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課題・解決手段

本発明は、式(I):Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F (I)[式中、「*」で標識された2つのシステインアミノ酸は、それらの側鎖のチオール官能基の間にジスルフィド結合を形成している]の合成ポリペプチド、またはそのアミドもしくはエステル;と、から選択される脂肪酸であって、そのカルボン酸官能基のうちの1つを介して、任意選択的にポリエチレングリコールリンカーを介して、ペプチドN末端共有結合によって連結している、脂肪酸とを含む、コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を提供する。コンジュゲートは、APJ受容体アゴニストである。本発明はまた、本発明のコンジュゲートの製造方法、ならびに、急性代償不全心不全ADHF)、慢性心不全肺高血圧心房細動、Brugada症候群心室性頻拍アテローム性動脈硬化症高血圧再狭窄虚血性心血管疾患心筋症心臓線維症不整脈水分貯留糖尿病妊娠糖尿病を含める)、肥満末梢動脈疾患脳血管発作一過性脳虚血発作外傷性脳損傷筋萎縮性側索硬化症熱傷日焼けを含める)、および子癇前症治療または予防などの、その治療的使用に関する。本発明はさらに、薬理活性薬剤組合せおよび医薬組成物を提供する。

概要

背景

西欧諸国における心不全発生率は、65を過ぎた成人のおよそ100人に1人である。最も一般的な病態は、心収縮性、したがって、心拍出量、すなわち、どちらかの心室によって排出される有効血液量が徐々に慢性的不足することである。慢性心不全患者は、代償不全、すなわち、心臓が十分な血液循環を維持できないという急性エピソードを伴う場合があり、その場合、心収縮性はさらに低下する。米国だけで、「急性代償不全心不全」(ADHF)での入院は、毎年約50万件である。

ADHFの現行の療法としては、利尿薬血管拡張薬、およびイノトロープが挙げられ、これらは、心収縮性を直接増大させる。現用静脈内イノトロープ(ドブタミンドーパミンミルリノンレボシメンダン)は、不整脈などの有害事象および長期死亡率の増大と関連付けられているにもかかわらず、急性の状況で使用される。こうした傾向があることは、これらを慢性心不全に適用する妨げとなっている。ジゴキシンは、経口イノトロープ(oral inotrope)であるが、狭い治療指数、潜在的な催不整脈性の増大、および腎不全における禁忌による制約がある。

催不整脈性または死亡の傾向なしに心収縮性を増大させる心不全の療法は、ADHF用に差し迫って求められてはいるが、慢性心不全における未対応の膨大な医学的要求にも対処できるはずである。

アペリンは、アペリン受容体アンジオテンシン様1受容体アンジオテンシンII様1受容体などとも呼ばれる、以前はオーファンであったGタンパク質共役型受容体(GPCRAPJの、内因性リガンドである。アペリン/APJ経路は、心血管系において広く発現され、アペリンは、前臨床モデルにおいて、有益な主要な心血管効果を示している。ヒトにおける急性アペリン投与は、末梢および冠動脈血管拡張を引き起こし、心拍出量を増加させる(Circulation. 2010; 121:1818-1827)。結果として、APJアゴニズムは、心不全患者にとっての重要な治療ターゲットとして浮上している。アペリン受容体APJの活性化は、現行の療法の傾向を伴わずに、心収縮性を増大させ、心臓保護になると考えられている。しかし、自然のアペリンは、in vivoでの半減期および作用持続期間が非常に短い。非常に短い半減期は、急速な血清クリアランス、およびペプチダーゼの作用によるタンパク質分解性分解を原因とする、このような治療用内因性ペプチド送達の、広く認められている主要な難題である。

この欠点を克服するために現在使用されている一手段は、一部の治療用ペプチドが分解されるとしても、十分治療上有効なままとなるように、問題の治療用ペプチドを高い投薬量で患者に投与することである。しかし、この方法は、患者にとって快適ではない。大半の治療用ペプチドは経口投与することができないので、治療用ペプチドは、絶えず注入する、静脈内注射によって頻回注入する、または皮下注射という不便な経路によって頻回投与することのいずれかの必要があることになる。頻回投与が必要となる結果、潜在的可能性のある多くのペプチド治療薬には、許容されない非常に突出した治療コストが伴う。分解された多量のペプチドの存在は、望ましくない副作用も生じかねない。

投与の苦痛および高いコストは、魅力的生物活性プロファイルを有する大半の治療用ペプチドが、薬物候補として開発されることのない、2つの理由である。

したがって、ペプチドの半減期を延長する1つの手法は、生物学的活性を依然として維持しながら、その分解速度を緩めるように、治療用ペプチドを修飾することである。そのような合成的に修飾されたポリペプチドは、米国特許第8,673,848号明細書(代理人整理番号PAT054961−US−NP)に記載されている。別の手法としては、ペプチドを、腎臓を介したその排出を妨げ得る脂肪酸部分などの1種または複数の分子コンジュゲートさせることにより、クリアランスの速度を減速することが挙げられる。そのような脂肪酸コンジュゲートの例は、米国仮特許出願第62/082327号明細書(PAT056274−US−PSP2)、米国特許出願第14/336,290号明細書(PAT055781−US−NP)および米国特許出願第14/336,262号明細書(PAT055418−US−NP)に記載されている。

しかし、そのようなバイオコンジュゲートは、依然としてプロテアーゼ活性を受けやすいかまたはもはやそれらのコンジュゲートされていない類似体と同等に活性ではない場合がある。

概要

本発明は、式(I):Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F (I)[式中、「*」で標識された2つのシステインアミノ酸は、それらの側鎖のチオール官能基の間にジスルフィド結合を形成している]の合成ポリペプチド、またはそのアミドもしくはエステル;と、から選択される脂肪酸であって、そのカルボン酸官能基のうちの1つを介して、任意選択的にポリエチレングリコールリンカーを介して、ペプチドのN末端共有結合によって連結している、脂肪酸とを含む、コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を提供する。コンジュゲートは、APJ受容体アゴニストである。本発明はまた、本発明のコンジュゲートの製造方法、ならびに、急性代償不全心不全(ADHF)、慢性心不全、肺高血圧心房細動、Brugada症候群心室性頻拍アテローム性動脈硬化症高血圧再狭窄虚血性心血管疾患心筋症心臓線維症、不整脈、水分貯留糖尿病妊娠糖尿病を含める)、肥満末梢動脈疾患脳血管発作一過性脳虚血発作外傷性脳損傷筋萎縮性側索硬化症熱傷日焼けを含める)、および子癇前症の治療または予防などの、その治療的使用に関する。本発明はさらに、薬理活性薬剤組合せおよび医薬組成物を提供する。

目的

最も一般的な病態は、心収縮性、したがって、心拍出量、すなわち、どちらかの心室によって排出される有効血液量が徐々に慢性的に不足することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

a.以下の式(I):Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F(I)[式中、「*」で標識された2つのシステインアミノ酸は、それらの側鎖のチオール官能基の間にジスルフィド結合を形成している]を有するAPアゴニストペプチド、またはそのアミドもしくはエステルと、b.脂肪酸であって: から選択され、そのカルボン酸官能基のうちの1つを介して、任意選択的にポリエチレングリコールリンカーを介して、前記ペプチドN末端共有結合によって連結している、脂肪酸とを含む、コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。

請求項2

ポリエチレングリコール(PEG)リンカーが存在し、式(III): [式中、yは、1〜30であり、PEGリンカーカルボニル官能基は、式(I)のペプチドのN末端におけるアミノ官能基アミド結合を形成し、PEGリンカーのアミノ官能基は、脂肪酸のカルボン酸官能基のうちの1つとアミド結合を形成している]のものである、請求項1に記載のコンジュゲート。

請求項3

前記ポリレチレングリコールリンカーが、式(III)のものであり、yが2〜25である、請求項1または2に記載のコンジュゲート。

請求項4

前記脂肪酸が、 である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項5

前記脂肪酸が、そのジェミナルなカルボン酸官能基のうちの1つを介して、PEGリンカーのアミノ官能基に、またはPEGリンカーがない場合には、前記ペプチドのN末端のアミノ官能基に付着している、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項6

前記脂肪酸が、その末端カルボン酸官能基を介して、PEGリンカーのアミノ官能基に、またはPEGリンカーがない場合には、前記ペプチドのアミノ官能基に付着している、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項7

から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩。

請求項8

その必要のある対象において、APJ受容体アゴニズムに反応を示す疾患または障害治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む方法。

請求項9

請求項10

医薬として使用するための、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。

請求項11

APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または障害の治療または予防において使用するための、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。

請求項12

急性代償不全心不全(ADHF)、慢性心不全、肺高血圧、心房細動、Brugada症候群、心室性頻拍、アテローム性動脈硬化症、高血圧、再狭窄、虚血性心血管疾患、心筋症、心臓線維症、不整脈、水分貯留、糖尿病(妊娠糖尿病を含める)、肥満、末梢動脈疾患、脳血管発作、一過性脳虚血発作、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、熱傷(日焼けを含める)または子癇前症の治療において使用するための、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。

請求項13

治療有効量の請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩と、治療活性のある1種または複数の共薬剤とを含む、組合せ。

請求項14

請求項15

治療有効量の請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩と、1種または複数の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物

技術分野

0001

本発明は、APアゴニストポリペプチド脂肪酸部分バイオコンジュゲートである半合成生物学的分子を含む組成物に関する。特に、本発明のバイオコンジュゲートは、APJアゴニスト活性を保持しながら、その対応するポリペプチドに比べておよび/または先に記載されたアペリンバイオコンジュゲートに比べて、ペプチダーゼの作用によるタンパク質分解性分解に対する耐性がより高い。本発明はさらに、前記組成物の製造方法および前記組成物を心血管疾患治療において薬学的活性剤として使用する方法に関する。

背景技術

0002

西欧諸国における心不全発生率は、65を過ぎた成人のおよそ100人に1人である。最も一般的な病態は、心収縮性、したがって、心拍出量、すなわち、どちらかの心室によって排出される有効血液量が徐々に慢性的不足することである。慢性心不全患者は、代償不全、すなわち、心臓が十分な血液循環を維持できないという急性エピソードを伴う場合があり、その場合、心収縮性はさらに低下する。米国だけで、「急性代償不全心不全」(ADHF)での入院は、毎年約50万件である。

0003

ADHFの現行の療法としては、利尿薬血管拡張薬、およびイノトロープが挙げられ、これらは、心収縮性を直接増大させる。現用静脈内イノトロープ(ドブタミンドーパミンミルリノンレボシメンダン)は、不整脈などの有害事象および長期死亡率の増大と関連付けられているにもかかわらず、急性の状況で使用される。こうした傾向があることは、これらを慢性心不全に適用する妨げとなっている。ジゴキシンは、経口イノトロープ(oral inotrope)であるが、狭い治療指数、潜在的な催不整脈性の増大、および腎不全における禁忌による制約がある。

0004

催不整脈性または死亡の傾向なしに心収縮性を増大させる心不全の療法は、ADHF用に差し迫って求められてはいるが、慢性心不全における未対応の膨大な医学的要求にも対処できるはずである。

0005

アペリンは、アペリン受容体アンジオテンシン様1受容体アンジオテンシンII様1受容体などとも呼ばれる、以前はオーファンであったGタンパク質共役型受容体(GPCR)APJの、内因性リガンドである。アペリン/APJ経路は、心血管系において広く発現され、アペリンは、前臨床モデルにおいて、有益な主要な心血管効果を示している。ヒトにおける急性アペリン投与は、末梢および冠動脈血管拡張を引き起こし、心拍出量を増加させる(Circulation. 2010; 121:1818-1827)。結果として、APJアゴニズムは、心不全患者にとっての重要な治療ターゲットとして浮上している。アペリン受容体APJの活性化は、現行の療法の傾向を伴わずに、心収縮性を増大させ、心臓保護になると考えられている。しかし、自然のアペリンは、in vivoでの半減期および作用持続期間が非常に短い。非常に短い半減期は、急速な血清クリアランス、およびペプチダーゼの作用によるタンパク質分解性分解を原因とする、このような治療用内因性ペプチド送達の、広く認められている主要な難題である。

0006

この欠点を克服するために現在使用されている一手段は、一部の治療用ペプチドが分解されるとしても、十分治療上有効なままとなるように、問題の治療用ペプチドを高い投薬量で患者に投与することである。しかし、この方法は、患者にとって快適ではない。大半の治療用ペプチドは経口投与することができないので、治療用ペプチドは、絶えず注入する、静脈内注射によって頻回注入する、または皮下注射という不便な経路によって頻回投与することのいずれかの必要があることになる。頻回投与が必要となる結果、潜在的可能性のある多くのペプチド治療薬には、許容されない非常に突出した治療コストが伴う。分解された多量のペプチドの存在は、望ましくない副作用も生じかねない。

0007

投与の苦痛および高いコストは、魅力的生物活性プロファイルを有する大半の治療用ペプチドが、薬物候補として開発されることのない、2つの理由である。

0008

したがって、ペプチドの半減期を延長する1つの手法は、生物学的活性を依然として維持しながら、その分解速度を緩めるように、治療用ペプチドを修飾することである。そのような合成的に修飾されたポリペプチドは、米国特許第8,673,848号明細書(代理人整理番号PAT054961−US−NP)に記載されている。別の手法としては、ペプチドを、腎臓を介したその排出を妨げ得る脂肪酸部分などの1種または複数の分子コンジュゲートさせることにより、クリアランスの速度を減速することが挙げられる。そのような脂肪酸コンジュゲートの例は、米国仮特許出願第62/082327号明細書(PAT056274−US−PSP2)、米国特許出願第14/336,290号明細書(PAT055781−US−NP)および米国特許出願第14/336,262号明細書(PAT055418−US−NP)に記載されている。

