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課題・解決手段

本発明は、組織標的トリウム錯体を形成するための方法を提供し、前記方法は; a)N位においてC1−C3アルキル基置換された4つのヒドロキシピリジノン(HOPO)部分と、末端カルボン酸基カップリング部分とを含むオクタデンテートキレート化剤を生成するステップと、 b)前記オクタデンテートキレート化剤を、少なくとも1つのアミドカップリング試薬により、少なくとも1つのアミン部分を含む少なくとも1つの組織標的化ペプチドまたはタンパク質カップリングし、これにより、組織標的化キレート化剤を生成するステップと、 c)前記組織標的化キレート化剤を、少なくとも1つのα放出トリウム同位体イオンを含む水溶液と接触させるステップと を含む。 このような組織標的化トリウム錯体、ならびに錯体および対応する医薬配合物投与(admistration)を含む腫瘍性または増殖性疾患治療方法も提供される。

概要

背景

特異的な殺細胞は、哺乳動物の対象におけるさまざまな疾患の治療成功するために極めて重要であり得る。これの典型例は、肉腫および癌腫などの悪性疾患の治療にある。しかし、特定の細胞型の選択的な除去もまた、他の疾患、特に増殖性および腫瘍性疾患において重要な役割を果たし得る。

選択的な治療の最も一般的な方法は、現在、外科手術化学療法および外照射である。しかし、標的放射性核種療法は、疾患に関連する細胞型に高い細胞毒性放射線を特異的に届けられる可能性を有する有望かつ発展途上の領域である。現在ヒトにおける使用が認可されている放射性医薬品の最も一般的な形態は、β放出および/またはγ放出放射性核種を使用する。しかし、より特異的な殺細胞の可能性があることから、治療法におけるα放出放射性核種の使用に一定の関心が寄せられてきた。

生理学的環境における典型的なα放出体照射範囲は、一般に100マイクロメートル未満であり、細胞直径のわずか数倍に相当する。これにより、これらの源は、微小転移を含む腫瘍の治療に非常に適したものになる。なぜなら、これらの源は、腫瘍内の隣接する細胞に達する範囲を有するが、これらがうまく標的化されている場合には、放射エネルギー標的細胞をほとんど越えないからである。したがって、すべての細胞を標的化する必要はないが、周囲の健康な組織への損傷を最小限に抑えることができる(Feinendegenら、Radiat Res 148:195−201(1997)参照)。一方、ベータ粒子は水中で1mm以上の範囲を有する(Wilbur、Antibody Immunocon Radiopharm 4:85−96(1991)参照)。

アルファ粒子線のエネルギーは、ベータ粒子、γ線およびX線によって運ばれるエネルギーと比較して高く、通常5〜8MeVであり、すなわちベータ粒子のエネルギーの5〜10倍、γ線のエネルギーの20倍以上である。したがって、非常に短い距離にわたる大量のエネルギーのこの蓄積によって、γ線およびβ線と比較して、例外的に高い線エネルギー付与LET)、高い生物学的効果比RBE)および低い酸素増感比(OER)がα線に与えられる(Hall、「Radiobiology for the radiologist」,Fifth edition,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia PA,USA,2000参照)。これは、α放出放射性核種の例外的な細胞毒性を説明し、また、そのような同位体生物学的標的化、および容認できない副作用を避けるために必要なα放出放射性核種の分布に関する制御および検討のレベルに対して厳しい要求を課す

以下の表1は、治療効果を有する可能性があるとしてこれまで文献に広く提案されたα放出体の物理崩壊特性を示す。

これまで、放射免疫療法における応用に関しては、主に211At、213Biおよび225Acに注目が集まっており、これら3つの核種臨床的免疫療法試験で検討されてきた。

提案された放射性核種のいくつかは短寿命であり、すなわち、12時間未満の半減期を有する。このように半減期が短いと、これらの放射性核種に基づく放射性医薬品を商業的に製造し、流通させることが困難になる。短寿命核種の投与はまた、標的部位に達する前に体内で放出される放射線量の割合を増加させる。

α放出からの反跳エネルギーは、多くの場合、親核種の崩壊の位置から娘核種を放出させる。この反跳エネルギーは、例えば、キレート剤などの配位子によって親核種が錯化された、親核種を保持していた可能性のある化学的環境から多くの娘核が飛び出すのに十分である。これは、娘核種が同じ配位子と化学的適合性である場合、すなわち、同じ配位子によって錯形成可能な場合にも起こる。同様に、娘核種がガス、特にラドンなどの希ガスである場合、または配位子と化学的に適合しない場合、この放出効果はさらに大きくなる。娘核種の半減期が数秒以上になると、娘核種は、親核種を保持する錯化剤(complexant)によって拘束されずに血液系拡散することがある。そして、これらの遊離放射性娘核種は、望まれない全身毒性をもたらす可能性がある。

223Ra同位体の制御が維持される条件下でのトリウム−227(T1/2=18.7日)の使用が数年前に提案されている(国際公開第01/60417号パンフレットおよび国際公開第02/05859号パンフレット参照)。これは、閉じた環境による娘核種の保持を可能にする担体系が使用される状況であった。ある例では、放射性核種がリポソーム内に配置され、(反跳距離と比較して)かなりのサイズのリポソームが、娘核種をリポソーム内に保持するのに役立つ。第2の例では、骨基質に取り込まれて娘核種の放出を制限する放射性核種の向骨性錯体が使用される。これらは場合によっては非常に有利な方法であるが、リポソームの投与は状況によっては望ましくなく、娘同位体を保持するように、放射性核種を石灰化した基質で取り囲むことができない軟組織の疾患が多数存在する。

さらに最近では、227Thの崩壊時に放出される223Ra娘核の毒性は、同等の核に関する先の試験から予測されるよりも哺乳類の体内ではるかに許容され得ることが確認された。ラジウム毒性に関する公的に入手可能な情報は、前述のトリウム−227のラジウム娘核を保持する特定の手段がない場合、トリウム−227を治療薬として使用することが不可能であることを明らかにした。それは、トリウム−227崩壊による治療効果を得るために必要な線量は、ラジウム娘核の崩壊による非常に毒性が高く、おそらく致命的な放射線量になるであろうし、すなわち、治療域が存在しないからである。

国際公開第04/091668号パンフレットには、容認できない骨髄毒性を生じるのに十分な量のラジウム−223を生成することなく、治療上有効な量の標的トリウム−227放射性核種を対象(通常は哺乳動物)に投与することができる療法の治療域が存在するという予想外の知見が記載されている。したがって、これは、骨組織および軟組織の両方の部位におけるすべてのタイプの疾患の治療および予防法に使用することができる。

上述の進展を考慮して、現在は、生成した223Raに起因する致命的な骨髄毒性を伴わずに、内部放射性核種療法(endoradionuclide therapy)においてα放出トリウム−227核を使用することが可能である。とはいえ、治療域は比較的狭いままであり、絶対に必要である以上にα放出放射性同位体を対象に投与しないことがすべての場合において望ましい。したがって、α放出トリウム−227核が高い信頼性で錯化および標的化され得る場合、この新たな治療域の有効利用は大いに促進されるであろう。

放射性核種は絶えず崩壊しているので、単離から対象への投与までの間の材料の取り扱いに費やされる時間は非常に重要である。また、好ましくは標的化実体の特性に不可逆的に影響を与えない数ステップ、短いインキュベーション期間および/または温度を必要とする、調製が迅速かつ簡便な形態でα放出トリウム核を錯化、標的化および/または投与することができる場合もかなりの価値があるであろう。さらに、投与前に除去する必要のない溶媒中(実質的に水溶液中)で実施できるプロセスは、溶媒の蒸発または透析ステップを回避するというかなりの利点を有する。

また、大幅に向上した安定性を示すトリウム標識製剤配合物を開発することができれば、大きな価値があると考えられる。これは、堅牢製品品質基準が遵守されるようにすると同時に、患者線量を送るための補給経路(logistical path)を可能にするために極めて重要である。したがって、1〜4日間にわたる最小限の放射線分解を伴う配合物が好ましい。

ヒドロキシピリジノン基を含むオクタデンテートキレート剤は、α放射体トリウム−277への配位、その後の標的化部分への結合に適していることが以前に示されている(国際公開第2011/098611号パンフレット)。リンカー基によりアミンベース骨格に結合された4つの3,2−ヒドロキシピリジノン基を含み、標的化分子との複合化に用いられる別の反応性基を有するオクタデンテートキレート化剤が記載されている。先の発明の好ましい構造は、3,2−ヒドロキシピリジノン基を含み、化合物ALGDDNCSに示されるように、抗体成分に対する好ましいカップリング化学としてイソチオシアネート部分を使用した。イソチオシアナートは、アミン基を介してタンパク質に標識を付けるために広く使用されている。イソチオシアナート基は、タンパク質中のアミノ末端および一級アミンと反応し、抗体を含む多くのタンパク質の標識に使用されてきた。これらの複合体(conjugates)内に形成されるチオ尿素結合はかなり安定であるが、蛍光イソチオシアナートから調製された抗体複合体は経時的に劣化することが報告されている。[Banks PR、PaquetteDM.、Bioconjug Chem(1995)6:447−458]。また、フルオレセインイソチオシアナートとアミンとの反応によって生成されるチオ尿素は、塩基性条件下でグアニジンへ変換されやすい[Dubey I、Pratviel G、Meunier BJournal:Bioconjug Chem(1998)9:627−632]。生物学的半減期が長いモノクローナル抗体にカップリングされている、崩壊半減期の長いトリウム−227(18.7日)のために、生体内でも保存に対しても化学的により安定な複合体を生成するように、より安定な結合部分を使用することが望ましい。

ヒドロキシピリジノン配位子の複合化に関して最も関連する以前の研究は、国際公開第2013/167754号パンフレットに公開されており、ヒドロキシアルキル官能基を含む水溶性部分を持つ配位子が開示されている。このキレートクラスのヒドロキシル基反応性のために、活性化エステルとしての活性化は、複数の競争反応が続いて起こり、エステル化反応を通じて生成物の複雑な混合物を与えるので不可能である。したがって、国際公開第2013/167754号パンフレットの配位子は、上述の通り、より安定でないチオ尿素複合体を与えるイソチオシアナートなどの代替の化学により、組織標的化タンパク質にカップリングされなければならない。加えて、国際公開第2013/167755号パンフレットおよび国際公開第2013/167756号パンフレットには、CD33およびCD22標的抗体それぞれに適用されたヒドロキシアルキル/イソチオシアナート複合体が開示されている。

ここで本発明者らは、特定のキレート化剤を適切な標的化部分にカップリングさせ、続いてα放出トリウムイオンを添加することによって組織標的化錯体を形成することにより、穏やかな条件下で、かつ保存および錯体の投与に対してより安定なままの結合部分により、錯体を速やかに形成することができることを確認した。

概要

本発明は、組織標的化トリウム錯体を形成するための方法を提供し、前記方法は; a)N位においてC1−C3アルキル基置換された4つのヒドロキシピリジノン(HOPO)部分と、末端カルボン酸基カップリング部分とを含むオクタデンテートキレート化剤を生成するステップと、 b)前記オクタデンテートキレート化剤を、少なくとも1つのアミドカップリング試薬により、少なくとも1つのアミン部分を含む少なくとも1つの組織標的化ペプチドまたはタンパク質とカップリングし、これにより、組織標的化キレート化剤を生成するステップと、 c)前記組織標的化キレート化剤を、少なくとも1つのα放出トリウム同位体のイオンを含む水溶液と接触させるステップと を含む。 このような組織標的化トリウム錯体、ならびに錯体および対応する医薬配合物の投与(admistration)を含む腫瘍性または増殖性疾患治療方法も提供される。

目的

本発明は、本明細書に記載の組織標的化錯体を形成し、続いて少なくとも1つの医薬担体および/または賦形剤を添加するステップを含む、医薬配合物の生成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

a)N位においてC1−C3アルキル基置換された4つのヒドロキシピリジノン(HOPO)部分と、末端カルボン酸基カップリング部分とを含むオクタデンテートキレート化剤を生成するステップと、b)前記オクタデンテートキレート化剤を、少なくとも1つのアミドカップリング試薬により、少なくとも1つのアミン部分を含む少なくとも1つの組織標的ペプチドまたはタンパク質カップリングし、これにより、組織標的化キレート化剤を生成するステップと、c)前記組織標的化キレート化剤を、少なくとも1つのα放出トリウム同位体イオンを含む水溶液と接触させるステップとを含む、組織標的化トリウム錯体を形成するための方法。

請求項2

ステップb)が水溶液中で実施される請求項1に記載の方法。

請求項3

前記アミドカップリング試薬が水溶液中で機能する請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

前記アミドカップリング試薬が、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミドカップリング試薬である請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

ステップb)が、pH4〜9の間の水溶液中で実施される請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

ステップb)が、15〜50℃の間で5〜120分間実施される請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

ステップc)が、15〜50℃の間で1〜60分間実施される請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記オクタデンテートキレート化剤が、4つの3,2−HOPO部分を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記オクタデンテートキレート化剤が、式(VIb)および(VII):(式中、Rcは、[−CH2−Ph−N(H)−C(=O)−CH2−CH2−C(=O)OH]、[−CH2−CH2−N(H)−C(=O)−(CH2−CH2−O)1−3−CH2−CH2−C(=O)OH]または[−(CH2)1−3−Ph−N(H)−C(=O)−(CH2)1−5−C(=O)OH]、(式中、Phはフェニレン基、好ましくはパラフェニレン基である。)などの、末端がカルボン酸部分リンカー部分である。)から選択される請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記組織標的化部分が、モノクローナルまたはポリクローナル抗体抗体断片Fab、F(ab’)2、Fab’またはscFvなど)あるいはこのような抗体および/または断片のコンストラクトである請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記組織標的化部分が、CD22受容体、FGFR2、メソテリンHER−2、PSMAまたはCD33に対する結合親和性を有する請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

請求項1から11のいずれか一項に記載の方法によって形成される、または形成可能な組織標的化トリウム錯体。

請求項13

4つの3,2−HOPO部分を含む請求項12に記載の組織標的化トリウム錯体。

請求項14

CD22受容体、FGFR2、メソテリン、HER−2、PSMAまたはCD33に対する結合親和性を有する請求項12または請求項13に記載の組織標的化トリウム錯体。

請求項15

227Thなどのα放出トリウム放射性核種の4+イオンを含む請求項12から14のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体。

請求項16

式(VIb)または(VII):(式中、RCは、アミド基によって組織標的化部分、好ましくはAGC0019に結合されたカップリング部分である。)のオクタデンテートキレート化剤を含む請求項12から15のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体。

請求項17

モノクローナルまたはポリクローナル抗体、抗体断片(Fab、F(ab’)2、Fab’またはscFvなど)あるいはこのような抗体および/または断片のコンストラクトから選択される組織標的化部分を含む請求項12から16のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体。

請求項18

以下の配列:軽鎖重鎖:のうちの少なくとも1つとの、少なくとも90%の配列類似性を有する少なくとも1つのペプチド鎖を含む組織標的化部分を含む請求項12から17のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体。

請求項19

請求項12から18のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組織標的化トリウム錯体を含む医薬配合物

請求項20

クエン酸塩緩衝液をさらに含む請求項19に記載の医薬配合物。

請求項21

p−アミノ酪酸(PABA)、ならびに任意選択EDTAおよび/または少なくとも1つのポリソルベートをさらに含む請求項19または請求項20に記載の医薬配合物。

請求項22

増殖性または腫瘍性疾患治療のための医薬品の製造における請求項12から18のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体または請求項19から21のいずれか一項に記載の医薬配合物の使用。

請求項23

前記疾患が、癌腫肉腫骨髄腫白血病リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫もしくはB細胞新生物を含む混合型癌、乳癌子宮内膜癌胃癌急性骨髄性白血病前立腺癌または脳癌、中皮腫卵巣癌肺癌または膵臓癌である請求項22に記載の使用。

請求項24

少なくとも1つの請求項12から18のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体または少なくとも1つの請求項19から21のいずれか一項に記載の医薬配合物を投与するステップを含む、ヒトまたは非ヒト動物(特に治療方法を必要とするもの)の治療方法。

