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技術 細胞透過性Bcl−xL阻害剤との抗体薬物コンジュゲート

出願人 アッヴィ・インコーポレイテッド
発明者 ボガート,アーウィン・アールアックラー,スコット・エルタオ,ジー-フーワン,シールードハーティ,ジョージマリン,ビオレッタ・エルサリバン,ジェラード・エムソン,シャオホンクンザー,アーロン・アールウェルチ,デニー・エスブランコ,ミランジャッド,アンドリュー・エスサワーズ,アンドリュー・ジェイ
出願日 2015年12月9日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2017-530616
公開日 2018年3月8日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-506509
状態 拒絶査定
技術分野 医薬品製剤 突然変異または遺伝子工学 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 ペプチド又は蛋白質 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 磁気ボール グリッパーアーム mm区 多官能性低分子 フラッシュ手順 導電性チップ フィードバックモニタ 応答振幅
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図面 (13)

課題・解決手段

分子Bcl−xL阻害剤、および低分子Bcl−xL阻害剤を含む抗体薬物コンジュゲートADC)が、本明細書において開示されている。本開示のBCl−xL阻害剤およびADCは、とりわけ、調節不全アポトーシス経路を伴う疾患の処置に対する治療的手法として、抗アポトーシスBcl xLタンパク質阻害するのに有用である。

概要

背景

アポトーシスは、すべての生存種の組織ホメオスタシスにとって、必須の生物学的過程として認識されている。哺乳動物において、特に、アポトーシスは、初期発達を調節することが示された。生命の後半において、細胞死は、潜在的に危険な細胞(例えば、がん性欠損を有する細胞)が除去される、既定機構である。いくつかのアポトーシス経路は明らかにされており、最も重要なものの1つは、タンパク質のBcl−2ファミリーを伴い、このファミリーは、アポトーシスのミトコンドリア(「内因性」とも呼ばれる。)経路の重要な調節因子である。DanialおよびKorsmeyer、2004年、Cell 116巻:205−219頁を参照されたい。

調節不全のアポトーシス経路は、例えばアルツハイマー病のような神経変性状態下方調節されたアポトーシス);ならびに例えば、がん自己免疫疾患および血栓形成促進性状態のような増殖性疾患上方調節されたアポトーシス)のような、多数の深刻な疾患の病理関与している。

一面において、下方調節されたアポトーシス(およびより特に、タンパク質のBcl−2ファミリー)ががん性悪性腫瘍の発生に関与しているという示唆が、この依然として捉えどころがない疾患を標的とする新規方法となることを明らかにした。例えば、抗アポトーシスタンパク質であるBcl−2およびBcl−xLは、多くのタイプのがん細胞において、過剰発現されるという研究が示されている。Zhang、2002年、Nature Reviews/Drug Discovery 1巻:101頁;Kirkinら、2004年、Biochimica Biophysica Acta 1644巻:229−249頁;およびAmundsonら、2000年、Cancer Research 60巻:6101−6110頁を参照されたい。この調節解除の影響は、それがなかったなら正常状態においてアポトーシスを受けたはずの変質細胞が生存してしまうことである。調節不全の増殖に伴うこれらの欠陥の繰り返しが、がんの発生の開始点であると考えられている。

これらの、および多数の他の知見は、がんを標的とするための薬物発見における新規戦略出現を可能にした。低分子が細胞に侵入し、抗アポトーシスタンパク質の過剰発現に打ち勝つことができれば、アポトーシス過程解除することが可能になると思われる。この戦略は、これが、通常、アポトーシスによる調節解除(異常な生存)の結果である薬物抵抗性の問題を緩和することができるという利点を有することができる。

研究者らは、血小板も、内因性アポトーシス経路によってプログラム細胞死を実行するために必要なアポトーシス機構(例えば、Bax、Bak、Bcl−xL、Bcl−2、シトクロムc、カスパーゼ−9、カスパーゼ−3およびAPAF−1)を含むことも実証した。血小板産生物の血液循環は、正常な生理学的過程であるが、いくつかの疾患は、血小板の過剰、もしくは血小板の望ましくない活性化によって引き起こされる、または悪化する。上記のことは、哺乳動物における、血小板中の抗アポトーシスタンパク質を阻害すること、および血小板の数を低下させることができる治療剤は、血小板の過剰、もしくは血小板の望ましくない活性化を特徴とする、血栓形成状態および疾患を処置するのに有用となり得ることを示唆する。

多数のBcl−xL阻害剤が、調節不全のアポトーシス経路を伴う疾患(例えば、がん)の処置のために開発されてきた。しかし、Bcl−xL阻害剤は、標的細胞(例えば、がん細胞)以外の細胞に作用する恐れがある。例えば、前臨床研究は、Bcl−xLの薬理学不活性化は、血小板の半減期を低下させて、血小板減少症を引き起こすことを示した(Masonら、2007年、Cell 128巻:1173−1186頁を参照されたい。)。

概要

低分子Bcl−xL阻害剤、および低分子Bcl−xL阻害剤を含む抗体薬物コンジュゲートADC)が、本明細書において開示されている。本開示のBCl−xL阻害剤およびADCは、とりわけ、調節不全のアポトーシス経路を伴う疾患の処置に対する治療的手法として、抗アポトーシスBcl xLタンパク質を阻害するのに有用である。

目的

したがって、一態様において、本開示は、とりわけ、調節不全のアポトーシス経路を伴う疾患の処置に対する治療的手法として、抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質を阻害するのに有用な、Bcl−xLの阻害剤を含むADCを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

リンカーによって抗体に連結されている薬物を含む抗体薬物コンジュゲートADC)であって、薬物が、構造式(IIa):によるBcl−xL阻害剤または医薬として許容されるこの塩(式中、Arは、ハロシアノ、メチルおよびハロメチルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよいから選択され、Z1は、N、CHおよびC−CNから選択され、Z2は、NH、CH2、O、S、S(O)およびS(O2)から選択され、R1は、メチル、クロロおよびシアノから選択され、R2は、水素、メチル、クロロおよびシアノから選択され、R4は、水素、C1−4アルカニル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキルまたはC1−4ヒドロキシアルキルであり、R4C1−4アルカニル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキルおよびC1−4ヒドロキシアルキルは、OCH3、OCH2CH2OCH3およびOCH2CH2NHCH3から独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよく、R10a、R10bおよびR10cは、それぞれ、水素、ハロ、C1−6アルカニル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルおよびC1−6ハロアルキルから相互に独立して選択され、R11aおよびR11bは、それぞれ、水素、メチル、エチル、ハロメチル、ヒドロキシルメトキシ、ハロ、CNおよびSCH3から相互に独立して選択され、nは、0、1、2または3であり、#は、リンカーLへの結合点を表す。)である、抗体薬物コンジュゲート。

請求項2

1−10の薬物対抗体比を有する、請求項1に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項3

リンカーが、リソソーム酵素によって切断可能である、請求項1に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項4

リソソーム酵素がカテプシンBである、請求項3に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項5

リンカーが、構造式(IVa)、(IVb)または(IVc)によるセグメント:またはこれらの塩を含み、式中、ペプチドは、リソソーム酵素により切断可能なペプチド(N→Cで表示されており、この場合、ペプチドは、アミノおよびカルボキシ末端」を含む。)を表し、Tは、1つ以上のエチレングリコール単位を含むポリマー、もしくはアルキレン鎖、またはこれらの組合せを表し、Raは、水素、アルキルスルホネートおよびスルホン酸メチルから選択され、pは、0から5の範囲の整数であり、qは、0または1であり、xは、0または1であり、yは、0または1であり、は、Bcl−xL阻害剤へのリンカーの結合点を表し、*は、リンカーの残りへの結合点を表す、請求項3に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項6

ペプチドが、Val−Cit、Cit−Val、Ala−Ala、Ala−Cit、Cit−Ala、Asn−Cit、Cit−Asn、Cit−Cit、Val−Glu、Glu−Val、Ser−Cit、Cit−Ser、Lys−Cit、Cit−Lys、Asp−Cit、Cit−Asp、Ala−Val、Val−Ala、Phe−Lys、Lys−Phe、Val−Lys、Lys−Val、Ala−Lys、Lys−Ala、Phe−Cit、Cit−Phe、Leu−Cit、Cit−Leu、Ile−Cit、Cit−Ile、Phe−Arg、Arg−Phe、Cit−TrpおよびTrp−Cit、またはこれらの塩からなる群から選択される、請求項5に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項7

リソソーム酵素がβ−グルクロニダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼである、請求項3に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項8

リンカーが、構造式(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)によるセグメント:またはこれらの塩を含み、式中、qは、0または1であり、rは、0または1であり、X1は、OまたはNHであり、は、薬物へのリンカーの結合点を表し、*は、リンカーの残りへの結合点を表す、請求項7に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項9

リンカーが、1から6つのエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールセグメントを含む、請求項1に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項10

抗体が、腫瘍細胞発現する細胞表面受容体または腫瘍関連抗原に結合する、請求項1に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項11

抗体が、EGFR、EpCAMおよびNCAM1から選択される細胞表面受容体または腫瘍関連抗原の1つに結合する、請求項10に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項12

抗体が、EGFR、EpCAMまたはNCAM1に結合する、請求項11に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項13

抗体がEpCAMに結合する、請求項11に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項14

構造式(I)による化合物:、またはこの塩(式中、Dは薬物であり、Lはリンカーであり、Abは抗体であり、LKは、リンカーLを抗体Abに連結する共有結合性連結基を表し、mは、1から20の範囲の整数である。)である、請求項1に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項15

mが1−8の範囲の整数である、請求項14に記載のADC、または医薬として許容されるこの塩。

請求項16

mが、2、3または4である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項17

Arが、から選択され、ハロ、シアノ、メチルおよびハロメチルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項18

Arが、である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項19

Z1が、Nである、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項20

Z1が、CHである、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項21

Z2が、Oである、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項22

R1が、メチルおよびクロロから選択される、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項23

R2が、水素およびメチルから選択される、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項24

R2が、水素である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項25

R10aがハロであり、R10bおよびR10cが、それぞれ水素である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項26

R10aがフルオロであり、R10bおよびR10cが、それぞれ水素である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項27

R10a、R10bおよびR10cが、それぞれ水素である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項28

R11aおよびR11bが、同一である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項29

R11aおよびR11bがそれぞれメチルである、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項30

nが、0または1である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項31

Dが、W1.01、W1.02、W1.03、W1.04、W1.05、W1.06、W1.07およびW1.08、ならびに医薬として許容されるこれらの塩からなる群から選択される、請求項14に記載のADC。

請求項32

リンカーLが、IVa.1−IVa.7、IVb.1−IVb.15、IVc.1−IVc.2、Va.1−Va.12、Vb.1−Vb.4、Vc.1−Vc.9、Vd.1−Vd.2、VIa.1、V1c.1−V1c.2、V1d.1−V1d.3、および医薬として許容されるこれらの塩からなる群から選択される、請求項14に記載のADC。

請求項33

LKが、抗体Abのアミノ基と形成される連結基である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項34

LKが、アミドまたはチオウレアである、請求項33に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項35

LKが、抗体Abのスルフヒドリル基と形成される連結基である、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項36

LKが、チオエーテルである、請求項35に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項37

抗体Abが、EGFRまたはNCAM1に結合する、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項38

抗体Abが、EGFRに結合する、請求項14に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項39

Dが、W1.01、W1.02、W1.03、W1.04、W1.05、W1.06、W1.07およびW1.08、ならびに医薬として許容されるこれらの塩からなる群から選択され、Lが、リンカーIVa.1−IVa.7、IVb.1−IVb.15、IVc.1−IVc.2、Va.1−Va.12、Vb.1−Vb.4、Vc.1−Vc.9、Vd.1−Vd.2、VIa.1、V1c.1−V1c.2、V1d.1−V1d.3、およびこれらの塩からなる群から選択され、LKが、アミド、チオウレアおよびチオエーテルからなる群から選択され、mが、1から8の範囲の整数である、請求項14に記載のADC。

請求項40

Abが、EGFRまたはNCAM1に結合する、請求項39に記載のADCまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項41

請求項1から40のいずれか一項に記載のADC、ならびに担体賦形剤および/または希釈剤を含む組成物

請求項42

ヒトにおいて医薬として使用するために製剤化されている、請求項41に記載の組成物。

請求項43

単位剤形である、請求項42に記載の組成物。

請求項44

構造式D−L−Rxによるシントンまたは医薬として許容されるこの塩(式中、Dが薬物であり、Lが、リンカーであり、Rxが、シントンを抗体に共有結合により連結することが可能な官能基を含む部分であり、さらに、薬物Dが、構造式:によるBcl−xL阻害剤または医薬として許容されるこれらの塩であり、式中、Arは、ハロ、シアノ、メチルおよびハロメチルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよいから選択され、Z1は、N、CHおよびC−CNから選択され、Z2は、NH、CH2、O、S、S(O)およびS(O2)から選択され、R1は、メチル、クロロおよびシアノから選択され、R2は、水素、メチル、クロロおよびシアノから選択され、R4は、水素、C1−4アルカニル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキルまたはC1−4ヒドロキシアルキルであり、R4C1−4アルカニル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキルおよびC1−4ヒドロキシアルキルは、OCH3、OCH2CH2OCH3およびOCH2CH2NHCH3から独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよく、R10a、R10bおよびR10cは、それぞれ、水素、ハロ、C1−6アルカニル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルおよびC1−6ハロアルキルから相互に独立して選択され、R11aおよびR11bは、それぞれ、水素、メチル、エチル、ハロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、ハロ、CNおよびSCH3から相互に独立して選択され、nは、0、1、2または3であり、#は、リンカーLへの結合点を表す。)。

請求項45

リンカーが、リソソーム酵素によって切断可能である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項46

リソソーム酵素がカテプシンBである、請求項45に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項47

リンカーが、構造式(IVa)、(IVb)または(IVc)によるセグメント:を含み、式中、ペプチドが、リソソーム酵素により切断可能なペプチド(N→Cで表示されており、この場合、ペプチドはアミノおよびカルボキシ「末端」を含む。)を表し、Tは、1つ以上のエチレングリコール単位を含むポリマー、もしくアルキレン鎖、またはこれらの組合せを表し、Raは、水素、アルキル、スルホネートおよびスルホン酸メチルから選択され、pは、0から5の範囲の整数であり、qは、0または1であり、xは、0または1であり、yは、0または1であり、は、Bcl−xL阻害剤へのリンカーの結合点を表し、*は、リンカーの残りへの結合点を表す、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項48

ペプチドが、Val−Cit、Cit−Val、Ala−Ala、Ala−Cit、Cit−Ala、Asn−Cit、Cit−Asn、Cit−Cit、Val−Glu、Glu−Val、Ser−Cit、Cit−Ser、Lys−Cit、Cit−Lys、Asp−Cit、Cit−Asp、Ala−Val、Val−Ala、Phe−Lys、Lys−Phe、Val−Lys、Lys−Val、Ala−Lys、Lys−Ala、Phe−Cit、Cit−Phe、Leu−Cit、Cit−Leu、Ile−Cit、Cit−Ile、Phe−Arg、Arg−Phe、Cit−TrpおよびTrp−Citからなる群から選択される、請求項47に記載のシントンまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項49

リソソーム酵素がβ−グルクロニダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼである、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項50

リンカーが、構造式(Va)、(Vb)または(Vc)によるセグメント:または医薬として許容されるこれらの塩を含み、式中、qは、0または1であり、rは、0または1であり、X1は、OまたはNHであり、は、薬物へのリンカーの結合点を表し、*は、リンカーの残りへの結合点を表す、請求項49に記載のシントン。

請求項51

リンカーが、1から6つのエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールセグメントを含む、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこれらの塩。

請求項52

Arが、から選択され、ハロ、シアノ、メチルおよびハロメチルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項53

Arが、である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項54

Z1がNである、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項55

Z1がCHである、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項56

Z2がOである、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項57

R1が、メチルおよびクロロから選択される、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項58

R2が、水素およびメチルから選択される、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項59

R2が水素である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項60

R10aがハロであり、R10bおよびR10cが、それぞれ水素である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項61

R10aがフルオロであり、R10bおよびR10cが、それぞれ水素である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項62

R10a、R10bおよびR10cが、それぞれ水素である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項63

R11aおよびR11bが、同一である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項64

R11aおよびR11bが、それぞれメチルである、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項65

nが、0または1である、請求項44に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項66

Dが、W1.01、W1.02、W1.03、W1.04、W1.05、W1.06、W1.07およびW1.08、ならびに医薬として許容されるこれらの塩からなる群から選択される、請求項44に記載のシントン。