0009

しかし、そのようなバイオコンジュゲートは、依然としてプロテアーゼ活性を受けやすいかまたはもはやそれらのコンジュゲートされていない類似体と同等に活性ではない場合がある。

発明が解決しようとする課題

0010

したがって、修飾ペプチドの治療上の利点を依然として保持しつつ低い毒性を維持しながら、in vivoでの作用持続時間をより長くするために半減期が延長されている、修飾された治療用ペプチドが求められている。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、問題の治療用ペプチドまたはポリペプチド、すなわち、APJアゴニストを修飾することにより、身体内でのペプチド分解の問題を克服することを対象とする。

0012

したがって、本発明の目的は、a)以下の式(I):
a.以下の式(I):
Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F (I)
[式中、
「*」で標識された2つのシステインアミノ酸は、それらの側鎖のチオール官能基の間にジスルフィド結合を形成している]
を有するAPJアゴニストペプチド、またはそのアミドもしくはエステル、またはそれと実質的に等価なペプチド;と
b.脂肪酸であって:

0013

から選択され、そのカルボン酸官能基のうちの1つを介して、任意選択的にポリエチレングリコールリンカーを介して、ペプチドのN末端共有結合によって連結している、脂肪酸と
を含む、新規コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を提供することである。

0014

一実施形態では、本発明のコンジュゲートは、野生型アペリンに優るおよび/または裸の(コンジュゲートされていない)アペリン類似体(たとえば、Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F)に優るおよび/または他の先に記載されたアペリンコンジュゲートに優る以下の改良点、すなわち、半減期の延長、投与後および/または可溶化後の分解に対するより強い免疫性APJ受容体におけるより大きなアゴニスト活性のうちの少なくとも1つを有する。したがって、本発明のアペリンコンジュゲートは、心不全などの心血管疾患、心不全と関連する障害および状態、ならびにAPJ受容体活性の活性化に反応を示す障害および状態の治療または予防に特に有用である。

0015

上で挙げた式Iのアミノ酸残基のいずれも、本発明のコンジュゲートが、機能活性および構造特性(たとえば、半減期の延長、分解からの保護、立体配座拘束)を依然として保持するという前提で、保存的に置換されていてもよい。許容される保存的なアミノ酸置換原理および例は、本明細書でさらに説明する。

0016

半減期延長性部分である脂肪酸は、本発明のコンジュゲートの構成部分生物学的機能を増強するように、かつ/またはその妨げとならないようにして付着させる。たとえば、脂肪酸部分を、(リンカーがないときには)そのカルボン酸官能基のうちの1つを介してペプチドのN末端のアミノ官能基に付着させ、アミド結合を形成する。代わりに、脂肪酸部分を、(リンカーがあるときには)そのカルボン酸官能基のうちの1つを介してPEGリンカーのアミノ官能基に付着させる。

0017

一実施形態では、本発明のコンジュゲートは、心不全と関連する障害もしくは状態、またはAPJ受容体活性の活性化(もしくはアゴニズム)に反応を示す障害の治療または予防に特に有用である。別の実施形態では、本発明のコンジュゲートは、急性代償不全心不全(ADHF)、慢性心不全、肺高血圧心房細動、Brugada症候群心室性頻拍アテローム性動脈硬化症高血圧再狭窄虚血性心血管疾患、心筋症心臓線維症、不整脈、水分貯留糖尿病妊娠糖尿病を含める)、肥満末梢動脈疾患脳血管発作一過性脳虚血発作外傷性脳損傷筋萎縮性側索硬化症熱傷日焼けを含める)、および子癇前症の治療において特に有用である。

0018

好ましい実施形態では、本発明のアペリンコンジュゲートは、急性非代償心不全(ADHF)の治療において有用である。別の好ましい実施形態では、アペリンコンジュゲートは、慢性心不全の治療において有用である。

0019

別の実施形態では、本発明は、そのような治療の必要のある対象において、APJ受容体の活性化に反応を示す障害または疾患を治療する方法であって、対象におけるAPJ受容体の活性化に反応を示す障害または疾患が治療されるような有効量の本発明のコンジュゲートを対象に投与することを含む方法に関する。

0020

さらに別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載のコンジュゲートを製造する方法に関する。

0021

さらに別の実施形態では、本発明は、本発明のコンジュゲートと、1種または複数の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。

0022

さらに別の実施形態では、本発明は、本発明のコンジュゲートと、1種または複数の治療活性薬剤医薬合剤とを含む組合せに関する。

0023

別の実施形態では、本発明は、その必要のある対象においてAPJ受容体を活性化させる方法であって、治療有効量の本発明のコンジュゲートを対象に投与することを含む方法に関する。

0024

本発明のこれらおよび他の態様は、以下の本発明の詳細な説明において解明される。

図面の簡単な説明

0025

皮下投薬後の実施例1および4の化合物マウス血漿曝露量(plasma exposure)プロフィールを表す。

0026

定義
本出願を説明する目的のために、別段指定しない限り、また相応しい場合は常に、以下の定義が適用され、単数形で使用する用語は、複数形の語も包含し、逆の場合も同様である。

0027

本明細書で使用するとき、「APJ受容体の変調に反応を示す障害または疾患」、「APJの変調に反応を示す障害および状態」、「APJ受容体活性の変調に反応を示す障害および状態」、「APJ受容体活性の活性化(またはアゴニズム)に反応を示す障害」および同様の用語は、急性代償不全心不全(ADHF)、慢性心不全、肺高血圧、心房細動、Brugada症候群、心室性頻拍、アテローム性動脈硬化症、高血圧、再狭窄、虚血性心血管疾患、心筋症、心臓線維症、不整脈、水分貯留、糖尿病(妊娠糖尿病を含める)、肥満、末梢動脈疾患、脳血管発作、一過性脳虚血発作、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、熱傷(日焼けを含める)、および子癇前症を包含する。

0028

用語「APJ」(「アペリン受容体」、「アンジオテンシン様1受容体」、「アンジオテンシンII様1受容体」などとも呼ばれる)とは、380残基、7回膜貫通ドメインのGi共役型受容体を指し、その遺伝子は、ヒトの11番染色体長腕上に位置する(NCBI参照配列:NP_005152.1、NCBI参照配列:NM_005161によってコードされる)。APJは、1993年に、変性オリゴヌクレオチドプライマーを使用して、ヒトゲノムDNAから初めてクローン化され(O’Dowd et al. Gene, 136:355-60、1993)、1型アンジオテンシンII受容体と有意に相同的である。しかし、この相同性にもかかわらず、アンジオテンシンIIは、APJを結合しない。この内因性リガンドは、長年の間オーファンであったが、単離され、アペリンと命名された(Tatemoto et al., Biochem Biophys Res Commun 251, 471-6 (1998))。

0029

本明細書で使用するとき、「APJ受容体活性の活性化」または「APJ受容体の活性化」とは、APJ受容体活性の増大を指す。APJ受容体活性の活性化は、たとえば、本発明のコンジュゲートの投与による、APJ受容体の「アゴニズム」とも呼ぶ。

0030

用語「アペリン」は、77残基のプレタンパク質(NCBI参照配列:NP 0059109.3、NCBI参照配列:NM 017413.3によってコードされる)を指し、これがプロセシングを受けて、生物学的活性型のアペリンペプチド、たとえば、アペリン−36、アペリン−17、アペリン−16、アペリン−13、アペリン−12になる。「アペリン−36」と呼ばれる全長成熟ペプチドは、36アミノ酸を含むが、最も強力なアイソフォームは、「Pyr−1−アペリン−13またはPyr1−アペリン−13」と呼ばれる、ピログルタミン酸化型のアペリン13量体(アペリン−13)である。種々のアペリン型は、たとえば、米国特許第6,492,324B1号明細書に記載されている。

0031

用語「APJアゴニストペプチド」または「アペリンペプチド」は、互換的に使用され、分解を最小化し、血清定性を高め、ならびにより良い発展性プロフィールを提供するために改変されている、上で規定したとおりの「アペリン」を含む。ある特定の実施形態では、「APJアゴニストペプチド」または「アペリンペプチド」は、式(I)のペプチドを含む。

0032

本明細書で使用するとき、用語「ペプチド」または「ポリペプチド」は、互いに連結した2個以上のアミノ酸を指すのに、互換的に使用する。当業界で受け入れられている3文字または1文字略語を使用して、本発明のペプチドおよびポリペプチドを構成するアミノ酸残基を表す。「D」が前に付く場合を除き、アミノ酸は、L−アミノ酸である。1文字略語が大文字であるとき、略語は、L−アミノ酸を指す。1文字略語が小文字であるとき、略語は、D−アミノ酸を指す。集まりまたは連なりまたはアミノ酸略語を使用して、ペプチドを表す。ペプチドは、N末端を左側にして示し、配列は、N末端からC末端に向かって記す。

0033

本発明のペプチドは、非天然アミノ酸(すなわち、自然界では発生しない化合物)を含んでおり、当業界で知られているような他のアミノ酸類似体をその代わりとして用いてもよい。

0034

ある特定の非天然アミノ酸は、Deiters et al., J Am Chem Soc 125:11782-11783, 2003、Wang and Schultz, Science 301:964-967, 2003、Wang et al., Science 292:498-500, 2001、Zhang et al., Science 303:371-373, 2004、または米国特許第7,083,970号に記載の技術によって導入することができる。簡潔に述べると、こうした発現系の一部には、部位特異的突然変異誘発関与して、本発明のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームに、アンバーTAGなどのナンセンスコドンが導入される。次いで、このような発現ベクターは、導入されたナンセンスコドンに特異的なtRNAを利用することのできる宿主に導入され、選択された非天然アミノ酸を積み込んでいる。

0035

業者なら、本明細書に記載のポリペプチドのいずれかの配列において、その活性を必然的に低下させることなく、種々のアミノ酸置換、たとえば、保存的アミノ酸置換がなされてもよいことは理解されよう。本明細書で使用するとき、「その置換基として一般に使用されるアミノ酸」は、保存的置換(すなわち、化学的特徴が同等であるアミノ酸での置換)を包含する。保存的置換の目的で、非極性疎水性)アミノ酸としては、アラニンロイシンイソロイシンバリングリシンプロリンフェニルアラニントリプトファン、およびメチオニンが挙げられる。極性親水性天然アミノ酸としては、セリントレオニン、システイン、チロシンアスパラギン、およびグルタミンが挙げられる。正電荷を有する(塩基性)アミノ酸としては、アルギニンリシン、およびヒスチジンが挙げられる。負電荷を有する(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。アミノ酸置換の例としては、その対応するD−アミノ酸の代わりにL−アミノ酸を用いるもの、ホモシステインもしくは含チオール側鎖を有する他の非天然アミノ酸の代わりにシステインを用いるもの、ホモリシン、ジアミノ酪酸ジアミノプロピオン酸オルニチン、もしくは含アミノ側鎖を有する他の非天然アミノ酸の代わりにリシンを用いるもの、またはノルバリンの代わりにアラニンを用いるものなどが挙げられる。

0036

本明細書で使用する用語「アミノ酸」とは、その構造でそうした立体異性体型が可能である場合、すべて、そのDおよびL立体異性体の、自然に存在するアミノ酸、天然でないアミノ酸、アミノ酸類似体、および、自然に存在するアミノ酸と同様にして機能するアミノ酸模倣物を指す。アミノ酸は、本明細書では、その名称、一般に知られているその3文字記号、またはIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionが推奨する1文字記号のいずれかで呼ぶ。

0037

用語「自然に存在する」とは、自然界で見出され、人の手で操作されていない材料を指す。同様に、「自然に存在しない」や「自然でない」などは、本明細書で使用するとき、自然界で見出されない、または人の手で構造が改変されもしくは合成されている材料を指す。アミノ酸に関連して使用するとき、用語「自然に存在する」とは、20種の通常のアミノ酸(すなわち、アラニン(AまたはAla)、システイン(CまたはCys)、アスパラギン酸(DまたはAsp)、グルタミン酸(EまたはGlu)、フェニルアラニン(FまたはPhe)、グリシン(GまたはGly)、ヒスチジン(HまたはHis)、イソロイシン(IまたはIle)、リシン(KまたはLys)、ロイシン(LまたはLeu)、メチオニン(MまたはMet)、アスパラギン(NまたはAsn)、プロリン(PまたはPro)、グルタミン(QまたはGln)、アルギニン(RまたはArg)、セリン(SまたはSer)、トレオニン(TまたはThr)、バリン(VまたはVal)、トリプトファン(WまたはTrp)、およびチロシン(YまたはTyr)を指す。

0038

本明細書で使用する用語「非天然アミノ酸」および「天然でないアミノ酸」は、同じであろうと異なっていようと、任意の生物中で、任意の生物からの未改変または改変遺伝子を使用して、生合成によって生成することのできないアミノ酸構造を、互換的に表すものである。これら用語は、自然に存在する(野生型)アペリンタンパク質配列または本発明の配列中に存在しないアミノ酸残基を指す。これらの用語は、限定はしないが、20種の自然に存在するアミノ酸の1つ、セレノシステインピロリシン(Pyl)、またはピロリンカルボキシ−リシン(Pcl、たとえば、PCT特許公開WO2010/48582に記載のとおり)でない、改変アミノ酸および/またはアミノ酸類似体を包含する。このような非天然アミノ酸残基は、自然に存在するアミノ酸の置換によって、および/または自然に存在する(野生型)アペリンタンパク質配列もしくは本発明の配列への非天然アミノ酸の挿入によって導入することができる。非天然アミノ酸残基は、アペリン分子に所望の機能性、たとえば、機能性部分(たとえば、PEG)を連結する能力が付与されるように組み込むこともできる。アミノ酸に関連して使用するとき、記号「U」は、本明細書で使用される「非天然アミノ酸」および「天然でないアミノ酸」を意味するものとする。