請求項25

癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫もしくはB細胞新生物を含む混合型癌、乳癌、子宮内膜癌、胃癌、急性骨髄性白血病、前立腺癌または脳癌、中皮腫、卵巣癌、肺癌または膵臓癌などの増殖性または腫瘍性疾患の治療のための請求項24に記載の方法。

請求項26

癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫もしくはB細胞新生物を含む混合型癌、乳癌、子宮内膜癌、胃癌、急性骨髄性白血病、前立腺癌または脳癌、中皮腫、卵巣癌、肺癌または膵臓癌などの増殖性および/または腫瘍性疾患の治療における使用のための請求項12から18のいずれか一項に記載の組織標的化トリウム錯体または請求項19から21のいずれか一項に記載の医薬配合物。

請求項27

i)N位においてC1−C3アルキル基で置換された4つのヒドロキシピリジノン(HOPO)部分と、末端がカルボン酸基のカップリング部分とを含むオクタデンテートキレート化剤と、ii)少なくとも1つのアミン部分を含む少なくとも1つの組織標的化ペプチドまたはタンパク質と、iii)少なくとも1つのアミドカップリング試薬と、iv)任意選択で好ましくは、227Thなどのα放出トリウム放射性核種とを含む請求項1から11のいずれか一項に記載の方法における使用のためのキット

技術分野

0001

本発明は、トリウム同位体錯体、特に、トリウム−227と、組織標的化部分と複合化した(conjugated)特定のオクタデンテート(octadentate)配位子との錯体を形成するための方法に関する。また本発明は、その錯体、およびそのような錯体の投与を含む、疾患、特に腫瘍性疾患治療に関する。

背景技術

0002

特異的な殺細胞は、哺乳動物の対象におけるさまざまな疾患の治療に成功するために極めて重要であり得る。これの典型例は、肉腫および癌腫などの悪性疾患の治療にある。しかし、特定の細胞型の選択的な除去もまた、他の疾患、特に増殖性および腫瘍性疾患において重要な役割を果たし得る。

0003

選択的な治療の最も一般的な方法は、現在、外科手術化学療法および外照射である。しかし、標的放射性核種療法は、疾患に関連する細胞型に高い細胞毒性放射線を特異的に届けられる可能性を有する有望かつ発展途上の領域である。現在ヒトにおける使用が認可されている放射性医薬品の最も一般的な形態は、β放出および/またはγ放出放射性核種を使用する。しかし、より特異的な殺細胞の可能性があることから、治療法におけるα放出放射性核種の使用に一定の関心が寄せられてきた。

0004

生理学的環境における典型的なα放出体照射範囲は、一般に100マイクロメートル未満であり、細胞直径のわずか数倍に相当する。これにより、これらの源は、微小転移を含む腫瘍の治療に非常に適したものになる。なぜなら、これらの源は、腫瘍内の隣接する細胞に達する範囲を有するが、これらがうまく標的化されている場合には、放射エネルギー標的細胞をほとんど越えないからである。したがって、すべての細胞を標的化する必要はないが、周囲の健康な組織への損傷を最小限に抑えることができる(Feinendegenら、Radiat Res 148:195−201(1997)参照)。一方、ベータ粒子は水中で1mm以上の範囲を有する(Wilbur、Antibody Immunocon Radiopharm 4:85−96(1991)参照)。

0005

アルファ粒子線のエネルギーは、ベータ粒子、γ線およびX線によって運ばれるエネルギーと比較して高く、通常5〜8MeVであり、すなわちベータ粒子のエネルギーの5〜10倍、γ線のエネルギーの20倍以上である。したがって、非常に短い距離にわたる大量のエネルギーのこの蓄積によって、γ線およびβ線と比較して、例外的に高い線エネルギー付与LET)、高い生物学的効果比RBE)および低い酸素増感比(OER)がα線に与えられる(Hall、「Radiobiology for the radiologist」,Fifth edition,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia PA,USA,2000参照)。これは、α放出放射性核種の例外的な細胞毒性を説明し、また、そのような同位体の生物学的標的化、および容認できない副作用を避けるために必要なα放出放射性核種の分布に関する制御および検討のレベルに対して厳しい要求を課す

0006

以下の表1は、治療効果を有する可能性があるとしてこれまで文献に広く提案されたα放出体の物理崩壊特性を示す。

0007

0008

これまで、放射免疫療法における応用に関しては、主に211At、213Biおよび225Acに注目が集まっており、これら3つの核種臨床的免疫療法試験で検討されてきた。

0009

提案された放射性核種のいくつかは短寿命であり、すなわち、12時間未満の半減期を有する。このように半減期が短いと、これらの放射性核種に基づく放射性医薬品を商業的に製造し、流通させることが困難になる。短寿命核種の投与はまた、標的部位に達する前に体内で放出される放射線量の割合を増加させる。

0010

α放出からの反跳エネルギーは、多くの場合、親核種の崩壊の位置から娘核種を放出させる。この反跳エネルギーは、例えば、キレート剤などの配位子によって親核種が錯化された、親核種を保持していた可能性のある化学的環境から多くの娘核が飛び出すのに十分である。これは、娘核種が同じ配位子と化学的適合性である場合、すなわち、同じ配位子によって錯形成可能な場合にも起こる。同様に、娘核種がガス、特にラドンなどの希ガスである場合、または配位子と化学的に適合しない場合、この放出効果はさらに大きくなる。娘核種の半減期が数秒以上になると、娘核種は、親核種を保持する錯化剤(complexant)によって拘束されずに血液系拡散することがある。そして、これらの遊離放射性娘核種は、望まれない全身毒性をもたらす可能性がある。

0011

223Ra同位体の制御が維持される条件下でのトリウム−227(T1/2=18.7日)の使用が数年前に提案されている(国際公開第01/60417号パンフレットおよび国際公開第02/05859号パンフレット参照)。これは、閉じた環境による娘核種の保持を可能にする担体系が使用される状況であった。ある例では、放射性核種がリポソーム内に配置され、(反跳距離と比較して)かなりのサイズのリポソームが、娘核種をリポソーム内に保持するのに役立つ。第2の例では、骨基質に取り込まれて娘核種の放出を制限する放射性核種の向骨性錯体が使用される。これらは場合によっては非常に有利な方法であるが、リポソームの投与は状況によっては望ましくなく、娘同位体を保持するように、放射性核種を石灰化した基質で取り囲むことができない軟組織の疾患が多数存在する。

0012

さらに最近では、227Thの崩壊時に放出される223Ra娘核の毒性は、同等の核に関する先の試験から予測されるよりも哺乳類の体内ではるかに許容され得ることが確認された。ラジウム毒性に関する公的に入手可能な情報は、前述のトリウム−227のラジウム娘核を保持する特定の手段がない場合、トリウム−227を治療薬として使用することが不可能であることを明らかにした。それは、トリウム−227崩壊による治療効果を得るために必要な線量は、ラジウム娘核の崩壊による非常に毒性が高く、おそらく致命的な放射線量になるであろうし、すなわち、治療域が存在しないからである。

0013

国際公開第04/091668号パンフレットには、容認できない骨髄毒性を生じるのに十分な量のラジウム−223を生成することなく、治療上有効な量の標的トリウム−227放射性核種を対象(通常は哺乳動物)に投与することができる療法の治療域が存在するという予想外の知見が記載されている。したがって、これは、骨組織および軟組織の両方の部位におけるすべてのタイプの疾患の治療および予防法に使用することができる。

0014

上述の進展を考慮して、現在は、生成した223Raに起因する致命的な骨髄毒性を伴わずに、内部放射性核種療法(endoradionuclide therapy)においてα放出トリウム−227核を使用することが可能である。とはいえ、治療域は比較的狭いままであり、絶対に必要である以上にα放出放射性同位体を対象に投与しないことがすべての場合において望ましい。したがって、α放出トリウム−227核が高い信頼性で錯化および標的化され得る場合、この新たな治療域の有効利用は大いに促進されるであろう。

0015

放射性核種は絶えず崩壊しているので、単離から対象への投与までの間の材料の取り扱いに費やされる時間は非常に重要である。また、好ましくは標的化実体の特性に不可逆的に影響を与えない数ステップ、短いインキュベーション期間および/または温度を必要とする、調製が迅速かつ簡便な形態でα放出トリウム核を錯化、標的化および/または投与することができる場合もかなりの価値があるであろう。さらに、投与前に除去する必要のない溶媒中(実質的に水溶液中)で実施できるプロセスは、溶媒の蒸発または透析ステップを回避するというかなりの利点を有する。

0016

また、大幅に向上した安定性を示すトリウム標識製剤配合物を開発することができれば、大きな価値があると考えられる。これは、堅牢製品品質基準が遵守されるようにすると同時に、患者線量を送るための補給経路(logistical path)を可能にするために極めて重要である。したがって、1〜4日間にわたる最小限の放射線分解を伴う配合物が好ましい。

0017

ヒドロキシピリジノン基を含むオクタデンテートキレート剤は、α放射体トリウム−277への配位、その後の標的化部分への結合に適していることが以前に示されている(国際公開第2011/098611号パンフレット)。リンカー基によりアミンベース骨格に結合された4つの3,2−ヒドロキシピリジノン基を含み、標的化分子との複合化に用いられる別の反応性基を有するオクタデンテートキレート化剤が記載されている。先の発明の好ましい構造は、3,2−ヒドロキシピリジノン基を含み、化合物ALGDDNCSに示されるように、抗体成分に対する好ましいカップリング化学としてイソチオシアネート部分を使用した。イソチオシアナートは、アミン基を介してタンパク質に標識を付けるために広く使用されている。イソチオシアナート基は、タンパク質中のアミノ末端および一級アミンと反応し、抗体を含む多くのタンパク質の標識に使用されてきた。これらの複合体(conjugates)内に形成されるチオ尿素結合はかなり安定であるが、蛍光イソチオシアナートから調製された抗体複合体は経時的に劣化することが報告されている。[Banks PR、PaquetteDM.、Bioconjug Chem(1995)6:447−458]。また、フルオレセインイソチオシアナートとアミンとの反応によって生成されるチオ尿素は、塩基性条件下でグアニジンへ変換されやすい[Dubey I、Pratviel G、Meunier BJournal:Bioconjug Chem(1998)9:627−632]。生物学的半減期が長いモノクローナル抗体にカップリングされている、崩壊半減期の長いトリウム−227(18.7日)のために、生体内でも保存に対しても化学的により安定な複合体を生成するように、より安定な結合部分を使用することが望ましい。

0018

ヒドロキシピリジノン配位子の複合化に関して最も関連する以前の研究は、国際公開第2013/167754号パンフレットに公開されており、ヒドロキシアルキル官能基を含む水溶性部分を持つ配位子が開示されている。このキレートクラスのヒドロキシル基反応性のために、活性化エステルとしての活性化は、複数の競争反応が続いて起こり、エステル化反応を通じて生成物の複雑な混合物を与えるので不可能である。したがって、国際公開第2013/167754号パンフレットの配位子は、上述の通り、より安定でないチオ尿素複合体を与えるイソチオシアナートなどの代替の化学により、組織標的化タンパク質にカップリングされなければならない。加えて、国際公開第2013/167755号パンフレットおよび国際公開第2013/167756号パンフレットには、CD33およびCD22標的抗体それぞれに適用されたヒドロキシアルキル/イソチオシアナート複合体が開示されている。

0019

ここで本発明者らは、特定のキレート化剤を適切な標的化部分にカップリングさせ、続いてα放出トリウムイオンを添加することによって組織標的化錯体を形成することにより、穏やかな条件下で、かつ保存および錯体の投与に対してより安定なままの結合部分により、錯体を速やかに形成することができることを確認した。

0020

国際公開第01/60417号パンフレット
国際公開第02/05859号パンフレット
国際公開第04/091668号パンフレット
国際公開第2011/098611号パンフレット
国際公開第2013/167754号パンフレット
国際公開第2013/167755号パンフレット
国際公開第2013/167756号パンフレット

先行技術

0021

Feinendegenら著、Radiat Res 148:195−201(1997)
Wilbur著、Antibody Immunocon Radiopharm 4:85−96(1991)
Hall著、「Radiobiology for the radiologist」,Fifth edition,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia PA,USA,2000
Banks PR、PaquetteDM.著、Bioconjug Chem(1995)6:447−458
Dubey I、Pratviel G著、Meunier BJournal:Bioconjug Chem(1998)9:627−632

課題を解決するための手段

0022

したがって、第1の態様において、本発明は、組織標的化トリウム錯体を形成するための方法を提供し、前記方法は:
a)N位においてC1−C3アルキル基置換された4つのヒドロキシピリジノン(HOPO)部分と、末端カルボン酸基(または保護されたその等価物)のカップリング部分とを含むオクタデンテートキレート化剤を生成するステップと、
b)前記オクタデンテートキレート化剤を、少なくとも1つのアミドカップリング試薬により、少なくとも1つのアミン部分を含む少なくとも1つの組織標的化ペプチドまたはタンパク質とカップリングし、これにより、組織標的化キレート化剤を生成するステップと、
c)前記組織標的化キレート化剤を、少なくとも1つのα放出トリウム同位体のイオンを含む水溶液と接触させるステップと
を含む。

0023

そのような錯体において(および好ましくは本発明のすべての態様において)、トリウムイオンは概して、オクタデンテートのヒドロキシピリジノン含有配位子により錯化され、これは、アミド結合を介して組織標的化部分に結合される。

0024

典型的には、この方法は、in situ活性化、または活性エステル自体の合成および単離のいずれかにより、活性エステル(N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHSエステル)など)の形態で活性化することができる反応性のカルボキシラート官能基を含む3,2−ヒドロキシピリジノンベースのオクタデンテートキレートを合成するための方法になる。

0025

生じるNHSエステルは、単純な複合化ステップにおいて使用して、広範囲のキレート修飾タンパク質フォーマットを産生することができる。さらに、安定性の高い抗体複合体がトリウム−227で容易に標識される。これは、周囲温度またはその付近で、通常、高い放射化学収率および純度であり得る。

0026

本発明の方法は、好ましくは水溶液中で行われ、1つの実施形態では、どのような有機溶媒も存在しないか、実質的に存在しない状態(1体積%未満)で行われてもよい。

0027

好ましい標的化部分には、ポリクローナル抗体、特にモノクローナル抗体およびその断片が含まれる。Fab、Fab’、F(ab’)2などの特異的結合断片および単鎖特異的結合抗体が典型的な断片である。

0028

本発明の組織標的化錯体は、ヒトまたは非ヒト動物の対象への投与に適した医薬品に配合されてもよい。

0029

したがって、第2の態様において、本発明は、本明細書に記載の組織標的化錯体を形成し、続いて少なくとも1つの医薬担体および/または賦形剤を添加するステップを含む、医薬配合物生成方法を提供する。適した担体および賦形剤には、緩衝剤、キレート剤、安定化剤、および当技術分野において既知であり、本明細書の任意の態様に記載される他の適した成分が含まれる。

0030

別の態様において、本発明はさらに、組織標的化トリウム錯体を提供する。このような錯体は、本明細書全体にわたって記載される特徴、特に本明細書に記載される好ましい特徴を有する。この錯体は、本明細書に記載の方法のいずれかによって形成されても、または形成可能であってもよい。したがって、このような方法は、本明細書の任意の態様または実施形態に記載の少なくとも1つの組織標的化トリウム錯体を与えることができる。

0031

さらに別の態様において、本発明は、本明細書に記載の錯体のいずれかを含む医薬配合物を提供する。この医薬配合物は、本明細書に記載の方法のいずれかによって形成されても、または形成可能であってもよく、少なくとも1つの緩衝剤、安定剤および/または賦形剤を含んでもよい。緩衝剤および安定剤の選択は、これらが一緒に組織標的化錯体を放射線分解から保護するのに役立つようなものであってもよい。1つの実施形態では、配合物中の錯体の放射線分解は、配合物の製造後、数日後でも最小限である。これは重要な利点である。なぜなら、これにより、この技術の使用可能性および実用化にとって重要な製品品質および薬剤供給物流に関連する起こり得る問題が解決されるからである。