請求項67

リンカーLが、リンカーIVa.1−IVa.7、IVb.1−IVb.15、IVc.1−IVc.2、Va.1−Va.12、Vb.1−Vb.4、Vc.1−Vc.9、Vd.1−Vd.2、VIa.1、V1c.1−V1c.2、V1d.1−V1d.3および医薬として許容されるこれらの塩からなる群から選択される、請求項44に記載のシントンおよび医薬として許容されるこの塩。

請求項68

Rxが、シントンを抗体のアミノ基に連結することが可能な官能基を含む、請求項44に記載のシントンおよび医薬として許容されるこれらの塩。

請求項69

Rxが、NHS−エステルまたはイソチオシアネートを含む、請求項68に記載のシントンおよび医薬として許容されるこれらの塩。

請求項70

Rxが、シントンを抗体のスルフィドリル基に連結することが可能な官能基を含む、請求項66に記載のシントンおよび医薬として許容されるこれらの塩。

請求項71

Rxが、ハロアセチルまたはマレイミドを含む、請求項70に記載のシントンおよび医薬として許容されるこれらの塩。

請求項72

Dが、W1.01、W1.02、W1.03、W1.04、W1.05、W1.06、W1.07およびW1.08、ならびに医薬として許容されるこれらの塩からなる群から選択され、Lが、リンカーIVa.1−IVa.7、IVb.1−IVb.15、IVc.1−IVc.2、Va.1−Va.12、Vb.1−Vb.4、Vc.1−Vc.9、Vd.1−Vd.2、VIa.1、V1c.1−V1c.2、V1d.1−V1d.3、およびこれらの塩からなる群から選択され、Rxが、NHS−エステル、イソチオシアネート、ハロアセチルおよびマレイミドからなる群から選択される官能基を含む、請求項66に記載のシントンまたは医薬として許容されるこの塩。

請求項73

請求項44から72のいずれか一項に記載のシントンが抗体に共有結合により連結する条件下において、腫瘍細胞に発現する細胞表面受容体または腫瘍関連抗原に結合する抗体をシントンに接触させるステップにより形成されるADC。

請求項74

接触させるステップが、ADCが2、3または4のDARを有するような条件下において行われる、請求項73に記載のADC。

請求項75

請求項73または74に記載のADC、ならびに賦形剤、担体および/または希釈剤を含む、組成物。

請求項76

ヒトにおいて医薬として使用するために製剤化されている、請求項75に記載の組成物。

請求項77

単位剤形である、請求項76に記載の組成物。

請求項78

ADCを作製する方法であって、請求項63から69のいずれか一項に記載のシントンが抗体に共有結合により連結する条件下において、シントンを抗体に接触させるステップを含む方法。

請求項79

Bcl−xLを発現する細胞におけるBcl−xL活性阻害する方法であって、細胞に結合することが可能な、請求項1から40および73から74のいずれか一項に記載のADCが細胞に結合する条件下において、細胞をADCに接触させるステップを含む方法。

請求項80

Bcl−xLを発現する細胞におけるアポトーシス誘導する方法であって、細胞に結合することが可能な、請求項1から40および73から74のいずれか一項に記載のADCが細胞に結合する条件下において、細胞をADCに接触させるステップを含む方法。

請求項81

調節不全内因性アポトーシスを伴う疾患を処置する方法であって、調節不全のアポトーシスを伴う疾患を有する対象に、治療的利益をもたらすのに有効な量の請求項1から40および73から74のいずれか一項に記載のADCを投与するステップを含む、内因性アポトーシスが調節不全となっている細胞の細胞表面受容体に、ADCの抗体が結合する、方法。

請求項82

がんを処置する方法であって、がんを有する対象に、治療的利益をもたらすのに有効な量の、がん細胞の表面に発現する細胞表面受容体または腫瘍関連抗原に結合することが可能な、請求項1から40および73から74のいずれか一項に記載のADCを投与するステップを含む方法。

請求項83

ADCが単剤療法として投与される、請求項74に記載の方法。

請求項84

処置されているがんが、腫瘍形成性がんである、請求項74に記載の方法。

請求項85

ADCが、別の化学治療剤放射線療法補助として投与される、請求項74に記載の方法。

請求項86

ADCが、化学療法および/または放射線療法の開始と同時に投与される、請求項85に記載の方法。

請求項87

ADCが、化学療法および/または放射線療法の開始前に投与される、請求項85に記載の方法。

請求項88

ADCが、腫瘍細胞が標準的化学療法および/または放射線療法に対して感作するのに有効な量で投与される、請求項85から87のいずれか一項に記載の方法。

請求項89

標準的な細胞毒性剤および/または放射線に対して腫瘍を感作する方法であって、この腫瘍に結合することが可能な、請求項1から40および73から74のいずれか一項に記載のADCを、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に対して腫瘍細胞を感作するのに有効な量で腫瘍に接触させるステップを含む方法。

請求項90

腫瘍が標準的な細胞毒性剤および/または放射線による処置に抵抗性となった、請求項89に記載の方法。

請求項91

腫瘍が標準的な細胞毒性剤および/または放射線療法にこれまで曝露されてこなかった、請求項89に記載の方法。

請求項92

シントンの実施例2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.10、2.12、2.17、2.18、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29、2.30、2.31、2.32、2.33、2.34、2.35、2.36、2.37、2.38、2.39、2.40、2.41、2.42、2.43、2.44、2.45、2.46、2.47、2.48、2.49、2.50、2.51、2.52、2.53からなる群および医薬として許容されるこれらの塩から選択される、シントン。

請求項93

抗体にコンジュゲートされている請求項92に記載のシントンを含む抗体薬物コンジュゲート(ADC)または医薬として許容されるこれらの塩。

技術分野

0001

本開示は、Bcl−xL抗アポトーシスタンパク質活性阻害する化合物、これらの阻害剤を含む抗体薬物コンジュゲート、これらの阻害剤および抗体薬物コンジュゲートの合成に有用な方法、阻害剤を含む組成物、ならびに抗体薬物コンジュゲート、ならびに抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質発現される疾患を処置する方法に関する。

背景技術

0002

アポトーシスは、すべての生存種の組織ホメオスタシスにとって、必須の生物学的過程として認識されている。哺乳動物において、特に、アポトーシスは、初期発達を調節することが示された。生命の後半において、細胞死は、潜在的に危険な細胞(例えば、がん性欠損を有する細胞)が除去される、既定機構である。いくつかのアポトーシス経路は明らかにされており、最も重要なものの1つは、タンパク質のBcl−2ファミリーを伴い、このファミリーは、アポトーシスのミトコンドリア(「内因性」とも呼ばれる。)経路の重要な調節因子である。DanialおよびKorsmeyer、2004年、Cell 116巻:205−219頁を参照されたい。

0003

調節不全のアポトーシス経路は、例えばアルツハイマー病のような神経変性状態下方調節されたアポトーシス);ならびに例えば、がん自己免疫疾患および血栓形成促進性状態のような増殖性疾患上方調節されたアポトーシス)のような、多数の深刻な疾患の病理関与している。

0004

一面において、下方調節されたアポトーシス(およびより特に、タンパク質のBcl−2ファミリー)ががん性悪性腫瘍の発生に関与しているという示唆が、この依然として捉えどころがない疾患を標的とする新規方法となることを明らかにした。例えば、抗アポトーシスタンパク質であるBcl−2およびBcl−xLは、多くのタイプのがん細胞において、過剰発現されるという研究が示されている。Zhang、2002年、Nature Reviews/Drug Discovery 1巻:101頁;Kirkinら、2004年、Biochimica Biophysica Acta 1644巻:229−249頁;およびAmundsonら、2000年、Cancer Research 60巻:6101−6110頁を参照されたい。この調節解除の影響は、それがなかったなら正常状態においてアポトーシスを受けたはずの変質細胞が生存してしまうことである。調節不全の増殖に伴うこれらの欠陥の繰り返しが、がんの発生の開始点であると考えられている。

0005

これらの、および多数の他の知見は、がんを標的とするための薬物発見における新規戦略出現を可能にした。低分子が細胞に侵入し、抗アポトーシスタンパク質の過剰発現に打ち勝つことができれば、アポトーシス過程解除することが可能になると思われる。この戦略は、これが、通常、アポトーシスによる調節解除(異常な生存)の結果である薬物抵抗性の問題を緩和することができるという利点を有することができる。

0006

研究者らは、血小板も、内因性アポトーシス経路によってプログラム細胞死を実行するために必要なアポトーシス機構(例えば、Bax、Bak、Bcl−xL、Bcl−2、シトクロムc、カスパーゼ−9、カスパーゼ−3およびAPAF−1)を含むことも実証した。血小板産生物の血液循環は、正常な生理学的過程であるが、いくつかの疾患は、血小板の過剰、もしくは血小板の望ましくない活性化によって引き起こされる、または悪化する。上記のことは、哺乳動物における、血小板中の抗アポトーシスタンパク質を阻害すること、および血小板の数を低下させることができる治療剤は、血小板の過剰、もしくは血小板の望ましくない活性化を特徴とする、血栓形成状態および疾患を処置するのに有用となり得ることを示唆する。

0007

多数のBcl−xL阻害剤が、調節不全のアポトーシス経路を伴う疾患(例えば、がん)の処置のために開発されてきた。しかし、Bcl−xL阻害剤は、標的細胞(例えば、がん細胞)以外の細胞に作用する恐れがある。例えば、前臨床研究は、Bcl−xLの薬理学不活性化は、血小板の半減期を低下させて、血小板減少症を引き起こすことを示した(Masonら、2007年、Cell 128巻:1173−1186頁を参照されたい。)。

先行技術

0008

DanialおよびKorsmeyer、2004年、Cell 116巻:205−219頁
Zhang、2002年、Nature Reviews/Drug Discovery 1巻:101頁;
Kirkinら、2004年、Biochimica Biophysica Acta 1644巻:229−249頁
Amundsonら、2000年、Cancer Research 60巻:6101−6110頁
Masonら、2007年、Cell 128巻:1173−1186頁

発明が解決しようとする課題

0009

アポトーシスを調節する際にBcl−xLが重要であることを考慮すると、Bcl−xLのような抗アポトーシス性Bcl−2ファミリータンパク質の発現または過剰発現によりアポトーシスが調節不全となっている疾患の処置に対する手法として、Bcl−xL活性を選択的または非選択的のどちらか一方により阻害する薬剤が当分野において依然として必要とされている。したがって、用量が制限される毒性を軽減した新規Bcl−xL阻害剤が必要とされている。

0010

さらに、毒性を制限する、Bcl−xL阻害剤を送達する新規方法が必要とされている。Bcl−xL阻害剤について、探索されていない、細胞に薬物を送達する可能性のある手段の1つは、抗体薬物コンジュゲート(ADC)の使用による送達である。ADCは、リンカーによって細胞毒性薬物モノクローナル抗体化学的に連結することにより形成される。ADCのモノクローナル抗体は、細胞(例えば、がん細胞)の標的抗原に選択的に結合して、該薬物を細胞に放出する。ADCは抗体の特異性と薬物の潜在的な毒性とを合わせ持つので、ADCは治療可能性を有する。それにもかかわらず、治療剤としてADCを開発することは、不都合な毒性プロファイル、低い有効性および不十分な薬理学的パラメータのような様々な因子のために、これまで限定的にしか成功していない。したがって、これらの問題を克服して、がん細胞を標的とするよう、Bcl−xLを選択的に送達することができる新規ADCの開発は、重要な発見になると思われる。

課題を解決するための手段

0011

Bcl−xLの阻害、およびこの結果として起こるアポトーシスの誘導が有益と思われる場合、Bcl−xLの低分子阻害剤は、細胞表面に発現される抗原に結合する抗体薬物コンジュゲート(ADC;イムノコンジュゲートとも呼ばれる。)の形態で投与されると効果的であることが、今や発見された。この発見は、所望の治療的利益を実現するために必要な血清レベルを潜在的に低下させる、ならびに/または低分子Bcl−xL阻害剤それ自体の全身的投与に伴う潜在的な副作用を回避および/もしくは改善する、対象とする特定の細胞および/または組織への、Bcl−xL阻害剤による治療を目標とすることを初めて可能にするものである。

0012

したがって、一態様において、本開示は、とりわけ、調節不全のアポトーシス経路を伴う疾患の処置に対する治療的手法として、抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質を阻害するのに有用な、Bcl−xLの阻害剤を含むADCを提供する。ADCは、一般に、リンカーによって、対象とする標的細胞に発現される抗原に特異的に結合する抗体に連結されている、Bcl−xLの低分子阻害剤を含む。

0013

ADCの抗体は、対象とする標的細胞の表面上で発現される抗原に結合する任意の抗体とすることができるが、通常、必ずしも特異的ではない任意の抗原とすることができる。対象とする標的細胞は、例として非限定的に、Bcl−xLを発現または過剰発現する腫瘍細胞を含めた、抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質の阻害によるアポトーシスの誘導が望ましい細胞を一般に含む。標的抗原は、対象とする標的細胞に発現される、任意のタンパク質であってもよいが、通常、正常細胞もしくは健全細胞と比べて、正常細胞もしくは健全細胞ではなく標的細胞において独自に発現される、または標的細胞において過剰発現されるかのどちらかである、タンパク質であり、したがって、ADCは、例えば、腫瘍細胞のような、対象とする特定の細胞を選択的に標的とする。当分野において周知の通り、結合しているADCを内部移行させる、細胞表面のある種の抗原に結合しているADCは、ある種の利点を有する。したがって、一部の実施形態において、抗体によって標的とされる抗原は、これに結合しているADCを内部以降させる能力を有する抗原である。しかし、ADCによって標的とされる抗原は、結合しているADCを内部移行させるものである必要はない。標的細胞または組織の外部において放出されるBcl−xL阻害剤は、受動拡散または他の機構により細胞に侵入してBcl−xLを阻害することができる。

0014

業者によって認識される通り、選択される特異抗原、したがって抗体は、対象とする所望の標的細胞がいかなるものであるかに依存する。ある種の特定の治療の実施形態において、ADCの抗体に対する標的抗原は、公知の正常細胞または健全細胞には発現しない、または生存のためにBcl−xLに少なくとも一部が関係していることが疑われている抗原である。他のある種の具体的な治療の実施形態において、ADCの抗体は、ヒトへの投与に適した抗体である。

0015

治療的標的として有用な大多数の細胞特異抗原、およびこれらの抗原に結合する抗体は、当分野において公知であり、同様に公知の細胞特異抗原または後に発見される細胞特異抗原を標的とするのに好適なさらなる抗体を取得するための技法となる。これらの様々な異なる抗体のうちのいずれも、本明細書に記載されているADCに含まれ得る。

0016

Bcl−xL阻害剤をADCの抗体に連結するリンカーは、長くても、短くても、フレキシブルでも、剛直でも、親水的もしくは疎水性性質であってもよく、またはフレキシブルなセグメント、剛直なセグメントなどのような異なる特徴を有するセグメントを含んでもよい。これらのリンカーは、細胞外環境に対して化学的に安定であってもよい、例えば、血流中において化学的に安定であってもよく、または細胞外ミリュー(millieu)において安定でなく、Bcl−xL阻害剤を放出する連結基を含んでもよい。一部の実施形態において、リンカーは、細胞へのADCの内部移行時に、Bcl−xL阻害剤を放出するよう設計されている連結基を含む。一部の具体的な実施形態において、リンカーは、細胞内部において、特異的にもしくは非特異的に、切断される、および/または破壊される、またはそうでない場合、分解するよう設計されている連結基を含む。ADCの文脈において、薬物を抗体に連結するのに有用な幅広いリンカーが、当分野において公知である。これらのリンカーのいずれも、および他のリンカーが、Bcl−xL阻害剤を本明細書に記載されているADCの抗体に連結するために使用され得る。

0017

ADCの抗体に連結されているBcl−xL阻害剤の数は、様々となり得(「薬物対抗体比」または「DAR」と呼ばれる。)、抗体上の利用可能な結合部位の数および単一リンカーに連結される阻害剤の数によってしか制限されない。通常、リンカーは、単一のBcl−xL阻害剤をADCの抗体に連結する。ADCが使用および/または保管条件下において許容できないレベル凝集を示さない限り、DARが20、またはそれより高いことさえあるADCが企図される。一部の実施形態において、本明細書に記載されているADCは、約1−10、1−8、1−6または1−4の範囲のDARを有することができる。ある種の具体的な実施形態において、ADCは、2、3または4のDARを有することができる。一部の実施形態において、Bcl−xL阻害剤、リンカーおよびDARの組合せは、得られたADCが、使用および/または保管条件下において、過度に凝集することがないように選択される。

0018

本明細書に記載されているADCを含むBcl−xL阻害剤は、一般に、以下の構造式(IIa)による化合物、および/または医薬として許容されるこの塩であり、様々な置換基Ar、Z1、Z2、R1、R2、R4、R10a、R10b、R10c、R11a、R11bおよびnは、発明を実施するための形態に定義されている通りである:

0019

0020

式(IIa)において、#は、リンカーへの結合点を表す。ADCの一部でない阻害剤において、#は、水素原子を表す。

0021

一部の実施形態において、本明細書に記載されているADCは、一般に、構造式(I)による化合物:

0022

(式中、Abは抗体を表し、Dは薬物(ここでは、Bcl−xL阻害剤)を表し、Lは薬物Dを抗体Abに連結させるリンカーを表し、LKは、リンカーL上の官能基と抗体Ab上の相補的な官能基との間に形成される連結基を表し、mは、抗体に連結されているリンカー−薬物の単位数を表す。)である。

0023

ある種の具体的な実施形態において、ADCは、以下の構造式(Ia)による化合物であり、様々な置換基Ar、Z1、Z2、R1、R2、R4、R10a、R10b、R10c、R11a、R11bおよびnは、それぞれ、式(IIa)に関して既に定義されている通りであり、AbおよびLは、構造式(I)に関して定義されている通りであり、mは1から20の範囲の整数であり、一部の実施形態において、2から8の範囲の整数であり、一部の実施形態において、1から8の範囲の整数であり、一部の実施形態において、2、3または4の整数である:

0024

0025

別の態様において、本開示は、本明細書に記載されているADCを合成するために有用な中間シントン、およびADCを合成するための方法を提供する。中間シントンは、一般に、このシントンを抗体に連結することが可能な官能基を含む、リンカー部分に連結されているBcl−xL阻害剤を含む。これらのシントンは、一般に、以下の構造式(III)による化合物、またはこの塩であり、Dは、既に本明細書に記載されているBcl−xL阻害剤であり、Lは、既に記載されているリンカーであり、Rxは、シントンを抗体上の相補的な官能基にコンジュゲートすることが可能な官能基を含む:

0026

0027

ある種の具体的な実施形態において、中間シントンは、以下の構造式(IIIa)による化合物、またはこれらの塩であり、様々な置換基Ar、Z1、Z2、R1、R2、R4、R10a、R10b、R10c、R11a、R11bおよびnは、構造式(IIa)に関して既に定義されている通りであり、Rxは、上記の官能基を含む:

0028

0029

ADCを合成するために、構造式(III)もしくは(IIIa)による中間シントン、またはこれらの塩は、官能基Rxが、抗体上の相補的な官能基と反応して、共有結合性連結基を形成する条件下において、対象とする抗体と接触される。どの基Rxを用いるかは、所望のカップリング化学、およびシントンが結合される抗体上の相補的な基に依存する。分子を抗体にコンジュゲートするのに適した様々な基が、当分野において公知である。これらの基のいずれも、Rxに好適となり得る。非限定的な例示的な官能基(Rx)は、NHS−エステルマレイミドハロアセチルイソチオシアネートビニルスルホンおよびビニルスルホンアミドを含む。

0030

別の態様において、本開示は、本明細書に記載されているADCを含む組成物を提供する。本組成物は、一般に、本明細書に記載されている、1つ以上のADC、および/またはこれらの塩、ならびに1つ以上の賦形剤担体もしくは希釈剤を含む。本組成物は、医薬としての使用のため、または他の使用のために製剤化され得る。特定の実施形態において、本組成物は、医薬として使用するために製剤化され、構造式(Ia)によるADC、または医薬として許容されるこれらの塩、および医薬として許容される1つ以上の賦形剤、担体もしくは希釈剤を含む。

0031

医薬として使用するために製剤化された組成物は、多回投与に好適なバルク形態包装されてもよく、または、単回投与に好適な、単位用量の形態で包装されてもよい。バルクでまたは単位用量の形態で包装されるかに関わらず、本組成物は、凍結乾燥物のような乾燥組成物または液状組成物であってもよい。単位投与量の液状組成物は、単回投与に好適な量のADCが予め充填されているシリンジの形態で好都合に包装され得る。

0032

さらに別の態様において、本開示は、抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質を阻害する方法を提供する。本方法は、抗体が標的細胞の抗原に結合する条件下において、本明細書に記載されているADC、例えば、構造式(Ia)によるADCを、Bcl−xL、およびADCの抗体に対する抗原を発現するまたは過剰発現する標的細胞に接触させるステップを一般に含む。抗原に応じて、ADCは、標的細胞に内部移行することができるようになる。本方法は、Bcl−xL活性を阻害する細胞アッセイにおいてインビトロで、またはBcl−xL活性の阻害が望ましい疾患の処置に対する治療的手法として、インビボで実施することができる。

0033

さらに別の態様において、本開示は、細胞におけるアポトーシスを誘導する方法を提供する。本方法は、抗体が標的細胞の抗原に結合する条件下において、本明細書に記載されているADC、例えば、構造式(Ia)によるADCを、Bcl−xL、およびADCの抗体に対する抗原を発現するまたは過剰発現する標的細胞に接触させるステップを一般に含む。抗原に応じて、ADCは、標的細胞に内部移行することができるようになる。本方法は、アポトーシスを誘導する細胞アッセイにおいてインビトロで実施することができ、または特定の細胞におけるアポトーシスの誘導が有益と思われる、疾患の処置に対する治療的手法として、インビボで実施することができる。一実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、腫瘍細胞に発現する細胞表面受容体または腫瘍関連抗原に結合する。別の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、EGFR、EpCAMおよびNCAM1から選択される細胞表面受容体または腫瘍関連抗原の1つに結合する。別の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、EGFR、EpCAMまたはNCAM1に結合する。別の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、EpCAMまたはNCAM1に結合する。別の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、EpCAMに結合する。別の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、NCAM1に結合する。別の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、EGFRに結合する。

0034

さらに別の態様において、本開示は、Bcl−xLの阻害および/またはアポトーシスの誘導が望ましいと思われる疾患を処置する方法を提供する。本発明を実施するための形態において一層完全に議論される通り、幅広い疾患が、調節不全のアポトーシスを抑制することによって少なくとも一部、抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質の発現および/または過剰発現によって少なくとも一部、媒介される。これらの疾患のいずれも、本明細書に記載されているADCにより処置または改善され得る。

0035

本方法は、一般に、Bcl−xLの発現または過剰発現によって少なくとも一部、媒介される疾患に罹患している対象に、治療的利益をもたらすのに有効な量のADCを投与するステップを含む。投与されるADCの抗体としていかなるものを用いるかは、処置される疾患に依存する。本明細書に記載されているADCを用いて実現される治療的利益は、処理されている疾患にも依存する。ある例において、ADCは、単剤療法として投与された場合に、特定の疾患を処置または改善することができる。他の例において、ADCは、ADCと一緒になって、疾患を処置または改善する他の薬剤を含めた、総合的な処置レジメンの一部となり得る。

0036

例えば、Bcl−xLの発現レベルの向上は、がんにおける化学療法および放射線療法に対する抵抗性に関連している(Dattaら、1995年、Cell Growth Differ 6巻:363−370頁;Amundsonら、2000年、Cancer Res 60巻:6101−6110頁;Hauraら、2004年、Clin Lung Cancer 6巻:113−122頁)。がんを処置する文脈において、本明細書において開示されているデータは、ADCが単剤療法として有効となり得ること、または他の標的化されたもしくは標的化されていない化学治療剤および/または放射線療法への補助として、またはこれらと共に投与されると有効となり得る。操作のいかなる理論によっても拘されることを意図するものではないが、標的化されたまたは標的化されていない化学療法および/または放射療法に対して抵抗性となった腫瘍において、本明細書に記載されているADCによるBcl−xL活性の阻害は、該腫瘍を「感作し」、こうして、これらの腫瘍は、再び、化学治療剤および/または放射線処置に対して感受性となる。

0037

したがって、がんを処置する文脈において、「治療的利益」は、化学的治療レジメンおよび/もしくは放射線治療レジメンをまだ開始していない患者、または化学的治療レジメンおよび/もしくは放射線治療レジメンに対して抵抗性を示した(または、抵抗性が疑われる、もしくは抵抗性となっている。)患者のどちらかにおいて、化学的療法および/または放射線療法に対して腫瘍を感作する手段として、標的化されたもしくは標的化されていない化学治療剤および/または放射線療法への補助として、またはこれらと共に、本明細書に記載されているADCを投与するステップを含む。一実施形態は、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に対して腫瘍を感作する方法であって、この腫瘍に結合することが可能な本明細書に記載されているADCを、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に腫瘍細胞を感作するのに有効な量で腫瘍に接触させるステップを含む方法に関する。別の実施形態は、標準的な細胞毒性剤および/または放射線を用いる処置に抵抗性となった腫瘍を、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に対して感作する方法であって、この腫瘍に結合することが可能な本明細書に記載されているADCを、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に腫瘍細胞を感作するのに有効な量で腫瘍に接触させるステップを含む方法に関する。別の実施形態は、標準的な細胞毒性剤および/または放射線療法にこれまで曝露されてこなかった腫瘍を、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に対して感作する方法であって、この腫瘍に結合することが可能な本明細書に記載されているADCを、標準的な細胞毒性剤および/または放射線に腫瘍細胞を感作するのに有効な量で腫瘍に接触させるステップを含む方法に関する。

図面の簡単な説明

0038

EGFRを標的とするBcl−xL阻害性ADCを単剤として、またはドセタキセル(DTX)と組み合わせて処置した後の、H1650異種移植片腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xL阻害性ADCを単剤として、またはドセタキセル(DTX)と組み合わせて処置した後の、H1650異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCによる処置後の、H1650異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCよる処置後の、H1650異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCによる処置後の、H1650異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCを単剤として用いて、またはドセタキセル(DTX)と組み合わせて処置した後の、EBC−1異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCを単剤として用いて、またはドセタキセル(DTX)と組み合わせて処置した後の、EBC−1異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCを単剤として用いて、またはドセタキセル(DTX)と組み合わせて処置した後の、EBC−1異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
EGFRを標的とするBcl−xLi ADCを単剤として用いて、またはドセタキセル(DTX)と組み合わせて処置した後の、EBC−1異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
α−NCAM1を標的とするBcl−xLi ADCを単剤として、または選択的Bcl−2で阻害剤であるABT−199と組み合わせて投与して処置した後の、H146異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
α−NCAM1を標的とするBcl−xLi ADCを単剤として、または選択的Bcl−2で阻害剤であるABT−199と組み合わせて投与して処置した後の、H1963.FP5異種移植片の腫瘍成長の阻害を図示しているグラフである。
循環血小板の数に及ぼす、細胞透過性Bcl−xL阻害剤によるBcl−xl ADCの影響を図示しているグラフである。

0039

本開示は、ADC、該ADCの合成に有用なシントン、該ADCを含む組成物、およびADCを使用する様々な方法に関する。

0040

当業者により認識される通り、本明細書において開示されているADCは、「モジュラー(modular)」の性質がある。本開示の全体にわたり、ADCを含む様々な「モジュール」、およびADCを合成するのに有用なシントンの様々な具体的な実施形態が記載されている。特定の非限定例として、ADCおよびシントンを含むことができる抗体、リンカーおよびBcl−xL阻害剤の具体的な実施形態が記載されている。記載されている具体的な実施形態のすべてが、あたかも特定の組合せのそれぞれが、個々に明示的に記載されているかのごとく、互いに組み合わされていてもよいことが意図されている。

0041

本明細書に記載されている、様々なBcl−xL阻害剤、ADCおよび/またはADCシントンは、塩の形態であってもよく、ある種の実施形態において、特に、医薬として許容される塩の形態であってもよいことが当業者によってやはり理解される。十分に酸性な官能基、十分に塩基性な官能基、またはこれらの両方の官能基を有する本開示の化合物は、いくつかの無機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応して、塩を形成することができる。代替として、四級窒素を有するもののような本来、帯電している化合物は、適切な対イオン、例えば、臭化物イオン塩化物イオンまたはフッ素イオンのようなハロゲン化物イオンと塩を形成することができる。

0042

酸付加塩を形成するために一般に使用される酸は、塩酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硫酸リン酸などのような無機酸、およびp−トルエンスルホン酸メタンスルホン酸シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸炭酸コハク酸クエン酸などのような有機酸である。塩基付加塩は、アンモニウム、およびアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物炭酸塩重炭酸塩などのような無機塩基に由来するものを含む。

0043

以下の開示において、構造図と名称の両方が含まれている場合、および名称が構造図と矛盾する場合、構造図が優先する。

0044

5.1. 定義
本明細書において特に定義されていない場合、本開示に関連して使用されている科学的および技術的用語は、当業者によって一般に理解されている意味を有するものとする。

0045

様々な化学的な置換基が、以下に定義されている。一部の例において、置換基(例えば、アルキルアルカニルアルケニルアルキニルシクロアルキルヘテロシクリルヘテロアリールおよびアリール)中の炭素原子数は、接頭語の「Cx−Cy」によって示され、xは炭素原子最小数であり、yは炭素原子の最大数である。したがって、例えば、「C1−C6アルキル」とは、1個から6個の炭素原子を含有するアルキルを指す。さらに「C3−C8シクロアルキル」の例示は、3から8個の炭素環原子を含有する飽和ヒドロカルビル環を意味する。置換基が「置換されている」として記載されている場合、炭素または窒素上の水素原子が、非水素基により置きかえられている。例えば、置換アルキル置換基は、アルキル上の少なくとも1個の水素原子が非水素基により置きかえられるアルキル置換基である。例示するために、モノフルオロアルキルは、フルオロ基により置換されているアルキルであり、ジフルオロアルキルは、2個のフルオロ基により置換されているアルキルである。1つの置換基上に2つ以上の置換が存在する場合、各置換は、同一であってもよく、または異なっていてもよい(特に明記されていない限り)ことを認識すべきである。置換基が「置換されていてもよい」と記載されている場合、この置換基は、(1)非置換である、または(2)置換されているかのどちらかとすることができる。可能な置換基は、以下に限定されないが、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、C1−C6ハロアルキルオキソ、−CN、NO2、−ORxa、−OC(O)Rz、−OC(O)N(Rxa)2、−SRxa、−S(O)2Rxa、−S(O)2N(Rxa)2、−C(O)Rxa、−C(O)ORxa、−C(O)N(Rxa)2、−C(O)N(Rxa)S(O)2Rz、−N(Rxa)2、−N(Rxa)C(O)Rz、−N(Rxa)S(O)2Rz、−N(Rxa)C(O)O(Rz)、−N(Rxa)C(O)N(Rxa)2、−N(Rxa)S(O)2N(Rxa)2、−(C1−C6アルキレニル)−CN、−(C1−C6アルキレニル)−ORxa、−(C1−C6アルキレニル)−OC(O)Rz、−(C1−C6アルキレニル)−OC(O)N(Rxa)2、−(C1−C6アルキレニル)−SRxa、−(C1−C6アルキレニル)−S(O)2Rxa、−(C1−C6アルキレニル)−S(O)2N(Rxa)2、−(C1−C6アルキレニル)−C(O)Rxa、−(C1−C6アルキレニル)−C(O)ORxa、−(C1−C6アルキレニル)−C(O)N(Rxa)2、−(C1−C6アルキレニル)−C(O)N(Rxa)S(O)2Rz、−(C1−C6アルキレニル)−N(Rxa)2、−(C1−C6アルキレニル)−N(Rxa)C(O)Rz、−(C1−C6アルキレニル)−N(Rxa)S(O)2Rz、−(C1−C6アルキレニル)−N(Rxa)C(O)O(Rz)、−(C1−C6アルキレニル)−N(Rxa)C(O)N(Rxa)2、または−(C1−C6アルキレニル)−N(Rxa)S(O)2N(Rxa)2を含み、Rxaは、出現毎に独立して、水素、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1−C6アルキルまたはC1−C6ハロアルキルであり、Rzは、出現毎に独立して、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1−C6アルキルまたはC1−C6ハロアルキルである。

0046

一部の実施形態において、様々なADC、シントン、ならびにADCおよび/またはシントンを含むBcl−xL阻害剤は、以下の置換基、例えば、置換基Ar、Z1、Z2、R1、R2、R4、R10a、R10b、R10c、R11a、R11b、L、Rx、Fx、LK、Ab、nおよび/またはmを含めた、構造式を参照することにより、本明細書において記載されている。置換基を含む様々な基は、価数および安定性許す通り、組み合わされ得ることを理解すべきである。本開示によって想定される置換基および変数の組合せは、安定化合物の形成をもたらすものに過ぎない。本明細書において使用する場合、用語「安定な」とは、製造を可能にするほど十分な安定性を有する化合物であって、本明細書において詳述されている目的に有用となるのに十分な時間、化合物の完全性を維持する化合物を指す。