0039

加えて、このような「天然でないアミノ酸」をタンパク質に組み込むのに、改変tRNAおよび改変tRNAシンセターゼ(RS)が必要であることも理解される。こうした「選択された」tRNA/RS直交対は、Schultzらが開発した選定方法によって、またはランダムもしくは標的突然変異によって生み出される。例として、ピロリン−カルボキシ−リシンは、ある生物から宿主細胞に移された遺伝子によって生合成で生成され、また天然のtRNAおよびtRNAシンセターゼ遺伝子を使用してタンパク質に組み込まれるので、「天然アミノ酸」であるが、p−アミノフェニルアラニン(Generation of a bacterium with a 21 amino acid genetic code, Mehl RA, Anderson JC, Santoro SW, Wang L, Martin AB, King DS, HornDM, SchultzPG. J Am Chem Soc. 2003 Jan 29;125(4):935-9を参照されたい)は、生合成で生成されるとはいえ、「選択された」tRNA/tRNAシンセターゼ直交対によってタンパク質に組み込まれるので、「天然でないアミノ酸」である。

0040

改変コードアミノ酸としては、限定はしないが、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、O−ホスホセリンアゼチジンカルボン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、beta−アラニン、アミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸第三級ブチルグリシン、2,4−ジアミノイソ酪酸デスモシン、2,2’−ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノプロプリオン酸、N−エチルグリシン、N−メチルグリシン、N−エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、allo−ヒドロキシリシン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリンイソデスモシン、allo−イソロイシン、N−メチルアラニン、N−メチルグリシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルペンチルグリシン、N−メチルバリン、ナフトアラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリンが挙げられる。用語「アミノ酸」は、ある特定の生物における代謝産物であるが、タンパク質への組み込みについては遺伝暗号によってコードされていない、自然に存在するアミノ酸も包含する。このようなアミノ酸として、限定はしないが、オルニチン、D−オルニチン、およびD−アルギニンが挙げられる。

0041

本明細書で使用する用語「アミノ酸類似体」とは、自然に存在するアミノ酸と同じ基礎化学構造、すなわち、単なる例として、水素カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合したα−炭素を有する化合物を指す。アミノ酸類似体には、可逆的もしくは不可逆的に化学的ブロックがなされ、またはそのC末端カルボキシ基、そのN末端アミノ基、および/もしくはその側鎖官能基が化学的に修飾されている、天然および天然でないアミノ酸が含まれる。そのような類似体として、限定はしないが、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S−(カルボキシメチル)−システイン、S−(カルボキシメチル)−システインスルホキシド、S−(カルボキシメチル)−システインスルホン、アスパラギン酸−(β−メチルエステル)、N−エチルグリシン、アラニンカルボキサミドホモセリン、ノルロイシン、およびメチオニンメチルスルホニウムが挙げられる。

0042

本明細書で使用するとき、用語「アミド」とは、C末端におけるカルボン酸基アミド誘導体(たとえば、−C(O)NH2、−C(O)NH−C1〜6アルキル、−C(O)NH−C1〜2アルキルフェニル、−C(O)NH−NHBn、または−C(O)N(C1〜6アルキル)2)を指す。

0043

用語「アミド」とは、N末端におけるアミノ基の誘導体(たとえば、脂肪酸のカルボン酸官能基はアペリンペプチドのN末端におけるアミノ官能基とアミド結合を形成する)も指す。

0044

本明細書で使用するとき、用語「エステル」とは、C末端におけるカルボン酸基のエステル誘導体(たとえば、−COOR)を指し、エステルのRは、メチル、エチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルなどのC1〜6アルキル基シクロペンチルシクロヘキシルなどのC3〜8シクロアルキル基フェニル、α−ナフチルなどのC6〜10アリール基、C6〜10アリール−C1〜6アルキル基、たとえば、ベンジルフェネチルベンズヒドリルなどのフェニル−C1〜2アルキル基およびα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1〜2アルキル基などを指す。経口投与用のエステルとして一般に使用されるピバロイルオキシメチルエステルなども挙げることができる。式IのAPJアゴニストペプチドがC末端以外の位置に追加のカルボキシル基またはカルボキシレート基を有するとき、こうした基がアミド化またはエステル化されているポリペプチドも、本発明のポリペプチドの範疇に入る。そうした場合において、エステルは、たとえば、上述のC末端エステルと同じ種類のエステルでよい。

0045

用語「コンジュゲート」と「バイオコンジュゲート」は、互換的に使用され、APJアゴニストポリペプチドまたは式Iのポリペプチドと脂肪酸部分とが、任意選択のポリエチレングリコール(PEG)リンカーを介して共有結合によって付着した結果として生成したエンティティを指すものである。

0046

用語「半減期の延長」または「血清半減期を延長する」または「半減期を延長すること」とは、修飾された生物学的活性分子(たとえば、アペリン13または類似体)の、その非修飾型(または裸の形態のペプチド)と比べた、循環半減期肯定的な変化の意味である。血清半減期は、生物学的活性分子が投与された後の様々な時点で血液サンプル採取し、各サンプル中のその分子の濃度を求めることにより測定される。血清濃度の変化を経時的に測定することで、修飾された分子(たとえば、コンジュゲートした分子)の血清半減期の算出が可能になる。修飾された分子(たとえば、コンジュゲートした分子)の血清半減期を、非修飾分子(たとえば、アペリン13またはその類似体)と比較することにより、血清半減期またはt1/2の相対的な延長を明らかにすることができる。延長は、少なくとも2倍であることが望ましいが、より短い延長も有用となり得る。

0047

本発明のコンジュゲート:
本発明の種々の実施形態を本明細書に記載する。各実施形態において明記する特色を、明記された他の特色と組み合わせて、別の実施形態としてもよいことは、認識されるであろう。

0048

したがって、実施形態1では、本発明は、
a. 以下の式(I):
Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F (I)
[式中、
「*」で標識された2つのシステインアミノ酸は、それらの側鎖のチオール官能基の間にジスルフィド結合を形成している]
を有するAPJアゴニストペプチド、またはそのアミドもしくはエステル、またはそれと実質的に等価なペプチド;と
b.脂肪酸であって:

0049

から選択され、そのカルボン酸官能基のうちの1つを介して、任意選択的にポリエチレングリコールリンカーを介してペプチドのN末端に共有結合によって連結している、脂肪酸と
を含む、コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を提供する。

0050

実施形態1Aでは、本発明は、
a. 以下の式(I):
Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F (I)
[式中、
「*」で標識された2つのシステインアミノ酸は、それらの側鎖のチオール官能基の間にジスルフィド結合を形成している]
を有するAPJアゴニストペプチド;と
b.脂肪酸であって:

0051

から選択され、そのカルボン酸官能基のうちの1つを介して、任意選択的にポリエチレングリコールリンカーを介してペプチドのN末端に共有結合によって連結している、脂肪酸と
を含む、コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩に関する。

0052

実施形態1または1Aに記載された脂肪酸は、米国仮特許出願第62/082327号明細書(PAT056274−US−PSP2)に記載されている。

0053

任意のポリレチレングリコールリンカー基は、任意選択である。リンカーは、ポリマー性質のものであり、2つの反応性基/官能基を含んでおり、一方が式Iのポリペプチドと、他方が脂肪酸部分と反応し得る、ポリレチレングリコール部分である。

0054

実施形態2では、本発明は、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーが存在し、式(III):

0055

[式中、
yは、1〜30であり、PEGリンカーのカルボニル官能基は、式(I)のペプチドのN末端におけるアミノ官能基とアミド結合を形成し、PEGリンカーのアミノ官能基は、脂肪酸のカルボン酸官能基のうちの1つとアミド結合を形成している]
のものである、実施形態1または1Aに従うコンジュゲートに関する。

0056

実施形態3では、本発明は、ポリレチレングリコールリンカーが式(III)のものであり、yが2〜25である、実施形態1、1Aまたは2に従うコンジュゲートに関する。

0057

実施形態4では、本発明は、脂肪酸が:

0058

である、先行する実施形態のいずれか1つに従うコンジュゲートに関する。

0059

実施形態5では、本発明は、脂肪酸が、そのジェミナルなカルボン酸官能基のうちの1つを介して、PEGリンカーのアミノ官能基に、またはPEGリンカーがない場合には、ペプチドのN末端のアミノ官能基に付着している、先行する実施形態のいずれか1つに従うコンジュゲートに関する。これは、リンカーまたはペプチドのN末端への付着点を示す、以下の式:

0060

によって表される。

0061

実施形態6では、本発明は、脂肪酸が、その末端カルボン酸官能基を介して、PEGリンカーのアミノ官能基に、またはPEGリンカーがない場合には、ペプチドのアミノ官能基に付着している、実施形態1〜4のいずれか1つに従うコンジュゲートに関する。これは、リンカーまたはペプチドのN末端への付着点を示す、以下の式:

0062

によって表される。

0063

実施形態7では、本発明は、以下の:

0064

0065

から選択される、実施形態1または1Aに従うコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩に関する。

0066

別段指定しない限り、用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、「APJペプチドアゴニスト」などは、式(I)のポリペプチドまたはそのアミド、エステルもしくは薬学的に許容される塩を指す。

0067

実施形態7Aでは、本発明のコンジュゲートは:1.野生型アペリン、アペリン−13、pyr−1−アペリン−13および/または対応する裸の(コンジュゲートされていない)式(I)のアペリンペプチドもしくはその類似体に比べて、実質的に等価なまたは改良された活性;ならびに/あるいは2.野生型アペリン、アペリン−13、pyr−1−アペリン−13および/または対応する裸の(コンジュゲートされていない)式(I)のアペリンペプチドもしくはその類似体に比べて、実質的に同等または改善された血漿安定性を示す。

0068

実施形態7Bでは、本発明のコンジュゲートは:1.米国特許出願第14/336,293号明細書(PAT055781−US−NP)に記載されているアペリンコンジュゲートに比べておよび/または米国特許出願第14/336,262号明細書(PAT055418−US−NP)に記載されているアペリン脂肪酸コンジュゲートに比べて実質的に同等または改良された活性;ならびに/あるいは2.アペリンコンジュゲートに比べて、より具体的には、米国特許出願第14/336,293号明細書(PAT055781−US−NP)および/または米国特許出願第14/336,262号明細書(PAT055418−US−NP)に記載されているアペリンコンジュゲートに比べて同等または改善された血漿安定性を示す。

0069

実施形態7Aおよび7Bの一態様では、血漿安定性の改善は、少なくとも2倍である。

0070

実施形態7Cでは、本発明の脂肪酸コンジュゲートは、血漿安定性が少なくとも30分である。別の実施形態では、本発明の脂肪酸コンジュゲートは、血漿安定性が少なくとも60分である。別の実施形態では、本発明の脂肪酸コンジュゲートは、血漿安定性が少なくとも5時間、好ましくは少なくとも10時間、より好ましくは少なくとも12時間である。

0071

実施形態7Dでは、本発明のアペリン脂肪酸コンジュゲートは、EC50が400nM未満である。別の実施形態では、本発明のアペリン脂肪酸コンジュゲートは、EC50が300nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは160nM未満である。さらに別の実施形態では、本発明のアペリン脂肪酸コンジュゲートは、EC50が100nM未満である。

0072

本発明のアペリン脂肪酸コンジュゲートは、実質的にそれと同等なアペリン脂肪酸コンジュゲートも包含する。本発明のアペリン脂肪酸コンジュゲートは、式Iによるペプチドに対する同一性が少なくとも約95%であるアペリンペプチド、またはそのアミド、エステルもしくは塩を含むコンジュゲートも包含する。

0073

本明細書で使用するとき、語句「相同アミノ酸配列」またはその変形形態は、アミノ酸レベルでの相同性が少なくとも指定されたパーセンテージであることを特徴とする配列を指し、「配列同一性」と互換的に使用する。相同アミノ酸配列には、保存的アミノ酸置換を含んでおり、そのポリペプチドが、同じ結合および/または活性を有する、アミノ酸配列が含まれる。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、比較配列との同一性が、99%までの少なくとも60%以上であれば、相同である。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、比較配列と、60までの1以上のアミノ酸置換、付加、または欠失が共通していれば、相同である。一部の実施形態では、相同アミノ酸配列は、5以下または3以下の保存的アミノ酸置換を有する。

0074

相同性は、ポリペプチドレベルでもよい。本発明のペプチドもしくはポリペプチドまたはその一部分と、異なるアミノ酸配列との同一性の程度またはパーセンテージは、2つの配列の配列比較における正確な一致の数を、「発明配列」または「外来配列」のいずれか短い方の長さで割ったものとして算出される。結果は、同一性パーセントとして示す。

0075

式Iのアミノ酸配列との相同性が約80〜99.9%、好ましくは90〜99.9%のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、アペリン−13および/またはpyr−1−アペリン−13および/または対応するコンジュゲートされていないペプチドを凌ぐ血漿安定性を有するコンジュゲートは、本発明のコンジュゲートの範疇に入る。

0076

生物学的に活性なコンジュゲートは、アペリン−13および/またはpyr−1−アペリン−13および/または対応するコンジュゲートされていないペプチドに比べて同様または増強された生物学的特性を有することが理想的であるにもかかわらず、それでもなお、アペリン−13および/またはpyr−1−アペリン−13および/または対応するコンジュゲートされていないペプチドに対して活性レベルいくらか減少した変異型コンジュゲートは、機能的かつ生物学的な変異型であるとみなされ得る。

0077

用語「実質的に同等」とは、受容体結合活性シグナル伝達活性などの性質が同等であることを意味する。したがって、受容体結合活性の強度やポリペプチドの分子量などの度合いに差が存在しても差し支えない。

