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技術 非磁性合金を含む熱間加圧変形磁石及びその製造方法

出願人 エルジーエレクトロニクスインコーポレイティド
発明者 ナムクンソクパクトクハイカンナムソク
出願日 2014年12月8日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2017-522941
公開日 2018年2月22日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-505540
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 変形段階 冷却ホイール 熱間加圧 整列度 磁気遮蔽効果 多磁区粒子 エネルギー産業 浸透拡散
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図面 (7)

課題

非磁性合金結晶粒の界面に均一に分布させる熱間加圧形磁石の製造方法を提供する。

解決手段

本発明によるR−TM−B熱間加圧変形磁石(ここで、Rは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択される希土類金属であり、TMは、遷移金属を意味する)は、異方化された板状結晶粒と、結晶粒の界面に分布した非磁性合金とを含み、従来の永久磁石より、非磁性合金が結晶粒を完全に覆うようにすることができ、優れた磁気遮蔽効果を発揮することができ、より経済的な工程で保磁力が向上した熱間加圧変形磁石を製造することができる。

概要

背景

近年、再生可能エネルギーなどの環境にやさしいエネルギー産業が大きく注目されているが、エネルギー生産方式の転換と共に、エネルギー消費の面からエネルギー消費する機器の効率を向上させることも非常に重要であるといえる。エネルギー消費に関連して最も重要な機器はモータであり、そのモータの中核素材希土類永久磁石である。希土類永久磁石が様々な応用分野において優れた素材として用いられるようにするためには、高い残留磁束密度(Br)と安定した保磁力(iHc)が同時に要求される。

磁性粉末の高い保磁力を確保する一方法として、Dyなどの重希土類を添加して室温での保磁力を高めて用いる方法がある。しかし、近年、Dyなどの重希土類金属希少性とそれによる価格急騰により、今後素材としての利用には制限があるものと考えられる。また、Dyを添加した場合、保磁力は向上するが、残留磁化が低下して結局は磁石の強度が弱くなるという欠点があった。

一方、異方性ネオジム系永久磁石の製造方法においては、通常、金属の溶融急速冷却ミリングにより磁性粉末を作製し、磁場を印加しながら成形を行い、その後高温(1000℃以上)で焼結して後熱処理する段階を行う。その過程で磁性粉末の高い保磁力を確保する他の方法として、結晶粒単磁区の大きさになるまで微細化する方法がある。

すなわち、磁性粉末の結晶粒を物理的な方法で小さく粉砕して微細化するが、この場合、磁性粉末の結晶粒を微細にするために製造方法の段階において焼結する前に磁性粉末自体の粒径を微細にする必要もあるが、その微細な結晶粒を有する磁性粉末を最終製品が生成されるまで維持する必要も同時にある。

しかし、微細な粒径を有する微粉砕された磁性粉末を用いて磁石を製造する過程で1000℃を超える高熱処理により結晶粒の成長が起こり、このような結晶粒の粗大化により多磁区(multi domain)の形態となり、粒子中に逆磁区が形成されやすくなって保磁力が著しく低下する。

一方、高い保磁力を確保するさらに他の方法として、結晶粒間孤立(isolate)を誘導して磁気遮蔽することで逆磁区への遷移を防止することにより保磁力を向上させることができる。このために、従来は、磁石の表面に非磁性相を塗布するか又はコーティングしてその内部に拡散させる方法を用いていた(特許文献1、特許文献2、T.Akiya et al(2014))。

しかし、この方法は、磁石の表面にのみ非磁性相が豊富であり、拡散が十分に起こらないので磁石の内部では非磁性相が不足し、結晶粒を均一に孤立させることができなかった。よって、この場合は、大きい磁石への適用が困難であり、内部と外部の磁気特性が異なるので不均一な磁石になる恐れがあった。

概要

非磁性合金を結晶粒の界面に均一に分布させる熱間加圧形磁石の製造方法を提供する。本発明によるR−TM−B熱間加圧変形磁石(ここで、Rは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択される希土類金属であり、TMは、遷移金属を意味する)は、異方化された板状結晶粒と、結晶粒の界面に分布した非磁性合金とを含み、従来の永久磁石より、非磁性合金が結晶粒を完全に覆うようにすることができ、優れた磁気遮蔽効果を発揮することができ、より経済的な工程で保磁力が向上した熱間加圧変形磁石を製造することができる。

