを有する任意の適切なMOFであり得る
MOFは、構造型CPO-27またはHKUST-1を有し得る。MOFは、構造型MIL-101、STAM-1またはSIP-3を有し得る。
MOFは、上記のリストから選択される1つ以上の骨格金属イオンによるものであり得る。特に、MOFは、Mg2+(例えばMg-CPO-27)および/またはZn2+および/またはNi2+(例えばZn-CPO-27、Ni-CPO-27、MgNi-CPO-27、MgNiZn-CPO-27、NiZn-CPO-27)、またはCu+(例えばCu-HKUST-1)を含んでいてもよい。

0065

この方法は、以下のタイプの骨格配位子:ジカルボキシレートまたはトリカルボキシレート(例えば、ベンゼン1,3,5-トリカルボキシレートのようなベンゼンカルボキシレート、または2,5-ジヒドロキシテレフタレートまたは1,4-テレフタレートのようなテレフタレート);アミン配位子(1,4-ビピリジンのような)の1つ以上を含むMOFを照射する段階を含んでいてもよい。
MOFは、1つを超えるタイプの配位部分(例えば、5-スルホイソフタレート配位子)を有する配位子を含んでいてもよい。
MOFは、1つを超えるタイプの配位子を含んでいてもよい。
NOおよびいくつかの実施態様において1種以上のさらなる生物活性剤の放出は、動物体内で、局所的に動物体にまたは臨床部位および食品部位のような表面からの放出のような非体内適用での生体外のいずれで行われてもよい。
この方法は、ヒトまたは動物の治療に適用し得る。したがって、本発明は、さらに、さらなる態様として、それを必要としている個体の治療または予防の方法であって、本発明の他の態様に従ってMOFを準備する段階、MOFを個体と接触させる段階およびNO(および任意に1種以上のさらなる生物活性剤)を放出させる段階を含む、前記方法を提供する。

0066

NO(および/またはさらなる生物活性剤)は、MOFの細孔および/またはチャネルから放出されてもよい。
この方法は、さらに、外部刺激をMOFに適用する段階を含んでもよい。外部刺激は、個体と接触したときにMOFが曝露される生理的条件(例えば、水分、温度)の結果として適用され得る。外部刺激は、例えば、UV光による照射を含んでもよい。したがって、この方法は、外部刺激を選択的に適用することによる - 例えば、ある時間が経過した後に(例えば、MOFが体系的に分布されるかまたは消化されるのに充分な)および/または外部刺激(例えば、UV光)に個体の特定の領域を曝露することによる、NO(および/またはさらなる生物活性剤)の引き金となる放出を含んでもよい。
本発明のさらなる態様によれば、外科的処置および/または治療で使用するための金属有機構造体(MOF)が提供され、そのMOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物(本発明の他の態様の特徴に対応する好ましく且つ選択的な特徴)を含んでいる。
別の態様において、本発明は、医薬品、栄養補助食品または化粧品に及び、MOFがそのMOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を含み、そのための医薬品/栄養補助食品/化粧品の担体と一緒に含んでいる。

0067

さらなる態様において、本発明は、疾患の治療または予防に使用するための薬剤の調製のための金属有機構造体(MOF)の使用を提供し、そのMOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を含んでいる。
治療され得る疾患または医学的状態には、皮膚糸状菌リーシュマニア症軟属腫ウイルス乳頭腫ウイルス、およびマイコバクテリウム感染症を含める皮膚の感染症が含まれる。さらなる使用には、創傷治癒および/または熱傷治癒が含まれる。他の細菌問題の治療には、重度の足の臭いまたは体臭の問題の低減、およびメチシリン耐性スタフィロコッカスアウレウス(Staphylococcus Aureus)感染症の治療が含まれる。
本発明のさらに別の態様において、MOFを含む医療用品が提供され、そのMOFは、MOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を含んでいる。
本発明において使用するのに適した医療用品としては、ステントカテーテル、創傷包帯、絆創膏粘着剤プラスターおよびパッチが挙げられる。例えば、光ファイバーカテーテルは、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物またはノノエートおよび/またはN-ニトロソ充填MOFで含浸させるかまたは被覆されてもよい。UV光のような光は、光ファイバーによってカテーテルを通して伝達され、これはNO放出の引き金となり得る。

0068

MOFは、医療用品のコーティングに、例えば塗料の一部またはポリマーコーティングとして提供されてもよい。MOFは、医療用品の全部または一部が製造される材料の構成要素として提供されてもよい。
MOFは、例えば、プラスチック配合物に組み込まれてもよく、それが今度は成形されるかまたは形成されてもよい。それ故、本発明は、また、MOFを含むプラスチック組成物に及び、そのMOFは、MOFの内部細孔および/またはチャネル内に骨格外ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物を含んでいる。
NOおよび、適用可能な場合、さらなる生物活性剤の有益な特性は、化粧品および身体の衛生の用途に使われてもよいことが有利である。
例えば、本発明の態様に従うMOFは、化粧品;デオドラント;抗老化皮膚用剤、シェービングまたは脱毛剤による脱毛の前、最中または後に適用される製品毛髪剤;脱毛剤などに使用し得る。
本発明の各態様のさらに好ましい且つ選択的な特徴は、本発明の他の任意の態様の好ましい且つ選択的な特徴に対応する。
ここで、以下の図面を参照して非限定的な実施態様を記載する。