0047

本明細書において使用する場合、以下の用語は、以下の意味を有するよう意図されている。

0048

用語「アルコキシ」とは、式−ORaの基を指し、Raはアルキル基である。代表的なアルコキシ基は、メトキシエトキシプロポキシ、tert−ブトキシなどを含む。

0049

用語「アルコキシアルキル」は、アルコキシ基により置換されているアルキル基を指し、一般式−RbORaにより表されることができ、Rbは、アルキレン基であり、Raはアルキル基である。

0050

用語「アルキル」は単独で、または別の置換基の一部として、親となるアルカンアルケンまたはアルキンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、飽和または不飽和の分岐状、直鎖状または環式一価炭化水素基を指す。典型的なアルキル基は、以下に限定されないが、メチルエタニルエテニルエチニルのようなエチル類、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル,シクロプロパ−1−エン−1−イル;シクロプロパ−2−エン−1−イル、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イルなどのようなプロピル類、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イルなどのようなブチル類を含む。飽和の特定のレベルが意図される場合、名称の「アルカニル」、「アルケニル」および/または「アルキニル」は、以下に定義されている通り使用される。用語「低級アルキル」は、1個から6個の炭素を有するアルキル基を指す。

0051

用語「アルカニル」は単独で、または別の置換基の一部として、親となるアルカンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、飽和の分岐状、直鎖状または環式アルキルを指す。典型的なアルカニル基は、以下に限定されないが、メチル;エタニル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イルなどのようなプロパニル類;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチルプロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなどのようなブタニル類などを含む。

0052

用語「アルケニル」は単独で、または別の置換基の一部として、親となるアルケンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、不飽和の分岐状、直鎖状または環式アルキルを指す。典型的なアルケニル基は、以下に限定されないが、エテニル;プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル、プロパ−2−エン−2−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イル、シクロプロパ−2−エン−1−イルのようなプロペニル類;ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イルなどのようなブテニル類などを含む。

0053

用語「アルキニル」は単独で、または別の置換基の一部として、親となるアルキンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、不飽和の分岐状、直鎖状または環式アルキルを指す。典型的なアルキニル基は、以下に限定されないが、エチニル;プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イルなどのようなプロピニル類;ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イルなどのようなブチニル類などを含む。

0054

用語「アルキルアミン」とは、式−NHRaの基を指し、「ジアルキルアミン」は、式−NRaRaの基を指し、Raはそれぞれ、互いに独立して、アルキル基である。

0055

用語「アルキレン」とは、2個の末端炭素原子のそれぞれから1個の水素原子を除去することにより誘導される、末端一価ラジカル中心を2個、有するアルカン基、アルケン基またはアルキン基を指す。典型的なアルキレン基は、以下に限定されないが、メチレン、および飽和または不飽和エチレンプロピレンブチレンなどを含む。用語「低級アルキレン」は、1個から6個の炭素を有するアルキレン基を指す。

0056

用語「アリール」は、6個から14個の炭素環原子を含有する芳香族カルボシクリルを意味する。アリールは、単環式または多環式とすることができる(すなわち、2つ以上の環を含有してもよい。)。多環式芳香族環の場合、多環式系の1つの環だけが、芳香族であることを必要とする一方、残りの環は、飽和であってもよく、部分飽和であってもよく、または不飽和であってもよい。アリールの例は、フェニルナフタレニルインデニル、インダニルおよびテトラヒドロナフチルを含む。

0057

接頭語「ハロ」は、接頭語を含む置換基が、1個以上の独立して選択されるハロゲン基により置換されていることを示す。例えば、ハロアルキルは、少なくとも1個の水素基がハロゲン基により置きかえられているアルキル置換基を意味する。典型的なハロゲン基は、クロロ、フルオロブロモおよびヨードを含む。ハロアルキルの例は、クロロメチル、1−ブロモエチルフルオロメチルジフルオロメチルトリフルオロメチルおよび1,1,1−トリフルオロエチルを含む。置換基が、2個以上のハロゲン基により置換されている場合、これらのハロゲン基は、同一であってもよく、または異なっていてもよい(特に明記されていない限り)ことを認識すべきである。

0058

用語「ハロアルコキシ」とは、式−ORcの基を指し、Rcはハロアルキルである。

0059

用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルカニル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」および「ヘテロアルキレン」は、それぞれ、アルキル基、アルカニル基、アルケニル基、アルキニル基およびアルキレン基を指し、1個以上の炭素原子、例えば、1個、2個または3個の炭素原子が、それぞれ独立して、同一もしくは異なるヘテロ原子(heterotom)またはヘテロ原子群により置きかえられている。炭素原子を置きかえることができる典型的なヘテロ原子および/またはヘテロ原子群は、以下に限定されないが、O、S、SO、NRc、PH、S(O)、S(O)2、S(O)NRc、S(O)2NRcなど(これらの組合せを含む。)を含み、Rcはそれぞれ独立して、水素またはC1−C6アルキルである。

0060

用語「シクロアルキル」および「ヘテロシクリル」とは、それぞれ、「アルキル」基および「ヘテロアルキル」基の環式型を指す。ヘテロシクリル基の場合、ヘテロ原子は、分子の残りに結合している位置を占有することができる。シクロアルキル環またはヘテロシクリル環は、単一環(単環式)であってもよく、または2つ以上の環(二環式または多環式)を有していてもよい。

0061

単環式シクロアルキル基およびヘテロシクリル基は、典型的に、3個から7個の環原子、より典型的に3個から6個の環原子、さらにより典型的に、5個から6個の環原子を含有する。シクロアルキル基の例は、以下に限定されないが、シクロプロピル;シクロブタニルおよびシクロブテニルのようなシクロブチル類;シクロペンタニルおよびシクロペンテニルのようなシクロペンチル類;シクロヘキサニルおよびシクロヘキセニルのようなシクロヘキシル類などを含む。単環式ヘテロシクリルの例は、以下に限定されないが、オキセタンフラニルジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルチオフェニル(チオフラニル)、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニルイミダゾリルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリルピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリルテトラゾリルオキサゾリルオキサゾリジニルイソオキサゾリジニル、イソオキサゾリルチアゾリルイソチアゾリルチアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チオジアゾリルオキサジアゾリル(1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル(フラザニル)または1,3,4−オキサジアゾリルを含む。)、オキサトリアゾリル(1,2,3,4−オキサトリアゾリルまたは1,2,3,5−オキサトリアゾリルを含む。)、ジオキサゾリル(1,2,3−ジオキサゾリル、1,2,4−ジオキサゾリル、1,3,2−ジオキサゾリルまたは1,3,4−ジオキサゾリルを含む。)、1,4−ジオキサニルジオキソチオモルホリニル、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサチオラニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピリジニルアジニル)、ピペリジニルジアジニルピリダジニル(1,2−ジアジニル)、ピリミジニル(1,3−ジアジニル)またはピラジニル(1,4−ジアジニル)を含む。)、ピペラジニルトリアジニル(1,3,5−トリアジニル、1,2,4−トリアジニルおよび1,2,3−トリアジニルを含む。)、オキサジニル(1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニルまたは1,4−オキサジニルを含む。)、オキサチアジニル(1,2,3−オキサチアジニル、1,2,4−オキサチアジニル、1,2,5−オキサチアジニルまたは1,2,6−オキサチアジニルを含む。)、オキサジアジニル(1,2,3−オキサジアジニル、1,2,4−オキサジアジニル、1,4,2−オキサジアジニルまたは1,3,5−オキサジアジニルを含む。)、モルホリニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、ジアゼピニル、ピリドニル(ピリド−2(1H)−オニルおよびピリド−4(1H)−オニルを含む。)、フラン−2(5H)−オニル、ピリミドニル(ピラミド−2(1H)−オニルおよびピラミド−4(3H)−オニルを含む。)、オキサゾール−2(3H)−オニル、1H−イミダゾール−2(3H)−オニル、ピリダジン−3(2H)−オニルおよびピラジン−2(1H)−オニルを含む。

0062

多環式シクロアルキル基およびヘテロシクリル基は2環以上の環を含有し、二環式シクロアルキル基およびヘテロシクリル基は2つの環を含有している。これらの環は、架橋配向していてもよく、縮合配向していてもよく、またはスピロ配向していてもよい。多環式シクロアルキル基およびヘテロシクリル基は、架橋環、縮合環および/またはスピロ環の組合せを含んでもよい。スピロ環式シクロアルキルまたはヘテロシクリルにおいて、1個の原子は、2つの異なる環に共通している。スピロシクロアルキルの一例は、スピロ[4.5]デカンであり、スピロヘテロシクリルの一例は、スピロピラゾリンである。

0063

架橋シクロアルキルまたはヘテロシクリルにおいて、環は、少なくとも2個の共通する非隣接原子を共有する。架橋シクロアルキルの例は、以下に限定されないが、アダマンチルおよびノルボルナニル環を含む。架橋ヘテロシクリルの例は、以下に限定されないが、2−オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルを含む。

0064

縮合環のシクロアルキルまたはヘテロシクリルにおいて、2つ以上の環は、一緒に縮合し、この結果、2つの環が、1つの共通結合を共有する。縮合環のシクロアルキルの例は、デカリンナフチレンテトラリンおよびアントラセンを含む。2つまたは3つの環を含有する縮合環のヘテロシクリルの例は、イミダゾピラジニル(イミダゾ[1,2−a]ピラジニルを含む。)、イミダゾピリジニル(イミダゾ[1,2−a]ピリジニルを含む。)、イミダゾピリダジニル(イミダゾ[1,2−b]ピリダジニルを含む。)、チアゾロピリジニル(チアゾロ[5,4−c]ピリジニル、チアゾロ[5,4−b]ピリジニル、チアゾロ[4,5−b]ピリジニルおよびチアゾロ[4,5−c]ピリジニルを含む。)、インドリジニル、ピラノピロリル、4H−キノリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ピリドピリジニル(ピリド[3,4−b]−ピリジニル、ピリド[3,2−b]−ピリジニルまたはピリド[4,3−b]−ピリジニルを含む。)およびプテリジニルを含む。縮合環のヘテロシクリルの他の例は、ジヒドロクロメニルテトラヒドロイソキノリニルインドリル、イソインドリル(イソベンゾアゾリル、シュードイソインドリル)、インドレニニル(シュードインドリル)、イソインダゾリル(ベンゾピラゾリル)、ベンゾアジニル(キノリニル(1−ベンゾアジニル)またはイソキノリニル(2−ベンゾアジニル)を含む。)、フタラジニル、キノキサリニルキナゾリニル、ベンゾジアジニル(シンノリニル(1,2−ベンゾジアジニル)またはキナゾリニル(1,3−ベンゾジアジニル)を含む。)、ベンゾピラニル(クロマニルまたはイソクロマニルを含む。)、ベンゾオキサジニル(1,3,2−ベンゾオキサジニル、1,4,2−ベンゾオキサジニル、2,3,1−ベンゾオキサジニルまたは3,1,4−ベンゾオキサジニルを含む。)、ベンゾ[d]チアゾリルおよびベンゾイソオキサジニル(1,2−ゼンゾイソオキサジニルまたは1,4−ベンゾイソオキサジニルを含む。)のようなベンゾ縮合ヘテロシクリルを含む。

0065

用語「ヘテロアリール」は、5個から14個の環原子を含有する芳香族ヘテロシクリルを指す。ヘテロアリールは、単環または2縮合環または3縮合環とすることができる。ヘテロアリールの例は、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル、ピリダジニルおよび1,3,5−、1,2,4−または1,2,3−トリアジニルのような6員環;トリアゾリル、ピロリル、イミダジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−または1,3,4−オキサジアゾリルおよびイソチアゾリルのような5員環の置換基;イミダゾピラジニル(イミダゾ[1,2−a]ピラジニルを含む。)、イミダゾピリジニル(イミダゾ[1,2−a]ピリジニルを含む。)、イミダゾピリダジニル(イミダゾ[1,2−b]ピリダジニルを含む。)、チアゾロピリジニル(チアゾロ[5,4−c]ピリジニル、チアゾロ[5,4−b]ピリジニル、チアゾロ[4,5−b]ピリジニルおよびチアゾロ[4,5−c]ピリジニルを含む。)、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチオフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニルおよびアントラニリルのような6/5員の縮合環置換基;およびベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニルおよびベンゾオキサジニルのような6/6員の縮合環を含む。ヘテロアリールはまた、ピリドニル(ピリド−2(1H)−オニルおよびピリド−4(1H)−オニルを含む。)、ピリミドニル(ピラミド−2(1H)−オニルおよびピラミド−4(3H)−オニルを含む。)、ピリダジン−3(2H)−オニルおよびピラジン−2(1H)−オニルのような、芳香族(4N+2個のパイ電子共鳴寄与体を有する複素環とすることもできる。

0066

用語「スルホネート」は、本明細書において使用する場合、スルホン酸の塩またはエステルを意味する。

0067

用語「スルホン酸メチル」は、本明細書において使用する場合、スルホン酸基メチルエステルを意味する。

0068

用語「カルボキシレート」は、本明細書において使用する場合、カルボン酸の塩またはエステルを意味する。

0069

リンカーの文脈において、用語「糖」は、本明細書で使用する場合、モノサッカライドクラスのO−グリコシドまたはN−グリコシド炭水化物誘導体を意味し、天然源に由来してもよく、または合成由来であってもよい。例えば「糖」は、以下に限定されないが、ベータグルクロン酸およびベータ−ガラクトースに由来するもののような誘導体を含む。適切な糖の置換は、以下に限定されないが、ヒドロキシルアミン、カルボン酸、エステルおよびエーテルを含む。

0070

用語「NHSエステル」は、カルボン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル誘導体を意味する。

0071

塩と言う用語は、「またはこの塩」の文脈において使用される場合、アルカリ金属塩を形成するよう、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するよう一般に使用される塩を含む。一般に、これらの塩は、通常、例えば、適切な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによる従来的な手段によって調製され得る。

0072

塩が患者に投与されることが意図される場合(例えば、インビトロの文脈における使用におけるものとは対照的に)、この塩は、好ましくは、医薬として許容される、および/または生理学的に適合される。用語「医薬として許容される」とは、本特許出願において、修飾される名詞が、医薬製品として、または医薬製品の一部としての使用に適していることを意味するよう、形容詞として使用されている。用語「医薬として許容される塩」は、アルカリ金属塩を形成するよう、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するよう一般に使用される塩を含む。一般に、これらの塩は、通常、例えば、適切な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによる従来的な手段によって調製され得る。
5.2 例示的な実施形態
課題を解決するための手段に明記されている通り、本開示の一態様は、リンカーによって抗体に連結されているBcl−xL阻害剤を含むADCに関する。具体的な実施形態において、ADCは、以下の構造式(I)による化合物またはこの塩であり、式中、Abは抗体を表し、DはBcl−xL阻害剤(薬物)を表し、Lはリンカーを表し、LKはリンカーLの反応性官能基と抗体Ab上の相補的な官能基との間に形成されている連結基を表し、mは、抗体に連結しているD−LーLK単位の数を表す:

0073

0074

本明細書に記載されているADCを含むことができる、様々なBcl−xL阻害剤(D)、リンカー(L)および抗体(Ab)、ならびにADCに連結されているBcl−xL阻害剤の数の具体的な実施形態は、以下により詳細に記載されている。
5.2.1 Bcl−xL阻害剤
ADCは、1種以上のBcl−xL阻害剤を含み、この阻害剤は、同一であってもよく、または異なっていてもよいが、通常、同一である。一部の実施形態において、ADCを含むBcl−xL阻害剤、およびある種の具体的な実施形態において、上記の構造式(I)のDは、構造式(IIa)による化合物:

0075

またはこの塩であり、式中、
Arは、

0076

から選択され、これらは、ハロ、シアノ、メチルおよびハロメチルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよく、
Z1は、N、CHおよびC−CNから選択され、
Z2は、NH、CH2、O、S、S(O)およびS(O2)から選択され、
R1は、メチル、クロロおよびシアノから選択され、
R2は、水素、メチル、クロロおよびシアノから選択され、
R4は、水素、C1−4アルカニル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキルまたはC1−4ヒドロキシアルキルであり、R4 C1−4アルカニル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4ハロアルキルおよびC1−4ヒドロキシアルキルは、OCH3、OCH2CH2OCH3およびOCH2CH2NHCH3から独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよく、
R10a、R10bおよびR10cは、それぞれ、水素、ハロ、C1−6アルカニル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルおよびC1−6ハロアルキルから相互に独立して選択され、
R11aおよびR11bはそれぞれ、水素、メチル、エチル、ハロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、ハロ、CNおよびSCH3から相互に独立して選択され、
nは、0、1、2または3であり、
#は、リンカーLへの結合点を表す。

0077

ある種の実施形態において、式(IIa)のArは、

0078

から選択され、ハロ、シアノ、メチルおよびハロメチルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。特定の実施形態において、Arは、