目的

本発明は、非磁性合金が結晶粒の界面に均一に分布することによる磁気遮蔽効果により保磁力が向上し、熱間加圧変形工程により磁化方向が一方向に整列されて残留磁束密度が向上した熱間加圧変形磁石、及び磁石の製造工程で非磁性合金を混合することにより非磁性合金を結晶粒の界面に均一に分布させる熱間加圧変形磁石の製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

(i)異方化された板状結晶粒と、(ii)前記結晶粒の界面に分布した非磁性合金とを含む、R−TM−B(ここで、Rは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択される希土類金属であり、TMは、遷移金属を意味する)熱間加圧形磁石

請求項2

前記R−TM−B熱間加圧変形磁石は、下記化学式1で表される、請求項1に記載の磁石。(ここで、R’及びR’’は、それぞれNd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択される希土類金属であり、xは、0≦x≦1.0の実数である)

請求項3

前記非磁性合金は、下記化学式2で表される、請求項1に記載の磁石。(ここで、Tは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの元素であり、Mは、Cu、Al、Sb、Bi、Ga、Zn、Ni、Mg、Ba、B、Co、Fe、In、Pt、Ta及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの金属元素であり、aは、0<a<1の実数である)

請求項4

前記非磁性合金は、Nd0.84Cu0.16、Nd0.7Cu0.3、Nd0.85Al0.15、Nd0.08Al0.92、Nd0.03Sb0.97、Nd0.8Ga0.2、Nd0.769Zn0.231、Nd0.07Mg0.93、Pr0.84Cu0.16、Pr0.7Cu0.3、Pr0.85Al0.15、Pr0.08Al0.92、Pr0.03Sb0.97、Pr0.8Ga0.2、Pr0.769Zn0.231、Pr0.07Mg0.93、Bi、Ga、Ni、Co及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかを含む、請求項1に記載の磁石。

請求項5

前記非磁性合金は、融点が400〜700℃である、請求項1に記載の磁石。

請求項6

前記結晶粒は、その直径が100〜1000nmである、請求項1に記載の磁石。

請求項7

(a)R−TM−B(ここで、Rは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択される希土類金属であり、TMは、遷移金属を意味する)合金から磁性粉末を作製する段階と、(b)前記磁性粉末を加圧焼結して焼結体を作製する段階と、(c)熱と圧力を加えて前記焼結体を熱間加圧変形する段階とを含み、前記段階(a)におけるR−TM−B合金の作製時又は前記段階(b)における加圧焼結前に、非磁性合金を添加することを含む、R−TM−B熱間加圧変形磁石の製造方法。

請求項8

前記磁性粉末には、HDDR工程、溶融紡糸工程、急速固化工程及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの工程で作製された磁性粉末が含まれる、請求項7に記載の製造方法。

請求項9

前記非磁性合金は、前記磁性粉末に対して0.01〜10重量%添加される、請求項7に記載の製造方法。

請求項10

前記段階(b)は、300〜800℃の温度で行われる、請求項7に記載の製造方法。

請求項11

前記段階(c)は、500〜1000℃の温度で行われる、請求項7に記載の製造方法。

請求項12

前記非磁性合金は、前記段階(b)における加圧焼結前に添加されて前記磁性粉末と混合される、請求項7に記載の製造方法。

請求項13

前記段階(b)と前記段階(c)との間に、前記焼結体に追加熱処理を行う段階をさらに含む、請求項12に記載の製造方法。

請求項14

前記追加熱処理は、400〜800℃の温度で行われる、請求項13に記載の製造方法。

請求項15

前記段階(c)における熱間加圧変形の変形率は、50〜80%である、請求項7に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、結晶粒の界面に分布した非磁性合金を含む熱間加圧形磁石に関し、従来の工程による永久磁石とは異なり、磁気遮蔽を効果的に達成することにより永久磁石の保磁力を向上させ、磁場の付与を必要とすることなく残留磁束密度を向上させる方法に関する。