図面の簡単な説明

0069

NO充填前後のクロルヘキシジン二塩化物およびクロルヘキシジン二酢酸塩のUV可視スペクトルを示すグラフである。
(a)一酸化窒素濃度(mmol/g)および(b)クロルヘキシジン1分子当たりの一酸化窒素分子としてプロットされたクロルヘキシジンジ二酢酸塩の2試料のそれぞれについて298KにおけるNOの吸着(−■−)および脱着(−□−)等温線(重量分析を使用して測定した)を示すグラフである。
湿った雰囲気(11%RH)と接触時のクロルヘキシジン二酢酸塩からの一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。経時NO濃度(図2a)および経時全NO放出量(図2b)をプロットしたデータ。
湿った雰囲気(11%RH)と接触させた、UV光が引き金となったクロルヘキシジン二酢酸塩からの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。試料を室温で48時間バイアルに保持し、照射前に空気に曝露した。
水中(100%RH)(図5a)およびUV光が引き金となった(図5b)クロルヘキシジンNO錯体からの一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。
湿った雰囲気(11%RH)と接触させた、UV光が引き金となったクロルヘキシジン二塩化物からの一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。
湿った雰囲気(11%RH)と接触させた、UV光が引き金となったクロルヘキシジン二酢酸塩銀金属錯体からの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。
経時(a)1グラム当たりミリモルおよび(b)クロルヘキシジン(CHX)1分子当たりのNO分子としてプロットされた、4バールにおいてNOで充填されたポリマー注型クロルヘキシジン(青色)、および1バールにおいてNOで充填されたポリマー注型クロルヘキシジン(赤色)から湿った雰囲気(11%RH)との接触時の全NO放出量(化学発光分析を使用して測定した)を示すグラフである。
(a)4バールにおいてNOで充填されたポリマー注型クロルヘキシジンおよび(b)1バールにおいてNOで充填されたポリマー注型クロルヘキシジンからの一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフであり、それぞれ湿った雰囲気(11%RH)と接触させ、UV光が引き金となったものである。
湿った雰囲気(11%RH)と接触させた4バール(上方、青色プロット)および1バール(下方、赤色プロット)においてNOで充填されたポリマー注型クロルヘキシジンからのUV光が引き金となった一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。
UV光が引き金となった、湿った雰囲気(11%RH)と接触させたシプロフロキサシンからの一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。
(a)NOへの曝露前(青色)および後(赤色)のクロルヘキシジン二酢酸塩および(b)NOへの曝露前(青色)および後(赤色)のシプロフロキサシンのFT-IRスペクトルを示すデータである。
湿った雰囲気(1%RH)との接触時のフロセミドからの全NO放出量(化学発光分析を使用して測定した)を示す(1グラム当たりのmmoleとしてプロットされた)グラフである。
UV光が引き金となった、湿った雰囲気(11%RH)と接触させたフロセミドからの一酸化窒素放出の化学発光分析を示すグラフである。
湿った雰囲気(11%RH)と接触時のCPO 27 Mgからの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである図7a。UV光が引き金となった湿った雰囲気(11%RH)に接触させたCPO 27 MgからのNO放出図7b。試料を2つの分析の間に68時間を超える時間空気と湿気に曝露された室温でベンチ上に貯蔵した。
湿った雰囲気(11%RH)に接触したCPO 27 Niからの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである図16a。UV光が引き金となった湿った雰囲気(11%RH)と接触させたCPO 27 NiからのNO放出図16b。試料を2つの分析の間に48時間を超える時間空気と湿気に曝露された室温でベンチ上に貯蔵した。
湿った雰囲気(11%RH)との接触時のHKUST-1からの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである図17a。湿った雰囲気(11%RH)と接触させたHKUST-1からのNO放出、UV光が引き金となっているグラフである図17b。試料を2つの分析の間に64時間を超える時間空気と湿気に曝露された室温でベンチ上に貯蔵した。
(a)クロルヘキシジン、CPO-27 Mgおよびクロルヘキシジン充填CPO-27 MgのFTIR分析および(b)クロルヘキシジン、CPO-27 Mgおよびクロルヘキシジン充填CPO-27 MgのTGA分析を示すグラフである。
CPO 27 NiおよびCPO 27 Mgからのクロルヘキシジン放出を示すグラフである。
湿った雰囲気(11%RH)と接触時のクロルヘキシジン充填CPO 27 Mgからの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである:経時NO濃度(図20a)および経時全NO放出濃度(図20b)。
クロルヘキシジン酢酸塩、CPO 27 Mgおよびクロルヘキシジン充填CPO 27 Mgの経時全NO放出量を示すグラフである。
UV光が引き金となった、湿った雰囲気(11%RH)と接触させたクロルヘキシジン充填CPO 27 Mgからの一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。試料を2つの分析の間に50時間を超える時間空気と湿気に曝露された室温でベンチ上に貯蔵した。
(a)ポリウレタンフィルム中で注型されたCPO 27 Niからのクロルヘキシジン放出を示すグラフである。(b)湿った雰囲気(11%RH)が引き金となった、ポリウレタンフィルム中で注型されたクロルヘキシジン充填CPO 27 Niからの全一酸化窒素送達の化学発光分析を示すグラフである。