0032

本発明は、腫瘍関連受容体など、生物学的に関心のある部位の標的化のための多数のトリウム標識抗体複合体の調製における有用性を示している。

実施例

0033

本発明の文脈において、「組織標的化」は、本明細書において、問題の物質(特に本明細書に記載の組織標的化錯体の形態のとき。)が、それ自体を、(例えば、放射性崩壊をもたらすために)その存在が望まれる少なくとも1つの組織部位優先的に局在させる(かつ、特にすべての複合化したトリウム錯体を局在させる)ように働くことを示すために用いられる。したがって、組織標的化基または部分は、標的化部分を持たない同等の錯体の濃度と比較して、対象への投与後の対象の体内の少なくとも1つの所望の部位へのより大きな局在をもたらすように働く。この場合の標的化部分は、好ましくは、癌細胞に関連する細胞表面受容体または腫瘍微小環境に関連する他の受容体に特異的に結合するように選択される。

0034

増殖性および腫瘍性疾患に関連することが既知である標的がいくつか存在する。これらには、特定の受容体、細胞表面タンパク質膜貫通タンパク質、および罹病細胞近傍の細胞外基質に見られるタンパク質/ペプチドが含まれる。腫瘍性疾患に関連し得る細胞表面受容体および抗原の例には、CD22、CD33、FGFR2(CD332)、PSMA、HER2、メソテリンなどが含まれる。1つの実施形態では、組織標的化部分(例えば、ペプチドまたはタンパク質)は、CD22、CD33、FGFR2(CD332)、PSMA、HER2およびメソテリンから選択される少なくとも1つの抗原または受容体に対する特異性を有する。

0035

CD22、すなわち表面抗原分類−22は、レクチンのSIGLECファミリーに属する分子である(SIGLEC=シアル酸結合免疫グロブリン型レクチン)。

0036

CD33、すなわちSiglec−3は、骨髄系細胞上で発現される膜貫通受容体である。

0037

FGFR2は、線維芽細胞増殖因子の受容体である。これは、ヒトにおいて、第10染色体上に存在するFGFR2遺伝子によってコードされるタンパク質である。

0038

HER2は、ヒト上皮増殖因子受容体(HER/EGFR/ERBB)ファミリーのメンバーである。

0039

前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、ヒトにおいて、FOLH1(葉酸ヒドロラーゼ1)遺伝子によってコードされる酵素である。

0040

メソテリンはMSLNとしても既知であり、ヒトにおいて、MSLN遺伝子によってコードされるタンパク質である。

0041

この場合、特に好ましい組織標的化バインダーは、CD22受容体に特異的に結合するように選択される。これは、例えば、非CD22発現細胞よりもCD22を発現させる細胞に対して50倍以上の結合親和性(例えば、少なくとも100倍以上、好ましくは少なくとも300倍以上)を有することによって反映され得る。CD22は、(本明細書に示す)特定の疾患状態を有する細胞において発現および/または過剰発現され、したがって、CD22特異的バインダーは、そのような疾患に冒された細胞を錯体が標的にするように働き得ると考えられる。同様に、組織標的化部分は、疾患に冒された細胞近傍の細胞上に存在する細胞表面マーカー(例えば、CD22受容体)に結合し得る。CD22細胞表面マーカーは、健常細胞表面よりも罹患細胞表面でより強く発現され得るか、または休止期よりも増殖または複製の期間中に細胞表面で強く発現され得る。1つの実施形態では、CD22特異的組織標的化バインダーを、疾患特異的細胞表面マーカーのための別のバインダーと組み合わせて使用して、二重に結合した錯体を得てもよい。CD−22の組織標的化バインダーは通常、本明細書に記載の通りペプチドまたはタンパク質になる。

0042

本明細書に記載の本発明のさまざまな態様は、特に患部組織の選択的標的化のための、ならびに、このような方法において有用な錯体、複合体、医薬品、配合物、キットなどに関する疾患の治療に関する。すべての態様において、患部組織は、体内の単一の部位に存在してもよく(例えば、局在した固形腫瘍の場合)、または、複数の部位に存在してもよい(例えば、いくつかの関節が関節炎罹患している場合、あるいは分布または転移した癌性疾患の場合)。

0043

標的化される患部組織は、1つの軟組織部位に存在しても、1つの石灰化組織部位に存在しても、あるいは軟組織にすべて、石灰化組織にすべて存在してもよい、または少なくとも1つの軟組織部位および/もしくは少なくとも1つの石灰化組織部位を含んでもよい複数の部位に存在してもよい。1つの実施形態では、少なくとも1つの軟組織部位が標的化される。標的化の部位および疾患の原因の部位は同じであってもよいが、あるいは異なっていてもよい(転移性部位が特異的に標的化される場合など)。1つを超える部位が関与する場合、この部位は原因の部位を含んでいてもよく、または複数の第2の部位であってもよい。

0044

用語「軟組織」は、本明細書において、「硬い」石灰化した基質を持たない組織を示すために用いられる。特に、本明細書において用いられる軟組織は、骨格組織ではない任意の組織であってもよい。これに対応して、本明細書において用いられる「軟組織疾患」は、本明細書において用いられる「軟組織」において生じる疾患を示す。本発明は、癌および「軟組織疾患」の治療に特に適しており、したがって、任意の「軟らかい」(すなわち、石灰化していない)組織において生じる癌腫、肉腫、骨髄腫白血病リンパ腫および混合型癌、ならびにそのような組織の他の非癌性疾患を包含する。癌性「軟組織疾患」には、軟組織において生じる固形腫瘍ならびに転移性腫瘍および微小転移性腫瘍が含まれる。実際、軟組織疾患は、同じ患者の軟組織の原発性固形腫瘍および軟組織の少なくとも1つの転移性腫瘍を含んでもよい。あるいは、「軟組織疾患」は、原発腫瘍のみからなっていても、原発腫瘍が骨格疾患である転移のみからなっていてもよい。本発明のすべての適切な態様における治療および/または標的化に特に適しているのは、非ホジキンリンパ腫B細胞リンパ腫のB細胞新生物を含むリンパ腫およびリンパ性白血病などのリンパ系細胞血液腫瘍および特に腫瘍性疾患である。同様に、骨髄脊椎(特に脊髄リンパ節および/または血液細胞の任意の腫瘍性疾患が、本発明のすべての適切な態様における治療および/または標的化に適している。

0045

本発明の適切な態様における治療および/または標的化に適したB細胞新生物のいくつかの例には以下が含まれる:
慢性リンパ性白血病小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病リンパ形質細胞性リンパ腫(Waldenstrom macroglobulinemiaなど)、辺縁帯リンパ腫、形質細胞腫瘍(例えば、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、単クローン性免疫グロブリン沈着症重鎖病)、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫マントル細胞リンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫およびバーキットリンパ腫/白血病。

0046

本発明のFGFR2標的薬剤を用いる治療に適した新生物のいくつかの例には、突然変異事象が、乳癌子宮内膜癌および胃癌を含む腫瘍形成および進行に関連するものが含まれる。

0047

本発明のCD33標的剤を用いる治療に適した骨髄系由来新生物のいくつかの例には、急性骨髄性白血病(AML)が含まれる。

0048

本発明の前立腺特異的膜抗原(PSMA)標的剤を用いる治療に適した新生物のいくつかの別の例には、前立腺癌および脳癌が含まれる。

0049

本発明のヒト上皮増殖因子受容体−2(HER−2)標的剤を用いる治療に適した新生物のいくつかの別の例には、乳癌が含まれる。

0050

本発明のメソテリン標的剤を用いる治療に適した新生物のいくつかの別の例には、中皮腫卵巣癌肺癌および膵臓癌などの悪性腫瘍が含まれる。

0051

抗体複合体が保存時に許容される期間安定であることが、本発明の成功への重要な寄与である。したがって、非放射性の抗体複合体および最終的なトリウム標識製剤の両方の安定性は、放射性医薬品の製造および流通に要求される厳しい基準を満たさなければならない。組織標的化を含む本明細書に記載の配合物が、保存時に卓越した安定性を示すことは驚くべき知見であった。これは、加速安定性試験に通常使用される高温でも当てはまる

0052

本発明のすべての適合する態様に適用可能な1つの実施形態では、組織標的化錯体は、適した緩衝液に溶解されてもよい。特に、クエン酸塩緩衝液を使用すると、驚くほど安定な配合物が得られることが判明した。この緩衝液は、好ましくは範囲1〜100mM(pH4〜7)、特に範囲10〜50mMのクエン酸塩緩衝液であるが、最も好ましくは20〜40mMクエン酸塩緩衝液である。

0053

本発明のすべての適合する態様に適用可能な別の実施形態では、組織標的化錯体は、p−アミノ酪酸(PABA)を含む適した緩衝液に溶解されてもよい。好ましい組み合わせは、PABAと組み合わせた、(好ましくは本明細書に記載の濃度の)クエン酸塩緩衝液である。他の薬剤との組み合わせを含む、本発明の任意の態様において使用するためのPABAの好ましい濃度は、約0.005〜5mg/ml、好ましくは0.01〜1mg/ml、より好ましくは0.01〜1mg/mlである。0.1〜0.5mg/mlの濃度が最も好ましい。

0054

本発明のすべての適合する態様に適用可能な別の実施形態では、組織標的化錯体は、エチレンジアミン四酢酸EDTA)を含む適した緩衝液に溶解されてもよい。好ましい組み合わせは、EDTAとクエン酸塩緩衝液の使用である。特に好ましい組み合わせは、PABAの存在下でのEDTAとクエン酸塩緩衝液の使用である。このような組み合わせでは、クエン酸塩、PABAおよびEDTAが適宜、本明細書に示す濃度の範囲および好ましい範囲の濃度で存在することが好ましい。他の薬剤との組み合わせを含む、本発明の任意の態様において使用するためのEDTAの好ましい濃度は、約0.02〜200mM、好ましくは0.2〜20mM、最も好ましくは0.05〜8mMである。

0055

本発明のすべての適合する態様に適用可能な別の実施形態では、組織標的化錯体は、少なくとも1つのポリソルベート(PEGグラフト化ソルビタン脂肪酸エステル)を含む適した緩衝液に溶解されてもよい。好ましいポリソルベートには、ポリソルベート80ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート)、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアラート)、ポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート)、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート)およびこれらの混合物が含まれる。ポリソルベート80(P80)が最も好ましいポリソルベートである。他の薬剤との組み合わせを含む、本発明の任意の態様において使用するためのポリソルベート(本明細書に示す特に好ましいポリソルベート)の好ましい濃度は、約0.001〜10%w/v、好ましくは0.01〜1%w/v、最も好ましくは0.02〜0.5%w/vである。

0056

PABAは以前に放射線安定剤(米国特許第4880615号明細書参照)として記載されているが、本発明におけるPABAのプラスの効果は、保存中の非放射性の複合体において観察された。放射線分解なしで、この安定化効果は特に驚くべき利点となる。なぜなら、組織標的化キレート化剤の合成は通常、トリウムイオンと接触する前に顕著に起こるからである。したがって、組織標的化キレート化剤は、トリウムイオンとの接触の1時間〜3年前に生成されてもよく、好ましくは、その期間の少なくとも一部の間、PABAと接触させて保存される。すなわち、本発明のステップa)およびb)は、ステップc)の1時間〜3年前に、ステップb)とc)の間で行われてもよく、組織標的化キレート化剤は、PABAと接触させて、特に、クエン酸塩緩衝液などの緩衝液中、任意選択でEDTAおよび/またはポリソルベートと共に保存されてもよい。すべての材料は、好ましくは、本明細書に示すタイプおよび濃度である。したがって、PABAは、本発明の配合物の非常に好ましい成分であり、組織標的化キレート化剤および/または組織標的化トリウム錯体の長期安定性をもたらすことができる。図1は、本系におけるPABAの効果を示す。

0057

本明細書に記載のクエン酸塩緩衝液の使用は、本発明の配合物中の組織標的化トリウム錯体の安定性に関して、別の驚くべき利点をもたらす。過酸化水素の発生に対する緩衝溶液の効果に関する照射試験を本発明者らが行い、予想外の結果を得た。過酸化水素は、水の放射線分解の結果生じることが既知であり、溶液中のタンパク質複合体化学修飾に寄与する。したがって、過酸化水素の発生は、生成物の純度および安定性に望ましくない影響を与える。図2は、Co−60(10kGy)で照射した本発明の抗体HOPO複合体溶液中、試験した他のすべての緩衝液と比較して、クエン酸塩緩衝液中でさらに低レベルの過酸化水素が測定されたという驚くべき観察を示す。したがって、本発明の配合物は、好ましくは、本明細書に記載のクエン酸塩緩衝液を含む。

0058

本発明者らはさらに、本発明の配合物における特定の成分の併用効果に関する別の驚くべき知見を明らかにした。これもまた、放射標識した複合体の安定性に関する。この試験の目的は、保存中の227Th−AGC1118複合体(下記参照)の安定性を評価することであった。結合IRFアッセイは、約8000Bq/μgの比放射能で227Th−AGC1118を用いて実施した。30または100mMクエン酸塩緩衝液、あるいは0.02、0.2または2mg/mLいずれかのpABA(pH5.5)を加えた30mMクエン酸塩緩衝液を用いて、227Th−AGC1118の5つの異なる保存溶液を調製した。図3は、特に、本明細書に示す範囲のクエン酸塩および/またはPABAと組み合わせたときの、本発明の配合物の放射線安定度に対する大きなプラスの効果を示す。上記の試験においてクエン酸塩が最も効果的な緩衝剤であることが判明したので、PABAの添加によりこの効果がさらに改善されたことが判明したのは驚くべきことであった。

0059

本発明の方法、錯体および配合物の重要な構成要素はオクタデンテートキレート化剤部分である。トリウムイオンのヒドロキシピリジノン配位子による錯化に関して最も関連する以前の研究は、国際公開第2011/098611号パンフレットとして公開されており、オクタデンテートのHOPO含有配位子と錯化したトリウムイオンの比較的容易な生成を開示している。

0060

従来から既知のトリウムのキレート化剤には、主鎖窒素に結合した酸性(例えば、カルボキシアルキル)基を持つ直鎖、環状または分岐鎖ポリアザアルカン主鎖を含むポリアミノポリ酸キレート化剤も含まれる。このようなキレート化剤の例には、p−イソチオシアナトベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(p−SCN−Bz−DOTA)などのDOTA誘導体、およびp−イソチオシアナトベンジル−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(p−SCN−Bz−DTPA)などのDTPA誘導体が含まれ、最初のものは環状キレート化剤、後者は直鎖キレート化剤である。

0061

1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸の誘導体は以前に例示されているが、DOTA誘導体を用いてトリウムをキレート化するために標準的な方法は容易に使用できない。DOTA誘導体を金属と共に加熱すると、キレートが効果的に、しかし、しばしば低収率で得られる。配位子の少なくとも一部が操作中に不可逆的に変性する傾向がある。さらに、不可逆的変性に対するその比較的高い感受性のために、一般に、すべての加熱ステップが完了するまで標的化部分の結合を避ける必要がある。これにより、α放出トリウム同位体の崩壊寿命の間に行われなければならない余分な化学的ステップ(ならびにすべての必要なワークアップおよび分離)が加わる。明らかに、このようにしてα放出材料を取り扱わないこと、または必要以上に対応する廃棄物を生成しないことが好ましい。さらに、複合体を調製するのに費やされるすべての時間は、準備期間中に崩壊するトリウムの一部を無駄にする。

0062

すべての点において、本発明の重要な態様は、オクタデンテート配位子、特に4つのHOPO部分を含むオクタデンテートのヒドロキシピリジノン含有配位子の使用である。このような配位子は通常、以下の置換ピリジン構造(I)をそれぞれ無関係に有する少なくとも4つのキレート基を含む:



(式中、R1は、メチルエチル、n−またはiso−プロピル、およびn−、sec−、iso−またはtert−ブチルを含むC1〜C5の直鎖または分岐鎖アルキル基などのアルキル基である。)。好ましいR1は、C1〜C3、特にメチルである。1つの好ましい実施形態において、メチル置換基は、式(I)の4つすべての部分の窒素上に存在する。