背景技術

0002

近年、再生可能エネルギーなどの環境にやさしいエネルギー産業が大きく注目されているが、エネルギー生産方式の転換と共に、エネルギー消費の面からエネルギー消費する機器の効率を向上させることも非常に重要であるといえる。エネルギー消費に関連して最も重要な機器はモータであり、そのモータの中核素材希土類永久磁石である。希土類永久磁石が様々な応用分野において優れた素材として用いられるようにするためには、高い残留磁束密度(Br)と安定した保磁力(iHc)が同時に要求される。

0003

磁性粉末の高い保磁力を確保する一方法として、Dyなどの重希土類を添加して室温での保磁力を高めて用いる方法がある。しかし、近年、Dyなどの重希土類金属希少性とそれによる価格急騰により、今後素材としての利用には制限があるものと考えられる。また、Dyを添加した場合、保磁力は向上するが、残留磁化が低下して結局は磁石の強度が弱くなるという欠点があった。

0004

一方、異方性ネオジム系永久磁石の製造方法においては、通常、金属の溶融急速冷却ミリングにより磁性粉末を作製し、磁場を印加しながら成形を行い、その後高温(1000℃以上)で焼結して後熱処理する段階を行う。その過程で磁性粉末の高い保磁力を確保する他の方法として、結晶粒を単磁区の大きさになるまで微細化する方法がある。

0005

すなわち、磁性粉末の結晶粒を物理的な方法で小さく粉砕して微細化するが、この場合、磁性粉末の結晶粒を微細にするために製造方法の段階において焼結する前に磁性粉末自体の粒径を微細にする必要もあるが、その微細な結晶粒を有する磁性粉末を最終製品が生成されるまで維持する必要も同時にある。

0006

しかし、微細な粒径を有する微粉砕された磁性粉末を用いて磁石を製造する過程で1000℃を超える高熱処理により結晶粒の成長が起こり、このような結晶粒の粗大化により多磁区(multi domain)の形態となり、粒子中に逆磁区が形成されやすくなって保磁力が著しく低下する。

0007

一方、高い保磁力を確保するさらに他の方法として、結晶粒間孤立(isolate)を誘導して磁気遮蔽することで逆磁区への遷移を防止することにより保磁力を向上させることができる。このために、従来は、磁石の表面に非磁性相を塗布するか又はコーティングしてその内部に拡散させる方法を用いていた(特許文献1、特許文献2、T.Akiya et al(2014))。

0008

しかし、この方法は、磁石の表面にのみ非磁性相が豊富であり、拡散が十分に起こらないので磁石の内部では非磁性相が不足し、結晶粒を均一に孤立させることができなかった。よって、この場合は、大きい磁石への適用が困難であり、内部と外部の磁気特性が異なるので不均一な磁石になる恐れがあった。

先行技術

0009

米国特許第8038807号明細書
国際公開第2011/145674号

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、非磁性合金が結晶粒の界面に均一に分布することによる磁気遮蔽効果により保磁力が向上し、熱間加圧変形工程により磁化方向が一方向に整列されて残留磁束密度が向上した熱間加圧変形磁石、及び磁石の製造工程で非磁性合金を混合することにより非磁性合金を結晶粒の界面に均一に分布させる熱間加圧変形磁石の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

以下、本発明をより詳細に説明する。

0012

本発明によるR−TM−B熱間加圧変形磁石の製造方法は、(a)R−TM−B(Rは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの希土類金属であり、TMは、遷移金属を意味する)合金から磁性粉末を作製する段階と、(b)前記磁性粉末を加圧焼結して焼結体を作製する段階と、(c)熱と圧力を加えて前記焼結体を熱間加圧変形(hot deformation)する段階とを含み、前記段階(a)におけるR−TM−B合金の作製時又は前記段階(b)における加圧焼結前に、非磁性合金を添加することを含むことを特徴とする。