0070

クロルヘキシジンノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物からのNOの調製および放出
クロルヘキシジンは、世界保健機関必須医薬品リストに掲載されている。この医薬品は、消毒剤(皮膚や手に対する外用として)および局所使用(点眼剤における防腐剤、創傷包帯における有効成分および殺菌性口内洗浄剤)に広く使用されている。さらに、この生体分子は、化粧品(クリーム練り歯磨きおよび脱臭剤への添加物)にも見出すことができる。この薬剤は、主に塩(二塩酸塩、二酢酸塩およびジグルコン酸塩)として販売されている。最近、異なるクロルヘキシジン-金属錯体が報告されており;薬剤は特定の金属(銅や銀のような)に結合して、薬剤の性能を維持しながらクロルヘキシジンの制御された放出のためのシステムを与える[1]。
クロルヘキシジンは、第一級および第二級アミン基を含有する。本発明者らは、これらのアミン基が高圧下で一酸化窒素ガスに曝露された場合、NOを結合することができることがわかった。
さらに、クロルヘキシジンからのNOの放出は、紫外光(UV)または湿気への曝露が引き金となり得る。実際に、NO放出は、これらの外部刺激の一方または両方が引き金となることができる。以下に詳述するように、初期バーストが湿気への曝露によって引き起こされた後、UV光源オンオフ切り替えることによってNO放出が繰り返し引き金となり停止させることができる。
有利に且つ予想外に、クロルヘキシジンノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は空気中で安定であることがわかっており、特別な貯蔵条件が必要でないことを意味する。
光制御された放出は、多数の異なるクロルヘキシジン塩から起こり得る。クロルヘキシジンとNOの組み合わせは相乗効果を有し、潜在的な細菌耐性のリスクを減少させ、既に耐性菌株を防止するのに有効であることができる。
クロルヘキシジン-ノノエート/N-ニトロソ化合物の利点は、NO放出後に再生されるクロルヘキシジン前駆体がよく理解された有益な生物活性剤であることである。さらに、適切な用量、副作用および毒性もよく理解されている。

0071

(1)クロルヘキシジン-ノノエートおよび/またはN-ニトロソおよび錯体およびM-クロルヘキシジン-ノノエートおよび/またはN-ニトロソ塩の形成およびNO放出
クロルヘキシジン、その塩および錯体(前駆体化合物)は、MOFおよびゼオライト材料に関連してMorris[2]によって以前に報告されている高温脱水およびNO充填技術を使用してそのノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物に変換され得る。
クロルヘキシジン-ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物は、また、一般的にLoweら[17]によって略述されているように調製されてもよく、材料がNO雰囲気に曝露される前にほぼ室温で高真空に供される。
これらの技術は、以前にはMOFおよび他の分子篩材料をNOで充填する際に使用するために考えられていただけなので、NOは骨格イオンまたは配位子に吸着する。このような方法が「遊離の」ノノエートおよび/またはN-ニトロソ前駆体化合物に以前に適用されたことはない。
クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジン二塩酸塩およびクロルヘキシジン二グルコン酸塩に関して示されているように、任意のクロルヘキシジン塩を出発物質として使用することができる。
クロルヘキシジン前駆体の同一性は、好ましいNO放出プロファイルについて選択され得る。本発明者らは、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の湿気への曝露時の放出プロファイルが、選択された特定の前駆体に特に感受性であることを見出した。
例えば、湿気または水分との接触時にNOの大きな初期バースト」が望まれる場合には、例えばクロルヘキシジン二塩酸塩が適切であり得る。一方、クロルヘキシジン二酢酸塩は、湿気/水分への曝露時によりゆっくりとした放出プロファイルを有する。

0072

金属-クロルヘキシジン錯体についても、ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物の形成が実証されている。M-クロルヘキシジンノノエートおよび/またはN-ニトロソ錯体は、溶媒熱/水熱合成およびメカノケミカル合成によって形成されている。好ましい方法は、一般に、Morrisら[23]によって報告された低温プロセスによるものである。また、この低温プロセスは、以前にはMOF材料を調製するためにだけ使用されている。
使われる金属は、任意の金属であるが、好ましくはAg、Ni、ZnおよびCuのような抗菌性を有するものであることができる。これらの金属自体は、生物(例えば、抗菌)活性を有し、(NOおよびクロルヘキシジンアニオンの活性および/または放出プロファイルに加えて)さらなる作用機序を有するノノエートおよび/またはN-ニトロソ塩/錯体を与える。
湿った空気、水分またはUV光への曝露によるNOの放出に加えて、NO放出は、また、クロルヘキシジンノノエート化合物を加熱することによって開始または刺激され得る。
組み合わせた放出引き金を使用して初期バーストに続いて持続放出を与えることができることは、これらの材料の特定の特徴である。