0078

本明細書に記載のポリペプチド、または1または複数のアミノ酸の置換、欠失、付加、もしくは挿入によるその実質的同等物は、上の意味でのアミノ酸配列実質的同等物(複数可)を含んだポリペプチドとして挙げることができる。本明細書に記載のポリペプチド、または1〜5、好ましくは1〜3、より好ましくは1もしくは2アミノ酸の天然もしくは天然でないアミノ酸での置換によるその実質的同等物は、上の意味でのアミノ酸配列実質的同等物(複数可)を含んだポリペプチドとして挙げることができる。好ましくは、ジサルファー(disulfur)架橋を形成している2つのシステインは置換されていない。さらなる修飾および変更としては、そのようなペプチドを含むコンジュゲートのAPJアゴニスト活性が維持され、血漿安定性がアペリン−13のピログルタミン酸型に比べて改善されおよび/または対応するコンジュゲートされていないペプチドに比べて改善されている限り、D−アミノ酸によるL−アミノ酸の置換、または限定はしないが、リン酸化カルボキシル化アルキル化などの他の変異が挙げられ得る。

0079

式Iのペプチドの調製:
式Iのアペリンペプチドは、合成化学的方法もしくは組換え法のいずれかによって、または両方の方法を組み合わせて生成することができる。アペリンペプチドおよび/またはペプチド−リンカー構築物は、全長として生成してもよいし、または全長でない断片として合成し、つないでもよい。本発明のペプチドは、ペプチド合成のための、それ自体が知られている手順によって生成することができる。ペプチド合成の方法は、固相合成および液相合成のいずれかのものでよい。すなわち、問題のペプチドおよびポリペプチドは、タンパク質を構成し得る部分的なペプチドまたはアミノ酸をその残部と縮合させ、生成物保護基を有するとき、保護基を外し、その後、所望のペプチドを製造することができる。縮合および脱保護の既知の方法としては、以下の文献(1)〜(5)に記載の手順が挙げられる。
(1)M. Bodanszky and M. A. Ondetti, Peptide Synthesis, Interscience Publishers, New York, 1966、
(2)Schroeder and Luebke, The Peptide, Academic Press, New York, 1965、
(3)Nobuo Izumiya et al. Fundamentals and Experiments in Peptide Synthesis, Maruzen, 1975、
(4)Haruaki Yajima and Shumpei Sakakibara, Biochemical Experiment Series 1, Protein Chemistry IV, 205, 1977、および
(5)Haruaki Yajima (ed.), Development of Drugs-Continued, 14, Peptide Synthesis, Hirokawa Shoten

0080

反応後、ペプチドは、溶媒抽出カラムクロマトグラフィー液体クロマトグラフィー再結晶などの従来の精製技術を組み合わせて、精製および単離することができる。上述のように単離したペプチドが遊離化合物である場合、既知の方法によってペプチドを適切な塩に変換することができる。逆に、単離された生成物が塩である場合、既知の方法によってペプチドを遊離ペプチドに変換することができる。

0081

ポリペプチドのアミドは、アミド化に適した、ペプチド合成用の樹脂を使用して得ることができる。樹脂としては、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂、塩化2−クロロトリチル樹脂などが挙げられる。このような樹脂を使用して、α−アミノ基および側鎖の官能基が適切に保護されているアミノ酸を、目的のペプチドの配列に従い、それ自体が知られている種々の縮合技術によって樹脂上で縮合させる。一連の反応の終盤に、ペプチドまたは保護されたペプチドを樹脂から外し、必要に応じて保護基を除去し、ジスルフィド結合を形成させて、目的のポリペプチドを得る。

0082

上述の保護されたアミノ酸の縮合には、HATU、HCTU、またはたとえばカルボジイミドなどの、ペプチド合成用の様々な活性化試薬を使用することができる。カルボジイミドとしては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、およびN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが挙げられる。このような試薬を用いた活性化には、ラセミ化防止添加剤、たとえば、HOBtまたはOxyma Pureを使用することができる。保護されたアミノ酸は、活性化試薬およびラセミ化防止剤と共に、樹脂にそのまま加えてもよいし、または対称酸無水物、HOBtエステル、またはHOOBtエステルとして予め活性化し、次いで樹脂に加えてもよい。保護されたアミノ酸の活性化または樹脂との縮合のための溶媒は、ペプチド縮合反応に有用であることがわかっている溶媒の中から適正に選択することができる。たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンクロロホルムトリフルオロエタノールジメチルスルホキシドDMFピリジンジオキサン塩化メチレンテトラヒドロフランアセトニトリル酢酸エチル、またはこれらの適切な混合物を挙げることができる。

0083

反応温度は、ペプチド結合形成に有用であることがこれまでにわかっている範囲から選択することができ、普通は、約−20℃〜50℃の範囲から選択する。活性化型アミノ酸誘導体は、一般に、1.5〜4倍過剰の割合で使用する。ニンヒドリン反応を利用した試験によって、縮合が不十分であるとわかったなら、十分な縮合を実現するために、保護基を除去せずに、縮合反応を繰り返すことができる。繰り返した縮合によって、それでも十分な程度の縮合がなされない場合、未反応のアミノ基を、無水酢酸またはアセチルイミダゾールアセチル化することができる。

0084

出発材料アミノ酸のアミノ基の保護基としては、Z、Boc、第三級アミルオキシカルボニルイソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニルCI−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチルフタリルホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニルジフェニルホスフィノチオイル、またはFmocが挙げられる。使用することのできるカルボキシ保護基としては、限定はしないが、上述のC1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリール−C1〜2アルキル、ならびに2−アダマンチル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジル、フェナシル、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド、第三級ブトキシカルボニルヒドラジド、およびトリチルヒドラジドが挙げられる。

0085

セリンおよびトレオニンのヒドロキシ基は、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。前記エステル化に適した基としては、炭素から導かれる基、たとえば、低級アルカノイル基、たとえばアセチルなど、アロイル基、たとえばベンゾイルなど、ベンジルオキシカルボニル、およびエトキシカルボニルが挙げられる。前記エーテル化に適した基としては、ベンジル、テトラヒドロピラニル、および第三級ブチルが挙げられる。チロシンのフェノール性ヒドロキシル基の保護基としては、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、および第三級ブチルが挙げられる。

0086

ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリエチルベンゼンスルホニルDNPベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、およびFmocが挙げられる。

0087

出発アミノ酸の活性化型カルボキシル基には、対応する酸無水物、アジ化物、および活性エステル、たとえば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノールシアノメチルアルコール、p−ニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBtなどのアルコールとのエステルなどが含まれる。出発アミノ酸の活性化型アミノ基には、対応するホスホルアミドが挙げられる。

0088

保護基の脱離方法としては、パラジウムブラックパラジウム炭素などの触媒の存在下で水素ガスを使用する触媒還元無水フッ化水素メタンスルホン酸トリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロ酢酸、またはこうした酸の混合物での酸処理ジイソプロピルエチルアミントリエチルアミンピペリジンピペラジンでの塩基処理液体アンモニア中でのナトリウム金属による還元が挙げられる。上述の酸処理による脱離反応は、一般に、−20℃〜40℃の温度で実施され、アニソールフェノールチオアニソールm−クレゾール、p−クレゾール硫化ジメチル、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのカチオンアクセプターを加えて、有利に行うことができる。ヒスチジンのイミダゾール基の保護に使用した2,4−ジニトロフェニル基は、チオフェノールでの処理によって脱離させることができ、トリプトファンのインドール基の保護に使用したホルミル基は、希水酸化ナトリウム溶液または希アンモニア水溶液でのアルカリ処理、ならびに1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール存在下での上述の酸処理によって脱離させることができる。

0089

出発材料の反応に関与すべきでない官能基の保護方法、使用することのできる保護基、保護基の除去方法、および反応に関与すべき官能基を活性化する方法は、すべて、既知の基および方法の中から公正に選択することができる。

0090

アミド型のポリペプチドを得る別の方法は、C末端アミノ酸の−カルボキシル基を最初にアミド化するステップと、次いでペプチド鎖を所望の鎖長までN側に伸長し、次いで、C末端ペプチドのα−アミノ基、および目的ポリペプチドの残部を形成することになるアミノ酸またはペプチドのα−カルボキシ基を選択的に脱保護するステップと、α−アミノ基および側鎖官能基が上述の適切な保護基で保護されている2つの断片を、上で挙げたものなどの混合溶媒中で縮合させるステップとを含む。この縮合反応のパラメータは、上述したのと同じものでよい。縮合によって得られた保護ペプチドから、上述の方法によってすべての保護基を除去して、その結果、所望の粗製ペプチドが得られる。この粗製ペプチドを、既知の精製手順によって精製し、主画分を凍結乾燥して、目的のアミド化ポリペプチドを得ることができる。ポリペプチドのエステルを得るには、C末端アミノ酸のa−カルボキシル基を所望のアルコールと縮合させて、アミノ酸エステルを得、次いで、アミド生成について上述した手順に従う。

0091

脂肪酸部分の合成
スキーム1は、実施形態1に従う脂肪酸部分の合成を記載する。

0092

式中、実施形態1に記載するとおり、P1およびP2は、カルボン酸保護基、たとえば、メチル、エチル、tert−ブチル、メトキシベンジル、ベンジル、ベンジルオキシ、メトキシメチルメチルチオメチル、テトラヒドロピラニル、フェナシル、N−フタルイミドシンナミルトリフェニルメチル、9−アンスリルメチル、ピペロニルトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルまたは2−アルキル1,3オキサゾリンであり;LGは、脱離基、たとえば、ハロ(たとえば、Br、Cl、I)またはトリフルオロメタンスルホニルオキシであり、R1がCH3であり、かつpが10であるか、またはR1がCH=CH2であり、かつpが9であり、mは、10であり、R2は、CO2Hである。

0093

塩基(たとえば、水素化ナトリウム炭酸カリウムまたは炭酸セシウム水酸化ナトリウムリチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムテトラメチルピペリジド、1,8−ジアザシクロウンデカ−7−エン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたは2,6−ジt−ブチルプトリジン(2,6-dit-butylputridine))の存在下における、DMF、THFまたはジメチルアセトアミドのような溶媒中での、保護されたマロン酸(1A)のアルキル化剤(1B)によるアルキル化は、保護された二酸部分(1C)を生成する。

0094

保護された二酸部分(1C)は、ジアルキル化された保護された生成物(1E)を得るために、上で記載したとおりの塩基性条件下でのアルキル化剤(1D)による第2のアルキル化を受ける。実施形態1に従う脂肪酸は、適切な脱保護方法を使用する脱保護によって得られる。中間体(1E)の加水分解には、限定はしないが、NaOH、KOHもしくはLiOHから選択される塩基、または限定はしないが、TFA,HClもしくはBCl3から選択される酸を使用する標準方法を適用することができる。P1またはP2がベンジルまたはメトキシベンジルであるとき、好ましい脱保護の方法は、限定はしないが、パラジウム炭素などの触媒の存在下での水素化である。

0095

2つのアルキル化ステップ順番は、逆転してよい。加えて、CO2HであるR2によって、アルキル化ステップの前にこの官能基の保護が必要である可能性がある。カルボン酸のための保護基は、当業界で既知である(たとえば、ベンジル基)。

0096

脂肪酸合成のさらなる具体例は、以下の実験の部および仮特許出願第62/082327号明細書(PAT056274−US−PSP2)に記載されている。

0097

脂肪酸(FA)−PEGリンカー構築物の合成:
スキーム2は、末端CO2H官能基を有する脂肪酸−PEGリンカー構築物の合成を記載する。

0098

式中、FAは、式:

0099

の脂肪酸またはその保護された形態であり、yは、1〜30である。カルボン酸のための保護基は、上でスキーム1に記載した。

0100

限定はしないが、ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソピロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC HCl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、またはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)が挙げられ得るペプチド縮合試薬を使用して、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールまたはジメチルアミノピリジンなどの試薬の存在下または不存在下で、脂肪酸(2B)をPEG含有リンカー(2A)に付着させることができる。好ましくは、(2B)の酸官能基を、PEGリンカー(2A)のアミノ官能基と反応させる前に、NHS化学を使用してその活性型に変換する。

0101

脂肪酸およびPEGリンカーの両方における追加のカルボキシル官能基の存在下では、反応部位を制御するために、カップリング反応の前に保護基を導入することができる。カルボン酸のための保護基を上記スキーム1中に記載する。代わりに、カルボン酸の選択的活性化は、NHS化学を使用して達成できる。

0102

脂肪酸−PEG構築物合成のさらなる具体例は、以下の実験の部および仮特許出願第62/082327号明細書(PAT056274−US−PSP2)に記載されている。

0103

コンジュゲートの調製
スキーム3は、脂肪酸または脂肪酸−PEG構築物の式IのアペリンペプチドのN末端におけるアミノ官能基へのコンジュゲーションを記載する:

0104

カップリング条件を使用する直接的付着によるコンジュゲーション

0105

式中、Pは、式Iのアペリンペプチドであり、脂肪酸または脂肪酸−PEG構築物が、生体分子のN末端に付着しており、FAは、上記スキーム2に定義されるとおりである。

0106

脂肪酸−リンカー構築物(3B)または脂肪酸(3B‘)を、標準的なアミドカップリング方法を使用して、そのカルボン酸反応性基を介してペプチド(3A)のアミノ残基(N末端のアミノ官能基)に付着させる。既知のカップリング方法を上記スキーム2に詳細に記載する。好ましくは、脂肪酸(3B’)または脂肪酸−PEG構築物(3B)の酸官能基を、NHS化学を使用して活性化する。