0013

前記段階(a)における磁性粉末は、R−TM−B系組成を有する合金インゴットを粉砕して作製してもよく、また、前記R−TM−B系合金インゴットは、例えば、HDDR(Hydrogenation Disproportionation Desorption and Recombination)工程、溶融紡糸(melt spinning)工程、急速固化(rapid solidification)工程などで作製してもよい。具体的には、前記合金インゴットを溶融して溶融合金高速ローリングにより急速冷却する方式でリボン状のインゴットを作製するようにしてもよい。

0014

前記リボン状のインゴットは、ミリングを行う装置などで粉砕してもよく、また、その粉砕された粉末が前記段階(a)における磁性粉末であってもよい。前記HDDR工程は、水素化、不均化脱水素化及び再結合工程により磁性粉末が作製される工程である。

0015

前記磁性粉末は、その内部に結晶粒が複数含まれる多結晶粒子であってもよく、また、前記磁性粉末の平均粒径は、100〜500μmであってもよく、また、前記多結晶粒子は、一般的には磁区が複数含まれる多磁区粒子であってもよい。

0016

従来の焼結磁石を製造する際には、焼結工程を行う前に、磁性粉末が単結晶になって磁場整列が容易になるように、粉末の粒径が約3μmになるまで粉砕しなければならない。よって、磁性粉末を作製する際に、ストリップキャスタ(strip caster)の冷却ホイールのローリングは低速で行わなければならず、ミリングは粗粉砕過程と微粉砕過程をどちらも行わなければならない。それに対して、本発明の磁性粉末は、その粒子中に結晶粒が複数存在する多結晶粒子又は非晶質粒子であり、かつ粉末の平均粒径が100〜500μmであればよいので、粉砕工程におけるコスト及びエネルギーが低減されるという効果を奏する。

0017

前記段階(b)は、前記段階(a)で作製した磁性粉末を加圧焼結する段階であってもよい。

0018

前記加圧焼結する段階は、焼結を行える方法であれば適用することができ、特にその方法を制限するわけではないが、例えば、ホットプレス焼結熱間静水圧焼結放電プラズマ焼結、炉焼結、マイクロ波焼結、又はそれらを組み合わせた方法などを適用することができる。

0019

前記加圧焼結する段階は、300〜800℃の温度、30〜1000MPaの圧力の条件で行ってもよい。前記温度で加圧焼結を行った場合、前記非磁性合金が一次的に前記磁性粉末中の結晶粒の界面に分布することになり、それぞれの前記磁性粉末が密集して緻密な構造を有する焼結体が得られる。ただし、この場合も、前記焼結体中の粉末粒子の形状が依然として球状又はその他の不規則な形状であることがあり、単に粉末粒子が緻密に密集した構造であることがあるので、それぞれの粉末中の磁区の磁化方向が一致せず、全体として磁気特性が発現しない状態であり得る。この場合、前記磁性粉末の粒子中の結晶粒の大きさは、約30〜100nmであってもよい。

0020

前記段階(c)は、前記段階(b)で成形した焼結体を所定の温度及び所定の圧力の条件で熱間加圧変形する段階であってもよい。

0021

前記段階(c)は、前記加圧焼結においてより高い温度及び圧力で行う段階であって、緻密に成形した磁石を圧縮する段階であってもよいので、前記焼結体中の密集状態の粒子の磁化容易軸が圧力方向と同じ方向に回転し、粒子の大部分が圧力方向に垂直な方向に成長して幅が大きくなる段階であって、四方開放又は閉塞された装置で行われるようにしてもよい。前記焼結体の厚さが薄くなり、前記焼結体の幅が大きくなるように、圧力が加わる方向に垂直な四方が開放された装置で行われるようにしてもよい。

0022

前記加圧焼結工程では、前記磁性粉末が緻密化した焼結体が形成され、前記熱間加圧変形工程では、高い圧力により強く圧縮されて前記磁性粉末の粒子とその内部に存在する約30〜100nmの大きさを有する結晶粒が板状に変形し、その板状に変形した結晶粒は、結晶学的特性により磁化方向が一方向に整列されて異方性を有することになり、磁気特性を発現することになる。