0073

実施例1−クロルヘキシジン二酢酸塩および二塩酸塩NO充填
50mgのクロルヘキシジン二酢酸塩水和物およびクロルヘキシジン二塩酸塩の試料を室温で1時間高真空(10-4トール)に曝した。シュレンクラインを使用して4気圧のNOガスを2時間かけてシュレンク管に導入し、脱水したクロルヘキシジンにラジカルガスを吸着させた。次に試料を真空に曝し、アルゴンで30分間フラッシュした。試料を含有するガラスバイアル密封した。
図1は、NO含有錯体と比較して、純粋なクロルヘキシジンの検出されたUV Visスペクトルを示すグラフである。一酸化窒素ガスへの薬剤の曝露は、材料の色を白色から淡黄色に変化させる。UVデータは、クロルヘキシジン二塩酸塩と二酢酸塩NO複合体の両方について、〜370cm-1での吸光度バンドの変化を示している。これは、他のNO含有材料についての文献報告と一致する[16]。
2つのさらなるクロルヘキシジン二酢酸塩試料(25mg)についての一酸化窒素吸着/脱着プロファイルを注文重量測定吸着システムを使用して収集した。各試料を質量損失がそれ以上見られなくなるまで1×10-4ミリバールの圧力で高真空に曝した。水浴(温度精度0.02K)を使用して試料を298Kに冷却した。

0074

図2(a)および(b)の外側プロットに示されている1つの試料については、増加分を増加する点でNOを導入した。各NOの投与後、試料の質量を安定させた(吸着の完了を示す)後に次の添加が行った。このプロセスを導入されたNOの圧力が大気圧に等しくなるまで続けた。第2の試料を、単一段階で1気圧のNOに曝し、その質量を平衡にした。データを図2(a)および(b)の内部プロットに示す。図2(a)および2(b)に示される両方の試料の脱着プロファイルは、増加分の圧力を2×10-2ミリバールの最終値まで低下させることによって測定した。
重量分析は、1グラム当たり最大〜0.9mmoleのNOが吸着され(図2a)、クロルヘキシジン1分子あたり0.55分子のNOに等しい(図2b)。
吸着曲線の形状は、NOの印加圧力と分子へのNO結合量の間の依存性を示す。シュレンクラインの充填に通常使用されるNOの圧力は、重量等温分析中に得られるレベルの4倍であるので、クロルヘキシジンに配位するラジカルガスのより多くの量が期待される。真空の再適用により、NOレベルは次第に減少し、両方の試料は、1グラム当たり〜0.4mmoleの貯蔵NOのレベル、クロルヘキシジン1分子当たり約0.25分子に達する。これらのデータは、最初に貯蔵されたNOのかなりの割合がクロルヘキシジン前駆体によって吸着されたことを示している。

0075

試料からNOの放出は、最初に一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローをその上に流すことによって引き金となった。経時放出されたNO量は、NOの放出が20ppbより低いレベルに達するまで、Sievers NOA280i化学ルミネッセンス一酸化窒素アナライザーを使用して検出した。
初期バーストのNO放出は512PPMに達した(図3)。試料は19時間で0.042mmol/gの一酸化窒素を放出した。
NO放出が完了した後、試料を室温でベンチ上に保持し、空気と湿気に48時間を超える時間曝した。試料をそれぞれ300〜400nmの放出および50〜200Wの総出力を有する4×15Wバルブを含有する2つのRitek ElectronicsUV管ランプからのUV光に曝した。これらのパラメータは、本発明に関して限定的であると見てはならない。光が30ppbから105ppbまで直ちにバーストするNO放出の引き金となった。約5分間の連続曝露で最大約120ppbに達した。
図4aに示されるようにUV光源をオフにすると放出は直ちに停止した。このオン-オフプロセスは、経時反復して制御することができる。UV光に連続曝露すると、図4bに示されるように、4時間を超える時間70ppbより一酸化窒素の放出の引き金となる。上記の同じアナライザーを使用して経時NOの放出を記録した。

0076

実施例2−水に懸濁したクロルヘキシジンNO錯体からのNO放出
100mg試料のクロルヘキシジン二酢酸塩を高真空(10-4トール)に室温で12時間曝した。シュレンクラインを使用して、4気圧のNOガスをシュレンク管に導入し、2時間維持して脱水クロルヘキシジンにガスを吸着させることができた。次に試料を真空に曝し、アルゴンで30分間フラッシュした。次に試料を含有するガラスバイアルを密封した。
NO充填試料を、NOアナライザーに接続された密封チャンバ内の5mlの脱イオン水の中に沈めた。チャンバ雰囲気中に存在するNOの濃度を測定しながら一定の窒素フローを懸濁液に吹き込んだ。
NOのレベルが20ppbより低下するまで、水が引き金となる試料からのNO放出をppmやppbで測定した。NOの初期バースト放出は40ppmに達した。試料は、7時間で0.035mmol/gの一酸化窒素まで達した(図5a)。
NO放出が完了した直後に、試料をUV光に曝し、NOのさらなる放出の引き金となった。最大約1000ppbが連続曝露中に約10分間記録された。図5bに示されるようにUV光源をオフにすると放出は直ちに停止した。このオン-オフプロセスを経時反復して制御することができる。