0107

より詳細な実験条件は、以下の実験の部および米国仮特許出願第62/082327号(PAT056274−US−PSP2)に記載されている。

0108

医薬組成物
本発明のコンジュゲートは、皮下、筋肉内、静脈内、腹腔内、吸入鼻腔内、経口などを始めとする様々な手段のいずれかにおいて投与することができる。本発明の特に好ましい実施形態では、本発明のコンジュゲート、またはそのアミド、エステル、もしくは塩の連続的な静脈内投与を使用する。本発明の別の好ましい実施形態は、本発明のコンジュゲート、またはそのアミド、エステルもしくは塩の皮下投与を使用する。

0109

本発明におけるコンジュゲートは、ボーラスとして、または一定期間にわたる連続注入として投与することができる。移植可能ポンプを使用してもよい。本発明のある特定の実施形態では、断続的または連続的なコンジュゲート投与を、1日〜数日間(たとえば、2〜3日間以上)またはより長期間、たとえば、数週間、数か月、もしくは数年間継続する。一部の実施形態では、断続的または連続的なコンジュゲート投与を少なくとも約3日間施す。別の実施形態では、断続的または連続的なコンジュゲート投与を少なくとも約1週間施す。他の実施形態では、断続的または連続的なコンジュゲート投与を少なくとも約2週間施す。投与中または複数回の投与の合間に、特定の閾値を上回る平均血漿コンジュゲート濃度を維持することが望ましい場合もある。望ましい濃度は、たとえば、対象の生理的状態、疾患重症度などに基づき決定することができる。そのような望ましい値(複数可)は、標準の臨床試験を実施して割り出すことができる。代わりに、ペプチドおよびそのコンジュゲートは、FcRn機序によって、経口的に送達することができるはずである(Nat Rev Immunol. 7(9), 715-25, 2007、Nat Commun. 3;3:610, 2012、Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 304: G262-G270, 2013)。

0110

別の態様では、本発明は、本発明のコンジュゲート、またはそのアミド、エステル、もしくは塩と、1種または複数の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経口投与、非経口投与直腸投与などの特定の投与経路用に製剤化することができる。加えて、本発明の医薬組成物は、固体形態(限定はせず、カプセル剤錠剤丸剤顆粒凍結乾燥剤粉末、または坐剤を含める)、または液体形態(限定はせず、溶液、懸濁液、または乳濁液を含める)に仕立てることができる。医薬組成物は、無菌製造、滅菌などの従来の製薬業務にかけることができ、かつ/または、従来の不活性希釈剤膜形成剤等張化剤滑沢剤、または緩衝剤、ならびに保存剤、安定剤、湿潤剤乳化剤緩衝液などの佐剤を含有してよい。

0111

ある特定の実施形態では、医薬組成物は皮下投与用である。タンパク質/ポリペプチドの皮下投与に適した処方成分および方法は、当業界で既知である。たとえば、米国特許出願公開第2011/0044977号明細書および米国特許第8,465,739号明細書および米国特許第8,476,239号明細書を参照されたい。典型的に、皮下投与用の医薬組成物は、好適な安定剤(たとえば、メチオニンなどのアミノ酸、および/またはスクロースなどの糖)、緩衝剤および等張化剤を含む。

0112

注射用途に適する医薬組成物は、通常、滅菌注射溶液または分散液を即座に調製するための、滅菌水溶液水溶性の場合)または分散液と滅菌粉末を含む。

0113

静脈内の投与については、適切な担体として、生理食塩水静菌水、Cremophor ELTM(BASFニュージャージー州Parsippany)、またはリン酸緩衝食塩水PBS)が挙げられる。すべての場合において、組成物は、滅菌とすべきであり、容易な注射適用性(syringability)が存在する程度に流動的にすべきである。好ましい医薬製剤は、製造および貯蔵の条件下で安定しており、細菌や真菌などの微生物による汚染作用に対抗して保存しなければならない。一般に、妥当な担体は、たとえば、水、エタノールポリオール(たとえば、グリセロールプロピレングリコール液体ポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒でよい。適正な流動度は、たとえば、レシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合では必要な粒径の維持、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物による作用の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベンクロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸チメロサールなどによって実現することができる。多くの場合、等張化剤、たとえば、糖、マンニトールなどのポリアルコール、アミノ酸、ソルビトール塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましい。注射用組成物の吸収の延長は、吸収を遅らせる薬剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムゼラチンを組成物に含めることにより実現できる。

0114

ある特定の注射用組成物は、水性等張性溶液または懸濁液であり、坐剤は、脂肪質の乳濁液または懸濁液から調製することが有利である。前記組成物は、滅菌され、かつ/または保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、溶解促進剤(solution promoter)、浸透圧調節用の塩、および/または緩衝液などの佐剤を含有するものでよい。加えて、前記組成物は、治療上価値のある他の物質も含有してよい。前記組成物は、従来の混合、造粒、またはコーティング法に従って調製され、それぞれ、約0.1〜75%、または約1〜50%の活性成分を含有する。

0115

滅菌注射溶液は、必要に応じて、上で列挙した成分の1つまたは組合せを含有する適切な溶媒に、必要な量の活性化合物を混ぜた後、濾過滅菌することにより調製できる。分散液は、一般に、基礎の分散媒、および上で列挙したものからの他の必要な成分を含有する滅菌ビヒクルに、活性化合物を混ぜることにより調製される。滅菌注射溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であるが、この方法では、活性成分の粉末と、所望の任意の追加成分が、予め滅菌濾過されたその溶液から得られる。

0116

本発明はさらに、活性成分としての本発明の化合物が分解する速度を減速する1種または複数の薬剤を含む医薬組成物および剤形を提供する。本明細書では「安定剤」と呼ぶ、そのような薬剤として、限定はしないが、アスコルビン酸などの酸化防止剤pH緩衝液、または塩緩衝液などが挙げられる。

0117

本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明のコンジュゲートの生物学的有効性および特性を保持し、通常は生物学的または別な意味で望ましい塩を指す。多くの場合、本発明のコンジュゲートは、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれと同様の基が存在するおかげで、酸および/または塩基の塩を形成することができる。

0119

塩を導くことのできる無機酸としては、たとえば、塩酸臭化水素酸、硫酸、硝酸リン酸などが挙げられる。塩を導くことのできる有機酸としては、たとえば、酢酸プロピオン酸グリコール酸シュウ酸マレイン酸、マロン酸、コハク酸フマル酸酒石酸クエン酸安息香酸マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などが挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基に対して生成することができる。

0120

塩を導くことのできる無機塩基としては、たとえば、アンモニウム塩、および周期表のI〜XII列の金属が挙げられる。ある特定の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウムアンモニウムカルシウムマグネシウム、鉄、銀、亜鉛、および銅から導かれ、特に適切な塩として、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩が挙げられる。

0121

塩を導くことのできる有機塩基としては、たとえば、第一級第二級、および第三級アミン、自然に存在する置換アミンを始めとする置換アミン、環状アミン塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる。ある特定の有機アミンとして、イソプロピルアミンベンザチン、コリネート(cholinate)、ジエタノールアミンジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジン、およびトロメタミンが挙げられる。

0122

本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、親化合物、塩基性または酸性部分から合成することができる。一般に、そのような塩は、遊離酸形態のこうした化合物を化学量論量の相応しい塩基(Na、Ca、Mg、またはKの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩など)と反応させる、または遊離塩基形態のこうした化合物を化学量論量の相応しい酸と反応させることにより調製できる。こうした反応は通常、水もしくは有機溶媒中または二者の混合物中で実施される。一般に、実用可能な場合、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒質の使用が望ましい。追加の適切な塩の一覧は、たとえば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)ならびにStahlおよびWermuthによる“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)で見ることができる。

0123

本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される担体」は、当業者に知られているであろうが、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(たとえば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、結合剤賦形剤崩壊剤、滑沢剤、甘味剤着香剤色素など、およびこれらの組合せを包含する(たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289- 1329を参照されたい)。従来のいかなる担体も、活性成分と相容れない範囲にあるものを除き、治療組成物または医薬組成物におけるその使用を企図する。

0124

本発明の方法:
アペリンファミリーのペプチドは、Gタンパク質共役型APJ受容体の、知られている唯一天然リガンドファミリーである。アペリン遺伝子は、77アミノ酸のポリペプチドをコードし、このポリペプチドがプロセシングを受けて、生物学的活性型のアペリンペプチド、たとえば、アペリン−36、アペリン−17、アペリン−16、アペリン−13、アペリン−12、およびピログルタミン酸修飾型のアペリン−13(Pyr1−アペリン−13)になる。これらアペリンペプチドのいずれでも1種が、APJ受容体に結合すると、GiおよびGqタンパク質を介してシグナルを伝達する。心筋細胞では、GiまたはGqとの共役によって、細胞内pHが変化し、PLCが活性化され、IP3が産生され、それにより筋フィラメントカルシウム感受性が増強され、最終的に心収縮性が増大する。Gi共役により、活性化型Gs、アデニリルシクラーゼ、およびcAMPの産生が抑制され、pAktレベルが上昇して、心臓保護につながる。血管内皮細胞では、Giを介したAPJ活性化、pAKTによって、一酸化窒素(NO)産生が増大し、これにより平滑筋弛緩増進される結果、全体として血管が拡張する。

0125

慢性安定心不全の患者は、心収縮性がさらに低下し、症状が悪化する、不定期の急性代償不全エピソードを伴う。こうした増悪は、急性代償不全心不全(ADHF)と呼ばれる。ADHFの現行の療法としては、利尿薬、血管拡張薬、およびイノトロープが挙げられ、これらは、心収縮性を直接増大させる。現用の静脈内イノトロープ(ドブタミン、ドーパミン、ミルリノン、レボシメンダン)は、不整脈などの有害事象を伴い、長期死亡率を増大させることでよく知られている。本発明の合成アペリン脂肪酸コンジュゲート類似体は、催不整脈または死亡の傾向なしに心収縮性を増大させるADHF療法となり、慢性心不全における未対応の膨大な医学的要求に対処するものである。

0126

実際に、ヒトにおける急性アペリン治療(5分)の結果、冠血管は拡張し、心拍出量は改善される。しかし、天然のアペリンは、in vivoでのt1/2(数秒)および作用持続時間(数分)が非常に短い。本発明の強力な合成コンジュゲートAPJアゴニストは、それぞれ天然のアペリンに比べておよび/または先に記載された合成アペリンペプチドに比べておよび/または米国特許第8,673,848号明細書(代理人整理番号PAT054961−US−NP)および米国特許出願第14/336,293号明細書(PAT055781−US−NP)に記載されたものなどの合成アペリン脂肪酸コンジュゲートに比べて、半減期が長い。

0127

心筋細胞におけるAPJ受容体の活性化により、a)Gi/Gq、PLC、およびCa2+を介した心収縮性が向上し、b)Gi、pAkt活性化を介した心臓保護が講じられるが、(他のイノトロープで見られるような)cAMPの漸増は伴わない。加えて、内皮細胞におけるAPJアゴニズムによって、動脈の血管は拡張され、これが、左心室仕事量を軽減することにより、さらに心不全のためになる。まとめると、本発明のコンジュゲートは、全体としての心機能を向上させ、催不整脈を減少させ、生存利益をもたらし得る。

0128

より最近では、アペリンの糖尿病およびインスリン抵抗性への潜在的な関与に焦点を当てた前臨床研究がいくつか発表されている。アペリンは、1)筋肉、脂肪、および心臓におけるグルコース取込みを改善することによって血糖レベル下げ、2)膵臓β細胞ERストレスおよび後続アポプトーシスから保護し、3)β細胞におけるインスリン分泌を減少させ、4)脂肪組織において、カテコールアミンによって誘発される脂肪分解を調節することが示されている。pAKT経路の活性化は、こうした過程と関連付けられている。

0129

遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式Iのポリペプチドを含むコンジュゲートは、価値のある薬理学的特性、たとえば、次の部において提供されるとおりのin vitroおよびin vivoの試験において示され、したがって治療に適応されるものなどのAPJ受容体拮抗特性を示す。

0130

本発明のコンジュゲートまたは薬学的に許容されるその塩は、急性代償不全心不全(ADHF)、慢性心不全、肺高血圧、心房細動、Brugada症候群、心室性頻拍、アテローム性動脈硬化症、高血圧、再狭窄、虚血性心血管疾患、心筋症、心臓線維症、不整脈、水分貯留、糖尿病(妊娠糖尿病を含める)、肥満、末梢動脈疾患、脳血管発作、一過性脳虚血発作、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、熱傷(日焼けを含める)、および子癇前症から選択される適応症の治療において有用となり得る。

0131

したがって、別の実施形態として、本発明は、APJ受容体活性と関連する疾患を治療するための、本明細書に記載のとおりのコンジュゲートまたは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。別の実施形態では、療法は、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患から選択される。別の実施形態では、疾患は、前述の一覧から選択され、急性代償不全心不全が適切である。この実施形態のさらに別のサブセットにおいて、本発明は、APJ受容体活性と関連する疾患を治療するための医薬の製造における、本明細書に記載のとおりのコンジュゲートまたは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。

0132

したがって、別の実施形態として、本発明は、コンジュゲートまたは薬学的に許容されるその塩の、療法における使用を提供する。別の実施形態では、療法は、APJ受容体の活性化(アゴニズム)によって治療することのできる疾患から選択される。

0133

別の実施形態では、本発明は、治療上許容される量の実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲートのまたはその薬学的に許容される塩の投与を含む、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患を治療する方法を提供する。さらなる実施形態では、疾患は、前述の一覧から選択され、急性代償不全心不全が適切である。

0134

この実施形態のさらに別のサブセットでは、本発明は、治療上許容される量の実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩の投与を含む、APJ受容体活性と関連する疾患を治療する方法を提供する。