0063

本明細書で言及されるアルキル基は通常、例えば、メチル、エチル、n−またはiso−プロピル(propy)、n−、iso−、tert−またはsec−ブチルなどの直鎖または分岐鎖のC1〜C8アルキル基になる。

0064

国際公開第2013/167756号パンフレット、国際公開第2013/167755号パンフレットおよび国際公開第2013/167754号パンフレットなどの特定の以前の開示では、R1に対応する基は、主として、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキル(例えば、−CH2OH、−CH2−CH2OH、−CH2−CH2−CH2OHなど)などの可溶な基であった。これは、より高い溶解性の点で特定の利点を有するが、このようなキレート化剤は、R1位の反応性のために、アミド結合を用いて標的化部分に結合することが困難である。したがって、本発明においては、R1は一般にヒドロキシルまたはヒドロキシアルキルではない。

0065

式(I)において、基R2〜R6は、それぞれ無関係に、H、OH、=O、カップリング部分およびリンカー部分から選択されてもよい。好ましくは、基R2〜R6のうちのちょうど1つは=Oになり、基R2〜R6のうちのちょうど1つはOHになる。基R2〜R6の残りの3つはHであってもよいが、R2〜R6のうちの少なくとも1つはリンカー部分および/またはカップリング部分になる。カップリング部分は、本明細書において以下で説明するが、アミド結合による標的化部分への結合のために、末端がカルボン酸である。このようなカップリング部分は、基R2〜R6のうちの1つで環と直接結合していてもよいが、より好ましくは、それ自体が基R2〜R6のうちの1つを構成する結合部分(moietly)に結合する。

0066

N−置換3,2−HOPO部分は、本発明のHOPO基として非常に好ましく、1つの実施形態では、オクタデンテート配位子の4つすべての錯化部分は、3,2−HOPO部分であってもよい。

0067

適したキレート化部分は、米国特許第5624901号明細書(例えば、実施例1および2)および国際公開第2008/063721号パンフレット(いずれも参照により本明細書に組み込まれる。)に記載の方法を含む、当技術分野において既知の方法により形成されてもよい。

0068

好ましいキレート基には、以下の式(II)のものが含まれる:

0069

上記の式(II)において、=O部分は、ピリジン環の任意の炭素に結合したオキソ基を表し、−OHは、ピリジン環の任意の炭素に結合したヒドロキシ部分を表し、−RLは、全体としてオクタデンテート配位子を形成するようにヒドロキシピリジノン部分を他の錯化部分に結合させるリンカー部分を表す。本明細書に記載のすべてのリンカー部分は、すべてのトポロジーのメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよび/またはヘキシル基を含むC1〜C8アルキルアルケニルまたはアルキニル基を含むC1〜C8ヒドロカルビルなど、短いヒドロカルビル基を含むRLとして適している。RLは、式(II)の環をピリジン環の任意の炭素で結合していてもよい。次いで、RL基は、別のキレート化部分、別のリンカー基、および/または中心の原子もしくは基、例えば(本明細書に記載の)環もしくは他のテンプレートに直接結合していてもよい。リンカー、キレート基および任意選択のテンプレート部分は、適切なオクタデンテート配位子を形成するように選択される。

0070

RCは、後述するように、カップリング部分を表す。適した部分には、末端がカルボン酸基のアルキル基またはアルケニル(akenyl)基などのヒドロカルビル基が含まれる。本発明の方法によるなど、アミドを生成するカルボン酸結合部分を使用すると、キレート化剤と組織標的化部分との間により安定な複合化がもたらされることが本発明者らによって確認された。

0071

1つの好ましい実施形態において、式IIの−OH部分および=O部分は、ピリジン環の隣接する原子上に存在し、したがって、2,3−、3,2−;4,3−;および3,4−ヒドロキシピリジノン誘導体はすべて非常に適している。基RNはメチル置換基である。

0072

1つの好ましい実施形態において、4つの3,2−ヒドロキシピリジノン部分がオクタデンテート配位子構造内に存在する。

0073

さらに好ましいキレート基は、式(IIa)のものである:

0074

本明細書において用いられるとき、用語「リンカー部分」(式(II)および式(IIa)中のRL)は、本発明のさまざまな態様において重要な構成要素を形成するオクタデンテート配位子内の少なくとも2つのキレート基を結合するように働く化学的実体を示すために用いられる。リンカー部分はまた、オクタデンテート配位子部分を組織標的化部分に結合する役目を果たすカップリング部分に結合していてもよい。通常、各キレート基(例えば、上述の式(I)および/または(II)および/または(IIa)のもの)は二座になり、したがって、4つのHOPOキレート基が通常、配位子内に存在する。このようなキレート基は、それらのリンカー部分によって互いに結合され、カップリング部分によって(本発明の方法において)組織標的化部分にカップリングされる。したがって、リンカー部分(例えば、式(II)中の基RL)は、式(I)および/または(II)の1つを超えるキレート基の間で共有されてもよい。リンカー部分はまた、オクタデンテート配位子の錯化部分と標的化部分との間の結合点として役目を果たしてもよい。そのような場合、少なくとも1つのリンカー部分が、カップリング部分(式(II)中のRC)に結合する。適したリンカー部分には、すべてのトポロジーのメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよび/またはヘキシル基を含むC1〜C12アルキル、アルケニルまたはアルキニル基を含むC1〜C12ヒドロカルビルなど、短いヒドロカルビル基が含まれる。リンカー部分(RL)に含まれてもよい他の基には、アリール基(例えば、フェニル基)、アミド、アミン(特に、二級または三級)および/またはエーテルなど、任意の適切に強固な官能基が含まれる。RC部分は、アルキルおよび/またはアリール部分、ならびに任意選択でアミン、アミドおよびエーテル結合などの基を含んでもよい。概して、カップリング部分のすべての構成要素は、錯体が受ける保存条件に対して堅牢であることが必要になる。これには、αラジオリシスが含まれ、したがって不安定な官能基は好ましくはない。

0075

1つの実施形態では、カップリング部分は、末端カルボン酸、少なくとも1つのアルキル部分(例えば、メチルまたはエチル部分)、少なくとも1つのアミドおよび少なくとも1つのアリール部分(例えば、フェニル基)を含む。カップリング部分は、炭素−炭素結合、アミド、アミンおよび/またはエーテル結合によって、オクタデンテート配位子の1つまたは複数のリンカー部分に結合されてもよい。

0076

本発明の最も好ましい実施形態では、オクタデンテート配位子を標的化部分に結合するカップリング部分(RC)は、[−CH2−Ph−N(H)−C(=O)−CH2−CH2−C(=O)OH]、[−CH2−CH2−N(H)−C(=O)−(CH2−CH2−O)1−3−CH2−CH2−C(=O)OH]または[−[CH2]1−3−Ar−N(H)−C(=O)−[CH2]1−5−C(=O)OH](式中、Arは、置換または非置換のフェニレン基などの芳香族基であり、Phは、フェニレン基、好ましくはパラフェニレン基である。)が選ばれる。

0077

リンカー部分は、エステル、エーテル、アミンおよび/またはアミド基を含むその他の任意の適切に強固な化学結合であってもよいし、それらを含んでもよい。2つのキレート化部分を結合する原子の総数(1つを超える経路が存在する場合、最短経路で数える。)は、概して、錯体形成に適した配置にキレート化部分を束縛するように制限される。したがって、リンカー部分は通常、キレート化部分の間に15個以下の原子、好ましくは1〜12個の原子、より好ましくはキレート化部分の間に1〜10個の原子を与えるように選ばれる。リンカー部分が2つのキレート化部分を直接結合する場合、リンカーは通常、1〜12原子長、好ましくは2〜10原子長(例えば、エチル、プロピル、n−ブチルなど)になる。リンカー部分が中心のテンプレート(下記参照)に結合する場合は、各リンカーはさらに短くてもよく、2つの別個のリンカーはキレート化部分を結合する。この場合、1〜8個の原子、好ましくは1〜6個の原子のリンカー長が好ましいこともある(一端または両端にエステル、エーテルまたはアミド結合を有する基であるようなメチル、エチルおよびプロピルは適している)。

0078

オクタデンテート配位子のさまざまなキレート基を互いに、および/または中心のテンプレートに結合するように主として働くリンカー部分に加えて、オクタデンテート配位子はさらに、末端カルボン酸を持つカップリング部分(RC)を含む。カップリング部分の機能は、安定な共有結合、特にアミドを介してオクタデンテート配位子を標的化部分に結合することである。好ましくは、カップリング部分は、キレート基のうちの1つへの直接の共有結合か、またはより典型的にはリンカー部分またはテンプレートへの結合のいずれかによってキレート基に共有結合される。2つ以上のカップリング部分が使用される場合、それぞれを、任意のテンプレート、リンカーまたはキレート基上など、利用できる部位のいずれかに結合することができる。

0079

1つの実施形態では、カップリング部分は、以下の構造を有していてもよい:



(式中、R7は架橋部分であり、これは、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリールおよび置換または非置換のヘテロアリールから選択されるメンバーであり;Xは、アミドまたはカルボン酸あるいは同等の官能基によって結合される標的化部分である)。好ましい架橋部分には、適したリンカー部分として本明細書に示す、すべての基が含まれる。

0080

好ましい標的化部分には、本明細書に記載されるものすべてが含まれ、好ましい反応性X基には、例えば、−COOH、−SH、−NHRおよび基(式中、NHRのRは、H、または本明細書に記載の短いヒドロカルビル基のいずれかであってもよい。)を含む、標的化部分とのアミド共有結合の形成において「カルボン酸」として作用することができる任意の基が含まれる。標的化部分上への結合に非常に好ましい基には、リシン残基のε−アミンが含まれる。適した反応性X基の非限定的な例には、N−ヒドロキシスクシミジルエステル、イミドエステル、ハロゲン化アシル、N−マレイミドおよびα−ハロアセチルが含まれる。

0081

本発明の1つの好ましい実施形態において、架橋部分R7は置換アリールが選択され、オクタデンテート配位子を標的化部分に結合するカップリング部分(RC)は[−C(=O)−CH2CH2−X−]が選ばれ、これにより、HOPO配位子上の遊離カルボキシラート基は、標的化部分との複合化の直前に、水溶液中のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの形態でin situで活性化される。

0082

生じるカップリングされたオクタデンテート配位子が安定な金属イオン錯体の形成を経ることができるように、カップリング部分は好ましくは結合される。したがって、カップリング部分は、好ましくは、リンカー、テンプレートまたはキレート化部分に、錯化を著しく妨害しない部位で結合する。このような部位は、好ましくは、リンカーまたはテンプレート上にあり、より好ましくは標的に結合している表面から離れた位置にある。

0083

オクタデンテート配位子内の式(I)または(II)または(IIa)の各部分は、本明細書に記載の任意の適切なリンカー基によって、任意の適切なトポロジーで配位子の残りの部分に結合されてもよい。例えば、式(I)および/または(II)および/または(IIa)の4つの基は、直鎖の配位子を形成するようにそれらのリンカー基によって主鎖に結合されてもよく、またはリンカー基によって架橋されて、「オリゴマー」タイプの構造を形成してもよく、これは直鎖でも、環状であってもよい。あるいは、式(I)および/または(II)および/または(IIa)の配位子部分は、「交差」または「星形」のトポグラフィで、中心の原子または基それぞれに、リンカー(例えば、「RL」部分)によって結合されてもよい。リンカー(RL)部分は、炭素−炭素結合を介して単独で結合していてもよく、または、互いに、他のキレート基に、主鎖に、テンプレート、カップリング部分または他のリンカーに、アミン、アミド、エーテルまたはチオエーテル結合を含む任意の適切に強固な官能基によって結合していてもよい。
「星形の」配置を以下の式(III)に示す:

0084

ここで、すべての基および位置は上に示した通りであり、「T」は、追加的に、中心の原子、または炭素原子ヒドロカルビル鎖(本明細書において上述のもののいずれかなど)、脂肪族または芳香族環複素環を含む。)または縮合環系などのテンプレート基である。最も基本的なテンプレートは単一の炭素であろう。次いで、これは、その結合基によってキレート化部分のそれぞれに結合するであろう。エチルまたはプロピルなど、さらに長い鎖は、テンプレートの各末端に結合している2つのキレート化部分と共に等しく存在することができる。明らかに、任意の適切に強固な結合は、テンプレートと、炭素−炭素結合、エステル、エーテル、アミン、アミド、チオエーテルまたはジスルフィド結合を含むリンカー部分との結合において用いられてもよい。

0085

明らかに、式(II)、(III)、(IV)および(IVb)の構造において、その他の方法で(例えば、リンカーまたはカップリング部分によって)置換されていない1個または複数のピリジン環の位置が、適宜、式(I)のR1〜R5について記載の置換基を有していてもよい。特に、メチル、エチルまたはプロピル基などの小さいアルキル置換基は、任意の位置に存在してもよい。

0086

オクタデンテート配位子はさらに、上述の通り、少なくとも1つのカップリング部分を含む。これは、本明細書に示すいずれかを含む任意の適した構造でもよく、本発明の方法の最終的な錯体またはカルボン酸において、末端が標的化部分になる。

0087

カップリング部分は、式(III)中に示す点a、bおよび/またはcでなど、リンカー、テンプレートまたはキレート化部分の任意の適した点に結合していてもよい。カップリング部分の結合は、炭素−炭素結合、エステル、エーテル、アミン、アミド、チオエーテルまたはジスルフィド結合など、任意の適切に強固な結合によるものであってもよい。同様に、標的化部分との任意のこのような結合を形成することができる基は、カップリング部分の官能基末端に適しており、その部分は、標的化部分に結合されたとき、末端がそのような基になる。

0088

代替の「主鎖」タイプの構造を以下に式(IV)に示す。



ここで、すべての基および位置は上に示した通りであり、「RB」は、追加的に主鎖部分であり、これは通常、本明細書に示すリンカー部分のいずれかと同様の構造および機能のものになり、したがって、状況が許せば、リンカー部分のどのような定義も主鎖部分に適用されると見なされてもよい。適した主鎖部分は、キレート化部分がそのリンカー基によって結合される骨格を形成する。通常、3つまたは4つの主鎖部分が必要である。通常、これは、直鎖状主鎖では3つになり、主鎖が環化される場合は4つになる。特に好ましい主鎖部分には、任意選択で一端または両端にヘテロ原子または官能基部分を有する短い炭化水素鎖(本明細書に記載されるものなど)が含まれる。アミンおよびアミド基は、この点に関して特に適している。

0089

カップリング部分は、式(IV)中に示す点a、bおよび/またはc’でなど、リンカー、主鎖またはキレート化部分の任意の適した点に結合していてもよい。カップリング部分の結合は、炭素−炭素結合、エステル、エーテル、アミン、アミド、チオエーテルまたはジスルフィド結合など、任意の適切に強固な結合によるものであってもよい。同様に、標的化部分との任意のこのような結合を形成することができる基は、カップリング部分の官能基末端に適しており、その部分は、標的化部分に結合されたとき、末端がそのような基になる。

0090

アミドリンカー基によって主鎖に結合された4つの3,2−HOPOキレート化部分を有する「主鎖」タイプのオクタデンテート配位子の一例は、以下の式(V)になるであろう:

0091

明らかに、カップリング部分RCは、二級アミン基のうちの1つ、または主鎖アルキル基のいずれかの分岐点など、この分子上の任意の適した点で付加されてもよい。基RCに好ましい部位は、式(V)に示されている。RCは末端がカルボン酸になり、またはアミド結合によって、本発明の適切な態様の組織標的化部分に結合される。主鎖プロピレンまたはn−置換エチレン基など、すべての小さいアルキル基は、本明細書に記載されるもの(メチレンエチレン、プロピレン、とりわけ、ブチレンが非常に適している。)のいずれかなど、他の小さいアルキレンで置き換えられてもよい。

0092

エチルアミド基によってエチルおよびプロピルジアミンそれぞれに結合された4つの3,2−HOPOキレート化部分をそれぞれ有する例示的な「テンプレート化された」オクタデンテート配位子は、以下の式(VI)になるであろう:

0093

明らかに、エチレン部分として式(VI)中に示すアルキレン基のいずれかが、メチレン、プロピレンまたはn−ブチレンなどの他の小さいアルキレン基で無関係に置き換えられてもよい。対称性が保持されることは有益(benificial)であるので、中心のプロピレンC3鎖が好ましい一方、他のエチレン基は残り、あるいはHOPO部分を一方または両方の中心の三級アミンに結合する2つのエチレンが、メチレンまたはプロピレンで置き換えられてもよい。

0094

式(VIb)は、カップリング部分RCに可能な位置を示し、その位置は、式(VI)中の−CH−基など、任意の適切な位置に存在する。

0095

上に示した通り、オクタデンテート配位子には通常、配位子の残りの部分に任意の点で結合していてもよいカップリング部分が含まれる。カップリング部分結合に適した点を以下に式(VIb)に示す:



(式中、RCは、特にアミド基を介した組織標的化基への結合に適した、任意の適したカップリング部分である)。末端が組織標的化部分へのアミドの形成のための酸または同等の活性基であるC1〜C8の環状、分岐鎖または直鎖の芳香族または脂肪族基などの短いヒドロカルビル基は、式(VIb)中および本明細書全体の基RCとして非常に適している。

0096

例示的なテンプレートにはまた、その他のものも含まれ、これにより、カップリング基RCは、式(VII)に示す通り、アミノ主鎖内の窒素原子に共有結合される。

0097

配位子結合に適した部位を示す非常に好ましいオクタデンテート配位子には、以下の式(VIII)および(IX)のものが含まれる:

0098

化合物(VIII)の合成は、本明細書において以下で説明され、本明細書において以下で説明する合成経路したがう

0099

AGC0019、ならびに式(VI)、(VIb)、(VII)、(VIII)および(IX)の化合物は、末端がカルボン酸基のリンカー部分を有する好ましいオクタデンテートキレート化剤を生成する。それらの構造に示すオクタデンテート配位子および同様に示すリンカー部分は、それらのタイプの好ましい例を形成し、任意の組み合わせで組み合わせられていてもよい。このような組み合わせは、当業者には明らかになるであろう。

0100

本発明の方法のステップa)は、任意の適した合成経路によって行われてもよい。通常、これには、カップリング部分との結合基による、任意選択でテンプレートによる4つのHOPO部分(式(I)および/または(II)および/または(IIa)のものなど)の結合が関与する。これらの基はすべて本明細書に記載され、好ましい実施形態は、この文脈において等しく好ましい。HOPO部分、リンカー、カップリング部分および任意選択でテンプレートの間のカップリングは通常、アミド、アミン、エーテルまたは炭素−炭素結合などの強固な基によるものになる。このような結合の合成のための方法および任意の必要な保護策は、合成化学の技術分野において周知である。合成法のいくつかの具体例を以下の実施例に下記する。このような方法は具体例を提供するが、そこに例示される合成法は、同様に一般的な文脈において当業者により使用可能である。したがって、実施例に例示される方法は、状況が許せば、本発明のすべての態様および実施形態に適用可能な一般的な開示としても意図される。

0101

本発明のすべての態様におけるα放出トリウムおよびオクタデンテート配位子の錯体が、60℃を超える加熱なしで(例えば、50℃を超える加熱なしで)、好ましくは38℃を超える加熱なしで、最も好ましくは25℃を超える加熱なし(範囲20〜38℃など)で形成され、または形成可能であることが好ましい。典型的な範囲は、例えば15〜50℃または20〜40℃であり得る。錯化反応(本発明の方法のパートc))は、任意の合理的な期間行われてもよいが、これは、好ましくは1〜120分の間、好ましくは1〜60分の間、より好ましくは5〜30分の間になる。

0102

α放出トリウム同位体(例えば、227Th4+イオン)を添加する前に標的化部分とオクタデンテート配位子の複合体を調製することがさらに好ましい。したがって、本発明の生成物は、好ましくは、オクタデンテート配位子と組織標的化部分(組織標的化キレート化剤)の複合体によるα放出トリウム同位体(例えば、227Th4+イオン)の錯化によって形成され、または形成可能である。

0103

さまざまなタイプの標的化化合物が、(本明細書に記載のカップリング部分を含む)オクタデンテートキレート化剤を介してトリウム(例えば、トリウム−227)に結合されてもよい。標的化部分は、既知の標的化基から選択されてもよく、これらには、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、増殖因子、ペプチド、ホルモンおよびホルモン類似体葉酸誘導体ビオチンアビジンおよびストレプトアビジンまたはこれらの類似体が含まれる。その他の可能な標的化基には、適した官能化RNA、DNA、またはこれらの断片(アプタマーなど)、オリゴヌクレオチド炭水化物、脂質、あるいはタンパク質などの存在下または非存在下で、このような基を組み合わせることによって調製された化合物が含まれる。生物学的保持時間を増加させるため、かつ/または免疫刺激を減少させるために、PEG部分が上に示した通り含まれていてもよい。

0104

概して、本明細書において用いられるとき、組織標的化部分は、二次および三次構造的特徴あり、またはなしでアミノ酸成分間のアミド主鎖から主として形成される構造である「ペプチド」または「タンパク質」になる。

0105

1つの実施形態では、組織標的化部分が、向骨性物質、リポソームおよび葉酸複合化抗体または抗体断片を除外してもよい。

0106

本発明によれば、227Thは、本明細書に記載の組織標的化部分にアミド結合によって結合される、または結合可能な錯化剤を標的化することによって錯化されてもよい。通常、標的化部分は、100g/mol〜数百万g/mol(特に100g/mol〜100万g/mol)の分子量を有し、好ましくは、疾患関連受容体に対する親和性を直接有し、かつ/または227Thの投与に先立って疾患に標的化された分子に結合した適した前投与されたバインダー(例えば、ビオチンまたはアビジン)を含む。適した標的化部分には、ポリペプチドおよびオリゴペプチド、タンパク質、DNAおよびRNA断片、アプタマーなど、好ましくはタンパク質、例えば、アビジン、ストレプトアビジン(strepatavidin)、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体(IgGおよびIgM型抗体を含む。)、あるいはタンパク質の混合物またはタンパク質の断片もしくはコンストラクトが含まれる。抗体、抗体コンストラクト、抗体の断片(例えば、Fab断片、または少なくとも1つの抗原結合領域を含む任意の断片)、断片のコンストラクト(例えば、一本鎖抗体)またはこれらの混合物が特に好ましい。適した断片には特に、Fab、F(ab’)2、Fab’および/またはscFvが含まれる。抗体コンストラクトは、本明細書に示す任意の抗体または断片であってもよい。

0107

本発明のすべての態様に適用可能な第1の標的化実施形態において、特異的なバインダー(組織標的化部分)は、CD22受容体を標的とするように選ばれてもよい。このような組織標的化部分は、以下に記載の少なくとも1つの配列と配列類似性または配列同一性を有するペプチドであってもよい:

0108

軽鎖

0109

重鎖:

0110

上記の配列において、ヒト化(H’ised)配列における「−」は、残基がマウスの配列から変化していないことを示す。

0111

上記の配列(配列ID1〜5)において、太字の領域は重要な特異的結合領域(CDR)であると考えられ、下線付きの領域は結合において二次的に重要であると考えられ、強調していない領域は、特異的結合領域よりもむしろ構造的結合領域を表すと考えられる。

0112

本発明のすべての態様において、組織標的化部分は、配列ID1〜5に記載の配列の少なくとも1つ、またはいずれかと実質的な配列相同性または実質的な配列類似性を有する配列を有していてもよい。実質的な配列相同性/類似性は、完全な配列に対して少なくとも80%の配列類似性/同一性、および/または特異的結合領域(上記の配列において太字で示した領域および任意選択で下線付きの領域)に対して少なくとも90%の配列類似性/同一性を有すると見なされてもよい。好ましい配列類似性、またはより好ましくは配列同一性は、太字の領域については少なくとも92%、95%、97%、98%または99%であってもよく、好ましくは全配列についても同様であってもよい。配列類似性および/または配列同一性は、ウィスコシン大学によるGenetics Computer Group Version 10ソフトウェアパッケージの「BestFit」プログラムを使用して決定されてもよい。プログラムは、SmithおよびWatermanのlocal hadアルゴリズムデフォルト値ギャップ生成ペナルティ=8、ギャップ伸長ペナルティ=2、平均マッチ=2.912、平均ミスマッチ2.003で使用する。

0113

組織標的化部分は、1つを超えるペプチド配列を含んでいてもよく、この場合、少なくとも1つの配列、好ましくはすべての配列が、配列ID1〜5のいずれかとの上記の配列類似性、好ましくは配列相同性に(無関係に)したがってもよい。

0114

組織標的化部分は、CD22に対する結合親和性を有していてもよく、1つの実施形態では、全ドメインについて約40までの変異(好ましくは0〜30の変異)がある配列を有していてもよい。変異体は、挿入、欠失および/または置換によるものであってもよく、配列ID1〜5に対して近接していても、近接していなくてもよい。置換または挿入は通常、遺伝暗号の20個のアミノ酸のうちの少なくとも1つによるものになり、置換は、最も一般には保存的置換になる。

0115

本発明のすべての態様に適用可能な第2の標的化実施形態において、特異的なバインダー(組織標的化部分)は、CD33受容体を標的とするように選ばれてもよい。このような組織標的化部分は、モノクローナル抗体であってもよく、リンツズマブ、またはC末端に追加のリシン残基を持つリンツズマブが選択されてもよい。

0116

本発明のすべての態様に適用可能な第3の標的化実施形態において、特異的なバインダー(組織標的化部分)は、HER−2抗原を標的とするように選ばれてもよい。組織標的化部分はモノクローナル抗体であってもよく、好ましくはトラスツズマブである。

0117

FGFR2、メソテリンおよびPSMAの標的化のための他の適した抗体配列は、実施例の部に例示される。しかし、配列中にリシン残基を含む疾患特異的標的を標的とすることが既知である任意のタンパク質フォーマットが本発明の方法の候補になり、それに応じてすべての他の態様に適用可能になるであろうことは、当業者には明らかであるはずである。

0118

α放出トリウム成分に関して、特定のα放射性トリウム同位体(例えば、227Th)が、いずれも治療上有効な量で投与されてもよく、容認し得ない骨髄毒性を生じないことは、最近の重要な知見である。トリウム−227(227Th)は、本発明のすべての態様において好ましいトリウム同位体である。本明細書において用いられるとき、用語「許容できる非骨髄毒性」は、最も重要なことには、投与されたトリウム−227放射性同位体の崩壊によって生成されるラジウム−223の量が、対象に直接致命的であるには一般には不十分であることを示すために用いられる。しかし、そのような治療の許容される副作用となる骨髄損傷の量(および致命的な反応の可能性)は、治療される疾患のタイプ、治療レジメン目標および対象の予後によって大幅に変化することは、当業者には明らかであろう。本発明の好ましい対象はヒトであるが、他の哺乳動物、特にイヌなどのコンパニオンアニマルは本発明の使用の恩恵を受けるし、許容される骨髄損傷のレベルも対象の種を反映してもよい。許容される骨髄損傷のレベルは、一般に、非悪性疾患の治療よりも悪性疾患の治療において高くなる。骨髄毒性のレベルの周知の尺度の1つは好中球細胞数であり、本発明において、許容できる非骨髄毒性量の223Raは通常、その最低点(最下点)における好中球画分が治療前の数の10%以上になるように制御された量になる。好ましくは、223Raの許容できる非骨髄毒性量は、好中球細胞画分が最下点で少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%であるような量になる。少なくとも40%の最下点の好中球細胞画分が最も好ましい。

0119

さらに、放射性トリウム(例えば、227Th)含有化合物は、幹細胞支持または同等の回復法が含まれているとき、生成したラジウム(例えば、223Ra)の骨髄毒性が通常容認し得ないであろう場合に高線量レジメンで使用されてもよい。このような場合、好中球細胞数は、最下点で10%未満に低減されてもよく、例外的に5%まで、必要に応じて5%未満に低減される。ただし、適切な予防措置が取られ、その後、幹細胞支持が与えられる。このような手法は当技術分野において周知である。

0120

本発明において特に重要なトリウム同位体はトリウム−227であり、状況が許せば、本明細書におけるトリウムへのすべての言及において、トリウム−227が好ましい同位体である。トリウム−227は比較的製造が容易であり、227Thの母核種、すなわち227Ac(T1/2=22年)を含む中性子照射した226Raから間接的に調製することができる。アクチニウム−227は、226Raターゲットからかなり容易に分離され、227Thのジェネレータとして使用される。このプロセスは、必要に応じて工業的規模スケールを変えることができ、したがって、分子標的放射線療法の候補と考えられるほとんどの他のα放出体に見られる供給問題を回避することができる。

0121

トリウム−227はラジウム−223を経て崩壊する。この場合、主要な娘核種は11.4日の半減期を有する。純粋な227Th源から、中程度の量のみのラジウムが最初の数日間で生成される。しかし、可能性のある223Raの毒性は227Thの毒性よりも高い。なぜなら、223Raからのα粒子の放出の後、数分以内に短寿命娘核種からさらに3つのα粒子が続くからである(トリウム−227の崩壊系列を示す以下の表2を参照)。

0122

0123

場合によっては有害な崩壊生成物を生成するということもあって、トリウム−227(T1/2=18.7日)は、α粒子治療には広く考えられてこなかった。

0124

最も豊富天然に存在するトリウム同位体、すなわちトリウム−232(半減期1010年かつ実質上非放射性)のトリウム錯体と区別するために、本明細書に記載のトリウム錯体およびその組成物には、天然存在比よりも多い、例えば、少なくとも20%多いα放出トリウム放射性同位体(すなわち、半減期が103年未満のトリウムの少なくとも1つの同位体、例えばトリウム−227)が含まれるものと理解されるべきである。このことが、治療上有効な量のトリウム−227などの放射性トリウムが明確に必要とされる場合に本発明の方法の定義に影響するとは限らないが、すべての態様において該当することが好ましい。

0125

本発明のすべての態様において、α放出トリウムイオンがトリウム−227のイオンであることが好ましい。トリウムの4+イオンが、本発明の錯体における使用に好ましいイオンである。これに対応して、トリウム−227の4+イオンが非常に好ましい。

0126

トリウム−227は、容認し得ない骨髄抑制を引き起こすほどのラジウム−223を生成することなく望ましい治療効果をもたらすのに十分な量で投与されてもよい。さらに治療効果がその崩壊から引き出されるように、標的領域内に娘同位体を保持することが望ましい。しかし、容認できない骨髄毒性を誘発することなく有用な治療効果を得るために、トリウム崩壊生成物の制御を維持する必要はない。

0127

腫瘍細胞死滅効果が主にトリウム−227に由来し、その娘核種に由来しないと仮定すると、この同位体の可能性のある治療量は、他のα放出体と比較して定めることができる。例えば、アスタチン−211については、動物における治療量は、通常2〜10MBq/kgであった。半減期およびエネルギーについて補正することにより、トリウム−227の対応する線量は、体重1kg当たり少なくとも36〜200kBqになるであろう。これは、治療効果を期待して有用に投与することができる227Thの量の下限を設定する。この計算は、アスタチンとトリウムの同等の保持を仮定している。しかし、明らかにトリウムの18.7日の半減期によって、ほぼ間違いなく、この同位体がその崩壊前により多く除去される。したがって、この計算された線量が、通常、最小有効量と見なされるべきである。完全に保持された227Th(すなわち、身体から排出されない227Th)に関して表される治療量は通常、少なくとも18または25kBq/kg、好ましくは少なくとも36kBq/kg、より好ましくは少なくとも75kBq/kg、例えば100kBq/kg以上になる。より多量のトリウムは、より大きな治療効果を有すると予想されるが、容認し得ない副作用が生じる場合、投与することはできない。同様に、短い生物学的半減期(すなわち、依然としてトリウムを保持している身体から排出される前の半減期)を有する形態でトリウムが投与される場合は、治療効果のために、より多量の放射性同位体が必要となる。なぜなら、トリウムのほとんどが崩壊する前に排出されるからである。しかし、生成されるラジウム−223の量はそれに対応して減少するだろう。同位体が完全に保持されているときに投与される上記のトリウム−227の量は、さらに短い生物学的半減期を有する同等の線量に容易に関係づけられ得る。このような計算は当技術分野において周知であり、国際公開第04/091668号パンフレット(例えば、この明細書の実施例1および2)に記載されている。

