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※この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
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課題・解決手段
概要
背景
概要
1.5mm未満の平均壁厚を有する壁厚が薄いプラスチック小部材の製造方法が記載されており、この方法では、プラスチック小部材がプラスチック射出成形法で、ASTMD4603に従った測定法により測定して0.3dl/g〜0.7dl/g、好適には0.6dl/g未満の粘度を有するポリエチレンフラノエート(PEF)から製造され、このPEFはプラスチック射出成形に際して、100ppm未満の含水量を有する。
目的
本発明の課題は、従来技術による、壁厚が薄いプラスチック小部材の上記欠点を是正することである
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
1.5mm未満の平均壁厚を有する、壁厚が薄いプラスチック小部材の製造方法において、前記プラスチック小部材を、ASTMD4603に従った測定法により測定して0.4dl/g〜0.7dl/g、好適には0.6dl/g未満の粘度を有するポリエチレンフラノエート(PEF)からプラスチック射出成形法で製造し、前記PEFはプラスチック射出成形に際して、100ppm未満、好適には30ppm未満の含水量を有することを特徴とする、前記製造方法。
請求項2
プラスチック射出成形法のために、バイオベースPEFを10〜100w/w%含有するPEFを使用することを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
請求項3
プラスチック射出成形法のために、再生原料を100%まで含有するPEFを使用することを特徴とする、請求項1または2記載の製造方法。
請求項4
請求項5
PEFを100℃超200℃未満の乾燥温度で乾燥させることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の製造方法。
請求項6
請求項7
請求項8
請求項9
請求項10
PEFに、10w/w%を超えないコポリマーの割合を添加混合することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の製造方法。
請求項11
請求項1から10までのいずれか1項記載の射出成形法で製造される、1.5mm未満の平均壁厚を有する壁厚が薄いプラスチック小部材において、実質的に単層で形成されたPEFからなることを特徴とする、前記プラスチック小部材。
請求項12
1mmより小さい平均壁厚を有することを特徴とする、請求項11記載の壁厚が薄いプラスチック小部材。
請求項13
少なくとも部分的に、50%までの結晶化度を有することを特徴とする、請求項11または12記載の壁厚が薄いプラスチック小部材。
請求項14
封止部、たとえば飲料包装用の封止部として、包装の一部として、たとえばチューブ口部として、完全包装として、たとえばカップとして、コーヒー、ココアもしくはお茶用のカプセル状容器またはブリスターパック(パッド)として、形成されていることを特徴とする、請求項11から13までのいずれか1項記載の壁厚が薄いプラスチック小部材。
請求項15
酸素に敏感な内容物のための包装として形成されていることを特徴とする、請求項11から14までのいずれか1項記載の壁厚が薄いプラスチック小部材。
目次
技術分野
0002
本発明の意味合いにおいてプラスチック小部材とは、封止部、たとえば飲料包装用の封止部、包装部材、たとえばチューブ口部(Tubenschluter)、包装全体、たとえばコーヒー、ココアもしくはお茶のためのカップ(Becher)、カプセル状容器およびブリスターパック(ポッド)などの、多くのものをいう。本発明の意味合いにおいて壁厚が薄いとは、1.5mm未満の平均壁厚を有するプラスチック小部材をいう。
0003