0135

治療に用いることになる、本発明の医薬組成物または組合せの有効量は、たとえば、治療の状況および目的に左右される。当業者には、したがって、治療に相応しい投薬量レベルが、幾分、送達される分子、コンジュゲートを使用する適応症、投与経路、ならびに患者の大きさ(体重、体表面、または臓器サイズ)および状態(年齢および全般的健康状態)に応じて様々となることは理解されよう。それに応じて、臨床医は、最適な治療効果を得るために、投薬量を設定し、投与経路を変更することができる。典型的な投薬量は、上述の要因に応じて、約0.1μg/kgから約100mg/kgまでの範囲またはそれ以上となり得る。他の実施形態では、投薬量は、0.1μg/kgから約100mg/kgまで、または1μg/kgから約100mg/kgまでの範囲となり得る。

0136

投薬の頻度は、使用する製剤中の二重機能タンパク質の薬動学的パラメータに応じて決まる。通常、臨床医は、所望の効果を実現する投薬量に到達するまで組成物を投与する。したがって、組成物は、単一用量として、一定期間にわたる(同量の所望の分子を含有するかどうかは定かでない)2回以上の用量として、または移植デバイスもしくはカテーテルによる連続的な注入として、投与することができる。適切な投薬量のさらなる微調整は、当業者によって型通りになされ、当業者によって型通りに行われる作業領域の範囲内である。適切な投薬量は、適切な用量反応データを使用して突き止めることができる。

0137

本発明のコンジュゲートの「治療有効量」という用語は、対象の生物学的または医学的反応、たとえば、症状の改善、状態の緩和疾患進行緩慢化もしくは遅延、または疾患の予防などを惹起する、本発明のコンジュゲートの量を指す。非限定的な一実施形態では、用語「治療有効量」は、対象に投与されたとき、(1)(i)APJ受容体の活性化によって改善させ、(ii)APJ受容体の活性と関連し、または(iii)APJ受容体の異常な活性を特徴とする、状態、障害、もしくは疾患、またはその症状を少なくとも部分的に緩和し、抑制し、予防し、かつ/または改善させ、または(2)APJ受容体を活性化するのに有効である、本発明のバイオコンジュゲートの量を指す。

0138

非限定的な別の実施形態では、用語「治療有効量」とは、細胞、組織、細胞でない生物材料、または培地に投与したとき、APJ受容体を少なくとも部分的に活性化するのに有効である、本発明のバイオコンジュゲートの量を指す。当業者の認めるところとなるとおり、特定の薬剤の、有効である絶対量は、所望の生物学的終点、送達する薬剤、ターゲット組織などの要因に応じて様々となり得る。当業者には、「治療有効量」を、単一用量にして投与してもよいし、または複数回の用量の投与によって実現してもよいことは理解される。たとえば、心不全治療のための薬剤の場合、有効量は、患者の臨床的改善、たとえば、運動耐性/能力の向上、血圧の上昇、体液停留の減少、および/または心臓機能性、たとえば、駆出率運動能力(消耗までの時間)などの定量試験に関する結果の改善をもたらすのに十分な量でよい。

0139

本明細書で使用するとき、用語「対象」とは、動物を指す。通常、動物は哺乳動物である。対象は、たとえば、霊長類(たとえば、ヒト)、ウシヒツジヤギウマイヌネコウサギラット、マウス、なども指す。ある特定の実施形態では、対象は霊長類である。さらに他の実施形態では、対象はヒトである。

0140

本明細書で使用するとき、用語「抑制する」、「抑制」、または「抑制すること」とは、所与の状態、症状、障害、もしくは疾患の軽減もしくは抑止、または生物学的活性もしくは過程のベースライン活性の有意な低下をいう。

0141

本明細書で使用するとき、任意の疾患または障害を「治療する」、「治療すること」、またはその「治療」という用語は、一実施形態では、疾患または障害を改善させる(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発生を緩慢にし、阻止し、または軽減する)ことをいう。別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、または「治療」は、患者によって識別されない場合があるものを含めて、少なくとも1つの身体的パラメータを緩和し、または改善させることをいう。さらに別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、または「治療」は、疾患または障害を、身体的に(たとえば、識別可能な症状の安定化)、生理的に(たとえば、身体的パラメータの安定化)、または両方において、変調することをいう。さらに別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、または「治療」は、疾患または障害の発症、発生、または進行を防ぎ、または遅らせることをいう。

0142

本明細書で使用するとき、用語「予防する」、「予防すること」、および「予防」とは、療法(たとえば、治療薬)の投与または療法の組合せ(たとえば、治療薬の組合せ)の投与の結果として生じる、対象における障害の1つまたは複数の症状の再発、発症、または発生の予防をいう。

0143

本明細書で使用するとき、対象が、生物学的に、医学的に、または生活の質において治療の恩恵を受けることになる場合、その対象は、そのような治療の「必要がある」。

0144

本明細書で使用するとき、本発明の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用する用語「a」、「an」、「the」、および同様の用語は、本明細書で別段指摘しない限り、また文脈と明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈される。

0145

本明細書に記載の方法はすべて、本明細書で別段指摘しない限り、またはそうでなくとも文脈と明らかに矛盾しない限り、適切などんな順序で実施してもよい。本明細書において提供される、ありとあらゆる例または例示的な言い回し(たとえば、「など」)の使用は、単に本発明をより明解にするためのものであり、別途特許請求する本発明の範囲を限定するものでない。

0146

本発明によるコンジュゲートの活性は、以下に記載する次のin vitro法によって評価することができる。

0147

hAPJカルシウムフラックスアッセイ
384ウェルフォーマットにおいて、25ul成長培地に、Chem−5 APJ安定細胞(Millipore#HTS068C)を10,000細胞/ウェルで播き、次いで、37℃の組織培養インキュベーターにおいて24時間成長させた。アッセイの1時間前に、2.5mMのプロベネシドを含有する25ul/ウェルのFLIPR Calcium 4色素(Molecular Devices R8142)を加え、37℃の組織培養インキュベーターにおいて細胞を1時間インキュベートした。バイオコンジュゲートをHBSS、HEES、および0.1%BSA緩衝液に可溶化し、三通りに50uMから5pMまで10倍ずつ連続希釈した。FLIPR Tetraを使用して、色素を有する細胞にバイオコンジュゲートを加えた(1:5、10uM〜1pMの範囲の最終バイオコンジュゲート濃度にする)。細胞の内側のFLIPR色素は、カルシウムに結合後蛍光発光し、細胞の外側からの蛍光は遮蔽された。FLIPR Tetraにおいて470〜495の励起波長および515〜575の発光波長を使用して、蛍光を測定した。読取りは、バイオコンジュゲートを加える10秒前に開始して、合計3分間行った。最大−最小値を算出し、各バイオコンジュゲート濃度に対してプロットし、GraphPad prismソフトウェアを使用して、バイオコンジュゲートによるカルシウムフラックス刺激について、曲線変曲点におけるEC50値を算出した。

0148

血漿安定性アッセイ
材料:
作業溶液:1mg/mLの試験物をMilli−Q水中に調製する。
抽出溶液:0.1%のギ酸および400ng/mLのグリブリドを含有するメタノール:アセトニトリル:水(1:1:1)
血漿:BioreclamationLLC(ニューヨーク州Liverpool)から購入した雄のSprague−Dawleyラット血漿ヘパリンナトリウム添加)
全血:Bioreclamation LLC(ニューヨーク州Liverpool)から購入した雄Sprague Dawley全血(ヘパリンナトリウム添加)
肺ホモジネート:Bioreclamation LLC(ニューヨーク州Liverpool)から雄のSprague Dawleyラットのを購入した。肺は、5倍体積の1倍PBSを加えた後、ポリトロンホモジナイザーを使用してホモジナイズした。ホモジネートを4℃にて9000rpmで10分間遠心分離した。上清を3000rpmで30分間再び遠心分離して、澄んだ上清を作った。タンパク質濃度は、市販のキット(Pierce、Thermo Scientific)を使用して求めた。

0149

サンプル調製手順:(ペプチド)
試験物は、次の生物学的材料、すなわち、ヘパリン処置ラット血漿、ヘパリン処置ラット全血、または肺ホモジネートのうちの1つにおいて調製した。血漿および全血サンプルは、995uLのラット血漿または全血に1mg/mLの作業溶液5uLを加えることにより、5000ng/mLで調製した。肺ホモジネートサンプルは、肺ホモジネートをリン酸緩衝溶液(PBS)で1mg/mlのタンパク質濃度に希釈した後、5uLの作業溶液を加えて、995uLの希釈された肺ホモジネートとすることにより調製した。サンプルは、水浴インキュベーターにおいて、穏やかに振盪(65〜75rpm)しながら37℃でインキュベートした。0分、5分、15分、30分、60分、120分、および240分の時点で、インキュベートサンプルの25uLのアリコートを96ウェルプレートに移し、150uLの抽出溶液を使用して、直ちにタンパク質を沈殿させた。インキュベート実験が完了した後、サンプルプレートを4℃にて4000rpmで10分間遠心分離した。その後、ピペット操作装置(Tecan Temo)を使用して、上清を別のプレートに移し、すべてのサンプルに50uLの水を加えた。プレートは、LC−MS分析の前にボルテックスした。

0150

サンプル調製手順(コンジュゲート)
1mg/mLの作業溶液5uLをラット血漿495uLに加えることにより、試験物を50,000ng/mLで調製した。サンプルは、水浴インキュベーターにおいて、穏やかに振盪(65〜75rpm)しながら37℃でインキュベートした。0時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、および24時間の時点で、インキュベートサンプルの50uLのアリコートを96ウェルプレートに移し、40mMのTCEP(トリス(2−カルボキシエチルホスフィン)100uLを各サンプルに加えた。反応混合物を37℃で1時間インキュベートした。反応が完了した後、300uLのアセトニトリルを使用して、タンパク質を沈殿させた。サンプルプレートを4℃にて4000rpmで10分間遠心分離した。その後、ピペット操作装置(Tecan Temo)を使用して、125uLの上清を別のプレートに移し、すべてのサンプルに50uLの水を加えた。プレートは、LC−MS分析の前にボルテックスした。

0151

LC−MS安定性分析のサンプル
HPLCオートサンプラーを備えたAgilent 1290 HPLC
カラム:MAC−MODACE C18、3μm、30mm×内径2.1mm
移動相A:0.1%のギ酸アセトニトリル溶液
移動相B:0.1%のギ酸水溶液

0153

0154

質量分析計:Agilent Q−TOF6530
データ取得モード:100〜1000m/zの質量範囲での完全走査
データ取得および分析ソフトウェア:MassHunter

0155

データ分析
安定性アッセイ:安定性半減期(t1/2)の値は、各時点におけるピーク面積を、初期(t=0)ピーク面積を基準とした残存パーセントに変換することにより求めた。
残存パーセント=100×(サンプルピーク面積)÷(t=0ピーク面積)

0156

残存パーセント値自然対数を算出し、サンプル時間に対してプロットした(Microsoft Excel)。この直線の傾きkを、線形回帰によって求めた(Microsoft Excel)。

0157

次いで、安定性半減期を、式t1/2=0.693÷kによって算出した。

0158

代替活性ベースの血漿安定性アッセイ:
以下の変更を有する上記カルシウムフラックスプロトコールに従った。ペプチドを、5%ラット血漿(Bioreclamation#RATPLNAHP−M、Naヘパリン処理)とも一緒にインキュベートした。読取りを、37℃の組織培養インキュベーターにおけるインキュベーション後t0およびt24時間の時点で行った。分で表したペプチド血漿半減期を、以下の:
1)LN((t0におけるEC50)/(t24時間におけるEC50))、
2)上記値の勾配を計算する、および
3)t1/2=0.693/(勾配^2)
を算出することによって推定した。

0159

0160

0161

in vivoでのSC投薬を介する薬物動態評価のためのプロトコールおよびデータ
処方、投薬およびサンプル取得
実施例1および実施例4を、30%(w/v)PEG300およびPBS中5%(w/v)デキストロースに溶解させ、0.1mg/mlの濃度とした。溶解した化合物を、皮下(SC)注射によってC57/B6マウス(約20週齢側腹部に投薬した(化合物あたりn=4)。注入量は10mg/kgであった。投薬後3および6時間ならびに投薬後1、2、4、7および10日に、伏在静脈から血液サンプルを採血した。直ちに血液サンプルを4000×gで10分間、遠心分離した。血漿上清(10μL)を、96ウェルプレートに移し、分析まで−80℃で凍結した。

0162

国際公開第WO2013/111110号パンフレットの実施例8を、1mg/ml濃度で注射用滅菌水(Hospira)に溶解した。C57/B6Jマウス(約22週齢)に、溶解した化合物をSC注射によって投薬した(n=4)。注射後15、30、60および120分で、尾静脈から血液サンプルを採血した。これらを直ちに遠心分離し、次いで血漿上清を96ウェルプレートに移し、分析まで−80℃で凍結した。

0163

生物分析用のサンプルの調製
予め量り分けた各化合物のサンプル(1〜3mg)を得て、1mg/mlとなるようにDMSOに溶解した。分析のための標準曲線を作成するために、これらをマウス血漿(BioReclamation)中、10,000、5,000、1,000、500、100、50、10、5および1ng/mlの最終濃度まで連続的に希釈した。

0164

PK研究からの血漿サンプル融解し、マウス血漿を加えることによって全体積25μLに希釈した。

0165

各サンプルおよび標準曲線サンプルの25μLアリコートを、96ウェルプレートに配置した。内部標準としての100ng/mlのグリブリドを含有するアセトニトリル150μLを各サンプルに加え、サンプルを30秒間ボルテックスした。次いで、サンプルを4000×gで10分間、遠心分離した。次いで、125μLの上清を未使用の96ウェルプレートに移した。50μLの水を加え、30秒間ボルテックスにより混合した。