0077

実施例3−クロルヘキシジン二塩酸塩NO充填および放出
出発材料としてクロルヘキシジン二塩酸塩を使用して上記と同じ一般プロセスを行った。試料を一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローに曝したときにNOの初期バースト放出が得られた。材料は少量のガスを2〜3分間放出し、その後停止した。ベンチ上に試料を貯蔵した後、湿った空気に2日間曝し、UV光を使用してNOの追加放出を誘発した。クロルヘキシジン二塩酸塩はNOのバーストを150ppbまで放出し、1時間かけて75ppbに低下する。この引き金機構は、図6に示されるように経時反復して制御することができる。

0078

実施例4−銀-クロルヘキシジン錯体からのNOの充填および放出
Songの手順に続いて、銀-クロルヘキシジンの試料を、硝酸銀およびクロルヘキシジン二酢酸塩を使用して調製した。特性評価(XRD、UV Vis、SEM、およびEDX)後、50mgの試料を、以前に報告された[17]高圧手順に従ってNOで充填した。
試料を湿気に曝すことによって引き金となったNOの初期バースト放出は、2〜3分間持続した。60時間を超える時間湿った空気に曝して試料を貯蔵した後、図7に示されるようにUV光を使用して一酸化窒素の追加の放出の引き金となった。
銀クロルヘキシジン錯体は、1時間かけて100ppbに徐々に低下したNO(175ppbまで)のバーストを放出した。上記の場合のように、UV光をオフにすると、NO放出が突然停止した。この引き金機構は、図7aに示されるように経時反復して制御することができる。NO放出は、図7bに示されるように、85時間後も複数回オンとオフを切り替えることができる。

0079

実施例5−NO錯体形成クロヘキシジン二酢酸塩を含有するポリマーフィルムからのNO放出
ポリウレタンポリマーを、医療機器で一般的に使用されているように注型材料として選択した。クロルヘキシジン二酢酸塩(1.5g)の試料をポリウレタン(3g)とTHF(40ml)の予め溶解した混合物に分散させた。この混合物を、ドクターブレード技術を使用して溶媒注型して〜100μm厚フィルムを製造し、これを溶媒の蒸発により設定した。
ポリマーフィルムの試料を一晩真空に曝し、一酸化窒素の2つの異なる圧力(1バールと4バール)を使用してNOを充填した。
図8は、4バールと1バールで充填した、100mg試料のNO-充填クロルヘキシジン含有フィルムの、湿った窒素のみ(11%RHに湿度制御された)を用いたNO放出プロファイル(化学発光分析)を示すグラフである。データは、4バールで充填された試料が30時間以内に一酸化窒素1グラム当たり0.1mmolまで放出し(図8a)、これはクロルヘキシジン1分子当たり0.06分子のNOに等しい(図8b)。
また、1バールにおいてNOで充填したポリマー注型クロルヘキシジンが、類似の条件下ではNOを放出しないこともわかった(図8にも示されている)。

0080

実施例6−UVがポリマー注型NO錯体形成化クロルヘキシジン二酢酸からのNO放出の引き金となった
試料を湿った窒素に曝すことによって初期NO放出が完了した後、試料を室温でベンチ上に貯蔵し、48時間を超える時間空気と湿気に曝した。次に、両方の試料を湿った窒素ガス(11%RHに湿度制御された)フロー中でUV光に曝した。
これは、1バールにおいてNOで充填したフィルムを含める試料からのNOの追加の放出の引き金となり、湿った窒素だけでのその性能とは正反対であった。この試料から約10分間の連続曝露時に最大約180ppbに達した。
図9aに示されるようにUV光源をオフにすると、放出は直ちに停止した。このオン-オフプロセスを経時反復して制御することができる。図9aに示されるように、UV光への連続曝露が14時間を超える時間20ppbより多い一酸化窒素の放出の引き金となった。
4バールにおいてNOで充填されたクロルヘキシジン含有ポリマー試料は、図10に示されるように1バール相対物から得られたほぼ2倍を放出した。それ故、ガス充填プロセス中に使用されるNOの圧力は、引き金として水および/またはUV光のみを使用して、試料から得られた最終放出性能に著しく影響する。図9bに示されるように、この試料から最大約300ppbが約10分間連続曝露時に達した。UV光源をオフにすると放出が直ちに停止した。このオン-オフプロセスを経時反復して制御することができる。

0081

(2)NO錯体形成シプロフロキサシン化合物の形成およびそれからのNO放出
上記プロセスがシプロフロキサシンのようなその構造中に第二級アミンを含有する異なる薬剤で使用することができることがわかった。シプロフロキサシンは、さまざまな細菌感染症の治療に有効な抗生物質である。