0079

である。

0080

ある種の実施形態において、式(IIa)のZ1はNである。

0081

ある種の実施形態において、式(IIa)のZ1はCHである。

0082

ある種の実施形態において、式(IIa)のZ2はOである。

0083

ある種の実施形態において、式(IIa)のR1は、メチルおよびクロロから選択される。

0084

ある種の実施形態において、式(IIa)のR2は、水素およびメチルから選択される。特定の実施形態において、R2は水素である。

0085

ある種の実施形態において、式(IIa)中のR1はメチルであり、R2は水素であり、Z1はNである。

0086

ある種の実施形態において、式(IIa)中のR10aはハロであり、R10bおよびR10cはそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R10aはフルオロである。

0087

ある種の実施形態において、式(IIa)中のR10bはハロであり、R10aおよびR10cはそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R10bはフルオロである。

0088

ある種の実施形態において、式(IIa)中のR10cはハロであり、R10aおよびR10bはそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R10cはフルオロである。

0089

ある種の実施形態において、式(IIa)中のR10a、R10bおよびR10cはそれぞれ水素である。

0090

ある種の実施形態において、式(IIa)のR11aおよびR11bは、同じである。特定の実施形態において、R11aおよびR11bはそれぞれ、メチルである。

0091

ある種の実施形態において、式(IIa)のnは、0または1である。

0092

本明細書に記載されているADCに含まれ得る例示的なBcl−xL阻害剤および/またはこの塩は、それぞれ、実施例1.1−1.8に記載されている、化合物W1.01−W1.08を含む。

0093

ADCを含むBcl−xL阻害剤は、ADCに含まれない場合、抗アポトーシスBcl−xLタンパク質に結合してこのタンパク質を阻害し、アポトーシスを誘導する。構造式(IIa)による特定のBcl−xL阻害剤(すなわち、構造式(IIa)による化合物または塩であり、この場合、#は水素原子を表す。)が、ADCに含まれない場合に、Bcl−xL活性に結合して、この活性を阻害する能力は、例えば、Taoら、2014年、ACS Med.Chem.Lett.、5巻:1088−1093頁において記載されているTR−FRET Bcl−xL結合アッセイを含めた、標準的な結合アッセイおよび活性アッセイにおいて確認され得る。Bcl−xL結合を確認するために使用され得る具体的なTR−FRET Bcl−xL結合アッセイは、以下の実施例4において提供されている。通常、本明細書に記載されているADC中の有用なBcl−xL阻害剤は、実施例4の結合アッセイが約10nM未満となるKiを示すが、かなり一層小さなKi、例えば、約1、0.1または0.01nM未満にさえなるKiを示すことがある。

0094

Bcl−xL阻害活性はまた、Taoら、2014年、ACS Med.Chem.Lett.、5巻:1088−1093頁に記載されているFL5.12細胞毒性アッセイおよびMolt−4細胞毒性アッセイのような、標準的な細胞をベースとする細胞毒性アッセイにおいて確認され得る。特定のBcl−xL阻害剤のBcl−xL阻害活性を確認するために使用され得る、特定のMolt−4細胞の細胞毒性アッセイは、以下の実施例5に提示されている。通常、本明細書に記載されているADCに有用なBcl−xL阻害剤は、実施例5のMolt−4細胞毒性アッセイにおいて、約500nM未満のEC50を示すが、かなりより小さなEC50、例えば約250、100、50、20、10または5nM未満にもなるEC50を示すことがある。

0095

構造式(IIa)によって定義されたBcl−xL阻害剤は、ADCに含まれない場合、細胞透過性であり、細胞に浸透することが予期されるが、細胞膜を自由に通過しない化合物のBcl−xL阻害活性は、透過化細胞を用いた細胞アッセイにおいて確認され得る。背景技術において議論されている通り、ミトコンドリア外膜透過化(MOMP)の過程は、Bcl−2ファミリータンパク質によって制御される。具体的には、MOMPは、アポトーシス促進性Bcl−2ファミリータンパク質であるBaxおよびBakによって促進され、これらのファミリータンパク質は、活性化されると、ミトコンドリア外膜において重合して細孔を形成し、シトクロムc(cyt c)の放出に至る。cyt cの放出は、アポトソームの製剤化の引き金となり、ひいてはカスパーゼの活性化、および細胞にプログラム細胞死をもたらす他の事象をもたらす(Goldsteinら、2005年、Cell Death and Differentiation、12巻:453−462頁を参照されたい。)。BaxおよびBakのオリゴマー化作用は、Bcl−2およびBcl−xLを含む、抗アポトーシス性Bcl−2ファミリーメンバーによって拮抗される。生存するためにBcl−xLに依存している細胞中のBcl−xL阻害剤は、Baxおよび/またはBak、MOMP、cyt cの放出、および下流の事象の活性化を引き起こし、これらによりアポトーシスがもたらされる。cyt c放出の過程は、細胞におけるシトクロムcのミトコンドリア画分およびサイトゾル画分の両方のウェスタンブロットにより評価され得、細胞におけるアポトーシスの代替測定として使用され得る。

0096

Bcl−xL阻害活性、およびこの後に起こる低細胞透過性を有する分子に対するcyt cの放出を検出する手段として、細胞は、ミトコンドリアの膜ではなく、形質膜において選択的な細孔形成を引き起すが、ミトコンドリア膜においては細孔形成を引き起こさない薬剤により処置され得る。具体的には、コレステロールリン脂質の比は、ミトコンドリア膜よりも形質膜においてはるかに高い。この結果、コレステロールに由来する洗剤であるジギトニン低濃度用いた短いインキュベートは、ミトコンドリア膜に著しく影響を及ぼすことなく、形質膜を選択的に透過化する。この薬剤は、コレステロールと不溶性複合体を形成して、この正常なリン脂質の結合部位からコレステロールを分離する。この作用は、ひいては、脂質二重層内に、約40−50Å幅の穴の形成をもたらす。形質膜が、一旦、透過化されると、アポトーシス細胞においてミトコンドリアからサイトゾルに放出されるシトクロムCを含めた、ジギトニンにより形成される穴を通過することが可能なサイトゾル構成成分が洗い流され得る(Campos、2006年、Cytometry A 69巻(6号):515−523頁)。

0097

通常、Bcl−xL阻害剤は、実施例5のMolt−4の細胞透過化cyt cアッセイにおいて、約10nM未満のEC50をもたらすが、これらの化合物は、例えば約5、1、または0.5nM未満にもなる、かなり一層小さなEC50を示すことがある。

0098

構造式(IIa)のBcl−xL阻害剤の多数が、他の抗アポトーシス性Bcl−2ファミリータンパク質よりも選択的または特異的にBcl−xLを阻害するが、Bcl−xLの選択的および/または特異的阻害は必要ではない。ADCを含むBcl−xL阻害剤はまた、Bcl−xLの阻害に加えて、例えばBcl−2のような、1種以上の他の抗アポトーシスBcl−2ファミリータンパク質を阻害し得る。一部の実施形態において、ADCを含むBcl−xL阻害剤は、Bcl−xLに対して選択的および/または特異的である。特異的または選択的とは、特定のBcl−xL阻害剤が、等価なアッセイ条件下において、Bcl−2よりも大きな程度にBcl−xLに結合する、またはこれを阻害することを意味する。具体的な実施形態において、ADCを含むBcl−xL阻害剤は、Bcl−xL結合アッセイにおいて、Bcl−2よりもBcl−xLに対して、10倍、100倍、またはこれより一層大きな範囲の特異性を示す。

0099

5.2.2リンカー
本明細書に記載されているADCにおいて、Bcl−xL阻害剤は、リンカーによって抗体に連結されている。Bcl−xL阻害剤をADCの抗体に連結するリンカーは、短くても、長くても、疎水性でも、親水性でも、フレキシブルでも、または剛直でもよく、または上記の特性の1つ以上をそれぞれ独立して有するセグメントからなることができ、したがって、このリンカーは、異なる特性を有するセグメントを含むことができる。リンカーは、多価であってもよく、この結果、このリンカーは、2つ以上のBcl−xL阻害剤を抗体の単一部位共有結合により連結し、またはリンカーは一価であってもよく、この結果、このリンカーは、1つのBcl−xL阻害剤を抗体の単一部位に共有結合により連結する。

0100

当業者によって理解される通り、リンカーは、1つの場所においてBcl−xL阻害剤への共有結合性連結基を、および別の場所において抗体への共有結合性連結を形成することによって、Bcl−xL阻害剤を抗体に連結する。この共有結合性連結基は、リンカー上の官能基と、阻害剤および抗体上の官能基との間の反応によって形成される。本明細書において使用する場合、「リンカー」という表現は、(i)リンカーをBcl−xL阻害剤に共有結合により連結することが可能な官能基、およびこのリンカーを抗体に共有結合により連結することが可能な官能基を含むリンカーの非コンジュゲート形態、(ii)リンカーを抗体に共有結合により連結することが可能な官能基を含み、Bcl−xL阻害剤に共有結合により連結している、またはこの反対となるリンカーの部分的なコンジュゲート形態、および(iii)Bcl−xL阻害剤と抗体の両方に共有結合により連結されているリンカーの完全なコンジュゲート形態を含むことが意図されている。本明細書に記載されている中間シントンおよびADCの、一部の具体的な実施形態において、リンカー上の官能基、およびリンカーと抗体との間に形成される共有結合性連結基を含む部分は、それぞれRxおよびLKとして具体的に例示される。一実施形態は、本明細書に記載されているシントンが抗体に共有結合により連結する条件下において、腫瘍細胞に発現する細胞表面受容体または腫瘍関連抗原に結合する抗体を該シントンに接触させるステップにより形成されるADCに関する。一実施形態は、本明細書に記載されているシントンが抗体に共有結合により連結する条件下において、該シントンに接触させることによる、ADCを作製する方法に関する。一実施形態は、Bcl−xLを発現する細胞におけるBcl−xL活性を阻害する方法であって、細胞に結合することが可能な、本明細書に記載されているADCが細胞に結合する条件下において、細胞をADCに接触させるステップを含む方法に関する。

0101

リンカーは、細胞外の条件に対して化学的に安定であることが好ましいが、必要ではなく、細胞内において、切断されるよう、破壊されるよう、および/またはそうでない場合、特異的に分解するよう設計され得る。代替として、細胞内において、特異的に切断されるまたは分解するよう設計されていないリンカーが使用されてもよい。ADCの文脈において、薬物を抗体に連結するのに有用な幅広いリンカーが、当分野において公知である。これらのリンカーのいずれも、および他のリンカーが、Bcl−xL阻害剤を本明細書に記載されているADCの抗体に連結するために使用され得る。多数のBcl−xL阻害剤を抗体に連結するために使用され得る例示的な多価リンカーが、例えば、これらの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,399,512号、米国出願公開第2010/0152725号、米国特許第8,524,214号、米国特許第8,349,308号、米国出願公開第2013/189218号、米国出願公開第2014/017265号、WO2014/093379、WO2014/093394、WO2014/093640に記載されている。例えば、Mersanaらによって開発されたFleximer(登録商標)リンカー技法は、良好な物理化学特性を有する、高いDARのADCを可能にする可能性を有する。以下に示されている通り、Fleximer(登録商標)リンカー技法は、エステル結合の配列により、薬物分子可溶性ポリアセタール主鎖に取り込ませることに基づくものである。この方法は、良好な物理化学特性を維持しながら、高負荷ADC(最大20のDAR)をもたらす。この方法は、以下のスキームに示されている通り、Bcl−xL阻害剤を用いて利用され得る。

0102

0103

上のスキーム中に図示されているFleximer(登録商標)リンカー技法を利用するため、脂肪族アルコールが存在し、またはBcl−xL阻害剤に導入されなければならない。次に、このアルコール部分アラニン部分にコンジュゲートされ、次に、このアラニン部分がFleximer(登録商標)リンカーに合成的に取り込まれる。ADCのリポソーム処理は、親アルコール含有薬物をインビトロにおいて放出する。

0104

デンドリマータイプのリンカーの追加例は、US2006/116422、US2005/271615;de Grootら、(2003年)Angew.Chem.Int.Ed.42巻:4490−4494頁;Amirら、(2003年)Angew.Chem.Int.Ed.42巻:4494−4499頁;Shamisら、(2004年)J.Am.Chem.Soc.126巻:1726−1731頁;Sunら、(2002年)Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 12巻:2213−2215頁;Sunら、(2003年) Bioorganic&Medicinal Chemistry 11巻:1761−1768頁;およびKingら、(2002年)Tetrahedron Letters 43巻:1987−1990頁に見いだされ得る。

0105

使用され得る例示的な一価リンカーは、例えば、それぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、Nolting、2013年、Antibody−Drug Conjugates、Methodsin Molecular Biology 1045巻:71−100頁;Kitsonら、2013年、CROs/CMOs−Chemica Oggi−Chemistry Today 31巻(4号):30−36頁;Ducryら、2010年、Bioconjugate Chem.21巻:5−13頁;Zhaoら、2011年、J.Med.Chem.54巻:3606−3623頁、米国特許第7,223,837号、米国特許第8,568,728号、米国特許第8,535,678号およびWO2004010957に記載されている。

0106

例として非限定的に、本明細書に記載されているADCに含まれ得る一部の切断可能なリンカーおよび切断不能なリンカーが以下に記載されている。

0107

5.2.2.1.切断可能なリンカー
ある種の実施形態において、選択されるリンカーは、インビトロおよびインビボにおいて切断可能である。切断可能なリンカーは、化学的もしくは酵素的に不安定な連結基または分解性連結基を含むことができる。切断可能なリンカーは、一般に、細胞質における還元リソソームにおける酸性条件への曝露、または細胞内の特定のプロテアーゼもしくは他の酵素による切断のような薬物を遊離させるための細胞内過程に依存する。切断可能なリンカーは、一般に、化学的または酵素的のどちらかにより切断可能な1つ以上の化学結合を組み込んでいる一方、このリンカーの残りは切断不能である。

0108

ある種の実施形態において、リンカーは、ヒドラゾン基および/またはジスルフィド基のような化学的に不安定な基を含む。化学的に不安定な基を含むリンカーは、血漿と一部の細胞質コンパートメントとの間の特性差を利用する。ヒドラゾン含有リンカーにとって、薬物放出を促進させる細胞内条件は、エンドソームおよびリソソームの酸性環境である一方、ジスルフィド含有リンカーは、高濃度チオール、例えばグルタチオンを含有するサイトゾルにおいて還元される。ある種の実施形態において、化学的に不安定な基を含むリンカーの血漿安定性は、化学的に不安定な基の近傍に置換基を使用する、立体障害を導入することにより向上され得る。

0109

ヒドラゾンのような酸に不安定な基は、血液の中性pH環境(pH7.3−7.5)における全身の血液循環の間は無傷のままであり、ADCが、一旦、穏やかに酸性な細胞のエンドソームコンパートメント(pH5.0−6.5)およびリソソームコンパートメント(pH4.5−5.0)に内部移行されると、加水分解を受けて薬物を放出する。このpH依存性放出機構は、薬物の非特異的放出に関連する。リンカーのヒドラゾン基の安定性を向上させるために、リンカーは、化学的修飾、例えば置換によって変化されることができ、これにより、血液循環中の喪失を最小限にしながら、リソソームにおけるより効率的な放出の実現を調節することが可能となる。

0110

ヒドラゾン含有リンカーは、追加の、酸に不安定な切断部位および/または酵素に不安定な切断部位のような、追加の切断部位を含有することができる。例示的なヒドラゾン含有リンカーを含むADCは、以下の構造:

0111

(式中、DおよびAbは薬物およびAbをそれぞれ表し、nは、抗体に連結されている薬物−リンカーの数を表す。)を含む。リンカー(Id)のようなある種のリンカーにおいて、リンカーは、2つの切断可能な基、すなわちジスルフィド部分およびヒドラゾン部分を含む。このようなリンカーの場合、未修飾の遊離薬物の効率的な放出は、酸性pH、またはジスルフィドの還元と酸性pHを必要とする。(Ie)および(If)のようなリンカーは、単一のヒドラゾン切断部位により有効であることが示されている。

0112

リンカーに含まれ得る他の酸不安定基は、シス−アコニチル含有リンカーを含む。シスアコニチルの化学は、酸性条件下、アミド加水分解を促進するために、アミド結合並置されているカルボン酸を使用する。