0166

LC/MS生物分析(Agilent 1290):
CTC PALオートサンプラーを使用して、サンプル(10μL)をHPLCに移した。LCカラムは、ACE C18 30×2.1mm、3.0μmビーズであった。水中の0.1%ギ酸からなる溶媒Aおよびアセトニトリル中の0.1%ギ酸からなる溶媒Bによる二元溶媒システムを使用した。95%の溶媒A(0〜0.5分)中のカラムにサンプルを添加し、5%〜50%の溶媒B(0.5〜1.8分)および1.8〜2.3分にわたる50%〜98%の溶媒Bの勾配によって溶出した。2.3から2.9分まで、カラムを98%の溶媒Bに保持し、2.9〜3.0分にわたって95%の溶媒Aに戻し、3.0から3.5分まで、95%の溶媒Aでカラムを平衡化した。溶媒の流量は700μL/分、カラム温度は50℃であった。

0167

結果:s.c.投薬後の実施例1および4の化合物のマウス血漿への曝露プロフィールを図1に示し;半減期を表3に要約する;

0168

0169

本発明のコンジュゲートは、アペリン−13またはpyr−1−アペリン−13と同様のAPJ受容体効力を有することができる。一実施形態では、本発明のバイオコンジュゲートは、EC50が400nM未満である。別の実施形態では、本発明のアペリン脂肪酸コンジュゲートは、EC50が300nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは160nM未満である。さらに別の実施形態では、本発明のバイオコンジュゲートは、EC50が100nM未満である。

0170

本発明のコンジュゲートは、アペリン−13またはpyr−1−アペリン−13を凌ぐおよび/またはコンジュゲートされていない類似体Q−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−(Nle)−C*−F(またはpE−R−P−R−L−C*−H−K−G−P−Nle−C*−F−OH)を凌ぐおよび/または先に記載されたアペリン脂肪酸コンジュゲート(米国特許出願第14/336,290号(PAT055781−US−NP)の実施例20)を凌ぐ血漿安定性を有する。一実施形態では、血漿安定性の改善は少なくとも2倍である。別の実施形態では、血漿安定性の改善は少なくとも10倍である。一実施形態では、本発明のバイオコンジュゲートは、血漿安定性が少なくとも30分または少なくとも60分である。別の実施形態では、本発明の脂肪酸コンジュゲートは、血漿安定性が少なくとも5時間、好ましくは少なくとも10時間、より好ましくは少なくとも12時間である。

0171

本発明のコンジュゲートは、1種または複数の他の治療薬と同時、またはその前もしくは後のいずれかに投与されてよい。本発明のコンジュゲートは、他の薬剤と同じもしくは異なる投与経路によって別個に、または同じ医薬組成物中で一緒に投与されてよい。

0172

一実施形態では、本発明は、実施形態1〜7Dのいずれか1つのコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の他の治療薬とを含む、療法において同時に、別個に、または順次使用するための一体型調製物としての製品を提供する。一実施形態では、療法は、APJ受容体の活性化に反応を示す疾患または状態の治療である。

0173

一体型調製物として提供される製品としては、実施形態1〜7Dのいずれか1つのコンジュゲートもしくはその薬学的に許容される塩と、他の治療薬(複数可)とを同じ医薬組成物中に一緒に、または実施形態1〜7Dのいずれか1つのコンジュゲートもしくはその薬学的に許容される塩と、他の治療薬(複数可)とを別個の形態で、たとえば、キットの形態で含む組成物が挙げられる。

0174

一実施形態では、本発明は、実施形態1〜7Dのいずれか1つのコンジュゲートもしくはその薬学的に許容される塩と、別の治療薬(複数可)とを含む、医薬組成物を提供する。任意選択により、医薬組成物は、上述のとおりの薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。

0175

一実施形態では、本発明は、2種以上の別個の医薬組成物を含み、その少なくとも1種が、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を含有する、キットを提供する。一実施形態では、キットは、容器、隔てられたボトル分包ホイルなどの、前記組成物を別個に保持する手段を含む。このようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤などの包装に典型的に使用されるようなブリスターパックである。

0176

本発明のキットは、たとえば経口と非経口の、異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投薬間隔で投与する、または別個の組成物を互いに合わせて漸増するのに使用することもできる。服薬遵守支援するために、本発明のキットは通常、投与の説明書を含む。

0177

本発明の併用療法では、本発明のコンジュゲートと他の治療薬は、同じまたは異なる製造業者によって製造および/または製剤化されたものでよい。さらに、本発明のコンジュゲートと他の治療薬は、(i)(たとえば、本発明のコンジュゲートと他の治療薬を含むキットの場合において)組合せ製品医師に渡る前に、(ii)投与のすぐ前に医師自身によって(または医師の指導のもとで)、(iii)たとえば、本発明のコンジュゲートと他の治療薬が順次投与される際、患者自身で、併用療法に一体化されるものでよい。

0178

したがって、本発明は、医薬が別の治療薬との投与用に調製される、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または状態を治療するための、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。本発明はまた、医薬が、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩とともに投与される、アペリン受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または状態を治療するための別の治療薬の使用を提供する。

0179

本発明はまた、コンジュゲートが別の治療薬との投与用に調製される、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または状態の治療方法において使用するための、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩を提供する。本発明はまた、他の治療薬が、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩との投与用に調製される、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または状態の治療方法において使用するための、別の治療薬を提供する。

0180

本発明はまた、患者が、別の治療薬で(たとえば、24時間以内に)予め治療を受けている、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または状態を治療するための、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。本発明はまた、患者が、実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩で(たとえば24時間以内に)予め治療を受けている、APJ受容体のアゴニズムに反応を示す疾患または状態を治療するための、別の治療薬の使用を提供する。

0181

一実施形態では、他の治療薬は、イノトロープ、βアドレナリン性受容体遮断薬、HMG−CoA還元酵素阻害薬アンジオテンシンII受容体アンタゴニストアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、エンドセリン拮抗薬レニン阻害薬、利尿薬、ApoA−I模倣薬抗糖尿病薬抗肥満薬(obesity-reducing agent)、アルドステロン受容体遮断薬、エンドセリン受容体遮断薬アルドステロンシンターゼ阻害薬(ASI)、CETP阻害薬抗凝血薬リラキシン、BNP(ネシリチド)、およびNEP阻害薬から選択される。

0182

第2の薬剤または治療と「組み合わせて」という用語は、本発明のコンジュゲート(実施形態1〜7Dのいずれか1つに従うコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩、または本明細書に別な形で記載するコンジュゲート)を第2の薬剤または治療と同時投与すること、最初に本発明の化合物を投与した後、第2の薬剤または治療を投与することおよび最初に第2の薬剤または治療を投与した後、本発明のコンジュゲートを投与することを包含する。

0183

用語「第2の薬剤」は、本明細書に記載の疾患または障害、たとえば、APJ受容体の活性化に反応を示す障害または疾患、たとえば、急性代償不全心不全(ADHF)、慢性心不全、肺高血圧、心房細動、Brugada症候群、心室性頻拍、アテローム性動脈硬化症、高血圧、再狭窄、虚血性心血管疾患、心筋症、心臓線維症、不整脈、水分貯留、糖尿病(妊娠糖尿病を含める)、肥満、末梢動脈疾患、脳血管発作、一過性脳虚血発作、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、熱傷(日焼けを含める)、および子癇前症の症状を治療、予防、または軽減することが当業界で知られている任意の薬剤を包含する。

0184

第2の薬剤の例としては、イノトロープ、βアドレナリン性受容体遮断薬、HMG−CoA還元酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、エンドセリン拮抗薬、レニン阻害薬、利尿薬、ApoA−I模倣薬、抗糖尿病薬、抗肥満薬、アルドステロン受容体遮断薬、エンドセリン受容体遮断薬、アルドステロンシンターゼ阻害薬(ASI)、CETP阻害薬、抗凝血薬、リラキシン、BNP(ネシリチド)、および/またはNEP阻害薬が挙げられる。

0185

本明細書で使用するイノトロープとしては、たとえば、ドブタミン、イソプロテレノール、ミルリノン、アミリノン(amirinone)、レボシメンダン、エピネフリンノルエピネフリン、イソプロテレノール、およびジゴキシンが挙げられる。

0186

本明細書で使用するβアドレナリン性受容体遮断薬としては、たとえば、アセブトロールアテノロールベタキソロールビソプロロールカルテオロールメトプロロールナドロールプロプラノロールソタロール、およびチモロールが挙げられる。

0187

本明細書で使用する抗凝血薬としては、ダルテパリン、ダナパロイドエノキサパリン、ヘパリン、チンザパリンワルファリンが挙げられる。

0188

用語「HMG−CoA還元酵素阻害薬」(β−ヒドロキシ−β−メチルグルタリル補酵素A還元酵素阻害薬とも呼ばれる)は、血中コレステロールを始めとする脂質レベルを下げるのに使用することのできる活性薬剤を包含する。例としては、アトルバスタチンセリバスタチン、コンパクチンダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、フルイドスタチン(fluindostatin)、フルバスタチンロバスタチンピタバスタチンメバスタチンプラバスタチンロスバスタチンリバスタチン(rivastatin)、シンバスタチン、およびベロスタチン(velostatin)、またはこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。

0189

用語「ACE阻害薬」(アンジオテンシン変換酵素阻害薬とも呼ばれる)は、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIにする酵素的分解を妨げる分子を包含する。このような化合物は、血圧の調節およびうっ血性心不全の治療に使用することができる。例としては、アラセプリルベナゼプリルベナゼプリラートカプトプリルセロプリル(ceronapril)、シラザプリルデラプリルエナラプリル、エナプリラート(enaprilat)、ホシノプリル、イミダプリルリシノプリル、モエキシプリル、モベルトプリル(moveltopril)、ペリンドプリルキナプリルラミプリルスピラプリル、テモカプリル、およびトランドラプリル、またはこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。

0190

用語「エンドセリン拮抗薬」は、ボセンタン(EP526708Aを参照のこと)、テゾセンタン(WO96/19459を参照のこと)、またはこれらの薬学的に許容される塩を包含する。

0191

用語「レニン阻害薬」は、ジテキレン(ditekiren)(化学名:[1S−[1R*,2R*,4R*(1R*,2R*)]]−1−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−L−プロリル−L−フェニルアラニル−N−[2−ヒドロキシ−5−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−[[[2−メチル−1−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]カルボニル]ブチル]アミノ]カルボニル]ヘキシル]−N−α−メチル−L−ヒスチジンアミド);テルラキレン(化学名:[R−(R*,S*)]−N−(4−モルホリニルカルボニル)−L−フェニルアラニル−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(1−メチルエトキシ)−3−オキソプロピル]−S−メチル−L−システイネアミド);アリスキレン(化学名:(2S,4S,5S,7S)−5−アミノ−N−(2−カルバモイル−2,2−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−7−{[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル}−8−メチル−2−(プロパン−2−イル)ノナンアミド)およびザンキレン(化学名:[1S−[1R*[R*(R*)],2S*,3R*]]−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2,3−ジヒドロキシ−5−メチルヘキシル]−α−[[2−[[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]メチル]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]−アミノ]−4−チアゾールプロパンアミド)、もしくはこれらの塩酸塩、またはSpeedelが開発したSPP630、SPP635、およびSPP800、または式(A)および(B):

0192

のRO66−1132およびRO66−1168、または
これらの薬学的に許容される塩を包含する。

0193

用語「アリスキレン」は、詳細に定義しない場合、遊離塩基とその塩の両方、特に薬学的に許容されるその塩、最も好ましくはその半フマル酸塩であると理解される。

0194

用語「カルシウムチャネル遮断薬(CCB)」は、ジヒドロピリジンDHP)および非DHP(たとえば、ジルチアゼム型およびベラパミル型CCB)を包含する。例としては、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、リオシジン(ryosidine)、イスラジピンラシジピンニカルジピンニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン(niludipine)、ニモジピンニソルジピンニトレンジピン、ベラパミル、およびニバルジピン(nivaldipine)が挙げられ、フルナリジンプレニラミン、ジルチアゼム、フェンリンガロパミルミベフラジルアニパミル(anipamil)、チアパミル、およびベラパミル、またはこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される代表的非DHPであることが好ましい。CCBは、降圧薬抗狭心症薬、または抗不整脈薬として使用することができる。

0195

用語「利尿薬」は、チアジド誘導体(たとえば、クロロチアジドヒドロクロロチアジド、メチルクロチアジド(methylclothiazide)、およびクロロタリドン(chlorothalidon))を包含する。

0196

用語「ApoA−I模倣薬」は、D4Fペプチド(たとえば、式D−W−F−K−A−F−Y−D−K−V−A−E−K−F−K−E−A−F)を包含する。

0197

アンジオテンシンII受容体拮抗薬または薬学的に許容されるその塩は、アンジオテンシンII受容体のAT1受容体サブタイプに結合するが、結果として受容体を活性化しない活性成分であると理解される。AT1受容体が抑制される結果として、こうした拮抗薬は、たとえば、降圧薬として、またはうっ血性心不全の治療に用いることができる。

0198

AT1受容体拮抗薬クラスは、構造上の特色が異なっている化合物を含み、実用上好ましいのは、非ペプチド性化合物である。たとえば、バルサルタンロサルタンカンデサルタンエプロサルタンイルベサルタン、サプリサルタン(saprisartan)、タソサルタン、テルミサルタン、次式

0199

のE−1477という呼称の化合物、次式

0200

のSC−52458という呼称の化合物、および次式

0201

ZD−8731という呼称の化合物、または、各場合において、薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される化合物を挙げることができる。