0082

実施例7
50mgのシプロフロキサシンを、上で報告した高圧法後にNO充填した。2〜3分続く一酸化窒素の小さな初期バーストを一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローに曝した後に得た。しかしながら、試料を湿った空気に24時間曝したベンチ上で貯蔵した後も、UV光を使用してNOの追加の放出の引き金となった。シプロフロキサシンは、500ppbまでNOバーストを放出し1時間かけて約100ppbに低下した。図11aに示されるように、機構を経時反復して制御することができる。図11bに示されるように、湿った空気に50時間を超える時間曝した試料を保持した後、引き金としてUV光を使用して追加のNOがさらに放出された。NO放出のバーストは320ppbに達し、1.5時間にわたって50ppbに低下した。

0083

FT-IR-分析
シプロフロキサシン分子へのNOの結合の証拠は、NOへの曝露後の両方の試料についてのFT-IRスペクトルにおける新しい伸縮振動数の出現によって示される(図12);例えば、1040〜1043cm-1(N-O)(図12a)、1310〜1320cm-1(N-O)(図12a、b)および1550〜1500cm-1(N-O)(図12a、b)における伸縮振動数。追加の伸縮バンドもあり;2270〜2275cm-1が全てのNO変性化合物中に存在し、たぶんN-N伸縮によるものである。
NO錯体形成化合物試料の各々に存在する1700cm-1より上に小さな伸縮もある。この伸縮の由来は完全に理解されていないが、NO含有化合物の他の文献に報告されたスペクトル中に存在することが見出されている(例えばJ. G. Nguyen, Kristine K. Tanabe and S. M. Cohen Cryst. Eng. Comm, 2010,12, 2335-2338を参照されたい)。さらに、図11bは、シプロフロキサシンがNOへ曝されると3300cm-1におけるNH伸縮の消失を示している。

0084

(3)フロセミド
フロセミドは、うっ血性心不全浮腫の治療に使用されるループ利尿薬である。いくつかの他の利尿薬と共に、フロセミドは他の薬剤のためのマスキング剤としての疑惑使用のため世界ドーピング防止機構禁止薬物リストに含まれている。これは、必須医薬品の世界保健機関の一覧表、基本的な保健システムに必要な最も重要な薬剤のリストにもある。
フロセミドは、主に高血圧や浮腫の治療のために使用される。これは、うっ血性心不全によって引き起こされる浮腫をもつほとんどの人々のための第一選択薬である。これは、また、肝硬変腎機能障害ネフローゼ症候群のために、充分な水分補給と組み合わせて重度の高カリウム血症の治療管理に使用されている。

0085

実施例8−フロセミドNOの充填および放出
25mgのフロセミドを高真空(10-4トール)に室温で1時間曝した。シュレンク-ラインを使用して、4気圧のNOガスをシュレンク管に導入し、2時間維持して脱水フロセミドをガス吸着させることができた。次に試料を真空に曝し、アルゴンで30分間フラッシュした。次に試料を含有するガラスバイアルを密封した。
NOの放出は、最初に、一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローを通過させることによって試料からの引き金となった。経時放出されるNO量をNOの放出が20ppbより低下するまでppmやppbで検出した。
NOの放出の初期バーストは512ppmに達した(図13)。試料は、19時間で0.042mmol/gの一酸化窒素まで放出した。

0086

実施例9−UVがフロセミドNO錯体からのNO放出の引き金となった
湿った窒素による初期NO放出が完了した後、試料を室温でベンチ上に貯蔵し、空気と湿気に24時間を超える時間曝した。次に、試料を湿った窒素ガス(11%RH湿度制御された)フロー中でUV光に曝した。
約10分間の連続曝露時にフロセミドノノエート試料から最大約55ppbに達した。図14に示されるように、UV光源をオフしたときに放出が直ちに停止した。
このオン-オフプロセスを経時反復して制御することができる。UV光への連続曝露が7時間を超える時間20ppbにわたって一酸化窒素の放出の引き金となった。

0087

(4)光がMOFからのNO放出の引き金となった
UV光が引き金となったMOFからのNO放出は、とりわけCPO-27及びHKUST-1型構造(特に配位不飽和骨格金属部位を有する他のMOF)について実証されている。しかしながら、この技術はNOに対して親和性を示す任意のMOFにも適用することができる。
以前にMorris[23]によって報告された方法に従ってMOFを調製した。活性化およびNO充填は、以前にMorris[2,8]によって報告された高温脱水法に従って行った。しかしながら、例えばLowe[17]によって記載されたように、NO充填は任意の適切な方法により行われてもよく、この材料を室温で真空にした後に一酸化窒素の高圧に曝した。
MOFは、所望のNO放出プロファイルのために選択され得る。例えば、MgおよびNi-CPO-27は、HKUST-1よりも多い量を放出する傾向がある。
吸着されたNOの放出は、UV光に材料を曝すことによって引き金となる。或いはまたは加えて、NO放出も湿った空気および/または熱への曝露時に達成することができる。
例えば、場合によって初期NOバーストは水分との接触によって引き金となることができ、一酸化窒素の放出が放散されると、UV光を使用してUV光源をオンとオフに切り替えることによって追加のNOの放出の選択的引き金となることができる。
この特定の方法では、以前に可能であったよりも貯蔵されたNOのより多くの量または割合の放出を与え得る。理論に縛られることを望まないが、これは、通常、水で、または従来適用された熱条件の下で置き換えられることによって放出されない、より強固に結合した(高エネルギー)NOの放出の引き金となるUV光の結果であり得る。NOの放出の引き金となるUVは、湿気にだけ曝されたときに不充分なNO放出を示すMOFによる特定の使用を有する(例えば、CPO-27 Mg及びHKUST-1)。このような材料は、それが以前には容易に放出することが可能でなかった比較的高いNO貯蔵能力をもつことが知られている。