0023

前記熱間加圧変形する段階は、500〜1000℃の温度、50〜1000MPaの圧力の条件で行ってもよい。前記熱間加圧変形の変形率を約50〜80%にして行ってもよいが、当該変形率は前記温度及び圧力の範囲で達成することができる。すなわち、温度が500℃未満であるか又は圧力が50MPa未満であるので変形率が30%未満の場合は、粒子及び結晶粒が結晶学的特性により磁化方向が整列される程度の板状に変形せず、温度が1000℃を超えた場合は、急激な粒子成長が生じる。

0024

このように、前記方法は、外部磁場を印加する磁場成形段階を含まないものであってもよい。本発明のように、熱間加圧変形による継続的な圧縮により結晶粒を板状に変形させた場合、外部磁場を印加して磁石に磁場を付与しなくても、結晶学的に板状結晶粒は磁化方向が一方向に整列されるので、残留磁束密度を向上させることができる。よって、磁場付与装置や磁場成形などの段階を必要としないので、工程コスト及び装置コストが低減されるという効果が得られる。

0025

また、本発明の製造方法においては、融点が0℃超、850℃以下の非磁性合金を、前記段階(a)におけるR−TM−B合金の作製時又は前記段階(b)における加圧焼結前に添加するようにしてもよい。

0026

前記非磁性合金は、前記結晶粒の界面に含まれ得るものであって、添加時点において特に制限事項はないが、熱間加圧変形が行われる前に添加されればよく、加圧焼結が行われる前に添加されることが好ましい。

0027

前記非磁性合金としては、主相のR−TM−B系磁性粉末に対する固溶度が低いので結晶粒の内部に浸透せず、結晶粒の界面に均一に分布しやすいものであれば、制限なく適用することができる。

0028

前記非磁性合金は、低融点合金であって、融点が0℃超、850℃以下のものであってもよく、融点が400〜700℃のものであることが好ましい。

0029

前記非磁性合金の融点が前記温度の範囲にある場合、前記段階(b)における加圧焼結工程中又は前記段階(c)における熱間加圧変形工程中の温度の範囲より低い場合がほとんどであり、それにより、拡散が容易になり、その結果、前記磁性粉末の粒子の表面にコーティングされた前記非磁性合金が前記拡散により内部の前記結晶粒の界面に均一に分布することになる。

0030

前記非磁性合金は、化学式2で表される。

0031

0032

(ここで、Tは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択されるいずれかの元素であり、Mは、Cu、Al、Sb、Bi、Ga、Zn、Ni、Mg、Ba、B、Co、Fe、In、Pt、Ta及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの金属元素であり、aは、0<a<1の実数である)
前記非磁性合金の適用可能性を制限するわけではないが、使用頻度やその他の事情などを考慮すると、例えば、それらの合金の共融点が一般的に400〜700℃であるNd系合金やPr系合金などを適用することが好ましい。

0033

具体的には、前記非磁性合金は、Nd0.84Cu0.16、Nd0.7Cu0.3、Nd0.85Al0.15、Nd0.08Al0.92、Nd0.03Sb0.97、Nd0.8Ga0.2、Nd0.769Zn0.231、Nd0.07Mg0.93、Pr0.84Cu0.16、Pr0.7Cu0.3、Pr0.85Al0.15、Pr0.08Al0.92、Pr0.03Sb0.97、Pr0.8Ga0.2、Pr0.769Zn0.231、Pr0.07Mg0.93、Bi、Ga、Ni、Co及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかを含むものであってもよいが、例えば、融点520℃のNd0.7Cu0.3、融点635℃のNd0.85Al0.15、融点640℃のNd0.08Al0.92、融点626℃のNd0.03Sb0.97、融点651℃のNd0.8Ga0.2、融点632℃のNd0.769Zn0.231、融点545℃のNd0.07Mg0.93を適用することができ、Ndリッチ相の融点である655℃よりも融点が低い合金を適用することが好ましい。

0034

このように、前記非磁性合金を添加して熱間加圧変形磁石を製造する場合、加圧焼結工程と熱間加圧変形工程における高温及び高圧により液相となったNdリッチ相を通じてNd−TM−B結晶が拡散してNd−TM−B結晶のa軸に沿って成長するが、Ndリッチ相にNdとの共融点が存在する前記非磁性合金を添加すると、前述したように、従来の加圧焼結と熱間加圧より約100〜200℃低い相対的な低温で加圧焼結工程と熱間加圧変形工程を実行することができる。