0113

切断可能なリンカーはまた、ジスルフィド基を含んでもよい。ジスルフィドは、生理学的pHにおいて熱力学的に安定であり、細胞内に内部移行すると、薬物を放出するよう設計されており、この場合、サイトゾルが、細胞外環境と比べて、かなり強い還元的環境をもたらす。ジスルフィド結合の切断は、一般に、(還元型)グルタチオン(GSH)のような細胞質チオール補因子の存在を必要とし、したがって、ジスルフィド含有リンカーは、血液循環中、妥当な安定性があり、サイトゾル内において薬物を選択的に放出する。ジスルフィド結合を切断することが可能な、細胞内の酵素タンパク質であるジスルフィドイソメラーゼまたは類似の酵素もまた、細胞内部のジスルフィド結合の優先的切断に寄与し得る。GSHまたはシステインがかなり一層低い濃度であることに比べて、GSHは、0.5−10mMの濃度範囲で細胞中に存在することが報告されており、血液循環において、最多量の低分子量チオールは約5μMである。不規則な血流により低酸素状態に至る腫瘍細胞は、還元的酵素の活性を高め、したがって、一層高グルタチオン濃度をもたらす。ある種の実施形態において、ジスルフィド含有リンカーのインビボ安定性は、リンカーの化学的修飾、例えば、ジスルフィド結合に隣接した立体障害の使用により増強され得る。

0114

例示的なスルフィド含有リンカーを含むADCは、以下の構造:

0115

(式中、DおよびAbは薬物および抗体をそれぞれ表し、nは、抗体に連結されている薬物−リンカーの数を表し、Rは、例えば、水素またはアルキルから独立して出現毎に選択される。)を含む。ある種の実施形態において、ジスルフィド結合に隣接する立体障害を高めると、リンカーの安定性が増大する。(Ig)および(Ii)のような構造は、1つ以上のR基がメチルのような低級アルキルから選択される場合、インビボにおける安定性の向上を示す。

0116

使用され得る別のタイプのリンカーは、酵素によって特異的に切断されるリンカーである。一実施形態において、リンカーは、リソソーム酵素によって切断可能である。このようなリンカーは、通常、ペプチドをベースとする、または酵素に対する基質として働くペプチド領域を含む。ペプチドをベースとするリンカーは、血漿および細胞外ミリューにおいて、化学的に不安定なリンカーよりも安定となる傾向がある。リソソームタンパク質分解性酵素は、内在性阻害剤、およびリソソームと比べて血液のpHの値が不都合にも高いため、血液中における活性は非常に低いので、ペプチド結合は、一般に、良好な血清安定性を有している。抗体からの薬物の放出は、リソソームプロテアーゼ、例えば、カプテシンおよびプラスミンの作用により特異的に起こる。これらのプロテアーゼは、ある種の腫瘍組織において、高いレベルで存在することがある。一実施形態において、リンカーは、リソソーム酵素によって切断可能であり、このリソソーム酵素とはカテプシンBである。ある種の実施形態において、リンカーはリソソーム酵素によって切断可能であり、このリソソーム酵素とはβ−グルクロニダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼである。ある種の実施形態において、リンカーはリソソーム酵素によって切断可能であり、このリソソーム酵素とはβ−グルクロニダーゼである。ある種の実施形態において、リンカーはリソソーム酵素によって切断可能であり、このリソソーム酵素とはβ−ガラクトシダーゼである。

0117

例示的な実施形態において、切断可能なペプチドは、Gly−Phe−Leu−Gly、Ala−Leu−Ala−Leuのようなテトラペプチド、またはVal−Cit、Val−AlaおよびPhe−Lysのようなジペプチドから選択される。ある種の実施形態において、より長いペプチドが疎水性であるために、より長いペプチドよりもジペプチドの方が好ましい。

0118

ドキソルビシンマイトマイシンカンプトテシンタリマイシンおよびオーリスタチン/オーリスタチンファミリーメンバーのような薬物を抗体に連結するのに有用な、ジペプチドをベースとする様々な切断可能なリンカーが記載されている(それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれている、Dubowchikら、1998年、J.Org.Chem.67巻:1866−1872頁;Dubowchikら、1998年、Bioorg.Med.Chem.Lett.8巻:3341−3346頁;Walkerら、2002年、Bioorg.Med.Chem.Lett.12巻:217−219頁;Walkerら、2004年、Bioorg.Med.Chem.Lett.14巻:4323−4327頁;およびFranciscoら、2003年、Blood 102巻:1458−1465頁を参照されたい。)。これらのジペプチドリンカー、またはこれらのジペプチドリンカーの修飾型のすべてが、本明細書に記載されているADCに使用され得る。使用され得る他のジペプチドリンカーは、Seattle Geneticsのブレツキシマブベンドチン(Vendotin)SGN−35(Adcetris(商標))、Seattle GeneticsのSGN−75(抗CD−70、MC−モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、Celldex Therapeuticsのグレムツムマブ(CDX−011)(抗NMB、Val−Cit−モノメチルオーリスタチンE(MMAE)およびCytogenのPSMA−ADC(PSMA−ADC−1301)(抗PSMA、Val−Cit−MMAE)のようなADCに見いだされるものを含む。

0119

酵素により切断可能なリンカーは、酵素による切断部位から薬物を空間的に分離する自己破壊スペーサーを含んでもよい。薬物のペプチドリンカーへの直接的な結合は、薬物のアミノ酸付加物タンパク質分解による放出をもたらす恐れがあり、これは、この活性を害する。自己破壊型スペーサーの使用により、アミド結合の加水分解時に、化学的に修飾されていない、完全に活性な薬物を排除することが可能となる。

0120

自己破壊型スペーサーの1つは、二官能性パラ−アミノベンジルアルコール基であり、この基は、アミノ基を介してペプチドに連結されて、アミド結合を形成する一方、アミン含有薬物は、カルバメート官能基を介して、リンカーのベンジルヒドロキシル基に結合され得る(p−アミドベンジルカルバメートであるPABCを与える。)。得られたプロドラッグは、プロテアーゼ媒介性切断時に活性化され、1,6−脱離反応をもたらし、未修飾薬物二酸化炭素およびリンカー基の残りの部分を放出する。以下のスキームは、p−アミドベンジルカルバメートの断片化、および薬物の放出を図示している:

0121

(式中、X−Dは、未修飾薬物を表す。)。

0122

この自己破壊基の複素環式変形体も記載されている。米国特許第7,989,434号を参照されたい。

0123

ある種の実施形態において、酵素による切断可能なリンカーは、β−グルクロン酸をベースとするリンカーである。薬物の容易な放出は、リソソーム酵素であるβ−グルクロニダーゼによるβ−グルクロニドグリコシド結合の切断によって実現され得る。この酵素は、リソソーム内に豊富に存在しており、一部の腫瘍タイプにおいて過剰発現される一方、細胞外の酵素活性は低い。β−グルクロン酸をベースとするリンカーは、β−グルクロニドの親水性性質により、ADCが凝集する傾向を回避するために使用され得る。ある種の実施形態において、β−グルクロン酸をベースとするリンカーは、疎水性薬物に連結されているADC用のリンカーとして好ましい。以下のスキームは、β−グルクロン酸をベースとするリンカーを含有するADCから薬物が放出されるのを図示している:

0124

0125

オーリスタチン、カンプトテシンおよびドキソルビシンアナログ、CBI小溝結合剤およびプシムリンのような薬物を抗体に連結するのに有用な、切断可能な様々なβ−グルクロン酸をベースとするリンカーが記載されている(それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれている、Jeffreyら.、2006年、Bioconjug.Chem.17巻:831−840頁;Jeffreyら、2007年、Bioorg.Med.Chem.Lett.17巻:2278−2280頁;およびJiangら、2005年、J.Am.Chem.Soc.127巻:11254−11255頁を参照されたい。)。これらのβ−グルクロン酸をベースとするリンカーはすべて、本明細書に記載されているADCにおいて使用され得る。ある種の実施形態において、酵素による切断可能なリンカーは、β−ガラクトシドをベースとするリンカーである。β−ガラクトシドは、リソソーム内に豊富に存在する一方、細胞外での酵素活性は低い。

0126

さらに、フェノール基を含有するBcl−xL阻害剤は、フェノール性酸素を介してリンカーに共有結合され得る。米国出願公開第2009/0318668号に記載されているこのようなリンカーの1つは、ジアミノエタン「SpaceLink」が、従来的な「PABO」をベースとする自己破壊型基と組み合わされて使用され、フェノールを送達する方法に依存するものである。リンカーの切断は、本開示のBcl−xL阻害剤を使用して、以下に概略されている。

0127

0128

切断可能なリンカーは、切断不能な一部もしくはセグメントを含んでもよく、および/または切断可能なセグメントもしくは一部は、他の切断不能なリンカーにおいて含まれ、このリンカーを切断可能にし得る。単なる例として、ポリエチレングリコール(PEG)および関連ポリマーは、ポリマー主鎖中に切断可能な基を含むことができる。例えば、ポリエチレングリコールまたはポリマーリンカーは、ジスルフィド、ヒドラゾンまたはジペプチドのような、1つ以上の切断可能な基を含むことができる。

0129

リンカーに含まれ得る他の分解可能な連結基は、PEGカルボン酸または活性化PEGカルボン酸と生物活性剤上のアルコール基との反応によって形成されるエステル連結基を含み、この場合、このようなエステル基は一般に、生理的条件下で加水分解し、生物活性剤を放出する。加水分解により分解可能な連結基は、以下に限定されないが、カーボネート連結基、アミンとアルデヒドとの反応に由来するイミン連結基、アルコールリン酸エステル基との反応より形成されるリン酸エステル連結基、アルデヒドとアルコールの反応生成物であるアセタール連結基、ギ酸エステルとアルコールの反応生成物であるオルトエステル連結基、および以下に限定されないが、ポリマーの末端位およびオリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシル基を含めた、ホスホロアミダイト基により形成されるオリゴヌクレオチド連結基を含む。

0130

ある種の実施形態において、リンカーは、酵素により切断可能なペプチド部分を含み、例えば、リンカーは、構造式(IVa)、(IVb)もしくは(IVc):

0131

またはこれらの塩を含み、式中、
ペプチドは、リソソーム酵素により切断可能なペプチド(N→Cで表示されており、この場合、ペプチドは、アミノおよびカルボキシ「末端」を含む。)を表し、
Tは、1つ以上のエチレングリコール単位を含むポリマー、もしくはアルキレン鎖、またはこれらの組合せを表し、
Raは、水素、アルキル、スルホネートおよびスルホン酸メチルから選択され、
pは、0から5の範囲の整数であり、
qは、0または1であり、
xは、0または1であり、
yは、0または1であり、

0132

は、Bcl−xL阻害剤へのリンカーの結合点を表し、
*は、リンカーの残りへの結合点を表す。

0133

ある種の実施形態において、リンカーは、酵素により切断可能なペプチド部分を含み、例えば、リンカーは、構造式(IVa)、(IVb)もしくは(IVc)またはこれらの塩を含む。

0134

ある種の実施形態において、ペプチドは、トリペプチドまたはジペプチドから選択される。ある特定の実施形態において、ジペプチドは、Val−Cit、Cit−Val、Ala−Ala、Ala−Cit、Cit−Ala、Asn−Cit、Cit−Asn、Cit−Cit、Val−Glu、Glu−Val、Ser−Cit、Cit−Ser、Lys−Cit、Cit−Lys、Asp−Cit、Cit−Asp、Ala−Val、Val−Ala、Phe−Lys、Lys−Phe、Val−Lys、Lys−Val、Ala−Lys、Lys−Ala、Phe−Cit、Cit−Phe、Leu−Cit、Cit−Leu、Ile−Cit、Cit−Ile、Phe−Arg、Arg−Phe、Cit−TrpおよびTrp−Cit、またはこれらの塩から選択される。

0135

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(IVa)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。):

0136

0137

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(IVb)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。):

0138

0139

ある種の実施形態において、リンカーは、酵素により切断可能な糖部分を含み、例えば、リンカーは、構造式(Va)、(Vb)、(Vc)、もしくは(Vd):

0140

またはこれらの塩を含み、式中、
qは、0または1であり、
rは、0または1であり、
X1は、OまたはNHであり、

0141

は、薬物へのリンカーの結合点を表し、
*は、リンカーの残りへの結合点を表す。

0142

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(Va)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。):

0143

0144

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(Vb)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。):

0145

0146

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(Vc)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。):

0147

0148

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(Vd)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。):

0149

0150

5.2.2.2切断不能なリンカー
切断可能なリンカーは、ある種の利点を実現することができるが、本明細書に記載されているADCを含むリンカーは、切断可能である必要はない。切断不能なリンカーの場合、薬物放出は、血漿と一部の細胞質コンパートメントとの間の特性差に依存しない。薬物の放出は、抗原媒介性のエンドサイトーシスによるADCの内部移行、およびリソソームコンパートメントへの送達の後に起こると仮定され、、ここで抗体は、細胞内タンパク質分解により、アミノ酸のレベルにまで分解される。この過程は、薬物、リンカー、およびリンカーが共有結合していたアミノ酸残基によって形成される薬物誘導体を放出する。切断不能なリンカーを有するコンジュゲートに由来するアミノ酸薬物代謝産物は、より親水性であり、一般に、膜透過性に乏しく、これにより、切断可能なリンカーを有するコンジュゲートと比べて、より小さなバイスタンダー効果およびより低い非特異的毒性しかもたらさない。一般に、切断不能なリンカーを有するADCは、切断可能なリンカーを有するADCよりも、血液循環中に大きな安定性を有する。切断不能なリンカーは、アルキレン鎖であってもよく、または例えば、ポリアルキレングリコールポリマーアミドポリマーに基づくもののようなポリマーの性質があってもよく、またはアルキレン鎖、ポリアルキレングリコールおよび/またはアミドポリマーのセグメントを含んでもよい。ある種の実施形態において、リンカーは、1から6つのエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールセグメントを含む。

0151

薬物を抗体に連結するために使用される様々な切断不能なリンカーが、記載されてきた。(これらの内容が参照により本明細書に組み込まれている、Jeffreyら.、2006年、Bioconjug.Chem.17巻;831−840頁、Jeffreyら.、2007年、Bioorg.Med.Chem.Lett.17巻:2278−2280頁;およびJiangら、2005年、J.Am.Chem.Soc.127巻:11254−11255頁を参照されたい。)。これらのリンカーのすべてが、本明細書に記載されているADCに含まれ得る。

0152

ある種の実施形態において、リンカーは、インビボにおいて非切断可能であり、例えば、構造式(VIa)、(VIb)、(VIc)または(VId)によるリンカー(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含む。)は、

0153

またはこの塩を含み、式中、
Raは、水素、アルキル、スルホネートおよびスルホン酸メチルから選択され、
Rxは、リンカーを抗体に共有結合により連結することが可能な官能基を含む部分であり、

0154

は、Bcl−xL阻害剤へのリンカーの結合点を表す。

0155

本明細書に記載されているADCに含まれ得る構造式(VIa)−(VId)によるリンカーの特定の例示的な実施形態は、以下に例示されているリンカーを含む(例示されている通り、これらのリンカーは、該リンカーを抗体に共有結合により連結するのに適した基を含み、

0156

は、Bcl−xL阻害剤への結合点を表す。):

0157

0158

5.2.2.3.リンカーを抗体に結合するために使用される基
結合基は、性質として求電子性とすることができ、マレイミド基、活性化ジスルフィド、NHSエステルおよびHOBtエステルような活性エステルハロギ酸エステル酸ハロゲン化物、ハロアセトアミドのようなハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルを含む。以下において議論されている通り、本開示により使用され得る、「自己安定型」マレイミドおよび「架橋型ジスルフィド」に関連する技術も出現している。

0159

ADCからの薬物−リンカーの喪失が、アルブミン、システインまたはグルタチオンとのマレイミド交換の結果として観察された(Alleyら、2008年、Bioconjugate Chem.19巻:759−769頁)。これは、コンジュゲート化の部位に溶媒が非常に接近し易いため特によく起きる一方、部分的に接近可能であり、正に帯電している環境を有する部位は、マレイミド環の加水分解を促進する(Junutulaら、2008年、Nat.Biotechnol.26巻:925−932頁)。認識されている解決策は、コンジュケート化から形成されるスクシンイミドを加水分解することであり、なぜなら、これは、抗体からの脱コンジュゲート化に対して抵抗性を示し、これにより、血清中においてADCが安定となるからである。スクシンイミド環が、アルカリ条件下において加水分解を受けることが既に報告されている(Kaliaら、2007年、Bioorg.Med.Chem.Lett.17巻:6286−6289頁)。抗体のコンジュゲート化条件下において自発的に加水分解して、安定性の改善されたADC種を与える、「自己安定型」マレイミド基の例の1つが、以下の概略図中に図示されている。米国出願公開第2013/0309256号を参照されたい。

0160

0161

Polythericsは、ネイティブヒンジnative hinge)ジスルフィド結合の還元に由来する、一対のスルフィドリル基を架橋するための方法を開示している。Badescuら、2014年、Bioconjugate Chem.25巻:1124−1136頁を参照されたい。この反応は、以下の概略図に図示されている。この方法の利点は、IgGの完全な還元によって均一なDAR4となるADCを合成し(四対のスルフィドリルを与える。)、次いで4当量アルキル化剤と反応することが可能である点である。「架橋型ジスルフィド」を含有するADCもまた、安定性が改善されていることが主張されている。