0128

放射標識した化合物が娘核種を放出する場合、適用可能であれば、1個または複数のすべての放射性娘核種の成り行きを知ることが重要である。227Thでは、主要な娘生成物は223Raであり、これは、その向骨性を理由に臨床評価中である。ラジウム−223は、血液を非常に迅速に消失させ、骨格に濃縮されるか、または腸およびの経路を介して排泄される(Larsen、J Nucl Med 43(5,Supplement):160P(2002)参照)。したがって、227Thからインビボで放出されたラジウム−223は、健康な軟組織に大きな影響を及ぼさない可能性がある。溶解したクエン酸塩としての227Thの分布に関するInt.J.Radiat.Biol.20:233−243(1971)におけるMullerによる検討では、軟組織中の227Thから生成された223Raが骨に容易に再分布されたり、または排泄されたりすることが明らかになった。したがって、α放出ラジウムの特に骨髄に対する既知の毒性は、トリウム線量の問題である。

0129

実際、少なくとも200kBq/kgの223Raの線量は被験者に投与することができ、許容されることが、国際公開第04/091668号パンフレットにおいて初めて確認された。これらのデータはその刊行物に示されている。したがって、意外にも、(例えば36kBq/kgを超える)治療上有効な量の227Thを哺乳動物の対象に投与することができる治療域が存在し、このような対象が重篤またはさらに致命的な骨髄毒性の容認できないリスクに見舞われることを考えなくてもよいことが今は分かる。とはいえ、この治療域を最大限活用することが極めて重要であり、したがって、線量の可能な限り大きな割合が標的部位に送られるように、放射性トリウムを迅速かつ効率的に錯化させ、非常に高い親和性で保持することが不可欠である。

0130

227Th医薬品から生成される223Raの量は、放射標識した化合物の生物学的半減期に依存する。理想的な状況は、腫瘍細胞への内在化、強い腫瘍保持および正常組織における短い生物学的半減期を含む、迅速な腫瘍摂取を伴う錯体を使用することであろう。しかし、理想的な生物学的半減期に満たない錯体は、223Raの線量が許容できるレベルに維持される限り有用であり得る。インビボで生成されるラジウム−223の量は、投与されるトリウムの量およびトリウム錯体の生物学的保持時間の要因となる。任意の特定の場合に生成されるラジウム−223の量は、当業者によって容易に計算することができる。227Thの最大投与量は、インビボで生成されるラジウムの量によって決まり、容認し得ないレベルの副作用、特に骨髄毒性を生じる量よりも少なくなければならない。この量は一般に、300kBq/kg未満、特に200kBq/kg未満、より好ましくは170kBq/kg未満(例えば、130kBq/kg未満)である。最小有効線量は、トリウムの細胞毒性、生成されるα線の照射に対する患部組織の感受性、ならびに標的化錯体(この場合、配位子と標的化部分の組み合わせになる。)によってトリウムが効率的に結合、保持および送達される程度によって決まる。

0131

本発明の方法において、トリウム錯体は、望ましくは、18〜400kBq/kg体重、好ましくは36〜200kBq/kg(50〜200kBq/kgなど)、より好ましくは75〜170kBq/kg、特に100〜130kBq/kgのトリウム−227線量で投与される。これに対応して、単一線量は、30〜150kg、好ましくは40〜100kgなどの適切な体重を掛けたこれらの範囲のいずれかの付近を含んでもよい(例えば、線量当たり540kBq〜4000kBqの範囲など)。トリウム線量、錯化剤および投与経路は、さらに望ましくは、インビボで生成されるラジウム−223線量が300kBq/kg未満、より好ましくは200kBq/kg未満、さらにより好ましくは150kBq/kg未満、特に100kBq/kg未満であるようになる。やはり、これも、示した体重のいずれかをこれらの範囲に掛け合わせることによって示される223Raへの暴露をもたらす。上述の線量レベルは、好ましくは227Thの完全に保持された線量であるが、崩壊する前に一部の227Thが身体から排出されることを考慮した投与線量であってもよい。

0132

227Th錯体の生物学的半減期が物理的半減期と比べて短い場合(例えば、7日未満、特に3日未満)、同等の線量が保持されるために、さらに著しく大きな投与線量が必要になることもある。したがって、例えば、完全に保持された150kBq/kgの線量は、711kBq/kgの線量で投与された半減期が5日の錯体と同等である。保持された任意の適切な線量と同等の投与線量は、錯体の生物学的除去速度から、当技術分野において周知の方法を用いて計算されてもよい。

0133

1個の227Th原子核の崩壊は、1個の223Ra原子をもたらすので、227Thの保持および治療活性は、患者が受けた223Ra線量に直接関係する。任意の特定の状況において生成される223Raの量は、周知の方法を用いて計算することができる。

0134

したがって、好ましい実施形態において、本発明は、(本明細書に記載の)哺乳動物の対象における疾患の治療のための方法を提供し、前記方法は、前記対象に、治療上有効な量の本明細書に記載の少なくとも1つの組織標的化トリウム錯体を投与するステップを含む。

0135

223Ra娘同位体への対象の暴露を最小にすることは、これの特性が有用に利用されない限り、明らかに望ましい。特に、インビボで生成されるラジウム−223の量は通常、40kBq/kgよりも大きく、例えば、60kBq/kgよりも大きくなる。場合によっては、インビボで生成される223Raが、80kBq/kgよりも大きいこと、例えば、100または115kBq/kgよりも大きいことが必要になる。

0136

適切な担体溶液中のトリウム−227標識複合体は、静脈内、腔内(例えば、腹腔内)、皮下、経口的または局所的に、単回投与として、または分割した投与レジメンで投与されてもよい。好ましくは、標的化部分と複合化した錯体が、溶液として非経口(例えば、経皮的)経路、特に静脈内または腔内経路によって投与される。好ましくは、本発明の組成物は、非経口投与用の無菌溶液に処方される。

0137

本発明の方法および生成物におけるトリウム−227は、単独で、あるいは外科手術、外照射療法、化学療法、他の放射性核種または組織温調節などを含む他の治療様式と組み合わせて使用することができる。これは、本発明の方法の別の好ましい実施形態を形成し、それに応じて、配合物/医薬品は、別の放射性薬剤または化学療法剤など、少なくとも1つの追加の治療的に活性な薬剤を含んでもよい。

0138

1つの特に好ましい実施形態において、対象はまた、ラジウム−223誘導性骨髄毒性の影響を低減するために幹細胞治療および/または他の支持療法が施される。

0139

本発明のトリウム(例えば、トリウム−227)標識分子は、疾患関連受容体を標的化することによる癌性または非癌性疾患の治療のために使用されてもよい。通常、227Thのこのような医学的使用は、キレート化剤による、癌性または非癌性疾患の治療のための抗体、抗体断片、あるいは抗体または抗体断片のコンストラクトへの227Thの結合に基づく放射免疫療法によるものになる。本発明による方法および医薬品における227Thの使用は、癌腫、肉腫、リンパ腫および白血病を含む任意の形態の癌、特に乳房前立腺膀胱腎臓膵臓食道、脳、卵巣子宮の癌、口腔癌結腸直腸癌黒色腫多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫の治療に特に適している。

0140

本発明の別の実施形態において、軟組織および骨格の疾患の両方を有する患者は、投与されるトリウムによってインビボで生成される227Thおよび223Raの両方によって治療されてもよい。この特に有利な態様では、治療に対する追加の治療成分が、許容できる非骨髄毒性量の223Raから骨格疾患の標的化によって誘導される。この治療法では通常、227Thが、軟組織への適切な標的化により軟組織の原発性および/または転移性の癌を治療するために利用され、227Thの崩壊から生成した223Raが、同じ対象の関連する骨格疾患を治療するために利用される。この骨格疾患は、原発性の軟組織癌に起因する骨格への転移であってもよく、または軟組織治療転移性癌対処するためである場合の原疾患であってもよい。場合によって、軟組織および骨格の疾患は無関係であってもよい(例えば、リウマチ性軟組織疾患を有する患者における骨格疾患の別の治療)。

0141

本発明の方法、使用および他の態様における治療に特に適した状態には、癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫などの腫瘍性および増殖性疾患、あるいは非ホジキンリンパ腫またはB細胞新生物を含む混合型癌、乳癌、子宮内膜癌、胃癌、急性骨髄性白血病、前立腺癌または脳癌、中皮腫、卵巣癌、肺癌または膵臓癌が含まれる。

0142

以下にいくつかの合成例を示す。これらの合成に示されるステップは、本発明の多くの実施形態に適用可能になる。ステップa)は、例えば、以下に示す中間体AGC0021を介して、本明細書に記載の多くの実施形態またはすべての実施形態において進めてもよい。

0143

重要中間体AGC0020の合成
N,N,N’,N’−テトラキス(2−アミノエチル)−2−(4−ニトロベンジルプロパン−1,3−ジアミン



a)ジメチルマロナート、水素化ナトリウム、THF、b)DIBAL−H、THF、c)MsCl、NEt3、CH2Cl2、d)イミダゾール、Boc2O、CH2Cl2、トルエン、e)DIPEA、アセトニトリル、f)MeOH、水、AcCl

0144

重要中間体AGC0021の合成
3−(ベンジルオキシ)−1−メチル−4−[(2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−3−イルカルボニルピリジン−2(1H)−オン



a)シュウ酸ジエチルカリウムエトキシド、トルエン、EtOH、b)Pd/C、p−キシレン、c)MeI、K2CO3、DMSO、アセトン、d)i)BBr3、DCM、ii)BnBr、K2CO3、KI、アセトン、e)NaOH、水、MeOH、f)



DCC、DMAP、DCM

0145

式(VIII)の化合物のキレートの合成
4−{[4−(3−[ビス(2−{[(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)カルボニル]アミノ}エチル)アミノ]−2−{[ビス(2−{[(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)カルボニル]アミノ}エチル)アミノ]メチル}プロピル)フェニル]アミノ}−4−オキソブタン酸

0146

本発明の錯体の形成方法において、オクタデンテートキレート化剤と組織標的化部分との間のカップリング反応は、水溶液中で行われることが好ましい。これにはいくつかの利点がある。第1に、すべての溶媒を許容レベル未満まで除去し、その除去を証明するというメーカーの負担がなくなる。第2に、廃棄物が減り、最も重要なことには、分離または除去ステップを回避することによって、製造がスピードアップする。本放射性医薬品の文脈において、放射性同位体が常に崩壊し、調製に費やされる時間が価値のある材料を浪費し、混入物の娘同位体を導入するため、合成ができる限り迅速に行われることが重要である。

0147

適した水溶液には、精製水、および当技術分野において周知の多くの緩衝液のいずれかなどの緩衝液が含まれる。酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩(例えば、PBS)およびスルホン酸塩緩衝液(MESなど)が、周知の緩衝水溶液の典型例である。

0148

1つの実施形態では、本方法は、(本明細書全体にわたって記載の)オクタデンテートのヒドロキシピリジノン含有配位子の第1の水溶液および(本明細書全体にわたって記載の)組織標的化部分の第2の水溶液を生成するステップと、前記第1および前記第2の水溶液を接触させるステップとを含む。

0149

適したカップリング部分は上で詳細に説明しており、カップリング基および/または結合基として本明細書に記載のすべての基および部分は、標的化部分を配位子にカップリングさせるために適切に使用されてもよい。いくつかの好ましいカップリング基には、アミド、エステル、エーテルおよびアミンカップリング基が含まれる。エステルおよびアミドは、カルボン酸からの活性化エステル基の生成により好都合に生成されてもよい。このようなカルボン酸は、標的化部分上、カップリング部分上および/または配位子部分上に存在してもよく、通常、アルコールまたはアミンと反応してエステルまたはアミドを生成する。このような方法は当技術分野において十分周知であり、N−ヒドロキシマレイミド、カルボジイミドおよび/またはアゾジカルボキシラート活性化試薬、例えばDCC、DIC、EDC、DEAD、DIADなどを含む周知の活性化試薬を利用してもよい。

0150

好ましい実施形態において、N位においてC1−C3アルキル基で置換された4つのヒドロキシピリジノン部分と、末端がカルボン酸基のカップリング部分とを含むオクタデンテートキレート化剤が、少なくとも1つのカップリング試薬(本明細書に記載のいずれかなど)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などの活性化剤を用いて活性化され、これによりオクタデンテートキレート化剤のNHSエステルを生成してもよい。この活性化された(例えば、NHS)エステルは、遊離アミン基リシン側鎖上など)を有する任意の組織標的化部分とのカップリングのために分離することなく分離または使用されてもよい。他の活性化エステルは、当技術分野において周知であり、効果的な脱離基、例えば、フッ素化基トシラートメシラートヨージドなどの任意のエステルであってもよい。しかし、NHSエステルが好ましい。

0151

カップリング反応は、好ましくは、比較的短時間で、周囲温度付近で行われる。1−ステップまたは2−ステップカップリング反応の典型的な時間は、約1〜240分、好ましくは5〜120分、より好ましくは10〜60分になる。カップリング反応の典型的な温度は、0〜90℃の間、好ましくは15〜50℃の間、より好ましくは20〜40℃の間になる。約25℃または約38℃が適切である。

0152

標的化部分とのオクタデンテートキレート化剤のカップリングは通常、標的化部分の結合能に有害な(または少なくとも不可逆的ではない)影響を及ぼさない条件下で行われる。バインダーは一般に、ペプチドまたはタンパク質に基づく部分であるので、これは二次/三次構造の変性または損失を避けるために比較的穏やかな条件を必要とする。(すべての文脈において本明細書に記載の)水性条件が好ましいであろうし、極端なpHおよび/または酸化還元を避けることが望ましいであろう。したがって、ステップb)は、pH3〜10の間、好ましくは4〜9の間、より好ましくは4.5〜8の間で行われてもよい。酸化還元に関して中性であるか、または空気中での酸化を避けるために非常に穏やかに還元する条件が望ましいことがある。

0153

本発明のすべての態様に適用可能な好ましい組織標的化キレート化剤は、本明細書に記載のAGC0018である。227Thのイオンを有するAGC0018の錯体は、本発明の錯体および対応する配合物、使用、方法などの好ましい実施形態を形成する。本発明のすべてのこのような態様において使用可能な他の好ましい実施形態には、CD22受容体、FGFR2、メソテリン、HER−2、PSMAまたはCD33のいずれか1つに対する結合親和性を有するモノクローナル抗体を含む(本明細書に記載の)組織標的化部分と複合化したAGC0019の227Th錯体が含まれる。

図面の簡単な説明

0154

溶液中の非放射性の抗体複合体AGC1118に対するEDTA/PABAの安定化効果を示すデータの図である。
10kGyの放射線で照射された抗体HOPO複合体を含む異なる緩衝液の過酸化水素レベルへの影響を示す図である。
図2aの説明参照。
図2aの説明参照。
約8000Bq/μgまでの比放射能を有する227Th−AGC1118(IRFアッセイ)の放射線安定化効果を示す図である。
異なる全放射能(4時間のインキュベーション時間)を有する227Th−AGC1118のRamosに対する細胞毒性を示す図である(実施例3参照)。
227Th−AGC0718が、インビトロでCD33陽性細胞標的特異的細胞殺を誘発することを示す図である(実施例4参照)。
高(20kBq/μg)および低(7.4kBq/μg)比放射能の227Th−AGC0118の細胞毒性を示す図である。陰性対照は、同じ線量範囲、同じインキュベーション時間および読み取り前日数での低結合性ペプチド−アルブミン錯体であった(実施例5参照)。
227Th−AGC2518が、インビトロでFGFR2陽性細胞の標的特異的細胞殺を誘発することを示す図である(実施例6参照)。
227Th−AGC2418が、インビトロでメソテリン陽性細胞の標的特異的細胞殺を誘発することを示す図である(実施例7参照)。
227Th−AGC1018が、インビトロでPSMA陽性LNCaP細胞の標的特異的および線量依存的細胞殺を誘発することを示す図である(実施例9参照)。

0155

これから本発明を以下の非限定的な例により説明する。実施例に例示されるすべての化合物は、(好ましい中間体および前駆体を含む)本発明の好ましい実施形態を形成し、状況が許す任意の態様において個別に、または任意の組み合わせで使用されてもよい。したがって、例えば、実施例2の化合物2〜4、実施例3の化合物10および実施例4の化合物7のそれぞれおよびすべては、それらのさまざまなタイプの好ましい実施形態を形成する。

0156

実施例1
式(VIII)の化合物の合成

0157

実施例1a)
ジメチル2−(4−ニトロベンジル)マロナートの合成



水素化ナトリウム(60%分散物、11.55g、289mmol)を450mLのテトラヒドロフラン(THF)に0℃で懸濁させた。マロン酸ジメチル(40.0mL、350mmol)を約30分間にわたって滴加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌した。150mLのTHFに溶解した4−ニトロベンジルブロミド(50.0g、231mmol)を0℃で約30分にわたって滴加し、続いて周囲温度で2時間にわたって滴加した。
500mLの酢酸エチル(EtOAc)および250mLのNH4Cl(飽和水溶液)を加えた後、溶液を濾過した。相を分離した。水性相を2×250mLのEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、250mLの塩水で洗い、Na2SO4で乾燥して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。
300mLのヘプタンおよび300mLのメチルtert−ブチルエーテルMTBE)を残留物に加え、60℃まで加熱した。溶液を濾過した。濾液冷凍庫に一晩入れ、濾過した。濾過ケークを200mLのヘプタンで洗い、減圧下で乾燥して、オフホワイト色固体として表題化合物を得た。
収量:42.03g、157.3mmol、68%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):3.30(d,2H,7.8Hz),3.68(t,1H,7.8Hz),3.70(s,6H),7.36(d,2H,8.7Hz),8.13(d,2H,8.7Hz).