このような薄い層状のプラスチック小部材は通常、バルク状プラスチック、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)またはポリ塩化ビニル(PVC)から製造される。これらのバルク状プラスチックから得られるプラスチック小部材は壁厚が薄いため、酸素、二酸化炭素および水蒸気に対するバリア性が比較的劣っており、これらの材料からプラスチック小部材を製造する際には通常、さらなるバリア層が設けられるか、またはプラスチックをプラスチック小部材に加工する前に、バリア添加剤を混ぜる。バリア層としてはたとえば、エチレン・ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリグリコール酸(PGA)、またはポリアミドが用いられる。プラズマ被覆(たとえば炭素被覆(DLC)、または薄いチタン被覆、アルミニウム被覆または酸化ケイ素被覆)を備えたプラスチック小部材の被覆も、要求されるバリア性を達成するためにしばしば適用される。
0004
このような壁厚が薄いプラスチック小部材の製造は通常、多層シートの熱成形(深絞り成形)によって行う。多層シートの製造は比較的容易であり、市場に広く出回っている。熱成形(深絞り成形)は、特に包装(たとえば食品産業における包装)を製造するための従来の適用分野であり、充分に試験されている。
0005
しかしながら、熱成形において多層シートまたは多層プレートを使用することは、リサイクルのためには否定的であることが実証されている。それというのも多層プラスチック小部材は、各材料から分離することが、そもそも可能であったとしても、極めて困難だからである。熱成形の場合にはしばしばまた、さらに打ち抜きフレーム(Stanzgitter)が生じるが、これはリサイクルプロセスに供給することが非常に困難であるか、またはその供給ができない。これによって、目的とする、または所定のリサイクル率も達成できないことが多い。
0006
従って本発明の課題は、従来技術による、壁厚が薄いプラスチック小部材の上記欠点を是正することである。所定の使用後に、より容易なリサイクルが可能なプラスチック小部材を製造することができる、このような壁厚が薄いプラスチック小部材を製造する方法を提供すべきである。
0007
前記課題は、請求項1に記載したとおりの特徴を有する、壁厚が薄い小プラスチック部材の製造方法により解決される。前記課題は本発明によれば、相応する装置の請求項の特徴を有する、壁厚が薄いプラスチック小部材によっても解決される。本発明のさらなる構成および/または有利な変形例は、従属請求項の対象である。
0008
本発明は、1.5mm未満の平均壁厚を有する、壁厚が薄いプラスチック小部材の製造方法を提案するものであり、この方法では、プラスチック小部材をプラスチック射出成形法で、ASTMD4603(これはPET材料における試験を記載したものである)と同様の測定法により測定して0.4dl/g〜0.7dl/g、好適には0.6dl/g未満の粘度を有するポリエチレンフラノエート(PEF)から製造し、このPEFはプラスチック射出成形に際して、100ppm未満の含水量を有する。理想的には、含水量はプラスチック射出成形に際して、30ppm未満である。
0009
非常に低い粘度を有するポリエチレンフラノエート(PEF)を使用することによって、プラスチック小部材を、プラスチック射出成形法で非常に経済的に製造することができる。ここで粘度は、ASTMD4603と同様の測定法により特定する。この標準化された測定法は、PETの粘度測定のために開発されたものではあるが、しかしながらPEFにも同じ形で適用できる。PEFの粘度についての測定手法は、ASTM D4603と同様に選択する。それというのもPEF素材については、粘度測定のための特定の基準が、未だに存在しないからである。
0010
非常に流動性の高いPEFを出発材料として用いることによって、その製造コストが減少する。それというのも、所望の粘度を達成するために、時間が掛かり、コストの高い塊状重合法(または重縮合プロセス)を省略することができるか、またはこのような重合法を僅かに行う必要があるにすぎないからである。流動性の高いPEFの使用はさらに、プラスチック射出成形に際して利点を有する。流動性の高いPEFによって、プラスチック射出成形の際に、はるかに簡単に、長くて細い流路を実現することができ、PEF溶融物の固化が早すぎてしまうという危険性、またはPEF溶融物において分枝鎖の配向性が生じるという危険性がない。これによって、壁厚が非常に薄く、歪みの少ない形状が、プラスチック射出成形法で可能になる。
0011