0162

0163

同様に、以下に図示されている通り、一対のスルフィドリル基を架橋することが可能なマレイミド誘導体が開発された。米国出願公開第2013/0224228号を参照されたい。

0164

0165

5.2.2.4.リンカー選択の考慮点
当業者によって公知の通り、特定のADCのために選択されるリンカーは、以下に限定されないが、抗体への結合部位(例えば、lys、cysまたは他のアミノ酸残基)、薬物ファーマコフォアおよび薬物の脂溶性という構造的制約を含めた、様々な因子によって影響を受け得る。ADCのために選択される特定のリンカーは、特異的抗体/薬物の組合せに対する、これらの様々な因子のバランスを追求するべきである。ADCにおけるリンカーの選択によって影響を受ける因子の総説に関して、Nolting、第5章「Linker Technology in Antibody−Drug Conjugates」、In:Antibody−Drug Conjugates:Methodsin Molecular Biology、1045巻、71−100頁、Laurent Ducry(編)、Springer Science&Business Medica、LLC、2013年を参照されたい。

0166

例えば、ADCは、抗原−陽性腫瘍細胞の周辺に存在しているバイスタンダー抗原陰性細胞を死滅させることが観察されている。ADCによってバイスタンダー細胞を死滅させる機構は、ADCの細胞内プロセシングの間に形成される代謝産物役割を果たし得ることを示している。抗原陽性細胞におけるADCの代謝によって産生する中性な細胞毒性代謝産物は、バイスタンダー細胞の死滅において役割を果たしているように思われる一方、電荷を帯びた代謝産物は、膜を通過して媒体中に拡散するのが阻止され得、したがって、バイスタンダーの死滅に影響を及ぼすはずがない。ある種の実施形態において、リンカーは、ADCの細胞代謝産物によって引き起こされるバイスタンダー死滅効果を弱めるよう選択される。ある種の実施形態において、リンカーは、バイスタンダー死滅効果を高めるよう選択される。

0167

リンカーの特性は、使用および/または保管の条件下、ADCの凝集にやはり影響を及ぼし得る。通常、文献に報告されているADCは、抗体分子あたり、3ー4つ以下の薬物分子を含有する(例えば、Chari、2008年、Acc Chem Res 41巻:98−107頁を参照されたい。)。特に、薬物とリンカーの両方が疎水性である場合、ADCの凝集のために、より高い薬物対抗体比(「DAR」)を得ようとする試みは失敗に終わることが多かった(Kingら、2002年、J Med Chem 45巻:4336−4343頁;Hollanderら、2008年、Bioconjugate Chem 19巻:358−361頁;Burkeら、2009年、Bioconjugate Chem 20巻:1242−1250頁。)。多数の例において、DARが3−4より大きくなれば、有効性を増大させる手段として有益となり得る。Bcl−xL阻害剤が性質として疎水性である場合、ADC凝集を低減する手段として、比較的親水性のリンカーを選択することが望ましくなり得、とりわけ、DARが3−4より大きい場合に望ましい。したがって、ある種の実施形態において、リンカーは、保管中および/または使用中に、ADCの凝集を低減する化学部分を組み込む。リンカーは、帯電基、または生理学的pH下において帯電する基のような極性基または親水性基を取り込んで、ADCの凝集を低減することができる。例えば、リンカーは、塩、または生理学的pHにおいて、脱プロトン化する基(例えば、カルボン酸イオン)またはプロトン化する基(例えば、アミン)を取り込むことができる。

0168

多数のBcl−xL阻害剤を抗体に連結するために使用され得る、20もの高いDARをもたらすことが報告されている、例示的な多価リンカーは、これらの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,399,512号、米国出願公開第2010/0152725号、米国特許第8,524,214号、米国特許第8,349,308号、米国出願公開第2013/189218号、米国出願公開第2014/017265号、WO2014/093379、WO2014/093394、WO2014/093640に記載されている。

0169

特定の実施形態において、保管中または使用中のADCの凝集は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定すると、約40%未満である。特定の実施形態において、保管中または使用中のADCの凝集は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定すると、約30%未満のような、約25%未満のような、約20%未満のような、約15%未満のような、約10%未満のような、約5%未満のような、約4%未満のような35%未満である、または一層低い。

0170

一実施形態は、リンカーLが、リンカーIVa.1−IVa.7、IVb.1−IVb.15、IVc.1−IVc.2、Va.1−Va.12、Vb.1−Vb.4、Vc.1−Vc.9、Vd.1−Vd.2、VIa.1、V1c.1−V1c.2、V1d.1−V1d.3、およびこれらの塩からなる群から選択される、ADCまたはシントンに関する。

0171

5.3 抗体
ADCの抗体は、対象とする標的細胞の表面上で発現される抗原に結合するが、通常、必ずしも特異的に結合しない、任意の抗体とすることができる。抗原は必要ではないが、一部の実施形態において、これに結合したADCを細胞に内部移行することができる。対象とする標的細胞は、例として非限定的に、Bcl−xLを発現または過剰発現する腫瘍細胞を含めた、抗アポトーシス性Bcl−xLタンパク質の阻害によるアポトーシスの誘導が望ましい細胞を一般に含む。標的抗原は、対象とする標的細胞に発現される、任意のタンパク質、グリコタンパク質ポリサッカライドリポタンパク質などであってもよいが、通常、正常細胞もしくは健全細胞と比べて、正常細胞もしくは健全細胞ではなく標的細胞において独自に発現される、または標的細胞において過剰発現されるかのどちらかであるタンパク質であり、したがって、ADCは、例えば、腫瘍細胞のような、対象とする特定の細胞を選択的に標的とする。当業者によって認識される通り、選択される特異抗原、従って抗体は、対象とする所望の標的細胞がいかなるものであるかに依存する。具体的な実施形態において、ADCの抗体は、ヒトへの投与に適した抗体である。

0172

抗体(Ab)および免疫グロブリン(Ig)は、同じ構造上の特徴を有するグリコタンパク質である。抗体は、特定の標的に対して結合特異性を示すが、免疫グロブリンは、抗体と、標的特異性がない他の抗体様分子の両方を含む。自然抗体および免疫グロブリンは、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖からなる、約150,000ダルトンヘテロ四量体グリコタンパク質である。重鎖はそれぞれ、一端に可変ドメイン(VH)、この後にいくつかの定常ドメインを有する。軽鎖はそれぞれ、一端(VL)に1つの可変ドメイン、およびこのもう一方の端に1つの定常ドメインを有する。

0173

「VH」を言う場合、Fv、scFvまたはFabの重鎖を含めた、抗体の免疫グロブリン重鎖可変領域を指す。「VL」を言う場合、Fv、scFv、dsFvまたはFabの軽鎖を含めた、免疫グロブリンの軽鎖の可変領域を指す。

0174

用語「抗体」は、本明細書において、最も広い意味で使用され、特定の抗原に特異的に結合する免疫グロブリン分子、または特定の抗原に免疫学的反応性を示す免疫グロブリン分子を指し、抗体のポリクローナル形態、モノクローナル形態、遺伝子操作形態、および他には、以下に限定されないが、ネズミ抗体、キメラ抗体ヒト化抗体、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二特異性抗体、ダイアボディトリアディおよびテトラボディ)、および抗体の抗原結合断片(例えば、Fab’、F(ab’)2、Fab、Fv、rIgGおよびscFv断片を含む。)を含めた、修飾形態を含む。用語「scFv」とは、従来の抗体に由来する重鎖および軽鎖の可変ドメインが結合して1つの鎖を形成した、単一鎖Fv抗体を指す。

0175

抗体は、ネズミ、ヒト、ヒト化キメラであってもよく、他の種に由来してもよい。抗体は、特定の抗原を認識することおよびこれに結合することが可能な免疫系により産生するタンパク質である(Janeway、C.、Travers、P.、Walport、M.、Shlomchik(2001年) Immuno Biology、第5版、Garland Publishing、New York)。標的抗原は、一般に、多重抗体上のCDRによって認識されるエピトープとも呼ばれる、多数の結合部位を有する。様々なエピトープに特異的に結合する抗体はそれぞれ、異なる構造を有する。したがって、1つの抗原は2つ以上の対応する抗体を有することができる。抗体は、完全長免疫グロブリン分子、または完全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、対象とする標的の抗原またはこの一部に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する分子を含み、このような標的は、以下に限定されないが、がん細胞、または自己免疫疾患に伴う自己免疫抗体を産生する細胞を含む。本明細書において開示されている免疫グロブリンは、任意のタイプ(例えば、IgG、IgEIgMIgDおよびIgA)、免疫グロブリン分子のクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)または部分クラスとすることができる。免疫グロブリンは、任意の種に由来することができる。しかし、一態様において、免疫グロブリンは、ヒト、ネズミまたはウサギ起源とする。

0176

用語「抗体断片」とは、完全長抗体の一部分、一般に、標的結合領域または可変領域を指す。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片を含む。「Fv」断片は、完全な標的認識および結合部位を含有する最小抗体断片である。この領域は、剛直な非共有結合性会合にある、1つの重鎖の可変ドメインおよび1つの軽鎖の可変ドメインの二量体からなる(VH−VL二量体)。各可変ドメインの3つのCDRは、VH−VL二量体の表面上の標的結合部位を規定するよう相互作用するのが、この配置においてである。多くの場合、6つのCDRは、抗体に標的結合特異性を付与する。しかし、いくつかの場合、単一可変ドメインでさえも(または、標的に対して特異的なCDRをたった3つしか含まない、Fvの半分)、標的を認識し、これに結合する能力を有することができる。「単鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、単一ポリペプチド鎖中の抗体のVHおよびVLドメインを含む。一般に、Fvポリペプチドは、標的結合のために、scFvが所望の構造を形成するのを可能にする、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。「単一ドメイン抗体」は、標的に十分な親和性を示す、単一VHドメインまたはVLドメインからなる。特定の実施形態において、単一ドメイン抗体は、ラクダ化抗体である(例えば、Riechmann、1999年、Journal of Immunological Methods231巻:25−38頁を参照されたい。)。

0177

Fab断片は、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1定常ドメイン(CH1)を含有している。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域に由来する1つ以上のシステインを含めた、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端において、数個の残基が追加していることにより、Fab断片とは異なる。F(ab’)断片は、F(ab’)2ペプシン消化産物のヒンジシステインにおいて、ジスルフィド結合の切断によって生成する。抗体断片の追加の化学的カップリングが、当業者に公知である。

0178

軽鎖可変ドメイン重鎖可変ドメインの両方が、超可変領域としても知られている、相補性決定領域(CDR)を有する。可変ドメインのより高度に保存されている部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。当分野において公知の通り、抗体の超可変領域を規定するアミノ酸/境界は、文脈、および当分野において公知の様々な定義に応じて変わり得る。可変ドメイン内のいくつかの位置は、これらの位置が一連の基準下における超可変領域内にあると見なされ得る一方、異なる一連の基準下において、超可変領域の外側にあると見なされるという点で、ハイブリッド可変位置として見なされ得る。これらの位置の1つ以上が、拡張される超可変領域にも見いだされ得る。各鎖中のCDRは、FR領域によって近接して一緒に保持され、他の鎖に由来するCDRと共に、抗体の標的結合部位の形成に寄与する(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institute of Health、Bethesda、Md.1987年)を参照されたい。)。本明細書において使用する場合、免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けは、特に示さない限り、Kabatらの免疫グロブリンアミノ酸残基番号付けシステム準拠して行われる。

0179

ある種の実施形態において、本開示中のADCの抗体は、モノクローナル抗体である。用語「モノクローナル抗体」(mAb)とは、例えば、真核生物クローン原核生物クローンまたはファージクローンを含む単一コピーまたはクローンに由来する抗体を指し、産生される方法を指すわけではない。好ましくは、本開示のモノクローナル抗体は、均一集団または実質的に均一な集団で存在する。モノクローナル抗体は、無傷分子、およびタンパク質に特異的に結合することが可能な抗体断片(例えば、FabおよびF(ab’)2断片のような)の両方を含む。FabおよびF(ab’)2断片は、無傷抗体のFc断片に欠いており、動物の血液循環から一層迅速に排出され、無傷抗体ほど非特異的組織結合を有し得ない(Wahlら、1983年、J.Nucl.Med.24巻:316頁)。本開示の場合に有用なモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ組換え体およびファージディスプレー技法、またはこれらを組合せて使用することを含めた、当分野において公知の幅広い技法を使用して調製することができる。本開示の抗体は、キメラ抗体、霊長類化抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体を含む。

0180

ほとんどの場合、抗体は、遺伝子学的にコードされていたアミノ酸からしか構成されていないが、一部の実施形態において、コードされていないアミノ酸が特定の位置に組み込まれて、抗体に連結されているBcl−xL阻害剤の数、およびこれらの位置が制御され得る。化学量論および結合位置の制御において使用するために、抗体に組み込まれ得るコードされていないアミノ酸、およびこのような修飾抗体を作製する方法の例が、これらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、Tianら、2014、Proc Nat’l Acad Sci USA 111巻(5号):1766−1771頁およびAxupら、2012年、Proc Nat’l Acad Sci USA 109巻(40号):16101−16106頁に議論されている。ある種の実施形態において、コードされていないアミノ酸は、抗体あたりのBcl−xL阻害剤の数を約1−8または約2−4に制限する。

0181

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体はキメラ抗体である。用語「キメラ」抗体は、本明細書で使用する場合、ラット抗体またはマウス抗体のような非ヒト免疫グロブリンに由来する可変配列、および通常、ヒト免疫グロブリンテンプレートから選択されるヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体を指す。キメラ抗体を生成するための方法は、当分野において公知である。例えば、これらの全体が参照により本明細書において組み込まれている、Morrison、1985年、Science 229巻(4719号):1202−7頁;Oiら、1986年、BioTechniques 4巻:214−221頁;Gilliesら、1985年、J.Immunol.Methods125巻:191−202頁、米国特許第5,807,715号、同第4,816,567号および同第4,816397号を参照されたい。

0182

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体はヒト化抗体である。非ヒト(例えば、ネズミ)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する、キメラ免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン鎖またはこれらの断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体の他の標的結合サブドメインのような)である。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、通常、2つの可変ドメインのすべてを実質的に含み、この場合、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリンの領域に相当し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリン配列の領域である。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、通常、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列の一部分を含むことができる。抗体のヒト化法は、当分野において公知である。例えば、これらのすべての全体が参照により本明細書に組み込まれている、Riechmannら、1988年、Nature 332巻:323−7頁;Queenらへの米国特許第5,530,101号;同第5,585,089号;同第5,693,761号;同第5,693,762号;および同第6,180,370号;EP239400;PCT公開WO91/09967;米国特許第5,225,539号;EP592106;EP519596;Padlan、1991年、Mol.Immunol.、28巻:489−498頁;Studnickaら、1994年、Prot.Eng.7巻:805−814頁;Roguskaら、1994年、Proc.Natl.Acad.Sci.91巻:969−973頁;および米国特許5,565,332号を参照されたい。

0183

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体はヒト抗体である。完全な「ヒト」抗体は、ヒト患者治療処置にとって望ましいものとなり得る。本明細書において使用する場合、「ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、ヒト免疫グロブリンライブラリーからまたは1つ以上のヒト免疫グロブリンに対してトランスジェニックな動物から単離された抗体であって、内因性免疫グロブリンを発現しない抗体である。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを使用して、ファージディスプレー法を含めた、当分野において公知の様々な方法によって作製され得る。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,444,887号、同第4,716,111号、同第6,114,598号、同第6,207,418号、同第6,235,883号、同第7,227,002号、同第8,809,151号および米国出願公開第2013/189218号を参照されたい。ヒト抗体はまた、機能的な内因性免疫グロブリンを発現することができないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを使用して生成され得る。例えば、それぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,016号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;同第5,885,793号;同第5,916,771号;同第5,939,598号;同第7,723,270号;同第8,809,051号、および米国出願公開第2013/117871号を参照されたい。さらに、Medarex(Princeton、NJ)、Astellas Pharma(Deerfield、IL)およびRegeneron(Tarrytown、NY)のような会社が、上記の技法に類似した技法を使用して、選択された抗原を対象とするヒト抗体を提供することに取り組んでいる。選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「誘導選択」と称される技法を使用して生成され得る。この手法において、選択された非ヒトモノクローナル抗体、例えばマウス抗体が使用されて、同じエピトープを認識する完全ヒト抗体の選択を誘導する(Jespersら、1988年、Biotechnology 12巻:899−903頁)。

0184

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は霊長類化抗体である。用語「霊長類化抗体」は、サルの可変領域およびヒト定常領域を含む抗体を指す。霊長類化抗体を生成するための方法は、当分野において公知である。例えば、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,658,570号;同第5,681,722号;および同第5,693,780号を参照されたい。