0158

実施例1b)
2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジオールの合成



ジメチル2−(4−ニトロベンジル)マロナート(28.0g、104.8mmol)を560mLのTHFに0℃で溶解した。ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)(ヘキサン中1M、420mL、420mmol)を約30分にわたって0℃で滴加した。反応混合物を0℃で2時間攪拌した。
20mLの水を反応混合物に0℃で滴加した。20mLのNaOH(水溶液、15%)を反応混合物に0℃で滴加し、続いて20mLの水を反応混合物に滴加した。混合物を0℃で20分間攪拌した後、約150gのMgSO4を添加した。混合物を室温で30分間攪拌した後、ブフナー漏斗で濾過した。濾過ケークを500mLのEtOAcで洗った。濾過ケークを取り出し、800mLのEtOAcおよび200mLのMeOHと共に約30分間攪拌した後、溶液を濾過した。濾液を合わせて減圧下で乾燥した。
ヘプタン中のEtOAcの勾配、続いてEtOAc中のMeOHの勾配を用いたシリカによるDFCにより、淡黄色の固体として表題化合物を得た。
収量:15.38g、72.8mmol、69%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):1.97−2.13(m,3H),2.79(d,2H,7.6Hz),3.60−3.73(m,2H),3.76−3.83(m,2H),7.36(d,2H,8.4Hz),8.14(d,2H,8.4Hz).

0159

実施例1c)
2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジイルジメタンスルホナートの合成



2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジオール(15.3g、72.4mmol)を150mLのCH2Cl2に0℃で溶解した。トリエチルアミン(23mL、165mmol)を加え、続いてメタンスルホニルクロリド(12mL、155mmol)を約15分にわたって滴加し、続いて周囲温度で1時間攪拌した。
500mLのCH2Cl2を加え、混合物を2×250mLのNaHCO3(飽和水溶液)、125mLのHCl(水溶液、0.1M)および250mLの塩水で洗った。有機相をNa2SO4で乾燥して濾過し、減圧下で乾燥して、オレンジ色の固体として表題化合物を得た。
収量:25.80g、70.2mmol、97%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):2.44−2.58(m,1H),2.87(d,2H,7.7Hz),3.03(s,6H),4.17(dd,2H,10.3,6.0Hz),4.26(dd,2H,10.3,4.4Hz),7.38(d,2H,8.6Hz),8.19(d,2H,8.6Hz).

0160

実施例1d)
ジ−tert−ブチル(アザンジイルビス(エタン−2,1−ジイル))ジカルバマートの合成



イミダゾール(78.3g、1.15mol)を500mLのCH2Cl2に室温で懸濁させた。ジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc2O)(262.0g、1.2mol)を分割して加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を3×750mLの水で洗い、Na2SO4で乾燥して濾過し、揮発物を減圧下で除去した。
残留物を250mLのトルエンに溶解し、ジエチレントリアミン(59.5mL、550mmol)を加えた。反応混合物を60℃で2時間攪拌した。
1LのCH2Cl2を加え、有機相を2×250mLの水で洗った。有機相をNa2SO4で乾燥して濾過し、減圧下で減量した。
トリエチルアミンを加えたCH2Cl2中のメタノール(MeOH)の勾配を用いたシリカによるDFCにより、無色の固体として表題化合物を得た。
収量:102g、336mmol、61%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):1.41(s,18H),1.58(bs,1H),2.66−2.77(m,4H),3.13−3.26(m,4H),4.96(bs,2H).

0161

実施例1e)
テトラ−tert−ブチル(((2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジイル)ビス(アザントリイル))テトラキス(エタン−2,1−ジイル))テトラカルバマートの合成



2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジイルジメタンスルホナート(26.0g、71mmol)およびジ−tert−ブチル(アザンジイルビス(エタン−2,1−ジイル))ジカルバマート(76.0g、250mmol)を700mLのアセトニトリルに溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(43mL、250mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら4日間攪拌した。
揮発物を減圧下で除去した。
ヘプタン中のEtOAcの勾配を用いたシリカによるDFCにより、淡黄色の固体の泡として表題(tile)化合物を得た。
収量:27.2g、34.8mmol、49%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):1.40(s,36H),1.91−2.17(m,3H),2.27−2.54(m,10H),2.61−2.89(m,2H),2.98−3.26(m,8H),5.26(bs,4H),7.34(d,2H,8.5Hz),8.11(d,2H,8.5Hz).

0162

実施例1f)
N1,N1’−(2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジイル)ビス(N1−(2−アミノエチル)エタン−1,2−ジアミン)、AGC0020の合成



テトラ−tert−ブチル(((2−(4−ニトロベンジル)プロパン−1,3−ジイル)ビス(アザントリイル))テトラキス(エタン−2,1−ジイル))テトラカルバマート(29.0g、37.1mmol)を950mLのMeOHおよび50mLの水に溶解した。塩化アセチル(50mL、0.7mol)を約20分にわたって30℃で滴加した。反応混合物を一晩攪拌した。
揮発物を減圧下で除去し、残留物を250mLの水に溶解した。500mLのCH2Cl2を加え、続いて175mLのNaOH(水溶液、5M、NaClで飽和)を加えた。相を分離し、水性相を4×250mLのCH2Cl2で抽出した。有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥して濾過し、減圧下で乾燥して、粘性のある茶褐色のオイルとして表題化合物を得た。
収量:11.20g、29.3mmol、79%。純度(HPLC図9):99.3%。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):1.55(bs,8H),2.03(dt,1H,6.6,13.3Hz),2.15(dd,2H,12.7,6.6),2.34−2.47(m,10H),2.64−2.77(m,10H),7.32(d,2H,8.7Hz),8.10(d,2H,8.7Hz).
13C−NMR(75MHz,CDCl3):37.9,38.5,39.9,58.0,58.7,123.7,130.0,146.5,149.5

0163

実施例1g)
エチル5−ヒドロキシ−6−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシラートの合成



2−ピロリジノン(76mL、1mol)およびシュウ酸ジエチル(140mL、1.03mol)を1Lのトルエンに室温で溶解した。カリウムエトキシド(EtOK)(EtOH中24%、415mL、1.06mol)を加え、反応混合物を90℃まで加熱した。
反応混合物の濃厚化のため、反応の最初の1時間に200mLのEtOHを分割して加えた。反応混合物を一晩攪拌し、室温まで冷却した。攪拌しながら210mLのHCl(5M、水溶液)をゆっくりと加えた。
200mLの塩水および200mLのトルエンを加え、相を分離した。
水性相を2×400mLのCHCl3で抽出した。合わせた有機相を乾燥(Na2SO4)して濾過し、真空中で減量した。残留物をEtOAcから再結晶させ、淡黄色の固体として表題化合物を得た。
収量:132.7g、0.72mol、72%。

0164

実施例1h)
エチル3−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラートの合成



{エチル5−ヒドロキシ−6−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシラート}(23.00g、124.2mmol)を150mLのp−キシレンに溶解し、炭素上のパラジウム(10%、5.75g)を加えた。反応混合物を還流させながら一晩攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を300mLのMeOHで希釈し、Celite(登録商標)の短いパッドに通して濾過した。パッドを300mLのMeOHで洗った。溶媒を真空中で除去し、薄い茶褐色がかった固体として表題化合物を得た。
収量:19.63g、107.1mmol、86%。MS(ESI,pos):206.1[M+Na]+、389.1[2M+Na]+

0165

実施例1i)
エチル3−メトキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラートの合成



{エチル3−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート}(119.2g、0.65mol)を600mLのジメチルスルホキシド(DMSO)および1.8Lのアセトンに室温で溶解した。K2CO3(179.7g、1.3mol)を加えた。600mLのアセトンに溶解したヨウ化メチル(MeI)(162mL、321mmol)を約1時間にわたって室温で滴加した。
反応混合物を室温でさらに2時間攪拌した後、MeI(162mL、2.6mol)を加えた。反応混合物を還流させながら一晩攪拌した。反応混合物を減圧下で減量し、2.5LのEtOAcを加えた。
混合物を濾過して減圧下で減量した。ヘプタン中のEtOAcの勾配を用いたSiO2によるドライフラッシュクロマトグラフィー(DFC)により精製して、表題化合物を得た。
収量:56.1g、210.1mmol、32%。MS(ESI,pos):234.1[M+Na]+、445.1[2M+Na]+

0166

実施例1j)
エチル3−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラートの合成



{エチル3−メトキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート}(5.93g、28.1mmol)を80mLのジクロロメタン(dichlormethane)(DCM)に−78℃で溶解し、20mLのDCMに溶解したBBr3(5.3mL、56.2mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で1時間攪拌した後、反応物を0℃まで加熱した。25mLのtert−ブチルメチルエーテル(tert−BuOMe)および25mLのMeOHを滴加することにより反応を停止した。揮発物を真空中で除去した。残留物を90mLのDCMおよび10mLのMeOHに溶解し、SiO2の短いパッドに通して濾過した。パッドをDCM中の10%MeOH 200mLで洗った。揮発物を真空中で除去した。残留物を400mLのアセトンに溶解した。K2CO3(11.65g、84.3mmol)、KI(1.39g、8.4mmol)およびベンジルブロミド(BnBr)(9.2mL、84.3mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら一晩攪拌した。反応混合物を200mLのEtOAcで希釈し、3×50mLの水および50mLの塩水で洗った。合わせた水性相を2×50mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥(Na2SO4)して濾過し、揮発物を真空中で除去して、ヘプタン中のEtOAc(40〜70%)を溶離液として用いたSiO2によるドライフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
収量:5.21g、18.1mmol、65%。MS(ESI,pos):310.2[M+Na]+、597.4[2M+Na]+

0167

実施例1k)
3−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸の合成



{エチル3−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート}(27.90g、97.1mmol)を250mLのMeOHに溶解し、60mLのNaOH(5M、水溶液)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、反応混合物を真空中で約1/3まで濃縮した。残留物を150mLの水で希釈し、塩化水素(HCl)(5M、水溶液)を用いてpH2の酸性にした。沈殿物を濾過して真空中で乾燥し、無色の固体として表題化合物を得た。収量:22.52g、86.9mmol、89%。

0168

実施例1l)
3−(ベンジルオキシ)−1−メチル−4−(2−チオキソチアゾリジン−3−カルボニル)ピリジン−2(1H)−オン(AGC0021)の合成



{3−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸}(3.84g、14.8mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(196mg、1.6mmol)および2−チアゾリン−2−チオール(1.94g、16.3mmol)を50mLのDCMに溶解した。N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(3.36g、16.3mmol)を加えた。反応混合物を一晩攪拌した。反応物を濾過し、固体をDCMで洗い、濾液を真空中で減量した。生じた黄色の固体をイソプロパノール/DCMから再結晶させ、AGC0021を得た。収量:4.65g、12.9mmol、87%。MS(ESI,pos):383[M+Na]+、743[2M+Na]+

0169

実施例1m)
AGC0023の合成



AGC0020(8.98g;23.5mmol)をCH2Cl2(600mL)に溶解した。AGC0021(37.43g;103.8mmol)を加えた。反応物を室温で20時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。
EtOAcとCH2Cl2の1:1混合物中のメタノールの勾配を用いたSiO2によるDFCにより、固体の泡としてAGC0023を得た。
平均収量:26.95g、20.0mmol、85%。

0170

実施例1n)
AGC0024の合成



AGC0023(26.95g;20.0mmol)をエタノール(EtOH)(675mL)に溶解した。鉄(20.76g;0.37mol)およびNH4Cl(26.99g;0.50mol)を加え、続いて水(67mL)を加えた。反応混合物を70℃で2時間攪拌した。さらに鉄(6.75g;121mmol)を加え、反応混合物を74℃で1時間攪拌した。さらに鉄(6.76g;121mmol)を加え、反応混合物を74℃で1時間攪拌した。反応混合物を冷却した後、反応混合物を減圧下で減量した。
CH2Cl2中のメタノールの勾配を用いたSiO2によるDFCにより、固体の泡としてAGC0024を得た。
収量18.64g、14.2mmol、71%。

0171

実施例1o)
AGC0025の合成



AGC0024(18.64g;14.2mmol)をCH2Cl2(750mL)に溶解し、0℃まで冷却した。BBr3(50g;0.20mol)を加え、反応混合物を75分間攪拌した。0℃で攪拌しながらメタノール(MeOH)(130mL)を注意深く加えることにより反応を停止した。揮発物を減圧下で除去した。HCl(EtOH中1.25M、320mL)を残留物に加えた。次いで、大気圧および周囲温度でロータリーエバポレーターを用いてフラスコを15分間回転させた後、揮発物を減圧下で除去した。
水中のアセトニトリル(ACN)の勾配を用いた非エンドキャップC18シリカによるDFCにより、わずかにオレンジ色のガラス状固体としてAGC0025を得た。
収量13.27g、13.9mmol、98%。

0172

実施例1p)
AGC0019の合成



AGC0025(10.63g;11.1mmol)をACN(204mL)および水(61mL)に室温で溶解した。無水コハク酸(2.17g;21.7mmol)を加え、反応混合物を2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で減量した。水中のACNの勾配を用いた非エンドキャップC18シリカによるDFCにより、緑色がかったガラス状固体を得た。
固体をMeOH(62mL)および水(10.6mL)に40℃で溶解した。溶液を超音波処理下、EtOAc(750mL)に滴加した。沈殿物を濾過し、EtOAcで洗い、減圧下で乾燥して、緑色がかった色合いのオフホワイト色の固体としてAGC0019を得た。
収量:9.20g、8.7mmol、78%。H−NMR(400MHz、DMSO−d6)、13C−NMR(100MHz、DMSO−d6)。

0173

実施例2
純粋なトリウム−227の単離
トリウム−227は、アクチニウム−227ジェネレータから単離される。アクチニウム−227は、ラジウム−226の熱中性子照射、続いてラジウム−227(t1/2=42.2m)のアクチニウム−227への崩壊によって生成された。8M HNO3溶液中のアクチニウム−227崩壊混合物から陰イオン交換クロマトグラフィーによりトリウム−227を選択的に保持した。70mgのAG(登録商標)1−X8樹脂(200〜400メッシュ硝酸塩型)を含む内径2mm、長さ30mmのカラムを使用した。アクチニウム−227、ラジウム−223および娘核種がカラムから溶出した後、トリウム−227を12M HClでカラムから抽出した。トリウム−227を含む溶出液蒸発乾固し、標識ステップの前に残留物を0.01M HClに再懸濁させた。