0202

好ましいAT1受容体拮抗薬は、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、バルサルタンである。他にも好ましいのは、市販されている薬剤であり、最も好ましいのは、バルサルタンまたは薬学的に許容されるその塩である。

0203

用語「抗糖尿病薬」は、膵臓細胞からのインスリン分泌を促進するインスリン分泌増強剤を包含する。例としては、ビグアナイド誘導体(たとえば、メトホルミン)、スルホニル尿素(SU)(たとえば、トルブタミドクロルプロパミドトラザミドアセトヘキサミド、4−クロロ−N−[(1−ピロリジニルアミノ)カルボニル]−ベンゼンスルホンアミドグリコピルアミド(glycopyramide))、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラジド、1−ブチル−3−メタリル尿素カルブタミド(carbutamide)、グリボヌリド(glibonuride)、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブチアゾール(glybuthiazole)、グリブゾール(glibuzole)、グリヘキサミド(glyhexamide)、グリミジン、グリピンアミド(glypinamide)、フェンブタニド(phenbutanide)、およびトリルシクラミド(tolylcyclamide))、またはこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。別の例としては、フェニルアラニン誘導体(たとえば、式

0204

ナテグリニド[N−(trans−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン](EP196222およびEP526171を参照のこと)、レパグリニド[(S)−2−エトキシ−4−{2−[[3−メチル−1−[2−(1−ピペリジニル)フェニル]ブチル]アミノ]−2−オキソエチル}安息香酸](EP589874、EP147850A2、詳細には、61頁の実施例11、およびEP207331A1を参照のこと)、カルシウム(2S)−2−ベンジル−3−(cis−ヘキサヒドロ−2−イソインドリンリカルボニル)−プロピオネート二水和物(たとえば、ミチグリニド(EP507534を参照のこと))、およびグリメピリド(EP31058を参照のこと)が挙げられる。

0205

本発明のコンジュゲートと組み合わせて使用することのできる第2の薬剤の別の例として、DPP−IV阻害薬GLP−1およびGLP−1アゴニストが挙げられる。

0206

DPP−IVは、GLP−1の不活性化を担う。より詳細には、DPP−IVは、GLP−1受容体アンタゴニストを発生させ、それによってGLP−1に対する生理的反応が短縮される。GLP−1は、膵臓のインスリン分泌の主要な刺激物質であり、グルコース処理に直接有益な影響を及ぼす。

0207

DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害薬は、ペプチド性でも、または好ましくは、非ペプチド性でもよい。DPP−IV阻害薬は、各場合につき、たとえば、WO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241、およびWO95/15309において、各場合につき、特に、化合物請求項および作業実施例の最終生成物において全般かつ詳細に開示されており、最終生成物、医薬調製物、および特許請求の範囲の主題は、これら刊行物を参照することにより、本明細書に援用される。好ましいのは、それぞれ、WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1において詳細に開示されている化合物である。

0208

GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)は、たとえば、W.E. SchmidtらによるDiabetologia, 28, 1985, 704-707およびUS5,705,483に記載されているインスリン分泌性タンパク質である。

0209

用語「GLP−1アゴニスト」は、特にUS5,120,712、US5,118666、US5,512,549、WO91/11457、およびC. OrskovらによるJ. Biol. Chem. 264 (1989) 12826において開示されているGLP−1(7−36)NH2の変異体および類似体を包含する。別の例としては、化合物中GLP−1(7−36)NH2分子の第37位においてArg36のカルボキシ末端アミド官能基がGlyで置換されているGLP−1(7−37)、ならびにGLN9−GLP−1(7−37)、D−GLN9−GLP−1(7−37)、アセチルLYS9−GLP−1(7−37)、LYS18−GLP−1(7−37)、特にGLP−1(7−37)OH、VAL8−GLP−1(7−37)、GLY8−GLP−1(7−37)、THR8−GLP−1(7−37)、MET8−GLP−1(7−37)、および4−イミダゾプロピオニル−GLP−1を含めたその変異体および類似体が挙げられる。GreigらによるDiabetologia 1999, 42, 45-50に記載されているGLPアゴニスト類似体エキセンディン−4も、特に好まれる。

0210

定義「抗糖尿病薬」には、損なわれたインスリン受容体機能を回復させて、インスリン抵抗性を減らし、その結果としてインスリン感受性を増強するインスリン感受性増強剤も含まれる。例としては、血糖降下チアゾリジンジオン誘導体(たとえば、グリタゾン、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108)5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−{[2−(2−ナフチル)−ベンゾオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)および5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297))が挙げられる。

0211

これ以外の抗糖尿病薬としては、タンパク質チロシンホスファターゼPTPアーゼ)の阻害薬、抗糖尿病性非小分子模倣化合物、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害薬のような、インスリンシグナル伝達経路モジュレーター;グルコース−6−ホスファターゼ(G6Pアーゼ)の阻害薬、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−Bpアーゼ)の阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)の阻害薬、グルカゴン受容体拮抗薬、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害薬のような、肝臓グルコース産生調節不全に影響を及ぼす化合物;ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ(PDHK)阻害薬;胃内容排出の阻害薬;インスリン;GSK−3の阻害薬;レチノイドX受容体(RXR)アゴニスト;β−3ARのアゴニスト;脱共役タンパク質(UCP)のアゴニスト;非グリタゾン型PPARγアゴニスト;PPARα/PPARγ二重アゴニスト;抗糖尿病性含バナジウム化合物;グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)やGLP−1アゴニストのようなインクレチンホルモン;β細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト;ミグリトール;α2−アドレナリンアンタゴニスト;ならびにこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。

0212

一実施形態では、本発明は、治療有効量の実施形態1〜7Dのいずれか1つまたは薬学的に許容されるその塩に従うコンジュゲートと、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロール、チモロールなどのβ−アドレナリン受容体遮断薬;AT1遮断薬などのアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;DPPIV阻害薬(たとえば、ビルダグリプチン)やGLP1ペプチドアゴニストなどの抗糖尿病薬から選択される1種または複数の治療活性薬剤とを含む組合せ、詳細には医薬合剤を提供する。

0213

用語「抗肥満薬」は、リパーゼ阻害薬(たとえば、オーリスタット)および食欲抑制薬(たとえば、シブトラミンおよびフェンテルミン)を包含する。

0214

アルドステロンシンターゼ阻害薬または薬学的に許容されるその塩は、アルドステロンの産生を抑制する特性を有する活性成分であると理解される。アルドステロンシンターゼ(CYP11B2)は、副腎皮質におけるアルドステロン産生の最後のステップ、すなわち、11−デオキシコルチコステロンのアルドステロンへの変換を触媒する、ミトコンドリアシトクロムP450酵素である。いわゆるアルドステロンシンターゼ阻害薬によるアルドステロン産生の抑制は、低カリウム血症、高血圧、うっ血性心不全、心房細動、または腎不全の治療に奏効する変異形態であることが知られている。このようなアルドステロンシンターゼ抑制活性は、当業者によって、標準のアッセイ(たとえば、US2007/0049616)に従い、容易に見極められる。

0215

アルドステロンシンターゼ阻害薬のクラスは、ステロイド性および非ステロイド性両方のアルドステロンシンターゼ阻害薬を含み、後者が最も好ましい。

0216

市販品として入手可能なアルドステロンシンターゼ阻害薬または保健当局によって承認されているアルドステロンシンターゼ阻害薬が好ましい。

0217

アルドステロンシンターゼ阻害薬のクラスは、構造上の特色が異なっている化合物を含む。非ステロイド性アルドステロンシンターゼ阻害薬の例は、式

0218

ファドロゾールの塩酸塩(米国特許4617307および4889861)の(+)鏡像異性体、または適切な場合、薬学的に許容されるその塩である。

0219

前記組合せにおいて有用なアルドステロンシンターゼ阻害薬は、たとえば、US2007/0049616において、特に、化合物請求項および作業実施例の最終生成物において全般かつ詳細に開示されている化合物および類似体であり、最終生成物、医薬調製物、および特許請求の範囲の主題は、この刊行物を参照することにより、本明細書に援用される。本発明における使用に適する好ましいアルドステロンシンターゼ阻害薬としては、限定はせず、4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−イル)−3−メチルベンゾニトリル;5−(2−クロロ−4−シアノフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−カルボン酸(4−メトキシベンジル)メチルアミド;4’−フルオロ−6−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−a]アゼピン−5−イル)ビフェニル−3−カルボニトリル;5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−カルボン酸ブチルエステル;4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−イル)−2−メトキシベンゾニトリル;5−(2−クロロ−4−シアノフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−カルボン酸4−フルオロベンジルエステル;5−(4−シアノ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル;5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−カルボン酸2−イソプロポキシエチルエステル;4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−イル)−2−メチルベンゾニトリル;4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−イル)−3−フルオロベンゾニトリル;4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−イル)−2−メトキシベンゾニトリル;3−フルオロ−4−(7−メチレン−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−5−イル)ベンゾニトリル;cis−3−フルオロ−4−[7−(4−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル]ベンゾニトリル;4’−フルオロ−6−(9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−a]アゼピン−5−イル)ビフェニル−3−カルボニトリル;4’−フルオロ−6−(9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[1,5−a]アゼピン−5−イル)ビフェニル−3−カルボニトリル、または各場合において、その(R)もしくは(S)鏡像異性体、または適切な場合、薬学的に許容されるその塩が挙げられる。

0220

用語アルドステロンシンターゼ阻害薬は、WO2008/076860、WO2008/076336、WO2008/076862、WO2008/027284、WO2004/046145、WO2004/014914、WO2001/076574で開示されている化合物および類似体も包含する。

0221

さらに、アルドステロンシンターゼ阻害薬は、米国特許出願US2007/0225232、US2007/0208035、US2008/0318978、US2008/0076794、US2009/0012068、US20090048241、およびPCT出願WO2006/005726、WO2006/128853、WO2006128851、WO2006/128852、WO2007065942、WO2007/116099、WO2007/116908、WO2008/119744、および欧州特許出願EP1886695において開示されている化合物および類似体も包含する。本発明における使用に適する好ましいアルドステロンシンターゼ阻害薬として、限定はせず、Speedelが開発した8−(4−フルオロフェニル)−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c1[1,41オキサジン;4−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)−2−フルオロベンゾニトリル;4−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)−2,6−ジフルオロベンゾニトリル;4−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)−2−メトキシベンゾニトリル;3−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)ベンゾニトリル;4−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)フタロニトリル;4−(8−(4−シアノフェニル)−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)ベンゾニトリル;4−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)ベンゾニトリル;4−(5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン−8−イル)ナフタレン−1−カルボニトリル;8−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル1−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[5,1−c][1,4]オキサジン、または各場合において、その(R)もしくは(S)鏡像異性体、または適切な場合、薬学的に許容されるその塩が挙げられる。

0222

前記組合せにおいて有用なアルドステロンシンターゼ阻害薬は、たとえば、WO2009/156462およびWO2010/130796において、特に、化合物請求項および作業実施例の最終生成物において全般かつ詳細に開示されている化合物および類似体、最終生成物、医薬調製物、および特許請求の範囲の主題である。本発明における組合せに適する好ましいアルドステロンシンターゼ阻害薬としては、3−(6−フルオロ−3−メチル−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−1−イルメチル)−ベンゾニトリルヒドロクロリド、1−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール、2−(5−ベンジルオキシ−ピリジン−3−イル)−6−クロロ−1−メチル−1H−インドール、5−(3−シアノ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ニコチン酸エチルエステル、N−[5−(6−クロロ−3−シアノ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−エタンスルホンアミドピロリジン−1−スルホン酸5−(6−クロロ−3−シアノ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン−3−イルエステル、N−メチル−N−[5−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−メタンスルホンアミド、6−クロロ−1−メチル−2−{5−[(2−ピロリジン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−ピリジン−3−イル}−1H−インドール−3−カルボニトリル、6−クロロ−2−[5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−1−メチル−1H−インドール−3−カルボニトリル、6−クロロ−1−メチル−2−{5−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−メチル]−ピリジン−3−イル}−1H−インドール−3−カルボニトリル、モルホリン−4−カルボン酸[5−(6−クロロ−3−シアノ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド、N−[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−エタンスルホンアミド、C,C,C−トリフルオロ−N−[5−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−メタンスルホンアミド、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−1−フェニル−メタンスルホンアミド、N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)ブタン−1−スルホンアミド、N−(1−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド、N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド、N−(シクロプロピル(5−(1H−インドール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド、N−(シクロプロピル(5−ナフタレン−1−イル−ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド、エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミドおよびエタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エチル−アミドが挙げられる。

0223

用語「エンドセリン受容体遮断薬」は、ボセンタンおよびアンブリセンタンを包含する。

0224

用語「CETP阻害薬」とは、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)を媒介とする、種々のコレステリルエステルおよびトリグリセリドHDLからLDLおよびVLDLへの輸送を抑制する化合物を指す。このようなCETP抑制活性は、当業者によって、標準のアッセイ(たとえば、米国特許第6,140,343号)に従い、容易に見極められる。例として、米国特許第6,140,343号および米国特許第6,197,786号で開示されている化合物(たとえば、[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルトルセトラピブ)、米国特許第6,723,752号で開示されている化合物(たとえば、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール)、米国特許出願第10/807,838号で開示されている化合物、米国特許第5,512,548号で開示されているポリペプチド誘導体、それぞれJ. Antibiot., 49(8): 815- 816 (1996)およびBioorg. Med. Chem. Lett.; 6:1951-1954 (1996)で開示されているロセノノラクトン誘導体およびコレステリルエステルの含リン酸類似体が挙げられる。さらに、CETP阻害薬として、WO2000/017165、WO2005/095409、WO2005/097806、WO2007/128568、WO2008/009435、WO2009/059943、およびWO2009/071509で開示されているものも挙げられる。

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