0035

すなわち、Ndリッチ相にNdとの共融点が存在する前記非磁性合金を添加すると、従来の単独のNdリッチ相の融点である655℃よりも融点をさらに下げることができ、融点が低くなることにより、前記主相のNd−TM−B結晶相が分解、拡散、成長する過程がさらに低い温度で行われることになり、その低い温度で低融点金属化合物が前記主相のNd−TM−B結晶の表面欠陥をなくすことになると共に、結晶粒の粗大化も生じにくくなり、終局的には保磁力の向上をさらに図ることができる。

0036

前記段階(b)における加圧焼結前に前記非磁性合金を添加する場合、前記非磁性合金の粉末と前記磁性粉末とは乾式や湿式など、いずれの方法で混合してもよく、前記非磁性合金を前記磁性粉末の表面に均一に塗布することができれば、特に制限されることなく混合方法を選択することができる。

0037

また、湿式の場合は、溶媒に両粉末を添加して均一に分散させ、その後溶媒を乾燥させる方法を適用することができる。ここで、前記溶媒としては、水分又は炭素を含まないものであって、磁性粉末の酸化と磁気特性の劣化を最小限に抑えることができるものを選択することができ、このような条件を満たす溶媒であれば、特に制限なく適用することができる。

0038

従来のように、製造された磁石の表面に非磁性合金をコーティングして内部への非磁性合金の拡散を誘導する場合、非磁性合金の拡散が磁石の表面から起こるため、非磁性合金が内部の結晶粒の界面、すなわち磁石の中心部まで十分に分布しないので、磁気遮蔽効果が大きく得られないことがある。

0039

それに対して、本発明においては、前記非磁性合金と前記磁性粉末とを混合することにより前記非磁性合金がそれぞれの前記磁性粉末の表面に分布することになるので、加圧焼結時には、一次的にそれぞれの前記磁性粉末の表面に分布した前記非磁性合金が前記磁性粉末の内部に浸透拡散して前記結晶粒の界面に分布することになる。すなわち、前記非磁性合金の拡散が前記磁性粉末の表面から始まるため、磁石の内部と外部のどちらでも均一かつ完全に磁気遮蔽がなされ、従って、保磁力の向上を図ることができる。

0040

前記非磁性合金は、前記磁性粉末に対して0.01〜10重量%含まれてもよい。前記非磁性合金が0.01重量%未満含まれてその量が少ない場合は、前記磁性粉末中に含まれる結晶粒の界面に十分に分布するには少ない量であるので、結晶粒の磁気遮蔽が正常になされず、前記非磁性合金が10重量%を超えて含まれる場合は、過剰量の添加により前記非磁性合金のみ凝集して不要な非磁性相が磁石内に存在することになり、磁気特性に悪影響を及ぼす恐れがある。

0041

本発明による熱間加圧変形磁石の製造方法は、前記段階(b)において前記非磁性合金を添加する場合は、前記段階(b)と前記段階(c)との間に、前記焼結体に追加熱処理を行う段階をさらに含むようにしてもよい。当該段階における熱処理は、400〜800℃の温度で行われてもよく、また、24時間以下で行われてもよい。前記熱処理の温度及び処理時間は、前記添加される非磁性合金の融点に応じて調整すればよいが、前記熱処理の温度が800℃を超えると、結晶粒の界面に分布した非磁性合金の存在により結晶粒間の成長が起こり、結晶粒が粗大化する恐れがあるので、前記熱処理は、前記温度の範囲で行われることが好ましい。

0042

このような追加熱処理は、前記非磁性合金を前記磁石の内部及び外部の結晶粒の界面のどちらにも均一に分布させる段階であって、均一に分布させることによりさらに完全な磁気遮蔽効果を誘導し、このような熱処理により、最終的に製造される磁石の保磁力をさらに向上させることができる。