0088

実施例10−CPO-27 Mg
Morris[23]によって報告された手順に従って調製された50mgのCPO-27 Mgの試料を高真空(10-4トール)に室温で1時間曝した。次に試料を4気圧のNOガスに2時間曝した後、排気し、アルゴンで30分間フラッシュし、ガラスバイアルに密封した。
全NO放出量:試料を一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローに曝し、放出されたNOを経時モニターした。検出されたNOガスレベルが20ppbより低くなるまで分析を行った。図15aに示されるように、CPO-27 Mgのみが25時間にわたって0.05モル/gまで放出した。NO放出が終わった後、試料を空気と湿気に68時間を超える時間曝した室温でベンチ上に維持した。UV光へのその後の曝露によって、一酸化窒素のさらなる放出がもたらされた。光が80ppbから500ppbを超えるまでNO放出の遅いバーストの引き金となった。UV光源をオフにしたときに放出が直ちに停止した。図15bに示されるようにプロセスを繰り返すことができる。

0089

実施例11−CPO-27 Ni
Morris[23]によって報告された手順に従って調製された50mgのCPO-27 Niの試料を、上記と同じ高圧技術に従って活性化し、NO充填した。
全NO放出量:図16aに示されるように、試料を一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローに曝した後にCPO-27 Niが合計2.8mmol/gのNOを40時間にわたって放出した。試料を、2日間を超える間空気と湿気にさらされた室温でベンチ上に維持した。次に、図16bに示されるように、さらなるNO放出がUV光によって引き金となり、85ppbまでバースト放出および照射時間にわたって持続放出を得た。骨格からの一酸化窒素の放出をUV光のオンとオフを切り替えることによって繰り返し引き金となることができる。

0090

実施例12−HKUST-1
Morris[23]によって報告された手順に従って調製された50mgのHKUST-1の試料を活性化し、上記と同じ高圧技術に従ってNO充填した。
全NO放出量−試料を一定の湿った窒素ガス(11%RH)フローに曝すことによって初期のNO放出を得た。図17aに示されるように骨格が7時間にわたって0.2mmol/gまで放出した。湿った空気に64時間曝された、ベンチ上で試料を貯蔵した後、追加のNO放出はUV光を使用して引き金となった。HKUST-1は65ppbまでNOバーストを放出し、1時間を超える時間60ppbのプラトーを有した。この引き金機構を経時反復して制御することができる(図17b)。

0091

(5)クロルヘキシジン充填MOF
クロルヘキシジンおよびNO錯体形成クロルヘキシジンは正常に組み込まれており、MOFから放出した。さらに、MOFは、UV光および/または湿気と光の組合せに曝して経時NOを放出することができることが実証されている。
クロルヘキシジンおよびNO充填MOFは、Morris[23]またはLowe[17]の方法に従って調製され得る。
MOFが最初にクロルヘキシジン化合物のような前駆体化合物で充填される場合、一酸化窒素へのMOFの曝露は二重の効果を有し得る;NOおよびクロルヘキシジン-NO錯体充填MOFを形成するように、NOガスはMOF、さらにクロルヘキシジン化合物に結合される。
NOは、湿った空気、熱またはUV光への曝露を含むがこれらに限定されない一般に使われる方法によってクロルヘキシジン-NO錯体充填MOFから放出され得る。
NOの放出の引き金となる光はNO錯体自体についておよびNO充填MOFについて上で報告されたものと類似している。NO結合部位の2つの異なるタイプの存在は、全NO放出量の増加で示され得る。

0092

実施例13−CPO-27 Mg及びCPO-27 Niへのクロルヘキシジンの充填
100mgのMOF(CPO-27 MgまたはCPO-27 Ni)の試料を100mgのクロルヘキシジン二酢酸塩と混合した。この混合物を110℃の炉内で一晩脱水した。次に試料バイアルを密封し、室温に冷却した後、無水エタノール(100ml)をゴム隔膜に通して導入した。4日後に、懸濁液を濾過し、エタノールで洗浄した。図18に示されるようにFT-IR及びTGA分析により骨格におけるクロルヘキシジンの存在が確認される。