プラスチック射出成形法のために使用されるPEFの粘度が低いことにより、PEFのバリア性に対しても肯定的な影響がもたらされる。それというのも、比較的短い分枝鎖を有する、流動性の高いPEFは明らかに移動性が高く、これによって、所望の結晶化度までの結晶化がはるかに早くなるからである。バリア性にとって、また射出成形された壁厚が薄いプラスチック小部材の耐熱性にとっては、より高い結晶化度が有利である。その一方で、プラスチック小部材の非晶質度がより高いことが、耐引掻性にとっては有利である。たとえば非晶質PEFは既に、同等の壁厚のPETと比べて、酸素に対して10倍高いバリア性を有する。PPと比べて、酸素に対する非晶質PEFのバリア性は、それどころか300倍まで良好である。水蒸気に対するPEFのバリア性もまた、同じ壁厚のPETと比べて、2倍良好である。従って、非晶質PEFは既に、従来使用されているプラスチックと比べて、封入された製品の香り保持という点で、利点を有する。これによって壁厚が薄いプラスチック小部材を、単層構造として製造できる。熱成形のための多層シートまたはプレートの製造は必要なく、多くの場合に使用される打ち抜きフレームも同様になくてよい。プラスチック射出成形法にとってはまた、加熱および再度冷却する必要のあるプラスチック材料が、熱成形よりも少なくてすむ。これによって、それ自体は比較的複雑なプラスチック射出成形法が、熱成形(深絞り成形)に対する、コスト的に有利な代替手段になる。単層のPEFから射出成形されたプラスチック小部材は全て、リサイクルプロセスに供給することができ、このことは、目標とするリサイクル率に有利な影響をもたらすことができる。
0012
ここで、プラスチック射出成形法で加工されたPEFは、100ppm未満の含水量を有する。プラスチック射出成形法で加工されたPEFの含水量は好適には、30ppm未満である。このためにPEFを、その加工前に乾燥させる。プラスチック射出成形法でPEFを加工する前にPEFの粘度および含水量を調整することは、PEFの分子構造、特にその鎖長の維持に役立つ。PEFの乾燥によって、鎖の加水分解が減少し、PEFの射出成形に際して、加水分解によるPEF鎖の開裂を抑制することができる。この際にPEFの後処理は、プラスチック射出成形法でのさらなる加工に、できる限り時間的に近いタイミングで行うことが望ましい。ここで本発明の意味合いにおいて「時間的に近いタイミングで」とは、0〜2時間の間であると考えられる。ここで、プラスチック射出成形法で壁厚が薄いプラスチック小部材を製造するために使用するPEFは、直鎖状の鎖構造を有することができるか、またはより小さい、もしくはより大きい分岐を有していてもよい。
0013
1つの変法では、プラスチック射出成形法に使用されるPEFは、バイオベースのPEFを10%〜100%含有することができる。バイオベースのPEFを使用することは、環境上の理由から望ましい。それというのも、PEFを製造するために、再生可能な物質のみを使用できるからである。
0014
さらなる変法では、使用するPEFが再生原料を100%まで含んでいてよい。PEFの製造方法、ならびにPEFの乾燥およびさらなる加工に使用する温度が原因となって、場合により生じる僅かな不純物は、他の物質とともに、特に異種ポリマーとともに、副次的な役割を果たす。従って、再生原料を含有する射出成形されたプラスチック小部材は、特に制限なく、包装物と直接接触することができる。
0016
さらなる変法は、容易に酸化可能な添加剤との混合物も意図することができ、この添加剤は、触媒を用いて、もしくは触媒を用いることなく酸素と反応可能であり、これによって酸素を内容物から遠ざけておくことができる。触媒としてはたとえば、コバルト塩が考慮される。
0017
所望の含水量を調整するために、PEFを100℃超かつ200℃未満の乾燥温度で乾燥させることができる。乾燥工程はPEFの含水量調整に役立ち、これによって、PEF材料をさらに部分的に清浄化すること、または必要であれば粘度を所望の範囲に上昇させることが可能になる。乾燥は、従来の乾燥機で行うことができる。しかしながら乾燥の際に、PEF材料の付着を避けるために、撹拌装置または相応する装置を使用すると、適切であることが実証されている。100ppm未満の湿分を達成するためには、PEF材料の当初の含水率に応じて、3〜30時間の乾燥時間が目標とされる。加えて、乾燥時間をさらに短縮するため、赤外線照射またはマイクロ波照射によってエネルギーを投入することもできる。最後に、PEFの乾燥はさらに真空中、またはPEFとの反応を起こさない不活性ガス雰囲気下、たとえば窒素雰囲気下で行うこともできる。
0018
さらなる変法においてPEFには、5%を超えない成核剤割合を添加混合することができる。成核剤を添加混合することによって、結晶化に適切な影響を与えることができる。成核剤としてはたとえば、炭酸カルシウム、粘土粉末、ケイ酸塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、チタン塩、有機塩(たとえばポリエステルの金属塩)、金属酸化物、ソルビトール誘導体、ホスフェート誘導体、タルク、ワックス、ポリオレフィン(PE、TPE、PP)、脂肪族ポリアミドが使用される。