0185

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、二特異性抗体または二重可ドメイン抗体(DVD)である。二特異性およびDVD抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する、モノクローナル抗体、多くの場合、ヒト抗体またはヒト化抗体である。DVDは、例えば、この開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,612,181号に記載されている。

0186

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は霊長類化抗体である。例えば、限定するものではないが、誘導体化抗体は、通常、グリコシル化アセチル化ペグ化、リン酸化アミド化、公知の保護基ブロック基による誘導体化、タンパク質分解による切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結基などにより修飾される。多数の化学的修飾のいずれも、以下に限定されないが、特異的な化学的切断、アセチル化、ホルミル化ツニカマイシンの代謝合成を含めた、公知の技法により実施され得る。さらに、これらの誘導体は、例えば、Ambrx技法を使用して、1つ以上の非天然アミノ酸を含有することができる(例えば、Wolfson、2006年、Chem.Biol.13巻(10号):1011−2頁を参照されたい。)。

0187

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、対応する野生型配列に対して、定常領域が媒介する少なくとも1つの生物学的エフェクター機能を改変するよう修飾された配列を有する。例えば、一部の実施形態において、抗体は、非修飾抗体に対して、定常領域が媒介する少なくとも1つの生物学的エフェクター機能を低下させるよう修飾されて、例えば、Fc受容体(FcR)への結合が低下され得る。FcR結合は、FcR相互作用にとって必要な特定の領域において、抗体の免疫グロブリン定常領域セグメントを変異させることにより低下され得る(例えば、CanfieldおよびMorrison、1991年、J.Exp.Med.173巻:1483−1491頁;およびLundら、1991年、J.Immunol.147巻:2657−2662頁を参照されたい。)。

0188

ある種の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は修飾されて、未修飾抗体に比べて、定常領域が媒介する少なくとも1つの生物学的エフェクター機能を獲得または改善して、例えば、FcγR相互作用を増強する(例えば、US2006/0134709を参照されたい。)。例えば、対応する野生型定常領域よりも大きな親和性を伴って、FcγRIIA、FcγRIIBおよび/またはFcγRIIIAに結合する定常領域を有する抗体は、本明細書に記載されている方法によって生成され得る。

0189

ある種の特定の実施形態において、本明細書に記載されているADCの抗体は、細胞表面受容体または腫瘍関連抗原(TAA)に対する抗体のような腫瘍細胞に結合する抗体である。がん診断および治療のための有効な細胞標的を発見しようとする試みにおいて、研究者らは、膜貫通ポリペプチド、または他には、1つ以上の正常な非がん細胞と比べて、1つ以上の特定のタイプのがん細胞の表面に特異的に発現する腫瘍関連ポリペプチドを特定しようと探求してきた。多くの場合、このような腫瘍関連ポリペプチドは、非がん細胞の表面と比べて、がん細胞の表面に一層多量に発現される。このような細胞表面受容体および腫瘍関連抗原は当分野において公知であり、当分野における周知の方法および情報を使用して、抗体の生成に使用するために調製され得る。
5.3.1.例示的な細胞表面受容体およびTAA
本明細書に記載されているADCの抗体が標的とされ得る、細胞表面受容体およびTAAの例は、以下に限定されないが、以下に一覧表示されている様々な受容体およびTAAを含む。便宜上、これらの抗原に関連する情報は、このすべてが当分野において公知であるが、以下に一覧表示されており、国立生物工学情報センター(NCBI)の核酸およびタンパク質配列定規定に従う、名称、代替名称、ジーンバンク受託番号および主要参照を含む。一覧表示されている細胞表面受容体およびTAAに対応する核酸およびタンパク質配列は、ジーンバンクのような公的データベースにおいて入手可能である。

0190

4−1BB
5AC
5T4
アルファフェトプロテイン
アンジオポエチン
ASLG659
TCL1
BMPR1B
ブレビカン(BCAN、BEHAB)
C242抗原
C5
CA−125
Ca−125(模倣
CA−IX(カルボニックアンヒドラーゼ9)
CCR
CD140a
CD152
CD19
CD20
CD200
CD21(C3DR)1)
CD22(B−細胞受容体CD22−Bアイソフォーム
CD221
CD23(gE受容体)
CD28
CD30(TNFRSF8)
CD33
CD37
CD38(環式ADPリボースヒドロラーゼ
CD4
CD40
CD44 v6
CD51
CD52
CD56
CD70
CD72(Lyb−2、B−細胞分化抗原CD72)
CD74
CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連アルファ)ジーンバンク受託番号NP_001774.10)
CD79b(CD79B、CD79β、B29)
CD80
CEA
CEA関連抗原
ch4D5
CLDN18.2
CRIPTO(CR、CR1、CRGF、TDGF1奇形癌腫由来の増殖因子
TLA−4
CXCR5
DLL4
DR5
E16(LAT1、SLC7A5) EGFL7
EGFR
EpCAM
EphB2R(DRTERK、Hek5、EPHT3、Tyro5)
エピシアリン
ERBB3
ETBR(エンドセリンタイプB受容体)
FCRH1(Fc受容体様タンパク質1)
FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1、SPAP1B、SPAP1C、SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質
フィブロネクチンエクストラドメイン−B
葉酸受容体
フリルド受容体
GD
GD3ガングリオシド
GEDA
GPNMB
HER1
HER2(ErbB2)
HER2/neu
HER3
HGF
HLADO
HLA−DR
ヒト分散因子受容体キナーゼ
IGF−1受容体
IgG4
IL−13
IL20Rα(IL20Ra、ZCYTOR7)
IL−6
ILGF2
ILFR1R
インテグリンα
インテグリンα5β1
インテグリンαvβ3
IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2、遺伝子染色体1q21)
ルイスY抗原
LY64(RP105)
MCP−1
DP(DPEP1)
MPF(MSLN、SMR、メソテリン巨核球可能因子)
MS4A1
MSG783(RNF124、仮想タンパク質FLJ20315)
MUC1
ムチンCanAg
Napi3(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、タイプIIナトリウム依存性リン酸輸送体3b)
NCA(CEACAM6)
P2X5(プリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5)
PD−1
PDCD1
PDGF−R α
前立腺特定的膜抗原
SCA前立腺幹細胞抗原前駆体)
PSCA hlg
RANKL
RON
SDC1
Sema 5b
SLAMF7(CS−1)
STEAP1
STEAP2(HGNC_8639、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺がん関連遺伝子1)
TAG−72
TEM
テネイシン
TENB2、(TMEFF2、トモレグリン、TPEF、HPP1、TR)
TGF−β
TRAIL−E2
TRAIL−R1
TRAIL−R2
TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容体電位陽イオンチャネルサブファミリーM、メンバー4)
TA CTAA16.88
TWEAK−R
TYRP1(グリコタンパク質75)
VEGF
VEGF−A
EGFR−1
VEGFR−2
ビメンチン

0191

5.3.2.例示的な抗体
本開示のADCにより使用されることになる例示的な抗体は、以下に限定されないが、3F8(GD2)、アバゴボマブ(CA−125(模倣))、アデカツムマブ(EpCAM)、アフツズマブ(CD20)、アラシズマブペゴル(VEGFR2)、ALD518(IL−6)、アレムツズマブ(CD52)、アルツモマブペンテート(CEA)、アマツキシマブ(メソテリン)、アナツモマブマフェナトキス(TAG−72)、アポリズマブ(HLA−DR)、アルシツモマブ(CEA)、バビツキシマブ(ホスファチジルセリン)、ベクツモマブ(CD22)、ベリムバブ(BAFF)、ベシレソマブ(CEA関連抗原)、ベバシズマブ(VEGF−A)、ビバツズマブメルタンシン(CD44 v6)、ブリナツモマブ(CD19)、ブレンツキシマブベドチン((CD30(TNFRSF8))、カンツズマブメルタンシン(Mucin CanAg)、カンツズマブラブタンシン(MUC1)、カプロマブペンデチド(前立腺癌細胞)、カルルマブ(MCP−1)、カツマキソマブ(EpCAM、CD3)、CC49(Tag−72)、cBR96−DOX ADC(ルイスY抗原)、セツキシマブ(EGFR)、シタツズマブボガトクス(EpCAM)、シクスツムマブ(IGF−1受容体)、クリバツズマブテトラキセタン(MUC1)、コナツムマブ(TRAIL−E2)、ダセツズマブ(CD40)、ダロツズマブインスリン様成長因子I受容体)、ダラツズマブ((CD38(環式ADPリボースヒドロラーゼ))、デムシズマブ(DLL4)、デノスマブ(RANKL)、デツモマブ(B−リンパ腫細胞)、ドロジツマブ(DR5)、ドゥシギツマブ(ILGF2)、エクロメキシマブ(GD3ガングリオシド)、エクリズマブ(C5)、エドレコロマブ(EpCAM)、エロツズマブ(SLAMF7)、エルリモマブ(IL−6)、エナバツズマブ(TWEAK受容体)、エノチクマブ(DLL4)、エンシツキシマブ(5AC)、エピツモマブシツキセタン(エピシアリン)、エプラツズマブ(CD22)、エルツマキソマブ(HER2/neu、CD3)、エタラシズマブ(インテグリンαvβ3)、ファルレツズマブ(葉酸受容体1)、FBTA05(CD20)、フィクラツズマブ(HGF)、フィギツムマブ(IGF−1受容体)、フランボツマブ((TYRP1(グリコタンパク質75))、フレソリムマブ(TGF−β)、ガリキシマブ(CD80)、ガニツマブ(IGF−I)、ゲムツズマブオゾガマイシン(CD33)、ギレンツキシズマブ(カルボニックアンヒドラーゼ9(CA−IX))、グレムバツムマブベドチン(GPNMB)、イブリツモマブチウキセタン(CD20)、イクルクマブ(VEGFR−1)、イゴモマブ(CA−125)、IMAB362(CLDN18.2)、イムガツムマブ(EGFR)、インダツキシマブラブタンシン(SDC1)、インテツムマブ(CD51)、イノツズマブオゾガマイシン(CD22)、イピリムマブ(CD152)、イラツムマブ((CD30(TNFRSF8))、ラベツズマブ(CEA)、ランブロリズマブ(PDCD1)、レクサツムマブ(TRAIL−R2)、リンツズマブ(CD33)、ロルボツズマブメルタンシン(CD56)、ルカツムマブ(CD40)、ルミリキシマブ(CD23(IgE受容体))、マパツムマブ(TRAIL−R1)、マルジェツキシマブ(ch4D5)、マツズマブ(EGFR)、ミラツズマブ(CD74)、ミツモマブ(GD3ガングリオシド)、モガムリズマブ(CCR4)、モキセツモマブシュードトクス(CD22)、ナコロマブタフェナトクス(C242抗原)、ナプツモマブエスタフェナトックス(5T4)、ナルナツマブ(RON)、ナタリズマブ(インテグリンα4)、ネシツムマブ(EGFR)、ネスバクマブ(アンジオポエチン2)、ニモツズマブ(EGFR)、ニボルマブ(IgG4)、オナルツズマブ(CD20)、オファツムマブ(CD20)、オララツマブ(PDGF−Rα)、オナルツズマブ(ヒト分散因子受容体キナーゼ)、オンツキシズマブ(TEM1)、オポルツズマブモナト(EpCAM)、オレゴボマブ(CA−125)、オトレルツズマブ(CD37)、パニツムマブ(EGFR)、パンコマブ(MUC1の腫瘍特異的グリコシル化)、パルサツズマブ(EGFL7)、パトリツマブ(HER3)、ペムツモマブ(MUC1)、ペルツズマブ(HER2/neu)、ピジリズマブ(PD−1)、ピナツズマブベドチン(CD22)、プリツムマブ(ビメンチン)、ラコツモマブ(N−グリコリルノイラミン酸)、ラドレツマブ(フィブロネクチンエクストラドメイン−B)、ラムシルマブ(VEGFR2)、リロツムマブ(HGF)、リツキシマブ(CD20)、ロバツムマブ(IGF−1受容体)、サマリズマブ(CD200)、サツモマブペンデチド(TAG−72)、セリバンツマブ(ERBB3)、シブロツヅマブ(FAP)、SGN−CD19A(CD19)、SGN−CD33A(CD33)、シルツキシマブ(IL−6)、ソリトマブ(EpCAM)、ソネプシズマブ(スフィンゴシン−1−ホスフェート)、タバルマブ(BAFF)、タカツズマブテトラキセタン(アルファ−フェトプロテイン)、タプリツモマブパプトクス(CD19)、テナツモバブ(テネイシンC)、テプロツムマブ(CD221)、TGN1412(CD28)、チシリムマブ(CTLA−4)、チガツズマブ(TRAIL−R2)、TNX−650(IL−13)、トベツマブ(CD140a)、トラスツズマブ(HER2/neu)、TRBS07(GD2)、トレメリムマブ(CTLA−4)、ツコツズマブセルロイキン(EpCAM)、ウブリツキシマブ(MS4A1)、ウレルマブ(4−1BB)、バンデタニブ(VEGF)、バンチクツマブ(フリズルド受容体)、ボロシキシマブ(インテグリンα5β1)、ボルセツズマブマホドチン(CD70)、ボツムマブ(腫瘍抗原CTAA16.88)、ザルツムマブ(EGFR)、ザノリムマブ(CD4)およびザツキシマブ(HER1)を含む。

0192

ある種の実施形態において、ADCの抗体は、EGFR、NCAM1またはEpCAMに結合する。

0193

5.4.抗体を作製する方法
ADCの抗体は、宿主細胞における免疫グロブリン軽鎖および重鎖遺伝子の組換え発現によって調製され得る。例えば、抗体を組換えにより発現するために、宿主細胞は、抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖が宿主細胞において発現され、宿主細胞が培養される培地任意選択的に分泌されるよう、上記の軽鎖および重鎖をコードするDNA断片を有する1つ以上の組換え発現ベクタートランスフェクトされ、上記の培地から抗体が回収され得る。標準的な組換えDNA法が使用され、抗体の重鎖および軽鎖の遺伝子を得て、これらの遺伝子を組換え発現ベクターに取り込ませ、Molecular Cloning;A Laboratory Manual、第2版(Sambrook、FritschおよびManiatis(編)、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989年)、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel、F.M.ら(編)、Greene Publishing Associates、1989年)および米国特許第4,816,397号に記載されているもののような宿主細胞にベクターを導入する。

0194

一実施形態において、Fc変異抗体は、この野生型の等価体と類似しているが、このFcドメインが変化している。このようなFc変異抗体をコードする核酸を生成するために、Fcドメインまたは野生型の抗体のFcドメイン(「野生型Fcドメイン」と称される。)の一部をコードするDNA断片が合成され、決まった手順の突然変異誘導技法を使用し、突然変異誘導のためのテンプレートとして使用して、本明細書に記載されている抗体が生成され得る。代替として、抗体をコードするDNA断片が直接、合成されることができる。

0195

一旦、野生型FcドメインをコードするDNA断片が得られると、これらのDNA断片は、標準的な組換えDNA技法によってさらに操作され、例えば、定常領域遺伝子が完全長抗体鎖遺伝子に変換され得る。これらの操作において、CHをコードするDNA断片は、抗体可変領域またはフレキシブルリンカーのような、別のタンパク質をコードする別のDNA断片に効果的に連結される。用語「効果的に連結された」とは、本文脈において使用される場合、2つのDNA断片が結合され、2つのDNA断片によってコードされるアミノ酸配列が、依然として、インフレームの状態にあることを意味するよう意図されている。

0196

Fc変異抗体を発現するために、遺伝子が転写制御配列および翻訳制御配列に効果的に連結されるよう、上記の通り得られた部分長または完全長軽鎖および重鎖をコードするDNAが、発現ベクターに挿入される。この文脈において、用語「効果的に連結された」は、ベクター内の転写制御配列および翻訳制御配列が、抗体遺伝子転写および翻訳を調節するという所期の機能を果たすよう、抗体遺伝子がベクターにライゲーションされることを意味することが意図されている。発現ベクターおよび発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するよう選択される。変異抗体の軽鎖遺伝子およびこの抗体の重鎖遺伝子は、個別のベクターの挿入されることができ、またはより典型的に、両方の遺伝子が、同一発現ベクターに挿入される。

0197

抗体遺伝子は、標準法(例えば、抗体遺伝子断片およびベクター上の相補的制限部位のライゲーション、または制限部位が存在しない場合、平滑末端ライゲーション)によって発現ベクターに挿入される。変異Fcドメイン配列の挿入前に、発現ベクターは、抗体可変領域配列を既に有することができる。さらにまたは代替として、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。この抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端にインフレームで連結されるよう、ベクターにクローニングされ得る。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチドまたは非相同シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質に由来するシグナルペプチド)とすることができる。

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