0174

実施例3
Ramosに対する227Th−AGC1118の細胞毒性
実施例3a)
抗CD22モノクローナル抗体(AGC1100)の産生
エプラツズマブとも呼ばれ、本明細書においてAGC1100と表すモノクローナル抗体(mAb)hLL2の配列を、Leung、Goldenberg、Dion、Pellegrini、Shevitz、ShihおよびHansen:Molecular Immunology 32:1413−27,1995に記載されているように構築した。
本実施例で使用したmAbは、Immunomedics Inc(米国ニュージャージー州)で製造された。このmAbの産生は、例えば、軽鎖および重鎖をコードする遺伝子をコードするプラスミドを用いてトランスフェクトしたチャイニーズハムスター卵巣の浮遊(CHO−S)細胞で行うことができる。最初の安定したクローンが、標準的な手順を用いるために選択されるであろう。一回使用のバイオリアクターで約14日後、上清を濾過した後にモノクローナル抗体を回収してもよい。AGC1100は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー(MabSelect SuRe、Atoll、Weingarten/ドイツ)、続いてイオン交換ステップによりさらに精製されるであろう。静電気および疎水性に基づく第3の精製ステップを用いて、凝集物および潜在的に残存する不純物を除去することができる。AGC1100の同一性は、等電点電気泳動、SDS−PAGE分析N末端配列決定およびLC/MS分析によって確認されるであろう。サンプル純度は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によってさらに分析されるであろう。

0175

実施例3b)複合体AGC1118を与えるmAb AGC1100(エプラツズマブ)とキレート化剤AGC0019(式(VIII)の化合物)とのカップリング



複合化の前に、リン酸緩衝液(pH7.5)を抗体溶液(AGC1100)に加えて、溶液の緩衝能を高めた。容器内のAGC1100(mAb)の量を測定した。
キレート化剤AGC0019を1:1、DMA:0.1M MES緩衝液(pH5.4)に溶解した。NHSおよびEDCを0.1M MES緩衝液(pH5.4)に溶解した。
キレート化剤/N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)/1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の1/1/3モル当量溶液を調製してキレート化剤を活性化した。抗体との複合化のために、モル比7.5/7.5/22.5/1(キレート化剤/NHS/EDC/mAb)の活性化したキレート化剤をmAbに加えた。20〜40分後、12%v/v 0.3Mクエン酸を用いて複合化反応を停止し、pHを5.5に調整した。
次いで、溶液を、一定体積のTangential Flow Filtrationにより、30mMクエン酸塩、70mM NaCl、2mMEDTA、0.5mg/ml pABA、pH 5.5(TFF緩衝液)へ緩衝液交換した。ダイアフィルトレーションの最後に、溶液を配合物容器に出した。生成物にTFF緩衝液(30mMクエン酸塩、70mM NaCl、2mM EDTA、0.5mg/ml pABA、pH5.5)および7%w/vポリソルベート80を配合して、30mMクエン酸塩、70mM NaCl、2mM EDTA、0.5mg/mL pABA 0.1%w/v PS80、pH5.5中の2.6mg/mL AGC1118を得た。最後に、溶液を0.2μmフィルターに通して滅菌瓶内に濾過した後、保存した。

0176

実施例3c)
227Th−AGC1118注入における線量の調製
バイアル1本分の20MBq塩化トリウム−227フィルムを2mlの8M HNO3溶液に溶解して15分間放置した後、陰イオン交換カラムにかけて、経時的に増加したラジウム−223を除去するために、溶液を取り出した。カラムを3mlの8M HNO3および1mlの水で洗った後、3mlの3M HClでトリウム−227を溶出した。トリウム−227の溶出活性を測定し、10MBqの線量を空の10mlのガラスバイアルに移した。次いで、真空ポンプを使用し、バイアルを加熱ブロック(120℃に設定)に30〜60分間入れて、酸を蒸発させた。室温に達した後、6mlのAGC1118複合体2.5mg/mlを放射標識のために加えた。バイアルを穏やかに混合し、室温で15分間放置した。次いで、溶液を滅菌バイアル内に滅菌濾過し、使用前にiTLC分析を行ってRCPを測定するためにサンプルを取り出した。

0177

実施例3d)
異なる全放射能および比放射能を有する227Th−AGC1118のRamosに対する細胞毒性
この試験では、4時間のインキュベーション時間で、全放射能および比放射能を変化させることによって227Th−AGC1118の線量を試験した。この試験は、10/50kBq/μgの比放射能ならびに5、10、20および40kBq/mlの全放射能で96ウェルプレートフォーマットで行った。
Ramos細胞を、10%FBSおよび1%ペニシリン(Pencillin)/ストレプトマイシン(Passage 22)を含むRPMI1640培地で培養した。細胞を遠心分離管に移して300Gで5分間遠心分離し、5mLの培地に懸濁させた後、Z2 Coulter Counterで計数した。細胞懸濁液を400.000細胞/mlの細胞濃度に培地で希釈し、96ウェルプレート(80.000細胞/ウェル)中の48ウェル(200μl/ウェル)に移した。CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて細胞生存率を測定した。図4を参照されたい。

0178

実施例4
HL−60に対する227Th−AGC0718の細胞毒性
実施例4a)
抗CD33モノクローナル抗体(AGC0700)の産生。
本明細書においてAGC0700と表すモノクローナル抗体(mAb)HuM195/リンツズマブの配列を(1)および(2)に記載の文献から検索した。AGC0700の製造をCobraBiologics(Sodertalje、スウェーデン)の設備で実施した。簡潔には、VectorNTI(登録商標)ソフトウェア(Invitrogen/Life Technologies Ltd.、ペーズリー、英国)を使用して、重鎖および軽鎖のアミノ酸配列DNA配列に逆翻訳した。実施例2で概説したように、抗体に対する複合体の比(CAR)の正確な決定を容易にするために、C末端リシン(Lys)のコドンをIgG1重鎖遺伝子から除いた。生じたDNA配列を哺乳類細胞での発現のためにコドン最適化し、GeneArt(GeneArt/Life−Technologies Ltd.、ペーズリー、英国)により合成し、さらにCobraBiologics(Sodertalje、スウェーデン)により発現ベクタークローニングした。チャイニーズハムスター卵巣の浮遊(CHO−S)細胞を、AGC0700のVH−およびVL−ドメインをコードするプラスミドを用いて安定にトランスフェクトし、ピューロマイシン(12.5mg/l;Sigma Aldrich)を追加した標準的なCD−CHO培地(Invitrogen/Life Technologies Ltd.、ペーズリー、英国)の存在下で増殖させた。AGC0700を発現させる安定したクローンを、25世代にわたる限界希釈により選択した。上清からタンパク質力価を測定することにより、クローンの安定性を評価した。最も安定したクローンの細胞バンクを確認し、凍結保存した。
250Lサイズの一回使用のバイオリアクターで、mAbの発現を37℃で約14日間行った。上清を濾過した後にモノクローナル抗体を回収した。AGC0700を、プロテインAアフィニティーカラム(MabSelect SuRe、Atoll、Weingarten/ドイツ)、続いて1つの陰イオン(QFF−Sepharose;GE Healthcare)−および1つの陽イオン(PorosXS;Invitrogen/Life Technologies Ltd.)−交換クロマトグラフィーによりさらに精製して、純度および最終的な収率を高めた。AGC0700の同一性を等電点電気泳動およびSDS−PAGE分析により確認した。精製したAGC0700の活性を、固定化CD33−Fc標的(Novoprotein)に対する結合ELISAで分析した。サンプル純度をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析した。

0179

参考文献:
(1)Scheinberg DA.「Therapeutic uses of the hypervariable region of monoclonal antibody M195 and constructs thereof」米国特許出願第6007814号(1999年12月28日)。
(2)Co MSら;J Immunol.1992 Feb 15;148(4):1149−54。Chimeric and humanized antibodies with specificity for the CD33 antigen。

0180

実施例4b)
複合体AGC0718を与えるmAb AGC0700(リンツズマブ)とキレート化剤AGC0019(式(VIII)の化合物)とのカップリング
小さな例外はあるが、実施例3に記載されているように複合化を実施した。
複合化の前に、リン酸緩衝液(pH7.5)を抗体溶液(AGC0700)に加えて、溶液の緩衝能を高めた。容器内のAGC0700(mAb)の量を測定した。
キレート化剤AGC0019を1:1、DMA:0.1M MES緩衝液(pH5.4)に溶解した。NHSおよびEDCを0.1M MES緩衝液(pH5.4)に溶解した。
キレート化剤/NHS/EDCの1/1/3モル当量溶液を調製してキレート化剤を活性化した。抗体との複合化のために、モル比20/20/60/1(キレート化剤/NHS/EDC/mAb)の活性化したキレート化剤をmAbに加えた。40〜60分後、12%v/v 0.3Mクエン酸を用いて複合化反応を停止し、pHを5.5に調整した。
次いで、溶液を、一定体積のTangential Flow Filtrationにより、30mMクエン酸塩、154mM NaCl、2mMEDTA、2mg/ml pABA、pH5.5(TFF緩衝液)へ緩衝液交換した。ダイアフィルトレーションの最後に、溶液を配合物容器に出した。生成物にTFF緩衝液(30mMクエン酸塩、154mM NaCl、2mM EDTA、2mg/ml pABA、pH5.5)を配合して、30mMクエン酸塩、154mM NaCl、2mM EDTA、2mg/mL pABA、pH5.5中の2.5mg/mL AGC0718を得た。最後に、溶液を0.2μmフィルターに通して滅菌瓶内に濾過した後、保存した。

0181

実施例4c)
227Th−AGC0718注入における線量の調製
バイアル1本分の20MBq塩化トリウム−227フィルムを2mlの8M HNO3溶液に溶解して15分間放置した後、陰イオン交換カラムにかけて、経時的に増加したラジウム−223を除去するために、溶液を取り出した。カラムを3mlの8M HNO3および1mlの水で洗った後、3mlの3M HClでトリウム−227を溶出した。トリウム−227の溶出活性を測定し、10MBqの線量を空の10mlのガラスバイアルに移した。次いで、真空ポンプを使用し、バイアルを加熱ブロック(120℃に設定)に30〜60分間入れて、酸を蒸発させた。室温に達した後、6mlのAGC0718複合体2.5mg/mlを放射標識のために加えた。バイアルを穏やかに混合し、室温で15分間放置した。次いで、溶液を滅菌バイアル内に滅菌濾過し、使用前にiTLC分析を行ってRCPを測定するためにサンプルを取り出した。

0182

実施例4d)
異なる全放射能を有する227Th−AGC0718のHL−60に対する細胞毒性
CD33+−細胞に結合した後の227Th−AGC0718の細胞毒性を示すために、インビトロ細胞毒性アッセイを実施した。この目的のために、ヒト骨髄性白血病HL−60細胞株ならびにCD33陰性B細胞株(Ramos)を227Th−AGC0718に曝露した。2および20kBq/mlの全放射能を44kBq/μgの比放射能で試験した。すべての実験手順はRD2013.093に記載されている。簡潔には、IMDM培地中に1ml当たり50,000個のヒトHL−60細胞を、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを用いて調製し、24ウェルプレートに100.000細胞/ウェルの密度播種した。細胞を、0〜20kBq/mlの227Th−AGC0718の放射能で、37℃で4時間インキュベートした。それぞれの227Th−アイソタイプ対照複合体サンプルならびにab非標識AGC0718サンプルをそれぞれの対照として並行して調製した。その後、細胞を新鮮な培地で洗い、新しい24ウェル培養プレートに播種した。
異なる時点で細胞を回収し、CellTiterGlo(登録商標)キット(Promega)を用いて生存率を測定した。陽性対照未処理細胞)を100%に設定して、生存率を%で表した。図5を参照されたい。

0183

実施例5
SKOV−3に対する227Th−AGC0118の細胞毒性
実施例5a)
AGC0100(トラスツズマブ)の産生
トラスツズマブモノクローナル抗体(本明細書においてAGC0100と表す。)をRocheから購入し、PBS(Dulbecco BIOCHROM)に10mg/mlの濃度に溶解した。

0184

実施例5b)
複合体AGC0118を与えるmAb AGC0100(トラスツズマブ)とキレート化剤AGC0019(式(VIII)の化合物)とのカップリング
小さな変更はあるが、実施例3に記載されているように複合化を実施した。最終的な複合化mAbのTFF精製をゲル濾過カラムクロマトグラフィーに置き換えた。
PBS中のトラスツズマブに11%1Mリン酸緩衝液(pH7.4)を加えた。キレート化剤(AGC0019)NHSおよびEDCを、実施例3b)に記載されている同じ溶液に溶解した。活性化中のキレート化剤/NHS/EDCのモル比は1/1/3であった。キレート化剤/NHS/EDC/mAbに対応する8/8/25/1のモル比および30〜40分の複合化時間により、複合化AGC0118において、0.7〜0.9のCAR(抗体に対するキレート化剤の比)が得られた。最終pH5.5まで12%v/v 0.3Mクエン酸を加えることにより反応を停止した。
AKTAシステム(GE Healthcare)に接続したSuperdex 200(GE Healthcare)カラムによるゲル濾過により、AGC0118複合体の精製および30mMクエン酸塩(pH5.5)、154mM NaClへの緩衝液交換を実施した。Abs 280nmでのタンパク質濃度を測定した後、(30mMクエン酸塩中の2.5mg/mL AGC0118、154mM NaCl、2mMEDTA、2mg/mL pABA、pH5.5を得るために)生成物に緩衝液を配合した。最後に、溶液を0.2μmフィルターに通して滅菌瓶内に濾過した後、保存した。

0185

実施例5c)
227Th−AGC0118注入における線量の調製
標識を先述の通り実施した:
バイアル1本分の20MBq塩化トリウム−227フィルムを2mlの8M HNO3溶液に溶解して15分間放置した後、陰イオン交換カラムにかけて、経時的に増加したラジウム−223を除去するために、溶液を取り出した。カラムを3mlの8M HNO3および1mlの水で洗った後、3mlの3M HClでトリウム−227を溶出した。トリウム−227の溶出活性を測定し、10MBqの線量を空の10mlのガラスバイアルに移した。次いで、真空ポンプを使用し、バイアルを加熱ブロック(120℃に設定)に30〜60分間入れて、酸を蒸発させた。室温に達した後、6mlのAGC0118複合体2.5mg/mlを放射標識のために加えた。バイアルを穏やかに混合し、室温で15分間放置した。次いで、溶液を滅菌バイアル内に滅菌濾過し、使用前にiTLC分析を行ってRCPを測定するためにサンプルを取り出した。

0186

実施例5d)
異なる全放射能を有する227Th−AGC0118のSKOV−3に対する細胞毒性
4時間のインキュベーション時間中にウェルに加える全放射能を変化させることによって、さまざまな線量の227Th−AGC0118に対する細胞毒性を試験した。実験前日、96ウェルプレートに1ウェル当たり10000個のSKOV−3細胞を播種した。一連の全放射能5、10、20および40kBq/mlのキレート化227Th−AGC0118を比放射能20kBq/μgで細胞に1日目に加えた。インキュベーション期間の終了後、残存する非結合227Th−AGC0118をマルチアレイピペットにより除去し、その後、培地でもう1回洗い、続いて新鮮な培養培地で洗った。SKOV−3細胞を、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むMc−Coy培地で培養した。227Th−AGC0118によるインキュベーション中に、血清を含まない培地で培養培地を置換した。4日目、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて細胞生存率を測定した。図6を参照されたい。

0187

実施例6
NCI−H716に対する227Th−AGC2518の細胞毒性
実施例6a)
FGFR2モノクローナル抗体(BAY1179470;AGC2500)の産生。
本明細書においてAGC2500とも呼ばれるモノクローナル抗体BAY 1179470の産生は、国際公開第2013/076186号パンフレットに詳細に記載されている。簡潔には、FGFR2抗原に対するバイオパニングにより抗体を回収した。生じたヒトIgG1抗体をCHO細胞内で発現させ、プロテインAアフィニティーカラム(MAb Select Sure)を用いて精製し、続いてサイズ排除クロマトグラフィーにより単量体画分を単離した。抗体をPBS(pH7.4)に配合した。分析SECは、>99%の同質性を示した。

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