0093

実施例14−CPO-27 Mg及びCPO-27 Niからクロルヘキシジンの放出
50mgの薬剤充填MOF(CPO-27 MgまたはCPO-27 Ni)を50mlのメタノールに懸濁させた。この溶液を経時試料採取し、クロルヘキシジンの濃度をUV Visを使用して検出した。図19は、経時骨格からの薬剤の効果的な放出を示すグラフである。薬剤充填CPO-27 Niは最初の40時間にわたって1.3μg/mlに達するバースト放出を示すが、CPO-27 Mgはより高い親和性および80時間にわたって2.5μg/mlのプラトーに達する経時クロルヘキシジンのより高い潜在的放出を与える。

0094

実施例15−NO充填および薬剤充填CPO-27 Mgからの放出
50mgの薬剤充填CPO-27 Mgの試料を活性化し、室温において上で報告された高圧手順に従ってNOを充填した。次に、試料を一定の湿った窒素(11%RH)フローに曝した。クロルヘキシジンCPO-27錯体の使用量は512PPMでピークに達するバースト放出を有する。図20に示されるように、薬剤充填MOFは45時間にわたって0.15mmol/gの全NO放出量を達成する。
純粋なクロルヘキシジンNO錯体、純粋なMOF及び薬剤充填MOFからの全NO放出量の比較により、図21に示されるように、2つの別個の部分について二官能性材料の利点が示される。NO-錯体形成クロルヘキシジンからの全NO放出量は、18時間で最大0.03mmol/gに達し、CPO-27 Mgからの全NO放出量は25時間で0.05mmol/gに達する。しかしながら、クロルヘキシジンCPO-27 Mg錯体は、両方の部分の組み合わせた効果によるもので40時間にわたって0.15mmol/gの全NO放出量を達成する。
クロルヘキシジンCPO-27 Mgの試料を、40時間を超える時間空気と湿気に曝した室温でベンチ上に維持した。次に、図22aに示されるように、UV光を使用してNO放出の追加量の引き金とした。データは、NO用量が少なくとも2時間にわたって、UV光への曝露の長さを操作することによって調整することができることを示している(図22b)。光の引き金機構は、経時反復してNOガスの放出を制御する。UV光への最初の曝露後、試料を50時間空気と湿気に開放して、室温で再び貯蔵した。UV光への試料のさらなる曝露は、図22bに示されるようにガスの追加の放出の引き金となった。材料の実験量からNO放出は、1時間にわたって0.5PPMのプラトーに達した。

0095

(6)適用のためのマトリックスへのNO錯体形成材料の組み込み
薬剤ノノエートおよび/またはN-ニトロソ化合物(クロルヘキシジン塩やシプロフロキサシン)、MOFおよび薬剤充填MOFが含まれる上記材料の各々を異なるマトリックスに組み込むことができる。これらのマトリックスとしては、樹脂結合剤(例えば、塗料、インク、コーティングにおいて使用されるもの)、クリーム剤軟膏剤、ポリマー、セラミックガラス、特にヘルスケアおよび医療用途(例えば、デバイス包帯局所治療)に、または消毒/抗菌性能が要求される場合(例えば、表面上にコーティング)に使われるものが挙げられるがこれらに限定されない。
材料は、粉砕高速/剪断混合押出電界紡糸、注型、成形のようなこれらに限定されない任意の適切な手段によってこれらのマトリックス中に導入することができる。材料は、例えば、織物プラスチック、金属、木製、ガラス表面上のコーティングに使うことができる。これは、任意の適切な手段、例えば、ペインティング、浸漬コーティング、吹き付けコーティング、プリンティングなどによって適用される樹脂中に材料を分散させることによって達成させることができる。粉末コーティングを適切な場合に使うこともできる。このような分散変性剤レオロジー改質剤のような追加の薬剤は、配合の援助に適切に必要に応じて使うことができる。

0096

実施例16−クロルヘキシジン充填CPO-27 Niを含有するポリマーからクロルヘキシジンの放出
カテーテルに一般に使用されるように注型材料としてポリウレタンポリマーを選択した。CPO-27 Niの試料を、以前にMorrisら[23]によって報告された手順に従って薬剤充填した。高剪断ホモジナイザーを使用して薬剤充填MOFをTHFに懸濁し、予め溶解したポリウレタンに分散させた。ドクターブレード法を使用してこの混合物を溶媒注型して〜100μ厚フィルムを製造した。
このフィルムを割り当てられた容積のメタノールに懸濁した。この溶液を経時試料採取し、UV分光法を使用してクロルヘキシジン濃度を検出した。図23aは、充填されたポリマーからの薬剤放出量を示すグラフである。放出量は、70時間で最大0.12μg/mlに達した。

0097

実施例17−クロルヘキシジンNO錯体充填CPO-27 Niを含有するポリウレタンからNO放出
MOF-充填フィルム(上で略述したように調製した)を以前に報告された手順に従って脱水及びNO充填した。図23bは、湿った空気に曝されたときにポリウレタンポリマーに注型したクロルヘキシジン充填CPO-27 Niからの全NO放出量を示すグラフである。試料は8時間後に最大0.25mmol/gを送達した。

実施例

0098

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