0019
代替的な変法では、射出成形の間のPEFの結晶化を抑制するため、PEFに、コポリマーの一部、10%を超えない割合で、たとえばジエチレングリコールを添加混合することができる。
0020
本発明に従ってプラスチック射出成形法で製造される壁厚が薄いプラスチック小部材は、1.5mm未満の平均壁厚を有する。ここでプラスチック小部材は実質的に、単層で形成されたPEFのみからなる。PEFからプラスチック小部材を単層で形成することによって、その完全なリサイクルが可能になり、これは特に環境上の観点から望ましいと思われる。
0021
本発明の変法において、射出成形された、壁厚が薄いプラスチック小部材は、1mm未満の平均壁厚を有していてよい。使用される低粘度PEFは非常に流動性が高く、これによって、射出成形型のキャビティを非常に迅速に充填することが可能になる。それにも拘わらず、型のギャップ幅が非常に狭いため、射出されるPEF溶融物を、特定の、所望の結晶化を生じることができる。
0022
本発明の変法は、壁厚が薄いプラスチック小部材が少なくとも部分的に、50%までの結晶化度を有することを意図することができる。高い結晶化度は、バリア性に対して肯定的な作用を及ぼし、その一方でPEFの非晶質性は、常温での衝撃強さに対して有利に作用しうる。
0023
本発明の変法において射出成形型は、PEF材料の射出の際にはまだ完全には閉鎖されていなくてよく、PEF材料の射出成形の間、またはその後に初めて、完全に閉鎖される。このようなプロセス実施に際して、壁厚が薄いプラスチック小部材を、射出成形プロセスおよび衝撃押出プロセスによって成形する。型をどの時点で閉鎖するかに応じて、射出成形プロセスまたは衝撃押出プロセスが勝る。
0024
さらなる変法において熱可塑性PEF成形材料は、型を閉鎖する前に既に、型のキャビティに導入することができる。この場合、プラスチック小部材の製造はもはや、そもそも射出成形プロセスではなく、衝撃押出法である。
0025
本発明により射出成形された、壁厚が薄いプラスチック小部材は、封止部、たとえば飲料包装用の封止部として、包装の一部として、たとえばチューブ口部として、包装全体として、たとえばカップとして、コーヒー、ココアもしくはお茶のためのカプセル状容器またはブリスターパック(ポッドもしくはパッド)として形成されていてよい。これは特に、酸素に敏感な内容物のための包装として形成されていてよい。壁厚が薄いプラスチック小部材はたとえば、食品トレイまたは酸素に敏感な内容物のためのカップであってよい。コーヒー、ココアもしくはお茶のカプセル状パックまたはブリスターパックとして、射出成形された壁厚が薄いプラスチック小部材を形成することによって、香りが失われることなく充分に貯蔵可能になる。その際に、カプセル状の包装のための封止シートもPEFから作製されていてよく、これにより、このような包装のリサイクル性が著しく改善される。最後に、本発明による、壁厚が薄いプラスチック小部材は、ベビーフード用のカップとしても、ペースト、ソースまたはケチャップを保管するためのカップとしても用いることができる。
0026
低粘度のPEFを使用することによって、プラスチック射出成形法で壁厚が薄いプラスチック小部材を、コスト的に有利に作製することが可能になる。射出成形されたPEF製のプラスチック小部材は、そのバリア性に対して否定的な作用をもたらすことなく、単層で形成されていてよい。ここでプラスチック小部材はそのバリア性に関して、熱成形(深絞り成形)で従来のバルク状プラスチック、たとえばPE、PP、PET、PSまたはPVCから作製されたシートまたはプレートから構成されている、EVOH、PGA、またはPA製のバリア層を備えるもの、または非晶質炭素層製の被覆、または薄いガラス被覆を有するものと少なくとも同等であり、それどころか多くの場合では、これらを上回っている。従来技術による多層のプラスチック小部材、および複数の異なる材料から構成されたプラスチック小部材とは異なり(これらはリサイクルに供給するのが非常に困難であり、不完全にしかリサイクルに供給できない)、本発明による壁厚が薄いプラスチック小部材は、単層で構成されたPEF製の単一物質部材(非常に容易に完全にリサイクル可能)である。
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