0043

前述したように、結晶粒の界面への非磁性合金の浸透拡散は一次的に加圧焼結時に起こり、熱間加圧変形時には磁性粉末の表面に分布した非磁性合金が二次的にその内部の結晶粒の界面に浸透拡散するので、非磁性合金がより均一に結晶粒の界面に分布することになる。

0044

一方、磁石の保磁力を向上させる方法としては、磁石の内部に存在する粒子を単磁区の大きさになるまで微細化して製造過程での結晶粒間の成長による結晶粒の粗大化を防止する方法や、粉末粒子の界面だけでなく粉末粒子の内部に含まれる結晶粒の界面にも非磁性相を分布させて粉末粒子や結晶粒を孤立させることにより磁気遮蔽効果を誘導する方法がある。

0045

本発明においては、前記非磁性合金と前記磁性粉末とを事前に混合して粉末粒子の内部への浸透拡散を数回誘導することにより、焼結体の内部において前記非磁性合金が前記粉末粒子の界面だけでなくその内部の結晶粒の界面にも分布し、前記非磁性合金により粒子間又は結晶粒間の孤立が起こるので、保磁力が大幅に向上する。

0046

また、保磁力と共に磁石の性能を評価する尺度として、各結晶粒又は磁区の磁化方向の整列度といえる残留磁束密度に影響を及ぼすことができ、このような熱間加圧変形により結晶学的特性を利用してそれぞれの磁区の磁化方向を一方向に整列することができ、優れた残留磁束密度を有することになる。

0047

さらに、Ndリッチ相の融点を下げて加圧焼結工程及び熱間加圧工程の温度を下げることによって、結晶粒の粗大化又は容易な非磁性合金の拡散により保磁力を向上させることもでき、非磁性合金と磁性粉末とを混合して製造する場合は、非磁性合金を磁石の表面ではなく磁性粉末の表面に分布させて粉末粒子の内部の結晶粒の界面に容易に拡散させて結晶粒を完全に覆わせることによって、確固たる磁気遮蔽を達成して保磁力を向上させることができる。

0048

本発明の他の実施形態によるR−TM−B系(Rは、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの希土類金属であり、TMは、遷移金属を意味する)熱間加圧変形磁石は、異方化された板状結晶粒と、前記結晶粒の界面に分布した非磁性合金とを含む。

0049

前記R−TM−B系熱間加圧変形磁石は、化学式1で表される。

0050

0051

ここで、R’及びR’’は、Nd、Dy、Pr、Tb、Ho、Sm、Sc、Y、La、Ce、Pm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、Lu及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれかの希土類金属であり、xは、0≦x≦1.0の実数である)。

0052

前記粒子の内部に存在する異方化された板状結晶粒は、その長軸が100〜1000nmのものであってもよい。

0053

前記非磁性合金に関する全ての内容、前記異方化された結晶粒に関する内容、及びそれを含む板状粒子に関する内容は、前述した熱間加圧変形磁石の製造方法における説明と重複するので省略する。

発明の効果

0054

本発明による熱間加圧変形磁石の製造方法は、加圧焼結を行う前に非磁性合金を添加し、熱間加圧変形段階を導入することにより、非磁性合金を磁性粉末の粒子内部の結晶粒の界面まで分布させることができ、その結果、非磁性合金により粒子間又は結晶粒間の孤立が起こるので、より経済的な工程で保磁力及び残留磁束密度が向上した熱間加圧変形磁石を製造することができる。

図面の簡単な説明

0055

比較例1(a)、実施例2(b)及び実施例3(c)で製造された永久磁石の結晶粒系のTEM観察写真である。
実施例2(a)及び実施例3(b)で製造された永久磁石のEDSマッピング分析写真である。
実施例4−3の熱処理前(a)及び熱処理後(b)のSEM観察写真である。

0056

以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、様々な異なる形態で実現することができる。

0057

実施例1:磁性粉末の作製
原材料のNd−Fe−B系粉末(Nd30B0.9Co4.1Ga0.5FeBal.)を溶融し、当該溶融液を高速で回転する冷却ロール注入してリボン状の合金を作製した(溶融紡糸工程)。当該ローリング工程で生成されたリボン状のインゴットをスタンプミルでミリングして約200μmの大きさになるように粉砕し、磁性粉末を作製した。

0058

実施例2:非磁性合金を含む熱間加圧変形磁石の製造
非磁性合金としてNd0.84Cu0.16を磁性粉末に対してそれぞれ0.5重量%(実施例2−1)、1.0重量%(実施例2−2)及び1.5重量%(実施例2−3)添加し、当該粉末をそれぞれの磁性粉末(上記実施例1で作製したもの)と乾式で混合した。

0059

その後、成形(加圧焼結)のために混合した粉末を押出モールドに注入し、ホットプレスにより約150MPaの圧力、約700℃の温度で99%の相対密度になるように加圧して加圧焼結を行った。

0060

次に、モールドから押し出されて成形された焼結体に対して、四方が開放されたプレス装置を用いて約750℃で圧力を加え、磁性粉末中の結晶粒が板状になるように約70%の変形率で熱間加圧変形を行った。加圧により、各粉末粒子中に含まれる結晶粒の磁化方向が一方向に整列された。こうすることにより、非磁性合金がそれぞれ0.5、1.0及び1.5重量%含まれる異方性熱間加圧変形磁石(それぞれ実施例2−1〜2−3)を製造した。

0061

実施例3:非磁性合金を含む熱間加圧変形磁石の製造
非磁性合金としてNd0.84Cu0.16(重量%)の代わりにPr0.84Cu0.16を用いたことを除いては、上記実施例2と同じ方法で異方性熱間加圧変形磁石を製造した。

0062

実施例4:追加熱処理を行う熱間加圧変形磁石の製造
上記実施例2(実施例2−1、2−2及び2−3)において加圧焼結を行った焼結体に対して、約575℃の温度で約2時間追加熱処理を行ったことを除いては、上記実施例2と同じ方法で熱間加圧変形磁石(それぞれ実施例4−1〜4−3)を製造した。

0063

比較例1:非磁性合金を添加しない熱間加圧変形磁石の製造
上記実施例1で製造した磁性粉末に非磁性合金を添加しないこと以外は、上記実施例2と同様に製造した。

0064

評価例 1)電子顕微鏡を用いた内部構造観察
上記実施例2及び3の熱間加圧変形磁石、並びに上記比較例1に対して、その内部構造を透過電子顕微鏡TEM)により撮影し、その写真を図1に示す。図1から、上記比較例1の磁石は結晶粒を覆っている形状が観察されなかったが、上記実施例2及び3の磁石は結晶粒の界面にNdリッチ相が存在することが確認された。

0065

2)組成分析
上記実施例2及び3の熱間加圧変形磁石に対して、EDSマッピング分析を行い、その結果を図2に示す。図2から、上記実施例2及び3の熱間加圧変形磁石の内部に低融点金属化合物であるNd系化合物又はPr系化合物が含有されていることが確認された。

0066

3)磁気特性評価
上記実施例2〜4の熱間加圧変形磁石、並びに上記比較例1及び2の焼結磁石に対して、VSM(vibrating sample magnetometer, Lake Shore #7410 USA)を用いて磁石の性能の尺度である保磁力及び残留磁束密度を評価し、その結果値を下記表1に示す。

0067

0068

上記表1から、上記実施例4のように追加熱処理を行った場合は、非磁性合金が結晶粒の界面にさらに均一に分布することにより、上記実施例2及び3の磁石よりも保磁力が約10〜15%向上したことが確認された。

0069

また、図3から、熱処理前に比べて、熱処理後に、添加物が粉末内部の結晶粒の界面にさらに拡散したことが確認された。

0070

よって、非磁性合金が結晶粒の界面を覆っていない比較例1の磁石は、磁気遮蔽が完全になされず、Ndリッチ相が結晶粒の外部に流出するので、保磁力が低いことが確認されたのに対して、非磁性合金を添加することにより非磁性合金が結晶粒の界面を覆って磁気遮蔽が完全になされた上記実施例2〜4は、保磁力が向上したことが確認された。

実施例

0071

以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、添付の請求の範囲で定義される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に含まれる。

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